(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-27
(54)【発明の名称】半硬質シアヌロトリアミド発泡プラスチック及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
C08G 12/32 20060101AFI20220620BHJP
C08J 9/14 20060101ALI20220620BHJP
【FI】
C08G12/32
C08J9/14 CEZ
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021549897
(86)(22)【出願日】2020-06-12
(85)【翻訳文提出日】2021-08-23
(86)【国際出願番号】 CN2020095888
(87)【国際公開番号】W WO2021189674
(87)【国際公開日】2021-09-30
(31)【優先権主張番号】202010232102.1
(32)【優先日】2020-03-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521375243
【氏名又は名称】浙江亜迪納新材料科技股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZHEJIANG YADINA NEW MATERIAL TECHNOLOGY CO, LTD
【住所又は居所原語表記】No. 2088, Jiuliting Avenue, Caoqiao Street, Pinghu City Jiangxing City, Zhejiang,China
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】蒋紅衛
(72)【発明者】
【氏名】顧雪萍
(72)【発明者】
【氏名】徐紹林
(72)【発明者】
【氏名】兪宏建
(72)【発明者】
【氏名】蒋小弟
(72)【発明者】
【氏名】潘斌献
【テーマコード(参考)】
4F074
4J033
【Fターム(参考)】
4F074AA63A
4F074BA40
4F074CA27
4F074CC04Y
4F074CC22X
4F074CC48Y
4F074DA02
4F074DA08
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4F074DA57
4F074DA59
4J033EA03
4J033EA45
4J033EA47
4J033EA74
4J033EB12
4J033EB23
4J033HA07
4J033HA10
(57)【要約】
【要約】
本発明は発泡プラスチックに関し、具体的には、半硬質シアヌロトリアミド発泡プラスチック及びその製造方法に関し、発泡プラスチックの技術分野に属する。半硬質シアヌロトリアミド発泡プラスチックの製造方法において、パラホルムアルデヒドを反応釜に投入し、ホルムアルデヒド溶液とポリビニルアルコール(PVA)を加え、反応釜内の固体粒子が完全に溶融するまで反応釜を加熱し、適量のアルカリを加えて反応釜内のpH値を8.0~9に調整するステップ(1)と、変性樹脂を合成するステップ(2)と、硬化して発泡させるステップ(3)と、切断して乾燥させるステップ(4)とを含む。本発明による半硬質シアヌロトリアミド発泡プラスチックは、シアヌロトリアミドホルムアルデヒド樹脂を硬化して発泡させて製造した固有難燃性フォームであり、優れた難燃性能に加えて、良好な吸音、耐熱や保温などの性能を有し、油水分離材料、スーパーコンデンサ、吸音材料などの製造に利用できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半硬質シアヌロトリアミド発泡プラスチックの製造方法であって、
