(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-22
(54)【発明の名称】接着剤を組み込んだオストミーウェハ、オストミーウェハを含むオストミー装置、及びオストミーウェハとオストミー装置の接触方法
(51)【国際特許分類】
A61F 5/445 20060101AFI20220615BHJP
【FI】
A61F5/445
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021563142
(86)(22)【出願日】2020-04-27
(85)【翻訳文提出日】2021-11-24
(86)【国際出願番号】 US2020030089
(87)【国際公開番号】W WO2020220024
(87)【国際公開日】2020-10-29
(32)【優先日】2019-04-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】509146126
【氏名又は名称】コンバテック・テクノロジーズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CONVATEC TECHNOLOGIES INC
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【氏名又は名称】前堀 義之
(72)【発明者】
【氏名】ドノバン,エミリー
(72)【発明者】
【氏名】ストーリー,ギャリー
(72)【発明者】
【氏名】ボネフィン,ウェイン
(72)【発明者】
【氏名】ウッドワード,ロクサーナ
(72)【発明者】
【氏名】デズモンド,スティーブン
(72)【発明者】
【氏名】プライス,リサ
(72)【発明者】
【氏名】ウィルソン,クライブ
(72)【発明者】
【氏名】グローバー,ジェイムズ
【テーマコード(参考)】
4C098
【Fターム(参考)】
4C098AA09
4C098CC23
4C098CC31
4C098CD01
4C098CE02
4C098CE17
(57)【要約】
オストミーウェハ、オストミーウェハを組み込んだオストミー装置、及びオストミーウェハとオストミー装置を適用する方法が本明細書に開示されている。オストミーウェハは、外部層と、外部層に結合された凸面とを含んでいてもよい。オストミー装置は、オストミーパウチと、外部層及び外部層に結合された凸面を含む、オストミーパウチに結合されたオストミーウェハとを含んでいてもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
排出物の通過を可能にする開口部を有する外部層、及びオストメイトのストーマ周辺の外表皮膚に接着する第1接着剤と、
ストーマを少なくとも部分的に受容する大きさのストーマ溝、ストーマの形状に相補的な凸部の変形を容易にするために、前記凸部を少なくとも一部に貫通し、ストーマ溝から半径方向に間隔を空けて延びる少なくとも1つの溝、及びオストメイトにさらに接着するための第2接着剤を含み、外部層に結合された凸部層と、
を備えるオストメイトウェハ。
【請求項2】
前記少なくとも1つの溝は、前記凸部層の周囲で周方向に互いに間隔をあけて配置された複数の溝を含む、請求項1に記載のオストミーウェハ。
【請求項3】
前記複数の溝のうちの少なくとも1つは、前記凸部層を通って、前記凸部層の全高よりも小さい深さまで延びている、請求項2に記載のオストミーウェハ。
【請求項4】
前記複数の溝のうちの少なくとも1つは、前記凸部層を通って、前記凸部層の全高に等しい深さまで延びている、請求項3に記載のオストミーウェハ。
【請求項5】
前記複数の溝は、前記オストミーウェハの半径方向の全面積の10%未満に分布している、請求項2に記載のオストミーウェハ。
【請求項6】
前記複数の溝は、前記凸部層の周囲で周方向に対向して配置された2組の溝を含む、請求項5に記載のオストミーウェハ。
【請求項7】
前記2組の溝は、前記凸部層の近位端から遠位端まで延びる複数の溝をそれぞれ含み、前記複数の溝は、前記遠位端に向かって収束する、請求項6に記載のオストミーウェハ。
【請求項8】
前記複数の溝は、前記凸部層の周囲で周方向に均等に配置された6本の溝を含む、請求項2に記載のオストミーウェハ。
【請求項9】
前記6本の溝は、前記凸部層の近位端から遠位端に向かってそれぞれ延び、前記6本の溝の幅は、前記遠位端に向かってそれぞれ減少する、請求項8に記載のオストミーウェハ。
【請求項10】
前記凸部層は、最外縁に向かって前記ストーマ溝から半径方向に延びる少なくとも1つの突出した隆起部を含む、請求項1に記載のオストミーウェハ。
【請求項11】
前記少なくとも1つの突出した隆起部は、ストーマ溝から半径方向に離れて凸部層の最外縁に向かってそれぞれ延びる2つの突出した隆起部を含み、前記2つの突出した隆起部は、凸部層の周囲で周方向に互いに対向して配置されている、請求項10に記載のオストミーウェハ。
【請求項12】
前記ストーマ溝は、平面ストーマ又は陥凹型ストーマに受容される大きさの近位開口部と、近位開口部の反対側に配置された遠位開口部とを有し、近位開口部における凸部層の壁の厚さが、遠位開口部における凸部層の壁の厚さよりも大きい、請求項1に記載のオストミーウェハ。
【請求項13】
前記遠位開口部の直径は、前記近位開口部の直径よりも大きい、請求項12に記載のオストミーウェハ。
【請求項14】
前記ストーマ溝は、内蔵構造を含む、請求項1に記載のオストミーウェハ。
【請求項15】
前記内蔵構造は、ストーマ溝を画定する凸部層の内部表面に位置し、ストーマに向かって延びて嵌合するように形成された複数の角度付きフィンを含む、請求項14に記載のオストミーウェハ。
【請求項16】
前記内蔵構造は、前記ストーマ溝を画定する前記凸部層の内面の内側に位置する、請求項14に記載のオストミーウェハ。
【請求項17】
前記第1接着剤は、多層接着剤である、請求項1に記載のオストミーウェハ。
【請求項18】
前記外部層は、トリラム(SH/DH)を含む、請求項1に記載のオストミーウェハ。
【請求項19】
前記凸部層は、ストーマヘシブシールを含む、請求項1のオストミーウェハ。
【請求項20】
前記凸部層は、オストミーウェハを通る排出物の流れに平行な寸法で0.5cm以上延びている、請求項1のオストミーウェハ。
【請求項21】
前記凸部層の少なくとも一部は、面取りされた輪郭、円筒形輪郭、湾曲した輪郭、軸方向に組み合わされた輪郭、半径方向に組み合わされた輪郭、及びこれらの組み合わせから選択される輪郭によって特徴付けられる、請求項1に記載のオストミーウェハ。
【請求項22】
前記凸部層は、異なるオストメイトの多数のストーマのいずれか1つに改良なしに適合するように構成されており、前記第2接着剤は、成形可能な接着材料を含む、請求項1に記載のオストミーウェハ。
【請求項23】
前記オストメイトに面する凸部層の外側を少なくとも部分的に覆う内部層をさらに含む、請求項1に記載のオストミーウェハ。
【請求項24】
前記内部層は、成形可能な接着材料を含む、請求項23に記載のオストミーウェハ。
【請求項25】
オストミーパウチと、
前記オストミーパウチに結合されたオストミーウェハと、
を備え、
前記オストミーウェハは、
排出物の通過を可能にする開口部、及びオストメイトのストーマの周囲に接着する第1接着剤を有する外部層と、
前記外部層に結合され、ストーマを少なくとも部分的に受容する大きさのストーマ溝、前記凸部層を少なくとも部分的に通って周囲で円周方向に互いに間隔を空けて配置され、ストーマ溝から半径方向に間隔を空けて配置された複数の溝、及びオストメイトにさらに接着する第2接着剤を含む凸部層と、
を備えるオストミー装置。
【請求項26】
前記複数の溝のうちの少なくとも1つは、前記凸部層を通って、前記凸部層の全高に等しい深さまで延びている、請求項25に記載のオストミー装置。
【請求項27】
前記複数の溝は、前記オストミーウェハの半径方向の全領域の10%未満に分布している、請求項25に記載のオストミー装置。
【請求項28】
前記凸部層は、前記凸部層の最外縁に向かって前記ストーマ溝から半径方向に延びる少なくとも1つの突出した隆起部を含む、請求項25に記載のオストミー装置。
【請求項29】
前記ストーマ溝は、面一ストーマ又は陥凹型ストーマに受容される大きさの近位開口部と、近位開口部の反対側に配置された遠位開口部とを有し、前記近位開口部における凸部層の壁厚は、遠位開口部における凸部層の壁厚よりも大きい、請求項25に記載のオストミー装置。
【請求項30】
前記ストーマ溝は、前記ストーマ溝を画定する凸部層の内面に配置された内蔵構造を含み、前記内蔵構造は、ストーマに向かって延び、ストーマと嵌合するように形成された複数の角度付きフィンを含む、請求項25に記載のオストミー装置。
【請求項31】
前記ストーマ溝は、前記ストーマ溝を画定する前記凸部層の内面に位置する内蔵構造を含む、請求項25に記載のオストミー装置。
【請求項32】
前記オストミーウェハは、前記オストメイトに面する凸部層の外側を少なくとも部分的に覆う内部層を含み、前記内部層は成形可能な接着材料を有する、請求項25に記載のオストミー装置。
【請求項33】
オストメイトのストーマに対し、オストミーウェハの凸部層を位置決めするステップと、
前記凸部層を前記オストメイトに押し付け、前記凸部層を前記ストーマ及び前記ストーマを囲むオストメイトの外皮に成形するステップと、
前記凸部層でストーマの周りにシールを形成するステップと、
前記凸部層の第1接着剤を用いて、前記凸部層をオストメイトに接着するステップと、
前記凸部層をオストメイトウェハの外部層に接触させるステップと、
前記外部層の第2接着剤で、前記外部層をオストメイトに固定するステップと、
を備えるオストメイトにオストミーウェハを適用する方法。
【請求項34】
前記凸部層をオストメイトに押し付けるステップは、前記凸部層の少なくとも一部を通って延びる溝に隣接して凸部層を変形させ、オストメイトの外表皮膚のポケット又はしわに収まる大きさに凸部層を形成するステップを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記凸部層をオストメイトに押し付けるステップは、オストメイトの外表皮膚のポケット又はしわに収まる大きさの凸部層の形状を形成するために、凸部層の全周に亘って延びる溝に隣接する凸部層を変形させるステップを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
前記凸部層をオストメイトに押し付けるステップは、ストーマに隣接するヘルニアを収容するために、凸部層を通って延びる溝に隣接する凸部層を変形させることを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項37】
前記凸部層をオストメイトに押し付けるステップは、オストメイトの外表皮膚のポケット又はしわを凸部層の突出した隆起部で埋めることを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項38】
前記凸部層をオストメイトに押し付けるステップは、凸部層のストーマ溝をストーマの周りに配置し、ストーマ溝を画定する凸部層の内面に形成された複数の角度のあるフィンを使用してストーマ溝をストーマに固定することを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項39】
前記凸部層をオストメイトに押し付けるステップは、凸部層のストーマ溝をストーマの周りに位置決めするステップと、ストーマ溝を規定する凸部層の内面に位置する複数の構造体を用いてストーマ溝をストーマに固定するステップとを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項40】
前記凸部層をオストメイトに押し付けるステップは、凸部層を少なくとも部分的に覆い、第3接着剤を含むオストミーウェハの内部層にオストメイトを接触させることを含む、請求項33に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2019年4月25日に出願された「粘着性オストミー装置」と題する米国仮特許出願番号62/838895の優先権及びその利益を主張する。この仮出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本開示は、大略、オストミー装置に関し、より具体的には、患者への取付けに適したオストミー装置に関するものである。
【背景技術】
【0003】
快適性及び安全性は、身体に開口部を形成するための外科的処置を受けた人(すなわち、オストメイト)にオストミー装置を取り付ける際の主要な関心事である。いくつかのオストミー装置に組み込まれ、結合され、あるいは他の方法でオストミー装置と一緒に使用するように適合された取付機能は、希望する快適性及び/又は適合性を欠く場合がある。したがって、これらの欠点に対処したオストミー装置は、依然として関心のある分野である。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、以下の特徴及びそれらの組み合わせの1以上を備えてもよい。
【0005】
本開示の一態様によれば、オストミーウェハは、外部層及び凸部層を含んでいてもよい。外部層は、オストミーウェハの使用時に排出物が流れる外部開口部と、オストミーウェハをオストメイトに固定するためにストーマ周辺の外表皮膚に付着する第1接着剤とを有してもよい。凸部層は、排出物が流れるストーマ溝と、ストーマ溝から半径方向に延びる間隙と、第2接着剤と、を含んでいてもよい。
【0006】
いくつかの実施形態では、オストミーウェハは、複数の間隙を含んでいてもよい。
【0007】
いくつかの実施形態では、オストミーウェハは、凸部層の半径方向の面積の10%以下に亘って分布する複数の間隙を含んでいてもよい。
【0008】
いくつかの実施形態では、オストミーウェハは、凸部層の半径方向の面積の10%以上に亘って分布する複数の間隙を含んでいてもよい。
【0009】
いくつかの実施形態では、オストミーウェハは、凸部層の半径方向の面積の50%以上に亘って分布する複数の間隙を含んでいてもよい。
【0010】
いくつかの実施形態では、オストミーウェハは、凸部層の半径方向の面積の少なくとも10%離間している第1間隙及び第2間隙を含んでいてもよい。
【0011】
いくつかの実施形態では、凸部層は、その外縁に向かってストーマ溝から離れる半径方向に延びる隆起部を含んでいてもよい。
【0012】
いくつかの実施形態では、ストーマ溝は、面一又は陥凹型ストーマに配置される近位開口部と、遠位開口部とを有してもよく、ストーマ溝の壁は、遠位開口部に、近位開口部での壁の第2厚さよりも薄い第1厚さを有していてもよい。
【0013】
いくつかの実施形態では、ストーマ溝の遠位開口部の幅は、ストーマ溝の近位開口部の幅よりも大きくてもよい。
【0014】
いくつかの実施形態では、ストーマ溝は、内蔵構造を含んでいてもよい。
【0015】
いくつかの実施形態では、ストーマ溝は、ストーマ溝の内面に配置される内蔵構造を含んでいてもよい。
【0016】
いくつかの実施形態では、ストーマ溝は、ストーマ溝の壁内に位置する内蔵構造を含んでいてもよい。
【0017】
いくつかの実施形態では、外部層は、多層接着剤を含んでいてもよい。
【0018】
いくつかの実施形態では、外部層は、トリラム(SH/DH)を含んでいてもよい。
【0019】
いくつかの実施形態では、凸部層は、ストーマヘシブシールを含んでいてもよい。
【0020】
いくつかの実施形態では、排出物の流れの方向と平行な凸部層の寸法は、0.5cmより大きくてもよい。
【0021】
いくつかの実施形態では、排出物の流れの方向と平行な凸部層の寸法は、1.0cmより大きくてもよい。
【0022】
いくつかの実施形態では、排出物の流動方向と平行な凸部層の寸法は、2.0cmより大きくてもよい。
【0023】
いくつかの実施形態では、凸部層の少なくとも一部は、面取り輪郭、円筒輪郭、曲線輪郭、及びそれらの組み合わせから選択される輪郭を有する。
【0024】
いくつかの実施形態では、凸部層の少なくとも一部は、軸方向に結合された輪郭を含んでいてもよい。
【0025】
いくつかの実施形態では、凸部層の少なくとも一部は、半径方向に結合された層輪郭を含んでいてもよい。
【0026】
いくつかの実施形態では、凸部層は、少なくとも2つの軸方向のセグメントを含んでいてもよい。
【0027】
いくつかの実施形態では、凸部層は、少なくとも2つの半径方向のセグメントを含んでいてもよい。
【0028】
いくつかの実施形態では、凸部層は、少なくとも2つの平行なセグメントを含んでいてもよい。
【0029】
いくつかの実施形態では、オストミーウェハの少なくとも一部は、ストーマの形状又は深さに合わせて成形可能であってもよい。
【0030】
いくつかの実施形態では、オストミーウェハは、切断することなくストーマに取り付けてもよい。
【0031】
いくつかの実施形態では、オストミーウェハは、第1ストーマ及び第2ストーマの両方に成形するように構成されていてもよく、第1ストーマ及び第2ストーマは、形状、サイズ、又は深さが異なっていてもよい。
【0032】
いくつかの実施形態では、凸部層の少なくとも一部は、成形可能な接着材料を含んでいてもよい。
【0033】
いくつかの実施形態では、オストミーウェハは、凸部層に対向する面の少なくとも一部を覆う内部層を含んでいてもよく、内部層は成形可能な接着材料を含んでいてもよい。
【0034】
いくつかの実施形態では、間隙の幅は、ストーマ溝から凸部層の外縁まで遠位方向に減少していてもよい。
【0035】
いくつかの実施形態では、間隙は、凸部層の完全な断絶であってもよい。
【0036】
本開示の別の態様によれば、オストミー装置は、本明細書に開示されたオストミーウェハと、オストミーパウチとを含んでいてもよい。
【0037】
いくつかの実施形態では、オストミーウェハは、オストミーパウチに取外しできないように固定してもよい。
【0038】
いくつかの実施形態では、オストミーウェハ及びオストミーパウチは、使用前に別個の構成要素として提供してもよい。
【0039】
いくつかの実施形態では、オストミーウェハ及びオストミーパウチは、損傷することなく着脱するようにしてもよい。
【0040】
本開示のさらに別の態様によれば、オストミーウェハは、外部層と、外部層に結合された凸部層とを含んでいてもよい。外部層は、排出物を通過可能な開口部と、オストメイトのストーマ周辺の外表皮膚に接着する第1接着剤とを有していてもよい。凸部層は、ストーマを少なくとも部分的に受容する大きさのストーマ溝と、ストーマの形状と相補的な凸部層の変形を容易にするために、凸部層を少なくとも部分的に通って延び、ストーマ溝から半径方向に間隔を空けた少なくとも1つの溝と、オストメイトにさらに接着する第2接着剤とを含んでいてもよい。
