(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-22
(54)【発明の名称】悪性および非悪性血液疾患の治療のための免疫枯渇の組成物および方法
(51)【国際特許分類】
A61K 51/10 20060101AFI20220615BHJP
A61K 39/395 20060101ALI20220615BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20220615BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20220615BHJP
A61K 35/17 20150101ALI20220615BHJP
A61K 101/02 20060101ALN20220615BHJP
A61K 103/00 20060101ALN20220615BHJP
A61K 103/10 20060101ALN20220615BHJP
A61K 103/32 20060101ALN20220615BHJP
A61K 103/40 20060101ALN20220615BHJP
【FI】
A61K51/10
A61K39/395 N
A61K39/395 T
A61P35/00
A61P43/00 121
A61K35/17 Z
A61K101:02
A61K103:00
A61K103:10
A61K103:32
A61K103:40
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021563248
(86)(22)【出願日】2020-04-24
(85)【翻訳文提出日】2021-12-21
(86)【国際出願番号】 US2020029887
(87)【国際公開番号】W WO2020219928
(87)【国際公開日】2020-10-29
(32)【優先日】2019-04-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517405552
【氏名又は名称】アクティニウム ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100218578
【氏名又は名称】河井 愛美
(72)【発明者】
【氏名】ラディック デール
(72)【発明者】
【氏名】ゲイガン アイリーン
【テーマコード(参考)】
4C085
4C087
【Fターム(参考)】
4C085AA14
4C085AA16
4C085BB01
4C085CC23
4C087AA01
4C087AA02
4C087BB65
4C087NA05
4C087ZB26
(57)【要約】
対象の免疫細胞の特定のサブセットの一過性免疫枯渇のための組成物および方法が開示される。本方法は、概して、CD19、CD20、CD33、CD38、CD45RA、CD52、またはそれらの組み合わせに対する、有効量の放射標識された抗体を対象に投与することを含む。有効量の放射標識された抗体は、標的化免疫細胞の少なくとも50%、および対象の幹細胞の20%未満を枯渇させる。単独で使用される場合、これらの方法は、リンパ腫、白血病、および骨髄腫を標的化し得、かつ/または自己免疫疾患を有する患者における非自己反応性免疫細胞の再増殖をさらに可能にし得る。これらの方法がある特定の細胞ベースの療法、例えば、養子細胞療法および/または造血幹細胞療法に先行する場合、本方法は、有害効果を最小限に抑えながら、細胞ベースの療法の転帰を高めることができる。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象の免疫細胞の特定のサブセットの標的化免疫枯渇のための方法であって、前記方法が、
CD2、CD3、CD5、CD11a、CD11b、CD11c、CD14、CD18、CD19、CD20、CD28、CD33、CD38、CD45RA、CD49a、CD52、CD96、CD116、CD122、CD132、CD152、CD154、CD244、CD272、CD305、CLA、IL-21、B7-HA、またはそれらの組み合わせに対する、有効量の放射標識された抗体を前記対象に投与することを含み、
前記有効量の前記放射標識された抗体が、前記標的化免疫細胞の少なくとも50%、または前記標的化免疫細胞の少なくとも70%、または前記標的化免疫細胞の少なくとも80%を枯渇させ、前記有効量の前記放射標識された抗体が、前記対象の幹細胞の20%未満、または前記対象の幹細胞の10%未満を枯渇させ、
前記放射標識された抗体が、
131I、
125I、
123I、
90Y、
177Lu、
186Re、
188Re、
89Sr、
153Sm、
32P、
225Ac、
213Bi、
213Po、
211At、
212Bi、
213Bi、
223Ra、
227Th、
149Tb、
137Cs、
212Pb、または
103Pdで標識されている、方法。
【請求項2】
前記放射標識された抗体が、CD19、CD20、CD33、CD38、CD45RA、CD52、またはそれらの組み合わせに対するものである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記放射標識された抗体が、CD2、CD5、CD11a、CD18、CD49a、CD122、CD132、CD244、CD272、CD305、CLA、IL-21受容体、およびB7-HA、またはそれらの組み合わせに対するものである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記対象の免疫細胞の前記特定のサブセットが、リンパ系由来であるが幹細胞ではない細胞、または骨髄系由来であるが幹細胞ではない細胞を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記放射標識された抗体が、リンパ系由来標的および骨髄系由来標的を含む、二重特異性抗体である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記標的のうちの少なくとも1つが、CD19、CD20、CD33、CD38、CD45RA、またはCD52を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記リンパ系標的が、CD3、CD2、CD28、CD96、CD122、CD152、もしくはCD154であるか、または前記骨髄系標的が、CD11b、CD11c、CD14、CD33、もしくはCD116である、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記放射標識された抗体が、
131Iで標識されており、前記有効量が、10mCi~200mCiである、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記放射標識された抗体が、
225Acで標識されており、前記有効量が、0.1μCi/kg(対象体重)~5.0μCi/kg(対象体重)である、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記有効量の前記放射標識された抗体が、前記対象において骨髄破壊を誘導しない、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記有効量の前記放射標識された抗体が、単回用量として投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記有効量の前記放射標識された抗体が、骨髄に2Gy以下の放射線量を提供する、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記対象が、自己免疫疾患に罹患しており、前記対象の免疫細胞の前記特定のサブセットが、B細胞、形質細胞、またはそれら両方の組み合わせを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記対象が、がんに罹患しており、かつ前記がんを治療するために養子細胞療法を受けるところである、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記対象に対して養子細胞療法を実施することをさらに含み、前記養子細胞療法が、キメラ抗原受容体またはT細胞受容体(CAR/TCR)を発現する有効量の細胞集団を前記対象に投与することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記養子細胞療法が、前記放射標識された抗体の投与の6、7、または8日後に実施される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記養子細胞療法が、自己細胞療法、または同種細胞療法である、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記養子細胞療法が、遺伝子編集されたCAR T細胞の投与を含み、前記遺伝子編集されたCAR T細胞が、少なくとも1つのチェックポイント受容体および/または少なくとも1つのT細胞受容体を適切に発現し損なう、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記CAR/TCRを発現する前記細胞集団が、CD19、CD20、CD22、CD30、CD33、CD38、CD123、CD138、CS-1、B細胞成熟抗原(BCMA)、MAGEA3、MAGEA3/A6、KRAS、CLL1、MUC-1、HER2、EpCam、GD2、GPC3、GPA7、PSCA、EGFR、EGFRvIII、ROR1、メソテリン、CD33/IL3Ra、c-Met、CD37、PSMA、糖脂質F77、GD-2、gp100、NY-ESO-1 TCR、FRアルファ、CD24、CD44、CD133、CD166、CA-125、HE4、オーバル、エストロゲン受容体、プロゲステロン受容体、uPA、PAI-1、MICA、MICB、ULBP1、ULBP2、ULBP3、ULBP4、ULBP5、もしくはULBP6、またはそれらの組み合わせを標的化する、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記CAR/TCRを発現する前記細胞集団が、CD19、CD20、CD22、またはそれらの組み合わせを標的化する、請求項15に記載の方法。
【請求項21】
製造物品であって、
(a)CD2、CD3、CD5、CD11a、CD11b、CD11c、CD14、CD18、CD19、CD20、CD28、CD33、CD38、CD45RA、CD49a、CD52、CD96、CD116、CD122、CD132、CD152、CD154、CD244、CD272、CD305、CLA、IL-21、B7-HA、もしくはそれらの組み合わせに対する放射標識された抗体を含む、医薬組成物と、
(b)前記医薬組成物を、対象に、前記対象の標的化免疫細胞の少なくとも50%、および前記対象の幹細胞の20%未満を枯渇させるのに有効な量で単回用量として投与するよう使用者に指示する標識と、を含むか、または前記抗体の量が、前記対象の標的化免疫細胞の少なくとも90%、および前記対象の幹細胞の10%未満を枯渇させるのに有効である、製造物品。
【請求項22】
前記放射標識された抗体が、CD19、CD20、CD33、CD38、CD45RA、CD52、またはそれらの組み合わせに対するものである、請求項21に記載の物品。
【請求項23】
前記放射標識された抗体が、リンパ系由来標的および骨髄系由来標的を含む二特異性抗体である、請求項21に記載の物品。
【請求項24】
前記標的のうちの少なくとも1つが、CD19、CD20、CD33、CD38、CD45RA、またはCD52を含む、請求項23に記載の物品。
【請求項25】
前記リンパ系標的が、CD3、CD2、CD28、CD96、CD122、CD152、もしくはCD154であるか、または前記骨髄系標的が、CD11b、CD11c、CD14、CD33、もしくはCD116である、請求項23に記載の物品。
【請求項26】
前記抗体が、
131Iで放射標識され、かつ10mCi~200mCiの量で投与されるか、または前記抗体が、
225Acで放射標識され、かつ0.1μCi/kg~5.0μCi/kg(対象体重)の量で投与される、請求項21に記載の物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年4月25日に出願された米国仮特許出願第62/838,646号に対する優先権の利益を主張し、その全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、幹細胞を標的化することなく、特定の系統の細胞を選択的に標的化および枯渇させる組成物、ならびにこれらの組成物を使用する、例えば養子細胞療法前の、一過性免疫枯渇のための方法に関する。
【背景技術】
【0003】
免疫枯渇は、幹細胞区画をそのまま残しながら、免疫系の細胞を一過性に減少させるプロセスである。免疫枯渇は、養子細胞療法の文脈において有用かつ必要なプロセスであり得、内因性宿主細胞は、自己細胞または同種細胞の移植前に最初に枯渇されなければならない。この現象は、骨髄移植の分野で確立されており、かつCAR-Tなどの他の養子細胞療法の有効性に対する広範な要件でもある。これらの養子移植された細胞は、操作されていない(血液がんの治療のための骨髄移植)か、または養子移植された細胞を受けている人の病原状態を改善するように操作されている(自己幹細胞移植前に自己反応性細胞を除去することによる自己免疫疾患の補正、またはがん治療のための操作されたCAR-T細胞)かのいずれかであり得る。幹細胞は、免疫系の骨髄系区画およびリンパ系区画の両方の新たな造血前駆細胞を継続的に生成するため、より分化した細胞の除去は一時的であり、これらの枯渇した細胞は、幹細胞に由来する発生期の成熟細胞によって最終的には置換される。免疫枯渇はまた、例えば、分化した自己反応性細胞が枯渇され、次いで機能性非自己反応性免疫細胞が健康な幹細胞から再増殖される自己免疫疾患の場合、養子細胞療法に続くことなく、潜在的に使用され得る。
【0004】
化学療法ベースの免疫枯渇
CAR-Tなどの養子細胞療法方法の前に、患者を免疫枯渇(すなわち、リンパ球枯渇)させるために、細胞毒性が高い化学療法剤、特にシクロホスファミドおよびフルダラビンの組み合わせを使用することが一般的である。これらの薬剤は、リンパ系細胞数を減少させる。しかしながら、それらは毒性が高い。それらは、非標的化の様式で免疫系を枯渇させるだけでなく、他の正常な細胞および組織にも損傷を与え得る。すべての患者がそれらに耐容できるわけではない。さらに、特にCAR T細胞療法において、持続的な奏効率は、典型的には50%未満である。多くの患者は、CAR T細胞療法を受けた後に最終的には再発し、さらなる治療的介入または幹細胞移植(例えば、骨髄移植)を必要とする。
【0005】
抗体ベースの免疫枯渇
抗体は、化学療法剤よりも大きな細胞標的化特異性を有する。したがって、免疫細胞特異的抗原に対する抗体は、免疫枯渇剤としての化学療法剤の潜在的な代替物として着目されている。ネイキッド抗体は、ある程度のレベルの細胞殺滅を達成することができる場合があるが、免疫細胞を枯渇させるためのより有効な様式は、放射性核種を抗体または抗体断片にコンジュゲートする形態の放射活性の強力な細胞毒性活性を利用することであろう。これは、細胞表面上で目的のタンパク質を発現する細胞に対する放射性核種の細胞殺滅能力を、効果的かつ特異的に標的化し得る。
【0006】
したがって、有効性を改善し得、既知の免疫枯渇レジメン、およびCAR-Tなどの養子細胞療法の毒性を低減し得、かつ/または現在の養子細胞療法プロトコルのある特定の副作用を低減し得る、代替的な方法および療法プロトコルが必要とされている。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、標的化免疫枯渇および一過性免疫枯渇に有用な組成物、ならびに悪性および非悪性血液疾患の治療における、または養子細胞療法の投与前の、これらの組成物の使用方法を提供することによって、前述の問題に対する解決策を提供する。
【0008】
