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特表2022-529733オフセンターパラシュート飛行終了システム(FTS)
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-23
(54)【発明の名称】オフセンターパラシュート飛行終了システム(FTS)
(51)【国際特許分類】
   B64D 17/62 20060101AFI20220616BHJP
   B64C 39/02 20060101ALI20220616BHJP
   B64D 17/80 20060101ALI20220616BHJP
【FI】
B64D17/62
B64C39/02
B64D17/80
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021563006
(86)(22)【出願日】2020-04-23
(85)【翻訳文提出日】2021-12-15
(86)【国際出願番号】 US2020029649
(87)【国際公開番号】W WO2020223114
(87)【国際公開日】2020-11-05
(31)【優先権主張番号】62/854,723
(32)【優先日】2019-05-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/838,833
(32)【優先日】2019-04-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/838,783
(32)【優先日】2019-04-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517211229
【氏名又は名称】エアロバイロメント,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】AeroVironment,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】特許業務法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】リソスキ,デレク
(72)【発明者】
【氏名】セクリスト,ウィリアム,スチュアート
(57)【要約】
ラッチ機構(116)を含むシステム、デバイス及び方法であって、ラッチ機構は、無人航空機(UAV)(110)のドア(114)に取り付けるように構成された第1ラッチ(116A)と、第1ラッチから遠位のUAVの一部に取り付けるように構成された第2ラッチ(116B)と、第1ラッチ及び第2ラッチの間に接続され、ドアを閉めて固定するストリング(120)と、地上管制局(104)と通信する少なくとも2本の無線モジュール(124A、B)と、第1ラッチ及び第2ラッチの間でストリングの一部に接触する少なくとも2つのバーンワイヤ(122A、B)と、を備え、バーン信号が受信されると、バックアップバッテリから少なくとも1つのバーンワイヤに電流が流れ、バーンワイヤは、第1ラッチ及び第2ラッチの間の接続を切断し、UAVのドアがUAVから分離される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラッチ機構(116)を備えるシステムであって、前記ラッチ機構は、
無人航空機(UAV)(110)のドア(114)に取り付けるように構成された第1ラッチ(116A)と、
前記第1ラッチから遠位の前記UAVの一部に取り付けるように構成された第2ラッチ(116B)と、
前記第1ラッチ及び前記第2ラッチの間に接続され、前記UAVのドアを閉めて固定するストリング(120)と、
地上管制局(104)と通信する少なくとも2つの無線モジュール(124A、B)と、
前記第1ラッチ及び前記第2ラッチの間で前記ストリングの一部に接触する少なくとも2本のバーンワイヤ(122A、B)と、を備え、
前記少なくとも2つの無線モジュールのうちの少なくとも1つは前記地上管制局からバーン信号を受信するように構成され、前記バーン信号の受信に基づいて、バックアップバッテリから前記少なくとも2本のバーンワイヤのうちの少なくとも1本のバーンワイヤに電流が流れ、前記バーンワイヤは、前記ストリングの一部を溶融させ、前記第1ラッチ及び前記第2ラッチの間の接続を切断し、前記第1ラッチ及び前記第2ラッチの間の接続が切断されるときに前記UAVのドアが前記UAVから分離される、システム。
【請求項2】
前記UAV内に配置されたパラシュートをさらに備え、前記UAVの前記ドアが前記UAVから分離されるときに前記パラシュートが展開される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記パラシュートは前記UAVの中心から外れて配置される、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記パラシュートを展開することにより、前記UAVは、制御された予測可能な方法で地面に螺旋状に降下する、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記パラシュートを展開することにより、前記UAVの第1側に抗力を生じさせ、前記抗力は、前記UAVの反対側の第2側よりも前記UAVの前記第1側を減速させ、前記UAVを回転させるトルクを前記UAVに誘発して、誘発された前記トルクに組み合わせられた前記抗力は、前記UAVに現在の飛行パターンを終了させて前記UAVを地面に向かって螺旋状に降下させる、請求項3に記載のシステム。
【請求項6】
前記少なくとも2つの無線モジュールは、
第1無線モジュール(124A)と、
第2無線モジュール(124B)と、を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記第1無線モジュールは、
アンテナ(126)と、
前記アンテナから前記バーン信号を受信するように構成されたインタフェース(128)であって、前記バッテリアックアップを切り替えて前記少なくとも2本のバーンワイヤの第1バーンワイヤ(122A)に電流を流す、インタフェース(128)と、を備える、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記地上管制局は、地上GPS受信機130、地上RFエミッタ109、地上RF受信機132及び視覚帯域エミッタ133と通信する、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記ストリングは可燃性材料から形成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記少なくとも2本のバーンワイヤはニクロム(NiCr)から形成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
ラッチ機構(116)の2以上の無線モジュール(124A、B)のうちの第1無線モジュール(124A)のインタフェース(128)でバーン信号を受信することと、
前記インタフェースを介して、少なくとも1つのバッテリバックアップ(113)を切り替えて、前記バッテリバックアップから前記第1無線モジュールの第1導電性バーンワイヤ(122A)に電流を流すことであって、前記第1導電性バーンワイヤはストリング(120)の一部に取り付けられる、電流を流すことと、
前記第1導電性バーンワイヤによって、第1ラッチ(116A)及び第2ラッチ(116B)の間に接続されたストリングの一部を溶融させることであって、前記第1ラッチは、無人航空機(UAV)(110)のドア(114)に取り付けるように構成され、前記第2ラッチは、前記第1ラッチから遠位の前記UAVの一部に取り付けるように構成され、前記ストリングが前記UAVの前記ドアを閉めて固定するように構成される、溶融させることと、を含む方法。
【請求項12】
