(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-24
(54)【発明の名称】分子を細胞内送達するためのペプチドおよびナノ粒子
(51)【国際特許分類】
C07K 7/08 20060101AFI20220617BHJP
C07K 14/00 20060101ALI20220617BHJP
A61P 11/00 20060101ALI20220617BHJP
A61P 1/16 20060101ALI20220617BHJP
A61P 1/00 20060101ALI20220617BHJP
A61P 13/12 20060101ALI20220617BHJP
A61P 25/00 20060101ALI20220617BHJP
A61P 9/00 20060101ALI20220617BHJP
A61P 21/00 20060101ALI20220617BHJP
A61P 37/00 20060101ALI20220617BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20220617BHJP
A61P 37/02 20060101ALI20220617BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20220617BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20220617BHJP
A61P 31/12 20060101ALI20220617BHJP
A61P 27/02 20060101ALI20220617BHJP
A61P 3/10 20060101ALI20220617BHJP
A61P 7/00 20060101ALI20220617BHJP
A61P 3/00 20060101ALI20220617BHJP
A61P 3/06 20060101ALI20220617BHJP
A61K 48/00 20060101ALI20220617BHJP
A61K 38/02 20060101ALI20220617BHJP
A61K 35/76 20150101ALI20220617BHJP
A61K 31/7088 20060101ALI20220617BHJP
A61K 31/7105 20060101ALI20220617BHJP
A61K 31/713 20060101ALI20220617BHJP
A61K 31/711 20060101ALI20220617BHJP
A61K 39/395 20060101ALI20220617BHJP
A61K 47/64 20170101ALI20220617BHJP
A61K 47/60 20170101ALI20220617BHJP
A61K 47/69 20170101ALI20220617BHJP
A61K 47/61 20170101ALI20220617BHJP
A61K 9/14 20060101ALI20220617BHJP
A61K 9/51 20060101ALI20220617BHJP
A61K 47/42 20170101ALI20220617BHJP
A61K 9/10 20060101ALI20220617BHJP
A61K 47/26 20060101ALI20220617BHJP
A61K 47/02 20060101ALI20220617BHJP
C12N 15/113 20100101ALN20220617BHJP
C12N 15/11 20060101ALN20220617BHJP
C07K 16/00 20060101ALN20220617BHJP
C12N 7/00 20060101ALN20220617BHJP
C07K 7/06 20060101ALN20220617BHJP
C07K 5/062 20060101ALN20220617BHJP
C07K 5/065 20060101ALN20220617BHJP
C07K 5/083 20060101ALN20220617BHJP
C07K 5/087 20060101ALN20220617BHJP
C07K 5/103 20060101ALN20220617BHJP
C07K 5/107 20060101ALN20220617BHJP
【FI】
C07K7/08 ZNA
C07K14/00
A61P11/00
A61P1/16
A61P1/00
A61P13/12
A61P25/00
A61P9/00
A61P21/00
A61P37/00
A61P35/00
A61P37/02
A61P29/00
A61P43/00 105
A61P31/12
A61P27/02
A61P3/10
A61P7/00
A61P3/00
A61P3/06
A61K48/00
A61K38/02
A61K35/76
A61K31/7088
A61K31/7105
A61K31/713
A61K31/711
A61K39/395 C
A61K39/395 L
A61K47/64
A61K47/60
A61K47/69
A61K47/61
A61K9/14
A61K9/51
A61K47/42
A61K9/10
A61K47/26
A61K47/02
C12N15/113 Z
C12N15/11 Z
C07K16/00
C12N7/00
C07K7/06
C07K5/062
C07K5/065
C07K5/083
C07K5/087
C07K5/103
C07K5/107
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021562003
(86)(22)【出願日】2020-04-16
(85)【翻訳文提出日】2021-12-17
(86)【国際出願番号】 US2020028572
(87)【国際公開番号】W WO2020214846
(87)【国際公開日】2020-10-22
(32)【優先日】2019-04-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514289920
【氏名又は名称】アーディジェン, エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】デサイ, ニール ピー.
(72)【発明者】
【氏名】ディビタ, ジル
【テーマコード(参考)】
4B065
4C076
4C084
4C085
4C086
4C087
4H045
【Fターム(参考)】
4B065AA90X
4B065AA90Y
4B065AB01
4B065AC14
4B065BA30
4B065CA44
4C076AA22
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4C076BB15
4C076CC01
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4C076CC21
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4C076CC27
4C076CC29
4C076CC35
4C076CC41
4C076DD23
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4C076DD26
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4C087ZB07
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4C087ZC33
4C087ZC35
4H045AA10
4H045AA30
4H045BA01
4H045BA17
4H045BA18
4H045EA20
4H045FA74
(57)【要約】
本出願は、細胞透過性ペプチド(CPP)を含む第1のペプチド、細胞透過性ペプチドを含む第2のペプチド、およびカーゴ分子を含む、カーゴ分子を細胞内送達するためのカーゴ送達複合体を対象とする。第2のペプチドは、第2のCPPと連結したポリエチレングリコール(PEG)部分を含み、第1のペプチドは、PEG部分を有さない。本出願はまた、CPPおよびカーゴ分子を含み、CPPがレトロインベルソペプチドである、カーゴ送達複合体を対象とする。本出願はまた、CPPおよびカーゴ分子を含み、ペプチドが、GYVSK、GYVS、YIGS、およびYIGSRからなる群から選択される標的化配列をさらに含む、カーゴ送達複合体を対象とする。カーゴ送達複合体を作成し使用する方法もまた、開示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)第1の細胞透過性ペプチドを含む第1のペプチド;b)第2の細胞透過性ペプチドを含む第2のペプチド;およびc)カーゴ分子を含む、カーゴ分子を細胞内送達するためのカーゴ送達複合体であって、前記第2のペプチドが、前記第2の細胞透過性ペプチドと共有結合により連結したポリエチレングリコール(PEG)部分を含み、前記第1のペプチドが、PEG部分を有さない、カーゴ送達複合体。
【請求項2】
前記第1の細胞透過性ペプチドおよび前記第2の細胞透過性ペプチドが、CADY、PEP-1ペプチド、PEP-2ペプチド、PEP-3ペプチド、VEPEP-3ペプチド、VEPEP-6ペプチド、VEPEP-9ペプチド、およびADGN-100ペプチドからなる群から選択される、請求項1に記載のカーゴ送達複合体。
【請求項3】
前記第1の細胞透過性ペプチドおよび前記第2の細胞透過性ペプチドが、VEPEP-3ペプチド、VEPEP-6ペプチド、VEPEP-9ペプチド、およびADGN-100ペプチドからなる群から選択される、請求項1または2に記載のカーゴ送達複合体。
【請求項4】
前記第1の細胞透過性ペプチドおよび/または前記第2の細胞透過性ペプチドが、VEPEP-3ペプチドである、請求項1から3までのいずれか一項に記載のカーゴ送達複合体。
【請求項5】
前記VEPEP-3ペプチドが、配列番号1~14、75、および76からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項4に記載のカーゴ送達複合体。
【請求項6】
前記第1の細胞透過性ペプチドおよび/または前記第2の細胞透過性ペプチドが、VEPEP-6ペプチドである、請求項1から5までのいずれか一項に記載のカーゴ送達複合体。
【請求項7】
前記VEPEP-6ペプチドが、配列番号15~40および77からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項6に記載のカーゴ送達複合体。
【請求項8】
前記第1の細胞透過性ペプチドおよび/または前記第2の細胞透過性ペプチドが、VEPEP-9ペプチドである、請求項1から7までのいずれか一項に記載のカーゴ送達複合体。
【請求項9】
前記VEPEP-9ペプチドが、配列番号41~52および78からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項8に記載のカーゴ送達複合体。
【請求項10】
前記第1の細胞透過性ペプチドおよび/または前記第2の細胞透過性ペプチドが、ADGN-100ペプチドである、請求項1から9までのいずれか一項に記載のカーゴ送達複合体。
【請求項11】
前記ADGN-100ペプチドが、配列番号53~70、79および80からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項10に記載のカーゴ送達複合体。
【請求項12】
前記第1の細胞透過性ペプチドと前記第2の細胞透過性ペプチドが同じである、請求項1から11までのいずれか一項に記載のカーゴ送達複合体。
【請求項13】
前記カーゴ分子が、核酸、ウイルス、ポリペプチド、タンパク質/核酸複合体、ウイルス様粒子、およびタンパク質複合体からなる群から選択される、請求項1から12までのいずれか一項に記載のカーゴ送達複合体。
【請求項14】
前記カーゴ分子が、核酸である、請求項13に記載のカーゴ送達複合体。
【請求項15】
前記核酸が、siRNA、miRNA、shRNA、gRNA、mRNA、DNA、DNA、DNAプラスミド、オリゴヌクレオチドおよびその類似体からなる群から選択される、請求項14に記載のカーゴ送達複合体。
【請求項16】
前記核酸が、mRNAを含む、請求項15に記載のカーゴ送達複合体。
【請求項17】
前記核酸が、RNAiを含む、請求項15または16に記載のカーゴ送達複合体。
【請求項18】
前記核酸が、mRNAおよびRNAiを含み、前記mRNAが、疾患または状態を処置するための治療用タンパク質をコードするものであり、前記RNAiが、RNAを標的とするものであり、前記RNAの発現が、前記疾患または状態に関連付けられる、請求項16または17に記載のカーゴ送達複合体。
【請求項19】
前記細胞透過性ペプチドの前記核酸に対するモル比が、約1:1から約100:1の間である、請求項14から18までのいずれか一項に記載のカーゴ送達複合体。
【請求項20】
前記カーゴ送達複合体の平均直径が、約20nmから約1000nmの間である、請求項14から19までのいずれか一項に記載のカーゴ送達複合体。
【請求項21】
前記第1の細胞透過性ペプチドの前記第2の細胞透過性ペプチドに対する比が、約20:1~約1:1である、請求項1から20までのいずれか一項に記載のカーゴ送達複合体。
【請求項22】
前記PEG部分が、直鎖状PEGである、請求項1から21までのいずれか一項に記載のカーゴ送達複合体。
【請求項23】
前記PEG部分が、分枝PEGである、請求項1から21までのいずれか一項に記載のカーゴ送達複合体。
【請求項24】
前記PEG部分の分子量が、約0.05kDa~約50kDaである、請求項1から23までのいずれか一項に記載のカーゴ送達複合体。
【請求項25】
前記PEG部分が、約1~10個のエチレングリコール単位からなる、請求項1から24までのいずれか一項に記載のカーゴ送達複合体。
【請求項26】
前記PEG部分が、前記第2の細胞透過性ペプチドのN末端またはC末端とコンジュゲートしている、請求項1から25までのいずれか一項に記載のカーゴ送達複合体。
【請求項27】
前記PEG部分が、前記第2の細胞透過性ペプチド内の部位とコンジュゲートしている、請求項1から25までのいずれか一項に記載のカーゴ送達複合体。
【請求項28】
前記第1のペプチドおよび/または第2のペプチドが、アセチル基、ステアリル基、脂肪酸、コレステロール、核局在化シグナル、核外移行シグナル、抗体またはその抗体断片、ペプチド、多糖、および標的化配列からなる群から選択される1つまたは複数の部分をさらに含み、前記1つまたは複数の部分が前記第1の細胞透過性ペプチドもしくは前記第2の細胞透過性ペプチドのN末端、または前記PEG部分と共有結合により連結している、請求項1から27までのいずれか一項に記載のカーゴ送達複合体。
【請求項29】
前記1つまたは複数の部分が、前記第1の細胞透過性ペプチドのN末端、前記第2の細胞透過性ペプチドのN末端または前記PEG部分とリンカーを介して共有結合により連結している、請求項28に記載のカーゴ送達複合体。
【請求項30】
前記1つまたは複数の部分が、標的化配列を含む、請求項28に記載のカーゴ送達複合体。
【請求項31】
前記標的化配列が、GY、YV、VS、SK、GYV、YVS、VSK、GYVS、YVSK、YI、IG、GS、SR、YIG、IGS、GSR、YIGS、およびIGSRからなる群から選択される、請求項30に記載のカーゴ送達複合体。
【請求項32】
前記標的化配列が、GYVSK、GYVS、YIGS、およびYIGSRからなる群から選択される、請求項31に記載のカーゴ送達複合体。
【請求項33】
前記標的化配列が、前記第1の細胞透過性ペプチドまたは前記第2の細胞透過性ペプチドとリンカーを介して共有結合により連結している、請求項30から32までのいずれか一項に記載のカーゴ送達複合体。
【請求項34】
前記1つまたは複数の部分が、アセチル基および/またはステアリル基を含む、請求項28から33までのいずれか一項に記載のカーゴ送達複合体。
【請求項35】
前記第1のペプチドおよび/または第2のペプチドが、システアミド、システイン、チオール、アミド、必要に応じて置換されているニトリロ三酢酸、カルボキシル、必要に応じて置換されている直鎖状または分枝C
1~C
6アルキル、第一級または第二級アミン、オシド誘導体、脂質、リン脂質、脂肪酸、コレステロール、核局在化シグナル、核外移行シグナル、抗体、多糖および標的化配列からなる群から選択される1つまたは複数の部分をさらに含み、前記1つまたは複数の部分が、前記第1の細胞透過性ペプチドのC末端、前記第2の細胞透過性ペプチドのC末端または前記PEG部分と共有結合により連結している、請求項1から34までのいずれか一項に記載のカーゴ送達複合体。
【請求項36】
前記1つまたは複数の部分が、前記第1の細胞透過性ペプチドのC末端、前記第2の細胞透過性ペプチドのC末端または前記PEG部分とリンカーを介して共有結合により連結している、請求項35に記載のカーゴ送達複合体。
【請求項37】
前記第1の細胞透過性ペプチドおよび/または第2の細胞透過性ペプチドが、レトロインベルソペプチドである、請求項1から36までのいずれか一項に記載のカーゴ送達複合体。
【請求項38】
細胞透過性ペプチドおよびカーゴ分子を含む、カーゴ分子を細胞内送達するためのカーゴ送達複合体であって、前記細胞透過性ペプチドが、CADY、PEP-1ペプチド、PEP-2ペプチド、PEP-3ペプチド、VEPEP-3ペプチド、VEPEP-6ペプチド、VEPEP-9ペプチド、およびADGN-100ペプチドからなる群から選択され、前記細胞透過性ペプチドが、レトロインベルソペプチドである、カーゴ送達複合体。
【請求項39】
前記レトロインベルソペプチドが、配列番号85または86の配列を含む、請求項37または38に記載のカーゴ送達複合体。
【請求項40】
a)細胞透過性ペプチドを含むペプチドおよびb)カーゴ分子を含む、カーゴ分子を細胞内送達するためのカーゴ送達複合体であって、前記ペプチドが、GYVSK、GYVS、YIGS、およびYIGSRからなる群から選択される標的化配列をさらに含む、カーゴ送達複合体。
【請求項41】
前記細胞透過性ペプチドが、VEPEP-3ペプチド、VEPEP-6ペプチド、VEPEP-9ペプチド、およびADGN-100ペプチドからなる群から選択される、請求項40に記載のカーゴ送達複合体。
【請求項42】
前記標的化配列が、前記細胞透過性ペプチドのN末端とリンカーを介して共有結合により連結している、請求項40または41に記載のカーゴ送達複合体。
【請求項43】
前記ペプチドが、前記標的化配列のN末端に連結した1つまたは複数の部分をさらに含み、前記1つまたは複数の部分が、アセチル基およびステアリル基からなる群から選択される、請求項42に記載のカーゴ送達複合体。
【請求項44】
前記カーゴ分子が、核酸、ポリペプチド、タンパク質/核酸複合体、ウイルス様粒子、およびタンパク質複合体およびタンパク質複合体からなる群から選択される、請求項38から43までのいずれか一項に記載のカーゴ送達複合体。
【請求項45】
前記カーゴ分子が、siRNA、miRNA、shRNA、gRNA、mRNA、DNA、DNAプラスミド、オリゴヌクレオチドおよびその類似体からなる群から選択される核酸を含む、請求項44に記載のカーゴ送達複合体。
【請求項46】
前記カーゴ分子が、mRNAを含む、請求項45に記載のカーゴ送達複合体。
【請求項47】
前記カーゴ分子が、RNAiを含む、請求項45または46に記載のカーゴ送達複合体。
【請求項48】
前記カーゴ分子が、ウイルスを含まない、請求項38から47までのいずれか一項に記載のカーゴ送達複合体。
【請求項49】
請求項1から48までのいずれか一項に記載のカーゴ送達複合体を含むコアを含むナノ粒子。
【請求項50】
前記コアが、末梢細胞透過性ペプチドを含む殻でコーティングされている、請求項49に記載のナノ粒子。
【請求項51】
前記末梢細胞透過性ペプチドが、CADY、PEP-1ペプチド、PEP-2ペプチド、PEP-3ペプチド、VEPEP-3ペプチド、VEPEP-6ペプチド、VEPEP-9ペプチド、およびADGN-100ペプチドからなる群から選択される、請求項50に記載のナノ粒子。
【請求項52】
請求項1から48までのいずれか一項に記載のカーゴ送達複合体または請求項49から51までのいずれか一項に記載のナノ粒子、および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物。
【請求項53】
請求項1から37までのいずれか一項に記載のカーゴ送達複合体を調製する方法であって、a)前記第1のペプチドと前記第2のペプチドを組み合わせ、それにより、ペプチド混合物を形成するステップと、b)前記ペプチド混合物を前記カーゴと組み合わせ、それにより、前記カーゴ送達複合体を形成するステップとを含む方法。
【請求項54】
請求項38から48までのいずれか一項に記載のカーゴ送達複合体を調製する方法であって、前記ペプチドを前記カーゴ分子と組み合わせ、それにより、前記カーゴ送達複合体を形成するステップを含む方法。
【請求項55】
前記ペプチドまたは前記ペプチド混合物と前記カーゴ分子をそれぞれ約1:1から約100:1までのモル比で組み合わせる、請求項53または54に記載の方法。
【請求項56】
前記カーゴ分子を含む第1の溶液を前記ペプチドまたはペプチド混合物を含む第2の溶液と混合して第3の溶液を形成するステップを含み、前記第3の溶液が、i)約0~5%のスクロース、ii)約0~5%のグルコース、iii)約0~50%のDMEM、iv)約0~80mMのNaCl、またはv)約0~20%のPBSを含むまたはそれを含むように調整され、前記第3の溶液をインキュベートして前記カーゴ送達複合体を形成させる、請求項53から55までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項57】
前記第1の溶液が、滅菌水中の前記カーゴを含み、かつ/または前記第2の溶液が、滅菌水中の前記ペプチドまたはペプチド混合物を含む、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
前記第3の溶液を、インキュベートして前記カーゴ送達複合体を形成した後にi)約0~5%のスクロース、ii)約0~5%のグルコース、iii)約0~50%のDMEM、iv)約0~80mMのNaCl、またはv)約0~20%のPBSを含むように調整する、請求項56または57に記載の方法。
【請求項59】
前記カーゴ送達複合体をポアサイズの膜を通して濾過する濾過プロセスをさらに含む、請求項53から58までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項60】
前記ポアの直径が少なくとも約0.1μmである、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
1つまたは複数のカーゴを細胞内に送達する方法であって、前記細胞を請求項1から48までのいずれか一項に記載のカーゴ送達複合体または請求項49から51までのいずれか一項に記載のナノ粒子と接触させるステップを含み、前記カーゴ送達複合体が、1つまたは複数のカーゴを含む、方法。
【請求項62】
1つまたは複数のカーゴを個体の組織または器官内に送達する方法であって、前記個体に請求項1から48までのいずれか一項に記載のカーゴ送達複合体、請求項49から51までのいずれか一項に記載のナノ粒子、または請求項52に記載の医薬組成物を有効量で投与するステップを含み、前記組織または器官が、肝臓、肺、腎臓、脳、腸、脾臓、心臓、筋肉、およびリンパ節からなる群から選択される、方法。
【請求項63】
個体における疾患または状態を処置する方法であって、前記個体に請求項1から48までのいずれか一項に記載のカーゴ送達複合体、請求項49から51までのいずれか一項に記載のナノ粒子、または請求項52に記載の医薬組成物を有効量で投与するステップを含む方法。
【請求項64】
前記疾患または状態が、肝臓、肺、腎臓、脳、腸、脾臓、心臓、筋肉、およびリンパ節からなる群から選択される器官または組織における病的細胞に関連するものである、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
前記疾患または状態が、がん、糖尿病、自己免疫疾患、血液病、心疾患、血管疾患、炎症性疾患、線維性疾患、ウイルス感染性疾患、遺伝性疾患、眼の疾患、肝疾患、肺疾患、筋疾患、タンパク質欠乏性疾患、リソソーム蓄積症、神経疾患、腎疾患、老化および変性疾患、ならびにコレステロールレベルの異常を特徴とする疾患からなる群から選択される、請求項63または64に記載の方法。
【請求項66】
前記カーゴ送達複合体を静脈内または筋肉内に投与する、請求項62から65までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項67】
前記個体がヒトである、請求項62から66までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項68】
請求項1から48までのいずれか一項に記載のカーゴ送達複合体、請求項49から51までのいずれか一項に記載のナノ粒子、または請求項52に記載の医薬組成物を含むキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、その内容全体があらゆる目的に関して参照により本明細書に組み込まれる2019年4月17日出願の仏国特許出願番号FR1904115号の優先権利益を主張するものである。
【0002】
本発明は、カーゴ分子を細胞内に送達するために有用なペプチドを含有する複合体/ナノ粒子に関する。
【背景技術】
【0003】
本明細書で言及される全ての刊行物、特許、特許出願および公開特許出願の開示は、これによりそれらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
小分子は診療所において多くの場合に使用される主要な薬物のままであるが、それらの治療的影響は、例えば、標的に到達する能力が不十分であること、特異性を欠くこと、高用量が必要であり、それにより毒性および主要な副作用が導かれることなど、限界に達している。我々は、過去10年間にわたって、小分子および遺伝子に基づく治療の限界を免れるために、標的に対して高い特異性を示すがリピンスキーの法則には従わないタンパク質、ペプチドおよび核酸などのより大きな治療用分子の発見の劇的な加速を目の当たりにした。これらの分子の医薬としての効力は、in vivoにおける安定性が低いこと、および細胞への取り込みが少ないことによって制限されたままである。したがって、「送達」が治療に関するパズルの中心的なピースになっており、送達戦略を検証するための新しいマイルストーンが確立されている:(a)毒性がないこと、(b)低用量でのin vivoにおける効率、(c)治療への適用のための取り扱いが容易であること、(d)迅速なエンドソーム放出、および(e)標的に到達できること。遺伝子および細胞治療に関してウイルスによる送達戦略に大きな期待が寄せられているが、それらの臨床的適用に関しては、副作用および毒性作用に悩まされている(Ibraheem et al. (2014) Int J Pharm 459, 70-83)。研究は、ウイルスによらない戦略の開発に主に焦点が当てられ、脂質、ポリカチオンナノ粒子およびペプチドに基づく製剤を含めた種々の方法が提唱されているが、これらの技術のうちin vivoにおいて効率的であり、臨床まで達したものはほんのわずかである(Yin et al. (2014)Nat Rev Genet 15, 541-555)。したがって、mRNAまたはRNAiを標的細胞の内部に効率的に送達するための改善された方法が必要とされている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Ibraheem et al. (2014) Int J Pharm 459, 70-83
【非特許文献2】Yin et al. (2014)Nat Rev Genet 15, 541-555
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本出願は、カーゴ分子を細胞内送達するために有用なカーゴ送達複合体およびナノ粒子を提供する。一部の実施形態では、カーゴ分子を細胞内送達するためのカーゴ送達複合体は、a)第1の細胞透過性ペプチドを含む第1のペプチド;b)第2の細胞透過性ペプチドを含む第2のペプチド;およびc)カーゴ分子を含み、第2のペプチドは、第2の細胞透過性ペプチドと共有結合により連結したポリエチレングリコール(PEG)部分を含み、第1のペプチドは、PEG部分を有さない。一部の実施形態では、カーゴ分子を細胞内送達するためのカーゴ送達複合体は、細胞透過性ペプチドおよびカーゴ分子を含み、細胞透過性ペプチドは、レトロインベルソペプチドである。一部の実施形態では、カーゴ分子を細胞内送達するためのカーゴ送達複合体は、a)細胞透過性ペプチドを含むペプチドおよびb)カーゴ分子を含み、ペプチドは、GYVSK、GYVS、YIGS、およびYIGSRからなる群から選択される標的化配列をさらに含む。一部の実施形態では、カーゴ分子は、核酸、ウイルス、ポリペプチド、タンパク質/核酸複合体、ウイルス様粒子、およびタンパク質複合体からなる群から選択される。一部の実施形態では、カーゴ分子は、ウイルスを含まない。一部の実施形態では、第1の細胞透過性ペプチドまたは第2の細胞透過性ペプチドなどの細胞透過性ペプチドは、CADY、PEP-1ペプチド、PEP-2ペプチド、PEP-3ペプチド、VEPEP-3ペプチド、VEPEP-6ペプチド、VEPEP-9ペプチド、およびADGN-100ペプチドからなる群から選択される。
【0006】
一部の実施形態では、a)第1の細胞透過性ペプチドを含む第1のペプチド;b)第2の細胞透過性ペプチドを含む第2のペプチド;およびc)カーゴ分子を含む、カーゴ分子を細胞内送達するためのカーゴ送達複合体であって、第2のペプチドが、第2の細胞透過性ペプチドと共有結合により連結したポリエチレングリコール(PEG)部分を含み、第1のペプチドが、PEG部分を有さない、カーゴ送達複合体が提供される。一部の実施形態では、第1の細胞透過性ペプチドおよび第2の細胞透過性ペプチドは、CADY、PEP-1ペプチド、PEP-2ペプチド、PEP-3ペプチド、VEPEP-3ペプチド、VEPEP-6ペプチド、VEPEP-9ペプチド、およびADGN-100ペプチドからなる群から選択される。一部の実施形態では、第1の細胞透過性ペプチドおよび第2の細胞透過性ペプチドは、VEPEP-3ペプチド、VEPEP-6ペプチド、VEPEP-9ペプチド、およびADGN-100ペプチドからなる群から選択される。一部の実施形態では、第1の細胞透過性ペプチドおよび/または第2の細胞透過性ペプチドは、VEPEP-3ペプチドである。一部の実施形態では、VEPEP-3ペプチドは、配列番号1~14、75、76、および113~115からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、第1の細胞透過性ペプチドおよび/または第2の細胞透過性ペプチドは、VEPEP-6ペプチドである。一部の実施形態では、VEPEP-6ペプチドは、配列番号15~40、77、85、92~100、105、107~109、および129~139からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、第1の細胞透過性ペプチドおよび/または第2の細胞透過性ペプチドは、VEPEP-9ペプチドである。一部の実施形態では、VEPEP-9ペプチドは、配列番号41~52、78、および116~120からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、第1の細胞透過性ペプチドおよび/または第2の細胞透過性ペプチドは、ADGN-100ペプチドである。一部の実施形態では、ADGN-100ペプチドは、配列番号53~70、79、80、86~91、101~104、106、110~112、および121~128からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、第1の細胞透過性ペプチドと第2の細胞透過性ペプチドは同じである。一部の実施形態では、カーゴ分子は、核酸、ウイルス、ポリペプチド、タンパク質/核酸複合体、ウイルス様粒子、およびタンパク質複合体からなる群から選択される。一部の実施形態では、カーゴ分子は、核酸である。一部の実施形態では、核酸は、siRNA、miRNA、shRNA、gRNA、mRNA、DNA、DNAプラスミド、オリゴヌクレオチドおよびその類似体からなる群から選択される。一部の実施形態では、核酸は、mRNAを含む。一部の実施形態では、核酸は、RNAiを含むまたはそれをさらに含む。一部の実施形態では、核酸は、mRNAおよびRNAiを含み、mRNAは、疾患または状態を処置するための治療用タンパク質をコードするものであり、RNAiは、RNAを標的とするものであり、当該RNAの発現は、疾患または状態に関連付けられる。一部の実施形態では、細胞透過性ペプチドの核酸に対するモル比は、約1:1から約100:1の間である。一部の実施形態では、カーゴ送達複合体の平均直径は、約20nmから約1000nmの間である。一部の実施形態では、第1の細胞透過性ペプチドの第2の細胞透過性ペプチドに対する比は、約50対1である。一部の実施形態では、PEG部分は、直鎖状PEGである。一部の実施形態では、PEG部分は、分枝(branched)PEGである。一部の実施形態では、PEG部分の分子量は、約5kDa~約10kDaである。一部の実施形態では、PEG部分は、約1~10個のエチレングリコール単位からなる。一部の実施形態では、PEG部分は、第2の細胞透過性ペプチドのN末端とコンジュゲートしている。一部の実施形態では、PEG部分は、第2の細胞透過性ペプチドのC末端とコンジュゲートしている。一部の実施形態では、第1のペプチドおよび/または第2のペプチドは、アセチル基、ステアリル基、脂肪酸、コレステロール、核局在化シグナル、核外移行シグナル、抗体またはその抗体断片、ペプチド、多糖、および標的化配列からなる群から選択される1つまたは複数の部分をさらに含み、1つまたは複数の部分は、第1の細胞透過性ペプチドもしくは第2の細胞透過性ペプチドのN末端、またはPEG部分と共有結合により連結している。一部の実施形態では、1つまたは複数の部分は、標的化配列を含む。一部の実施形態では、標的化配列は、GY、YV、VS、SK、GYV、YVS、VSK、GYVS、YVSK、YI、IG、GS、SR、YIG、IGS、GSR、YIGS、およびIGSRからなる群から選択される。一部の実施形態では、標的化配列は、GYVSK、GYVS、YIGS、およびYIGSRからなる群から選択される。一部の実施形態では、標的化配列は、第1の細胞透過性ペプチドまたは第2の細胞透過性ペプチドとリンカーを介して共有結合により連結している。一部の実施形態では、1つまたは複数の部分は、アセチル基および/またはステアリル基を含む。一部の実施形態では、第1のペプチドおよび/または第2のペプチドは、システアミド、システイン、チオール、アミド、必要に応じて置換されているニトリロ三酢酸、カルボキシル、必要に応じて置換されている直鎖状または分枝(ramified)C1~C6アルキル、第一級または第二級アミン、オシド誘導体、脂質、リン脂質、脂肪酸、コレステロール、核局在化シグナル、核外移行シグナル、抗体、多糖および標的化配列からなる群から選択される1つまたは複数の部分をさらに含み、1つまたは複数の部分は、第1の細胞透過性ペプチドのC末端、第2の細胞透過性ペプチドのC末端またはPEG部分と共有結合により連結している。一部の実施形態では、第1の細胞透過性ペプチドおよび/または第2の細胞透過性ペプチドは、レトロインベルソペプチドである。
【0007】
一部の実施形態では、細胞透過性ペプチドおよびカーゴ分子を含む、カーゴ分子を細胞内送達するためのカーゴ送達複合体であって、細胞透過性ペプチドが、CADY、PEP-1ペプチド、PEP-2ペプチド、PEP-3ペプチド、VEPEP-3ペプチド、VEPEP-6ペプチド、VEPEP-9ペプチド、およびADGN-100ペプチドからなる群から選択され、細胞透過性ペプチドが、レトロインベルソペプチドである、カーゴ送達複合体が提供される。一部の実施形態では、レトロインベルソペプチドは、配列番号85または86の配列を含む。一部の実施形態では、カーゴ分子は、核酸、ポリペプチド、およびタンパク質複合体からなる群から選択される。一部の実施形態では、カーゴ分子は、siRNA、miRNA、shRNA、gRNA、mRNA、DNA、DNAプラスミド、オリゴヌクレオチドおよびその類似体からなる群から選択される核酸を含む。一部の実施形態では、カーゴ分子は、mRNAを含む。一部の実施形態では、カーゴ分子は、RNAiを含む。一部の実施形態では、カーゴ分子は、ウイルスを含まない。
【0008】
一部の実施形態では、a)細胞透過性ペプチドを含むペプチドおよびb)カーゴ分子を含む、カーゴ分子を細胞内送達するためのカーゴ送達複合体であって、細胞透過性ペプチドが、VEPEP-3ペプチド、VEPEP-6ペプチド、VEPEP-9ペプチド、およびADGN-100ペプチドからなる群から選択され、ペプチドが、GYVSK、GYVS、YIGS、およびYIGSRからなる群から選択される標的化配列をさらに含む、カーゴ送達複合体が提供される。一部の実施形態では、標的化配列は、細胞透過性ペプチドのN末端とリンカーを介して共有結合により連結している。一部の実施形態では、ペプチドは、標的化配列のN末端に連結した1つまたは複数の部分をさらに含み、1つまたは複数の部分は、アセチル基およびステアリル基からなる群から選択される。一部の実施形態では、カーゴ分子は、核酸、ポリペプチド、およびタンパク質複合体からなる群から選択される。一部の実施形態では、カーゴ分子は、siRNA、miRNA、shRNA、gRNA、mRNA、DNA、DNAプラスミド、オリゴヌクレオチドおよびその類似体からなる群から選択される核酸を含む。一部の実施形態では、カーゴ分子は、mRNAを含む。一部の実施形態では、カーゴ分子は、RNAiを含む。一部の実施形態では、カーゴ分子は、ウイルスを含まない。
【0009】
本出願は、上記のカーゴ送達複合体を含むコアを含むナノ粒子も提供する。一部の実施形態では、コアは、末梢細胞透過性ペプチドを含む殻でコーティングされている。一部の実施形態では、末梢細胞透過性ペプチドは、CADY、PEP-1ペプチド、PEP-2ペプチド、PEP-3ペプチド、VEPEP-3ペプチド、VEPEP-6ペプチド、VEPEP-9ペプチド、およびADGN-100ペプチドからなる群から選択される。
【0010】
本出願は、上記のカーゴ送達複合体またはナノ粒子のいずれか1つおよび薬学的に許容される担体を含む医薬組成物も提供する。
【0011】
本出願は、上記のカーゴ送達複合体を調製する方法であって、a)第1のペプチドと第2のペプチドを組み合わせ、それにより、ペプチド混合物を形成するステップと、b)ペプチド混合物をカーゴと組み合わせ、それにより、カーゴ送達複合体を形成するステップとを含む方法も提供する。
【0012】
本出願は、上記のカーゴ送達複合体を調製する方法であって、ペプチドをカーゴ分子と組み合わせ、それにより、カーゴ送達複合体を形成するステップを含む方法も提供する。
【0013】
上記のカーゴ送達複合体を調製する方法のいずれかによる一部の実施形態では、ペプチドまたはペプチド混合物およびカーゴ分子を、それぞれ約1:1から約100:1までのモル比で組み合わせる。一部の実施形態では、方法は、カーゴ分子を含む第1の溶液をペプチドまたはペプチド混合物を含む第2の溶液と混合して第3の溶液を形成するステップを含み、ここで、第3の溶液は、i)約0~5%のスクロース、ii)約0~5%のグルコース、iii)約0~50%のDMEM、iv)約0~80mMのNaCl、またはv)約0~20%のPBSを含むまたはそれを含むように調整され、第3の溶液をインキュベートしてカーゴ送達複合体を形成させる。一部の実施形態では、第1の溶液は滅菌水中のカーゴを含み、かつ/または第2の溶液は滅菌水中のペプチドまたはペプチド混合物を含む。一部の実施形態では、第3の溶液を、インキュベートしてカーゴ送達複合体を形成した後にi)約0~5%のスクロース、ii)約0~5%のグルコース、iii)約0~50%のDMEM、iv)約0~80mMのNaCl、またはv)約0~20%のPBSを含むように調整する。一部の実施形態では、方法は、カーゴ送達複合体をポアサイズの膜を通して濾過する濾過プロセスをさらに含む。一部の実施形態では、ポアの直径は少なくとも約0.1μmである。
【0014】
本出願は、1つまたは複数のカーゴを細胞内に送達する方法であって、細胞に上記のカーゴ送達複合体またはナノ粒子を接触させるステップを含み、カーゴ送達複合体が、1つまたは複数のカーゴを含む、方法も提供する。
【0015】
本出願は、1つまたは複数のカーゴを個体の組織または器官内に送達する方法であって、個体に上記のカーゴ送達複合体、ナノ粒子、または医薬組成物を有効量で投与するステップを含み、組織または器官が、肝臓、肺、腎臓、脳、腸、脾臓、心臓、筋肉、およびリンパ節からなる群から選択される、方法も提供する。一部の実施形態では、カーゴ送達複合体を静脈内に投与する。一部の実施形態では、個体は、ヒトである。
【0016】
本出願は、個体における疾患または状態を処置する方法であって、個体に上記のカーゴ送達複合体、ナノ粒子、または医薬組成物を有効量で投与するステップを含む方法も提供する。一部の実施形態では、疾患または状態は、肝臓、肺、腎臓、脳、腸、脾臓、心臓、筋肉、およびリンパ節からなる群から選択される器官または組織における病的細胞に関連するものである。一部の実施形態では、疾患または状態は、がん、糖尿病、自己免疫疾患、血液病、心疾患、血管疾患、炎症性疾患、線維性疾患、ウイルス感染性疾患、遺伝性疾患、眼の疾患、肝疾患、肺疾患、筋疾患、タンパク質欠乏性疾患、リソソーム蓄積症、神経疾患、腎疾患(kidney disease)、老化および変性疾患、ならびにコレステロールレベルの異常を特徴とする疾患からなる群から選択される。一部の実施形態では、カーゴ送達複合体を静脈内に投与する。一部の実施形態では、個体は、ヒトである。
【0017】
本出願は、上記のカーゴ送達複合体、ナノ粒子、または医薬組成物を含むキットも提供する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1A】
図1A~1Cは、ADGN-ペプチド/mRNA複合体を用いて処理した293T細胞におけるルシフェラーゼ発現を示すグラフである。48ウェルプレートで培養した293T細胞に、ADGN-ペプチドナノ粒子をトランスフェクトした。0.25μgのmRNAを含有する、ADGN-100、ADGN-106、ADGN-100RI、ADGN-106RI、ADGN-100ステアリル、ADGN-Hydro1、ADGN-Hydro2、ADGN-Hydro3、ADGN-Hydro4、ADGN-Hydro5、ADGN-Hydro6およびADGN-ペプチド/ADGN-100PEG10%ナノ粒子を滅菌水中に形成し、5%スクロースを含有する滅菌水中に希釈し、0.45μmのPESフィルターを用いて濾過した。ADGN/mRNA複合体をトランスフェクション前に25%血清またはヘパラン硫酸のいずれかの存在下で3時間インキュベートした。ルシフェラーゼ発現をトランスフェクションの72時間後にモニタリングし、結果をRLU(発光):タンパク質1mgとして報告した。
【
図1B】
図1A~1Cは、ADGN-ペプチド/mRNA複合体を用いて処理した293T細胞におけるルシフェラーゼ発現を示すグラフである。48ウェルプレートで培養した293T細胞に、ADGN-ペプチドナノ粒子をトランスフェクトした。0.25μgのmRNAを含有する、ADGN-100、ADGN-106、ADGN-100RI、ADGN-106RI、ADGN-100ステアリル、ADGN-Hydro1、ADGN-Hydro2、ADGN-Hydro3、ADGN-Hydro4、ADGN-Hydro5、ADGN-Hydro6およびADGN-ペプチド/ADGN-100PEG10%ナノ粒子を滅菌水中に形成し、5%スクロースを含有する滅菌水中に希釈し、0.45μmのPESフィルターを用いて濾過した。ADGN/mRNA複合体をトランスフェクション前に25%血清またはヘパラン硫酸のいずれかの存在下で3時間インキュベートした。ルシフェラーゼ発現をトランスフェクションの72時間後にモニタリングし、結果をRLU(発光):タンパク質1mgとして報告した。
【
図1C】
図1A~1Cは、ADGN-ペプチド/mRNA複合体を用いて処理した293T細胞におけるルシフェラーゼ発現を示すグラフである。48ウェルプレートで培養した293T細胞に、ADGN-ペプチドナノ粒子をトランスフェクトした。0.25μgのmRNAを含有する、ADGN-100、ADGN-106、ADGN-100RI、ADGN-106RI、ADGN-100ステアリル、ADGN-Hydro1、ADGN-Hydro2、ADGN-Hydro3、ADGN-Hydro4、ADGN-Hydro5、ADGN-Hydro6およびADGN-ペプチド/ADGN-100PEG10%ナノ粒子を滅菌水中に形成し、5%スクロースを含有する滅菌水中に希釈し、0.45μmのPESフィルターを用いて濾過した。ADGN/mRNA複合体をトランスフェクション前に25%血清またはヘパラン硫酸のいずれかの存在下で3時間インキュベートした。ルシフェラーゼ発現をトランスフェクションの72時間後にモニタリングし、結果をRLU(発光):タンパク質1mgとして報告した。
【0019】
【
図2A】
図2A~2Cは、ADGN-ペプチド/pGL4プラスミドDNA複合体を用いて処理した293T細胞におけるルシフェラーゼ発現を示すグラフである。48ウェルプレートで培養した293T細胞に、ADGN-ペプチドナノ粒子をトランスフェクトした。0.17μgのpGL4プラスミドDNAを含有する、ADGN-100、ADGN-106、ADGN-100RI、ADGN-106RI、ADGN-100ステアリル、ADGN-Hydro1、ADGN-Hydro2、ADGN-Hydro3、ADGN-Hydro4、ADGN-Hydro5、およびADGN-Hydro6を滅菌水中に形成し、5%スクロースを含有する滅菌水中に希釈した。ADGN-ペプチドナノ粒子を、0.45μmのPESフィルターを用いた濾過前(
図2A)および濾過後(
図2B)に評価した。
図2C、ペグ化ADGN-100のトランスフェクション効率に対する影響。pGL4 lucプラスミド(0.15μg)を、5~50%のADGN-100-PEGを含有するADGN-100溶液と、またはADGN-100PEGと結び付けた。ADGN/pGL4プラスミドDNA複合体をトランスフェクション前に25%血清またはヘパラン硫酸のいずれかの存在下で3時間インキュベートした。ルシフェラーゼ発現をトランスフェクションの72時間後にモニタリングし、結果をRLU(発光):タンパク質1mgとして報告した。
【
図2B】
図2A~2Cは、ADGN-ペプチド/pGL4プラスミドDNA複合体を用いて処理した293T細胞におけるルシフェラーゼ発現を示すグラフである。48ウェルプレートで培養した293T細胞に、ADGN-ペプチドナノ粒子をトランスフェクトした。0.17μgのpGL4プラスミドDNAを含有する、ADGN-100、ADGN-106、ADGN-100RI、ADGN-106RI、ADGN-100ステアリル、ADGN-Hydro1、ADGN-Hydro2、ADGN-Hydro3、ADGN-Hydro4、ADGN-Hydro5、およびADGN-Hydro6を滅菌水中に形成し、5%スクロースを含有する滅菌水中に希釈した。ADGN-ペプチドナノ粒子を、0.45μmのPESフィルターを用いた濾過前(
図2A)および濾過後(
図2B)に評価した。
図2C、ペグ化ADGN-100のトランスフェクション効率に対する影響。pGL4 lucプラスミド(0.15μg)を、5~50%のADGN-100-PEGを含有するADGN-100溶液と、またはADGN-100PEGと結び付けた。ADGN/pGL4プラスミドDNA複合体をトランスフェクション前に25%血清またはヘパラン硫酸のいずれかの存在下で3時間インキュベートした。ルシフェラーゼ発現をトランスフェクションの72時間後にモニタリングし、結果をRLU(発光):タンパク質1mgとして報告した。
【
図2C】
図2A~2Cは、ADGN-ペプチド/pGL4プラスミドDNA複合体を用いて処理した293T細胞におけるルシフェラーゼ発現を示すグラフである。48ウェルプレートで培養した293T細胞に、ADGN-ペプチドナノ粒子をトランスフェクトした。0.17μgのpGL4プラスミドDNAを含有する、ADGN-100、ADGN-106、ADGN-100RI、ADGN-106RI、ADGN-100ステアリル、ADGN-Hydro1、ADGN-Hydro2、ADGN-Hydro3、ADGN-Hydro4、ADGN-Hydro5、およびADGN-Hydro6を滅菌水中に形成し、5%スクロースを含有する滅菌水中に希釈した。ADGN-ペプチドナノ粒子を、0.45μmのPESフィルターを用いた濾過前(
図2A)および濾過後(
図2B)に評価した。
図2C、ペグ化ADGN-100のトランスフェクション効率に対する影響。pGL4 lucプラスミド(0.15μg)を、5~50%のADGN-100-PEGを含有するADGN-100溶液と、またはADGN-100PEGと結び付けた。ADGN/pGL4プラスミドDNA複合体をトランスフェクション前に25%血清またはヘパラン硫酸のいずれかの存在下で3時間インキュベートした。ルシフェラーゼ発現をトランスフェクションの72時間後にモニタリングし、結果をRLU(発光):タンパク質1mgとして報告した。
【0020】
【
図3A】
図3A~3Cは、ADGN-ペプチド/siRNA複合体を用いて処理したA375/Luc細胞におけるルシフェラーゼ発現を示すグラフである。48ウェルプレートで培養したA375/Luc細胞に、ADGN-ペプチドナノ粒子をトランスフェクトした。10nMまたは25nMのsiRNAを含有する、ADGN-100、ADGN-106、ADGN-100RI、ADGN-106RI、ADGN-100ステアリル、ADGN-Hydro1、ADGN-Hydro2、ADGN-Hydro3、ADGN-Hydro4、ADGN-Hydro5、ADGN-Hydro6およびADGN-ペプチド/ADGN-100PEG10%ナノ粒子を滅菌水中に形成し、5%スクロースを含有する滅菌水中に希釈し、0.45μmのPESフィルターを用いて濾過した。
図3C、ペグ化ADGN-100のトランスフェクション効率に対する影響。siRNA Luc(10nMおよび25nM)を、5~50%のADGN-100-PEGを含有するADGN-100溶液と、またはADGN-100PEGと結び付けた。ADGN/siRNA複合体をトランスフェクション前に25%血清の存在下で3時間インキュベートした。ルシフェラーゼ発現をトランスフェクションの48時間後にモニタリングし、結果をRLU(発光):タンパク質1mgとして報告した。
【
図3B】
図3A~3Cは、ADGN-ペプチド/siRNA複合体を用いて処理したA375/Luc細胞におけるルシフェラーゼ発現を示すグラフである。48ウェルプレートで培養したA375/Luc細胞に、ADGN-ペプチドナノ粒子をトランスフェクトした。10nMまたは25nMのsiRNAを含有する、ADGN-100、ADGN-106、ADGN-100RI、ADGN-106RI、ADGN-100ステアリル、ADGN-Hydro1、ADGN-Hydro2、ADGN-Hydro3、ADGN-Hydro4、ADGN-Hydro5、ADGN-Hydro6およびADGN-ペプチド/ADGN-100PEG10%ナノ粒子を滅菌水中に形成し、5%スクロースを含有する滅菌水中に希釈し、0.45μmのPESフィルターを用いて濾過した。
図3C、ペグ化ADGN-100のトランスフェクション効率に対する影響。siRNA Luc(10nMおよび25nM)を、5~50%のADGN-100-PEGを含有するADGN-100溶液と、またはADGN-100PEGと結び付けた。ADGN/siRNA複合体をトランスフェクション前に25%血清の存在下で3時間インキュベートした。ルシフェラーゼ発現をトランスフェクションの48時間後にモニタリングし、結果をRLU(発光):タンパク質1mgとして報告した。
【
図3C】
図3A~3Cは、ADGN-ペプチド/siRNA複合体を用いて処理したA375/Luc細胞におけるルシフェラーゼ発現を示すグラフである。48ウェルプレートで培養したA375/Luc細胞に、ADGN-ペプチドナノ粒子をトランスフェクトした。10nMまたは25nMのsiRNAを含有する、ADGN-100、ADGN-106、ADGN-100RI、ADGN-106RI、ADGN-100ステアリル、ADGN-Hydro1、ADGN-Hydro2、ADGN-Hydro3、ADGN-Hydro4、ADGN-Hydro5、ADGN-Hydro6およびADGN-ペプチド/ADGN-100PEG10%ナノ粒子を滅菌水中に形成し、5%スクロースを含有する滅菌水中に希釈し、0.45μmのPESフィルターを用いて濾過した。
図3C、ペグ化ADGN-100のトランスフェクション効率に対する影響。siRNA Luc(10nMおよび25nM)を、5~50%のADGN-100-PEGを含有するADGN-100溶液と、またはADGN-100PEGと結び付けた。ADGN/siRNA複合体をトランスフェクション前に25%血清の存在下で3時間インキュベートした。ルシフェラーゼ発現をトランスフェクションの48時間後にモニタリングし、結果をRLU(発光):タンパク質1mgとして報告した。
【0021】
【
図4A】
図4A~4Dは、マウスにおける静脈内投与によるルシフェラーゼmRNAのin vivo送達についてのADGN-ペプチドバリアントの効力を示す図である。5μgのmRNAを含有するADGN-ペプチド/luc mRNA粒子を滅菌水中に形成し、次いで、5%スクロース中に希釈した。マウスにADGN-ペプチド/mRNA複合体100μlをIV注射した。mRNA LUC発現を12時間後、24時間後、48時間後および72時間後に生物発光イメージングによってモニタリングした。
図4Bは、対照群および処置群における24時間の時点での生物発光イメージングを示す。肝臓(C)および肺(D)におけるルシフェラーゼシグナルの半定量的データを製造者のソフトウェア(Living Image;PerkinElmer)を使用して得た。次いで、結果を0日目に対する値として表した。
【
図4B-C】
図4A~4Dは、マウスにおける静脈内投与によるルシフェラーゼmRNAのin vivo送達についてのADGN-ペプチドバリアントの効力を示す図である。5μgのmRNAを含有するADGN-ペプチド/luc mRNA粒子を滅菌水中に形成し、次いで、5%スクロース中に希釈した。マウスにADGN-ペプチド/mRNA複合体100μlをIV注射した。mRNA LUC発現を12時間後、24時間後、48時間後および72時間後に生物発光イメージングによってモニタリングした。
図4Bは、対照群および処置群における24時間の時点での生物発光イメージングを示す。肝臓(C)および肺(D)におけるルシフェラーゼシグナルの半定量的データを製造者のソフトウェア(Living Image;PerkinElmer)を使用して得た。次いで、結果を0日目に対する値として表した。
【
図4D】
図4A~4Dは、マウスにおける静脈内投与によるルシフェラーゼmRNAのin vivo送達についてのADGN-ペプチドバリアントの効力を示す図である。5μgのmRNAを含有するADGN-ペプチド/luc mRNA粒子を滅菌水中に形成し、次いで、5%スクロース中に希釈した。マウスにADGN-ペプチド/mRNA複合体100μlをIV注射した。mRNA LUC発現を12時間後、24時間後、48時間後および72時間後に生物発光イメージングによってモニタリングした。
図4Bは、対照群および処置群における24時間の時点での生物発光イメージングを示す。肝臓(C)および肺(D)におけるルシフェラーゼシグナルの半定量的データを製造者のソフトウェア(Living Image;PerkinElmer)を使用して得た。次いで、結果を0日目に対する値として表した。
【0022】
【
図5A】
図5A~5Bは、マウスにおける筋肉内投与によるルシフェラーゼmRNAのin vivo送達についてのADGN-ペプチドバリアントの効力を示す図である。2.5μgのmRNAを含有するADGN-ペプチド/luc mRNA粒子を滅菌水中に形成し、次いで、5%スクロース中に希釈した。マウスにADGN-ペプチド/mRNA複合体25μlをIV注射した。mRNA LUC発現を12時間後、24時間後および48時間後に生物発光イメージングによってモニタリングした(A)。
図5Bは、対照群および処置群における24時間の時点での生物発光イメージングを示す。
【
図5B】
図5A~5Bは、マウスにおける筋肉内投与によるルシフェラーゼmRNAのin vivo送達についてのADGN-ペプチドバリアントの効力を示す図である。2.5μgのmRNAを含有するADGN-ペプチド/luc mRNA粒子を滅菌水中に形成し、次いで、5%スクロース中に希釈した。マウスにADGN-ペプチド/mRNA複合体25μlをIV注射した。mRNA LUC発現を12時間後、24時間後および48時間後に生物発光イメージングによってモニタリングした(A)。
図5Bは、対照群および処置群における24時間の時点での生物発光イメージングを示す。
【0023】
【
図6A】
図6A~6Cは、マウスにおける静脈内投与によるルシフェラーゼ発現プラスミドpGL4のin vivo送達についてのADGN-ペプチドバリアントの効力を示す図である。5μgのプラスミドDNAを含有するADGN-ペプチド/pGL4粒子を滅菌水中に形成し、次いで、5%スクロース中に希釈した。マウスにADGN-ペプチド/プラスミド複合体100μlをIV注射した。pGL4ルシフェラーゼ発現を12時間後、24時間後、48時間後および72時間後に生物発光イメージングによってモニタリングした。
図6Bは、対照群および処置群における24時間の時点での生物発光イメージングを示す。
図6Cは、製造者のソフトウェア(Living Image;PerkinElmer)を使用して得た、肝臓におけるルシフェラーゼシグナルの半定量的データを示す。次いで、結果を0日目に対する値として表した。
【
図6B】
図6A~6Cは、マウスにおける静脈内投与によるルシフェラーゼ発現プラスミドpGL4のin vivo送達についてのADGN-ペプチドバリアントの効力を示す図である。5μgのプラスミドDNAを含有するADGN-ペプチド/pGL4粒子を滅菌水中に形成し、次いで、5%スクロース中に希釈した。マウスにADGN-ペプチド/プラスミド複合体100μlをIV注射した。pGL4ルシフェラーゼ発現を12時間後、24時間後、48時間後および72時間後に生物発光イメージングによってモニタリングした。
図6Bは、対照群および処置群における24時間の時点での生物発光イメージングを示す。
図6Cは、製造者のソフトウェア(Living Image;PerkinElmer)を使用して得た、肝臓におけるルシフェラーゼシグナルの半定量的データを示す。次いで、結果を0日目に対する値として表した。
【
図6C】
図6A~6Cは、マウスにおける静脈内投与によるルシフェラーゼ発現プラスミドpGL4のin vivo送達についてのADGN-ペプチドバリアントの効力を示す図である。5μgのプラスミドDNAを含有するADGN-ペプチド/pGL4粒子を滅菌水中に形成し、次いで、5%スクロース中に希釈した。マウスにADGN-ペプチド/プラスミド複合体100μlをIV注射した。pGL4ルシフェラーゼ発現を12時間後、24時間後、48時間後および72時間後に生物発光イメージングによってモニタリングした。
図6Bは、対照群および処置群における24時間の時点での生物発光イメージングを示す。
