(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-27
(54)【発明の名称】組換え乳タンパク質およびそれを含む組成物
(51)【国際特許分類】
A23L 33/19 20160101AFI20220620BHJP
C07K 14/765 20060101ALI20220620BHJP
C07K 14/47 20060101ALI20220620BHJP
C12P 21/02 20060101ALI20220620BHJP
C12N 1/13 20060101ALN20220620BHJP
C12N 1/15 20060101ALN20220620BHJP
C12N 1/19 20060101ALN20220620BHJP
C12N 1/21 20060101ALN20220620BHJP
C12N 5/10 20060101ALN20220620BHJP
C12N 15/12 20060101ALN20220620BHJP
【FI】
A23L33/19
C07K14/765
C07K14/47
C12P21/02 Z
C12N1/13
C12N1/15
C12N1/19
C12N1/21
C12N5/10
C12N15/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021563080
(86)(22)【出願日】2020-04-22
(85)【翻訳文提出日】2021-12-22
(86)【国際出願番号】 US2020029392
(87)【国際公開番号】W WO2020219596
(87)【国際公開日】2020-10-29
(32)【優先日】2019-04-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】517058738
【氏名又は名称】パーフェクト・デイ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ティモシー ガイストリンガー
(72)【発明者】
【氏名】ヘンドリク マーマン
(72)【発明者】
【氏名】ヘザー ジャンセン
(72)【発明者】
【氏名】ラビラジシン ピー.ジャラ
【テーマコード(参考)】
4B018
4B064
4B065
4H045
【Fターム(参考)】
4B018LB07
4B018MD94
4B018ME01
4B018ME07
4B018ME13
4B018MF14
4B064AG01
4B064AG24
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4B065AA01X
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4B065BB10
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4B065BC03
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4B065BC35
4B065BD15
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4B065CA24
4B065CA41
4B065CA44
4H045AA10
4H045AA20
4H045AA30
4H045BA10
4H045CA40
4H045DA70
4H045DA89
4H045EA01
4H045EA20
4H045EA60
4H045FA74
4H045GA10
4H045GA15
4H045GA23
(57)【要約】
非天然のPTMを有する組換え乳タンパク質、その組換え乳タンパク質を含む食品、およびその組換え乳タンパク質を得る方法とその食品を製造する方法を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボス・タウルスβ-ラクトグロブリンのT4、T6、T18、S21、S27、S30、S36、T49、T76、T97、S110、S116、T125、S150、N152、およびT154から選択される1つ以上のアミノ酸残基を含むアミノ酸配列を含み、かつ当該アミノ酸残基の1つ以上に非天然グリコシル化を有する組換えβ-ラクトグロブリン。
【請求項2】
ボス・タウルスβ-ラクトグロブリンのアミノ酸残基N152を含むアミノ酸配列を含み、かつ当該アミノ酸残基に非天然Nグリコシル化を有する組換えβ-ラクトグロブリン。
【請求項3】
ボス・タウルスβ-ラクトグロブリンのT4、T6、T18、S21、S27、S30、S36、T49、T97、S110、S116、T125、S150、およびT154から選択される1つ以上のアミノ酸残基を含むアミノ酸配列を含み、かつ当該アミノ酸残基の1つ以上に非天然Oグリコシル化を有する組換えβ-ラクトグロブリン。
【請求項4】
ボス・タウルスβ-ラクトグロブリンのT4、T6、T18、Y20、S21、S27、S30、S36、Y42、T49、T76、T97、Y99、Y102、S110、S116、T125、S150、およびT154から選択される1つ以上のアミノ酸残基を含むアミノ酸配列を含み、かつ当該アミノ酸残基の1つ以上非天然リン酸化を有する組換えβ-ラクトグロブリン。
【請求項5】
ボス・タウルスβ-ラクトグロブリンのK8、K14、R40、K47、K60、K69、K70、K75、K77、K83、K91、K100、K101、R124、K135、K138、K141、およびR148から選択される1つ以上のアミノ酸残基を含むアミノ酸配列を含み、かつ当該アミノ酸残基の1つ以上に非天然メチル化を有する組換えβ-ラクトグロブリン。
【請求項6】
ボス・タウルスβ-ラクトグロブリンのC66、C106、C119、C121、およびC160から選択される1つ以上のアミノ酸残基を含むアミノ酸配列を含み、かつ当該アミノ酸残基の1つ以上に非天然パルミトイル化を有する組換えβ-ラクトグロブリン。
【請求項7】
ボス・タウルスβ-ラクトグロブリンのK8、K14、K47、K60、K69、K70、K75、K77、K83、K91、K100、K101、K135、K138、およびK141から選択される1つ以上のアミノ酸残基を含むアミノ酸配列を含み、かつ当該アミノ酸残基の1つ以上に非天然スモイル化を有する組換えβ-ラクトグロブリン。
【請求項8】
ボス・タウルスβ-ラクトグロブリンのC66、C106、C119、C121、およびC160から選択される1つ以上のアミノ酸残基を含むアミノ酸配列を含み、かつ当該アミノ酸残基の1つ以上に非天然ニトロシル化を有する組換えβ-ラクトグロブリン。
【請求項9】
ボス・タウルスβ-ラクトグロブリンのY20、Y42、Y99、およびY102から選択される1つ以上のアミノ酸残基を含むアミノ酸配列を含み、かつ当該アミノ酸残基の1つ以上に非天然グリピオイド化を有する組換えβ-ラクトグロブリン。
【請求項10】
ボス・タウルスβ-ラクトグロブリンのF151から選択される1つ以上のアミノ酸残基を含むアミノ酸配列を含み、かつ当該アミノ酸残基の1つ以上に非天然スモイル化を有する組換えβ-ラクトグロブリン。
【請求項11】
ボス・タウルスβ-ラクトグロブリンのC160から選択される1つまたは複数のアミノ酸残基を含むアミノ酸配列を含み、そのようなアミノ酸残基に非天然ファルネシル化を有する組換えβ-ラクトグロブリン。
【請求項12】
ボス・タウルスβ-ラクトグロブリンのC160から選択される1つ以上のアミノ酸残基を含むアミノ酸配列を含み、かつ当該アミノ酸残基の1つ以上に非天然ゲラニル化を有する組換えβ-ラクトグロブリン。
【請求項13】
ボス・タウルスα-ラクトアルブミンのT4、S22、T29、T30、T33、S34、T38、N44、N45、S47、T48、N56、N57、N66、S69、S70、N71、N74、S76、T86、N102、およびS112から選択される1つ以上のアミノ酸残基を含むアミノ酸配列を含み、かつ当該アミノ酸残基の1つ以上に非天然グリコシル化を有する組換えα-ラクトアルブミン。
【請求項14】
ボス・タウルスα-ラクトアルブミンのT4、Y18、S22、T29、T30、T33、S34、Y36、T38、S47、T48、Y50、S69、S70、S76、T86、Y103、およびS112から選択される1つ以上のアミノ酸残基を含むアミノ酸配列を含み、かつ当該アミノ酸残基の1つ以上に非天然リン酸化を有する組換えα-ラクトアルブミン。
【請求項15】
ボス・タウルスκ-カゼインのS19、S33、S37、N41、N52、N53、S69、S80、N81、S87、T93、T94、S104、N113、T117、T121、N123、T124、S127、T131、S132、T133、T135、S141、T142、T145、S149、S155、N160、T161、T165、S166、およびT167から選択される1つ以上のアミノ酸残基を含むアミノ酸配列を含み、かつ当該アミノ酸残基の1つ以上に非天然グリコシル化を有する組換えκ-カゼイン。
【請求項16】
ボス・タウルスκ-カゼインのS19、Y25、Y30、S33、Y35、S37、Y42、Y43、Y58、Y60、Y61、S69、S80、S87、T93、T94、S104、T117、T121、T124、S127、T131、S132、T133、T135、S141、T142、T145、S149、S155、T161、T165、S166、およびT167から選択される1つ以上のアミノ酸残基を含むアミノ酸配列を含み、かつ当該アミノ酸残基の1つ以上に非天然リン酸化を有する組換えκ-カゼイン。
【請求項17】
ホエー乳タンパク質のサブセット、またはカゼイン乳タンパク質のサブセット、またはホエー乳タンパク質のサブセットとカゼイン乳タンパク質のサブセットとの混合物からなる乳タンパク質成分を含む乳製品代替物であって、前記乳タンパク質成分が、1つ以上の非天然PTMを有する組換えβ-ラクトグロブリン、組換えα-ラクトアルブミン、および/または組換えκ-カゼインを含み、前記乳タンパク質成分が乳製品代替物に対して少なくとも1つの乳製品属性を付与または実質的に寄与する、乳製品代替物。
【請求項18】
乳タンパク質成分が、請求項1~12のいずれか一項に記載の組換えβ-ラクトグロブリンを含む、請求項17に記載の乳製品代替物。
【請求項19】
乳タンパク質成分が、請求項13~14のいずれか一項に記載の組換えα-ラクトアルブミンを含む、請求項17に記載の乳製品代替物。
【請求項20】
乳タンパク質成分が、請求項15~16のいずれか一項に記載の組換えκ-カゼインを含む、請求項17に記載の乳製品代替物。
【請求項21】
前記乳タンパク質成分が、天然および/または組換えラクトフェリン、天然および/または組換えトランスフェリン、天然および/または組換え血清アルブミン、天然および/または組換えラクトペルオキシダーゼ、天然および/または組換えGMP、天然および/または組換えβ-カゼイン、天然および/または組換えγ-カゼイン、天然および/または組換えα- S1-カゼイン、および天然および/または組換えα-S2-カゼインからなる群から選択される1つ以上の乳タンパク質をさらに含む、請求項18~20のいずれか一項に記載の乳製品代替物。
【請求項22】
前記乳タンパク質成分が、請求項1~12に記載の組換えβ-ラクトグロブリンの混合物を含み、前記混合物が、1つ以上の異なる非天然PTMを有する2つ以上の組換えβ-ラクトグロブリンからなる、請求項17に記載の乳製品代替物。
【請求項23】
前記タンパク質成分が、請求項13~14に記載の組換えα-ラクトアルブミンの混合物を含み、前記混合物が、1つ以上の異なる非天然PTMを有する2つ以上の組換えα-ラクトアルブミンを含む、請求項17に記載の乳製品代替物。
【請求項24】
前記乳タンパク質成分が、請求項15~16に記載の組換えκカゼインの混合物を含み、前記混合物が、1つ以上の異なる非天然PTMを有する2つ以上の組換えκカゼインを含む、請求項17に記載の乳製品代替物。
【請求項25】
前記乳タンパク質成分が、天然および/または組換えラクトフェリン、天然および/または組換えトランスフェリン、天然および/または組換えトランスフェリン、天然および/または組換え血清アルブミン、天然および/または組換えラクトペルオキシダーゼ、天然および/または組換えGMP、天然および/または組換えβ-カゼイン、天然および/または組換えγ-カゼイン、天然および/または組換えα- S1-カゼイン、およびネイティブおよび/または組換えα-S2-カゼインからなる群から選択される1つ以上の乳タンパク質をさらに含む、請求項22~24のいずれか一項に記載の乳製品代替物。
【請求項26】
前記乳タンパク質成分が、請求項1~12のいずれか一項に記載の組換えβ-ラクトグロブリンと、天然および/または組換えα-ラクトアルブミンとの混合物を含む、請求項17に記載の乳製品代替物。
【請求項27】
前記組換えα-ラクトアルブミンが、請求項13~14のいずれか一項に記載の組換えα-ラクトアルブミンである、請求項26に記載の乳製品代替物。
【請求項28】
前記乳タンパク質成分が、請求項1~12のいずれか一項に記載の組換えβ-ラクトグロブリンと、天然および/または組換えκ-カゼインとの混合物を含む、請求項17に記載の乳製品代替物。
【請求項29】
前記組換えκ-カゼインが、請求項15~16のいずれか一項に記載の組換えκ-カゼインである、請求項17に記載の乳製品代替物。
【請求項30】
前記乳タンパク質成分が、請求項13~14のいずれか一項に記載の組換えα-ラクトアルブミンと、天然および/または組換えκ-カゼインとの混合物を含む、請求項17に記載の乳製品代替物。
【請求項31】
前記組換えκ-カゼインが、請求項15~16のいずれか一項に記載の組換えκ-カゼインである、請求項17に記載の乳製品代替物。
【請求項32】
前記乳タンパク質成分が、天然および/または組換えラクトフェリン、天然および/または組換えトランスフェリン、天然および/または組換えラクトフェリン/または組換え血清アルブミン、天然および/または組換えラクトペルオキシダーゼ、天然および/または組換えGMP、天然および/または組換えβ-カゼイン、天然および/または組換えγ-カゼイン、天然および/または組換えα- S1-カゼイン、および天然および/または組換えα-S2-カゼインからなる群から選択される1つ以上の乳タンパク質をさらに含む、請求項26~31のいずれか一項に記載の乳製品代替物。
【請求項33】
前記乳タンパク質成分が、請求項1~12のいずれか一項に記載の組換えβ-ラクトグロブリンと、天然および/または組換えα-ラクトアルブミンと、天然および/または組換えκ-カゼインとの混合物を含む、請求項17に記載の乳製品代替物。
【請求項34】
前記組換えα-ラクトアルブミンが、請求項13~14のいずれか一項に記載の組換えα-ラクトアルブミンである、請求項33に記載の乳製品代替物。
【請求項35】
前記組換えκ-カゼインが、請求項15~16のいずれか一項に記載の組換えκ-カゼインである、請求項33に記載の乳製品代替物。
【請求項36】
前記組換えα-ラクトアルブミンが請求項13~14のいずれか一項に記載の組換えα-ラクトアルブミンであり、前記組換えκ-カゼインが請求項15~16のいずれか一項に記載の組換えκ-カゼインである、請求項33に記載の乳製品代替物。
【請求項37】
前記乳タンパク質成分が、天然および/または組換えラクトフェリン、天然および/または組換えトランスフェリン、天然および/または組換えラクトフェリン、天然および/または組換え血清アルブミン、天然および/または組換えラクトペルオキシダーゼ、天然および/または組換えGMP、天然および/または組換えβ-カゼイン、天然および/または組換えγ-カゼイン、天然および/または組換えα- S1-カゼイン、およびネイティブおよび/または組換えα-S2-カゼインからなる群から選択される1つ以上の乳タンパク質をさらに含む、請求項33~36のいずれか一項に記載の乳製品代替物。
【請求項38】
前記乳タンパク質成分が、請求項1~12のいずれか一項に記載の組換えβ-ラクトグロブリンからなる、請求項17に記載の乳製品代替物。
【請求項39】
前記乳タンパク質成分が、請求項1~12のいずれか一項に記載の組換えβ-ラクトグロブリン、ならびに、天然および/または組換えラクトフェリン、天然および/または組換えトランスフェリン、天然および/または組換え血清アルブミン、天然および/または組換えラクトペルオキシダーゼ、天然および/または組換えGMP、天然および/または組換えβ-カゼイン、天然および/または組換えγ-カゼイン、天然および/または組換えα-S1-カゼイン、および天然および/または組換えα-S2-カゼインからなる群から選択される1つ以上の乳タンパク質からなる、請求項17に記載の乳製品代替物。
【請求項40】
前記乳タンパク質成分が、請求項13~14のいずれか一項に記載の組換えα-ラクトアルブミンからなる、請求項17に記載の乳製品代替物。
【請求項41】
前記乳タンパク質成分が、請求項13~14のいずれか一項に記載の組換えα-ラクトアルブミン、ならびに、天然および/または組換えラクトフェリン、天然および/または組換えトランスフェリン、天然および/または組換え血清アルブミン、天然および/または組換えラクトペルオキシダーゼ、天然および/または組換えGMP、天然および/または組換えβ-カゼイン、天然および/または組換えγ-カゼイン、天然および/または組換えα-S1-カゼイン、および天然および/または組換えα-S2-カゼインからなる群から選択される1つ以上の乳タンパク質からなる、請求項17に記載の乳製品代替物。
【請求項42】
前記乳タンパク質成分が、請求項15~16のいずれか一項に記載の組換えκ-カゼインからなる、請求項17に記載の乳製品代替物。
【請求項43】
前記乳タンパク質成分が、請求項15~16のいずれかの組換えκ-カゼイン、ならびに、天然および/または組換えラクトフェリン、天然および/または組換えトランスフェリン、天然および/または組換え血清アルブミン、天然および/または組換えラクトペルオキシダーゼ、天然および/または組換えGMP、天然および/または組換えβ-カゼイン、天然および/または組換えγ-カゼイン、天然および/または組換えα-S1-カゼイン、および天然および/または組換えα-S2-カゼインからなる群から選択される1つ以上の乳タンパク質からなる、請求項17に記載の乳製品代替物。
【請求項44】
前記乳タンパク質成分が、請求項1~12のいずれか一項に記載の組換えβ-ラクトグロブリンの混合物からなり、前記混合物が、1つ以上の異なる非天然PTMを有する2つ以上の組換えβ-ラクトグロブリンからなる混合物である、請求項17に記載の乳製品代替物。
【請求項45】
前記乳タンパク質成分が、請求項1~12のいずれか一項に記載の組換えβ-ラクトグロブリンの混合物、ならびに、天然および/または組換えラクトフェリン、天然および/または組換えトランスフェリン、天然および/または組換え血清アルブミン、天然および/または組換えラクトペルオキシダーゼ、天然および/または組換えGMP、天然および/または組換えβ-カゼイン、天然および/または組換えγ-カゼイン、天然および/または組換えα-S1-カゼイン、および天然および/または組換えα-S2-カゼインからなる群から選択される1つ以上の乳タンパク質からなり、ここで、前記組換えβ-ラクトグロブリンの混合物は、1つ以上の異なる非天然PTMを有する2つ以上の組換えβ-ラクトグロブリンからなる、請求項17に記載の乳製品代替物。
【請求項46】
前記乳タンパク質成分が、請求項13~14のいずれか一項に記載の組換えα-ラクトアルブミンの混合物からなり、前記混合物が、1つ以上の異なる非天然PTMを有する2つ以上の組換えα-ラクトアルブミンからなる、請求項17に記載の乳製品代替物。
【請求項47】
前記乳タンパク質成分が、請求項13~14のいずれか一項に記載の組換えα-ラクトアルブミンの混合物、ならびに、天然および/または組換えラクトフェリン、天然および/または組換えトランスフェリン、天然および/または組換え血清アルブミン、天然および/または組換えラクトペルオキシダーゼ、天然および/または組換えGMP、天然および/または組換えβ-カゼイン、天然および/または組換えγ-カゼイン、天然および/または組換えα-S1-カゼイン、および天然および/または組換えα-S2-カゼインからなる群から選択される1つ以上の乳タンパク質からなり、ここで、前記混合物は、1つ以上の異なる非天然PTMを有する2つ以上の組換えα-ラクトフェリンからなる、請求項17に記載の乳製品代替物。
【請求項48】
前記乳タンパク質成分が、請求項15~16のいずれか一項に記載の組換えκ-カゼインの混合物からなり、前記混合物が、1つ以上の異なる非天然PTMを有する2つ以上の組換えκ-カゼインからなる、請求項17に記載の乳製品代替物。
【請求項49】
前記乳タンパク質成分が、請求項15~16のいずれか一項に記載の組換えκ-カゼインの混合物、ならびに、天然および/または組換えラクトフェリン、天然および/または組換えトランスフェリン、天然および/または組換え血清アルブミン、天然および/または組換えラクトペルオキシダーゼ、天然および/または組換えGMP、天然および/または組換えβ-カゼイン、天然および/または組換えγ-カゼイン、天然および/または組換えα-S1-カゼイン、および天然および/または組換えα-S2-カゼインからなる群から選択される1つ以上の乳タンパク質からなり、ここで、前記混合物は、1つ以上の異なる非天然PTMを有する2つ以上の組換えκ-カゼインからなる、請求項17に記載の乳製品代替物。
【請求項50】
前記乳タンパク質成分が、請求項1~12のいずれか一項に記載の組換えβ-ラクトグロブリンと、天然および/または組換えα-ラクトアルブミンとの混合物からなる、請求項17に記載の乳製品代替物。
【請求項51】
前記乳タンパク質成分が、請求項1~12のいずれかの組換えβ-ラクトグロブリンと、天然および/または組換えα-ラクトアルブミンと、天然および/または組換えラクトフェリン、天然および/または組換えトランスフェリン、天然および/または組換え血清アルブミン、天然および/または組換えラクトペルオキシダーゼ、天然および/または組換えGMP、天然および/または組換えβ-カゼイン、天然および/または組換えγ-カゼイン、天然および/または組換えα-S1-カゼイン、および天然および/または組換えα-S2-カゼインからなる群から選択される1つ以上の乳タンパク質との混合物からなる、請求項17に記載の乳製品代替物。
【請求項52】
前記組換えα-ラクトアルブミンが、請求項13~14のいずれか一項に記載の組換えα-ラクトアルブミンである、請求項50~51のいずれか一項に記載の乳製品代替物。
【請求項53】
前記乳タンパク質成分が、請求項1~12のいずれか一項に記載の組換えβ-ラクトグロブリンと、天然および/または組換えκ-カゼインとの混合物からなる、請求項17に記載の乳製品代替物。
【請求項54】
前記乳タンパク質成分が、請求項1~12のいずれか一項に記載の組換えβ-ラクトグロブリンと、天然および/または組換えκ-カゼインと、天然および/または組換えラクトフェリン、天然および/または組換えトランスフェリン、天然および/または組換え血清アルブミン、天然および/または組換えラクトペルオキシダーゼ、天然および/または組換えGMP、天然および/または組換えからなる群β-カゼイン、天然および/または組換えγ-カゼイン、天然および/または組換えα-S1-カゼイン、および天然および/または組換えα-S2-カゼインからなる群から選択される1つ以上の乳タンパク質との混合物からなる、請求項17に記載の乳製品代替物。
【請求項55】
前記組換えκ-カゼインが、請求項15~16のいずれか一項に記載の組換えκ-カゼインである、請求項53~54のいずれか一項に記載の乳製品代替物。
【請求項56】
前記乳タンパク質成分が、請求項13~14のいずれか一項に記載の組換えα-ラクトアルブミンと、天然および/または組換えκ-カゼインとの混合物からなる、請求項17に記載の乳製品代替物。
【請求項57】
前記乳タンパク質成分が、請求項13~14のいずれか一項に記載の組換えα-ラクトアルブミンと、天然および/または組換えκ-カゼインと、天然および/または組換えラクトフェリン、天然および/または組換えトランスフェリン、天然および/または組換え血清アルブミン、天然および/または組換えラクトペルオキシダーゼ、天然および/または組換えGMP、天然および/または組換えからなる群β-カゼイン、天然および/または組換えγ-カゼイン、天然および/または組換えα-S1-カゼイン、および天然および/または組換えα-S2-カゼインからなる群から選択される1つ以上の乳タンパク質との混合物からなる、請求項17に記載の乳製品代替物。
【請求項58】
前記組換えκ-カゼインが、請求項15~16のいずれか一項に記載の組換えκ-カゼインである、請求項56~57のいずれか一項に記載の乳製品代替物。
【請求項59】
前記乳タンパク質成分が、天然および/または組換えβ-ラクトグロブリンと、天然および/または組換えα-ラクトアルブミンと、天然および/または組換えκ-カゼインとの混合物からなり、前記混合物は、請求項1~12のいずれか一項に記載の組換えβ-ラクトグロブリン、請求項13~14のいずれか一項に記載の組換えα-ラクトアルブミン、または請求項15~16のいずれか一項に記載の組換えκ-カゼインのうちの少なくとも1つを含む、請求項17に記載の乳製品代替物。
【請求項60】
前記乳タンパク質成分が、天然および/または組換えβ-ラクトグロブリンと、天然および/または組換えα-ラクトアルブミンと、天然および/または組換えκ-カゼインと、天然および/または組換えラクトフェリン、天然および/または組換えトランスフェリン、天然および/または組換え血清アルブミン、天然および/または組換えラクトペルオキシダーゼ、天然および/または組換えGMP、天然および/または組換えβ-カゼイン、天然および/または組換えγ-カゼイン、天然および/または組換えα-S1-カゼイン、および天然および/または組換えα-S2-カゼインからなる群から選択される1つ以上の乳タンパク質との混合物からなり、ここで、前記混合物は、請求項1~12のいずれか一項に記載の組換えβ-ラクトグロブリン、請求項13~14のいずれか一項に記載の組換えα-ラクトアルブミン、または請求項15~16のいずれか一項に記載の組換えκ-カゼインのうちの少なくとも1つを含む、請求項59に記載の乳製品代替物。
【請求項61】
前記混合物が、請求項1~12のいずれか一項に記載の組換えβ-ラクトグロブリンを含む、請求項59~60のいずれか一項に記載の乳製品代替物。
【請求項62】
前記混合物が、請求項13~14のいずれか一項に記載の組換えα-ラクトアルブミンを含む、請求項59~60のいずれか一項に記載の乳製品代替物。
【請求項63】
前記混合物が、請求項15~16のいずれか一項に記載の組換えκ-カゼインを含む、請求項59~62のいずれかに記載の乳製品代替物。
【請求項64】
前記混合物が、請求項1~12のいずれか一項に記載の組換えβ-ラクトグロブリンからなる、請求項59~60のいずれか一項に記載の乳製品代替物。
【請求項65】
前記混合物が、請求項13~14のいずれか一項に記載の組換えα-ラクトアルブミンからなる、請求項59~60のいずれか一項に記載の乳製品代替物。
【請求項66】
前記混合物が、請求項15~16のいずれか一項に記載の組換えκ-カゼインからなる、請求項59~62のいずれか一項に記載の乳製品代替物。
【請求項67】
前記混合物が、請求項1~12のいずれか一項に記載の組換えβ-ラクトグロブリンおよび請求項13~14のいずれか一項に記載の組換えα-ラクトアルブミンからなる、請求項59~60のいずれか一項に記載の乳製品代替物。
【請求項68】
前記混合物が、請求項1~12のいずれか一項に記載の組換えβ-ラクトグロブリンおよび請求項15~16のいずれか一項に記載の組換えκ-カゼインからなる、請求項59~60のいずれか一項に記載の乳製品代替物。
【請求項69】
前記混合物が、請求項13~14のいずれか一項に記載の組換えα-ラクトアルブミンおよび請求項15~16のいずれか一項に記載の組換えκ-カゼインからなる、請求項59~60のいずれかの乳製品代替物。
【請求項70】
前記混合物が、請求項1~12のいずれか一項に記載の組換えβ-ラクトグロブリン、請求項13~14のいずれか一項に記載の組換えα-ラクトアルブミン、および請求項15~16のいずれか一項に記載の組換えκ-カゼインからなる、請求項59~60のいずれか一項に記載の乳製品代替物。
【請求項71】
前記組換えβ-ラクトグロブリンが、ウシβ-ラクトグロブリンと少なくとも80%同一である、請求項1~12、18、21、22、25~39、44~45、50~55、59~64、67、68および70のいずれか一項に記載の乳製品代替物。
【請求項72】
前記組換えα-ラクトアルブミンが、ウシα-ラクトアルブミンと少なくとも80%同一である、請求項13~14、19、21、23、25~27、30、32~37、40~41、46~47、50~52、56~63、65、67、69および70のいずれか一項に記載の乳製品代替物。
【請求項73】
前記組換えκ-カゼインが、ウシのκ-カゼインと少なくとも80%同一である、請求項15~16、20、21、24、25、28~37、42~43、48~49、53~63、66、および68~70のいずれか一項に記載の乳製品代替物。
【請求項74】
前記組換えβ-ラクトグロブリンが、組換え真菌宿主細胞、組換え細菌宿主細胞、組換え藻類宿主細胞、または組換え植物宿主細胞からなる群から選択される組換え宿主細胞において産生される、請求項1~12、18、21、22、25~39、44~45、50~55、59~64、67、68、および70のいずれか一項に記載の乳製品代替物。
【請求項75】
前記組換えα-ラクトアルブミンが、組換え真菌宿主細胞、組換え細菌宿主細胞、組換え藻類宿主細胞、または組換え植物宿主細胞からなる群から選択される組換え宿主細胞において産生される、請求項13~14、19、21、23、25~27、30、32~37、40~41、46~47、50~52、56~63、65、67、69および70のいずれか一項に記載の乳製品代替物。
【請求項76】
前記組換えκ-カゼインが、組換え真菌宿主細胞、組換え細菌宿主細胞、組換え藻類宿主細胞、または組換え植物宿主細胞からなる群から選択される組換え宿主細胞で産生される、請求項15~16、20、21、24、25、28~37、42~43、48~49、53~63、66、および68~70のいずれか一項に記載の乳製品代替物。
【請求項77】
前記組換え真菌宿主細胞が組換え糸状真菌宿主細胞である、請求項67~70のいずれか一項に記載の乳製品代替物。
【請求項78】
前記組換え真菌宿主細胞が、アスペルギルス、カンジダ、フザリウム、ハンセヌラ、クルイヴェロマイセス、ピキア、サッカロマイセス、テトラヒメナ、トリコデルマ、ヤロウイア、およびジゴサッカロマイセスからなる群から選択される属に由来する、請求項70に記載の乳製品代替物。
【請求項79】
前記組換えβ-ラクトグロブリンが、非天然の反応部位を含む、請求項1~12、18、21、22、25~39、44~45、50~55、59~64、67、68および70のいずれか一項に記載の乳製品代替物。
【請求項80】
前記組換えα-ラクトアルブミンが、非天然の反応部位を含む、請求項13~14、19、21、23、25~27、30、32~37、40~41、46~47、50~52、56~63、65、67、69および70のいずれか一項に記載の乳製品代替物。
【請求項81】
前記組換えκ-カゼインが、非天然の反応部位を含む、請求項15~16、20、21、24、25、28~37、42~43、48~49、53~63、66、および68~70のいずれか一項に記載の乳製品代替物。
【請求項82】
