(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-23
(54)【発明の名称】空港スタンド配置構造及び方法
(51)【国際特許分類】
B64F 3/00 20060101AFI20220616BHJP
【FI】
B64F3/00
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2021576510
(86)(22)【出願日】2020-06-25
(85)【翻訳文提出日】2022-01-31
(86)【国際出願番号】 EP2020067811
(87)【国際公開番号】W WO2020260452
(87)【国際公開日】2020-12-30
(32)【優先日】2019-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518337050
【氏名又は名称】エイディービー、セーフゲート、スウェーデン、アクチボラグ
【氏名又は名称原語表記】ADB SAFEGATE SWEDEN AB
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100130719
【氏名又は名称】村越 卓
(72)【発明者】
【氏名】ペータル、ホーカンソン
(57)【要約】
本開示は、センシングエリア(112)内の航空機(10)を検出するように構成されるリモートセンシングシステム(110)であって、前記センシングエリア(112)は、スタンド(20)のスタンドエリア(140)を含む、リモートセンシングシステム(110)と、コントローラ(120)と、を備え、当該コントローラ(120)は、前記リモートセンシングシステム(110)から受け取られるセンサーデータに基づいて、航空機(10)における1つ又は複数の推定される外面位置(150a’)を決めて、各推定される外面位置は、航空機(10)における関連する実在の外面位置(150a)の推定される位置であり、前記実在の外面位置(150a)は、センシングエリア(12)における前記航空機の延在の限界を定め、前記1つ又は複数の推定される外面位置(150a’)をスタンドエリア(140)の1以上の座標と比較して、前記1つ又は複数の推定される外面位置(150a’)のうちの少なくとも1つが前記スタンドエリア(140)の外側にあるかを判断し、前記1つ又は複数の推定される外面位置(150a’)のうちの少なくとも1つが前記スタンドエリア(140)の外側にあると判断されることに応えて、航空機駐機警告信号(A)を出力する、ように構成される、空港スタンド配置構造(100)に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空港スタンド配置構造(100)であって、
センシングエリア(112)内の航空機(10)を検出するように構成されるリモートセンシングシステム(110)であって、前記センシングエリア(112)は、スタンド(20)のスタンドエリア(140)を含む、リモートセンシングシステム(110)と、
コントローラ(120)と、を備え、当該コントローラ(120)は、
前記リモートセンシングシステム(110)から受け取られるセンサーデータ(111)に基づいて、前記航空機(10)における1つ又は複数の推定される外面位置(150a’)を決めて、各推定される外面位置は、前記航空機(10)における関連する実在の外面位置(150a)の推定される位置であり、前記実在の外面位置(150a)は、前記センシングエリア(12)における前記航空機の延在の限界を定め、
前記1つ又は複数の推定される外面位置(150a’)を前記スタンドエリア(140)の1以上の座標と比較して、前記1つ又は複数の推定される外面位置(150a’)のうちの少なくとも1つが前記スタンドエリア(140)の外側にあるかを判断し、
前記1つ又は複数の推定される外面位置(150a’)のうちの少なくとも1つが前記スタンドエリア(140)の外側にあると判断されることに応えて、航空機駐機警告信号(195)を出力する、
ように構成される、
空港スタンド配置構造(100)。
【請求項2】
前記航空機における前記1つ又は複数の推定される外面位置は、前記航空機の尾部(10a)の推定される外面位置(150’a)を含む、請求項1に記載の空港スタンド配置構造(100)。
【請求項3】
前記リモートセンシングシステム(110)は、レーダーベースのシステム、レーザーベースのシステム、及びイメージングシステムのうちの1つ又は複数を含む、請求項1又は2に記載の空港スタンド配置構造(100)。
【請求項4】
前記空港スタンド配置構造はディスプレイ(130)を更に備え、
前記空港スタンド配置構造(100)は、前記リモートセンシングシステム(110)からのデータに基づいて、前記スタンドエリア(140)内の駐機位置(160)に駐機するために前記航空機(10)を検出及び追跡するように更に構成され、前記航空機(10)の前記検出及び追跡に基づいて、前記駐機位置(160)に向けて前記航空機を操縦する際に前記航空機(10)のパイロットを支援するために、前記ディスプレイ(130)においてパイロット操縦ガイダンス情報を提供するように構成される、請求項1~3のいずれか一項に記載の空港スタンド配置構造(100)。
【請求項5】
前記航空機における1つ又は複数の推定される外面位置(150’)を決めるように構成される前記コントローラ(120)は、
前記コントローラが、
- 前記航空機(10)の1つ又は複数の特性的特徴(170a-c)を識別し、
- 前記航空機(10)において1つ又は複数の特性的特徴位置(172a-c)を定めるように、前記1つ又は複数の特性的特徴(170a-c)のうちの各特性的特徴に関し、各特性的特徴位置を決め、
- 前記航空機(10)に関連する又は前記スタンド(20)に到着することが予想される航空機(10’)に関連する航空機寸法データ(190;190’)を受け取り、
- 前記1つ又は複数の特性的特徴位置(172a-c)及び前記航空機寸法データ(190;190’)に基づいて、前記航空機(10)における前記1つ又は複数の推定される外面位置(150a’)を算出する、
ように構成されることを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の空港スタンド配置構造(100)。
【請求項6】
前記航空機の前記1つ又は複数の特性的特徴のうちの具体的な特性的特徴は、前記航空機のノーズ部分(170a)であり、
前記具体的な特性的特徴の各特性的特徴位置は、前記航空機の前記ノーズ部分(170a)の位置(172a)であり、
前記航空機における前記1つ又は複数の推定される外面位置は、前記航空機の尾部(10a)の推定される外面位置(150’a)を含む、請求項5に記載の空港スタンド配置構造(100)。
【請求項7】
前記受け取られる航空機寸法データ(190;190’)は、前記航空機(10)の長さ(L)を含み、
前記コントローラ(120)は、前記航空機の長手方向の延在の推定される方向(12’)と平行である前記ノーズ部分(170a)の前記位置(172a)から外側の方向に、前記航空機の前記長さ(L)を、前記航空機の前記ノーズ部分(170a)の前記位置(172a)に加えることによって、前記航空機(10)の前記尾部(10a)における前記推定される外面位置(150a’)を算出するように構成される、請求項6に記載の空港スタンド配置構造(100)。
【請求項8】
前記航空機の前記1つ又は複数の特性的特徴は、前記航空機の2つ以上の特性的特徴(270a-c)を含み、
前記1つ又は複数の特性的特徴位置は、2つ以上の特性的特徴位置(272a-c)を含む、請求項5~7のいずれか一項に記載の空港スタンド配置構造(200)。
【請求項9】
前記航空機の前記長手方向の延在の前記推定される方向(22’)は、前記2つ以上の特性的特徴位置(272a-c)のうちの少なくとも2つに基づいて算出される、請求項7に記載の空港スタンド配置構造(200)。
【請求項10】
前記航空機における1つ又は複数の推定される外面位置を決めるように構成される前記コントローラ(220)は、
前記コントローラが、
前記2つ以上の特性的特徴位置(272a-c)を、複数の航空機タイプ及び/又はモデルに関する航空機寸法データを含む航空機寸法データベース(122)と比較し、
