IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エレクトロケミカル オキシジェン コンセプツ インコーポレーテッドの特許一覧

<>
  • 特表-創傷酸素治療システム 図1
  • 特表-創傷酸素治療システム 図2
  • 特表-創傷酸素治療システム 図3
  • 特表-創傷酸素治療システム 図4a
  • 特表-創傷酸素治療システム 図4b
  • 特表-創傷酸素治療システム 図4c
  • 特表-創傷酸素治療システム 図5
  • 特表-創傷酸素治療システム 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-23
(54)【発明の名称】創傷酸素治療システム
(51)【国際特許分類】
   A61M 27/00 20060101AFI20220616BHJP
【FI】
A61M27/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021561759
(86)(22)【出願日】2020-04-15
(85)【翻訳文提出日】2021-12-14
(86)【国際出願番号】 US2020028312
(87)【国際公開番号】W WO2020214698
(87)【国際公開日】2020-10-22
(31)【優先権主張番号】62/833,878
(32)【優先日】2019-04-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511106536
【氏名又は名称】エレクトロケミカル オキシジェン コンセプツ インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000741
【氏名又は名称】特許業務法人小田島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ニーダーラウアー,マーク・キュー
(72)【発明者】
【氏名】デイリー,ジェームズ・ピー
(72)【発明者】
【氏名】モフェット,ジョセフ・ジェイ
【テーマコード(参考)】
4C267
【Fターム(参考)】
4C267JJ14
(57)【要約】
創傷治療システムは、センサシステムに結合されるプロセッサと、電力供給システムと、電力供給システムに結合され、包帯材によって提供され、創傷部位に隣接して配置される制限気流エンクロージャに結合される酸素出口を含む酸素濃縮器と、制限気流エンクロージャに結合される陰圧出口を含む陰圧システムとを含む。プロセッサは、センサシステムから第1のセンサ情報を受信し、第1のセンサ情報を使用して電力供給システムから酸素濃縮器に提供される電力を制御して、酸素濃縮器によって生成され、酸素出口を通って制限気流エンクロージャに提供される酸素流を制御する。プロセッサがセンサシステムから第2のセンサ情報を受信すると、プロセッサは陰圧システムを作動させて、制限気流エンクロージャから陰圧出口を通る流体流を生成する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
創傷治療システムであって:
ハウジングと;
ハウジング内に配置されるプロセッサと;
プロセッサに結合される少なくとも1つのセンサシステムと;
ハウジング内に配置され且つプロセッサに結合される電力供給システムと;
ハウジング内に配置され且つ電力供給システムに結合される酸素濃縮器であって、酸素濃縮器は、包帯材によって提供され且つ創傷部位に隣接して配置される制限気流エンクロージャに結合される酸素出口を含む、酸素濃縮器と、
プロセッサに結合される陰圧システムであって、陰圧システムは、包帯材によって提供され且つ創傷部位に隣接して配置される制限気流エンクロージャに結合される陰圧出口を含む、陰圧システムと;を備え、
前記プロセッサは:
前記少なくとも1つのセンサシステムから第1のセンサ情報を受信し;
第1のセンサ情報を使用して電力供給システムから酸素濃縮器に提供される電力を制御して、酸素濃縮器によって生成され且つ酸素出口を通って制限気流エンクロージャに提供される酸素流を制御し;
前記少なくとも1つのセンサシステムから第2のセンサ情報を受信し;
陰圧システムを作動させて、制限気流エンクロージャから陰圧出口を通る流体流を生成する、ように構成されている、
創傷治療システム。
【請求項2】
前記第2のセンサ情報は、酸素出口と制限気流エンクロージャとの結合部における閉塞を示す閉塞アラームを提供する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記閉塞は、創傷部位で生成され且つ制限気流エンクロージャへの酸素出口の結合部に配置される滲出液によって引き起こされる、請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記陰圧システムを作動させて、制限気流エンクロージャから陰圧出口を通る流体流を生成することは、酸素出口の制限気流エンクロージャへの結合部に配置される浸出液を除去するように作用する、請求項3に記載のシステム。
【請求項6】
