(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-23
(54)【発明の名称】デフレクトメトリ測定システム
(51)【国際特許分類】
G01N 21/45 20060101AFI20220616BHJP
G01M 11/02 20060101ALI20220616BHJP
【FI】
G01N21/45 B
G01M11/02 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021562831
(86)(22)【出願日】2020-04-24
(85)【翻訳文提出日】2021-12-02
(86)【国際出願番号】 EP2020061480
(87)【国際公開番号】W WO2020216914
(87)【国際公開日】2020-10-29
(32)【優先日】2019-04-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】BE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521459901
【氏名又は名称】ラムダ-イクス
【氏名又は名称原語表記】LAMBDA-X
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アントワーヌ,フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】ベグイン,ディディエ
(72)【発明者】
【氏名】ジョアン,リュック
【テーマコード(参考)】
2G059
2G086
【Fターム(参考)】
2G059AA02
2G059AA05
2G059CC20
2G059EE09
2G059FF02
2G059GG02
2G059JJ11
2G059JJ22
2G059KK04
2G086HH06
2G086HH07
(57)【要約】
デフレクトメトリによってサンプル(2)を測定するためのシステム(200)であって、-光源面(105)に光ビームを生成するための光源(10)と、-照明ビーム(9)を形成するための照明モジュール(19)であって、第1の収束光学素子(18)と、第1の開口(160)を有する第1の選択光学素子(16)とを備える、照明モジュール(19)と、-パターン(7)を形成するための反射マトリックス光変調手段(30)であって、第1の開口(160)は、反射マトリックス光変調手段(30)上の照明ビーム(9)の角度を制御するように構成される、反射マトリックス光変調手段(30)と、-サンプル(2)上のパターン(7)の角度強度符号化を得るためのシュリーレンレンズ(20)と、-サンプル(2)の画像を検出するための撮像手段(40)および検出手段(50)とを備える、測定するためのシステム(200)。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デフレクトメトリによってサンプル(2)を測定するためのシステム(200)であって、
-光源面(105)に光ビームを生成するための光源(10)と、
-照明モジュール(19)であって、
第1の収束光学素子(18)と、
第1の開口(160)を有する第1の選択光学素子(16)であって、前記光源面(105)と前記第1の収束光学素子(18)との間に配置される第1の選択光学素子(16)と、を備え、
前記光源(10)の前記光ビームから照明ビーム(9)を生成するように構成されている、照明モジュール(19)と、
-前記照明ビーム(9)からパターン(7)を形成するための、反射におけるマトリックス光変調手段(30)であって、
前記第1の開口(160)は、反射における前記マトリックス光変調手段(30)上への前記照明ビーム(9)の入射角を制御するように構成されている、マトリックス光変調手段(30)と、
-シュリーレンレンズ(20)であって、前記測定システム(200)が、前記パターン(7)を検査光ビーム(99)内に符号化する角度強度を得るために、前記パターン(7)が前記シュリーレンレンズ(20)を照明するように適合されるように構成される、シュリーレンレンズ(20)と、
-前記検査ビーム線(99)と前記サンプル(2)との相互作用後に前記サンプル(2)の画像を形成するための撮像手段(40)であって、前記シュリーレンレンズ(20)は、前記マトリックス光変調手段(30)と前記撮像手段(40)との間に、前記光源(10)が活性化された場合に前記光源(10)によって生成される光ビームの光路に沿って配置される、撮像手段(40)と、
-前記撮像手段(40)によって形成された前記サンプル(2)の前記画像を検出するためのマトリックス検出手段(50)と、
を備える、測定システム(200)。
【請求項2】
前記マトリックス光変調手段(30)が、前記光源面(105)と光学的に共役する変調面(195)に配置され、前記照明ビーム(9)が、以下の手段、
-前記光源面(105)に配置された第2の開口(120)を有する第2の選択光学素子(12)と、
-前記変調面(195)に配置された第3の開口(360)を有する第3の選択光学素子(36)と、
-空間的に制限された光源(15)を含む光源(10)であって、好ましくは前記光源(15)が発光ダイオードマトリックスである、光源(10)と、
のうちの少なくとも1つによる反射における前記マトリックス光変調手段(30)の前記レベルで空間的に制限されることを特徴とする、請求項1に記載の測定システム(200)。
【請求項3】
前記第1の選択光学素子(16)が、前記第1の収束光学素子(18)の物体焦点面(185)に配置されることを特徴とする、請求項1から2のいずれか一項に記載の測定システム(200)。
【請求項4】
-第3の開口(360)を有する第3の選択光学素子(36)であって、前記マトリックス光変調手段(30)の前記レベルに配置される第3の選択光学素子(36)をさらに備えることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の測定システム(200)。
【請求項5】
前記照明モジュール(19)が、
前記光源(10)と前記第1の選択光学素子(16)との間に配置され、
・その物体焦点面は前記光源面(105)と一致し、
・その像焦点面は、前記第1の収束光学素子(18)と前記第2の収束光学素子(14)との間に配置された前記第1の収束光学素子(18)の前記物体焦点面(185)と一致するように構成された、
第2の収束光学素子(14)を備える、照明モジュール4Fであって、
前記照明モジュール(19)の前記像平面は、前記第1の収束光学素子(18)の前記像焦点面と一致することを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の測定システム(200)。
【請求項6】
前記マトリックス光変調手段(30)がマトリックス位相変調手段(30)であることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の測定システム(200)。
【請求項7】
前記マトリックス位相変調手段(30)がシリコンマトリックス上の液晶を備えることを特徴とする、請求項6に記載の測定システム(200)。
【請求項8】
-前記照明モジュール(19)から生じる前記照明ビーム(9)から、
・前記マトリックス光変調手段(30)に向けられた第1の光路(61)に沿って前記ビームスプリッタ(60)によって偏向された第1の光ビーム(91)と、
・前記マトリックス光変調手段(30)によって偏向された前記第1の光ビーム(91)の反射から生じる、第2の光路(62)に沿って前記ビームスプリッタ(60)によって透過された第2の光ビーム(92)と、
を得るように構成されたビーム分岐手段(60)、
をさらに備えることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の測定システム(200)。
【請求項9】
前記第1の光路(61)と前記第2の光路(62)とが平行であることを特徴とする、請求項8に記載の測定システム(200)。
【請求項10】
-前記照明モジュール(19)から生じる前記照明ビーム(9)から、
・前記マトリックス光変調手段(30)に向けられた第1の光路(61)に沿って前記ビームスプリッタ(60)によって透過された第1の光ビーム(91)と、
・前記マトリックス光変調手段(30)によって透過された前記第1の光ビーム(91)の反射から生じる、第2の光路(62)に沿って前記ビームスプリッタ(60)によって偏向された第2の光ビーム(92)と、
を得るように構成されたビーム分岐手段(60)、
をさらに備えることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の測定システム(200)。
【請求項11】
前記第1の光路(61)と前記第2の光路(62)とが垂直であることを特徴とする、請求項10に記載の測定システム(200)。
【請求項12】
前記ビーム分岐手段(60)が、偏光ビームスプリッタ(60)、好ましくは偏光ビームスプリッタキューブ(60)を備えることを特徴とする、請求項6に従属する4つの先行する請求項のいずれか一項に記載の測定システム(200)。
【請求項13】
前記照明モジュール(19)から生じる前記照明ビーム(9)は光軸Aに沿って導かれ、前記偏光ビームスプリッタ(60)は、前記光軸Aが前記第2の光路(62)に対して垂直であるように構成されることを特徴とする、請求項12に記載の測定システム(200)。
【請求項14】
前記光源(10)が、光源(15)と、前記光源(15)から生じる光ビームを空間的に制限するための第2の開口(120)を有する第2の選択手段(12)とを備えることを特徴とする、請求項1から13のいずれか一項に記載の測定システム(200)。
【請求項15】
前記第2の選択手段(12)が前記光源面(105)に配置されることを特徴とする請求項14に記載の測定システム(200)。
【請求項16】
前記光源(10)が空間的に制限された光源(15)を備え、好ましくは前記光源がLEDマトリックスであることを特徴とする、請求項1から15のいずれか一項に記載の測定システム(200)。
【請求項17】
-前記光ビームが、空間的に制限された光ビーム表面積S
10に従って空間的に制限され、
-前記マトリックス光変調手段(30)が、
【数1】
式中、γは、請求項5に記載の照明モジュール(19)の倍率であり、その結果、
【数2】
式中、f
1は第1の収束光学素子(18)の焦点距離に相当し、f
2は第2の収束光学素子(14)の焦点距離に相当するように、光変調表面積S
30を有する、
ことを特徴とする、請求項5に従属する場合の先行する請求項のいずれか一項に記載の測定システム(200)。
【請求項18】
前記第1の開口(16)が、50mm
2未満、好ましくは25mm
