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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-27
(54)【発明の名称】電磁調理装置および方法
(51)【国際特許分類】
   H05B 6/12 20060101AFI20220620BHJP
【FI】
H05B6/12 310
H05B6/12 318
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021552691
(86)(22)【出願日】2019-03-14
(85)【翻訳文提出日】2021-11-01
(86)【国際出願番号】 EP2019056463
(87)【国際公開番号】W WO2020182314
(87)【国際公開日】2020-09-17
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513121384
【氏名又は名称】ベステル エレクトロニク サナイー ベ ティカレト エー.エス.
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】特許業務法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ビルギン, マート セルダー
(72)【発明者】
【氏名】アク, ユスフ
【テーマコード(参考)】
3K151
【Fターム(参考)】
3K151AA03
3K151BA06
3K151CA05
3K151CA93
(57)【要約】
本発明は、調理器(150、250、350)を加熱するための電磁調理装置(100、200、300)であり、電磁調理装置(100、200、300)は、調理用コンロ(106)を含む調理面(101、201、301)と、誘導コイル(102、202、302)と、誘導コイルと電気的に結合した駆動回路(103、203、303)と、調理コンロ(106)下に設置されたコイルマウント(105)と、を含み、誘導コイル(102、202、302)はコイルマウント(105)上に設置され、駆動回路(103、203、303)の少なくとも一つの構成要素および/または誘導コイル(102、202、302)の温度に基づいて誘導コイル(102、202、302)と調理面(101、201、301)との間の距離を動的に適合するようにコイルマウント(105)は構成され、コイルマウント(105)は駆動回路(103、203、303)の少なくとも一つの構成要素および/または誘導コイル(105)の温度の増加に伴い誘導コイル(105)と調理面(101、201、301)との間の距離を増加させるように構成される、電磁調理装置(100、200、300)を提供する。さらに、本発明は、その方法を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
調理器(150、250、350)を加熱するための電磁調理装置(100、200、300)であり、前記電磁調理装置(100、200、300)は、
調理用コンロ(106)を含む調理面(101、201、301)と、
誘導コイル(102、202、302)と、
前記誘導コイルと電気的に結合した前記駆動回路(103、203、303)と、
前記調理コンロ(106)下に設置されたコイルマウント(105)と、を含み、
前記誘導コイル(102、202、302)は前記コイルマウント(105)上に設置され、
前記駆動回路(103、203、303)の少なくとも一つの構成要素および/または前記誘導コイル(102、202、302)の温度に基づいて前記誘導コイル(102、202、302)と前記調理面(101、201、301)との間の距離を動的に適合するように前記コイルマウント(105)は構成され、
前記コイルマウント(105)は前記駆動回路(103、203、303)の前記少なくとも一つの構成要素および/または誘導コイル(102、202、302)の温度の増加に伴い前記誘導コイル(105)と調理面(101、201、301)との間の距離を増加させるように構成される
電磁調理装置(100、200、300)。
【請求項2】
前記誘導コイル(105)は、
誘導コイル(102、202、302)を積載するように構成される可動積載構造(210、310)と、
調理表面(101、201、301)から可動積載構造(210、310)の距離を変化させるように構成されるいくつかのアクチュエータと、を含む、
請求項1に記載の電磁調理装置(100、200、300)。
【請求項3】
