(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-23
(54)【発明の名称】外側へ突出する点構成を両端に有さない閉鎖栓
(51)【国際特許分類】
A61B 17/12 20060101AFI20220616BHJP
【FI】
A61B17/12
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021561972
(86)(22)【出願日】2020-04-28
(85)【翻訳文提出日】2021-10-18
(86)【国際出願番号】 CN2020087406
(87)【国際公開番号】W WO2020221233
(87)【国際公開日】2020-11-05
(31)【優先権主張番号】201910355451.X
(32)【優先日】2019-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201920611275.7
(32)【優先日】2019-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518235000
【氏名又は名称】上海錦葵医療器械股分有限公司
【氏名又は名称原語表記】MALLOW MEDICAL (SHANGHAI)CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Building 15,No.388 Yindu Road,Xuhui District,Shanghai200231,China
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 瑾
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 健
(72)【発明者】
【氏名】▲孫▼ ▲クン▼
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼ 弘
(72)【発明者】
【氏名】▲馬▼ 彩霞
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160DD03
4C160DD52
4C160DD65
4C160MM33
(57)【要約】
本発明は、網状体と、第一綴じ端における網糸で構成される複数の網目を通り抜けるように設置され、第一綴じ端の綴じを実現する第一綴じ線と、第二綴じ端における網糸で構成される複数の網目を通り抜け、第二綴じ端の綴じを実現する第二綴じ線とを含む、外側へ突出する点構成を両端に有さない閉鎖栓を開示している。従来の技術におけるネジ付きの接続手段を有する閉鎖栓に比べると、本発明におけるこのような技術的手段が、加工を容易にし、不良率を低くして、コストを省くことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向して設置される第一綴じ端及び第二綴じ端を有する網状体と、
前記第一綴じ端における網糸で構成される複数の網目を通り抜けるように設置され、前記第一綴じ端の綴じを実現する第一綴じ線と、
前記第二綴じ端における網糸で構成される複数の網目を通り抜けるように設置され、前記第二綴じ端の綴じを実現する第二綴じ線と、を含むことを特徴とする外側へ突出する点構成を両端に有さない閉鎖栓。
【請求項2】
前記第一綴じ端及び前記第二綴じ端は、それぞれ、外側へ突出する点を有さないことを特徴とする請求項1に記載の外側へ突出する点構成を両端に有さない閉鎖栓。
【請求項3】
前記第二綴じ線は環状綴じ線を有しており、前記環状綴じ線は、前記第二綴じ端における網糸で構成される複数の網目を通り抜けるように設置され、前記第二綴じ端の綴じを実現し、前記環状綴じ線は、接続部材として、前記外側へ突出する点構成を両端に有さない閉鎖栓を転送する転送機器に接続されることを特徴とする請求項1に記載の外側へ突出する点構成を両端に有さない閉鎖栓。
【請求項4】
前記第二綴じ線は環状綴じ線及び転送線を有しており、前記環状綴じ線は、前記第二綴じ端における網糸で構成される複数の網目を通り抜けるように設置され、前記第二綴じ端の綴じを実現し、
