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特表2022-529824RAS変異体癌を治療するための組成物および方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-24
(54)【発明の名称】RAS変異体癌を治療するための組成物および方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/435 20060101AFI20220617BHJP
   A61K 31/7135 20060101ALI20220617BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20220617BHJP
   A61K 48/00 20060101ALI20220617BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20220617BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20220617BHJP
   A61K 31/711 20060101ALI20220617BHJP
   A61K 31/7105 20060101ALI20220617BHJP
   A61K 31/519 20060101ALI20220617BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20220617BHJP
   C12N 15/113 20100101ALN20220617BHJP
   C07K 16/32 20060101ALN20220617BHJP
【FI】
A61K31/435
A61K31/7135 ZNA
A61K45/00
A61K48/00
A61P43/00 111
A61P35/00
A61K31/711
A61K31/7105
A61K31/519
A61K39/395 D
A61K39/395 P
C12N15/113 110Z
C07K16/32
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021562908
(86)(22)【出願日】2020-04-23
(85)【翻訳文提出日】2021-12-10
(86)【国際出願番号】 US2020029513
(87)【国際公開番号】W WO2020219668
(87)【国際公開日】2020-10-29
(31)【優先権主張番号】62/838,065
(32)【優先日】2019-04-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500213834
【氏名又は名称】メモリアル スローン ケタリング キャンサー センター
(71)【出願人】
【識別番号】521460952
【氏名又は名称】アルゲン バイオテクノロジーズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100111501
【弁理士】
【氏名又は名称】滝澤 敏雄
(72)【発明者】
【氏名】フアン チュン-ハオ
(72)【発明者】
【氏名】ナイト スペンサー チャールズ
(72)【発明者】
【氏名】ロウ スコット
【テーマコード(参考)】
4C084
4C085
4C086
4H045
【Fターム(参考)】
4C084AA13
4C084AA17
4C084AA19
4C084NA14
4C084ZB261
4C084ZB262
4C084ZC201
4C084ZC202
4C085AA13
4C085AA14
4C085BB22
4C085EE01
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC16
4C086CB05
4C086EA02
4C086EA16
4C086MA01
4C086MA02
4C086MA04
4C086MA52
4C086MA55
4C086MA56
4C086MA58
4C086MA59
4C086MA66
4C086NA14
4C086ZB26
4C086ZC20
4H045BA10
4H045CA40
4H045DA76
4H045EA20
4H045FA74
(57)【要約】
本開示は、一般的に、RAS変異体癌の治療のための組成物および方法に関する。特に、本テクノロジーは、治療有効量の1つまたは複数のTXNRD1阻害剤を、RAS変異体癌(例えば、RAS変異体膵癌)と診断された、またはそのリスクがある対象に投与することに関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オーラノフィン、ピペルロングミン、D9、TRi-1、TRi-2、ミリセチン、PMX464、PX12、ブレベトキシン-2、マニュマイシンA、エタセレン、オーロチオグルコース、プロトポルフィリンIX、および抗TXNRD1抗体からなる群から選択されるTXNRD1阻害剤の治療有効量を対象に投与することを含む、それを必要としている対象においてRAS変異体癌を治療するための方法。
【請求項2】
TXNRD1発現を阻害する阻害性核酸の治療有効量を対象に投与することを含む、それを必要としている対象においてRAS変異体癌を治療するための方法。
【請求項3】
阻害性核酸が、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、および配列番号12からなる群から選択される配列またはその任意の相補物を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
対象が治療前の癌細胞においてRASタンパク質の発現レベルの上昇を示している、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
RAS変異体癌が、肺癌、粘液性腺腫、膵癌、結腸直腸癌、皮膚癌、子宮内膜癌、精巣胚細胞性癌、または副腎癌である、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
RAS変異体癌が、G12C、G12D、G12V、G12A、G12S、G12R、G13D、G13C、G13S、G13R、G13A、G13V、Q61H、Q61L、Q61R、Q61K、Q61P、およびQ61Eからなる群から選択されるKRAS、NRAS、またはHRAS変異を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
対象が、背中に向かって放射状に広がる上腹部における痛み、食欲不振または意図せぬ体重減少、鬱、初発糖尿病、血栓、疲労、皮膚および白目の黄染(黄疸)、腹部膨満、悪心、ならびに嘔吐の中から選択される1つまたは複数の徴候または症状を示す、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
対象が、TP53、CDKN2A、SMAD4、MLL3、TGFBR2、ARID1A、SF3B1、EPC1、ARID2、ATM、ZIM2、MAP2K4、NALCN、SLC16A4、MAGEA6、ROBO2、KDM6A、PREX2、ERBB2、MET、FGFR1、CDK6、PIK3R3、PIK3CA、BRCA1、BRCA2、またはPALB2における1つまたは複数の点変異を含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
対象がヒトである、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
TXNRD1阻害剤が、経口的に、局所的に、鼻腔内に、全身性に、静脈内に、皮下に、腹腔内に、皮内に、眼内に、イオン泳動的に、経粘膜で、または筋肉内に投与される、請求項1または3~9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
阻害性核酸が、経口的に、局所的に、鼻腔内に、全身性に、静脈内に、皮下に、腹腔内に、皮内に、眼内に、イオン泳動的に、経粘膜で、または筋肉内に投与される、請求項2~9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
対象に1つまたは複数の追加の治療剤を別々に、逐次的に、または同時に投与することをさらに含む、請求項1~11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
追加の治療剤が、パクリタキセル、ゲムシタビン、AMG 510、5-FU(フルオロウラシル)、およびイリノテカンからなる群から選択される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
TXNRD1阻害剤または阻害性核酸が、6週間以上、毎日、投与される、請求項1~13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
TXNRD1阻害剤または阻害性核酸が、12週間以上、毎日、投与される、請求項1~14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
RAS変異体癌と診断された対象においてTXNRD1阻害剤の治療効力をモニターするための方法であって、
(a)前記対象が前記TXNRD1阻害剤を投与された後、前記対象から得られる検査試料においてTXNRD1タンパク質レベルを検出するステップ;および
(b)前記検査試料におけるTXNRD1タンパク質レベルが、前記TXNRD1阻害剤の投与前に前記対象から得られた対照試料に観察されるレベルと比較して低下している場合、前記TXNRD1阻害剤が有効であると決定するステップ、
を含む、¥前記方法。
【請求項17】
TXNRD1阻害剤が、オーラノフィン、ピペルロングミン、D9、TRi-1、TRi-2、ミリセチン、PMX464、PX12、ブレベトキシン-2、マニュマイシンA、エタセレン、オーロチオグルコース、プロトポルフィリンIX、抗TXNRD1抗体、またはTXNRD1発現を阻害する阻害性核酸である、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
阻害性RNAが、shRNA、アンチセンスオリゴヌクレオチド、またはsgRNAである、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
治療有効量の少なくとも1つのTXNRD1阻害剤を対象に投与することを含む、それを必要としている対象においてRAS変異体細胞増殖を阻害するための方法であって、前記少なくとも1つのTXNRD1阻害剤が、オーラノフィン、ピペルロングミン、D9、TRi-1、TRi-2、ミリセチン、PMX464、PX12、ブレベトキシン-2、マニュマイシンA、エタセレン、オーロチオグルコース、プロトポルフィリンIX、抗TXNRD1抗体、およびTXNRD1発現を阻害する阻害性核酸からなる群から選択され、前記対象が、RASおよび/またはTXNRD1の発現レベルの上昇および/または活性の増加により特徴づけられる疾患または状態を患っている、前記方法。
【請求項20】
阻害性核酸が、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、および配列番号12、またはその任意の相補物からなる群から選択される核酸配列を含む、請求項17~19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
治療有効量のゲムシタビンを対象に投与することをさらに含む、請求項1~20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
治療有効量のKRASG12C阻害剤を対象に投与することをさらに含み、前記KRASG12C阻害剤がAMG 510であってもよい、請求項1~20のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
この出願は、2019年4月24日に出願された米国仮特許出願第62/838,065号の恩恵および優先権を主張し、その米国仮特許出願の全内容は参照により本明細書に組み入れられている。
本テクノロジーは、一般的に、それを必要としている対象においてRAS変異体癌を治療し、防止し、および/または寛解させるための組成物および方法に関する。特に、本テクノロジーは、治療有効量のTXNRD1阻害剤の投与によりRAS変異体膵癌を治療し、防止し、および/または寛解させるための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本テクノロジーの背景の以下の説明は、単に本テクノロジーを理解することにおける助けとして提供され、本テクノロジーの先行技術を説明または構成すると認められるものではない。
全膵癌の約90%は、膵管腺癌(PDAC)であり、それは最も致死性の高い癌の1つである。PDACはたった7%の5年生存率を有する。詳細な遺伝学的プロファイルは、癌の間で著しい可変性を示唆している。例えば、ゲノムシーケンシングにより、PDACにおいて頻繁に変異している遺伝子には、KRAS、TP53、CDKN2A、SMAD4、MLL3、TGFBR2、ARID1AおよびSF3B1、EPC1およびARID2、ATM、ZIM2、MAP2K4、NALCN、SLC16A4、MAGEA6、ROBO2、KDM6A、PREX2、ERBB2、MET、FGFR1、CDK6、PIK3R3、PIK3CA、BRCA1、BRCA2、PALB2などが挙げられることが明らかにされている。可変性にも関わらず、KRASがPDAC症例の95%において変異していることは明らかである。例えば、Biankin et al., Nature 491(7424): 399-405 (2012);Waddell et al., Nature 518(7540):495-501 (2015);およびJones et al., Science 321(5897): 1801-1806 (2008)を参照。
【0003】
KRASタンパク質は、細胞シグナル伝達経路において重要な役割を果たすGTPアーゼである。KRASタンパク質は、活性グアノシン三リン酸(GTP)結合型状態と不活性グアノシン二リン酸(GDP)結合型状態の間を循環する、二進法的オン・オフスイッチとして働くと考えられている。正常な静止細胞において、KRASは、ほとんど、GDP結合型不活性状態で見出される。細胞表面受容体は、細胞外刺激に応答して活性KRAS-GTPの形成を一過性に促進する。PDACおよび他の型の癌におけるKRAS変異は、典型的には、KRASタンパク質を恒常的なGTP結合型にするミスセンス変異であり、それは、結果として、癌成長を駆動させるシグナル伝達経路の過剰刺激を生じる。発癌性変異体KRASタンパク質は、多数の癌型において腫瘍進行を駆動させる。例えば、PDACの場合、変異体KRASタンパク質は、膵腺房細胞の導管細胞上皮内新生物への再プログラミングを制御する。KRASはまた、PDACおよび他の癌の成長および維持において必要とされる。例えば、Ying et al., Cell 149(3):656-70 (2012)参照。実際、PDACは、最も「KRAS依存性(KRAS-addicted)」型の癌の1つであると考えられている。
したがって、KRASは、PDACおよび他のKRAS変異体癌に対する重要な治療標的であると考えられる。例えば、Waters and Der, Cold Spring Harb Perspect Med. 8(9): a031435 (2018)参照。
【発明の概要】
【0004】
一態様において、本開示は、オーラノフィン、ピペルロングミン、D9、TRi-1、TRi-2、ミリセチン、PMX464、PX12、ブレベトキシン-2、マニュマイシンA、エタセレン、オーロチオグルコース、プロトポルフィリンIX、抗TXNRD1抗体、およびその任意の誘導体からなる群から選択されるTXNRD1阻害剤の治療有効量を対象に投与することを含む、それを必要としている対象においてRAS変異体癌を治療するための方法を提供する。TXNRD1発現を阻害する阻害性核酸の治療有効量を対象に投与することを含む、それを必要としている対象においてRAS変異体癌を治療するための方法もまた本明細書に開示されている。いくつかの実施形態において、阻害性核酸は、TCTAATATCATTAACACCATGG(配列番号1;ヒトshTXNRD1)、
TAAATAAAACTGAATATGGTCA(配列番号2;ヒトshTXNRD1)、TTAATAATAACTTATGATATTA(配列番号3;ヒトshTXNRD1)、TTTGTAACAAAAATACATGGAA(配列番号4;ヒトshTXNRD1)、TTTAAATGAAAATCCTTCACAT(配列番号5;ヒトshTXNRD1)、TTTTAAATGAAAATCCTTCACA(配列番号6;ヒトshTXNRD1)、TAAGAAAAGAGAATCACAACAT(配列番号7;ヒトshTXNRD1)、TTTTCATTTATCTTCACCCCTA(配列番号8;ヒトshTXNRD1)、TTAGAAAGAAATAGATACCCAA(配列番号9;ヒトshTXNRD1)、TAATAATAACTTATGATATTAA(配列番号10;ヒトshTXNRD1)、
TTTAGTCACAGGGTAATTCGTC(配列番号11;マウスshTxnrd1)、および
TTCGTCACTGACAACGTTGTGA(配列番号12;マウスshTxnrd1)、またはその任意の相補物からなる群から選択される配列を含む。RAS変異体癌は、肺癌(例えば、肺腺癌)、粘液性腺腫、膵癌(例えば、PDAC)、結腸直腸癌、皮膚癌(例えば、黒色腫)、子宮内膜癌、精巣胚細胞性癌、または副腎癌であり得る。ある特定の実施形態において、RAS変異体癌は、G12C、G12D、G12V、G12A、G12S、G12R、G13D、G13C、G13S、G13R、G13A、G13V、Q61H、Q61L、Q61R、Q61K、Q61P、およびQ61Eからなる群から選択されるKRAS、NRAS、またはHRAS変異を含む。追加としてまたは代替として、いくつかの実施形態において、KRAS、NRAS、またはHRAS変異は、DNAシーケンシングによって検出される。
【0005】
追加としてまたは代替として、本明細書に開示された方法のいくつかの実施形態において、対象は、治療前に、癌細胞におけるRASタンパク質(例えば、KRAS、HRAS、NRAS)の発現レベルの上昇を示している。本明細書に開示された方法の実施形態のいずれかにおいて、対象は、背中に向かって放射状に広がる上腹部における痛み、食欲不振または意図せぬ体重減少、鬱、初発糖尿病、血栓、疲労、皮膚および白目の黄染(黄疸)、腹部膨満、悪心、ならびに嘔吐の中から選択される1つまたは複数の徴候または症状を示す。
【0006】
追加としてまたは代替として、本明細書に開示された方法のいくつかの実施形態において、対象は、TP53、CDKN2A、SMAD4、MLL3、TGFBR2、ARID1A、SF3B1、EPC1、ARID2、ATM、ZIM2、MAP2K4、NALCN、SLC16A4、MAGEA6、ROBO2、KDM6A、PREX2、ERBB2、MET、FGFR1、CDK6、PIK3R3、PIK3CA、BRCA1、BRCA2、またはPALB2における1つまたは複数の点変異を含む。いくつかの実施形態において、対象はヒトである。
【0007】
本明細書に開示された方法の実施形態のいずれかにおいて、TXNRD1阻害剤またはTXNRD1発現を阻害する阻害性核酸が、経口的に、局所的に、鼻腔内に、全身性に、静脈内に、皮下に、腹腔内に、皮内に、眼内に、イオン泳動的に、経粘膜で、または筋肉内に投与され得る。いくつかの実施形態において、TXNRD1阻害剤または阻害性核酸は、6週間以上、毎日、投与される。他の実施形態において、TXNRD1阻害剤または阻害性核酸は、12週間以上、毎日、投与される。
【0008】
追加としてまたは代替として、いくつかの実施形態において、本方法は、対象に1つまたは複数の追加の治療剤を別々に、逐次的に、または同時に投与することをさらに含む。追加の治療剤の例には、パクリタキセル、ゲムシタビン、AMG 510、5-FU(フルオロウラシル)、およびイリノテカンが挙げられるが、それらに限定されない。
【0009】
別の態様において、本開示は、以下のステップを含む、RAS変異体癌と診断された対象においてTXNRD1阻害剤の治療効力をモニターするための方法を提供する:(a)前記対象が前記TXNRD1阻害剤を投与された後、前記対象から得られる検査試料においてTXNRD1タンパク質レベルを検出するステップ;および(b)前記検査試料におけるTXNRD1タンパク質レベルが、前記TXNRD1阻害剤の投与前に前記対象から得られた対照試料に観察されるレベルと比較して低下している場合、前記TXNRD1阻害剤が有効であると決定するステップ。TXNRD1阻害剤の例には、オーラノフィン、ピペルロングミン、D9、TRi-1、TRi-2、ミリセチン、PMX464、PX12、ブレベトキシン-2、マニュマイシンA、エタセレン、オーロチオグルコース、プロトポルフィリンIX、抗TXNRD1抗体、TXNRD1発現を阻害する阻害性核酸、またはその任意の誘導体が挙げられる。いくつかの実施形態において、阻害性RNAはshRNA、アンチセンスオリゴヌクレオチド、またはsgRNAである。
【0010】
一態様において、本開示は、治療有効量の少なくとも1つのTXNRD1阻害剤を対象に投与することを含む、それを必要としている対象においてRAS変異体細胞増殖を阻害するための方法であって、前記少なくとも1つのTXNRD1阻害剤が、オーラノフィン、ピペルロングミン、D9、TRi-1、TRi-2、ミリセチン、PMX464、PX12、ブレベトキシン-2、マニュマイシンA、エタセレン、オーロチオグルコース、プロトポルフィリンIX、抗TXNRD1抗体、TXNRD1発現を阻害する阻害性核酸、およびその任意の誘導体からなる群から選択され、前記対象が、RAS(例えば、KRAS、HRAS、NRAS)および/またはTXNRD1の発現レベルの上昇および/または活性の増加により特徴づけられる疾患または状態を患っている、方法を提供する。いくつかの実施形態において、阻害性核酸は、
TCTAATATCATTAACACCATGG(配列番号1;ヒトshTXNRD1)、TAAATAAAACTGAATATGGTCA(配列番号2;ヒトshTXNRD1)、
TTAATAATAACTTATGATATTA(配列番号3;ヒトshTXNRD1)、TTTGTAACAAAAATACATGGAA(配列番号4;ヒトshTXNRD1)、TTTAAATGAAAATCCTTCACAT(配列番号5;ヒトshTXNRD1)、TTTTAAATGAAAATCCTTCACA(配列番号6;ヒトshTXNRD1)、TAAGAAAAGAGAATCACAACAT(配列番号7;ヒトshTXNRD1)、TTTTCATTTATCTTCACCCCTA(配列番号8;ヒトshTXNRD1)、TTAGAAAGAAATAGATACCCAA(配列番号9;ヒトshTXNRD1)、TAATAATAACTTATGATATTAA(配列番号10;ヒトshTXNRD1)、
TTTAGTCACAGGGTAATTCGTC(配列番号11;マウスshTxnrd1)、および
TTCGTCACTGACAACGTTGTGA(配列番号12;マウスshTxnrd1)からなる群から選択される核酸配列を含む。
【0011】
本明細書に開示された方法のありとあらゆる実施形態において、TXNRD1および/またはRAS(例えば、KRAS、HRAS、NRAS)発現レベルは、RNA-seq、ノーザンブロッティング、マイクロアレイ、ドットまたはスロットブロット、蛍光インサイチューハイブリダイゼーション、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)、リボヌクレアーゼプロテクションアッセイ(RPA)、リアルタイム定量RT-PCR、高速液体クラマトグラフィー(HPLC)、液体クロマトグラフィー-質量分析(LC/MS)、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、免疫沈降、免疫電気泳動、免疫染色、免疫組織化学法、またはウェスタンブロッティングによって検出される。
【0012】
追加としてまたは代替として、本明細書に開示された方法のいくつかの実施形態において、方法は、治療有効量のゲムシタビンを対象に投与することをさらに含む。本明細書に開示された方法の前述の実施形態のいずれかにおいて、方法は、治療有効量のKRASG12C阻害剤を対象に投与することをさらに含み、前記KRASG12C阻害剤がAMG 510であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1A】KRAS変異体膵癌における治療標的の発見のために本開示で用いられたパイプラインを示す概略図である。パイプラインは、抑制が癌細胞を最大限かつ選択的にターゲットする新規な標的を同定するために、clustered regularly interspaced short palindromic repeatsに基づいた干渉(CRISPRi)ライブラリでのKRAS変異体膵癌細胞の低い感染多重度(MOI)形質導入(例えば、Gilbert et al., Cell 154: 442-451 (2013)参照)、シングルセルRNAシーケンシング(scRNA-seq)、ゲノムアラインメントおよびカウントマトリックスの作成(例えば、Tang et al., Nature Methods 6: 377-382 (2009)参照)、教師つき次元削減、ならびに機械学習アルゴリズムを含んだ。
図1B】いくつかのCRISPR標的候補についてのz変換された治療スコアの散布図である。治療指数は、治療標的を同定するための陰性対照ベンチマークを集合的に確立した、機械学習アルゴリズムに基づいた2つの陰性ガイドRNAにわたってスコアリングされた。
図2A】機械学習アルゴリズムを用いる教師つき次元削減後の一次元に沿っての細胞型集団の分布を示す図である。以下の集団が示されている:1)癌細胞:非ターゲティングガイドRNA遺伝子がターゲットされる癌細胞(N=120)、2)無効な標的:陰性対照遺伝子がターゲットされる癌細胞(N=122)、3)TXNRD1:TXNRD1がターゲットされる癌細胞(N=87)、および4)健康な細胞:健康な導管細胞(N=600)。
図2B】上位20個の候補標的についてのz変換された治療スコアを示すヒートマップである。候補標的は、機械学習アルゴリズムからの4つの示された決定関数にわたっての平均ランクに基づいた降順で示されている。示されているように、TXNRD1は最も高い平均ランクを示した。
図2C】候補標的のパネルにわたる治療指数についての加重平均決定関数スコアを描くグラフである。TXNRD1は、最も高くランキングされた標的として現れた。
図3A】shRNA媒介性プールドネガティブ選択スクリーニングの交差分析の結果を示す図である。shRNA媒介性プールドネガティブ選択スクリーニングを、(1)KrasG12D;Myc;shp53マウス膵管腺癌(mPDAC)細胞、および(2)Myc;p53-/-マウス肝細胞癌(mHCC)細胞において実施した。その2つの細胞型からのshRNA媒介性プールドネガティブ選択スクリーニングの結果を、比較のために交差分析した。
図3B図3Aから得られた候補遺伝子の検証を示す棒グラフである。競合増殖アッセイを、mPDAC細胞、mHCC細胞、および形質転換されていない不死化マウス胚線維芽細胞(iMEF)において実施した。これらの細胞に、誘導性shRNAを有するVenus+ウイルスを形質導入した。以下の対照shRNAを用いた:Ren.713(陰性対照としての役割を果たす非ターゲティングshRNA)、Rpa3.561(全ての増殖細胞における成長阻害についての陽性対照)、Kras.247(mPDAC特異的成長阻害についての陽性対照)。G418選択されたVenus+細胞を非形質導入細胞と混合し、shRNAを誘導するためにドキシサイクリンの存在下で培養した。Venus+およびdsRed+(shRNA発現)細胞のパーセンテージを異なる時点(T0:0日目;T12:12日目)に決定した。変化は、発現したshRNAの成長阻害効果の読み出しとしての役割を果たした。
図3C】mPDAC、mHCC、およびiMEF細胞におけるTXNRD1ノックダウンを示すイムノブロットを示す図である。
図3D】膵癌細胞におけるTXNRD1の薬理学的阻害の効果を示す図である。mPDAC細胞を、増加性用量のオーラノフィンで72時間処理した。生細胞数を測定し、DMSO処理細胞の生細胞数(1に設定した)に対して正規化することにより、相対的増殖を計算した。その後、相対的増殖をオーラノフィン濃度の関数としてプロットし、指数関数的曲線にフィッティングした。
図3E】増加性用量のオーラノフィンとの培養における72時間後の生細胞数の変化により測定された、ヒト膵癌細胞におけるTXNRD1の薬理学的阻害の効果を示す図である。生細胞数を測定し、DMSO処理細胞の生細胞数(1に設定した)に対して正規化することにより、相対的増殖を計算した。その後、相対的増殖をオーラノフィン濃度の関数としてプロットし、指数関数的曲線にフィッティングした。L3.3、Colo357、およびBXPC3は野生型KRASを有し、それらの細胞株の残りはKRAS変異を含む。
図4A】ヒト膵癌細胞株(n=12)におけるTXNRD1阻害剤オーラノフィンのIC50値とKRAS状態との相関を示す棒グラフである。
図4B】ヒト膵癌細胞株(n=9)におけるオーラノフィンのIC50値とp53状態との相関を示す棒グラフである。
図4C】ヒト膵癌細胞株(n=9)におけるオーラノフィンのIC50値とMyc発現レベルとの相関を示す散布図である。
図4D】膵癌細胞のピペルロングミン(別のTXNRD1阻害剤)による72時間の処理により測定した、TXNRD1の薬理学的阻害の効果を示す図である。異なるKRAS変異(G12C、G12D、G12V)または野生型アレルを含む癌細胞をアッセイした。生細胞数を測定し、DMSO処理細胞の生細胞数(1に設定した)に対して正規化することにより、相対的増殖を計算した。その後、相対的増殖をオーラノフィン濃度の関数としてプロットし、指数関数的曲線にフィッティングした。
図4E】TCGAヒト膵癌腫瘍(n=149)におけるTXNRD1発現レベルとKRAS発現レベルとの間の相関を示す散布図である。
図4F】mPDAC細胞におけるTXNRD1ノックダウンによる遺伝子シグネチャの変化の評価を示す図である。遺伝子セットエンリッチメント分析(GSEA)を用いて、shRen(陰性対照としての役割を果たす非ターゲティングshRNA)を含む細胞と比較した、mPDAC細胞におけるTXNRD1ノックダウンによる、KRAS依存性の遺伝子シグネチャ(図4F)、膵癌(図4G)、およびアミノ酸輸送体/フェロトーシス(図4H)における変化を評価した。
図4G】mPDAC細胞におけるTXNRD1ノックダウンによる遺伝子シグネチャの変化の評価を示す図である。遺伝子セットエンリッチメント分析(GSEA)を用いて、shRen(陰性対照としての役割を果たす非ターゲティングshRNA)を含む細胞と比較した、mPDAC細胞におけるTXNRD1ノックダウンによる、KRAS依存性の遺伝子シグネチャ(図4F)、膵癌(図4G)、およびアミノ酸輸送体/フェロトーシス(図4H)における変化を評価した。
図4H】mPDAC細胞におけるTXNRD1ノックダウンによる遺伝子シグネチャの変化の評価を示す図である。遺伝子セットエンリッチメント分析(GSEA)を用いて、shRen(陰性対照としての役割を果たす非ターゲティングshRNA)を含む細胞と比較した、mPDAC細胞におけるTXNRD1ノックダウンによる、KRAS依存性の遺伝子シグネチャ(図4F)、膵癌(図4G)、およびアミノ酸輸送体/フェロトーシス(図4H)における変化を評価した。
図5A】条件付きRNAi実験の概略図である。Tet-OnコンピテントマウスPDAC細胞にTRMPV-Neo-miR-E shRNAおよびルシフェラーゼ-hygroベクターを形質導入した。形質導入細胞をG418およびハイグロマイシン抵抗性について選択し、レシピエントマウスの膵臓へ移植した。生物発光画像化を用いて決定した疾患発症時点(典型的には、7日後に起こる)に、飲料水および固形飼料中のドキシサイクリン(dox)追加により、マウスのサブセットにおいてshRNA発現を誘導した。
図5B】対応するshRNAを誘導するためのドキシサイクリン有りまたは無しで処置された動物(n=4~5)における腫瘍質量を示す散布図である。
図5C】7日間のdox処理有りおよび無しで、示されたTRMPV-Neo-miR-E shRNAを含むmPDAC細胞を正所性に移植された代表的なマウスの生物発光画像化を示す図である。doxは疾患発症時点に投与した。0日目(D0)および7日目(D7)における生物発光画像が示されている。
図5D】オーラノフィン処置により引き起こされるインビボでの腫瘍質量低下を示す棒グラフである。KRasG12D;p53-/-オルガノイドをレシピエントマウスに移植し、マウスをビヒクルのみまたはオーラノフィンで1週間、処置した(n=3~4)。腫瘍質量を測定し、プロットした。
図5E】オーラノフィン処置のヒト膵癌細胞株腫瘍質量へのインビボ効果を示す棒グラフである。MIAPaCa-2(KRAS変異体)またはColo357(KRAS野生型)オルガノイドをレシピエントマウスの膵臓へ移植した。マウスをビヒクルのみまたはオーラノフィンで2週間処置した(n=5)。腫瘍質量を測定し、プロットした。
図6A】示された細胞株の列挙された遺伝子への生存依存性を示すヒートマップである。各列は、最も高い平均ランクを示した細胞株を表し、各行が遺伝子を表す。遺伝子依存性スコアを、全ての対応するsgRNA(図6A)のlog2FC(非疾患組織に対する存在量倍数変化)の平均をとることにより計算した。ゼロは示された細胞株の変化無しを表し、負の数は枯渇を表し、正の数は濃縮を表す。教師なしクラスター化を用いて、類似した表現型を有する遺伝子をクラスター化した。示されているように、複製遺伝子RAP1またはPCNAをノックアウトまたはノックダウンすることは、結果として、ほとんど全部の細胞株への全般的な致死性を生じた。対照的に、TXNRD1は、KRAS、HRAS、およびNRASについて類似した依存性を示すある特定の細胞株に条件的に必要とされる。
