(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-22
(54)【発明の名称】冷蔵庫向けのモジュール化汎用送風装置、冷蔵庫及び冷蔵庫の製造方法
(51)【国際特許分類】
F25D 17/08 20060101AFI20220615BHJP
【FI】
F25D17/08 303
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021561035
(86)(22)【出願日】2020-03-18
(85)【翻訳文提出日】2021-10-14
(86)【国際出願番号】 CN2020079990
(87)【国際公開番号】W WO2020228412
(87)【国際公開日】2020-11-19
(31)【優先権主張番号】201910389731.2
(32)【優先日】2019-05-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520514425
【氏名又は名称】青島海尓電冰箱有限公司
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO HAIER REFRIGERATOR CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Haier Industrial Park No.1 Haier Road, Laoshan District Qingdao, Shandong 266101 China
(71)【出願人】
【識別番号】520514414
【氏名又は名称】海尓智家股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】HAIER SMART HOME CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Haier Industrial Park No.1 Haier Road, Laoshan District Qingdao, Shandong 266101 China
(74)【代理人】
【識別番号】100124811
【氏名又は名称】馬場 資博
(74)【代理人】
【識別番号】100187724
【氏名又は名称】唐鎌 睦
(72)【発明者】
【氏名】朱 小兵
(72)【発明者】
【氏名】費 斌
(72)【発明者】
【氏名】程 学麗
(72)【発明者】
【氏名】薛 亜欣
【テーマコード(参考)】
3L345
【Fターム(参考)】
3L345AA02
3L345AA12
3L345BB01
3L345CC01
3L345DD12
3L345DD14
3L345DD15
3L345DD18
3L345KK04
(57)【要約】
本発明は、冷蔵庫向けのモジュール化汎用送風装置、冷蔵庫及び冷蔵庫の製造方法に関する。モジュール化汎用送風装置は、ダクト本体(20)と、ダクト本体(20)における横方向の両側に設置されている二つの選択可能拡幅モジュール(30)と、前蓋部(41)と前蓋部(41)における横方向の両側に設置された二つの接続部(42)を含む第一選択可能ダクト蓋板(40)及び/又は第二選択可能ダクト蓋板(50)と、を含み、前蓋部(41)は、ダクト本体(20)の前方側に設置され、各接続部(42)は、冷蔵庫のボックスに取り付けられるように配置され、第二選択可能ダクト蓋板(50)は、二つの拡幅蓋部(51)をさらに含み、各拡幅蓋部(51)は、前蓋部(41)における横方向の側部に接続されると共に選択可能拡幅モジュール(30)の前方側に設置される。ボックスとダクトの汎用性を向上させ、モールドに投入されるコストを削減し、ダクトとボックスが多すぎることにより管理が困難となることを抑制し、異なる外観幅のダクトでも同一のボックスに取り付けられることから、異なるプラットフォームでもダクトモジュールの汎用性及びボックスの汎用性を実現することが可能になる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向して位置する前面と背面、及び、対向して位置する二つの縦方向端面を有しており、各前記縦方向端面にそれぞれ送風口が少なくとも一つ設置されているダクト本体と、