前記2つ以上の特性的特徴位置(272a-c)と、前記データベース(222)における前記航空機寸法データからの具体的な航空機寸法データ(190;190’)との間で見い出される一致に応えて、前記2つ以上の特性的特徴位置(172a-c)及び前記具体的な航空機寸法データ(190;190’)に基づいて、前記航空機(10)における前記1つ又は複数の推定される外面位置(250a’)を決める、
ように構成されることを含む、請求項8に記載の空港スタンド配置構造(200)。
【請求項11】
前記コントローラ(120)は、
前記1つ又は複数の推定される外面位置(150a’)が前記スタンドエリアの内側にあると判断されることに応えて、スタンドエリアクリアランス信号(S)を出力するように更に構成される、請求項1~10のいずれか一項に記載の空港スタンド配置構造(100)。
【請求項12】
前記航空機駐機警告信号(195)を出力するように構成される前記コントローラ(120)は、
前記コントローラ(120)が、前記航空機駐機警告信号を以下のうちの1つ以上に送信するように構成される、
前記センシングエリアの近くにおける近くの航空機、
空港運用データベース、
グランドコントロール、及び
スタンド要員が携行する受信ユニット、
ことを含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の空港スタンド配置構造(100)。
【請求項13】
空港スタンド配置構造(100)に実装される方法であって、前記スタンド配置構造(100)は、センシングエリア(112)内の前記航空機(10)を検出するように構成されるリモートセンシングシステム(110)を備え、前記センシングエリア(112)は、スタンド(20)の前記スタンドエリア(140)を含み、前記方法は:
前記リモートセンシングシステム(110)から、前記センシングエリア(112)内で検出される航空機(10)に関連するセンサーデータ(111)を受け取ること;
前記受け取られたセンサーデータ(111)に基づいて、前記航空機(10)における1つ又は複数の推定される外面位置(150a’)を決めることであって、各推定される外面位置は、前記航空機(10)における関連する実在の外面位置(150a)の推定される位置であり、前記実在の外面位置(150a)は、前記センシングエリア(112)における前記航空機の延在の限界を定めること;
前記1つ又は複数の推定される外面位置(150a’)を、前記スタンドエリア(140)の1つ又は複数の座標と比較して、前記1つ又は複数の推定される外面位置(150a’)のうちの少なくとも1つが前記スタンドエリア(140)の外側にあるかどうかを判断すること;及び
前記1つ又は複数の推定される外面位置(150a’)のうちの少なくとも1つが前記スタンドエリア(140)の外側にあると判断されることに応えて、航空機駐機警告信号(A)を出力すること、
を含む、方法。
【請求項14】
前記航空機における1つ又は複数の推定される外面位置を決めることは、
- 前記航空機の1つ又は複数の特性的特徴(170a-c)を識別し、
- 前記航空機において1つ又は複数の特性的特徴位置(172a-c)を定めるように、前記1つ又は複数の特性的特徴(170a-c)のうちの各特性的特徴に関し、各特性的特徴位置を決め、
- 前記航空機(10)に関連する又は前記スタンド(20)に到着することが予想される航空機(10’)に関連する航空機寸法データ(190;190’)を受け取り、
- 前記1つ又は複数の特性的特徴位置(172a-c)及び前記航空機寸法データ(190;190’)に基づいて、前記航空機(10)における前記1つ又は複数の推定される外面位置(150a’)を算出する、
ことを含む請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記航空機の前記1つ又は複数の特性的特徴のうちの具体的な特性的特徴は、前記航空機のノーズ部分(170a)であり、
前記具体的な特性的特徴の各特性的特徴位置は、前記航空機の前記ノーズ部分(170a)の位置(172a)であり、
前記航空機における前記1つ又は複数の推定される外面位置(150a’-c’)は、前記航空機の尾部(10a)の推定される外面位置(150a’)を含み、
前記受け取られる航空機寸法データ(190;190’)は、前記航空機の長さ(L)を含み、
前記航空機における前記1つ又は複数の推定される外面位置を算出するステップは、
前記航空機の長手方向の延在の推定される方向(12’)と平行である前記ノーズ部分(170a)の前記位置(172a)から外側の方向に、前記航空機の前記長さ(L)を、前記航空機の前記ノーズ部分(170a)の前記位置(172a)に加えることによって、前記航空機(10)の前記尾部(10a)における前記推定される外面位置(150a’)を算出することを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
処理能力を有するデバイスによって実行されると、請求項13~15のいずれか一項に記載の方法を実行するように適合されるコンピュータコード命令を含むコンピュータ読み取り可能媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空港スタンド配置構造及び方法に関する。より具体的には、開示は、航空機が所定のスタンドエリア内に完全にあるかどうかを判断するための空港スタンド配置構造及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ここで開示されているような空港スタンド配置構造は、典型的には、スタンドエリアにおいて又はスタンドエリアの近傍において航空機を監視するために使用される。この種の空港スタンド配置構造には、航空機の自動的なドック入れのための手段及び機能を有するものもある。そのような空港スタンド配置構造は、航空機ドッキングシステムと呼ばれることもある。
【0003】
空港スタンド配置構造の技術の問題は、それらが、航空機が安全なやり方でスタンドに駐機したかどうかを判断する精度が低いということである。しばしば、現在の空港スタンド配置構造は、実際には航空機がスタンドに安全でないやり方で駐機されたかもしれない場合に、航空機が安全に駐機されたという情報を空港の職員及び/又はシステムに伝えてしまうことがある。そのような安全ではない駐機は、スタンドでのアクシデントのリスクを高めうる。例えば、スタンド内を通過する又はスタンド内で動作する他の航空機及び/又は空港車両は、安全に駐機していない航空機に衝突しうる。
【0004】
したがって現在の空港スタンド配置構造は、効率的で安全なドッキングを提供することができ及び/又は概してスタンドエリアの監視を提供することができるが、当技術分野では、依然として、改良された空港スタンド配置構造が必要とされている。
【発明の概要】
【0005】
技術上の上記欠陥を単独又は任意の組み合わせで緩和、軽減又は解消し、少なくとも上述の問題を解決することが目的である。第1の態様によれば、空港スタンド配置構造であって、
センシングエリア内の航空機を検出するように構成されるリモートセンシングシステムであって、前記センシングエリアはスタンドのスタンドエリアを含む、リモートセンシングシステムと、
コントローラと、を備え、当該コントローラは、
前記リモートセンシングシステムから受け取られるセンサーデータに基づいて、前記航空機における1つ又は複数の推定される外面位置を決めるように構成され、各推定される外面位置は、前記航空機における関連する実在の外面位置の推定される位置であり、前記実在の外面位置は、前記センシングエリアにおける前記航空機の延在の限界を定め、
前記1つ又は複数の推定される外面位置を前記スタンドエリアの1以上の座標と比較して、前記1つ又は複数の推定される外面位置のうちの少なくとも1つが前記スタンドエリアの外側にあるかを判断し、
前記1つ又は複数の推定される外面位置のうちの少なくとも1つが前記スタンドエリアの外側にあるかが判断されることに応えて、
航空機駐機警告信号を出力する、
ように更に構成される、空港スタンド配置構造が提供される。
【0006】
「リモートセンシングシステム」という用語は、遠隔地から対象物の特性を検出することができる検出システムとして解釈されるべきである。本開示のフレームワークにおいて、リモートの用語は、衛星リモートセンシングに関して従来使われている用語のような、非常に長い距離に限定して解釈されるべきではない。添付の特許請求の範囲の解釈に関し、「リモートセンシング」は、典型的なスタンドエリア、すなわちリモートセンシングシステムから約20~50メートルの典型的寸法のエリア内でのセンシングとして解釈されるべきであり、実際に対象物に接触することなくセンシングが行われる(すなわちリモートセンシング)。
