(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-16
(54)【発明の名称】ノズルにおける堆積についてノズル口金を監視する方法
(51)【国際特許分類】
B05B 7/06 20060101AFI20220609BHJP
【FI】
B05B7/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021561820
(86)(22)【出願日】2020-03-11
(85)【翻訳文提出日】2021-10-21
(86)【国際出願番号】 EP2020056547
(87)【国際公開番号】W WO2020212027
(87)【国際公開日】2020-10-22
(31)【優先権主張番号】102019205737.3
(32)【優先日】2019-04-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390009438
【氏名又は名称】グラット ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Glatt GmbH
【住所又は居所原語表記】Werner-Glatt-Str. 1, D-79589 Binzen, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【氏名又は名称】石田 大成
(74)【代理人】
【識別番号】100208258
【氏名又は名称】鈴木 友子
(72)【発明者】
【氏名】ノーヴァク・ラインハルト
(72)【発明者】
【氏名】シュタインケ・ラルス
【テーマコード(参考)】
4F033
【Fターム(参考)】
4F033QA01
4F033QB02Y
4F033QB09X
4F033QB12Y
4F033QD21
4F033QD25
4F033QE30
4F033QK02X
4F033QK08X
4F033QK11
(57)【要約】
本発明は、材料、特に分散液、乳濁液又は懸濁液を噴霧するノズル(101)における堆積についてノズル口金(106)を監視する方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ノズル口金(106、206、306、1006)を有するノズルボディ(104、304)を備え、
ノズルボディ(104、304)は、噴霧されるべき物質用の導入部に接続された、内壁部(114)と出口開口(107、207、307、807、1007)とを有する内管(102、202、302、402、802、902、1002)と、内管(102、202、302、402、802、902、1002)に対して間隔を置いた、気体用の導入部に接続された、出口開口(109、209、309、809、909、1009)を有する外管(103、203、303、503、603、703、803、903、1003)とを具備し、
内管(102、202、302、402、802、902、1002)の出口開口(107、207、307、807、1007)と外管(103、203、303、503、603、703、803、903、1003)の出口開口(109、209、309、809、909、1009)とが、ノズル口金(106、206、306、1006)の領域に配置されている、
物質、特に分散液、乳濁液又は懸濁液を噴霧するノズル(101、201、301、401、501、601、701、801、901、1001)における堆積についてノズル口金(106、206、306、1006)を監視する方法において、
内管(102、202、302、402、802、902、1002)又は外管(103、203、303、503、603、703、803、903、1003)に、インレー(113、213、313、413、513、613、713、813、913、1013)が配置されていて、インレー(113、213、313、413、513、613、713、813、913、1013)は、内管(102、202、302、402、802、902、1002)の出口開口(107、207、307、807、1007)から流出する、噴霧されるべき物質及び/又は外管(103、203、303、503、603、703、803、903、1003)の出口開口(109、209、309、809、909、1009)から流出する気体によって振動可能であり又は振動させられ、これにより、噴霧されるべき物質及び/又は気体の出口領域(112、212、312、412、512、612、712、812、912、1012)における堆積が最小限に抑えられる又は阻止されるように、配置されていて、コントロールユニット(35)に接続されたセンサ(134)が、堆積についてノズル口金(106、206、306、1006)を監視し、信号をコントロールユニット(35)に伝送し、コントロールユニット(135)は、センサ(134)によって、噴霧されるべき物質及び/又は気体の出口領域(112、212、312、412、512、612、712、812、912、1012)における堆積が特定されると、信号を、装置(136)に伝送することを特徴とする、方法。
【請求項2】
堆積についてのノズル口金(106、206、306、1006)の監視を、ノズル(101、201、301、401、501、601、701、801、901、1001)の外側に又は内側に配置されたセンサ(134)によって行うことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
方法が、複数のセンサ(134)を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
センサ(134)は、相互に独立して作動することを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
センサ(134)が、コントロールユニット(135)に信号を伝送し、コントロールユニットは、閾値を上回ると、信号を装置(136)に伝送することを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
センサ(134)が、光学センサ(134)又は物理的な測定値を検出するセンサ(134)、特に圧力センサであることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
コントロールユニット(135)から信号を受信する装置(136)が、発振ユニット又は脈動ユニットであることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
発振ユニットが、ノズル(101、201、301、401、501、601、701、801、901、1001)に接続されていて、コントロールユニット(135)から信号を受信すると、ノズル(101、201、301、401、501、601、701、801、901、1001)が、振動させられるので、ノズル口金(106、206、306、1006)における堆積物が剥離することを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