前記アクチュエータは可撓体(211、212)と、
前記可撓体(211、212)に備える相変化材料(213、214)と、を含む、
請求項2に記載の電磁調理装置(100、200、300)。
【請求項4】
前記相変化材料(213、214)は塩水和物および/またはパラフィンおよび/またはバイオ系相変化材料(213、214)を含む、
請求項3に記載の電磁調理装置(100、200、300)。
【請求項5】
前記アクチュエータは、電気機械作動素子(315)とその駆動回路(103、203、303)を含む、
請求項2に記載の電磁調理装置(100、200、300)。
【請求項6】
距離制御ユニット(316)と、
前記駆動回路(103、203、303)の少なくとも一つの構成要素および/または前記誘導コイル(102、202、302)の温度を測定するように構成される温度センサー(317)と、を含み、
前記温度センサー(317)は前記距離制御ユニット(316)と結合し、
前記距離制御ユニット(316)は前記温度センサー(317)によって測定された温度を基づいて前記アクチュエータを制御するように構成される、
請求項5に記載の電磁調理装置(100、200、300)。
【請求項7】
前記温度センサー(317)は間接温度センサー(317)、特に電流センサー(318)を含む、
請求項6に記載の電磁調理装置(100、200、300)。
【請求項8】
誘導コイル(102、202、302)と駆動回路(103、203、303)を用いて調理器(150、250、350)を加熱するために電磁調理装置(100、200、300)を操作する方法であって、前記方法は、
前記駆動回路(103、203、303)を用いて前記誘導コイル(102、202、302)の操作すること(S1)と、
前記駆動回路(101、201、301)の少なくとも一つの構成要素および/または前記誘導コイル(102、202、302)の温度に基づいて誘導コイル(102、202、302)と調理面(101、201、301)との距離を動的に適合させること(S2)と、を含み、
前記誘導コイル(102、202、302)および/また前記駆動回路(103、203、303)の少なくとも一つの構成要素の温度の増加に伴い前記距離が増加する、
方法。
【請求項9】
適合することはいくつかのアクチュエータを用いて前記誘導コイル(102、202、302)を動かす可動積載構造(210、310)を動かすことを含む、
請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記可動積載構造(210、310)を動かすことは可撓体(211、212)と前記可撓体(211、212)に備えられる相変化材料(213、214)によって実行される、
請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記相変化材料(213、214)は塩水和物および/またはパラフィンおよび/またはバイオ系相変化材料(213、214)を含む、
請求項11に記載の方法。
【請求項12】
可動積載構造(210、310)を動かすことは電気機械作動素子(315)と各駆動回路(103、203、303)を用いて実行される、
請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記誘導コイル(102、202、302)および/または前記駆動回路(101、201、301)の少なくとも一つの構成要素の前記温度を測定することを含み、
動かすことは前記測定された温度を基づいて前記電気機械作動素子(315)を制御することを含む、
請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記温度は間接温度センサー(317)によって測定される、
請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記間接温度センサー(317)は電流センサー(318)を含み、
前記電流センサー(318)によって測定された電流によって所定の電流閾値が上回られる場合、前記積載構造(210、310)が下げられ、
前記測定された電流が前記電流閾値を下回る場合、前記積載構造(210、310)は調理面(101、201、301)に一番近い位置に配置される、
請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁調理装置およびその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
任意の誘導加熱装置に適用可能であるが、本発明は、主に誘導調理器と併せて説明される。
