(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-23
(54)【発明の名称】包装機においてプラスチックフィルムを供給するための供給ユニット
(51)【国際特許分類】
B65B 41/00 20060101AFI20220616BHJP
B65H 20/06 20060101ALI20220616BHJP
B65H 29/12 20060101ALI20220616BHJP
B65H 16/08 20060101ALI20220616BHJP
【FI】
B65B41/00 502A
B65H20/06
B65H29/12
B65H16/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021559742
(86)(22)【出願日】2020-03-03
(85)【翻訳文提出日】2021-10-27
(86)【国際出願番号】 IT2020050046
(87)【国際公開番号】W WO2020208661
(87)【国際公開日】2020-10-15
(31)【優先権主張番号】102019000005500
(32)【優先日】2019-04-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521380144
【氏名又は名称】プラスライン エス. アール. エル.
(74)【代理人】
【識別番号】100147935
【氏名又は名称】石原 進介
(74)【代理人】
【識別番号】100080230
【氏名又は名称】石原 詔二
(72)【発明者】
【氏名】ゲリ、ヴィットリオ
【テーマコード(参考)】
3F049
3F052
3F103
【Fターム(参考)】
3F049AA02
3F049DA02
3F049DB05
3F049DB06
3F049EA13
3F049LA15
3F049LB08
3F052AA03
3F052BA02
3F052BA27
3F052CA03
3F103AA03
3F103BB01
3F103BB05
3F103BB11
3F103EA15
(57)【要約】
紙ロールを包装するための包装機においてプラスチックフィルムを供給するための供給ユニット(UG)であって、当該供給ユニットは、前記フィルム(F)をリール(2)から巻き出すためのユニット(1);前記フィルムを横方向に切断するように適合された切断装置(3);前記供給ユニットの右側及び左側に、前記フィルムの上面及び下面と係合するように構成された駆動ベルトを備える移送装置(4);及び前記供給ユニットの右側及び左側に、前記フィルムの上面及び下面と係合するように構成された所定数の駆動ベルトを備える位置決め装置(5)とを備える。前記移送装置は、前記供給ユニット(UG)の各側に、2つのベルト対(40,41;42,43)を含む。前記位置決め装置は、前記供給ユニットの各側に、第3のベルト対(50,51)を含む。3つのベルト対は、独立したアクチュエータによって作動される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙ロールの包装のために構成された包装機においてプラスチックフィルムを供給するための供給ユニット(UG)であって:
-対応するリール(2)からフィルム(F)を巻き出すための巻き出しユニット(1);
-前記巻き出しユニット(1)からの排出経路に沿う前記フィルム(F)の前進方向に関して前記巻き出しユニット(1)の下流に配置され、かつ所定の長さのシートを得ることができるように前記フィルムを横方向に切り込むように構成された切断装置(3);
-前記切断装置(3)の下流に配置され、かつ前記供給ユニットの右側及び左側の両方に、前記フィルムの上面及び下面の両方に係合するように構成された所定数の駆動ベルトを備える移送装置(4);及び
-前記移送装置(4)の下流に配置され、かつ前記供給ユニットの右側及び左側の両方に、前記フィルムの上面及び下面の両方に係合するのに適した所定数の駆動ベルトを備える位置決め装置(5);
を含み、
-前記移送装置(4)は、前記供給ユニット(UG)の右側及び左側の両方に、前記フィルム(F)がたどる経路に関して反対側に配置された2つのベルト対(40,41;42,43)を備え、第1のベルト対(40,41)は前記切断装置(3)のすぐ下流に配置され、第2のベルト対(42,43)は前記第1のベルト対(40,41)のすぐ下流に配置され;
-前記位置決め装置(5)は、前記供給ユニット(UG)の右側及び左側の両方に、前記フィルムがたどる経路に関して反対側に配置された第3のベルト対(50,51)を備え、前記第3のベルト対(50,51)は前記移送装置(4)の前記第2のベルト対(42,43)のすぐ下流に配置され;