【0041】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの溝は、凸部層の周囲で周方向に間隔を空けて配置された複数の溝を含んでいてもよい。複数の溝の少なくとも1つは、凸部層を貫通し、凸部層の全高よりも小さい深さまで延びていてもよい。また、複数の溝の少なくとも1つは、凸部層を介して、凸部層の全高と等しい深さまで延びていてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、複数の溝は、オストミーウェハの半径方向の全領域の10%未満に分布していてもよい。複数の溝は、凸部層について円周方向に対向して配置された2組の溝を含んでいてもよい。2組の溝は、凸部層の近位端から遠位端まで延びる複数の溝をそれぞれ含んでいてもよいし、遠位端に向かって収束していてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、複数の溝は、凸部層の周囲に円周方向に均等に配置された6つの溝を含んでいてもよい。6つの溝は、凸部層の近位端から遠位端に向かってそれぞれ延びていてもよく、6つの溝の幅は、遠位端に向かってそれぞれ減少していてもよい。
【0042】
いくつかの実施形態では、凸部層は、ストーマ溝から凸部層の最も外側の縁部に向かって半径方向に延びる少なくとも1つの隆起部を含んでいてもよい。少なくとも1つの隆起部は、ストーマ溝から半径方向に離れて凸部層の最外縁に向かって延びる2つの隆起部をそれぞれ含んでいてもよく、2つの隆起部は、凸部層に周方向に対向して配置されていてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、ストーマ溝は、面一ストーマ又は陥凹型ストーマに受容される大きさの近位開口部と、近位開口部の反対側に配置される遠位開口部とを有し、近位開口部での凸部層の壁厚は、遠位開口部での凸部層の壁厚よりも大きくてもよい。遠位開口部の直径は、近位開口部の直径よりも大きくてもよい。
【0043】
いくつかの実施形態では、ストーマ溝は、内蔵構造を含んでいてもよい。内蔵構造は、ストーマ溝を画定する凸部層の内面に配置されていても、ストーマに向かって延び、ストーマと嵌合する形状の複数の角度付きフィンを含んでいてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、内蔵構造は、ストーマ溝を画定する凸部層の内面に配置されていてもよい。
【0044】
いくつかの実施形態では、第1接着剤は、多層接着剤であってもよい。さらに、いくつかの実施形態では、外部層はトリラム(SH/DH)を含んでいてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、凸部層は、ストーマヘシブシールを含んでいてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、凸部層は、オストミーウェハを通る排出物の流れに平行で、0.5cm以上に亘って延びていてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、凸部層の少なくとも一部は、面取り輪郭、円筒形輪郭、曲線輪郭、軸方向に結合された輪郭、半径方向に結合された輪郭、及びこれらの組み合わせから選択される輪郭によって特徴付けられてもよい。
【0045】
いくつかの実施形態では、凸部層は、異なるオストメイトの多数のストーマのうちの任意の1つに変更なく適合するように構成されてもよく、第2接着剤は、成形可能な接着材料を含んでいてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、オストメイトウェハは、オストメイトに面する凸部層の外側を少なくとも部分的に覆う内部層を含んでいてもよい。内部層は、成形可能な接着材料を含んでいてもよい。
【0046】
本開示のさらに別の態様によれば、オストミー装置は、オストミーパウチと、オストミーパウチに結合されたオストミーウェハとを含んでいてもよい。オストミーウェハは、外部層と、外部層に結合された凸部層とを含んでいてもよい。外部層は、排出物の通過を可能にする開口部と、オストメイトのストーマの周囲に接着する第1接着剤とを有していてもよい。凸部層は、ストーマを少なくとも部分的に受容する大きさのストーマ溝と、凸部層を少なくとも部分的に通って延び、凸部層の周囲で周方向に間隔を置いて配置され、ストーマ溝から半径方向に間隔を空けた複数の溝と、オストメイトにさらに接着する第2接着剤とを含んでいてもよい。
【0047】
いくつかの実施形態では、複数の溝のうちの少なくとも1つは、凸部層を通って、凸部層の全高に等しい深さまで延びていてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、複数の溝は、オストミーウェハの全半径方向面積の10%未満に分布していてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、凸部層は、ストーマ溝から凸部層の最外縁に向かって半径方向に延びる少なくとも1つの隆起部を含んでいてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、ストーマ溝は、面一ストーマ又は格納ストーマに受容される大きさの近位開口部と、近位開口部の反対側に配置された遠位開口部とを有してもよく、近位開口部での凸部層の壁厚は、遠位開口部での凸部層の壁厚よりも大きくてもよい。
【0048】
いくつかの実施形態では、ストーマ溝は、ストーマ溝を画定する凸部層の内表面に配置される内蔵構造を含んでいてもよく、内蔵構造は、ストーマに向かって延び、ストーマと嵌合する形状の複数の角度付きフィンを含んでいてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、ストーマ溝は、ストーマ溝を画定する凸部層の内面に位置する内蔵構造を含んでいてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、オストミーウェハは、オストメイトに面する凸部層の外側を少なくとも部分的に覆う内部層を含んでいてもよく、内部層は成形可能な接着材料を有していてもよい。
【0049】
本開示のさらなる態様によれば、オストミーウェハをオストメイトに適用する方法は、オストメイトのストーマに対してオストミーウェハの凸部層を位置決めするステップと、凸部層をオストメイトに押し付け、凸部層をストーマ及びストーマを囲むオストメイトの外表皮膚に成形するステップと、凸部層でストーマの周りにシールを形成するステップと、凸部層の第1接着剤で凸部層をオストメイトに接着するステップと、凸部層をオストミーウェハの外部層と接触させ、外部層の第2接着剤で外部層をオストメイトに固定するステップと、を含んでいてもよい。
【0050】
いくつかの実施形態では、オストメイトに対して凸部層を押し付けるステップは、オストメイトの外表皮膚のポケット又はしわに受容するサイズの凸部層を形成するために、凸部層の少なくとも一部を通って延びる溝に隣接して凸部層を変形させるステップを含む。さらに、いくつかの実施形態では、凸部層をオストメイトに押し付けるステップは、オストメイトの外表皮膚のポケット又はしわに受容するサイズの凸部層を形成するために、凸部層を介して全方向に延びる溝に隣接する凸部層を変形させるステップを含んでいてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、オストメイトに凸部層を押し付けるステップは、ストーマに隣接するヘルニアを収容するために、凸部層を通って延びる溝に隣接する凸部層を変形させるステップを含む。
【0051】
いくつかの実施形態では、オストメイトに対して凸部層を押し付けるステップは、凸部層の隆起部でオストメイトの外表皮膚のポケット又はしわを埋めるステップを含んでいてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、凸部層をオストメイトに押し付けるステップは、ストーマの周りに凸部層のストーマ溝を配置するステップと、ストーマ溝を画定する凸部層の内面に形成された複数の角度のあるフィンを用いてストーマ溝をストーマに固定するステップとを含んでいてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、オストメイトに対して凸部層を押し付けるステップは、ストーマの周りに凸部層のストーマ溝を配置するステップと、ストーマ溝を画定する凸部層の内面に位置する複数の構造体を用いてストーマ溝をストーマに固定するステップとを含むことができる。さらに、いくつかの実施形態では、凸部層をオストメイトに押し付けるステップは、凸部層を少なくとも部分的に覆い、第3接着剤を含むオストミーウェハの内部層にオストメイトを接触させるステップを含んでいてもよい。
【0052】
本開示のこれら及び他の特徴は、例示的な実施形態の以下の説明からより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0053】
本明細書に記載された発明が添付図面に図示されてはいるが、それに限定されるものではない。図示を簡単かつ明確にするために、図示された構成要素は必ずしも縮尺通りに描かれていない。例えば、いくつかの構成要素の寸法は、明確にするために他の構成要素に比べて誇張されている場合がある。さらに、適切と思われる場合、対応又は類似する構成要素を示すために、参照符号が図面の間で繰り返されている。
【0054】
【
図1】オストミーウェハの一実施形態の断面図を示す。
【
図2】テーパ状オストミーウェハの一実施形態の断面図を示す。
【
図3】オストミーウェハの一実施形態の分解図を示す。
【
図4】テーパ状オストミーウェハの一実施形態の分解図を示す。
【
図5A】被験者の皮膚形状に適合させるためにウェハを折り畳むことを可能にする間隙(複数可)又は溝(複数可)を有するオストミーウェハの一実施形態の上方側斜視図を示す。
【
図5B】
図5Aに示すオストミーウェハの側方側斜視図を示す。
【
図6A】複数方向への変形を可能にするためにウェハの周りに分散された複数の間隙を有するオストミーウェハの一実施形態の上方側斜視図を示す。
【
図6B】
図6Aに示すオストミーウェハの側方側斜視図を示す。
【
図7A】被験者の皮膚のしわに受容することができる一対の隆起部を有するオストミーウェハの一実施形態の上方側斜視図を示す。
【
図7B】
図7Aに図示するオストミーウェハの側方側斜視図を示す。
【
図8A】様々な構造、形状、及び/又は輪郭を有する先細りのオストミーウェハの一実施形態の上方側斜視図を示す。
【
図9A】オストミーウェハに形成されたストーマ溝を画定、又はストーマ溝に近接して配置される多数の構造体の側面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0055】
本開示の概念は様々な変更や代替形態に対応可能であるが、その具体的な実施形態を例として図面に示し、本明細書で詳細に説明する。しかしながら、本開示の概念を開示された特定の形態に限定する意図はなく、逆に、本開示及び添付の特許請求の範囲に一致する全ての変更、等価物、及び代替物をカバーする意図があることを理解すべきである。
【0056】
本明細書における「一実施形態」、「実施形態」、「例示的な実施形態」などの言及は、記載された実施形態が特定の特徴、構造、又は特性を含む可能性があることを示すが、全ての実施形態がその特定の特徴、構造、又は特性を必ずしも含むとは限らず、含まない場合もある。さらに、このような表現は、必ずしも同じ実施形態を指しているわけではない。さらに、ある実施形態に関連して特定の特徴、構造、又は特性が記載されている場合、明示的に記載されているか否かにかかわらず、他の実施形態に関連するそのような特徴、構造、又は特性を実現することは、当業者の知識の範囲内である。さらに、「少なくとも1つのA、B及びC」の形でリストに含まれる項目は、(A)、(B)、(C)、(A及びB)、(A及びC)、(B及びC)又は(A、B及びC)を意味することを理解すべきである。同様に、「A、B、Cのうち少なくとも1つ」という形で記載されている項目は、(A)、(B)、(C)、(A及びB)、(A及びC)、(B及びC)、又は(A、B及びC)を意味する。
【0057】
図面では、いくつかの構造又は方法の特徴が、特定の配置及び/又は順序で示されている場合がある。しかし、そのような特定の配置及び/又は順序が必要でない場合もあることを理解すべきである。むしろ、いくつかの実施形態では、そのような特徴は、図示されているのとは異なる方法及び/又は順序で配置されてもよい。さらに、特定の図に構造又は方法の特徴を含めることは、そのような特徴が全ての実施形態で必要とされることを意味するものではなく、いくつかの実施形態では、含まれなくてもよく、又は他の特徴と組み合わされてもよい。
【0058】
以下に説明する多くの特徴は、斜視図に図示されている場合がある。特定の特徴を斜視図で図示することは、それらの特徴が、1以上の実施形態では隠れていたり、現れていたりする一方、他の実施形態では必ずしも現れていないことを伝えようとするものである。さらに、それらの特徴が現れる可能性がある1以上の実施形態では、斜視図での特徴の図示は、特徴が示された位置(複数可)及び/又は位置(複数可)とは異なる位置(複数可)及び/又は位置(複数可)を有する可能性があることを伝えようとするものである。
【0059】
本開示は、オストミーウェハ、オストミー装置及び/又はシステムを提供する。いくつかの実施形態では、本開示のオストミーウェハのデザイン、内蔵構造、及び成形可能な材料及び/又は技術は、患者に対する快適さ、安心感、及び生活の質を向上させる。装置(例えば、オストミーウェハ)及びそれに関連する方法は、ストーマ及びストーマ周囲皮膚との嵌合に加え、不規則な皮膚の輪郭及びしわへの成形を通じて、患者(例えば、オストメイト)に改善されたフィット感を提供することを対象とする。少なくともいくつかの実施形態では、本開示のオストミーウェハは、ストーマ周囲領域の不規則な皮膚の輪郭及びしわに成形されることにより、排出物の漏出に対して効率的で信頼性の高いシール/バリアを提供する。
【0060】
本開示のオストミーウェハは、様々なストーマ及び/又はストーマ周囲皮膚の形状、輪郭、状態、及び/又はサイズに適合するように調整してもよい。このように、少なくともいくつかの実施形態では、本明細書に開示された装置の製造又は使用は、身体スキャン及び個人的なカスタマイズを必要としない。その代わりに、本明細書に開示された装置は、ストーマ及びストーマ周囲の組織分布が相違する多くの被験者への使用に適している。
【0061】
正確な専門用語
他に定義されていない限り、本明細書で使用されている全ての技術的及び科学的用語は、本開示の主題が属する技術分野の通常の技術者によって一般的に理解されるのと同じ意味を持つこと、又はそうでなければ採用することを意図している。前述の一般的な説明及び以下の例は、例示及び説明のみであり、請求項の構成要件を制限するものではない。本明細書での単数形の使用は、特に別段の記載がない限り、複数形を含む。より具体的には、本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用されるように、単数形の使用は、文脈が明らかに他を意味しない限り、複数形を含む。また、本開示における「又は」の使用は、特に明記しない限り「及び/又は」を意味する。さらに、用語「備える」及び「含む」の使用は、限定することを意図していない。
【0062】
本明細書で使用するように、範囲及び量は、特定の値又は範囲である「約」として表現される場合がある。「約」という表現はまた、正確な量を含んでいてもよい。例えば、「約5μL」という表現は、「約5μL」と「5μL」を意味する。一般に、「約」という用語には、実験誤差の範囲内であると予想される量が含まれる。より具体的には、「約」という用語は、指定された値よりも10%小さい値から10%大きい値までを含む。一例では、「約50%」という表現は、「45%から55%の間」を意味する。別の例では、「約30」という表現は、「27から33」を意味する。
【0063】
本明細書で使用するように、「個体(複数)」、「被験者(複数)」、及び「患者(複数)」という用語は、任意の哺乳類を指す。いくつかの実施形態では、哺乳類はヒトであってもよい。勿論、他の実施形態では、哺乳類はヒト以外であってもよい。
【0064】
本開示の目的のために、用語「ストーマ」は、身体の開口部を指す。一般に、ストーマは、身体の胴体にある外科的な開口部である。いくつかの例では、「ストーマ」という用語は、開口部によって露出される内部組織、器官、又はその一部を指すこともある。非限定的な例として、内部組織及び/又は臓器は、結腸、回腸、小腸、大腸、空腸、及び十二指腸、並びにそれらの組み合わせから選択してもよい。内部組織は、例えば、小腸又は大腸の端部又は湾曲部であってもよい。
【0065】
他に指定しない限り、本明細書で使用する用語「面一(flush)/収縮(retracted)皮膚」は、外部の皮膚であるか、周囲の皮膚であるか、又はそれらの組み合わせであるかに拘わらず、ストーマ又は開口部を囲む任意の皮膚を指す。本開示の目的では、「ストーマ周辺皮膚」という用語は、ストーマの近くにあるが、一般的に内部組織又は排出物と接触していない皮膚を指す。本明細書で使用する場合、「ストーマ周囲皮膚」という用語は、内部組織及び/又は排出物と接触している皮膚、又は排出物と接触する可能性のある皮膚を指す。
【0066】
本明細書で使用する場合、「オストメイト」という用語は、本開示のオストミーウェハを使用する可能性のある対象者を指す。「オストメイト」という用語は一般に、外科的開口部を有する対象者を指すが、本明細書で使用されるように、ストーマが手術又は他の手段によって作成されたか否かに拘わらず、ストーマを有する対象者を指してもよい。
【0067】
「オストメイトウェハ」という用語は、本明細書において、「アダプタ」、「ウェハ」、又は「層状接着剤ウェハ」という用語と交換可能に使用してもよい。一般に、「ウェハ」という用語は、オストミーウェハの少なくとも外部層及び凸部層を総称する。特に指定のない限り、これらの用語は交換可能に使用されることがある。「排出物」という用語は、ストーマから分泌される可能性のある、又はストーマから出る可能性のある、オストメイトによって生成される任意の内部流体を指す。
【0068】
本明細書で使用される「成形可能」という用語は、弾性、変形可能、及び/又は弾力性のある特性を意味し、ストーマに適合する能力及び/又はストーマに対してシールを形成する能力を提供する。本明細書に開示されている様々な実施形態の成形可能な材料/特徴は、伸縮可能で柔軟な材料と区別することができ、後者の材料は、伸縮可能で柔軟な材料が本開示によって企図されるようなストーマに対するシールを形成しないように、ストーマに正確に適合しない場合がある。
【0069】
本明細書で使用する「成形可能」という用語は、展性及び延性の特性及び/又は特徴を包含する場合がある。成形可能な材料の使用時の形状変化は、補完的な特徴への適合を引き起こすために、外部の抵抗要素によって制御してもよい。ストーマ装置/システムの用途では、このような成形性は、装置を皮膚やストーマにフィットさせて、より良いシールを形成して漏れを防ぐために、非常に望ましい特性であると考えられる。
【0070】
本明細書では、「柔軟性」という用語は、外力を受けて構造体が弾性変形することを意味する。外力を除去すると、構造体は実質的に元の(以前の)形状に戻ることが理解されるべきである。柔軟性の測定は、線形変位(例えば、μm、mm、cm、mなど)で定量化され、元の長さ/直径及び/又は屈曲した長さ/直径として表現されることがある。いくつかの実施形態では、断面二次モーメントは、例えば片持ち梁のたわみに関連するモーメントなど、身体が経験する変形に影響を与える可能性がある。
【0071】