前記転送線は、前記外側へ突出する点構成を両端に有さない閉鎖栓を転送する転送機器に接続されるように、その両端がそれぞれ前記環状綴じ線に接続されることを特徴とする請求項1に記載の外側へ突出する点構成を両端に有さない閉鎖栓。
【請求項5】
前記網状体、前記第一綴じ線及び前記第二綴じ線は、それらの材質が、それぞれ、植え込み可能な素材であって、
(1)ステンレス鋼、コバルト基合金、チタン及びチタン合金、ニッケルチタン合金形状記憶素材を含む、金属及びその合金素材;
(2)ナイロン、ポリエステル樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、超高分子量ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリウレタン、シリコーン、ポリアクリロニトリルを含む、生分解不可能な生体不活性医療用高分子素材;
(3)ポリラクチド、ポリグリコール酸、ポリカプロラクトン、ポリ (p-ジオキサノン)、およびこれらを含む共重合体または混合物を含む、生分解性医療用素材という素材から選ばれた少なくとも一つであることを特徴とする請求項1に記載の外側へ突出する点構成を両端に有さない閉鎖栓。
【請求項6】
前記網状体は、網糸で編み合わせられるものであり、又は、3D印刷の方法で作製されることを特徴とする請求項1に記載の外側へ突出する点構成を両端に有さない閉鎖栓。
【請求項7】
繊維編み物、不織布又は薄膜が内部に設置されていることを特徴とする請求項1に記載の外側へ突出する点構成を両端に有さない閉鎖栓。
【請求項8】
心房中隔欠損閉鎖栓、動脈管開存症閉鎖栓、心室中隔欠損症閉鎖栓、卵円孔開存閉鎖栓、左心耳閉鎖栓又は血管閉鎖栓であることを特徴とする請求項1~7の何れか一項に記載の外側へ突出する点構成を両端に有さない閉鎖栓。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、出願日が2019/4/29である201910355451X及び2019206112757という中国特許出願に基づいて優先権を主張しており、上記の中国特許出願の全文をここで援用するものである。
【0002】
本発明は、先天性心疾患、又は、心房中隔欠損、動脈管開存症、心室中隔欠損症、卵円孔開存、左心耳・血管や他の閉鎖組織腔などを閉鎖で治療することが必要となる疾患を治療するための、外側へ突出する点構成を両端に有さない閉鎖栓に関する。
【背景技術】
【0003】
従来の技術では、閉鎖栓は、一般的に、転送機器に接続されて閉鎖栓を転送するように、雌ネジを有する接続手段が一端に設けられる。雌ネジは、その加工がやや難しく、しかも、加工の際に比較的高い不良率があるため、素材を無駄にすると共に人件費を高めることになってしまう。生分解可能な閉鎖栓が発展するにつれ、ネジ接続手段を有する生分解可能な閉鎖栓を作製することが難しくなる。故に、本手段による方法により、外側へ突出する点構成を両端に有さない閉鎖栓を作製することが可能となる。腫瘍や血管性病変(血管疾患)を治療するにあたって、出血を制御し、閉鎖栓を病変器官の供給血管に移植してそれらを閉塞し、血液供給を遮断することもできる。また、幾つかの閉鎖栓を組織腔に配置して、組織腔を閉鎖し内部物質の転送を遮断することもできる。
【0004】
以上より、従来の技術では、閉鎖栓の接続手段にネジを有することにより作製が難しくなり、製造のコストも高まる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする技術問題は、従来の技術に、閉鎖栓の接続手段にネジを有することにより作製が難しくなり製造コストが高まるという欠陥を克服すべく、外側へ突出する点構成を両端に有さない閉鎖栓を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以下の技術的手段により、上記の技術的問題を解決する。
外側へ突出する点構成を両端に有さない閉鎖栓であって、対向して設置される第一綴じ端及び第二綴じ端を有する網状体と、前記第一綴じ端における網糸で構成される複数の網目を通り抜けるように設置され、前記第一綴じ端の綴じを実現する第一綴じ線(closing line)と、前記第二綴じ端における網糸で構成される複数の網目を通り抜けるように設置され、前記第二綴じ端の綴じを実現する第二綴じ線と、を含むことを特徴とする。
【0007】