図6B】示された細胞株の列挙された遺伝子への生存依存性を示すヒートマップである。各列は、最も高い平均ランクを示した細胞株を表し、各行が遺伝子を表す。遺伝子依存性スコアを、全ての対応するshRNA(図6B)のlog2FC(非疾患組織に対する存在量倍数変化)の平均をとることにより計算した。ゼロは、示された細胞株の、変化無しを表し、負の数は枯渇を表し、正の数は濃縮を表す。教師なしクラスター化を用いて、類似した表現型を有する遺伝子をクラスター化した。示されているように、複製遺伝子RAP1またはPCNAをノックアウトまたはノックダウンすることは、結果としてほとんど全部の細胞株への全般的な致死性を生じた。対照的に、TXNRD1は、KRAS、HRAS、およびNRASについて類似した依存性を示すある特定の細胞株に条件的に必要とされる。
図7A】KRAS変異体膵癌細胞におけるTXNRD1阻害剤オーラノフィンの抗増殖性効果、およびゲムシタビンと併用された場合の潜在的相乗阻害効果を示す図である。図7Aは、オーラノフィン、ゲムシタビン、およびそれらの併用のMIAPaCa-2(KRASG12C)およびPSN1(KRASG12R)膵癌細胞株への用量依存性効果を示す。
図7B】KRAS変異体膵癌細胞におけるTXNRD1阻害剤オーラノフィンの抗増殖性効果、およびゲムシタビンと併用された場合の潜在的相乗阻害効果を示す図である。図7Bは、図7AからのMIAPaCa-2(KRASG12C)およびPSN1(KRASG12R)細胞におけるオーラノフィンおよびゲムシタビンの各濃度におけるパーセント成長阻害を示す。データは、3つの独立した実験(n=3)の平均として提示されている。図7Cは、ゲムシタビンと併用してオーラノフィンで処理されたMIAPaCa-2(KRASG12C)およびPSN1(KRASG12R)細胞の併用指数(CI)プロットを示す。
図7C】KRAS変異体膵癌細胞におけるTXNRD1阻害剤オーラノフィンの抗増殖性効果、およびゲムシタビンと併用された場合の潜在的相乗阻害効果を示す図である。図7Cは、ゲムシタビンと併用してオーラノフィンで処理されたMIAPaCa-2(KRASG12C)およびPSN1(KRASG12R)細胞の併用指数(CI)プロットを示す。図7Cにより、1未満のCI値はオーラノフィンとゲムシタビンの間の相乗作用を示す。
図7D】KRAS変異体膵癌細胞におけるTXNRD1阻害剤オーラノフィンの抗増殖性効果、およびゲムシタビンと併用された場合の潜在的相乗阻害効果を示す図である。図7Dは、示された濃度における、ゲムシタビンと併用してオーラノフィンで処理されたMIAPaCa-2(KRASG12C)およびPSN1(KRASG12R)細胞についての併用指数(CI)スコアを示す。各CIスコアは、少なくとも3つの独立した実験からのデータを表す。
図8A】KRAS変異体膵癌細胞におけるTXNRD1阻害剤オーラノフィンの抗増殖性効果、およびKRASG12C阻害剤AMG 510と併用された場合の潜在的相乗阻害効果を示す図である。図8Aは、オーラノフィン、AMG 510、およびそれらの併用のMIAPaCa-2(KRASG12C)およびPSN1(KRASG12R)膵癌細胞株への用量依存性効果を示す。
図8B】KRAS変異体膵癌細胞におけるTXNRD1阻害剤オーラノフィンの抗増殖性効果、およびKRASG12C阻害剤AMG 510と併用された場合の潜在的相乗阻害効果を示す図である。図8Bは、図8AからのMIAPaCa-2(KRASG12C)およびPSN1(KRASG12R)細胞におけるオーラノフィンおよびAMG 510の各濃度におけるパーセント成長阻害を示す。データは3つの独立した実験(n=3)の平均として提示されている。
図8C】KRAS変異体膵癌細胞におけるTXNRD1阻害剤オーラノフィンの抗増殖性効果、およびKRASG12C阻害剤AMG 510と併用された場合の潜在的相乗阻害効果を示す図である。図8Cは、1未満のCI値を提示するCIプロットが、オーラノフィンとAMG 510の間の相乗作用を示すことを示している。
図8D】KRAS変異体膵癌細胞におけるTXNRD1阻害剤オーラノフィンの抗増殖性効果、およびKRASG12C阻害剤AMG 510と併用された場合の潜在的相乗阻害効果を示す図である。図8Dは、示された濃度における、AMG 510と併用してオーラノフィンで処理されたMIAPaCa-2(KRASG12C)およびPSN1(KRASG12R)細胞についての併用指数(CI)スコアを示す。各CIスコアは少なくとも3つの独立した実験からのデータを表す。
図9】TXNRD1 mRNA上方制御を有する膵臓腺癌を有する患者における全生存期間を示す図である。178人の患者を2つの群、TXNRD1低とTXNRD1高/中へ分けた。高/中および低についての比率カットオフ(0~100%)は、それぞれ、>15.87%(Zスコア>-1、n=145)および≦15.87%(Zスコア≦-1、n=33)である。データ分析は入手可能なTCGAデータに基づいている。
図10】10mg/kgオーラノフィン懸濁液の単一腹腔内注射用量後のNCR nu/nuマウスにおける血漿および膵臓の金濃度を示す図である。24時間にわたって収集された3つの連続的試料(2時間目、4時間目、24時間目)(n=3)。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本方法のある特定の態様、モード、実施形態、バリエーション、および特徴は、本テクノロジーの実質的な理解を提供するために様々なレベルの詳細で下で記載されていることは認識されるべきである。
【0015】
本方法を実施することにおいて、分子生物学、タンパク質生化学、細胞生物学、微生物学、および組換えDNAにおける多くの通常の技術が用いられる。例えば、Sambrook and Russell eds. (2001) Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 3rd edition;the series Ausubel et al., eds. (2007) Current Protocols in Molecular Biology;the series Methods in Enzymology (Academic Press, Inc., N.Y.);MacPherson et al., (1991) PCR 1: A Practical Approach (IRL Press at Oxford University Press);MacPherson et al., (1995) PCR 2: A Practical Approach;Harlow and Lane eds. (1999) Antibodies, A Laboratory Manual;Freshney (2005) Culture of Animal Cells: A Manual of Basic Technique, 5th edition;Gait ed. (1984) Oligonucleotide Synthesis;米国特許第4,683,195号;Hames and Higgins eds. (1984) Nucleic Acid Hybridization;Anderson (1999) Nucleic Acid Hybridization;Hames and Higgins eds. (1984) Transcription and Translation; Immobilized Cells and Enzymes (IRL Press (1986));Perbal (1984) A Practical Guide to Molecular Cloning;Miller and Calos eds. (1987) Gene Transfer Vectors for Mammalian Cells (Cold Spring Harbor Laboratory);Makrides ed. (2003) Gene Transfer and Expression in Mammalian Cells; Mayer and Walker eds. (1987) Immunochemical Methods in Cell and Molecular Biology (Academic Press, London);and Herzenberg et al., eds (1996) Weir’s Handbook of Experimental Immunologyを参照されたい。
【0016】
本開示は、TXNRD1が、RAS変異体膵癌を治療するための治療標的であるという発見、および膵癌細胞におけるTXNRD1の薬理学的阻害がRAS変異体膵癌を治療することにおいて有効であるという発見に一部基づいている。
【0017】
定義
他に規定がない限り、本明細書で用いられる全ての技術的および科学的用語は、一般的に、当業者により一般に理解されているのと同じ意味をもつ。この明細書および添付の特許請求の範囲で用いられる場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、その内容が明らかに別なふうに指図することがない限り、複数の指示対象物を含む。例えば、「1つの細胞(a cell)」への言及は、2つ以上の細胞の組合せを含むなどである。一般的に、本明細書で用いられる命名法、ならびに下記の細胞培養、分子遺伝学、有機化学、分析化学および核酸化学、およびハイブリダイゼーションにおける実験手順は、当技術分野においてよく知られかつ一般的に用いられるものである。
本明細書で用いられる場合、数に関しての用語「約」は、一般的に、他に言及がない限り、または文脈から別なふうに明らかであることがない限り、その数のどちらの方向にも(より大きいまたはより小さい)1%、5%、または10%の範囲内にある数(そのような数が可能な値の0%未満または100%を超える場合を除く)を含むと解釈される。
【0018】
本明細書で用いられる場合、対象への作用物質または薬物の「投与」は、化合物をそれの意図された機能を実施するように対象に導入または送達する任意の経路を含む。投与は、経口的に、鼻腔内に、非経口的に(静脈内に、筋肉内に、腹腔内に、または皮下に)、または局所的に、など、任意の適切な経路によって行うことができる。投与は自己投与および別の者による投与を含む。
【0019】
本明細書で用いられる場合、用語「抗体」は、例としてかつ非限定的に、IgA、IgD、IgE、IgG、およびIgM、それらの組合せ、ならびに任意の脊椎動物、例えば、哺乳動物、例えば、ヒト、ヤギ、ウサギ、およびマウスにおける免疫応答中に産生される類似した分子、加えて非哺乳動物種における、例えば、サメ免疫グロブリンを含む、免疫グロブリンまたは免疫グロブリン様分子を集合的に指す。本明細書で用いられる場合、「抗体」(無傷免疫グロブリンを含む)および「抗体結合断片」は、他の分子との結合を実質的に排除して、関心対象となる分子(または関心対象となる高度に類似した分子の群)と特異的に結合する(例えば、生物学的試料における他の分子についての結合定数より少なくとも103-1大きく、少なくとも104-1大きく、または少なくとも105-1大きい、関心対象となる分子についての結合定数を有する抗体および抗体断片)。用語「抗体」はまた、キメラ抗体(例えば、ヒト化マウス抗体)、ヘテロコンジュゲート抗体(例えば、二重特異性抗体)などの遺伝子操作型を含む。Pierce Catalog and Handbook, 1994-1995 (Pierce Chemical Co., Rockford, Ill.);Kuby, J., Immunology, 3rd Ed., W.H. Freeman & Co., New York, 1997もまた参照されたし。
【0020】
より具体的には、抗体は、抗原のエピトープを特異的に認識および結合する少なくとも軽鎖免疫グロブリン可変領域または重鎖免疫グロブリン可変領域を含むポリペプチドリガンドを指す。抗体は重鎖および軽鎖で構成され、それぞれが重鎖可変(VH)領域および軽鎖可変(VL)領域と名づけられた可変領域を有する。VH領域およびVL領域は一緒になって、その抗体により認識される抗原を結合することに関与している。典型的には、免疫グロブリンはジスルフィド結合により相互接続された重(H)鎖および軽(L)鎖を有する。2つの型の軽鎖、ラムダ(λ)およびカッパ(κ)がある。抗体分子の機能活性を決定する5つの主要な重鎖クラス(またはアイソタイプ):IgM、IgD、IgG、IgA、およびIgEがある。各重鎖および軽鎖は、定常領域および可変領域を含有する(この領域は「ドメイン」としても知られている)。重鎖可変領域および軽鎖可変領域は共同して抗原に特異的に結合する。軽鎖可変領域および重鎖可変領域は、「相補性決定領域」または「CDR」とも呼ばれる3つの超可変領域によって中断される「フレームワーク」領域を含有する。フレームワーク領域およびCDRの範囲は定義されている(参照により本明細書に組み入れられている、Kabat et al., Sequences of Proteins of Immunological Interest, U.S. Department of Health and Human Services, 1991参照)。Kabatデータベースは現在、オンラインで維持されている。異なる軽鎖または重鎖のフレームワーク領域の配列は種内で比較的保存されている。構成要素軽鎖および重鎖の組み合わされたフレームワーク領域である、抗体のフレームワーク領域、概してβ-シート立体構造の形をとり、CDRはβ-シート構造を接続するループを形成し、場合によってはβ-シート構造の一部を形成する。したがって、フレームワーク領域は、鎖間の非共有結合性相互作用により正しい配向でCDRを位置づけることを与える足場を形成するように働く。
【0021】
CDRは、主として抗原のエピトープと結合することに関与する。各鎖のCDRは、典型的には、N末端から始まって連続的に番号付けされた、CDR1、CDR2、およびCDR3と呼ばれ、また典型的には、その特定のCDRが位置する鎖によっても同定される。したがって、VH CDR3は、それが見出される抗体の重鎖の可変ドメイン内に位置し、一方、VL CDR1は、それが見出される抗体の軽鎖の可変ドメイン由来のCDR1である。TXNRD1タンパク質を結合する抗体は特異的なVH領域およびVL領域配列、およびしたがって、特異的なCDR配列を有する。異なる特異性(すなわち、異なる抗原についての異なる結合部位)を有する抗体は異なるCDRを有する。それは抗体によって異なるCDRであるが、CDR内の限られた数のアミノ酸位置だけが抗原結合に直接関与する。CDR内のこれらの位置は特異性決定残基(SDR)と呼ばれる。本明細書で用いられる場合、「免疫グロブリン関連組成物」は、抗体(モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、ヒト化抗体、キメラ抗体、組換え抗体、多重特異性抗体、二重特異性抗体などを含む)、加えて抗体断片を指す。抗体またはその抗原結合断片は抗原と特異的に結合する。
【0022】
本明細書で用いられる場合、用語「抗体関連ポリペプチド」は、可変領域を単独で、または以下のポリペプチド要素:抗体分子のヒンジ領域、CH1、CH2、およびCH3ドメインの全部もしくは一部と組み合わせて含み得る、一本鎖抗体を含む抗原結合抗体断片を意味する。可変領域、ならびにヒンジ領域、CH1、CH2、およびCH3ドメインの任意の組合せもまた本テクノロジーに含まれる。本方法において有用な抗体関連分子、例えば、非限定的に、Fab、Fab’およびF(ab’)2、Fd、一本鎖Fv(scFv)、一本鎖抗体、ジスルフィド結合Fv(sdFv)、ならびにVLまたはVHドメインのいずれかを含む断片。例には以下が挙げられる:(i)Fab断片、VL、VH、CL、およびCH1ドメインからなる一価断片;(ii)F(ab’)2断片、ヒンジ領域でジスルフィド架橋により連結された2つのFab断片を含む二価断片;(iii)VHおよびCH1ドメインからなるFd断片;(iv)抗体の単一アームのVLおよびVHドメインからなるFv断片、(v)VHドメインからなるdAb断片(Ward et al.、Nature 341: 544-546、1989);ならびに(vi)単離された相補性決定領域(CDR)。そのようなものとして、「抗体断片」または「抗原結合断片」は、完全長抗体の一部分、一般的には、その抗原結合領域または可変領域を含み得る。抗体断片または抗原結合断片の例には、Fab、Fab’、F(ab’)2、およびFv断片;ダイアボディ;直鎖状抗体;一本鎖抗体分子;ならびに抗体断片から形成された多重特異性抗体が挙げられる。
【0023】
用語「抗原結合断片」は、抗原との結合に関与するポリペプチドの一部を有する免疫グロブリン構造全体の断片を指す。本テクノロジーに有用な抗体結合断片の例には、scFv、(scFv)2、scFvFc、Fab、Fab’、およびF(ab’)2が挙げられるが、それらに限定されない。
【0024】
本明細書で用いられる場合、用語「ダイアボディ」は、同じポリペプチド鎖(VHL)において軽鎖可変ドメイン(VL)と接続した重鎖可変ドメイン(VH)を含む、2つの抗原結合部位を有する小さい抗体断片を指す。同じ鎖上の2つのドメイン間での対形成を可能にするには短すぎるリンカーを用いることにより、それらのドメインが、別の鎖の相補性ドメインと対形成するように強制され、2つの抗原結合部位を生じる。ダイアボディは、例えば、EP404,097;WO93/11161;およびHollinger et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 90: 6444-6448 (1993)に、より完全に記載されている。
【0025】
本明細書で用いられる場合、用語「一本鎖抗体」または「一本鎖Fv(scFv)」は、Fv断片の2つのドメイン、VLおよびVHの抗体融合分子を指す。一本鎖抗体分子は、いくつかの個々の分子を有する重合体、例えば、二量体、三量体、または他の重合体を含み得る。さらに、Fv断片の2つのドメイン、VLおよびVHは、別々の遺伝子によってコードされるが、VLおよびVH領域が対形成して一価分子(一本鎖Fv(scFv)として知られている)を形成する単一のタンパク質鎖としてそれらが生成されるのを可能にする合成リンカーにより、組換え方法を用いてそれらを連結することができる。Bird et al. (1988) Science 242:423-426およびHuston et al. (1988) Proc. Natl. Acad Sci. USA 85:5879-5883。そのような一本鎖抗体は、組換え技術または無傷抗体の酵素的もしくは化学的切断により調製することができる。
【0026】
上記で言及された抗体断片のいずれも、当業者に知られた通常の技術を用いて得られ、その断片は、無傷抗体と同じ方法で結合特異性および中和活性についてスクリーニングされる。
ポリヌクレオチド(すなわち、オリゴヌクレオチドまたは標的核酸などのヌクレオチドの配列)に関して本明細書で用いられる場合、用語「相補的」または「相補性」は、塩基対形成規則を指す。本明細書で用いられる場合の核酸配列の相補物は、一方の配列の5’末端が他方の3’末端と対形成するように核酸配列に関してアラインメントされた時、「逆平行会合」にあるオリゴヌクレオチドを指す。例えば、配列「5’-A-G-T-3’」は、配列「3’-T-C-A-5」と相補的である。天然に存在する核酸に一般的には見出されないある特定の塩基が、本明細書に記載された核酸に含まれてもよい。これらには、例えば、イノシン、7-デアザグアノシン、ロックド核酸(LNA)、およびペプチド核酸(PNA)が挙げられる。相補性は完全である必要はなく、安定な二重鎖が、不適正塩基対、縮重塩基、または不適合塩基を含有してもよい。核酸テクノロジー分野の業者は、例えばオリゴヌクレオチドの長さ、オリゴヌクレオチドの塩基組成および配列、イオン強度、ならびに不適正塩基対の発生率を含むいくつかの変数を考慮して経験的に二重鎖安定性を決定することができる。相補性配列はまた、DNA配列またはそれの相補性配列に相補的なRNA配列でもあり得、cDNAでもあり得る。
【0027】
本明細書で用いられる場合、用語「コンセンサスFR」は、コンセンサス免疫グロブリン配列におけるフレームワーク(FR)抗体領域を意味する。抗体のFR領域は抗原と接触しない。
本明細書で用いられる場合、「対照」は、比較を目的として、実験に用いられる代替試料である。対照は「陽性」または「陰性」であり得る。例えば、実験の目的が特定の型の疾患または状態についての治療に対する治療剤の効力の相関を決定することである場合、陽性対照(所望の治療効果を示すことが知られた化合物または組成物)および陰性対照(その治療を受けずまたはプラセボを受ける対象または試料)が典型的には用いられる。
【0028】
本明細書で用いられる場合、用語「有効量」は、所望の治療的および/または予防的効果を達成するのに十分な量、例えば、本明細書に記載された疾患もしくは状態または本明細書に記載された疾患もしくは状態に関連した1つもしくは複数の徴候もしくは症状の防止または減少を生じる量を指す。治療的または予防的適用の関連において、対象に投与される組成物の量は、組成、疾患の程度、型、および重症度、ならびに一般的健康状態、年齢、性別、体重、および薬物に対する許容度などの個体の特性に依存して異なる。当業者は、これらを始めとする因子に依存する適切な投薬量を決定することができる。本組成物はまた、1つまたは複数の追加の治療用化合物と組み合わせて投与することができる。本明細書に記載された方法において、治療用組成物は、RAS変異体癌の1つまたは複数の徴候または症状を有する対象に投与され得る。本明細書で用いられる場合、組成物の「治療有効量」は、疾患または状態の生理学的効果が寛解または消失する組成物レベルを指す。治療有効量は、1回または複数回の投与で与えることができる。
本明細書で用いられる場合、「発現」は、以下の1つまたは複数を含む:遺伝子の前駆体mRNAへの転写;成熟mRNAを産生するための前駆体mRNAのスプライシングおよび他のプロセシング;mRNA安定性;成熟mRNAのタンパク質への翻訳(コドン使用頻度およびtRNA利用能を含む);ならびに、適切な発現および機能に必要とされる場合には、翻訳産物のグリコシル化および/または他の修飾。
【0029】
本明細書で用いられる場合、用語「遺伝子」は、プロモーター、エクソン、イントロン、および発現を調節する他の非翻訳領域を含む、RNA産物の制御される生合成のための全情報を含有するDNAのセグメントを意味する。
【0030】
「相同性」または「同一性」または「類似性」は、2つのペプチド間または2つの核酸分子間の配列類似性を指す。相同性は、比較を目的としてアラインメントされ得る各配列における位置を比較することにより決定することができる。比較される配列における位置が、同じ核酸塩基またはアミノ酸によって占められている場合、その分子はその位置において相同である。配列間の相同性の度合は、それらの配列によって共有される一致または相同位置の数の関数である。ポリヌクレオチドまたはポリヌクレオチド領域(またはポリペプチドもしくはポリペプチド領域)は、別の配列とある特定のパーセンテージ(例えば、少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)の「配列同一性」を有するとは、アラインメントされた場合、塩基(またはアミノ酸)のそのパーセンテージが、その2つの配列を比較することにおいて同じであることを意味する。このアラインメントおよびパーセント相同性または配列同一性は、当技術分野において知られたソフトウェアプログラムを用いて決定することができる。いくつかの実施形態において、デフォルトパラメータがアラインメントに用いられる。1つのアラインメントプログラムは、デフォルトパラメータを用いてのBLASTである。特に、プログラムは、以下のデフォルトパラメータを用いてのBLASTNおよびBLASTPである:遺伝子コード=標準;フィルター=無し;ストランド=両方;カットオフ=60;期待値=10;マトリックス=BLOSUM62;表示=50個の配列;ソート=HIGH SCORE;データベース=非重複、GenBank+EMBL+DDBJ+PDB+GenBank CDS翻訳+SwissProtein+SPupdate+PIR。これらのプログラムの詳細は、National Center for Biotechnology Informationに見出すことができる。生物学的等価のポリヌクレオチドは、特定されたパーセント相同性を有し、かつ同じまたは類似した生物学的活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。2つの配列は、お互いに40%未満同一性または25%未満同一性を共有する場合には、それぞれ「無関係」または「非相同性」と見なされる。
【0031】
本明細書で用いられる場合、用語「超可変領域」は、抗原結合に関与する抗体のアミノ酸残基を指す。超可変領域は、一般的に「相補性決定領域」もしくは「CDR」由来のアミノ酸残基(例えば、VLにおける約残基24~34(L1)、50~56(L2)、および89~97(L3)の周辺、およびVHにおける約31~35B(H1)、50~65(H2)、および95~102(H3)の周辺(Kabat et al., Sequences of Proteins of Immunological Interest, 5th Ed. Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, MD. (1991))、および/または「超可変ループ」由来のそれらの残基(例えば、VLにおける残基26~32(L1)、50~52(L2)、および91~96(L3)、ならびにVHにおける26~32(H1)、52A~55(H2)、および96~101(H3)(Chothia and Lesk J. Mol. Biol. 196:901-917 (1987))を含む。
【0032】
本明細書で用いられる場合、用語「ハイブリダイズする」は、2つの実質的に相補的な核酸鎖(少なくとも14~25ヌクレオチドのひと続きにわたって少なくとも約65%相補性、少なくとも約75%または少なくとも約90%相補性)が適切にストリンジェントな条件下でお互いにアニールして、相補性塩基対間の水素結合の形成を通して二重鎖またはヘテロ二重鎖を形成する過程を指す。核酸ハイブリダイゼーション技術は当技術分野においてよく知られている。例えば、Sambrook, et al., 1989, Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Second Edition, Cold Spring Harbor Press, Plainview, N.Y.参照。ハイブリダイゼーションおよびハイブリダイゼーションの強度(すなわち、核酸間の会合の強度)は、核酸間の相補性の度合、関与する条件のストリンジェンシー、および形成されるハイブリッドの熱融解温度(Tm)のような因子により影響される。少なくとも所望のレベルの相補性を有する配列が安定にハイブリダイズし、一方、より低い相補性を有するものはハイブリダイズしないようにハイブリダイゼーション条件のストリンジェンシーを推定および調整する方法を当業者は理解している。ハイブリダイゼーション条件およびパラメータの例について、例えば、Sambrook, et al., 1989, Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Second Edition, Cold Spring Harbor Press, Plainview, N.Y.;Ausubel, F. M. et al., 1994, Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons, Secaucus, N.J.参照。いくつかの実施形態において、特異的なハイブリダイゼーションは、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で起こる。標的核酸に特異的であるオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチド(例えば、プローブまたはプライマー)は、適切な条件下で標的核酸と「ハイブリダイズする」。
【0033】
本明細書で用いられる場合、「オリゴヌクレオチド」は、限定された間隔で同一の単量体で主に構成されるバックボーン上に核酸塩基の配列を有する分子を指す。塩基は、そのオリゴヌクレオチドの塩基に相補的である塩基の配列を有する核酸と結合することができるようにバックボーン上に並べられる。最も一般的なオリゴヌクレオチドは、糖リン酸単位のバックボーンを有する。2’位にヒドロキシル基を有しないオリゴデオキシリボヌクレオチドと2’位にヒドロキシル基を有するオリゴリボヌクレオチドとが区別され得る。オリゴヌクレオチドはまた、ヒドロキシル基の水素が有機基、例えばアリル基で置き換えられている誘導体を含んでもよい。オリゴヌクレオチドの1個または複数の塩基はまた、ヌクレアーゼ分解に対する抵抗性を増加させるためにホスホロチオエート結合(例えば、ヌクレオチド間の架橋に関与しないリン酸バックボーンにおける2つの酸素原子の1つが、イオウ原子によって置き換えられている)を含むように改変されてもよい。オリゴヌクレオチドの正確なサイズは多くの因子に依存し、そして、その多くの因子が、オリゴヌクレオチドの最終的な機能または使用に依存する。オリゴヌクレオチドは任意の方法で作製され得、その方法には、例えば、化学合成、DNA複製、プラスミドもしくはファージDNAの制限エンドヌクレアーゼ消化、逆転写、PCR、またはそれらの組合せが挙げられる。オリゴヌクレオチドは、例えば、メチル基、ビオチンもしくはジゴキシゲニン部分、蛍光タグの付加により、または放射性ヌクレオチドを用いることにより、修飾されてもよい。
【0034】
本明細書で用いられる場合、用語「薬学的に許容される担体」は、薬学的投与に適合した、ありとあらゆる溶媒、分散媒、コーティング、抗細菌および抗真菌化合物、等張性および吸収遅延化合物、およびその他同種類のものを含むように意図される。薬学的に許容される担体およびそれらの製剤は当業者に知られており、例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences(20th edition, ed. A. Gennaro, 2000, Lippincott, Williams & Wilkins, Philadelphia, Pa.)に記載されている。
【0035】
本明細書で用いられる場合、用語「ポリヌクレオチド」または「核酸」は、任意のRNAまたはDNAを意味し、それは、非修飾型または修飾型のRNAまたはDNAであってもよい。ポリヌクレオチドには、非限定的に、一本鎖および二本鎖DNA、一本鎖領域と二本鎖領域の混合物であるDNA、一本鎖および二本鎖RNA、一本鎖領域と二本鎖領域の混合物であるRNA、ならびに一本鎖、または、より典型的には、二本鎖、または一本鎖領域と二本鎖領域の混合物であり得るDNAとRNAを含むハイブリッド分子が挙げられる。加えて、ポリヌクレオチドは、RNAまたはDNAまたはRNAとDNAの両方を含む三本鎖領域を指す。ポリヌクレオチドという用語はまた、1個または複数の修飾塩基を含有するDNAまたはRNA、および安定性のためにまたは他の理由のために改変されたバックボーンを有するDNAまたはRNAも含む。
【0036】
本明細書で用いられる場合、障害または状態の「防止」、「防止する」、または「防止すること」は、統計的試料において、治療されていない対照試料と比べて治療された試料において障害もしくは状態の発生率を低下させ、または治療されていない対照試料と比べて障害もしくは状態の1つもしくは複数の症状の発症を遅延させる、1つまたは複数の化合物を指す。本明細書で用いられる場合、RAS変異体癌を防止することは、RAS変異体癌の症状の開始を防止しまたは遅延させることを含む。本明細書で用いられる場合、RAS変異体癌の防止はまた、RAS変異体癌の1つまたは複数の徴候または症状の再発を防止することも含む。
【0037】
本明細書で用いられる場合、用語「試料」は、対象から得られる臨床試料を指す。生物学的試料には、組織、細胞、細胞のタンパク質または膜抽出物、粘液、痰、骨髄、気管支肺胞洗浄液(BAL)、気管支洗浄液(BW)、および対象から単離された生体液(例えば、腹水または脳脊髄液(CSF))、加えて、対象内に存在する組織、細胞、および体液(血液、血漿、唾液、尿、血清など)が挙げられ得る。
【0038】
本明細書で用いられる場合、用語「別々の」治療的使用は、異なる経路による、同じ時点または実質的に同じ時点における少なくとも2つの活性成分の投与を指す。
本明細書で用いられる場合、用語「逐次的」治療的使用は、異なる時点における少なくとも2つの活性成分の投与を指し、投与経路は同一または異なる。より具体的には、逐次的使用は、その他の投与が開始する前の、活性成分の1つの全投与を指す。したがって、その他の活性成分を投与する前の数分間、数時間、または数日間にわたって、活性成分の1つを投与することが可能である。この場合、同時的治療はない。
本明細書で用いられる場合、用語「同時的」治療的使用は、同じ経路により、かつ同じ時点または実質的に同じ時点における少なくとも2つの活性成分の投与を指す。
本明細書で用いられる場合、用語「対象」、「個体」、または「患者」は、交換可能に用いられ、個々の生物体、脊椎動物、哺乳動物、またはヒトを指す。ある特定の実施形態において、個体、患者、または対象はヒトである。
本明細書で用いられる場合、用語「標的配列」および「標的核酸配列」は、調節される(例えば、阻害され、または下方制御される)べき特定の核酸配列を指す。
本明細書で用いられる場合の用語「TXNRD1阻害剤」は、TXNRD1の遺伝子発現または生物学的活性を阻害する作用物質を指す。TXNRD1生物学的活性の例には、酵素活性、基質結合活性、ホモまたはヘテロ二量体化活性、および細胞構造との結合が挙げられるが、それらに限定されない。チオレドキシンレダクターゼ1のいくつかの異なるアイソフォームが存在する。本開示のTXNRD1阻害剤は、少なくとも1つのアイソフォームの少なくとも1つの生物学的活性を阻害する。TXNRD1阻害剤の例には、オーラノフィン、ピペルロングミン、D9、TRi-1、TRi-2、ミリセチン、PMX464、PX12、ブレベトキシン-2、マニュマイシンA、エタセレン、オーロチオグルコース、プロトポルフィリンIX、TXNRD1に対するshRNAまたはsiRNA、TXNRD1に対するアンチセンスオリゴヌクレオチド、抗TXNRD1抗体、またはその任意の誘導体が挙げられるが、それらに限定されない。
【0039】
本明細書で用いられる場合、「治療すること」、「治療する」、または「治療」は、ヒトなどの対象において、本明細書に記載された疾患または障害の治療を網羅し、以下を含む:(i)疾患もしくは障害を阻害すること、すなわち、それの発生を抑止すること;(ii)疾患もしくは障害を軽減すること、すなわち、障害の退行を引き起こすこと;(iii)障害の進行を遅くすること;および/または(iv)疾患もしくは障害の1つもしくは複数の症状の進行を阻害し、軽減し、もしくは遅くすること。いくつかの実施形態において、治療は、疾患に関連した症状が、例えば、緩和され、低下し、治癒し、または寛解の状態に置かれることを意味する。