2未満、さらにより好ましくは10mm
2未満の第1の開口表面積(160)を有することを特徴とする、請求項1から17のいずれか一項に記載の測定システム(200)。
【請求項19】
前記第1の開口(160)が前記光軸Aを中心とすることを特徴とする、請求項1から18のいずれか一項に記載の測定システム(200)。
【請求項20】
前記マトリックス位相変調手段(30)上の反射から生じる前記第2の光ビーム(92)を、第3の光路(63)に沿って前記ビームスプリッタ(60)に反射された第3の光ビーム(93)内に反射させるように配置された非平面ミラー(70)をさらに備えることを特徴とする、請求項10に従属する場合の先行する請求項のいずれか一項に記載の測定システム(200)。
【請求項21】
前記非平面ミラーが凹面であることを特徴とする、請求項20に記載の測定システム(200)。
【請求項22】
前記ビームスプリッタ(60)が偏光ビームスプリッタであり、
前記非平面ミラー(70)と前記偏光ビーム分岐手段(60)との間に配置された1/4波長板をさらに備えることを特徴とする、請求項20から21のいずれか一項に記載の測定システム(200)。
【請求項23】
前記偏光ビームスプリッタ(60)が、前記第3の光路(63)に沿って前記非平面ミラー(70)によって反射された前記第3の光ビーム(93)が、前記偏光ビームスプリッタ(60)によって第4の光路(64)に沿って第4の光ビーム(94)内に偏向されるように構成されることを特徴とする、請求項18および20に記載の測定システム(200)。
【請求項24】
前記偏光ビームスプリッタ(60)が、前記第3の光路(63)に沿って反射された前記第3の光ビーム(93)が、前記偏光ビームスプリッタ(60)によって第4の光路(64)に沿って第4の光ビーム(94)内に透過されるように構成されることを特徴とする、請求項18および20に記載の測定システム(200)。
【請求項25】
-前記第2の光路(62)と前記第3の光路(63)とが略平行であり、
-前記光軸Aと前記第4の光路(64)とが略平行であるように構成されることを特徴とする、請求項23から24のいずれか一項に記載の測定システム(200)。
【請求項26】
前記シュリーレンレンズ(20)が、前記投影装置(100)と前記撮像手段(40)との間に配置されることを特徴とする、請求項1から25のいずれか一項に記載の測定システム(200)。
【請求項27】
前記シュリーレンレンズ(20)が、前記マトリックス位相変調手段(30)と前記撮像手段(40)との間の光路に配置されることを特徴とする、請求項1から26のいずれか一項に記載の測定システム(200)。
【請求項28】
前記撮像手段(40)が、第1の収束撮像光学素子(20;420)と第2の収束撮像光学素子(400)との間に配置された第2の焦平面(405)内に位置する第2の収束点において、一方の像の焦点が他方の物体の焦点と一致するように構成された第1の収束撮像光学素子(20;420)および第2の収束撮像光学素子(400)を備え、
前記撮像手段(40)は、前記マトリックス検出手段(50)上で前記サンプル(2)と相互作用した前記検査ビーム(99)から前記サンプル(2)の画像を形成するように適合されていることを特徴とする、請求項1から27のいずれか一項に記載の測定システム(200)。
【請求項29】
前記撮像手段(40)が、
前記第2の収束点を取り囲む第4の開口を有する第4の選択光学素子(45)をさらに備えることを特徴とする、請求項28に記載の測定システム(200)。
【請求項30】
前記第4の開口が、前記光軸Aに平行に伝搬する前記光ビームの部分を本質的に通過させるように、前記第1の撮像光学素子(20;420)の前記像焦点および前記第2の撮像光学素子(400)の前記物体焦点のレベルに配置されることを特徴とする、請求項29に記載の測定システム(200)。
【請求項31】
前記検査ビーム(99)が前記サンプル(2)との反射において相互作用した後に、前記シュリーレンレンズ(20)が、前記検査ビーム(2)の光路に沿って前記第1の撮像光学素子(420)に取って代わることを特徴とする、先行する3つの請求項のいずれか一項に記載の測定システム(200)。
【請求項32】
前記撮像手段(40)が撮像手段4Fであり、
前記第1の収束光学素子(20;420)は、その物体焦点面が前記サンプル(2)の平面と一致するように、前記シュリーレンレンズ(20)と前記第4の選択手段(45)との間に配置され、
前記第2の収束光学素子(400)は、その像焦点面が前記マトリックス検出手段(50)と一致するように、前記第4の選択手段(45)と前記マトリックス検出手段(50)との間に配置されていることを特徴とする、請求項1から31のいずれか一項に記載の測定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
第1の態様によれば、本発明は、デフレクトメトリ(deflectometrie)測定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
光学産業では、光学素子を正確に、完全に、可能であれば自動化して特性付けることが重要である。特に、複雑な曲率を有する特注の補正レンズまたは眼鏡を開発または製造する場合、各製品が所与の仕様に適合していることを確認できることが望ましい。
【0003】
屈折物体が照明されると、それを通過する波面は物体の形状および屈折率に応じて修正される。光の強度は、物体の光透過特性によっても影響を受ける。同様に、光が反射されると、研究対象の物体の反射面の形状が、波面および反射光の強度に影響を及ぼす。したがって、屈折または反射物体の光学特性は、波面の変化および/またはそれと相互作用した光ビームの強度を測定することによって決定され得る。
【0004】
位相シフト測定方法は、特にデフレクトメトリ、インターフェロメトリ、またはプロフィロメトリに応用することが知られている。位相シフトデフレクトメトリは、レンズまたはミラーを通る光の偏向マップを測定するための実証済みの方法である。位相シフトデフレクトメトリは、測定される同じ物体についての複数の画像の取得を必要とする。このような方法は、十分に短い時間間隔中に複数の画像を取得することによって「リアルタイム」測定用に使用され得る。
【0005】
位相シフト法はまた、半導体ウェハ、平坦なガラスパネル、プラスチックシートなどの検査などの光学素子の特性付け以外の分野でも使用され、光学反射および/または屈折物体の形状および/または表面仕上げが正確かつ効率的に検査される必要がある。
特許文献1は、デフレクトメトリによって光学素子を測定するためのシステムを記載している。特許文献1のシステムは、単一の光学素子の複数の連続画像を取得することを提案している。画像ごとに、分析される対象物上のパターンの強度が入射角に応じて変化するように、分析される対象物上にパターンが投影される。特許文献1に記載されているシステムは、画像の取得速度および測定精度に関して制限を示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
第1の態様によれば、本発明の目的の1つは、より速い取得速度およびより良好な測定精度を可能にするデフレクトメトリ測定システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的のために、本発明者らは、以下を備えるデフレクトメトリによってサンプルを測定するためのシステムを提案するものであり、そのシステムは、
-光源面(source pour)に光ビームを生成するための光源と
-以下の
第1の収束(convergent)光学素子と、
第1の開口を有する第1の選択(selection)光学素子であって、光源面と第1の収束光学素子との間に配置される第1の選択光学素子と
を備える照明モジュールであって、
光源の光ビームから照明ビームを生成するように構成されている、照明モジュールと、
-照明ビームからパターンを形成するための、反射におけるマトリックス光変調手段(modulation optique matriciels)であって、
第1の開口は、反射におけるマトリックス光変調手段上への照明ビームの入射角を制御するように構成されている、マトリックス光変調手段と、
-シュリーレンレンズ(lentille de Schlieren)であって、測定システムがパターンを検査ビームに符号化する角度強度を得るために、パターンがシュリーレンレンズを照明するように適合されるように構成される、シュリーレンレンズと、
検査ビーム線とサンプルとの相互作用後にサンプルの画像を形成するための撮像手段と、
-撮像手段によって形成されたサンプルの画像を検出するためのマトリックス検出手段と、
を備える。
【0009】
本発明のデフレクトメトリ測定システムは、欧州特許第1 454 183号明細書の解決策と比較して、研究対象の物体上に投影される光ビームの輝度の増加のおかげで取得速度を改善することを可能にする。本発明のデフレクトメトリ測定システムはまた、反射における変調手段のより速い速度のおかげで取得速度を改善することを可能にする。本発明のシステムはまた、研究対象の物体上に投影された光ビームの角度に応じた強度のより良好な制御のおかげで、より良好な測定品質を得ることを可能にする。
【0010】
本発明のシステムの利点は、迷光の制御のおかげで良好な測定精度を可能にすることである。いかなる迷光もマトリックス検出手段(カメラ)によって記録される研究対象の画像の品質を低下させるので、迷光の制御、および特にその低減または抑制さえも重要なパラメータである。迷光の不十分な制御は、角度強度符号化後に重大な結果をもたらす可能性がある。実際、記録された強度の測定における任意の誤差(例えば、迷光に起因して)は、サンプルの屈折または反射角の推定における誤差をもたらす可能性がある。サンプルは、調査中の光学素子または測定される光学素子である。有効な解決策は、調査中の素子の有用な視野を照明し、その方向が光デフレクトメトリ測定システムの角度許容性に含まれる光ビームのみを保持するように、サイズおよび発散が正確に制御される光ビームで光変調手段を照明することである。
【0011】
迷光の影響は、マトリックス変調手段上に空間的に制限された光ビームを生成することを可能にし、第1の選択光学素子のレベルに第1の開口を備え、検査ビームによって照明される視野のサイズを制限する、本発明の測定システムによって低減される。第1の開口は、デフレクトメトリ測定システムの視野絞りに相当する。本発明の測定システムは、拡張された光源が反射においてマトリックス光変調手段上に画像化されることを可能にする。システムのこの構成は、マトリックス光変調手段への入射角、したがってマトリックス光変調手段上の反射後の角度が、第1の収束光学素子の上流で照明モジュールに配置された第1の開口部によって制限されるという利点を提供する。