脈動ユニットが、流体チャネル(105、305、1005)内でガイドされる、噴霧されるべき物質及び/又は環状間隙(108、208、308、408、508、608、708、1008)内でガイドされる気体に、コントロールユニット(135)から信号を受信すると、脈動を形成するので、ノズル口金(106、206、306、1006)における堆積物が剥離することを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ノズル口金を有するノズルボディを備え、ノズルボディは、噴霧されるべき物質用の導入部に接続された、内壁部と出口開口とを有する内管と、内管に対して間隔を置いた、気体用の導入部に接続された、出口開口を有する外管とを具備し、内管の出口開口と外管の出口開口とが、ノズル口金の領域に配置されている、物質、特に分散液、乳濁液又は懸濁液を噴霧するノズルにおける堆積についてノズル口金を監視する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば造粒、タブレット及びペレットのコーティング、並びにペレットの直接の製造等の産業用プロセスでは、ノズル又は噴霧ノズルが、極めて頻繁に使用される。その際、粒子に、層及び/又は膜が被覆される。通常、固形物が溶解されている又は懸濁されている液体が噴霧される。噴霧プロセスは、数時間継続し得る。霧化によって、液体ジェットが、小さな滴に霧化される。その際に生じる滴径は、製造プロセス及び/又は噴霧プロセスにとって極めて重要である。滴が小さすぎると、滴が目標位置に至る前に乾燥するおそれがあり、滴が大きすぎると、所望されない凝集物が生成されるおそれがある。プロセスに起因する、ノズルの手前のスワールによって、特に噴霧プロセスが長く続くとき、ノズル開口に堆積、すなわち目やにの形成が生じ得る。堆積物が、スプレの対称性及び滴径に影響を及ぼすので、例えば噴霧乾燥及び/又は局所的な過剰な湿分及び凝集等の所望されないプロセス作用が生じる。滴径は、さらに、噴霧されるべき物質用の導入部又は気体、特に霧化気体用の導入部において、被覆されるべき又は処理されるべき粒子が堆積する又は固着することによって影響が及ぼされ得る。そのような堆積又は固着は、特に、粒子がノズルの出口開口に至り、これにより出口開口を閉塞することによって、例えば装置、特に流動化装置又はドラムコータの充填時に噴霧されない時間区分で起こり得る。
【0003】
以下の従来技術は、ノズル、特にノズル口金における所望されない堆積を阻止する又は少なくとも最小限に抑える技術的な解決手段をなしている。
【0004】
欧州特許第1497034号明細書は、自己洗浄噴霧ノズルを開示し、特に、コントロールされた凝集方法による粒子材料の製造のための装置に用いるための自己洗浄ノズルを開示する。自己洗浄噴霧ノズルは、中央管を備え、中央管は、液体を供給するための中央通路を有し、中央通路は、液体を放出するためのオリフィスに開口し、中央管を囲む第二管を備え、これにより、中央管と第二管のと間に一次空気を供給するための第一通路が形成されていて、ノズル錐体を備え、ノズル錐体は、第二管の端に配置されていて、第一通路の第一放出間隙の外周を形成し、これにより、第一通路を通って供給された空気が液体と混合され、これにより、液体/気体噴霧が形成され、第二管を囲む第三管を備え、これにより、第二管と第三管との間に二次空気を供給するための第二通路が形成されていて、第三管の端に配置された外装を備え、外装は、第二通路の第二放出間隙の外周を形成し、この場合、ノズル錐体は、第一放出間隙の大きさを調整するために、第二管の端に変位可能に配置されている。
【0005】
国際公開第2013/010930号には、ノズルハウジングと、ノズルハウジング内に配置された、マルチピースに構成されたノズルヘッドとを備える、流体を噴霧する自己洗浄ノズルが記載されていて、ノズルヘッドは、流体用の出口開口を有する流れチャネルを囲繞し、ノズルヘッドは、固定の少なくとも1つのヘッド要素と、摺動可能に支持された少なくとも1つのヘッド要素とを有し、ヘッド要素は、出口開口の一部をそれぞれ形成し、摺動可能なヘッド要素は、通常動作中、流体圧によって、流体の流れ方向に位置するストッパに押し付けられ、自己洗浄中、流体圧が低下した状態で、ばねによって、流れ方向とは逆向きに押し付けられる。
【0006】
独国特許出願公開第4324731号明細書は、圧縮媒体源から到来する流体を噴霧する自己洗浄噴霧ノズルを開示し、ここでは、管状の取付具が設けられていて、取付具は、その長手方向に延在する内部流路を有し、取付具に、入口及び出口が設けられていて、取付具に、圧力媒体源との接続部を形成する接続装置が設けられていて、入口と出口とを有する管状のステムが設けられていて、ステムを通って流体をガイドでき、ステムの入口は、取付具の出口側の端部に部分的に突出し、取付具に進入する流体が、長手方向に、ステムを通流し、ステムにフランジが設けられていて、スカートを有する弁座が設けられていて、スカートは、内面を有し、内面は、ステムの周りに摺動可能に嵌着されように寸法付けられていて、スカートは、外面を有し、外面は、管状の取付具の出口に嵌着され、これにより、弁座の半径方向位置が固定されるように寸法付けられていて、弁座は、リップをさらに有し、リップは、弁座を、長手方向に、管状の取付具の出口に位置決めし、弁座と管状の取付具の出口との間にシールが形成されるように寸法付けられていて、装置が設けられていて、装置によって、弁座が、強制的に取付具と接触保持され、これにより、長手方向及び半径方向の弁座の変位が阻止され、管状のステムを取り付ける取付装置を有する噴霧ヘッドが設けられていて、噴霧ヘッドは、導出装置を含むとともに、弁座に適合する表面を有し、ばねが設けられていて、ばねは、ステムを包囲するとともに、ステムのフランジに締め付けられていて、これにより、弁座に対する、固定に設定されたプリロードが生成され、ばねは、弁座を、噴霧ヘッドの適合した表面に押し付けるので、弁座と弁ヘッドの適合した表面との間にシールが形成され、これにより、このシールにおける流体の流れが制限され、導出装置は、流体の流れのためのそのような通路を形成し、シールが作製されているとき、流体の流れが、所定のパターンに応じて分散される又は噴霧され、噴霧ヘッドに及ぼされる力は、ばねのプリロードを上回るには十分であって、噴霧ヘッドを、弁座から分離し、これにより、シール作用が解消され、導出装置の洗浄が流体によって実現される。
【0007】
独国特許第10116051号明細書は、流動層設備用の噴霧ノズルを開示し、噴霧ノズルは、ノズルボディと、ノズルキャップと、固形物が加えられる液体用の少なくとも1つの出口開口と、気体用の少なくとも1つの出口開口とからなり、ノズルキャップの周りに、柔軟なクリーニングキャップが配置されていて、ノズルキャップとクリーニングキャップとの間に、ノズルボディ内に配置された圧縮空気チャネルからなる、圧縮空気が加えられるクリーニング空気用の導入部が配置されていて、圧縮空気チャネルは、ノズルボディの外面における環状の切削部とノズルキャップにおける少なくとも1つの横孔とを介して、ノズルキャップの外面における環状の切削部に接続されている。クリーニングキャップは、直接に、密にノズルキャップに当接する。圧縮空気チャネルを介して、調整可能な様々な時間間隔で、又は比較的長い期間にわたって、圧縮空気が加えられるクリーニング空気の導入が行われる。クリーニング空気は、環状の切削部と横孔とを介して、環状の切削部に導入される。環状の切削部を介して、クリーニング空気は、ノズルキャップとクリーニングキャップとの間の全周にわたって導入される。クリーニング空気の圧力衝撃によって、弾性材料からなるクリーニングキャップは、外方へ膨らむので、クリーニング空気は、ノズルキャップの外面とクリーニングキャップの内面との間で噴霧ノズルの出口開口の方へ誘導される。クリーニング空気は、圧力ジェットとして、環状に、全方向から噴霧ノズルのノズル口へ導かれるので、ジェットの衝撃を、損失なく直接に利用でき、乱流が回避される。相応の材料堆積物が、噴霧ノズルにおける出口開口の直接の領域で、クリーニング空気によって吹き飛ばされる。
【0008】
前述の技術的な解決手段の欠点は、従来技術において述べられた自己洗浄ノズルが、それぞれ、多数の部品を有し、これらの部品が組み合わされて複雑で保守が集中するノズルが形成され、これにより、前掲の技術的な解決手段は、その生産及び保守が高価であることである。さらに、堆積又は固結を阻止する、ノズルの技術的な構成にもかかわらず、ノズルに堆積又は固結が生じるおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】欧州特許第1497034号明細書
【特許文献2】国際公開第2013/010930号
【特許文献3】独国特許出願公開第4324731号明細書
