(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-17
(54)【発明の名称】電動弁
(51)【国際特許分類】
F16K 31/04 20060101AFI20220610BHJP
F16K 31/53 20060101ALI20220610BHJP
【FI】
F16K31/04 Z
F16K31/04 A
F16K31/53
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021562180
(86)(22)【出願日】2020-05-27
(85)【翻訳文提出日】2021-10-19
(86)【国際出願番号】 CN2020092464
(87)【国際公開番号】W WO2020253480
(87)【国際公開日】2020-12-24
(31)【優先権主張番号】201920938666.X
(32)【優先日】2019-06-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201922013399.8
(32)【優先日】2019-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514239545
【氏名又は名称】浙江三花制冷集団有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002343
【氏名又は名称】特許業務法人 東和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウー、 ハンチー
(72)【発明者】
【氏名】シュー、 ミンフイ
【テーマコード(参考)】
3H062
3H063
【Fターム(参考)】
3H062AA07
3H062BB21
3H062CC01
3H062DD01
3H062EE01
3H062EE07
3H062FF38
3H062GG01
3H062GG06
3H063AA06
3H063BB50
3H063DA14
3H063DB36
3H063FF01
(57)【要約】
本出願は、電動弁を開示している。
電動弁は、固定接続されているハウジング部材(4)と弁ボディ部材(3)とを含み、制御部材(1)は、モータ(11)を含んでおり、ハウジング部材(4)の内室に設けられ、水蒸気の、モータ(11)に対する影響を減少させることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング部材、弁ボディ部材、制御部材及び歯車減速機構を含む電動弁であって、
前記ハウジング部材は、前記弁ボディ部材に固定接続され、前記電動弁の弁室は、互いに連通している前記ハウジング部材の内室と前記弁ボディ部材の内室とを含み、
前記制御部材及び前記歯車減速機構は、前記ハウジング部材の内室に設けられ、前記制御部材は、回動するように接続されるモータと入力歯車とを含み、前記モータのステータとロータとは、前記歯車減速機構の上方にあり、前記歯車減速機構は、遊星歯車及び出力キャリアを含み、前記入力歯車は、前記遊星歯車に噛合され、前記遊星歯車によって前記出力キャリアを回動させることができ、
前記弁ボディ部材は、弁ボディ、第1弁座、弁体及び伝動軸を含み、前記弁ボディは、前記第1弁座に固定接続され、前記弁体は、前記弁ボディ部材の内室に設けられ、前記出力キャリアと前記伝動軸とは、回動するように接続され、前記伝動軸と前記弁体とは、回動するように接続されることを特徴とする電動弁。
【請求項2】
前記伝動軸の一端は、前記出力キャリアの孔部に入り込み、前記出力キャリアによって前記伝動軸を回動させることが可能となり、前記伝動軸の他端は、前記弁体の溝に入り込み、前記伝動軸によって前記弁体を回動させることが可能となることを特徴とする請求項1に記載の電動弁。
【請求項3】
前記モータは、前記入力歯車に固定接続される回転軸を含み、前記入力歯車の周方向外壁は、太陽歯車を含み、前記歯車減速機構は、固定接続されているリング歯車と仕切板とをさらに含み、前記リング歯車は、円筒状を呈しており、前記太陽歯車の少なくとも一部は、前記リング歯車の内室にあり、前記遊星歯車は、前記リング歯車の内室にあり、前記太陽歯車は、前記遊星歯車に噛合され、前記仕切板は、中心孔を含み、前記モータは、前記入力歯車に近接する下軸受を含み、前記下軸受の少なくとも一部は、前記中心孔にあり、前記下軸受は、前記中心孔に隙間嵌めされることを特徴とする請求項2に記載の電動弁。
