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特表2022-529894手持ち工作機械用アタッチメント装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-27
(54)【発明の名称】手持ち工作機械用アタッチメント装置
(51)【国際特許分類】
   B25F 5/00 20060101AFI20220620BHJP
   B25B 21/00 20060101ALI20220620BHJP
   B23B 45/00 20060101ALI20220620BHJP
【FI】
B25F5/00 Z
B25B21/00 H
B23B45/00 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021559163
(86)(22)【出願日】2020-04-28
(85)【翻訳文提出日】2021-10-04
(86)【国際出願番号】 EP2020061704
(87)【国際公開番号】W WO2020221722
(87)【国際公開日】2020-11-05
(31)【優先権主張番号】102019111351.2
(32)【優先日】2019-05-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102019111349.0
(32)【優先日】2019-05-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518361790
【氏名又は名称】フェスツール ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100219542
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 郁治
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】アルガイアー、ベンヤミン
(72)【発明者】
【氏名】ザイラー、ペーター
(72)【発明者】
【氏名】ラウテンシュレガー、アレキサンダー
【テーマコード(参考)】
3C036
3C064
【Fターム(参考)】
3C036EE19
3C064AA01
3C064AA03
3C064AB02
3C064AC02
3C064AC03
3C064BA13
3C064BA18
3C064BB32
3C064BB81
3C064BB84
3C064BB85
3C064CA03
3C064CA06
3C064CA53
3C064CB05
3C064CB06
3C064CB10
3C064CB17
3C064CB62
3C064CB73
3C064CB82
3C064CB84
3C064CB85
(57)【要約】
本発明は、手持ち工作機械(200)、特に穿孔機又はねじ締め機用のアタッチメント装置(110)に関し、アタッチメント装置(110)は、アタッチメントハウジング(113)と、駆動側(111)に駆動要素(123)と、を有し、駆動要素が、アタッチメント装置(110)を駆動するために手持ち工作機械(200)の機械被駆動要素(221)と結合可能であり、かつ作業工具(242)を駆動するためにアタッチメント装置(110)の被駆動要素(120A)と固定的に接続されているか、又は伝動装置(530)を介して運動結合され、アタッチメント装置(110)は、駆動側(111)に、手持ち工作機械(200)に取外し可能に取り付けるための取付装置(105)を有し、取付装置(105)は、手持ち工作機械(200)に支持軸(ST)の方向に支持するための、アタッチメントハウジング(113)に対して位置固定的な少なくとも1つの支持面(232)と、ロック位置とロック解除位置との間で調節可能であり、かつばねアセンブリ(157)によってロック位置へ負荷される、少なくとも1つのロック輪郭(155)を有する少なくとも1つのラッチ体(150)と、を備え、ロック輪郭は、少なくとも1つの支持面(232)が手持ち工作機械(200)に支持される場合に、ロック位置において手持ち工作機械(200)の対応ロック輪郭(235;135)と係合し、ロック解除位置において、手持ち工作機械(200)からアタッチメント装置(110)を取り外すために対応ロック輪郭(235;135)と係合解除される。ラッチ体(150)が、ロック位置とロック解除位置との間の調節のために、支持軸(ST)を中心に回転可能に支承されていることが企図される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
手持ち工作機械(200)、特に穿孔機又はねじ締め機用のアタッチメント装置(110)であって、前記アタッチメント装置(110)がアタッチメントハウジング(113)と、駆動側(111)に駆動要素(123)と、を有し、前記駆動要素が、前記アタッチメント装置(110)を駆動するために前記手持ち工作機械(200)の機械被駆動要素(221)と結合可能であり、かつ作業工具(242)を駆動するために前記アタッチメント装置(110)の被駆動要素(120A)と固定的に接続されているか、又は伝動装置(530)を介して運動結合され、前記アタッチメント装置(110)は、前記駆動側(111)に、前記手持ち工作機械(200)に取外し可能に取り付けるための取付装置(105)を有し、前記取付装置(105)は、前記手持ち工作機械(200)に支持軸(ST)の方向に支持するための、前記アタッチメントハウジング(113)に対して位置固定的な少なくとも1つの支持面(232)と、ロック位置とロック解除位置との間で調節可能であり、かつばねアセンブリ(157)によって前記ロック位置へ負荷される、少なくとも1つのロック輪郭(155)を有する少なくとも1つのラッチ体(150)と、を備え、前記ロック輪郭は、前記少なくとも1つの支持面(232)が前記手持ち工作機械(200)に支持される場合に、前記ロック位置において前記手持ち工作機械(200)の対応ロック輪郭(235;135)と係合し、前記ロック解除位置において、前記手持ち工作機械(200)から前記アタッチメント装置(110)を取り外すために前記対応ロック輪郭(235;135)と係合解除される、アタッチメント装置において、前記ラッチ体(150)は、前記ロック位置と前記ロック解除位置との間の調節のために、前記支持軸(ST)を中心に回転可能に支承されていることを特徴とする、アタッチメント装置。
【請求項2】
前記被駆動要素(120A)に前記作業工具(242)のための工具収容部が配置され、それにより前記手持ち工作機械(200)の駆動モータ(210)が前記アタッチメント装置(110)を介して前記作業工具(242)を駆動できることを特徴とする、請求項1に記載のアタッチメント装置。
【請求項3】
前記ロック輪郭(155)は、前記手持ち工作機械(200)の対応ロック輪郭(235;135)と係合するように企図及び/又は形成され、前記対応ロック輪郭は、前記手持ち工作機械(200)の機械ハウジング(201)に対して位置固定的であることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載のアタッチメント装置。
【請求項4】
前記ラッチ体(150)及び前記駆動要素(123)は、前記アタッチメントハウジング(113)に対して、又は前記アタッチメントハウジング(113)において、互いに独立して回転可能に支承される、及び/又は互いに回転分離されていることを特徴とする、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載のアタッチメント装置。
【請求項5】
前記少なくとも1つのロック輪郭(155)がバヨネット輪郭(156)であるか、若しくはバヨネット輪郭を備え、かつ/又は弧形の形状を有し、かつ/又は前記支持軸(ST)の周りにリング状に延び、かつ/又はロックカムを備えることを特徴とする、請求項1~請求項4のいずれか1項に記載のアタッチメント装置。
【請求項6】
前記少なくとも1つのロック輪郭(155)が、前記アタッチメント装置を前記手持ち工作機械(200)に緊締するために、少なくとも1つの緊締輪郭、特に緊締傾斜面、又は緊締ランプを有することを特徴とする、請求項1~請求項5のいずれか1項に記載のアタッチメント装置。
【請求項7】
前記ラッチ体(150)が、前記支持軸(ST)の周りに部分リング状又はリング状に延びるリング体として形成されることを特徴とする、請求項1~請求項6のいずれか1項に記載のアタッチメント装置。
【請求項8】
前記少なくとも1つのロック輪郭(155)が、角距離をおいて前記ラッチ体(150)に配置された少なくとも2つのロック輪郭(155)を備えることを特徴とする、請求項1~請求項7のいずれか1項に記載のアタッチメント装置。
【請求項9】
前記アタッチメント装置(110)を前記手持ち工作機械(200)に配置する場合に、前記ラッチ体(150)を前記ロック位置から前記ロック解除位置の方向に操作できないこと、及び/又は前記手持ち工作機械(200)に向いた前記ラッチ体(150)の側には、前記手持ち工作機械(200)の輪郭が前記ラッチ体(150)を前記ロック位置から前記ロック解除位置の方向に操作できるようにするための操作面又は操作傾斜面が配置されないこと、を特徴とする、請求項1~請求項8のいずれか1項に記載のアタッチメント装置。
【請求項10】
前記ラッチ体(150)は、操作者によって把持可能な少なくとも1つのグリップ輪郭(152)を有することを特徴とする、請求項1~請求項9のいずれか1項に記載のアタッチメント装置。
【請求項11】
前記ばねアセンブリ(157)は、前記支持軸(ST)が貫通するねじりばねを備え、前記ねじりばねは、一方では前記アタッチメントハウジング(113)に支持され、他方では前記ラッチ体(150)に支持されることを特徴とする、請求項1~請求項10のいずれか1項に記載のアタッチメント装置。
【請求項12】
前記駆動要素(123)は、前記ばねアセンブリ(157)及び/又は前記ラッチ体(150)の内部空間に配置されることを特徴とする、請求項1~請求項11のいずれか1項に記載のアタッチメント装置。
【請求項13】
前記アタッチメント装置は、前記アタッチメント装置(110)を前記支持軸(ST)に対して回転不可能に前記手持ち工作機械(200)に支持するための少なくとも1つの回動防止輪郭(143)を有し、前記アタッチメント装置(110)が前記手持ち工作機械(200)に組み付けられた状態で、前記回動防止輪郭が前記手持ち工作機械(200)の相手回動防止輪郭(233)と係合することを特徴とする、請求項1~請求項12のいずれか1項に記載のアタッチメント装置。
【請求項14】
前記少なくとも1つの回動防止輪郭(143)が前記ラッチ体(150)の内部空間に配置されていることを特徴とする、請求項13に記載のアタッチメント装置。
【請求項15】
前記少なくとも1つの回動防止輪郭(143)が前記アタッチメントハウジング(113)に対して位置固定的であることを特徴とする、請求項13又は請求項14に記載のアタッチメント装置。
【請求項16】
前記少なくとも1つの回動防止輪郭(143)が前記支持軸(ST)の方向に変位可能に支承されることを特徴とする、請求項13又は請求項14に記載のアタッチメント装置。
【請求項17】
前記アタッチメント装置は、前記少なくとも1つの回動防止輪郭(143)のための少なくとも1つの支持ストッパ(118B)を有し、前記少なくとも1つの回動防止輪郭(143)が前記手持ち工作機械(200)の前記相手回動防止輪郭(233)と係合している場合に、前記回動防止輪郭(143)を有する前記アタッチメント装置(110B)の体が前記支持ストッパに打ち当たることを特徴とする、請求項16に記載のアタッチメント装置。
【請求項18】
前記少なくとも1つの回動防止輪郭(143)が、ばねアセンブリ(170)によって前記手持ち工作機械(200)の前記相手回動防止輪郭(233)に係合するように企図された係合位置の方向へ負荷されることを特徴とする、請求項16又は請求項17に記載のアタッチメント装置。
【請求項19】
前記少なくとも1つの回動防止輪郭(143)は、特に歯列として形成された、かつ前記支持軸(ST)の方向で前記アタッチメント装置(110)の端面の前へ突出する、前記手持ち工作機械(200)の形状結合収容部に係合するための形状結合突出部(144)を有すること、及び/又は前記少なくとも1つの回動防止輪郭(143)が前記支持軸(ST)の周りに弧形若しくは星形に延びること、を特徴とする、請求項13~請求項18のいずれか1項に記載のアタッチメント装置。
【請求項20】
前記少なくとも1つの回動防止輪郭(143)は、スリーブ体又はスリーブ状の支持体(140、140B)に配置されることを特徴とする、請求項13~請求項19のいずれか1項に記載のアタッチメント装置。
【請求項21】
前記アタッチメント装置は、前記ラッチ体(150)の前記ロック解除位置から前記ロック位置への移動を引き起こすためのトリガ装置(160)を有し、前記トリガ装置(160)がブロッキング体(161)を有し、前記ブロッキング体は、ブロック位置において、前記ラッチ体(150)を前記ばねアセンブリ(157)の力に抗して前記ロック解除位置に保持し、かつ操作動作によって解放位置へ移すことができ、前記ブロッキング体(161)は、前記解放位置において、前記ラッチ体(150)を前記ロック解除位置から前記ロック位置の方向へ動かすために解放する、請求項1~請求項20のいずれか1項に記載のアタッチメント装置。
【請求項22】
前記ブロッキング体(161)は、特に前記支持軸(ST)と平行に長手方向に変位可能であり、かつ/又は前記アタッチメントハウジング(113)に、若しくは前記アタッチメントハウジング(113)に対して回転可能に支承されていることを特徴とする、請求項21に記載のアタッチメント装置。
【請求項23】
前記ブロッキング体(161)は、ばねアセンブリ(170)によって前記ブロック位置の方向に負荷されることを特徴とする、請求項21又は請求項22に記載のアタッチメント装置。
【請求項24】
前記ブロッキング体(161)は、前記手持ち工作機械(200)によって前記ブロッキング体(161)を前記ブロック位置から前記解放位置へ操作するために操作可能な操作輪郭(162)を有することを特徴とする、請求項21~請求項23のいずれか1項に記載のアタッチメント装置。
【請求項25】
前記少なくとも1つの回動防止輪郭(143)が前記ブロッキング体(161)に配置され、及び/又は前記ブロッキング体(161)を前記ブロック位置から前記解放位置へ操作するように形成されていることを特徴とする、請求項21~請求項24のいずれか1項に記載のアタッチメント装置。
【請求項26】
前記ラッチ体(150)と前記ブロッキング体(161)との間に操作伝動装置(180)、特に方向転換伝動装置が配置され、前記操作伝動装置を用いて、前記ラッチ体(150)は、ロック位置からロック解除位置へ調節された場合に、前記ブロッキング体(161)を解放位置からブロック位置へ調節するために解放又は操作することを特徴とする、請求項21~請求項25のいずれか1項に記載のアタッチメント装置。
【請求項27】
前記方向転換伝動装置がはすば伝動装置であり、かつ/又は前記支持軸(ST)を中心とした前記ラッチ体(150)の回転運動を、前記支持軸(ST)と平行の前記ブロッキング体(161)の直線運動に方向転換若しくは解放し、かつ/又は互いに係合する傾斜面(185、189)を有することを特徴とする、請求項26に記載のアタッチメント装置。
