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特表2022-529521穴あきチャンバのオストミーウェハ、それを含むオストミー装置、及びオストミーウェハとオストミー装置の接着方法
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  • 特表-穴あきチャンバのオストミーウェハ、それを含むオストミー装置、及びオストミーウェハとオストミー装置の接着方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-22
(54)【発明の名称】穴あきチャンバのオストミーウェハ、それを含むオストミー装置、及びオストミーウェハとオストミー装置の接着方法
(51)【国際特許分類】
   A61F 5/443 20060101AFI20220615BHJP
【FI】
A61F5/443
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021563144
(86)(22)【出願日】2020-04-27
(85)【翻訳文提出日】2021-12-03
(86)【国際出願番号】 US2020030091
(87)【国際公開番号】W WO2020220026
(87)【国際公開日】2020-10-29
(31)【優先権主張番号】62/838,899
(32)【優先日】2019-04-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】509146126
【氏名又は名称】コンバテック・テクノロジーズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CONVATEC TECHNOLOGIES INC
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【弁理士】
【氏名又は名称】前堀 義之
(72)【発明者】
【氏名】ドノバン,エミリー
(72)【発明者】
【氏名】ストーリー,ギャリー
(72)【発明者】
【氏名】ボネフィン,ウェイン
(72)【発明者】
【氏名】ウッドワード,ロクサーナ
(72)【発明者】
【氏名】デズモンド,スティーブン
(72)【発明者】
【氏名】プライス,リサ
(72)【発明者】
【氏名】ウィルソン,クライブ
(72)【発明者】
【氏名】グローバー,ジェイムズ
【テーマコード(参考)】
4C098
【Fターム(参考)】
4C098AA09
4C098CC24
4C098CC39
4C098CE14
(57)【要約】
オストミーウェハ、オストミーウェハを組み込んだオストミー装置、及びオストミーウェハとオストミー装置を適用する方法が本明細書に開示されている。オストミーウェハは、外部層と、外部層に結合された凸部層とを含んでもよい。オストミー装置は、オストミーパウチと、外部層及び外部層に結合された凸部層を含む、オストミーパウチに結合されたオストミーウェハとを含んでもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
排水を通過させることができ、軸方向に延びるストーマ溝を有する外部層と、
前記ストーマ溝が貫通するように前記外部層に結合され、前記ストーマ溝から半径方向に間隔を空けて配置された複数の穿孔、及び前記複数の穿孔と流体連通し、前記ストーマ溝から半径方向に間隔を空けて配置された少なくとも1つのチャンバを含むように形成された凸部層と、
を備え、
前記外部層は、前記少なくとも1つのチャンバを少なくとも部分的に閉鎖して、前記少なくとも1つのチャンバに貯蔵されて使用する対象物に結合させるために、前記複数の穿孔を介して分配されるように粘性媒体を閉じ込める、オストミーウェハ。
【請求項2】
前記外部層は、環状基部と、前記環状基部から軸方向外側に延びる台座と、を含み、前記台座は、前記ストーマ溝を少なくとも部分的に画定する、請求項1に記載のオストミーウェハ。
【請求項3】
前記凸部層は、遠位隆起部と、前記遠位隆起部の反対側に配置される近位開口部と、を含み、前記台座が近位開口部と遠位隆起部との間に延びるように前記外部層に結合される、請求項2に記載のオストミーウェハ。
【請求項4】
前記遠位隆起部は、前記環状基部に接触し、前記少なくとも1つのチャンバを閉鎖する、請求項3に記載のオストミーウェハ。
【請求項5】
前記近位開口部での前記凸部層の厚さは、前記遠位隆起部での前記凸部層の厚さよりも大きい、請求項3に記載のオストミーウェハ。
【請求項6】
前記近位開口部での前記凸部層の厚さは、前記遠位隆起部での前記凸部層の厚さよりも小さい、請求項3に記載のオストミーウェハ。
【請求項7】
前記近位開口部の幅は、前記遠位隆起部によって画定される遠位開口部の幅よりも小さい、請求項3に記載のオストミーウェハ。
【請求項8】
前記外部層及び前記凸部層の少なくとも一方は、対象物に接着するための接着剤を含む、請求項1に記載のオストミーウェハ。
【請求項9】
前記接着剤は、多層接着剤を含む、請求項8に記載のオストミーウェハ。
【請求項10】
前記外部層及び前記凸部層の少なくとも一方は、トリラム(SH/DH)を含む、請求項1に記載のオストミーウェハ。
【請求項11】
前記外部層及び前記凸部層の少なくとも一方は、親水コロイド接着剤を含む、請求項1に記載のオストミーウェハ。
【請求項12】
前記外部層及び前記凸部層の少なくとも一方は、対象物のストーマの形状に相補的に成形可能な接着剤を含む、請求項1に記載のオストミーウェハ。
【請求項13】
前記外部層及び前記凸部層の少なくとも一方は、Stomahesive(登録商標)シールを含む、請求項1に記載のオストミーウェハ。
【請求項14】
前記ストーマ溝は、前記ストーマ溝を画定するオストミーウェハの内面に配置される構造体を含み、前記構造体は、ストーマに向かって延び、前記ストーマに嵌合するように形成されている複数の角度付きフィンを含む、請求項1に記載のオストミーウェハ。
【請求項15】
前記ストーマ溝は、前記ストーマ溝を画定する前記オストミーウェハの内面に位置する構造体を含み、前記構造体は、前記対象物のストーマと嵌合するように形成されている、請求項1に記載のオストミーウェハ。
【請求項16】
前記凸部層は、前記オストミーウェハを通過する流出物の流れに平行で、0.5cm以上に亘って延びている、請求項1に記載のオストミーウェハ。
【請求項17】
連続した輪郭、段差のある輪郭、反転した輪郭、又はそれらの組み合わせを有する、請求項1に記載のオストミーウェハ。
【請求項18】
凸状の側面、凹状の側面、面取りされた側面、又はそれらの組み合わせを有する、請求項17に記載のオストミーウェハ。
【請求項19】
支柱、フィン、柱、タイ、及びそれらの組み合わせから選択される1又は複数の構造的特徴を有する、請求項18に記載のオストミーウェハ。
【請求項20】
前記対象物に対向する凸部層の外側を少なくとも部分的に覆う内部層をさらに備え、前記内部層は成形可能な接着材料を含む、請求項1に記載のオストミーウェハ。
【請求項21】
前記内部層は、前記対象物に結合するために粘性媒体が分配される複数の第2の穿孔を含む、請求項20に記載のオストミーウェハ。
【請求項22】
前記粘性媒体は、ゲル及びペーストから選択される、請求項1に記載のオストミーウェハ。
【請求項23】
前記粘性媒体は、親水コロイドを含む、請求項1に記載のオストミーウェハ。
【請求項24】
前記粘性媒体は、ウェハを対象物に接着させる接着剤溶液を含む、請求項1に記載のオストミーウェハ。
【請求項25】
オストミーパウチと、
前記オストミーパウチに結合されたオストミーウェハと、
を備え、
前記オストミーウェハは、
排水の通過を可能にするストーマ溝を含み、前記ストーマ溝が軸方向に延びる外部層と、
前記ストーマ溝が貫通するように前記外部層に結合され、前記ストーマ溝から半径方向に間隔をあけて配置された複数の穿孔、及び前記複数の穿孔と流体連通する少なくとも1つのチャンバを含むように形成されている凸部層と、
を備え、
前記外部層は、前記少なくとも1つのチャンバを少なくとも部分的に閉鎖して、前記少なくとも1つのチャンバに貯蔵されて前記オストミーウェハを使用する対象物に結合させるために、前記複数の穿孔を介して分配されるように粘性媒体を閉じ込める、オストミー装置。
【請求項26】
前記外部層は、環状基部と、ストーマ溝を少なくとも部分的に画定し、軸方向外側に延びる台座と、を含み、前記凸部層は、遠位隆起部と、前記遠位隆起部の反対側に配置される近位開口部と、を含み、前記台座は、近位開口部と遠位隆起部との間に延びるように、凸部層が外部層に結合されている、請求項25に記載のオストミー装置。
【請求項27】
前記外部層は、環状基部と、ストーマ溝を少なくとも部分的に画定する、軸方向外側に延びる台座と、を含み、前記凸部層は、遠位隆起部と、前記遠位隆起部に対向して配置された近位開口部と、を含み、前記遠位隆起部は、前記環状基部に接触して、少なくとも1つのチャンバを閉鎖する、請求項25に記載のオストミー装置。
【請求項28】
前記ストーマ溝は、前記ストーマ溝を画定するオストミーウェハの内部表面に配置された構造体を含み、前記構造体は、ストーマに向かって延び、対象物のストーマと嵌合するように形成された複数の角度付きフィンを含む、請求項25に記載のオストミー装置。
【請求項29】
前記ストーマ溝は、前記ストーマ溝を画定する前記オストミーウェハの内面に配置される構造体を含み、前記構造体は、前記対象物のストーマと嵌合するように形成されている、請求項25に記載のオストミー装置。
【請求項30】
前記オストミーウェハは、対象物に対向する凸部層の外側を少なくとも部分的に覆う内部層を含み、前記内部層は、成形可能な接着材料と、オストミーウェハを対象物に結合させるために粘性媒体を流通させることができる複数の第2の穿孔と、を含む、請求項25に記載のオストミー装置。
【請求項31】
前記凸部層は、遠位隆起部と、前記遠位隆起部の反対側に配置される近位開口部と、を含み、前記近位開口部での前記凸部層の厚さは、前記遠位隆起部での前記凸部層の厚さよりも大きい、請求項25に記載のオストミー装置。
【請求項32】
前記凸部層は、遠位隆起部と、前記遠位隆起部に対向して配置される近位開口部と、を含み、前記近位開口部での前記凸部層の厚さは、前記遠位隆起部での前記凸部層の厚さよりも小さい、請求項25に記載のオストミー装置。
【請求項33】
複数の穿孔を含むオストミーウェハの凸部層を、オストメイトのストーマに対して位置決めするステップと、
前記凸部層を、ストーマ及びストーマを囲むオストメイトの皮膚に押し付けるステップと、
前記凸部層を操作して、前記複数の穿孔を介して皮膚に粘性媒体を塗布するステップと、
前記凸部層を用いて前記ストーマの周囲にシールを形成するステップと、
前記凸部層をオストミーウェハの外部層に接触させるステップと、
前記外部層をオストメイトに固定するステップと、
を備える、オストメイトにオストミーウェハを適用する方法。
【請求項34】
前記凸部層を操作するステップは、粘性媒体で凸部層を皮膚に接着させるステップを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記凸部層を操作するステップは、前記凸部層に形成された少なくとも1つのチャンバに粘性媒体を追加し、追加した粘性媒体を、複数の穿孔を介して適用するステップを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
前記凸部層をストーマ及び皮膚に押し付けるステップは、ストーマの形状に合わせて凸部層を成形するステップを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項37】
前記凸部層をストーマ及び皮膚に押し付けるステップは、ストーマの周りにオストミーウェハのストーマ溝を配置するステップと、前記ストーマ溝を画定するオストミーウェハの内部表面に形成された複数の角度のあるフィンを用いてストーマ溝をストーマに固定するステップと、を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項38】
前記凸部層をストーマ及び皮膚に押し付けるステップは、ストーマの周りにオストミーウェハのストーマ溝を配置するステップと、前記ストーマ溝を画定するオストミーウェハの内部表面の内側に位置する複数の構造体を用いて前記ストーマ溝をストーマに固定するステップと、を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項39】
前記凸部層をストーマ及び皮膚に押し付けるステップは、前記凸部層を少なくとも部分的に覆うオストミーウェハの内部層とオストメイトを接触させるステップと、前記内部層をオストメイトに接着させるステップと、を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項40】
前記ストーマ及び皮膚に凸部層を押し付けるステップは、凸部層を少なくとも部分的に覆うオストミーウェハの内部層とオストメイトを接触させるステップを含み、前記凸部層を操作するステップは、前記内部層に形成された第2の複数の穿孔を介して皮膚に粘性媒体を適用するステップを含む、請求項33に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2019年4月25日に出願された「穴あきチャンバのオストミーウェハ」という名称の米国仮特許出願62/838899の優先権及びその利益を主張する。この仮出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本開示は、大略、オストミー装置に関し、より具体的には、患者への装着に適したオストミー装置に関する。
【背景技術】
【0003】
快適性及び安全性は、身体に開口部を形成するための外科的処置を受けた人(すなわち、オストメイト)にオストミー装置を取り付ける際の主要な関心事であるかもしれない。いくつかのオストミー装置に組み込まれ、結合され、あるいは他の方法でオストミー装置と一緒に使用されるように適合された装着機能は、希望するような快適性及び/又は適合性を欠く場合がある。したがって、これらの欠点に対処するオストミー装置は、依然として関心のある分野である。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、以下の特徴及びそれらの組み合わせの1又は複数を含んでもよい。
【0005】
本開示の一態様によれば、オストミーウェハは、外部層と、穴あき凸部層とを含んでもよい。外部層は、半径方向に対して垂直方向に延びるストーマ溝を含んでもよい。ストーマ溝は、穴あき凸部層を通って延びてもよい。外部層及び穴あき凸部層は、ストーマ溝の周囲及び穴あき凸部層内に、粘性媒体を収容するためのチャンバが形成されるように積層されてもよい。
【0006】
いくつかの実施形態では、穴あき凸部層は、遠位隆起部と、ストーマ溝を受容する近位開口部とを含んでもよい。
【0007】
いくつかの実施形態では、遠位隆起部は、外部層と接触してチャンバを形成してもよい。
【0008】
いくつかの実施形態では、近位開口部での穴あき凸部層の厚さは、遠位隆起部での凸部層の厚さよりも大きくてもよい。
【0009】
いくつかの実施形態では、穴あき凸部層の遠位開口部の幅は、穴あき凸部層の近位開口部の幅よりも大きくてもよい。
【0010】
いくつかの実施形態では、外部層又は穴あき凸部層は、ウェハをオストメイトに接着させる接着剤を含んでもよい。
【0011】
いくつかの実施形態では、外部層又は穴あき凸部層は、多層接着剤を含んでもよい。
【0012】
いくつかの実施形態では、外部層又は穴あき凸部層は、成形用接着剤、中央フィルム、及び本体側を有する多層接着剤を含んでもよい。
【0013】
いくつかの実施形態では、外部層又は穴あき凸部層は、成形可能であってもよい。
【0014】
いくつかの実施形態では、外部層又は孔あき凸部層は、トリラム(SH/DH)を含んでいてもよい。
【0015】
いくつかの実施形態では、外部層又は穴あき凸部層は、親水コロイド接着剤を含んでもよい。
【0016】
いくつかの実施形態では、外部層又は穴あき凸部層は、成形可能な接着剤バリアを含んでもよい。
