(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-21
(54)【発明の名称】診断および放射性核種治療剤としての前立腺特異的膜抗原(PSMA)阻害剤
(51)【国際特許分類】
C07K 5/072 20060101AFI20220614BHJP
A61P 13/08 20060101ALI20220614BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20220614BHJP
A61K 51/04 20060101ALI20220614BHJP
A61K 33/24 20190101ALI20220614BHJP
A61K 33/244 20190101ALI20220614BHJP
A61K 47/54 20170101ALI20220614BHJP
G01T 1/161 20060101ALI20220614BHJP
【FI】
C07K5/072
A61P13/08
A61P35/00
A61K51/04 200
A61K51/04 100
A61K33/24
A61K33/244
A61K47/54
G01T1/161 A
G01T1/161 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021563032
(86)(22)【出願日】2020-04-27
(85)【翻訳文提出日】2021-12-21
(86)【国際出願番号】 US2020030085
(87)【国際公開番号】W WO2020220023
(87)【国際公開日】2020-10-29
(32)【優先日】2019-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517455580
【氏名又は名称】ファイブ イレブン ファーマ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】クン, ハンク エフ.
(72)【発明者】
【氏名】ジャ, ジハオ
(72)【発明者】
【氏名】プレスル, カール
(72)【発明者】
【氏名】チェ, ソク レ
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
4C085
4C086
4C188
4H045
【Fターム(参考)】
4C076AA95
4C076BB11
4C076CC27
4C076DD54
4C076DD60
4C076EE59
4C084AA12
4C084NA13
4C084ZA811
4C084ZA812
4C084ZB261
4C084ZB262
4C085HH03
4C085JJ01
4C085KA09
4C085KA29
4C085KB07
4C085KB12
4C085KB49
4C085LL18
4C086AA01
4C086AA03
4C086HA05
4C086NA13
4C086ZA81
4C086ZB26
4C188EE02
4C188EE25
4C188FF04
4C188FF07
4H045AA10
4H045AA30
4H045BA11
4H045BA12
4H045CA40
4H045EA20
4H045EA50
4H045FA10
(57)【要約】
本開示は、式Iの化合物に関する。これらの化合物は、PSMA結合部位に対して非常に良好な結合親和性を示す。それらは、放射性同位体、または[68Ga]もしくは[177Lu]などの放射性金属で標識することができるキレート化部分を含む。本開示は、薬学的に許容される担体と、式Iの化合物もしくはその錯体、またはその薬学的に許容される塩とを含む、医薬組成物にも関する。本開示は、本明細書に開示される放射性標識化合物を対象に投与すること;および対象または対象の一部の画像を得ることを含む、対象を撮像する方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化68】
の化合物、またはその薬学的に許容される塩であって、
式中、
Zはキレート化部分、またはZ
1:
【化69】
の構造を有する基であり、
ここで、Y
10はCHまたはNであり;
LおよびL
aのそれぞれは独立して、結合、または1から6個の炭素原子を鎖、環、またはこれらの組合せ中に含む2価の連結部分であり、少なくとも1個の炭素原子は必要に応じてO、-NR
3-、または-C(O)-で置き換えられ;
R
*は、放射性同位体であり;
R
22は、アルキル、アルコキシル、ハロゲン化物、ハロアルキル、およびCNからなる群から選択され;
pは、0から4の整数であり、pが1より大きい場合、各R
22は同じまたは異なり;
Wは、PSMA標的リガンドであり;
各T
1は独立して、T
11またはT
12:
【化70】
の構造を有し、
ここで、R
23は-(CH
2)
aCO
2Hであり、aは0から4の整数であり;
各T
2は独立して、T
21またはT
22:
【化71】
の構造を有し、
ここで、bは、1から6の整数であり、G
1は、O、S、またはNR
3であり;
qは、0、1、2、または3であり;
rは、0、1、または2であり;
A
2は、結合、または1から20個の炭素原子を鎖、環、またはこれらの組合せ中に含む2価の連結部分であり、1個またはそれより多くの炭素原子は必要に応じてO、-NR
40-、または-C(O)-で置き換えられ得;
B
2は、H、
【化72】
であり、
ここで、cは、1から4の整数であり、
Gは、O、S、またはNR
3であり;
X
2は、O、S、または-NR
41-であり;
R
3、R
40、およびR
41のそれぞれは独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、アルキルアリール、およびヘテロアリールからなる群から選択され、
R
31、R
32、R
33、R
34、R
35、およびR
36のそれぞれは独立して、水素、アルキル、アルコキシル、またはハロゲン化物であり;
R
37およびR
38のそれぞれは独立して、水素、アルキル、アリール、またはアルキルアリールであり;
各R
39は独立して、アルキル、アルコキシル、ハロゲン化物、ハロアルキル、およびCNからなる群から選択され;
sは、0または1であり;
vは、0から4の整数であり、vが1より大きい場合、各R
39は同じまたは異なり;
ただしsが1であり、-X
2-A
2-B
2が-OHであり、rが0であり、qが1であり、T
1がT
11である場合、Zが、Z
1または
【化73】
であることはない、化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
Zが
【化74】
であり、
A
1は、結合、または1から20個の炭素原子を鎖、環、またはこれらの組合せ中に含む2価の連結部分であり、1個またはそれより多くの炭素原子は必要に応じてO、-NR
40-、または-C(O)-で置き換えられ得;
B
1は、H、
【化75】
であり、
ここで、cは、1から4の整数であり;
X
1は、O、S、または-NR
41-であり;
Dは、1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7,10-四酢酸から誘導される2価のキレート化基である、
請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項3】
Dが、
【化76】
からなる群から選択される、請求項2に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項4】
Dが、
【化77】
からなる群から選択される、請求項3に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項5】
Zが、構造:
【化78】
を有するZ
1であり、
ここで、R
*は、
123I、
124I、
125I、
131I、
18F、または
211Asである、
請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項6】
Z
1が、構造:
【化79】
を有する、請求項5に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項7】
Wが、構造:
【化80】
を有し;
R
20およびR
21がそれぞれ独立して、アミノ酸残基であって、そのアミノ基を介して隣接する-C(O)-基に連結されているアミノ酸残基である、
請求項1から6のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項8】
Wが、構造:
【化81】
を有し;
R
2が、水素またはカルボン酸保護基である、
請求項1から6のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項9】
R
37aが、必要に応じて置換されたフェニルまたは必要に応じて置換されたナフチルである、式I-A:
【化82】
を有する、請求項1から8のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項10】
式I-B:
【化83】
を有する請求項9に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項11】
式II-A:
【化84】
を有する請求項1から10のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項12】
qが1または2である、式II-B:
【化85】
を有する、請求項1から10のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項13】
式II-C:
【化86】
を有する、請求項1から10のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項14】
qが1または2である、式II-D:
【化87】
を有し、
請求項1から10のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項15】
Zが
【化88】
であり、
A
1が、結合、または1から20個の炭素原子を鎖、環、またはこれらの組合せ中に含む2価の連結部分であり、1個またはそれより多くの炭素原子は必要に応じて、O、-NH-、または-C(O)-で置き換えられ得;
B
1は、H、
【化89】
であり、
ここで、cは3であり、
X
1は、結合、O、または-NH-であり;
Dは、
【化90】
である、請求項1から4および7から14のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項16】
式III-A:
【化91】
を有する、請求項1から4および7から10のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項17】
式III-B:
【化92】
を有する、請求項16に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項18】
式IV-A:
【化93】
を有する、請求項17に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項19】
式IV-B:
【化94】
を有する、請求項17に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項20】
R
37aが、必要に応じて置換されたフェニルである、請求項9から17のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項21】
X
1が、Oまたは-NH-である、請求項2から4、7から17、および19から20のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項22】
X
2が、結合、O、または-NH-である、請求項1から21のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項23】
A
1およびA
2のそれぞれが、結合、-(CH
2)
n-、-(CH
2)
nC(O)O-、-(CH
2)
nC(O)NH-、-(CH
2CH
2O)
n-、または-(CH
2CH
2O)
n(CH
2CH
2NH)
n-であり;
各nが独立して、1、2、3、または4である、
請求項1から22のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項24】
A
1が、結合、-(CH
2)
nC(O)NH-、または-(CH
2CH
2O)
n(CH
2CH
2NH)
n-である、請求項23に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項25】
A
1が、結合、-(CH
2)C(O)NH-、または-(CH
2CH
2O)
2(CH
2CH
2NH)-である、請求項24に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項26】
A
2が、結合、または-(CH
2)
nC(O)NH-であり;nが、1、2、または3である、請求項1から25のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項27】
A
2が、結合または-(CH
2)C(O)NH-である、請求項26に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項28】
構造:
【化95】
【化96】
【化97】
を有する、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項29】
Iが放射性である、構造:
【化98】
【化99】
を有する、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項30】
請求項1から4および7から28のいずれか一項に記載の化合物と、前記化合物のキレート化部分に前記キレート化された金属Mとを含む、錯体であって、Mが、
225Ac、
44Sc、
47Sc、
203/212Pb、
67Ga、
68Ga、
72As、
99mTc、
111In、
90Y、
97Ru、
62Cu、
64Cu、
52Fe、
52mMn、
140La、
175Yb、
153Sm、
166Ho、
149Pm、
177Lu、
142Pr、
159Gd、
213Bi、
67Cu、
111Ag、
199Au、
161Tb、および
51Crからなる群から選択される、錯体。
【請求項31】
構造:
【化100】
を有する、請求項30に記載の錯体、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項32】
X
1が、Oまたは-NH-であり;
X
2が、Oまたは-NH-であり;
A
1が、結合、-(CH
2)C(O)NH-、または-(CH
2CH
2O)
2(CH
2CH
2NH)-であり;
A
2が、結合、または-(CH
2)C(O)NH-であり;
B
1およびB
2のそれぞれが、独立して、H、
【化101】
である、請求項31に記載の錯体、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項33】
Mが
68Gaまたは
177Luである、請求項30から32のいずれか一項に記載の錯体、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項34】
構造:
【化102】
【化103】
を有する、請求項30に記載の錯体、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項35】
薬学的に許容される担体と、請求項1から34のいずれか一項に記載の化合物もしくは錯体、またはその薬学的に許容される塩とを含む、医薬組成物。
【請求項36】
対象における撮像のための方法であって、
請求項1、5~14、21~27、29、および30~34のいずれか一項に記載の化合物または錯体を、前記対象に投与すること、および
前記対象または前記対象の一部の画像を得ること
を含む、方法。
【請求項37】
陽電子放出を検出することが可能なデバイスで、画像を得ることを含む、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
請求項1、5~14、21~27、29、および30~34のいずれか一項に記載の化合物または錯体の有効量を対象に投与すること、および前記対象における前記錯体の放射能のパターンを検出することを含む、in vivo撮像の方法。
【請求項39】
対象の1つまたはそれより多くの腫瘍を処置する方法であって、請求項1、5~14、21~27、29、および30~34のいずれか一項に記載の化合物または錯体の有効量を、前記対象に投与することを含む、方法。
【請求項40】
有効量の請求項1から29のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩を含有する滅菌容器と、治療的使用のための使用説明書とを含む、キット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、放射性核種撮像および治療剤の分野における発明である。詳細には、放射性金属をキレート化することが可能なキレート化部分を持つ誘導体と、ハロゲン化標識フェニルを持つ誘導体とを含む、尿素ベースの前立腺特異的膜抗原(PSMA)阻害剤の誘導体が開示される。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
前立腺特異的膜抗原(PSMA)は、非常に特異的な前立腺上皮細胞膜抗原である。その天然基質は、N-アセチル-アスパルチルグルタメートおよびフォリル-ポリ-γ-グルタメート(前立腺関連PSMA)(スキーム1)である。
【化1】
【0003】
PSMAは、前立腺がんを含めた様々な腫瘍において高度に発現される。しばしば、PSMA発現は、高悪性度のがんおよび転移性疾患において増加する。固形腫瘍における血管新生の圧倒的多数において、PSMAの高発現がみられるが、正常脈管系にはない。これにより、PSMAは、がん検出および治療の適切な標的になる。
【0004】
