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特表2022-529111ロボットカートアームのアセンブリ識別のためのシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-17
(54)【発明の名称】ロボットカートアームのアセンブリ識別のためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 34/30 20160101AFI20220610BHJP
   A61B 50/13 20160101ALI20220610BHJP
   B25J 13/00 20060101ALI20220610BHJP
【FI】
A61B34/30
A61B50/13
B25J13/00 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021558802
(86)(22)【出願日】2019-06-12
(85)【翻訳文提出日】2021-09-30
(86)【国際出願番号】 US2019036677
(87)【国際公開番号】W WO2020214194
(87)【国際公開日】2020-10-22
(31)【優先権主張番号】62/833,850
(32)【優先日】2019-04-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512269650
【氏名又は名称】コヴィディエン リミテッド パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【弁理士】
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】ホワイト, ネイサン
(72)【発明者】
【氏名】ナクレリオ, エドワード
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707AS35
3C707BS10
3C707CS08
3C707CV09
3C707HS23
3C707HT04
3C707HT08
3C707JS03
3C707JS07
3C707JT05
3C707JU12
3C707WA16
(57)【要約】
手術用ロボットシステムは、第1のコントローラに結合された第1のコネクタを有する制御タワーと、ロボットアームと第2のコントローラに結合された第2のコネクタとを有する可動ロボットアームカートと、を備え、第2のコネクタは、ケーブルを介して第1のコネクタに結合するように構成される。第2のコントローラは、可動ロボットアームカートの識別情報を有する識別信号を第1のコントローラに送信して、制御タワーで操作するために可動ロボットアームカートを初期化するように構成される。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
手術用ロボットシステムであって、
第1のコントローラに結合された第1のコネクタを有する制御タワーと、
ロボットアームと、第2のコントローラに結合された第2のコネクタと、を有する可動ロボットアームカートを備え、前記第2のコネクタはケーブルを介して前記第1のコネクタに結合するように構成され、前記第2のコントローラは、前記可動ロボットアームカートの識別情報を有する識別信号を前記第1のコントローラに送信して、前記制御タワーで操作するために前記可動ロボットアームカートを初期化するように構成される、手術用ロボットシステム。
【請求項2】
前記制御タワーに結合され前記制御タワーに制御信号を送信するように構成された操作コンソールを備え、前記制御タワーは、前記操作コンソールからの前記制御信号に基づいて前記可動ロボットアームカートが初期化された後に前記ロボットアームを制御するように構成される、請求項1に記載の手術用ロボットシステム。
【請求項3】
前記第1のコントローラは、前記第2のコントローラから前記識別信号を受信し、前記識別信号に基づいて、前記第1のコントローラが前記第2のコントローラに結合されるように構成されていることを示す応答信号を送信するように構成される、請求項1に記載の手術用ロボットシステム。
【請求項4】
前記第1のコントローラは、前記第2のコントローラから前記識別信号を受信し、前記識別信号に基づいて、前記第1のコントローラが前記第2のコントローラに結合されるように構成されていないことを示す応答信号を送信するように構成される、請求項1に記載の手術用ロボットシステム。
【請求項5】
前記第2のコネクタは、複数の接点を含み、そのサブセットは、電力信号の受信に応答して所定の識別信号を送信する前記第2のコントローラによる通信のために予約される、請求項4に記載の手術用ロボットシステム。
【請求項6】
前記識別信号は、高信号と低信号の所定の構成によって形成され、前記高信号と低信号の各々は、前記複数の接点の中から特定のピンに対応し、前記接点と前記高信号と低信号との組み合わせは、前記識別信号に関連付けられる、請求項5に記載の手術用ロボットシステム。
【請求項7】
前記識別信号の通信のために予約された前記接点が汎用入力/出力(GPIO)接点である、請求項5に記載の手術用ロボットシステム。
【請求項8】