【0017】
いくつかの実施形態では、外部層又は穴あき凸部層は、親水コロイド接着剤を含んでもよい。
【0018】
いくつかの実施形態では、外部層又は穴あき凸部層は、Stomahesive(登録商標)シールを含んでもよい。
【0019】
いくつかの実施形態では、オストミーウェハは、外部層に取り付けたフランジ又はカラーを含んでもよく、フランジ又はカラーは、接着剤を含んでもよい。
【0020】
いくつかの実施形態では、オストミーウェハは、穴あき凸部層の凸部表面を少なくとも部分的に覆い、内部層のストーマに対向する面に粘着剤を含む内部層を含んでもよい。
【0021】
いくつかの実施形態では、内部層は、皮膚バリアを含んでもよい。
【0022】
いくつかの実施形態では、オストミーウェハは、オストミーパウチに結合する結合構成要素を含んでもよい。
【0023】
いくつかの実施形態では、結合構成要素は、オストミーパウチに機械的に接続してもよい。
【0024】
いくつかの実施形態では、結合構成要素は、ウェハをオストミーパウチに接着してもよい。
【0025】
いくつかの実施形態では、排出物の流れ方向と平行な穴あき凸部層の寸法は、0.5cmより大きくてもよい。
【0026】
いくつかの実施形態では、排出物の流れ方向と平行な穴あき凸部層の寸法は、1cmより大きくてもよい。
【0027】
いくつかの実施形態では、排水の流れ方向と平行である穴あき凸部層の寸法は、2cmより大きくてもよい。
【0028】
いくつかの実施形態では、ウェハは、連続的な輪郭、階段状の輪郭、反転した輪郭、又はそれらの組み合わせを有してもよい。
【0029】
いくつかの実施形態では、ウェハは、凸面、凹面、面取り面、又はそれらの組み合わせを有してもよい。
【0030】
いくつかの実施形態では、ウェハは、壁、支柱、フィン、柱、タイ、及びそれらの組み合わせから選択される1又は複数の構造要素を有してもよい。
【0031】
いくつかの実施形態では、ストーマ溝はテーパ状であってもよい。
【0032】
いくつかの実施形態では、ストーマ溝は、外部構造体又は内部構造体を含むストーマ溝壁によって画定してもよい。
【0033】
いくつかの実施形態では、粘性媒体は、ウェハをオストメイトに接着させる接着剤ペーストであってもよい。
【0034】
いくつかの実施形態では、粘性媒体は、ウェハをオストメイトに接着させる接着剤溶液であってもよい。
【0035】
いくつかの実施形態では、粘性媒体は、ゲル及びペーストから選択してもよい。
【0036】
いくつかの実施形態では、粘性媒体は、親水コロイドを含んでもよい。
【0037】
本開示の別の態様によれば、オストミー装置は、本明細書に開示された任意のオストミーウェハ及びオストミーパウチを含んでもよい。
【0038】
いくつかの実施形態では、ウェハは、オストミーパウチに恒久的に取り付けられてもよい。
【0039】
いくつかの実施形態では、ウェハとオストミーパウチは、使用前に別個のピースとして提供されてもよい。
【0040】
いくつかの実施形態では、オストミーパウチとオストミーウェハは、パウチ又はウェハを損傷することなく、取り付け、その後分離してもよい。
【0041】
本開示のさらに別の態様によれば、キットは、本明細書に開示される任意のオストミーウェハと、粘性媒体、パウチ、及びそれらの組み合わせから選択される構成要素とを含んでもよい。
【0042】
本開示のさらに別の態様によれば、本明細書に開示される任意のオストミーウェハを、ストーマを有する対象物に接触させる方法は、オストミーウェハを対象物に配置するステップと、オストミーウェハを操作して穿孔を介して粘性媒体を押し出すステップと、を含んでもよい。
【0043】
本開示のさらなる態様によれば、オストミーウェハは、外部層及び凸部層を含んでもよい。外部層は、流出物の通過を可能にするストーマ溝を含んでもよく、ストーマ溝は、軸方向に延びてもよい。凸部層は、ストーマ溝が貫通して延びるように、外部層に結合されてもよい。凸部層は、ストーマ溝から半径方向に間隔を空けて配置された複数の穿孔と、複数の穿孔と流体連通し、ストーマ溝から半径方向に間隔を空けて配置された少なくとも1つのチャンバとを含むように形成されてもよい。外部層は、少なくとも1つのチャンバを少なくとも部分的に閉鎖し、少なくとも1つのチャンバに貯蔵されて、複数の穿孔を介して分配される可能性のある粘性媒体を閉じ込め、オストミーウェハをその使用時に対象物に結合することができる。
【0044】
いくつかの実施形態では、外部層は、環状基部と、そこから軸方向外側に延びる台座とを含んでもよく、台座は、ストーマ溝の少なくとも一部を画定してもよい。凸部層は、遠位隆起部と、遠位隆起部の反対側に配置された近位開口部とを含んでもよく、凸部層は、台座が近位開口部と遠位隆起部との間に延びるように、外部層に結合してもよい。遠位隆起部は、環状の台座に接触して少なくとも1つのチャンバを閉鎖してもよい。さらに、いくつかの実施形態では、近位開口部における凸部層の厚さは、遠位隆起部における凸部層の厚さよりも大きくてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、近位開口部における凸部層の厚さは、遠位隆起部における凸部層の厚さよりも小さくてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、近位開口部の幅は、遠位隆起部によって画定される遠位開口部の幅よりも小さくてもよい。
【0045】
いくつかの実施形態では、外部層及び凸部層の少なくとも1つは、オストミーウェハを対象物に接着するための接着剤を含んでもよい。接着剤は、多層接着剤を含んでもよい。
【0046】
いくつかの実施形態では、外部層及び凸部層の少なくとも1つは、トリラム(SH/DH)を含んでもよい。さらに、いくつかの実施形態では、外部層及び凸部層のうちの少なくとも1つは、親水コロイド接着剤を含んでもよい。さらに、いくつかの実施形態では、外部層及び凸部層の少なくとも一方は、対象物のストーマの形状に相補的に成形可能な接着剤を含んでもよい。
【0047】
いくつかの実施形態では、外部層及び凸部層の少なくとも1つは、Stomahesive(登録商標)シールを含んでもよい。さらに、いくつかの実施形態では、ストーマ溝は、ストーマ溝を画定するオストミーウェハの内面に位置する構造体を含んでもよい。構造体は、ストーマに向かって延び、対象物のストーマと嵌合する形状を有する複数の角度のついたフィンを含んでもよい。さらに、いくつかの実施形態では、ストーマ溝は、ストーマ溝を画定するオストミーウェハの内面に位置する構造体を含んでもよい。構造体は、対象物のストーマと嵌合するように形成してもよい。さらに、いくつかの実施形態では、凸部層は、オストミーウェハを通る流出物の流れに平行な寸法で0.5cm以上に亘って延びてもよい。
【0048】
いくつかの実施形態では、オストミーウェハは、連続した輪郭、階段状の輪郭、反転した輪郭、又はそれらの組み合わせを有してもよい。オストミーウェハは、凸状面、凹状面、面取り面、又はそれらの組み合わせを有してもよい。オストミーウェハは、支柱、フィン、円柱、タイ(tie)、及びそれらの組み合わせから選択される1以上の構造的特徴を有してもよい。
【0049】
いくつかの実施形態では、オストミーウェハは、対象物に面する凸部層の外側の少なくとも一部を覆う内部層を含んでもよく、内部層は成形可能な接着材料を含んでもよい。内部層は、オストミーウェハを対象物に結合するために粘性媒体が分配される複数の第2の穿孔を含んでもよい。
【0050】
いくつかの実施形態では、粘性媒体は、ゲル及びペーストから選択されてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、粘性媒体は、ヒドロコロイドを含んでもよい。さらに、いくつかの実施形態では、粘性媒体は、ウェハを対象物に接着させる接着剤溶液を含んでもよい。
【0051】
本開示のさらなる態様によれば、オストミー装置は、オストミーパウチと、オストミーパウチに結合されたオストミーウェハとを含んでもよい。オストミーウェハは、外部層及び凸部層を含んでもよい。外部層は、流出物の通過を可能にするストーマ溝を含んでもよく、ストーマ溝は、軸方向に延びてもよい。凸部層は、ストーマ溝が貫通して延びるように、外部層に結合されてもよい。凸部層は、ストーマ溝から半径方向に間隔を空けて配置された複数の穿孔と、複数の穿孔と流体連通する少なくとも1つのチャンバとを含むように形成されてもよい。外部層は、少なくとも1つのチャンバを少なくとも部分的に閉鎖して、少なくとも1つのチャンバ内に格納されて、複数の穿孔を介して分配される粘性媒体を閉じ込め、オストミーウェハをその使用時に対象物に結合させることができる。
【0052】
いくつかの実施形態では、外部層は、環状基部と、ストーマ溝を少なくとも部分的に画定し、軸方向外側に延びる台座とを含んでもよく、凸部層は、遠位隆起部と、遠位隆起部に対向して配置された近位開口部とを含んでもよく、凸部層は、台座が近位開口部と遠位隆起部との間に延びるように外部層に結合されてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、外部層は、環状基部と、ストーマ溝を少なくとも部分的に画定し、軸方向外側に延びる台座とを含み、凸部層は、遠位隆起部と、遠位隆起部の反対側に配置された近位開口部とを含み、遠位隆起部は、環状基部に接触して、少なくとも1つのチャンバを閉鎖してもよい。さらに、いくつかの実施形態では、ストーマ溝は、ストーマ溝を画定するオストミーウェハの内面に配置された構造体を含んでもよい。構造体は、ストーマに向かって延び、対象物のストーマと嵌合する複数の角度付きフィンを含んでもよい。
【0053】
いくつかの実施形態では、ストーマ溝は、ストーマ溝を画定するオストミーウェハの内面内に位置する構造体を含んでもよい。構造体は、対象物のストーマと嵌合するように形成されてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、オストミーウェハは、対象物に面する凸部層の外側を少なくとも部分的に覆う内部層を含んでもよく、内部層は、成形可能な接着材料を含んでもよく、内部層は、オストミーウェハを対象物に結合するために粘性媒体が分配される複数の第2の穿孔を含んでもよい。さらに、いくつかの実施形態では、凸部層は、遠位隆起部及び遠位隆起部の反対側に配置される近位開口部を含んでもよく、近位開口部における凸部層の厚さは、遠位隆起部における凸部層の厚さよりも大きくてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、凸部層は、遠位隆起部と、遠位隆起部に対向して配置された近位開口部とを含んでもよく、近位開口部での凸部層の厚さは、遠位隆起部での凸部層の厚さよりも小さくてもよい。
【0054】
本開示のさらなる態様によれば、オストミーウェハをオストメイトに適用する方法は、複数の穿孔を含むオストミーウェハの凸部層をオストメイトのストーマに相対的に配置するステップと、凸部層をストーマ及びストーマを囲むオストメイトの皮膚に押し付けるステップと、凸部層を操作して、複数の穿孔を介して粘性媒体を皮膚に塗布するステップと、凸部層でストーマの周囲にシールを形成するステップと、凸部層をオストメイトウェハの外部層と接触させるステップと、外部層をオストメイトに固定するステップと、を含んでもよい。
【0055】
いくつかの実施形態では、凸部層を操作するステップは、粘性媒体を用いて凸部層を皮膚に接着するステップを含んでもよい。さらに、いくつかの実施形態では、凸部層を操作するステップは、凸部層に形成された少なくとも1つのチャンバに粘性媒体を追加して、追加された粘性媒体が複数の穿孔を介して適用されるようにするステップを含んでもよい。さらに、いくつかの実施形態では、凸部層をストーマ及び皮膚に押し付けるステップは、ストーマの形状に相補的に凸部層を成形するステップを含んでもよい。さらに、いくつかの実施形態では、凸部層をストーマ及び皮膚に対して押し付けるステップは、ストーマの周りにオストミーウェハのストーマ溝を位置決めするステップと、ストーマ溝を画定するオストミーウェハの内部表面に形成された複数の角度付きフィンを使用してストーマ溝をストーマに固定するステップと、を含んでもよい。
【0056】
いくつかの実施形態では、凸部層をストーマ及び皮膚に対して押し付けるステップは、ストーマの周りにオストミーウェハのストーマ溝を位置決めするステップと、ストーマ溝を画定するオストミーウェハの内面に位置する複数の構造体を使用して、ストーマ溝をストーマに固定するステップと、を含んでもよい。さらに、いくつかの実施形態では、凸部層をストーマ及び皮膚に対して押し付けるステップは、凸部層を少なくとも部分的に覆うオストミーウェハの内部層とオストメイトを接触させ、内部層をオストメイトに接着させるステップを含んでもよい。さらに、いくつかの実施形態では、凸部層をストーマ及び皮膚に押し付けるステップは、凸部層を少なくとも部分的に覆うオストミーウェハの内部層とオストメイトを接触させるステップを含み、凸部層を操作するステップは、内部層に形成された複数の第2の穿孔を介して粘性媒体を皮膚に適用するステップを含んでもよい。
【0057】
本開示のこれら及び他の特徴は、例示的な実施形態の以下の説明からより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0058】
本明細書に記載された本発明は、添付図面で例として示されており、これに限定するものではない。図示を簡単かつ明確にするために、図示された要素は必ずしも縮尺通りに描かれていない。例えば、いくつかの要素の寸法は、明確にするために他の要素に比べて誇張されている場合がある。さらに、適切と思われる場合には、対応する又は類似の要素を示すために、参照符号が図面の間で繰り返されている。
【0059】
図1】穴あきチャンバオストミーウェハの一実施形態の断面図を示す。
図2】穴あきチャンバオストミーウェハの一実施形態の分解組立図を示す。
図3】白い部分が粘性媒体の配置を表し、灰色の部分が構造を表す、穴あきチャンバオストミーウェハの様々な構成を示す図である。
図4A】穴あきチャンバオストミーウェハに形成されたストーマ溝を画定するか、又はストーマ溝に近接して配置される多数の構造体の側面図を示す。
図4B図4Aに図示される1つの構造の拡大図である。
図5】オストメイトのストーマに取り付けられた穴あきチャンバオストミーウェハの断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0060】
本開示の概念は様々な変更や代替形態に対応可能であるが、その具体的な実施形態を例として図面に示し、本明細書で詳細に説明する。しかしながら、本開示の概念を開示された特定の形態に限定する意図はなく、逆に、本開示及び添付の特許請求の範囲に一致するすべての変更、等価物、及び代替物をカバーする意図があることを理解すべきである。
【0061】
本明細書における「一実施形態」、「実施形態」、「例示的な実施形態」などの言及は、記載された実施形態が特定の特徴、構造、又は特性を含む可能性があるが、すべての実施形態がその特定の特徴、構造、又は特性を必ずしも含むとは限らないことを示す。さらに、このような表現は、必ずしも同じ実施形態を指しているわけではない。さらに、ある実施形態に関連して特定の特徴、構造、又は特性が記載されている場合、明示的に記載されているか否かにかかわらず、他の実施形態に関連してそのような特徴、構造、又は特性を実現することは、当業者の知識の範囲内であることが示されている。さらに、「少なくとも1つのA、B、及びC」の形でリストに含まれる項目は、(A)、(B)、(C)、(A及びB)、(A及びC)、(B及びC)又は(A、B、及びC)を意味することができることを理解すべきである。同様に、「A、B、又はCの少なくとも1つ」の形で記載されている項目は、(A)、(B)、(C)、(A及びB)、(A及びC)、(B及びC)又は(A、B及びC)を意味することができる。
【0062】
