(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-23
(54)【発明の名称】指検知を伴う電子コントローラおよび調節可能な手保定具
(51)【国際特許分類】
G06F 3/01 20060101AFI20220616BHJP
A63F 13/24 20140101ALI20220616BHJP
G06F 3/0338 20130101ALI20220616BHJP
【FI】
G06F3/01 514
A63F13/24
G06F3/0338 411
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021562402
(86)(22)【出願日】2020-04-16
(85)【翻訳文提出日】2021-10-20
(86)【国際出願番号】 US2020028517
(87)【国際公開番号】W WO2020219340
(87)【国際公開日】2020-10-29
(32)【優先日】2019-04-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517160525
【氏名又は名称】バルブ コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ペターセン、ウォルター
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン、フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】コンリー・ザ・フォース、カール・サミュエル
(72)【発明者】
【氏名】ムチャ、ジェフリー・ウォルター
(72)【発明者】
【氏名】ニートフェルド、スコット・ダグラス
(72)【発明者】
【氏名】ヴァンウィク、エリック
(72)【発明者】
【氏名】ベースフルグ、ミカエル
(72)【発明者】
【氏名】ラインバウ、ジェフリー・ジョージ
(72)【発明者】
【氏名】ヤン、ローレンス
(72)【発明者】
【氏名】スロカム、ジェレミー
【テーマコード(参考)】
5B087
5E555
【Fターム(参考)】
5B087AA09
5B087AB02
5B087AB05
5B087BC02
5B087BC06
5B087BC13
5B087BC32
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5B087DD12
5E555AA04
5E555AA63
5E555BA20
5E555BB20
5E555BC01
5E555CA06
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5E555CB20
5E555CB21
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5E555CB45
5E555CC01
5E555CC03
5E555DB53
5E555DC30
5E555FA00
(57)【要約】
電子コントローラは、ヘッドを有するコントローラ本体を含み、ヘッドは、ネック領域でハンドルと隣り合い、少なくとも1つの親指操作制御部を含む。コントローラは、手保定具を含み、手保定具は、閉位置において、ハンドルの外面に対してユーザの手のひらを物理的に付勢するように構成されている。手保定具は、手保定具を開位置に向かって付勢する弾性部材を含む。調節機構は、弾性部材をヘッドに連結し、弾性部材をユーザの第1指間腔に向かって、またはユーザの第1指間腔から離れる方向に調節するように、弾性部材を複数の個別の位置の間で調節することを可能にする。調節機構は、アンカーを含み得、アンカーは、複数の個別の位置の間でヘッドを中心としたその周囲で移動可能であり、2部品ファスナで弾性部材に枢動可能に取り付けられ、弾性部材とアンカーとの間に摩擦部材が介在する。
【選択図】
図13B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
親指、示指、前記親指と前記示指との間の第1指間腔(purlicue)、および手のひらを含む手を有するユーザが操作するための電子システム用のコントローラであって、前記コントローラが、
ヘッドおよびハンドルを有するコントローラ本体であって、前記ヘッドが、ネック領域で前記ハンドルと隣り合い、前記ヘッドが、少なくとも1つの親指操作制御部を含む、コントローラ本体と、
前記コントローラ本体に固定された追跡部材と、
手保定具と、を備え、前記手保定具が、閉位置において、前記ハンドルの外面に対して前記手のひらを物理的に付勢するように構成されており、前記手保定具が、弾性部材を含み、前記弾性部材が、前記弾性部材を複数の個別の位置の間で調節することを可能にする調節機構によって前記ヘッドに調節可能に取り付けられ、前記複数の個別の位置が、少なくとも、前記ユーザが前記コントローラを保持しているときに前記第1指間腔に最も近い第1の位置、および前記ユーザが前記コントローラを保持しているときに前記第1指間腔から最も遠い第2の位置を含む、コントローラ。
【請求項2】
前記調節機構が、アンカーを備え、前記アンカーが、
前記アンカーの第1の端部で前記ヘッドに連結され、
前記ヘッド内に画定されたチャネルを通って延在し、
前記アンカーの第2の端部で前記弾性部材に取り付けられ、
前記複数の個別の位置の間で前記ヘッドを中心としたその周囲で移動可能である、請求項1に記載のコントローラ。
【請求項3】
前記調節機構が、前記ヘッド上に配設されたカラー部分をさらに備え、
前記カラー部分内に複数のディテントが画定され、前記複数のディテントが、前記複数の個別の位置に対応し、
前記アンカーの下側にあるか、または取り付けられた、突起部が、前記複数のディテントのうちのあるディテントにおいて前記カラー部分に係合して、前記複数の個別の位置のうちのある個別の位置に前記アンカーを係止する、請求項2に記載のコントローラ。
【請求項4】
前記調節機構が、前記アンカーを前記ヘッドの中心から半径方向外向き方向に物理的に付勢するための付勢部材をさらに備え、前記突起部が、前記付勢部材に少なくとも部分的に基づいて、前記カラー部分に係合するように物理的に付勢される、請求項3に記載のコントローラ。
【請求項5】
前記複数の個別の位置が、前記第1の位置と前記第2の位置との間の1つ以上の中間位置を含む、請求項1に記載のコントローラ。
【請求項6】
前記アンカーが、2部品ファスナで前記弾性部材に枢動可能に取り付けられ、前記弾性部材と前記アンカーとの間に摩擦部材が介在する、請求項2に記載のコントローラ。
【請求項7】
前記2部品ファスナが、組み立てられたときに、前記摩擦部材に圧縮力を加える、請求項6に記載のコントローラ。
【請求項8】
前記摩擦部材が、ゴムガスケットである、請求項6に記載のコントローラ。
【請求項9】
親指、少なくとも示指を含む指、前記親指と前記示指との間の第1指間腔、および手のひらを含む手を有するユーザが操作するための電子システム用のコントローラであって、前記コントローラが、
ヘッドおよびハンドルを有するコントローラ本体であって、前記ヘッドが、ネック領域で前記ハンドルに連結され、前記ヘッドが、少なくとも1つの親指操作制御部を含む、コントローラ本体と、
