(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-24
(54)【発明の名称】カートリッジ、及びそれを含むエアロゾル生成装置
(51)【国際特許分類】
A24F 40/42 20200101AFI20220617BHJP
A24F 40/48 20200101ALI20220617BHJP
A24F 40/44 20200101ALI20220617BHJP
【FI】
A24F40/42
A24F40/48
A24F40/44
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021522046
(86)(22)【出願日】2020-12-10
(85)【翻訳文提出日】2021-04-22
(86)【国際出願番号】 KR2020018037
(87)【国際公開番号】W WO2021194048
(87)【国際公開日】2021-09-30
(31)【優先権主張番号】10-2020-0036431
(32)【優先日】2020-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100202267
【氏名又は名称】森山 正浩
(72)【発明者】
【氏名】キム,テフン
(72)【発明者】
【氏名】チェ,ジェソン
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA05
4B162AA22
4B162AB14
4B162AB23
4B162AC18
4B162AC22
4B162AC27
(57)【要約】
【要約】
エアロゾル生成物質を含む液状組成物を保存する保存部、保存部と連結され、エアロゾル生成物質からエアロゾルを発生させる生成空間を形成するエアロゾル生成部を含み、該エアロゾル生成部は、液状組成物を保存部から生成空間に供給させる供給部、生成空間内部に配置され、供給部から供給された液状組成物を吸収する液体伝達手段、液体伝達手段に吸収された液状組成物を加熱し、エアロゾルを生成する加熱要素、及び生成空間内部で発生し、供給部に移動する気泡を供給部の外部に排出する気泡排出部を含むカートリッジである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル生成物質を含む液状組成物を保存する保存部と、
前記保存部と連結され、前記エアロゾル生成物質からエアロゾルを発生させる生成空間を形成するエアロゾル生成部と、を含み、
前記エアロゾル生成部は、
前記液状組成物を前記保存部から前記生成空間に供給させる供給部と、
前記生成空間内部に配置され、前記供給部から供給された前記液状組成物を吸収する液体伝達手段と、
前記液体伝達手段に吸収された前記液状組成物を加熱し、前記エアロゾルを生成する加熱要素と、
前記生成空間内部で発生し、前記供給部に移動する気泡を前記供給部の外部に排出する気泡排出部と、を含む、カートリッジ。
【請求項2】
前記供給部は、重力方向に延長される中空の形態であり、前記保存部の前記液状組成物が、重力により、前記液体伝達手段に伝達される、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項3】
前記気泡排出部は、前記保存部から前記生成空間に向かう方向である前記液状組成物の供給方向と所定角度をなす傾斜面を形成する溝を含み、
該気泡は、前記傾斜面に沿って移動し、前記供給部の外部に排出される、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項4】
前記気泡排出部は、前記供給部と隣接して配置され、前記液状組成物の供給方向と垂直である方向の前記溝の断面がU字形である、請求項3に記載のカートリッジ。
【請求項5】
前記気泡排出部は、前記供給部と隣接して配置され、前記液状組成物の供給方向と垂直である方向の前記溝の断面がV字形である、請求項3に記載のカートリッジ。
【請求項6】
前記溝の前記傾斜面は、前記保存部に向けて凸状に形成された、請求項3に記載のカートリッジ。
【請求項7】
前記溝の前記傾斜面は、前記保存部に向けて凹状に形成された、請求項3に記載のカートリッジ。
【請求項8】
前記気泡排出部は、前記供給部の周囲に沿い、少なくとも1以上の前記溝が配置されて形成される、請求項3に記載のカートリッジ。
【請求項9】
前記気泡排出部は、前記供給部と少なくとも1以上の段差を形成する、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項10】
前記気泡排出部の前記段差のエッジは、面取り処理された、請求項9に記載のカートリッジ。
【請求項11】
請求項1ないし10のうちいずれか1項に記載のカートリッジと、
シガレットが挿入されうる本体と、
前記本体に挿入された前記シガレットを加熱するヒータと、