前記閉塞は、酸素濃縮器によって生成され、制限気流エンクロージャ内の圧力が最大圧力を超えるように酸素出口を通って制限気流エンクロージャに提供される、酸素の量によって引き起こされる、請求項2に記載のシステム。
【請求項7】
前記陰圧システムを作動させて制限気流エンクロージャから陰圧出口を通る流体流を生成することは、創傷部位で生成される浸出物を制限気流エンクロージャから除去するように作用する、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記陰圧システムを作動させて制限気流エンクロージャから陰圧出口を通る流体流を生成することは、最小のシール圧力が設定された期間維持されないときに、包帯材シールを達成するように作用する、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
流体飽和センサを介した陰圧システムの作動は、制限気流エンクロージャから陰圧出口を通る流体流を生成し、創傷部位で生成される浸出物を制限気流エンクロージャから除去するように作用する、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記陰圧システムを作動させて、制限気流エンクロージャから陰圧出口を通る流体流を
生成することは、その制限気流エンクロージャ内の酸素濃度を可能な限り迅速に最大にするように作用する、請求項1に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、「創傷酸素治療システム(Wound Oxygen Treatment System)」と題された2019年4月15日に出願された米国仮特許出願第62/833,878号の利益及び優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
本開示は一般に、損傷組織の治癒を加速し、及び/又は組織の生存能力を促進するための、創傷への酸素の供給を介した創傷治癒に関し、より詳細には、創傷部位に隣接する創傷部位エンクロージャの断続的な真空/吸引を用いて、創傷部位の隣接から滲出液及び他の流体を除去しながら、創傷に隣接する酸素濃度を最適化することに関する。
【0003】
組織が損傷し、創傷が生じると、4段階の治癒過程が始まり、創傷を再増殖させるための組織中の細胞の最適な代謝機能は、創傷治癒のこれら全ての段階に酸素が利用可能であることを必要とする。更に、損傷組織の層が増えるほど、創傷治癒過程で合併症が起こるリスクが大きくなり、治癒困難な創傷は創傷治癒過程に対する障壁に遭遇し、創傷治癒の最後の3段階のうち1段階以上で遅延を経験する可能性がある。例えば、静脈性下腿潰瘍、糖尿病性足潰瘍、及び褥瘡などの創傷の治癒における遅延の最も一般的な寄与因子の1つは、慢性創傷虚血の問題である。慢性創傷虚血は、血液供給、酸素供給、及び組織の十分な酸素化に対する血液要求を制限する病的状態であり、これは正常な創傷治癒を阻害する。
【0004】
治癒困難な創傷を治療するための1つの従来の標準的なケアは、包帯材治療システムを提供する、高度な創傷包帯材、又は高度な創傷包帯材の組み合わせの使用を含む。高度な創傷包帯材は、創傷部位、及び場合によっては周囲の無傷の皮膚上に配置されて、創傷部位エンクロージャを提供する場合がある。高度な創傷包帯材は、典型的には、湿潤創傷治癒を促進し、創傷滲出液を管理し、創傷バイオバーデンの制御を助ける特性を有する材料を含む。組み合わせて提供されるそれらの材料は、限られた水蒸気透過性を生成するように作用し、包帯材がより閉塞性となるほど、創傷部位に利用可能な周囲空気の量が少なくなる(従って、それぞれの酸素の量が少なくなる)。
【0005】
100%の酸素は760ミリメートル(mm)の水銀(Hg)の分圧を付与し、周囲空気は約21%の酸素を含み、従って、周囲空気は約159mmHgの酸素の分圧を付与する。限られた水蒸気透過性を提供する材料を利用する典型的な高度な創傷包帯材又は創傷包帯材システムは、創傷部位に利用可能な酸素に影響を及ぼすように作用し、それによって、囲まれた創傷部位における酸素の分圧を約10~60mmHgに制限する。次いで、新鮮な空気(及びその関連するより高い酸素量)は包帯材が交換される場合にのみ創傷部位に提供され、包帯材交換が必要とされる前に、包帯材は7日間まで創傷部位を覆ったままの場合がある。このように、高度な創傷包帯材の限られた水蒸気透過性は、創傷治癒の全ての段階の間の、創傷を再増殖させるための細胞の最適な代謝機能に対抗して作用する、減少した酸素の創傷環境を生成する。
【0006】
治癒困難な創傷に組織酸素化を提供するための従来のシステム及び方法の特定の例は、創傷部位への局所高圧酸素の断続的又は連続的適用を含む。断続的局所高圧酸素治療システムは、比較的高い流量で接続された純酸素源と共に、密封された四肢又は部分身体チャンバを提供すること、及び密封された四肢チャンバ又は部分身体チャンバ内に創傷した四