【請求項4】
前記制御部材は、前記仕切板に設けられ、外周にある切欠を含む実装板をさらに有し、前記モータは、前記実装板に固定接続され、前記実装板は、前記ハウジング部材に固定接続され、前記ハウジング部材の内室は、前記実装板の上方にある上室と、前記リング歯車の内室とを含み、前記上室は、前記切欠に連通し、前記ステータ及び前記ロータは、前記上室にあり、前記リング歯車は、前記下腔にあり、前記仕切板は、前記切欠と前記リング歯車の内室とを連通させる連通流路を含み、前記連通流路は、軸方向で前記仕切板を貫通する貫通孔と、前記貫通孔から径方向に前記仕切板の周方向外壁まで延伸する連通溝とを含むことを特徴とする請求項3に記載の電動弁。
【請求項5】
前記連通流路は、環状溝を含み、前記貫通孔は、前記中心孔に対して対称配置され少なくとも2つを有し、前記環状溝は、各前記貫通孔を連通させることを特徴とする請求項4に記載の電動弁。
【請求項6】
前記モータは、回転軸と、前記回転軸に固定接続される伝動ロッドとを含み、前記伝動ロッドは、側壁部を含み、前記入力歯車は、大径セグメントと小径セグメントとを含み、前記大径セグメントの上端には、凹溝が設けられ、前記伝動ロッドの少なくとも一部は、前記凹溝内にあり、前記凹溝は、前記側壁部に当接されることが可能となる溝壁部を含み、前記溝壁部と前記側壁部との間は、周方向の移動隙間を有し、前記小径セグメントの周方向外壁は、太陽歯車を含み、前記歯車減速機構は、固定接続されているリング歯車と仕切板とを含み、前記リング歯車は、円筒状を呈しており、前記太陽歯車の少なくとも一部は、前記リング歯車の内室にあり、前記遊星歯車は、前記リング歯車の内室にあり、前記太陽歯車は、前記遊星歯車に噛合され、前記仕切板は、前記小径セグメントが貫通する中心孔を含むことを特徴とする請求項2に記載の電動弁。
【請求項7】
前記大径セグメントの下端には、凸リングが設けられ、前記凸リングの下端の縦断面の輪郭は、ほぼ円弧形を呈しており、前記凸リングは、前記仕切板に当接されることを特徴とする請求項6に記載の電動弁。
【請求項8】
前記歯車減速機構は、遊星キャリアと位置決めロッドとを含み、前記遊星歯車は、前記遊星キャリアに設けられ、前記遊星キャリアは、中心貫通孔を含む1次遊星キャリアを有し、前記回転軸の下端は、前記中心貫通孔にあり、前記伝動軸の上端は、盲孔を含み、前記位置決めロッドは、上端が前記中心貫通孔にあり、下端が前記盲孔にあることを特徴とする請求項3に記載の電動弁。
【請求項9】
コネクタ座部、シールガラス及びピンを含むコネクタを有し、前記コネクタ座部は、前記ハウジング部材に溶接固定されており、上部セグメント、中間セグメント及び下部セグメントを含み、前記上部セグメントは、コネクタ室部を含み、前記シールガラスは、焼結によって前記中間セグメントに固定配置され、前記下部セグメントは、密閉室を含み、前記シールガラスは、焼結によって前記ピンに固定され、前記ピンは、前記シールガラスに貫設されており、その上端が前記コネクタ室部にあり、下端が前記密閉室にあるとともに、前記制御部材のリード線に電気的に接続され、
前記ハウジング部材は、溶接固定されている上部ハウジングと下部ハウジングとを含み、前記上部ハウジングの上端は、上向きに突出する突出部を含み、前記コネクタ座部の下端は、階段面が下向きである第1階段部を含み、前記突出部は、前記第1階段部に溶接固定され、前記下部ハウジングの上端は、階段面が上向きである第2階段部を含み、前記上部ハウジングは、前記第2階段部に設けられるとともに、前記第2階段部に溶接固定され、前記下部ハウジングは、前記弁ボディに溶接固定されることを特徴とする請求項2に記載の電動弁。
【請求項10】
前記弁ボディは、管状を呈し、ステンレス鋼材料を引っ張ることで製造されており、本体部、及び前記本体部の周方向の外縁から張り出す略管状の張出部を含み、前記伝動軸は、前記張出部を貫通し、
前記ハウジング部材の下部ハウジングは縮径部を含み、前記張出部の内壁は、前記縮径部の外壁に溶接固定され、前記縮径部と前記伝動軸との間には軸受が設けられ、または、前記張出部の外壁は、前記縮径部の内壁に溶接固定され、前記張出部と前記伝動軸との間には軸受が設けられることを特徴とする請求項3~請求項7の何れか1項に記載の電動弁。
【請求項11】
