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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-20
(54)【発明の名称】タバコ産業製品用包装材
(51)【国際特許分類】
   B65D 85/671 20060101AFI20220613BHJP
   B65D 85/10 20060101ALI20220613BHJP
【FI】
B65D85/671
B65D85/10
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021561631
(86)(22)【出願日】2020-04-15
(85)【翻訳文提出日】2021-12-08
(86)【国際出願番号】 GB2020050956
(87)【国際公開番号】W WO2020212696
(87)【国際公開日】2020-10-22
(31)【優先権主張番号】1905499.8
(32)【優先日】2019-04-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500252844
【氏名又は名称】ブリティッシュ アメリカン タバコ (インヴェストメンツ) リミテッド
【氏名又は名称原語表記】BRITISH AMERICAN TOBACCO (INVESTMENTS) LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100183782
【弁理士】
【氏名又は名称】轟木 哲
(72)【発明者】
【氏名】アレン、トーマス ロバート
【テーマコード(参考)】
3E037
3E068
【Fターム(参考)】
3E037AA10
3E068AA21
3E068AB04
3E068AC02
3E068CC04
3E068CC26
3E068CD01
3E068DE11
3E068EE02
(57)【要約】
長手方向軸およびこの軸に沿った方向に互いに間隔が空けられた一連の脆弱線を有する包装材の長尺ウェブが開示されている。各脆弱線は、ウェブから切り取られた包装材の長手方向のセクションに包まれた喫煙品の束から喫煙品を取り出すための取り出し開口部を形成するように構成されている。各脆弱線の一部分は、長手方向に延び、その部分の少なくとも一部は、長手方向軸に対して角度が付けられて延びている。包装材の長尺ウェブの製造方法も開示されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装材の長尺ウェブであって、このウェブは、長手方向軸およびこの軸に沿った方向に互いに間隔が空けられた一連の脆弱線を有し、各脆弱線はウェブから切り取られた包装材の長手方向のセクションに包まれた喫煙品の束から喫煙品を取り出すための取り出し開口部を形成するように構成され、各脆弱線の一部分は長手方向に延び、その部分の少なくとも一部は、長手方向軸に対して角度が付けられて延びている包装材の長尺ウェブ。
【請求項2】
各脆弱線は、長手方向軸に対して横手方向に延びた互いに間隔が空けられた2つの端部を形成するために実質的にU字状であることを特徴とする請求項1記載の包装材の長尺ウェブ。
【請求項3】
一連の脆弱線のそれぞれは、長手方向に延びた2つの部分を含み、これら部分それぞれの少なくとも一部は長手方向軸に対して角度が付けられて延びていることを特徴とする請求項1または2記載の包装材の長尺ウェブ。
【請求項4】
前記2つの部分は、中間部分によって接続されていることを特徴とする請求項3記載の包装材の長尺ウェブ。
【請求項5】
中間部分は、長手方向軸に対して横手方向に延びていることを特徴とする請求項4記載の包装材の長尺ウェブ。
【請求項6】
中間部分は、長手方向軸に対して角度が付けられて延びた各部分に丸みによって接合していることを特徴とする請求項4または5記載の包装材の長尺ウェブ。
【請求項7】