図面では、いくつかの構造上又は方法上の特徴が、特定の配置及び/又は順序で示されている場合がある。しかし、そのような特定の配置及び/又は順序が必要でない場合があることを理解すべきである。むしろ、いくつかの実施形態では、そのような特徴は、例示的な図に示されているのとは異なる方法及び/又は順序で配置されてもよい。さらに、特定の図に構造上又は方法上の特徴を含めることは、そのような特徴がすべての実施形態で必要とされることを意味するものではなく、いくつかの実施形態では、含まれなくてもよく、又は他の特徴と組み合わされてもよい。
【0063】
以下に説明する多くの特徴は、斜視図に示されている場合がある。特定の特徴を斜視図で示すことは、それらの特徴が、1以上の実施形態では隠れていたり、現れていたりする一方、他の実施形態では必ずしも現れていないことを伝えようとするものである。さらに、それらの特徴が現れる可能性がある1以上の実施形態では、斜視図での特徴の図示は、その特徴が位置及び/又はその位置とは異なる位置及び/又は示された位置を有する可能性があることを伝えようとするものである。
【0064】
本開示のオストミーウェハは、使用中にオストミーウェハの穿孔を介して分配及び/又は押し出しを行うための粘性媒体を収容する1又は複数のチャンバを含む。本明細書で使用される場合、用語「チャンバ」は、例えば、本明細書に開示される任意のオストミーウェハの凸部層の内部空間のような、離散的な領域及び/又はより大きな領域の分割されたセクションを指すことがある。本明細書で企図されるチャンバは、粘性媒体を含んでもよいし、含むことが可能であってもよい。また、本明細書に開示されるオストミーウェハは、チャンバと連通する1以上の穿孔を含んでもよい。本明細書に開示されるオストミーウェハは一般に、凸部層と、少なくとも一部の実施形態では、内部層とを含み、凸部層及び/又は内部層は穿孔されていてもよい。いくつかの例では、凸部層は穴あき凸部層と言及することがあり、内部層は穴あき内部層と言及することがある。
【0065】
本明細書に開示されたオストミーウェハは一般に、別々の又は緩い要素を合わせたり、取り除いたりすることなく、迅速に適用されてもよい。本明細書に開示されたオストミーウェハは一般に、適用するためのステップが少ない。いくつかのケースでは、単一のステップで、本明細書に開示された任意のオストミーウェハは、粘性媒体で既に満たされたチャンバと共にユーザに提供されてもよい。
【0066】
本明細書に開示されるオストミーウェハは一般に、使用では最小限の器用さ及び視覚能力を必要とされる。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるオストミーウェハは、別個の又は取り外し可能な要素を含まないか、又は必要としないが、このような要素を含むか、又は必要とすることは、器用さ及び/又は視覚の問題を有するユーザに課題をもたらす可能性がある。いくつかのケースでは、それらのユーザは、取り外し可能な要素を誤って所定の位置に残し、及び/又は誤用する可能性がある。
【0067】
本明細書に開示されたオストミーウェハは一般に、ユーザが最小限の指示で使用することができる簡単なものである。一般に、ユーザは、オストミーウェハを自分の皮膚に適用し、場合によっては、自身の皮膚形状に対応させるために、ある程度、成形/屈曲させるだけでよい。一般に、本明細書に開示される任意のオストミーウェハの適用は、チャンバに圧力を加えて、粘性媒体を穿孔から出させ、皮膚にウェハをシールするステップを含む。
【0068】
一般に、本明細書に開示されたオストミーウェハは、使用後のオストミーウェハ自体以外には使い捨て要素を含まない。したがって、本明細書に開示されたオストミーウェハは、他の構成を有する多くの装置よりも廃棄物を少なくすることができる。
【0069】
図1は、外部層110と、穴あき凸部層120と、少なくともいくつかの実施形態では、穴あき内部層130とを含むオストミーウェハ100を示す。凸部層の内部空間は、粘性媒体150(例えば、ペースト又はゲル)を含有するためのチャンバ140を画定する。チャンバ140内に位置するストーマ溝160は、近位開口部162から遠位開口部164まで延びる。いくつかの実施形態では、穴あき内部層130は、穴あき凸部層120を少なくとも部分的に取り囲む。ウェハ100が患者の腹部に圧迫されると、粘性媒体150は、穿孔(例えば、凸部層120及び/又は内部層130に形成された穴すなわち穿孔170)から染み出すことにより、少なくともいくつかの実施形態では、周皮の皮膚のくぼみを満たし、ウェハ100を患者に接着させる。
【0070】
いくつかの実施形態では、ストーマ/オストメイトへのオストミーウェハの適用は、穿孔を介して粘性媒体を押し出すステップを含めてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、オストミーウェハの適用後に、粘性媒体が穿孔を介して受動的に染み出させてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、チャンバ及び/又は穿孔は、粘性媒体をストーマの周囲及び/又はオストミーウェハの周囲の領域に分布させることができる。その結果、そのような実施形態では、粘性媒体は、ストーマを取り囲む皮膚形状のしわ及びひだを埋めて、流出物の漏出に対する効果的なバリアを確立することができる。
【0071】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるオストミーウェハは、成形可能であってもよい。さらに、いくつかの実施形態では、オストミーウェハの少なくとも一部が成形可能であってもよい。さらに、いくつかの実施形態では、本明細書で開示されるオストミーウェハは、3次元(3D)成形可能な技術を含んでもよい。その成形可能性は、粘性媒体によって提供されるものを超える追加のカスタマイズ、適応、及び構造を可能にしてもよい。
【0072】
本明細書に開示されるオストミーウェハは、様々なストーマ/ストーマ周囲の皮膚の形状、状態、及びサイズに適合するように調整してもよい。本開示のオストミーウェハは、オストメイトにより良いフィット感を提供し、少なくともいくつかのケースでは、ストーマに加えて不規則な皮膚の輪郭及びしわに対する成形可能性を目指している。本明細書に開示されるオストミーウェハは、非常に顕著な皮膚の不規則性及び/又は非常に不規則な皮膚の輪郭に隣接するストーマに特に有用である。また、本明細書のオストミーウェハは、適用中に最小限の圧力で患者の腹部に対して適合させる性能の少なくとも一部に起因して、最近手術を受けた患者に特に有用である。本明細書に開示されるオストミーウェハがストーマ及び周囲の皮膚に適合する性能は、患者の快適さ、安心感、及び生活の質を向上させる可能性がある。
【0073】
本明細書に開示されたオストミーウェハは、適切かつ効果的な適合を達成するために物理的な修正を必要とすることなく、ストーマ及び周囲の皮膚に成形可能かつ適応可能である。その結果、他の装置の使用及び適用と比較すると、患者は、恥ずかしい漏れ、感染、及び漏れに関連する皮膚の損傷の可能性が少ないことを確信して、本開示のオストミーウェハを使用及び適用することができる。さらに、その成形性、デザイン、及び特徴の少なくとも一部に起因して、本開示のオストミーウェハは、ユーザのための適用時間を最小化し、看護師及び患者の適用を容易にすることができる。これは、オストミー皮膚バリア製品の適用及び除去が時間のかかるプロセスであるため、オストミー患者にとって望ましい可能性がある。
【0074】
本開示のオストミーウェハは、本明細書に開示される任意の粘性媒体を収容するための少なくとも1つのチャンバ(例えば、チャンバ140)を含む。一例では、穴あき凸部層(例えば、凸部層120)の直近の第1チャンバは、第1準拠粘性媒体(例えば、1つの粘性媒体150)を含んでもよい。代替的又は追加的に、ストーマ溝又は開口部(例えば、流出物が流れるストーマ溝160及びそれに関連する任意の開口部)に隣接する第2チャンバも、第2準拠粘性媒体(例えば、別の粘性媒体150)を含んでもよい。いくつかの実施形態では、第1準拠粘性媒体及び第2準拠粘性媒体は同じであってもよい。他の実施形態では、第1準拠粘性媒体と第2準拠粘性媒体は異なっていてもよい。いずれにしても、粘性媒体の粘度は、室温で比較的高く及び/又は「ハチミツ状」であってもよい。勿論必要に応じて、腹部への適用前に熱を使用することで、物質の粘度を低下させることができることを理解すべきである。
【0075】
いくつかの実施形態では、本明細書で企図されているオストミーウェハは、物理的支持及び制御された変形を付与するための材料特性(例えば、ヤング率、クリープ、及び応力緩和値)を有する構造要素(例えば、支柱、フィン、及びタイなど)の組み合わせを含むか、又は別の方法で支持されてもよい。いくつかの実施形態では、ウェハの直径は一般に、約200mmまでの範囲であり、オストミーウェハの高さは一般に、約3mmから約30mmまでの範囲である。さらに、いくつかの実施形態では、ストーマ溝は、平均直径が約10mmから約100mmの範囲のストーマに適合させることができる。
【0076】
他の構成のオストミー装置と比較した本明細書に開示されるオストミーウェハの利点は、オストミーウェハ(例えば、凸部層120)の成形性と凸部の組み合わせによる改善された有効性を有する漏出バリアを含み、これによりオストミーウェハはストーマに成形され、不規則な皮膚の輪郭及びしわを伴うことができる。したがって、本明細書に開示されるオストミーウェハは、皮膚上の流出物に対するシールを改善して、皮膚の刺激及び破壊を最小限に抑えることができる。漏れのリスクを最小化することは、オストメイトが自分のストーマを管理する能力に自信を持つことにも役立つことを理解すべきである。いくつかの実施形態では、本明細書に提示されたオストミーウェハの3D成形可能な技術は、少なくとも他のオストミーウェハの構成と比較して、漏出及びその結果としての感染のリスク、ならびにユーザの苦痛及び不快感を低減することができる。本明細書に開示される任意のオストミーウェハのバリアは、外部層、凸部層、内部層、任意の追加層、それらの一部、及びそれらの任意の組み合わせを含むか、さもなければそれらによって確立されてもよい。
【0077】
一般に、本明細書に開示されるオストミーウェハは、オストミーウェハの皮膚バリアの下に流出物が染み込む可能性を少なくするために、回腸の基部又はストーマの周囲に接触する一次界面シールを含む。さらに、本明細書に開示されるオストミーウェハは、周囲のストーマ周囲皮膚に適合するように成形されてもよく、それによってストーマ周囲の皮膚表面へのシールを改善することができる。したがって、本開示のオストミーウェハは、シールするために適合可能な設計及び/又は構造を有し、それらの外部環境に対する可鍛性及び適応性を示すことができる。本明細書で企図されるオストミーウェハの一次界面シールは、外部層、凸部層、内部層、任意の追加層、それらの一部、及びそれらの任意の組み合わせを含むか、さもなければそれらによって確立されてもよい。いくつかの実施形態では、一次界面シールと皮膚バリアは同じであってもよい。他の実施形態では、一次界面シールは、オストミーウェハをオストメイトにシールする(例えば、流出物の漏出に抵抗する)オストミーウェハの唯一の部分であってもよい。
【0078】
本開示のオストミーウェハは、複数の機構を介して個々に成形することができる。一態様では、準拠穴あき内部層(例えば、内部層130)、及び内部層によって少なくとも部分的に画定される後続の内部チャンバは、個々に固有の表面特徴に適合させることができる。別の態様では、滲み出た粘性媒体を、ユーザとオストミーウェハとの間の任意の未充填領域に流入させることにより、シーラントとして機能させることができる。いくつかの実施形態では、粘性媒体は、日常生活の活動範囲(例えば、屈む、歩く、横になる、及び座る)中に適合する低弾性シーラントとして具現化するか、あるいは含まれてもよい。少なくともいくつかの実施形態では、適合性及びシーラント機能は、皮膚-ウェハ界面及びストーマ-ウェハ界面の両方で発揮させてもよい。また、オストミーウェハは、これらの界面での効果的なシールの形成を補助するための多くの構造的特徴(例えば、テーパ状のストーマ管、変形可能な内部構造、及び表面輪郭特徴など)を含んでもよい。オストミーウェハは、ストーマウェハ界面でのシールをさらに強化し、制御され、及び/又は調整された構造的変形を達成するため、成形可能な技術を組み込むこともできる。
【0079】
本明細書に開示されるオストミーウェハは、面一又は陥凹型ストーマの管理に特に有利であるが、本開示のオストミーウェハは、突出ストーマにも使用することができる。一般に、突出ストーマは、内部組織(例えば、回腸)が周囲の外皮表面を超えて外科的開口部から突出していることを特徴とする。面一ストーマは、突出した内部組織の遠位端が周囲の皮膚と同じ高さになるように皮膚で囲まれた突出内部組織と表現することができる。したがって、面一ストーマの場合、突出組織は、周囲の皮膚の表面を超えて延びることはない。陥凹型ストーマは、突出した内部組織がないことを特徴としてもよい。陥凹型ストーマの場合、内部組織は、ストーマの周囲又はストーマを囲む皮膚を超えては突出しない。
【0080】
面一ストーマの場合、オストミーウェハは、凸部層の開口部(例えば、ストーマ溝160の近位開口部162)が内部組織を取り囲むように、ストーマの内に、及び/又はストーマに向かって押圧してもよい。場合によっては、ストーマ周囲の皮膚は、少なくとも部分的に凸部層に囲まれ、及び/又は、凸部層に埋没してもよい。陥凹型ストーマの場合、凸部層の開口部が内部組織を囲むことなく、凸部層が少なくとも部分的にストーマ周囲の皮膚に囲まれる、又は埋没するように、凸部層をストーマ内に又はストーマに向かって押圧してもよい。
【0081】
特定の用語
他に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術的及び科学的用語は、本開示の発明が属する技術分野の通常の技術者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有するか、使用することを意図している。前述の一般的な説明及び以下の例は、例示及び説明のみであり、特許請求の範囲に記載された構成要件を制限するものではないことを理解されたい。本明細書での単語の単数形での使用は、特に別段の記載がない限り、複数形を含む。より具体的には、本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用されるように、単数形での単語の使用は、文脈が明らかに他を指示しない限り、複数形を含む。また、本開示での「又は」の使用は、特に明記しない限り「及び/又は」を意味する。さらに、用語「備える」及び「含む」の使用は、限定的であることを意図していない。
【0082】
本明細書で使用されるように、範囲及び量は、特定の値又は範囲の「約」として表されてもよい。「約」という表現はまた、正確な量を含んでもよい。例えば、「約5μL」という表現は、「約5μL」又は「5μL」を意味する。一般に、「約」という用語には、実験誤差の範囲内であると予想される量が含まれる。より具体的には、「約」という用語は、指定された値よりも10%小さい値から10%大きい値の範囲を含む。一例では、「約50%」という表現は、「45%から55%の間」を意味する。別の例では、「約30」という表現は、「27と33の間」を意味する。
【0083】
本明細書で使用されるように、用語「個体」、「被験者」、及び「患者」は、任意の哺乳類を指す。いくつかの実施形態では、哺乳類はヒトであってもよい。勿論、他の実施形態では、哺乳類はヒトでなくてもよいことを理解すべきである。
【0084】
本開示の目的のために、用語「ストーマ」は、身体の開口部を指す。一般に、ストーマは、身体の胴体にある外科的な開口部である。いくつかの例では、「ストーマ」という用語は、開口部によって露出される内部組織、器官、又はその一部を指すこともある。非限定的な例として、内部組織及び/又は器官は、結腸、回腸、小腸、大腸、空腸、及び十二指腸、並びにそれらの組み合わせから選択してもよい。内部組織は、例えば、小腸又は大腸の端部又はループであってもよい。
【0085】