肢又は身体領域を配置することを含む。次いで、酸素源は1時間当たり300リットルを超える場合がある流量で、100%までの酸素をチャンバに供給し、標準大気圧の1.05%まででチャンバの内部を加圧し、それによって、冒された創傷部位での細胞処理のために利用可能な酸素を局所的に増加させる。例えば、酸素適用の間、密封された四肢又は部分身体チャンバの内側に付与される酸素の分圧は、798mmHgに達する場合があり、約90分間適用される場合がある。断続的な局所高圧酸素を適用するこれら及び類似の方法は制限的であり、扱いにくく、全身的な適用なしで断続的に患部に酸素を供給することしかできず、大気圧の最小限の増加(約5%)しか提供しない。従って、これらの方法を用いた創傷に対する酸素療法の効果は最小である傾向があり、これは、局所高圧酸素四肢チャンバの商業的成功の欠如によって証明される。
【0007】
組織酸素化を提供する他の従来のシステム及び方法は、イオン特異的膜を通るイオン形態の気体の伝達を提供して、創傷部位に補助酸素を直接適用する使い捨てデバイスを含む。このデバイスは、典型的には、創傷部位の真上に提供されるバッテリー駆動の使い捨ての酸素補充包帯であり、元々NASAのために開発された4電子式のバリエーションを使用する電気化学的酸素生成を利用する。このようなシステムでは、創傷に適用され得る酸素の量は、典型的には1時間当たり3~15ミリリットルの範囲であり、所望の酸素流量は、予め規定されたアンペア数を有する、対応する予め選択されたバッテリーサイズを利用することによって生成される。従って、これらのデバイスは「オン又はオフ」のいずれかであり、所望の流量を生成するアンペア数を有する新たなデバイス及び/又は異なるバッテリーを得ることなく、変化する又は調整可能な酸素流又は酸素流量を供給する能力を有さない。固定された、可変でない酸素流及び酸素流量の使用により、異なるサイズ及びタイプの創傷の治療に、対応する制限が導入され、創傷治療システムが適用される創傷に対して該システムが過大又は過小であることをもたらす傾向がある。
【0008】
本開示の発明者らは、上述した従来の創傷治療システムの問題に対処するシステム及び方法を共に発明した。例えば、特許文献1、特許文献2、及び特許文献3(これらの開示は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる)は、低流量組織酸素化及び連続酸素調整能力を創傷部位に提供して、損傷組織のための制御された高酸素及び低酸素創傷環境を生成し、創傷治癒を加速し、組織生存能力を促進する創傷治療システムを記載している。これらのシステム及び方法は、創傷部位に隣接して配置される制限気流エンクロージャ(例えば、創傷包帯材によって提供される)内の圧力を示す圧力情報を監視すること、周囲湿度を示す湿度情報を監視すること、及び/又は、他の特徴を使用して酸素生成サブシステムに提供される電力を制御して、酸素生成サブシステムによって生成され、制限気流エンクロージャに提供される酸素流を制御することによって動作する。いくつかの実施形態では、これらの創傷治療システムは、酸素生成サブシステムの酸素出力を測定する流量センサ(上述のように酸素生成サブシステムによって生成される酸素流を制御するために利用される場合がある圧力を測定する流量センサの下流の圧力センサを有する)、上述のように酸素生成サブシステムによって生成される酸素流を制御するために利用される場合がある周囲湿度を測定する湿度センサ、及び/又は、上述のように酸素生成サブシステムによって生成される酸素流を制御する際に使用するための他のセンササブシステムを含む。
【0009】
しかしながら、本開示の発明者らは、向上した又は最適な創傷治癒を提供する酸素濃度を達成することは、創傷包帯材が創傷に適用されるときに生成される創傷部位エンクロージャが、上述の酸素生成サブシステムによって生成される高濃度酸素によって置き換えられなければならない比較的大きな体積の比較的低酸素濃度の空気(創傷包帯材のサイズが大きいほど増加する体積)を含むことが多いので、比較的長時間を要し得ることを発見した。更に、創傷包帯材の交換により、上述の酸素生成サブシステムによって創傷部位エンクロージャ内に提供された比較的高濃度の酸素が放出され、従って、各創傷包帯材交換は
、上述の利点を提供する創傷部位エンクロージャ内及び創傷部位に隣接した比較的高濃度の酸素の蓄積の「時計をリセットする」という上述の問題を導入する。また更に、創傷部位によって、及び/又は創傷部位に隣接して生成される滲出液及び/又は他の流体は、創傷部位エンクロージャ内の及び創傷部位に隣接する比較的高濃度の酸素の提供を妨げる酸素供給チューブ/ラインへの閉塞の導入を含む、上述の創傷酸素治療システムの問題を引き起こし得る。
【0010】
従って、改善された創傷治療システムを提供することが望ましいであろう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許第8,287,506号明細書
【特許文献2】米国特許第10,226,610号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2019/0001107号明細書
【発明の概要】
【0012】