【0040】
記載されているような医学的疾患および状態の治療または防止の様々なモードが、「実質的な」を意味することを意図され、それは、全部だけでなく、全部に満たない治療または防止、および一部の生物学的または医学的関連結果が達成される場合も含むことは認識されるべきである。治療は、慢性疾患のための継続的な長期の治療、または急性状態の治療のための単回もしくは2、3回の投与の場合もある。
【0041】
本テクノロジーのTXNRD1阻害剤
TXNRD1タンパク質(別名チオレドキシンレダクターゼ1、GRIM-12、TR、TR1、TRXR1、またはTXNRとも言う)は、ピリジンヌクレオチドオキシドリダクターゼファミリーのメンバーであり、チオレドキシン(Trx)系の構成要素である。TXNRD1はフラビン酵素であり、それは、チオレドキシン、加えて他の基質も還元し、酸化還元ホメオスタシスおよびセレン代謝において重要な役割を果たす。TXNRD1タンパク質は、FADを含有するホモ二量体として機能し、活性部位にセレノシステイン(Sec)を有する。
一態様において、本開示は、RAS変異体癌を治療するための組成物を提供する。いくつかの実施形態において、TXNRD1阻害剤は、TXNRD1の遺伝子発現および/または活性レベルを低下させる。いくつかの実施形態において、TXNRD1阻害剤は、酵素活性、基質結合活性、ホモまたはヘテロ二量体化活性、および細胞構造との結合からなる群から選択されるTXNRD1活性を低下させる。
一態様において、本開示は、非限定的に、オーラノフィン、ピペルロングミン、D9、TRi-1、TRi-2、ミリセチン、PMX464、PX12、ブレベトキシン-2、マニュマイシンA、エタセレン、オーロチオグルコース、およびプロトポルフィリンIXを含む薬理学的阻害剤を提供する。抗TXNRD1抗体またはその任意の派生物もまた、本明細書に開示された方法に用いられ得る。
【0042】
別の態様において、本開示は、TXNRD1発現および/または活性レベルを阻害する阻害性RNA(例えば、sgRNA、アンチセンスRNA、またはshRNA)を提供する。そのような阻害性RNAの例には、
TCTAATATCATTAACACCATGG(配列番号1;ヒトshTXNRD1)、
TAAATAAAACTGAATATGGTCA(配列番号2;ヒトshTXNRD1)、TTAATAATAACTTATGATATTA(配列番号3;ヒトshTXNRD1)、TTTGTAACAAAAATACATGGAA(配列番号4;ヒトshTXNRD1)、TTTAAATGAAAATCCTTCACAT(配列番号5;ヒトshTXNRD1)、TTTTAAATGAAAATCCTTCACA(配列番号6;ヒトshTXNRD1)、TAAGAAAAGAGAATCACAACAT(配列番号7;ヒトshTXNRD1)、TTTTCATTTATCTTCACCCCTA(配列番号8;ヒトshTXNRD1)、TTAGAAAGAAATAGATACCCAA(配列番号9;ヒトshTXNRD1)、TAATAATAACTTATGATATTAA(配列番号10;ヒトshTXNRD1)、
TTTAGTCACAGGGTAATTCGTC(配列番号11;マウスshTxnrd1)、および
TTCGTCACTGACAACGTTGTGA(配列番号12;マウスshTxnrd1)、またはその任意の相補物を含む配列を有するRNAが挙げられる。
【0043】
本開示は、以下(すなわち、TXNRD1 mRNAアイソフォーム)のいずれか1つの一部分と相補的でありかつ特異的にハイブリダイズし、それによりTXNRD1発現を低下させまたは阻害する核酸配列を含むアンチセンス核酸を提供する;
NM_182729.2 ヒト(Homo sapiens)チオレドキシンレダクターゼ1(TXNRD1)、転写産物変種1、mRNA(配列番号13)
1 agaccctcac gtgatgacaa cagctagcaa agttctgtag ctactgcctt agggcatagt
61 ctaatttctt cagtaaaaac acacttattc caaatttggt tccagaattg ccttaaattg
121 tttttgctct gttcttaggt tgggggcggc tatgagcagg cagaggatgt ggtgtcaccc
181 aattaggagc tctcagctta cgaggcaatt agcataggtt gccagggctg cacgaggagt
241 ggatttctgc tttgtcattc tgactctggc agttagcccg cccgctcggc gcagggcgtg
301 gcttctcgta gccattagga aacagcaacc ctttcacctc agttttcttc actccggcat
361 ttgcagcaga gcgaaaggtg gtcgagtcct gaaggagggc ctgatgtctt catcattctc
421 aaattcttag gacggtcggg ccctggaagg aacgctctcg gaattggccg cggaaaccga
481 tctgcccgtt gtgtttgtga aacagagaaa gataggcggc catggtccaa ccttgaaggc
541 ttatcaggag ggcagacttc aaaagctact aaaaatgaac ggccctgaag atcttcccaa
601 gtcctatgac tatgacctta tcatcattgg aggtggctca ggaggtctgg cagctgctaa
661 ggaggcagcc caatatggca agaaggtgat ggtcctggac tttgtcactc ccacccctct
721 tggaactaga tggggtctcg gaggaacatg tgtgaatgtg ggttgcatac ctaaaaaact
781 gatgcatcaa gcagctttgt taggacaagc cctgcaagac tctcgaaatt atggatggaa
841 agtcgaggag acagttaagc atgattggga cagaatgata gaagctgtac agaatcacat
901 tggctctttg aattggggct accgagtagc tctgcgggag aaaaaagtcg tctatgagaa
961 tgcttatggg caatttattg gtcctcacag gattaaggca acaaataata aaggcaaaga
1021 aaaaatttat tcagcagaga gatttctcat tgccactggt gaaagaccac gttacttggg
1081 catccctggt gacaaagaat actgcatcag cagtgatgat cttttctcct tgccttactg
1141 cccgggtaag accctggttg ttggagcatc ctatgtcgct ttggagtgcg ctggatttct
1201 tgctggtatt ggtttagacg tcactgttat ggttaggtcc attcttctta gaggatttga
1261 ccaggacatg gccaacaaaa ttggtgaaca catggaagaa catggcatca agtttataag
1321 acagttcgta ccaattaaag ttgaacaaat tgaagcaggg acaccaggcc gactcagagt
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1441 ggcaatagga agagatgctt gcacaagaaa aattggctta gaaaccgtag gggtgaagat
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1801 ggaatggacg attccgtcaa gagataacaa caaatgttat gcaaaaataa tctgtaatac
1861 taaagacaat gaacgtgttg tgggctttca cgtactgggt ccaaatgctg gagaagttac
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1981 tggaatccac cctgtctgtg cagaggtatt cacaacattg tctgtgacca agcgctctgg
2041 ggcaagcatc ctccaggctg gctgctgagg ttaagcccca gtgtggatgc tgttgccaag
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2281 gaagctgaca tttggcaggg catcgaaggg atgcatccat gaagtcacca gtctcaagcc
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2401 gattttctta ttctcgttgt caagttttct agggttgaat ttttttcttt tttctccatg
2461 gtgttaatga tattagagat gaaaaacgtt agcagttgat ttttgtccaa aagcaagtca
2521 tggctagagt atccatgcaa ggtgtcttgt tgcatggaag ggatagtttg gctcccttgg
2581 aggctatgta ggcttgtccc gggaaagaga actgtcctgc agctgaaatg gactgttctt
2641 tactgacctg ctcagcagtt tcttctctca tatattccca aaacaagtac atctgcgatc
2701 aactctagcc aaatttgccc ctgtgtgcta catgatggat gattattatt ttaaggtctg
2761 tttaggaagg gaaatggcta cttggccagc cattgcctgg catttggtag tatagtatga
2821 ttctcaccat tatttgtcat ggaggcagac atacaccaga aatgggggag aaacagtaca
2881 tatctttctg tctttagttt attgtgtgct ggtctaagca agctgagatc atttgcaatg
2941 gaaaacacgt aacttgttta aaagtttttc tggtagcttt agctttatgc taaaaaaaat
3001 aatgacattg ggtatctatt tctttctaag actacattag taggaaaata agtcttttca
3061 tgcttatgat ttagctgttt tgtggtaatt gctttttaaa ggaagttatt aatatcataa
3121 gttattatta atattttgaa cacaggtgga tgtgaaggat tttcatttaa aaaccaagtg
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3241 atgctttgtt agcatttcaa cttgcattat tataaagagg tattaatgcc tcagttatgt
3301 gtttgtcaat gtactggctg aggattctat ctcagctgtc ttttctaact gtgtaggttg
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3481 tctgggccac ctcagggaac ccatgcatct gcctggcatt taggcagcag agcccctgac
3541 cgtcccccac agggctctgc ctcacgtcct catctcattt ggctgtgtaa agaaatggga
3601 aaagggaaaa ggagagagca attgaggcag ttgaccatat tcagttttat ttatttattt
3661 ttaatttgtt tttttctcca agtccaccag tctctgaaat tagaacagta ggcggtatga
3721 gataatcagg cctaatcatg ttgtgattct cttttcttag tggagtggaa tgttctatcc
3781 ccacaagaag gattatatct tatagacttg tcttgttcag attctgtatt tacccatttt
3841 attgaaacat atactaagtt ccatgtattt ttgttacaaa tcttctgaaa aaaaacaaaa
3901 caatgtgaaa cattaaaatt aaaaggcatt aataatatcc acgtgtgcct tcttactgaa
3961 aaaaaaaaa
【0044】
NM_182742.2 ヒトチオレドキシンレダクターゼ1(TXNRD1)、転写産物変種2、mRNA(配列番号14)
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61 ctaatttctt cagtaaaaac acacttattc caaatttggt tccagaattg ccttaaattg
121 tttttgctct gttcttaggt tgggggcggc tatgagcagg cagaggatgt ggtgtcaccc
181 aattaggagc tctcagctta cgaggcaatt agcataggtt gccagggctg cacgaggagt
241 ggatttctgc tttgtcattc tgactctggc agttagcccg cccgctcggc gcagggcgtg
301 gcttctcgta gccattagga aacagcaacc ctttcacctc agttttcttc actccggcat
361 ttgcagcaga gcgaaaggtg gtcgagtcct gaaggagggc ctgatgtctt catcattctc
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661 atgtggctta tcaggagggc agacttcaaa agctactaaa aatgaacggc cctgaagatc
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901 aaaaactgat gcatcaagca gctttgttag gacaagccct gcaagactct cgaaattatg
961 gatggaaagt cgaggagaca gttaagcatg attgggacag aatgatagaa gctgtacaga
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1081 atgagaatgc ttatgggcaa tttattggtc ctcacaggat taaggcaaca aataataaag
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1261 cttactgccc gggtaagacc ctggttgttg gagcatccta tgtcgctttg gagtgcgctg
1321 gatttcttgc tggtattggt ttagacgtca ctgttatggt taggtccatt cttcttagag
1381 gatttgacca ggacatggcc aacaaaattg gtgaacacat ggaagaacat ggcatcaagt
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1501 tcagagtagt agctcagtcc accaatagtg aggaaatcat tgaaggagaa tataatacgg
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1741 tccaggcagg aagattgctg gctcagaggc tctatgcagg ttccactgtc aagtgtgact
1801 atgaaaatgt tccaaccact gtatttactc ctttggaata tggtgcttgt ggcctttctg
1861 aggagaaagc tgtggagaag tttggggaag aaaatattga ggtttaccat agttactttt
1921 ggccattgga atggacgatt ccgtcaagag ataacaacaa atgttatgca aaaataatct
1981 gtaatactaa agacaatgaa cgtgttgtgg gctttcacgt actgggtcca aatgctggag
2041 aagttacaca aggctttgca gctgcgctca aatgtggact gaccaaaaag cagctggaca
2101 gcacaattgg aatccaccct gtctgtgcag aggtattcac aacattgtct gtgaccaagc
2161 gctctggggc aagcatcctc caggctggct gctgaggtta agccccagtg tggatgctgt
2221 tgccaagact gcaaaccact ggctcgtttc cgtgcccaaa tccaaggcga agttttctag
2281 agggttcttg ggctcttggc acctgcgtgt cctgtgctta ccaccgccca aggccccctt
2341 ggatctcttg gataggagtt ggtgaataga aggcaggcag catcacactg gggtcactga
2401 cagacttgaa gctgacattt ggcagggcat cgaagggatg catccatgaa gtcaccagtc
2461 tcaagcccat gtggtaggcg gtgatggaac aactgtcaaa tcagttttag catgaccttt
2521 ccttgtggat tttcttattc tcgttgtcaa gttttctagg gttgaatttt tttctttttt
2581 ctccatggtg ttaatgatat tagagatgaa aaacgttagc agttgatttt tgtccaaaag
2641 caagtcatgg ctagagtatc catgcaaggt gtcttgttgc atggaaggga tagtttggct
2701 cccttggagg ctatgtaggc ttgtcccggg aaagagaact gtcctgcagc tgaaatggac
2761 tgttctttac tgacctgctc agcagtttct tctctcatat attcccaaaa caagtacatc
2821 tgcgatcaac tctagccaaa tttgcccctg tgtgctacat gatggatgat tattatttta
2881 aggtctgttt aggaagggaa atggctactt ggccagccat tgcctggcat ttggtagtat
2941 agtatgattc tcaccattat ttgtcatgga ggcagacata caccagaaat gggggagaaa
3001 cagtacatat ctttctgtct ttagtttatt gtgtgctggt ctaagcaagc tgagatcatt
3061 tgcaatggaa aacacgtaac ttgtttaaaa gtttttctgg tagctttagc tttatgctaa
3121 aaaaaataat gacattgggt atctatttct ttctaagact acattagtag gaaaataagt
3181 cttttcatgc ttatgattta gctgttttgt ggtaattgct ttttaaagga agttattaat
3241 atcataagtt attattaata ttttgaacac aggtggatgt gaaggatttt catttaaaaa
3301 ccaagtggtt ttgacttttt ctgttgaatg aacaactgtg ccttgtggaa tttttgcaga
3361 agtgtttatg ctttgttagc atttcaactt gcattattat aaagaggtat taatgcctca
3421 gttatgtgtt tgtcaatgta ctggctgagg attctatctc agctgtcttt tctaactgtg
3481 taggttgagt tttgaacacg tgcttgtgga catcaggcct cctgccagca gttcttgaag
3541 cttctttttc attcctgcta ctctacctgt atttctcagt tgcagcactg agtggtcaaa
3601 atacatttct gggccacctc agggaaccca tgcatctgcc tggcatttag gcagcagagc
3661 ccctgaccgt cccccacagg gctctgcctc acgtcctcat ctcatttggc tgtgtaaaga
3721 aatgggaaaa gggaaaagga gagagcaatt gaggcagttg accatattca gttttattta
3781 tttattttta atttgttttt ttctccaagt ccaccagtct ctgaaattag aacagtaggc
3841 ggtatgagat aatcaggcct aatcatgttg tgattctctt ttcttagtgg agtggaatgt
3901 tctatcccca caagaaggat tatatcttat agacttgtct tgttcagatt ctgtatttac
3961 ccattttatt gaaacatata ctaagttcca tgtatttttg ttacaaatct tctgaaaaaa
4021 aacaaaacaa tgtgaaacat taaaattaaa aggcattaat aatatccacg tgtgccttct
4081 tactgaaaaa aaaaaa
【0045】
ヒトチオレドキシンレダクターゼ1(TXNRD1)、転写産物変種3、mRNA
NCBI参照配列:NM_182743.2(配列番号15)
1 agaccctcac gtgatgacaa cagctagcaa agttctgtag ctactgcctt agggcatagt
61 ctaatttctt cagtaaaaac acacttattc caaatttggt tccagaattg ccttaaattg
121 tttttgctct gttcttaggt tgggggcggc tatgagcagg cagaggatgt ggtgtcaccc
181 aattaggagc tctcagctta cgaggcaatt agcataggtt gccagggctg cacgaggagt
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301 gcttctcgta gccattagga aacagcaacc ctttcacctc agttttcttc actccggcat
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421 aaattcttgc ttatcaggag ggcagacttc aaaagctact aaaaatgaac ggccctgaag
481 atcttcccaa gtcctatgac tatgacctta tcatcattgg aggtggctca ggaggtctgg
541 cagctgctaa ggaggcagcc caatatggca agaaggtgat ggtcctggac tttgtcactc
601 ccacccctct tggaactaga tggggtctcg gaggaacatg tgtgaatgtg ggttgcatac
661 ctaaaaaact gatgcatcaa gcagctttgt taggacaagc cctgcaagac tctcgaaatt
721 atggatggaa agtcgaggag acagttaagc atgattggga cagaatgata gaagctgtac
781 agaatcacat tggctctttg aattggggct accgagtagc tctgcgggag aaaaaagtcg
841 tctatgagaa tgcttatggg caatttattg gtcctcacag gattaaggca acaaataata
901 aaggcaaaga aaaaatttat tcagcagaga gatttctcat tgccactggt gaaagaccac
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1021 tgccttactg cccgggtaag accctggttg ttggagcatc ctatgtcgct ttggagtgcg
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2581 atctgcgatc aactctagcc aaatttgccc ctgtgtgcta catgatggat gattattatt
2641 ttaaggtctg tttaggaagg gaaatggcta cttggccagc cattgcctgg catttggtag
2701 tatagtatga ttctcaccat tatttgtcat ggaggcagac atacaccaga aatgggggag
2761 aaacagtaca tatctttctg tctttagttt attgtgtgct ggtctaagca agctgagatc
2821 atttgcaatg gaaaacacgt aacttgttta aaagtttttc tggtagcttt agctttatgc
2881 taaaaaaaat aatgacattg ggtatctatt tctttctaag actacattag taggaaaata
2941 agtcttttca tgcttatgat ttagctgttt tgtggtaatt gctttttaaa ggaagttatt
3001 aatatcataa gttattatta atattttgaa cacaggtgga tgtgaaggat tttcatttaa
3061 aaaccaagtg gttttgactt tttctgttga atgaacaact gtgccttgtg gaatttttgc
3121 agaagtgttt atgctttgtt agcatttcaa cttgcattat tataaagagg tattaatgcc
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3541 ttatttattt ttaatttgtt tttttctcca agtccaccag tctctgaaat tagaacagta
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3841 tcttactgaa aaaaaaaaa
【0046】
ヒトチオレドキシンレダクターゼ1(TXNRD1)、転写産物変種4、mRNA
NCBI参照配列:NM_003330.3(配列番号16)
1 agaccctcac gtgatgacaa cagctagcaa agttctgtag ctactgcctt agggcatagt
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181 aattaggagc tctcagctta cgaggcaatt agcataggtt gccagggctg cacgaggagt
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781 tcaggagggc agacttcaaa agctactaaa aatgaacggc cctgaagatc ttcccaagtc
841 ctatgactat gaccttatca tcattggagg tggctcagga ggtctggcag ctgctaagga
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1921 tccaaccact gtatttactc ctttggaata tggtgcttgt ggcctttctg aggagaaagc
1981 tgtggagaag tttggggaag aaaatattga ggtttaccat agttactttt ggccattgga
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2101 agacaatgaa cgtgttgtgg gctttcacgt actgggtcca aatgctggag aagttacaca
2161 aggctttgca gctgcgctca aatgtggact gaccaaaaag cagctggaca gcacaattgg
2221 aatccaccct gtctgtgcag aggtattcac aacattgtct gtgaccaagc gctctggggc
2281 aagcatcctc caggctggct gctgaggtta agccccagtg tggatgctgt tgccaagact
2341 gcaaaccact ggctcgtttc cgtgcccaaa tccaaggcga agttttctag agggttcttg
2401 ggctcttggc acctgcgtgt cctgtgctta ccaccgccca aggccccctt ggatctcttg
2461 gataggagtt ggtgaataga aggcaggcag catcacactg gggtcactga cagacttgaa
2521 gctgacattt ggcagggcat cgaagggatg catccatgaa gtcaccagtc tcaagcccat
2581 gtggtaggcg gtgatggaac aactgtcaaa tcagttttag catgaccttt ccttgtggat
2641 tttcttattc tcgttgtcaa gttttctagg gttgaatttt tttctttttt ctccatggtg
2701 ttaatgatat tagagatgaa aaacgttagc agttgatttt tgtccaaaag caagtcatgg
2761 ctagagtatc catgcaaggt gtcttgttgc atggaaggga tagtttggct cccttggagg
2821 ctatgtaggc ttgtcccggg aaagagaact gtcctgcagc tgaaatggac tgttctttac
2881 tgacctgctc agcagtttct tctctcatat attcccaaaa caagtacatc tgcgatcaac
2941 tctagccaaa tttgcccctg tgtgctacat gatggatgat tattatttta aggtctgttt
3001 aggaagggaa atggctactt ggccagccat tgcctggcat ttggtagtat agtatgattc
3061 tcaccattat ttgtcatgga ggcagacata caccagaaat gggggagaaa cagtacatat
3121 ctttctgtct ttagtttatt gtgtgctggt ctaagcaagc tgagatcatt tgcaatggaa
3181 aacacgtaac ttgtttaaaa gtttttctgg tagctttagc tttatgctaa aaaaaataat
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3301 ttatgattta gctgttttgt ggtaattgct ttttaaagga agttattaat atcataagtt
3361 attattaata ttttgaacac aggtggatgt gaaggatttt catttaaaaa ccaagtggtt
3421 ttgacttttt ctgttgaatg aacaactgtg ccttgtggaa tttttgcaga agtgtttatg
3481 ctttgttagc atttcaactt gcattattat aaagaggtat taatgcctca gttatgtgtt
3541 tgtcaatgta ctggctgagg attctatctc agctgtcttt tctaactgtg taggttgagt
3601 tttgaacacg tgcttgtgga catcaggcct cctgccagca gttcttgaag cttctttttc
3661 attcctgcta ctctacctgt atttctcagt tgcagcactg agtggtcaaa atacatttct
3721 gggccacctc agggaaccca tgcatctgcc tggcatttag gcagcagagc ccctgaccgt
3781 cccccacagg gctctgcctc acgtcctcat ctcatttggc tgtgtaaaga aatgggaaaa
3841 gggaaaagga gagagcaatt gaggcagttg accatattca gttttattta tttattttta
3901 atttgttttt ttctccaagt ccaccagtct ctgaaattag aacagtaggc ggtatgagat
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4081 gaaacatata ctaagttcca tgtatttttg ttacaaatct tctgaaaaaa aacaaaacaa
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4201 aaaaaa
【0047】
ヒトチオレドキシンレダクターゼ1(TXNRD1)、転写産物変種5、mRNA