前記カートリッジで生成されたエアロゾルを前記シガレットの一端部に伝達する気流通路と、を含む、エアロゾル生成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カートリッジ、及びそれを含むエアロゾル生成装置に係り、さらに詳細には、加熱要素への液状組成物の供給を阻害する気泡を排出するカートリッジ及びエアロゾル生成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、一般的なシガレットの短所を克服する代替方法への需要が増大している。例えば、シガレットを燃焼させ、エアロゾルを生成させる方法ではなく、シガレット内のエアロゾル生成物質が加熱されることにより、エアロゾルが生成される方法への需要が増大している。それにより、加熱式シガレットまたは加熱式エアロゾル生成装置に係わる研究が活発に進められている。
【0003】
最近では、エアロゾル生成物質が含有された液状組成物を加熱し、液状組成物を霧化させた後、霧化された蒸気を吸入する電子タバコが活発に使用されている。電子タバコの霧化器には、液状組成物を霧化させる加熱要素と、該加熱要素に、液状組成物を伝達する液状供給媒体とが含まれている。該霧化器の使用時、液状供給媒体を介する液状組成物の供給が円滑ではなければ、加熱要素により、液状供給媒体が燃焼されうるが、そのとき、ユーザが焦げた味を感じ、不快感を抱いたり、霧化器の霧化量が減ってしまったりする問題が生じうる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本実施形態を介して解決しようとする課題は、カートリッジ、及びそれを含むエアロゾル生成装置を提供することである。さらに具体的には、本実施形態は、加熱要素への液状組成物の供給を阻害する気泡を排出するカートリッジ及びエアロゾル生成装置を提供するものである。
【0005】
本実施形態を介して解決しようとする課題は、前述の課題に制限されるものではなく、言及されていない課題は、本明細書及び添付図面から、本発明が属する技術分野で当業者に明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述の技術的課題を達成するための技術的手段として、一実施形態によるカートリッジは、エアロゾル生成物質を含む液状組成物を保存する保存部、及び該保存部と連結され、エアロゾル生成物質からエアロゾルを発生させる生成空間を形成するエアロゾル生成部を含み、該エアロゾル生成部は、液状組成物を保存部から生成空間に供給させる供給部、生成空間内部に配置され、該供給部から供給された液状組成物を吸収する液体伝達手段、該液体伝達手段に吸収された液状組成物を加熱し、エアロゾルを生成する加熱要素、及び該生成空間内部で発生し、供給部に移動する気泡を供給部の外部に排出する気泡排出部を含んでもよい。
【発明の効果】
【0007】
本実施形態に係わるカートリッジ、及びエアロゾル生成装置は、加熱要素に係わる液状供給経路を塞ぐ気泡を液状供給経路外部に排出し、霧化量減ったり風味が低減したりする現象を防止することにより、ユーザの満足度を高めることができる効果を有する。
【0008】
本実施形態による効果は、前述の効果に制限されるものではなく、言及されていない効果は、本明細書及び添付図面から、本発明が属する技術分野で当業者に明確に理解されうるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】エアロゾル生成装置にシガレットが挿入された例を示した図面である。
【
図2】エアロゾル生成装置にシガレットが挿入された例を示した図面である。
【
図4】一実施形態に係わるカートリッジの断面を示した図面である。
【
図5】
図4に図示されたカートリッジのエアロゾル生成部の上面図である。
【
図6】他の実施形態に係わるカートリッジのエアロゾル生成部の上面図である。
【
図7】さらに他の実施形態に係わるカートリッジのエアロゾル生成部の断面を示した図面である。
【
図8】さらに他の実施形態に係わるカートリッジのエアロゾル生成部の断面を示した図面である。
【
図9】さらに他の実施形態に係わるカートリッジのエアロゾル生成部の断面を示した図面である。
【
図10】さらに他の実施形態に係わるカートリッジのエアロゾル生成部の断面を示した図面である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
前述の技術的課題を達成するための技術的手段として、一実施形態によるカートリッジは、エアロゾル生成物質を含む液状組成物を保存する保存部、及び該保存部と連結され、エアロゾル生成物質からエアロゾルを発生させる生成空間を形成するエアロゾル生成部を含み、該エアロゾル生成部は、液状組成物を該保存部から生成空間に供給させる供給部、該生成空間内部に配置され、該供給部から供給された液状組成物を吸収する液体伝達手段、該液体伝達手段に吸収された液状組成物を加熱し、エアロゾルを生成する加熱要素、及び該生成空間内部で発生し、供給部に移動する気泡を供給部の外部に排出する気泡排出部を含んでもよい。