図6Cは、製造者のソフトウェア(Living Image;PerkinElmer)を使用して得た、肝臓におけるルシフェラーゼシグナルの半定量的データを示す。次いで、結果を0日目に対する値として表した。
【0024】
【
図7A】
図7A~7Bは、マウスにおける筋肉内投与によるルシフェラーゼ発現プラスミドpGL4のin vivo送達についてのADGN-ペプチドバリアントの効力を示す図である。2.5μgのプラスミドDNAを含有するADGN-ペプチド/pGL4 luc粒子を滅菌水中に形成し、次いで、5%スクロース中に希釈した。マウスにADGN-ペプチド/pGL4複合体25μlをIV注射した。ルシフェラーゼ発現を12時間後、24時間後および48時間後に生物発光イメージングによってモニタリングした(A)。
図7Bは、対照群および処置群における24時間の時点での生物発光イメージングを示す。
【
図7B】
図7A~7Bは、マウスにおける筋肉内投与によるルシフェラーゼ発現プラスミドpGL4のin vivo送達についてのADGN-ペプチドバリアントの効力を示す図である。2.5μgのプラスミドDNAを含有するADGN-ペプチド/pGL4 luc粒子を滅菌水中に形成し、次いで、5%スクロース中に希釈した。マウスにADGN-ペプチド/pGL4複合体25μlをIV注射した。ルシフェラーゼ発現を12時間後、24時間後および48時間後に生物発光イメージングによってモニタリングした(A)。
図7Bは、対照群および処置群における24時間の時点での生物発光イメージングを示す。
【0025】
【
図8】
図8は、DLS NanoZS(Malvern Ltd)で測定した、濾過を伴わない場合または濾過を伴う場合の、ADGN-100ペプチドバリアント/mRNA複合体の粒子サイズおよび凝集のレベルを示す表である。
【0026】
【
図9】
図9は、DLS NanoZS(Malvern Ltd)で測定した、濾過を伴わない場合または濾過を伴う場合の、ADGN-106ペプチドバリアント/mRNA複合体の粒子サイズおよび凝集のレベルを示す表である。
【0027】
【
図10】
図10は、DLS NanoZS(Malvern Ltd)で測定した、濾過を伴わない場合または濾過を伴う場合の、ADGNペプチドバリアント/DNAプラスミド複合体の粒子サイズおよび凝集のレベルを示す表である。
【0028】
【
図11A】
図11A~11Cは、マウスにおける静脈内投与によるルシフェラーゼmRNAのin vivo送達についてのADGN-ペプチドバリアントの効力を示すグラフである。
【
図11B】
図11A~11Cは、マウスにおける静脈内投与によるルシフェラーゼmRNAのin vivo送達についてのADGN-ペプチドバリアントの効力を示すグラフである。
【
図11C】
図11A~11Cは、マウスにおける静脈内投与によるルシフェラーゼmRNAのin vivo送達についてのADGN-ペプチドバリアントの効力を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本出願は、細胞透過性ペプチド(CPP)および1つまたは複数のmRNAを含む複合体およびナノ粒子であって、CPPが、1つまたは複数のmRNA(例えば、治療用製品、例えば腫瘍抑制因子をコードするmRNAなど)を細胞内に送達するために適したものである、複合体およびナノ粒子を提供する。複合体およびナノ粒子は、複数のmRNAを含み得る。mRNAは、例えば、治療用タンパク質(例えば、腫瘍抑制因子、免疫調節物質など)をコードするmRNAを含み得る。一部の実施形態では、mRNAは、キメラ抗原受容体(CAR)をコードする。一部の実施形態では、複合体およびナノ粒子を、疾患組織、例えば腫瘍などの標的組織に優先的に局在化させる。一部の実施形態では、複合体およびナノ粒子は、内因性遺伝子を標的とするRNAiなどのRNAiをさらに含む。一部の実施形態では、RNAiは、疾患に関連する内因性遺伝子、例えば癌遺伝子を標的とするものである。一部の実施形態では、RNAiは、外因性遺伝子を標的とするものである。
【0030】
したがって、本出願は、一態様では、新規のカーゴ送達複合体およびナノ粒子を提供し、それらを下により詳細に記載する。
【0031】
別の態様では、細胞透過性ペプチドを使用してmRNAを細胞内に送達する方法が提供される。別の態様では、mRNAおよび細胞透過性ペプチドを含む複合体またはナノ粒子を局所的な組織、器官または細胞内に送達する方法が提供される。別の態様では、mRNAおよび細胞透過性ペプチドを含む本明細書に記載の複合体またはナノ粒子を対象に投与することによって疾患または障害を処置する方法が提供される。
【0032】
細胞透過性ペプチドおよび1つまたは複数のmRNAを含む(例えば、複合体およびナノ粒子の形態で)医薬組成物および疾患を処置するためのその使用も提供される。
定義
【0033】
本明細書で使用される場合、「レトロインベルソペプチド」という用語は、逆向きの配列のD-アミノ酸で構成され、伸長させた場合、その親分子と同様の側鎖トポロジーが想定されるが、アミドペプチド結合が反転しているペプチドである。
【0034】
本明細書で使用される場合、「野生型」という用語は、当技術分野で当業者によって理解される用語であり、生物体、株、遺伝子または特徴の、突然変異体またはバリアント形態とは区別される、天然に存在する典型的な形態を意味する。
【0035】
「バリアント」という用語は、本明細書で使用される場合、天然に存在するものから逸脱するパターンを有する質を示すものと解釈されるべきである。
【0036】
「天然に存在しない」または「工学的に作製された」という用語は、互換的に使用され、人間の手の関与を示す。この用語は、核酸分子またはポリペプチドについて言及する場合、その核酸分子またはポリペプチドが、自然界で天然に付随し、天然に見いだされる少なくとも1つの他の構成成分を少なくとも実質的に含まないことを意味する。
【0037】
「相補性」は、核酸の、別の核酸配列と従来のワトソン・クリック塩基対合または他の従来のものではない型のいずれかで水素結合(複数可)を形成する能力を指す。パーセント相補性は、核酸分子内の、第2の核酸配列と水素結合(例えば、ワトソン・クリック塩基対合)を形成することができる残基のパーセンテージを示す(例えば、10のうち5、6、7、8、9、10は、50%、60%、70%、80%/、90%、および100%相補的である)。「完全に相補的」とは、核酸配列の連続した残基の全てが第2の核酸配列内の同じ数の連続した残基と水素結合することを意味する。「実質的に相補的」は、本明細書で使用される場合、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、21個、22個、23個、24個、25個、30個、35個、40個、45個、50個、もしくはそれよりも多くのヌクレオチドの領域にわたって少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%、もしくは100%である相補性の程度を指す、または2つの核酸がストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることを指す。
【0038】
本明細書で使用される場合、「発現」は、ポリヌクレオチドがDNA鋳型から転写されるプロセス(例えば、mRNAもしくは他のRNA転写物に)および/または転写されたmRNAがその後ペプチド、ポリペプチド、もしくはタンパク質に翻訳されるプロセスを指す。転写物およびコードされるポリペプチドは、集合的に、「遺伝子産物」と称され得る。ポリヌクレオチドをゲノムDNAから引き出す場合、発現は、真核細胞におけるmRNAのスプライシングを含み得る。
【0039】
「対象」、「個体」、および「患者」という用語は、本明細書では、互換的に使用され、脊椎動物、好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒトを指す。哺乳動物としては、これだけに限定されないが、マウス、サル、ヒト、農場動物、競技動物、および愛玩動物が挙げられる。in vivoで得られたまたはin vitroで培養された生物学的実体の組織、細胞およびそれらの後代も包含される。
【0040】
「治療剤」、「治療能のある薬剤(therapeutic capable agent)」または「処置剤」という用語は、互換的に使用され、対象に投与されるといくらかの有益な効果を付与する分子または化合物を指す。有益な効果としては、診断決定の実施可能性;疾患、症状、障害、または病的状態の好転;疾患、症状、障害または状態発症の低減または防止;および一般に、疾患、症状、障害または病的状態を打ち消すことが挙げられる。
【0041】
本明細書で使用される場合、「処置(treatment)」または「処置すること(treating)」は、これだけに限定されないが、治療的利益を含めた有益なまたは所望の結果を得るための手法を指す。治療的利益は、処置下にある1つまたは複数の疾患、状態、または症状に対するあらゆる治療に関連性のある改善または効果を意味する。
【0042】
「有効量」または「治療有効量」という用語は、有益なまたは所望の結果をもたらすために十分である薬剤の量を指す。治療有効量は、処置を受けている対象および疾患状態、対象の体重および年齢、疾患状態の重症度、投与の様式などのうちの1つまたは複数に応じて変動し得、当業者が容易に決定することができる。この用語は、本明細書に記載のイメージング方法のいずれか1つによって検出するための画像がもたらされる用量にも当てはまる。特定の用量は、選択される特定の薬剤、従う投薬レジメン、他の化合物と組み合わせて投与されるかどうか、投与のタイミング、イメージングが行われる組織、および運ばれる物理的送達系のうちの1つまたは複数に応じて変動し得る。
【0043】
本明細書で使用される場合、単数形「1個の(a)」、「1個の(an)」および「その(the)」は、別段の指定のない限り、複数の参照対象を含む。
【0044】
「約」値またはパラメータへの言及は、本明細書では、その値またはパラメータ自体を対象とする実施形態を含む(および記載する)。例えば、「約X」に言及する記載は、「X」の記載を含む。
【0045】
本発明の組成物および方法は、本明細書に記載の発明の必須の要素および限定、ならびに、本明細書に記載のまたは他の点で有用な任意の追加的なまたは必要に応じた成分、構成成分、または限定を含み得る、それからなり得る、またはそれから本質的になり得る。
【0046】
特に断りのない限り、技術用語は、従来の使用に従って使用されている。
複合体およびナノ粒子
複合体
【0047】
一部の態様では、1つまたは複数のカーゴ分子を細胞内に送達するための細胞透過性ペプチドを含むカーゴ送達複合体が提供される。
ペプチド混合物を含むカーゴ送達複合体
【0048】
一部の実施形態では、a)第1の細胞透過性ペプチドを含む第1のペプチド;b)第2の細胞透過性ペプチドを含む第2のペプチド;およびc)カーゴ分子を含む、カーゴ分子を細胞内送達するためのカーゴ送達複合体であって、第2のペプチドが、第2の細胞透過性ペプチドと共有結合により連結したポリエチレングリコール(PEG)部分を含み、第1のペプチドが、PEG部分を有さない、カーゴ送達複合体が提供される。一部の実施形態では、第1の細胞透過性ペプチドおよび/または第2の細胞透過性ペプチドは、PTDに基づくペプチド、両親媒性ペプチド、ポリアルギニンに基づくペプチド、MPGペプチド、CADYペプチド、PEP-1ペプチド、PEP-2ペプチド、またはPEP-3ペプチドである。一部の実施形態では、第1の細胞透過性ペプチドおよび第2の細胞透過性ペプチドは、CADY、PEP-1ペプチド、PEP-2ペプチド、PEP-3ペプチド、VEPEP-3ペプチド、VEPEP-4ペプチド、VEPEP-5ペプチド、VEPEP-6ペプチド、VEPEP-9ペプチド、およびADGN-100ペプチドからなる群から選択される。一部の実施形態では、カーゴ分子は、核酸、ウイルス、ポリペプチド、タンパク質/核酸複合体、ウイルス様粒子、およびタンパク質複合体からなる群から選択される。一部の実施形態では、カーゴ分子は、核酸である。一部の実施形態では、核酸は、iRNA(例えば、siRNA、miRNA、またはshRNAなど)、gRNA、mRNA、DNA、DNA、DNAプラスミド、オリゴヌクレオチドおよびその類似体からなる群から選択される。一部の実施形態では、核酸は、mRNAを含む。一部の実施形態では、核酸は、RNAiをさらに含む。一部の実施形態では、核酸は、mRNAおよびRNAiを含み、mRNAは、疾患または状態を処置するための治療用タンパク質をコードするものであり、RNAiは、RNAを標的とするものであり、当該RNAの発現は、疾患または状態に関連付けられる。一部の実施形態では、細胞透過性ペプチドのカーゴ分子(例えば、核酸など)に対するモル比は、約1:1から約100:1の間(例えば、およそ約1:1から約50:1、または約20:1の間など)である。一部の実施形態では、カーゴ送達複合体の平均直径は、約20nmから約1000nmの間(例えば、約20~約500nm、約50~約400nm、約60~約300nm、約80~約200nm、または約100~約160nmなど)である。一部の実施形態では、PEG部分は、約1~10個(例えば、約1~8個、2~7個、1~5個、または6~10個など)のエチレングリコール単位からなる。一部の実施形態では、PEG部分の分子量は、約0.05kDa~約50kDaである。一部の実施形態では、PEG部分の分子量は、約0.05kDa~約0.5kDa(例えば、約0.05~0.1kDa、0.05~0.4kDa、0.1~0.3kDa、0.05~0.25kDa、0.25~0.5kDaなど)である。一部の実施形態では、PEG部分は、第2の細胞透過性ペプチドのN末端またはC末端とコンジュゲートしている。一部の実施形態では、PEG部分は、第2の細胞透過性ペプチド内の部位とコンジュゲートしている。
【0049】
一部の実施形態では、a)第1の細胞透過性ペプチドを含む第1のペプチド;b)第2の細胞透過性ペプチドを含む第2のペプチド;およびc)カーゴ分子を含む、カーゴ分子を細胞内送達するためのカーゴ送達複合体であって、第2のペプチドが、第2の細胞透過性ペプチドと共有結合により連結したポリエチレングリコール(PEG)部分を含み、第1のペプチドが、PEG部分を有さず、第1の細胞透過性ペプチドの第2の細胞透過性ペプチドに対する比が、約20:1~約1:1(例えば、約15:1~約2:1、約10:1~約4:1など)である、カーゴ送達複合体が提供される。一部の実施形態では、第1の細胞透過性ペプチドおよび/または第2の細胞透過性ペプチドは、PTDに基づくペプチド、両親媒性ペプチド、ポリアルギニンに基づくペプチド、MPGペプチド、CADYペプチド、PEPペプチド(例えば、PEP-1、PEP-2またはPEP-3ペプチドなど)、またはVEPEPペプチド(例えば、ADGN-100、VEPEP-3、VEPEP-4、VEPEP-5、VEPEP-6、またはVEPEP-9ペプチドなど)である。一部の実施形態では、カーゴ送達複合体の平均直径は、約20nmから約1000nmの間(例えば、約20~約500nm、約50~約400nm、約60~約300nm、約80~約200nm、または約100~約160nmなど)である。一部の実施形態では、PEG部分は、約1~10個(例えば、約1~8個、2~7個、1~5個、または6~10個など)のエチレングリコール単位からなる。一部の実施形態では、PEG部分の分子量は、約0.05kDa~約50kDaである。一部の実施形態では、PEG部分の分子量は、約0.05kDa~約0.5kDa(例えば、約0.05~0.1kDa、0.05~0.4kDa、0.1~0.3kDa、0.05~0.25kDa、0.25~0.5kDaなど)である。一部の実施形態では、PEG部分は、第2の細胞透過性ペプチドのN末端またはC末端とコンジュゲートしている。一部の実施形態では、PEG部分は、第2の細胞透過性ペプチド内の部位とコンジュゲートしている。
【0050】
一部の実施形態では、a)第1の細胞透過性ペプチドを含む第1のペプチド;b)第2の細胞透過性ペプチドを含む第2のペプチド;およびc)カーゴ分子を含む、カーゴ分子を細胞内送達するためのカーゴ送達複合体であって、第2のペプチドが、第2の細胞透過性ペプチドと共有結合により連結したポリエチレングリコール(PEG)部分を含み、第1のペプチドが、PEG部分を有さず、第1の細胞透過性ペプチドおよび/または第2の細胞透過性ペプチドが、VEPEP-3ペプチド、VEPEP-6ペプチド、VEPEP-9ペプチド、およびADGN-100ペプチドから選択される、カーゴ送達複合体が提供される。一部の実施形態では、第1の細胞透過性ペプチドおよび/または第2の細胞透過性ペプチドは、VEPEP-6ペプチド、およびADGN-100ペプチドから選択される。一部の実施形態では、カーゴ分子は、核酸、ウイルス、ポリペプチド、タンパク質/核酸複合体、ウイルス様粒子、およびタンパク質複合体からなる群から選択される。一部の実施形態では、カーゴ分子は、核酸である。一部の実施形態では、核酸は、iRNA(例えば、siRNA、miRNA、またはshRNAなど)、gRNA、mRNA、DNA、DNA、DNAプラスミド、オリゴヌクレオチドおよびその類似体からなる群から選択される。一部の実施形態では、核酸は、mRNAを含む。一部の実施形態では、核酸は、RNAiをさらに含む。一部の実施形態では、核酸は、mRNAおよびRNAiを含み、mRNAは、疾患または状態を処置するための治療用タンパク質をコードするものであり、RNAiは、RNAを標的とするものであり、当該RNAの発現は、疾患または状態に関連付けられる。一部の実施形態では、細胞透過性ペプチドのカーゴ分子(例えば、核酸など)に対するモル比は、約1:1から約100:1の間(例えば、およそ約1:1から約50:1、または約20:1の間など)である。一部の実施形態では、カーゴ送達複合体の平均直径は、約20nmから約1000nmの間(例えば、約20~約500nm、約50~約400nm、約60~約300nm、約80~約200nm、または約100~約160nmなど)である。一部の実施形態では、PEG部分は、約1~10個(例えば、約1~8個、2~7個、1~5個、または6~10個など)のエチレングリコール単位からなる。一部の実施形態では、PEG部分の分子量は、約0.05kDa~約50kDaである。一部の実施形態では、PEG部分の分子量は、約0.05kDa~約0.5kDa(例えば、約0.05~0.1kDa、0.05~0.4kDa、0.1~0.3kDa、0.05~0.25kDa、0.25~0.5kDaなど)である。一部の実施形態では、PEG部分は、第2の細胞透過性ペプチドのN末端またはC末端とコンジュゲートしている。一部の実施形態では、PEG部分は、第2の細胞透過性ペプチド内の部位とコンジュゲートしている。
【0051】
一部の実施形態では、a)第1の細胞透過性ペプチドを含む第1のペプチド;b)第2の細胞透過性ペプチドを含む第2のペプチド;およびc)カーゴ分子を含む、カーゴ分子を細胞内送達するためのカーゴ送達複合体であって、第2のペプチドが、第2の細胞透過性ペプチドと共有結合により連結したポリエチレングリコール(PEG)部分を含み、第1のペプチドが、PEG部分を有さず、カーゴ分子が、核酸、ウイルス、ポリペプチド、タンパク質/核酸複合体、ウイルス様粒子、およびタンパク質複合体からなる群から選択される、カーゴ送達複合体が提供される。一部の実施形態では、カーゴ分子は、核酸である/核酸を含む。一部の実施形態では、第1の細胞透過性ペプチドおよび/または第2の細胞透過性ペプチドは、PTDに基づくペプチド、両親媒性ペプチド、ポリアルギニンに基づくペプチド、MPGペプチド、CADYペプチド、PEP-1ペプチド、PEP-2ペプチド、またはPEP-3ペプチドである。一部の実施形態では、第1の細胞透過性ペプチドおよび/または第2の細胞透過性ペプチドは、配列番号71~74および81からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、第1の細胞透過性ペプチドおよび第2の細胞透過性ペプチドは、CADY、PEP-1ペプチド、PEP-2ペプチド、PEP-3ペプチド、VEPEP-3ペプチド、VEPEP-6ペプチド、VEPEP-9ペプチド、およびADGN-100ペプチドからなる群から選択される。一部の実施形態では、第1の細胞透過性ペプチドおよび/または第2の細胞透過性ペプチドは、VEPEP-3ペプチドである。一部の実施形態では、VEPEP-3ペプチドは、配列番号1~14、75、76、および113~115からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、第1の細胞透過性ペプチドおよび/または第2の細胞透過性ペプチドは、VEPEP-6ペプチドである。一部の実施形態では、VEPEP-6ペプチドは、配列番号15~40、77、85、92~100、105、107~109、および129~139からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、第1の細胞透過性ペプチドおよび/または第2の細胞透過性ペプチドは、VEPEP-9ペプチドである。一部の実施形態では、VEPEP-9ペプチドは、配列番号41~52、78、および116~120からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、第1の細胞透過性ペプチドおよび/または第2の細胞透過性ペプチドは、ADGN-100ペプチドである。一部の実施形態では、ADGN-100ペプチドは、配列番号53~70、79、80、86~91、101~104、106、110~112、および121~128からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、第1の細胞透過性ペプチドと第2の細胞透過性ペプチドは同じである。一部の実施形態では、第1の細胞透過性ペプチドと第2の細胞透過性ペプチドは異なる。一部の実施形態では、カーゴ送達複合体の平均直径は、約20nmから約1000nmの間(例えば、約20~約500nm、約50~約400nm、約60~約300nm、約80~約200nm、または約100~約160nmなど)である。一部の実施形態では、PEG部分は、約1~10個(例えば、約1~8個、2~7個、1~5個、または6~10個など)のエチレングリコール単位からなる。一部の実施形態では、PEG部分の分子量は、約0.05kDa~約50kDaである。一部の実施形態では、PEG部分の分子量は、約0.05kDa~約0.5kDa(例えば、約0.05~0.1kDa、0.05~0.4kDa、0.1~0.3kDa、0.05~0.25kDa、0.25~0.5kDaなど)である。一部の実施形態では、PEG部分は、第2の細胞透過性ペプチドのN末端またはC末端とコンジュゲートしている。一部の実施形態では、PEG部分は、第2の細胞透過性ペプチド内の部位とコンジュゲートしている。
【0052】
一部の実施形態では、a)第1の細胞透過性ペプチドを含む第1のペプチド;b)第2の細胞透過性ペプチドを含む第2のペプチド;およびc)カーゴ分子を含む、カーゴ分子を細胞内送達するためのカーゴ送達複合体であって、第2のペプチドが、第2の細胞透過性ペプチドと共有結合により連結したポリエチレングリコール(PEG)部分を含み、第1のペプチドが、PEG部分を有さず、第1の細胞透過性ペプチドの第2の細胞透過性ペプチドに対する比が、約20:1~約1:1(例えば、約15:1~約2:1、約10:1~約4:1など)であり、第1の細胞透過性ペプチドおよび/または第2の細胞透過性ペプチドが、VEPEP-3ペプチドである、カーゴ送達複合体が提供される。一部の実施形態では、VEPEP-3ペプチドは、配列番号1~14、75、76、および113~115からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、カーゴ送達複合体の平均直径は、約20nmから約1000nmの間(例えば、約20~約500nm、約50~約400nm、約60~約300nm、約80~約200nm、または約100~約160nmなど)である。一部の実施形態では、PEG部分は、約1~10個(例えば、約1~8個、2~7個、1~5個、または6~10個など)のエチレングリコール単位からなる。一部の実施形態では、PEG部分の分子量は、約0.05kDa~約50kDaである。一部の実施形態では、PEG部分の分子量は、約0.05kDa~約0.5kDa(例えば、約0.05~0.1kDa、0.05~0.4kDa、0.1~0.3kDa、0.05~0.25kDa、0.25~0.5kDaなど)である。一部の実施形態では、PEG部分は、第2の細胞透過性ペプチドのN末端またはC末端とコンジュゲートしている。一部の実施形態では、PEG部分は、第2の細胞透過性ペプチド内の部位とコンジュゲートしている。
【0053】
一部の実施形態では、a)第1の細胞透過性ペプチドを含む第1のペプチド;b)第2の細胞透過性ペプチドを含む第2のペプチド;およびc)カーゴ分子を含む、カーゴ分子を細胞内送達するためのカーゴ送達複合体であって、第2のペプチドが、第2の細胞透過性ペプチドと共有結合により連結したポリエチレングリコール(PEG)部分を含み、第1のペプチドが、PEG部分を有さず、第1の細胞透過性ペプチドの第2の細胞透過性ペプチドに対する比が、約20:1~約1:1(例えば、約15:1~約2:1、約10:1~約4:1など)であり、第1の細胞透過性ペプチドおよび/または第2の細胞透過性ペプチドが、VEPEP-6ペプチドである、カーゴ送達複合体が提供される。一部の実施形態では、VEPEP-6ペプチドは、配列番号15~40、77、85、92~100、105、107~109、および129~139からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、カーゴ送達複合体の平均直径は、約20nmから約1000nmの間(例えば、約20~約500nm、約50~約400nm、約60~約300nm、約80~約200nm、または約100~約160nmなど)である。一部の実施形態では、PEG部分は、約1~10個(例えば、約1~8個、2~7個、1~5個、または6~10個など)のエチレングリコール単位からなる。一部の実施形態では、PEG部分の分子量は、約0.05kDa~約50kDaである。一部の実施形態では、PEG部分の分子量は、約0.05kDa~約0.5kDa(例えば、約0.05~0.1kDa、0.05~0.4kDa、0.1~0.3kDa、0.05~0.25kDa、0.25~0.5kDaなど)である。一部の実施形態では、PEG部分は、第2の細胞透過性ペプチドのN末端またはC末端とコンジュゲートしている。一部の実施形態では、PEG部分は、第2の細胞透過性ペプチド内の部位とコンジュゲートしている。
【0054】
一部の実施形態では、a)第1の細胞透過性ペプチドを含む第1のペプチド;b)第2の細胞透過性ペプチドを含む第2のペプチド;およびc)カーゴ分子を含む、カーゴ分子を細胞内送達するためのカーゴ送達複合体であって、第2のペプチドが、第2の細胞透過性ペプチドと共有結合により連結したポリエチレングリコール(PEG)部分を含み、第1のペプチドが、PEG部分を有さず、第1の細胞透過性ペプチドの第2の細胞透過性ペプチドに対する比が、約20:1~約1:1(例えば、約15:1~約2:1、約10:1~約4:1など)であり、第1の細胞透過性ペプチドおよび/または第2の細胞透過性ペプチドが、VEPEP-9ペプチドである、カーゴ送達複合体が提供される。一部の実施形態では、VEPEP-9ペプチドは、配列番号41~52、78、および116~120からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、カーゴ送達複合体の平均直径は、約20nmから約1000nmの間(例えば、約20~約500nm、約50~約400nm、約60~約300nm、約80~約200nm、または約100~約160nmなど)である。一部の実施形態では、PEG部分は、約1~10個(例えば、約1~8個、2~7個、1~5個、または6~10個など)のエチレングリコール単位からなる。一部の実施形態では、PEG部分の分子量は、約0.05kDa~約50kDaである。一部の実施形態では、PEG部分の分子量は、約0.05kDa~約0.5kDa(例えば、約0.05~0.1kDa、0.05~0.4kDa、0.1~0.3kDa、0.05~0.25kDa、0.25~0.5kDaなど)である。一部の実施形態では、PEG部分は、第2の細胞透過性ペプチドのN末端またはC末端とコンジュゲートしている。一部の実施形態では、PEG部分は、第2の細胞透過性ペプチド内の部位とコンジュゲートしている。
【0055】
一部の実施形態では、a)第1の細胞透過性ペプチドを含む第1のペプチド;b)第2の細胞透過性ペプチドを含む第2のペプチド;およびc)カーゴ分子を含む、カーゴ分子を細胞内送達するためのカーゴ送達複合体であって、第2のペプチドが、第2の細胞透過性ペプチドと共有結合により連結したポリエチレングリコール(PEG)部分を含み、第1のペプチドが、PEG部分を有さず、第1の細胞透過性ペプチドの第2の細胞透過性ペプチドに対する比が、約20:1~約1:1(例えば、約15:1~約2:1、約10:1~約4:1など)であり、第1の細胞透過性ペプチドおよび/または第2の細胞透過性ペプチドが、ADGN-100ペプチドである、カーゴ送達複合体が提供される。一部の実施形態では、ADGN-100ペプチドは、配列番号53~70、79、80、86~91、101~104、106、110~112、および121~128からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、カーゴ送達複合体の平均直径は、約20nmから約1000nmの間(例えば、約20~約500nm、約50~約400nm、約60~約300nm、約80~約200nm、または約100~約160nmなど)である。一部の実施形態では、PEG部分は、約1~10個(例えば、約1~8個、2~7個、1~5個、または6~10個など)のエチレングリコール単位からなる。一部の実施形態では、PEG部分の分子量は、約0.05kDa~約50kDaである。一部の実施形態では、PEG部分の分子量は、約0.05kDa~約0.5kDa(例えば、約0.05~0.1kDa、0.05~0.4kDa、0.1~0.3kDa、0.05~0.25kDa、0.25~0.5kDaなど)である。一部の実施形態では、PEG部分は、第2の細胞透過性ペプチドのN末端またはC末端とコンジュゲートしている。一部の実施形態では、PEG部分は、第2の細胞透過性ペプチド内の部位とコンジュゲートしている。
【0056】
一部の実施形態では、a)第1の細胞透過性ペプチドを含む第1のペプチド;b)第2の細胞透過性ペプチドを含む第2のペプチド;およびc)カーゴ分子を含む、カーゴ分子を細胞内送達するためのカーゴ送達複合体であって、第2のペプチドが、第2の細胞透過性ペプチドと共有結合により連結したポリエチレングリコール(PEG)部分を含み、第1のペプチドが、PEG部分を有さず、第1の細胞透過性ペプチドの第2の細胞透過性ペプチドに対する比が、約20:1~約1:1(例えば、約15:1~約2:1、約10:1~約4:1など)であり、第1の細胞透過性ペプチドおよび/または第2の細胞透過性ペプチドが、PTDに基づくペプチド、両親媒性ペプチド、ポリアルギニンに基づくペプチド、MPGペプチド、CADYペプチド、PEP-1ペプチド、PEP-2ペプチド、またはPEP-3ペプチドである、カーゴ送達複合体が提供される。一部の実施形態では、第1の細胞透過性ペプチドおよび/または第2の細胞透過性ペプチドは、配列番号71~74および81からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、カーゴ送達複合体の平均直径は、約20nmから約1000nmの間(例えば、約20~約500nm、約50~約400nm、約60~約300nm、約80~約200nm、または約100~約160nmなど)である。一部の実施形態では、PEG部分は、約1~10個(例えば、約1~8個、2~7個、1~5個、または6~10個など)のエチレングリコール単位からなる。一部の実施形態では、PEG部分の分子量は、約0.05kDa~約50kDaである。一部の実施形態では、PEG部分の分子量は、約0.05kDa~約0.5kDa(例えば、約0.05~0.1kDa、0.05~0.4kDa、0.1~0.3kDa、0.05~0.25kDa、0.25~0.5kDaなど)である。一部の実施形態では、PEG部分は、第2の細胞透過性ペプチドのN末端またはC末端とコンジュゲートしている。一部の実施形態では、PEG部分は、第2の細胞透過性ペプチド内の部位とコンジュゲートしている。
【0057】
一部の実施形態では、a)第1の細胞透過性ペプチドを含む第1のペプチド;b)第2の細胞透過性ペプチドを含む第2のペプチド;およびc)カーゴ分子を含む、カーゴ分子を細胞内送達するためのカーゴ送達複合体であって、第2のペプチドが、第2の細胞透過性ペプチドと共有結合により連結したポリエチレングリコール(PEG)部分を含み、第1のペプチドが、PEG部分を有さず、第1の細胞透過性ペプチドの第2の細胞透過性ペプチドに対する比が、約20:1~約1:1(例えば、約15:1~約2:1、約10:1~約4:1など)であり、カーゴ分子が、核酸であるまたは核酸を含む、カーゴ送達複合体が提供される。一部の実施形態では、核酸は、iRNA(例えば、siRNA、miRNA、またはshRNAなど)、gRNA、mRNA、DNA、DNA、DNAプラスミド、オリゴヌクレオチドおよびその類似体からなる群から選択される。一部の実施形態では、核酸は、mRNAを含む。一部の実施形態では、核酸は、RNAiをさらに含む。一部の実施形態では、核酸は、mRNAおよびRNAiを含み、mRNAは、疾患または状態を処置するための治療用タンパク質をコードするものであり、RNAiは、RNAを標的とするものであり、当該RNAの発現は、疾患または状態に関連付けられる。一部の実施形態では、細胞透過性ペプチドの核酸に対するモル比は、約1:1から約100:1の間(例えば、およそ約1:1から約50:1、または約20:1の間など)である。一部の実施形態では、第1の細胞透過性ペプチドおよび/または第2の細胞透過性ペプチドは、PTDに基づくペプチド、両親媒性ペプチド、ポリアルギニンに基づくペプチド、MPGペプチド、CADYペプチド、PEP-1ペプチド、PEP-2ペプチド、またはPEP-3ペプチドである。一部の実施形態では、第1の細胞透過性ペプチドおよび/または第2の細胞透過性ペプチドは、配列番号71~74および81からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、第1の細胞透過性ペプチドおよび第2の細胞透過性ペプチドは、CADY、PEP-1ペプチド、PEP-2ペプチド、PEP-3ペプチド、VEPEP-3ペプチド、VEPEP-6ペプチド、VEPEP-9ペプチド、およびADGN-100ペプチドからなる群から選択される。一部の実施形態では、第1の細胞透過性ペプチドおよび/または第2の細胞透過性ペプチドは、VEPEP-3ペプチドである。一部の実施形態では、VEPEP-3ペプチドは、配列番号1~14、75、76、および113~115からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、第1の細胞透過性ペプチドおよび/または第2の細胞透過性ペプチドは、VEPEP-6ペプチドである。一部の実施形態では、VEPEP-6ペプチドは、配列番号15~40、77、85、92~100、105、107~109、および129~139からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、第1の細胞透過性ペプチドおよび/または第2の細胞透過性ペプチドは、VEPEP-9ペプチドである。一部の実施形態では、VEPEP-9ペプチドは、配列番号41~52、78、および116~120からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、第1の細胞透過性ペプチドおよび/または第2の細胞透過性ペプチドは、ADGN-100ペプチドである。一部の実施形態では、ADGN-100ペプチドは、配列番号53~70、79、80、86~91、101~104、106、110~112、および121~128からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、第1の細胞透過性ペプチドと第2の細胞透過性ペプチドは同じである。一部の実施形態では、第1の細胞透過性ペプチドと第2の細胞透過性ペプチドは異なる。一部の実施形態では、カーゴ送達複合体の平均直径は、約20nmから約1000nmの間(例えば、約20~約500nm、約50~約400nm、約60~約300nm、約80~約200nm、または約100~約160nmなど)である。一部の実施形態では、PEG部分は、約1~10個(例えば、約1~8個、2~7個、1~5個、または6~10個など)のエチレングリコール単位からなる。一部の実施形態では、PEG部分の分子量は、約0.05kDa~約50kDaである。一部の実施形態では、PEG部分の分子量は、約0.05kDa~約0.5kDa(例えば、約0.05~0.1kDa、0.05~0.4kDa、0.1~0.3kDa、0.05~0.25kDa、0.25~0.5kDaなど)である。一部の実施形態では、PEG部分は、第2の細胞透過性ペプチドのN末端またはC末端とコンジュゲートしている。一部の実施形態では、PEG部分は、第2の細胞透過性ペプチド内の部位とコンジュゲートしている。
【0058】
一部の実施形態では、a)第1の細胞透過性ペプチドを含む第1のペプチド;b)第2の細胞透過性ペプチドを含む第2のペプチド;およびc)カーゴ分子を含む、カーゴ分子を細胞内送達するためのカーゴ送達複合体であって、第2のペプチドが、第2の細胞透過性ペプチドと共有結合により連結したポリエチレングリコール(PEG)部分を含み、第1のペプチドが、PEG部分を有さず、第1の細胞透過性ペプチドの第2の細胞透過性ペプチドに対する比が、約20:1~約1:1(例えば、約15:1~約2:1、約10:1~約4:1など)であり、カーゴ分子が、ウイルスであるまたはウイルスを含む、カーゴ送達複合体が提供される。一部の実施形態では、第1の細胞透過性ペプチドおよび/または第2の細胞透過性ペプチドは、PTDに基づくペプチド、両親媒性ペプチド、ポリアルギニンに基づくペプチド、MPGペプチド、CADYペプチド、PEP-1ペプチド、PEP-2ペプチド、またはPEP-3ペプチドである。一部の実施形態では、第1の細胞透過性ペプチドおよび/または第2の細胞透過性ペプチドは、配列番号71~74および81からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、第1の細胞透過性ペプチドおよび第2の細胞透過性ペプチドは、CADY、PEP-1ペプチド、PEP-2ペプチド、PEP-3ペプチド、VEPEP-3ペプチド、VEPEP-6ペプチド、VEPEP-9ペプチド、およびADGN-100ペプチドからなる群から選択される。一部の実施形態では、第1の細胞透過性ペプチドおよび/または第2の細胞透過性ペプチドは、VEPEP-3ペプチドである。一部の実施形態では、VEPEP-3ペプチドは、配列番号1~14、75、76、および113~115からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、第1の細胞透過性ペプチドおよび/または第2の細胞透過性ペプチドは、VEPEP-6ペプチドである。一部の実施形態では、VEPEP-6ペプチドは、配列番号15~40、77、85、92~100、105、107~109、および129~139からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、第1の細胞透過性ペプチドおよび/または第2の細胞透過性ペプチドは、VEPEP-9ペプチドである。一部の実施形態では、VEPEP-9ペプチドは、配列番号41~52、78、および116~120からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、第1の細胞透過性ペプチドおよび/または第2の細胞透過性ペプチドは、ADGN-100ペプチドである。一部の実施形態では、ADGN-100ペプチドは、配列番号53~70、79、80、86~91、101~104、106、110~112、および121~128からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、第1の細胞透過性ペプチドと第2の細胞透過性ペプチドは同じである。一部の実施形態では、第1の細胞透過性ペプチドと第2の細胞透過性ペプチドは異なる。一部の実施形態では、カーゴ送達複合体の平均直径は、約20nmから約1000nmの間(例えば、約20~約500nm、約50~約400nm、約60~約300nm、約80~約200nm、または約100~約160nmなど)である。一部の実施形態では、PEG部分は、約1~10個(例えば、約1~8個、2~7個、1~5個、または6~10個など)のエチレングリコール単位からなる。一部の実施形態では、PEG部分の分子量は、約0.05kDa~約50kDaである。一部の実施形態では、PEG部分の分子量は、約0.05kDa~約0.5kDa(例えば、約0.05~0.1kDa、0.05~0.4kDa、0.1~0.3kDa、0.05~0.25kDa、0.25~0.5kDaなど)である。一部の実施形態では、PEG部分は、第2の細胞透過性ペプチドのN末端またはC末端とコンジュゲートしている。一部の実施形態では、PEG部分は、第2の細胞透過性ペプチド内の部位とコンジュゲートしている。
【0059】
一部の実施形態では、a)第1の細胞透過性ペプチドを含む第1のペプチド;b)第2の細胞透過性ペプチドを含む第2のペプチド;およびc)カーゴ分子を含む、カーゴ分子を細胞内送達するためのカーゴ送達複合体であって、第2のペプチドが、第2の細胞透過性ペプチドと共有結合により連結したポリエチレングリコール(PEG)部分を含み、第1のペプチドが、PEG部分を有さず、第1の細胞透過性ペプチドの第2の細胞透過性ペプチドに対する比が、約20:1~約1:1(例えば、約15:1~約2:1、約10:1~約4:1など)であり、カーゴ分子が、ポリペプチドであるまたはポリペプチドを含む、カーゴ送達複合体が提供される。一部の実施形態では、第1の細胞透過性ペプチドおよび/または第2の細胞透過性ペプチドは、PTDに基づくペプチド、両親媒性ペプチド、ポリアルギニンに基づくペプチド、MPGペプチド、CADYペプチド、PEP-1ペプチド、PEP-2ペプチド、またはPEP-3ペプチドである。一部の実施形態では、第1の細胞透過性ペプチドおよび/または第2の細胞透過性ペプチドは、配列番号71~74および81からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、第1の細胞透過性ペプチドおよび第2の細胞透過性ペプチドは、CADY、PEP-1ペプチド、PEP-2ペプチド、PEP-3ペプチド、VEPEP-3ペプチド、VEPEP-6ペプチド、VEPEP-9ペプチド、およびADGN-100ペプチドからなる群から選択される。一部の実施形態では、第1の細胞透過性ペプチドおよび/または第2の細胞透過性ペプチドは、VEPEP-3ペプチドである。一部の実施形態では、VEPEP-3ペプチドは、配列番号1~14、75、76、および113~115からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、第1の細胞透過性ペプチドおよび/または第2の細胞透過性ペプチドは、VEPEP-6ペプチドである。一部の実施形態では、VEPEP-6ペプチドは、配列番号15~40、77、85、92~100、105、107~109、および129~139からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、第1の細胞透過性ペプチドおよび/または第2の細胞透過性ペプチドは、VEPEP-9ペプチドである。一部の実施形態では、VEPEP-9ペプチドは、配列番号41~52、78、および116~120からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、第1の細胞透過性ペプチドおよび/または第2の細胞透過性ペプチドは、ADGN-100ペプチドである。一部の実施形態では、ADGN-100ペプチドは、配列番号53~70、79、80、86~91、101~104、106、110~112、および121~128からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、第1の細胞透過性ペプチドと第2の細胞透過性ペプチドは同じである。一部の実施形態では、第1の細胞透過性ペプチドと第2の細胞透過性ペプチドは異なる。一部の実施形態では、カーゴ送達複合体の平均直径は、約20nmから約1000nmの間(例えば、約20~約500nm、約50~約400nm、約60~約300nm、約80~約200nm、または約100~約160nmなど)である。一部の実施形態では、PEG部分は、約1~10個(例えば、約1~8個、2~7個、1~5個、または6~10個など)のエチレングリコール単位からなる。一部の実施形態では、PEG部分の分子量は、約0.05kDa~約50kDaである。一部の実施形態では、PEG部分の分子量は、約0.05kDa~約0.5kDa(例えば、約0.05~0.1kDa、0.05~0.4kDa、0.1~0.3kDa、0.05~0.25kDa、0.25~0.5kDaなど)である。一部の実施形態では、PEG部分は、第2の細胞透過性ペプチドのN末端またはC末端とコンジュゲートしている。一部の実施形態では、PEG部分は、第2の細胞透過性ペプチド内の部位とコンジュゲートしている。
【0060】
一部の実施形態では、a)第1の細胞透過性ペプチドを含む第1のペプチド;b)第2の細胞透過性ペプチドを含む第2のペプチド;およびc)カーゴ分子を含む、カーゴ分子を細胞内送達するためのカーゴ送達複合体であって、第2のペプチドが、第2の細胞透過性ペプチドと共有結合により連結したポリエチレングリコール(PEG)部分を含み、第1のペプチドが、PEG部分を有さず、第1の細胞透過性ペプチドの第2の細胞透過性ペプチドに対する比が、約20:1~約1:1(例えば、約15:1~約2:1、約10:1~約4:1など)であり、カーゴ分子が、タンパク質/核酸複合体であるまたはタンパク質/核酸複合体を含む、カーゴ送達複合体が提供される。一部の実施形態では、第1の細胞透過性ペプチドおよび/または第2の細胞透過性ペプチドは、PTDに基づくペプチド、両親媒性ペプチド、ポリアルギニンに基づくペプチド、MPGペプチド、CADYペプチド、PEP-1ペプチド、PEP-2ペプチド、またはPEP-3ペプチドである。一部の実施形態では、第1の細胞透過性ペプチドおよび/または第2の細胞透過性ペプチドは、配列番号71~74および81からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、第1の細胞透過性ペプチドおよび第2の細胞透過性ペプチドは、CADY、PEP-1ペプチド、PEP-2ペプチド、PEP-3ペプチド、VEPEP-3ペプチド、VEPEP-6ペプチド、VEPEP-9ペプチド、およびADGN-100ペプチドからなる群から選択される。一部の実施形態では、第1の細胞透過性ペプチドおよび/または第2の細胞透過性ペプチドは、VEPEP-3ペプチドである。一部の実施形態では、VEPEP-3ペプチドは、配列番号1~14、75、76、および113~115からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、第1の細胞透過性ペプチドおよび/または第2の細胞透過性ペプチドは、VEPEP-6ペプチドである。一部の実施形態では、VEPEP-6ペプチドは、配列番号15~40、77、85、92~100、105、107~109、および129~139からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、第1の細胞透過性ペプチドおよび/または第2の細胞透過性ペプチドは、VEPEP-9ペプチドである。一部の実施形態では、VEPEP-9ペプチドは、配列番号41~52、78、および116~120からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、第1の細胞透過性ペプチドおよび/または第2の細胞透過性ペプチドは、ADGN-100ペプチドである。一部の実施形態では、ADGN-100ペプチドは、配列番号53~70、79、80、86~91、101~104、106、110~112、および121~128からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、第1の細胞透過性ペプチドと第2の細胞透過性ペプチドは同じである。一部の実施形態では、第1の細胞透過性ペプチドと第2の細胞透過性ペプチドは異なる。一部の実施形態では、カーゴ送達複合体の平均直径は、約20nmから約1000nmの間(例えば、約20~約500nm、約50~約400nm、約60~約300nm、約80~約200nm、または約100~約160nmなど)である。一部の実施形態では、PEG部分は、約1~10個(例えば、約1~8個、2~7個、1~5個、または6~10個など)のエチレングリコール単位からなる。一部の実施形態では、PEG部分の分子量は、約0.05kDa~約50kDaである。一部の実施形態では、PEG部分の分子量は、約0.05kDa~約0.5kDa(例えば、約0.05~0.1kDa、0.05~0.4kDa、0.1~0.3kDa、0.05~0.25kDa、0.25~0.5kDaなど)である。一部の実施形態では、PEG部分は、第2の細胞透過性ペプチドのN末端またはC末端とコンジュゲートしている。一部の実施形態では、PEG部分は、第2の細胞透過性ペプチド内の部位とコンジュゲートしている。
【0061】
一部の実施形態では、a)第1の細胞透過性ペプチドを含む第1のペプチド;b)第2の細胞透過性ペプチドを含む第2のペプチド;およびc)カーゴ分子を含む、カーゴ分子を細胞内送達するためのカーゴ送達複合体であって、第2のペプチドが、第2の細胞透過性ペプチドと共有結合により連結したポリエチレングリコール(PEG)部分を含み、第1のペプチドが、PEG部分を有さず、第1の細胞透過性ペプチドの第2の細胞透過性ペプチドに対する比が、約20:1~約1:1(例えば、約15:1~約2:1、約10:1~約4:1など)であり、カーゴ分子が、ウイルス様粒子であるまたはウイルス様粒子を含む、カーゴ送達複合体が提供される。一部の実施形態では、第1の細胞透過性ペプチドおよび/または第2の細胞透過性ペプチドは、PTDに基づくペプチド、両親媒性ペプチド、ポリアルギニンに基づくペプチド、MPGペプチド、CADYペプチド、PEP-1ペプチド、PEP-2ペプチド、またはPEP-3ペプチドである。一部の実施形態では、第1の細胞透過性ペプチドおよび/または第2の細胞透過性ペプチドは、配列番号71~74および81からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、第1の細胞透過性ペプチドおよび第2の細胞透過性ペプチドは、CADY、PEP-1ペプチド、PEP-2ペプチド、PEP-3ペプチド、VEPEP-3ペプチド、VEPEP-6ペプチド、VEPEP-9ペプチド、およびADGN-100ペプチドからなる群から選択される。一部の実施形態では、第1の細胞透過性ペプチドおよび/または第2の細胞透過性ペプチドは、VEPEP-3ペプチドである。一部の実施形態では、VEPEP-3ペプチドは、配列番号1~14、75、76、および113~115からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、第1の細胞透過性ペプチドおよび/または第2の細胞透過性ペプチドは、VEPEP-6ペプチドである。一部の実施形態では、VEPEP-6ペプチドは、配列番号15~40、77、85、92~100、105、107~109、および129~139からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、第1の細胞透過性ペプチドおよび/または第2の細胞透過性ペプチドは、VEPEP-9ペプチドである。一部の実施形態では、VEPEP-9ペプチドは、配列番号41~52、78、および116~120からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、第1の細胞透過性ペプチドおよび/または第2の細胞透過性ペプチドは、ADGN-100ペプチドである。一部の実施形態では、ADGN-100ペプチドは、配列番号53~70、79、80、86~91、101~104、106、110~112、および121~128からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、第1の細胞透過性ペプチドと第2の細胞透過性ペプチドは同じである。一部の実施形態では、第1の細胞透過性ペプチドと第2の細胞透過性ペプチドは異なる。一部の実施形態では、カーゴ送達複合体の平均直径は、約20nmから約1000nmの間(例えば、約20~約500nm、約50~約400nm、約60~約300nm、約80~約200nm、または約100~約160nmなど)である。一部の実施形態では、PEG部分は、約1~10個(例えば、約1~8個、2~7個、1~5個、または6~10個など)のエチレングリコール単位からなる。一部の実施形態では、PEG部分の分子量は、約0.05kDa~約50kDaである。一部の実施形態では、PEG部分の分子量は、約0.05kDa~約0.5kDa(例えば、約0.05~0.1kDa、0.05~0.4kDa、0.1~0.3kDa、0.05~0.25kDa、0.25~0.5kDaなど)である。一部の実施形態では、PEG部分は、第2の細胞透過性ペプチドのN末端またはC末端とコンジュゲートしている。一部の実施形態では、PEG部分は、第2の細胞透過性ペプチド内の部位とコンジュゲートしている。
【0062】
一部の実施形態では、a)第1の細胞透過性ペプチドを含む第1のペプチド;b)第2の細胞透過性ペプチドを含む第2のペプチド;およびc)カーゴ分子を含む、カーゴ分子を細胞内送達するためのカーゴ送達複合体であって、第2のペプチドが、第2の細胞透過性ペプチドと共有結合により連結したポリエチレングリコール(PEG)部分を含み、第1のペプチドが、PEG部分を有さず、第1の細胞透過性ペプチドの第2の細胞透過性ペプチドに対する比が、約20:1~約1:1(例えば、約15:1~約2:1、約10:1~約4:1など)であり、カーゴ分子が、タンパク質複合体であるまたはタンパク質複合体を含む、カーゴ送達複合体が提供される。一部の実施形態では、第1の細胞透過性ペプチドおよび/または第2の細胞透過性ペプチドは、PTDに基づくペプチド、両親媒性ペプチド、ポリアルギニンに基づくペプチド、MPGペプチド、CADYペプチド、PEP-1ペプチド、PEP-2ペプチド、またはPEP-3ペプチドである。一部の実施形態では、第1の細胞透過性ペプチドおよび/または第2の細胞透過性ペプチドは、配列番号71~74および81からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、第1の細胞透過性ペプチドおよび第2の細胞透過性ペプチドは、CADY、PEP-1ペプチド、PEP-2ペプチド、PEP-3ペプチド、VEPEP-3ペプチド、VEPEP-6ペプチド、VEPEP-9ペプチド、およびADGN-100ペプチドからなる群から選択される。一部の実施形態では、第1の細胞透過性ペプチドおよび/または第2の細胞透過性ペプチドは、VEPEP-3ペプチドである。一部の実施形態では、VEPEP-3ペプチドは、配列番号1~14、75、76、および113~115からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、第1の細胞透過性ペプチドおよび/または第2の細胞透過性ペプチドは、VEPEP-6ペプチドである。一部の実施形態では、VEPEP-6ペプチドは、配列番号15~40、77、85、92~100、105、107~109、および129~139からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、第1の細胞透過性ペプチドおよび/または第2の細胞透過性ペプチドは、VEPEP-9ペプチドである。一部の実施形態では、VEPEP-9ペプチドは、配列番号41~52、78、および116~120からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、第1の細胞透過性ペプチドおよび/または第2の細胞透過性ペプチドは、ADGN-100ペプチドである。一部の実施形態では、ADGN-100ペプチドは、配列番号53~70、79、80、86~91、101~104、106、110~112、および121~128からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、第1の細胞透過性ペプチドと第2の細胞透過性ペプチドは同じである。一部の実施形態では、第1の細胞透過性ペプチドと第2の細胞透過性ペプチドは異なる。一部の実施形態では、カーゴ送達複合体の平均直径は、約20nmから約1000nmの間(例えば、約20~約500nm、約50~約400nm、約60~約300nm、約80~約200nm、または約100~約160nmなど)である。一部の実施形態では、PEG部分は、約1~10個(例えば、約1~8個、2~7個、1~5個、または6~10個など)のエチレングリコール単位からなる。一部の実施形態では、PEG部分の分子量は、約0.05kDa~約50kDaである。一部の実施形態では、PEG部分の分子量は、約0.05kDa~約0.5kDa(例えば、約0.05~0.1kDa、0.05~0.4kDa、0.1~0.3kDa、0.05~0.25kDa、0.25~0.5kDaなど)である。一部の実施形態では、PEG部分は、第2の細胞透過性ペプチドのN末端またはC末端とコンジュゲートしている。一部の実施形態では、PEG部分は、第2の細胞透過性ペプチド内の部位とコンジュゲートしている。
【0063】
一部の実施形態では、PEG部分は、直鎖状PEGである。一部の実施形態では、PEG部分は、分枝PEGである。
【0064】
一部の実施形態では、第1のペプチドおよび/または第2のペプチドは、アセチル基、ステアリル基、脂肪酸、コレステロール、核局在化シグナル、核外移行シグナル、抗体またはその抗体断片、ペプチド、多糖、および標的化配列からなる群から選択される1つまたは複数の部分をさらに含み、1つまたは複数の部分は、第1の細胞透過性ペプチドもしくは第2の細胞透過性ペプチドのN末端、またはPEG部分と共有結合により連結している。一部の実施形態では、1つまたは複数の部分は、第1の細胞透過性ペプチドのN末端、第2の細胞透過性ペプチドのN末端またはPEG部分とリンカーを介して共有結合により連結している。一部の実施形態では、1つまたは複数の部分は、アセチル基および/またはステアリル基を含む。一部の実施形態では、1つまたは複数の部分は、標的化配列を含む。一部の実施形態では、標的化配列は、第1の細胞透過性ペプチドまたは第2の細胞透過性ペプチドとリンカーを介して共有結合により連結している。一部の実施形態では、標的化配列は、第1の細胞透過性ペプチドまたは第2の細胞透過性ペプチドとリンカーを伴わずに共有結合により連結している。
【0065】