マトリックス光変調手段は、パターンを組み込むことによって、照明モジュールによって生成されたビームをシュリーレンレンズに向けて偏向させる。したがって、本発明の測定システムは、迷光、カメラ上のノイズ光源、したがって測定システムの性能の低下を非常に強力に低減することを可能にする。
【0012】
視野および角度発散の制御のおかげで、本発明の測定システムは迷光を制限することを可能にする。言い換えれば、迷光の制限は、視野および角度発散を制御することによって達成される。特に、照明モジュールの第1の収束光学素子の焦点距離に対する第1の開口のサイズの比は、測定される物体のレベルで視野が制御されることを可能にする。
【0013】
デフレクトメトリ測定が、測定されるべき光学素子によって誘発される屈折角または反射角を符号化する強度の測定に基づくため、本発明の測定システムによる迷光のこの制御は特に重要である。試験対象が測定されると、それは入射ビームを(屈折または反射によって)偏向させる。試験される物体全体の測定のために、投影されるパターンの角度分布は、試験される物体によって誘発される少なくともすべての偏向角を含まなければならない。迷光を低減するために、最小である、すなわち、試験される物体に合わせて調整される、試験される対象に投影されるパターンの角度分布を有することが望ましい。例えば、試験される物体が入射ビームの10°偏向を有するレンズである場合、投影されるパターンの角度分布は10°に制限される。別のレンズが20°の偏差を有する場合、そのとき投影されたパターンの角度分布は、それに応じて、マトリックス光変調手段上の空間的に制限された光ビームのサイズを増加させることによって適合されなければならない。
実際、光学素子、特にコンタクトレンズまたは眼内レンズの測定は、コンタクトレンズのための広い視野または眼内レンズのための大きな角度許容性を必要とする。
【0014】
したがって、本発明のシステムは、有用な光線のみを保持するように、サイズが正確に制御されたビームでマトリックス光変調手段を照射することによって迷光の発生を制限することを可能にする。有用な光線は、測定される領域の視野(測定される物体の)を照明し、その角度分布が測定される物体に対応する光線である。
【0015】
本発明のシステムは、欧州特許第1 454 183号明細書と比較して、投影された光ビームの輝度の増加を可能にする。これは、投影されるパターンの形成中の輝度の損失を低減することによって部分的に達成される。本発明のシステムは、反射におけるマトリックス光変調手段によるパターンの形成を提案する。実際、投影されるパターンを定義することを可能にする光変調手段は、透過に使用される場合、光度の著しい損失を誘発する。投影されるパターンを形成するための反射におけるマトリックス光変調手段の使用は、パターンの生成中の損失の大幅な低減を可能にする。
【0016】
本発明のシステムは、欧州特許第1 454 183号明細書と比較して、光変調手段の下流の光の方向に応じて、低い依存性、またはさらには照明強度の独立性を有することを可能にする。マトリックス光変調手段との相互作用の後に、パターンを画定する光ビームの伝播が等方性でない場合、すなわち、光の強度がその方向に依存する場合、そのとき角度強度符号化の不均一性、したがって測定される光学素子の屈折/反射角度の測定における誤差を誘発する強度変動が生じる。デフレクトメトリ測定は、複数のパターンの投影を必要とし、したがってパターンの強度の変動を局所的に誘発する(位相がシフトした2つの投影パターン間で)角度シフト測定に基づく測定であるため、この特性は特に重要である。しかしながら、欧州特許第1 454 183号明細書に記載されているような透過投影液晶デバイスは、光が透過する角度の関数として強度の変化を示す。これは、反射にマトリックス光変調手段を使用する、したがって、測定システムをより正確にする本発明の測定システムには当てはまらない。言い換えれば、透過マトリックス変調手段の場合、これらは、それらのレベルにおける光の方向に依存する透過係数を被る。これにより、視野内の位置に依存しない角度強度符号化が生じる。この寄生効果は、本発明を反映したマトリックス変調手段では存在しない。
【0017】
本発明の測定システムは、シュリーレンレンズが、例えばマトリックス光変調手段上に垂直入射を有するように、ビーム分岐手段(beam splitting means、ビーム分配手段)によって誘発される収差を補償するように構成されているため、特に正確である。好ましくは、シュリーレンレンズと偏光スプリッタキューブのペアは、全体的な収差を最小限に抑えるように構成される。例えば、シュリーレンレンズは、測定システム内の全体的な収差を最小にするために、偏光スプリッタキューブによって導入される収差を最小にするように構成される。偏光スプリッタキューブによって導入される収差に応じたシュリーレンレンズの構成は、本発明の測定システムの測定精度の向上を可能にする。好ましくは、シュリーレンレンズは、複数の屈折レンズからなる。好ましくは、シュリーレンレンズは、光源が起動された場合に光源によって生成された光ビームの光路(optical path)に沿ってマトリックス光変調手段と撮像手段との間に配置される。より好ましくは、マトリックス光変調手段は、偏光スプリッタキューブの存在下でシュリーレンレンズの焦点面に配置される。
【0018】
好ましくは、第1の開口を有する第1の選択光学素子は、第1の収束光学素子の物体焦点面に配置される。これは、この特性の意味を変えることなく、第1の収束光学手段の第1の収束光学素子と呼ぶことができる。均等な定式化は、第1の開口が、反射におけるマトリックス光変調手段上の照明ビームから生じるビームの入射角を制御するように構成されるということである。
【0019】
好ましくは、マトリックス光変調手段が、光源面と光学的に共役する変調面内に配置され、照明ビームが、以下の手段、
-光源面に配置された第2の開口を有する第2の選択光学素子と、
-変調面内に配置された第3の開口を有する第3の選択光学素子と、
-空間的に制限された光源を含む光源であって、好ましくは光源が発光ダイオード(LED)マトリックスである、光源と、
のうちの少なくとも1つによる反射においてマトリックス光変調手段のレベルで空間的に制限される。
【0020】
照明ビームは、マトリックス光変調手段のレベルで空間的に制限され、これは、照明ビームが所定のサイズでマトリックス光変調手段を照明することを意味する。照明ビームのサイズは、光学的に共役である光源面または変調面において制限される。マトリックス光変調手段のレベルで照明ビームを空間的に制限する利点は、空間的に制限された光ビームによってマトリックス光変調手段上に明確に定義された(空間的に制限された)照明領域を有することを可能にする。第1または第2の選択光学素子は、デフレクトメトリ測定システムの開口絞りである。この実施形態の意味において、光学的に共役という用語を解釈する場合に位置決め公差が存在し、特に変調面が光源面に対して光学的に共役である場合、本発明のシステムは、可能な位置決め公差のために変調面が光源面に対して厳密に光学的に共役でない場合にも機能することを理解されたい。
【0021】
マトリックス光変調手段上の空間的に制限された光ビームのサイズは、投影されたパターンの角度分布の制御を可能にし、したがって本発明の光学システムの角度許容性を規定する。投影パターンの角度分布がシュリーレンレンズの特性と一致することが重要である。
【0022】
好ましくは、光源は、光ビームをスペクトル的にフィルタ処理するためのフィルタを備える。
【0023】
好ましくは、反射におけるマトリックス光変調手段は、光源面と共役である照明モジュールの像平面内に配置される。例えば、照明モジュールの像平面は変調面と一致する。
【0024】
好ましくは、第1の選択光学素子は、第1の収束光学素子の物体焦点面に配置される。
【0025】
この実施形態は、鮮明な輪郭で測定される光学素子の画像のマトリックス検出手段による取得を可能にする。この好ましい実施形態は、測定される光学素子の画像全体を使用することを可能にする。好ましくは、第1の収束光学素子の物体焦点面は、マトリックス光変調手段を照明する照明ビームの角度が最もよく制御される位置である。第1の開口を物体焦点面に位置決めする目的は、変調面のレベルで照明ビームの角度を制御することである。したがって、第1の収束光学素子の物体焦点面の両側の第1の開口のオフセットは、物体焦点面内にあると理解されるべきである。そのようなオフセットは、それらの間のこれらの異なる素子の位置決めにおける公差として理解されるべきである。
【0026】
好ましくは、測定システムが、
第3の開口を有する第3の選択光学素子であって、マトリックス光変調手段のレベルに配置される第3の選択光学素子をさらに備える。
【0027】
好ましくは、照明モジュールが、
光源と第1の選択光学素子との間に配置され、
・その物体焦点面(plan focal objet)は光源面と一致し、
・その像焦点面(plan focal image)は、第1の収束光学素子と第2の収束光学素子との間に配置された第1の収束光学素子の物体焦点面と一致するように構成された、第2の収束光学素子を備える照明モジュール4Fであって、
照明モジュールの像平面は、第1の収束光学素子の像焦点面と一致する。
【0028】
好ましくは、第1および/または第2の収束光学素子は、0mm~10mmの間の距離で整列された第1および第2の収束レンズを備える。
【0029】
好ましくは、マトリックス光変調手段はマトリックス位相変調手段である。
【0030】
マトリックス位相変調手段を使用する利点は、マトリックス位相変調手段上の照明ビームの固定(垂直)反射角を可能にすることである。これにより、本発明のデフレクトメトリ測定システムの光学設計を簡単にすることができる。位相変調手段の使用は、光の偏光特性を利用することを可能にする。
【0031】
好ましくは、マトリックス位相変調手段は、シリコンマトリックス上の液晶を含む。
【0032】
液晶オンシリコン(またはLCOS)マトリックスタイプの位相変調手段の使用は、本発明のシステム全体のおかげで、従来技術の前述のすべての欠点に応答することを可能にする効果的な解決策であり、それは、より良好な照明強度、したがって画像あたりの露光時間の短縮、ならびに測定される光学素子上の1つの入射角に対するパターンの強度のより良好な均一性のおかげで、より良好な精度測定を可能にする。シリコンマトリックス上の液晶は変調手段の速度が高速であり、この場合の高速とは、画素を誘導偏光なしから90°偏光に変化させるのに必要な時間を意味する。シリコンマトリックス上の液晶はまた、シリコンマトリックス上の液晶上のビームの反射中に光強度の損失を最小限に抑えることを可能にする。
【0033】
シリコンマトリックス上の液晶を最大限に利用するために、反射ビームもその表面に垂直になるように、その表面に垂直な入射を有する入射(例えば、コリメートされた)照明ビームと共にそれを使用することが望ましい。
