IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシーの特許一覧

特表2022-529128アミノシロキサン/アルキルシランブレンド
<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-17
(54)【発明の名称】アミノシロキサン/アルキルシランブレンド
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/898 20060101AFI20220610BHJP
   A61K 8/58 20060101ALI20220610BHJP
   A61K 8/89 20060101ALI20220610BHJP
   A61Q 5/00 20060101ALI20220610BHJP
【FI】
A61K8/898
A61K8/58
A61K8/89
A61Q5/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021559559
(86)(22)【出願日】2020-04-06
(85)【翻訳文提出日】2021-10-06
(86)【国際出願番号】 US2020026812
(87)【国際公開番号】W WO2020214442
(87)【国際公開日】2020-10-22
(31)【優先権主張番号】62/835,666
(32)【優先日】2019-04-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000589
【氏名又は名称】特許業務法人センダ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アルメイダ、ダニエル
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AC931
4C083AC932
4C083AD151
4C083AD152
4C083AD161
4C083AD162
4C083CC31
4C083EE21
4C083EE28
4C083EE29
(57)【要約】
【解決手段】 毛髪に疎水性を付与するためのアミノシロキサン/アルキルシランブレンドであって、有機チタネート、有機ジルコネート、およびこれらの混合物からなる群から選択される、0.2~15重量%の美容上許容される縮合触媒と、1~20重量%の式(I)の美容上許容されるアミノシロキサンと、5~75重量%の式(II)の美容上許容されるアルキルシランと、15~93.8重量%の式(III)の美容上許容されるポリジメチルシロキサンと、を含む、アミノシロキサン/アルキルシランブレンド。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
毛髪に疎水性を付与するためのアミノシロキサン/アルキルシランブレンドであって、
(a)有機チタネート、有機ジルコネート、およびこれらの混合物からなる群から選択される、0.2~15重量%の美容上許容される縮合触媒と、
(b)1~20重量%の式(I)の美容上許容されるアミノシロキサンであって、
【化1】
式中、各Rは、独立して、C1~30アルキル基、C1~30アルコキシ基、C5~30アリール基、C6~30アラルキル基、C6~30アラルキルオキシ基、C1~30アルカリル基、C1~30アルコキシアリール基、およびヒドロキシ基からなる群から選択され、
は、1~10個の炭素原子を有する二価のアルキレンラジカルであり、
各Rは、独立して、C1~30アルキル基、C5~30アリール基、C6~30アラルキル基、およびC1~30アルカリル基からなる群から選択され、
Qは、-NR 、および-NR(CHNR からなる群から選択される一価のラジカルであり、
各Rは、独立して、水素、およびC1~4アルキル基からなる群から選択され、
xは、2~6であり、
zは、0または1であり、
nは、25~3,000であり、
mは、0~3,000であり、
ただし、RおよびR基の総数の少なくとも50モル%が、メチルであり、mが、0である場合、zは、1である、1~20重量%の式(I)の美容上許容されるアミノシロキサンと、