前記ダクト本体における横方向の両側に設置され、それぞれが対応する前記縦方向端面における一つの前記送風口に連通する接続ダクトを少なくとも一つ有する二つの選択可能拡幅モジュールと、
前蓋部と、当該前蓋部における横方向の両側に設置された二つの接続部と、を含む第一選択可能ダクト蓋板及び/又は第二選択可能ダクト蓋板と、を含み、
前記前蓋部は、前記ダクト本体の前方側に設置され、各前記接続部は、冷蔵庫のボックスに取り付けられるように設置されており、
前記第二選択可能ダクト蓋板は、二つの拡幅蓋部をさらに含み、
各前記拡幅蓋部は、それぞれ前記前蓋部における横方向の側部に接続されると共に、各前記選択可能拡幅モジュールの前方側に設置されており、
各前記拡幅蓋部は、前記前蓋部と一体化して形成されており、又は、接続構造を介して前記前蓋部又は前記接続部に取り付けられる、
ことを特徴とする冷蔵庫向けのモジュール化汎用送風装置。
【請求項2】
前記ダクト本体と前記前蓋部との間には、保温断熱材層が設置されており、
前記選択可能拡幅モジュールと、対応する前記拡幅蓋部と、の間には、保温断熱材層が設置されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の冷蔵庫向けのモジュール化汎用送風装置。
【請求項3】
各前記接続部は、前記前蓋部に接続された縦方向側板、及び、前記縦方向側板の後方側辺縁に接続され前記ボックスにおける複数の第一係合溝と係合する複数の第一係合具、を含み、
各前記縦方向側板には、第一換気穴が少なくとも一つ設置されており、各前記第一換気穴は、それぞれ一つの前記送風口と対応して設置される、
ことを特徴とする請求項1に記載の冷蔵庫向けのモジュール化汎用送風装置。
【請求項4】
前記第一選択可能ダクト蓋板と前記第二選択可能ダクト蓋板は、それぞれ、前記前蓋部の上方側辺縁に接続された接続板、及び、前記接続板の後方側辺縁に接続され前記ボックスにおける複数の第二係合溝と係合する複数の第二係合具、をさらに含む、
ことを特徴とする請求項3に記載の冷蔵庫向けのモジュール化汎用送風装置。
【請求項5】
前記第二選択可能ダクト蓋板は、二つの囲いをさらに含み、
各前記囲いは、それぞれ、各前記拡幅蓋部の背面側に設置され、前記接続部又は前記ダクト本体と共に対応する前記選択可能拡幅モジュールを収容する収容室を規定しており、
各前記囲いには、第二換気穴が少なくとも一つ設置されており、各前記第二換気穴は、対応する前記選択可能拡幅モジュールにおける各前記接続ダクトの出口に対応して設置される、
ことを特徴とする請求項1に記載の冷蔵庫向けのモジュール化汎用送風装置。
【請求項6】
前記ボックスは、ライナーであり、
前記保温断熱材層は、PE綿である、
ことを特徴とする請求項2に記載の冷蔵庫向けのモジュール化汎用送風装置。
【請求項7】
ライナーとモジュール化汎用送風装置を含み、
前記モジュール化汎用送風装置は、
前記ライナーの後部に設置されると共に、対向して位置する設置された前面と背面、及び、対向して位置する二つの縦方向端面を含み、各前記縦方向端面にそれぞれ送風口が少なくとも一つ設置されているダクト本体と、
前蓋部と、前記前蓋部における横方向の両側に設置された二つの接続部と、含み、前記前蓋部は前記ダクト本体の前方側に設置されており、各前記接続部が前記ライナーに取り付けられている、第一選択可能ダクト蓋板と、
を備えている、
ことを特徴とする冷蔵庫。
【請求項8】
ライナーとモジュール化汎用送風装置を含み、
前記モジュール化汎用送風装置は、
前記ライナーの後部に設置されており、対向して位置する前面と背面、及び、対向して位置する二つの縦方向端面を含み、各前記縦方向端面にそれぞれ送風口が少なくとも一つ設置されているダクト本体と、
前記ダクト本体における横方向の両側に設置され、それぞれが対応する前記縦方向端面における前記送風口に連通する接続ダクトを少なくとも一つ有している二つの選択可能拡幅モジュールと、