パラホルムアルデヒドを反応釜に投入し、ホルムアルデヒド溶液とポリビニルアルコール(PVA)を加え、反応釜内の固体粒子が完全に溶融するまで反応釜を加熱し、適量のアルカリを加えて反応釜内のpH値を8.0~9に調整するステップ(1)と、
変性樹脂を合成し、すなわち、固体粉末状シアヌロトリアミドと変性剤として3-アミノプロピルトリエトキシシラン(APTES)を前記反応釜に投入し、反応釜内の温度を75~85℃に昇温して、20~50分間保温して反応させ、反応釜内の材料が室温に冷却すると、適量の酸を用いて反応釜内の材料溶液のpH値を3~4に調整し、材料溶液を加熱して、温度が80~95℃に昇温すると、40~80分間保温して反応させ、材料の曇点をテストすることによって反応の終点を判断し、反応が終点になった直後、適量のアルカリを加えて反応釜内のpH値を8.5~9.0に調整し、半硬質変性シアヌロトリアミド樹脂を得るステップ(2)と、
硬化して発泡させ、すなわち、適量の発泡剤、乳化剤、助剤及び硬化剤を撹拌釜に投入して撹拌して均一に混合し、混合助剤を得て、混合助剤と半硬質変性シアヌロトリアミド樹脂とを混錬乳化機に圧送し混合乳化を行い、混錬乳化を行われた樹脂をマイクロ波加熱炉室に入れてマイクロ波で発泡させ、高度で発泡させた半硬質シアヌロトリアミド発泡プラスチックを生成するステップ(3)と、
切断して乾燥させ、すなわち、ステップ(3)で得られた半硬質シアヌロトリアミド発泡プラスチックをオンライン裁断機で切断して乾燥させ、半硬質シアヌロトリアミド発泡プラスチック完成品を得るステップ(4)とを含む、ことを特徴とする製造方法。
【請求項2】
PVAの使用量がシアヌロトリアミドの使用量の1~15wt%であり、APTESの使用量がシアヌロトリアミドの使用量の5~25wt%である、ことを特徴とする請求項1に記載の半硬質シアヌロトリアミド発泡プラスチックの製造方法。
【請求項3】
シアヌロトリアミド、パラホルムアルデヒド及びホルムアルデヒド溶液のモル比が1:2~3:1~2である、ことを特徴とする請求項1に記載の半硬質シアヌロトリアミド発泡プラスチックの製造方法。
【請求項4】
半硬質変性シアヌロトリアミド樹脂と混合助剤との投入質量比が100:10~40%である、ことを特徴とする請求項1に記載の半硬質シアヌロトリアミド発泡プラスチックの製造方法。
【請求項5】
発泡剤は水、ペンタン、ヘキサン又は石油エーテルのうちの1種又は複数種の混合物であり、乳化剤はアルキルフェノールポリオキシエチレンエーテル、脂肪酸ポリエチレングリコールエーテル又はアルキルトリメチルアンモニウム塩のうちの1種又は複数種の混合物であり、硬化剤は硫酸、塩酸、ギ酸、酢酸又は硝酸のうちの1種又は複数種の混合物である、ことを特徴とする請求項1に記載の半硬質シアヌロトリアミド発泡プラスチックの製造方法。
【請求項6】
pH値を調整するためのアルカリは、濃度30~40質量%の水酸化ナトリウム溶液及びトリエタノールアミンのうちの1種であり、pHを調整するための酸は、濃度45質量%の硝酸溶液、濃度30質量%の塩酸溶液、濃度35質量%の酢酸溶液又は濃度30質量%のギ酸溶液のうちのいずれか1種である、ことを特徴とする請求項1に記載の半硬質シアヌロトリアミド発泡プラスチックの製造方法。
【請求項7】
前記助剤は繊維強化材料、ナノ材料、顔料、撥水剤又はフォームのある性能を改善するための他の添加材料であり、単独又は複数種の組み合わせとして使用され、使用量が樹脂の使用量の0~10wt%である、ことを特徴とする請求項1に記載の半硬質シアヌロトリアミド発泡プラスチックの製造方法。
【請求項8】