組成物は、細胞のある特定の血液学的系統に固有であるが、他の系統には固有ではない抗原(例えば、細胞表面マーカー)に対する抗体を含む。表面マーカーのこの差次的な発現を利用して、幹細胞などの他の免疫細胞に影響を与えないまま、特定の系統の細胞を選択的に枯渇させることができる。幹細胞を標的化することなく免疫細胞の別個のサブセットを枯渇させるために使用され得る例示的な表面マーカーには、CD2、CD3、CD5、CD11a、CD11b、CD11c、CD14、CD18、CD19、CD20、CD28、CD33、CD38、CD45RA、CD49a、CD52、CD96、CD116、CD122、CD132、CD152、CD154、CD244、CD272、CD305、CLA、IL-21、B7-HA、またはそれらの組み合わせのうちのいずれかが含まれる。
【0009】
したがって、本発明は、概して、CD2、CD3、CD5、CD11a、CD11b、CD11c、CD14、CD18、CD19、CD20、CD28、CD33、CD38、CD45RA、CD49a、CD52、CD96、CD116、CD122、CD132、CD152、CD154、CD244、CD272、CD305、CLA、IL-21、B7-HA、またはそれらの組み合わせのうちのいずれかに対する抗体を含む、組成物に関する。抗体は、放射標識、例えば、131I、125I、123I、90Y、177Lu、186Re、188Re、89Sr、153Sm、32P、225Ac、213Bi、213Po、211At、212Bi、213Bi、223Ra、227Th、149Tb、137Cs、212Pb、および103Pdのうちのいずれかを含み得る。
【0010】
本発明はさらに、有効量の前述の組成物のいずれかを患者に投与することを含む、血液細胞のサブセットの一過性免疫枯渇のための方法に関する。免疫枯渇は、CAR/TCRまたはTILを発現する細胞集団の投与などの養子細胞療法の前、後、または前と後の両方に提供され得る。CAR/TCRまたはTILを発現する細胞集団は、自己細胞、別のヒト患者に由来する同種細胞、または異なる種の動物に由来する異種細胞であり得る。
【0011】
本発明のある特定の態様によれば、CAR/TCRまたはTILを発現する細胞集団は、自己細胞の場合のように、白血球アフェレーシスにより単離され、投与のおよそ4週間前に形質導入および選択され得るか、またはいわゆる「既製」の同種CAR-T細胞療法の場合のように、健康なドナーから単離され、1人以上の患者のために、事前に調製してから凍結調製物などとして保存され得る。CAR/TCRを発現する細胞集団は、抗原を認識するCAR/TCRを発現する活性化T細胞またはナチュラルキラー(NK)細胞または樹状細胞集団を含み得る。樹状細胞は、抗原提示能力、ならびに腫瘍を直接殺滅する能力を有する。さらに、細胞集団は、様々な異なる血液細胞型に分化することができる多能性幹細胞集団であり得る。
【0012】
ある特定の態様によれば、放射標識は、131Iまたは225Acであり得、131Iで標識された抗体の有効量は、25mCi~200mCi(例えば、50mCi、100mCi、または150mCi)であり得、225Acで標識された抗体の有効量は、0.1μCi/kg(対象体重)~5.0μCi/kg(対象体重)であり得る。
【0013】
これらの方法は、悪性および非悪性血液疾患の治療転帰を改善し得、かつ/または神経毒性、サイトカイン放出症候群(CRS)、低ガンマグロブリン血症、血球減少症、毛細管漏出症候群(CLS)、マクロファージ活性化症候群(MAS)、腫瘍溶解症候群(TLS)、およびそれらの組み合わせなどの養子細胞療法に関連する副作用を低減し得る。
【0014】
本発明の様々な態様は、添付の特許請求の範囲に具体的に概説される組み合わせによって実現および達成されるであろう。前述の概略的な説明ならびに後述の本発明の詳細な説明および実施例は、本発明の様々な態様を例証するために提供され、説明される実施形態のいずれをも限定するものとして見なされるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1A】白血球アフェレーシス、標準化学療法剤を使用した細胞切除、CAR/TCR T細胞注入、および任意選択の造血幹細胞移植(HSCT)のための準備における骨髄コンディショニングの可能性を含む、先行技術養子細胞療法プロトコルを示す。
【
図1B】標準細胞切除剤の代わりに、またはそれに加えて、放射標識された抗体の投与を含む、本発明の自己または同種養子細胞療法を示す。
【
図1C】HSCT前の骨髄コンディショニング剤としての放射標識された抗体の投与を含む、本発明の自己または同種の養子細胞療法を示す。
【
図1D】標準細胞切除剤の代わりに、またはそれに加えて、放射標識された抗体の投与と、HSCT前の骨髄コンディショニング剤としての放射標識された抗体の投与と、を含む、本発明の自己または同種養子細胞療法を示す。
【
図1E】本開示の発明によるリンパ球枯渇プロトコルの例示的なクリアランスおよび投与時間を実証する薬物動態データを示す。
【
図2】
131I-抗CD45(すなわち、
131I-BC8)を用いた投与後の絶対好中球数の変化中央値を示す。
【
図3A-3E】サロゲート抗CD45抗体30F11を使用するマウスモデルにおける
131I-抗CD45抗体標的化免疫枯渇後の免疫細胞分析の結果を示す。
【
図3F-3H】サロゲート抗CD45抗体30F11を使用するマウスモデルにおける
131I-抗CD45抗体標的化免疫枯渇後の免疫細胞分析の結果を示す。
【
図4A】マウスにおける
131I-抗CD45抗体標的化免疫枯渇後の免疫細胞集団の免疫表現型検査からの結果を示す。
【
図4B】マウスにおける
131I-抗CD45抗体標的化免疫枯渇後の免疫細胞集団の免疫表現型検査からの結果を示す。
【
図4C】マウスにおける
131I-抗CD45抗体標的化免疫枯渇後の免疫細胞集団の免疫表現型検査からの結果を示す。
【
図4D】マウスにおける
131I-抗CD45抗体標的化免疫枯渇後の免疫細胞集団の免疫表現型検査からの結果を示す。
【
図4E】マウスにおける
131I-抗CD45抗体標的化免疫枯渇後の免疫細胞集団の免疫表現型検査からの結果を示す。
【
図5B】骨髄系由来抑制細胞(MDSC)の枯渇を示す。
【
図5C】マウスにおける
131I-抗CD45抗体を用いた標的化免疫枯渇後の骨髄HSCの保存を示す。
【
図6】B細胞非ホジキンリンパ腫(NHL)を有する患者に対する自己抗CD19 CAR T細胞療法の選択された公開治験を示す。
【
図7】特定の免疫細胞型における免疫枯渇応答を調査する低用量
131I-抗CD45放射性免疫療法(サロゲート30F11)のマウスにおける効果の前臨床研究の概略図を示す。対照には、化学療法によるリンパ球枯渇治療、シクロホスファミド(Cy)またはシクロホスファミド/フルダラビン(Flu/Cy)、およびリンパ球枯渇治療なしが含まれる。
【
図8】マウスにおける抗CD45放射性免疫療法介在性コンディショニング/免疫枯渇後の養子T細胞移植の前臨床モデルを示す。このモデルでは、E.G7リンパ腫腫瘍担持マウスは、OVA特異的CD8+ T細胞の養子細胞移植の前に、単一選択用量の
131I-抗CD45放射性免疫療法によってコンディショニングされ、移植された細胞の生着およびその結果として生じる抗腫瘍応答についてモニタリングされる。
【
図9】ヒト患者におけるリンパ球枯渇を実証する低用量
131I-BC8研究からの臨床データを示す。
【
図10】ヒト患者における
131I-BC8の100mCi注入のクリアランス速度(25cGy未満)を実証する薬物動態データを示す。
【
図11】
131I-BC8の100mCi注入の投与後のヒト患者の脾臓に対する
131I-BC8の累積線量を実証する薬物動態データを示す。
【
図12】
131I-BC8の100mCi注入の投与後のヒト患者からの
131I-BC8の血液クリアランスを示す。
【
図13A】E.G7-OVA腫瘍が生着したマウスについて、4日目のOT I OVA反応性T細胞を用いた養子細胞療法の前の
131I-抗CD45標的化免疫枯渇からの結果を示す。
【
図13B】E.G7-OVA腫瘍が生着したマウスについて、4日目のOT I OVA反応性T細胞を用いた養子細胞療法の前の
131I-抗CD45標的化免疫枯渇からの結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は、対象を免疫枯渇させるための放射標識された抗体ベースの方法、ならびに関連する組成物および製造物品を提供する。これらの方法がある特定の細胞ベースの療法に先行する場合、本方法は、有害効果を最小限に抑えながら、細胞ベースの療法の転帰を高めることができる。
【0017】
定義
本出願では、ある特定の用語が使用され、これらは以下に記載される意味を有する。
【0018】
単数形「a」、「an」、「the」等には、文脈上別途明確に指示されない限り、複数の指示対象が含まれる。したがって、例えば、「an」抗体への言及には、単一抗体および複数の異なる抗体の両方が含まれる。
【0019】
数字表示、例えば、温度、時間、量、および濃度の前に使用される場合の「約」という用語は、±10%、±5%、または±1%変動し得る近似値を示す。
【0020】
本明細書で使用される場合、抗体に関する「投与する」は、抗体送達に適した任意の既知の方法を介して抗体を対象の体に送達することを意味する。特定の投与様式には、静脈内、経皮、皮下、腹腔内、髄腔内、および腫瘍内投与が含まれるが、これらに限定されない。抗体の例示的な投与方法は、参照により本明細書に組み込まれる国際公開第2016/187514号に実質的に記載されるとおりであり得る。
【0021】
さらに、本発明では、抗体は、1つ以上の日常的に使用される薬学的に許容される担体を使用して製剤化することができる。そのような担体は、当業者に周知である。例えば、注射可能な薬物送達系には、溶液、懸濁液、ゲル、ミクロスフェア、および高分子注射剤が含まれ、可溶性改変剤(例えば、エタノール、プロピレングリコール、およびスクロース)およびポリマー(例えば、ポリカプリラクトンおよびPLGA)などの賦形剤を含むことができる。
【0022】
本明細書で使用される場合、「抗体」という用語には、(a)2つの重鎖および2つの軽鎖を含み、かつ抗原を認識する、免疫グロブリン分子、(b)ポリクローナルおよびモノクローナル免疫グロブリン分子、(c)それらの一価および二価の断片(例えば、Fab、ジ-Fab)、ならびに(d)それらの二重特異性形態が含まれるが、これらに限定されない。免疫グロブリン分子は、一般的に既知のクラスのいずれかに由来し得、これらのクラスには、IgA、分泌IgA、IgGおよびIgMが含まれるが、これらに限定されない。IgGサブクラスもまた当業者に周知であり、ヒトIgG1、IgG2、IgG3、およびIgG4が含まれるが、これらに限定されない。抗体は、天然および非天然起源(例えば、IgG-Fc-サイレント)の両方であり得る。さらに、抗体には、キメラ抗体、完全合成抗体、単鎖抗体(例えば、scFv)、単一および二重ドメイン抗体(例えば、VHH)、ならびにそれらの断片が含まれる。抗体は、ヒト、ヒト化、または非ヒトであり得る。
【0023】
「モノクローナル抗体」は、単一分子組成物の抗体分子の調製物を指す。モノクローナル抗体組成物は、特定のエピトープに対する単一結合特異性および親和性を示すか、または多重特異性モノクローナル抗体の場合、2つ以上の別個のエピトープに対する結合特異性を示す。したがって、「モノクローナル抗体」は、抗体重鎖からのC末端リジンの除去などの、可能性のある周知の変化を除いて、各重鎖および各軽鎖に単一アミノ酸組成物を有する抗体集団を指す。モノクローナル抗体は、抗体集団内に異種グリコシル化を有し得る。モノクローナル抗体は、単一特異性もしくは多重特異性であり得るか、または一価、二価、もしくは多価であり得る。
【0024】
本明細書で使用される場合、「抗CDXX抗体」は、CDXXの任意の利用可能なエピトープに特異的に結合する抗体であり、XXは、2、3、5、11a、11b、11c、14、18、19、20、28、33、38、45RA、49a、52、96、116、122、132、152、154、244、272、または305(すなわち、CD2、CD3、CD5、CD11a、CD11b、CD11c、CD14、CD18、CD19、CD20、CD28、CD33、CD38、CD45RA、CD49a、CD52、CD96、CD116、CD122、CD132、CD152、CD154、CD244、CD272、またはCD305)であり得る。CDXXはまた、CLA、IL-21、B7-HA、CLA、IL-21、またはB7-HAを指す場合もある。ある特定の好ましい態様によれば、XXは、19、20、33、38、45、または52(すなわち、CD19、CD20、CD33、CD38、CD45RA、およびCD52)であり得る。
【0025】
抗CDXX抗体は、2つの異なるエピトープに結合する二重特異性抗体であり得、エピトープは、少なくともCD19、CD20、CD33、CD38、CD45RA、およびCD52のうちのいずれか1つと、別の関連するエピトープとであり得るか、または単一の細胞表面標的の2つの異なるエピトープ(CD19、CD20、CD33、CD38、CD45RA、またはCD52のうちのいずれか1つの2つの異なるエピトープ)であり得る。二重特異性抗体は、リンパ系由来細胞を標的化するが幹細胞を標的化しない抗体、および/または骨髄系由来細胞を標的化するが幹細胞を標的化しない抗体であり得る。リンパ系標的は、CD3、CD2、CD28、CD96、CD122、CD152、もしくはCD154であり得、かつ/または骨髄系標的は、CD11b、CD11c、CD14、CD33、もしくはCD116であり得る。二重特異性抗体は、組み換え抗体、モノクローナル抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、ヒト抗体、または抗体断片であり得る。
【0026】
「特異的結合」という用語は、少なくとも106M-1、通常は約106M-1~約108M-1の高い結合親和性を有する特性を指す。
【0027】
本明細書で使用される場合、「がん」には、固形がん(例えば、腫瘍)および血液悪性腫瘍が含まれるが、これらに限定されない。
【0028】
対象の免疫細胞に関して本明細書で使用される場合、「枯渇させること」または「標的化枯渇」は、本発明の態様による特定の抗体の投与によって、対象の免疫細胞(すなわち、標的化免疫細胞)の少なくとも1つのタイプの集団を減少させることを意味するものとする。例えば、標的化免疫細胞は、少なくともB細胞、例えば、プロB細胞、プレB細胞、および形質細胞(例えば、CD19、CD20抗原を含む細胞);骨髄系由来細胞、例えば、骨髄系共通前駆細胞、骨髄系樹状細胞、マスト細胞、顆粒球マクロファージ前駆細胞、単球、マクロファージ、骨髄芽球、好中球、好酸球、および好塩基球(例えば、CD33);ナチュラルキラー細胞、B細胞、形質細胞、T細胞、Treg、樹状細胞、骨髄系共通前駆細胞、顆粒球マクロファージ前駆細胞、骨髄芽球、好塩基球、単球、巨核球赤血球前駆細胞、赤血球、巨核球(例えば、CD38);リンパ系前駆細胞、ダブルネガティブ(CD4- CD8-)T細胞、B細胞、NK細胞、顆粒球/単球前駆体、好中球、活性化単球/マクロファージ(例えば、CD45RA);成熟BおよびTリンパ球、単球、NK細胞、ならびに樹状細胞(例えば、CD52)を含み得る。好ましい態様によれば、対象の免疫細胞を枯渇させることは、造血幹細胞(「HSC」、すなわち、多能性造血幹細胞、また血球芽球とも称される)などの幹細胞集団も減少させることなく、免疫細胞集団を低下させることを意味する。
【0029】
本開示の発明のある特定の好ましい態様によれば、対象の免疫細胞の減少または枯渇は、対象の末梢血中の特定の免疫細胞集団を測定することによって決定される。例えば、対象の末梢血リンパ球の少なくとも1つのタイプの集団が99%以下減少する場合、対象の末梢血リンパ球集団は枯渇されている。例えば、対象の末梢血T細胞レベルが50%低下し、対象の末梢血NK細胞レベルが40%低下し、かつ/または対象の末梢血B細胞レベルが30%低下する場合、対象のリンパ球は枯渇されている。この例では、好中球などの別の免疫細胞型のレベルが低下していなくても、対象のリンパ球は枯渇されている。ある特定の態様によれば、対象のリンパ球の枯渇は、少なくとも30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、または99%の末梢血リンパ球集団の減少によって反映される。ある特定の態様によれば、対象のHSC集団は、20%以下、例えば10%以下枯渇されている。
【0030】