前記出力キャリアは、盤状本体部を含み、前記出力キャリアの孔部は、前記盤状本体部に設けられ、前記孔部の横断面は、非円形であり、前記盤状本体部における前記弁体に向かう一側には突起部が設けられ、前記軸受は、筒状部、及び前記筒状部から径方向に延伸する径方向延伸部を含み、前記筒状部は、前記ハウジング部材の内室と前記弁ボディ部材の内室とを連通させる軸方向連通溝を含み、前記径方向延伸部の外縁は、前記下部ハウジングの内壁に溶接固定され、前記径方向延伸部における前記筒状部から離れた一端は、前記リング歯車の下端の位置制限凹溝内にあり、前記突起部は、前記径方向延伸部の他端に当接されることで、前記出力キャリアの周方向の回動ストロークを制限することが可能となることを特徴とする請求項10に記載の電動弁。
【請求項12】
前記出力キャリアは、盤状本体部を含み、前記出力キャリアの孔部は、前記盤状本体部に設けられ、前記孔部の横断面は、非円形であり、前記盤状本体部における前記弁体に向かう一側には、突起部が設けられ、前記軸受は、筒状部、前記筒状部から径方向に延伸する径方向延伸部、及び前記径方向延伸部から、軸方向で上に延伸する軸方向延伸部を含み、前記筒状部は、前記ハウジング部材の内室と前記弁ボディ部材の内室とを連通させる軸方向連通溝を含み、前記突起部は、前記径方向延伸部に当接されることで、前記出力キャリアの周方向の回動ストロークを制限することが可能となり、前記軸方向延伸部の外壁は、前記下部ハウジングの内壁に溶接固定され、前記軸方向延伸部は、前記リング歯車の下端の位置制限凹溝内にあることを特徴とする請求項10に記載の電動弁。
【請求項13】
前記弁ボディのブランクは、金属材料を鍛造しまたは鋳造することで製造され、前記弁ボディは、本体部と前記制御部材に張り出す張出部とを有し、前記張出部は、前記伝動軸が貫通する貫通孔を含み、
前記ハウジング部材の下部ハウジングは、縮径部を含み、前記張出部の外壁は、前記縮径部の内壁に溶接固定され、前記張出部と前記伝動軸との間には、軸受が設けられ、前記軸受は、軸方向で貫通し、前記ハウジング部材の内室と前記弁ボディ部材の内室とを連通させる切欠を含むことを特徴とする請求項1~請求項9の何れか1項に記載の電動弁。
【請求項14】
前記出力キャリアは、盤状本体部を含み、前記出力キャリアの孔部は、前記盤状本体部に設けられ、その横断面は、非円形であり、前記盤状本体部における前記弁体に向かう一側には突起部が設けられ、前記張出部の上端は、ボスを含み、前記突起部は、前記ボスに当接されることで、前記出力キャリアの周方向の回動ストロークを制限することが可能となることを特徴とする請求項13に記載の電動弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2019年06月21日にて中国特許庁に提出され、出願番号が201920938666.Xであり、発明名称が「電動弁」であり、及び、2019年11月20日にて中国特許庁に提出され、出願番号が201922013399.8であり、発明名称が「電動弁」である中国特許出願の優先権を主張して、その全ての内容は、本出願に援用される。
【0002】
本発明は、流体制御の技術分野に関わり、具体的に電動弁に関わる。
【背景技術】
【0003】
図1は、背景技術から与えられた電動弁の断面模式図である。
図1に示すように、電動弁は、カバー01、弁ボディ02、コイル03及びロータ04を含み、カバー01は、弁ボディ02に溶接固定され、ロータ04は、カバー01内に設けられ、コイル03は、カバー01の外部に設けられている。
当該構成において、コイル03が、常に環境に露出するため、環境における水蒸気に影響され、短絡破壊を招致する恐れがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、如何に環境における水蒸気の、コイルに対する影響を減少させるかということが、課題である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、電動弁を提供することを目的とし、ハウジング部材、弁ボディ部材、制御部材及び歯車減速機構を含み、前記ハウジング部材は、前記弁ボディ部材に固定接続され、前記電動弁の弁室は、互いに連通している前記ハウジング部材の内室と前記弁ボディ部材の内室とを含み、前記制御部材及び前記歯車減速機構は、前記ハウジング部材の内室に設けられ、前記制御部材は、回動するように接続されるモータと入力歯車とを含み、前記モータのステータとロータとは、前記歯車減速機構の上方にあり、前記歯車減速機構は、遊星歯車、及び出力キャリアを含み、前記入力歯車は、前記遊星歯車に噛合され、前記遊星歯車によって前記出力キャリアを回動させることができ、前記弁ボディ部材は、弁ボディ、第1弁座、弁体及び伝動軸を含み、前記弁ボディは、前記第1弁座に固定接続され、前記弁体は、前記弁ボディ部材の内室に設けられ、前記出力キャリアと前記伝動軸とは、回動するように接続され、前記伝動軸と前記弁体とは、回動するように接続される。