一実施形態によれば、創傷治療システムは、ハウジングと、ハウジング内に配置されるプロセッサと、プロセッサに結合される少なくとも1つのセンサシステムと、ハウジング内に配置され、プロセッサに結合される電力供給システムと、ハウジング内に配置され、電力供給システムに結合される酸素濃縮器とを含み、酸素濃縮器は、包帯材によって提供され、創傷部位に隣接して配置される制限気流エンクロージャに結合される酸素出口と、プロセッサに結合される陰圧システムとを含み、陰圧システムは、包帯材によって提供され、創傷部位に隣接して配置される制限気流エンクロージャに結合される陰圧出口を含み、プロセッサは、少なくとも1つのセンサシステムから第1のセンサ情報を受信し;第1のセンサ情報を使用して電力供給システムから酸素濃縮器に提供される電力を制御して、酸素濃縮器によって生成され、酸素出口を通って制限気流エンクロージャに提供される酸素流を制御し;少なくとも1つのセンサシステムから第2のセンサ情報を受信し;陰圧システムを作動させて、制限気流エンクロージャから陰圧出口を通る流体流を生成するように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本開示の教示に従って提供される創傷酸素治療システムの実施形態を示す概略図である。
図2】本開示の教示に従って提供される創傷酸素治療システムの実施形態を示す概略図である。
図3】本開示の教示に従って提供される創傷酸素治療システムの実施形態を示す概略図である。
図4a】本開示の教示に従って提供される創傷酸素治療システムの実施形態を示す概略図である。
図4b】本開示の教示に従って提供される創傷酸素治療システムの実施形態を示す概略図である。
図4c】本開示の教示に従って提供される創傷酸素治療システムの実施形態を示す概略図である。
図5】本開示の教示に従って提供される創傷酸素治療システムの実施形態を示す概略図である。
図6】本開示の教示に従って提供される創傷酸素治療システムの実施形態を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本開示のいくつかの実施形態は、本開示の発明者の少なくとも幾人かによって、組み込
まれた参考文献に提供される教示に基づくものであり、該参考文献の開示全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【0015】
米国特許第8,287,506号は、損傷組織の治癒を加速し、組織の生存能力を促進するための非侵襲性組織酸素化システムを開示しており、該システムは、軽量の携帯型電気化学酸素濃縮器、電力管理システム、マイクロプロセッサ、メモリ、圧力感知システム、温度監視システム、酸素流量監視及び制御システム、ディスプレースクリーン並びにキーパッドナビゲーション制御を、連続的な可変制御された低用量の酸素を創傷部位に提供し、治癒過程を監視する手段として備える。
【0016】
米国特許第10,226,610号は、ハウジングと、ハウジング内に配置されるプロセッサと、プロセッサに結合されて、創傷部位の隣の制限気流エンクロージャ内の圧力を監視する圧力監視システムと、ハウジング内に配置され、プロセッサに結合される電力供給システムと、ハウジング内に配置され、電力供給システムに結合される酸素濃縮器と、制限気流エンクロージャに結合される酸素濃縮器内の複数の酸素出口とを含む創傷治療システムを開示しており、プロセッサは、圧力監視システムからの圧力情報を受信及び使用して、電力供給システムから酸素濃縮器に提供される電力を制御し、それによって、酸素濃縮器出口を通って制限気流エンクロージャに提供される酸素流を制御する。
【0017】
米国特許出願公開第2019/0001107号は、酸素出口を画定するシャーシと、酸素出口に結合されるシャーシ内の酸素生成サブシステムと、酸素生成サブシステムに結合される制御サブシステムとを含む創傷酸素供給システムを開示しており、制御サブシステムは、酸素生成サブシステムから湿度情報を受信及び使用して、生成サブシステムに提供される電力を制御し、それによって、酸素出口を通って創傷部位の隣の制限気流エンクロージャに提供される酸素流を制御する。
【0018】
前述の創傷酸素治療システムは、例えば、本開示の教示に従って、陰圧システム、真空システム、及び/又は吸引管理システム(SMS)を使用して、創傷に隣接して提供される創傷包帯材から過剰な流体(例えば、創傷滲出液)を断続的に除去するように構成される場合がある。創傷包帯材からの滲出液及び/又は他の流体のこのような断続的な除去は、創傷包帯材内の及び創傷部位に隣接する創傷滲出液レベルを制御して、組織を浸軟から保護し、創傷包帯材の寿命を延ばし(例えば、創傷包帯材交換の間の時間を増加させることによって)、創傷包帯材と創傷部位との間に提供される制限気流エンクロージャから空気を除去するように作用し、その結果、従来のシステムと比較して短い時間枠で(例えば、制限気流エンクロージャ内の窒素を除去し、創傷包帯材と創傷部位との間に提供される制限気流エンクロージャ内の空気の体積を減少させることによって)より高い酸素濃度が達成される場合がある。過剰な創傷滲出液は、酸素連続拡散(CDO)治療の初期段階で生成される場合があり、創傷滲出液のレベルは、時間と共に、また供給される酸素の量と共に変化する。創傷滲出液の除去は、より良好な転帰及びユーザの満足を提供し、また臨床管理介入の減少(例えば、医療システムに対する全体的なコストの減少)を提供する。
【0019】
