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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-22
(54)【発明の名称】食品用容器及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   B65D 77/20 20060101AFI20220615BHJP
   B29C 65/54 20060101ALI20220615BHJP
【FI】
B65D77/20 E
B29C65/54
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021562135
(86)(22)【出願日】2020-04-17
(85)【翻訳文提出日】2021-12-13
(86)【国際出願番号】 IB2020053663
(87)【国際公開番号】W WO2020212933
(87)【国際公開日】2020-10-22
(31)【優先権主張番号】102019000006142
(32)【優先日】2019-04-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521456759
【氏名又は名称】シロパック イタリア エッセ.エッレ.エッレ.
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】特許業務法人 信栄特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】デ ルチア,ロッコ
【テーマコード(参考)】
3E067
4F211
【Fターム(参考)】
3E067AB01
3E067BA07A
3E067BA10A
3E067BB14A
3E067BC02A
3E067BC07A
3E067CA04
3E067CA07
3E067EA04
3E067EA05
3E067EB27
3E067EE59
3E067FC01
3E067GD06
3E067GD08
4F211AG07
4F211AH57
4F211AH58
4F211TA03
4F211TC16
4F211TD11
4F211TH24
4F211TN60
(57)【要約】
食品用容器は、ポリマー材料から作られたトレイ(2)により画成され、当該トレイ(2)が、底壁(3)、側壁(4)及び上部周縁部(5)を有し、上部周縁部(5)上に閉鎖蓋(6)を固着させるために上部周縁部(5)上に直接付与される接着剤層(16)が設けられる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリマー材料から作られ、且つ、底壁(3)、側壁(4)及び上部周縁部(5)を有するトレイ(2)を含む食品用容器であって、前記上部周縁部(5)に、閉鎖蓋(6)を固着するための接着剤層(16)が設けられ、前記接着剤層(16)が前記上部周縁部(5)の前記ポリマー材料の上に直接付与されることを特徴とする、食品用容器。
【請求項2】
前記接着剤層(16)が前記上部周縁部(5)の全周に沿って付与される、請求項1に記載の容器。
【請求項3】
前記上部周縁部(5)が、ほぼ平坦な形状及び所与の幅を有し、前記接着剤層(16)が前記上部周縁部(5)の前記幅の少なくとも一部に付与される請求項1又は2に記載の容器。
【請求項4】
ポリマー材料から作られ、且つ、底壁(3)、側壁(4)及び上部周縁部(5)を有するトレイ(2)を含む食品用容器を製造する方法であって、前記上部周縁部(5)の上に接着剤層(16)を、前記上部周縁部(5)に閉鎖蓋(6)を固着するように付与するステップを含む方法において、さらに、
前記上部周縁部(5)の上に前記接着剤層(16)を付与する前に前記上部周縁部(5)の表面を処理するステップを含み、前記接着剤層(16)が前記上部周縁部(5)の前記ポリマー材料の上に直接付与されることを特徴とする、方法。
【請求項5】
前記接着剤層(16)が前記上部周縁部(5)の全周に沿って付与されることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記上部周縁部(5)が、ほぼ平坦な形状及び所与の幅を有し、前記接着剤層(16)が前記上部周縁部(5)の前記幅の少なくとも一部に付与される、請求項4又は5に記載の方法。
【請求項7】
さらに、前記トレイ(2)をトレイ(2)のスタックから、関連する前記上部周縁部(5)の表面を処理する前に取り外すステップを含む、請求項4~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記接着剤層(16)を前記関連する上部周縁部(5)の上に付与した後、前記トレイ(2)を積み重ねるステップをさらに含む、請求項4~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
さらに、各前記トレイ(2)の前記上部周縁部(5)の上に付与される前記接着剤層(16)を制御するステップを含む、請求項4~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
