(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-27
(54)【発明の名称】シールテスター装置及び方法
(51)【国際特許分類】
G01M 3/26 20060101AFI20220620BHJP
G01M 3/36 20060101ALI20220620BHJP
G01M 3/38 20060101ALI20220620BHJP
【FI】
G01M3/26 H
G01M3/36
G01M3/38 H
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021562851
(86)(22)【出願日】2020-04-21
(85)【翻訳文提出日】2021-11-18
(86)【国際出願番号】 EP2020061089
(87)【国際公開番号】W WO2020216742
(87)【国際公開日】2020-10-29
(32)【優先日】2019-04-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521459956
【氏名又は名称】スナック エンジニアリング リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キャンベル、トレヴァー
(72)【発明者】
【氏名】キャンベル、ジョシュア
【テーマコード(参考)】
2G067
【Fターム(参考)】
2G067AA47
2G067BB17
2G067BB25
2G067BB30
2G067BB31
2G067BB36
2G067CC04
2G067DD06
2G067DD14
(57)【要約】
本発明は、パッケージの完全性をテストする装置及び方法を提供する。この装置は、第1の位置におけるパッケージの第1の体積を検出する第1の体積検出手段と、第1の位置から第1の位置の下流の第2の位置へとパッケージを移動させる搬送手段と、パッケージに対して圧縮力を与える圧縮手段と、第2の位置におけるパッケージの第2の体積を検出する第2の体積検出手段と、パッケージの体積の変化に基づいてパッケージの完全性を判定する判定手段と、判定手段によって完全性が損なわれていると判定されたパッケージを除去する拒絶手段とを備え、判定手段は、各体積検出手段のそれぞれと電気信号通信を行い、判定手段は、拒絶手段と電気信号通信を行い、圧縮手段は、搬送手段の一部の上方に位置し、各体積検出手段はそれぞれ、パッケージの画像を生成する2つのカメラ、又は、1つのTime-of-Flightカメラを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パッケージの完全性をテストする装置であって、
第1の位置における前記パッケージの第1の体積を検出する第1の体積検出手段と、
前記第1の位置から前記第1の位置の下流の第2の位置へと前記パッケージを移動させる搬送手段と、
前記パッケージに対して圧縮力を与える圧縮手段と、
前記第2の位置における前記パッケージの第2の体積を検出する第2の体積検出手段と、
前記パッケージの体積の変化に基づいて前記パッケージの完全性を判定する判定手段と、
前記判定手段によって完全性が損なわれていると判定されたパッケージを除去する拒絶手段と、を備え、
前記判定手段が、各体積検出手段とそれぞれ電気信号通信を行い、
前記判定手段が、前記拒絶手段と電気信号通信を行い、
前記圧縮手段が、前記搬送手段の一部の上方に位置し、
各体積検出手段がそれぞれ、前記パッケージの立体画像を生成する2つのカメラ、又は、1つのTime-of-Flightカメラを備える、装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置であって、
各体積検出手段がそれぞれ、前記パッケージの立体画像を生成する2つのモノクロカメラを備える、装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の装置であって、
前記判定手段が、前記第1の位置のパッケージの体積と、前記第2の位置の前記パッケージの体積とを比較するコンピュータなどの処理システムを備える、装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載の装置であって、
前記圧縮手段が、ベルトの内面に接する1以上の圧縮モジュールをもつベルトコンベヤを備え、
各圧縮モジュールが、好ましくは、ロータリアクチュエータに取り付けられた2つの回転可能な圧縮ローラを備える、装置。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載の装置であって、
前記圧縮手段が与える前記圧縮力が、下方に突き出る力である、装置。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載の装置であって、