手保定具であって、前記手保定具が、閉位置において、前記ハンドルの外面に対して前記手のひらを物理的に付勢するように構成されており、前記手保定具が、弾性部材を含む、手保定具と、
調節機構と、を備え、前記調節機構が、前記弾性部材を前記ヘッドに連結し、前記弾性部材を複数の個別の位置の間で調節することを可能にし、前記複数の個別の位置が、少なくとも、前記ユーザが前記コントローラを保持しているときに前記第1指間腔に最も近い第1の位置、および前記ユーザが前記コントローラを保持しているときに前記第1指間腔から最も遠い第2の位置を含む、コントローラ。
【請求項10】
前記調節機構が、ラジアルアームを備え、前記ラジアルアームが、
前記ラジアルアームの第1の端部で前記ヘッドに連結され、
前記ヘッド内に画定されたチャネルを通って延在し、
前記ラジアルアームの第2の端部で前記弾性部材に取り付けられ、
前記複数の個別の位置の間で前記ヘッドを中心としたその周囲で移動可能である、請求項9に記載のコントローラ。
【請求項11】
前記調節機構が、
前記ヘッド上の複数のディテントであって、前記複数のディテントが、前記複数の個別の位置に対応する、複数のディテントと、
前記ラジアルアームの下側にあるか、または取り付けられた、突起部と、をさらに備え、前記突起部が、前記複数のディテントのうちのあるディテントに係合して、前記複数の個別の位置のうちのある個別の位置に前記ラジアルアームを係止する、請求項10に記載のコントローラ。
【請求項12】
前記調節機構が、前記ラジアルアームを前記ヘッドの中心から半径方向外向き方向に物理的に付勢するための付勢部材をさらに備え、それにより、前記突起部が前記ディテントに係合される、請求項11に記載のコントローラ。
【請求項13】
前記複数の個別の位置が、前記第1の位置と前記第2の位置との間の1つ以上の中間位置を含む、請求項9に記載のコントローラ。
【請求項14】
前記ラジアルアームが、2部品ファスナで前記弾性部材に枢動可能に取り付けられ、前記弾性部材と前記ラジアルアームとの間に摩擦部材が介在する、請求項10に記載のコントローラ。
【請求項15】
親指、少なくとも示指を含む指、前記親指と前記示指との間の第1指間腔、および手のひらを含む手を有するユーザが操作するための電子システム用のコントローラであって、前記コントローラが、
ヘッドおよびハンドルを有するコントローラ本体であって、前記ヘッドが、ネック領域で前記ハンドルに連結され、前記ヘッドが、少なくとも1つの親指操作制御部を含む、コントローラ本体と、
手保定具であって、前記手保定具が、閉位置において、前記ハンドルの外面に対して前記手のひらを物理的に付勢するように構成されており、前記手保定具が、弾性部材を含む、手保定具と、
前記弾性部材に取り付けられたアンカーと、を備え、前記アンカーが、前記弾性部材を前記第1指間腔に向かって、または前記第1指間腔から離れる方向に調節するように、複数の個別の位置の間で前記ヘッドを中心としたその周囲で移動可能であり、前記複数の個別の位置が、少なくとも、前記ユーザが前記コントローラを保持しているときに前記第1指間腔に最も近い第1の位置、および前記ユーザが前記コントローラを保持しているときに前記第1指間腔から最も遠い第2の位置を含む、コントローラ。
【請求項16】
前記アンカーが、
前記アンカーの第1の端部で前記ヘッドに連結され、
前記ヘッド内に画定されたチャネルを通って延在し、
前記アンカーの第2の端部で前記弾性部材に取り付けられる、請求項15に記載のコントローラ。
【請求項17】
前記ヘッドの面板の下で、前記ヘッド上に配設されたカラー部分をさらに備え、
前記カラー部分内に複数のディテントが画定され、前記複数のディテントが、前記複数の個別の位置に対応し、
前記アンカーの下側にあるか、または取り付けられた、突起部が、前記複数のディテントのうちのあるディテントにおいて前記カラー部分に係合して、前記複数の個別の位置のうちのある個別の位置に前記アンカーを係止する、請求項15に記載のコントローラ。
【請求項18】
前記調節機構が、前記アンカーを前記ヘッドの中心から半径方向外向き方向に物理的に付勢するための付勢部材をさらに備え、前記突起部が、前記付勢部材に少なくとも部分的に基づいて、前記カラー部分に係合するように物理的に付勢される、請求項17に記載のコントローラ。
【請求項19】
前記カラー部分内に画定された前記複数のディテントが、前記第1の位置に対応する第1のディテントと、前記第2の位置に対応する第2のディテントと、前記第1の位置と前記第2の位置との間の1つ以上の中間位置に対応する1つ以上の中間ディテントと、を含む、請求項17に記載のコントローラ。
【請求項20】
前記アンカーが、2部品ファスナで前記弾性部材に枢動可能に取り付けられ、前記弾性部材と前記アンカーとの間に摩擦部材が介在する、請求項15に記載のコントローラ。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
これは、2019年4月23日に出願された「ELECTRONIC CONTROLLER WITH FINGER SENSING AND AN ADJUSTABLE HAND RETAINER」と題された米国特許出願第16/392,497号の優先権を主張するPCT出願であり、本出願は、2017年12月7日に出願された「ELECTRONIC CONTROLLER WITH FINGER SENSING AND AN ADJUSTABLE HAND RETAINER」と題された、係属中の所有者が共通する米国特許出願第15/834,372号の一部継続として米国特許法第120条に基づく優先権を主張し、米国特許出願第15/834,372号自体は、2017年8月17日に出願された「ELECTRONIC CONTROLLER WITH HAND RETAINER AND FINGER MOTION SENSING」と題された、係属中の米国特許出願第15/679,521号の一部継続として米国特許法第120条に基づく優先権を主張し、米国特許出願第15/679,521号自体は、2016年10月11日に出願された米国特許出願第29/580,635号、現在は特許第D806,173号の一部継続としての優先権を主張し、2017年6月16日に出願された米国仮特許出願第62/520,958号の優先権を主張するものである。出願第16/392,497号、同第15/834,372号、同第15/679,521号、同第29/580,635号、および同第62/520,958号は、これらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
ビデオゲーム業界は、大きく、かつ重要になっており、ソフトウェアおよび関連ハードウェアの両方で多くの発明を生み出してきた。様々なハンドヘルドビデオゲームコントローラが、様々なゲームアプリケーションのために設計、製造、および販売されている。これらの発明のいくつかは、産業機械、防衛システム、ロボット工学のコントローラなど、ビデオゲーム業界以外への適用可能性を有する。仮想現実(VR)システムは、ビデオゲーム業界の内外の両方で、現代的に大きな関心および迅速な技術進歩を有するアプリケーションである。VRシステム用のコントローラは、多くの場合、使いやすさなどといった特定の所望の特性を最適化しながら、いくつかの異なる機能を実行し、厳密な(かつ場合によっては競合する)設計制約を満たす必要がある。したがって、当技術分野では、VRシステムを改善し得る、および/またはユーザ操作をより容易にし得る、改善されたコントローラ設計が必要である。