前記組換えβ-ラクトグロブリンが、対応する天然乳タンパク質に存在する反応部位を欠いている、請求項1~12、18、21、22、25~39、44~45、50~55、59~64、67、68および70のいずれか一項に記載の乳製品代替物。
【請求項83】
前記α-ラクトアルブミンが、対応する天然乳タンパク質に存在する反応部位を欠いている、請求項13~14、19、21、23、25~27、30、32~37、40~41、46~47、50~52、56~63、65、67、69および70のいずれか一項に記載の乳製品代替物。
【請求項84】
前記組換えκ-カゼインが、対応する天然乳タンパク質に存在する反応部位を欠いている、請求項15~16、20、21、24、25、28~37、42~43、48~49、53~63、66、および68~70のいずれか一項に記載の乳製品代替物。
【請求項85】
前記組換えβ-ラクトグロブリンが、乳タンパク質リピートを含む、請求項1~12、18、21、22、25~39、44~45、50~55、59~64、67、68および70のいずれか一項に記載の乳製品代替物。
【請求項86】
前記組換えα-ラクトアルブミンが、乳タンパク質リピートを含む、請求項13~14、19、21、23、25~27、30、32~37、40~41、46~47、50~52、56~63、65、67、69および70のいずれか一項に記載の乳製品代替物。
【請求項87】
前記組換えκ-カゼインが、乳タンパク質リピートを含む、請求項15~16、20、21、24、25、28~37、42~43、48~49、53~63、66、または68~70のいずれか一項に記載の乳製品代替物。
【請求項88】
前記乳製品代替物が、非乳タンパク質をさらに含む、請求項17~87のいずれか一項に記載の乳製品代替物。
【請求項89】
前記非乳タンパク質が植物から得られる、請求項88に記載の乳製品代替物。
【請求項90】
前記植物が、エンドウ豆、ジャガイモ、ソラマメ、大豆、およびカノーラからなる群から選択される、請求項89に記載の乳製品代替物。
【請求項91】
前記乳製品代替物が、約0.1質量%から約100質量%の間の乳タンパク質成分を含む、請求項17から90のいずれか一項に記載の乳製品代替物。
【請求項92】
前記乳製品代替物が、約1質量%から約70質量%の乳タンパク質成分を含む、請求項91に記載の乳製品代替物。
【請求項93】
前記乳製品代替物が、約5質量%から約40質量%の乳タンパク質成分を含む、請求項92に記載の乳製品代替物。
【請求項94】
前記乳製品代替物が、約10質量%から約25質量%の乳タンパク質成分を含む、請求項93に記載の乳製品代替物。
【請求項95】
前記乳製品代替物が粉末である、請求項17~94のいずれか一項に記載の乳製品代替物。
【請求項96】
前記乳製品代替物が、乳タンパク質ポリマーネットワークを含む、請求項17~94のいずれか一項に記載の乳製品代替物。
【請求項97】
前記乳製品代替物が、比較可能な組成物中のミルクによって付与される属性を組成物に付与するか、または実質的にその組成物に寄与する、請求項17~96のいずれか一項に記載の乳製品代替物を含む組成物。
【請求項98】
前記組成物が食品である、請求項97に記載の組成物。
【請求項99】
前記食品が乳製品である、請求項98に記載の組成物。
【請求項100】
前記食品が、乳製品代替製品である、請求項98に記載の組成物。
【請求項101】
前記組成物が、乳タンパク質ポリマーネットワークを含む、請求項97~99のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項102】
前記組成物が、約0.001質量%から90質量%の乳製品代替物を含む、請求項97~101のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項103】
前記組成物が、約1質量%から50質量%の乳製品代替物を含む、請求項102に記載の組成物。
【請求項104】
前記組成物が、約10質量%から30質量%の乳製品代替物を含む、請求項103に記載の組成物。
【請求項105】
請求項1~16のいずれか一項に記載の組換え乳タンパク質のうちの1つ以上を取得するステップを含む、請求項17~96のいずれか一項に記載の乳製品代替物を製造するための方法。
【請求項106】
前記方法が、グルコースからなる炭素源を含む培養培地中で組換えβ-ラクトグロブリンを産生することができる組換え宿主細胞を培養するステップを含み、前記組換え宿主細胞によって産生される前記組換えβ-ラクトグロブリンが、アミノ酸残基T4に1つ以上の非天然のO-結合型グリコシル化を有している、請求項105に記載の方法。-
【請求項107】
前記方法が、グルコースからなる炭素源を含む培地中で組換えβ-ラクトグロブリンを産生することができる組換え宿主細胞を培養するステップを含み、前記組換え宿主細胞によって産生される前記組換えβ-ラクトグロブリンが、アミノ酸残基T97に非天然のO-結合型グリコシル化を有している、請求項105に記載の方法。
【請求項108】
前記方法が、ラクトースおよび使用済み穀物からなる炭素源を含む培養培地中で組換えβ-ラクトグロブリンを産生することができる組換え宿主細胞を培養するステップを含み、前記組換え宿主細胞によって産生される前記組換えβ-ラクトグロブリンが、アミノ酸残基T97に非天然のO-結合型グリコシル化を有している、請求項105に記載の方法。
【請求項109】
前記方法が、グルコースからなる炭素源を含む培地中で組換えβ-ラクトグロブリンを産生することができる組換え宿主細胞を培養するステップを含み、前記組換え宿主細胞によって産生される前記組換えβ-ラクトグロブリンが、アミノ酸残基S27、T6、T97、S116、およびT125の1つ以上に非天然のO-結合型グリコシル化を有している、請求項105に記載の方法。
【請求項110】
前記方法が、ラクトースおよび使用済み穀物からなる炭素源を含む培地中で組換えβ-ラクトグロブリンを産生することができる組換え宿主細胞を培養するステップを含み、前記組換え宿主細胞によって産生される前記組換えβ-ラクトグロブリンが、アミノ酸残基S27、T6、T97、S116、およびT125の1つ以上に非天然のO-結合型グリコシル化を有している、請求項105に記載の方法。
【請求項111】
前記方法が、組換えβ-ラクトグロブリンを少なくとも30℃の温度で産生することができる組換え宿主細胞を培養する工程を含み、前記組換え宿主細胞によって産生される前記組換えβ-ラクトグロブリンが、アミノ酸残基T49にO-結合型グリコシル化を有している、請求項105に記載の方法。
【請求項112】
前記方法が、組換えβ-ラクトグロブリンを約28℃の温度で産生することができる組換え宿主細胞を培養する工程を含み、前記組換え宿主細胞によって産生される前記組換えβ-ラクトグロブリンが、アミノ酸残基T6にO-結合型グリコシル化を有している、請求項105に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、2019年4月22日に出願された米国仮特許出願第62/837,098号に優先権を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、一般に、組換え乳タンパク質、そのような組換え乳タンパク質を含む組成物、およびそのような組換え乳タンパク質および組成物を製造するための方法に関する。特に、本発明は、非天然の翻訳後修飾を有する組換え乳タンパク質に関する。
【背景技術】
【0003】
ミルクは人気のある栄養源である。それは、高品質のタンパク質、必須ミネラル、ビタミンで構成されている。さらに、ミルクは、多種多様な派生製品(ヨーグルト、チーズ、クリーム、バターなど)の製造を可能にし、工業用途(ポリマー、治療薬、家庭用品の製造など)に役立つ有利な機能特性を備えたタンパク質を含む 。
【0004】
畜産を介した従来の乳生産が動物福祉および環境に及ぼす影響、ならびに畜産に由来する製品汚染の潜在的な危険性についての広範な懸念が存在する。さらに、ミルクは、人間に不健康な反応を引き起こす可能性があるが、従来の動物ベースの生産プロセスの過程で簡単に除去または回避できない成分(例えば、ラクトース、アレルゲン、飽和脂肪、コレステロール)を含む。
【0005】
これらの懸念は、ミルクおよび乳製品(例えば、ラクトースフリー、植物ベース、およびナッツベースのミルク/乳製品様食品)の代替品の開発を促進している。しかし、これらの取り組みは、これまで、ミルクと乳製品のフレーバーと栄養プロファイルのマッチング、および天然の乳タンパク質と同一または類似の機能を持つタンパク質の再作成には不十分であった。
【0006】
したがって、天然の乳タンパク質と同一または、仮に優れないとしても類似の属性を有するタンパク質の必要性が存在する。
【0007】
参照による援用
本明細書で言及されるすべての刊行物、特許、特許出願、配列、データベースエントリ、および他の参考文献は、あたかも、個々の刊行物、特許、特許出願、配列、データベースエントリ、または他の参考文献が、参照により組み込まれることが具体的かつ個別に示されたものと同じ程度に、その全体が参照により組み込まれる。矛盾する場合には、定義を含めた本明細書が優先する。
【発明の概要】
【0008】
一態様では、本明細書で提供されるのは、非天然の翻訳後修飾(PTM)を含む組換え乳タンパク質である。
【0009】
本発明の組換え乳タンパク質は、ボス・タウルスβ-ラクトグロブリンのT4、T6、T18、S21、S27、S30、S36、T49、T76、T97、S110、S116、T125、S150、N152、およびT154から選択される1つ以上のアミノ酸残基を含むアミノ酸配列を含み、そのようなアミノ酸残基の1つ以上に非天然のグリコシル化を有する組換えβ-ラクトグロブリンであり得る。
【0010】
本発明の組換え乳タンパク質は、ボス・タウルスβ-ラクトグロブリンのアミノ酸残基N152 を含むアミノ酸配列を含み、そのようなアミノ酸残基に 非天然N-グリコシル化を有する組換えβ-ラクトグロブリンであり得る。
【0011】
本発明の組換え乳タンパク質は、ボス・タウルスβ-ラクトグロブリンのT4、T6、T18、S21、S27、S30、S36、T49、T97、S110、S116、T125、S150、およびT154から選択される1つ以上のアミノ酸残基を含むアミノ酸配列を含み、そのようなアミノ酸残基の1つ以上に非天然のO-グリコシル化を有する組換えβ-ラクトグロブリンであり得る。
【0012】
本発明の組換え乳タンパク質は、ボス・タウルスβ-ラクトグロブリンのT4、T6、T18、Y20、S21、S27、S30、S36、Y42、T49、T76、T97、Y99、Y102、S110、S116、T125、S150、およびT154から選択される1つ以上のアミノ酸残基を含むアミノ酸配列を含み、そのようなアミノ酸残基の1つ以上に非天然のリン酸化を有する組換えβ-ラクトグロブリンであり得る。
【0013】
本発明の組換え乳タンパク質は、ボス・タウルスβ-ラクトグロブリンのK8、K14、R40、K47、K60、K69、K70、K75、K77、K83、K91、K100、K101、R124、K135、K138、K141、およびR148から選択される1つ以上のアミノ酸残基を含むアミノ酸配列を含み、そのようなアミノ酸残基の1つ以上に非天然メチル化を有する組換えβ-ラクトグロブリンであり得る。
【0014】
本発明の組換え乳タンパク質は、ボス・タウルスβ-ラクトグロブリンのC66、C106、C119、C121、およびC160から選択される1つ以上のアミノ酸残基を含むアミノ酸配列を含み、そのようなアミノ酸残基の1つ以上に非天然パルミトイル化を有する組換えβ-ラクトグロブリンであり得る。
【0015】
本発明の組換え乳タンパク質は、ボス・タウルスβ-ラクトグロブリンのK8、K14、K47、K60、K69、K70、K75、K77、K83、K91、K100、K101、K135、K138、およびK141から選択される1つ以上のアミノ酸残基を含むアミノ酸配列を含み、そのようなアミノ酸残基の1つ以上に非天然スモイル化を有する組換えβ-ラクトグロブリンであり得る。
【0016】
本発明の組換え乳タンパク質は、ボス・タウルスβ-ラクトグロブリンのC66、C106、C119、C121、およびC160から選択される1つ以上のアミノ酸残基を含むアミノ酸配列を含み、そのようなアミノ酸残基の1つ以上に非天然ニトロシル化を有する組換えβ-ラクトグロブリンであり得る。
【0017】
本発明の組換え乳タンパク質は、ボス・タウルスβ-ラクトグロブリンのY20、Y42、Y99、およびY102から選択される1つ以上のアミノ酸残基を含むアミノ酸配列を含み、そのようなアミノ酸残基の1つ以上に非天然チロシンニトロ化を有する組換えβ-ラクトグロブリンであり得る。
【0018】
本発明の組換え乳タンパク質は、ボス・タウルスβ-ラクトグロブリンのF151から選択される1つ以上のアミノ酸残基を含むアミノ酸配列を含み、そのようなアミノ酸残基に非天然のグリピエーションを有する組換えβ-ラクトグロブリンであり得る。
【0019】
本発明の組換え乳タンパク質は、ボス・タウルスβ-ラクトグロブリンのC160から選択される1つ以上のアミノ酸残基を含むアミノ酸配列を含み、そのようなアミノ酸残基の1つ以上に非天然ファーネシル化を有する組換えβ-ラクトグロブリンであり得る。
【0020】
本発明の組換え乳タンパク質は、ボス・タウルスβ-ラクトグロブリンのC160から選択される1つ以上のアミノ酸残基を含むアミノ酸配列を含み、そのようなアミノ酸残基に非天然のゲラニルゲラニル化を有する組換えβ-ラクトグロブリンであり得る。
【0021】
本発明の組換え乳タンパク質は、組換えα-ラクトアルブミンであり得る。
【0022】
ボス・タウルスα-ラクトアルブミンの T 4、S22、T29、T30、T33、S34、T38、N44、N45、S47、T48、N56、N57、N66、S69、S70、N71、N74、S76、T86、N102、およびS112から選択される1つ以上のアミノ酸残基を含むアミノ酸配列を含み、そのようなアミノ酸残基の1つ以上に非天然のグリコシル化を有する組換えα-ラクトアルブミンであり得る。
【0023】
本発明の組換え乳タンパク質は、ボス・タウルスα-ラクトアルブミンのT4、Y18、S22、T29、T30、T33、S34、Y36、T38、S47、T48、Y50、S69、S70、S76、T86、Y103、およびS112から選択される1つ以上のアミノ酸残基を含むアミノ酸配列を含み、そのようなアミノ酸残基の1つ以上に非天然リン酸化を有する組換えα-ラクトアルブミンであり得る。
【0024】
本発明の組換え乳タンパク質は、ボス・タウルスκ-カゼインのS19、S33、S37、N41、N52、N53、S69、S80、N81、S87、T93、T94、S104、N113、T117、T121、N123、T124、S127、T131、S132、T133、T135、S141、T142、T145、S149、S155、N160、T161、T165、S166、およびT167から選択される1つ以上のアミノ酸残基を含むアミノ酸配列を含み、 そのようなアミノ酸残基の1つ以上に非天然のグリコシル化を有する組換えκ-カゼインであり得る。
【0025】
本発明の組換え乳タンパク質は、ボス・タウルスκ-カゼインのS19、Y25、Y30、S33、Y35、S37、Y42、Y43、Y58、Y60、Y61、S69、S80、S87、T93、T94、S104、T117、T121、T124、S127、T131、S132、T133、T135、S141、T142、T145、S149、S155、T161、T165、S166、およびT167から選択される1つ以上のアミノ酸残基を含むアミノ酸配列を含み、そのようなアミノ酸残基の1つ以上に非天然リン酸化を有する組換えκ-カゼインであり得る。
【0026】
別の態様では、ホエー乳タンパク質のサブセットまたはカゼイン乳タンパク質のサブセットまたはホエー乳タンパク質のサブセットとカゼインのサブセットとの混合物からなる乳タンパク質成分を含む乳製品代替物であって、乳タンパク質成分が、1つ以上の非天然PTMを有する組換えβ-ラクトグロブリン、1つ以上の非天然PTMを有する組換えα-ラクトアルブミン、および/または1つ以上の非天然PTMを有する組換えκ-カゼインを含み、前記乳タンパク質成分が、乳製品代替物の少なくとも1つの乳製品属性を付与するか、または実質的に寄与する、乳製品代替物が、本明細書により提供される。
【0027】
乳タンパク質成分が上記のいずれかによる組換えβ-ラクトグロブリンを含む、上記のいずれかによる乳製品代替物。
【0028】
乳タンパク質成分が上記のいずれかによる組換えα-ラクトアルブミンを含む、上記のいずれかによる乳製品代替物。
【0029】
乳タンパク質成分が上記のいずれかによる組換えκ-カゼインを含む、上記のいずれかによる乳製品代替物。
【0030】
乳タンパク質成分が、上記のいずれかによる組換えβ-ラクトグロブリンの混合物を含み、前記混合物が、1つ以上の異なる非天然PTMを有する2つ以上の組換えβ-ラクトグロブリンからなる、上記のいずれかに記載の乳製品代替物。
【0031】
乳タンパク質成分が上記のいずれかによる組換えα-ラクトアルブミンの混合物を含み、前記混合物が1つ以上の異なる非天然PTMを有する2つ以上の組換えα-ラクトアルブミンからなる、上記のいずれかによる乳製品代替物。
【0032】
乳タンパク質成分が、上記のいずれかによる組換えκ -カゼインの混合物を含み、前記混合物が、1つ以上の異なる非天然PTMを有する2つ以上の組換えκ-カゼインからなる、上記のいずれかによる乳製品代替物。
【0033】
乳タンパク質成分が、上記のいずれかによる組換えβ -ラクトグロブリンと、天然および/または組換えα-ラクトアルブミン、例えば、上記のいずれかによる組換えα-ラクトアルブミン、との混合物を含む、上記のいずれかによる乳製品代替物。
【0034】
乳タンパク質成分が、上記のいずれかによる組換えβ-ラクトグロブリンと、天然および/または組換えκ-カゼイン、例えば、上記のいずれかによる組換えκ-カゼイン、との混合物を含む、上記のいずれかによる乳製品代替物。
【0035】
乳タンパク質成分が、上記のいずれかによる組換えα -ラクトアルブミンと、天然および/または組換えκ-カゼイン、例えば、上記のいずれかによる組換えκ-カゼイン、との混合物を含む、上記のいずれかによる乳製品代替物。
【0036】
乳タンパク質成分が、上記のいずれかによる組換えβ-ラクトグロブリンと、天然および/または組換えα-ラクトアルブミンおよび天然および/または組換えκ-カゼインとの混合物を含み、ここで、組換えα-ラクトアルブミンは、上記のいずれかによる組換えα-ラクトアルブミンであり得、そして組換えκ-カゼインは、上記のいずれかによる組換えκ-カゼインであり得る、上記のいずれかによる乳製品代替物。
【0037】
乳タンパク質成分が、天然および/または組換えラクトフェリン、天然および/または組換えトランスフェリン、天然および/または組換え血清アルブミン、天然および/または組換えラクトペルオキシダーゼ、天然および/または組換えGMP、天然および/または組換えβ-カゼイン、天然および/または組換えγ-カゼイン、天然および/または組換えα- S1-カゼイン、ならびに天然および/または組換えα-S2-カゼインからなる群から選択される1つ以上の乳タンパク質をさらに含む、上記のいずれかによる乳製品代替物。
【0038】
乳タンパク質成分が、上記のいずれかによる組換えβ-ラクトグロブリン、および任意選択的に、天然および/または組換えラクトフェリン、天然および/または組換えトランスフェリン、天然および/または組換え血清アルブミン、天然および/または組換えラクトペルオキシダーゼ、天然および/または組換えGMP、天然および/または組換えβ-カゼイン、天然および/または組換えγ-カゼイン、天然および/または組換えα-S1-カゼイン、ならびに天然および/または組換えα-S2-カゼインからなる群から選択される1つ以上の乳タンパク質からなる、上記のいずれかによる乳製品代替物。
【0039】
乳タンパク質成分が、上記のいずれかによる組換えα-ラクトアルブミン、および任意選択的に、天然および/または組換えラクトフェリン、天然および/または組換えトランスフェリン、天然および/または組換え血清アルブミン、天然および/または組換えラクトペルオキシダーゼ、天然および/または組換えGMP、天然および/または組換えβ-カゼイン、天然および/または組換えγ-カゼイン、天然および/または組換えα-S1-カゼイン、ならびに天然および/または組換えα-S2-カゼインからなる群から選択される1つ以上の乳タンパク質からなる、上記のいずれかによる乳製品代替物。
【0040】
乳タンパク質成分が、上記のいずれかによる組換えκ-カゼイン、および任意選択的に、天然および/または組換えラクトフェリン、天然および/または組換えトランスフェリン、天然および/または組換え血清アルブミン、天然および/または組換えラクトペルオキシダーゼ、天然および/または組換えGMP、天然および/または組換えβ-カゼイン、天然および/または組換えγ-カゼイン、天然および/または組換えα-S1-カゼイン、ならびに天然および/または組換えα-S2-カゼインからなる群から選択される1つ以上の乳タンパク質からなる、上記のいずれかによる乳製品代替物。
【0041】
乳タンパク質成分が、上記のいずれかによる組換えβ-ラクトグロブリンの混合物、および任意選択的に、天然および/または組換えラクトフェリン、天然および/または組換えトランスフェリン、天然および/または組換え血清アルブミン、天然および/または組換えラクトペルオキシダーゼ、天然および/または組換えGMP、天然および/または組換えβ-カゼイン、天然および/または組換えγ-カゼイン、天然および/または組換えα-S1-カゼイン、ならびに天然および/または組換えα-S2-カゼインからなる群から選択される1つ以上の乳タンパク質からなり、前記混合物が1つ以上の異なる非天然PTM組換えを有する2つ以上の組換えβ-ラクトグロブリンからなる、上記のいずれかによる乳製品代替物。
【0042】
乳タンパク質成分が、上記のいずれかによる組換えα-ラクトアルブミンの混合物、および任意選択的に、天然および/または組換えラクトフェリン、天然および/または組換えトランスフェリン、天然および/または組換え血清アルブミン、天然および/または組換えラクトペルオキシダーゼ、天然および/または組換えGMP、天然および/または組換えβ-カゼイン、天然および/または組換えγ-カゼイン、天然および/または組換えα-S1-カゼイン、ならびに天然および/または組換えα-S2-カゼインからなる群から選択される1つ以上の乳タンパク質からなり、前記混合物が1つ以上の異なる非天然PTMを有する2つ以上のα-ラクトアルブミンからなる、上記のいずれかによる乳製品代替物。
【0043】
乳タンパク質成分が、上記のいずれかによる組換えκ-カゼインの混合物、および任意選択的に、天然および/または組換えラクトフェリン、天然および/または組換えトランスフェリン、天然および/または組換え血清アルブミン、天然および/または組換えラクトペルオキシダーゼ、天然および/または組換えGMP、天然および/または組換えβ-カゼイン、天然および/または組換えγ-カゼイン、天然および/または組換えα-S1-カゼイン、ならびに天然および/または組換えα-S2-カゼインからなる群から選択される1つ以上の乳タンパク質からなり、前記混合物が1つ以上の異なる非天然PTMを有する2つ以上の組換えκ-カゼインからなる、上記のいずれかによる乳製品代替物。
【0044】
乳タンパク質成分が、上記のいずれかによる組換えβ-ラクトグロブリンの混合物、天然および/または、例えば上記のいずれかによる組換えα-ラクトアルブミンのような、組換えα-ラクトアルブミン、および任意選択的に、天然および/または組換えラクトフェリン、天然および/または組換えトランスフェリン、天然および/または組換え血清アルブミン、天然および/または組換えラクトペルオキシダーゼ、天然および/または組換えGMP、天然および/または組換えβ-カゼイン、天然および/または組換えγ-カゼイン、天然および/または組換えα-S1-カゼイン、ならびに天然および/または組換えα-S2-カゼインからなる群から選択される1つ以上の乳タンパク質からなる、上記のいずれかによる乳製品代替物。
【0045】
乳タンパク質成分が、上記のいずれかによる組換えβ-ラクトグロブリンの混合物、天然および/または、例えば、上記のいずれかによる組換えκ-カゼインのような、組換えκ-カゼイン、および任意選択的に、天然および/または組換えラクトフェリン、天然および/または組換えトランスフェリン、天然および/または組換え血清アルブミン、天然および/または組換えラクトペルオキシダーゼ、天然および/または組換えGMP、天然および/または組換えβ-カゼイン、天然および/または組換えγ-カゼイン、天然および/または組換えα-S1-カゼイン、ならびに天然および/または組換えα-S2-カゼインからなる群から選択される1つ以上の乳タンパク質からなる、上記のいずれかによる乳製品代替物。
【0046】
乳タンパク質成分が、上記のいずれかによる組換えα-ラクトアルブミンの混合物、天然および/または、例えば上記のいずれかによる組換えκ-カゼインのような、組換えκ-カゼイン、および任意選択的に、天然および/または組換えラクトフェリン、天然および/または組換えトランスフェリン、天然および/または組換え血清アルブミン、天然および/または組換えラクトペルオキシダーゼ、天然および/または組換えGMP、天然および/または組換えβ-カゼイン、天然および/または組換えγ-カゼイン、天然および/または組換えα-S1-カゼイン、ならびに天然および/または組換えα-S2-カゼインからなる群から選択される1つ以上の乳タンパク質からなる、上記のいずれかによる乳製品代替物。
【0047】
乳タンパク質成分が、天然および/または組換えβ-ラクトグロブリンおよび天然および/または組換えα-ラクトアルブミンおよび天然および/または組換えκ-カゼイン、および任意選択的に、天然および/または組換えラクトフェリン、天然および/または組換えトランスフェリン、天然および/または組換え血清アルブミン、天然および/または組換えラクトペルオキシダーゼ、天然および/または組換えGMP、天然および/または組換えβ-カゼイン、天然および/または組換えγ-カゼイン、天然および/または組換えα-S1-カゼイン、および天然および/または組換えα-S2-カゼインからなる群から選択される1つ以上の乳タンパク質の混合物からなり、ここで、前記混合物は、上記のいずれかによる組換えβ-ラクトグロブリン、上記のいずれかによる組換えα-ラクトアルブミン、および上記のいずれかによる組換えκ-カゼインの少なくとも1つ(例えば、1つ、2つ、すべて)を含む、上記のいずれかによる乳製品代替物。
【0048】
組換えβ-ラクトグロブリンがウシβ-ラクトグロブリンと少なくとも80%同一である、上記のいずれかによる乳製品代替物。
【0049】
組換えα-ラクトアルブミンがウシα-ラクトアルブミンと少なくとも80%同一である、上記のいずれかによる乳製品代替物。
【0050】
組換えκ-カゼインがウシκ-カゼインと少なくとも80%同一である、上記のいずれかによる乳製品代替物。
【0051】
組換えβ-ラクトグロブリンが、組換え真菌宿主細胞(例えば、組換え糸状菌宿主細胞[例えば、以下の群から選択される属:アスペルギウス(Aspergillus)、カンジダ(Candida)、フザリウム(Fusarium)、ハンセヌラ(Hansenula)、(クルイウェロマイセス(Kluyveromyces)、ピキア(Pichia)、サッカロマイセス(Saccharomyces)、テトラヒメナ(Tetrahymena)、トリコデルマ(Trichoderma)、ヤロウィア(Yarrowia)、およびジゴサッカロマイセス(Zygosaccharomyces)])、組換え細菌宿主細胞、組換え藻類宿主細胞、または組換え植物宿主細胞からなる群から選択される組換え宿主細胞において産生される、上記のいずれかによる乳製品代替物。
【0052】
組換えα-ラクトアルブミンが、組換え真菌宿主細胞(例えば、組換え糸状真菌宿主細胞[例えば、以下の群から選択される属:アスペルギウス(Aspergillus)、カンジダ(Candida)、フザリウム(Fusarium)、ハンセヌラ(Hansenula)、(クルイウェロマイセス(Kluyveromyces)、ピキア(Pichia)、サッカロマイセス(Saccharomyces)、テトラヒメナ(Tetrahymena)、トリコデルマ(Trichoderma)、ヤロウィア(Yarrowia)、およびジゴサッカロマイセス(Zygosaccharomyces)])、組換え細菌宿主細胞、組換え藻類宿主細胞、または組換え植物宿主細胞からなる群から選択される組換え宿主細胞において産生される、上記のいずれかによる乳製品代替物。
【0053】
組換えκ-カゼインが、組換え真菌宿主細胞(例えば、組換え糸状菌宿主細胞[例えば、以下の群から選択される属:アスペルギウス(Aspergillus)、カンジダ(Candida)、フザリウム(Fusarium)、ハンセヌラ(Hansenula)、クルイヴェロマイセス(Kluyveromyces)、ピキア(Pichia)、サッカロマイセス(Saccharomyces)、テトラヒメナ(Tetrahymena)、トリコデルマ(Trichoderma)、ヤロウィア(Yarrowia)、およびジゴサッカロマイセス(Zygosaccharomyces)])、組換え細菌宿主細胞、組換え藻類宿主細胞、または組換え植物宿主細胞からなる群から選択される組換え宿主細胞において産生される、上記のいずれかによる乳製品代替物。
【0054】
組換えβ-ラクトグロブリンが非天然反応部位を含む、上記のいずれかによる乳製品代替物。
【0055】
組換えα-ラクトアルブミンが非天然反応部位を含む、上記のいずれかに記載の乳製品代替物。
【0056】
組換えκ-カゼインが非天然反応部位を含む、上記のいずれかによる乳製品代替物。
【0057】
組換えβ-ラクトグロブリンが、対応する天然乳タンパク質に存在する反応部位を欠いている、上記のいずれかによる乳製品代替物。
【0058】
組換えα-ラクトアルブミンが、対応する天然乳タンパク質に存在する反応部位を欠いている、上記のいずれかによる乳製品代替物。
【0059】
組換えκ-カゼインが、対応する天然乳タンパク質に存在する反応部位を欠いている、上記のいずれかによる乳製品代替物。
【0060】
組換えβ-ラクトグロブリンが乳タンパク質リピートを含む、上記のいずれかによる乳製品代替物。
【0061】
組換えα-ラクトアルブミンが乳タンパク質リピートを含む、上記のいずれかによる乳製品代替物。
【0062】
組換えκ-カゼインが乳タンパク質リピートを含む、上記のいずれかによる乳製品代替物。
乳製品代替物が、非乳タンパク質、例えば、植物(例えば、エンドウ豆、ジャガイモ、ソラマメ、大豆、カノーラ)から得られた非乳タンパク質をさらに含む、上記のいずれかによる乳製品代替物。
【0063】
約0.1質量%~約100質量%、約1質量%~約70質量%、約5質量%~約40質量%、または約10質量%~約25質量%の上記のいずれかによる乳タンパク質成分を含む、上記のいずれかによる乳製品代替物。
【0064】
乳製品代替物が粉末である、上記のいずれかによる乳製品代替物。
【0065】
乳製品代替物が乳タンパク質ポリマーネットワークを含む、上記のいずれかによる乳製品代替物。
【0066】
別の態様では、乳製品代替物が、同等の組成物のミルクによって付与される属性を組成物に付与するか、または実質的に寄与する、上記のいずれかによる乳製品代替物 を含む組成物が提供される。
【0067】
組成物が食料製品である、上記のいずれかによる組成物。
【0068】
食料製品が乳製品である、上記のいずれかによる組成物。