前記圧縮手段が、前記判定手段と電気信号通信を行い、
前記圧縮手段が与える前記圧縮力が、可変である、装置。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項に記載の装置であって、
前記搬送手段が、搬送中のパッケージの位置を前記搬送手段上で移動させないようになっている、装置。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載の装置であって、
前記圧縮手段及び前記搬送手段のそれぞれが、ベルトコンベヤを備え、
前記搬送手段のベルトと前記圧縮手段のベルトとが、逆方向に回転し、
好ましくは、前記圧縮手段のベルトが、より短い上方のベルトであり、前記搬送手段のベルトが、より長い逆方向に回転する下方のベルトであり、及び/又は
任意選択で、前記装置が、一方のベルトの他方のベルトに対する高さを調整する調整手段を更に備える、装置。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載の装置であって、
前記拒絶手段が、空気を吹き付けるようになっているノズルを備える、装置。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載の装置であって、
前記第1の位置よりも上流に、各パッケージが前記第1の位置に到達する前に前記パッケージの下の空気の塊を除去することにより前記パッケージが平坦になるようにする前処理システムを更に備える装置。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか一項に記載の装置であって、
前記圧縮手段で前記パッケージに対してどの程度の力を加えるかを確認するために、前記判定手段が、上流の袋詰め機と電気信号通信を行い、パッケージサイズ情報を得る、装置。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか一項に記載の装置であって、
前記第1の位置の上流にあり、前記判定手段と電気信号通信を行って、前記パッケージが前記搬送手段上にあるときの補足情報を収集する例えばカメラである識別手段を更に備える装置。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか一項に記載の装置であって、
焦点を合わせる対象を前記体積検出手段に与える投影手段を更に備える装置。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか一項に記載の装置であって、
前記第1の体積検出手段と電気信号通信を行う第1の作動手段と、前記第2の体積検出手段と電気信号通信を行う第2の作動手段と、を更に備える装置。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか一項に記載の装置を用いてパッケージの完全性をテストする方法であって、
a)第1の体積検出手段を用いて、第1の位置における前記パッケージの第1の体積を検出するステップと、
b)搬送手段を用いて、前記第1の位置から前記第1の位置の下流の第2の位置へと前記パッケージを移動させるステップと、
c)前記第1の位置及び前記第2の位置の間の圧縮手段を用いて、前記パッケージに対して可変の圧縮力を与えるステップと、
d)第2の体積検出手段を用いて、前記第2の位置における前記パッケージの第2の体積を検出するステップと、
e)判定手段を用いて、前記パッケージの体積の変化に基づいて前記パッケージの完全性を判定するステップと、
f)前記パッケージが前記判定手段によって完全性に欠けていると判定された場合、すなわち、前記第2の位置における前記パッケージの体積が前記第1の位置における体積より所定量下回ると検出された場合、拒絶手段を用いて、前記装置から更に下流にパッケージを除去するステップと、を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シール点検の分野に関し、特に、食品産業で用いられる袋などのパッケージの完全性をテストする装置に関する。本発明は更に、そのようなパッケージの完全性をテストする方法に関する。
【背景技術】
【0002】
食品産業における袋は、一般的に、上シール部、底シール部、及び鉛直の背シール部を有し、通常、箔やフィルムで作られている。このような袋は、一般的に、縦型充填製袋機や横型フロー包装機を用いて作られる。
【0003】
食品産業で用いられるパッケージは、酸素を除去してパッケージに入った食品の保存可能期間を延ばすために、シール時に窒素などのガスで置換(フラッシュ)することが増えてきている。そのような技術を使用する一般的な産業には、食肉、野菜サラダパック、そして特にポテトチップスやスナックを扱うものが含まれる。酸素バリアの完全性は、食品がパッケージとして期待される保存可能期間にかなうようにする上で最重要であり、小さなリークでさえ、商品の品質問題につながる可能性がある。