【0006】
本発明の電動弁において、ハウジング部材は、弁ボディ部材に固定接続され、制御部材は、モータを含んでおり、ハウジング部材の内室に設けられ、背景技術に対して、水蒸気の、モータに対する影響を減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】背景技術による電動弁の断面を示す模式図である。
【
図2】本発明である電動弁の断面を示す模式図である。
【
図3】
図2におけるコネクタの構成を示す模式図である。
【
図4a】
図2における仕切板の構成を示す模式図である。
【
図4b】
図2におけるリング歯車の構成を示す模式図である。
【
図5】
図2における出力キャリアの構成を示す模式図である。
【
図6】
図2における軸受の構成を示す模式図である。
【
図7】
図2におけるリング歯車、出力キャリア及び軸受の係合を示す模式図である。
【
図8】
図2における伝動軸の断面を示す模式図である。
【
図10a】本発明の第2実施例である電動弁の局部断面を示す模式図である。
【
図10b】
図10aにおける回転軸、伝動ロッド及び入力歯車の係合を示す模式図である。
【
図11】本発明の第3実施例である電動弁の局部断面を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の電動弁において、ボディ部材は、ハウジング部材に固定接続され、電動弁の弁室は、互いに連通しているハウジング部材の内室と弁ボディ部材の内室とを含み、制御部材は、モータを含んで、ハウジング部材の内室に設けられている。
背景技術に対して、水蒸気の、モータに対する影響を減少させることができる。
【0009】
以下は、図面及び実施形態を用いて、本発明をさらに詳しく説明する。
【0010】
ここで、本明細書における上及び下などの方位用語は、
図2~
図13における部品の位置、及び、部品の相互の間の位置を定義するためのものである。
なお、本明細書が採用した方位用語は、本出願の保護範囲を限定していない。
【0011】
また、本明細書における「回動」は、円周方向の運動を指し、1周以上回動(360°)の運動のみならず、1周以内回動(360°)の運動も含む。
【0012】
図2は、本発明である電動弁の断面を示す模式図であり、
図3は、
図2におけるコネクタの構成を示す模式図であり、
図4aは、
図2における仕切板の構成を示す模式図であり、
図4bは、
図2におけるリング歯車の構成を示す模式図であり、
図5は、
図2における出力キャリアの構成を示す模式図であり、
図6は、
図2における軸受の構成を示す模式図であり、
図7は、
図2におけるリング歯車、出力キャリア及び軸受の係合を示す模式図であり、
図8は、
図2における伝動軸の断面を示す模式図である。
【0013】
電動弁は、制御部材1、歯車減速機構2、弁ボディ部材3、及び、ハウジング部材4を含む。
電動弁の弁室は、互いに連通している弁ボディ部材の内室30とハウジング部材4の内室40とを含む。
制御部材1及び歯車減速機構2は、ハウジング部材4の内室40に設けられている。
【0014】
制御部材1は、モータ11、リード線12及び実装板13を含む。
モータ11は、ステータ113、ロータ114、回転軸111、入力歯車112、及び、回転軸111を位置決めするための上軸受115と下軸受116を含む。
ステータ113及びロータ114は、歯車減速機構2の上方にある。
下軸受116は、入力歯車112に近接し、回転軸111は、下軸受116を貫通する。
リード線12に通電することで、ステータ113は、通電されると、ロータ114を周方向に回動させるように駆動でき、ロータ114は、回転軸111に固定接続されている。
回転軸111は、ステンレス鋼棒材を加工することで製造され、回転軸111と入力歯車112とは、回動して接続されている。
ここで、「回動して接続される」ことは、回転軸111と入力歯車112との固定接続のみならず、回転軸111と入力歯車112との周方向の位置制限接続も含み、回転軸111は、入力歯車112を回動させればよい。