好ましくは、前記第一綴じ端及び前記第二綴じ端は、それぞれ、外側へ突出する点を有さない。
【0008】
本技術的手段において、前記第一綴じ端及び前記第二綴じ端はそれぞれ外側へ突出する点を有さないというのは、閉鎖栓における二つの綴じ端が位置する閉鎖栓外面が平滑な表面であるということを意味する。上記の設置は、まず、当該外側へ突出する点構成を両端に有さない閉鎖栓における平滑な表面が、内皮細胞の上昇をより助長する。つまり、閉鎖栓の表面に急速に内皮を形成すると共に内皮化する時間を短くし、手術後に回復期間を短縮させることができる。次に、当該外側へ突出する点構成を両端に有さない閉鎖栓は、その周囲組織に対する損害が極めて小さい。
【0009】
好ましくは、前記第二綴じ線は環状綴じ線を有しており、前記環状綴じ線は、前記第二綴じ端における網糸で構成される複数の網目を通り抜けるように設置され、前記第二綴じ端の綴じを実現する。前記環状綴じ線は、接続部材として、前記外側へ突出する点構成を両端に有さない閉鎖栓を転送する転送機器に接続される。
【0010】
好ましくは、前記第二綴じ線は環状綴じ線及び転送線を有しており、前記環状綴じ線は、前記第二綴じ端における網糸で構成される複数の網目を通り抜けるように設置され、前記第二綴じ端の綴じを実現する。前記転送線は、前記外側へ突出する点構成を両端に有さない閉鎖栓を転送する転送機器に接続されるように、その両端がそれぞれ前記環状綴じ線に接続される。
【0011】
上記の設置を用いると、転送線は転送機器の接続部材に容易に接続することができ、転送を一層確実に実現することができる。
【0012】
好ましくは、前記網状体、前記第一綴じ線及び前記第二綴じ線は、それらの材質が、それぞれ植え込み可能な素材であって、
(1)ステンレス鋼、コバルト基合金、チタン及びチタン合金、ニッケルチタン合金形状記憶素材を含む、金属及びその合金素材;
(2)ナイロン、ポリエステル樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、超高分子量ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリウレタン、シリコーン、ポリアクリロニトリルを含む、生分解不可能な生体不活性医療用高分子素材;
(3)ポリラクチド、ポリグリコール酸、ポリカプロラクトン、ポリ(p-ジオキサノン)およびこれらを含む共重合体または混合物を含む、生分解性医療用素材という素材から選ばれた少なくとも一つである。
【0013】
説明すべきところは、網状体、第一綴じ線、第二綴じ線の材質が、第(1)乃至(3)種類の材質のうちのいずれか一種に含まれる一つ又は複数の材質から選ばれたものであってもよいし、第(1)乃至(3)種類の材質のうちの二つ又は複数の分類に含まれる一つ又は複数の材質から選ばれたものであってもよい。
【0014】
好ましくは、前記網状体は、網糸で編み合わせられるものであり、又は、3D印刷の方法で作製される。
【0015】
好ましくは、前記外側へ突出する点構成を両端に有さない閉鎖栓は、繊維編み物、不織布又は薄膜が内部に設置されている。
【0016】
上記の設置を用いると、繊維布、不織布又は薄膜が、内皮組織細胞を上昇させ、血液又は体液に対する機器のバリアを高めることができる。
【0017】
好ましくは、前記外側へ突出する点構成を両端に有さない閉鎖栓は、心房中隔欠損閉鎖栓、動脈管開存症閉鎖栓、心室中隔欠損症閉鎖栓、卵円孔開存閉鎖栓、左心耳閉鎖栓又は血管閉鎖栓である。
【0018】
本分野の技術常識を満たしているという前提では、上記の各好ましい条件を任意に組み合わせても、本発明の各好ましい実施例を取得することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る積極的な進歩や効果が以下の通りである。