本開示を介して提供される陰圧、真空及び/又は吸引は、本開示を所有する当業者に明らかであろう機械的、電気機械的、及び/又は他の技術を介して達成される場合がある。いくつかの例では、陰圧、真空及び/又は吸引ラインは、酸素供給ラインとは別個である場合がある。いくつかの例では、陰圧、真空及び/又は吸引システムは、酸素生成デバイスに組み込まれ、酸素生成デバイスに取り付けられる場合があり、又は別個のデバイスによって提供される場合がある。更に、陰圧、真空及び/又は吸引システムは、創傷滲出液及び/又は他の流体を収集するための容器を含む場合がある。
【0020】
いくつかの実施形態では、酸素生成器及び/又は創傷包帯材内のセンサは、創傷包帯材
内の及び/又は創傷部位に隣接する過剰な創傷滲出液の飽和及び/又は存在を示すように構成される場合があり、陰圧、真空及び/又は吸引を介した滲出液の除去の開始をトリガする場合がある。あるいは、陰圧、真空及び/又は吸引システムは、センサからのフィードバックに基づくタイミングアルゴリズムを利用して、過剰な創傷滲出液の存在を予測し、それに応答して、陰圧、真空及び/又は吸引を開始して創傷滲出液を除去し、及び/又は過剰な創傷滲出液レベルの蓄積を防止する場合がある。
【0021】
いくつかの実施形態では、陰圧、真空及び/又は吸引システムは、複数の創傷酸素治療システム及び/若しくは複数の創傷包帯材の創傷滲出液の除去を提供する場合があり、又は単一の創傷酸素治療システム及び単一の創傷包帯材を提供される場合がある。
【0022】
創傷酸素治療システムは、酸素濃縮器内に設けられた電解槽に入る空気の湿度に基づいて、創傷部位に提供される酸素流を制御することができる場合がある。酸素流を制御するための空気湿度の使用は、酸素濃縮器によって生成される酸素の流れが空気の相対湿度によって影響され得るという事実を利用し、電解槽は、ナフィオンプロトン交換膜が乾燥するにつれて効率が低下する。閾値湿度を上回る場合、電解槽は完全な効率で作動し、酸素の流れは印加される電流に線形比例するが、閾値を下回る湿度では、電解槽の効率が損なわれ、電流入力に対して非線形応答を有する。従って、比較的低い湿度では、酸素の所望の流れをに維持するためには、より多くの電流を必要とする。いくつかの実施形態では、圧力を湿度と組み合わせて使用して、酸素濃縮器によって生成される酸素流を修正し、創傷包帯材によって提供され、創傷部位に隣接して配置される制限気流エンクロージャの過剰加圧を防止する場合もある。創傷酸素治療システム内の湿度センサは、デバイス内の湿度制御(加湿剤パックの使用など)を作動させて入ってくる空気を加湿する前又は後(又は前後の両方)に周囲空気に曝されるように配置される場合がある。
【0023】
創傷酸素治療システムは、電池、電力制御、湿度及び/又は圧力センサを含む場合があり、スマートフォン又は他のコンピューティングデバイスを使用して、創傷酸素治療システムを監視し、制御し、及び該システムに電力を提供する場合がある。従って、創傷酸素治療システムは、遠隔創傷監視センサ、データの遠隔通信、及び/又は他の高レベル機能を含む場合があるが、単に、酸素を提供し、他の入力を有さないローカルデバイス(例えば、上述のスマートフォンに繋がれた)であるように最小限とされる場合もある。
【0024】
本開示の陰圧、真空及び/又は吸引システムは、断続的な陰圧、真空及び/又は吸引を提供して、創傷包帯材によって創傷部位に隣接して提供される制限気流エンクロージャ内の酸素濃度を最適化し、また隣接する創傷部位からの過剰な流体及び/又は創傷滲出液を除去する場合がある。陰圧、真空及び/又は吸引は、微小口径酸素ライン及び中口径真空ラインを含む場合がある分岐チューブを使用して、創傷包帯材に取り付けられる場合がある。
【0025】
いくつかの実施形態では、創傷酸素治療システムの使用は、最初に、創傷床に、創傷部位に隣接して、酸素分配創傷包帯材を適用することと、創傷酸素治療システム内の酸素濃縮器に接続する接続チューブに創傷包帯材を接続することと、創傷酸素治療システムを作動させることとを含む。創傷酸素治療システムの作動は、機械的又は低電力電気真空ポンプによって提供される場合がある陰圧、真空、又は吸引の生成と共に、最大流量で酸素の生成を引き起こす場合がある。陰圧、真空及び/又は吸引は、創傷包帯材と創傷部位との間に提供される制限気流エンクロージャ内で、-200~-10、好ましくは-100~-70mmHgの相対圧力(例えば、最大真空)に達するまで継続する場合がある。最大陰圧、真空及び/又は吸引に達すると、創傷酸素治療システムは、創傷包帯材によって提供される制限気流エンクロージャ内の相対圧力が0mmHgに達するまで、最大酸素流量で酸素を生成する場合がある。この時点で、酸素濃縮器は、医師によって選択される場合
がある所定の流量設定点(例えば、「定常状態」流量)で酸素を生成し続ける場合がある。
【0026】
定常状態流量では、創傷酸素治療システムは、上述の酸素流量設定点で酸素を生成し続ける場合があり、陰圧、真空及び/又は吸引は、創傷酸素治療システムが以下を検出したときに適用される場合がある:
- 酸素濃縮器から創傷部位への酸素の酸素流の閉塞を示す閉塞アラーム、これは、陰圧、真空及び/又は吸引の作動を可能にして、過剰な流体を除去し、その過程において、閉塞も軽減する場合がある。