【0004】
市場の最近の別の成長として、自動ケース詰め機の導入がある。この機械は、製袋機の下流でコンベイヤから袋を取り、これらの袋を箱に詰めてから、自動で箱を封かんする。この新しい自動ケース詰めシステムでは、人の手で袋を箱に詰める前に行われていた人による点検がなくなっているため、不良品の袋が詰められてしまうことがかなり多くなった。
【0005】
下流で使用される現在の完全性テストシステムは、現代のほとんどの製袋機及び充填機の動作スピードでは、おおよそ3mm以上のサイズのリークしか検出できない。つまり、(例えば不適切な段取り替えやシール部に商品が挟まったことにより)パンク穴が開いた袋は、客がその商品を購入するまで検出されず、その頃には袋は完全にしぼんでしまっているかもしれない。
【0006】
株式会社イシダの特許文献1に開示される装置などの、パッケージのシールの完全性をテストする現在のパッケージ処理システムは、パッケージの高さを検出する高さ検出部と、テスト部であって、テスト部がパッケージに接触したときの時間に応じたテスト部の位置に基づいてシール部の完全性を判定するテスト部と、検出された高さに基づいてテスト部をパッケージとの初期接触位置に移動させる移動部とを備える。この従来の装置では、テスト部は、パッケージに接触するテストヘッドを含み、移動部は、テストヘッドを駆動するサーボモータと、サーボモータとテストヘッドとを連結させるボールねじとを含む。
【0007】
従来のシステムでは、2つの走行するベルトの間にパッケージを挟圧させ、2つのベルトの間の初期の高さを測定して、パッケージの高さを確かめる。袋がベルトに沿って進む間、サーボ/エンコーダ対によってベルト間の距離が連続的に測定される。テスト対象の袋の高さがある割合で減少したことが分かると、その袋は、その下流で拒絶される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
現在市場に出ているシステムには、いくつかの根本的な欠陥がある。例えば、現在のシステムの精度は、ポテトチップスの袋を120袋/分で走行させたとき、3mm前後である。これは、現代の製袋機が高速化していることと、機械的作用を用いた袋の高さ測定で測定できることには物理的制約があることとが原因である。これから数年間の製袋機は、200袋/分までの出力を期待する製造業者がいる中、新世代の設計に入ることになる。本発明者らは、既知の技術では、このような期待された速度で精度良い動作はできないだろうという意見である。
【0010】
さらに、現在のシールテストシステムは、機械の複雑性及びメンテナンスコストが非常に高い。
【0011】
そこで、本発明は、上記の不利な点を軽減する、及び/又は、適切な代替手段を提供する、食品産業で用いられる袋などのパッケージの完全性をテストする装置を提供することを目的とする。
【0012】
本発明は更に、上記の不利な点を軽減する、及び/又は、適切な代替手段を提供する、食品産業で用いられる袋などのパッケージの完全性をテストする方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係る第1の態様においては、パッケージの完全性をテストする装置を提供する。この装置は、第1の位置におけるパッケージの第1の体積を検出する第1の体積検出手段と、第1の位置から第1の位置の下流の第2の位置へとパッケージを移動させる搬送手段と、パッケージに対して圧縮力を与える圧縮手段と、第2の位置におけるパッケージの第2の体積を検出する第2の体積検出手段と、パッケージの体積の変化に基づいてパッケージの完全性を判定する判定手段と、判定手段によって完全性が損なわれていると判定されたパッケージを除去する拒絶手段とを備え、判定手段は、各体積検出手段のそれぞれと電気信号通信を行い、判定手段は、拒絶手段と電気信号通信を行い、圧縮手段は、搬送手段の一部の上方に位置し、各体積検出手段はそれぞれ、パッケージの立体画像を生成する2つのカメラ、又は、1つのTime-of-Flightカメラ、すなわち、光を放出し、その光がパッケージからカメラに戻ってくるのにかかる時間を記録するカメラを備える。
【0014】
これにより、本発明に係る装置は、パッケージと装置との接触を最小限にして、ポテトチップスの袋などのパッケージの正確な体積を測定する。
【0015】
特に好適な実施形態において、各体積検出手段は、パッケージの立体画像を生成する2つのモノクロカメラを備える。
【0016】
本発明に係る装置では、パッケージの体積の測定値を得るのに、パッケージとの物理的相互作用を必要としない。これは、例えば軸受やモータなどの移動する部品が、従来のシステムに比べてかなり少なくなることを意味し、運転コストの減少及びメンテナンスのためのダウンタイムの減少につながる。