-前記3つのベルト対(40,41;42,43;50,51)は、前記供給ユニット(UG)の右側及び左側の両方において、それぞれ独立したアクチュエータによって駆動され;
-前記右側及び前記左側は、前記フィルム(F)の前進方向(A)に平行な2つの側面(12)によって画定され、かつ前記側面(12)間の距離は前記フィルム(F)の幅に従って調節可能とされていることを特徴とする供給ユニット。
【請求項2】
前記巻き出しユニット(1)は、前記フィルム(F)によって交差可能なニップ(N)を画成する一対の水平巻き出しローラ(10,11)を有し、
前記ローラ(10,11)は、互いに連携して前記リール(2)からのフィルムの巻き出しを決定する前記フィルム上の引きずり動作を行うようにモータ駆動されることを特徴とする請求項1に記載の供給ユニット。
【請求項3】
前記リール(2)からの前記フィルム(F)の巻き出しを可能にするために前記リール(2)が自身の軸の周りを回転する2つの水平軸支持ローラ(20)を有する前記リール(2)のための支持基部を備え、
前記ローラ(20)は、所定の角速度でそれらの回転を制御するそれぞれの電動モータ(200)に接続されることを特徴とする請求項1に記載の供給ユニット。
【請求項4】
前記独立したアクチュエータは電動モータであることを特徴とする請求項1に記載の供給ユニット。
【請求項5】
前記第2のベルト対のベルト(42,43)間の距離は、最小値と最大値との間で周期的に変化することを特徴とする請求項1に記載の供給ユニット。
【請求項6】
前記第3のベルト対のベルト(50,51)間の距離は、最小値と最大値との間で周期的に変化することを特徴とする請求項1に記載の供給ユニット。
【請求項7】
前記フィルム(F)から作られ、長さ240mm~1100mmのシートを供給することを特徴とする請求項1に記載の供給ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装機においてプラスチックフィルムを供給するための供給ユニットに関し、包装機は特に、排他的ではないが、紙ロールの包装を目的とする。
【0002】
特許文献1は紙ロールのような製品を包装するための自動機械を開示しており、製品の周囲に巻き付けて折り畳まれそして当該製品上に密封される包装シートを使用している。
【0003】
上述のタイプの包装機においては、所望のパッケージを得るために特定の操作がそれぞれ行われる一連の操作ステーションを通過して製品が前進する成形ラインに沿って、個々の製品または製品群を連続的に供給することによって包装が行われる。
【0004】
一般に、紙ロールのような製品を包装するための自動機械の操作ステーションでは、以下の操作工程が実行される:
包装材料のシート、特にプラスチックフィルムがその上に載せられた製品を機械へ導入すること;
製品の周りに包装材料のシートをラッピングしそして製品の下でこの材料の対向する端縁部を重ね合わせかつ当該端縁部を接合すること;
包装材料の前記シート上にパッケージの閉鎖フラップを形成すること;
このようにして得られたパッケージを密封するために前記フラップを折り畳みかつ密封すること。
【0005】
実際には、紙ロールの周りに巻かれたプラスチック材料フィルム(例えば、ポリプロピレン又はポリエチレン)からなるラッピングによって紙ロールが一緒に保持され、そしてその後、折り畳まれかつ密封されて最終パッケージを形成する。
【0006】
このように構成された包装機には、包装される紙ロールの反対側の投入口に一般的に配置されるプラスチックフィルムを供給するための供給ユニットが設けられている。
【0007】
前記供給ユニットは、対応するリールからフイルムを巻き出すための巻き出し手段と、切断装置と、移送装置と、位置決め装置とを備えている。前記巻き出しユニットは、一般に、一対の巻き出しローラを備え、その間をフィルムが通過し、そしてフィルムに引き摺り作用を及ぼすように適切に電動化され、それによりフィルム自体がそれぞれのリールから巻き出されることを決定する。前記切断装置はフィルムから所定の長さのシートを得ることを可能にする切り取り線を作り出すために、フィルムに不連続な切り目を作り出すことを意図している。前記移送装置は対応するガイドプーリの周りにループ状に巻かれた対向するベルトによって形成され、当該ガイドプーリは前記フィルムの前進方向に沿って配向された側部を常に有し、かつ前記切断装置の近傍の投入口領域及び前記位置決め装置の近傍の排出口領域の間に前記フィルムを案内するために前記フィルムの両側に係合するように相互に配置されている。
【0008】