【0003】
近年の調理器具のエネルギーにおいて、つまり熱は、各調理器へ誘導的に伝わることが可能である。この目的を達成するには、誘導コイルは、調理面の下に設けられてもよく、そして、交番磁界が誘導コイルに生成されてもよい。そうすると様々な磁場が調理器の下面において電流の流れを誘発され得る。電流の流れは、調理器の底で熱を生成させ、調理器の料理器具は、その結果、発熱するであろう。
【0004】
誘導コイルと調理器の底は、結合したインダクタンスの一種としてみることができ得る。これは、調理器の磁場特性が誘導コイルのインダクタンスを影響することを意味する。異なる調理器は異なる磁場特性をもつであろうことは、知られている。したがって、誘導コイルの制御は、通常異なる種類の調理器に供給するように構成されている。
【0005】
例えば、電流の、例えば周波数、振幅またはその類の、モジュレーションは、誘導コイルを流れ、電磁調理器で変化されてもよい。さらに、アルゴリズムは鍋の種類や大きさを取り除くように用いられてもよく、そしてモジュレーションや切り替えアルゴリズムは、検出されたに鍋の種類や大きさに準じて選択されてもよい。
【0006】
しかしながら、これらの制御アルゴリズムは、複雑な計算が必要である。
【0007】
よって、電磁調理器の制御の簡略化を提供することが必要である。
【発明の概要】
【0008】
上述した問題は、独立請求項の特徴によって解決される。独立請求項の請求の範疇は、従属請求項の他の請求の範疇と同様に成立してもよいと認識される。
【0009】
従って、例えば、調理器を加熱するための電磁調理装置であり、電磁調理装置は、調理用コンロを含む調理面と、誘導コイルと、誘導コイルと電気的に結合した駆動回路と、調理コンロ下に設置されたコイルマウントと、を含み、誘導コイルはコイルマウント上に設置され、駆動回路の少なくとも一つの構成要素および/または誘導コイルの温度に基づいて誘導コイルと調理面との間の距離を動的に適合するようにコイルマウントは構成され、コイルマウントは駆動回路の少なくとも一つの構成要素および/または誘導コイルの温度の増加に伴い誘導コイルと調理面との間の距離を増加させるように構成される、電磁調理装置を提供する。
【0010】
さらに、例えば、誘導コイルと駆動回路を用いて調理器を加熱するために電磁調理装置を操作する方法であって、駆動回路を用いて誘導コイルの操作することと、駆動回路の少なくとも一つの構成要素および/または誘導コイルの温度に基づいて誘導コイルと調理面との距離を動的に適合させることと、を含み、誘導コイルおよび/また駆動回路の少なくとも一つの構成要素の温度の増加に伴い距離が増加される方法を提供する。
【0011】
本発明は、異なるタイプの調理器は強く様々な強磁性の特性を持ち得るという発見に基づく。さらに、本発明は、誘導コイルと調理器との間の距離が調理器の強磁性の特性の誘導コイルへの影響を定義するという発見に基づく。
【0012】
一般的に、並列LC回路は、電磁調理装置の誘電コイルの駆動に使われる。並列LC回路の用語は、誘導コイルが“L”成分であり、そして並列コンデンサは“C”成分として与えられる回路を示してもよい、と認識される。並列LC回路が共振それの周波数で操作されれば、最低駆動電流が必要とされる。さらに、誘導コイルと調理器間が低い電磁結合状態では、並列LC回路インピーダンスは下がり、そして並列LC回路を通る電流は上がることがある。明確に言及されないが、駆動回路は、そのような並列LC回路とそれぞれの制御とスイッチング装置を含んでもよい、と認識される。
【0013】
本発明は、特に、弱い強磁性の特性を持つ調理器は、誘導コイルや駆動回路に不均質、不規則そして増加された電流の流れを引き起こすと考慮に入れている。そのような不規則な電流の遷移は、半導体において、主な負の効果を引き起こす。例えば、それらは、スイッチングの不規則性やアウトラインの損失を引き起こす。そのような効果は順々に、半導体の損失や、半導体の発熱を引き起こす。
【0014】
本発明は、したがって、誘導コイルと調理面との距離を動的に適合させる誘導コイル、そして調理器を提供する。コイルマウントは、誘導コイルおよび/または駆動回路の少なくとも一つの構成要素の温度の増加に伴い、誘導コイルと調理面との距離を増加させる。駆動回路の“少なくとも一つの構成要素”の用語は、例えば、一またはそれ以上の駆動ユニット中のスイッチを示してもよく、駆動ユニット中のスイッチは誘導コイルを通る電流を駆動する。
【0015】