NCBI参照配列:NM_001261445.1(配列番号17)
1 agaccctcac gtgatgacaa cagctagcaa agttctgtag ctactgcctt agggcatagt
61 ctaatttctt cagtaaaaac acacttattc caaatttggt tccagaattg ccttaaattg
121 tttttgctct gttcttaggt tgggggcggc tatgagcagg cagaggatgt ggtgtcaccc
181 aattaggagc tctcagctta cgaggcaatt agcataggtt gccagggctg cacgaggagt
241 ggatttctgc tttgtcattc tgactctggc agttagcccg cccgctcggc gcagggcgtg
301 gcttctcgta gccattagga aacagcaacc ctttcacctc agttttcttc actccggcat
361 ttgcagcaga gcgaaaggtg gtcgagtcct gaaggagggc ctgatgtctt catcattctc
421 aaattcttgt aagctctgcg tcgggtgaaa ccagacaaag ccgcgagccc agggatggga
481 gcacgcgggg gacggcctgc cggcggggac gacagcattg cgcctgggtg cagcagtgtg
541 cgtctcgggg aagggaagat attttaaggc gtgtctgagc agacggggag gcttttccaa
601 acccaggcag cttcgtggcg tgtgcggttt cgacccggtc acacaaagct tcagcatgtc
661 atgtggtagg tgaggccggc gcctgtaggc tggcggtttc cttcctcttg gtctttgtag
721 agacagtttg cagaacagcg gagaaaatgg aggacggtcg ggccctggaa ggaacgctct
781 cggaattggc cgcggaaacc gatctgcccg ttgtgtttgt gaaacagaga aagataggcg
841 gccatggtcc aaccttgaag gcttatcagg agggcagact tcaaaagcta ctaaaaatga
901 acggccctga agatcttccc aagtcctatg actatgacct tatcatcatt ggaggtggct
961 caggaggtct ggcagctgct aaggaggcag cccaatatgg caagaaggtg atggtcctgg
1021 actttgtcac tcccacccct cttggaacta gatggggtct cggaggaaca tgtgtgaatg
1081 tgggttgcat acctaaaaaa ctgatgcatc aagcagcttt gttaggacaa gccctgcaag
1141 actctcgaaa ttatggatgg aaagtcgagg agacagttaa gcatgattgg gacagaatga
1201 tagaagctgt acagaatcac attggctctt tgaattgggg ctaccgagta gctctgcggg
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1321 caacaaataa taaaggcaaa gaaaaaattt attcagcaga gagatttctc attgccactg
1381 gtgaaagacc acgttacttg ggcatccctg gtgacaaaga atactgcatc agcagtgatg
1441 atcttttctc cttgccttac tgcccgggta agaccctggt tgttggagca tcctatgtcg
1501 ctttggagtg cgctggattt cttgctggta ttggtttaga cgtcactgtt atggttaggt
1561 ccattcttct tagaggattt gaccaggaca tggccaacaa aattggtgaa cacatggaag
1621 aacatggcat caagtttata agacagttcg taccaattaa agttgaacaa attgaagcag
1681 ggacaccagg ccgactcaga gtagtagctc agtccaccaa tagtgaggaa atcattgaag
1741 gagaatataa tacggtgatg ctggcaatag gaagagatgc ttgcacaaga aaaattggct
1801 tagaaaccgt aggggtgaag ataaatgaaa agactggaaa aatacctgtc acagatgaag
1861 aacagaccaa tgtgccttac atctatgcca ttggcgatat attggaggat aaggtggagc
1921 tcaccccagt tgcaatccag gcaggaagat tgctggctca gaggctctat gcaggttcca
1981 ctgtcaagtg tgactatgaa aatgttccaa ccactgtatt tactcctttg gaatatggtg
2041 cttgtggcct ttctgaggag aaagctgtgg agaagtttgg ggaagaaaat attgaggttt
2101 accatagtta cttttggcca ttggaatgga cgattccgtc aagagataac aacaaatgtt
2161 atgcaaaaat aatctgtaat actaaagaca atgaacgtgt tgtgggcttt cacgtactgg
2221 gtccaaatgc tggagaagtt acacaaggct ttgcagctgc gctcaaatgt ggactgacca
2281 aaaagcagct ggacagcaca attggaatcc accctgtctg tgcagaggta ttcacaacat
2341 tgtctgtgac caagcgctct ggggcaagca tcctccaggc tggctgctga ggttaagccc
2401 cagtgtggat gctgttgcca agactgcaaa ccactggctc gtttccgtgc ccaaatccaa
2461 ggcgaagttt tctagagggt tcttgggctc ttggcacctg cgtgtcctgt gcttaccacc
2521 gcccaaggcc cccttggatc tcttggatag gagttggtga atagaaggca ggcagcatca
2581 cactggggtc actgacagac ttgaagctga catttggcag ggcatcgaag ggatgcatcc
2641 atgaagtcac cagtctcaag cccatgtggt aggcggtgat ggaacaactg tcaaatcagt
2701 tttagcatga cctttccttg tggattttct tattctcgtt gtcaagtttt ctagggttga
2761 atttttttct tttttctcca tggtgttaat gatattagag atgaaaaacg ttagcagttg
2821 atttttgtcc aaaagcaagt catggctaga gtatccatgc aaggtgtctt gttgcatgga
2881 agggatagtt tggctccctt ggaggctatg taggcttgtc ccgggaaaga gaactgtcct
2941 gcagctgaaa tggactgttc tttactgacc tgctcagcag tttcttctct catatattcc
3001 caaaacaagt acatctgcga tcaactctag ccaaatttgc ccctgtgtgc tacatgatgg
3061 atgattatta ttttaaggtc tgtttaggaa gggaaatggc tacttggcca gccattgcct
3121 ggcatttggt agtatagtat gattctcacc attatttgtc atggaggcag acatacacca
3181 gaaatggggg agaaacagta catatctttc tgtctttagt ttattgtgtg ctggtctaag
3241 caagctgaga tcatttgcaa tggaaaacac gtaacttgtt taaaagtttt tctggtagct
3301 ttagctttat gctaaaaaaa ataatgacat tgggtatcta tttctttcta agactacatt
3361 agtaggaaaa taagtctttt catgcttatg atttagctgt tttgtggtaa ttgcttttta
3421 aaggaagtta ttaatatcat aagttattat taatattttg aacacaggtg gatgtgaagg
3481 attttcattt aaaaaccaag tggttttgac tttttctgtt gaatgaacaa ctgtgccttg
3541 tggaattttt gcagaagtgt ttatgctttg ttagcatttc aacttgcatt attataaaga
3601 ggtattaatg cctcagttat gtgtttgtca atgtactggc tgaggattct atctcagctg
3661 tcttttctaa ctgtgtaggt tgagttttga acacgtgctt gtggacatca ggcctcctgc
3721 cagcagttct tgaagcttct ttttcattcc tgctactcta cctgtatttc tcagttgcag
3781 cactgagtgg tcaaaataca tttctgggcc acctcaggga acccatgcat ctgcctggca
3841 tttaggcagc agagcccctg accgtccccc acagggctct gcctcacgtc ctcatctcat
3901 ttggctgtgt aaagaaatgg gaaaagggaa aaggagagag caattgaggc agttgaccat
3961 attcagtttt atttatttat ttttaatttg tttttttctc caagtccacc agtctctgaa
4021 attagaacag taggcggtat gagataatca ggcctaatca tgttgtgatt ctcttttctt
4081 agtggagtgg aatgttctat ccccacaaga aggattatat cttatagact tgtcttgttc
4141 agattctgta tttacccatt ttattgaaac atatactaag ttccatgtat ttttgttaca
4201 aatcttctga aaaaaaacaa aacaatgtga aacattaaaa ttaaaaggca ttaataatat
4261 ccacgtgtgc cttcttactg aaaaaaaaaa a
【0048】
ヒトチオレドキシンレダクターゼ1(TXNRD1)、転写産物変種6、mRNA
NCBI参照配列:NM_001261446.1(配列番号18)
1 agaccctcac gtgatgacaa cagctagcaa agttctgtag ctactgcctt agggcatagt
61 ctaatttctt cagtaaaaac acacttattc caaatttggt tccagaattg ccttaaattg
121 tttttgctct gttcttaggt tgggggcggc tatgagcagg cagaggatgt ggtgtcaccc
181 aattaggagc tctcagctta cgaggcaatt agcataggtt gccagggctg cacgaggagt
241 ggatttctgc tttgtcattc tgactctggc agttagcccg cccgctcggc gcagggcgtg
301 gcttctcgta gccattagga aacagcaacc ctttcacctc agttttcttc actccggcat
361 ttgcagcaga gcgaaaggtg gtcgagtcct gaaggagggc ctgatgtctt catcattctc
421 aaattcttag gacggtcggg ccctggaagg aacgctctcg gaattggccg cggaaaccga
481 tctgcccgtt gtgtttgtga aacagagaaa gataggcggc catggtccaa ccttgaagga
541 ggcagcccaa tatggcaaga aggtgatggt cctggacttt gtcactccca cccctcttgg
601 aactagatgg ggtctcggag gaacatgtgt gaatgtgggt tgcataccta aaaaactgat
661 gcatcaagca gctttgttag gacaagccct gcaagactct cgaaattatg gatggaaagt
721 cgaggagaca gttaagcatg attgggacag aatgatagaa gctgtacaga atcacattgg
781 ctctttgaat tggggctacc gagtagctct gcgggagaaa aaagtcgtct atgagaatgc
841 ttatgggcaa tttattggtc ctcacaggat taaggcaaca aataataaag gcaaagaaaa
901 aatttattca gcagagagat ttctcattgc cactggtgaa agaccacgtt acttgggcat
961 ccctggtgac aaagaatact gcatcagcag tgatgatctt ttctccttgc cttactgccc
1021 gggtaagacc ctggttgttg gagcatccta tgtcgctttg gagtgcgctg gatttcttgc
1081 tggtattggt ttagacgtca ctgttatggt taggtccatt cttcttagag gatttgacca
1141 ggacatggcc aacaaaattg gtgaacacat ggaagaacat ggcatcaagt ttataagaca
1201 gttcgtacca attaaagttg aacaaattga agcagggaca ccaggccgac tcagagtagt
1261 agctcagtcc accaatagtg aggaaatcat tgaaggagaa tataatacgg tgatgctggc
1321 aataggaaga gatgcttgca caagaaaaat tggcttagaa accgtagggg tgaagataaa
1381 tgaaaagact ggaaaaatac ctgtcacaga tgaagaacag accaatgtgc cttacatcta
1441 tgccattggc gatatattgg aggataaggt ggagctcacc ccagttgcaa tccaggcagg
1501 aagattgctg gctcagaggc tctatgcagg ttccactgtc aagtgtgact atgaaaatgt
1561 tccaaccact gtatttactc ctttggaata tggtgcttgt ggcctttctg aggagaaagc
1621 tgtggagaag tttggggaag aaaatattga ggtttaccat agttactttt ggccattgga
1681 atggacgatt ccgtcaagag ataacaacaa atgttatgca aaaataatct gtaatactaa
1741 agacaatgaa cgtgttgtgg gctttcacgt actgggtcca aatgctggag aagttacaca
1801 aggctttgca gctgcgctca aatgtggact gaccaaaaag cagctggaca gcacaattgg
1861 aatccaccct gtctgtgcag aggtattcac aacattgtct gtgaccaagc gctctggggc
1921 aagcatcctc caggctggct gctgaggtta agccccagtg tggatgctgt tgccaagact
1981 gcaaaccact ggctcgtttc cgtgcccaaa tccaaggcga agttttctag agggttcttg
2041 ggctcttggc acctgcgtgt cctgtgctta ccaccgccca aggccccctt ggatctcttg
2101 gataggagtt ggtgaataga aggcaggcag catcacactg gggtcactga cagacttgaa
2161 gctgacattt ggcagggcat cgaagggatg catccatgaa gtcaccagtc tcaagcccat
2221 gtggtaggcg gtgatggaac aactgtcaaa tcagttttag catgaccttt ccttgtggat
2281 tttcttattc tcgttgtcaa gttttctagg gttgaatttt tttctttttt ctccatggtg
2341 ttaatgatat tagagatgaa aaacgttagc agttgatttt tgtccaaaag caagtcatgg
2401 ctagagtatc catgcaaggt gtcttgttgc atggaaggga tagtttggct cccttggagg
2461 ctatgtaggc ttgtcccggg aaagagaact gtcctgcagc tgaaatggac tgttctttac
2521 tgacctgctc agcagtttct tctctcatat attcccaaaa caagtacatc tgcgatcaac
2581 tctagccaaa tttgcccctg tgtgctacat gatggatgat tattatttta aggtctgttt
2641 aggaagggaa atggctactt ggccagccat tgcctggcat ttggtagtat agtatgattc
2701 tcaccattat ttgtcatgga ggcagacata caccagaaat gggggagaaa cagtacatat
2761 ctttctgtct ttagtttatt gtgtgctggt ctaagcaagc tgagatcatt tgcaatggaa
2821 aacacgtaac ttgtttaaaa gtttttctgg tagctttagc tttatgctaa aaaaaataat
2881 gacattgggt atctatttct ttctaagact acattagtag gaaaataagt cttttcatgc
2941 ttatgattta gctgttttgt ggtaattgct ttttaaagga agttattaat atcataagtt
3001 attattaata ttttgaacac aggtggatgt gaaggatttt catttaaaaa ccaagtggtt
3061 ttgacttttt ctgttgaatg aacaactgtg ccttgtggaa tttttgcaga agtgtttatg
3121 ctttgttagc atttcaactt gcattattat aaagaggtat taatgcctca gttatgtgtt
3181 tgtcaatgta ctggctgagg attctatctc agctgtcttt tctaactgtg taggttgagt
3241 tttgaacacg tgcttgtgga catcaggcct cctgccagca gttcttgaag cttctttttc
3301 attcctgcta ctctacctgt atttctcagt tgcagcactg agtggtcaaa atacatttct
3361 gggccacctc agggaaccca tgcatctgcc tggcatttag gcagcagagc ccctgaccgt
3421 cccccacagg gctctgcctc acgtcctcat ctcatttggc tgtgtaaaga aatgggaaaa
3481 gggaaaagga gagagcaatt gaggcagttg accatattca gttttattta tttattttta
3541 atttgttttt ttctccaagt ccaccagtct ctgaaattag aacagtaggc ggtatgagat
3601 aatcaggcct aatcatgttg tgattctctt ttcttagtgg agtggaatgt tctatcccca
3661 caagaaggat tatatcttat agacttgtct tgttcagatt ctgtatttac ccattttatt
3721 gaaacatata ctaagttcca tgtatttttg ttacaaatct tctgaaaaaa aacaaaacaa
3781 tgtgaaacat taaaattaaa aggcattaat aatatccacg tgtgccttct tactgaaaaa
3841 aaaaaa
【0049】
ヒトチオレドキシンレダクターゼ1(TXNRD1)、転写産物変種7、mRNA
NCBI参照配列:NM_001093771.3(配列番号19)
1 agttcccaca gggccttgtg cgacatgggc tgcgccgagg gcaaggcagt ggcggcggcc
61 gccccaacgg agctgcagac gaaaggcaag aacggcgatg gccgccgtag gtcagctaaa
121 gatcatcacc ctggtaaaac tttgccagag aacccagcag gattcaccag cacggccact
181 gcagactcca gagccctgct tcaggcctat atagatggtc actctgtggt catcttcagt
241 aggtccacat gcacacgctg tactgaggta aagaagttat ttaaatctct gtgtgttcct
301 tattttgtgc ttgaacttga tcaaacagag gacggtcggg ccctggaagg aacgctctcg
361 gaattggccg cggaaaccga tctgcccgtt gtgtttgtga aacagagaaa gataggcggc
421 catggtccaa ccttgaaggc ttatcaggag ggcagacttc aaaagctact aaaaatgaac
481 ggccctgaag atcttcccaa gtcctatgac tatgacctta tcatcattgg aggtggctca
541 ggaggtctgg cagctgctaa ggaggcagcc caatatggca agaaggtgat ggtcctggac
601 tttgtcactc ccacccctct tggaactaga tggggtctcg gaggaacatg tgtgaatgtg
661 ggttgcatac ctaaaaaact gatgcatcaa gcagctttgt taggacaagc cctgcaagac
721 tctcgaaatt atggatggaa agtcgaggag acagttaagc atgattggga cagaatgata
781 gaagctgtac agaatcacat tggctctttg aattggggct accgagtagc tctgcgggag
841 aaaaaagtcg tctatgagaa tgcttatggg caatttattg gtcctcacag gattaaggca
901 acaaataata aaggcaaaga aaaaatttat tcagcagaga gatttctcat tgccactggt
961 gaaagaccac gttacttggg catccctggt gacaaagaat actgcatcag cagtgatgat
1021 cttttctcct tgccttactg cccgggtaag accctggttg ttggagcatc ctatgtcgct
1081 ttggagtgcg ctggatttct tgctggtatt ggtttagacg tcactgttat ggttaggtcc
1141 attcttctta gaggatttga ccaggacatg gccaacaaaa ttggtgaaca catggaagaa
1201 catggcatca agtttataag acagttcgta ccaattaaag ttgaacaaat tgaagcaggg
1261 acaccaggcc gactcagagt agtagctcag tccaccaata gtgaggaaat cattgaagga
1321 gaatataata cggtgatgct ggcaatagga agagatgctt gcacaagaaa aattggctta
1381 gaaaccgtag gggtgaagat aaatgaaaag actggaaaaa tacctgtcac agatgaagaa
1441 cagaccaatg tgccttacat ctatgccatt ggcgatatat tggaggataa ggtggagctc
1501 accccagttg caatccaggc aggaagattg ctggctcaga ggctctatgc aggttccact
1561 gtcaagtgtg actatgaaaa tgttccaacc actgtattta ctcctttgga atatggtgct
1621 tgtggccttt ctgaggagaa agctgtggag aagtttgggg aagaaaatat tgaggtttac
1681 catagttact tttggccatt ggaatggacg attccgtcaa gagataacaa caaatgttat
1741 gcaaaaataa tctgtaatac taaagacaat gaacgtgttg tgggctttca cgtactgggt
1801 ccaaatgctg gagaagttac acaaggcttt gcagctgcgc tcaaatgtgg actgaccaaa
1861 aagcagctgg acagcacaat tggaatccac cctgtctgtg cagaggtatt cacaacattg
1921 tctgtgacca agcgctctgg ggcaagcatc ctccaggctg gctgctgagg ttaagcccca
1981 gtgtggatgc tgttgccaag actgcaaacc actggctcgt ttccgtgccc aaatccaagg
2041 cgaagttttc tagagggttc ttgggctctt ggcacctgcg tgtcctgtgc ttaccaccgc
2101 ccaaggcccc cttggatctc ttggatagga gttggtgaat agaaggcagg cagcatcaca
2161 ctggggtcac tgacagactt gaagctgaca tttggcaggg catcgaaggg atgcatccat
2221 gaagtcacca gtctcaagcc catgtggtag gcggtgatgg aacaactgtc aaatcagttt
2281 tagcatgacc tttccttgtg gattttctta ttctcgttgt caagttttct agggttgaat
2341 ttttttcttt tttctccatg gtgttaatga tattagagat gaaaaacgtt agcagttgat
2401 ttttgtccaa aagcaagtca tggctagagt atccatgcaa ggtgtcttgt tgcatggaag
2461 ggatagtttg gctcccttgg aggctatgta ggcttgtccc gggaaagaga actgtcctgc
2521 agctgaaatg gactgttctt tactgacctg ctcagcagtt tcttctctca tatattccca
2581 aaacaagtac atctgcgatc aactctagcc aaatttgccc ctgtgtgcta catgatggat
2641 gattattatt ttaaggtctg tttaggaagg gaaatggcta cttggccagc cattgcctgg
2701 catttggtag tatagtatga ttctcaccat tatttgtcat ggaggcagac atacaccaga
2761 aatgggggag aaacagtaca tatctttctg tctttagttt attgtgtgct ggtctaagca
2821 agctgagatc atttgcaatg gaaaacacgt aacttgttta aaagtttttc tggtagcttt
2881 agctttatgc taaaaaaaat aatgacattg ggtatctatt tctttctaag actacattag
2941 taggaaaata agtcttttca tgcttatgat ttagctgttt tgtggtaatt gctttttaaa
3001 ggaagttatt aatatcataa gttattatta atattttgaa cacaggtgga tgtgaaggat
3061 tttcatttaa aaaccaagtg gttttgactt tttctgttga atgaacaact gtgccttgtg
3121 gaatttttgc agaagtgttt atgctttgtt agcatttcaa cttgcattat tataaagagg
3181 tattaatgcc tcagttatgt gtttgtcaat gtactggctg aggattctat ctcagctgtc
3241 ttttctaact gtgtaggttg agttttgaac acgtgcttgt ggacatcagg cctcctgcca
3301 gcagttcttg aagcttcttt ttcattcctg ctactctacc tgtatttctc agttgcagca
3361 ctgagtggtc aaaatacatt tctgggccac ctcagggaac ccatgcatct gcctggcatt
3421 taggcagcag agcccctgac cgtcccccac agggctctgc ctcacgtcct catctcattt
3481 ggctgtgtaa agaaatggga aaagggaaaa ggagagagca attgaggcag ttgaccatat
3541 tcagttttat ttatttattt ttaatttgtt tttttctcca agtccaccag tctctgaaat
3601 tagaacagta ggcggtatga gataatcagg cctaatcatg ttgtgattct cttttcttag
3661 tggagtggaa tgttctatcc ccacaagaag gattatatct tatagacttg tcttgttcag
3721 attctgtatt tacccatttt attgaaacat atactaagtt ccatgtattt ttgttacaaa
3781 tcttctgaaa aaaaacaaaa caatgtgaaa cattaaaatt aaaaggcatt aataatatcc
3841 acgtgtgcct tcttactgaa
【0050】
マウス(Mus musculus)チオレドキシンレダクターゼ1(Txnrd1)、転写産物変種1、mRNA
NCBI参照配列:NM_001042513.1(配列番号20)
1 agtttgcttc cgtcaggcct cgcgtccacg cgggaggtgc gggacgccga caccgcgggg
61 cgagaagagc tggtggtttc accttccttg ttcatagggc ggcggggcct tgcagcggcg
121 cgggcgagcg gaaaggccgc gggaggcggc gagccagcgg aaggtgcgac cggcggaggg
181 cggccatggt ccagccctga agccgaacaa aaaaggccaa cttcaaaagc tgccaacaat
241 gaatggctcc aaagatcccc ctgggtccta tgacttcgac ctgatcatca ttggaggagg
301 ctcaggagga ctggcagcag ctaaggaggc agccaaattt gacaagaaag tgctggtctt
361 ggattttgtc acaccgactc ctcttgggac cagatggggt ctcggaggaa cgtgtgtgaa
421 tgtgggttgc atacctaaga agctgatgca ccaggcagct ttgctcggac aagctctgaa
481 agactcgcgc aactatggct ggaaagtcga agacacagtg aagcatgact gggagaaaat
541 gacggaatct gtgcagagtc acatcggctc gctgaactgg ggctaccgcg tagctctccg
601 ggagaaaaag gtcgtctatg agaatgctta cgggaggttc attggtcctc acaggattgt
661 ggcgacaaat aacaaaggta aagaaaaaat ctattcagca gagcggttcc tcatcgccac
721 aggtgagagg ccccgctacc tgggcatccc tggagacaaa gagtactgca tcagcagtga
781 tgatcttttc tccttgcctt actgcccggg gaagacccta gtagttggtg catcctatgt