少なくともいくつかの実施形態では、成形可能な装置は、柔軟性という特性も有する場合がある。柔軟性は、オストミーシステムで、装置と皮膚/粘膜との間の接触を維持し、漏れにつながる可能性のある隙間に抗し、又は最小限に抑えることができるようにするために望ましい。オストミー装置の使用では、オストメイトの活動や排出物の通過に応じて、皮膚/粘膜が屈曲する虞がある。硬い器具は一般に、皮膚/粘膜が屈曲する間、継続的に皮膚/粘膜に適応し、適合することができない。しかし、可撓性装置は一般に、そのような屈曲の間、皮膚/粘膜に継続的に適応し、適合することができる。
【0072】
本明細書で使用される「伸縮可能」という用語は、付与された力により構造体が塑性変形又は弾性変形する結果、少なくとも1つの寸法(例えば、長さ、幅、高さなど)が増加することを意味する。構造体の断面積は、その構造体の変形に影響を与える場合がある。一例として、引張荷重下での棒の長さの変化は、棒の断面積及び/又は形状に影響されることがある。このような変形の測定は、少なくともいくつかの実施形態では、線形変位(例えば、μm、mm、cm、mなど)であってもよい。伸縮可能な材料は、ストーマ上に配置し、ストーマの形状が変化したときにストーマシールの維持を比較的容易とする場合がある。脆い材料は一般に、破損(例えば、破断及び/又は亀裂の発生)することなく変形することができない。
【0073】
本開示の装置及び/又はシステムは、延伸性、柔軟性、成形性、及び/又はそれらの組み合わせである少なくとも1つの要素を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される装置及び/又はシステムは、延伸性、柔軟性、成形性、及び/又はそれらの組み合わせとして特徴付けられてもよい。
【0074】
本明細書に含まれる段落の見出しは、整理を目的としてのみ採用されていることを理解すべきである。そのため、段落の見出しは、記載された主題を限定するものと解釈されるべきではない。
【0075】
オストミーウェハ
オストミー装置及び/又はシステムで使用するためのオストミーウェハが本明細書に開示されている。本開示のオストミーウェハは、ストーマ及び周囲の皮膚に適応又は適合するように設計されており、少なくともいくつかの実施形態において、オストメイトの皮膚上に漏出する可能性のある排出物に対する有効なバリアを提供する。本明細書に開示されたオストミーウェハは、オストメイトが自分のストーマを管理する能力に自信を持つことができるような方法で、皮膚の刺激や破壊に抵抗するために漏れを最小限に抑える。この結果、他の装置の使用及び適用と比較すると、患者は、恥ずかしい漏れ、感染、及び漏れに関連する皮膚の損傷の可能性が低いことを確信しながら、本開示のオストミーウェハを使用して接触させることができる。さらに、成形性、デザイン、及びその特徴の少なくとも一部に起因して、本開示のオストミーウェハは、一連のユーザのための適用時間を最小限にすることができる。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるオストミーウェハの「オールインワン」変形は、例えば、ペースト及びシールなどの製品の組み合わせの使用を回避することができ、他の構成と比較して、オストミーウェハの適用及び除去を容易にする(例えば、ユーザのトレーニング時間及びユーザの学習曲線を減らす)ことができる。オストミースキンバリア製品の適用及び除去は時間のかかるプロセスであるため、これはオストメイトにとって望ましいものとなる可能性がある。
【0076】
一般に、本明細書に開示されるオストミーウェハは、外部層(例えば、
図1から
図4の外部層110、210、310、410)及び凸部層(例えば、
図1から
図4の凸部層120、220、320、420)を含む。いくつかの実施形態では、オストミーウェハは、内部層(例えば、
図1の内部層130又は
図3の内部層330)を含んでいてもよい。勿論、いくつかの実施形態では、内部層を省略してもよい。
【0077】
いくつかの実施形態では、オストミーウェハの凸部層は、他の実施形態よりも大きな凸部及び/又はテーパ部を有してもよい。例えば、
図2及び
図4にそれぞれ示される例示的なオストミーウェハ200及び400は、対応するウェハ100、300の凸部層120、320よりも大きい凸部及びテーパ部を有する対応する凸部層220、420を有する。いくつかの状況では、オストミーウェハの凸部層は、回腸の基部又はストーマの周囲に接触して、排出物がオストミーウェハの下に染み込む可能性を抑制することができる。いずれにしても、
図1から
図4に図示されたオストミーウェハは、面一ストーマと陥凹型ストーマに対して特に有効であると考えられる。本明細書に開示されたオストミーウェハの層のいずれかが、効果的な密封バリアを形成するか、又はそれに寄与することが理解されるべきである。
【0078】
本開示の各オストミーウェハの少なくとも一部は、ストーマ又はストーマ周囲皮膚に適合させるために、成形性、可鍛性、及び/又は適合性がある。ストーマ周囲皮膚への適合性は一般に、排出物の漏出に対する有効なバリアを促進又は提供する。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されたオストミーウェハは、個人固有の表面特徴に適合することができる1以上の適合層を含むことができる。いくつかの例では、オストミーウェハは、例えば、Durahesive、Stomahesive、Modified Stomahesive、Duoderm、又はそれらの組み合わせなどの成形可能な接着材料を含む。
【0079】
少なくとも成形性に起因して、本開示のオストミーウェハは一般に、特定のユーザ又は患者に対する適切かつ効果的な適合を達成するために不可逆的な物理的修正を必要としない。いくつかの実施形態では、オストミーウェハは、ストーマのサイズ/形状に対応するために切断又は引き裂く必要がなく、複数のメカニズムで個人用に成形することができる。オストミーウェハの成形可能な接着機能及び/又はシール機能は、皮膚-ウェハ界面、ストーマウェハ界面、又はそれらの組み合わせで起こり得る。
【0080】
本開示のオストミーウェハは、いくつかの異なる方法で個人用に適合可能としてもよい。一態様では、上述したように、本明細書に開示されたオストミーウェハ、又はその少なくとも一部は、ウェハが身体固有の輪郭へと変形できるようにするために、成形可能又は適合していてもよい。その1以上の適合層に加えて、本明細書に開示されるオストミーウェハのいずれかは、例えば、隆起部、間隙、溝、輪郭、セグメント、ストーマ溝内蔵構造、及びそれらの組み合わせなどの特徴を含んでもよく、これらは、身体固有の輪郭への変形をさらに容易にし、効果的かつ快適なバリアを提供する。
【0081】
ストーマとオストミーウェハとの間にはバリアを形成してもよい。このバリアは、ウェハに圧力を作用させること(すなわち、周囲の皮膚領域にウェハを成形すること)により発生し、周囲の皮膚領域に、面一ストーマ又は陥凹型ストーマを突出させるか、この突出部分に連携する可能性がある。その後、例えば、間隙、隆起部、ストーマ溝内蔵構造などの特徴を介したオストミーウェハの制御された構造的変形により、バリア性を高めることができる。それらの特徴は、効果的なバリアを確立し、及び/又は強化するのに最も役立つ場所で、個人的な特定のストーマに適切に、希望するように使用してもよい。
【0082】
いくつかの実施形態では、オストミーウェハの制御された構造的変形を達成するために採用される特徴は、一般的な凸形状とは異なる形状であってもよい。いくつかの実施形態では、それらの特徴は、構造内に異なる応力分布を生じさせ、ユーザの皮膚上の圧力分布を変化させるようにオストミーウェハを調整することを可能にする。所定の適用力に対して腹壁でより大きな圧力が望まれる場合がある実施形態では、その調整が有益である場合がある。さらに、いくつかの実施形態では、その調整により、身体障害者が、限られたレベルの適用力に対して望ましいオストミーウェハの管理と適合が可能になる。
【0083】
間隙及び溝
図5A及び
図5Bに示すオストミーウェハ500は、その少なくとも1つの層に形成された1又は複数の溝510を含む。本明細書で使用する場合、用語「溝」は、一般に、ウェハ/層自体の高さ又は厚さよりも浅いウェハ/層の窪み又はしわを指す。
図6A及び
図6Bに示すオストミーウェハ600は、ウェハ600又はその少なくとも1つの層に形成された1又は複数の間隙610を含む。本開示の目的のために、用語「間隙」は一般に、ウェハ/層自体と等しい深さを有するウェハ/層の切れ目を指す。勿論、いくつかの実施形態では、「間隙」及び「溝」という用語は、本明細書に開示された任意のオストミーウェハに形成された任意の切れ目、溝、窪み、切り抜き、ノッチなどを参照して、実質的に同等及び/又は交換可能なものであることが理解されるべきである。間隙又は溝の存在は、本明細書でセグメントと呼ばれる、その間のウェハ/層の領域であると定義することができる。間隙又は溝は、有利には、オストミーウェハのヒンジ式変形を可能にし、オストメイトのストーマ及び周囲の皮膚へのオストミーウェハの適合を容易にする。
【0084】
いくつかの実施形態では、ウェハ/層に形成された1又は複数の間隙は、比較的小さくてもよい(例えば、
図6A及び
図6Bの間隙610参照)。他の実施形態では、ウェハ/層に形成された1又は複数の間隙は、比較的大きくてもよい(例えば、
図8A及び
図8Bに示すウェハ800の間隙810参照)。より大きな間隙は、ヘルニア又は任意の適切な突出物若しくは不規則な形態を収容するようなサイズであればよい。いくつかの実施形態では、ウェハの間隙(複数可)は、例えばヘルニアを収容するために、間隙(複数可)を画定する少なくとも1つのセグメント又は部分が、ウェハの他のセグメント又は部分よりも適合性が高いように小さくてもよい。
【0085】
本明細書に開示するオストミーウェハの間隙及び溝は、有利には、ウェハの他の領域を侵害することなく変形することを可能にする低剛性領域を提供することができる。いくつかの実施形態では、間隙又は溝は、オストミーウェハの一部が、例えば、大きな体のしわ又はヘルニアを有する領域など、不規則な形状を有する腹部領域を受容、充填、又は他の方法で収容するようなウェハの変形を可能とする。
【0086】
いくつかの実施形態では、本開示のオストミーウェハは、少なくとも1つの部分的間隙を含み、部分的間隙のいずれかのウェハ/層の部分が、間隙に沿った少なくとも1点で接続されていることを意味する。いくつかのケースでは、部分的間隙のいずれかのウェハ/層の部分は、ウェハ/層の最も外側の縁部で接続されることにより、接続部分にヒンジポイント又はヒンジ領域を形成する。さらに、いくつかのケースでは、部分的間隙のいずれかのウェハ/層の部分は、ウェハ/層の最も外側の縁部でのみ接続される(例えば、
図6A及び
図6Bに示す最も外側の縁部612参照)。
【0087】
いくつかの実施形態では、1又は複数の間隙を画定するウェハ/層の部分は、支持ベースプレート、カラー、フランジなどによって一緒に保持されてもよい。そのような実施形態では、部分は互いに直接接続されなくてもよく(例えば、間隙がウェハ/層の完全な切れ目である場合)、代わりにベースプレート、カラー、フランジなどに直接接続されてもよい。1又は複数の完全な切れ目は、最大の柔軟性を提供する一方で、ベースプレート、カラー、フランジなどを介して部分を互いに固定することで、ストーマとウェハの位置合わせを容易にすることができる。部分を一緒に保持するためにベースプレート、カラー、フランジなどを提供することで、製造を効率化することもできる。いくつかの実施形態では、間隙は、ストーマ溝の近位に配置されてもよい(例えば、ストーマ溝614に対する間隙610の位置参照)。さらに、いくつかの実施形態では、間隙は、ストーマ溝に近位の第1幅(例えば、
図6A及び
図6Bの幅W1参照)と、第1幅よりも小さい、ウェハの最も外側の遠位縁部に近位の第2幅(例えば、
図6A及び
図6Bの幅W2参照)とを有してもよい。
【0088】
いくつかの実施形態では、各間隙は、間隙の半径方向に垂直な寸法(例えば、ウェハの軸方向の寸法)における幅又は円弧によって特徴付けられてもよい。このような実施形態では、間隙の円弧は、約0.1mmから約100mmの範囲であってもよい。一態様では、間隙の円弧は、約0.1mmから約10mmの範囲であってもよい。他の態様では、間隙の円弧は、約10mmから約100mmの範囲であってもよい。さらに、そのような実施形態では、間隙の円弧は、ストーマ溝に最も近い間隙の円弧よりもオストミーウェハの外縁部で大きくてもよい。一例では、外縁における間隙の円弧は、100mmと大きく、ストーマ溝に最も近い間隙の円弧は、0.1mmと小さくてもよい。しかしながら、他の実施形態では、間隙の円弧は、ストーマ溝に最も近い間隙の円弧よりもオストミーウェハの外縁部で小さくてもよい。一例では、オストミーウェハの外縁における間隙の円弧は、0.1mmと小さくてもよく、ストーマ溝に最も近い間隙の円弧は、10mmと大きくてもよい。
【0089】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるオストミーウェハは、複数の間隙又は溝を含む。一例では、本開示のオストミーウェハは、少なくとも1つの間隙及び少なくとも1つの溝を含む。別の例では、本明細書に開示されるオストミーウェハは、複数の間隙と複数の溝の組み合わせを含む。
【0090】
一般に、間隙及び溝は、他の特徴を組み込んだオストミーウェハの構成よりも、本開示のオストミーウェハに大きな柔軟性を付与する。多数の間隙又は溝(例えば、約5以上の間隙又は溝)は、活動的であり、広い範囲の動き及び活動に亘ってオストミー装置の機能性を必要とするオストメイトにとって理想的であるかもしれない。対照的に、より少ない間隙又は溝(例えば、約5以下の間隙又は溝)は、オストミー装置のサポートをより必要とし、あまり活動的でないオストメイトに適している場合がある。例えば、ストーマを囲む脂肪/皮膚のひだを有するオストメイトは、装置のより多くの支持を必要とする一方で、いくつかの間隙又は溝によって付与されるいくらかの柔軟性を必要とする場合がある。
【0091】
いくつかの実施形態では、本開示のオストミーウェハは、少なくとも1つの間隙又は溝を含む。一例では、本開示のオストミーウェハは、少なくとも2つの間隙又は溝を含む。別の例では、本開示のオストミーウェハは、少なくとも3つの間隙又は溝を含む。さらに別の実施例では、本開示のオストミーウェハは、少なくとも4つの間隙又は溝を含む。さらに別の例では、本開示のオストミーウェハは、少なくとも5つの間隙又は溝を含む。さらに、本開示のオストミーウェハは、少なくともいくつかの実施形態において、少なくとも6つの間隙又は溝を含む。さらに、本開示のオストミーウェハは、少なくともいくつかの実施形態において、少なくとも8つの間隙又は溝を含む。最後に、いくつかの実施形態では、本開示のオストミーウェハは、少なくとも10の間隙又は溝を含む。
【0092】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるオストミーウェハは、1から100の間隙又は溝を含む。一例では、本明細書で開示されるオストミーウェハは、1から50の間隙又は溝を含む。別の例では、本明細書で開示されるオストミーウェハは、1から20の間隙又は溝を含む。さらに別の例では、本明細書で開示されるオストミーウェハは、1から10の間隙又は溝を含む。さらに別の例では、本明細書に開示されたオストミーウェハは、2から100の間隙又は溝を含む。さらに、本明細書に開示されるオストミーウェハは、少なくともいくつかの実施形態において、2から50の間隙又は溝を含む。さらに、本明細書に開示されるオストミーウェハは、少なくともいくつかの実施形態において、2から20の間隙又は溝を含む。さらに、本明細書に開示されるオストミーウェハは、少なくともいくつかの実施形態において、2から10の間隙又は溝を含む。いくつかの実施形態では、本明細書で開示されるオストミーウェハは、5から100の間隙又は溝を含む。さらに、いくつかの実施形態では、本明細書で開示されるオストミーウェハは、5から50の間隙又は溝を含む。さらに、いくつかの実施形態では、本明細書で開示されるオストミーウェハは、5から20の間隙又は溝を含む。最後に、いくつかの実施形態では、本明細書で開示されるオストミーウェハは、5から10の間隙又は溝を含む。
【0093】
いくつかの実施形態では、本開示のオストミーウェハは、オストミーウェハ又はその層の半径方向領域に亘って均等に分布している複数の間隙及び/又は溝を含む。さらに、いくつかの実施形態では、本開示のオストミーウェハは、1又は複数の場所に集中し、オストミーウェハ又はその層の半径方向の領域に亘って不均等に分布する複数の間隙及び/又は溝を含む。本開示の目的のために、用語「半径方向領域」は、オストミーウェハ又はその層の身体接触面の領域を指す。
【0094】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるオストミーウェハは、オストミーウェハ又はその層の半径方向面積の5%未満に分布する複数の間隙及び/又は溝を含む。さらに、いくつかの実施形態では、本明細書で開示されるオストミーウェハは、オストミーウェハ又はその層の半径方向面積の10%未満に亘って分布する複数の間隙及び/又は溝を含む。さらに、いくつかの実施形態では、本明細書で開示されるオストミーウェハは、オストミーウェハ又はその層の半径方向面積の15%未満に亘って分布する複数の間隙及び/又は溝を含む。さらに、いくつかの実施形態では、本明細書で開示されるオストミーウェハは、オストミーウェハ又はその層の半径方向の面積の20%未満に亘って分布する複数の間隙及び/又は溝を含む。最後に、いくつかの実施形態では、本明細書で開示されるオストミーウェハは、オストミーウェハ又はその層の半径方向の面積の25%未満に亘って分布している複数の間隙及び/又は溝を含む。
【0095】
いくつかの実施形態では、本開示のオストミーウェハは、オストミーウェハ又はその層の半径方向面積の30%未満に亘って分布する複数の間隙及び/又は溝を含む。さらに、いくつかの実施形態では、本開示のオストミーウェハは、オストミーウェハ又はその層の半径方向の面積の35%未満に亘って分布する複数の間隙及び/又は溝を含む。さらに、いくつかの実施形態では、本開示のオストミーウェハは、オストミーウェハ又はその層の半径方向面積の40%未満に亘って分布する複数の間隙及び/又は溝を含む。さらに、いくつかの実施形態では、本開示のオストミーウェハは、オストミーウェハ又はその層の半径方向の面積の45%未満に亘って分布する複数の間隙及び/又は溝を含む。さらにいくつかの実施形態では、本開示のオストミーウェハは、オストミーウェハ又はその層の半径方向面積の50%未満に亘って分布する複数の間隙及び/又は溝を含む。最後に、いくつかの実施形態では、本開示のオストミーウェハは、オストミーウェハ又はその層の半径方向面積の55%未満に亘って分布する複数の間隙及び/又は溝を含む。