具体的に、回転軸111と入力歯車112とは、締まり嵌めによって固定されている。
無論、回転軸111と入力歯車112とは、キー・溝係合の方式で接続されてもよい。
モータ11は、溶接によって実装板13に固定接続され、実装板13は、溶接によってハウジング部材4に固定接続され、この実装板13は、モータ11に一体形成されてもよい。
このように、実装板13を介してモータ11を固定することで、回転軸111の安定な運転を保証する。
【0015】
歯車減速機構2は、ハウジング部材の内室40に設けられている。
歯車減速機構2は、遊星歯車21、遊星キャリア22及び出力キャリア26を含む遊星歯車機構であり、遊星歯車21は、遊星キャリア22に取り付けられ、前記入力歯車112に噛合され、この入力歯車112は、遊星歯車21を周方向に回動させることができ、遊星歯車21は、出力キャリア26を周方向に回動させることができる。
【0016】
弁ボディ部材3は、弁ボディ31、弁体32、第1弁座33、第2弁座33’及び伝動軸34を含む。
そして、弁ボディ31は、中空管状を呈して、ステンレス鋼材料を引っ張ることで製造され、第1弁座33は、溶接によって、弁ボディ31の一端に固定され、第2弁座33’は、溶接によって弁ボディ31の他端に固定されている。
第1弁座33は、第1接続管36に溶接固定され、第2弁座33’は、第2接続管37に溶接固定されている。
そして、これらの第1接続管36と第2接続管37とのうちの一方を流路入口とし、他方を流路出口とする。
弁体32は、略球状を呈して、弁ボディ部材の内室30に設けられるとともに、第1弁座33と第2弁座33’との間にある。
弁ボディ31は、本体部311、及び、本体部311の周方向外壁から外部に延伸する中空管状の張出部312を含む。
本実施例において、出力キャリア26と伝動軸34とは、回動して接続され、伝動軸34と弁体32とは、回動して接続されている。
具体的に、伝動軸34は、円柱棒状を呈して、張出部312を貫通し、その一端は、ハウジング部材4の内室40に入り込むとともに、出力キャリア26の孔部262にキー・溝接続され、この出力キャリア26は、伝動軸34を周方向に回動させることができ、伝動軸34の他端は、弁ボディ部材の内室30に入り込むとともに、弁体32の溝321にキー・溝接続され、伝動軸34は、弁体32を周方向に回動させることができる。
【0017】
ハウジング部材4は、それぞれステンレス鋼板をプレスすることで成形される上部ハウジング41と下部ハウジング42とを含む。
この下部ハウジング42の肉厚は、上部ハウジング41より大きく、下部ハウジング42の上端は、階段面が上向きである第2階段部421を含み、上部ハウジング41は、当該第2階段部421に設けられ、溶接によって下部ハウジング42に固定されている。
下部ハウジング42の下端は、縮径部422を含み、縮径部422の少なくとも一部は、弁ボディ31の張出部312内にあり、縮径部422の外壁は、張出部312の内壁に溶接固定されている。
【0018】
本実施形態では、弁ボディ31は、ハウジング部材4に固定接続され、モータ11は、ハウジング部材の内室40に設けられている。
その効果は、水蒸気の、モータ11に対する影響を減少させ、モータ11の短絡リスクを低減させることにある。
【0019】
さらに、
図2に示すように、本実施例では、回転軸111は、入力歯車112に固定接続され、入力歯車112の周方向外壁は、太陽歯車1120を含む。
歯車減速機構2は、溶接するように固定されるリング歯車25と仕切板24とを含む。
両者は、周方向の位置制限を採用してもよく、仕切板24は、リング歯車25に対して周方向に回動しなければよい。
この仕切板24は、中心孔241を含み、下軸受116の少なくとも一部は、中心孔241にあり、下軸受116は、中心孔241に隙間嵌めされている。
このように配置すると、モータ11に対する位置決めを実現することができる。
具体的な組立過程において、モータ11を位置決めした後、実装板13を下部ハウジング42の内壁に溶接し、固定を実現する。
リング歯車25は、円筒状を呈して、太陽歯車1120及び遊星歯車21は、リング歯車25の内室250にあり、太陽歯車1120は、遊星歯車21に噛合されている。
【0020】
図2、
図4aに示すように、実装板13は、仕切板24に設けられ、その外周にある切欠130を含む。
ハウジング部材4の内室40は、実装板13の上方にある上室401と、リング歯車25の内室250とを含み、上室401は、切欠130に連通する。