一部の実施形態では、第1のペプチドおよび/または第2のペプチドは、システアミド、システイン、チオール、アミド、必要に応じて置換されているニトリロ三酢酸、カルボキシル、必要に応じて置換されている直鎖状または分枝(ramified)C1~C6アルキル、第一級または第二級アミン、オシド誘導体、脂質、リン脂質、脂肪酸、コレステロール、核局在化シグナル、核外移行シグナル、抗体、多糖および標的化配列からなる群から選択される1つまたは複数の部分をさらに含み、1つまたは複数の部分は、第1の細胞透過性ペプチドのC末端、第2の細胞透過性ペプチドのC末端またはPEG部分と共有結合により連結している。一部の実施形態では、1つまたは複数の部分は、第1の細胞透過性ペプチドのC末端、第2の細胞透過性ペプチドのC末端またはPEG部分とリンカーを介して共有結合により連結している。一部の実施形態では、1つまたは複数の部分は、アセチル基および/またはステアリル基を含む。一部の実施形態では、1つまたは複数の部分は、標的化配列を含む。一部の実施形態では、標的化配列は、第1の細胞透過性ペプチドまたは第2の細胞透過性ペプチドとリンカーを介して共有結合により連結している。一部の実施形態では、標的化配列は、第1の細胞透過性ペプチドまたは第2の細胞透過性ペプチドとリンカーを伴わずに共有結合により連結している。
【0066】
一部の実施形態では、標的化配列は、GY、YV、VS、SK、GYV、YVS、VSK、GYVS、YVSK、YI、IG、GS、SR、YIG、IGS、GSR、YIGS、およびIGSRからなる群から選択される。一部の実施形態では、標的化配列は、GYVSK、GYVS、YIGS、およびYIGSRからなる群から選択される。
【0067】
一部の実施形態では、本明細書に記載のリンカーは、ポリグリシンリンカーを含む。一部の実施形態では、リンカーは、ベータアラニン、システイン、システアミド橋、ポリグリシン(例えば、G2またはG4など)、PEGリンカー部分、Aun(11-アミノ-ウンデカン酸)、Ava(5-アミノペンタン酸)、およびAhx(アミノカプロン酸)からなる群から選択される。一部の実施形態では、リンカーは、PEGリンカー部分を含む。一部の実施形態では、PEGリンカー部分は、約1~10個(例えば、約1~8個、2~7個、1~5個、または6~10個など)のエチレングリコール単位からなる。一部の実施形態では、PEGリンカー部分の分子量は、約0.05kDa~約0.5kDa(例えば、約0.05~0.1kDa、0.05~0.4kDa、0.1~0.3kDa、0.05~0.25kDa、0.25~0.5kDaなど)である。一部の実施形態では、PEGリンカー部分は、直鎖状PEGである。一部の実施形態では、PEGリンカー部分は、分枝PEGである。一部の実施形態では、リンカーは、β-アラニンを含む。一部の実施形態では、リンカーは、少なくとも約2つ、3つ、または4つのグリシン、必要に応じて連続したグリシンを含む。一部の実施形態では、リンカーは、セリンをさらに含む。一部の実施形態では、リンカーは、GGGGSまたはSGGGG配列を含む。一部の実施形態では、リンカーは、グリシン-β-アラニンモチーフを含む。
【0068】
一部の実施形態では、第1の細胞透過性ペプチドおよび/または第2の細胞透過性ペプチドは、レトロインベルソペプチドである。一部の実施形態では、レトロインベルソペプチドは、配列番号85または86の配列を含む。
【0069】
一部の実施形態では、第1のペプチドおよび/または第2のペプチドは、配列番号1~112の配列を含む。
レトロインベルソ細胞透過性ペプチドを含むカーゴ送達複合体
【0070】
一部の実施形態では、細胞透過性ペプチドおよびカーゴ分子を含む、カーゴ分子を細胞内送達するためのカーゴ送達複合体であって、細胞透過性ペプチドが、レトロインベルソペプチドである、カーゴ送達複合体が提供される。一部の実施形態では、細胞透過性ペプチドは、PTDに基づくペプチド、両親媒性ペプチド、ポリアルギニンに基づくペプチド、MPGペプチド、PEPペプチド(例えば、PEP-1、PEP-2またはPEP-3ペプチドなど)、またはVEPEPペプチド(例えば、ADGN-100、VEPEP-3、VEPEP-4、VEPEP-5、VEPEP-6、またはVEPEP-9ペプチドなど)である。一部の実施形態では、カーゴ分子は、核酸、ポリペプチド、タンパク質/核酸複合体、ウイルス様粒子、およびタンパク質複合体およびタンパク質複合体からなる群から選択される。
【0071】
一部の実施形態では、細胞透過性ペプチドおよびカーゴ分子を含む、カーゴ分子を細胞内送達するためのカーゴ送達複合体であって、細胞透過性ペプチドが、PEP-1ペプチド、PEP-2ペプチド、PEP-3ペプチド、VEPEP-3ペプチド、VEPEP-4ペプチド、VEPEP-5ペプチド、VEPEP-6ペプチド、VEPEP-9ペプチド、およびADGN-100ペプチドからなる群から選択され、細胞透過性ペプチドが、レトロインベルソペプチドである、カーゴ送達複合体が提供される。一部の実施形態では、細胞透過性ペプチドは、VEPEP-3ペプチド、VEPEP-4ペプチド、VEPEP-5ペプチド、VEPEP-6ペプチド、VEPEP-9ペプチド、およびADGN-100ペプチドからなる群から選択される。一部の実施形態では、カーゴ分子は、核酸、ポリペプチド、タンパク質/核酸複合体、ウイルス様粒子、およびタンパク質複合体およびタンパク質複合体からなる群から選択される。一部の実施形態では、カーゴ分子は、ウイルスを含まない。一部の実施形態では、カーゴ分子は、RNAi(例えば、siRNA、miRNA、shRNAなど)、gRNA、mRNA、DNA、DNAプラスミド、オリゴヌクレオチドおよびその類似体からなる群から選択される核酸を含む。一部の実施形態では、カーゴ分子は、mRNAを含む。一部の実施形態では、カーゴ分子は、RNAi(例えば、siRNA、miRNA、shRNAなど)を含むまたはそれをさらに含む。一部の実施形態では、核酸は、mRNAおよびRNAiを含み、mRNAは、疾患または状態を処置するための治療用タンパク質をコードするものであり、RNAiは、RNAを標的とするものであり、当該RNAの発現は、疾患または状態に関連付けられる。一部の実施形態では、細胞透過性ペプチドのカーゴ分子(例えば、核酸など)に対するモル比は、約1:1から約100:1の間(例えば、およそ約1:1から約50:1、または約20:1の間など)である。
【0072】
一部の実施形態では、細胞透過性ペプチドおよびカーゴ分子を含む、カーゴ分子を細胞内送達するためのカーゴ送達複合体であって、細胞透過性ペプチドが、レトロインベルソペプチドであり、カーゴ分子が、ウイルスを含まない、カーゴ送達複合体が提供される。一部の実施形態では、カーゴ分子は、核酸、ポリペプチド、タンパク質/核酸複合体、ウイルス様粒子、およびタンパク質複合体およびタンパク質複合体からなる群から選択される。一部の実施形態では、カーゴ分子は、核酸を含む。一部の実施形態では、核酸は、RNAi(例えば、siRNA、miRNA、shRNAなど)、gRNA、mRNA、DNA、DNAプラスミド、オリゴヌクレオチドおよびその類似体からなる群から選択される。一部の実施形態では、カーゴ分子は、mRNAを含む。一部の実施形態では、カーゴ分子は、RNAi(例えば、siRNA、miRNA、shRNAなど)を含むまたはそれをさらに含む。一部の実施形態では、核酸は、mRNAおよびRNAiを含み、mRNAは、疾患または状態を処置するための治療用タンパク質をコードするものであり、RNAiは、RNAを標的とするものであり、当該RNAの発現は、疾患または状態に関連付けられる。一部の実施形態では、細胞透過性ペプチドのカーゴ分子(例えば、核酸など)に対するモル比は、約1:1から約100:1の間(例えば、およそ約1:1から約50:1、または約20:1の間など)である。一部の実施形態では、細胞透過性ペプチドは、VEPEP-3ペプチド、VEPEP-4ペプチド、VEPEP-5ペプチド、VEPEP-6ペプチド、VEPEP-9ペプチド、およびADGN-100ペプチドからなる群から選択される。
【0073】
一部の実施形態では、細胞透過性ペプチドおよびカーゴ分子を含む、カーゴ分子を細胞内送達するためのカーゴ送達複合体であって、細胞透過性ペプチドが、レトロインベルソペプチドであり、細胞透過性ペプチドが、ADGN-100ペプチドであり、カーゴ分子が、ウイルスを含まない、カーゴ送達複合体が提供される。一部の実施形態では、細胞透過性ペプチドおよびカーゴ分子を含む、カーゴ分子を細胞内送達するためのカーゴ送達複合体であって、細胞透過性ペプチドが、レトロインベルソペプチドであり、細胞透過性ペプチドが、ADGN-100ペプチドであり、カーゴ分子が、核酸を含む、カーゴ送達複合体が提供される。一部の実施形態では、ADGN-100ペプチドは、配列番号53~70、79、80、86~91、101~104、106、110~112、および121~128からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、核酸は、RNAi(例えば、siRNA、miRNA、shRNAなど)、gRNA、mRNA、DNA、DNAプラスミド、オリゴヌクレオチドおよびその類似体からなる群から選択される。一部の実施形態では、カーゴ分子は、mRNAを含む。一部の実施形態では、カーゴ分子は、RNAi(例えば、siRNA、miRNA、shRNAなど)を含むまたはそれをさらに含む。一部の実施形態では、核酸は、mRNAおよびRNAiを含み、mRNAは、疾患または状態を処置するための治療用タンパク質をコードするものであり、RNAiは、RNAを標的とするものであり、当該RNAの発現は、疾患または状態に関連付けられる。一部の実施形態では、細胞透過性ペプチドの核酸に対するモル比は、約1:1から約100:1の間(例えば、およそ約1:1から約50:1、または約20:1の間など)である。
【0074】
一部の実施形態では、細胞透過性ペプチドおよびカーゴ分子を含む、カーゴ分子を細胞内送達するためのカーゴ送達複合体であって、細胞透過性ペプチドが、レトロインベルソペプチドであり、細胞透過性ペプチドが、VEPEP-3ペプチドであり、カーゴ分子が、ウイルスを含まない、カーゴ送達複合体が提供される。一部の実施形態では、細胞透過性ペプチドおよびカーゴ分子を含む、カーゴ分子を細胞内送達するためのカーゴ送達複合体であって、細胞透過性ペプチドが、レトロインベルソペプチドであり、細胞透過性ペプチドが、VEPEP-3ペプチドであり、カーゴ分子が、核酸である、カーゴ送達複合体が提供される。一部の実施形態では、VEPEP-3ペプチドは、配列番号1~14、75、76、および113~115からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、核酸は、RNAi(例えば、siRNA、miRNA、shRNAなど)、gRNA、mRNA、DNA、DNAプラスミド、オリゴヌクレオチドおよびその類似体からなる群から選択される。一部の実施形態では、カーゴ分子は、mRNAを含む。一部の実施形態では、カーゴ分子は、RNAi(例えば、siRNA、miRNA、shRNAなど)を含むまたはそれをさらに含む。一部の実施形態では、核酸は、mRNAおよびRNAiを含み、mRNAは、疾患または状態を処置するための治療用タンパク質をコードするものであり、RNAiは、RNAを標的とするものであり、当該RNAの発現は、疾患または状態に関連付けられる。一部の実施形態では、カーゴは、DNAプラスミドを含む。一部の実施形態では、細胞透過性ペプチドの核酸に対するモル比は、約1:1から約100:1の間(例えば、およそ約1:1から約50:1、または約20:1の間など)である。
【0075】
一部の実施形態では、細胞透過性ペプチドおよびカーゴ分子を含む、カーゴ分子を細胞内送達するためのカーゴ送達複合体であって、細胞透過性ペプチドが、レトロインベルソペプチドであり、細胞透過性ペプチドが、VEPEP-6ペプチドであり、カーゴ分子が、ウイルスを含まない、カーゴ送達複合体が提供される。一部の実施形態では、細胞透過性ペプチドおよびカーゴ分子を含む、カーゴ分子を細胞内送達するためのカーゴ送達複合体であって、細胞透過性ペプチドが、レトロインベルソペプチドであり、細胞透過性ペプチドが、VEPEP-6ペプチドであり、カーゴ分子が、核酸を含む、カーゴ送達複合体が提供される。一部の実施形態では、VEPEP-6ペプチドは、配列番号15~40、77、85、92~100、105、107~109、および129~139からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、核酸は、RNAi(例えば、siRNA、miRNA、shRNAなど)、gRNA、mRNA、DNA、DNAプラスミド、オリゴヌクレオチドおよびその類似体からなる群から選択される。一部の実施形態では、カーゴ分子は、mRNAを含む。一部の実施形態では、カーゴ分子は、RNAi(例えば、siRNA、miRNA、shRNAなど)を含むまたはそれをさらに含む。一部の実施形態では、核酸は、mRNAおよびRNAiを含み、mRNAは、疾患または状態を処置するための治療用タンパク質をコードするものであり、RNAiは、RNAを標的とするものであり、当該RNAの発現は、疾患または状態に関連付けられる。一部の実施形態では、細胞透過性ペプチドの核酸に対するモル比は、約1:1から約100:1の間(例えば、およそ約1:1から約50:1、または約20:1の間など)である。
【0076】
一部の実施形態では、細胞透過性ペプチドおよびカーゴ分子を含む、カーゴ分子を細胞内送達するためのカーゴ送達複合体であって、細胞透過性ペプチドが、レトロインベルソペプチドであり、細胞透過性ペプチドが、VEPEP-9ペプチドであり、カーゴ分子が、ウイルスを含まない、カーゴ送達複合体が提供される。一部の実施形態では、細胞透過性ペプチドおよびカーゴ分子を含む、カーゴ分子を細胞内送達するためのカーゴ送達複合体であって、細胞透過性ペプチドが、レトロインベルソペプチドであり、細胞透過性ペプチドが、VEPEP-9ペプチドであり、カーゴ分子が、核酸を含む、カーゴ送達複合体が提供される。一部の実施形態では、VEPEP-9ペプチドは、配列番号41~52、78、および116~120からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、核酸は、RNAi(例えば、siRNA、miRNA、shRNAなど)、gRNA、mRNA、DNA、DNAプラスミド、オリゴヌクレオチドおよびその類似体からなる群から選択される。一部の実施形態では、カーゴ分子は、mRNAを含む。一部の実施形態では、カーゴ分子は、RNAi(例えば、siRNA、miRNA、shRNAなど)を含むまたはそれをさらに含む。一部の実施形態では、核酸は、mRNAおよびRNAiを含み、mRNAは、疾患または状態を処置するための治療用タンパク質をコードするものであり、RNAiは、RNAを標的とするものであり、当該RNAの発現は、疾患または状態に関連付けられる。一部の実施形態では、細胞透過性ペプチドの核酸に対するモル比は、約1:1から約100:1の間(例えば、およそ約1:1から約50:1、または約20:1の間など)である。
【0077】
一部の実施形態では、カーゴ分子を細胞内送達するためのカーゴ送達複合体であって、細胞透過性ペプチドおよびカーゴ分子を含み、細胞透過性ペプチドが、配列番号85または86の配列を含むレトロインベルソペプチドであり、カーゴ分子が、ウイルスを含まない、複合体が提供される。一部の実施形態では、カーゴ分子は、核酸、ポリペプチド、タンパク質/核酸複合体、ウイルス様粒子、およびタンパク質複合体およびタンパク質複合体からなる群から選択される。一部の実施形態では、カーゴ分子は、核酸を含む。一部の実施形態では、核酸は、RNAi(例えば、siRNA、miRNA、shRNAなど)、gRNA、mRNA、DNA、DNAプラスミド、オリゴヌクレオチドおよびその類似体からなる群から選択される。一部の実施形態では、カーゴ分子は、mRNAを含む。一部の実施形態では、カーゴ分子は、RNAi(例えば、siRNA、miRNA、shRNAなど)を含むまたはそれをさらに含む。一部の実施形態では、核酸は、mRNAおよびRNAiを含み、mRNAは、疾患または状態を処置するための治療用タンパク質をコードするものであり、RNAiは、RNAを標的とするものであり、当該RNAの発現は、疾患または状態に関連付けられる。一部の実施形態では、細胞透過性ペプチドのカーゴ分子(例えば、核酸など)に対するモル比は、約1:1から約100:1の間(例えば、およそ約1:1から約50:1、または約20:1の間など)である。
【0078】
一部の実施形態では、カーゴ送達複合体の平均直径は、約20nmから約1000nmの間(例えば、約20~約500nm、約50~約400nm、約60~約300nm、約80~約200nm、または約100~約160nmなど)である。
【0079】
一部の実施形態では、細胞透過性ペプチドは、アセチル基、ステアリル基、脂肪酸、コレステロール、核局在化シグナル、核外移行シグナル、抗体またはその抗体断片、ペプチド、多糖、および標的化配列からなる群から選択される1つまたは複数の部分をさらに含み、1つまたは複数の部分は、細胞透過性ペプチドのN末端と共有結合により連結している。一部の実施形態では、1つまたは複数の部分は、細胞透過性ペプチドのN末端とリンカーを介して共有結合により連結している。一部の実施形態では、1つまたは複数の部分は、アセチル基および/またはステアリル基を含む。一部の実施形態では、1つまたは複数の部分は、標的化配列を含む。一部の実施形態では、標的化配列は、細胞透過性ペプチドとリンカーを介して共有結合により連結している。一部の実施形態では、標的化配列は、細胞透過性ペプチドとリンカーを伴わずに共有結合により連結している。
【0080】
一部の実施形態では、ペプチドは、システアミド、システイン、チオール、アミド、必要に応じて置換されているニトリロ三酢酸、カルボキシル、必要に応じて置換されている直鎖状または分枝(ramified)C1~C6アルキル、第一級または第二級アミン、オシド誘導体、脂質、リン脂質、脂肪酸、コレステロール、核局在化シグナル、核外移行シグナル、抗体、多糖および標的化配列からなる群から選択される1つまたは複数の部分をさらに含み、1つまたは複数の部分は、細胞透過性ペプチドのC末端と共有結合により連結している。一部の実施形態では、1つまたは複数の部分は、細胞透過性ペプチドのC末端とリンカーを介して共有結合により連結している。一部の実施形態では、1つまたは複数の部分は、アセチル基および/またはステアリル基を含む。一部の実施形態では、1つまたは複数の部分は、標的化配列を含む。一部の実施形態では、標的化配列は、細胞透過性ペプチドとリンカーを介して共有結合により連結している。一部の実施形態では、標的化配列は、第2の細胞透過性ペプチドとリンカーを伴わずに共有結合により連結している。
【0081】
一部の実施形態では、標的化配列は、GY、YV、VS、SK、GYV、YVS、VSK、GYVS、YVSK、YI、IG、GS、SR、YIG、IGS、GSR、YIGS、およびIGSRからなる群から選択される。一部の実施形態では、標的化配列は、GYVSK、GYVS、YIGS、およびYIGSRからなる群から選択される。
【0082】
一部の実施形態では、本明細書に記載のリンカーは、ポリグリシンリンカーを含む。一部の実施形態では、リンカーは、ベータアラニン、システイン、システアミド橋、ポリグリシン(例えば、G2またはG4など)、PEGリンカー部分、Aun(11-アミノ-ウンデカン酸)、Ava(5-アミノペンタン酸)、およびAhx(アミノカプロン酸)からなる群から選択される。一部の実施形態では、リンカーは、PEGリンカー部分を含む。一部の実施形態では、PEGリンカー部分は、約1~10個(例えば、約1~8個、2~7個、1~5個、または6~10個など)のエチレングリコール単位からなる。一部の実施形態では、PEGリンカー部分の分子量は、約0.05kDa~約0.5kDa(例えば、約0.05~0.1kDa、0.05~0.4kDa、0.1~0.3kDa、0.05~0.25kDa、0.25~0.5kDaなど)である。一部の実施形態では、PEGリンカー部分は、直鎖状PEGである。一部の実施形態では、PEGリンカー部分は、分枝PEGである。一部の実施形態では、リンカーは、β-アラニンを含む。一部の実施形態では、リンカーは、少なくとも約2つ、3つ、または4つのグリシン、必要に応じて連続したグリシンを含む。一部の実施形態では、リンカーは、セリンをさらに含む。一部の実施形態では、リンカーは、GGGGSまたはSGGGG配列を含む。一部の実施形態では、リンカーは、グリシン-β-アラニンモチーフを含む。
シグナル伝達配列(すなわち、標的化部分)を有する細胞透過性ペプチドを含むカーゴ送達複合体
【0083】
一部の実施形態では、a)細胞透過性ペプチドを含むペプチドおよびb)カーゴ分子を含む、カーゴ分子を細胞内送達するためのカーゴ送達複合体であって、ペプチドが、GYVSK、GYVS、YIGS、およびYIGSRからなる群から選択される標的化配列をさらに含む、カーゴ送達複合体が提供される。一部の実施形態では、細胞透過性ペプチドは、PTDに基づくペプチド、両親媒性ペプチド、ポリアルギニンに基づくペプチド、MPGペプチド、CADYペプチド、PEP-1ペプチド、PEP-2ペプチド、またはPEP-3ペプチドである。一部の実施形態では、細胞透過性ペプチドは、CADY、PEP-1ペプチド、PEP-2ペプチド、PEP-3ペプチド、VEPEP-3ペプチド、VEPEP-4ペプチド、VEPEP-5ペプチド、VEPEP-6ペプチド、VEPEP-9ペプチド、およびADGN-100ペプチドからなる群から選択される。一部の実施形態では、カーゴ送達複合体の平均直径は、約20nmから約1000nmの間(例えば、約20~約500nm、約50~約400nm、約60~約300nm、約80~約200nm、または約100~約160nmなど)である。一部の実施形態では、標的化配列は、細胞透過性ペプチドのN末端と共有結合により連結している。一部の実施形態では、標的化配列は、細胞透過性ペプチドのN末端とリンカーを介して共有結合により連結している。一部の実施形態では、リンカーは、ポリグリシンリンカーを含む。一部の実施形態では、リンカーは、ベータアラニン、システイン、システアミド橋、ポリグリシン(例えば、G2またはG4など)、PEGリンカー部分、Aun(11-アミノ-ウンデカン酸)、Ava(5-アミノペンタン酸)、およびAhx(アミノカプロン酸)からなる群から選択される。一部の実施形態では、リンカーは、PEGリンカー部分を含む。一部の実施形態では、PEGリンカー部分は、約1~10個(例えば、約1~8個、2~7個、1~5個、または6~10個など)のエチレングリコール単位からなる。一部の実施形態では、PEGリンカー部分の分子量は、約0.05kDa~約0.5kDa(例えば、約0.05~0.1kDa、0.05~0.4kDa、0.1~0.3kDa、0.05~0.25kDa、0.25~0.5kDaなど)である。一部の実施形態では、PEGリンカー部分は、直鎖状PEGである。一部の実施形態では、PEGリンカー部分は、分枝PEGである。一部の実施形態では、リンカーは、β-アラニンを含む。一部の実施形態では、リンカーは、少なくとも約2つ、3つ、または4つのグリシン、必要に応じて連続したグリシンを含む。一部の実施形態では、リンカーは、セリンをさらに含む。一部の実施形態では、リンカーは、GGGGSまたはSGGGG配列を含む。一部の実施形態では、リンカーは、グリシン-β-アラニンモチーフを含む。一部の実施形態では、標的化配列は、細胞透過性ペプチドのN末端とリンカーを伴わずに共有結合により連結している。一部の実施形態では、ペプチドは、標的化配列のN末端と連結した1つまたは複数の部分をさらに含み、1つまたは複数の部分は、アセチル基およびステアリル基からなる群から選択される。
【0084】
一部の実施形態では、a)細胞透過性ペプチドを含むペプチドおよびb)カーゴ分子を含む、カーゴ分子を細胞内送達するためのカーゴ送達複合体であって、ペプチドが、GYVSK、GYVS、YIGS、およびYIGSRからなる群から選択される標的化配列をさらに含み、カーゴ分子が、ウイルスを含まない、カーゴ送達複合体が提供される。一部の実施形態では、a)細胞透過性ペプチドを含むペプチドおよびb)カーゴ分子を含む、カーゴ分子を細胞内送達するためのカーゴ送達複合体であって、ペプチドが、GYVSK、GYVS、YIGS、およびYIGSRからなる群から選択される標的化配列をさらに含み、カーゴ分子が、核酸、ポリペプチド、タンパク質/核酸複合体、ウイルス様粒子、およびタンパク質複合体からなる群から選択される、カーゴ送達複合体が提供される。一部の実施形態では、細胞透過性ペプチドのカーゴ分子に対するモル比は、約1:1から約100:1の間(例えば、およそ約1:1から約50:1、または約20:1の間など)である。一部の実施形態では、細胞透過性ペプチドは、PTDに基づくペプチド、両親媒性ペプチド、ポリアルギニンに基づくペプチド、MPGペプチド、CADYペプチド、PEP-1ペプチド、PEP-2ペプチド、またはPEP-3ペプチドである。一部の実施形態では、細胞透過性ペプチドは、CADY、PEP-1ペプチド、PEP-2ペプチド、PEP-3ペプチド、VEPEP-3ペプチド、VEPEP-4ペプチド、VEPEP-5ペプチド、VEPEP-6ペプチド、VEPEP-9ペプチド、およびADGN-100ペプチドからなる群から選択される。一部の実施形態では、標的化配列は、細胞透過性ペプチドのN末端と共有結合により連結している。一部の実施形態では、標的化配列は、細胞透過性ペプチドのN末端とリンカーを介して共有結合により連結している。一部の実施形態では、リンカーは、ポリグリシンリンカーを含む。一部の実施形態では、リンカーは、ベータアラニン、システイン、システアミド橋、ポリグリシン(例えば、G2またはG4など)、PEGリンカー部分、Aun(11-アミノ-ウンデカン酸)、Ava(5-アミノペンタン酸)、およびAhx(アミノカプロン酸)からなる群から選択される。一部の実施形態では、リンカーは、PEGリンカー部分を含む。一部の実施形態では、PEGリンカー部分は、約1~10個(例えば、約1~8個、2~7個、1~5個、または6~10個など)のエチレングリコール単位からなる。一部の実施形態では、PEGリンカー部分の分子量は、約0.05kDa~約0.5kDa(例えば、約0.05~0.1kDa、0.05~0.4kDa、0.1~0.3kDa、0.05~0.25kDa、0.25~0.5kDaなど)である。一部の実施形態では、PEGリンカー部分は、直鎖状PEGである。一部の実施形態では、PEGリンカー部分は、分枝PEGである。一部の実施形態では、リンカーは、β-アラニンを含む。一部の実施形態では、リンカーは、少なくとも約2つ、3つ、または4つのグリシン、必要に応じて連続したグリシンを含む。一部の実施形態では、リンカーは、セリンをさらに含む。一部の実施形態では、リンカーは、GGGGSまたはSGGGG配列を含む。一部の実施形態では、リンカーは、グリシン-β-アラニンモチーフを含む。一部の実施形態では、標的化配列は、細胞透過性ペプチドのN末端とリンカーを伴わずに共有結合により連結している。一部の実施形態では、ペプチドは、標的化配列のN末端と連結した1つまたは複数の部分をさらに含み、1つまたは複数の部分は、アセチル基およびステアリル基からなる群から選択される。
【0085】
一部の実施形態では、a)細胞透過性ペプチドを含むペプチドおよびb)カーゴ分子を含む、カーゴ分子を細胞内送達するためのカーゴ送達複合体であって、ペプチドが、GYVSK、GYVS、YIGS、およびYIGSRからなる群から選択される標的化配列をさらに含み、カーゴ分子が、核酸である、カーゴ送達複合体が提供される。一部の実施形態では、核酸は、iRNA(例えば、siRNA、miRNA、またはshRNAなど)、gRNA、mRNA、DNA、DNA、DNAプラスミド、オリゴヌクレオチドおよびその類似体からなる群から選択される。一部の実施形態では、核酸は、mRNAを含む。一部の実施形態では、核酸は、RNAiを含むまたはそれをさらに含む。一部の実施形態では、核酸は、mRNAおよびRNAiを含み、mRNAは、疾患または状態を処置するための治療用タンパク質をコードするものであり、RNAiは、RNAを標的とするものであり、当該RNAの発現は、疾患または状態に関連付けられる。一部の実施形態では、核酸は、DNAプラスミドである。一部の実施形態では、細胞透過性ペプチドの核酸に対するモル比は、約1:1から約100:1の間(例えば、およそ約1:1から約50:1、または約20:1の間など)である。一部の実施形態では、細胞透過性ペプチドは、PTDに基づくペプチド、両親媒性ペプチド、ポリアルギニンに基づくペプチド、MPGペプチド、CADYペプチド、PEP-1ペプチド、PEP-2ペプチド、またはPEP-3ペプチドである。一部の実施形態では、細胞透過性ペプチドは、CADY、PEP-1ペプチド、PEP-2ペプチド、PEP-3ペプチド、VEPEP-3ペプチド、VEPEP-4ペプチド、VEPEP-5ペプチド、VEPEP-6ペプチド、VEPEP-9ペプチド、およびADGN-100ペプチドからなる群から選択される。一部の実施形態では、標的化配列は、細胞透過性ペプチドのN末端と共有結合により連結している。一部の実施形態では、標的化配列は、細胞透過性ペプチドのN末端とリンカーを介して共有結合により連結している。一部の実施形態では、リンカーは、ポリグリシンリンカーを含む。一部の実施形態では、リンカーは、ベータアラニン、システイン、システアミド橋、ポリグリシン(例えば、G2またはG4など)、PEGリンカー部分、Aun(11-アミノ-ウンデカン酸)、Ava(5-アミノペンタン酸)、およびAhx(アミノカプロン酸)からなる群から選択される。一部の実施形態では、リンカーは、PEGリンカー部分を含む。一部の実施形態では、PEGリンカー部分は、約1~10個(例えば、約1~8個、2~7個、1~5個、または6~10個など)のエチレングリコール単位からなる。一部の実施形態では、PEGリンカー部分の分子量は、約0.05kDa~約0.5kDa(例えば、約0.05~0.1kDa、0.05~0.4kDa、0.1~0.3kDa、0.05~0.25kDa、0.25~0.5kDaなど)である。一部の実施形態では、PEGリンカー部分は、直鎖状PEGである。一部の実施形態では、PEGリンカー部分は、分枝PEGである。一部の実施形態では、リンカーは、β-アラニンを含む。一部の実施形態では、リンカーは、少なくとも約2つ、3つ、または4つのグリシン、必要に応じて連続したグリシンを含む。一部の実施形態では、リンカーは、セリンをさらに含む。一部の実施形態では、リンカーは、GGGGSまたはSGGGG配列を含む。一部の実施形態では、リンカーは、グリシン-β-アラニンモチーフを含む。一部の実施形態では、標的化配列は、細胞透過性ペプチドのN末端とリンカーを伴わずに共有結合により連結している。一部の実施形態では、ペプチドは、標的化配列のN末端と連結した1つまたは複数の部分をさらに含み、1つまたは複数の部分は、アセチル基およびステアリル基からなる群から選択される。
【0086】
一部の実施形態では、a)細胞透過性ペプチドを含むペプチドおよびb)カーゴ分子を含む、カーゴ分子を細胞内送達するためのカーゴ送達複合体であって、ペプチドが、GYVSK、GYVS、YIGS、およびYIGSRからなる群から選択される標的化配列をさらに含み、細胞透過性ペプチドが、ADGN-100ペプチドであり、カーゴ分子が、ウイルスを含まない、カーゴ送達複合体が提供される。一部の実施形態では、a)細胞透過性ペプチドを含むペプチドおよびb)カーゴ分子を含む、カーゴ分子を細胞内送達するためのカーゴ送達複合体であって、ペプチドが、GYVSK、GYVS、YIGS、およびYIGSRからなる群から選択される標的化配列をさらに含み、細胞透過性ペプチドが、ADGN-100ペプチドであり、カーゴ分子が、核酸、ポリペプチド、タンパク質/核酸複合体、ウイルス様粒子、およびタンパク質複合体からなる群から選択される、カーゴ送達複合体が提供される。一部の実施形態では、a)細胞透過性ペプチドを含むペプチドおよびb)カーゴ分子を含む、カーゴ分子を細胞内送達するためのカーゴ送達複合体であって、ペプチドが、GYVSK、GYVS、YIGS、およびYIGSRからなる群から選択される標的化配列をさらに含み、細胞透過性ペプチドが、ADGN-100ペプチドであり、カーゴ分子が、核酸である、カーゴ送達複合体が提供される。一部の実施形態では、核酸は、iRNA(例えば、siRNA、miRNA、またはshRNAなど)、gRNA、mRNA、DNA、DNA、DNAプラスミド、オリゴヌクレオチドおよびその類似体からなる群から選択される。一部の実施形態では、核酸は、mRNAを含む。一部の実施形態では、核酸は、RNAiを含むまたはそれをさらに含む。一部の実施形態では、核酸は、mRNAおよびRNAiを含み、mRNAは、疾患または状態を処置するための治療用タンパク質をコードするものであり、RNAiは、RNAを標的とするものであり、当該RNAの発現は、疾患または状態に関連付けられる。一部の実施形態では、核酸は、DNAプラスミドである。一部の実施形態では、細胞透過性ペプチドの核酸に対するモル比は、約1:1から約100:1の間(例えば、およそ約1:1から約50:1、または約20:1の間など)である。一部の実施形態では、ADGN-100ペプチドは、配列番号53~70、79、80、86~91、101~104、106、110~112、および121~128からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、標的化配列は、細胞透過性ペプチドのN末端と共有結合により連結している。一部の実施形態では、標的化配列は、細胞透過性ペプチドのN末端とリンカーを介して共有結合により連結している。一部の実施形態では、リンカーは、ポリグリシンリンカーを含む。一部の実施形態では、リンカーは、ベータアラニン、システイン、システアミド橋、ポリグリシン(例えば、G2またはG4など)、PEGリンカー部分、Aun(11-アミノ-ウンデカン酸)、Ava(5-アミノペンタン酸)、およびAhx(アミノカプロン酸)からなる群から選択される。一部の実施形態では、リンカーは、PEGリンカー部分を含む。一部の実施形態では、PEGリンカー部分は、約1~10個(例えば、約1~8個、2~7個、1~5個、または6~10個など)のエチレングリコール単位からなる。一部の実施形態では、PEGリンカー部分の分子量は、約0.05kDa~約0.5kDa(例えば、約0.05~0.1kDa、0.05~0.4kDa、0.1~0.3kDa、0.05~0.25kDa、0.25~0.5kDaなど)である。一部の実施形態では、PEGリンカー部分は、直鎖状PEGである。一部の実施形態では、PEGリンカー部分は、分枝PEGである。一部の実施形態では、リンカーは、β-アラニンを含む。一部の実施形態では、リンカーは、少なくとも約2つ、3つ、または4つのグリシン、必要に応じて連続したグリシンを含む。一部の実施形態では、リンカーは、セリンをさらに含む。一部の実施形態では、リンカーは、GGGGSまたはSGGGG配列を含む。一部の実施形態では、リンカーは、グリシン-β-アラニンモチーフを含む。一部の実施形態では、標的化配列は、細胞透過性ペプチドのN末端とリンカーを伴わずに共有結合により連結している。一部の実施形態では、ペプチドは、標的化配列のN末端と連結した1つまたは複数の部分をさらに含み、1つまたは複数の部分は、アセチル基およびステアリル基からなる群から選択される。
【0087】
一部の実施形態では、a)細胞透過性ペプチドを含むペプチドおよびb)カーゴ分子を含む、カーゴ分子を細胞内送達するためのカーゴ送達複合体であって、ペプチドが、GYVSK、GYVS、YIGS、およびYIGSRからなる群から選択される標的化配列をさらに含み、細胞透過性ペプチドが、VEPEP-3ペプチドであり、カーゴ分子が、ウイルスを含まない、カーゴ送達複合体が提供される。一部の実施形態では、a)細胞透過性ペプチドを含むペプチドおよびb)カーゴ分子を含む、カーゴ分子を細胞内送達するためのカーゴ送達複合体であって、ペプチドが、GYVSK、GYVS、YIGS、およびYIGSRからなる群から選択される標的化配列をさらに含み、細胞透過性ペプチドが、VEPEP-3ペプチドであり、カーゴ分子が、核酸、ポリペプチド、タンパク質/核酸複合体、ウイルス様粒子、およびタンパク質複合体からなる群から選択される、カーゴ送達複合体が提供される。一部の実施形態では、a)細胞透過性ペプチドを含むペプチドおよびb)カーゴ分子を含む、カーゴ分子を細胞内送達するためのカーゴ送達複合体であって、ペプチドが、GYVSK、GYVS、YIGS、およびYIGSRからなる群から選択される標的化配列をさらに含み、細胞透過性ペプチドが、VEPEP-3ペプチドであり、カーゴ分子が、核酸である、カーゴ送達複合体が提供される。一部の実施形態では、核酸は、iRNA(例えば、siRNA、miRNA、またはshRNAなど)、gRNA、mRNA、DNA、DNA、DNAプラスミド、オリゴヌクレオチドおよびその類似体からなる群から選択される。一部の実施形態では、核酸は、mRNAを含む。一部の実施形態では、核酸は、RNAiを含むまたはそれをさらに含む。一部の実施形態では、核酸は、mRNAおよびRNAiを含み、mRNAは、疾患または状態を処置するための治療用タンパク質をコードするものであり、RNAiは、RNAを標的とするものであり、当該RNAの発現は、疾患または状態に関連付けられる。一部の実施形態では、核酸は、DNAプラスミドである。一部の実施形態では、細胞透過性ペプチドの核酸に対するモル比は、約1:1から約100:1の間(例えば、およそ約1:1から約50:1、または約20:1の間など)である。一部の実施形態では、VEPEP-3ペプチドは、配列番号1~14、75、76、および113~115からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、標的化配列は、細胞透過性ペプチドのN末端と共有結合により連結している。一部の実施形態では、標的化配列は、細胞透過性ペプチドのN末端とリンカーを介して共有結合により連結している。一部の実施形態では、リンカーは、ポリグリシンリンカーを含む。一部の実施形態では、リンカーは、ベータアラニン、システイン、システアミド橋、ポリグリシン(例えば、G2またはG4など)、PEGリンカー部分、Aun(11-アミノ-ウンデカン酸)、Ava(5-アミノペンタン酸)、およびAhx(アミノカプロン酸)からなる群から選択される。一部の実施形態では、リンカーは、PEGリンカー部分を含む。一部の実施形態では、PEGリンカー部分は、約1~10個(例えば、約1~8個、2~7個、1~5個、または6~10個など)のエチレングリコール単位からなる。一部の実施形態では、PEGリンカー部分の分子量は、約0.05kDa~約0.5kDa(例えば、約0.05~0.1kDa、0.05~0.4kDa、0.1~0.3kDa、0.05~0.25kDa、0.25~0.5kDaなど)である。一部の実施形態では、PEGリンカー部分は、直鎖状PEGである。一部の実施形態では、PEGリンカー部分は、分枝PEGである。一部の実施形態では、リンカーは、β-アラニンを含む。一部の実施形態では、リンカーは、少なくとも約2つ、3つ、または4つのグリシン、必要に応じて連続したグリシンを含む。一部の実施形態では、リンカーは、セリンをさらに含む。一部の実施形態では、リンカーは、GGGGSまたはSGGGG配列を含む。一部の実施形態では、リンカーは、グリシン-β-アラニンモチーフを含む。一部の実施形態では、標的化配列は、細胞透過性ペプチドのN末端とリンカーを伴わずに共有結合により連結している。一部の実施形態では、ペプチドは、標的化配列のN末端と連結した1つまたは複数の部分をさらに含み、1つまたは複数の部分は、アセチル基およびステアリル基からなる群から選択される。
【0088】
一部の実施形態では、a)細胞透過性ペプチドを含むペプチドおよびb)カーゴ分子を含む、カーゴ分子を細胞内送達するためのカーゴ送達複合体であって、ペプチドが、GYVSK、GYVS、YIGS、およびYIGSRからなる群から選択される標的化配列をさらに含み、細胞透過性ペプチドが、VEPEP-6ペプチドであり、カーゴ分子が、ウイルスを含まない、カーゴ送達複合体が提供される。一部の実施形態では、a)細胞透過性ペプチドを含むペプチドおよびb)カーゴ分子を含む、カーゴ分子を細胞内送達するためのカーゴ送達複合体であって、ペプチドが、GYVSK、GYVS、YIGS、およびYIGSRからなる群から選択される標的化配列をさらに含み、細胞透過性ペプチドが、VEPEP-6ペプチドであり、カーゴ分子が、核酸、ポリペプチド、タンパク質/核酸複合体、ウイルス様粒子、およびタンパク質複合体からなる群から選択される、カーゴ送達複合体が提供される。一部の実施形態では、a)細胞透過性ペプチドを含むペプチドおよびb)カーゴ分子を含む、カーゴ分子を細胞内送達するためのカーゴ送達複合体であって、ペプチドが、GYVSK、GYVS、YIGS、およびYIGSRからなる群から選択される標的化配列をさらに含み、細胞透過性ペプチドが、VEPEP-6ペプチドであり、カーゴ分子が、核酸である、カーゴ送達複合体が提供される。一部の実施形態では、VEPEP-6ペプチドは、配列番号15~40、77、85、92~100、105、107~109、および129~139からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、核酸は、iRNA(例えば、siRNA、miRNA、またはshRNAなど)、gRNA、mRNA、DNA、DNA、DNAプラスミド、オリゴヌクレオチドおよびその類似体からなる群から選択される。一部の実施形態では、核酸は、mRNAを含む。一部の実施形態では、核酸は、RNAiを含むまたはそれをさらに含む。一部の実施形態では、核酸は、mRNAおよびRNAiを含み、mRNAは、疾患または状態を処置するための治療用タンパク質をコードするものであり、RNAiは、RNAを標的とするものであり、当該RNAの発現は、疾患または状態に関連付けられる。一部の実施形態では、核酸は、DNAプラスミドである。一部の実施形態では、細胞透過性ペプチドの核酸に対するモル比は、約1:1から約100:1の間(例えば、およそ約1:1から約50:1、または約20:1の間など)である。一部の実施形態では、標的化配列は、細胞透過性ペプチドのN末端と共有結合により連結している。一部の実施形態では、標的化配列は、細胞透過性ペプチドのN末端とリンカーを介して共有結合により連結している。一部の実施形態では、リンカーは、ポリグリシンリンカーを含む。一部の実施形態では、リンカーは、ベータアラニン、システイン、システアミド橋、ポリグリシン(例えば、G2またはG4など)、PEGリンカー部分、Aun(11-アミノ-ウンデカン酸)、Ava(5-アミノペンタン酸)、およびAhx(アミノカプロン酸)からなる群から選択される。一部の実施形態では、リンカーは、PEGリンカー部分を含む。一部の実施形態では、PEGリンカー部分は、約1~10個(例えば、約1~8個、2~7個、1~5個、または6~10個など)のエチレングリコール単位からなる。一部の実施形態では、PEGリンカー部分の分子量は、約0.05kDa~約0.5kDa(例えば、約0.05~0.1kDa、0.05~0.4kDa、0.1~0.3kDa、0.05~0.25kDa、0.25~0.5kDaなど)である。一部の実施形態では、PEGリンカー部分は、直鎖状PEGである。一部の実施形態では、PEGリンカー部分は、分枝PEGである。一部の実施形態では、リンカーは、β-アラニンを含む。一部の実施形態では、リンカーは、少なくとも約2つ、3つ、または4つのグリシン、必要に応じて連続したグリシンを含む。一部の実施形態では、リンカーは、セリンをさらに含む。一部の実施形態では、リンカーは、GGGGSまたはSGGGG配列を含む。一部の実施形態では、リンカーは、グリシン-β-アラニンモチーフを含む。一部の実施形態では、標的化配列は、細胞透過性ペプチドのN末端とリンカーを伴わずに共有結合により連結している。一部の実施形態では、ペプチドは、標的化配列のN末端と連結した1つまたは複数の部分をさらに含み、1つまたは複数の部分は、アセチル基およびステアリル基からなる群から選択される。
【0089】
一部の実施形態では、a)細胞透過性ペプチドを含むペプチドおよびb)カーゴ分子を含む、カーゴ分子を細胞内送達するためのカーゴ送達複合体であって、ペプチドが、GYVSK、GYVS、YIGS、およびYIGSRからなる群から選択される標的化配列をさらに含み、細胞透過性ペプチドが、VEPEP-9ペプチドであり、カーゴ分子が、ウイルスを含まない、カーゴ送達複合体が提供される。一部の実施形態では、a)細胞透過性ペプチドを含むペプチドおよびb)カーゴ分子を含む、カーゴ分子を細胞内送達するためのカーゴ送達複合体であって、ペプチドが、GYVSK、GYVS、YIGS、およびYIGSRからなる群から選択される標的化配列をさらに含み、細胞透過性ペプチドが、VEPEP-9ペプチドであり、カーゴ分子が、核酸、ポリペプチド、タンパク質/核酸複合体、ウイルス様粒子、およびタンパク質複合体からなる群から選択される、カーゴ送達複合体が提供される。一部の実施形態では、a)細胞透過性ペプチドを含むペプチドおよびb)カーゴ分子を含む、カーゴ分子を細胞内送達するためのカーゴ送達複合体であって、ペプチドが、GYVSK、GYVS、YIGS、およびYIGSRからなる群から選択される標的化配列をさらに含み、細胞透過性ペプチドが、VEPEP-9ペプチドであり、カーゴ分子が、核酸である、カーゴ送達複合体が提供される。一部の実施形態では、VEPEP-9ペプチドは、配列番号41~52、78、および116~120からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、核酸は、iRNA(例えば、siRNA、miRNA、またはshRNAなど)、gRNA、mRNA、DNA、DNA、DNAプラスミド、オリゴヌクレオチドおよびその類似体からなる群から選択される。一部の実施形態では、核酸は、mRNAを含む。一部の実施形態では、核酸は、RNAiを含むまたはそれをさらに含む。一部の実施形態では、核酸は、mRNAおよびRNAiを含み、mRNAは、疾患または状態を処置するための治療用タンパク質をコードするものであり、RNAiは、RNAを標的とするものであり、当該RNAの発現は、疾患または状態に関連付けられる。一部の実施形態では、核酸は、DNAプラスミドである。一部の実施形態では、細胞透過性ペプチドの核酸に対するモル比は、約1:1から約100:1の間(例えば、およそ約1:1から約50:1、または約20:1の間など)である。一部の実施形態では、標的化配列は、細胞透過性ペプチドのN末端と共有結合により連結している。一部の実施形態では、標的化配列は、細胞透過性ペプチドのN末端とリンカーを介して共有結合により連結している。一部の実施形態では、リンカーは、ポリグリシンリンカーを含む。一部の実施形態では、リンカーは、ベータアラニン、システイン、システアミド橋、ポリグリシン(例えば、G2またはG4など)、PEGリンカー部分、Aun(11-アミノ-ウンデカン酸)、Ava(5-アミノペンタン酸)、およびAhx(アミノカプロン酸)からなる群から選択される。一部の実施形態では、リンカーは、PEGリンカー部分を含む。一部の実施形態では、PEGリンカー部分は、約1~10個(例えば、約1~8個、2~7個、1~5個、または6~10個など)のエチレングリコール単位からなる。一部の実施形態では、PEGリンカー部分の分子量は、約0.05kDa~約0.5kDa(例えば、約0.05~0.1kDa、0.05~0.4kDa、0.1~0.3kDa、0.05~0.25kDa、0.25~0.5kDaなど)である。一部の実施形態では、PEGリンカー部分は、直鎖状PEGである。一部の実施形態では、PEGリンカー部分は、分枝PEGである。一部の実施形態では、リンカーは、β-アラニンを含む。一部の実施形態では、リンカーは、少なくとも約2つ、3つ、または4つのグリシン、必要に応じて連続したグリシンを含む。一部の実施形態では、リンカーは、セリンをさらに含む。一部の実施形態では、リンカーは、GGGGSまたはSGGGG配列を含む。一部の実施形態では、リンカーは、グリシン-β-アラニンモチーフを含む。一部の実施形態では、標的化配列は、細胞透過性ペプチドのN末端とリンカーを伴わずに共有結合により連結している。一部の実施形態では、ペプチドは、標的化配列のN末端と連結した1つまたは複数の部分をさらに含み、1つまたは複数の部分は、アセチル基およびステアリル基からなる群から選択される。
【0090】
一部の実施形態では、a)細胞透過性ペプチドを含むペプチドおよびb)カーゴ分子を含む、カーゴ分子を細胞内送達するためのカーゴ送達複合体であって、ペプチドが、YIGSRの配列を含む標的化配列をさらに含み、標的化配列が、細胞透過性ペプチドのN末端とリンカーを伴わずに共有結合により連結している、カーゴ送達複合体が提供される。一部の実施形態では、ペプチドは、標的化配列のN末端と連結したアセチル基をさらに含む。一部の実施形態では、細胞透過性ペプチドは、ADGN-100ペプチドまたはVEPEP-6ペプチドである。一部の実施形態では、カーゴ分子は、ウイルスを含まない。一部の実施形態では、カーゴ分子は、核酸、ポリペプチド、タンパク質/核酸複合体、ウイルス様粒子、およびタンパク質複合体からなる群から選択される。一部の実施形態では、カーゴ分子は、siRNA、miRNA、shRNA、gRNA、mRNA、DNA、DNAプラスミド、オリゴヌクレオチドおよびその類似体からなる群から選択される核酸である。
【0091】
一部の実施形態では、a)細胞透過性ペプチドを含むペプチドおよびb)カーゴ分子を含む、カーゴ分子を細胞内送達するためのカーゴ送達複合体であって、ペプチドが、YIGSRの配列を含む標的化配列をさらに含み、標的化配列が、細胞透過性ペプチドのN末端とリンカーを介して共有結合により連結しており、リンカーが、少なくとも約2つ、3つ、または4つのグリシンを含む、カーゴ送達複合体が提供される。一部の実施形態では、リンカーは、2つ、3つまたは4つのグリシンからなる。一部の実施形態では、ペプチドは、標的化配列のN末端と連結したアセチル基をさらに含む。一部の実施形態では、細胞透過性ペプチドは、ADGN-100ペプチドまたはVEPEP-6ペプチドである。一部の実施形態では、カーゴ分子は、ウイルスを含まない。一部の実施形態では、カーゴ分子は、核酸、ポリペプチド、タンパク質/核酸複合体、ウイルス様粒子、およびタンパク質複合体からなる群から選択される。一部の実施形態では、カーゴ分子は、siRNA、miRNA、shRNA、gRNA、mRNA、DNA、DNAプラスミド、オリゴヌクレオチドおよびその類似体からなる群から選択される核酸である。
【0092】
一部の実施形態では、a)細胞透過性ペプチドを含むペプチドおよびb)カーゴ分子を含む、カーゴ分子を細胞内送達するためのカーゴ送達複合体であって、ペプチドが、GYVSの配列を含む標的化配列をさらに含み、標的化配列が、細胞透過性ペプチドのN末端とリンカーを介して共有結合により連結しており、リンカーが、少なくとも約2つ、3つ、または4つのグリシンを含む、カーゴ送達複合体が提供される。一部の実施形態では、リンカーは、2つ、3つまたは4つのグリシンからなる。一部の実施形態では、ペプチドは、標的化配列のN末端と連結したアセチル基をさらに含む。一部の実施形態では、細胞透過性ペプチドは、ADGN-100ペプチドまたはVEPEP-6ペプチドである。一部の実施形態では、カーゴ分子は、ウイルスを含まない。一部の実施形態では、カーゴ分子は、核酸、ポリペプチド、タンパク質/核酸複合体、ウイルス様粒子、およびタンパク質複合体からなる群から選択される。一部の実施形態では、カーゴ分子は、siRNA、miRNA、shRNA、gRNA、mRNA、DNA、DNAプラスミド、オリゴヌクレオチドおよびその類似体からなる群から選択される核酸である。
【0093】
一部の実施形態では、a)細胞透過性ペプチドを含むペプチドおよびb)カーゴ分子を含む、カーゴ分子を細胞内送達するためのカーゴ送達複合体であって、ペプチドが、YIGSRの配列を含む標的化配列をさらに含み、標的化配列が、細胞透過性ペプチドのN末端とリンカーを介して共有結合により連結しており、リンカーが、Ava(5-アミノペンタン酸)部分を含む、カーゴ送達複合体が提供される。一部の実施形態では、Ava部分は、メチレン基(すなわち、CH2)をさらに含む。一部の実施形態では、Ava部分は、少なくとも約2個のCH2を含む。一部の実施形態では、Ava部分は、2個のCH2を有する。一部の実施形態では、ペプチドは、標的化配列のN末端と連結したアセチル基をさらに含む。一部の実施形態では、細胞透過性ペプチドは、ADGN-100ペプチドまたはVEPEP-6ペプチドである。一部の実施形態では、カーゴ分子は、ウイルスを含まない。一部の実施形態では、カーゴ分子は、核酸、ポリペプチド、タンパク質/核酸複合体、ウイルス様粒子、およびタンパク質複合体からなる群から選択される。一部の実施形態では、カーゴ分子は、siRNA、miRNA、shRNA、gRNA、mRNA、DNA、DNAプラスミド、オリゴヌクレオチドおよびその類似体からなる群から選択される核酸である。
【0094】
一部の実施形態では、a)細胞透過性ペプチドを含むペプチドおよびb)カーゴ分子を含む、カーゴ分子を細胞内送達するためのカーゴ送達複合体であって、ペプチドが、GYVSの配列を含む標的化配列をさらに含み、標的化配列が、細胞透過性ペプチドのN末端とリンカーを介して共有結合により連結しており、リンカーが、Ava(5-アミノペンタン酸)部分を含む、カーゴ送達複合体が提供される。一部の実施形態では、Ava部分は、メチレン基(すなわち、CH2)をさらに含む。一部の実施形態では、Ava部分は、少なくとも約2個のCH2を含む。一部の実施形態では、Ava部分は、2個のCH2を有する。一部の実施形態では、ペプチドは、標的化配列のN末端と連結したアセチル基をさらに含む。一部の実施形態では、細胞透過性ペプチドは、ADGN-100ペプチドまたはVEPEP-6ペプチドである。一部の実施形態では、カーゴ分子は、ウイルスを含まない。一部の実施形態では、カーゴ分子は、核酸、ポリペプチド、タンパク質/核酸複合体、ウイルス様粒子、およびタンパク質複合体からなる群から選択される。一部の実施形態では、カーゴ分子は、siRNA、miRNA、shRNA、gRNA、mRNA、DNA、DNAプラスミド、オリゴヌクレオチドおよびその類似体からなる群から選択される核酸である。
【0095】
一部の実施形態では、a)細胞透過性ペプチドを含むペプチドおよびb)カーゴ分子を含む、カーゴ分子を細胞内送達するためのカーゴ送達複合体であって、ペプチドが、YIGSRの配列を含む標的化配列をさらに含み、標的化配列が、細胞透過性ペプチドのN末端とリンカーを介して共有結合により連結しており、リンカーが、Aun(11-アミノ-ウンデカン酸)部分を含む、カーゴ送達複合体が提供される。一部の実施形態では、Ava部分は、メチレン基(すなわち、CH2)をさらに含む。一部の実施形態では、Ava部分は、少なくとも1個(例えば、少なくとも2個、3個、4個、5個または6個など)のCH2を含む。一部の実施形態では、Ava部分は、CH2を約1~10個(例えば、約4~8個、約5~7個、または6個など)含む。一部の実施形態では、ペプチドは、標的化配列のN末端と連結したアセチル基をさらに含む。一部の実施形態では、細胞透過性ペプチドは、ADGN-100ペプチドまたはVEPEP-6ペプチドである。一部の実施形態では、カーゴ分子は、ウイルスを含まない。一部の実施形態では、カーゴ分子は、核酸、ポリペプチド、タンパク質/核酸複合体、ウイルス様粒子、およびタンパク質複合体からなる群から選択される。一部の実施形態では、カーゴ分子は、siRNA、miRNA、shRNA、gRNA、mRNA、DNA、DNAプラスミド、オリゴヌクレオチドおよびその類似体からなる群から選択される核酸である。
【0096】
一部の実施形態では、a)細胞透過性ペプチドを含むペプチドおよびb)カーゴ分子を含む、カーゴ分子を細胞内送達するためのカーゴ送達複合体であって、ペプチドが、GYVSの配列を含む標的化配列をさらに含み、標的化配列が、細胞透過性ペプチドのN末端とリンカーを介して共有結合により連結しており、リンカーが、Aun(11-アミノ-ウンデカン酸)部分を含む、カーゴ送達複合体が提供される。一部の実施形態では、Ava部分は、メチレン基(すなわち、CH2)をさらに含む。一部の実施形態では、Ava部分は、少なくとも1個(例えば、少なくとも2個、3個、4個、5個または6個など)のCH2を含む。一部の実施形態では、Ava部分は、CH2を約1~10個(例えば、約4~8個、約5~7個、または6個など)含む。一部の実施形態では、ペプチドは、標的化配列のN末端と連結したアセチル基をさらに含む。一部の実施形態では、細胞透過性ペプチドは、ADGN-100ペプチドまたはVEPEP-6ペプチドである。一部の実施形態では、カーゴ分子は、ウイルスを含まない。一部の実施形態では、カーゴ分子は、核酸、ポリペプチド、タンパク質/核酸複合体、ウイルス様粒子、およびタンパク質複合体からなる群から選択される。一部の実施形態では、カーゴ分子は、siRNA、miRNA、shRNA、gRNA、mRNA、DNA、DNAプラスミド、オリゴヌクレオチドおよびその類似体からなる群から選択される核酸である。
【0097】
一部の実施形態では、a)細胞透過性ペプチドを含むペプチドおよびb)カーゴ分子を含む、カーゴ分子を細胞内送達するためのカーゴ送達複合体であって、ペプチドが、GYVSまたはYIGSRの配列を含む標的化配列をさらに含み、標的化配列が、細胞透過性ペプチドのN末端にPEGリンカー部分を含むリンカーを介して共有結合により連結している、カーゴ送達複合体が提供される。一部の実施形態では、標的化配列は、YIGSRを含む、またはそれからなる。一部の実施形態では、標的化配列は、GYVSを含む、またはそれからなる。一部の実施形態では、PEGリンカー部分は、約1~10個(例えば、約1~8個、2~7個、1~5個、または6~10個など)のエチレングリコール単位からなる。一部の実施形態では、PEGリンカー部分は、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、または10個のエチレングリコール単位からなる。一部の実施形態では、PEGリンカー部分の分子量は、約0.05kDa~約0.5kDa(例えば、約0.05~0.1kDa、0.05~0.4kDa、0.1~0.3kDa、0.05~0.25kDa、0.25~0.5kDaなど)である。一部の実施形態では、PEGリンカー部分は、直鎖状PEGである。一部の実施形態では、PEGリンカー部分は、分枝PEGである。一部の実施形態では、ペプチドは、標的化配列のN末端と連結したアセチル基をさらに含む。一部の実施形態では、細胞透過性ペプチドは、ADGN-100ペプチドまたはVEPEP-6ペプチドである。一部の実施形態では、カーゴ分子は、ウイルスを含まない。一部の実施形態では、カーゴ分子は、核酸、ポリペプチド、タンパク質/核酸複合体、ウイルス様粒子、およびタンパク質複合体からなる群から選択される。一部の実施形態では、カーゴ分子は、siRNA、miRNA、shRNA、gRNA、mRNA、DNA、DNAプラスミド、オリゴヌクレオチドおよびその類似体からなる群から選択される核酸である。
【0098】
一部の実施形態では、a)細胞透過性ペプチドを含むペプチドおよびb)カーゴ分子を含む、カーゴ分子を細胞内送達するためのカーゴ送達複合体であって、ペプチドが、GYVSまたはYIGSRの配列を含む標的化配列をさらに含み、ペプチドが、配列番号88、89、94~99、101~112からなる群から選択される配列を含む、カーゴ送達複合体が提供される。
【0099】