PVAの使用量がシアヌロトリアミドの使用量の5~12wt%であり、APTESの使用量がシアヌロトリアミドの使用量の10~20wt%である、ことを特徴とする請求項1に記載の半硬質シアヌロトリアミド発泡プラスチックの製造方法。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載の方法によって製造される半硬質シアヌロトリアミド発泡プラスチック。
【請求項10】
密度が15~35kg/m
3である、ことを特徴とする請求項1に記載の半硬質シアヌロトリアミド発泡プラスチック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発泡プラスチックに関し、具体的には、半硬質シアヌロトリアミド発泡プラスチック及びその製造方法に関し、発泡プラスチックの技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
発泡プラスチックは軽量、断熱、吸音、制振など、多くの良好な性能を有し、大量の微細孔が固体プラスチックに分散して分布した高分子材料であり、その適用範囲が広い。シアヌロトリアミド発泡プラスチックは、メラミン発泡プラスチックとも呼ばれ、ポリウレタンスポンジのような外形をしており、建築、交通、車両製造、音響工学、電子情報や物体表面のクリーニングなどの様々な分野において応用が期待できる。シアヌロトリアミド発泡プラスチックはドイツのBASF AG社により最初に開発されたものであり、BASF AG社は長い間、高価格の独占的立場にあり、シアヌロトリアミド発泡プラスチックは安定的であり、低温での柔軟性に優れ、通気性が良好であり、耐摩耗性が高く、使用可能な温度の範囲が広いという利点を有する反面、その機械的性能が悪い。
【0003】
現在、シアヌロトリアミドフォームに関する研究は主に軟質フォーム(密度≦12kg/m3)が重点である。軟質フォームは低密度、良好な靭性、難燃性などの優れた性能を備えるが、硬度が低く、変形しやすく、壊れやすく、屑が発生しやすいなどの欠陥を有し、その適用範囲がこれにより深刻に制限される。半硬質シアヌロトリアミド発泡プラスチックの製造方法は少なく、市場のニーズにこたえるために、このような製品の研究や開発が期待される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は上述の従来技術の欠点を克服するために、半硬質シアヌロトリアミド発泡プラスチックを提供することである。
本発明は上述シアヌロトリアミド発泡プラスチックの製造方法をさらに提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述目的を達成するために、本発明は下記技術案を採用する。
【0006】
半硬質シアヌロトリアミド発泡プラスチックの製造方法であって、
パラホルムアルデヒドを反応釜に投入し、ホルムアルデヒド溶液とポリビニルアルコール(PVA)を加え、反応釜内の固体粒子が完全に溶融するまで反応釜を加熱し、適量のアルカリを加えて反応釜内のpH値を8.0~9に調整するステップ(1)と、
変性樹脂を合成し、すなわち、固体粉末状シアヌロトリアミドと変性剤として3-アミノプロピルトリエトキシシラン(APTES)を前記反応釜に投入し、反応釜内の温度を75~85℃に昇温して、20~50分間保温して反応させ、反応釜内の材料が室温に冷却すると、適量の酸を用いて反応釜内の材料溶液のpH値を3~4に調整し、材料溶液を加熱して、温度が80~95℃に昇温すると、40~80分間保温して反応させ、材料の曇点をテストすることによって反応の終点を判断し、反応が終点になった直後、適量のアルカリを加えて反応釜内のpH値を8.5~9.0に調整し、半硬質発泡用変性シアヌロトリアミド樹脂を得るステップ(2)と、
硬化して発泡させ、すなわち、適量の発泡剤、乳化剤、助剤及び硬化剤を撹拌釜に投入して撹拌して均一に混合し、混合助剤を得て、混合助剤と半硬質変性シアヌロトリアミド樹脂とを混錬乳化機に圧送し混合乳化を行い、混錬乳化を行われた樹脂をマイクロ波加熱炉室に入れてマイクロ波で発泡させ、高度で発泡させた半硬質シアヌロトリアミド発泡プラスチックを生成するステップ(3)と、
