(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-27
(54)【発明の名称】流体ディスペンサ
(51)【国際特許分類】
B65D 45/34 20060101AFI20220620BHJP
【FI】
B65D45/34
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021561021
(86)(22)【出願日】2020-04-16
(85)【翻訳文提出日】2021-12-13
(86)【国際出願番号】 FR2020000132
(87)【国際公開番号】W WO2020212663
(87)【国際公開日】2020-10-22
(32)【優先日】2019-04-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521330574
【氏名又は名称】シセイドウ インターナショナル フランス
(74)【代理人】
【識別番号】110001900
【氏名又は名称】特許業務法人 ナカジマ知的財産綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】シモン ブルーノ
【テーマコード(参考)】
3E084
【Fターム(参考)】
3E084AA02
3E084AA12
3E084AA24
3E084AB06
3E084BA02
3E084DC03
3E084FB01
3E084FC01
3E084FD05
3E084GA01
3E084GB01
3E084HA02
3E084HB01
3E084HC01
3E084HD01
3E084KB01
3E084LB02
3E084LC01
3E084LD01
(57)【要約】
流体ディスペンサであって、少なくとも1つの外側螺旋ネジ(R2)が形成されているネジ付きネック部(R1)を備える容器(R)と、少なくとも1つの内側螺旋ネジ(F2)が形成されているネジ付きスカート(F1)と、前記ネジ付きスカート(F1)の周囲に緊密に係合するフープ(H)と、を備える閉鎖要素(T)と、を備え、前記ネジ付きスカート(F1)は、それぞれが内側螺旋ネジ(F2)のセグメント(F21)を形成する複数のタブ(F11)を備え、前記締結部材(F)は、前記ネジ付きネック部(T1)の外側螺旋ネジ(R2)に対して、決められた角度方向で当該締結部材を位置決めするための角度インデックス手段を備え、最終組立位置において、前記ネジ付きスカート(F1)の内側螺旋ネジ(F2)の各セグメント(F21)が、対応する前記ネジ付きネック部(R1)の外側螺旋ネジ(R2)とネジ係合することを特徴とする。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体ディスペンサであって、
少なくとも1つの外側螺旋ネジ(R2)と環状上縁部(R3)とが形成されているネジ付きネック部(R1)を備える流体容器(R)と、
前記流体容器(R)のネジ付きネック部(R1)に取り付けられる閉鎖要素(T)と、を備え、
前記閉鎖要素(T)は、
少なくとも1つの内側螺旋ネジ(F2)が形成されているネジ付きスカート(F1)を有する締結部材(F,F´)と、前記ネジ付きスカート(F1)の周囲に緊密に係合するフープ(H)と、を備え、
前記ネジ付きスカート(F1)は、それぞれが内側螺旋ネジ(F2)のセグメント(F21)を形成するいくつかのタブ(F11,F11´)を備え、
前記締結部材(F,F´)は、前記ネジ付きネック部(R1)の外側螺旋ネジ(R2)に対して、決められた角度方向で当該締結部材を位置決めするための角度インデックス手段(F11´,F33)を備え、
最終組立位置において、前記ネジ付きスカート(F1)の内側螺旋ネジ(F2)の各セグメント(F21)が、対応する前記ネジ付きネック部(R1)の外側螺旋ネジ(R2)とネジ係合することを特徴とする流体ディスペンサ。
【請求項2】
前記角度インデックス手段は、他のタブとは異なるタブ(F11´)の形態で示されることを特徴とする請求項1に記載の流体ディスペンサ。
【請求項3】
前記締結部材(F)は、前記タブ(F11,F11´)から連続して延在する上部クラウン(F3)を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の流体ディスペンサ。
【請求項4】
前記タブ(F11,F11´)は、ヒンジ(F13)によって前記上部クラウン(F3)に接続され、それぞれの接線軸を中心に前記タブ(F11,F11´)の半径方向の旋回が可能であることを特徴とする請求項3に記載の流体ディスペンサ。
【請求項5】
前記ヒンジ(F13)は、2つの安定した極限位置と不安定な中間位置とを規定し、
前記2つの極限位置は、前記タブ(F11,F11´)が前記上部クラウン(F3)に対して半径方向外側に向かって実質的に真っすぐに延在している位置である初期位置と、前記タブ(F11,F11´)が前記上部クラウン(F3)の延在部から実質的に軸方向下方に向かって延在している位置である最終組立位置と、を含むことを特徴とする請求項4に記載の流体ディスペンサ。
【請求項6】
前記ヒンジ(F13)は、前記タブ(F11,F11´)の幅よりも小さい幅を有することを特徴とする請求項4または5に記載の流体ディスペンサ。
【請求項7】
前記タブ(F11,F11´)は、可撓性の壁(F14)によって互いに接続されており、前記壁(F14)が有利には前記上部クラウン(F3)から分離されていることを特徴とする請求項4~6のいずれか1項に記載の流体ディスペンサ。
【請求項8】