【0011】
また、該供給部は、重力方向に延長される中空の形態であり、該保存部の液状組成物が、重力により、液体伝達手段にも伝達される。
【0012】
また、該気泡排出部は、保存部からエアロゾル生成部に向かう方向である液状組成物の供給方向と所定角度をなす傾斜面を形成する溝を含むことにより、気泡が傾斜面に沿って移動し、供給部の外部にも排出される。
【0013】
また、該気泡排出部は、供給部と隣接して配置され、液状組成物の供給方向と垂直である方向の溝の断面がU字形でもある。
【0014】
また、該気泡排出部は、供給部と隣接して配置され、液状組成物の供給方向と垂直である方向の溝の断面がV字形でもある。
【0015】
また、溝の傾斜面は、保存部に向けて凸状にも形成される。
【0016】
また、溝の傾斜面は、保存部に向けて凹状にも形成される。
【0017】
また、該気泡排出部は、供給部の周囲に沿い、少なくとも1以上の溝が配置されても形成される。
【0018】
また、該気泡排出部は、供給部と少なくとも1以上の段差を形成されることができる。
【0019】
また、該気泡排出部の段差のエッジは、面取り(chamfering)処理されうる。
【0020】
他の実施形態によるエアロゾル生成装置は、前述の実施形態に係わるカートリッジを含み、シガレットが挿入されうる本体、本体に挿入されたシガレットを加熱するヒータ、及びカートリッジで生成されたエアロゾルをシガレットの一端部に伝達する気流通路を含んでもよい。
【0021】
本実施形態で使用される用語は、本発明における機能を考慮しながら、可能な限り現在汎用される一般的な用語を選択したが、それらは、当分野に携わる技術者の意図、判例、または新たな技術の出現などによっても異なる。また、特定の場合は、出願人が任意に選定した用語もあり、その場合、当該発明の説明部分において、詳細にその意味を記載する。従って、本発明で使用される用語は、単純な用語の名称ではなく、その用語が有する意味と、本発明の全般にわたる内容とを基に定義されなければならない。
【0022】
明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、それは、特別に反対となる記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含んでもよいということを意味する。また、明細書に記載された「…部」、「…モジュール」というような用語は、少なくとも1つの機能や動作を処理する単位を意味し、それは、ハードウェアまたはソフトウェアによって具現されるか、あるいはハードウェアとソフトウェアとの結合によっても具現される。
【0023】
以下においては、添付図面を参照し、本発明の実施形態について、本発明が属する技術分野において当業者が容易に実施することができるように詳細に説明する。しかし、本発明は、さまざまに異なる形態にも具現され、ここで説明する実施形態に限定されるものではない。
【0024】
以下においては、図面を参照し、本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0025】
図1及び
図2は、エアロゾル生成装置にシガレットが挿入された例を示した図面である。
【0026】
図1及び
図2を参照すれば、エアロゾル生成装置10000は、バッテリ11000、制御部12000、ヒータ13000及び蒸気化器14000を含む。また、エアロゾル生成装置10000の内部空間には、シガレット20000が挿入されうる。
【0027】
図1及び
図2に図示されたエアロゾル生成装置10000には、本実施形態と係わる構成要素が図示されている。従って、
図1及び
図2に図示された構成要素以外に、他の構成要素がエアロゾル生成装置10000にさらに含まれてもよいということは、本実施形態と係わる技術分野で当業者であるならば、理解することができるであろう。
【0028】
また、
図1及び
図2には、エアロゾル生成装置10000に、ヒータ13000が含まれているように図示されているが、一実施形態により、ヒータ13000は、省略されうる。
【0029】
図1には、バッテリ11000、制御部12000、蒸気化器14000及びヒータ13000が一列に配置されているように図示されている。また、
図2には、蒸気化器14000及びヒータ13000が並列に配置されているように図示されている。しかし、エアロゾル生成装置10000の内部構造は、
図1または
図2に図示されたところに限定されるものではない。言い換えれば、エアロゾル生成装置10000の設計により、バッテリ11000、制御部12000、蒸気化器14000及びヒータ13000の配置は、変更されうる。
【0030】