切断して乾燥させ、すなわち、ステップ(3)で得られた半硬質シアヌロトリアミド発泡プラスチックをオンライン裁断機で切断して乾燥させ、半硬質シアヌロトリアミド発泡プラスチック完成品を得るステップ(4)とを含む。
【0007】
好ましくは、PVAの使用量がシアヌロトリアミドの使用量の1~15wt%であり、APTESの使用量がシアヌロトリアミドの使用量の5~25wt%である。さらに好ましくは、PVAの使用量がシアヌロトリアミドの使用量の5~12wt%であり、APTESの使用量がシアヌロトリアミドの使用量の10~20wt%である。APTESの使用量が多すぎると、樹脂系に遊離して、フォームの耐熱性能や難燃性能に悪影響を与える。
【0008】
好ましくは、シアヌロトリアミド、パラホルムアルデヒド及びホルムアルデヒド溶液のモル比が1:2~3:1~2である。
【0009】
好ましくは、半硬質変性シアヌロトリアミド樹脂と混合助剤との投入質量比が100:10~40%である。
【0010】
好ましくは、発泡剤は水、ペンタン、ヘキサン又は石油エーテルのうちの1種又は複数種の混合物であり、乳化剤はアルキルフェノールポリオキシエチレンエーテル、脂肪酸ポリエチレングリコールエーテル又はアルキルトリメチルアンモニウム塩のうちの1種又は複数種の混合物であり、硬化剤は硫酸、塩酸、ギ酸、酢酸又は硝酸のうちの1種又は複数種の混合物である。
【0011】
好ましくは、pH値を調整するためのアルカリは、濃度30~40質量%の水酸化ナトリウム溶液及びトリエタノールアミンのうちの1種であり、pHを調整するための酸は、濃度45質量%の硝酸溶液、濃度30質量%の塩酸溶液、濃度35質量%の酢酸溶液又は濃度30質量%のギ酸溶液のうちのいずれか1種である。
【0012】
好ましくは、前記助剤は繊維強化材料、ナノ材料、顔料、撥水剤又はフォームのある性能を改善するための他の添加材料であり、単独又は複数種の組み合わせとして使用され、使用量が樹脂の使用量の0~10wt%である。助剤を選択する際には、主にフォームのある性能へのニーズにより決定し、これは当業者にとって基本的な常識であり、本発明の研究の重点ではない。
【0013】
本発明に記載の方法によって製造される半硬質シアヌロトリアミド発泡プラスチック。この半硬質シアヌロトリアミド発泡プラスチックの密度が15~35kg/m3である。さらに、この半硬質シアヌロトリアミド発泡プラスチックの密度が15~28kg/m3である。
【0014】
本発明の前記方法によって製造された半硬質シアヌロトリアミド発泡プラスチックの性能のパラメータを表1に示す。
【発明の効果】
【0015】
本発明の有益な効果は以下のとおりである。本発明の半硬質シアヌロトリアミド発泡プラスチックは、軟質シアヌロトリアミド発泡プラスチックに対して、押し込み硬度を大幅に向上させ、安定的な外形や寸法を有し、建築工事、機械車両や船舶の製造、産業機器の製造などの産業においてシアヌロトリアミド発泡プラスチックの適用範囲を大幅に広げる。
【0016】
本発明による半硬質シアヌロトリアミド発泡プラスチックは、シアヌロトリアミドホルムアルデヒド樹脂から硬化発泡プロセスにより製造された固有難燃性フォームであり、優れた難燃性能に加えて、良好な吸音、耐熱や保温などの性能を有し、油水分離材料、スーパーコンデンサ、吸音材料、保温隔熱難燃材料などの製造用としても有用である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、具体的な実施例にて、本発明の技術案をさらに詳しく説明する。なお、本発明の実施は以下の実施例に制限されず、本発明に対して行われる任意の形態の変形及び/又は変化は本発明の特許範囲に属する。