【0034】
したがって、好ましくは、本発明の測定システムは、
照明モジュールから生じる照明ビームから、
-マトリックス光変調手段に向けられた第1の光路に沿ってビームスプリッタによって偏向された第1の光ビームと、
-マトリックス光変調手段によって偏向された第1の光ビームの反射から生じる、第2の光路に沿ってビームスプリッタによって透過された第2の光ビームと、
を得るように構成されたビーム分岐手段をさらに備える。
【0035】
好ましくは、第1の光路と第2の光路とは平行である。
【0036】
好ましくは、本発明の測定システムは、
照明モジュールから生じる照明ビームから、
-マトリックス光変調手段に向けられた第1の光路に沿ってビームスプリッタによって透過された第1の光ビームと、
-マトリックス光変調手段によって偏向された第1の光ビームの反射から生じる、第2の光路に沿ってビームスプリッタによって偏向された第2の光ビームと、
を得るように構成されたビーム分岐手段さらに備える。
【0037】
好ましくは、第1の光路と第2の光路とは垂直である。
【0038】
ビーム分岐手段のおかげで、投影装置の光学設計は、マトリックス光変調手段の表面の垂直照明によって単純化され得る。ビーム分岐手段は、反射光ビームの偏光変化成分と非偏光変化成分とを分離することにより、パターンが投影されることを可能にする。したがって、パターンを画定する成分は、偏光変化を受けたものである。したがって、これらの構成要素は、マトリックス光変調手段によって偏光が変更されていない構成要素とは異なる方向に向けられる。LCOSの場合、LCOSから反射されたビームがスプリッタキューブによってフィルタ処理され、LCOSによって偏光が修正されたビームの成分のみが投影されるように、偏光スプリッタキューブが使用されることが強く推奨される。
【0039】
LCOSを偏光キューブと組み合わせる好ましい実施形態は、光の偏光特性を利用することによって光損失を低減することを可能にする。実際、これにより、2つのビームの分離中の不可避の損失を大幅に低減することが可能になり、これらの損失は古典的な光学系(非偏光)では75%より高く、一方、偏光スプリッタ(例えば、ビームスプリッタキューブ)では50%に低減され得る。
【0040】
使用され得るビーム分岐手段は、網羅的でない方法で、半反射板、偏光スプリッタプレート、ブリュースター角で配向された板、偏光スプリッタキューブなどである。
【0041】
好ましくは、ビーム分岐手段は、偏光ビームスプリッタ、例えば偏光ビームスプリッタキューブを含む。
【0042】
好ましくは、偏光ビームスプリッタは、
照明モジュールから生じる照明光ビーム(例えば、コリメートされた)から、
-第1の光路に沿って、位相変調手段に向けられた偏光ビームスプリッタによって偏向された第1の光ビームと、
-二次元位相変調手段によって偏向された第1の光ビームの反射から生じる、第2の光路に沿って偏光ビームスプリッタによって透過された第2の光ビームと、
を得るように構成される。
【0043】
好ましくは、照明モジュールから生じる照明ビームは光軸Aに沿って導かれ、偏光ビームスプリッタは、光軸Aが第2の光路に対して垂直であるように構成される。
【0044】
好ましくは、光源は、光源と、光源から生じる光ビームを空間的に制限するための第2の開口を有する第2の選択手段とを備える。
【0045】
好ましくは、第2の選択手段は、光源面内に配置される。
【0046】
好ましくは、光源は空間的に制限された光源を含み、例えば、光源はLEDマトリックスである。
【0047】
好ましくは、光源は、空間的に制限された光ビームを生成するように配置された光源、例えばLEDのマトリックスを備える。
【0048】
第2の選択光学素子は、1つまたは複数の光源によって生成される光ビームを空間的に制限することを可能にする。
【0049】
光源面内に第2の選択光学素子を配置することにより、マトリックス光変調手段上の第2の開口が照明モジュールによって撮像されることが可能になる。
【0050】
好ましくは、光ビームは、空間的に制限された光ビーム表面積S
10に従って空間的に制限され、マトリックス光変調手段は、
【数1】
ここで、γは、照明モジュール(19)の倍率であり、その結果、
【数2】
ここで、f
1は第1の収束光学素子の焦点距離であり、f
2は第2の収束光学素子の焦点距離であるように、光変調表面積S
30を有する。
【0051】
好ましくは、第1の開口が、50mm2未満、例えば36mm2未満、好ましくは25mm2未満、さらにより好ましくは10mm2未満の第1の開口表面積を有する。好ましい実施形態では、第1の開口は円形である。
【0052】
好ましくは、第1の開口は、光軸Aを中心とする。
【0053】
例えば、撮像手段は、2つの収束光学素子を備える4Fと呼ばれるシステムであり得る。第1の収束光学素子は25mmの焦点距離を有し、第2の収束光学素子は25mmの焦点距離を有する。好ましくは、第1および/または第2の収束光学素子はそれぞれ1対のレンズを備え、各レンズは50mmの焦点距離を有する。1対のレンズのレンズは、好ましくは0mm~10mm、より好ましくは1mmの距離だけ分離されている。例えば、4F照明モジュールの倍率は1に等しい。
好ましくは、LCOSマトリックスは21mmの対角線を有し、より好ましくは14mmの側面サイズを有する。
【0054】
好ましくは、第1の開口は絞りである。例えば、第1の開口は、円形状に試験される物体上の視野を制限するように、略円形の開口断面を有する。これは、光学特性が測定されていない測定される光学素子の一部を照明することによって生成され得る迷光を制限するために重要である。例えば、眼内レンズを測定する場合、レンズの光学機能を有する部分のみを照明することが好ましい。しかしながら、本発明の測定システムは、眼内レンズの縁部または触覚部の良好な視覚化を可能にする。したがって、光学機能を有する部分ならびにその周囲の部分を照明することが好ましく、例えば、光学機能を有する部分がディスクである場合、ディスクの周囲の厚さ1mmのリングを照明することが好ましい。
【0055】
加えて、大きい屈折力を有する物体(レンズ、ミラー、屈折性、回折性)を測定可能な光投影装置を有することが特に望ましい。
【0056】
好ましくは、本発明の測定システムは、
マトリックス位相変調手段上の反射から生じる第2の光ビームを、第3の光路に沿ってビームスプリッタに反射された第3の光ビーム内に反射させるように配置された非平面ミラーをさらに備える。
【0057】
この構成では、パターンを規定する光ビームの成分は、マトリックス光変調手段上に反射した後に測定される光学素子の方向に向けられない。実際、パターンの構成要素は、変調手段上に反射した後、光をスプリッタキューブ内に反射する非平面ミラーに向けられる。パターンをシュリーレンレンズに向け、したがって測定される素子に向けるように、非平面ミラーとスプリッタキューブとの間に配置された1/4波長板は、光ビームがキューブに戻る場合にビームスプリッタキューブへの反射を可能にする。好ましくは、シュリーレンレンズは、複数の屈折レンズからなる。シュリーレンレンズ、光学分離手段および非平面ミラーの組み合わせは、良好な光学特性を有さなければならない。例えば、シュリーレンレンズは、測定システム内の全体的な収差を最小にするために、偏光スプリッタキューブによって、ならびに非平面ミラーによって導入される収差を最小にするように構成される。偏光スプリッタキューブによって、ならびに非平面ミラーによって導入される収差に応じたシュリーレンレンズの構成は、本発明の測定システムの測定精度の向上を可能にする。大きい屈折力で測定される光学素子を特徴付けるための大きな角度を生成することを可能にするこの実施形態の利点は、非平面ミラー上での反射によるビームスプリッタキューブの二重通過が良好な光学特性を得ることを可能にすることである。したがって、シュリーレンレンズを設計する場合、シュリーレンレンズはキューブおよび非平面ミラーによって導入される欠陥を補正するように設計されなければならない。より好ましくは、シュリーレンレンズを設計する場合、屈折レンズおよびシステムの任意の他の光学素子(例えばプリズムなど)によって導入される欠陥を追加的に補正するように設計されるべきである。ここで、欠陥は、光学素子の製造上の欠陥ではなく、本質的に収差である。そのような収差は、多くの場合、形状欠陥に関連しており、光ビームは、平坦な表面(偏光スプリッタキューブ)および球面の表面(レンズ、非平面ミラー、凹面鏡)と交互に相互作用する。シュリーレンレンズを構成する屈折レンズの位置、形状、材料およびサイズは、その全体的な性能を最適化するように選択されることに留意すべきである。この実施形態による光学測定システムの機能的説明は、照明パターンの角度強度符号化を得ることを可能にする機能が主に非平面ミラーおよびシュリーレンレンズから導出されることを示す。この機能への寄与は、例えば、非平面ミラーの焦点距離およびその位置に応じて、非平面ミラーとシュリーレンレンズとの間でバランスをとることができる。
【0058】
この実施形態では、スプリッタキューブは、マトリックス位相変調手段と非平面ミラーとの間に配置される。好ましい実施形態では、非平面ミラーは、その画像を遠距離、例えば無限遠に作成するように、変調手段に対して位置決めされる。シュリーレンレンズの屈折レンズは、本質的に望遠鏡として機能し、ビームの直径および入射角を、測定されるレンズのレベルにおける機器の視野のサイズに適合させることを可能にする。好ましくは、変調手段は、ビームスプリッタキューブの存在下で位置決め公差を伴って非平面(凹面)ミラーの焦点面に配置される。
【0059】
有利には、非平面ミラーは凹面である。
好ましくは、非平面ミラーは、25mm~100mm、好ましくは25mm~75mmの曲率半径を有する凹面ミラーであり、例えば、非平面ミラーは、50mmの曲率半径を有する球面凹面ミラーである。例えば、球面ミラーは、10mm~50mmの直径、例えば25.4mmの直径を有する。
【0060】
有利には、ビームスプリッタは偏光ビームスプリッタであり、本発明の測定システムは、
非平面(収束)ミラーと偏光ビーム分岐手段との間に配置された1/4波長板をさらに備える。
【0061】
好ましくは、偏光ビームスプリッタは、第3の光路に沿って非平面ミラーによって反射された第3の光ビームが、第4の光路に沿って第4の光ビーム内に偏光ビームスプリッタによって偏向されるように構成される。
【0062】
好ましくは、偏光ビームスプリッタは、第3の光路に沿って反射された第3の光ビームが、第4の光路に沿って第4の光ビーム内に偏光ビームスプリッタによって透過されるように構成される。
【0063】
本実施形態では、第3および第4の光路と、第3および第4の光ビームが併合される。