長手方向に延びた各脆弱線の前記部分の全体は、長手方向軸に対して角度が付けられて延びていることを特徴とする請求項1乃至6いずれか1項記載の包装材の長尺ウェブ 。
【請求項8】
長手方向に延びた各脆弱線の前記部分は、長手方向軸に対して角度が付けられて延びた複数の個別のセクションを含むことを特徴とする請求項1乃至6いずれか1項記載の包装材の長尺ウェブ。
【請求項9】
長手方向に延びている各脆弱線の前記部分の少なくとも40%は、長手方向軸に対して角度が付けられて延びていることを特徴とする請求項1乃至6いずれか1項記載の包装材の長尺ウェブ。
【請求項10】
各脆弱線は、連続したカーブを描いていることを特徴とする請求項1または2記載の包装材の長尺のウェブ。
【請求項11】
積層材から形成された請求項1乃至10いずれか1項記載の包装材の長尺のウェブ。
【請求項12】
一連の各脆弱線は、前記積層材の少なくとも1つの層に形成されることを特徴とする請求項11記載の包装材の長尺ウェブ。
【請求項13】
一連の各脆弱線は、前記積層材の1つの層に形成された第1の脆弱線と前記積層材の別の層に形成された第2の脆弱線を含むことを特徴とする請求項12記載の包装材の長尺ウェブ。
【請求項14】
第1の脆弱線は第2の脆弱線を囲むことを特徴とする請求項13記載の包装材の長尺ウェブ 。
【請求項15】
第1の脆弱線のそれぞれの一部分は、長手方向に延び、第2の脆弱線のそれぞれの一部分は、長手方向に延び、第1および第2の脆弱線両方の前記部分の少なくとも一部は、長手方向軸に対して角度が付けられて延びていることを特徴とする請求項13または14記載の包装材の長尺ウェブ。
【請求項16】
タバコ産業製品の束を前記包装材のウェブから切り取られた前記長手方向セクションに包むための機械に取り付けるためのリールに巻き付けられることを特徴とする請求項1乃至15いずれか1項記載の包装材の長尺ウェブ。
【請求項17】
請求項1乃至16いずれか1項記載の包装材の長尺ウェブから切り取られた包装材のセクションであって、前記セクションは、前記セクションに包まれた喫煙品の束から喫煙品を取り出すための取り出し開口部を形成するように構成された脆弱線を含み、脆弱線の一部分が長手方向軸に対して角度が付けられて長手方向に延びているセクション。
【請求項18】
請求項17記載の包装材のセクションに包まれたタバコ産業製品の束。
【請求項19】
容器と、この容器に収容された請求項18記載のタバコ産業製品の束とを含むタバコ産業製品のパック。
【請求項20】
長手方向軸を有する包装材の長尺ウェブの製造方法であって、長手方向軸に沿った方向に互いに間隔が空けられた一連の脆弱線を形成し、各脆弱線がウェブから切り取られた包装材の長手方向セクションに包まれた喫煙品の束から喫煙品を取り出すための取り出し開口部を形成することを含み、前記方法は、長手方向軸に対して角度が付けられて長手方向に延びた各脆弱線の少なくとも一部を切断することを含む方法。
【請求項21】
ウェブに一連の脆弱線を形成した後、包装材の長尺ウェブをリールに巻くことを含むことを特徴とする請求項20記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装材のウェブおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
紙巻きタバコのパックは、基部とヒンジ式蓋を有する板材から作製される外箱を含む。紙巻きタバコの包装された束が基部から突出し、蓋を開いた位置へと後ろに回転させた際にその上方部分を触れられるようになっている。上方部分は包装材に取り出し開口部を含み、これを介して紙巻きタバコを取り出すことができる。一部の再封止可能な束は、取り出し開口部を覆うための再接着ラベルを含み、束の内容物のための追加の保護を供するために取り出し開口部を覆って繰り返し何度も接着することができる。
【0003】
梱包工程において包装材のウェブがリール上に設けられ、梱包機内に引き込まれる。ラベルアプリケーターが再接着ラベルを取り出し開口部上に配置する前に取り出し開口部が包装材に切り込まれる。ウェブは、次に紙巻きタバコの束に巻かれる前に個別の部分に切断される。