前記閉鎖要素(T)は、ポンプまたはバルブなどの吐出部材(P)と、前記吐出部材(P)またはアプリケータなどの収集装置を作動させるための押しボタン(B)と、を備えることを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の流体ディスペンサ。
【請求項9】
前記ネジ付きネック部(R1)は、プラスチック材料から作られていることを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の流体ディスペンサ。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載の流体ディスペンサを取り付けるための取り付け方法であって、
(a)前記締結部材(F,F´)を前記ネック部(R1)上に載置するステップと、
(b)前記ネック部(R1)上における前記締結部材(F,F´)の角度方向付けを行って、最終組立位置において対応する密接なネジ係合を確実にさせるためのステップと、
(c)前記スカート(F1)の周りに前記フープ(H)を係合させて、前記タブ(F11,F11´)の内側螺旋ネジ(F2)の各セグメント(F21)と、対応する前記ネック部(R1)の外側螺旋ネジ(R2)との密接なネジ係合をもたらすためのステップと、を連続して実行することを特徴とする取り付け方法。
【請求項11】
前記ネック部(R1)の環状上縁部(R3)にネックシール(J)が配置され、前記角度方向付けを行うステップでは、前記ネックシール(J)の最適な圧迫が考慮されることを特徴とする請求項10に記載の取り付け方法。
【請求項12】
前記タブ(F11,F11´)は、前記ステップ(c)の前または実行中に、半径方向外側に向かって平坦に延在している位置である初期位置から前記ネック部(R1)の周囲に折り畳まれることを特徴とする請求項10または11に記載の取り付け方法。
【請求項13】
前記タブ(F11,F11´)は、前記ステップ(c)の前または実行中に、前記ネック部(R1)の周囲において、前記最終組立位置に対して約0.5°~45°の角度になる中間位置まで、前記フープ(H)または軸方向スラスト要素からの力により動かされることを特徴とする請求項10~12のいずれか1項に記載の取り付け方法。
【請求項14】
前記ステップ(c)の後に、最終ネジ締めトルクが前記締結部材(F,F´)に働いて、前記タブ(F11,F11´)の内側螺旋ネジ(F2)の各セグメント(F21)と前記ネック部(R1)の外側螺旋ネジ(R2)との最適な噛み合いと、環状上縁部(R3)上のネックシール(J)の最適な圧縮とを保証して、ディスペンサシステムのシールを確実にすることを特徴とする請求項10~13のいずれか1項に記載の取り付け方法。
【請求項15】
請求項10~14のいずれか1項に記載の取り付け方法を実施するための取り付けステーションであって、
前記締結部材(F,F´)を前記ネック部(R1)上に載置するための載置手段と、
前記ネック部(R1)上における前記締結部材(F,F´)の角度方向付けを行って、最終組立位置において対応する密接なネジ係合を確実にさせるための角度方向付け手段と、
前記フープ(H)に直接作用し、または任意選択的にまず前記スカート(F1)の前記タブ(F11,F11´)に作用してから、前記フープ(H)を前記スカート(F1)の周囲に係合させて、前記タブ(F11,F11´)の前記内側螺旋ネジ(F2)の各セグメント(F21)と、対応する前記ネック部(R1)の前記外側螺旋ネジ(R2)とに密接なネジ係合をもたらすための軸方向スラスト手段と、
を備えることを特徴とする取り付けステーション。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体、ペースト状のものを吐出する流体ディスペンサであって、ネジ付きネック部が設けられ、容器内側と連通する開口を内部に規定する流体容器を備える流体ディスペンサに関する。
【背景技術】
【0002】
ディスペンサは、その容器のネック部に取り付けられるヘッド部をさらに備え、ヘッド部は、ポンプまたはバルブなどのディスペンサ部材と、ディスペンサ部材を作動させるための押しボタンと、容器のネジ付きネック部およびディスペンサ部材の両方と係合する締結部材とを備える。このようなディスペンサは、香水や化粧品の分野で頻繁に使用される。さらに、本発明は、ネジ外し可能で再締め付け可能なキャップを備えた、ネジ付きネック部を有するポットにも適用される。
【0003】
一般に、締結部材は、容器のネジ山付きネック部と係合するための1つ以上のネジ山を内部に形成する剛性スカートを備える。ディスペンサのヘッド部を容器の所定の位置に入れるためには、容器のネジ付きネック部に、ネジ付きスカートを有する締結部材をネジ込むことで十分である。その後、締結部材は、ネジを緩めることによってネック部から取り外すことができ、次に、再び、ネジを締めることによってネック部上の所定の位置に戻すことができる。
【0004】
先行技術として、特許文献1には、ネジ付きネック部を形成する容器と、その容器のネック部に取り付けられたヘッド部とを備えるディスペンサが記載されている。ヘッド部は、ポンプまたはバルブと、押しボタンと、ネジ付きネック部とポンプまたはバルブとの両方と係合する締結部材と、を備える。締結部材は、ネジ付きネック部と係合するように意図された変形可能で可鍛性のスカートと、スカートの周りに係合してスカートをネジ付きネック部に対して半径方向に押し付け、スカートをネック部のネジ山に対して変形させてスカートにネジ山跡を形成する堅いフープと、を含む。
【0005】