【特許文献4】独国特許第10116051号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって本発明の課題は、従来技術の欠点を解消する、自己洗浄ノズルを監視する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この課題は、冒頭で述べた形態のノズルにおいて、内管又は外管に、インレーが配置されていて、インレーは、内管の出口開口から流出する、噴霧されるべき物質及び/又は外管の出口開口から流出する気体によって振動可能であり又は振動させられ、これにより、噴霧されるべき物質及び/又は気体の出口領域における堆積が最小限に抑えられる又は阻止されるように、配置されていて、コントロールユニットに接続されたセンサが、堆積についてノズル口金を監視し、信号をコントロールユニットに伝送し、コントロールユニットは、センサによって、噴霧されるべき物質及び/又は気体の出口領域における堆積が特定されると、信号を、装置に伝送することによって解決される。
【0012】
有利には、本発明による方法によって、自己洗浄ノズルの内管及び外管の出口開口の領域で、ノズル口金における、スプレの対称性及び滴径に影響を及ぼすさらなる堆積又は固結が、監視によって検出され、適切な手段によって阻止する又は少なくとも引き続き最小限に抑えられるので、所望されないプロセス作用、例えば噴霧乾燥及び/又は局所的な過剰の湿分及び凝集が生じることはない。
【0013】
本発明による方法のノズルの他の有利な形態は、従属請求項に述べられている。
【0014】
これについての本発明による方法の一改良形態によれば、堆積についてノズル口金の監視を、ノズルの外側に又は内側に配置されたセンサによって行う。様々なプロセス要求に基づいて、特に構造的に狭い状況、例えば小さな体積を有するドラムコータ等で、センサをノズル内に配置することは多くの場合に有意義である。光学センサ、好ましくはカメラ、特に好ましくはハイスピードカメラが、好ましくはノズル口金をノズルの外側から監視する。これによっても同様に極めて良好な結果が得られる。
【0015】
好ましくは、方法は、複数のセンサを含む。特にこれらのセンサは、相互に独立して作動する。有利には相互に独立していて作動する複数のセンサによって、対称性及び滴径に不都合な影響を及ぼす堆積又は固結をさらに良好に位置特定するかつ確認することができるので、最良に適した手段、例えば振動又は脈動を導入可能である。
【0016】
有利には、センサが、コントロールユニットに信号を伝送し、コントロールユニットは、閾値を上回ると、信号を装置に伝送する。センサは、ノズル口金において、つまり噴霧されるべき物質及び/又は気体の出口開口の領域で、既に最小の堆積物を検出する。センサによる持続的な反応を引き起こさないように、センサに、例えばスプレの質にとってまだ許容可能である、堆積又は固結の最小値を設定できる。閾値を上回ると、信号が、センサからコントロールユニットに伝送されるので、コントロールユニットは、装置に信号を伝送することによって、堆積物を除去する適切な措置を指示する。
【0017】
一層好ましくは、センサが、光学センサ、特にカメラ、特に好ましくはハイスピードカメラ又は物理的な測定値を検出するセンサ、特に圧力センサ又は差圧センサである。光学センサによって、汚染を光学的に検出できる。物理的な測定値を検出するセンサによって、例えば噴霧されるべき物質及び/又は霧化気体の質量流量ひいては体積流量をも差圧から算定できるので、ノズル口金における堆積又は固結を推測できる。ノズル口金における堆積又は固結によって、流体チャネル又は環状間隙における出口開口の手前で圧力が上昇し、ひいては噴霧されるべき物質及び/又は気体の流速が増大するので、閾値又は公差範囲を相応に設定(例えば±10%の偏差)し、これを上回る又は下回ると、コントロールユニットは、装置へ信号を伝送することによって、堆積物を除去する適切な措置を指示する。
【0018】
本発明による方法のさらなる一形態によれば、信号をコントロールユニットから受信する装置は、発信ユニット又は脈動ユニットである。この場合、発信ユニットが、ノズルに接続されていて、発信ユニットは、信号をコントロールユニットから受信すると、ノズルを振動させるので、ノズル口金における堆積物が剥離する。代替的に、脈動ユニットは、コントロールユニットから信号を受信すると、流体チャネル内でガイドされる噴霧されるべき物質及び/又は環状間隙内でガイドされる気体に脈動を形成するので、ノズル口金における堆積物が剥離する。形成される脈動は、特に1Hzから1500Hz、好ましくは25Hzから250Hzの様々な周波数を有してよい。これにより、内管及び外管の出口開口の領域で、ノズル口金における堆積物又は固結物が改善して剥離され、除去される。
【0019】
以下、添付の図面に基づいて本発明を詳説する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図2】好ましいノズルの第1の実施形態の、
図4による断面B-Bを示す。
【
図3】
図2の部分Aによる、好ましいノズルの第1の実施形態のノズル口金の部分の詳細を示す。
【
図4】軸線X-Xと交差する断面B-Bとともに、
図2による好ましいノズルの第1の実施形態の平面図を示す。
【
図5】気体ガイドのためのスワールプレートの形態の、環状間隙内におけるアタッチメントを有する好ましいノズルの第2の実施形態の断面図を示す。
【
図6】環状間隙内における、気体ガイドのためのスワールプレートの形態のアタッチメントを有する好ましいノズルの第3の実施形態の断面図を示す。
【
図7】好ましいノズルの第4の実施形態の断面図を示す。
【
図8】好ましいノズルの第5の実施形態の断面図を示す。
【
図9】好ましいノズルの第6の実施形態の断面図を示す。
【
図10】好ましいノズルの第7の実施形態の断面図を示す。
【
図11】第1の実施形態による好ましいノズルの断面図を示し、ノズルは、ノズルの出口開口を閉じる、軸方向に摺動可能なノズルニードルを有する。
【
図12】好ましいノズルの断面図を示し、インレーと内管とが、好ましいノズルの一体の内側の導管を形成する。
【
図13】好ましいノズルの断面図を示し、インレーと内管とが、好ましいノズルの内側の導管を形成し、好ましいノズルは、ノズル口金の領域で、内管と外管との間に、体積可変の装置を有し、装置は、
図13では、好ましいノズルの開状態を示す。
【
図14】好ましいノズルの断面図を示し、インレーと内管とが、好ましいノズルの内側の導管を形成し、好ましいノズルは、ノズル口金の領域で、内管と外管との間に、体積可変の装置を有し、装置は、
図14では、好ましいノズルの閉状態を示す。
【
図15】好ましいノズルの第1の実施形態のノズル口金を監視する第1の方法の概略的な構成を示す。
【
図16】好ましいノズルの第1の実施形態のノズル口金を監視する第2の方法の概略的な構成を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1には、従来技術において知られたノズル1が示されている。ノズル1は、内管2と外管3とを有するノズルボディ4を備える。ここでは、内管2と外管3とは、軸線X-Xに対して同軸に配置されている。
【0022】
内管2は、噴霧されるべき物質、好ましくは液体、一層特に好ましくは分散液、懸濁液又は乳濁液を導入するように構成された流体チャネル5を有する。流体チャネル5は、ノズル口金6の領域で、内管2の出口開口7に開口する。内管2の出口開口7から離間する側の領域で、内管2は、噴霧されるべき物質用の図示されていない導入導管に対する接続箇所10を有する。
【0023】
外管3は、内管2に対して間隔を置いて配置されていて、これにより、気体、特に霧化空気を導入するための環状間隙8が形成される。環状間隙8は、ノズル口金6の領域で、外管3の出口開口9に開口する。外管3の出口開口9から離間する側の領域で、外管3は、図示されていない、気体用の導入導管に対する接続箇所11を有する。
【0024】
図2は、好ましいノズル101の第1の実施形態の、
図4による断面B-Bを示す。好ましいノズル101は、既に
図1に示されたように、内管102と外管103とを有するノズルボディ104を備える。内管102と外管103とは、軸線X-Xに対して同軸に配置されている。
【0025】