【請求項28】
前記駆動要素(123)と前記被駆動要素(120A)との間にはトルク変換若しくは回転数変更コンポーネントが配置されていないこと、又は前記伝動装置(530、630)が、回転数変更伝動装置、特に遊星歯車伝動装置及び/若しくはアングル伝動装置が配置されていること、並びに/又は前記駆動要素(123)及び前記被駆動要素(120A)の回転軸(DA、DB)が互いに角度を付けるか、若しくは互いに平行距離を有すること、を特徴とする、請求項1~請求項27のいずれか1項に記載のアタッチメント装置。
【請求項29】
前記被駆動要素(120A)を有する前記アタッチメント装置(110)の被駆動側に取付手段(130A)が配置され、前記取付手段は、前記取付装置(105)と適合し、かつ前記取付装置(105)の前記支持面(232)を支持するための支持体(130)と、前記取付装置(105)の少なくとも1つのロック輪郭(155)が係合するための対応ロック輪郭(235;135)と、を備えることを特徴とする、請求項1~請求項28のいずれか1項に記載のアタッチメント装置。
【請求項30】
前記ラッチ体(150)と運動結合された前記駆動要素(123)のための回転ブロッキング装置(190)を有し、前記回転ブロッキング装置は、前記ラッチ体(150)が前記ロック解除位置にあるときに回転ブロック位置をとり、かつ前記駆動要素(123)を回転不可能に固定し、前記ラッチ体(150)が前記ロック位置にあるときに回転解放位置をとり、かつ前記駆動要素(123)を回動可能にするべく解放することを特徴とする、請求項1~請求項29のいずれか1項に記載のアタッチメント装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手持ち工作機械、特に穿孔機又はねじ締め機用のアタッチメント装置に関し、アタッチメント装置がアタッチメントハウジングと、駆動側に駆動要素と、を有し、駆動要素が、アタッチメント装置を駆動するために手持ち工作機械の機械被駆動要素と結合可能であり、かつ作業工具を駆動するためにアタッチメント装置の被駆動要素と固定的に接続されているか、又は伝動装置を介して運動結合され、アタッチメント装置は、駆動側に、手持ち工作機械に取外し可能に取り付けるための取付装置を有し、取付装置は、手持ち工作機械に支持軸の方向に支持するための、アタッチメントハウジングに対して位置固定的な少なくとも1つの支持面と、ロック位置とロック解除位置との間で調節可能であり、かつばねアセンブリによってロック位置へ負荷される、少なくとも1つのロック輪郭を有する少なくとも1つのラッチ体と、を備え、ロック輪郭は、少なくとも1つの支持面が手持ち工作機械に支持される場合に、ロック位置において手持ち工作機械の対応ロック輪郭と係合し、ロック解除位置において、手持ち工作機械からアタッチメント装置を取り外すために対応ロック輪郭と係合解除される。
【背景技術】
【0002】
この種のアタッチメント装置については、例えば欧州特許出願公開第2383076号明細書で説明されている。アタッチメントハウジングの端面が支持面をなし、この支持面にはそれに加えてさらに回動防止輪郭が配置されている。アタッチメントハウジングの内部空間に駆動要素が配置され、駆動要素にもまたラッチ体、例えば、駆動要素の回転軸に対して径方向に可動のボールが配置されている。アタッチメント装置がねじ回し機などの工作機械に装着された場合、駆動要素の回転軸に対して径方向内方に負荷されたラッチ体が、手持ち工作機械の機械被駆動要素の保持収容部と係合し、それによりアタッチメント装置が手持ち工作機械に引き離し不可能に(zugfest)保持される。
【0003】
ただし、ロックは回転コンポーネント、すなわち手持ち工作機械の機械被駆動要素で行われる。操作者はロックを解除するためにアタッチメント装置の内部空間に手を伸ばすが、これは場合によっては不便である。
【発明の概要】
【0004】
したがって、本発明の課題は、改良されたアタッチメント装置を提供することである。
【0005】
上記課題を解決するために、ロック位置とロック解除位置との間の調節のために、ラッチ体が支持軸を中心に回転可能に支承されていることが企図される。
【0006】
それにより、ラッチ体の接線方向の旋回運動又は回転運動によって、少なくとも1つのロック輪郭を対応ロック輪郭と係合又は係合解除させることができる。ロック輪郭の接線運動又は旋回運動は、例えば高い締め付けトルクを達成することができ、すなわち、支持軸に対するロックを最適に実現することができる。例えば、ラッチ要素をロック位置の方向に負荷するばねアセンブリのばね力を小さくすることができる。
【0007】
例えば、支持軸は駆動要素の回転軸と同軸又は平行である。
【0008】
支持軸及び/又は駆動要素の回転軸は、アタッチメント装置の長手方向中心軸又は駆動側を有するアタッチメント装置の一部の長手方向中心軸と同軸であることが好ましい。
【0009】
作業工具のための工具収容部は被駆動要素に有利に配置され、それにより手持ち工作機械の駆動モータがアタッチメント装置を介して作業工具を駆動することができる。しかし、被駆動要素が配置される被駆動側に工具ホルダのためのブラケットが配置され、工具ホルダ自体にもまた作業工具を取り付けることができるということも可能である。
【0010】
基本的に、ロック輪郭は、手持ち工作機械の、機械被駆動要素に配置されている対応ロック輪郭と係合するように企図されていることが可能ではある。このような形態では、機械被駆動要素が駆動された場合に、ロック輪郭と対応ロック輪郭が回転する。しかし、ロック輪郭が、手持ち工作機械の機械ハウジングに対して位置固定的(ortsfest)である手持ち工作機械の対応ロック輪郭と係合するように有利に企図及び/又は形成されている形態が好ましい。
【0011】
ラッチ体及び駆動要素が、アタッチメントハウジングに対して、又はアタッチメントハウジングにおいて、互いに独立して回転可能に支承される、及び/又は互いに回転分離されていることが有利である。両方の措置は、ラッチ体がアタッチメントハウジングにおいて位置固定的に止まっている場合に駆動要素が回転でき、及び/又は駆動要素がアタッチメントハウジングにおいて位置固定的に止まっている場合にラッチ体が回転できることを可能にする。
【0012】
少なくとも1つのロック輪郭がバヨネット輪郭であるか、若しくはバヨネット輪郭を備え、かつ/又は弧形の形状を有することが企図されていることが有利である。少なくとも1つのロック輪郭は、殊にアタッチメント装置の支持軸の周りにリング状に延びる。さらに、少なくとも1つのロック輪郭が1つ又は複数のロックカムを備える場合が有利である。
【0013】
少なくとも1つのロック輪郭が、アタッチメント装置を手持ち工作機械に緊締するために、少なくとも1つの緊締輪郭、特に緊締傾斜面、又は緊締ランプを有する場合に好ましい。緊締傾斜面又は緊締ランプは、支持軸に直交する軸に対して斜めに傾斜して上昇する。傾斜は、殊にこの直交軸に対して、例えば、約1~5°の角度の平坦な傾斜である。支持軸に対する傾斜は、殊に約91~95°である。
【0014】
少なくとも1つのロック輪郭が、角距離をおいてラッチ体に配置された少なくとも2つのロック輪郭を備える場合に好ましい。
【0015】
ラッチ体が、操作者によって把持可能な少なくとも1つのグリップ輪郭を有する場合が有利である。グリップ輪郭は、例えば、ローレット目、突出リブ、又はそれに類するものである。
【0016】
アタッチメント装置を手持ち工作機械に配置するときに、ラッチ体をロック位置からロック解除位置の方向に操作できない場合が有利である。すなわちそれにより、アタッチメント装置が手持ち工作機械に組み付けられている場合、ラッチ体が勝手にロック解除位置の方向に移動できない。
【0017】
さらに、手持ち工作機械に向いたラッチ体の側には、手持ち工作機械の輪郭がラッチ体をロック位置からロック解除位置の方向に操作できるようにするための操作面又は操作傾斜面が配置されない場合が有利である。輪郭は、例えば、手持ち工作機械の機械ハウジングのハウジング輪郭又はハウジング表面である。
【0018】
ラッチ体は、殊に支持軸の周りに部分リング状又はリング状に延びるリング体として形成される。例えば、ラッチ体は、アタッチメントハウジングの駆動側又は駆動側の端面に配置されている。そこで、ラッチ体はリング状又は部分リング状に延びる。
【0019】
ばねアセンブリは、アタッチメント装置の支持軸が貫通するねじりばねを備え、ねじりばねが一方ではアタッチメントハウジングに支持され、他方ではラッチ体に支持される場合に好ましい。ねじりばねの内部空間には、アタッチメント装置のさらなるコンポーネント、例えばシャフト要素、さらなるばね、又はそれに類するものを配置することができる。
【0020】
例えば、駆動要素がばねアセンブリ及び/又はラッチ体の内部空間に配置され、ラッチ体が例えばリング状又は部分リング状である場合が有利である。すなわち、駆動要素は、ばねアセンブリに対して径方向内側に配置される。ばねアセンブリは、駆動要素の回転軸の周りに径方向外周に延びる。
【0021】
手持ち工作機械におけるアタッチメント装置の回動防止、又は回動防止した保持のために、アタッチメント装置は、アタッチメント装置を支持軸に対して回転不可能に手持ち工作機械に支持するための少なくとも1つの回動防止輪郭を有し、アタッチメント装置が手持ち工作機械に組み付けられた状態で、回動防止輪郭が手持ち工作機械の相手回動防止輪郭と係合する場合が有利である。
【0022】
少なくとも1つの回動防止輪郭は、ラッチ体の内部空間に有利に配置される。例えば、ラッチ体は、軸、例えば駆動要素の回転軸の周りに延びる。ラッチ体は、例えば回動防止輪郭の周りに延びる。回動防止輪郭は、駆動要素とラッチ体との間に有利に配置される。
【0023】
少なくとも1つの回動防止輪郭がアタッチメントハウジングに対して位置固定的であるか、又は支持軸の方向に変位可能に支承されていることが有利にも企図されている。
【0024】
回動防止輪郭が変位可能である場合、アタッチメント装置が少なくとも1つの回動防止輪郭のための少なくとも1つの支持ストッパを有し、少なくとも1つの回動防止輪郭が手持ち工作機械の相手回動防止輪郭と係合している場合に、回動防止輪郭を有するアタッチメント装置の体、例えばスリーブ体、又はスリーブ状の支持体が支持ストッパに打ち当たる場合が有利である。支持ストッパは、例えば、長手方向ストッパ又はエンドストッパである。支持ストッパは、例えば、回動防止輪郭を有する体の変位経路を手持ち工作機械から離れる方向に制限する。
【0025】
少なくとも1つの回動防止輪郭が、ばねアセンブリによって手持ち工作機械の相手回動防止輪郭に係合するように企図された係合位置の方向へ負荷される場合も有利である。それにより、ばねアセンブリは、回動防止輪郭が相手回動防止輪郭と係合した状態のままにする。例えば、少なくとも1つの回動防止輪郭を有する体、特にスリーブ体又はスリーブ状の支持体は、ばねアセンブリによって、手持ち工作機械の相手回動防止輪郭の方向、又は駆動側の前方方向にばね負荷される。この体は、同時に、トリガ装置のブロッキング体をなし得るか、又はそのようなブロッキング体と運動結合され、特に固定的に接続され得るが、これについてはさらに説明される。
【0026】
少なくとも1つの回動防止輪郭が、特に歯列として形成された、かつ支持軸の方向でアタッチメント装置の端面の前へ突出する、手持ち工作機械の形状結合収容部に係合するための形状結合突出部を有する場合が有利である。
【0027】
少なくとも1つの回動防止輪郭が、支持軸の周りに弧形又は星形に延びる場合も有利である。例えば、複数の回動防止輪郭は、星形に、又は支持軸から径方向に離れる方向に延びることができ、互いに弧の距離又は角距離を有することができる。
【0028】
好ましいコンセプトは、少なくとも1つの回動防止輪郭がスリーブ体又はスリーブ状の支持体に配置されることを企図する。例えば、スリーブ体又は支持体の端面又は短辺側は、回動防止輪郭、特に歯又は歯列を有する。スリーブ体若しくは支持体は、殊に支持軸によって貫通されるか、又は支持軸は、スリーブ体若しくは支持体の長手方向の中心軸と同軸である。
【0029】
有利なコンセプトは、アタッチメント装置が、ラッチ体のロック解除位置からロック位置への移動を引き起こすためのトリガ装置を有し、トリガ装置がブロッキング体を有し、ブロッキング体は、ブロック位置において、ラッチ体をばねアセンブリの力に抗してロック解除位置に保持し、かつ操作動作によって解放位置へ移すことができ、ブロッキング体は、解放位置において、ラッチ体をロック解除位置からロック位置の方向へ動かすために解放することを企図する。したがって、すなわちラッチ体は、まずロック解除位置でブロックされ、ばねアセンブリによって付勢され、トリガ装置によってトリガされ、それによりラッチ体は、手持ち工作機械にアタッチメント装置をいわば自動的にロックすることができる。
【0030】
ブロッキング体が、特に支持軸と平行に長手方向に変位可能であり、かつ/又はアタッチメントハウジングに、若しくはアタッチメントハウジングに対して回転可能に支承される場合が有利である。言うまでもなく、ブロッキング体をアタッチメントハウジングに対して、又はアタッチメントハウジングに、例えば斜めに延びる軌道に沿って回転可能及び変位可能に支承することができる。
【0031】
さらに、ブロッキング体が、ばねアセンブリによってブロック位置の方向に負荷される場合も好ましい。すなわちブロッキング体は、ラッチ体のロック解除位置の方向に負荷されるか、又はブロッキング体がラッチ体をロック解除位置に保持する位置へ負荷される。ばねアセンブリの力に抗して、ブロッキング体を解放位置に調整することができ、その場合、ブロッキング体は、ラッチ体を解放してロック解除位置からロック位置へ移動できるようにする。
【0032】
さらに、ブロッキング体が、手持ち工作機械によってブロッキング体をブロック位置から解放位置へ操作するために操作可能な操作輪郭を有する場合が有利である。例えば、操作輪郭は、アタッチメント装置の駆動側の前、例えばその前側の手持ち工作機械の方向に突出し、アタッチメント装置が手持ち工作機械に差し込まれている、又は配置されている場合に、手持ち工作機械によってブロック位置から解放位置に作動することができる。
【0033】
少なくとも1つの回動防止輪郭がブロッキング体に配置され、及び/又はブロッキング体をブロック位置から解放位置へ操作するように形成される場合にさらに有利である。すなわち、回動防止輪郭が手持ち工作機械の相手回動防止輪郭と係合され、同時にブロッキング体がブロック位置から解放位置へ調節される。
【0034】
ラッチ体とブロッキング体との間に操作伝動装置、特に、特に方向転換伝動装置が配置され、操作伝動装置を用いて、ラッチ体は、ロック位置からロック解除位置へ調節された場合に、ブロッキング体を解放位置からブロック位置へ調節するために解放又は操作する。すなわち、操作者が、例えばラッチ体をロック解除する場合、操作者は、同時にトリガ装置を解放位置からブロック位置へ操作するか、又はブロッキング体を負荷するばねアセンブリにこのような調節を可能にする。
【0035】
一実施形態は、方向転換伝動装置がはすば伝動装置であるか、又ははすば伝動装置を備えることを有利に企図する。方向転換伝動装置が支持軸を中心としたラッチ体の回転運動を、支持軸と平行のブロッキング体の直線運動に方向転換又は解放する場合が有利である。例えば、ラッチ体は、ロック位置からロック解除位置への調節のために回動され、ブロッキング体を解放し、それによりブロッキング体は、ばね負荷されて、トリガ過程からブロック位置に戻ることができる。