一部の実施形態では、a)細胞透過性ペプチドを含むペプチドおよびb)カーゴ分子を含む、カーゴ分子を細胞内送達するためのカーゴ送達複合体であって、ペプチドが、SYTSSTMの配列を含む標的化配列をさらに含み、標的化配列が、細胞透過性ペプチドのN末端と共有結合により連結している、カーゴ送達複合体が提供される。一部の実施形態では、ペプチドは、標的化配列のN末端と連結したアセチル基をさらに含む。一部の実施形態では、標的化配列は、細胞透過性ペプチドのN末端とリンカー部分を介して連結している。一部の実施形態では、リンカー部分は、ベータアラニン、システイン、システアミド橋、ポリグリシン(例えば、G2またはG4など)、PEGリンカー部分、Aun(11-アミノ-ウンデカン酸)、Ava(5-アミノペンタン酸)、およびAhx(アミノカプロン酸)からなる群から選択される。一部の実施形態では、細胞透過性ペプチドは、ADGN-100ペプチドまたはVEPEP-6ペプチドである。一部の実施形態では、ADGN-100ペプチドは、配列番号53~70、79、80、86~91、101~104、106、110~112、および121~128からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、VEPEP-6ペプチドは、配列番号15~40、77、85、92~100、105、107~109、および129~139からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、細胞透過性ペプチドは、配列番号115、128、131、および132からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、カーゴ分子は、核酸、ポリペプチド、タンパク質/核酸複合体、ウイルス様粒子、およびタンパク質複合体からなる群から選択される。一部の実施形態では、カーゴ分子は、siRNA、miRNA、shRNA、gRNA、mRNA、DNA、DNAプラスミド、オリゴヌクレオチドおよびその類似体からなる群から選択される核酸である。
【0100】
一部の実施形態では、a)細胞透過性ペプチドを含むペプチドおよびb)カーゴ分子を含む、カーゴ分子を細胞内送達するためのカーゴ送達複合体であって、ペプチドが、CKTRRVPの配列を含む標的化配列をさらに含み、標的化配列が、細胞透過性ペプチドのN末端と共有結合により連結している、カーゴ送達複合体が提供される。一部の実施形態では、ペプチドは、標的化配列のN末端と連結したアセチル基をさらに含む。一部の実施形態では、標的化配列は、細胞透過性ペプチドのN末端とリンカー部分を介して連結している。一部の実施形態では、リンカー部分は、ベータアラニン、システイン、システアミド橋、ポリグリシン(例えば、G2またはG4など)、PEGリンカー部分、Aun(11-アミノ-ウンデカン酸)、Ava(5-アミノペンタン酸)、およびAhx(アミノカプロン酸)からなる群から選択される。一部の実施形態では、細胞透過性ペプチドは、ADGN-100ペプチドまたはVEPEP-6ペプチドである。一部の実施形態では、ADGN-100ペプチドは、配列番号53~70、79、80、86~91、101~104、106、110~112、および121~128からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、VEPEP-6ペプチドは、配列番号15~40、77、85、92~100、105、107~109、および129~139からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、細胞透過性ペプチドは、配列番号134または137に記載されているアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、カーゴ分子は、核酸、ポリペプチド、タンパク質/核酸複合体、ウイルス様粒子、およびタンパク質複合体からなる群から選択される。一部の実施形態では、カーゴ分子は、siRNA、miRNA、shRNA、gRNA、mRNA、DNA、DNAプラスミド、オリゴヌクレオチドおよびその類似体からなる群から選択される核酸である。
【0101】
一部の実施形態では、a)細胞透過性ペプチドを含むペプチドおよびb)カーゴ分子を含む、カーゴ分子を細胞内送達するためのカーゴ送達複合体であって、ペプチドが、THRPPNWSPVの配列を含む標的化配列をさらに含み、標的化配列が、細胞透過性ペプチドのN末端と共有結合により連結している、カーゴ送達複合体が提供される。一部の実施形態では、ペプチドは、標的化配列のN末端と連結したアセチル基をさらに含む。一部の実施形態では、標的化配列は、細胞透過性ペプチドのN末端とリンカー部分を介して連結している。一部の実施形態では、リンカー部分は、ベータアラニン、システイン、システアミド橋、ポリグリシン(例えば、G2またはG4など)、PEGリンカー部分、Aun(11-アミノ-ウンデカン酸)、Ava(5-アミノペンタン酸)、およびAhx(アミノカプロン酸)からなる群から選択される。一部の実施形態では、細胞透過性ペプチドは、ADGN-100ペプチドまたはVEPEP-6ペプチドである。一部の実施形態では、ADGN-100ペプチドは、配列番号53~70、79、80、86~91、101~104、106、110~112、および121~128からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、VEPEP-6ペプチドは、配列番号15~40、77、85、92~100、105、107~109、および129~139からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、細胞透過性ペプチドは、配列番号133または138に記載されているアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、カーゴ分子は、核酸、ポリペプチド、タンパク質/核酸複合体、ウイルス様粒子、およびタンパク質複合体からなる群から選択される。一部の実施形態では、カーゴ分子は、siRNA、miRNA、shRNA、gRNA、mRNA、DNA、DNAプラスミド、オリゴヌクレオチドおよびその類似体からなる群から選択される核酸である。
【0102】
一部の実施形態では、a)細胞透過性ペプチドを含むペプチドおよびb)カーゴ分子を含む、カーゴ分子を細胞内送達するためのカーゴ送達複合体であって、ペプチドが、TGNYKALHPDHNGの配列を含む標的化配列をさらに含み、標的化配列が、細胞透過性ペプチドのN末端と共有結合により連結している、カーゴ送達複合体が提供される。一部の実施形態では、ペプチドは、標的化配列のN末端と連結したアセチル基をさらに含む。一部の実施形態では、標的化配列は、細胞透過性ペプチドのN末端とリンカー部分を介して連結している。一部の実施形態では、リンカー部分は、ベータアラニン、システイン、システアミド橋、ポリグリシン(例えば、G2またはG4など)、PEGリンカー部分、Aun(11-アミノ-ウンデカン酸)、Ava(5-アミノペンタン酸)、およびAhx(アミノカプロン酸)からなる群から選択される。一部の実施形態では、細胞透過性ペプチドは、ADGN-100ペプチドまたはVEPEP-6ペプチドである。一部の実施形態では、ADGN-100ペプチドは、配列番号53~70、79、80、86~91、101~104、106、110~112、および121~128からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、VEPEP-6ペプチドは、配列番号15~40、77、85、92~100、105、107~109、および129~139からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、細胞透過性ペプチドは、配列番号122または123に記載されているアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、カーゴ分子は、核酸、ポリペプチド、タンパク質/核酸複合体、ウイルス様粒子、およびタンパク質複合体からなる群から選択される。一部の実施形態では、カーゴ分子は、siRNA、miRNA、shRNA、gRNA、mRNA、DNA、DNAプラスミド、オリゴヌクレオチドおよびその類似体からなる群から選択される核酸である。
【0103】
一部の実施形態では、a)細胞透過性ペプチドを含むペプチドおよびb)カーゴ分子を含む、カーゴ分子を細胞内送達するためのカーゴ送達複合体であって、ペプチドが、CARPARの配列を含む標的化配列をさらに含み、標的化配列が、細胞透過性ペプチドのN末端と共有結合により連結している、カーゴ送達複合体が提供される。一部の実施形態では、ペプチドは、標的化配列のN末端と連結したアセチル基をさらに含む。一部の実施形態では、標的化配列は、細胞透過性ペプチドのN末端とリンカー部分を介して連結している。一部の実施形態では、リンカー部分は、ベータアラニン、システイン、システアミド橋、ポリグリシン(例えば、G2またはG4など)、PEGリンカー部分、Aun(11-アミノ-ウンデカン酸)、Ava(5-アミノペンタン酸)、およびAhx(アミノカプロン酸)からなる群から選択される。一部の実施形態では、細胞透過性ペプチドは、ADGN-100ペプチドまたはVEPEP-6ペプチドである。一部の実施形態では、ADGN-100ペプチドは、配列番号53~70、79、80、86~91、101~104、106、110~112、および121~128からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、VEPEP-6ペプチドは、配列番号15~40、77、85、92~100、105、107~109、および129~139からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、細胞透過性ペプチドは、配列番号121または139に記載されているアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、カーゴ分子は、核酸、ポリペプチド、タンパク質/核酸複合体、ウイルス様粒子、およびタンパク質複合体からなる群から選択される。一部の実施形態では、カーゴ分子は、siRNA、miRNA、shRNA、gRNA、mRNA、DNA、DNAプラスミド、オリゴヌクレオチドおよびその類似体からなる群から選択される核酸である。
【0104】
一部の実施形態では、a)細胞透過性ペプチドを含むペプチドおよびb)カーゴ分子を含む、カーゴ分子を細胞内送達するためのカーゴ送達複合体であって、ペプチドが、ASSLNIAの配列を含む標的化配列をさらに含み、標的化配列が、細胞透過性ペプチドのN末端と共有結合により連結している、カーゴ送達複合体が提供される。一部の実施形態では、ペプチドは、標的化配列のN末端と連結したアセチル基をさらに含む。一部の実施形態では、標的化配列は、細胞透過性ペプチドのN末端とリンカー部分を介して連結している。一部の実施形態では、リンカー部分は、ベータアラニン、システイン、システアミド橋、ポリグリシン(例えば、G2またはG4など)、PEGリンカー部分、Aun(11-アミノ-ウンデカン酸)、Ava(5-アミノペンタン酸)、およびAhx(アミノカプロン酸)からなる群から選択される。一部の実施形態では、細胞透過性ペプチドは、ADGN-100ペプチドまたはVEPEP-6ペプチドである。一部の実施形態では、ADGN-100ペプチドは、配列番号53~70、79、80、86~91、101~104、106、110~112、および121~128からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、VEPEP-6ペプチドは、配列番号15~40、77、85、92~100、105、107~109、および129~139からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、細胞透過性ペプチドは、配列番号113に記載されているアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、カーゴ分子は、核酸、ポリペプチド、タンパク質/核酸複合体、ウイルス様粒子、およびタンパク質複合体からなる群から選択される。一部の実施形態では、カーゴ分子は、siRNA、miRNA、shRNA、gRNA、mRNA、DNA、DNAプラスミド、オリゴヌクレオチドおよびその類似体からなる群から選択される核酸である。
【0105】
一部の実施形態では、a)細胞透過性ペプチドを含むペプチドおよびb)カーゴ分子を含む、カーゴ分子を細胞内送達するためのカーゴ送達複合体であって、ペプチドが、LSSRLDAの配列を含む標的化配列をさらに含み、標的化配列が、細胞透過性ペプチドのN末端と共有結合により連結している、カーゴ送達複合体が提供される。一部の実施形態では、ペプチドは、標的化配列のN末端と連結したアセチル基をさらに含む。一部の実施形態では、標的化配列は、細胞透過性ペプチドのN末端とリンカー部分を介して連結している。一部の実施形態では、リンカー部分は、ベータアラニン、システイン、システアミド橋、ポリグリシン(例えば、G2またはG4など)、PEGリンカー部分、Aun(11-アミノ-ウンデカン酸)、Ava(5-アミノペンタン酸)、およびAhx(アミノカプロン酸)からなる群から選択される。一部の実施形態では、細胞透過性ペプチドは、ADGN-100ペプチドまたはVEPEP-6ペプチドである。一部の実施形態では、ADGN-100ペプチドは、配列番号53~70、79、80、86~91、101~104、106、110~112、および121~128からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、VEPEP-6ペプチドは、配列番号15~40、77、85、92~100、105、107~109、および129~139からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、細胞透過性ペプチドは、配列番号114に記載されているアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、カーゴ分子は、核酸、ポリペプチド、タンパク質/核酸複合体、ウイルス様粒子、およびタンパク質複合体からなる群から選択される。一部の実施形態では、カーゴ分子は、siRNA、miRNA、shRNA、gRNA、mRNA、DNA、DNAプラスミド、オリゴヌクレオチドおよびその類似体からなる群から選択される核酸である。
【0106】
一部の実施形態では、a)細胞透過性ペプチドを含むペプチドおよびb)カーゴ分子を含む、カーゴ分子を細胞内送達するためのカーゴ送達複合体であって、ペプチドが、KSYDTYの配列を含む標的化配列をさらに含み、標的化配列が、細胞透過性ペプチドのN末端と共有結合により連結している、カーゴ送達複合体が提供される。一部の実施形態では、ペプチドは、標的化配列のN末端と連結したアセチル基をさらに含む。一部の実施形態では、標的化配列は、細胞透過性ペプチドのN末端とリンカー部分を介して連結している。一部の実施形態では、リンカー部分は、ベータアラニン、システイン、システアミド橋、ポリグリシン(例えば、G2またはG4など)、PEGリンカー部分、Aun(11-アミノ-ウンデカン酸)、Ava(5-アミノペンタン酸)、およびAhx(アミノカプロン酸)からなる群から選択される。一部の実施形態では、細胞透過性ペプチドは、ADGN-100ペプチドまたはVEPEP-6ペプチドである。一部の実施形態では、ADGN-100ペプチドは、配列番号53~70、79、80、86~91、101~104、106、110~112、および121~128からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、VEPEP-6ペプチドは、配列番号15~40、77、85、92~100、105、107~109、および129~139からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、細胞透過性ペプチドは、配列番号116または119に記載されているアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、カーゴ分子は、核酸、ポリペプチド、タンパク質/核酸複合体、ウイルス様粒子、およびタンパク質複合体からなる群から選択される。一部の実施形態では、カーゴ分子は、siRNA、miRNA、shRNA、gRNA、mRNA、DNA、DNAプラスミド、オリゴヌクレオチドおよびその類似体からなる群から選択される核酸である。
【0107】
一部の実施形態では、a)細胞透過性ペプチドを含むペプチドおよびb)カーゴ分子を含む、カーゴ分子を細胞内送達するためのカーゴ送達複合体であって、ペプチドが、CKRAVの配列を含む標的化配列をさらに含み、標的化配列が、細胞透過性ペプチドのN末端と共有結合により連結している、カーゴ送達複合体が提供される。一部の実施形態では、ペプチドは、標的化配列のN末端と連結したアセチル基をさらに含む。一部の実施形態では、標的化配列は、細胞透過性ペプチドのN末端とリンカー部分を介して連結している。一部の実施形態では、リンカー部分は、ベータアラニン、システイン、システアミド橋、ポリグリシン(例えば、G2またはG4など)、PEGリンカー部分、Aun(11-アミノ-ウンデカン酸)、Ava(5-アミノペンタン酸)、およびAhx(アミノカプロン酸)からなる群から選択される。一部の実施形態では、細胞透過性ペプチドは、ADGN-100ペプチドまたはVEPEP-6ペプチドである。一部の実施形態では、ADGN-100ペプチドは、配列番号53~70、79、80、86~91、101~104、106、110~112、および121~128からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、VEPEP-6ペプチドは、配列番号15~40、77、85、92~100、105、107~109、および129~139からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、細胞透過性ペプチドは、配列番号117に記載されているアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、カーゴ分子は、核酸、ポリペプチド、タンパク質/核酸複合体、ウイルス様粒子、およびタンパク質複合体からなる群から選択される。一部の実施形態では、カーゴ分子は、siRNA、miRNA、shRNA、gRNA、mRNA、DNA、DNAプラスミド、オリゴヌクレオチドおよびその類似体からなる群から選択される核酸である。
【0108】
一部の実施形態では、カーゴ送達複合体の平均直径は、約20nmから約1000nmの間(例えば、約20~約500nm、約50~約400nm、約60~約300nm、約80~約200nm、または約100~約160nmなど)である。
【0109】
一部の実施形態では、細胞透過性ペプチドは、アセチル基、ステアリル基、脂肪酸、コレステロール、核局在化シグナル、核外移行シグナル、抗体またはその抗体断片、ペプチド、および多糖からなる群から選択される1つまたは複数の部分をさらに含み、1つまたは複数の部分は、細胞透過性ペプチドのN末端と共有結合により連結している。一部の実施形態では、1つまたは複数の部分は、細胞透過性ペプチドのN末端に第2のリンカーを介して共有結合により連結している。一部の実施形態では、1つまたは複数の部分は、ステアリル基を含む、またはそれからなる。
【0110】
一部の実施形態では、ペプチドは、システアミド、システイン、チオール、アミド、必要に応じて置換されているニトリロ三酢酸、カルボキシル、必要に応じて置換されている直鎖状または分枝(ramified)C1~C6アルキル、第一級または第二級アミン、オシド誘導体、脂質、リン脂質、脂肪酸、コレステロール、核局在化シグナル、核外移行シグナル、抗体、および多糖からなる群から選択される1つまたは複数の部分をさらに含み、1つまたは複数の部分は、細胞透過性ペプチドのC末端と共有結合により連結している。一部の実施形態では、1つまたは複数の部分は、細胞透過性ペプチドのC末端に第2のリンカーを介して共有結合により連結している。一部の実施形態では、1つまたは複数の部分は、ステアリル基を含む、またはそれからなる。
【0111】
一部の実施形態では、ペプチドは、レトロインベルソペプチドである。一部の実施形態では、レトロインベルソペプチドは、配列番号85または86の配列を含む。
【0112】
一部の実施形態では、ペプチドは、配列番号1~112の配列を含む。
【0113】
一部の実施形態では、本明細書に記載の細胞透過性ペプチドは、1つまたは複数のカーゴ分子と複合体を形成する。一部の実施形態では、細胞透過性ペプチドは、1つまたは複数のカーゴ分子のうちの少なくとも1つと非共有結合により複合体を形成する。一部の実施形態では、細胞透過性ペプチドは、1つまたは複数のカーゴ分子のそれぞれと非共有結合により複合体を形成する。一部の実施形態では、細胞透過性ペプチドは、1つまたは複数のカーゴ分子のうちの少なくとも1つと共有結合により複合体を形成する。一部の実施形態では、細胞透過性ペプチドは、1つまたは複数のカーゴ分子のそれぞれと共有結合により複合体を形成する。
細胞透過性ペプチド
【0114】
細胞透過性ペプチド(CPP)は、ウイルスによらない戦略の有望なものの1つである。CPPの定義は進化し続けているが、タンパク質またはキメラ配列に由来する30アミノ酸未満の短いペプチドと一般に説明される。CPPは、通常、両親媒性であり、正味の正電荷を有する(Langel U (2007) Handbook of Cell-Penetrating Peptides (CRC Taylor & Francis, Boca Raton);Heitz et al. (2009) Br J Pharmacol 157, 195-206)。CPPは、種々の生体分子の細胞膜を横断して細胞質内への移動を誘発するため、およびそれらの細胞内経路設定を改善し、それにより、標的との相互作用を容易にするために、生体膜を透過させることができるものである。CPPは、2つの主要なクラスに細分することができ、第1のクラスはカーゴとの化学的連結を必要とするものであり、第2のクラスは、安定な非共有結合性の複合体の形成を伴うものである。どちらの戦略のCPPも、カーゴの大きなパネル(プラスミドDNA、オリゴヌクレオチド、siRNA、PNA、タンパク質、ペプチド、リポソーム、ナノ粒子...)の多種多様な細胞型およびin vivoモデルへの送達に有利であることが報告されている(Langel U (2007) Handbook of Cell-Penetrating Peptides (CRC Taylor & Francis, Boca Raton);Heitz et al. (2009) Br J Pharmacol 157, 195-206;Mickan et al. (2014) Curr Pharm Biotechnol 15, 200-209;Shukla et al. (2014) Mol Pharm 11, 3395-3408)。
【0115】
タンパク質導入ドメイン(PTD)の概念は、最初に、いくつかのタンパク質、主に転写因子を細胞内におよび1つの細胞から別の細胞にシャトル輸送することができるという観察に基づいて提唱された(総説についてはLangel U (2007) Handbook of Cell-Penetrating Peptides (CRC Taylor & Francis、Boca Raton);Heitz et al. (2009) Br J Pharmacol 157, 195-206を参照されたい)。最初の観察は1988年にFrankelおよびPaboによってなされた。彼らは、HIV-1の転写トランス活性化(Tat)タンパク質が細胞に進入し、核内に場所を移すことができることを示した。1991年に、ProchiantzのグループがDrosophila Antennapediaホメオドメインを用いて同じ結論に達し、このドメインが神経細胞によって内部移行することを実証した。これらの研究は、1994年の最初のタンパク質導入ドメイン:ペネトラチンと名付けられた、アンテナペディアのホメオドメインの第3のへリックスに由来する16merペプチドの発見の原点になった。1997年には、Lebleuのグループにより、細胞内取り込みに必要なTatの最小配列が同定され、Dowdyのグループにより、in vivoにおけるPTDの適用に関する最初の概念実証が小さなペプチドおよび大きなタンパク質の送達に関して報告された(Gump JM, and Dowdy SF (2007) Trends Mol Med 13, 443-448.)。歴史的に、細胞透過性ペプチド(CPP)の概念は1998年にLangelのグループによって導入され、最初のキメラペプチド担体であるトランスポータンが設計され、これは、スズメバチ毒液ペプチドであるマストパランと連結した神経ペプチドであるガラニンのN末端断片に由来するものであった。トランスポータンは元々、培養細胞およびin vivoの両方におけるPNA(ペプチド核酸)の送達を改善するためのものとして報告された(Langel U (2007) Handbook of Cell-Penetrating Peptides (CRC Taylor & Francis, Boca Raton))。1997年に、HeitzおよびDivitaのグループにより、カーゴの安定であるが非共有結合性の複合体の形成にCPPを伴う新しい戦略が提唱された(Morris et al. (1997) Nucleic Acids Res 25, 2730-2736)。この戦略は、まず、2つのドメイン:親水性(極性)ドメインおよび疎水性(無極性)ドメインからなる短いペプチド担体(MPG)に基づくものであった。核酸の送達のためにMPGが設計された。次いで、タンパク質およびペプチドの非共有結合性送達のために、第一次の両親媒性ペプチドPep-1が提唱された(Morris et al. (2001)Nat Biotechnol 19, 1173-1176)。次いで、WenderのグループおよびFutakiのグループにより、小さな分子および大きな分子を細胞内におよびin vivoで駆動するためにはポリアルギニン配列(Arg8)が十分であることが実証された(Nakase et al. (2004)Mol Ther 10, 1011-1022;Rothbard et al. (2004)J Am Chem Soc 126, 9506-9507)。その後ずっと、天然配列または天然でない配列に由来する多くのCPPが同定されており、その一覧は増え続けている。ペプチドは、単純ヘルペスウイルスのVP22タンパク質から、カルシトニンから、抗菌薬または毒素ペプチドから、細胞周期の調節に関与するタンパク質から、ならびにポリプロリンリッチペプチドから引き出されている(Heitz et al. (2009)Br J Pharmacol 157, 195-206)。つい最近、第二次の両親媒性CPPに基づく新しい非共有結合性戦略が記載されている。CADYおよびVEPEP-ファミリーなどのこれらのペプチドは、分子の異なる側面にある親水性残基および疎水性残基を用いてヘリックス形状に自己組織化することができる。WO2014/053879にはVEPEP-3ペプチドが開示されており、WO2014/053881にはVEPEP-4ペプチドが開示されており、WO2014/053882にはVEPEP-5ペプチドが開示されており、WO2012/137150にはVEPEP-6ペプチドが開示されており、WO2014/053880にはVEPEP-9ペプチドが開示されており、WO2016/102687にはADGN-100ペプチドが開示されており、US2010/0099626にはCADYペプチドが開示されており、米国特許第7,514,530号にはMPGペプチドが開示されている;その開示は、これによりそれらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0116】
本発明のカーゴ送達複合体またはナノ粒子内の細胞透過性ペプチドは、種々のカーゴと安定な複合体およびナノ粒子を形成することができるものである。本明細書に記載の任意のカーゴ送達複合体またはナノ粒子の任意の細胞透過性ペプチドは、この節に記載されている任意の細胞透過性ペプチド配列を含み得る、またはそれからなり得る。
【0117】
一部の実施形態では、本明細書に記載のカーゴ送達複合体またはナノ粒子は、CADY、PEP-1、PEP-2、MPG、VEPEP-3ペプチド(本明細書ではADGN-103ペプチドと互換的に使用される)、VEPEP-4ペプチド(本明細書ではADGN-104ペプチドと互換的に使用される)、VEPEP-5ペプチド(本明細書ではADGN-105ペプチドと互換的に使用される)、VEPEP-6ペプチド(本明細書ではADGN-106ペプチドと互換的に使用される)、VEPEP-9ペプチド(本明細書ではADGN-109ペプチドと互換的に使用される)、およびADGN-100ペプチドからなる群から選択される細胞透過性ペプチドを含む。一部の実施形態では、細胞透過性ペプチドは、カーゴ送達複合体内に存在する。一部の実施形態では、細胞透過性ペプチドは、ナノ粒子のコア内に存在するカーゴ送達複合体内に存在する。一部の実施形態では、細胞透過性ペプチドは、ナノ粒子のコア内に存在する。一部の実施形態では、細胞透過性ペプチドは、ナノ粒子のコア内に存在し、カーゴ分子と結び付いている。一部の実施形態では、細胞透過性ペプチドは、ナノ粒子の中間層内に存在する。一部の実施形態では、細胞透過性ペプチドは、ナノ粒子の表層内に存在する。一部の実施形態では、細胞透過性ペプチドは標的化部分と連結している。一部の実施形態では、連結は、共有結合によるものである。一部の実施形態では、共有結合による連結は、化学的カップリングによるものである。一部の実施形態では、共有結合による連結は、遺伝学的方法によるものである。WO2014/053879にはVEPEP-3ペプチドが開示されており、WO2014/053881にはVEPEP-4ペプチドが開示されており、WO2014/053882にはVEPEP-5ペプチドが開示されており、WO2012/137150にはVEPEP-6ペプチドが開示されており、WO2014/053880にはVEPEP-9ペプチドが開示されており、 WO2016/102687にはADGN-100ペプチドが開示されており、US2010/0099626にはCADYペプチドが開示されており、米国特許第7,514,530号にはMPGペプチドが開示されている;その開示は、これにはよりそれらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
VEPEP-3ペプチド
【0118】
一部の実施形態では、本明細書に記載のカーゴ送達複合体またはナノ粒子は、アミノ酸配列X1X2X3X4X5X2X3X4X6X7X3X8X9X10X11X12X13(配列番号1)を含むVEPEP-3細胞透過性ペプチドを含み、ここで、X1は、ベータ-AまたはSであり、X2は、K、RまたはLであり(互いに独立に)、X3は、FまたはWであり(互いに独立に)、X4は、F、WまたはYであり(互いに独立に)、X5は、E、RまたはSであり、X6は、R、TまたはSであり、X7は、E、R、またはSであり、X8は、存在しないか、FまたはWであり、X9は、PまたはRであり、X10は、RまたはLであり、X11は、K、WまたはRであり、X12は、RまたはFであり、X13は、RまたはKである。一部の実施形態では、VEPEP-3ペプチドは、アミノ酸配列X1X2WX4EX2WX4X6X7X3PRX11RX13(配列番号2)を含み、ここで、X1は、ベータ-AまたはSであり、X2は、K、RまたはLであり、X3は、FまたはWであり、X4は、F、WまたはYであり、X5は、E、RまたはSであり、X6は、R、TまたはSであり、X7は、E、R、またはSであり、X8は、存在しないか、FまたはWであり、X9は、PまたはRであり、X10は、RまたはLであり、X11は、K、WまたはRであり、X12は、RまたはFであり、X13は、RまたはKである。一部の実施形態では、VEPEP-3ペプチドは、アミノ酸配列X1KWFERWFREWPRKRR(配列番号3)、X1KWWERWWREWPRKRR(配列番号4)、X1KWWERWWREWPRKRK(配列番号5)、X1RWWEKWWTRWPRKRK(配列番号6)、またはX1RWYEKWYTEFPRRRR(配列番号7)を含み、ここで、X1は、ベータ-AまたはSである。一部の実施形態では、VEPEP-3ペプチドは、配列番号1~7のいずれか1つのアミノ酸配列を含み、ここで、細胞透過性ペプチドは、10位のアミノ酸の非天然アミノ酸による置換え、2位のアミノ酸と3位のアミノ酸の間への非天然アミノ酸の付加、および2つの非天然アミノ酸の間の炭化水素連結の付加によって改変されている。一部の実施形態では、VEPEP-3ペプチドは、アミノ酸配列X1KX14WWERWWRX14WPRKRK(配列番号8)を含み、ここで、X1は、ベータ-AまたはSであり、X14は、非天然アミノ酸であり、また、2つの非天然アミノ酸の間に炭化水素連結が存在する。一部の実施形態では、VEPEP-3ペプチドは、アミノ酸配列X1X2X3WX5X10X3WX6X7WX8X9X10WX12R(配列番号9)を含み、ここで、X1は、ベータ-AまたはSであり、X2は、K、RまたはLであり、X3は、FまたはWであり、X5は、RまたはSであり、X6は、RまたはSであり、X7は、RまたはSであり、X8は、FまたはWであり、X9は、RまたはPであり、X10は、LまたはRであり、X12は、RまたはFである。一部の実施形態では、VEPEP-3ペプチドは、アミノ酸配列X1RWWRLWWRSWFRLWRR(配列番号10)、X1LWWRRWWSRWWPRWRR(配列番号11)、X1LWWSRWWRSWFRLWFR(配列番号12)、またはX1KFWSRFWRSWFRLWRR(配列番号13)を含み、ここで、X1は、ベータ-AまたはSである。一部の実施形態では、VEPEP-3ペプチドは、配列番号1および9~13のいずれか1つのアミノ酸配列を含み、ここで、細胞透過性ペプチドは、5位および12位のアミノ酸の非天然アミノ酸による置換え、および2つの非天然アミノ酸の間の炭化水素連結の付加によって改変されている。一部の実施形態では、VEPEP-3ペプチドは、アミノ酸配列X1RWWX14LWWRSWX14RLWRR(配列番号14)を含み、ここで、X1は、ベータアラニンまたはセリンであり、X14は、非天然アミノ酸であり、また、2つの非天然アミノ酸の間に炭化水素連結が存在する。一部の実施形態では、VEPEP-3ペプチドは、配列番号75または配列番号76に記載されているアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、VEPEP-3ペプチドは、配列番号113のアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、VEPEP-3ペプチドは、配列番号114のアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、VEPEP-3ペプチドは、配列番号115のアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、VEPEP-3ペプチドは、カーゴ送達複合体内に存在する。一部の実施形態では、VEPEP-3ペプチドは、ナノ粒子のコア内のカーゴ送達複合体内に存在する。一部の実施形態では、VEPEP-3ペプチドは、ナノ粒子のコア内に存在する。一部の実施形態では、VEPEP-3ペプチドは、ナノ粒子のコア内に存在し、カーゴと結び付いている。一部の実施形態では、VEPEP-3ペプチドは、ナノ粒子の中間層内に存在する。一部の実施形態では、VEPEP-3ペプチドは、ナノ粒子の表層内に存在する。一部の実施形態では、VEPEP-3ペプチドは標的化部分と連結している。一部の実施形態では、連結は、共有結合によるものである。一部の実施形態では、共有結合による連結は、化学的カップリングによるものである。一部の実施形態では、共有結合による連結は、遺伝学的方法によるものである。
VEPEP-6ペプチド
【0119】
一部の実施形態では、本明細書に記載のカーゴ送達複合体またはナノ粒子は、VEPEP-6細胞透過性ペプチドを含む。一部の実施形態では、VEPEP-6ペプチドは、X1LX2RALWX9LX3X9X4LWX9LX5X6X7X8(配列番号15)、X1LX2LARWX9LX3X9X4LWX9LX5X6X7X8(配列番号16)およびX1LX2ARLWX9LX3X9X4LWX9LX5X6X7X8(配列番号17)からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、ここで、X1は、ベータ-AまたはSであり、X2は、FまたはWであり、X3は、L、W、CまたはIであり、X4は、S、A、NまたはTであり、X5は、LまたはWであり、X6は、WまたはRであり、X7は、KまたはRであり、X8は、Aであるかまたは存在せず、X9は、RまたはSである。一部の実施形態では、VEPEP-6ペプチドは、アミノ酸配列X1LX2RALWRLX3RX4LWRLX5X6X7X8(配列番号18)を含み、ここで、X1は、ベータ-AまたはSであり、X2は、FまたはWであり、X3は、L、W、CまたはIであり、X4は、S、A、NまたはTであり、X5は、LまたはWであり、X6は、WまたはRであり、X7は、KまたはRであり、X8は、Aであるかまたは存在しない。一部の実施形態では、VEPEP-6ペプチドは、アミノ酸配列X1LX2RALWRLX3RX4LWRLX5X6KX7(配列番号19)を含み、ここで、X1は、ベータ-AまたはSであり、X2は、FまたはWであり、X3は、LまたはWであり、X4は、S、AまたはNであり、X5は、LまたはWであり、X6は、WまたはRであり、X7は、Aであるかまたは存在しない。一部の実施形態では、VEPEP-6ペプチドは、X1LFRALWRLLRX2LWRLLWX3(配列番号20)、X1LWRALWRLWRX2LWRLLWX3A(配列番号21)、X1LWRALWRLX4RX2LWRLWRX3A(配列番号22)、X1LWRALWRLWRX2LWRLWRX3A(配列番号23)、X1LWRALWRLX5RALWRLLWX3A(配列番号24)、およびX1LWRALWRLX4RNLWRLLWX3A(配列番号25)からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、ここで、X1は、ベータ-AまたはSであり、X2は、SまたはTであり、X3は、KまたはRであり、X4は、L、CまたはIであり、X5は、LまたはIである。一部の実施形態では、VEPEP-6ペプチドは、Ac-X1LFRALWRLLRSLWRLLWK-システアミド(配列番号26)、Ac-X1LWRALWRLWRSLWRLLWKA-システアミド(配列番号27)、Ac-X1LWRALWRLLRSLWRLWRKA-システアミド(配列番号28)、Ac-X1LWRALWRLWRSLWRLWRKA-システアミド(配列番号29)、Ac-X1LWRALWRLLRALWRLLWKA-システアミド(配列番号30)、およびAc-X1LWRALWRLLRNLWRLLWKA-システアミド(配列番号31)からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、ここで、X1は、ベータ-AまたはSである。一部の実施形態では、VEPEP-6ペプチドは、配列番号15~31のいずれか1つのアミノ酸配列を含み、8位および12位の2つの残基間に炭化水素連結をさらに含む。一部の実施形態では、VEPEP-6ペプチドは、Ac-X1LFRALWRSLLRSSLWRLLWK-システアミド(配列番号32)、Ac-X1LFLARWRSLLRSSLWRLLWK-システアミド(配列番号33)、Ac-X1LFRALWSSLLRSSLWRLLWK-システアミド(配列番号34)、Ac-X1LFLARWSSLLRSSLWRLLWK-システアミド(配列番号35)、Ac-X1LFRALWRLLRSSLWSSLLWK-システアミド(配列番号36)、Ac-X1LFLARWRLLRSSLWSSLLWK-システアミド(配列番号37)、Ac-X1LFRALWRLLSSSLWSSLLWK-システアミド(配列番号38)、Ac-X1LFLARWRLLSSSLWSSLLWK-システアミド(配列番号39)、およびAc-X1LFARSLWRLLRSSLWRLLWK-システアミド(配列番号40)からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、ここで、X1は、ベータ-AまたはSであり、また、後に下付きの「S」が続く残基は、前記炭化水素連結によって連結されている残基である。一部の実施形態では、VEPEP-6ペプチドは、配列番号77のアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、VEPEP-6ペプチドは、配列番号85のアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、VEPEP-6ペプチドは、配列番号92または93のアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、VEPEP-6ペプチドは、配列番号94~100、105、107~109、および129~139からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、VEPEP-6ペプチドは、カーゴ送達複合体内に存在する。一部の実施形態では、VEPEP-6ペプチドは、ナノ粒子のコア内のカーゴ送達複合体内に存在する。一部の実施形態では、VEPEP-6ペプチドは、ナノ粒子のコア内に存在する。一部の実施形態では、VEPEP-6ペプチドは、ナノ粒子のコア内に存在し、カーゴと結び付いている。一部の実施形態では、VEPEP-6ペプチドは、ナノ粒子の中間層内に存在する。一部の実施形態では、VEPEP-6ペプチドは、ナノ粒子の表層内に存在する。一部の実施形態では、VEPEP-6ペプチドは標的化部分と連結している。一部の実施形態では、連結は、共有結合によるものである。一部の実施形態では、共有結合による連結は、化学的カップリングによるものである。一部の実施形態では、共有結合による連結は、遺伝学的方法によるものである。
VEPEP-9ペプチド
【0120】
一部の実施形態では、本明細書に記載のカーゴ送達複合体またはナノ粒子は、アミノ酸配列X1X2X3WWX4X5WAX6X3X7X8X9X10X11X12WX13R(配列番号41)を含むVEPEP-9細胞透過性ペプチドを含み、ここで、X1は、ベータ-AまたはSであり、X2は、Lであるかまたは存在せず、X3は、Rであるかまたは存在せず、X4は、L、RまたはGであり、X5は、R、WまたはSであり、X6は、S、PまたはTであり、X7は、WまたはPであり、X8は、F、AまたはRであり、X9は、S、L、PまたはRであり、X10は、RまたはSであり、X11は、Wまたは存在せず、X12は、Aであるか、Rであるか、または存在せず、X13は、WまたはFであり、X3が存在しない場合、X2、X11およびX12も存在しない。一部の実施形態では、VEPEP-9ペプチドは、アミノ酸配列X1X2RWWLRWAX6RWX8X9X10WX12WX13R(配列番号42)を含み、ここで、X1は、ベータ-AまたはSであり、X2は、Lであるかまたは存在せず、X6は、SまたはPであり、X8は、FまたはAであり、X9は、S、LまたはPであり、X10は、RまたはSであり、X12は、AまたはRであり、X13は、WまたはFである。一部の実施形態では、VEPEP-9ペプチドは、X1LRWWLRWASRWFSRWAWWR(配列番号43)、X1LRWWLRWASRWASRWAWFR(配列番号44)、X1RWWLRWASRWALSWRWWR(配列番号45)、X1RWWLRWASRWFLSWRWWR(配列番号46)、X1RWWLRWAPRWFPSWRWWR(配列番号47)、およびX1RWWLRWASRWAPSWRWWR(配列番号48)からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、ここで、X1は、ベータ-AまたはSである。一部の実施形態では、VEPEP-9ペプチドは、X1WWX4X5WAX6X7X8RX10WWR(配列番号49)のアミノ酸配列を含み、ここで、X1は、ベータ-AまたはSであり、X4は、RまたはGであり、X5は、WまたはSであり、X6は、S、TまたはPであり、X7は、WまたはPであり、X8は、AまたはRであり、X10は、SまたはRである。一部の実施形態では、VEPEP-9ペプチドは、X1WWRWWASWARSWWR(配列番号50)、X1WWGSWATPRRRWWR(配列番号51)、およびX1WWRWWAPWARSWWR(配列番号52)からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、ここで、X1は、ベータ-AまたはSである。一部の実施形態では、VEPEP-9ペプチドは、配列番号78に記載のアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、VEPEP-9ペプチドは、配列番号116~120からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、VEPEP-9ペプチドは、カーゴ送達複合体内に存在する。一部の実施形態では、VEPEP-9ペプチドは、ナノ粒子のコア内のカーゴ送達複合体内に存在する。一部の実施形態では、VEPEP-9ペプチドは、ナノ粒子のコア内に存在する。一部の実施形態では、VEPEP-9ペプチドは、ナノ粒子のコア内に存在し、カーゴと結び付いている。一部の実施形態では、VEPEP-9ペプチドは、ナノ粒子の中間層内に存在する。一部の実施形態では、VEPEP-9ペプチドは、ナノ粒子の表層内に存在する。一部の実施形態では、VEPEP-9ペプチドは標的化部分と連結している。一部の実施形態では、連結は、共有結合によるものである。一部の実施形態では、共有結合による連結は、化学的カップリングによるものである。一部の実施形態では、共有結合による連結は、遺伝学的方法によるものである。
ADGN-100ペプチド
【0121】
一部の実施形態では、本明細書に記載のカーゴ送達複合体またはナノ粒子は、アミノ酸配列X1KWRSX2X3X4RWRLWRX5X6X7X8SR(配列番号53)を含むADGN-100細胞透過性ペプチドを含み、ここで、X1は、任意のアミノ酸であるかまたは存在せず、X2~8は、任意のアミノ酸である。一部の実施形態では、ADGN-100ペプチドは、アミノ酸配列X1KWRSX2X3X4RWRLWRX5X6X7X8SR(配列番号54)を含み、ここで、X1は、βAであるか、Sであるか、または存在せず、X2は、AまたはVであり、X3は、GまたはLであり、X4は、WまたはYであり、X5は、VまたはSであり、X6は、R、V、またはAであり、X7は、SまたはLであり、X8は、WまたはYである。一部の実施形態では、ADGN-100ペプチドは、アミノ酸配列KWRSAGWRWRLWRVRSWSR(配列番号55)、KWRSALYRWRLWRVRSWSR(配列番号56)、KWRSALYRWRLWRSRSWSR(配列番号57)、またはKWRSALYRWRLWRSALYSR(配列番号58)を含む。一部の実施形態では、ADGN-100ペプチドは、炭化水素連結によって連結した3個または6個の残基によって分離された2つの残基を含む。一部の実施形態では、ADGN-100ペプチドは、アミノ酸配列KWRSSAGWRSWRLWRVRSWSR(配列番号59)、KWRSSAGWRWRSLWRVRSWSR(配列番号60)、KWRSAGWRSWRLWRVRSSWSR(配列番号61)、KWRSSALYRSWRLWRSRSWSR(配列番号62)、KWRSSALYRWRSLWRSRSWSR(配列番号63)、KWRSALYRSWRLWRSRSSWSR(配列番号64)、KWRSALYRWRSLWRSSRSWSR(配列番号65)、KWRSALYRWRLWRSSRSWSSR(配列番号66)、KWRSSALYRWRSLWRSALYSR(配列番号67)、KWRSSALYRSWRLWRSALYSR(配列番号68)、KWRSALYRWRSLWRSSALYSR(配列番号69)、またはKWRSALYRWRLWRSSALYSSR(配列番号70)を含み、ここで、下付き文字「S」で印づけられた残基は、炭化水素連結によって連結している。一部の実施形態では、ADGN-100ペプチドは、配列番号79または80に記載のアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、ADGN-100ペプチドは、配列番号86に記載のアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、ADGN-100ペプチドは、配列番号87~91、101~104、106、110~112、および121~128からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、ADGN-100ペプチドは、カーゴ送達複合体内に存在する。一部の実施形態では、ADGN-100ペプチドは、ナノ粒子のコア内のカーゴ送達複合体内に存在する。一部の実施形態では、ADGN-100ペプチドは、ナノ粒子のコア内に存在する。一部の実施形態では、ADGN-100ペプチドは、ナノ粒子のコア内に存在し、カーゴと結び付いている。一部の実施形態では、ADGN-100ペプチドは、ナノ粒子の中間層内に存在する。一部の実施形態では、ADGN-100ペプチドは、ナノ粒子の表層内に存在する。一部の実施形態では、ADGN-100ペプチドは標的化部分と連結している。一部の実施形態では、連結は、共有結合によるものである。一部の実施形態では、共有結合による連結は、化学的カップリングによるものである。一部の実施形態では、共有結合による連結は、遺伝学的方法によるものである。
VEPEP-4ペプチド
【0122】
一部の実施形態では、本明細書に記載のゲノム編集複合体またはナノ粒子は、アミノ酸配列XWXRLXXXXXX(配列番号140)を含むVEPEP-4細胞透過性ペプチドを含み、ここで、1位のXは、ベータ-AまたはSである;3位、9位および10位のXは、互いに独立に、WまたはFである;6位のXは、8位のXがSの場合にはRであり、6位のXは、8位のXがRの場合にはSである;7位のXは、Lであるかまたは存在しない;11位のXは、Rであるかまたは存在せず、および7位のXは、11位のXが存在しない場合には、Lである。一部の実施形態では、VEPEP-4ペプチドは、配列番号141~144のいずれか1つのアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、VEPEP-4ペプチドは、カーゴ送達複合体内に存在する。一部の実施形態では、VEPEP-4ペプチドは、ナノ粒子のコア内のカーゴ送達複合体内に存在する。一部の実施形態では、VEPEP-4ペプチドは、ナノ粒子のコア内に存在する。一部の実施形態では、VEPEP-4ペプチドは、ナノ粒子のコア内に存在し、カーゴと結び付いている。一部の実施形態では、VEPEP-4ペプチドは、ナノ粒子の中間層内に存在する。一部の実施形態では、VEPEP-4ペプチドは、ナノ粒子の表層内に存在する。一部の実施形態では、VEPEP-4ペプチドは標的化部分と連結している。一部の実施形態では、連結は、共有結合によるものである。一部の実施形態では、共有結合による連結は、化学的カップリングによるものである。一部の実施形態では、共有結合による連結は、遺伝学的方法によるものである。
VEPEP-5ペプチド
【0123】
一部の実施形態では、本明細書に記載のゲノム編集複合体またはナノ粒子は、アミノ酸配列RXWXRLWXRLR(配列番号145)を含むVEPEP-5細胞透過性ペプチドを含み、2位のXは、RまたはSであり、4位および8位のXは、互いに独立に、WまたはFである。一部の実施形態では、VEPEP-5ペプチドは、配列番号146~151のいずれか1つのアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、VEPEP-5ペプチドは、カーゴ送達複合体内に存在する。一部の実施形態では、VEPEP-5ペプチドは、ナノ粒子のコア内のカーゴ送達複合体内に存在する。一部の実施形態では、VEPEP-5ペプチドは、ナノ粒子のコア内に存在する。一部の実施形態では、VEPEP-5ペプチドは、ナノ粒子のコア内に存在し、カーゴと結び付いている。一部の実施形態では、VEPEP-5ペプチドは、ナノ粒子の中間層内に存在する。一部の実施形態では、VEPEP-5ペプチドは、ナノ粒子の表層内に存在する。一部の実施形態では、VEPEP-5ペプチドは標的化部分と連結している。一部の実施形態では、連結は、共有結合によるものである。一部の実施形態では、共有結合による連結は、化学的カップリングによるものである。一部の実施形態では、共有結合による連結は、遺伝学的方法によるものである。
【0124】
一部の実施形態では、本明細書に記載のCPP(例えば、PEP-1、PEP-2、VEPEP-3ペプチド、VEPEP-6ペプチド、VEPEP-9ペプチド、またはADGN-100ペプチド)は、CPPのN末端に連結した1つまたは複数の部分をさらに含む。一部の実施形態では、1つまたは複数の部分は、CPPのN末端と共有結合により連結している。一部の実施形態では、1つまたは複数の部分は、アセチル基、ステアリル基、脂肪酸、コレステロール、ポリ-エチレングリコール、核局在化シグナル、核外移行シグナル、抗体またはその抗体断片、ペプチド、多糖、および標的化分子からなる群から選択される。一部の実施形態では、1つまたは複数の部分は、アセチル基および/またはステアリル基である。一部の実施形態では、CPPは、そのN末端に連結したアセチル基および/またはステアリル基を含む。一部の実施形態では、CPPは、そのN末端に連結したアセチル基を含む。一部の実施形態では、CPPは、そのN末端に連結したステアリル基を含む。一部の実施形態では、CPPは、そのN末端に共有結合により連結したアセチル基および/またはステアリル基を含む。一部の実施形態では、CPPは、そのN末端に共有結合により連結したアセチル基を含む。一部の実施形態では、CPPは、そのN末端に共有結合により連結したステアリル基を含む。
【0125】
一部の実施形態では、本明細書に記載のCPP(例えば、PEP-1、PEP-2、VEPEP-3ペプチド、VEPEP-6ペプチド、VEPEP-9ペプチド、またはADGN-100ペプチド)は、CPPのC末端に連結した1つまたは複数の部分をさらに含む。一部の実施形態では、1つまたは複数の部分は、CPPのC末端と共有結合により連結している。一部の実施形態では、1つまたは複数の部分は、システアミド基、システイン、チオール、アミド、ニトリロ三酢酸、カルボキシル基、直鎖状または分枝(ramified)C1~C6アルキル基、一級または二級アミン、オシド誘導体、脂質、リン脂質、脂肪酸、コレステロール、ポリ-エチレングリコール、核局在化シグナル、核外移行シグナル、抗体またはその抗体断片、ペプチド、多糖、および標的化分子からなる群から選択される。一部の実施形態では、1つまたは複数の部分は、システアミド基である。一部の実施形態では、CPPは、そのC末端に連結したシステアミド基を含む。一部の実施形態では、CPPは、そのC末端に共有結合により連結したシステアミド基を含む。
【0126】
一部の実施形態では、本明細書に記載のCPP(例えば、PEP-1、PEP-2、VEPEP-3ペプチド、VEPEP-6ペプチド、VEPEP-9ペプチド、またはADGN-100ペプチド)は、ステープル留めされている。「ステープル留め」とは、本明細書で使用される場合、ペプチド内の2つの残基間の化学的連結を指す。一部の実施形態では、CPPはステープル留めされており、ペプチドの2つのアミノ酸間に化学的連結を含む。一部の実施形態では、化学的連結によって連結した2つのアミノ酸は、3個または6個のアミノ酸によって分離されている。一部の実施形態では、化学的連結によって連結した2つのアミノ酸は、3個のアミノ酸によって分離されている。一部の実施形態では、化学的連結によって連結した2つのアミノ酸は、6個のアミノ酸によって分離されている。一部の実施形態では、化学的連結によって連結した2つのアミノ酸のそれぞれは、RまたはSである。一部の実施形態では、化学的連結によって連結した2つのアミノ酸のそれぞれは、Rである。一部の実施形態では、化学的連結によって連結した2つのアミノ酸のそれぞれは、Sである。一部の実施形態では、化学的連結によって連結した2つのアミノ酸の一方はRであり、他方はSである。一部の実施形態では、化学的連結は、炭化水素連結である。
【0127】
一部の実施形態では、CPPは、L-アミノ酸を含むL-ペプチドである。一部の実施形態では、CPPは、レトロインベルソペプチド(例えば、逆向きの配列のD-アミノ酸で構成され、伸長させた場合、その親分子と同様の側鎖トポロジーが想定されるが、アミドペプチド結合が反転しているペプチド)である。
【0128】
一部の実施形態では、本明細書に記載のCPP(例えば、PEP-1、PEP-2、VEPEP-3ペプチド、VEPEP-6ペプチド、VEPEP-9ペプチド、またはADGN-100ペプチド)は、1つまたは複数の部分をさらに含む。一部の実施形態では、1つまたは複数の部分は、CPPのN末端またはC末端とコンジュゲートしている。一部の実施形態では、第1の部分がCPPのN末端にコンジュゲートしており、第2の部分がCPPのC末端にコンジュゲートしている。
【0129】
一部の実施形態では、1つまたは複数の部分は、標的化分子を含む。一部の実施形態では、標的化分子は、CPPのN末端またはC末端とコンジュゲートしている。一部の実施形態では、第1の標的化分子がCPPのN末端にコンジュゲートしており、第2の標的化分子がCPPのC末端にコンジュゲートしている。一部の実施形態では、標的化分子は、少なくとも約3個、4個、または5個のアミノ酸を含む。一部の実施形態では、標的化分子は、約8個以下、7個以下、6個以下、5個以下、または4個以下のアミノ酸を含む。一部の実施形態では、標的化分子は、約3個、4個、または5個のアミノ酸を含む。一部の実施形態では、標的化分子は、GY、YV、VS、SK、GYV、YVS、VSK、GYVS、YVSK、YI、IG、GS、SR、YIG、IGS、GSR、YIGS、IGSRからなる群から選択される配列を含む。一部の実施形態では、配列(例えば、標的化配列)は、GYVSK、GYVS、YIGS、およびYIGSRからなる群から選択される。
【0130】
一部の実施形態では、配列(例えば、標的化配列)は、配列番号152~162からなる群から選択される。
【0131】
一部の実施形態では、標的化分子は、CPPとリンカーを介してコンジュゲートしている。一部の実施形態では、リンカーは、ポリグリシンリンカーを含む。一部の実施形態では、リンカーは、β-アラニンを含む。一部の実施形態では、リンカーは、少なくとも約2個、3個、または4個のグリシン、必要に応じて連続したグリシンを含む。一部の実施形態では、リンカーは、セリンをさらに含む。一部の実施形態では、リンカーは、GGGGSまたはSGGGG配列を含む。一部の実施形態では、リンカーは、グリシン-β-アラニンモチーフを含む。
【0132】
一部の実施形態では、1つまたは複数の部分は、ポリマー(例えば、PEG、ポリリシン、PET)を含む。一部の実施形態では、ポリマーは、CPPのN末端またはC末端とコンジュゲートしている。一部の実施形態では、第1のポリマーがCPPのN末端とコンジュゲートしており、第2のポリマーがCPPのC末端とコンジュゲートしている。一部の実施形態では、ポリマーは、PEGである。一部の実施形態では、PEGは、直鎖状PEGである。一部の実施形態では、PEGは、分枝PEGである。一部の実施形態では、PEGの分子量は、約5kDa以下、10kDa以下、15kDa以下、20kDa以下、30kDa以下、または40kDa以下である。一部の実施形態では、PEGの分子量は、少なくとも約5kDa、10kDa、15kDa、20kDa、30kDa、または40kDaである。一部の実施形態では、PEGの分子量は、約5kDa~約10kDa、約10kDa~約15kDa、約15kDa~約20kDa、約20kDa~約30kDa、または約30kDa~約40kDaである。一部の実施形態では、PEGの分子量は、約5kDa、10kDa、20kDa、または40kDaである。一部の実施形態では、PEGの分子量は、5kDa、10kDa、20kDaまたは40kDaからなる群から選択される。一部の実施形態では、PEGの分子量は、約5kDaである。一部の実施形態では、PEGの分子量は、約10kDaである。一部の実施形態では、PEGは、少なくとも約1個、2個、または3個のエチレングリコール単位を含む。一部の実施形態では、PEGは、約3個以下、2個以下、または1個以下のエチレングリコール単位を含む。一部の実施形態では、PEGは、約1個、2個、または3個のエチレングリコール単位を含む。