本発明が開示している外側へ突出する点構成を両端に有さない閉鎖栓は、両端にそれぞれ綴じ線により環状構成にて綴じられており、綴じ線又は転送線は、転送機器に捕らえられて閉鎖栓を転送することができる。従来技術におけるネジ付き接続手段を有する閉鎖栓に比べると、本発明におけるこのような技術的手段は、加工の難しさを減らして、不良率を低くして、コストを省くことができる。外側へ突出する点構成を両端に有さない閉鎖栓は、フィット性が良く、安全かつ効果的に心臓欠損又は閉じられない箇所を閉鎖し、手術後に、超音波で検査すると、残されている分流が極めて低下しており、血小板が従来においてリベットを両端に有する閉鎖栓に露出しているリベットに吸着されてしまうのを低減したり避けたりすることにより、閉鎖栓の一部に血栓を形成するリスクを抑制し、根本的に、閉鎖栓の手術をした後に合併症が発生してしまうことを減少することができる。外側へ突出する点構成を両端に有さない閉鎖栓は、腫瘍や血管性病変を治療することに用いてもよい。腫瘍や血管性病変を治療するにあたって、出血を制御し、閉鎖栓を病変器官の供給血管に移植してそれらを閉塞し、血液供給を遮断することもできる。外側へ突出する点構成を両端に有さない閉鎖栓は、幾つかの組織腔に配置して、組織腔を閉鎖し内部物質の転送を遮断することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の実施例1に係る外側へ突出する点構成を両端に有さない閉鎖栓の正面概略図である。
【
図2】本発明の実施例1に係る外側へ突出する点構成を両端に有さない閉鎖栓の背面概略図である。
【
図3】
図1における中央部分を拡大した概略図である。
【
図4】本発明の実施例1に係る外側へ突出する点構成を両端に有さない閉鎖栓の底面概略図である。
【
図5】本発明の実施例1に係る外側へ突出する点構成を両端に有さない閉鎖栓の立体概略図である。
【
図6】本発明の実施例2に係る外側へ突出する点構成を両端に有さない閉鎖栓における第二綴じ端の一部の立体概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、好ましい実施例を挙げて、図面を参照しながら、本発明を完全的にかつ詳しく説明する。
【0022】
〔実施例1〕
図1乃至5に示すように、外側へ突出する点構成を両端に有さない閉鎖栓1は、網状体10、第一綴じ線20及び第二綴じ線30を含む。網状体10は、その構成が従来技術の構造と同様であり、二つの網状皿を含み、二つの網状皿内には、内皮細胞が上昇するための膜が縫われている。本実施例では、二つの網状皿は、それぞれ窪み形状であり、しかも、窪み方向が同じである。
【0023】
網状体10は、対向して設置される第一綴じ端11及び第二綴じ端12を有しており、第一綴じ端11及び第二綴じ端12は、それぞれ、外側へ突出する点を有さない。
図1における手前に位置するのは第二綴じ端12であり、
図2における手前に位置するのは第一綴じ端11である。第一綴じ線20は、第一綴じ端11における網糸で構成される複数の網目を通り抜けるように設置され、第一綴じ端11の綴じを実現する。第二綴じ線30は、第二綴じ端12における網糸で構成される複数の網目を通り抜けるように設置され、第二綴じ端12の綴じを実現する。そのうち、第二綴じ線30は環状綴じ線を有しており、環状綴じ線は、第二綴じ端12における網糸で構成される複数の網目を通り抜けるように設置され、第二綴じ端12の綴じを実現する。環状綴じ線は、接続部材として、外側へ突出する点構成を両端に有さない閉鎖栓を転送する転送機器に接続される。
【0024】
本実施例では、網状体、第一綴じ線、第二綴じ線は、それらの材質が、それぞれ植え込み可能素材であり、具体的には、ニチノール合金形状記憶素材である。他の代替的な実施形態では、網状体、第一綴じ線、第二綴じ線の材質は、例えばステンレス鋼、コバルト基合金、チタン及びチタン合金のうちの一つ又は複数である金属及びその合金素材を用いてもよいし、例えばナイロン、ポリエステル樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、超高分子量ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリウレタン、シリコーン、ポリアクリロニトリルなどのうちの一つ又は複数である生分解不可能な生体不活性医療用高分子素材を用いてもよいし、例えばポリラクチド、ポリグリコール酸、ポリカプロラクトン、ポリ(p-ジオキサノン)の中の一つ又は複数又はこれらの素材の共重合体又は混合物である生分解性医療用素材を用いてもよい。
【0025】