特許文献1に記載のスカートは、軸方向または垂直方向に伸長した内部リブを形成するタブを複数、備えている。フープは、スカートの内側リブをネック部のネジ山に押し付けて、ネック部のネジ山をスカートの内側リブに食い込ませる。これによりスカートの内側リブにネック部のネジ山のネジ跡が形成される。ネック部への固定が完全に保証され、締結部材をネック部から外して、容器の内側にアクセスすることも可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、この締結部材をネック部に再びネジ締めすることは困難であることに注意すべきである。多くの場合、スカートは曲がり、もはやシールしなくなる。さらに、このシステムは、特定のネジ山形状を用いることが多いガラスネックの使用を必要とする。
【0008】
本発明は、従来技術の上述の欠点を克服するために、締結部材がネジ止めなしにネジ付きネック部に最初に取り付けられ、ネック部の材料に関係なく、ネジを緩めることができ、また機能的かつ最適な方法でネジ止めすることもできる流体ディスペンサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的を達成するために、本発明は、以下を含む流体ディスペンサを提案する。
【0010】
すなわち、少なくとも1つの外側螺旋ネジと環状上縁部とを形成するネジ付きネック部を備える流体容器と、当該容器のネック部に取り付けられるヘッド部とを備え、ヘッド部は、ポンプまたはバルブなどの吐出部材と、吐出部材を作動させるための押しボタンと、容器のネジ付きネック部と吐出部材の両方に係合する締結部材と、を備え、締結部材は、少なくとも1つの螺旋ネジを形成するネジ付きスカートと、当該スカートの周囲に緊密に係合するフープを備える。
【0011】
ここで、締結部材は、ネック部の外側螺旋ネジに対して、決められた角度方向で当該締結部材を位置決めするための角度インデックス手段を備える。そして、当該スカートの内側螺旋ネジの各セグメントは、最終組立位置において、対応するネック部の外側螺旋ネジとネジ係合する。
【0012】
本発明の締結原理が、ネジ付きネック部への締結部材の軸方向の取り付けの間、ネック部と当該スカートのそれぞれの対応するネジ山が密接に噛み合うことに基づいていることを考えると、所望の最終組立位置に到達できるように適切な角度方向で当該スカートをネジ付きネック部の周囲に係合させることが必要である。この角度方向の調整は、例えば、カメラ制御および/または機械的ガイドによって梱包ライン上で行うことができる。締結部材が一般に回転するものと考えると、回転方向に途切れている部分を設けて、それを角度方向付けに用いることが有利である。これは、特に角度インデックス手段の機能であり、局所的なマーキング、または局所的な特徴、例えば、より短い、より狭い、もしくはより広い形状のタブのように、しばしば目に見える様々な形態で提示することができる。
【0013】
言い換えると、本発明に係る締結部材は、従来のネジ込み/ネジ外しされる締結部材と同じ特性を有するが、当該スカートをセグメント化してなる付加的な特性により半径方向に自由度を有する複数のタブを得て、回転することなく、ネジ付きネック部の周囲に各タブを単なる軸方向の動きで係合させることができる。取り付け原理は、特許文献1に記載のものと同一であるが、当該スカートの変形を起こさないという点で締結原理が異なる。そして、角度インデックス手段が、決められた角度方向でネック部の外側螺旋ネジに対して非常に高い精度で当該スカートのネジ山を位置決めすることにより、ネック部と当該スカートのそれぞれの対応するネジ山が密接に噛み合うことができる。これは、特に、本発明に係る締結部材をプラスチックのネック部に取り付けることを可能にする。特許文献1では、クリープ変形によりスカートにネジ山跡を形成するためにガラスのネック部を必要としており、プラスチックのネック部は不可能である。本発明では、当該スカートとネック部を、特定のネジ山形状を必要とせずに、同じ硬度の材料で作製することができる。
【0014】
有利には、締結部材は、各タブから連続して延伸する上部クラウンを含むことができる。その上部クラウンは、剛性であるが、各タブは相互に独立しているため、変形すること、および/または半径方向外向きまたは内向きに動くことができる。各タブは、可撓性であっても剛性であってもよい。
【0015】
有利な一つの実施形態によれば、各タブは、対応するヒンジによって連続した上部クラウンに接続され、それぞれの接線軸を中心に半径方向の旋回が可能になっている。したがって、各タブは、かなりの剛性を有することができ、各タブの半径方向の動きは、ヒンジによって完全に保証される。変形例では、各タブは可撓性であってもよい。
【0016】
ヒンジによって、各タブの可動範囲は、例えば約90°と著しい。これにより、締結部材を各タブが半径方向外向きに延伸した状態で、全体的に平坦な星形または花形の構成にして成型することが可能になる。したがって、各タブの内部ネジセグメントの深さおよび精度を増大させることができる。さらに、各タブは、強制的なピンの突き出しなしに離型することができ、これにより、各タブを損傷させることがなく、したがって、各タブの高さをネジセグメントの山の高さに維持することができる。これにより、ネジ付きネック部との係合が改善され、ネジ外し、特に容易なネジの再締め付けが保証される。このことは、各タブが剛性であり、一旦折り畳まれ、スカートが連続しているかのようにネジ付きネック部に対してフープによってクランプされた場合に、より当てはまる。
【0017】
