(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-23
(54)【発明の名称】メンテナンスユニットを内蔵したロボット支援による研削装置
(51)【国際特許分類】
B24B 27/00 20060101AFI20220616BHJP
B24B 45/00 20060101ALI20220616BHJP
B24B 55/06 20060101ALI20220616BHJP
B24B 53/007 20060101ALI20220616BHJP
B23Q 3/157 20060101ALI20220616BHJP
B25J 9/06 20060101ALI20220616BHJP
B23Q 11/00 20060101ALI20220616BHJP
【FI】
B24B27/00 A
B24B45/00 A
B24B55/06
B24B53/007
B23Q3/157 E
B25J9/06 B
B23Q11/00 K
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021542183
(86)(22)【出願日】2020-01-21
(85)【翻訳文提出日】2021-09-10
(86)【国際出願番号】 EP2020051446
(87)【国際公開番号】W WO2020152186
(87)【国際公開日】2020-07-30
(31)【優先権主張番号】102019101580.4
(32)【優先日】2019-01-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515315521
【氏名又は名称】フェルロボティクス コンプライアント ロボット テクノロジー ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】Ferrobotics Compliant Robot Technology GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】110000718
【氏名又は名称】特許業務法人中川国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ナデラー ロナルド
【テーマコード(参考)】
3C002
3C034
3C047
3C158
3C707
【Fターム(参考)】
3C002AA02
3C002DD14
3C002FF00
3C002KK04
3C002LL08
3C034AA19
3C034BB66
3C047AA22
3C047FF09
3C047FF19
3C158AA04
3C158AA11
3C158AA15
3C158AA16
3C158AC05
3C158BA06
3C158BA07
3C158BB02
3C158BC02
3C158CB03
3C707AS12
3C707BS12
3C707HS14
3C707KS31
3C707KS34
(57)【要約】
【課題】
工具のメンテナンスにかかる時間を短縮する。
【解決手段】
ロボット支援による表面加工のための装置が開示されている。この装置は、マニピュレータ(1)に取り付け可能なホルダ(22)と、工具(11)を有する加工機械と、ホルダ(22)に対する工具(11)の相対的な位置を調整するリニアアクチュエータ(20)と、を有する。この装置は、さらに、揺動可能なブラケット(30)を備えたメンテナンスユニット(300)を有する。ブラケット(30)は、ホルダ(22)に揺動可能に支持されており、ブラケット(30)の揺動によりメンテナンスユニット(300)が少なくとも部分的に工具(300)の前に配置されることが可能である。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マニピュレータ(2)に取り付け可能なホルダ(22)と、
工具(11)を有する加工機械と、
前記加工機械に結合されたリニアアクチュエータ(20)であって、前記ホルダ(22)に対する前記工具(11)の相対的な位置を調整するリニアアクチュエータ(20)と、
ブラケット(30)を有するメンテナンスユニット(300)であって、前記ブラケット(30)は、前記ホルダ(22)に揺動可能に支持されており、前記ブラケット(30)の揺動により前記メンテナンスユニット(300)が少なくとも部分的に前記工具(300)の前に配置されることが可能なメンテナンスユニット(300)と、
を有する装置。
【請求項2】
前記メンテナンスユニット(300)は、前記ブラケット(30)を揺動させることで前記工具(11)と対向する位置に配置可能な洗浄装置(33、31)を有している請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記洗浄装置は、ブラシ(33)を有し、前記工具(11)が前記ブラシ(33)に前記リニアアクチュエータ(20)により押し付けられるように前記ブラケット(30)の揺動により前記ブラシ(33)が位置決めされることが可能な請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記洗浄装置は、少なくとも1つのノズル(31)を有し、前記ノズルにより前記工具(11)上に洗浄剤を噴射し、又は圧縮空気を吹き付けることができるように前記ノズルが前記ブラケットの揺動により位置決めされることが可能な請求項2又は請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記リニアアクチュエータ(20)は、メンテナンスモードにおいて、前記工具(20)を前記メンテナンスユニット(300)の一部に対して押し付けるように構成されている請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記メンテナンスユニット(300)が、前記工具(11)を前記加工機械から取り外すように構成された取り外しユニット(40)を有している請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記加工機械は研削機械であり、前記工具(11)は研削ディスクである請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記取り外しユニット(40)は、支持面(42)と、前記支持面(42)に実質的に平行な分離プレート(43)とを有し、前記ブラケット(30)の揺動によって引き起こされる、前記取り外しユニット(40)の移動の際に、前記工具(11)が前記支持面(42)に押し付けられると、前記分離プレート(43)が前記工具(11)と、前記工具(11)が取り付けられる工具皿(12)との間に差し込まれ、前記工具(11)が前記工具皿(12)から取外される請求項6又は請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記メンテナンスユニット(300)はマガジン(50)をさらに有し、前記マガジン(50)は複数の同種の工具、特に研削ディスクを保持することが可能な請求項1乃至請求項8の何れか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記マガジン(50)は、ベース体(51)と、保持リング(53)とを有し、前記ベース体(51)の内部には、スプリング(55)によって付勢された可動台(54)が案内され、前記可動台(54)上に工具(11)のスタックが配置されると、前記スプリング(55)によって引き起こされる力(Fv)により前記工具(11)が前記保持リング(53)に押し付けられる請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記メンテナンスユニット(300)は第2のノズルを有し、前記第2のノズルによって液体又はペースト、特に研磨剤が前記工具上に塗布されることができるように前記第2のノズルが、前記ブラケット(30)の揺動によって位置決めされることが可能である請求項1乃至請求項10の何れか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記ホルダ(20)と前記ブラケット(30)とに連結された駆動装置(25)を更に有し、前記駆動装置(25)は前記メンテナンスユニット(300)を第1の位置(M1)から第2の位置(M2)へ揺動するように構成された請求項1乃至請求項11の何れか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記第2の位置(M2)において前記メンテナンスユニット(300)が少なくとも部分的に前記工具(300)の前方に配置され、前記第1の位置(M1)において前記メンテナンスユニット(300)が前記工具(11)によるワーク表面の加工を妨害しない請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記加工機械は、前記ホルダ(22)に取り付けられたモータ(10a)と、前記モータ(10a)と前記工具(11)とを連結する伸縮シャフト(10c)とを有している請求項1乃至請求項13の何れか一項に記載の装置。