末梢血免疫細胞集団を測定する方法は、定例である。それらは、例えば、特定の細胞表面マーカーに対して向けられた蛍光抗体を用いた標識に基づいて、特定の細胞型の数を決定するための全血試料におけるフローサイトメトリーを含む。例えば、リンパ球数は、CD45、CD4、またはCD8などのマーカーを使用して決定され得、好中球数は、Ly6Gなどのマーカーを使用して決定され得る。HSC集団を測定するための方法は、定例であり、例えば、フローサイトメトリー、ならびにLin、CD34、CD38、CD43、CD45RO、CD45RA、CD59、CD90、CD109、CD117、CD133、CD166、およびHLA DRなどの細胞表面マーカー(すなわち、幹細胞を認識するマーカー、例えばCD34、および幹細胞を特異的に除外するマーカー、例えば、CD45RA)に対して向けられた蛍光抗体の使用を含む。
【0031】
本明細書で使用される場合、放射標識された抗CDXX抗体の量は、投与された場合に、対象の標的化免疫細胞が、例えば少なくとも30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、または99%枯渇される場合、「有効」である。放射標識された抗CDXX抗体の量は、投与された場合に、対象の標的化免疫細胞が、対象の幹細胞の枯渇なしに枯渇されるか、または対象の幹細胞の20%または10%未満の減少を伴って枯渇される場合、「有効」である。
【0032】
ある特定の態様によれば、放射標識された抗CDXX抗体が131Iで標識されている場合、有効量は、例えば、300mCi未満である(すなわち、対象に投与される131I-抗CDXXの量が、300mCi未満の全身放射線量を送達する)。ある特定の態様によれば、抗体が131I-抗CDXXである場合、有効量は、250mCi未満、200mCi未満、150mCi未満、100mCi未満、50mCi未満、40mCi未満、30mCi未満、20mCi未満、または10mCi未満である。ある特定の態様によれば、抗体が131I-抗CDXXである場合、有効量は、1mCi~10mCi、1mCi~200mCi、10mCi~20mCi、10mCi~30mCi、10mCi~40mCi、10mCi~50mCi、10mCi~100mCi、10mCi~150mCi、10mCi~200mCi、20mCi~30mCi、30mCi~40mCi、40mCi~50mCi、50mCi~100mCi、50mCi~150mCi、50mCi~200mCi、60mCi~140mCi、70mCi~130mCi、80mCi~120mCi、90mCi~110mCi、100mCi~150mCi、150mCi~200mCi、または200mCi~250mCiである。ある特定の態様によれば、抗体が131I-抗CDXXである場合、有効量は、10mCi~120mCi、20mCi~110mCi、25mCi~100mCi、30mCi~100mCi、40mCi~100mCi、または75mCi~100mCiである。ある特定の態様によれば、抗体が131I-抗CDXXである場合、有効量は、1mCi、10mCi、20mCi、30mCi、40mCi、50mCi、60mCi、70mCi、80mCi、90mCi、100mCi、110mCi、120mCi、130mCi、140mCi、150mCi、または200mCiである。
【0033】
ある特定の態様によれば、放射標識された抗CDXX抗体が225Acで標識されている場合、有効量は、例えば、5.0μCi/kg未満である(すなわち、対象に投与される225Ac-抗CDXXの量が、対象の体重1キログラム当たり5.0μCi未満の放射線量を送達する)。ある特定の態様によれば、抗体が225Ac-抗CDXXである場合、有効量は、4.5μCi/kg、4.0μCi/kg、3.5μCi/kg、3.0μCi/kg、2.5μCi/kg、2.0μCi/kg、1.5μCi/kg、1.0μCi/kg、0.9μCi/kg、0.8μCi/kg、0.7μCi/kg、0.6μCi/kg、0.5μCi/kg、0.4μCi/kg、0.3μCi/kg、0.2μCi/kg、0.1μCi/kg、または0.05μCi/kg未満である。ある特定の態様によれば、抗体が225Ac-抗CDXXである場合、有効量は、0.05μCi/kg~0.1μCi/kg、0.1μCi/kg~0.2μCi/kg、0.2μCi/kg~0.3μCi/kg、0.3μCi/kg~0.4μCi/kg、0.4μCi/kg~0.5μCi/kg、0.5μCi/kg~0.6μCi/kg、0.6μCi/kg~0.7μCi/kg、0.7μCi/kg~0.8μCi/kg、0.8μCi/kg~0.9μCi/kg、0.9μCi/kg~1.0μCi/kg、1.0μCi/kg~1.5μCi/kg、1.5μCi/kg~2.0μCi/kg、2.0μCi/kg~2.5μCi/kg、2.5μCi/kg~3.0μCi/kg、3.0μCi/kg~3.5μCi/kg、3.5μCi/kg~4.0μCi/kg、4.0μCi/kg~4.5μCi/kg、または4.5μCi/kg~5.0μCi/kgである。ある特定の態様によれば、抗体が225Ac-抗CDXXである場合、有効量は、0.05μCi/kg、0.1μCi/kg、0.2μCi/kg、0.3μCi/kg、0.4μCi/kg、0.5μCi/kg、0.6μCi/kg、0.7μCi/kg、0.8μCi/kg、0.9μCi/kg、1.0μCi/kg、1.5μCi/kg、2.0μCi/kg、2.5μCi/kg、3.0μCi/kg、3.5μCi/kg、4.0μCi/kg、または4.5μCi/kgである。
【0034】
放射性同位元素で標識された抗体では、対象に投与される組成物の大部分は、典型的には、標識されていない抗体からなり、標識された抗体は少数である。標識されていない抗体に対する標識された抗体の比は、既知の方法を使用して調節することができる。したがって、本発明のある特定の態様によれば、放射標識された抗体は、標識された画分および標識されていない画分を含み得る。放射標識された抗体は、単回用量として提供され得、単回用量の放射標識された抗体は、標識:非標識が0.1:10~1:1の量で抗体を含み得る。総タンパク質量は、最大60mg、例えば5mg~45mgであり得るか、または総タンパク質量は、0.2mg/kg(患者体重)~0.6mg/kg(患者体重)であり得る。
【0035】
養子細胞療法は、キメラ抗原受容体(CAR)、もしくはT細胞受容体(TCR)を発現する細胞の投与を含み得るか、または腫瘍浸潤性リンパ球(TIL)を含み得る。CAR/TCRを発現する細胞集団は、抗原を認識するCAR/TCRを発現する活性化T細胞またはナチュラルキラー(NK)細胞または樹状細胞集団を含み得る。樹状細胞は、抗原提示能力、ならびに腫瘍を直接殺滅する能力を有する。CAR/TCRを発現する細胞集団は、遺伝子編集された細胞集団を含み得る。
【0036】
本明細書で使用される場合、「遺伝子編集された」CAR T細胞という用語は、「遺伝子操作された」CAR T細胞および「操作された」CAR T細胞という用語と同義である。チェックポイント受容体(例えば、PD1、Lag3、またはTIM3)を「適切に発現し損なう」遺伝子編集されたCAR T細胞は、全長の機能性チェックポイント受容体を発現しない。例えば、PD1を適切に発現し損なう遺伝子編集されたCAR T細胞は、(i)細胞のPD1遺伝子が破壊されているため、または(ii)細胞のPD1遺伝子が、完全にもしくは部分的にでも機能性のPD1産物を産生しないように他の方法で改変されているため、PD1を適切に発現し損なう場合があるが、原因はこれらに限定されない。換言すれば、ある特定の態様によれば、PD1を適切に発現し損なう遺伝子編集されたCAR T細胞は、細胞のPD1遺伝子がPD1発現を減少させるように改変されているため、PD1を適切に発現し損なう場合がある。同様に、T細胞受容体を「適切に発現し損なう」遺伝子編集されたCAR T細胞は、全長の機能性T細胞受容体を発現しない。
【0037】
ある特定の態様によれば、機能性内因性T細胞受容体は、外因的に形質導入されたCARまたは組み換えTCRの天然TCR座位への「ノックイン」による編集によって置換される。遺伝子編集されたCAR T細胞には、以下:(i)PD1を適切に発現し損なうが、他のすべてのチェックポイント受容体およびT細胞受容体を適切に発現する、同種遺伝子編集されたCAR T細胞、(ii)特定のT細胞受容体を適切に発現し損なうが、すべてのチェックポイント受容体および他のすべてのT細胞受容体を適切に発現する、同種遺伝子編集されたCAR T細胞、ならびに(iii)PD1を適切に発現し損ない、かつ特定のT細胞受容体を適切に発現し損なうが、他のすべてのチェックポイント受容体および他のすべてのT細胞受容体を適切に発現する、同種遺伝子編集されたCAR T細胞が含まれるが、これらに限定されない。
【0038】
同種ユニバーサルCAR T細胞を生成するためのT細胞遺伝子編集の例には、Eyquemおよび共同研究者らの研究(Eyquem,et.al.,2017,Nature.543:113-117)が含まれる。その研究では、内因性T細胞受容体アルファ定常座位(TRAC)は、組み換えCAR遺伝子構築物によって効果的に置換された。本方法では、組み換えCARは、細胞の天然TCR調節シグナルの制御下に置かれた。この同じ戦略によって、CARまたは組み換えTCRは、T細胞受容体ベータ定常遺伝子座(TRBC)またはベータ-2マイクログロブリン(B2M)MHC-I関連遺伝子座へのノックインによって効果的に挿入され得、これはすべてのT細胞で発現されることが知られている。別の例には、Renおよび共同研究者らの研究(Ren,et al.,2017,Clin.Cancer Res 23:2255-2266)が含まれる。チェックポイント受容体が免疫抑制性であり、外因性自己または同種CAR T細胞の刺激を鈍化させ得ることを認識することにより、この群は、CRISPR/cas9技術を利用して内因性TCRαおよびβ座位(TRACおよびTRBC)ならびにB2M遺伝子を破壊し、また一方では内因性PD1遺伝子をサイレンシングした。このアプローチでは、操作された細胞は移植片対宿主病を誘発しなかったが、免疫チェックポイント受容体の抑制に抵抗した。
【0039】
血液がんとしても知られる「血液悪性腫瘍」または「悪性血液疾患」は、骨髄または免疫系の他の細胞などの血液形成組織において発生するがんである。血液悪性腫瘍には、白血病(例えば、急性骨髄性白血病(AML)、急性前骨髄球性白血病、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、急性混合系統白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ球性白血病(CLL)、有毛細胞白血病、および大顆粒リンパ球性白血病)、骨髄異形成症候群(MDS)、骨髄増殖性疾患(真性赤血球増加症、本態性血小板増加症、原発性骨髄線維症、および慢性骨髄性白血病)、リンパ腫、多発性骨髄腫、MGUS、および類似の障害、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫(NHL)、縦隔原発B細胞性大細胞型リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、形質転換濾胞性リンパ腫、脾臓辺縁帯リンパ腫、リンパ球性リンパ腫、T細胞リンパ腫、および他のB細胞悪性腫瘍が含まれるが、これらに限定されない。
【0040】
「固形がん」には、骨がん、膵臓がん、皮膚がん、頭部または頸部のがん、皮膚または眼球内の悪性黒色腫、子宮がん、卵巣がん、前立腺がん、直腸がん、肛門部のがん、胃がん、精巣がん、子宮がん、卵管のがん、子宮内膜がん、子宮頸のがん、膣のがん、外陰部のがん、食道のがん、小腸のがん、内分泌系のがん、甲状腺のがん、副甲状腺のがん、副腎のがん、軟部組織の肉腫、尿道のがん、陰茎のがん、小児腫瘍、膀胱のがん、腎臓または尿管のがん、腎盂のがん、中枢神経系(CNS)の新生物、原発性CNSリンパ腫、腫瘍血管新生、脊髄軸腫瘍、脳幹神経膠腫、下垂体腺腫、カポジ肉腫、類表皮がん、扁平上皮がん、アスベストによって誘発されるものを含む環境誘発性がんが含まれるが、これらに限定されない。
【0041】
「非悪性血液疾患」または「非がん性障害」には、ヘモグロビン異常症(例えば、SCDおよびβ-サラセミア)、先天性免疫不全症(例えば、SCIDおよびファンコーニ貧血)、およびウイルス感染症(例えば、HIV感染症)が含まれるが、これらに限定されない。ある特定の態様によれば、障害は、SCDであり、療法は、遺伝子編集されたβ-グロビン造血幹細胞療法である。ある特定の態様によれば、障害は、SCIDであり、療法は、遺伝子編集された造血幹細胞療法であり、編集された遺伝子は、共通ガンマ鎖(γc)遺伝子、アデノシンデアミナーゼ(ADA)遺伝子、および/またはヤヌスキナーゼ3(JAK3)遺伝子である。幹細胞療法は、例えば、同種または自己であり得る。
【0042】
本明細書で使用される場合、「対象」という用語には、ヒト、非ヒト霊長類、イヌ、ネコ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ウシ、ウサギ、ブタ、ラット、およびマウスなどの哺乳動物が含まれるが、これらに限定されない。対象がヒトである場合、対象は、任意の年齢であり得る。例えば、対象は、60歳以上、65歳以上、70歳以上、75歳以上、80歳以上、85歳以上、または90歳以上であり得る。あるいは、対象は、50歳以下、45歳以下、40歳以下、35歳以下、30歳以下、25歳以下、または20歳以下であり得る。がんに罹患したヒト対象の場合、対象は、新たに診断され得るか、または再発および/もしくは難治性であり得るか、または寛解期にあり得る。
【0043】
本明細書で使用される場合、放射標識された抗体を対象に投与した後、かつ対象に対して養子細胞療法を実施する前の「適切な期間」は、投与された抗体が対象のリンパ球を枯渇させるのに十分な、かつ/または対象のリンパ球が枯渇したままである期間である。ある特定の態様によれば、適切な期間は、10日未満、9日未満、8日未満、7日未満、6日未満、5日未満、4日未満、または3日未満である。ある特定の態様によれば、適切な期間は、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、15日、または15日超である。
【0044】
本明細書で使用される場合、「放射性同位元素」は、アルファ放出同位元素、ベータ放出同位元素、および/またはガンマ放出同位元素であり得る。放射性同位元素の例には、以下:131I、125I、123I、90Y、177Lu、186Re、188Re、89Sr、153Sm、32P、225Ac、213Bi、213Po、211At、212Bi、213Bi、223Ra、227Th、149Tb、137Cs、212Pb、および103Pdが含まれる。放射性同位元素を抗体に付着させる(すなわち、放射性同位元素を用いて抗体を「標識する」)ための方法は、周知である。これらの方法のいくつかは、例えば、国際特許出願公開第2017/155937号に記載されている。
【0045】
本明細書で使用される場合、悪性または非悪性血液疾患に罹患した対象を「治療すること」には、(i)疾患の進行を遅延、停止、もしくは逆転させること、(ii)疾患の症状の進行を遅延、停止、もしくは逆転させること、および/または(iii)疾患の再発の可能性を低減することが含まれるが、これらに限定されない。ある特定の態様によれば、がんに罹患した対象を治療することは、(i)がんの進行を、理想的には、がんが排除される時点まで、逆転させること、および/または(ii)がんの症状の進行を、理想的には、症状が排除される時点まで、逆転させること、および/または(iii)再発の可能性を低減もしくは排除すること(すなわち、コンソリデーション、これは、理想的には、あらゆる残存するがん細胞の破壊をもたらす)を意味する。
【0046】
本出願全体を通して、様々な刊行物が引用されている。これらの刊行物の開示は、本発明が関連する先行技術をより完全に説明するために、本出願への参照により本明細書に組み込まれる。別途定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記載されるものと類似または同等の方法および材料を本明細書に記載の実施または試験で使用することができるが、好適な方法および材料を以下に記載する。
【0047】
本発明の態様
標的化免疫枯渇
本発明は、免疫細胞の特異的標的化サブセットを一過性に免疫枯渇させるための予想外に優れた方法を提供することにより、当該技術分野におけるまだ満たされていないニーズを解決するものである。造血系の細胞は、多くの場合、細胞のある特定の系統上に現れるが、他の系統上には現れない、特定の表面マーカーを発現する。表面マーカーのこの差次的な発現を利用して、他の免疫細胞に影響を与えないまま、特定の系統の細胞を選択的に枯渇させることができる。幹細胞を標的化することなく免疫細胞の別個のサブセットを効果的に枯渇させることができる、いくつかの潜在的に有用な表面マーカーには、少なくとも以下:CD19、CD20、CD33、CD38、CD45RA、およびCD52が含まれる。