前記GPIO接点が少なくとも単一のフォールトトレラントである、請求項7に記載の手術用ロボットシステム。
【請求項9】
前記GPIOは4つの接点を含み、前記制御タワーによる前記可動ロボットアームカートの識別のために、前記4つの接点のうちの2つの接点は高信号を出力するように構成され、前記4つの接点のうちの2つの接点は低信号を出力するように構成される、請求項7に記載の手術用ロボットシステム。
【請求項10】
手術用ロボットシステムにおける可動ロボットアームカートと制御タワーとの間のデバイス不一致を識別する方法であって、前記方法は、
制御タワーの第1のコントローラで可動ロボットアームカートに識別番号を割り当てることと、
前記可動ロボットアームカートの第2のコントローラに結合された第2のコネクタから、前記可動ロボットアームカートに割り当てられた前記識別番号に基づいて識別信号を送信することと、
前記制御タワーの前記第1のコントローラに結合された第1のコネクタで前記識別信号を受信することであって、前記第1のコネクタはケーブルによって前記第2のコネクタに動作可能に結合される、受信することと、
前記第1のコントローラで、前記識別信号が前記識別番号と一致するかどうかを判定することと、を含む、方法。
【請求項11】
前記制御タワーから前記可動ロボットアームカートに制御信号を送信して、前記識別信号が前記識別番号と一致するという前記第1のコントローラによる判定に基づいて、前記制御タワーによって前記可動ロボットアームカートの操作を初期化することをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記制御タワーから、ディスプレイを有する操作コンソールに表示信号を送信することをさらに含み、前記表示信号は、前記識別信号が前記識別番号と一致するかどうかの判定に基づいて、前記ディスプレイに一致または不一致であることを表示させる、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
判定することは、前記識別信号と前記第2のコントローラのメモリに格納されたインデックス付き識別情報との比較をさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第1のコネクタおよび前記第2のコネクタは、互いに通信するための汎用入力/出力(GPIO)接点として動作する複数の接点を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記制御タワーの前記第1のコントローラは、前記制御タワーまたは前記可動ロボットアームカートを介して前記不一致の表示を出力するように構成される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
表示を出力させることは、前記操作コンソールの表示デバイスを介して、前記可動ロボットアームカートに関連付けられたシリアル番号、モデル番号、またはコネクタ番号のうちの少なくとも1つを表示することを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
手術用ロボットシステムであって、
第1のコントローラに結合された第1のコネクタを有する制御タワーと、
第2のコントローラに結合された第2のコネクタを有する可動ロボットアームカートとを備え、前記第2のコネクタがケーブルを介して前記第1のコネクタに結合するように構成され、前記第1のコントローラは、前記可動ロボットアームカートに識別番号を割り当てるように構成され、前記第2のコントローラは、前記識別番号に基づいて前記第1のコントローラに識別信号を送信するように構成され、該第1のコントローラは、前記識別番号を前記識別信号と比較するようにさらに構成される、手術用ロボットシステム。
【請求項18】
前記第1のコントローラは、前記第2のコントローラから前記識別信号を受信し、前記識別信号に基づいて、前記第1のコントローラが前記第2のコントローラに結合されるように構成されていないことを示す応答信号を送信するように構成される、請求項17に記載の手術用ロボットシステム。
【請求項19】
前記第2のコネクタは、複数の接点を含み、そのサブセットは、電力信号の受信に応答して所定の識別信号を送信する前記第2のコントローラによる通信のために予約される、請求項18に記載の手術用ロボットシステム。
【請求項20】
前記識別信号は、高信号と低信号の所定の構成によって形成され、前記高信号と低信号の各々は、前記複数の接点の中から特定のピンに対応し、前記接点と前記高信号と低信号との組み合わせは、前記識別信号に関連付けられる、請求項19に記載の手術用ロボットシステム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
ロボット手術システムは、手動式手術器具と比較して精度および便宜性が向上しているため、低侵襲医療処置で使用される。これらのロボット手術システムでは、ロボットアームは、手首アセンブリによってエンドエフェクタが取り付けられた手術器具を支持する。操作中、ロボットアームは、患者の上方の位置まで移動され、次いで患者の手術用ポートまたは自然オリフィスを介して小さい切開部内に手術器具を案内し、患者の体内の作業部位にエンドエフェクタを位置決めする。
【0002】