したがって、弱い強磁性特性をもつ調理器が使われると、誘導コイルと駆動回路は、増加した動作電流によって、発熱することがある。温度におけるこの増加は、コイルマウントに誘導コイルを下げさせ、そして調理器と誘導コイルの距離の増加を引き起すことがある。
【0016】
誘導コイルから調理器の距離間隔の増加は、並列LC回路のインピーダンスの減少と並列LC回路中の電流の増加を引き起こす。しかしながら、弱い強磁性特性をもつ調理器によって起こる電流の不規則性も低減する。弱い強磁性特性をもつそのような調理器によって引き起る電流の不規則性は、減少したインピーダンスによって増加する電流よりも、誘導コイルと駆動回路の温度に影響を与える。したがって、誘導コイルとおよび/または駆動回路の全体的な温度は、誘導コイルと弱い強磁性特性をもつ調理器との間の増加した距離により、減少される。距離の増加後、電流の流れはより規則的であり、そして、半導体の温度は、したがって、調理器が誘導コイルからより離れて間隔を開けられた事により、良い方向に影響される。
【0017】
本発明を用いることで、誘導コイルおよび/または駆動回路の温度の温度を調整することは、単純な機械構成すなわちコイルアマウントを用いることで、よって可能である。本発明は、電磁調理装置を調理器の種類に適応させる複雑な制御アルゴリズムは必要でない。
【0018】
誘導コイルの用語は、一つのコイル、または、一つの調理コンロに備えられるグループまたは複数のコイルを示してもよい、と解釈される。さらに、電磁調理装置は一つ以上の調理コンロとそれぞれの誘導コイルを含んでもよい、と解釈される。一つの駆動回路は、誘導コイルまたはグループの誘導コイルごとに提供されてもよい。あるいは、一つの駆動回路が、電磁調理装置のすべての誘導コイルに対し設けられてもよい。
【0019】
さらに本発明の実施形態は、さらなる従属請求項や以下の記述、図の参酌を対象とする。
【0020】
実施形態において、コイルマウントは、誘導コイルを運ぶように構成された可動積載構造、および調理面からの可動積載構造の距離を変更するいくつかの、すなわち一またはそれ以上のアクチュエータを含んでもよい。
【0021】
積載構造は、例えばプラスチッククリップやそのようなもので誘導コイルを収容することができる非強磁性成分を、例えば含んでもよい。積載構造は、誘導コイルと一体化して例えば提供してもよい。積載構造は、誘導コイルの周りを、例えば射出成型されてもよい。
【0022】
アクチュエータは、電磁調理装置の構造や積載構造に、例えば結合してもよい。電磁調理装置の構造は、アクチュエータの土台または支持部のように見えてもよい。
【0023】
別の実施形態において、アクチュエータは、可撓体、そして可撓体に備えられる相変化材料を含んでもよい。
【0024】
可撓体は、簡単に拡大し、圧縮する物体であってもよい。そのような物体は、ゴムまたはその他のプラスチックで、例えば作られてよい。可撓体は、相変化材料に満たされてもよい。“相変化材料”の用語は、温度の増加に伴い少なくとも軟化する材料を示す。
【0025】
アクチュエータは、駆動回路のそれぞれの構成要素および/または誘導コイルに、熱的に結合されてもよい。これを達成するには、電磁調理装置の機械的配列や電磁調理装置におけるアクチュエータの位置は、アクチュエータを、駆動回路のそれぞれの構成要素および/または誘導コイルと直接接して置いてもよい。さらに、または他の方法として、熱伝達成分、例えば銅の一部やヒートパイプなどのようなものは、駆動回路のそれぞれの構成要素および/または誘導コイルの間に設けられてもよい。
【0026】
したがって、駆動回路のそれぞれの構成要素および/または誘導コイルが発熱しても、その熱は、アクチュエータに熱が伝わり、そしてアクチュエータの相変化材料がそれの相を変化、または低い温度に対して少なくとも軟化する。相変化材料が軟化すると、誘導コイルの重みがアクチュエータを押し下げ、誘導コイルが下がる。
【0027】
相変化材料を用いて、完全に受動的または機械的配置(a totally passive or mechanical arrangement)は、誘導コイルと調理面の距離を動的制御するために提供されてもよい。
【0028】
さらに別の実施形態において、相変化材料は、塩水和物および/またはパラフィンおよび/またはバイオ系相変化材料を含んでもよい。
【0029】
塩水和物は、無機塩と水で構成される。それらの融点の温度は、15℃と80℃の間の範囲にわたる。水和物の利点は、低価格材料、高い潜在的な蓄熱容量、正確な融点、高い熱伝導率および可燃性である。
【0030】
パラフィンは、一般的に、石油から生成され、そして室温においてロウ状の粘度を有する。それらの融点の温度は、-8℃と40℃の間の範囲にわたる。良い蓄熱容量を有し、相転移なしで凍ることが証明されている。