【0036】
さらに、方向転換伝動装置が互いに係合する傾斜面又は操作斜面を有する場合が有利である。傾斜面又は操作斜面は、直接、それぞれのラッチ体又はブロッキング体に配置することができ、あるいはラッチ体又はブロッキング体とそれぞれ運動結合されているか、又は固定的に接続されている体にも配置することができる。
【0037】
一実施形態では、アタッチメント装置は、駆動装置と被駆動装置との間でいわば受動的であり得る。例えば、駆動要素と被駆動要素との間にトルク変換又は回転数変更コンポーネントが配置されないことが可能である。特に、駆動要素と被駆動要素はワンピースに、及び/又は互いに固定的に接続されている。
【0038】
しかし、伝動装置が、回転数変更伝動装置、例えば、遊星歯車伝動装置であるか、又は遊星歯車伝動装置を含むことも可能である。例えば、伝動装置は、駆動要素の回転数に対して被駆動要素の回転数を増減することができる。例えば、駆動要素と被駆動要素との間にアングル伝動装置が設けられる。アングル伝動装置が回転数変更伝動装置と組み合わせて設けられ得るか、又は回転数変更をもたらさないことができる。
【0039】
さらに、アタッチメント装置において駆動要素及び被駆動要素の軸が同軸でないことが可能である。例えば、駆動要素及び被駆動要素の回転軸が互いに角度を付けるか、互いに平行距離を有することが可能である。アタッチメント装置は、例えば、いわゆるアングルアタッチメント又は偏心アタッチメントである。
【0040】
被駆動要素を有するアタッチメント装置の被駆動側に、合目的的に取付手段が配置され、取付手段は取付装置と適合する(kompatibel)ものであり、取付装置の支持面を支持するための支持体と、取付装置の少なくとも1つのロック輪郭が係合するための対応ロック輪郭と、を備える。当然、これに加えてさらに相手回動防止輪郭が取付手段の支持体に設けられる場合が有利である。例えば、本発明による2つのアタッチメント装置の直列配置を作製することができ、アタッチメント装置の1つをもう1つのアタッチメント装置と手持ち工作機械との間に配置することができる。さらに、本発明によるアタッチメント装置が、例えば、手持ち工作機械と、手持ち工作機械に直接取り付けることができる本発明によるものではないアタッチメント装置との間にサンドイッチ状に配置されていることが可能である。
【0041】
アタッチメント装置は、ラッチ体と運動結合された駆動要素のための回転ブロッキング装置を有し、回転ブロッキング装置は、ラッチ体がロック解除位置にあるときに回転ブロック位置をとり、かつ駆動要素を回転不可能に固定し、ラッチ体がロック位置にあるときに回転解放位置をとり、かつ駆動要素を回動可能にするべく解放する。回転ブロッキング装置は、例えば回転ブロッキング体を有し、回転ブロッキング体は、支持軸と平行に調節可能であり、かつ回転ブロック位置において、駆動要素の形状結合輪郭と係合し、回転解放位置において、駆動要素の形状結合輪郭と係合解除する。回転ブロッキング体は、殊にトリガ装置のブロッキング体と直線運動結合されている。
【0042】
最後に、本発明は、有利にも、ガイド装置、並びにガイド装置に取外し可能に組み付けることができる本発明によるアタッチメント装置、及び/又はガイド装置に取外し可能に組み付けることができる手持ち工作機械、特にアタッチメント装置を用いてガイド装置に取外し可能に組み付けることができる手持ち工作機械に関するシステムにも関する。
【0043】
ガイド装置は、例えば、手持ち工作機械、特に手持ち穿孔機を取外し可能に保持するためのマウントブラケットと、手持ち工作機械を用いて加工されるべきワークに当接させるための当接面を有する当接体と、を備え、手持ち工作機械は、機械ハウジングと、機械ハウジング内に配置された、工具収容部を駆動するための駆動モータと、を有し、工具収容部に、特に穿孔工具又は切断工具として形成された作業工具を取外し可能に組み付けることができ、ガイド装置は、工具収容部を当接体に対して案内して相対調節するためのガイドアセンブリを有する。
【0044】
有利には、ガイド装置は、塵埃排出路を有する塵埃排出装置を有し、塵埃排出路の第1端領域が当接面の領域に、粒子流が流入するための流入開口部を有し、第1端領域の反対側の第2端領域が粒子流の流出開口部を有する。有利には、この実施形態でもそれ自体独立した発明でもあり得るとともに、アタッチメント装置が必要でないガイド装置では、塵埃排出路が、操作者によって把持され得るハンドグリップ要素において延び、操作者は、このハンドグリップ要素を用いてガイド装置を加工されるべきワークに当接させた状態に保持することができることが企図される。
【0045】
塵埃排出路は、ハンドグリップ要素及び/又は当接体の一部を貫通することができる。あるいは、塵埃排出路が少なくともハンドグリップ要素の側面及び/又は当接体の側面に部分的に配置されているか、又はそこに延びていることも可能である。したがって、塵埃排出路とハンドグリップ要素又は当接体とは別個のコンポーネントであり得るが、これらのコンポーネントは合目的的に互いに固定的に接続されている。しかし、ハンドグリップ要素及び当接体に塵埃排出路が延びるという一体型の解決策が好ましく、実際に有利である。
【0046】
有利なコンセプトは、マウントブラケットが、ガイド装置の一構成要素をなすとともにガイドアセンブリとは別個の少なくとも1つの保持コンポーネントを有し、この保持コンポーネントを用いて工具収容部を、ワークを加工するように企図された作業位置と、工具交換のために企図された工具交換位置との間で調節可能であり、工具交換位置において、工具収容部は、工具交換を妨げるか、又は阻止するガイド装置の少なくとも1つのコンポーネント、特に当接体から遠く離れる方向に調節され、かつ工具交換のために、作業位置にあるときよりもより良くアクセス可能であり、手持ち工作機械は、作業位置及び工具交換位置において保持コンポーネントと接続されることを企図する。
【0047】
保持コンポーネントはガイド装置によって提供され、ガイド装置に固定的にとどまるか、又はガイド装置から取外し可能である。どちらの場合も、保持コンポーネントは、楽な工具交換を可能にする。つまり、工具交換位置にあるとき、工具収容部は、工具交換を妨げるコンポーネント、例えば、当接体、ガイドアセンブリ、又はそれに類するものの向かい側になく、そこから離れる方向に調節されている。例えば、ガイドアセンブリを用いて手持ち工作機械、したがってその工具収容部を当接体から遠く離れる方向に調節することが可能ではあり得る。しかし、追加のホルダコンポーネントにより、取り扱いが大幅に改善される。
【0048】
工具収容部は、手持ち工作機械に直接設けることができる。手持ち工作機械が、例えば、作業工具用のための工具ブラケットを有する工具ホルダを具備することも可能である。工具ホルダを工具収容部に手持ち工作機械配置することが可能である。
【0049】
手持ち工作機械がマウントブラケットに保持される場合に、作業位置において工具収容部が当接体の向かい側に位置することが好ましい。しかし、工具交換位置において、殊に、工具収容部に作業工具を装着できるときの差込み軸及び/又は工具収容部の回転軸が当接体を通って延びない角度位置に、工具収容部が調節される。しかし差込み軸又は回転軸は、作業位置では当接体を通って延びる。手持ち工作機械の駆動モータは、回転軸を中心に工具収容部を駆動する。
【0050】
有利には、手持ち工作機械の駆動モータによって工具収容部を駆動することができる工具収容部の回転軸が、作業位置において、手持ち工作機械がマウントブラケットに保持される場合に、ガイドアセンブリが工具収容部を当接体に相対して案内するためのガイドアセンブリのガイド軸に対して平行であることが企図される。ガイドアセンブリは、例えばリニアガイドを備えるか、又はリニアガイドである。工具交換位置でも、例えばマウントブラケットの直線調節をする場合に、ガイド軸と回転軸とが互いに平行であることが可能ではある。しかし、ガイド軸と回転軸は、工具交換位置において互いに角距離を有することが好ましい。
【0051】
マウントブラケットは、工具収容部を作業位置と工具交換位置との間で調節するために、例えば、軸受、例えば、旋回軸受、リニア軸受、滑り軸受、又はそれらの組み合わせを有する。例えば、旋回軸受は、手持ち工作機械を、その工具収容部が当接体の向かい側に位置する位置から、当接体が工具収容部の前の正面に配置されなくなる工具交換位置へ旋回させることが可能である。直線支承又は摺動支承は、工具交換位置において、工具収容部が作業位置にあるときより当接体から遠く離れる方向に変位されることを可能にする。
【0052】
ガイド装置において、有利には、マウントブラケットが、マウントブラケットを作業位置及び/又は工具交換位置に固定するための固定装置、特に、ロックするためのロック装置及び/又は締め付けるためのクランプ装置を有することが企図されている。固定装置を用いることで、すなわちマウントブラケットを作業位置又は工具交換位置、あるいはその両方で固定及び/又はロック及び/又は締め付けることができる。言うまでもなく、そのような固定手段の組み合わせが可能であり、すなわち、例えばマウントブラケットは作業位置ではクランプ及びロックされるのに対して、工具交換位置ではロックしかされない。さらに、作業位置でのみ固定装置によってマウントブラケットを固定可能であるか、又は工具交換位置でのみ固定可能であることが可能である。クランプ装置は、例えば、締付位置と解除位置との間でねじ回し可能なクランプねじを備える。このようなクランプねじは、例えば、マウントブラケットに直接配置することができ、締め付けるという意味でガイド装置の基体に対して作用することができる。ロック装置は、例えば、1つ又は複数のラッチ、例えば、直線的に変位可能及び/又は旋回可能なラッチを含む。
【0053】
固定装置は、有利には、少なくとも1つのラッチ体又は係止体を有する。ラッチ体又は係止体は、有利には、ばねアセンブリによって、マウントブラケットをロックするロック位置へばね荷重がかけられる。ラッチは、合目的的に操作者によって把持可能なハンドグリップを有し、それによりラッチ体又は係止体を、ロック位置から、ばねアセンブリのばね力に抗して、作業位置と工具交換位置との間の調節のためにマウントブラケットを解放する解除位置へ調節可能である。ラッチ体は、例えばラッチボルトとして形成されている。ばね又はばねアセンブリは、一方では、例えばラッチ体に、他方では、ラッチ体を支承するコンポーネント、例えばマウントブラケット又はマウントブラケットが可動に支承される軸受体に支持される。
【0054】
好ましくは、ガイド装置では、保持コンポーネントが、アタッチメントハウジングと、駆動側に駆動要素と、を有するアタッチメント装置として形成され、駆動要素は、アタッチメント装置を駆動するために手持ち工作機械の機械被駆動要素と結合可能であり、かつ作業工具を駆動するためにアタッチメント装置の被駆動要素と固定的に接続されているか、又は伝動装置を介して運動結合され、駆動側に、手持ち工作機械に取外し可能に取り付けるための取付装置を有し、被駆動要素に、作業工具のための工具収容部が配置され、それにより手持ち工作機械の駆動モータが作業工具をアタッチメント装置を介して駆動することができることが企図されている。したがって、すなわちガイド装置が、保持コンポーネントとしてアタッチメント装置を提供し、アタッチメント装置は、手持ち工作機械が作業位置と工具交換位置との間で調節可能である場合に手持ち工作機械にとどまることができる。
【0055】
マウントブラケットは、有利には、保持収容部、特に手持ち工作機械、及び/又は手持ち工作機械の工具収容部に配置されたアタッチメント装置、特に上記のアタッチメント装置を収容するための、特に差し込むための特に差込み収容部を有する。一変形形態は、例えば、手持ち工作機械のハウジング部又はそれ以外の部分を保持収容部に挿入可能、例えば挿通可能又は差込み可能であることを企図する。しかし、手持ち工作機械にアタッチメント装置、例えばアングルアタッチメント装置、又はガイド装置の一構成要素をなす上記のアタッチメント装置が配置される、及び保持収容部に挿入可能、例えば差込み可能であることも可能である。
【0056】
マウントブラケットが、少なくとも1つの保持コンポーネント及び/若しくは手持ち工作機械を締め付けるためのクランプ装置、並びに/又は少なくとも1つの保持コンポーネント及び/若しくは手持ち工作機械をロックするためのロック装置を有する場合が好ましい。ロック装置は、例えば、解除位置で保持コンポーネント又は手持ち工作機械のロック収容部と係合解除するが、ロック位置においてはロック収容部に係合するラッチを備えている。クランプ装置を形成するために、例えば、前述の保持収容部がクランプねじを備えることができ、クランプねじによって、保持収容部の断面が、クランプ装置の締付位置において解除位置のときより小さく、それにより締付位置において、保持コンポーネント又は手持ち工作機械が保持収容部に締め付けられる。その場合、保持収容部の全体が縮小されること、又は、例えばクランプ要素、特にクランプねじが締付位置で保持収容部の断面を縮小するか、若しくは解除位置のときより保持収容部内に大きく突出することが可能である。
【0057】
マウントブラケットが、アタッチメント装置を締め付けるためのクランプ又はクランプリングを備えるか、又は有する場合は有利である。クランプ装置は、例えば、操作要素、特にクランプねじによって、締め付けられるべき物体を締め付ける締付位置と、この物体を解放する解放位置との間で調節可能であり得る。操作要素は、例えば、操作者の手によって握られるのに適したハンドグリップとして形成され得る。しかし操作要素は、例えば取っ手又はトグルのような頭部を有することができる。
【0058】
ガイド装置は、手持ち工作機械が作業位置と工具交換位置との間で調節される場合にガイド装置にとどまり、及び/又はガイド装置の固定された構成要素をなすように形成されていることが好ましい。したがって、すなわち手持ち工作機械を工具交換のためにガイド装置から取り外す必要はない。これは、例えばすでに述べたマウントブラケットの旋回軸受によって実現できる。
【0059】
アタッチメント装置がマウントブラケットの固定された構成要素をなし、かつ手持ち工作機械をガイド装置に取外し可能に取り付けるための取付装置が設けられていることが可能である。
【0060】
アタッチメント装置が、マウントブラケットに取外し可能に取り付けることができるガイド装置のコンポーネントであることも可能である。
【0061】
ガイド装置は、有利には塵埃排出路を有する塵埃排出装置を備え、塵埃排出路の第1端領域が、粒子流が流入するための流入開口部を当接面の領域に有し、第1領域の反対側の第2端領域が粒子流のための流出開口部を有する。
【0062】
操作者によって把持することができ、操作者がガイド装置を加工されるべきワークと当接させた状態に保持することができるハンドグリップ要素に塵埃排出路が延びることが有利にも企図されている。
【0063】
その場合の基本的な考え方は、ガイド装置を加工されるべきワークと当接させた状態に保持するために、操作者によって把持可能なハンドグリップ要素に塵埃排出路が延びるということである。ハンドグリップ要素は、ガイド装置から人間工学的に有利に突出する。
【0064】