【図面の簡単な説明】
【0003】
【
図1】手保定具が開位置にある、本発明の例示的な実施形態によるコントローラを図示する。
【0004】
【
図2】手のひらを上にしたユーザの開いた手の中にある
図1のコントローラを図示する。
【0005】
【
図3】ユーザの閉じた手の中にある
図1のコントローラを図示する。
【0006】
【
図4】手のひらを下にしたユーザの手の中にある
図1のコントローラを図示する。
【0007】
【
図5】手保定具が開位置にある、本発明の例示的な実施形態による一対のコントローラを図示する。
【0008】
【
図6A】本発明の別の例示的な実施形態による右手コントローラの正面図を図示する。
【0009】
【0010】
【
図7A】本発明の一実施形態による、赤外線センサ用の窓を図示する。
【0011】
【
図7B】本発明の別の実施形態による、赤外線センサ用の窓を図示する。
【0012】
【
図8】
図6Aの右手コントローラの側面図を示し、コントローラのハンドルの管状ハウジングを部分的に包む外側シェルが分解されて、その内面上の器具を明らかにしている。
【0013】
【
図9A】コントローラのハンドルの管状ハウジングを部分的に包む外側シェルが分解されている、
図6Aの右手コントローラの断面を図示する。
【0014】
【
図9B】外側シェルがその通常動作位置に設置されている点で異なる、
図9Aの断面を図示する。
【0015】
【
図10A】部分的に閉じられた手保定具を伴う、本発明の別の例示的な実施形態による右手コントローラの正面図を図示する。
【0016】
【
図10B】手保定具が全開である点で異なる、
図10Aのコントローラの正面図を図示する。
【0017】
【
図11A】本発明の例示的な実施形態によるコントローラのヘッドおよびハンドル構成要素の正面図を図示し、ヘッドを中心としてその周囲を移動し得る手保定具アンカーを含む。
【0018】
【
図11B】ヘッドを中心としたその周囲の手保定具アンカーの選択的調節を容易にし得る係止可能なカラー部分を露出するように面板がヘッドから取り外された点で異なる、
図11Aのヘッドおよびハンドル構成要素を図示する。
【0019】
【
図12A】手保定具構成要素が取り外された、本発明の代替的な実施形態による、部分的に組み立てられたコントローラを図示する。
【0020】
【0021】
【0022】
【
図13A】本発明の例示的な実施形態によるコントローラのヘッドおよびハンドル構成要素の正面図を図示し、ヘッドを中心としてその周囲を移動し得る手保定具アンカーを含む。
【0023】
【
図13B】ヘッドを中心としたその周囲の手保定具アンカーの選択的調節を容易にし得るカラー部分を露出するように面板がヘッドから取り外された点で異なる、
図13Aのヘッドおよびハンドル構成要素を図示する。
【0024】
【
図13C】手保定具アンカーと手保定具の弾性部材との間の枢動するかまたは回転可能なアタッチメントの例を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1~4は、本発明の例示的な実施形態による、電子システム用のコントローラ100を図示する。コントローラ100は、VRビデオゲームシステム、ロボット、武器、または医療デバイスなどの電子システムによって利用され得る。コントローラ100は、ハンドル112を有するコントローラ本体110と、コントローラ100をユーザの手(例えば、ユーザの左手)の中に保定するための手保定具120と、を含み得る。ハンドル112は、任意選択的に実質的に円筒形であり得る、管状ハウジングを備える。この文脈において、実質的に円筒形の形状は、一定の直径、または完全に円形の断面を有する必要はない。
【0026】
図1~4の実施形態では、コントローラ本体110は、1つ以上の親指操作制御部114、115、116を任意選択的に含み得る、ヘッド(ハンドル112と遠位端111との間)を含み得る。例えば、チルトボタン、または任意の他のボタン、ノブ、ホイール、ジョイスティック、もしくはトラックボールは、コントローラ100がユーザの手の中に保持されている間に、通常動作中にユーザの親指によって簡便に操縦され得る場合、親指操作制御部とみなされ得る。
【0027】
コントローラ100は、好ましくは、コントローラ本体110に固定され、かつ2つのノーズ132、134を任意選択的に含む、追跡部材130を含み、ノーズ132、134の各々が、追跡部材130の2つの対向する遠位端のうちの対応する1つから突出している。
図1~4の実施形態では、追跡部材130は、円弧形状を有する追跡弧であることが好ましいが、必須ではない。追跡部材130は、その中に配設された複数の追跡変換器を含み、好ましくは、少なくとも1つの追跡変換器が、各突出ノーズ132、134内に配設されている。追加の追跡変換器がコントローラ本体110内にも配設され得、好ましくは、少なくとも1つの遠位追跡変換器が遠位端111に隣接して配設されている。
【0028】
上記の追跡変換器は、電子システムによって放射される電磁放射線(例えば、赤外線)に応答する追跡センサであってもよく、またはそれらは、代替的に、電子システムによって受信される電磁放射線(例えば、赤外線)を放射する追跡ビーコンであってもよい。例えば、電子システムは、コントローラ100に向かってパルス化された赤外線を広くブロードキャスト、すなわち、描写する、VRゲームシステムであり得、追跡部材130の複数の追跡変換器が、ブロードキャストのパルス化された赤外線を受信するかまたはそれらから遮られ得る、赤外線センサである。各ノーズ132、134内の追跡変換器(例えば、各ノーズ内の3つのセンサ)は、好ましくは、追跡部材130の各遠位端上でユーザの手よりも突き出し、したがって、許容できない量のシャドーイングなしに、より広い角度で、電子システムによって放射される電磁放射線を受信するか、または電子システムに電磁放射線を送信するように、より良好に露出される(ユーザの手の周囲で)。
【0029】
好ましくは、追跡部材130およびコントローラ本体110は、硬質プラスチックなどの実質的に剛性の材料で作製され、それらが互いに対して感知できるほどに並進または回転しないように、しっかりと共に固定される。このようにして、空間内における追跡変換器の配置の並進および回転の追跡は、互いに対する追跡変換器の動きによって複雑にならないことが好ましい。例えば、
図1~4に示されるように、追跡部材130は、2つの場所でコントローラ本体110に接合されることによってコントローラ本体110に固定され得る。手保定具120は、それらの2つの場所に隣接してコントローラ100(コントローラ本体110または追跡部材130のいずれか)に取り付けられて、2つの位置の間でハンドル112の外面に対してユーザの手のひらを付勢し得る。
【0030】