他に指定されない限り、本明細書で使用される用語「面一/陥凹型皮膚」は、外部の皮膚であるか、周囲の皮膚であるか、又はそれらの組み合わせであるかにかかわらず、ストーマ又は開口部を囲む任意の皮膚を指す。本開示の目的では、「外部皮膚」という用語は、ストーマの近くにあるが、一般的に内部組織又は流出物と接触していない皮膚を指す。本明細書で使用する場合、「周囲皮膚」という用語は、内部組織及び/又は廃液と接触している皮膚、又は廃液と接触する可能性のある皮膚を指す。
【0086】
本明細書で使用する場合、「オストメイト」という用語は、本開示のオストミーウェハを使用する可能性のある対象物を指す。オストメイト」という用語は、一般には外科的開口部を有する対象物を指すが、本明細書で使用する場合、「オストメイト」という用語は、ストーマが外科手術又は他の手段によって作成されたかどうかにかかわらず、ストーマを有する対象物を指してもよい。
【0087】
用語「オストメイトウェハ」は、本明細書において、用語「アダプタ」、「ウェハ」、「穴あき凸型ウェハ」、「穴あきチャンバウェハ」、及び「3次元成形可能なアダプタ」と交換可能に使用される。一般に、「ウェハ」という用語は、オストミーウェハの少なくとも外部層及び凸部層を総称する。特に指定のない限り、これらの用語は交換可能に使用されることがある。「流出物」という用語は、ストーマから分泌される可能性のある、又はストーマから漏出する可能性のある、オストメイトによって生成される任意の内部流体を指す。
【0088】
本明細書に開示される装置は、少なくともいくつかの実施形態において、胃腸ストーマと一緒に使用するのに適している。さらに、いくつかの実施形態では、本明細書に開示される装置は、食道切開、胃瘻、胆嚢切開、胆管切開、盲腸切開、結腸切開、十二指腸切開、回腸切開、空腸切開、虫垂切開、気管切開、尿路切開、腎切開、尿管切開、又は膀胱切開によって作られたストーマを管理するために使用してもよい。さらに、いくつかの実施形態では、本明細書に開示される装置は、シャント、カテーテル、プラグ、又は便管理システムを含むがこれらに限定されない追加の装置と共に使用してもよい。
【0089】
本明細書に含まれる項目の見出しは、整理を目的としてのみ採用されていることを理解すべきである。このように、項目の見出しは、記載された発明を限定するものと解釈されるべきではない。
【0090】
穴あきチャンバウェハ
いくつかの実施形態では、本開示のオストミーウェハは、外部層の半径方向に垂直な方向(例えば、軸方向)に外部層から延びるストーマ溝(例えば、ストーマ溝160)を有する外部層(例えば、外部層110)を含む。さらに、そのような実施形態では、本明細書に開示されるオストミーウェハは、ストーマ溝が延びる穴あき凸部層(例えば、凸部層120)を含む。さらに、そのような実施形態では、外部層及び凸部層は、ストーマ溝の周囲及び凸部層内に、粘性媒体(例えば、媒体150)を収容するためのチャンバ(例えば、チャンバ140)を形成するように積層される。これらのオストミーウェハは、本明細書では、上述のように「穴あきチャンバウェハ」と呼ばれることがある。
【0091】
図1及び図5は、外部層110、510、穴あき凸部層120、520、及び穴あき内部層130、530を有するオストミーウェハ100、500をそれぞれ示す。凸状層120、520の内部空間は、粘性媒体150、550を収容するための対応チャンバ140、540(コアと呼ばれることもある)を画定する。チャンバ140、150内に位置するストーマ溝160、560は、対応する近位開口部162、562から対応する遠位開口部164、564まで延びている。穴あき内部層130、530は、各穴あき凸部層120、520を少なくとも部分的に取り囲んでいる。ウェハ100、500が患者の腹部に圧迫されると、媒体150、550は、層120、520及び層130、530の穴170、570から染み出すことにより、少なくともいくつかの実施形態では、ストーマ周囲皮膚のくぼみに充填される。
【0092】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示された任意のオストミーウェハ層(例えば、穴あき凸部層)は、使用前(例えば、出荷時)には略平坦であればよい。ユーザは、ストーマを収容するために必要な程度の凸状にオストミーウェハを成形してもよい。したがって、凸部層のチャンバは、少なくともいくつかの実施形態では、オストミーウェハの成形によって作成してもよい。凸部層は、円筒形状、カップ形状、ボウル形状、漏斗形状、管状、不規則な形状、又は他の適切な幾何学的形状を有してもよい。いくつかの実施形態では、ユーザは、オストミーウェハを成形した後に、オストミーウェハのチャンバに粘性媒体を適用(例えば、凸部層の「ボウル」を充填)してもよい。他の実施形態では、ユーザは、オストミーウェハを成形する前に、粘性媒体をオストミーウェハのチャンバに適用してもよい。
【0093】
いくつかの実施形態では、凸部層は、使用者による成形が必要とされないような所望の凸部を有する形態で提供してもよい。さらに、いくつかの実施形態では、凸部層は成形可能でなくてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、凸部層は最小又は無視できる成形性を有してもよい。さらに、いくつかの実施形態では、オストミーウェハは、チャンバ内に粘性媒体を既に含む凸部層を備えてもよい。
【0094】
いくつかの実施形態では、穴あき凸部層は、近位開口部(例えば、凸部層120によって画定された「ボウル」の基部における開口部162)及び遠位開口部(例えば、凸部層120によって画定されたボウルの「隆起部」における開口部164)を有するものとして記載してもよい。凸部層は、少なくともいくつかの実施形態において、近位開口部よりも遠位開口部の近傍の方が厚くてもよい。一例では、近位開口部の近傍の凸部層の厚さは、遠位開口部の近傍の凸部層の厚さの最大50%であってもよい。チャンバ壁は、いくつかの実施形態において、遠位開口部よりも近位開口部の近傍の方が厚くてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、チャンバ壁の厚さは、0.5mmから10mmの間で変化させてもよい。少なくとも一部の実施形態では、遠位開口部は外部層及び/又は内層の開口部と同心円状になっていてもよい。他の実施形態では、遠位開口部は、外部層及び/又は内層の開口部と同心でなくてもよい。遠位開口部は、少なくともいくつかの実施形態において、外部層及び/又は内層の開口部と接合されていてもよく、及び/又は外部層及び/又は内層の開口部と区別されなくてもよい。
【0095】
一般に、外部層(例えば、外部層210)及び凸部層(例えば、凸部層220)は、図2に示唆されるように、ストーマ溝(例えば、ストーマ溝260)が凸部層の内部に配置されるように、層状又は入れ子状になっている。凸部層は、多数の層の1つに配置された複数の層を含んでもよい。非限定的な例として、図3に示すように、層の配置は、同心円配置302、放射状配置304、内部-外部配置306、及び近位-遠位配置308を含む。さらに、凸部層は、多数の輪郭のうちの1つを提供し、凸部層全体、又は凸部層の1以上のチャンバに支持及び/又は剛性を付与する構造を含んでもよい。非限定的な例として、輪郭は、連続した輪郭312、段差のある輪郭314、結合した輪郭316、及び反転した輪郭318を含む。さらに、各輪郭は、様々な態様又は特徴を含んでもよい。非限定的な例として、各輪郭は、凸状の態様すなわち特徴322、凹状の態様すなわち特徴324、面取りされた態様すなわち特徴326、又はそれらの組み合わせを含んでもよい。
【0096】
凸部層のチャンバ(例えば、チャンバ340)は、ストーマ開口部(例えば、ストーマ溝360)に対して中心又は偏心配置してもよい。チャンバは、凸部層の内部に配置される近位チャンバ開口部(例えば、開口部362)を有してもよい。少なくともいくつかの実施形態では、使用前、チャンバがオストミーウェハの全体積の20%から90%を占めてもよい。少なくともいくつかの実施形態では、使用時、チャンバがオストミーウェハの全体積の40%から90%を占めてもよい。
【0097】
オストミーウェハは、凸部層の凸部表面を少なくとも部分的に覆い、ストーマ周囲の皮膚に取り付けるためにそのストーマに対向する面に接着剤を有する内部層を含んでもよい(これにより、内部層を面一/陥凹型ストーマの面一/陥凹型皮膚に接着し、オストミーウェハをオストメイトに固定することができる。)。内部層は、内部を粘性媒体が通過し、周囲の皮膚に接着するための1以上の穿孔を含んでもよい。
【0098】
穿孔
本開示のオストミーウェハは、上述のように、少なくとも1つの穿孔(例えば、穿孔170)を含む。一般に、凸部層及び/又は内部層は、オストミーウェハの寸法に対して適切なサイズの1又は複数の穿孔を含む。一例では、1又は複数の穿孔は、直径が約0.5mmから約10mmの範囲であってもよい。別の例では、1又は複数の穿孔は、直径が約0.5mmから約5mmの範囲であってもよい。さらに別の例では、1又は複数の穿孔は、直径が約1mmから約5mmの範囲であってもよい。
【0099】
穿孔の寸法は、粘性媒体がストーマ周囲皮膚に到達するように、粘性媒体がオストミーウェハから染み出す、又は押し出されるのに適切となるようにすることが理解されるべきである。非限定的な例として、穿孔の幅又は直径は、少なくともいくつかの実施形態では、1mm未満から1cm程度の範囲であればよい。いくつかのケースでは、穿孔は多数であるが、サイズは微細であってもよい。他のケースでは、穿孔は少数であるが、cm単位の大きさであってもよい。穿孔の互いの間隔は、1mm未満から2cmまでの範囲とすることができる。穿孔間の非穿孔領域は、外部層、凸部層、及び/又は内部層の領域の最大90%をカバーしてもよい。穿孔は、オストミーウェハが腹部に適用されたときに、粘性媒体が腹部に比較的均等に分布するように、大きさ及び互いの間隔が決められてもよい。穿孔は、例えば、垂直パターン、水平パターン、傾斜パターン、螺旋パターン、千鳥パターン、又は不規則なパターンなど、多数のパターンで配置してもよい。
【0100】
穿孔は、少なくともいくつかの実施形態では、凸部層及び/又は内部層全体に均等に分布してもよい。さらに、いくつかの実施形態では、穿孔は、凸部層及び/又は内部層の一部に分散及び/又は集中してもよい。非限定的な例として、穿孔は、凸部層及び/又は内部層のうち、外部層に最も近い部分に分布してもよい。場合によっては、内部組織を粘性媒体と接触させることが望ましくないこともある。むしろ、少なくともいくつかのケースでは、粘性媒体にストーマ周囲の皮膚のみ、又は主にストーマ周囲の皮膚を接触させることが好ましい場合がある。したがって、穿孔は、外部層に最も近い凸部層及び/又は内部層の領域又は一部に分布させてもよい。
【0101】
いくつかの実施形態では、穿孔は、外部層に最も近い凸部層及び/又は内部層の少なくとも約90%に分布させてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、穿孔は、凸部層及び/又は外部層に最も近い内部層の少なくとも約80%に分布させてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、穿孔は、外部層に最も近い凸部層及び/又は内部層の少なくとも約70%に分布させてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、穿孔は、外部層に最も近い凸部層及び/又は内部層の少なくとも約60%に分布させてもよい。
【0102】
いくつかの実施形態では、穿孔は、凸部層及び/又は外部層に最も近い内部層の少なくとも約50%に分布させてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、穿孔は、凸部層及び/又は外部層に最も近い内部層の少なくとも約40%に分布させてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、穿孔は、外部層に最も近い凸部層及び/又は内部層の少なくとも約30%に分布させてもよい。さらに、少なくともいくつかの実施形態では、穿孔は、外部層に最も近い凸部層及び/又は内部層の少なくとも約20%に分布させてもよい。最後に、いくつかの実施形態では、穿孔は、外部層に最も近い凸部層及び/又は内部層の少なくとも約10%に分布させてもよい。
【0103】
いくつかの実施形態では、穿孔の大部分は、凸部層及び/又は外部層に最も近い内部層の部分に分布させてもよい。一例では、穿孔の少なくとも約20%を、凸部層及び/又は外部層に最も近い内部層の少なくとも約90%に分布さっせてもよい。別の例では、少なくとも約20%の穿孔を、凸部層及び/又は外部層に最も近い内部層の少なくとも約80%に分布させてもよい。さらに別の例では、少なくとも約20%の穿孔を、凸部層及び/又は外部層に最も近い内部層の少なくとも約70%に分布させてもよい。さらに別の例では、穿孔の少なくとも約20%を、凸部層及び/又は外部層に最も近い内部層の少なくとも約60%に分布させてもよい。
【0104】
いくつかの実施形態では、少なくとも約20%の穿孔を、凸部層及び/又は外部層に最も近い内部層の少なくとも約50%に分布させてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、少なくとも約20%の穿孔を、凸部層及び/又は外部層に最も近い内部層の少なくとも約40%に分布させてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、穿孔の少なくとも約20%を、凸部層及び/又は外部層に最も近い内部層の少なくとも約30%に分布させてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、少なくとも約20%の穿孔を、凸部層及び/又は外部層に最も近い内部層の少なくとも約20%に分布させてもよい。最後に、いくつかの実施形態では、少なくとも約20%の穿孔を、凸部層及び/又は外部層に最も近い内部層の少なくとも約10%に分布させてもよい。
【0105】
いくつかの実施形態では、穿孔の大部分を、凸部層及び/又は外部層に最も近い内部層の部分に分布させてもよい。一例では、穿孔の少なくとも約30%を、凸部層及び/又は外部層に最も近い内部層の少なくとも約90%に分布させてもよい。別の例では、少なくとも約30%の穿孔を、凸部層及び/又は外部層に最も近い内部層の少なくとも約80%に分布させてもよい。さらに別の例では、穿孔の少なくとも約30%を、凸部層及び/又は外部層に最も近い内部層の少なくとも約70%に分布させてもよい。最後に、いくつかの実施形態では、少なくとも約30%の穿孔を、凸部層及び/又は外部層に最も近い内部層の少なくとも約60%に分布させてもよい。
【0106】
いくつかの実施形態では、少なくとも約30%の穿孔を、凸部層及び/又は外部層に最も近い内部層の少なくとも約50%に分布させてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、少なくとも約30%の穿孔を、凸部層及び/又は外部層に最も近い内部層の少なくとも約40%に分布させてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、少なくとも約30%の穿孔を、凸部層及び/又は外部層に最も近い内部層の少なくとも約30%に分布させてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、少なくとも約30%の穿孔を、凸部層及び/又は外部層に最も近い内部層の少なくとも約20%に分布させてもよい。最後に、いくつかの実施形態では、少なくとも約30%の穿孔を、少なくとも約10%の凸部層及び/又は外部層に最も近い内部層に分布させてもよい。
【0107】
いくつかの実施形態では、穿孔の大部分を、凸部層及び/又は内部層のうち、外部層に最も近い部分に分布させてもよい。一例では、穿孔の少なくとも約40%を、凸部層及び/又は外部層に最も近い内部層の少なくとも約90%に分布させてもよい。別の例では、少なくとも約30%の穿孔を、凸部層及び/又は外部層に最も近い内部層の少なくとも約80%に分布させてもよい。さらに別の例では、少なくとも約40%の穿孔を、凸部層及び/又は外部層に最も近い内部層の少なくとも約70%に分布させてもよい。さらに別の例では、さらに、少なくとも約40%の穿孔を、凸部層及び/又は外部層に最も近い内部層の少なくとも約60%に分布させてもよい。