【0007】
「センシングデータ」という用語は、リモートセンシングシステムの検出器の読み取り値から抽出されたデータとして解釈されるべきである。センシングエリアに物体が存在し、前記物体がセンシングされている場合、センシングデータはその物体の特性に関連したものになる。
【0008】
「センシングエリア」という用語は、リモートセンシングエリアが航空機などの物体を正確に検出及びセンシングできるスタンドにおける地上レベルの幾何学的なエリアとして解釈されるべきである。
【0009】
(航空機における)「外面位置」という用語は、スタンドエリア内の航空機の最大境界を示す、航空機の外部に沿って定められた位置として解釈されるべきである。そのため、 外面位置は、スタンドエリアと平行な平面(すなわち基本的に水平面)における航空機の2次元的投影に関連する。「推定される外面位置」は、航空機の外面に沿って定められた真の、又は実在の、外面位置を表すことを目的として推定される位置である。そのため、推定される外面位置は実在の外面位置から逸脱しうる。このことから、推定された外面位置は、推定された位置が真の位置からどのように逸脱するかによって、大変うまく航空機の境界内に位置することもあれば、又は、代替的に、航空機外面から離れた場所に位置することもある。
【0010】
「スタンドエリア」の用語は、スタンドに安全に駐機する際に、航空機が駐在することが許されるエリアと解釈されるべきである。スタンドエリアはセンシングエリアにより囲まれているため、リモートセンシングシステムはスタンドエリアをその全体において監視することができる。スタンドエリアは、典型的には、スタンドで利用できる最大の物理的エリアよりも小さい。最大物理的エリアは、安全上の理由のために及び/又は他の機器がそこに配置されているために、航空機の配置が許可されていないエリアを取り囲みうる。スタンドエリアは、座標で、すなわち空間座標で、定められる。本開示との関連で、前記座標は、周囲のエリア、すなわちスタンドで利用可能な最大物理的エリアの残りの部分及び/又は空港の誘導路などのそれに接続するさらなるエリア、に対するスタンドエリアの位置を定める2次元座標である。
【0011】
コントローラは、前記センサーデータから航空機のセンシングされる部分の位置を抽出して、前記抽出された位置を推定される外面位置として割り当てることによって、航空機における前記1つ以上の推定される外面位置を決めるように構成されうる。これは直接的なアプローチである:センサーシステムは基本的に、航空機における推定される外面位置を直接測定する。
【0012】
代替的に、又は追加的に、コントローラは、航空機のセンシングされた領域の位置を抽出することによって、航空機における前記1つ又は複数の推定される外面位置を決めて、航空機のセンシングされた領域の前記抽出された位置に基づいて、スタンドにおける航空機延在を決めることによって、航空機における前記1つ又は複数の推定される外面位置を推定するように構成されてもよい。これは間接的なアプローチである:センサーシステムは、航空機における推定される外面位置を直接的には測定しない。その代わり、これらは、利用可能なセンサーデータに基づいてコントローラにより推測される。これは、以下で更に説明される。
【0013】
空港スタンド配置構造は、それが、スタンドに対する航空機のすべての部分の幾何学的制約を決定し、航空機がスタンドの許可されたエリア(すなわちスタンドエリア)内に位置しているかどうかを監視することを可能にするので、有利でありうる。航空機の1つ又は複数の部分がスタンドエリア内にないと判断される場合、配置構造は、空港職員及び/又は空港における他のシステムに、航空機がスタンド内に十分には駐機されていないことを警告するように構成される。この警告は、スタンドでの又はスタンドの近傍でのアクシデントを回避するための手段を提供する。そのようなアクシデントの一例は、他の航空機が駐機されるスタンドエリアを通過することを目的として地上走行している航空機が、駐機された航空機の尾翼にその翼先端をぶつけることである。その例において、その衝突は、スタンドに駐機していた航空機が安全な方法で駐機していなかったために、起きる。例えば、スタンドにおける航空機は、スタンドでの意図した停止位置の何メートルか手前で停止したかもしれない。代替例として、スタンドにおける航空機は、スタンドにおいて予想される航空機タイプとは異なる航空機タイプでありうる。両ケースにおいて、スタンドにおける航空機の尾部は、スタンドエリアから、例えば通過する航空機が走行している誘導路などの隣り合うエリアに突出しうる。また、隣り合うスタンドにおいて動作する又は駐機される航空機も、アクシデントに巻き込まれうる。例えば、スタンドでの航空機が隣り合うスタンドに幾分接近して駐機される場合、前記隣り合うスタンドに出入りする航空機が、駐機されている航空機に衝突しうる。典型的には、そのようなアクシデントは、航空機の翼先端を巻き込む。航空機は大型で、異なる方向に物理的に延在される翼のために、不可能ではないにしても、地上走行中の航空機のパイロット及び/又は隣り合うスタンドにおいて動作している航空機のパイロットにとって、彼/又は彼女がスタンドに駐機している航空機を衝突せずに通過できるかどうかを判断することは、難しい。
【0014】
空港スタンド配置構造は、相互に接続された複数のユニットで構成されてもよく、各ユニットは、ゲートエリアにおいて又はゲートエリアの周りにおいて異なる位置に配置されてもよい。しかし、空港スタンド配置構造はスタンドに配置されており、空港の他の部分、例えばタクシーライン(スタンドエリアの近傍にあるタクシーラインの部分を除く)又は滑走路など、において航空機を検出するようには構成されていない。
【0015】
いくつかの実施形態によると、前記リモートセンシングシステムは、レーダーベースのシステム、レーザーベースのシステム、及びイメージングシステムのうちの1つ又は複数を含む。
【0016】
リモートセンシングシステムは、マイクロ波電磁放射の検出に基づくレーダーベースのシステムを備えてもよい。そのようなシステムは、ターゲットに向けて連続した又はパルス状のレーダー信号を発し、ターゲットから後方に散乱したレーダーパルスを捕捉及び検出する。レーダーシステムは、半導体タイプのレーダーセンサーを含みうる。例えば、レーダーセンサーは、自動車業界で使用される種類のものでありうる。レーダーセンサーは、77GHzで動作してもよい。
【0017】
リモートセンシングシステムは、代替的又は追加的に、光学的電磁放射の検出に基づくレーザーベースのシステムを含みうる。そのようなシステムは、ターゲットに向けて連続した又はパルス状のレーザー放射を発し、ターゲットから後方に散乱したレーザー放射を捕捉及び検出する。レーザーベースのシステムは、スキャン機能を提供するためのビーム偏向手段を含みうる。そのようなビーム偏向手段は、例えば走査型ミラー配置構造であってもよい。
【0018】
リモートセンシングシステムは、代替的又は追加的に、光又は赤外線に感応するカメラを含んでいてもよい。イメージングシステムは、ターゲットからの自然放射線の放出を捕捉するのに使用されてもよい。しかし、レーザーベースのシステムからの結果としてターゲットから放出される放射線を捕捉するのにカメラが使われることも考えられる。そのような放射線は、散乱又は反射したレーザー光、蛍光、リン光などでありうる。
【0019】
いくつかの実施形態によると、空港スタンド配置構造は、ディスプレイを更に備えており、
前記空港スタンド配置構造は、前記リモートセンシングシステムからのデータに基づいて、前記スタンドエリア内の駐機位置に駐機するために前記航空機を検出及び追跡するように更に構成され、前記航空機の前記検出及び追跡に基づいて、前記駐機位置に向けて前記航空機を操縦するのに前記航空機のパイロットを支援するために、前記ディスプレイにおいてパイロット操縦ガイダンス情報を提供するように構成される。
【0020】
これは、空港スタンド配置構造が航空機ドッキングシステムでありうるものであること、又は、少なくとも、空港スタンド配置構造が航空機ドッキング機能を有しうるものであることを示唆する。
【0021】