【0004】
再封止可能なフラップが包装材に形成された再封止可能な束を提供することも可能である。これは再封止機能を供するために別個の再接着ラベルを含む再封止可能なパックとは区別される。再封止可能なフラップは、積層包装材のそれぞれの層に第1および第2の切れ込みを設けることによって形成される。第1の切れ込みは、積層体の内方層を通って延びて取り出し開口部を画定し、第2の切れ込みは、第1の切れ込みから外にずれて、積層体の外方層を通って延び、取り出し開口部上に位置するカバーフラップを画定する。積層体の内外層は、少なくとも再接着接着剤によって互いに接着され、再封止可能なラベルが第1および第2の切れ込みの間に画定された領域内で分離され、再封止できるようになっている。
【発明の概要】
【0005】
本発明の実施態様では包装材の長尺のウェブが提供され、このウェブは、長手方向軸およびこの軸に沿った方向に互いに間隔が空けられた一連の脆弱線を有し、各脆弱線はウェブから切り取られた包装材の長手方向のセクションに包まれた喫煙品の束から喫煙品を取り出すための取り出し開口部を形成するように構成され、各脆弱線の一部分は長手方向に延び、その部分の少なくとも一部は長手方向軸に対して角度が付けられて延びている。
【0006】
各脆弱線は長手方向軸に対して横手方向に延びた互いに間隔が空けられた2つの端部を形成するために実質的にU字状であってもよい。
【0007】
一連の脆弱線のそれぞれは長手方向に延びた2つの部分を含み、これら部分それぞれの少なくとも一部は長手方向軸に対して角度が付けられて延びてもよい。
【0008】
前記2つの部分は、中間部分によって接続されてもよい。
【0009】
中間部分は、長手方向軸に対して横手方向に延びてもよい。
【0010】
中間部分は、長手方向軸に対して角度が付けられて延びた各部分に丸みによって接合してもよい。
【0011】
長手方向に延びた各脆弱線の前記全体部分は、長手方向軸に対して角度が付けられて延びてもよい。
【0012】
長手方向に延びた各脆弱線の前記部分は、長手方向軸に対して角度が付けられて延びた複数の個別のセクションを含んでもよい。
【0013】
長手方向に延びている各脆弱線の前記部分の少なくとも40%は、長手方向軸に対して角度が付けられて延びてもよい。
【0014】
各脆弱線は、連続したカーブを描いていてもよい。
【0015】
包装材の長尺のウェブは、積層材から形成されてもよい。
【0016】
一連の各脆弱線は、前記積層材の少なくとも1つの層に形成されてもよい。
【0017】
一連の各脆弱線は、前記積層材の1つの層に形成された第1の脆弱線と前記積層材の別の層に形成された第2の脆弱線を含んでもよい。
【0018】
第1の脆弱線は、第2の脆弱線を囲んでもよい。
【0019】
第1の脆弱線のそれぞれの一部分は長手方向に延びてもよく、第2の脆弱線のそれぞれの一部分は長手方向に延びてもよく、第1および第2の脆弱線両方の前記部分の少なくとも一部は長手方向軸に対して角度が付けられて延びている。
【0020】
包装材の長尺ウェブは、タバコ産業製品の束を前記包装材のウェブから切り取られた前記長手方向セクションに包むための機械に取り付けるためのリールに巻き付けられてもよい。
【0021】
包装材のセクションが包装材の長尺ウェブから切り取られてもよく、前記セクションは、前記セクションに包まれた喫煙品の束から喫煙品を取り出すための取り出し開口部を形成するように構成された脆弱線を含み、脆弱線の一部が長手方向軸に対して角度が付けられて長手方向に延びている。
【0022】
タバコ産業製品の束は、包装材の前記セクションに包まれてもよい。
【0023】
容器と、容器に収容されたタバコ産業製品の束とを含むタバコ産業製品のパックが提供される。
【0024】
また本発明のいくつかの実施態様では長手方向軸を有する包装材の長尺ウェブの製造方法が提供され、長手方向軸に沿った方向に互いに間隔が空けられた一連の脆弱線を形成し、各脆弱線がウェブから切り取られた包装材の長手方向セクションに包まれた喫煙品の束から喫煙品を取り出すための取り出し開口部を形成することを含み、前記方法は、長手方向軸に対して角度が付けられて長手方向に延びた各脆弱線の少なくとも一部を切断することを含む。