【0064】
好ましくは、本発明の測定システムは、
-第2の光路と第3の光路とは本質的に平行であり、
-光軸Aまたは照明ビームと第4の光路とは略平行である。
【0065】
好ましくは、シュリーレンレンズは、投影装置と撮像手段との間に配置される。
【0066】
好ましくは、シュリーレンレンズは、照明モジュールと撮像手段との間に配置される。好ましくは、シュリーレンレンズは、ビームスプリッタキューブと撮像手段との間に配置される。
【0067】
シュリーレンレンズが、測定される光学素子による光の屈折角(測定されるミラーによる光の反射角)の強度への符号化を規定するので、シュリーレンレンズの性能は、特に重要である。理想的には、この符号化は視野内の位置とは無関係である。言い換えれば、この符号化は、測定される光学素子上のすべての位置について同じである。この条件は、2つの異なる要因に依存する。1つ目は、歪みがないことである。実際には、マトリックス光変調手段によって生成され、光源点に対応するパターンは、理想的にはコリメートビーム、すなわち光線がすべて互いに平行である光ビームを生成するはずである。このビームは、光軸に対して傾斜させることができる。この歪みは、機器の性能を低下させるか、またはその較正をより複雑にする。実際、強度符号化は、視野内の位置に依存し、場合によっては、動作距離(シュリーレンレンズと測定される光学素子との間の距離)に依存する。さらに、シュリーレンレンズのいかなる収差も、角度分解能の損失をもたらす。実際、単純化された図では、測定される光学素子の画像(マトリックス検出手段によって検出された画像)の各画素によって収集された光は、マトリックス光変調手段上の単一の位置から由来する。カメラ上の画像の各画素において、光はマトリックス光変調手段上の位置から由来する。この固有の位置は、実際には、(カメラの前方の)撮像手段の第4の開口のサイズによって画定される制限された表面である。第4の開口は、例えば、絞りである。シュリーレンレンズの起こり得る収差は、この表面を拡張することに寄与し、これは器具の性能を低下させる。シュリーレンレンズは、多眼対物レンズであり、その複雑さは光学機器の角度許容性、マトリックス光変調手段のサイズおよび視野のサイズに大きく依存する。具体的には、大きい角度および小さいマトリックス光変調手段の場合、複雑さが増加する。
【0068】
偏光スプリッタキューブと組み合わせてシリコンマトリックス上の液晶を使用する場合、後者は、機器の性能を著しく低下させる可能性がある光学収差をもたらす。シュリーレンレンズの設計は、これらの収差を補償することを可能にし、その結果、スプリッタキューブとシュリーレンレンズの組み合わせの収差が最小になる。シュリーレンレンズを設計する場合、ビームスプリッタキューブ(および場合によっては非平面ミラー)の収差は、モデル化された光学素子内に直接統合され、その結果、ビームスプリッタキューブによってもたらされる収差の非常に良好な補正を提供するシュリーレンレンズが得られる。
【0069】
シュリーレンレンズは、マトリックス位相変調手段と撮像手段との間の光路に配置される。
【0070】
好ましくは、撮像手段が、
第1の収束撮像光学素子と第2の収束撮像光学素子との間に配置された第2の焦平面内に位置する第2の収束点において、一方の像の焦点が他方の物体の焦点と一致するように構成された第1の収束撮像光学素子および第2の収束撮像光学素子を備え、
撮像手段は、マトリックス検出手段上でサンプルと相互作用した検査ビームからサンプルの画像を形成するように適合されている。
【0071】
好ましくは、撮像手段は、
-第2の収束点を取り囲む第4の開口を有する第4の選択光学素子をさらに備える。
【0072】
反射中の光学素子を測定する場合、例えば凹面ミラーを用いて、その光軸に平行に測定することが好ましい。したがって、その光軸がマトリックス光変調手段と相互作用する第2の光ビームの第2の光路と平行になるように、測定される光学素子を配置することが特に有利である。したがって、シュリーレンレンズは、測定される光学素子によって反射された反射光ビームがシュリーレンレンズを通って戻るように、測定される素子とビーム分岐手段との間に配置される。次に、1/4波長板が測定される光学素子と偏光ビーム分岐手段との間に配置され、その結果、反射において測定される光学素子によって反射された光ビームは、偏光ビーム分岐手段によって撮像手段に向かって、次いでマトリックス光検出器に向かって偏向される(1/4波長板は、キューブとシュリーレンレンズとの間、またはシュリーレンレンズと試験されるミラーとの間に配置され得る)。この場合、シュリーレンレンズは、文字通りのシュリーレンレンズであると共に、撮像システムの第1の撮像光学素子である。これは特に有利であり、光学構成要素の数を減らした特にコンパクトな測定システムを可能にする。
【0073】
分析ビームと測定される光学素子との相互作用は、屈折サンプルまたは回折サンプルの場合は分析ビームとサンプルとの透過、あるいは反射サンプルの場合は反射である。
【0074】
好ましくは、第4の開口が、光軸Aに平行に伝搬する光ビームの部分を本質的に通過させるように、第1の撮像光学素子の像焦点および第2の撮像光学素子の物体焦点のレベルに配置される。
好ましくは、第4の開口を有する第4の選択光学素子は、第2の焦平面に配置される。
【0075】
好ましくは、シュリーレンレンズは、第1の撮像光学素子であり、すなわち、サンプルとの反射において相互作用した後に検査ビームの光路に沿って第1の撮像光学素子に取って代わる。したがって、シュリーレンレンズは、検査ビームの角度強度符号化を可能にし、それもまた属する撮像手段によって画像を得ることを可能にする。シュリーレンレンズは、2つの機能を果たし、したがって、それに垂直な(その中心で)入射で反射においてサンプルの測定を可能にする。
【0076】
好ましくは、撮像手段が撮像手段4Fであり、
第1の収束光学素子は、その物体焦点面がサンプルの平面と一致するように、シュリーレンレンズと第4の選択手段との間に配置され、
第2の収束光学素子は、その像焦点面がマトリックス検出手段と一致するように、第4の選択手段とマトリックス検出手段との間に配置されている。
【0077】
本発明の光学測定システムの様々な実施形態は、単独でまたは組み合わせて実施され得る。
【0078】
本発明の光学システムにおける光軸Aは、光ビームが反射素子によって偏向される場合に偏向されると考えられる。
本発明のこれらおよび他の態様は、本発明の特定の実施形態の詳細な説明において明らかにされ、図面の図への参照が行われる。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【
図2a】本発明の測定システムの投影装置の実施形態を示す図である。
【
図2b】本発明の測定システムの投影装置の実施形態を示す図である。
【
図3a】本発明の測定システムの投影装置の実施形態を示す図である。
【
図3b】本発明の測定システムの投影装置の実施形態を示す図である。
【
図4a】本発明の測定システムの投影装置の実施形態を示す図である。
【
図4b】本発明の測定システムの投影装置の実施形態を示す図である。
【
図3c】光源および照明モジュールの一実施形態を示す図である。
【
図6】マトリックス光変調手段の一実施形態を示す図である。
【
図7】本発明の測定システムの実施形態を示す図である。
【
図8a】本発明の測定システムの実施形態を示す図である。
【
図8b】本発明の測定システムの実施形態を示す図である。
【
図9】本発明の測定システムの実施形態を示す図である。
【
図10a】本発明の測定システムの実施形態を示す図である。
【
図10b】本発明の測定システムの実施形態を示す図である。 図面の描画は縮尺通りではない。一般に、同様の要素は、図面において同様の参照で示されている。図面における参照符号の存在は、そのような符号が特許請求の範囲に示されている場合であっても、限定と見なされるべきではない。
【発明を実施するための形態】
【0080】
図1は、本発明のデフレクトメトリ測定システム200の概略図を示す。測定システム200は、測定される光学素子2上へパターンを投影することを可能にする投影装置100を備え、測定される光学素子2上のそのパターンの入射角は、投影装置によって正確に制御される。測定システム200は、マトリックス検出手段50上に測定される光学素子2の画像を形成するための撮像手段40をさらに備える。
【0081】
図2aは、本発明の一実施形態による投影装置100を示す。この投影装置100は、光源面S
10に沿って空間的に制限された光源10を備える。光源10は、光源面105に光ビームを放射するように構成される。好ましい実施形態によれば、光源10は、光源面105に空間的に制限された光ビームを放射するように構成される。投影装置100は、第1の開口160を有する第1の選択手段16と第1の収束光学素子18とを備える照明モジュール19を備える。好ましい実施形態によれば、第1の開口160は、第1の収束光学素子18の物体焦点面185に配置される。第1の開口160および第1の収束光学素子は、空間的に制限された光ビームの一部を集光するように配置される。第1の開口160および第1収束光学素子18を通過した後の空間的に制限された光ビームは、照明ビーム9であり、照明ビーム9は、ビーム分岐手段60に向けられ、それをさらに反射においてマトリックス光変調手段30に向け、マトリックス光変調手段30の表面に垂直な方向である。マトリックス光変調手段30は、照明モジュール19内の光源10から生じる光ビームの通過から生じる照明ビーム9によって少なくとも部分的に照明される光変調面S
30を有する。照明ビーム9は、分岐手段60を通過した後、第1の光路61に沿って第1の光ビーム91となり、反射においてマトリックス光変調手段30によって、それに垂直方向に沿って、第2の光路62に沿って第2の光ビーム92内に反射される。ビーム分岐手段60は、マトリックス光変調手段30によって反射された光ビームの少なくとも一部がシュリーレンレンズ20に透過されることを可能にする。マトリックス光変調手段30によって反射されたビームは、次いでシュリーレンレンズ20を照明するパターン7を有する。シュリーレンレンズ20は、検査光ビーム99を測定される光学素子2上に投射することを可能にし、その入射角は、シュリーレンレンズ20を照明するときにパターン7のオフセットに応じて変化する。
【0082】
図2bは、
図2aの実施形態に近い実施形態である。しかしながら、第1の光路61に沿った第1の光ビーム91が、反射においてマトリックス光変調手段30によって第2の光ビーム92内に反射され、それに垂直な方向に沿って、第2の光路62に沿って反射される場合、光ビーム分岐手段60は、第1の光ビーム91の少なくとも一部を透過し、第2の光ビーム92の少なくとも一部を反射するように構成されるように、マトリックス光変調手段30が配置されている点で異なる。ビーム分岐手段60は、マトリックス光変調手段30によって反射された光ビーム92の少なくとも一部がシュリーレンレンズ20に反射されることを可能にする。照明ビーム9は、分岐手段60を透過した後、第1の光路61に沿って第1の光ビーム91となる。