しかし、空港スタンド配置構造がスタンドにおける別の配置構造であることが考えられる。そのような空港スタンド配置構造は、スタンドにおいて共存する潜在的なドッキングシステムの任意のリモートセンシングシステムからは独立して、その独自のリモートセンシングシステムを使用しうる。そのような空港スタンド配置構造は、スタンドにおける航空機ドッキングシステムと通信するように構成されうる。代替的に、又は追加的に、そのような航空機ドッキングシステムは、例えば空港運用データベース(AODB)などの空港のシステムと直接的に通信するように構成されうる。
【0022】
いくつかの実施形態によると、航空機における1つ又は複数の推定される外面位置を決定するように構成されているコントローラは、以下を備える:
前記コントローラは、
- 航空機の1つ又は複数の特性的特徴を識別し、
- 航空機において前記1つ又は複数の特性的特徴位置を定めるように、1つ又は複数の特性的特徴のうちの各特性的特徴に関し、各特性的特徴位置を決め、
- 航空機に関連する又はスタンドに到着することが予想される航空機に関連する航空機寸法データを受け取り、
- 1つ又は複数の特性的特徴位置及び前記航空機寸法データに基づいて、航空機における前記1つ又は複数の推定される外面位置を算出する、
ように構成されている。
【0023】
「航空機の特性的特徴」という用語は、リモートセンシングシステムによってセンシングされうる航空機の物理的特徴として解釈されるべきである。そのような特性的特徴は、航空機のノーズ部分、航空機エンジンなどでありうる。それぞれの特性的特徴位置の各々は、対応の特性的特徴が配置される位置を示す。特性的特徴が広いエリア又は体積にわたって延在する場合、例えばその特徴によってカバーされる延在するエリア/体積の中央部分を定める、たった1つの座標ペアを使って、特性的特徴位置は定められうる。ただし、複数の座標ペアが特性的特徴を示すために用いられることも考えられる。
【0024】
「航空機寸法データ」の用語は、航空機の寸法を含む任意のデータとして解釈されるべきである。航空機寸法データは、具体的な航空機、具体的な航空機タイプ及び/又はモデル、或いは複数の航空機及び/又は航空機タイプ及び/又はモデルに関するものであってもよい。寸法データは、典型的には、航空機長さ、翼長、高さ、翼面積、エンジン間の距離、ホイールベースなどでありうる。
【0025】
特性的特徴を識別し及びその位置を用いることによって、センシングエリアにおける航空機に関して基準位置が決められうる。基準位置は、センシングエリア内の航空機の延在を定める座標を決定するために、必要とされる第1の情報として役立ちうる。第2の情報は、受け取られた航空機寸法データによって提供されうる。基準位置がわかっている場合、航空機寸法データは、センシングエリア内での航空機本体の延在を一緒に定める更なる座標を決めるのに用いられうる。センシングエリアに対する航空機アライメントを決定、推定、又は想定しなければならない。これは更に後述される。
【0026】
航空機寸法データは、スタンドにおける実際の航空機に関連するものであってもよい。当技術分野で知られているように、航空機タイプ及び/又はモデルは、例えば、空港スタンド配置構造自体によって、又は代替的に、他のシステムによって、識別されうる。しかし、航空機寸法データは、代替的に、スタンドに到着する予定の航空機に関するものであってもよい。航空機寸法データは、空港寸法データベースから受け取られてもよい。そのようなデータベースは、複数の航空機タイプ及び/又はモデルに関する空港寸法データを含みうる。空港寸法データベースは、空港運用データベースの一部であってもよいが、代替的に別のデータベースの一部であってもよい。空港寸法データベースは、航空機特性データベースの一部であってもよい。
【0027】
空港スタンド配置構造は、航空機の識別された特性的特徴を用いることで航空機タイプ及び/又はモデルを判断して、これらを航空機寸法データと比較しうる。典型的には、複数の特性的特徴が識別される。したがって、いくつかの実施形態によれば、航空機の前記1つ又は複数の特性的特徴は、航空機の2つ以上の特性的特徴を含み、前記1つ又は複数の特性的特徴位置は、2つ以上の特性的特徴位置を含む。
【0028】
いくつかの実施形態によれば、そしてコントローラは、前記2つ以上の特性的特徴位置を、複数の航空機タイプ及び/又はモデルに関する航空機寸法データを含む航空機寸法データベースと比較するように構成される。前記2つ以上の特性的特徴位置と、データベースにおける航空機寸法データからの具体的な航空機寸法データとの間で一致が見い出されたことに応えて、コントローラは、前記2つ以上の特性的特徴位置及び前記具体的な航空機寸法データに基づいて、航空機における前記1つ又は複数の推定される外面位置を決めるように構成されうる。
【0029】
代替的な実施形態によれば、航空機における1つ又は複数の推定される外面位置は、スタンドに到着することが予想される航空機に関する航空機寸法データ及び前記1つ又は複数の特性的特徴位置に基づいて決定される。コントローラは、例えば空港運用データベースなどの空港における他のシステムから、前記寸法を直接受け取ってもよい。代替的に、コントローラは、スタンドに到着する予定の航空機の航空機タイプ及び/又はモデルを受け取ってもよく、それによってコントローラは、そこからの前記寸法を取得するように、複数の航空機タイプ及び/又はモデルに関する航空機寸法データを含む航空機寸法データベースに問い合わせる必要がある。
【0030】
いくつかの実施形態によれば、航空機の前記1つ又は複数の特性的特徴のうちの具体的な特性的特徴は、航空機のノーズ部分であり、前記具体的な特性的特徴の各特性的特徴位置は、航空機の前記ノーズ部分の位置である。
【0031】
航空機のノーズ部分を識別することは、潜在的な利点を有する。第1に、それは航空機がスタンドに接近する際に、より早い検知を可能にする。第2に、ノーズ部分はいくつかの他の航空機特徴と比較して、比較的容易に識別することができる。また、ノーズ部分は、それ自体がセンシングエリアにおける航空機の延在の限界を定めるマーカーを構成する。
【0032】
いくつかの実施形態によれば、航空機における1つ又は複数の推定される外面位置は、航空機の尾部の推定される外面位置を含む。
【0033】
航空機が典型的には、センターラインとして言及されることもある予め定められるリードインライン(lead-in line)と位置が合わされている真っ直ぐ進むやり方でスタンドエリアに入る際、尾部をターゲットにすることは重要でありうる。これは、しばしば、例えば誘導路で、航空機尾部が他の航空機との衝突に最もさらされることを意味する。
【0034】
いくつかの実施形態によると、受け取られる航空機寸法データは、航空機の長さを含み、コントローラは、航空機の長手方向の延在の推定される方向と平行であるノーズ部分の前記位置から外側の方向に、航空機の前記長さを、航空機のノーズ部分の前記位置に加えることによって、航空機の尾部における前記推定される外面位置を算出するように構成される。
【0035】
これは、航空機の尾部での推定される外面位置を算出することの比較的ロバスト且つ高速な方法を提供する。航空機の長手方向の延在は、基本的に航空機胴体(すなわち航空機本体)の長手方向の延在によって定められる。本実施例では、航空機の長手方向の延在の推定される方向は、リーンインラインの方向としうる。リードインラインから大きく外れた角度でスタンドエリアに近づく航空機は、安全上の理由で接近の早い段階でも接近を止められる可能性が高いため、この推定はしばしば十分に正確でありうる。
【0036】
代替的に、航空機の長手方向の延在が、空港スタンド配置構造によって決められうる。いくつかの実施形態によれば、航空機の長手方向の延在の推定される方向は、前記2つ以上の特性的特徴位置のうちの少なくとも2つに基づいて、算出される。
【0037】
ここで、航空機の長手方向の延在の推定される方向は、航空機における既知の2つの位置を頼りにすることで算出される。例えば胴体の両側に配置された2つの航空機エンジンの位置などの、既知の2つの位置が航空機において対称的に配置される場合、航空機の長手方向の延在の推定される方向は、単純な幾何学的手法によって算出されうる。例えば、航空機の2つ以上の既知の位置(例えば、3つ以上の特性的特徴位置)を利用することによって、代替的に又は追加的に航空機のさらなる幾何学的データポイントのより容易な決定に関する空港寸法データを利用するように、よりロバストな推定が得られうる。
【0038】
いくつかの実施形態によれば、前記1つ又は複数の推定される外面位置をスタンドエリアの1つ又は複数の座標と比較するように構成されるコントローラは以下を含む:
コントローラが、航空機の尾部の前記推定される外面位置を、前記スタンドエリアの長手方向の延在と比較するように構成される。
【0039】
この実施形態は、尾部がスタンドエリアから突出しているかどうかを判断する迅速且つ確実な方法を提供する。「スタンドエリアの長手方向の延在」という用語は、センターラインに沿ったスタンドエリアの延在として解釈されるべきであり。
【0040】
いくつかの実施形態によると、航空機における少なくとも1つの推定される外面位置は、航空機の翼先端部において定められる。
【0041】
翼先端部を監視することは、例えば、隣り合うスタンドを行き来する航空機がお互いに接近しすぎうる場合に、有益でありうる。隣り合うスタンドに配置されるそれぞれの空港スタンド配置構造は、各航空機の翼先端部の位置を監視しうるものであり、翼先端位置がスタンドエリア外にあると判断されたことに応えて、航空機駐機警告信号を出力しうる。前記駐機警告信号は隣り合うスタンドに送信されうるものであり、それによって、そのスタンドにおける職員に、近くの航空機がスタンドに近づきすぎている可能性があることを警告する。
【0042】
いくつかの実施形態によると、コントローラは以下のように更に構成される:
前記1つ又は複数の外面位置が前記スタンドエリアの内側にあると判断されることに応じて、
スタンドエリアクリアランス信号を出力する。
【0043】
スタンドエリアクリアランス信号を出力することは、航空機が安全に駐機されることを継続的に宣言することを可能にする。スタンドエリアクリアランス信号は、例えば所定の繰り返し周波数で、間欠的に送信されてもよい。
【0044】
コントローラは、前記スタンドエリアクリアランス信号を、以下のうちの1つ又は複数に送信するように構成されていてもよい:
センシングエリアの周辺における近くの航空機、
空港運用データベース、
航空交通管制、及び
スタンド要員が携行する受信ユニット。
【0045】
近くの航空機は、隣り合うスタンドにおける航空機又は隣り合うスタンドに対して接近/離脱する航空機でありうる。近くの航空機は、代替的に、例えば隣り合う誘導路でスタンドを通過する地上走行中の航空機など、スタンドの周辺を通過する航空機でありうる。
【0046】
いくつかの実施形態によると、航空機駐機警告信号を出力するように構成されるコントローラは、以下を含む:
コントローラは、前記航空機駐機警告信号を、以下のうちの1つ又は複数に送信するように構成される:
センシングエリアの周辺における近くの航空機、
空港運用データベース、
グランドコントロール、及び
スタンド要員が携行する受信ユニット。
【0047】
代替的に、又は追加的に、例えば航空機ドッキングシステムなどの航空機ドッキング機能を有する空港スタンド配置構造の実施形態に関し、コントローラは、航空機が駐機位置に安全には駐機されていないことを航空機のパイロットに知らせるために、航空機駐機警告信号をディスプレイに出力するように更に構成されてもよい。これは、例えば予め定められた繰り返し周波数で、断続的に行われてもよいし、或いは、代替的に、パイロットが、彼/彼女が航空機を停止位置に停めたことを、示す場合に行われてもよい。
【0048】
第2の態様によれば、空港スタンド配置構造に実装される方法が提供され、前記スタンド配置構造は、センシングエリア内の航空機を検出するように構成されるリモートセンシングシステムを備え、前記センシングエリアは、スタンドの前記スタンドエリアを含み、前記方法は:
リモートセンシングシステムから、センシングエリア内で検出される航空機に関連するセンサーデータを受け取ることと、
前記受け取られたセンサーデータに基づいて、航空機における1つ又は複数の推定される外面位置を決めることであって、各推定される外面位置は、航空機における関連する実在の外面位置の推定される位置であり、前記実在の外面位置は、センシングエリアにおける前記航空機の延在の限界を定めること、
前記1つ又は複数の推定される外面位置を、スタンドエリアの1つ又は複数の座標と比較して、前記1つ又は複数の推定される外面位置のうちの少なくとも1つが前記スタンドエリアの外側にあるかどうかを判断すること、及び
前記1つ又は複数の推定される外面位置のうちの少なくとも1つが前記スタンドエリアの外側にあると判断されることに応えて、航空機駐機警告信号を出力すること、
を含む。
【0049】
いくつかの実施形態によると、航空機における1つ又は複数の推定される外面位置を決めることは、
航空機の1つ又は複数の特性的特徴を識別すること、
航空機において1つ又は複数の特性的特徴位置を定めるように、前記1つ又は複数の特性的特徴の各特性的特徴に関し、各特性的特徴位置を決めること、
航空機に関連する又はスタンドに到着することが予想される航空機に関連する航空機寸法データを受け取ること、及び
前記1つ又は複数の特性的特徴位置及び前記航空機寸法データに基づいて、航空機における前記1つ又は複数の推定される外面位置を算出すること、
を含む。
【0050】
いくつかの実施形態によれば、航空機の前記1つ又は複数の特性的特徴のうち具体的な特性的特徴は、航空機のノーズ部分であり、
前記具体的な特性的特徴の各特性的特徴位置は、航空機の前記ノーズ部分の位置であり、
航空機における前記1つ又は複数の推定される外面位置は、航空機の尾部の推定される外面位置を含み、
前記受け取られる航空機寸法データは、航空機の長さを含み、
航空機における前記1つ又は複数の推定される外面位置を算出するステップは:
航空機の長手方向の延在に平行な方向へ、航空機の前記ノーズ部分の位置に、前記航空機の長さを加えることによって、航空機の尾部における前記推定される外面位置を算出すること
を含む。
【0051】
第2の態様及び第3の態様の効果及び特徴は、第1の態様に関連して上述したものとほぼ類似する。第1の態様に関連して言及された実施形態は、第2の態様及び第3の態様にほぼ適合する。更に、発明概念は、別段明示的に述べられていない限り、特徴のすべての可能な組み合わせに関連することに留意される。
【0052】
第3の態様によれば、処理能力を有するデバイスによって実行されると、第2の態様による方法を実行するように適合されるコンピュータコード命令を含むコンピュータ読み取り可能媒体が提供される。
【0053】
本発明の適用の更なる範囲は、以下に与えられる詳細な説明から明らかになるだろう。しかしながら、詳細な説明及び具体的な例は、発明の好ましい実施形態を示す一方で、説明のためだけに与えられていることが理解されるべきであり、それは、発明の範囲内での様々な変更及び修正がこの詳細な説明から当業者に明らかになるためである。
【0054】
したがって、この発明は、記載された装置の特定の構成部分又は記載された方法のステップに限定されるものではないことが理解されるものであり、そのような装置や方法は変わりうる。ここで使用されている用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的としており、限定することを意図されていないことも理解されるものである。明細書及び添付の特許請求の範囲で使用されているように、冠詞「a」、「an」、「the」、及び「said」は、文脈から明らかにそうでないと判断されない限り、1つ又は複数の要素があることを意味するよう意図されていることに留意しなければならない。したがって、例えば、「ユニット」又は「前記ユニット」への言及は、複数のデバイスなどを含みうる。更に、「備える」、「含む」、「含有する」の用語及び同様の言い回しは、他の要素又はステップを除外するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0055】
発明は、例として、発明の目下の好ましい実施形態を示す添付の概略図を参照して、より詳細に説明される。
【
図1A】
図1A及び
図1Bは、空港スタンド、隣り合う誘導路、及び2機の航空機を上から見た図である。
【
図1B】
図1A及び
図1Bは、空港スタンド、隣り合う誘導路、及び2機の航空機を上から見た図である。
【
図2】
図2は、本開示の一実施形態による空港スタンド配置構造の上面図を示す。
【
図3】
図3は、本開示の別の実施形態による空港スタンド配置構造の上面図を示す。
【
図4】
図4は、本開示の更に別の実施形態による空港スタンド配置構造の上面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0056】