- 創傷包帯材における流体飽和、これは、飽和率を測定するために使用される場合があり、また包帯材と創傷酸素治療システムとの間の接続チューブを通して延びるマイクロ配線を介して陰圧、真空及び/又は吸引の作動を通信する(signal)ために使用される場合がある、創傷包帯材における(例えば、包帯材層における)低電力表面実装技術(SMT)流体感知膜によって検出される場合がある。
- 包帯材シールの損失、これは、創傷酸素治療システムが創傷部位に隣接する創傷包帯材によって提供される制限気流エンクロージャ内の圧力を監視することによって監視される場合があり、最小シール圧力が設定された期間維持されない場合に、陰圧、真空及び/又は吸引の開始を提供して、創傷包帯材を再シールする場合がある。
- 陰圧、真空及び/又は吸引適用の間の過剰な時間。陰圧、真空及び/又は吸引適用事象の間の時間が最大期間(例えば、これは創傷包帯材のタイプ、創傷包帯材のサイズ、創傷のタイプ、創傷のサイズ、及び/又はこれら(及び他)の変数の組み合わせに基づく場合がある)を超える場合。
- 包帯材交換、これは、創傷部位に隣接する創傷包帯材によって提供される制限気流エンクロージャから過剰な窒素を除去し、その制限気流エンクロージャ内の酸素濃度を可能な限り迅速に最大にする始動プロトコルを開始させる場合がある。
【0027】
これらの場合の全てにおいて、陰圧、真空及び/又は吸引は、創傷部位に隣接する創傷包帯材によって提供される制限気流エンクロージャ内で、-200~-10、好ましくは-100~-70mmHgの相対圧力(例えば、「最大真空」)が達成されるまで継続する場合がある。最大真空が達成されると、創傷酸素治療システムは、包帯材内の相対圧力が0mmHgに達するまで、最大流量で酸素を生成する場合がある。この時点で、酸素濃縮器は、医師によって選択され、上記で定常状態と呼ばれる所定の流量設定点で酸素を生成し続ける場合がある。
【0028】
上記の創傷酸素治療システムのいくつかの実施形態を、図面を参照して以下に説明するが、本開示を所有する当業者は、これらの実施形態に対する多種多様な修正も本開示の範囲内に入ることを認識するであろう。従って、以下で論じられる創傷酸素供給システムの異なる構成要素及び構成、異なる創傷酸素供給システムにおける異なる構成要素の置換、及び/又は本開示を所有する当業者に明らかであろういずれの他の修正も、本開示の範囲内に入るものとして想定される。
【0029】
図1を参照すると、本開示の創傷酸素治療システムの実施形態が示されている。図1は、約21%の酸素を有する周囲空気50からの大気酸素供給が、周囲空気50中の酸素を濃縮して高濃度酸素、即ちO2、例えば純度99%の酸素である気流を生成するように作用する電解槽イオン交換電気化学酸素濃縮器11にどのように入る場合があるかを示す。高濃度O2は酸素供給チューブ12に提供され、その結果、高濃度O2は酸素供給システム(ODS)101を介して損傷組織又は創傷部位20に提供される。
【0030】
ODS 101は、以下のうちの1つ以上から構成される場合がある:穿孔チューブ;多孔性膜若しくはチューブ;酸素分配を有する包帯材;軟質で可撓性の酸素透過性テープ
若しくは膜;酸素透過性包帯サブシステム若しくはセクション;又は組み込まれた参考文献に記載されるような酸素供給材料若しくはサブシステム。基本的な形態において、ODS 101は、その特性又は特徴を測定するためのセンサを含まない場合がある。あるいは、ODS 101は、1つ以上の特性を測定するための1つ以上の任意的なセンサ又はセンサインターフェース102、例えば、温度センサ、pHセンサ、酸素飽和センサ、又は他の関連センサ若しくはセンサインターフェースを組み込む場合がある。ODS 101が任意的なセンサ102を含む場合、それらの出力は、1つ以上のODSセンサトランスデューサ103に提供される場合がある。
【0031】
圧力センサ30a又は圧力センサインターフェースは、チューブ12に結合され、圧力トランスデューサ56を介してマイクロプロセッサコントローラ58に情報を提供する。マイクロプロセッサコントローラ58はまた、ユーザ入力及び設定点65、並びにODS
101内に存在する任意的なセンサ102から、任意的なODSセンサトランスデューサ103を介して情報を受信する場合がある。マイクロプロセッサコントローラ58は、制御ディスプレー及びアラーム68を出力すると共に、電解槽イオン交換電気化学酸素濃縮器11に電力を提供する電力管理システム52を制御する。このように、圧力センサ30aからの情報は、マイクロプロセッサコントローラ58によって利用されて電力管理システム52を制御して、電解槽イオン交換電気化学酸素濃縮器11への電力を調節して、チューブ12を通してODS 101及び創傷部位20に提供される酸素(O2)を調整する場合がある。更に、吸引管理システム(SMS)130は、ODS 101に接続され、液体リザーバ又は容器131と、ODS 101を介して創傷部位20から滲出液及び他の流体を引き出し、その滲出液及び他の流体を液体容器131内に貯蔵することができる吸引システム132とを含む。吸引管理システム130はまた、マイクロプロセッサコントローラ58に結合されて、例えば、マイクロプロセッサコントローラ58が、吸引及び液体システムによって生成される吸引を制御することを可能にする。