前蓋部と、前記前蓋部における横方向の両側に設置された二つの接続部と、二つの拡幅蓋部と、を含む第二選択可能ダクト蓋板と、
を備え、
前記前蓋部は、前記ダクト本体の前方側に設置され、各前記接続部は、前記ライナーに取り付けられ、
各前記拡幅蓋部は、前記前蓋部における横方向の側部に接続されると共に、各前記選択可能拡幅モジュールの前方側に設置されており、
各前記拡幅蓋部は、前記前蓋部と一体化して形成されており、又は、接続構造を介して前記前蓋部又は前記接続部に取り付けられている、
ことを特徴とする冷蔵庫。
【請求項9】
前記モジュール化汎用送風装置は、請求項1から6のうちのいずれか一項に記載のモジュール化汎用送風装置である、
ことを特徴とする請求項7又は8に記載の冷蔵庫。
【請求項10】
冷蔵庫の製造方法であって、
ライナー、ダクト本体及び第一選択可能ダクト蓋板を含む冷蔵庫を製造する場合、前記製造方法は、
第一モールドにより冷蔵庫向けのライナーを製造すること、
第二モールドによりダクト本体を製造すること、
前蓋部と接続部を含む第一選択可能ダクト蓋板を製造すること、
前記ライナー、前記ダクト本体及び前記第一選択可能ダクト蓋板を組み立てること、を含み、
ライナー、ダクト本体、二つの選択可能拡幅モジュール及び第二選択可能ダクト蓋板を含む冷蔵庫を製造する場合、前記製造方法は、
前記第一モールドにより前記ライナーを製造すること、
前記第二モールドにより前記ダクト本体を製造すること、
第三モールドにより前記選択可能拡幅モジュールを製造すること、
前蓋部と接続部を含む前記第一選択可能ダクト蓋板を製造すると共に拡幅蓋部を製造し、前記拡幅蓋部を前記第一選択可能ダクト蓋板に取り付けて前記第二選択可能ダクト蓋板を製作し、又は、前蓋部、接続部及び拡幅蓋部を含む前記第二選択可能ダクト蓋板を製造すること、
前記ライナー、前記ダクト本体、二つの前記選択可能拡幅モジュール及び前記第二選択可能ダクト蓋板を組み立てること、
を含むことを特徴とする冷蔵庫の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷却装置の技術分野に関し、特に、冷蔵庫向けのモジュール化汎用送風装置、冷蔵庫及び冷蔵庫の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
社会経済の発展と人々の生活レベルの向上に伴い、冷蔵庫は、人々の日常生活にとって不可欠な家電製品となっている。既存の冷蔵庫は、冷蔵室が複雑となり、その外観が多様化しつつあり、ダクトの幅に対する要求も異なる。冷蔵庫を研究・開発するときは、ダクトの外観や内装の外観のみを変更する必要がある。しかしながら、ダクトにより風を出風口の位置に送ることが必要となるため、ダクト幅も合わせて拡大されており、それに伴い、その中の保温層のフォーム幅も拡大する必要がある。もし保温層の幅が拡大されない場合には、冷却風が直接プラスチック製蓋板を通過して結露を生じさせる恐れがある。したがって、それと係合して固定するという役割を図るライナーも、幅を合わせて変更することが必要となる。そして、ダクトについて新たな金型を設計し、対応するボックスのライナーについて、新たな金型を設計することが必要となる。このため、モールドに投入されるコストが大きくなり、ダクトとボックスが多すぎることにより管理が困難となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、上記の問題を解決するために、上記の問題又は上記の問題における少なくとも一部を克服すべく、ボックスとダクトの汎用性を向上させ、モールドに投入されるコストを削減し、ダクトとボックスが多すぎることにより管理が困難となることを抑制し、外観の幅が異なるダクトでも同一のボックスに取り付けることができ、異なるプラットフォームでもダクトモジュールが汎用でき、ボックスが汎用できる、冷蔵庫向けのモジュール化汎用送風装置、冷蔵庫及び冷蔵庫の製造方法の発明を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