【0108】
いくつかの実施形態では、少なくとも約30%の穿孔を、凸部層及び/又は外部層に最も近い内部層の少なくとも約50%に分布させてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、少なくとも約30%の穿孔を、凸部層及び/又は外部層に最も近い内部層の少なくとも約40%に分布させてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、穿孔の少なくとも約40%を、凸部層及び/又は外部層に最も近い内部層の少なくとも約30%に分布させてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、少なくとも約40%の穿孔を、凸部層及び/又は外部層に最も近い内部層の少なくとも約20%に分布させてもよい。最後に、いくつかの実施形態では、少なくとも約40%の穿孔を、凸部層及び/又は外部層に最も近い内部層の少なくとも約10%に分布させてもよい。
【0109】
いくつかの実施形態では、穿孔の大部分を、凸部層及び/又は外部層に最も近い内部層の部分に分布させてもよい。一例では、穿孔の少なくとも約50%を、凸部層及び/又は外部層に最も近い内部層の少なくとも約90%に分布させてもよい。別の例では、少なくとも約30%の穿孔を、凸部層及び/又は外部層に最も近い内部層の少なくとも約80%に分布させてもよい。さらに別の例では、少なくとも約50%の穿孔を、少なくとも約70%の凸部層及び/又は外部層に最も近い内部層に分布させてもよい。さらに別の例では、少なくとも約50%の穿孔を、凸部層及び/又は外部層に最も近い内部層の少なくとも約60%に分布させてもよい。
【0110】
いくつかの実施形態では、少なくとも約50%の穿孔を、凸部層及び/又は外部層に最も近い内部層の少なくとも約50%に分布させてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、少なくとも約50%の穿孔を、凸部層及び/又は外部層に最も近い内部層の少なくとも約40%に分布させてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、少なくとも約50%の穿孔を、凸部層及び/又は外部層に最も近い内部層の少なくとも約20%に分布させてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、穿孔の少なくとも約50%を、凸部層及び/又は外部層に最も近い内部層の少なくとも約10%に分布させてもよい。
【0111】
いくつかの実施形態では、穿孔の大部分を、凸部層及び/又は外部層に最も近い内部層の部分に分布させてもよい。一例では、穿孔の少なくとも約60%を、凸部層及び/又は外部層に最も近い内部層の少なくとも約90%に分布させてもよい。別の例では、少なくとも約30%の穿孔を、凸部層及び/又は外部層に最も近い内部層の少なくとも約80%に分布させてもよい。さらに別の例では、少なくとも約60%の穿孔を、少なくとも約70%の凸部層及び/又は外部層に最も近い内部層に分布させてもよい。さらに別の例では、穿孔の少なくとも約60%を、凸部層及び/又は外部層に最も近い内部層の少なくとも約60%に分布させてもよい。
【0112】
いくつかの実施形態では、穿孔の少なくとも約60%を、凸部層及び/又は外部層に最も近い内部層の少なくとも約50%に分布させてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、少なくとも約60%の穿孔を、凸部層及び/又は外部層に最も近い内部層の少なくとも約40%に分布させてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、少なくとも約60%の穿孔を、凸部層及び/又は外部層に最も近い内部層の少なくとも約30%に分布させてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、穿孔の少なくとも約60%を、凸部層及び/又は外部層に最も近い内部層の少なくとも約20%に分布させてもよい。最後に、いくつかの実施形態では、穿孔の少なくとも約60%を、凸部層及び/又は外部層に最も近い内部層の少なくとも約10%に分布させてもよい。
【0113】
いくつかの実施形態では、穿孔の大部分を、凸部層及び/又は外部層に最も近い内部層の部分に分布させてもよい。一例では、穿孔の少なくとも約70%を、凸部層及び/又は外部層に最も近い内部層の少なくとも約90%に分布させてもよい。別の例では、少なくとも約70%の穿孔を、凸部層及び/又は外部層に最も近い内部層の少なくとも約80%に分布させてもよい。さらに別の例では、少なくとも約70%の穿孔を、凸部層及び/又は外部層に最も近い内部層の少なくとも約70%に分布させてもよい。さらに別の例では、少なくとも約70%の穿孔を、凸部層及び/又は外部層に最も近い内部層の少なくとも約60%に分布させてもよい。
【0114】
いくつかの実施形態では、少なくとも約70%の穿孔を、凸部層及び/又は外部層に最も近い内部層の少なくとも約50%に分布させてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、少なくとも約70%の穿孔を、凸部層及び/又は外部層に最も近い内部層の少なくとも約40%に分布させてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、少なくとも約70%の穿孔を、凸部層及び/又は外部層に最も近い内部層の少なくとも約30%に分布させてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、少なくとも約70%の穿孔を、凸部層及び/又は外部層に最も近い内部層の少なくとも約20%に分布させてもよい。最後に、いくつかの実施形態では、少なくとも約70%の穿孔を、凸部層及び/又は外部層に最も近い内部層の少なくとも約10%に分布させてもよい。
【0115】
いくつかの実施形態では、穿孔の大部分を、凸部層及び/又は外部層に最も近い内部層の部分に分布させてもよい。一例では、穿孔の少なくとも約80%を、凸部層及び/又は外部層に最も近い内部層の少なくとも約90%に分布させてもよい。別の例では、穿孔の少なくとも約80%を、凸部層及び/又は外部層に最も近い内部層の少なくとも約80%に分布させてもよい。さらに別の例では、少なくとも約80%の穿孔を、凸部層及び/又は外部層に最も近い内部層の少なくとも約70%に分布させてもよい。さらに別の例では、さらに、少なくとも約80%の穿孔を、凸部層及び/又は外部層に最も近い内部層の少なくとも約60%に分布させてもよい。
【0116】
いくつかの実施形態では、少なくとも約80%の穿孔を、凸部層及び/又は外部層に最も近い内部層の少なくとも約50%に分布させてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、少なくとも約80%の穿孔を、凸部層及び/又は外部層に最も近い内部層の少なくとも約40%に分布させてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、少なくとも約80%の穿孔を、凸部層及び/又は外部層に最も近い内部層の少なくとも約30%に分布させてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、穿孔の少なくとも約80%を、凸部層及び/又は外部層に最も近い内部層の少なくとも約20%に分布させてもよい。最後に、いくつかの実施形態では、少なくとも約80%の穿孔を、凸部層及び/又は外部層に最も近い内部層の少なくとも約10%に分布させてもよい。
【0117】
いくつかの実施形態では、穿孔の大部分を、凸部層及び/又は外部層に最も近い内部層の部分に分布させてもよい。一例では、穿孔の少なくとも約90%を、凸部層及び/又は外部層に最も近い内部層の少なくとも約90%に分布させてもよい。別の例では、少なくとも約90%の穿孔を、凸部層及び/又は外部層に最も近い内部層の少なくとも約80%に分布させてもよい。さらに別の例では、少なくとも約90%の穿孔を、凸部層及び/又は外部層に最も近い内部層の少なくとも約70%に分布させてもよい。さらに別の例では、少なくとも約90%の穿孔を、凸部層及び/又は外部層に最も近い内部層の少なくとも約60%に分布させてもよい。
【0118】
いくつかの実施形態では、少なくとも約90%の穿孔を、凸部層及び/又は外部層に最も近い内部層の少なくとも約50%に分布させてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、少なくとも約90%の穿孔を、凸部層及び/又は外部層に最も近い内部層の少なくとも約40%に分布させてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、少なくとも約90%の穿孔を、凸部層及び/又は外部層に最も近い内部層の少なくとも約30%に分布させてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、穿孔の少なくとも約90%を、凸部層及び/又は外部層に最も近い内部層の少なくとも約20%に分布させてもよい。最後に、いくつかの実施形態では、少なくとも約90%の穿孔を、凸部層及び/又は外部層に最も近い内部層の少なくとも約10%に分布させてもよい。
【0119】
いくつかの実施形態では、穿孔は、円形、長円形、長方形、正方形、多角形、三角形、八角形、六角形、又は不規則な形状であってもよい。他の実施形態では、穿孔は、他の適切な幾何学的形態の形状をしていてもよい。穿孔は、少なくともいくつかの実施形態では、スリット又はクラックであってもよい。オストミーウェハ、又は穿孔を有する任意の部分は、少なくとも一部の実施形態において、ふるい、ネット、グリッド、フィルタ、スポンジなどに類似していてもよい。
【0120】
いくつかの実施形態では、穿孔のサイズは、ウェハ上の異なる位置で異なっていてもよい。非限定的な例として、凸部層の穿孔は、近位開口部(例えば、開口部162)の近傍では、遠位開口部(例えば、開口部164)の近傍の凸部層の穿孔よりも大きくてもよい。しかし、他の実施形態では、凸部層の穿孔は、近位開口部の近傍では、遠位開口部の近傍の凸部層の穿孔よりも小さくてもよい。穿孔は、少なくともいくつかの実施形態では、直径が約10mmから約100mmの平均範囲を有してもよい。さらに、いくつかの実施形態では、穿孔は、直径が約20mmから約50mmの平均範囲を有してもよい。
【0121】
チャンバ
本開示のオストミーウェハは、単一のチャンバ又は複数のチャンバを含んでもよい。一例では、オストミーウェハは、1つのチャンバを含んでもよい。別の例では、オストミーウェハは、2つのチャンバを含んでもよい。さらに別の例では、オストミーウェハは、3つのチャンバを含んでもよい。さらに別の例では、オストミーウェハは、4つのチャンバを含んでもよい。さらに、いくつかの実施形態では、オストミーウェハは、5つのチャンバを含んでもよい。さらに、いくつかの実施形態では、オストミーウェハは、6つのチャンバを含んでもよい。さらに、いくつかの実施形態では、オストミーウェハは、7つのチャンバを含んでもよい。少なくともいくつかの実施形態では、オストミーウェハは8つのチャンバを含んでもよい。さらに、いくつかの実施形態では、オストミーウェハは、9つのチャンバを含んでもよい。さらに、オストミーウェハは、少なくともいくつかの実施形態において、10個のチャンバを含んでもよい。最後に、いくつかの実施形態では、オストミーウェハは、12個のチャンバを含んでもよい。
【0122】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるオストミーウェハは、1から約20のチャンバを含んでもよい。一例では、オストミーウェハは、2から約20のチャンバを含んでもよい。別の例では、オストミーウェハは、3から約20のチャンバを含んでもよい。さらに別の例では、オストミーウェハは、4から約20のチャンバを含んでもよい。最後に、別の例では、オストミーウェハは、5から約20のチャンバを含んでもよい。
【0123】
本開示のオストミーウェハは、1又は複数の仕切り、壁、隆起部、溝、セクション、又は任意の他の空間を画定する特徴を設けた1又は複数のチャンバを含んでもよい。いくつかの実施形態では、オストミーウェハは、層のいずれか1つの開口部を包囲し、又は層のいずれか1つの開口部から放射状に配置される第1チャンバ及び第2チャンバを含んでもよい。さらに、いくつかの実施形態では、第1チャンバ及び第2チャンバは、層のいずれか1つの開口部から放射状となるように同心円状に配置してもよい。
【0124】
本開示のオストミーウェハの複数のチャンバは、少なくともいくつかの実施形態において、粘性媒体が凸部層の第1の部分に存在し、凸部層の第2の部分には存在しないようにしてもよい。他の実施形態では、複数のチャンバは、粘性媒体が、凸部層の第1の部分に第1の量で存在し、凸部層の第2の部分に第2の量で存在するようにしてもよい。一例では、第1の部分は、凸部層の約10%であってもよい。別の例では、第1の部分は、凸部層の約20%であってもよい。さらに別の例では、第1の部分は、凸部層の約30%であってもよい。さらに別の例では、第1の部分は、凸部層の約40%であってもよい。さらに別の例では、第1の部分は、凸部層の約50%であってもよい。さらに別の例では、第1の部分は、凸部層の約60%であってもよい。さらに別の例では、第1の部分は、凸部層の約70%であってもよい。少なくともいくつかの実施形態では、第1の部分は、凸部層の約80%であってもよい。最後に、いくつかの実施形態では、第1の部分は、凸部層の約90%であってもよい。
【0125】
いくつかの実施形態では、前述の第2の部分は、本明細書に開示される任意のオストミーウェハの凸部層の約10%であってもよい。さらに、いくつかの実施形態では、第2の部分は、凸部層の約20%であってもよい。さらに、いくつかの実施形態では、第2の部分は、凸部層の約30%であってもよい。さらに、いくつかの実施形態では、第2の部分は、凸部層の約40%であってもよい。さらに、いくつかの実施形態では、第2の部分は、凸部層の約50%であってもよい。さらに、いくつかの実施形態では、第2の部分は、凸部層の約60%であってもよい。さらに、いくつかの実施形態では、第2の部分は、凸部層の約70%であってもよい。少なくともいくつかの実施形態では、第2の部分は、凸部層の約80%であってもよい。最後に、いくつかの実施形態では、第2の部分は、凸部層の約90%であってもよい。
【0126】
いくつかの実施形態では、前述の第1の量は、本開示の任意のオストミーウェハの凸部層の約10%であってもよい。さらに、いくつかの実施形態では、第1の量は、凸部層の約20%であってもよい。さらに、いくつかの実施形態では、第1の量は、凸部層の約30%であってもよい。さらに、いくつかの実施形態では、第1の量は、凸部の層の約40%であってもよい。さらに、いくつかの実施形態では、第1の量は、凸部層の約50%であってもよい。さらに、いくつかの実施形態では、第1の量は、凸部層の約60%であってもよい。さらに、いくつかの実施形態では、第1の量は、凸部の層の約70%であってもよい。少なくともいくつかの実施形態では、第1の量は、凸部層の約80%であってもよい。最後に、いくつかの実施形態では、第1の量は、凸部層の約90%であってもよい。
【0127】
既述の第2の量は、さらに別の例では、本明細書に開示された任意のオストミーウェハの凸部層の約10%であってもよい。別の実施例では、第2の量は、凸部層の約20%であってもよい。さらに別の例では、第2の量は、凸部層の約30%であってもよい。さらに別の例では、第2の量は、凸部層の約40%であってもよい。さらに別の例では、第2の量は、凸部層の約50%であってもよい。さらに別の例では、第2の量は、凸部層の約60%であってもよい。さらに別の例では、第2の量は、凸部層の約70%であってもよい。さらに別の例では、第2の量は、凸部層の約80%であってもよい。最後に、別の例では、第2の量は、凸部層の約90%であってもよい。
【0128】