内管2は、噴霧されるべき物質、好ましくは液体、一層特に好ましくは分散液、懸濁液又は乳濁液を導入するための流体チャネル105を有する。流体チャネル105は、ノズル口金106の領域で、内管102の出口開口107に開口する。内管102の出口開口107とは離間する側の領域で、内管102は、噴霧されるべき物質用の図示されていない導入導管に対する接続箇所110を有する。
【0026】
外管103は、内管102に対して間隔を置いて配置されていて、これにより、気体、特に霧化空気を導入するための環状間隙108が形成される。環状間隙108は、ノズル口金106の領域で、外管103の出口開口109に開口する。好ましくは、内管102の出口開口107と外管103の出口開口109とは、相互に同心に配置されている。これにより、環状間隙108内で圧送される気体の流れ特性が、最適に、特に均一に構成されるので、好ましいノズル101によって生成されるスプレの対称性及び滴径が、正確に、製造プロセス及び/又は噴霧プロセスの、特に顆粒又はタブレット等の製造プロセス及び/又は噴霧プロセスの要求に合わせて調整されている、ことが確保される。外管103の出口開口109から離間する側の領域で、気体用の図示されていない導入導管に対する接続箇所111が設けられている。好適には、出口開口107、109は、一平面C-C内に位置し、ノズル101の出口領域112に開口する。出口領域112では、噴霧されるべき物質と霧化気体との合流によって、粒子を被覆するスプレが生成される。有利には、製造プロセス及び/又は噴霧プロセス中に、スプレの対称性と滴径との両方が最適に調整される。
【0027】
内管102は、インレー113を有する。インレー113は、
図2では、好ましい位置で内管102の内壁部114に配置されている。インレー113は、好ましくはポリマーから、特に好ましくは合成ポリマーから、一層特に好ましくはシリコーンから作製されている。ポリマーは、高いロバスト性を有するのと同時に低コストに製造可能であるとともに、ポリマーに応じて極めて高い耐熱性を有し得る多様な材料である。したがって、ポリマー、特に合成ポリマーは、極めて良好にインレー113として様々な製造プロセス及び/又は噴霧プロセスに適している。好ましいノズル101は、インレー113の互換性に基づいて、様々な製造プロセス及び/又は噴霧プロセスに使用可能である。
【0028】
インレー113は、好ましいノズル101の第1の実施形態では、4つの部分115から118を有する。部分115は、インレー113をノズル101内に確保するので、インレー113は、全体の製造プロセス及び/又は噴霧プロセス中に、好ましいノズル101内に配置されている。有利には、インレー113は、そこに固定されるように内管102に結合される。部分116及び部分117は、好ましいノズル101では、部分115と部分118との間に配置されていて、内管102の内壁部114に当接する。インレー113の部分118は、内管102の出口開口107から少なくとも部分的に突出する。内管102における部分115の保持位置が変位し得ることによって、インレー113の、内管102の出口開口107から突出する部分118の長さが可変である。
【0029】
図3は、
図2の部分Aによる、好ましいノズル101の第1の実施形態のノズル口金106の一部の詳細を示す。内管102と外管103とは、軸線X-Xを中心に同軸に配置されているので、出口開口107と出口開口109とは、平面C-Cと軸線X-Xとの交点を中心に同心に配置されている。内管102の出口開口107と外管103の出口開口109とは、さらに平面C-C内に位置し、ノズル101の出口領域112に開口する。出口領域112では、噴霧されるべき物質と霧化気体との合流によって、粒子を被覆するスプレが生成される。有利には、製造プロセス及び/又は噴霧プロセス中に、スプレの対称性と滴径との両方が最適に調整される。
【0030】
インレー113の部分117は、好ましいノズル101の内管102の内壁部114に当接し、インレー113の部分118に結合されている。インレー113の部分118は、好ましいノズル101の内管102の出口開口107から少なくとも部分的に突出する。好ましくは、インレー113の部分118は、変化可能である。長さの可変性は、部分118に隣接する点線によって表されている。長さの変化は、インレー113の交換によって、内管102におけるインレー113の保持位置の変位によって、及び/又はノズル101内でのインレー113の配置のその他の変更によって、直接に行える。
【0031】
流体チャネル105においてインレー113を有する内管102を通って出口開口107の方へ圧送される、噴霧されるべき物質、好ましくは液体、特に好ましくは分散液、懸濁液又は乳濁液によって、内圧119が、インレー113に作用する。インレー113に作用する内圧119によって、インレー113は、内管102の内壁部114に押し付けられる。ノズル口金106の領域で、特に内管102の出口開口107の領域で、インレー113の部分118に、インレー113に作用する内圧119によって、同様にインレー113を軸線X-Xから離反する方向へ動かす力が作用する。
【0032】
さらに、インレー113の、内管102の出口開口107から少なくとも部分的に突出する部分118に、軸線X-Xの方へ作用する力120が作用する。軸線X-Xの方へ作用する力120は、環状間隙108から、出口開口109から流出する気体、特に霧化空気に起因する。
【0033】
これにより、内管102の出口開口107から少なくとも部分的に突出するインレー113は、好ましいノズル101からノズル101の出口領域112に流出する液体及び/又は好ましいノズル101からノズル101の出口領域112に流出する気体、特に霧化空気によって、有利には高周波で運動させられる。内管102の出口開口107から少なくとも部分的に突出するインレー113の、有利には高周波のこの運動によって、ノズル口金106において、特に出口領域112において、噴出されるべき液体の堆積が阻止される、又は液体の凝集が阻止される。したがって、スプレの対称性及び滴径に、製造プロセス及び/又は噴霧プロセス中に影響が及ぼされないので、所望されないスプレ乾燥及び/又は局所的な過剰な湿分及び凝集が生じることはない。
【0034】
インレー113の部分118の振動周波数は、付加的に、例えばインレー113の部分118の長さの可変性によって変化できる。これにより、直接に、製造プロセス又は噴霧プロセスに影響を及ぼし得る。振動周波数のさらなる変化は、例えば噴霧されるべき物質及び気体の圧力の適合によって可能である。気体、特に霧化空気の流入角度αの変化も、インレー113の振動周波数の変化をもたらし、したがって、特に対称性及び滴径についてスプレ及びスプレの質に影響を及ぼす。気体の流入角度αを変化させるために、例えば、特にノズル口金106の領域で、外管103から内管102にかけての相対的な配置が適合可能である。さらに、インレー113における流入は、環状間隙108内の流れガイドの変化によっても適合できる。一層好ましくは、環状間隙108のみが適合されるので、環状間隙108は、インレー113の部分118に対して別の流入角度を有する。
【0035】
図4は、軸線X-Xと交差する断面B-Bとともに好ましいノズル101の第1の実施形態の平面図を示す。内管102と外管103とは、軸線X-Xに対して同軸に整向されているので、噴霧されるべき物質、特に液体、一層特に好ましくは分散液用の又は気体、特に霧化空気用の出口開口107と出口開口109とは、相互に軸線X-Xを中心に同心に配置されている。内管102の内壁部114にインレー113が配置されている。
【0036】
図5には、気体ガイドのためのスワールプレートの形態の、環状間隙208内に任意選択的なアタッチメント220を有する好ましいノズル201の第2の実施形態の断面図が示されている。
【0037】
第2の実施形態による好ましいノズル201は、その基本構成において、
図2から