通常、ロボットアームはカート上に配置される。これにより、臨床医はロボットアームを手術台に対して手術室内の様々な場所に移動できる。ロボットアームは移動できるため、ロボットアームと手術器具との動きが手術台上の患者の位置と正確に相関するように、ロボットアームを正確に識別して手術台と位置合わせする必要がある。
【0003】
したがって、ロボットアームを手術台に位置合わせすることに伴う課題を克服し、ロボットアームとロボットアームが接続されているデバイスとの互換性を検証するための解決策が求められている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の一実施形態によれば、手術用ロボットシステムは、第1のコントローラに結合された第1のコネクタを有する制御タワーと、第2のコントローラに結合されたロボットアームと第2のコネクタを有する可動ロボットアームカートと、を備え、第2のコネクタは、ケーブルを介して第1のコネクタに結合するように構成される。第2のコントローラは、可動ロボットアームカートの識別情報を有する識別信号を第1のコントローラに送信して、制御タワーで操作するように可動ロボットアームカートを初期化するように構成されている。
【0005】
上記の実施形態の別の態様によれば、手術用ロボットは、制御タワーに結合され、この制御タワーに制御信号を送信するように構成された操作コンソールをさらに備え、制御タワーは、操作コンソールからの制御信号に基づいて、可動ロボットアームカートが初期化された後にロボットアームを制御するように構成されている。第1のコントローラは、第2のコントローラから識別信号を受信し、この識別信号に基づいて、第1のコントローラが第2のコントローラに結合されるように構成されていることを示す応答信号を送信するように、さらに構成される。
【0006】
上記の実施形態のさらなる態様によれば、第1のコントローラは、第2のコントローラから識別信号を受信し、この識別信号に基づいて、第1のコントローラが第2のコントローラに結合されるように構成されていないことを示す応答信号を送信するように、さらに構成される。第2のコネクタは、複数の接点を含み、そのサブセットは、電力信号の受信に応答して所定の識別信号を送信する、第2のコントローラによる通信のために予約されている。識別信号は、高信号と低信号の所定の構成によって形成され、高信号と低信号の各々は、複数の接点の中から特定のピンに対応し、接点と高信号と低信号との組み合わせは、識別信号に関連付けられる。識別信号の通信用に予約されている接点は、汎用入出力(GPIO)接点である。GPIO接点は、少なくとも単一のフォールトトレラントであり得る。GPIOは4つの接点を含み、制御タワーによって可動ロボットアームカートを識別するために、4つの接点のうちの2つの接点は高信号を出力するように構成され、4つの接点のうちの2つの接点は低信号を出力するように構成される。
【0007】
本開示の別の実施形態によれば、手術用ロボットシステムにおける可動ロボットアームカートとタワーとの間のデバイスの不一致を識別する方法が開示される。この方法は、制御タワーの第1のコントローラにおいて、可動ロボットアームカートに識別番号を割り当てることと、可動ロボットアームカートに割り当てられた識別番号に基づいて、可動ロボットアームカートの第2のコントローラに結合された第2のコネクタから識別信号を送信することと、制御タワーの第1のコントローラに結合された第1のコネクタで識別信号を受信することであって、第1のコネクタはケーブルによって第2のコネクタに動作可能に結合された、受信することと、第1のコントローラにおいて、識別信号が識別番号と一致するかどうかを判定することと、を含む。
【0008】
上記実施形態の一態様によれば、この方法は、制御タワーから可動ロボットアームカートに制御信号を送信して、識別信号が識別番号と一致するという第1のコントローラによる判定に基づいて、制御タワーによって可動ロボットアームカートの操作を初期化することをさらに含む。
【0009】
上記実施形態の別の態様によれば、この方法は、ディスプレイを有する操作コンソールに制御タワーから表示信号を送信することをさらに含み、表示信号は、識別信号が識別番号と一致するかどうかの判定に基づいて、ディスプレイに一致または不一致であることを表示させる。この方法は、識別信号と第2のコントローラのメモリに格納されたインデックス付き識別情報との比較を含むことを判定することを、さらに含む。第1のコネクタおよび第2のコネクタは、互いに通信するための汎用入力/出力(GPIO)接点として動作する、複数の接点を含む。制御タワーの第1のコントローラは、制御タワーまたは可動ロボットアームカートを介して不一致の表示を出力するように構成される。
【0010】
上記実施形態のさらなる態様によれば、表示を出力させることは、操作コンソールの表示デバイスを介して、可動ロボットアームカートに関連付けられたシリアル番号、モデル番号、またはコネクタ番号のうちの少なくとも1つを表示することを含む。
【0011】