【0017】
パッケージが第1の位置及び第2の位置の間を進むとき、圧縮手段によって、好ましくは下方に突き出る力を用いて、適量の圧力がパッケージに加えられ、パッケージに空気漏れがない場合、すなわち、全てのシール部が損なわれておらず穴が開いていない場合、パッケージは、その体積が変化していない状態で第2の位置に進むことになる。一方、例えば、装置の上流で、フィルムの欠陥、不適切な袋詰め機のセットアップ、又はパッケージが袋詰め機で落下した際に商品がパッケージに突き刺さったことなどにより、いずれかのシール部が損なわれている、又は、パッケージにパンク穴がある場合、圧縮手段は、そのシール部の穴などのパンク穴から空気を押し出すことになり、これによりパッケージの体積が減少する。
【0018】
判定手段は、好ましくは、第1の位置のパッケージの体積と、第2の位置のパッケージの体積とを比較するコンピュータなどの処理システムを備える。
【0019】
テスト対象のパッケージは、少なくとも1つのシール部、一般的には上シール部、底シール部、及び上シール部から底シール部に延在する背シール部の3つのシール部を有することが好ましい。ただし、これに限定されるものではなく、クアドロシールパッケージなどの、例えば6つといったより多くのシール部をもつパッケージや、シール部がないパッケージのテストに本発明の装置を用いてもよい。
【0020】
テスト対象のパッケージは、金属化された箔やプラスチックフィルムなどの箔やフィルムで作られていてもよい。代わりに、テスト対象のパッケージは、ワックスペーパーで作られていてもよい。
【0021】
テスト対象のパッケージは、任意選択でピロー形状の、ガスが充填された可撓性パッケージであることが好ましい。適切なパッケージとしては、野菜サラダの袋やポテトチップスのパック、また、化粧品、ウェットティッシュ、ドライフルーツ、ナッツ、及び/又はスナック用のパッケージが含まれる。ただし、決してこのリストに限定されるものではなく、圧縮手段でパッケージに圧力を加えても圧縮により空気が除去されないほどにパッケージ内の商品がきっちりとパックされているものでなければ、本発明が提供する装置によりその他の種類のパッケージの完全性をテストしうる。
【0022】
さらに、又は代わりに、各パッケージには、パッケージサイズ情報を含んだバーコードが設けられ、装置は、例えば第1の位置を通過する際にこのバーコードをスキャンする手段を更に備える。この手段は、判定手段と電気信号通信を行う。パッケージが完全に平坦である場合には、押圧されても圧縮されず体積の減少が検出されないため、そのようなパッケージが拒絶されるようにするために、適切なパッケージサイズ情報には、最小パッケージサイズ及び最大パッケージサイズと、商品の種類に関する情報とが含まれることが好ましい。この情報は、判定手段による圧縮手段が加える力の量の制御に用いることが好ましい。
【0023】
装置は、複数のパッケージの完全性をテストすることが好ましい。この実施形態において、パッケージが次々と装置に渡され、第1の体積検出が各パッケージの体積を個別に検出し、搬送手段が個々の複数のパッケージを第2の位置に搬送し、第2の体積検出が、各パッケージの体積を個別に検出する。
【0024】
複数のパッケージが搬送手段により移動させられ、どの時点においても圧縮手段により圧縮されるように、圧縮手段が加える力は、搬送手段に沿った複数の点にわたって分散されていることが好ましい。
【0025】
圧縮手段は、ベルトの内面に接する1以上の、特に好ましくは複数の圧縮モジュールをもつベルトコンベヤを備えるのが好ましい。
【0026】
1以上の圧縮モジュールはそれぞれ、ロータリアクチュエータに取り付けられた1以上、好ましくは2つの回転可能な圧縮ローラを備える。
【0027】
1以上の圧縮ローラの表面は、滑らかではないことが好ましく、1以上の圧縮ローラの表面に、横に延在する突起や隆起が設けられていることが特に好ましい。
【0028】
1以上のアクチュエータは、判定手段と電気信号通信を行うことが好ましい。1以上の圧縮モジュールによってベルトの内面に加えられる力の量は、例えば1以上のアクチュエータに送る圧力を変化させることにより、可変であることが好ましい。
【0029】
代わりに、装置は、例えば一方のベルトの他方のベルトに対する高さを調整してベルト間の距離を調整する1以上の空気圧シリンダなどの調整部材を更に備える。これにより、異なるパッケージサイズに対応することと、パッケージ対して加える圧力を可変とすることとができる。この実施形態において、調整手段は、判定手段と電気信号通信を行うことが好ましい。この実施形態において、装置に新しいサイズのパッケージと通すときに、操作者の介入を必要としない。
【0030】