図4に示された、好ましいノズル101の第1の実施形態に対応する。2つの実施形態の違いは、好ましいノズル201は、ノズル101とは異なり、気体ガイドのためのスワールプレートの形態で構成された任意選択的なアタッチメント221を有することである。好ましいノズル201のこの第2の実施形態では、アタッチメント221が、開口222を有し、開口222は、外管203に対して平行に流れる気体、特に霧化空気に対して角度をなして形成されている。これにより、環状間隙208内で流れる気体が、軸線X-Xを中心に旋回させられる。軸線X-Xを中心とする旋回によって、内管202の出口開口207から少なくとも部分的に突出するインレー213の流入及び運動特性に、ひいては振動周波数にも影響を及ぼし得る。
【0038】
アタッチメント221は、同様に、気体ガイドのためのスワールボディ、例えば流れ誘導プレート等の形態で構成されてもよい。アタッチメント222は、内管202と外管203とに、好ましくは固く結合されている。これにより、ノズル口金206の領域でノズル201の安定性が高められる。さらに、スワールボディ又はスワールプレート等の形態のアタッチメント221の組付けによって、特にノズル201の出口領域212で、ノズル口金206における気体、特に霧化空気の流れガイドに影響が及ぼされ、これにより、内管202から少なくとも部分的に突出するインレー213の運動特性、特にインレー213の部分の振動周波数が可変である。そうして、振動周波数が、より良好に製造プロセス及び/又は噴霧プロセスに合わせて調整可能である。さらに、これにより、スプレ、つまり噴霧されるべき材料、好ましくは液体、一層特に好ましくは分散液、乳濁液又は懸濁液の噴霧対称性及び滴径が、直接に調整可能である。さらに、内管202は、組付けに際して、外管203内でガイドされ、常に、所望の位置で、
図5では軸線X-Xを中心とする同心の位置で保持される。加えて、アタッチメント221は、内管102の振動を阻止する。振動は、内管202の出口開口207と外管203の出口開口209との両方に変化をもたらし、これにより、特にノズル201の出口領域212で、ノズル口金206において流れ特性が変化させられ、ひいてはスプレ対称性及びスプレの滴径にも影響が及ぼされる。
【0039】
好ましくは、内管202の出口開口207から少なくとも部分的に突出するインレー213は、可変の壁厚を有する。インレー213の、特に内管202から突出する部分218の壁厚は、噴霧されるべき物質、好ましくは液体、特に好ましくは分散液、乳濁液又は懸濁液に適合でき、これにより、好ましくはノズル201の噴霧特性、好適にはスプレ対称性及び滴径の調整を最適化できる。そうすると、噴霧されるべき研磨性物質にもインレー213を適合できる。内管202から少なくとも部分的に突出するインレー213の長さが同じで壁厚の変化によって、又はインレー213の壁厚が一定でインレー213の長さの適合によって、出口開口207から少なくとも部分的に突出する部分218の振動特性が変化させられ、これにより、使用されるインレー213は、とりわけその都度の方法技術プロセスに適合可能である。有利には、インレー213は、インレー213がそこに固定されるように、内管202に結合される。
【0040】
図6は、気体ガイドのためのスワールプレートの形態の、環状間隙308内に任意選択的なアタッチメント321を有する好ましいノズル301の別の第3の実施形態の断面図を示す。
【0041】
好ましいノズル301は、内管302と外管303とを有するノズルボディ304を備え、この場合、内管302と外管303とは、軸線X-Xに対して同軸に整向されている。
【0042】
内管302は、噴霧されるべき物質の導入のために構成された流体チャネル305を有する。流体チャネル305は、ノズル口金306の領域で、内管302の出口開口307に開口する。内管302の出口開口307から離間する側の領域で、内管302は、噴霧されるべき物質、好ましくは液体、一層特に好ましくは分散液、乳濁液又は懸濁液用の図示されていない導入導管に対する接続箇所310を有する。
【0043】
外管303は、内管302に対して間隔を置いて配置されていて、これにより、気体、特に霧化空気の導入のための環状間隙308が形成される。環状間隙308は、ノズル口金306の領域で、外管303の出口開口309に開口する。外管303の出口開口309から離間する側の領域で、外管303は、気体用の図示されていない導入導管に対する接続箇所311を有する。
【0044】
内管302と外管303との間に、開口322を有するアタッチメント321が配置されている。アタッチメント321は、内管302と外管303とを好ましくは相互に固く結合する。アタッチメント321によって、環状間隙308を通流する気体、特に霧化空気が旋回させられる。旋回によって、外管303の出口開口309から少なくとも部分的に突出するインレー313の周波数に影響が及ぼされる。インレー313は、環状間隙308内で外壁部323に配置されていて、外壁部323に当接する。
【0045】
外管303の出口開口309から出口領域312に少なくとも部分的に突出するインレー313は、4つの部分315、316、317、318を有する。部分315は、外壁323に配置された溝324内で固定されている、例えば挟み込まれている。部分316及び部分317は、部分315と部分318とを結合する。インレー313の長さは、可変であり、特にインレー313の部分318の長さは、製造プロセス及び/又は噴霧プロセスのパラメータに適合可能である。さらに、外管303の出口開口309から出口領域312に少なくとも部分的に突出するインレー313の壁厚、特にインレー313の部分318の壁厚は、方法技術的なプロセスパラメータに適合可能である。
図6では、インレー313の壁厚は、部分315から部分318にかけて減少している。
【0046】
外管303の出口開口309から出口領域312に少なくとも部分的に突出するインレー313は、好ましいノズル301から流出する噴霧されるべき物質、特に液体、及び/又は好ましいノズル301から流出する気体、特に霧化空気によって、特に高周波数で運動させられる。外管303の出口開口309から出口領域312に少なくとも部分的に突出するインレー313の特に高周波の運動又は振動によって、インレー313に、特定の周波数を有する振動が生じ、これにより、噴出されるべき物体、好ましくは液体、一層特に好ましくは分散液、乳濁液又は懸濁液の固結及び/又は付着が阻止される。固結及び/又は付着によって、ノズル口金306に堆積が生じる。噴霧されるべき物質が出口領域312でノズル口金306に堆積するのを阻止することによって及び/又は凝集するのを阻止することによって、製造プロセス及び/又は噴霧プロセス中にスプレの対称性及び滴径に影響が及ぼされないので、所望されない噴霧乾燥及び/又は局所的な過剰な湿分及び凝集が生じることはない。
【0047】
図7から
図10は、好ましいノズル401、501、601、701の、別の4つの実施形態を断面図として示し、その構造形態は、大まかには、ノズル101の第1の実施形態とは違わない。詳細には、これらの実施形態は、好ましいノズル101の第1の実施形態とは、インレー413、513、613、713が、内管402、502、602、702又は外管403、503、603、703における別の位置に配置されていることによって異なっている。以下、好ましいノズル401、501、601、701の4つの実施形態を詳説する。
【0048】
ここで、
図7には、好ましいノズル401の第4の実施形態の断面図が示されている。インレー413は、好ましいノズル401の第4の実施形態では、内管402の壁部425内に配置されていて、インレー413の部分418は、ノズル401の出口領域412に突出する。インレー413は、第4の実施形態によれば、2つの部分417、418を有し、この場合、部分417は、内管402の壁部424内にインレー413を取り付けるのに用いられる。有利には、インレー413は、内管402の壁部425内に挟み込まれる等されるので、インレー413は、そこに固定されている。
【0049】
図8には、好ましいノズル501の第5の実施形態の断面図が示されている。