【0032】
図2を参照すると、図1を参照して上記に説明及び論じた創傷酸素治療システムと実質的に同様であるが、大気湿度トランスデューサ141を介してマイクロプロセッサコントローラ58に情報を提供する大気湿度センサ140を有する本開示の創傷酸素治療システムの実施形態が示されている。このように、大気湿度センサ140からの情報は、マイクロプロセッサコントローラ58によって利用されて電力管理システム52を制御して、電解槽イオン交換電気化学酸素濃縮器11への電力を調節して、チューブ12を通してODS 101及び創傷部位20に提供されるO2を調整する場合がある。
【0033】
図3を参照すると、図2を参照して上記に説明及び論じた創傷酸素治療システムと実質的に同様であるが、圧力センサ30a及び圧力トランスデューサ56を除去した本開示の創傷酸素治療システムの実施形態が示されている。このように、マイクロプロセッサコントローラ58は、電力管理システム52を制御して電解槽イオン交換電気化学酸素濃縮器11への電力を調節して、チューブ12を通してODS 101及び創傷部位20に提供されるO2を調節するために、大気湿度センサ140からの情報のみを必要とする場合がある。
【0034】
図4a、図4b、及び図4cを参照すると、スマートフォン又は他のモバイルデバイス400aによって制御される場合がある創傷酸素治療システムの異なる実施形態が示されている。
【0035】
例えば、図4aでは、吸引管理システム130は、単一のODS 101と一体化される場合があり、酸素生成及び創傷監視(O2 GWM)デバイス150を介して単一のスマートフォン/モバイルデバイス400aによって制御される、その単一のODS 101のための吸引及び液体貯蔵を提供する場合がある。
【0036】
図4bに示す別の例では、単一の吸引管理システム130は、単一のO2 GWMデバイス150を介して単一のスマートフォン/モバイルデバイス400aによって制御される複数のODS 101デバイス(ODS 101a、ODS 101b、及びODS 101c)のための吸引及び液体貯蔵を提供する場合がある。
【0037】
図4cに示す更に別の例では、複数の吸引管理システム130(SMS 130a、SMS 130b、及びSMS 130c)は、複数のそれぞれのO2 GWMデバイス150(O2 GWM 150a、O2 GWM 150b、及びO2 GWM 150c)を介して単一のスマートフォン/モバイルデバイス400aによって制御される単一のそれぞれのODS 101デバイス(ODS 101a、ODS 101b、及びODS
101c)のための吸引及び液体貯蔵を提供する場合がある。従って、図4cの創傷酸素治療システムは、図示されるように、各ODS 101及び吸引管理システム130に対して1つのO2 GWMデバイス150を有する。
【0038】
O2 GWMデバイス150は、無線で制御され、又はスマートフォン/モバイルデバイス400aに繋がれる場合がある。テザー接続の場合、O2 GWM 150は、スマートフォン/モバイルデバイス400aによって電力供給される場合がある。同様の方法で、各吸引管理システム130は、O2 GWMデバイス150に組み込まれる場合があり、又は別個であり、無線で制御され、若しくはO2 GWMデバイス150に繋がれる場合がある。O2 GWMデバイス150のない実施形態では、吸引管理システム130は、無線で制御され、又はマイクロプロセッサコントローラ48若しくはスマートフォン/モバイルデバイス400aに繋がれる場合がある。
【0039】
図5を参照すると、図2を参照して上記に説明及び論じた創傷酸素治療システムと実質的に同様であるが、電解槽イオン交換電気化学酸素濃縮器11からチューブ12への酸素流についての情報を流量トランスデューサ55を介してマイクロプロセッサコントローラ58に提供する流量センサ54を有する、本開示の創傷酸素治療システムの実施形態が示されており、異なる構成要素を異なるデバイス(例えば、スマートフォン400a及びO2 GWM 150)によってどのように提供する場合があるかを示している。このように、O2 GWM 150内の流量センサ54からの情報は、スマートフォン400a内のマイクロプロセッサコントローラ58によって利用されてスマートフォン400a内の電力管理システム52を制御して、O2 GWM 150内の電解槽イオン交換電気化学酸素濃縮器11への電力を調節して、チューブ12を通してODS 101及び創傷部位20に提供される酸素(O2)を調整する場合がある。
【0040】
図6を参照すると、図5を参照して上記に説明及び論じた創傷酸素治療システムと実質的に同様であるが、圧力センサ30a及び圧力トランスデューサ56、並びに流量センサ54及び流量トランスデューサ55を除去した本開示の創傷酸素治療システムの実施形態が示されている。このように、マイクロプロセッサコントローラ58は、電力管理システム52を制御して電解槽イオン交換電気化学酸素濃縮器11への電力を調節して、チューブ12を通したODS 101及び創傷部位20への酸素(O2)図を調整するために、大気湿度センサ140からの情報のみを必要とする場合がある。
【0041】