【請求項15】
ホルダ(22)に揺動可能に支持されたメンテナンスユニット(300)を、加工機械の工具(11)の前の位置に配置するステップであって、前記工具(11)がリニアアクチュエータを介して前記ホルダ(22)に連結され、前記ホルダ(22)がマニピュレータ(1)に取り付けられているステップと、
前記リニアアクチュエータ(20)により前記工具(11)を前記メンテナンスユニット(300)の構成要素に押圧力で押し付けるステップと、
を有する方法。
【請求項16】
前記メンテナンスユニット(300)の前記構成要素は、洗浄装置のブラシ(33)である請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記洗浄装置のノズル(31)により前記工具に洗浄剤を吹き付け、及び/又は、圧縮空気を前記工具に吹き付けるステップ
をさらに有する請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記工具(11)が前記メンテナンスユニット(300)の前記構成要素に押し付けられている間、前記工具(11)は、前記メンテナンスユニット(300)のモータにより駆動される請求項15乃至請求項17の何れか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記加工機械が研削機械であり、前記工具(11)が、前記研削機械の回転可能な研削皿(12)上に配置された研削ディスクである請求項15乃至請求項18の何れか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記加工機械がベルト研削機械であり、前記工具(11)が周回移動可能な研削ベルトである請求項15乃至請求項18の何れか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記加工機械が振動研削機械であり、前記工具(11)が前記研削機械の振動する研削皿(12)上に配置された研削ディスクである請求項15乃至請求項18の何れか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記加工機械が研磨機械であり、前記工具(11)が研削皿(12)上に配置された研磨ディスクである請求項15乃至請求項18の何れか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記メンテナンスユニット(300)の前記構成要素は、前記加工機械から前記工具(11)を取り外すための取り外しユニット(40)の支持面(42)である請求項15に記載の方法。
【請求項24】
前記取り外しユニット(40)の分離プレート(43)の縁部(430)が、工具皿(12)と前記工具皿(12)上に取り付けられた前記工具(11)との間に差し込まれるように前記メンテナンスユニット(300)を揺動させ、それにより前記工具(11)を前記工具皿(12)から取り外すステップをさらに有する請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記メンテナンスユニット(300)の更なる構成要素が、内部に新しい工具のスタックを有するマガジン(50)であり、
前記マガジン(50)が前記加工機械の工具皿(12)に対向するように、前記メンテナンスユニット(300)を揺動するステップと、
前記マガジン(50)内の新しい工具の前記スタックに前記工具皿(12)を押し付け、前記スタックの最上位の工具を前記工具皿(12)に付着させるステップと、
を更に有する請求項23に記載の方法。
【請求項26】
研削機械の研削ディスクを自動的に交換する方法であって、
前記研削機械に対して揺動可能なメンテナンスユニット(300)を、前記メンテナンスユニット(300)を揺動することにより第1の位置(M1)から前記研削機械の工具皿(12)に取り付けられた研削ディスク(11)の前の第2の位置(M2)へ配置するステップと、
前記工具皿(12)に取り付けられた研削ディスク(11)を、前記メンテナンスユニット(300)の取り外しユニット(40)の支持面(42)に押し付けるステップと、
前記取り外しユニット(40)の分離プレート(43)の縁部(430)が前記工具皿(12)と前記研削ディスク(11)の間に差し込まれるように前記メンテナンスユニット(300)を更に揺動させて、それにより前記工具皿(12)から前記研削ディスク(11)を取り外すステップと、
を有する方法。
【請求項27】
マガジン(50)が前記工具皿(12)に対向する第3の位置(M3)へ前記メンテナンスユニット(300)を更に揺動させるステップであって、前記マガジン(50)には、新しい工具のスタックが配置されているステップと、
前記マガジン(50)内の新しい工具の前記スタックに前記工具皿(12)を押し付け、前記スタックの最上位の工具を前記工具皿(12)に付着させるステップと、
を更に有する請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記メンテナンスユニット(300)を、前記メンテナンスユニット(300)が前記研削ディスク(11)による表面処理を妨害しない前記第1の位置(M1)に揺動させるステップをさらに有する請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記第1の位置(M1)において、前記メンテナンスユニット(300)は、実質的に前記研削機械の隣に配置される請求項28に記載の方法。
【請求項30】
ノズルを有し、研磨機械に対して揺動可能なメンテナンスユニット(300)を、前記ノズルが前記研磨機械の研磨工具に向けられるメンテナンス位置(M2)に配置するステップと、
前記ノズルを用いて研磨剤を前記研磨工具に吹き付けることにより前記研磨工具に研磨剤を塗布するステップと、
前記メンテナンスユニット(300)を、研磨プロセスが妨害されない上位置(M1)に配置するステップと、
を有する方法。
【請求項31】
前記研磨機械は、ロボットによって案内され、前記配置するステップは、前記ロボットの制御部によって実行される請求項30に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロボット工学の分野に関し、より詳細には、ロボット支援によるワークピース表面の加工のための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ロボット支援による表面加工では、研削機械や研磨機械などの工作機械(例えば、研削工具として回転する研削ディスクを用いた電動式の研削機械)を、産業用ロボットなどのマニピュレータが案内する。ここで、工作機械は、マニピュレータのTCP(Tool Center Point)と様々な方法で結合することができ、通常、マニピュレータは、機械の位置や姿勢を自由に調整し、工作機械をワークの表面に平行な軌道上で移動させることができる。産業用ロボットは通常、位置制御されており、目的の軌道に沿ってTCPを正確に動かすことができる。
【0003】
ロボット支援による研削加工で良好な結果を得るためには、多くの使用で加工力(研削力)の制御が必要であるが、従来の産業用ロボットでは十分な精度での制御が困難な場合がある。産業用ロボットの大きくて重いアーム部分は、慣性が大きすぎて、コントローラ(閉ループコントローラ)では、処理力の変動に素早く反応することができない。この問題を解決するために、産業用ロボットに対してより小型(軽量)で、マニピュレータのTCPを工作機械に結合するアクチュエータをマニピュレータのTCPと工作機械の間に配置することができる。表面加工の際にリニアアクチュエータは加工力(工具とワークの接触力)のみを制御するのに対し、マニピュレータは工作機械とリニアアクチュエータを所望の軌道に沿って位置制御で移動させる。力制御により、リニアアクチュエータは、加工するワークの位置や形状の不正確さや、マニピュレータの軌道の不正確さを(一定の範囲内で)補正することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】WO 2017/174512 Al