前記位置決め装置は、前記移送装置の下流に配置され、そして形成ラインと、紙ロールが包装される構成に配置されるリフティングステーションとの間の中間の包装機のステーションに延びる。前記位置決め装置は相対向する電動ベルトから成り、これらの電動ベルトはフィルムの排出方向に従って延伸する2つの水平リングを形成するように対応するプーリの周りに巻き付けられている。これらの電動ベルトは対向する搬送部分を有し、そして加圧ローラによって前記フィルムの両側に互いに押し付けられ、それにより、前記フィルムシートを前記リフトステーションのリフトに水平に搬送する。
【0009】
前記移送装置の前記ベルトは、前記包装機の製造速度に依存する一定速度で作動され、一方、前記位置決め装置の前記ベルトは前記フィルムと係合するために前記包装機の製造速度以下の初期速度で作動され、続いて、フィルムを切断しそしてこのようにして得られたシートを包装機のリフト上に置くために、はるかに高速で作動される。前記シートの長さは製造されるパッケージのフォーマットに応じて変化するが、各シートが前記包装機のリフト上に位置決めされるためにたどらなければならない経路は常に同じ長さである。従って、前記包装機の生産速度に関して、より短いシートは、フィルムに過度の応力を与えるより高い加速度を受ける。更に、特に短いシートでは、前記包装機のリフト上のシートの位置決めの精度は、パッケージの品質との関係でますます厳しくなっている現在の生産上の必要要件を必ずしも満足するものではない。
【0010】
特許文献2は、ミシン目の横断線が設けられた材料のウェブから断片を切断するための装置を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】US6067780
【特許文献2】CA2070088
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、特に、上述したタイプの包装機におけるフィルム供給ユニットの構造に関し、そして包装フィルムから得られるシートの搬送及び位置決めにおける作業効率の向上を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この効果は、本発明によれば、請求項1に示された特徴を有する装置を提供することによって達成された。本発明の他の特徴は、従属請求項の主題である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によって、フィルムから得られる個々のシートがより少ない応力を受けることが可能となり、従って、シートの品質を損なうことなく生産を増加させることが可能となり、または、同じ生産のために、包装シートのより良好な位置決め精度を保証することが可能となる。さらに、本発明による操作ユニットは、提供される利点に関して製造が比較的簡単である。
【0015】
本発明のこれら及びさらなる利点及び特徴は以下の説明及び添付の図面(例として提供されるが、限定的な意味で考慮されるべきではない)によって、当業者によってよりよく理解されるのであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明のプラスチックフィルムを供給するためのユニットの概略斜視図である。
【
図2】
図1の供給ユニットを示す図面において、他の部分をより強調するために一部の部品を取り除いた状態を示す図面である。
【
図3】
図2に示された供給ユニットの側面図である。
【
図7】
図2と同様の図面であるが、供給ユニットのさらなる構成要素(100,101)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本質的な構造として考えかつ添付図面を参照すると、本発明による、特に紙ロールの包装のために構成された包装機においてプラスチックフィルムを供給するための供給ユニット(UG)は下記を含む。
-対応するリール(2)からフィルム(F)を巻き出すためのユニット(1);
-前記フィルム(F)の前進方向に関して巻き出しユニット(1)の下流に配置された切断装置(3);
-前記切断装置(3)の下流に配置された移送装置(4);
-前記移送装置(4)の下流に位置する位置決め装置(5)。
【0018】
前記巻き出しユニット(1)は、一対の水平巻き出しローラ(10,11)を含み、当該水平巻き出しローラは、前記フィルム(F)によって横断可能なニップ(N)を画定しかつ互いに協働して前記フィルム自体を前記リール(2)から巻き出す作用を行う引き摺り作用をフィルムに及ぼすように適切に電動化されている。当業者に知られている方法では、前記巻き出しローラ(10,11)はプログラム可能な制御ユニットによって所定の長さの一定量のフィルムの巻き出しに関連する期間駆動される。前記リール(2)は2つの水平軸支持ローラ(20)を含む基部上に載置され、当該水平軸支持ローラによって前記リールはそれ自体の軸の周りを回転し、それにより前記フィルム(F)がリールから巻き出されることを可能にする。