本開示のさらに別の実施形態によれば、手術用ロボットは、第1のコントローラに結合された第1のコネクタを有する制御タワーと、第2のコントローラに結合された第2のコネクタを有する可動ロボットアームカートとを備え、第2のコネクタは、ケーブルを介して第1のコネクタに結合されるように構成されている。第1のコントローラは、可動ロボットアームカートに識別番号を割り当てるように構成され、第2のコントローラは、識別番号に基づいて第1のコントローラに識別信号を送信するように構成され、第1のコントローラは、識別番号を識別信号と比較するようにさらに構成される。
【0012】
上記実施形態の一態様によれば、第1のコントローラは、第2のコントローラから識別信号を受信し、この識別信号に基づいて、第1のコントローラが第2のコントローラと結合されるように構成されていないことを示す応答信号を送信するように、さらに構成される。第2のコネクタは、複数の接点を含み、そのサブセットは、電力信号の受信に応答して所定の識別信号を送信する、第2のコントローラによる通信のために予約されている。識別信号は、高信号と低信号の所定の構成によって形成され、高信号と低信号の各々は、複数の接点の中から特定のピンに対応し、接点と高信号と低信号との組み合わせは、識別信号に関連付けられる。識別信号の通信用に予約されている接点は、汎用入出力(GPIO)接点である。GPIO接点は、少なくとも単一のフォールトトレラントであり得る。GPIOは4つの接点を含み、制御タワーによって可動ロボットアームカートを識別するために、4つの接点のうちの2つの接点は高信号を出力するように構成され、4つの接点のうちの2つの接点は低信号を出力するように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0013】
添付の図面を参照しながら本開示の実施形態を本明細書に記載する。
【0014】
図1】本開示による、制御タワー、コンソール、および1つ以上の手術用ロボットアームを含む、手術用ロボットシステムの概略図である。
図2】本開示による、図1の手術用ロボットシステムの手術用ロボットアームの斜視図である。
図3】本開示による、図1の手術用ロボットシステムの手術用ロボットアームを備えたセットアップアームの斜視図である。
図4】本開示による、図1の手術用ロボットシステムのコンピュータアーキテクチャの概略図である。
図5】制御タワーと手術用ロボットアームとの間の接続の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本開示の手術用ロボットシステムの実施形態は、図面を参照して詳細に説明され、図面において、同様の参照符号はいくつかの図の各々において同一または対応する要素を示す。本明細書で使用する場合、用語「遠位」は、患者により近い手術用ロボットシステムおよび/または手術用ロボットシステムに結合された手術器具の部分を指し、用語「近位」は、患者からより遠い部分を指す。
【0016】
以下の説明は手術用ロボットシステムに固有であるが、開示されたシステムおよび方法は、そうでない場合は本開示の範囲内にあるであろう任意の適切な医療デバイスを用いて実装され得る。
【0017】
以下で詳細に説明するように、本開示は、実施形態では、手術用コンソール、制御タワー、およびセットアップアームに結合された1つ以上の手術用ロボットアームを含む手術用ロボットシステムに関する。手術用コンソールは、1つ以上のインターフェースデバイスを介してユーザ入力を受信するために使用され、ユーザ入力は、制御タワーによって、手術用ロボットアームを動かすための移動コマンドとして解釈される。手術用ロボットアームは、移動コマンドを処理し、1つ以上のアクチュエータを起動するためのトルクコマンドを生成するように構成されたコントローラを含み、アクチュエータは次に、移動コマンドに応答して手術用アームを動かす。
【0018】
手術用コンソールおよび1つ以上の手術用ロボットアームは、制御タワーに接続されており、制御タワーは、集中型コマンドセンターおよび操作制御として機能するだけでなく、接続された構成要素の各々に電力を供給する。構成要素の各々が制御タワーに接続されると、制御タワーは構成要素の各々に識別番号を割り当てるが、これは4ビット値として具体化され得る。ビットの各々は、制御タワーに識別信号を出力する構成要素のコネクタのピンに対応している。制御タワーは、割り当てられた識別番号に対応する4ビット値を識別信号として継続的に受信する。制御タワーはまた、受信した識別信号を割り当てられた識別番号と比較して、2つの値が同じであるかどうかを判定し、接続が機能していること、すなわちコネクタが識別信号を適切に出力していることを確認する。
【0019】
図1を参照すると、手術用ロボットシステム10は制御タワー20を含み、この制御タワー20は、手術用コンソール30および1つ以上のロボットアーム40を含む、手術用ロボットシステム10のすべての構成要素に接続されている。ロボットアーム40の各々は、それに取り外し可能に結合された手術器具50を含む。手術器具50は、低侵襲手術中に使用するように構成されている。実施形態では、手術器具50は、切開手術用に構成され得る。ロボットアーム40の各々は、可動カート60にも結合されている。
【0020】
手術用コンソール30は、ロボットアーム40に配設されたカメラ(図示せず)によって提供される手術部位を表示する第1の表示デバイス32と、手術用ロボットシステム10を制御するためのユーザインターフェースを表示する第2の表示デバイス34とを含む。手術用コンソール30はまた、ロボットアーム40を遠隔制御するために臨床医によって使用されるフットペダル36および一対のハンドルコントローラ38aおよび38bなどの、複数のユーザインターフェースデバイスを含む。