実用的な実施形態によれば、各ヒンジは、2つの安定した極限位置と不安定な中間位置とを規定することができる。2つの安定した極限位置は、金型取り出し初期位置と最終組立位置とを含む。この初期位置は、各タブがこれらに連続した上部クラウンから半径方向外向きに実質的に真っすぐに延在している位置である。最終組立位置は、各タブがこれらに連続した上部クラウンの延在部から実質的に軸方向下方に向かって延在している位置である。したがって、各タブは、半径方向外側に延在する平坦姿勢で成形され、そして、ネック部の周りに折り畳まれた後、折り畳まれた各タブの周囲にフープが係合される。これにより、ネック部とスカートのそれぞれの対応するネジ山の密接な接触を完成させることができる。2つの安定した極限位置は、各タブが一旦ネック部の周囲に折り畳まれると、すべて同じ位置および向きになることを保証する。
【0018】
別の態様によれば、ヒンジは、タブの幅よりも小さい幅を有することができる。これは、タブの数が減るほど有効である。例えば、4つのタブを有するスカートでは、各タブは、円の4分の1にわたって延在する。一方で、ヒンジは、実質的に直線的な旋回軸を画定しなければならないので、円の4分の1にわたって延在できないことが分かる。この場合、ヒンジは、例えば円の8分の1の長さ相当分だけ延びることができる。
【0019】
別の興味深い特徴によれば、各タブは、連続する上部クラウンから有利に分離された可撓性の壁によって互いに接続されることができる。膜、シート、フィルムとしても認定され得るこれらの壁は、定義上、非常に薄く、このために非常に柔軟である。これらの壁は、非常に低い応力下で変形され、特に、各タブがそれらの初期位置からそれらの軸方向取り付け位置に折り畳まれるときに変形される。各壁は、各タブ間の空間を部分的にまたは全体的に埋める。好ましくは、各壁は、ヒンジの機能を妨げないように、上部クラウンから切り離された状態になっている。各壁は、各タブの端部を接続するストリップセグメントとすることができる。これらの壁の主な機能は、各タブ間に別の締結部材が引っ掛かるリスクを抑制することである。これらの壁がない場合、ディップチューブが、例えば、隣り合う各タブの間に、または、一つのタブと上部クラウンとの間に挟み込まれ得る。2つ以上の締結部材のそれぞれの各タブは、絡まる可能性がある。各タブは、これらの各壁を介して接触しており、これにより、初期位置において完全なリングを形成する。そして、一旦タブが折り畳まれると、壁は折り目を付け、その後のネジ外しおよびネジの再締め付けを妨げることなく変形されたままになっている。
【0020】
別の特徴によれば、装着中に、剛性フープHを各タブに対してそのヒンジの下に位置する中間位置まで下げて、例えば各タブを折り畳んで約45°の姿勢に維持することで、振動ボウルでの搬送及び分配にとってより好ましい位置にすることができる。
【0021】
有利な特徴によれば、角度インデックス手段は、例えば他のタブとは異なるタブの形態で提供される。角度インデックス手段の変形例又は補完例としては、ネック部の上縁部に配置されたネックシールを多かれ少なかれ強く平坦に圧迫して最終組立位置に到達させることも可能である。
【0022】
一つの実施形態によれば、閉鎖要素は、ポンプまたはバルブなどの吐出部材と、吐出部材を作動させるための押しボタンを備える。このように締結部材とフープは、ポンプまたはバルブを容器のネジ付きネック部に取り付けるように機能する。変形例では、閉鎖要素は、ポットに関連付けられるように意図されたストッパまたはキャップであってもよい。
【0023】
本発明はまた、以下の連続する工程(ステップ)を含む、上記のディスペンサを取り付けるための取り付け方法とすることができる。(a)ネック部上に締結部材を、有利には重力によって、載置させ、(b)ネック部(R1)上における締結部材(F,F´)の角度方向付けを行って、最終組立位置において対応する密接なネジ係合を確実にし、(c)スカートの周りにフープを係合させて、各タブの内側螺旋ネジのセグメントと、対応するネック部の外側螺旋ネジとの密接なネジ係合をもたらす。
【0024】
そして、ネックシールがネック部の環状上縁部に配置されるとき、角度方向付けを行う先行のステップでは、ネックシールの最適な圧迫が考慮される。
【0025】
有利には、ステップ(c)の前またはステップ(c)の実行中に、各タブは、半径方向外側に平坦な姿勢で延在している初期位置からネック部の周りに折り畳まれる。
【0026】
有利には、ステップ(c)の前またはステップ(c)の実行中に、各タブは、ネック部の周囲において、最終組立位置に対して約0.5°~45°の角度になる中間位置まで動かされ、有利には、この中間位置まで、取り付けステーションの一体部分を形成することができるフープまたは軸方向スラスト要素から力を受ける。
【0027】
任意に、また必要であれば、ステップ(c)の後に、最終ネジ締めトルクを締結部材に働かせることで、各タブの内側螺旋ネジのセグメントとネック部の外側螺旋ネジとの最適な噛み合いを保証する。これは、締結部材をネック部にネジ込むことに関係するものではなく、単に噛み合いの品質を確保することに関するものであり、ほとんどの場合、最終ネジ締めトルクによって、ネジの動きは生じない。
【0028】
本発明はまた、上記で定義された取り付け方法を実施するための取り付け設備または取り付けステーションを定義する。これは、ネック部上に締結部材を載置するための載置手段と、ネック部上における締結部材の角度方向付けを行って、最終組立位置において対応する密接なネジ係合を確実にさせる角度方向付け手段と、フープ(H)に直接作用する軸方向スラスト手段と、を含む。この軸方向スラスト手段は、任意選択的には、まずスカート(F1)の各タブ(F11,F11´)に作用してから、フープをスカートの周囲に係合させて、各タブの内側螺旋ネジのセグメントと、対応するネック部の外側螺旋ネジとを密接なネジ係合にする。さらに、これらのスラスト手段は、フープにのみ作用する軸方向スラスト要素を含むことができ、または、変形例としては、まず各タブに作用し、それからフープに作用する軸方向スラスト要素を含むとすることもできる。