そして、一態様では、本発明は、
対向して位置する前面と背面、及び、対向して位置する二つの縦方向端面を有しており、各前記縦方向端面にそれぞれ送風口が少なくとも一つ設置されているダクト本体と、
前記ダクト本体における横方向の両側に設置され、それぞれが対応する前記縦方向端面における一つの前記送風口に連通する接続ダクトを少なくとも一つ有している二つの選択可能拡幅モジュールと、
前蓋部と、前記前蓋部における横方向の両側に設置された二つの接続部と、を含む第一選択可能ダクト蓋板及び/又は第二選択可能ダクト蓋板と、を備え、
前記前蓋部は、前記ダクト本体の前方側に設置され、各前記接続部は、冷蔵庫のボックスに取り付けられるように配置されており、
前記第二選択可能ダクト蓋板は、二つの拡幅蓋部をさらに含み、
各前記拡幅蓋部は、前記前蓋部における横方向の側部に接続されると共に、各前記選択可能拡幅モジュールの前方側に設置されており、
各前記拡幅蓋部は、前記前蓋部と一体化して形成されており、又は、接続構造を介して前記前蓋部に取り付けられる、
冷蔵庫向けのモジュール化汎用送風装置を提供する。
【0005】
好適には、前記ダクト本体と前記前蓋部との間には保温断熱材層が設置されており、
前記選択可能拡幅モジュールと、対応する前記拡幅蓋部と、の間には、保温断熱材層が設置されている。
【0006】
好適には、各前記接続部は、前記前蓋部に接続された縦方向側板、及び、前記縦方向側板の後方側辺縁に接続され前記ボックスにおける複数の第一係合溝と係合する複数の第一係合具を含み、
各前記縦方向側板には、第一換気穴が少なくとも一つ設置されており、各前記第一換気穴は、それぞれ前記送風口と対応して設置される。
【0007】
好適には、前記第一選択可能ダクト蓋板と前記第二選択可能ダクト蓋板は、それぞれ、前記前蓋部の上方側辺縁に接続された接続板、及び、前記接続板の後方側辺縁に接続され前記ボックスにおける複数の第二係合溝と係合する複数の第二係合具をさらに含む。
【0008】
好適には、前記第二選択可能ダクト蓋板は、二つの囲いをさらに含み、
各前記囲いは、それぞれ、各前記拡幅蓋部の背面側に設置されると共に、前記接続部又は前記ダクト本体と共に対応する前記選択可能拡幅あモジュールを収容する収容室を規定しており、
各前記囲いには、第二換気穴が少なくとも一つ設置されており、各前記第二換気穴は、対応する前記選択可能拡幅モジュールにおける一つの前記接続ダクトの出口に対応して設置される。
【0009】
好適には、各前記接続部における複数の前記第一係合具の突起は、対応する前記縦方向側板の外側に位置しており、各前記接続部には、さらに第三係合具が少なくとも一つ設置され、前記第三係合具の突起が、対応する前記縦方向側板の内側に位置しており、
各前記第二係合具の突起が前記接続板の上方側に位置しており、
前記接続板には、さらに、第四係合具が少なくとも一つ設置され、前記第四係合具の突起が前記接続板の下方側に位置する。
【0010】
好適には、前記ボックスはライナーであり、前記保温断熱材層はPE綿である。
【0011】
他の態様では、本発明は、ライナーとモジュール化汎用送風装置を含み、
前記モジュール化汎用送風装置は、
前記ライナーの後部に設置されると共に、対向して位置する前面と背面、及び、対向して位置する二つの縦方向端面を含み、各前記縦方向端面にそれぞれ送風口が少なくとも一つ設置されているダクト本体と、
前蓋部と、前記前蓋部における横方向の両側に設置された二つの接続部と、を含み、前記前蓋部は前記ダクト本体の前方側に設置されており、各前記接続部が前記ライナーに取り付けられている、第一選択可能ダクト蓋板と、
を備えた冷蔵庫をさらに提供する。
【0012】
他の態様では、本発明は、ライナーとモジュール化汎用送風装置を含み、
前記モジュール化汎用送風装置は、
前記ライナーの後部に設置されており、対向して位置する前面と背面、及び、対向して設置された二つの縦方向端面を含み、各前記縦方向端面にそれぞれ送風口が少なくとも一つ設置されているダクト本体と、