【0021】
制御タワー20は、手術用コンソール30と1つ以上のロボットアーム40との間のインターフェースとして機能する。特に、制御タワー20は、プログラム可能な命令セットおよび/または手術用コンソール30からの入力コマンドに基づいて、ロボットアーム40および手術用デバイス50が、フットペダル36ならびにハンドルコントローラ38aおよび38bからの入力に応答して所望の移動シーケンスを実行するように、ロボットアーム40および対応する手術用デバイス50を動かすなど、ロボットアーム40を制御するように構成される。
【0022】
また、制御タワー20は、手術用ロボットシステム10のすべての構成要素、すなわち、制御タワー20自体、手術用コンソール30、および1つ以上のロボットアーム40に電力を供給するように構成された電源23を含む。実施形態では、電源23は独立型デバイスであってもよく、タワーなどの任意の適切なフォームファクタを有し得、固定型または移動型(例えば、キャスターを含む)であってもよい。実施形態では、電源23は、ACおよび/またはDC電力のいずれか一方を生成するように構成された、任意の適切な発電回路または変換回路構成要素を含み得る。電源23がAC電力を生成するように構成されている場合、電源23は、血管の封止、切断、凝固、焼灼などの電気外科的処置を実施するのに適した無線周波数(RF)またはマイクロ波電力を生成するようにさらに構成され得る。実施形態では、電源23がDC電力を生成するように構成されている場合、電源23は、動力付きステープラ、把持器、カッター、ロボットアーム40などの動力付き手術用デバイスのモーターおよび他のアクチュエータを作動させるための電力を提供するために使用され得る。
【0023】
制御タワー20、手術用コンソール30、およびロボットアーム40の各々は、それぞれのコンピュータ21、31、41を含む。コンピュータ21、31、41は、有線または無線通信プロトコルに基づく任意の適切な通信ネットワークを使用して互いに相互接続されている。本明細書で使用する場合、「ネットワーク」という用語は、複数であるかまたは単数であるかにかかわらず、インターネット、イントラネット、広域ネットワーク、またはローカルエリアネットワークを含むがこれらに限定されないデータネットワークを意味し、かつ本開示に包含される通信ネットワークの定義の全範囲に関して限定されない。適切なプロトコルとして、伝送制御プロトコル/インターネットプロトコル(TCP/IP)、データグラムプロトコル/インターネットプロトコル(UDP/IP)、および/またはデータグラム輻輳制御プロトコル(DCCP)が挙げられるが、これらに限定されない。無線通信は、例えば、無線周波数、光、Wi-Fi、ブルートゥース(登録商標)(短電波長を使用して、固定および移動デバイスから短距離でデータを交換し、パーソナルエリアネットワーク(PAN)を作成するためのオープン無線プロトコル、ZigBee(登録商標)(無線パーソナルエリアネットワーク(WPAN)用のIEEE802.15.4-2003規格に基づいて小型で低消費電力のデジタル無線を使用する一連の高レベル通信プロトコルの仕様)などの、1つ以上の無線構成を介して実現できる。
【0024】
コンピュータ21、31、41は、メモリ(図示せず)に動作可能に接続された任意の適切なプロセッサ(図示せず)を含み得、メモリは、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、電気的消去可能なプログラマブルROM(EEPROM)、不揮発性RAM(NVRAM)、またはフラッシュメモリなどの、揮発性、不揮発性、磁気的、光学的、または電気的媒体のうちの1つ以上を含み得る。プロセッサは、限定はされないが、ハードウェアプロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、中央処理ユニット(CPU)、マイクロプロセッサ、およびそれらの組み合わせを含む、本開示に記載される操作、計算、および/または命令のセットを実施するように適合された任意の適切なプロセッサ(例えば、制御回路)であり得る。当業者は、プロセッサは、本明細書に記載のアルゴリズム、計算、および/または命令のセットを実行するように適合された任意の論理プロセッサ(例えば、制御回路)を使用することによって代用され得ることを理解されよう。
【0025】
図2を参照すると、ロボットアーム40の各々は、それぞれ回転関節44a、44b、44cで相互接続される、複数のリンク42a、42b、42cを含み得る。関節44aは、ロボットアーム40を可動カート60に固定するように構成され、第1の長手方向軸を画定する。図3を参照すると、可動カート60は、リフト61と、ロボットアーム40を取り付けるためのベースを提供するセットアップアーム62とを含む。リフト61は、セットアップアーム62の垂直方向の動きを可能にする。セットアップアーム62は、第1のリンク62a、第2のリンク62b、および第3のリンク62cを含み、これらは、ロボットアーム40の横方向の操作性を提供する。リンク62a、62b、62cは、回転関節63aおよび63bで相互接続されており、回転関節63aおよび63bの各々は、リンク62bおよび62bを互いにかつリンク62cに対して回転させるためのアクチュエータ(図示せず)を含み得る。特に、リンク62a、62b、62cは、互いに平行であるそれらの対応する側面において移動可能であり、それにより、患者(例えば、手術台)に対してロボットアーム40の伸長を可能にする。実施形態では、ロボットアーム40は、手術台(図示せず)に結合することができる。セットアップアーム62は、リンク62a、62b、62cならびにリフト61の動きを調整するための制御装置65を含む。