【特許文献2】EP 3 325 214 B1
【特許文献3】US 2019/0152015A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特に研削加工では、研削粉が研削ディスクに付着し、研削ディスクの研削効果が低下することがある。この問題は、研削ディスクを交換するか「リフレッシュ」するというメンテナンスによって解決できる。ロボット支援による研削装置の研削ディスクを交換する静止型の交換ステーションが知られている(例えば、特許文献1を参照)。研削ディスクを交換するためには、実行中のプログラムを中断し、研削装置を交換ステーションに移動させ、交換作業を行い、研削装置をワークに向けて研削作業が継続できる位置に戻す必要がある。例えば、いわゆる「スポット補修」に使用されるような小さな研削紙を使用する場合、比較的頻繁に研削ディスクを交換する必要があり、これはワークピースあたりの処理時間に好ましくない結果をもたらす。
【0006】
本発明者は、ロボット支援による表面加工のための改良された装置と、それに対応するプロセスを開発し、特に使用される工具(研削ディスクなど)のメンテナンスにかかる時間を短縮することを課題とした。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の課題は、請求項1に記載の装置と、請求項9に記載の方法によって解決される。異なる実施形態とさらなる発展は、従属請求項の対象である。
【0008】
以下に、ロボット支援による表面加工装置が記載される。一実施形態によれば、この装置は、マニピュレータに取り付け可能なホルダと、(加工機械のモータによって駆動可能な)工具(例えば、研削ディスク)を有する加工機械と、ホルダに対する工具の相対的な位置を調整するリニアアクチュエータと、を有する。この装置は、さらに、ブラケットを備えるメンテナンスユニットを有する。ブラケットは、ホルダに揺動可能に支持されており、ブラケットの揺動によりメンテナンスユニットが少なくとも部分的に工具の前に位置される。
【0009】
さらに、ロボット支援による、メンテナンス装置が一体化された表面加工装置のための方法が記載される。一実施形態によれば、この方法は、ホルダに揺動可能に取り付けられたメンテナンスユニットを、加工機械の工具の前の位置に配置するステップを有する。この際に、工具は、リニアアクチュエータを介してホルダに連結され、ホルダがマニピュレータに取り付けられている。この方法は、さらに、リニアアクチュエータにより工具をメンテナンスユニットの構成要素に押圧力で押し付けるステップを有する。一実施形態によれば、工具が押し付けられる、メンテナンスユニットの前記構成要素は、洗浄装置のブラシである。一実施形態によれば、メンテナンスユニットの前記構成要素は、加工機械から工具を取り外すための取り外しユニットの支持面である。
【0010】
さらなる実施形態は、研削機械の研削ディスクを自動的に交換する方法に関する。この実施形態では、研削記載に対して揺動可能なメンテナンスユニットを、メンテナンスユニットを揺動することにより第1の位置から第2の位置へ配置するステップを有する。この第2の位置において、メンテナンスユニットは、研削機械の工具皿に取り付けられた研削ディスクの前へ配置される。この方法は、さらに、工具皿に取り付けられた研削ディスクを、メンテナンスユニットの取り外しユニットの支持面に押し付けるステップを有する。さらに、取り外しユニットの分離プレートの縁部が工具皿と研削ディスクの間に差し込まれるようにメンテナンスユニットが更に揺動され、それにより工具皿から研削ディスクが取り外される。
【0011】
さらに他の実施形態の方法は、ノズルを有し、研磨機械に対して揺動可能なメンテナンスユニットをノズルが研磨機械の研磨工具に向けられるメンテナンス位置に配置するように揺動するステップを有する。この方法は、さらに、ノズルを用いて研磨剤を研磨工具に吹き付けることにより研磨工具に研磨剤を塗布するステップと、メンテナンスユニットを研磨プロセスが妨げられない上位置に揺動するステップと、を有する。
【発明の効果】
【0012】
研削ディスクなどの使用される工具のメンテナンスにかかる時間が短縮される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】ロボット支援による研削装置の一例を示す図である。
【0014】
【
図2】研削工具を洗浄するメンテナンスユニットを組み込んだ、ロボット支援による研削に適した研削装置を示す図である。
【0015】
【
図3】研削ディスクが洗浄され、研削粉の残留物が除去される、
図2の研削装置のメンテナンス手順を示した図である。
【
図4】研削ディスクが洗浄され、研削粉の残留物が除去される、
図2の研削装置のメンテナンス手順を示した図である。
【0016】
【
図5】
図2乃至
図4の装置で行われる研削ディスクのメンテナンス/リフレッシュのプロセスを示すフローチャートである。
【0017】
【
図6】ロボット支援による研削に適した研削装置の他の例を示す図であり、摩耗した研削ディスクを除去し、(オプションで)新しい研削ディスクを取り付けるためのメンテナンスユニットが組み込まれている。
【0018】
【0019】
【
図8】
図7のメンテナンスユニットの取り外しユニット40の例を示す図である。
【0020】
【
図9】
図7のメンテナンスユニットのマガジン50の例を示す図であり、このマガジン50は新しい研削ディスクのスタックを収容することができる。
【0021】
【0022】
【
図11】
図6に示す研削装置を用いたメンテナンスプロセスのシーケンスを示しており、摩耗した研削ディスクは、メンテナンスプロセス中に研削機械から取り外され、新しい研削ディスクが取り付けられる。
【
図12】
図6に示す研削装置を用いたメンテナンスプロセスのシーケンスを示しており、摩耗した研削ディスクは、メンテナンスプロセス中に研削機械から取り外され、新しい研削ディスクが取り付けられる。
【
図13】
図6に示す研削装置を用いたメンテナンスプロセスのシーケンスを示しており、摩耗した研削ディスクは、メンテナンスプロセス中に研削機械から取り外され、新しい研削ディスクが取り付けられる。
【0023】
【
図14】
図6乃至
図10に示す装置で実施される研削ディスクの交換を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図に示した実施形態を参照しながら、本発明をより詳細に説明する。図示は必ずしも縮尺通りではなく、本発明は示された形態に限定されるものではない。むしろ、本発明の基礎となる原理を示すことに重点が置いている。
【0025】
本発明の様々な実施形態を詳細に説明する前に、まず、ロボット支援による研削装置の一般的な例を説明する。また、ここで述べる概念は、他の種類の表面仕上げ(例えば、研磨)にも転用可能であり、研削に限定されないものである。以下では、回転する研削工具(研削ディスク)を備えた研削機械を例に挙げて、実施形態を説明する。しかし、ここで述べた概念はこれに限定されるものではなく、例えば、周回移動する工具(ベルト研削装置)や、振動するあるいは揺動する工具(振動研削装置)など、他の工作機械にも適用することができる。
【0026】
図1に示すように、この装置は、産業用ロボットなどのマニピュレータ1と、回転する研削工具とを備えた研削機械10(例えばオービタル研削機械)とから構成されている。そして研削工具は、リニアアクチュエータ20を介してマニピュレータ1のいわゆる工具中心点TCP(Tool-Center-Point)に結合されている。厳密に言えば、TCPは点ではなくベクトルであり、例えば、3つの空間座標と3つの角度で記述することができる。ロボット工学では、構成空間の一般化座標(通常はロボットの6つの関節角度)がTCPの位置を表すために使用される。TCPの位置と方向は、「姿勢」とも呼ばれる。
【0027】