シガレット20000がエアロゾル生成装置10000に挿入されれば、エアロゾル生成装置10000は、蒸気化器14000を作動させ、蒸気化器14000からエアロゾルを発生させることができる。蒸気化器14000によって生成されたエアロゾルは、シガレット20000を通過してユーザに伝達される。蒸気化器14000に係わる説明は、下記においてさらに詳細に行う。
【0031】
バッテリ11000は、エアロゾル生成装置10000の動作に利用される電力を供給する。例えば、バッテリ11000は、ヒータ13000または蒸気化器14000が加熱されうるように、電力を供給することができ、制御部12000の動作に必要な電力を供給することができる。また、バッテリ11000は、エアロゾル生成装置10000に設けられたディスプレイ、センサ、モータなどの動作に必要な電力を供給することができる。
【0032】
制御部12000は、エアロゾル生成装置10000の動作を全般的に制御する。具体的には、制御部12000は、バッテリ11000、ヒータ13000及び蒸気化器14000だけではなく、エアロゾル生成装置10000に含まれた他の構成の動作を制御する。また、制御部12000は、エアロゾル生成装置10000の構成それぞれの状態を確認し、エアロゾル生成装置10000が動作可能な状態であるか否かということをを判断することもできる。
【0033】
制御部12000は、少なくとも1つのプロセッサを含む。該プロセッサは、多数の論理ゲートのアレイによっても具現され、汎用的なマイクロプロセッサと、該マイクロプロセッサで実行されうるプログラムが保存されたメモリとの組み合わせによっても具現される。また、他形態のハードウェアによっても具現されるということは、本実施形態が属する技術分野で当業者であるならば、理解することができるであろう。
【0034】
ヒータ13000は、バッテリ11000から供給された電力によっても加熱される。例えば、シガレットがエアロゾル生成装置10000に挿入されれば、ヒータ13000は、シガレットの外部に位置することができる。従って、加熱されたヒータ13000は、シガレット内のエアロゾル生成物質の温度を上昇させることができる。
【0035】
ヒータ13000は、電気抵抗性ヒータでもある。例えば、ヒータ13000には、電気伝導性トラック(track)が含まれ、該電気伝導性トラックに電流が流れることにより、ヒータ13000が加熱されうる。しかし、ヒータ13000は、前述の例に限定されるものではなく、希望温度まで加熱されうるものであるならば、制限なしに該当しうる。ここで、該希望温度は、エアロゾル生成装置10000に既設定のものでもあり、ユーザにより、所望温度に設定されもする。
【0036】
一方、他の例として、ヒータ13000は、誘導加熱式ヒータでもある。具体的には、ヒータ13000には、シガレットを誘導加熱方式で加熱するための電気伝導性コイルを含んでもよく、シガレットは、誘導加熱式ヒータによっても加熱されるサセプタを含んでもよい。
【0037】
図1及び
図2には、ヒータ13000がシガレット20000の外部に配置されるように図示されているが、それに限定されるものではない。例えば、ヒータ13000は、管型加熱要素、板型加熱要素、針型加熱要素または棒型加熱要素を含んでもよく、加熱要素の形態により、シガレット20000の内部または外部を加熱することができる。
【0038】
また、エアロゾル生成装置10000には、ヒータ13000が複数個配置されうる。そのとき、複数個のヒータ13000は、シガレット20000の内部に挿入されるようにも配置され、シガレット20000の外部にも配置される。また、複数個のヒータ13000のうち一部は、シガレット20000の内部に挿入されるように配置され、残りは、シガレット20000の外部にも配置される。また、ヒータ13000の形状は、
図1及び
図2に図示されたところに限定されるものではなく、多様な形状にも作製される。
【0039】
蒸気化器14000は、液状組成物を加熱し、エアロゾルを生成することができ、生成されたエアロゾルは、シガレット20000を通過し、ユーザにも伝達される。言い換えれば、蒸気化器14000によって生成されたエアロゾルは、エアロゾル生成装置10000の気流通路に沿って移動することができ、該気流通路は、蒸気化器14000によって生成されたエアロゾルが、シガレットを通過してユーザに伝達されるようにも構成される。
【0040】
例えば、蒸気化器14000は、液体保存部、液体伝達手段及び加熱要素を含んでもよいが、それらに限定されるものではない。例えば、該液体保存部、該液体伝達手段及び該加熱要素は、独立したモジュールとして、エアロゾル生成装置10000にも含まれる。
【0041】
該液体保存部は、液状組成物を保存することができる。例えば、該液状組成物は、揮発性タバコ香成分を含むタバコ含有物質を含む液体であもり、非タバコ物質を含む液体でもある。該液体保存部は、蒸気化器14000から脱着されるか、あるいはそれに付着されるようにも作製され、蒸気化器14000と一体にも作製される。
