IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ロスマ・ソシエタ・ペル・アチオニの特許一覧

特表2022-529038HVACシステムをモニタリングするための電子センサ
<>
  • 特表-HVACシステムをモニタリングするための電子センサ 図1
  • 特表-HVACシステムをモニタリングするための電子センサ 図2
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-16
(54)【発明の名称】HVACシステムをモニタリングするための電子センサ
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/39 20180101AFI20220609BHJP
【FI】
F24F11/39
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021561806
(86)(22)【出願日】2020-01-10
(85)【翻訳文提出日】2021-12-09
(86)【国際出願番号】 IB2020050177
(87)【国際公開番号】W WO2020212763
(87)【国際公開日】2020-10-22
(31)【優先権主張番号】102019000006026
(32)【優先日】2019-04-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516023711
【氏名又は名称】ロスマ・ソシエタ・ペル・アチオニ
【氏名又は名称原語表記】LOSMA S.P.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ビーニャ・グラップ,ロレンツォ
(72)【発明者】
【氏名】カステレッティ,フランチェスコ
【テーマコード(参考)】
3L260
【Fターム(参考)】
3L260BA62
3L260CB83
(57)【要約】
空調システムをモニタリングするための電子センサ(1)は、当該システムの特定の箇所における差圧を連続して取得するように適合させた少なくとも1つの圧力検出器(3)と、差圧の変化に関連する傾向曲線の連続的な検証のための手段(10)とを備え、この手段は、傾向曲線の反転が識別された場合に、予め定められた特定の百分率値を限界として使用して、アラーム状態を生成するために設けられている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空調システムをモニタリングするための電子センサ(1)であって、前記電子センサ(1)は、
前記システムの特定の箇所における差圧を連続して取得するように適合させた少なくとも1つの圧力検出器(3)と、
差圧の変化に関連する傾向曲線の連続的な検証のための手段(10)とを備え、前記手段は、前記傾向曲線の反転が識別された場合に、予め定められた特定の百分率値を限界として使用して、アラーム状態を生成するために設けられている、電子センサ。
【請求項2】
視覚的シグナリング手段を備えることを特徴とする、請求項1に記載のセンサ。
【請求項3】
電気的シグナリング手段を備えることを特徴とする、請求項2に記載のセンサ。
【請求項4】
空調システムを制御する方法であって、前記方法は、
電子センサ(1)が前記空調システムの抽出器の動作中の圧力値をモニタリングするステップを含み、前記電子センサ(1)は、前記システムの特定の箇所における差圧を連続して取得するように適合させた電子圧力検出器(3)を備え、前記方法はさらに、
前記取得した差圧の変化に関連する傾向曲線を連続して検証するステップと、
前記傾向曲線の反転が識別された場合に、予め定められた百分率値を限界として使用して、アラーム信号を生成するステップとを含む、方法。
【請求項5】
前記差圧は、前記システムの2つの異なる箇所において識別される圧力変化である、請求項4に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空調システム(aeraulic system)をモニタリングするための電子センサに関する。より具体的には、本発明は、産業用システムにおける差圧を取得して処理するため、および、特定用途に基づいて計算される動作を生成して割り当てるための電子センサに関する。
【背景技術】
【0002】
入力における空調システムと、フィルタリング手段と、産業用抽出器と、さらに他のフィルタリング手段とを備えた産業用システムにおいて、システムの動作の即時フィードバック、特に産業用抽出器の状態の即時フィードバックが可能であることが重要であるのは、周知である。