【0031】
バイオ系相変化材料(PCMs:phase change materials)、は、動物性油脂と植物油から生成される。それらの融点の温度は、-40℃と151℃の間の範囲にわたる。最も一般的なバイオ系PCMsは、脂肪酸から生成され、塩和物や石油系相変化材料より高い効果を有する。
【0032】
さらなる実施形態では、アクチュエータは、電気機械的作動要素とそれぞれの駆動回路を含んでもよい。
【0033】
上記提案した受動的制御の別の方法として、電気機械的作動要素は、調理面から誘導コイルの距離のきめ細かい制御が可能となるように使われてもよい。
【0034】
電気機械的作動要素は、リニアアクチュエータまたはその他の型の電気モーター、そして誘導コイルまたは調理表面に関する可動積載構造の位置調整を許容する機械的配置を、例えば含んでもよい。
【0035】
別の実施形態では、電磁調理装置は、距離制御ユニットと、駆動回路の少なくとも一つの構成要素および/または誘導コイルの温度を測定するように構成され、距離制御ユニットと電気的に結合される温度センサーを含んでもよい。距離制御ユニットは、温度センサーにより測定された温度を基づいてアクチュエータを制御するように構成されてもよい。
【0036】
距離制御ユニットは、専用距離制御ユニットで、例えば、あってもよいと解釈される。そのような専用距離制御ユニットは、マイクロコントローラまたは、例えばアクチュエータ用のスイッチやトランジスタの駆動回路に関するようなものを、例えば含んでもよい。さらに、位置センサーは、調理面からの積載構造の距離を制御ユニットに示すように設けられてもよい。
【0037】
別の方法として、距離制御ユニットもまた、電磁調理装置の他の制御ユニットに組み込まれてもよい。距離制御ユニットは、制御ユニットまたは駆動回路の制御装置に、例えば組み込まれてもよい。
【0038】
温度センサーは単数の温度センサーであってもよく、駆動回路のスイッチまたは誘導コイルに例えば設けられる。さらに、複数の温度センサーは、例えば、駆動回路と誘導コイルに設けられてもよい。
【0039】
さらに、補足的なスイッチ、例えば、終了スイッチのような、が最小限に備えられ、そして最大限動く範囲または可動積載構造の位置に設けられてもよい。
【0040】
さらに実施形態として、温度センサーは間接温度センサー、特に電流センサーを含んでもよい。
【0041】
上記とは別の方法として、その温度は、他のシステムの値、例えば誘導コイルを介する電流、から例えば由来してもよい。この電流は、例えば、駆動回路の電流センサーでどのようにかして測定されればよい。
【0042】
例えば、特別な電流の閾値が決定され得て、そして、その電流の閾値が測定した電流によって上回られる場合、積載構造と調理面が下げられればよい。その測定した電流が電流の閾値を下回る場合、積載構造と調理面との距離が最小値に設置されればよい。
【図面の簡単な説明】
【0043】
本発明とその利点のさらに完璧な理解のために、ここで、添付の図面と併せて以下の説明を参照する。本発明は、図面の概略図に特定される例示的な実施形態を用いて、以下でより詳細に説明される。
【0044】
図1】本発明に係る電磁調理装置の一実施形態のブロック図を示す。
図2】本発明に係る電磁調理装置の別の一実施形態のブロック図を示す。
図3】本発明に係る電磁調理装置の別の一実施形態のブロック図を示す。
図4】本発明に係る使用方法の一実施形態のフロー図を示す。
【0045】
図中の同一の参照符号は、別段の記載がない限り、同一の構成要素を示す。
【発明を実施するための形態】
【0046】
[図面の詳細な説明]
図1は、電磁調理装置100のブロック図を示す。電磁調理装置100は、調理面101を持つ調理コンロ106を含む。調理コンロ106上に、調理器150は、料理器具を温めるために備えてもよい。さらに、誘導コイル102は、調理面101よりも下に備えられる。誘導コイル102は、駆動回路103と電気的に結合される。さらに、電磁調理装置101のコイルアマウント105は、調理コイル106の下に設置され、誘導コイル102を携えて運ぶ。
【0047】
電磁調理装置100の操作中に、コイルマウント105は、駆動回路103の少なくとも一つの構成要素、例えばスイッチング素子104、および/または誘導コイル102の温度に基づいて、誘導コイル102と調理面101の距離を動的に適合させる。駆動回路103の少なくとも一つの構成要素および/または誘導コイル102の温度が、例えば、所定の閾値より増加すると、コイルマウント105は誘導コイル102と調理面101との間の距離を増加させ、そしてその逆も同様である。