(c)5~75重量%の式(II)の美容上許容されるアルキルシランであって、
【化2】
式中、aは、0および1から選択され、
は、付加反応官能性部分を有するC2~10アルキル基であり、
各Rは、独立して、C1~4アルキル基から選択される、5~75重量%の式(II)の美容上許容されるアルキルシランと、
(d)15~93.8重量%の式(III)の美容上許容されるポリジメチルシロキサンであって、
【化3】
式中、nは、0~150の平均である、15~93.8重量%の式(III)の美容上許容されるポリジメチルシロキサンと、を含む、アミノシロキサン/アルキルシランブレンド。
【請求項2】
前記付加反応官能性部分が、エポキシド基およびビニル基からなる群から選択される、請求項1に記載のアミノシロキサン/アルキルシランブレンド。
【請求項3】
前記美容上許容される縮合触媒が、チタネートを含む、請求項1に記載のアミノシロキサン/アルキルシランブレンド。
【請求項4】
zが、0である、請求項1に記載のアミノシロキサン/アルキルシランブレンド。
【請求項5】
が、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、-CHCH(CH)CH-、および-CHCHCH(CH)CH-からなる群から選択される、請求項4に記載のアミノシロキサン/アルキルシランブレンド。
【請求項6】
aが、1である、請求項1に記載のアミノシロキサン/アルキルシランブレンド。
【請求項7】
前記アミノシロキサン/アルキルブレンドが、
5~10重量%の前記美容上許容される縮合触媒と、
1.5~17重量%の前記式(I)の美容上許容されるアミノシロキサンと、
10~70重量%の前記式(II)の美容上許容されるアルキルシランと、
20~88重量%の前記式(III)の美容上許容されるポリジメチルシロキサンと、を含む、請求項1に記載のアミノシロキサン/アルキルシランブレンド。
【請求項8】
前記美容上許容される縮合触媒が、有機チタネートであり、zが、0であり、前記付加反応官能基が、エポキシド基およびビニル基からなる群から選択される、請求項7に記載のアミノシロキサン/アルキルシランブレンド。
【請求項9】
が、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、-CHCH(CH)CH-、および-CHCHCH(CH)CH-からなる群から選択される、請求項8に記載のアミノシロキサン/アルキルシランブレンド。
【請求項10】
aが、1である、請求項9に記載のアミノシロキサン/アルキルシランブレンド。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、毛髪に疎水性を付与するためのアミノシロキサン/アルキルシランブレンドに関する。特に、本発明は、毛髪に疎水性を付与するためのアミノシロキサン/アルキルシランブレンドであって、有機チタネート、有機ジルコネート、およびこれらの混合物からなる群から選択される、0.2~15重量%の美容上許容される縮合触媒と、1~20重量%の式(I)の美容上許容されるアミノシロキサンと、5~75重量%の式(II)の美容上許容されるアルキルシランと、15~93.8重量%の式(III)の美容上許容されるポリジメチルシロキサンと、を含む、アミノシロキサン/アルキルシランブレンドに関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
損傷を受けていない毛髪は、本質的に、滑らかで光沢があり、疎水性である傾向があり、洗髪時の過剰な水分吸着を防止する。毛髪が、機械的または化学的に(すなわち、ブリーチ、パーマ、またはカラーを通して)損傷すると、毛髪の表面は、より親水性になる。毛髪の表面が、より親水性になると、得られた毛髪繊維は、洗髪中に膨潤する傾向があり、毛髪を管理するのがより困難になる(例えば、櫛)。
【0003】
損傷を受けていない毛髪の特性を保持し、損傷を防ぐのに役立つように設計されたヘアケア製品に対する需要が高まっている。
【0004】
毛髪に疎水性を付与するパーソナルケア配合物(特にヘアケア配合物)で使用するための添加剤およびブレンドに対する継続的な必要性が残っている。