前記ダクト本体における横方向の両側に設置され、それぞれが対応する前記縦方向端面における一つの前記送風口に連通する接続ダクトを少なくとも一つ有している二つの選択可能拡幅モジュールと、
前蓋部と、前記前蓋部における横方向の両側に設置された二つの接続部と、二つの拡幅蓋部と、を含む第二選択可能ダクト蓋板と、を備え、
前記前蓋部は、前記ダクト本体の前方側に設置され、各前記接続部は、前記ライナーに取り付けられており、
各前記拡幅蓋部は、前記前蓋部における横方向の側部に接続されると共に、各前記選択可能拡幅モジュールの前方側に設置されており、
各前記拡幅蓋部は、前記前蓋部と一体化して形成されており、又は、接続構造を介して前記前蓋部に取り付けられている、
冷蔵庫をさらに提供する。
【0013】
好適には、前記モジュール化汎用送風装置は、上記の何れかに記載のモジュール化汎用送風装置である。
【0014】
他の態様では、本発明は、上記の何れかに記載のモジュール化汎用送風装置を用いた冷蔵庫を製造する製造方法であって、
ライナー、ダクト本体及び第一選択可能ダクト蓋板を含む冷蔵庫を製造する場合、前記製造方法は、
第一モールドにより冷蔵庫向けのライナーを製造すること、
第二モールドによりダクト本体を製造すること、
前蓋部と接続部を含む第一選択可能ダクト蓋板を製造すること、
前記ライナー、前記ダクト本体及び前記第一選択可能ダクト蓋板を組み立てること、を含み、
ライナー、ダクト本体、二つの選択可能拡幅モジュール及び第二選択可能ダクト蓋板を含む冷蔵庫を製造する場合、前記製造方法は
前記第一モールドにより前記ライナーを製造すること、
前記第二モールドにより前記ダクト本体を製造すること、
第三モールドにより選択可能拡幅モジュールを製造すること、
前蓋部と接続部を含む第一選択可能ダクト蓋板を製造すると共に拡幅蓋部を製造し、前記拡幅蓋部を前記第一選択可能ダクト蓋板に取り付けて第二選択可能ダクト蓋板を製作し、又は、前蓋部、接続部及び拡幅蓋部を含む第二選択可能ダクト蓋板を製造すること、
前記ライナー、前記ダクト本体、二つの前記選択可能拡幅モジュール及び前記第二選択可能ダクト蓋板を組み立てることを含む、
冷蔵庫の製造方法をさらに提供する。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係るモジュール化汎用送風装置と冷蔵庫は、ダクト本体、選択可能拡幅モジュール、第一選択可能ダクト蓋板、第二選択可能ダクト蓋板を有することから、外観用の部品と汎用の左右換気管(つまり、拡幅モジュール)を追加することだけで、内部に位置するボックスとフォームからなるユニット組立に、汎用となる従来のボックスが採用されることになり、部品を追加することによるモールドのコストを削減することができる。それと同時に、あらゆるタイプのボックスを統一して計画することができ、異なるプラットフォームでもボックスの部品を汎用することができる。つまり、本発明においては、ダクトのユニット組立について、モジュール化の設計および研究により、モールドのコストと管理のコストが削減され得る。
【0016】
さらに、本発明により、ダクトの幅を拡大すると、ダクトのフォームとダクトPE綿とが汎用でき、ライナーが汎用でき、左右の両側に風ガイド管を追加して風を必要な箇所にガイドすればよく、PE綿と換気管との係合によりダクトにおける蓋板に結露ができることを避けることができる。冷蔵庫のダクトのモジュールを統一・標準化することができ、異なる送風幅の冷蔵庫がいずれも汎用でき、周りに送風するあらゆる冷蔵庫に適用され得る。
【0017】
以下、図面に基づいて、本発明における具体的な実施例を詳しく説明することにより、当業者は、本発明における上記又は他の目的、利点及び特徴を明確に理解できるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
以下、図面を参照しながら例示的にかつ非限定的に本発明におけるいくつかの具体的な実施例を詳しく説明する。図面では、同じ符号により、同じ又は類似の部品や部分を示す。当業者は、これらの図面が必ずしも一定の縮尺に基づいて描かれたものでないと理解するべきである。
【