【0083】
反射においてマトリックス光変調手段30は、シュリーレンレンズ20を通過した後にデフレクトメトリ測定システム200に検査ビームを提供することを可能にするパターン7で光源10の画像を反射するように構成される。好ましい実施形態によれば、光源10は、光源面105に空間的に制限された光ビームを放射するように構成される。このようにして本発明の投影装置100によって形成されるパターン7は、反射におけるマトリックス光変調手段30の点毎(画素毎)の活性化または非活性化によって形成される。反射におけるマトリックス光変調手段30の作動は、例えば、空間偏差、位相の変化、反射係数の変化などを可能にする。したがって、変調は、パターン7でシュリーレンレンズ20を照明するための強度または位相で実行され得る。位相変調には、位相変調を強度変調に変換するための偏光光学素子が必要であり、これは、デフレクトメトリによる測定のために投影装置100を適用する場合に必要である。偏光光学素子は、例えば偏光子である。位相変調は、偏光子によって分析される光の偏光の変調をもたらす。
【0084】
図3aは、本発明の投影装置100の別の実施形態を示す。投影装置100は、放射面S
10に沿って空間的に制限された光源100を備える。投影装置100は、光源面105内に空間的に制限された光源10の画像をマトリックス光変調手段30上に形成するための、撮像システム4Fである照明モジュール19を備える。照明モジュール19は、収束する薄いレンズまたは収束する薄いレンズの対などの第1の収束光学素子18および第2の収束光学素子14を備える。第1の収束光学素子18および第2の収束光学素子14は、第2の光学素子14の像焦点面が第1の光学素子18の物体焦点面と一致するように配置される。したがって、好ましい実施形態によれば、照明モジュール19によって、反射においてマトリックス光変調手段30上に光源10の画像が得られる。投影装置は、第1の開口160を有する第1の選択光学素子16をさらに備える。この第1の開口160は、第2の収束光学素子14の像焦点と第1の収束光学素子18の物体焦点との一致に対応する収束点150を囲むように配置される。したがって、第1の開口160は、過剰な発散/収束を示す光源10によって生成された光ビームの最大角度開口(最大角度分布)を制御することを可能にする(マトリックス光変調手段のレベルであって、試験される物体のレベルではない)。実際、光源10から生じる光ビームは焦点を合わされ、第2の収束光学素子14の光軸に平行に入射する光ビームのみが光軸A上に位置するその像焦点を通過する。したがって、第2の開口160は、第1の収束光学素子18を通過する光ビームの成分の通過を制限することを可能にする。これにより、光軸Aに略平行に成分が伝搬するコリメートされた照明ビーム9を得ることができる。第1の選択光学素子16には、第1の開口160が形成されている。第1の開口160は、例えば、円形、楕円形または矩形の断面積を有することができる。第1の開口160の断面積は、好ましくは10mm
2未満、より好ましくは5mm
2未満、さらにより好ましくは2mm
2未満の表面積を有する。
【0085】
第1の収束光学素子18は、焦点距離f1を有する。第2収束光学素子14は、焦点距離f2を有する。
【0086】
図3aにおいて、装置100は、光変調手段30が選択された角度で照明されることを可能にするビーム分岐手段60を備える。ここで、ビーム分岐手段60は、マトリックス位相変調手段30に対して90°の角度を描く第1の光路61に沿って第1の光ビーム91となる照明ビーム9(好ましくはコリメートされている)で光変調手段30を照明することを可能にする。照明ビーム9の一部(コリメートされた)は、ビーム分岐手段60(図示せず)を透過し、一部は光変調手段30に反射される。好ましい実施形態では、光源10とビーム分岐手段60との間に偏光子が配置され、分岐手段60を透過する照明ビーム9の部分を遮断する。したがって、ビーム分岐手段60は、照明ビーム9(コリメートされた)から、マトリックス光変調手段30に向けられた第1の光路61に沿って、ビームスプリッタ60によって偏向された第1の光ビーム91を得るように構成されている。第1の光ビームは、マトリックス光変調手段30上で第2の光ビーム92内に反射される。第2光ビーム92は、ビームスプリッタ60に向けられ、そこで第2の光路62に沿ってビームスプリッタ60によって少なくとも部分的に透過される。
【0087】
図3aでは、偏光キューブであるビーム分岐手段60の場合、キューブによって偏向された場合に第1の光ビーム91になる照明ビーム9は、ビーム偏光(コリメートされた)に相当する。マトリックス位相変調手段30上への第1の光ビーム91の反射は、第2の光ビーム92の一部の偏光を選択的に変更することを可能にする。好ましくは、マトリックス位相変調手段30は、第1の光ビーム91の偏光に対して90°の位相シフトで偏光が選択的に修正されることを可能にする。したがって、90°の位相シフトを受けた第2の光ビーム92の部分は、キューブ60によって透過され、一方、位相シフトを受けていない第2の光ビーム92の部分は、キューブ60によって反射される(光源に向かって)。このようにして、パターン7は、シュリーレンレンズを照明し、デフレクトメトリによる測定のための角度強度符号化を用いて、投影装置100によって、測定される光学素子2上に投影され得る。特定の実施形態によれば、偏光が修正される時間の一部を再生することによって非バイナリ画像を有することが可能である。
【0088】
図3bは、キューブ60によって反射/偏向されるビーム(コリメートされた)の部分ではなく(
図3aのように)、キューブ60によって透過されるビーム(コリメートされた)の部分によって照明されるように位相変調手段が配置されている、
図3aの変形例を示す。したがって、位相変調手段は、パターン7を形成するように選択的に第1の光ビーム91となる照明ビーム9に90°の位相シフトを誘導することを可能にする。したがって、この90°の位相シフトを受けた第2の光ビーム92の部分は、キューブ60によって反射され、一方、位相シフトを受けていない部分(図示せず)は、キューブ60によって透過される。したがって、キューブ60を通過(反射)した後の第2の光ビーム92によってシュリーレンレンズ20上に投影されたパターン7は、デフレクトメトリによる測定に使用され得る。
【0089】
図3cは、
図3a、
図3b、
図4aおよび
図4bによる照明モジュールの一実施形態を示す。この実施形態では、第1の収束光学素子18および第2の収束光学素子14は、それぞれ、1対の収束レンズを備える。この実施形態は、より短い焦点距離を達成するために市販のレンズ対を使用することを可能にする。例えば、レンズ対141,142および181,182は、焦点距離50mmの2つのレンズ141,142および181,182を備え、それにより焦点距離25mmの第1の収束光学素子18および第2の収束光学素子14を提供することを可能にする。レンズ141,142および181,182の各対は、例えば1mm離れている。
【0090】
図4aは、第2の光ビーム92をキューブ60に、第3の光路63に沿って第3の光ビーム93内に反射することを可能にする非平面ミラー70をさらに備える
図3aの投影装置を示す。好ましい実施形態によれば、偏光子(図示せず)が第1の収束光学素子18とビーム分岐手段60との間に配置され、その結果、ビーム分岐手段60に向けられた照明光ビーム9の全ての強度がマトリックス光変調手段30に反射される。次いで、第3の光ビーム93は、測定される光学素子2に向かう第4の光路に沿って、キューブ60によって第4の光ビーム94内に反射される。1/4波長板は、非平面ミラー70とキューブ60との間に配置され、その結果、キューブ60によって透過され、次いで非平面ミラー70によって第3のビーム93内に反射される第2のビーム92は、キューブ60によって第4のビーム94内に反射される。実際、第2のビーム92および第3のビーム93が1/4波長板を通過することにより、光ビームに90°の位相シフトを生成することが可能になり、その結果、光ビームがキューブ60内に戻る場合にその方向が逸らされる(強度の損失は無視できる)。次いで、この実施形態によって生成されたパターン7は、シュリーレンレンズ20に向けられ、デフレクトメトリによる測定のための角度強度符号化を用いて、投影装置100によって測定される光学素子2上に投影される。非平面ミラーでの反射により、この実施形態は、シュリーレンレンズ20による角度強度符号化中に大きな角度を生成することを可能にし、小さな曲率半径によって、測定される光学素子2の測定を可能にする。
【0091】
非平面ミラー70および1/4波長板を備える
図4aの装置は、キューブ60に対する素子の位置を変更することによって、
図3bに記載の装置100から構成され得る。キューブ60の周りの素子の位置を変更することができるという利点は、装置を様々な散乱を必要とする異なる用途に適合させることを可能にする。
【0092】
図4bの装置は、
図4aと
図2aの撮像モジュール19との組み合わせを示す。
【0093】
図5は、光源15と、第2の開口120を有する第2の選択光学素子12とを備える空間的に制限された光源10を示す。第2の選択光学素子12には、第2の開口120が形成されている。例えば、第2の開口120は、矩形、正方形、楕円形または円形の断面積を有する。第2の開口120は、第2の選択光学素子12の凹部の表面積に対応する第2の開口表面積S
120を有する。したがって、光源15から生じる光ビームは、矩形、楕円、または円に従って表面を照明するように適合された空間的に制限された光ビームを得るために、第2の選択光学素子12によって空間的に制限される。例えば、S
10はS
120より大きい。第2の選択光学素子は、光源面105に配置される。
図2a、
図2b、
図3a、
図3b、
図3c、
図4の投影装置における
図5の光源10の使用は、照明モジュール19に対する第1の選択光学素子16および第2の選択光学素子12の位置決めのおかげで、光変調手段30の十分に制御された照明、すなわち、そのサイズが、反射におけるマトリックス光変調手段30の活性部分のサイズ、または最大所望角度分布を画定するのに有用な領域のサイズを超えない光ビームによる照明を得ることを可能にする。反射におけるマトリックス光変調手段30の活性部分は、例えば、半導体基板上の液晶マトリックスである。反射におけるマトリックス光変調手段30を照明するビームの空間制御に加えて、第1の開口160は、反射においてマトリックス光変調手段30上へのビームの入射角、したがって反射後の角度を制御することを可能にする。