【0005】
本発明は、毛髪に疎水性を付与するためのアミノシロキサン/アルキルシランブレンドであって、(a)有機チタネート、有機ジルコネート、およびこれらの混合物からなる群から選択される、0.2~15重量%の美容上許容される縮合触媒と、(b)1~20重量%の式(I)の美容上許容されるアミノシロキサンであって、
【化1】
式中、各Rは、独立して、C1~30アルキル基、C1~30アルコキシ基、C5~30アリール基、C6~30アラルキル基、C6~30アラルキルオキシ基、C1~30アルカリル基、C1~30アルコキシアリール基、およびヒドロキシ基からなる群から選択され、Rは、1~10個の炭素原子を有する二価のアルキレンラジカルであり、各Rは、独立して、C1~30アルキル基、C5~30アリール基、C6~30アラルキル基、およびC1~30アルカリル基からなる群から選択され、Qは、-NR 、および-NR(CHNR からなる群から選択される一価のラジカルであり、各Rは、独立して、水素、およびC1~4アルキル基からなる群から選択され、xは、2~6であり、zは、0または1であり、nは、25~3,000であり、mは、0~3,000であり、ただし、RおよびR基の総数の少なくとも50モル%が、メチルであり、mが、0である場合、zは、1である、1~20重量%の式(I)の美容上許容されるアミノシロキサンと、(c)5~75重量%の式(II)の美容上許容されるアルキルシランであって、
【化2】
式中、aは、0および1から選択され、Rは、付加反応官能性部分を有するC2~10アルキル基であり、各Rは、独立して、C1~4アルキル基から選択される、5~75重量%の式(II)の美容上許容されるアルキルシランと、(d)15~93.8重量%の式(III)の美容上許容されるポリジメチルシロキサンであって、
【化3】
式中、nは、0~150の平均である、15~93.8重量%の式(III)の美容上許容されるポリジメチルシロキサンと、を含む、アミノシロキサン/アルキルシランブレンドを提供する。
【発明を実施するための形態】
【0006】
現在、我々は、驚くべきことに、4つの成分の特定された独自のブレンドが、損傷した毛髪に例示的な持続的疎水性を提供し、処理された毛髪は、その後の30回もの洗髪後も、継続的な強化された疎水性を示すことを見出した。
【0007】
特に指示がない限り、比率、百分率、部などは、重量単位である。
【0008】
本明細書および添付で使用される場合、「美容上許容される」という用語は、パーソナルケア組成物に典型的に使用される成分を指し、パーソナルケア組成物中およびヘアケア組成物中に典型的に見られる量で存在する場合に毒性のある材料が、本発明の一部として企図されないことを強調することが意図される。
【0009】
好ましくは、本発明の毛髪に疎水性を付与するためのアミノシロキサン/アルキルシランブレンドは、(a)有機チタネート、有機ジルコネート、およびこれらの混合物からなる群から選択される、0.2~15重量%(好ましくは、0.5~10重量%、より好ましくは、1~8重量%)の美容上許容される縮合触媒と、(b)1~20重量%(好ましくは、1.5~17重量%、より好ましくは、2~15重量%)の式(I)の美容上許容されるアミノシロキサンであって、
【化4】
式中、各Rは、独立して、C1~30アルキル基、C1~30アルコキシ基、C5~30アリール基、C6~30アラルキル基、C6~30アラルキルオキシ基、C1~30アルカリル基、C1~30アルコキシアリール基、およびヒドロキシ基からなる群から選択され、Rは、1~10個の炭素原子(好ましくは、3~6個の炭素原子)を有する二価のアルキレンラジカルであり、各Rは、独立して、C1~30アルキル基、C5~30アリール基、C6~30アラルキル基、およびC1~30アルカリル基からなる群から選択され、Qは、-NR 、および-NR(CHNR