図8に相応して、インレー513は、ノズル501の第5の実施形態では、外管503の内壁部526に配置されている。インレー513は、ここでは、4つの部分515、516、517、518を有し、この場合、部分518は、外管503の出口開口509から少なくとも部分的に出口領域512に突出する。インレー513は、部分515によって、外管503の内壁部526における溝527内に配置されていて、そこで例えば押し込むことによって固定される。
【0050】
図9には、好ましいノズル601の第6の実施形態の断面図が示されていて、ここでは、インレー613は、ノズル601の第6の実施形態では、外管603の壁部628内に配置されている。インレー613は、ここでは、外管603の壁部628内に配置されていて、インレー613の部分618は、ノズル601の出口領域612に突出する。インレー613は、第6の実施形態によれば、2つの部分617、618を有し、この場合、部分617は、外管603の壁部628内にインレー613を取り付けるのに用いられる。有利には、インレー613は、外管603の壁部628内に挟み込まれる等されるので、インレー613は、そこに固定されている。
【0051】
図10は、好ましいノズル701の第7の実施形態の断面図を示し、ここでは、インレー713は、外管703の外壁部729に配置されている。
図10に相応して、インレー713は、ノズル701の第7の実施形態では、外管703の外壁部729に配置されている。インレー713は、ここでは、4つの部分715、716、717、718を有し、この場合、部分718は、少なくとも部分的に出口領域712に突出する。インレー713は、部分715によって、外管703の外壁部729における溝730内に配置されていて、そこで固定される、例えば挟み込まれる又は押し込まれる。
【0052】
全ての実施形態101から701は、環状間隙108から708内で流れをガイドするための任意選択的なアタッチメント101から701を有してよい。さらに、インレー113から713を内管102から702に配置し、付加的なインレー113から713を外管103から703に配置する可能性も存在するので、好ましいノズル101から701は、2つのインレー113から713を有する。
【0053】
図11は、第1の実施形態に対応する好ましいノズル801の断面図を示し、ここでは、
図11によるノズル801は、ノズル801の内管802の出口開口807を閉じるための、軸線X-Xの軸方向に摺動可能なノズルニードル831を有する。軸線X-Xに沿ってZ方向に
図11による出発位置から破線で示された終端位置へとノズルニードル831を軸方向に摺動させることによって、ノズル801の内管802の、インレー813を有する出口開口807が閉じられる。これにより、好ましいノズル801からの、噴霧されるべき物質の流出が阻止される。さらに、ノズルニードル831の他に内管802もZ方向に摺動可能であるので、ノズル801の内管802の出口開口807とノズル801の外管803の出口開口809との両方が閉じられる。ノズルニードル831による内管802の拡開も可能である。これにより、例えば造粒機、コータ、特にドラムコータ又は流動化装置の充填時に、ペレット又は粒子が、ノズル801の出口開口807、809内に進入し得ず、したがって、出口開口807、809を製造プロセスの開始前に既に閉塞することがない、ことが達成される。好適には、この場合、内管802とインレー813とは、一体に、好ましくは、弾性材料、好適にはシリコーンの形態で導管として構成されている。さらに、これにより、ノズルニードル831の摺動によってインレー813が内管802に対して摺動することが阻止される。
【0054】
図12には、好ましいノズル901の断面図が示されていて、ここでは、好ましいノズル901のインレー913と内管902とは、一体に導管932として構成されている。しかも、インレー913と内管902とは、同様に別個の2つの構成部材として構成されてもよい。この実施形態によれば、インレー913と内管902とは、内側の導管929を形成する。この導管は、好ましくは、弾性材料、好適にはポリマー、特にシリコーンから作製されている。有利には、これにより、噴霧されるべき物質を含む、好ましいノズル901の内側の導管932の交換がさらに容易に可能である。さらに、内側の導管を使い捨てアイテムとして構成可能であり、これにより、例えば製薬産業では、製品変更に基づいて噴霧されるべき物質が変更されるとき、内管902の洗浄と比べて顕著な利点及び作業プロセスの大幅な簡素化がもたらされる。
【0055】
図12によれば、特に、外管903の出口開口909から出口領域912に突出する部分918は、極めて小さい壁厚で構成されている。内管902の壁部925は、有利には、内管902の安定性の理由から、部分918よりも厚い壁厚で構成されている。一層特に好ましくは、負荷が強く掛けられる壁部分は、同様に、例えばその箇所で繊維強化されたポリマー等によって強化して構成される。
【0056】
図13及び
図14は、体積可変の装置1033を有するノズル1001の別の好ましい実施形態を示す。
【0057】
図13は、好ましいノズル1001の断面図を示し、ここでは、インレー1013と内管1002とが、ノズル1001の導管1032を、好ましくは一体に形成する。導管1032は、少なくとも部分的に弾性材料、特にポリマー、一層好ましくはシリコーンから形成されていて、内管1002と外管1003との間の環状間隙1008内に、ノズル口金1006の領域で、体積可変の装置1033、特に膨張可能な圧縮空気リング等が配置されている。
【0058】
体積可変の装置1033、特に圧縮空気リングは、流体導入用の、ここでは図示されていない少なくとも1つの入口と、流体導出用の、ここでは図示されていない少なくとも1つの出口とを有する。これにより、装置1033の体積は、液体導入又は液体導出によって可変であり、つまり拡大可能であり又は縮小可能であり、これにより、装置1033は、例えば
図13に示された開状態から
図14に示された閉状態に移行可能である又は移行させられる、またその逆も然りである。閉状態は、常に、気体、特に霧化空気が通流する環状間隙1008の開度にかかわらず、内管1002が装置1033によって閉じられると直ちに得られる。
図13に示された開状態では、一方では気体用の環状間隙1008が、他方では噴霧されるべき物質、特に液体又は分散液用の流体チャネル1005が通流可能であり、これにより、気体は、噴霧されるべき物質を出口で霧化できる。有利には、装置1033は、環状間隙1008を通流する気体の流れに影響を及ぼさない又は無視できる程度の影響しか及ぼさない。
【0059】
噴霧されるべき物質、特に液体は、霧化されずにノズル1001から流出するべきではないことに常に留意することが重要である。そのために、各々の噴霧動作の開始時に、先ずは気体、特に霧化気体が、環状間隙1008を通流し、ひいてはノズル1001から流出し、これに続いて、噴霧されるべき物質、特に液体が流れるように保証しなければならない。噴霧動作の終了時に、先ずは噴霧されるべき物質の導入が停止又は中断され、これに続いて、気体の導入が停止又は中断される。これにより、常に、噴霧動作時に、噴霧されるべき物質が霧化され、各々の噴霧動作の終了時に、噴霧されるべき物質が霧化されずにノズルから、場合によっては処理(被覆)されるべき材料上に滴下しないことが保証される。噴霧動作の開始又は終了時に、そのことは、例えば気体の自動の「先行」又は「後行」によって保証できる。
【0060】
環状間隙1008及び/又は流体チャネル1005を流体が通流可能である全ての状態が、開状態と称される。これにより、気体及び/又は噴霧されるべき物質に対する0%から100%の流量で体積流量の無段階調整の提供が可能であり、この場合、体積流量の調整は、単一の装置1033では、相互に依存する。複数の、特に2つの装置1033が、具体的には流体チャネル1005内で圧送される噴霧されるべき物質と環状間隙1008内で圧送される気体とのそれぞれに対して用いられるとき、内管1002の流体チャネル1005内の噴霧されるべき物質の体積流量と環状間隙1008内の気体の体積流量とは、具体的には、流体導入又は流体導出による、用いられるこれらの装置1033の相互に独立した可変の体積によって、相互に独立して調整可能である又は相互に独立して調整できる。異なる装置1033の体積の独立した調整性によって、同様に、霧化気体に合わせた、噴霧されるべき物質の体積流量の最適な適合が同様に可能である、またその逆も可能である。これにより、スプレにおける対称性又は滴径の最小の変化に合わせた応答もできる。噴霧されるべき物質及び気体用の装置1033は、ここでは示されていない開ループ及び/又は閉ループ式の制御装置によって、相互に独立して閉ループ及び/又は開ループ式に制御される。