以下、発明の現在の好ましい実施形態が示されている添付図面を参照して、本発明をより十分に説明する。しかし、この発明は多くの異なる形態で具現化されうるものであり、ここに記載された実施形態に限定して解釈されるべきではなく、むしろ、これらの実施形態は徹底性と完全性のために提供されており、当業者に発明の範囲を十分に伝えるものである。
【0057】
図1A及び
図1Bは、空港で起こりうる、そして実際に幾度か起こっている、状況を示す。
図1Aに示すように、航空機10がスタンド20に駐機している。しかし、何らかの理由で、パイロットが停止位置160まで接近していない。これは、航空機の一部がスタンドから隣り合う誘導路30にはみ出す結果をもたらした。しかし、空港交通管制は、航空機10がスタンド20にうまく駐機しているという情報を得ているので、別の航空機80が誘導路30でスタンド20を通過する許可を与えている。航空機80のパイロットは、航空機10の突出している尾部に気付いておらず、またコックピットにおける彼の位置からその問題を見ることができない。また、彼/彼女は、実際に通過する許可を得ている。
図1Bに示すように、これは衝突につながり、当該衝突では航空機80の右翼が航空機10の方向舵とぶつかり、衝突は、乗客や地上のクルーに深刻なリスクをもたらしうるだけでなく、巻き込まれる航空機に膨大な物質的損害を与えうる。
【0058】
上記の状況を回避するために、ここでは、空港スタンド配置構造が開示されている。
【0059】
図2は、第1の例示実施形態:空港スタンド配置構造100、を示している。空港スタンド配置構造100は、センシングエリア112内の航空機10を検出するように構成されたリモートセンシングシステム110を備え、前記センシングエリア112は、スタンド20のスタンドエリア140を含む。センシングエリア112は、スタンド20の少なくとも一部をカバーし、ここでは隣り合う誘導路20の一部もカバーしている。リモートセンシングシステム110は、レーダーベースのシステム、レーザーベースのシステム、及びイメージングシステムのうちの1つ以上を含む。リモートセンシングシステムは、例えば、センシングエリア112をスキャンするように構成されたレーザーベースのリモートセンシングシステムを備えてもよい。
【0060】
空港スタンド配置構造100は、ディスプレイ130を更に備えており、配置構造100は、前記リモートセンシングシステム110からのデータに基づいて、前記スタンドエリア140内の駐機位置160に駐機するため航空機10を検出して追跡するように更に構成されている。空港スタンド配置構造100は、航空機10の前記検出及び追跡に基づいて、航空機10のパイロットを、前記駐機位置160に向かって航空機を操縦することを支援するために、前記ディスプレイ130にパイロット操縦ガイダンス情報を提供するように更に構成される。このように、空港スタンド配置構造100は、自動ドッキングシステムの機能を持つ。
【0061】
空港スタンド配置構造100は、前記リモートセンシングシステム110から受信されるセンサーデータ111に基づいて、航空機10上の1つ又は複数の推定される外面位置(例では:1つの推定される外面位置150a’)を決定するように構成されたコントローラ120を更に備え、各推定される外面位置は、航空機10上の関連する実在の外面位置(例では:関連する実在の外面位置150a)の推定される位置である。
図2に見られるように、例示的な実施形態に関し、推定される外面位置150a’は、航空機10の尾部10aに定められている。実在の外面位置150aは、センシングエリア112における前記航空機の延在の限界を定める。推定される外面位置150a’は、実在の外面位置150aと異なりうる(
図2参照)。
【0062】
コントローラ120は、前記1つ又は複数の推定される外面位置150a’をスタンドエリア140の1つ以上の座標と比較して、前記1つ又は複数の推定される外面位置150a’のうちの少なくとも1つが前記スタンドエリア140の外側にあるかどうかを判断するように更に構成される。
【0063】
最後に、コントローラ120は、前記1つ又は複数の推定される外面位置150a’のうちの少なくとも1つが前記スタンドエリア140の外側にあると判断されたことに応えて、航空機駐機警告信号Aを出力するように構成される。上述した例示的実施形態に関し、1つの推定される外面位置、すなわち尾部10aの推定される位置150a’、のみがある。
【0064】
航空機駐機警告信号Aは、さまざまなやり方で使用されうる。例示的実施形態に関し、コントローラ120は、送信機(図示せず)を用いて、センシングエリア112の近傍における近くの航空機、空港運用データベース、航空交通管制、及びスタンド要員が携行する受信ユニットに、航空機駐機警告信号Aを送信するように構成される。当業者が気づくように、警告信号Aの送信は、衝突のリスクを低減する多くの方法を切り開く。それは更に、空港の地上交通の効率化の改善を可能にする。
【0065】
コントローラ120は更に、前記1つ又は複数の推定される外面位置150a’が前記スタンドエリア140の内側にあると判断されたことに応えて、スタンドエリアクリアランス信号Sを出力するように構成される。コントローラ120は、前記スタンドエリアクリアランス信号Sを、センシングエリアの近傍における近くの航空機、空港運用データベース、航空交通管制、及びスタンド要員が携行する受信ユニットのうちの1つ以上に、送信するように構成されうる。
【0066】
航空機における1つ又は複数の推定される外面位置を決定するやり方には、多くの代替的なやり方がある。1つのやり方が、空港スタンド配置構造100に関して以下に開示される:
コントローラ120は、まず、航空機10の1つ又は複数の特性的特徴172a-cを識別するように構成される。コントローラは、リモートセンシングシステム110からセンサーデータ111を受信し、当該センシングデータ111を解析する。物体が検出された場合、コントローラ120は、例えばパターン認識技術によって、センシングデータ111を検索し、航空機の特性的特徴を識別するように構成される。特性的特徴は予め決められており、センシングデータ111における具体的な特性パターンと関連付けられている。そのような特性的特徴の一つは、航空機10のノーズ部分170aである。他の特性的特徴は、例えば、航空機エンジン170b、170c及び翼のフロント形状などである。
【0067】
そして、コントローラ120は、航空機10において、1つ又は複数の特性的特徴位置172a-cを定めるように、前記1つ又は複数の特性的特徴の各特性的特徴に関し、各特性的特徴位置を決定するように構成される。これにより、その方法は、具体的な航空機の特徴に関連する空間座標を決定することを可能にする。
【0068】
そして、コントローラ120は、航空機10に関する又はスタンド20に到着することが予想される航空機10’に関する航空機寸法データ190を受信するように構成される。航空機寸法データ190及び190’は、互いにとって代替となるものであり、後で、より詳細に説明される。そしてコントローラ120は、前記1つ又は複数の特性的特徴位置172a-c及び前記航空機寸法データ190,190’に基づいて、航空機10における前記1つ又は複数の推定される外面位置(例では:尾部の推定される位置150a’)を算出するように構成される。例示的実施形態において、航空機寸法データ190’は、スタンド20に到着することが予想される航空機10’の長さL’を含み、航空機寸法データ190は、スタンド20における航空機10の長さLを含む。ここで言及されている2つの航空機10及び10’の間には、重要な区別がある。その長さは、すなわち、センシングエリア112に存在する航空機10から直接取得されるセンシングデータに基づいて長さLを推定することによって、又は、予想される航空機10’の長さL’の他の場所からコントローラ110に伝えられる情報から、決定されてもよい。第1の代替によると、センシングエリア112に存在する航空機10は、リモートセンシングシステム110によって感知される。そして、前記センシングシステム110から受信されるセンサーデータ111に基づいて、長さLを、直接的に(例えば、航空機10の尾部10aの特性的特徴を分析することによって)又は間接的に推測してもよい。リモートセンシングシステムは、尾部10aにおける特性的特徴を検出する精度が低いかもしれないので、その間接的な方法が有益でありうる。航空機スタンド配置構造100は、航空機の2つ以上の特性的特徴170a-cを決定するように、及び、関連する2つ以上の特性的特徴位置172a-cを決定するように、構成されてもよい。1つの既知のアプローチは、ノーズ部分170aの位置172a、及び航空機翼によって支持されるエンジン170b,170cの位置172b,172cを決定することである。コントローラ120は、2つ以上の特性的特徴位置172a-cを、複数の航空機タイプ及び/又はモデルに関する航空機寸法データを含む航空機寸法データベース122と比較し、2つ以上の特性的特徴位置172a-cと、データベースにおける航空機寸法データからの具体的な航空機寸法データ190との間で一致が見出されたことに応えて、その具体的な航空機寸法データから、航空機長さLを取得するように構成されてもよい。