前記ステータ113及びロータ114は、上室401にある。
仕切板24は、切欠130とリング歯車25の内室250とを連通させる連通流路240を含み、連通流路240は、軸方向で仕切板24を貫通する貫通孔242と、貫通孔242から径方向に仕切板24の周方向外壁まで延伸する径方向連通溝243とを含む。
連通流路240及び切欠130を配置することで、上室401とリング歯車25の内室250とを連通させ、電動弁における流体を上室401にガイドし、これによって、モータ11の放熱に寄与し、また、上室401に液体シール室を形成させることがなく、電動弁の安全性を向上させる。
【0021】
さらに、
図4aに示すように、連通流路240は、環状溝244をさらに含み、貫通孔242は、中心孔241に対して対称配置され、少なくとも2つを有し、環状溝244によって各貫通孔242を連通させる。
このように配置すると、連通流路240の流通能力を向上させる。
【0022】
遊星キャリア22は、中心貫通孔2210を含む1次遊星キャリア221を有し、回転軸111の下端は、中心貫通孔2210にある。
歯車減速機構2は、金属棒材に対して旋盤加工を行うことで製造された位置決めロッド23をさらに含み、伝動軸34の上端は、盲孔343を含み、位置決めロッド23の上端は、中心貫通孔2210にあり、その下端は、盲孔343にある。
このように配置すると、遊星キャリア22に対する位置決めを実現することができ、歯車減速機構2の運転の安定性を向上させ、動かないというリスクを低減させる。
【0023】
図10aは、本発明の第2実施例である電動弁の局部断面を示す模式図であり、
図10bは、
図10aにおける回転軸、伝動ロッド及び入力歯車の係合を示す模式図である。
【0024】
本実施例と前記実施例との相違するところは、制御部材の構成、及び、制御部材と歯車減速機構との接続関係にある。
【0025】
図10a、
図10bに示すように、モータ11’は、回転軸111’と、回転軸111’に固定接続される伝動ロッド117とを含み、伝動ロッド117は、板状を呈して、側壁部1171を含む。
入力歯車112’は、大径セグメント1121と小径セグメント1122とを含み、大径セグメント1121の上端には、凹溝1123が設けられ、伝動ロッド117の少なくとも一部は、凹溝1123内にあり、この凹溝1123は、側壁部1171に当接されることができる溝壁部1124を含み、この溝壁部1124と側壁部1171との間は、周方向の移動隙間を有している。
小径セグメント1122の周方向外壁は、太陽歯車1120’を含み、この太陽歯車1120’の少なくとも一部は、リング歯車25の内室250にあり、太陽歯車1120’は、遊星歯車21に噛合され、小径セグメント1122は、仕切板24の中心孔241を貫通する。
【0026】
さらに、
図10aに示すように、大径セグメント1121の下端には、凸リング1125が設けられ、この凸リング1125の下端の縦断面の輪郭は、円弧形を呈して、凸リング1125は、仕切板24に当接されている。
この凸リング1125を配置することで、入力歯車112’の周方向回動による摩擦力を小さくして、入力歯車112’の耐用年数を向上させることができる。
【0027】
さらに、
図2、
図3に示すように、電動弁は、コネクタ座部51、シールガラス52及びピン53を含むコネクタ5をさらに有している。
シールガラス52は、焼結によって、コネクタ座部51内に固定され、具体的に、このコネクタ座部51は、ステンレス鋼材料から製造され、ほぼ中空構成を呈して、上部セグメント511、中間セグメント512及び下部セグメント513を含み、上部セグメント511は、コネクタ室部5110を有し、下部セグメント513は、ハウジング部材4の内室40に連通する密閉室5130を有し、中間セグメント512は、焼結によってシールガラス52に固定されるとともにシールされ、コネクタ室部5110と密閉室5130とを分離させている。
ピン53は、シールガラス52に貫設され、その上端は、コネクタ室部5110に入り込むとともに外部コネクタに電気的に接続され、その下端は、密閉室5130に入り込むとともに、制御部材1のリード線12に電気的に接続され、ピン53は、焼結によって、シールガラス52に固定されている。
【0028】
さらに、上部ハウジング41は、上向きに突出する突出部411を含み、コネクタ座部51の下端は、階段面が下向きである第1階段部514を含み、突出部411は、第1階段部514に溶接固定されている。