841 cgccttggaa tgtgcaggat ttctggctgg tatcggctta gacgtcactg taatggtgcg
901 gtccattctc cttagaggat ttgaccaaga catggccaac aaaatcggtg aacacatgga
961 agaacatggt atcaagttta taaggcagtt cgtcccaacg aaaattgaac agatcgaagc
1021 aggaacacca ggccgactca gggtgactgc tcaatccaca aacagcgagg agaccataga
1081 gggcgaattt aacacagtgt tgctggcggt aggaagagat tcttgtacga gaactattgg
1141 cttagagacc gtgggcgtga agataaacga aaaaaccgga aagatacccg tcacggatga
1201 agagcagacc aatgtgcctt acatctacgc catcggtgac atcctggagg ggaagctaga
1261 gctgactccc gtagccatcc aggcggggag attgctggct cagaggctgt atggaggctc
1321 caatgtcaaa tgtgactatg acaatgtccc aacgactgta tttactcctt tggaatatgg
1381 ctgttgtggc ctctctgaag aaaaagccgt agagaaattt ggggaagaaa atattgaagt
1441 ttaccatagt ttcttttggc cattggaatg gacagtccca tcccgggata acaacaaatg
1501 ttatgcaaaa ataatctgca accttaaaga cgatgaacgt gtcgtgggct tccacgtgct
1561 gggtccaaac gctggagagg tgacgcaggg ctttgcggct gcgctcaagt gtgggctgac
1621 taagcagcag ctggacagca ccatcggcat ccacccggtc tgtgcagaga tattcacaac
1681 gttgtcagtg acgaagcgct ctgggggaga catcctccag tctggctgct gaggttaagc
1741 cccagtgtgg atgctgttgc caagactaca gaccattgcc ttgcttcctt gcccacgccc
1801 aggtgaagtt caggaaggct cttgggtcct aggcgccaat tcaaggtgct gtcctaaggc
1861 caccgggtcc ctgggatctt gtgggtagga ggtggcaggt cgaaggaggc tgcagcatcg
1921 cactggggtc accatgacag actcagactg acatctggca gagcatcaca ggcatgcgtc
1981 catgaagtca ctggcctcaa gcccaagtgg tgggcagtga cagaagagct gccgggtctg
2041 ttgagctcaa ccttttcctg tagattgtct tagtctcact ttcaagctgt ctaatgtcaa
2101 ttctgttttt cttttttcct ccatggggtt aatgatacta gagataggga atattagcaa
2161 tcagtttttg tcatggctgg tccatctgca acagtcttta ctgtgtggaa gtgggtgaga
2221 tggcttatga gagccaaacc aatttatccc cagaaagacg aattaccctg tgactaaaat
2281 acactgtctg cttttactaa ctggtgtagc attgtctcct ttaataagtc ttgtgtccaa
2341 aacgagaaaa accattggcc acttttgcaa gtttcctgca gtgtgcttag caagggaggt
2401 ggcgacttgg ctaatctact tgaactgcat cgcatggctc ttgggtagct tagagcatcg
2461 cagggtagag gcagaccagc agtgagtgtc tctcctggta caattattgt ctggttctca
2521 gtggaaaacg cttaatttgc tttaaacttg gtgtttttgt gaggtggatt tagtcttaag
2581 ctgtgtccca taagaactac attcacaggc aagtggctct tcctccacac agcctataca
2641 tcttctgagg taattacttt cataaggaag ctgttcataa cgtaagttat tattattatt
2701 gaacacaggt ggatgtgaag gatttttcat tgaaaaacca aatggttttt ctttttttct
2761 gttcagtgag cccacaggaa ctctgtcagg acagccagta ctctgccggc atggctgctg
2821 gggcgtttac ggtgtagttt agctcctagg ttacatgacc gtgaacatgc tggctgagga
2881 ctacacaaac caggtttccc accatacacg gcctggccct gcagcttctt ttcttgccct
2941 cccctttgcc tgtccccacc tgcagtactg agtggcgttt cacagtaccc ttctgggcca
3001 cctcagggaa gggatttgcc tggtgtccag ccagcagcac ccaccctgcc ccacgaggct
3061 ccctcacacc tgcccccccg tccttgtgtt gaagacagtg ggaagaggag aaaggaccag
3121 ggaaaccaag ggagttgact gttcagtttt atttatttat tttttaagtt tttttttcct
3181 ttcaagtctg ccagtctctg agatcagaac aacagacagt gtagggtaac taatcatgtg
3241 attctcttag tggaatgaaa tgttctaccc ccacaagaag gagtatacgt cattgttcat
3301 attctgtaat cgcacaatgt attgtaatgc aaattccaat tccatgtatt tttattacaa
3361 tttttctgga aaaaaatgtg aaccaataaa agatgttgat gcacacgcgt gccttct
【0051】
マウスチオレドキシンレダクターゼ1(Txnrd1)、転写産物変種3、mRNA
NCBI参照配列:NM_001042514.1(配列番号21)
1 gtggctacga ggctggtgtt tttagccgcc atgcagagct tttctgagtt ctgggggtcc
61 tggagtcttg ctggcccggc tgcttaaggg tcggagtcca ctggcgagag tgacccaggg
121 cgcgtggcgt cccggaagcc ccgcccggag gaaggctcac tgccgctctg ctttgtgcca
181 cagagggcgg cggggccttg cagcggcgcg ggcgagcgga aaggccgcgg gaggcggcga
241 gccagcggaa ggtgcgaccg gcggagggcg gccatggtcc agccctgaag ccgaacaaaa
301 aaggccaact tcaaaagctg ccaacaatga atggctccaa agatccccct gggtcctatg
361 acttcgacct gatcatcatt ggaggaggct caggaggact ggcagcagct aaggaggcag
421 ccaaatttga caagaaagtg ctggtcttgg attttgtcac accgactcct cttgggacca
481 gatggggtct cggaggaacg tgtgtgaatg tgggttgcat acctaagaag ctgatgcacc
541 aggcagcttt gctcggacaa gctctgaaag actcgcgcaa ctatggctgg aaagtcgaag
601 acacagtgaa gcatgactgg gagaaaatga cggaatctgt gcagagtcac atcggctcgc
661 tgaactgggg ctaccgcgta gctctccggg agaaaaaggt cgtctatgag aatgcttacg
721 ggaggttcat tggtcctcac aggattgtgg cgacaaataa caaaggtaaa gaaaaaatct
781 attcagcaga gcggttcctc atcgccacag gtgagaggcc ccgctacctg ggcatccctg
841 gagacaaaga gtactgcatc agcagtgatg atcttttctc cttgccttac tgcccgggga
901 agaccctagt agttggtgca tcctatgtcg ccttggaatg tgcaggattt ctggctggta
961 tcggcttaga cgtcactgta atggtgcggt ccattctcct tagaggattt gaccaagaca
1021 tggccaacaa aatcggtgaa cacatggaag aacatggtat caagtttata aggcagttcg
1081 tcccaacgaa aattgaacag atcgaagcag gaacaccagg ccgactcagg gtgactgctc
1141 aatccacaaa cagcgaggag accatagagg gcgaatttaa cacagtgttg ctggcggtag
1201 gaagagattc ttgtacgaga actattggct tagagaccgt gggcgtgaag ataaacgaaa
1261 aaaccggaaa gatacccgtc acggatgaag agcagaccaa tgtgccttac atctacgcca
1321 tcggtgacat cctggagggg aagctagagc tgactcccgt agccatccag gcggggagat
1381 tgctggctca gaggctgtat ggaggctcca atgtcaaatg tgactatgac aatgtcccaa
1441 cgactgtatt tactcctttg gaatatggct gttgtggcct ctctgaagaa aaagccgtag
1501 agaaatttgg ggaagaaaat attgaagttt accatagttt cttttggcca ttggaatgga
1561 cagtcccatc ccgggataac aacaaatgtt atgcaaaaat aatctgcaac cttaaagacg
1621 atgaacgtgt cgtgggcttc cacgtgctgg gtccaaacgc tggagaggtg acgcagggct
1681 ttgcggctgc gctcaagtgt gggctgacta agcagcagct ggacagcacc atcggcatcc
1741 acccggtctg tgcagagata ttcacaacgt tgtcagtgac gaagcgctct gggggagaca
1801 tcctccagtc tggctgctga ggttaagccc cagtgtggat gctgttgcca agactacaga
1861 ccattgcctt gcttccttgc ccacgcccag gtgaagttca ggaaggctct tgggtcctag
1921 gcgccaattc aaggtgctgt cctaaggcca ccgggtccct gggatcttgt gggtaggagg
1981 tggcaggtcg aaggaggctg cagcatcgca ctggggtcac catgacagac tcagactgac
2041 atctggcaga gcatcacagg catgcgtcca tgaagtcact ggcctcaagc ccaagtggtg
2101 ggcagtgaca gaagagctgc cgggtctgtt gagctcaacc ttttcctgta gattgtctta
2161 gtctcacttt caagctgtct aatgtcaatt ctgtttttct tttttcctcc atggggttaa
2221 tgatactaga gatagggaat attagcaatc agtttttgtc atggctggtc catctgcaac
2281 agtctttact gtgtggaagt gggtgagatg gcttatgaga gccaaaccaa tttatcccca
2341 gaaagacgaa ttaccctgtg actaaaatac actgtctgct tttactaact ggtgtagcat
2401 tgtctccttt aataagtctt gtgtccaaaa cgagaaaaac cattggccac ttttgcaagt
2461 ttcctgcagt gtgcttagca agggaggtgg cgacttggct aatctacttg aactgcatcg
2521 catggctctt gggtagctta gagcatcgca gggtagaggc agaccagcag tgagtgtctc
2581 tcctggtaca attattgtct ggttctcagt ggaaaacgct taatttgctt taaacttggt
2641 gtttttgtga ggtggattta gtcttaagct gtgtcccata agaactacat tcacaggcaa
2701 gtggctcttc ctccacacag cctatacatc ttctgaggta attactttca taaggaagct
2761 gttcataacg taagttatta ttattattga acacaggtgg atgtgaagga tttttcattg
2821 aaaaaccaaa tggtttttct ttttttctgt tcagtgagcc cacaggaact ctgtcaggac
2881 agccagtact ctgccggcat ggctgctggg gcgtttacgg tgtagtttag ctcctaggtt
2941 acatgaccgt gaacatgctg gctgaggact acacaaacca ggtttcccac catacacggc
3001 ctggccctgc agcttctttt cttgccctcc cctttgcctg tccccacctg cagtactgag
3061 tggcgtttca cagtaccctt ctgggccacc tcagggaagg gatttgcctg gtgtccagcc
3121 agcagcaccc accctgcccc acgaggctcc ctcacacctg cccccccgtc cttgtgttga
3181 agacagtggg aagaggagaa aggaccaggg aaaccaaggg agttgactgt tcagttttat
3241 ttatttattt tttaagtttt tttttccttt caagtctgcc agtctctgag atcagaacaa
3301 cagacagtgt agggtaacta atcatgtgat tctcttagtg gaatgaaatg ttctaccccc
3361 acaagaagga gtatacgtca ttgttcatat tctgtaatcg cacaatgtat tgtaatgcaa
3421 attccaattc catgtatttt tattacaatt tttctggaaa aaaatgtgaa ccaataaaag
3481 atgttgatgc acacgcgtgc cttct
【0052】
マウスチオレドキシンレダクターゼ1(Txnrd1)、転写産物変種2、mRNA
NCBI参照配列:NM_015762.2(配列番号22)
1 agtttgcttc cgtcaggcct cgcgtccacg cgggaggtgc gggacgccga caccgcgggg
61 cgagaagagc tggtggtttc accttccttg ttcatccgaa caaaaaaggc caacttcaaa
121 agctgccaac aatgaatggc tccaaagatc cccctgggtc ctatgacttc gacctgatca
181 tcattggagg aggctcagga ggactggcag cagctaagga ggcagccaaa tttgacaaga
241 aagtgctggt cttggatttt gtcacaccga ctcctcttgg gaccagatgg ggtctcggag
301 gaacgtgtgt gaatgtgggt tgcataccta agaagctgat gcaccaggca gctttgctcg
361 gacaagctct gaaagactcg cgcaactatg gctggaaagt cgaagacaca gtgaagcatg
421 actgggagaa aatgacggaa tctgtgcaga gtcacatcgg ctcgctgaac tggggctacc
481 gcgtagctct ccgggagaaa aaggtcgtct atgagaatgc ttacgggagg ttcattggtc
541 ctcacaggat tgtggcgaca aataacaaag gtaaagaaaa aatctattca gcagagcggt
601 tcctcatcgc cacaggtgag aggccccgct acctgggcat ccctggagac aaagagtact
661 gcatcagcag tgatgatctt ttctccttgc cttactgccc ggggaagacc ctagtagttg
721 gtgcatccta tgtcgccttg gaatgtgcag gatttctggc tggtatcggc ttagacgtca
781 ctgtaatggt gcggtccatt ctccttagag gatttgacca agacatggcc aacaaaatcg
841 gtgaacacat ggaagaacat ggtatcaagt ttataaggca gttcgtccca acgaaaattg
901 aacagatcga agcaggaaca ccaggccgac tcagggtgac tgctcaatcc acaaacagcg
961 aggagaccat agagggcgaa tttaacacag tgttgctggc ggtaggaaga gattcttgta
1021 cgagaactat tggcttagag accgtgggcg tgaagataaa cgaaaaaacc ggaaagatac
1081 ccgtcacgga tgaagagcag accaatgtgc cttacatcta cgccatcggt gacatcctgg
1141 aggggaagct agagctgact cccgtagcca tccaggcggg gagattgctg gctcagaggc
1201 tgtatggagg ctccaatgtc aaatgtgact atgacaatgt cccaacgact gtatttactc
1261 ctttggaata tggctgttgt ggcctctctg aagaaaaagc cgtagagaaa tttggggaag
1321 aaaatattga agtttaccat agtttctttt ggccattgga atggacagtc ccatcccggg
1381 ataacaacaa atgttatgca aaaataatct gcaaccttaa agacgatgaa cgtgtcgtgg
1441 gcttccacgt gctgggtcca aacgctggag aggtgacgca gggctttgcg gctgcgctca
1501 agtgtgggct gactaagcag cagctggaca gcaccatcgg catccacccg gtctgtgcag
1561 agatattcac aacgttgtca gtgacgaagc gctctggggg agacatcctc cagtctggct
1621 gctgaggtta agccccagtg tggatgctgt tgccaagact acagaccatt gccttgcttc
1681 cttgcccacg cccaggtgaa gttcaggaag gctcttgggt cctaggcgcc aattcaaggt
1741 gctgtcctaa ggccaccggg tccctgggat cttgtgggta ggaggtggca ggtcgaagga
1801 ggctgcagca tcgcactggg gtcaccatga cagactcaga ctgacatctg gcagagcatc
1861 acaggcatgc gtccatgaag tcactggcct caagcccaag tggtgggcag tgacagaaga
1921 gctgccgggt ctgttgagct caaccttttc ctgtagattg tcttagtctc actttcaagc
1981 tgtctaatgt caattctgtt tttctttttt cctccatggg gttaatgata ctagagatag
2041 ggaatattag caatcagttt ttgtcatggc tggtccatct gcaacagtct ttactgtgtg
2101 gaagtgggtg agatggctta tgagagccaa accaatttat ccccagaaag acgaattacc
2161 ctgtgactaa aatacactgt ctgcttttac taactggtgt agcattgtct cctttaataa
2221 gtcttgtgtc caaaacgaga aaaaccattg gccacttttg caagtttcct gcagtgtgct
2281 tagcaaggga ggtggcgact tggctaatct acttgaactg catcgcatgg ctcttgggta
2341 gcttagagca tcgcagggta gaggcagacc agcagtgagt gtctctcctg gtacaattat
2401 tgtctggttc tcagtggaaa acgcttaatt tgctttaaac ttggtgtttt tgtgaggtgg
2461 atttagtctt aagctgtgtc ccataagaac tacattcaca ggcaagtggc tcttcctcca
2521 cacagcctat acatcttctg aggtaattac tttcataagg aagctgttca taacgtaagt
2581 tattattatt attgaacaca ggtggatgtg aaggattttt cattgaaaaa ccaaatggtt
2641 tttctttttt tctgttcagt gagcccacag gaactctgtc aggacagcca gtactctgcc
2701 ggcatggctg ctggggcgtt tacggtgtag tttagctcct aggttacatg accgtgaaca
2761 tgctggctga ggactacaca aaccaggttt cccaccatac acggcctggc cctgcagctt
2821 cttttcttgc cctccccttt gcctgtcccc acctgcagta ctgagtggcg tttcacagta
2881 cccttctggg ccacctcagg gaagggattt gcctggtgtc cagccagcag cacccaccct
2941 gccccacgag gctccctcac acctgccccc ccgtccttgt gttgaagaca gtgggaagag
3001 gagaaaggac cagggaaacc aagggagttg actgttcagt tttatttatt tattttttaa
3061 gttttttttt cctttcaagt ctgccagtct ctgagatcag aacaacagac agtgtagggt
3121 aactaatcat gtgattctct tagtggaatg aaatgttcta cccccacaag aaggagtata
3181 cgtcattgtt catattctgt aatcgcacaa tgtattgtaa tgcaaattcc aattccatgt
3241 atttttatta caatttttct ggaaaaaaat gtgaaccaat aaaagatgtt gatgcacacg
3301 cgtgccttct
【0053】
マウスチオレドキシンレダクターゼ1(Txnrd1)、転写産物変種4、mRNA
NCBI参照配列:NM_001042523.1(配列番号23)
1 caggctccac cagtgcttct gcagacctca gagcctggcg gctggcctca taaacagccg
61 tgcggtggac actctactaa gtgccctgca ttgaaggaga agccctggtc accatgccag
121 ttgatgactg ctggctgtac ttcccagctt ctcgaggtag aacctttgtg cagactgtct
181 gggtggcacc cacttgcccc aactgttgct ggtttccagg ttttctccct ccagtccccc
241 ggccaccaca tgtgccccgt gtgctgctga ggggccctcg tggggctgtg cttcctgctt
301 cacgtccctc caagacactc ccctcctcat cccagacgcc ctgtcctact gacccctgta
361 tctgccctcc accctccaca cctgatagta ggcaggaaaa aaatacgcaa tctgagctgc
421 cgaacaaaaa aggccaactt caaaagctgc caacaatgaa tggctccaaa gatccccctg
481 ggtcctatga cttcgacctg atcatcattg gaggaggctc aggaggactg gcagcagcta
541 aggaggcagc caaatttgac aagaaagtgc tggtcttgga ttttgtcaca ccgactcctc
601 ttgggaccag atggggtctc ggaggaacgt gtgtgaatgt gggttgcata cctaagaagc
661 tgatgcacca ggcagctttg ctcggacaag ctctgaaaga ctcgcgcaac tatggctgga
721 aagtcgaaga cacagtgaag catgactggg agaaaatgac ggaatctgtg cagagtcaca
781 tcggctcgct gaactggggc taccgcgtag ctctccggga gaaaaaggtc gtctatgaga
841 atgcttacgg gaggttcatt ggtcctcaca ggattgtggc gacaaataac aaaggtaaag
901 aaaaaatcta ttcagcagag cggttcctca tcgccacagg tgagaggccc cgctacctgg
961 gcatccctgg agacaaagag tactgcatca gcagtgatga tcttttctcc ttgccttact
1021 gcccggggaa gaccctagta gttggtgcat cctatgtcgc cttggaatgt gcaggatttc
1081 tggctggtat cggcttagac gtcactgtaa tggtgcggtc cattctcctt agaggatttg
1141 accaagacat ggccaacaaa atcggtgaac acatggaaga acatggtatc aagtttataa
1201 ggcagttcgt cccaacgaaa attgaacaga tcgaagcagg aacaccaggc cgactcaggg
1261 tgactgctca atccacaaac agcgaggaga ccatagaggg cgaatttaac acagtgttgc
1321 tggcggtagg aagagattct tgtacgagaa ctattggctt agagaccgtg ggcgtgaaga
1381 taaacgaaaa aaccggaaag atacccgtca cggatgaaga gcagaccaat gtgccttaca
1441 tctacgccat cggtgacatc ctggagggga agctagagct gactcccgta gccatccagg
1501 cggggagatt gctggctcag aggctgtatg gaggctccaa tgtcaaatgt gactatgaca
1561 atgtcccaac gactgtattt actcctttgg aatatggctg ttgtggcctc tctgaagaaa
1621 aagccgtaga gaaatttggg gaagaaaata ttgaagttta ccatagtttc ttttggccat
1681 tggaatggac agtcccatcc cgggataaca acaaatgtta tgcaaaaata atctgcaacc
1741 ttaaagacga tgaacgtgtc gtgggcttcc acgtgctggg tccaaacgct ggagaggtga
1801 cgcagggctt tgcggctgcg ctcaagtgtg ggctgactaa gcagcagctg gacagcacca
1861 tcggcatcca cccggtctgt gcagagatat tcacaacgtt gtcagtgacg aagcgctctg
1921 ggggagacat cctccagtct ggctgctgag gttaagcccc agtgtggatg ctgttgccaa
1981 gactacagac cattgccttg cttccttgcc cacgcccagg tgaagttcag gaaggctctt
2041 gggtcctagg cgccaattca aggtgctgtc ctaaggccac cgggtccctg ggatcttgtg
2101 ggtaggaggt ggcaggtcga aggaggctgc agcatcgcac tggggtcacc atgacagact
2161 cagactgaca tctggcagag catcacaggc atgcgtccat gaagtcactg gcctcaagcc
2221 caagtggtgg gcagtgacag aagagctgcc gggtctgttg agctcaacct tttcctgtag
2281 attgtcttag tctcactttc aagctgtcta atgtcaattc tgtttttctt ttttcctcca
2341 tggggttaat gatactagag atagggaata ttagcaatca gtttttgtca tggctggtcc
2401 atctgcaaca gtctttactg tgtggaagtg ggtgagatgg cttatgagag ccaaaccaat
2461 ttatccccag aaagacgaat taccctgtga ctaaaataca ctgtctgctt ttactaactg
2521 gtgtagcatt gtctccttta ataagtcttg tgtccaaaac gagaaaaacc attggccact
2581 tttgcaagtt tcctgcagtg tgcttagcaa gggaggtggc gacttggcta atctacttga
2641 actgcatcgc atggctcttg ggtagcttag agcatcgcag ggtagaggca gaccagcagt
2701 gagtgtctct cctggtacaa ttattgtctg gttctcagtg gaaaacgctt aatttgcttt
2761 aaacttggtg tttttgtgag gtggatttag tcttaagctg tgtcccataa gaactacatt
2821 cacaggcaag tggctcttcc tccacacagc ctatacatct tctgaggtaa ttactttcat
2881 aaggaagctg ttcataacgt aagttattat tattattgaa cacaggtgga tgtgaaggat
2941 ttttcattga aaaaccaaat ggtttttctt tttttctgtt cagtgagccc acaggaactc
3001 tgtcaggaca gccagtactc tgccggcatg gctgctgggg cgtttacggt gtagtttagc
3061 tcctaggtta catgaccgtg aacatgctgg ctgaggacta cacaaaccag gtttcccacc
3121 atacacggcc tggccctgca gcttcttttc ttgccctccc ctttgcctgt ccccacctgc
3181 agtactgagt ggcgtttcac agtacccttc tgggccacct cagggaaggg atttgcctgg
3241 tgtccagcca gcagcaccca ccctgcccca cgaggctccc tcacacctgc ccccccgtcc
3301 ttgtgttgaa gacagtggga agaggagaaa ggaccaggga aaccaaggga gttgactgtt
3361 cagttttatt tatttatttt ttaagttttt ttttcctttc aagtctgcca gtctctgaga
3421 tcagaacaac agacagtgta gggtaactaa tcatgtgatt ctcttagtgg aatgaaatgt