前記第1ラッチ及び前記第2ラッチの間の接続が切断されるときに前記UAVから前記UAVの前記ドアを分離することをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記UAVの前記ドアが前記UAVから分離するときにオフセンターパラシュート(118)を展開することをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記オフセンターパラシュートを展開することにより、前記UAVは、制御された予測可能な方法で地面に螺旋状に降下する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記パラシュートを展開することにより、前記UAVの第1側に抗力を生じさせ、前記抗力は、前記UAVの反対側の第2側よりも前記UAVの前記第1側を減速させ、前記UAVを回転させるトルクを前記UAVに誘発して、誘発された前記トルクに組み合わせられた前記抗力は、前記UAVに現在の飛行パターンを終了させ前記UAVを地面に向かって螺旋状に降下させる、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記ストリングは可燃性材料から形成される、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記少なくとも2本のバーンワイヤはニクロム(NiCr)から形成される、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
前記ドアが前記UAVから分離しなかったことを判定することと、
前記ラッチ機構の前記2以上の無線モジュールのうちの第2無線モジュール(124A)の第2インタフェース(128)で第2バーン信号を受信することと、
前記第2インタフェースを介して、前記少なくとも1つのバッテリバックアップを切り替えて、前記バッテリバックアップから前記第1無線モジュールの第2導電性バーンワイヤ(122B)に電流を流すことであって、前記第2導電性バーンワイヤは前記ストリングの一部に取り付けられる、電流を流すことと、
前記第2導電性バーンワイヤによって、前記第1ラッチ及び前記第2ラッチの間に接続された前記ストリングの一部を溶融させることと、を含む、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
[0001] 本願は、2019年4月25日に出願された米国仮特許出願第62/838,783号、2019年4月25日に出願された米国仮特許出願第62/838,833号及び2019年5月30日に出願された米国仮特許出願第62/855,605号の優先権及び利益を主張し、これらの出願のすべての内容はあらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002] 本発明は、概して無人航空機(UAV)に関し、より具体的にはUAVの飛行終了に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] 飛行終了システム(FTS)は、航空機の飛行の制御された終了を提供する機内要素を含む。FTSは、飛行の安全性を高めるために航空機から独立し得る。FTSは、故障した場合に航空機の飛行を終了させることができる。
【発明の概要】
【0004】
[0004] システムの実施形態は、ラッチ機構を含んでもよく、ラッチ機構は、無人航空機(UAV)のドアに取り付けるように構成された第1ラッチと、第1ラッチから遠位のUAVの一部に取り付けるように構成された第2ラッチと、第1ラッチ及び第2ラッチの間に接続されたストリングであって、UAVのドアを閉めて固定するストリングと、地上管制局と通信する少なくとも2つの無線モジュールと、第1ラッチ及び第2ラッチの間でストリングの一部に接触する少なくとも2本のバーンワイヤと、を備え、少なくとも2つの無線モジュールのうちの少なくとも1つは地上管制局からバーン信号を受信するように構成されてもよく、バックアップバッテリからの電流は、バーン信号が受信され得るときに少なくとも2本のバーンワイヤのうちの少なくとも1本のバーンワイヤに流れ、バーンワイヤがストリングの一部を溶融させて第1ラッチ及び第2ラッチの間の接続を切断させ、第1ラッチ及び第2ラッチの間の接続が切断され得るときにUAVのドアがUAVから分離されてもよい。
【0005】
[0005] 追加のシステムの実施形態は、UAV内に配置されたパラシュートを含んでもよく、パラシュートは、UAVのドアがUAVから分離され得るときに展開されてもよい。追加のシステム実施形態では、パラシュートは、UAVの中心から外れて配置されてもよい。追加のシステム実施形態では、パラシュートを展開することにより、UAVは、制御された予測可能な方法で地面に向かって螺旋状に降下してもよい。追加のシステム実施形態では、パラシュートを展開することにより、UAVの第1側に抗力が生じてもよく、抗力は、UAVの反対の第2側よりもUAVの第1側を減速させ、UAVにUAVを回転させるトルクを誘発し、誘発されたトルクと組み合わされた抗力は、UAVに、現在の飛行パターンを終了させて地面に向かって螺旋状に降下させる。
【0006】
[0006] 追加のシステムの実施形態では、少なくとも2つの無線モジュールが第1無線モジュール及び第2無線モジュールを含んでもよい。追加のシステム実施形態では、第1無線モジュールは、アンテナと、アンテナからバーン信号を受信するように構成されたインタフェースであって、バッテリバックアップを切り替えて少なくとも2本のバーンワイヤのうちの第1バーンワイヤに電流を流すインタフェースと、を含んでもよい。
【0007】
[0007] 追加のシステムの実施形態では、地上管制局は、地上GPS受信機130、地上RFエミッタ109、地上RF受信機132及び視覚帯域エミッタ133と通信してもよい。追加のシステムの実施形態では、ストリングは可燃性材料から形成されてもよい。追加のシステム実施形態では、少なくとも2本のバーンワイヤはニクロム(NiCr)から形成されてもよい。
【0008】
[0008] 方法の実施形態は、ラッチ機構の2以上の無線モジュールのうちの第1無線モジュールのインタフェースでバーン信号を受信することと、インタフェースを介して、少なくとも1つのバッテリバックアップを切り替えて、バッテリバックアップから第1無線モジュールの第1導電性バーンワイヤに電流を流すことであって、第1導電性バーンワイヤはストリングの一部に取り付けられ得る、電流を流すことと、第1導電性バーンワイヤによって、第1ラッチ及び第2ラッチの間に接続されたストリングの一部を溶融させることであって、第1ラッチは、無人航空機(UAV)のドアに取り付けるように構成されてもよく、第2ラッチは、第1ラッチから遠位のUAVの一部に取り付けるように構成されてもよく、ストリングがUAVのドアを閉めて固定するように構成され得る、溶融させることと、を含んでもよい。
【0009】
[0009] 追加の方法の実施形態は、第1ラッチ及び第2ラッチの間の接続が切断され得るときにUAVのドアをUAVから分離することを含んでもよい。追加の方法の実施形態は、UAVのドアがUAVから分離するときにオフセンターパラシュートを展開することを含んでもよい。追加の方法の実施形態では、オフセンターパラシュートを展開すると、UAVが、制御された予測可能な方法で地面に向かって螺旋状に降下する。追加の方法の実施形態では、パラシュートを展開すると、UAVの第1側に抗力が生じ、抗力は、UAVの反対の第2側よりもUAVの第1側を減速させ、UAVにUAVを回転させるトルクを誘発し、誘発されたトルクと組み合わされた抗力は、UAVに、現在の飛行パターンを終了させて地面に向かって螺旋状に降下させる。
【0010】
[0010] 追加の方法の実施形態では、ストリングは可燃性材料から形成されてもよい。追加の方法の実施形態では、少なくとも2本のバーンワイヤはニクロム(NiCr)から形成されてもよい。追加の方法の実施形態は、ドアがUAVから分離しなかったことを判定することと、ラッチ機構の2以上の無線モジュールのうちの第2無線モジュールの第2インタフェースで第2バーン信号を受信することと、第2インタフェースを介して、少なくとも1つのバッテリバックアップを切り替えてバッテリバックアップから第1無線モジュールの第2導電性バーンワイヤに電流を流すことであって、第2導電性バーンワイヤはストリングの一部に取り付けられてもよい、電流を流すことと、第2導電性バーンワイヤによって、第1ラッチ及び第2ラッチの間に接続されたストリングの一部を溶融させることと、を含んでもよい。
【0011】
[0011] 図面中の構成要素は必ずしも一定の縮尺である必要はなく、代わりに本発明の原理を説明することに重点が置かれている。同様の参照符号は、様々な図を通じて対応の部品を示す。実施形態は、例として示されており、かつ、添付の図面の図に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】[0012] 一実施形態に係る、無人航空機のオフセンターパラシュートを展開するためのシステムを示している。