また、6自由度を有する産業用ロボットの場合、マニピュレータは、それぞれジョイント3a、3b、3cによって接続された4つのセグメント2a、2b、2c、2dから構成され得る。第1セグメントは、通常、基礎41に固定的に連結されている(これは必ずしもそうでなくても良い)。ジョイント3cは、セグメント2cとセグメント2dとを連結している。ジョイント3cは、2軸的であってもよく、セグメント2cが水平方向の回転軸(仰角)と垂直方向の回転軸(方位角)を中心に回転できるようにしてもよい。ジョイント3bは、セグメント2bとセグメント2cとを連結し、セグメント2cの位置に対してセグメント2bの旋回運動を可能にする。ジョイント3aはセグメント2aとセグメント2bとを連結している。ジョイント3aは2軸的とすることができ、したがって(ジョイント3cと同様に)2方向への旋回運動を可能にする。TCPは、セグメント2aに対して固定された相対位置を有しており、セグメント2aは、通常、セグメント2aの長手方向軸A(
図1において一点鎖線で示され、研削工具の回転軸の実施形態に対応)を中心とした旋回運動を可能にする回転ジョイント(図示せず)を含んでいる。ジョイントの各軸には、アクチュエータ(例えば、電気モータ)が割り当てられ、これらのアクチュエータにより、それぞれのジョイントの軸を中心とした回転運動が引き起こされ得る。ジョイントのアクチュエータは、ロボット制御部4によってロボットプログラムに従って制御される。様々な産業用ロボット/マニピュレータとそれに関連した制御が知られており、ここではこれ以上の説明はしない。
【0028】
マニピュレータ1は、通常、位置制御されており、すなわち、ロボット制御部は、TCPの姿勢(位置及び向き)を決定し、TCPを予め定義された軌跡に沿って移動させることができる。
図1において、TCPが配置されているセグメント2aの長手方向の軸をAと表記している。アクチュエータ20がエンドストップにある場合、TCPの姿勢は、研削機械10(及び研削ディスク11)の姿勢も規定する。最初に述べたように、アクチュエータ20は、研削加工中に工具とワーク40との間の接触力(加工力)を所望の値に設定する。マニピュレータ1による直接的な力の制御は、通常、研削用途にはあまりにも不正確である。それは、マニピュレータ1のセグメント2a~cの高い質量慣性により、力のピークの迅速な補正(例えば、研削工具をワーク40上に配置するとき)が、従来のマニピュレータでは実質的に不可能であるからである。このため、ロボット制御部4は、マニピュレータ1のTCPの姿勢(位置及び向き)を制御し、力の制御はもっぱらアクチュエータ20が行うように構成されている。
【0029】
既に述べたように、研削加工の間、研削工具とワーク40との間の接触力FKは、研削工具とワーク40との間の(長手方向軸Aの方向の)接触力FKが所定の値に対応するように、(リニア)アクチュエータ20と力制御(これは、例えば、制御部4において実現することができる)とにより設定することができる。その際の接触力FKは、リニアアクチュエータ20がワークの表面を押すアクチュエータ力FAに対する反作用である。ワーク40と工具との間に接触がない場合、アクチュエータ20は、ワーク40への接触力の欠落によりエンドストッパ(アクチュエータ20に一体化されているため図示せず)へ移動し、所定の力で押し付ける。したがって、この状況(非接触)では、アクチュエータ20の変位が最大になり、アクチュエータは終端(アクチュエータ20変位aMAX)に位置する。アクチュエータ20がエンドストップを押す定義された力は、ワークピース表面との接触を可能な限り穏やかに可能にするために、非常に小さいか、またはゼロに調整されうる。
【0030】
マニピュレータ1の位置制御(これも制御部4で実現可能)は、アクチュエータ20の力制御とは完全に独立して実行され得る。アクチュエータ20は、研削機械10の位置決めのために用いられるのではなく、研削プロセス中に所望の接触力FKを設定および維持すること、ならびに工具とワークピースとの間の接触を検出することのみに用いられる。この接触は、例えばアクチュエータが終端の位置から移動したことによって簡単に認識される(アクチュエータの変位aは終端の最大変位aMAXよりも小さい)。
【0031】
アクチュエータ20は、空気圧アクチュエータ、例えば複動式空気圧シリンダであってもよい。しかし、他の空気圧アクチュエータ、例えばベローズシリンダやエアマッスルなどを使用することも可能である。代替として、電動ダイレクトドライブ(ギアレス)も考えられる。なお、アクチュエータ20の作用方向と研削機械10の回転軸は、必ずしもマニピュレータのセグメント2aの長手方向軸Aと一致しない。空気圧アクチュエータの場合、力の制御は、制御弁、制御装置(制御部4に実装されている)、および圧縮空気アキュムレータによって、それ自体公知の方法で実現することができる。重力(すなわち、研削機械10の重量力)を考慮するために垂直方向に対する傾きは重要であるので、アクチュエータ20は、傾きセンサを含むか、またはマニピュレータの関節角度からこの情報を導出し得る。検出された傾きは、力制御の際に考慮される。しかし、力制御の具体的な実装はそれ自体知られているので詳細な説明は省略する。
【0032】
研削機械10は、通常、研削ディスク11を駆動する電動モータを備えている。軌道研削機械―及び研削機械の他の種類においても―では、研削ディスク11は支持プレート(研削皿、バッキングパッド)に取り付けられており、この支持プレートには電動モータのモータ軸が接続されている。電気モータとしては、非同期モータまたは同期モータが考えられる。同期モータには、負荷によって速度が変化しない(スリップ角度のみ)という利点があるが、非同期機械では、負荷が増加すると速度が低下する。モータへの負荷は、基本的に、接触力FKおよび研削ディスク11と加工されるワーク40の表面との間の摩擦に比例する。
【0033】
電気駆動の研削機械の代わりに、空気圧モータ(圧縮空気モータ)を備えた研削機械を使用することもできる。圧縮空気モータは通常、出力対重量比が低いため、圧縮空気で動作する研削機械は比較的コンパクトにすることができる。回転制御は、(例えば、制御部4によって電気的に制御される)圧力制御バルブ(追加的または代替的にスロットルによっても)によって簡単に可能であるが、同期および非同期モータには回転制御用の(例えば、制御部4によって電気的に制御される)周波数コンバータが必要である。ここで記載した概念は、さまざまな種類の研削機械、研磨機械、その他の表面加工をする機械で実現可能である。
【0034】
図2は、ロボットによる研削に適した研削装置100の一例を示す図である。研磨装置の構成もこれと大体同じである。研削装置100は、マニピュレータ(
図1参照)のTCPに接続され、それによって移動される。図の例では、研削装置は、ほぼC字型(Cフレーム)のホルダ22を有している。ホルダ22の中央部22aの上側にフランジ21が設けられている。フランジ21は、研削装置をマニピュレータに取り付ける(例えば、フランジマウントする)ためのものである。ホルダ22の2つの側部22b、22c(脚、ブランチ)の間で、アクチュエータ20の第1の端部が、中央部22aの下面に(例えば、
図2には示されていないネジによって)取り付けられている。アクチュエータ20の第2の端部は、プレート24に取り付けられている(例えば、同様に
図2には示されていないネジによって)。アクチュエータ20の偏位は、ホルダ22の中央部22aとプレート24の間の距離aを規定する。
【0035】
研削皿12に研削ディスク11を配置した研削機械は、プレート24に機械的に取り付けられている。その結果、研削ディスク11の位置は、アクチュエータ20の変位によって決定することができる。図示の例では、研削機械11の全体がプレート24に取り付けられているわけではない。研削機械の比較的重い電動モータ10a(およびそれに起因する慣性力)を研削皿12から機械的に切り離すために、本実施形態では、研削皿12を駆動する電動モータ10aをホルダ22に(例えばホルダ22の側部22cに)取り付けている(ホルダ22の側部22c上などに)。これにより、電動モータ10aの駆動トルクは、伝達装置10b(例えば、ベルト駆動又はギア駆動による)及び伸縮シャフト10cを介して、研削皿12に伝達されるようになっている。また、伝達装置10bは、ホルダ22(例えば上部22a)に配置され、伸縮シャフト10cは、ホルダ22とプレート24との間の距離aの変化を補償するようになっている。その結果、伸縮シャフト10cの長さは、アクチュエータ20の偏位に対応して変化することになる。モータ10a、伝達装置10b、伸縮シャフト10c、研削ディスク11を備えた研削皿12が一体となって研削機械を構成している。