【0029】
この取り付けステーションは、締結部材とネック部との間、より具体的には、スカートのネジ山とネック部のネジ山との間に、角度方向付け手段が存在するという点で、従来のステーションとは異なる。
【0030】
本発明の範囲は、従来のネジ付きスカートを分割して、ネジ付きネック部にスカートをネジ込むことなく軸方向に係合できるのに十分な変形可能性をそのスカートに与えることにある。締結部材を事前に角度方向付けしておくことで、最終組立位置に迅速かつ最適に到達することが可能になる。各タブを半径方向外側に延在する平坦姿勢で成形することにより、各タブの内側ネジセグメントの品質を向上させることができる。各壁は、特にディスペンサの組立作業中の包装と輸送に関する問題を減少させる。これらの特性はすべて良質な組み立てに寄与すると同時に、消費者によるネジ外し作業、特にネジの再締め付け作業を改善する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
以下、本発明について、非限定的な例としての本発明の実施形態を示す添付の図面を参照して、より詳細に説明する。
【
図1】本発明に係る締結部材を上方から見たときの拡大上面斜視図である。
【
図2】
図1と同様のものを下方から見たときの下面斜視図である。
【
図3】吐出部材と一体にされた、
図1および
図2に記載の締結部材の下面図である。
【
図4】(a)、(b)は、取り付け前および取り付け後のそれぞれの、本発明に係るディスペンサの垂直横断面図である。
【
図5】異なる位置でタブを図示する締結部材の概略垂直横断面図である。
【
図6】実施形態の変形例に係る、
図1と同様のものの部分図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
まず、
図1及び
図2を参照して、本発明に係る締結部材Fの構造について詳細に説明する。この締結部材は、各図において、初期位置、すなわち、金型から取り出されたままの構成で示されている。金型(図示せず)は、軸方向に移動する2つのシェルを有する非常に単純な金型とすることができる。これにより、締結部材Fの離型は、強制的なピンの突き出しなしに行われ、締結部材Fの全ての隆起部の完全性及び精度を保証することを可能にする。
【0033】
締結部材Fは、特にスナップ留めによって固定された方法で吐出部材を受け入れることができる収容ハウジングF4を備える。この収容ハウジングF4は、以下に見られるように、吐出部材の作動ロッドを通すための中央開口部F41を備える。
【0034】
締結部材Fは、また、収容ハウジングF4の周囲に連続的に延在するクラウンF3を備える。このクラウンF3の内部には、環状プレートF31が規定されている。この機能は、以下で説明する。
【0035】
締結部材Fはまた、いくつかのタブF11を備え、各タブF11は、ヒンジF13によってクラウンF3に連続するように接続されている。より具体的には、ヒンジF13は、タブF11の内縁を、その連続している上部クラウンF3の下部の周縁に接続する。
図1および
図2では、締結部材Fは7つのタブF11を含む。各タブF11は、初期位置において半径方向外向きに延伸した状態になっているので、締結部材Fは、全体的に星形または花(デイジー)形の構成になる。各タブは、その内面に、内側螺旋ネジセグメントF21が形成されていることに留意されたい。特定のタブは、1つの単一セグメントF21を形成し、他のタブは、2つ以上のセグメントF21を形成することができる。セグメントF21は、一旦各タブF11が軸方向に下方に折り曲げられて、全てが一緒になって分割スカートF1を形成すると、一緒になって1つまたは複数の連続した螺旋ネジF2を形成するように設計されている。したがって、分割スカートF1は、各タブF11のすべてのセグメントF21によって形成される1つまたは複数の連続した螺旋ネジF2を内部に備えると言うことができる。
【0036】
また、
図1及び
図2において、ヒンジF13は、タブF11よりも狭くなっており、タブF11の下方への旋回を容易にしている。実際、ヒンジF13は、クラウンF3の環状周縁の縮小部分にわたってしか延びることができない。
図1において、クラウンF3の外壁は、ヒンジF13が配置されている同じ高さの部位に平坦な面F32を有して形成されていることが容易に分かる。したがって、各ヒンジF13は、クラウンF3に対して接線方向に延びる水平軸を規定する。これにより、各タブF11は、初期位置、つまり半径方向外向きに平坦に延びている姿勢から下方に旋回することができる。
【0037】
また、各タブF11は平坦ではなく、一旦下方に折り畳まれると、外側および内側の両方で実質的に円筒形であるスカートF1を一緒に形成することを可能にする曲率を有することに留意されたい。これは、セグメントF21が、平坦ではなく、湾曲した壁に沿って延在することを意味する。
【0038】
各タブF11は、同一の形状であってもよいが、好ましくは、タブF11´は、回転対称性を破るように、他のタブとは異なる。このタブF11´は他のものよりも狭いことが分かる。タブF11´に対応するヒンジF13は、他のものと同じであってもよく、その長さも同じであってもよい。この幅が狭いタブF11´は、角度インデックス手段を形成し、締結部材Fを所定の角度方向に向けることを可能にする。このタブF11´は、これらの角度インデックス手段の非限定的な実施形態を構成する。実際、局所化された特性のどれでも、角度方向を示すマーカとして機能させることができる。この機能は、タブF11と同じ高さの部位に、またはそうでなければクラウンF3または収容ハウジングF4と同じ高さの部位に配置することができる。この角度インデックスマーカは、締結部材Fの上面又は下面に配置することができる。