いくつかの小分子ベースのPSMA造影剤が、文献で報告されてきた。2[(3-アミノ-3-カルボキシプロピル)(ヒドロキシ)(ホスフィニル)-メチル]ペンタン-1,5-二酸(GPI)、2-(3-メルカプトプロピル)ペンタン-二酸(2-PMPA)、ホスホルアミダート、特に尿素-Glu基(Glu-NH-CO-NH-Lys(Ahx))(スキーム2)を含む、種々のPSMA標的コア構造が用いられてきた。例えば、US2004054190;Kozikowski AP, et al., J. Med. Chem. 47:1729-38 (2004)を参照されたい。これらの結合コア構造に基づいて、多くのPSMA阻害剤は高度に選択的であり強力であると報告された。種々の同位体で標識した後、それらはin vivo撮像(SPECTまたはPET)においておよび放射性核種療法で有用であることが開示された。
【化2】
【0005】
SPECT造影剤:[
123I]MIP-1072、[
123I]MIP-1095、[
99mTc]MIP-1404、および[
99mTc]Tc-MIP-1405(スキーム3)を含む尿素ベースのリガンド系(Glu-NH-CO-NHまたはGlu-NH-CO-NH-Lys(Ahx))を使用する、いくつかの潜在的なPSMA標的造影剤は、臨床試験に入った。第II相臨床研究の結果は、これらのSPECT PSMA造影剤が前立腺およびその他の関連ある固形腫瘍の診断に適することを示唆する。
【化3】
【0006】
PSMAを標的とする
18F標識PET造影剤も、報告された(スキーム4)。
【化4】
【0007】
過去20年間で、様々な腫瘍を撮像するための68Ga標識小分子およびペプチドの使用に関する多くの報告がある。それらの中で、[68Ga]DOTA-TOC、[68Ga]DOTA-TATE、および[68Ga]DOTA-NOCが、ソマトスタチン受容体を発現する神経内分泌腫瘍(NET)を検出するための薬剤として用いられる。68Ga標識化合物[68Ga]PSMA-11は、十分研究されている(スキーム4)。臨床データが生成され、それらは前立腺がんを検出しモニターする能力を示した[4]。68Ga PSMA-093を含む、PSMA結合を標的とする追加の68Ga標識化合物が報告され(スキーム4)、これは改善された腫瘍標的特性および薬物動態を有すると報告された[5]。米国特許出願公開第2016/0228587号を参照されたい。
【0008】
大部分の前立腺がん患者において過剰発現したPSMA結合部位を標的とすることに基づいて、
177Lu標識PSMA-617およびDOTAGA-(イル)-fk(sub-KuE)(PSMA-I&T)は、PSMA標的放射性核種療法(スキーム5)であると報告された(考察[10~13][14][15]参照)。[
177Lu]PSMA 617[16]および[
177Lu]PSMA I&T[17](スキーム5)に関する臨床試験の結果は、有望であった。
【化5】
治療用の1つのその他の放射性核種は
131Iであり、これは8.02日の物理的半減期で電子を放出し(ベータ放射線)、最大ベータエネルギー606keV(89%存在度)および364keVのガンマ線(81%存在度)を放出する。甲状腺がんを処置するために
131Iヨウ化物を使用する、長い歴史がある。これは甲状腺患者の標準的なケアである。
131I標識MIP-1095(スキーム3)は高いPSMA結合親和性(Ki=4.6nM)を示し、魅力ある代替PSMA標的放射性核種治療剤であることが、報告されている[1]。既に、リンカー領域に構造修飾を持ついくつかの放射性ヨウ素化撮像および治療剤は、改善された腫瘍標的特性および薬物動態を有することが報告されている。米国特許出願公開第2016/0228587号を参照されたい。
in vivo撮像および放射性核種療法でのPSMA阻害剤として、Glu-NH-CO-NH-Lys誘導体をさらに改善する必要性が、依然として存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許出願公開第2004/054190号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2016/228587号明細書
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】Kozikowski AP, et al., J. Med. Chem. 47:1729-38 (2004)
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
発明の概要
一実施形態では、本開示は、式I:
【化6】
の化合物、またはその薬学的に許容される塩であって、
式中、
Zはキレート化部分、またはZ
1:
【化7】
の構造を有する基であり、
ここで、Y
10はCHまたはNであり;
LおよびL
aのそれぞれは独立して、結合、または1から6個の炭素原子を鎖、環、またはこれらの組合せ中に含む2価の連結部分であり、少なくとも1個の炭素原子は必要に応じてO、-NR
3-、または-C(O)-で置き換えられ;
R
*は、放射性同位体であり;
R
22は、アルキル、アルコキシル、ハロゲン化物、ハロアルキル、およびCNからなる群から選択され;
pは、0から4の整数であり、pが1より大きい場合、各R
22は同じまたは異なり;
Wは、PSMA標的リガンドであり;
各T
1は独立して、T
11またはT
12:
【化8】
の構造を有し、
ここで、R
23は-(CH
2)
aCO
2Hであり、aは0から4の整数であり;
各T
2は独立して、T
21またはT
22:
【化9】
の構造を有し、
ここで、bは、1から6の整数であり、G
1は、O、S、またはNR
3であり;
qは、0、1、2、または3であり;
rは、0、1、または2であり;
A
2は、結合、または1から20個の炭素原子を鎖、環、またはこれらの組合せ中に含む2価の連結部分であり、1個またはそれより多くの炭素原子は必要に応じてO、-NR
40-、または-C(O)-で置き換えられ得;
B
2は、H、
【化10】
であり、
ここで、cは、1から4の整数であり、
Gは、O、S、またはNR
3であり;
X
2は、O、S、または-NR
41-であり;
R
3、R
40、およびR
41のそれぞれは独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、アルキルアリール、およびヘテロアリールからなる群から選択され、
R
31、R
32、R
33、R
34、R
35、およびR
36のそれぞれは独立して、水素、アルキル、アルコキシル、またはハロゲン化物であり;
R
37およびR
38のそれぞれは独立して、水素、アルキル、アリール、またはアルキルアリールであり;
各R
39は独立して、アルキル、アルコキシル、ハロゲン化物、ハロアルキル、およびCNからなる群から選択され;
sは、0または1であり;
vは、0から4の整数であり、vが1より大きい場合、各R
39は同じまたは異なり;
ただしsが1であり、-X
2-A
2-B
2が-OHであり、rが0であり、qが1であり、T
1がT
11である場合、Zが、Z
1または
【化11】
であることはない、化合物、またはその薬学的に許容される塩に関する。
【0012】
一実施形態では、本開示は、本明細書に開示される放射性標識化合物を対象に投与すること;および対象または対象の一部の画像を得ることを含む、対象を撮像する方法に関する。別の実施形態では、撮像するための方法は、陽電子放出を検出することが可能なデバイスで画像を得ることを含む。
【0013】
さらに、本開示は、式Iの化合物を作製する方法に関する。
【0014】
別の実施形態では、本開示は、本明細書に開示される化合物または錯体の有効量を対象に投与することを含む、対象の1つまたはそれより多くの腫瘍を処置するための方法に関する。一部の実施形態では、腫瘍はPSMA過剰発現腫瘍である。一部の実施形態では、腫瘍は、前立腺腫瘍、神経内分泌腫瘍、または内分泌腫瘍である。一部の実施形態では、腫瘍が前立腺腫瘍である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、放射性標識[
68Ga]4のHPLCクロマトグラムを示す。固定相:Eclipse XDB-C18カラム5μ、4.6×150mm;移動相:A:0.1%TFA/水;B:0.1%TFA/ACN;勾配:0~8分 A/B 100/0~0/100;2mL/分。
【0016】
【
図2】
図2は、放射性標識[
177Lu]4のHPLCクロマトグラムを示す。固定相:Eclipse XDB-C18カラム5μ、4.6×150mm;移動相:A:0.1%TFA/水;B:0.1%TFA/ACN;勾配:0~4分 A/B 85/15~0/100、4~11分 A/B 85/15から30/70、11~14分 A/B 30/70から85/15;1mL/分。
【0017】
【
図3】
図3は、放射性標識された保護中間体[
125I]24、低温標準26、および最終化合物[
125I]26の放射性トレースの、HPLCクロマトグラムを示す。固定相:Agilent Porocell 120 EC-C18カラム2.7μ、4.6×50mm;移動相:A:0.1%TFA/水;B:0.1%TFA/ACN;勾配:0~1分 A/B 80/20、1~16分 A/B 80/20から0/100、16~16.5分 A/B 0/100から80/20、16.5~20分 A/B 80/20;2mL/分。
【発明を実施するための形態】
【0018】
発明の詳細な説明
多くの種々の放射性核種および多くの種々の精密標的が報告されてきた[8]。セラノスティックアプローチ(Theranostic approach)は、プレシジョンメディシンのための個別化された手法を提供する。適切な同位体の1つはLu-177である[8、18、19]。物理的半減期が6.65日であるルテチウム-177(Lu-177)は、適切な治療用放射性核種であり、ベータ線(490keV)、ガンマ線、およびX線(113keV(3%)、210keV(11%))を放出する。
【0019】
大部分の前立腺がん患者において過剰発現するPSMAを標的とする薬剤に基づいて、放射性標識剤は、診断撮像および放射性核種療法のために調製されてきた。177Lu標識PSMA-617およびDOTAGA-(イル)-fk(sub-KuE)(PSMA-I&T)は、PSMA標的放射性核種療法として報告された(考察[10~13][14][15]参照。放射性核種療法剤としてのPSMA-617[16]およびPSMA-I&T[17]に関する臨床試験の結果は、非常に有望であった。
【0020】
過去20年間で、様々な腫瘍を撮像するのに放射性金属標識小分子およびペプチドを使用することに関する、多くの報告がある。それらの中で、[68Ga]DOTA-TOC、[68Ga]DOTA-TATE、および[68Ga]DOTA-NOCは、ソマトスタチン受容体を発現する神経内分泌腫瘍(NET)の検出に、一般に用いられる薬剤である。最近、[68Ga]PSMA-11は、前立腺がん患者のPSMAの過剰発現を標的とする有効なPET造影剤であることが報告されてきた。
【0021】
ルテチウム(Lu-177)で標識された放射性核種治療剤を作製するための追加のキレートが、報告されている。キレート化基には、それぞれ安定度定数(logKd)が15から30の間である多くの環状および非環状ポリアザカルボン酸(スキーム6)が含まれる。これらの改善されたキレート、1,4,7,10-テトラアザシクロドセカン(1,4,7,10-tetraazacyclodocecane)、1-(グルタル酸)-4,7,10-トリ酢酸(DOTAGA)、および1,4,7,10-テトラアザシクロドセカン、1,7-(ジグルタル酸)-4,10-二酢酸(DOTA(GA)2)は、室温で安定な177Lu標識錯体を形成する利点を有し(即ち、in vitroおよびin vivoで安定)、これは調製を単純化し、臨床状況により適する。
【0022】
本開示の多くの化合物にはDOTAGAおよびDOTA(GA)2が含まれ、これらは共に、
68Ga(診断用)[6]ならびに
177Lu(放射性核種療法用)[7]を含む様々な放射性金属(M)を有する安定なキレート化錯体を形成することができる(スキーム6)。
【化12】
【0023】
本明細書に開示される化合物または錯体において、in vivo生体内分布特性は、これらの化合物、例えばヨウ素化およびルテチウム標識PSMA阻害剤の化学構造の特異的修飾(例えば、リンカーの変更)によって、改善される。構造調節は、PSMA腫瘍保持マウスにおいて、より高い腫瘍取込みおよびより速い腎排泄(非標的放射線量の低減)をもたらした。
【0024】
これらの新しい薬剤は、ベータまたはアルファ放出同位体で標識された場合、放射性核種療法で価値あるものであり;しかしこれらの薬剤は、ガンマ放出同位体で標識された場合に診断剤としても有用である。
【0025】
新規なフェノキシリンカーを持つ化合物が報告された。参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2017/0189568号を参照されたい。尿素ベースのPSMA標的部分のサブ構造および種々のキレート化基に対する新規なリンカーを含む、この系列のPSMA阻害剤は、安定な金属錯体(Lu-177を含む)をもたらした。これらは、in vitro結合、腫瘍細胞の取込み、およびin vivo生体内分布研究によって試験をした。これらのPSMA阻害剤は、良好な結合親和性と、前立腺腫瘍保持ヌードマウスのin vivo標的能力とを示した。例えば、新規なPSMA阻害剤は、錯体または化合物Aなどのキレート化部分を有することができ;またはそれらは、a:放射性金属DOTAGA錯体、b:放射性金属DOTA(GA)2錯体、またはc:放射性ハロゲンを有することができる(スキーム7)。
【化13】
【0026】
一実施形態では、本開示は、式I:
【化14】
の化合物、またはその薬学的に許容される塩であって、
式中、
Zはキレート化部分、またはZ
1:
【化15】
の構造を有する基であり、
ここで、Y
10はCHまたはNであり;
LおよびL
aのそれぞれは独立して、結合、または1から6個の炭素原子を鎖、環、またはこれらの組合せ中に含む2価の連結部分であり、少なくとも1個の炭素原子は必要に応じてO、-NR
3-、または-C(O)-で置き換えられ;
R
*は、放射性同位体であり;
R
22は、アルキル、アルコキシル、ハロゲン化物、ハロアルキル、およびCNからなる群から選択され;
pは、0から4の整数であり、pが1より大きい場合、各R
22は同じまたは異なり;
Wは、PSMA標的リガンドであり;
各T
1は独立して、T
11またはT
12:
【化16】
の構造を有し、
ここで、R
23は-(CH
2)
aCO
2Hであり、aは0から4の整数であり;
各T
2は独立して、T
21またはT
22:
【化17】
の構造を有し、
ここで、bは、1から6の整数であり、G
1は、O、S、またはNR
3であり;
qは、0、1、2、または3であり;
rは、0、1、または2であり;
A
2は、結合、または1から20個の炭素原子を鎖、環、またはこれらの組合せ中に含む2価の連結部分であり、1個またはそれより多くの炭素原子は必要に応じてO、-NR
40-、または-C(O)-で置き換えられ得;
B
2は、H、
【化18】
であり、
ここで、cは、1から4の整数であり、
Gは、O、S、またはNR
3であり;
X
2は、O、S、または-NR
41-であり;
R
3、R
40、およびR
41のそれぞれは独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、アルキルアリール、およびヘテロアリールからなる群から選択され、
R
31、R
32、R
33、R
34、R
35、およびR
36のそれぞれは独立して、水素、アルキル、アルコキシル、またはハロゲン化物であり;
R
37およびR
38のそれぞれは独立して、水素、アルキル、アリール、またはアルキルアリールであり;
各R
39は独立して、アルキル、アルコキシル、ハロゲン化物、ハロアルキル、およびCNからなる群から選択され;
sは、0または1であり;
vは、0から4の整数であり、vが1より大きい場合、各R
39は同じまたは異なり;
ただしsが1であり、-X
2-A
2-B
2が-OHであり、rが0であり、qが1であり、T
1がT
11である場合、Zが、Z
1または
【化19】
であることはない、化合物、またはその薬学的に許容される塩に関する。
【0027】
一部の実施形態では、Zがキレート化部分である。キレート化部分は、当技術分野で公知であり、金属結合基を指す。一部の実施形態では、Zは、DOTA、NOTA、NODAGA、DOTAGA、DOTA(GA)2、TRAP、NOPO、PCTA、DFO、DTPA、CHX-DTPA、AAZTA、DEDPA、およびオキソ-DO3Aからなる群から選択されるキレート化部分である。これらのキレート化部分は、1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-N,N’,N’’,N’’’-四酢酸(DOTA)、1,4,7-トリアザシクロノナン-1,4,7-三酢酸(NOTA)、2-(4,7-ビス(カルボキシメチル)-1,4,7-トリアゾナン-1-イル)ペンタン二酸(NODAGA)、1,4,7,10-テトラアザシクロドセカン、1-(グルタル酸)-4,7,10-三酢酸(DOTAGA)、および1,4,7,10-テトラアザシクロドセカン、1,7-(ジグルタル酸)-4,10-二酢酸(DOTA(GA)2)、1,4,7-トリアザシクロノナンホスフィン酸(TRAP)、1,4,7-トリアザシクロノナン-1-[メチル(2-カルボキシエチル)ホスフィン酸]-4,7-ビス[メチル(2-ヒドロキシメチル)ホスフィン酸](NOPO)、3,6,9,15-テトラアザビシクロ[9.3.1.]ペンタデカ-1(15),11,13-トリエン-3,6,9-三酢酸(PCTA)、N’-{5-[アセチル(ヒドロキシ)アミノ]ペンチル}-N-[5-({4-[(5-アミノペンチル)(ヒドロキシ)アミノ]-4-オキソブタノイル}アミノ)ペンチル]-N-ヒドロキシスクシンアミド(DFO)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、Trans-シクロヘキシル-ジエチレントリアミン五酢酸(CHX-DTPA)、1-オキサ-4,7,10-トリアザシクロドデカン-4,7,10-三酢酸(オキソ-Do3A)、p-イソチオシアナトベンジル-DTPA(SCN-Bz-DTPA)、1-(p-イソチオシアナトベンジル)-3-メチル-DTPA(1B3M)、2-(p-イソチオシアナトベンジル)-4-メチル-DTPA(1M3B)、1-(2)-メチル-4-イソシアナトベンジル-DTPA(MX-DTPA)から誘導される。有用なキレート化部分は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるUS 2016/0228587に開示されている。
【0028】
一部の実施形態では、Zは、
【化20】
であり、
A