【0036】
電動機と研削工具が伸縮シャフトによって機械的に切り離されている研削装置100は、例えば、特許文献2により知られており、その内容は参照により全体としてここに組み込まれる。ただし、後述する研削装置100に内蔵されるメンテナンスユニットは、研削機械全体(モータを含む)がプレート24に取り付けられ、その結果、電気モータの重量のデカップリングが行われないような、より単純な構成の研削装置と共に使用することも可能である。
【0037】
本実施形態では、研削装置100に内蔵されたメンテナンスユニット300は、回転軸Bを中心に揺動可能にホルダ22に取り付けられている。
図2に示す例では、メンテナンスユニット300は、ホルダ22に支持され、例えばL字型やC字型(中央部30a、側部30b、30c)であって、メンテナンスユニットの一部の構成要素を支持するブラケット30を有している。ブラケット30の揺動運動は、例えば、駆動装置25によって行うことができる。駆動装置25は、例えば、電気ダイレクトドライブ(電気モータ)であるが、空気圧による駆動など他のタイプの駆動装置も可能である。また、伝達装置(例えば、ベルト駆動)を有する駆動装置も可能である。
【0038】
図2に示す例では、駆動装置25は、駆動装置25の駆動軸25´(その軸が回転軸Bを規定する)がアクチュエータ20の作用方向に対して実質的に横向きになるように、ホルダ22の側部22bに取り付けられている。なお、揺動可能なブラケット30の側部30bは、駆動軸25´に固定的に接続(例えばクランプにより)されていてもよい。あるいは、ブラケット30の側部30bに駆動装置25を取り付け、駆動軸25´をブラケットの側部22bに接続することも可能である。揺動可能なブラケット30をホルダ22に安定して取り付けることができるように、ブラケット30の他方の側部30cは、ベアリング26(例えばボールベアリング)を介してホルダの対応する側部22cに取り付けられている。
【0039】
図2は、メンテナンスユニット300を持ち上げた状態(非動作状態)の研削装置100を示している。この状態では、揺動可能なブラケット30は、中央部30aが実質的に研削機械の隣にあり、研削プロセスに干渉しない程度に傾いている(研削装置が非アクティブ又はスタンバイモードになっている)。
図3は、メンテナンスユニット300が降ろされた状態(アクティブ)の研削装置100を示しており、揺動可能なブラケット30の中央部30aが研削皿12の前に配置されている(メンテナンスモードの研削装置)。ブラケット30の中央部30aには、ブラシ33が配置されており、メンテナンスユニットがアクティブのとき(すなわちメンテナンスモードのとき)に研削ディスク11と直接向き合う。さらに、ブラケット30には、研削ディスクに向けてノズル31が配置されており、研削皿12に装着された状態の研削ディスク11に洗浄剤(水など)を噴射するように構成されている。研削ディスク11に水(またはその他の洗浄剤)を吹き付ける前及び/又は後に、研削皿12、ひいては研削ディスク11をブラシ33に押し付けるようにアクチュエータ20が制御される。研削ディスク11がブラシ33に押し付けられている間、研削ディスク11を回転させて洗浄効果を高めることができる。これにより、研削ディスク11に付着した研削屑のほとんどが除去される。研削ディスク11に水を吹き付け、回転している研削ディスク11をブラシに押し付けるという工程は、必要に応じて数回繰り返すことができる。その後、ブラケット30が再び持ち上げられ、「リフレッシュした」研削ディスク11で研削作業を続行できる。
図4は、アクチュエータ20が研削ディスク11をブラシ33に押し付けている間メンテナンスユニット300がアクティブになっている研削装置100を示している。
【0040】
洗浄剤をノズル31へ搬送する供給ライン32(例えばホース)は、ブラケット32に沿ってホルダ22まで案内される。なお、ホルダ22に供給ラインの接続部を設けてもよい。この際、注意すべきことは、ホース32は、アクチュエータ20ひいては研削皿12に作用する力を及ぼし得ないということである。すべての軸受力は、ホルダ22、ひいては(位置制御された)マニピュレータ1によって吸収される。
【0041】
研削ディスクに洗浄剤を吹き付けることに代替して又は追加して、圧縮空気を吹き付けてもよい。したがって、一実施形態では、ノズル31を介して圧縮空気が導かれる。別の実施形態では、ブラケット30に複数のノズル(及び関連する供給ライン)が配置されており、研削ディスクを洗浄剤(例えば水)と圧縮空気の両方で処理できる。これらの複数のノズルは互いに隣接して配置することができる。
【0042】
図5は、
図2乃至
図4に示した研削装置100に組み込まれたメンテナンスユニット300で実行可能な手順を示すフローチャートである。研削ディスク11をリフレッシュするために、必要であれば、まず、現在実行されているロボットプログラムを中断し、メンテナンスユニット300が起動され、洗浄装置(すなわち、ブラシ33)が研削ディスク11に対向するように、揺動可能なブラケット30が研削ディスク11に対向するように位置される(
図5、ステップS1)。続いて、ノズル31を介して、水やその他の洗浄剤を研削ディスク11に吹き付けることができる(
図5、ステップS2)。これで、研削ディスクに付着している粒子の一部を除去することができる。その後、アクチュエータ20を制御して、研削ディスクをブラシ33に押し付ける(
図5、ステップS3)。研削ディスク11がブラシ33を押し付ける力は(研削時の加工力と同様に)制御され得る。図示の実施形態では、研削機械のモータを作動させて、研削ディスク11をブラシに押し付けながら回転させる(
図5、ステップS4)。一方、研削ディスク11がブラシ33に押し付けられる力は変化させることができる。
【0043】
なお、ステップS2、S3、S4は、必ずしも図示した順序で行う必要はない。また、各ステップは複数回実施することも可能である。例えば、ステップS3、S4(研削ディスクのブラシへの押し付け、研削ディスクの回転)を、ステップS2(水の吹き付け)の前に行い、その後、ステップS3、S4を繰り返すことができる。一実施形態では、研削ディスクは、水の吹き付け(ステップS2)の間にすでに回転させることもできる。制御装置(
図1の制御装置4を参照)を使って、メンテナンス/クリーニングプロセスの幅広いバリエーションを実装することができる。最後に、揺動可能なブラケット30が持ち上げ、再び研削機械の横に位置させることで、メンテナンスユニット300を再び非活性化することができ、必要に応じて研削プロセスを継続することができる。
【0044】
最初に述べたように、工具は必ずしも回転中心の周りを回転する必要はない。いくつかの実施形態では、例えば、ベルト研削機械の場合の研削ベルトのように周回移動する工具が使用される。さらに、研削ディスクや研磨ディスクは、例えば振動研削の場合のように振動運動を行うこともできる。これらの実施形態では、ブラシに押し付けられたときに工具が回転するのではなく、工作機械の機能に応じて駆動される。
【0045】
特に研磨機械では、洗浄剤の供給ライン32に加えて、研磨剤のような液体またはペーストを供給するための別の供給ラインを設けることができ、これらの供給ラインは、別のノズルによって研磨板に塗布することができる。研磨剤の供給ラインとノズルは、
図3の供給ライン32とノズル31と基本的に同様に構成される。別の実施形態では、メンテナンスユニットは、ブラシ33や洗浄剤の供給ラインおよびノズルを有さず、研磨剤の供給ラインおよびノズルのみを有している。この場合、メンテナンスユニットは、研磨工具に研磨剤を塗布するためだけに使用される。この場合、参照符号「11」は、研削ディスクではなく、研磨板を示している。
【0046】
図6は、メンテナンスユニット300を一体化したロボット支援による研削に適した研削装置100の他の例を示している。
図2の実施形態とは異なり、本実施形態では、メンテナンスユニット300は、研削盤の研削皿12から摩耗した研削ディスクを取り外すとともに、(オプションで)マガジンから新しい研削ディスクを取り出して研削皿12に装着するように構成されている。研削ディスクの交換作業は全自動で行うことができ、そのためにロボット1が特定のメンテナンス位置に移動する必要はない。
【0047】
メンテナンスユニット300を除いて、
図6の装置は、