【0039】
ヒンジF13は、初期位置から約90°の角度にわたってタブF11を下方に旋回させることを可能にする。初期位置は、休止位置に対応すると考えると、好ましい位置といえる。したがって、タブF11は、ヒンジF13に変形応力を加えることによって旋回することで、下方に折り畳まれることが可能になる。好ましくは、各タブF11は、この旋回中に変形を受けない。各タブF11がクラウンF3の外壁の延在部において軸方向に折り畳まれる最終組立位置は、ヒンジF13の変形から生じる不安定な位置となり得る。
【0040】
変形例としては、ヒンジF13が2つの安定した極限位置、すなわち初期位置および最終組立位置と、不安定な中間位置とを有する特定のタイプのものとすることができる。言い換えれば、各タブF11は、対応するヒンジに応力を及ぼすことなく、これらの2つの水平および垂直極限位置に留まる。ただし、すべての中間位置が不安定であり、各タブF11は、水平成形位置または垂直取付位置のいずれかに戻る。
【0041】
ヒンジF13はまた、タブF11がそれらの最終組立位置に達するように、タブF11を軸方向にわずかに移動させることを可能にする軸方向変形性を有することができる。
【0042】
図3では、
図1および
図2に記載の締結部材Fが吐出部材Pと一体にされていることが分かる。この吐出部材Pは、ポンプまたはバルブとすることができる。吐出部材Pは、締結部材Fに係合する、より具体的にはその収容ハウジングF4に係合する本体P1を備える。本体P1は、ディップチューブP3を含む。また、吐出部材Pは、本体P1の内部で軸方向に前後に移動可能な作動ロッドP4を備える。作動ロッドP4は、収容ハウジングF4の中央開口部F41を通過している。このような構成は、ポンプまたはバルブについて従来の一般的な特徴である。吐出部材Pは、本発明にとって重要な要素を構成しないので、より詳細には説明しない。また、
図3では、ネックシールJが吐出部材Pの本体P1の周りに配置され、締結部材Fの環状プレートF31上に支持されていることが分かる。
【0043】
締結部材F、吐出部材P、および場合によってはネックシールJも含んで構成されるこのアセンブリは、流体容器のネジ付きネック部に取り付けられる準備ができた状態になっている。
【0044】
図4(a)と
図4(b)は、本発明に係る締結部材Fが容器のネジ付きネック部とどのように係合するかを示す図である。
図4(a)と
図4(b)では、流体容器Rの上部のみが示され、その上部には、1つ以上の外側螺旋ネジR2を画定するネジ付きネック部R1と、環状上縁部R3とが含まれる。この構成は、香料または化粧品の分野における従来の流体容器と全く同じである。容器Rは、例えば、ガラス、プラスチック材料、金属、セラミック等のような任意の適切な材料から作ることができる。
図4(a)と
図4(b)から吐出部材Pは、特にスナップ留めによって、収容ハウジングF4の内側に係合される上部突出カラーP2を備えることが分かる。また、作動ロッドP4の上部が、吐出口を規定する押しボタンBで覆われていることが分かる。締結部材Fは、クラウンF3の周囲に係合されるフープFlによって完成されている。各タブF11は、半径方向外側に向かって平坦に延在し、フープHの下縁は、各ヒンジF13と接触している。フープHは、クラウンF3の周面との摩擦によって保持可能になっている。ネックシールJは、ネック部R1の環状上縁部R3上に配置されている。
図4(a)に示すこの構成では、各タブF11は、ネック部R1の環状上縁部R3の周りに広がっている。ネック部R1の外側ネジR2は、完全に解放されている。ネックシールJは、まだ圧縮されていない。
【0045】
この初期装着位置から、各タブF11は、外部スラスト要素が使用されるか、またはフープHに付勢されるかのいずれかで下方に折り畳まれる。一つの方法または別の方法で、フープHは、各タブF11の周囲に係合して、各タブの内側ネジのセグメントF21を、これに対応するネック部R1の外側ネジR2に密着させる。
図4(b)は、最終組立位置を示している。フープHは、各タブF11の周囲に延在して、フープHの下端が容器Rと接触することさえ可能である。ネックシールJは、環状上縁部R3と環状プレートF31との間で圧縮される。このようにして全て一緒に折り畳まれた各タブF11は、スカートF1を形成する。このスカートF1は、連続的ではなく、逆に分割されている。各ネジセグメントF21が全て一緒になって内側螺旋ネジF2が形成される。内側螺旋ネジF2は、ネック部R1の外側ネジR2と対応するネジ山で密接に係合する状態になる。
図4(b)に示される最終組立位置では、各タブF11は、隣のタブと接触することができ、または逆に、軸方向のスリットによって分離されたままとすることもできる。ネックシールJは、シールを実現するために最適に圧縮されている。
【0046】
対応する2つのネジF2およびR2の最適な噛み合いは、ネックシールJの圧縮、および/またはスカートF1とネック部R1との間の相対的な軸方向移動を可能にするヒンジF13の軸方向弾性を利用することによって得ることができる。好適な変形例では、ネジF2およびR2の最適な噛み合いは、ネック部R1に対して締結部材Fを事前に方向付けることによって得ることができる。この角度の方向付けは、タブF11´、または締結部材Fと同じ高さの部位に設けられた他の任意の角度インデックス手段によって行うことができる。実際には、ネック部Rに対する締結部材Fの最適角度方向は、それぞれのネジF2およびR2の最適な噛み合いとともにネックシールJが最適に平坦化されるように決定または計算される。もちろん、ネックシールJの圧縮および/または各ヒンジF13の軸方向弾性も、ネジ山の最適対応に寄与することができる。