いくつかの実施形態では、本開示のオストミーウェハは、粘性媒体を含む2つのチャンバが、粘性媒体を含まない少なくとも1つのチャンバによって分離されるように配置された複数のチャンバを含んでもよい。さらに、いくつかの実施形態では、粘性媒体を含む2つのチャンバは連続している。複数のチャンバは、ユーザの装置及び/又はストーマの周囲の選択された領域における(例えば、ユーザ又はオストメイトによる)粘性媒体の適用を容易にすることができることを理解すべきである。
【0129】
いくつかの実施形態では、チャンバ内の粘性媒体の体積は、オストミーウェハの総体積の95%までの範囲であってもよい。さらに、いくつかの実施形態では、チャンバのサイズは、オストミーウェハのサイズに応じて変化してもよく、凸部は、全オストミーウェハ体積の5%から90%の範囲であってもよい。さらに、いくつかの実施形態では、チャンバサイズは、総オストミーウェハ体積の約15%から95%の範囲であってもよい。さらに、いくつかの実施形態では、チャンバサイズは、総オストミーウェハ体積の約20%から95%の範囲であってもよい。さらに、いくつかの実施形態では、チャンバサイズは、総オストミーウェハ体積の約25%から95%の範囲であってもよい。さらに、いくつかの実施形態では、チャンバサイズは、総オストミーウェハ体積の約30%から95%の範囲であってもよい。最後に、いくつかの実施形態では、チャンバサイズは、総オストミーウェハ体積の約35%から95%の範囲であってもよい。
【0130】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるオストミーウェハは、使用時にその変形を制御するための特徴部を含んでもよい。特徴部は、支柱、フィン、壁、柱、及びそれらの組み合わせ(例えば、最大寸法が0.1mmから10mmのオーダー)を含んでもよいが、これらに限定されない。一例では、オストミーウェハは、角度及び/又はテーパの付いた表面412、414として実施されるか、又はそうでなければそれを含む、図4Aに示す構造410を含んでもよい。いくつかの実施形態では、表面412、414は、図4Aに図示されるように、間にノッチ434を区画する1又は複数の角度の付いたフィン432が形成されてもよいし、構造体430として実施されてもよいし、構造体430に含まれてもよい。いずれにしても、いくつかの実施形態では、各角度付きフィン432及び/又は各ノッチ434は、約0.01mmから約10mmの高さH(図4Bに示す)を有してもよい。高さHは、ストーマ溝(例えば、ストーマ溝160)の長さLに垂直な寸法であってもよい。図4Bに示すように、各角度付きフィン432は、水平線440に対して測定され、0.01mmから10mmである幅W1と、水平線440に対して測定され、0.01mmから20mmである幅W2とを有してもよい。さらに、図4Bに示すように、各角度付きフィン432は、線440に対して0°から60°である角度Aと、線440に対して0°から90°である角度Bとで延びていてもよい。
【0131】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるオストミーウェハは、ストーマ溝を画定する内壁に位置する構造体(例えば、構造体430)を含み、使用時にオストミーウェハの変形を容易に制御することができる。さらに、いくつかの実施形態では、ストーマ溝の内面に位置する開示された構造体は、テーパ状(例えば、構造体410)又はギザギザ状(例えば、構造体430)であり、少なくともいくつかの実施形態では、突出したストーマからのオストミーウェハの剥離を防止又は剥離に抵抗させることができる。さらに、いくつかの実施形態では、本明細書に開示される構造は、ストーマを把持及び/又は直接接触することなく、変形及び可鍛性のある内部構造(例えば、ストーマ溝壁452内の構造450)が設けられている。
【0132】
いくつかの実施形態では、本開示のオストミーウェハは、粘性媒体の分散時に最適な凸部を得るための構造支持体を含んでもよい。さらに、いくつかの実施形態では、構造支持体は、より大きなストーマの突出をもたらし、凹型ストーマ、陥凹型ストーマ、又は面一ストーマに対して保護を強化してもよい。構造支持体は、様々な材料の1又は複数を含んでもよい。非限定的な例として、それらの材料は、少なくともいくつかの実施形態において、ポリプロピレン、ポリスチレン、又はポリエチレン(例えば、ポリエチレン-酢酸ビニル)などの剛性又は半剛性プラスチックを含んでもよい。
【0133】
図3を参照して上述した凸部層の複数の層の配置と同様に、複数の支持構造体は、少なくともいくつかの実施形態において、放射状、同心円状、近位-遠位の層、又は内部-外部の層で配置してもよい。支持構造体は、マクロレベル(数mmの寸法)及びミクロレベル(μmのオーダー)であってもよい。さらに、いくつかの実施形態では、支持構造は、全体的な変形を元のオストミーウェハの体積の約80%以内に制御するように機能させてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、オストミーウェハの表面輪郭は、例えば、山と谷のような規則又は不規則なパターンの波形で、粘性媒体の動きを導き、及び/又は分配を制御する特徴部を含んでもよい。それらの特徴部は、10μmから10mmまでの高さで変化してもよい。さらに、オストミーウェハは、0.01から50の範囲の表面粗さRa(μm)を有する表面模様を有していてもよい。
【0134】
少なくともいくつかの実施形態において、本明細書に開示されるオストミーウェハの変形特性は異方性を有してもよい。しかし、ほとんどの場合、その変形は、約30mm以下であり、オストミーウェハの全体積の約90%である。接着剤成分は、少なくともいくつかの実施形態において、約1mmの最小体積を有する構造的空隙を充填してもよい。さらに、いくつかの実施形態では、接着剤成分は、約0.1mmの最小サイズを有する構造的空隙を埋めてもよい。いくつかの実施形態では、接着剤成分は、約0.01mmの最小サイズを有する構造的空隙を埋めてもよい。
【0135】
接着剤
本開示の例示的な三次元の成形可能なオストミーウェハは一般に、接着剤又は接着層を含む。本明細書で使用する場合、「接着剤」という用語は、オストメイトへのオストミーウェハの接着を促進するため、及び/又は流出物の望ましくない漏出に抵抗するためにオストミーウェハとオストメイトとの間のシールを促進するために使用される、層、布地、ストリップ、ラミネート、バリア、ゲル、ペースト、ヒドロコロイド、接着剤などを指す。
【0136】
本明細書に開示された接着剤は、少なくともいくつかの実施形態において、実質的に液体不透過性であり、皮膚から水分を透過させてもよい。接着剤は、50g/m/24hよりも大きい、100g/m/24hよりも大きい、又は150g/m/24hよりも大きい水蒸気透過率(MVTR)を有してもよい。さらに、いくつかの実施形態では、接着剤は200g/m/24hよりも大きいMVTRを有してもよい。
【0137】
いくつかの実施形態では、接着剤は、ポリプロピレンオキシド、ポリウレタン、シリコーン、ポリアクリレート、エチレンビニルアセテート、及びこれらの組み合わせから選択されるが、これらに限定されないポリマーを含んでもよい。さらに、いくつかの実施形態では、接着剤は、親水コロイドを含んでもよい。接着剤は、少なくともいくつかの実施形態において、少なくとも1%、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、又は少なくとも30%w/vの親水コロイドであってもよいが、70%w/v未満の親水コロイドであってもよい。さらに、いくつかの実施形態では、接着剤は、塩を含んでもよい。そのような実施形態では、塩は、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、硫酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸二ナトリウム、塩化カリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、塩化アンモニウム、及び塩化アルミニウムから選択されてもよい。
【0138】
接着剤は、少なくともいくつかの実施形態において、オストミーウェハとストーマ/オストメイトとの間のシールを促進するシール物質を含んでもよい。しかしながら、いくつかの実施形態では、オストミーウェハに接着剤を含めることは不要であることが理解されるべきである。いくつかの実施形態では、本開示によって企図されるキット及び/又は方法は、接着剤を含むか、又は接着剤の使用を含み、接着剤(例えば、接着剤ペースト)は、オストミーウェハの使用においてストーマとオストミーウェハとの間の隙間を効果的に排除するために、オストミーウェハに適用されてもよい。
【0139】
接着剤はまた、オストミーパウチのオストミーウェハへの接着を促進するために使用されてもよい。本明細書に開示された接着剤は、様々な皮膚の状態に対する接着を提供するとともに、患者に対する安心感及び快適性を提供することができる。いくつかの実施形態では、皮膚バリアを湿った/乾いた皮膚に確実に接着させるために、親水コロイドを使用してもよい。さらに、いくつかの実施形態では、例えば、バリア、シール、ストリップ、ラミネート、又はファブリックなどの接着剤は、使用前に除去するように設計された剥離ライナーを含んでもよい。しかし、他の実施形態では、接着剤は剥離ライナーを含まなくてもよい。そのような実施形態では、接着剤の接着品質は、接着剤が液体、ゲル、流出物、皮膚、熱、又はそれらの組み合わせと接触するときにのみ存在してもよい。さらに、いくつかの実施形態では、接着剤は、熱及び/又は流出物との接触によって活性化及び/又は促進される接着性、密封性、又は成形性を有してもよい。
【0140】
本明細書に開示される接着剤は、キトサン、ペクチン、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース、ブタジエンポリマー、ポリ-α-オレフィン、吸収性マイクロコロイド粒子、架橋された親水性ポリマー、p-トルエン-スフォンアミド、ポリマーマトリックス、熱可塑性エラストーマ、ポリオレフィンエラストーマ、エチレンとオクタンの共重合体、シリコーンエラストーマ、カルボキシメチルセルロース、アクリル酸エステル、アルギン酸エステル、多糖類、ホモポリマー、ブロック共重合体、親水ゲル形成用親水性ホモポリマー、ヘテロポリマー、両親媒性ブロック共重合体、架橋ポリアルキレンオキシドポリマー、トリブロック共重合体、可塑化オイル(例えば、以下のようなものが挙げられる。液状ロジン誘導体、芳香族オレフィンオリゴマー、植物油又は動物油、エステル、エーテル、グリコール、ポリプロピレンオキサイド、α-ブトキシ-ポリオキシプロピレン)、極性ポリエチレン共重合体、ポリプロピレンオキサイド、極性ポリエチレン共重合体、エチレンビニルアセテート、エチレンビニルアセテート一酸化炭素、エチレンブチルアセテート、エチレンビニルアルコール、エチレンブチルアクリレート、エチレンブチルアクリレートモノオキサイド、スチレン-イソプレン-スチレン共重合体、タッキファイヤー、パラフィンオイル、親水コロイド、モノオリゴ糖、ジオリゴ糖、糖アルコール、ポリペプチド、有機酸、無機酸、アミノ酸、アミン、尿素、グリコール、及びこれらの組み合わせから選択されるが、これらに限定されない成分又は材料を含むことができる。
【0141】
例示的な実施形態では、本明細書に開示されるオストミーウェハは、皮膚バリアとストーマとの間の適合性を改善するConvaTec Moldable adhesive Technology(CMT)を含んでもよい。一例として、CMTに使用されるDurahesive(登録商標)技術は、苛性流出物から皮膚を保護するのに役立つ可能性がある。Durahesive(登録商標)技術では、Stomahesive(登録商標)技術で使用される成分を異なる比率で配合し、吸湿性のある接着剤を生成する。いくつかの実施形態では、凸型ウェハにDurahesive(登録商標)技術を採用することで、周囲の皮膚に優しく、(高い凝集力により)一体として簡単に取り外せることを保証するようにしてもよい。Durahesive(登録商標)ポリマーは、弾性マトリックス内で膨潤し、ストーマ部位の周囲にシールを形成する。Durahesive(登録商標)ポリマーは、廃液と接触することで膨らみ、「タートルネック」になり、ストーマ周囲の密閉性を高めることが可能である。このようなポリマーを使用した場合、ストーマ周辺の膨張と収縮により、着用期間中にぴったりとした安全な状態を維持するバリアを提供することができる。ストーマ周囲の良好なシールを確保することで、排水が皮膚バリアの下に漏れるリスクを最小化し、そのような漏れを低減することで、皮膚周囲の合併症の発生が抑制されることを理解すべきである。
【0142】
例示的な実施形態では、本明細書に開示されるオストミーウェハは、皮膚バリアとストーマとの間の適合性を向上させるConvaTec Moldable adhesive Technology(CMT)を含んでもよい。一例として、CMTに使用されるDurahesive(登録商標)技術は、苛性流出物から皮膚を保護するのに役立つ可能性がある。Durahesive(登録商標)ポリマーは、弾性マトリックス内で膨潤し、ストーマ部位の周囲にシールを形成する。Durahesive(登録商標)ポリマーは、廃液と接触することで膨らみ、「タートルネック」になり、ストーマ周辺の密閉性を高めることが可能である。このようなポリマーを使用した場合、ストーマ周辺の膨張と収縮により、着用期間中にぴったりとした安全な状態を維持するバリアを提供することができる。ストーマ周囲の良好なシールを確保することで、排水が皮膚バリアの下に漏れるリスクを最小化し、そのような漏れを低減することで、皮膚周囲の合併症の発生が抑制されることを理解すべきである。
【0143】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されたオストミーウェハ及びその成分は、例えば、ペクチン、ゼラチン、及びNaCMC(Sodium Carboxymethyl Cellulose)などの親水コロイド接着剤を含んでもよい。本明細書で使用される用語「親水コロイド接着剤」は、親水コロイドを含む接着材料又は物質を意味する。親水コロイド接着剤の例示的な実施形態には、Stomahesive(登録商標)、Durahesive(登録商標)、Trilaminate、及びStomahesive(登録商標)シールが含まれるが、これらに限定されない。それらの接着剤の処方は、製品の魅力(例えば、快適性、柔軟性、サイズ、通気性など)をさらに高めるために変更してもよい。接着剤の弾力性を向上させるために、材料(例えば、スチレン-イソプレン-スチレン(SIS)ゴム、イソブチレンなど)を添加してもよい。また、柔軟性やタックを向上させるために油を添加してもよい。本明細書で使用される場合、「トライラム」への言及は、一般的にトライラミネートシステムを意味する。さらに、本明細書では、「トリラムSH/DH」とは、Stomahesive(登録商標)(SH)層、フィルム層、及びDurahesive(登録商標)(DH)層を含むトリラミネートシステムのことを指す。場合によっては、フィルム層は、PETフィルムを組み込んだ層として実施するか、又はその他の方法で含まれることがある。
【0144】
本明細書に開示される接着剤は、粘膜接着剤を含んでもよい。粘膜接着剤は、他の条件の中でも、濡れた状態で十分な接着力を維持するのに特に有用である。いくつかの実施形態では、本開示の粘膜接着剤は、皮膚及びストーマに接着するように選択された官能基を有するポリマーを含む。一例では、官能基は、チオール、酸及び塩、イミノチオラン、チオアルキルアミジン、カテコール、アミノ酸、ジヒドロキシ置換された芳香族基、及びそれらの組み合わせからなるグループから選択される。さらに、一例では、ポリマーは、ポリアクリレート、ポリアキルメタクリレート、ポリフェニルメタクリレート、ポリアンハイドライド、スチレン系ブロックコポリマー、ポリアミド、ポリエステル、ポリビニルエーテル、ポリビニルエステル、スルホン化ポリマー、ポリオレフィン、シリコーン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアセテート及びその共重合体、ポリビニルアルコール、ポリウレタン、ポリエーテル、無水マレイン酸の共重合体、多糖類、ポリペプチド、ゼラチン、アルギン酸塩、ガム、デンプン、キトサン、ペクチン、及びこれらの組み合わせからなるグループから選択される天然又は合成ポリマーから作られる生体適合性ポリマーである。さらに、いくつかの実施形態では、粘膜接着剤は、疎水性ポリマー、親水性ポリマー、両親媒性ポリマー、粘着剤、樹脂、可塑剤、親水コロイド、無機及び有機の粒子状充填剤、酸化防止剤、安定剤、有機及び無機の顔料、潤滑性添加剤、及びこれらの組み合わせなどの他の成分を含んでもよい。