【0069】
食料製品が乳製品代替製品である、上記のいずれかによる組成物。
【0070】
組成物が乳タンパク質ポリマーネットワークを含む、上記のいずれかによる組成物。
【0071】
約0.001質量%から90質量%の間、または約1質量%から50質量%の間、または約10質量%から30質量%の間の上記のいずれかによる乳製品代替物を含む、上記のいずれかによる組成物。
【0072】
別の態様では、上記のいずれかによる1つまたは複数の組換え乳タンパク質を取得するステップを含む、上記のいずれかによる乳製品代替物を製造するための方法が提供される。
【0073】
方法が、グルコースからなる炭素源を含む培養培地中で組換えβ-ラクトグロブリンを産生することができる組換え宿主細胞を培養するステップを含み、組換え宿主細胞によって産生される組換えβ-ラクトグロブリンが、1つ以上のアミノ酸残基T4に非天然のO-結合型グリコシル化を持っている、上記のいずれかによる方法。
【0074】
方法が、グルコースからなる炭素源を含む培養培地中で組換えβ-ラクトグロブリンを産生することができる組換え宿主細胞を培養するステップを含み、組換え宿主細胞によって産生されるβ-ラクトグロブリンが、アミノ酸残基T97に非天然のO-結合型グリコシル化を持っている、上記のいずれかによる方法。
【0075】
方法が、ラクトースと使用済み穀物(spent grain)からなる炭素源を含む培養培地中で組換えβ-ラクトグロブリンを産生することができる組換え宿主細胞を培養するステップを含み、組換え宿主細胞によって産生される組換えβ-ラクトグロブリンが、アミノ酸残基T97に非天然のO-結合型グリコシル化を持っている、上記のいずれかによる方法。
【0076】
方法が、グルコースからなる炭素源を含む培養培地中で組換えβ-ラクトグロブリンを産生することができる組換え宿主細胞を培養するステップを含み、組換え宿主細胞によって産生される組換えβ-ラクトグロブリンが、1つ以上のアミノ酸残基S27、T6、T97、S116およびT125に非天然のO-結合型グリコシル化を持っている、上記のいずれかによる方法。
方法が、ラクトースと使用済み穀物(spent grain)からなる炭素源を含む培養培地中で組換えβ-ラクトグロブリンを産生することができる組換え宿主細胞を培養するステップを含み、組換え宿主細胞によって産生される組換えβ-ラクトグロブリンが、1つ以上のアミノ酸残基S27、T6、T97、S116およびT125に非天然のO-結合型グリコシル化を持っている、上記のいずれかによる方法。
【0077】
方法が、組換えβ-ラクトグロブリンを少なくとも30℃の温度で産生することができる組換え宿主細胞を培養するステップを含み、組換え宿主細胞によって産生される組換えβ-ラクトグロブリンが、アミノ酸残基T49にO-結合型グリコシル化を持っている、上記のいずれかによる方法。
【0078】
方法が、組換えβ-ラクトグロブリンを約28℃の温度で産生することができる組換え宿主細胞を培養するステップを含み、組換え宿主細胞によって産生されるβ-ラクトグロブリンが、アミノ酸残基T6にO-結合型グリコシル化を持っている、上記のいずれかによる方法。
【発明を実施するための形態】
【0079】
発明の詳細な説明
本明細書で使用される用語および説明は、特定の実施形態を説明することのみを目的としており、本発明を限定することを意図するものではない。別段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。さらに、文脈上別段の必要がない限り、単数形には複数形が含まれ、複数形には単数形が含まれるものとする。
【0080】
定義
本明細書で使用される用語「a」および「an」および「the」および同様の参照は、別段の指示がない限り、また、文脈によって明らかに矛盾しない限り、単数形および複数形の両方(例えば、「少なくとも1つ」または「1つ以上」を意味する)を指す。例えば、「化合物」または「少なくとも1つの化合物」または「1つ以上の化合物」という用語は、それらの混合物を含む複数の化合物を含み得る。
【0081】
記載された数値または数値の 範囲と併せて本明細書で使用される「約」という用語は、記載された数値または数値の範囲の変形を包含することを意味する(すなわち、記載されたものよりいくらか多いまたはいくらか少ないこと、±20%、±10%、±5%、±1%、±0.5%、±0.1%の範囲内、または記載された数値または数値の範囲の±1標準偏差の範囲内、を示す)。
【0082】
本明細書で使用される「および/または」という用語は、互いに組み合わせて、または互いに排他的な複数の構成要素を指す。例えば、「x、y、および/またはz」は、「x」のみ、「y」のみ、「z」のみ、「x、y、およびz」、「(xおよびy)またはz」 「(xおよびz)またはy」、「(yおよびz)またはx」、「xおよびy」のみ、「xおよびz」のみ、「yおよびz」のみ、または「xまたはyまたはz」を指す場合がある。
【0083】
アミノ酸は 、本明細書では、それらの1文字のコード、アミノ酸名、または3文字のコードによって参照することができる。1文字のコード、アミノ酸名、および3文字のコードは次のとおりである:G-グリシン(Gly)、P-プロリン(Pro)、A-アラニン(Ala)、V-バリン(Val)、L-ロイシン(Leu)、I-イソロイシン(Ile)、M-メチオニン(Met)、C-システイン(Cys)、F-フェニルアラニン(Phe)、Y-チロシン(Tyr)、W-トリプトファン(Trp)、H-ヒスチジン(His)、K-リジン(Lys)、R-アルギニン(Arg)、Q-グルタミン(Gln)、N-アスパラギン(Asn)、E-グルタミン酸(Glu)、D-アスパラギン酸(Asp)、S-セリン(Ser)、T-スレオニン(Thr)。アミノ酸残基は、アミノ酸の最初の文字と、それに続く参照配列(UniProt配列など)内のアミノ酸の位置を指定する数字で示される。
【0084】
本明細書で使用される「少なくとも」および「1つ以上」という用語は、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、少なくとも8つ、少なくとも9つ、少なくとも10、またはそれ以上、あるいはその後に記載されるすべての要素を指す。
【0085】
本明細書で使用される「比較可能な組成物」または「比較可能な食品」という用語は、それぞれ、組成物または食品を製造するために使用される方法とそれぞれ同一の方法によって製造される組成物または食品であって、「比較可能な組成物」または「比較可能な食品」が、それぞれ、本明細書で提供されるような組換え乳タンパク質の代わりに対応する天然乳タンパク質を含むことを除いて、それぞれ「比較可能な組成物」または「比較可能な食品」と同等であるような組成物または食品を指す。
【0086】
本明細書で使用される「成分」という用語は、特に明記しない限り、一緒にグループ化される1つのユニット(例えば、1つのタンパク質)または2つ以上のユニット(例えば、2つ以上のタンパク質)を指す。グループ化は、単なるシンボリックグループとして理解されるべきであり、したがって、ユニット間の物理的相互作用を必要としない(ただし、物理的相互作用は、「コンポーネント」という用語の使用によって除外されない)。
【0087】
本明細書で使用される「乳製品属性」という用語は、乳製品の属性;または、ミルク(例えば、全乳[少なくとも3.25%の乳脂肪]、部分的に脱脂されたミルク[1%から2%の乳脂肪]、スキムミルク[例えば、0.2%未満の乳脂肪]、調理用ミルク、コンデンスミルク、フレーバーミルク、牛乳、山羊乳、羊乳、乾燥乳、蒸発乳、乳泡、乳粉(例えば、全乳粉、スキム乳粉、脂肪-充填乳粉(すなわち、すべてまたは一部の動物脂肪の代わりに植物脂肪を含む乳粉)、乳タンパク質濃縮物(すなわち、少なくとも80重量%のタンパク質含有量;例えば、乳タンパク質濃縮物、脱塩乳タンパク質濃縮物、乳タンパク質加水分解物、ホエータンパク質濃縮物、脱塩ホエータンパク質濃縮物、ホエータンパク質加水分解物、β-ラクトグロブリン濃縮物、α-ラクトアルブミン濃縮物、カゼイン濃縮物)、または乳タンパク質分離物(すなわち、少なくとも90重量%のタンパク質含有量;例えば、乳タンパク質分離物、ホエータンパク質分離物、脱塩ホエータンパク質分離物、β-ラクトグロブリン分離物、α-ラクトアルブミン分離物、カゼイン分離物))によって組成物(例えば、食品)に付与される属性を指す。本明細書に開示される典型的な比較は、牛に由来する乳で行われる。
【0088】
本明細書で使用される「乳製品」という用語は、ミルク(例えば、全乳[少なくとも3.25%の乳脂肪]、部分脱脂乳[1%から2%の乳脂肪]、スキムミルク[0.2%未満の乳脂肪]、クッキングミルク、コンデンスミルク、フレーバーミルク、ヤギ乳、羊乳、乾燥乳、蒸発ミルク、ミルクフォーム)、および乳に由来する製品を指す。ここで、乳に由来する製品は以下のものを含むがこれらに限定されない:ヨーグルト(例えば、全乳ヨーグルト[170gあたり少なくとも6グラムの脂肪]、低脂肪ヨーグルト[170gあたり2~5グラムの脂肪]、無脂肪ヨーグルト[170gあたり0.5グラム以下の脂肪]、ギリシャヨーグルト[ホエーを取り除いた水切りヨーグルト]、ホイップヨーグルト、ヤギ乳ヨーグルト、ラブネ[labne]、羊乳ヨーグルト、ヨーグルトドリンク[例えば、全乳ケフィア、低脂肪乳ケフィア]、ラッシー)、チーズ(例えば、リコッタなどのホエーチーズ、モッツアレラなどのパスタフィラタチーズ、ハバルティやミュンスターなどの半軟質チーズ、スイスやジャルスバーグなどの中硬質チーズ、チェダーやパルメザンなどの硬質チーズ、コルビーモントレージャックなどのウォッシュドカードチーズ、ブリーやカマンベールなどの軟質熟成チーズ、カッテージチーズ、フェタチーズ、クリームチーズ、カードなどのフレッシュチーズ)、プロセスチーズ、プロセスチーズ食品、プロセスチーズ製品、プロセスチーズスプレッド、酵素調整チーズ、コールドパックチーズ)、乳製品ベースのソース(例えば、サラダドレッシング、ベシャメルソース、フレッシュソース、冷凍ソース、冷蔵ソース、貯蔵安定性ソース)、乳製品スプレッド(例えば、低脂肪スプレッド、低脂肪バター)、クリーム(例えば、ドライクリーム、ヘビークリーム、ライトクリーム、ホイップクリーム、ハーフアンドハーフ、コーヒーホワイトナー、コーヒークリーマー、サワークリーム、クリームフライシュ)、冷凍菓子(例えば、アイスクリーム、スムージー、ミルクシェイク、冷凍ヨーグルト、サンデー、ジェラート、カスタード)、乳製品デザート(生、冷蔵、冷凍など)、バター(ホイップバター、発酵バターなど)、乳製品粉末(全乳粉、脱脂粉乳、脂肪-充填乳粉(つまり、すべてまたは一部の動物性脂肪の代わりに植物性脂肪を含む乳粉末)、乳児用調整乳、タンパク質濃縮物(例えば、乳タンパク質濃縮物、ホエータンパク質濃縮物、脱塩ホエータンパク質濃縮物、β-ラクトグロブリン濃縮物、α-ラクトアルブミン濃縮物、グリコマクロペプチド濃縮物 、カゼイン濃縮物)、タンパク質分離物(例えば、乳タンパク質分離物、ホエータンパク質分離物、脱塩ホエータンパク質分離物、β-ラクトグロブリン分離物、α-ラクトアルブミン分離物、グリコマクロペプチド分離物、カゼイン分離物)、栄養補助食品、テクスチャーブレンド、フレーバーブレンド、着色ブレンド)、すぐに飲めるまたはすぐに混合できる製品(例えば、生、冷蔵、または貯蔵安定性のある乳タンパク質飲料、減量飲料、栄養飲料、スポーツ回復飲料、およびエネルギー飲料)、プリン、ゲル、チュアブル、クリスプ、バー(例、栄養バー、プロテインバー)、および発酵乳製品(例えば、ヨーグルト、チーズ、サワークリーム、発酵バターミルク、発酵バター、発酵バターオイル)。
【0089】
本明細書で使用される「本質的に含まない」という用語は、一般的な分析方法によって示された組成物において検出できない成分、または機能しないような微量で存在する成分のいずれかを指す。この文脈で使用される「機能的」という用語は、微量の示された成分を含む組成物の特性に寄与しないこと、または微量の示された成分を含む示された組成物において活性(例えば、酵素活性)を有さないこと、または微量の示された成分を含む組成物の消費に対して健康に悪影響を及ぼさないことを指す。
【0090】
本明細書で使用される「糸状菌」という用語は、ユーミコタ(Eumycota)および卵菌(Oomycota)の細分類の糸状形態の生物を指す(ホークスワースら、In, Ainsworth and Bisby's Dictionary of The Fungi、第8版、1995、CAB International, University Press, Cambridge, UKにより定義されている)。糸状菌は、栄養成長中の菌糸の伸長によって酵母と区別される。本明細書で使用される「糸状菌細胞」という用語は、糸状菌から得られる細胞を指す。
【0091】
本明細書で使用される「食品」という用語は、食事目的で(すなわち、健康への悪影響はないが、消化管内への消化物 の摂取による有意な栄養的および/またはカロリー摂取を伴う)、飼いならされた動物(例えば、犬、猫)、家畜(例えば、牛、豚、馬)、および野生動物(例えば、飼いならされていない捕食動物)を含む、ヒトまたは動物が摂取できる組成物を指す。この用語は、ヒトまたは動物が摂取できる食品を製造するために、1つ以上の他の成分と組み合わせるか、またはそれらに添加することができる組成物を含む。
【0092】
本明細書で使用される「真菌」という用語は、子嚢菌門、担子菌門、接合菌門、ならびに子嚢菌門、卵菌門、およびグロムス門の生物を指す。しかし、真菌の分類法は絶えず進化していることが理解されており、したがって、真菌界のこの特定の定義は将来調整される可能性がある。本明細書で使用される「真菌細胞」という用語は、真菌から得られる細胞を指す。
【0093】
本明細書で使用される「宿主細胞」という用語は、特定の対象細胞だけでなく、そのような細胞の子孫を指す。突然変異または環境の影響のいずれかにより、特定の改変が後の世代で起こり得るため、そのような子孫は、実際には親細胞と同一ではないかもしれないが、本明細書で使用される「宿主細胞」という用語の範囲内に含まれる。
【0094】
ポリヌクレオチドまたはポリペプチド配列の文脈において本明細書で使用される「同一」という用語は、最大の対応のために整列されたときに同じである2つの配列中の残基を指す。ポリヌクレオチドまたはポリペプチド配列の同一性を測定するために使用することができる、当技術分野で知られている多くの異なるアルゴリズムが存在する。例えば、配列は、FASTA(例えば、ウィスコンシンパッケージバージョン10.0、Genetics Computer Group(GCG)、Madison、WIで提供されるデフォルトパラメータを使用)、Gap(例えば、ウィスコンシンパッケージバージョン10.0、GCG、Madison、WIで提供されるデフォルトパラメータを使用)、Bestfit、ClustalW(例えば、バージョン1.83のデフォルトパラメータを使用)、またはBLAST(例えば、相互BLAST、PSI-BLAST、BLASTP、BLASTNを使用)を使用して比較できる。(例えば、Pearson, 1990. Methods Enzymol. 183:63; Altschul et al. 1990. J.Mol.Biol. 215:403を参照)
【0095】
本明細書で使用される「含む(including)」、「含む(includes)」、「有する(having)」、「有する(has)」、「とともに(with)」、またはそれらの変形は、「含む(comprising)」という用語と同様の方法で包括的であることを意図する。
【0096】
本明細書で使用される「実質的に寄与する」という用語は、指定された成分が、その成分が存在しない場合(例えば、その成分を除いて、組成物と同一である参照組成物において)、その属性が、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、または少なくとも50%少ない、存在/活性/測定可能であるような程度に、その組成物の属性に寄与することを指す。
【0097】
本明細書で使用される「乳タンパク質」という用語は、少なくとも20(例えば、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、少なくとも100、少なくとも150)のアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、哺乳動物が生産する乳において天然に見られるタンパク質(すなわち、哺乳動物が生産する乳に固有のタンパク質、例えば、天然のホエータンパク質または天然のカゼイン)のアミノ酸配列と少なくとも50%(例えば、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、100%)同一であるポリペプチドを指す。乳タンパク質の非限定的な例には、α-ラクトアルブミン(例えば、UniProt配列P00709、P00711、P00712、またはP09462のアミノ酸20-142)、β-ラクトグロブリン(UniProt配列P02754のアミノ酸17-178、UniProt配列P67976またはP02756のアミノ酸19-180)、ラクトフェリン(例えば、UniProt配列P24627、D3G9G3、またはQ29477のアミノ酸20-708; UniProt配列P02788のアミノ酸20-710)、トランスフェリン(例えば、UniProt配列Q29443またはW5PF65のアミノ酸20-704; UniProt配列A0A452FJF9またはP02787のアミノ酸20-698)、血清アルブミン(例えば、UniProt配列P02769またはP14639のアミノ酸25-607; UniProt配列A0A452F7Y5のアミノ酸19-608; UniProt配列P02768のアミノ酸25-609)、ラクトペルオキシダーゼ、グリコマクロペプチド(GMP)、β-カゼイン(例えば、UniProt配列P02666のアミノ酸16-224; UniProt配列P11839またはP33048のアミノ酸16-222; P05814のアミノ酸16-226) 、γ-カゼイン、κ-カゼイン(例えば、UniProt配列P02668のアミノ酸22-190; UniProt配列P02669またはP02670のアミノ酸22-192; UniProt配列P07498のアミノ酸21-182)、α-S1-カゼイン(例えば、UniProt配列P02662、P04653、またはP18626のアミノ酸16-214; UniProt配列P47710のアミノ酸16-185)、およびα-S2-カゼイン(例えば、UniProt配列P02663のアミノ酸16-222; UniProt配列P04654またはP33049のアミノ酸16-223)。乳タンパク質をコードするポリヌクレオチドおよびポリペプチド配列の非限定的な例は、2015年8月21日に出願されたPCT出願PCT/ US2015/ 046428、および2017年8月25日に出願されたPCT出願PCT/ US2017/ 48730に開示されており、これら全体は本明細書に組み込まれる。
【0098】
本明細書で使用される「天然」という用語は、自然界で産生されるもの(例えば、人間によって遺伝子組み換えされておらず、人間によって定義されていない条件下(例えば、酸素濃度、pH、塩濃度、温度、および栄養素(例えば、炭素、窒素、硫黄など)の有無など)で維持されている細胞など)を指す。
【0099】
本明細書で使用される「非乳タンパク質」という用語は、哺乳動物が産生する乳に見られないポリペプチド(すなわち、哺乳動物が産生する乳に固有ではないタンパク質)を指す。
【0100】
本明細書で使用される「任意」または「任意に」という用語は、特徴または構造が存在するもしくは存在しないこと、または事象または状況が発生するもしくは発生しないことを指す。当該記載には、特徴または構造が存在する場合、特徴または構造が存在しない場合、事象または状況が発生する場合、および事象または状況が発生しない場合が含まれる。
【0101】
本明細書で使用される「ポリヌクレオチド」という用語は、RNA、cDNA、ゲノムDNA、ならびに上記の合成形態および混合ポリマーのセンス鎖およびアンチセンス鎖の両方を指す。ポリヌクレオチドは、化学的または生化学的に修飾されていてもよいし、または非天然または誘導体化されたヌクレオチド塩基を含んでいてもよい。このような修飾には、例えば、標識;メチル化;天然に存在するヌクレオチドの1つ以上の類似体による置換;非荷電結合(例えば、メチルホスホネート、ホスホトリエステル、ホスホルアミデート、カルバメート)、荷電結合(例えば、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート)、ペンダント部位(例えば、ポリペプチド)、インターカレーター(例えば、アクリジン、ソラレン)、キレート剤、アルキル化剤、および修飾結合(例えば、アルファアノマー核酸)などのヌクレオチド間結合が含まれる。修飾ヌクレオチドの例は当技術分野で知られている(例えば、Malyshev et al. 2014. Nature 509:385; Li et al. 2014. J. Am. Chem.Soc.136:826)。水素結合または他の化学的相互作用を介して指定された配列に結合する能力においてポリヌクレオチドを模倣する合成分子も含まれる。そのような分子は当技術分野で知られており、例えば、ペプチド結合が分子の骨格におけるリン酸結合の代わりとなる分子を含む。他の修飾には、例えば、リボース環が架橋部分または「ロックされた」ポリヌクレオチドに見られる修飾などの他の構造を含む類似体が含まれ得る。
【0102】
本明細書で使用される「ポリペプチド」という用語は、アミノ酸のポリマー形態を指す。
【0103】
本明細書で使用される「タンパク質」という用語は、任意の長さのポリペプチドを指し、これは、コード化および非コード化アミノ酸を含むポリペプチド、自然界に存在するアミノ酸および自然界に存在しないアミノ酸を含むポリペプチド、ポリペプチドを含み得る。化学的または生化学的に修飾または誘導体化されたアミノ酸、および修飾されたペプチド骨格を含むポリペプチドを含む。
【0104】
本明細書で使用される「翻訳後修飾」という用語、またはその頭字語「PTM」は、生合成後のタンパク質への修飾(例えば、タンパク質への化学基の共有結合)を指す。PTMは、タンパク質のアミノ酸側鎖またはそのC末端またはN末端で発生する可能性がある。適切なPTMの非限定的な例には、グリコシル化(すなわち、グリカン基(例えば、単糖類、二糖類、多糖類、線状グリカン、分岐グリカン、ガルフ残基を有するグリカン、硫酸塩および/またはリン酸残基を有するグリカン、D-グルコース、D-ガラクトース、D-マンノース、ルフコース、N-アセチル-D-ガラクトースアミン、N-アセチル-D-グルコースアミン、N-アセチル-D-ニューラミン酸、ガラクトフラノース、ホスホジエステル、N-アセチルグルコサミン、N-アセチルガラクトサミン、シアル酸、およびそれらの組み合わせ;例えば、Deshpande et al. 2008. Glycobiology 18(8):626を参照のこと)の、C-結合(すなわち、C-グリコシル化)、N-結合(すなわち、N-グリコシル化)、またはO-結合(すなわち、O-グリコシル化)を介して、またはグリピエーション(すなわち、グリコシルホスファチジルイノシトールアンカー付加)を介して)またはホスホグリコシル化(すなわち、ホスホセリンのリン酸を介して結合)を介してのタンパク質への共有結合)、リン酸化(すなわち、リン酸基のタンパク質への共有結合)、アルキル化(すなわち、アルカン基のタンパク質への共有結合(例えば、メチル化におけるメタン基))、脂質化(すなわち、脂質グループの共有結合(例えば、プレニル化およびイソプレニル化におけるイソプレノイドグループ(例えば、ファルネシル化のファルネソル基、ゲラニル化のゲラニオール基、ゲラニルゲラニル化のゲラニルゲラニオール基)、脂肪アシル化における脂肪酸基(例えば、ミリストイル化におけるミリスチン酸、パルミトイル化におけるパルミチン酸)、グリプ化におけるグリコシルホスファチジルイノシトールアンカー))、ヒドロキシル化(すなわち、水酸基の共有結合)、スモイル化(すなわち、小さなユビキチン様修飾因子(またはSUMO)のタンパク質への結合)、ニトロシル化(すなわち、NO基のタンパク質への付着(例えば、S-ニトロシル化))、ニトロソチオール化(すなわち、NO基のタンパク質中のシステインチオールへの付着(例えば、S-ニトロソチオール))、グルタチオン化(例えば、S-ニトロソチオール)。すなわち、グルタチオン基のタンパク質中のシステインチオールへの付着(例えば、S-グルタチオン化))、およびチロシンニトロ化(すなわち、硝酸基のタンパク質のチロシン残基への付着)が含まれる。組換え乳タンパク質のPTMは、天然PTM(例えば、哺乳動物PTM)、非天然PTM、または少なくとも1つの天然PTMと少なくとも1つの非天然PTMの混合物であり得る。本明細書で使用される「非天然PTM」という用語は、タンパク質中の1つ以上のPTM(例えば、グリコシル化、リン酸化)の1つ以上の位置の違い、および/または哺乳動物由来の乳に存在するタンパク質(すなわち、「天然のPTM」を有するタンパク質)と比較して、タンパク質の1つ以上の位置にある1つ以上のPTMの種類における違いを指す。組換え乳タンパク質中のPTMの種類および/または数および/または不在および/または位置は、組換え乳タンパク質を含む組成物の乳製品属性を付与するか、または実質的に影響を与えることができる。
【0105】
本明細書で使用される「精製」という用語は、タンパク質が、化学物質および細胞成分(例えば、細胞壁、膜脂質、染色体、他のタンパク質)から実質的に分離されることを指す。この用語は、タンパク質が他のすべての化学物質および細胞成分から分離されることを必要とはしない(しかし許容される)。
【0106】
本明細書で使用される「タンパク質濃縮物」という用語は、炭水化物、脂質、灰分、および他の微量成分の1つ以上の少なくとも一部(または実質的な部分)を除去して得られるタンパク質材料を指す。典型的には、30%から80%の間(例えば、30%から80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、または35%の間; 35%から80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、または40%の間; 40%から80%、75%、70%、65%、60%、55% 、50%、または45%の間; 45%から80%、75%、70%、65%、60%、55%、または50%の間; 50%から80%、75%、70%、65%、60%または55%の間; 55%から80%、75%、70%、65%、または60%の間; 60%から80%、75%、70%、または65%の間; 65%から80%、75%、または70%の間;70%~80%、または75%の間;または75%から80%の間)の重量のタンパク質を含む。
【0107】
本明細書で使用される「タンパク質単離物」という用語は、多糖類、可溶性炭水化物、灰分、および他の微量成分の1つ以上の少なくとも一部(または実質的な部分)の除去時に得られるタンパク質材料を指す。それは、典型的には、少なくとも80重量%(すなわち、少なくとも80重量%、少なくとも85重量%、少なくとも95重量%、少なくとも99重量%)のタンパク質を含む。
【0108】
タンパク質(例えば、乳タンパク質)に関して本明細書で使用される「組換え」という用語は、組換えによって産生される(例えば、組換え宿主細胞によって産生される)タンパク質を指す。
【0109】
本明細書で使用される「組換えα-ラクトアルブミン」という用語は、天然のα-ラクトアルブミン(例えば、天然のボス・タウルス α-ラクトアルブミン[例えば、UniProt配列P00711のアミノ酸20~142]、天然のオヴィス・アリア α-ラクトアルブミン[例えば、UniProt配列P09462のアミノ酸20~142]、天然のカプラ・ヒルカス α-ラクトアルブミン[例えば、UniProt配列P00712のアミノ酸20~142]、天然の ホモ・サピエンス α-ラクトアルブミン[例えば、UniProt配列P00709のアミノ酸20-142]と、少なくとも50%(例えば、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、100%)同一である、少なくとも20(例えば、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、少なくとも100、少なくとも150)の配列を含む、組換えによって産生されたポリペプチドを指す。
【0110】
本明細書で使用される「組換えβ-ラクトグロブリン」という用語は、天然のβ-ラクトグロブリン(例えば、天然のボス・タウルスβ-ラクトグロブリン [例えば、UniProt配列P02754のアミノ酸17~178]、天然のオヴィス・アリアβ-ラクトグロブリン[例えば、UniProt配列P67976のアミノ酸19~180]、天然の カプラ・ヒルカスβ-ラクトグロブリン[例えば、UniProt配列P02756のアミノ酸19から180])のアミノ酸配列と少なくとも50%(例えば、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、100%)同一である、少なくとも20(例えば、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50 、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、少なくとも100、少なくとも150)のアミノ酸配列を含む組換えによって産生されたポリペプチドを指す。
【0111】
本明細書で使用される「組換え宿主細胞」という用語は、組換えポリヌクレオチドを含む宿主細胞を指す。したがって、例えば、組換え宿主細胞は、宿主細胞の天然(非組換え)形態には見られないポリヌクレオチドまたはポリペプチドを産生し得るか、または組換え宿主細胞は、宿主細胞の天然(非組換え)形態とは異なるレベルでポリヌクレオチドまたはポリペプチドを産生し得る。かかる用語は、特定の対象細胞のみならず、かかる細胞の子孫も指すことが意図されていることを理解すべきである。突然変異または環境の影響のいずれかにより、特定の改変が後の世代で起こり得るため、そのような子孫は、親細胞と同一ではないかもしれないが、本明細書で使用される「組換え宿主細胞」という用語の範囲内に含まれる。
【0112】
本明細書で使用される「組換えポリヌクレオチド」という用語は、その天然に存在する環境から除去されたポリヌクレオチド、それが自然界に見出されたときにそのポリヌクレオチドに隣接するかまたは近位のポリヌクレオチドの全部または一部に関連づけられていないポリヌクレオチド、自然界ではリンクされていないポリヌクレオチドに作動可能にリンクされているポリヌクレオチド、改変されたポリヌクレオチド、または自然界では発生しないポリヌクレオチドを指す。この用語は、例えば、クローン化されたDNA単離物、または化学的に合成されたヌクレオチド類似体を含むポリヌクレオチドを説明するために使用することができる。ポリヌクレオチドは、自然には発生しない遺伝子改変を含む場合、「組換え」とみなされる。例えば、内因性ポリヌクレオチドは、人工的に(例えば、ヒトの介入によって)導入された1つ以上のヌクレオチドの挿入、欠失、または置換を含む場合、「組換えポリヌクレオチド」とみなされる。そのような修飾は、ポリヌクレオチドに、点突然変異、置換突然変異、欠失突然変異、挿入突然変異、ミスセンス突然変異、フレームシフト突然変異、複製突然変異、増幅突然変異、転座突然変異、または反転突然変異を導入することができる。この用語は、宿主細胞の染色体にあるポリヌクレオチド、ならびに宿主細胞の染色体にないポリヌクレオチド(例えば、エピソームに含まれるポリヌクレオチド)を含む。宿主細胞または生物における組換えポリヌクレオチドは、宿主細胞のインビボ細胞機構を使用して複製することができる。しかしながら、そのような組換えポリヌクレオチドは、その後細胞内に複製されるが、それでも本発明の目的のために組換えであるとみなされる。