1は、結合、または1から20個の炭素原子を鎖、環、またはこれらの組合せ中に含む2価の連結部分であり、1個またはそれより多くの炭素原子は必要に応じてO、-NR
40-、または-C(O)-で置き換えられ得;
B
1は、H、
【化21】
であり、
ここで、cは、1から4の整数であり;
X
1は、O、S、または-NR
41-であり;
Dは、1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7,10-四酢酸から誘導される2価のキレート化基である。
【0029】
一部の実施形態では、Dは、
【化22】
からなる群から選択される。これらの2価のキレート化基では、右上の結合部位がT
1基に接続され、底部結合部位はX
1基に接続される。
【0030】
一部の実施形態では、Dは、
【化23】
からなる群から選択される。
【0031】
一部の実施形態では、Dは、
【化24】
からなる群から選択される。
【0032】
一部の実施形態では、A1は、結合、または2価の連結部分であって、1から16個の炭素原子を鎖、環、またはこれらの組合せにおいて含む2価の連結部分であり、1個またはそれより多くの炭素原子は、O、-NR40-、または-C(O)-で必要に応じて置き換えられ得る。一部の実施形態では、A1は、結合、または-(CH2)n-、-(CH2)nC(O)NH-、-(CH2CH2O)n-、または-(CH2CH2O)n(CH2CH2NH)n-であり;
各nは独立して、1、2、3、または4である。一部の実施形態では、A1は、結合、-(CH2)nC(O)NH-、または-(CH2CH2O)n(CH2CH2NH)n-であり;nは、1、2、または3である。一部の実施形態では、A1は、結合、-(CH2)C(O)NH-または-(CH2CH2O)2(CH2CH2NH)-である。
【0033】
一部の実施形態では、B
2が、H、
【化25】
であり、ここで、cは1から3の整数である。一部の実施形態では、cが3である。
【0034】
一部の実施形態では、X
1がOまたは-NH-である。一部の実施形態では、X
1がOであり、A
1が結合であり、B
1がHである。一部の実施形態では、X
1は-NH-であり、A
1は、-(CH
2)C(O)NH-または-(CH
2CH
2O)
2(CH
2CH
2NH)-であり、B
1は、
【化26】
である。
【0035】
一部の実施形態では、Zは、
【化27】
からなる群から選択される。
【0036】
一部の実施形態では、Zは、
【化28】
からなる群から選択される。
【0037】
一部の実施形態では、Zは、Z
1:
【化29】
の構造を有する基であり、
ここで、Y
10はCHまたはNであり;
LおよびL
aのそれぞれは独立して、結合、または1から6個の炭素原子を鎖、環、またはこれらの組合せ中に含む2価の連結部分であり、少なくとも1個の炭素原子は、必要に応じてO、-NR
3-、または-C(O)-で置き換えられ;
R
*は、放射性同位体であり;
R
22は、アルキル、アルコキシル、ハロゲン化物、ハロアルキル、およびCNからなる群から選択され;
pは、0から4の整数であり、pが1より大きい場合、各R
22は同じまたは異なる。
【0038】
有用な放射性同位体(即ち、ラジオアイソトープ)は、陽電子放出および光子放出同位体を含む。放射性同位体は、当技術分野で公知であり、それらは例えば、11C、18F、123I、124I、125I、131I、および211Asであり得る。124Iは、PET撮像に使用することができる。211Asは、放射性核種療法に使用することができる。一部の実施形態では、放射性同位体が放射性ハロゲンである。一部の実施形態では、放射性同位体は、光子を放出しており、123Iおよび131Iなど、SPECTで使用することができる。
【0039】
一部の実施形態では、Lは、結合、または1から6個の炭素原子を鎖、環、またはこれらの組合せ中に含む2価の連結部分であり、少なくとも1個の炭素原子は、必要に応じてO、-NR3-、または-C(O)-で置き換えられる。一部の実施形態で、Lは結合である。別の実施形態では、Lは、C1~C6アルキレン基を含む2価の連結部分であり、ここで少なくとも1個の炭素原子は、必要に応じてO、-NR3-、または-C(O)-で置き換えられる。一部の実施形態では、Lが(CH2)n、-(OCH2CH2)n-、-(NHCH2CH2)n-、または-C(O)(CH2)n-であり、ここで、nは1、2、または3である。別の実施形態では、Lが-OCH2CH2-である。2価の連結部分のその他の有用な例には、-CH2-、-CH2CH2-、-CH2CH2CH2-、-OCH2CH2CH2-、-NHCH2CH2-、-NHCH2CH2CH2-、-COCH2-、-COCH2CH2-、および-COCH2CH2CH2-が含まれる。
【0040】
一部の実施形態では、Laは、結合、または1から6個の炭素原子を鎖、環、またはこれらの組合せ中に含む2価の連結部分であり、少なくとも1個の炭素原子は、必要に応じてO、-NR3-、または-C(O)-で置き換えられる。別の実施形態では、Laは、C1~C6アルキレン基を含む2価の連結部分であり、少なくとも1個の炭素原子は、必要に応じてO、-NR3-、または-C(O)-で置き換えられる。一部の実施形態では、Laが-C(O)-である。
【0041】
一部の実施形態では、R22は、C1~C4アルキル、C1~C4アルコキシル、ハロゲン化物、ハロC1~C4アルキル、およびCNからなる群から選択される。一部の実施形態では、pが0、1、または2である。一部の実施形態では、pが0である。
【0042】
一部の実施形態では、Y10がCHである。一部の実施形態では、Y10がNである。
【0043】
一部の実施形態では、Zが、構造:
【化30】
を有し、
ここで、I(ヨウ素)は放射性である。一部の実施形態では、放射性ヨウ素が
125Iである。一部の実施形態では、放射性ヨウ素が
131Iである。
【0044】
PSMA標的リガンドは当技術分野で公知であり、それらは、PSMAに結合できる基を指す。PSMA標的リガンドは、本明細書で論じられる尿素ベースのリガンド系であり得る。
【0045】
一部の実施形態では、PSMA標的リガンドWは、構造:
【化31】
を有し、
ここで、R
20およびR
21はそれぞれ独立して、アミノ酸残基であって、そのアミノ基を介して隣接する-C(O)-基に連結されているアミノ酸残基である。
【0046】
一部の実施形態では、Wは、構造:
【化32】
を有し、
ここで、R
2は、水素またはカルボン酸保護基であり、xは1から6の整数であり、yは1から4の整数である。一実施形態では、Wは、構造:
【化33】
を有する。
【0047】
ある特定の実施形態では、本開示の化合物は、一般化された式Iおよび付随する定義によって表される。
【0048】
部分-[T
1]
q-[T
2]
r-は、連結部分を表す。一部の実施形態では、各T
1は独立して、T
11またはT
12の構造:
【化34】
を有し、
ここで、R
23は、-(CH
2)
aCO
2Hであり、aは0から4の整数である。一部の実施形態では、aが0、1、または2である。一部の実施形態では、aが2である。
【0049】
一部の実施形態では、T
12が、
【化35】
である。
【0050】
一部の実施形態では、-[T
1]
q-が、
【化36】
である。
【0051】
一部の実施形態では、各T
2は独立して、T
21またはT
22:
【化37】
の構造を有し、
ここで、bは1から6の整数であり、G
1は、O、S、またはNR
3である。一部の実施形態では、bが1、2、3、または4である。一部の実施形態では、bが3または4である。一部の実施形態では、G
1がOまたは-NH-である。一部の実施形態では、G
1がOである。一部の実施形態では、R
31およびR
32のそれぞれが独立して、水素、C
1~C
4アルキル、C
1~C
4アルコキシル、またはハロゲン化物である。一部の実施形態では、R
31およびR
32の両方が水素である。
【0052】
一部の実施形態では、-[T
2]
r-が、
【化38】
である。
【0053】
一部の実施形態では、A2が結合、または1から16個の炭素原子を鎖、環、またはこれらの組合せ中に含む2価の連結部分であり、1個またはそれより多くの炭素原子は、必要に応じてO、-NR40-、または-C(O)-で置き換えられ得る。一部の実施形態では、A2は、結合、または-(CH2)n-、-(CH2)nC(O)O-、-(CH2)nC(O)NH-、-(CH2CH2O)n-、もしくは-(CH2CH2O)n(CH2CH2NH)n-であり;各nは独立して、1、2、3、または4である。一部の実施形態では、A2は、結合または-(CH2)nC(O)NH-であり;nは、1、2、または3である。一部の実施形態では、A2は、結合または-(CH2)C(O)NH-である。
【0054】
一部の実施形態では、B
2が、H、
【化39】
であり、ここで、cは1から3の整数である。一部の実施形態では、cが3である。
【0055】
一部の実施形態では、X
2がOまたは-NH-である。一部の実施形態では、X
2がOであり、A
2が結合であり、B
2がHである。一部の実施形態では、X
2が-NH-であり、A
2が結合または-(CH
2)C(O)NH-であり、B
2は、
【化40】
である。
【0056】
一部の実施形態では、R3、R40、およびR41のそれぞれは独立して、水素、C1~C4アルキル、C1~C6シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、C1~C4アルキルアリール、およびヘテロアリールからなる群から選択される。一部の実施形態では、R3、R40、およびR41のそれぞれが水素である。
【0057】
一部の実施形態では、R33、R34、R35、およびR36のそれぞれは、独立して、水素、C1~C4アルキル、C1~C4アルコキシル、またはハロゲン化物である。一部の実施形態では、R33、R34、R35、およびR36が水素である。
【0058】
一部の実施形態では、R37およびR38のそれぞれは独立して、水素、C1~C4アルキル、アリール、またはC1~C4アルキルアリールである。一部の実施形態では、R37およびR38のそれぞれは独立して、水素、フェニル、ベンジル、またはメチルナフチルである。
【0059】
一部の実施形態では、各R39は独立して、C1~C4アルキル、C1~C4アルコキシル、ハロゲン化物、ハロC1~C4アルキル、およびCNからなる群から選択される。一部の実施形態では、各R39は独立して、メチル、メトキシル、ハロメチル、またはハロゲン化物である。一部の実施形態では、vが0、1、または2である。一部の実施形態では、vが0である。
【0060】
一部の実施形態では、式Iの化合物は、式I-A:
【化41】
の構造、またはその薬学的に許容される塩を有し、式中、R
37aは必要に応じて置換されたフェニルまたは必要に応じて置換されたナフチルである。
【0061】
一部の実施形態では、式Iの化合物は、式I-B:
【化42】
の構造、またはその薬学的に許容される塩を有し、式中、R
37aは、必要に応じて置換されたフェニルまたは必要に応じて置換されたナフチルである。
【0062】
一部の実施形態では、式Iの化合物は、下記の式:
【化43】
【化44】
の構造、またはその薬学的に許容される塩を有し、式中、qは1または2である。
【0063】
一部の実施形態では、式Iの化合物は、下記の式:
【化45】
【化46】
の構造、またはその薬学的に許容される塩を有し、式中、qは1または2である。
【0064】
一部の実施形態では、式Iの化合物は、式III-A:
【化47】
の構造、またはその薬学的に許容される塩を有する。
【0065】
一部の実施形態では、式Iの化合物は、式III-B:
【化48】
の構造、またはその薬学的に許容される塩を有する。
【0066】
一部の実施形態では、式Iの化合物は、式IV-AまたはIV-B:
【化49】
の構造、またはその薬学的に許容される塩を有する。
【0067】
一部の実施形態では、R37aがアリールである。一実施形態では、R37aは必要に応じて置換されたフェニルである。別の実施形態では、R37aは必要に応じて置換されたナフチルである。一部の実施形態では、R37aがフェニルである。
【0068】
式Iに関する上述のA1、B1、X1、A2、B2、X2、T1、T2、q、r、Z、およびWの定義は、式I-A、I-B、II-A、II-B、II-C、II-D、II-AA、II-BB、II-CC、II-DD、III-A、III-B、IV-A、およびIV-Bのいずれかに適用される。
【0069】
一部の実施形態では、式Iの化合物は、下記の構造:
【化50】
【化51】
またはその薬学的に許容される塩を有する。
【0070】
一部の実施形態では、式Iの化合物は、下記の構造:
【化52】
【化53】
またはその薬学的に許容される塩を有し、ここで、I(ヨウ素)は放射性である。一部の実施形態では、放射性ヨウ素が
125Iである。一部の実施形態では、放射性ヨウ素が
131Iである。
【0071】
一部の実施形態では、本開示は、金属Mにキレート化された本明細書に開示される式Iの化合物を含む錯体に関し、式中、Zはキレート化部分である。一部の実施形態では、金属Mは、225Ac、44Sc、47Sc、203/212Pb、67Ga、68Ga、72As、99mTc、111In、90Y、97Ru、62Cu、64Cu、52Fe、52mMn、140La、175Yb、153Sm、166Ho、149Pm、177Lu、142Pr、159Gd、213Bi、67Cu、111Ag、199Au、161Tb、および51Crからなる群から選択される。一部の実施形態では、金属Mが68Gaまたは177Luである。一部の実施形態では、金属Mが68Gaである。一部の実施形態では、金属Mが177Luである。
【0072】
PET/CT用の放射性医薬品を得るのに魅力的で多目的な手法は、68Ga(T1/2=68分)PET造影剤を生成するための、68Ge/68Ga発生器の使用である。PET撮像に68Gaを使用するいくつかの利点がある:(1)短寿命陽電子放出体である(半減期は68分、β+)。(2)68Ge/68Ga発生器は、近くにサイクロトロンがない実験室装置で68Gaを容易に生成する。(3)親の68Geは、270日の物理的半減期を有し、6から12カ月の有効寿命をもたらす。(4)日常的に臨床診療のためにこの発生器を現在供給している、いくつかの商業ベンダーが存在する。(5)Ga(III)に関する配位化学は非常に柔軟で、様々な安定度定数および金属キレート化選択度を持つ多数のGaキレートが報告されており;68Ga放射性医薬品は、がん診断のために様々な組織または生理学的プロセスを標的とすることが実証されてきた。
【0073】
一部の実施形態では、錯体は、構造:
【化54】
またはその薬学的に許容される塩を有し、ここで、X
1、X
2、A
1、A
2、B
1、B
2、およびMは、本明細書で定義される。一部の実施形態では、X
1がOまたは-NH-であり;X
2がOまたは-NH-であり;A
1は、結合、-(CH
2)C(O)NH-、または-(CH
2CH
2O)
2(CH
2CH
2NH)-であり;A
2は、結合、または-(CH
2)C(O)NH-であり;B
1およびB
2のそれぞれは、独立して、H、
【化55】
である。
【0074】
一部の実施形態では、錯体は、構造:
【化56】
【化57】
またはその薬学的に許容される塩を有する。
【0075】
一実施形態では、本開示は、式Iの化合物またはその錯体を作製する方法に関する。
【0076】
一実施形態では、本開示は、薬学的に許容される担体と、本明細書に開示される化合物または錯体とを含む、医薬組成物を提供する。本開示は、薬学的に許容される担体と、本明細書に開示される化合物または錯体の薬学的に許容される塩とを含む、医薬組成物も提供する。
【0077】
一実施形態では、本開示は、式Iの化合物またはその薬学的に許容されるi.v.注射用の等張性溶液を含有する滅菌容器と、診断撮像(例えば、68Ga)および放射線療法(例えば、117Lu)使用のための使用説明書とを含む、キット製剤を提供する。
【0078】
本開示は、本明細書に開示される放射性金属錯体または放射性化合物の有効量を対象に投与すること、および対象における錯体または化合物の放射能のパターンを検出することを含む、in vivo撮像のための方法も提供する。一実施形態では、本開示は、対象に、本明細書に開示される放射性標識化合物を投与すること;および対象または対象の一部の画像を得ることを含む、対象を撮像するための方法に関する。別の実施形態では、撮像するための方法は、陽電子放出を検出することが可能なデバイスで画像を得ることを含む。
【0079】
本開示は、本明細書に開示される放射性金属錯体または放射性化合物の有効量を対象に投与すること、および前記対象における錯体または化合物の放射能のパターンを検出することを含む、in vivo撮像の方法も提供する。
【0080】
本開示は、本明細書に開示される放射性金属錯体または放射性化合物の有効量を対象に投与することを含む、対象における1つまたはそれより多くの腫瘍を処置する方法を提供する。一部の実施形態では、腫瘍はPSMA過剰発現腫瘍である。一部の実施形態では、腫瘍は前立腺腫瘍、神経内分泌腫瘍、または内分泌腫瘍である。一部の実施形態では、腫瘍が前立腺腫瘍である。
【0081】
本開示の化合物を投与することができる典型的な被験体は、哺乳動物、特に霊長類、特にヒトである。獣医学的用途の場合、様々な被験体、例えばウシ、ヒツジ、ヤギ、ウシ、ブタなどのような家畜;ニワトリ、カモ、ガチョウ、シチメンチョウ、などのような家禽;愛玩動物、特にイヌおよびネコのようなペットが適切である。診断または研究用途の場合、齧歯動物(例えばマウス、ラット、ハムスター)、ウサギ、霊長類および近交系豚のようなブタ、などを含めた様々な哺乳動物が、適切な被験体である。加えて、in vitro診断および研究用途などのin vitro用途の場合、上の被験体の体液および細胞サンプルは、哺乳動物、特にヒトなどの霊長類の、血液、尿もしくは組織サンプル、または獣医学的用途について言及した動物の血液 尿もしくは組織サンプルなどの使用に適切である。
【0082】
本開示による放射性医薬品は、陽電子放射ガリウム68錯体であり得、68Ge/68Ga親/娘放射性核種発生器システムと併用して使用する場合、PETイメージング研究が可能になり、放射性核種生成のための社内サイクロトロンの操作に関連する出費を防げることになる。
【0083】