各前記トレイ(2)が、非粘着性材料(11)が各々に設けられた2つの面(9)により画成されたポリマー材料バンド(8)から切り離されたポリマー材料シート(7)から出発して得られ、前記上部周縁部(5)の表面を処理するステップが、前記関連する非粘着性材料(11)を除去するために行われる、請求項4~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記上部周縁部(5)の表面がレーザ処理により処理される、請求項4~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記上部周縁部(5)の表面がプラズマ又はコロナ放電処理により処理される、請求項4~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記上部周縁部(5)の表面がチップ除去加工により処理される、請求項4~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記接着剤層(16)が、前記上部周縁部(5)の全周に沿って、且つ、前記上部周縁部(5)の前記幅の少なくとも一部の上に、糊付けローラ(17)を用いて付与される、請求項4~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記接着剤層(16)が、前記上部周縁部(5)の全周に沿って、且つ、前記上部周縁部(5)の前記幅の少なくとも一部の上に、前記上部周縁部(5)の輪郭に対応する輪郭を有する母型(27)を用いて付与される、請求項4~13のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本特許出願は、2019年04月19日に出願されたイタリア特許出願第102019000006142号の優先権を主張し、その開示内容の全てを参照により本明細書に組み込む。
【0002】
本発明は、食品用容器に関する。
【背景技術】
【0003】
食品用容器の分野において、少なくとも1つの食品を受け入れるためのカップ形状を有するトレイと、トレイを閉じるための蓋(例えばフィルム)とを備えた容器を提供することが知られている。
【0004】
トレイは底壁により画成され、さらに、底壁の周囲にループ状に閉じられた側壁により画成され、そして、ほぼ平坦な上部周縁部を有する。
【0005】
蓋は、上部周縁部に沿って付与された接着剤層によりトレイに固着される。
【0006】
トレイは、リールから巻き出されたポリマー材料のバンドから切り離された、ポリマー材料のシートから出発して製造される。
【0007】
リールに巻き付けられたバンドの層が互いに付着するのを防ぐために、バンドの第1面に、非粘着性材料の層が設けられている。
【0008】
バンドがリールに巻き付けられるとき、バンドの第1面上に付与された非粘着性材料がバンドの第2面と接触して、少なくともその一部がバンドの第2面上に移行(transfer)される。
【0009】
その結果、バンドから切り離されたシートから出発してトレイが形成されるとき、非粘着性材料が、上部周縁部上にも存在する。
【0010】
上述のタイプの既知の食品用容器は、上部周縁部に付与される接着剤層が非粘着性材料の上に付与されることから主に派生する幾つかの欠点を有する。そのため、接着剤層がトレイから少なくとも部分的に剥離してしまい、容器を適切に閉じることの妨げになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、上述のような欠点を有さず、簡単且つ安価に製造できる食品用容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明によれば、請求項1~3に記載の食品用容器が提供される。
【0013】
本発明は、さらに、食品用容器の製造方法に関する。
【0014】
本発明によれば、請求項4~15に記載の、食品用容器の製造方法が提供される。
【0015】
ここで、本発明を、本発明の実施形態の非限定的な例を示す添付図面を参照しつつ説明する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の容器の好ましい実施形態の、明瞭化のために一部を除いた概略斜視図である。
図2図1の容器の製造工程の1つを概略的に示した斜視図である。
図3図1の容器の製造工程の1つを概略的に示した斜視図である。
図4図1の容器の製造工程の1つを概略的に示した斜視図である。
図5図3の製造工程の変型例の1つを示す概略斜視図である。
図6図3の製造工程の変型例の1つを示す概略斜視図である。
図7図4の製造工程の変型例を示す概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1図2図3図4を参照すると、参照番号1が食品用容器の全体を示しており、この容器は、少なくとも1つの食品をその内部に収容するためのカップ形状を有する、ポリマー材料のトレイ2を含み、トレイ2は、底壁3により画成され、さらに、壁3の周囲にループ状に閉じられた側壁4により画成されている。