【0025】
本発明の方法は、ウェブに一連の脆弱線を形成した後、包装材の長尺ウェブをリールに巻くことを含んでもよい。
【0026】
添付図面を参照して本発明の実施態様をあくまで例示を目的として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の実施態様による包装材のウェブを示している。
図2】本発明の実施態様による包装材のウェブを示している。
図3】本発明の実施態様による包装材のウェブを示している。
図4】本発明の実施態様による包装材のウェブを示している。
図5図4のウェブの一部を示している。
図6図4のウェブから形成された包装された束の一部を示している。
図7】包装された束を示している。
図8】包装材のリールを形成する方法を略式に示している。
図9】包装材のリールを示している。
図10】タバコ産業製品のパックを示している。
【発明を実施するための形態】
【0028】
タバコ産業製品の束を包装する際、包装材が長尺のウェブとして包装施設に提供される。ウェブは個別の部分に切断され、束に巻き付けられる。脆弱線が包装施設で包装材に切り込まれる。各脆弱線は、包装された束からタバコ産業製品を取り出すための包装材の取り出し開口部を画定する。
【0029】
包装材に一体に形成されている再封止可能なフラップの切り込みは、複雑になる場合がある。既存の包装施設のコストのかかる変更を避けるために包装材に一体に形成された再封止可能なフラップの切れ込みを入れるための別の施設を設けてもよい。得られた包装材の予め切り込みが入れられたウェブは、次にリールに巻かれ、包装施設に移送され、そこでウェブはリールから引き出され、通常の方法で束を包むのに使用される。本発明の実施態様による一例の包装された束1が図7に示されている。包装された束1は、次に図10に示す外方パック23に挿入される。
【0030】
本発明の出願人は、包装材に脆弱線を切り込むことは脆弱線のすぐ近くの材料の厚みが厚くなる原因であることを知った。切り込みの周囲の包装材の厚さの違いは僅かで、包装された束の通常の使用においてユーザーには認識されないが、この厚みの違いは、脆弱線がリールの層を横断して互いに重なると大きくなる。厚さの違いはリールの層を介して増大し、ウェブ材に皺をつけることになり、これらの皺は包装材に包まれた束で目に見えてしまう。
【0031】
脆弱線は、通常、U字状であり、包装材のウェブの長手方向軸に沿って間隔を空けて配置される。各U字状の脆弱線は、上述の取り出し開口部を供するために持ち上げることができるフラップの範囲を包装材に定めている。U字状の脆弱線のいずれかの一部がウェブの長手方向軸に平行になると、その部分はリールの別の層で互いに重なり、上述したように皺の原因となる。
【0032】
本発明のいくつかの実施態様ではこの問題を包装材3のウェブ2に切れ込みを入れて脆弱線4を設け、ウェブ2の長手方向に延びた各脆弱線4の少なくとも一部がウェブの長手方向軸A-Aに平行にならないようにして克服している。
【0033】
ウェブの長手方向は、ウェブの長さに沿って延びた方向を意味する。ウェブの横手方向は、ウェブの長手方向軸A-Aに直交する方向を意味する。
【0034】
本発明の実施態様は、リールの層を横断して互いに重なる脆弱線4の結果としての包装材3の皺付きを完全に除去できないとしても減少させるという技術的利点を提供する。
【0035】
図1~4に示すようにU字状脆弱線4は、ウェブ2の長手方向軸A-Aに沿って間隔を空けて配されている。各U字状脆弱線4は、包装材が束に巻かれた際に持ち上げられて取り出し開口部を形成するフラップを画定する。例示されたU字状脆弱線4のそれぞれの端部7は、長手方向軸A-Aに対して横手方向に互いに間隔を置いて位置する。各端部は、丸められており、各U字状脆弱線4に囲まれた材料が包装材3、13の残り部分から使用時に包装材が持ち上げられた際に離れないようになっている。
