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  • 特表-排気ガス再循環を伴う燃焼機関 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-27
(54)【発明の名称】排気ガス再循環を伴う燃焼機関
(51)【国際特許分類】
   F02M 26/32 20160101AFI20220620BHJP
   F02M 26/29 20160101ALI20220620BHJP
   F01P 7/16 20060101ALI20220620BHJP
【FI】
F02M26/32
F02M26/29 311
F01P7/16 504Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021559944
(86)(22)【出願日】2020-03-10
(85)【翻訳文提出日】2021-10-14
(86)【国際出願番号】 EP2020000058
(87)【国際公開番号】W WO2020216465
(87)【国際公開日】2020-10-29
(31)【優先権主張番号】102019002998.4
(32)【優先日】2019-04-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】592007771
【氏名又は名称】ドイツ アクチェンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100092277
【弁理士】
【氏名又は名称】越場 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100155446
【弁理士】
【氏名又は名称】越場 洋
(72)【発明者】
【氏名】クロステルベルク,ヨハンヌ
(72)【発明者】
【氏名】スリワ,マルコ
(72)【発明者】
【氏名】クルツ,トビアス
(72)【発明者】
【氏名】シュミッツ,オリビエ
【テーマコード(参考)】
3G062
【Fターム(参考)】
3G062ED08
(57)【要約】
本発明はクランクケースとシリンダーヘッドとを備えた内燃機関に関し、少なくとも1つのシリンダーブロックと、少なくとも1つのクーラー(2)を受け入れるための少なくとも1つの平らなフランジ面と、少なくとも1つのクーラー(2)と、クーラー(2)への少なくとも1つの冷却液入口と、クーラー(2)からの少なくとも1つの冷却液出口(8)と、クーラー(2)への少なくとも1つの排気ガス入口と、クーラー(2)からの少なくとも1つの統合された排気ガスダクトと、および少なくとも1つの内部冷却セクション(3)とを有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クランクケースとシリンダーヘッドとを備えた内燃機関であって、少なくとも1つのシリンダーブロックと、少なくとも1つのクーラー(2)を受け入れるための少なくとも1つの平らなフランジ面と、少なくとも1つのクーラー(2)と、このクーラー(2)への少なくとも1つの冷却液入口と、クーラー(2)からの少なくとも1つの冷却液出口(8)と、クーラー(2)への少なくとも1つの排気ガス入口と、クーラー(2)からの少なくとも1つの統合された排気ガスダクトと、少なくとも1つの内部冷却セクション(3)とを有することを特徴とする内燃機関。
【請求項2】
冷却セクション(3)が乱流発生器を有することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関。
【請求項3】
クーラー(2)への冷却液入口が制御可能に設計されていることを特徴とする請求項の1または2に記載の内燃機関、
【請求項4】
クーラー(2)への排気ガス入口が制御可能に設計されていることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の内燃機関。
【請求項5】
平らなフランジ面が、EGRクーラー(2)を受け入れるためにクランクケース(1)の長手方向側に本質的に配置されていることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の内燃機関。
【請求項6】
平らなフランジ面が、EGRクーラー(2)を受け入れるためにシリンダーヘッドの長手方向側に本質的に配置されていることを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の内燃機関。
【請求項7】
ダイヤフラム装置および/またはスロットル装置がEGRクーラー(2)とクランクケース(1)の間に使用されることを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の内燃機関。