特定の実施形態では、追跡部材130およびコントローラ本体110は、一緒に組み立てられるのではなく、材料の連続性を有する一体的なモノリシック構成要素を含み得る。例えば、追跡部材130およびコントローラ本体110は、単一の射出成形プロセス工程によって一緒に成形され得、追跡部材130およびコントローラ本体110の両方を含む1つの一体的な硬質プラスチック構成要素を結果的にもたらし得る。あるいは、追跡部材130およびコントローラ本体110は、最初に別々に製作され、次いで、一緒に組み立てられてもよい。いずれにせよ、追跡部材130は、コントローラ本体110に固定されているとみなされ得る。
【0031】
手保定具120は、
図1に開位置で示される。手保定具120は、湾曲した弾性部材122によって開位置で任意選択的に付勢されて、ユーザがVRゴーグルによって閉塞された視界でコントローラを掴むときに、手保定具120とコントローラ本体110との間へのユーザの左手の挿入を容易にし得る。例えば、湾曲した弾性部材122は、任意選択的に、弾性的に曲がる可撓性金属片であってもよく、または実質的に弾性的に曲がり得るナイロンなどの代替的なプラスチック材料を含んでもよい。湾曲した弾性部材122は、ユーザの快適さのために、任意選択的に、部分的または完全に、クッションまたは布材料124(例えば、ネオプレンシース)に対して内部にあるか、またはそれらによって被覆され得る。あるいは、クッションまたは布材料124は、ユーザの手に面する湾曲した弾性部材122の側部のみに配設(例えば、接着)され得る。
【0032】
手保定具120は、任意選択的に、例えば、ばね付勢された輪止め128によって締められる引きひも126を含むことによって長さを調節可能であり得る。引きひも126は、ランヤードとして使用され得る余分な長さを任意選択的に有し得る。シース124は、任意選択的に、引きひもに取り付けられ得る。特定の実施形態では、湾曲した弾性部材122は、締められた引きひも126の張力によって予荷重を与えられ得る。そのような実施形態では、湾曲した弾性部材122が手保定具120に与える張力(開位置で手保定具120を付勢するための)は、引きひも126が締められていないときに手保定具を自動的に開かせる。本開示はまた、止め具、弾性バンド(手の甲に対して押し当てるように弾性張力を加えるように、手が挿入されると一時的に伸びる)、長さ調節を可能にするフック&ループストラップアタッチメントなどの、手保定具120の長さを調節するための代替的な従来の手法も企図する。
【0033】
手保定具120は、ハンドル112と追跡部材130との間に配設され、ユーザの手の甲に接触するように構成され得る。
図2は、ユーザの左手がコントローラ100の中に挿入されているが、コントローラ本体110を掴んでいない、操作中のコントローラ100を示す。
図2では、手保定具120は、ハンドル112の外面に対してユーザの手のひらを物理的に付勢するように、閉じられ、手を覆って締め付けられている。そのようにして、手保定具120は、閉じられたとき、手がコントローラ本体110を掴んでいないときでも、コントローラ100を手に保定し得る。
図3および4は、手保定具120が閉じられ、手がコントローラ本体110を掴み、親指が親指操作制御部(例えば、トラックパッド116)のうちの1つ以上を操作しているときの操作中のコントローラ100を図示する。
【0034】
コントローラ本体110のハンドル112は、好ましくは、その外面の周囲に部分的または完全に空間的に分散されている近接センサのアレイを含む。アレイの近接センサは、必ずしも等しいサイズではなく、必ずしもそれらの間に等しい間隔を有していないが、アレイは、グリッドを含み得る。近接センサのアレイは、好ましくは、ハンドル112の外面へのユーザの指の近接度に応答する。例えば、近接センサのアレイは、ハンドル112の外面の下に埋め込まれた複数の静電容量センサであり得、その外面は、電気絶縁材料を含む。そのような静電容量センサのアレイとユーザの手の一部分との間の静電容量は、それらの間の距離と逆相関する。静電容量は、RC発振器回路を静電容量センサアレイの素子に接続し、かつ回路の時定数(したがって、発振の周期および周波数)が静電容量によって変化することになる点に留意することによって検知され得る。このようにして、回路は、ハンドル112の外面からのユーザの指の解放を検出し得る。
【0035】
手保定具120(例えば、手保定ストラップ)がしっかりと閉じられているとき、それは、コントローラ100が手から落ちることを防止するのみならず、ハンドル112の近接センサアレイに対して指が過度に並進することを避けて、指の動きをより確実に検知するように機能し得る。電子システムは、制御されたキャラクタの手を開くこと、指の向き、またはコントローラに対するもしくは互いに対する指の他の動きをレンダリングするために、近接センサアレイからの検知をより良好に使用するために、解剖学的に可能な指の動きを具現化するアルゴリズムを含み得る。このようにして、ユーザのコントローラ100および/または指の運動は、VRゲームシステム、防衛システム、医療システム、産業用ロボットもしくは機械、または別のデバイスを制御することを助け得る。VRシステムアプリケーション(例えば、ゲーム、訓練など)では、システムは、追跡変換器の運動に基づいて投げ出す動きをレンダリングし得、コントローラのハンドルの外面からのユーザの指の検知された解放に基づいて、投げ出された物体の解放をレンダリングし得る。
【0036】
したがって、手保定具120の機能(コントローラ100が実際に手から分離されることなく、または床に投げ出されるかもしくは落とされることなく、ユーザがコントローラ100を「手放す」ことを可能にするための)は、制御された電子システムの追加の機能を可能にし得る。例えば、コントローラ本体110のハンドル112のユーザの掴むことの解放および復帰が検知される場合、そのような解放または掴むことは、投げ出すかまたは掴む物体を表示する(例えば、VR内で)ようにゲーム内に組み込まれ得る。手保定具120により、このような機能を繰り返し安全に達成することができる場合がある。例えば、
図1~4の実施形態の手保定具120の場所は、例えば、ユーザがVR環境内で検知されたプロンプトに応答して移動するとき(例えば、VRゴーグルによって実質的に盲目化されながら)、追跡部材130が現実世界における衝撃からユーザの手の甲を保護することを助け得る。
【0037】
特定の実施形態では、コントローラ100は、コントローラ本体110内に配設された充電式電池を含み得、手保定具120(例えば、手保定ストラップ)は、充電式電池に電気的に連結された導電性充電配線を含み得る。コントローラ100はまた、好ましくは、電子システムの残部と通信するための高周波(RF)送信機も含む。そのようなRF送信機は、充電式電池によって給電され得、親指操作制御部114、115、116、コントローラ本体110のハンドル112内の近接センサ、および/または追跡部材130内の追跡センサに応答し得る。
【0038】
図5に示されるように、特定の実施形態では、コントローラ100は、類似の右コントローラ200を含む一対のコントローラのうちの左コントローラであり得る。特定の実施形態では、コントローラ100および200は、例えば、VR経験を増強するために、ユーザの両手の動きおよび握りを同時に(一緒に)追跡し得る。