標的化部分
【0133】
一部の実施形態では、細胞透過性ペプチドは、標的化部分を含む。一部の実施形態では、標的化部分は、CPPのN末端とコンジュゲートしている。一部の実施形態では、標的化部分は、CPPのC末端とコンジュゲートしている。一部の実施形態では、第1の標的化部分がCPPのN末端とコンジュゲートしており、第2の標的化部分がCPPのC末端とコンジュゲートしている。
【0134】
一部の実施形態では、標的化部分は、1つまたは複数の器官を標的とする標的化ペプチドを含む。一部の実施形態では、1つまたは複数の器官は、筋肉、心臓、脳、脾臓、リンパ節、肝臓、肺、および腎臓からなる群から選択される。一部の実施形態では、標的化ペプチドは、脳を標的とするものである。一部の実施形態では、標的化ペプチドは、筋肉を標的とするものである。一部の実施形態では、標的化ペプチドは、心臓を標的とするものである。
【0135】
一部の実施形態では、標的化部分は、少なくとも約3個、4個、または5個のアミノ酸を含む。一部の実施形態では、標的化部分は、約8個以下、7個以下、6個以下、5個以下、または4個以下のアミノ酸を含む。一部の実施形態では、標的化部分は、約3個、4個、または5個のアミノ酸を含む。一部の実施形態では、標的化部分は、GY、YV、VS、SK、GYV、YVS、VSK、GYVS、YVSK、YI、IG、GS、SR、YIG、IGS、GSR、YIGS、IGSRからなる群から選択される配列を含む。一部の実施形態では、配列(例えば、標的化配列)は、GYVSK、GYVS、YIGS、およびYIGSRからなる群から選択される。
【0136】
一部の実施形態では、標的化部分は、配列番号152~162からなる群から選択される標的化配列を含む。一部の実施形態では、標的化部分は、標的化配列SYTSSTM(配列番号152)を含む。一部の実施形態では、標的化部分は、標的化配列CKTRRVP(配列番号153)を含む。一部の実施形態では、標的化部分は、標的化配列THRPPNWSPV(配列番号154)を含む。一部の実施形態では、標的化部分は、標的化配列TGNYKALHPDHNG(配列番号155)を含む。一部の実施形態では、標的化部分は、標的化配列CARPAR(配列番号156)を含む。一部の実施形態では、標的化部分は、標的化配列ASSLNIA(配列番号159)を含む。一部の実施形態では、標的化部分は、標的化配列LSSRLDA(配列番号160)を含む。一部の実施形態では、標的化部分は、標的化配列KSYDTY(配列番号161)を含む。一部の実施形態では、標的化部分は、標的化配列CKRAV(配列番号162)を含む。
【0137】
一部の実施形態では、標的化部分は、CPPと、本明細書に記載のリンカー部分のいずれか1つなどのリンカー部分を介してコンジュゲートしている。
リンカー部分
【0138】
一部の実施形態では、細胞透過性ペプチドは、リンカー部分を含む。
【0139】
一部の実施形態では、リンカー部分は、ポリグリシンリンカーを含む。一部の実施形態では、リンカーは、β-アラニンを含む。一部の実施形態では、リンカーは、少なくとも約2個、3個、または4個のグリシン、必要に応じて連続したグリシンを含む。一部の実施形態では、リンカーは、セリンをさらに含む。一部の実施形態では、リンカーは、GGGGSまたはSGGGG配列を含む。一部の実施形態では、リンカーは、グリシン-β-アラニンモチーフを含む。
【0140】
一部の実施形態では、1つまたは複数の部分は、ポリマー(例えば、PEG、ポリリシン、PET)を含む。一部の実施形態では、ポリマーは、CPPのN末端とコンジュゲートしている。一部の実施形態では、ポリマーは、CPPのC末端とコンジュゲートしている。一部の実施形態では、第1のポリマーがCPPのN末端とコンジュゲートしており、第2のポリマーがCPPのC末端とコンジュゲートしている。一部の実施形態では、ポリマーは、PEGである。一部の実施形態では、PEGは、直鎖状PEGである。一部の実施形態では、PEGは、分枝PEGである。一部の実施形態では、PEGの分子量は、約5kDa以下、10kDa以下、15kDa以下、20kDa以下、30kDa以下、または40kDa以下である。一部の実施形態では、PEGの分子量は、少なくとも約5kDa、10kDa、15kDa、20kDa、30kDa、または40kDaである。一部の実施形態では、PEGの分子量は、約5kDa~約10kDa、約10kDa~約15kDa、約15kDa~約20kDa、約20kDa~約30kDa、または約30kDa~約40kDaである。一部の実施形態では、PEGの分子量は、約5kDa、10kDa、20kDa、または40kDaである。一部の実施形態では、PEGの分子量は、5kDa、10kDa、20kDaまたは40kDaからなる群から選択される。一部の実施形態では、PEGの分子量は、約5kDaである。一部の実施形態では、PEGの分子量は、約10kDaである。一部の実施形態では、PEGは、少なくとも約1個、2個、または3個のエチレングリコール単位を含む。一部の実施形態では、PEGは、約10個以下、9個以下、8個以下または7個以下のエチレングリコール単位からなる。一部の実施形態では、PEGは、約1個、2個、または3個のエチレングリコール単位からなる。一部の実施形態では、PEG部分は、約1個~8個、または約2個~7個のエチレングリコール単位からなる。
【0141】
一部の実施形態では、リンカー部分は、ベータアラニン、システイン、システアミド橋、ポリグリシン(例えば、G2またはG4など)、PEGリンカー部分、Aun(11-アミノ-ウンデカン酸)、Ava(5-アミノペンタン酸)、およびAhx(アミノカプロン酸)からなる群から選択される。一部の実施形態では、リンカー部分は、Aun(11-アミノ-ウンデカン酸)を含む。一部の実施形態では、リンカー部分は、Ava(5-アミノペンタン酸)を含む。一部の実施形態では、リンカー部分は、Ahx(アミノカプロン酸)を含む。
炭水化物部分
【0142】
一部の実施形態では、細胞透過性ペプチドは、炭水化物部分をさらに含む。一部の実施形態では、炭水化物部分は、GalNAcである。一部の実施形態では、細胞透過性ペプチドは、ADGN-106ペプチドである。一部の実施形態では、細胞透過性ペプチドは、ADGN-100ペプチドである。一部の実施形態では、炭水化物部分により細胞透過性ペプチド内のアラニンが修飾されている。一部の実施形態では、細胞透過性ペプチドは、配列番号124または129に記載される。
第1の細胞透過性ペプチドおよび第2の細胞透過性ペプチド
【0143】
一部の実施形態では、第2のペプチドは、第2の細胞透過性ペプチドと共有結合により連結したポリエチレングリコール(PEG)部分を含み、第1のペプチドは、PEG部分を有さない。一部の実施形態では、第1の細胞透過性ペプチドの第2の細胞透過性ペプチドに対する比は、約50対1である(例えば、約25対約2、約20対約3、約15対約4、約12対約4、約12対約5、または約10対約5など)。
【0144】
一部の実施形態では、PEG部分は、直鎖状PEGである。一部の実施形態では、PEG部分は、分枝PEGである。一部の実施形態では、PEG部分の分子量は、約5kDa~約10kDaである。一部の実施形態では、PEG部分は、約1~10個のエチレングリコール単位からなる。一部の実施形態では、PEG部分は、第2の細胞透過性ペプチドのN末端とコンジュゲートしている。一部の実施形態では、PEG部分は、第2の細胞透過性ペプチドのC末端とコンジュゲートしている。
カーゴ分子
【0145】
一部の実施形態では、上記の複合体またはナノ粒子のカーゴ分子は、核酸、ウイルス、ポリペプチド、タンパク質/核酸複合体、ウイルス様粒子、およびタンパク質複合体からなる群から選択される。
【0146】
一部の実施形態では、上記の複合体またはナノ粒子のカーゴ分子は、核酸である。一部の実施形態では、カーゴ分子は、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチド、一本鎖または二本鎖オリゴおよびポリヌクレオチド、アンチセンスオリゴヌクレオチド、例えばsiRNA、shRNAなどを含めた様々な形態のRNAi、マイクロRNA(miRNA)、アンタゴミル、リボザイム、アプタマー、プラスミドDNAなど、ならびに、これらのうちの1つまたは複数の適切な組合せからなる群から選択される。一部の実施形態では、核酸は、siRNA、miRNA、shRNA、gRNA、mRNA、DNA、DNAプラスミド、オリゴヌクレオチドおよびその類似体からなる群から選択される。一部の実施形態では、核酸は、mRNAを含む。一部の実施形態では、核酸は、RNAiを含む。一部の実施形態では、核酸は、mRNAおよびRNAiを含み、mRNAは、疾患または状態を処置するための治療用タンパク質をコードするものであり、RNAiは、RNAを標的とするものであり、当該RNAの発現は、疾患または状態に関連付けられる。一部の実施形態では、細胞透過性ペプチドの核酸に対するモル比は、約1:1から約100:1の間である。
【0147】
一部の実施形態では、カーゴ分子は、例えば、酵素または抗体、または小分子などのタンパク質である。一部の実施形態では、カーゴ分子は、核酸とタンパク質または小分子の組合せを含む複数のカーゴ分子を含む。一部の実施形態では、組合せは、互いに共有結合により付着した核酸とタンパク質または小分子を含む。一部の実施形態では、組合せは、互いに共有結合により付着していない核酸とタンパク質または小分子を含む。
【0148】
「ポリヌクレオチド」または「核酸」は、本明細書では互換的に使用され、任意の長さのヌクレオチドのポリマーを指し、DNAおよびRNAを含む。ヌクレオチドは、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド、修飾されたヌクレオチドもしくは塩基、および/もしくはそれらの類似体、またはDNAもしくはRNAポリメラーゼによってポリマーに組み入れることができる任意の基質であり得る。ポリヌクレオチドは、メチル化ヌクレオチドおよびそれらの類似体などの修飾されたヌクレオチドを含み得る。「核酸」という用語は、本明細書で使用される場合、少なくとも2つのデオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチドを含有する、一本鎖または二本鎖のいずれかの形態のポリマーを指し、DNAおよびRNAを含む。DNAは、例えば、アンチセンス分子、プラスミドDNA、予め凝縮させたDNA、PCR産物、ベクター(PAC、BAC、YAC、人工染色体)、発現カセット、キメラ配列、染色体DNA、または誘導体およびこれらの群の組合せの形態であり得る。RNAは、siRNA、非対称干渉RNA(aiRNA)、マイクロRNA(miRNA)、mRNA、tRNA、rRNA、RNA、ウイルスRNA(vRNA)、およびこれらの組合せの形態であり得る。核酸は、例えば、ロックド核酸(LNA)、アンロックド核酸(UNA)、およびジップ核酸(ZNA)を含めた、公知のヌクレオチド類似体または修飾された骨格残基または連結を含有する核酸を含み、これらは、合成核酸、天然に存在する核酸、および天然に存在しない核酸であり得、また、参照核酸と同様の結合特性を有する。そのような類似体の例としては、限定することなく、ホスホロチオエート、ホスホラミデート、メチルホスホネート、キラル-メチルホスホネート、2’-O-メチルリボヌクレオチド、およびペプチド核酸(PNA)が挙げられる。特に限定がない限り、この用語は、参照核酸と同様の結合特性を有する天然ヌクレオチドの公知の類似体を含有する核酸を包含する。別段の指定のない限り、特定の核酸配列はまた、保存的に改変されたそのバリアント(例えば、縮退コドン置換)、対立遺伝子、オルソログ、SNP、および相補配列ならびに明確に示されている配列も暗黙のうちに包含する。具体的には、縮退コドン置換は、1つまたは複数の選択された(または全ての)コドンの第3の位置が混合塩基および/またはデオキシイノシン残基で置換されている配列を生成することによって実現することができる(Batzer e al., Nucleic Acid Res., 19: 5081 (1991);Ohtsuka et a ., j . Biol. Chern., 260: 2605-2608 (1985);Rossolini et al., Mol. Cell. Probes, 8: 91-98 (1994))。「ヌクレオチド」は、糖デオキシリボース(DNA)またはリボース(RNA)、塩基、およびリン酸基を含有する。ヌクレオチドは、リン酸基を通じて連結している。「塩基」は、プリンおよびピリミジンを含み、これらは、天然化合物アデニン、チミン、グアニン、シトシン、ウラシル、イノシン、および天然類似体、ならびにプリンおよびピリミジンの合成誘導体をさらに含み、これらとしては、これだけに限定されないが、例えば、これだけに限定されないが、アミン、アルコール、チオール、カルボキシラーゼ、およびハロゲン化アルキルなどの新しい反応性基が置かれる改変が挙げられる。「オリゴヌクレオチド」とは、本明細書で使用される場合、一般に、必ずではないが一般に約200ヌクレオチド未満の長さの、短い、一般に合成されたものであるポリヌクレオチドを指す。「オリゴヌクレオチド」および「ポリヌクレオチド」という用語は、相互排他的ではない。ポリヌクレオチドに関する上記の説明は、オリゴヌクレオチドに同等かつ完全に適用可能である。
【0149】
一部の実施形態では、核酸は、一本鎖オリゴヌクレオチドである。一部の実施形態では、核酸は、二本鎖オリゴヌクレオチドである。本明細書に記載の核酸は、アンチセンスオリゴヌクレオチド、RNAi、siRNA、shRNA、iRNA、アンタゴミルの場合では必ずではないが200ヌクレオチドまで、またはプラスミドDNAの場合では1000キロ塩基までの様々な長さのいずれかであり得る。
【0150】
一部の実施形態では、核酸は、siRNAまたはshRNAなどの干渉RNAである。「干渉RNA」または「RNAi」または「干渉RNA配列」という用語は、干渉RNAが標的遺伝子または配列と同じ細胞内に存在する場合に、標的遺伝子または配列の発現を低減または阻害することができる(例えば、干渉RNA配列と相補的なmRNAの分解を媒介することまたは干渉RNA配列と相補的なmRNAの翻訳を阻害することによって)一本鎖RNA(例えば、成熟miRNA)または二本鎖RNA(すなわち、siRNA、aiRNA、もしくはプレmiRNAなどの二重鎖RNA)を指し、したがって、干渉RNAは、標的mRNA配列と、または2つの相補鎖によってもしくは単一の自己相補鎖によって形成された二本鎖RNAと相補的な一本鎖RNAを指す。干渉RNAは、標的遺伝子または配列に対して実質的または完全な同一性を有し得る、またはミスマッチの領域(すなわち、ミスマッチモチーフ)を有し得る。干渉RNAの配列は、全長の標的遺伝子、またはその部分配列に対応し得る。干渉RNAは、「低分子干渉RNA」または「siRNA」、例えば、約15~60、15~50、または5~40(二重鎖)ヌクレオチドの長さ、より一般には約15~30、15~25、または19~25(二重鎖)ヌクレオチドの長さ、好ましくは約20~24、21~22、または21~23(二重鎖)ヌクレオチドの長さ(例えば、二本鎖siRNAの各相補配列は、15~60、15~50、15~40、15~30、15~25、または19~25ヌクレオチドの長さ、好ましくは約20~24、21~22、または21~23ヌクレオチドの長さであり、二本鎖siRNAは、約15~60、15~50、15~40、5~30、5~25、または19~25塩基対の長さ、好ましくは約8~22、9~20、または19~21塩基対の長さである)の干渉RNAを含む。siRNA二重鎖は、約1~約4ヌクレオチドまたは約2~約3ヌクレオチドの3’突出および5’リン酸末端を含み得る。siRNAの例としては、限定することなく、一方の鎖がセンス鎖であり、他方の鎖が相補的なアンチセンス鎖である2つの別々の鎖分子からアセンブルされた二本鎖ポリヌクレオチド分子;センス領域とアンチセンス領域が核酸に基づくリンカーまたは核酸に基づくものではないリンカーによって連結した一本鎖分子からアセンブルされた二本鎖ポリヌクレオチド分子;自己相補的なセンス領域とアンチセンス領域を有するヘアピン二次構造を有する二本鎖ポリヌクレオチド分子;および2つまたはそれよりも多くのループ構造および自己相補的なセンス領域とアンチセンス領域を有するステムを有する環状一本鎖ポリヌクレオチド分子であって、in vivoまたはin vitroで処理して活性な二本鎖siRNA分子を生成することができる、環状ポリヌクレオチドが挙げられる。siRNAは化学的に合成されたものであることが好ましい。siRNAは、長いdsRNA(例えば、約25ヌクレオチドの長さよりも長いdsRNA)をE coli RNase IIIまたはDicerで切断することによって生成することもできる。これらの酵素により、dsRNAが加工されて生物活性のあるsiRNAになる(例えば、Yang et al., Proc Natl. Acad. Set. USA, 99: 9942-9947 (2002);Calegari et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 99: 14236 (2002);Byrom et al., Ambion TeehNotes, 10 (1):4-6(2003);Kawasaki et al., Nucleic Acids Res., 3 1:981-987 (2003);Knight et al., Science, 293: 2269-2271 (2001);およびRobertson et al., J. Biol. Chem., 243: 82 (1968)を参照されたい)。dsRNAは、少なくとも50ヌクレオチド~約100、200、300、400、または500ヌクレオチドの長さであることが好ましい。dsRNAは、1000、1500、2000、5000ヌクレオチドの長さと同じくらいの長さ、またはそれよりも長いものであり得る。dsRNAは、遺伝子転写物全体または部分的な遺伝子転写物をコードするものであり得る。ある特定の場合では、siRNAをプラスミドにコードさせる(例えば、ヘアピンループを有する二重鎖に自動的にフォールディングされる配列として転写する)ことができる。低分子ヘアピン型RNA(small hairpin RNA or short hairpin RNA)(shRNA)は、RNA干渉によって遺伝子発現をサイレンシングするために使用することができるタイトなヘアピンターンを構成するRNAの配列である。shRNAヘアピン構造は、細胞機構によって切断されてsiRNAになり、次いでこれがRNA誘導サイレンシング複合体(RISC)と結合する。この複合体は、それと結合するsiRNAとマッチするmRNAに結合し、それを切断する。干渉RNAの適切な長さは、約5~約200ヌクレオチド、または10~50ヌクレオチドもしくは塩基対または15~30ヌクレオチドもしくは塩基対である。一部の実施形態では、干渉RNAは、対応する標的遺伝子と実質的に相補的である(例えば、少なくとも約60%、70%、80%、90%、95%、98%、99%、またはより大きく同一である、など)。一部の実施形態では、干渉RNAを、例えば天然に存在しないヌクレオチドを組み入れることによって改変する。
【0151】
一部の実施形態では、核酸は、二本鎖アンチセンスRNAである。干渉RNAの適切な長さは、約5~約200ヌクレオチド、または10~50ヌクレオチドもしくは塩基対または15~30ヌクレオチドもしくは塩基対である。一部の実施形態では、干渉RNAは、対応する標的遺伝子と実質的に相補的である(例えば、少なくとも約60%、70%、80%、90%、95%、98%、99%、またはより大きく同一である、など)。一部の実施形態では、アンチセンスRNAを、例えば天然に存在しないヌクレオチドを組み入れることによって改変する。
【0152】
一部の実施形態では、核酸は、干渉RNA、例えば、がんなどの疾患に関与するタンパク質をコードするmRNAなどのRNA分子を特異的に標的とするsiRNAなどである。一部の実施形態では、疾患は、固形腫瘍または血液悪性腫瘍などのがんであり、干渉RNAは、がんに関与するタンパク質、例えば、がんの増悪の調節に関与するタンパク質などをコードするmRNAを標的とするものである。
【0153】
一部の実施形態では、核酸は、干渉RNA、例えば、免疫応答の負の調節に関与するタンパク質をコードするmRNAなどのRNA分子を特異的に標的とするsiRNAなどである。一部の実施形態では、干渉RNAは、負の共刺激分子をコードするmRNAを標的とするものである。一部の実施形態では、負の共刺激分子として、例えば、PD-1、PD-L1、PD-L2、TIM-3、BTLA、VISTA、LAG-3、およびCTLA-4が挙げられる。
【0154】
一部の実施形態では、核酸は、miRNAである。マイクロRNA(miRNAと略される)は、真核細胞において見いだされる短いリボ核酸(RNA)分子である。マイクロRNA分子は、他のRNAと比較して非常にわずかなヌクレオチド(平均22個)を有する。miRNAは、標的メッセンジャーRNA転写物(mRNA)上の相補配列に結合する転写後調節因子であり、通常、翻訳抑止または標的分解および遺伝子サイレンシングをもたらす。ヒトゲノムは、1000種を超えるmiRNAをコードし得、これらは哺乳動物の遺伝子の約60%を標的とし得、多くのヒト細胞型において豊富である。miRNAの適切な長さは、約5~約200ヌクレオチド、または0~50ヌクレオチドもしくは塩基対または15~30ヌクレオチドもしくは塩基対である。一部の実施形態では、miRNAは、対応する標的遺伝子と実質的に相補的である(例えば、少なくとも約60%、70%、80%、90%、95%、98%、99%、またはより大きく同一である、など)。一部の実施形態では、アンチセンスRNAを、例えば天然に存在しないヌクレオチドを組み入れることによって改変する。
【0155】
一部の実施形態では、核酸は、プラスミドDNAまたはDNA(例えば、DNA断片、例えば、長さが最大約1000bpのDNA断片)である。さらに、プラスミドDNAまたはDNAは、高度にメチル化されたものであっても低度にメチル化されたものであってもよい。一部の実施形態では、プラスミドDNAまたはDNAは、1つまたは複数の遺伝子をコードし、前記1つまたは複数の遺伝子の発現に必要な調節エレメントを含有し得る。一部の実施形態では、プラスミドDNAまたはDNAは、選択マーカーをコードする1つまたは複数の遺伝子を含み得、それにより、プラスミドDNAまたはDNA断片を妥当な宿主細胞内で維持することが可能になる。
【0156】
一部の実施形態では、プラスミドDNAは、標的抗原に特異的に結合する細胞外抗原結合性ドメイン、膜貫通ドメイン、および細胞内シグナル伝達ドメインを含むキメラ抗原受容体(CAR)をコードするDNA配列を含む。CARは、例えば、開示全体が参照により本明細書に具体的に組み込まれる、米国特許第8,822,647号、米国特許出願公開第2015/0051266号、WO2014/127261、およびWO2014099671に記載されている。一部の実施形態では、標的抗原は、がん細胞に抗原特異的に関連する(例えば、がん細胞によって発現されるなど)。例えば、一部の実施形態では、プラスミドDNAは、がんに関連する抗原に特異的に結合する細胞外抗原結合性ドメイン、膜貫通ドメイン、および細胞内シグナル伝達ドメインを含むCARをコードするDNA配列を含む。一部の実施形態では、がんに関連する抗原は、固形腫瘍に関連するものである。一部の実施形態では、がんに関連する抗原は、B細胞悪性腫瘍または白血病などの血液悪性腫瘍に関連するものである。
【0157】
一部の実施形態では、カーゴ分子は、ウイルスを含む。一部の実施形態では、ウイルスは、組換えアデノ随伴ウイルス(AAV)、アデノウイルス、レンチウイルス、レトロウイルス、単純ヘルペスウイルス(HSV)、ポックスウイルス、エプスタイン・バーウイルス(EBV)、ワクシニアウイルス、およびヒトサイトメガロウイルス(hCMV)を含めた組換えウイルスである。一部の実施形態では、組換えウイルスは、細胞ゲノムに挿入するための導入遺伝子を含む。一部の実施形態では、導入遺伝子は、治療用導入遺伝子である。一部の実施形態では、導入遺伝子は、治療用タンパク質などのタンパク質をコードする。一部の実施形態では、導入遺伝子は、内因性遺伝子、例えば、疾患に関連する内因性遺伝子を標的とするRNAiなどの阻害性RNA(RNAi)をコードする。一部の実施形態では、導入遺伝子は、CARをコードする。一部の実施形態では、ウイルスは、RNAiをコードする第1の導入遺伝子を含む。一部の実施形態では、RNAiは、疾患または状態に関与する内因性遺伝子を標的とする治療用RNAiである。一部の実施形態では、治療用RNAiは、疾患に関連する形態の内因性遺伝子(例えば、突然変異タンパク質をコードする遺伝子、またはタンパク質の異常な発現をもたらす遺伝子)を標的とする。一部の実施形態では、ウイルスは、タンパク質をコードする第2の導入遺伝子を含む。一部の実施形態では、タンパク質は、疾患または状態の処置に有用な治療用タンパク質である。一部の実施形態では、第2の導入遺伝子は、治療用形態の内因性遺伝子である(例えば、第2の導入遺伝子は、内因性遺伝子によってコードされる野生型または機能性形態の突然変異タンパク質をコードする、または第2の導入遺伝子により、内因性遺伝子によってコードされるタンパク質の正常な発現がもたらされる)。一部の実施形態では、第1の導入遺伝子および第2の導入遺伝子を含むウイルスが提供される。
【0158】
一部の実施形態では、カーゴ分子は、mRNA(例えば、PTEN)およびsiRNA(例えば、癌遺伝子(例えば、KRAS)を標的とするsiRNAなど)の両方を含む。
【0159】
一部の実施形態では、カーゴ分子は、mRNA(例えば、DNAヌクレアーゼ(例えば、Cas9)をコードするmRNAなど)およびガイドRNA(例えば、突然変異した癌遺伝子(例えば、KRAS)を標的とするガイドRNAなど)の両方を含む。
ゲノム編集系
【0160】
一部の実施形態では、カーゴは、ゲノム編集系分子を含む。
【0161】
一部の実施形態では、本明細書に記載のゲノム編集複合体またはナノ粒子のゲノム編集系分子(例えば、RGEN)は、タンパク質またはポリペプチドである。例えば、一部の実施形態では、本明細書に記載のゲノム編集複合体またはナノ粒子は、RGEN(例えば、Cas9)を含む。一部の実施形態では、タンパク質またはポリペプチドは、約10kDaから約200kDaの間(例えば、おおよそで、10kDa、20kDa、30kDa、40kDa、50kDa、60kDa、70kDa、80kDa、90kDa、100kDa、110kDa、120kDa、130kDa、140kDa、150kDa、160kDa、170kDa、180kDa、190kDa、および200kDaのいずれかなどであり、これらの値の間のあらゆる範囲も含む)である。一部の実施形態では、ゲノム編集複合体またはナノ粒子は、複数のタンパク質またはポリペプチドを含み、複数のタンパク質またはポリペプチドのそれぞれが、約10kDaから約200kDaの間(例えば、おおよそで、10kDa、20kDa、30kDa、40kDa、50kDa、60kDa、70kDa、80kDa、90kDa、100kDa、110kDa、120kDa、130kDa、140kDa、150kDa、160kDa、170kDa、180kDa、190kDa、および200kDaのいずれかなどであり、これらの値の間のあらゆる範囲も含む)である。
【0162】
一部の実施形態では、本明細書に記載のゲノム編集複合体またはナノ粒子のゲノム編集系分子(例えば、gRNA)は、核酸である。一部の実施形態では、核酸は、約20ntから約20kbの間(例えば、おおよそで、0.02kb、0.03kb、0.04kb、0.05kb、0.06kb、0.07kb、0.08kb、0.09kb、0.1kb、0.2kb、0.3kb、0.4kb、0.5kb、0.6kb、0.7kb、0.8kb、0.9kb、1kb、1.5kb、2kb、2.5kb、3kb、3.5kb、4kb、4.5kb、5kb、5.5kb、6kb、6.5kb、7kb、7.5kb、8kb、8.5kb、9kb、9.5kb、10kb、11kb、12kb、13kb、14kb、15kb、16kb、17kb、18kb、19kb、および20kbのいずれかなどであり、これらの値の間のあらゆる範囲も含む)である。例えば、一部の実施形態では、本明細書に記載のゲノム編集複合体またはナノ粒子は、gRNA(例えば、Cas9 gRNA)を含む。一部の実施形態では、gRNAは、約20ntから約200ntの間(例えば、おおよそで、20nt、30nt、40nt、50nt、60nt、70nt、80nt、90nt、100nt、110nt、120nt、130nt、140nt、150nt、160nt、170nt、180nt、190nt、および200ntのいずれかなどであり、これらの値の間のあらゆる範囲も含む)である。一部の実施形態では、核酸は、ゲノム編集系分子をコードするDNAプラスミドなどのDNAである。一部の実施形態では、DNAプラスミドは、ゲノム編集系分子を発現させるための発現カセットを含む。一部の実施形態では、DNAプラスミドは、約1kbから約20kbの間(例えば、おおよそで、1kb、2kb、3kb、4kb、5kb、6kb、7kb、8kb、9kb、10kb、11kb、12kb、13kb、14kb、15kb、16kb、17kb、18kb、19kb、および20kbのいずれかなどであり、これらの値の間のあらゆる範囲も含む)。一部の実施形態では、核酸は、ゲノム編集系分子をコードするmRNAなどのRNAである。一部の実施形態では、mRNAは、約100ntから約10kbの間(例えば、おおよそで、0.1kb、0.2kb、0.3kb、0.4kb、0.5kb、0.6kb、0.7kb、0.8kb、0.9kb、1kb、1.5kb、2kb、2.5kb、3kb、3.5kb、4kb、4.5kb、5kb、5.5kb、6kb、6.5kb、7kb、7.5kb、8kb、8.5kb、9kb、9.5kb、および10kbのいずれかなどであり、これらの値の間のあらゆる範囲も含む)である。一部の実施形態では、ゲノム編集複合体またはナノ粒子は、本明細書に記載の核酸のいずれかなどの複数の核酸を含む。例えば、一部の実施形態では、ゲノム編集複合体またはナノ粒子は、gRNAおよびゲノム編集系分子をコードする核酸(例えば、ゲノム編集系分子をコードするDNAプラスミドまたはmRNA)を含む。一部の実施形態では、ゲノム編集複合体またはナノ粒子は、複数のゲノム編集系分子をコードする核酸(例えば、複数のゲノム編集系分子をコードする1つまたは複数のDNAプラスミド、または複数のゲノム編集系分子をコードする複数のmRNA)を含む。
【0163】
一部の実施形態では、本明細書に記載のゲノム編集複合体またはナノ粒子のゲノム編集系分子(例えば、RGENまたはgRNA)を、ゲノム編集系分子をコードする核酸で置き換える。例えば、一部の実施形態では、本明細書に記載のゲノム編集複合体またはナノ粒子は、RGENをコードする核酸および/またはgRNAをコードする核酸を含む。一部の実施形態では、核酸は、ゲノム編集系分子をコードするDNAプラスミドなどのDNAである。一部の実施形態では、DNAプラスミドは、ゲノム編集系分子を発現させるための発現カセットを含む。一部の実施形態では、DNAプラスミドは、約1kbから約20kbの間(例えば、おおよそで、1kb、2kb、3kb、4kb、5kb、6kb、7kb、8kb、9kb、10kb、11kb、12kb、13kb、14kb、15kb、16kb、17kb、18kb、19kb、および20kbのいずれかなどであり、これらの値の間のあらゆる範囲も含む)である。一部の実施形態では、核酸は、ゲノム編集系分子をコードするmRNAなどのRNAである。一部の実施形態では、mRNAは、約100ntから約10kbの間(例えば、おおよそで、0.1kb、0.2kb、0.3kb、0.4kb、0.5kb、0.6kb、0.7kb、0.8kb、0.9kb、1kb、1.5kb、2kb、2.5kb、3kb、3.5kb、4kb、4.5kb、5kb、5.5kb、6kb、6.5kb、7kb、7.5kb、8kb、8.5kb、9kb、9.5kb、および10kbのいずれかなどであり、これらの値の間のあらゆる範囲も含む)である。
【0164】
一部の実施形態では、カーゴは、CRISPR関連ヌクレアーゼを含む。一部の実施形態では、CRISPR関連ヌクレアーゼは、Casヌクレアーゼである。Casタンパク質の非限定的な例としては、Cas1、Cas1B、Cas2、Cas3、Cas4、Cas5、Cas6、Cas7、Cas8、Cas9(Csn1およびCsx12としても公知)、Cas10、Cpf1、Csy1、Csy2、Csy3、Cse1、Cse2、Csc1、Csc2、Csa5、Csn2、Csm2、Csm3、Csm4、Csm5、Csm6、Cmr1、Cmr3、Cmr4、Cmr5、Cmr6、Csb1、Csb2、Csb3、Csx17、Csx14、Csx10、Csx16、CsaX、Csx3、Csx1、Csx15、Csf1、Csf2、Csf3、Csf4、そのホモログ、またはその改変バージョン、例えば、誘導性、不活化、または分割Casタンパク質などが挙げられる(例えば、Dominguez et al. (2015). Nature Reviews Molecular Cell Biology;Polstein, L. R., & Gersbach, C. A. (2015). Nature chemical biology, 11(3) : 198-200;Dow et al. (2015). Nature biotechnology, 33(4) : 390-394;Zetsche et al. (2015). Nature biotechnology, 33(2) : 139-142;Kleinstiver et al. (2015). Nature. 523:481-485;Bikard et al. (2013). Nucleic acids research, 41(15) : 7429-7437;Qi et al. (2013). Cell, 152(5) : 1173-1183を参照されたい)。これらの酵素は、当業者に公知である;例えば、S.pyogenes Cas9タンパク質のアミノ酸配列は、SwissProtデータベースにおいて受託番号Q99ZW2の下に見いだすことができ、Acidaminococcus sp.Cpf1タンパク質のアミノ酸配列はSwissProtデータベースにおいて受託番号U2UMQ6の下に見いだすことができる。一部の実施形態では、例えばCas9など、改変されていないCRISPR酵素は、DNA切断活性を有する。一部の実施形態では、CRISPR酵素はCas9であり、S.pyogenesまたはS.pneumoniae由来のCas9であり得る。一部の実施形態では、CRISPR酵素はCpf1であり、AcidaminococcusまたはLachnospiraceae由来のCpf1であり得る。一部の実施形態では、CRISPR酵素により、標的配列内および/または標的配列の相補物内などの標的配列の場所における一方または両方の鎖の切断が方向付けられる。一部の実施形態では、CRISPR酵素により、標的配列の最初のヌクレオチドまたは最後のヌクレオチドから約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、50、100、200、500、またはそれよりも多くの塩基対以内での一方または両方の鎖の切断が方向付けられる。一部の実施形態では、CRISPR酵素は、対応する野生型酵素に対して突然変異したものであり、その結果、突然変異したCRISPR酵素は、標的配列を含有する標的ポリヌクレオチドの一方の鎖または両方の鎖を切断する能力を欠く。例えば、S.pyogenes由来のCas9のRuvC I触媒ドメイン内のアスパラギン酸からアラニンへの置換(D10A)により、Cas9が、両方の鎖を切断するヌクレアーゼからニッカーゼ(一本鎖を切断する)に変換される。Cas9をニッカーゼにする突然変異の他の例としては、限定することなく、H840A、N854A、およびN863Aが挙げられる。一部の実施形態では、Cas9ニッカーゼを、ガイド配列、例えば、それぞれDNA標的のセンス鎖およびアンチセンス鎖を標的とする2つのガイド配列と組み合わせて使用することができる。この組合せにより、両方の鎖にニックを入れ、NHEJの誘導に使用することが可能になる。
【0165】
さらなる例として、Cas9の2つまたはそれよりも多くの触媒ドメイン(RuvC I、RuvC II、およびRuvC III)を突然変異させて、全てのDNA切断活性を実質的に欠く突然変異Cas9を作製することができる。一部の実施形態では、D10A突然変異を、H840A、N854A、またはN863A突然変異のうちの1つまたは複数と組み合わせて、全てのDNA切断活性を実質的に欠くCas9酵素を作製する。一部の実施形態では、CRISPR酵素は、突然変異した酵素のDNA切断活性が、その突然変異していない形態に対して約25%未満、10%未満、5%未満、1%未満、0.1%未満、0.01%未満である、またはそれよりも低い場合に、全てのDNA切断活性を実質的に欠くとみなされる。他の突然変異も有用でありうる;Cas9または他のCRISPR酵素がS.pyogenes以外の種に由来するものである場合、対応するアミノ酸の突然変異を行って同様の効果を実現することができる。
【0166】
一部の実施形態では、Casタンパク質(例えば、Cas9など)は、N末端Casタンパク質断片、Cas(N)、およびC末端Casタンパク質断片、Cas(C)を含む分割Casタンパク質であり、ここで、Cas(N)は第1の二量体形成ドメインと融合しており、Cas(C)は第2の二量体形成ドメインと融合しており、また、第1の二量体形成ドメインおよび第2の二量体形成ドメインにより、Cas(N)とCas(C)の二量体形成が容易になって、機能的なCasヌクレアーゼ活性を有する複合体が形成される。一部の実施形態では、第1の二量体形成ドメインと第2の二量体形成ドメインの二量体形成は、二量体形成剤に対して感受性である。例えば、一部の実施形態では、第1の二量体形成ドメインおよび第2の二量体形成ドメインは、FK506結合性タンパク質12(FKBP)およびラパマイシンの哺乳動物標的(mTOR)のFKBPラパマイシン結合性(FRB)ドメインを含み、二量体形成剤はラパマイシンである。
【0167】
一部の実施形態では、CRISPR酵素をコードする酵素コード配列を、真核細胞などの特定の細胞における発現のためにコドン最適化する。真核細胞は、これだけに限定されないが、ヒト、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、または非ヒト霊長類を含めた哺乳動物などの特定の生物体のものまたは特定の生物体に由来するものであり得る。一般に、コドン最適化は、目的の宿主細胞における発現を増強するために、核酸配列を、ネイティブな配列の少なくとも1個のコドン(例えば、約1個または約1個よりも多く、約2個または約2個よりも多く、約3個または約3個よりも多く、約4個または約4個よりも多く、約5個または約5個よりも多く、約10個または約10個よりも多く、約15個または約15個よりも多く、約20個または約20個よりも多く、約25個または約25個よりも多く、約50個または約50個よりも多く、またはそれよりも多くのコドン)を、その宿主細胞の遺伝子においてより頻繁にまたは最も頻繁に使用されるコドンで置き換えることによって改変する一方で、ネイティブなアミノ酸配列を維持するプロセスを指す。種々の種が特定のアミノ酸に関してある特定のコドンへの特定の偏りを示す。コドンバイアス(生物体間のコドン使用の差異)は、多くの場合、メッセンジャーRNA(mRNA)の翻訳の効率と相関し、今度は翻訳の効率は、とりわけ、翻訳されるコドンの特性および特定の転移RNA(tRNA)分子の利用可能性に依存すると考えられる。細胞において選択されるtRNAの優勢は、一般に、ペプチド合成において最も頻繁に使用されるコドンを反映するものである。したがって、所与の生物体における最適な遺伝子発現のために、遺伝子をコドン最適化に基づいて調整することができる。コドン使用表は、例えば、「Codon Usage Database」で容易に入手可能であり、これらの表をいくつかのやり方で適合させることができる。Nakamura, Y., et al. "Codon usage tabulated from the international DNA sequence databases: status for the year 2000" Nucl. Acids Res. 28:292 (2000)を参照されたい。特定の宿主細胞における発現のために特定の配列をコドン最適化するためのコンピュータアルゴリズムも利用可能であり、例えば、Gene Forge(Aptagen;Jacobus,Pa.)も利用可能である。一部の実施形態では、CRISPR酵素をコードする配列における1つまたは複数のコドン(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、10個、15個、20個、25個、50個、またはそれよりも多く、または全てのコドン)が特定のアミノ酸に関して最も頻繁に使用されるコドンに対応する。
【0168】
一部の実施形態では、CRISPR酵素は、1つまたは複数の核局在化配列(NLS)、例えば、約1個または約1個よりも多く、約2個または約2個よりも多く、約3個または約3個よりも多く、約4個または約4個よりも多く、約5個または約5個よりも多く、約6個または約6個よりも多く、約7個または約7個よりも多く、約8個または約8個よりも多く、約9個または約9個よりも多く、約10個または約10個よりも多く、またはそれよりも多くのNLSを含む。一部の実施形態では、CRISPR酵素は、アミノ末端またはその付近に約1個または約1個よりも多く、約2個または約2個よりも多く、約3個または約3個よりも多く、約4個または約4個よりも多く、約5個または約5個よりも多く、約6個または約6個よりも多く、約7個または約7個よりも多く、約8個または約8個よりも多く、約9個または約9個よりも多く、約10個または約10個よりも多く、またはそれよりも多くのNLSを含むか、カルボキシ末端またはその付近に約1個または約1個よりも多く、約2個または約2個よりも多く、約3個または約3個よりも多く、約4個または約4個よりも多く、約5個または約5個よりも多く、約6個または約6個よりも多く、約7個または約7個よりも多く、約8個または約8個よりも多く、約9個または約9個よりも多く、約10個または約10個よりも多く、またはそれよりも多くのNLSを含むか、またはこれらの組合せを含む(例えば、アミノ末端に1つまたは複数のNLSを含み、カルボキシ末端に1つまたは複数のNLSを含む)。1つよりも多くのNLSが存在する場合、それぞれを他のNLSとは独立に選択することができ、したがって、単一のNLSが1つよりも多くのコピー内に存在する可能性もあり、かつ/または、1つまたは複数のコピー内の1つまたは複数の他のNLSと組み合わせて存在する可能性もある。一部の実施形態では、CRISPR酵素は、最大で6個のNLSを含む。一部の実施形態では、NLSは、NLSの最も近くのアミノ酸がポリペプチド鎖に沿ってN末端またはC末端から約1アミノ酸、2アミノ酸、3アミノ酸、4アミノ酸、5アミノ酸、10アミノ酸、15アミノ酸、20アミノ酸、25アミノ酸、30アミノ酸、40アミノ酸、50アミノ酸、またはそれよりも多くのアミノ酸以内にある場合、N末端またはC末端の付近にあるとみなされる。一般には、NLSは、タンパク質表面に露出した正に荷電したリシンまたはアルギニンの1つまたは複数の短い配列からなるが、他の型のNLSも公知である。NLSの非限定的な例としては、アミノ酸配列PKKKRKVを有するSV40ウイルスラージT-抗原のNLS;ヌクレオプラスミン由来のNLS(例えば、配列KRPAATKKAGQAKKKKを有するヌクレオプラスミン二連NLS);アミノ酸配列PAAKRVKLDまたはRQRRNELKRSPを有するc-myc NLS;配列NQSSNFGPMKGGNFGGRSSGPYGGGGQYFAKPRNQGGYを有するhRNPA1 M9 NLS;インポーチン-アルファ由来のIBBドメインの配列RMRIZFKNKGKDTAELRRRRVEVSVELRKAKKDEQILKRRNV;筋腫Tタンパク質の配列VSRKRPRPおよびPPKKARED;ヒトp53の配列PQPKKKPL;マウスc-ab1 IVの配列SALIKKKKKMAP;インフルエンザウイルスNS1の配列DRLRRおよびPKQKKRK;肝炎ウイルスデルタ抗原の配列RKLKKKIKKL;マウスMx1タンパク質の配列REKKKFLKRR;ヒトポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼの配列KRKGDEVDGVDEVAKKKSKK;およびステロイドホルモン受容体(ヒト)グルココルチコイドの配列RKCLQAGMNLEARKTKKに由来するNLS配列が挙げられる。
【0169】
一般に、ガイド配列は、標的ポリヌクレオチド配列に対して、標的配列とハイブリダイズし、CRISPR複合体の標的配列への配列特異的結合を方向付けるために十分な相補性を有する任意のポリヌクレオチド配列である。一部の実施形態では、ガイド配列とその対応する標的配列の相補性の程度は、適切なアラインメントアルゴリズムを使用して最適にアラインメントした場合、約50%または約50%よりも大きい、約60%または約60%よりも大きい、約75%または約75%よりも大きい、約80%または約80%よりも大きい、約85%または約85%よりも大きい、約90%または約90%よりも大きい、約95%または約95%よりも大きい、約97.5%または約97.5%よりも大きい、約99%または約99%よりも大きい、またはそれよりも大きい。最適なアラインメントは、配列をアラインメントするための任意の適切なアルゴリズムを使用して決定することができ、その非限定的な例として、Smith-Watermanアルゴリズム、Needleman-Wunschアルゴリズム、Burrows-Wheeler Transformに基づくアルゴリズム(例えば、Burrows Wheeler Aligner)、ClustalW、Clustal X、BLAT、Novoalign(Novocraft Technologies、ELAND(Illumina、San Diego、Calif.)、SOAP(soap.genomics.org.cnで入手可能)、およびMaq(maq.sourceforge.netで入手可能)が挙げられる。一部の実施形態では、ガイド配列は、約5個または約5個よりも多く、約10個または約10個よりも多く、約11個または約11個よりも多く、約12個または約12個よりも多く、約13個または約13個よりも多く、約14個または約14個よりも多く、約15個または約15個よりも多く、約16個または約16個よりも多く、約17個または約17個よりも多く、約18個または約18個よりも多く、約19個または約19個よりも多く、約20個または約20個よりも多く、約21個または約21個よりも多く、約22個または約22個よりも多く、約23個または約23個よりも多く、約24個または約24個よりも多く、約25個または約25個よりも多く、約26個または約26個よりも多く、約27個または約27個よりも多く、約28個または約28個よりも多く、約29個または約29個よりも多く、約30個または約30個よりも多く、約35個または約35個よりも多く、約40個または約40個よりも多く、約45個または約45個よりも多く、約50個または約50個よりも多く、約75個または約75個よりも多く、またはそれよりも多くのヌクレオチドの長さである。一部の実施形態では、ガイド配列は、約75個未満、50個未満、45個未満、40個未満、35個未満、30個未満、25個未満、20個未満、15個未満、12個未満、またはそれ未満のヌクレオチドの長さである。ガイド配列の、CRISPR複合体の標的配列への配列特異的結合を方向付ける能力は、任意の適切なアッセイによって評価することができる。例えば、試験されるガイド配列を含めたCRISPR複合体を形成するために十分なCRISPR系の構成成分を、対応する標的配列を有する宿主細胞に供給し、その後、標的配列内の優先的な切断を、例えば本明細書に記載の調査またはアッセイによってなどで評価する。同様に、標的ポリヌクレオチド配列の切断は、試験管中で、標的配列に、試験されるガイド配列を含めたCRISPR複合体の構成成分および試験ガイド配列とは異なる対照ガイド配列を提供し、標的配列における結合または切断速度を試験ガイド配列反応と対照ガイド配列反応で比較することによって評価することができる。他のアッセイが可能であり、当業者には想起されよう。
【0170】
ガイド配列は、任意の標的配列を標的とするように選択することができる。一部の実施形態では、標的配列は、細胞のゲノム内の配列である。例示的な標的配列としては、標的ゲノムに特有の配列が挙げられる。一部の実施形態では、ガイド配列を、ガイド配列内の二次構造の程度が低下するように選択する。二次構造は、任意の適切なポリヌクレオチドフォールディングアルゴリズムによって決定することができる。いくつかのプログラムは、最小のギブス自由エネルギーの算出に基づく。1つのそのようなアルゴリズムの例は、Zuker and Stiegler (Nucleic Acids Res. 9 (1981), 133-148)に記載されている通り、mFoldである。フォールディングアルゴリズムの別の例は、ウイーン大学のInstitute for Theoretical Chemistryにおいて、セントロイド構造予測アルゴリズムを使用して開発されたオンラインウェブサーバーRNAfoldである(例えば、A. R. Gruber et al., 2008, Cell 106(1): 23-24; and P A Carr and G M Church, 2009, Nature Biotechnology 27(12): 1151-62を参照されたい)。さらに別のアルゴリズムは、参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願第61/836,080号に見いだすことができる。
【0171】
一般に、以下のうちの1つまたは複数を促進するために、tracrメイト配列はtracr配列に対して十分な相補性を有する任意の配列を含む:(1)対応するtracr配列を含有する細胞におけるtracrメイト配列に挟まれたガイド配列の削除;および(2)標的配列におけるCRISPR複合体の形成、ここで、CRISPR複合体は、tracr配列とハイブリダイズしたtracrメイト配列を含む。一般に、相補性の程度は、tracrメイト配列とtracr配列の最適なアラインメントを参照し、2つの配列のうちの短い方の長さに沿ったものである。最適なアラインメントは、任意の適切なアラインメントアルゴリズムによって決定することができ、また、最適なアラインメントにより、tracr配列またはtracrメイト配列のいずれか内での自己相補性などの二次構造をさらに説明することができる。一部の実施形態では、最適にアラインメントした場合の2つのうちの短い方の長さに沿ったtracr配列とtracrメイト配列の相補性の程度は、約25%または約25%より大きい、約30%または約30%より大きい、約40%または約40%より大きい、約50%または約50%より大きい、約60%または約60%より大きい、約70%または約70%より大きい、約80%または約80%より大きい、約90%または約90%より大きい、約95%または約95%より大きい、約97.5%または約97.5%より大きい、約99%または約99%より大きい、またはそれよりも大きい。一部の実施形態では、tracr配列は、約5個または約5個よりも多く、約6個または約6個よりも多く、約7個または約7個よりも多く、約8個または約8個よりも多く、約9個または約9個よりも多く、約10個または約10個よりも多く、約11個または約11個よりも多く、約12個または約12個よりも多く、約13個または約13個よりも多く、約14個または約14個よりも多く、約15個または約15個よりも多く、約16個または約16個よりも多く、約17個または約17個よりも多く、約18個または約18個よりも多く、約19個または約19個よりも多く、約20個または約20個よりも多く、約25個または約25個よりも多く、約30個または約30個よりも多く、約40個または約40個よりも多く、約50個または約50個よりも多く、またはそれよりも多くのヌクレオチドの長さである。一部の実施形態では、ガイド配列、tracr配列およびtracrメイト配列は単一のRNA(本明細書では「単一ガイドRNA」または「sgRNA」と称される)内に含有され、したがって、tracr配列とtracrメイト配列のハイブリダイゼーションにより、ヘアピンなどの二次構造が生じる。ヘアピン構造への使用に好ましいループ形成配列は、4ヌクレオチドの長さであり、配列GAAAを有することが最も好ましい。しかし、より長いまたはより短いループ配列を代替配列として使用することもできる。配列は、ヌクレオチドトリプレット(例えば、AAA)および追加的なヌクレオチド(例えば、CまたはG)を含むことが好ましい。ループ形成配列の例としては、CAAAおよびAAAGが挙げられる。本発明のある実施形態では、sgRNAは、少なくとも2つまたはそれよりも多くのヘアピンを有する。好ましい実施形態では、sgRNAは、2つ、3つ、4つまたは5つのヘアピンを有する。本発明のさらなる実施形態では、sgRNAは、最大で5つのヘアピンを有する。一部の実施形態では、sgRNAは、転写終結配列をさらに含み、これはポリT配列、例えば、6Tヌクレオチドであることが好ましい。
【0172】
一部の実施形態では、ドナー核酸も提供される。一部の実施形態では、ドナー核酸は、例えばCRISPR複合体の一部としてのCRISPR酵素によってニックを入れられるまたは切断される標的配列内またはその付近での相同組換えの鋳型として機能するように設計される。ドナー核酸は、例えば、約10個または約10個よりも多く、約15個または約15個よりも多く、約20個または約20個よりも多く、約25個または約25個よりも多く、約50個または約50個よりも多く、約75個または約75個よりも多く、約100個または約100個よりも多く、約150個または約150個よりも多く、約200個または約200個よりも多く、約500個または約500個よりも多く、約1000個または約1000個よりも多く、またはそれよりも多くのヌクレオチドの長さなどの任意の適切な長さのものであってよい。一部の実施形態では、ドナー核酸は、標的配列を含むポリヌクレオチドの一部と相補的な配列を含む。一部の実施形態では、ドナー核酸と標的配列を含むポリヌクレオチドを最適にアラインメントした場合、ドナー核酸は、標的配列の1つまたは複数のヌクレオチド(例えば、約1個または約1個よりも多く、約5個または約5個よりも多く、約10個または約10個よりも多く、約15個または約15個よりも多く、約20個または約20個よりも多く、約25個または約25個よりも多く、約30個または約30個よりも多く、約35個または約35個よりも多く、約40個または約40個よりも多く、約45個または約45個よりも多く、約50個または約50個よりも多く、約60個または約60個よりも多く、約70個または約70個よりも多く、約80個または約80個よりも多く、約90個または約90個よりも多く、約100個または約100個よりも多くまたはそれよりも多くのヌクレオチド)と重複する。一部の実施形態では、ドナー核酸と標的配列を含むポリヌクレオチドを最適にアラインメントした場合、相補性の領域内のドナー核酸の最も近くのヌクレオチドは、標的配列から約1ヌクレオチド以内、5ヌクレオチド以内、10ヌクレオチド以内、15ヌクレオチド以内、20ヌクレオチド以内、25ヌクレオチド以内、50ヌクレオチド以内、75ヌクレオチド以内、100ヌクレオチド以内、200ヌクレオチド以内、300ヌクレオチド以内、400ヌクレオチド以内、500ヌクレオチド以内、1000ヌクレオチド以内、5000ヌクレオチド以内、10000ヌクレオチド以内、またはそれよりも多くのヌクレオチド以内である。
【0173】
一部の実施形態では、CRISPR酵素は、1つまたは複数の異種タンパク質ドメイン(例えば、CRISPR酵素に加えて、約1個または約1個よりも多く、約2個または約2個よりも多く、約3個または約3個よりも多く、約4個または約4個よりも多く、約5個または約5個よりも多く、約6個または約6個よりも多く、約7個または約7個よりも多く、約8個または約8個よりも多く、約9個または約9個よりも多く、約10個または約10個よりも多く、またはそれよりも多くのドメイン)を含む融合タンパク質の一部である。CRISPR酵素融合タンパク質は、任意の追加的なタンパク質配列、および必要に応じて任意の2つのドメイン間のリンカー配列を含み得る。CRISPR酵素と融合することができるタンパク質ドメインの例としては、限定することなく、エピトープタグ、レポーター遺伝子配列、および以下の活性:メチラーゼ活性、デメチラーゼ活性、転写活性化活性、転写抑止活性、転写放出因子活性、ヒストン修飾活性、RNA切断活性および核酸結合活性のうちの1つまたは複数を有するタンパク質ドメインが挙げられる。エピトープタグの非限定的な例としては、ヒスチジン(His)タグ、V5タグ、FLAGタグ、インフルエンザ赤血球凝集素(HA)タグ、Mycタグ、VSV-Gタグ、およびチオレドキシン(Trx)タグが挙げられる。レポーター遺伝子の例としては、これだけに限定されないが、グルタチオン-S-トランスフェラーゼ(GST)、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)ベータガラクトシダーゼ、ベータグルクロニダーゼ、ルシフェラーゼ、緑色蛍光タンパク質(GFP)、HcRed、DsRed、シアン蛍光タンパク質(CFP)、黄色蛍光タンパク質(YFP)、および青色蛍光タンパク質(BFP)を含めた自己蛍光タンパク質が挙げられる。CRISPR酵素は、これだけに限定されないが、マルトース結合性タンパク質(MBP)、S-タグ、Lex A DNA結合性ドメイン(DBD)融合、GAL4 DNA結合性ドメイン融合物、および単純ヘルペスウイルス(HSV)BP16タンパク質融合物を含めた、DNA分子に結合するまたは他の細胞分子に結合するタンパク質またはタンパク質の断片をコードする遺伝子配列と融合することができる。CRISPR酵素を含む融合タンパク質の一部を形成し得る追加的なドメインは、参照により本明細書に組み込まれるUS20110059502に記載されている。一部の実施形態では、タグが付されたCRISPR酵素を使用して標的配列の場所を同定する。
【0174】
一部の実施形態では、カーゴは、触媒として機能しないヌクレアーゼ(例えば、触媒として機能しないCas9エンドヌクレアーゼなど)および逆転写酵素(例えば、M-MLV逆転写酵素のペンタ突然変異体など)を含む融合タンパク質を含む。例えば、Anzalone & Liu et al., Nature. 2019 Dec; 576 (7785): 149-157を参照されたい。一部の実施形態では、カーゴは、融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含む。
【0175】
一部の実施形態では、カーゴは、触媒として機能しないヌクレアーゼ(例えば、触媒として機能しないCas9エンドヌクレアーゼなど)および核酸塩基デアミナーゼ酵素を含む融合タンパク質を含む。一部の実施形態では、核酸塩基デアミナーゼ酵素は、APOBEC1シチジンデアミナーゼである。一部の実施形態では、核酸塩基デアミナーゼ酵素は、シチジンデアミナーゼCDA1である。一部の実施形態では、融合タンパク質は、DNAグリコシラーゼ阻害剤をさらに含む。一部の実施形態では、DNAグリコシラーゼ阻害剤は、ウラシルDNAグリコシラーゼ阻害剤(UGI)である。一部の実施形態では、カーゴは、融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含む。