図2の装置と実質的に同じであり、
図2乃至
図4の上述の説明が参照される。以下では、メンテナンスユニット300についてのみ説明する。メンテナンスユニット300は、前述の例と同様に、ホルダ22に揺動可能に取り付けられており、少なくとも部分的に工具の前(すなわち、研削ディスク11を備えた研削皿12の前)に配置することができる。
【0048】
図6に示すように、メンテナンスユニット300は、ホルダ22に支持される揺動可能なブラケット30を有している。このため、ブラケット30の側部30bおよび30cは、ホルダ22の対応する側部22bおよび22cに支持されている(
図2のベアリング26を参照)。ブラケット30の中央部30aには、新しい研削ディスク(例えば、デイジーディスク)を備えた取り外しユニット40及び/又はマガジン50が取り付けられている。取り外しユニット40は、アクチュエータ20と共に、ロボット1がこの目的のために特定のメンテナンス位置を取ることなく、摩耗した研削ディスクの完全に自動の取り外しを可能にする。メンテナンスユニットの揺動が好ましくない衝突につながらない限り、ロボットがどのような姿勢でも研削ディスクの取り外しを行うことができる。メンテナンスユニットのブラケット30の回転軸Bを中心とした揺動運動は、駆動装置25により(
図2の例のように)行われ、これにより工具(研削ディスク11を備えた研削皿12)に対する取り外しユニット40及びマガジン50の正確な位置決めが可能になる。
図7は、
図6の装置の分解斜視図であって、これによりメンテナンスユニットの個々の部品をより良く認識できる。
【0049】
図8は、取り外しユニット40をより詳細に示す図である。取り外しユニット40は、ブラケット30の中央部に取り付けられ、ブラケット30を揺動させることで研削皿12の前方に位置させることができるベース体41を有している。ベース体の上側には、支持面42が配置されている。さらに、分離プレート43が支持面42に取り付けられ、その縁部430は中央先端部431を有し得る。また、縁部430は直線的でもよい。分離プレート43は、支持面42と実質的に平行であり、分離プレート43と支持面42とは、研削ディスク11の厚さと実質的に等しい距離だけ離されている。
【0050】
取り外しの際には、研削皿12に取り付けられた研削ディスク11が、アクチュエータ20によって支持面42に押し付けられる。取り外しユニット40は、支持面42上で分離プレート43の縁部430の前に研削ディスク11が載るように(ブラケット30を揺動させて)配置される(
図8参照、破線は研削ディスク11を表す)。その後、駆動装置25は、ブラケット30を取り外しユニット40とともに研削ディスク11に向けて移動させ、縁部430、特に先端部431(存在する場合)が研削皿12と研削ディスク11との間に押し込まれ、それによって研削ディスク11が研削皿12から取り外される(
図12も参照)。分離プレート43の縁部430が研削皿12の全体を(メンテナンスユニット300の揺動動作により)移動した時点で、研削ディスク11は完全に切り離され、ベース体41の開口部44から落下し得る。取り外された研削ディスク11を、圧縮空気又は吸引によって搬出することも可能である。
図8の取り外しユニット40と同様のアプローチを用いた固定式の取り外しユニット(ロボットセルの固定位置に設けられている)は、特許文献3に記載されており、この公報はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。上述した刊行物から知られているシステムとは異なり、本願の
図6乃至
図13による実施形態では、取り外しの工程に必要な動きは、ロボット1によってではなく、ブラケット30を揺動することができる駆動装置25によって行われている。取り外しの工程については、後で
図12を参照して再度説明する。
【0051】
図9及び
図10は、マガジン50をより詳細に説明するための図であり、
図10は、
図9の断面図(縦断面)である。これに示すように、マガジンは、取付板52を備えたベース体51を有しており、ベース体51は、取り外しユニット40の後方のブラケット30の中央部30aに取り付けられ得る。ベース体51は内側が中空であり、可動台54はベース体51の内部にスライド可能に支持されている。マガジン50が研削皿12の前に配置されている場合、可動台54が、それに沿って変位する長手方向軸Cは、研削皿12の回転軸に対してほぼ同軸上にある。可動台54の上側には新品の研削ディスクのスタック(重ねた山)を置くことが可能で、可動台54にプレテンション力(付勢力)Fvが作用して可動台54をベース体51の上側に向かって押し付けるようにベース体51の内部にスプリング55が配置されている。このプレテンション力により、可動台54上に配置された研削ディスク11のスタックは、可動台54と、ベース体51の上側に配置された保持リング53との間で挟み込まれる。
【0052】
(例えば
図9に示すように)上方から見ると、研削ディスクのスタックの一番上の研削ディスクは、保持リング53に下から押し付けられており、保持リング53は、例えばネジによってベース体51に接続され得る。保持リングは、研削ディスクの最大直径よりもわずかに大きい内径Dを有し得る。この場合、研削ディスク11は、内側に突出した突出部53a、53bによってのみ保持される。
図9の例では、保持リング53は、保持リング53の内周の一部に沿って延び、局所的に内径を小さくする2つの突出部53a、53bを有している。他の実施形態では、保持リングは2つ以上の突出部を有している。一般的に、突出部の目的は、研削ディスクの端の小さな領域でのみ研削ディスクを保持することである。研削ディスク(デイジーディスクなどの紙製であってもよい)の柔軟性により、研削機械の研削皿12に(例えば、面ファスナや接着剤の使用により)付着している場合、一番上の研削ディスクをマガジンから非常に簡単に取り外すことができる。新しい研削ディスクを研削皿12に装着する装着工程については、後で
図13を参照して詳しく説明する。
【0053】
図11乃至
図13は、
図6に示す研削装置のメンテナンス工程の推移を示したものであり、このメンテナンス工程では、摩耗した研削ディスクを研削装置から取り外し、新しい研削ディスクを取り付ける。
図11に示す状況では、メンテナンスユニット300の揺動可能なブラケット30は、持ち上げられた(「位置M1」と記された)位置にある(この状況は、基本的に
図2に示す状況に対応している)。位置M1では、メンテナンスユニット300の揺動可能なブラケット30の中央部30aは、実質的に研削機械の隣(すなわち、研削皿12の回転軸の隣)に位置している。つまり、メンテナンスユニット300は、研削加工の邪魔にならないように配置されている。ロボット1は、研削ディスク11にワークの表面を接触させ、その表面を加工することができる。
【0054】
メンテナンス工程のために、メンテナンスユニット300は、ブラケット30を揺動させることにより、少なくとも部分的に工具の前方、すなわち、研削皿12に取り付けられた研削ディスク11の前方に配置することができる。
図12に示す状況では、ブラケット30は、「位置M2」と記された位置にあり、取り外しユニット40が研削ディスク11に対向している。アクチュエータ20により、研削ディスク11を取り外しユニット40の上側の支持面42に押し付けることができる(
図8も参照)。
【0055】
位置M2から、研削ディスクを支持面42に押し付けた状態で、ブラケット30がさらに左方向に揺動する(「左方向」、「上」「下」などは、もちろん具体的な図示に限られる表現である)。ブラケット30のさらなる揺動動作により、上述したように、分離プレート43が研削皿12と研削ディスク11との間に押し込まれ、これにより、研削ディスク11が研削皿12から取り外される。取り外された研削ディスク11は、取り外しユニット40の開口部44(
図8参照、
図12では見えない)から落下し、例えば小型容器内に収容され得る。また、代替的に、メンテナンスユニットから研削ディスクを落下させたり、圧縮空気などを利用して研削ディスクを搬出したりすることもできる。
【0056】
ブラケット30のさらなる揺動動作により、メンテナンスユニット300は、マガジン50が(研削ディスクが装着されていない)研削皿12と対向する「位置M3」に配置される。前述したように、研削皿12の回転軸Aとマガジン50の長手方向の軸C(