搬送手段は、搬送中のパッケージの位置を搬送手段上で移動させないようになっていることが好ましい。例えば、搬送手段の表面には、隆起した三角形状などの複数の突起が設けられて、パッケージと搬送手段との間の接触面積を減少させ、グリップを最適化するように接触圧を高めるようにしてもよい。
【0031】
搬送手段は、ベルトコンベヤを備えるのが好ましい。この実施形態において、ベルトの表面は中実である、つまり、搬送手段は閉曲面を有するのが好ましく、任意選択で、パッケージの位置が搬送中に搬送手段上で移動しないように、ゴム状のグリップが設けられている。
【0032】
好適な実施形態において、搬送手段のベルトと圧縮手段のベルトとは、逆方向に回転し、好ましくは、圧縮手段のベルトは、より短い上方のベルトであり、圧縮手段のベルトは、より長い、逆方向に回転する下方のベルトである。
【0033】
搬送手段のベルトは、ランブリング(Rumbling)コンベヤであることが好ましい。
【0034】
圧縮手段には、損なわれたパッケージが圧縮されたときに、そのパッケージから排出される空気を逃すために、複数の開口が設けられていることが好ましい。また、搬送手段のベルトは、丸いスタッドなどの突起が設けられて、パッケージが搬送中に搬送手段上で動き回らないようにすることが好ましい。
【0035】
さらに、又は代わりに、各ベルトはそれぞれ、モジュラー型であってもよいし、連続していてもよい。
【0036】
搬送手段は、約250mm~約1.5mの長さであることが好ましく、約500mm~約750mmであることが特に好ましく、例えば約1.2mである。搬送手段が従来のシステムより長いため、同等の空気量をパッケージから排出させるために圧縮手段が加える圧力は、より小さくて済む。その結果、従来のシステムに比べて、本発明のテスト装置及びプロセスを用いると、商品に対するダメージが低減する。
【0037】
圧縮手段の対角線の距離は、約~約1480mmなどの範囲内であることが好ましい。
【0038】
搬送手段は、長さが例えば約3mであり、圧縮手段よりも長いことが好ましい。ただし、これに限定されるものではなく、その他の長さも本発明の範囲内である。
【0039】
搬送手段は、インバータ駆動される、或いは、エンコーダが設けられるのが好ましい。
【0040】
拒絶手段は、例えば空気圧によって空気を吹き付けるようになっているノズルを備えるのが好ましい。
【0041】
好適な実施形態において、装置は、第1及び/又は第2の体積検出手段にパッケージの接近を通知するために、体積検出手段と電気信号通信を行う1以上の作動手段を更に備える。特に好ましくは、装置は、第1の体積検出手段と電気信号通信を行う1つの作動手段と、第2の体積検出手段と電気信号通信を行う第2の作動手段とを更に備える。
【0042】
1以上の作動手段は、通知する体積検出手段の下流にあることが好ましい。これは、体積検出手段が検出する領域、例えばカメラが撮像する領域が、パッケージの作動領域を包含するからである。これにより、タイマーで例えばカメラのシャッターを起動するよう伝える必要がなくなる。
【0043】
特に好適な実施形態において、第1の体積検出手段は、1つ又は2つのカメラを備え、第1の作動手段が、この1以上のカメラに直接的に有線接続される。この結果として、作動手段がパッケージの先端を確認してすぐに、1以上のカメラが撮像を行う。これは、パッケージの長さがどのくらいであっても、パッケージの全体がカメラの領域内に入ることになることを意味する。
【0044】
代わりに、又はさらに、第2の体積検出手段は、1つ又は2つのカメラを備え、第2の作動手段が、この1以上のカメラに直接的に有線接続される。
【0045】
好ましくは、各作動手段は、それぞれ、放射を放出する放出部と、放出された放射を検出する放射検出部と、検出された放射に基づいてパッケージの位置を判定するプロセッサとを備え、放射は、レーザ光であることが特に好ましい。
【0046】
この実施形態において、各作動手段はそれぞれ、内部タイマーを開始させるゲートとして働く。放出された放射を受けたときにプロセッサが体積検出手段に対してパッケージ撮像タイミングを指示できるように、搬送手段の移動速度と、ゲートから体積検出手段までの距離とに関する情報をプロセッサに与えるのが好ましい。
【0047】
放射を放出する放出部と、放出された放射を検出する放射検出部とは、2つの別体の送信機/受信機モジュールであってもよく、一方のモジュールが永久的に放射を放出して、他方のモジュールがその放射を受けなくなると、プロセッサは、パッケージが通過したことが分かる。
【0048】
代わりに、放射を放出する放出部と、放出された放射を検出する放射検出部とは、単体の送信機/受信機モジュールであってもよい。この実施形態において、モジュールが反射を受けると、プロセッサは、パッケージがモジュールの前方にあることが分かる。
【0049】