【0048】
CD19は、B細胞分化の早期に発現され、かつB細胞が最終的に分化することを誘因されるまで発現され続ける(すなわち、最初にプロB細胞上で発現され、形質細胞への発生を通して発現される)、膜受容体である。CD19は、Bリンパ球の細胞表面上に見出されるタンパク質複合体の一部である。タンパク質複合体には、CD19、CD21(補体受容体、2型)、CD81(TAPA-1)、およびCD225(Leu-13)が含まれる。CD19は、B細胞における膜貫通シグナルの重要な調節因子である。CD19の細胞表面密度の増加または減少は、B細胞の発生および機能に影響を与え、自己免疫または低ガンマグロブリン血症などの疾患をもたらす。CD19に対する例示的な市販の抗体には、ブリナツムマブが含まれる。
【0049】
CD20は、Bリンパ球の表面上に発現される膜貫通タンパク質である。これは、プレB細胞期の早期から、CD20発現が消失する段階である形質細胞への最終分化まで、Bリンパ球の発生中に発現される。CD20はまた、悪性B細胞上でも発現される。特に、CD20は、90%超のB細胞非ホジキンリンパ腫(NHL)細胞、および95%超のB型慢性リンパ球性白血病(B-CLL)細胞上で発現される。機能は不明であるが、これは、B細胞活性化、B細胞増殖の調節、および膜貫通カルシウム流束に関与すると考えられている。CD20に対する例示的な市販の抗体には、リツキシマブが含まれる。
【0050】
CD33は、シアル酸依存性細胞接着分子として機能し得るI型膜貫通受容体糖タンパク質である。早期骨髄系前駆細胞、骨髄系樹状細胞、マスト細胞、顆粒球マクロファージ前駆細胞、単球、マクロファージ、骨髄芽球、好中球、好酸球、および好塩基球上で発現され、CD33は幹細胞上で発現されない。CD33に対する例示的な市販の抗体には、リンツズマブ(HuM195)、ゲムツズマブ、またはバダスツキシマブが含まれる。
【0051】
CD38は、長いC末端細胞外ドメインと短いN末端細胞質ドメインとを有するII型膜貫通糖タンパク質である。CD38タンパク質は、NAD+の環状ADPリボース(cADPR)への変換、およびcADPRのADPリボースへの変換を触媒することができる二官能性細胞外酵素であり、したがって細胞外NAD+濃度を調節する。さらに、cADPRは、細胞内Ca2+動員のための第2のメッセンジャーであることが示されている。したがって、CD38は、細胞内Ca2+流束の調節に必要不可欠な構成要素であり得る。CD38は、前立腺の腺上皮、膵臓の島細胞、耳下腺を含む腺の導管上皮、気管支上皮細胞、精巣および卵巣の細胞、ならびに直腸結腸腺がんの腫瘍上皮を含む、異なる起源の上皮/内皮細胞について記載されている。CD38に対する例示的な市販の抗体には、ダラツムマブ、MOR202、またはSAR650984が含まれる。
【0052】
CD45は、幹細胞を含む造血系の細胞上でのみ発現されるタンパク質である。131ヨウ素(131I)にコンジュゲートされた汎CD45抗体は、多くの臨床治験において骨髄移植前の造血細胞の完全破壊のために既に利用されている。さらに、汎CD45抗体は、低用量で使用される場合、免疫枯渇のための良好な候補として企図されており、その結果、より高いレベルのCD45発現を有するより分化した細胞が優先的に枯渇される。CD45RO(汎特異的)、CD45RA、CD45RBを含む、CD45の複数のアイソフォームが存在する。理想的には、CD45標的化戦略は、CD45RAなどの幹細胞上に発現されないCD45のアイソフォームを使用する。したがって、放射標識されたCD45RA抗体は、より分化した免疫細胞を枯渇させるが、幹細胞には影響を及ぼさない。
【0053】
CD52は、成熟リンパ球上に見出される膜糖タンパク質であるが、これらのリンパ球の由来となる幹細胞上には見出されない。タンパク質は、95%超の末梢血リンパ球上で発現され、Bリンパ球よりもTリンパ球上でより高い密度で見出される。CD52に対する例示的な市販の抗体には、アレムツズマブ(Lemtrada、Campath)が含まれる。
【0054】
これらの標的、およびそれらが枯渇し得る細胞は、表1に列挙される(すなわち、CD19、CD20、CD33、CD38、CD45RA、およびCD52)。本発明の様々な態様で有用であり得る追加の標的、およびそれらが枯渇し得る細胞は、表2に列挙される(すなわち、CD2、CD5、CD11a、CD18、CD49a、CD122、CD132、CD244、CD272、CD305、CLA、IL-21受容体、およびB7-HA)。
【0055】
さらに、標的の組み合わせを使用することにより、治療に有用な様式で複数の細胞型の合理的な枯渇も可能となり得る。例えば、一方のアームがリンパ系マーカーに結合し、他方が骨髄系マーカーに結合し、そのいずれも幹細胞上に存在しない、二重特異性抗体の生成は、理想的な免疫枯渇標的であろう。そのような潜在的な組み合わせ戦略には、CD3およびCD11cの二重特異性標的化が含まれ得る。CD3の標的化によりT細胞を除去し、一方CD11cの標的化により単球および骨髄系樹状細胞を含む多数の骨髄系細胞を枯渇させ、これらのマーカーのいずれも幹細胞上に発現されないため、より分化した免疫細胞の一過性枯渇、および幹細胞による造血系の最終的な再増殖をもたらす。サブセットまたはすべてのリンパ系細胞の他の潜在的マーカーには、CD3、CD2、CD28、CD96、CD122、CD152、CD154が含まれる。サブセットまたはすべての骨髄系細胞の潜在的マーカーには、CD11b、CD11c、CD14、CD33、CD116が含まれる。列挙されたリンパ系マーカーまたは骨髄系マーカーの任意の組み合わせは、潜在的に、所望の免疫細胞サブセットの合理的な枯渇のために組み合わされ得る。
【0056】
そのような細胞表面マーカーに対する放射標識された抗体を用いた治療は、細胞表面上で目的のタンパク質を発現する細胞に対する放射性核種の細胞殺滅能力を特異的に標的化するための有効な手段を提供する。
【0057】
したがって、本発明は、放射標識された抗CDXX抗体、例えば、放射標識された抗CD19、もしくは抗CD20、もしくは抗CD33、もしくは抗CD38、もしくは抗CD45RA、もしくは抗CD52抗体、またはそれらの組み合わせを用いる。
【表1】
【表2】
【0058】
本発明は、表2に列挙されるものなどの放射標識された抗体をさらに提供し、これらには、放射標識された抗CD2、もしくは抗CD5、もしくは抗CD11a、もしくは抗CD18、もしくは抗CD49a、もしくは抗CD122、もしくは抗CD132、もしくは抗CD244、もしくは抗CD272、もしくは抗CD305、もしくは抗CLA、もしくは抗IL-21受容体、もしくは抗B7-HA、またはそれらの組み合わせなどの放射標識された抗体が含まれる。
【0059】
本発明は、放射標識された抗CD2、もしくは抗CD3、もしくは抗CD11b、もしくは抗CD11c、もしくは抗CD14、もしくは抗CD28、もしくは抗CD96、もしくは抗CD116、もしくは抗CD122、もしくは抗CD152、もしくは抗CD154抗体、またはそれらの組み合わせなどのリンパ系細胞または骨髄系細胞を特異的に標的化する放射標識された抗体をまたさらに提供する。
【0060】
この抗体は、驚くほど低用量のタンパク質および放射線で対象を免疫枯渇させることができる。したがって、このアプローチは、幹細胞に影響を与えることなく特定の免疫細胞集団を標的化するため、化学療法剤またはビーム放射線のようなより特異性の低い薬剤によって引き起こされるある特定の有害効果を回避する。さらに、抗体を標識するために選択される本発明の放射性同位元素は、周囲組織への有害効果を最小限に抑えながら、それらの特定の免疫細胞集団の標的化殺滅を提供する。
【0061】
自己免疫疾患のための標的化免疫枯渇
幹細胞は、免疫系の骨髄系区画およびリンパ系区画の両方の新たな造血前駆細胞を継続的に生成するため、より分化した細胞の除去は一時的であり、これらの枯渇した細胞は、幹細胞に由来する発生期の成熟細胞によって最終的には置換される。したがって、免疫枯渇はまた、分化した自己反応性細胞が枯渇され、機能性非自己反応性免疫細胞が健康な幹細胞から再増殖される自己免疫疾患の場合にも使用され得る。
【0062】
したがって、本発明はまた、放射標識された抗CDXX抗体、例えば、放射標識された抗CD19、もしくは抗CD20、もしくは抗CD33、もしくは抗CD38、もしくは抗CD45RA、もしくは抗CD52抗体、またはそれらの組み合わせ、あるいはリンパ系マーカーおよび骨髄系マーカーを認識した放射標識された二重特異性抗体を投与して、自己免疫疾患に罹患している対象を免疫枯渇することによって、対象を免疫枯渇するための組成物および方法に関する。さらに、本発明は、自己免疫疾患に罹患している患者の体内で病理学的抗体を産生するB細胞または形質細胞の量を低減する(すなわち、患者のB細胞および/または形質細胞の数を減少させる)ための方法に関し、CD19、CD20、CD33、CD38、CD45RA、およびCD52のうちのいずれか1つ以上に対する特異的結合を有する治療有効量の抗体を用いて患者を治療することを含む。
【0063】
「病理学的抗体」という用語は、自己抗原に対する特異的結合を示す抗体(すなわち、抗体が自己反応性である)、または分化した自己反応性細胞を枯渇させ得る抗体を指す。
【0064】
本方法は、追加の薬学的に活性な薬剤、治療的上有効な治療、または他の補助療法を用いて患者を治療することをさらに含むことができる。追加の薬学的に活性な活性剤は、化学療法剤、補体活性化阻害剤、代謝拮抗薬(例えば、メトトレキサート)、ステロイド、トレラゲン、抗B細胞剤、または抗凝固剤(ヘパリン、クマジン)、抗血小板剤、例えば、アセチルサリチル酸、TICLID(登録商標)(チクロピジンHCl)、PLAVIX(登録商標)(クロピドグレルビス硫酸塩)、または静脈内免疫グロブリンであり得る。治療上有効な治療には、血漿交換または白血球アフェレーシスが含まれる。
【0065】
養子細胞療法と組み合わせた標的化免疫枯渇
免疫枯渇は、例えば、CAR T細胞療法またはTCR細胞療法などの細胞ベースの療法の前に、リンパ球の枯渇、すなわち、リンパ球枯渇などの特定の免疫細胞の枯渇が望ましい、後続療法の転帰を改善するために有用であり得る。
【0066】
この方法のある特定の態様によれば、対象は、悪性血液疾患に罹患し、かつ疾患(例えば、多発性骨髄腫などの血液疾患、または固形腫瘍などの悪性腫瘍)を治療するために養子細胞療法を受けるところである。養子細胞療法は既知であり、例えば、CAR T細胞療法(例えば、自己細胞療法および同種細胞療法)を含む。承認されたCAR-T細胞療法の例には、NHLおよびびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)を治療するためのKYMRIAH(登録商標)(チサゲンレクロイセル)、およびNHLを治療するためのYESCARTA(登録商標)(アキシカブタゲンシロロイセル)が含まれるが、これらに限定されない。
【0067】
これらの本開示の方法は、固形腫瘍を含む血液悪性腫瘍の治療転帰を改善し得、かつ/またはCAR-T細胞療法であるKYMRIAH(登録商標)および/もしくはYESCARTA(登録商標)などの養子細胞療法に関連する副作用を低減し得る。例えば、養子細胞療法の副作用には、神経毒性、サイトカイン放出症候群(CRS)、低ガンマグロブリン血症、血球減少症、毛細血管漏出症候群(CLS)、マクロファージ活性化症候群(MAS)、腫瘍溶解症候群(TLS)、およびそれらの組み合わせが含まれる。さらに、本開示の方法は、放射標識された抗CD45抗体の投与を含まない方法と比較した場合、CAR/TCRまたはTILを発現する細胞集団の持続性を延長し得る。
【0068】
本方法のある特定の態様によれば、対象は、がん(例えば、血液悪性腫瘍または固形がん)に罹患しており、かつがんを治療するために養子細胞療法を受けるところである。養子細胞療法は既知であり、例えば、CAR T細胞療法(例えば、自己細胞療法および同種細胞療法)を含む。養子細胞療法は、対象におけるがんの退縮を促進する方法を提供し、概して、(i)自己T細胞を採取すること(白血球アフェレーシス)、(ii)T細胞を増殖させること(培養すること)、(iii)非骨髄破壊的リンパ球枯渇化学療法を対象に投与すること、および(iv)非骨髄破壊的リンパ球枯渇化学療法の投与後に、増殖T細胞を対象に投与することを含む(1Aを参照されたい)。
【0069】
本開示の発明の方法は、リンパ球枯渇化学療法の代わりに(
図1B)、増殖細胞(例えば、T細胞、NK細胞、樹状細胞など)の投与後に(
図1C)、またはリンパ球枯渇するための増殖細胞の投与前と増殖細胞の投与後の両方(
図1D)に、放射標識された抗体を使用することを含む。放射標識された抗体の後期投与(すなわち、増殖細胞の投与後)は、自己幹細胞(HSCT)の移植、または第2の有効量の増殖細胞の投与のための準備に使用され得る。
【0070】
したがって、本発明は、放射標識された抗体の投与および養子細胞療法を含む、血液悪性腫瘍または固形がんなどの増殖性疾患の治療のための方法を提供する。養子細胞療法は、概して、放射標識された抗CD45抗体によるリンパ球枯渇後の再注入(CAR T細胞療法などの養子細胞療法)の前に遺伝子編集され得る自己細胞のアフェレーシスを含み得る。あるいは、同種細胞は、リンパ球枯渇後に再注入されて、養子細胞療法を提供し得る。本発明の方法によれば、放射標識された抗体は、
図1Eに示されるように、養子細胞療法の3~9日前、例えば6~8日前に、単回用量として提供され得る。
【0071】
したがって、本発明は、がんに罹患した対象を治療するための方法を提供し、この方法は、(i)対象のリンパ球を枯渇させるのに有効な、ある量の放射標識された抗体を対象に投与することと、(ii)適切な期間の後、対象のがんを治療するために対象に対して養子細胞療法を実施することと、を含む。好ましくは、対象は、ヒトである。
【0072】
免疫抑制細胞の標的化免疫枯渇
本発明は、調節性T(T-reg)細胞および骨髄系由来抑制細胞(MDSC)などの免疫抑制細胞の標的化免疫枯渇のための方法をさらに提供する。両方の細胞型(すなわち、T-regおよびMDSC)は、CAR-T細胞療法の活性化および有効性を減衰させることができる。さらに、本発明はまた、サイトカイン放出症候群(CRS)およびCAR T細胞関連神経毒性などの毒性に寄与するサイトカイン放出に関与している単球および腫瘍関連マクロファージ(TAM)などの免疫抑制細胞の標的化リンパ球枯渇のための方法も提供する。
【0073】
固形および液体の両方の腫瘍は、永続化および増殖するための手段として、免疫系をハイジャックおよび/または回避するための方法を進化させている。これは、敵対的な腫瘍免疫微小環境(TME)と呼ばれている。古典的かつ適切な例は、T細胞の表面上のPD1に結合する腫瘍細胞表面上のリガンドPD-L1の上方制御された発現であり、免疫細胞活性化の下方調節をもたらす。興味深いことに、この機序の遮断は、いくつかの異なる種類のがんにおいて顕著な奏効率および持続的な生存をもたらしたが、ほとんどの患者はこの療法形態(すなわち、抗PD1/PD-L1)に応答せず、腫瘍微小環境における免疫回避が、多面的かつ複雑であることを示唆している。これを受けて、腫瘍は、発がん性発現、シグナル伝達、およびサイトカイン産生を部分的に介して、免疫系に課題を与え、有効な抗腫瘍応答の定着を妨げ得る。これは、酸化ストレス、栄養枯渇、酸性pH、および低酸素症を特徴とする環境をもたらし得る。さらに、これらの抑制性免疫細胞(T-regおよびMDSC)、ならびに腫瘍関連マクロファージ(TAM)の存在は、抑制性可溶性因子およびサイトカインの直接的な接触または放出を介して免疫細胞活性化を効果的に鈍化させ得る。
【0074】
患者の内因性免疫系は、このような環境に遭遇し、易感染性の抗腫瘍免疫応答をもたらし得るが、CAR T細胞療法などの養子細胞療法もまた、これらの免疫抑制機序の影響を受けやすく、腫瘍に対する有効な応答を定着させるこれらの新規の細胞療法の能力を制限し得る。
【0075】
CAR T療法、および養子細胞療法全般は、臨床研究から浮かび上がる最も有望な抗がん戦略の1つを表す。奏効率は、これらの腫瘍にわたって80%の範囲において並外れているが、持続的な応答は、約40~50%の範囲のみであった(例えば、