塵埃排出路は、ハンドグリップ要素及び/又は当接体の一部を貫通することができる。あるいは、塵埃排出路が少なくともハンドグリップ要素の側面及び/又は当接体の側面に部分的に配置されているか、又はそこに延びていることも可能である。したがって、塵埃排出路とハンドグリップ要素又は当接体とは別個のコンポーネントであり得るが、これらのコンポーネントは合目的的に互いに固定的に接続されている。しかし、ハンドグリップ要素及び当接体に塵埃排出路が延びるという一体型の解決策が好ましく、実際に有利である。
【0065】
流出開口部には、合目的的に吸出しホース用の吸引ホース接続部が配置されている。例えば、吸引ホース接続部は、吸引ホースを差し込む、又は嵌めるための差込み収容部又は差込み突出部を有する。吸引ホース接続部に回転分離器(Drehentkopplung)を設けることができ、すなわち、吸引ホース接続部をハンドグリップ要素の基体に相対して回転させることができる。
【0066】
吸出しホース、又はいずれにせよハンドグリップ要素と固定的若しくは取外し可能に接続されている吸出しホースの部分は、殊に操作者が把持するために設けられたハンドグリップ部をなす。吸引ホースは、固定的、又は取外し可能にハンドグリップ要素に接続できる。例えば、このハンドグリップ部の長さは約10~15cmであり、及び/又は操作者の片手で握るように形成されている。ハンドグリップ要素と接続された吸引ホースの部分は、例えば、吸引ホースに係合するハンドグリップ要素の差込み突出部によって補強することができる。吸引ホースのこの部分は、例えばハンドグリップ要素から遠く離れた吸引ホースの部分よりも高い剛性を有する。それによって、吸引ホースは、いわばハンドグリップ要素の一部であり、操作者がよりよく握ることができる。
【0067】
ハンドグリップ要素が棒状であることが好ましい。しかし、基本的に、ハンドグリップ要素が弧状の、かつ操作者が握ることができる形状を有することも可能である。例えば、ハンドグリップ要素はグリップバーのように形成されている。
【0068】
当接体は、合目的的に、当接面の領域に作業工具のための貫通開口部を有する。貫通開口部は、例えば窓のように形成されている。しかし、ガイド装置が作動している場合に、作業工具が当接体の隣又はガイド装置の隣でワーク内に進入することも可能である。殊に、当接面、又はそれぞれ当接面の一部分は、作業工具のための貫通開口部の横隣りに延びている。作業工具のための貫通開口部は側方が開いているか、又は当接面によってリング状に取り囲まれ得る。
【0069】
ガイド装置が使用される場合に作業工具がワーク内に進入する作業領域の領域に流入開口部が配置される場合にさらに有利である。例えば、流入開口部は、当接面に対して角度が付けられ、作業領域に隣接する当接体の側壁に設けられている。言うまでもなく、1つの塵埃排出路又は複数の塵埃排出路と連絡する複数の、例えば少なくとも2つの流入開口部が存在し得る。例えば、2つ以上の流入開口部を、作業工具のための作業領域、特に貫通開口部の周りにリング状に配置することができ、それにより複数の側から、又は複数の角度で作業領域又は貫通開口部の領域から塵埃を吸い出すことができる。
【0070】
ハンドグリップ要素は、殊に、ガイド装置を使用する場合に作業工具がワーク内に進入する作業領域の方向、及び/又は作業工具のための貫通開口部、特にその中心の方向に向けられた長手軸を有する。ハンドグリップ要素は、作業工具の中心又は作業領域からいわば放射線状に突出する。
【0071】
ハンドグリップ要素は、成人の手の幅にほぼ相当する長さを有することが好ましい。ハンドグリップ要素の長さは、殊に約10cm~15cmである。ハンドグリップ要素は、殊に、約1cm~3cmの直径を有し、それにより人間工学的に把持することができる。
【0072】
ゴムコーティング及び/又はハンドグリップ輪郭、特に指の輪郭をハンドグリップ要素に設けることができる。
【0073】
ハンドグリップ要素は、殊に曲げ剛性を有する。
【0074】
ハンドグリップ要素は当接体に固定的に接続できる。例えば、ハンドグリップ要素を当接体と接着、溶接、又はその他の方法で解除不可能に接続することができる。さらに、ハンドグリップ要素と当接体がワンピースであるか、又は共同した体によってなることも可能である。
【0075】
ハンドグリップ要素は、殊に、当接体に固定的に組み付けられるか、又は当接体と取外し可能に接続可能であるか、若しくは接続される。
【0076】
例えば、ハンドグリップ要素を当接体に取り付けるために、ねじ接続手段又はプラグイン接続部、又はその両方を設けることができる。ねじ接続手段は、例えば、ハンドグリップ要素及び当接体に存在するねじ輪郭を備えている。プラグイン接続部は、例えば差込み収容部への差込み突出部を備えている。殊に、プラグイン接続部にねじ山を設けることもできる。
【0077】
さらに、人間工学的に有利であるのは以下の措置である。ハンドグリップ要素の長手軸が、合目的的に、当接面に対して角度を有し、それによりハンドグリップ要素が、当接体からマウントブラケットの方向に、当接面に対して斜めに突出する。しかし、長手軸は、ハンドグリップ要素がマウントブラケットよりも当接面に近くなるように当接面に対して角度が付けられる。角度は、当接面に対して、例えば約10°~45°である。
【0078】
ガイドアセンブリは、例えば旋回軸受、旋回ガイド、曲線ガイド、又は曲がったガイド軌道を有することができる。しかしリニアガイドが好ましい。例えば、ガイドアセンブリは、リニアガイド及び/又は細長いガイド体、例えばガイドロッドを有する。リニアガイド又はガイド体は、例えば当接面に対して角度を付けた、例えば直角のガイド軸に沿って延びる。当接面に対するリニアガイドの角度位置は固定角度位置であり得る。しかし、例えば傾斜孔又は傾斜ミリング部を作製するために、例えば相応の旋回支承によりリニアガイドを当接面に対して角度調節可能であることも可能である。これに加えて、この場合、ガイドアセンブリを当接体に相対して固定するための固定手段、例えばクランプねじ、係止手段、又はそれに類するものが設けられている。
【0079】
ガイドアセンブリは、合目的的に、マウントブラケットが変位可能に支承される2つの細長い及び/又は棒状のガイド体を有する。ガイド体は平行に並んで延び、マウントブラケットは、ガイド体間に配置される。このようにして、最適に案内することが可能である。しかし、唯一のガイド体、例えばガイドロッド、ガイド溝、又はそれに類するものを設けることも問題なく可能である。
【0080】
当然、さらなるガイド体、例えば、平行に並べて、三角形の角領域に配置される3つのガイド体も可能である。
【0081】
マウントブラケットは、合目的的にガイドアセンブリのガイド体のガイド面に支承され、当接面と平行のマウントブラケットの中心は、ガイド面と平行の平面上に位置する。したがって、いわばガイド面の横方向距離が存在する。ガイド面は、殊に当接面に対して角度を付けて、特に直角に延びる。
【0082】
ガイド装置は、殊にガイドレールとともに動かすように企図されている。例えば、ガイド装置、特にその当接体は、ワークに載置可能なガイドレールに沿って案内するためのガイド輪郭を有する。ガイド輪郭は、例えば側壁面及び/又は収容溝若しくはガイド溝を備えることができる。当然、ガイド輪郭は、ガイドレールのガイド収容部に係合するためのガイド突出部であることも可能である。ガイドレールは、例えば、ガイド溝に係合するように企図されたガイドリブ又はガイド突出部を有する。ガイド装置とガイドレールに、又はその逆に配置されたガイド溝とガイド突出部は、合目的的に細長い形であり、長手方向又はガイド軸に沿って延びる。特に、ガイド装置は、ガイド輪郭でガイドレールに沿って変位可能に支承され得る。前述の長手方向ガイド軸と平行に延びる複数のガイド輪郭、例えばガイド溝及び/又は支持面若しくはガイド面が設けられている場合、問題なく有利である。
【0083】
別の有利なコンセプトは、ガイド装置が、位置決め切欠きに相対してガイド装置を位置決めするための、位置決め切欠きに係合する少なくとも1つの位置決め体を有する位置決め装置を有することを企図する。位置決め体は、例えば、作業工具がワークに係合する場合に作業工具の中心軸に対して距離を有する。位置決め切欠きは、例えばワーク切欠き、特にワークの孔であり得る。さらに、位置決め切欠きがガイドレール、例えばガイド装置を長手方向に案内するのに適した上記のガイドレールに切欠きを有することも有利である。ガイドレールには、殊に複数の位置決め切欠きの直列配置が設けられている。位置決め切欠き部は、例えば、規則的若しくは等しい間隔で、及び/又は等距離で設けることができる。
【0084】
少なくとも1つの位置決め体は、恒久的に当接面の前へ突出することができるか、又は位置決め体が場合によっては位置決め切欠きに係合することができる位置決め位置にあることができる。しかし、位置決め体は、ガイド装置において位置決め体が位置決め切欠きに係合する、及び/又は当接面の前へ突出する位置決め位置と、位置決め体が位置決め切欠きから、及び/又は当接面から離れる受動位置との間でガイド装置において調節可能である、例えばガイド装置から遠ざけることが可能であるか、又はガイド装置に変位可能に支承される場合が有利である。例えば、位置決め体を位置決め位置と受動位置との間で調節するための摺動支承部(Schiebelagerung)が設けられている。
【0085】
位置決め体は、殊に、ばねアセンブリによって位置決め位置又は受動位置へばね付勢される。したがって、位置決め体は、例えばばね付勢にもとづいてそれぞれの位置決めされた切欠きに係止する。その逆も可能であり、すなわち操作者は、例えば、位置決め体を能動的にばねアセンブリの力に抗して位置決めされた切欠きの方向に操作する。
【0086】
さらに、少なくとも1つの位置決め体を位置決め位置及び/又は受動位置にロックするためのロック装置が有利である。ロック装置は、例えば係止装置、ねじ山、又はそれに類する他の位置決め手段を備えることができる。ロック装置は、例えば前述のばねアセンブリを、いわば受動的に切り替えることができ、すなわち、例えば位置決め位置へ付勢された位置決め体を受動位置にロックすることができる。
【0087】
ガイド装置が複数の位置決め体、例えば少なくとも2つの位置決め体を有し、2つの位置決め体間に、ワークに食い込むための作業工具用の作業領域が配置されることが好ましい。
【0088】
例えば、位置決め体は作業工具のための貫通開口部に向かい合わせて設けられている。
【0089】
さらに、前述の請求項のいずれか1項によるガイド装置と、ワークに載置可能なガイドレールとを備えるシステムが好ましい。ガイドレールは、それが例えば、ガイド装置をガイドレールでガイド軸に沿って案内するためのガイド輪郭、特にガイド溝のための相手ガイド輪郭、特にガイドリブを有することにより、ガイド装置とともに使用するのに特に適している。ガイドリブは、特にガイド装置の当接面のガイド溝に係合し、ガイド軸に沿ったリニアガイドを可能にする。ガイドレールに複数の相手ガイド輪郭、例えばガイド突出部が設けられ、これらのガイド突出部が、ガイド軸に対して横向きの方向の横方向間隔を互いに有することが好ましい。これに対応して、ガイド装置は、複数のガイド輪郭、例えばガイド収容部を有し、これらのガイド収容部はガイド軸に対して横向きの方向の横方向間隔を有している。さらに、ガイドレールが少なくとも1つの位置決め切欠き、特にガイド装置の位置決め体が係合するための位置決め切欠きの直列配置を有する場合が有利である。
【0090】
ガイド装置では、アタッチメントハウジングと、駆動側に駆動要素と、を有し、駆動要素が、アタッチメント装置を駆動するために手持ち工作機械の機械被駆動要素と結合可能であり、かつ作業工具を駆動するためにアタッチメント装置の被駆動要素と固定的に接続されているか、又は伝動装置を介して運動結合される、アタッチメント装置を備えることが有利に企図され、被駆動要素に、作業工具のための工具収容部が配置され、それにより手持ち工作機械の駆動装置が作業工具をアタッチメント装置を介して駆動することができ、アタッチメント装置は、駆動側に、手持ち工作機械に取外し可能に取り付けるための取付装置と、アタッチメントハウジングから突出する少なくとも1つのガイド体とを有し、ガイド体は、手持ち工作機械の操作者によって把持する、特に握るように企図及び形成され、並びに/又はガイドアセンブリの当接体に対してアタッチメント装置の工具収容部を案内して相対して調節するためのガイドアセンブリの一構成要素をなし、当接体は、手持ち工作機械で加工されるべきワークに当接するための当接面を有する。
【0091】
アタッチメント装置は、例えば、手持ち工作機械の機械ハウジングの延長部をなし、かつ少なくとも1つのガイド体のための、手持ち工作機械と接続される支持ベースをなす。このガイド体は、いわば手動で把持可能なガイド体、例えばハンドグリップ要素であり得る。しかし、ガイド体がガイドアセンブリ、すなわち例えばアタッチメント装置の工具収容部、したがって手持ち工作機械をも当接体に相対して案内可能なリニアガイドの一構成要素であることも可能である。しかし、ガイドアセンブリが旋回ガイドを備えるか、若しくは旋回ガイドであることも問題なく可能である。さらに、例えば、ガイドロッドを備えるそのようなガイドアセンブリが、加工されるべきワークに対して手持ち工作機械を動かすために操作者によって握られる、又は把持され得る。
【0092】
少なくとも1つのガイド体がハンドグリップ要素として形成されることが有利に企図される。特に、ハンドグリップ要素は細長いか、又は棒状である。ハンドグリップ要素は、例えばグリップ窪みを備えることができる。ハンドグリップ要素は、殊に工具収容部の回転軸に対して径方向にアタッチメントハウジングから突出する。
【0093】
アタッチメントハウジングを取外し可能に保持するためのマウントブラケットがガイド体に配置され、それにより少なくとも1つのガイド体がアタッチメント装置に取外し可能に配置され得ることが好ましい。代替的可能性は、ガイド体がアタッチメントハウジングに固定的に配置され、例えば、アタッチメントハウジングと固定的に接続され、特にねじ締結、溶接、又はそれに類する別の方法で材料結合的に接続されることである。さらに、ガイド体は、アタッチメントハウジングの一体構成要素をなすことができる。
【0094】
マウントブラケットが、アタッチメント装置を収容するため、特に差し込むための保持収容部、特に差込み収容部を有する場合に好ましい。それにより簡単なプラグインマウントが可能である。手持ち工作機械が、これに組み付けられるアタッチメント装置を用いてのみ保持収容部に収容できる場合、すなわち、アタッチメント装置なしでは手持ち工作機械の組み付けが可能でないことが好ましい。
【0095】
マウントブラケットがアタッチメント装置を係止するための係止装置、及び/又はアタッチメント装置をロックするためのロック装置を有することが有利である。係止装置又はロック装置が前述のプラグインマウントとの関連で特に有利である。例えば、係止装置又はロック装置は、係止位置又はロック位置において、アタッチメント装置の係止収容部又はロック収容部に係合するキャッチ又はラッチを備える。ここで再び付言しておきたいのは、そのような係止収容部又はロック収容部は通常、手持ち工作機械に設けられていないということである。これに対して、アタッチメント装置は、このような係止収容部又はロック収容部を有利にも有し、それによりマウントブラケットに簡単に組み付けたり取り外したりすることが可能である。
【0096】