【0036】
図1~3の典型的実施態様では再接着ラベル(図示せず)をU字状脆弱線上に貼り付け、束を再封止できるようにしてもよい。このような実施態様では再接着ラベルは、包装材3が束に巻かれる前に包装材3に貼り付けられる。
【0037】
ユーザーが再接着ラベルを包装された束の表面から離れるように持ち上げると、フラップは、再接着ラベルに貼り付いたままで、包装材3の残りの部分から離れ、取り出し開口部を供する。包装された束は、再接着ラベルを取り出し開口部上で下方に押し込むことで再封止できる。
【0038】
図1乃至3に関連して説明した実施態様の包装材3のウェブ2は、当業者に知られているあらゆる好適な包装材を含んでもよい。例えば、包装材は、延伸ポリプロピレンを含んでもよく、または金属化された紙材を含んでもよい。
【0039】
図1の典型的な実施態様では 各U字状脆弱線4は、連続したカーブを描いている。一例として実質的に放物線のカーブが示されている。脆弱線4のそれぞれは、包装材3のウェブ2の長手方向に延びている。当然のことながら「包装材3のウェブ2の長手方向に延びている」は、ウェブ2の長さに沿って延びている脆弱線4の構成要素があることを意味し、それが長手方向軸A-Aに対して厳密に平行であることを意味するものではない。反対に上述したように 本発明のいくつかの実施態様では ウェブの長さに沿って(即ち、長手方向に)延びた各脆弱線4の少なくとも一部はウェブ2の長手方向軸A-Aに平行ではない。
【0040】
図2に示した別の典型的な実施態様では各U字状脆弱線4は、ウェブ2の長手方向に延びた2つの部分8を含む。各部分8の全体は、ウェブ2の長手方向軸A-Aに対して斜めに角度が付けられて配置されている。各U字状脆弱線の2つの部分は、ウェブ2の長手方向軸A-Aに対して横手方向に延びている中間部分9によって接続されている。丸み10が取り出し開口部を強化するために中間部分と2つの部分8間の接続部を面取りしている。2つの部分8は、中間部分9から離れて延びているので分岐している。
【0041】
U字状の切れ目の2つの部分8は、長手方向軸に対して斜めの角度で配置されているので、リール上の包装材の皺付きの問題が克服される。
【0042】
図1および2に示す包装材のウェブがリール上に巻かれる際、包装材3の皺付きの問題は、リールの1つの層の脆弱線4がリールの隣接する層の脆弱線4と重ならないので生じない。これはリールの脆弱線が重なり合うことを制限し、包装材の皺付けを妨げる。
【0043】
図3に示した別の典型的な実施態様では各U字状の脆弱線4の2つの部分8は、長手方向軸A-Aに対して角度が付けられて延びた不連続のセクション24を含む。この例示した実施態様では不連続のセクション24が長手方向軸に対して横手方向に延びている。不連続のセクション24のそれぞれは、長手方向軸A-Aに平行に延びている2つの部分8a、8b、8cの一部を接続している。従って、2つの部分は、長手方向軸A-Aに対して横手方向に間隔が空けられた部分8a、8b、8cによって段が付けられているように見える。図2の実施態様と同様に2つの部分のそれぞれは、長手方向軸に対して横手方向に延びた中間部分によって接続されている。
【0044】
図3に例示した包装材のウェブがリールに巻かれる際、包装材3の皺の問題が緩和される。それはリールの隣接する層の脆弱線4が重なる部分が少なくなるからである。本願出願人は、脆弱線はそれらが長手方向軸にそれぞれ平行で、ウェブ2の縁部12から横手方向に等間隔になっている所でのみ重なることに気づいた。従って、長手方向軸A-Aに対して横手方向に部分8a、8b、8cの間隔を空けることによって、リールの層を横断して脆弱線4が重なる量が少なくなる。ウェブ2の縁部から等しく間隔が空けられた部分のみが重なる。これはリールの互いに重なり合う脆弱線4の累積長さを制限し、材料の皺を減少させる。
【0045】