図10参照)は実質的に同軸的に配置されている。アクチュエータ20によって、研削皿12は、マガジン50の上部に押し付けられ、したがって、マガジンに収容された研削ディスクのスタックの最上部の研削ディスクの背面に押し付けられる。例えば、研削ディスク11の背面と研削皿12の表面とが面ファスナを形成するようになっているため、マガジン50の最上部の研削ディスクの背面は、研削皿12に付着する。あるいは、研削ディスクの背面が、研削皿12の表面に付着する性質を有していても良い。例えば、研削ディスクの裏面に粘着層を設けることができる。アクチュエータ20により、研削皿12が再び持ち上げられ、それによって、新しい研削ディスクと研削皿12との間の接着により、研削ディスクがマガジンから引き出される。その後、メンテナンスユニットが位置M1に戻され、新しい研削ディスクで研削工程を続けることができる。
【0057】
図14は、
図11から
図13に示したロボット支援による研削機械の研削ディスクの自動交換のプロセスをまとめたフローチャートである。
図14に示すように、メンテナンスユニット300は、研削機械の工具皿に取り付けられた研削ディスク11の前方に配置される。これは、メンテナンスユニットを第1の位置(
図11、位置M1参照)から第2の位置(
図12、位置M2参照)に揺動させることによって達成される(
図14、ステップC1参照)。そして、工具皿12に装着された研削ディスク11を、メンテナンスユニット300の取り外しユニット40の支持面42に押し付ける(
図14、ステップC1、及び
図12参照)。研削ディスク11を工具皿12から取り外すため、メンテナンスユニット300がさらに揺動される。その結果、取り外しユニット40の分離プレート43の縁部430が工具皿12と研削ディスク11との間に侵入し、工具皿12から研削ディスク11が取り外される(
図14、ステップC3参照)。この点に関しては、
図8の説明も参照される。
【0058】
新しい研削ディスクを工具皿12に取り付けるために、メンテナンスユニットがさらに揺動され、マガジン50が工具皿12に対向する第3の位置M3(
図13、位置M3参照)に移動される(
図14、ステップC4参照)。マガジン50には、新品の研削ディスク11のスタックが配置されている。工具皿12をマガジン50に配置された新しい工具のスタックに押し付ける(
図15、ステップC5を参照)ことにより、スタックの最上部の工具は、工具皿12に(例えば、平面ファスナによって)付着する。次に、メンテナンスユニット300を揺動させて第1の位置M1に戻すことができ(
図15、ステップC6を参照)、ここで、研削ディスク11による表面処理は、メンテナンスユニットによって妨げられない。
【0059】
ここで説明した実施形態は、組み合わせることができる。したがって、例えば、
図6に示す実施形態で、洗浄装置を追加的に設けることが可能である。例えば、洗浄装置をマガジンの隣に配置して、メンテナンスユニットが第4の位置(M4、図示せず)まで揺動したときにクリーニングを実行できるようにすることができる。メンテナンスユニット300の各装置又はサブユニットは、ある特定の位置(例えば、M2、M3など)に割り当てることができ、この位置で各々の装置又はサブユニットが工具皿12に対向し、この位置でメンテナンスプロセスが実行され得る。したがって、ロボットは実質的に任意の位置で様々なメンテナンス工程を実行できる。
【符号の説明】
【0060】
1…マニピュレータ、ロボット
10…研削機械
10a…モータ
10c…伸縮シャフ
11…工具、研削ディスク
12…工具皿、研削皿
20…アクチュエータ
22…ホルダ
25…駆動装置
30…ブラケット
31…ノズル、洗浄装置
33…ブラシ、洗浄装置
40…取り外しユニット
42…支持面
43…分離プレート
50…マガジン
51…ベース体
53…保持リング
54…可動台
55…スプリング
300…メンテナンスユニット
430…縁部
【手続補正書】
【提出日】2022-02-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0028】
マニピュレータ1は、通常、位置制御されており、すなわち、ロボット制御部は、TCPの姿勢(位置及び向き)を決定し、TCPを予め定義された軌跡に沿って移動させることができる。
図1において、TCPが配置されているセグメント2aの長手方向の軸をAと表記している。アクチュエータ20がエンドストップにある場合、TCPの姿勢は、研削機械10(及び研削ディスク11)の姿勢も規定する。最初に述べたように、アクチュエータ20は、研削加工中に工具とワーク
400との間の接触力(加工力)を所望の値に設定する。マニピュレータ1による直接的な力の制御は、通常、研削用途にはあまりにも不正確である。それは、マニピュレータ1のセグメント2a~cの高い質量慣性により、力のピークの迅速な補正(例えば、研削工具をワーク
400上に配置するとき)が、従来のマニピュレータでは実質的に不可能であるからである。このため、ロボット制御部4は、マニピュレータ1のTCPの姿勢(位置及び向き)を制御し、力の制御はもっぱらアクチュエータ20が行うように構成されている。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0029】
既に述べたように、研削加工の間、研削工具とワーク400との間の接触力FKは、研削工具とワーク400との間の(長手方向軸Aの方向の)接触力FKが所定の値に対応するように、(リニア)アクチュエータ20と力制御(これは、例えば、制御部4において実現することができる)とにより設定することができる。その際の接触力FKは、リニアアクチュエータ20がワークの表面を押すアクチュエータ力FAに対する反作用である。ワーク400と工具との間に接触がない場合、アクチュエータ20は、ワーク400への接触力の欠落によりエンドストッパ(アクチュエータ20に一体化されているため図示せず)へ移動し、所定の力で押し付ける。したがって、この状況(非接触)では、アクチュエータ20の変位が最大になり、アクチュエータは終端(アクチュエータ20変位aMAX)に位置する。アクチュエータ20がエンドストップを押す定義された力は、ワークピース表面との接触を可能な限り穏やかに可能にするために、非常に小さいか、またはゼロに調整されうる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0032
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0032】
研削機械10は、通常、研削ディスク11を駆動する電動モータを備えている。軌道研削機械―及び研削機械の他の種類においても―では、研削ディスク11は支持プレート(研削皿、バッキングパッド)に取り付けられており、この支持プレートには電動モータのモータ軸が接続されている。電気モータとしては、非同期モータまたは同期モータが考えられる。同期モータには、負荷によって速度が変化しない(スリップ角度のみ)という利点があるが、非同期機械では、負荷が増加すると速度が低下する。モータへの負荷は、基本的に、接触力FKおよび研削ディスク11と加工されるワーク400の表面との間の摩擦に比例する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0035】
研削皿12に研削ディスク11を配置した研削機械は、プレート24に機械的に取り付けられている。その結果、研削ディスク11の位置は、アクチュエータ20の変位によって決定することができる。図示の例では、研削機械10の全体がプレート24に取り付けられているわけではない。研削機械の比較的重い電動モータ10a(およびそれに起因する慣性力)を研削皿12から機械的に切り離すために、本実施形態では、研削皿12を駆動する電動モータ10aをホルダ22に(例えばホルダ22の側部22cに)取り付けている(ホルダ22の側部22c上などに)。これにより、電動モータ10aの駆動トルクは、伝達装置10b(例えば、ベルト駆動又はギア駆動による)及び伸縮シャフト10cを介して、研削皿12に伝達されるようになっている。また、伝達装置10bは、ホルダ22(例えば上部22a)に配置され、伸縮シャフト10cは、ホルダ22とプレート24との間の距離aの変化を補償するようになっている。その結果、伸縮シャフト10cの長さは、アクチュエータ20の偏位に対応して変化することになる。モータ10a、伝達装置10b、伸縮シャフト10c、研削ディスク11を備えた研削皿12が一体となって研削機械を構成している。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0039