図2】[0013] 一実施形態に係る、図1の無人航空機のコンピューティングデバイスのハイレベル機能ブロック図を示している。
図3】[0014] 一実施形態に係る、図1のオフセンターパラシュートシステムの部分的に透明な側面図を示している。
図4】[0015] 一実施形態に係る、図3のオフセンターパラシュートシステムに関連する無線モジュールを示している。
図5】[0016] 一実施形態に係る、図1の無人航空機のオフセンターパラシュートを展開するためのプロセスを示している。
図6】[0017] 一実施形態に係る、無人航空機のオフセンターパラシュートを展開するための方法の流れ図を示している。
図7】[0018] 一実施形態に係る、無人航空機の飛行終了システムの方法の実施形態のハイレベルフローチャートを示している。
図8】[0019] システム及びプロセスの一実施形態を実施するためのコンピューティングシステムのハイレベルブロック図及びプロセスを示している。
図9】[0020] 一実施形態が実施され得る例示的なシステムのブロック図及びプロセスを示している。
図10】[0021] 本明細書に開示されるシステム及びプロセスの一実施形態を実施するためのクラウドコンピューティング環境を示している。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[0022] 以下の説明は、本明細書に開示される実施形態の一般的原理を説明する目的で行われ、かつ、本明細書に開示される概念を限定することを意味するものではない。さらに、本明細書で説明する特定の特徴は、様々な可能な組み合わせ及び順列の各々において、他の説明する特徴と組み合わせて使用されることができる。本明細書で他の方法で特に定義されない限り、すべての用語は、説明から暗示される意味、並びに、当業者によって理解される及び/又は辞書、論文などで定義される意味を含む、可能な限りより広い解釈を与えられるべきである。
【0014】
[0023] 飛行終了システム(FTS)の一実施形態は、遠隔オペレータによって制御される自爆システムである。FTSの別の実施形態は、航空用途における胴体からのロケットなどの構成要素の分離を提供する分離システムである。FTSの別の実施形態は、航空機への電源喪失、機器の誤動作などの場合に安全に着陸するためのパラシュート切り離しシステムである。パラシュートシステムの一実施形態は、無人航空機(UAV)のオフセンター(中心を外れた)パラシュートシステムであり、1つのパラシュートがUAVの片側に配置されている。オフセンターパラシュートを展開すると、UAVが地面に向かって螺旋状に降下し、着陸が低速で安全になり、降下率及び飛行経路が予測可能になる。オフセンターパラシュートシステムは、継続的に係合されるソレノイドを含んでもよい。UAVで電源が失われると、ソレノイドはパラシュートを自動的に展開させてもよい。他のシステムは、パラシュートを展開させるために自動的に作動するソレノイドを含んでもよい。こうした構成は、手動操作及び/又は無効化を許容しない場合がある。オペレータが手動でパラシュートを展開させる機能を有する冗長性フェイルセーフ措置を有する、オフセンターラッチ-ストリングパラシュートシステムが望まれる。
【0015】
[0024] UAVのオフセンターパラシュートを展開するためのシステムの実施形態が提示される。一例では、UAVは高高度長航続時間太陽光発電航空機である。オフセンターパラシュートシステムは、ラッチを維持するストリングを含んでもよい。ストリングは、ストリングを溶融させてパラシュートを展開させるためにそれに取り付けられた2本の冗長なバーンワイヤを含んでもよい。より具体的には、ストリングがバーンワイヤのうちの少なくとも1本によって燃焼させられると、その後、ラッチが開いてパラシュートを展開させる。この二重バーンワイヤ構成は、システムのうちの1つで発生する可能性のある障害を排除するために独立した冗長システムを提供する。冗長性は、バーンワイヤの1つが誤動作した場合のフェイルセーフとしても機能する。
【0016】
[0025] 本実施形態では、ワイヤがストリングに取り付けられる各側でワイヤがストリングを溶融させてもよい。さらに、各ワイヤは、無線、アンテナ及びインタフェースを含む回路に関連付けられてもよい。回路は、パラシュートを展開して地面に向かって航空機を螺旋状に降下させるためにオペレータから無線又は有線でコマンド信号を受信するように構成されてもよい。この構成は、パラシュートを手動で展開するためのコマンド信号を送信するオペレータの柔軟性を提供する。
【0017】
[0026] 図1を参照すると、無人航空機(UAV)110のオフセンターパラシュートを展開するためのシステム100が示されている。UAVは、パイロットが搭乗していない航空機であり、かつ、自律的に又は遠隔で飛行してもよい。一実施形態では、UAV110は高高度長航続時間航空機である。一実施形態では、UAV110は、1以上のモータ、例えば、1~40個のモータと、100フィート~400フィートの翼幅と、を有してもよい。一実施形態では、UAV110は、約260フィートの翼幅を有し、かつ、複数のモータ、例えば、10個の電気モータによって推進される。UAV110の電気モータは、翼の表面の一部を覆う太陽電池によって動力を供給されてもよく、その結果、ゼロエミッションをもたらす。UAV110は、海抜約65000フィートの高度で雲の上方を飛行し、着陸せずに最大数か月の継続的な長期ミッション用に設計されている。
【0018】
[0027] UAV110は、少なくとも部分的にUAVの軽量ペイロードにより、高高度で最適に機能し、かつ、着陸する必要なしにかなりの期間の持続飛行が可能である。一実施形態では、UAV110は、約3000ポンドの重量を有してもよく、かつ、翼パネルセクション及び中央パネルを含んでもよく、翼パネルセクションの相互及び/又は中央パネルへの取付性及び取外性のために、UAV110の効率的な組立及び分解を提供する。
【0019】
[0028] オフセンターパラシュート展開システム100は、電源を喪失した又は他の困難を経験したUAVの安定した予測可能な着陸を可能にし、UAVを飛行維持不能にする。これは、UAV110上でパラシュートの展開をトリガする地上局104のオペレータ106によって達成されてもよい。パラシュートが展開されると制御された予測可能な降下のためにUAV110を螺旋状に降下させるように、パラシュートはUAV110の片側に配置されてもよい。
【0020】
[0029] 一実施形態では、オフセンターパラシュート展開システム100の作動が、モータの制御又は他の飛行制御を遮断してもよく、したがって、UAV110は、オフセンターパラシュートの展開から生じる旋回(turn)を停止しなくてもよい。作動が不注意でなされた又は異常によって引き起こされた場合、コマンドがオペレータ106によってオフセンターパラシュート展開システム100に送信されて、モータの制御又は他の飛行制御を再び有効にしてもよい。これにより、UAV110は、開始された旋回を停止し、かつ、着陸パターンに対するある程度の制御を取り戻すことができてもよい。
【0021】
[0030] 一実施形態では、UAV110は、一般的な修理、保守などのために降下して着陸エリア102に着陸する。航空機110はその後になって再び発射され得る。別の実施形態では、UAV110は、着陸エリア102ではなく、航空機110が移動する飛行パターンよりも一般的に下方の場所に降下する。
【0022】
[0031] 一実施形態では、着陸エリア102は、着陸エリア102から任意の方向への接近及び離陸を可能にする円形である。他の着陸エリアの形状が可能であり検討される。着陸エリアはアスファルト又はコンクリートで舗装されていてもよい。他の実施形態では、着陸エリアは、草又は別の有機材料から形成されてもよい。
【0023】
[0032] 地上管制局104はUAV110と通信してもよい。地上管制局104は、航空機制御のための中央ハブであってもよい。図1に関して、UAV110は、大気の成層圏層内の静止飛行パターンにあり、かつ、地上局に関連する地上無線周波数(RF)エミッタのビーム幅内にあり得る。一実施形態では、UAV110は、地上局104に関連する地上GPS受信機130のビーム幅内にあり得る。GPS受信機130は、地上局104及び着陸地点の位置を、地上局104のオペレータ及びUAV110に提供するように構成されてもよい。以下で詳細に説明するように、各UAV110は、UAV110の位置を計算するための専用のGPS受信機を含んでもよく、かつ、地上局104と通信する地上RF受信機132を介して地上局104に関連の位置データを通信してもよい。