【0026】
第3のリンク62cは、2自由度を有する回転可能なベース64を含む。特に、回転可能なベース64は、第1のアクチュエータ64aおよび第2のアクチュエータ64bを含む。第1のアクチュエータ64aは、第3のリンク62cによって画定される平面に平行である第1の静止アーム軸の周りで回転可能であり、第2のアクチュエータ64bは、第1の静止アーム軸を横切る第2の静止アーム軸の周りで回転可能である。第1および第2のアクチュエータ64aおよび64bは、ロボットアーム40の完全な三次元配向を可能にする。
【0027】
図2を参照すると、ロボットアーム40はまた、第2の長手方向軸を画定し、手術器具50の作動機構に結合するように構成された、手術器具50の器具駆動ユニット52(図1)を受容するように構成されたホルダー46を含む。器具駆動ユニット52は、そのアクチュエータから手術器具50に作動力を伝達して、手術器具50の構成要素(例えば、エンドエフェクタ)を作動させる。ホルダー46は、ホルダー46によって画定される第2の長手方向軸に沿って器具駆動ユニット52を移動させるように構成された、スライド機構46aを含む。ホルダー46は、リンク42cに対してホルダー46を回転させる回転関節46bも含む。
【0028】
関節44aおよび44bは、一連のベルト45aおよび45b、または駆動ロッド、ケーブル、もしくはレバーなどの他の機械的連動を介して関節44a、44b、44cを相互に駆動するように構成された、電気アクチュエータ48aおよび48bを含む。特に、関節44bのアクチュエータ48bは、ベルト45aを介して関節44cに結合され、次いで関節44cは、ベルト45bを介して関節46cに結合される。関節44cは、アクチュエータ48bがリンク42b、42cおよびホルダー46の各々を互いに対して回転させるように構成されるように、ベルト45aおよび45bを結合するトランスファーケースを含み得る。より詳細には、リンク42b、42c、およびホルダー46はアクチュエータ48bに受動的に結合され、アクチュエータ48bは、リンク42aによって画定される第1の軸とホルダー46によって画定される第2の軸との交点にあるピボット点「P」の周りの回転を強化する。したがって、アクチュエータ48bは、第1の軸と第2の軸との間の角度Θを制御し、手術器具50の配向を可能にする。ベルト45aおよび45bを介したリンク42a、42b、42c、およびホルダー46の相互連結により、リンク42a、42b、42cとホルダー46との間の角度もまた、所望の角度Θを得るために調整される。実施形態では、関節44a、44b、44cのうちのいくつかまたはすべては、機械的連動の必要性を取り除くために電気アクチュエータを含み得る。
【0029】
図4を参照すると、手術用ロボットシステム10のコンピュータ21、31、41の各々は、ハードウェアおよび/またはソフトウェアで具体化され得る複数のコントローラを含み得る。タワー20のコンピュータ21は、コントローラ21aおよび安全オブザーバ21bを含む。コントローラ21aは、手術用コンソール30のコンピュータ31から、ハンドルコントローラ38aおよび38bの現在の位置および/または配向、ならびにフットペダル36および他のボタンの状態に関するデータを受信する。コントローラ21aは、これらの入力位置を処理して、ロボットアーム40の各関節および/または器具駆動ユニット52に所望される駆動コマンドを判定し、これらをロボットアーム40のコンピュータ41と通信させる。また、コントローラ21aは、実際の関節角度を再び受信し、この情報を使用して、手術用コンソール30のコンピュータ31に返送される力フィードバックコマンドを判定し、ハンドルコントローラ38aと38bとを介して触覚フィードバックを提供する。安全オブザーバ21bは、コントローラ21aに出入りするデータに対して妥当性チェックを実施し、データ送信のエラーが検出されると、システム障害ハンドラに通知してコンピュータ21および/または手術システム10を安全な状態にする。
【0030】
コンピュータ41は、複数のコントローラ、すなわち、メインコントローラ41a、セットアップアームコントローラ41b、ロボットアームコントローラ41c、および器具駆動ユニット(IDU)コントローラ41dを含む。メインカートコントローラ41aは、コンピュータ21のコントローラ21aから関節コマンドを受信して処理し、それらをセットアップアームコントローラ41b、ロボットアームコントローラ41c、およびIDUコントローラ41dと通信させる。メインカートコントローラ41aはまた、器具交換、および可動カート60、ロボットアーム40、および器具駆動ユニット52の全体的な状態を管理する。メインカートコントローラ41aはまた、実際の関節角度をコントローラ21aに返送する。