【0042】
例えば、該液状組成物は、水、溶媒、エタノール、植物抽出物、香料、香味剤またはビタミン混合物を含んでもよい。該香料は、メントール、ペパーミント、スぺアミントオイル、各種果物の香り成分などを含んでもよいが、それらに制限されるものではない。該香味剤は、ユーザに多様な香味または風味を提供することができる成分を含んでもよい。該ビタミン混合物は、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC及びビタミンEのうち少なくとも一つが混合されたものでもあるが、それらに制限されるものではない。また、該液状組成物は、グリセリン及びプロピレングリコールのようなエアロゾル形成剤を含んでもよい。
【0043】
該液体伝達手段は、液体保存部の液状組成物を加熱要素に伝達することができる。例えば、該液体伝達手段は、綿纎維、セラミックス纎維、ガラス繊維、多孔性セラミックスのような芯(wick)にもなるが、それらに限定されるものではない。
【0044】
該加熱要素は、液体伝達手段によって伝達される液状組成物を加熱するための要素である。例えば、該加熱要素は、金属熱線、金属熱板、セラミックスヒータなどにもなるが、それらに限定されるものではない。また、該加熱要素は、ニクロム線のような伝導性フィラメントによっても構成され、該液体伝達手段に巻かれる構造にも配置される。該加熱要素は、電流供給によっても加熱され、該加熱要素と接触された液体組成物に熱を伝達し、該液体組成物を加熱することができる。その結果、エアロゾルが生成されるのである。
【0045】
例えば、蒸気化器14000は、カトマイザ(cartomizer)または霧化器(atomizer)とも称されるが、それらに限定されるものではない。
【0046】
一方、エアロゾル生成装置10000は、バッテリ11000、制御部12000及びヒータ13000以外に、他の構成要素をさらに含んでもよい。例えば、エアロゾル生成装置10000は、視覚情報の出力が可能なディスプレイ、及び/または触覚情報の出力のためのモータを含んでもよい。また、エアロゾル生成装置10000は、少なくとも1つのセンサ(例えば、パフ感知センサ、温度感知センサ、シガレット挿入感知センサなど)を含んでもよい。また、エアロゾル生成装置10000は、シガレット20000が挿入された状態でも、外部空気が流入されるか、あるいは内部気体が流入される構造にも作製される。
【0047】
図1及び
図2には、図示されていないが、エアロゾル生成装置10000は、別途のクレードルと共に、システムを構成することもできる。例えば、該クレードルは、エアロゾル生成装置10000のバッテリ11000充電にも利用される。または、該クレドルとエアロゾル生成装置10000とが結合された状態で、ヒータ13000が加熱されうる。
【0048】
シガレット20000は、一般的な燃焼型シガレットとと類似してもいる。例えば、シガレット20000は、エアロゾル生成物質を含む第1部分と、フィルタなどを含む第2部分とにも区分される。または、シガレット20000の第2部分にも、エアロゾル生成物質が含まれてもよい。例えば、顆粒またはカプセルの形態に作られたエアロゾル生成物質が、第2部分にも挿入される。
【0049】
エアロゾル生成装置10000の内部には、第1部分全体が挿入され、第2部分は、外部に露出されうる。または、エアロゾル生成装置10000の内部に、第1部分の一部だけ挿入されもし、第1部分、及び第2部分の一部が挿入されもする。ユーザは、第2部分を口でした状態で、エアロゾルを吸入することができる。そのとき、エアロゾルは、外部空気が第1部分を通過することによって生成され、生成されたエアロゾルは、第2部分を通過し、ユーザの口に伝達される。
【0050】
一例として、外部空気は、エアロゾル生成装置10000に形成された少なくとも1つの空気通路を介しても流入される。例えば、エアロゾル生成装置10000に形成された空気通路の開閉、及び/または空気通路の大きさは、ユーザによって調節されうる。それにより、霧化量、喫煙感などが、ユーザによって調節されうる。他の例として、外部空気は、シガレット20000の表面に形成された少なくとも1つの孔を介し、シガレット20000の内部にも流入される。
【0051】
以下、
図3を参照し、シガレット20000の一例について説明する。
【0052】
【0053】
図3を参照すれば、シガレット20000は、タバコロッド21000及びフィルタロッド22000を含む。
図1及び
図2を参照して説明した第1部分は、タバコロッド21000を含み、第2部分は、フィルタロッド22000を含む。
【0054】