【0024】
[0033] 地上RFエミッタ109は、UAV110が地上局104及び/又は着陸地点の位置を知るように、UAV110に信号を送信してもよい。視覚帯域エミッタ133などの、UAV110との地上通信用に構成された他のエミッタが含まれてもよい。一実施形態では、地上RFエミッタ109は、UAV110に信号を送信して、一般に、UAV110にコマンドを通信してもよい。
【0025】
[0034] 一実施形態では、オペレータ106は、UAV110からのオフセンターパラシュート展開を管理するために地上管制局104に配置されている。UAV110の管理のために複数のオペレータを有することが可能である。UAV110が電源を喪失した又はUAV110を飛行維持不能にする他の困難を経験した場合、オペレータ106は、オフセンターパラシュートを展開することによって航空機110の降下をトリガしてもよい。別の実施形態では、オペレータ106は、地上管制局104及び/又は着陸地点102から離れて配置されてもよい。
【0026】
[0035] オペレータ106は、UAV110の様々な態様を制御してもよい。例えば、UAVの帰還は、100日ごとなどの事前に決定されたスケジュールで行われることができる。しかしながら、UAV110が電源を喪失して予定より早く降下する必要がある場合、オペレータ106は、スケジュールを無効にし、UAV110をトリガして、UAV110が、着陸地点102から離れ過ぎていると見なされる、例えば、視覚範囲外であると見なされる少し離れた距離にある場合、関連のパラシュートを展開してUAV110を着陸地点102又は別の地点に降下させ得る。オペレータ106は人として描かれているが、オペレータ106は、図2に示すように、アドレス可能なメモリを有するプロセッサであってもよい。ある実施形態では、UAV110の制御及び/又はUAV110上のパラシュートの展開はオペレータ106を介して行われてもよい。他の実施形態では、UAV110の制御及び/又はUAV110上のパラシュートの展開は、地上管制局104、自律システム、半自律システムなどを介して行われてもよい。ある実施形態では、地上管制局104は、地上GPS受信機130、地上RFエミッタ109、地上RF受信機132、及び/又は、視覚帯域エミッタ133を含んでもよい。他の実施形態では、地上管制局104は、地上GPS受信機130、地上RFエミッタ109、地上RF受信機132、及び/又は、視覚帯域エミッタ133と通信してもよい。
【0027】
[0036] 図2は、地上管制局のオペレータによって操作されるコンピューティングデバイス108のハイレベル機能ブロック図の一例を示している。コンピューティングデバイス108は、中央処理装置(CPU)などのプロセッサ138と、アドレス可能メモリ140と、例えば、任意選択的なユニバーサルシリアルバスポート及び関連の処理並びに/又はイーサネットポート及び関連の処理などの外部デバイスインタフェース142と、例えば、ステータスライトのアレイ及び1以上のトグルスイッチ及び/又はディスプレイ及び/又はキーボード及び/又はポインタ-マウスシステム及び/又はタッチスクリーンなどの任意選択的なユーザインタフェース144と、を備えている。任意選択的に、アドレス可能なメモリは、例えば、フラッシュメモリ、eprom及び/若しくはディスクドライブ又は他のハードドライブであってもよい。これらの要素は、データバス146を介して互いに通信してもよい。ある実施形態では、ウェブブラウザ150及びアプリケーション152をサポートするものなどのオペレーティングシステム148を介して、プロセッサ138は、UAVのオフセンターパラシュートの展開のためのステップを実行するように構成され得る。
【0028】
[0037] 図1に示すように、地上RFエミッタ109は、図2のプロセッサ138と通信してもよい。より具体的には、オペレータ106は、アプリケーション152を用いてコンピューティングデバイス108でコマンドを実行し得る。プロセッサ138は、コマンドを処理してRFエミッタ109と通信して、UAV110によって受信されるべき無線周波数信号を送信し得る。一実施形態では、RFエミッタ109は、オフセンターパラシュートの展開のためにUAV110にRF信号を送信するように構成される。
【0029】
[0038] 図3に関して、UAV110は、UAV110の片側117(図1も参照)に配置されたドア114を有してもよい。図3のUAV110は、開示されたシステム及び方法における構成要素を説明するために部分的に透明であるように示されている。ドア114は、ラッチ機構116などのロック機構で閉じて固定されてもよい。ラッチ機構116はパラシュート118を切り離すことができる(図5を参照)。一実施形態では、ラッチ機構116は、ドア114に固定された第1パネル116Aと、UAV110の胴体などの本体111に取り付けられた第2パネル116Bと、から構成されてもよい。別の実施形態では、両方のラッチパネル116A、Bがドア114に取り付けられている。さらに別の実施形態では、両方のラッチパネル116A、Bが本体111に取り付けられている。パネル116A、Bは、炭素繊維、チタン、アルミニウムなどの軽量で耐久性を有する材料から形成されてもよい。一実施形態では、第1及び第2パネル116A、Bは同じ材料から形成される。別の実施形態では、第1及び第2パネル116A、Bは異なる材料から形成される。
【0030】
[0039] 一実施形態では、ラッチ機構116は、ドア114を閉じて、すなわち、閉鎖位置に固定するために、パネル116A、Bに取り付けられたストリング120をさらに含む。より具体的には、ストリング120の第1端部120Aは第1パネル116Aに取り付けられ、ストリング120の第2端部120Bは第2パネル116Bに取り付けられる。ラッチ機構116は、張力下でストリング120によって閉鎖された状態に保持されてもよい。一実施形態では、ストリング120が燃焼されると、ドア114は、重力によって胴体から離れるように旋回し得、その後、ドア114は、風力によってUAV110から切り離され得る。そのように構成されて、ストリング-ラッチ接続は、ドア114が閉じて固定される。一実施形態では、ストリング120は、軽量ナイロンカーンマントル(kernmantle)(例えば、パラコード又は550コード)から形成される。ポリエステルなどの他のストリング材料も可能である。ストリング120は、追加の強度のために多数の織り合わされたストランドを有する編組シースであってもよい。ある実施形態では、ストリング120はロープであってもよい。ある実施形態では、ストリング120は任意の可燃性材料であってもよい。ある実施形態では、ストリング120の一部が任意の可燃性材料から形成されてもよい。
【0031】
[0040] 図5に関して、オフセンターパラシュート118はドア114の背後でUAV110内に包含される。パラシュート118は、UAV110への予期しない電源の喪失又は別の壊滅的な異常の場合に、UAV110の制御された予測可能な降下を提供し得る。単一のパラシュート118をUAVの片側117に、すなわち、中心から外して展開することによって、UAV110は地面に向かって螺旋状に降下する。より具体的には、パラシュート118が展開されると、パラシュートは、UAV110の片側117に抗力、例えば、空気力学的抗力を引き起こし得る。パラシュート118は、UAV110の中心ではなく片側117に配置されているので、抗力は、UAV110の他方の側よりも一方の側117を減速させる。これにより、UAV110にねじり力又はトルクが発生し、UAV110を回転させる。誘発されたトルクと組み合わされた抗力により、UAV110は、現在の飛行パターンを終了し、かつ、地面に向かって螺旋状に降下する。
【0032】
[0041] UAV110が経験する抗力及び回転の量、及びしたがって、降下率は、UAV110のパラシュートのサイズ、形状及び位置に基づき得る。高度の一時的な低下率は降下率又は沈下率と呼ばれ得る。より具体的には、パラシュート118は、所望の降下率又は沈下率を生成するのに十分に実質的に大きいサイズを有し得る。
【0033】