mRNA
【0176】
一部の実施形態では、カーゴは、mRNAを含む。例示的なmRNAは、これだけに限定されないが、生物学的製剤、抗体、ワクチン、治療用タンパク質もしくはペプチド、細胞透過性ペプチド、分泌型タンパク質、原形質膜タンパク質、細胞質もしくは細胞骨格タンパク質、細胞内膜に結合したタンパク質、核タンパク質、ヒト疾患に関連するタンパク質、標的化部分または治療適応は同定されていないにもかかわらず研究および発見の分野で有用性があるヒトゲノムによってコードされるタンパク質を含めた、いくつかの標的カテゴリーのいずれかから選択される目的のポリペプチドをコードする。
【0177】
一部の実施形態では、本明細書に記載の実施形態のいずれかによるカーゴ送達複合体に含有されるmRNAは、目的のポリペプチドをコードする領域およびそのそれぞれの全体が本明細書に組み込まれる米国特許第9,061,059号および同第9,221,891号に記載されているmRNAのいずれかによる連結したヌクレオシドの領域を含む。
【0178】
一部の実施形態では、本明細書に記載の実施形態のいずれかによるカーゴ送達複合体に含有されるmRNAは、参照ポリペプチドのポリペプチドバリアントをコードする。一部の実施形態では、ポリペプチドバリアントは、参照ポリペプチドと同じまたは同様の活性を有し得る。あるいは、バリアントは、参照ポリペプチドと比べて変更された活性(例えば、増大または低減)を有し得る。一般に、本発明の特定のポリヌクレオチドまたはポリペプチドのバリアントは、その特定の参照ポリヌクレオチドまたはポリペプチドに対して、本明細書に記載されており、当業者に公知の配列アラインメントプログラムおよびパラメータによって決定して、少なくとも約40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%であるが100%未満の配列同一性を有する。
【0179】
一部の実施形態では、本明細書に記載の実施形態のいずれかによるカーゴ送達複合体に含有されるmRNAは、生物学的製剤をコードする。本明細書で使用される場合、「生物学的製剤」は、本明細書に提示される方法によって作製され、重篤なまたは生命を脅かす疾患または医学的状態を処置する、治癒させる、軽減する、予防する、または診断するために使用することができる、ポリペプチドに基づく分子である。本発明による生物学的製剤としては、これだけに限定されないが、とりわけ、アレルゲンエキス(例えば、アレルギー注射およびテスト用)、血液成分、遺伝子治療用製品、移植に使用されるヒト組織または細胞製品、ワクチン、モノクローナル抗体、サイトカイン、増殖因子、酵素、血栓溶解薬、および免疫調節物質が挙げられる。一部の実施形態では、生物学的製剤は、現在販売されているものまたは開発中のものである。
【0180】
一部の実施形態では、本明細書に記載の実施形態のいずれかによるカーゴ送達複合体に含有されるmRNAは、抗体またはその断片(例えば、抗原結合性断片など)をコードするものである。一部の実施形態では、抗体またはその断片は、現在販売されているものまたは開発中のものである。
【0181】
「抗体」という用語は、モノクローナル抗体(免疫グロブリンFc領域を有する全長抗体を含む)、多エピトープ特異性を有する抗体組成物、多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体、ジアボディ(diabody)、および単鎖分子)、ならびに抗体断片を含む。「免疫グロブリン」(Ig)という用語は、本明細書では「抗体」と互換的に使用される。本明細書で使用される場合、「モノクローナル抗体」という用語は、実質的に均一な抗体の集団、すなわち、集団を構成する個々の抗体が、微量で存在し得る、可能性のある天然に存在する突然変異および/または翻訳後修飾(例えば、異性化、アミド化)を除いて同一である集団から得た抗体を指す。モノクローナル抗体は、高度に特異的であり、単一の抗原部位を対象とする。
【0182】
一部の実施形態では、本明細書に記載の実施形態のいずれかによるカーゴ送達複合体に含有されるmRNAは、ワクチンをコードする。本明細書で使用される場合、「ワクチン」は、特定の疾患または感染因子に対する免疫を改善する生物学的製剤調製物である。一部の実施形態では、ワクチンは、現在販売されているものまたは開発中のものである。
【0183】
一部の実施形態では、mRNAによってコードされるワクチンを利用して、これだけに限定されないが、心血管、CNS、皮膚、内分泌、腫瘍、免疫、呼吸器、および感染予防などの多くの治療領域の状態または疾患を処置する。
【0184】
一部の実施形態では、本明細書に記載の実施形態のいずれかによるカーゴ送達複合体に含有されるmRNAは、治療用タンパク質をコードするものである。一部の実施形態では、治療用タンパク質は、現在販売されているものまたは開発中のものである。一部の実施形態では、治療用タンパク質は、(a)欠乏しているもしくは異常なタンパク質を置き換えるため;(b)既存の経路を強化するため;(c)新規の機能もしくは活性を提供するため;または(d)分子もしくは生物体に干渉するために有用である。一部の実施形態では、治療用タンパク質としては、これだけに限定することなく、抗体に基づく薬物、Fc融合タンパク質、抗凝固薬、血液因子、骨形成タンパク質、工学的に作製されたタンパク質足場、酵素、増殖因子、ホルモン、インターフェロン、インターロイキン、および血栓溶解薬が挙げられる。一部の実施形態では、治療用タンパク質は、(a)標的に非共有結合により結合することによって作用する、例えば、mAbである;(b)共有結合に影響を及ぼすことによって作用する、例えば、酵素である;または(c)特異的な相互作用なしで活性を発揮することによって作用する、例えば、血清アルブミンである。一部の実施形態では、治療用タンパク質は、組換えタンパク質である。
【0185】
一部の実施形態では、mRNAによってコードされる治療用タンパク質を利用して、これだけに限定されないが、血液、心血管、CNS、中毒(抗毒素を含む)、皮膚、内分泌、遺伝子、尿生殖器、胃腸、筋骨格、腫瘍、および免疫、呼吸器、知覚および感染予防などの多くの治療領域の状態または疾患を処置する。一部の実施形態では、治療用タンパク質として、これだけに限定することなく、血管内皮増殖因子(VEGF-A、VEGF-B、VEGF-C、VEGF-D)、胎盤増殖因子(PGF)、OX40リガンド(OX40L;CD134L)、インターロイキン12(IL12)、インターロイキン23(IL23)、インターロイキン36γ(IL36γ)、およびCoAムターゼが挙げられる。
【0186】
一部の実施形態では、治療用タンパク質は、欠乏しているまたは異常なタンパク質に置き換わるものである。一部の実施形態では、治療用タンパク質として、これだけに限定することなく、アルファ1抗トリプシン、フラタキシン、インスリン、成長ホルモン(ソマトトロピン)、増殖因子、ホルモン、ジストロフィン、インスリン様増殖因子1(IGF1)、第VIII因子、第IX因子、アンチトロンビンIII、プロテインC、β-グルコセレブロシダーゼ、アルグルコシダーゼ-α、α-1-イズロニダーゼ、イズロン酸-2-スルファターゼ、ガルスルファーゼ、ヒトα-ガラクトシダーゼA、α-1-プロテイナーゼ阻害剤、ラクターゼ、膵臓酵素(リパーゼ、アミラーゼ、およびプロテアーゼを含む)、アデノシンデアミナーゼ、ならびにアルブミンが挙げられ、これらの組換え型も含まれる。
【0187】
一部の実施形態では、治療用タンパク質は、新規の機能または活性を提供するものである。一部の実施形態では、治療用タンパク質として、これだけに限定することなく、ボツリヌス毒素A型、ボツリヌス毒素B型、コラゲナーゼ、ヒトデオキシ-リボヌクレアーゼI、ドルナーゼ-α、ヒアルロニダーゼ、パパイン、L-アスパラギナーゼ、ラスブリカーゼ、レピルジン、ビバリルジン、ストレプトキナーゼ、およびアニソイレート化プラスミノーゲンストレプトキナーゼ活性化因子複合体(APSAC)が挙げられる。
【0188】
一部の実施形態では、治療用タンパク質は、分子または生物体に干渉するものである。一部の実施形態では、治療用タンパク質として、これだけに限定することなく、抗VEGFA抗体、抗EGFR抗体、抗CD52抗体、抗CD20抗体、抗HER2/Neu抗体、ヒトCTLA4の細胞外ドメインとヒト免疫グロブリンG1の改変されたFc部分の融合タンパク質、インターロイキン1(IL1)受容体アンタゴニスト、抗TNFα抗体、CD2結合性タンパク質、抗CD11a抗体、α4β1およびα4β7インテグリンのα4-サブユニットに対する抗体、抗補体タンパク質C5抗体、抗胸腺細胞グロブリン、キメラ(ヒト/マウス)IgG1、CD25のアルファ鎖に結合するヒト化IgG1 mAb、抗CD3抗体、抗IgE抗体、呼吸器合胞体ウイルスのFタンパク質のA抗原部位に結合するヒト化IgG1 mAb、HIVエンベロープタンパク質gp120/gp41結合性ペプチド、糖タンパク質IIb/IIIaインテグリン受容体に結合するキメラ(ヒト/マウス)mAb 7E3のFab断片、ならびに毒液毒素に結合し、それを中和するIgGのFab断片が挙げられる。
【0189】
一部の実施形態では、本明細書に記載の実施形態のいずれかによるカーゴ送達複合体に含有されるmRNAは、腫瘍抑制タンパク質をコードし、当該タンパク質は、腫瘍抑制遺伝子に対応する。一部の実施形態では、腫瘍抑制タンパク質は、網膜芽細胞腫タンパク質(pRb)である。一部の実施形態では、腫瘍抑制タンパク質は、p53腫瘍抑制タンパク質である。一部の実施形態では、対応する腫瘍抑制遺伝子は、ホスファターゼ・テンシン・ホモログ(PTEN)である。一部の実施形態では、対応する腫瘍抑制遺伝子は、BRCA1である。一部の実施形態では、対応する腫瘍抑制遺伝子は、BRCA2である。一部の実施形態では、対応する腫瘍抑制遺伝子は、網膜芽細胞腫RB(またはRB1)である。一部の実施形態では、対応する腫瘍抑制遺伝子は、TSC1である。一部の実施形態では、対応する腫瘍抑制遺伝子は、TSC2である。一部の実施形態では、対応する腫瘍抑制遺伝子として、これだけに限定することなく、網膜芽細胞腫RB(またはRB1)、TP53、TP63、TP73、CDKN2A(INK4A)、CDKN1B、CDKN1C、DLD/NP1、HEPACAM、SDHB、SDHD、SFRP1、TCF21、TIG1、MLH1、MSH2、MSH6、WT1、WT2、NF1、NF2N、VHL、KLF4、pVHL、APC、CD95、ST5、YPEL3、ST7、APC、MADR2、BRCA1、BRCA2、パッチド(patched)、TSC1、TSC2、PALB2、ST14、またはVHLが挙げられる。
【0190】
一部の実施形態では、mRNAは、腫瘍抑制タンパク質PTENをコードする。一部の実施形態では、腫瘍抑制タンパク質PTENは、ヒトPTEN配列によってコードされる。一部の実施形態では、mRNAは、NCBI GenBankにおける受託番号BC005821、JF268690、U92436、CR450306、AK024986、AK313581、U96180、およびU93051およびNM_000314の配列からなる群から選択される配列を含む。
【0191】
一部の実施形態では、mRNAは、腫瘍抑制タンパク質p53をコードする。一部の実施形態では、腫瘍抑制タンパク質p53は、ヒトTP53配列によってコードされる。一部の実施形態では、mRNAは、NCBI GenBankにおける受託番号AF052180、NM_000546、AY429684、BT019622、AK223026、DQ186652、DQ186651、DQ186650、DQ186649、DQ186648、DQ263704、DQ286964、DQ191317、DQ401704、AF307851、AM076972、AM076971、AM076970、DQ485152、BC003596、DQ648887、DQ648886、DQ648885、DQ648884、AK225838、M14694、M14695、EF101869、EF101868、EF101867、X01405、AK312568、NM_001126117、NM_001126116、NM_001126115、NM_001126114、NM_001126113、NM_001126112、FJ207420、X60020、X60019、X60018、X60017、X60016、X60015、X60014、X60013、X60011、X60012、X60010、X02469、S66666、AB082923、NM_001126118、JN900492、NM_001276699、NM_001276698、NM_001276697、NM_001276761、NM_001276760、NM_001276696、およびNM_001276695の配列からなる群から選択される配列を含む。
【0192】
一部の実施形態では、mRNAは、腫瘍抑制タンパク質BRCA1をコードする。一部の実施形態では、腫瘍抑制タンパク質BRCA1は、ヒトBRCA1配列によってコードされる。一部の実施形態では、mRNAは、NCBI GenBankにおける受託番号NM_007294、NM_007297、NM_007298、NM_007304、NM_007299、NM_007300、BC046142、BC062429、BC072418、AY354539、AY751490、BC085615、BC106746、BC106745、BC114511、BC115037、U14680、AK293762、U68041、BC030969、BC012577、AK316200、DQ363751、DQ333387、DQ333386、Y08864、JN686490、AB621825、BC038947、U64805、およびAF005068の配列からなる群から選択される配列を含む。
【0193】
一部の実施形態では、mRNAは、腫瘍抑制タンパク質BRCA2をコードする。一部の実施形態では、腫瘍抑制タンパク質BRCA2は、ヒトBRCA2配列によってコードされる。一部の実施形態では、mRNAは、NCBI GenBankにおける受託番号BC047568、NM_000059、DQ897648、BC026160の配列からなる群から選択される配列を含む。
【0194】
一部の実施形態では、mRNAは、腫瘍抑制タンパク質TSC1をコードする。一部の実施形態では、腫瘍抑制タンパク質TSC1は、ヒトTSC1配列によってコードされる。一部の実施形態では、mRNAは、NCBI GenBankにおける受託番号BC047772、NM_000368、BC070032、AB190910、BC108668、BC121000、NM_001162427、NM_001162426、D87683、およびAF013168の配列からなる群から選択される配列を含む。
【0195】
一部の実施形態では、mRNAは、腫瘍抑制タンパク質TSC2をコードする。一部の実施形態では、腫瘍抑制タンパク質TSC2は、ヒトTSC2配列によってコードされる。一部の実施形態では、mRNAは、NCBI GenBankにおける受託番号BC046929、BX647816、AK125096、NM_000548、AB210000、NM_001077183、BC150300、BC025364、NM_001114382、AK094152、AK299343、AK295728、AK295672、AK294548、およびX75621の配列からなる群から選択される配列を含む。
【0196】
一部の実施形態では、mRNAは、腫瘍抑制タンパク質網膜芽細胞腫1(RB1)をコードする。一部の実施形態では、腫瘍抑制タンパク質RB1は、ヒトRB1配列によってコードされる。一部の実施形態では、mRNAは、NCBI GenBankにおける受託番号NM_000321、AY429568、AB208788、M19701、AK291258、L41870、AK307730、AK307125、AK300284、AK299179、M33647、M15400、M28419、BC039060、BC040540、およびAF043224の配列からなる群から選択される配列を含む。
【0197】
一部の実施形態では、本明細書に記載の実施形態のいずれかによるカーゴ送達複合体に含有されるmRNAは、タンパク質をコードし、当該タンパク質は、欠乏すると疾患または障害が生じるものである。一部の実施形態では、タンパク質は、フラタキシンである。一部の実施形態では、タンパク質は、アルファ1抗トリプシンである。一部の実施形態では、タンパク質は、第VIII因子である。一部の実施形態では、タンパク質は、第IX因子である。
【0198】
一部の実施形態では、本明細書に記載の実施形態のいずれかによるカーゴ送達複合体に含有されるmRNAは、タンパク質をコードし、当該タンパク質が個体において発現されることにより、個体における当該タンパク質に対する免疫応答がモジュレートされる。一部の実施形態では、タンパク質は、抗原である。一部の実施形態では、抗原は、疾患関連抗原(例えば、腫瘍関連抗原)であり、当該抗原が個体において発現されると、個体における当該抗原に対する免疫応答の増大がもたらされる。一部の実施形態では、抗原は自己抗原であり、当該抗原が個体において発現すると、個体における当該抗原に対する免疫応答の低下がもたらされる。
【0199】
一部の実施形態では、本明細書に記載の実施形態のいずれかによるカーゴ送達複合体に含有されるmRNAは、抗体またはその抗原結合性断片をコードする。一部の実施形態では、抗体は、治療用抗体である。一部の実施形態では、抗体は、二重特異性T細胞誘導抗体(BiTE)などの二重特異性抗体である。一部の実施形態では、抗体は、腫瘍関連抗原などの疾患関連抗原に特異的に結合する。
【0200】
一部の実施形態では、本明細書に記載の実施形態のいずれかによるカーゴ送達複合体に含有されるmRNAは、レポーターmRNAを含む。一部の実施形態では、mRNAは、EGFP mRNA、例えば、CleanCap EGFP mRNA、CleanCap EGFP mRNA(5moU)、またはCleanCap Cyanine 5 EGFP mRNA(5moU)を含む。一部の実施形態では、mRNAは、Luc mRNA、例えば、CleanCap Fluc mRNA、CleanCap Fluc mRNA(5moU)、CleanCap Cyanine 5 Fluc mRNA(5moU)、CleanCap Gaussia Luc mRNA(5moU)、またはCleanCap Renilla Luc mRNA(5moU)を含む。一部の実施形態では、mRNAは、CleanCap β-gal mRNA、CleanCap β-gal mRNA(5moU)およびCleanCap mCherry mRNA(5moU)から選択されるmRNAを含む。
RNAi
【0201】
一部の実施形態では、カーゴ分子は、干渉RNA(RNAi)を含む。一部の実施形態では、RNAiとして、これだけに限定することなく、siRNA、shRNA、またはmiRNAが挙げられる。一部の実施形態では、RNAiは、siRNAである。一部の実施形態では、RNAiは、マイクロRNAである。一部の実施形態では、RNAiは、内因性遺伝子を標的とするものである。一部の実施形態では、RNAiは、外因性遺伝子を標的とするものである。一部の実施形態では、RNAiは、疾患に関連する遺伝子、例えば、癌遺伝子などのがんに関連する遺伝子を標的とするものである。一部の実施形態では、RNAiは、癌遺伝子を標的とする。一部の実施形態では、癌遺伝子は、スムーズンド(smoothened)である。一部の実施形態では、癌遺伝子は、rasKである。一部の実施形態では、癌遺伝子は、KRASである。
【0202】
一部の実施形態では、カーゴ分子は、mRNA(例えば、本明細書に記載のmRNAのうちのいずれか1つなど)およびRNAi(例えば、siRNAなど)の両方を含む。
【0203】
一部の実施形態では、RNAi(例えば、siRNA)は、癌遺伝子を標的とするものであり、癌遺伝子は、KRASである。一部の実施形態では、個体は、KRASの異常を含む。一部の実施形態では、KRASの異常は、KRASのコドン12、13、17、34または61に対する突然変異を含む。一部の実施形態では、KRASの異常は、G12C、G12S、G12R、G12F、G12L、G12N、G12A、G12D、G12S、G12V、G13C、G13S、G13R、G13A、G13D、G13V、G13P、S17G、P34S、Q61E、Q61K、Q61L、Q61R、Q61P、Q61H、K117N、A146P、A146TおよびA146Vからなる群から選択される。一部の実施形態では、KRASの異常は、G12C、G12S、G12R、G12F、G12L、G12N、G12A、G12D、G12V、G13C、G13S、G13D、G13V、G13P、S17G、P34S、Q61K、Q61L、Q61R、およびQ61Hからなる群から選択される。一部の実施形態では、KRASの異常は、G12C、G12R、G12S、G12A、G12D、G12V、G13C、G13R、G13S、G13A、G13D、G13V、Q61K、Q61L、Q61R、Q61H、K117N、A146P、A146TおよびA146Vからなる群から選択される。一部の実施形態では、KRASの異常は、KRAS G12A、G12C、G12D、G12R、G12S、G12V、G13A、G13C、G13D、G13R、G13S、G13V、Q61E、Q61H、Q61K、Q61L、Q61P、およびQ61Rからなる群から選択される。一部の実施形態では、KRASの異常は、G12Cを含む。一部の実施形態では、KRASの異常は、G12Dを含む。一部の実施形態では、KRASの異常は、Q61Kを含む。一部の実施形態では、KRASの異常は、G12CおよびG12Dを含む。一部の実施形態では、KRASの異常は、G12CおよびQ61Kを含む。一部の実施形態では、KRASの異常は、G12DおよびQ61Kを含む。一部の実施形態では、KRASの異常は、G12C、G12DおよびQ61Kを含む。
【0204】
一部の実施形態では、RNAi(例えば、siRNA)は、KRASの突然変異形態を標的とするものである。一部の実施形態では、RNAi(例えば、siRNA)は、KRASの突然変異形態を特異的に標的とし、KRASの野生型形態は標的としないものである。一部の実施形態では、突然変異形態は、KRASの異常を含み、KRASの異常は、KRASのコドン12、13、17、34または61に対する突然変異を含む。一部の実施形態では、突然変異形態は、KRASの異常を含み、KRASの異常は、G12C、G12S、G12R、G12F、G12L、G12N、G12A、G12D、G12S、G12V、G13C、G13S、G13R、G13A、G13D、G13V、G13P、S17G、P34S、Q61E、Q61K、Q61L、Q61R、Q61P、Q61H、K117N、A146P、A146TおよびA146Vからなる群から選択される。一部の実施形態では、突然変異形態は、KRASの異常を含み、KRASの異常は、G12C、G12S、G12R、G12F、G12L、G12N、G12A、G12D、G12V、G13C、G13S、G13D、G13V、G13P、S17G、P34S、Q61K、Q61L、Q61R、およびQ61Hからなる群から選択される。一部の実施形態では、突然変異形態は、KRASの異常を含み、KRASの異常は、G12C、G12R、G12S、G12A、G12D、G12V、G13C、G13R、G13S、G13A、G13D、G13V、Q61K、Q61L、Q61R、Q61H、K117N、A146P、A146TおよびA146Vからなる群から選択される。一部の実施形態では、突然変異形態は、KRASの異常を含み、KRASの異常は、KRAS G12A、G12C、G12D、G12R、G12S、G12V、G13A、G13C、G13D、G13R、G13S、G13V、Q61E、Q61H、Q61K、Q61L、Q61P、およびQ61Rからなる群から選択される。一部の実施形態では、KRASの異常は、KRAS G12C、G12D、G12R、G12S、G12VおよびG13Dからなる群から選択される。一部の実施形態では、KRASの異常は、G12Cを含む。一部の実施形態では、KRASの異常は、G12Dを含む。一部の実施形態では、KRASの異常は、Q61Kを含む。一部の実施形態では、KRASの異常は、G12CおよびG12Dを含む。一部の実施形態では、KRASの異常は、G12CおよびQ61Kを含む。一部の実施形態では、KRASの異常は、G12DおよびQ61Kを含む。一部の実施形態では、KRASの異常は、G12C、G12DおよびQ61Kを含む。
【0205】
一部の実施形態では、RNAi(例えば、siRNA)は、KRASの複数の突然変異形態を標的とするものである。一部の実施形態では、複数の突然変異形態は、KRASの複数の異常を含み、KRASの複数の異常は、KRASのコドン12、13、17、34および/または61に対する少なくとも2つまたはそれよりも多くの突然変異を含む。一部の実施形態では、KRASの複数の異常は、KRASのコドン12および61に対する少なくとも2つまたはそれよりも多くの突然変異を含む。一部の実施形態では、KRASの異常は、G12C、G12S、G12R、G12F、G12L、G12N、G12A、G12D、G12S、G12V、G13C、G13S、G13R、G13A、G13D、G13V、G13P、S17G、P34S、Q61E、Q61K、Q61L、Q61R、Q61P、Q61H、K117N、A146P、A146TおよびA146Vからなる群から選択される。一部の実施形態では、KRASの異常は、G12C、G12S、G12R、G12F、G12L、G12N、G12A、G12D、G12V、G13C、G13S、G13D、G13V、G13P、S17G、P34S、Q61K、Q61L、Q61R、およびQ61Hからなる群から選択される。一部の実施形態では、KRASの異常は、G12C、G12R、G12S、G12A、G12D、G12V、G13C、G13R、G13S、G13A、G13D、G13V、Q61K、Q61L、Q61R、Q61H、K117N、A146P、A146TおよびA146Vからなる群から選択される。一部の実施形態では、KRASの異常は、KRAS G12A、G12C、G12D、G12R、G12S、G12V、G13A、G13C、G13D、G13R、G13S、G13V、Q61E、Q61H、Q61K、Q61L、Q61P、およびQ61Rからなる群から選択される。一部の実施形態では、KRASの異常は、KRAS G12C、G12D、G12R、G12S、G12VおよびG13Dからなる群から選択される。一部の実施形態では、KRASの異常は、KRAS G12C、G12D、およびQ61Kからなる群から選択される。一部の実施形態では、KRASの異常は、G12CおよびG12Dを含む。一部の実施形態では、KRASの異常は、G12CおよびQ61Kを含む。一部の実施形態では、KRASの異常は、G12DおよびQ61Kを含む。一部の実施形態では、KRASの異常は、G12C、G12DおよびQ61Kを含む。
【0206】
一部の実施形態では、RNAi(例えば、siRNA)は、第1のRNAi(例えば、第1のsiRNA)および第2のRNAi(例えば、第2のsiRNA)を含む複数のRNAi(例えば、siRNA)を含み、第1のRNAiは、第1のKRASの突然変異形態を標的とするものであり、第2のRNAiは、第2のKRASの突然変異形態を標的とするものである。一部の実施形態では、第1のRNAiおよび/または第2のRNAiは、KRASの野生型形態を標的としない。一部の実施形態では、第1の突然変異形態および/または第2の突然変異形態は、KRASの異常を含み、KRASの異常は、KRASのコドン12、13、17、34および/または61に対する突然変異を含む。一部の実施形態では、第1の突然変異形態および/または第2の突然変異形態は、KRASの異常を含み、KRASの異常は、KRASのコドン12または61に対する突然変異を含む。一部の実施形態では、第1の突然変異形態は、コドン12に対する突然変異を含むKRASの異常を含み、第2の突然変異形態は、コドン61に対する突然変異を含むKRASの異常を含む。一部の実施形態では、第1の突然変異形態および/または第2の突然変異形態は、KRASの異常を含み、KRASの異常は、G12C、G12S、G12R、G12F、G12L、G12N、G12A、G12D、G12S、G12V、G13C、G13S、G13R、G13A、G13D、G13V、G13P、S17G、P34S、Q61E、Q61K、Q61L、Q61R、Q61P、Q61H、K117N、A146P、A146TおよびA146Vからなる群から選択される。一部の実施形態では、第1の突然変異形態および/または第2の突然変異形態は、KRASの異常を含み、KRASの異常は、G12C、G12S、G12R、G12F、G12L、G12N、G12A、G12D、G12V、G13C、G13S、G13D、G13V、G13P、S17G、P34S、Q61K、Q61L、Q61R、およびQ61Hからなる群から選択される。一部の実施形態では、第1の突然変異形態および/または第2の突然変異形態は、KRASの異常を含み、KRASの異常は、G12C、G12R、G12S、G12A、G12D、G12V、G13C、G13R、G13S、G13A、G13D、G13V、Q61K、Q61L、Q61R、Q61H、K117N、A146P、A146TおよびA146Vからなる群から選択される。一部の実施形態では、第1の突然変異形態および/または第2の突然変異形態は、KRASの異常を含み、KRASの異常は、KRAS G12A、G12C、G12D、G12R、G12S、G12V、G13A、G13C、G13D、G13R、G13S、G13V、Q61E、Q61H、Q61K、Q61L、Q61P、およびQ61Rからなる群から選択される。一部の実施形態では、第1の突然変異形態および/または第2の突然変異形態は、KRASの異常を含み、KRASの異常は、KRAS G12C、G12D、G12R、G12S、G12VおよびG13Dからなる群から選択される。一部の実施形態では、第1の突然変異形態および/または第2の突然変異形態は、KRASの異常を含み、KRASの異常は、G12C、G12DおよびQ61Kから選択される。一部の実施形態では、第1の突然変異形態は、KRAS G12Cを含むKRASの異常を含み、第2の突然変異形態は、KRAS G12Dを含むKRASの異常を含む。一部の実施形態では、第1の突然変異形態は、KRAS G12Cを含むKRASの異常を含み、第2の突然変異形態は、KRAS Q61Kを含むKRASの異常を含む。一部の実施形態では、第1の突然変異形態は、KRAS G12Dを含むKRASの異常を含み、第2の突然変異形態は、KRAS Q61Kを含むKRASの異常を含む。
【0207】
一部の実施形態では、RNAi(例えば、siRNA)は、第1のRNAi(例えば、第1のsiRNA)、第2のRNAi(例えば、第2のsiRNA)、および第3のRNAi(例えば、siRNA)を含む複数のRNAi(例えば、siRNA)を含む。一部の実施形態では、第1のRNAiは第1のKRASの突然変異形態を標的とするものであり、第2のRNAiは第2のKRASの突然変異形態を標的とするものであり、第3のRNAiは第3のKRASの突然変異形態を標的とするものである。一部の実施形態では、第1のKRAS突然変異形態、第2のKRAS突然変異形態および第3のKRAS突然変異形態は、それぞれが、KRASのコドン12、13、17、34および/または61に対する突然変異を含むKRASの異常を含む。一部の実施形態では、第1のKRAS突然変異形態、第2のKRAS突然変異形態および第3のKRAS突然変異形態は、それぞれが、G12C、G12S、G12R、G12F、G12L、G12N、G12A、G12D、G12S、G12V、G13C、G13S、G13R、G13A、G13D、G13V、G13P、S17G、P34S、Q61E、Q61K、Q61L、Q61R、Q61P、Q61H、K117N、A146P、A146TおよびA146Vからなる群から選択されるKRASの異常を含む。一部の実施形態では、第1のKRAS突然変異形態、第2のKRAS突然変異形態および第3のKRAS突然変異形態は、それぞれが、G12C、G12S、G12R、G12F、G12L、G12N、G12A、G12D、G12V、G13C、G13S、G13D、G13V、G13P、S17G、P34S、Q61K、Q61L、Q61R、およびQ61Hからなる群から選択されるKRASの異常を含む。一部の実施形態では、第1のKRAS突然変異形態、第2のKRAS突然変異形態および第3のKRAS突然変異形態は、それぞれが、G12C、G12R、G12S、G12A、G12D、G12V、G13C、G13R、G13S、G13A、G13D、G13V、Q61K、Q61L、Q61R、Q61H、K117N、A146P、A146TおよびA146Vからなる群から選択されるKRASの異常を含む。一部の実施形態では、第1のKRAS突然変異形態、第2のKRAS突然変異形態および第3のKRAS突然変異形態は、それぞれが、KRAS G12A、G12C、G12D、G12R、G12S、G12V、G13A、G13C、G13D、G13R、G13S、G13V、Q61E、Q61H、Q61K、Q61L、Q61P、およびQ61Rからなる群から選択されるKRASの異常を含む。一部の実施形態では、第1のKRAS突然変異形態、第2のKRAS突然変異形態および第3のKRAS突然変異形態は、それぞれが、KRAS G12C、G12D、G12R、G12S、G12V、G13DおよびQ61Kからなる群から選択されるKRASの異常を含む。一部の実施形態では、第1のKRAS突然変異形態、第2のKRAS突然変異形態および第3のKRAS突然変異形態は、それぞれが、G12C、G12DおよびQ61Kからなる群から選択されるKRASの異常を含む。一部の実施形態では、第1の突然変異形態は、KRAS G12Cを含むKRASの異常を含み、第2の突然変異形態は、KRAS G12Dを含むKRASの異常を含み、第3の突然変異形態は、KRAS Q61Kを含むKRASの異常を含む。
【0208】
一部の実施形態では、RNAi(例えば、siRNA)は、5’-GUUGGAGCUUGUGGCGUAGTT-3’(センス)、5’-CUACGCCACCAGCUCCAACTT-3(アンチセンス)、5’-GAAGUGCAUACACCGAGACTT-3’(センス)、5’-GUCUCGGUGUAGCACUUCTT-3’(アンチセンス)、5’-GUUGGAGCUGUUGGCGUAGTT-3’(センス)および/または5’-CUACGCCAACAGCUCCAACTT-3’(アンチセンス)の配列を含むKRASを標的とするRNAi(例えば、siRNA)を含む。一部の実施形態では、RNAi(例えば、siRNA)は、配列番号179、180、182~185の配列から選択される核酸配列を含むKRASを標的とするRNAi(例えば、siRNA)を含む。一部の実施形態では、RNAi(例えば、siRNA)は、KRAS G12Sを標的とする配列、例えば、Acunzo, M. et al., Proc Natl Acad Sci USA. 2017 May 23; 114 (21): E4203-E4212に開示されているsiRNA配列などを含むKRASを標的とするRNAi(例えば、siRNA)を含む。一部の実施形態では、RNAi(例えば、siRNA)は、それぞれが本出願に完全に組み込まれるWO2014013995、JP2013212052、WO2014118817、WO2012129352、WO2017179660、JP2013544505、US8008474、US7745611、US7576197、US7507811に開示されている、KRASを標的とするRNAi(例えば、siRNA)を含む。
【0209】
一部の実施形態では、RNAiとして、これだけに限定することなく、siRNA、shRNA、およびmiRNAが挙げられる。「干渉RNA」または「RNAi」または「干渉RNA配列」という用語は、干渉RNAが標的遺伝子または配列と同じ細胞内に存在する場合に、標的遺伝子または配列の発現を低減または阻害することができる(例えば、干渉RNA配列と相補的なmRNAの分解を媒介することまたは干渉RNA配列と相補的なmRNAの翻訳を阻害することによって)一本鎖RNA(例えば、成熟miRNA)または二本鎖RNA(すなわち、siRNA、aiRNA、またはプレmiRNAなどの二重鎖RNA)を指し、したがって、干渉RNAは、標的mRNA配列と相補的である、または2つの相補鎖によってもしくは単一の自己相補鎖によって形成された二本鎖RNAと相補的である一本鎖RNAを指す。干渉RNAは、標的遺伝子または配列に対して実質的または完全な同一性を有し得る、またはミスマッチの領域(すなわち、ミスマッチモチーフ)を有し得る。干渉RNAの配列は、全長の標的遺伝子、またはその部分配列に対応し得る。干渉RNAは、「低分子干渉RNA」または「siRNA」、例えば、約15~60、15~50、または5~40(二重鎖)ヌクレオチドの長さ、より一般には約15~30、15~25、または19~25(二重鎖)ヌクレオチドの長さ、好ましくは約20~24、21~22、または21~23(二重鎖)ヌクレオチドの長さの干渉RNAを含む(例えば、二本鎖siRNAの各相補配列は、15~60、15~50、15~40、15~30、15~25、または19~25ヌクレオチドの長さ、好ましくは約20~24、21~22、または21~23ヌクレオチドの長さであり、二本鎖siRNAは、約15~60、15~50、15~40、5~30、5~25、または19~25塩基対の長さ、好ましくは約8~22、9~20、または19~21塩基対の長さである)。siRNA二重鎖は、約1~約4ヌクレオチドまたは約2~約3ヌクレオチドの3’突出および5’リン酸末端を含み得る。siRNAの例としては、限定することなく、一方の鎖がセンス鎖であり、他方の鎖が相補的なアンチセンス鎖である2つの別々の鎖分子からアセンブルされた二本鎖ポリヌクレオチド分子;センス領域とアンチセンス領域が核酸に基づくリンカーまたは核酸に基づくものではないリンカーによって連結した一本鎖分子からアセンブルされた二本鎖ポリヌクレオチド分子;自己相補的なセンス領域とアンチセンス領域を有するヘアピン二次構造を有する二本鎖ポリヌクレオチド分子;および2つまたはそれよりも多くのループ構造および自己相補的なセンス領域とアンチセンス領域を有するステムを有する環状一本鎖ポリヌクレオチド分子であって、in vivoまたはin vitroで処理して活性な二本鎖siRNA分子を生成することができる、環状ポリヌクレオチドの分子が挙げられる。siRNAは化学的に合成されたものであることが好ましい。siRNAは、長いdsRNA(例えば、おおよそで、25ヌクレオチドの長さよりも長いdsRNA)をE coli RNase IIIまたはDicerで切断することによって生成することもできる。これらの酵素により、dsRNAが加工されて生物活性のあるsiRNAになる(例えば、Yang et al., Proc Natl. Acad. Set. USA, 99: 9942-9947 (2002);Calegari et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 99: 14236 (2002);Byrom et al., Ambion TeehNotes, 10 (1):4-6 (2003);Kawasaki et al., Nucleic Acids Res., 3 1:981-987 (2003);Knight et al., Science, 293: 2269-2271 (2001);およびRobertson et al., J. Biol. Chem., 243:82 (1968)を参照されたい)。dsRNAは、少なくとも50ヌクレオチド~約100、200、300、400、または500ヌクレオチドの長さであることが好ましい。dsRNAは、1000、1500、2000、5000ヌクレオチドの長さと同じくらいの長さ、またはそれよりも長いものであり得る。dsRNAは、遺伝子転写物全体または部分的な遺伝子転写物をコードするものであり得る。ある特定の場合では、siRNAをプラスミドにコードさせる(例えば、ヘアピンループを有する二重鎖に自動的にフォールディングされる配列として転写する)ことができる。低分子ヘアピン型RNA(small hairpin RNA or short hairpin RNA)(shRNA)は、RNA干渉によって遺伝子発現をサイレンシングするために使用することができるタイトなヘアピンターンを構成するRNAの配列である。shRNAヘアピン構造は、細胞機構によって切断されてsiRNAになり、次いでこれがRNA誘導サイレンシング複合体(RISC)と結合する。この複合体は、それと結合するsiRNAとマッチするmRNAに結合し、それを切断する。RNAiの適切な長さとしては、限定することなく、約5~約200ヌクレオチド、または10~50ヌクレオチドもしくは塩基対または15~30ヌクレオチドもしくは塩基対が挙げられる。一部の実施形態では、RNAiは、対応する標的遺伝子と実質的に相補的である(例えば、少なくとも約60%、70%、80%、90%、95%、98%、99%、またはより大きく同一である、など)。一部の実施形態では、RNAiを、例えば天然に存在しないヌクレオチドを組み入れることによって改変する。
【0210】
一部の実施形態では、RNAiは、二本鎖RNAiである。RNAiの適切な長さとしては、限定することなく、約5~約200ヌクレオチド、または10~50ヌクレオチドもしくは塩基対または15~30ヌクレオチドもしくは塩基対が挙げられる。一部の実施形態では、RNAiは、対応する標的遺伝子と実質的に相補的である(例えば、少なくとも約60%、70%、80%、90%、95%、98%、99%、またはより大きく同一である、など)。一部の実施形態では、RNAiを、例えば天然に存在しないヌクレオチドを組み入れることによって改変する。
【0211】
一部の実施形態では、RNAiは、がんなどの疾患に関与するタンパク質をコードするmRNAなどのRNA分子を特異的に標的とするものである。一部の実施形態では、疾患は、固形腫瘍または血液悪性腫瘍などのがんであり、干渉RNAは、がんに関与するタンパク質、例えば、がんの増悪の調節に関与するタンパク質などをコードするmRNAを標的とするものである。一部の実施形態では、RNAiは、がんに関与する癌遺伝子を標的とするものである。
【0212】
一部の実施形態では、RNAiは、免疫応答の負の調節に関与するタンパク質をコードするmRNAなどのRNA分子を特異的に標的とするものである。一部の実施形態では、干渉RNAは、負の共刺激分子をコードするmRNAを標的とするものである。一部の実施形態では、負の共刺激分子として、例えば、PD-1、PD-L1、PD-L2、TIM-3、BTLA、VISTA、LAG-3、およびCTLA-4が挙げられる。
【0213】
一部の実施形態では、RNAiは、miRNAである。マイクロRNA(miRNAと略される)は、真核細胞において見いだされる短いリボ核酸(RNA)分子である。マイクロRNA分子は、他のRNAと比較して非常にわずかなヌクレオチド(平均22個)を有する。miRNAは、標的メッセンジャーRNA転写物(mRNA)上の相補配列に結合する転写後調節因子であり、通常、翻訳抑止または標的分解および遺伝子サイレンシングをもたらす。ヒトゲノムは、1000種を超えるmiRNAをコードし得、これらは、哺乳動物遺伝子の約60%を標的とし得、多くのヒト細胞型において豊富である。miRNAの適切な長さとしては、限定することなく、約5~約200ヌクレオチド、または約0~50ヌクレオチドもしくは塩基対または15~30ヌクレオチドもしくは塩基対が挙げられる。一部の実施形態では、miRNAは、対応する標的遺伝子と実質的に相補的である(例えば、少なくとも約60%、70%、80%、90%、95%、98%、99%、またはより大きく同一である、など)。一部の実施形態では、miRNAを、例えば天然に存在しないヌクレオチドを組み入れることによって改変する。
ウイルス
【0214】
本明細書に記載の複合体および/またはナノ粒子のいずれかに従った一部の実施形態では、ウイルスは、組換えアデノ随伴ウイルス(AAV)、アデノウイルス、レンチウイルス、レトロウイルス、単純ヘルペスウイルス(HSV)、ポックスウイルス、エプスタイン・バーウイルス(EBV)、ワクシニアウイルス、およびヒトサイトメガロウイルス(hCMV)を含めた組換えウイルスである。一部の実施形態では、組換えウイルスは、細胞ゲノムに挿入するための導入遺伝子を含む。一部の実施形態では、導入遺伝子は、治療用導入遺伝子である。一部の実施形態では、導入遺伝子は、治療用タンパク質などのタンパク質をコードする。一部の実施形態では、導入遺伝子は、内因性遺伝子、例えば、疾患に関連する内因性遺伝子を標的とするRNAiなどの阻害性RNA(RNAi)をコードする。一部の実施形態では、導入遺伝子は、CARをコードする。一部の実施形態では、ウイルスは、RNAiをコードする第1の導入遺伝子を含む。一部の実施形態では、RNAiは、疾患または状態に関与する内因性遺伝子を標的とする治療用RNAiである。一部の実施形態では、治療用RNAiは、疾患に関連する形態の内因性遺伝子(例えば、突然変異タンパク質をコードする遺伝子、またはタンパク質の異常な発現をもたらす遺伝子)を標的とする。一部の実施形態では、ウイルスは、タンパク質をコードする第2の導入遺伝子を含む。一部の実施形態では、タンパク質は、疾患または状態の処置に有用な治療用タンパク質である。一部の実施形態では、第2の導入遺伝子は、治療用形態の内因性遺伝子である(例えば、第2の導入遺伝子は、内因性遺伝子によってコードされる野生型または機能性形態の突然変異タンパク質をコードする、または第2の導入遺伝子により、内因性遺伝子によってコードされるタンパク質の正常な発現がもたらされる)。一部の実施形態では、第1の導入遺伝子および第2の導入遺伝子を含むウイルスが提供される。
【0215】
本明細書に記載の複合体および/またはナノ粒子のいずれかに従った一部の実施形態では、ウイルスは、改変アデノ随伴ウイルス(AAV)、改変アデノウイルス、改変レンチウイルス、改変レトロウイルス、改変単純ヘルペスウイルス(HSV)、改変ポックスウイルス、改変エプスタイン・バーウイルス(EBV)、改変ワクシニアウイルス、および改変ヒトサイトメガロウイルス(hCMV)を含めた、改変ウイルスである。本明細書に記載の複合体および/またはナノ粒子のいずれかに従った一部の実施形態では、ウイルスは、不活化アデノ随伴ウイルス(AAV)、不活化アデノウイルス、不活化レンチウイルス、不活化レトロウイルス、不活化単純ヘルペスウイルス(HSV)、不活化ポックスウイルス、不活化エプスタイン・バーウイルス(EBV)、不活化ワクシニアウイルス、および不活化ヒトサイトメガロウイルス(hCMV)を含めた、不活化ウイルスである。本明細書に記載の複合体および/またはナノ粒子のいずれかに従った一部の実施形態では、ウイルスは、複製欠損性アデノ随伴ウイルス(AAV)、複製欠損性アデノウイルス、複製欠損性レンチウイルス、複製欠損性レトロウイルス、複製欠損性単純ヘルペスウイルス(HSV)、複製欠損性ポックスウイルス、複製欠損性エプスタイン・バーウイルス(EBV)、複製欠損性ワクシニアウイルス、および複製欠損性ヒトサイトメガロウイルス(hCMV)を含めた、複製欠損性ウイルスである。本明細書に記載の複合体および/またはナノ粒子のいずれかに従った一部の実施形態では、ウイルスは、標的細胞においてのみ複製することができる。
ナノ粒子
【0216】
一部の実施形態では、本明細書に記載の任意の1つまたは複数のカーゴ送達複合体を含むコアを含むカーゴ分子を細胞内送達するためのナノ粒子が提供される。
【0217】
一部の実施形態では、本明細書に記載の1つまたは複数のカーゴ送達複合体を含むコアを含むカーゴ分子を細胞内送達するためのナノ粒子が提供される。一部の実施形態では、ナノ粒子コアは、複数のカーゴ送達複合体を含む。一部の実施形態では、ナノ粒子コアは、所定の比で存在する複数のカーゴ送達複合体を含む。一部の実施形態では、所定の比は、下により詳細に記載されている方法のいずれかにおけるナノ粒子の最も有効な使用が可能になるように選択される。一部の実施形態では、ナノ粒子コアは、1つもしくは複数の追加的な細胞透過性ペプチドおよび/または1つもしくは複数の追加的なカーゴをさらに含む。
【0218】
一部の実施形態では、本明細書に記載のカーゴ送達複合体を含むコアを含むカーゴ分子を細胞内送達するためのナノ粒子であって、カーゴ送達複合体内の少なくとも1つの細胞透過性ペプチドがカーゴと結び付いている、ナノ粒子が提供される。一部の実施形態では、結び付きは非共有結合によるものである。一部の実施形態では、結び付きは、共有結合によるものである。
【0219】
一部の実施形態では、ナノ粒子は、末梢細胞透過性ペプチド(すなわち、CPP)で構成される表層(例えば、殻)をさらに含み、殻によってコアがコーティングされている。一部の実施形態では、末梢CPPは、コア内のCPPと同じである。一部の実施形態では、末梢CPPは、コア内のCPPのいずれとも異なる。一部の実施形態では、末梢CPPとしては、これだけに限定されないが、PTDに基づくペプチド、両親媒性ペプチド、ポリアルギニンに基づくペプチド、MPGペプチド、CADYペプチド、VEPEPペプチド(例えば、VEPEP-3、VEPEP-4、VEPEP-5、VEPEP-6、またはVEPEP-9ペプチドなど)、ADGN-100ペプチド、Pep-1ペプチド、およびPep-2ペプチドが挙げられる。一部の実施形態では、末梢CPPは、VEPEP-3ペプチド、VEPEP-6ペプチド、VEPEP-9ペプチド、またはADGN-100ペプチドである。一部の実施形態では、末梢細胞透過性ペプチドは、PEP-1ペプチド、PEP-2ペプチド、PEP-3ペプチド、VEPEP-3ペプチド、VEPEP-6ペプチド、VEPEP-9ペプチド、およびADGN-100ペプチドからなる群から選択される。一部の実施形態では、表層内の末梢細胞透過性ペプチドの少なくとも一部が標的化部分と連結している。一部の実施形態では、連結は、共有結合によるものである。一部の実施形態では、共有結合による連結は、化学的カップリングによるものである。一部の実施形態では、共有結合による連結は、遺伝学的方法によるものである。一部の実施形態では、ナノ粒子は、ナノ粒子のコアと表層の間の中間層をさらに含む。一部の実施形態では、中間層は、中間CPPを含む。一部の実施形態では、中間CPPは、コア内のCPPと同じである。一部の実施形態では、中間CPPは、コア内のCPPのいずれとも異なる。一部の実施形態では、中間CPPとしては、これだけに限定されないが、PTDに基づくペプチド、両親媒性ペプチド、ポリアルギニンに基づくペプチド、MPGペプチド、CADYペプチド、VEPEPペプチド(例えば、VEPEP-3、VEPEP-6、またはVEPEP-9ペプチドなど)、ADGN-100ペプチド、Pep-1ペプチド、およびPep-2ペプチドが挙げられる。一部の実施形態では、中間CPPは、VEPEP-3ペプチド、VEPEP-6ペプチド、VEPEP-9ペプチド、またはADGN-100ペプチドである。
【0220】
本明細書に記載のナノ粒子のいずれかに従った一部の実施形態では、ナノ粒子の平均サイズ(直径)は、例えば、約50nmから約800nmまで、約75nmから約600nmまで、約100nmから約600nmまで、および約200nmから約400nmまでを含めた、約20nmから約1000nmまでである。一部の実施形態では、ナノ粒子の平均サイズ(直径)は、約1000ナノメートル(nm)以下、例えば、約900nm以下、800nm以下、700nm以下、600nm以下、500nm以下、400nm以下、300nm以下、200nm以下、または100nm以下のいずれかである。一部の実施形態では、ナノ粒子の標準または平均直径は、約200nm以下である。一部の実施形態では、ナノ粒子の標準または平均直径は、約150nm以下である。一部の実施形態では、ナノ粒子の標準または平均直径は、約100nm以下である。一部の実施形態では、ナノ粒子の標準または平均直径は、約20nm~約400nmである。一部の実施形態では、ナノ粒子の標準または平均直径は、約30nm~約400nmである。一部の実施形態では、ナノ粒子の標準または平均直径は、約40nm~約300nmである。一部の実施形態では、ナノ粒子の標準または平均直径は、約50nm~約200nmである。一部の実施形態では、ナノ粒子の標準または平均直径は、約60nm~約150nmである。一部の実施形態では、ナノ粒子の標準または平均直径は、約70nm~約100nmである。一部の実施形態では、ナノ粒子は、滅菌濾過可能である。
【0221】
一部の実施形態では、ナノ粒子のゼータ電位は、約-30mVから約60mVまで(例えば、おおよそで、-30mV、-25mV、-20mV、-15mV、-10mV、-5mV、0mV、5mV、10mV、15mV、20mV、25mV、30mV、35mV、40mV、45mV、50mV、55mV、および60mVのいずれかなどであり、これらの値の間のあらゆる範囲も含む)である。一部の実施形態では、ナノ粒子のゼータ電位は、例えば、約-25mVから約25mVまで、約-20mVから約20mVまで、約-15mVから約15mVまで、約-10mVから約10mVまで、および約-5mVから約10mVまでを含めた、約-30mVから約30mVまでである。一部の実施形態では、ナノ粒子の多分散指数(PI)は、約0.05から約0.6まで(例えば、おおよそで、0.05、0.1、0.15、0.2、0.25、0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、0.55、および0.6のいずれかなどであり、これらの値の間のあらゆる範囲も含む)。一部の実施形態では、ナノ粒子は、実質的に無毒性である。
組成物
【0222】
一部の実施形態では、本明細書に記載のカーゴ送達複合体またはナノ粒子を含む組成物(例えば、医薬組成物)が提供される。一部の実施形態では、組成物は、本明細書に記載のカーゴ送達複合体またはナノ粒子ならびに薬学的に許容される希釈剤、賦形剤、および/または担体を含む医薬組成物である。一部の実施形態では、組成物中の複合体またはナノ粒子の濃度は、例えば、約10nMから約50mMまで、約25nMから約25mMまで、約50nMから約10mMまで、約100nMから約1mMまで、約500nMから約750μMまで、約750nMから約500μMまで、約1μMから約250μMまで、約10μMから約200μMまで、および約50μMから約150μMまでを含めた、約1nMから約100mMまでである。一部の実施形態では、医薬組成物は、凍結乾燥されたものである。
【0223】
「薬学的に許容される希釈剤、賦形剤、および/または担体」という用語は、本明細書で使用される場合、ヒトまたは他の脊椎動物宿主への投与に適合するありとあらゆる溶媒、分散媒、コーティング、抗細菌剤および抗真菌剤、等張化剤および吸収遅延剤などを含むものとする。一般には、薬学的に許容される希釈剤、賦形剤、および/または担体は、連邦政府の規制当局、州政府、もしくは他の規制当局によって認可された、または米国薬局方もしくはヒトならびに非ヒト哺乳動物を含めた動物における使用に関して他の一般に認められている薬局方に収載されている希釈剤、賦形剤、および/または担体である。希釈剤、賦形剤、および/または「担体」という用語は、医薬組成物を共に投与する希釈剤、アジュバント、賦形剤、またはビヒクルを指す。そのような医薬希釈剤、賦形剤、および/または担体は、滅菌された液体、例えば、水、および石油起源、動物起源、野菜起源または合成起源のものを含めた油などであり得る。水、生理食塩溶液および水性ブドウ糖およびグリセロール溶液を特に注射液用の液体希釈剤、賦形剤、および/または担体として使用することができる。適切な医薬希釈剤および/または賦形剤としては、凍結乾燥助剤を含め、デンプン、グルコース、ラクトース、スクロース、ゼラチン、モルト、イネ、穀粉、白亜、シリカゲル、ステアリン酸ナトリウム、グリセロールモノステアレート、タルク、塩化ナトリウム、乾燥脱脂乳、グリセロール、プロピレン、グリコール、水、エタノールなどが挙げられる。所望であれば、組成物は、微量の湿潤剤、増量剤、乳化剤、またはpH緩衝剤も含有し得る。これらの組成物は、溶液、懸濁液、エマルション、持続放出製剤などの形態をとり得る。適切な医薬希釈剤、賦形剤、および/または担体の例は、"Remington's Pharmaceutical Sciences" by E. W. Martinに記載されている。製剤は、投与形式に適するものであるべきである。妥当な希釈剤、賦形剤、および/または担体は当業者には明らかになり、また、主に投与経路に依存する。
【0224】
一部の実施形態では、本明細書に記載のカーゴ送達複合体またはナノ粒子を含む組成物は、薬学的に許容される希釈剤、賦形剤、および/または担体をさらに含む。一部の実施形態では、薬学的に許容される希釈剤、賦形剤、および/または担体は、組成物中のカーゴ送達複合体またはナノ粒子の凝集のレベルおよび/または組成物中のカーゴ送達複合体またはナノ粒子によって媒介される細胞内送達の効率に影響を及ぼす。一部の実施形態では、薬学的に許容される希釈剤、賦形剤、および/または担体によって媒介される凝集および/または送達効率に対する影響の程度および/または方向は、組成物中の薬学的に許容される希釈剤、賦形剤、および/または担体の相対量に依存する。
【0225】
例えば、一部の実施形態では、組成物中に薬学的に許容される希釈剤、賦形剤、および/または担体(例えば、塩、糖、化学緩衝剤、緩衝液、細胞培養培地、または担体タンパク質など)が1つまたは複数の濃度で存在することは、カーゴ送達複合体もしくはナノ粒子の凝集を促進せず、かつ/もしくはそれに寄与しない、または、カーゴ送達複合体もしくはナノ粒子のサイズよりも多くとも約200%(例えば、多くとも、おおよそで、190%、180%、170%、160%、150%、140%、130%、120%、110%、100%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、もしくは1%のいずれかなどであり、これらの値のいずれかの間のあらゆる範囲も含む)だけ大きいサイズを有するカーゴ送達複合体もしくはナノ粒子の凝集体の形成を促進するおよび/もしくそれに寄与する。一部の実施形態では、組成物は、薬学的に許容される希釈剤、賦形剤、および/または担体を、カーゴ送達複合体もしくはナノ粒子の凝集を促進せず、かつ/もしくはそれに寄与しない、または、カーゴ送達複合体またはナノ粒子のサイズよりも多くとも約200%(例えば、多くとも、おおよそで、190%、180%、170%、160%、150%、140%、130%、120%、110%、100%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、もしくは1%のいずれかなどであり、これらの値のいずれかの間のあらゆる範囲も含む)だけ大きいサイズを有するカーゴ送達複合体またはナノ粒子の凝集体の形成を促進するおよび/もしくはそれに寄与する濃度で含む。一部の実施形態では、組成物は、薬学的に許容される希釈剤、賦形剤、および/または担体を、カーゴ送達複合体またはナノ粒子のサイズよりも多くとも約150%だけ大きいサイズを有するカーゴ送達複合体またはナノ粒子の凝集体の形成を促進するおよび/もしくはそれに寄与する濃度で含む。一部の実施形態では、組成物は、薬学的に許容される希釈剤、賦形剤、および/または担体を、カーゴ送達複合体またはナノ粒子のサイズよりも多くとも約100%だけ大きいサイズを有するカーゴ送達複合体またはナノ粒子の凝集体の形成を促進するおよび/もしくはそれに寄与する濃度で含む。一部の実施形態では、組成物は、薬学的に許容される希釈剤、賦形剤、および/または担体を、カーゴ送達複合体またはナノ粒子のサイズよりも多くとも約50%だけ大きいサイズを有するカーゴ送達複合体またはナノ粒子の凝集体の形成を促進するおよび/もしくはそれに寄与する濃度で含む。一部の実施形態では、組成物は、薬学的に許容される希釈剤、賦形剤、および/または担体を、カーゴ送達複合体またはナノ粒子のサイズよりも多くとも約20%だけ大きいサイズを有するカーゴ送達複合体またはナノ粒子の凝集体の形成を促進するおよび/もしくはそれに寄与する濃度で含む。一部の実施形態では、組成物は、薬学的に許容される希釈剤、賦形剤、および/または担体を、カーゴ送達複合体またはナノ粒子のサイズよりも多くとも約15%だけ大きいサイズを有するカーゴ送達複合体またはナノ粒子の凝集体の形成を促進するおよび/もしくはそれに寄与する濃度で含む。一部の実施形態では、組成物は、薬学的に許容される希釈剤、賦形剤、および/または担体を、カーゴ送達複合体またはナノ粒子のサイズよりも多くとも約10%だけ大きいサイズを有するカーゴ送達複合体またはナノ粒子の凝集体の形成を促進するおよび/もしくはそれに寄与する濃度で含む。一部の実施形態では、薬学的に許容される希釈剤、賦形剤、および/または担体は、これだけに限定することなく、NaClを含めた、塩である。一部の実施形態では、薬学的に許容される希釈剤、賦形剤、および/または担体は、これだけに限定することなく、スクロース、グルコース、およびマンニトールを含めた、糖である。一部の実施形態では、薬学的に許容される希釈剤、賦形剤、および/または担体は、これだけに限定することなく、HEPESを含めた、化学緩衝剤である。一部の実施形態では、薬学的に許容される希釈剤、賦形剤、および/または担体は、これだけに限定することなく、PBSを含めた、緩衝液である。一部の実施形態では、薬学的に許容される希釈剤、賦形剤、および/または担体は、これだけに限定することなく、DMEMを含めた、細胞培養培地である。粒子サイズは、動的光散乱(DLS)によるものなどの、粒子サイズを測定するための当技術分野で公知の任意の手段を使用して決定することができる。例えば、一部の実施形態では、DLSによって測定されたZ-平均がカーゴ送達複合体またはナノ粒子のDLSによって測定されたZ-平均よりも10%大きい凝集体は、カーゴ送達複合体またはナノ粒子よりも10%大きい。