からなる群から選択される一価のラジカルであり、各Rは、独立して、水素、およびC1~4アルキル基からなる群から選択され、xは、2~6であり、zは、0または1であり、nは、25~3,000(好ましくは、25~2,000、より好ましくは、25~1,000、最も好ましくは、25~500)であり、mは、0~3,000(好ましくは、0~2,000、より好ましくは、0~1,000、最も好ましくは、0~100)であり、ただし、RおよびR基の総数の少なくとも50モル%が、メチルであり、mが、0である場合、zは、1である、1~20重量%(好ましくは、1.5~17重量%、より好ましくは、2~15重量%)の式(I)の美容上許容されるアミノシロキサンと、(c)5~75重量%(好ましくは、10~70重量%、より好ましくは、40~60重量%)の式(II)の美容上許容されるアルキルシランであって、
【化5】
式中、aは、0および1から選択され(好ましくは、aは、1であり)、Rは、付加反応官能性部分を有するC2~10アルキル基であり、各Rは、独立して、C1~4アルキル基から選択される、5~75重量%(好ましくは、10~70重量%、より好ましくは、40~60重量%)の式(II)の美容上許容されるアルキルシランと、(d)15~93.8重量%(好ましくは、20~88重量%、より好ましくは、25~57重量%)の式(III)の美容上許容されるポリジメチルシロキサンであって、
【化6】
式中、nは、0~150(好ましくは、0~100、より好ましくは、0~50、さらにより好ましくは、0~25、最も好ましくは、0~8)の平均である、15~93.8重量%(好ましくは、20~88重量%、より好ましくは、25~57重量%)の式(III)の美容上許容されるポリジメチルシロキサンと、を含む。
【0010】
好ましくは、本発明の毛髪に疎水性を付与するためのアミノシロキサン/アルキルシランブレンドは、有機チタネート、有機ジルコネート、およびこれらの混合物からなる群から選択される美容上許容される縮合触媒を含む。より好ましくは、本発明の毛髪に疎水性を付与するためのアミノシロキサン/アルキルシランブレンドは、有機チタネート、有機ジルコネート、およびこれらの混合物からなる群から選択される、0.2~15重量%(好ましくは、0.5~10重量%、より好ましくは、1~8重量%)の美容上許容される縮合触媒を含む。最も好ましくは、本発明の毛髪に疎水性を付与するためのアミノシロキサン/アルキルシランブレンドは、0.2~15重量%(好ましくは、0.5~10重量%、より好ましくは、1~8重量%)の美容上許容される縮合触媒を含み、ここで、美容上許容される縮合触媒は、有機チタネート(好ましくは、テトラ-n-ブチルチタネート)を含む。
【0011】
好ましくは、美容上許容される縮合触媒が選択される有機チタネートおよび有機ジルコネート系触媒は、一般式M[OR]による化合物を含み、式中、Mは、TiおよびZr(好ましくは、Ti)からなる群から選択され、各Rは、独立して、1~10個の炭素原子を含有する直鎖または分岐であり得る一価、一級、二級、または三級脂肪族炭化水素基から選択される。好ましくは、各Rは、独立して、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t-ブチル基、および分岐二級アルキル基(例えば、2,4-ジメチル-3-ペンチル)からなる群から選択される。より好ましくは、すべてのRは、同じである。さらにより好ましくは、すべてのRは、同じであり、n-ブチル、t-ブチル、ブチル、およびイソプロピルから選択される。最も好ましくは、すべてのRは同じであり、n-ブチルである。
【0012】
好ましくは、本発明の毛髪に疎水性を付与するためのアミノシロキサン/アルキルシランブレンドは、式(I)の美容上許容されるアミノシロキサンを含む。より好ましくは、本発明の毛髪に疎水性を付与するためのアミノシロキサン/アルキルシランブレンドは、1~20重量%(好ましくは、1.5~17重量%、より好ましくは2~15重量%)の式(I)の美容上許容されるアミノシロキサンを含み、
【化7】