【0039】
図6Aは、本発明の別の例示的な実施形態による右手コントローラ600の正面図を図示する。
図6Bは、右手コントローラ600の背面図を図示する。コントローラ600は、ヘッド610およびハンドル612を含むコントローラ本体を有する。
図6Aおよび6Bの実施形態では、ヘッド610は、少なくとも1つの親指操作制御部A、B、608を含み、人差し指によって操作されるように構成された制御部(例えば、トリガ609)も含み得る。ハンドル612は、外側シェル640によって部分的に包まれた管状ハウジングを備える。
【0040】
図6Aおよび6Bの実施形態では、追跡部材630は、ヘッド610で、かつハンドル612の一端でコントローラ本体に固定される。手保定具620は、ヘッド610とハンドル612の一端との間の外側シェル640に対してユーザの手のひらを物理的に付勢するように構成される。手保定具620は、好ましくは、ハンドル612と追跡部材630との間に配設され、長さが調節可能であり、かつユーザの手の甲に接触するように構成される、手保定ストラップを備え得る。
図6Aおよび6Bの実施形態では、手保定具620は、引きひも628を任意選択的に含み、任意選択的に、ひも係止部626(ハンドル612の遠位端に隣接する)によって長さを調節することができ、ひも係止部626は、ひも係止部626の場所で引きひも628によって摺動する動きを選択的に防止する。
【0041】
図6Aおよび6Bの実施形態では、追跡変換器632、633は、追跡部材630上に配設され、追跡変換器633は、追跡部材630の対向する遠位端の突出するノーズ上に配設される。追加の追跡変換器634は、ヘッド610の遠位領域上に任意選択的に配設される。追跡変換器632、633、および634は、電子システム(例えば、仮想現実ゲームシステム)によって放射される電磁放射線(例えば、赤外線)に応答する追跡センサであってもよく、または電子システムによって受信される電磁放射線(例えば、赤外線)を放射する追跡ビーコンであってもよい。例えば、電子システムは、コントローラ600に向かってパルス化された赤外線を広くブロードキャスト、すなわち、描写する、VRゲームシステムであり得、追跡変換器632、633、および634は、ブロードキャストのパルス化された赤外線を受信し得る赤外線センサである。そのような追跡センサの応答は、電子システムに返信され得、システムは、そのような応答を解釈して、コントローラ600の場所および向きを効果的に追跡し得る。
【0042】
追跡変換器632、633、634のうちの1つ以上は、任意選択的に、
図7Aの実施形態に示されるように、または
図7Bの実施形態に代替的に示されるように、または代替的に、示されない従来の手法で構造化され得る。
図7Aの下側部分は、赤外線不透過性プラスチックを含む、上に設けられている窓付きハウジング壁755の長方形部分の下に示される、可撓性回路751に電気的に接続されている赤外線センサ750の分解斜視図を図示する。窓付きハウジング壁755は、窓756を含む。窓756は、好ましくは、赤外線透過性ポリカーボネートプラスチックを含み、赤外線センサ750の厚さを収容するための下側凹部を含み得る。
【0043】
図7Aの実施形態によると、窓付きハウジング壁(例えば、追跡部材630の外側構造、または
図6Aのヘッド610)は、ハウジング壁の大部分が、赤外線不透過性プラスチックから製作されているが、赤外線透過性プラスチックが、赤外線センサ750の上の窓756内に配設されるように、いわゆる「二連式」射出成形プロセスで製作され得る。
【0044】
図7Aの上側部分は、組み立てられた、赤外線センサ750、可撓性回路751、および窓付きハウジング壁755の断面図を図示する。上から窓756に入射する3つの下向き矢印として
図7Aに示される赤外線は、下にある赤外線センサ750によって受光されるように窓756を通過する。ハウジング壁755は、赤外線不透過性プラスチックを含むため、それに当たる赤外線は、通過せず、一部分は、反射されて窓に戻り、赤外線センサ750によって受光される。このようにして、窓756は、ハウジング壁755の大部分が赤外線不透過性プラスチックを含むことにもかかわらず、赤外線が赤外線センサ750に影響を与えることを可能にし、そのため、赤外線センサ750は、好ましい角度範囲のみから赤外線を受光する。
【0045】
あるいは、追跡変換器632、633、634のうちの1つ以上は、任意選択的に、
図7Bの実施形態に示されるように構造化され得る。
図7Bの下側部分は、IR透過性プラスチックを含む、上に設けられているハウジング壁758の長方形部分の下に示される、可撓性回路751に電気的に接続されている赤外線センサ750の分解斜視図を図示する。ハウジング壁758は、窓759(赤外線不透過性フィルム757が存在しない)を含むようにパターン化されている赤外線不透過性フィルム757で被覆される。
【0046】
図7Bの上側部分は、組み立てられた、赤外線センサ750、可撓性回路751、ハウジング壁758、およびIR不透過性フィルム757の断面図を図示する。上からハウジング壁758に入射する3つの下向き矢印として
図7Bに示される赤外線は、赤外線不透過性フィルム757内の窓759を通過し、そこでハウジング壁758を通過して、下にある赤外線センサ750によって受光される。ハウジング壁758が赤外線透過性プラスチックを含むため、それに当たる赤外線は、その中を通過して失われ得、おそらく、内部反射を介して意図せず、かつ望ましくなく、近くのセンサにも到達する場合がある。このようにして、赤外線不透過性フィルム757内の窓759は、赤外線が、赤外線センサ750に主に影響を与えることを可能にする。
【0047】
図8は、右手コントローラ600の側面図を示し、ハンドル612の管状ハウジングを部分的に包む外側シェル640が分解されて、その内面上の器具を明らかにしている。
図8の実施形態では、器具は、外側シェル640の内面に空間的に分散される近接センサのアレイ800を含み得、近接センサのアレイ800は、ユーザの指の外側シェル640の近接度に応答する。アレイの近接センサ800は、必ずしも等しいサイズではなく、互いに規則的または均等に間隔を有する必要もない。特定の実施形態では、近接センサのアレイ800は、好ましくは、外側シェル640の内面に結合されている可撓性回路に接続され得る複数の静電容量センサであり得る。
図8の実施形態では、外側シェル640は、ハンドル612の嵌合する第2の電気コネクタ部分に接続され得る(
図9Aおよび9Bにより詳細に示されるように)第1の電気コネクタ部分805を含む。
【0048】
図9AおよびBは、コントローラのハンドルが、任意選択的に、継目613によって長手方向に分割されている管状ハウジング部分612a、612bを含み、管状ハウジング部分612aおよび612bが隣接することを示す、
図6Aの右手コントローラ600の断面を図示する。
図9Aでは、外側シェル640は、ハンドルの残部から分解されて示される。
図9Bは、外側シェル640がその通常動作位置に設置されている点で異なる、
図9Aの断面を図示する。