【0047】
図5は、タブF11がとることができる位置を概略的に示した図である。
図1~
図3に示すように、締結部材Fが金型から取り出された最初の状態では、各タブは半径方向外向きに平坦に延びていることが既に分かっている。この初期位置から各タブが折り畳まれて、
図5の実線で表される取付前位置をとることができる。この中間位置は、フープHがヒンジF13を少し越える位置まで下降することで得ることができる。各タブF11は、最終組立位置に対応して、垂直線に対して約0.5°~45°の範囲内の角度で広がることができる。このタブの姿勢は、例えば、振動ボウルでの搬送及び分配にとってより好ましい。変形例では、この中間位置は、ヒンジF13の安定位置とすることができる。
【0048】
このように締結部材Fは、ネジ付きネック部に取り付けることができ、各タブF11は、フープHによって半径方向内側に押し込まれて、クラウンF3の延在部から垂直方向下方に延びる最終組立位置をとることができる。
【0049】
別の取り付け変形例によれば、取付ステーションの一体部分を形成する軸方向スラスト要素を使用することにより、取り付け時に中間位置(垂直線に対して0.5°~45°)に到達することができる。この軸方向スラスト要素は、1つの同一の軸方向下向きの移動の間、まず、各タブF11に直接作用して各タブを中間位置に動かし、次いで、フープHに作用して各タブを最終組立位置に動かすことができる。各タブに対するフープHの唯一の作用は好ましい選択肢であるが、ある場合には、軸方向スラスト要素とフープとを組み合わせた取り付け変形例を実施することができる。
【0050】
図6は、締結部材の実施形態の変形例を示す。この締結部材F1´において、収容ハウジングF4および連続的な上部クラウンF3、ならびに各タブF11は、第1の実施形態と同一または類似であり得る。しかしながら、角度インデックス手段は、ここでは、クラウンF3と同じ高さの部位にある穴F33の形態で示される。したがって、各タブF11をすべて同じにすることができる。各ヒンジF13についても、第1の実施形態と同様とすることができる。主な違いは、各タブF11が壁F14によって接続されているという点にある。これらの壁は非常に薄く、隣り合う2つのタブF11の隣接する縁部を接続する。壁F14は、タブF11が実質的に長方形であり、半径方向に延在しているとすると、台形の形状を有することができる。壁F14は、有利には、タブF11の外縁の位置まで延在し、凹部のない連続的な周縁を形成する。壁F14は、クラウンF13の存する位置まで内側に延びることができるが、好ましくは、隣り合う2つのヒンジF13によって境界付けられた小さな細長い窓F15を形成するように、その手前でその延びが停止する。これらの窓F15は、壁F14をクラウンF3から切り離し、ヒンジF13の機能を妨げないようにする。壁F14は、タブF11の内縁の位置まで内側に延びている。図示されていない変形例では、壁F14は、タブF11の外縁を接続する薄いストリップ又はブレードに限定することができる。したがって、窓F15は大きくなる。これらの壁F14の主な機能は、連続した環状カラーを構成するように各タブF11の間の空間を埋めることであり、これは、特に締結部材同士またはディップチューブを有する締結部材の引っ掛かりのリスクを最小限に抑える。また、壁F14は、各タブがすべて同一の振る舞いをするように、各タブF11間にリンクを作成することを可能にする。実際、各壁F14により、各タブF11は、すべて初期位置にあるか、またはすべて最終組立位置にある。壁F14は、タブF11の下方への折り畳みを妨げないように、十分に薄く、可撓性を有する。それらは、過度の応力なしに変形および/または折り目を形成する。壁F14は、好ましくは、ネジF2およびR2の噛み合いを妨げないように、タブF11の外壁面と同じ高さ位置に形成される。
【0051】
本発明の締結部材のおかげで、吐出部材Pを、回転要素を全く含まない移動の間に、容器Fのネジ付きネック部R1に取り付けることができる。スカートF1の各タブF11は、ネジ付きネック部R1の周りに、ネジ込み運動なしに単に折り畳まれる。フープHは、各タブF11を折り畳まれた構成に保ち、内側ネジF2を有する円筒形スカートF1を形成する。フープHは、また、それぞれのネジF2およびR2の、密接に対応する噛み合いにも寄与する。この取り付け作業が終了すると、ユーザは、ディスペンサの容器が空になるまでディスペンサを使用することができる。各タブF11が平坦になる姿勢で成形されており、強制的なピンの突き出しなしに離型できるので、内側ネジF2が非常に良好な品質であることを考えると、ユーザは、完全に従来の方法で問題なく、締結部材のネジ外しをすることができる。また、ネジF2が突出しており正確であるため、締結部材の再締め付けも非常に容易になるであろう。
【0052】
図示されていない別の実施形態によれば、容器は、大径のネジ付きネック部を規定するポットであってもよい。このネジ付きネック部には、本発明に係る締結部材とフープとを一体化することによって構成されるネジ付きストッパまたはキャップが取り付けられる。この場合、締結部材は、収容ハウジングを有さず、フープは、締結部材を完全に覆うカバーの形態で示すことができる。
【0053】