マウントブラケットは、アタッチメント装置を締め付けるために殊にクランプ又はクランプリングを備えるか、あるいはそれによってなる。クランプ又はクランプリングは、殊にねじ要素によって操作可能であり、ねじ要素は、上述のハンドグリップ要素を回動させることによって、アタッチメント装置がクランプ又はクランプリングに締り嵌めされた状態に保持される締付位置と、アタッチメント装置がクランプリング又はクランプから取り外され得る解除位置との間で調節可能である。
【0097】
さらに、アタッチメントハウジングが規格化された外周を有する場合が有利である。例えば、アタッチメントハウジングの直径が43mmである場合が有利である。そのような直径を有するアタッチメントハウジングに、ハンドグリップが突出するそれ自体公知のクランプを取り付けることもできる。
【0098】
マウントブラケットが、ガイド装置の一構成要素をなし、ガイドアセンブリとは別個の少なくとも1つの保持コンポーネントを有し、この保持コンポーネントを用いて工具収容部を、ワークを加工するように企図された作業位置と、工具交換のために企図された工具交換位置との間で調節可能であり、工具交換位置において、工具収容部は、工具交換を妨げるか、又は阻止するガイド装置の少なくとも1つのコンポーネント、特に当接体から離れる方向に調節され、かつ工具交換のために、作業位置にあるときよりもより良くアクセス可能であり、手持ち工作機械は、作業位置及び工具交換位置において保持コンポーネントと接続される場合に好ましい。
【0099】
以下、図面を用いて本発明の実施例を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0100】
図1】マウントブラケット及びマウントブラケットに取り付けられた手持ち工作機械を有するガイド装置の斜視図である。
図2図1の細部D1の図である。
図3図1によるガイド装置の上からの図である。
図4図3の切断線A-Aにほぼ沿う図3によるガイド装置の断面図である。
図5】工具交換位置における図1による構成の側面図を示す。
図6】切断線B-Bにほぼ沿う、図5によるガイド装置の断面図である。
図7】作業位置における図5によるガイド装置の別の側面図である。
図8】ガイドレールに配置された状態の前図によるガイド装置の斜視図である。
図9】別の形態のガイドレールを有する図8によるガイド装置の一変形形態の図である。
図10図9の切断線C-Cにほぼ沿う、図9による構成の横断面図である。
図11図10の部分D3にほぼ相当する、吸引ホースを有するハンドグリップ要素の一変形形態の図である。
図12図1によるマウントブラケットの上からの平面図である。
図13図1によるガイド装置、手持ち工作機械、及びマウントブラケットに取り付けるように企図された、手持ち工作機械のためのアタッチメント装置の分解図である。
図14】手持ち工作機械がマウントブラケットにまだ組み付けられていない、図13による構成の図である。
図15】手持ち工作機械がマウントブラケットに組み付けられた図14による構成の図である。
図16図1によるマウントブラケットの一変形形態の上からの図である。
図17図16に相当するマウントブラケットを部分的に作業位置から工具交換位置へ旋回させた、前図によるガイド装置の側面斜視図である。
図18図17に相当する構成を反対側から見た図である。
図19図15図17によるマウントブラケットと、これに配置されるべきアタッチメント装置の図である。
図20】工具交換位置へ調節され、かつ手持ち工作機械が配置された図15図19によるガイド装置の図である。
図21】アタッチメント装置と、別のアタッチメント装置が組み付けられた前図による手持ち工作機械の図である。
図22】2つのアタッチメント装置がまだ組み付けられていない前図による手持ち工作機械の図である。
図23】切断線E-Eにほぼ沿う、図21による手持ち工作機械の前部及びそのアタッチメント装置の断面図である。
図24】手持ち工作機械から取り外された、図22によるアタッチメント装置の図21の切断線F-Fに沿った断面図である。
図25】細部D2を拡大した図22図23によるアタッチメント装置の分解図である。
図26図25によるアタッチメント装置の前からの斜視図である。
図27】前図による手持ち工作機械の前部の図である。
図28】別のアタッチメント装置の駆動側の図である。
図29図28による別のアタッチメント装置の正面斜視図である。
図30】トリガ装置がブロック位置にある図28図29によるアタッチメント装置の横断面図である。
図31】トリガ装置が解放位置に調節された図30による図の右側部分の図である。
図32図28図31によるアタッチメント装置の分解図である。
図33】回転数変更伝動装置を有するアタッチメント装置の横断面図である。
図34】アングルアタッチメントの形態のアタッチメント装置を有する手持ち工作機械の側面図である。
図35図34による構成の横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0101】
システム10は、ガイド装置20と手持ち工作機械200とを備えている。システム10を用いてワークWを加工することができ、例えば孔BOをワークWのワーク上面WOにあけることができる。
【0102】
手持ち工作機械200は、駆動モータ210が配置された駆動部202を有する機械ハウジング201を備える。駆動部202からハンドグリップ部203が突出し、ハンドグリップ部には、例えば、駆動モータ210をオン、オフする、又はその回転数に影響を及ぼすために、操作者が操作するためのスイッチ212が配置されている。
【0103】
ハンドグリップ部203には、駆動モータ210及び場合によっては手持ち工作機械200を制御及び/又は監視する部品に電気エネルギーを供給することができるエネルギー貯蔵器211、例えばバッテリパックがさらに配置されている。しかし、エネルギー貯蔵器211に代えて、又はこれに加えて、手持ち工作機械200に供給するための電源ケーブル又はそれに類する他の供給装置を設けることもできる。
【0104】
駆動モータ210は、作業工具、例えばドライバビット、ドリル、又はそれに類するものを収容するための工具収容部220を直接又は伝動装置214を介して駆動する。工具収容部220は、駆動モータ210によって回転軸Dを中心に回転駆動可能である。駆動モータ210の回転方向は、回転方向スイッチ213を用いて指定及び変更することができる。
【0105】
工具収容部220は、機械ハウジング201の駆動部202の首部の前へ突出する、機械被駆動要素221の前自由端領域に設けられている。
【0106】
機械被駆動要素221は、その径方向外周に保持凹部222を有し、この保持凹部は、例えば、アタッチメント装置のラッチ要素のためのロック収容部として適している。しかし、ここでは、以下に説明する手持ち工作機械200のアタッチメント装置を取り付けるために、例えば板状の支持体230が設けられている。機械被駆動要素221は、支持体230の前へ突出している。
【0107】
支持体230は、その端面231に、アタッチメント装置、例えばアタッチメント装置110を支持するための支持面232を有する。支持面232には、有利には相手回動防止輪郭233、例えば、アタッチメント装置を回動防止支持するためのアタッチメント装置の回動防止輪郭が係合するために用いられる、例えば凹部又は形状結合収容部234が設けられている。形状結合収容部234は、回転軸Dの周りに星形に延びる。形状結合収容部234が互いに同じ角距離を有する場合に好ましい。
【0108】
対応ロック輪郭235、例えばバヨネット輪郭236が支持体230の前へ径方向外向きに突出している。リング状の凹部237が支持体230の周りに延在し、それによりアタッチメント装置を装着するか、又は組み付けた場合に、アタッチメント装置のロック輪郭を、対応ロック輪郭235間に、凹部237内に差し込むことができ、回転軸Dを中心に回動させることによって対応ロック輪郭235、すなわちバヨネット輪郭236と後方から係合させることが可能である。
【0109】
工具収容部220に工具ホルダ240、例えばドリルチャックを直接取り付けることができる。工具ホルダ240は、作業工具242、例えば穿孔工具のための、例えば図示されていないがそれ自体公知のクランプジョーを有する例えば工具ブラケット241を有する。工具収容部220への工具ホルダ240の迅速かつ簡単な取付けは、例えば、ラッチ要素、特にボールを用いて工具ホルダを一種のクイックカップリングで機械被駆動要素221と係合させることを企図し、ラッチ要素は、ばね負荷により保持凹部222と係合し、かつロック解除ハンドル243、例えば操作リングを用いて、保持凹部222と係合解除されるロック解除位置に移動可能であり、それにより工具ホルダ240を工具収容部220から取り外すことができる。
【0110】
いつでも可能なフリーハンドの動作モードは、例えば、機械ハウジング201のピストル状に突出するハンドグリップ部203を操作者が把持し、次いでワークWに相応の穴又は孔をあけることによって、操作者がワークWに孔BOをあけることを企図する。
【0111】
ガイド装置20を用いることで、手持ち工作機械200を用いてワークWに正確な角度で、特に垂直に孔LOをあけることが容易になる。ガイド装置20は、当接面22でワークW、特にそのワーク上面WOに当接可能な当接体21を備える。当接面22は当接体21の下面23に設けられ、当接体は、その上面24でガイドアセンブリ70を支持する。
【0112】
ガイドアセンブリ70は、例えば棒状に形成されたガイド体71を備える。ガイド体71は、当接体21の上面24から角度を付けて、例えば直角に突出している。ガイド体71は、ガイド軸Fに対して平行に延びる。
【0113】
ガイド体71にはキャリッジ74が直線的に調節可能に支承されている。ガイド体71は、リニアガイド73のコンポーネントである。キャリッジ74は、ガイド体71が貫通する軸受収容部84、例えばガイドブッシュ、又はそれに類するものを有し、それによりキャリッジ74は、ガイド軸Fと平行に直線的に可動にガイド体71に支承されている。
【0114】
手持ち工作機械200を保持するためにキャリッジ74が用いられ、それにより手持ち工作機械は、リニアガイド73を用いて、当接体21から最も離れた位置である作動停止位置ISと、当接体21の近くへ調節される進入位置ESとの間でガイド軸Fに沿って調節可能であり、それにより作業工具242がガイド軸Fに沿って案内されて、例えばワークWに孔を作製するためにワークW内に進入する。当接面22とガイド軸Fとが互いに直交するので、それによりドリルとして形成された作業工具242を用いてあけられた孔L2はワーク上面WOに対して垂直又は直角である。
【0115】
キャリッジ74は、例えば、1つ又は複数のばね72を備えるばねアセンブリによって、作動停止位置ISの方向に負荷される。ばね72は、一方では当接体21に支持され、他方ではキャリッジ74に支持され、かつガイド体71の1つによって貫通される。
【0116】
デプスストップ装置75を用いて、複数の設定位置、例えば、設定位置T1及びT2、並びに他の設定位置を設定することができる。デプスストップ装置75は、例えばデプスストップ体76を備え、このデプスストップ体は、ガイド体71の1つにガイド軸Fと平行に変位可能に支承され、かつ取付装置、例えばクランプ装置77を用いてそれぞれの設定されるべき設定位置T1、T2において取外し可能に取付け可能である。
【0117】
デプスストップ体76は、例えば、クランプ装置77のクランプを備え、クランプは、操作要素78、例えば操作ハンドルを有するねじによって、デプスストップ体76がガイド体71に沿って変位可能である解除位置と、デプスストップ体76がガイド体71に位置固定的に保持される締付位置との間で調節可能である。キャリッジ74は、それぞれ設定又は固定された設定位置T1、T2、又は他の設定位置でデプスストップ体76に打ち当たる。
【0118】
リニアガイド73に沿うキャリッジ74の移動経路は、高さストップ装置79によって当接体21から離れる方向にも制限される。高さストップ装置は、高さストップ体79Aを備え、この高さストップ体も同様にクランプ装置77を用いてガイド体71のガイド軸Fに対してそれぞれの長手方向位置に固定可能であり、同様に操作要素78によってガイド体71に位置固定的に固定される締付位置と高さストップ体79Aがガイド体71に沿って変位可能、及び所望によりガイド体から離れることもできる解除位置との間で調節可能である。
【0119】
さらに、キャリッジ74は、固定装置85を用いて、ガイド軸Fと平行の1つ又は複数の長手方向位置でガイドアセンブリ70に固定可能である。固定装置85は、例えば、固定要素86、例えばクランプねじを備え、クランプねじは、操作者による手動操作のための操作ハンドル87を備え、操作ハンドルの自由端は、軸受収容部84の1つの中に突出する。固定要素86は、例えば、軸受収容部84を貫通するガイド体71に固定要素86の自由端が締り嵌めで支持され、それによりキャリッジ74がガイドアセンブリ70に対して位置固定的である締付位置と、ガイド要素86の自由端がガイド体71から離れ、それによりキャリッジ74がガイドアセンブリ70に沿って変位可能である解除位置との間で調節可能である。
【0120】
手持ち工作機械200を取外し可能に取り付けるためのマウントブラケット80がキャリッジ74に設けられている。マウントブラケット80は、側方脚部82、83から角度を付けて、例えば直角に突出する基体81を備える。基体81及び側方脚部82、83は、全体としてほぼU字形をなす。
【0121】
軸受収容部84は、例えば、基体81の長手方向端領域、又は基体81と側方脚部82、83との間の角部分に設けられている。
【0122】
マウントブラケット80は、手持ち工作機械200を収容及び保持するための保持収容部88を備えている。保持収容部88は、基体81に保持される保持体89に設けられている。図示されない実施形態は、基体81が保持収容部88を有すること、及び/又は保持体89が基体81に固定的及び不動に配置されることを企図し得る。
【0123】
保持体89は、ベース脚体92と一緒に保持収容部88を画定するクランプ湾曲部材91を備える。クランプ湾曲部材91は、固定装置93を用いて保持収容部88の横断面を狭める、又は縮小するという意味で、ベース脚体92に対して調整することができる。
【0124】
固定装置93は、例えば、クランプ湾曲部材91を貫通し、ベース脚体92にねじ込まれるか、又はねじ込むことができるクランプねじ94を備える。したがって、固定装置93は、例えば首部204、又は、手持ち工作機械200に取外し可能に取り付けることができるアタッチメント装置110をガイド装置20に固定するためのクランプ装置をなす。
【0125】
例えば、首部204が相応の長さを有する場合、首部を固定装置93によって直接固定することができる。しかし、好ましい実施例は、いわば首部204を延長し、したがって手持ち工作機械200をガイド装置20に取外し可能に取り付けることができる固定装置93のための固定ベース又はクランプベースを提供するアタッチメント装置110が手持ち工作機械200の首部204又は正面に配置されることを企図する。アタッチメント装置110は、手持ち工作機械200の工具収容部220と回転結合されているか、又は回転不可能に接続されている工具収容部120を有する。アタッチメント装置110が手持ち工作機械200に取り付けられる場合、工具収容部120が、いわば手持ち工作機械200の工具収容部をなす。
【0126】