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0039】
図2は、メンテナンスユニット300を持ち上げた状態(非動作状態)の研削装置100を示している。この状態では、揺動可能なブラケット30は、中央部30aが実質的に研削機械の隣にあり、研削プロセスに干渉しない程度に傾いている(
メンテナンスユニットが非アクティブ又はスタンバイモードになっている)。
図3は、メンテナンスユニット300が降ろされた状態(アクティブ)の研削装置100を示しており、揺動可能なブラケット30の中央部30aが研削皿12の前に配置されている(メンテナンスモードの
メンテナンスユニット)。ブラケット30の中央部30aには、ブラシ33が配置されており、メンテナンスユニットがアクティブのとき(すなわちメンテナンスモードのとき)に研削ディスク11と直接向き合う。さらに、ブラケット30には、研削ディスクに向けてノズル31が配置されており、研削皿12に装着された状態の研削ディスク11に洗浄剤(水など)を噴射するように構成されている。研削ディスク11に水(またはその他の洗浄剤)を吹き付ける前及び/又は後に、研削皿12、ひいては研削ディスク11をブラシ33に押し付けるようにアクチュエータ20が制御される。研削ディスク11がブラシ33に押し付けられている間、研削ディスク11を回転させて洗浄効果を高めることができる。これにより、研削ディスク11に付着した研削屑のほとんどが除去される。研削ディスク11に水を吹き付け、回転している研削ディスク11をブラシに押し付けるという工程は、必要に応じて数回繰り返すことができる。その後、ブラケット30が再び持ち上げられ、「リフレッシュした」研削ディスク11で研削作業を続行できる。
図4は、アクチュエータ20が研削ディスク11をブラシ33に押し付けている間メンテナンスユニット300がアクティブになっている研削装置100を示している。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0040
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0040】
洗浄剤をノズル31へ搬送する供給ライン32(例えばホース)は、ブラケット30に沿ってホルダ22まで案内される。なお、ホルダ22に供給ライン32の接続部を設けてもよい。この際、注意すべきことは、ホース32は、アクチュエータ20ひいては研削皿12に作用する力を及ぼし得ないということである。すべての軸受力は、ホルダ22、ひいては(位置制御された)マニピュレータ1によって吸収される。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0041
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0041】
研削ディスク11に洗浄剤を吹き付けることに代替して又は追加して、圧縮空気を吹き付けてもよい。したがって、一実施形態では、ノズル31を介して圧縮空気が導かれる。別の実施形態では、ブラケット30に複数のノズル(及び関連する供給ライン)が配置されており、研削ディスク11を洗浄剤(例えば水)と圧縮空気の両方で処理できる。これらの複数のノズルは互いに隣接して配置することができる。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0042
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0042】
図5は、
図2乃至
図4に示した研削装置100に組み込まれたメンテナンスユニット300で実行可能な手順を示すフローチャートである。研削ディスク11をリフレッシュするために、必要であれば、まず、現在実行されているロボットプログラムを中断し、メンテナンスユニット300が起動され、洗浄装置(すなわち、ブラシ33)が研削ディスク11に対向するように、揺動可能なブラケット30が研削ディスク11に対向するように位置される(
図5、ステップS1)。続いて、ノズル31を介して、水やその他の洗浄剤を研削ディスク11に吹き付けることができる(
図5、ステップS2)。これで、研削ディスク
11に付着している粒子の一部を除去することができる。その後、アクチュエータ20を制御して、研削ディスク
11をブラシ33に押し付ける(
図5、ステップS3)。研削ディスク11がブラシ33を押し付ける力は(研削時の加工力と同様に)制御され得る。図示の実施形態では、研削機械のモータを作動させて、研削ディスク11をブラシ
33に押し付けながら回転させる(
図5、ステップS4)。一方、研削ディスク11がブラシ33に押し付けられる力は変化させることができる。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0057
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0057】
図14は、
図11から
図13に示したロボット支援による研削機械の研削ディスクの自動交換のプロセスをまとめたフローチャートである。
図14に示すように、メンテナンスユニット300は、研削機械の工具皿に取り付けられた研削ディスク11の前方に配置される。これは、メンテナンスユニットを第1の位置(
図11、位置M1参照)から第2の位置(
図12、位置M2参照)に揺動させることによって達成される(
図14、ステップC1参照)。そして、工具皿12に装着された研削ディスク11を、メンテナンスユニット300の取り外しユニット40の支持面42に押し付ける(
図14、ステップ
C2、及び
図12参照)。研削ディスク11を工具皿12から取り外すため、メンテナンスユニット300がさらに揺動される。その結果、取り外しユニット40の分離プレート43の縁部430が工具皿12と研削ディスク11との間に侵入し、工具皿12から研削ディスク11が取り外される(
図14、ステップC3参照)。この点に関しては、
図8の説明も参照される。
【手続補正10】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項1】
マニピュレータ(
1)に取り付け可能なホルダ(22)と、
工具(11)を有する加工機械と、
前記加工機械に結合されたリニアアクチュエータ(20)であって、前記ホルダ(22)に対する前記工具(11)の相対的な位置を調整するリニアアクチュエータ(20)と、
ブラケット(30)を有するメンテナンスユニット(300)であって、前記ブラケット(30)は、前記ホルダ(22)に揺動可能に支持されており、前記ブラケット(30)の揺動により前記メンテナンスユニット(300)が少なくとも部分的に前記工具(
11)の前に配置されることが可能なメンテナンスユニット(300)と、
を有する装置。
【手続補正11】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項5
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項5】
前記リニアアクチュエータ(20)は、メンテナンスモードにおいて、前記工具(
11)を前記メンテナンスユニット(300)の一部に対して押し付けるように構成されている請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の装置。
【手続補正12】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項13
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項13】
前記第2の位置(M2)において前記メンテナンスユニット(300)が少なくとも部分的に前記工具(
11)の前方に配置され、前記第1の位置(M1)において前記メンテナンスユニット(300)が前記工具(11)によるワーク表面の加工を妨害しない請求項12に記載の装置。
【手続補正13】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正14】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【国際調査報告】