【0113】
本明細書で使用される「組換えκ -カゼイン」という用語は、ボス・タウルス κ-カゼイン(例えば、天然のボス・タウルス κ-カゼイン [例えば、UniProt配列P02668のアミノ酸22~190]、天然のオヴィス・アリア κ-カゼイン[例えば、UniProt配列P02669のアミノ酸22~192]、天然のカプラ・ヒルカスκ-カゼイン[例えば、UniProt配列P02670のアミノ酸22から192]、天然のホモ・サピエンス κ-カゼイン[例えば、UniProt配列P07498のアミノ酸21から182])のアミノ酸配列と、少なくとも50%(例えば、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくと80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、100%)同一である、少なくとも20(例えば、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、少なくとも100、少なくとも150)の配列を含むポリペプチドを指す。
【0114】
本明細書で使用される「酵母」という用語は、サッカロマイセス目の生物を指す。酵母の栄養成長は単細胞葉状体の出芽/小疱形成(blebbing)によるものであり、炭素異化作用は発酵性であってもよい。本明細書で使用される「酵母細胞」という用語は、酵母から得られる細胞を指す。
【0115】
本明細書で使用される「質量%」という用語は、水和組成物で決定される質量のパーセント値を意味し、前記組成物には粉末の質量および水和剤の質量が含まれ、水和組成物全体のパーセンテージ値として100%が固定されている。本明細書で提供される代用卵が粉末形態である(水和剤の質量が後で添加される)実施形態では、この用語は、最終的な水和組成物全体に対する相対値として決定される質量のパーセンテージ値を指す(最終的な水和組成物全体のパーセンテージ値として100%が固定される)。
【0116】
水和組成物(すなわち、水を含む組成物)の文脈で本明細書で使用される「乾燥質量%」という用語は、水和組成物から実質的にすべての水が除去された場合に残るであろう総乾燥質量に対する相対値として決定される質量のパーセンテージ値を意味し、その総乾燥質量のパーセンテージ値として100%が固定される。乾燥組成物(例えば、粉末)の文脈において、本明細書で使用される「乾燥質量%」という用語は、粉末組成物の総質量に対する相対値として決定された質量のパーセンテージ値を意味し、その総乾燥質量のパーセンテージ値として100%が固定される。
【0117】
本明細書における値の範囲の列挙は、本明細書に別段の記載がない限り、列挙された最小値および最大値を含む範囲内にある各別個の値(分数または積分)を個別に参照する略記法として役立つことを単に意図している。各別個の値は、本明細書に個別に記載されているかのように本明細書に組み込まれる。また、本明細書に列挙される任意の数値範囲は、そこに含まれるすべてのサブ範囲を含むことを意図していることを理解すべきである。例えば、「1から10」の範囲は、記載された最小値1と記載された最大値10との間の(およびそれを含む)すべてのサブ範囲、すなわち、1以上の最小値と10以下の最大値を有する範囲、を含むことを意図している。さらに、以下に記載されるすべての範囲および量は概算であり、本発明を限定することを意図するものではないことを理解すべきである。範囲と数値が使用される場合、これらは統計的範囲または測定誤差または変動を含む近似値である可能性がある。いくつかの実施形態では、例えば、測定値はプラスまたはマイナス10%であり得る。
【0118】
非天然の翻訳後修飾を有する組換え乳タンパク質
一態様では、本明細書で提供されるのは、非天然の翻訳後修飾(PTM)を含む組換え乳タンパク質である。
【0119】
組換え乳タンパク質は、生きている動物(例えば、ウシ、ヤギ)から抽出された乳からの非組換えの従来の天然乳タンパク質の生産と比較して、生産において利点を提供するので望ましい。このような利点は、以下のものをを含むがこれらに限定されない:動物の生産性からの独立;動物間の病気の発生による市場の不確実性からの独立;環境へのより限定的な悪影響(例えば、より少ない天然資源要件[例えば、より少ない水、土地、使用されるエネルギー]、より少ない二酸化炭素生産);動物福祉への悪影響がないこと(例えば、動物の閉じ込め、強制給餌、またはホルモン治療がないこと);サプライチェーンと生産リスクの軽減(例えば、サプライチェーンのバリエーションと生産方法の柔軟性の向上を提供する組換えタンパク質の使用);そしてより低い生産コスト。
【0120】
さらに、非天然PTMを有する組換え乳タンパク質は、非天然PTMがそれらの天然形態と比較して変化した特性を有し得、そして新規の操作された属性を有する組成物を提供するために使用され得るので望ましい。非限定的な例として、非天然PTMを有する組換え乳タンパク質は、その天然形態よりも優れた溶解性を有することができ、そのような組換え乳タンパク質を特定の食品(例えば、乳製品様飲料)の製造により適したものにすることができる。また、非天然PTMを含む組換え乳タンパク質はアレルギー誘発性が低く、アレルギー誘発性エピトープを欠く組換え乳タンパク質は、食用または摂取可能な組成物(例えば、食品、医薬製剤、止血製品)の製造により適している可能性がある。さらなる非限定的な例として、本明細書で提供される組換え乳タンパク質は、その天然形態と比較して改善された消化率(すなわち、組成物がヒトまたは他の動物の腸管で分解される速度)を有し得、この改善された消化率は、組換え乳タンパク質をアレルギー誘発性をより低く、および/または食品の製造により適したものにする可能性がある。
【0121】
非天然PTMを有する組換えβ-ラクトグロブリン
いくつかの実施形態において、本明細書で提供される組換え乳タンパク質は、非天然PTMを含む組換えβ-ラクトグロブリンである。
【0122】
いくつかの実施形態において、本明細書で提供される組換えβ-ラクトグロブリンは、ボス・タウルスβ-ラクトグロブリンのT4、T6、T18、S21、S27、S30、S36、T49、T76、T97、S110、S116、T125、S150、N152、およびT154 から選択される1つ以上のアミノ酸残基を含むアミノ酸配列を含み、かつ、そのようなアミノ酸残基の1つ以上に非天然のグリコシル化を有する(つまり、天然のボス・タウルス β-ラクトグロブリンの同じアミノ酸残基に結合していない結合グリカン基を有する、および/または天然のボス・タウルス β-ラクトグロブリンの同じアミノ酸残基に結合している結合グリカン基を有しない、および/または天然のボス・タウルスβ-ラクトグロブリンの同じアミノ酸残基に結合しているグリカン基とは異なるタイプの結合グリカン基を有しない)。
【0123】
いくつかの実施形態において、本明細書で提供される組換えβ-ラクトグロブリンは、ボス・タウルス β-ラクトグロブリンのアミノ酸残基N152を含むアミノ酸配列を有し、そのようなアミノ酸残基上に非天然N-グリコシル化を有する(例えば、少なくとも1つのヘキソース分子を含む結合グリカン基など)。
【0124】
いくつかの実施形態において、本明細書で提供される組換えβ-ラクトグロブリンは、ボス・タウルス β-ラクトグロブリンのT4、T6、T18、S21、S27、S30、S36、T49、T97、S110、S116、T125、S150、およびT154から選択される1つ以上のアミノ酸残基を含むアミノ酸配列を有し、そのようなアミノ酸残基の1つ以上に非天然O-グリコシル化を有する(例えば、少なくとも1つのヘキソース分子を含む結合型グリカン基など)。
【0125】
いくつかの実施形態において、本明細書で提供される組換えβ-ラクトグロブリンは、ボス・タウルスβ-ラクトグロブリンのT4、T6、T18、Y20、S21、S27、S30、S36、Y42、T49、T76、T97、Y99、Y102、S110、S116、T125、S150、および154から選択される1つ以上のアミノ酸残基を含むアミノ酸配列を有し、そのようなアミノ酸残基の1つ以上に非天然リン酸化を有する。
【0126】
いくつかの実施形態において、本明細書で提供される組換えβ-ラクトグロブリンは、ボス・タウルス β-ラクトグロブリンのK8、K14、R40、K47、K60、K69、K70、K75、K77、K83、K91、K100、K101、R124、K135、K138、K141、およびR148から選択される1つ以上のアミノ酸残基を含むアミノ酸配列を有し、そのようなアミノ酸残基の1つ以上に非天然メチル化を有する。
【0127】
いくつかの実施形態において、本明細書で提供される組換えβ-ラクトグロブリンは、ボス・タウルス β-ラクトグロブリンのC66、C106、C119、C121、およびC160から選択される1つ以上のアミノ酸残基を含むアミノ酸配列を有し、そのようなアミノ酸残基の1つ以上に非天然パルミトイル化を有する。
【0128】
いくつかの実施形態において、本明細書で提供される組換えβ-ラクトグロブリンは、ボス・タウルス β-ラクトグロブリンのK8、K14、K47、K60、K69、K70、K75、K77、K83、K91、K100、K101、K135、K138およびK141から選択される1つ以上のアミノ酸残基を含むアミノ酸配列を有し、そのようなアミノ酸残基の1つ以上に非天然スモイル化を有する。
【0129】
いくつかの実施形態において、本明細書で提供される組換えβ-ラクトグロブリンは、ボス・タウルス β-ラクトグロブリンのC66、C106、C119、C121、およびC160から選択される1つ以上のアミノ酸残基を含むアミノ酸配列を有し、そのようなアミノ酸残基の1つ以上に非天然ニトロシル化を有する。
【0130】
いくつかの実施形態において、本明細書で提供される組換えβ-ラクトグロブリンは、ボス・タウルス β-ラクトグロブリンのY20、Y42、Y99、およびY102から選択される1つ以上のアミノ酸残基を含むアミノ酸配列を有し、そのようなアミノ酸残基の1つ以上に非天然チロシンニトロ化を有する。
【0131】
いくつかの実施形態において、本明細書で提供される組換えβ-ラクトグロブリンは、ボス・タウルス β-ラクトグロブリンのアミノ酸残基F151を含むアミノ酸配列を有し、そのようなアミノ酸残基上に非天然のグリピエーションを有する。
【0132】
いくつかの実施形態において、本明細書で提供される組換えβ-ラクトグロブリンは、ボス・タウルス β-ラクトグロブリンのアミノ酸残基C160を含むアミノ酸配列を有し、そのようなアミノ酸残基上に非天然ファルネシル化を有する。
【0133】
いくつかの実施形態において、本明細書で提供される組換えβ-ラクトグロブリンは、ボス・タウルス β-ラクトグロブリンのアミノ酸残基C160を含むアミノ酸配列を有し、そのようなアミノ酸残基上に非天然のゲラニルゲラニル化を有する。
【0134】
非天然PTMを有する組換えα-ラクトアルブミン
いくつかの実施形態において、本明細書で提供される組換え乳タンパク質は、非天然PTMを含む組換えα-ラクトアルブミンである。
【0135】
いくつかの実施形態において、本明細書で提供される組換えα-ラクトアルブミンは、ボス・タウルスα-ラクトアルブミンのT4、S22、T29、T30、T33、S34、T38、N44、N45、S47、T48、N56、N57、N66、S69、S70、N71、N74、S76、T86、N102、およびS112から選択される1つ以上のアミノ酸残基を含むアミノ酸配列を 有し、そのようなアミノ酸残基の1つ以上に非天然のグリコシル化を有する。
【0136】
いくつかの実施形態において、本明細書で提供される組換えα-ラクトアルブミンは、ボス・タウルス α-ラクトアルブミンのT4、Y18、S22、T29、T30、T33、S34、Y36、T38、S47、T48、Y50、S69、S70、S76、T86、Y103、およびS112から選択される1つ以上のアミノ酸残基を含むアミノ酸配列を有し、そのようなアミノ酸残基の1つ以上に非天然リン酸化を有する。
【0137】
非天然PTMを有する組換えκ-カゼイン
いくつかの実施形態において、本明細書で提供される組換え乳タンパク質は、非天然PTMを含む組換えκ-カゼインである。
【0138】
いくつかの実施形態において、本明細書で提供される組換えκ-カゼインは、ボス・タウルス κ-カゼインのS19、S33、S37、N41、N52、N53、S69、S80、N81、S87、T93、T94、S104、N113、T117、T121、N123、T124、S127、T131、S132、T133、T135、S141、T142、T145、S149、S155、N160、T161、T165、S166、およびT167から選択される1つ以上のアミノ酸残基を含むアミノ酸配列を有し、そのようなアミノ酸残基の1つ以上に非天然のグリコシル化を有する。
【0139】
いくつかの実施形態において、本明細書で提供される組換えκ-カゼインは、ボス・タウルス κ-カゼインのS19、Y25、Y30、S33、Y35、S37、Y42、Y43、Y58、Y60、Y61、S69、S80、S87、T93、T94、S104、T117、T121、T124、S127、T131、S132、T133、T135、S141、T142、T145、S149、S155、T161、T165、S166、およびT167から選択される1つ以上のアミノ酸残基を含むアミノ酸配列を有し、そのようなアミノ酸残基の1つ以上に非天然リン酸化を有する。
【0140】
乳製品代替物
別の態様では、乳タンパク質成分を含む乳製品代替物であって、その乳タンパク質成分が、本明細書で提供される非天然PTMを有する組換え乳タンパク質を含み、乳製品代替物の乳製品属性を付与するか、または実質的に寄与する乳製品代替物が提供される。
【0141】
本明細書で使用される「乳タンパク質成分」という用語は、ホエータンパク質のサブセットからなる、またはカゼインのサブセットからなる、またはホエータンパク質のサブセットとカゼインのサブセットとの混合物からなる(すなわち、例えば、ホエータンパク質濃縮物、ホエータンパク質分離物、ホエータンパク質加水分解物、カゼイン分離物、カゼイン濃縮物、カゼイン加水分解物、乳タンパク質分離物、乳タンパク質濃縮物、乳タンパク質加水分解物、ミセルカゼイン濃縮物、カゼインナトリウムまたは産生カゼインに存在するすべてではないがいくつかのタンパク質からなる)を意味し、ここで、ホエータンパク質のサブセットまたはカゼインのサブセット、またはホエータンパク質のサブセットとカゼインのサブセットの混合物は、本明細書で提供される組換え乳タンパク質を含む。この用語は、乳タンパク質成分を構成する乳タンパク質が、本明細書で提供される乳製品代替物に含まれる唯一の乳タンパク質であることを意味する(すなわち、乳製品代替物は、乳タンパク質成分を構成する乳タンパク質以外の乳タンパク質を含まない)。
【0142】
本明細書で提供される乳製品代替物は、生産において利点を提供するので望ましい。このような利点は、以下を含むがこれらに限定されない:牛の生産性からの独立;家畜の病気の発生による市場の不確実性からの独立;環境へのより限定的な悪影響(例えば、より少ない天然資源要件[例えば、より少ない水、土地、使用されるエネルギー]、より少ない二酸化炭素生産);動物福祉への悪影響がない(例えば、動物の閉じ込め、強制給餌、またはホルモン治療がない)。サプライチェーンと生産リスクの軽減(例えば、サプライチェーンのバリエーションと生産方法の柔軟性の向上を提供するために得られた組換えタンパク質の使用);そしてより低い生産コスト。
【0143】
本明細書で提供される乳製品代替物は、組成物および使用において利点を提供するのでさらに好ましい。このような利点は、以下を含むが、これらに限定されない:哺乳動物由来のミルクの不健康な成分(例えば、ミルクアレルゲン、飽和脂肪、コレステロール、微生物汚染物質[例、大腸菌 ]);非コーシャー汚染物質(血液など)を含まない;ハラルダイエットに適している;ビーガン食に適している;ミルクと同様または優れた栄養素含有量(例えば、好ましいアミノ酸プロファイル、低糖);ミルクよりも優れた味/風味と香りを持っている;望ましいまたは新しい属性を持つように特別に設計される可能性;重大な分解または細菌活性なしに長期間(例えば、少なくとも1年)周囲条件で保存することができる乾燥形態を有する;貯蔵寿命が延長された、容易に再構成された液体または凍結形態を有する;および/または多くのアプリケーションでミルクを置き換える機能を提供する。
【0144】
上記のいずれかによる乳製品代替物は、植物(例えば、本明細書に開示される植物のいずれか)から得られるタンパク質を本質的に含まないか、または植物から得られたタンパク質を乾燥質量で0.5%未満、1%未満、5%未満、10%未満、15%未満、20%未満、30%未満、40%未満、または50%未満を含むことができる。
【0145】
上記のいずれかに記載の乳製品代替物は、乳タンパク質成分に含まれる乳タンパク質以外のタンパク質を含むことはできない。
【0146】
上記のいずれかに記載の乳製品代替物は、例えば、哺乳動物由来の乳、哺乳動物由来の乳から抽出されたホエータンパク質、または哺乳類由来の乳から抽出されたカゼインなどの動物から得られる成分を本質的に含まないか、または動物から得られる成分を2質量%以下を含むことができる。
【0147】
上記のいずれかに記載の乳製品代替物は、本質的に飽和脂質を含まないか、または質量で3%未満、2%未満、1%未満、0.5%未満、または0.1質量%未満の飽和脂質を含むことができる。
【0148】
上記のいずれかに記載の乳製品代替物は、本質的にコレステロールを含まないか、質量で1.5質量%未満、1%未満、0.5%未満、0.1%未満、または0.05質量%未満のコレステロールを含むことができる。
【0149】
上記のいずれかに記載の乳製品代替物は、本質的にラクトースを含まなくてもよい。
【0150】
上記のいずれかに記載の乳製品代替物は、ミルクのアレルゲン性よりも低いアレルゲン性を有することができ、例えば、ミルクのアレルゲン性に対して、0%、1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、または95%までのアレルゲン性を有することができる。アレルゲン性は、皮膚プリックテスト、血液検査、または経口食品チャレンジを使用して測定できる。
【0151】
標準的な周囲温度および条件(すなわち、20~30℃および0.95~1.05気圧)において、上記のいずれかによる乳製品代替物は、流体、半固体(例えば、ゼラチン状)、固体、または粉末であり得る。乳製品代替物は粉末形態で使用するか、粉末形態を使用前に水和剤で再構成するか、粉末形態を他の乾燥成分(例えば、小麦粉、砂糖、ミネラル、pHまたはイオン強度調整剤)と水和剤が混合物に加えられる前に混合することができる。適切な水和剤の非限定的な例には、水、ミルク(例えば、動物ミルク、ナッツミルク、植物ベースのミルク)、ジュース(例えば、野菜ジュース、フルーツジュース、他の植物ジュース)、ブライン(例えば、豆またはマメ科植物を浸すために使用される流体または液体)、およびそれらの混合物が挙げられる。
【0152】
上記のいずれかに記載の乳製品代替物は、乳タンパク質ポリマーネットワークを含むことができる。本明細書で使用される「乳タンパク質ポリマーネットワーク」という用語は、共有結合(例えば、ジスルフィド結合)または非共有結合(例えば、イオン結合)のいずれかを介して、互いに直接または中間分子を介して連結される繰り返しの乳タンパク質ユニットから構成されるネットワークを意味する。
【0153】
乳タンパク質成分
上記のいずれかによる乳製品代替物は、本明細書で提供されるような1つ以上の非天然のPTMを有する組換え乳タンパク質を含有する乳タンパク質成分を質量で、0.1% から 100%, 95%, 90%, 85%, 80%, 75%, 70%, 65%, 60%, 55%, 50%, 45%, 40%, 35%, 30%, 25%, 20%, 15%, 14%, 13%, 12%, 11%, 10%, 9%, 8%, 7%, 6%, 5%, 4%, 3%, 2%, 1%, 0.9%, 0.8%, 0.7%, 0.6%, 0.5%, 0.4%, 0.3%, または0.2%の間; 0.2% から 100%, 95%, 90%, 85%, 80%, 75%, 70%, 65%, 60%, 55%, 50%, 45%, 40%, 35%, 30%, 25%, 20%, 15%, 14%, 13%, 12%, 11%, 10%, 9%, 8%, 7%, 6%, 5%, 4%, 3%, 2%, 1%, 0.9%, 0.8%, 0.7%, 0.6%, 0.5%, 0.4%, または 0.3%の間; 0.3% から 100%, 95%, 90%, 85%, 80%, 75%, 70%, 65%, 60%, 55%, 50%, 45%, 40%, 35%, 30%, 25%, 20%, 15%, 14%, 13%, 12%, 11%, 10%, 9%, 8%, 7%, 6%, 5%, 4%, 3%, 2%, 1%, 0.9%, 0.8%, 0.7%, 0.6%, 0.5%, または 0.4%の間; 0.4% から100%, 95%, 90%, 85%, 80%, 75%, 70%, 65%, 60%, 55%, 50%, 45%, 40%, 35%, 30%, 25%, 20%, 15%, 14%, 13%, 12%, 11%, 10%, 9%, 8%, 7%, 6%, 5%, 4%, 3%, 2%, 1%, 0.9%, 0.8%, 0.7%, 0.6%, または 0.5%の間; 0.5% から 100%, 95%, 90%, 85%, 80%, 75%, 70%, 65%, 60%, 55%, 50%, 45%, 40%, 35%, 30%, 25%, 20%, 15%, 14%, 13%, 12%, 11%, 10%, 9%, 8%, 7%, 6%, 5%, 4%, 3%, 2%, 1%, 0.9%, 0.8%, 0.7%, または 0.6%の間; 0.6% から 100%, 95%, 90%, 85%, 80%, 75%, 70%, 65%, 60%, 55%, 50%, 45%, 40%, 35%, 30%, 25%, 20%, 15%, 14%, 13%, 12%, 11%, 10%, 9%, 8%, 7%, 6%, 5%, 4%, 3%, 2%, 1%, 0.9%, 0.8%, または 0.7%の間; 0.7% から 100%, 95%, 90%, 85%, 80%, 75%, 70%, 65%, 60%, 55%, 50%, 45%, 40%, 35%, 30%, 25%, 20%, 15%, 14%, 13%, 12%, 11%, 10%, 9%, 8%, 7%, 6%, 5%, 4%, 3%, 2%, 1%, 0.9%, または 0.8%の間; 0.8% から100%, 95%, 90%, 85%, 80%, 75%, 70%, 65%, 60%, 55%, 50%, 45%, 40%, 35%, 30%, 25%, 20%, 15%, 14%, 13%, 12%, 11%, 10%, 9%, 8%, 7%, 6%, 5%, 4%, 3%, 2%, 1%, または 0.9%の間; 0.9% から 100%, 95%, 90%, 85%, 80%, 75%, 70%, 65%, 60%, 55%, 50%, 45%, 40%, 35%, 30%, 25%, 20%, 15%, 14%, 13%, 12%, 11%, 10%, 9%, 8%, 7%, 6%, 5%, 4%, 3%, 2%, または 1%の間; 1% から 100%, 95%, 90%, 85%, 80%, 75%, 70%, 65%, 60%, 55%, 50%, 45%, 40%, 35%, 30%, 25%, 20%, 15%, 14%, 13%, 12%, 11%, 10%, 9%, 8%, 7%, 6%, 5%, 4%, 3%, または 2%の間; 2% から 100%, 95%, 90%, 85%, 80%, 75%, 70%, 65%, 60%, 55%, 50%, 45%, 40%, 35%, 30%, 25%, 20%, 15%, 14%, 13%, 12%, 11%, 10%, 9%, 8%, 7%, 6%, 5%, 4%, または 3%の間; 3% から 100%, 95%, 90%, 85%, 80%, 75%, 70%, 65%, 60%, 55%, 50%, 45%, 40%, 35%, 30%, 25%, 20%, 15%, 14%, 13%, 12%, 11%, 10%, 9%, 8%, 7%, 6%, 5%, または 4%の間; 4% から 100%, 95%, 90%, 85%, 80%, 75%, 70%, 65%, 60%, 55%, 50%, 45%, 40%, 35%, 30%, 25%, 20%, 15%, 14%, 13%, 12%, 11%, 10%, 9%, 8%, 7%, 6%, または 5%の間; 5% から 100%, 95%, 90%, 85%, 80%, 75%, 70%, 65%, 60%, 55%, 50%, 45%, 40%, 35%, 30%, 25%, 20%, 15%, 14%, 13%, 12%, 11%, 10%, 9%, 8%, 7%, または 6%の間; 6% から 100%, 95%, 90%, 85%, 80%, 75%, 70%, 65%, 60%, 55%, 50%, 45%, 40%, 35%, 30%, 25%, 20%, 15%, 14%, 13%, 12%, 11%, 10%, 9%, 8%, または 7%の間; 7% から 100%, 95%, 90%, 85%, 80%, 75%, 70%, 65%, 60%, 55%, 50%, 45%, 40%, 35%, 30%, 25%, 20%, 15%, 14%, 13%, 12%, 11%, 10%, 9%, または 8%の間; 8% から 100%, 95%, 90%, 85%, 80%, 75%, 70%, 65%, 60%, 55%, 50%, 45%, 40%, 35%, 30%, 25%, 20%, 15%, 14%, 13%, 12%, 11%, 10%, または 9%の間; 9% から 100%, 95%, 90%, 85%, 80%, 75%, 70%, 65%, 60%, 55%, 50%, 45%, 40%, 35%, 30%, 25%, 20%, 15%, 14%, 13%, 12%, 11%, または 10%の間; 10% から 100%, 95%, 90%, 85%, 80%, 75%, 70%, 65%, 60%, 55%, 50%, 45%, 40%, 35%, 30%, 25%, 20%, 15%, 14%, 13%, 12%, または 11%の間; 11% から 100%, 95%, 90%, 85%, 80%, 75%, 70%, 65%, 60%, 55%, 50%, 45%, 40%, 35%, 30%, 25%, 20%, 15%, 14%, 13%, または 12%の間; 12% から 100%, 95%, 90%, 85%, 80%, 75%, 70%, 65%, 60%, 55%, 50%, 45%, 40%, 35%, 30%, 25%, 20%, 15%, 14%, または 13%の間; 13% から 100%, 95%, 90%, 85%, 80%, 75%, 70%, 65%, 60%, 55%, 50%, 45%, 40%, 35%, 30%, 25%, 20%, 15%, または 14%の間; 14% から 100%, 95%, 90%, 85%, 80%, 75%, 70%, 65%, 60%, 55%, 50%, 45%, 40%, 35%, 30%, 25%, 20%, または 15%の間; 15% から 100%, 95%, 90%, 85%, 80%, 75%, 70%, 65%, 60%, 55%, 50%, 45%, 40%, 35%, 30%, 25%, または 20%の間; 20% から 100%, 95%, 90%, 85%, 80%, 75%, 70%, 65%, 60%, 55%, 50%, 45%, 40%, 35%, 30%, または 25%の間; 25% から 100%, 95%, 90%, 85%, 80%, 75%, 70%, 65%, 60%, 55%, 50%, 45%, 40%, 35%, または 30%の間; 30% から 100%, 95%, 90%, 85%, 80%, 75%, 70%, 65%, 60%, 55%, 50%, 45%, 40%, または 35%の間; 35% から 100%, 95%, 90%, 85%, 80%, 75%, 70%, 65%, 60%, 55%, 50%, 45%, または 40%の間; 40% から 100%, 95%, 90%, 85%, 80%, 75%, 70%, 65%, 60%, 55%, 50%, または 45%の間; 45% から 100%, 95%, 90%, 85%, 80%, 75%, 70%, 65%, 60%, 55%, または 50%の間; 50% から 100%, 95%, 90%, 85%, 80%, 75%, 70%, 65%, 60%, または 55%の間; 55% から 100%, 95%, 90%, 85%, 80%, 75%, 70%, 65%, または 60%の間; 60% から 100%, 95%, 90%, 85%, 80%, 75%, 70%, または 65%の間; 65% から 100%, 95%, 90%, 85%, 80%, 75%, または 70%の間; 70% から 100%, 95%, 90%, 85%, 80%, または 75%の間; 75% から 100%, 95%, 90%, 85%, または 80%の間; 80%から 100%, 95%, 90%, または85%の間; または 85% から 100%, 95%, 90%の間; 90% から100% または 95%の間, または 95% から 100%の間で含むことができる。
【0154】
乳タンパク質成分に含まれる1つ以上の非天然PTMを有する組換え乳タンパク質は、本明細書で提供される1つ以上の非天然PTMを有する単一の組換え乳タンパク質(例えば、1つ以上の非天然PTMを有する組換えβ-ラクトグロブリン、本明細書で提供される1つ以上の非天然PTMを有する組換えα-ラクトアルブミン、本明細書で提供される1つ以上の非天然PTMを有する組換えκ-カゼイン)、または1つ以上の非天然PTMを有する2つ以上の組換え乳タンパク質(例えば、本明細書で提供される異なる1つ以上の非天然PTMを有する組換えβ-ラクトグロブリンの混合物、本明細書で提供される異なる1つ以上の非天然PTMを有する組換えα-ラクトアルブミンの混合物、本明細書で提供されるような異なる1つ以上の非天然PTMを有する組換えκ-カゼインの混合物、本明細書で提供される1つ以上の非天然PTMを有する組換えβ-ラクトグロブリンと本明細書で提供される1つ以上の組換えα-ラクトアルブミンとの混合物、本明細書で提供される1つ以上の非天然PTMを有する組換えκ-カゼインと本明細書で提供される1つ以上の非天然PTMを有する組換えβ-ラクトグロブリンとの混合物、本明細書で提供される1つ以上の非天然PTMを有する組換えκ-カゼインと本明細書で提供される1つ以上の非天然PTMを有する組換えα-ラクトアルブミンとの混合物、本明細書で提供される1つ以上の非天然PTMを有する組換えβ-ラクトグロブリンと本明細書で提供される1つ以上の非天然PTMを有する組換えα-ラクトアルブミンと本明細書で提供される1つ以上の非天然PTMを有する組換えκ-カゼインとの混合物)を含む。