3481 tctaccccca caagaaggag tatacgtcat tgttcatatt ctgtaatcgc acaatgtatt
3541 gtaatgcaaa ttccaattcc atgtattttt attacaattt ttctggaaaa aaatgtgaac
3601 caataaaaga tgttgatgca cacgcgtgcc ttct
【0054】
アンチセンス核酸は、アンチセンスRNAまたはアンチセンスDNAであり得る。既知のTXNRD1遺伝子配列に基づいたアンチセンス核酸は、当技術分野において知られた方法を用いて容に設計および操作することができる。いくつかの実施形態において、アンチセンス核酸は、配列番号1~12のいずれか1つまたはその相補物の核酸配列を含む。
【0055】
アンチセンス核酸は、センス核酸鎖と相補的な分子、例えば、二本鎖DNA(またはcDNA)分子のコード鎖と相補的またはmRNA配列と相補的である分子である。したがって、アンチセンス核酸はセンス核酸と水素結合を形成することができる。アンチセンス核酸は、TXNRD1コード鎖全体またはその一部分、例えば、タンパク質コード領域(またはオープンリーディングフレーム)の全部または部分と相補的であり得る。いくつかの実施形態において、アンチセンス核酸は、TXNRD1 mRNAのコード領域の一部分のみと相補的であるオリゴヌクレオチドである。ある特定の実施形態において、アンチセンス核酸分子は、TXNRD1コード鎖の非コード領域と相補的であり得る。いくつかの実施形態において、非コード領域は、コード領域に隣接し、かつアミノ酸へ翻訳されない5’および3’非翻訳領域を指す。例えば、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、TXNRD1の翻訳開始部位を囲む領域と相補的であり得る。アンチセンスオリゴヌクレオチドは、例えば、約5、10、15、20、25、30、35、40、45、または50ヌクレオチド長であり得る。
【0056】
アンチセンス核酸は、当技術分野において知られた手順を用いる化学合成および酵素ライゲーション反応を用いて構築することができる。例えば、アンチセンス核酸(例えば、アンチセンスオリゴヌクレオチド)は、天然に存在するヌクレオチド、またはその分子の生物学的安定性を増加させるために、もしくはアンチセンス核酸とセンス核酸との間に形成される二重鎖の物理的安定性を増加させるために設計された修飾ヌクレオチド、例えば、ホスホロチオエート誘導体およびアクリジン置換ヌクレオチドを用いて化学合成することができる。アンチセンス核酸を作製するために用いることができる修飾ヌクレオチドの例には、5-フルオロウラシル、5-ブロモウラシル、5-クロロウラシル、5-ホドウラシル(hodouracil)、ヒポキサンチン、キサンチン、4-アセチルシトシン、5-(カルボキシヒドロキシルメチル)ウラシル、5-カルボキシメチルアミノメチル-2-チオウリジン(5-carboxymethylaminomethyl-2-thouridine)、5-カルボキシメチルアミノメチル-ウラシル、ジヒドロウラシル、β-D-ガラクトシルキューオシン(galactosylqueosine)、イノシン、N6-イソペンテニルアデノシン、1-メチルグアニン、1-メチルイノシン、2,2-ジメチルグアニン、2-メチルアデニン、2-メチルグアニン、3-メチルシトシン、5-メチルシトシン(metnylcytosine)、N6-アデニン、7-メチルグアニン、5-メチルアミノメチルウラシル、5-メトキシアミノメチル-2-チオウラシル、β-D-マンノシルキューオシン(mannosylqueosine)、5’-メトキシカルボキシメチルウラシル、5-メトキシウラシル、2-メチルチオ-N6-イソペンテニル-アデニン、ウラシル-5-オキシ酢酸(v)、ワイブトシン、プソイドウラシル、キューオシン(queosine)、2-チオシトシン、5-メチル-2-チオウラシル、2-チオウラシル(thlouracil)、4-チオウラシル(thiouracil)、5-メチルウラシル、ウラシル-5-オキシ酢酸メチルエステル、ウラシル-5-オキシ酢酸(v)、5-メチル-2-チオウラシル、3-(3-アミノ-3-N-2-カルボキシプロピル)ウラシル、(acp3)w、および2,6-ジアミノプリンが挙げられる。あるいは、アンチセンス核酸は、核酸がアンチセンス配向で(すなわち、挿入された核酸から転写されるRNAが関心対象となる標的核酸に対してアンチセンス配向である)サブクローニングされている発現ベクターを用いて生物学的に産生することができる。
【0057】
アンチセンス核酸分子は、対象に投与され、またはインサイチューで生成され、対象となるタンパク質をコードする細胞mRNAおよび/もしくはゲノムDNAとハイブリダイズもしくは結合し、それにより、例えば転写および/もしくは翻訳を阻害することにより、そのタンパク質の発現を阻害し得る。ハイブリダイゼーションは、安定な二重鎖を形成し得るワトソン・クリック塩基対形成を介して、またはDNA二重鎖と結合するアンチセンス核酸分子の場合、その二重ヘリックスの主溝における特異的な相互作用を通して起こり得る。
【0058】
いくつかの実施形態において、アンチセンス核酸分子は、例えば、アンチセンス核酸分子を細胞表面受容体または抗原と結合するペプチドまたは抗体に連結することにより、選択された細胞表面に発現した受容体または抗原と特異的に結合するように改変される。いくつかの実施形態において、アンチセンス核酸分子はα-アノマー核酸分子である。α-アノマー核酸分子は通常のβ-ユニットとは違って、ストランドがお互いに平行している相補性RNAとの特異的な二本鎖ハイブリッドを形成する(Gaultier et al., Nucleic Acids. Res. 15:6625-6641(1987))。アンチセンス核酸分子はまた、2’-O-メチルリボヌクレオチド(Inoue et al., Nucleic Acids Res. 15:6131-6148 (1987))またはキメラRNA-DNAアナログ(Inoue et al., FEBS Lett. 215:327-330 (1987))を含むことができる。
【0059】
本開示はまた、配列番号13~23(TXNRD1 mRNAアイソフォーム)のいずれか1つの一部分と相補的でありかつ特異的にハイブリダイズし、それによりTXNRD1発現を低下させまたは阻害する核酸配列を含む、低分子ヘアピン型RNA(shRNA)または低分子干渉RNA(siRNA)も提供する。いくつかの実施形態において、shRNAまたはsiRNAは、長さが約18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、または29塩基対である。二本鎖RNA(dsRNA)は、線虫(C.elegans)、ショウジョウバエ(Drosophila)、植物、哺乳動物、卵母細胞、および初期胚などの多くの生物体において配列特異的転写後遺伝子サイレンシング(例えば、RNA干渉(RNAi))を誘導することができる。RNAiはmRNAに干渉し、またはmRNAにより生成されたタンパク質コピーの数を有意に低下させる過程である。例えば、二本鎖siRNAまたはshRNA分子は標的遺伝子のmRNAと相補し、かつハイブリダイズするように操作される。細胞内送達後、siRNAまたはshRNA分子は、RNA誘導サイレンシング複合体(RISC)に会合し、それは、その後、相補性標的mRNA(例えば、TXNRD1 mRNA)を結合および分解する。いくつかの実施形態において、shRNAまたはsiRNAは、配列番号1~12のいずれか1つの核酸配列を含む。
【0060】
本開示はまた、配列番号13~23(TXNRD1 mRNAアイソフォーム)のいずれか1つの一部分と相補的でありかつ特異的にハイブリダイズし、それによりTXNRD1発現を低下させまたは阻害する核酸配列を含むリボザイム、も提供する。リボザイムは、mRNAなどの相補性一本鎖核酸を切断する能力があるリボヌクレアーゼ活性を有する触媒性RNA分子である。したがって、リボザイム(ハンマーヘッド型リボザイム(Haselhoff and Gerlach, Nature 334:585-591 (1988)に記載されている))は、TXNRD1転写産物を触媒的に切断し、それによりTXNRD1の翻訳を阻害するために用いることができる。
【0061】
TXNRD1コード核酸に対する特異性を有するリボザイムは、本明細書に開示されたTXNRD1核酸配列に基づいて設計することができる。例えば、活性部位のヌクレオチド配列がTXNRD1コードmRNAにおいて切断されるべきヌクレオチド配列と相補的である、テトラヒメナ(Tetrahymena)L-19 IVS RNAの誘導体を構築することができる。例えば、米国特許第4,987,071号および米国特許第5,116,742号参照。あるいは、TXNRD1 mRNAを用いて、RNA分子のプールから特異的なリボヌクレアーゼ活性を有する触媒性RNAを選択することができる。例えば、参照により本明細書に組み入れられた、Bartel and Szostak (1993) Science 261:1411-1418参照。
【0062】
本開示はまた、配列番号13~23(TXNRD1 mRNAアイソフォーム)のいずれか1つの一部分と相補的でありかつ特異的にハイブリダイズする核酸配列を含む合成ガイドRNA(sgRNA)を提供する。CRISPR-Casシステムに用いられるガイドRNAは、典型的には、crRNAセグメントおよびtracrRNAセグメントを含む単一のガイドRNAとして作製される。crRNAセグメントおよびtracrRNAセグメントはまた、別々のRNA分子として作製することもできる。crRNAセグメントは、配列番号13~23(TXNRD1 mRNAアイソフォーム)のいずれか1つの一部分と結合するターゲティング配列、およびtracrRNAとハイブリダイズするステム部分を含む。tracrRNAセグメントは、crRNAのステム配列と部分的または完全に相補的であるヌクレオチド配列、およびCRISPR酵素と結合するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態において、crRNAセグメントおよびtracrRNAセグメントは、単一のガイドRNAとして提供される。いくつかの実施形態において、crRNAセグメントおよびtracrRNAセグメントは、別々のRNAとして提供される。CRISPR酵素のcrRNAおよびtracrRNAとの組合せは、機能性CRISPR-Casシステムを作り上げる。核酸をターゲットするための例示的なCRISPR-Casシステムは、例えば、WO2015/089465に記載されている。
【0063】
いくつかの実施形態において、合成ガイドRNAは、以下の要素を含むとして表される単一RNAである:
5’-X1-X2-Y-Z-3’
式中、X1およびX2は、crRNAセグメントを表し、式中、X1は配列番号13~23のいずれか1つの一部分と結合するターゲティング配列であり、X2はtracrRNAとハイブリダイズするステム配列であり、Zは、X2と部分的または完全に相補的であるヌクレオチド配列を含むtracrRNAセグメントを表し、Yはリンカー配列を表す。いくつかの実施形態において、リンカー配列は2個以上のヌクレオチドを含み、crRNAセグメントとtracrRNAセグメントを連結する。いくつかの実施形態において、リンカー配列は、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、またはそれ以上のヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、リンカーは、ステム配列がtracrRNAとハイブリダイズした時に形成されるヘアピン構造のループである。
【0064】
いくつかの実施形態において、合成ガイドRNAは2つの別々のRNAとして提供され、その場合、1つのRNAがcrRNAセグメント:5’-X1-X2-3’(式中、X1が配列番号13~23のいずれか1つの一部分と結合するターゲティング配列であり、X2がtracrRNAとハイブリダイズするステム配列である)を表し、1つのRNAは、crRNAセグメントとは別個のRNAでありかつcrRNAのX2と部分的または完全に相補的であるヌクレオチド配列を含むtracrRNAセグメント、Zを表す。
【0065】
例示的なcrRNAステム配列およびtracrRNA配列は、例えば、参照により本明細書に組み入れられている、WO/2015/089465に提供されている。一般的に、ステム配列は、標的配列においてCRISPR複合体の形成を促進するためにtracrRNAにおける相補性配列と十分な相補性を有する任意の配列を含み、前記CRISPR複合体がtracrRNAとハイブリダイズしたステム配列を含む。一般的に、相補性の度合は、ステム配列とtracrRNAにおける相補性配列の、その2つの配列の短い方の長さに沿っての最適なアラインメントに関するものである。最適なアラインメントは、任意の適切なアラインメントアルゴリズムによって決定することができ、さらに、ステム配列かまたはtracrRNAにおける相補性配列かのいずれかの内における自己相補性などの二次構造を説明し得る。いくつかの実施形態において、ステム配列とtracrRNAにおける相補性配列の間の、2つの配列の短い方の長さに沿っての最適にアライメントされた時の相補性の度合は、約25%超、30%超、40%超、50%超、60%超、70%超、80%超、90%超、95%超、97.5%超、99%超、またはそれを超える。いくつかの実施形態において、ステム配列は、長さが約5個超、6個超、7個超、8個超、9個超、10個超、11個超、12個超、13個超、14個超、15個超、16個超、17個超、18個超、19個超、20個超、25個超、30個超、40個超、50個超のヌクレオチド、またはそれを超える。いくつかの実施形態において、ステム配列およびtracrRNAにおける相補性配列は、単一のRNA内に含有され、その結果、その2つの配列間でのハイブリダイゼーションがヘアピンなどの二次構造を有する転写産物を産生する。いくつかの実施形態において、tracrRNAはヘアピンを形成する追加の相補性配列を有する。いくつかの実施形態において、tracrRNAは少なくとも2つ以上のヘアピンを有する。いくつかの実施形態において、tracrRNAは、2つ、3つ、4つ、または5つのヘアピンを有する。いくつかの実施形態において、tracrRNAは最大で5つのヘアピンを有する。
【0066】
ヘアピン構造において、最後の「N」の5’側でかつループの上流の配列の部分はcrRNAステム配列に対応し、ループの3’側の配列の部分はtracrRNA配列に対応する。ガイド配列、ステム配列、およびtracr配列を含む単一ポリヌクレオチドのさらなる非限定的例は、以下の通りであり(5’から3’へ列挙されている)、「N」はガイド配列の塩基(例えば、本明細書に提供された修飾オリゴヌクレオチド)を表し、小文字の1番目のブロックはステム配列を表し、小文字の2番目のブロックはtracrRNA配列を表し、最後のポリT配列は転写終結配列を表す:
(a)NNNNNNNNNNNNNNNNNNNNgtttttgtactctcaagatttaGAAAtaaatcttgcagaagctacaaagataa ggcttcatgccgaaatcaacaccctgtcattttatggcagggtgttttcgttatttaaTTTTTT(配列番号24);(b)NNNNNNNNNNNNNNNNNNNNgtttttgtactctcaGAAAtgcagaagctacaaagataaggcttcatgccg aaatcaacaccctgtcattttatggcagggtgttttcgttatttaaTTTTTT(配列番号25);(c)NNNNNNNNNNNNNNNNNNNNgtttttgtactctcaGAAAtgcagaagctacaaagataaggcttcatgccg aaatcaacaccctgtcattttatggcagggtgtTTTTTT(配列番号26);(d)NNNNNNNNNNNNNNNNNNNNgttttagagctaGAAAtagcaagttaaaataaggctagtccgttatcaactt gaaaaagtggcaccgagtcggtgcTTTTTT(配列番号27);(e)NNNNNNNNNNNNNNNNNNNNgttttagagctaGAAATAGcaagttaaaataaggctagtccgttatcaac ttgaaaaagtgTTTTTTT(配列番号28);および(f)NNNNNNNNNNNNNNNNNNNNgttttagagctagAAATAGcaagttaaaataaggctagtccgttatcaTT TTTTTT(配列番号29)
【0067】
CRISPR-Casシステムにおけるターゲティング配列として用いられる適切なオリゴヌクレオチドの選択は、用いられる特定のCRISPR酵素、および標的核酸における標的配列の下流の対応するプロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)の存在を含むいくつかの因子に依存する。PAM配列は、標的核酸のCRISPR酵素による切断を方向づける。いくつかの実施形態において、適切なPAMは、SpCas9またはSaCas9酵素(または派生酵素)それぞれについて5’-NRGまたは5’-NNGRRである(ただし、Nは任意のヌクレオチドである)。一般的に、PAM配列は標的核酸の効率的な切断を生じるために標的配列から約1ヌクレオチド~約10ヌクレオチドの間に存在するべきである。したがって、ガイドRNAがCRISPR酵素と複合体を形成する時、その複合体は、標的およびPAM配列の場所を見つけ、DNA二重鎖を巻き戻し、ガイドRNAが逆ストランド上の相補性配列とアニールする。これは、Cas9ヌクレアーゼに二本鎖切断を生じることを可能にさせる。いくつかの実施形態において、sgRNAは配列番号1~12のいずれか1つの核酸配列を含む。
【0068】
様々なCRISPR酵素が、本開示の開示されたガイドRNAと共の使用に利用できる。いくつかの実施形態において、CRISPR酵素はII型CRISPR酵素である。いくつかの実施形態において、CRISPR酵素はDNA切断を触媒する。いくつかの実施形態において、CRISPR酵素はRNA切断を触媒する。いくつかの実施形態において、CRISPR酵素は任意のCas9タンパク質、例えば、任意の天然に存在する細菌Cas9、加えて、任意のキメラ、変異体、ホモログ、またはオルソログである。Casタンパク質の非限定的例には、Cas1、Cas1B、Cas2、Cas3、Cas4、Cas5、Cas6、Cas7、Cas8、Cas9(別名Csn1およびCsx12とも言う)、Cas10、Csy1、Csy2、Csy3、Cse1、Cse2、Csc1、Csc2、Csa5、Csn2、Csm2、Csm3、Csm4、Csm5、Csm6、Cmr1、Cmr3、Cmr4、Cmr5、Cmr6、Csb1、Csb2、Csb3、Csx17、Csx14、Csx10、Csx16、CsaX、Csx3、Csx1、Csx15、Csf1、Csf2、Csf3、Csf4、それらのホモログ、またはそれらの改変型変種が挙げられる。いくつかの実施形態において、CRISPR酵素はプロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)部位における標的核酸の両方の鎖を切断する。いくつかの実施形態において、CRISPR酵素はニッカーゼであり、標的核酸の1つの鎖のみを切断する。いくつかの実施形態において、CRISPR酵素は追加の酵素活性を付されたdCas9であり、関心対象となる遺伝子の発現を抑制または活性化する。
【0069】
医薬組成物
一態様において、本開示は、TXNRD1阻害剤を含む医薬組成物を提供する。
本開示の医薬組成物は、薬学分野において知られた方法のいずれかにより調製され得る。単一剤形を作製するために担体材料と組み合わせることができる活性成分の量は、処置されることになっている宿主および特定の投与様式に依存して異なる。単一剤形を作製するために担体材料と組み合わせることができる活性成分の量は、一般的に、治療効果を生じる化合物の量である。一般的に、活性化合物の量は、約0.1~99パーセント、より典型的には約5~70パーセント、より典型的には約10~30パーセントの範囲である。
【0070】
いくつかの実施形態において、本テクノロジーの医薬組成物は1つまたは複数の薬学的に許容される担体を含有し、担体は、本明細書で用いられる場合、一般的に、活性物質が身体へ導入するのに有用な、液体もしくは固体の増量剤、希釈剤、賦形剤、製造補助剤(例えば、潤滑剤、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、もしくはステアリン酸亜鉛、またはステアリン酸(steric acid))、または溶媒封入材料などの薬学的に許容される担体を指す。
本テクノロジーの医薬組成物に用いられ得る適切な水性および非水性担体の例には、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、およびその他の同種類のもの)、植物油(例えば、オリーブ油)、および注射用有機エステル(例えば、オレイン酸エチル)、およびそれらの適切な混合物が挙げられる。適切な流動性は、例えば、レシチンなどのコーディング材料の使用により、分散の場合では、必要とされる粒子サイズの維持により、および表面活性剤の使用により、維持することができる。
【0071】
いくつかの実施形態において、製剤は、ラクトース、グルコース、およびスクロースなどの糖;コーンスターチおよびジャガイモデンプンなどのデンプン;セルロース、およびカルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、および酢酸セルロースなどのそれの誘導体;トラガカント末;麦芽;ゼラチン;タルク;カカオバターおよび坐剤ワックスなどの賦形剤;ピーナッツ油、綿実油、紅花油、ゴマ油、オリーブ油、コーン油、およびダイズ油などの油;プロピレングリコールなどのグリコール;グリセリン、ソルビトール、マンニトール、およびポリエチレングリコールなどのポリオール;オレイン酸エチルおよびラウリン酸エチルなどのエステル;寒天;アルギン酸;水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウムなどの緩衝剤;発熱物質を含まない水;等張性生理食塩水;リンゲル溶液;エチルアルコール;pH緩衝溶液;ポリエステル、ポリカーボネートおよび/またはポリ酸無水物;保存剤;流動促進剤;増量剤;ならびに薬学的製剤に用いられる他の無毒適合性物質の1つまたは複数を含み得る。
【0072】
湿潤剤、乳化剤、潤滑剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウム)、着色剤、遊離剤、コーティング剤、甘味剤、香味剤、保存剤、および抗酸化剤などの様々な補助剤もまた、本テクノロジーの医薬組成物に含むことができる。薬学的に許容される抗酸化剤のいくつかの例には以下が挙げられる:アスコルビン酸、塩酸システイン、亜硫酸水素ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、およびその他同種類のものなどの水溶性抗酸化剤;パルミチン酸アスコルビル、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、レシチン、没食子酸プロピル、α-トコフェロール、およびその他同種類のものなどの油溶性抗酸化剤;ならびに、クエン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ソルビトール、酒石酸、リン酸、およびその他同種類のものなどの金属キレート剤。いくつかの実施形態において、薬学的製剤は、例えば、セルロース、リポソーム、脂質ナノ粒子、ミセル形成剤(例えば、胆汁酸)、ならびにポリマー担体、例えば、ポリエステルおよびポリ酸無水物から選択される賦形剤を含む。懸濁液は、活性化合物に加えて、懸濁剤、例えば、エトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールおよびソルビタンエステル、微結晶性セルロース、アルミニウムメタヒドロオキシド(aluminum metahydroxide)、ベントナイト、寒天およびトラガカント、ならびにそれらの混合物を含有し得る。微生物の活性化合物への作用の防止は、様々な抗細菌剤および抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、およびその他同種類のものの包含により保証され得る。糖、塩化ナトリウム、およびその他同種類のものなどの等張剤を組成物へ含むことが望ましい場合もある。加えて、注射可能な医薬品形態の持続的吸収は、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンなどの吸収を遅らせる作用物質の包含により、もたらされ得る。
【0073】
治療方法
以下の議論は例としてのみ提示され、限定することを意図しない。
【0074】
本テクノロジーの一態様は、TXNRD1の発現レベルの上昇および/または活性の増加により特徴づけられる疾患または状態を治療する方法を含む。追加としてまたは代替として、いくつかの実施形態において、本テクノロジーは、RAS変異体癌を治療する方法を含む。RASの3つの主要なアイソフォーム(KRAS、NRAS、およびHRAS)は合わせてヒト癌の約20%において、主に、グアノシン三リン酸(GTP)基質のg-リン酸近くの残基G12、G13、およびQ61における活性部位で、変異している(Marcus & Mattos, Clin Cancer Res 21(8): 1810-1818 (2015)参照)。ある特定の実施形態において、RAS変異体癌は、G12C、G12D、G12V、G12A、G12S、G12R、G13D、G13C、G13S、G13R、G13A、G13V、Q61H、Q61L、Q61R、Q61K、Q61P、およびQ61Eからなる群から選択されるKRAS、NRAS、またはHRAS変異を含む。
【0075】
いくつかの実施形態において、本テクノロジーは、RAS変異体膵癌を治療する方法を含む。一態様において、本開示は、それを必要としている対象においてRAS変異体癌の増殖を阻害するための方法であって、本明細書に開示された少なくとも1つのTXNRD1阻害剤の治療有効量を前記対象に投与することを含み、前記対象が、TXNRD1の発現レベルの上昇および/または活性の増加により特徴づけられるRAS変異体癌を患っている、前記方法を提供する。
【0076】
いくつかの実施形態において、対象は、TXNRD1の発現レベルの上昇および/または活性の増加により特徴づけられる疾患または状態を有すると診断され、前記疾患または状態を有するのではないかと疑われ、またはそのような疾患または状態のリスクを有する。追加としてまたは代替として、いくつかの実施形態において、対象は、RAS変異体癌を有すると診断されている。ある特定の実施形態において、RAS変異体癌は、G12C、G12D、G12V、G12A、G12S、G12R、G13D、G13C、G13S、G13R、G13A、G13V、Q61H、Q61L、Q61R、Q61K、Q61P、およびQ61Eからなる群から選択されるKRAS、NRAS、またはHRAS変異を含む。いくつかの実施形態において、対象は、肺癌(例えば、肺腺癌)、粘液性腺腫、膵癌(例えば、PDAC)、結腸直腸癌、皮膚癌(例えば、黒色腫)、子宮内膜癌、精巣胚細胞性癌、または副腎癌を有すると診断されている。いくつかの実施形態において、対象は膵癌を有すると診断されている。いくつかの実施形態において、対象はRAS変異体膵癌を有すると診断されている。
【0077】
治療的適用において、本明細書に開示されたTXNRD1阻害剤を含む組成物または薬物は、そのような疾患または状態を患っているのではないかと疑われ、またはすでに患っている対象(例えば、TXNRD1の発現レベルの上昇および/もしくは活性の増加により特徴づけられる疾患もしくは状態と診断された対象、ならびに/またはRAS変異体癌と診断された対象、ならびに/または膵癌と診断された対象)に、前記疾患の発生におけるそれの合併症および中間病理学的表現型を含む、前記疾患の症状を治癒させ、または少なくとも部分的に抑止するのに十分な量で投与される。
【0078】
TXNRD1の発現レベルの上昇および/もしくは活性の増加により特徴づけられる疾患もしくは状態を患っている対象、ならびに/またはRAS変異体癌と診断された対象は、当技術分野において知られた診断または予後診断アッセイのいずれかまたは組合せにより同定することができる。
いくつかの実施形態において、対象は、KRASにおいて1つまたは複数の変異を示し得る。加えて、対象は、TP53、CDKN2A、SMAD4、MLL3、TGFBR2、ARID1AおよびSF3B1、EPC1およびARID2、ATM、ZIM2、MAP2K4、NALCN、SLC16A4、MAGEA6、ROBO2、KDM6A、PREX2、ERBB2、MET、FGFR1、CDK6、PIK3R3、PIK3CA、BRCA1、BRCA2、PALB2などの少なくとも1つにおいて1つまたは複数の変異を示し得る。Biankin et al., Nature 491(7424): 399-405 (2012); and Waddell et al., Nature 518(7540):495-501 (2015)。追加としてまたは代替として、対象は、12個の細胞シグナル伝達経路および過程のコアセットのうちの1つまたは複数において少なくとも1つの変異を示し得る。Jones et al., Science 321(5897): 1801-1806 (2008)。
【0079】
いくつかの実施形態において、TXNRD1の発現レベルの上昇および/もしくは活性の増加により特徴づけられる疾患もしくは状態を有する対象、ならびに/または、TXNRD1阻害剤で治療される、RAS変異体膵癌を患っている対象は、以下の症状の1つまたは複数の寛解または消失を示すだろう:背中に向かって放射状に広がる上腹部における痛み、食欲不振または意図せぬ体重減少、鬱、初発糖尿病、血栓、疲労、皮膚および白目の黄染(黄疸)、腹部膨満、悪心、ならびに嘔吐。
ある特定の実施形態において、TXNRD1の発現レベルの上昇および/もしくはTXNRD1の活性レベルの増加により特徴づけられる疾患もしくは状態を有する対象、ならびに/または、TXNRD1阻害剤で治療される、RAS変異体癌を患っている対象、ならびに/または膵癌を患っている対象は、RAS変異体癌を有する未治療の対象と比較して、RAS変異体細胞増殖の低下および/または生存期間の増加を示すだろう。ある特定の実施形態において、TXNRD1の発現レベルの上昇および/もしくはTXNRD1の活性レベルの増加により特徴づけられる疾患もしくは状態を有する対象、ならびに/または、TXNRD1阻害剤で治療される、RAS変異体癌を患っている対象ならびに/または膵癌を患っている対象は、RAS変異体癌を有する未治療の対象と比較して、TXNRD1および/もしくはRAS発現レベルの低下、ならびに/またはTXNRD1および/もしくはRAS活性レベルの低下を示すだろう。
【0080】
一態様において、本開示は、以下のステップを含む、RAS変異体癌と診断された対象においてTXNRD1阻害剤の治療効力をモニターするための方法を提供する:(a)前記対象が前記TXNRD1阻害剤を投与された後、前記対象から得られた検査試料においてTXNRD1タンパク質レベルを検出するステップ;および(b)前記検査試料におけるTXNRD1タンパク質レベルが、前記TXNRD1阻害剤の投与前に前記対象から得られた対照試料において観察されたレベルと比較して低下している場合、前記TXNRD1阻害剤が有効であると決定するステップ。TXNRD1阻害剤は、オーラノフィン、ピペルロングミン、D9、TRi-1、TRi-2、ミリセチン、PMX464、PX12、ブレベトキシン-2、マニュマイシンA、エタセレン、オーロチオグルコース、プロトポルフィリンIX、TXNRD1に対する阻害性RNA、抗TXNRD1抗体、またはその任意の誘導体であり得る。検査試料は、対象内に存在する組織、細胞、または体液(血液、血漿、唾液、尿、血清など)であり得る。あるいは、RAS(例えば、KRAS、HRAS、NRAS)および/またはTXNRD1発現レベルが、対象におけるTXNRD1阻害剤の効力を決定するために用いられ得る(本明細書に記載された実施例6参照)。したがって、ある特定の実施形態において、本方法は、対象においてRAS(例えば、KRAS、HRAS、NRAS)および/またはTXNRD1発現レベルを検出するステップであって、治療前の前記対象において観察されるそれらと比べてのRAS(例えば、KRAS、HRAS、NRAS)および/またはTXNRD1発現レベルの減少が前記TXNRD1阻害剤の治療効力を示すステップをさらに含む。追加としてまたは代替として、ある特定の実施形態において、本方法は、対象においてRAS(例えば、KRAS、HRAS、NRAS)および/またはTXNRD1タンパク質の活性を検出するステップであって、治療前の前記対象において観察されるそれらと比べてのRAS(例えば、KRAS、HRAS、NRAS)および/またはTXNRD1活性の減少が前記TXNRD1阻害剤の治療効力を示すステップをさらに含む。ある特定の実施形態において、RAS変異体癌は、G12C、G12D、G12V、G12A、G12S、G12R、G13D、G13C、G13S、G13R、G13A、G13V、Q61H、Q61L、Q61R、Q61K、Q61P、およびQ61Eからなる群から選択されるKRAS、NRAS、またはHRAS変異を含む。ある特定の実施形態において、KRAS、NRAS、またはHRAS変異はDNAシーケンシングによって検出される。
【0081】
本明細書に開示された方法のありとあらゆる実施形態において、TXNRD1および/またはRAS(例えば、KRAS、HRAS、NRAS)発現レベルは、RNA-seq、ノーザンブロッティング、マイクロアレイ、ドットまたはスロットブロット、蛍光インサイチューハイブリダイゼーション、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)、リボヌクレアーゼプロテクションアッセイ(RPA)、リアルタイム定量RT-PCR、高速液体クラマトグラフィー(HPLC)、液体クロマトグラフィー-質量分析(LC/MS)、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、免疫沈降、免疫電気泳動、免疫染色、免疫組織化学法、またはウェスタンブロッティングによって検出される。
【0082】
予防方法