図9Aおよび9Bの実施形態では、外側シェル640の第1の電気コネクタ部分805は、コントローラハンドルの第2の電気コネクタ部分905に嵌合し、接続可能であるように示される。
【0049】
図9Aおよび9Bの実施形態では、外側シェル640は、好ましくは、長手方向の継目613と重なるように管状ハウジング612a、612bを部分的に包み、その結果、長手方向の継目613は、近接センサアレイ800の所望の円周方向の場所に適応するのではなく、製造プロセスを最適化するように位置付けられ得る。特定の実施形態では、外側シェル640は、ハンドルの管状ハウジング612a、612bの円周部分Cと重なり、円周部分Cは、ハンドルの管状ハウジング612a、612bの全円周の少なくとも100度、ただし170度以下で角度的に広がる。そのような円周方向の重なりは、特定の実施形態では、近接センサアレイ800が、ユーザの指または手のひらの所望の部分、例えば、掴むことを最良に示す手の領域の近接度を検知することを可能にし得る。
【0050】
ハンドルの管状ハウジング612a、612bは、円形断面を有する必要はなく、単語「円周」は、本明細書では、ハンドルの管状ハウジング612a、612bが円形断面を有するか否かにかかわらず、使用される。本明細書では、「円周」という用語は、ハンドルの管状ハウジング612a、612bを中心とした全周を意味し、全周は、管状ハウジング612a、612bが直円筒である場合、円形であり得るが、全周は、管状ハウジングが非円柱または中空プリズムとして成形される場合、円以外の閉じた形状であり得る。
【0051】
図9Aおよび9Bの実施形態では、プリント基板(PCB)920は、ハンドルの管状ハウジング612a、612b内に装着され得、第2の電気コネクタ部分905は、PCB920に電気的に連結される。PCB920は、任意選択的に、力検知抵抗器(FSR)922を含み、コントローラは、外側シェル640を介して加えられた圧縮力を、ハンドルの管状ハウジング612a、612bの外側に向かってFSR922に内向きに伝達するプランジャ924をさらに備え得る。特定の実施形態では、FSR922は、近接センサアレイ800と併せて、ユーザによる掴むことの開始、およびユーザによるそのような掴むことの相対的強度の両方の検知を容易にし得、このことは、特定のゲームプレイ特徴を容易にし得る。
【0052】
特定の実施形態では、外側シェル640は、ハンドルの管状ハウジング部分612aまたは612bのハウジング壁厚さの3分の1未満であるシェル厚さ(
図9Aおよび9Bで半径方向に測定される)を有する。これらの実施形態では、そのような厚さの不等性は、近接センサアレイ800がハンドルの管状ハウジング612a、612bの上または中に配設される代替的な実施形態と比較して、近接センサアレイ800の感度を改善し得る。
【0053】
図10Aは、部分的に閉じられた手保定具220(例えば、手保定ストラップ)を伴う、本発明の別の例示的な実施形態による右手コントローラ200の正面図を図示する。
図10Bは、手保定具220が全開である点で異なる、コントローラ200の正面図を図示する。
図10Aおよび10Bの実施形態では、コントローラ200は、ヘッド210およびハンドル212を有する、コントローラ本体を含む。ヘッド210は、コントローラ200のネック領域211でハンドル212と隣り合う。ハンドル212は、好ましくは、その外面のすぐ下に空間的に分散され、好ましくは、ハンドル212の外面へのユーザの指の近接度に応答する近接センサのアレイを含む。
【0054】
図10Aおよび10Bの実施形態では、ヘッド210は、親指操作制御部A、B、および208を含む。コントローラ200はまた、ヘッド210で、かつハンドル212の一端でコントローラ本体に好ましくは固定される、追跡部材230を含む。追跡部材230は、好ましくは、電子システムによって放射される電磁放射線(例えば、仮想現実ゲームシステムによって放射されるパルス化された赤外線)に応答するセンサ、または電子システムによって受信される電磁放射線を放射する追跡ビーコンであり得る、複数の追跡変換器を含む。
図10Aおよび10Bの実施形態では、追跡部材230は、円弧形状を有する追跡弧であることが好ましいが、必須ではない。手保定具220は、好ましくは、ハンドル212と追跡部材230との間に配設される。
【0055】
図10Aおよび10Bの実施形態では、コントローラ200は、引きひも228、およびハンドル212の遠位端に隣接するひも係止部226を含む。ひも係止部226は、ひも係止部226における引きひも228による摺動する動きを選択的に防止し得る。
図10Aの実施形態では、引きひも228がひも係止部226をさらに越えて漸進的に引っ張られると、手保定具220は、閉位置により強く引き込まれる(
図10Aに図示される動きの矢印によって示されるように)。閉位置は、ハンドル212の外面に対してユーザの手のひらを物理的に付勢する。
【0056】
図10Aおよび10Bの実施形態では、手保定具220は、好ましくは、
図10Bに示される開位置に向かって手保定具220を付勢する弾性部材(例えば、金属片などの内部または外部の弾性変形可能な片)を含む。
図10Bの実施形態では、ユーザがひも係止部226に引きひも228の相対的な摺動を選択的に解放および許容させるとき、弾性変形された弾性部材の直線化に向かう予荷重の付勢は、手保定具220を自然に開かせる(
図10Bに図示される動きの矢印によって示されるように)。開位置は、特にユーザの視界が仮想現実ゴーグルの装着によって妨げられ得るときに、ユーザの手をコントローラ200に挿入するかまたはそこから引き出すことを容易にし得る。
【0057】
図11Aは、ヘッド210を中心としてその周囲を移動するように調節され得る手保定具アンカー302を含む、コントローラ200のヘッド210およびハンドル212の構成要素の正面図を図示する。
図11Bは、ヘッド210を中心としたその周囲の手保定具アンカー302の選択的調節を容易にし得る係止可能なカラー部分311を露出するように面板がヘッド210から取り外された点で異なる、ヘッド210およびハンドル212の構成要素を図示する。
【0058】
図11Bの実施形態では、係止可能なカラー部分311は、内部円弧ガイド315によって画定される円弧経路に沿って並進し得る。係止可能なカラー部分311は、ユーザによって選択的に係止されて、ヘッド210の周囲を中心としたアンカー302のさらなる運動を防止し得る。ここで、
図4および10A~11Bを参照すると、手保定具220の弾性部材は、ヘッド210の手保定具アンカー302に取り付けられ、これにより、手保定具220を、(ユーザの親指とそれ以外の指との間の)ユーザの第1指間腔(purlicue)に向かって、またはユーザの第1指間腔から離れる方向に調節することができる。特定の実施形態では、手保定具220の弾性部材は、好ましくは、枢動するかまたは回転可能なアタッチメントによってヘッド210の手保定具アンカー302に取り付けられ、それにより、手保定具220は、アタッチメントの場所で手保定具アンカー302に対して枢動し得る。そのような自由度は、ヘッド210の周囲を中心として手保定具アンカー302の位置の調節可能性に付加的である。