錯体は、非経口診断法の調製物のための標準的な技術を使用して静脈内投与に適切な水溶液に製剤化される。本錯体の水溶液は、例えば市販の0.2ミクロンフィルターを通すことによって滅菌することができる。錯体は、組織をイメージングするのに必要な光子(ガンマ/陽電子)束を得るのに十分な放射性核種錯体の組織濃度を与えるのに有効な量で、静脈内に一般に投与される。許容される組織イメージングを達成するための本開示の任意の所与の錯体の用量レベルは、それの特定の体内分布および組織イメージング装置の感度によって決まる。有効な用量レベルは、日常の実験によって確定することができる。それらは、一般に約5~約30ミリキューリーの範囲である。錯体が、心筋組織のPETイメージング用のガリウム68錯体である場合、適当な光子束は、約5~約30ミリキューリーの錯体の静脈内投与によって得ることができる。
【0084】
本明細書に使用される用語「アミノ酸」は、天然に存在するアミノ酸および非天然のアミノ酸を含む。天然に存在するアミノ酸とは、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、シスチン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、ヒドロキシプロリン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、オルニチン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、バリンおよびその組合せを含めたタンパク質の基本構成要素を形成するために使用されることが公知のアミノ酸のことを指す。非天然のアミノ酸の例には:チロシンアミノ酸の非天然の類似体;グルタミンアミノ酸の非天然の類似体;フェニルアラニンアミノ酸の非天然の類似体;セリンアミノ酸の非天然の類似体;トレオニンアミノ酸の非天然の類似体;アルキル、アリール、アシル、アジド、シアノ、ハロ、ヒドラジン、ヒドラジド、ヒドロキシル、アルケニル、アルキニル(alkynl)、エーテル、チオール、スルホニル、セレノ、エステル、チオ酸、ボレート、ボロネート、ホスホ、ホスホノ、ホスフィン、複素環式、エノン、イミン、アルデヒド、ヒドロキシルアミン、ケトンもしくはアミノで置換されたアミノ酸、またはその任意の組合せ;光活性化可能な架橋剤を持つアミノ酸;スピン標識されたアミノ酸;蛍光アミノ酸;新規の官能基を持つアミノ酸;別の分子と共有結合的または非共有結合的に相互作用するアミノ酸;金属結合アミノ酸;金属含有アミノ酸;放射性アミノ酸;光ケージド(photocaged)および/または光異性化可能なアミノ酸;ビオチンまたはビオチン類似体含有アミノ酸;グリコシル化または炭水化物修飾アミノ酸;ケト含有アミノ酸;ポリエチレングリコールまたはポリエーテルを含むアミノ酸;重原子置換されたアミノ酸;化学的に切断可能なまたは光切断可能なアミノ酸;伸長された側鎖を持つアミノ酸;毒性基を含有するアミノ酸;糖置換されたアミノ酸、例えば、糖置換されたセリンなど;炭素連結された糖含有アミノ酸;酸化還元活性があるアミノ酸;α-ヒドロキシ含有酸;アミノチオ酸含有アミノ酸;α,α二置換アミノ酸;β-アミノ酸;およびプロリン以外の環状アミノ酸が挙げられる。
【0085】
本明細書に使用される用語「アルカノイル」は、以下の構造:
【化58】
のことを指し、R
30は、アルキル、シクロアルキル、アリール、(シクロアルキル)アルキルまたはアリールアルキルであり、そのいずれも任意選択で置換される。アシル基は、例えば、C
1~6アルキルカルボニル(例えばアセチルなど)、アリールカルボニル(例えばベンゾイルなど)、レブリノイルまたはピバロイルであることができる。別の実施形態では、アシル基はベンゾイルである。
【0086】
本明細書に使用される用語「アルキル」は、指定された数の炭素原子を有する分枝および直鎖両方の飽和脂肪族炭化水素基を含む。アルキルの例には、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、n-ペンチルおよびs-ペンチルが挙げられるが、これに限定されない。好ましいアルキル基は、C1~C10アルキル基である。典型的なC1~10アルキル基には、中でもメチル、エチル、n-プロピル、n-ブチル、n-ペンチル、n-ヘキシル、n-ヘプチル、n-オクチル、n-ノニルおよびn-デシル、イソプロピル、sec-ブチル、tert-ブチル、イソブチル、イソペンチル、ネオペンチル、1-メチルブチル、2-メチルブチル、3-メチルブチル、1,1-ジメチルプロピル、1,2-ジメチルプロピル、1-メチルペンチル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、4-メチルペンチル、1-エチルブチル、2-エチルブチル、3-エチルブチル、1,1-ジメチルブチル、1,2-ジメチルブチル、1,3-ジメチルブチル、2,2-ジメチルブチル、2,3-ジメチルブチル、3,3-ジメチルブチル、1-メチルヘキシル、2-メチルヘキシル、3-メチルヘキシル、4-メチルヘキシル、5-メチルヘキシル、1,2-ジメチルペンチル、1,3-ジメチルペンチル、1,2-ジメチルヘキシル、1,3-ジメチルヘキシル、3,3-ジメチルヘキシル、1,2-ジメチルヘプチル、1,3-ジメチルヘプチルおよび3,3-ジメチルヘプチルが挙げられる。一実施形態では、有用なアルキル基は、直鎖C1~6アルキル基および分枝鎖C3~6アルキル基から選択される。中でも、典型的なC1~6アルキル基には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、イソブチル、ペンチル、3-ペンチル、ヘキシルが挙げられる。一実施形態では、有用なアルキル基は、直鎖C2~6アルキル基および分枝鎖C3~6アルキル基から選択される。中でも、典型的なC2~6アルキル基には、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、イソブチル、ペンチル、3-ペンチル、ヘキシルが挙げられる。一実施形態では、有用なアルキル基は、直鎖C1~4アルキル基および分枝鎖C3~4アルキル基から選択される。典型的なC1~4アルキル基には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec-ブチル、tert-ブチルおよびイソブチルが挙げられる。
【0087】
本明細書に使用される用語「シクロアルキル」は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルなど、指定された数の炭素原子を有する飽和環基を含む。シクロアルキル基は、3~約12環原子を一般に有する。一実施形態では、シクロアルキルは1つまたは2つの環を有する。別の実施形態では、シクロアルキルはC3~C8シクロアルキルである。別の実施形態では、シクロアルキルはC3~7シクロアルキルである。別の実施形態では、シクロアルキルはC3~6シクロアルキルである。典型的なシクロアルキル基には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、ノルボルニル、デカリンおよびアダマンチルが挙げられる。
【0088】
本明細書に使用される用語「ヘテロシクロアルキル」は、飽和複素環式アルキル基のことを指す。
【0089】
本明細書に使用される用語「アリール」は、C6~14アリール、特にC6~10アリールを含む。典型的なC6~14アリール基には、フェニル、ナフチル、フェナントリル、アントラシル、インデニル、アズレニル、ビフェニル、ビフェニレニルおよびフルオレニル基、より好ましくはフェニル、ナフチルおよびビフェニル基が挙げられる。
【0090】
本明細書に使用される用語「ヘテロアリール」または「複素環式芳香族」は、環状配置で共有される6、10もしくは14個のπ電子を持つ5~14個の環原子を有し、炭素原子および1、2もしくは3個の酸素、窒素もしくは硫黄ヘテロ原子、または4つの窒素原子を含有する基のことを指す。一実施形態では、ヘテロアリール基は、5~10員環のヘテロアリール基である。ヘテロアリール基の例には、チエニル、ベンゾ[b]チエニル、ナフト[2,3-b]チエニル、チアントレニル、フリル、ベンゾフリル、ピラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾオキサゾニル(benzooxazonyl)、クロメニル、キサンテニル、2H-ピロリル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、イソインドリル、3H-インドリル、インドリル、インダゾリル、プリニル、イソキノリル、キノリル、フタラジニル、ナフチリジニル、シンノリニル、キナゾリニル、プテリジニル、4aH-カルバゾリル、カルバゾリル、β-カルボリニル、フェナントリジニル、アクリジニル、ピリミジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、チアゾリル、イソチアゾリル、フェノチアゾリル、イソオキサゾリル、フラザニルおよびフェノキサジニルが挙げられる。典型的なヘテロアリール基には、チエニル(例えば、チエン-2-イルおよびチエン-3-イル)、フリル(例えば、2-フリルおよび3-フリル)、ピロリル(例えば、ピロール-1-イル、1H-ピロール-2-イルおよび1H-ピロール-3-イル)、イミダゾリル(例えば、イミダゾル-1-イル、1H-イミダゾル-2-イルおよび1H-イミダゾル-4-イル)、テトラゾリル(例えば、テトラゾール-1-イルおよびテトラゾール-5-イル)、ピラゾリル(例えば、1H-ピラゾール-3-イル、1H-ピラゾール-4-イルおよび1H-ピラゾール-5-イル)、ピリジル(例えば、ピリジン-2-イル、ピリジン-3-イルおよびピリジン-4-イル)、ピリミジニル(例えば、ピリミジン-2-イル、ピリミジン-4-イル、ピリミジン-5-イルおよびピリミジン-5-イル)、チアゾリル(例えば、チアゾール2-イル、チアゾール-4-イルおよびチアゾール-5-イル)、イソチアゾリル(例えば、イソチアゾール-3-イル、イソチアゾール-4-イルおよびイソチアゾール-5-イル)、オキサゾリル(例えば、オキサゾール-2-イル、オキサゾール-4-イルおよびオキサゾール-5-イル)およびイソオキサゾリル(例えば、イソオキサゾール-3-イル、イソオキサゾール-4-イルおよびイソオキサゾール-5-イル)が挙げられる。5員環のヘテロアリールは、最大4つのヘテロ原子を含有することができる。6員環のヘテロアリールは、最大3つのヘテロ原子を含有することができる。各ヘテロ原子は、窒素、酸素および硫黄から独立に選択される。
【0091】
適切なカルボン酸保護基は周知であり、例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれるWuts, P. G. M.およびGreene, T. W.、Greene's Protective Groups in Organic Synthesis、第4版、16~430頁(J. Wiley & Sons、2007年)に開示されている任意の適切なカルボン酸保護基を含む。当業技術者は、保護基の選択、結合および切断に精通し、異なる多くの保護基が当業者に公知であり、ある保護基または別の保護基の適合性は、計画される特定の合成スキームによって決まることを認識する。適切なカルボン酸保護基には、例えば、メチルエステル、t-ブチルエステル、ベンジルエステルおよびアリルエステルが挙げられる。
【実施例】
【0092】
合成のための材料および方法
一般
全ての試薬および溶媒は、商業的に購入し(Aldrich、AcrosまたはAlfa Inc.)、特に明記しない限り、更に精製することなく使用した。溶媒は、分子ふるいシステム(Pure Solve Solvent Purification System;Innovative Technology,Inc.)によって乾燥させた。1Hおよび13C NMRスペクトルを、それぞれ400MHzおよび100MHzでBruker Avance分光計で記録し、示した通りNMR溶媒を参照した。化学シフトは、Hzにおける結合定数Jと共にppm(δ)で報告される。多重度は、一重線(s)、二重線(d)、三重線(t)、ブロード(br)および多重線(m)によって定義される。高解像度質量分析(HRMS)データを、Agilent(Santa Clara、CA)G3250AA LC/MSD TOFシステムで得た。薄層クロマトグラフィー(TLC)分析を、Merck(Darmstadt、ドイツ)シリカゲル60 F254プレートを使用して実行した。一般に、粗化合物を、シリカゲル(Aldrich)を充填したフラッシュカラムクロマトグラフィー(FC)によって精製した。高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を、Agilent 1100シリーズシステムで実行した。ガンマカウンター(Cobra II自動ガンマカウンター、Perkin-Elmer)で、68Ga放射活性を測定した。非放射性化合物の反応を、シリカゲル60F254のプレコート済みプレートによる薄層クロマトグラフィー(TLC)分析によってモニターした。[68Ga]GaCl3の水性溶液を、68Ge/68Ga発生器(Radiomedix Inc.)から得た。固相抽出カートリッジ(SEP Pak(登録商標)Light QMA、Oasis(登録商標)HLB 3cc)をWaters(Milford、MA、USA)から得た。
【0093】
全てが尿素-Glu基(Glu-NH-CO-NH-)を有する化合物4、7、17、18、26、27、29、38、42、および51は、下記のセクションに記述されるように調製した。PSMA-11およびMIP-1095は公知のPSMA造影剤であり、それらはPSMAと結合するための陽性対照として提示されることに、留意されたい。
【0094】
中間体化合物2の調製は、下記の化学反応(スキーム8)に基づき、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2017/0189568号に記載されている。
【化59】
【0095】
化合物4の調製は、下記の化学反応(スキーム9)をベースにした。化合物1および2は、公知の方法に従い合成した[5]。
【化60】
【0096】
化合物7の調製は、下記の化学反応(スキーム10)をベースにした。
【化61】
【0097】
(実施例1)
4-(7-(5-((2-(((S)-2-(4-(((4S,11S,15S)-4-ベンジル-11,15-ビス(tert-ブトキシカルボニル)-20,20-ジメチル-2,5,13,18-テトラオキソ-19-オキサ-3,6,12,14-テトラアザヘニコシル)オキシ)フェニル)-1-カルボキシエチル)アミノ)-2-オキソエチル)アミノ)-1-(tert-ブトキシ)-1,5-ジオキソペンタン-2-イル)-4,10-ビス(2-(tert-ブトキシ)-2-オキソエチル)-1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1-イル)-5-(tert-ブトキシ)-5-オキソペンタン酸(3)
2(124mg、0.129mmol)を5mLのDMFに溶かした溶液に、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA、49mg、0.38mmol)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(HOBt、32.7mg、0.19mmol)、N-(3-ジメチルアミノプロピル)-N-エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC、37mg、0.19mmol)、および1(100mg、0.129mmol)を0℃で添加した。混合物を室温で一晩撹拌し、その後、30mLのEtOAcを反応混合物に添加した。次いでH2O(10mL×2)およびブライン(10mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過した。濾液を濃縮して、残留物をFC(DCM/MeOH/NH4OH=90/9/1)により精製して、40mgの3を無色の油状物として得た(収率:17.6%)。
【0098】
(実施例2)
(4S,11S,15S)-4-ベンジル-1-(4-((2S)-2-(2-(4-(4,10-ビス(カルボキシメチル)-7-(1,3-ジカルボキシプロピル)-1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1-イル)-4-カルボキシブタンアミド)アセトアミド)-2-カルボキシエチル)フェノキシ)-2,5,13-トリオキソ-3,6,12,14-テトラアザヘプタデカン-11,15,17-トリカルボン酸(4)
3(20mg、0.011mmol)を1mLのTFAに溶かした溶液を、室温で5時間撹拌した。反応混合物を真空蒸発させ、残留物をエーテル/EtOHから再結晶した。得られた白色固体を1mLのMeOHに溶解させ、半分取HPLCにより精製して、5を黄色の油状物として得た(収率:10mg、71.3%):1HNMR(400 MHz, MeOD) δ: 7.16-7.29(m, 7H), 6.85-6.89(m, 2H), 4.65-4.67(m, 2H), 4.45-4.55(m, 2H), 4.31-4.34(m, 2H), 4.23-4.24(m, 4H), 2.95-3.92(m, 25 H), 2.62-2.70(m, 4H), 2.40-2.45(m, 2H), 1.62-2.17(m, 8H), 1.36-1.47(m, 4H);HRMS C56H79N10O24(M+H)+の計算値、1275.5269;実測値1275.5338。
【0099】
(実施例3)
N-(2-(2-(2-アミノエトキシ)エトキシ)エチル)-4-(4-ヨードフェニル)ブタンアミド(5)
4-(p-ヨードフェニル)酪酸(145mg、0.5mmol)を5mLのDCMに溶かした溶液に、NHS(69mg、0.6mmol)およびDCC(125mg、0.6mmol)を添加した。反応を、室温で2時間撹拌した。次いで20mLのTHFを混合物に添加し、その後、エチレングリコールビス(2-アミノエチル)エーテル(210mg、1.5mmol)を添加した。次いで反応混合物を室温で一晩撹拌し、溶媒を除去し、残留物をFC(DCM/MeOH/NH4OH=90/9/1)により精製して、120mgの5を無色の油状物として得た(収率:57.1%)。1HNMR(400 MHz, MeOD) δ: 7.61(d, 2H, J = 8.0 Hz), 6.96(d, 2H, J = 8.0 Hz), 6.24(br S, 1H), 3.52-3.60(m, 8H), 3.45-3.49(m, 2H), 2.87-2.89(m, 2H), 2.60-2.64(m, 2H), 2.17-2.21(m, 2H), 1.94-1.98(m, 2H).