【0155】
乳タンパク質成分は、他の乳タンパク質をさらに含むことができる。任意の他の乳タンパク質は、天然乳タンパク質または本明細書で提供されていない組換え乳タンパク質であり得る。任意の他の乳タンパク質が天然乳タンパク質である実施形態では、天然乳タンパク質は、牛、ヒト、羊、山羊、水牛、ラクダ、馬、ロバ、キツネザル、パンダ、ギニアピッグ、リス、クマ、マカク、ゴリラ、チンパンジー、山ヤギ、サル、類人猿、猫、犬、ワラビー、ラット、マウス、象、オポッサム、ウサギ、クジラ、ヒヒ、ギボン、オランウータン、マンドリル、ブタ、オオカミ、キツネ、ライオン、トラ、トナカイ、およびエキドナを含むがこれらに限定されない任意の哺乳動物種から得ることができる。
【0156】
上記のいずれかによる乳タンパク質成分は、以下から構成されなければならない:本明細書で提供される1つ以上の非天然PTMを有する組換えβ-ラクトグロブリン;本明細書で提供される1つ以上の非天然PTMを有する組換えα-ラクトアルブミン;本明細書で提供される1つ以上の非天然PTMを有する組換えκ-カゼイン;本明細書で提供される異なる1つ以上の非天然PTMを有する2つ以上の組換えβ-ラクトグロブリンの混合物(すなわち、1つ以上の異なる非天然PTMを有する2つ以上の組換えβ-ラクトグロブリンの混合物);本明細書で提供される異なる1つ以上の非天然PTMを有する2つ以上の組換えα-ラクトアルブミンの混合物(すなわち、1つ以上の異なる非天然PTMを有する2つ以上の組換えα-ラクトアルブミンの混合物);本明細書で提供される異なる1つ以上の非天然PTMを有する1つ以上の組換えκ-カゼインの混合物(すなわち、1つ以上の異なる非天然PTMを有する2つ以上の組換えκ-カゼインの混合物);本明細書で提供される1つ以上の非天然PTMを有する組換えβ-ラクトグロブリンと、α-ラクトアルブミン(例えば、天然α-ラクトアルブミン、本明細書で提供されない組換えα-ラクトアルブミン、本明細書で提供される1つ以上の非天然PTMを有する組換えα-ラクトアルブミン)、ラクトフェリン(例えば、天然ラクトフェリン、組換えラクトフェリン)、トランスフェリン(例えば、天然トランスフェリン、組換えトランスフェリン)、血清アルブミン(例えば、天然血清アルブミン、組換え血清アルブミン)、ラクトペルオキシダーゼ(例えば、天然ラクトペルオキシダーゼ、組換えラクトペルオキシダーゼ)、GMP(例えば、天然GMP、組換えGMP)、β-カゼイン(例えば、天然β-カゼイン、組換えβ-カゼイン)、γ-カゼイン(例えば、天然γ-カゼイン、組換えγ-カゼイン)、κ-カゼイン(例えば、天然κ-カゼイン、本明細書で提供されていない組換えκ-カゼイン、本明細書で提供される1つまたは複数の非天然PTMを有する組換えκ-カゼイン)、α-S1-カゼイン(例えば、天然α-S1-カゼイン、組換えα-S1-カゼイン)、およびα-S2-カゼイン(例えば、天然のα-S2-カゼイン、組換えα-S2-カゼイン)のいずれか1つ以上または全部と組み合わせたもの;本明細書で提供される1つ以上の非天然PTMを有する組換えα-ラクトアルブミンと、β-ラクトグロブリン(例えば、天然β-ラクトグロブリン、本明細書で提供されない組換えβ-ラクトグロブリン、本明細書で提供される1つ以上の非天然PTMを有する組換えβ-ラクトグロブリン)、ラクトフェリン(例えば、天然ラクトフェリン、組換えラクトフェリン)、トランスフェリン(例えば、天然トランスフェリン、組換えトランスフェリン)、血清アルブミン(例えば、天然血清アルブミン、組換え血清アルブミン)、ラクトペルオキシダーゼ(例えば、天然ラクトペルオキシダーゼ、組換えラクトペルオキシダーゼ)、GMP(例えば、ネイティブGMP、組換えGMP)、β-カゼイン(例えば、天然β-カゼイン、組換えβ-カゼイン)、γ-カゼイン(例えば、天然γ-カゼイン、組換えγ-カゼイン)、κ-カゼイン(例えば、天然κ-カゼイン、本明細書で提供されていない組換えκ-カゼイン、本明細書で提供される1つ以上の非天然PTMを有する組換えκ-カゼイン)、α-S1-カゼイン(例えば、天然α-S1-カゼイン、組換えα-S1-カゼイン)、およびα-S2-カゼイン(例えば、天然のα-S2-カゼイン、組換えα-S2-カゼイン)のいずれか1つ以上または全部と組み合わせたもの;または、本明細書で提供される1つまたは複数の非天然PTMを有する組換えκ-カゼインと、β-ラクトグロブリン(例えば、天然β-ラクトグロブリン、本明細書で提供されない組換えβ-ラクトグロブリン、本明細書で提供される1つ以上の非天然PTMを有する組換えβ -ラクトグロブリン)、ラクトフェリン(例えば、天然ラクトフェリン、組換えラクトフェリン)、トランスフェリン(例えば、天然トランスフェリン、組換えトランスフェリン)、血清アルブミン(例えば、天然血清アルブミン、組換え血清アルブミン)、ラクトペルオキシダーゼ(例えば、天然ラクトペルオキシダーゼ、組換えラクトペルオキシダーゼ)、GMP(例えば、天然GMP、組換えGMP)、β-カゼイン(例えば、天然β-カゼイン、組換えβ-カゼイン)、γ-カゼイン(例えば、天然γ-カゼイン、組換えγ-カゼイン)、α-ラクトアルブミン(例えば、天然α-ラクトアルブミン、本明細書では提供されていない組換えα-ラクトアルブミン、本明細書で提供されるような1つ以上の非天然PTMを有する組換えα-ラクトアルブミン)、α-S1-カゼイン(例えば、天然α-S1-カゼイン、組換えα-S1-カゼイン)、およびα-S2-カゼイン(例えば、天然のα-S2-カゼイン、組換えα-S2-カゼイン)のいずれか1つ以上またはすべてと組み合わせたもの。
【0157】
上記のいずれかに記載の乳タンパク質成分は、本明細書で提供される1つ以上の非天然PTMを有する組換え乳タンパク質と天然乳タンパク質を、約100対1から約1から約100の質量比(例えば、約100対1、約90対1、約80対1、約70対1、約60対1、約50対1、約40対1、約30対1、約20対1、約10対1、約9対1、約8対1、約7対1、約6対1、約5対1、約4対1、約3対1、約2対1、約1対1、約1対2、約1対3、約1対4、約1対5、約1対6、約1対7、約1対8、約1対9、約1対10、約1対20、約1対30、約1対40、約1対50、約1対60、約1対70、約1対80、約1対90、または約1対100)で含むか、またはそれらからなることができる。
【0158】
上記のいずれかに記載の乳タンパク質成分は、本明細書で提供される1つ以上の非天然PTMを有する組換えβ-ラクトグロブリンおよび/または本明細書で提供される1つ以上の非天然PTMを有するα-ラクトアルブミンと、天然ホエータンパク質とを、約10対1から約1対10の質量比(例えば、約10対1、約9対1、約8対1、約7対1、約6対1、約5対1、約4対1、約3対1、約2対1、約1対1、約1対2、約1対3、約1対4、約1対5、約1対6、約1対7、約1対8、約1対9、約1対10)で含むか、またはそれらからなることができる。
【0159】
上記のいずれかに記載の乳タンパク質成分は、本明細書で提供される1つ以上の非天然PTMを有する組換えκ-カゼインと、天然カゼインを、約10対1から約1から約10の質量比 (例えば、約10対1、約9対1、約8対1、約7対1、約6対1、約5対1、約4対1、約3対1、約2対1、約1対1、約1対2、約1対3、約1対4、約1対5、約1対6、約1対7、約1対8、約1対9、約1対10)で含むか、またはそれらからなることができる。
【0160】
上記のいずれかによる乳製品代替物の乳タンパク質成分は、アレルゲン性エピトープ(すなわち、人間または動物の免疫応答を誘発することができるアミノ酸配列)を欠く、本明細書で提供される1つ以上の非天然PTMを有する組換え乳タンパク質を含むことができる。
【0161】
上記のいずれかによる乳製品代替物の乳タンパク質成分は、反応部位を含む、本明細書で提供される1つ以上の非天然PTMを有する組換え乳タンパク質を含むことができる。本明細書で使用される「反応部位」という用語は、別の分子(例えば、別のポリペプチド)上の化学基と共有結合(すなわち、「架橋」)を形成することができる分子(例えば、ポリペプチド)上の化学基を意味する。反応部位は、天然の反応部位、非天然の反応部位(すなわち、天然の乳タンパク質に存在しない反応部位)、または少なくとも1つの天然の反応部位と少なくとも1つの非天然反応部位の混合物であり得る。適切な反応部位の非限定的な例には、ジスルフィド、チオール、第一級アミン、カルボキシル、カルボキサミド、およびヒドロキシルが含まれる(例えば、(Means&Feeney,1971. Chemical Modification of Proteins. Holden Day, Inc. San Francisco, Cambridge, London, Amsterdamを参照)。ポリペプチドに反応部位を導入または除去するための方法は当技術分野で知られており(例えば、Means、GA&Feeney、RE. 1971 Chemical Modification of Proteins. Holden Day, Inc. San Francisco, Cambridge, London, Amsterdamを参照)、例えば、反応部位を含むアミノ酸残基(例えば、システイン残基、リジン残基、グルタミン酸残基、アスパラギン酸残基、非天然アミノ酸(例えば、セレノシステイン、メチル化アミノ酸、アルゲニル化アミノ酸、アシル化アミノ酸、ビオチン化アミノ酸))を除去または挿入することを含む。組換え乳タンパク質の反応部位の種類および/または数および/または位置は、上記のいずれかに記載の乳製品代替物の乳製品属性を付与するか、または実質的に影響を与える可能性がある。上記のいずれかに記載の乳製品代替物の乳タンパク質成分に含まれる組換え乳タンパク質が、対応する天然乳タンパク質に存在する反応部位を欠くこともまた、本発明の範囲内である。
【0162】
上記のいずれかに記載の乳製品代替物の乳タンパク質成分は、乳タンパク質リピートを含む、本明細書で提供される1つ以上の非天然PTMを有する組換え乳タンパク質を含むことができる。本明細書で使用される「乳タンパク質リピート」という用語は、哺乳動物が生産する乳に見られるタンパク質(例えば、乳清タンパク質、カゼイン)のアミノ酸配列と少なくとも80%同一(例えば、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%同一、少なくとも99%同一)であり、組換え乳タンパク質中に複数回(例えば、少なくとも2回、少なくとも3回、少なくとも4回、少なくとも5回、少なくとも10回、少なくとも15回、少なくとも20回、少なくとも30回、少なくとも40回、少なくとも50回、少なくとも75回、少なくとも100回、少なくとも150回、または少なくとも200回)存在することを意味する。乳タンパク質リピートは、少なくとも10、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも150、および通常は200以下のアミノ酸を含み得る。組換え乳タンパク質における乳タンパク質リピートは、連続的(すなわち、介在するアミノ酸配列を有さない)または非連続的(すなわち、介在するアミノ酸配列を有する)であり得る。非連続的に存在する場合、介在するアミノ酸配列は、望ましくない特性を導入することなく分子量を提供する際に受動的な役割を果たすか、または特定の特性(例えば、溶解性、生分解性、他の分子への結合)を提供する際に能動的な役割を果たす場合がある。組換え乳タンパク質の乳タンパク質リピートの種類および/または数および/または位置は、上記のいずれかに記載の乳製品代替物の乳製品属性を付与するか、または実質的に影響を与える可能性がある。
【0163】
その他の成分
上記のいずれかによる乳製品代替物は、他の成分(例えば、本明細書に開示される他の成分のいずれか)を、そのような他の成分のいずれか1つ、そのような他の成分の2つ以上の任意の組み合わせ、またはそのような他の成分のすべての質量として、例えば、0.001%から50%、25%、20%、15%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、0.1%、または0.01%の間; 0.01%から50%、25%、20%、15%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、または0.1%の間; 0.1%から50%、25%、20%、15%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、または0.5%の間; 0.5%から50%、25%、20%、15%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、または1%の間; 1%から50%、25%、20%、15%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、または2%の間; 2%から50%、25%、20%、15%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、または3%の間; 3%から50%、25%、20%、15%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、または4%の間; 4%から50%、25%、20%、15%、10%、9%、8%、7%、6%、または5%の間; 5%から50%、25%、20%、15%、10%、9%、8%、7%、または6%の間; 6%から50%、25%、20%、15%、10%、9%、8%、または7%の間; 7%から50%、25%、20%、15%、10%、9%、または8%の間; 8%から50%、25%、20%、15%、10%、または9%の間; 9%から50%、25%、20%、15%、または10%の間; 10%から50%、25%、20%、または15%の間; 15%から50%、25%、または20%の間; 20%から50%または25%の間;または25%から50%の間でさらに含むことができる。
【0164】
上記のいずれかに記載の乳製品代替物は、栄養剤(例えば、栄養補助食品、栄養サプリメント、プレバイオティック、プロバイオティック、プロビタミン、ビタミン(例えば、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンE、ビタミンD、ビタミンK)、ミネラル(例えば、カルシウム、リン、カリウム、ナトリウム、クエン酸塩、塩化物、リン酸塩、硫酸塩、マグネシウム、カリウム、亜鉛、鉄、モリブデン、マンガン、銅)、抗酸化剤、脂質、または非乳タンパク質)または機能性剤(例えば、酸味料、緩衝剤、貯蔵寿命延長剤、pHおよび/またはイオン強度調整剤、抗菌剤、抗酸化剤、保存剤、乳化剤、テクスチャーリング/マウスフィール剤、着色剤、味覚/風味剤、芳香剤、膨張剤、流動剤、ベーカリーコンディショナー、または甘味剤)を含むことができる。
【0165】
上記のいずれかに記載の乳製品代替物は、例えば、脂肪、油、モノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリド、リン脂質、遊離脂肪酸、またはそれらの混合物などの脂質を含むことができる。
【0166】
上記のいずれかに記載の乳製品代替物は、例えば、植物油(例えば、ヒマワリ油、ココナッツ油、マスタード油、ピーナッツ油、カノーラ油、コーン油、綿実油、亜麻仁油、オリーブ油、パーム油、菜種油、サフラワー油、ゴマ油、大豆油、アーモンド油、ブナナッツ油、ブラジルナッツ油、カシュー油、ヘーゼルナッツ油、マカデミアナッツ油、モンゴンゴナッツ油、ピーカン油、松の実油、ピスタチオナッツ油、クルミ油、アボカドル、グレープオイル)、微生物由来オイル、藻類由来オイル、真菌由来オイル、海洋動物オイル(例えば、大西洋魚油、太平洋魚油、地中海魚油、軽圧搾魚油、アルカリ処理魚油、加熱処理魚油、淡褐色魚油、重褐色魚油、カツオ油、マイワシ油、マグロ油、スズキ油、オヒョウ油、ヤリイカ油、バラクーダ油、タラ油、メンハーデン油、イワシ油、アンチョビ油、カペリン油、大西洋タラ油、大西洋ニシン油、大西洋サバ油、大西洋メンハーデン油、サケ科魚類油、サメ油、イカ油、カトルフィッシュ油、タコ油、オキアミ油、アザラシ油、鯨油)、非エッセンシャルオイル、エッセンシャルオイル、天然油、非水素化油、部分水素化油、水素化油(例えば、水素化ココナッツ油)、粗製油、半精製(アルカリ精製とも呼ばれる)油、エステル交換油、精製油、またはそれらの誘導体または混合物などの油を含むことができる。
【0167】
上記のいずれかに記載の乳製品代替物は、モノグリセリドまたはジグリセリドを含むことができ、例えば、植物由来のモノグリセリドまたはジグリセリド(例えば、ヒマワリ、ココナッツ、ピーナッツ、綿実、オリーブ、ヤシ、菜種、サフラワー、ゴマ種子、大豆、アーモンド、ブナナッツ、ブラジルナッツ、カシュー、ヘーゼルナッツ、マカダミアナッツ、モンゴンゴナッツ、ピーカン、松の実、ピスタチオ、クルミ、およびアボカド由来のモノグリセリドまたはジグリセリド)、または本明細書に開示される遊離脂肪酸のいずれかのアシル鎖を含むモノグリセリドまたはジグリセリド、またはそれらの2つ以上の任意の混合物のいずれかを含むことができる。
【0168】
上記のいずれかに記載の乳製品代替物は、遊離脂肪酸を含むことができ、例えば、酪酸;カプロン酸;カプリル酸;カプリン酸;ラウリン酸;ミリスチン酸;パルミチン酸;ステアリン酸;アラキジン酸;ベヘン酸;リグノセリン酸;セロチン酸;ミリストレイン酸;パルミトレイン酸;サピエン酸;オレイン酸;エライジン酸;バクセン酸;リノール酸;リノレイド酸; α-リノレン酸;アラキドン酸;エイコサペンタエン酸;エルカ酸;ドコサヘキサエン酸;オメガ-脂肪酸(例えば、アラキドン酸、オメガ-3-脂肪酸、オメガ-6-脂肪酸、オメガ-7-脂肪酸、オメガ-9-脂肪酸);炭素長が4~16個の偶数の炭素を持つ脂肪酸;モノ飽和酸[特に18個の炭素を持つ];界面張力が低い脂肪酸(例えば、20未満、15未満、11未満、9未満、7未満、5未満、3未満、2未満、1未満、または0.5ダイン/ cm未満、0.1から20、1から15、2から9、3から9、4から9、5から9、2から7、0.1から5、0.3から2、または0.5~lダイン/ cm、0.10.5、1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、8.5、9.0、9.5、10.0、10.5、11.0、11.5、12.0、12.5、13.0、13.5、14.0、14.5、15.0、15.5、16.0、16.5、17.0、17.5、18.0、18.5、19.0、19.5、または20.0); sn-3でエステル化された酪酸(4:0)またはカプロン酸(6:0);sn-1およびsn-2の位置でエステル化されている中鎖脂肪酸(8:0-14:0)および16:0;sn-1の位置にステアリン酸(18:0)が配置されている脂肪酸;sn-1およびsn-3の位置にオレイン酸(18:1)が配置されている脂肪酸;炭素原子の範囲(例えば、8から40、10から38、12から36、14から34、16から32、18から30、または20から28の炭素原子)を有する脂肪酸;少なくとも1つの不飽和結合(すなわち、炭素-炭素二重結合または三重結合;例えば、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、または少なくとも8つの炭素-炭素二重結合および/または三重結合)を含む脂肪酸;共役不飽和結合を有する脂肪酸(すなわち、少なくとも1対の炭素-炭素二重結合および/または三重結合が、それらの間にメチレン(CH2)基なしで一緒に結合している[例えば、4CH:CHiCH:CHi]);またはその誘導体(例えば、エステル[例えば、メチルおよびエチルエステル]、塩[例えば、ナトリウムおよびカリウム塩]、トリグリセリド誘導体、ジグリセリド誘導体、モノグリセリド誘導体);またはそれらの2つ以上の任意の混合物を含むことができる。
【0169】
上記のいずれかに記載の乳製品代替物は、リン脂質を含むことができ、例えば、レシチンリン脂質(例えば、大豆レシチンリン脂質、ヒマワリレシチンリン脂質、綿レシチンリン脂質、菜種レシチンリン脂質、米ぬかレシチンリン脂質、トウモロコシレシチンリン脂質、小麦粉レシチンリン脂質)、カルジオリピン、セラミドリン脂質、セラミドホスホエタノールアミン、グリセロリン脂質、ホスファチジン酸、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシトール、ホスホスフィン脂質、ホスファチジルセリン、またはそれらの誘導体、またはそれらの2つ以上の任意の混合物を含むことができる。
【0170】
上記のいずれかによる乳製品代替物は、トリグリセリドを含むことができ、例えば、トリブチリン;短鎖トリグリセリド; 3つのオレイン酸を含む短鎖トリグリセリド;ヘキサン酸を含む短鎖トリグリセリド;ヘキサン酸および酪酸を含む短鎖トリグリセリド;ヘキサン酸およびデカン酸を含む短鎖トリグリセリド;1つの酪酸、1つのヘキサン酸、および1つのオクタン酸を含む短鎖トリグリセリド;またはそれらの誘導体、またはそれらの2つ以上の任意の混合物を含むことができる。
【0171】
上記のいずれかに記載の乳製品代替物は、炭水化物をさらに含むことができる。
【0172】
炭水化物は、例えば、植物(例えば、本明細書に開示される植物のいずれか)、藻類(例えば、本明細書に開示される藻類のいずれか)、真菌(例えば、いずれか本明細書に開示される真菌)、または細菌(例えば、本明細書に開示される細菌のいずれか)を含む任意のソースから得ることができる。
【0173】
適切な炭水化物の非限定的な例には、以下が含まれる:単糖、例えば、グルコース、フルクトース、ガラクトース、およびそれらの混合物など;二糖類、例えば、マルトース、ラクトース、スクロース、およびそれらの混合物など;多糖類、例えば、デンプン(例えば、ペクチン、コーン(トウモロコシ)デンプン、オート麦デンプン、ジャガイモデンプン、サツマイモデンプン、米デンプン、エンドウ豆デンプン、小麦デンプン、小豆デンプン、緑豆デンプン、葛デンプン、片栗デンプン、アロールートデンプン、マングビーンデンプン、サゴデンプン、タピオカデンプン、植物デンプン(例えば、本明細書に開示される植物のいずれかから得られるデンプン)、およびそれらの誘導体、ならびにそれらの2つ以上の混合物。いくつかの実施形態において、デンプンは、変性デンプン(例えば、アルファ化デンプン(例えば、トウモロコシ、小麦、タピオカ)、アルファ化高アミロース含有量デンプン、アルファ化加水分解デンプン(例えば、マルトデキストリン、コーンシロップ固形物、米シロップ固形物、タピオカシロップ固形物)、アルファ化置換デンプン(例えば、オクテニルコハク酸変性デンプン)、アルカリ変性デンプン、漂白デンプン、酸化デンプン、モノデンプンホスフェート、ディスターチホスフェート、リン酸化ディスターチホスフェート、アセチル化ディスターチホスフェート、アセチル化スターチ、モノスターチアセテートなどの化学修飾デンプン、アセチル化デンプン、モノデンプンアセテート、アセチル化ジスターチアジペート、ディスターチグリセリン、ヒドロキシプロピルスターチ、ヒドロキシプロピルディスターチグリセリン、ヒドロキシプロピルディスターチホスフェート、デンプンオクテニルコハク酸ナトリウム、アセチル化酸化デンプン、デキストリン、オクテニルコハク酸ナトリウムデンプン、およびそれらの誘導体、ならびにそれらの混合物その2つ以上))、小麦粉(例えば、どんぐり粉、アーモンド粉、アマランス粉、アッタ粉、大麦粉、豆粉、そば粉、カッサバ粉、栗粉、チュニョ粉、ココナッツ粉、コーン(トウモロコシ)粉、デュラム粉、アインコーン粉、エマー粉、ファバ豆粉、ガルバンゾ粉、粉砕チアシード、粉砕亜麻仁粉、麻粉、コラサン粉、レンズ豆粉、マイダ粉、麦芽大麦粉、マサハリナ、メスキート粉、キビ粉、ナッツ粉、オート麦粉、エンドウ豆粉、ピーナッツ粉、ジャガイモ粉、キノア粉、米粉、ライ麦粉、ソルガム粉、大豆粉、スペルト小麦粉、スイートライス粉、タロ粉、テフ粉、小麦粉、バイタル小麦グルテン、粉砕チアシード、粉砕亜麻仁、およびそれらの誘導体、ならびにそれらの2つ以上の混合物)、ガム(例えば、アロールート小麦粉、キサンタンガム、アカシアガム(アラビアガム)、ジェランガム、グアーガム、イナゴ豆ガム(カロブガム)、トラガカントガム、カラゲナン、タラガム、小麦ガム、コンニャクガム、寒天ガム、カラヤガム、サレップ、変性セルロース(例えば、メチルセルロース、メトキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、マイクロクリスタリンセルロース)、およびそれらの誘導体および混合物である。いくつかの実施形態では、ガムは、改変ガム(例えば、脱アセチル化、脱アセチル化清澄化、部分脱アセチル化、部分脱アセチル化清澄化、およびそれらの誘導体、ならびにそれらの2つ以上の混合物)、食用繊維(例えば、アカシア繊維、竹繊維、大麦ふすま、にんじん繊維、セルロース(例えば、木パルプセルロース)、柑橘類繊維、トウモロコシふすま、可溶性食物繊維、不溶性食物繊維、オートブラン、エンドウ豆繊維、米ぬか、オオバコ殻、コンニャク、大豆繊維、大豆多糖類、小麦ふすま、イヌリン、およびそれらの誘導体、およびそれらの2つ以上の混合物)、およびそれらの2つ以上の混合物;並びにそれらの2つ以上の混合物である。
【0174】
上記のいずれかに記載の乳製品代替物は、動物(例えば、昆虫(例えば、ハエ)、哺乳動物(例えば、牛、羊、山羊、ウサギ、ブタ、ヒト)、または鳥(例えば、鶏))または植物(例えば、エンドウ豆、ジャガイモ、ファバ豆、大豆、およびカノーラなど)または微生物(すなわち、例えば、酵母、細菌などの単細胞生物 、古生物、単細胞プロティスタ、単細胞動物、単細胞植物、単細胞真菌、単細胞藻類、原生動物、またはクロミスタ)から得られた非乳タンパク質(天然PTM、非天然PTM、またはそれらの混合物を有する組換え非乳タンパク質、および/または、天然PTMを欠く組換え非乳タンパク質、および/または、ヒトまたは動物において免疫応答を誘発することができるエピトープを欠く組換え非乳タンパク質を含む)を含むことができる。非乳タンパク質の非限定的な例には、血清タンパク質(例えば、アルブミン)、卵タンパク質(例えば、オボムコイド、オボアルブミン、オボトランスフェリン、G162M F167Aオボムコイド、オボグロブリンG2、オボグロブリンG3、α-オボムチン、β-オボムチン、リゾチーム、オボ阻害剤、オボ糖タンパク質、フラボタンパク質、オボマクログロブリン、オボスタチン、シスタチン、アビジン、オボアルブミン関連タンパク質X、およびオボアルブミン関連タンパク質Y)、構造タンパク質(例えば、コラーゲン、トロポエラスチン、エラスチン)、および植物タンパク質(例えば、エンドウ豆、ジャガイモ、ファバ豆、大豆、またはカノーラから得られるタンパク質濃縮物またはタンパク質単離物)が含まれる。
【0175】
上記のいずれかに記載の乳製品代替物は、抗酸化剤を含むことができ、例えば、α-トコフェロール(例えば、牛乳に含まれるトコフェロール)、低分子量チオール(例えば、牛乳に含まれる低分子量チオール)、レチノール(例えば、牛乳に含まれるレチノール)、カロテノイド(例えば、牛乳に含まれるカロテノイド、α-カロテン、β-カロテン、γ-カロテン、ルテイン、ゼアキサンチン、アスタキサンチン)、ビタミンE、アザディラクタインディカ抽出物、リボフラビン、ローズマリー抽出物、ローズマリー抽出物に含まれるフェノール性ジテルペン(例えば、カルノソル、カルノシン酸)、セージ抽出物、アスコルビン酸(ビタミンC)およびその塩、乳酸およびその塩、ブドウ残渣サイレージ、ブドウ残渣サイレージに含まれるフェノール化合物(例えば、フェルラ酸)、大豆(Glycine max)抽出物、大豆抽出物に含まれるイソフラボンまたはポリフェノール化合物、ニンニク(Allium sativum)抽出物、ニンニク抽出物に含まれるフェノールまたはフラボノイドまたはテルペノイド、フェンネル(Foeniculum vulgare Mill.)抽出物、カモミール(Matricaria recutita L.)抽出物、脂肪酸(例えば、α-リポ酸)、褐色藻類(例えば、、Ascophyllum nodosum、Fucus vesiculosus)、未熟ピンクペッパー(GEO)のエッセンシャルオイル、成熟ピンクペッパー(MEO)のエッセンシャルオイル、緑茶抽出物、ブチル化ヒドロキシアニソール(E320)、ブチル化ヒドロキシトルエン(E321)、ポリフェノール(例えば、クルクミン、クルクミノイド、デスメトキシクルクミン(ヒドロキシシルマモイルフェルロイルメタン)、ビス-デスメトキシクルクミン)、カテキン(例えば、、エピガロカテキンガレート、エピカテキンガレート、エピガロカテキン、エピカテキン、Cカテキン、緑茶抽出物に含まれるカテキン)、またはそれらの誘導体、またはそれらの2つ以上の任意の混合物が挙げられる。
【0176】
上記のいずれかに記載の乳製品代替物は、乳化剤を含むことができ、例えば、アニオン性乳化剤、非イオン性乳化剤、カチオン性乳化剤、両性乳化剤、生体乳化剤、立体乳化剤、ピッカリング乳化剤、糖脂質(例えば、トレハロース脂質、ソフォロ脂質、ラムノリピド、マンノシルエリスリオール脂質)、オリゴペプチド(例えば、グラミシジンS、ポリミキシン)、リポペプチド(例えば、サーファクチン)、リン脂質、脂肪酸、中性脂質、高分子バイオサーファクタント、両親媒性多糖類、リポ多糖類、タンパク質(例えば、エンドウ豆タンパク質、大豆タンパク質、ひよこ豆タンパク質、藻類タンパク質、酵母タンパク質、ジャガイモタンパク質、レンチルタンパク質)、マンノタンパク質、リン酸ナトリウム、乳酸カルシウムステアロイル、モノグリセリドのモノアセチルおよびジアセチル酒石酸エステル、リン脂質、モノステアリン酸ソルビタン、ステアリン酸マグネシウム、脂肪酸のナトリウム/カリウム/カルシウム塩、カルシウムステアロイルジラクテート、ポリグリセロールエステル、ソルビタン脂肪酸エステル、モノグリセリドの酢酸エステル、モノグリセリドの乳酸エステル、モノグリセリドのクエン酸エステル、脂肪酸のポリグリセロールエステル、ポリリシノール酸のポリグリセロールエステル、脂肪酸のプロパン-1,2-ジオールエステル、糖エステル、脂肪酸のスクロースエステル、モノグリセリド、アセチル化モノグリセリド、乳酸化モノグリセリド、ジグリセリド、リン酸モノグリセリド、ジアセチル酒石酸エステル、ナトリウム/カルシウムステアロイル-2-ラクチレート、ホスファチドアンモニウム、ポリソルベート、ポリソルベート-80、カルボキシメチルセルロース(CMC)、モジュレートセルロース、クエン酸エステル、リポサン、エマルサン、レシチン(例えば、植物ベースのレシチン、ガルバンゾレシチン、ファバビーンレシチン、大豆レシチン、ヒマワリレシチン、カノーラレシチン)、界面活性剤(例えば、トリオレイン酸ソルビタン(Span85)、トリステアリン酸ソルビタン(Span65)、セスキオレ酸ソルビタン(Arlacsl83)、モノステアリン酸グリセリル、モノオレイン酸ソルビタン(Span80)、モノステアリン酸ソルビタン(Span60)、モノパルミチン酸ソルビタン(Span40)、モノラウリン酸ソルビタン(Span20)、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート(Tween65)、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート(Tween 85)、ポリエチレングリコール400モノステアレート、ポリソルベート60(Tween 60)、ポリオキシエチレンモノステアレート、ポリソルベート80(Tween 80)、ポリソルベート40(Tween 40)、ポリソルベート20(Tween 20)、PEG 20トリステアレート、PEG 20トリオレエート、PEG 20モノステアレート、PEG 20モノオレエート、PEG 20モノパルミテート、およびPEG 20モノラウレートソルビタン)、およびそれらの誘導体および混合物が挙げられる。