【0226】
一部の実施形態では、組成物は、塩(例えば、NaCl)を、カーゴ送達複合体もしくはナノ粒子の凝集を促進せず、かつ/もしくはそれに寄与しない、または、カーゴ送達複合体またはナノ粒子のサイズよりも多くとも約100%(例えば、多くとも、おおよそで、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、または1%のいずれかなどであり、これらの値のいずれかの間のあらゆる範囲も含む)だけ大きいサイズを有するカーゴ送達複合体もしくはナノ粒子の凝集体の形成を促進するおよび/もしくはそれに寄与する濃度で含む。一部の実施形態では、組成物は、塩(例えば、NaCl)を、カーゴ送達複合体またはナノ粒子のサイズよりも多くとも約75%だけ大きいサイズを有するカーゴ送達複合体またはナノ粒子の凝集体の形成を促進するおよび/もしくはそれに寄与する濃度で含む。一部の実施形態では、組成物は、塩(例えば、NaCl)を、カーゴ送達複合体またはナノ粒子のサイズよりも多くとも約50%だけ大きいサイズを有するカーゴ送達複合体またはナノ粒子の凝集体の形成を促進するおよび/もしくはそれに寄与する濃度で含む。一部の実施形態では、組成物は、塩(例えば、NaCl)を、カーゴ送達複合体またはナノ粒子のサイズよりも多くとも約20%だけ大きいサイズを有するカーゴ送達複合体またはナノ粒子の凝集体の形成を促進するおよび/もしくはそれに寄与する濃度で含む。一部の実施形態では、組成物は、塩(例えば、NaCl)を、カーゴ送達複合体またはナノ粒子のサイズよりも多くとも約15%だけ大きいサイズを有するカーゴ送達複合体またはナノ粒子の凝集体の形成を促進するおよび/もしくはそれに寄与する濃度で含む。一部の実施形態では、組成物は、塩(例えば、NaCl)を、カーゴ送達複合体またはナノ粒子のサイズよりも多くとも約10%だけ大きいサイズを有するカーゴ送達複合体またはナノ粒子の凝集体の形成を促進するおよび/もしくはそれに寄与する濃度で含む。一部の実施形態では、組成物中の塩の濃度は、約100mM以下(例えば、おおよそで、90mM以下、80mM以下、70mM以下、60mM以下、50mM以下、40mM以下、30mM以下、20mM以下、10mM以下、9mM以下、8mM以下、7mM以下、6mM以下、5mM以下、4mM以下、3mM以下、2mM以下、または1mM以下のいずれかなどであり、これらの値のいずれかの間のあらゆる範囲も含む)である。一部の実施形態では、塩は、NaClである。
【0227】
一部の実施形態では、組成物は、糖(例えば、スクロース、グルコース、またはマンニトール)を、カーゴ送達複合体もしくはナノ粒子の凝集を促進せず、かつ/もしくはそれに寄与しない、または、カーゴ送達複合体またはナノ粒子のサイズよりも多くとも約25%(例えば、多くとも、おおよそで、24%、23%、22%、21%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、または1%のいずれかなどであり、これらの値のいずれかの間のあらゆる範囲も含む)だけ大きいサイズを有するカーゴ送達複合体もしくはナノ粒子の凝集体の形成を促進するおよび/もしくはそれに寄与する濃度で含む。一部の実施形態では、組成物は、糖(例えば、スクロース、グルコース、またはマンニトール)を、カーゴ送達複合体またはナノ粒子のサイズよりも多くとも約75%だけ大きいサイズを有するカーゴ送達複合体またはナノ粒子の凝集体の形成を促進するおよび/もしくはそれに寄与する濃度で含む。一部の実施形態では、組成物は、糖(例えば、スクロース、グルコース、またはマンニトール)を、カーゴ送達複合体またはナノ粒子のサイズよりも多くとも約50%だけ大きいサイズを有するカーゴ送達複合体またはナノ粒子の凝集体の形成を促進するおよび/もしくはそれに寄与する濃度で含む。一部の実施形態では、組成物は、糖(例えば、スクロース、グルコース、またはマンニトール)を、カーゴ送達複合体またはナノ粒子のサイズよりも多くとも約20%だけ大きいサイズを有するカーゴ送達複合体またはナノ粒子の凝集体の形成を促進するおよび/もしくはそれに寄与する濃度で含む。一部の実施形態では、組成物は、糖(例えば、スクロース、グルコース、またはマンニトール)を、カーゴ送達複合体またはナノ粒子のサイズよりも多くとも約15%だけ大きいサイズを有するカーゴ送達複合体またはナノ粒子の凝集体の形成を促進するおよび/もしくはそれに寄与する濃度で含む。一部の実施形態では、組成物は、糖(例えば、スクロース、グルコース、またはマンニトール)を、カーゴ送達複合体またはナノ粒子のサイズよりも多くとも約10%だけ大きいサイズを有するカーゴ送達複合体またはナノ粒子の凝集体の形成を促進するおよび/もしくはそれに寄与する濃度で含む。一部の実施形態では、組成物中の糖の濃度は、約20%以下(例えば、おおよそで、18%以下、16%以下、14%以下、12%以下、10%以下、9%以下、8%以下、7%以下、6%以下、5%以下、4%以下、3%以下、2%以下、または1%以下のいずれかなどであり、これらの値のいずれかの間のあらゆる範囲も含む)である。一部の実施形態では、糖は、スクロースである。一部の実施形態では、糖は、グルコースである。一部の実施形態では、糖は、マンニトールである。
【0228】
一部の実施形態では、組成物は、化学緩衝剤(例えば、HEPESまたはリン酸)を、カーゴ送達複合体もしくはナノ粒子の凝集を促進せず、かつ/もしくはそれに寄与しない、または、カーゴ送達複合体またはナノ粒子のサイズよりも多くとも約10%(例えば、多くとも、おおよそで、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、または1%のいずれかなどであり、これらの値のいずれかの間のあらゆる範囲も含む)だけ大きいサイズを有するカーゴ送達複合体もしくはナノ粒子の凝集体の形成を促進するおよび/もしくはそれに寄与する濃度で含む。一部の実施形態では、組成物は、化学緩衝剤(例えば、HEPESまたはリン酸)を、カーゴ送達複合体またはナノ粒子のサイズよりも多くとも約7.5%だけ大きいサイズを有するカーゴ送達複合体またはナノ粒子の凝集体の形成を促進するおよび/もしくはそれに寄与する濃度で含む。一部の実施形態では、組成物は、化学緩衝剤(例えば、HEPESまたはリン酸)を、カーゴ送達複合体またはナノ粒子のサイズよりも多くとも約5%だけ大きいサイズを有するカーゴ送達複合体またはナノ粒子の凝集体の形成を促進するおよび/もしくはそれに寄与する濃度で含む。一部の実施形態では、組成物は、化学緩衝剤(例えば、HEPESまたはリン酸)を、カーゴ送達複合体またはナノ粒子のサイズよりも多くとも約3%だけ大きいサイズを有するカーゴ送達複合体またはナノ粒子の凝集体の形成を促進するおよび/もしくはそれに寄与する濃度で含む。一部の実施形態では、組成物は、化学緩衝剤(例えば、HEPESまたはリン酸)を、カーゴ送達複合体またはナノ粒子のサイズよりも多くとも約1%だけ大きいサイズを有するカーゴ送達複合体またはナノ粒子の凝集体の形成を促進するおよび/もしくはそれに寄与する濃度で含む。一部の実施形態では、組成物は、化学緩衝剤(例えば、HEPESまたはリン酸)を、カーゴ送達複合体もしくはナノ粒子の凝集の形成を促進せず、かつ/もしくはそれに寄与しない濃度で含む。一部の実施形態では、化学緩衝剤は、HEPESである。一部の実施形態では、HEPESを、HEPESを含む緩衝液の形態で組成物に添加する。一部の実施形態では、HEPESを含む溶液のpHは、約5から約9の間(例えば、おおよそで、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、および9のいずれかなどであり、これらの値の間のあらゆる範囲も含む)である。一部の実施形態では、組成物は、HEPESを、約75mM以下(例えば、おおよそで、70mM以下、65mM以下、60mM以下、55mM以下、50mM以下、45mM以下、40mM以下、35mM以下、30mM以下、25mM以下、20mM以下、15mM以下、10mM以下またはそれ未満のいずれかなどであり、これらの値のいずれかの間のあらゆる範囲も含む)の濃度で含む。一部の実施形態では、化学緩衝剤は、リン酸である。一部の実施形態では、リン酸を、リン酸を含む緩衝液の形態で組成物に添加する。一部の実施形態では、組成物は、PBSを含まない。
【0229】
一部の実施形態では、組成物は、細胞培養培地(例えば、DMEMまたはOpti-MEM)をカーゴ送達複合体もしくはナノ粒子の凝集を促進せず、かつ/もしくはそれに寄与しない、または、カーゴ送達複合体またはナノ粒子のサイズよりも多くとも約200%(例えば、多くとも、おおよそで、190%、180%、170%、160%、150%、140%、130%、120%、110%、100%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、もしくは1%のいずれかなどであり、これらの値のいずれかの間のあらゆる範囲も含む)だけ大きいサイズを有するカーゴ送達複合体もしくはナノ粒子の凝集体の形成を促進するおよび/もしくはそれに寄与する濃度で含む。一部の実施形態では、組成物は、細胞培養培地(例えば、DMEMまたはOpti-MEM)をカーゴ送達複合体またはナノ粒子のサイズよりも多くとも約150%だけ大きいサイズを有するカーゴ送達複合体またはナノ粒子の凝集体の形成を促進するおよび/もしくはそれに寄与する濃度で含む。一部の実施形態では、組成物は、細胞培養培地(例えば、DMEMまたはOpti-MEM)をカーゴ送達複合体またはナノ粒子のサイズよりも多くとも約100%だけ大きいサイズを有するカーゴ送達複合体またはナノ粒子の凝集体の形成を促進するおよび/もしくはそれに寄与する濃度で含む。一部の実施形態では、組成物は、細胞培養培地(例えば、DMEMまたはOpti-MEM)をカーゴ送達複合体またはナノ粒子のサイズよりも多くとも約50%だけ大きいサイズを有するカーゴ送達複合体またはナノ粒子の凝集体の形成を促進するおよび/もしくはそれに寄与する濃度で含む。一部の実施形態では、組成物は、細胞培養培地(例えば、DMEMまたはOpti-MEM)をカーゴ送達複合体またはナノ粒子のサイズよりも多くとも約25%だけ大きいサイズを有するカーゴ送達複合体またはナノ粒子の凝集体の形成を促進するおよび/もしくはそれに寄与する濃度で含む。一部の実施形態では、組成物は、細胞培養培地(例えば、DMEMまたはOpti-MEM)をカーゴ送達複合体またはナノ粒子のサイズよりも多くとも約10%だけ大きいサイズを有するカーゴ送達複合体またはナノ粒子の凝集体の形成を促進するおよび/もしくはそれに寄与する濃度で含む。一部の実施形態では、細胞培養培地は、DMEMである。一部の実施形態では、組成物は、DMEMを約70%以下(例えば、おおよそで、65%以下、60%以下、55%以下、50%以下、45%以下、40%以下、35%以下、30%以下、25%以下、20%以下、15%以下、10%以下、またはそれ未満のいずれかなどであり、これらの値のいずれかの間のあらゆる範囲も含む)の濃度で含む。
【0230】
一部の実施形態では、組成物は、担体タンパク質(例えば、アルブミン)を、カーゴ送達複合体もしくはナノ粒子の凝集を促進せず、かつ/もしくはそれに寄与しない、または、カーゴ送達複合体またはナノ粒子のサイズよりも多くとも約200%(例えば、多くとも、おおよそで、190%、180%、170%、160%、150%、140%、130%、120%、110%、100%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、もしくは1%のいずれかなどであり、これらの値のいずれかの間のあらゆる範囲も含む)だけ大きいサイズを有するカーゴ送達複合体もしくはナノ粒子の凝集体の形成を促進するおよび/もしくはそれに寄与する濃度で含む。一部の実施形態では、組成物は、担体タンパク質(例えば、アルブミン)を、カーゴ送達複合体またはナノ粒子のサイズよりも多くとも約150%だけ大きいサイズを有するカーゴ送達複合体またはナノ粒子の凝集体の形成を促進するおよび/もしくはそれに寄与する濃度で含む。一部の実施形態では、組成物は、担体タンパク質(例えば、アルブミン)を、カーゴ送達複合体またはナノ粒子のサイズよりも多くとも約100%だけ大きいサイズを有するカーゴ送達複合体またはナノ粒子の凝集体の形成を促進するおよび/もしくはそれに寄与する濃度で含む。一部の実施形態では、組成物は、担体タンパク質(例えば、アルブミン)を、カーゴ送達複合体またはナノ粒子のサイズよりも多くとも約50%だけ大きいサイズを有するカーゴ送達複合体またはナノ粒子の凝集体の形成を促進するおよび/もしくはそれに寄与する濃度で含む。一部の実施形態では、組成物は、担体タンパク質(例えば、アルブミン)を、カーゴ送達複合体またはナノ粒子のサイズよりも多くとも約25%だけ大きいサイズを有するカーゴ送達複合体またはナノ粒子の凝集体の形成を促進するおよび/もしくはそれに寄与する濃度で含む。一部の実施形態では、組成物は、担体タンパク質(例えば、アルブミン)を、カーゴ送達複合体またはナノ粒子のサイズよりも多くとも約10%だけ大きいサイズを有するカーゴ送達複合体またはナノ粒子の凝集体の形成を促進するおよび/もしくはそれに寄与する濃度で含む。一部の実施形態では、担体タンパク質は、アルブミンである。一部の実施形態では、アルブミンは、ヒト血清アルブミンである。
【0231】
一部の実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物を、静脈内投与、腫瘍内投与、動脈内投与、局部投与、眼内投与、点眼投与、門脈内投与、頭蓋内投与、脳内投与、脳室内投与、髄腔内投与、小胞内投与、皮内投与、皮下投与、筋肉内投与、鼻腔内投与、気管内投与、肺への投与、腔内投与、または経口投与用に製剤化する。
【0232】
例示的な投薬頻度としては、これだけに限定されないが、3日に1回以下が挙げられる。
調製方法
【0233】
一部の実施形態では、本明細書に記載のカーゴ送達複合体またはナノ粒子を調製する方法が提供される。
【0234】
一部の実施形態では、上記の通り第1のペプチドおよび第2のペプチドを含むカーゴ送達複合体を調製する方法であって、a)第1のペプチドと第2のペプチドを組み合わせ、それにより、ペプチド混合物を形成するステップと、b)ペプチド混合物をカーゴと組み合わせ、それにより、カーゴ送達複合体を形成するステップとを含む方法が提供される。
【0235】
一部の実施形態では、上記の通りペプチドおよびカーゴ分子を含むカーゴ送達複合体を調製する方法であって、ペプチドをカーゴ分子と組み合わせ、それにより、カーゴ送達複合体を形成するステップを含む方法が提供される。
【0236】
一部の実施形態では、ペプチドまたはペプチド混合物とカーゴ分子をそれぞれ約1:1から約100:1まで(例えば、およそ約1:1から約50:1、または約20:1までの間など)のモル比で組み合わせる。
【0237】
一部の実施形態では、方法は、カーゴ分子を含む第1の溶液をペプチドまたはペプチド混合物を含む第2の溶液と混合して第3の溶液を形成するステップを含み、ここで、第3の溶液は、i)約0~5%のスクロース、ii)約0~5%のグルコース、iii)約0~50%のDMEM、iv)約0~80mMのNaCl、またはv)約0~20%のPBSを含むまたはそれを含むように調整され、第3の溶液をインキュベートしてカーゴ送達複合体を形成させる。一部の実施形態では、第1の溶液は、滅菌水中のカーゴを含み、かつ/または、第2の溶液は、滅菌水中のペプチドまたはペプチド混合物を含む。一部の実施形態では、第3の溶液を、インキュベートしてカーゴ送達複合体を形成した後にi)約0~5%のスクロース、ii)約0~5%のグルコース、iii)約0~50%のDMEM、iv)約0~80mMのNaCl、またはv)約0~20%のPBSを含むように調整する。
【0238】
一部の実施形態では、方法は、カーゴ送達複合体をポアサイズの膜を通して濾過する濾過プロセスをさらに含む。一部の実施形態では、ポアの直径は、少なくとも約0.1μm(例えば、少なくとも約0.1μm、0.15μm、0.2μm、0.25μm、0.3μm、0.35μm、0.4μm、0.45μm、0.5μm、0.6μm、0.7μm、0.8μm、0.9μm、1.0μm、1.1μmまたは1.2μmなど)である。一部の実施形態では、ポアの直径は、約1.2μm以下、1.0μm以下、0.8μm以下、0.6μm以下、0.5μm以下、0.45μm以下、0.4μm以下、0.35μm以下、0.3μm以下、または0.25μm以下である。一部の実施形態では、ポートの直径は、約0.1μm~約1.2μm(例えば、約0.1~約0.8μm、約0.2~約0.5μmなど)である。
【0239】
一部の実施形態では、本出願のカーゴ分子送達複合体またはナノ粒子を含む安定な組成物に関して、複合体またはナノ粒子の平均直径は約10%よりも大きくは変化せず、また、多分散指数は約10%よりも大きくは変化しない。
【0240】
本明細書に記載の細胞透過性ペプチドを含むペプチドのいずれかの調製方法も提供される。
使用方法
【0241】
本出願はまた、1つまたは複数のカーゴを細胞内に送達する方法も提供する。一部の実施形態では、方法は、細胞にカーゴ送達複合体またはナノ粒子を接触させるステップを含み、ここで、カーゴ送達複合体は、1つまたは複数のカーゴを含む。
【0242】
一部の実施形態では、1つまたは複数のカーゴを細胞内に送達する方法であって、細胞に本明細書に記載のカーゴ送達複合体を接触させるステップを含み、カーゴ送達複合体が、1つまたは複数のカーゴを含む方法が提供される。一部の実施形態では、細胞は、がん細胞である。一部の実施形態では、細胞は、ヒト細胞である。一部の実施形態では、細胞は抗原(例えば、腫瘍抗原など)を発現し、カーゴ送達複合体内のカーゴ分子は当該抗原に特異的に結合するまたはそれを標的とするものである。
【0243】
本出願はまた、1つまたは複数のカーゴを個体の組織または器官内に送達する方法であって、個体に、本明細書に記載のカーゴ送達複合体、ナノ粒子、または医薬組成物を有効量で投与するステップを含み、組織または器官が、肝臓、肺、腎臓、脳、腸、脾臓、心臓、筋肉、およびリンパ節からなる群から選択される、方法も提供する。
【0244】
一部の実施形態では、1つまたは複数のカーゴ分子を個体の組織または器官内に送達する方法であって、個体に、本明細書に記載のカーゴ送達複合体を有効量で投与するステップを含み、組織または器官が、肝臓、肺、腎臓、脳、腸、脾臓、心臓、筋肉、およびリンパ節からなる群から選択される、方法が提供される。一部の実施形態では、組織または器官は、肝臓、肺、腎臓、脳、脾臓およびリンパ節からなる群から選択される。
【0245】
一部の実施形態では、個体の組織または器官における1つまたは複数のカーゴ分子の保持を促進する方法であって、個体に、本明細書に記載のカーゴ送達複合体を有効量で投与するステップを含み、組織または器官が、肝臓、肺、腎臓、脳、腸、脾臓、心臓、筋肉、およびリンパ節からなる群から選択される、方法が提供される。一部の実施形態では、組織または器官は、肝臓、肺、腎臓、脳、脾臓およびリンパ節からなる群から選択される。
【0246】
一部の実施形態では、個体における1つまたは複数のカーゴ分子の安定性を促進する方法であって、個体に、本明細書に記載のカーゴ送達複合体を有効量で投与するステップを含む方法が提供される。
【0247】
一部の実施形態では、個体の組織または器官における1つまたは複数のカーゴ分子の保持を促進する方法であって、a)第1の細胞透過性ペプチドを含む第1のペプチドと第2の細胞透過性ペプチドを含む第2のペプチドを組み合わせ、それにより、ペプチド混合物を形成するステップであって、第2のペプチドが、第2の細胞透過性ペプチドと共有結合により連結したポリエチレングリコール(PEG)部分を含み、第1のペプチドが、PEG部分を有さない、ステップと、b)ペプチド混合物とカーゴ分子を組み合わせ、それにより、カーゴ送達複合体を形成するステップと、c)カーゴ送達複合体を個体に投与するステップとを含む方法が提供される。一部の実施形態では、組織または器官は、肝臓、肺、腎臓、脳、腸、脾臓、心臓、筋肉、およびリンパ節からなる群から選択される。一部の実施形態では、組織または器官は、肝臓、肺、腎臓、脳、脾臓およびリンパ節からなる群から選択される。一部の実施形態では、個体における1つまたは複数のカーゴ分子の安定性を促進する方法であって、a)第1の細胞透過性ペプチドを含む第1のペプチドと第2の細胞透過性ペプチドを含む第2のペプチドを組み合わせ、それにより、ペプチド混合物を形成するステップであって、第2のペプチドが、第2の細胞透過性ペプチドと共有結合により連結したポリエチレングリコール(PEG)部分を含み、第1のペプチドが、PEG部分を有さない、ステップと、b)ペプチド混合物とカーゴ分子を組み合わせ、それにより、カーゴ送達複合体を形成するステップと、c)カーゴ送達複合体を個体に投与するステップとを含む方法が提供される。一部の実施形態では、第1の細胞透過性ペプチドの第2の細胞透過性ペプチドに対する比は、約20:1~約1:1(例えば、約15:1~約2:1、約10:1~約4:1など)である。ペプチド(例えば、細胞透過性ペプチドまたは細胞透過性ペプチドを含むペプチド)、カーゴ、およびPEG部分の例としては、本明細書に記載のものが挙げられる。一部の実施形態では、PEG部分は、第2の細胞透過性ペプチドのN末端またはC末端とコンジュゲートしている。一部の実施形態では、PEG部分は、第2の細胞透過性ペプチド内の部位とコンジュゲートしている。
【0248】
本出願は、個体の器官/組織内にカーゴ分子を送達する方法であって、個体に上記のカーゴ送達複合体を投与するステップを含む方法も提供する。
【0249】
一部の実施形態では、個体の器官/組織内にカーゴ分子を送達する方法であって、個体にカーゴ送達複合体を投与するステップを含み、カーゴ送達複合体が、a)細胞透過性ペプチドを含むペプチドおよびb)カーゴ分子を含み、ペプチドが、配列番号152~162からなる群から選択される標的化配列をさらに含む、方法が提供される。一部の実施形態では、器官または組織は、腫瘍組織、腎臓、膵臓、筋肉、心臓、脳、肝臓、腎臓、リンパ節、肺または脾臓である。一部の実施形態では、細胞透過性ペプチドは、PTDに基づくペプチド、両親媒性ペプチド、ポリアルギニンに基づくペプチド、MPGペプチド、CADYペプチド、PEP-1ペプチド、PEP-2ペプチド、またはPEP-3ペプチドである。一部の実施形態では、細胞透過性ペプチドは、CADY、PEP-1ペプチド、PEP-2ペプチド、PEP-3ペプチド、VEPEP-3ペプチド、VEPEP-4ペプチド、VEPEP-5ペプチド、VEPEP-6ペプチド、VEPEP-9ペプチド、およびADGN-100ペプチドからなる群から選択される。一部の実施形態では、標的化配列は、細胞透過性ペプチドのN末端と共有結合により連結している。一部の実施形態では、標的化配列は、細胞透過性ペプチドのN末端とリンカーを介して共有結合により連結している。一部の実施形態では、リンカーは、ベータアラニン、システイン、システアミド橋、ポリグリシン(例えば、G2またはG4など)、PEGリンカー部分、Aun(11-アミノ-ウンデカン酸)、Ava(5-アミノペンタン酸)、およびAhx(アミノカプロン酸)からなる群から選択される。一部の実施形態では、リンカーは、PEGリンカー部分を含む。一部の実施形態では、PEGリンカー部分は、約1~10個(例えば、約1~8個、2~7個、1~5個、または6~10個など)のエチレングリコール単位からなる。一部の実施形態では、標的化配列は、細胞透過性ペプチドのN末端とリンカーを伴わずに共有結合により連結している。一部の実施形態では、ペプチドは、標的化配列のN末端に連結した1つまたは複数の部分をさらに含み、1つまたは複数の部分は、アセチル基およびステアリル基からなる群から選択される。一部の実施形態では、カーゴ分子は、核酸、ウイルス、ポリペプチド、タンパク質/核酸複合体、ウイルス様粒子、およびタンパク質複合体からなる群から選択される。
【0250】
一部の実施形態では、個体の器官または組織(例えば、心臓または筋肉)内にカーゴ分子を送達する方法であって、個体にカーゴ送達複合体を投与する(例えば、静脈内に)ステップを含み、カーゴ送達複合体が、a)細胞透過性ペプチドを含むペプチドおよびb)カーゴ分子(例えば、PNA、オリゴヌクレオチド、mRNA)を含み、ペプチドが、標的化配列LSSRLDAをさらに含む、方法が提供される。一部の実施形態では、ペプチドは、VEPEP-3ペプチド、VEPEP-6ペプチド、VEPEP-9ペプチド、またはADGN-100ペプチドを含む。一部の実施形態では、ペプチドは、配列番号1~14、75、76、および113~115からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、ペプチドは、配列番号15~40、77、85、92~100、105、107~109、および129~139からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、ペプチドは、配列番号41~52、78、および116~120からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、ペプチドは、配列番号53~70、79、80、86~91、101~104、106、110~112、および121~128からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、ペプチドは、配列番号114に記載されているアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、標的化配列は、細胞透過性ペプチドのN末端と共有結合により連結している。一部の実施形態では、標的化配列は、細胞透過性ペプチドのN末端とリンカーを介して共有結合により連結している。一部の実施形態では、リンカーは、ベータアラニン、システイン、システアミド橋、ポリグリシン(例えば、G2またはG4など)、PEGリンカー部分、Aun(11-アミノ-ウンデカン酸)、Ava(5-アミノペンタン酸)、およびAhx(アミノカプロン酸)からなる群から選択される。一部の実施形態では、リンカーは、PEGリンカー部分を含む。一部の実施形態では、PEGリンカー部分は、約1~10個(例えば、約1~8個、2~7個、1~5個、または6~10個など)のエチレングリコール単位からなる。一部の実施形態では、標的化配列は、細胞透過性ペプチドのN末端とリンカーを伴わずに共有結合により連結している。一部の実施形態では、ペプチドは、標的化配列のN末端と連結した1つまたは複数の部分をさらに含み、1つまたは複数の部分は、アセチル基およびステアリル基からなる群から選択される。一部の実施形態では、カーゴ分子は、核酸、ウイルス、ポリペプチド、タンパク質/核酸複合体、ウイルス様粒子、およびタンパク質複合体からなる群から選択される。
【0251】
一部の実施形態では、個体の器官または組織(例えば、脳または肝臓)内にカーゴ分子を送達する方法であって、個体にカーゴ送達複合体を投与する(例えば、静脈内に)ステップを含み、カーゴ送達複合体が、a)細胞透過性ペプチドを含むペプチドおよびb)カーゴ分子(例えば、siRNA/mRNA)を含み、ペプチドが、標的化配列SYTSSTMをさらに含む、方法が提供される。一部の実施形態では、ペプチドは、VEPEP-3ペプチド、VEPEP-6ペプチド、VEPEP-9ペプチド、またはADGN-100ペプチドを含む。一部の実施形態では、ペプチドは、配列番号1~14、75、76、および113~115からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、ペプチドは、配列番号15~40、77、85、92~100、105、107~109、および129~139からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、ペプチドは、配列番号41~52、78、および116~120からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、ペプチドは、配列番号53~70、79、80、86~91、101~104、106、110~112、および121~128からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、ペプチドは、配列番号115、128、131、または132に記載されているアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、標的化配列は、細胞透過性ペプチドのN末端と共有結合により連結している。一部の実施形態では、標的化配列は、細胞透過性ペプチドのN末端とリンカーを介して共有結合により連結している。一部の実施形態では、リンカーは、ベータアラニン、システイン、システアミド橋、ポリグリシン(例えば、G2またはG4など)、PEGリンカー部分、Aun(11-アミノ-ウンデカン酸)、Ava(5-アミノペンタン酸)、およびAhx(アミノカプロン酸)からなる群から選択される。一部の実施形態では、リンカーは、PEGリンカー部分を含む。一部の実施形態では、PEGリンカー部分は、約1~10個(例えば、約1~8個、2~7個、1~5個、または6~10個など)のエチレングリコール単位からなる。一部の実施形態では、標的化配列は、細胞透過性ペプチドのN末端とリンカーを伴わずに共有結合により連結している。一部の実施形態では、ペプチドは、標的化配列のN末端と連結した1つまたは複数の部分をさらに含み、1つまたは複数の部分は、アセチル基およびステアリル基からなる群から選択される。一部の実施形態では、カーゴ分子は、核酸、ウイルス、ポリペプチド、タンパク質/核酸複合体、ウイルス様粒子、およびタンパク質複合体からなる群から選択される。
【0252】
一部の実施形態では、個体の器官または組織(例えば、脳またはリンパ節)内にカーゴ分子を送達する方法であって、個体にカーゴ送達複合体を投与する(例えば、静脈内に)ステップを含み、カーゴ送達複合体が、a)細胞透過性ペプチドを含むペプチドおよびb)カーゴ分子(例えば、siRNA/mRNA/ペプチド)を含み、ペプチドが、標的化配列KSYDTYをさらに含む、方法が提供される。一部の実施形態では、ペプチドは、VEPEP-3ペプチド、VEPEP-6ペプチド、VEPEP-9ペプチド、またはADGN-100ペプチドを含む。一部の実施形態では、ペプチドは、配列番号1~14、75、76、および113~115からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、ペプチドは、配列番号15~40、77、85、92~100、105、107~109、および129~139からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、ペプチドは、配列番号41~52、78、および116~120からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、ペプチドは、配列番号53~70、79、80、86~91、101~104、106、110~112、および121~128からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、ペプチドは、配列番号116または119に記載されているアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、標的化配列は、細胞透過性ペプチドのN末端と共有結合により連結している。一部の実施形態では、標的化配列は、細胞透過性ペプチドのN末端とリンカーを介して共有結合により連結している。一部の実施形態では、リンカーは、ベータアラニン、システイン、システアミド橋、ポリグリシン(例えば、G2またはG4など)、PEGリンカー部分、Aun(11-アミノ-ウンデカン酸)、Ava(5-アミノペンタン酸)、およびAhx(アミノカプロン酸)からなる群から選択される。一部の実施形態では、リンカーは、PEGリンカー部分を含む。一部の実施形態では、PEGリンカー部分は、約1~10個(例えば、約1~8個、2~7個、1~5個、または6~10個など)のエチレングリコール単位からなる。一部の実施形態では、標的化配列は、細胞透過性ペプチドのN末端とリンカーを伴わずに共有結合により連結している。一部の実施形態では、ペプチドは、標的化配列のN末端と連結した1つまたは複数の部分をさらに含み、1つまたは複数の部分は、アセチル基およびステアリル基からなる群から選択される。一部の実施形態では、カーゴ分子は、核酸、ウイルス、ポリペプチド、タンパク質/核酸複合体、ウイルス様粒子、およびタンパク質複合体からなる群から選択される。
【0253】
一部の実施形態では、個体の器官または組織(例えば、心臓または肺)内にカーゴ分子を送達する方法であって、個体にカーゴ送達複合体を投与する(例えば、静脈内に)ステップを含み、カーゴ送達複合体が、a)細胞透過性ペプチドを含むペプチドおよびb)カーゴ分子(例えば、siRNA/mRNA)を含み、ペプチドが、標的化配列CARPARをさらに含む、方法が提供される。一部の実施形態では、ペプチドは、VEPEP-3ペプチド、VEPEP-6ペプチド、VEPEP-9ペプチド、またはADGN-100ペプチドを含む。一部の実施形態では、ペプチドは、配列番号1~14、75、76、および113~115からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、ペプチドは、配列番号15~40、77、85、92~100、105、107~109、および129~139からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、ペプチドは、配列番号41~52、78、および116~120からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、ペプチドは、配列番号53~70、79、80、86~91、101~104、106、110~112、および121~128からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、ペプチドは、配列番号121または139に記載されているアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、標的化配列は、細胞透過性ペプチドのN末端と共有結合により連結している。一部の実施形態では、標的化配列は、細胞透過性ペプチドのN末端とリンカーを介して共有結合により連結している。一部の実施形態では、リンカーは、ベータアラニン、システイン、システアミド橋、ポリグリシン(例えば、G2またはG4など)、PEGリンカー部分、Aun(11-アミノ-ウンデカン酸)、Ava(5-アミノペンタン酸)、およびAhx(アミノカプロン酸)からなる群から選択される。一部の実施形態では、リンカーは、PEGリンカー部分を含む。一部の実施形態では、PEGリンカー部分は、約1~10個(例えば、約1~8個、2~7個、1~5個、または6~10個など)のエチレングリコール単位からなる。一部の実施形態では、標的化配列は、細胞透過性ペプチドのN末端とリンカーを伴わずに共有結合により連結している。一部の実施形態では、ペプチドは、標的化配列のN末端と連結した1つまたは複数の部分をさらに含み、1つまたは複数の部分は、アセチル基およびステアリル基からなる群から選択される。一部の実施形態では、カーゴ分子は、核酸、ウイルス、ポリペプチド、タンパク質/核酸複合体、ウイルス様粒子、およびタンパク質複合体からなる群から選択される。
【0254】
一部の実施形態では、個体の器官または組織(例えば、脳または肺)内にカーゴ分子を送達する方法であって、個体にカーゴ送達複合体を投与する(例えば、静脈内に)ステップを含み、カーゴ送達複合体が、a)細胞透過性ペプチドを含むペプチドおよびb)カーゴ分子(例えば、siRNA/mRNA)を含み、ペプチドが、標的化配列TGNYKALHPDHNGをさらに含む、方法が提供される。一部の実施形態では、ペプチドは、VEPEP-3ペプチド、VEPEP-6ペプチド、VEPEP-9ペプチド、またはADGN-100ペプチドを含む。一部の実施形態では、ペプチドは、配列番号1~14、75、76、および113~115からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、ペプチドは、配列番号15~40、77、85、92~100、105、107~109、および129~139からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、ペプチドは、配列番号41~52、78、および116~120からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、ペプチドは、配列番号53~70、79、80、86~91、101~104、106、110~112、および121~128からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、ペプチドは、配列番号122または123に記載されているアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、標的化配列は、細胞透過性ペプチドのN末端と共有結合により連結している。一部の実施形態では、標的化配列は、細胞透過性ペプチドのN末端とリンカーを介して共有結合により連結している。一部の実施形態では、リンカーは、ベータアラニン、システイン、システアミド橋、ポリグリシン(例えば、G2またはG4など)、PEGリンカー部分、Aun(11-アミノ-ウンデカン酸)、Ava(5-アミノペンタン酸)、およびAhx(アミノカプロン酸)からなる群から選択される。一部の実施形態では、リンカーは、PEGリンカー部分を含む。一部の実施形態では、PEGリンカー部分は、約1~10個(例えば、約1~8個、2~7個、1~5個、または6~10個など)のエチレングリコール単位からなる。一部の実施形態では、標的化配列は、細胞透過性ペプチドのN末端とリンカーを伴わずに共有結合により連結している。一部の実施形態では、ペプチドは、標的化配列のN末端と連結した1つまたは複数の部分をさらに含み、1つまたは複数の部分は、アセチル基およびステアリル基からなる群から選択される。一部の実施形態では、カーゴ分子は、核酸、ウイルス、ポリペプチド、タンパク質/核酸複合体、ウイルス様粒子、およびタンパク質複合体からなる群から選択される。
【0255】
一部の実施形態では、個体の器官または組織(例えば、肺、腎臓、肝臓、腫瘍、膵臓)内にカーゴ分子を送達する方法であって、個体にカーゴ送達複合体を投与する(例えば、静脈内または筋肉内に)ステップを含み、カーゴ送達複合体が、a)細胞透過性ペプチドを含むペプチドおよびb)カーゴ分子(例えば、siRNA/mRNA/CRISPR分子)を含み、ペプチドが、標的化配列YIGSRをさらに含む、方法が提供される。一部の実施形態では、ペプチドは、VEPEP-3ペプチド、VEPEP-6ペプチド、VEPEP-9ペプチド、またはADGN-100ペプチドを含む。一部の実施形態では、ペプチドは、配列番号1~14、75、76、および113~115からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、ペプチドは、配列番号15~40、77、85、92~100、105、107~109、および129~139からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、ペプチドは、配列番号41~52、78、および116~120からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、ペプチドは、配列番号53~70、79、80、86~91、101~104、106、110~112、および121~128からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、ペプチドは、配列番号88、94、96、98、101、103、105~112、125、126、130、および135からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、標的化配列は、細胞透過性ペプチドのN末端と共有結合により連結している。一部の実施形態では、標的化配列は、細胞透過性ペプチドのN末端とリンカーを介して共有結合により連結している。一部の実施形態では、リンカーは、ベータアラニン、システイン、システアミド橋、ポリグリシン(例えば、G2またはG4など)、PEGリンカー部分、Aun(11-アミノ-ウンデカン酸)、Ava(5-アミノペンタン酸)、およびAhx(アミノカプロン酸)からなる群から選択される。一部の実施形態では、リンカーは、PEGリンカー部分を含む。一部の実施形態では、PEGリンカー部分は、約1~10個(例えば、約1~8個、2~7個、1~5個、または6~10個など)のエチレングリコール単位からなる。一部の実施形態では、標的化配列は、細胞透過性ペプチドのN末端とリンカーを伴わずに共有結合により連結している。一部の実施形態では、ペプチドは、標的化配列のN末端と連結した1つまたは複数の部分をさらに含み、1つまたは複数の部分は、アセチル基およびステアリル基からなる群から選択される。一部の実施形態では、カーゴ分子は、核酸、ウイルス、ポリペプチド、タンパク質/核酸複合体、ウイルス様粒子、およびタンパク質複合体からなる群から選択される。
【0256】
一部の実施形態では、個体の器官または組織(例えば、肺、腎臓、肝臓、脾臓、脳、腫瘍、膵臓)内にカーゴ分子を送達する方法であって、個体にカーゴ送達複合体を投与する(例えば、静脈内または筋肉内に)ステップを含み、カーゴ送達複合体が、a)細胞透過性ペプチドを含むペプチドおよびb)カーゴ分子(例えば、siRNA/mRNA/CRISPR分子)を含み、ペプチドが、標的化配列GYVSをさらに含む、方法が提供される。一部の実施形態では、ペプチドは、VEPEP-3ペプチド、VEPEP-6ペプチド、VEPEP-9ペプチド、またはADGN-100ペプチドを含む。一部の実施形態では、ペプチドは、配列番号1~14、75、76、および113~115からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、ペプチドは、配列番号15~40、77、85、92~100、105、107~109、および129~139からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、ペプチドは、配列番号41~52、78、および116~120からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、ペプチドは、配列番号53~70、79、80、86~91、101~104、106、110~112、および121~128からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、ペプチドは、配列番号89、95、97、99、102、104、127、および136からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、標的化配列は、細胞透過性ペプチドのN末端と共有結合により連結している。一部の実施形態では、標的化配列は、細胞透過性ペプチドのN末端とリンカーを介して共有結合により連結している。一部の実施形態では、リンカーは、ベータアラニン、システイン、システアミド橋、ポリグリシン(例えば、G2またはG4など)、PEGリンカー部分、Aun(11-アミノ-ウンデカン酸)、Ava(5-アミノペンタン酸)、およびAhx(アミノカプロン酸)からなる群から選択される。一部の実施形態では、リンカーは、PEGリンカー部分を含む。一部の実施形態では、PEGリンカー部分は、約1~10個(例えば、約1~8個、2~7個、1~5個、または6~10個など)のエチレングリコール単位からなる。一部の実施形態では、標的化配列は、細胞透過性ペプチドのN末端とリンカーを伴わずに共有結合により連結している。一部の実施形態では、ペプチドは、標的化配列のN末端と連結した1つまたは複数の部分をさらに含み、1つまたは複数の部分は、アセチル基およびステアリル基からなる群から選択される。一部の実施形態では、カーゴ分子は、核酸、ウイルス、ポリペプチド、タンパク質/核酸複合体、ウイルス様粒子、およびタンパク質複合体からなる群から選択される。
【0257】
一部の実施形態では、個体の器官または組織(例えば、心臓)内にカーゴ分子を送達する方法であって、個体にカーゴ送達複合体を投与する(例えば、静脈内に)ステップを含み、カーゴ送達複合体が、a)細胞透過性ペプチドを含むペプチドおよびb)カーゴ分子(例えば、オリゴヌクレオチド)を含み、ペプチドが、標的化配列CKRAVをさらに含む、方法が提供される。一部の実施形態では、ペプチドは、VEPEP-3ペプチド、VEPEP-6ペプチド、VEPEP-9ペプチド、またはADGN-100ペプチドを含む。一部の実施形態では、ペプチドは、配列番号1~14、75、76、および113~115からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、ペプチドは、配列番号15~40、77、85、92~100、105、107~109、および129~139からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、ペプチドは、配列番号41~52、78、および116~120からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、ペプチドは、配列番号53~70、79、80、86~91、101~104、106、110~112、および121~128からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、ペプチドは、配列番号117に記載されているアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、標的化配列は、細胞透過性ペプチドのN末端と共有結合により連結している。一部の実施形態では、標的化配列は、細胞透過性ペプチドのN末端とリンカーを介して共有結合により連結している。一部の実施形態では、リンカーは、ベータアラニン、システイン、システアミド橋、ポリグリシン(例えば、G2またはG4など)、PEGリンカー部分、Aun(11-アミノ-ウンデカン酸)、Ava(5-アミノペンタン酸)、およびAhx(アミノカプロン酸)からなる群から選択される。一部の実施形態では、リンカーは、PEGリンカー部分を含む。一部の実施形態では、PEGリンカー部分は、約1~10個(例えば、約1~8個、2~7個、1~5個、または6~10個など)のエチレングリコール単位からなる。一部の実施形態では、標的化配列は、細胞透過性ペプチドのN末端とリンカーを伴わずに共有結合により連結している。一部の実施形態では、ペプチドは、標的化配列のN末端と連結した1つまたは複数の部分をさらに含み、1つまたは複数の部分は、アセチル基およびステアリル基からなる群から選択される。一部の実施形態では、カーゴ分子は、核酸、ウイルス、ポリペプチド、タンパク質/核酸複合体、ウイルス様粒子、およびタンパク質複合体からなる群から選択される。
【0258】
一部の実施形態では、個体の器官または組織(例えば、脳)内にカーゴ分子を送達する方法であって、個体にカーゴ送達複合体を投与する(例えば、静脈内または筋肉内に)ステップを含み、カーゴ送達複合体が、a)細胞透過性ペプチドを含むペプチドおよびb)カーゴ分子(例えば、mRNA、siRNA、CRISPR分子)を含み、ペプチドが、標的化配列THRPPNWSPVをさらに含む、方法が提供される。一部の実施形態では、ペプチドは、VEPEP-3ペプチド、VEPEP-6ペプチド、VEPEP-9ペプチド、またはADGN-100ペプチドを含む。一部の実施形態では、ペプチドは、配列番号1~14、75、76、および113~115からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、ペプチドは、配列番号15~40、77、85、92~100、105、107~109、および129~139からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、ペプチドは、配列番号41~52、78、および116~120からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、ペプチドは、配列番号53~70、79、80、86~91、101~104、106、110~112、および121~128からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、ペプチドは、配列番号133または138に記載されているアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、標的化配列は、細胞透過性ペプチドのN末端と共有結合により連結している。一部の実施形態では、標的化配列は、細胞透過性ペプチドのN末端とリンカーを介して共有結合により連結している。一部の実施形態では、リンカーは、ベータアラニン、システイン、システアミド橋、ポリグリシン(例えば、G2またはG4など)、PEGリンカー部分、Aun(11-アミノ-ウンデカン酸)、Ava(5-アミノペンタン酸)、およびAhx(アミノカプロン酸)からなる群から選択される。一部の実施形態では、リンカーは、PEGリンカー部分を含む。一部の実施形態では、PEGリンカー部分は、約1~10個(例えば、約1~8個、2~7個、1~5個、または6~10個など)のエチレングリコール単位からなる。一部の実施形態では、標的化配列は、細胞透過性ペプチドのN末端とリンカーを伴わずに共有結合により連結している。一部の実施形態では、ペプチドは、標的化配列のN末端と連結した1つまたは複数の部分をさらに含み、1つまたは複数の部分は、アセチル基およびステアリル基からなる群から選択される。一部の実施形態では、カーゴ分子は、核酸、ウイルス、ポリペプチド、タンパク質/核酸複合体、ウイルス様粒子、およびタンパク質複合体からなる群から選択される。
【0259】
一部の実施形態では、個体の器官または組織(例えば、筋肉、心臓)内にカーゴ分子を送達する方法であって、個体にカーゴ送達複合体を投与する(例えば、静脈内または筋肉内に)ステップを含み、カーゴ送達複合体が、a)細胞透過性ペプチドを含むペプチドおよびb)カーゴ分子(例えば、mRNA、siRNA、CRISPR分子)を含み、ペプチドが、標的化配列CKTRRVPをさらに含む、方法が提供される。一部の実施形態では、ペプチドは、VEPEP-3ペプチド、VEPEP-6ペプチド、VEPEP-9ペプチド、またはADGN-100ペプチドを含む。一部の実施形態では、ペプチドは、配列番号1~14、75、76、および113~115からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、ペプチドは、配列番号15~40、77、85、92~100、105、107~109、および129~139からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、ペプチドは、配列番号41~52、78、および116~120からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、ペプチドは、配列番号53~70、79、80、86~91、101~104、106、110~112、および121~128からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、ペプチドは、配列番号134または137に記載されているアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、標的化配列は、細胞透過性ペプチドのN末端と共有結合により連結している。一部の実施形態では、標的化配列は、細胞透過性ペプチドのN末端とリンカーを介して共有結合により連結している。一部の実施形態では、リンカーは、ベータアラニン、システイン、システアミド橋、ポリグリシン(例えば、G2またはG4など)、PEGリンカー部分、Aun(11-アミノ-ウンデカン酸)、Ava(5-アミノペンタン酸)、およびAhx(アミノカプロン酸)からなる群から選択される。一部の実施形態では、リンカーは、PEGリンカー部分を含む。一部の実施形態では、PEGリンカー部分は、約1~10個(例えば、約1~8個、2~7個、1~5個、または6~10個など)のエチレングリコール単位からなる。一部の実施形態では、標的化配列は、細胞透過性ペプチドのN末端とリンカーを伴わずに共有結合により連結している。一部の実施形態では、ペプチドは、標的化配列のN末端と連結した1つまたは複数の部分をさらに含み、1つまたは複数の部分は、アセチル基およびステアリル基からなる群から選択される。一部の実施形態では、カーゴ分子は、核酸、ウイルス、ポリペプチド、タンパク質/核酸複合体、ウイルス様粒子、およびタンパク質複合体からなる群から選択される。
【0260】
一部の実施形態では、個体の器官または組織(例えば、筋肉)内にカーゴ分子を送達する方法であって、個体にカーゴ送達複合体を投与する(例えば、静脈内または筋肉内に)ステップを含み、カーゴ送達複合体が、a)細胞透過性ペプチドを含むペプチドおよびb)カーゴ分子(例えば、ペプチド、タンパク質、PNA)を含み、ペプチドが、標的化配列ASSLNIAをさらに含む、方法が提供される。一部の実施形態では、ペプチドは、VEPEP-3ペプチド、VEPEP-6ペプチド、VEPEP-9ペプチド、またはADGN-100ペプチドを含む。一部の実施形態では、ペプチドは、配列番号1~14、75、76、および113~115からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、ペプチドは、配列番号15~40、77、85、92~100、105、107~109、および129~139からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、ペプチドは、配列番号41~52、78、および116~120からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、ペプチドは、配列番号53~70、79、80、86~91、101~104、106、110~112、および121~128からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、ペプチドは、配列番号113に記載されているアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、標的化配列は、細胞透過性ペプチドのN末端と共有結合により連結している。一部の実施形態では、標的化配列は、細胞透過性ペプチドのN末端とリンカーを介して共有結合により連結している。一部の実施形態では、リンカーは、ベータアラニン、システイン、システアミド橋、ポリグリシン(例えば、G2またはG4など)、PEGリンカー部分、Aun(11-アミノ-ウンデカン酸)、Ava(5-アミノペンタン酸)、およびAhx(アミノカプロン酸)からなる群から選択される。一部の実施形態では、リンカーは、PEGリンカー部分を含む。一部の実施形態では、PEGリンカー部分は、約1~10個(例えば、約1~8個、2~7個、1~5個、または6~10個など)のエチレングリコール単位からなる。一部の実施形態では、標的化配列は、細胞透過性ペプチドのN末端とリンカーを伴わずに共有結合により連結している。一部の実施形態では、ペプチドは、標的化配列のN末端と連結した1つまたは複数の部分をさらに含み、1つまたは複数の部分は、アセチル基およびステアリル基からなる群から選択される。一部の実施形態では、カーゴ分子は、核酸、ウイルス、ポリペプチド、タンパク質/核酸複合体、ウイルス様粒子、およびタンパク質複合体からなる群から選択される。
【0261】
一部の実施形態では、個体の器官または組織(例えば、膵臓、腎臓)内にカーゴ分子を送達する方法であって、個体にカーゴ送達複合体を投与する(例えば、静脈内に)ステップを含み、カーゴ送達複合体が、a)配列番号75に記載されているアミノ酸配列を含む細胞透過性ペプチドを含むペプチド、およびb)カーゴ分子(例えば、mRNA、タンパク質、ペプチド、ウイルスまたはウイルス様粒子)を含む、方法が提供される。一部の実施形態では、ペプチドは、標的化配列のN末端に連結した1つまたは複数の部分をさらに含み、1つまたは複数の部分は、アセチル基およびステアリル基からなる群から選択される。一部の実施形態では、カーゴ分子は、核酸、ウイルス、ポリペプチド、タンパク質/核酸複合体、ウイルス様粒子、およびタンパク質複合体からなる群から選択される。
【0262】
一部の実施形態では、個体の器官または組織(例えば、脳、肝臓、肺、腎臓)内にカーゴ分子を送達する方法、個体にカーゴ送達複合体を投与する(例えば、静脈内に、筋肉内に)ステップを含み、カーゴ送達複合体が、a)配列番号78に記載されているアミノ酸配列を含む細胞透過性ペプチドを含むペプチド、およびb)カーゴ分子(例えば、ペプチド、オリゴヌクレオチド、プラスミドDNA、ウイルスまたはウイルス様粒子)を含む、方法が提供される。一部の実施形態では、ペプチドは、標的化配列のN末端に連結した1つまたは複数の部分をさらに含み、1つまたは複数の部分は、アセチル基およびステアリル基からなる群から選択される。一部の実施形態では、カーゴ分子は、核酸、ウイルス、ポリペプチド、タンパク質/核酸複合体、ウイルス様粒子、およびタンパク質複合体からなる群から選択される。
【0263】
一部の実施形態では、個体の器官または組織(例えば、肝臓、肺、腎臓、脳)内にカーゴ分子を送達する方法であって、個体にカーゴ送達複合体を投与する(例えば、静脈内に)ステップを含み、カーゴ送達複合体が、a)配列番号118に記載されているアミノ酸配列を含む細胞透過性ペプチドを含むペプチド、およびb)カーゴ分子(例えば、ペプチド、オリゴヌクレオチド、プラスミドDNA、ウイルスまたはウイルス様粒子)を含む、方法が提供される。一部の実施形態では、ペプチドは、標的化配列のN末端に連結した1つまたは複数の部分をさらに含み、1つまたは複数の部分は、アセチル基およびステアリル基からなる群から選択される。一部の実施形態では、カーゴ分子は、核酸、ウイルス、ポリペプチド、タンパク質/核酸複合体、ウイルス様粒子、およびタンパク質複合体からなる群から選択される。