【0048】
これは、駆動回路103または誘導コイル102のある特定の温度が上回ると、誘導コイル102が下がる、ということを意味する。コイルマウント105は、正常な動作条件下では到達されないが、しかし低い強磁性の特性を持つ調理器でのみ到達される温度で下降が始まるように構成されてもよいと解釈される。この温度は、電磁調理装置100の開発または設計の段階で、例えば実験的に決定されてもよい。
【0049】
図2は、もう一つの電磁調理装置200のブロック図を示す。電磁調理装置200は、電磁調理装置100に基づく。したがって、電磁調理装置200は、調理コンロ206を持つ調理面201を含む。調理コンロ206の上に、調理器250は、加熱調理器に備えられる。さらに、誘導コイル202は、調理面201の下方に備えられる。誘導コイル202は、駆動回路203に電気的に結合される。回路図のスイッチング素子204は、駆動回路203に示される。電磁調理装置200に、コイルマウントは明確に示されない。その代わりに、積載構造210と相変化材料213、214で満たされた可撓体211、212を有するアクチュエータが備えられる。
【0050】
積載構造210は、誘導コイル202を運び、可撓体211、212へ機械的に結合され、それらは、積載構造210の下に位置される。すでに以上で説明したように、相変化材料213、214は、ある特定の温度まで加熱されたときに、軟化、または液体になりえる。相変化材料213、214が軟化すれば、可撓体211、212は、積載構造210と誘導コイル202の重量により圧縮されてもよい。あるいは、相変化材料213、214は、液化するときに、拡大し、そしてその結果可撓体211、212を横に拡大し、したがってそれらを垂直方向に圧縮されてもよい。この目的を達成するためには、可撓体211、212の上下が非伸縮性であってもよい。
【0051】
図2の実施形態は、したがって、専用の電気制御を必要としない、とても単純な配置を提供する。
【0052】
図3は、別の電磁調理装置300のブロック図を示す。電磁調理装置300は、電磁調理装置200に基づく。したがって、電磁調理装置300は、調理コンロ306を持つ調理面301を含む。調理コンロ306上に、調理器350は、料理器具を加熱するために設けられる。さらに、誘導コイル302は、調理面301の下方に備えられる。誘導コイル302は、電気的に駆動回路303と結合される。回路図のスイッチング素子304は、駆動回路303に示される。電磁調理装置300には、コイルマウントは明確に示されない。可撓体211、212の代わりに、電磁調理装置300は、積載構造310の下に備えられる、電気機械作動素子315を含む。さらに、駆動回路303に、距離制御ユニット316が備えられる。距離制御ユニット316は、電気機械作動素子315に結合され、電気機械作動素子315を制御する。さらに、温度センサー317は、スイッチング素子304に備えられ、そして距離制御ユニット316に結合され、そして電流センサー318は、誘導コイル302から駆動回路303への電源線に設けられる。電流センサー318は、さらに距離制御ユニット316に結合される。それは、電流センサー318は温度センサー317の代替え手段として使用されてもよく、二つのセンサー317、318のうちの一つだけが設けられてもよい、と解釈される。
【0053】
距離制御ユニット316は、温度センサー317に測定された温度にも基づくか、または、電流センサー318に測定された電流に基づくかのどちらか、または両方で、電気機械作動素子315を制御する。温度または電流または両方が所定の閾値を上回ると、距離制御ユニット316は、電気機械作動素子315が誘導コイル302を調理面301に対して低くするように、制御してもよい。
【0054】
スイッチング素子304と誘導コイル302を通る電流は、スイッチング素子304と誘導コイル302の温度に影響する。この実施形態の電流センサー318は、したがって間接温度センサーとして見られてもよい。
【0055】
図4に基づく方法の以下の説明で明確にするため、図1乃至3に基づいた装置の説明の以上で使用した参照符号は、そのまま残される。
【0056】
図4は、誘導コイル102、202、302、そして調理器150、250、350を温めるための駆動回路103、203、303を持つ、電磁調理装置100、200、300の操作方法のフロー図を示す。
【0057】