【0031】
セットアップアームコントローラ41bは、回転関節63aおよび63bの各々、ならびにセットアップアーム62の回転可能なベース64を制御し、ピッチ軸に所望されるモーター移動コマンド(例えば、モータートルク)を計算し、ブレーキを制御する。ロボットアームコントローラ41cは、ロボットアーム40の各関節44aおよび44bを制御し、重力補償および閉ループ位置制御に要求されるモータートルクを計算する。ロボットアームコントローラ41cは、計算されたトルクに基づいて移動コマンドを計算する。次に、計算されたモーターコマンドは、ロボットアーム40内の1つ以上の電気アクチュエータ48aおよび48bに伝達される。次に、実際の関節位置が、電気アクチュエータ48aおよび48bによってロボットアームコントローラ41cに返送される。
【0032】
IDUコントローラ41dは、手首および顎の角度などの手術器具50の所望の関節角度を受信し、器具駆動ユニット52内のモーターの所望の電流を計算する。IDUコントローラ41dは、モーター位置に基づいて実際の角度を計算し、これらをメインコントローラ41aに返送する。
【0033】
図5を参照すると、可動カート60は、多導体ケーブル70を介してタワー20の電源23に結合され、タワー20の電源23から可動カートに電気エネルギーを供給するために使用される。具体的には、可動カート60は、ケーブル70に結合されて可動カート60とタワー20との間の電気通信を可能にするように構成された、コネクタ72を含む。ケーブル70は、タワー20のコネクタ74にも結合されている。可動カート60とタワー20との間の接続のみが以下に説明されるが、同様の接続および識別スキームが、手術用コンソール30を含むシステム10の任意の構成要素で使用され得ることが想定される。
【0034】
コネクタ72は、可動カート60のメインカートコントローラ41aに結合されるか、そうでない場合は通信することができ、コネクタ74は、タワー20のコントローラ21aに結合される。コネクタ72および74は、任意の適切な汎用入力/出力コネクタ(GPIO)であり得、実施形態では、電気信号を送信および/または受信するように構成された複数の接点(図示せず)を含む。本明細書で使用する場合、汎用通信用に予約されたアプリケーション全体で説明されるコネクタの接点は、GPIOと呼ばれ、任意の構成で配設された任意の数の接点を含むことができる。
【0035】
実施形態では、タワー20、特にコントローラ21aでは、可動カート60が最初にタワー20に接続されるときに、固有の識別番号(構成要素ID)を可動カート60に割り当てる。識別番号は4ビット値であってよく、ビットの各々はコネクタ72および74の接点の各々に対応する。実施形態では、識別番号は、任意のバイナリ値であってよく、ビットの各々はコネクタ72および74の接点に対応する。
【0036】
実施形態では、ケーブル70がタワー20および可動カート60の両方のコネクタ72および74にそれぞれ結合されると、タワー20は固有の識別番号(構成要素ID)を割り当て、識別番号を可動カート60に送信する(可動カート60に構成要素IDを割り当てる)。これに応答して、またはその後の接続時に、所定数量の接点が可動カート60のメインコントローラ41aによって通電され、これによってタワー20が可動カート60を識別することを可能にする(例えば、4プラスピンコネクタの第1および第3のピン「0101」)。予約され、高い「1」または低い「0」のいずれかに設定される接点の量は、手術用ロボットシステム100に含まれる利用可能な構成要素(例えば、可動カート60)の量、ケーブル70の導体数などに依存し、任意の適切な数であり得る。システム10が4つの可動カート60を含む場合、各可動カート60は、初期化中に送信されるタワー20からの固有の識別信号(例えば、構成要素ID1=「1100」、構成要素ID2=「1010」、構成要素ID3=「0101」、構成要素ID4=「0011」など)を受信することができる。その後、タワー20が、可動カート60からの識別信号を含む信号を受信し、タワー20のコネクタ74が可動カート60に結合するように事前構成されていると判定した場合(例えば、構成要素IDが割り当てられた構成要素IDと一致する場合)、タワー20は、可動カート60、ならびにそれに接続された構成要素、例えば、手術用ロボットアーム40、の操作および制御を継続する。
【0037】
初期接続時および固有の識別番号の受信時に、メインコントローラ41aは、固有の識別番号をメモリに格納する。続いてタワー20に接続すると、可動カート60のメインコントローラ41aは、固有の識別番号をタワー20に送信して、可動カート60を識別することができる。可動カート60への固有の識別番号の初期割り当ては、可動カート60をタワー20の特定のコネクタ74にさらに関連付けることができる。実施形態では、可動カート60がタワー20から切り離されると、かつ/もしくはタワー20または可動カート60のいずれかの電源が循環されると(例えば、タワー20および/または可動カート60がオフにされ、再びオンになる)、タワー20は、可動カート60への再接続時に、可動カート60に新たな固有の識別番号を割り当てることができる。実施形態では、可動カート60は、各初期化の前に(例えば、タワー20が可動カート60に接続される毎に)、固有の識別番号を割り当てられてよい。タワー20に接続されている、後の各可動アーム60には、固有の識別番号が割り当てられている。