【0069】
空港スタンド配置構造100は、ここで、航空機特性的特徴の少なくとも1つの基準位置、例えば航空機10のノーズ部分170aの特性的特徴位置172a、に対するアクセスを有する。また配置構造100は、航空機10の推定された長さL又は想定される長さL’に対するアクセスを有する。第3の情報として、コントローラ120は、航空機10の長手方向の延在の推定される方向12’を決定するように構成される。
図2に示した空港スタンド配置構造100に関し、その方向は、スタンド20に対する想定される航空機角度位置に基づいて推測される。航空機は、パイロットによって又は牽引車によって、所定の経路をたどるように操縦されるため、この一見粗雑に見えるアプローチは、実際には空港スタンド配置構造には十分でありうる。スタンドエリア20において、航空機10は、少なくとも停止位置160の近傍にいる場合には、中心線165と比較的良好に一致することになる。したがって、航空機10の長手方向延在の推定される方向12’は、中心線165と平行であると想定されうる。そしてコントローラ110は、航空機10の長手方向の延在の推定される方向12’と平行であるノーズ部分170aの前記位置172aから外側の方向に、航空機の(検索された)長さLを、航空機のノーズ部分170aの前記位置172に加えることによって、航空機10の尾部10aにおける推定される外面位置150a’を算出するように構成される。スタンド20に対する航空機角度位置の比較的粗い近似は、
図2に示されており、
図2では、航空機10の尾部10aにおける推定される外面位置150a’が、その実際の対応物、実在の外面位置150a、の左へのある距離において、現れる。推定における潜在的な不正確さを考慮する1つの方法は、推定される位置値に安全距離Tを加えることである。これも
図2に示されており、
図2において、尾部10aの推定される位置150a’は、尾部10aの実際の位置150aからある距離で終わることになる。
【0070】
図3は、代替的な実施形態による空港スタンド配置構造200を示している。空港スタンド配置構造200は、空港スタンド配置構造100と構造的特徴を共有しているが、コントローラ220が、ここでは、航空機の2つ以上の特性的特徴270a~cを識別し、関連する2つ以上の特性的特徴位置272a~cを識別し、前記2つ以上の特性的特徴位置272a~cから少なくとも2つに基づいて、航空機の長手方向の延在の推定される方向22’を算出するように構成される点で、異なる。このように、スタンド20に対する航空機角度位置を想定する代わりに、航空機10の長手方向の延在が空港スタンド配置構造200によって決定される。航空機10の長手方向の延在の推定される方向22’は、航空機の2つ以上の特性的特徴位置272a-cを、スタンドエリア140の座標又は中心線165の座標と比較することによって、算出されてもよい。航空機長さは、スタンド20における航空機10(長さL)に関して、又は、スタンド20に到着することが予想される航空機10’(長さL’)に関して、決められうる。そしてコントローラ220は、航空機の長手方向の延在の推定される方向22’と平行であるノーズ部分270aの位置272aから外側の方向に、長さL、L’を、航空機のノーズ部分270aの位置272aに加えることによって、航空機10の尾部10aにおける推定される外面位置250a’を算出するように構成されてもよい。
図3に示すように、これは、尾部10aの推定される位置250a’の更に高い精度を提供しうる。
【0071】
ここでは、これまで、航空機の尾部について説明してきた。しかし、航空機の他の部分も、それらが知らないうちにスタンドエリア120から突出してしまうと、アクシデントに巻き込まれうる。
【0072】
図4は、そのようなシナリオを示すと同時に、別の例示的実施形態による空港スタンド配置構造300を示している。空港スタンド配置構造300は、空港スタンド配置構造100及び200と構造的特徴を共有しているが、ここではコントローラ320が、航空機10の境界に沿って任意の推定される外面位置を決定するように構成される点で異なる。
【0073】
まず、我々は、今、航空機10が、スタンドエリア140に位置しており、その尾部10b及び右翼部10cの両方がそこから突出していることに注目する。空港スタンド配置構造100,200が尾部10aの位置を推定するように構成される一方で、前記配置構造100,200は、左翼部10cの位置を検出するように構成されていないかもしれない。
【0074】
しかしながら、空港スタンド配置構造300において、コントローラ320は、特性的特徴370a-cを識別してその関連の位置372a-cを決定した後、前記2つ以上の特性的特徴位置372a-cを、複数の航空機タイプ及び/又はモデルに関する航空機寸法データを含む航空機寸法データベース122と比較し、2つ以上の特性的特徴位置372a-cと、前記データベース122における航空機寸法データからの具体的な航空機寸法データ190,190’との間で一致が見つかったことに応えて、前記2つ以上の特性的特徴位置372a~c及び前記具体的な航空機寸法データ190,190’に基づき、航空機10における前記1つ又は複数の推定される外面位置350a’-c’を決定するように、構成される。
【0075】
このように、空港スタンド配置構造300に関し、航空機の2つ以上の基準位置(すなわち特性的特徴位置372a~c)は、航空機の長さを決定するために又は単に検索するために使用されるだけではなく、代替的又は追加的に、航空機10に関する他の寸法を推測するために使用される。そのような寸法は、航空機長さ、翼長、高さ、翼面積、エンジン間の距離、ホイールベースなどでありうるが、これらに限定されるものではない。航空機寸法データベース122からの十分な入力データを前提として、コントローラ320は、翼先端部10b,10cの位置を含む、航空機の境界に沿った任意の位置を決定するように構成されてもよい。
【0076】
当業者は、本発明が決して上述の好ましい実施形態に限定されるものではないことを認識している。それどころか、添付の特許請求の範囲内で多くの変更及び変形が可能である。更に、開示された実施形態に対する変形が、特許請求の範囲に記載された発明を実施する当業者によって、図面、開示内容、及び添付の特許請求の範囲の考慮から、理解可能であり、達成可能である。
【手続補正書】
【提出日】2021-09-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空港スタンド配置構造(100)であって、
センシングエリア(112)内の航空機(10)を検出するように構成されるリモートセンシングシステム(110)であって、前記センシングエリア(112)は、スタンド(20)のスタンドエリア(140)を含む、リモートセンシングシステム(110)と、
コントローラ(120)と、を備え、当該コントローラ(120)は、
前記リモートセンシングシステム(110)から受け取られるセンサーデータ(111)に基づいて、前記航空機(10)における1つ又は複数の推定される外面位置(150a’)を決め
るように構成され、各推定される外面位置は、前記航空機(10)における関連する実在の外面位置(150a)の推定される位置であり、前記実在の外面位置(150a)は、前記センシングエリア(12)における前記航空機の延在の限界を定め、
前記航空機の前記1つ又は複数の推定される外面位置を決めるように構成される前記コントローラは、前記コントローラが、
- 前記航空機(10)の1つ又は複数の特性的特徴(170a-c)を識別し、前記航空機(10)の前記1つ又は複数の特性的特徴(170a-c)のうちの具体的な特性的特徴は、前記航空機のノーズ部分(170a)であり、