【0096】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されたオストミーウェハの複数の間隙及び/又は溝は、オストミーウェハ又はその層の半径方向の面積の10%以上に亘って分布する。さらに、いくつかの実施形態では、本明細書で開示されるオストミーウェハの複数の間隙及び/又は溝は、オストミーウェハ又はその層の半径方向の面積の20%以上に亘って分布する。さらに、いくつかの実施形態では、本明細書で開示されるオストミーウェハの複数の間隙及び/又は溝は、オストミーウェハ又はその層の半径方向の面積の30%以上に亘って分布する。さらに、いくつかの実施形態では、複数の間隙及び/又は溝は、オストミーウェハ又はその層の半径方向の面積の40%以上に亘って分布する。さらに、いくつかの実施形態では、本明細書に開示されたオストミーウェハの複数の間隙及び/又は溝は、オストミーウェハ又はその層の半径方向の面積の50%以上に亘って分布する。さらに、いくつかの実施形態では、本明細書で開示されるオストミーウェハの複数の間隙及び/又は溝は、オストミーウェハ又はその層の半径方向の面積の60%以上に亘って分布する。最後に、いくつかの実施形態では、本明細書で開示されるオストミーウェハの複数の間隙及び/又は溝は、オストミーウェハ又はその層の半径方向面積の70%以上に亘って分布する。
【0097】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示された1以上のオストミーウェハ、又は1以上のオストミーウェハの凸部層(複数可)は、第1間隙又は溝と、第2間隙又は溝とを含む。一例では、第1間隙/溝及び第2間隙/溝は、オストミーウェハ又はその層の半径方向の面積の少なくとも1%だけ離れていてもよい。別の例では、第1間隙/溝と第2間隙/溝とは、オストミーウェハ又はその層の半径方向の面積の少なくとも2%だけ離れていてもよい。さらに別の例では、第1間隙/溝及び第2間隙/溝は、オストミーウェハ又はその層の半径方向の面積の少なくとも3%だけ離れていてもよい。さらに別の例では、第1間隙/グルーブ及び第2間隙/グルーブは、オストミーウェハ又はその層の半径方向面積の少なくとも4%だけ離れていてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、第1間隙/グルーブ及び第2間隙/グルーブは、オストミーウェハ又はその層の半径方向の面積の少なくとも5%だけ離れていてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、第1間隙/グルーブ及び第2間隙/グルーブは、オストミーウェハ又はその層の半径方向の面積の少なくとも10%だけ離れていてもよい。最後に、いくつかの実施形態では、第1間隙/グルーブ及び第2間隙/グルーブは、オストミーウェハ又はその層の半径方向の面積の少なくとも15%だけ離れていてもよい。
【0098】
いくつかの実施形態では、本開示の1以上のオストミーウェハの第1間隙/グルーブ及び第2間隙/グルーブは、オストミーウェハ又はその層の半径方向の面積の少なくとも20%だけ離れていてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、第1間隙/溝及び第2間隙/溝は、オストミーウェハ又はその層の半径方向の面積の少なくとも25%だけ離れていてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、第1間隙/グルーブ及び第2間隙/グルーブは、オストミーウェハ又はその層の半径方向の面積の少なくとも30%だけ離れていてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、第1間隙/グルーブ及び第2間隙/グルーブは、オストミーウェハ又はその層の半径方向の面積の少なくとも35%だけ離れていてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、第1間隙/グルーブ及び第2間隙/グルーブは、オストミーウェハ又はその層の半径方向の面積の少なくとも40%だけ離れていてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、第1間隙/グルーブ及び第2間隙/グルーブは、オストミーウェハ又はその層の半径方向の面積の少なくとも45%だけ離れていてもよい。最後に、いくつかの実施形態では、第1間隙/グルーブ及び第2間隙/グルーブは、オストミーウェハ又はその層の半径方向の面積の少なくとも50%だけ離れていてもよい。
【0099】
いくつかの実施形態では、本開示のオストミーウェハの1又は複数に形成された間隙又は溝は、約0.01mmから約1cmの幅を有する。さらに、いくつかの実施形態では、間隙又は溝は、約0.1mmから約500mmの幅を有する。さらに、いくつかの実施形態では、間隙又は溝は、約0.2mmから約250mmの幅を有する。さらに、いくつかの実施形態では、間隙又は溝は、約0.5mmから約100mmの幅を有する。さらに、いくつかの実施形態では、間隙又は溝は、約1mmから約50mmの幅を有する。さらに、いくつかの実施形態では、間隙又は溝は、その長さに沿って単一の幅を有する。しかし、他の実施形態では、間隙又は溝の幅は、その長さに沿って変化する。
【0100】
隆起部
図7A及び
図7Bに示すように、1又は複数のオストミーウェハ700は、その1又は複数の層に形成された少なくとも1つの隆起部710を含む。本明細書で企図されているように、隆起部710のような隆起部は、一般に、患者の皮膚組織分布のしわ又はしわに受け入れられ、及び/又は埋めるように、オストミーウェハ(例えば、オストミーウェハ700)から体に面した側に向かって突出する。本明細書に開示された隆起部は、オストミーウェハの表面又はその層に沿って実質的に任意の所望の方向に延在し得ることを理解すべきである。いくつかの実施形態では、隆起部710は、ストーマ溝(例えば、ストーマ溝714)から凸部層の外縁(例えば、外縁712)に至るまで、半径方向に延びる。さらに、いくつかの実施形態では、隆起部は、ストーマ溝から凸部層の外縁に向かって部分的に延びる。一例では、隆起部は湾曲している。別の例では、隆起部は直線又は平面である。いくつかの実施形態では、隆起部は剛性である。しかし、他の実施形態では、隆起部は柔軟である。そのような実施形態では、隆起部は、軟骨に類似した柔軟性を有してもよい。
【0101】
一部の実施形態では、本開示の1以上のオストミーウェハの少なくとも1つの隆起部は、その長さに沿って単一の高さを有する。しかし、他の実施形態では、隆起部の高さは、その長さに沿って変化する。一例では、隆起部は、約0.2cmから約5cmの高さを有する。別の例では、隆起部は、約0.2cmから約4.5cmの高さを有する。さらに別の例では、隆起部は、約0.2cmから約4cmの高さを有する。さらに別の例では、隆起部は約0.2cmから約3.5cmの高さを有する。最後に、別の例では、隆起部は、約0.2cmから約3cmの高さを有する。
【0102】
別の例では、本開示の1以上のオストミーウェハの少なくとも1つの隆起部は、約0.5cmから約4.5cmの高さを有する。さらに別の例では、隆起部は、約0.5cmから約4cmの高さを有する。さらに別の例では、隆起部は、約0.5cmから約3.5cmの高さを有する。最後に、別の例では、隆起部は、約0.5cmから約3cmの高さを有する。
【0103】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されたオストミーウェハは、少なくとも1個の隆起部を含む。さらに、いくつかの実施形態では、本明細書で開示されるオストミーウェハは、少なくとも2つの隆起部を含む。さらに、いくつかの実施形態では、本明細書で開示されるオストミーウェハは、少なくとも3つの隆起部を含む。さらに、いくつかの実施形態では、本明細書で開示されるオストミーウェハは、少なくとも4つの隆起部を含む。さらに、いくつかの実施形態では、本明細書で開示されるオストミーウェハは、少なくとも5つの隆起部を含む。さらに、いくつかの実施形態では、本明細書で開示されるオストミーウェハは、少なくとも6つの隆起部を含む。さらに、いくつかの実施形態では、本明細書で開示されるオストミーウェハは、少なくとも8つの隆起部を含む。最後に、いくつかの実施形態では、本明細書に開示されたオストミーウェハは、少なくとも10個の隆起部を含む。
【0104】
いくつかの実施形態では、本明細書で開示されるオストメイトウェハは、1から100の隆起部を含む。さらに、いくつかの実施形態では、本明細書で開示されるオストミーウェハは、1から50の隆起部を含む。さらに、いくつかの実施形態では、本明細書で開示されるオストミーウェハは、1から20の隆起部を含む。いくつかの実施形態では、本明細書で開示されるオストミーウェハは、1から10の隆起部を含む。
【0105】
いくつかの実施形態では、本明細書で開示されるオストミーウェハは、2から100の隆起部を含む。さらに、いくつかの実施形態では、本明細書で開示されるオストミーウェハは、2から50の隆起部を含む。さらに、いくつかの実施形態では、本明細書で開示されるオストミーウェハは、2から20の隆起部を含む。さらに、いくつかの実施形態では、本明細書で開示されるオストミーウェハは、2から10の隆起部を含む。
【0106】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるオストミーウェハは、5から100の隆起部を含む。さらに、いくつかの実施形態では、本明細書で開示されるオストミーウェハは、5から50の隆起部を含む。さらに、いくつかの実施形態では、本明細書で開示されるオストミーウェハは、5から20の隆起部を含む。さらに、いくつかの実施形態では、本明細書で開示されるオストミーウェハは、5から10の隆起部を含む。
【0107】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるオストミーウェハは、オストミーウェハ又はその層の半径方向の領域に均等に分布する複数の隆起部を含む。他の実施形態では、本明細書で開示されるオストミーウェハは、第1位置に集中し、オストミーウェハ又はその層の半径方向領域に亘って不均等に分布する複数の隆起部を含む。本開示の目的のために、用語「半径方向領域」は、オストミーウェハ又はその層の身体接触面の領域を指す。
【0108】
いくつかの実施形態では、本開示のオストミーウェハは、オストミーウェハ又はその層の半径方向面積の5%未満に亘って分布している複数の隆起部を含む。さらに、いくつかの実施形態では、本開示のオストミーウェハは、オストミーウェハ又はその層の半径方向面積の10%未満に亘って分布する複数の隆起部を含む。さらに、いくつかの実施形態では、本開示のオストミーウェハは、オストミーウェハ又はその層の半径方向の面積の15%未満に亘って分布する複数の隆起部を含む。さらに、いくつかの実施形態では、本開示のオストミーウェハは、オストミーウェハ又はその層の半径方向面積の20%未満に亘って分布する複数の隆起部を含む。最後に、いくつかの実施形態では、本開示のオストミーウェハは、オストミーウェハ又はその層の半径方向面積の26%未満に亘って分布する複数の隆起部を含む。
【0109】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるオストミーウェハは、オストミーウェハ又はその層の半径方向面積の30%未満に亘って分布する複数の隆起部を含む。さらに、いくつかの実施形態では、本明細書で開示されるオストミーウェハは、オストミーウェハ又はその層の半径方向面積の35%未満に亘って分布する複数の隆起部を含む。さらに、いくつかの実施形態では、本明細書で開示されるオストミーウェハは、オストミーウェハ又はその層の半径方向面積の40%未満に亘って分布する複数の隆起部を含む。さらに、いくつかの実施形態では、本明細書で開示されるオストミーウェハは、オストミーウェハ又はその層の半径方向面積の45%未満に亘って分布する複数の隆起部を含む。さらに、いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるオストミーウェハは、オストミーウェハ又はその層の半径方向面積の50%未満に亘って分布する複数の隆起部を含む。最後に、いくつかの実施形態では、本明細書で開示されるオストミーウェハは、オストミーウェハ又はその層の半径方向面積の55%未満に亘って分布する複数の隆起部を含む。
【0110】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されたオストミーウェハの複数の隆起部は、オストミーウェハ又はその層の半径方向の面積の10%以上に亘って分布する。さらに、いくつかの実施形態では、複数の隆起部は、オストミーウェハ又はその層の半径方向の面積の20%以上に亘って分布する。さらに、いくつかの実施形態では、複数の隆起部は、オストミーウェハ又はその層の半径方向面積の30%以上に亘って分布する。さらに、いくつかの実施形態では、複数の隆起部は、オストミーウェハ又はその層の半径方向の面積の40%以上に亘って分布する。さらに、いくつかの実施形態では、複数の隆起部は、オストミーウェハ又はその層の半径方向の面積の50%以上に亘って分布する。さらに、いくつかの実施形態では、複数の隆起部は、オストミーウェハ又はその層の半径方向面積の60%以上に亘って分布する。最後に、いくつかの実施形態では、複数の隆起部は、オストミーウェハ又はその層の半径方向面積の70%以上に亘って分布する。
【0111】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示された1以上のオストミーウェハ、又は1以上のオストミーウェハの凸部層(複数可)は、第1隆起部及び第2隆起部を含む。一例では、第1隆起部と第2隆起部は、オストミーウェハ又はその層の半径方向の面積の少なくとも1%だけ離れていてもよい。別の例では、第1隆起部と第2隆起部は、オストミーウェハ又はその層の半径方向の面積の少なくとも2%だけ離れていてもよい。さらに別の例では、第1隆起部と第2隆起部は、オストミーウェハ又はその層の半径方向の面積の少なくとも3%だけ離れていてもよい。さらに別の例では、第1隆起部と第2隆起部は、オストミーウェハ又はその層の半径方向の面積の少なくとも4%だけ離れていてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、第1隆起部及び第2隆起部は、オストミーウェハ又はその層の半径方向の面積の少なくとも5%だけ離れてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、第1隆起部及び第2隆起部は、オストミーウェハ又はその層の半径方向の面積の少なくとも10%だけ離されてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、第1隆起部と第2隆起部は、オストミーウェハ又はその層の半径方向面積の少なくとも15%だけ離れていてもよい。
【0112】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示された1以上のオストミーウェハの第1隆起部及び第2隆起部は、オストミーウェハ又はその層の半径方向面積の少なくとも20%だけ離れていてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、第1隆起部と第2隆起部とは、オストミーウェハ又はその層の半径方向の面積の少なくとも25%だけ離れていてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、第1隆起部及び第2隆起部は、オストミーウェハ又はその層の半径方向の面積の少なくとも30%だけ離れていてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、第1隆起部と第2隆起部は、オストミーウェハ又はその層の半径方向の面積の少なくとも35%だけ離れていてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、第1隆起部と第2隆起部とは、オストミーウェハ又はその層の半径方向の面積の少なくとも40%だけ離れていてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、第1隆起部と第2隆起部は、オストミーウェハ又はその層の半径方向面積の少なくとも45%だけ離れていてもよい。最後に、いくつかの実施形態では、第1隆起部と第2隆起部とは、オストミーウェハ又はその層の半径方向の面積の少なくとも50%だけ分離れていてもよい。
【0113】
輪郭
例示的な実施形態では、本開示のオストミーウェハの1又は複数の層は、様々な輪郭及び/又は幾何学的形態を有してもよい。
図8Aに示すように、オストミーウェハ800は、以下の輪郭の1つ又はそれらの組み合わせを有する少なくとも1つの層を含んでいてもよい。(i)面取り輪郭802(例えば、面取り輪郭802a又は802b)、(ii)円筒形又は環状輪郭804(例えば、長方形の断面804aを有する)、(iii)湾曲輪郭806(例えば、凸状の輪郭806a又は凹状の輪郭806b)、及び(iv)複数の特徴又は輪郭が矢印Aで示される軸方向に結合された輪郭808(例えば、段差又は軸方向に結合された層輪郭808a)である。さらに、
図8Bに示すように、オストミーウェハ800は、以下の輪郭のうちの1つ又はそれらの組み合わせを有する少なくとも1つの層を含んでいてもよい。(a)複数の特徴又は輪郭が矢印Rで示される半径方向に組み合わされた輪郭822、(b)単一の円弧及び/又は三日月によって特徴付けられる輪郭824、及び(c)円弧及び/又は三日月の組み合わせによって特徴付けられる輪郭826である。
【0114】
面取り輪郭(例えば、面取り輪郭802a、802b)は、患者へのウェハの適用中に、ストーマとウェハの外縁との間のオストミーウェハ上の緩やかな圧力増加を促進する連続的な輪郭を提供することができる。その緩やかな圧力増加のために、高圧力領域と低圧力領域との間に突然の移行又は圧力増加が実質的に起こらず、この結果、面取り輪郭を有するオストミーウェハがユーザに適用されるときに、ユーザが活動中に衝突を経験する可能性が低くなる。したがって、そのようなウェハは、他の輪郭を有するオストミーウェハよりも、より低いピーク応力、より大きな可動範囲、及びより快適なユーザの動作範囲と関連する可能性がある。
【0115】
円筒形輪郭(例えば、円筒形輪郭804)は、ユーザの皮膚上に高圧力及び低圧力の領域を有する段階的又は高原状の圧力輪郭を提供することができる。ユーザが複雑なストーマ環境(例えば、ヘルニア、損傷した皮膚、術後の傷跡など)を有し、特定の領域への圧力を制限又は回避する必要がある場合、円筒形輪郭に関連する段階的又は高原状の圧力輪郭は、他の領域への高圧の適用を制限した状態で、ストーマ環境の特定の領域への高圧の正確及び/又は精密な適用を容易にすることができる。
【0116】
湾曲した輪郭(例えば、凸状輪郭806a及び凹状輪郭806b)は、患者へのウェハの適用中に、ストーマとウェハの外縁との間のオストミーウェハ上の緩やかな圧力増加を促進するための連続的な輪郭を提供することができる。この結果、湾曲した輪郭は、オストミーウェハを装着している患者に確実に快適さを提供することができる。さらに、湾曲した輪郭を有するオストミーウェハがユーザに適用されたとき、高圧力領域と低圧力領域との間で殆ど急激な遷移又は圧力の増加が生じないので、ユーザは、使用中に衝撃を経験する可能性が低くなる。さらに、湾曲した輪郭は、例えば、皮膚の襞などの総体的な形状的特徴に対応するために、変更又は調整された圧力分布を提供することができる。最後に、湾曲した輪郭は、ストーマ及び/又はストーマに隣接する場所へのより大きな圧力の適用を容易にするため、陥凹型ストーマ及び/又は複雑な周囲環境に特に適している可能性がある。