工具ホルダ240を、選択的に手持ち工作機械200の工具収容部220に、又は、アタッチメント装置110が手持ち工作機械200に取り付けられる場合に、工具収容部220と直接結合されるアタッチメント装置110の工具収容部120に取り付けることができる。
【0127】
この場合、保持体89は、基体81及び/又はキャリッジ74に対して、旋回軸受95を用いて旋回軸Sを中心に作業位置APと工具交換位置WPとの間で調節可能であることが企図されている。作業位置APでは、作業工具242が、ガイド軸Fと平行に、及び/又は当接面22に垂直に向けられ、したがって、穴LOを穿孔するために使用することができる。これに対して、工具交換位置WPでは、工具収容部220の回転軸Dを、当接面22及び/又は当接体21から離れる方向に、例えば、少なくとも45°、殊に45°を超えて、特に約90°旋回させ、それにより工具収容部220を工具交換のために、すなわち工具収容部220又は工具ホルダ240の作業工具242を交換するために位置できる。
【0128】
保持体89は、工具収容部220を作業位置APと工具交換位置WPとの間で調節可能な、すなわち旋回可能な保持コンポーネント90をなす。作業位置APでは、細長い作業工具242、例えばドリルが当接体21の向かい側にあり、これに加えてガイド体71間に配置され、2つのガイド体は工具ブラケット241における作業工具242、又は工具収容部120における工具ホルダ240の工具交換、したがって工具収容部220における工具交換を妨げるコンポーネント15をなし、それにより工具交換に少なくとも手間がかかる。これに対して、工具交換位置WPでは、工具収容部120、220、及び工具収容部に配置された工具ブラケット241を有する工具ホルダ240は、これらの2つのコンポーネント15から離れる方向に旋回され(例えば図5を参照)、それにより作業工具242及び/又は工具ホルダ240に楽にアクセスでき、したがって工具交換の用意ができる。
【0129】
保持コンポーネント90をロック装置96によって旋回軸Sを中心とした旋回に対してロックすることができる。ロック装置96は、例えば、変位可能に軸受収容部97Bに支承されたラッチ97を備える。軸受収容部97は、例えば、マウントブラケット80の側方脚部82に設けられている。ラッチ97は、例えば、旋回軸Sに対して横方向の距離を有する変位軸の周りを変位可能に、旋回軸Sと平行にマウントブラケット80に支承されている。ラッチ97は、殊に軸受収容部97Bに収容されるばね98によってそのロック位置へ負荷される。ロック位置で、ラッチ97は、例えば保持体89のロック収容部99に係合する。操作者は、ばね98の力に抗してラッチ97をロック収容部99から移動させるために、例えば、操作要素を保持体89から離れる方向に引くことによって、ロック装置96を楽にロック解除することができる。次いで、保持コンポーネント90、したがってそれに取り付けられた手持ち工作機械200を作業位置APと工具交換位置WPとの間で旋回させることができる。
【0130】
作業位置APで、保持体89は、殊に、側方脚部82若しくは83のうちの1つ、又はマウントブラケット80のベース脚部81の前へ突出するストッパ95Bに打ち当たる。
【0131】
工具収容部220を工具交換位置WPと作業位置APとの間で調節する別の有利な可能性は、アタッチメント装置110と、アタッチメント装置110及び代替的なマウントブラケット80Bを用いたガイド装置20への手持ち工作機械の特に簡単な組付けとによって実現される。
【0132】
その場合、アタッチメント装置110は、手持ち工作機械200の工具駆動装置又はドライブトレインに関して機能せず、すなわちアタッチメント装置110は、トルク変換又は回転数変更コンポーネントを有さず、迅速な工具交換を可能にするために用いられるにすぎない。
【0133】
アタッチメント装置110は、工具収容部20及び/又は120を作業位置APと、ガイド装置20から離れた工具交換位置WPとの間で調節することができるさらなる保持コンポーネント90Bをなす。この変形形態では、アタッチメント装置110はガイド装置20の一構成要素であり、工具交換のために手持ち工作機械200にとどまることができ、ガイド装置20から取外し可能に取り付けられている。アタッチメント装置110が配置された手持ち工作機械200の取外し及び配置は、以下でより明確になるように、迅速に、かつ少ない操作で行われる。
【0134】
ガイド装置20への手持ち工作機械200の特に簡単な組付けは、マウントブラケット80Bを用いて可能である。マウントブラケット80Bがマウントブラケット80と同じ又は同種のコンポーネントを有する限り、同じ参照番号が使用される。マウントブラケット80Bは、例えば、その側方脚部82、83と、さらに好ましくは旋回軸受95を有する基体81を備える。
【0135】
マウントブラケット80Bは、機械ハウジング201及び/又は殊に機械ハウジング201に取り付けられたアタッチメント装置110を保持するための保持収容部88が設けられた保持体89Bを有する。
【0136】
アタッチメント装置110を保持収容部88に差し込み、そこでロック装置96Bによってロックすることができる。ロック装置96Bは、例えばラッチ97Cを備え、ラッチは、これがアタッチメント装置110のロック収容部99Bに係合するロック位置へばね98Bによって負荷される。
【0137】
ラッチ97Cは、直線軸LRに沿って直線的に、例えば保持体89Bに支承され、ハンドグリップ97Dで操作者によって把持され、それによりラッチをばね98Bの力に抗してロック収容部99Bと係合解除することができる。手持ち工作機械200に取り付けられたアタッチメント装置110は、プラグイン軸SAに沿って保持収容部88に差し込むことができ、次いで、ばね98Bによって負荷されたラッチ97Cによって保持収容部88にいわば自動的にロックされる。ラッチ97Cの直線軸LR又は変位軸と差込み軸SAとは互いに角度を付けて、殊に直角に延びる。
【0138】
工具交換のために、ロック装置96Bを外しさえすればよく、次にアタッチメント装置110が自由になり、したがって、手持ち工作機械200を、それに配置されたアタッチメント装置110と、アタッチメント装置110に取り付けられ作業工具242を保持する工具ホルダ240とともにガイド装置20から取り去ることができる。次いで、工具ブラケット241に楽にアクセスでき、作業工具242が交換される。この場合、旋回軸受95は、楽な工具交換のために最適ではあるが必須ではない。
【0139】
当然、例えば、アタッチメント装置110が保持体89の保持収容部88に挟まれる、例えば、クランプ湾曲部材91とベース脚体92との間に締め付けられることも問題なく可能である。
【0140】
さらに、手持ち工作機械200の首部204が、保持収容部88に差し込むために差込み軸SAに関して十分な長さを有する円筒部を有する場合、首部204に直接、ロック装置96のためのロック収容部99Bのようにロック収容部を設けることが可能である。
【0141】
当接体21は、いわばガイドアセンブリ70の自由端領域又は当接領域又は支持領域をなし、ワークWへのガイド装置20の当接又は支持のために用いられる。
【0142】
当接体21Aは、実質的に板状の形を有し、当接体の、マウントブラケット80に向いた上面24と、当接体の、当接面22を有する下面23との間に横辺、特に短辺、すなわちガイド体71が配置された領域を有する横辺25、この横辺と逆の、いわば後方の横辺26、及びこれらの横辺25、26間に延びる横辺27、28が延びる。
【0143】
当接体21の当接面22又は下面23にコーティング又は被覆29、特にゴムコーティング又はそれに類する他の滑り止め被覆が設けられていることが好ましい。
【0144】
当接体21は貫通開口部30を有し、この貫通開口部によって作業工具242を当接面22の前へ、したがってワーク上面WO内に調節することができる。貫通開口部30は、作業工具242がワークWに進入することができるいわば窓である。
【0145】
ところで、ワークWの切削加工中にはごみ、特に切り屑や塵埃、及びそれに類する他の粒子が発生する。そのようなごみ又は汚れ粒子を除去するために、ガイド装置20に吸引ホースSLによって吸引装置SVを接続することができ、吸引ホースによって、ごみ粒子を含む粒子流PSを、その限りでガイド装置20の作業領域ABを提供する貫通開口部30の領域から吸い出すことができる。
【0146】
ガイド装置20からの粒子流PSの吸出しは、吸引ホースSLが接続されているか、又は接続され得るハンドグリップ要素40を通して行われる。ハンドグリップ要素40は、操作者によって楽に把持でき、操作者は、同時に、ガイド装置20をワークWに対して位置決め、及び/又は保持し、これに加えて吸引ホースSLをガイド装置20の領域に位置固定的に保持、又はワークWに相対して位置決めする。
【0147】
吸引ホースは、作業場での使用又は建設現場での使用に対応する負荷容量で、同時に、特定の剛性と特定の重量を伴う機械的負荷容量を有していなければならず、すなわち吸引ホースは、これがガイド装置と接続される場合に、ワークWに対するガイド装置20の位置を変化させるという意味で、ガイド装置20に力を加える。吸引ホースSVがハンドグリップ要素40に接続されることにより、操作者は、ガイド装置20が孔LOをあけるために使用される場合に、ガイド装置20だけでなく、同時に吸引ホースSVも所定位置に固定する。
【0148】
貫通開口部30、したがって作業領域ABの片側を画定する側壁31には、粒子流PSのための流入開口部32が設けられ、この流入開口部は、ハンドグリップ要素40のための収容部33と連絡し、流れ接続されている。
【0149】
ハンドグリップ要素は、操作者が把持する、特に握るハンドグリップ部42を有する管体41を備える。
【0150】
ハンドグリップ部42の一端領域にマウント部43が設けられ、マウント部を当接体21の収容部33に差込み可能、及び/又はねじ込み可能である。例えば、収容部33の内周及びマウント部43の外周に、互いにねじ込み可能なねじ接続手段44、例えばねじ山が設けられる。マウント部43が収容部33にねじ込まれた場合、殊にマウント部43とハンドグリップ部42との間のフランジ45が当接体21、例えば当接体の裏面28に当接する。
【0151】
マウント部43とは反対側の端領域において、管体41は、吸引ホースSLを接続することができる吸引ホース接続部46を有する。
【0152】
ハンドグリップ要素40は縦長の形を有し、長手軸LHに沿って延びる。
【0153】
ハンドグリップ要素40は、その長手軸LHと平行に収容部33に差込み可能及び/又はねじ込み可能である。ねじ接続手段44が設けられず、例えばクランプ手段及び/又はロック手段が設けられることも可能である。例えば、ハンドグリップ要素40を収容部33に差し込むことができ、収容部33に締り嵌めで保持され得る。さらに、ロック係合させることができる対応するバヨネット輪郭を収容部33の内周及びハンドグリップ要素40の外周に配置することが可能である。さらに、ハンドグリップ要素40は収容部33内で、ラッチ要素、例えば長手軸LHに対して横向きに当接体21に沿って可動、特に旋回可能又は変位可能に支承されたラッチによって収容部33内にロックすることができる。ハンドグリップ要素40と当接体21とが固定的に互いに接続、例えば接着、溶接、又はそれに類することがされているか、あるいはハンドグリップ要素40と当接体21がワンピースであることも可能である。
【0154】
吸引ホースSLを長手軸LHと平行に吸引ホース接続部46に装着できる。ハンドグリップ要素40に吸引ホースSLを確実に保持するために、殊に長手軸LHに対して横向きに延びる波形起伏47が用いられる。吸引ホースSLと吸引ホース接続部46との間にバヨネット輪郭などのロック輪郭を設けることができる。さらに、吸引ホースSLを吸引ホース接続部46に締り嵌めで保持することができる。
【0155】
したがって、ハンドグリップ要素40及び当接体21によって、塵埃排出路36を有する塵埃排出装置35が形成される。流入開口部32及び/又は収容部33は端領域37をなし、吸引ホースSLが接続可能、又は接続されるハンドグリップ要素40の流出開口部39は、塵埃排出路36の端領域を形成する。
【0156】
吸引ホースSVの曲げ剛性についてはすでに述べた。一実施形態は、当接体21に配置されたハンドグリップ要素40Bが、長手軸LHに関してハンドグリップ要素40よりも短く、ハンドグリップ要素40Bと接続された吸引ホースSVの端部SVEが、ハンドグリップ要素40Bの一構成要素をなすことも企図し得る。
【0157】
ワークWのガイド装置20及び/又はガイドレールのより良好な支持のために、支持体、殊に当接体21に固定的又は可動に配置された支持体を設けることができる。例えば、当接体21に可動枢着された支持体61を備える支持体アセンブリ60が設けられる。支持体61は、殊にガイド軸Fに対して平行の旋回軸を有する旋回軸受62を用いて旋回可能に当接体21に支承され、かつ支承部から離反した自由端領域に、例えばワークW上に支持するための支持脚63を有する。運搬位置で、支持体61を当接体21の近くへ旋回させることができ、それにより支持体は、当接体から突出しないか、又はごくわずかしか突出しない一方で、支持体は、支持位置では、当接体21から離れる方向に旋回し、それにより当接面22と一平面上にある支持ブッシュ63の支持面が当接面22に対して距離を有する。
【0158】
さらに、サイドストップ装置65が有利である。サイドストップ装置65は、当接面22に対して角度が付けられ、当接面22の前へ突出する支持面を有するサイドストップ体66を備える。したがって、当接面22を、ワークWのワーク上面WOに、及びサイドストップ体66の支持面を、ワーク上面WOに対して角度が付けられたワーク側面WSに支持することができる。
【0159】
サイドストップ体66の支持面と当接面22との間の距離は、当接体21に固定的又は取外し可能に取り付けられたガイド体67によって設定することができる。ガイド体67は、殊に棒状の形を有する。ガイド体67は、殊に当接面22に平行な平面において、当接体21の前に横方向に突出している。サイドストップ体66は、長手軸に沿って変位可能にガイド体67に支承され、それにより、サイドストップ体66の支持面は、当接面22に対して異なる距離をとることができる。それぞれの長手方向位置において、サイドストップ体66は、例えばクランプ装置68によって、ガイド体67に位置固定的に固定することができる。クランプ装置68は、例えばクランプねじを備える。ガイド体67に対してサイドストップ体66を係止することも問題なく可能であろう。
【0160】
ガイド装置20は、ガイドレール410と一緒に使用することができる。ガイドレール410はレール体411を有し、その下面412でワークW上に載置可能であり、その上面413にガイド輪郭414、419、例えばガイドリブを有する。ガイド輪郭414、419は、ガイドレール410の長辺415、416と平行に、ガイドレールの長手方向端領域418、417間に延びる。当接体21には、ガイドレール410のガイド輪郭414が係合できるガイド収容部のガイド輪郭34、又は複数のガイド輪郭34の構成が設けられ、それにより当接体21、したがってガイド装置20がガイドレール410をガイド軸FAに沿って案内される、又は案内可能である。
【0161】