【0094】
図6は、第3の開口360を有する第3の選択手段36を備えるマトリックス光変調手段30の一実施形態を示す。第3の開口360は、マトリックス光変調手段30によって反射された光ビームを空間的に制限するように、マトリックス光変調手段30の平面195内に配置される。
図6のマトリックス光変調手段30は、本発明の測定システム200の任意の実施形態に適合され得る。
【0095】
図7、
図8a、
図8bおよび
図9は、本発明によるデフレクトメトリ測定システム200の複数の実施形態を示す。
【0096】
図7は、本発明のデフレクトメトリ測定システム200の一実施形態を示す。測定システム200は、シュリーレンレンズ20を通過した後に、測定される光学素子2に向かってパターン7を投影することを可能にする投影装置100を備える。次いで、撮像手段40により、測定される素子2の画像がマトリックス検出手段50上に形成される。マトリックス光変調手段とマトリックス撮像手段とが同期され、その結果、各パターン7の投影のために画像が取得される。連続的に取得された各画像について、パターン7は、測定される光学素子2上のパターン7の角度の変化を得るように、前の画像に対してシュリーレンレンズ20上で位相がシフトされる。照明モジュール19は、必要な変更を加えて、
図2a、
図2b、
図3a、
図3b、
図3cに示され説明されている照明モジュール19のうちの1つに相当する。
【0097】
測定される光学素子2の測定速度は、部分的には、光変調手段30の速度によって規定される。より高速を達成するための可能な選択肢は、正弦波パターン7の代わりに二値パターン7を表示することである。実際、二値パターン7は、ブロック要素45の応答との畳み込み後に正弦波様パターン7に変換される。この変換は決して完全ではないことに留意されたい。また、速度の利得は、一般に光学性能の損失、特に角度分解能の損失に翻訳される。マトリックス光変調手段30によってパターン7が表示される時間を調整することによって、二値パターン7を有する非二値画像をマトリックス検出手段50上に生成することも可能である。これは、上記時間がマトリックス検出手段50によって使用される積分時間よりも短く、マトリックス検出手段50およびマトリックス光変調手段30が同期されるという条件で可能である。システム200に測定されるサンプル2が存在しない場合、第2の焦平面405は、可能な位置決め公差で像平面(または変調面)195と共役である。
【0098】
図8aは、
図7の実施形態に加えて、位相変調手段30上の第1の光ビーム91の反射中に位相変調を受けた第2の光ビーム92の成分が第2の光路62に沿ってキューブ60によって透過されるように、シュリーレンレンズ20と位相変調手段30との間に配置された偏光ビームスプリッタキューブ60を備える測定システム200の実施形態を示す。
図3bの投影装置100の実施形態を実施することが可能であり、
図3bでは、ビームスプリッタキューブ60は、照明モジュール19と位相変調手段30との間に配置され、それにより、位相変調手段30上の第1の光ビーム91の反射中に位相変調を受けた第2の光ビーム92の成分は、第2の光路62に沿ってキューブ60によって反射される。
【0099】
図8bは、反射における光学素子2の測定のための測定システム200の一実施形態を示す。測定システム200は、パターン7を測定される光学素子2上に投影するように構成された投影装置100を備える。投影装置100は、マトリックス位相変調手段30上に反射ビームからパターン7を形成することを可能にするスプリッタキューブ60を備える。パターン7は、シュリーレンレンズ20を通って測定される光学素子2に投影され、そこでパターン7はシュリーレンレンズ20を通ってキューブ60に反射して戻される。次いで、パターン7は、キューブ60によってマトリックス検出手段50に向けられる。次いで、シュリーレンレンズ20を第2の撮像光学素子400と組み合わせて用いて、撮像手段40により、マトリックス検出手段50上に反射において測定される光学素子2の像が結像される。光学素子2と偏光キューブ60との間に位置する図示しない1/4波長板は、光学素子2によって反射された光ビームをキューブ60で反射させることができる。この実施形態は、分析器の役割を果たすことによって反射において位相変調手段60と組み合わせてパターン7の形成のために同じ偏光キューブ60を使用し、次いで、測定される素子2の光軸に垂直な光ビームによる測定を1/4波長板で可能にすることによって、反射において素子2の測定を実行することを可能にするので、特にコンパクトである。
【0100】
図9は、
図4aまたは
図4bの投影装置100を備える測定システム200の一実施形態を示す。好ましくは、照明ビームのすべての光が光ビーム分岐手段60によって直接透過されるのを防止するために、偏光子(図示せず)が照明モジュール19とビーム分岐手段60との間に配置される。パターン7を画定する第4の光ビーム94は、シュリーレンレンズ20を通過して、パターンの強度に応じて検査ビーム99の角度を符号化する。検査ビームは、投影装置100によって、第4の光路64に沿って測定される光学素子2に投影されることが好ましい。測定される光学素子の画像は、撮像手段40によってマトリックス検出手段50上に形成される。この実施形態は、例えば20Dを超える大きい屈折力を有する光学素子2の測定に特によく適合し、25Dを超える屈折力にさらに適合する。大きい屈折力を有する光学素子2は、例えば眼内レンズである。
【0101】
図10aは、
図3aおよび
図3bのものと同様であるが、ビーム分岐手段を必要としない投影装置100の一例を示す。
【0102】
図10bは、
図2aおよび
図2bのものと同様であるが、ビーム分岐手段を必要としない投影装置100の一例を示す。
図10aおよび
図10bの投影装置100は、
図7、
図8a、
図8b、
図9のデフレクトメトリ測定システム、特に
図7のデフレクトメトリ測定システムの実施形態で使用され得る。
【0103】
本発明は、特定の実施形態に関連して上述されたが、これらは例示的なものであり、限定的であると見なされるべきではない。一般に、本発明は、例示および/または上述の例に限定されない。動詞「備える」、「含む」、または任意の他の変形、ならびにそれらの活用形の使用は、言及されたもの以外の要素の存在を決して除外することはできない。要素を導入するための不定冠詞「a」、「an」、または定冠詞「the」の使用は、これらの要素の複数の存在を排除するものではない。特許請求の範囲における参照符号は、それらの範囲を限定するものではない。
【0104】
要するに、以下のように記載することもできる。デフレクトメトリによってサンプル2を測定するためのシステム200であって、
-光源面105に空間的に制限された光ビームを生成するための光源10と
-以下の
第1の収束光学素子18と、
第1の開口160を有する第1の選択光学素子16であって、第1の収束光学素子18の物体焦点面185配置される第1の選択光学素子16と、
を備える照明モジュール19と、
-パターン7を形成するための、光源面105と共役する撮像モジュール19の像平面に配置された、反射におけるマトリックス光変調手段30と、
-シュリーレンレンズ20であって、
測定システム200がパターン7を検査ビームビーム99に符号化する角度強度を得るために、パターン7がシュリーレンレンズ20を照明するように適合されるように構成される、シュリーレンレンズ20と、
-検査ビーム線99とサンプル2との相互作用後にサンプル2の画像を形成するための撮像手段40と、
-撮像手段40によって形成されたサンプル2の画像を検出するためのマトリックス検出手段50と、
を備える、測定システム200。
【0105】
要するに、以下のように記載することもできる。
デフレクトメトリによってサンプル2を測定するためのシステム200であって、
-光源面105内に光ビームを生成するための光源10と、
-照明ビーム(9)を形成するための照明モジュール19であって、
第1の収束光学素子18と、
第1の開口160を有する第1の選択光学素子16と、
を備える照明モジュール19と、
-パターン7を形成するための反射におけるマトリックス光変調手段30であって、第1の開口160は、マトリックス光変調手段30上の照明ビーム9の角度を制御するように構成される、マトリックス光変調手段30と、
-サンプル2上のパターン7の角度強度符号化を得るためのシュリーレンレンズ20と、
サンプル2の画像を検出するための撮像手段40および検出手段50と、
を備える、測定するためのシステム200。
【手続補正書】
【提出日】2021-12-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デフレクトメトリによってサンプル(2)を測定するためのシステム(200)であって、
-光源面(105)に光ビームを生成するための光源(10)と、
-照明モジュール(19)であって、
第1の収束光学素子(18)と、
第1の開口(160)を有する第1の選択光学素子(16)であって、前記光源面(105)と前記第1の収束光学素子(18)との間に配置される第1の選択光学素子(16)と、を備え、
前記光源(10)の前記光ビームから照明ビーム(9)を生成するように構成されている、照明モジュール(19)と、
-前記照明ビーム(9)からパターン(7)を形成するための、反射におけるマトリックス光変調手段(30)であって、
前記第1の開口(160)は、反射における前記マトリックス光変調手段(30)上への前記照明ビーム(9)の入射角を制御するように構成されている、マトリックス光変調手段(30)と、
-シュリーレンレンズ(20)であって、前記測定システム(200)が、前記パターン(7)を検査光ビーム(99)内に符号化する角度強度を得るために、前記パターン(7)が前記シュリーレンレンズ(20)を照明するように適合されるように構成される、シュリーレンレンズ(20)と、
-前記検査ビーム線(99)と前記サンプル(2)との相互作用後に前記サンプル(2)の画像を形成するための撮像手段(40)であって、前記シュリーレンレンズ(20)は、前記マトリックス光変調手段(30)と前記撮像手段(40)との間に、前記光源(10)が活性化された場合に前記光源(10)によって生成される光ビームの光路に沿って配置される、撮像手段(40)と、
-前記撮像手段(40)によって形成された前記サンプル(2)の前記画像を検出するためのマトリックス検出手段(50)と、
を備える、測定システム(200)。
【請求項2】
前記マトリックス光変調手段(30)が、前記光源面(105)と光学的に共役する変調面(195)に配置され、前記照明ビーム(9)が、以下の手段、