【0018】
本発明では、特に断らない限り、全ての部、百分率は重量単位であり、使用される設備や料等などは市販品として購入してもよく、本分野でよく使用されるものとしてもよい。下記実施例における方法は、特に断らない限り、すべて本分野の常法である。
【0019】
実施例1
半硬質シアヌロトリアミド発泡プラスチックの製造方法であって、具体的には、以下のステップを含む。
(1)パラホルムアルデヒドを反応釜に投入し、ホルムアルデヒド溶液及びPVAを加え、反応釜内の固体粒子が完全に溶融するまで反応釜を加熱し、適量のアルカリを加えて反応釜内のpH値を8.0~9に調整する。
(2)変性樹脂を合成し、すなわち、固体粉末状シアヌロトリアミドと変性剤として3-アミノプロピルトリエトキシシラン(APTES)を前記反応釜に投入し、反応釜内の温度を75℃に上昇して、50分間保温して反応させ、反応釜内の材料が室温に冷却すると、適量の酸を用いて反応釜内の材料溶液のpH値を3.5~4に調整し、材料溶液を加熱して、温度が90℃に上昇すると、40分間保温して反応させ、材料の曇点をテストすることによって反応の終点を判断し、反応が終点になった直後、適量のアルカリを加えて反応釜内のpH値を8.5~9.0に調整し、半硬質変性シアヌロトリアミド樹脂を得る。
(3)硬化して発泡させ、すなわち、適量の発泡剤、乳化剤、助剤及び硬化剤を撹拌釜に投入して撹拌して均一に混合し、混合助剤を得て、混合助剤と半硬質変性シアヌロトリアミド樹脂とを混錬乳化機に圧送し混合乳化を行い、混錬乳化を行われた樹脂をマイクロ波加熱炉室に入れてマイクロ波で発泡させ、高度で発泡させた半硬質シアヌロトリアミド発泡プラスチックを生成する。
(4)切断して乾燥させ、すなわち、ステップ(3)で得られた半硬質シアヌロトリアミド発泡プラスチックをオンライン裁断機で切断して乾燥させ、半硬質シアヌロトリアミド発泡プラスチック完成品を得る。
前記方法では、原料としてシアヌロトリアミド、パラホルムアルデヒド及びホルムアルデヒド溶液のモル比が1:2.5:1.5である。PVAの使用量がシアヌロトリアミドの使用量の5wt%であり、APTESの使用量がシアヌロトリアミドの使用量の25wt%である。
前記ステップ(2)では、発泡剤はヘキサンであり、乳化剤はアルキルフェノールポリオキシエチレンエーテルであり、硬化剤は塩酸である。
前記ステップ(3)では、半硬質変性シアヌロトリアミド樹脂と混合助剤との投入質量比が100:10である。
本実施例では、pH値を調整するためのアルカリは濃度30~40質量%の水酸化ナトリウム溶液であり、pHを調整するための酸は濃度45質量%の硝酸溶液である。
前記マイクロ波発泡炉はトンネル式マイクロ波発泡炉であり、混錬乳化を行われた樹脂がトンネル式マイクロ波発泡炉の先端に均一に敷かれて、発泡炉の搬送装置に連れてマイクロ波炉のマイクロ波加熱炉室を連続的に通過し、高度で発泡させた発泡プラスチックが生成される。マイクロ波発泡用のマイクロ波炉のマイクロ波の周波数が2450MHzであり、マイクロ波発泡の成長時間が4分間であり、マイクロ波炉発泡炉室の温度が90~100℃である。
遊離ホルムアルデヒドの残留量が低くない。
【0020】
実施例2
半硬質シアヌロトリアミド発泡プラスチックの製造方法であって、具体的には、以下のステップを含む。
(1)パラホルムアルデヒドを反応釜に投入し、ホルムアルデヒド溶液及びPVAを加え、反応釜内の固体粒子が完全に溶融するまで反応釜を加熱し、適量のアルカリを加えて反応釜内のpH値を8.0~9に調整する。