【0117】
1又は複数の特徴又は輪郭が軸方向Aに組み合わされた輪郭(例えば、軸方向に組み合わされた層輪郭808a)は、対象物上で段差のある圧力遷移が発生する場所を変更することができる。軸方向に組み合わされた輪郭を有するウェハの使用は、複雑な環境を有する領域(例えば、ヘルニア、損傷した皮膚、傷跡など)へのオストメイトウェハの多孔質組織材及び/又は縁部の適用を回避することができる。軸方向に結合された輪郭を有するウェハの使用は、ヘルニア、損傷した皮膚、又は傷跡を含む領域への過剰な圧力の適用を回避することができる。軸方向に組み合わされた輪郭を持つウェハの使用は、複雑な環境に対応するためにスムーズな圧力の移行を可能にするかもしれない。
【0118】
1又は複数の特徴又は輪郭が半径方向Rに組み合わされた輪郭(例えば、半径方向に組み合わされた層輪郭822)は、患者の皮膚又はストーマに対する短期的な損傷の回復を容易にするために、1又は複数の膨張領域を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、膨張領域は、ストーマ溝に近接した領域(例えば、ストーマ溝814に近接した領域830)であってもよい。しかしながら、他の実施形態では、膨張領域は、オストミーウェハの最も外側の縁部(例えば、外縁812)に近接した領域であってもよい。膨張領域は、少なくともいくつかの実施形態において、オストミーウェハの非膨張領域よりも、より柔軟で、伸縮可能で、成形可能で、柔らかく、及び/又は薄くてもよい。いくつかの実施形態では、オストミーウェハの半径方向に組み合わされた層輪郭のセグメント又は領域は、オストミーウェハの膨張領域よりも膨張しやすいものでなくてもよく、それによって、皮膚及び/又はストーマに大きな圧力を与えて反転ストーマを突出させる。
【0119】
1又は複数の特徴又は輪郭が半径方向Rに結合された輪郭(例えば、半径方向に結合された層輪郭822)は、装置がセグメント化された装置と呼ばれることがあるような異なる輪郭を有するウェハの複数のセグメントをもたらすか、又はそうでなければ関連することがある。セグメント化された装置は、その使用において可変の変形(例えば、装置の異なる部分が変形し、患者の異なる領域に適応することができる)を可能にすることができる。いくつかの実施形態では、半径方向に結合された層の輪郭は、異なる輪郭を有する少なくとも2つのセグメントに関連付けられてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、半径方向に組み合わされた層輪郭は、異なる輪郭を有する少なくとも3つのセグメントと関連していてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、半径方向に結合された層の輪郭は、異なる輪郭を有する少なくとも4つのセグメントと関連していてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、半径方向に組み合わされた層の輪郭は、異なる輪郭を有する少なくとも10個のセグメントと関連してもよい。
【0120】
1又は複数の特徴又は輪郭が半径方向Rに組み合わされた輪郭(例えば、半径方向に組み合わされた層輪郭822)は、オストミーウェハが特定のユーザに応じて支持(又は可鍛性)を提供することを可能にしてもよい。いくつかの実施形態では、セグメント化された装置は、特定のユーザのストーマ及び周囲の皮膚形状にカスタマイズされてもよい。このようなカスタマイズは、快適性を向上させ、及び/又は漏れに抵抗するために患者と装置との間のシールの確立を容易にすることができる。いくつかの実施形態では、セグメント化された装置は、例えば、接着剤溶液(例えば、ペースト、接着剤、シール)などの製品を組み合わせて使用するのとは対照的に、「オールインワン」の変形を可能にする場合もある。さらに、いくつかの実施形態では、セグメント化された装置は、接着剤溶液の使用を実質的に否定するか、又は接着剤溶液の必要性を実質的に減少させることができる。この結果、セグメント化された装置は、接着剤溶液を使用するものよりも適用(及び除去)が容易になるかもしれない。また、接着剤を使用しないことで、ユーザのトレーニング時間や学習曲線が短縮されるかもしれない。
【0121】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されたオストミーウェハは、輪郭の組み合わせを含む。本開示の1又は複数のオストミーウェハの少なくとも一部は、軸方向に組み合わされた層輪郭(例えば、軸方向に組み合わされた層輪郭808)を含む。軸方向に結合された層輪郭に加えて、本開示の1又は複数のオストミーウェハの少なくとも一部は、半径方向に結合された層輪郭(例えば、半径方向に結合された層輪郭822)を含む。
【0122】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるオストミーウェハは、連続的な輪郭を有する。一例では、本明細書に開示されたオストミーウェハの層は、離散的な輪郭を有する。連続輪郭は、y=mx+C及びy=mxn+Cを含むが、これらに限定されない多項式の形で記述することができる。m及びnは、-10から+10までの範囲の正又は負の値である。いくつかの実施形態では、離散的な輪郭は、各ステップで5:1(近位端:遠位端)を超えない比率を有することができる。このように、離散的な輪郭を有するオストミーウェハは、個人の固有の輪郭に容易に適合することができる。
【0123】
セグメント
本開示のオストミーウェハは、異なる特性、材料、デザイン、又は構造を有する複数のセグメント(例えば、少なくとも2つのセグメント)を含む。複数のセグメントは、オストミーウェハの様々な変形を可能にする。この結果、複数のセグメントは、ユーザの要求に応じてオストミーウェハに支持及び/又は可鍛性を提供することを可能にする。いくつかの実施形態では、セグメントは、セグメントを分離する識別可能な構造又は特徴を有さず、比較的継ぎ目がない。しかし、他の実施形態では、セグメントは、例えば、本明細書に記載された間隙、溝、及び隆起部などの特徴によって別のものから分離される。さらに、いくつかの実施形態では、セグメントは、例えば、本明細書に記載された間隙、溝、及び隆起部などの特徴を含む。
【0124】
いくつかの実施形態では、複数のセグメントは、軸方向Aに積層された少なくとも2つの軸方向セグメントを含む。いくつかの実施形態では、軸方向セグメントは、積層されたリングにたとえてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、複数のセグメントは、互いに同心円状の少なくとも2つの半径方向セグメントを含む。いくつかの実施形態では、放射状セグメントは、池の中のリングにたとえてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、複数のセグメントは、オストミーウェハの中心から外側に放射状に広がる少なくとも2つの平行セグメントを含む。いくつかの実施形態では、平行セグメントは、花びらにたとえてもよい。
【0125】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるオストミーウェハは、少なくとも2つのセグメントを含む。さらに、いくつかの実施形態では、本明細書で開示されるオストミーウェハは、少なくとも3つのセグメントを含む。さらに、いくつかの実施形態では、本明細書で開示されるオストミーウェハは、少なくとも4つのセグメントを含む。さらに、いくつかの実施形態では、本明細書で開示されるオストミーウェハは、少なくとも5つのセグメントを含む。さらに、いくつかの実施形態では、本明細書で開示されるオストミーウェハは、少なくとも6つのセグメントを含む。さらに、いくつかの実施形態では、本明細書で開示されるオストミーウェハは、少なくとも8つのセグメントを含む。最後に、いくつかの実施形態では、本明細書で開示されるオストミーウェハは、少なくとも10個のセグメントを含む。
【0126】
いくつかの実施形態では、本明細書で開示されるオストミーウェハは、2から100のセグメントを含む。さらに、いくつかの実施形態では、本明細書で開示されるオストミーウェハは、2から50のセグメントを含む。さらに、いくつかの実施形態では、本明細書で開示されるオストミーウェハは、2から20のセグメントを含む。さらに、いくつかの実施形態では、本明細書で開示されるオストミーウェハは、2から10のセグメントを含む。
【0127】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されたオストミーウェハは、3から100のセグメントを含む。さらに、いくつかの実施形態では、本明細書で開示されるオストミーウェハは、3から50のセグメントを含む。さらに、いくつかの実施形態では、本明細書で開示されるオストミーウェハは、3から20のセグメントを含む。さらに、いくつかの実施形態では、本明細書で開示されるオストミーウェハは、3から10のセグメントを含む。
【0128】
いくつかの実施形態では、本明細書で開示されるオストミーウェハは、5から100のセグメントを含む。さらに、いくつかの実施形態では、本明細書で開示されるオストミーウェハは、5から50のセグメントを含む。さらに、いくつかの実施形態では、本明細書で開示されるオストミーウェハは、5から20のセグメントを含む。さらに、いくつかの実施形態では、本明細書で開示されるオストミーウェハは、5から10のセグメントを含む。
【0129】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されているオストミーウェハは、オストミーウェハ又はその層の半径方向の領域に均等に分布している複数のセグメントを含む。他の実施形態では、本明細書で開示されるオストミーウェハは、第1位置に集中し、オストミーウェハ又はその層の半径方向領域に亘って不均等に分布する複数のセグメントを含む。本開示の目的のために、用語「半径方向領域」は、オストミーウェハ又はその層の身体接触面の領域を指す。
【0130】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるオストミーウェハは、オストミーウェハ又はその層の半径方向の面積の5%未満に亘って分布する複数のセグメントを含む。さらに、いくつかの実施形態では、本明細書で開示されるオストミーウェハは、オストミーウェハ又はその層の半径方向の面積の10%未満に亘って分布する複数のセグメントを含む。さらに、いくつかの実施形態では、本明細書で開示されるオストミーウェハは、オストミーウェハ又はその層の半径方向面積の15%未満に亘って分布する複数のセグメントを含む。さらに、いくつかの実施形態では、本明細書で開示されるオストミーウェハは、オストミーウェハ又はその層の半径方向面積の20%未満に亘って分布する複数のセグメントを含む。最後に、いくつかの実施形態では、本明細書で開示されるオストミーウェハは、オストミーウェハ又はその層の半径方向面積の26%未満に亘って分布する複数のセグメントを含む。
【0131】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されているオストミーウェハは、オストミーウェハ又はその層の半径方向面積の30%未満に亘って分布する複数のセグメントを含む。さらに、いくつかの実施形態では、本明細書で開示されるオストミーウェハは、オストミーウェハ又はその層の半径方向の面積の35%未満に亘って分布する複数のセグメントを含む。さらに、いくつかの実施形態では、本明細書で開示されるオストミーウェハは、オストミーウェハ又はその層の半径方向面積の40%未満に亘って分布する複数のセグメントを含む。さらに、いくつかの実施形態では、本明細書で開示されるオストミーウェハは、オストミーウェハ又はその層の半径方向面積の45%未満に亘って分布する複数のセグメントを含む。さらに、いくつかの実施形態では、本明細書に開示されているオストミーウェハは、オストミーウェハ又はその層の半径方向面積の50%未満に亘って分布する複数のセグメントを含む。最後に、いくつかの実施形態では、本明細書で開示されるオストミーウェハは、オストミーウェハ又はその層の半径方向面積の55%未満に亘って分布する複数のセグメントを含む。
【0132】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されたオストミーウェハの複数のセグメントは、オストミーウェハ又はその層の半径方向の面積の10%以上に亘って分布する。さらに、いくつかの実施形態では、複数のセグメントは、オストミーウェハ又はその層の半径方向の面積の20%以上に亘って分布する。さらに、いくつかの実施形態では、複数のセグメントは、オストミーウェハ又はその層の半径方向の面積の30%以上に亘って分布する。さらに、いくつかの実施形態では、複数のセグメントは、オストミーウェハ又はその層の半径方向の面積の40%以上に亘って分布する。さらに、いくつかの実施形態では、複数のセグメントは、オストミーウェハ又はその層の半径方向の面積の50%以上に亘って分布する。さらに、いくつかの実施形態では、複数のセグメントは、オストミーウェハ又はその層の半径方向の面積の60%以上に亘って分布する。最後に、いくつかの実施形態では、複数のセグメントは、オストミーウェハ又はその層の半径方向の面積の70%以上に亘って分布する。
【0133】
いくつかの実施形態では、本開示のオストミーウェハ(又はその凸部層)は、第1セグメント及び第2セグメントを含む。一例では、第1セグメント及び第2セグメントは、オストミーウェハ又はその層の半径方向の面積の少なくとも1%だけ離れていてもよい。別の例では、第1セグメントと第2セグメントとは、オストミーウェハ又はその層の半径方向の面積の少なくとも2%だけ離れていてもよい。さらに別の例では、第1セグメントと第2セグメントとは、オストミーウェハ又はその層の半径方向の面積の少なくとも3%だけ離れていてもよい。さらに別の例では、第1セグメントと第2セグメントとは、オストミーウェハ又はその層の半径方向の面積の少なくとも4%だけ離れていてもよい。さらに別の例では、第1セグメントと第2セグメントとは、オストミーウェハ又はその層の半径方向の面積の少なくとも5%だけ離間していてもよい。さらに別の例では、第1セグメントと第2セグメントとは、オストミーウェハ又はその層の半径方向の面積の少なくとも10%だけ離されていてもよい。さらに別の例では、第1セグメントと第2セグメントとは、オストミーウェハ又はその層の半径方向の面積の少なくとも15%だけ離れていてもよい。
【0134】
いくつかの実施形態では、本開示のオストミーウェハの第1セグメント及び第2セグメントは、オストミーウェハ又はその層の半径方向の面積の少なくとも20%だけ離れていてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、第1セグメントと第2セグメントとは、オストミーウェハ又はその層の半径方向の面積の少なくとも25%だけ離れていてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、第1セグメントと第2セグメントは、オストミーウェハ又はその層の半径方向の面積の少なくとも30%だけ離れていてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、第1セグメントと第2セグメントとは、オストミーウェハ又はその層の半径方向の面積の少なくとも35%だけ離れていてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、第1セグメントと第2セグメントとは、オストミーウェハ又はその層の半径方向の面積の少なくとも40%だけ離れていてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、第1セグメント及び第2セグメントは、オストミーウェハ又はその層の半径方向の面積の少なくとも45%だけ離れていてもよい。最後に、いくつかの実施形態では、第1セグメント及び第2セグメントは、オストミーウェハ又はその層の半径方向面積の少なくとも50%だけ離れていてもよい。
【0135】
ストーマ溝の内蔵構造
いくつかの実施形態では、ストーマ溝(例えば、ウェハの環状開口部)は、オストミーウェハとストーマとの間に確立されるシールを強化するために、少なくとも1つの内蔵構造(例えば、特徴部910、930、950のいずれか1つ以上)を有する。本明細書で企図されているストーマ溝の内蔵構造は一般に、ストーマと共に使用するように設計されており、オストミーウェハがストーマに押圧されたときにストーマ溝内に配置される可能性のある内部組織を受容し、及び/又はこれと接触することができることを理解すべきである。このように、本開示の各オストミーウェハのストーマ溝を規定する1又は複数の壁の特徴(例えば、マクロ及びマイクロ形状)は、個人のストーマの周りにカスタマイズされたシールを提供する。そのようなカスタマイズは、シールをより効果的にし、耐漏出性を高める。さらに、そのようなカスタマイズは、特定の使用者に、より大きな快適さを提供する。さらに、いくつかの実施形態では、本明細書に開示されたオストミーウェハの内蔵構造は、オストミーウェハの迅速かつ単純な適用(及び除去)を容易にし、ユーザの適用時間、トレーニング時間、及び学習曲線を低減する。一例では、本明細書に開示されている内蔵構造は、巨視的である。別の例では、本明細書に開示される内蔵構造は、微視的である。さらに別の例では、本明細書に開示されるオストミーウェハは、微視的及び巨視的な内蔵構造の組み合わせを含む。
【0136】
例示的な実施形態では、
図9Aに示す内蔵構造910は、角度及び/又はテーパ付きの表面912、914として具現化するか又はこれを含む。いくつかの実施形態では、表面912、914は、
図9Aに図示され、内蔵構造物930として具現化するか又は含み、間にノッチ934が形成される1以上の角度付きフィン932が区画又は組み込まれてもよい。いずれにしても、いくつかの実施形態では、各角度付きフィン932及び/又は各ノッチ934は、約0.01mmから約10mmの高さH(
図9Bに示す)を有してもよい。高さHは、ストーマ溝の長さLに垂直な寸法であってもよい。
図9Bに示すように、各角度付きフィン932は、0.01mmから10mmである水平線940に対して測定された幅W1と、0.01mmから20mmである線940に対して測定された幅W2とを有してもよい。さらに、
図9Bに示すように、各角度付きフィン932は、0°から60°である線940に対する角度Aと、0°から90°である線940に対する角度Bとで延びていてもよい。
【0137】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示された内蔵構造は、バネ状又はアコーディオン状の構造(例えば、内蔵構造930、950)を区画してもよい。さらに、いくつかの実施形態では、本明細書に開示される内蔵構造は、オストミーウェハが突出したストーマをクランプすることを可能にしてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、本明細書に開示される内蔵構造は、オストミーウェハがストーマから外れるのを阻止してもよい。さらに、いくつかの実施形態では、本明細書に開示される内蔵構造は、所定の又は基準となる反発力で変形を制御するバネ/反発特性を有してもよい。本開示によって企図される内蔵構造は、ストーマがストーマ溝から滑り落ち、ストーマ溝から引き出されることを阻止又は実質的に抵抗することができる。さらに、本明細書に開示される内蔵構造は、ストーマ溝とストーマとを摩擦干渉させることにより、ストーマへオストミーウェハを容易に固定することができる。