図1】本発明の一実施例に係るモジュール化汎用送風装置を模式的に示す構成図である。
【
図2】本発明の一実施例に係るモジュール化汎用送風装置を模式的に示す構成図である。
【
図3】本発明の一実施例に係る冷蔵庫を模式的に示す構成図である。
【
図4】
図3に示す冷蔵庫の内部の気体流れの模式図である。
【
図7】本発明の一実施例に係る冷蔵庫を模式的に示す構成図である。
【
図8】
図7に示す冷蔵庫の内部の気体流れの模式図である。
【
図10】
図7のD-D面に沿った模式断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は、本発明の一実施例に係るモジュール化汎用送風装置を模式的に示す構成図であり、
図2は、本発明の一実施例のモジュール化汎用送風装置を模式的に示す構成図である。
図1と
図2に示すように、
図3乃至
図12も参照すると、本発明の実施例は冷蔵庫向けのモジュール化汎用送風装置を提供する。モジュール化汎用送風装置は、ダクト本体20、二つの選択可能拡幅モジュール30、第一選択可能ダクト蓋板40及び/又は第二選択可能ダクト蓋板50を含む。
【0020】
ダクト本体20は、対向して位置する前面と背面、及び、対向して位置する二つの縦方向端面を有しており、各縦方向端面には、それぞれ、送風口が少なくとも一つ設置されている。ダクト本体20は、下端の端面に、給気口22が形成されており、ダクトには、少なくとも一つの給気口22と少なくとも一つの送風口とを有する連通溝21や連通通路が形成されている。つまり、ダクト本体20は、主に、気体の流れをガイドするためのものであり、断熱材/保温材でできている。
【0021】
二つの選択可能拡幅モジュール30は、ダクト本体20における横方向の両側に設置されており、各選択可能拡幅ダクトモジュールには、接続ダクトを少なくとも一つ有しており、各接続ダクトは、対応する縦方向端面における一つの送風口に連通する。選択可能拡幅モジュール30は、換気管とも呼ばれ、ダクト本体20における幅方向(つまり、横方向)にダクト本体20の幅を拡大して、気体をさらに送る。選択可能拡幅モジュール30は、断熱材/保温材でできている。
【0022】
第一選択可能ダクト蓋板40と第二選択可能ダクト蓋板50とは、それぞれ、前蓋部41と、それぞれ前蓋部41における横方向の両側に設置された二つの接続部42を含む。前蓋部41は、ダクト本体20の前方側に設置されており、各接続部42は、冷蔵庫のボックスに取り付けられるように配置され、例えば、ボックスのライナー90に取り付けられる。しかも、第二選択可能ダクト蓋板50は、二つの拡幅蓋部51をさらに含み、各拡幅蓋部51は、前蓋部41における横方向の側部に接続されると共に、各選択可能拡幅モジュール30の前方側に設置される。また、各拡幅蓋部51は、前蓋部41と一体化して形成され、又は、接続構造を介して前蓋部41又は接続部42に取り付けられる。各拡幅蓋部51は、接続構造を介して前蓋部41又は接続部42に取り付けられている場合、各拡幅蓋部51が接続構造を介して第一選択可能ダクト蓋板40における対応する側部に取り付けられているとも理解可能である。
【0023】
本発明の実施例に係るモジュール化汎用送風装置を用いる場合であって、ライナー90、ダクト本体20及び第一選択可能ダクト蓋板40を含む冷蔵庫を製造する場合、ライナー90、ダクト本体20及び第一選択可能ダクト蓋板40を選択して組み立て、ダクトが比較的狭い冷蔵庫が形成される。ライナー90、ダクト本体20、二つの選択可能拡幅モジュール30及び第二選択可能ダクト蓋板50を含む冷蔵庫を製造する場合、ライナー90、ダクト本体20、二つの選択可能拡幅モジュール30及び第二選択可能ダクト蓋板50を選択して組み立て、ダクト蓋板が比較的広い冷蔵庫が形成される。冷蔵庫の広いダクトと狭いダクトとに変形できることで、統一されたライナー90とダクト本体20、ひいては、統一された第一選択可能ダクト蓋板40を用いることができ、モールドを減らしてモールドに投入されるコストを削減し、ダクトとボックスなどが多すぎることにより管理が困難になることを抑制し、異なる外観の幅を有するダクトでも同一のボックスに取り付けられており、異なるプラットフォームでもダクトモジュールを汎用できボックスを汎用できることになる。