図3には、フィルタロッド22000が単一セグメントのように図示されているが、それに限定されるものではない。言い換えれば、フィルタロッド22000は、複数のセグメントによっても構成される。例えば、フィルタロッド22000は、エアロゾルを冷却する第1セグメント、及びエアロゾル内に含まれた所定成分をフィルタリングする第2セグメントを含んでもよい。また、一実施形態により、フィルタロッド22000には、他の機能を遂行する少なくとも1つのセグメントをさらに含んでもよい。
【0055】
シガレット20000は、少なくとも1枚のラッパ24000によっても包装される。ラッパ24000には、外部空気が流入されたり、内部気体が流出されたりする少なくとも1つの孔が形成されうる。一例として、シガレット20000は、1枚のラッパ24000によっても包装される。他の例として、シガレット20000は、2枚以上のラッパ24000によって重畳的にも包装される。例えば、第1ラッパにより、タバコロッド21000が包装され、第2ラッパにより、フィルタロッド22000が包装されうる。そして、個別ラッパにより、包装されたタバコロッド21000及びフィルタロッド22000が結合され、第3ラッパにより、シガレット20000全体がさらに包装されうる。もしタバコロッド21000またはフィルタロッド22000それぞれが複数のセグメントによって構成されているならば、それぞれのセグメントが個別ラッパによっても包装される。そして、該個別ラッパによって包装されたセグメントが結合されたシガレット20000全体が、他のラッパによってもさらに包装される。
【0056】
タバコロッド21000は、エアロゾル生成物質を含む。例えば、エアロゾル生成物質は、グリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール及びオレイルアルコールのうち少なくとも一つを含んでもよいが、それらに限定されるものではない。また、タバコロッド21000は、風味剤、湿潤剤及び/または有機酸のような他の添加物質を含んでもよい。また、タバコロッド21000には、メントールまたは保湿剤のような加香液が、タバコロッド21000に噴射されることによっても添加される。
【0057】
タバコロッド21000は、多様にも作製される。例えば、タバコロッド21000は、シート(sheet)によっても作製され、ストランド(strand)によっても作製される。また、タバコロッド21000は、タバコシートが細かく切られた刻みタバコによっても作製される。また、タバコロッド21000は、熱伝導物質によっても覆い包まれる。例えば、該熱伝導物質は、アルミニウムホイルのような金属ホイルでもあるが、それに限定されるものではない。一例として、タバコロッド21000を覆い包む熱伝導物質は、タバコロッド21000に伝達される熱を等しく分散させ、タバコロッドに加えられる熱伝導率を向上させることができ、それにより、タバコ味を向上させることができる。また、タバコロッド21000を覆い包む熱伝導物質は、誘導加熱式ヒータによって加熱されるサセプタとしての機能を行うことができる。そのとき、図面に図示されていないが、タバコロッド21000は、外部を覆い包む熱伝導物質以外にも、追加のサセプタをさらに含んでもよい。
【0058】
フィルタロッド22000は、酢酸セルロースフィルタでもある。一方、フィルタロッド22000の形状には、制限がない。例えば、フィルタロッド22000は、円柱型ロッドでもあり、内部に中空を含むチューブ型ロッドでもある。また、フィルタロッド22000は、リセス型ロッドでもある。もしフィルタロッド22000が複数のセグメントによって構成された場合、複数セグメントのうち少なくとも一つは、異なる形状にも作製される。
【0059】
フィルタロッド22000は、香味が発生されるようにも作製される。一例として、フィルタロッド22000に加香液が噴射され、該加香液が塗布された別途の纎維がフィルタロッド22000の内部にも挿入される。
【0060】
また、フィルタロッド22000には、少なくとも1つのカプセル23000が含まれてもよい。ここで、カプセル23000は、香味を発生させる機能を遂行することもでき、エアロゾルを発生させる機能を遂行することもできる。例えば、カプセル23000は、香料を含む液体を被膜で覆い包んだ構造でもある。カプセル23000は、球形または円筒状の形状を有することができるが、それらに制限されるものではない。
【0061】
もしフィルタロッド22000に、エアロゾルを冷却するセグメントが含まれる場合、冷却セグメントは、高分子物質または生分解性高分子物質によっても製造される。例えば、該冷却セグメントは、純粋なポリ乳酸だけによっても作製されるが、それに限定されるものではない。または、該冷却セグメントは、複数の孔があいた酢酸セルロースフィルタによっても作製される。しかし、該冷却セグメントは、前述の例に限定されるものではなく、エアロゾルが冷却される機能を遂行することができるものであるならば、制限なしに該当しうる。
【0062】
一方、