式中、各Rは、独立して、C1~30アルキル基、C1~30アルコキシ基、C5~30アリール基、C6~30アラルキル基、C6~30アラルキルオキシ基、C1~30アルカリル基、C1~30アルコキシアリール基、およびヒドロキシ基からなる群から選択され(好ましくは、各Rは、独立して、C1~30アルキル基、C1~30アルコキシ基、およびヒドロキシ基からなる群から選択され)、Rは、1~10個の炭素原子を有する二価のアルキレンラジカルであり(好ましくは、Rは、3~6個の炭素原子を有する二価のアルキレンラジカルであり)、各Rは、独立して、C1~30アルキル基、C5~30アリール基、C6~30アラルキル基、およびC1~30アルカリル基からなる群から選択され(好ましくは、各Rは、独立して、C1~30アルキル基からなる群から選択され)、Qは、-NR 、および-NR(CHNR からなる群から選択される一価のラジカルであり、各Rは、独立して、水素、およびC1~4アルキル基からなる群から選択され、xは、2~6であり、zは、0または1であり、nは、25~3,000(好ましくは、25~2,000、より好ましくは、25~1,000、最も好ましくは、25~500)であり、mは、0~3,000(好ましくは、0~2,000、より好ましくは、0~1,000、最も好ましくは、0~100)であり、ただし、RおよびR基の総数の少なくとも50モル%が、メチルであり、mが、0である場合、zは、1である。
【0013】
好ましいR基としては、メチル、メトキシ、エチル、エトキシ、プロピル、プロポキシ、イソプロピル、イソプロポキシ、ブチル、ブトキシ、イソブチル、イソブトキシ、フェニル、キセニル、ベンジル、フェニルエチル、トリル、およびヒドロキシが挙げられる。
【0014】
好ましいR二価アルキレンラジカルとしては、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、-CHCH(CH)CH-、および-CHCHCH(CH)CH-が挙げられる。
【0015】
好ましいR基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、フェニル、キセニル、ベンジル、フェニルエチル、およびトリルが挙げられる。
【0016】
好ましいR基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、およびイソブチルが挙げられる。
【0017】
zが、0の場合、美容上許容されるアミノシロキサンは、ポリマー鎖にペンダントアミン官能性置換基のみを有する。Zが、1の場合、美容上許容されるアミノシロキサンは、末端アミン官能性置換基のみを有し得るか(例えば、m=0)、またはポリマー鎖に末端およびペンダントアミン官能性置換基の両方を有し得る(例えば、m>0)。
【0018】
好ましくは、n+mは、50~1000である。より好ましくは、n+mは、50~750である。さらにより好ましくは、n+mは、50~500である。最も好ましくは、n+mは、50~250である。
【0019】
好ましくは、本発明の毛髪に疎水性を付与するためのアミノシロキサン/アルキルシランブレンドは、式(II)の美容上許容されるアルキルシランを含む。より好ましくは、本発明の毛髪に疎水性を付与するためのアミノシロキサン/アルキルシランブレンドは、5~75重量%(好ましくは、10~70重量%、より好ましくは40~60重量%)の式(II)の美容上許容されるアルキルシランを含み、
【化8】
式中、aは、0および1から選択され(好ましくは、aは、1であり)、Rは、付加反応官能性部分を有するC2~10アルキル基であり(好ましくは、Rは、エポキシド基(例えば、グリシジル)、およびビニル基から選択される付加反応官能性部分を有するC2~10アルキル基であり)、各Rは、独立して、C1~4アルキル基から選択される(好ましくは、各Rは、独立して、C1~3アルキル基から選択され、より好ましくは、各Rは、独立して、C1~2アルキル基から選択され、最も好ましくは、各Rは、エチル基である)。
【0020】
任意選択的に、R基は、さらに酸素原子で置換され得る。例えば、R基は、C2~10アルキル基内に、エーテル結合を形成する酸素を含み得る。
【0021】
任意選択的に、R基は、C2~10アルキル基から選択され、C2~10アルキル基としては、環状構造(例えば、シクロヘキシル環)を挙げることができる。
【0022】