【0138】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるオストミーウェハは、ストーマ溝を画定する内壁(複数可)に位置する内蔵構造(例えば、構造体930)を含む。さらに、いくつかの実施形態では、ストーマ溝の内壁面に位置する開示された内蔵構造は、テーパ状(例えば、構造910)又はギザギザ状(例えば、構造930)であり、突出したストーマからのオストミーウェハの剥離を阻止し、又は剥離に抵抗する。さらに、いくつかの実施形態では、本明細書に開示された内蔵構造は、ストーマを把持及び/又は直接接触することなく、変形及び可鍛性を提供する内部構造(例えば、ストーマ溝壁(複数可)952内の内蔵構造950)を提供する。
【0139】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される内蔵構造は、可撓性、柔軟性、半剛性、又はそれらの組み合わせとして記述されている。しかしながら、他の実施形態では、本明細書に開示される内蔵構造は、剛性又は柔軟性がないものであってもよい。
【0140】
本開示のオストミーウェハは、様々な形状のストーマ溝を含む。一例では、ストーマ溝は円筒形である。別の例では、ストーマ溝は、テーパ状又は漏斗状である。さらに別の例では、ストーマ溝は、滑らかな、連続した、又は中断されていない内表面を有する。さらに別の例では、ストーマ溝は、ギザギザ又は段差のある内表面を有する。
【0141】
いくつかの実施形態では、オストミーウェハのストーマ溝及びそれに隣接する領域は、成形可能な接着技術を含んでいてもよい。それらの接着機能は、オストミーウェハを特定の患者の皮膚及びストーマにシールするために一般に必要とされるステップの数を減らしてもよい。例えば、ストーマ溝を患者の皮膚及びストーマに切断/仕立て上げるためにハサミを必要としない場合があり、オストミーウェハの輪郭/内蔵構造を埋めるために追加のペースト又は接着剤を必要としない場合がある。したがって、本明細書に開示されたオストミーウェハは、看護師及び患者にとって、より簡単でシンプルに適用(及び除去)することができる。
【0142】
ウェハ層
本開示のオストミーウェハは、少なくとも1つのウェハ層を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されたオストミーウェハは、複数のウェハ層を含む。層は、モールド、接着剤、シール、バリアなどから選択してもよいし、それらを組み込んでもよい。本明細書に記載されているオストミーウェハの層に含まれる材料の非限定的な例は、接着剤、複合材、発泡体、ゲル、ゴム、プラスチック、布、及びこれらの組み合わせである。一般に、本明細書に開示されたオストミーウェハは、外部層及び凸部層を含む。外部層及び/又は内部層のそれぞれは、少なくともいくつかの実施形態において、接着剤又は排出物の漏出に対して有効なバリアとして機能するか、あるいは組み込むことができることを理解すべきである。しかし、他の実施形態では、本明細書に開示されたオストミーウェハは、他の装置と一緒に、又はそれ自体で使用するように適合された単一の層(例えば、凸部層)を含む。いくつかの実施形態では、外部層は、リング状であり、凸部層に対して略平面である。典型的には、凸部層は、面一ストーマ又は陥凹型ストーマへの進入及び嵌め込み/成形を容易にする3次元のリング形状を有する。いくつかの実施形態では、外部層の外径は凸部層の外径よりも大きく、凸部層は外部層よりも厚くなっている。
【0143】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるオストミーウェハは、外部層を含む。そのような実施形態では、外部層は一般に、オストミーウェハの最も外側の(すなわち、個人又はユーザに対して遠位の)層であり、ユーザに適用されたときに、ストーマ内に延びたり、ストーマを超えて内部に延びたりしない。いくつかの実施形態では、外部層は、単一層を含む。しかし、他の実施形態では、外部層は、多層構造(例えば、材料の複数の層又はマルチラミネート構造)を含む。一例では、外部層は、以下に限定されないが、ハイドロコロイド接着剤(例えば、Stomahesive(登録商標)、Durahesive(登録商標)、Modified Stomahesive、Stomahesive Seal、Duoderm、又はColoplasts Brava stripsなど)、シリコーン、アクリル、シアノアクリレート(例えば、Liquiband(登録商標)など)、ゴム、発泡体、セルロース、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、エチレンビニルアセテート、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリイソブチレンなどから選択される材料を含む。いくつかの実施形態では、外部層は、ストーマヘシブシール又はデュラヘシブシールを有するトリラム(SH/DH)を含んでもよい。
【0144】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるオストミーウェハは、凸部層を含む。凸部層は、外部層と接触するリム(例えば、
図1から
図4のそれぞれに示すリム116、216、316、416)を有する、相対的に円筒形、漏斗形、及び/又は椀形であってよい。排出物が流れる凸部層の開口部(例えば、開口部118、218、318、418)は一般に、口/縁とは反対側のボウルの底面/近傍に配置される。凸部層は、面一ストーマ又は陥凹型ストーマの内部、周囲、又はストーマに対して位置決めするための適切な寸法を有するべきであることを理解すべきである。一例では、面一ストーマに関して、凸部層の開口部は、「ボウル」の凸状の外部リムが内部組織の周囲の皮膚に接触し、ストーマ周囲皮膚の表面から最小限に延びるように、内部組織の周囲に適合する大きさであってもよい。陥凹型ストーマの例では、凸部層は、比較的浅いボウルの深さを有し、ストーマ周囲皮膚と凸部層の外部リム及び/又は側面との間にほとんど又は全く空間を残さないように十分な幅を有してもよい。
【0145】
いくつかの実施形態では、凸部層のボウルの深さは、約0.5cmから約10cmの間であってもよい。さらに、いくつかの実施形態では、ボウルの幅は、約2cmから約10cmの間であってもよい。本明細書に開示されるオストミーウェハの追加の構成要素と同様に、凸部層は、少なくともいくつかの実施形態では、接着剤成形のために熱を加える圧縮金型の使用によって製造されてもよい。一例では、ボウルの総体積は、20000mm3から800000mm3の範囲であってもよい。別の例では、ボウルの総体積は、20000mm3から100000mm3の範囲であってもよい。
【0146】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される凸部層は、相対的に椀状(例えば、
図4の凸部層320)ではなく、相対的に漏斗状である(例えば、
図4の凸部層420)。漏斗状の凸部層は、少なくともいくつかの実施形態では、接着材料から形成又は造形されてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、接着材料は、成形可能な接着剤であってもよい。さらに、いくつかの実施形態では、漏斗状の凸部層は、剛性又は半剛性の材料から形成又は造形されてもよい。剛体又は半剛体材料の非限定的な例としては、ハイドロコロイド接着剤(例えば、Stomahesive、Durahesive、Modified Stomahesive、Stomahesive Seal、Duoderm、又はColoplasts Brava strips、シリコーン、アクリル、シアノアクリレート(例えば、Liquiband)、ゴム、発泡体、セルロース、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、エチレンビニルアセテート、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリイソブチレンなどが挙げられる。他の実施形態では、漏斗状の凸部層は、接着性がなくてもよい。そのような実施形態では、凸部層は、ストーマに対してシールを形成するために、接着性を有する内部層と一緒に使用されてもよい。内部層又は漏斗状の凸部層は、少なくともいくつかの実施形態では、排出物も吸収できるようにしてもよい。
【0147】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるオストミーウェハの凸部層は、凸状で、支持性及び柔軟性を提供するように構成されている。一例では、凸部層は、他の特性の中でも、柔らかさ及び柔軟性において「ゴムのような」材料であるエチレンビニルアセテート(EVA)から形成されている。凸部層は、例えば、ポリプロピレン、ポリスチレン、又はポリエチレン(ポリエチレン-酢酸ビニル)などの1又は複数の硬質又は半硬質プラスチックを含んでいてもよいが、これには限定されない。本明細書に開示される凸部層の厚さは、少なくともいくつかの実施形態では、格納されたストーマでの使用に対する適性を高めるために、約22mm(7/8inch)から約45mm(1 3/4inch)の範囲であってもよい。
【0148】
いくつかの実施形態では、凸部層は、スキンバリアを含む。スキンバリアは、モールドから、又はモールドの形態で形成されたリングを含んでいてもよい。鋳型は、少なくともいくつかの実施形態では、可撓性又は柔軟性があってもよい。凸部層及び/又はスキンバリアは、ストーマ接着剤として具現化されるか、又はストーマ接着剤を含む接着剤であればよい。ストーマ接着剤は、凸部層の開口部を通る一方向の流れを確保するために、排出物に対するバリア又はシールを提供してもよい(
図1及び
図2の排出物流れの矢印参照)。このように、凸部層は、パウチと一緒に単独で使用されてもよく、被験者への密着性を提供するとともに、漏出に対する効果的なバリアを提供することができる。一実施形態では、スキンバリアは、通気性及び/又は吸湿性を有する成形可能な接着剤である。非限定的な例として、皮膚バリアは、Stomahesive Seal(ConvaTec社製)、Brava Moldable adhesive Ring(Coloplast社製)、イーキンコヘーシブシール(ConvaTec社製)、Adapt Barrier Ring(Hollister社製)、SecuPlast Mouldable Seal(Salts社製)及びSiltac(Trio社製)から選択することができる。
【0149】
本開示によって企図されるスキンバリアは、体液との接触から下層の皮膚を保護するために、ストーマ周辺の無傷の皮膚の空洞/しわに充填及び/又は受容されるように適合される。いくつかの実施形態では、スキンバリアは、ペクチンベースの、ハイドロコロイドタイプの成分、鉱物油、可塑剤、粘着剤、及びエラストーマから作られてもよく、組成は様々である。いくつかの実施形態では、凸部層は、単一の層を含んでいてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、凸部層は、多層又は多層の材料及び/又は複数の材料の層を含む。凸部層は、Eakin Cohesive Seal(ConvaTec社製)、Brava Mouldable Ring(Coloplast社製)、Dansac Seal(Dansac社製)、Adapt Barrier Ring(Hollister社製)SecuPlast Mouldable Seal(Salts社製)、及びSiltac(Trio社製)の1又は複数から選択される材料を含んでいてもよい。凸部層は、少なくともいくつかの実施形態において、ストーマヘシブシールから選択された材料を含んでいてもよい。
【0150】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるオストミーウェハは、凸部層の凸部外面を少なくとも部分的に(約30%から約100%の範囲で)覆う内部層を含み、内部層のストーマに面する側にストーマ接着剤を含む。このように、内部層は、面一又は陥凹型ストーマの面一又は収縮皮膚に接着することにより、オストメイトにオストミーウェハを固定することができる。内部層は、Eakin Cohesive Seal(ConvaTec社製)、Brava Mouldable Rings(Coloplast社製)、Adapt Barrier Rings((Hollister社製)、Dansac Seal(Dansac社製)、SecuPlast Mouldable Seal(Salts社製)、及びSiltac(Trio社製)の1又は複数から選択される材料を含んでいてもよい。内部層は、少なくとも一部の実施形態では、ストーマヘシブシール及び/又はストーマヘシブペーストを含んでいてもよい。
【0151】
一部の実施形態では、本明細書に開示されるオストミーウェハは、少なくとも一部の実施形態では、接着剤を有する1以上の追加層を含む。他の実施形態では、1又は複数の追加の層は、接着剤を含まなくてもよい。1以上の追加層は、接着剤、積層体、発泡体、ゲル、ゴム、布、プラスチック、及びそれらの組み合わせから選択される材料を含んでいてもよい。他の成分は、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、チクシン、ゼラチン、及びペクチンを含んでいてもよいが、これらに限定されない。
【0152】
1以上の追加層は、オストミーウェハの柔軟性又は成形可能な接着特性に寄与してもよい。また、1以上の追加層は、オストミーウェハが特定の患者層のニーズに合わせた特性を有することを可能にしてもよい。非限定的な例として、これらには、厚さのバリエーション(約0.5mmから約40mm)、形状のバリエーション(例えば、円形、多角形、又は三日月形など)、輪郭のバリエーション(一定輪郭又は縁部輪郭)、又は表面の特徴(例えば、隆起、溝、又は谷など)が含まれる。
【0153】
追加層は、オストミーウェハの周辺で連続又は不連続であってもよい。本明細書に開示されたオストミーウェハ、装置、及び方法は、一般に、凸部層の外側を形成するために、剛性の高い、硬い材料の使用を避けることができることを理解すべきである。したがって、本明細書に開示されたオストミーウェハ、装置、及び方法は、可鍛性及び柔軟性を提供すると同時に、漏れに抵抗するための安全なシールを提供する。
【0154】
図1に示すように、本明細書に開示されるオストミーウェハは、2つの異なるタイプの接着剤を有する2つの層(例えば、層120及び層130)を含んでいてもよい。また、ウェハは、外部層(例えば、層110)を含んでいてもよい。1つの例示的な実施形態は、凸部層(例えば、凸部層120)と重なってもよい内部層(例えば、内部層130)としてトリラムを含む。他の例示的な接着剤としては、例えば、Durahesive、Stomahesive、Modified Stomahesive、Stomahesive Seal、及びDuodermなどのハイドロコロイド接着剤が挙げられる。凸部層は、ストーマガスケット又はバリアリングとも呼ばれる接着剤バリアシールとして具現化するか、又は含んでもよい。1つの例示的な実施形態は、Stomahesive sealの使用を含む。他の例示的な接着剤としては、例えば、Durahesive、Stomahesive、Modified Stomahesive、 Stomahesive Seal及びDuodermなどのハイドロコロイド接着剤が挙げられる。
【0155】
凸部層が接着剤バリアシールを有する、又はそのように作用する実施形態では、凸部層は、腹部へのウェハの圧縮時に、ストーマ、突出した回腸、及び周囲の皮膚へのウェハの適合及び/成形を容易にするために、ウェハの可鍛性コアを設けてもよい。いくつかの実施形態では、2重層接着剤は、外部環境に適応して元の形状とは異なる「適応された形状」を形成することができる成形可能な接着剤の「元の」形状をさらに形成してもよい。接着剤は、少なくともいくつかの実施形態において、元の形状に戻ることができる3層材料からなる3次元の反発技術を含んでいてもよい。他の実施形態では、材料は、温度変化及び/又は圧力の下で塑性変形を受け、新しい形状に適応してもよい。いくつかの実施形態では、凸部層の軟質構造は、準流動的であると特徴付けられてもよい。言い換えれば、凸部層の構造で相対的に硬い材料を回避することにより、本明細書に開示されるオストミーウェハは、他のウェハ構成よりも可鍛性が高くてもよいし、ユーザの快適性を高め、漏れに抵抗するための確実なシールを確保するようにしてもよい。
【0156】
図2に示すように、本明細書に開示されるオストミーウェハは、(
図1に図示されるウェハと比較して)相対的に漏斗状の形状を有するテーパ付きウェハを形成する2つの層(例えば、層210、220)を含んでいてもよい。テーパ状のウェハは、少なくともいくつかの実施形態において、面一ストーマ又は陥凹型ストーマに特に有用である。凸部層(例えば、凸部層220)のテーパ状の接着剤は、回腸の基部又はストーマの周囲のオストミーウェハの効果的なシールを可能にする。テーパ状の凸部層の頂部又は縁部をストーマの縁部の周りに配置することにより、少なくともいくつかの実施形態では、ウェハはストーマに成形してもよい。テーパ状の接着剤は、漏れを最小限にして確実なフィット感を作り出すために、接着剤をストーマ及びストーマ周囲皮膚に付着させる際に、ユーザが手動で成形してもよい。
【0157】
外部層(例えば、外部層210)は、オストミーウェハのための構造的ベースを提供してもよいし、凸部層は、より柔らかくて柔軟な接着剤を提供することにより、ユーザが回腸の基部及び/又はストーマの周囲の効果的なシール行えるようにしてもよい。外部層は、少なくともいくつかの実施形態において、成形用接着剤、中央フィルム、及び本体側を有するマルチラミネート接着剤を含んでいてもよい。外部層は、Trilam(SH/DH)を含んでいてもよい。凸部層は、Stomahesive、Durahesive、Modified Stomahesive及びStomahesive Sealから選択されるが、これらに限定されない接着剤を含んでいてもよい。
【0158】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるオストミーウェハは、フランジ、カラー、又はベースプレートを含む。さらに、いくつかの実施形態では、本明細書に開示されているオストミーウェハは、補完的な構成要素への結合を可能にする特徴があるフランジを含んでもよい。いくつかの実施形態では、フランジは、オストミーウェハ又はその層の残りの部分から半径方向外側に延びてもよい。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されたオストミーウェハは、皮膚に付着する接着層への延長部(例えば、カラー)を含んでもよい。カラーは、少なくともいくつかの実施形態では、布で作られていてもよい。フランジ又はタブは、単一の場所でオストミーウェハから半径方向外側に延びていてもよい。カラーは、装置の外周の周りでオストミーウェハから半径方向外側に延びていてもよい。