図4a、4b、4c、5、及び6は、本開示の創傷酸素治療システムのための制御デバイスとしてスマートフォン/モバイルデバイス400aを使用する実施形態を示すが、例えば、タブレットコンピューティングデバイス、ラップトップ/ノートブックコンピューティングデバイス、デスクトップコンピューティングデバイス、スマートウォッチ、フィットネストラッカ若しくは他の手首装着デバイス、及び/又は様々な他のコンピューティングデバイスなどの他のコンピューティングデバイスが、本開示の範囲内に留まりながら
、制御デバイスとして提供される場合がある。
【0042】
同様に、図1図6は、圧力、湿度、流量、又は本開示の創傷酸素治療システムの他の特性を測定し、マイクロプロセッサコントローラ58によって使用可能な形態で測定値を提供するための別個のセンサ及びトランスデューサを示しているが、センサ及びその対応するトランスデューサは、両方がシステムの特性を測定し、測定値をマイクロプロセッサコントローラ58によって使用可能な電気信号又は他の信号に変換する単一の構成要素又は要素に組み合わされる場合がある。
【0043】
例示的な実施形態を示し、説明してきたが、前述の開示では広範囲の修正、変更、及び置換が企図され、場合によっては、実施形態のいくつかの特徴は、対応する他の特徴の使用なしに使用される場合がある。従って、添付の特許請求の範囲は、本明細書に開示される実施形態の範囲と一致するように広く解釈されることが適切である。
図1
図2
図3
図4a
図4b
図4c
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2021-12-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
創傷治療システムであって:
ハウジングと;
ハウジング内に配置されるプロセッサと;
プロセッサに結合される少なくとも1つのセンサシステムと;
ハウジング内に配置され且つプロセッサに結合される電力供給システムと;
ハウジング内に配置され且つ電力供給システムに結合される酸素濃縮器であって、酸素濃縮器は、包帯材によって提供され且つ創傷部位に隣接して配置される制限気流エンクロージャに結合される酸素出口を含む、酸素濃縮器と、
プロセッサに結合される陰圧システムであって、陰圧システムは、包帯材によって提供され且つ創傷部位に隣接して配置される制限気流エンクロージャに結合される陰圧出口を含む、陰圧システムと;を備え、
前記プロセッサは:
前記少なくとも1つのセンサシステムから第1のセンサ情報を受信し;
第1のセンサ情報を使用して電力供給システムから酸素濃縮器に提供される電力を制御して、酸素濃縮器によって生成され且つ酸素出口を通って制限気流エンクロージャに提供される酸素流を制御し;
前記少なくとも1つのセンサシステムから第2のセンサ情報を受信し;
陰圧システムを作動させて、制限気流エンクロージャから陰圧出口を通る流体流を生成する、ように構成されている、
創傷治療システム。
【請求項2】
前記第2のセンサ情報は、酸素出口と制限気流エンクロージャとの結合部における閉塞を示す閉塞アラームを提供する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記閉塞は、創傷部位で生成され且つ制限気流エンクロージャへの酸素出口の結合部に配置される滲出液によって引き起こされる、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記陰圧システムを作動させて、制限気流エンクロージャから陰圧出口を通る流体流を生成することは、酸素出口の制限気流エンクロージャへの結合部に配置される浸出液を除
去するように作用する、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記閉塞は、酸素濃縮器によって生成され、制限気流エンクロージャ内の圧力が最大圧力を超えるように酸素出口を通って制限気流エンクロージャに提供される、酸素の量によって引き起こされる、請求項2に記載のシステム。
【請求項6】
前記陰圧システムを作動させて制限気流エンクロージャから陰圧出口を通る流体流を生成することは、創傷部位で生成される浸出物を制限気流エンクロージャから除去するように作用する、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記陰圧システムを作動させて制限気流エンクロージャから陰圧出口を通る流体流を生成することは、最小のシール圧力が設定された期間維持されないときに、包帯材シールを達成するように作用する、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
流体飽和センサを介した陰圧システムの作動は、制限気流エンクロージャから陰圧出口を通る流体流を生成し、創傷部位で生成される浸出物を制限気流エンクロージャから除去するように作用する、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記陰圧システムを作動させて、制限気流エンクロージャから陰圧出口を通る流体流を生成することは、その制限気流エンクロージャ内の酸素濃度を可能な限り迅速に最大にするように作用する、請求項1に記載のシステム。
【国際調査報告】