【0019】
前記水平軸支持ローラ(20)は、前記巻き出しユニットの2つの側面(12)の間に配置され、そして所定の角速度で前記水平軸支持ローラの回転を制御するそれぞれの電動モータ(200)に接続されている。前記巻き出しローラ(10,11)も前記同一側面(12)に配置されている。前記巻き出しローラ(10,11)及び前記水平軸支持ローラ(20)の前記リール(2)の軸は互いに平行でありかつ前記側面(12)と直交している。前記巻き出しローラ(10、11)は、前記リール(2)に関して前記水平軸支持ローラ(20)の反対側にある。前記側面(12)は、前記供給ユニット(UG)の右側及び左側を画定する。
【0020】
複数の案内ローラ(13)は、前記巻き出しローラ(10,11)と前記リール(2)との間に前記巻き出しローラ(10,11)と並列に配置され、当該案内ローラによって前記リール(2)から巻き出された前記フイルム(F)は、前記巻き出しローラまで案内される。前記リール(2)と前記巻き出しローラ(10、11)との間には、当業者に知られている方法に従って前記フィルム(F)の張力を調整するために、1つまたは複数のテンションローラ又は「ダンサー装置」(130)を配置することもできる。
【0021】
前記供給ユニット(UG)の左右両側に位置する前記巻き出しローラ(10,11)の上流に配置されたフォトセル(FC)は、前記フィルムの両側縁部に形成されたマークを読み取ることにより前記フィルム(F)の通過を既知の方法で検出するために設けられている。
【0022】
それ自体当業者に知られている前記切断装置(3)は、前記フィルム(F)に不連続な切り目を作り出して切り取り線を形成するように作動するが、この切り取り線は当該同一フィルムから所定の長さのシートを得ることを可能にする。図面に示す例では、前記切断装置(3)は前記フィルム(F)の前進方向に関して前述のニップ(N)の下流に配置されたスコアリングローラ(30)を有している。前記スコアリングローラ(30)は、前記巻き出しローラ(10,11)と平行であり、先に述べたように前記フィルム(F)に刻み目を入れるように構成されたブレード(32)を備え、対応する電動モータ(33)によって駆動され、そして下に位置する固定カウンターブレード(34)と協働して前記フィルム(F)上に不連続な切り目を形成する。
【0023】
前記移送装置(4)は前記巻き出しユニット(1)から前記位置決め装置(5)へのフィルムの移送を制御することからそう呼ばれている。当該移送装置は、前記供給ユニット(UG)の左右両側に、対応するプーリ及び駆動ローラに巻回された対向する2つのベルト(40,41)を備えている。当該2つのベルトは、前記フィルム(F)の前進方向(A)に面する側部を常に有し且つ前記切断装置(3)の近傍にある投入口領域(H)と当該投入口領域から所定距離だけ離れた排出口領域との間に前記フィルムを案内するために前記フィルムの両側と係合するように相互に配置されている。図面に示されている例を参照すると、上部ベルト(40)は、トランスミッション(400)を介してプーリ(401)を駆動する電動モータ(410)によって制御される。
【0024】
前記プーリ(401)は、前述した前記フィルム(F)の前進方向(A)に平行に整列されたローラ(402)によって保持されかつ案内される前記上部ベルト(40)に運動を伝達する。また、下部ベルト(41)は電動モータ(410)によって駆動され、当該電動モータにはその運動を前記下部ベルト(41)に伝達するプーリ(411)が取り付けられ、これらの下部ベルトは同じく前述した前記フィルム(F)の前進方向(A)に平行に整列されたローラ(412)によって保持されかつ案内される。前記下部ベルト(41)は前記上部ベルト(40)よりも前記切断装置(3)に近い投入側を有し、前記切断装置(3)の直下流にあるフィルム(F)の投入口領域(H)を形成するようになっており、前記フィルム(F)は前記下部ベルト(41)によってのみ形成され、それにより前記フィルム(F)の前記移送装置(4)への進入を容易にしている。前記電動モータ(410)及び前記ローラ(402,412)は前記供給ユニット(UG)の前記側面(12)と一体となる。
【0025】
前記移送装置(4)は、前記供給ユニット(UG)の右側と左側の両方に、前記供給ユニット(UG)内の前記フィルム(F)の前進方向(A)に関して他のベルト(40,41)の下流に配置された2つの追加的な対向ベルト(42,43)をさらに備える。前記追加的なベルト(42,43)も、前記フィルム(F)の両側に係合できるように相互に配置される。
【0026】