【0100】
(実施例4)
(2S)-3-(4-(((4S,11S,15S)-4-ベンジル-11,15-ビス(tert-ブトキシカルボニル)-20,20-ジメチル-2,5,13,18-テトラオキソ-19-オキサ-3,6,12,14-テトラアザヘニコシル)オキシ)フェニル)-2-(2-(4-(4,10-ビス(2-(tert-ブトキシ)-2-オキソエチル)-7-(22-(4-ヨードフェニル)-2,2-ジメチル-4,8,19-トリオキソ-3,12,15-トリオキサ-9,18-ジアザドコサン-5-イル)-1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1-イル)-5-(tert-ブトキシ)-5-オキソペンタンアミド)アセトアミド)プロパン酸(6)
3(10mg、0.01mmol)を5mLのDMFに溶かした溶液に、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA、3.9mg、0.07mmol)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(HOBt、2mg、0.015mmol)、N-(3-ジメチルアミノプロピル)-N-エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC、2.9mg、0.015mmol)、および5(4.2mg、0.01mmol)を0℃で添加した。混合物を室温で一晩撹拌し、その後、30mLのEtOAcを反応混合物に添加した。次いでH2O(10mL×2)およびブライン(10mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過した。濾液を濃縮し、残留物をFC(DCM/MeOH/NH4OH=90/9/1)により精製して、20mgの6を無色の油状物として得た(収率:92%)。
【0101】
(実施例5)
(4S,11S,15S)-4-ベンジル-1-(4-((2S)-2-カルボキシ-2-(2-(4-カルボキシ-4-(7-(1-カルボキシ-18-(4-ヨードフェニル)-4,15-ジオキソ-8,11-ジオキサ-5,14-ジアザオクタデシル)-4,10-ビス(カルボキシメチル)-1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1-イル)ブタンアミド)アセトアミド)エチル)フェノキシ)-2,5,13-トリオキソ-3,6,12,14-テトラアザヘプタデカン-11,15,17-トリカルボン酸(7)
6(20mg、0.0092mmol)を1mLのTFAに溶かした溶液を、室温で5時間撹拌した。反応混合物を真空蒸発させ、残留物をエーテル/EtOHから再結晶した。得られた白色固体を1mLのMeOHに溶解させ、半分取HPLCにより精製して、7を黄色の油状物として得た(収率:12mg、77.8%):1HNMR(400 MHz, MeOD) δ: 7.62(d, 2H, J = 7.6 Hz), 7.16-7.29(m, 7H), 7.01(d, 2H, J = 7.6 Hz), 6.88(m, 2H), 4.66-4.67(m, 2H), 4.45-4.55(m, 2H), 4.32(m, 2H), 4.24(m, 2H), 3.00-3.98(m, 35H), 2.59-2.67(m, 8H), 2.43(m, 2H), 2.20-2.36(m, 2H), 1.64-2.16(m, 10H), 1.35-1.54(m, 4H);HRMS C72H102IN12O26(M+H)+の計算値、1677.6073;実測値1677.6157。
【0102】
化合物17および18の調製は、下記の化学反応(スキーム11)をベースにした。
【化62】
【0103】
ジ-tert-ブチル(((S)-6-((S)-2-((S)-2-アミノ-5-(tert-ブトキシ)-5-オキソペンタンアミド)-3-フェニルプロパンアミド)-1-(tert-ブトキシ)-1-オキソヘキサン-2-イル)カルバモイル)-L-グルタメート(11)。
10(440mg、0.69mmol)を10mLのDMFに溶かした溶液に、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA、267mg、2.07mmol)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(HOBt、175mg、1mmol)、N-(3-ジメチルアミノプロピル)-N-エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC、191mg、1mmol)、およびFmoc-Glu(OtBu)-OH(300mg、0.69mmol)を0℃で添加した。室温で一晩撹拌した後、1mLのピペリジンを混合物に添加し、室温で2時間維持した。50mLのEtOAcを反応混合物に添加した。次いでH2O(20mL×2)およびブライン(20mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過した。濾液を濃縮し、残留物をFC(DCM/MeOH/NH4OH=90/9/1)により精製して、366mgの11を無色の油状物として得た(収率:64.8%)。HRMS C42H70N5O11(M+H)+の計算値、820.5072;実測値 820.5103。
【0104】
ジ-tert-ブチル(((S)-6-((S)-2-((S)-2-((S)-2-アミノ-5-(tert-ブトキシ)-5-オキソペンタンアミド)-5-(tert-ブトキシ)-5-オキソペンタンアミド)-3-フェニルプロパンアミド)-1-(tert-ブトキシ)-1-オキソヘキサン-2-イル)カルバモイル)-L-グルタメート(12)。
化合物12を、11(266mg、0.32mmol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA、123mg、0.96mmol)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(HOBt、81mg、0.48mmol)、N-(3-ジメチルアミノプロピル)-N-エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC、91mg、0.48mmol)、およびFmoc-Glu(OtBu)-OH(143mg、0.32mmol)から、化合物11に関して記述されたのと同じ手順に従い調製した。化合物12:159mg(収率:49.4%)。HRMS C51H85N6O14(M+H)+の計算値、1005.6124;実測値 1005.6087。
【0105】
ジ-tert-ブチル(((S)-1-(tert-ブトキシ)-6-((S)-2-((S)-5-(tert-ブトキシ)-5-オキソ-2-(4-(トリブチルスタンニル)ベンズアミド)ペンタンアミド)-3-フェニルプロパンアミド)-1-オキソヘキサン-2-イル)カルバモイル)-L-グルタメート(13)。
11(43mg、0.05mmol)を10mLのDMFに溶かした溶液に、DIPEA(10mg、0.08mmol)および9(37mg、0.06mmol)を0℃で添加した。混合物を室温で5時間撹拌し、溶媒を真空除去した。残留物をFC(DCM/MeOH/NH4OH=95/5/0.5)により精製して、17.7mgの13を無色の油状物として得た(収率:28.1%)。1HNMR(400 MHz, CDCl3) δ: 8.03(d, 1H, J = 4.4 Hz), 7.76(d, 2H, J = 6.4 Hz), 7.48-7.59(m, 2H), 7.15(s, 4H), 7.09(s, 1H), 6.91-6.97(m, 2H), 5.99(d, 1H, J = 7.6 Hz), 5.79(d, 1H, J = 8.4 Hz), 5.31(s, 1H), 4.53-4.60(m, 2H), 4.29-4.34(m, 2H), 3.06-3.35(m, 4H), 2.30-2.37(m, 4H), 2.04-2.09(m, 3H), 1.79-1.87(m, 1H), 1.53-1.59(m, 6H), 1.42-1.45(m, 40H), 1.29-1.37(m, 6H), 1.08-1.12(m, 6H), 0.88-0.91(m, 9H);HRMS C61H99N5NaO12Sn(M+Na)+の計算値、1236.6210;実測値 1236.6248。
【0106】
ジ-tert-ブチル(((S)-1-(tert-ブトキシ)-6-((S)-2-((S)-5-(tert-ブトキシ)-2-((S)-5-(tert-ブトキシ)-5-オキソ-2-(4-(トリブチルスタンニル)ベンズアミド)ペンタンアミド)-5-オキソペンタンアミド)-3-フェニルプロパンアミド)-1-オキソヘキサン-2-イル)カルバモイル)-L-グルタメート(14)。
12(40mg、0.04mmol)を10mLのDCMに溶かした溶液に、DIPEA(77mg、0.06mmol)および9(24mg、0.048mmol)を0℃で添加した。混合物を室温で一晩撹拌し、溶媒を真空除去した。残留物をFC(DCM/MeOH/NH4OH=95/5/0.5)により精製して、25.6mgの14を無色の油状物として得た(収率45.8%)。1HNMR(400 MHz, MeOD) δ: 8.82(d, 1H, J = 3.6 Hz), 8.70(d, 1H, J = 6.4 Hz), 7.92(d, 2H, J = 6.4 Hz), 7.51-7.62(m, 3H), 7.11-7.17(m, 5H), 6.86(s, 1H), 6.36(d, 1H, J = 8.0 Hz), 5.53(d, 1H, J = 7.2 Hz), 4.80-4.84(m, 1H), 4.30-4.45(m, 4H), 3.62-3.65(m, 1H), 3.37-3.39(m, 1H), 3.20-3.25(m, 1H), 2.97-3.03(m, 1H), 2.65-2.69(m, 1H), 2.50-2.57(m, 1H), 2.24-2.30(m, 5H), 2.03-2.08(m, 2H), 1.62-1.85(m, 5H), 1.38-1.56(m, 55H), 1.07-1.11(m, 6H), 0.88-0.91(m, 9H);HRMS C70H114N6NaO15Sn(M+Na)+の計算値、1421.7262;実測値 1421.7242。
【0107】
ジ-tert-ブチル(((S)-1-(tert-ブトキシ)-6-((S)-2-((S)-5-(tert-ブトキシ)-2-(4-ヨードベンズアミド)-5-オキソペンタンアミド)-3-フェニルプロパンアミド)-1-オキソヘキサン-2-イル)カルバモイル)-L-グルタメート(15)。
化合物15を、12(37mg、0.045mmol)、DIPEA(9mg、0.07mmol)、および8(19mg、0.054mmol)から、化合物13に関して記述されたのと同じ手順に従い調製した。化合物15:24mg(収率:50.7%)。1HNMR(400 MHz, CDCl3) δ: 8.12(d, 1H, J = 5.6 Hz), 7.77(d, 2H, J = 7.6 Hz), 7.57(d, 2H, J = 7.6 Hz), 7.09-7.16(m, 6H), 6.94(s, 1H), 5.99(d, 1H, J = 4.8Hz), 5.83(d, 1H, J = 8.0 Hz), 4.53-4.61(m, 2H), 4.15-4.36(m, 2H), 3.39(d, 1H, J = 7.6 Hz), 3.01-3.22(m, 2H), 2.98-3.04(m, 1Hz), 2.28-2.41(m, 4H), 2.00-2.07(m, 3H), 1.50-1.85(m, 3H), 1.42-1.45(m, 40H);HRMS C49H73IN5O12(M+H)+の計算値、1050.4300;実測値 1050.4326。
【0108】
ジ-tert-ブチル(((S)-1-(tert-ブトキシ)-6-((S)-2-((S)-5-(tert-ブトキシ)-2-((S)-5-(tert-ブトキシ)-2-(4-ヨードベンズアミド)-5-オキソペンタンアミド)-5-オキソペンタンアミド)-3-フェニルプロパンアミド)-1-オキソヘキサン-2-イル)カルバモイル)-L-グルタメート(16)。
化合物16を、12(40mg、0.04mmol)、DIPEA(26mg、0.048mmol)、および8(17mg、0.048mmol)から化合物13に関して記述されたのと同じ手順に従い調製した。化合物16:40mg(収率:80.1%)。1HNMR(400 MHz, MeOD) δ: 8.87(d, 1H, J = 3.6 Hz), 8.81(d, 1H, J = 6.4 Hz), 7.82(d, 2H, J = 8.4 Hz), 7.72(d, 2H, J = 8.4 Hz), 7.50(d, 1H, J = 8.8 Hz), 7.11-7.17(m, 5H), 6.92(s, 1H), 6.31(d, 1H, J = 8.4 Hz), 5.52(d, 1H, J = 7.6 Hz), 4.72-4.83(m, 1H), 4.31-4.42(m, 4H), 3.59-3.63(m, 1H), 3.32-3.40(m, 1H), 3.20-3.25(m, 1H), 2.94-3.01(m, 1H), 2.56-2.65(m, 1H), 2.45-2.50(m, 1H), 2.10-2.32(m, 5H), 2.01-2.08(m, 2H), 1.62-1.88(m, 5H), 1.41-1.56(m, 49H);HRMS C58H88IN6O15(M+H)+の計算値、1235.5352;実測値 1235.5422。
【0109】
(((S)-1-カルボキシ-5-((S)-2-((S)-4-カルボキシ-2-(4-ヨードベンズアミド)ブタンアミド)-3-フェニルプロパンアミド)ペンチル)カルバモイル)-L-グルタミン酸(17)。
化合物17を、15(17mg、0.016mmol)を1mLのTFAに加えたものから、化合物4に関して記述されたのと同じ手順に従い調製した。化合物17:8.6mg(収率:64.2%)。1HNMR(400 MHz, MeOD) δ: 7.86(d, 2H, J = 7.6 Hz), 7.61(d, 2H, J = 8.0 Hz), 7.18(s, 4H), 7.15(s, 1H), 4.54-4.57(m, 1H), 4.46-4.49(m, 1H), 4.21-4.30(m, 2H), 3.58-3.60(m, 2H), 3.47-3.52(m, 1H), 3.11-3.16(m, 3H), 2.95-3.00(m, 1H), 2.34-2.41(m, 4H), 1.99-2.17(m, 4H), 1.75-1.77(m, 1H), 1.60-1.64(m, 1H), 1.43-1.45(m, 2H), 1.12-1.27(m, 2H);HRMS C33H41IN5O12(M+H)+の計算値、826.1796;実測値 826.1755。
【0110】
(((S)-1-カルボキシ-5-((S)-2-((S)-4-カルボキシ-2-((S)-4-カルボキシ-2-(4-ヨードベンズアミド)ブタンアミド)ブタンアミド)-3-フェニルプロパンアミド)ペンチル)カルバモイル)-L-グルタミン酸(18)。
化合物18を、16(38mg、0.031mmol)を1mLのTFAに加えたものから、化合物4に関して記述されたのと同じ手順に従い調製した。化合物18:10.1mg(収率:34.1%)。1HNMR(400 MHz, MeOD) δ: 8.51(d, 1H, J = 6.4 Hz), 7.98(d, 1H, J = 8.4 Hz), 7.86(d, 2H, J = 8.4 Hz), 7.71(s, 1H), 7.66(d, 2H, J = 8.4 Hz), 7.16-7.22(m, 5H), 4.54-4.58(m, 1H), 4.45-4.48(m, 1H), 4.26-4.31(m, 3H), 3.15-3.21(m, 3H), 3.15-3.21(m, 1H), 2.49-2.52(m, 2H), 2.31-2.41(m, 2H), 2.25-2.28(m, 1H), 2.08-2.19(m, 4H), 1.77-1.97(m, 4H), 1.62-1.68(m, 1H), 1.44-1.49(m, 2H), 1.34-1.39(m, 2H);HRMS C38H48IN6O15(M+H)+の計算値、955.2222;実測値 955.2273。
【0111】
化合物26および27の調製は、下記の化学反応(スキーム12)をベースにした。
【化63】
【0112】
ジ-tert-ブチル(((S)-6-((S)-2-(2-(4-((S)-2-((S)-2-アミノ-5-(tert-ブトキシ)-5-オキソペンタンアミド)-3-(tert-ブトキシ)-3-オキソプロピル)フェノキシ)アセトアミド)-3-フェニルプロパンアミド)-1-(tert-ブトキシ)-1-オキソヘキサン-2-イル)カルバモイル)-L-グルタメート(20)。
化合物20を、19(455mg、0.5mmol)、DIPEA(193mg、1.5mmol)、HOBt(127mg、0.75mmol)、EDC(142mg、0.75mmol)、およびFmoc-Glu(OtBu)-OH(221mg、0.5mmol)から、化合物11に関して記述されたのと同じ手順に従い調製した。化合物20:361mg(収率:65.8%)。HRMS C57H89N6O15(M+H)+の計算値、1097.6386;実測値 1097.6399。
【0113】