[0042] 一実施形態では、パラシュート118は、例えば、直径が約11フィートであり、有効抗力面積が約143平方フィートであり、したがって、毎分約200フィートの海面相当の沈下率を生成し得る。海面相当の沈下率は、抗力係数、空気の密度及びUAV110の速度の関数であり得る。さらに、オフセンターパラシュート118の位置は、UAV110が回転する際にUAV110が回転中に不安定にならないように、UAV110の中心から離れて配置され得る。一実施形態では、パラシュート118は、例えば、UAV110の中心から37フィートの距離、又は、UAV110の約14%の翼幅に配置されてもよい。
【0034】
[0043] トリガイベント又は障害の後にUAV110のステアリング又は一般的なヨー制御動作の電源が回復された場合、その後、UAV110の回転は停止され得る。一実施形態では、電源は、UAV110のステアリング制御を可能にするためにモータ112に回復される。別の実施形態では、UAV110は2以上のモータ112を有しており、UAV110の回転は、各モータ112に異なる推力を与えることによって制御されて、UAV110の回転を停止させることを可能にしてもよい。パラシュート展開の高度での空気の密度及びパラシュートの抗力係数など、他の要因が降下率に関連し得る。
【0035】
[0044] 一実施形態では、パラシュート118は、いわゆるドローグパラシュートであり、これは、UAV110の速度のためにさもなければ引き裂かれる可能性がある従来のパラシュートよりも小さい。一実施形態では、パラシュート118はナイロンから形成される。キャンバス、シルク、テリレン、ダクロン及びケブラーなどの他のパラシュート材料が可能であり検討される。パラシュートは、長さ20フィート~50フィートのテザー上で5フィート~20フィートの直径を有し得る。UAVのサイズに基づいて他のパラシュートの直径及びテザーの長さも可能であり検討される。
【0036】
[0045] 図3に示すように、ラッチ機構116は、ドア114をしっかりと閉めた状態に維持する。ラッチ機構116を解放してパラシュート118を展開するために、ストリング120は切断されなければならない。そのため、2以上の同一のバーンワイヤ122A、Bがストリング120に沿って間隔を空けて配置される。一実施形態では、バーンワイヤ122A、Bは、典型的には、ニッケル及びクロムの様々な合金並びに鉄及び白金などの他の可能な元素の組み合わせであるニクロム(NiCr)から形成される。バーンワイヤ122A、Bは、伝導性の低い材料であり(例えば、熱伝導率が低い)、加熱、及びしたがって、ストリング120の燃焼のために使用され得る。バーンワイヤ122A、Bはまた、加熱するために、電気を非効率的に伝導してもよく、例えば、熱伝導率が低くてもよい。さらに、ワイヤ122A、Bは、空気中で熱力学的に安定である酸化クロムの外層を発現させることができる。そうでなければ、バーンワイヤ122A、Bは、加熱されると空気中で急速に酸化し、かつ、脆くなっておそらく破損する。バーンワイヤ122A、Bは第1バーンワイヤ122A及び第2バーンワイヤ122Bを含んでもよい。
【0037】
[0046] バーンワイヤ122A、Bの各々には1以上のそれぞれの無線モジュール124A、Bが取り付けられている。無線モジュール124A、Bは、RFエミッタ109との通信を可能にする電子要素、並びに、バーンワイヤ122A、Bを加熱してストリング120を燃焼させ、パラシュート118を展開するための電子機器を含む。一実施形態では、無線モジュールは、RFエミッタ109から信号を受信するための一方向無線モジュールであり得る。別の実施形態では、無線モジュール130は、図1に示すように、RFエミッタ109から信号を受信し、かつ、RF受信機132に信号を送信し得る双方向無線モジュールであり得る。一実施形態では、2つの無線モジュール124A、Bは同一である。別の実施形態では、無線モジュールのうちの1つは追加の回路要素を有し得る。無線モジュールのうちの一方124Aはドア114に取り付けられてもよく、他方のモジュール124BはUAV110の本体111に取り付けられてもよく、又は、その逆でもよい。別の実施形態では、モジュール124A、Bの両方がドア114に取り付けられている。さらに別の実施形態では、モジュール124A、Bの両方がUAV110の本体111に取り付けられている。したがって、上記の任意の組み合わせが実装され得る。2つのバーンワイヤ122A、B及び2つの無線モジュール124A、Bが示されているが、任意の数のバーンワイヤ及び無線モジュールが可能であり検討される。
【0038】
[0047] 図4に関して、無線モジュール124Aなどの無線モジュールは、図1に示すように、RFエミッタ109から無線周波数信号を受信するためのアンテナ126を有してもよい。アンテナ126は、図1に示すように、RFエミッタ109と同じ周波数に調整され得る。アンテナ126は金属製であり得る。一例では、各アンテナ126は銅から形成されてもよい。アルミニウム又はステンレス鋼など、他の材料も可能である。無線モジュール124Aはまた、インタフェース128、例えば、ステータスライトのアレイ、センサ及び1以上のトグルスイッチ、並びに/又は、タッチスクリーンを有し得る。
【0039】
[0048] 実施形態の一態様では、図1に示すようなオペレータ106は、UAV110への電源喪失又はその他の異常の場合の制御された降下及び所定の位置への予測可能な墜落着陸について、図5に示すように、オフセンターパラシュート118を展開するためのコマンドを実行する。通常、UAV110への電源が喪失されると、搭載のバックアップバッテリがある。バックアップ電源は、無線モジュール124A、Bに電力を供給するために使用され得る。UAV110が高高度にある場合、オペレータは、制御された降下及び予測可能な衝突着陸位置のためにパラシュート118を展開することを望み得る。UAV110がすでに地面に十分に接近している場合、UAV110は、提供されたバックアップ電源又はUAV110のモータによって供給された回生電力で下降し得る。
【0040】
[0049] 一実施形態では、UAV110で電源が喪失されたとき、パラシュート118は自動的に展開しない。むしろ、UAV110の自動操縦機構は、電源が喪失されるとすぐに飛行機を着陸させ始めてもよく、パラシュートの展開はオペレータ106によって手動で制御される。より具体的には、オペレータ106は、アプリケーション152を用いてコンピューティングデバイス108でコマンドを実行し得る。プロセッサ138は、コマンドを処理し、RFエミッタ109と通信して、UAV110によって受信される無線周波数信号を送信し得る。一実施形態では、無線周波数バーン信号129は、RFエミッタ109からUAV110の無線モジュール124Aのうちの1つに送信される。無線モジュール124Aが信号を受信しない又は誤動作している場合、オペレータ106は、図1に示すように、第2バーンワイヤ122Bに関連する無線モジュール124BにRFバーン信号129を送信するためのコマンドを実行する。これにより、冗長で独立したシステムが提供される。別の実施形態では、図1に示すように、無線周波数バーン信号129は、RFエミッタ109から無線モジュール124A、Bの両方に同時に送られ、両方のバーンワイヤ122A、Bが作動される。
【0041】
[0050] 別の実施形態では、RFバーン信号129は、UAV110に搭載された飛行制御コンピュータ(FCC)107(図1を参照)に送信され得る。FCC107は無線モジュール124A、Bのいずれか又は両方と通信して、バーン信号129をバーンワイヤ122A、Bに向け得る。別の実施形態では、UAV110に搭載されたFCC107は、緊急着陸が必要とされると判定し、それにより、例えば、航空機110への電源喪失の場合に、又は、オペレータ106を関与させる必要なしにUAV110で直ちに検出された他のいくつかの壊滅的な異常の場合に、制御された降下及び予測可能な衝突着陸位置のためにオフセンターパラシュート118を展開するコマンドを実行し得る。
【0042】
[0051] 一実施形態では、アンテナ126は、飛行終了システム100のRFエミッタ109からバーン信号129を受信してバーンワイヤ122A、Bを作動させる。より具体的には、図4に関して、インタフェース128は、アンテナ126の出力154からバーン信号129を受信してUAVバックアップバッテリ113を切り替え、出力156から導電性バーンワイヤ122A、Bに電流を流し、ワイヤ122A、Bの温度を上昇させる。各バーンワイヤ122A、Bによって放散される熱は、特定のバーンワイヤの抵抗率及び厚さの関数である。一実施形態では、バーンワイヤ122A、Bは、バックアップバッテリ113によって生成された電流によって十分に加熱されてワイヤを燃焼させる。そうした実施形態では、ワイヤを流れる電流は約2~3アンペアであり得る。一実施形態では、バーンワイヤ122A、Bの直径は約0.010インチである。一実施形態では、ワイヤ122A、Bは、バックアップバッテリ113の電圧及び周囲温度に応じて、ストリング120を溶融させるのに1~15秒かかる。