図3には、図示されていないが、一実施形態によるシガレット20000は、前端フィルタをさらに含んでもよい。該前端フィルタは、タバコロッド21000において、フィルタロッド22000に対向しない一側に位置する。該前端フィルタは、タバコロッド21000が外部に離脱されることを防止することができ、喫煙中、タバコロッド21000から液状化されたエアロゾルが、エアロゾル発生装置10000(
図1及び
図2)に流れ出ることを防止することができる。
【0063】
図4は、一実施形態によるカートリッジ100の断面を示した図面である。カートリッジ100は、前述の蒸気化器14000に該当し、前述の構成と重複する構成に係わる説明は、省略する。
【0064】
図4を参照すれば、一実施形態によるカートリッジ100は、エアロゾル生成物質を含む液状組成物を保存する保存部110を含んでもよい。
【0065】
保存部110は、液状組成物がカートリッジ100の内部に供給されるように、内部に液状組成物を保存することができる。また、保存部110は、カートリッジ100と一体型に作製され、カートリッジ100と脱着可能に結合するようにも作製される。
【0066】
カートリッジ100は、保存部110と連結され、エアロゾル生成物質からエアロゾルを発生させる生成空間125を形成するエアロゾル生成部120を含んでもよい。
【0067】
エアロゾル生成部120は、保存部110から生成空間125に液状組成物を供給させる供給部121を含んでもよい。供給部121は、重力方向に沿って延長し、液状組成物の移動経路を形成し、それにより、保存部110の液状組成物は、重力により、生成空間125の内部に移動することができる。
【0068】
供給部121は、ホール形状でもある。例えば、供給部121の断面は、円形でもあるが、それに制限されるものではなく、液状組成物の供給が円滑になされるように、カートリッジ100の構造及び形状などにより、供給部121の形状は、多様に変形されうる。
【0069】
液体伝達手段122は、生成空間125の内部に配置され、供給部121から供給された液状組成物を吸収することができる。また、液体伝達手段122は、保存部110の液状組成物を、加熱要素123に伝達することができる。
【0070】
加熱要素123は、液体伝達手段122に吸収された液状組成物を加熱し、エアロゾルを生成することができる。
【0071】
生成空間125内部には、前述の液体伝達手段122及び加熱要素123が配置されうる。カートリッジ100の霧化動作時、保存部110から、供給部121を介して移動した液状組成物が、生成空間125の内部で霧化され、エアロゾルが生成されうる。また、生成空間125には、液体伝達手段122に吸収された液状組成物以外にも、液体伝達手段122に吸収されていない液状組成物が存在することができる。それにより、加熱要素123は、前記液体伝達手段122に吸収されていない液状組成物に浸されている形態にも配置される。
【0072】
加熱要素123が加熱されれば、液状組成物が霧化されるが、場合によっては、生成空間125内部に気泡が生じうる。気泡が発生する場合は、加熱要素123によって霧化されたエアロゾルがすっかりユーザに全部吸入されていない場合、霧化動作時、加熱要素123の電力が強く、霧化量が多い場合、またはユーザがカートリッジを傾ける場合などを含むことになるが、それらに制限されるものではない。
【0073】
生成空間125内部で生じた気泡は、供給部121に移動することができる。供給部121に移動した気泡は、保存部110において、生成空間125内部への液状組成物流入を妨害しうる。気泡により、液状組成物流入が妨害されれば、生成空間125内部の液体伝達手段122への液状組成物伝達が円滑ではなくなる。それにより、霧化動作時、加熱要素123によって液体伝達手段122が燃焼され、ユーザに不都合感を与えてしまう。また、加熱要素123によって霧化される液状組成物の量が一時的に減り、霧化動作時、気泡が生成されていない場合の霧化量より少ない霧化量が生成される問題点が生じうる。
【0074】
それと係わり、一実施形態に係わるカートリッジ100は、気泡排出部124を含むのである。気泡排出部124は、生成空間125の内部で発生し、供給部121に移動する気泡を、供給部121の外部に排出することができる。供給部121の外部は、保存部110でもあるが、それに制限されるものではない。
【0075】
図5は、
図4に図示されたカートリッジのエアロゾル生成部120の上面図である。
【0076】
図5を参照すれば、気泡排出部124は、保存部110からエアロゾル生成部120に向かう方向である液状組成物の供給方向と所定角度をなす傾斜面124aを形成する溝を含んでもよい。気泡排出部124の溝は、エアロゾル生成部120に向けて彫り込まれた形態でもあるが、それに制限されるものではない。生成空間125内部で発生した気泡は、傾斜面124aに沿って移動し、供給部121の外部にも排出される。場合により、保存部110とエアロゾル生成部125とを連通させる中空のうち、中空のある一部は、気泡排出部124であり、中空の他の一部は、供給部121でもある。