以上より、両端は、それぞれ綴じ線を用いて環状構成にて綴じられ、そのうちの近位端にある綴じ線が転送機器に捕らえられ、閉鎖栓を転送することができる。従来技術におけるネジ付き接続手段を有する閉鎖栓に比べると、本実施例に係るこのような技術的手段は、使用の際のリスクを低減しながら内皮化する速度を高めることができる。
【0026】
また、第一綴じ端及び第二綴じ端は、それぞれ外側へ突出する点を有さない。まず、当該外側へ突出する点構成を両端に有さない閉鎖栓における平滑な外面が、内皮細胞の上昇をより助長する。つまり、閉鎖栓の表面に急速に内皮を形成すると共に内皮化する時間を短くし、手術後に回復期間を短縮させることができる。次に、当該外側へ突出する点構成を両端に有さない閉鎖栓は、その周囲組織に対する損害が極めて小さい。
【0027】
本実施例では、網状体10は、網糸を編むことによって形成されている。他の代替的な実施形態では、網状体10は、3D印刷の方法で作製されるものであってもよい。
【0028】
また、本実施例では、外側へ突出する点構成を両端に有さない閉鎖栓は、その内部に、内皮組織細胞を上昇させるためのものであって、血液又は体液に対する機器のバリアを高める薄膜がさらに設置されてもよい。他の代替的な実施形態では、外側へ突出する点構成を両端に有さない閉鎖栓は、その内部に、内皮組織細胞を上昇させるためのものであって、血液又は体液に対する機器のバリアを高める、繊維編み物又は不織布がさらに設置されてもよい。
【0029】
外側へ突出する点構成を両端に有さない閉鎖栓は、心房中隔欠損閉鎖栓、動脈管開存症閉鎖栓、心室中隔欠損症閉鎖栓、卵円孔開存閉鎖栓、左心耳閉鎖又は血管閉鎖としてもよいし、他の組織腔を閉鎖する医療機器としてもよい。
【0030】
〔実施例2〕
図6に示すように、本実施例2は実施例1と類似するが、実施例1に、第二綴じ線30に環状綴じ線のみを含み、本実施例2に、第二綴じ線30に環状綴じ線31及び転送線32を有する点が相違する。
環状綴じ線31は、第二綴じ端12における網糸で構成される複数の網目を通り抜けるように設置され第二綴じ端12の綴じを実現する。転送線32は、外側へ突出する点構成を両端に有さない閉鎖栓1を転送する転送機器に接続されるように、両端にそれぞれ環状綴じ線31が接続される。
【0031】
転送線32は、転送機器の接続部材に易く繋がり、転送を一層確実に実現することができる。
【0032】
説明すべきところは、転送線32について、実際の必要性に応じて様々な構成として設置されてもよい。例えば、半環状構成、U型構成等などがよい。転送線32は、環状綴じ線31に接続されて、外側へ突出する点構成を両端に有さない閉鎖栓1を転送する転送機器に接続されれば良い。
【0033】
図6には、模式的目的のために、環状綴じ線31が実際よりも太いことが示されている。
【0034】
本発明の説明では、一実施例に複数の図面を付けており、同一の実施例における同一の部材に対する符号が各図面にそれぞれ示されているわけではない。当業者にとっては、実施例における一つや複数の図面を説明する際に、当該実施例における他の図面を参照して理解可能であるし、表現を明確にして具体的に図面を指さない場合に、当該実施例におけるあらゆる図面を参照しながら理解可能であるとして理解するべきである。
【0035】
本発明の説明において、理解すべきところは、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「天井」、「底部」、「内」や「外」等の用語で示される方位又は位置関係は、図面に基づいて示される方位又は位置関係であり、本発明を説明してその説明を簡単化にするためのものに過ぎず、係る装置又は素子が必ず特定の方位を有しており、特定の方位で構成され又は操作されるということを指示し又は暗に示唆するものではなく、故に、本発明を限定するものとして理解すべきではない。
【0036】
以上、本発明の具体的な実施形態を説明したが、当業者にとって理解すべきところは、これらが例示的説明に過ぎず、本発明の原理及び趣旨を逸脱しない限り、これら実施形態について様々な変形や補正も可能である。故に、本発明の保護範囲は、添付されている請求の範囲に準ずる。
【符号の説明】
【0037】
1 外側へ突出する点構成を両端に有さない閉鎖栓
10 網状体
11 第一綴じ端
12 第二綴じ端
20 第一綴じ線
30 第二綴じ線
31 環状綴じ線
32 転送線
【国際調査報告】