-前記光源面(105)に配置された第2の開口(120)を有する第2の選択光学素子(12)と、
-前記変調面(195)に配置された第3の開口(360)を有する第3の選択光学素子(36)と、
-空間的に制限された光源(15)を含む光源(10)であって、好ましくは前記光源(15)が発光ダイオードマトリックスである、光源(10)と、
のうちの少なくとも1つによる反射における前記マトリックス光変調手段(30)の前記レベルで空間的に制限されることを特徴とする、請求項1に記載の測定システム(200)。
【請求項3】
前記第1の選択光学素子(16)が、前記第1の収束光学素子(18)の物体焦点面(185)に配置されることを特徴とする、請求項
1に記載の測定システム(200)。
【請求項4】
-第3の開口(360)を有する第3の選択光学素子(36)であって、前記マトリックス光変調手段(30)の前記レベルに配置される第3の選択光学素子(36)をさらに備えることを特徴とする、請求項
1に記載の測定システム(200)。
【請求項5】
前記照明モジュール(19)が、
前記光源(10)と前記第1の選択光学素子(16)との間に配置され、
・その物体焦点面は前記光源面(105)と一致し、
・その像焦点面は、前記第1の収束光学素子(18)と前記第2の収束光学素子(14)との間に配置された前記第1の収束光学素子(18)の前記物体焦点面(185)と一致するように構成された、
第2の収束光学素子(14)を備える、照明モジュール4Fであって、
前記照明モジュール(19)の前記像平面は、前記第1の収束光学素子(18)の前記像焦点面と一致することを特徴とする、請求項
1に記載の測定システム(200)。
【請求項6】
前記マトリックス光変調手段(30)がマトリックス位相変調手段(30)であ
り、好ましくは前記マトリックス位相変調手段(30)がシリコンマトリックス上の液晶を含むことを特徴とする、請求項
1に記載の測定システム(200)。
【請求項7】
-前記照明モジュール(19)から生じる前記照明ビーム(9)から、
・前記マトリックス光変調手段(30)に向けられた第1の光路(61)に沿ってビームスプリッタ(60)によって偏向された第1の光ビーム(91)と、
・前記マトリックス光変調手段(30)によって偏向された前記第1の光ビーム(91)の反射から生じる、第2の光路(62)に沿って前記ビームスプリッタ(60)によって透過された第2の光ビーム(92)と、
を得るように構成されたビーム分岐手段(60)、
をさらに備え
ており、
前記第1の光路(61)と前記第2の光路(62)とが好ましくは平行であることを特徴とする、請求項
1に記載の測定システム(200)。
【請求項8】
-前記照明モジュール(19)から生じる前記照明ビーム(9)から、
・前記マトリックス光変調手段(30)に向けられた第1の光路(61)に沿ってビームスプリッタ(60)によって透過された第1の光ビーム(91)と、
・前記マトリックス光変調手段(30)によって透過された前記第1の光ビーム(91)の反射から生じる、第2の光路(62)に沿って前記ビームスプリッタ(60)によって偏向された第2の光ビーム(92)と、
を得るように構成されたビーム分岐手段(60)、
をさらに備え
ており、
前記第1の光路(61)と前記第2の光路(62)とが好ましくは垂直であることを特徴とする、請求項1に記載の測定システム(200)。
【請求項9】
-前記マトリックス光変調手段(30)がマトリックス位相変調手段(30)であり、好ましくは前記マトリックス位相変調手段(30)がシリコンマトリックス上の液晶を含み、
-さらに、ビーム分岐手段(60)を備えており、
前記ビーム分岐手段(60)が、光軸Aに沿って向けられ、照明モジュール(19)から生じる前記照明ビーム(9)から、
・前記マトリックス光変調手段(30)に向けられた第1の光路(61)に沿って、ビームスプリッタ(60)によって偏向された第1の光ビーム(91)と、
・前記マトリックス光変調手段(30)によって偏向された前記第1の光ビーム(91)の反射から生じる、第2の光路(62)に沿って前記ビームスプリッタ(60)によって透過された第2の光ビーム(92)とを得られるように構成されており、
前記第1の光路(61)と前記第2の光路(62)とが好ましくは平行であり、
前記ビーム分岐手段(60)は、偏光ビームスプリッタ(60)、好ましくは偏光ビームスプリッタキューブ(60)を備え、
前記偏光ビームスプリッタ(60)は、好ましくは、前記光軸Aが前記第2の光路(62)に垂直であるように構成されていることを特徴とする、請求項
1に記載の測定システム(200)。
【請求項10】
前記光源(10)は、光源(15)と、前記光源(15)から生じる光ビームを空間的に制限するための第2の開口(120)を有する第2の選択手段(12)とを備え
、前記第2の選択手段(12)が好ましくは前記光源面(105)に配置されることを特徴とする、請求項
1に記載の測定システム(200)。
【請求項11】
前記光源(10)が空間的に制限された光源(15)を備え、好ましくは前記光源がLEDマトリックスであることを特徴とする、請求項1に記載の測定システム(200)。
【請求項12】
-前記照明モジュール(19)が、
前記光源(10)と前記第1の選択光学素子(16)との間に配置され、
・その物体焦点面は前記光源面(105)と一致し、
・その画像焦点面は、前記第1の収束光学素子(18)と前記第2の収束光学素子(14)との間に配置された前記第1の収束光学素子(18)の前記物体焦点面(185)と一致するように構成された、第2の収束光学素子(14)を備える照明モジュール4Fを備えており、
前記照明モジュール(19)の前記像平面は、前記第1の収束光学素子(18)の前記像焦点面と一致しており、
-前記光ビームが、空間的に制限された光ビーム表面積S
10に従って空間的に制限され、
-前記マトリックス光変調手段(30)が、
【数1】
式中、γは、照明モジュール(19)の倍率であり、その結果、
【数2】
式中、f
1は第1の収束光学素子(18)の焦点距離に相当し、f
2は第2の収束光学素子(14)の焦点距離に相当するように、光変調表面積S
30を有することを特徴とする、請求項
1に記載の測定システム(200)。
【請求項13】
前記第1の開口(16)が、50mm
2未満、好ましくは25mm
2未満、さらにより好ましくは10mm
2未満の第1の開口表面積(160)を有することを特徴とする、請求項1に記載の測定システム(200)。
【請求項14】
前記第1の開口(160)が前記光軸Aを中心とすることを特徴とする、請求項
1に記載の測定システム(200)。
【請求項15】
-ビーム分岐手段(60)であって、前記照明モジュール(19)から生じる前記照明ビーム(9)から、
・前記マトリックス光変調手段(30)に向けられた第1の光路(61)に沿ってビームスプリッタ(60)によって透過された第1の光ビーム(91)と、
・前記マトリックス光変調手段(30)によって透過された前記第1の光ビーム(91)の反射から生じる、第2の光路(62)に沿って前記ビームスプリッタ(60)によって偏向された第2の光ビーム(92)と、
を得るように構成されており、
前記第1の光路(61)と前記第2の光路(62)とが好ましくは垂直である、ビーム分岐手段(60)と、
-前記マトリックス位相変調手段(30)上の反射から生じる前記第2の光ビーム(92)を、第3の光路(63)に沿って前記ビームスプリッタ(60)に反射された第3の光ビーム(93)内に反射させるように配置された非平面ミラー(70)
と、を備えることを特徴とする、請求項
1に記載の測定システム(200)。
【請求項16】
-前記第1の開口(16)は、50mm
2
未満、好ましくは25mm
2
未満、さらにより好ましくは10mm
2
未満の第1の開口表面積(160)を有し、
-ビーム分岐手段(60)であって、照明モジュール(19)から生じる前記照明ビーム(9)から、
・前記マトリックス光変調手段(30)に向けられた第1の光路(61)に沿ってビームスプリッタ(60)によって透過される第1の光ビーム(91)と、
・前記マトリックス光変調手段(30)によって透過された前記第1の光ビーム(91)の反射から生じる、第2の光路(62)に沿って前記ビームスプリッタ(60)によって偏向された第2の光ビーム(92)と、
を得るように構成されており、
前記第1の光路(61)と第2(62)の光路とが、好ましくは垂直である、偏光ビーム分岐手段(60)をさらに含み、
-前記マトリックス位相変調手段(30)上の反射から生じる前記第2の光ビーム(92)を、第3の光路(63)に沿って前記ビームスプリッタ(60)に反射される第3の光ビーム(93)内に反射するように配置された非平面ミラー(70)をさらに含み、
前記偏光ビームスプリッタ(60)は、前記第3の光路(63)に沿って前記非平面ミラー(70)によって反射された前記第3の光ビーム(93)が、前記偏光ビームスプリッタ(60)によって、第4の光路(64)に沿って第4の光ビーム(94)内に偏向
または透過されるように構成されることを特徴とする、請求項
1に記載の測定システム(200)。
【請求項17】
前記シュリーレンレンズ(20)が、前記投影装置(100)と前記撮像手段(40)との間に配置されることを特徴とする、請求項
1に記載の測定システム(200)。
【請求項18】
前記シュリーレンレンズ(20)が、前記マトリックス位相変調手段(30)と前記撮像手段(40)との間の光路に配置されることを特徴とする、請求項
1に記載の測定システム(200)。
【請求項19】
前記撮像手段(40)が、
・前記第1の収束撮像光学素子(20;420)と前記第2の収束撮像光学素子(400)との間に配置された第2の焦平面(405)内に位置する第2の収束点において、一方の像の焦点が他方の物体の焦点と一致するように構成された第1の収束撮像光学素子(20;420)および第2の収束撮像光学素子(400)と、
・好ましくはさらに前記第2の収束点の周りの第4の開口を有する第4の選択光学素子(45)とを備え、
前記撮像手段(40)は、前記マトリックス検出手段(50)上で前記サンプル(2)と相互作用した前記検査ビーム(99)から前記サンプル(2)の画像を形成するように適合されていることを特徴とする、請求項1に記載の測定システム(200)。
【請求項20】
前記撮像手段(40)が撮像手段4Fであり、
前記第1の収束光学素子(20;420)は、その物体焦点面が前記サンプル(2)の平面と一致するように、前記シュリーレンレンズ(20)と前記第4の選択手段(45)との間に配置され、
前記第2の収束光学素子(400)は、その像焦点面が前記マトリックス検出手段(50)と一致するように、前記第4の選択手段(45)と前記マトリックス検出手段(50)との間に配置されていることを特徴とする、請求項
1に記載の測定システム。
【国際調査報告】