【0043】
[0052] ストリング120が切断されると、図3に示すようにドア114が開き、図5に示すようにパラシュート118が展開する。一実施形態では、ストリング120が無線モジュール124Aの第1バーンワイヤ122Aによって溶融されない場合、オペレータ106は、第2バーンワイヤ122Bに関連する無線モジュール124BにRFバーン信号129を送信してドアを開くためのコマンドを実行する。別の実施形態では、無線周波数バーン信号129は、RFエミッタ109から無線モジュール124A、Bの両方に送信され、かつ、両方のバーンワイヤ122A、Bが同時に作動される。すなわち、オペレータ106又はUAV110は、様々なセンサを介して、展開が成功したかどうかを判定し、成功しなかった場合、パラシュート118の展開のための第2手段又はバックアップ手段を開始し得る。
【0044】
[0053] システム100の実施形態は、航空機の電源喪失又は他の誤動作の場合にUAV110の安全な着陸のための冗長で独立したシステムを提供する。オペレータ106は、地上RFエミッタ109を介して無線モジュール124A、Bのアンテナ126にバーン信号129を送信する。インタフェース128は、アンテナ126の出力154からバーン信号129を受信し、UAVバックアップバッテリ113を切り替えて、出力156から導電性バーンワイヤ122A、Bに電流を流し、ワイヤ122A、Bの温度を上昇させる。その後、バーンワイヤ122A、Bは、熱を放散してラッチ機構116のストリング120を溶融させ、それによって、ドア114を開けてオフセンターパラシュート118を展開し、制御された予測可能な方法で着陸エリア又は着陸エリアから離れた安全な溝地点にUAV110が螺旋状に降下することを可能にする。第1バーンワイヤが失敗した場合、オペレータ106は、無線モジュール124Bの独立した冗長な第2バーンワイヤにバーン信号129を送信して、オフセンターパラシュート118が切り離されることを確実にする。
【0045】
[0054] 図6に関して、無人航空機(UAV)の電源喪失又は他の誤動作の場合にUAVを安全に着陸させるための冗長で独立した飛行終了システムを提供するための方法200のフローチャートが示されている。オペレータ及び/又は地上管制局は、地上無線周波数(RF)エミッタを介して、UAVのラッチ機構の少なくとも1つの無線モジュールにバーン信号を送信し得る(ステップ202)。少なくとも1つの無線モジュールのインタフェースはバーン信号を受信する(ステップ204)。ある実施形態では、少なくとも1つの無線モジュールは、信号を受信するためのアンテナを含んでもよい。インタフェースは、インタフェースを介して、UAVの少なくとも1つのバックアップバッテリを切り替えて、少なくとも1つのバックアップバッテリから少なくとも1つの無線モジュールの導電性バーンワイヤに電流を流し、バーンワイヤの温度を上昇させ得る(ステップ206)。次に、バーンワイヤは熱を放散して、UAVのドアを閉めた状態に保持するラッチ機構のストリングを溶融させ、それによって、UAVのドアを開ける(ステップ208)。ラッチ機構がドアを所定の位置に保持しなくなると、風の抵抗、重力などによってドアがUAVから切り離され得る。UAVドアが開くと、オフセンターパラシュートが展開される(ステップ210)。オフセンターパラシュートは、UAVが、螺旋状に降下し、制御された予測可能な方法で着陸エリア又は着陸エリアから離れた安全な溝地点に着陸することを可能にする(ステップ210)。ある実施形態では、第1バーンワイヤが失敗した場合、オペレータ及び/又は地上管制局は、ラッチ機構の第2無線モジュールの独立した冗長な第2バーンワイヤにバーン信号を送信して、オフセンターパラシュートが切り離されることを確実にし得る。別の実施形態では、RFエミッタから無線周波数バーン信号が無線モジュールの両方に送信され得、両方のバーンワイヤが同時に作動される。すなわち、オペレータ又はUAVは、様々なセンサを介して、展開が成功したかどうかを判定し、成功しなかった場合は、パラシュートの展開のための第2手段又はバックアップ手段を開始し得る。他の実施形態では、第1バーンワイヤがストリングを溶融させない場合、第2バーンワイヤは、バックアップバッテリから電流を受け取ってストリングを溶融させ、ドアを開け、かつ、パラシュートを展開し得る。
【0046】
[0055] 別の実施形態では、RFバーン信号は、UAVに搭載された飛行制御コンピュータ(FCC)に送信され得る。FCC107は、無線モジュールのいずれか又は両方と通信して、バーンワイヤにバーン信号を向ける。別の実施形態では、UAVに搭載されたFCCは、緊急着陸が必要とされると判定し、それにより、例えば、UAVへの電源喪失又はオペレータの関与を必要とせずにUAVで即座に検出されたその他の壊滅的な異常の場合に、制御された降下及び予測可能な墜落着陸位置のためにオフセンターパラシュートを展開するコマンドを実行する。
【0047】
[0056] 図7は、一実施形態に係る、無人航空機の飛行終了システムのための方法700の実施形態のハイレベルフローチャートを示している。方法300は、無人航空機(UAV)のトリガイベントをチェックすることを含み得る(ステップ302)。トリガイベントは、UAVの電源の喪失、UAVの1以上の電気モータの制御の喪失、地上管制局及びUAVの間の通信の喪失などであり得る。トリガイベントがない場合、方法700はトリガイベントをチェックし続け得る。トリガイベントは、地上管制システムのオペレータ、地上管制システムのプロセッサ、UAVのプロセッサなどによって判定され得る。トリガイベントがある場合、地上管制システム及び/又はオペレータは、第1無線モジュールに第1バーン信号を送信し得る(ステップ304)。UAVは、2以上の冗長無線モジュールを包含し得る。電流は、バックアップバッテリから第1無線モジュールの第1導電性バーンワイヤに流れる(ステップ306)。第1無線モジュールは、信号を送信し及び/又はスイッチを作動させて、電力がバックアップバッテリから第1導電性バーンワイヤに流れることを可能にし得る。第1導電性バーンワイヤは、ラッチ機構のストリングを燃焼させて分離させ得る。ラッチ機構のストリングは、UAVの動作中にドアを所定の位置に保持し得る。ストリングが分離されると、ドアが開くことができ、かつ、UAVに配置されたパラシュートが展開することができる(ステップ308)。
【0048】
[0057] ドアが開かず、パラシュートが展開しない場合(ステップ308)、これは、第1無線モジュール、バックアップバッテリ及び/又は第1導電性バーンワイヤに問題があることを示し得る。その後、地上管制システム及び/又はオペレータは第2無線モジュールに第2バーン信号を送信し得る(ステップ310)。ある実施形態では、第2無線モジュールは第1無線モジュールと同一であり得る。電流は、バックアップバッテリから第2無線モジュールの第2導電性バーンワイヤに流れる(ステップ312)。第2無線モジュールは、信号を送信し及び/又はスイッチを作動させて、電力がバックアップバッテリから第2導電性バーンワイヤに流れることを可能にし得る。第2導電性バーンワイヤは、ラッチ機構のストリングを燃焼させて分離させ得る。
【0049】
[0058] ドアが開いてパラシュートが展開されると、UAVは、制御された予測可能な方法で地面に向かって螺旋状に降下する(ステップ314)。任意選択的に、UAV、UAVの1以上のモータ及び/又はUAVの1以上の制御システムへの電源が復旧され得、これは、トリガイベントが終了した場合にUAVのステアリング制御を可能にし得る(ステップ316)。地上制御システム及び/又はオペレータは、UAVを制御して螺旋を停止し、かつ、UAVを所望の場所に着陸させ得る。
【0050】