典型的な実施態様では図1乃至3のU字状の脆弱線は、包装材3にミシン目線、包装材3に刻み目線または包装材を貫通した完全な切れ込みのいずれかを含む。従って、脆弱線4は、フラップを包装材3の残りの部分から離れるようにして上述の方法で取り出し開口部を設ける。
【0046】
本明細書に記載の実施態様のU字状の脆弱線4は、当業者には自明のあらゆる方法で形成してもよい。例えば、脆弱線4は、包装材3のウェブ2がそれを切断ステーション内に搬送して通過させる際にキスカッターによって繰り返し打ち抜かれるキスカット操作で形成してもよい。これとは別に 脆弱線4は、レーザーによって切り込まれてもよい。レーザーは、ウェブ2が切断ステーション内を搬送される際にウェブ2の表面上を平行移動するように構成してもよい。
【0047】
図4は、包装材13が積層材を含む別の実施態様による包装材13のウェブ2を示している。第1および第2U字状の切れ目14、15は、ウェブ2の長手方向軸A-Aに沿って間隔を空けて設けられている。第1および第2の切れ目14、15は、以下に説明するように積層材13と一体の取り出し開口部を形成するための再封止可能なカバーフラップ16およびフラップ17をそれぞれ画定する。積層材13に作られた切れ目14、15からフラップ17とカバーフラップ16を形成することで開口部を覆うための別個の再接着ラベルを設ける必要がなくなる。
【0048】
積層材13は、図5に示すように内外層18、19を含む。包装材13が一束の紙巻きタバコに巻かれて包装された束を形成する際、外層19は、紙巻きタバコとは反対の方の包装された束の外側に配置され、内層18は紙巻きタバコの方に向いた包装された束の内側に配置される。
【0049】
第1の切れ目14は、外層19に設けられており、第2の切れ目15は、内層18に設けられている。第1の切れ目14は、積層材13の外層19を貫通してまたは実質的に貫通して延びている。第1の切れ目14は、積層材13の内層18内に延びていない。第2の切れ目15は、積層材13の内層18を貫通してまたは実質的に貫通して延びている。第2の切れ目15は、積層材13の外層19内に延びていない。
【0050】
第2の切れ目15は、積層材13の内層18のフラップ17の範囲を定めている。第1の切れ目14は、積層材13の外層19のカバーフラップ16の範囲を定めている。第2の切れ目15は、第1の切れ目14からオフセットし、離れていて第2の切れ目15が第1の切れ目14によって画定された境界内に全体が配置されるようになっている。周辺領域20が第1および第2の切れ目14、15の間のスペースに形成されている。
【0051】
図6は、第1および第2の切れ目14、15を含む領域にある包装された束の積層包装材13を示している。図示するように積層材13のカバーフラップ16とフラップ17は、第1および第2の切れ目14、15に沿って積層材13の残りから離れる。このようにして積層材13のカバーフラップ16およびフラップ17は、積層材13の残りの部分から持ち上げられ、紙巻きタバコを取り出すための取り出し開口部21を形成する。
【0052】
図5に示すように粘着剤22が積層材13の内外層18、19の間を延びて互いに接着している。カバーフラップ16を持ち上げることで第1および第2の切れ目14、15の間の周辺領域20の内外層18、19の剥離が生じるが、フラップ17は、粘着剤22によりカバーフラップ16に貼り付いたままである。従って、取り出し開口部21の境界は、第2の切れ目15によって画定されている。カバーフラップ16が周辺領域20上に戻されると、内外層18、19は、粘着剤22により再度接着し、包装された束が再度封止される。束は、粘着剤22が持続する限り何度でも開いたり、再封止することができる。
【0053】
内外層18、19は、当業界で知られているあらゆる材料から作製してもよい。例えば、内外層18、19は、延伸ポリプロピレンから作製してもよい。いくつかの実施態様では追加の層、例えばアルミニウム箔からなる中間層(図示せず)を加えてもよい。このような実施態様では第1の切れ目14は、中間および外層を貫通して延びて、中間層がカバーフラップ16の一部を形成するようにしてもよい。これとは別に第1の切れ目14は、外層19だけを貫通するように延びてもよく、第2の切れ目15は、内方および中間層の両方を貫通して延びて、中間層がフラップ17の一部を形成するようにしてもよい。