【0029】
図2に示すように、伝動軸34は、下部ハウジング42の縮径部422を貫通し、この縮径部422と伝動軸34との間には、耐摩耗性金属材料粉末を製錬することで製造された軸受27が設けられている。
このような配置の有益な効果は、伝動軸34の、周方向の回動過程での摩耗を減少させ、伝動軸34の耐用年数を向上させることにある。
【0030】
なお、下部ハウジング42と弁ボディ31との固定方式は、縮径部422の内壁が弁ボディ31の張出部312の外壁に溶接固定されてもよい。
伝動軸34は、張出部312を貫通し、張出部312と伝動軸34との間には、軸受27が設けられている。
本実施形態は、前記実施形態と同じ効果を備える。
【0031】
図2、
図5及び
図7に示すように、伝動軸34の、制御部材1に向かう一端は、出力キャリア26の孔部262に接合される第1接合部341を含み、この第1接合部341は、ハウジング部材4の内室40にあり、その横断面は、非円形であり、第1接合部341は、出力キャリア26の孔部262に入り込み、伝動軸34の他端は、弁体32にキー・溝接続される第2接合部342を含み、第2接合部342は、弁ボディ部材の内室30にあり、その下端は、弁体32的溝321に入り込み、第2接合部342は、弁体32にキー・溝係合される。
【0032】
図4b、
図5、
図6、及び、
図7に示すように、本実施例において、リング歯車25の下端には、位置制限凹溝251が設けられている。
出力キャリア26は、盤状本体部261を含み、孔部262は、盤状本体部261に設けられ、その横断面は、非円形であり、盤状本体部261の、弁体32に向かう一側には突起部263が設けられている。
本実施形態において、軸受27は、筒状部271と、筒状部271の周方向外壁から、径方向で外部に延伸する径方向延伸部272とを含み、筒状部271は、ハウジング部材の内室40と弁ボディ部材の内室30とを連通させる軸方向連通溝274を含み、径方向延伸部272の外端縁は、下部ハウジング42の内壁に溶接固定され、径方向延伸部272の、筒状部271から離れた一端は、位置制限凹溝251にキー・溝係合され、径方向延伸部272の他端は、突起部263と係合すると、出力キャリア26の周方向の回動ストロークを制限することができる。
【0033】
前記実施形態において、軸受27の径方向延伸部272は、溶接によって下部ハウジング42に固定されるため、径方向延伸部272とリング歯車25の位置制限凹溝251とのキー・溝係合を介して、リング歯車25を周方向に位置制限させる一方で、径方向延伸部272によって突起部263に対して位置制限を行うことで、出力キャリア26の周方向の回動ストロークを制限し、つまり、伝動軸34の周方向の回動ストロークを制限し、このように配置すると、弁体32の全開位置及び全閉位置を制限し、電動弁の全開、全閉及び流量調節機能を実現することができる。
【0034】
【0035】
図9に示すように、軸受27Aは、筒状部271A、この筒状部271Aの周方向外壁から径方向で、外部に延伸する径方向延伸部272A、及び、この径方向延伸部272Aから軸方向で上に延伸する軸方向延伸部273Aを含む。
筒状部271Aは、ハウジング部材の内室40と弁ボディ部材の内室30とを連通させる軸方向連通溝274Aを含み、この軸方向延伸部273Aの外壁は、下部ハウジング42の内壁に溶接固定され、軸方向延伸部273Aは、位置制限凹溝251内にあるとともに、この位置制限凹溝251にキー・溝係合され、径方向延伸部272と突起部263との係合は、出力キャリア26の周方向の回動ストロークを制限することができる。
【0036】
さらに、
図5に示すように、前記突起部263は、孔部262の中心軸に対して対称配置される2つを有し、このように配置すると、出力キャリア26の周方向の安定な回動、及び確実な位置制限に寄与する。
また、突起部263と盤状本体部261とは、プラスチックから一体射出成形され、または、金属粉末を製錬することで一体成形される。
このように、出力キャリア26の強度を強化させ、位置制限をより確実にすることができる。
【0037】
図11は、本発明の第3実施例である電動弁の局部断面を示す模式図であり、
図12は、
図11における弁ボディの構成を示す模式図であり、
図13は、
図11における軸受の構成を示す模式図である。
【0038】