これがポンプボトル、アプリケータ型収集装置またはキャップ付きポットであっても、締結部材は、容器のネジ付きネック部を閉じる閉鎖要素の一体部分を形成する。締結部材は、最初は回転要素なしでネジ付きネック部に取り付けられているが、その後、ネジを外すことができ、その後、再締め付けすることができる。ネジ外し/再締め付け操作は、耐久性の範囲で、再び流体容器を充填できること、またはキャップまたはアプリケータを取り外すことによって、容器内の流体製品にアクセスできることを目的とすることができる。キャップを取り外すことにより、容器と一体のアプリケータにアクセスすることもできる。
【0054】
上記では、締結部材Fが7つのタブF1を含む実施形態により本発明を説明した。本発明の範囲から逸脱することなく、本発明に係る締結部材はまた、3つのタブのみ、2つのタブでさえ、または逆に7つより多いタブを備えることが想像され得る。各タブF11の平坦な姿勢での成形が好ましいが、タブF11が最終取付位置に対して、5°~45°の範囲内の角度を形成する配置で成形される締結部材を考慮することも可能である。フープHは、ここでは、目に見える外部要素を形成するものとして示されているが、ディスペンサの内部要素によって形成することもできる。各図に示す容器Rは、直径が小さくなったネジ付きネック部を有するボトルである。
【0055】
任意に、必要であれば、
図4(b)に示す最終組立位置に至った後、締結部材Fに最終ネジ締めトルクを加えて、各タブの内側螺旋ネジ山のセグメントとネック部の外側螺旋ネジ山との最適な噛み合いを保証することができる。これは、締結部材をネック部にネジ込むことに関係するものではなく、単に噛み合いの品質を確保することに関するものであり、ほとんどの場合、最終ネジ締めトルクによって、ネジの動きは生じない。
【0056】
上記で定義した取り付け方法を実施するために、以下を含む取り付け設備または取り付けステーションを使用することができる。すなわち、ネック部R1上に締結部材Fを載置する載置手段と、ネック部R1上で締結部材Fの角度方向付けを行って、最終組立位置において対応する密接なネジ係合を確実にさせる角度方向付け手段と、スカートF1の周りにフープHを係合させて、各タブF11の内側螺旋ネジF2のセグメントF21と、対応するネック部R1の外側螺旋ネジR2とに密接なネジ係合をもたらす軸方向スラスト手段とを含む。軸方向スラスト手段は、フープにのみ直接作用することができ、または変形例としては、まず各タブに作用し、次にフープに作用して、各タブをそれらの初期位置から、有利には平坦な姿勢から、それらの最終組立位置になるまで旋回させることができる。
【0057】
取り付けステーションは、ネック部から出ているネジ山を識別することができる。この操作は、機械的または光学的に行われ、載置されるポンプの最適な角度方向を規定するために、ポンプの載置前に、各ボトル上の基準点に対するネジ山の高さを識別することができる。
【0058】
ボトルのネック部へのポンプの載置は、重力により、ポンプを押すことなく行うことができる。ポンプは組み立てステーションまでネック部に密着したままである。
【0059】
取り付けステーションは、締結部材の位置を識別することができる。この操作は、ポンプがネック部上に載置されると、その上から機械的または光学的に、最短のインサートであるタブ、またはより一般的にはポカヨケ(poka-yoke)またはインデックスとして機能し得るインサートの任意の幾何学的要素および/または色を識別することにより保証され得る。
【0060】
取り付けステーションは、ネック部に対するポンプの角度方向を変えることができる。ここでは、ポンプがボトルのネック部上に置かれると、ボトルのネジ付き入り口に対してポンプを最適な位置に配置するために、低慣性の角度運動が行われる。
【0061】
次に、取り付けステーションは、各タブの折り畳みとロックに進むことができる。フープHの降下ツールは、シャットオフ(shut-off)ポンプのものに非常に近い。降下ツールは、各タブを押し、それからフープの上部を押すことにより、軸方向の下向きの力を発揮する。この力は、各タブが可撓性ヒンジF13と同じ高さ位置である0°の位置から90°の位置までネック部のネジ山R2に向かって傾動して前閉鎖を行うことと、次にフープHの完全な降下でスカートF1の各タブF11をロックすることの2段階の動作を行わせる。
【0062】
取り付けステーションは、ネジ締め/締め付けトルクを任意に調整することができる。取り付けの最後に、ネックシールJの最適な圧縮とユーザにとって許容できるネジを緩めるトルクとを保証するために、(フープHを介して)締結部材に低慣性でわずかなトルクを加えることを考慮することが可能である。
【0063】
本発明により、迅速なオンライン取付け、および定性的なネジ外し/再締め付けの両方が保証され、シール性を維持したままで、ユーザが流体製品を再充填できるようになる。これを行うために、インサートされる各タブは、離型およびネジセグメントの形状の精度を容易にするために、平坦な形状で射出成形されることが好ましい。この点は、取り付け、ネジ外しおよび再締め付けの操作中にインサートのネジ山が徐々に変形することを大幅に制限することによって、ネック部のネジ山に対するインサートのネジ山の良好な適合性および噛み合いを確保するのに有利である。工業的方法は、機械的および/または光学的マーキングによって、スカートのネジ山とネック部のネジ山との間の完全な角度方向付け(indexing)を保証する。この方向付けの精度は、ポンプをボトルにしっかりと固定すること、ポンプの良好なネジ外しと再締め付け、およびボトル上のポンプのシールを確実にするためのネックシールの圧縮の制御を保証する。
【国際調査報告】