ガイドレール430は、ガイドレール410と同じ又は同種のコンポーネント及び構成要素を有し、すなわち、例えばガイドレールの長手方向端領域417、418間に延在し、長手方向端領域間に長辺415、416が延びる。ガイドレール430は、その下面412でワークW上に載置可能であり、下面412の反対側の上面413にガイド輪郭414、419、例えば、当接体21の代わりに設けることができる当接体21Aのガイド収容部内に案内係合するためのガイドリブを有する。当接体21Aは、貫通開口部30の前へ大きく突出する支持脚部を有し、この支持脚部には、ガイド輪郭34Aを有するさらなるガイド収容部が設けられている。
【0162】
例えば、ガイド輪郭414が、上述のガイド輪郭34が設けられているガイド収容部に係合するように企図されているのに対して、ガイド輪郭419、特にガイドリブは、当接体21Aのガイド輪郭34Aを有するさらなるガイド収容部に係合するように企図される。ガイド輪郭414、419は、ガイド輪郭34、34Aと同様に、ガイド軸FAに対して横向きに距離を有する。当接体21Aは、ガイドレール430においてガイド軸FAに対して横向きの距離をおいて2重に案内されている。
【0163】
孔又は穴LOをワークWに予め定められた、殊に等しい間隔で作製するために位置決め装置50が設けられている。位置決め装置50は、例えばすでに穿孔された穴LOの形の位置決め切欠きに係合するように企図される、例えば特にピン状の形を有する少なくとも1つの位置決め体51を備える。位置決め体51は、当接体21において、例えば、位置決め突出部53が穴LOの1つに係合することにより位置決め体が位置決め切欠きに係合する位置決め位置と、位置決め体が位置決め切欠きに係合しない、及び/又は少なくとも当接面22と一直線に並ぶか、当接面の後ろへ戻される受動位置との間で調節可能である。例えば、位置決め体51は、当接体21の軸受収容部55内の位置決め軸Pに沿って長手方向に変位可能に支承されている。
【0164】
位置決め体51が、ばねアセンブリ、例えばばね56によって受動位置へばね負荷される場合に好ましい。ばね56は、一方では軸受収容部55の段部に支持され、他方では位置決め体51のフランジ突出部50に支持されている。
【0165】
位置決め突出部53及び操作者が操作するためのハンドグリップ52は、位置決め体51の相対する長手方向端に設けられている。
【0166】
操作者は、ハンドグリップ52を用いて、ばね56の力に抗して位置決め体51を受動位置から位置決め位置へ調節することができる。
【0167】
殊に、位置決め位置のためのロックが企図されている。例えば、位置決め体51は、軸受収容部55内で位置決め軸Pを中心に回転可能であり、それにより位置決め体51に設けられたロック輪郭、例えば、フランジ54の区分を、軸受収容部55に設けられた相補的な対応ロック輪郭とロック係合させることができ、それにより位置決め体51は、位置決め軸Pに対して変位し得ないように軸受収容部55内に収容されている。
【0168】
位置決め装置50が複数の位置決め体51、例えば2つの位置決め体51を有する場合に好ましい。例えば、それぞれの位置決め体51は、貫通開口部30の相対する側に設けられている。位置決め軸P、したがってそれぞれの位置決め突出部53と、保持収容部88の中心を通る軸、すなわち、例えば作業工具242の長手方向中心軸との間の距離は、殊に同じである。したがって、ワークWにある穴LOの配置がガイド装置20の右又は左にすでに作成されているかどうかに関係なく、すでに作成された穴LOの配置の1つの穴の中に位置決め体51のそれぞれ1つを調節することができ、作業工具242によって、中心軸と、利用される位置決め体51の位置決め軸Pとの間に距離をおいてさらなる穴LOが作製される。
【0169】
しかし、位置決め装置がガイドレールと協働することも可能であり、これは当接体21Aに関連するガイドレール430の例から明らかになる。ガイド輪郭34Aが配置されている当接体21Aの脚部の、貫通開口部30から離れた長手方向端領域に、すでに説明した位置決め体51と類似の構造の位置決め体51Aを有する位置決め装置50Aが設けられる。したがって、位置決め体51Aを、例えば当接体21Aの当接面22の前へ突出する位置決め位置に調節することができ、そこで、この位置決め体は、位置決め切欠きの直列配置435の1つの位置決め切欠き436に係合することができる。位置決め切欠き436は、例えばガイドレール430のガイドリブ434に配置される。特に、位置決め切欠き436は、ガイド軸FAと平行に並べて配置され、及び/又は互いに等間隔を有する。
【0170】
アタッチメント装置110は、その駆動側111で手持ち工作機械200に組み付けるように企図され、駆動側111と反対の被駆動側112には、例えばドライバビットを直接差し込むことができるか、又は工具ホルダ240を取り付けることができる工具収容部120を有する。
【0171】
シャフト要素121は、工具収容部120の領域に工具ホルダ240のための保持凹部122を有する。シャフト要素121は駆動側111に駆動部を有し、この駆動部は、機械被駆動要素221と回転不可能に結合可能である駆動要素123をなす。例えば、駆動要素123には回転連行輪郭123Aとして六角形輪郭、又はそれ以外の多角形輪郭が設けられている。したがって、回転連行輪郭123Aを形状結合的に収容する内周輪郭を有する工具収容部220に駆動要素123を差し込むことができる。工具収容部120は、シャフト要素121に一体的に配置され、それにより工具収容部120、又はシャフト要素121の被駆動部は、アタッチメント装置110が手持ち工作機械200に配置された場合に、手持ち工作機械200の工具収容部220と直接回転結合されている被駆動要素181をなす。
【0172】
アタッチメント装置110のアタッチメントハウジング113は周壁114を有し、この周壁は、工具収容部120を有するシャフト要素121が回転可能に支承されている内部空間115を包囲する。例えば、内部空間115内には、シャフト要素121を支承するための軸受アセンブリのための軸受収容部116、117が設けられている。軸受収容部116、117には、軸受126、127、例えば、玉軸受及び滑り軸受が収容され、これらに軸受部124、125を有するシャフト要素121が支持される。
【0173】
保持リング128A、128B、例えばスプリントリング又はそれに類するものが、シャフト要素121に関して軸受126、127、及び/又はアタッチメントハウジング113に関してシャフト要素121を支持する。
【0174】
被駆動側112において、被駆動要素120Aがカバー131の前へ突出している。カバー131には、取付手段130Aの一構成要素をなす支持体130が配置されている。支持体130は支持面132を有し、支持面をシャフト要素121が貫通し、すなわち工具収容部120が支持面の前へ突出する。支持面132には、回動防止輪郭133を形成するための形状結合収容部134が配置されている。さらに、支持面132の径方向の外周には、対応ロック輪郭135、例えばバヨネット輪郭136が存在する。対応ロック輪郭135の他に凹部137が設けられ、この凹部に例えば以下に説明するラッチ体150のロック輪郭が差し込まれ、続いて、ラッチ体150を回動させることによってそのロック輪郭155が対応ロック輪郭135と係合、又は後方から係合される。
【0175】
アタッチメント装置110は、その駆動側111で、別のアタッチメント装置110の取付手段130Aに、又は通常、手持ち工作機械、例えば手持ち工作機械200に取付け装置105によって取り付けることができる。
【0176】
アタッチメント装置110の駆動側111には、手持ち工作機械200の相手回動防止輪郭233若しくは形状結合収容部234に、又はさらなるアタッチメント装置110の回動防止輪郭133若しくは形状結合収容部134に形状結合的に係合するための回動防止輪郭143、例えば取付装置105の形状結合突出部144が配置されている。回動防止輪郭143は、例えばスリーブ状又はリング状に形成された支持体140に設けられている。支持体140は、例えばシャフト要素121によって貫通される。
【0177】
形状結合突出部144は支持体140の端面の前へ突出し、この端面は、アタッチメント装置110をその向かい側に位置する支持面、例えば支持面132又は232で支持軸STの方向に支持するための支持面141を提供する。回動防止輪郭143を用いて、アタッチメント装置110は、支持軸STに対して回動防止されて手持ち工作機械200又はさらなるアタッチメント装置110に保持される。
【0178】
支持軸STは、例えばシャフト要素121の回転軸Dと同軸であるが、基本的に、この回転軸に対して角度をなすか、又は斜めに傾くこともできよう。
【0179】
支持体140は、端面141から支持体140に差し込まれ、支持軸STと平行に支持体を貫通するねじ146によってアタッチメントハウジング113にねじ締結される。ねじ146を用いるねじ締結は、アタッチメントハウジング113における支持体140の支持軸STを中心とした回動防止と、それに加えて、支持軸STに関して引き離し不可能な取付けを提供する。
【0180】
取付装置105のラッチ体150は、支持軸STを中心に旋回可能にアタッチメントハウジング113に支承されている。ラッチ体150は、全体として、グリップ輪郭152、例えば波形起伏を有利に有する操作部分151を操作者が把持することができるリング体として形成されている。操作部分151は、例えば操作リングとして形成されている。操作部分151は、同様にリング状であり、及び/又はリング体によってなるロック部分153と回転不可能に接続されている。操作部分151及びロック部分153はワンピースであり得、又は殊に固定的に互いに接続されている互いに異なる体によってなり得る。操作部分151は、ラッチ体150のロック部分153の径方向外側に配置されている。ロック部分153は、ロック輪郭155、例えばバヨネット輪郭156が配置されたスリーブ状のリング突出部154を有する。
【0181】
すなわち、最初に支持軸STに沿って装着することによって、回動防止輪郭143を、この回動防止輪郭の向かい側に位置する相手回動防止輪郭233又は133と係合させ、ロック輪郭155を対応ロック輪郭235又は135に沿って差し込み、続いてラッチ体150を支持軸STを中心に回動させ、それによりロック輪郭155が対応ロック輪郭235又は135と後方から係合し、ラッチ体150がそのロック位置をとることにより、アタッチメント装置110を手持ち工作機械200又は別のアタッチメント装置110に取り付けることができる。
【0182】
ラッチ体150のロック位置への回転運動は、ばねアセンブリ157によって支援及び確保され、それにより作業動作中の振動又はそれに類する他の機械的影響があったとしてもラッチ体150がロック位置にとどまる。ばねアセンブリ157はねじりばね158を備え、その支持端159は、一方ではラッチ体150で、他方では支持軸STに対して回転不可能にアタッチメントハウジング113に支持される。
【0183】
ロック輪郭155は、同時にラッチ体150の回転軸である支持軸STとの径方向距離が大きく、これに加えて、一方ではバヨネット輪郭156及び/又は他方ではバヨネット輪郭236若しくは136に、差込み軸(Steckachse)STに対して横向きの平らな勾配を有する傾斜面が存在するので、アタッチメント装置110を手持ち工作機械200又は別のアタッチメント装置に締め付け緊締する高い緊締力を支持軸STと平行にもたらすためにラッチ体150を回転軸/支持軸STを中心に操作するのにわずかな回転力で十分である。ばねアセンブリ157のばね力が小さくても、支持軸STに関して最適な緊締が実現される。それでも、ねじりばね158が大きなばね力を有することができるように、ねじりばねは、支持軸STに対して径方向外側のコンポーネントをなし、支持体140と周壁114との間に位置する。
【0184】
ラッチ体150を、ばねアセンブリ157のばね力に抗して、そのロック位置からそのロック解除位置へ調節することができる。グリップ輪郭152を用いて、操作者は、ラッチ体150を相応に容易に把持してロック解除位置へ回動させることができる。ラッチ体150は、操作者がアタッチメント装置110を手持ち工作機械200又は別のアタッチメント装置110に取り付ける場合に操作者によってロック位置へ操作される必要がないように、ばねアセンブリ157及びトリガ装置160が設けられている。
【0185】
トリガ装置160は、支持軸STと平行に変位可能であるようにアタッチメントハウジング113に収容されるブロッキング体161を備える。ブロッキング体161は、操作輪郭162、例えば、ブロッキング体161がブロック位置にあるときに支持体140の端面141の前へ突出する操作突出部163を有する。
【0186】
支持軸STに関して、ブロッキング体161は、支持体140の周壁142の径方向外側に配置されている。ブロッキング体161は、リング部166に支持体140のための貫通開口部164を有する。ブロッキング体161には貫通開口部164の領域に、支持体140の周壁の回動防止輪郭145と係合する回動防止輪郭165が設けられ、それによりブロッキング体161が支持体140で支持軸STに対して回動防止されている。
【0187】
ブロッキング体161は、支持軸STに対して回動不可能にアタッチメントハウジング113に保持されてはいるが、支持軸STと平行に可動に支承され、例えば直線的に可動に支持体140に支承されている。
【0188】
操作突出部163及びストップ突出部167は、相対する側でブロッキング体161のリング部166から突出している。ブロッキング体161がラッチ体150のロック位置への回転運動を解放する解放位置の方向にブロッキング体161が支持軸STに沿ってアタッチメントハウジング113内に調節される場合、ストップ突出部167がアタッチメントハウジング113のストッパ118に打ち当たる。
【0189】
解放位置とは反対に、すなわち、ブロッキング体161がラッチ体150のロック解除位置からロック位置への調節をブロックする、及び操作突出部163が支持体140の端面141の前へ突出するブロック位置へ、ブロッキング体161がばねアセンブリ170によって負荷される。ばねアセンブリ170は、ストッパ118の領域においてアタッチメントハウジング113に、他方、ストップ突出部167の段部に直接支持され、それによりブロッキング体161をそのブロック位置の方向に直接負荷するばね171を備えている。
【0190】
さらなるばね172が、同様にストッパ118の領域において支持体173及びアタッチメントハウジング113に支持され、支持体173は、この場合もブロッキング体161をブロック位置の方向に負荷する。
【0191】
支持体173は、支持体173の貫通開口部174を貫通するが段部168で支持体に支持されているストップ突出部176にばねの力を均等に分配することで、実質的にばね172によるブロッキング体161の傾倒防止支持をもたらす。さらに、貫通開口部174がばね171によって貫通され、それによりばねは、ブロッキング体161を直接、かつ支持体173によって妨げられることなくブロック位置へ付勢することができる。支持体173は、貫通開口部175でシャフト要素121によって貫通される。
【0192】