代わりに、又はさらに、装置は、第1の位置よりも上流に、各パッケージが第1の位置に到達する前にパッケージの下の空気の塊を除去することにより各パッケージが平坦になるようにする回転可能なブラシなどの前処理システムを更に備える。前処理システムは、好ましくはモータで駆動され、例えば、モータ駆動の回転可能ブラシである。
【0050】
装置は、上流の縦型充填製袋機や横型フロー包装機などの袋詰め機から1又は複数のテスト対象パッケージを受け取ることが好ましい。この実施形態において、装置は、圧縮手段でパッケージに対してどのくらいの力を加えるかを確認するために、上流の袋詰め機と電気信号通信を行ってパッケージサイズ情報を得る。
【0051】
これよりは好適ではない別の実施形態において、第1の位置において袋の体積を測定する際、圧縮手段は、その体積について所定の力を加える。これがさほど好適ではないのは、2つのパッケージで、体積が同じでも内容及び/又は包装密度が異なる場合があり、この場合、異なる圧縮量が必要となるという点からである。
【0052】
好適な実施形態において、装置は、第1の位置の上流に、判定手段と電気信号通信を行って、パッケージが搬送手段上にある間に補足情報を収集する例えばカメラである識別手段を更に備える。補足情報に含まれうるのは、圧縮手段ベルト高さやその他のパラメータ設定のためのパッケージ寸法などのパッケージ型情報と、プリンタがパッケージに賞味期限を印字できたか否かに関する情報と、バーコードデータと、正しいパッケージ型が使用されているという確認(チーズ&オニオンではなくソルト&ビネガーとラベルされているなど)と、所定時間内のパッケージの体積平均と、所定時間内に体積検出手段を通過したパッケージの数などのうちの1以上である。
【0053】
代わりに、第1及び/又は第2の体積検出手段が、そのような補足情報の収集に用いられる。
【0054】
このような補足情報は、本発明の装置にパッケージを渡す袋詰め機などのパッケージ充填シール装置が、パッケージ内の空気が適正な量になるようにセットアップされているか否かを判定するのに使用しうるため、操作者の役に立つものである。
【0055】
パッケージのラベルなどの補足情報を拒絶手段と組み合わせて使用して、誤ってラベル付けされたパッケージを拒絶するようにしてもよい。
【0056】
ベルトの内面に対して1以上の圧縮モジュールが加える力の量は、1以上のアクチュエータに送る圧力を変化させることなどにより、可変とすることが好ましい。この圧力は、操作者が設定してもよい。さらに、又は代わりに、この圧力は、例えば処理システムが制御する自動パラメータ設定システムに含まれていてもよい。
【0057】
好適な実施形態において、装置は、焦点を合わせる対象を体積検出手段に与える投影手段を更に備える。投影手段は、テスト対象のパッケージに対して線又は点のマトリクスを与えるレーザなどの放射手段を備えることが好ましい。
【0058】
本発明の別の態様において、本明細書に定義される装置を用いてパッケージの完全性をテストする方法を提供する。この方法は、
a)第1の体積検出手段を用いて、第1の位置におけるパッケージの第1の体積を検出するステップと、
b)搬送手段を用いて、第1の位置から第1の位置の下流の第2の位置へとパッケージを移動させるステップと、
c)第1の位置及び第2の位置の間の圧縮手段を用いて、パッケージに対して可変の圧縮力を与えるステップと、
d)第2の体積検出手段を用いて、第2の位置におけるパッケージの第2の体積を検出するステップと、
e)判定手段を用いて、パッケージの体積の変化に基づいてパッケージの完全性を判定するステップと、
f)パッケージが判定手段によって完全性に欠けていると判定された場合、すなわち、第2の位置におけるパッケージの体積が第1の位置における体積より所定量下回ると検出された場合、拒絶手段を用いて、このパッケージを装置から更に下流に除去するステップと、を含む。
【0059】
第1の位置におけるパッケージの第1の体積は、そのパッケージの基準体積となる。
【0060】
第1の位置における体積を下回る所定量は、ユーザが決定する割合であることが好ましく、例えば、第2の位置におけるパッケージの体積が第1の位置における体積よりも約10%~約20%の範囲内で下回ると検出された場合である。
【0061】
好適な実施形態において、上記方法は、
袋詰め機から上記の装置にパッケージを渡すステップであって、任意選択で、例えば直接的に又は袋詰め機の傾斜ベルトから搬送手段上にパッケージを落下させるステップと、
・好ましくはパッケージがその下を走行する回転ブラシを用いて、あるいは、搬送手段上、例えば搬送手段の下方ベルト上の振動手段やその他の干渉手段を用いて、パッケージを前処理するステップと、
・パッケージの位置を整えて正しい向きで第1の体積検出手段に渡すために、パッケージを1組のガイドの中を走行させるステップと、