【0003】
空調システムは、予め設定された条件において所望の空気品質を提供するために必要な、一組の装置、デバイス、附属機器である。
【0004】
そのためには、空気の処理を慎重にモニタリングすることによってその適切な品質を保証しなければならない。通常は、システムの動作パラメータを取得し何らかの異常を外部のオペレータに報告するセンサが設けられる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の意図は、空調システムと、産業用抽出器と、フィルタリング手段とによって構成されたシステムの状態および動作をモニタリングすることを可能にする、空調システムをモニタリングするための電子センサを提供することにある。
【0006】
この意図に含まれる、本発明の目的は、可視信号および電気信号の双方を提供することと、標準プロトコルで通信モジュールと統合することとを可能にする、空調システムをモニタリングするための電子センサを提供することである。
【0007】
本発明の別の目的は、予め設定されたパラメータを超過した場合にアラーム状態を提供することが可能な、空調システムをモニタリングするための電子センサを提供することである。
【0008】
特に、本発明の目的は、信頼度が高く、比較的簡単にかつ競争力のあるコストで提供される、空調システムをモニタリングするための電子センサを提供することである。
【0009】
以下で明らかになるこの意図ならびにこれらのおよびその他の目的は、空調システムをモニタリングするための電子センサによって達成され、この電子センサは、システムの特定の箇所における差圧を連続して取得するように適合させた少なくとも1つの圧力検出器と、差圧の変化に関連する傾向曲線(trend curve)の連続的な検証のための手段とを備え、当該手段は、傾向曲線の反転が識別された場合に、予め定められた特定の百分率値を限界(limit)として使用して、アラーム状態を生成するために設けられている。
【0010】
本発明のさらに他の特徴および利点は、添付の図面において非限定的な例として示される、本発明に係るセンサの好ましいが排他的ではない実施形態の説明から、より明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明に係るセンサを有する空調システムの概略図である。
図2】本発明に係るセンサを使用する方法のステップの図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図面を参照して、本発明に係る、参照番号1で包括的に示される電子センサは、空調回路の特定の箇所における差圧を連続して取得するために電子圧力検出器3が設けられたマイクロプロセッサセンサ2を含む。
【0013】
図1は、2つのフィルタリング手段5の間に、すなわち入力空調システム6の下流に配置されたフィルタリング手段と出力空調システム7の上流に配置されたフィルタリング手段との間に挿入された産業用抽出器を、参照番号4で示す。
【0014】
入力空調システム6はユーザシステム8の下流に配置されている。
さらに、センサ1には自己学習機能が備わっており、この自己学習機能は、空調システムの動作および構成の正確な状態において実行される自発的なマニュアル動作で得られる所与の圧力値を取得することを可能にする。取得した値は、後続のシステム動作状態検証の場合の基準値として、センサ管理ファームウェアにおいて記録され使用される。
【0015】
マイクロプロセッサは、差圧の変化に関連する傾向曲線の連続的な検証のための手段10を含む、すなわち、マイクロプロセッサは、一連のステップにおいて構成される傾向反転制御についてのロジックを有するようにプログラムされ、上記ステップでは、最初に、システムの抽出器4の動作中の圧力値をモニタリングおよび記録し、考慮される差圧の変化に関連する傾向曲線を連続的に検証する。
【0016】
センサのマイクロプロセッサのファームウェアは、傾向曲線の反転を識別した場合に、考慮される抽出器の種類に応じて定められ区別された特定の百分率値を限界として使用して、アラーム信号を生成する。
【0017】
過剰圧力の取得ロジックは、以下の2つの異なる機能に分割される。
-設定ポイントから差圧センサの限界までの設定可能な動作範囲をカバーする過剰圧力(1)。この機能は、設定ポイントに対して固定された百分率しきい値によって管理される。
【0018】