[0059] 図8は、本明細書に開示される、システム及びプロセスの一実施形態を実施するのに有用なコンピュータシステムを備えるコンピューティングシステムを示すハイレベルブロック図500である。システムの実施形態は、異なるコンピューティング環境で実施され得る。コンピュータシステムは、1以上のプロセッサ502を含み、かつさらに、(例えば、グラフィックス、テキスト及び他のデータを表示するための)電子ディスプレイデバイス504と、メインメモリ506(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM))と、ストレージデバイス508と、リムーバブルストレージデバイス510(例えば、リムーバブルストレージドライブ、リムーバブルメモリモジュール、磁気テープドライブ、光ディスクドライブ、コンピュータソフトウェア及び/又はデータをその中に格納したコンピュータ可読媒体)と、ユーザインタフェースデバイス511(例えば、キーボード、タッチスクリーン、キーパッド、ポインティングデバイス)と、通信インタフェース512(例えば、モデム、ネットワークインタフェース(イーサネットカードなど)、通信ポート、又はPCMCIAスロット及びカード)と、を含むことができる。通信インタフェース512は、ソフトウェア及びデータがコンピュータシステムと外部デバイスとの間で転送されることを可能にする。システムはさらに、前述のデバイス/モジュールが示されるように接続される通信インフラストラクチャ514(例えば、通信バス、クロスオーバーバー又はネットワーク)を含む。
【0051】
[0060] 通信インタフェース514を介して転送される情報は、信号を伝送し、かつ、ワイヤ又はケーブル、光ファイバ、電話回線、携帯電話/携帯電話リンク、無線周波数(RF)リンク及び/又は他の通信チャネルを使用して実装され得る通信リンク516を介して、通信インタフェース514によって受信されることができる電子、電磁、光又は他の信号などの信号の形態であり得る。本明細書のブロック図及び/又はフローチャートを表すコンピュータプログラム命令は、コンピュータ、プログラム可能なデータ処理装置又は処理装置にロードされて、そこで一連の操作を実行させて、コンピュータ実装プロセスを生成し得る。
【0052】
[0061] 実施形態は、実施形態に係る方法、装置(システム)及びコンピュータプログラム製品のフローチャート図及び/又はブロック図を参照して説明された。そうした例/図の各ブロック又はそれらの組み合わせは、コンピュータプログラム命令によって実施されることができる。コンピュータプログラム命令は、プロセッサに提供されると、プロセッサを介して実行する命令がフローチャート及び/又はブロック図で特定された機能/動作を実施するための手段を作成するように、機械を生成する。フローチャート/ブロック図の各ブロックは、実施形態を実施するハードウェア及び/又はソフトウェアモジュール又はロジックを表し得る。代替の実施では、ブロックに示されている機能は、図に示されている順序から外れて、同時に発生し得る。
【0053】
[0062] コンピュータプログラム(すなわち、コンピュータ制御ロジック)は、メインメモリ及び/又は補助メモリに格納される。コンピュータプログラムはまた、通信インタフェース512を介して受信され得る。そうしたコンピュータプログラムは、実行されると、コンピュータシステムが本明細書で論じられるような実施形態の特徴を実行することを可能にする。特に、コンピュータプログラムは、実行されると、プロセッサ及び/又はマルチコアプロセッサがコンピュータシステムの特徴を実行することを可能にする。そうしたコンピュータプログラムはコンピュータシステムのコントローラを表す。
【0054】
[0063] 図9は、一実施形態が実施され得る例示的なシステム600のブロック図を示している。システム600は、1以上のサーバコンピューティングシステム630に接続された、家庭用電子機器などの1以上のクライアントデバイス601を含む。サーバ630は、情報を通信するためのバス602又は他の通信メカニズムと、情報を処理するための、バス602に結合されたプロセッサ(CPU)604と、を含む。サーバ630はまた、プロセッサ604によって実行される情報及び命令を格納するための、バス602に結合された、ランダムアクセスメモリ(RAM)又は他の動的ストレージデバイスなどのメインメモリ606を含む。メインメモリ606はまた、実行中の一時変数又は他の中間情報、若しくは、プロセッサ604によって実行される命令を格納するために使用され得る。サーバコンピュータシステム630は、プロセッサ604のための静的情報及び命令を格納するための、バス602に結合されたリードオンリーメモリ(ROM)608又は他の静的ストレージデバイスをさらに含む。磁気ディスク又は光ディスクなどのストレージデバイス610が、提供され、かつ、情報及び命令を格納するためにバス602に結合される。バス602は、例えば、ビデオメモリ又はメインメモリ606をアドレス指定するための32本のアドレスラインを包含し得る。バス602はまた、例えば、CPU604、メインメモリ606、ビデオメモリ及びストレージ610などのコンポーネント間及びコンポーネントの中でデータを転送するための32ビットデータバスを含み得る。代替として、別個のデータライン及びアドレスラインの代わりに、多重化データ/アドレスラインが使用され得る。
【0055】
[0064] サーバ630は、バス602を介して、コンピュータユーザに情報を表示するためのディスプレイ612に結合され得る。情報及びコマンド選択をプロセッサ604に通信するため英数字及び他のキーを含む入力デバイス614がバス602に結合される。別のタイプ又はユーザ入力デバイスは、プロセッサ604への方向情報及びコマンド選択を通信するため、かつ、ディスプレイ612上のカーソル移動を制御するためのマウス、トラックボール又はカーソル方向キーなどのカーソル制御616を備える。
【0056】
[0065] 一実施形態によれば、メインメモリ606に包含される1以上の命令の1以上のシーケンスを実行するプロセッサ604によって機能が実行される。そうした命令は、ストレージデバイス610などの別のコンピュータ可読媒体からメインメモリ606に読み込まれ得る。メインメモリ606に包含される命令のシーケンスの実行により、プロセッサ604は、本明細書に記載のプロセスステップを実行する。マルチプロセッシング構成の1以上のプロセッサが採用されて、メインメモリ606に包含される命令のシーケンスを実行し得る。代替の実施形態では、ハードワイヤード回路が、ソフトウェア命令に代えて又はソフトウェア命令と組み合わせて使用されて実施形態を実施し得る。したがって、実施形態は、ハードウェア回路及びソフトウェアの特定の組み合わせに限定されない。
【0057】
[0066] 「コンピュータプログラム媒体」、「コンピュータ使用可能媒体」、「コンピュータ可読媒体」及び「コンピュータプログラム製品」という用語は、一般に、メインメモリ、補助メモリ、リムーバブルストレージドライブ、ハードディスクドライブにインストールされたハードディスク及び信号などの媒体を示すために使用される。これらのコンピュータプログラム製品は、コンピュータシステムにソフトウェアを提供するための手段である。コンピュータ可読媒体は、コンピュータシステムが、コンピュータ可読媒体からデータ、命令、メッセージ又はメッセージパケット及び他のコンピュータ可読情報を読み取ることを可能にする。コンピュータ可読媒体は、例えば、フロッピーディスク、ROM、フラッシュメモリ、ディスクドライブメモリ、CD-ROM及び他のパーマネントストレージなどの不揮発性メモリを含み得る。例えば、データ及びコンピュータ命令などの情報をコンピュータシステム間で転送する場合に役立つ。さらに、コンピュータ可読媒体は、コンピュータがそうしたコンピュータ可読情報を読み取ることを可能にする有線ネットワーク又は無線ネットワークを含むネットワークリンク及び/又はネットワークインタフェースなどの一時的な状態媒体(transitory state medium)におけるコンピュータ可読情報を含み得る。コンピュータプログラム(コンピュータ制御ロジックとも呼ばれる)は、メインメモリ及び/又は補助メモリに格納される。コンピュータプログラムはまた、通信インタフェースを介して受信され得る。そうしたコンピュータプログラムは、実行されると、コンピュータシステムが本明細書で論じられるような実施形態の特徴を実行することを可能にする。特に、コンピュータプログラムは、実行されると、プロセッサマルチコアプロセッサがコンピュータシステムの特徴を実行することができるようにする。したがって、そうしたコンピュータプログラムは、コンピュータシステムのコントローラを表す。
【0058】