ブロッキング体161は、操作伝動装置180によってその解放位置からそのブロック位置へ調節可能である。操作伝動装置180は、ラッチ体150によって、すなわち、操作伝動装置180の伝動体181がラッチ体150と運動結合されているか、又はラッチ体と固定的に接続されていることにより操作可能である。例えば、伝動体181及びラッチ体150に回転連行輪郭182及び183が設けられ、これらの回転連行輪郭は、形状結合的に互いに係合するとともに、伝動体181を、同時にラッチ体150の回転軸又は旋回軸である支持軸STに関して回動不可能にラッチ体150と結合する。
【0193】
伝動体181は、ラッチ体150から離反した側に平ら面184を有し、操作傾斜面185がこの平ら面の中へ斜めに延び、それによりそれぞれの操作傾斜面185と平ら面184との間に段部186が形成されている。
【0194】
操作傾斜面185及び段部186は、ブロッキング体161を支持軸STに関して軸方向に調節するために設けられている伝動体187との協働のために用いられる。伝動体187は、ここではブロッキング体161によってなるか、又はブロッキング体に配置されている。例えば、リング部166は、伝動体187として形成されている。伝動体187には、平ら面184の向かい側に位置する端面側の平ら面188も設けられている。操作傾斜面189は、平ら面188から離れる方向に延び、平ら面188の平面とそれぞれの操作傾斜面189との間にそれぞれ段部186が設けられている。
【0195】
伝動体181、187は、例えばリング体又はリングとして形成されている。伝動体181、187は、例えば支持体140によって貫通される。
【0196】
操作傾斜面185、189は、支持軸STの周りを弧形に上昇して延びる。ラッチ体150を支持軸ST、又はラッチ体の旋回軸若しくは回転軸を中心に回動させた場合、操作傾斜面185、189が互いに沿って摺動する。
【0197】
ブロッキング体161がブロック位置にあるとき、段部186が互いに係合している。ばねアセンブリ170は、ブロッキング体161をラッチ体150の方向に負荷し、段部186の相互の係合によって、ラッチ体150が回転軸又は支持軸STを中心に回転することが阻止される。
【0198】
操作輪郭162、したがってブロッキング体161が、ばねアセンブリ170の力に抗して支持軸STと平行に操作される場合、段部186が係合解除され、それによりラッチ体150が回動するべく解放され、ねじりばね158によって、そのロック解除位置からロック位置へ回動される。
【0199】
ラッチ体150を再びロック位置からロック解除位置へ回動させた場合、操作傾斜面185、189が互いに沿って摺動し、それにより伝動体187、したがってブロッキング体161がばねアセンブリ170によってその解放位置からブロック位置へ調節可能である。ラッチ体150がそのロック解除位置をとる場合、ばねアセンブリ170は、2つの伝動体181及び187の段部186が互いに係合し、それによりラッチ体150のロック解除位置からロック位置への回動又は調節が阻止又はブロックされるように、ブロッキング体161をそのブロック位置へ負荷する。
【0200】
駆動要素123は、ラッチ体150がロック解除位置にあるとき、有利にも、回転軸を中心とした回動を、すなわち回転ブロッキング装置190の回転ブロッキング体191によってブロックする。回転ブロッキング体191は、例えば、ばねアセンブリ170の支持体173によってなる。支持体173は、シャフト要素121のための貫通開口部と、この貫通開口部を取り囲む端面側の形状結合輪郭192とを有する。形状結合輪郭は、シャフト要素121と回転不可能に接続されている結合体194の端面側の形状結合輪郭193に係合するために用いられる。結合体194は、例えば、シャフト要素121が貫通する貫通開口部を有するリング体として形成され、その内周は、シャフト要素121の回転不可能な保持のための形状結合輪郭195、例えば回転連行輪郭123Aに係合結合的に適合する、特に六角形として形成された形状結合輪郭195を有する。ばねアセンブリ170がブロッキング体161をそのブロック位置へ負荷する場合、それと同時に支持体173が駆動側111の方向に調節され、それによって、形状結合輪郭192、193が互いに係合し、したがってシャフト要素121が回転不可能に固定される。
【0201】
アタッチメント装置110Bは、通常、アタッチメント装置110のコンポーネントと同じ数字が付される、アタッチメント装置110と同じ又は同種のコンポーネント、すなわち、例えば、被駆動要素120Aと回転不可能に接続された駆動シャフト要素123を有するシャフト要素121B、並びに玉軸受126及び滑り軸受127のための軸受部124及び125を有する。アタッチメント装置110Bのアタッチメントハウジング113Bは、シャフト要素121Bのために軸受収容部116、117を有し、これらの軸受収容部に軸受126、127が保持及び収容されている。
【0202】
ラッチ体150Bは、ラッチ体150と類似に構成され、かつ有利にもグリップ輪郭152、例えば波形起伏が配置されている操作部分151Bと、バヨネット輪郭156がロック輪郭155として配置されているリング突出部154を有するロック部分150と、を有する。
【0203】
ラッチ体150は、ばねアセンブリ157のねじりばね158によって、同時に支持軸STである回転軸を中心に一回転方向にロック解除位置から、ロック輪郭155が対応ロック輪郭235と係合することができるか、又は係合されるロック位置へ負荷される。
【0204】
例えば、スリーブ状の支持体140Bは、支持軸STと平行に変位可能にアタッチメントハウジング113Bに支承されている。
【0205】
支持体140Bは、アタッチメントハウジング113に対して位置固定的に固定されているのではなく、支持軸STと平行に可動に支承されているという点で支持体140と異なる。
【0206】
支持体140は、例えば、コイルばね171Bを備えるばねアセンブリ170Bによって、駆動側111の方向に負荷されている。ばねアセンブリ170Bは、一方ではアタッチメントハウジング113Bで、他方では支持体140Bで支持されている。支持体140Bは、周壁143の端面141に回動防止輪郭143、例えば、回動防止輪郭233に形状結合的に係合するように企図されている形状結合突出部144を有する。したがって、ばねアセンブリ170は、回動防止輪郭143を回動防止位置の方向に、すなわち、例えば、手持ち工作機械200に向かって負荷する。
【0207】
ラッチ体150Bをロック解除位置に保持し、ラッチ体150Bをロック位置に解放するためにトリガ装置160Bが設けられ、支持体140Bは、ブロッキング体161Bの機能を果たすことにより、このトリガ装置の実質的に構成要素である。
【0208】
支持体140Bの端面141は、すなわち、ブロッキング体161Bの操作輪郭162、例えば、回動防止輪郭143を有する。操作輪郭162は、アタッチメント装置110Bを、例えば手持ち工作機械200に取り付けた場合に、駆動側111から被駆動側112への移動方向に操作され、それによって、ブロッキング体161Bは、支持軸STの方向に直線的に動かされ、ラッチ体150Bは、回転自由になり、ねじりばね158によってロック解除位置からロック位置の方向へ操作可能又は回動可能である。
【0209】
伝動体181Bは、例えば、金属リング体などのロック部分153を貫通し、伝動体181にねじ込まれるねじ182Bによってラッチ体150Bと回転不可能に接続される。伝動体181は、伝動体187の方に向いた端面に平ら面184を有し、この平ら面から操作傾斜面185が延び、それにより平ら面184と、平ら面184から最も遠い操作傾斜面185の領域との間に段部186が形成されている。操作傾斜面は、すでに説明したように、伝動体の、平ら面184の向かい側に位置する平ら面188から操作傾斜面189が延びることによって形成されている伝動体187の段部186と協働する。
【0210】
すなわちブロッキング体161が駆動側111から離れる方向に直線的に動かされる場合、段部186が互いに係合解除され、それによりラッチ体150Bが回転可能になり、それに従ってロック解除位置からロック位置へ回動可能である。
【0211】
さらに、ストッパ167Bである、回動防止輪郭143の反対側の支持体140の端面は、アタッチメントハウジング113Bの支持ストッパ118Bで支持され、それにより、回動防止輪郭143は、駆動側111から離れる方向に後退できなくなり、それに応じて、これらの回動防止輪郭のそれぞれ向かい側に位置する相手回動防止輪郭、例えば相手回動防止輪郭235と係合したままである。
【0212】
ラッチ体150をロック位置からロック解除位置へ回動させた場合、操作傾斜面185、189は、互いに沿って摺動し、ばねアセンブリ170Bは、ブロッキング体161をその解放位置からそのブロック位置の方向に調節することができ、ブロック位置において、ブロッキング体161Bの操作輪郭162は駆動側111の方向に引き続き前進調節される(vorverstellt)。
【0213】
ラッチ体150、特にそのロッキング部分153は、殊に、例えばラッチ体と伝動体181Bとの間に設けられている、例えばラッチ体150Bの対応する軸受溝179に係合する軸受体177によってアタッチメントハウジング113Bに保持される。軸受体177は、例えばリング状であり、支持体140Bによって貫通されている。軸受体177は、ねじ178又はそれに類する別の取付手段によってアタッチメントハウジング113Bに取り付けられている。
【0214】
支持体140は、支持体の周壁142における回動防止輪郭145によって、支持軸STに対して回動防止されてアタッチメントハウジング113Bに収容されている。
【0215】
クイックロックとも呼ぶことができる本明細書中の取付けコンセプトは、当然、別の種類のアタッチメント装置にも適している。
【0216】
アタッチメント装置510は、例えば、回転数変更伝動装置を装備し、すなわち伝動装置アタッチメント装置と呼ぶこともできる。アタッチメント装置は、ラッチ体150B、支持体140B、及び取付け装置105Bの他の説明されたコンポーネントを有する。しかし、アタッチメント装置510は、その駆動要素123と、工具収容部120を有するその被駆動要素520Aとの間の回転数に関して受動的ではない。むしろ、駆動要素123と被駆動要素520Aとの間に伝動装置530、例えば遊星歯車機構が配置されている。伝動装置530は、例えば、駆動要素123が配置されているシャフト要素521の、駆動要素123から離れた長手方向端に配置されている太陽歯車531を備える。太陽歯車531は、遊星キャリア533に配置された遊星歯車532と噛み合う。遊星キャリア533は、シャフト要素523と回転不可能に接続され、このシャフト要素の、アタッチメント装置150Bの被駆動側112でアタッチメント装置の前へ突出する自由部分に工具収容部120が配置されている。被駆動要素520Aは、アタッチメントハウジング513に対して回転可能に、例えば軸受527、特に玉軸受に支承されている。シャフト要素521は、軸受526、例えば滑り軸受によって回転可能にアタッチメントハウジング513に、又はアタッチメントハウジング513に対して支承されている。
【0217】
アタッチメントハウジング613を有するアタッチメント装置610は、例えばアタッチメント装置110の取付装置105を有する。アタッチメント装置610は、アングルアタッチメントをなす。アタッチメント装置610は、駆動要素123が配置されたシャフト要素621を有する。駆動要素123の反対側のシャフト要素621の長手方向端領域には、例えば、傘歯車631、632を有するアングル伝動装置630が設けられている。傘歯車631は、シャフト要素621に回転不可能に接続され、傘歯車632は被駆動シャフト要素633と回転不可能に接続され、被駆動シャフト要素の自由な、かつアタッチメントハウジング613の前へ突出する部分に工具収容部120が配置されている。シャフト要素621、633の回転軸DA、DBは互いに直角である。
【0218】
アタッチメント装置110、110Bは、例えば、ガイド装置20又は20Aとともに使用することができる。しかし、例えば、ハンドグリップ要素272として形成されたガイド体271を有するガイドアセンブリ270も、アタッチメント装置110、110Bを用いて手持ち工作機械200に取り付けることができる。ガイドアセンブリ270をアタッチメント装置110又は110Bに取外し可能に取り付けることができるが、アタッチメント装置の固定された構成要素をなすこともできよう。図面において、手持ち工作機械200の首部204は、ガイドアセンブリ270のマウントブラケット280を取り付けるには幅が狭すぎる。したがって、アタッチメント装置110、110Bによって初めて手持ち工作機械200へのガイドアセンブリ270の取付けが可能になる。
【0219】
マウントブラケット280は、ハンドグリップ要素272が突出する基体281を備える。基体281及びその向かい側に位置する引張体282は、保持収容部288を画定するクランプリング291の長手方向端と固定的に接続されている。クランプリング291は、例えば、鋼リング、特にばね鋼リング、プラスチックリング又はそれに類するものを含む。
【0220】
基体281及び引張体282は、クランプねじ294によって貫通され、クランプねじの頭部295は、引張体282の収容部283内で回動不可能に収容されている。例えば、頭部295の外周及び収容部283の内周には、形状結合輪郭、特に六角形輪郭がクランプねじ294を回動防止して保持するために設けられている。クランプねじ294にナット296がねじって嵌められ、ナットはハンドグリップ要素272に回動不可能に収容される。
【0221】
ハンドグリップ要素272は、回転軸D又は保持収容部288の長手方向中心軸に対して角度を付けて基体281の前へ突出している。ハンドグリップ要素272の長手軸LGは、例えば、工具収容部120の回転軸Dに対して直角に延びる。図面に矢印で示されているように、ハンドグリップ要素272を長手軸LGを中心に回動させることによって、ナット296をクランプねじ294にねじって嵌めることが可能、又はねじって外すことが可能であり、それにより、引張体282及び基体281が互いに向かって、又は互いに離れる方向に移動され、保持収容部288の横断面がアタッチメント装置110、110Bを締め付けるという意味で狭くされるか、又は広くされる。後者の場合、アタッチメント装置110、110Bを、プラグイン収容部として形成された保持収容部288から引き抜くことができる。
【0222】
前述の取付装置105、105Bは、手持ち工作機械200にアタッチメント装置110、110Bを迅速かつ簡単に取り付けることを可能にし、それによりアタッチメント装置110、110Bを、これに配置されたガイドアセンブリ270とともに手持ち工作機械200に容易に取付け可能、又は手持ち工作機械から取外し可能である。ガイド装置20、20Aも同様に手持ち工作機械200に迅速に取付け可能、又は手持ち工作機械から取外し可能である。
【0223】
さらに、アタッチメント装置110、110Bは、手持ち工作機械200のドライブトレインをその回転軸Dの方向に、いわば延長することを可能にする。例えば、さらなるアタッチメント装置、例えば、アングルアタッチメント450を被駆動要素120Aに取り付けることができる。アングルアタッチメント450は、例えば、ラッチ体150のようなバヨネットリングを有し、ラッチ体のロック輪郭を、対応ロック輪郭135と係合させることができる。
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【国際調査報告】