図面に示す例を参照して、上部ベルト(42)はプーリ(420)が接続された電動モータ(430)によって駆動され、このプーリは前記方向(A)に沿って整列されたローラ(422)によって案内状態に保たれた前記上部ベルト(42)に運動を伝達する。また、下部ベルト(43)はプーリ(431)が取り付けられた電動モータ(430)によって駆動され、これはまた前記方向(A)に従って整列されたローラ(432)によって案内状態に保たれた前記下部ベルト(43)に運動を伝達する。
【0027】
前記電動モータ(430)と前記ローラ(422)は前記供給ユニット(UG)の前記側面(12)と一体になっている。前記下部ベルト(43)を案内する前記ローラ(432)は、
図2において部分的に見える対応する電動モータ(46)によって駆動されるロッドクランク機構(45)に接続された支持体(44)上に取り付けられている。当該ロッドクランク機構(45)は、前記下部ベルト(43)の前記上部ベルト(42)への接近、及びそれぞれ、以下にさらに説明するように、それらの相互距離を周期的に決定する。前記支持体(44)は、前記供給ユニット(UG)のそれぞれの前記側面(12)に拘束される。前記支持体(44)は、対応する下部付加物(440)によって前記ロッドクランク機構(45)に接続される。
【0028】
実際には、前記移送装置(4)は、前記供給ユニット(UG)の各側面に、前記フィルム(F)の前進方向(A)に沿ってカスケード状に配置された相対向する2対のベルト(40,41;42,43)によって形成される。言い換えれば、前記移送装置(4)は、2つの部分に分けられ、第1の部分は前記ベルト(40,41)を備え、第2の部分は前記ベルト(42,43)を備え、それぞれの電動モータによって独立して作動する。
【0029】
前記位置決め装置(5)は、前記フィルム(F)から得られた前記シートを前記包装機に通常配置されるリフト(EL)上に位置決めするものであるのでそのように呼ばれる。当該位置決め装置(5)は、前記供給ユニット(UG)における前記フィルムの前進方向(A)に関して前記移送装置(4)の下流に配置され、そして成形ラインと包装される構成に紙ロールが配置されるリフトとの中間にある包装機のステーションまで延びている。図面に示された例によれば、前記位置決め装置(5)は、前記供給ユニット(UG)の右側及び左側の両方に、前記フィルムの排出方向に伸展された2つの水平リングを形成する2つの相対向するベルト(50、51)を備える。図面に示す例によれば、上部ベルト(50)はプーリ(501)が取り付けられた電動モータ(500)によって駆動され、この電動モータは前記フィルムの前進方向(A)に沿って整列したローラ(502)によって案内状態に保たれた前記上部ベルト(50)に運動を伝達する。
【0030】
また、下部ベルト(51)は、プーリ(511)が装着された前記電動モータ(500)によって駆動され、前記フィルムの前進方向(A)に従って整列したローラ(512)によって案内状態に保たれた前記下部ベルト(51)に運動を伝達する。前記電動モータ(500)と前記ローラ(502)は前記供給ユニット(UG)の前記側面(12)と一体になっている。前記下部ベルト(51)を案内する前記ローラ(512)は、対応する電動モータ(54)によって駆動されるロッドクランク機構(53)に接続された支持体(52)上に取り付けられている。当該ロッドクランク機構(53)は、前記下部ベルト(51)の前記上部ベルト(50)への接近、及びそれらの相互距離をそれぞれ周期的に決定する。
前記支持体(52)は、前記供給ユニット(UG)のそれぞれの側面(12)に拘束される。前記フィルム(F)の前進の方向(A)に関して、前記支持体(52)は、前記ロッドクランク機構(53)に接続された下部付加物(520)を有する後側部と、前記供給ユニット(UG)からのフィルム(F)の排出口領域(E)に対向する反対側の前側部とを有する。
【0031】
従って、前記ベルト(42,43)間の距離だけでなく前記ベルト(50,51)間の距離も制御することができる。特に、これらの距離は、これらの距離の周期的な変化を得るための手段を構成する前記ロッドクランク機構(45)及び(53)によって、前記供給ユニットの動作中に周期的に変化させることができる。
【0032】
上述の供給ユニットを動作させる可能な方法は、以下の通りである。
【0033】
短尺シート(即ち、例えば、長さ240mm~500mmのシート)の処理のために、いずれにしてもその長さは、最も長いシートに関する限り、横方向穿孔手段の介在によって決定され、前記ベルト(42,43)間の距離は当初は前記ベルト(40,41)間の距離に等しい。この段階では、前記ベルト(42,43)は前記ベルト(40,41)の速度に等しい第1の速度を有し、そしてこの速度構成は前記ベルト(42,43)が前記シートの所定の長さ(例えば、80mm)の部分に係合するまで維持される。