【0177】
上記のいずれかに記載の乳製品代替物は、甘味料を含むことができ、例えば、ステビア、アスパルテーム、チクロ、サッカリン、スクラロース、モグロシド、ブラゼイン、クルキュリン、エリスリトール、グリシルリジン、イヌリン、イソマルト、ラシチトール、マビンリン、マリチトール、マンニトール、ミラクリン、モナチン、モネリン、オスラジン、ペンタジン、ソルビトール、ソーマチン、キシリトール、アセスルファムカリウム、アドバンタム、アリタム、アスパルテーム-アセスルファム、チクロナトリウム、ダルシン、グルシン、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、ネオテーム、P-4000、ハチミツ、スクロース、コーンシロップ固形分、グルコース、ラクトース、ガラクトース、デキストロース、フルクトース、マルトース、イソマルツロース、トレハロース、マルトデキストリン、アスルファムK、シクラメート、L-アスパルチル-L-フェニルアラニン、タガトース、ステビオシド、水素化デンプン加水分解物、高フルクトースコーンシロップ、フルクトオリゴ糖、ポリデキストロース、またはそれらの誘導体または混合物が挙げられる。
【0178】
非天然PTMを有する組換え乳タンパク質を含む組成物
別の態様では、上記のいずれかによる乳製品代替物を含む組成物が提供され、乳製品代替物は、組成物の乳製品属性を付与するか、または実質的に寄与する。
【0179】
上記のいずれかに記載の組成物は、質量で、少なくとも0.001%、0.01%、0.1%、1%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、または99%; 0.001%から100%、99%、95%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%、1%、0.1%、または0.01%の間; 0.01%から100%、99%、95%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%、1%、または0.1%の間; 0.1%から100%、99%、95%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%、または1%の間; 1%から100%、99%、95%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、または10%の間; 10%から100%、99%、95%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、または20%の間; 20%から100%、99%、95%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、または30%の間; 30%から100%、99%、95%、90%、80%、70%、60%、50%、または40%の間; 40%から100%、99%、95%、90%、80%、70%、60%、または50%の間; 50%から100%、99%、95%、90%、80%、70%、または60%の間; 60%から100%、99%、95%、90%、80%、または70%の間; 70%から100%、99%、95%、90%、または80%の間; 80%から100%、99%、95%、または90%の間; 90%から100%、99%、または95%の間; 95%から100%または99%の間;または99%から100%の間の乳製品代替物を含むことができる。
【0180】
上記のいずれかに記載の組成物は、動物から得られた成分(例えば、本明細書に開示された動物から得られた成分のいずれかまたはすべて)を本質的に含まないか、2質量%以下で含むことができる。
【0181】
上記のいずれかに記載の組成物は、比較可能なの組成物のアレルゲン性よりも低いアレルゲン性を有することができ、例えば、比較可能な組成物に対して、0%、1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、または95%までのアレルゲン性を有することができる。
【0182】
上記のいずれかに記載の組成物は、乳タンパク質ポリマーネットワークを含むことができる。
【0183】
上記のいずれかに記載の組成物は、例えば、食品(すなわち、食事目的で摂取される製品)、ポリマー、医薬品、またはパーソナルケア製品を含む、様々な製品であり得る。
食品
別の態様では、上記のいずれかによる乳製品代替物を含む食品が提供され、乳製品代替物は、食品の乳製品属性を付与するか、または実質的に寄与する。
【0184】
β-ラクトグロブリンおよび/またはα-ラクトアルブミンを含む食品は、特に運動選手にとって望ましい。これらの乳タンパク質は、筋肉組織の産生を助けると考えられる必須および分岐鎖アミノ酸の含有量が高いからである。さらに、β-ラクトグロブリンは、優れた水結合能力を有し、その特性により、β-ラクトグロブリンが食品の水分活性を管理するのに適しているため、食品添加物として望ましい(例えば、Gustavo etal. 2007. Water Activity in Foods: Fundamentals and Applications, Wiley-Blackwell, ISBN: 978-0-8138-2408-6)。さらに、β-ラクトグロブリンは抗菌活性を有するため食品添加物として望ましく、その特性によりβ-ラクトグロブリンは食品の貯蔵寿命を延ばすのに適している。さらに、β-ラクトグロブリンは界面で容易に吸収できるため、食品添加物として望ましいため、β-ラクトグロブリンは食品中で非常に安定した分散液を製造するのに適している。さらに、α-ラクトアルブミンには、免疫に重要な役割を果たす体内の強力な抗酸化物質であるグルタチオンの構成要素であるアミノ酸のシステインと、食欲、睡眠覚醒リズム、痛みの知覚、気分、不安、ストレスコントロールなどの神経行動効果を調節する神経伝達物質であるセロトニンと神経分泌ホルモンであるメラトニンが豊富に含まれている。κ-カゼインは、不溶性の有機および無機分子(カルシウムイオンなど)や不溶性タンパク質の可溶化を助け、特定の食品の口当たりを改善し、ヨーグルトやその他の製品を作るためのゲルや凝乳を形成できるため、κ-カゼインを含む食品が望ましい。さらに、κ-カゼインは、チーズを作るための鍵となる酵素レンネット活性の部位を構成する。さらに、人数が増加しつつある乳製品に対してアレルギーを有する人々によって消費される可能性があるため、非アレルギー性乳タンパク質を含む食品が望ましい。
【0185】
上記のいずれかに記載の食品は、国民健康栄養調査(NHANES)によって定義された食品カテゴリーのいずれかから選択された食品(すなわち、「代替食品」)であるか、またはこれの類似物であることができ、例えば、スナック食品およびガム(例えば、スナックバー、クラッカー、穀物製品からの塩辛いスナック、チューインガム);パン、穀物、パスタ(例えば、オート麦パンとロール、コーンブレッド、コーンマフィン、トルティーヤ、小麦粉とドライミックス、ビスケット、マルチグレインパンとロール、全粒小麦パンとロール、パスタ、ライ麦パンとロール、ひびの入った小麦パンとロール、白いパンとロール);飲料(例えば、ビールおよびエール、濃縮飲料、飲料、エネルギー飲料、スポーツ飲料、液体代替品、ソフトドリンク、炭酸飲料、ジュース、ワイン、カクテル、栄養飲料、栄養粉末、タンパク質強化飲料);お菓子やデザート(例えば、ケーキ、キャンディー、チップ、クッキー、コブラー、ペストリー、氷またはポプシクル、マフィン、パイ、砂糖の代替品または代替物、シロップ、蜂蜜、ゼリー、ジャム、ジャム、保存食、サラダ、クレープ、デニッシュ、朝食用ペストリー、ドーナツ);朝食用食品(例えば、シリアルグレイン、シリアル、ライス、フレンチトースト、パンケーキ、ワッフル、コーヒーケーキ);卵(例えば、全卵(例えば、液体全卵、スプレー乾燥全卵、冷凍全卵)、卵白(例えば、液体卵白、スプレー乾燥卵白、冷凍卵白)、卵料理、卵スープ、卵白から作られた混合物、卵代替物、卵代替物で作られた混合物);サラダドレッシング、オイル、ソース、調味料(例えば、調理用脂肪、植物油、サラダドレッシング、トマトソース、グレービー);ジャガイモ(例えば、ポテトサラダ、ポテトスープ、チップスアンドスティック、フライドポテト、マッシュポテト、スタッフドポテト、パフ);スープ(野菜スープ、野菜だし)、食事、メインディッシュ、タンパク質(肉代用品)、シーフードが挙げられる。
【0186】
上記のいずれかに記載の食品は、乳製品であるか、またはその類似物(すなわち、「代替乳製品」であり得る)であり得る。
【0187】
上記のいずれかに記載の食品は、乳製品代替物に含まれる乳タンパク質成分に含まれる乳タンパク質以外の追加の乳タンパク質を含むことはできない。
【0188】
上記のいずれかに記載の食品は、本質的に飽和脂質を含まないか、または質量で3%未満、2%未満、1%未満、0.5%未満、または0.1質量%未満の飽和脂質を含むことができる。
【0189】
上記のいずれかに記載の食品は、本質的にコレステロールを含まないか、質量で1.5質量%未満、1%未満、0.5%未満、0.1%未満、または0.05質量%未満のコレステロールを含むことができる。
【0190】
上記のいずれかに記載の食品は、乳化剤(例えば、本明細書に開示される乳化剤のいずれか)を本質的に含まなくてもよい。
【0191】
上記のいずれかに記載の食品は、本質的にラクトースを含まなくてもよい。
【0192】
上記のいずれかに記載の食品は、比較可能な食品のアレルゲン性よりも低いアレルゲン性を有することができ、例えば、比較可能な食品に対して、0%、1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、または95%までのアレルゲン性を有することができる。
【0193】
上記のいずれかに記載の組成物は、本質的に1つ以上の卵タンパク質(例えば、本明細書に開示される卵タンパク質のいずれか)を含まなくてもよい。
【0194】
乳製品属性
上記のいずれかに記載の乳製品代替物、または上記のいずれかに記載の乳製品代替物を含む組成物は、乳製品代替物または組成物に含まれる乳製品代替物にそれぞれ含まれる乳タンパク質成分によって付与されるかまたは実質的に寄与される乳製品属性を有する。
【0195】
その属性は、物理的属性、機械的属性、化学的/生物学的属性、感覚的属性、または機能的属性、あるいはそれらの任意の組み合わせであり得る。
【0196】
そのような属性を調節するために滴定することができる変数には、乳タンパク質成分に含まれる乳タンパク質の種類および/または量(例えば、本明細書で提供される組換え乳タンパク質の種類および/または量、本明細書で提供されていない組換え乳タンパク質の種類および/または量、天然乳タンパク質の種類および/または量)、組成物に含まれる他の成分の種類および/または量、ならびに乳製品代替物または組成物の製造方法が含まれる。
【0197】
物理的属性
上記のいずれかに記載の乳製品代替物、または上記のいずれかに記載の乳製品代替物を含む組成物は、それぞれ、乳製品の物理的属性である、または乳製品によって比較可能な組成物に付与されるかまたは実質的に寄与する物理的属性である、物理的属性を有することができ、例えば、外観(例えば、色、半透明、不透明)、形状、構造、粘度、密度、溶解性、ゲル化点/プロファイル(すなわち、ゲル形成が始まる温度およびタイムライン)、および/または融点/プロファイルなどが挙げられる。
【0198】
外観は、定性的に評価することができ(例えば、人間の感覚の専門家のパネルによる色)、または定量的に測定することができる(例えば、L*a*b*色空間における分光分析による色)。形状は、定性的に評価することも、定量的に測定することもできる。構造は、定性的に評価するか(例えば、目視検査によって)、顕微鏡を使用して定量的にスコアリングすることができる。粘度およびゲル化点/プロファイルは、定性的に評価するか(例えば、流れの速度または容易さ、取り扱い中の動きやすさによって)、または粘度計またはレオメーターを使用して(例えば、回転粘度測定法、毛細管粘度測定法、振動粘度測定法、超音波パルスエコー法、ピクノメトリー法、またはレオメトリー法を使用して)定量的に測定できる。密度は、密度測定法によって定量的に測定できる。ゲル化点/プロファイルおよび溶解度は、当技術分野で知られている方法によって定量的に測定することができる。融点は、熱量測定を使用して定量的に測定できる。
【0199】
上記のいずれかに記載の乳製品代替物を含む組成物は、ミルクによって比較可能な組成物に付与されるか、または実質的に寄与する外観であるところの外観を有することができ、例えば、ミルクによって比較可能な食品に付与された、または実質的に貢献したものと類似する色(例えば、白っぽい色)などを有することができる。
【0200】
あるいは、上記のいずれかに記載の乳製品代替物を含む組成物は、ミルクによって比較可能な組成物に付与されるかまたは実質的に寄与する外観とは異なる外観を有することができ、例えば、ミルクによって比較可能な食品に与えられた、または実質的に貢献したものとは異なる色を有することができる。
【0201】
上記のいずれかに記載の乳製品代替物は、1つの物理的属性(例えば、溶解性などの上記に開示された物理的属性のいずれか)、または2つ以上の物理的属性の組み合わせ(例えば、上記に開示された2つ以上の物理的属性の組み合わせ)を、ミルクのそのような物理的属性の、50%から150%、140%、130%、120%、110%、100%、90%、80%、70%、または60%の間; 60%から150%、140%、130%、120%、110%、100%、90%、80%、または70%の間; 70%から150%、140%、130%、120%、110%、100%、90%、または80%の間; 80%から150%、140%、130%、120%、110%、100%、または90%の間; 90%から150%、140%、130%、120%、110%、または100%の間; 100%から150%、140%、130%、120%、または110%の間; 110%から150%、140%、130%、または120%の間; 120%から150%、140%、または130%の間; 130%から150%、または140%の間;または140%から150%の間、またはミルクのそのような物理的属性の少なくとも1.5倍、少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、少なくとも6倍、少なくとも7倍、少なくとも8倍、少なくとも9倍、少なくとも10倍、少なくとも15倍、または少なくとも20倍、有することができる。
【0202】
上記のいずれかに記載の乳製品代替物を含む食品は、1つの物理的属性(例えば、上記に開示された物理的属性のいずれか)、または2つ以上の物理的属性の組み合わせ(例えば、2つ以上の上記に開示された物理的属性)を、比較可能な食品のそのような物理的属性の50%から150%、140%、130%、120%、110%、100%、90%、80%、70%、または60%の間; 60%から150%、140%、130%、120%、110%、100%、90%、80%、または70%の間; 70%から150%、140%、130%、120%、110%、100%、90%、または80%の間; 80%から150%、140%、130%、120%、110%、100%、または90%の間; 90%から150%、140%、130%、120%、110%、または100%の間; 100%から150%、140%、130%、120%、または110%の間; 110%から150%、140%、130%、または120%の間; 120%から150%、140%、または130%の間; 130%から150%、または140%の間;または140%から150%の間、または比較可能な食品のそのような物理的属性の少なくとも1.5倍、少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、少なくとも6倍、少なくとも7倍、少なくとも8倍、少なくとも9倍、少なくとも10倍、少なくとも15倍、または少なくとも20倍、有することができる。
【0203】
機械的属性
上記のいずれかに記載の乳製品代替物、または上記のいずれかに記載の乳製品代替物を含む組成物は、それぞれ、ミルクの機械的属性であるか、または比較可能な組成物にミルクによって付与されるかまたは実質的に寄与する機械的属性を有することができ、例えば、硬度/硬さ、接着性、弾力性/回復可能エネルギー、構造的完全性/凝集性、弾性/弾力性/リバウンド、または噛み応え/破壊などを有することができる。
【0204】
機械的属性は、例えば、テクスチャー分析器を使用して定量的に測定することができる(実施例3を参照)。
【0205】
上記のいずれかに記載の乳製品代替物は、1つの機械的属性(例えば、上記に開示された機械的属性のいずれか)、または2つ以上の機械的属性の組み合わせ(例えば、上記に開示された2つ以上の機械的属性の組み合わせ)を、ミルクのそのような機械的属性の、50%から150%、140%、130%、120%、110%、100%、90%、80%、70%、または60%の間; 60%から150%、140%、130%、120%、110%、100%、90%、80%、または70%の間; 70%から150%、140%、130%、120%、110%、100%、90%、または80%の間; 80%から150%、140%、130%、120%、110%、100%、または90%の間; 90%から150%、140%、130%、120%、110%、または100%の間; 100%から150%、140%、130%、120%、または110%の間; 110%から150%、140%、130%、または120%の間; 120%から150%、140%、または130%の間; 130%から150%、または140%の間;または140%から150%の間、またはミルクのそのような機械的属性の少なくとも1.5倍、少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、少なくとも6倍、少なくとも7倍、少なくとも8倍、少なくとも9倍、少なくとも10倍、少なくとも15倍、または少なくとも20倍、有することができる。
【0206】
上記のいずれかに記載の乳製品代替物を含む食品は、1つの機械的属性(例えば、上記に開示された機械的属性のいずれか)、または2つ以上の機械的属性の組み合わせ(例えば、2つ以上の上記に開示された機械的属性)を、比較可能な食品のそのような機械的属性の50%から150%、140%、130%、120%、110%、100%、90%、80%、70%、または60%の間; 60%から150%、140%、130%、120%、110%、100%、90%、80%、または70%の間; 70%から150%、140%、130%、120%、110%、100%、90%、または80%の間; 80%から150%、140%、130%、120%、110%、100%、または90%の間; 90%から150%、140%、130%、120%、110%、または100%の間; 100%から150%、140%、130%、120%、または110%の間; 110%から150%、140%、130%、または120%の間; 120%から150%、140%、または130%の間; 130%から150%、または140%の間;または140%から150%の間、または比較可能な食品のそのような機械的属性の少なくとも1.5倍、少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、少なくとも6倍、少なくとも7倍、少なくとも8倍、少なくとも9倍、少なくとも10倍、少なくとも15倍、または少なくとも20倍、有することができる。
【0207】
化学的/生物学的属性
上記のいずれかに記載の乳製品代替物、または上記のいずれかに記載の乳製品代替物を含む組成物は、それぞれ、ミルクの化学的/生物学的属性であるか、または比較可能な組成物にミルクによって付与されるかまたは実質的に寄与する化学的/生物学的属性を有することができ、例えば、栄養素含有量(例えば、タンパク質の種類および/または量、アミノ酸の種類および/または量、PDCAAS、BV)、pH、吸収(例えば、食品から吸収されたタンパク質の割合)、消化率(例えば、胃腸の消化率)、酸化安定性、または満腹感の調節、を有することができる。
【0208】
栄養素含有量は、タンパク質およびアミノ酸の種類および/または含有量を測定するための当技術分野で知られている以下の分析方法を使用して評価することができるが、これに限定されない:AOAC国際参照方法AOAC 990.03およびAOAC 992.15、電気泳動(例えば、SDS-PAGE)、液柱クロマトグラフィー、免疫化学的試験、またはオン-チップ電気泳動(例えば、Agilent Protein80キットおよびAgilent2100バイオアナライザーを使用)。あるいは、化学的/生物学的属性は、成分の栄養素含有量から計算することができる。
【0209】
上記のいずれかに記載の乳製品代替物は、質量で3%から100%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%、または5%の間; 5%から100%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%の間; 10%から100%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、または20%の間; 20%から100%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、または30%の間; 30%から100%、90%、80%、70%、60%、50%、または40%の間; 40%から100%、90%、80%、70%、60%、または50%の間; 50%から100%、90%、80%、70%、または60%の間; 60%から100%、90%、80%、または70%の間; 70%から100%、90%、または80%の間; 80%から100%、または90%の間;または90%から100%の間のタンパク質を含むことができる。
【0210】
上記のいずれかに記載の乳製品代替物は、少なくとも0.8、少なくとも0.82、少なくとも0.84、少なくとも0.86、少なくとも0.88、少なくとも0.9、少なくとも0.92、少なくとも0.94、少なくとも0.96、または少なくとも0.98のPDCAASを有することができる。
【0211】
上記のいずれかに記載の乳製品代替物は、乾燥重量で、5%から30%、25%、20%、15%、または10%の間;10%から30%、25%、20%、または15%の間; 15%から30%、25%、または20%の間; 20%から30%、または25%の間;または25%から30%の間の分枝鎖アミノ酸を含むことができる。
【0212】
上記のいずれかに記載の乳製品代替物は、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、少なくとも95、少なくとも100、少なくとも105、少なくとも110、少なくとも115、または少なくとも120のBVを有することができる。
【0213】
機能的属性
上記のいずれかに記載の乳製品代替物、または上記のいずれかに記載の乳製品代替物を含む組成物は、それぞれ、ミルクの機能的属性であるか、または比較可能な組成物にミルクによって付与されるかまたは実質的に寄与する機能的属性を有することができ、例えば、発泡/膨張挙動(例えば、発泡能力(すなわち、泡を形成する能力、本明細書で使用される「泡」という用語は、固体または水性連続相に分散された気泡を指す)、泡の降伏応力(すなわち、泡の流れを開始するために必要な応力)、泡の安定性(すなわち、物理的および/または化学的状態に応じた泡の半減期)、泡の排出(すなわち、泡が不安定化し、水相が泡から排出され始める速度))、ゲル化/増粘/凝固挙動(例えば、ゲル化能力(すなわち、ゲルを形成する能力、本明細書で使用される「ゲル」という用語は、タンパク質分子への水素結合によってリンクされた溶媒で満たされたスペースを持つタンパク質ネットワークを指す)、ゲル化プロファイル(例えば、経時的なゲル化能力の曲線、温度の関数としての粘弾性パラメーター)、ゲル強度(すなわち、定義された領域のゲル表面を破壊するために必要な機械力))、乳化挙動(例えば、乳化能力(すなわち、エマルションを安定化する能力または特定の質量のサンプルが不安定化することなく乳化できる油の量)、エマルション安定性(すなわち、特定の条件、例えば、所与のタンパク質濃度、脂質濃度、pH、イオン強度、または調製方法など、の下で生成されるエマルションの半減期))、水結合挙動(例えば、水結合能力(すなわち、水を結合する能力)、水結合強度)、離液ゲル化(すなわち、経時的な離水)、凝集挙動(例えば、凝集能力(すなわち、沈殿物を形成する能力(すなわち、タンパク質分子間の強力な相互作用および溶媒の排除に基づく緊密なタンパク質ネットワーク))、凝集体の安定性(例えば、加熱時、さまざまなpH、さまざまなイオン濃度)、ミセルを形成する能力(すなわち、組成物内に分散液として存在し、1つ以上の生体分子(例えば、水、ミネラル、ビタミン)をカプセル化できる一般的またはほぼ球状の超分子構造)、他のタンパク質(例えば、他の乳タンパク質)との相互作用、および使用の多様性(すなわち、多様な使用および多様な組成物の生成の可能性)を有することができる。
【0214】
発泡/膨張挙動は、当技術分野で知られている方法を使用して評価することができ、例えば、定義された条件(例えば、温度、pH、イオン強度、タンパク質濃度、炭水化物濃度)の下、特定の速度および特定の時間下で泡立てた後、組成物によって形成された泡に組み込まれた空気のパーセンテージの測定、泡の特定の質量が液体の排出または浸透の形で不安定になるのにかかる時間の測定、せん断下での降伏応力の測定、またはサンプルの流れを開始するために必要な応力の量、および本明細書で提供される乳製品代替物またはミルクを使用して製造された焼き/調理済み食品のエアリーな、軽いテクスチャーの高さおよび程度の測定、が含まれる。
【0215】
ゲル化/増粘/凝固挙動は、当技術分野で知られている方法を使用して評価することができ、例えば、定義された条件下(例えば、温度、pH、イオン強度、タンパク質濃度、炭水化物濃度)での組成物からゲルを形成するために必要な時間の測定、レオメーターの周波数掃引で得られた貯蔵および弾性係数と位相角の測定、および物理的な力および/または化学的条件(例えば、攪拌、温度、pH、イオン強度)に対するゲルの抵抗の測定が挙げられる(例えば、Ikeda et al. 2000 Biopolymers, 56: 109-119を参照)。
【0216】
乳化挙動は、例えば、定義された条件下(例えば、混合装置、混合速度、混合時間)での水中脂質エマルションの調製、およびその後の脂質と水の混合物における相分離までの経時的な安定性の測定、クリーミングまたは沈降の速度の測定、経時的な不透明度の変化の測定、または経時的な分散相の粒子サイズの変化の測定が挙げられる(例えば、Liang et al. 2013. Food Hydrocolloids, 33, 297-308を参照)。
【0217】
水結合挙動は、当技術分野で知られている方法を使用して評価することができ、例えば、タンパク質の質量あたりの結合水の量を決定するために使用される、遠心分離後にサンプルによって滲出される水の量の測定、蒸気圧の関数としてのタンパク質の質量あたりに結合した水の質量に基づく吸湿等温線の開発が含まれる。
【0218】
上記のいずれかに記載の乳製品代替物は、1つの機能的属性(例えば、上記に開示された、発泡能力、泡降伏応力、泡安定性、泡排出、ゲル化能力、ゲル強度、凝集能力、凝集体安定性、ミセル形成能力、乳化能力、エマルジション安定性、水結合能力、およびゲル化時の離液を含む、機能的属性のいずれか)、または2つ以上の機能的属性の組み合わせ(例えば、上記に開示された2つ以上の機能的属性の組み合わせ)を、ミルクのそのような機能的属性の、50%から150%、140%、130%、120%、110%、100%、90%、80%、70%、または60%の間; 60%から150%、140%、130%、120%、110%、100%、90%、80%、または70%の間; 70%から150%、140%、130%、120%、110%、100%、90%、または80%の間; 80%から150%、140%、130%、120%、110%、100%、または90%の間; 90%から150%、140%、130%、120%、110%、または100%の間; 100%から150%、140%、130%、120%、または110%の間; 110%から150%、140%、130%、または120%の間; 120%から150%、140%、または130%の間; 130%から150%、または140%の間;または140%から150%の間、またはミルクのそのような機能的属性の少なくとも1.5倍、少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、少なくとも6倍、少なくとも7倍、少なくとも8倍、少なくとも9倍、少なくとも10倍、少なくとも15倍、または少なくとも20倍、有することができる。
【0219】
上記のいずれかに記載の乳製品代替物は、ミルクのそれと同様の使用汎用性(すなわち、乳製品代替物を様々な方法で使用する能力、および/または乳製品代替物から他の組成物の多様性を導出する能力)を有することができる。そのような使用汎用性の非限定的な例は、乳製品代替物(例えば、ヨーグルト、チーズ、クリーム、バター)およびタンパク質二量体を形成する能力を含む、本明細書で提供される食品のいずれかの製造である。
【0220】
感覚的属性
上記のいずれかに記載の乳製品代替物、または上記のいずれかに記載の乳製品代替物を含む組成物は、それぞれ、ミルクの感覚的属性であるか、またはミルクによって比較可能な組成物に付与されるかまたは実質的に寄与する感覚的属性を有することができ、例えば、味/風味、芳香、または食味(例えば、脂肪感、クリーミーさ、コク、脂っこさ、厚さ、硬度/硬さ、サクサク感、もろさ、カリカリ感、歯ごたえ、噛みごたえ、柔らかさ、コンパクトさ、凝集性、接着性、粒状性、滑らかさ、ジューシーさ、湿り気、口当たり、舌の上での滑りやすさ、粗さ、研磨性、噛んだ時および/または咀嚼時の均一性、弾力性、テクスチャー、軽さ、スプーンからサンプルを舌に乗せるために必要な労力)を有することができる。
【0221】
感覚的属性は、感覚専門家のパネルによって定性的に評価されるか、またはテクスチャーおよび感覚知覚に影響を与える相関する物理的、機械的、化学的、および/または機能的属性(例えば、硬度/硬さ、接着性、弾力性/回復可能エネルギー 、構造の完全性/凝集性、弾性/弾力性/リバウンド、咀嚼性/噛み応え、密度、粘度、固体粒子の含有量/サイズ/形状、水結合)から導き出すことができる。
【0222】
上記のいずれかに記載の乳製品代替物を含む食品は、ミルクによって比較可能な食品に与えられたものまたは実質的に寄与されたものと同様の感覚的属性(例えば、味/風味、食事の質)を持つことができる。
【0223】