[0067] 一般に、本明細書で使用される「コンピュータ可読媒体」という用語は、実行のためにプロセッサ604に命令を提供することに参加した任意の媒体を指す。そうした媒体は、不揮発性媒体、揮発性媒体及び伝送媒体を含むがこれらに限定されない多くの形態をとり得る。不揮発性媒体は、例えば、ストレージデバイス610などの光学ディスク又は磁気ディスクを含む。揮発性媒体は、メインメモリ606などの動的メモリを含む。伝送媒体は、バス602を構成するワイヤを含む同軸ケーブル、銅線及び光ファイバを含む。伝送媒体は、電波や赤外線データ通信中に生成されるものなど、音響波又は光波の形態をとることもできる。
【0059】
[0068] コンピュータ可読媒体の一般的な形態は、例えば、フロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ又は他の任意の磁気媒体、CD-ROM、他の任意の光学媒体、パンチカード、紙テープ、孔のパターンを有するその他の任意の物理媒体、RAM、PROM、EPROM、FLASH-EPROM、その他のメモリチップ又はカートリッジ、以下で説明する搬送波又はコンピュータが読み取ることができる任意の他の媒体を含む。
【0060】
[0069] 様々な形態のコンピュータ可読媒体は、実行のためにプロセッサ604に1以上の命令の1以上のシーケンスを保持することに関与され得る。例えば、命令は、最初に、リモートコンピュータの磁気ディスク上で実行され得る。リモートコンピュータは、命令を動的メモリにロードし、かつ、モデムを使用して電話回線を介して命令を送信することができる。サーバ630にローカルなモデムは、電話回線でデータを受信し、かつ、赤外線送信機を使用してデータを赤外線信号に変換することができる。バス602に結合された赤外線検出器は、赤外線信号で保持されたデータを受信し、かつ、そのデータをバス602に配置することができる。バス602は、データをメインメモリ606に伝送し、そこからプロセッサ604が命令を読み出して実行する。メインメモリ606から受信された命令は、任意選択的に、プロセッサ604による実行の前又は後のいずれかで、ストレージデバイス610に格納され得る。
【0061】
[0070] サーバ630はまた、バス602に結合された通信インタフェース618を含む。通信インタフェース618は、現在一般にインターネット628と呼ばれている世界規模のパケットデータ通信ネットワークに接続されているネットワークリンク620に結合する双方向データ通信を提供する。インターネット628は、デジタルデータストリームを保持する電気信号、電磁気信号又は光信号を使用する。様々なネットワークを介した信号及びネットワークリンク620上の信号並びにサーバ630へ及びサーバ630からデジタルデータを保持する通信インタフェース618を通じた信号は、情報を伝送する例示的な形態又は搬送波である。
【0062】
[0071] サーバ630の別の実施形態では、インタフェース618は通信リンク620を介してネットワーク622に接続されている。例えば、通信インタフェース618は、ネットワークリンク620の一部を構成することができる対応のタイプの電話回線へのデータ通信接続を提供するための統合サービスデジタルネットワーク(ISDN)カード又はモデムであり得る。別の例として、通信インタフェース618は、互換性のあるLANへのデータ通信接続を提供するためのローカルエリアネットワーク(LAN)カードであり得る。無線リンクも実装され得る。そうした任意の実装において、通信インタフェース618は、様々なタイプの情報を表すデジタルデータストリームを保持する電気電磁信号又は光信号を送受信する。
【0063】
[0072] ネットワークリンク620は、通常、1以上のネットワークを通じて他のデータデバイスへのデータ通信を提供する。例えば、ネットワークリンク620は、ローカルネットワーク622を通じて、ホストコンピュータ624又はインターネットサービスプロバイダ(ISP)によって操作されるデータ機器への接続を提供し得る。次に、ISPは、インターネット628を通じてデータ通信サービスを提供する。ローカルネットワーク622及びインターネット628は両方とも、デジタルデータストリームを保持する電気信号、電磁気信号又は光信号を使用する。様々なネットワークを通じた信号及びネットワークリンク620上の信号並びにサーバ630へ及びサーバ630からデジタルデータを伝送する通信インタフェース618を通じた信号は、情報を伝送する例示的な形態又は搬送波である。
【0064】
[0073] サーバ630は、ネットワーク、ネットワークリンク620及び通信インタフェース618を通じて、電子メールを含むメッセージ及びデータ、プログラムコードを送受信することができる。さらに、通信インタフェース618は、USB/チューナを備えることができ、ネットワークリンク620は、サーバ630をケーブルプロバイダ、衛星プロバイダ、又は、別のソースからのメッセージ、データ及びプログラムコードを受信するための他の地上伝送システムに接続するためのアンテナ又はケーブルであり得る。
【0065】
[0074] 本明細書で説明される実施形態の例示的なバージョンは、サーバ630を含むシステム600などの分散処理システムにおける論理演算として実装され得る。実施形態の論理演算は、サーバ630内で実行される一連のステップとして、及び、システム600内の相互接続された機械モジュールとして実装され得る。実装は、選択の問題であり、実施形態を実施するシステム600の性能に依存することができる。したがって、実施形態の前記例示的なバージョンを構成する論理演算は、例えば、演算、ステップ又はモジュールと呼ばれる。
【0066】
[0075] 上述したサーバ630と同様に、クライアントデバイス601は、プロセッサ、メモリ、ストレージデバイス、ディスプレイ、入力デバイス、及び、サーバ630との通信用のインターネット628、ISP又はLAN622にクライアントデバイスを接続するための通信インタフェース(例えば、電子メールインタフェース)を含むことができる。
【0067】
[0076] システム600は、クライアントデバイス601と同じ方法で動作するコンピュータ(例えば、パーソナルコンピュータ、コンピューティングノード)605をさらに含むことができ、ユーザは、1以上のコンピュータ605を利用して、サーバ630内のデータを管理することができる。
【0068】
[0077] ここで図10を参照すると、例示的なクラウドコンピューティング環境50が示されている。示されるように、クラウドコンピューティング環境50は、例えば、携帯情報端末(PDA)、スマートフォン、スマートウォッチ、セットトップボックス、ビデオゲームシステム、タブレット、モバイルコンピューティングデバイス又は携帯電話54A、デスクトップコンピュータ54B、ラップトップコンピュータ54C、及び/又は、自動車コンピュータシステム54Nなどのクラウド消費者によって使用されるローカルコンピューティングデバイスが通信し得る1以上のクラウドコンピューティングノード10を備える。ノード10は互いに通信し得る。それらは、物理的又は仮想的に、上述したプライベート、コミュニティ、パブリック又はハイブリッドクラウド、若しくは、それらの組み合わせなどの1以上のネットワークにグループ化され得る(図示せず)。これにより、クラウドコンピューティング環境50は、クラウド消費者がローカルコンピューティングデバイス上でリソースを維持する必要がないサービスとして、インフラストラクチャ、プラットフォーム及び/又はソフトウェアを提供することができる。図10に示すコンピューティングデバイス54A~Nのタイプが例示のみを意図していること、及び、コンピューティングノード10及びクラウドコンピューティング環境50が、任意のタイプのネットワーク及び/又はネットワークアドレス可能接続を介して(例えば、ウェブブラウザを使用して)任意のタイプのコンピュータ化されたデバイスと通信することができることが理解される。
【0069】
[0078] 上記の実施形態の特定の特徴及び態様の様々な組み合わせ及び/又は部分的組み合わせが、行われてもよく、かつ、依然として本発明の範囲内にあるものと考えられる。したがって、開示された実施形態の様々な特徴及び態様は、開示された発明の様々なモードを形成するために、互いに組み合わせられるか又は互いに置き換えられ得ることが理解されるべきである。さらに、例として本明細書に開示される本発明の範囲は、上述した特定の開示された実施形態によって限定されるべきではないことが意図される。
図1
図2
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図4
図5
図6
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図8
図9
図10
【国際調査報告】