【0145】
接着剤は、少なくともいくつかの実施形態において、ポリジメチルシロキサンの1又は複数の両親媒性コポリマーを有する感圧接着剤を含んでもよい。そのような実施形態では、コポリマーは、ポリジメチルシロキサン又はポリメチル親水ジェンシロキサンマクロイニシエーターと、少なくとも1つの反応性親水性又は両親媒性モノマー、オリゴマー、マクロメア、又はそれらの組み合わせを使用して調製されてもよい。いくつかの実施形態では、反応性親水性又は両親媒性モノマーは、N-ビニルカプロラクタム、ビニルエステル、ビニルエーテル、不飽和酸又は無水物及びそれらの塩、アクリレート、メタクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、N-アルキルアクリルアミド、シアネートエステル、ヒドロキシ-アルキルアクリルアミド、グリシジルエステル、グリシジルエーテル、アリルモノマー、及びそれらの組み合わせからなるグループから選択されてもよい。
【0146】
粘性媒体
粘性媒体(例えば、粘性媒体150)は、1又は複数の粘性溶液と呼ばれることもある。粘性媒体は、少なくともいくつかの実施形態では、接着を促進し、ウェハとオストメイトとの間のシールを確立するために、粘着性又は接着性であってもよい。粘性媒体は、ペースト及び/又はゲルを含んでもよい。ペーストの非限定的な例としては、ConvaTec社のStomahesive(登録商標)ペースト、Adaptペースト(Hollister社製)、Bravaペースト(Coloplast社製)、Securiti-T Stomaペースト(Genairex社製)、MicroHesive Stoma ペースト(Cymed社製)、及びOsto Stomaペースト(Montreal Osto社製)が挙げられる。ゲルには、シリコーンゲル(Trio社製)、及びOstoペースト(Stoma-Tech社製)が含まれるが、これらに限定されない。さらに、いくつかの実施形態では、ペースト/ゲルの成分は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、Thixcin、ゼラチン、及びペクチンを含んでもよいが、これらに限定されない。
【0147】
本明細書で企図される粘性媒体は、少なくともいくつかの実施形態では、室温(-25℃)で約0.1Pa・s-1から約150Pa・s-1の粘度を有してもよい。さらに、いくつかの実施形態では、粘性媒体は、室温で約1から約100Pa・s-1の粘度を有してもよい。さらに、いくつかの実施形態では、粘性媒体は、室温で約5から約50Pa・s-1の粘度を有してもよい。さらに、いくつかの実施形態では、粘性媒体は、室温で約1から約10Pa・s-1の粘度を有してもよい。さらに、いくつかの実施形態では、粘性媒体は、室温で約10から約100Pa・s-1の粘度を有してもよい。最後に、いくつかの実施形態では、粘性媒体は、室温で約5から約10Pa・s-1の粘度を有してもよい。
【0148】
粘性媒体は、少なくともいくつかの実施形態では、室温で蜂蜜のような粘度、ネクターのような粘度、又は糖蜜のような粘度を有してもよい。さらに、いくつかの実施形態では、粘性媒体は、室温でピーナッツバター、ラード、ケチャップ、又は歯磨き粉と同様な粘度を有してもよい。さらに、いくつかの実施形態では、粘性媒体は、体温(37℃)で蜂蜜のような粘性、ネクターのような粘性、又は糖蜜のような粘性を有してもよい。さらに、いくつかの実施形態では、粘性媒体は、粘性媒体がオストミーウェハの穿孔を通って押圧/押出、漏出、又は流出するために十分に高い粘性を有してもよいことが理解されるべきである。さらに、粘性媒体は、ウェハ/オストミーウェハの配置に続いて、粘性媒体が使用部位(例えばストーマ)に維持されるための十分に低い粘度を有してもよい。勿論、粘性媒体の粘度は、温度(例えば、室温から体温)、せん断応力、又は粘性媒体の操作によって変化してもよい。いくつかの例では、ウェハ又は対象物の動きが、さらなる接着を提供することがある。
【0149】
いくつかの実施形態では、粘性媒体は、穿孔を通って浸透するか、皮膚の窪み/輪郭に広がるか、又は他の方法で排出物の漏出に抵抗してもよい。さらに、上述したように、粘性媒体は、オストミーウェハの穿孔を介して押し出されてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、最適な機能を達成するために、オストミーウェハは、寸法安定性、時間依存硬化、温度依存硬化、pH活性化、光/UV活性化、化学活性化、及び酸化特性のうちのいずれか1つに基づいて選択された粘性媒体を組み込まれてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、粘性媒体は、疎水性、親水性又は両親媒性であってもよい。
【0150】
ウェハ層
本明細書に開示されたオストミーウェハは一般に、複数の層を含む。これらの層には、型、接着剤、シール、バリア、及び積層体を含んでもよいが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、層のいずれか1つは発泡体を含んでもよい。発泡体は、少なくともいくつかの実施形態では連続発泡体であってもよい。本明細書に開示されたオストミーウェハと共に使用される溶液又は流体は、連続発泡体を介して染み出してもよいし、押し出されてもよいことを理解すべきである。
【0151】
本明細書に開示されたオストミーウェハは、少なくともいくつかの実施形態において、柔軟又は成形可能でもよい外部層を含む。外部層は、少なくともいくつかの実施形態において、オストミーウェハのユーザが凸部層又はチャンバ内に押し込むことによりチャンバの容積を減少させ、穿孔を介して粘性媒体を押し出すことを可能にしてもよい。一例では、外部層は、単一の層を含んでもよい。別の例では、外部層は、多層又は多層材料又は複数の材料の層を含んでもよい。さらに別の例では、外部層は、親水コロイド接着剤を含んでもよい。
【0152】
いくつかの実施形態では、外部層は、ペクチン、ゼラチン、及びカルボキシメチルセルロースナトリウム(NaCMC)を有する親水コロイド接着剤から選択される材料を含んでもよい。例示的な実施形態には、Stomahesive(登録商標)、Durahesive(登録商標)、Modified Stomahesive(登録商標)、又はColoplasts Brava(登録商標) stripsが含まれるが、これらに限定されない。外部層に含まれる他の材料としては、シリコーン、アクリル、シアノアクリレート(例えば、Liquiband(登録商標)など)、ゴム、発泡体、セルロース、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、エチレンビニルアセテート、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、及びポリイソブチレンが挙げられる。外部層は、少なくともいくつかの実施形態では、Stomahesive(登録商標)シール又はDurahesive(登録商標)シールを有するトリラム(SH/DH)で構成されていてもよい。
【0153】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される任意のオストミーウェハの凸部層は皮膚バリアを含んでもよい。皮膚バリアは、型から、又は型の形態で形成されたリングを含んでもよい。凸部層及び/又は皮膚バリアは、ストーマ接着剤として具現化されるか、又はストーマ接着剤を含む接着剤を備えてもよい。接着剤は、凸部層の開口部を通る一方向の流れを確保するために、流出物に対するバリア又はシールを提供してもよい(図1及び図2の流出物の流動矢印参照)。一実施形態では、皮膚バリアは、通気性及び/又は吸湿性を有する成形可能な接着剤である。非限定的な例として、皮膚バリアは、Stomahesive(登録商標)シール(ConvaTec社製)、Brava(登録商標)) Moldable接着リング(Coloplast社製)、Eakin Cohesiveシール(ConvaTec社製)、Adapt Barrier リング(Hollister社製)、SecuPlast Mouldableシール(Salts社製)、及びSiltac(登録商標)(Trio社製)から選択してもよい。
【0154】
本開示によって企図される皮膚バリアは、体液との接触から下層の皮膚を保護するために、ストーマの周りの無傷の皮膚の空洞/ひだに充填及び/又は受容されるように適合される。いくつかの実施形態では、皮膚バリアは、ペクチンベースの親水コロイドタイプの成分、鉱物油、可塑剤、タッキファイヤー、及びエラストーマから作成されてもよく、組成は様々である。
【0155】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される任意のオストミーウェハの凸部層は、外部層と接触する隆起部(例えば、図1図2及び図5にそれぞれ示す隆起部116、216、516)を有し、相対的に円筒形、漏斗形及び/又は椀形であればよい。凸部層の輪郭は、少なくともいくつかの実施形態では、凸部及び凹部の両方の形態を含んでもよい。さらに、いくつかの実施形態では、凸部層の輪郭は、約0.1mmから約10mm、又は約1mmから約10mmの増分で、段階的又は連続的であってよい(図3参照)。
【0156】
排水が流れる凸部層の開口部は一般に、口/縁とは反対側のボウルの底部/付近に配置される。凸部層は、面一ストーマ又は陥凹型ストーマの内部、周囲又は反対側に位置決めするための適切な寸法を有することが理解されるべきである。一例では、面一ストーマに関して、凸部層の開口部は、「ボウル」の凸状の外部隆起部が内部組織の周囲の皮膚に接触し、ストーマを囲む皮膚の表面から最小限に延びるように、内部組織の周囲に適合する大きさであればよい。陥凹型ストーマの例では、凸部層は、相対的に浅いボウル深さを有し、ストーマ周囲皮膚と凸部層の外部隆起部及び/又は側面との間にほとんど又は全く空間を残さないように十分な幅を有していてもよい。
【0157】
いくつかの実施形態では、凸部層のボウルの深さは、約0.5cmから約10cmの間であればよい。さらに、いくつかの実施形態では、ボウルの深さは、約1cmから約5cmの間であってもよい。さらに、いくつかの実施形態では、ウェハの直径は、約50mmから約300mmの間、約50mmから約200mmの間、又は約50mmから約200mmの間であればよい。さらに、いくつかの実施形態では、オストミーウェハの高さは、約1mmから約50mmであればよい。さらに、いくつかの実施形態では、オストミーウェハの高さは、約3mmから約30mmであればよい。最後に、いくつかの実施形態では、オストミーウェハの高さは、約5mmから約50mmであればよい。
【0158】
いくつかの実施形態では、本開示の任意のオストミーウェハの開口部(例えば、近位開口部162)は、約10mmから約80mmまでの平均直径のストーマに適合するようにしてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、オストミーウェハの開口部は、約10mmから約100mmまでの平均直径のストーマに適合するようにしてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、オストミーウェハ開口部は、平均直径が約10mmから約50mmのストーマに適合するようにしてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、ボウルの幅は、約2cmから約10cmの間であってもよい。オストミーウェハの追加の構成要素と同様に、凸部層は、接着剤成形のための熱処理を伴う圧縮金型の使用により製造してもよいことを理解すべきである。
【0159】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の任意のオストミーウェハの凸部層は、単層を含んでもよい。さらに、いくつかの実施形態では、凸部層は、多層又は多層材料又は複数の材料の層を含んでもよい。さらに、いくつかの実施形態では、凸部層は、親水コロイド接着剤を含んでもよい。さらに、いくつかの実施形態では、凸部層は、Stomahesive(登録商標)シールから選択された材料を含んでもよい。
【0160】
本明細書に開示される任意のオストミーウェハの外部層及び凸部層は、少なくともいくつかの実施形態において、完全に又は部分的に重なっていてもよい。いくつかのケースでは、外部層及び凸部層は、同じ外径を有してもよい。他の態様では、凸部層は、外部層よりも大きい外径を有してもよい。さらに、他のケースでは、外部層は、凸部層の外径よりも大きくてもよい。いくつかの実施形態では、外部層及び凸部層は、同じ内径を有してもよい。さらに、いくつかの実施形態では、凸部層は、外部層よりも大きな内径を有してもよい。さらに、いくつかの実施形態では、外部層は、凸部層よりも大きな内径を有してもよい。
【0161】
オストミーウェハは、上述するように、内部層(例えば、内部層130、530)を含んでもよい。内部層は、図5に示すように、内部層がストーマ周囲の皮膚に接触するように、凸部層の凸部表面に配置されてもよい。内部層は、少なくともいくつかの実施形態では、成形可能な接着剤バリアを含んでもよい。さらに、いくつかの実施形態では、成形可能な接着剤バリアは、ストーマ周囲の皮膚へのパウチ/外傷用医薬材料の接着を助けるためのオストミーアクセサリとして設計された接着剤を含んでもよい。これにより、ストーマ及び/又は周囲の皮膚に適合させながら、皮膚を流出物から保護することができる。成形可能な接着剤バリアは、少なくともいくつかの実施形態では、パテ又はゴムのような粘度を有してもよい。さらに、いくつかの実施形態では、内部層は、Eakin Cohesive シール(ConvaTec社製)、Adapt Barrier リング(Hollister社製)、SecuPlast Mouldableシール(Salts社製)、及びSiltac(登録商標)(Trio社製)から選択される材料を含んでもよい。内部層は、少なくともいくつかの実施形態では、Stomahesive(登録商標)シール及び/又はStomahesive(登録商標)ペーストを含んでもよい。
【0162】
オストミーウェハは、少なくともいくつかの実施形態において、1以上の追加層を含んでもよい。いくつかの実施形態では、1又は複数の追加層は、接着剤を含んでもよい。他の実施形態では、1又は複数の追加層は、接着剤を含まなくてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、1又は複数の追加層は、接着剤、ラミネート、フォーム、ゲル、ゴム、布、プラスチック、及びそれらの組み合わせから選択される材料を含んでもよい。少なくともいくつかの実施形態では、1又は複数の追加層が、オストミーウェハの柔軟性又は成形可能な特性に寄与することが理解されるべきである。
【0163】
ストーマ溝
いくつかの実施形態では、本開示の任意のオストミーウェハのストーマ溝(例えば、ストーマ溝160)は、オストミーウェハとストーマとの間に確立されたシールを強化するために、少なくとも1つの構造(例えば、特徴部410、430、450のいずれか1つ以上)を含むことができる。本明細書で企図されているストーマ溝の構造は一般に、ストーマと一緒に使用するように設計されており、オストミーウェハがストーマに対して押圧されたとき、ストーマ溝内に配置される可能性がある内部組織を受容し、及び/又はそれと接触することができることを理解すべきである。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるストーマ溝の構造は、バネ又はアコーディオンのような構造をとることができる。さらに、いくつかの実施形態では、本明細書に開示される構造は、オストミーウェハが突出したストーマにクランプすることを可能にしてもよく、接着剤製品の使用を排除するか、又は使用の必要性を最小限にしてもよい。