【0018】
トレイ2は、壁4に沿って設けられたほぼ平坦な上部周縁部5を有し、蓋6(例えば、縁部5に沿って接着されるフィルム)により密閉される。
【0019】
トレイ2は、バンド8から切り離されたシート7から出発して得られ、バンド8は、互いに対向する2つの面9(図2では一方のみ図示)により画成され、リール10から巻き出される。
【0020】
リール10の周囲に巻かれたバンド8の層が互いに付着するのを防ぐために、バンド8に、面9の一方に付与された非粘着性材料の層(図示せず)が設けられている。
【0021】
バンド8がリール10に巻き付けられるとき、面9の一方に付与された非粘着性材料の層(図示せず)が他方の面9に接触し、少なくともその一部が他方の面9上に移行される。
【0022】
トレイ2が形成されたならば、縁部5上に存在する非粘着性材料の層11を除去するために、縁部5に表面的な処理が施される。
【0023】
図3に示されているように、縁部5上に存在する層11は、チップ除去加工、例えば研削処理により除去され、これは、トレイ2の供給(フィード)方向14を横切る方向の回転軸13を中心に回転するように取り付けられた研削ローラ12により行われる。
【0024】
図4を参照すると、層11が除去された後、トレイ2は、糊付け(接着剤付与)装置15を通るように供給される。糊付け装置15は、縁部5のポリマー材料上に接着剤層16を直接、層11を介在させずに付与するように設計されている。
【0025】
層16は、縁部5の全周に沿って、且つ、縁部5の幅の少なくとも一部の上に付与される。
【0026】
装置15は、この特定の場合、糊付け(接着剤付与)ローラ17を備え、糊付けローラ17は、方向14を横切る方向の回転軸18を中心に回転するように取り付けられており、縁部5の輪郭に対応するインプレッション19が設けられた円筒状側面を有し、移行ローラ20と協働する。移行ローラ20は、軸18に平行な回転軸21を中心に回転するように取り付けられて、接着剤を貯蔵リザーバ(図示せず)からローラ17に移行させる。
【0027】
図5に示されている変型例は、図3に示した例と異なるが、これは単に、この変型例においては研削ローラ12を排除し、その代わりに、縁部5から層11をプラズマ又はコロナ処理により取り除くように構成されたクリーニング装置22を用いることによる。
【0028】
図6に示されている変型例は、図3に示した例と異なるが、これは単に、この変型例においては研削ローラ12を排除し、その代わりに、縁部5上に付与された層11を焼くように構成されたレーザ装置23を用いることによる。
【0029】
図7に示されている変型例は図4に示した例と異なるが、これは単に、この変型例においては糊付け装置15を排除し、その代わりに、ロッカーアーム25を備えた糊付け装置24を用いることによる。ロッカーアーム25は、方向14を横切る方向の回転軸26を中心に回転するように取り付けられ、そのアームの自由端に、縁部5の輪郭に対応する輪郭を有する2つの母型27を接続して担持している。
【0030】
各母型27の輪郭は、縁部5の全周に沿って、且つ、縁部5の幅の少なくとも一部の上に延在する。
【0031】
ロッカーアーム25は、ピックアップステーション28と、付与ステーション30との間で間欠的に回転するように取り付けられており、ピックアップステーション28は、接着剤を拾い上げる(ピックアップする)ために母型27の一方がパッド29に接触するように配置され、付与ステーション30は、接着剤を縁部5上に放出するために他方の母型27が縁部5に接触するように配置されている。
【0032】
縁部5からの層11の除去は、シート7からトレイ2を形成するステーションの下流で、トレイ2が食品を充填する前、又は他のトレイ2と積み重ねられる前に行われ得る。
【0033】
或いは、トレイ2は形成された後、最初に保管及び/又は輸送のために積み重ねられ、次に、縁部5からの層11の除去及び縁部5上への層16の付与を可能にするために積み重ねを外され、次いで、包装ラインに供給されるために再び積み重ねられ、包装ラインにおいて、トレイ2は、関連する食品を充填し、関連する蓋6により閉じられる。
【0034】
上記に関連して、各トレイ2の縁部5に付与される層16が制御装置により制御されることを明記しておく。
【0035】
容器1は幾つかの利点を有し、それは主に、非粘着性材料の層11を、接着剤層16を縁部5に付与する前に縁部5から除去し、それにより、縁部5からの接着剤層16のほんの部分的な剥離さえも防止し、蓋6によるトレイ2の適切な密封閉鎖を保証できることによる。
【符号の説明】
【0036】
1 容器
2 トレイ
3 底壁
4 側壁
5 上部周縁部
6 蓋
7 シート
8 バンド
10 リール
11 非粘着性材料
12 研削ローラ
15 糊付け装置
16 接着剤層
19 インプレッション
20 移行ローラ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】