図6を参照されたい)。それにもかかわらず、これらの結果は、これらの患者の転帰において有意な改善を表す。なぜ一部の患者は応答し、他の患者が応答しないのかは不明であるが、腫瘍免疫微小環境が細胞療法に対する応答を調節する一因である可能性が高い。
【0076】
これを受けて、前臨床および臨床研究は、調節性T細胞(T-reg)が、黒色腫に罹患しているマウスおよび患者における養子細胞療法に対する応答に影響を与えることを示している(Gattinoni,et al.,2005,JEM,202:907、Yao,et al.,2012,Blood,119:5688)。これらの研究では、T-regの枯渇は、意図的な枯渇によるのか、または外部ビーム放射線を用いたコンディショニングによるのかにかかわらず、養子細胞療法に対する抗腫瘍応答に対して好ましい影響を及ぼした。興味深いことに、これらの研究および他の研究は、T-regの枯渇が、化学療法によって誘発されるコンディショニングに対して、放射線を用いた処置後により持続していることを示唆し、ここで、前者の化学療法コンディショニングではT-regの急速なリバウンドが見られ、転帰が不良であった。
【0077】
MDSCおよびTAMは、不良な腫瘍免疫微小環境の生成に関与する他の細胞型である。インドールアミン2,3-ジオキシゲナーゼ(IDO)、アデノシンA2A受容体、およびCD73などの代謝遺伝子発現の上方調節を介して、腫瘍は、T細胞活性化を鈍化させ得る腫瘍環境における栄養枯渇を効果的に生み出すことができる。例えば、腫瘍およびMDSCからのIDOによるトリプトファン代謝は、T細胞アネルギーおよび死、ならびに腫瘍部位でのT-reg蓄積をもたらす。さらに、これらの免疫抑制細胞は、TGF-βなどの免疫調節性サイトカインを分泌し得、これはまた、T細胞活性化に対して負の影響も及ぼし得る。
【0078】
敵対的な腫瘍免疫微小環境の負の影響は、液体腫瘍および固形腫瘍の両方に対して存在し得るが、固形腫瘍ではさらに顕著であり得る。これを受けて、早期臨床結果は、リンパ腫などの液体腫瘍におけるCAR-T療法に対する頑強な応答が、固形腫瘍において観察されていないことを示唆しており、これは、有効なCAR-T介在性免疫応答の定着に対する物理的または代謝的な障壁を提示し得る固形腫瘍において、因子または条件が存在することを示唆している(Newick,et al.,2016,Mol.Ther.-Oncolytics,3:16006、D’Aloia,et al.,2018,Cell Death and Disease.9:282-293)。
【0079】
腫瘍免疫微小環境はまた、CAR-T投与に関連する2つの主要な有害事象、すなわち、サイトカイン放出症候群(CRS)および神経毒性にも関与している。最近の前臨床研究は、CRSまたは神経毒性をもたらすサイトカイン放出が、CAR-Tおよび腫瘍細胞の部位への動員後の活性化マクロファージに起因することを示している。マウス研究結果。(Giavadris,et al.,2018,Nat.Med.,24:731)は、マクロファージが、腫瘍部位におけるCAR-T細胞による動員および活性化後にIL-1またはIL-6を分泌することを実証した。
【0080】
コンディショニングは、免疫ホメオスタシス環境を改善して、養子細胞療法、または注入後のCAR-T生着およびインビボでの増殖の成功を可能にすることが示されている。しかしながら、細胞毒性非特異的化学療法の使用は、標的外毒性を誘発する可能性があり、CAR-T投与後のCRSおよび神経毒性の危険因子として特定されている。興味深いことに、ほとんどのCAR-Tプログラムは、CAR-T前のコンディショニングレジメンとして、フルダラビンとシクロホスファミドとの組み合わせ(flu/cy)の利用を利用する。これらの薬剤は、多くの場合、養子細胞療法の注入の2~7日前に、2~5日間の療法コースを使用して投与される。
【0081】
本発明のコンディショニングのための標的化療法は、CAR-Tによる転帰を強化するための非常に改善された戦略を提供する。本明細書に記載される発明では、リンパ球が枯渇のために標的化され得るだけでなく、敵対的な腫瘍免疫微小環境を媒介することに関与する免疫細胞型、ならびにCRSおよび神経毒性などのCAR-T有害事象に関与する免疫細胞型も標的化され得る。本発明は、T-reg、MDSC、TAM、ならびにIL-1および/またはIL-6を分泌する活性化マクロファージを含む、正常な免疫細胞を標的化する。そうすることにより、本発明のプロトコルおよび方法は、CAR-T転帰および安全性の劇的な改善を提供し得る。
【0082】
さらに、本発明は、主に造血腫瘍において患者のがん細胞を標的化して、腫瘍量を減少させ、CAR-T抗腫瘍応答の確率を増加させる。より具体的には、本発明は、CD19、CD20、CD33、CD38、CD45RA、および/またはCD52抗原を標的化する治療戦略を提供する。例えば、CD45はまた、ほとんどのリンパ系および白血病腫瘍細胞上で発現される。本発明の放射標識された抗CD45抗体は、CAR-T応答の調節に関与する免疫細胞の顕著かつ持続的な抑制に影響を与えるであろう。このように、放射線は、正常な組織に対する影響を抑制しながら、CD45細胞集団を標的化し、かつそれに対して影響を及ぼす。より具体的には、放射標識された抗CD45抗体は、脾臓、リンパ節、および末梢血内の循環免疫細胞を枯渇させるのに十分に有効なレベルで単回用量として提供され得るが、骨髄中の造血幹細胞に対する影響は限定的である。重要なことに、リンパ球枯渇に加えて、マクロファージ、MDSC、およびT-regを枯渇して、CAR-T療法に対する活性化および応答を改善し、有害事象であるCRSおよび神経毒性を軽減する。
【0083】
放射標識された抗体
本開示の発明の抗CDXX抗体は、患者に静脈内、筋肉内、または皮下投与され得る。組成物の例示的な投与量および速度は、参照により本明細書に組み込まれる、WO2016/187514に実質的に記載されるとおりであり得る。
【0084】
循環免疫細胞の安全な枯渇において有効と見なされる用量は、2Gy以下を骨髄に送達し、それによって造血幹細胞に対する負の影響を低減する用量である。そのような用量は、リンパ球、敵対的な免疫腫瘍微小環境に関与する免疫細胞、および腫瘍細胞を枯渇させるはずであり、すべてがACTまたはCAR-T療法に対する応答の強化をもたらす。表1に示されるように、
131I-抗CD45(
131I-BC8)を受けている患者において実施された線量測定からの計算は、100mCi未満の用量が、用量制限器官である骨髄への、200cGy(2Gy)の範囲での標的化放射線量の送達をもたらすことを示す。そのような用量はまた、標的化リンパ球枯渇のために、脾臓、リンパ系および骨髄系細胞の部位に、より高い量の放射線を送達することが見出されている(表2ならびに
図3A~3Hおよび4A~4Eを参照されたい)。
【0085】
この方法のある特定の態様によれば、本発明で想定される放射標識された抗CDXX抗体は、これらに限定されないが、131I、125I、123I、90Y、177Lu、186Re、188Re、89Srで標識されている。153Sm、32P、225Ac、213Bi、213Po、211At、212Bi、213Bi、223Ra、227Th、149Tb、131I、137Cs、212Pb、および103Pd、またはそれらの任意の組み合わせ。好ましくは、放射標識131Iまたは225Ac。抗体は、国際特許出願公開第2017/155937号に詳述される方法を使用して標識され得る。
【0086】
この方法のある特定の態様によれば、131I抗体の有効量は、10mCi~200mCiである。有効量の例には、50mCi~100mCi、50mCi~150mCi、50mCi~200mCi、60mCi~140mCi、70mCi~130mCi、80mCi~120mCi、90mCi~110mCi、100mCi~150mCi、50mCi、60mCi、70mCi、80mCi、90mCi、100mCi、110mCi、120mCi、130mCi、140mCi、150mCi、または200mCiが含まれるが、これらに限定されない。ある特定の態様によれば、抗体が131Iで標識されている場合、有効量は、10mCi~120mCi、20mCi~110mCi、25mCi~100mCi、30mCi~100mCi、40mCi~100mCi、50mCi~100mCi、または75mCi~100mCiである。これらの131Iの低リンパ球枯渇用量は、300mCi~1,200mCiなど、131Iの既知の骨髄破壊用量に対して驚くべきものである。例えば、これらの低用量がリンパ球レベルの低下をもたらすことは予想外であった。さらに、これらの低用量により、患者は、131Iが投与された直後に帰宅することが可能となる。これは、例えば、患者と物理的に近接している他者に提起される放射線リスクのため、1,200mCiの用量を受けている患者には不可能なことである。
【0087】
本方法のある特定の態様によれば、225Ac抗体の有効量は、0.05μCi/kg~5.0μCi/kg(対象体重)である。有効量の例には、0.05μCi/kg~5.0μCi/kg、例えば、0.1μCi/kg~0.2μCi/kg、0.2μCi/kg~0.3μCi/kg、0.3μCi/kg~0.4μCi/kg、0.4μCi/kg~0.5μCi/kg、0.5μCi/kg~0.6μCi/kg、0.6μCi/kg~0.7μCi/kg、0.7μCi/kg~0.8μCi/kg、0.8μCi/kg~0.9μCi/kg、0.9μCi/kg~1.0μCi/kg、1.0μCi/kg~1.5μCi/kg、1.5μCi/kg~2.0μCi/kg、2.0μCi/kg~2.5μCi/kg、2.5μCi/kg~3.0μCi/kg、3.0μCi/kg~3.5μCi/kg、3.5μCi/kg~4.0μCi/kg、4.0μCi/kg~4.5μCi/kg、または4.5μCi/kg~5.0μCi/kgが含まれるが、これらに限定されない。
【0088】
有効量の放射標識された抗体は、単回用量として提供され得る。対象に投与される抗体の大部分は、典型的には、標識されていない抗体からなり、標識された抗体は少数である。標識されていない抗体に対する標識された抗体の比は、既知の方法を使用して調節することができる。したがって、本発明のある特定の態様によれば、抗体は、最大100mg、例えば、60mg未満、もしくは5mg~45mgの総タンパク質量、または0.1ug/kg~1mg/kg(患者体重)、例えば、1ug/kg~1mg/kg(患者体重)、もしくは10ug/kg~1mg/kg(患者体重)、もしくは100ug/kg~1mg/kg(患者体重)、もしくは0.1ug/kg~100ug/kg(患者体重)、もしくは0.1ug/kg~50ug/kg(患者体重)、もしくは0.1ug/kg~10ug/kg(患者体重)、もしくは0.1ug/kg~40ug/kg(患者体重)、もしくは1ug/kg~40ug/kg(患者体重)、もしくは0.1mg/kg~1.0mg/kg(患者体重)、例えば、0.2mg/kg(患者体重)~0.6mg/kg(患者体重)の総タンパク質量で提供され得る。
【0089】
本発明のある特定の態様によれば、放射標識された抗体は、標識された画分と標識されていない画分とを含み得、標識された画分:標識されていない画分の比は、約0.01:10~1:1、例えば、0.1:10~1:1の標識された画分:標識されていない画分であり得る。
【0090】
さらに、放射標識された抗体は、特定の患者に特化した単回用量の組成物として、すなわち、患者特異的治療用組成物として提供され得、組成物中の標識されたおよび標識されていない抗体の量は、少なくとも患者の体重、身長、体表面積、年齢、性別、および/または病状もしくは健康状態に依存し得る。このように、患者特異的治療用組成物の総体積は、1つの治療セッションで患者にすべて投与されるように構成されるバイアル中に提供され得、その結果、組成物は、投与後にバイアル中にほとんどまたは全く残らない。
【0091】
養子細胞療法
養子細胞療法は、がんを治療するための強力なアプローチであるが、感染症および移植片対宿主病などの他の疾患を治療するための強力なアプローチでもある。養子細胞療法は、エクスビボで増殖した細胞、最も一般的には免疫由来細胞の、宿主への受動的な移植であり、移植物の免疫学的機能および特徴を移行することを目標とする。
【0092】
養子細胞療法は、養子T細胞療法において一般的であるように、自己である(例えば、白血球アフェレーシスにより単離され、投与の直前のおよそ4週間で形質導入され、選択される)か、または感染症もしくは移植片対宿主病の治療において典型的であるように、同種である。さらに、ACTは、異種であり得る。
【0093】
養子細胞療法はまた、黒色腫および血液悪性腫瘍などの進行型固形腫瘍を有する患者を治療するために使用され得る、自己腫瘍浸潤性リンパ球(TIL)の移植も含み得る。
【0094】
養子細胞療法はまた、黒色腫および血液悪性腫瘍などの進行型固形腫瘍を有する患者を治療するために使用され得る、健康なドナーから単離され、調製され、および保存された(例えば、凍結された)「既製」の同種リンパ球の移植も含み得る。
【0095】
養子細胞療法は、T細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、デルタガンマT細胞、調節性T細胞、樹状細胞、および末梢血単核細胞などの細胞型を使用し得る。養子細胞療法は、腫瘍抗原との接触に続いて樹状細胞への分化を誘導する目的で、単球を使用し得る。単球が固定有糸分裂指数を有することを考慮すると、宿主の永久的な操作は減少し得る。
【0096】
ある特定の態様によれば、養子細胞療法は、CAR T細胞療法であり得る。CAR T細胞は、腫瘍細胞上の抗原に特異的に結合する所望の抗原結合ドメインを操作することによって、目的の腫瘍抗原を標的化するように操作され得る。本発明の文脈において、「腫瘍抗原」または「増殖性障害抗原」または「増殖性障害に関連する抗原」は、がんなどの特定の増殖性障害に共通する抗原を指す。本明細書で考察される抗原は、単に例示として含まれているに過ぎず、排他的であることを意図するものではなく、当業者にはさらなる例が容易に明らかとなるであろう。
【0097】
ある特定の態様によれば、CAR T細胞療法は、CD19、CD20、CD22、CD30、CD33、CD38、CD123、CD138、CS-1、B細胞成熟抗原(BCMA)、MAGEA3、MAGEA3/A6、KRAS、CLL1、MUC-1、HER2、EpCam、GD2、GPC3、GPA7、PSCA、EGFR、EGFRvIII、ROR1、メソテリン、CD33/IL3Ra、c-Met、CD37、PSMA、糖脂質F77、GD-2、gp100、NY-ESO-1 TCR、FRアルファ、CD24、CD44、CD133、CD166、CA-125、HE4、オーバル、エストロゲン受容体、プロゲステロン受容体、uPA、PAI-1、MICA、MICB、ULBP1、ULBP2、ULBP3、ULBP4、ULBP5、もしくはULBP6、またはそれらの組み合わせ(例えば、CD33とCD123の両方)を標的化する、CAR T細胞を用いる。本発明では、ある特定の態様によれば、がんに罹患した対象は、サイトカイン放出症候群などの有害事象の発生率がより高く、CAR T後の長期生存がより短い、疾患負担がより高い(5%以上の骨髄芽球)患者であることが想定されている。
【0098】
CAR T細胞は、2つ以上の異なる抗原を標的化する能力(すなわち、二重特異性または二価、三重特異性または三価、四重特異性など)を有する抗原結合ドメインを含み得る。したがって、CAR T細胞は、第1の抗原に結合する第1の抗原結合ドメインと、第2の抗原に結合する第2の抗原結合ドメインとを含み得る(例えば、タンデムCAR)。例えば、CAR T細胞は、CD19結合ドメインおよびCD22結合ドメインを含み得、ひいてはCD19およびCD22の両方を認識および結合し得る。またはさらに、CAR T細胞は、CD19結合ドメインおよびCD20結合ドメインを含み得、ひいてはCD19およびCD20の両方を認識および結合し得る。
【0099】
あるいは、細胞集団の各細胞、または細胞集団全体は、複数の別個のCAR T細胞(例えば、構築物)を含み得、各CAR T細胞構築物は、異なる抗原を認識し得る。例えば、CAR T細胞集団は、例えば、HER2、IL13Rα2、およびEphA2などの3つの抗原を標的化し得る。
【0100】