【0159】
フランジ又はカラーは、外部層及び/又は凸部層に取り付けられてもよい。いくつかの実施形態では、フランジ又はカラーは、オストミーウェハをオストメイトにさらに固定するため、及び/又は漏れに抵抗するためにオストミーウェハをオストメイトにシールするための追加の接着剤を含んでいてもよい。フランジをストーマに確実に嵌合及びシールするために、一般的な物質、装置、及び/又は方法を採用してもよく、例えば、皮膚の襞、凹凸のある皮膚表面、及び傷のための充填剤として、ストーマの周囲、回腸の基部、及び/又はオストミーウェハ/ベースプレートの開口部に接着物質(例えば、ペースト)を塗布することが挙げられる。他の方法は、凹凸のある皮膚表面を埋めるためにシリコーンゲルを使用し、ストーマの周囲にゲルを直接適用し、ゲルの上に直接ウェハ/ベースプレートを適用することを含んでいてもよい。そのような方法によれば、ゲルは、通常の着用時間中にウェハ/ベースプレートの下で硬化してもよい。ペーストの非限定的な例としては、ConvaTec社製のStomahesive paste、Adapt Paste(Hollister社製)、Brava Paste(Coloplast社製)、Securiti-T Stoma Paste(Genairex社製)、MicroHesive Stoma Paste(Cymed社製)、及びOsto Stoma Paste(Montreal Osto社製)が挙げられる。ゲルには、シリコーンゲル(Trio社製)、及びOsto Paste(Stoma-Tech社製)が含まれるが、これらに限定されない。さらに、いくつかの実施形態では、ペースト/ゲルの成分は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、Thixcin(登録商標)、ゼラチン、及びペクチンを含むことができるが、これらに限定されない。
【0160】
オストミーウェハの特性
本開示のオストミーウェハは、様々な物理的特性を有する。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるオストミーウェハの様々な領域又はセグメントは、様々な物理的特性を有する。さらに、本明細書に開示されたオストミーウェハ、及びその一部は、様々なレオロジー特性を有していてもよい。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されたオストミーウェハのレオロジー特性は、本明細書に記載された層、構造、又は特徴のいずれか1つによって支持又は強化されてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、本明細書に開示されたオストミーウェハの層、構造、又は特徴は、構造的な剛性を提供することによりウェハの境界条件を確立する。
【0161】
本開示で企図されるウェハの総直径は、約200mmまでの範囲であり、本明細書で開示されるオストミーウェハの高さは、約3mmから約30mmの範囲である。いくつかの実施形態では、本明細書で開示されるオストミーウェハは、平均サイズが直径約10mmから約100mmの範囲である。本明細書に開示されるオストミーウェハは、少なくともいくつかの実施形態において、粘性のある内部流体の流れを指示するように機能するようにしてもよい。本開示のオストミーウェハは、約0.28×10-3Pa・s-1と低い動的流体粘度、及び約1×108Pa・s-1と高い動的流体粘度の使用を容易にしてもよい。
【0162】
本明細書に開示されるオストミーウェハの全高は、少なくともいくつかの実施形態では、約5mm以上、約10mm以上、又は約20mm以上である。さらに、いくつかの実施形態では、ウェハは、約3mmから約30mmの総高さを有してもよい。さらに、いくつかの実施形態では、ウェハは、約50mm以下の高さを有してもよい。さらに、いくつかの実施形態では、ウェハの外径は、約5mmから約150mmの範囲であってもよい。さらに、いくつかの実施形態では、外径は、約10mmから約10mmの範囲であってもよい。さらに、いくつかの実施形態では、外径は、約20mmから約200mmの範囲であってもよい。さらに、いくつかの実施形態では、外径は、約100mmから約200mmの範囲であってもよい。最後に、いくつかの実施形態では、200mmよりも大きい外径を有するウェハが特に好ましい場合がある。
【0163】
本開示のオストミーウェハ、又はその一部は、少なくともいくつかの実施形態において、約0.1N/mmから約300N/mmの範囲の剛性を有してもよい。さらに、いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるウェハは、約0.15N/mmから約200N/mmの範囲の剛性を有してもよい。最後に、いくつかの実施形態では、本明細書に開示されたウェハは、約0.5N/mmから約150N/mmの範囲の剛性を有してもよい。
【0164】
本開示のオストミーウェハ又はその一部は、対象者の皮膚の空隙(例えば、しわ、ひだ又はポケット)を確実に充填及び/又は密封してもよい。いくつかの実施形態では、各空隙は、約0.01mm3、約0.02mm3、約0.05mm3、又は約0.1mm3よりも大きくてもよい。他の実施形態では、各空隙は、約0.02mm3よりも大きくてもよい。
【0165】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されたオストミーウェハ及びその一部は、約0.1N・cm-2から約20N・cm-2の引張強度を有する少なくとも1つの材料を含む。さらに、いくつかの実施形態では、本明細書に開示されたオストミーウェハ及びその一部は、約0.5N・cm-2から約15N・cm-2の引張強度を有する少なくとも1つの材料を含む。さらに、いくつかの実施形態では、本明細書に開示されたオストミーウェハ、及びその一部は、約1N・cm-2から約10N・cm-2の引張強度を有する少なくとも1つの材料を含む。
【0166】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されたオストミーウェハ及びその一部は、最大100%の最大伸長特性を有する。さらに、いくつかの実施形態では、本明細書に開示されたオストミーウェハ及びその一部は、最大200%の最大伸長特性を有する。さらに、いくつかの実施形態では、本明細書に開示されたオストミーウェハ及びその一部は、最大300%の最大伸長特性を有する。さらに、いくつかの実施形態では、本明細書に開示されたオストミーウェハ及びその一部は、最大400%の最大伸長特性を有する。さらに、いくつかの実施形態では、本明細書に開示されたオストミーウェハ及びその一部は、最大500%の最大伸長特性を有する。さらに、いくつかの実施形態では、本明細書に開示されたオストミーウェハ及びその一部は、最大800%の最大伸長特性を有する。さらに、いくつかの実施形態では、本明細書に開示されたオストミーウェハ及びその一部は、最大1000%の最大伸長特性を有する。
【0167】
いくつかの実施形態では、本開示のオストミー装置の凸部層は、テーパ状又は階段状の形状を有してもよい。さらに、いくつかの実施形態では、凸部層は、円筒形状又は円筒特性を有してもよい。さらに他の実施形態では、凸部層は、面一又は陥凹型ストーマ内に配置される近位端又は近位開口部と、ストーマから離れて延び、ストーマの外側に配置される遠位端又は遠位開口部とを有してもよい。凸部層は、少なくともいくつかの実施形態において、約30mm、約40mm、約45mm、約50mm、約55mm、又は約60mmの閾値厚さを有してもよい。一実施形態では、閾値厚さは、約45mmであってもよい。凸部層の壁の厚さは、遠位端又は遠位開口部での壁の厚さと比較して、近位端又は近位開口部で大きくてもよい。遠位:近位の比率は、1:1(例えば、シリンダー形状)から1:0.01(例えば、テーパ形状)までの範囲であってもよい。このように、凸部層の遠位端又は遠位開口部は、個人の固有の輪郭に容易に適合するようなサイズであればよい。
【0168】
図2に示すように、本明細書に開示するオストミーウェハの凸部層(例えば、層220)は、少なくともいくつかの実施形態において、回腸の基部又はストーマの周囲に効果的なシールを提供するために、テーパ状であればよい。(底部/近位端に向かう凸部層の厚さと比較して)上部/遠位端に向かう凸部層の厚さが小さいため、凸部層は、改善された可鍛性を有してもよく、これにより各個人の固有の特性への適合性が高められる。さらに、いくつかの実施形態では、ストーマのテーパにより、単一の製造輪郭から多くの異なるストーマのサイズに締まりばめを可能としてもよい。所定の適用力に対して、テーパは、オストミーウェハ材料が受ける応力、及びオストミーウェハによってストーマを囲む組織に作用する圧力を増加させる。この結果、オストミーウェハは、より容易にユーザに適合し、反転したストーマ又は平面ストーマの突出を改善することができる。これは、衰弱した患者にとって特に有用である。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されたオストミーウェハは、約0.1N、約0.2N、約0.5N、又は約1Nという低い力の適用で変形を開始するようにしてもよい。
【0169】
接着剤
本開示の例示的なオストミーウェハは一般に、接着剤又は接着層を含む。本明細書で使用される場合、用語「接着剤」は、オストミーウェハのオストメイトへの付着を促進するため、及び/又は、排出物の望ましくない漏出に抵抗するためにオストミーウェハとオストメイトとの間のシールを促進するために使用可能な層、布地、ストリップ、積層体、バリア、ゲル、ペースト、ヒドロコロイド、接着剤などを指す。接着剤は、少なくともいくつかの実施形態において、オストミーウェハとストーマ/オストメイトとの間のシールを促進するシール物質を含んでいてもよい。しかしながら、いくつかの実施形態では、オストミーウェハに接着剤を含めることは必要ではない。いくつかの実施形態では、本開示によって企図されるキット及び/又は方法は、接着剤を含むか、又は接着剤の使用を含み、接着剤(例えば、接着剤ペースト)は、オストミーウェハの使用においてストーマとオストミーウェハとの間の隙間を効果的に排除するために、オストミーウェハに適用してもよい。
【0170】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されたオストミーウェハ及び方法の凸部層は、オストミーウェハをオストメイトに固定及び/又は密封するための追加の手段を提供するために、凸部層を面一又は陥凹型ストーマの皮膚に付着させるストーマ接着剤を含んでいてもよい。さらに、他の実施形態では、遠位開口部の幅は、近位開口部の幅よりも大きくてもよい。そのような実施形態では、遠位開口部と近位開口部との間の幅の相違は、(例えば、ストーマに配置するための近位開口部のより大きな開口サイズに起因する)特定の患者へのウェハの適用を容易にし、視覚障害又は器用さに障害のある患者にとって特に有効であるかもしれない。
【0171】
接着剤はまた、オストミーパウチのオストミーウェハへの接着を促進するために使用してもよい。本明細書に開示された接着剤は、様々な皮膚の状態に対する接着を提供するとともに、患者に対する安心感及び快適性を提供することができる。いくつかの実施形態では、スキンバリアが湿った/乾いた皮膚に確実に接着するために、ハイドロコロイドを使用してもよい。さらに、いくつかの実施形態では、例えば、バリア、シール、ストリップ、ラミネート、又はファブリックなどの接着剤は、使用前に除去するように設計された剥離ライナーを含んでいてもよい。しかし、他の実施形態では、接着剤は剥離ライナーを含まなくてもよい。そのような実施形態では、接着剤の接着性は、接着剤が液体、ゲル、排出物、皮膚、熱、又はそれらの組み合わせと接触するときにのみあればよい。
【0172】
接着剤は、熱及び/又は廃液との接触によって活性化及び/又は促進される接着性、シール性、又は成形性を有していてもよい。非限定的な例として、接着剤のシール材料には、Eakin Cohesive Seal(ConvaTec社製)、Brava Mouldable Rings(Coloplast社製)、Dansac Seal(Dansac社製)、Adapt Barrier Rings(Hollister社製)、SecuPlast Mouldable Seal(Salts社製)、及びSiltac(Trio社製)が含まれる。本開示によって企図されるシーリングペーストには、ストーマヘシブペースト(ConvaTec社製)、Adapt Paste(Hollister社製)、Brava Paste(Coloplast社製)、Securiti-T Stoma Paste(Genairex社製)、MicroHesive Stoma Paste(Cymed社製)、及びOsto Stoma Paste(Montreal Osto社製)が含まれるが、これらに限定されない。非限定的な例として、本明細書で企図されているゲルシーラントには、Silicone Gel(Trio社製)及びOsto Paste(Stoma-Tech社製)が含まれる。接着剤の他の成分には、少なくともいくつかの実施形態において、ポリイソブチレン、ゼラチン、ペクチン、チクシン、カルボキシメチルセルロースナトリウム(Sodium CMC社製)、及びヒドロキシエチルセルロースが含まれ得るが、これらに限定されない。
【0173】
例示的な実施形態では、本明細書に開示されるオストミーウェハは、スキンバリアとストーマとの間の適合性を改善するConvaTec Moldable adhesive Technology(CMT)を含んでいてもよい。一例として、CMTで使用されるDurahesive技術は、苛性排出物から皮膚を保護するのに役立つ可能性がある。Durahesive技術は、ストーマ技術で使用される成分を異なる比率で組み合わせて、吸湿性のある接着剤を製造する。いくつかの実施形態では、凸型ウェハにDurahesive技術を含めることで、周囲の皮膚に優しく、(高い凝集力により)簡単に一体型の取り外しができるようになる可能性がある。Durahesiveポリマーは、弾性マトリックス内で膨潤し、ストーマ部位の周囲にシールを形成することができる。Durahesive Polymersは、ストーマの周りのシールを改善するために、液体排出物との接触に反応して膨潤又は「タートルネック」となることがある。このようなポリマーを使用した場合、ストーマ周辺の膨張及び収縮により、着用期間中にぴったりとした安全な状態を維持するバリアを提供することができる。ストーマの周囲に良好なシールを確保することで、排出物がスキンバリアの下に漏れるリスクを最小限に抑え、そのような漏れを低減することで、ストーマ周囲皮膚での合併症の発生を防ぐことができる。
【0174】
本明細書に開示されたオストミーウェハ及びその構成要素は、例えば、ストーマヘシブ/デュラヘシブ、トリラミネート及びストーマヘシブシールなどの様々な接着剤から選択された接着剤を含んでいてもよい。接着剤の配合は、少なくともいくつかの実施形態では、ユーザに所望の属性(例えば、快適性、柔軟性、サイズ、通気性など)を提供するために変更してもよい。接着剤の弾性を改善するために、添加剤(例えば、スチレン-イソプレン-スチレン(SIS)ゴム、イソブチレン)を利用してもよい。いくつかの実施形態では、しなやかさと取付性を向上させるために、オイルを添加してもよい。
【0175】
本明細書に開示される接着剤は、粘膜接着剤を含んでもよい。粘膜接着剤は、他の条件の中でも、湿潤状態で十分な接着力を維持するのに特に有用である。いくつかの実施形態では、本開示の粘膜接着剤は、皮膚及びストーマへの接着を提供するように選択された官能基を有するポリマーを含む。一例では、官能基は、チオール、酸及びその塩、イミノチオラン、チオアルキルアミジン、カテコール、アミノ酸、ジヒドロキシ置換された芳香族基、及びそれらの組み合わせからなるグループから選択される。さらに、一例では、ポリマーは、ポリアクリレート、ポリアキルメタクリレート、ポリフェニルメタクリレート、ポリアンハイドライド、スチレン系ブロックコポリマー、ポリアミド、ポリエステル、ポリビニルエーテル、ポリビニルエステルからなるグループから選択される天然又は合成ポリマーから作られた、ポリビニルエステル、スルホン化ポリマー、ポリオレフィン、シリコーン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアセテート及びその共重合体、ポリビニルアルコール、ポリウレタン、ポリエーテル、無水マレイン酸の共重合体、多糖類、ポリペプチド、ゼラチン、アルギン酸塩、ガム、デンプン、キトサン、ペクチン、及びこれらの組み合わせなどの生体適合性ポリマーである。さらに、いくつかの実施形態では、粘膜接着剤は、疎水性ポリマー、親水性ポリマー、両親媒性ポリマー、粘着剤、樹脂、可塑剤、ハイドロコロイド、無機及び有機の粒子状充填剤、酸化防止剤、安定剤、有機及び無機の顔料、潤滑性添加剤、及びこれらの組み合わせなどの他の成分を含んでもよい。
【0176】
接着剤は、少なくともいくつかの実施形態において、ポリジメチルシロキサンの1以上の両親媒性共重合体を有する感圧接着剤を含んでもよい。そのような実施形態では、コポリマーは、ポリジメチルシロキサン又はポリメチルハイドロジェンシロキサンマクロイニシエーターと、少なくとも1つの反応性親水性又は両親媒性モノマー、オリゴマー、マクロメア、又はそれらの組み合わせを使用して調製されてもよい。いくつかの実施形態では、反応性親水性又は両親媒性モノマーは、N-ビニルカプロラクタム、ビニルエステル、ビニルエーテル、不飽和酸又は無水物及びそれらの塩、アクリレート、メタクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、N-アルキルアクリルアミド、シアネートエステル、ヒドロキシ-アルキルアクリルアミド、グリシジルエステル、グリシジルエーテル、アリルモノマー、及びそれらの組み合わせからなるグループから選択してもよい。
【0177】
オストミー装置
本開示のオストミー装置は、オストミーポーチと、本明細書に開示されたオストミーウェハのいずれか1つを含む。いくつかの実施形態では、オストミー装置は、オストミーパウチ及び/又はオストミーウェハと相互作用し、その使用時にオストミーパウチ及びオストミーウェハを動作可能に結合するように構成された1又は複数の結合構成要素(例えば、
図3及び
図4に示される構成要素302、402)を含んでもよい。
【0178】
本開示のオストミーウェハは、オストミーウェハをオストミーパウチに結合又は付着させるための1又は複数の結合構成要素を含んでもよい。結合構成要素(複数可)は、本明細書に開示される任意のオストミーウェハに取り付けられてもよい。 いくつかの実施形態では、結合構成要素(複数可)は、オストミーウェハ又はその任意の層に含まれてもよい。いずれにしても、結合構成要素(複数可)は、オストミーウェハ及び/又はオストミーパウチに塗布、結合、又はその他の方法で組み込まれた接着層による接着、又は1以上の追加の構成要素との相互作用によって、オストミーウェハをオストミーパウチに機械的に接続するように適合されている。勿論、他の実施形態では、オストミーウェハは、カップリングコンポーネント(複数可)を含まなくてもよい。そのような実施形態では、オストミーウェハは、パウチに直接接触してもよいし、パウチの結合特徴部に接触してもよい。
【0179】