本実施例と前記実施例との相違するところは、弁ボディ部材の構成、制動方式及び軸受にある。
【0039】
図10、
図11及び
図12に示すように、本実施例において、弁ボディ部材3Aは、弁ボディ31A、伝動軸34、第1弁座33A、及び弁体32を含み、弁ボディ31Aのブランクは、金属材料を鍛造しまたは鋳造することで製造され、第1弁座33Aは、金属材料に対して旋盤加工、鍛造または鋳造を行うことで製造される。
そして、弁ボディ31Aは、円筒状の本体部311A、及び、この本体部311Aの外壁から、制御部材1に延伸する張出部312Aを含み、この張出部312Aには、横断面が円形である軸方向貫通孔3120Aが設けられ、伝動軸34は、軸方向貫通孔3120Aを貫通する。
本実施例において、下部ハウジング42の縮径部422の内壁は、張出部312Aの外壁に溶接固定され、この張出部312Aと伝動軸34との間には、金属板を折り曲げることで形成される軸受27Bが設けられ、この軸受27Bは、ハウジング部材の内室40と弁ボディ部材の内室30とを連通させる欠缺部275を有している。
【0040】
本実施形態において、張出部312Aの上端は、軸方向貫通孔3120Aの中心軸に対して対称配置される2つの位置制限ボス313を含み、2つの位置制限ボス313の間には、凹部314が形成され、この凹部314は、2つの位置制限ボス313の間の周方向空間にあり、出力キャリア26の突起部263は、凹部314内に設けられ、位置制限ボス313に当接され、出力キャリア26の周方向の回動ストロークを制限することができる。
本実施形態は、位置制限ボス313を弁ボディ31Aに集積させ、軸受を特に加工する必要がなく、軸受の加工が簡単である。
【0041】
本明細書は、本発明の原理及び実施形態を記載し、実施例に対する以上の説明は、本発明の方法及びその中心思想を理解するためのものである。
ここで、本発明の原理から逸脱しない前提で、本発明に対していくつかの改良及び修飾を行ってもよく、これらの改良及び修飾も本発明の請求項の保護範囲内に該当している。
【符号の説明】
【0042】
1 ・・・制御部材
11/11’ ・・・モータ
111/111’ ・・・回転軸
112/112’ ・・・入力歯車
1120/1120’ ・・・太陽歯車
1121 ・・・大径セグメント
1122 ・・・小径セグメント
1123 ・・・凹溝
1124 ・・・溝壁部
1125 ・・・凸リング
113 ・・・ステータ
114 ・・・ロータ
115 ・・・上軸受
116 ・・・下軸受
117 ・・・伝動ロッド
1171 ・・・側壁部
12 ・・・リード線
13 ・・・実装板
130 ・・・切欠
2 ・・・歯車減速機構
21 ・・・遊星歯車
22 ・・・遊星キャリア
221 ・・・1次遊星キャリア
2210 ・・・中心貫通孔
23 ・・・位置決めロッド
24 ・・・仕切板
240 ・・・連通流路
241 ・・・中心孔
242 ・・・貫通孔
243 ・・・径方向連通溝
244 ・・・環状溝
25 ・・・リング歯車
250 ・・・リング歯車的内室
251 ・・・位置制限凹溝
26 ・・・出力キャリア
261 ・・・盤状本体部
262 ・・・孔部
263 ・・・突起部
27、27A、27B・・・軸受
271、271A・・・筒状部
272、272A・・・径方向延伸部
273A・・・軸方向延伸部
274、274A・・・軸方向連通溝
275 ・・・欠缺部
3、3A・・・弁ボディ部材
30 ・・・弁ボディ部材的内室
31、31A・・・弁ボディ
311、311A・・・本体部
312、312A・・・張出部
313 ・・・位置制限ボス
314 ・・・凹部
3120A・・・軸方向貫通孔
32 ・・・弁体
321 ・・・溝
33、33A・・・第1弁座
33’・・・第2弁座
34 ・・・伝動軸
341 ・・・第1接合部
342 ・・・第2接合部
343 ・・・盲孔
36 ・・・第1接続管
37 ・・・第2接続管
4 ・・・ハウジング部材
40 ・・・ハウジング部材的内室
401 ・・・上室
41 ・・・上部ハウジング
411 ・・・突出部
42 ・・・下部ハウジング
421 ・・・第2階段部
422 ・・・縮径部
5 ・・・コネクタ
51 ・・・コネクタ座部
511 ・・・上部セグメント
5110 ・・・コネクタ室部
512 ・・・中間セグメント
513 ・・・下部セグメント
5130 ・・・密閉室
514 ・・・第1階段部
52 ・・・シールガラス
53 ・・・ピン
【国際調査報告】