【請求項8】
EGRクーラー(2)とクランクケース(1)との間に挿入されたオリフィス装置および/またはスロットル装置が鋳造フィン(6)および鋳造リブ(7)によって実装されることを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載の内燃機関。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載の内燃機関を使用する内燃機関を運転方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は排気ガス再循環を伴う燃焼機関(BRENNKRAFTMASCHINE MIT ABGASRUCKFUHRUNG)に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の内燃エンジンは[特許文献1](ドイツ特許第DE69130976T2号明細書)に記載されている。この内燃機関はフレッシュガスラインと平行に走る分配ラインを備えた排気ガス再循環システムを有している。フレッシュガスラインは分岐フレッシュガスダクトを有し、この分岐フレッシュガスダクトはシリンダーユニットの2つの入口バルブに導かれ、フレッシュガスダクトには各供給ラインを備えた分配ラインが開口している。
【0003】
この排気ガス再循環(EGR)クーラーではエンジンのクーラーを通る流れは横方向であり、エンジンのクランクケース内に一種のポケット状態で直接配置され、それ自体のハウジングはない。クロスフローにすることによって、空気が流れる断面積が大きいため、エンジンからの水の全量をEGRクーラーで利用できる。縦方向流とは対照的に、水が経験する温度上昇は著しく低い。この配置はその機能性のおかげで冷却効果および水側圧力損失の点で理想的である。
【0004】
上記の配置の問題は、EGRクーラー挿入物(インサート)がクランクケースのウォーターポケットの輪郭によって完全には囲まれいないという点にある。これはEGRクーラーの周りを大量の水が流れることを意味し、クーラーフィンを通る流速が低下させ、冷却効果を低下させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】ドイツ特許第DE69130976T2号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記の問題を解決するものである。本発明の目的はクーラーを通して導かれる水を案内し、漏れ損失(Leckage-Verluste)を最小限に抑えることにある。それと同時に、上記の問題を製造および組立てに必要な追加コストを可能な限り少なくして解決することにある。
【0007】
本発明は、内燃機関への排気ガス再循環装置、特に分配ラインの設置を簡素化し且つ冷却効果を改善するという目的に基づいてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の上記目的は、請求項1および請求項9の特徴的な機能によって達成される。
本発明の利点は、内燃機関が非常にコンパクトになり、不必要な配管をしないで熱伝達を非常に効果的に行うことができる点にある。
【0009】
本発明のさらなる利点は、冷却セクションが乱流発生器を有し、それによってさらに良好な熱伝達が確実にできることにある。
本発明の別の実施形態では、チャネルにオリフィス装置および/またはスロットル装置が挿入される。これらの要素(コンポーネント)を使用することで個々のシリンダーユニットに供給される排気ガスの量を個別に調整できる。
【0010】
本発明では、EGRクーラーの入口コネクタに鋳造フィン(キャストフィン)が取り付けられ、一方、クランクケースポケット中には鋳造リブ(キャストリブ)が挿入される。クランクケースの鋳造リブは、[図1]に示すように、小さなギャップを残して、EGRクーラーの鋳造フィンまで延びて(引き上げられて)いる。そうすることで、残りのギャップを除いて、漏れ断面積を大幅に減少させることができる。ギャップ幅の公差に関連する変動を減らし、従って、スロットル効果の広がりを減らすために、鋳造リブはクランクケース側で機械加工される。リブの幅は狭いので、機械加工される材料は少量であり、クランクケースの機械加工時間はわずかに増加するだけてある。一方、ダイカストの公差は十分に正確であるので、EGRクーラーの鋳造リブを機械加工する必要はない。
【0011】
本発明の解決方法を用いることによって、漏れ損失は最小限に抑えられる。逆に、流速、従ってEGRクーラーの冷却効果は大幅に増加または改善される。