本発明のある特定の態様によれば、自己または同種にかかわらず、細胞集団は、CRISPR/cas9(クラスター化され規則的に間隔が空いた短い回文配列リピート/CRISPR関連タンパク質9)、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、または転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)などの遺伝子編集技術を使用して操作され得る。遺伝子工学の技術分野において認識および実践されているこれらの技術は、標的化配列の選択的な編集、破壊、または挿入を可能にして、対象の細胞のゲノムを改変する。したがって、本発明において実践される養子移植のための単離された自己細胞または同種細胞は、既知の遺伝子または配列を欠失または置換するように編集され得る。例えば、同種T細胞集団におけるT細胞受容体(TCR)は、レシピエント患者における移植片対宿主病を除去するための手段としてのCAR-T形質導入の前または後に、欠失または置換され得る。
【0101】
本発明のある特定の態様によれば、細胞集団は、CARを発現するT細胞、NK細胞、または樹状細胞の集団を含み得、CARは、ヒト化抗CD19結合ドメインもしくはヒト化抗BCMA結合ドメイン、膜貫通ドメイン、および1つ以上の細胞質共刺激シグナル伝達ドメインを含む、細胞外抗体または抗体断片を含む。細胞集団は、CARを発現する細胞の集団を含み得、CARは、ヒト化抗CD19結合ドメイン、ヒト化抗CD22結合ドメイン、および/もしくはヒト化抗BCMA結合ドメインなどの2つ以上の結合ドメイン、ならびに膜貫通ドメイン、ならびに1つ以上の細胞質共刺激シグナル伝達ドメインを含む、細胞外抗体または抗体断片を含む。
【0102】
CAR細胞療法は、進行型B細胞悪性腫瘍において前例のない初期奏効率を示しているが、CAR細胞注入後の再発、および固形腫瘍における限定的な治療成功は、CARレジメンの成功における大きなハードルである。この後者の制限は、主に、固形腫瘍の敵対的な微小環境に起因する。腫瘍間質などの解剖学的障壁、ならびに注入されたCAR改変細胞の腫瘍部位への浸潤に対して有害である免疫抑制サイトカインおよび免疫細胞は、両者ともにCAR細胞療法の成功を制限する。装甲されたCARを使用して、これらの制限のいくつかを回避し得る。これらのCAR細胞は、T細胞活性化および動員を刺激し得、ひいては腫瘍微小環境との闘いを支援し得る、サイトカイン(例えば、IL-2、IL-12、またはIL-15)などの免疫調節性タンパク質を発現するようにさらに改変される。したがって、本発明のある特定の態様によれば、細胞集団は、CARを発現し、かつ、例えば、IL-2、IL-12、またはIL-15などの免疫調節性タンパク質をさらに発現する細胞集団を含み得る。
【0103】
本発明の養子細胞療法は、T細胞受容体(TCR)を発現する細胞集団を含む。TCRは、抗原提示細胞または任意の有核細胞(例えば、赤血球を除く体内のすべてのヒト細胞)の表面上の主要な組織適合性複合体(MHC)の産物の文脈において提示される抗原性ペプチドを認識することに関与する抗原特異的分子である。対照的に、抗体は、典型的には、可溶性抗原または細胞表面抗原を認識し、MHCによる抗原の提示を必要としない。この系は、T細胞に、それらのTCRを介して、短いペプチドに細胞内で処理され、細胞内MHC分子に結合され、かつペプチド-MHC複合体として表面に送達される細胞(ウイルスタンパク質を含む)によって発現される細胞内抗原のアレイ全体を認識する潜在的な能力を付与する。この系は、実質的に任意の外来性タンパク質(例えば、変異がん抗原またはウイルスタンパク質)または異常に発現されたタンパク質が、T細胞の標的としての役割を果たすことを可能にする。
【0104】
上記に示されるように、サイトカイン放出症候群(CRS)に典型的な標的特異的かつ組織外の有害事象が、養子細胞療法で観察されている。リスクを最小限に抑えながらこれらの革新的な治療の利点を維持するために、CAR発現またはTCR発現細胞の活性レベルを制御し得る、調整可能な安全スイッチが組み込まれ得る。すなわち、CARまたはTCRの持続的かつ調節された制御を可能にし得る、誘導性共刺激キメラポリペプチドが含まれ得る。リガンド誘導剤は、例えば、細胞内シグナル伝達経路を誘導し得る、誘導性キメラシグナル伝達分子を多量体化することによって、CAR発現またはTCR発現細胞を活性化し得、標的細胞(T細胞、NK細胞、TIL、樹状細胞)の活性化をもたらす。リガンド誘導剤の非存在下では、標的細胞は静止しているか、または基本レベルの活性を有する。
【0105】
したがって、本発明のある特定の態様によれば、CARまたはTCR(すなわち、安全スイッチCARもしくはTCR、goCARもしくはgoTCR)を起動するスイッチが追加され得る。CARまたはTCR発現細胞は、がん細胞(例えば、標的抗原)および化学薬剤(例えば、リミデュシド、ラパマイシン)の両方に曝露された場合にのみ完全に活性化されるように設計され得、したがって、化学薬剤の投与スケジュールを調整することによって、CARまたはTCR細胞の活性化の度合いを制御する手段を提供する。CARまたはTCRは、依然として標的の様式で作用するが、制御可能なスケジュールにおいて作用し、養子細胞療法のある特定の副作用を低減し得る。したがって、本発明のある特定の態様によれば、ACTは、goCARまたはgoTCR細胞療法を含み得る。
【0106】
本発明のある特定の態様によれば、操作されたCAR細胞は、健康なドナーからの同種細胞であり得、かつCRISPR/cas9、ZFN、またはTALENなどの遺伝子編集技術によって内因性TCRを破壊または置換するようにさらに操作され得、内因性TCRの欠失は、CAR駆動型移植片対宿主病を除去するのに役立つ。
【0107】
本発明のある特定の態様によれば、自己細胞(例えば、T細胞もしくはNK細胞または樹状細胞)は、対象から採取され得る。これらの細胞は、末梢血単核細胞、骨髄、リンパ節組織、脊髄血液、胸腺組織、感染部位からの組織、腹水、胸水、脾臓組織、および腫瘍を含む、いくつかの供給源から取得され得る。本発明のある特定の態様によれば、同種細胞または異種細胞が使用され得、典型的には、健康なドナーから単離される。T細胞、NK細胞、樹状細胞、または多能性幹細胞が同種細胞または異種細胞である場合、当該技術分野において利用可能な任意の数の細胞株が使用され得る。
【0108】
細胞は、Ficoll(商標)分離などの当業者に既知の任意のいくつかの技術を使用して、対象から採取された血液単位から取得することができる。本発明のある特定の態様によれば、個体の循環血液由来の細胞は、アフェレーシスによって取得され得る。アフェレーシス産物は、典型的には、T細胞、単球、顆粒球、B細胞、他の有核白血球、赤血球、および血小板を含む、リンパ球を含有する。
【0109】
陰性選択による細胞集団の富化は、陰性選択された細胞に固有の表面マーカーに向けられた抗体の組み合わせを用いて達成することができる。1つの方法は、陰性選択された細胞上に存在する細胞表面マーカーに向けられたモノクローナル抗体のカクテルを使用する、陰性磁気免疫粘着またはフローサイトメトリーを介した細胞選別および/または選択である。例えば、陰性選択によりCD4+細胞を富化するために、モノクローナル抗体カクテルは、典型的には、CD14、CD20、CD11b、CD16、HLA-DR、およびCD8に対する抗体を含む。本発明のある特定の態様によれば、細胞集団を富化するか、または陽性選択することが望ましい場合がある。例えば、調節性T細胞の陽性富化は、CD4+、CD25+、CD62Lhi、GITR+、およびFoxP3+に対する陽性選択を使用し得る。
【0110】
採取された細胞は、当該技術分野において既知のいくつかの方法のうちのいずれかによって、CARまたはTCRを発現するように操作され得る。さらに、操作された細胞は、当該技術分野において既知のいくつかの方法のうちのいずれかによって増殖され得る。上記に詳述されるように、CARまたはTCRは、二重特異性、三重特異性、または四重特異性であり得、CARまたはTCRは、goCARもしくはgoTCRなどのスイッチ、または安全スイッチCARもしくはTCRを含み得、CARまたはTCRは、装甲されたCARもしくはTCRなどの免疫調節性タンパク質を発現し得る。
【0111】
骨髄を抑制することが既知であるか、またはリンパ球枯渇に対して作用し得るか、または腫瘍の微小環境を変化させ得る追加の薬剤を、上記に示される放射標識された抗体と組み合わせて使用してもよい。例えば、ゲムシタビンは、骨髄系由来抑制細胞および/または骨髄を枯渇させ得るが、一方、PD1、PD-L1、TIM3、もしくはLAG-3拮抗薬抗体、GITRもしくはOX40共刺激抗体、IDO阻害剤、A2aR拮抗薬、またはCD73拮抗薬は、腫瘍微小環境を変化またはシフトさせ得る。追加の薬剤が抗体である場合、これは、別個の薬剤もしくは組成物として、または本明細書に列挙される抗体標的(すなわち、CD19、CD20、CD33、CD38、CD45RA、CD52)のうちのいずれかと組み合わせた二重特異性抗体の1つのアームとして提供され得る。
【0112】
本発明のある特定の態様によれば、対象からの血液試料またはアフェレーシス産物の採取は、本明細書に記載されるような増殖された細胞が必要とされ得る時点より前の、任意の期間であり得る。したがって、操作および増殖される(またはTILの場合、単に増殖される)細胞の供給源は、必要な任意の時点で採取することができ、T細胞、NK細胞、樹状細胞、またはTILなどの所望の細胞は、単離して、本明細書に記載の養子細胞療法などの養子細胞療法における後の使用のために凍結することができる。
【0113】
したがって、本発明のある特定の態様によれば、血液試料またはアフェレーシスは、概して健康な対象、または疾患を発症するリスクがあるが、まだ疾患を発症していない、概して健康な対象からのものであり得、目的の細胞は、単離され、後の使用のために凍結され得る。細胞は、増殖、凍結、および後に使用され得る。ある特定の事例では、細胞試料は、本明細書に記載される特定の疾患の診断の直後に、ただし任意の治療の前に、対象から採取され得る。
【0114】
本発明のある特定の態様によれば、細胞は、本発明の放射標識された抗体のうちのいずれかを使用したリンパ球枯渇と併せて(例えば、リンパ球枯渇の前、同時、または後に)、対象から単離され、新鮮なまま使用され得るか、または後の使用のために凍結され得る。
【0115】
本発明のある特定の態様によれば、CAR/TCRを発現する細胞集団は、線量分割法によって対象に投与され得、総用量の第1の割合が、治療の1日目に投与され、総用量の第2の割合が、治療の翌日に投与され、任意選択的に、総用量の第3の割合が、さらに治療の後日に投与される。
【0116】
例示的な総用量は、103~1011細胞/kg(対象体重)、例えば、103~1010細胞/kg(対象体重)、または103~109細胞/kg(対象体重)、または103~108細胞/kg(対象体重)、または103~107細胞/kg(対象体重)、103~106細胞/kg(対象体重)、または103~105細胞/kg(対象体重)を含む。さらに、例示的な総用量は、104~1011細胞/kg(対象体重)、例えば、105~1011細胞/kg(対象体重)、または106~1011細胞/kg(対象体重)、または107~1011細胞/kg(対象体重)を含む。
【0117】
例示的な総用量は、患者の体重ではなく、体表面積に基づいて投与され得る。したがって、総用量は、103~1013細胞/m2を含み得る。
【0118】
例示的な用量は、体重または体表面積ではなく、定量または固定された投与スケジュールに基づき得る。定量固定投与により、潜在的な用量計算ミスを回避し得る。さらに、遺伝子型解析および表現型解析戦略、ならびに治療薬剤モニタリングを使用して、適切な用量を計算し得る。すなわち、投与は、患者の免疫抑制細胞(例えば、T-reg、MDSC)の免疫レパートリー、および/または疾患負荷に基づき得る。したがって、総用量は、103~1013個の総細胞を含み得る。
【0119】
本発明のある特定の態様によれば、細胞は、治療直後に対象から取得され得る。これに関して、ある特定のがんの治療後、特に、免疫系を損傷する薬剤を用いた治療後、対象が通常治療から回復するであろう期間の間で治療からまもなく、取得されたある特定の細胞(例えば、T細胞)の質が、エクスビボで増殖するそれらの能力に関して最適であり得るか、または改善され得ることが観察されている。同様に、本明細書に記載の方法を使用したエクスビボ操作の後、これらの細胞は、強化された生着およびインビボ増殖に関して好ましい状態であり得る。したがって、この回復期の間に、T細胞、NK細胞、樹状細胞、または造血系の他の細胞を含む血球を採取することが、本発明の文脈内で企図されている。
【0120】
本発明のある特定の態様によれば、放射標識された抗体は、CAR/TCR、またはTILを発現する細胞集団の有効用量の投与後に投与され得る。放射標識された抗体の有効量は、対象においてリンパ球枯渇を誘導するのに十分な量であり得る。ある特定の態様によれば、放射標識された抗体の有効量は、対象において骨髄破壊を誘導するのに十分な量であり得る。
【0121】
本発明のある特定の態様によれば、放射標識された抗体は、CAR/TCR、またはTILを発現する細胞集団の投与の1~3か月後に投与され得、放射標識された抗体の有効量は、対象においてリンパ球枯渇を誘導するのに十分な量である。そのようなことは、自己幹細胞の移植のための準備、またはCAR/TCRを発現する細胞集団の第2の有効量の投与において行われ得る。
【0122】
本発明のある特定の態様によれば、放射標識された抗体は、養子細胞療法の前と後の両方に対象に投与され得る。すなわち、本方法は、CAR/TCRを発現するように操作され、増殖された細胞集団を採取するためのアフェレーシスステップと、それに続く有効量の放射標識された抗体の第1の用量の投与を含み得る。次いで、CAR/TCRを発現する細胞集団を対象に投与し、続いて、有効量の放射標識された抗体の第2の用量を投与し得る。次いで、CAR/TCRを発現する細胞集団の第2の用量が投与され得る。CAR/TCRを発現する細胞集団のこの第2の用量は、第1の用量と同一であり得るか、または異なり得る。すなわち、第1および第2の用量は、同じCAR/TCRを発現する同じ細胞集団の用量であり得る。あるいは、第2の用量は、同じCAR/TCRを発現する同じ細胞集団の異なる有効量であり得る。
【0123】
本発明のある特定の態様によれば、第2の用量は、同じまたは異なるCAR/TCRを発現する異なる細胞集団の同じまたは異なる有効量であり得る。CAR/TCRの差異は、例えば、異なる結合ドメインもしくは抗原認識ドメイン、または共刺激ドメインなどのCAR/TCRの任意の態様にあり得る。第2の用量は、追加的または代替的に、IL-12を有する分泌細胞を含み得るか、または細胞療法注入と同時もしくは順次のいずれかで、BTK、P13K、IDO阻害剤などの小分子阻害剤を用いたアジュバント免疫療法さえ含み得る。
【0124】
したがって、本発明のある特定の態様によれば、CAR/TCRを発現する細胞集団の第2の用量は、第2のCAR/TCRを発現する第2の細胞集団を含み得、第2のCAR/TCRは、第1の用量でのCAR/TCRとは異なる。例えば、第2の用量は、第2のCAR/TCRを発現する活性化T細胞もしくはNK細胞または樹状細胞の第2の集団を含み得、第2のCAR/TCRは、第1の用量でのCARとは異なる細胞外、膜貫通、または細胞質共刺激シグナル伝達ドメインのうちの1つ以上を有する第2のCARを含み得る。例として、第2のCARは、異なる抗原を認識し得るか、または異なる細胞型上で発現され得るか、または異なる細胞質共刺激シグナル伝達ドメインを含み得るか、等である。
【0125】
CAR/TCRを発現する細胞集団が投与された後の、放射標識された抗体の第2の用量の投与は、CAR/TCRを発現する細胞集団の投与後に完全応答(CR)を示していない対象に使用され得る。さらに、CAR/TCRを発現する細胞集団の投与後の放射標識された抗体の第2の用量の投与は、対象が、CAR/TCRを発現する細胞集団の投与後に、抗原陽性疾患(例えば、CD-19+)または抗原陰性疾患(CD-19-)などを再発しているか、または再発していると特定された場合に使用され得る。
【0126】
本発明のある特定の態様によれば、方法は、1つ以上の追加の治療剤の投与を含み得る。例示的な治療剤には、化学療法剤、抗炎症剤、免疫抑制剤、免疫調節剤、またはそれらの組み合わせが含まれる。
【0127】
治療剤は、当該技術分野において既知の任意の標準的な用量レジメンに従って投与され得る。例示的な化学療法剤には、タキサン(例えば、ドセタキシンおよびパクリタキセル)およびビンカアルカロイド(例えば、ビンデシン、ビンクリスチン、ビンブラスチン、およびビノレルビン)などの、有糸分裂阻害剤が含まれる。例示的な化学療法剤には、トポテカンなどのトポイソメラーゼ阻害剤が含まれる。