【0038】
実施形態では、可動カート60のメインコントローラ41aは、タワー20に(直接または動作可能に)接続されると、割り当てられた識別番号を含む識別情報信号を含む信号(例えば、識別信号)だけでなく、製造番号、モデル番号、ならびに/または可動カート60および/もしくは手術用ロボットアーム40のシリアル番号を送信することができる。可動カート60によってタワー20に送信されるこの識別情報信号は、可動カート60に関連付けられた識別番号を確認するため(例えば、可動カート60が実施できる特定機能のため)に、タワー20によって使用され得る。実施形態では、可動カート60は、論理回路および/またはコネクタ72に直接結合された内部電源(例えば、バッテリ)を含み得るが、実施形態では、コネクタ72での初期電気信号の受信に応答して以下が起こり得る。初期化信号は、タワー20によって可動カート60に送信されて、可動カート60の様々な構成要素(例えば、ロボットアーム40)に識別情報信号を提供し得る。
【0039】
タワー20がその後の接続時に(例えば、可動カート60が切断されて再接続されたときに)可動カート60から識別信号を受信する実施形態では、タワー20は、識別信号(例えば、構成要素ID)を、割り当てられた識別番号を含むルックアップテーブルと比較してもよい。ルックアップテーブルは、タワー20によって割り当てられたすべてのデバイス識別番号のインデックス、ならびにタワー20が可動カート60に識別番号(例えば、構成要素ID)を割り当てたときにデバイスが結合された、対応するコネクタ74のインデックスを含み得る。識別信号として、可動カート60のシリアル番号、モデル番号などが挙げられるが、これらに限定されない識別情報信号を含むことができる。識別情報信号が識別番号と一致する場合(例えば、デバイス一致が存在する場合)、タワー20は、初期化プロセスを続行し、手術のために可動カート60を構成することができる。あるいは、識別情報信号が識別番号情報信号と一致しない場合(例えば、デバイス不一致が存在する場合)、タワー20はなにも動作しないか、またはタワー20、可動カート60、もしくは手術用コンソール30のいずれかによってエラー警告を出力させることができる。
【0040】
タワー20は、タワー20のコネクタ74から切り離された場合、可動カート60の初期化プロセスおよび/または操作を終了することができる。その後、可動カート60が同じコネクタ74でタワー20に、または別のコネクタ74に再接続される場合、可動カート60は、接続を検証する(構成要素IDがそのコネクタ74に以前に割り当てられた構成要素IDと一致する場合)か、または初期化プロセスを繰り返し、可動カート60に新たな識別情報信号(新たな構成要素ID)を割り当てることができる。接続が終了した場合、タワー20はさらにエラー信号を出力してもよく、このエラー信号が手術用コンソール30に表示されてもよい。実施形態では、可動カート60がタワー20の適切なコネクタ74に接続されているかどうかのこの初期判定に応答して、不一致および意図しない接続を構成プロセスの早い段階で識別し、これによって、手術用ロボットシステム10を準備するためのセットアップ時間および/または手術中に可動カート60を交換するために必要な時間を短縮することができる。
【0041】
さらなる実施形態において、フォールトトレランスが初期化プロセスに組み込まれ得る。特に、初期接続時に、初期識別信号に基づいて(エラーまたはその他のいずれかで)不一致が検出された場合、タワー20は、可動カート60に第2の識別信号を要求することおよび/または可動カート60からの第2の識別信号を受信することができる。このフォールトトレランスは、タワー20からの識別情報信号を複数回再送信し、再送信のたびに、タワー20によって可動カート60から受信された識別信号がこの移動カート60によって受信されたかどうかを判定することを含み得る。
【0042】
初期化後、すなわち、可動カート60の各々に識別番号を割り当てた後、可動カート60がタワー20に接続されている限り、可動カート60の各々は、割り当てられた識別番号をケーブルの接点70を介してタワー20に連続的に送信する。識別番号の破壊または不一致は、タワー20によって、コネクタ72、74、および/またはケーブル70の故障として解釈される。これにより、タワー20と可動カート60および/または手術用コンソール30とのケーブル70を介した接続の喪失の、ほぼ即時の(すなわち、識別信号の送信時の遅延を考慮に入れた)検証が可能になる。
【0043】
本明細書に開示された実施形態に様々な変更が加えられ得ることが理解されるであろう。実施形態では、センサは、ロボットアームの任意の適切な部分に配設され得る。したがって、上記の説明は、限定するものとして解釈されるべきではなく、単に様々な実施形態の例証として解釈されるべきである。当業者は本明細書に添付される特許請求の範囲内および趣旨内で他の変更を想定するであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】