・作動手段を用いて、パッケージの接近を体積検出手段に通知するステップと、
・第1の位置におけるパッケージの体積が、ある期待される体積を下回ると検出された場合、そのパッケージは完全に破裂していて、第2の位置において体積の減少が見られない可能性があるため、そのパッケージを装置から除去するステップと、
・パッケージの位置を整えて正しい向きで第2の体積検出手段に渡すために、パッケージを1組のガイドの中を走行させるステップと、
のうちの1以上のステップを任意選択で含む。
【0062】
体積の測定は、パッケージが圧縮手段に入る前には行う必要はない。好適な実施形態において、圧縮手段は、パッケージが圧縮手段を通過する間に1又は複数のカメラなどの体積検出手段が測定を行うことができるように、透過性のベルトを備える。
【0063】
使用中、2つの体積検出手段は、好ましくは、全く同じように実行される。特に好適な実施形態において、第1体積検出手段のカメラは、例えばレーザ光ゲートによって作動し、パッケージの撮像開始の準備をする。そして、パッケージは、搬送手段、例えば下方ベルトと共に進み、レーザによってパッケージに投影される線又は点のマトリクスに到達する。すると、第1の体積検出手段のカメラは、マトリクスを含んだパッケージの画像を2枚撮影し、これらの画像を合成して立体画像を生成する。処理システムは、この立体画像を取り、線又は点の自然な状態からの変形度合いを評価する。このマトリクスの変形は、パッケージの体積を評価するのに用いられる。第1の位置におけるパッケージが評価されると、この情報が保存され、処理システムは、搬送手段が圧縮手段に対してどこにあるかを追跡する。パッケージが第2の作動手段を通過すると、第2の位置において、第2の体積検出手段で上記が繰り返される。
【0064】
以下の添付の図面を参照して、本発明のいくつかの好適な実施形態をほんの一例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【
図1】
図1は、パッケージの完全性をテストする本発明に係る好適な装置の概略図を示す。
【
図2】
図2は、本発明に係る装置と共に用いる好適な圧縮モジュールの平面図を示す。
【
図3】
図3は、
図2の好適な圧縮モジュールを上から見た斜視図を示す。
【
図4】
図4は、パッケージの完全性をテストする本発明に係る別の好適な装置の断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0066】
図面を参照して、本発明のさまざまな実施形態を詳細に説明する。いくつかの図面を通して、同様の部分やアセンブリは、同様の符号で表す。
【0067】
図面、特に
図1を参照すると、パッケージPの完全性をテストする本発明に係る好適な装置が示されている。この装置は、概して符号100で表され、第1の位置111のパッケージPにマトリクスを投影するレーザ15と、第1の位置111のパッケージPの第1の体積を検出する2つのカメラ11,12と、パッケージPの接近をカメラ11,12に通知するために放出部及び受信部を含むレーザ光ゲート10と、第1の位置111から第1の位置111の下流の第2の位置122へとパッケージPを移動させる下方ベルト131と、パッケージPが上方ベルト132と131の間を移動する間に上方ベルト132を介してパッケージPに可変圧縮力を与える圧縮モジュール140と、第2の位置122のパッケージPにマトリクスを投影するレーザ16と、第2の位置122のパッケージPの第2の体積を検出する2つのカメラ13,14と、パッケージPの接近をカメラ13,14に通知するレーザ光ゲート20と、体積の変化の有無に基づいてパッケージPの完全性を判定する処理システム(不図示)と、拒絶ノズル160と、拒絶容器170とを備える。
【0068】
図1及び
図4に示すように、上方ベルト132は、下方ベルト131より短い。図面からは分からないが、上方ベルト132は、下方ベルト131とは逆方向に回転している。
【0069】
レーザ15,16は、それぞれ、カメラ11,12及びカメラ13,14が焦点を合わせる対象を与えるために、線又は点のマトリクスをパッケージPに与える。
【0070】
カメラ11,12は、第1の位置111におけるパッケージPの立体画像を生成する。
【0071】
カメラ13,14は、第2の位置122におけるパッケージPの立体画像を生成する。
【0072】
カメラ11,12,13,14、レーザ光ゲート10,20、及び拒絶ノズル160のそれぞれは、コンピュータなどの処理システムと電気信号通信を行う。
【0073】
処理システムは、第1の位置111でカメラ11,12が撮影した立体画像と、第2の位置122でカメラ13,14が撮影した立体画像とを比較して、パッケージPの体積が圧縮により減少したか否かを評価する。
【0074】