【0077】
気泡排出部124は、供給部121と隣接するように配置され、液状組成物の供給方向と垂直である方向の溝の断面がV字形でもある。断面がV字形であることにより、気泡は、
図5の傾斜面124a、または傾斜面124a外の気泡排出部124の他面に沿い、迅速に供給部121の外部にも排出される。
【0078】
図6は、他の実施形態に係わるカートリッジのエアロゾル生成部の上面図である。
【0079】
図6を参照すれば、気泡排出部124は、供給部121と隣接するように配置され、液状組成物の供給方向と垂直である方向の溝断面がU字形でもある。断面がU字形であるので、気泡が移動することができる空間が広くなり、比較的大きい気泡を供給部121の外部に排出することができる。
【0080】
気泡排出部124の溝の断面は、前述のところに制限されるものではなく、適用されるカートリッジ100の構造及び形状などによっても異なる。
【0081】
図7は、さらに他の実施形態に係わるカートリッジのエアロゾル生成部の断面を示した図面である。
【0082】
図7を参照すれば、傾斜面124aは、曲線状に延長されても形成される。従って、気泡排出部124の溝の傾斜面124aは、保存部110を対し、凸状にも形成される。例えば、溝の傾斜面124aは、サイクロイド曲線状に、保存部110に向けて凸状でもある。従って、気泡は傾斜面124aに沿って移動し、供給部121の液状組成物の供給を円滑に維持することができる。
【0083】
図8は、さらに他の実施形態に係わるカートリッジのエアロゾル生成部の断面を示した図面である。
【0084】
図8を参照すれば、気泡排出部124の溝の傾斜面124aは、保存部に向けて凹状にも形成される。溝の傾斜面124aが保存部に向けて凹状に形成されることにより、気泡排出部124は、供給部121の液状組成物の供給を阻害する大サイズの気泡を供給部121外部に排出することができる。
【0085】
気泡排出部124の溝の傾斜面124aの形状は、前述のところに制限されるものではなく、カートリッジ100の構造及び形状などによっても異なる。
【0086】
図9は、さらに他の実施形態に係わるカートリッジのエアロゾル生成部の断面を示した図面である。
【0087】
図9を参照すれば、気泡排出部124は、供給部121の周囲に沿い、少なくとも1以上の溝が配置されても形成される。例えば、気泡排出部124の溝は、供給部121周囲の一側と、供給部121周囲の一側に対向する他側とにも配置される。気泡排出部124の溝が対向するように配置されることにより、気泡排出部124は、生成空間125で生じ、供給部121に移動する気泡を効率的に排出することができる。また、気泡排出部124は、供給部121の周囲に沿い、連続しても形成される。
【0088】
図10は、さらに他の実施形態に係わるカートリッジのエアロゾル生成部の断面を示した図面である。
【0089】
図10を参照すれば、気泡排出部124は、段差を含んでもよい。例えば、気泡排出部124は、供給部121と段差を形成し、階段式形状を有することができる。それにより、供給部121の液状流入経路が確保されたまま、気泡が気泡排出部124に移動し、気泡が排出されると共に、生成空間125への液状組成物の円滑な流入を図ることができる。
【0090】
気泡排出部124の段差エッジは、面取り(chamfering)処理されうる。生成空間125で生じた気泡は、段差のエッジの面取り面124bに沿い、て気泡排出部124に移動することができる。それにより、気泡が迅速に気泡排出部124に移動し、供給部121の液状流入経路を確保することができる。
【0091】
他の実施形態によるエアロゾル生成装置は、前述のカートリッジ100のうちいずれか一つを含み、シガレットが挿入されうる本体、本体に挿入されたシガレットを加熱するヒータ、及びカートリッジ100で生成されたエアロゾルをシガレットの一端部に伝達する気流通路を含んでもよい。その場合、ユーザは、喫煙時、カートリッジ100で生成されたエアロゾルと、ヒータによって加熱されたシガレットで生成されたエアロゾルとを同時に吸入することができる。
【0092】
そのように、前述のカートリッジ100は、液状組成物を加熱し、エアロゾルを生成するエアロゾル生成装置において使用され、シガレットを加熱し、エアロゾルを生成するエアロゾル生成装置において、共に使用されうる。
【0093】
本実施形態と係わる技術分野において当業者は、前述の記載の本質的な特性から外れない範囲で変形された形態にも具現されるということを理解することができるであろう。従って、開示された方法は、限定的な観点ではなく、説明的な観点から考慮されなければならない。本発明の範囲は、前述の説明ではなく、特許請求の範囲に示されており、それと同等な範囲内にある全ての差異は、本発明に含まれたものであると解釈されなければならないのである。
【国際調査報告】