好ましくは、本発明の毛髪に疎水性を付与するためのアミノシロキサン/アルキルシランブレンドは、式(III)の美容上許容されるポリジメチルシロキサンを含む。より好ましくは、本発明の毛髪に疎水性を付与するためのアミノシロキサン/アルキルシランブレンドは、15~93.8重量%(好ましくは、20~88重量%、より好ましくは25~57重量%)の式(III)の美容上許容されるポリジメチルシロキサンを含み、
【化9】
式中、nは、0~150(好ましくは、0~100、より好ましくは、0~50、さらにより好ましくは、0~25、最も好ましくは、0~8)の平均である。
【0023】
好ましくは、本発明の毛髪に疎水性を付与するためのアミノシロキサン/アルキルシランブレンドを調製する場合、式(III)の美容上許容されるポリジメチルシロキサンが、式(II)の美容上許容されるアルキルシラン、および美容上許容される縮合触媒と、均一になるまで適度な攪拌(例えば、機械的攪拌)でブレンドされる。次いで、式(I)の美容上許容されるアミノシロキサンが、均一になるまで継続的な攪拌で、系にゆっくりと添加される。必須ではないが、不活性雰囲気(例えば、窒素)でアミノシロキサン/アルキルシランブレンドを調製することが好ましい。
【0024】
本発明の毛髪に疎水性を付与するためのアミノシロキサン/アルキルシランブレンドは、毛髪を処理するために提供されるように使用され得る。あるいは、本発明の毛髪に疎水性を付与するためのアミノシロキサン/アルキルシランブレンドは、配合されたヘアケア系に組み込むために添加剤として使用されて、その系に、毛髪に疎水性を付与する能力を提供し得る。
【0025】
本発明のいくつかの実施形態をこれより以下の実施例において詳細に説明する。
【0026】
比較例C1~C2および実施例1~4:アミノシロキサン/アルキルシランブレンド
比較例C1~C2および実施例1~4の各々について、表1に記載される成分の組成を有するブレンドを調製した。
【表1】
【0027】
毛髪の疎水性
比較例C1~C2および実施例1~4の各々に従って調製されたブレンドを、2つの別個の3gの毛髪試料(わずかにブリーチされた白人の毛髪、International Hair Importers,Inc.)で試験した。毛髪試料を、最初に水で30秒間すすいだ。次いで、ラウリルエーテル硫酸ナトリウムの9%(重量/重量)水溶液を、毛髪試料に30秒間マッサージした。次いで、毛髪試料を、水で30秒間すすいだ。最後に、比較例C1~C2および実施例1~4に従って調製されたブレンドを、ポリジメチルシロキサン(DOWSIL(商標)PMX200/2流体)で希釈して、PDMS中で20重量%の各ブレンドを提供した。次いで、希釈されたブレンドを、表2に記載される用量(希釈されたブレンドのg/毛髪のg)で別個の毛髪試料に加え、30秒間毛髪にマッサージした。次いで、毛髪試料を、水で30秒間すすぎ、疎水性試験の前に乾燥させた。この試験ですすぎに使用された水を、80ppmの硬度に軟化し、38℃に加熱した。
【0028】
毛髪の疎水性を測定するために、毛髪の房をまっすぐにすき、毛髪の房の両端をホルダーでしっかりと保持した。根元から先端まで、各毛髪の房の異なる場所に10滴の水を置いた。各水滴の水接触角の測定を、水滴が毛髪の房に接触した10秒後に行った。角度が大きいほど、疎水性が高い(これが望ましい)。このプロセスを、ラウリルエーテル硫酸ナトリウムの9%(重量/重量)水溶液で、0、5、10、20、および30回洗髪した後に、各毛髪の房に対して繰り返した。平均接触角を、表2で報告する。
【表2】
【0029】
毛髪の摩擦係数
摩擦係数は、毛髪の処理での摩擦特性の低下を測定する業界標準の方法であり、滑らかさおよび柔らかさの感覚的な属性と相関関係がある。温度および湿度が制御された室内での試験には、ゴム製プローブに50gの垂直抗力を取り付けたDiastron MTT175引張試験機を使用した。表3に報告される平均摩擦データを生成するために、処理ごとに2つの毛髪の房、毛髪の房ごとに5つの測定値を試験した。摩擦係数(COF)=F/N、式中、Fは、外部から加えられた力であり、Nは、垂直抗力である。疎水性研究からの同じ毛髪の房を、乾燥状態での摩擦係数の測定に使用した。
【表3】

【国際調査報告】