ジ-tert-ブチル(((S)-6-((S)-2-(2-(4-((S)-2-((S)-2-((S)-2-アミノ-5-(tert-ブトキシ)-5-オキソペンタンアミド)-5-(tert-ブトキシ)-5-オキソペンタンアミド)-3-(tert-ブトキシ)-3-オキソプロピル)フェノキシ)アセトアミド)-3-フェニルプロパンアミド)-1-(tert-ブトキシ)-1-オキソヘキサン-2-イル)カルバモイル)-L-グルタメート(21)。
化合物21を、20(220mg、0.2mmol)、DIPEA、(78mg、0.6mmol)、HOBt(51mg、0.3mmol)、EDC(57mg、0.3mmol)、およびFmoc-Glu(OtBu)-OH(88mg、0.2mmol)から、化合物11に関して記述されたのと同じ手順に従い調製した。化合物21:156mg(収率:60.8%)。HRMS C66H104N7O18(M+H)+の計算値、1282.7438;実測値 1282.7511。
【0114】
ジ-tert-ブチル(((S)-1-(tert-ブトキシ)-6-((S)-2-(2-(4-((S)-3-(tert-ブトキシ)-2-((S)-5-(tert-ブトキシ)-5-オキソ-2-(4-(トリブチルスタンニル)ベンズアミド)ペンタンアミド)-3-オキソプロピル)フェノキシ)アセトアミド)-3-フェニルプロパンアミド)-1-オキソヘキサン-2-イル)カルバモイル)-L-グルタメート(22)。
化合物22を、20(76mg、0.07mmol)、DIPEA(27mg、0.21mmol)、および9(69.4mg、0.14mmol)から、化合物13に関して記述されたのと同じ手順に従い調製した。化合物22:33.6mg(収率:48.0%)。1HNMR(400 MHz, CD2Cl2) δ: 7.70(d, 2H, J = 6.8 Hz), 7.51(d, 2H, J = 7.2 Hz), 7.38(d, 2H, J = 6.4 Hz), 7.62-7.30(m, 2H), 7.19-7.23(m, 1H), 6.88(d, 2H, J = 7.6 Hz), 6.54(d, 2H, J = 7.6 Hz), 5.55(d, 1H, J = 8.4 Hz), 4.76(s, 1H), 4.48(s, 1H), 4.25(s, 1H), 3.16-3.40(m, 5H), 2.97-3.08(m, 2H), 2.25-2.47(m, 5H), 2.10-2.17 (m, 3H), 1.87-1.95(m, 2H), 1.51-1.57(m, 13H), 1.43(d, 25H, J = 11.2 Hz), 1.27-1.36(m, 18H), 1.12-1.27(m, 7H), 1.08-1.12(m, 6H), 0.87-0.92(m, 9H);HRMS C76H118N6NaO16Sn(M+Na)+の計算値、1513.7524;実測値 1513.7674。
【0115】
ジ-tert-ブチル(((S)-1-(tert-ブトキシ)-6-((S)-2-(2-(4-((S)-3-(tert-ブトキシ)-2-((S)-5-(tert-ブトキシ)-2-((S)-5-(tert-ブトキシ)-5-オキソ-2-(4-(トリブチルスタンニル)ベンズアミド)ペンタンアミド)-5-オキソペンタンアミド)-3-オキソプロピル)フェノキシ)アセトアミド)-3-フェニルプロパンアミド)-1-オキソヘキサン-2-イル)カルバモイル)-L-グルタメート(23)。
化合物23を、21(50mg、0.04mmol)、DIPEA(6mg、0.048mmol)、および9(13.8mg、0.04mmol)から、化合物13に関して記述されたのと同じ手順に従い調製した。化合物23:35mg(収率:57.8%)。1HNMR(400 MHz, CDCl3) δ: 7.81(d, 2H, J = 6.4 Hz), 7.54-7.56(m, 3H), 7.32-7.34(m, 1H), 7.19-7.28(m, 5H), 7.09-7.11(m, 3H), 6.76-6.78(m, 3H), 6.08(s, 1H), 5.69(d, 1H, J = 7.2 Hz), 4.80-4.82(m, 1H), 4.63-4.69(m, 2H), 4.36-4.51(m, 5H), 3.37-3.39(m, 1H), 2.96-3.12(m, 5H), 2.52-2.56(m, 1H), 2.32-2.43(m, 5H), 2.01-2.20(m, 6H), 1.75-1.84(m, 2H), 1.28-1.55(m, 64H), 1.07-1.11(m, 6H), 0.88-0.92(m, 9H); HRMS C85H133NaN7O19Sn (M + H)+の計算値、1698.8576;実測値 1698.8774。
【0116】
ジ-tert-ブチル(((S)-1-(tert-ブトキシ)-6-((S)-2-(2-(4-((S)-3-(tert-ブトキシ)-2-((S)-5-(tert-ブトキシ)-2-(4-ヨードベンズアミド)-5-オキソペンタンアミド)-3-オキソプロピル)フェノキシ)アセトアミド)-3-フェニルプロパンアミド)-1-オキソヘキサン-2-イル)カルバモイル)-L-グルタメート(24)。
化合物24を、20(67mg、0.06mmol)、DIPEA(24mg、0.19mmol)、および8(33mg、0.096mmol)から、化合物13に関して記述されたのと同じ手順に従い調製した。化合物24:41.4mg(収率:50.6%)。1HNMR(400 MHz, CD2Cl2) δ: 7.76(d, 2H, J = 8.0 Hz), 7.52(d, 2H, J = 7.6 Hz), 7.22-7.32(m, 5H), 6.91(d, 2H, J = 7.6 Hz), 6.57(d, 2H, J = 7.2 Hz), 5.10-5.18(m, 2H), 4.73(s, 1H), 4.44(s, 1H), 4.21(s, 1H), 4.07(s, 1H), 3.13-3.34(m, 5H), 2.93-3.05(m, 2H), 2.25-2.48(m, 5H), 2.00-2.13 (m, 3H), 1.84-1.90(m, 2H), 1.32-1.49(m, 49H); HRMS C64H92IN6O16 (M + H)+の計算値、1327.5614;実測値 1327.5533。
【0117】
ジ-tert-ブチル(((S)-1-(tert-ブトキシ)-6-((S)-2-(2-(4-((S)-3-(tert-ブトキシ)-2-((S)-5-(tert-ブトキシ)-2-((S)-5-(tert-ブトキシ)-2-(4-ヨードベンズアミド)-5-オキソペンタンアミド)-5-オキソペンタンアミド)-3-オキソプロピル)フェノキシ)アセトアミド)-3-フェニルプロパンアミド)-1-オキソヘキサン-2-イル)カルバモイル)-L-グルタメート(25)。
化合物25を、21(50mg、0.04mmol)、DIPEA(6mg、0.048mmol)、および8(23mg、0.04mmol)から、化合物13に関して記述されたのと同じ手順に従い調製した。化合物25:12.5mg(収率:18.6%)。1HNMR(400 MHz, CDCl3) δ: 7.85(d, 2H, J = 8.4 Hz), 7.64-7.70(m, 3H), 7.17-7.26(m, 5H), 6.98-7.09(m, 3H), 6.72(d, 2H, J = 7.6 Hz), 6.28(s, 1H), 5.70(s, 1H), 4.93-4.95(m, 1H), 4.66-4.67(m, 1H), 4.57-4.58(m, 2H), 4.14-4.37(m, 5H), 3.48-3.63(m, 1H), 3.35-3.38(m, 1H), 3.02-3.13(m, 5H), 2.40-2.52(m, 2H), 2.26-2.36(m, 6H), 1.85-2.16(m, 6H), 1.59-1.69(m, 2H), 1.41-1.50(m, 58H);HRMS C73H107IN7O19(M+H)+の計算値、1535.6564;実測値 1535.6607。
【0118】
(((S)-1-カルボキシ-5-((S)-2-(2-(4-((S)-2-カルボキシ-2-((S)-4-カルボキシ-2-(4-ヨードベンズアミド)ブタンアミド)エチル)フェノキシ)アセトアミド)-3-フェニルプロパンアミド)ペンチル)カルバモイル)-L-グルタミン酸(26)。
化合物26を、24(41mg、0.03mmol)を1mLのTFAに加えたものから、化合物4に関して記述されたのと同じ手順に従い調製した。化合物26:16.0mg(収率:49.4%)。1HNMR(400 MHz, MeOD) δ: 7.82(d, 2H, J = 7.2 Hz), 7.55(d, 2H, J = 7.6 Hz), 7.13-7.25(m, 7H), 6.74(d, 2H, J = 7.6 Hz), 4.56-4.67(m, 3H), 4.23-4.42 (m, 4H), 3.58-3.63 (m, 2H), 2.93-3.19(m, 7H), 2.39-2.43 (m, 4H), 2.11-2.16(m, 2H), 1.99-2.06(m, 1H), 1.78-1.91(m, 2H), 1.60-1.65(m, 1H), 1.27-1.45(m, 4H);HRMS C44H52IN6O16(M+H)+の計算値、1047.2484;実測値 1047.2558。
【0119】
(((S)-1-カルボキシ-5-((S)-2-(2-(4-((S)-2-カルボキシ-2-((S)-4-カルボキシ-2-((S)-4-カルボキシ-2-(4-ヨードベンズアミド)ブタンアミド)ブタンアミド)エチル)フェノキシ)アセトアミド)-3-フェニルプロパンアミド)ペンチル)カルバモイル)-L-グルタミン酸(27)。
化合物27を、25(29mg、0.019mmol)を1mLのTFAに加えたものから、化合物4に関して記述されたのと同じ手順に従い調製した。化合物27:9.7mg(収率:41.4%)。1HNMR(400 MHz, MeOD) δ: 8.15(d, 1H, J = 8.4 Hz), 7.84(d, 2H, J = 8.4 Hz), 7.61(d, 2H, J = 8.4 Hz), 7.14-7.28(m, 7H), 6.82(d, 2H, J = 8.4 Hz), 4.62-4.68(m, 2H), 4.39-4.55(m, 4H), 4.31-4.32(m, 1H), 4.23-4.24(m, 1H), 3.06-3.20(m, 4H), 2.92-3.02(m, 2H), 2.33-2.45(m, 6H), 2.03-2.15(m, 4H), 1.86-1.93(m, 2H), 1.74-1.78(m, 1H), 1.59-1.61(m, 1H), 1.36-1.44(m, 2H), 1.31-1.33(m, 2H);HRMS C73H107IN7O19(M+H)+の計算値、1535.6564;実測値 1535.6607。
【0120】
化合物29の調製は、下記の化学反応(スキーム13)をベースにした。
【化64】
【0121】
4-(7-((5S,8S,11S)-5-(4-(((4S,11S,15S)-4-ベンジル-11,15-ビス(tert-ブトキシカルボニル)-20,20-ジメチル-2,5,13,18-テトラオキソ-19-オキサ-3,6,12,14-テトラアザヘニコシル)オキシ)ベンジル)-8,11-ビス(3-(tert-ブトキシ)-3-オキソプロピル)-2,2,19,19-テトラメチル-4,7,10,13,17-ペンタオキソ-3,18-ジオキサ-6,9,12-トリアザイコサン-16-イル)-4,10-ビス(2-(tert-ブトキシ)-2-オキソエチル)-1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1-イル)-5-(tert-ブトキシ)-5-オキソペンタン酸(28)。
21(61mg、0.05mmol)を3mLのDMFに溶かした溶液に、DIPEA(39mg、0.03mmol)、HOBt(17mg、0.1mmol)、EDC(19mg、0.1mmol)、および1(77mg、0.1mmol)を0℃で添加した。室温で一晩撹拌した後、20mLのEtOAcを反応混合物に添加した。次いでH2O(10mL×2)およびブライン(10mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過した。濾液を濃縮し、残留物をFC(DCM/MeOH/NH4OH=90/9/1)により精製して、25mgの28を無色の油状物として得た(収率:24.6%)。HRMS C104H170N11O29(M+H)+の計算値、2037.2166;実測値 2037.2224。
【0122】
(((1S)-5-((2S)-2-(2-(4-((2S)-2-((2S)-2-((2S)-2-(4-(4,10-ビス(カルボキシメチル)-7-(1,3-ジカルボキシプロピル)-1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1-イル)-4-カルボキシブタンアミド)-4-カルボキシブタンアミド)-4-カルボキシブタンアミド)-2-カルボキシエチル)フェノキシ)アセトアミド)-3-フェニルプロパンアミド)-1-カルボキシペンチル)カルバモイル)-L-グルタミン酸(29)。
化合物29を、28(23mg、0.011mmol)を1mLのTFAに加えたものから、化合物4に関して記述されたのと同じ手順に従い調製した。化合物29:9.7mg(収率:59.8%)。1HNMR(400 MHz, DMSO) δ: 8.15(s, 1H), 8.02-8.05(m, 3H), 7.18-7.25(m, 5H), 6.74(d, 2H, J = 7.6 Hz), 6.28-6.33(m, 2H), 4.51-4.54(m, 2H), 4.37-4.41(m, 3H), 4.25-4.29(m, 2H), 4.03-4.10(m, 3H), 3.80(s, 4H), 3.59-3.62(m, 4H), 2.88-3.09(m, 18H), 2.24-2.33(m, 8H), 1.86-1.93(m, 6H), 1.63-1.75(m, 6H), 1.48-1.52(m, 2H), 1.34-1.36(m, 2H), 1.22-1.26(m, 2H);HRMS C64H89N11O29(M+H)+の計算値、1476.5906;実測値 1476.5995。
【0123】
化合物38の調製は、下記の化学反応(スキーム14)をベースにした。
【化65】
【0124】
ジ-tert-ブチル(((S)-6-((S)-2-(2-(4-((ベンジルオキシ)カルボニル)フェノキシ)アセトアミド)-3-フェニルプロパンアミド)-1-(tert-ブトキシ)-1-オキソヘキサン-2-イル)カルバモイル)-L-グルタメート(31)。
化合物31を、10(635mg、1mmol)、DIPEA(387mg、3mmol)、HOBt(253mg、1.5mmol)、EDC(285mg、1.5mmol)、および30(286mg、1mmol)から、化合物28に関して記述されたのと同じ手順に従い調製した。化合物31:672mg(収率:74.5%)。HRMS C49H67N4O12(M+H)+の計算値、903.4755、実測値 903.4789。
【0125】
4-(((4S,11S,15S)-4-ベンジル-11,15-ビス(tert-ブトキシカルボニル)-20,20-ジメチル-2,5,13,18-テトラオキソ-19-オキサ-3,6,12,14-テトラアザヘニコシル)オキシ)安息香酸(32)。
エステル31(672mg、0.75mmol)および10%Pd/C(120mg)をEtOH(20mL)に加えた混合物を、水素と共に3時間、振盪させた。次いでこの混合物を濾過し、濾液を真空下で濃縮して、578mgの32を無色の油状物として得た(収率:95%)。HRMS C42H61N4O12(M+H)+の計算値、813.4286、実測値 813.4356。
tert-ブチルN6-((ベンジルオキシ)カルボニル)-N2-グリシル-L-リシネート(34)。
【0126】
化合物34を、H-Lys(Z)-OtBu(746mg、2mmol)、DIPEA(780mg、6mmol)、HOBt(506mg、3mmol)、EDC(570mg、3mmol)、ピペリジン(1mL)、およびFmoc-Gly-OH(594mg、2mmol)から、化合物11に関して記述されたのと同じ手順に従い調製した。化合物34:424mg(収率:54.3%)。HRMS C20H32N3O5(M+H)+の計算値、394.2342、実測値 394.2392。
【0127】
トリ-tert-ブチル2,2’,2’’-(10-((9S)-9-(tert-ブトキシカルボニル)-20,20-ジメチル-3,11,14,18-テトラオキソ-1-フェニル-2,19-ジオキサ-4,10,13-トリアザヘニコサン-17-イル)-1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7-トリイル)トリアセテート(35)。
化合物35を、DOTAGA-テトラ(t-Buエステル)(140mg、0.2mmol)、DIPEA(78mg、0.6mmol)、HOBt(51mg、0.3mmol)、EDC(57mg、0.3mmol)、および34(79mg、0.2mmol)から、化合物28に関して記述されたのと同じ手順に従い調製した。化合物35:103mg(収率:50.1%)。HRMS C55H94N7O14(M+H)+の計算値、1076.6859、実測値1076.6938。
【0128】
トリ-tert-ブチル2,2’,2’’-(10-((5S)-5-(4-アミノブチル)-2,2,16,16-テトラメチル-4,7,10,14-テトラオキソ-3,15-ジオキサ-6,9-ジアザヘプタデカン-13-イル)-1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7-トリイル)トリアセテート(36)。