- 前記航空機(10)において1つ又は複数の特性的特徴位置(172a-c)を定めるように、前記1つ又は複数の特性的特徴(170a-c)のうちの各特性的特徴に関し、各特性的特徴位置を決め、前記具体的な特性的特徴の各特性的特徴位置は、前記航空機の前記ノーズ部分(170a)の位置(172a)であり、
- 前記航空機(10)に関連する航空機寸法データ(190;190’)を受け取り、
- 前記1つ又は複数の特性的特徴位置(172a-c)及び前記航空機寸法データ(190;190’)に基づいて、前記航空機(10)における前記1つ又は複数の推定される外面位置(150a’)を算出し、前記航空機(10)における前記1つ又は複数の推定される外面位置は、前記航空機の尾部(10a)の推定される外面位置(150’a)を含む、
ように構成されることを含み、
前記コントローラは:
前記1つ又は複数の推定される外面位置(150a’)を前記スタンドエリア(140)の1以上の座標と比較して、前記1つ又は複数の推定される外面位置(150a’)のうちの少なくとも1つが前記スタンドエリア(140)の外側にあるかを判断し、
前記1つ又は複数の推定される外面位置(150a’)のうちの少なくとも1つが前記スタンドエリア(140)の外側にあると判断されることに応えて、航空機駐機警告信号(195)を出力する、
ように
更に構成される、
空港スタンド配置構造(100)。
【請求項2】
前記リモートセンシングシステム(110)は、レーダーベースのシステム、レーザーベースのシステム、及びイメージングシステムのうちの1つ又は複数を含む、請求項1に記載の空港スタンド配置構造(100)。
【請求項3】
前記空港スタンド配置構造はディスプレイ(130)を更に備え、
前記空港スタンド配置構造(100)は、前記リモートセンシングシステム(110)からのデータに基づいて、前記スタンドエリア(140)内の駐機位置(160)に駐機するために前記航空機(10)を検出及び追跡するように更に構成され、前記航空機(10)の前記検出及び追跡に基づいて、前記駐機位置(160)に向けて前記航空機を操縦する際に前記航空機(10)のパイロットを支援するために、前記ディスプレイ(130)においてパイロット操縦ガイダンス情報を提供するように構成される、請求項
1又は2に記載の空港スタンド配置構造(100)。
【請求項4】
前記受け取られる航空機寸法データ(190;190’)は、前記航空機(10)の長さ(L)を含み、
前記コントローラ(120)は、前記航空機の長手方向の延在の推定される方向(12’)と平行である前記ノーズ部分(170a)の前記位置(172a)から外側の方向に、前記航空機の前記長さ(L)を、前記航空機の前記ノーズ部分(170a)の前記位置(172a)に加えることによって、前記航空機(10)の前記尾部(10a)における前記推定される外面位置(150a’)を算出するように構成される、請求項
1~3のいずれか一項に記載の空港スタンド配置構造(100)。
【請求項5】
前記航空機の前記1つ又は複数の特性的特徴は、前記航空機の2つ以上の特性的特徴(270a-c)を含み、
前記1つ又は複数の特性的特徴位置は、2つ以上の特性的特徴位置(272a-c)を含む、請求項
1~4のいずれか一項に記載の空港スタンド配置構造(200)。
【請求項6】
前記航空機の前記長手方向の延在の前記推定される方向(22’)は、前記2つ以上の特性的特徴位置(272a-c)のうちの少なくとも2つに基づいて算出される、請求項
5に記載の空港スタンド配置構造(200)。
【請求項7】
前記航空機における1つ又は複数の推定される外面位置を決めるように構成される前記コントローラ(220)は、
前記コントローラが、
前記2つ以上の特性的特徴位置(272a-c)を、複数の航空機タイプ及び/又はモデルに関する航空機寸法データを含む航空機寸法データベース(122)と比較し、
前記2つ以上の特性的特徴位置(272a-c)と、前記データベース(222)における前記航空機寸法データからの具体的な航空機寸法データ(190;190’)との間で見い出される一致に応えて、前記2つ以上の特性的特徴位置(172a-c)及び前記具体的な航空機寸法データ(190;190’)に基づいて、前記航空機(10)における前記1つ又は複数の推定される外面位置(250a’)を決める、
ように構成されることを含む、請求項
5に記載の空港スタンド配置構造(200)。
【請求項8】
前記コントローラ(120)は、
前記1つ又は複数の推定される外面位置(150a’)が前記スタンドエリアの内側にあると判断されることに応えて、スタンドエリアクリアランス信号(S)を出力するように更に構成される、請求項1~
7のいずれか一項に記載の空港スタンド配置構造(100)。
【請求項9】
前記航空機駐機警告信号(195)を出力するように構成される前記コントローラ(120)は、
前記コントローラ(120)が、前記航空機駐機警告信号を以下のうちの1つ以上に送信するように構成される、
前記センシングエリアの近くにおける近くの航空機、
空港運用データベース、
グランドコントロール、及び
スタンド要員が携行する受信ユニット、
ことを含む、請求項1~
8のいずれか一項に記載の空港スタンド配置構造(100)。
【請求項10】
空港スタンド配置構造(100)に実装される方法であって、前記スタンド配置構造(100)は、センシングエリア(112)内の前記航空機(10)を検出するように構成されるリモートセンシングシステム(110)を備え、前記センシングエリア(112)は、スタンド(20)の前記スタンドエリア(140)を含み、前記方法は:
前記リモートセンシングシステム(110)から、前記センシングエリア(112)内で検出される航空機(10)に関連するセンサーデータ(111)を受け取ること;
前記受け取られたセンサーデータ(111)に基づいて、前記航空機(10)における1つ又は複数の推定される外面位置(150a’)を決めることであって、各推定される外面位置は、前記航空機(10)における関連する実在の外面位置(150a)の推定される位置であり、前記実在の外面位置(150a)は、前記センシングエリア(112)における前記航空機の延在の限界を定め
、前記航空機における1つ又は複数の推定される外面位置を決めることは、
前記航空機の1つ又は複数の特性的特徴(170a-c)を識別し、前記航空機の前記1つ又は複数の特性的特徴のうちの具体的な特性的特徴は、前記航空機のノーズ部分(170a)であること、
前記航空機において1つ又は複数の特性的特徴位置(172a-c)を定めるように、前記1つ又は複数の特性的特徴(172a-c)の各特性的特徴に関し、各特性的特徴位置を決め、前記具体的な特性的特徴の各特性的特徴位置は、前記航空機の前記ノーズ部分(170a)の位置(172a)であること、
前記航空機(10)に関連する航空機寸法データ(190;190’)を受け取ること、及び
前記1つ又は複数の特性的特徴位置(172a-c)及び前記航空機寸法データ(190;190’)に基づいて、前記航空機(10)における前記1つ又は複数の推定される外面位置(150a’)を算出し、前記航空機における前記1つ又は複数の推定される外面位置(150a’-c’)は、前記航空機の尾部(10a)の推定される外面位置(150a’)を含むこと、
を含むこと;
前記1つ又は複数の推定される外面位置(150a’)を、前記スタンドエリア(140)の1つ又は複数の座標と比較して、前記1つ又は複数の推定される外面位置(150a’)のうちの少なくとも1つが前記スタンドエリア(140)の外側にあるかどうかを判断すること;及び
前記1つ又は複数の推定される外面位置(150a’)のうちの少なくとも1つが前記スタンドエリア(140)の外側にあると判断されることに応えて、航空機駐機警告信号(A)を出力すること、
を含む、方法。
【請求項11】
前記受け取られる航空機寸法データ(190;190’)は、前記航空機の長さ(L)を含み、
前記航空機における前記1つ又は複数の推定される外面位置を算出するステップは、
前記航空機の長手方向の延在の推定される方向(12’)と平行である前記ノーズ部分(170a)の前記位置(172a)から外側の方向に、前記航空機の前記長さ(L)を、前記航空機の前記ノーズ部分(170a)の前記位置(172a)に加えることによって、前記航空機(10)の前記尾部(10a)における前記推定される外面位置(150a’)を算出することを含む、請求項
10に記載の方法。
【請求項12】
処理能力を有するデバイスによって実行されると、請求項
10又は11に記載の方法を実行するように適合されるコンピュータコード命令を含むコンピュータ読み取り可能媒体。
【国際調査報告】