(2)変性樹脂を合成し、すなわち、固体粉末状シアヌロトリアミドと変性剤として3-アミノプロピルトリエトキシシラン(APTES)を前記反応釜に投入し、反応釜内の温度を85℃に上昇して、20分間保温して反応させ、反応釜内の材料が室温に冷却すると、適量の酸を用いて反応釜内の材料溶液のpH値を3.5~4に調整し、材料溶液を加熱して、温度が95℃に上昇すると、80分間保温して反応させ、材料の曇点をテストすることによって反応の終点を判断し、反応が終点になった直後、適量のアルカリを加えて反応釜内のpH値を8.5~9.0に調整し、半硬質変性シアヌロトリアミド樹脂を得る。
(3)硬化して発泡させ、すなわち、適量の発泡剤、乳化剤、助剤及び硬化剤を撹拌釜に投入して撹拌して均一に混合し、混合助剤を得て、混合助剤と半硬質変性シアヌロトリアミド樹脂とを混錬乳化機に圧送し混合乳化を行い、混錬乳化を行われた樹脂をマイクロ波加熱炉室に入れてマイクロ波で発泡させ、高度で発泡させた半硬質シアヌロトリアミド発泡プラスチックを生成する。
(4)切断して乾燥させ、すなわち、ステップ(3)で得られた半硬質シアヌロトリアミド発泡プラスチックをオンライン裁断機で切断して乾燥させ、半硬質シアヌロトリアミド発泡プラスチック完成品を得る。
前記方法では、原料シアヌロトリアミド、パラホルムアルデヒド及びホルムアルデヒド溶液のモル比が1:2:1である。PVAの使用量がシアヌロトリアミドの使用量の12wt%であり、APTESの使用量がシアヌロトリアミドの使用量の20wt%である。
前記ステップ(2)では、発泡剤は質量比1:1のヘキサンと石油エーテルの混合物であり、乳化剤は脂肪酸ポリエチレングリコールエーテルであり、硬化剤は酢酸である。
前記ステップ(3)では、半硬質変性シアヌロトリアミド樹脂と混合助剤との投入質量比が100:20である。
本実施例では、pH値を調整するためのアルカリは、濃度30~40質量%の水酸化ナトリウム溶液であり、pHを調整するための酸は、濃度45質量%の硝酸溶液である。
前記マイクロ波発泡炉はトンネル式マイクロ波発泡炉であり、混錬乳化を行われた樹脂がトンネル式マイクロ波発泡炉の先端に均一に敷かれて、発泡炉の搬送装置に連れてマイクロ波炉のマイクロ波加熱炉室を連続的に通過し、高度で発泡させた発泡プラスチックが生成される。マイクロ波発泡用のマイクロ波炉のマイクロ波の周波数が2450MHzであり、マイクロ波発泡の成長時間が4分間であり、マイクロ波炉発泡炉室の温度が90~100℃である。
遊離ホルムアルデヒドの残留量が低くない。
【0021】
実施例3
半硬質シアヌロトリアミド発泡プラスチックの製造方法であって、具体的には、以下のステップを含む。
(1)パラホルムアルデヒドを反応釜に投入し、ホルムアルデヒド溶液及びPVAを加え、反応釜内の固体粒子が完全に溶融するまで反応釜を加熱し、適量のアルカリを加えて反応釜内のpH値を8.0~9に調整する。
(2)変性樹脂を合成し、すなわち、固体粉末状シアヌロトリアミドと変性剤として3-アミノプロピルトリエトキシシラン(APTES)を前記反応釜に投入し、反応釜内の温度を80℃に上昇して、30分間保温して反応させ、反応釜内の材料が室温に冷却すると、適量の酸を用いて反応釜内の材料溶液のpH値を3.5~4に調整し、材料溶液を加熱して、温度が80℃に上昇すると、60分間保温して反応させ、材料の曇点をテストすることによって反応の終点を判断し、反応が終点になった直後、適量のアルカリを加えて反応釜内のpH値を8.5~9.0に調整し、半硬質変性シアヌロトリアミド樹脂を得る。
(3)硬化して発泡させ、すなわち、適量の発泡剤、乳化剤、助剤及び硬化剤を撹拌釜に投入して撹拌して均一に混合し、混合助剤を得て、混合助剤と半硬質変性シアヌロトリアミド樹脂とを混錬乳化機に圧送し混合乳化を行い、混錬乳化を行われた樹脂をマイクロ波加熱炉室に入れてマイクロ波で発泡させ、高度で発泡させた半硬質シアヌロトリアミド発泡プラスチックを生成する。
(4)切断して乾燥させ、すなわち、ステップ(3)で得られた半硬質シアヌロトリアミド発泡プラスチックをオンライン裁断機で切断して乾燥させ、半硬質シアヌロトリアミド発泡プラスチック完成品を得る。