化合物36を、35(100mg、0.1mmol)、およびPd/C(20mg)から、化合物32に関して記述されたのと同じ手順に従い調製した。化合物36:83.7mg(収率:89.0%)。HRMS C47H88N7O12(M+H)+の計算値、942.6491、実測値 942.6583。
【0129】
ジ-tert-ブチル(((2S)-1-(tert-ブトキシ)-6-((2S)-2-(2-(4-(((5S)-6-(tert-ブトキシ)-5-(2-(5-(tert-ブトキシ)-5-オキソ-4-(4,7,10-トリス(2-(tert-ブトキシ)-2-オキソエチル)-1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1-イル)ペンタンアミド)アセトアミド)-6-オキソヘキシル)カルバモイル)フェノキシ)アセトアミド)-3-フェニルプロパンアミド)-1-オキソヘキサン-2-イル)カルバモイル)-L-グルタメート(37)。
化合物37を、36(40mg、0.042mmol)、DIPEA(16.2mg、0.126mmol)、HOBt(11mg、0.063mmol)、EDC(12mg、0.063mmol)、および32(34mg、0.2mmol)から、化合物28に関して記述されたのと同じ手順に従い調製した。化合物37:21mg(収率:28.8%)。HRMS C89H146N11O23(M+H)+の計算値、1737.0593、実測値 1737.0675。
(((1S)-1-カルボキシ-5-((2S)-2-(2-(4-(((5S)-5-カルボキシ-5-(2-(4-カルボキシ-4-(4,7,10-トリス(カルボキシメチル)-1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1-イル)ブタンアミド)アセトアミド)ペンチル)カルバモイル)フェノキシ)アセトアミド)-3-フェニルプロパンアミド)ペンチル)カルバモイル)-L-グルタミン酸(38)。
【0130】
化合物38を、37(20mg、0.011mmol)を1mLのTFAに加えたものから、化合物4に関して記述されたのと同じ手順に従い調製した。化合物38:6.8mg(収率:48.0%)。HRMS C57H82N11O23(M+H)+の計算値、1288.5585;実測値 1476.5995。
【0131】
化合物42の調製は、下記の化学反応(スキーム15)をベースにした。
【化66】
【0132】
ベンジル(2-((ビス(ジエトキシホスホリル)メチル)アミノ)-2-オキソエチル)カルバメート(39)。
化合物39を、Z-Gly(209mg、1mmol)、DIPEA(387mg、3mmol)、HOBt(253mg、1.5mmol)、EDC(285mg、1.5mmol)、およびテトラエチル(アミノメチレン)ビス(ホスホネート)(303mg、1mmol)から、化合物28に関して記述されたのと同じ手順に従い調製した。化合物39:150mg(収率:30.4%)。HRMS C19H33N2O9P2(M+H)+の計算値、495.1661、実測値 495.1679。
【0133】
テトラエチル((2-アミノアセトアミド)メチレン)ビス(ホスホネート)(40)。
化合物40を、39(1g、2mmol)、およびPd/C(200mg)から、化合物32に関して記述されたのと同じ手順に従い調製した。化合物40:525mg(収率:72.9%)。HRMS C11H27N2O7P2(M+H)+の計算値、361.1293、実測値 361.1342。
ジ-tert-ブチル(((2S)-6-((2S)-2-(2-(4-((2R)-2-(2-(4-(7-(5-((2-((ビス(ジエトキシホスホリル)メチル)アミノ)-2-オキソエチル)アミノ)-1-(tert-ブトキシ)-1,5-ジオキソペンタン-2-イル)-4,10-ビス(2-(tert-ブトキシ)-2-オキソエチル)-1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1-イル)-5-(tert-ブトキシ)-5-オキソペンタンアミド)アセトアミド)-3-(tert-ブトキシ)-3-オキソプロピル)フェノキシ)アセトアミド)-3-(ナフタレン-2-イル)プロパンアミド)-1-(tert-ブトキシ)-1-オキソヘキサン-2-イル)カルバモイル)-L-グルタメート(41)。
【0134】
化合物41を、40(13.7mg、0.038mmol)、DIPEA(14.7mg、0.114mmol)、HOBt(9.6mg、0.057mmol)、EDC(10.8mg、0.057mmol)、および3(65mg、0.038mmol)から、化合物28に関して記述されたのと同じ手順に従い調製した。化合物41:44mg(収率:56.1%)。HRMS C99H167N12O30P2(M+H)+の計算値、2066.1386、実測値2066.1480。
【0135】
(((1S)-1-カルボキシ-5-((2S)-2-(2-(4-((2R)-2-カルボキシ-2-(2-(4-カルボキシ-4-(7-(1-カルボキシ-4-((2-((ジホスホノメチル)アミノ)-2-オキソエチル)アミノ)-4-オキソブチル)-4,10-ビス(カルボキシメチル)-1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1-イル)ブタンアミド)アセトアミド)エチル)フェノキシ)アセトアミド)-3-フェニルプロパンアミド)ペンチル)カルバモイル)-L-グルタミン酸(42)。
41(42mg、0.02mmol)を1mLのDMFに溶かした溶液に、1mLのTMSBrを0℃で添加した。混合物を室温にゆっくりと温め、一晩撹拌し、溶媒を真空除去した。残留物を1mLのTFAで処理した。室温で5時間撹拌した後、溶媒を除去し、残留物を半分取HPLCにより精製して、12mgの42を白色固体として得た(収率:39.9%)。1HNMR(400 MHz, DMSO) δ: 7.16-7.24(m, 5H), 7.09(d, 2H, J = 8.4 Hz), 6.73(d, 2H, J = 8.4 Hz), 4.49-4.53(m, 1H), 4.36-4.42(m, 4H), 4.07-4.10(m, 1H), 4.00-4.04(m, 1H), 3.68-3.83(m, 8H), 3.29-3.39(m, 2H), 3.17-3.28(m, 2H), 2.94-3.09(m, 12H), 2.79-2.88(m, 6H), 2.22-2.34(m, 6H), 1.88-1.94(m, 2H), 1.64-1.74(m, 2H), 1.49-1.54(m, 1H), 1.32-1.36(m, 2H), 1.17-1.24(m, 2H);HRMS C59H88N12O30P2(M+2H)2+の計算値、753.2597、実測値 753.2769。
【0136】
化合物51の調製は、下記の化学反応(スキーム16)をベースにした。
【化67】
【0137】
メチル((ベンジルオキシ)カルボニル)グリシル-L-チロシネート(43)。
化合物43を、Z-Gly(1.045g、5mmol)、DIPEA(1.94g、15mmol)、HOBt(1.26g、7.5mmol)、EDC(1.42g、7.5mmol)、およびメチルL-チロシネート(975mg、5mmol)から、化合物28に関して記述されたのと同じ手順に従い調製した。化合物43:760mg(収率:50.5%)。HRMS C20H23N2O6(M+H)+の計算値、387.1556、実測値 387.1579。
メチル(S)-2-(2-(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)アセトアミド)-3-(4-(2-(tert-ブトキシ)-2-オキソエトキシ)フェニル)プロパノエート(44)。
【0138】
43(760mg、2mmol)を20mLのACNに溶かした溶液に、ブロモ酢酸t-ブチル(390mg、2mmol)およびK2CO3(552mg、4mmol)を添加した。次いで混合物を室温で3時間撹拌し、濾過した。濾液を濃縮し、残留物をFC(EtOAc/ヘキサン=1/1)により精製して、44を無色の油状物として得た(収率:770mg、77%)。HRMS C26H33N2O8(M+H)+の計算値:501.2237、実測値 501.2143。
【0139】
(S)-2-(2-(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)アセトアミド)-3-(4-(2-(tert-ブトキシ)-2-オキソエトキシ)フェニル)プロパン酸(45)。
44(770mg、1.54mmol)を20mLのMeOH/NaOH(1N)(1/1)に溶かした溶液を、室温で2時間撹拌した。次いでHCl(1N)を反応混合物に添加して、pH=4~5にした。得られた混合物をEtOAc(50mL×3)で抽出した。次いで有機層をMgSO4で乾燥し、濾過した。濾液を濃縮し、残留物をFC(DCM/MeOH/NH4OH=90/9/1)により精製して、45を白色固体として得た(収率:560mg、74.8%)。HRMS C25H31N2O8(M+H)+の計算値:487.2080、実測値 487.1997。
【0140】
tert-ブチル(S)-2-(4-(2-(2-(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)アセトアミド)-3-((2-((ビス(ジエトキシホスホリル)メチル)アミノ)-2-オキソエチル)アミノ)-3-オキソプロピル)フェノキシ)アセテート(46)。
化合物46を、45(560mg、1.15mmol)、DIPEA(451mg、3.5mmol)、HOBt(291mg、1.73mmol)、EDC(328mg、1.73mmol)、および40(400mg、1.11mmol)から、化合物28に関して記述されたのと同じ手順に従い調製した。化合物46:760mg(収率:79.8%)。HRMS C36H55N4O14P2(M+H)+の計算値、829.3190、実測値 829.3320。
【0141】
(S)-2-(4-(2-(2-(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)アセトアミド)-3-((2-((ビス(ジエトキシホスホリル)メチル)アミノ)-2-オキソエチル)アミノ)-3-オキソプロピル)フェノキシ)酢酸(47)。
46(760mg、0.92mmol)を10mLのTFAに溶かした溶液を、室温で5時間撹拌した。溶媒を除去し、残留物をFC(EtOAc)により精製して、47を無色の油状物として得た(収率:320mg、45.1%)。HRMS C32H47N4O14P2(M+H)+の計算値:773.2564、実測値 773.2652。
【0142】
ジ-tert-ブチル(((S)-6-((S)-2-(2-(4-((S)-2-(2-(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)アセトアミド)-3-((2-((ビス(ジエトキシホスホリル)メチル)アミノ)-2-オキソエチル)アミノ)-3-オキソプロピル)フェノキシ)アセトアミド)-3-フェニルプロパンアミド)-1-(tert-ブトキシ)-1-オキソヘキサン-2-イル)カルバモイル)-L-グルタメート(48)。
化合物48を、47(320mg、0.415mmol)、DIPEA(155mg、1.2mmol)、HOBt(100mg、0.6mmol)、EDC(114mg、0.6mmol)、および10(261mg、0.415mmol)から、化合物28に関して記述されたのと同じ手順に従い調製した。化合物48:310mg(収率:53.8%)。HRMS C65H99N8O21P2(M+H)+の計算値、1389.6400、実測値 1389.6318。
【0143】
ジ-tert-ブチル(((S)-6-((S)-2-(2-(4-((S)-2-(2-アミノアセトアミド)-3-((2-((ビス(ジエトキシホスホリル)メチル)アミノ)-2-オキソエチル)アミノ)-3-オキソプロピル)フェノキシ)アセトアミド)-3-フェニルプロパンアミド)-1-(tert-ブトキシ)-1-オキソヘキサン-2-イル)カルバモイル)-L-グルタメート(49)。
化合物49を、48(310mg、0.22mmol)、およびPd/C(60mg)から、化合物32に関して記述されたのと同じ手順に従い調製した。化合物49:250mg(収率:90.6%)。HRMS C57H93N8O19P2(M+H)+の計算値、1255.6032、実測値 1255.6122。
【0144】
ジ-tert-ブチル(((2S)-6-((2S)-2-(2-(4-((2S)-3-((2-((ビス(ジエトキシホスホリル)メチル)アミノ)-2-オキソエチル)アミノ)-2-(2-(5-(tert-ブトキシ)-5-オキソ-4-(4,7,10-トリス(2-(tert-ブトキシ)-2-オキソエチル)-1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1-イル)ペンタンアミド)アセトアミド)-3-オキソプロピル)フェノキシ)アセトアミド)-3-フェニルプロパンアミド)-1-(tert-ブトキシ)-1-オキソヘキサン-2-イル)カルバモイル)-L-グルタメート(50)。
化合物50を、49(230mg、0.183mmol)、DIPEA(58mg、0.45mmol)、HOBt(38mg、0.225mmol)、EDC(43mg、0.225mmol)、およびDOTAGA-テトラ(t-Buエステル)(107mg、0.152mmol)から、化合物28に関して記述されたのと同じ手順に従い調製した。化合物50:58mg(収率:19.7%)。HRMS C92H155N12O28P2(M+H)+の計算値、1938.0549、実測値 1938.0721。
【0145】
(((1S)-1-カルボキシ-5-((2S)-2-(2-(4-((2S)-2-(2-(4-カルボキシ-4-(4,7,10-トリス(カルボキシメチル)-1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1-イル)ブタンアミド)アセトアミド)-3-((2-((ジホスホノメチル)アミノ)-2-オキソエチル)アミノ)-3-オキソプロピル)フェノキシ)アセトアミド)-3-フェニルプロパンアミド)ペンチル)カルバモイル)-L-グルタミン酸(51)。
化合物51を、50(50mg、0.026mmol)、TMSBr(1mL)、DMF(1mL)、およびTFA(1mL)から、化合物42に関して記述されたのと同じ手順に従い調製した。化合物51:12mg(収率:32.2%)。1HNMR(400 MHz, DMSO) δ: 7.13-7.27(m, 5H), 6.74(d, 2H, J = 8.4 Hz), 6.28-6.34(m, 3H), 4.45-4.57(m, 5H), 4.04-4.11(m, 2H), 3.74-3.94(m, 6H), 3.48-3.61(m, 6H), 3.30-3.32(m, 2H), 2.84-3.10(m, 12H), 2.72-2.74(m, 2H), 2.45-2.47(m, 4H), 2.22-2.28(m, 2H), 1.88-1.97(m, 2H), 1.64-1.74(m, 2H), 1.49-1.53(m, 1H), 1.33-1.38(m, 2H), 1.25-1.29(m, 2H);HRMS C56H81N12O28P2(M-H)-の計算値、1431.4764;実測値 1431.4543。
【0146】
(4S,11S,15S)-4-ベンジル-1-(4-((2S)-2-(2-(4-(4,10-ビス(カルボキシメチル)-7-(1,3-ジカルボキシプロピル)-1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1-イル)-4-カルボキシレートブタンアミド)アセトアミド)-2-カルボキシエチル)フェノキシ)-2,5,13-トリオキソ-3,6,12,14-テトラアザヘプタデカン-11,15,17-トリカルボキシレートガリウム([natGa]4)。
化合物4(30mg、0.0235mmol)を1mLのH2Oに溶かした溶液に、60μLのGaCl3溶液(1.13M)を添加した。pHを、1N HClを添加することによって4~5に調節し、混合物を80℃で1時間撹拌し、次いで半分取HPLCによって精製した。溶媒を真空下で除去して、6.8mgの白色固体を得た。HRMS C56H76GaN10O24(M+H)+の計算値:1341.4290、実測値 1341.4325。
【0147】
(4S,11S,15S)-4-ベンジル-1-(4-((2S)-2-(2-(4-(4,10-ビス(カルボキシメチル)-7-(1,3-ジカルボキシプロピル)-1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1-イル)-4-カルボキシレートブタンアミド)アセトアミド)-2-カルボキシエチル)フェノキシ)-2,5,13-トリオキソ-3,6,12,14-テトラアザヘプタデカン-11,15,17-トリカルボキシレートルテチウム([natLu]4)。
LuCl3(0.25M)を100μLの0.1N HClに溶かした溶液を、化合物4(20mg、15.7μmol)を1mLのHEPES(0.5M、pH5)に加えたものに添加した。混合物を98℃で10分間撹拌し、次いで半分取HPLCにより精製した。溶媒を真空下で除去して、15mgの白色固体を得た。HRMS C56H76LuN10O24(M+H)+の計算値:1487.4442、実測値 1487.4527。
【0148】
(実施例6)
PSMA結合親和性-IC50の評価