【0034】
この時点で、前記ロッドクランク機構(45)が介在し、前記フィルム上の前記ベルト(42,43)のより大きな締め付けを引き起こし、前記同一ベルト(42,43)は第2の速度に達するまで加速され、そしてこれにより前記フィルムは、事前に開穿された横方向の穿孔箇所で切り取られる。このようにして、前記ベルト(42,43)は第2の速度を維持して前記シートを前記ベルト(50,51)に導き、次いで、前記リフト(EL)上の前記シートの位置を決定する。従って、前記ベルト(50、51)は伝統的なシステムに典型的な加速/減速ランプに追従する必要はなく、前記シートは劣化することなく、より少ない応力にさらされる。このことは、結果的に生じる機械生産の増加と共に、より多くのシートを同一の時間間隔で処理する可能性を意味する。
【0035】
前記シートが長尺の場合(例えば、長さが500~1100mmのシート)、前記ベルト(50,51)の動作は加速/減速ランプに関して従来の機械の動作と同一であり、そして前記中間ベルト(42,43)は、前記ベルト(50,51)のように制御されるという意味で、前記ベルト(50,51)の延長後部を構成する。
【0036】
前記フィルム(F)から得られた前記シートを前記リフト(EL)上に位置決めする段階は、前記包装機による前記シートのその後の使用段階と同様に、当業者に公知の方法で行われる。
【0037】
それ自体公知の方法で、前記供給ユニット(UG)の前記側面は、使用される前記フィルムの幅に従って離間させることができる。前記切断装置の下流において、前記供給ユニット(UG)は互いに平行でかつ前記フィルム(F)の前進方向(A)に従って向きが決められた複数のロッド(100)を有しており、これらのロッドは、それらの相互距離の変動を可能にするそれぞれの支持パンタグラフ(101)に拘束されている。このようにして、前記フィルム(F)用の摺動面が形成され、その幅は前記フィルムの幅に応じて調整することが可能である。
【0038】
前記供給ユニット(UG)の右側のベルト(40,41;42,43;50,51)を駆動する前記電動モータは、左側の対応する電動モータに関して独立して制御され、当業者に公知の方法に従って、前記フィルムの所定の前進方向(A)に関する前記フィルム(F)の起こり得る誤整列の補償を可能にする。
【0039】
前述の説明から、本発明によれば、特に紙ロールを包装することを意図した包装機においてプラスチックフィルムを供給するための供給ユニット(UG)が、下記の構成要素を含んでいることは明らかである。
-対応するリール(2)からフィルム(F)を巻き出すためのユニット(1);
-前記巻き出しユニット(1)からの排出経路に沿う前記フィルム(F)の前進方向に関して前記巻き出しユニット(1)の下流に配置され、かつ所定の長さのシートを得ることができるように前記フィルムを横方向に切り込むように構成された切断装置(3);
-前記切断装置(3)の下流に配置され、かつ前記供給ユニットの右側及び左側の両方に、前記フィルムの上面及び下面の両方に係合するように構成された所定数の駆動ベルトを備える移送装置(4);及び
-前記移送装置(4)の下流に配置され、かつ前記供給ユニットの右側及び左側の両方に、前記フィルムの上面及び下面の両方に係合するのに適した所定数の駆動ベルトを備える位置決め装置(5);
ここで、
-前記移送装置(4)は、前記供給ユニット(UG)の右側及び左側の両方に、前記フィルム(F)がたどる経路に関して反対側に配置された2対のベルト(40,41;42,43)を備え、前記切断装置(3)のすぐ下流に配置された第1のベルト対(40,41)と、前記第1のベルト対(40,41)のすぐ下流に配置された第2のベルト対(42,43)とを有し;
-前記供給ユニット(UG)の右側及び左側の両方に、前記位置決め装置(5)は前記フィルムがたどる経路に関して反対側に配置された第3のベルト対(50,51)を備え、前記第3のベルト対(50,51)は前記移送装置(4)の前記第2のベルト対(42,43)のすぐ下流に配置される。
【0040】
前記移送装置の前記ベルトを前記供給ユニット(UG)の両側の第1のベルト対及び第2のベルト対に分割することにより、前述の利点を得ることができる。
【0041】
実際には、実施の詳細は、いずれにしても、記載され図示された個々の要素に関して、それによって採用された解決策の概念の範囲から逸脱することなく、均等の態様で変更することが可能であり、したがって、それらの変更は以下の特許請求の範囲に従って本特許によって与えられる保護の範囲内にとどまることになる。
【国際調査報告】