-設定ポイントから0Paまでの設定可能な動作範囲をカバーする過剰圧力(2)。この機能は、時間t(n+1)で検出された圧力を時間t(n)で取得された圧力と比較する、設定可能な百分率しきい値によって管理される。圧力の記録と記録との間に経過する時間(Δt)は、ユーザが定めることができる。時間t(n+1)における圧力を、時間t(n)で取得された圧力と比較し、傾向の反転が発生した場合、この機能はアラームを返す。t(n)後の時間Δt後の各瞬間において、取得された圧力は、保存され、次の比較のための新たな基準点となり、設定された百分率しきい値を、アラームを与えるためのコントロール手段として保持する。
【0019】
以下のチャートは、システム状態が変化するときの抽出器曲線をグラフで表し、先に説明した過剰圧力の場合の2つの異なる異常を明らかにする。
【0020】
【表1】
【0021】
したがって、センサは、2つのフィルタリング手段5の間に挿入された産業用抽出器4を提供する空調型のシステムにおいて使用される。
【0022】
センサ1は、
抽出器の状態および公称動作を検証し、
フィルタリング手段5の目詰まり状態をモニタリングし、異なる目詰まりレベルを区別し、
先に説明した「傾向反転」制御の数学的関数に基づいて、空調システムの段階的な目詰まりの状態をモニタリングし、
システムの突然の傷害から導き出される、空調システムの異常状態をモニタリングし、
切り離された抽出器から、またはフィルタが設置されていないことから、またはダクトの継手の欠落から導き出される、システムの異常状態をモニタリングし、
フィルタリング手段の交換および時間をモニタリングする。
【0023】
マイクロプロセッサが実行した処理の結果は、利用可能な信号に変換され、これらの信号は、そのオペレータの特定の信号の関数として起動される異なる色の高輝度LEDのグループとして得られる視覚タイプ、または、センサのユーザが提供し得る相互接続信号を介して得られる電気的信号の双方であり得る。
【0024】
さらに、センサは、内部システムおよび外部システムとの情報交換のために公的に利用可能であり、国際的に認識されているプロトコルを用いて通信モジュールと統合するために予め設定される。
【0025】
センサが提供する信号は、以下の2種類の信号とすることができ、これらの信号は、
動的信号、すなわち、マイクロプロセッサのシステム内のファームウェアが識別した状態に対応して自動的にアクティブ化および非アクティブ化される信号、および、
自己保持信号、すなわち、マイクロプロセッサのファームウェアが識別した関連状態が発生した場合にアクティブ化されオペレータが実行できるマニュアルリセット介入までアクティブな状態を保つ信号、である。
【0026】
実際、本発明に係る電子センサは、空調システムのモニタリングを実行すること、特に、考慮される差圧関係に関して傾向反転制御を実行することが可能であることが判明した。
【0027】
本発明に係るセンサは、傾向曲線の反転を識別した場合に、考慮される抽出器の種類に応じて区別された、定められた特定の百分率値を限界として使用して、アラーム信号を生成することが可能である。
【0028】
傾向反転制御は、空調システムにおける抽出器システムの実際の動作に関して高い安全度を維持することを可能にする。
【0029】
本発明に係るセンサによって実行可能な方法が提供するステップは、
システムの所与の箇所における差圧を連続して取得するように適合させた電子圧力検出器3が設けられた電子センサ1が、空調システムの抽出器4の動作中の圧力値をモニタリングするステップと、
取得した差圧の変化に関連する傾向曲線を連続して検証するステップと、
傾向曲線の反転が識別された場合に、予め定められた百分率値を限界として用いてアラーム信号を生成するステップとを含む。
【0030】
このようにして考案されたセンサには、数多くの修正および変形が可能であり、これらはすべて添付の請求項の範囲に含まれる。
【0031】
すべての詳細事項は、さらに、その他の技術的に均等である要素に置き換えられてもよい。
【0032】
実際、使用される材料ならびに可能な形状および寸法は、必要条件および最新技術に応じた任意のものであってもよい。
【0033】
本願が優先権を主張する基礎となるイタリア特許出願第102019000006026号の開示を本明細書に引用により援用する。
【0034】
いずれかの請求項に記載されている技術的特徴に参照符号が付されている場合、これらの参照符号は、請求項を理解し易くすることのみを目的として含まれているのであり、したがって、このような参照符号は、このような参照符号が一例として特定する各要素の解釈に対し、これを制限するような影響を、一切及ぼさない。
図1
図2
【国際調査報告】