【0054】
例示した実施態様の第1および第2の切れ目14、15のそれぞれは、連続したカーブを描いている。しかしながら、当然のことながら第1および第2の切れ目14、15は、包装材13の皺付きを軽減する必要とされる技術効果を提供するあらゆる形を描いてもよい。例示的な実施態様では 第1の切れ目および第2の切れ目14、15のいずれかが図1~3のU字状の脆弱線4を参照して説明した形であってもよい。第1および第2の切れ目14、15の形状の唯一の限定事項は、第2の切れ目15が上述の機能を供するために第1の切れ目14によって画定された境界内に位置しなければならないということである。
【0055】
例示的な実施態様では 第1および第2の切れ目14、15は、レーザーを使用してラミネート材13のウェブ2に形成される。レーザーのパワーは、第1および第2の切れ目14、15に必要な積層体の層だけを切断するように設定される。第1および第2の切れ目14、15の形成に続いてウェブ材13は、上述のようにリール上に巻かれ、包装ステーションへ移送される。
【0056】
包装材のウェブ3、13は、本明細書に記載の実施態様のいずれかに従って包装材のウェブに一連の取り出し開口部を形成する第1の工程S1および取り出し開口部を含むウェブ材を巻いて包装材3、13のリール11を形成する第2の工程S2によって調製してもよい。これらの工程を略式に図8に示している。本開示のいくつかの実施態様による包装材のリールを図9に示す。
【0057】
リール11は、次に通常の方法でタバコ産業製品の束を包装するための包装施設に移送してもよい。例えば、包装材は、包装ステーション内に供給されてそこで個々の部分に切断され、束に巻かれて包装された束、実質的に図7に示した束1と同種のものを形成してもよい。
【0058】
タバコ産業製品は、タバコ産業で製造されるまたは販売されるあらゆる品目を指し、通常は、a)紙巻きタバコ、シガリロ、シガー、パイプまたは手巻きタバコ用のタバコ(タバコ、タバコ派生物、膨張タバコ、再生タバコまたはタバコ代替え品をベースにしているか否かに関係なく)、b)タバコ、タバコ派生物、膨張タバコ、再生タバコまたはタバコ代替え品を組み込んだ嗅ぎタバコ、スヌース、ハードタバコなどの非喫煙製品および非燃焼加熱(HnB)製品およびc)吸入器、電子タバコを含むエアロゾル発生デバイス、エアロゾル発生材またはそれらの消耗品の組み合わせを含むハイブリッドデバイス、トローチ剤およびガムなどの他のニコチン送出システムを含む。このリストは他を除外することを意図したものではなく、タバコ産業で製造および販売されている一連の製品を例示しているに過ぎない。
【0059】
種々の問題の対処と技術の発展のため、本開示全体は種々の実施形態を例示的に示しており、これらの実施形態では特許請求された発明が実践され、タバコ産業製品用包装材の優れた調製方法および優れた包装材のリールを提供することができる。本開示の利点および特徴は実施形態の単なる代表的な具体例であり、包括的でも排他的でもない。これらは特許請求された特徴の理解と教示の単なる補助に提供されている。当然だが、本開示の利点、実施形態、具体例、機能、特徴、構造、および/または他の側面は本開示を特許請求の範囲に規定されたとおりに限定するあるいは特許請求の範囲の均等物に限定すると考えるべきではなく、本開示の範囲および/または思想から乖離することなく他の実施形態を利用しても改変してもよいと考えるべきである。種々の実施形態は、開示された構成要素、成分、特徴、部品、工程、手段他の組合せを適切に備えても、これらで構成されても、基本的にこれらで構成されてもよい。また本開示は、現在は特許請求されていないが将来特許請求される可能性がある他の発明を含む。
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【国際調査報告】