in vitro結合アッセイを実施して、様々な化合物のPSMA結合親和性を決定した。PSMA陽性細胞を下記のいずれかと共にインキュベートすることにより:即ち、1)10の異なる濃度の競合リガンドの存在下、リガンドとして0.2nM[68Ga]PSMA-11または[125I]MIP-1095を有するLNCaPとインキュベートすることにより;非特異的結合は、20μM 2-PMPA(2-(ホスホノメチル)ペンタン二酸)で定義され;または2)異なる濃度の試験化合物(10-5~10-10nM、0.1%のウシ血清アルブミンを含有するPBS中に希釈)の存在下、[125I]MIP-1095(0.18nM、PBS中に希釈)を有するPC-3 PIP細胞とインキュベートすることにより、非特異的結合(NSB)は、2μMの公知のPSMA阻害剤、PSMA-617で定義された。37℃で1時間インキュベートした後、結合されたおよび遊離した画分を、Brandel M-24R細胞収集器を使用してGF/Bフィルターを経た真空濾過により分離した。フィルターを冷Tris-HCl緩衝液(50mM、pH=7.4)で2回洗浄し、フィルター上の放射能を、50%効率でガンマ計数器(Wizard2、Perkin-Elmer)でカウントした。非特異的結合は、全結合の10%未満であった。データを、非線形回帰アルゴリズムによりGraphPad Prism 6.0を使用して分析して、半数阻害濃度(IC50)を得た。
【0149】
試験化合物のPSMAに対する結合親和性は、LNCapまたはPC-3 PIP細胞懸濁液のいずれかと、高い親和性およびPSMAに対する特異性を有することがわかっている公知の放射性トレーサー、[
68Ga]PSMA-11または[
125I]MIP-1095とを使用する、競合結合アッセイによって測定した。4種のヨウ素化化合物、3種のDOTA、DOTAG、およびDOTA(GA)2関連化合物、および2種の公知のPSMA阻害剤のIC
50値を、表1に示す。化合物4の錯体ならびに天然のGaおよび天然のLuも試験した。結果は、本出願で主張される化合物の全てが、1から50nMの間のIC50値を示す優れた結合親和性を表すことを示した。ラジオアイソトープで標識した後、それらはPSMA結合部位を過剰発現する腫瘍組織に結合することが予測される。
【表1-1】
【表1-2】
【0150】
(実施例7)
in vitro細胞取込み
[
177Lu]標識リガンドの細胞取込みを決定するために、5×10
5細胞/ウェルを12ウェルプレート内で、1mLの培地中、48時間成長させた。細胞をPBSで2回洗浄し、900μLの新鮮な培地を添加した。放射性標識リガンドを添加し、PSMA阻害剤(2-PMPA)を最終濃度10μMで適用して、非特異的結合を決定した。全ての試料を、3重に調製した。37℃でインキュベートした後、細胞を2回洗浄して、非結合活性を除去し、その後、1mLの0.5M NaOHに溶解させた。放射能をガンマ計数器で測定した。細胞に添加された溶液の一定分量を、ID%として、細胞取込みの計算のためにも測定した。
177Lu標識リガンドは全て、PSMA陽性細胞系、PIP PC3において、高い特異的取込みを表した。特に、[
177Lu]4および[
177Lu]51は、参照リガンド[
177Lu]PSMA-617の場合よりも非常に高い取込みを示し、それらが優れたPSMA結合および保持を有する可能性があることを示唆している。特異的結合は、PSMA陰性細胞系、PC3では観察されなかった。
【表2】
【0151】
(実施例8)
[
68Ga]4、
177Lu標識化合物4および7の、腫瘍保持ヌードマウスにおける生体内分布
68Ga標識: 15nmolのリガンド4(1mg/mL DMSO)に、20μLの2.0N NaOAc、500μLの
68Ga溶液(2.25mCi)を添加した。反応を、加熱ブロック内で、90℃で10分間、3mLの密封バイアル内で加熱した。冷却後、試料をHPLCにより分析した(HPLC:Eclise XDB C18 150×4.6mm、勾配、2mL/分;A:0.1%TFA、水中;B:0.1%TFA、ACN中:0~2分 100% A;2~4分:0%から100% B;4~9分:100% B;9~10分:100%から0% B)。[
68Ga]4の放射化学純度は、>99%RCP(
図1)であり、注射された用量は、製剤化後2時間の時点で安定であった。
【0152】
iv注射の場合、150μLの標識溶液を生理食塩液で3mLに希釈した。マウスに150μLの製剤化用量を注射した。注射された放射能は19~28μCiであり、PSMAリガンドの量は、0.2nmol/マウスで一定であった。
【0153】
177Lu標識: 10μgのリガンド(1mg/mL DMSO)に、15μLの2.0N NaOAc、400μLの0.05N HCl、および20μLの
177Lu溶液(780μCi(Capintec装置450(読取り×10))を添加した。反応を、加熱ブロックで、95℃で1時間、3mLの密封バイアル内で加熱した。冷却後、試料をHPLCにより分析した(HPLC:Eclipse XDB-C18 150×4.6mm、勾配、1mL/分;A:0.1% TFA、水中;B:0.1% TFA、ACN中:0~4分 A/B 85/15%;4~11分:85/15から30/70%;11~14分:30/70%から85/15%)。[
177Lu]4(
図2)および[
177Lu]7の放射化学純度は、>98%であり、注射された用量は、製剤化後48時間の時点で安定であった。
【0154】
iv注射の場合、150μLの標識溶液を生理食塩液で3.75mLに希釈した。マウスに150μLの製剤化用量を注射した。注射された放射能は100μCiであり、PSMAリガンドの量は0.72nmol/マウスで一定であった。
【表3a】
【表3b】
【表3c】
【0155】
[68Ga]4、[177Lu]4、および[177Lu]7の生体内分布を、192時間にわたり、左および右肩にそれぞれPIP PC3(PSMA陽性)およびPC3(PSMA陰性)腫瘍を保持するヌードマウスで決定した(表3a、3b、および3c)。これらの放射性リガンドの、PC-3 PIP腫瘍への取込みは、非常に異なる動態プロファイルを示した。[68Ga]4は、PET撮像に適した、優れた腫瘍取込みを示した。[177Lu]4は、4時間p.i.で22.38±3.50%用量/gに達する、迅速な腫瘍蓄積を示した。[177Lu]7の場合、そのような高い腫瘍取込み(35.34±12.11%用量/g)は、24時間で見出され、48時間で最も高い取込みに到達し、PIP PC3腫瘍では高レベルの放射能が保持された。両方のリガンド、[177Lu]4および[177Lu]7のPC3腫瘍(PSMA陰性)における取込みは、PC-3 PIP腫瘍(PSMA陽性)の場合よりも明らかにさらに低かった。[177Lu]4は、血液からの放射能の迅速なクリアランスを示し、その結果、4時間p.i.後に0.02%用量/gをもたらし、それに対して[177Lu]7のクリアランスは遅く、同時点で12.06%用量/gをもたらした。4-(p-ヨードフェニル)部分をアルブミン結合剤として導入することにより、[177Lu]7の高い血液循環は、これまでになく高い腫瘍取込みおよび保持を経時的にもたらした。結果は、[177Lu]4および[177Lu]7が、PSMA結合部位を過剰発現する前立腺腫瘍の放射性核種療法に有用となり得ることを示唆した。
【0156】
(実施例9)
腫瘍保持ヌードマウスにおける
177Lu標識化合物42および51の生体内分布
177Lu標識: 10μgのリガンド(42または51、1mg/mL DMSO中)に、15μLの2.0N NaOAc、400μLの0.05N HCl、および20μLの
177Lu溶液(780μCi(Capintec装置450)(読取り×10))を添加した。反応を、加熱ブロックで、95℃で1時間、3mLの密封バイアル内で加熱した。冷却後、試料をHPLCにより分析した(HPLC:Eclipse XDB C18 150×4.6mm、勾配、2mL/分;A:0.1%TFA、水中;B:0.1%TFA、ACN中:0~2分 100% A;2~4分:0%から100% B;4~9分:100% B;9~10分:100%から0% B)。[
177Lu]42または[
177Lu]51の放射化学純度は、>98%であり、注射用量は、製剤化後24時間で安定であることがわかった。iv注射では、150μLの標識溶液を生理食塩液で3.75mLに希釈した。マウスに、150μLの製剤化用量を注射した。注入された放射能は100μCiであり、PSMAリガンドの量は、0.72nmol/マウスで一定であった。
【表4a】
【表4b】
【0157】
同様に、[177Lu]42および[177Lu]51の組織分布を、24時間にわたり、それぞれ左および右肩にPIP PC3(PSMA陽性)およびPC3(PSMA陰性)腫瘍を保持するマウスで評価した(表4)。生体内分布データは、両方の薬剤が、優れたPIP PC3(PSMA陽性)腫瘍取込みを示し;それに対してPC3(PSMA陰性)腫瘍は予測されるように非常に低い取込みを示すことを、示唆した。[177Lu]51に関する腫瘍特異的取込みは、[177Lu]42で観察された場合よりも高かった。この知見は新規であり予測できず、ビスホスホネート基の位置がin vivo生体内分布に著しい影響を及ぼし得ることを示唆した。両方の薬剤はビスホスホネート基を含有し、骨内において高い特異的取込みをもたらすことがわかった。骨取込みは、[177Lu]51に関して、一貫して、より高かった。[177Lu]42および[177Lu]51の組織分布は、これら2種の薬剤が、PSMA陽性腫瘍を共に標的にすることができ、おそらくは骨内の転移性腫瘍に関連した病巣で局在化し得ることを示唆した。この研究の結果は、転移性前立腺がんの処置のため、これら二重標的177Lu標識剤を使用することを支持する。
【0158】
(実施例10)
腫瘍保持ヌードマウスにおける
125I標識化合物17、18、26、および27の生体内分布
放射性ヨウ素化および精製: 100μgのいずれかの前駆体13、14、22、または23を、100μL EtOHに溶解させ;22μL Na
125I(1033~1118μCi、0.1N NaOH中)、100μL 1N HCl、および100μL 3%H
2O
2を添加した。室温で15分後、反応を、150μLの飽和NaHCO
3を添加することにより停止した。反応混合物を、ゆっくりと1.5mLの飽和NaHCO
3に添加した。バイアルを1000μLのEtOHで濯ぎ、混合物を10mLの水にさらに希釈した。活性試料を活性化C4小型カラムに移した。混合物を押し通し、3mLの水で2回洗浄し、生成物を1mLのACNで溶出した。100μLのDMSOを添加した。混合物を約100μLに濃縮し、HPLCにより精製した(Agilent Eclipse XCD C18 150×4.6mm、5μm;4mL/分、勾配(ACNおよび水;0~1分(20/80)、1~16分(20/80~100/0)、16~16.5分(100/0~20/80)、16.5~20分 20/80)(毎分ごとに収集)。アルゴン下、試料に送風して乾固し、500μL CH
2Cl
2に再度溶解させ、1mLのTFAを室温で添加した。1時間後、溶液に送風して乾固し、放射能を1mL EtOH中に取り込んだ(10μLの飽和アスコルビン酸/EtOHを添加した)。[
125I]17、18、26、および27に関して単離した放射能は、それぞれ197、189、600、および197μCiであった。放射性標識された保護された(中間体)、冷標準、および最終化合物の放射能トレースに関するHPLCプロファイルの代表的な写真(
図3)を、[
125I]26に関して示す。
【0159】
iv注射では、150μLの標識溶液を生理食塩液で希釈して3.75mLにした。マウスに、2~3μCiの[
125I]18、27、26、および18を0.15mLの生理食塩液に加えたものを注射した。注入された放射能は2から3μCiであった。
【表5】
【表6】
【表7】
【表8】
【0160】
腫瘍保持ヌードマウスにおける[125I]18、27、26、および18の生体内分布研究は、それらのPSMA陽性腫瘍を局在化させる能力を評価した(表5、6、7、および8)。3つのベンゼン環を分子内に含有する[125I]26および[125I]27は、[125I]17および[125I18と比較して高い取込みを、PIP腫瘍、腎臓、および脾臓で示すことが観察された。結果は、より高い親油性を持つ化合物が、in vivoでPSMAに対してより強力な結合親和性を示すことを示唆した。1種の追加のグルタミン酸をリンカー内に持つ[125I]17および[125I]26は、[125I]18および[125I]27と比較して、PIP腫瘍、腎臓、および脾臓において著しく速いウォッシュアウトを示した。観察は、親油性およびin vivo生体内分布が、親油性ベンゼン環または親水性グルタミン酸をリンカー内に添加することにより、操作され得ることを示した。肝臓取込みは低く、[125I]18、27、26、および18-PSMA化合物は、肝胆道経路よりも腎系を介して優先的に排泄されたことを示す。これらの新しい薬剤は、ベータまたはアルファ放出同位体で標識されたとき、放射性核種療法で価値あるものであり;しかしこれらの薬剤は、ガンマ放出同位体で標識されたとき、診断剤としても有用になる。
【0161】
特定の実施形態について例示し記述したが、添付の特許請求の範囲で定義されるより広い態様の技術から逸脱することなく、それらに当業者によって変更および改変がなされ得ることが理解されるべきである。
【0162】
本開示は、この出願に記述される特定の実施形態によって限定されないものとする。改変および変動は、当業技術者にとって明らかであるように、その精神および範囲から逸脱することなくなされ得る。本開示の範囲内にある機能的に同等な方法および組成物は、本明細書に挙げられるそれらに加えて、前述の説明から当業技術者にとって明白である。そのような改変および変動は、添付された特許請求の範囲に含まれるものとする。本開示は、添付された特許請求の範囲に加えて、そのような特許請求の範囲によって権利が付与される全範囲の等価物によってのみ限定されるものとする。この開示が、特定の方法、試薬、化合物 組成物または生物系に限定されず、当然のことながら変動し得ることが理解されるべきである。本明細書に使用される専門用語は、特定の実施形態のみを記述する目的のためであり、限定することを目的としないことも理解されるべきである。
【0163】
本明細書に記載された全ての公報、特許出願、発行済み特許または他の文書は、それぞれ個々の公報、特許出願、発行済み特許または他の文書が具体的かつ個別にその全体が参照により組み込まれると示されているかのように、参照により本明細書に組み込まれる。参照により組み込まれたテキストに含有される定義は、この開示における定義と矛盾する限り除外される。
略称:
SPECT、単一光子放射断層撮影;
PET、陽電子放出断層撮影
HPLC、高速液体クロマトグラフィー;
HRMS、高分解能質量分光法;
PBS、リン酸緩衝生理食塩液;
SPE、固相抽出;
TFA、トリフルオロ酢酸;
GMP:適正製造基準(manufacturing good manufacturing);
NET:神経内分泌腫瘍
FDG、2-フルオロ-2-デオキシ-D-グルコース
DOTA: 1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7,10-四酢酸
DOTA-TOC、DOTA-D-Phe-c(Cys-Tyr-D-Trp-Lys-Thr-Cys)-Thr-オール
DOTA-TATE、DOTA-D-Phe-c(Cys-Tyr-D-Trp-Lys-Thr-Cys)-Thr
DOTA-NOC、DOTA-D-Phe-c(Cys-Nal-D-Trp-Lys-Thr-Cys)-Thr-オール
NOTA: 1,4,7-トリアザシクロノナン-N,N’,N’’-三酢酸
NODAGA: 1,4,7-トリアザシクロノナン,1-グルタル酸-4,7-酢酸
DOTAGA: 1,4,7,10-テトラアザシクロドセカン,1-(グルタル酸)-4,7,10-三酢酸
DOTA(GA)2: 1,4,7,10-テトラアザシクロドセカン,1,7-(ジグルタル酸)-4,10-二酢酸
TRAP: 1,4,7-トリアザシクロノナン- N,N’,N’’-トリス(メチレンホスホン)酸
DEDPA: 1,2-[[6-(カルボキシ)-ピリジン-2-イル]-メチルアミノ]エタン
AAZTA: 6-[ビス(ヒドロキシカルボニル-メチル)アミノ]-1,4-ビス(ヒドロキシカルボニルメチル)-6-メチルペルヒドロ-1,4-ジアゼピン、
EDTMP(エチレン-ジアミノ-N,N,N’,N’-テトラキス-メチレン-リン酸)ビス-(Glu-NH-CO-NH-Lys-(Ahx)-HBED-CC)
[11C]-MCG: [11C](S)-2-[3-((R)-1-カルボキシ-2-メチルスルファニル-エチル)-ウレイド]-ペンタン二酸、
[18F]DCFBC: N-[N-[(S)-1,3-ジカルボキシプロピル]カルバモイル]-4-[18F]-フルオロベンジル-L-システイン、
[18F]DCFPyL: 2-(3-(1-カルボキシ-5-[(6-[18]フルオロ-ピリジン-3-カルボニル)-アミノ]-ペンチル)-ウレイド)-ペンタン二酸、
PSMA-11 Glu-NH-CO-NH-Lys-(Ahx)-(HBED-CC)
PSMA-617: 2-[3-(1-カルボキシ-5-(3-ナフタレン-2-イル-2-[(4-([2-(4,7,10-トリス-カルボキシメチル-1,4,7,10-テトラアザ-シクロドデカ-1-イル)-アセチルアミノ]-メチル)-シクロヘキサンカルボニル)-アミノ]-プロピオニルアミノ)-ペンチル)-ウレイド]-ペンタン二酸
GPI 2[(3-アミノ-3-カルボキシプロピル)(ヒドロキシ)(ホスフィニル)-メチル]ペンタン-1,5-二酸
2-PMPA 2-(3-メルカプトプロピル)ペンタン-二酸
参考文献
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【国際調査報告】