【0024】
本発明における幾つかの実施例では、ダクト本体20と前蓋部41との間に保温断熱材層60が設置されている。選択可能拡幅モジュール30と、対応する拡幅蓋部51と、の間には保温断熱材層60が設置されている。保温断熱材層60は、PE綿が好ましく、厚さは2mm乃至4mm、好ましくは3mmであり得る。保温断熱材層60を設置することは、ダクトにおける蓋板の前面に結露が生じてしまうことを防ぐことができる。第二選択可能ダクト蓋板50は、二つの囲い52をさらに含み、各囲い52は、拡幅蓋部51の背面側に設置されると共に、接続部42又はダクト本体20と共に、対応する選択可能拡幅モジュール30を収容する収容室を規定する。各囲い52には、第二換気穴が少なくとも一つ設置され、各第二換気穴は、対応する選択可能拡幅モジュール30における接続ダクトの出口と対応して設置される。
【0025】
本発明における幾つか実施例では、各接続部42は、前蓋部41に接続された縦方向側板、及び、縦方向側板の後方側辺縁に接続された複数の第一係合具55を含み、第一係合具55はボックスにおける複数の第一係合溝91と係合する。各縦方向側板には、第一換気穴が少なくとも一つ設置され、各第一換気穴は、一つの送風口に対応して設置される。第一選択可能ダクト蓋板40と第二選択可能ダクト蓋板50は、それぞれ、前蓋部41の上方側辺縁に接続された接続板、及び、接続板の後方側辺縁に接続された複数の第二係合具56をさらに含み、第二係合具56はボックスにおける複数の第二係合溝92と係合する。
【0026】
各接続部42における複数の第一係合具55の突起は、対応する縦方向側板の外側に位置する。各接続部42には、第三係合具57がさらに少なくとも一つ設置されており、第三係合具57の突起は、対応する縦方向側板の内側に位置する。各第二係合具56の突起は、接続板の上方側に位置しており、接続板には、第四係合具58がさらに少なくとも一つ設置されており、第四係合具58の突起は、接続板の下方側に位置する。第三係合具57と第四係合具58は、ダクト本体20を固定するためのものが好ましく、ライナー90に固定されてもよい。本発明における幾つかの実施例では、係合具は係合フックとも呼ばれ、係合溝は係合フック固定溝とも呼ばれる。
【0027】
図3は、本発明の一実施例に係る冷蔵庫を模式的に示す構成図である。
図4乃至
図6を参照すると、図中の矢印は気体の流れを示す。本発明の実施例では、ライナー90とモジュール化汎用送風装置を含み、モジュール化汎用送風装置が、ダクト本体20と第一選択可能ダクト蓋板40を含む冷蔵庫をさらに提供する。ダクト本体20は、ライナー90の後部に設置されると共に、対向して位置する前面と背面、及び、対向して位置する二つの縦方向端面を有し、各縦方向の端面に、それぞれ、少なくとも一つの送風口が設置されており、主に、風を冷却すべき領域にガイドする役割を有する。第一選択可能ダクト蓋板40は、前蓋部41と、前蓋部41における横方向の両側に設置された二つの接続部42と、を含む。前蓋部41は、ダクト本体20の前方側に設置されており、各接続部42は、ライナー90に取り付けられる。好ましくは、冷蔵庫に、上述したいずれかの実施例に係るモジュール化汎用送風装置における部品の一部を採用して、ダクトが比較的狭い冷蔵庫を形成するようにしてもよく、狭いダクトの幅は400mmとされてもよい。つまり、本実施例におけるモジュール化汎用送風装置は、上記したいずれかの実施例に係るモジュール化汎用送風装置における対応する部品の一部又は全てを含むといえる。
【0028】
本発明における幾つかの更なる実施例では、比較的広いダクトを有する冷蔵庫を製造する場合、当該実施例に係る比較的狭いダクトを有する冷蔵庫に基づいて、二つの選択可能拡幅ダクトモジュール30と共に、二つの拡幅蓋部51を追加すればよく、或いは、二つの選択可能拡幅ダクトモジュール30を追加すると共に第一選択可能ダクト蓋板40を第二選択可能ダクト蓋板50に交換するとよい。