【0164】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される構造は、オストミーウェハがストーマから外れることを防止するようにしてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、本明細書に開示される構造体は、所定の又は基準となる反発力で変形を制御するバネ/反発特性を有してもよい。本開示によって企図される構造体は、ストーマがストーマ溝から滑り落ちること、又はストーマ溝から引き出されることを防止又は実質的に抵抗することができることを理解すべきである。さらに、本明細書に開示される構造は、ストーマ溝とストーマを摩擦干渉させることにより、ストーマにオストミーウェハを容易に固定することができる。
【0165】
ストーマ溝及び/又は本明細書に開示されたストーマ溝の構造体に組み込まれ得る剛性又は半剛性材料の非限定的な例としては、親水コロイド接着剤(例えば、Stomahesive(登録商標)、Durahesive(登録商標)、Modified Stomahesive(登録商標)、Stomahesive(登録商標)シール、Duoderm、又はColoplasts Brava(登録商標)ストリップ)、シリコーン、アクリル、シアノアクリレート(例えば、Liquiband(登録商標))、ゴム、発泡体、セルロース、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、エチレンビニルアセテート、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、及びポリイソブチレンが組み込まれてもよい。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される剛性又は半剛性材料は、接着剤の回復を少なくとも3.175mm未満に制限することができる。
【0166】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるオストミーウェハのストーマ溝は、異なる形状を有してもよい。一例では、ストーマ溝は、円筒形であってもよい。別の例では、ストーマ溝は、テーパ状であってもよい。いくつかの例では、ストーマ溝は、ストーマがストーマ溝の狭い端部に挿入されるように、テーパ状になっていてもよい。他のケースでは、ストーマ溝は、ストーマがストーマ溝の広い端部に挿入されるようにテーパ状になっていてもよい。勿論、いくつかの実施形態では、ストーマ溝は、装置の層によって提供される構造以外の構造又は構造的特徴を備えていなくてもよいことを理解すべきである。
【0167】
いくつかの実施形態では、オストミーウェハのストーマ溝及びそれに隣接する領域は、成形可能な接着技術を含んでもよい。それらの接着機能は、オストミーウェハを特定の患者の皮膚及びストーマにシールするために典型的に必要とされるステップの数を減らしてもよい。例えば、ストーマ溝を患者の皮膚及びストーマに切断/調整するために、ハサミを必要としない場合があり、オストミーウェハの輪郭/構造を埋めるために、追加のペースト又は接着剤を必要としない場合がある。したがって、本明細書に開示されたオストミーウェハは、看護師及び患者にとって、より容易で簡単な接着(及び除去)を提供するかもしれない。
【0168】
本開示の任意のオストミーウェハは、外部層に取り付けられたフランジ又はカラーを含んでもよい。いくつかの実施形態では、フランジ又はカラーは、オストミーウェハをオストメイトにさらに固定するため、及び/又は漏れに抵抗するためにオストミーウェハをオストメイトにシールするための追加の接着剤を含んでもよい。フランジをストーマに確実に嵌合及びシールするために、一般的な物質、装置、及び/又は方法を採用してもよい。例えば、皮膚のひだ、凹凸のある皮膚表面、及び傷のための充填剤として、ストーマの周囲、回腸の基部、及び/又はオストミーウェハ/ベースプレートの開口部に接着物質(例えば、ペースト)を塗布することが挙げられる。他の方法は、凹凸のある皮膚表面を埋めるためにシリコーンゲルを使用し、ストーマの周りにゲルを直接塗布し、ゲルの上に直接ウェハ/ベースプレートを接着するステップを含んでもよい。そのような方法によれば、ゲルは、通常の塗布時間中にウェハ/ベースプレートで硬化してもよい。ペーストの非限定的な例としては、ConvaTec社のStomahesive(登録商標)ペースト、Adaptペースト(Hollister社製)、Bravaペースト(Coloplast社製)、Securiti-T Stomaペースト(Genairex社製)、MicroHesive Stomaペースト(Cymed社製)、及びOsto Stomaペースト(Montreal Osto社製)が挙げられる。ゲルには、シリコーンゲル(Trio社製)、及びOstoペースト(Stoma-Tech社製)が含まれるが、これらに限定されない。さらに、いくつかの実施形態では、ペースト/ゲルの成分は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、チクシン、ゼラチン、及びペクチンを含んでもよいが、これらに限定されない。
【0169】
本開示のオストミーウェハは、オストミーウェハをオストミーパウチに結合又は接着するための1又は複数の結合構成要素(例えば、結合構成要素202)を含んでもよい。結合構成要素は、本明細書に開示される任意のオストミーウェハに取り付けられてもよい。いくつかの実施形態では、結合構成要素は、オストミーウェハ又はその任意の層に含まれてもよい。いずれにしても、結合構成要素は、オストミーウェハ及び/又はオストミーパウチに塗布、結合、又はその他の方法で組み込まれた接着層による接着を介して、又は1以上の追加の構成要素との相互作用によって、オストミーウェハをオストミーパウチに機械的に接続するように適合されていることを理解すべきである。勿論、他の実施形態では、オストミーウェハは、結合構成要素を含まなくてもよい。そのような実施形態では、オストミーウェハは、パウチに直接接触してもよいし、パウチの結合特徴部に接触してもよい。
【0170】
オストミー装置
本開示のオストミー装置は、オストミーパウチと、本明細書に開示されたオストミーウェハのいずれか1つとを含む。いくつかの実施形態では、オストミー装置は、オストミーポーチ及び/又はオストミーウェハと相互作用して、その使用時にオストミーポーチ及びオストミーウェハを動作可能に結合するように構成された1又は複数の結合構成要素(例えば、図2に示す成分202)を含んでもよい。
【0171】
いくつかの実施形態では、結合構成要素は、オストミーウェハのほぼ全体とオストミーパウチの入口開口部との間の相対的な変位を許容する、オストミーウェハとオストミーパウチとの間の限定動作接続部を含むか、具体化するか、又は他の方法で提供することができる。このような実施形態では、限定動作接続部は、限定動作軌跡に沿ってウェハとパウチとの間の相対的な変位を案内することができる。より具体的には、いくつかの実施形態において、限定動作接続部は、操作位置とアクセス位置との間の、パウチに対するウェハの相対的な移動(又はその逆)を案内することができる。操作位置では、オストミーウェハは、オストミーパウチの入口開口部の周りに重ねられてもよい。さらに、操作位置では、オストミーウェハの適合可能な領域は、非身体側のオストミーパウチによって覆い隠されてもよく、ウェハ及びパウチは、固定結合を用いて互いに固定されてもよい。アクセス位置では、非身体側から適合可能な領域へのアクセスが提供される。
【0172】
本明細書で企図される結合構成要素は、オストミーウェハとオストミーパウチとの間の整列又は動作位置への移動を案内することにより、例えば、高齢者、不器用な人、又は視覚障害者などの一部のユーザの使用を容易にすることができる。同時に、限定動作接続部は、上述したように、入口開口部に対するオストミーウェハ全体の実質的な相対的変位を可能にする。これにより、少なくともいくつかの実施形態では、ユーザのストーマのサイズ及び/又は形状に対してオストミーウェハを容易に適合することができる。いくつかの実施形態では、限定動作接続部は、限定動作軌跡を画定する関節リンクを含んでもよい。
【0173】
いくつかの実施形態では、オストミー装置は、アクセスを強化し、例えば、完全に又は部分的に不動のオストミーウェハなどの合併症を回避するために、一体型要素として提供されてもよい。オストミーウェハは、(オストミーパウチに恒久的に取り付けられてもよい)結合構成要素を介して、直接又は間接的にオストミーパウチに恒久的に取り付けられてもよい。本開示の目的のために、用語「恒久的に取り付けられた」(又は同様のフレーズ)は、部品の分離が破損又は損傷をもたらし、追加の装置なしに再取り付けを複雑にするのに十分な力で部品を取り付けてもよいことを意味する。勿論、本開示の教示から、オストミーパウチの入口開口に対してオストミーウェハを変位させる能力が、(例えば、ストーム開口を形成、切断、又は成形することにより、又はストーム開口で別個のシール部材を適合及び/又は成形することにより)オストミーパウチへのオストミーウェハのより容易な適合を可能にすることが明らかになるはずである。
【0174】
いくつかの実施形態では、オストミー装置は、2部品のオストミー装置であってもよい。2部品装置の構成要素は、ストーマのサイズ及び/又は形状にオストミーウェハを容易に適合させるため、オストミーウェハへの接触を大きく損ねることのないように位置を調整してもよい。さらに、構成要素は、身体適合構成要素に対して他の構成要素を動作位置に固定する前に、身体適合構成要素を身体に配置する能力を損なうことなく、互いに相対配置してもよい。いくつかの実施形態では、限定動作接続部及び結合構成要素は、分離可能な結合部を含んでもよい。
【0175】
使用方法
本明細書でさらに開示されているのは、本開示のオストミーウェハ及びオストミー器具を使用する方法である。いくつかの実施形態では、方法は、面一/陥凹型ストーマをオストミーウェハと接触させるステップを含んでもよい。さらに、いくつかの実施形態では、方法は、オストミーウェハを、オストミーウェハの開口部のいずれかに充填されるオストミーポーチ、キャップ、又はプラグと接触させるステップを含んでもよい。さらに、いくつかの実施形態では、方法は、面一/陥凹型ストーマ又はオストミーウェハを、オストメイトへのオストミーウェハの接着を促進する接着物質と接触させるステップを含んでもよい。さらに、いくつかの実施形態では、方法は、面一/陥凹型ストーマ又はオストミーウェハを、オストミーウェハの成分である接着剤以外の追加の接着剤と接触させるステップを含んでもよい。さらに、いくつかの実施形態では、方法は、オストミーウェハを成形するため、又は追加の接着剤の接着性を促進するために加熱するステップを含んでもよい。さらに、いくつかの実施形態では、方法は、ユーザが装置を測定、サイズ決定、適合、切断、又は引き裂くステップを必要としない。むしろ、そのような実施形態では、ユーザは、装置をストーマに適合させるために、指で装置を成形するだけでよい。
【0176】
キット
本開示のキットは、本明細書に開示されたオストミーウェハのいずれか1つを含む。いくつかの実施形態では、キットは、オストミーパウチ、粘性媒体、接着シール、接着バリア、接着ストリップ、接着布、接着ペースト、及びこれらの組み合わせから選択されるキットの構成要素も含むことができる。
実施例
本明細書に記載されている実施例及び実施形態は、例示を目的としたものであり、特許請求の範囲を限定することを意図していない。当業者に明らかな様々な修正又は変更が、本願の精神及び範囲ならびに添付の特許請求の範囲内にあることを理解すべきである。
【0177】
実施例1:予備充填された穴あきチャンバのオストミーウェハの接着
オストミーウェハを接着する前に、面一ストーマ又は陥凹型ストーマを有するオストメイトが、自分の手及びストーマを囲む皮膚が清潔で、乾燥しており、溶媒又は油性物質がないことを確認する。接着剤ペースト(例えば、粘性媒体150)を有する穴あきチャンバのオストミーウェハ(例えば、ウェハ100、200、500の1つ)を包装から取り出す。接着剤ペーストを含む1以上のチャンバ(例えば、チャンバ140)を、可撓性、柔軟性、及び穴あき凸部層(例えば、凸部層120、220、520)内に収容する。
【0178】
剥離ライナーを穴あきチャンバウェハから(例えば、その皮膚バリアから)取り除き、穴あきチャンバウェハの開口部(例えば、近位開口部162)をストーマの中央に配置する。次いで、穴あきチャンバウェハを、ウェハの外部層(例えば、外部層110、210、510)がストーマを囲む外部皮膚と同一平面になるまで、ストーマの開口部に押し込む。穴あきチャンバのウェハがストーマの中及び周囲に圧縮されると、接着剤ペーストが穿孔(例えば、穿孔170)を通って1以上のチャンバから押し出されることにより、皮膚の不規則な輪郭及びくぼみに充填され、ウェハをオストメイトに接着し、確実なシールを提供することができる。
【0179】
使用後に穴あきチャンバのウェハを除去するために、オストメイトのウェハを体から静かに剥離する。残留物は、転がして剥がすか、Sensi-Care(登録商標)又はNiltac(登録商標) Sting Free Adhesive Removerを使用して皮膚から除去することができる。
【0180】
実施例2:空の穴あきチャンバのオストミーウェハの接着
オストメイトは、オストミーウェハを接着する前に、自分の手及びストーマを囲む皮膚が清潔で、乾燥しており、溶媒又は油性物質がないことを確認する。1以上の空のチャンバ(例えば、チャンバ140)を有する穴あきチャンバオストミーウェハ(例えば、ウェハ100、200、500のうちの1つ)を包装から取り出す。1以上のチャンバは、可撓性、柔軟性、及び穿孔性のある凸部層(例えば、凸部層120、220、520)内に収容する。凸部層は、外部層(例えば、外部層110、210、510)とは別に設けられている。凸部層は、その外部隆起部に、外部層を受容し、外部層に接着/結合するための部分を含む。
【0181】
ウェハの凸部層から(例えば、その皮膚バリアから)剥離ライナーを取り除き、凸部層の開口部(例えば、近位開口部162)をストーマの中心に配置する。凸部層は、凸部層の成形可能な特性のために、凸部層の測定又は修正を行うことなく、ストーマに成形される。凸部層がストーマに成形されると、接着剤ペースト(例えば、粘性媒体150)を凸部層の1又は複数のチャンバに付与する。第2の剥離ライナーを外部層から除去し、外部層を凸部層に接着して、凸部層と外部層との間にシールを形成することにより、凸部層のチャンバ内に接着剤ペーストを閉じ込める。外部層と凸部は、オストメイトに接着するために、皮膚に対向する面に接着剤が塗布されていることを理解すべきである。接着剤ペーストは、穿孔(例えば、穿孔170)を通って、1以上のチャンバから染み出すことにより、皮膚の不規則な輪郭及びくぼみに充填され、ウェハをオストメイトに接着し、確実なシールを提供する。
【0182】
使用後に穴あきチャンバのウェハを除去するために、オストメイトウェハを体から静かに剥がす。残留物は、転がして剥がすことにより、又はSensi-Care(登録商標)又はNiltac(登録商標) Sting Free Adhesive Removerを使用することにより、皮膚から除去することができる。
【0183】
本開示は、前述の図面及び説明において詳細に図示及び説明されているが、同じものは例示的なものとみなされ、性格的に制限的ではなく、その例示的な実施形態のみが示され、説明されており、本開示の精神の範囲内に入るすべての変更及び修正が保護されることが望まれることが理解される。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
【国際調査報告】