いくつかの実施形態では、結合部材は、実質的にオストミーウェハ全体とオストミーパウチの入口開口部との間の相対的な変位を可能にする、オストミーウェハとオストミーパウチとの間の制限動作接続部を含み、具現化し、又は他の方法で提供してもよい。このような実施形態では、制限動作接続部は、制限された動作の軌跡に沿ってウェハとパウチとの間の相対的な変位を案内するようにしてもよい。より具体的には、いくつかの実施形態において、制限動作接続部は、操作位置とアクセス位置との間の、パウチに対するウェハの相対的な移動(又はその逆)を案内するようにしてもよい。操作位置では、オストミーウェハは、オストミーパウチの入口開口部の周りに重ねてもよい。さらに、操作位置において、オストミーウェハの適応可能な領域は、体に面していない側のオストミーパウチによって覆い隠されてもよく、ウェハ及びパウチは、固定結合を用いて互いに固定されてもよい。アクセス位置では、非身体に面した側から適応可能な領域へのアクセスが提供される。
【0180】
本明細書で企図されている結合構成要素は、オストミーウェハとオストミーパウチの間の整列又は動作位置への移動を案内し、例えば、高齢者、不器用な人、又は視覚障害者などの一部のユーザの使用を容易にするようにしてもよい。同時に、制限動作接続部は、上述のように、入口開口部に対するオストミーウェハ全体の実質的な相対的変位を可能にし、それによって、少なくともいくつかの実施形態では、ユーザのストーマのサイズ及び/又は形状に対するオストミーウェハの適合を容易にすることができる。いくつかの実施形態では、制限された運動接続は、制限された運動軌跡を規定する関節リンクを含んでいてもよい。
【0181】
いくつかの実施形態では、オストミー装置は、アクセスを強化し、例えば、完全に又は部分的に取り外しできないように固定したオストミーウェハなどの複雑化を回避するために、一体型コンポーネントとして設けてもよい。オストミーウェハは、(オストミーパウチに取り外しできないように固定してもよい)結合要素を介して、直接又は間接的にオストミーパウチに取り外しできないように固定してもよい。本開示の目的のために、用語「取り外しできないように固定した」(又は同様のフレーズ)は、ピースが、追加の装置なしに再取り付けを複雑にする破損又は損傷をもたらすような十分な力で取り付けられてもよいことを意味する。勿論、オストミーパウチの入口開口部に対してオストミーウェハを変位させる能力が、オストミーパウチへのオストミーウェハの適合を(例えば、ストーム開口部を形成、切断、又は成形することによって、又はストーム開口部で別個のシール部材を装着及び/又は成形することにより)容易にすることができるようにしてもよいことが本開示の教示から明らかになるはずである。
【0182】
いくつかの実施形態では、オストミー装置は、ツーピースオストミー装置であってもよい。ツーピース装置の構成要素は、ストーマのサイズ及び/又は形状にオストミーウェハを容易に適合させるために、オストミーウェハへのアクセスを著しく低下させることがないように向きを調整してもよい。さらに、構成要素は、身体適合構成要素に対して他の構成要素を動作位置に固定する前に、身体適合構成要素を身体に配置する能力を損なうことなく、互いに相対的に配置してもよい。いくつかの実施形態では、制限動作接続部及び結合構成要素(複数可)は、解放可能な結合部分を含んでもよい。
【0183】
使用方法
本明細書に開示される装置(オストミーウェハ及びオストミー装置)は、面一又は陥凹型ストーマの管理に特に有効であるが、本明細書に開示される装置は、突出ストーマにも使用することができる。一般に、突出ストーマは、内部組織(例えば、回腸)が周囲の外皮の表面を超えて外科的開口部から突出していることを特徴とする。平面ストーマは、突出した内部組織を有するものとして記述されることがあるが、突出した内部組織の遠位端が周囲の外皮及び/又は外皮周囲の皮膚と同じ高さになるように、突出した組織は周囲の皮膚に囲まれており、一般にはストーマ周囲皮膚を超えて突出しないものである。陥凹型ストーマは、突出した内部組織がないことを特徴としてもよい。陥凹型ストーマの場合、内部組織は、ストーマの周囲又はストーマを囲む皮膚を超えては突出しない。
【0184】
本明細書に開示される装置は、少なくともいくつかの実施形態において、胃腸ストーマでの使用に適している。さらに、いくつかの実施形態では、本明細書に開示される装置は、食道切開、胃瘻、胆嚢切開、胆管切開、盲腸切開、結腸切開、十二指腸切開、回腸切開、空腸切開、虫垂切開、気管切開、泌尿器切開、腎切開、尿管切開、又は膀胱切開によって作成されたストーマの管理に使用してもよい。さらに、いくつかの実施形態では、本明細書に開示される装置は、シャント、カテーテル、プラグ、又は便管理システムを含むがこれらに限定されない追加の装置と共に使用するようにしてもよい。
【0185】
面一ストーマの場合、本明細書に開示されるオストミーウェハ(例えば、その凸部層)は、内部組織が凸部層の開口部を通過するように、ストーマ内に又はストーマに対して押し込まれてもよい。それらの実施形態では、凸部層の開口部は内部組織を取り囲んでいてもよく、ストーマ周囲皮膚は少なくとも部分的に凸部層を取り囲んでいるか又は埋没している。
【0186】
陥凹型ストーマの場合、本明細書に開示されたオストミーウェハの凸部層は、凸部層の開口部がいかなる内部組織をも取り囲むことなく、少なくとも部分的にストーマ周囲皮膚に取り囲まれるか、又は埋没するように、ストーマに押し込まれるか、又はストーマに押し付けられてもよい。そのような位置決めは、少なくともいくつかの実施形態において、患者の腹部の隙間/輪郭へのオストミーウェハ(例えば、凸部層)の圧縮を引き起こすための反発の態様を提供する。
【0187】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるオストミーウェハは、体への接触面を有する外部層と、外部層に接触又は連通する凸部層とを含み、面一ストーマ又は陥凹型ストーマに配置されるサイズである。外部層及び凸部層は、オストミーウェハの使用時に排出物が流れる同心円状の開口部を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるオストミーウェハは、「層状接着剤ウェハ」として具体化するか、又はその他の方法で含めるようにしてもいい。本明細書に開示される層状接着剤ウェハの成形可能な凸部層は、凸部円板の他の構成よりも柔らかくてもよい。外部層の身体接触面は、オストミーウェハを個人又はオストメイトに固定するために、面一ストーマ又は陥凹型ストーマの周り及び/又はストーマ周辺皮膚及び/又は隣接する部分に外部層を付着させる皮膚接着剤を含んでいてもよい。
【0188】
本開示のオストミーウェハは、上述のように、面一又は陥凹型ストーマを管理するために、オストミーポーチと組み合わせて使用してもよい。いくつかの実施形態では、オストミーウェハは、ストーマ溝を少なくとも部分的に充填するプラグと一緒に使用してもよい。さらに、いくつかの実施形態では、オストミーウェハは、オストメイトへのオストミーウェハの付着を促進する接着物質とともに使用してもよい。本明細書に開示するオストミーウェハは、少なくともいくつかの実施形態において、オストミーウェハを成形するための熱、及び/又は、追加の接着剤の付着性を促進するための熱とともに使用してもよい。一例では、熱の少なくとも一部は、ユーザ/オストメイトによって生成される体温であってもよい。別の例では、熱の少なくとも一部は、外部から提供された熱であってもよい。
【0189】
キット
本開示は、本明細書に開示されたオストミーウェハのいずれか1つを含むキットを企図している。加えて、キットは、例えば、オストミーパウチ、接着シール、接着バリア、接着ストリップ、接着布、接着ペースト、及びそれらの組み合わせなどの1以上の構成要素を含んでもよい。いくつかの実施形態では、キットは、Adapt Paste(Hollister社製)、Brava Paste(Coloplast社製)、Securiti-T Stoma Paste(Genairex社製)、MicroHesive Stoma Paste(Cymed社製)、及びOsto Stoma Paste(Montreal Osto社製)から選択される接着剤を含んでいてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、キットは、例えば、Silicone Gel(Trio社製)又はOsto Paste(Stoma-Tech社製)などのゲルを含んでいてもよい。
【実施例】
【0190】
本明細書に記載されている例及び実施形態は、例示を目的としたものであり、特許請求の範囲を限定することを意図したものではない。当業者に明らかな様々な修正又は変更が、本願の精神及び範囲並びに添付の特許請求の範囲内にあることを理解すべきである。
【0191】
実施例1:凸型オストミーウェハの適用
凹型ストーマを有するオストメイトは、オストミーウェハを適用する前に、自分の手及びストーマを囲む皮膚が清潔であり、乾燥しており、いかなる溶剤又は油性物質もないことを確実にする。オストミーウェハは、外部層と、漏斗状のスキンバリアと表現されることもある凸部層とを有する(例えば、
図4に示す凸部層420参照)。搬送層/スキンバリアは、オストミーウェハを適合(例えば、切断、引き裂くなど)させるためにハサミを必要とすることなく、スキンバリアがストーマ開口部(すなわち、その形状及びサイズ)に成形できるように、成形可能な接着剤で形成されている。
【0192】
第1剥離ライナーを、スキンバリアから取り外し、スキンバリアの開口部を、ストーマの中央に配置する。次いで、スキンバリアを、バリアが環境に適応/成形することを可能にしながら、30秒間、ストーマの周囲の皮膚に接触させる。腹部に圧迫させると、成形可能な接着剤がオストメイトの輪郭に適合して、ストーマの周りに効果的で快適なシールが提供される。そして、第2剥離ライナーを外部層の体に面した側から取り除き、皮膚接着剤を露出させる。その後、外部層の体側の面もストーマを囲む皮膚に押し付けて、オストミーウェハをさらにオストメイトに固定する。オストミーウェハは、さらにオストミーパウチに連結される連結部材を含む。使用後、オストミーウェハは、体から静かに剥がされる。残留物は、転がして剥がすか、Sensi-Care又はNiltac Sting Free Adhesive Removerを使って皮膚から取り除くことができる。
【0193】
実施例2:間隙又は溝へのオストミーウェハの接触
(例えば、ストーマの入口が、相対的に皮膚のしわやひだの中に埋没している)面一ストーマを有するオストメイトは、オストミーウェハを貼る前に、自分の手とストーマの周囲の皮膚が清潔で乾燥しており、溶剤や油性物質がないことを確認する。オストミーウェハは、外部層と、成形可能な接着剤からなるスキンバリアである凸部層とを有する。オストミーウェハは、オストミーウェハに少なくとも1つの間隙又は溝を有する。
【0194】
オストメイトは、スキンバリアを折り曲げたり、屈曲させたりして、オストミーウェハを変形させることにより、オストメイトの皮膚のポケット又はしわの中に、又はオストメイトの皮膚のしわの中に受容する大きさの尖った領域又はテント状の領域が画定される。任意で、オストメイトは、必要に応じて他の人の助けを借りて、オストミーウェハを接触させる準備のために、ストーマを埋没させたり隠したりしている皮膚をストーマから押したり持ち上げたりして、ストーマにアクセスすることができる。次に、オストメイト又は他の対象者は、テーパ状又はテント状の領域を露出したストーマに接触させ、オストミーウェハをストーマに適合させるためにハサミを使用することなく、スキンバリアをストーマの開口部に(すなわち、その形状及びサイズに)成形する。
【0195】
第1離型ライナーを、スキンバリアから取り外す。続いて、スキンバリアの開口部を、ストーマの中央に配置する。次いで、スキンバリアを、バリアが環境に適応/成形されるようにしながら、30秒間、ストーマの周囲の皮膚に接触させる。腹部に圧迫されると、成形可能な接着剤がオストメイトの輪郭に適合して、ストーマの周りに効果的で快適なシールが提供される。第2剥離ライナーを、外部層の体側に対向する面から剥がし、皮膚接着剤を露出させる。その後、外部層の体側に対向する面をストーマの周囲の皮膚に押し付けて、オストミーウェハをオストメイトにさらに固定する。オストミーウェハには、さらにオストミーパウチに接続される結合部材が含まれている。埋没したストーマから押し出された皮膚を、オストミーウェハに裁置する。使用後、オストミーウェハを体から静かに剥がす。残留物は、転がして剥がすか、Sensi-Care又はNiltac Sting Free Adhesive Removerを使って皮膚から取り除くことができる。
【0196】
実施例3:隆起部へのオストミーウェハの接触
凹型又は面一ストーマ(例えば、ストーマから皮膚を移動させずにアクセス可能なストーマ)を有するオストメイトは、ウエストラインと平行にストーマの両側にある周囲の皮膚及び周囲の皮膚にしわがある。オストメイトは、オストミーウェハを装着する前に、手とストーマ周囲の皮膚が清潔で乾燥しており、溶剤や油性物質がないことを確認する。オストミーウェハは、外部層と、成形可能な接着剤で作られた漏斗状のスキンバリアを含む凸部層とを有する。また、凸部層は、スキンバリアよりも高い剛性を有する双子の隆起部(例えば、
図7に示す隆起部710参照)を有する。
【0197】
スキンバリアは、オストミーウェハをストーマに適合させるために、ハサミを使用せずにストーマの開口部(すなわち、その形状及びサイズ)に成形される。第1剥離ライナーは、スキンバリアから取り外される。スキンバリアの開口部は、ストーマの中央に位置し、隆起部は、皮膚のしわと一致する。スキンバリアをストーマ周辺の皮膚に30秒間当て、バリアが環境に適応して成形されるようにし、隆起部が皮膚のしわを埋めるようにする。腹部に圧迫させると、成形可能な接着剤がオストメイトの輪郭に適合して、ストーマの周りに効果的で快適なシールが提供される。第2剥離ライナーは、外部層の体側に対向する面から取り除かれ、皮膚接着剤が現れる。そして、外部層の体側に対向する面をストーマの周囲の皮膚に押し付けて、オストミーウェハをオストメイトにさらに固定する。オストミーウェハは、さらにオストミーパウチに連結される連結部材を含む。使用後、オストミーウェハを、体から静かに剥がす。残留物は、転がして剥がすか、Sensi-Care又はNiltac Sting Free Adhesive Removerを使って皮膚から取り除くことができる。
【0198】
実施例4:ストーマ溝内蔵構造のオストミーウェハの接触
突出ストーマを有するオストメイトは、オストミーウェハを接触させる前に、自分の手及びストーマを囲む皮膚が清潔で、乾燥しており、溶媒又は油性物質がないことを確認する。オストミーウェハは、外部層と、成形可能な接着剤からなるスキンバリアを含む凸部層とを有する。凸部層は、部分的に成形可能な接着剤で形成されたストーマ溝を有する。ストーマ溝には、使用時にオストメイトに向けられる角度のついたフィンが並んでいる。角度のついたフィンは、成形可能な接着剤と同様の材料で作られており、成形可能な接着剤よりも剛性が高く、凸部層の成形中に少なくとも部分的にその構造を保持することができる。
【0199】
スキンバリアは、オストミーウェハをストーマに適合させるために、ハサミを使用せずにストーマの開口部(すなわち、その形状及び大きさ)に成形する。第1剥離ライナーを、スキンバリアから取り外す。スキンバリアの開口部を、ストーマの中央に配置する。スキンバリアをストーマ周辺の皮膚に30秒間当てて、バリアを環境に適応させる。腹部に圧迫すると、成形可能な接着剤がオストメイトの輪郭に適合して、ストーマの周りに効果的で快適なシールが提供される。第2剥離ライナーを、外部層の体側に対向する面から剥がし、皮膚接着剤を露出させる。そして、外部層の体側に対向する面をストーマの周囲の皮膚に押し付けて、オストミーウェハをオストメイトにさらに固定する。オストミーウェハは、さらに、ストミーパウチに連結される連結部材を含む。オストメイトは、できあがったオストミー器具を少し引っ張って、角度のついたフィンを介して、ストーマ溝が突出したストーマに確実に固定されるようにする。使用後、オストミーウェハを体から静かに剥がす。残留物は、転がして剥がすか、Sensi-Care又はNiltac Sting Free Adhesive Removerを使って皮膚から取り除くことができる。
【0200】
実施例5:セグメントを有するオストミーウェハの接触
近傍にヘルニアがあるストーマを有するオストメイトは、オストミーウェハを接触させる前に、自分の手及びストーマを囲む皮膚が清潔で、乾燥しており、溶媒又は油性物質がないことを確認する。オストミーウェハは、外部層と、成形可能な接着剤からなるスキンバリアを含む凸部層とを有する。オストミーウェハは、複数の隙間を有する(例えば、
図6に示す隙間610参照)。
【0201】
オストメイトは、近傍のヘルニアを収容し、特定の場所でオストミーウェハを変形させるために、複数の間隙にスキンバリアを折り曲げる。スキンバリアは、オストミーシステムを適合させるためにハサミを使用することなく、ヘルニアと同様にストーマの開口部(すなわち、その形状及びサイズ)に合わせて成形する。第1剥離ライナーを、スキンバリアから取り外す。スキンバリアの開口部を、ストーマの中央に配置する。スキンバリアをストーマの周りの皮膚に30秒間当て、バリアを環境に適応させる。腹部に圧迫すると、成形可能な接着剤がオストメイトの輪郭に適合して、ストーマの周りに効果的で快適なシールが提供される。第2剥離ライナーを、外部層の体側に対向する面から剥がし、皮膚接着剤を露出させる。そして、外部層の体側に対向する面をストーマの周囲の皮膚に押し付けて、オストミーウェハをオストメイトにさらに固定する。オストミーウェハは、さらにオストミーパウチに連結される連結部材を備える。使用後、オストミーウェハを体から静かに剥がす。残留物は、転がして剥がすか、Sensi-Care又はNiltac Sting Free Adhesive Removerを使って皮膚から取り除くことができる。
【0202】
実施例6: フィット感と寸法の最適化
本明細書に開示されるオストミーウェハは、各ユーザに適切にフィットさせることができる。適切なフィット感を確保するためには、腹部周りの適用範囲をテストすることが重要である。ユーザの快適さは、試験前に考慮され、評価されるべきである。快適性は、Inkテスト及び/又はFlexテスト(例えば、Zwick U.T.M.)で評価することができる。リークテストも重要である。最小限の漏れが望まれ、ISO 8670-2でテストすることができる。
【0203】
フレックステスト(TD-0409)
Zwick社の引張試験機と適切なロードセル(試験するサンプル用)を用意する。試験装置の支柱は、試験を行うウェハに対して適切なサイズに調整されている。ウェハを試験する前に、剥離ライナーを取り外し、サンプルを中央に配置する。フレックステストブレードを下降させ、0.1秒間、力を付与してウェハを8mm屈曲させる。
【0204】
本開示は、前述の図面及び説明において詳細に図示及び記載されているが、同じものは例示的なものであり、制限的な性格のものではないと考えられ、その例示的な実施形態のみが示され、記載されており、本開示の精神の範囲内に入る全ての変更及び修正が保護されることが望まれることが理解される。
【国際調査報告】