【0029】
図7は、本発明の一実施例に係る冷蔵庫を模式的に示す構成図である。
図8乃至
図10を参照すると、図中の矢印は気体の流れを示す。本発明の実施例では、ライナー90とモジュール化汎用送風装置を含み、モジュール化汎用送風装置が、ダクト本体20、二つの選択可能拡幅モジュール30及び第二選択可能ダクト蓋板50を含む、冷蔵庫をさらに提供する。
【0030】
ダクト本体20は、ライナー90の後部に設置されると共に、対向して位置する前面と背面、及び、対向して位置する二つの縦方向端面を有しており、各縦方向の端面にそれぞれ送風口が少なくとも一つ設置されている。二つの選択可能拡幅モジュール30は、ダクト本体20における横方向の両側に設置されており、各選択可能拡幅ダクトモジュール30には、接続ダクトを少なくとも一つ有しており、各接続ダクトは、対応する縦方向の端面における一つの送風口に連通しており、主に、風を冷却すべき領域にガイドする役割を有する。第二選択可能ダクト蓋板50は、前蓋部41、前蓋部41における横方向の両側に設置された二つの接続部42、及び、二つの拡幅蓋部51、を含む。前蓋部41は、ダクト本体20の前方側に設置され、各接続部42は、ライナー90に取り付けられる。各拡幅蓋部51は、前蓋部41における横方向の側部に接続されると共に、選択可能拡幅モジュール30の前方側に設置される。しかも、各拡幅蓋部51は、前蓋部41と一体化して形成されており、又は、接続構造を介して前蓋部41又は接続部42に取り付けられる。好適には、冷蔵庫に上記したいずれかの実施例に係るモジュール化汎用送風装置の一部の部品を採用して、ダクトが比較的広い冷蔵庫を形成するようにしてもよく、比較的広いダクトの幅は500mmとされてもよい。つまり、本実施例に係るモジュール化汎用送風装置は、上記したいずれかの実施例に係るモジュール化汎用送風装置における対応する部分の一部又は全てを含む。
【0031】
本発明における幾つかの更なる実施例では、比較的狭いダクトを有する冷蔵庫を製造する場合、当該実施例に係る比較的広いダクトを有する冷蔵庫に基づいて、二つの選択可能拡幅ダクトモジュール30と共に、二つの拡幅蓋部51を省略すればよく、或いは、二つの選択可能拡幅ダクトモジュール30を省くと共に第二選択可能ダクト蓋板50を第一選択可能ダクト蓋板40に交換するとよい。
【0032】
本発明の実施例は、冷蔵庫の製造方法をさらに提供する。具体的には、ライナー90、ダクト本体20及び第一選択可能ダクト蓋板40を含む冷蔵庫を製造する場合、当該冷蔵庫の製造方法は、第一モールドにより冷蔵庫向けのライナー90を製造すること、第二モールドによりダクト本体20を製造すること、前蓋部41と接続部42を含む第一選択可能ダクト蓋板40を製造すること、ライナー90、ダクト本体20及び第一選択可能ダクト蓋板40を組み立てること、を含む。
【0033】
ライナー90、ダクト本体20、二つの選択可能拡幅モジュール30及び第二選択可能ダクト蓋板50を含む冷蔵庫を製造する場合、当該冷蔵庫の製造方法は、第一モールドによりライナー90を製造すること、第二モールドによりダクト本体20を製造すること、第三モールドにより選択可能拡幅モジュール30を製造すること、前蓋部41と接続部42を含む第一選択可能ダクト蓋板40を製造すると共に拡幅蓋部51を製造し、拡幅蓋部51を第一選択可能ダクト蓋板40に取り付け、第二選択可能ダクト蓋板50を製作し、又は、前蓋部41、接続部42及び拡幅蓋部51を含む第二選択可能ダクト蓋板50を製造すること、ライナー90、ダクト本体20、二つの選択可能拡幅モジュール30及び第二選択可能ダクト蓋板50を組み立てること、を含む。
【0034】
以上、本発明における複数の例示的な実施例を本明細書に詳細に示し説明してきたが、当業者は、本発明の趣旨と範囲を逸脱しない限り、依然として、本発明に開示される内容に基づいて、本発明の原理に合致する様々な変形や変更を直接特定し又は導出することが可能である。したがって、本発明に係る範囲には、これらの他の全ての変形や変更が含まれると理解して、見なされるべきである。
【国際調査報告】