前記方法では、原料シアヌロトリアミド、パラホルムアルデヒド及びホルムアルデヒド溶液のモル比が1:3:1である。PVAの使用量がシアヌロトリアミドの使用量の15wt%であり、APTESの使用量がシアヌロトリアミドの使用量の10wt%である。
前記ステップ(2)では、発泡剤はペンタンであり、乳化剤はアルキルフェノールポリオキシエチレンエーテルであり、硬化剤は体積比1:2のギ酸と酢酸の混合物である。
前記ステップ(3)では、半硬質変性シアヌロトリアミド樹脂と混合助剤との投入質量比が100:30である。
本実施例では、pH値を調整するためのアルカリは、濃度30~40質量%の水酸化ナトリウム溶液であり、pHを調整するための酸は、濃度45質量%の硝酸溶液である。
前記マイクロ波発泡炉はトンネル式マイクロ波発泡炉であり、混錬乳化を行われた樹脂がトンネル式マイクロ波発泡炉の先端に均一に敷かれて、発泡炉の搬送装置に連れてマイクロ波炉のマイクロ波加熱炉室を連続的に通過し、高度で発泡させた発泡プラスチックが生成される。マイクロ波発泡用のマイクロ波炉のマイクロ波の周波数が2450MHzであり、マイクロ波発泡の成長時間が4分間であり、マイクロ波炉発泡炉室の温度が90~100℃である。
本実施例で製造された半硬質シアヌロトリアミド発泡プラスチックの製品では、遊離ホルムアルデヒドの残留量が10ppm以下である。
【0022】
実施例4
半硬質シアヌロトリアミド発泡プラスチックの製造方法であって、前記ステップ(3)では半硬質変性シアヌロトリアミド樹脂と混合助剤との投入質量比が100:40である以外、その具体的なステップは実施例1と同様である。該混合助剤には、製品の難燃性能を高めるために樹脂の使用量に対して10wt%の助剤(炭素繊維)が含まれている。
【0023】
比較例1~4
PVA、PTESの様々な使用量による発泡プラスチックの性能への影響を調べるために、実施例2の前記方法でシアヌロトリアミド発泡プラスチックを製造して比較試験を行い、試験における定量的データについて、全て3回の重複実験を設定し、結果として平均値を取る。比較例1~4では、PVAの使用量及びAPTESの使用量はそれぞれシアヌロトリアミドの使用量の0/0、12%/0、0/20%、20%/30%である。具体的には、性能の検出結果を表2に示す。
【0024】
試験から、PVAを適量添加すると、発泡プラスチックの破断伸度が向上し、PTESを適量添加すると、発泡プラスチックの弾性回復率が向上するが、耐熱性が低下し、また、適量のPVAとPTESを同時に添加すると、発泡プラスチックの総合的性能の最適化が可能となることを示している。
【0025】
比較例4から、添加量が過不足であると、製品の性能に影響を与え、使用量が多すぎると、樹脂系に遊離してしまい、フォームの耐熱性能や難燃性能に悪影響を与えることを示している。
【0026】
本明細書では、各実施例において漸進的に説明しており、各実施例は、他の実施例との相違点に重点を置いて説明しており、各実施例同士の同じ又は類似の部分は互いに参照すればよい。実施例で開示された装置に関しては、実施例で開示された方法に対応するため、簡単に説明するだけであり、関連内容については方法の部分の説明を参照すればよい。
【0027】
以上は、本発明による半硬質シアヌロトリアミド発泡プラスチックの製造方法を詳しく述べている。本明細書では、具体例は本発明の原理及び実施形態を論述するために使用され、以上の実施例の説明は、本発明の方法及びその主旨を理解しやすくするためのものに過ぎない。ただし、当業者であれば、本発明の原理を逸脱することなく、本発明についていくつかの改良や修飾を行ってもよく、このような改良や修飾も本発明の請求項の特許範囲に属する。
【国際調査報告】