【0128】
例示的な化学療法剤には、増殖因子阻害剤、チロシンキナーゼ阻害剤、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤、P38a MAPキナーゼ阻害剤、血管形成、新血管形成、および/または他の血管新生の阻害剤、コロニー刺激因子、赤血球造血剤、抗アネルギー剤、免疫抑制および/または免疫調節剤、ウイルス、ウイルスタンパク質、免疫チェックポイント阻害剤、BCR阻害剤(例えば、BTK、P13K等)、免疫代謝剤(例えば、IDO、アルギナーゼ、グルタミナーゼ阻害剤等)が含まれる。本発明のある特定の態様によれば、1つ以上の治療剤は、抗骨髄腫剤を含み得る。例示的な抗骨髄腫剤には、デキサメタゾン、メルファラン、ドキソルビシン、ボルテゾミブ、レナリドミド、プレドニゾン、カルムスチン、エトポシド、シスプラチン、ビンクリスチン、シクロホスファミド、およびサリドマイドが含まれ、それらのうちのいくつかは、化学療法剤、抗炎症剤、または免疫抑制剤として上記に示される。
【実施例】
【0129】
以下の実施例は、本発明による放射標識された抗体のうちの1つ:抗CD45(モノクローナル抗体はBC8である)を使用した本発明の組成物および方法の実験設計および特定の結果を提供する。
【0130】
実施例1-131I-BC8(Iomab-B)
Iomab-B医薬品は、放射性ヨウ素化抗CD45マウスモノクローナル抗体(mAb)(131I-BC8)である。これは、造血CD45抗原に特異的である。Iomab-B医薬品は、脱パイロジェン処理された1型の50mLガラスバイアル、滅菌された灰色のクロロブチルゴム栓、およびオープントップスタイルのアルミニウムシールからなる容器施栓系に含有される滅菌製剤として供給される。各用量バイアルはまた、50mLバイアル中に45mLの医薬品充填体積を含有する。同様に、これは、静脈内投与中の完全注入のための単回使用用量として提供され得、1mCi~200mCi(例えば、100mCiまたは150mCi)の131I、および6~60mg(例えば、6~45mg)のBC8の患者特異的放射活性を含有する。BC8抗体用量は、0.5mg/kgのレベルで理想体重に従って決定され得る。医薬品は、0.9%塩化ナトリウム注射液USP(正常生理食塩水)と順次に、1:9の医薬品対生理食塩水の比率で患者に同時投与される。注入速度は45mLの医薬品充填体積中のBC8抗体の量に依存するため、およそ430~450mLの総医薬品および生理食塩水注入体積は、様々な期間にわたって投与される。
【0131】
国際公開第2017/155937号は、BC8の全構造、および131I-BC8を作製するための方法を教示している。
【0132】
実施例2-225Ac-BC8
抗CD45 BC8のDOTAとのコンジュゲートおよびその後の225Acでの標識:抗体BC8(2mg)を、コンジュゲーション緩衝液(1mMのEDTAを含むNa炭酸緩衝液、pH=8.5~9.0)を用いて、MWカットオフ50,000のCentriconフィルターまたはMWカットオフ50,000のVivaspin限外濾過管を使用する、4回の限外濾過スピンにより平衡化した。スピン当たり1.5mlのコンジュゲーション緩衝液を使用した。各スピンについて、抗体を、53,000RPMで、かつ4℃で、残留保持体積が100~200μlになるまで5~20分間スピンした。抗体を、2回目および3回目のスピン後、4℃で30分間インキュベートして、平衡化を可能にした。DOTAコンジュゲーションについて、0.15MのNH4OAc中、3mg/mlのS-2-(4-イソチオシアナトベンジル)-1,4,7,10テトラアザシクロドデカンテトラ酢酸(p-SCN-Bz-DOTA、MW=687)の溶液を、溶解およびボルテックスにより調製した。DOTA-Bz-pSCNおよびBC8抗体(5mg/ml超)を、エッペンドルフ管中、7.5モル比(DOTA:抗体)で一緒に混合し、室温で15時間インキュベートした。DOTA-抗体コンジュゲートの精製について、未反応のDOTA-Bz-pSCNを、1.5mlの0.15MのNH4OAc緩衝液(pH=6.5)を用いた7ラウンドの限外濾過によって除去し、およそ100μlの体積にした。最終洗浄後、0.15MのNH4OAc緩衝液を添加して、材料をおよそ1mg/mlの最終濃度にした。DOTA-BC8コンジュゲートの最終濃度を測定し、抗体にコンジュゲートされたDOTA分子の数を、抗体に対して1.2~1.5DOTAであると決定した。
【0133】
225AcでのDOTA-抗体コンジュゲートの放射標識:DOTA-BC8コンジュゲートを225Acで標識するために、15uLの0.15MのNH4OAC緩衝液、pH=6.5を、エッペンドルフ反応管中で2μL(10μg)のDOTA-BC8(5mg/ml)と混合した。0.05MのHCl中、4μLの225Ac(10μCi)を順次添加し、管の内容物をピペットの先端で混合し、反応混合物を100rpmで振とうしながら、37℃で90分間インキュベートした。インキュベーション期間の終了時に、3μLの1mMのDTPA溶液を反応混合物に添加し、室温で20分間インキュベートして、非複合体化225Acを結合した。インスタント薄層クロマトグラフィー(ITLC)を、10cmのシリカゲルストリップおよび10mMのEDTA/正常生理食塩水移動相を用いて実施して、225Ac-抗BC8の放射化学的純度を決定し、225Acで標識されたBC8を225Ac-DTPAから分離し、マルチチャネル分析器を備えたガンマ計数器で切片を計数した。数回の実行にわたる放射標識効率は、80%超であると決定した。
【0134】
実施例3-絶対好中球数の変化
CD45は、リンパ球と好中球の両方を含む、ほとんどの免疫細胞型において発現される細胞表面タンパク質である。Iomab-B(
131I-BC8)放射性免疫療法は、そのベータ放出ペイロードを標的化し、かつそれをCD45陽性細胞に送達する。すべてのCD45陽性細胞型は、等しく、
131I-BC8の投与後に枯渇の影響を受けやすいことが予想されている。
図2に示すヒト臨床治験からのデータは、10mCi用量の
131I-BC8投与後の様々な時点でのヒト対象の相対絶対好中球数を示し、これは倍率増加または減少として提示される。絶対リンパ球数は有意に減少し、経時的に持続的な枯渇を示したが、絶対好中球数の中央値は、
131I-BC8投与後に最小限の減少を示し、急速な回復を示した。これは驚くべき発見である。
131I-BC8の好中球に対する限定的な影響およびその急速なリバウンドは、そうでなければ起こる可能性のある感染症を防止することにより、患者に利益をもたらすことが予想される。
【0135】
実施例4-リンパ球枯渇およびクリアランスを実証する臨床データ
低用量レベルの
131I-BC8を与えられた患者から得られた臨床データは、一貫した末梢リンパ球減少を示す。薬物動態データは、
131I-BC8の高速クリアランスを示す。このクリアランスは、CAR T製品との相互作用を制限する。疾患制御の増加およびリンパ球枯渇の持続により、
131I-BC8投与とCAR T注入との間の時間窓がフレキシブルになり、これが次に毒性を防ぐ。例えば、
図3A~3Hに示されるように、
131I-抗CD45抗体標的化リンパ球枯渇後の免疫細胞解析は、末梢血中のWBC(
図3A)および脾臓免疫細胞集団(
図3B)の選択的な枯渇を、骨髄区画に対する最小限の影響(
図3C)ならびにRBCおよび血小板に対する影響の抑制(それぞれ、
図3Dおよび3E)とともに示す。
図3F~3Hは、同様の治験結果(2日目および4日目のみ)の棒グラフを提供する。やや驚くべきことに、脾臓T-regレベルは、21日後でも持続的に下落している(枯渇されている)ことが分かった。
図12は、患者の循環血液からの
131I-BC8の急速なクリアランスを示す。平均して、放射標識されたBC8抗体の59パーセントが、0.65時間(39分間)の生物学的半減期で血液から除去され、41パーセントが、31時間の生物学的半減期で除去された。
【0136】
実施例5-開発中の様々なCAR-T細胞療法、およびそのリンパ球枯渇レジメン
開発中のCAR-T細胞療法は多数存在し、各々が独自のリンパ球枯渇レジメンを有する。
図6の図は、B細胞NHLを有する患者に対する抗CD19 CAR T細胞療法の選択された公開治験を示す。これらの治験のほとんどは、化学療法によるリンパ球枯渇レジメンを用いる。
【0137】
実施例6-KYMRIAH(登録商標)前の131I-BC8ベースのリンパ球枯渇
この実施例では、本発明を使用して、NHLまたはDLBCLに罹患したヒト対象を治療する。第1の事例では、この方法は、(i)25mCi~200mCi(例えば、100mCiまたは150mCi)の131I-BC8をNHL患者に投与することと、(ii)6、7、または8日後に、患者に対してKYMRIAH(登録商標)(チサゲンレクロイセル)療法をその既知のプロトコルに従って実施することと、を含む。第2の事例では、この方法は、(i)25mCi~200mCi(例えば、100mCiまたは150mCi)の131I-BC8をDLBCL患者に投与することと、(ii)6、7、または8日後に、患者に対してKYMRIAH(登録商標)療法をその既知のプロトコルに従って実施することと、を含む。
【0138】
実施例7-YESCARTA(登録商標)前の131I-BC8ベースのリンパ球枯渇
この実施例では、本発明を使用して、NHLに罹患したヒト対象を治療する。この方法は、(i)25mCi~200mCi(例えば、100mCiまたは150mCi)の131I-BC8をNHL患者に投与することと、(ii)6、7、または8日後に、患者に対してYESCARTA(登録商標)(アキシカブタゲンシロロイセル)療法をその既知のプロトコルに従って実施することと、を含む。
【0139】
実施例8-抗CD45放射性免疫療法介在性コンディショニング/リンパ球枯渇の前臨床モデリング
概要:操作された自己または同種CAR T細胞などの養子細胞移植の用量を受ける前に、多くの場合、高用量化学療法を使用して、リンパ球枯渇ステップを実施することが一般的である。このプロセスは、免疫微小環境、例えば、骨髄内に十分な空間を作り、移植された細胞の生着を可能にするために重要であると考えられている。さらに、ドナーリンパ球の確立および増殖のための好ましいサイトカインプロファイルを誘発すると見られている。抗CD45放射性免疫療法は、AML患者における同種造血細胞移植前の骨髄破壊的レジメンとして、第III相臨床治験において調査されている。この治験からの結果は、低用量の131I-抗CD45放射性免疫療法が、リンパ球枯渇には十分であるが、骨髄破壊には十分でない場合があることを示唆している。
【0140】
例として、単回用量の50mCi~200mCiの
131I-抗CD45抗体を受けているヒト患者の脾臓に吸収される累積放射線量を調査する研究が実施されている。表3に示すように、脾臓への残余吸収線量が25cGyを超えないであろう時間は、
131I-抗CD45抗体の総用量によって変動する。さらに、
図11は、100mCiの
131I-抗CD45抗体を注入により投与された患者の脾臓への累積線量率を示し、脾臓への線量率は、注入後の時間に対してプロットされている。
【表3】
【0141】
低用量の
131I-抗CD45放射性免疫療法(サロゲート30F11)の効果の前臨床研究が実施されている。この研究は、特定の免疫細胞型に対するリンパ球枯渇応答を調査しており、この形態のコンディショニングに対する応答におけるサイトカイン発現の変化は調査していない。例えば、
図9は、5~20mCiの
131I-抗CD45抗体(13人の患者の用量中央値8.4mCi)を受けているヒト患者における一過性リンパ球枯渇を示す。そのような研究の結果は、自己または同種養子細胞移植(ACT)の投与前に非骨髄破壊調節レジメンとして抗CD45放射性免疫療法を利用したヒト臨床研究の開発および計画において支持的であろう。
【0142】
現行の研究には、ACTを受けるための調節レジメンとしてのCD45放射性免疫療法剤のモデリングのために、CD45+免疫細胞の骨髄および末梢血を枯渇させるためのCD45放射標識された(131I)抗マウス受容体抗体を使用した免疫担当性マウス(例えば、8~12週齢のメスのC57Bl/6マウス)が含まれる。コンパレータは、シクロホスファミド(Cy)とフルダラビン(Flu)の併用化学療法による治療である。治療後の最大3つの時点で、動物を犠牲にし、末梢血、脾臓、および骨髄試料を免疫表現型検査のために採取して、リンパ球枯渇についてリンパ系および骨髄系サブセットを評価し、血液(血清)を様々な治療レジメンに応答するサイトカインプロファイリングのために採取する。
【0143】
材料:マウス(各時点群当たり3匹)、例えば、メスの青年期のC57Bl/6マウス(合計30匹のマウス)。マウスサロゲート抗CD45抗体30F11(供給元:Millipore Sigma:MABF321、ラットIgG2b)。標識用131I。フルダラビン(Flu)+シクロホスファミド(Cy)(処置:250mg/kgのCy+50mg/kgのFlu)
【0144】
パートI:サロゲートCD45抗体30F11の標識およびインビトロ特性評価-30F11抗体のヨウ素化を実施すする;マウスCD45+細胞に対する免疫反応性試験(例えば、B6-Ly5a脾臓細胞5ng/mlで1時間:目標70%超の免疫反応性)を実施する。
【0145】
パートII:(a)(i)インビボ研究のための用量を準備する(200μlで投与された100μg中0.5mCi、Matthews,et al.,2001,Blood,2:737-745による)(ii)Matthews線量測定の結果:0.5mCiの用量:脾臓に対して54Gy、骨髄に対して17Gy、肺に対して8Gy、および肝臓に対して5Gy。他の研究では、100μg中0.05、0.1、および0.2mCiを投与して、用量応答を決定した。
【0146】
(b)放射性免疫療法レジメンを、IP投与する。1群当たり9匹のマウスに、CD45放射性免疫療法または併用化学療法(Cy/Flu)を投与する。12匹のマウスが治療前であり、治療対照は存在しない。
【0147】
(c)3つの時点(すなわち、24時間、48時間、および96時間)でマウスを犠牲にし、試料を抽出する(骨髄、末梢血、および脾臓、ならびに血清を採取する)。
図7を参照されたい。
【0148】
(d)免疫表現型検査を骨髄および末梢血において実施し、(i)Treg(CD4、CD25、FoxP3)、(ii)CD4およびCD8 T細胞、B細胞 NK細胞:(CD3、CD4、CD8、CD19、CD335)、(iii)HSC(Lin-、c-KIT、SCA1)、ならびに(iv)MDSC、DC、MAC、顆粒球:(CD11b、CD11c、CD244、syglec F、Ly6G、Ly6C)を評価する。
【0149】
(e)サイトカインプロファイリングを、IL6、IL7、IL10、IL15、MIP1a、VEGF、およびIFNgを含む、Luminexによるパネル31-Plex(MD31)を使用して実施する。
【0150】
実施例9-マウスにおける抗CD45放射性免疫療法介在性コンディショニング/リンパ球枯渇後の養子T細胞移植の前臨床モデル
概要:リンパ球枯渇は、CAR Tなどの自己または同種細胞療法を受けるために患者をコンディショニングするための重要なステップであると考えられている。養子細胞移植のための準備において、マウスモデルにおける免疫細胞の選択的枯渇およびサイトカイン応答の調節に対する
131I-抗CD45放射性免疫療法の効果を評価するための研究が提案されている。本研究では、CD45放射性免疫療法の使用は、養子T細胞移植前の非骨髄破壊的コンディショニングレジメンとして評価されるであろう。E.G7リンパ腫腫瘍担持マウスは、OVA特異的CD8+T細胞の養子細胞移植前に、単回選択用量の
131I-抗CD45放射性免疫療法によってコンディショニングされ、移植された細胞の生着およびその結果として生じる抗腫瘍応答についてモニタリングされる。コンパレータは、CyとFluの併用化学療法によるコンディショニング、または事前コンディショニングなしである。
図8を参照されたい。
【0151】
材料:(i)マウス(各群当たり5匹)、メスの青年期C57Bl/6 CD45.1マウス(3群、合計15匹のマウス)。(ii)ドナーCD45.2 OT-1マウス(ドナーT細胞プールに十分な、約5匹のマウス)。(iii)E.G7腫瘍細胞株。(iv)マウスサロゲート抗CD45抗体30F11(供給元:Millipore Sigma:MABF321 200μg、ラットIgG2bκ)。(v)標識用111In。(vi)フルダラビン+シクロホスファミド(処置:250mg/kgのCy+50mg/kgのFlu)。