あるいは、上記のいずれかに記載の乳製品代替物を含む食品は、ミルクによって比較可能な食品に与えられた、または実質的に寄与したものとは異なる感覚的属性(例えば、味/風味、食味)を有することができ、例えば、非ミルク味/フレーバーまたは中性味/フレーバー(すなわち、食品の味/フレーバーに影響を及ぼさない)などが挙げられる。
【0224】
非天然PTMを持つ組換え乳タンパク質を生産する方法
別の態様では、本明細書で提供される乳製品代替物を製造するための方法が提供される。本方法は、本明細書で提供されるような1つ以上の非天然PTMを有する1つ以上の組換え乳タンパク質を含む、1つ以上の天然および/または組換え乳タンパク質を取得するステップを含む。
【0225】
組換え乳タンパク質は、組換え乳タンパク質の産生および/または分泌に適した条件下で、培養培地中で組換え乳タンパク質をコードする組換えポリヌクレオチド(例えば、組換えベクター)を含む適切な組換え宿主細胞を培養することによって得ることができる。本方法は、以下のステップをさらに含むことができる:a)乳タンパク質をコードする組換えポリヌクレオチドを取得し、組換えポリヌクレオチドを宿主細胞に導入して組換え宿主細胞を取得するステップ;および/またはb)組換え乳タンパク質を単離する(すなわち、精製する)ステップ;および/またはc)組換え乳タンパク質の後処理ステップ。
【0226】
あるいは、組換え乳タンパク質は、インビトロ法を使用して(例えば、無細胞転写および/または翻訳システムを使用して)得ることができる。
【0227】
天然の乳タンパク質は、ミルクから単離することができる。天然源からタンパク質を単離するための方法は知られており、タンパク質単離物、タンパク質濃縮物、タンパク質粉、および部分的に精製または精製されたタンパク質を生産するために使用される。
【0228】
組換えポリヌクレオチド
組換え宿主細胞に含まれる組換えポリヌクレオチドは、直接的な化学合成およびクローニングを含むがこれらに限定されない、当技術分野で知られている任意の適切な方法によって調製することができる。
【0229】
組換えポリヌクレオチドは、典型的には、1つ以上の発現カセットを含み、各発現カセットは、プロモーター(例えば、真菌プロモーター)、任意のシグナル配列(すなわち、新生タンパク質が合成される細胞の外部にペプチドに付着した新生タンパク質の送達を媒介するペプチドをコードする配列(すなわち、組換えタンパク質の分泌を媒介するペプチドをコードする配列))、乳タンパク質をコードする配列、および終結配列(または複数の終結配列)を含み、ここで、プロモーターは、センス方向で任意のシグナル配列に作動可能に連結されている(すなわち、プロモーターおよび任意のシグナル配列ならびに乳タンパク質をコードするその後の配列は、プロモーターが任意のシグナル配列および乳タンパク質をコードする配列の転写を調節するのに有効であるように配置される)、任意のシグナル配列は、センス方向で乳タンパク質をコードする配列に作動可能に連結されている。(すなわち、シグナル配列および乳タンパク質をコードするシグナル配列および配列は、転写および翻訳が機能的シグナル配列を含む乳タンパク質を生成するように配置される)、および終結配列は、乳タンパク質をコードする配列に作動可能に連結される(すなわち、乳タンパク質をコードする配列および終結配列は、ターミネーターが、任意のシグナル配列および乳タンパク質をコードする配列の転写を終結させるのに有効であるように配置される)。
【0230】
プロモーターは、組換え宿主細胞において機能的である任意の適切なプロモーターであり得る。いくつかの実施形態において、プロモーターは構成的プロモーターである。他の実施形態では、プロモーターは、誘導性プロモーターまたは抑制性プロモーター(例えば、グルコース、ガラクトース、ラクトース、スクロース、セルロース、ソホロース、ゲンチオビオース、ソルボース、セルラーゼプロモーターを誘導する二糖類、デンプン、トリプトファン、またはリン酸塩の存在下で誘導または抑制されるプロモーター)である。
【0231】
組換え真菌宿主細胞で使用するのに適したプロモーターの非限定的な例には、以下のタンパク質のいずれかをコードする遺伝子のプロモーターおよびその機能的部分が含まれる:グルコアミラーゼ(例えば、Aspergillus niger、Aspergillus awamori、Aspergillus japonicus、Aspergillus tubeingensis、Aspergillus foetidus、またはAspegillus carbonarius)、アミラーゼ(例えば、、Aspergillus oryzae TAKAアミラーゼ、Aspergillus niger中性α-アミラーゼ、Aspergillus niger酸安定α-アミラーゼ、真菌α-アミラーゼ[amy]、細菌αアミラーゼ)、プロテアーゼ(例えば、、Rhizomucor miehei asparticプロテアーゼ、Aspergillus oryzaeアルカリ性プロテアーゼ、Fusarium oxysporumトリプシン様プロテアーゼ、Trichoderma reeseiプロテアーゼ)、リパーゼ(例えば、、Rhizomucor mieheiリパーゼ)、イソメラーゼ(例えば、、Aspergillus oryzaeトリオースホスフェートイソメラーゼ、真菌トリオースホスフェートイソメラーゼ[tpi]、酵母トリオースホスフェートイソメラーゼ)、アセトアミダーゼ(例えば、AspergillusnidulansまたはAspergillusoryzaeまたは他の真菌アセトアミダーゼ[amdS])、デヒドロゲナーゼ(例えば、真菌アルコールデヒドロゲナーゼ[adhA]、真菌グリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼ[gpd]、酵母アルコールデヒドロゲナーゼ)、キシラナーゼ(例えば、真菌キシラナーゼ[xlnA]、Trichodermaキシラナーゼ[xyn1、xyn2、bxl1])、キナーゼ(例えば、酵母3 -ホスホグリセリン酸キナーゼ)、ヒドロラーゼ(例えば、、真菌セロビオヒドロラーゼI [cbh1]、Trichodermaヒドロラーゼ[cbh2、egl1、egl2])、ホスファターゼ(例えば、、フサリウム酸ホスファターゼ)、およびその他の真菌タンパク質(例えば、真菌エンドα-L-アラビナーゼ)[abnA]、真菌α-L-アラビノフラノシダーゼA [abfA]、真菌α-L-アラビノフラノシダーゼB [abfB]、真菌フィターゼ、真菌ATP-シンテターゼ、真菌サブユニット9 [oliC]、真菌胞子形成特異的タンパク質[Spo2]、真菌SSO、酵母アルコールオキシダーゼ、酵母ラクターゼ、Neurospora crassa CPC1、Aspergillus nidulans trpC、真菌キチン分解酵素[例えば、エンドキチナーゼおよびエキソキチナーゼ、ベータグルカナーゼ]、真菌VAMP関連タンパク質[VAP]、真菌翻訳伸長因子[TEF1]、真菌DNA損傷応答性タンパク質[DDRP]、真菌[例えば、FusariumまたはNeurospora crassa]六角形のペルオキシソーム[Hex1]、真菌[例えば、Neurospora crassa]カタラーゼ)、および組換え真菌宿主細胞で高レベルで産生されるその他のタンパク質。
【0232】
組換え細菌または酵母宿主細胞で使用するのに適したプロモーターの非限定的な例には、以下のタンパク質のいずれかをコードする遺伝子のプロモーターおよびその機能的部分が含まれる:LAC4、T7ポリメラーゼ、TAC、GAL1、λPL、λPR、ベータ-ラクタマーゼ、spa、CYC1、TDH3、GPD、TEF1、ENO2、PGL1、GAP、SUC2、ADH1、ADH2、HXT7、PHO5、CLB1、AOX1、セルラーゼ、アミラーゼ、プロテアーゼ、キシラナーゼ、および組換え細菌または酵母宿主細胞中で高レベルで産生される他のタンパク質が挙げられ、例えば、ストレス(例えば、熱ショック)応答遺伝子(例えば、hac1、BIP)のプロモーターなどが含まれる。
【0233】
シグナル配列は、組換え宿主細胞において機能的である任意の適切なシグナル配列であり得る。組換え真菌宿主細胞で使用するのに適したシグナル配列の非限定的な例には、Trichoderma reeseiからのシグナル配列(例えば、Cbh1、cbh2、egl1、egl2、xyn1、xyn2、bxl1、hfb1、またはhfb2のシグナル配列)、Aspergillus nigerからのシグナル配列(例えば、glaA、amyA、amyC、またはaamAのシグナル配列)、酵母からのシグナル配列(例えば、アルファ接合因子[MFa]のシグナル配列)、およびそれらの機能的部分が含まれる。組換え酵母宿主細胞で使用するための適切なシグナル配列の非限定的な例には、酵母からのシグナル配列(例えば、アルファ接合因子[MFa]のシグナル配列)、およびその機能的部分が含まれる。
【0234】
終結配列は、組換え宿主細胞において機能的である任意の適切な終結配列であり得る。組換え真菌宿主細胞で使用するための適切な終結配列の非限定的な例には、Aspergillus oryzaeの終結配列(例えば、TAKAアミラーゼ遺伝子の終結配列)、Aspergillus nigerの終結配列(例えば、glaA、gpdA、aamA、trpC、pdc1、adh1、amdS、またはtef1遺伝子の終結配列) )、Fusarium oxysporumの終結配列(例えば、セリンプロテアーゼ[トリプシン]遺伝子の終結配列)、Trichoderma reeseiの終結配列(例えば、cbh1、pdc1、TEF1、gpd1、xyn1、またはadh1遺伝子の終結配列)、Pichia pastorisの終結配列(例えば、aox1、gap1、adh1、tef1、tps1、またはpgk1遺伝子の終結配列)、Saccharomyces cerevisiaeの終結配列(例えば、adh1、cyc1、gal1、tef1、pdc1、pgk1、またはtps1遺伝子の終結配列)、合成終結配列、および上記の配列の任意の組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。組換え酵母宿主細胞で使用するための適切な終結配列の非限定的な例には、PGK1およびTPS1終結配列が含まれるが、これらに限定されない。
【0235】
組換えポリヌクレオチドは、追加の要素をさらに含むことができる。そのような追加の要素の非限定的な例には、エンハンサー配列、応答要素、タンパク質認識部位、誘導性要素、タンパク質結合配列、5 'および3'非翻訳領域、ポリアデニル化配列、イントロン、複製の起源、オペレーター(すなわち、リプレッサータンパク質が結合してプロモーターの活性を低下または消失できるタンパク質結合ドメインを含む、プロモーターに隣接するポリヌクレオチド)、および選択マーカー(すなわち、宿主細胞の栄養栄養を補完し、抗生物質耐性を提供し、または結果として色変更を生じることができるタンパク質をコードする遺伝子)が含まれる。そのような要素は当技術分野で知られている。複製起源の非限定的な例には、AMA1およびANSIが含まれる。適切な選択マーカーの非限定的な例には、amdS(アセトアミダーゼ)、argB(オルニチンカルバモイルトランスフェラーゼ)、bar(ホスフィノトリシンアセチルトランスフェラーゼ)、hph(ハイグロマイシンホスホトランスフェラーゼ)、niaD(硝酸レダクターゼ)、pyrG(オロチジン5'-リン酸デカルボキシラーゼ)、sC(硫酸アデニルトランスフェラーゼ)、trpC(アントラニル酸シンターゼ)、およびそれらの誘導体が含まれる。いくつかの実施形態において、選択マーカーは、選択マーカーの産生を減少させる改変を含み、その結果、ポリヌクレオチドを含む宿主細胞が選択下で生き残ることを可能にするために必要なコピーの数を増加させる。
【0236】
組換えポリヌクレオチドが2つ以上の発現カセットを含む実施形態において、作動可能に連結されたプロモーター、任意のシグナル配列、ポリペプチド終結配列をコードする配列、および任意の追加の要素は、2つ以上の発現カセット間で同一または異なることができる。
【0237】
組換え宿主細胞
組換えポリヌクレオチドを宿主細胞に導入して組換え宿主細胞を得るための方法は、当技術分野で周知である。そのような方法の非限定的な例には、リン酸カルシウムトランスフェクション、デンドリマートランスフェクション、リポソームトランスフェクション(例えば、カチオン性リポソームトランスフェクション)、カチオン性ポリマートランスフェクション、細胞圧搾、ソノポレーション、光学的トランスフェクション、プロトプラスト融合、インペールフェクション、流体力学的送達、遺伝子銃、マグネトフェクション、ウイルストランスフェクション、エレクトロポレーションおよび化学的変換(例えば、PEGを使用)が含まれる。
【0238】
組換えポリヌクレオチド(すなわち、宿主細胞を形質導入、形質転換、または感染させ、宿主細胞に天然のもの以外の、または宿主細胞に天然ではない方法でポリヌクレオチドおよび/またはポリペプチドを発現させるポリヌクレオチド)は、発現ベクター上で組換え宿主細胞において染色体外に維持することができるか、または組換え宿主細胞のゲノム(例えば、染色体)内に安定して組み込まれることができる。ゲノムへの組み込みのために、組換えポリヌクレオチドは、相同(すなわち、標的化された組み込み)または非相同組換えによるゲノムへの組み込みのための配列を含むことができる。組換えポリヌクレオチドは、相同組換えの可能性を高めるために、組換え宿主細胞のゲノム中の標的配列と高度に相同である少なくとも100、少なくとも250、少なくとも500、少なくとも750、少なくとも1,000、または少なくとも10,000塩基対を含み得る。そのような高度に相同な配列は、非コーディングまたはコーディングであり得る。組換えポリヌクレオチドの複数のコピーを組換え宿主細胞に挿入して、組換え乳タンパク質の産生を増加させることができる。
【0239】
組換え宿主細胞は、任意の動物、植物、藻類真菌(例えば、酵母、糸状菌)、または細菌、ならびに一般に安全であると認識されている(GRAS)産業株を含むがこれらに限定されない任意の生物から得られる宿主細胞から得ることができる。
【0240】
適切な植物の非限定的な例には、ソテツ、イチョウ葉、針葉樹、ヒノキ、ジュニパー、トゥジャ、シダーウッド、松、アンジェリカ、キャラウェイ、コリアンダー、クミン、フェンネル、パセリ、ディル、タンポポ、ヘリクリサム、マリーゴールド、ヨモギ(mugwort)、サフラワー、カモミール、レタス、ヨモギ(wormwood)、カレンデュラ、シトロネラ、セージ、タイム、チアシード、マスタード、オリーブ、コーヒー、カプシカム、ナス、パプリカ、クランベリー、キウイ、野菜(例えば、ニンジン、セロリ)、タゲテ、タンジー、タラゴン、ヒマワリ、ウィンターグリーン、バジル、ヒソップ、ラベンダー、レモンバーベナ、マジョラム、メリッサ、パッチーリ、ペニーロイヤル、ペパーミント、ローズマリー、ゴマ、スペアミント、プリムローズ、サマラ、ペッパー、ピメント、ジャガイモ、サツマイモ、トマト、ブルーベリー、ナイトシェード、ペチュニア、朝顔、ライラック、ジャスミン、ハニーサックル、スナップドラゴン、プシリウム、ワームシード、そば、アマランス、チャード、キノア、ほうれん草、ルバーブ、ジョジョバ、シプセレア、クロレラ、マルラ、ヘーゼルナッツ、カノーラ、ケール、ボクチョイ、ルタバガ、フランキンセンス、ミルラ、エレミ、麻、カボチャ、スカッシュ、カーカービット、マニオック、ダルベルギア、マメ科植物(例えば、アルファルファ、レンティル、豆、クローバー、エンドウ豆、ファバコセイラ、フリジョールボラロハ、フリジョールネグロ、レスペデザ、リコリス、ルパン、メスキート、カロブ、大豆、ピーナッツ、タマリンド、藤、カッシア、ひよこ豆/ガルバンゾ、フェヌグリーク、エンドウ豆、イエローピー、スノーピー、リマ豆、ファバ豆)、ゼラニウム、亜麻、ザクロ、綿、オクラ、ニーム、イチジク、桑、クローブ、ユーカリ、茶の木、ニアウリ、結実植物(例えば、リンゴ、アプリコット、桃、プラム、梨、ネクタリン)、イチゴ、ブラックベリー、ラズベリー、チェリー、プルーン、ローズ、タンジェリン、柑橘類(例えば、グレープフルーツ、レモン、ライム、オレンジ、ビターオレンジ、マンダリン、タンジェリン)、マンゴー、シトラスベルガモット、ブチュ、ブドウ、ブロッコリー、ブリュッセルもやし、カメリーナ、カリフラワー、菜種、菜種(カノーラ)、カブ、キャベツ、きゅうり、スイカ、ハニーデューメロン、ズッキーニ、バーチ、クルミ、カッサバ、バオバブ、オールスパイス、アーモンド、ブレッドフルーツ、サンダルウッド、マカダミア、タロ、チューベローズ、アロエベラ、ニンニク、タマネギ、シャロット、バニラ、ユッカ、ベティバー、ガランガル、大麦、トウモロコシ、クルクマアロマティカ、生姜、レモングラス、オート麦、ヤシ、パイナップル、米、ライ麦、ソルガム、ライコムギ、ターメリック、ヤム、竹、大麦、カヤプテ、カンナ、カルダモン、トウモロコシ、オート麦、小麦、シナモン、ササフラス、リンデラベンゾイン、ベイローレル、アボカド、イランイラン、メイス、ナツメグ、モリンガ、ホーステイル、オレガノ、シラントロ、チャービル、ニラ、アグリゲートフルーツ、穀物植物、ハーブ植物、葉野菜、非穀物マメ科植物、ナッツ植物、多肉植物、陸上植物、水生植物、デルベルギア、キビ、ドルーペ、シゾカープ、開花植物、非開花植物、培養植物、野生植物、樹木、低木、花、草、草本植物、ブラシ、リアナ、サボテン、熱帯植物、亜熱帯植物、温帯植物、および苔(例えば、Physcomitrell apatens)が含まれる。
【0241】
適切な藻類の非限定的な例には、以下の属のいずれかのメンバー、およびそれらの派生物または交雑種が含まれる:赤藻、褐藻、緑藻、微細藻類、アシネトバクター、アクナンテス(例えば、Achnanthes orientalis)、アグメネルム、アラリア(例えば、クシロワカメ(Alaria marginata))、アンフィプロラ(例えば、Amphiprora hyaline)、アンフォラ(例えば、 Amphora coffeiformis, Amphora coffeiformis linea, Amphora coffeiformis punctata, Amphora coffeiformis taylori, Amphora coffeiformis tenuis, Amphora delicatissima, Amphora delicatissima capitata, Amphora sp.)、アナベナ、アナリパス(例えば、マツモ(Analipus japonicus))、アンキストロデスムス(例えば、Ankistrodesmus falcatus)、アスコフィラム(例えば、Ascophyllum nodosum)、ベーケロビア(例えば、Boekelovia hooglandii)、ボロディネラ(例えば 、ボツリオコッカス (例えば、Botryococcus braunii、Botryococcus sudeticus)、カルテリア、キートケロス(例えば、Chaetoceros gracilis、Chaetoceros muelleri、Chaetoceros muelleri subsalsum、Chaetoceros sp.)、クロレラ(例、Chlorella anitrata、Chlorella Antarctica、Chlorella aureoviridis、Chlorella candida、Chlorella capsulate、Chlorella desiccate、Chlorella ellipsoidea、Chlorella emersonii、Chlorella fusca、Chlorella fuscavar. vacuolata、Chlorella glucotropha、Chlorella infusionum、Chlorella infusionumvar.actophila、Chlorella infusionum var. auxenophila、 Chlorella kessleri、 Chlorella lobophora (SAG 37.88株)、 Chlorella luteoviridis、Chlorella luteoviridis var. aureoviridis、Chlorella luteoviridisvar. lutescens、Chlorella miniata、Chlorella minutissima、Chlorella mutabilis、Chlorella nocturna、Chlorella parva、Chlorella photophila、Chlorella pringsheimii、Chlorella protothecoides、Chlorella protothecoidesvar.acidicola、Chlorealla, Chlorella regularis、 Chlorella regularis var. minima、Chlorella regularis var. umbricata、Chlorella reisiglii、Chlorella saccharophila、Chlorella saccharophila var. ellipsoidea、Chlorella salina、Chlorella simplex、Chlorella sorokiniana、Chlorella sp.、Chlorella sphaerica、Chlorella stigmatophora、Chlorella vanniellii、Chlorella vulgaris、Chlorella vulgaris、Chlorella vulgaris f. tertia、Chlorella vulgaris var. autotrophica、Chlorella vulgaris var. viridis、Chlorella vulgaris var. vulgaris、Chlorella vulgaris var. vulgaris f. tertia、Chlorella vulgaris var. vulgalis f. viridis、Chlorella xanthella、Chlorella zofingiensis、Chlorella trebouxioides、Chlorella vulgaris)、クロロコックム(例えば、Chlorococcum infusionum、Chlorococcum sp.)、クロロゴニウム、ツノマタ(例えば、Chondrus crispus、Chondrus ocellatus)、クロオモナス (例えば、Chroomonas sp.)、クリソスファエラ(例えば、Chrysosphaera sp.)、クリプトモナス(例えば、Cryptomonas sp.)、キクロテラ(例えば、Cyclotella cryptica、Cyclotella meneghiniana、Cyclotella sp.)、ドナリエラ(例、Dunaliella sp.、Dunaliella bardawil、Dunaliella bioculata、Dunaliella Granulate、Dunaliella maritime、Dunaliella minuta、Dunaliella parva、Dunaliella peircei、Dunaliella primolecta、Dunaliella salina、Dunaliella terricola、Dunaliella tertiolecta、Dunaliella viridis、Dunaliella tertiolecta)、エクロニア(例えば、Ecklonia sp)、エイセニア(例えば、Eisenia bicyclis)、エリプソイドン(例えば、Ellipsoidon sp.)、エレモスファエラ(例、Eremosphaera viridis、Eremosphaera sp.)、キリンサイ(例えば、Eucheuma ottonii、Eucheuma spinosum)、ユーグレナ、フラギアリア(例えば、Fragilaria crotonensis、Fragilaria sp.)、フランセア(例えば、Franceia sp.)、ファーセラリア(例えば、Furcellaria fastigiate)、ギガルティナ(例えば、Gigartina acicularis、Gigartina bursa-pastoris、Gigartina pistillata、Gigartina radula、Gigartina skottsbergii、Gigartina stellate)、グレオカプサ(例えば、 Gleocapsa sp.)、グレオタムニオン(例えば、Gloeothamnion sp.)、フノリ(例えば、Gloiopeltis furcate)、オゴノリ(例えば、Gracilaria bursa-pastoris、Gracilaria lichenoides)、ヒジキ(例えば、Hizikia fusiforme)、ヒメノモナス(例えば、Hymenomonas )、イソクリシス(例えば、Isochrysis aff. galbana、Isochrysis galbana)、トロロコンブ(例えば、Kjellmaniella gyrate)、コンブ(例えば、Laminaria angustata、Laminaria longirruris、Laminaria Longissima、Laminaria ochotensis、Laminaria claustonia、Laminaria ria Digitata、Laminaria japonica)、レポシンクリス、マクロシスティス(例えば、Macrocystis pyrifera)、ミクラクチニウム、モノラフィジウム(例えば、Monoraphidium minutum、Monoraphidium sp.)、ナンノクロリス(例えば、Nannochloris sp.)、ナンノクロロプシス(例えば、Nannochloropsis salina、Nannochloropsis sp.)、ナビキュラ(例えば、Navicula acceptata、Navicula biskanterae、Navicula pseudotenelloides、Navicula pelliculosa、Navicula saprophila、Navicula sp.)、ネフロクロリス(例えば、Nephrochloris sp.)、ネフロセルミス(例えば、Nephroselmis sp.)、ニッチア(例えば、Nitzschia communis、Nitzschia alexandrina、Nitzschia communis、Nitzschia dissipata、Nitzschia frustulum、Nitzschia hantzschiana、Nitzschia inconspicua、Nitzschia intermedia、Nitzschia microcephala、Nitzschia pusilla、Nitzschia pusilla elliptica、Nitzschia pusilla monoensis、Nitzschia quadrangular、Nitzschia sp.)、オクロモナス(例えば、Ochromonas sp.)、オエキスティス(例えば、Oocystis parva、Oocystis pusilla、Oocystis sp.)、ユレモ(例えば、Oscillatoria limnetica、Oscillatoria sp.、Oscillatoria subbrevis)、パルマリア(例えば、Palmaria palmata)、パシェリア(例えば 、Pascheria acidophila)、パブロワ(例えば、Pavlova sp.)、ペタロニア(例えば、Petalonia fascia)、ファガス、フォルミディウム、プラチモナス(例えば、Platymonas sp.)、プレウロクリシス(例えば、Pleurochrysis carterae、Pleurochrysis dentate、Pleurochrysis sp.)、ポルフィラ(例えば、Porphyra columbina、Porphyra crispata、Porhyra deutata、Porhyra perforata、Porhyra suborbiculata、Porphyra tenera)、ポルフィリジウム(例えば、Porphyridium cruentum、Porphyridium purpureum、Porphyridium aerugineum)、プロトテカ(例えば、Prototheca wickerhamii、Prototheca stagnora、Prototheca portoricensis、Prototheca moriformis、Prototheca zopfii)、ピラミモナス(例えば、Pyramimonas sp.)、パイロボトリ、ロデラ(例えば、Rhodella maculate、Rhodella reticulata、Rhodella violacea)、ロディメニア(例えば、Rhodymenia palmata)、サルシノイド(例えば、Sarcinoid chrysophyte)、イカダモ(例えば、Scenedesmus armatus)、シトシフォン(例えば、Scytosiphon lome)、アオミドロ、スピルリナ(例、Spirulina platensis)、スチココッカス(例えば、Stichococcus sp.)、シネココッカス(例えば、Synechococcus sp.) 、テトラエドロン、テトラセルミス(例えば、Tetraselmis sp.、Tetraselmis suecica)、タラシオシラ(例えば、Thalassiosira weissflogii)、およびビリディエラ(例えば、Viridiella fridericiana)。
【0242】