【0061】
装置1033は、好適には、導管1032を中心に同心に配置されているとともに、外管1003によって包囲されていて、この場合、部分1018は、外管1003の出口開口1009から出口領域1012に少なくとも部分的に突出する。
図13では、装置1033は、内管1002の周りに環状に構成されている。装置1033は、好ましくは、圧縮空気リングとして構成されている。しかも、装置1033は、考えられるあらゆる他の実施形態で構成してもよい。
【0062】
装置1033は、好ましくは、ここでは図示されていない閉ループ又は開ループ式の制御装置に接続されている。制御装置は、装置1033の流体導入又は流体導出を閉ループ又は開ループ式に制御するので、装置1033の体積が調整可能である又は調整される。一層特に好ましくは、1つの装置1033の体積が、流体導入又は流体導出によって無段階に変化可能である若しくは変化させられる、又は複数の装置1033の体積が、流体導入又は流体導出によって無段階に変化可能である若しくは変化させられる。1つの装置1033又は複数の装置1033の体積の無段階の調整性によって、噴霧されるべき物質の体積流量と噴霧されるべき物質を霧化する気体の体積流量とを正確にかつ的確に相互に調整できるので、スプレの対称性及び滴径は、粒子、好適にはタブレットのプロセス、特にコーティングプロセスにとって最適に調整可能である又は調整される。
図13では、装置1033の体積は最小であるので、ノズル1001は、その最大の開状態にある。したがって、最大の開状態は、装置1033が最小の体積を有することを特徴とする。
【0063】
図13に示された好ましいノズル1001の断面図において、インレー1013と内管1002とが、好ましいノズル1001の導管1032を形成し、好ましいノズル1001は、ノズル口金1006の領域で、内管1002と外管1003との間に、体積可変の装置1033を有し、この場合、装置は、
図14では、装置1033が流体チャネル1005と環状間隙1008とを閉じることによって、好ましいノズルの閉状態をなしている。インレー1013は、内管1002の出口開口1007を通って流出する噴霧されるべき物質及び/又は外管1003の出口開口1009を通って流出する気体によって振動させられ、特に高周波振動させられ、これにより、噴霧されるべき物質及び/又は気体の出口領域1007、1009で堆積が最小限に抑えられる又は完全に阻止される。好ましくは、インレー1013の部分1018は、特に噴霧動作中、長さも可変である。インレー1013の、ノズル1001の内管1002又は外管1003から少なくとも部分的に突出する部分1018の付加的な長さの可変性に基づいて、インレー103の部分1018の可動性、特に部分1018の振動の周波数を変化可能である。前述の手段によって、スプレの対称性及び滴径は、製造プロセス及び/又は噴霧プロセス中に、噴霧されるべき物質の堆積による影響が及ぼされないので、所望されないスプレ乾燥及び/又は局所的な過剰な湿分及び凝集が生じることはない。
【0064】
図14には、
図13による開状態と比べて装置1033の体積が拡大された、好ましいノズル1001が示されている。好ましくは装置1033として用いられる圧縮空気リングは、そのために、流体、特に気体、好適には圧縮空気等で膨張されている。装置1033は、例えば、図示されていない導管を介して、同様に図示されていない貯蔵容器に接続されていて、導管を介して、装置1033は、例えば図示されていない開ループ及び/又は閉ループ式の制御装置によって充填可能である又は空化可能であるので、装置1033は、その体積を、
図13による開状態における第1の体積から
図14による閉状態における第2の体積へ変化させる、またその逆も然りである。
【0065】
本実施例では、装置1033の拡大された体積によって、導管1032、特にノズル口金1006内に配置された部分1017、1018と環状間隙1008との両方が封止されている。拡大された体積によって、導管1032、ここでは部分1018が、押し合わされ、付加的に出口開口1009が閉じられるので、流体チャネル1005と環状間隙1008との両方を通って流体が流れ得ない。これにより、例えば造粒機、コータ、特にドラムコータ、又は流動化装置の充填時に、ペレット又は粒子が、ノズル1001の出口開口1007、1009に進入し得ず、したがって出口開口1007、1009を製造プロセスの開始前に既に閉塞することがない、ことが達成される。
【0066】
体積可変の装置1033を有する好ましいノズル1001の別の発展形態が考えられる。例えば、ノズル1001は、複数の装置1033、特に2つの装置1033を有してよい。好ましくは、これらの装置1033は、金属プレート等の装置によって相互に分けられているので、これらの装置1033は、相互に独立して動作できる。有利には、ノズル1001は、環状間隙1008を閉じるための第1の装置1033と、流体チャネル1005を閉じるための第2の装置1033とを有する。この場合、2つの装置1033は、好適には、仕切壁として作用する金属プレート等によって分けられているので、第1の装置1033の体積変化が、流体チャネル1005を開閉し、第2の装置1033の体積変化が、環状間隙1008を開閉し、その際、一方の装置1033の体積変化が他方の装置1033に影響を及ぼさない。これにより、霧化気体と噴霧されるべき物質との両方に対して0%から100%の流量で体積流量の無段階の調整を提供でき、その際、体積流量の調整は、相互に独立して又は依存して行える。
【0067】
少なくとも2つの装置1033を用いるとき、噴霧されるべき物質、特に液体は、霧化されずにノズル1001から流出してはならないことに留意することが重要である。というのも、そうでないと例えば凝集されたタブレットによって生産不良品が生じ得るからである。このために、各々の噴霧動作の開始時に、先ずは気体、特に霧化気体が、環状間隙1008を通流し、ひいてはノズル1001から流出し、これに続いて、噴霧されるべき物質、特に液体が流れることを保証しなければならない。噴霧動作の終了時に、先ずは噴霧されるべき物質の導入が停止され、これに続いて、気体の導入が停止されるべきである。閉ループ又は開ループ式の制御装置は、この事実に応じて作動できる。これにより、噴霧動作時に、噴霧されるべき物質が常に霧化され、各々の噴霧動作の終了時に、噴霧されるべき物質が霧化されることなくノズルから、場合によっては処理(被覆)されるべき材料上に滴下することがない、ことがいつでも確保される。
【0068】
装置1033が内管1002の1つの閉状態から内管1002の少なくとも1つの開状態に移行するとき、環状間隙108を通流する気体は、少なくとも、装置1033が内管102の1つの閉状態から内管102の少なくとも1つの開状態に移行するのと同時に、環状間隙108を通流し始める、ことを常に確保しなければならない。さらに有利には、装置1033が内管1002の少なくとも1つの開状態から内管1002の1つの閉状態に移行するとき、環状間隙1008を通流する気体は、早くても、装置1033が内管1002の少なくとも1つの開状態から内管1002の1つの閉状態に移行するのと同時に、環状間隙1008の通流を停止する。
【0069】
有利には、この方法によって、噴霧動作の開始又は終了時に、ノズル口において、つまり内管1002の出口開口1007及び外管1003の出口開口1009において、噴霧されるべき物質が直接に環状間隙1008を通流する気体によって霧化されずに流出することはない、ことが確保される。したがって、噴霧されるべき物質の霧化が、この方法によって常に保証される。これにより、一方では、例えば流出が早すぎる噴霧されるべき物質が乾燥してノズル口に堆積することがなく、他方では、霧化されない噴霧されるべき物質に基づいて吹き付けられるべき粒子が凝集することがない。