一態様において、本テクノロジーは、TXNRD1の発現レベルの上昇および/または活性の増加により特徴づけられる疾患または状態の発症を防止しまたは遅延させるための方法を提供する。追加としてまたは代替として、いくつかの態様において、本テクノロジーは、RAS変異体癌の発症を防止しまたは遅延させるための方法を提供する。ある特定の実施形態において、RAS変異体癌は、G12C、G12D、G12V、G12A、G12S、G12R、G13D、G13C、G13S、G13R、G13A、G13V、Q61H、Q61L、Q61R、Q61K、Q61P、およびQ61Eからなる群から選択されるKRAS、NRAS、またはHRAS変異を含む。RAS変異体癌は、肺癌(例えば、肺腺癌)、粘液性腺腫、膵癌(例えば、PDAC)、結腸直腸癌、皮膚癌(例えば、黒色腫)、子宮内膜癌、精巣胚細胞性癌、または副腎癌であり得る。
【0083】
TXNRD1の発現レベルの上昇および/もしくは活性の増加により特徴づけられる疾患もしくは状態のリスクがあり、もしくはそれに罹りやすい対象、ならびに/またはRAS変異体癌のリスクがあり、もしくはそれに罹りやすい対象、ならびに/または膵癌のリスクがあり、もしくはそれに罹りやすい対象は、RAS(例えば、KRAS、HRAS、NRAS)において1つまたは複数の変異を示す対象を含む。加えて、対象は、TP53、CDKN2A、SMAD4、MLL3、TGFBR2、ARID1AおよびSF3B1、EPC1およびARID2、ATM、ZIM2、MAP2K4、NALCN、SLC16A4、MAGEA6、ROBO2、KDM6A、PREX2、ERBB2、MET、FGFR1、CDK6、PIK3R3、PIK3CA、BRCA1、BRCA2、PALB2などの1つまたは複数において1つまたは複数の点変異を示し得る。Biankin et al., Nature 491(7424): 399-405 (2012);およびWaddell et al., Nature 518(7540):495-501 (2015)。追加としてまたは代替として、対象は、12個の細胞シグナル伝達経路および過程のコアセットのうちの1つまたは複数において少なくとも1つの変異を示し得る。Jones et al., Science 321(5897): 1801-1806 (2008)。そのような対象は、例えば、当技術分野において知られた診断または予後診断アッセイのいずれかまたはそれらの組合せにより同定することができる。ある特定の実施形態において、RAS変異体癌は、G12C、G12D、G12V、G12A、G12S、G12R、G13D、G13C、G13S、G13R、G13A、G13V、Q61H、Q61L、Q61R、Q61K、Q61P、およびQ61Eからなる群から選択されるKRAS、NRAS、またはHRAS変異を含む。
【0084】
予防的適用において、本明細書に開示されたTXNRD1阻害剤を含む医薬組成物または薬物は、(a)TXNRD1の発現レベルの上昇および/もしくは活性の増加により特徴づけられる疾患もしくは状態に罹りやすく、もしくはそうでなければ、そのリスクがある対象、ならびに/または(b)RAS変異体癌に罹りやすく、もしくはそうでなければ、それのリスクがある対象、ならびに/または膵癌に罹りやすく、もしくはそうでなければ、それのリスクがある対象に、前記疾患の生化学的、組織学的、および/または行動的症状、それの合併症、ならびに前記疾患の発生中に示される中間病理学的表現型を含む、前記疾患のリスクを除去しもしくは低下させ、またはその発症を遅延させるのに十分な量で投与される。予防的TXNRD1阻害剤の投与は、疾患または障害が防止され、または、代替として、その進行が遅延するように、疾患または障害に特有な症状の顕在化の前に起こり得る。
【0085】
いくつかの実施形態において、TXNRD1阻害剤での治療は、以下の症状の1つまたは複数の発症を防止しまたは遅延させるだろう:背中に向かって放射状に広がる上腹部における痛み、食欲不振または意図せぬ体重減少、鬱、初発糖尿病、血栓、疲労、皮膚および白目の黄染(黄疸)、腹部膨満、悪心、ならびに嘔吐。ある特定の実施形態において、TXNRD1阻害剤で治療される、(a)TXNRD1の発現レベルの上昇および/もしくは活性の増加により特徴づけられる疾患もしくは状態を有する対象、ならびに/または(b)RAS変異体癌を有する対象、ならびに/または膵癌を有する対象は、健康な対照対象において観察されたそれらに似ているTXNRD1および/またはRAS発現レベルを示すだろう。
【0086】
治療的および/または予防的適用について、本明細書に開示されたTXNRD1阻害剤を含む組成物が対象に投与される。いくつかの実施形態において、TXNRD1阻害剤は、1日に1回、2回、3回、4回、または5回、投与される。いくつかの実施形態において、TXNRD1阻害剤は、1日に5回より多く投与される。追加としてまたは代替として、いくつかの実施形態において、TXNRD1阻害剤は毎日、1日おきに、2日おきに、3日おきに、4日おきに、または5日おきに投与される。いくつかの実施形態において、TXNRD1阻害剤は毎週、隔週に、3週間ごとに、または毎月、投与される。いくつかの実施形態において、TXNRD1阻害剤は1週間、2週間、3週間、4週間、または5週間、投与される。いくつかの実施形態において、TXNRD1阻害剤は6週間以上、投与される。いくつかの実施形態において、TXNRD1阻害剤は12週間以上、投与される。いくつかの実施形態において、TXNRD1阻害剤は1年未満、投与される。いくつかの実施形態において、TXNRD1阻害剤は1年より長く投与される。いくつかの実施形態において、TXNRD1阻害剤は対象の生涯を通じて投与される。
【0087】
本テクノロジーの方法のいくつかの実施形態において、TXNRD1阻害剤は、1週間以上、毎日、投与される。本テクノロジーの方法のいくつかの実施形態において、TXNRD1阻害剤は2週間以上、毎日、投与される。本テクノロジーの方法のいくつかの実施形態において、TXNRD1阻害剤は3週間以上、毎日、投与される。本テクノロジーの方法のいくつかの実施形態において、TXNRD1阻害剤は4週間以上、毎日、投与される。本テクノロジーの方法のいくつかの実施形態において、TXNRD1阻害剤は6週間以上、毎日、投与される。本テクノロジーの方法のいくつかの実施形態において、TXNRD1阻害剤は、12週間以上、毎日、投与される。いくつかの実施形態において、TXNRD1阻害剤は対象の生涯を通じて、毎日、投与される。
【0088】
TXNRD1阻害剤の生物学的効果の決定
様々な実施形態において、特定のTXNRD1阻害剤の効果、およびそれの投与が治療に適応されるかどうかを決定するために適切なインビトロまたはインビボのアッセイが実施される。様々な実施形態において、インビトロアッセイは、所定のTXNRD1阻害剤が、RAS変異体癌の徴候および/または症状を低下させまたは消失させることへの所望の効果を発揮するかどうかを決定するために、代表的な動物モデルを用いて実施することができる。治療に使用するための化合物は、ヒト対象における試験の前に適切な動物モデル系において試験することができ、その動物モデル系には、ラット、マウス、ニワトリ、ウシ、サル、ウサギ、およびその他同種類のものが挙げられるが、それらに限定されない。同様に、インビボ試験について、当技術分野において知られた動物モデル系のいずれかが、ヒト対象への投与の前に用いることができる。いくつかの実施形態において、インビトロまたはインビボ試験は、本テクノロジーの1つまたは複数のTXNRD1阻害剤の生物学的機能に向けられる。
RAS変異体癌および/または膵癌の動物モデルは、当技術分野において知られた技術を用いて作製され得る(本明細書に記載された実施例7参照)。そのようなモデルは、特定の遺伝子の破損および/または特定のタンパク質の活性の阻害から起こる状態の防止および治療におけるTXNRD1阻害剤の生物学的効果を実証するために、ならびに所定の状況下で、本明細書に開示された1つまたは複数のTXNRD1阻害剤の治療有効量を含むものを決定するために用いられ得る。
【0089】
投与様式および有効投薬量
細胞、器官、または組織を、本明細書に開示された1つまたは複数のTXNRD1阻害剤と接触させるための、当技術分野において知られた任意の方法が用いられ得る。適切な方法には、インビトロ、エクスビボ、またはインビボの方法が挙げられる。インビボ方法は、典型的には、哺乳動物、適切にはヒトへの1つまたは複数のTXNRD1阻害剤の投与を含む。治療のためにインビボで用いられる場合、本明細書に記載された1つまたは複数のTXNRD1阻害剤は、対象に有効量(すなわち、所望の治療効果を生じる量)で投与される。用量および投与計画は、対象の疾患状態の程度、用いられる特定のTXNRD1阻害剤の特性、例えば、それの治療指数、および対象の病歴に依存する。
【0090】
有効量は、医師および臨床医によく知られた方法により前臨床試験および臨床試験中に決定され得る。本方法に有用な1つまたは複数のTXNRD1阻害剤の有効量は、それを必要としている哺乳動物へ、薬学的化合物を投与するためのいくつかの周知の方法のいずれかにより投与され得る。TXNRD1阻害剤は全身性にまたは局所的に投与され得る。
本明細書に記載された1つまたは複数のTXNRD1阻害剤は、RAS変異体癌の治療もしくは防止のための対象および/または膵癌の治療もしくは防止のための対象への、単独でまたは併用での投与のための医薬組成物へ組み込むことができる。そのような組成物は、典型的には、活性物質および薬学的に許容される担体を含む。本明細書で用いられる場合、用語「薬学的に許容される担体」は、薬学的投与に適合した、生理食塩水、溶媒、分散媒、コーティング、抗細菌剤および抗真菌剤、等張性および吸収遅延剤、ならびにその他同種類のものを含む。補足的活性化合物も組成物へ組み込むことができる。
【0091】
医薬組成物は、典型的には、それの意図された投与経路と適合性であるように製剤化される。投与経路の例には、非経口(静脈内、皮内、腹腔内、または皮下)、経口、吸入、経皮(局所的)、眼内、イオン泳動的、および経粘膜の投与が挙げられる。非経口、皮内、または皮下の適用に用いられる溶液または懸濁液は、以下のコンポーネントを含み得る:注射用水、生理食塩水、固定油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、または他の合成溶媒などの無菌希釈剤;ベンジルアルコールまたはメチルパラベンなどの抗細菌剤;アスコルビン酸または亜硫酸水素ナトリウムなどの抗酸化剤;エチレンジアミン四酢酸などのキレート剤;酢酸塩、クエン酸塩、またはリン酸塩などのバッファー、および塩化ナトリウムまたはデキストロースなどの張度の調整のための作用物質。pHは、塩酸または水酸化ナトリウムなどの酸または塩基で調整することができる。非経口調製物は、ガラスまたはプラスチックで作られたアンプル、使い捨てシリンジ、または複数回投与バイアル中に封入することができる。患者または治療する医師の便宜のために、投薬製剤は、治療コース(例えば、7日間の治療)のために全ての必要な器具(例えば、薬物のバイアル、希釈剤のバイアル、シリンジ、および針)を含有するキットで提供することができる。
【0092】
注射用に適した医薬組成物は、無菌の注射可能な溶液または分散体の即時調製のための無菌の水溶液(水溶性の場合)または分散体および無菌粉末を含み得る。静脈内投与について、適切な担体には、生理食塩水、静菌水、CREMOPHOR EL(商標)(BASF、Parsippany、N.J.)、またはリン酸緩衝生理食塩水(PBS)が挙げられる。全ての場合において、非経口投与のための組成物は無菌でなければならず、かつ容易にシリンジで利用できる程度まで流動性であるべきである。それは、製造および保存の条件下で安定であるべきであり、細菌および真菌などの微生物の汚染作用から保護されなければならない。
【0093】
本明細書に開示された1つまたは複数のTXNRD1阻害剤を有する医薬組成物は、担体を含み得、その担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、および液体ポリエチレングリコール、およびその他同種類のもの)、およびそれらの適切な混合物を含有する溶媒または分散媒であり得る。適切な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティングの使用により、分散体の場合では必要とされる粒子サイズの維持により、および表面活性剤の使用により、維持することができる。微生物の作用の防止は、様々な抗細菌剤および抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、アスコルビン酸、チオメルサール(thiomerasol)、およびその他同種類のものにより達成することができる。グルタチオンおよび他の抗酸化剤が、酸化を防ぐために含まれ得る。多くの場合、等張剤、例えば、糖、マンニトール、ソルビトールなどのポリアルコール、または塩化ナトリウムを組成物中に含むことは有利である。注射用組成物の持続的吸収は、吸収を遅らせる作用物質、例えば、モノステアリン酸アルミニウムまたはゼラチンを組成物中に含むことにより、もたらされ得る。
【0094】
無菌注射用溶液は、上記で列挙された成分の1つまたは組合せと共に適切な溶媒中に必要とされる量で活性化合物を組み入れ、必要に応じて、その後、濾過滅菌を行うことにより調製することができる。一般的に、分散体は、活性化合物を無菌ビヒクル中へ組み入れることにより調製され、その無菌ビヒクルは基本的な分散媒、および上記で列挙されたものからの必要とされる他の成分を含有する。無菌注射用溶液の調製のための無菌粉末の場合、調製の典型的な方法には真空乾燥および凍結乾燥が挙げられ、それらにより、それの前に滅菌濾過された溶液から、活性成分プラス任意の追加の望ましい成分の粉末を産生し得る。
【0095】
経口組成物は、一般的に、不活性な希釈剤または可食性担体を含む。経口治療的投与を目的として、活性化合物は、賦形剤と共に組み入れられ、錠剤、トローチ、またはカプセル、例えば、ゼラチンカプセルの形をとって用いられ得る。経口組成物はまた、マウスウォッシュとしての使用のために流動性担体を用いて調製することができる。薬学的に適合する結合剤および/またはアジュバント材料が組成物の一部として含むことができる。錠剤、丸剤、カプセル、トローチ、およびその他同種類のものは、以下の成分、または類似した性質の化合物のいずれかを含有し得る:微結晶性セルロース、トラガカントガム、もしくはゼラチンなどの結合剤;デンプンまたはラクトースなどの賦形剤、アルギン酸、Primogel、もしくはコーンスターチなどの崩壊剤;ステアリン酸マグネシウムもしくはSteroteなどの潤滑剤;コロイド二酸化珪素などの流動促進剤;スクロースもしくはサッカリンなどの甘味剤;またはペパーミント、サリチル酸メチル、もしくはオレンジフレーバーなどの香味剤。
【0096】
吸入による投与について、化合物は、適切な噴霧剤、例えば、二酸化炭素などのガスを含有する加圧された容器もしくはディスペンサ、または噴霧器からのエアロゾルスプレーの形をとって送達することができる。そのような方法は、米国特許第6,468,798号に記載されたものを含む。
本明細書に記載されているような治療用化合物の全身性投与はまた、経粘膜または経皮手段によることができる。経粘膜または経皮投与について、透過するべきバリアに適した浸透剤が製剤に用いられる。そのような浸透剤は一般的に当技術分野において知られており、それには、例えば、経粘膜投与について、界面活性剤、胆汁酸塩、およびフシジン酸誘導体が挙げられる。経粘膜投与は鼻腔用スプレーの使用を通して達成することができる。経皮投与について、活性化合物は、当技術分野において一般的に知られているような軟膏(ointment)、膏薬(salve)、ゲル、またはクリームへ製剤化される。一実施形態において、経皮投与はイオン泳動により実施され得る。
【0097】
治療剤は、担体系に製剤化することができる。担体はコロイド系であり得る。コロイド系は、リポソーム、リン脂質二重層ビヒクル、または脂質ナノ粒子であり得る。一実施形態において、治療剤は、その剤の構造完全性を維持しながら、リポソーム内にカプセル化される。リポソームを調製するための様々な方法があることを当業者は認識しているだろう(Lichtenberg, et al., Methods Biochem. Anal., 33:337-462 (1988);Anselem, et al., Liposome Technology, CRC Press (1993)参照)。リポソーム製剤は、クリアランスを遅延させ、かつ細胞取り込みを増加させることができる(Reddy, Ann. Pharmacother., 34(7-8):915-923 (2000)参照)。活性物質はまた、薬学的に許容される成分から調製された粒子へ装荷することができ、その成分には、可溶性、不溶性、透過性、不透過性、生分解性、または胃内滞留型ポリマーまたはリポソームが挙げられるが、それらに限定されない。そのような粒子には、ナノ粒子、生分解性ナノ粒子、微粒子、生分解性微粒子、ナノスフェア、生分解性ナノスフェア、マイクロスフェア、生分解性マイクロスフェア、カプセル、エマルジョン、リポソーム、ミセル、およびウイルスベクター系が挙げられるが、それらに限定されない。
【0098】
担体はまた、ポリマー、例えば、生分解性、生体適合性ポリマーマトリックスであり得る。一実施形態において、治療剤は、その剤の構造完全性を維持しながらポリマーマトリックス内に包埋することができる。ポリマーは、ポリペプチド、タンパク質、もしくは多糖などの天然、またはポリα-ヒドロキシ酸などの合成であり得る。例には、例えば、コラーゲン、フィブロネクチン、エラスチン、酢酸セルロース、硝酸セルロース、多糖、フィブリン、ゼラチン、およびそれらの組合せで作られた担体が挙げられる。一実施形態において、ポリマーは、ポリ乳酸(PLA)または乳酸/グリコール酸共ポリマー(PGLA)である。ポリマーマトリックスは、様々な形およびサイズで調製および単離することができ、それには、マイクロスフェアおよびナノスフェアが挙げられる。ポリマー製剤は、治療効果の長期持続をもたらすことができる(Reddy, Ann. Pharmacother., 34(7-8):915-923 (2000)参照)。ヒト成長ホルモン(hGH)についてのポリマー製剤は、臨床試験に用いられている(Kozarich and Rich, Chemical Biology, 2:548-552 (1998)参照)。
【0099】
ポリマーマイクロスフェア徐放性製剤の例は、国際公開第99/15154号(Tracyら)、米国特許第5,674,534号および第5,716,644号(両方ともZaleら)、国際公開第96/40073号(Zaleら)、ならびに国際公開第00/38651号(Shahら)に記載されている。米国特許第5,674,534号および第5,716,644号、ならびに国際公開第96/40073号は、塩による凝集に対して安定化されているエリスロポイエチンの粒子を含有するポリマーマトリックスを記載する。
【0100】
いくつかの実施形態において、治療用化合物は、身体からの急速な排出から治療用化合物を保護する担体と共に調製され、そのような担体は、例えば、インプラントおよびマイクロカプセル化送達系を含む放出制御製剤である。エチレン酢酸ビニル、ポリ酸無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル、およびポリ乳酸などの生分解性、生体適合性ポリマーを用いることができる。そのような製剤は、公知の技術を用いて調製することができる。材料もまた、商業的に、例えば、Alza CorporationおよびNova Pharmaceuticals,Inc.から入手することができる。リポソーム懸濁液(細胞特異的抗原に対するモノクローナル抗体により特異的細胞を標的とするリポソームを含む)も薬学的に許容される担体として用いることができる。これらは、例えば米国特許第4,522,811号に記載されているように、当業者に知られた方法に従って調製することができる。
治療用化合物はまた、細胞内送達を増強するように製剤化することができる。例えば、リポソーム送達系は当技術分野において知られており、例えば、Chonn and Cullis, “Recent Advances in Liposome Drug Delivery Systems,” Current Opinion in Biotechnology 6:698-708 (1995);Weiner, “Liposomes for Protein Delivery: Selecting Manufacture and Development Processes,” Immunomethods, 4(3):201-9 (1994); and Gregoriadis, “Engineering Liposomes for Drug Delivery: Progress and Problems,” Trends Biotechnol., 13(12):527-37 (1995)参照。Mizguchi, et al., Cancer Lett., 100:63-69 (1996)は、インビボとインビトロの両方における、タンパク質を細胞へ送達するための膜融合性リポソームの使用を記載する。
【0101】
任意の治療剤の投薬量、毒性、および治療効力は、例えばLD50(集団の50%に対して致死的な用量)およびED50(集団の50%において治療的に有効な用量)を決定するための、細胞培養または実験動物における標準薬学的手順により決定することができる。毒性効果と治療効果との用量比は治療指数であり、比LD50/ED50として表すことができる。高い治療指数を示す化合物が有利である。毒性副作用を示す化合物が用いられる場合があるが、非感染細胞に対する潜在的損傷を最小限にして副作用を低下させるために、罹患組織の部位へそのような化合物をターゲットする送達系を設計するように対処するべきである。
【0102】
細胞培養アッセイおよび動物試験から得られるデータは、ヒトにおける使用のための投薬量範囲を製剤化することにおいて用いることができる。そのような化合物の投薬量は、ほとんど毒性がなく、ED50を含む循環濃度の範囲内であり得る。投薬量は、用いられる剤形および利用される投与経路に依存してこの範囲内で変動し得る。本方法に用いられる任意の化合物について、治療有効用量は、最初に、細胞培養アッセイから推定することができる。用量は、細胞培養で決定された場合のIC50(すなわち、症状の最大半量阻害を達成する試験化合物の濃度)を含む循環血漿中濃度範囲を達成するように動物モデルに処方することができる。そのような情報は、ヒトにおける有用な用量を正確に決定するために用いることができる。血漿中レベルは、例えば、高速液体クラマトグラフィーにより測定され得る。
【0103】
典型的には、治療的または予防的効果を達成するのに十分な本明細書に開示された1つまたは複数のTXNRD1阻害剤の有効量は、1日あたり体重1キログラムにつき約0.000001mg~1日あたり体重1キログラムにつき約10,000mgの範囲である。適切には、投薬量範囲は、1日あたり体重1キログラムにつき約0.0001mg~1日あたり体重1キログラムにつき約100mgである。例えば、投薬量は、毎日、1日おきに、もしくは2日おきに1mg/kg体重もしくは10mg/kg体重、または毎週、1週間おきに、もしくは2週間おきに1~10mg/kgの範囲内であり得る。一実施形態において、治療用化合物の単回投薬量は、体重1kgにつき0.001~10,000マイクログラムの範囲である。一実施形態において、担体中の1つまたは複数のTXNRD1阻害剤濃度は、送達される1ミリリットルあたり0.2~2000マイクログラムの範囲である。例示的な治療計画は、1日に1回または1週間に1回の投与を必要とする。治療的適用において、相対的に短い間隔で相対的に高い投薬量が、疾患の進行が低下もしくは終止するまで、または対象が疾患の症状の部分的もしくは完全な寛解を示すまで必要とされる場合がある。その後、患者は予防的計画を施され得る。
【0104】
いくつかの実施形態において、1つまたは複数のTXNRD1阻害剤の治療有効量は、10-32~10-6モル濃度、例えば、およそ10-7モル濃度の標的組織における阻害剤の濃度として定義され得る。この濃度は、0.001~100mg/kgの全身性用量、または体表面積による等価用量により送達され得る。投与のスケジュールは、標的組織における治療濃度を維持するように、例えば単回の連日または毎週投与によるだけでなく、持続的投与(例えば、非経口注入または経皮適用)を含めて最適化される。
ある特定の因子が、対象を効果的に治療するのに必要とされる投薬量およびタイミングに影響を及ぼし得ることを当業者は認識しており、その因子には、疾患または障害の重症度、以前の治療、対象の全般的な健康および/または年齢、ならびに存在する他の疾患が挙げられるが、それらに限定されない。さらに、本明細書に記載された治療用組成物の治療有効量での対象の治療は、単一の治療または一連の治療を含み得る。
【0105】
本方法に従って治療される哺乳動物は任意の哺乳動物であり得、例えば、ヒツジ、ブタ、ウシ、およびウマなどの家畜;イヌおよびネコなどのペット動物;ラット、マウス、およびウサギなどの実験動物が挙げられる。いくつかの実施形態において、前記哺乳動物はヒトである。
【0106】
併用治療
いくつかの実施形態において、本明細書に開示されたTXNRD1阻害剤の1つまたは複数は、RAS変異体癌または膵癌の防止または治療のために1つまたは複数の追加の治療と併用され得る。追加の治療剤には、ABRAXANE(登録商標)(アルブミン結合型パクリタキセル)、GEMZAR(登録商標)(ゲムシタビン)、5-FU(フルオロウラシル)、ONIVYDE(登録商標)(イリノテカンリポソーム注射)、手術、放射線照射、またはそれらの組合せが挙げられるが、それらに限定されない。
いくつかの実施形態において、本明細書に開示された1つまたは複数のTXNRD1阻害剤は、免疫治療剤、アルキル化剤、トポイソメラーゼ阻害剤、小胞体ストレス誘導剤、代謝拮抗剤、有糸分裂阻害剤、ナイトロジェンマスタード、ニトロソ尿素、スルホン酸アルキル、白金剤、タキサン、ビンカ剤、抗エストロゲン薬、アロマターゼ阻害剤、卵巣抑制剤、VEGF/VEGFR阻害剤、EGF/EGFR阻害剤、RAS阻害剤、PARP阻害剤、細胞分裂阻害性アルカロイド、細胞傷害性抗生物質、内分泌/ホルモン剤、ビスホスホネート治療剤、フェンホルミン、および標的生物学的治療剤(例えば、米国特許第6306832号、WO2012007137、WO2005000889、WO2010096603などに記載された治療用ペプチド)からなる群から選択される少なくとも1つの追加の治療剤と共に別々に、逐次的に、または同時に投与され得る。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの追加の治療剤は化学療法剤である。
【0107】
特定の化学療法剤には、シクロホスファミド、フルオロウラシル(または5-フルオロウラシルまたは5-FU)、メトトレキサート、エダトレキサート(10-エチル-10-デアザ-アミノプテリン)、チオテパ、カルボプラチン、シスプラチン、タキサン、パクリタキセル、タンパク質結合型パクリタキセル、ドセタキセル、ビノレルビン、タモキシフェン、ラロキシフェン、トレミフェン、フルベストラント、ゲムシタビン、イリノテカン、イキサベピロン、テモゾロミド(temozolmide)、トポテカン、ビンクリスチン、ビンブラスチン、エリブリン、ムタマイシン(mutamycin)、カペシタビン、アナストロゾール、エキセメスタン、レトロゾール、ロイプロリド、アバレリックス、ブセレリン(buserlin)、ゴセレリン、酢酸メゲストロール、リセドロネート、パミドロネート、イバンドロネート、アレンドロネート、デノスマブ、ゾレドロネート、トラスツズマブ、tykerb、アントラサイクリン(例えば、ダウノルビシンおよびドキソルビシン)、クラドリビン、ミドスタウリン、ベバシズマブ、オキサリプラチン、メルファラン、エトポシド、メクロレタミン、ブレオマイシン、微小管毒、バンレイシ科アセトゲニン、クロラムブシル、イフォスファミド、ストレプトゾシン、カルムスチン、ロムスチン、ブスルファン、ダカルバジン、テモゾルミド、アルトレタミン、6-メルカプトプリン(6-MP)、シタラビン、フロクスウリジン、フルダラビン、ヒドロキシ尿素、ペメトレキセド、エピルビシン、イダルビシン、SN-38、ARC、NPC、カンプトテシン、9-ニトロカンプトテシン、9-アミノカンプトテシン、ルビフェン、ジャイマテカン、ジフロモテカン、BN80927、DX-8951f、MAG-CPT、アマサクリン(amsacnne)、リン酸エトポシド、テニポシド、アザシチジン(Vidaza)、デシタビン、バッカチンIII、10-デアセチルタキソール、7-キシロシル-10-デアセチルタキソール、セファロマンニン、10-デアセチル-7-エピタキソール、7-エピタキソール、10-デアセチルバッカチンIII、10-デアセチルセファロマンニン、ストレプトゾトシン、ニムスチン、ラニムスチン、ベンダムスチン、ウラムスチン、エストラムスチン、マンノスルファン、カンプトテシン、エキサテカン、ルルトテカン、ラメラリンD9-アミノカンプトテシン、アムサクリン、エリプチシン、アウリントリカルボン酸、HU-331、またはそれらの組合せが挙げられるが、それらに限定されない。
【0108】
代謝拮抗剤の例には、5-フルオロウラシル(5-FU)、6-メルカプトプリン(6-MP)、カペシタビン、シタラビン、フロクスウリジン、フルダラビン、ゲムシタビン、ヒドロキシ尿素、メトトレキサート、ペメトレキセド、およびそれらの混合物が挙げられる。
【0109】
タキサンの例には、バッカチンIII、10-デアセチルタキソール、7-キシロシル-10-デアセチルタキソール、セファロマンニン、10-デアセチル-7-エピタキソール、7-エピタキソール、10-デアセチルバッカチンIII、10-デアセチルセファロマンニン、およびそれらの混合物が挙げられる。
【0110】
DNAアルキル化剤の例には、シクロホスファミド、クロラムブシル、メルファラン、ベンダムスチン、ウラムスチン、エストラムスチン、カルムスチン、ロムスチン、ニムスチン、ラニムスチン、ストレプトゾトシン;ブスルファン、マンノスルファン、およびそれらの混合物が挙げられる。
【0111】
トポイソメラーゼI阻害剤の例には、SN-38、ARC、NPC、カンプトテシン、トポテカン、9-ニトロカンプトテシン、エキサテカン、ルルトテカン、ラメラリンD9-アミノカンプトテシン、ルビフェン、ジャイマテカン、ジフロモテカン、BN80927、DX-8951f、MAG-CPT、およびそれらの混合物が挙げられる。トポイソメラーゼII阻害剤の例には、アムサクリン、エトポシド、硫酸エトポシド、テニポシド、ダウノルビシン、ミトキサントロン、アムサクリン、エリプチシン、アウリントリカルボン酸、ドキソルビシン、およびHU-331、ならびにそれらの組合せが挙げられる。
【0112】
免疫治療剤の例には、免疫チェックポイント阻害剤(例えば、CTLA-4、PD-1、PD-L1をターゲットする抗体)、イピリムマブ、90Y-クリバツズマブテトラキセタン、ペムブロリズマブ、ニボルマブ、トラスツズマブ、シクスツムマブ(cixutumumab)、ガニツマブ、デムシズマブ、セツキシマブ、ニモツズマブ、ダロツズマブ、シプロイセル-T、CRS-207、およびGVAXが挙げられる。
RAS阻害剤の例には、AMG 510、MRTX849、ARS-3248、BI 1701963、ARS-1620、ARS-853、チオール反応性GDPアナログ、BBP-454、mRNA-5671、KRAS G12D阻害剤、およびその他同種類のものが挙げられる。
いずれの場合においても、複数の治療剤が、任意の順序で、またはさらに同時に、投与されてもよい。同時である場合には、複数の治療剤は、単一の一体化された形をとって、または複数の形をとって、提供され得る(ほんの一例として、単一の丸剤としてかまたは2つの別々の丸剤としてのいずれか)。治療剤の一方が複数回用量で与えられ得、または両方が複数回用量として与えられ得る。同時ではない場合には、複数回用量間のタイミングは0週間より長くから4週間未満まで変動し得る。加えて、併用方法、組成物、および製剤は、2つの作用物質だけの使用に限定されるべきではない。
【0113】
キット
本開示はまた、1つまたは複数のTXNRD1阻害剤を含む、RAS変異体癌(例えば、RAS変異体膵癌)の防止および/または治療のためのキットを提供する。任意で、本テクノロジーのキットの上記のコンポーネントが、適切な容器内にパッキングされ、RAS変異体癌(例えば、RAS変異体膵癌)の防止および/または治療用にラベルを貼られる。
【0114】
上記で言及されたコンポーネントは、単位用量または複数用量の容器、例えば、密封されたアンプル、バイアル、ボトル、シリンジ、および試験管内に、水性の、好ましくは無菌の、溶液として、または再構成のための凍結乾燥した、好ましくは無菌の、製剤として、保存され得る。キットはさらに、医薬組成物をより大きい体積へ希釈するのに適した希釈剤を保持する第2の容器を含み得る。適切な希釈剤には、医薬組成物の薬学的に許容される賦形剤および生理食塩水が挙げられるが、それらに限定されない。さらに、キットは、医薬組成物を希釈するための説明書、および/または希釈されるかどうかに関わらず、医薬組成物を投与するための説明書を含み得る。容器は、ガラスまたはプラスチックなどの様々な材料から形成され得、無菌アクセスポートを有し得る(例えば、容器は、皮下注射針によって突き通し得るストッパーを有する、静注溶液バッグまたはバイアルであり得る)。キットはさらに、リン酸緩衝生理食塩水、リンゲル溶液、およびデキストロース溶液などの薬学的に許容されるバッファーを含む追加の容器を含み得る。それは、商業的およびユーザー的観点から望ましい他の材料をさらに含み得、それには、適切な宿主のうちの1つまたは複数のための他のバッファー、希釈剤、フィルター、針、シリンジ、培地が挙げられる。キットは、任意で、例えば、そのような治療用または診断用製品の使用に関する、適応症、用法、投薬量、製造、投与、禁忌、および/または警告についての情報を含有する、治療用または診断用製品の市販パッケージに通例、含まれる使用説明書を含み得る。
【0115】
キットはまた、例えば、緩衝剤、保存剤、または安定剤を含み得る。キットはまた、アッセイし、かつ試験試料と比較することができる対照試料または一連の対照試料を含有し得る。キットの各コンポーネントは、個々の容器内に封入することができ、その様々な容器の全部が、そのキットを用いて実施されるアッセイの結果を解釈するための使用説明書と共に、単一のパッケージ内にあり得る。本テクノロジーのキットは、キット容器上または中に書面を含有し得る。書面はキットに含有される試薬を使用する方法を記載する。ある特定の実施形態において、試薬の使用は本テクノロジーの方法に従い得る。