【0152】
方法:(1)CD45.1 C57BL/6マウスの各々に、2×106個のE.G7腫瘍細胞(Matrigelなし)を、およそ100mm3の腫瘍体積に達するまで皮下注射する。
【0153】
(2)腫瘍細胞注射のおよそ7日後、マウスに対して、131I-抗CD45放射性免疫療法(0.5mCiの131I-抗CD45抗体の単回腹腔内投与、200μl中100μgの抗体)もしくはFlu/Cyのいずれかによってリンパ球枯渇を行うか、またはコンディショニングを行わない。
【0154】
(3)CD8+T細胞をCD45.2 OT-1トランスジェニックマウスから単離し、インビトロで培養および活性化する。
【0155】
(4)リンパ球枯渇の4日後、2×106個のCD8+T細胞を、尾静脈注射を介して各コホートに投与する。
【0156】
(5)腫瘍体積および体重を、行動および健康状態の評価とともに、毎日測定する。
【0157】
(6)Hsu,et al.,2015,Oncotarget,6:44134-44150に基づき、腫瘍応答は、T細胞投与後10日以内に記録する。10日目の測定後、マウスを犠牲にし、血液および腫瘍を採取する。
【0158】
(7)腫瘍を切片化し、H&E、CD8+細胞、およびTregを染色する。
【0159】
(8)血液は、生着したCD8細胞(CD45.2+)ならびにTregおよびMDSCの集団の存在について、順に評価される。
【0160】
(9)サイトカインプロファイリングを実施して、IL-10、IL-12、IL-15、およびIFNgの末端レベルを評価する。
【0161】
実施例10-遺伝子編集されたT細胞
本実施例は、遺伝子編集されたT細胞を含有する養子細胞療法の1回以上の用量の投与に先行する、がん患者におけるリンパ球枯渇に関する。
【0162】
CAR T細胞は、臨床的にかなりの有望性を示しており、難治性リンパ腫患者集団における奏効率は80%を超え、治療された患者のほぼ50%において6か月以上持続する持続的な応答を有する。
【0163】
しかしながら、これらの操作されたT細胞は、PD1、Lag3、またはTIM3のような免疫チェックポイント受容体の上方調節などの免疫調節制御の影響を受けやすいままである。これらの受容体は、消耗の状態を媒介し、操作された細胞の活性化潜在能力を制限する。同種CAR T細胞の場合、これらの外因的に投与された細胞は、移植片対宿主病(GVHD)を誘発するリスクを伴う。このリスクは、操作された同種T細胞上に存在する天然T細胞受容体による不適合の主要な組織適合抗原の認識によって引き起こされる。
【0164】
これらの有害事象は、CRISPR/cas9などの遺伝子編集技術によって効果的に軽減され得る。例えば、PD1をコードする遺伝子の破壊は、CAR T抗腫瘍応答のチェックポイント調節の潜在能力を排除する。さらに、同種CAR T細胞調製物中の内因性TCR座位を破壊するための遺伝子編集は、GVHDを効果的に防止する(Ren,et al.)。リンパ球枯渇は、投与されたCAR T細胞の生着、増殖、および持続性を成功裏に可能にする重要なステップである。しかしながら、非特異的化学療法および放射線の使用を置き換えるには、リンパ球枯渇に対するより安全かつより有効な方法(例えば、対象の方法)が必要である。既知の非特異的レジメンは、サイトカイン放出症候群(CRS)などのCAR T関連毒性の出現に寄与する可能性があり、遺伝子編集されたCAR T細胞は、このリスクから除外されない。対象のCD45ベースのリンパ球枯渇法は、CAR T細胞がチェックポイント受容体または内因性TCRを破壊されているかどうかにかかわらず、遺伝子編集されたCAR Tの前にリンパ球を枯渇させるための、より安全な、標的化された、かつより有効な方法である。
【0165】
実施例11-Iomab-Bの多施設ピボタル第3相研究における赤色骨髄の線量測定および活性レベル低下までの時間
計算を実施して、131I-抗CD45抗体(Iomab-B)の活性レベルが、赤血球における放射線量の効果を最小化して、後続の細胞骨髄回復療法を可能にし、促進するために必要とされる、低下されたまたは仮定された「安全な」レベルまで低下するための、注入後の時間を評価した。
【0166】
Iomab-Bの投与後、放射標識された抗体の活性は、取り込みの著しい主要器官の各々から指数関数的に減少する。理論に拘束されることを望まないが、1つの可能な説明は、生物学的クリアランスと放射性崩壊との複合効果によって、赤色骨髄への線量率が経時的に指数関数的に減少することであり、その結果、無限時間を通して骨髄への残余総線量が25cGyの値を超えない時点に到達し得る。値25cGyは、高用量Iomab-Bを用いた前療法後の赤色骨髄細胞の再生および回復に悪影響を与えない、比較的「安全な」吸収線量の1つの推定値を表す。
【0167】
データ概説:臨床治験において
131I-抗CD45抗体(
131I-BC8)を投与されている25人の患者のサブセットにおいて、赤色骨髄における
131I-BC8の平均初期取り込みは17.4%であり、これは、45.1時間の平均有効半減期で除去された。
図10は、100mCiの注入に対するIomab-B患者における赤色骨髄に対する平均線量率(cGy/時間)を示す。骨髄への線量率は、注入後の時間に対してプロットされている。消失曲線は、45.1時間の滞留半減期を有する単一の指数関数を表す。注入後154時間(約6.5日)で、曲線下面積は、すべての残余時間の間に、25cGyを超えない総吸収線量が赤色骨髄に付与されるであろうことを示す(総線量271cGy約9%を表す)。
【0168】
図10はまた、赤色骨髄に対する平均初期線量率が4.16cGy/時であったことを示す。25cGy点に到達するまでの時間は、注入される活性の増加とともに増加する。表4は、50mCi、75mCi、100mCi、150mCi、および200mCiの
131I-抗CD45抗体の注入についての25cGy時点を示す。
【表4】
【0169】
予備的な結論:これらのデータから、細胞回復療法(ACT)の開始のための131I-抗CD45抗体の注入後、投与された用量に応じて、6~8日の待機期間が十分である可能性が高いと見られる。安全性を追加するために、かつ体内動態の取り込みおよびクリアランス半減期が平均値よりも大きい患者を考慮するために、131I-抗CD45抗体の注入後、安全性期間が1~2日(200mCiで9~10日)延長され得る。
【0170】
個々の患者の変動性:患者は、Iomabの体内分布およびクリアランス動態において異なった。赤色骨髄の平均初期取り込みは、総注入量の17.4%であったが、注入後に観察された最も高い赤色骨髄の取り込みは、1人の患者において36%であった。骨髄からの平均クリアランス半減期は、45.1時間であったが、観察された最も長いクリアランス半減期は、71時間であった。赤色骨髄に対する平均吸収線量は、2.71cGy/mCi 131Iであったが、現在のプロトコルで観察された最も高い値は、4.24cGy/mCiであった。
【0171】
実施例12-マウスにおける
131I-BC8標的化免疫枯渇後のT-reg細胞の免疫表現型検査。
放射性免疫療法に向けた
131I-抗CD45抗体を使用したマウスにおける標的化免疫枯渇の研究は、骨髄に対する影響を効果的に抑制しながら、T-regを含むリンパ球を枯渇のために標的化することができる用量を定義する能力を示している。
図4A~4Eおよび5A~5Cは、50~200μCiの用量の
131I-BC8が、リンパ球およびT-regを枯渇させ、かつ骨髄細胞に対して明らかな効果を有さないことを実証する。μリンパ球枯渇に対して評価されたものよりも1.5~4倍高い用量レベルが、B細胞リンパ腫のマウス腫瘍モデルにおいて示されており、抗腫瘍効果を指し示している。本発明のより低いリンパ球枯渇用量はまた、CD45陽性腫瘍細胞を標的化し、抗腫瘍効果に寄与し、PD1陽性腫瘍を含む腫瘍量を減少させ、ACTまたはCAR-T転帰を改善する。要約すると、ACTの調製に使用される場合、本発明は、免疫抑制性腫瘍微小環境を標的化し、ACT生着、応答、および抗腫瘍転帰の改善をもたらす。
【0172】
実施例13-CD45標的化免疫枯渇は、養子細胞療法に安全である。
放射性免疫療法に向けた
131I-抗CD45抗体を使用したマウスにおける標的化免疫枯渇の研究は、そのような形態の免疫枯渇が、養子細胞療法の前に安全であることを示している。E.G7-OVA腫瘍生着を有するマウスを、100uCiの
131I-CD45でコンディショニングし、1×10
6 OT I OVA反応性T細胞を4日目に投与した。
図13Aおよび13Bに示されるように、養子移植された細胞は、脾臓内に存続することができ、かつ腫瘍増殖を制御することができた。
【0173】
以下の態様が本出願に開示される。
【0174】
態様1.対象の免疫細胞の特定のサブセットの標的化免疫枯渇のための方法であって、CD2、CD3、CD5、CD11a、CD11b、CD11c、CD14、CD18、CD19、CD20、CD28、CD33、CD38、CD45RA、CD49a、CD52、CD96、CD116、CD122、CD132、CD152、CD154、CD244、CD272、CD305、CLA、IL-21、B7-HA、もしくはそれらの組み合わせ、またはCD19、CD20、CD33、CD38、CD45RA、CD52、もしくはそれらの組み合わせ、またはCD2、CD5、CD11a、CD18、CD49a、CD122、CD132、CD244、CD272、CD305、CLA、IL-21受容体、およびB7-HA、もしくはそれらの組み合わせに対する、有効量の放射標識された抗体を対象に投与することを含む、方法。
【0175】
態様2.放射標識された抗体が、リンパ系由来標的および骨髄系由来標的を含む、二重特異性抗体であり、リンパ系標的が、CD3、CD2、CD28、CD96、CD122、CD152、もしくはCD154であり、かつ/または骨髄系標的が、CD11b、CD11c、CD14、CD33、もしくはCD116である、態様1に記載の方法。
【0176】
態様3.有効量の放射標識された抗体が、標的化免疫細胞の少なくとも50%、または標的化免疫細胞の少なくとも70%、または標的化免疫細胞の少なくとも80%を枯渇させ、有効量の放射標識された抗体が、対象の幹細胞の20%未満、または対象の幹細胞の10%未満を枯渇させる、態様1または態様2に記載の方法。
【0177】
態様4.放射標識された抗体が、131I、125I、123I、90Y、177Lu、186Re、188Re、89Sr、153Sm、32P、225Ac、213Bi、213Po、211At、212Bi、213Bi、223Ra、227Th、149Tb、137Cs、212Pb、または103Pdで標識されている、態様1~3のいずれか1つに記載の方法。
【0178】
態様5.対象の免疫細胞の特定のサブセットが、リンパ系由来であるが幹細胞ではない細胞を含む、態様1~4のいずれか1つに記載の方法。
【0179】
態様6.対象の免疫細胞の特定のサブセットが、骨髄性由来であるが幹細胞ではない細胞を含む、態様1~5のいずれか1つに記載の方法。
【0180】
態様7.放射標識された抗体が、131Iで標識されており、有効量が、10mCi~200mCiであるか、または有効量が、200mCi未満であるか、または有効量が、100mCi未満である、態様1~6のいずれか1つに記載の方法。
【0181】
態様8.放射標識された抗体が、225Acで標識されており、有効量が、0.1μCi/kg(対象体重)~5.0μCi/kg(対象体重)である、態様1~6のいずれか1つに記載の方法。
【0182】
態様9.有効量の放射標識された抗体が、対象において骨髄破壊を誘導しない、態様1~8のいずれか1つに記載の方法。
【0183】
態様10.有効量の放射標識された抗体が、単回用量として投与される、態様1~9のいずれか1つに記載の方法。
【0184】
態様11.有効量の放射標識された抗体が、骨髄に2Gy以下の放射線量を提供する、態様1~10のいずれか1つに記載の方法。
【0185】
態様12.対象が、がんに罹患しており、かつがんを治療するために養子細胞療法を受けるところである、態様1~11のいずれか1つに記載の方法。
【0186】
態様13.対象に対して養子細胞療法を実施することをさらに含み、養子細胞療法が、キメラ抗原受容体またはT細胞受容体(CAR/TCR)を発現する有効量の細胞集団を対象に投与することを含む、態様1~12のいずれか1つに記載の方法。
【0187】
態様14.養子細胞療法が、放射標識された抗体の投与の6、7、または8日後に実施される、態様11または13に記載の方法。
【0188】
態様15.養子細胞療法が、自己細胞療法であるか、または養子細胞療法が、同種細胞療法である、態様11~14のいずれか1つに記載の方法。
【0189】
態様16.養子細胞療法が、遺伝子編集されたCAR T細胞の投与を含み、遺伝子編集されたCAR T細胞が、少なくとも1つのチェックポイント受容体および/または少なくとも1つのT細胞受容体を適切に発現し損なう、態様11~15のいずれか1つに記載の方法。
【0190】
態様17.CAR/TCRを発現する細胞集団が、CD19、CD20、CD22、CD30、CD33、CD38、CD123、CD138、CS-1、B細胞成熟抗原(BCMA)、MAGEA3、MAGEA3/A6、KRAS、CLL1、MUC-1、HER2、EpCam、GD2、GPC3、GPA7、PSCA、EGFR、EGFRvIII、ROR1、メソテリン、CD33/IL3Ra、c-Met、CD37、PSMA、糖脂質F77、GD-2、gp100、NY-ESO-1 TCR、FRアルファ、CD24、CD44、CD133、CD166、CA-125、HE4、オーバル、エストロゲン受容体、プロゲステロン受容体、uPA、PAI-1、MICA、MICB、ULBP1、ULBP2、ULBP3、ULBP4、ULBP5、もしくはULBP6、またはそれらの組み合わせを標的化する、態様11~16のいずれか1つに記載の方法。
【0191】
態様18.CAR/TCRを発現する細胞集団が、CD19、CD20、CD22、またはそれらの組み合わせを標的化する、態様11~17のいずれか1つに記載の方法。
【0192】
態様19.対象が、自己免疫疾患に罹患しており、対象の免疫細胞の特定のサブセットが、B細胞、形質細胞、またはそれら両方の組み合わせを含む、態様1~11のいずれか1つに記載の方法。
【0193】
態様20.(a)CD2、CD3、CD5、CD11a、CD11b、CD11c、CD14、CD18、CD19、CD20、CD28、CD33、CD38、CD45RA、CD49a、CD52、CD96、CD116、CD122、CD132、CD152、CD154、CD244、CD272、CD305、CLA、IL-21、B7-HA、またはそれらの組み合わせに対する放射標識された抗体、ならびに(b)対象に、対象の標的化免疫細胞の少なくとも50%、および対象の幹細胞の20%未満を枯渇させるのに有効なある量の抗体を投与するよう使用者に指示する標識と、を含むか、または抗体の量が、対象の標的化免疫細胞の少なくとも90%、および対象の幹細胞の10%未満を枯渇させるのに有効である、製造物品。
【0194】
態様21.放射標識された抗体が、CD19、CD20、CD33、CD38、CD45RA、CD52、またはそれらの組み合わせに対するものである、態様20に記載の製造物品。
【0195】
態様22.放射標識された抗体が、CD2、CD5、CD11a、CD18、CD49a、CD122、CD132、CD244、CD272、CD305、CLA、IL-21受容体、およびB7-HA、またはそれらの組み合わせに対するものである、態様20に記載の製造物品。
【0196】
態様23.放射標識された抗体が、リンパ系由来標的および骨髄系由来標的を含む二特異性抗体である、態様20に記載の製造物品。
【0197】
態様24.標的のうちの少なくとも1つが、CD19、CD20、CD33、CD38、CD45RA、またはCD52を含む、態様23に記載の製造物品。
【0198】
態様25.リンパ系標的が、CD3、CD2、CD28、CD96、CD122、CD152、もしくはCD154であり、かつ/または骨髄系標的が、CD11b、CD11c、CD14、CD33、もしくはCD116である、態様23に記載の製造物品。
【0199】
態様26.抗体が、131Iで放射標識され、かつ10mCi~200mCiの量で投与されるか、または抗体が、225Acで放射標識され、かつ0.1μCi/kg~5.0μCi/kg(対象体重)の量で投与される、態様20~25のいずれか1つに記載の製造物品。
【国際調査報告】