【0059】
図12A、12B、および12Cは、ネック領域411内のヘッドに接合されたヘッド410およびハンドル412を含むコントローラ本体を有する、部分的に組み立てられたコントローラ400の代替的な実施形態を図示する。
図12A~12Cの代替的な実施形態では、コントローラ本体は、ネック領域411に隣接して配設されたチャネル414を含む。チャネル414が部分的に不明瞭にならないように
図12Aに示されていない手保定具は、チャネル414内に延在する突起部425内で終端する弾性部材420を含む。
【0060】
図12Bおよび12Cの実施形態では、突起部425は、手保定具が閉位置にあるとき、チャネル414内の突起部の長手方向運動を防止するキャッチ427を含む。例えば、
図12Cの実施形態では、キャッチ427は、手保定具の突起部425の相対角度が手保定具の閉位置に対応するとき、すなわち、手保定具の閉位置が弾性部材420に張力を結果的にもたらすとき(例えば、
図12Cの断面に示される下向き方向で)、チャネル414の内面との摩擦を増加させるカムである。
【0061】
対照的に、手保定具の突起部425が、手保定具の開位置に対応する相対角度に回転されるとき(例えば、
図12Cの断面に示される上向き方向で)、キャッチ427とチャネル414との間の摩擦が低減され、手保定具の突起部425は、チャネル414内で並進し得る(
図12Bに示される動きの矢印によって示されるように)。チャネル414は、好ましくは、チャネル414に沿った手保定具の突起部の並進が、好ましくは、ユーザの手の第1指間腔に向かって、またはユーザの手の第1指間腔から離れる方向に、手保定具の突起部425の相対位置を調節するように、例えば、コントローラ400が異なる手のサイズまたは指の長さに適応し得るように、向き付けされる。代替的な実施形態では、手保定具の突起部425は、従来の枢動接合によって手保定具の残部に枢動可能に取り付けられ得る。そのような回転自由度は、チャネル414に沿った手保持具突起部425の調節可能な並進に付加的である。
【0062】
図13Aは、コントローラ200の、ヘッド210およびハンドル212の構成要素の正面図を図示する。ヘッド210は、コントローラ200のネック領域211でハンドル212と隣り合う。ヘッド210は、親指操作制御部(例えば、A、B、および208)を含む。コントローラ200は、ヘッド210を中心としてその周囲を移動するように調節され得る手保定具アンカー1302(本明細書において「ラジアルアーム1302」と称されることもあり、かつ/または本明細書において「アンカー1302」と短縮されることもある)をさらに含み得る。
図13Bは、内部に画定された複数のディテントを有するカラー部分1311を露出するように面板がヘッド210から取り外された点で異なる、同じヘッド210およびハンドル212の構成要素を図示する。カラー部分1311内に画定されたディテントは、カラー部分1311内の複数の歯によって画定され得る。本明細書で使用される場合、カラー部分1311の「歯」とは、ヘッド210の中心に向かって半径方向内向きに突起する突起部であり、カラー部分1311の「ディテント」とは、カラー部分1311の一対の隣接する歯の間に介在するノッチまたは溝である。カラー部分1311は、金属、プラスチック(例えば、硬質で耐久性のあるプラスチック)、または別の好適な材料で作製され得る。
【0063】
アンカー1302は、アンカー1302の下側に位置する突起部を有し得るか、または突起部に取り付けられ得る。この突起部(例えば、歯)は、カラー部分1311の特定のディテントに係合するために、ヘッド210の中心から半径方向に外向きに向き付けされ得る。つまり、アンカー1302の下側にあるか、または取り付けられた突起部を、カラー部分1311の一対の隣接する歯の間に選択的に位置付けて、特定の位置にアンカー1302を係止することができ、その結果、アンカー1302は、適所に係止されている間、ヘッド210の周囲を中心として移動することはできない。ねじりばねなどの付勢部材1304は、ヘッド210の中心から半径方向外向き方向にアンカー1302を物理的に付勢することができ、これにより、アンカー1302の下側にあるか、または取り付けられた突起部を、特定のディテントでカラー部分1311に係合したままにさせる。したがって、手保定具アンカー1302は、ヘッド210を中心としてその周囲を移動可能であるだけでなく、(
図13Bに図示される半径方向に向き付けされた動きの矢印によって示されるように)ヘッド210の中心に向かって、および中心から離れる方向に、半径方向内向きおよび外向き方向に移動可能でもある。例えば、コントローラ200のユーザは、アンカー1302を半径方内向きに押すことができ、かつそうしている間に、アンカー1302を、ヘッド210を中心としてその周囲で、カラー部分1311の複数のディテントに対応する複数の個別の位置のうちの異なる位置へと移動させることができる。これは、アンカー1302を半径方向内向きに押すことにより、アンカー1302の下側にあるか、または取り付けられた突起部がカラー部分1311の歯を一掃し、それによって、アンカー1302のヘッド210を中心とした周囲運動を可能にするためである。アンカー1302のこの周囲運動は、
図13Bに図示される円周方向に向き付けされた動きの矢印によって示される。
【0064】
カラー部分1311内に画定されたディテントの数は、構成可能であり、所望される調節の範囲に依存し得る。いくつかの実施形態では、カラー部分1311のディテントの数は、約2~6つのディテントの範囲内である。いくつかの実施形態では、カラー部分1311は、5つの個別の位置間でアンカー1302を調節することを可能にし得る、5つのディテントを含む。しかしながら、任意の好適な数のディテントをカラー部分1311内に画定して、ユーザがアンカー1302を、ヘッド210を中心としてその周囲で、複数の個別の位置のうちのいずれかの位置に調節することを可能にすることができる。いくつかの実施形態では、これらの個別の位置は、手保定具220が、コントローラ200を保持しながら手の快適さを最適化するために、ユーザの第1指間腔に向かって、またはユーザの第1指間腔から離れる方向に、調節可能であることをユーザに示す、ネック領域211近くのヘッド210の外面上にある複数の破線などによって、コントローラ200のハウジングの外面上にマークされる。アンカー1302が調節可能である複数の個別の位置は、ユーザがコントローラ200を保持しているときにユーザの手の第1指間腔に最も近い第1の位置と、ユーザがコントローラ200を保持しているときに第1指間腔から最も遠い第2の位置と、任意選択で、第1の位置と第2の位置との間の1つ以上の中間位置と、を含み得る。カラー部分1311および手保定具アンカー1302(カラー部分1311のディテントに係合するアンカー1302の下側にあるか、または取り付けられた突起部/歯を含む)は、本明細書においてコントローラ200の「調節機構」とみなされる部品のアセンブリを構成することを理解されたい。この調節機構により、ユーザがコントローラ200を保持している間に、手保定具220の弾性部材122を、複数の個別の位置の間で、ユーザの手の第1指間腔に向かって、または第1指間腔から離れる方向に調節することができる。