【実施例
【0116】
本テクノロジーは、以下の実施例によりさらに例証されるが、実施例は、決して、本発明を限定するものと解釈されるべきではない。本明細書における実施例は、本テクノロジーの利点を例証するために、および本テクノロジーの組成物およびシステムを調製または使用することに関して当業者をさらに助けるために提供される。実施例は、添付の特許請求の範囲により定義されているような本テクノロジーの範囲を限定するものと決して解釈されるべきではない。実施例は、上記の本テクノロジーのバリエーション、態様、または実施形態のいずれかを含みまたは組み入れることができる。上記のバリエーション、態様、または実施形態はまたさらに、それぞれ、本テクノロジーのいずれかまたは全部の他のバリエーション、態様、または実施形態のバリエーションを含みまたは組み入れ得る。以下の実施例は、TXNRD1発現および/または活性を阻害する本テクノロジーの例証となる組成物の調製、特徴づけ、および使用を示している。
【0117】
(実施例1)
実験材料および方法
scRNA-seqカウントデータの前処理。10×シーケンシングにより作成された生のHGNCアラインメントされたUMIカウントマトリックスを、下流分析パイプラインにおいて分析する前に、前処理およびスケーリングした。低存在量の遺伝子(例えば、平均カウント<0.25)および細胞の10%未満におけるリードを有する遺伝子、加えて、全遺伝子の10%未満についてのゼロでないリードを有する細胞を、カウントマトリックスから除去した。個々の細胞間のシーケンシング深度における矛盾を調整するために、次の分析において進める前に、場合によってはカウントマトリックスを正規化し、スケーリングした。正規化の方法は以下を含むが、それらに限定されない:1)全細胞にわたって深度中央値を一致させるために細胞レベルのカウント数を全体的にスケーリングすること(スカラー調整)、および2)個々の細胞についての固有のスケーリング因子を得るために連立一次方程式を解くこと。場合によっては、試料バッチ間効果を相互最近傍アルゴリズムによって補正した。
【0118】
教師つき次元削減。治療標的をコンピュータ的に同定するために、高次元カウントデータを、より低次元の潜在空間へマッピングした。潜在空間を、純粋な細胞型(例えば、膵臓腺癌、導管細胞、および腺房細胞)の収集物に対して、細胞型が縮退のための教師つきラベルとして働く教師つき次元削減によって構築した。このようにして、潜在空間は、癌細胞と初代細胞との分離可能性を最大限にした。場合によっては、必須遺伝子(例えば、RNAiまたはCRISPRによるPCNAまたはMCM6)でターゲットされる細胞もまた、「毒性」の領域を定義するために、潜在空間の構築に含めた。例えば遺伝子をノックダウンした場合に顕現化される毒性は、初代細胞においてアポトーシスを誘導した。モデル訓練後、CRISPR標的候補に関して問い合わせられた細胞を、それらの転写の野生型発現プロファイルへのシフト(治療指数)を定量化するために、純粋な細胞型から構築された同じ潜在空間へマッピングした。
【0119】
教師つき次元削減のためにいくつかのアルゴリズムを用いた。場合によっては、潜在空間についての次元の最適な数を決定するために、Elbow方法(Richards et al., J Shoulder Elbow Surg 8(4): 351-354 (1999))を用いた。
【0120】
治療指数のスコアリング。プールされたCRISPRiライブラリにより問い合わせられた標的遺伝子を、癌細胞の転写プロファイルをシフトして野生型様発現状態へ戻すそれらの能力に関して定量化した(治療指数)。遺伝子を、機械学習アルゴリズムによってスコアリングした。簡単に述べれば、別々の1クラス機械学習アルゴリズムを異なる細胞型の潜在性発現プロファイルに関して訓練し、その細胞型には、1)膵管細胞;2)膵腺房細胞;3)膵臓腺癌;および4)毒性についてのモデルとして(CRISPR/RNAiにより)ターゲットされる必須遺伝子(例えば、PCNAまたはMCM6)を有する膵臓腺癌が挙げられるが、それらに限定されない。その後、訓練された機械学習モデルのそれぞれを用いて、CRISPRiライブラリでターゲットされたシングルセルの潜在性発現プロファイルに適用される決定関数のアウトプットに基づいた候補遺伝子をスコアリングした。場合によっては、決定関数推定についてのブートストラップ信頼区間を構築するために、細胞を繰り返し、復元サンプリングした。
【0121】
2-Dプールドネガティブ選択RNAiスクリーニング。以前に記載されているように(Huang et al., Genes Dev. 28(16): 1800-1814 (2014))、442個の薬物標的遺伝子に焦点を置いたカスタムshRNAライブラリ(2245個のshRNA、遺伝子あたり5~6個)を設計および構築した。そのライブラリを、TRMPV-Neoベクターへクローニングし、Tet-Onマウス膵管腺癌(mPDAC)細胞(KrasG12D;Myc;shp53)へ形質導入した.Lito et al., Cancer Cell 25(5):697-710 (2014)。ライブラリの形質導入に用いられた条件は、主に単一のレトロウイルス組込みをもたらし、少なくとも1000個の細胞の計算された数において各shRNAを表現した。形質導入細胞を、1mg/mL G418(Invitrogen)を用いて5日間、選択した。各継代において、実験を通じてライブラリ表現を保存するために、2千万個より多い細胞を維持した。薬物選択後、T0試料を得て(レプリケートあたり2千万個の細胞)、Venus+細胞について選別した。12日後(6継代、T12)、2千万個のshRNA発現(dsRed+ Venus+)細胞を各レプリケートについてFACSAriaII(BD Biosciences)を用いて選別した。T0およびT12試料からのゲノムDNAを、PhaseLockチューブ(5 Prime)を用いるフェノール抽出の2ラウンド、続いてイソプロパノール沈澱により単離した。
【0122】
その後、mPDACスクリーニングから得られた結果を、Myc;p53-/-マウス肝細胞癌(mHCC)細胞から得られた結果(Huang et al., Genes Dev. 28(16): 1800-1814 (2014))と比較し、2次元RNAiスクリーニングプロットを構築した。例えば、図3A参照。
プラスミド。条件付きRNAi実験について、以前に記載されている(Zuber et al., Nat Biotechnol. 29(1):79-83 (2011);Fellmann et al., Cell Rep 5(6): 1704-1713 (2013))miR-EかまたはmiR-30のいずれかのバックボーン由来のTRMPV-NeoベクターからshRNAを発現させた。ノックダウン効率または過剰発現をイムノブロッティングにより評価した。
【0123】
イムノブロッティング。細胞ペレットを、Laemmliバッファー(100mM Tris-HCl pH6.8、5%グリセロール、2%SDS、5%2-メルカプトエタノール)中に溶解した。等量のタンパク質を、12% SDS-ポリアクリルアミドゲル上で分離させ、PVDF膜へ90V下で120分間転写した。同等の装荷を保証するために、β-アクチンの存在量をモニターした。画像をAlphaViewソフトウェア(ProteinSimple)を用いて分析した。イムノブロッティングを、TXNRD1(TrxR1)(1:1000、sc-28321、Santa Cruz Biotechnology)、KRAS(1:200、WH0003845M1、Sigma-Aldrich)、またはβ-アクチン-HRP(1:10000、A3854、Sigma)に対する抗体を用いて実施した。
【0124】
増殖アッセイ。TRMPV-Neoベクター(miR-30またはmiR-Eバックボーンを有する)におけるshRNAを用いる競合増殖アッセイを、以前記載されているように(Huang et al., Genes Dev. 28(16): 1800-1814 (2014))実施した。オーラノフィンまたはピペルロングミンによるインビトロ成長阻害についてのアッセイを、漸増濃度のオーラノフィンまたはピペルロングミンの存在下での72時間の細胞のインキュベーション後、CellTiter-Glo発光細胞生存率アッセイ(Promega)を用いて生細胞数をカウントすることにより実施した。72時間目における生細胞数を0時間目における生細胞数で割ることにより増殖速度を計算した。ビヒクル処理細胞の増殖速度に対して正規化することにより相対的増殖速度を計算した。
【0125】
動物試験。この試験に記載された全ての実験手順は、プロトコール番号11-06-016および11-06-018においてMemorial Sloan Kettering Cancer Center(NY)における動物実験委員会(Institutional Animal Care and Use Committee(IACUC))により承認された。マウスは、特定の病原体を除去した条件下で維持され、食物および水を自由に与えられた。
インビボの条件付きRNAi実験。Tet-OnマウスPDAC細胞にルシフェラーゼ-hygroおよびTRMPV-Neo-miR-E shRNA構築物を形質導入した。100万個のマウスPDAC細胞を、雌ヌードレシピエントマウス(NCR nu/nu、Charles River laboratoriesおよびHarlan Laboratoriesから購入)へ正所性に移植した。全身生物発光画像化について、マウスに50mg/kg D-ルシフェリン(Goldbio)を腹腔内に注射し、10分後、IVISスペクトルシステム(Caliper LifeSciences)を用いて分析した。マウス躯幹および四肢を網羅する標準化された関心対象の円領域に関して、定量化をLiving Imageソフトウェア(Caliper LifeSciences)を用いて実施した。shRNA誘導について、動物を、飲料水(2%スクロースを含む2mg/ml;Sigma-Aldrich)および食物(625mg/kg、Harlan Laboratories)中のドキシサイクリンで処置した。
【0126】
インビボの薬物治療実験。オーラノフィン治療試験について、16mgオーラノフィンをまず4mLエタノール中に溶解し、その後、12mL PBSで1mg/mlの最終濃度に希釈した。マウスに毎日、オーラノフィン(10mg/kg)または類似した体積のビヒクルを腹腔内注射により与えた。病気の動物を犠牲にし、膵臓組織および腫瘍をさらなる分析に用いた。
【0127】
RNAシーケンシングおよび遺伝子セットエンリッチメント分析(GSEA)分析。RNAシーケンシングについて、対照ウミシイタケルシフェラーゼまたはTXNRD1をターゲットするshRNAを含むmPDAC細胞由来の全RNAを、RNeasy Mini Kit、QIAshredder Columns and RNase-Free DNase Set(Qiagen)を用いて単離した。RNA-seqライブラリ構築およびシーケンシングを、MSKCCにおけるIntegrated Genomics Operation(IGO)Coreにより用いられるプロトコールに従って実施した。レプリケート試料あたり500~1000万個のリードが獲得された。Trimmomatic(Bolger et al., 2014)でアダプター配列を除去した後、RNA-seqリードを、STARアラインメントツール(Dobin et al., 2013)を用いてGRCh37.75(hg19)に対してアラインメントした。ゲノムワイド転写産物カウンティングをHTSeqにより実施して、FPKMマトリックスを作成した(Anders et al., 2015 Bioinformatics)。遺伝子セットエンリッチメント分析(Subramanian et al., 2005)を、GSEA v2.07ソフトウェアを用いて実施した。
【0128】
統計。データは、特に断りのない限り、平均±標準偏差として提示されている。群間の統計的有意性は、両側スチューデントt検定により計算された。補正は、Pearson検定により計算された。Prism 7ソフトウェアは、IC50値を計算するために用いられた。有意値はP<0.05(*)、P<0.01(**)、およびP<0.001(***)である。場合によってはVolcanoプロットが作成された。
【0129】
遺伝子依存性の分析。全てのヒートマップについて用いられたヒト癌細胞株全ゲノムsgRNAスクリーニングのデータは、http://genomecrispr. dkfz.de/からであった。Log2FC(log変換での存在量倍数変化)を用いて、各実験における各遺伝子についての遺伝子依存性スコアを計算した。遺伝子依存性スコアを、同じ遺伝子をターゲットする全sgRNAのLog2FCの平均をとることにより計算した。「Pheatmap」Rパッケージを用いる教師なしクラスター化を用いて、可視化のために類似した表現型を有する遺伝子をクラスター化した。
オーラノフィンに対する感受性における倍数変化の決定および薬物相乗作用の定量分析。半有効原理および併用指数-アイソボログラム定理に基づいている、CompuSynソフトウェア(バージョン1.0)(http://www.combosyn.com)を用いて、薬物相乗作用を分析した。併用指数(CI)値CI>1はアンタゴニズムを示す;CI=0.75~1.25は、相加効果を示す;および<1は相乗作用を示す。各GI(成長阻害)またはCIスコアは、少なくとも3つの独立した実験からのデータを表す。
【0130】
オーラノフィン薬物動態。9匹のNCR nu/nuマウスにおいて、10mg/kgオーラノフィン懸濁液の単一用量の腹腔内注射による投与後、金の血漿および膵臓薬物動態を分析した。金濃度の決定についての血漿および膵臓試料を、オーラノフィンの投与後2時間目、4時間目、および24時間目に取得した。収集された血漿および膵臓試料を、金濃度を定量化するために誘導結合型プラズマ質量分析(ICPMS)方法を用いて分析した。
【0131】
(実施例2)
Kras変異体膵癌における新規な標的のコンピュータによる発見および検証
図1A~1Bは、RAS変異体膵癌における治療標的のコンピュータによる発見についてのパイプラインを提供する。図1Aに示されているように、Kras変異体膵臓細胞株を、低い感染多重度(MOI)で形質導入されるCRISPRiライブラリを用いてスクリーニングした。Chromium機器(10X Genomics)および酵素キット(10X Genomics)を用いて、シングルセルのトランスクリプトームを単離し、DNAライブラリへ変換し、Hiseq4000システム(Illumina)を用いてシーケンシングした。個々の細胞のシングルセルRNAシーケンシング(scRNA-seq)プロファイルを、それらのそれぞれのCRISPR標的へ、ペアエンドシーケンシングにより、およびバーコードを用いてマッチングした。FASTQ形式における生リードを、全ゲノムに関してアラインメントし、各細胞についての適切なゲノム座標およびHGNC遺伝子へマッピングし、N個の細胞×M個の遺伝子で構成されるカウント行列を生じた(図1A参照)。このN×M行列をさらに、教師つき次元削減によってN×50行列へ縮退した(図1A参照)。純粋な細胞型(例えば、癌細胞、導管細胞、腺房細胞、または陰性対照としての役割を果たす非ターゲティング化ガイドRNAを発現する癌細胞)を同定するように次元削減モデルを訓練し、その結果、より低次元の潜在空間が、健康な細胞と癌細胞をお互いから最大限に分離させた(図1A~2A参照)。mRNA発現パターンを陰性対照から離れて、かつ健康な細胞(導管細胞または腺房細胞)へ最大限に動かすCRISPR標的を発現する細胞をこのアルゴリズムを用いて同定し、そのようなCRISPR標的は前臨床開発において探求される最も有望な標的を構成した。
【0132】
図1A~1Bに示されているように、機械学習アルゴリズムを用いて治療指数を定量化した。簡単に述べれば、異なる細胞集団を同定するように別々の機械学習モデルを訓練し、その細胞集団には、1)膵管細胞(治療指数についての陽性対照);2)膵腺房細胞(治療指数についての陽性対照);3)非標的ガイドRNAを発現するKras変異体PDAC細胞(治療指数についての陰性対照);および4)ターゲットされる必須遺伝子を発現するKras変異体PDAC細胞(毒性標的についての陽性対照)が挙げられる。図1A~1Bに示されているように、その後、CRISPRi標的を発現するKras変異体PDAC細胞のRNA-seqデータに訓練された機械学習モデルを適用して、膵腺房細胞と類似し、かつ治療指数についての陰性対照を発現するKras変異体PDAC細胞とは識別できるRNA-seqプロファイルを示す細胞を検出した。そのような細胞により発現したCRISPRi標的のアイデンティティを、ペアエンドシーケンシングおよびバーコードに基づいて同定した。前臨床開発において探求するために最大治療指数を有する標的を選択した。
【0133】
(実施例3)
KRAS変異体膵癌における治療標的としてのTXNRD1のコンピュータによる同定
図1Bに示されているように、CRISPRi標的を発現する個々のKras変異体PDAC細胞のscRNA-seqプロファイルを、上記のように2つの非標的ガイドRNA、毒性標的、および健康な導管細胞株について訓練された機械学習アルゴリズムの決定関数を用いて分析した。決定関数のアウトプットをさらに様々な方法によって変換した。その方法として、対照集団と比べた効果量、K.S.統計値、zスコア、またはp値が挙げられるが、それらに限定されない。複数の機械学習アルゴリズムおよびレプリケートにわたるスコアをさらに様々な方法によって統合した。その方法として、平均、加重平均、ランク統合、加重ランク統合、Stouffer法(zスコア)、およびFischer法(p値)が挙げられるが、それらに限定されない。
【0134】
図2Aに示されているように、膵腺房細胞に類似したRNA-seqプロファイルを示すようにKras変異体PDAC細胞を形質転換するCRISPRi標的としてTXNRD1が同定された。細胞型集団の分布を、機械学習アルゴリズムを用いて、教師つき次元削減後の一次元に沿って分析し、プロットした。図2Aに示されているように、TXNRD1をターゲットするガイドRNAを発現するKras変異体PDAC細胞(N=87)は、健康な導管細胞へのシフトを示した(N=600)。比較により、無効なCRISPRi標的(非ターゲティングガイドRNA)を発現するKras変異体PDAC細胞(N=122)は、大部分、癌細胞のプロファイルと重複した。図2Bに示されているように、機械学習アルゴリズムからの4つの決定関数にわたって平均されたTXNRD1のz変換された治療指数は、上位20個の候補標的のうち最も高かった。同様に、図2Cに示されているように、TXNRD1は、50個を超える候補標的のパネルの中で治療指数についての最も高い加重平均決定関数スコアを示した。
【0135】
(実施例4)
2-D RNAiスクリーニングアプローチによる治療標的としてのTXNRD1の同定
KRAS変異体PDACの維持に必須である薬物標的を選択的に同定するために、既知の薬物標的に方向づけられた低分子ヘアピン型RNA(shRNA)のカスタムライブラリを、遺伝学的に定義されたマウスHCCモデル(KrasG12D;Myc;shp53)においてネガティブ選択についてスクリーニングした。結果を、マウスHCCモデル(Myc;p53-/-)からの以前のネガティブ選択結果(Huang et al., Genes Dev. 28(16): 1800-1814 (2014))と交差分析した。図3Aに示されているように、Txnrd1、Acpp、およびAmtをターゲットするshRNAが、両方の細胞株において未変化のままであった陰性対照shRNAと比較して、Kras変異体PDAC細胞において選択的に枯渇していることが見出された。比較において、陽性対照shRNAはマウスHCCとマウスHCCの両方において枯渇していた(図3A参照)。
【0136】
mPDAC、mHCC、およびiMEFにおいて定量化された特定のsiRNAを発現する細胞の枯渇を検出するために、これらの細胞に、Txnrd1、Acpp、Amt、および対照に対する誘導性shRNA:Ren.713(陰性対照としての役割を果たす非ターゲティングshRNA)、Rpa3.561(全ての増殖細胞における成長阻害についての陽性対照)、Kras.247(mPDAC特異的成長阻害についての陽性対照)を有するウイルスを形質導入した。これらのshRNAを発現する細胞のパーセンテージを、shRNA誘導の0日目および12日目に決定した。shRNAを発現する細胞のパーセンテージの減少は、shRNAの阻害効果を示した。図3Bに示されているように、(ウミシイタケルシフェラーゼに対する)非ターゲティング陰性対照であるshRNA Ren.713は、いずれの細胞においても効果を生じず、陽性対照shRNA Rpa3.561は、試験された全ての細胞型において枯渇した。mPDAC特異的陽性対照Kras.247は、mHCCおよびiMEFと比較してmPDACにおいて枯渇した。図3Bに示されているように、Txnrd1、Acpp、およびAmtに対するshRNAは、陰性対照と比較して、Kras変異体PDAC細胞(KrasG12D;Myc;shp53)において阻害効果を示したが、mHCC細胞(Myc;p53-/-)においても形質転換されていない不死化マウス胚線維芽細胞(iMEF)においても示さなかった。Txnrd1 shRNAの効果は、AcppまたはAmtをターゲットするshRNAより顕著であった。図3Bに示されたウェスタンブロットは、shRNAが、それらがターゲットするタンパク質の量を低下させたことを示している。したがって、このアッセイもまた、Txnrd1を有望な標的として同定した。RAS機能獲得変異(例えば、コドン12、13、または61における)がKRAS、NRAS、およびHRASアイソフォームの中で100%のアミノ酸配列同一性を共有する領域に起こると仮定すれば(Prior et al.、Cancer Research 72(10) (2012)参照)、TXNRD1の阻害は、KRAS、NRAS、およびHRAS変異と関連した癌を治療すると予測される。
【0137】
TXNRD1依存性をさらに様々な細胞株において調べた。図6A~6Bに示されているように、複製遺伝子RAP1またはPCNAをノックアウトまたはノックダウンすることは、結果としてほとんど全部の細胞株への全般的な致死性を生じた。対照的に、TXNRD1は、KRAS、HRAS、およびNRASについて類似した依存性を示すある特定の細胞株に条件的に必要とされる。
【0138】
これらの結果は、本テクノロジーのTXNRD1阻害剤組成物が、それを必要としている対象においてRAS発現のレベルの上昇および/またはTXNRD1発現のレベルの上昇により特徴づけられる疾患または状態を治療するための方法に有用であることを実証している。
【0139】
(実施例5)
KRAS変異体PDAC成長は薬理学的TXNRD1阻害に感受性がある
小分子薬物を用いた膵癌におけるTXNRD1の薬理学的阻害の効果を評価するために、ミリセチン、マニュマイシンA、プロトポルフィリンIX、およびオーラノフィンによる阻害研究に取り組んだ。
【0140】
オーラノフィンは、TXNRD1の酵素活性の阻害剤である(Gromer et al., J Biol Chem 273(32): 20096-20101参照)。ミリセチン、マニュマイシンA、およびプロトポルフィリンIXもまた、TXNRD1の酵素活性の阻害剤である。mPDAC細胞を、TXNRD1阻害剤オーラノフィンまたはDMSOで72時間処理し、生存率を測定した。DMSO処理は、成長阻害の欠如を引き起こす陰性対照としての役割を果たした。DMSO処理細胞の生細胞数を1に設定した。DMSO処理細胞の生存率に対して正規化された、オーラノフィン処理細胞の生存率をオーラノフィン濃度の関数としてプロットし、指数関数的成長曲線にフィッティングした。ミリセチン、マニュマイシンA、およびプロトポルフィリンIXのそれぞれもまた、類似した処理に供した。
図3Dに示されているように、オーラノフィンはμM以下の濃度でmPDAC細胞の成長を阻害した。これらの結果は、本テクノロジーのTXNRD1阻害剤組成物が、それを必要としている対象において、RAS変異、RAS発現のレベルの上昇、および/またはTXNRD1発現のレベルの上昇により特徴づけられる疾患または状態を治療するための方法に有用であることを実証している。
【0141】
(実施例6)
KRAS状態がTXNRD1阻害に対する応答を予測する
上記で論じられたスクリーニングシステムおよび図1A~3Bは、変異体Kras、p53欠損、およびMyc過剰発現により駆動されたため、いずれかの遺伝子の変化がTXNRD1阻害に対する感受性を決定づけるのかどうか調べた。12個の膵癌細胞株を、増加性濃度のオーラノフィンまたはDMSOで処理した。この実験に用いられる細胞株の中で、L3.3、Colo357、およびBXPC3が野生型KRASを有する。細胞株PANC0327、MIAPaCa-2、PANC0213、ASPC1、8898、CFPAC-1、L3.6pl、PANC1、およびSU8686は、KRAS変異を含んだ。図3Eに示されているように細胞株間で変動があったが、KRAS変異体細胞は、一般的に、野生型KRAS細胞よりオーラノフィンに対してより感受性が高かった。
【0142】
野生型KRAS細胞の感受性とKRAS変異体細胞の感受性の間で観察された差が、統計的に有意であるかどうかを理解するために、オーラノフィンによるTXNRD1阻害に対するヒトPDAC細胞株の相対的感受性のIC50データを比較した。図4Aに示されているように、TXNRD1阻害に対する抗増殖性応答とKRAS変異状態との間に有意な相関が見出された。対照的に、図4B~4Cに示されているように、TXNRD1阻害に対する応答と、P53変異状態またはMYC mRNA発現との間に有意な相関はなかった。KRAS変異(G12C、G12D、G12V)のオーラノフィン感受性への効果を理解するために、異なるKRAS変異(G12C、G12D、G12V)を含むヒト膵癌細胞または野生型を、別のTXNRD1阻害剤ピペルロングミンで処理した。図4Dに示されているように、KRAS変異体細胞は、野生型KRAS細胞よりピペルロングミンに対してより感受性が高く、上記の所見をさらに強化した。
KRASの発現とTXNRD1の発現の間に相関があるかどうかを理解するために、両方のこれらの遺伝子の発現を、Cancer Genome Atlas Research Network(TCGA)からの149個のヒト膵癌腫瘍において定量化し、散布図として示した。図4Eに示されているように、TXNRD1発現レベルとKRAS発現レベルの間の相関が観察された(r=0.36、p<0.0001)。
【0143】
PDAC細胞におけるTXNRD1抑制の分子機構を理解するために、対照ウミシイタケまたはTxnrd1をターゲットするshRNAを含むmPDAC細胞のRNA-seq分析を実施した。図4F~4Gに示されているように、Cdk9の抑制は、KRAS依存性(図4F)と膵癌シグネチャ(図4G)の両方の復帰変異を生じ、TXNRD1がKRAS発癌性シグナル伝達に必要とされるという所見をさらに確証した。興味深いことに、図4Hに示されているように、TXNRD1の抑制は、SLC7A11と呼ばれる遺伝子を含むアミノ酸輸送体およびフェロトーシスに関係した遺伝子シグネチャの下方制御を示した。
【0144】
これらの結果は、本テクノロジーのTXNRD1阻害剤組成物が、それを必要としている対象において、RAS発現のレベルの上昇および/またはTXNRD1発現のレベルの上昇により特徴づけられる疾患または状態を治療するための方法に有用であることを実証している。
【0145】
(実施例7)
TXNRD1はKRAS変異体膵腫瘍の維持に必要とされる
インビボでのTXNRD1のPDAC進行への関連性もまた調べた。樹立膵腫瘍においてTxnrd1を抑制するために、mPDAC細胞に、ルシフェラーゼ、およびTxnrd1 shRNAまたは対照shRNAを含有するdox誘導性TRMPV-Neo-miR-E構築物(ウミシイタケおよびKras)を形質導入し、レシピエントマウスの膵臓へ正所性注射により移植した(図5A参照)。発光シグナルの検出時点で、対応するshRNA発現を誘導するために動物をdox無しまたは有りで処理した。図5Cに示されているように、生物発光画像化により、未処置群(dox無し)由来のマウスは7日目までに大きな膵腫瘍を示すことが明らかにされた。対照的に、Txnrd1またはKrasのノックダウンは腫瘍成長における同等の遅延をもたらした。したがって、Txnrd1のRNAi媒介性抑制は、インビボでKras変異体PDACで抗腫瘍効果を誘発することにおいてKras阻害の効果に近似している。腫瘍質量を、対応するshRNAを誘導するためにドキシサイクリン有りまたは無しで処置された動物から定量化した(n=4~5)。図5Bに示されているように、未処置群(dox無し)由来のマウスからの腫瘍質量は、腫瘍成長における同等の遅延をもたらしたTxnrd1またはKrasのノックダウンを有するマウスと比較して、より大きい膵腫瘍を示した。Ren.713Eを発現する腫瘍の質量は、ドキシサイクリン処置によって影響されなかった(図5BのRen.713列におけるレプリケートの2セットを比較する)。Txnrd1 shRNAおよびKRAS shRNAを発現する腫瘍の質量は、ドキシサイクリン処置により同程度で阻害された(図5BのTxnrd1.2057E、Txnrd1.1474E、およびKRas.247の列における群間および群内のレプリケートの2セットを比較する)。
【0146】
これらの結果は、本テクノロジーのTXNRD1阻害剤組成物、例えば、TXNRD1の発現を阻害する作用物質が、それを必要としている対象においてRAS変異体癌を治療するための方法に有用であることを実証している。
【0147】
薬理学的TXNRD1阻害の成長阻害効果をまた、KRasG12D;p53-/-膵癌オルガノイド株をレシピエントマウスの膵臓へ移植することにより作製された追加のマウスPDACモデルにおいて調べた。マウスを、陰性対照として働くビヒクルのみか、またはオーラノフィンかのいずれかで処置した。図5Dに示されているように、インビボRNAi結果(図5A~5C)と一致して、TXNRD1阻害剤オーラノフィンでの処置(10mg/kg、1日1回、1週間に5日)は、Kras変異体腫瘍成長において遅延を引き起こした。加えて、図5Eに示されているように、薬理学的TXNRD1阻害の成長阻害効果が、KRAS変異体PDAC細胞(MIAPaCa-2:KRAS変異体)により作製されたヒト異種移植モデルにおいて見出されたが、KRAS野生型細胞(Colo357:KRAS野生型)においては見出されなかった。したがって、TXNRD1は、インビボでのKRAS変異体腫瘍および依存性の維持に必要とされる。図10は、オーラノフィンが膵臓へ送達されることを示している。
【0148】
図9は、TXNRD1 mRNA上方制御を示す膵臓腺癌(PDAC)を有する患者が、低レベルのTXNRD1を発現するPDAC患者と比較して、全生存期間の低下を示すことを示している。
図7A~7Dは、KRAS変異体膵癌細胞におけるTXNRD1阻害剤オーラノフィンの抗増殖効果、およびゲムシタビンと併用された場合の潜在的相乗阻害効果を示している。図8A~8Dは、KRAS変異体膵癌細胞におけるTXNRD1阻害剤オーラノフィンの抗増殖効果、およびKRASG12C阻害剤AMG 510と併用された場合の潜在的相乗阻害効果を示している。
これらの結果は、本テクノロジーのTXNRD1阻害剤組成物が、それを必要としている対象においてRAS変異体癌を治療するための方法に有用であることを実証している。
【0149】
等価物
本テクノロジーは、この出願に記載された特定の実施形態の観点から限定されるべきではなく、その実施形態は、本テクノロジーの個々の態様の単一の実例として意図される。この本テクノロジーの多くの改変およびバリエーションが当業者に明らかであるように、それの精神および範囲から逸脱することなくなされ得る。本明細書に列挙されたものに加えて、本テクノロジーの範囲内の機能的に等価の方法および装置が前述の説明から当業者に明らかであろう。そのような改変およびバリエーションは本テクノロジーの範囲内にあることを意図される。本テクノロジーが、当然ながら変わり得る、特定の方法、試薬、化合物、組成物、または生物系に限定されないことは理解されるべきである。本明細書に用いられる用語法は、特定の実施形態のみを記載するためであり、限定することを意図されないこともまた理解されるべきである。
【0150】
加えて、本開示の特徴または態様がマーカッシュ群を用いて記載される場合、当業者は、本開示がまた、それにより、マーカッシュ群の任意の個々のメンバーまたはメンバーの部分群を用いて記載されることを認識しているだろう。
ありとあらゆる目的のために、特に書面での説明を提供することに関して、当業者により理解されているように、本明細書に開示された全ての範囲はまた、ありとあらゆる可能なその部分的範囲、および部分的範囲の組合せを包含する。いかなる列挙された範囲も、その同じ範囲が、少なくとも均等な2分の1、3分の1、4分の1、5分の1、10分の1などへ分解されることを十分に記載し、かつ可能にするものと容易に認識することができる。非限定的例として、本明細書で論じられた各範囲は、下部3分の1、中部3分の1、および上部3分の1などへ容易に分解され得る。また当業者により理解されているように、「までの」、「少なくとも」、「より高い」、「未満」、およびその他同種類のものなどの全ての言語は、列挙された数を含み、かつ上記で論じられているように、続いて、部分的範囲へ分解することができる範囲を指す。最後に、当業者により理解されているように、範囲は各個々のメンバーを含む。したがって、例えば、1~3個の細胞を有する群は、1個、2個、または3個の細胞を有する群を指す。同様に、1~5個の細胞を有する群は、1個、2個、3個、4個、または5個の細胞を有する群を指すなどである。
【0151】
本明細書で言及または引用された全ての特許、特許出願、仮出願、および刊行物は、それらがこの明細書の明白な教示と矛盾しない程度で、全ての図および表を含む、全体として参照により組み入れられている。
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図4G
図4H
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図6A
図6B
図7A
図7B
図7C
図7D
図8A
図8B
図8C
図8D
図9
図10
【配列表】
2022529824000001.app
【国際調査報告】