【0012】
また、クランクケースの背面側の鋳造リブをEGRクーラー全長にわたって持ち上げることで、EGRクーラーの背面側の追加のバッフルプレートを省くことができる。それによってコストが削減でき、クランクケースのリブを機械加工するための追加コストを補償することになる。
【0013】
本発明方法はクランクケースにいつでも適応できるため、EGRクーラーの設計変更に対していつでも対応できる。
【0014】
本発明のさらに有利な実施形態は図面の説明から理解できよう。以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】クランクケースと一体化された排気ガス再循環装置の排気ガスクーラーの冷却ハウジングの斜視図。
図2】[図1]のEGRクーラーの側面図。
図3】[図1]のEGR冷却ハウジングを備えたクランクケースの断面図で、EGR冷却ハウジングの本体部分はクランクケースの一部であり、本体部分はカバーで覆われている。
図4】[図3]のC-C線に沿ったクランクケースの断面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1]は燃焼エンジンのクランクケース1のシリンダーブロックを示しており、シリンダーブロックの長辺上にはEGRクーラー2を受け入れるための平らなフランジ面を有している。冷却液の入口開口9は内燃機関の端面の領域で上記の平坦なフランジ表面のシール面に配置されている。冷却液は上記入口開口9からEGRクーラー2に通過することができる。冷却液の入口開口部9すぐ近くのフランジ表面にはEGRクーラー2の冷却液の出口開口部も設けられている。冷却液内燃機関の他方の端面領域では平坦なフランジ表面のシール面にはクーラーへの排気ガス入口が設けられており、排気ガスはこの排気ガス入口からクーラー中に通過できる。クーラーへの排気ガス入口のすぐ近くには統合されたクーラーからの排気ガスダクトもある。内部冷却セクションはノーズ形状の隆起部(nasenf・rmige Erhebungen)を有し、この隆起部はクーラーハウジング上に配置されたフローガイド要素と一緒になってフローガイド要素の周りまたは間を流れる冷却液の乱流を確実にする。シリンダーヘッドのダクトを介してシリンダーヘッドから抽出されたガスはクランクケース1のチャネル接続部によって排気ガス入口開口を介して排気ガス入口に送られる。排気ガス入口に到達した排気ガスはクーラー2の導管中に導入され、そこで排熱を冷却液に放出する。その後、冷却された排気ガスは統合された排気ガスダクトによって、クランクハウジング1を通って排気システムに向ってEGRクーラー2を出る。EGRクーラー2とフランジ面との間にシールが配置されている。
【0017】
図2]はクランクケース1に取り付けられた[図1]のEGRクーラー2の側面図を示している。このEGRクーラー2は冷却セクションとして機能するクーラーカセット3を有する。このクーラーカセット3の冷却セクションを支持するためのガイドプレート4が配置されている。
【0018】
ラジエータカセット3の排気ガスの流れ方向で前後には入口コネクタ5と出口コネクタ8とがそれぞれ配置されている。EGRクーラー2の入口コネクタ5は鋳造フィン6を有し、EGRクーラー2の出口コネクタ8は鋳造フィン6を有する。
【0019】
図3]は[図1]のクランクケース1の断面を示しており、EGRクーラー2は冷却ハウジング内にある。その本体部分はクランクケース1の一部であり、この本体部分はクランクケース1に螺合されたカバーで覆われている。バッフル4も同じく冷却水に囲まれ、内燃機関の冷却水がその周りを流れるEGRクーラー2の冷却セクションに配置されている。EGRクーラー2の入口コネクタの所には鋳造フィン6が見える。内燃機関の冷却水はこの鋳造フィン6の所を流れることができる。EGRクーラー2の鋳造フィン6の反対側には内燃機関のクランクケース1に配置された鋳造リブ7が見える。鋳造フィン6を鋳造リブ7に向かって配置することでEGRクーラー2の冷却水ガイド領域にギャップが生じ、冷却水の流量に影響が与えられる。
【0020】
図4]は[図3]の線C-Cに沿ったクランクケース1の断面を示している。この図から、内燃機関のクランクケース1に配置された鋳造リブ7と入口コネクタ5に設けた鋳造フィン6と組み合わせによって冷却水の流れ条件がどのように影響されるかは理解できよう。
【符号の説明】
【0021】
1 クランクケース
2 EGRクーラー
3 クーラーカセット
4 バッフル
5 入口コネクタ
6 鋳造フィン
7 鋳造リブ
8 出口コネクタ
9 クーラント入口開口
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】