【0065】
図13Bに示されるように、手保定具アンカー1302は、アンカー1302の第1の端部でヘッド210に連結され得る。例えば、アンカー1302は、ヘッド210の中心またはその近くに位置する枢動点に連結され得、枢動点とアンカー1302との間に連結された1つ以上の中間構成要素が存在し得る。アンカー1302は、ネック領域211に隣接するコントローラ200のヘッド210内に画定されたチャネルを通って延在し得る。かかるチャネルは、
図12Aに示されるチャネル414と同様であってもよい。カラー部分1311は、このチャネルに沿って、チャネルのすぐ下に位置付けることができ、これにより、アンカー1302を、アンカー1302がカラー部分1311との係合によって個別の位置に係止されていないときに、チャネル内で自由に移動させる。手保定具アンカー1302は、カラー部分1311から係脱されている間、チャネル内で移動可能であるため、手保定具アンカー1302を、ヘッド210の周囲を中心として円弧経路に沿って並進させることができる。これを行うために、ユーザは、チャネルを介してヘッド210から延在するアンカー1302の一部分を掴み、アンカー1302を半径方向内向きに押し、アンカー1302を半径方向内向きに押しながら、アンカー1302を、ヘッド210の周囲を中心として円弧経路に沿って、複数の個別の位置のうちの特定の位置に並進させることができる。アンカー1302を放つと、またはアンカー1302上の半径方向内向きの圧力を緩和すると、付勢部材1304は、アンカー1302をヘッド210の中心から半径方向外向きに付勢する。アンカー1302は、この半径方向外向きの付勢力により、カラー部分1311を介して、ある位置に最終的に係止される。具体的には、付勢部材1304からの付勢力が、アンカー1302の下側にあるか、または取り付けられた突起部を、カラー部分1311の特定のディテントでカラー部分1311に係合させると、手保定具アンカー1302、ひいては、それに取り付けられた手保定具220が、ヘッド210の周囲を中心としてアンカー1302のさらなる運動を防止するように適所に係止される。
図10Aおよび10Bならびに13Cを参照すると、手保定具220の弾性部材は、ヘッド210の手保定具アンカー1302に取り付けられ、これにより、手保定具220自体を、アンカー1302の対応する運動によって、(ユーザの親指とそれ以外の指との間の)ユーザの第1指間腔に向かって、またはユーザの第1指間腔から離れる方向に調節することができる。
【0066】
特定の実施形態では、手保定具220の弾性部材122は、枢動するかまたは回転可能なアタッチメントによって(例えば、アンカー1302の第2の端部で)手保定具アンカー1302に取り付けられる。このようにして、手保定具220は、アタッチメントの場所で枢動点を中心として、手保定具アンカー1302に対して枢動することができる。そのような自由度は、ヘッド210の周囲を中心として手保定具アンカー1302の位置の調節可能性に付加的である。
図13Cは、手保定具220を手保定具アンカー1302に対して枢動させる、手保定具220の弾性部材122とヘッド210の手保定具アンカー1302との間のかかる枢動するかまたは回転可能なアタッチメントの例を図示する。
【0067】
図13Cは、頂部部分1306(1)および底部部分1306(2)からなる、2部品ファスナ1306を図示する。かかる2部品ファスナ1306の例は、2つの部品1306(1)および1306(2)を有するスナップリベットファスナであり、2つの部品1306(1)および1306(2)は、これらが係止係合にスナップ嵌めされるまで一緒に押されて、ユーザによって容易に分解され得ないファスナ1306を作り出す。係止ナットファスナ、またはアンカー1302内に画定された開口部に位置する枢動点を中心とした手保定具220の枢動運動および/もしくは回転運動を可能にする任意の他のタイプのファスナなど、他のタイプのファスナ1306が本明細書において企図される。
【0068】
弾性部材122がアンカー1302に連結されている場所において、手保持具220の弾性部材122と手保持具アンカー1302との間に摩擦部材1308が介在し得る。例えば、摩擦部材1308は、少なくともコントローラ200が直立した向きにあるとき、アタッチメントの点において、手保定具220の弾性部材122の上、および手保定具アンカー1302の下に配設され得る。摩擦部材1308は、弾性部材122の遠位端との摩擦を増加させ、これにより、手保定具220が所望の位置に保定される。上記の別の方法では、弾性部材122上の摩擦部材1308によって付与される摩擦力の増加は、この摩擦力を克服するための力の量が(例えば、ユーザが枢動点を中心として手保定具200を回転させることによって)手保定具220に加えられない限り、および加えられるまで、手保定具220の自由な回転運動または枢動運動を阻害する。
【0069】
摩擦部材1308は、ゴムガスケット、または比較的高い摩擦係数を有する任意の好適な材料から作製された任意の同様の構成要素であってもよい。2部品ファスナ1306が組み立てられると、ファスナの頂部部分1306(1)がアンカー1302上で摩擦部材1308に向かって下向きに押され、ファスナの底部部分1308(2)が弾性部材122上で摩擦部材1308に向かって上向きに押されることによって、圧縮(またはクランプ)力が摩擦部材1308に加えられる。ファスナの2つの部分1306(1)と1306(2)との間に介在する構成要素に加えられるこの圧縮力は、手保定具220を、アタッチメントの枢動点を中心として回転させるために克服されるべき摩擦力を増加させる。この摩擦部材1308は、2部品ファスナ1306によって加えられる圧縮(またはクランプ)力との組み合わせで、手保定具220を所望の位置に保つのに役立ち、その所望の位置から逸脱する運動を阻害する。これにより、手保定具220を、ゲームプレイの間ずっと、ユーザのために最適化された快適な位置に留まらせる。摩擦部材1308がない状態では、手保定具220は、別様に、重力などの比較的小さな力の影響を受けて所望の位置から逸脱する傾向がより強くなる場合がある。
【0070】
本発明は、本明細書において特定の例示的な実施形態を参照して説明されるが、当業者は、本発明がこれらの例示的な実施形態に限定されないことを認識されよう。本発明の様々な特徴および態様は、個々に、または共同で、および場合によっては異なる環境もしくは用途で使用され得ることが企図される。例えば、右手コントローラに関して示される特徴は、左手コントローラにも実装され得、その逆も同様である。したがって、本明細書および図面は、限定的ではなく、説明的および例示的なものとしてみなされるべきである。例えば、「好ましくは」という単語および「好ましいが必須ではない」という語句は、本明細書では、「必須ではない」または任意選択の意味を一貫して含むように同義語として使用される。「備える(Comprising)」、「含む(including)」、および「有する(having)」は、非限定的用語(open-ended terms)であることが意図される。
【国際調査報告】