その方法は、駆動回路103、203、303を含む誘導コイル102、202、302の操作S1、そして、駆動回路103の少なくとも一つの構成要素、例えばスイッチング素子104、および/または誘導コイル102の温度に基づき、誘導コイル102、202、302と調理面101、201、301との間の距離を動的適合させるS2を含み、その距離は、駆動回路103の少なくとも一つの構成要素および/または誘導コイル102、202、302の温度の上昇に伴い増加する。
【0058】
適合することS2のステップは、可動積載構造210、310を動かすことを含んでもよく、可動積載構造210、310は誘導コイル102、202、302をいくつかのアクチュエータを用いて運ぶ。
【0059】
可動積載構造210、310を動かすことは、特に二つの異なる選択肢用いて実行され得る。
【0060】
例えば、可撓体211、212と可撓体211、212に備えられる相変化材料213、214は、相変化材料213、214が熱くなるとき、可撓体211、212は変形し、そして積載構造210、310を下げるように、配置されてもよい。相変化材料213、214は、塩水和物および/またはパラフィンおよび/またはバイオ系相変化材料213、214を含んでもよい。
【0061】
別の方法として、可動積載構造210、310を動かすことは、電気機械操作素子315と各駆動回路103、203、303で実行されてもよい。これを達成するためには、駆動回路103、203、303の少なくとも一つの構成要素および/または誘導コイル102、202、302の温度は、測定されることができ、そして動かすことは、測定した温度に基づいて電気機械操作素子315を制御することを含んでもよい。温度は、専用の温度センサーまたは間接温度センサー317で測定されてもよい。間接温度センサー317は、例えば電流センサー318を含んでもよい。積載構造210、310は、電流センサー318で測定された電流によって所定の電流閾値が上回られる場合、下げられればよい。測定された電流がその電流閾値を下回る場合、積載構造210、310は、例えば、調理面101、201、301に一番近い位置に配置されればよい。他の方法として、線形関係が温度/電流と距離に成立され得る。
【0062】
特定の実施形態がここに図示されそして説明されているが、当業者によって、多様な代替えおよび/または同等の実施形態が存在することを理解されたい。例示的実施形態または例示的実施形態は、例に過ぎず、範囲、適用性、または構成をいかなる方法によっても限定することを意図していない。むしろ、上記要約および詳細な説明は、当業者に少なくとも1つの例示的な実施形態を実施するための便宜的なロードマップを提供し、例示的な実施形態に記載された要素の機能および配置に様々な変更を加えることができることを理解されたい、添付の請求項およびそれらの法的同等物に記載されている範囲から逸脱することなく。一般に、このアプリケーションは、本明細書で議論した特定の実施形態の任意の適応または変形を含むことを意図している。
【0063】
本発明は、調理器150、250、350を温めるための電磁調理装置100、200、300、電磁調理装置100、200、300は調理面101、201、301を含み、調理面101、201、301は調理コンロ106を含み、誘電コイル102、202、302、誘電コイル102、202、302に電気的に結合される駆動回路103、203、303、そしてコイルマウント105は調理コイル106下に配置され、誘電コイル102、202、302はコイルマウント105上に配置され、そして、駆動回路103、203、303の少なくとも一つの構成要素および/または誘導コイル102、202、302の温度に基づいて、コイルマウント105は誘導コイル102、202、302と調理面101、201、301の距離を動的に適合させるように構成され、コイルマウント105は、誘導コイル(102、202、302)および/または前記駆動回路(103、203、303)の少なくとも一構成要素の温度の増加に伴い、誘電コイル102、202、302と調理面101、201、301との間の距離を増加するように構成される。
【符号の説明】
【0064】
100、200、300:電磁調理装置、101、201、301:調理面、102、202、302:誘導コイル、103、203、303:駆動回路、104、204、205:スイッチング素子、105:コイルマウント、106:調理コンロ、210、310:積載構造、211、212:可撓体、213、214:相変化材料、315:電気機械操作素子、316:距離制御ユニット、318:電流センサー、S1、S2:方法のステップ、150、250、350:調理器
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】