【0070】
図15は、好ましいノズル101の第1の実施形態のノズル口金106を監視する第1の方法の概略的な構成を示す。ノズル101は、
図2から
図4の説明に相応する。ノズル201、301、401、501、601、701、801、901、1001の好ましいあらゆる他の実施形態及びさらなる本発明によるノズルも、この方法で監視できる。ノズル101は、内管102と、外管103と、内管102に配置されたインレー113とを有し、この場合、部分118は、好ましいノズル101の出口開口107から出口領域112に少なくとも部分的に突出する。
【0071】
センサ134による堆積についてのノズル口金の監視は、
図15の実施例では、ノズルの外側に配置されたセンサ134によって行われる。
【0072】
さらに、第1の方法についての構成は、センサ134、特に光学センサ、一層特に好ましくは撮像センサ、例えばカメラ、又は超音波センサ、又は物理的な測定値を取得するセンサ、例えば圧力センサ、一層特に好ましくは差圧センサを有する。センサ134は、ノズル101、特にノズル口金106、一層特にノズル101の出口領域112における内管102及び/又は外管103の出口開口107、109を捕捉する。調整可能な特定の速度でセンサ134の走査が行われる。センサ134は、コントロールユニット135、特にデータ処理コンピュータ、例えば産業用PC又はエンベデッドPC等に接続されている。センサ134によって取得されたデータは、コントロールユニット135へ伝送される。コントロールユニット135は、センサ134のデータを評価する。したがって、コントロールユニット135は、例えばアルゴリズム等によって、ノズル101、特にノズル口金106、一層特にノズル101の出口領域112における出口開口107、109に、堆積物が形成される又は形成されているかどうか確定する。そのような堆積物は、製造プロセス及び/又は噴霧プロセス中に、スプレの質、特に対称性及び/又は滴径を著しく損なう。
【0073】
例えば堆積が、格納された所定の境界値を上回り、これにより、製造プロセス及び/又は噴霧プロセス中にスプレの対称性及び滴径が損なわれるようになると、直ちに、コントロールユニット135は、信号を装置136へ伝送する。
図15の実施例では、装置136は、発振装置として構成されていて、ノズル101に接続されている。装置136は、ノズル101における堆積物が剥離するように、ノズル101を振動させる。ノズル101、特にノズル口金106、一層特にノズル101の出口領域112における出口開口107、109に堆積物がもはや存在しないと、直ちに、センサ133によって、対応する信号が取得され、コントロールユニット135へ伝送され、コントロールユニット135は、これに続いて、信号を装置136へ伝送し、装置136がスイッチオフされる。この動作は、製造プロセス及び/又は噴霧プロセス全体にわたって必要な回数だけ繰り返される。
【0074】
センサ134によって行われる、好ましいノズル101の継続的な監視は、好適にはインライン測定、アットライン測定又はオンライン測定として行われる。例えば、超音波センサが、好ましいノズル101の現在の形状と現在の寸法とを検出する(実際値)。これらのデータは、これに続いて、コントロールユニット135においてスプレの質を評価するために用いられ、好ましいノズル101の元のデータ(目標値)と比較される。好ましくは、実際値と目標値との間の差が大きすぎると、信号が、コントロールユニット135から装置136へ伝送され、必要な手段(振動)が開始される。その際、発振ユニットとして構成された装置136は、ノズル101に接続されていて、装置136は、コントロールユニット135から信号を受信すると、ノズル101を振動させるので、ノズル口金106における堆積物が剥離する。製造プロセス及び/又は噴霧プロセスにおける前述のステップの導入によって、製造プロセス及び/又は噴霧プロセスの全期間にわたるスプレの質の自動の監視が可能となる。
【0075】
センサ134による堆積物についてのノズル口金106の監視は、
図16の実施例では、ノズル101内に配置されたセンサ134によって行われる。このような配置は、特に構造的に狭い状況で、例えば体積が小さいドラムコータ等で、合理的であることが多い。
【0076】
好ましいノズル101の第1の実施形態のノズル101、特にノズル口金106、一層特に出口領域112における出口開口107、109を監視する方法の第2の概略的な構成が、
図16に示されている。出口領域112における元の、つまり堆積物又は固結物のないノズル形状の圧力特性は、圧力測定における目標値に対応する。ここでは、それぞれ1つの圧力センサ134が、流体チャネル105及び環状間隙108内に配置されている。この方法は、好ましくは複数のセンサ134、特に相互に独立して作動する複数のセンサ134を含む。複数のセンサ134によって、対称性及び滴径に不都合な影響を及ぼす堆積物が、ノズル134のノズル口金106においてさらに良好に検出可能であるので、堆積物を剥離するのに最適な手段、例えば振動又は脈動が導入可能である。
【0077】
調整可能な特定の速度で又は特定のクロックで2つのセンサ134の走査が行われる。ノズル101、特にノズル口金106、一層特に出口領域112における出口開口107、109に堆積又は凝集が生じると、流体チャネル105及び/又は環状間隙108内の圧力が上昇する(実際値)。この圧力上昇は、センサ134によって検出され、コントロールユニット135へ伝送される。検出された物理的な測定値、ここでは例えば絶対圧力によって、例えば噴霧されるべき物質及び/又は霧化気体の質量流量ひいては体積流量を算定してもよい。センサ134において測定技術的に検出された圧力によって、ノズル口金106における堆積の推測が可能となる。ノズル口金106における堆積bによって、流体チャネル105又は環状間隙108内で、出口開口107、109より手前で、圧力が上昇し、ひいては噴霧されるべき物質及び/又は気体の流速が増加するので、閾値(目標値)又は許容範囲(例えば±10%の差)を相応に設定し、これを上回る又は下回ると、コントロールユニット135は、信号を装置136へ伝送することによって、堆積物を除去するための適切な対抗手段を指示できる。
【0078】
監視に際して、コントロールユニット135によって、常に、実際値と目標値との間の比較が行われる。
【0079】
所定の境界値(目標値)に対する上回り又は下回りがコントロールユニット135によって記録されると、直ちに、コントロールユニット135は、対応する信号を装置136へ伝送する。
図16の実施例では、装置136は、脈動発生装置として構成されている。この装置136は、例えば流体の相応の導入導管に設けられた調整弁によって実現される。装置136は、噴霧されるべき物質及び/又は気体、特に霧化気体の脈動流を発生させる。これは
図16では2つの線図によって表されている。好適には、気体流は、短時間だけ脈動させられる。これに続いて圧力が境界値を下回る又は上回ると、新たに製造プロセス及び噴霧プロセスが継続される。境界値を引き続き上回る又は下回るとき、新たな脈動が生成される。提供される脈動は、様々な周波数、特に1Hzから1500Hz、好ましくは25Hzから250Hzを有してよい。これにより、内管102及び外管103の出口開口107、109の領域でノズル口金106における堆積物が、より良好に剥離及び除去される。この動作は、ノズル101における堆積物又は凝集物が除去されるまで繰り返されるので、必要とされるスプレの質が常に確保されている。
【0080】
第3の方法は、例えばレーザ測定方法による製造プロセス及び/又は噴霧プロセス中のスプレの滴径の監視をなしている。滴径の目標値に対して実際値が異なるとき、つまり滴径が最適ではないとき、講じられるべき手段は、概して、
図15による第1の方法及び
図16による第2の方法の手段に対応する。
【国際調査報告】