処理システムによってパッケージPの完全性が損なわれていると判定された場合、拒絶ノズル160は、空気圧によって空気を吹き付けてパッケージPを下方ベルト131から除去して拒絶容器170に入れる。
【0075】
上方ベルト132は、空気漏れしているパッケージPが圧縮モジュール140によって圧縮された際に空気が逃げるように開口(不図示)が設けられた可塑性でモジュール型のベルトである。上方ベルト132には更に、外側に突出する丸いスタッド(不図示)が設けられており、圧縮モジュール140の下をパッケージPが下方ベルト131によって搬送されているときにパッケージPが動き回らないようになっている。
【0076】
図3から分かるように、圧縮モジュール140は、空気圧シリンダ(不図示)によって駆動されるローラアセンブリ240の一部である。ローラアセンブリ240は、上方ベルト132を下方向に押圧して所要の力を加える。レギュレータでシリンダのストローク長を制御することにより調整がなされてもよい。
【0077】
図2に示すように、各圧縮モジュール140は、ロータリ空気圧式アクチュエータ141と、90度に曲がった第1のシャフト142と、シャフト142を旋回可能に保持する2つのフランジ状軸受143,144と、上方ベルト132の移動に伴って回転する第2のシャフト145と、シャフト145を回転させるハンガー軸受146と、ベルト132に力を加えるための2つの圧縮ローラ147とを備える。
【0078】
各圧縮ローラ147は、その表面に横方向に平行に延びる複数の突起148をもつ略円筒体を有する。
【0079】
圧縮モジュール140が上方ベルト132に加える力の量は、アクチュエータ141に送る圧力を変化させることにより変えることができる。この力は、操作者が設定してもよいし、処理システムが用いる自動パラメータ設定システムの一部としてもよい。
【0080】
2つの体積検出手段は、全く同じように実行される。各カメラ11,12は、レーザ光ゲート10によって作動し、パッケージPの撮像開始の準備をする。そして、パッケージPは、下方ベルト131と共に進み、レーザ15によってパッケージPに投影される線又は点のマトリクスに到達する。カメラ11,12は、マトリクスを含めたパッケージPの画像を2枚撮影し、これらの画像を合成して1枚の立体画像を生成する。処理システムは、この立体画像を取り、線又は点の自然な状態からの変形度合いを評価する。このマトリクスの変形は、パッケージPの体積を評価するのに用いられる。第1の位置111におけるパッケージPが評価されると、この情報が保存され、処理システムは、下方ベルト131が圧縮モジュール140に対してどこにあるかを追跡する。圧縮モジュール140が加える力の量は、自動であってもよいし、操作者が調整可能であってもよい。
【0081】
パッケージPがレーザ光ゲート20を通過すると、第2の位置122において、レーザ光ゲート20と、レーザ16と、カメラ13,14とで上記が繰り返される。
【0082】
装置100は、パッケージの体積の変動量を許容するように設定されてもよい。この体積の変動は、パッケージP内の商品及び/又は寸法によって決まってもよいし、任意選択で、ユーザが調整可能であってもよい。パッケージPが許容体積減少量を上回る場合、そのパッケージPは、好ましくは空気圧によって空気を吹き付けて、その下流で拒絶される。
【0083】
全ての情報は、処理システムによって収集されて、更なる分析のためにエクスポートできるようにヒューマンマシンインターフェースを介して操作者に提示されるのが好ましい。
【0084】
図4は、
図1に示すような装置100の全ての構成要素に加えて、フレーム7、慣らしブラシ8、及び検査カメラ9を含む好適な装置200を示す。図中で確認できるように、下方ベルト131用の駆動部3及び上方ベルト132用の駆動部4があるとともに、ロータリ空気圧式アクチュエータ141及び圧縮ローラ147もある。
【0085】
慣らしブラシ8は、ドラムモータで駆動され、各パッケージPがカメラ11,12に届く前に平らになるようにするブラシである。
【0086】
検査カメラ9は、処理システムと電気信号通信を行い、各パッケージPを観察及び識別するのに用いられる。検査カメラ9は、パッケージのサイズが何なのか、また、例えば食品の味など、パッケージに入っている食品の種類が何であるとラベリングされているのかを識別するようになっている。検査カメラ9は、さらに、パッケージPの数を計数するのにも用いられる。この検査カメラ9が収集したデータは、アクチュエータ141に送られる圧力などの、処理システムが装置に適用するパラメータの調整に用いられる。
【0087】
本発明は、ほんの一例としてここに説明した具体的詳細に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲に定められた本発明の範囲内でさまざまな変形や変更が可能であることを理解されたい。
【国際調査報告】