【0264】
一部の実施形態では、個体の器官または組織(例えば、肝臓、肺、腎臓、膵臓)内にカーゴ分子を送達する方法であって、個体にカーゴ送達複合体を投与する(例えば、静脈内に、筋肉内に、皮下に)ステップを含み、カーゴ送達複合体が、a)配列番号79または80に記載されているアミノ酸配列を含む細胞透過性ペプチドを含むペプチド、およびb)カーゴ分子(例えば、プラスミドDNA、ペプチド、siRNA、CRISPR分子、mRNA)を含む、方法が提供される。一部の実施形態では、ペプチドは、標的化配列のN末端に連結した1つまたは複数の部分をさらに含み、1つまたは複数の部分は、アセチル基およびステアリル基からなる群から選択される。一部の実施形態では、カーゴ分子は、核酸、ウイルス、ポリペプチド、タンパク質/核酸複合体、ウイルス様粒子、およびタンパク質複合体からなる群から選択される。
【0265】
一部の実施形態では、個体の器官または組織(例えば、肝臓、肺、腎臓、脾臓)内にカーゴ分子を送達する方法であって、個体にカーゴ送達複合体を投与する(例えば、静脈内に、筋肉内に)ステップを含み、カーゴ送達複合体が、a)細胞透過性ペプチドを含むペプチド、およびb)カーゴ分子(例えば、プラスミドDNA、siRNA、mRNA)を含み、細胞透過性ペプチドが、レトロインベルソペプチドである、方法が提供される。一部の実施形態では、細胞透過性ペプチドは、ADGN-100ペプチドまたはVEPEP-6ペプチドである。一部の実施形態では、ペプチドは、配列番号85または86に記載されているアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、ペプチドは、標的化配列のN末端に連結した1つまたは複数の部分をさらに含み、1つまたは複数の部分は、アセチル基およびステアリル基からなる群から選択される。一部の実施形態では、カーゴ分子は、核酸、ウイルス、ポリペプチド、タンパク質/核酸複合体、ウイルス様粒子、およびタンパク質複合体からなる群から選択される。
【0266】
一部の実施形態では、個体の器官または組織(例えば、肝臓)内にカーゴ分子を送達する方法であって、個体にカーゴ送達複合体を投与する(例えば、静脈内に、皮下に)ステップを含み、カーゴ送達複合体が、a)細胞透過性ペプチドを含むペプチド、およびb)カーゴ分子(例えば、プラスミドDNA、CRISPR分子、mRNA)を含み、細胞透過性ペプチドが、炭水化物部分(例えば、GalNAcなど)を含む、方法が提供される。一部の実施形態では、細胞透過性ペプチドは、ADGN-100ペプチドまたはVEPEP-6ペプチドである。一部の実施形態では、ペプチドは、配列番号124または129に記載されているアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、ペプチドは、標的化配列のN末端に連結した1つまたは複数の部分をさらに含み、1つまたは複数の部分は、アセチル基およびステアリル基からなる群から選択される。一部の実施形態では、カーゴ分子は、核酸、ウイルス、ポリペプチド、タンパク質/核酸複合体、ウイルス様粒子、およびタンパク質複合体からなる群から選択される。
疾患および状態
【0267】
本出願はまた、個体における疾患または状態を処置する方法であって、個体に本明細書に記載のカーゴ送達複合体、ナノ粒子、または医薬組成物を有効量で投与するステップを含む方法も提供する。一部の実施形態では、疾患または状態は、肝臓、肺、腎臓、脳、腸、脾臓、心臓、筋肉、およびリンパ節からなる群から選択される器官または組織における病的細胞に関連するものである。一部の実施形態では、疾患または状態は、がん、糖尿病、自己免疫疾患、血液病、心疾患、血管疾患、炎症性疾患、線維性疾患、ウイルス感染性疾患、遺伝性疾患、眼の疾患、肝疾患、肺疾患、筋疾患、タンパク質欠乏性疾患、リソソーム蓄積症、神経疾患、腎疾患(kidney disease)、老化および変性疾患、ならびにコレステロールレベルの異常を特徴とする疾患からなる群から選択される。
【0268】
本明細書に記載の方法の一部の実施形態では、処置される疾患は、がんである。一部の実施形態では、がんは、固形腫瘍であり、医薬組成物は、これだけに限定されないが、増殖因子およびサイトカイン、細胞表面受容体、シグナル伝達分子およびキナーゼ、転写因子および他の転写モジュレーター、タンパク質発現および修飾の調節因子、腫瘍抑制因子、ならびにアポトーシスおよび転移の調節因子を含めたタンパク質をコードする1つまたは複数のmRNAを含むカーゴ送達複合体またはナノ粒子を含む。
【0269】
一部の実施形態では、固形腫瘍としては、これだけに限定されないが、肉腫および癌腫、例えば、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨原性肉腫、脊索腫、血管肉腫、内皮肉腫、リンパ管肉腫、リンパ管内皮肉腫、カポジ肉腫、軟部肉腫、子宮サクロノーマ滑膜腫(uterine sacronomasynovioma)、中皮腫、ユーイング腫瘍、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、結腸癌、膵がん、乳がん、卵巣がん、前立腺がん、扁平上皮癌、基底細胞癌、腺癌、汗腺癌、脂腺癌、乳頭癌、乳頭状腺癌、嚢胞腺癌、髄様癌、気管支原性肺癌、腎細胞癌、ヘパトーマ、胆管癌、絨毛癌、セミノーマ、胎児性癌、ウィルムス腫瘍、子宮頸がん、精巣腫瘍、肺癌、小細胞肺癌、膀胱癌、上皮癌、神経膠腫、星状細胞腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、松果体腫、血管芽細胞腫、聴神経腫、乏枝神経膠腫、髄膜腫、黒色腫、神経芽細胞腫、および網膜芽細胞腫などが挙げられる。
【0270】
一部の実施形態では、本発明によるカーゴ送達複合体またはナノ粒子を、これだけに限定されないが、以下ののうちの1つまたは複数を含めた種々の疾患、障害、および/または状態のいずれかを処置するために使用することができる:自己免疫障害(例えば、糖尿病、ループス、多発性硬化症、乾癬、関節リウマチ);炎症性障害(例えば、関節炎、骨盤内炎症性疾患);感染性疾患(例えば、ウイルス感染症(例えば、HIV、HCV、RSV、チクングニアウイルス、ジカウイルス、インフルエンザウイルス)、細菌感染症、真菌感染症、敗血症);神経性障害(例えば、アルツハイマー病、ハンチントン病;自閉症;デュシェンヌ型筋ジストロフィー);心血管障害(例えば、アテローム性動脈硬化症、高コレステロール血症、血栓症、凝固障害、黄斑変性症などの血管新生障害);増殖性障害(例えば、がん、良性の新生物);呼吸器疾患(例えば、慢性閉塞性肺疾患);消化性障害(例えば、炎症性腸疾患、潰瘍);筋骨格障害(例えば、線維筋痛症、関節炎);内分泌、代謝、および栄養障害(例えば、糖尿病、骨粗鬆症);泌尿器障害(例えば、腎疾患(renal disease));心理学的障害(例えば、うつ病、統合失調症);皮膚障害(例えば、創傷、湿疹);血液およびリンパ障害(例えば、貧血、血友病);など。
【0271】
一部の実施形態では、本明細書に記載のカーゴ送達複合体またはナノ粒子を、嚢胞性線維症、鎌状赤血球貧血、表皮水疱症、筋萎縮性側索硬化症、およびグルコース-6-リン酸脱水素酵素欠損症を含めた、機能障害性または異所性タンパク質活性を特徴とする疾患を処置するために使用することができる。例えば、本発明は、対象におけるそのような状態または疾患を、mRNAを含有する核酸または細胞に基づく治療薬を含むカーゴ送達複合体を投与することによって処置するための方法であって、mRNAが、対象の細胞内に存在する異所性タンパク質活性に拮抗するまたは他のやり方でそれを克服するタンパク質をコードするものである、方法を提供する。機能障害性タンパク質の特定の例は、CFTRタンパク質の機能障害性タンパク質バリアントを生じさせる、嚢胞性線維症膜コンダクタンス制御因子(CFTR)遺伝子のミスセンス突然変異バリアントであり、これにより、嚢胞性線維症が引き起こされる。
【0272】
タンパク質活性の喪失(または実質的に減弱し、その結果、適当な(正常なまたは生理的タンパク質機能が生じないこと)を特徴とする疾患としては、嚢胞性線維症、ニーマン・ピックC型、β重症型サラセミア、デュシェンヌ型筋ジストロフィー、ハーラー症候群、ハンター症候群、および血友病Aが挙げられる。そのようなタンパク質は存在しない場合がある、または基本的に非機能性である。本発明は、対象におけるそのような状態または疾患を、mRNAを含有する核酸または細胞に基づく治療薬を含むカーゴ送達複合体を投与することによって処置するための方法であって、mRNAが、対象の標的細胞から喪失しているタンパク質活性に置き換わるタンパク質をコードするものである、方法を提供する。機能障害性タンパク質の特定の例は、CFTRタンパク質の非機能性タンパク質バリアントを生じさせる嚢胞性線維症膜コンダクタンス制御因子(CFTR)遺伝子のナンセンス突然変異バリアントであり、これにより、嚢胞性線維症が引き起こされる。
【0273】
本明細書に記載の方法の一部の実施形態では、処置される疾患は、がんであり、がんは、固形腫瘍であり、医薬組成物は、腫瘍の発生および/または増悪に関与するタンパク質をコードする1つまたは複数のmRNAを含むカーゴ送達複合体またはナノ粒子を含む。一部の実施形態では、mRNAがコードする腫瘍の発生および/または増悪に関与するタンパク質としては、これだけに限定されないが、IL-2、IL-12、インターフェロン-ガンマ、GM-CSF、B7-1、カスパーゼ-9、p53、MUC-1、MDR-1、HLA-B7/ベータ2-ミクログロブリン、Her2、Hsp27、チミジンキナーゼ、およびMDA-7が挙げられ、これらの突然変異体も含まれる。一部の実施形態では、mRNAは、治療用タンパク質などのタンパク質をコードするものである。一部の実施形態では、mRNAは、CARをコードするものである。一部の実施形態では、複合体またはナノ粒子は、複数のタンパク質をコードする複数のmRNAを含む。一部の実施形態では、複合体またはナノ粒子は、単一のタンパク質をコードする複数のmRNAを含む。一部の実施形態では、複合体またはナノ粒子は、第1のタンパク質および第2のタンパク質をコードする単一のmRNAを含む。一部の実施形態では、複合体またはナノ粒子は、内因性遺伝子、例えば、疾患に関連する内因性遺伝子を標的とするRNAiなどのsiRNAなどのRNAiをさらに含む。一部の実施形態では、RNAiは、外因性遺伝子を標的とするものである。一部の実施形態では、RNAiは、疾患または状態に関与する内因性遺伝子を標的とする治療用RNAiであり、タンパク質は、疾患または状態の処置に有用な治療用タンパク質である。一部の実施形態では、複合体またはナノ粒子は、治療用mRNAおよび治療用RNAiを含み、治療用RNAiは、疾患に関連する形態の内因性遺伝子(例えば、突然変異タンパク質をコードする遺伝子、またはタンパク質の異常な発現をもたらす遺伝子)を標的とするものであり、治療用mRNAは、治療形態の内因性遺伝子に対応する(例えば、第2の導入遺伝子は野生型または機能性形態の突然変異タンパク質をコードする、または第2の導入遺伝子によりタンパク質の正常な発現がもたらされる)。
【0274】
本明細書に記載の方法の一部の実施形態では、医薬組成物を個体に静脈内、腫瘍内、動脈内、局部、眼内、点眼用の、門脈内、頭蓋内、脳内、脳室内、髄腔内、小胞内、皮内、皮下、筋肉内、鼻腔内、気管内、肺、腔内、気管内滴下注入、噴霧、または経口投与のいずれかによって投与する。
【0275】
本明細書に記載の方法の一部の実施形態では、個体は、哺乳動物である。一部の実施形態では、個体は、ヒトである。
キット
【0276】
本明細書に記載の方法のための有用なキット、試薬、および製造品も本発明で提供される。そのようなキットは、本明細書に記載のカーゴ送達複合体、ナノ粒子、または医薬組成物を含有し得る。
【0277】
本明細書に記載のキットは、本主題の方法を実施するためのキットの構成成分の使用に関する指示(例えば、本明細書に記載の医薬組成物の作製および/または医薬組成物の使用に関する指示)をさらに含み得る。本主題の方法の実施に関する指示は、一般に、適切な記録媒体に記録される。例えば、指示は、紙またはプラスチックなどの基板に印刷されている場合がある。そのように、指示は、キット中に添付文書として、キットの容器のラベルに、またはその構成成分として(すなわち、パッケージングまたはサブパッケージングに付随して)などで存在し得る。一部の実施形態では、指示は、適切なコンピュータ可読記憶媒体、例えば、CD-ROM、ディスケットなどに存在する電子ストレージデータファイルとして存在する。さらに他の実施形態では、実際の指示は、キット中には存在しないが、離れた供給源から、例えばインターネットを経由して指示を入手するための手段が提供される。この実施形態の例は、指示を表示することができ、かつ/または指示をダウンロードすることができるウェブアドレスを含むキットである。指示と同様に、指示を入手するためのこの手段も適切な基板に記録される。
【0278】
キットの種々の構成成分は別々の容器内に入っていてよく、容器は、単一の囲い、例えば箱内に含有されていてよい。
【実施例】
【0279】
本発明の範囲および主旨の中でいくつかの実施形態が可能であることが当業者には理解されよう。ここで、以下の非限定的な実施例を参照することによって本発明をより詳細に記載する。以下の実施例は、本発明をさらに例示するものであるが、当然、どのようにも本発明の範囲を限定するものではないと解釈されるべきである。
(実施例1)
in vivoにおける適用のためのADGN-ペプチド/mRNA/プラスミド-DNA/siRNAナノ粒子の最適化
材料
【0280】
mRNA:CleanCap(商標)Luc mRNA(5moU)をTrilink Biotechnology(USA)から入手した。
【0281】
プラスミド:CMVプロモーターの下でルシフェラーゼを発現するpGL4レポーターベクターをPromegaから入手した。
【0282】
siRNA luc:ルシフェラーゼLuc2を標的とするsiRNA、5’CUU-ACG-CUG-AGU-ACU-UCG-ATT-3’(センス鎖)および5’-UCG-AAG-UAC-UCA-GCG-UAA-GTT-3’(アンチセンス鎖)をEurogentecから入手した。
【0283】
ADGNペプチド:以下のペプチドを使用した:
ADGN-106:βALWRALWRLWRSLWRLLWKA
ADGN-106-RI:akwllrwlsrwlrwlarwlr
ADGN-106-PEG7:Ac-(PEG)7-βALWRALWRLWRSLWRLLWKA-NH2
ADGN-106-PEG2:Ac-(PEG)2-βALWRALWRLWRSLWRLLWKA-NH2
ADGN-106-Hydro-1:Ac-YIGSR-(G)4-ALWRALWRLWRSLWRLLWKA-NH2
ADGN-106 hydro-2:Ac-GYVS-(G)4-ALWRALWRLWRSLWRLLWKA-NH2
ADGN-106-Hydro-3:Ac-YIGSR-Ava(CH2)2-ALWRALWRLWRSLWRLLWKA-NH2
ADGN-106 hydro-4:Ac-GYVS-Ava(CH2)2-ALWRALWRLWRSLWRLLWKA-NH2
ADGN-106-Hydro-5:Ac-YIGSR-Aun(CH2)6-ALWRALWRLWRSLWRLLWKA-NH2
ADGN-106 hydro-6:Ac-GYVS-Aun(CH2)6-ALWRALWRLWRSLWRLLWKA-NH2
ADGN-106-Hydro-8:Ac-YIGSR-Ahx-ALWRALWRLWRSLWRLLWKA-NH2
ADGN-106 ステアリル:ステアリル-βA-ALWRALWRLWRSLWRLLWKA-NH2
ADGN-100:βAKWRSAGWRWRLW RVRSWSR
ADGN-100-RI:rswsrvrwlrwrwgasrwk
ADGN-100-PEG7:Ac-(PEG)7-βA-KWRSALWRWRLWRVRSWSR-NH2
ADGN-100-PEG2:Ac-(PEG)2-βA-KWRSALWRWRLWRVRSWSR-NH2
ADGN-100-Hydro-1:Ac-YIGSR-(G)4-KWRSALWRWRLWRVRSWSR-NH2
ADGN-100 hydro-2:Ac-GYVS-(G)4-KWRSALWRWRLWRVRSWSR-NH2
ADGN-100-Hydro-3:Ac-YIGSR-Ava-KWRSALWRWRLWRVRSWSR-NH2
ADGN-100 hydro-4 :Ac-GYVS-Ava -KWRSALWRWRLWRVRSWSR-NH2
ADGN-100-Hydro-5:Ac-YIGSR-Aun-KWRSALWRWRLWRVRSWSR-NH2
ADGN-100 hydro-6:Ac-GYVS-Aun -KWRSALWRWRLWRVRSWSR-NH2
ADGN-100-Hydro-8:Ac-YIGSR-Ahx-KWRSALWRWRLWRVRSWSR-NH2
ADGN-100 ステアリル:ステアリル-βA-KWRSALWRWRLWRVRSWSR-NH2
ADGN-103C:Ac-ASSLNIA-Ava-KWWERWWREWPRKRR-NH2
ADGN-104 Ac-LSSRLDA-Ava-KWWERWWREWPRKRR
ADGN-105 Ac-SYTSSTM-Ava-KWWERWWREWPRKRR
ADGN-106TB:Ac-SYTSSTM-Ava-βALWRALWRLWRSLWRLLWKA-NH2
ADGN-109:Ac-KSYDTY-Ava-ALRWLRWASRWFSRWAWR-NH2
ADGN-109D:Ac-KSYDTYAAETR-RWASRWFSRWAWWR -NH2
ADGN-109b:Ac-CKRAV-RWWLRWASRWFSRWAWWR-NH2
ADGN-101:Ac-CARPAR-WRSAGWRWRLWRVRSWSR-NH2
ADGN-102:Ac-TGNYKALHPDHNG-WRSALRWRLWRWSR-NH2
ADGN-100GALNAC:Ac-KWRSA(GalNac)LWRWRLWRVRSWSR-NH2
ADGN-106GALNAC:AC-ALWRA(GalNac)LWRLWRSLWRLLWKA-NH2
ADGN-106TC:Ac-THRPPNWSPVWP-RALWRLWRSLWRLRWKA-NH2
ADGN-106TD:Ac-CKTRRVP-WRALWRLWRSLWRLLWKA-NH2
【0284】
Ahxリンカーを用いて得られたものではペプチド調製物の収量が約20倍であることが認められた。
【0285】
細胞株:293T細胞(ATCC(登録商標)CRL-3216(商標))およびHepG2(ATCC(登録商標)HB-8065(商標))細胞をATCCから入手した。SKOV-3/Luc細胞およびA375/Luc細胞をclinisciencesから入手した。
方法
【0286】
mRNAとの複合体の形成。24ウェルプレート中で培養した2~5×106個の細胞または集密度が約70~80%の細胞のトランスフェクションに以下のプロトコールを使用した。ADGNペプチド/mRNA粒子を、(0.25μg)mRNAを使用し、ADGN-ペプチド/mRNAのモル比20:1で調製した。Luc mRNA(0.25μg)を室温で滅菌水(GIBCO)20μl中に希釈した。最終的なペプチド溶液5μlを添加して総体積20μlを得た。滅菌水を用いて体積を50μlに調整し、ボルテックスを用いて低スピードで1分間穏やかに混合し、室温で30分間インキュベートした。次いで、5%スクロースを含有する滅菌水を添加することによって体積を100μlにし、溶液をボルテックスを用いて低スピードで1分間穏やかに混合し、37℃で5分間インキュベートし、次いで、細胞のトランスフェクションに進んだ。
【0287】
最適化されたmRNAとの複合体の形成。ADGNペプチド/mRNA/gRNA粒子をADGN-ペプチド/核酸のモル比2:1(2×)で調製した。ADGN/CAS9mRNA/sgRNA複合体を、0.2μgのmRNA:0.15μgのsgRNAおよび5%グルコースまたはDMEM(96ウェルプレートに関する例)を用いてモル比1:2(2×)で調製した。予め混合したCAS9 mRNA/gRNA(5μg/15μg)を室温でガラスバイアル(1~4ml)中、滅菌水中に調製した。ADGN-ペプチド溶液を400rpmでの磁気撹拌下で滴下して(毎秒1滴)、1:2の比を得た。次いで、溶液を室温または37℃で30分間インキュベートした。トランスフェクションの直前に、150μlのグルコースまたはDMEMを添加した。次いで、溶液を400rpmでの磁気撹拌下で1分間混合し、次いで、37℃で5分間インキュベートした。次いで、溶液を細胞のトランスフェクションまたはIV投与のために準備した。IV投与の前に、複合体をスクロース5%溶液中に希釈した。
【0288】
プラスミドDNAとの複合体の形成。24ウェルプレート中で培養した2~5×106個の細胞または集密度が約70~80%の細胞のトランスフェクションのために以下のプロトコールを使用した。(0.2μg)を使用して、ADGNペプチド/プラスミドDNA pGL4粒子をADGN-ペプチド/pGL4のモル比20:1で調製した。PGL4プラスミド(0.15μg)を室温で滅菌水(GIBCO)20μl中に希釈した。最終的なペプチド溶液10μlを添加して総体積20μlを得た。滅菌水を用いて体積を50μlに調整し、ボルテックスを用いて低スピードで1分間穏やかに混合し、室温で30分間インキュベートした。次いで、5%スクロースを含有する滅菌水を添加することによって体積を100μlにし、溶液をボルテックスを用いて低スピードで1分間穏やかに混合し、37℃で5分間インキュベートし、次いで、細胞のトランスフェクションに進んだ。
【0289】
siRNAとの複合体の形成。24ウェルプレート中で培養した2~5×106個の細胞または集密度が約70~80%の細胞のトランスフェクションのために以下のプロトコールを使用した。20nMのsiRNAを使用してADGNペプチド/siRNA Luc粒子をADGN-ペプチド/pGL4のモル比20:1で調製した。siRNA二重鎖(10nMおよび25nM)を室温で滅菌水(GIBCO)20μl中に希釈した。最終的なペプチド溶液(55μM)1.5μlまたは3μlを添加して総体積20μlを得た。滅菌水を用いて体積を50μlに調整し、ボルテックスを用いて低スピードで1分間穏やかに混合し、室温で30分間インキュベートした。次いで、5%スクロースを含有する滅菌水を添加することによって体積を100μlにし、溶液をボルテックスを用いて低スピードで1分間穏やかに混合し、37℃で5分間インキュベートし、次いで、細胞のトランスフェクションに進んだ。
【0290】
トランスフェクションプロトコール。24ウェルプレートフォーマットについてのプロトコールを報告する。細胞を、2mMのグルタミン、1%抗生物質(ストレプトマイシン、10,000μg/mL、ペニシリン、10,000IU/mL)および10%(w/v)ウシ胎仔血清(FCS)を補充したダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)中、5%CO2を含有する加湿雰囲気中、37℃で培養した。トランスフェクションの前日に細胞150,000個を播種した24ウェルプレートを50~60%集密まで成長させ、トランスフェクション時に約70%集密になっているように設定した。トランスフェクトする前に、細胞をDMEMで2回洗浄した。次いで、細胞を、0.25μgのmRNA、0.15μgのプラスミドDNAまたは10~25nMのsiRNAを含有するADGN-ペプチド/カーゴ複合体溶液0.1mlで覆い、穏やかに混合し、37℃で10分間インキュベートした。新鮮なDMEM0.2mLを添加し、細胞を37℃で20分間インキュベートした。次いで、ADGN-ペプチド/カーゴ複合体の覆いを取り除かずに最終的なFCS濃度10%に達するように、15%FCSを含有する完全DMEM 1mLを添加した。トランスフェクション後に細胞をインキュベーター(37℃、5%CO2)に戻し、72時間置いた。
結果
【0291】
この試験の目的は、いずれのADGN製剤が、in vivo全身IVおよび局部またはIM送達のための優れたmRNAまたはプラスミドDNAまたはsiRNAを有するADGN-ナノ粒子をもたらすことができるものであるかを評価することであった。ステアリル、異なるPEG長でのPEG化、シグナル伝達配列およびレトロインベルソ変換を含めたADGNペプチドのいくつかの異なる修飾を評価した。レトロインベルソペプチド-ペプチドは、天然に存在するL-アイソフォームの逆配列のD-アミノ酸からなり、それらにより、構造的特色は維持する一方で、タンパク質分解に対して安定なペプチド類似体がもたらされるかどうかを調査するためのものである。ADGN-ペプチド/カーゴ製剤はin vitroでは特徴付けられており、mRNA、プラスミドDNAおよびsiRNA送達するためのそれらの効力を培養細胞に対して、およびin vivoにおいて評価した。
(実施例2)
ADGN-ペプチドバリアント/mRNA複合体の特徴付けおよび安定性。
【0292】
種々のADGN-ペプチドの、mRNAと安定なナノ粒子を形成する能力を分析した。粒子サイズおよび凝集のレベルをDLS NanoZS(Malvern Ltd)で測定した。ADGN/mRNA複合体の平均サイズおよび多分散を25℃で測定当たり3分間にわたって決定した。大きな粒子を除去するために、複合体を形成したADGN/mRNAを、PESまたはPVDFのいずれかの0.45μmフィルターを使用して濾過した。データが
図8および
図9に3回の別々の実験の平均として示されている。
【0293】
図8に報告されている通り、全てのADGN-100ペプチドがmRNAと安定なナノ粒子を形成し、平均サイズは100~160nmにわたった。ADGN/mRNA複合体溶液は、平均サイズが400nmよりも大きいナノ粒子を、ほんのわずか、5%~13%含有した。ADGN-100のレトロインベルソ修飾ではmRNAと安定な複合体を形成するペプチドの能力は改変されなかった。ADGN-100 Retro inverso、ADGN-100 Hydro5およびADGN-100 Hydro6ペプチドを用いると凝集体が4%未満である高度に均一なナノ粒子が得られる。
【0294】
図9に報告されている通り、全てのADGN-106ペプチドがmRNAと安定なナノ粒子を形成し、平均サイズは110~160nmにわたった。ADGN/mRNA複合体溶液は、平均サイズが400nmよりも大きいナノ粒子を、ほんのわずか、5%~13%含有した。ADGN-106のレトロインベルソ修飾ではmRNAと安定な複合体を形成するペプチドの能力は改変されなかった。ADGN-106 Retro inversoおよびADGN-100 Hydro6ペプチドを用いると凝集体が3%未満である高度に均一なナノ粒子が得られる。
【0295】
ADGN-100およびADGN-106ペプチドバリアントのどちらに関しても、0.45μmフィルターで濾過することによって大きな粒子および凝集体が効率的に除去され、PESフィルターでは約15~20%、およびPVDFフィルターでは約30%の材料の消失がもたらされる。したがって、0.45μmのPESフィルターを用いた濾過ステップをさらなる調査のために追加する。
(実施例3)
ADGN-ペプチドバリアント/DNAプラスミド複合体の特徴付けおよび安定性。
【0296】
種々のADGN-ペプチドの、5.6KpBのルシフェラーゼ発現プラスミドであるDNA pGL4と安定なナノ粒子を形成する能力を分析した。粒子サイズおよび凝集のレベルをDLS NanoZS(Malvern Ltd)で測定した。ADGN/プラスミドDNA複合体の平均サイズおよび多分散を25℃で測定当たり3分間にわたって決定した。大きな粒子を除去するために、複合体を形成したADGN/プラスミドDNAを、PESまたはPVDFのいずれかの0.45μmフィルターを使用して濾過した。データが
図10に3回の別々の実験の平均として示されている。
【0297】
図10に報告されている通り、ADGN-106、ADGN-106RI、ADGN-100HYDRO2AおよびADGN-100HYDRO3以外の全てのADGNペプチドが、PGL4と100~150nmの範囲内の安定なナノ粒子を形成した。安定なADGN/プラスミドDNA複合体溶液は、平均サイズが400nmよりも大きいナノ粒子を、ほんのわずか、5%~20%含有した。0.45μmフィルターで濾過することによって大きな粒子および凝集体が効率的に除去され、PESフィルターでは約15~30%、およびPVDFフィルターでは約40%の材料の消失がもたらされる。したがって、0.45μmのPESフィルターを用いた濾過ステップをさらなる調査のために追加する。ADGN-100のレトロインベルソ修飾ではプラスミドDNAと安定な複合体を形成するペプチドの能力は改変されなかった。ADGN-106のレトロインベルソ修飾ではプラスミドと安定な粒子を形成するADGN-106の効力は改善されなかった。ADGN-100 Retro inverso、ADGN-100 Hydro5およびADGN-100 Hydro6ペプチドを用いると凝集体が4%未満である高度に均一なナノ粒子が得られる。
(実施例4)
ADGN-ペプチドバリアントにより、293T細胞におけるカーゴ送達が改善される
【0298】
ADGN-ペプチドを、293T細胞におけるルシフェラーゼmRNAの細胞送達について評価した。0.25μgのmRNAの単回投与を評価した。滅菌水(GIBCO)中Luc mRNA(0.25μg)をADGN-100、ADGN-100RI、ADGN-106、ADGN-106RI、ADGN-100ステアリル、ADGN-Hydro1、ADGN-Hydro2、ADGN-Hydro5およびADGN-Hydro6と混合した。ADGN-ペプチド/mRNA複合体を、0.45μmのPESフィルターを用いて濾過した。高血清および細胞培養条件下でのADGN/mRNA複合体の安定性を評価するために、複合体をトランスフェクション前に25%血清またはヘパラン硫酸のいずれかの存在下で3時間インキュベートし、次いで、293T細胞にトランスフェクトし、ルシフェラーゼ発現を72時間モニタリングした。
【0299】
図1Aおよび1Bに報告されている通り、濾過はADGN粒子の効率に影響を及ぼさなかった。血清またはヘパラン硫酸処理の非存在下では、ADGN-100およびADGN-106ペプチドの両方について高レベルのルシフェラーゼ発現が得られ、ADGN-106がADGN-100よりも2倍強力であった。ルシフェラーゼ発現は、ADGNペプチドと連結したステアリル、Hydro5およびHydro6モチーフの存在による有意な影響は受けない。対照的に、Hydro1およびHydro2モチーフが存在するとADGNペプチドの効率が20~50%低下した。レトロインベルソ修飾によりADGN-100およびADGN-106の効率は改変されなかった。
【0300】
血清またはヘパラン硫酸の存在によりADGN/mRNA複合体の安定性が低下し、これは、ルシフェラーゼ発現の有意な減少と相関する。ADGN-106の効率は血清の存在下では71%低下し、ヘパラン硫酸の存在下では50%低下し、ADGN-100の効率は、血清中では90%低下し、へパラン中では50%低下する。ステアリルまたはHydro-1、Hydro-5およびHydro-6モチーフの存在により、ADGN/mRNA粒子が安定化し、ルシフェラーゼ発現の低下は血清中では30~40%、およびヘパラン硫酸中では10~20%だけであった。レトロインベルソ修飾の導入により、特に血清の存在下およびヘパラン硫酸の存在下でのADGN-mRNA複合体が強力に安定化した。ADGN-100 RIに媒介されるルシフェラーゼ発現は血清の存在下では40%低下し、ヘパラン硫酸を用いると16%低下する。ADGN-106RIに媒介されるルシフェラーゼ発現は血清の存在下では26%低下し、ヘパラン硫酸を用いると13%低下する。
【0301】
Luc mRNA(0.25μg)を、10%または20%のADGN-100-PEGを含有するADGN-100またはADGN-106溶液と、および10%または20%のADGN-106-PEGを含有するADGN-106と結び付けた。ADGN-100またはADGN-106と10%または20%のペグ化ADGN-100またはペグ化ADGN-106と組み合わせることにより、複合体が有意に安定化された。血清処理後のトランスフェクション効率の低下は、ADGN-100 PEG 10%および20%を使用するとそれぞれ20%または17%だけである。
【0302】
リンカー配列の影響を評価するために、YIGSR標的化配列を、種々のリンカーモチーフを使用してADGN-106と連結した。
ADGN-106:Ac-βALWRALWRLWRSLWRLLWKA-NH2
ADGN-106-Hydro:Ac-YIGSR-βALWRALWRLWRSLWRLLWKA-NH2
ADGN-106-HYPEG2:Ac-YIGSR-(PEG)2-βALWRALWRLWRSLWRLLWKA-NH2
ADGN-106-HYPEG4:Ac-YIGSR-(PEG)4-βALWRALWRLWRSLWRLLWKA-NH2
ADGN-106-HYPEG7:Ac-YIGSR-(PEG)7-βALWRALWRLWRSLWRLLWKA-NH2
ADGN-106-Hydro-1:Ac-YIGSR-(G)4-ALWRALWRLWRSLWRLLWKA-NH2
ADGN-106-Hydro-7:Ac-YIGSR-(G)2-ALWRALWRLWRSLWRLLWKA-NH2
ADGN-106-Hydro-3:Ac-YIGSR-Ava(CH2)2-ALWRALWRLWRSLWRLLWKA-NH2
ADGN-106-Hydro-5:Ac-YIGSR-Aun(CH2)6-ALWRALWRLWRSLWRLLWKA-NH2
ADGN-106-Hydro-8:Ac-YIGSR-Ahx-ALWRALWRLWRSLWRLLWKA-NH2
【0303】
YIGSR標的化配列を含有するADGN-106ペプチドを、293T細胞におけるルシフェラーゼmRNAの細胞送達について評価した。0.25μgのmRNAの単回投与を評価した。滅菌水(GIBCO)中Luc mRNA(0.25μg)をADGN-106およびADGN-106Hydroバリアントと混合した。ADGN-ペプチド/mRNA複合体を、0.45μmのPESフィルターを用いて濾過した。ADGN-106/mRNA複合体をトランスフェクション前に25%血清の存在下で3時間インキュベートし、次いで、293T細胞にトランスフェクトし、ルシフェラーゼ発現を72時間モニタリングした。
【0304】
図1Cに報告されている通り、血清処理の非存在下では、ADGN-106、ADGN-106 Hydro、ADGN-106HYPEG2、ADGN-106-Hydro1、hydro3、hydro5およびhydro8について高レベルのルシフェラーゼ発現が得られ、これにより、ベータAla、PEG2、Ava、Aun、Ahx、および(Gly)4などのリンカーの使用がトランスフェクション効率には影響しないことが示唆される。対照的に、PEG4、PEG7およびGly-Glyをリンカーとして使用すると、ルシフェラーゼ発現がそれぞれ35%、72%および28%低下した。
【0305】
血清の存在下では、ADGN-106/mRNA複合体の安定性が有意に低下し、これは、ルシフェラーゼ発現の有意な減少と相関する。ADGN-106およびADGN-106Hydroの効率は80%低下する。PEG2、Ava、Ahx、(Gly)4およびAunをリンカーとして使用することにより、粒子の安定性に対する血清の影響が低減した。最良の結果はAun>Ahx>PEG2>Ava>Gly4リンカーで得られ、ルシフェラーゼ発現の減少はそれぞれ15%、17%、21%、32%および40%であった。この結果から、リンカーの長さと性質の両方が重要であり、最良の結果は(CH2)4モチーフで得られることが実証された。
【0306】
この結果から、ADGN-100およびADGN-106により、293T細胞におけるmRNAの効率的な送達が促進されることが実証された。効率には影響を及ぼさずにナノ粒子調製物を清澄化するために濾過を使用することができる。結果から、ADGNペプチドのレトロインベルソもしくはhydro-6修飾を使用すること、またはADGN/mRNA粒子内で10%~20%のペグ化ADGNペプチドを組み合わせることにより、複合体が高血清条件の存在下で強力に安定化されることが示された。
(実施例5)
ADGN-ペプチドバリアントにより、293T細胞におけるpGL4 DNAプラスミド送達が改善される
【0307】
ADGN-ペプチドを、ルシフェラーゼを発現するpGL4プラスミドDNAの293T細胞における細胞送達について評価した。滅菌水(GIBCO)中Luc pGL4プラスミド(0.15μg)をADGN-100、ADGN-100RI、ADGN-106、ADGN-106RI、ADGN-100ステアリル、ADGN-100Hydro1、ADGN-100Hydro2、ADGN-100Hydro4、ADGN-100Hydro3、ADGN-100Hydro5およびADGN-100Hydro6と混合した。ADGN-ペプチド/mRNA複合体を、0.45μmのPESフィルターを用いて濾過した。高血清および細胞培養条件下でのADGN/pGL4プラスミド複合体の安定性を評価するために、複合体をトランスフェクション前に25%血清またはヘパラン硫酸のいずれかの存在下で3時間インキュベートし、次いで、293T細胞にトランスフェクトし、ルシフェラーゼ発現を72時間モニタリングした。
【0308】
図2Aおよび2Bに報告されている通り、濾過はADGN粒子の効率に影響を及ぼさない。血清またはヘパラン硫酸処理の非存在下では、ADGN-100およびADGN-100バリアントペプチドで高レベルのルシフェラーゼ発現が得られた。Hydro1、2、3,4、5モチーフの存在により、ADGN-100の効率が20~40%低下した。対照的に、ステアリル、レトロインベルソおよびHydro6修飾はADGN-100の効率に影響を及ぼさない。
図2AおよびBに示されている通り、血清の非存在下または存在下でADGN-106およびADGN-106RIを使用すると不十分なルシフェラーゼ発現がモニタリングされ、これは、ADGN-106/プラスミドDNA粒子のサイズが大きいことおよび安定性が乏しいこととかなり相関した。血清またはヘパラン硫酸の存在によりADGN/pGL4プラスミド複合体の安定性が低下し、これは、ルシフェラーゼ発現の有意な減少と相関する。ADGN-100の効率は血清の存在下では90%低下し、ヘパラン硫酸の存在下では50%低下する。ステアリルまたはHydro-1、Hydro-5およびHydro-6モチーフの存在により、ADGN/pGL4粒子が安定化し、ルシフェラーゼ発現の減少は血清中では30~40%、およびヘパラン硫酸中では10~20%だけである。対照的に、Hydro-2、Hydro-3およびhydro-4修飾により、血清の存在下およびへパラン処理でのトランスフェクションは有意には改善されない。レトロインベルソ修飾の導入により、ADGN-プラスミドDNA複合体が、特に血清の存在下でおよびヘパラン硫酸の存在下で強力に安定化した。ADGN-100RIに媒介されるルシフェラーゼ発現は血清の存在下では25%減少し、ヘパラン硫酸を用いた場合は10%未満の減少であった。
【0309】
ADGN-100をペグ化ADGN-100と組み合わせることのトランスフェクション効率に対する影響を評価した。pGL4 lucプラスミド(0.15μg)を、5~50%のADGN-100-PEGを含有するADGN-100溶液と、またはADGN-100PEGと結び付けた。
図2Cに報告されている通り、ADGN-100と10%または20%のペグ化ADGN-100を組み合わせることにより、複合体が有意に安定化された。25%血清の存在下でのトランスフェクション効率は2.3倍および2.4倍上昇する。対照的に、50%および100%のADGN-100 PEGを使用するとルシフェラーゼ発現のレベルが50%および80%低下した。
【0310】
この結果から、ADGN-100により、293T細胞におけるプラスミドDNAの効率的な送達が促進されることが実証された。効率には影響を及ぼさずにナノ粒子調製物を清澄化するために濾過を使用することができる。結果から、ADGNペプチドのステアリル化、レトロインベルソまたはHydro-6修飾を使用すること、またはADGN/プラスミド粒子内に10%~20%のペグ化ADGNペプチドを組み合わせることにより、複合体が高血清条件の存在下で強力に安定化されることが示された。
(実施例6)
ADGN-ペプチドバリアントにより、A375/Luc細胞におけるsiRNA送達が改善される
【0311】
ADGN-ペプチドを、A375/Luc細胞におけるルシフェラーゼを標的とするsiRNA二重鎖の細胞送達について評価した。滅菌水(GIBCO)中の、ルシフェラーゼを標的とするsiRNA(10および25nM)を、ADGN-100、ADGN-100RI、ADGN-106、ADGN-106RI、ADGN-100ステアリル、ADGN-100Hydro1、ADGN-100Hydro2、ADGN-100Hydro4、ADGN-100Hydro3、ADGN-100Hydro5およびADGN-100Hydro6と混合した。ADGN-ペプチド/siRNA複合体を、0.45μmのPESフィルターを用いて濾過した。高血清条件下でのADGN/siRNA複合体の安定性を評価するために、複合体を25%血清の存在下で3時間インキュベートし、次いで、A375/Luc細胞にトランスフェクトし、ルシフェラーゼ発現を48時間モニタリングした。
【0312】
図3Aおよび3Bに報告されている通り、血清処理の非存在下では、ADGN-100およびADGN-106ペプチドの両方で高レベルのsiRNAに媒介されるルシフェラーゼサイレンシングが得られた。ルシフェラーゼixのレベルは10nMのsiRNAを使用すると78%低下し、25nMのsiRNAを使用すると93%低下した。Hydro1、2、3、4、5モチーフの存在により、ADGN-100またはADGN-106の効率が50~90%低下した。対照的に、ステアリル、レトロインベルソおよびHydro6修飾はADGN-100およびADGN-106の効率に影響を及ぼさない。血清の存在により、ADGN/siRNA複合体の安定性が低下し、これは、siRNAに媒介されるルシフェラーゼサイレンシングの有意な減少と相関する。ADGN-100およびADGN-106の効率は、血清の存在下では90%低下する。ステアリルおよびHydro-6モチーフの存在により、ADGN/siRNA粒子が安定化され、血清中でのsiRNAに媒介されるルシフェラーゼサイレンシングの減少は20%だけである。レトロインベルソ修飾の導入により、ADGN/siRNA複合体が強力に安定化した。
図3Aおよび3Bに報告されている通り、ADGN-100RIまたはADGN-106RIを使用した場合、siRNAに媒介されるルシフェラーゼサイレンシングは血清の存在の影響を受けず、ルシフェラーゼ発現レベルは10nMのsiRNAでは77%低下し、25nMのsiRNAでは95%低下する。
【0313】
ADGN-100をペグ化ADGN-100と組み合わせることの、siRNAトランスフェクション効率に対する影響を評価した。ルシフェラーゼを標的とするsiRNA(10nMおよび25nM)を、5~50%のADGN-100-PEGを含有するADGN-100溶液と、またはADGN-100PEGと結び付けた。
図3Cに報告されている通り、ADGN-100と10%または20%のペグ化ADGN-100を組み合わせることにより、複合体が有意に安定化された。ルシフェラーゼ発現は10%および20%のペグ化ADGN-100を使用するとそれぞれ75%および81%減少する。対照的に、50%および100%のADGN-100 PEGを使用するとトランスフェクション効率が50%および80%低下した。
【0314】
この結果から、ADGN-100およびADGN-106により、A375/Luc細胞におけるsiRNAの効率的な送達が促進されることが実証された。結果から、ADGNペプチドのステアリル化、レトロインベルソまたはHydro-6修飾を使用すること、またはADGN/siRNA粒子内に10%~20%のペグ化ADGNペプチドを組み合わせることにより、複合体が高血清条件の存在下で強力に安定化されることが示された。
(実施例7)
ADGN-ペプチドバリアントによりin vivoにおけるカーゴ送達が改善される
【0315】
安定なADGN-ペプチド/mRNAを、ルシフェラーゼmRNAの静脈内投与および筋肉内投与によるin vivo送達について評価した。動物を、5moU修飾Luc mRNA 5μgの単回投与で処置した。滅菌水(GIBCO)中の5moU修飾Luc mRNA(5μg)をADGNペプチド(滅菌水)と混合し、各試料の体積を、5%スクロースを含有する滅菌水を用いて100μlに調整した。試料を、ボルテックスを用いて低スピードで1分間穏やかに混合し、室温で30分間インキュベートした。試料を、投与前に0.45μmのPESフィルターで濾過した。IV投与に関しては、マウスに、ADGN-106/mRNA、ADGN-100/mRNA、ADGN-106RI/mRNA、ADGN-100-ステアリル/mRNA、ADGN-100Hydro1/mRNA、ADGN-100Hydro2または10%のADGN-100PEGを含有するADGN/mRNA複合体のいずれか100μlを静脈内(IV)注射した(群当たり動物3匹)。対照として、群3からのマウス(群当たり動物2匹)にネイキッド5moU修飾Luc mRNA(5μg)100μlをIV注射した。IM投与に関しては、マウスに、ADGN-100/mRNA、ADGN-106/mRNA、ADGN-106RI/mRNAまたは10%もしくは20%のADGN-100PEGを含有するADGN/mRNA複合体のいずれか25μl(mRNA 5μg)をIV注射した(群当たり動物2匹)。対照として、群3からのマウス(群当たり動物2匹)にネイキッド5moU修飾Luc mRNA(5μg)25μlをIV注射した。
【0316】
mRNA Luc発現を生物発光によってモニタリングした。生物発光イメージングを12時間後、24時間後、48時間後および72時間後に実施した。非侵襲的生物発光イメージング(IVIS Kinetic;PerkinElmer、Waltham、MA、USA)のために、マウスに150μg/gのルシフェリンをi.p.注射した。次いで、結果を0日目に対する値として表し、
図4A~4Dおよび
図5に示した。
【0317】
図4Aに示されている通り、ADGN-106、ADGN-106RI、ADGN-100およびADGN-100ステアリルに媒介されるin vivoカーゴ送達およびmRNA発現が主に肝臓において観察され、肺および腎臓においてより低いレベルで観察された。ADGN-106はADGN-100ステアリルおよびADGN-100よりもそれぞれ2倍および4倍効率的である。ADGN-106RI修飾により、ADGN-106の効率が全ての組織において2倍上昇した。対照的に、ADGN-100 hydro1またはADGN-100Hydro2を使用して得られたルシフェラーゼ発現は無視できるものであった。
【0318】
図4Aおよび4Bに示されている通り、ADGN-106を10%のADGN-100PEGと組み合わせることにより、種々の組織においてルシフェラーゼ発現が3~6倍改善された。さらに、ADGN106/mRNA複合体内に10%のADGN-100PEGが存在することにより、脳、リンパ節および脾臓におけるmRNAターゲティングが促進される。
【0319】
図4Cおよび4Dに示されている通り、肝臓および肺におけるルシフェラーゼ発現の動態が、12時間後に開始して、48時間の時点で最適な発現を有し、少なくとも72時間安定なままである。
【0320】
図4Cおよび4Dに示されている通り、肝臓および肺におけるルシフェラーゼ発現の動態が、12時間後に開始して、48時間の時点で最適な発現を有し、少なくとも72時間安定なままである。
【0321】
図5Aおよび5Bに示されている通り、ADGN-106、ADGN106-Hydro-6、ADGN-106RIおよびADGN-106/ADGN-100Pは、筋肉内(IM)投与後にルシフェラーゼ発現を媒介した。ADGN-106RIおよびhydro-6修飾によりADGN-106の効率が6倍および4倍上昇した。ADGN-106を10%または20%のADGN-100 PEGと組み合わせることにより、筋肉におけるルシフェラーゼ発現が8~12倍改善される。対照的に、ADGN-100を使用すると有意な発現は観察されず、ADGN-100を10%のADGN-100PEGと組み合わせることにより、ルシフェラーゼ発現がADGN-106と比較して3倍改善される。
図5Aに報告されている通り、ルシフェラーゼ発現の動態は、12時間後に開始して、24時間の時点で最適な発現を有し、少なくとも48時間安定なままである。
【0322】
この結果から、ADGN-106では、ADGN-100と比較して、IV投与後にin vivoにおけるmRNAの有意に高い送達が促進されることが実証された。ADGN-106へのレトロインベルソ修飾の導入により、in vivoにおける複合体の安定性およびカーゴ送達が増大した。この結果から、ADGN-106/mRNA粒子内にペグ化ADGNペプチドを組み合わせることにより、IM投与およびIV投与のどちらに関しても複合体が強力に安定化されることが実証された。ペグ化ADGNにより、in vivoにおけるルシフェラーゼ発現、および組織分布が有意に改善される。
(実施例8)
ADGN-ペプチドバリアントにより、in vivoにおけるプラスミドDNA送達が改善される
【0323】
安定なADGN-ペプチド/pGL4.11 DNAを、ルシフェラーゼmRNAの静脈内投与および筋肉内投与によるin vivo送達について評価した。動物を、pGL4.11プラスミドDNAのIVによる5μgおよび筋肉内投与による2.5μgの単回投与で処置した。
【0324】
滅菌水(GIBCO)中のpGL4.11 DNAプラスミド(5μg)をADGNペプチド(滅菌水)と混合し、各試料の体積を、5%スクロースを含有する滅菌水を用いて100μlに調整した。試料を、ボルテックスを用いて低スピードで1分間穏やかに混合し、室温で30分間インキュベートした。試料を、投与前に0.45μmのPESフィルターで濾過した。IV投与に関しては、マウスに、ADGN-106/pGL4、ADGN-100/pGL4、ADGN-100RI/pGL4、ADGN-100-ステアリル/PGL4、ADGN-100Hydro1/PGL4、ADGN-100Hydro2/PGL4、ADGN100 Hydro6/PGL4または10%もしくは20%のADGN-100PEGを含有するADGN/PGL4複合体のいずれか100μlをIV注射した(群当たり動物3匹)。対照として、群3からのマウス(群当たり動物2匹)にネイキッドpGL4プラスミド(5μg)100μlをIV注射した。
【0325】
IM投与に関しては、マウスに、ADGN-100/PGL4、ADGN-106/PGL4、ADGN-100RI/PGL4、ADGN-100hydro1/PGL4、ADGN-100hydro6/PGL4、ADGN-100ステアリル/PGL4または10%もしくは20%のADGN-100PEGを含有するADGN-100/PGL4複合体のいずれか25μl(pGL4プラスミド2.5μg)をIV注射した(群当たり動物2匹)。対照として、群3からのマウス(群当たり動物2匹)にネイキッドPGL4プラスミド(2.5μg)25μlをIV注射した。
【0326】
ルシフェラーゼ発現を生物発光によってモニタリングした。生物発光イメージングを12時間後、24時間後、48時間後および72時間後に実施した。非侵襲的生物発光イメージング(IVIS Kinetic;PerkinElmer、Waltham、MA、USA)のために、マウスに150μg/gのルシフェリンをi.p.注射した。次いで、結果を0日目に対する値として表し、
図6および
図7に示した。
【0327】
図6Aに示されている通り、IV注射後、ADGN-100、ADGN-100RI、ADGN-100-Hydro6およびADGN-100ステアリルに媒介されるin vivoプラスミド送達およびルシフェラーゼ発現が主に肝臓において観察され、肺および腎臓においてより低いレベルで観察された。対照的に、ADGN-106を用いた場合には発現は観察されなかったかまたは最小の発現が観察された。レトロインベルソ、ステアリル化およびHydro-6修飾により、ADGN-100の効率が、全ての組織において、それぞれ4倍、2.7倍および3.4倍上昇した。対照的に、ADGN-100 hydro1またはADGN-100Hydro2を使用して得られたルシフェラーゼ発現は無視できるものであった。
【0328】
図6Aおよび6Bに示されている通り、ADGN-100を10%のADGN-100PEGと組み合わせることにより、ルシフェラーゼ発現が種々の組織において5~6倍改善された。
図6Bに示されている通り、肝臓におけるルシフェラーゼ発現の動態は、12時間後に開始して、48時間の時点で最適な発現を有し、少なくとも72時間安定なままである。
【0329】
図7Aおよび7Bに示されている通り、ADGN-100、ADGN-100RI、ADGN-100 HYDRO6およびADGN-100/ADGN-100Pは、IM投与後にルシフェラーゼ発現を媒介した。ADGN-100RI修飾によりADGN-100の効率が6倍上昇した。ステアリルおよびHydro-6修飾によりADGN-100の効率が3~4倍上昇した。ADGN-100を10%または20%のADGN-100 PEGと組み合わせることにより、筋肉におけるルシフェラーゼ発現が10~12倍改善される。対照的に、ADGN-106およびHydro-1またはhydro-2修飾を使用した場合に有意な発現は観察されなかった。
図7Aに報告されている通り、ルシフェラーゼ発現の動態は、12時間後に開始して、24時間の時点で最適な発現を有し、少なくとも48時間安定なままである。
【0330】
この結果から、ADGN-100により、ADGN-106と比較して、IV投与後にin vivoにおけるプラスミドDNAの有意に高い送達が促進されることが実証された。レトロインベルソ、ステアリルまたはhydro-6修飾をADGN-100に導入することにより、培養細胞およびin vivoにおけるプラスミドDNA送達に関して以前に観察された通り、複合体の安定性が増大した。この結果から、IM投与およびIV投与のどちらに関しても、ADGN-100/pGL4プラスミド粒子内にペグ化ADGNペプチドを組み合わせることにより複合体が強力に安定化されることが実証された。ペグ化ADGNにより、in vivoにおけるルシフェラーゼ発現および組織分布が有意に改善される。
(実施例9)
ADGN-ペプチドバリアントによりin vivoにおけるカーゴ送達が改善される
【0331】
安定なADGN-ペプチド/mRNAを、静脈内投与によるルシフェラーゼmRNAのin vivo送達について評価した。動物を、5moU修飾Luc mRNA 5μgの単回投与で処置した。滅菌水(GIBCO)中の5moU修飾Luc mRNA(5μg)をADGNペプチド(滅菌水)と混合し、各試料の体積を、5%スクロースを含有する滅菌水を用いて100μlに調整した。5moU修飾Luc mRNA(5μg)を室温でガラスバイアル(1~4ml)中、滅菌水中に調製した。ADGN-ペプチド溶液を400rpmでの磁気撹拌下で滴下し(毎秒1滴)、室温で30分間インキュベートした。IV投与の前に、ADGN-ペプチド/mRNA複合体をスクロース5%溶液中に希釈し、400rpmでの磁気撹拌下で1分間にわたって混合した。試料を、投与前に0.45μmのPESフィルターで濾過した。
【0332】
IV投与に関しては、マウスに、ADGN-103C/mRNA、ADGN-104/mRNA、ADGN-105/mRNA ADGN-106TB/mRNA、ADGN-109/mRNA、ADGN-109D/mRNA、ADGN-109b/mRNA、ADGN-101/mRNA、ADGN-102/mRNA:ADGN-100GALNAC/mRNA、ADGN-106GALNAC/mRNA、ADGN-106TC/mRNA、ADGN-106TD/mRNA、ADGN-106/mRNA、ADGN-100/mRNA、ADGN-106hydro8/mRNAおよびADGN-100-Hydro8のいずれか100μlを静脈内(IV)注射した(群当たり動物3匹)。対照として、群3からのマウス(群当たり動物2匹)にネイキッド5moU修飾Luc mRNA(5μg)100μlをIV注射した。
【0333】
mRNA Luc発現を生物発光によってモニタリングした。生物発光イメージングを12時間後、24時間後、48時間後および72時間後に実施した。非侵襲的生物発光イメージング(IVIS Kinetic;PerkinElmer、Waltham、MA、USA)のために、マウスに150μg/gのルシフェリンをi.p.注射した。次いで、結果を0日目に対する値として表し、
図11A~11Cに示した。
【0334】
図11Aおよび11Bに示されている通り;ADGN-100GALNACおよびADGN-106GALNACにより、肝臓におけるmRNA蓄積が媒介され、ADGN-106またはADGN-100と比較してmRNA発現が10~20倍増大した。
【0335】
図11Aおよび11Bに示されている通り、ADGN-100 hydro 8修飾により、肺および腎臓に対するADGN-100の効率がそれぞれ22倍および4倍上昇した。ADGN-106 Hydro8修飾により、ADGN-106ペプチドの効率が肺および筋肉では5倍上昇し、肝臓では2倍上昇した。
【0336】
図11Aに示されている通り、ADGN-101修飾により、肺におけるルシフェラーゼ発現が6倍改善され、心臓および筋肉に対するmRNAの標的送達および発現が促進された。ADGN-102修飾により、肺におけるルシフェラーゼ発現が3倍改善され、脳に対するmRNAの標的送達および発現が促進された。
【0337】
図11Bに示されている通り、ADGN-106修飾により、肺におけるルシフェラーゼ発現が2~3倍改善された。ADGN-106TBおよびADGN-106 TC修飾により、脳に対するmRNAの標的送達および発現が促進された。ADGN-106 TD修飾により、心臓および筋肉に対するmRNAの標的送達および発現が促進された。
【0338】
図11Cに示されている通り、ADGN-104、ADGN105、ADGN-109、ADGN-109D、ADGN-109Bは、静脈内投与後にルシフェラーゼ発現を媒介した。ADGN-104により、心臓および筋肉に対するmRNAの標的送達および発現が促進され、肝臓に対してもより低いレベルで促進された。ADGN-105により、脳に対するmRNAの標的送達および発現が促進され、肝臓、肺およびリンパ節に対してもより低いレベルで促進された。ADGN-109およびADGN-109Dにより、脳およびリンパ節に対するmRNAの標的送達および発現が促進され、肝臓および腎臓に対してもより低いレベルで促進された。ADGN-109Bにより、肺、心臓および筋肉に対するmRNAの標的送達および発現が促進された。対照的に、ADGN-103Cを使用して得られたルシフェラーゼ発現は無視できるものであった。
(実施例10)
【0339】
表1に、マウスまたはラットモデルにおいて種々のカーゴ分子の1つまたは複数の標的化器官への送達(例えば、静脈内(IV)、筋肉内(IM)、または皮下(SQ)投与、または気管内滴下注入または噴霧(NB)によって)に関して成功が証明された細胞透過性ペプチドの要約を列挙する。
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【表1-4】
【表2-1】
【表2-2】
【表2-3】
【表2-4】
【表2-5】
【表2-6】
【表2-7】
【表2-8】
【表2-9】
【表2-10】
【表2-11】
【配列表】
【国際調査報告】