適切な酵母の非限定的な例には、以下の属のいずれかのメンバー、およびそれらの誘導体または交雑物が含まれる:カンジダ(例えば、Candida albicans、Candida etchellsii、Candida guilliermondii, Candida humilis, Candida lipolytica, Candida orthopsilosis, Candida palmioleophila、Candida pseudotropicalis、Candida sp.、Candida utilis、Candida ver satilis)、クラドスポリウム、クリプトコッカス(例えば、Cryptococcus terricolus、Cryptococcus curvatus)、デバリョミセス(例えば、Debaryomyces hansenii)、エンドマイセス(例えば、Endomyces vernalis)、エンドマイコプシス(例えば、Endomycopsis vernalis)、エレモテシウム(例えば、Eremothecium ashbyii)、ハンセヌラ(例えば、Hansenula sp.、Hansenula polymorpha)、クルイウェロマイセス(例えば、Kluyveromyces sp.、Kluyveromyces lactis、Kluyveromyces marxianus var. lactis、Kluyveromyces marxianus、Kluyveromyces thermotolerans)、リポマイセス(例えば、Lipomyces starkeyi、Lipomyces lipofer)、オガタエア(例えば、Ogataea minuta)、ピキア(例えば、Pichia sp.、Pichia pastoris、Pichia finlandica、Pichia trehalophila、Pichia koclamae、Pichia membranaefaciens、Pichia minuta、Pichia lindneri、Pichia opuntiae、Pichia thermotolerans 、Pichia salictaria、Pichia guercuum、Pichia pijperi、Pichia stiptis、Pichia ethanolica)、ロドスポリジウム(例えば、Rhodosporidium toruloides) 、ロドトルラ(例えば、Rhodotorula sp.、Rhodotorula gracilis、Rhodotorula glutinis、Rhodotorula graminis)、サッカロミセス(例えば、Saccharomyces sp., Saccharomyces bayanus, Saccharomyces beticus, Saccharomyces cerevisiae, Saccharomyces chevalieri, Saccharomyces diastaticus, Saccharomyces ellipsoideus, Saccharomyces exiguus, Saccharomyces florentinus, Saccharomyces fragilis, Saccharomyces pastorianus, Saccharomyces pombe, Saccharomyces sake, Saccharomyces uvarum)、Sporobolomyces(例えば、Sporobolomyces roseus)、スポロボロミセス(例えば、Sporidiobolus johnsonii、Sporidiobolus salmonicolor)、トリコスポロン(例えば、Trichosporon cacaoliposimilis、Trichosporon oleaginosussp. nov.、Trichosporon cacaoliposimilis sp. nov.、Trichosporon gracile、Trichosporon dulcitum、Trichosporon jirovecii、Trichosporon insectorum)、キサントフィロミセス(例えば、Xanthophyllomyces dendrorhous)、ヤロウィア(例えば、Yarrowia lipolytica)、およびザイゴサッカロミセス(例えば、Zygosaccharomyces rouxirii)。
【0243】
適切な糸状菌の非限定的な例には、以下の属のいずれかのメンバーを含む、ホモモルフィック、テレオモルフィック、およびアナモルフィック形態の真菌、ならびにそれらの誘導体または交雑が含まれる:アクレモニウム(例えば、Acremonium alabamense), アスペルギウス (例えば、Aspergillus aculeatus, Aspergillus awamori, Aspergillus clavatus, Aspergillus flavus, Aspergillus foetidus, Aspergillus fumigatus, Aspergillus japonicus, Aspergillus nidulans, Aspergillus niger, Aspergillus niger var. awamori, Aspergillus ochraceus, Aspergillus oryzae, Aspergillus sojae, Aspergillus terreus, ならびにエメリセラ、ネオサルトリータ、および ペトロマイス種), アウレオバシジウム、カナリオマイセス, ケタマカビ、チェトミジウム、コリナスカス、クリソスポリウム (例えば、Chrysosporium botryoides, Chrysosporium carmichaeli, Chrysosporium crassitunicatum, Chrysosporium europae, Chrysosporium evolceannui, Chrysosporium farinicola, Chrysosporium fastidium, Chrysosporium filiforme, Chrysosporium georgiae, Chrysosporium globiferum, Chrysosporium globiferum var. articulatum, Chrysosporium globiferum var. niveum, Chrysosporium hirundo, Chrysosporium hispanicum, Chrysosporium holmii, Chrysosporium indicum, Chrysosporium iops, Chrysosporium keratinophilum, Chrysosporium kreiselii, Chrysosporium kuzurovianum, Chrysosporium lignorum, Chrysosporium obatum, Chrysosporium lucknowense, Chrysosporium lucknowense Garg 27K, Chrysosporium medium, Chrysosporium medium var. spissescens, Chrysosporium mephiticum, Chrysosporium merdarium, Chrysosporium merdarium var. roseum, Chrysosporium minor, Chrysosporium pannicola, Chrysosporium parvum, Chrysosporium parvum var. crescens, Chrysosporium pilosum, Chrysosporium pseudomerdarium, Chrysosporium pyriformis, Chrysosporium queenslandicum, Chrysosporium sigleri, Chrysosporium sulfureum, Chrysosporium synchronum, Chrysosporium tropicum, Chrysosporium undulatum, Chrysosporium vallenarense, Chrysosporium vespertilium, Chrysosporium zonatum)、クーネメリア、クスダマカビ(例えば、Cunninghamella ehinulata)、ダクチロマイセス(Dactylomyces), エメリセラ、フィリバシジウム、フィザリウム(例えば、Fusarium moniliforme, Fusarium venenatum, Fusarium oxysporum, Fusarium graminearum, Fusarium proliferatum, Fusarium verticiollioides, Fusarium culmorum, Fusarium crookwellense, Fusarium poae, Fusarium sporotrichioides, Fusarium sambuccinum, Fusarium torulosum、およびこれらの関連するジベレラテレオモルフィック 形態), ジベレラ, フミコラ、ボタンタケ、レンティヌラ、マルバンケア(Malbranchea)(例えば、Malbranchea filamentosa), マグナポルテ、マルバンキウム(Malbranchium), メラノカルプス、モリティエラ(例えば、Mortierella alpina 1S-4, Mortieralla isabelline, Mortierrla vinacea, Mortieralla vinaceae var. raffinoseutilizer), ミューコール(例えば、Mucor miehei Cooney et Emerson (Rhizomucor miehei (Cooney & R. Emerson)) Schipper, Mucor pusillus Lindt, Mucor circinelloides Mucor mucedo), ミセリオフトラ(Myceliophthora) (例えば、Myceliophthora thermophila), ミロテシウム、ネオカリマスティクス、アカパンカビ(例えば、Neurospora crassa)、ペシロマイセス、ペニシリウム(例えば、Penicillium chrysogenum, Pennicillium iilacinum, Penicillium roquefortii)、フェネロチャエテ、フレビア、ピロミセス、ピシウム、リゾプス(例えば、Rhizopus niveus)、スエヒロタケ、シタリジウム、スポロトリクム(例えば、Sporotrichum cellulophilum)、キウロコタケ、タラロマイセス、サーモアスカス、サーモマイセス、ティエラビア(例えば、Thielavia terrestris)、トリポクラジウム、およびトリコデルマ(例えば、Trichoderma harzianum, Trichoderma koningii, Trichoderma longibrachiatum, Trichoderma reesei, Trichoderma atroviride, Trichoderma virens, Trichoderma citrinoviride, Trichoderma viride)。
【0244】
適切な細菌の非限定的な例には、ファーミキューテス、シアノバクテリア(青緑色藻類)、オシレーターオフィシデアエ、バチルス、ラクトバチルス、オシレーター、バチルス科、ラクトバチルス科、および以下の属のいずれかのメンバー、ならびにそれらの誘導体および交雑物が含まれる:アシネトバクター、アセトバクター(例えば、Acetobacter suboxydans、Acetobacter xylinum)、アクチノプラネス(例えば、Actinoplane missouriensis)、アルトロスピラ(例えば、Arthrospiraplatensis、Arthrospira maxima)、バチルス(例えば、Bacillus cereus、Bacillus coagulans, Bacillus licheniformis, Bacillus stearothermophilus, Bacillus subtilis)、エシェリキア(例えば、Escherichia coli)、ラクトバチルス(例えば、Lactobacillus acidophilus、Lactobacillus bulgaricus)、Lactococcus(例えば、Lactococcus lactis、Lactococcus lactis Lancefield Group N、Lactobacillus reuteri)、リューコノストック(例えば、Leuconostoc citrovorum、Leuconostoc dextranicum、Leuconostoc mesenteroides)、マイクロコッカス(例えば、Micrococcus lysodeikticus)、ロドコッカス(例えば、Rhodococcus opacus、Rhodococcusopacus株PD630)、スピルリナ、ストレプトコッカス(例えば、Streptococcus cremoris、Streptococcus lactis、Streptococcus lactis亜種ジアセチラクティス、Streptococcus thermophilus)、ストレプトマイセス(例えば、Streptomyces chattanoogensis、Streptomyces griseus、Streptomyces natalensis、Streptomyces olivaceus, , Streptomyces olivochromogenes、Streptomyces rubiginosus)、テトラヒメナ(例えば、Tetrahymena thermophile、Tetrahymena hegewischi、Tetrahymena hyperangularis、Tetrahymena malaccensis、Tetrahymena pigmentosa、Tetrahymena pyriformis、Tetrahymena vorax)、およびキサントモナス(例えば、Xanthomonas campestris)。
【0245】
組換え宿主細胞は、組換え乳タンパク質の産生を改善する遺伝子改変をさらに含むことができる。適切な遺伝子改変の非限定的な例には、改変されたプロモーター、改変されたキナーゼ活性、改変されたホスファターゼ活性、改変されたタンパク質フォールディング活性、改変されたタンパク質分泌活性、および改変された遺伝子発現誘導経路が含まれる。
【0246】
組換え宿主細胞は、組換え乳タンパク質の分解を最小限に抑えるために、プロテアーゼの活性をさらに低下させるか、または本質的に排除することができる(例えば、PCT出願WO96 / 29391を参照のこと)。プロテアーゼの活性が低下した、または本質的に排除された組換え宿主細胞は、変異体のスクリーニングによって、または当技術分野で知られている方法による特定の遺伝子改変によって得ることができる。
【0247】
組換え宿主細胞は、天然または組換えグリコシルトランスフェラーゼをさらに含むことができる。適切な内因性または組換えグリコシルトランスフェラーゼの非限定的な例には、フコシルトランスフェラーゼ、ガラクトシルトランスフェラーゼ、グルコシルトランスフェラーゼ、キシロシルトランスフェラーゼ、アセチラーゼ、グルコロニルトランスフェラーゼ、グルコロニルピメラーゼ、シアリルトランスフェラーゼ、マンノシルトランスフェラーゼ、スルホトランスフェラーゼ、β-アセチルガラクトサミニルトランスフェラーゼおよびN-アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼが含まれる。
【0248】
組換え宿主細胞は、天然または組換えキナーゼまたはホスファターゼをさらに含むことができる。適切な天然または組換えキナーゼまたはホスファターゼの非限定的な例には、プロテインキナーゼA、プロテインキナーゼB、プロテインキナーゼC、クレアチンキナーゼB、プロテインキナーゼCベータ、プロテインキナーゼG、TmkA、Fam20キナーゼ(例えば、Fam20C)、ATM、CaMII、cdc2、cdk5、CK1、CKII、DNAPK、EGFR、GSK3、INSR、p38MAPK、RSK、SRC、ホスホトランスフェラーゼ、アルカリホスファターゼ(UniProtKB-O77578など)、酸性ホスファターゼ、およびその他のもの(Kabir&Kaziなどを参照)が含まれる。2011年度Genet Mol Biol。34(4):587)。
【0249】
組換え宿主細胞の培養
本明細書で提供される組換え乳タンパク質の生産に適した条件は、組換え宿主細胞が増殖および/または生存し続けることができ、本明細書で提供される組換え乳タンパク質を生産することができる条件である。適切な条件の非限定的な例には、適切な培地(例えば、適切な栄養素含有量[例えば、適切な炭素含有量、適切な窒素含有量、適切なリン含有量]、適切なサプリメント含有量、適切な微量金属含有量、適切なpHを有する培地)、適切な温度、適切な供給速度、適切な圧力、適切なレベルの酸素化、適切な発酵期間(すなわち、組換え宿主細胞を含む培地の量)、適切な発酵量(すなわち、組換え宿主細胞を含む培地の量)、および適切な発酵容器が含まれる。
【0250】
適切な培養培地には、組換え宿主細胞が増殖および/または生存し続けることができ、本明細書で提供される組換え乳タンパク質を産生することができるすべての培養培地が含まれる。典型的には、培養培地は、炭素源、同化可能な窒素源(すなわち、組換え宿主細胞による代謝利用に適した形態で窒素を放出することができる窒素含有化合物)、およびリン酸塩源を含む水性媒体である。
【0251】
炭素源の非限定的な例には、単糖類、二糖類、多糖類、酢酸塩、エタノール、メタノール、グリセロール、メタン、およびそれらの組み合わせが含まれる。単糖類の非限定的な例には、デキストロース(グルコース)、フルクトース、ガラクトース、キシロース、アラビノース、およびそれらの組み合わせが含まれる。二糖類の非限定的な例には、スクロース、ラクトース、マルトース、トレハロース、セロビオース、およびそれらの組み合わせが含まれる。多糖類の非限定的な例には、デンプン、グリコーゲン、セルロース、アミロース、ヘミセルロース、マルトデキストリン、およびそれらの組み合わせが含まれる。
【0252】
上記のいずれかに記載の方法は、グルコースからなる炭素源を含む培地において、β-ラクトグロブリンをコードする組換えポリヌクレオチドを含む適切な組換え宿主細胞を培養する工程を含むことができ、ここで、組換え宿主細胞によって産生された組換えβ-ラクトグロブリンは、1つ以上のアミノ酸残基T4に非天然のO-結合型グリコシル化を持っている。上記のいずれかに記載の方法は、グルコースからなる炭素源を含む培地において、β-ラクトグロブリンをコードする組換えポリヌクレオチドを含む適切な組換え宿主細胞を培養する工程を含むことができ、ここで、組換え宿主細胞によって産生された組換えβ-ラクトグロブリンは、アミノ酸残基T97に非天然のO-結合型グリコシル化を持っている。上記のいずれかに記載の方法は、ラクトースおよび使用済み穀物からなる炭素源を含む培地において、β-ラクトグロブリンをコードする組換えポリヌクレオチドを含む適切な組換え宿主細胞を培養するステップを含むことができ、ここで、組換え宿主細胞によって産生された組換えβ-ラクトグロブリンは、組換え宿主細胞によって産生されたものは、アミノ酸残基T97に非天然のO-結合型グリコシル化を持っている。上記のいずれかに記載の方法は、グルコースからなる炭素源を含む培地において、β-ラクトグロブリンをコードする組換えポリヌクレオチドを含む適切な組換え宿主細胞を培養する工程を含むことができ、ここで、組換え宿主細胞によって産生された組換えβ-ラクトグロブリンは、アミノ酸残基S27、T6、S116およびT125のうちの1つ以上に非天然のO-結合型グリコシル化を持っている。上記のいずれかに記載の方法は、ラクトースおよび使用済み穀物からなる炭素源を含む培地において、β-ラクトグロブリンをコードする組換えポリヌクレオチドを含む適切な組換え宿主細胞を培養するステップを含むことができ、ここで、組換え宿主細胞によって産生された組換えβ-ラクトグロブリンは、アミノ酸残基S27、T6、S116およびT125のうちの1つ以上に非天然のO-結合型グリコシル化を持っている。
【0253】
同化可能な窒素源の非限定的な例には、無水アンモニア、硫酸アンモニウム、水酸化アンモニウム、硝酸アンモニウム、リン酸二アンモニウム、リン酸一アンモニウム、ピロリン酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硝酸ナトリウム、尿素、ペプトン、タンパク質加水分解物、コーンスティープリカー、コーンスティープソリッド、使用済み穀物、使用済み穀物抽出物、および酵母抽出物が含まれる。アンモニアガスの使用は、大規模な操作に便利であり、水性発酵物(発酵培地)に適切な量でバブリングすることによって使用することができる。同時に、そのようなアンモニアは、pH制御を支援するために使用することもできる。
【0254】
培養培地は、無機塩、ミネラル(例えば、マグネシウム、カルシウム、カリウム、ナトリウム;例えば、適切な可溶性の同化可能なイオンおよび複合形態で)、金属または遷移金属(例えば、銅、マンガン、モリブデン、亜鉛、鉄、ホウ素、ヨウ素;例えば、適切な可溶性同化可能な形態で)、ビタミン、および組換え体の分解を防ぐことができる他の栄養素または機能性成分(例えば、組換え乳タンパク質の分解を防止できるプロテアーゼ[例えば、植物ベースのプロテアーゼ]、組換え乳タンパク質の分解できるプロテアーゼの活性を低下させることができるプロテアーゼ阻害剤、および/またはプロテアーゼ活性を吸い取ることができる犠牲タンパク質、消泡剤、抗菌剤、界面活性剤、乳化油)をさらに含むことができる。
【0255】
適切な培養培地は、商業的供給業者から入手可能であるか、または公開された組成物(例えば、アメリカンタイプカルチャーコレクションのカタログにおける)に従って調製され得る。
【0256】
適切なpHは、2から8、7.5、7、6.5、6、5.5、5.4、5.3、5.2、5.1、5、4.9、4.8、4.7、4.6、4.5、4、3.5、3、または2.5の間; 2.5から8、7.5、7、6.5、6、5.5、5.4、5.3、5.2、5.1、5、4.9、4.8、4.7、4.6、4.5、4、3.5、または3の間; 3から8、7.5、7、6.5、6、5.5、5.4、5.3、5.2、5.1、5、4.9、4.8、4.7、4.6、4.5、4、または3.5の間; 3.5から8、7.5、7、6.5、6、5.5、5.4、5.3、5.2、5.1、5、4.9、4.8、4.7、4.6、4.5、または4の間; 4から8、7.5、7、6.5、6、5.5、5.4、5.3、5.2、5.1、5、4.9、4.8、4.7、4.6、または4.5の間; 4.5から8、7.5、7、6.5、6、5.5、5.4、5.3、5.2、5.1、5、4.9、4.8、4.7、または4.6の間; 4.6から8、7.5、7、6.5、6、5.5、5.4、5.3、5.2、5.1、5、4.9、4.8、または4.7の間; 4.7から8、7.5、7、6.5、6、5.5、5.4、5.3、5.2、5.1、5、4.9、または4.8の間; 4.8から8、7.5、7、6.5、6、5.5、5.4、5.3、5.2、5.1、5、または4.9の間; 4.9から8、7.5、7、6.5、6、5.5、5.4、5.3、5.2、5.1、または5の間; 5から8、7.5、7、6.5、6、5.5、5.4、5.3、5.2、または5.1の間; 5.1から8、7.5、7、6.5、6、5.5、5.4、5.3、または5.2の間; 5.2から8、7.5、7、6.5、6、5.5、5.4、または5.3の間; 5.3から8、7.5、7、6.5、6、5.5、または5.4の間; 5.4から8、7.5、7、6.5、6、または5.5の間; 5.5から8、7.5、7、6.5、または6の間; 6から8、7.5、7、または6.5の間; 6.5から8、7.5、または7の間; 7から8の間、または7.5;または7.5から8の間であり得る。
【0257】
適切な温度は、20℃から46℃、44℃、42℃、40℃、38℃、36℃、34℃、32℃、30℃、28℃、26℃、24℃、または22℃の間;22℃から46℃、44℃、42℃、40℃、38℃、36℃、34℃、32℃、30℃、28℃、26℃、または24℃の間;24℃から46℃、44℃、42℃、40℃、38℃、36℃、34℃、32℃、30℃、28℃、または26℃の間;26℃から46℃、44℃、42℃、40℃、38℃、36℃、34℃、32℃、30℃、または28℃の間;28℃から46℃、44℃、42℃、40℃、38℃、36℃、34℃、32℃、または30℃の間;30℃から46℃、44℃、42℃、40℃、38℃、36℃、34℃、または32℃の間;32℃から46℃、44℃、42℃、40℃、38℃、36℃、または34℃の間;36℃から46℃、44℃、42℃、40℃、または38℃の間;38℃から46℃、44℃、42℃、または40℃の間;40℃から46℃、44℃または42℃の間;42℃から46℃または44℃;または44℃から46℃の間の温度であり得る。
【0258】
上記のいずれかに記載の方法は、少なくとも30℃(例えば、少なくとも30℃、少なくとも32℃、少なくとも34℃、または少なくとも36℃)である温度で、β-ラクトグロブリンをコードする組換えポリヌクレオチドを含む適切な組換え宿主細胞を培養するステップを含むことができる。ここで、組換え宿主細胞によって産生された組換えβ-ラクトグロブリンは、アミノ酸残基T49上にO-結合型グリコシル化を有する。上記のいずれかに記載の方法は、β-ラクトグロブリンをコードする組換えポリヌクレオチドを含む適切な組換え宿主細胞を約28℃の温度で培養する工程を含むことができ、組換え宿主細胞によって産生される組換えβ-ラクトグロブリンは、アミノ酸残基T6上にO-結合型グリコシル化を有する。
【0259】
適切な供給速度は、1時間あたり1gの乾燥細胞重量(DCW)あたり、0.01gから0.2gのグルコース当量の供給速度であり得る。
【0260】
適切な圧力は、0psigから50psig、40psig、30psig、20psig、または10psigの間;10 psigから50 psig、40 psig、30 psig、または20 psigの間;20 psigから50 psig、40 psig、または30 psigの間; 30 psigから50 psig、または40 psigの間;または40psigから50psigの間の圧力であり得る。
【0261】
適切な酸素供給は、毎分の発酵槽内の液体体積あたりの酸素の体積(vvm)として、0.1vvmから2.1vvm、1.9vvm、1.7vvm、1.5vvm、1.3vvm、1.1vvm、0.9vvm、0.7 vvm、0.5 vvm、または0.3 vvmとの間;0.3vvmから2.1vvm、1.9 vvm、1.7 vvm、1.5 vvm、1.3 vvm、1.1 vvm、0.9 vvm、0.7 vvm、または0.5vvmの間;0.5vvmから2.1vvm、1.9 vvm、1.7 vvm、1.5 vvm、1.3 vvm、1.1 vvm、0.9 vvm、または0.7vvmの間;0.7vvmから2.1vvm、1.9 vvm、1.7 vvm、1.5 vvm、1.3 vvm、1.1 vvm、または0.9vvmの間;0.9vvmから2.1vvm、1.9 vvm、1.7 vvm、1.5 vvm、1.3 vvm、または1.1vvmの間;1.1vvmから2.1vvm、1.9 vvm、1.7 vvm、1.5 vvm、または1.3vvmの間;1.3vvmから2.1vvm、1.9 vvm、1.7 vvm、または1.5vvmの間;1.5vvmから2.1vvm、1.9 vvm、または1.7vvmの間;1.7vvmから2.1vvmまたは1.9vvmの間;または1.9vvmから2.1vvmの間の曝気速度であり得る。
【0262】
適切な発酵期間は、10時間から500時間、400時間、300時間、200時間、100時間、50時間、40時間、30時間、または20時間の間;20時間から500時間、400時間、300時間、200時間、100時間、50時間、40時間、または30時間の間;30時間から500時間、400時間、300時間、200時間、100時間、50時間、または40時間の間;40時間から500時間、400時間、300時間、200時間、100時間、または50時間の間;50時間から500時間、400時間、300時間、200時間、または100時間の間;100時間から500時間、400時間、300時間、または200時間の間;200時間から500時間、400時間、または300時間の間;300時間から500時間、または400時間の間;または400時間から500時間の間の発酵期間であり得る。
【0263】
適切な発酵体積は、1Lから10,000,000L、5,000,000 L、1,000,000 L、500,000L、100,000 L、50,000 L、10,000 L、5,000 L、1,000 L、500 L、100 L、50Lまたは10 Lの間; 10 Lから10,000,000 L、5,000,000 L、1,000,000 L、500,000L、100,000 L、50,000 L、10,000 L、5,000 L、1,000 L、500 L、100 L、または50 Lの間; 50 L~10,000,000 L、5,000,000 L、1,000,000 L、500,000L、100,000 L、50,000 L、10,000 L、5,000 L、1,000 L、500 L、または100 Lの間; 100Lから10,000,000L、5,000,000 L、1,000,000 L、500,000L、100,000 L、50,000 L、10,000 L、5,000 L、1,000 L、または500 Lの間; 500 Lから10,000,000L、5,000,000 L、1,000,000 L、500,000L、100,000 L、50,000 L、10,000 L、5,000 L、または1,000 Lの間; 1,000Lから10,000,000L、5,000,000 L、1,000,000 L、500,000L、100,000 L、50,000 L、10,000 L、または5,000 Lの間; 5,000 Lから10,000,000 L、5,000,000 L、1,000,000 L、500,000L、100,000 L、50,000 L、または10,000 Lの間; 10,000Lから10,000,000L、5,000,000 L、1,000,000 L、500,000L、100,000 L、または50,000 Lの間; 50,000 Lから10,000,000 L、5,000,000 L、1,000,000 L、500,000L、または100,000 Lの間; 100,000Lから10,000,000L、5,000,000 L、1,000,000 L、または500,000Lの間; 500,000 Lから10,000,000 L、5,000,000 L、または1,000,000 Lの間; 1,000,000 Lから10,000,000 L、または5,000,000 Lの間;または5,000,000Lから10,000,000Lの間であり得る。
【0264】
適切な発酵容器は、当技術分野で知られている任意の発酵容器であり得る。発酵容器の非限定的な例には、培養プレート、振とうフラスコ、発酵槽(例えば、攪拌タンク発酵器、エアリフト発酵器、気泡塔発酵器、固定床バイオリアクター、実験室発酵器、工業用発酵器、またはそれらの任意の組み合わせ)が含まれ、任意の適切な規模(例えば、小規模、大規模)および任意のプロセス(例えば、固体培養、液中培養、バッチ、流加、または連続フロー)で使用される。
【0265】
天然または組換え乳タンパク質の精製
天然または組換えタンパク質を(例えば、乳汁または発酵ブロスから)精製して、天然または組換えタンパク質を含む調製物を得るための方法は、当技術分野で周知であり(例えば、Protein Purification、JCJansonおよびLRyden、Eds、VCH Publishers、New York、1989; Protein Purification Methods:A Practical Approach、ELV Harris and S Angel、Eds. 、IRL Press、Oxford、England、1989を参照)、天然または組換え乳タンパク質を精製するように適合させることができる。
【0266】
乳タンパク質は、その分子量に基づいて、例えば、サイズ排除/交換クロマトグラフィー、膜による限外濾過、ゲル浸透クロマトグラフィー(例えば、分取ディスク-ゲル電気泳動)、または密度遠心分離によって精製することができる。
【0267】
乳タンパク質はまた、その表面電荷または疎水性/親水性に基づいて、例えば、等電点沈殿、陰イオン/陽イオン交換クロマトグラフィー、等電点電気泳動(IEF)、または逆相クロマトグラフィーによって精製することができる。
【0268】
乳タンパク質はまた、その溶解度に基づいて、例えば、硫酸アンモニウム沈殿、等電点沈殿、界面活性剤、洗剤、または溶媒抽出によって精製することができる。
【0269】
乳タンパク質はまた、別の分子への親和性に基づいて、例えば、アフィニティークロマトグラフィー、反応性染料、またはヒドロキシアパタイトによって精製することができる。アフィニティークロマトグラフィーは、乳タンパク質に特異的な結合親和性を有する抗体、Hisタグ付き組換え乳タンパク質に対するニッケルNTA、または組換え乳タンパク質の糖部分に結合するレクチン、または乳タンパク質に特異的に結合する他の分子の使用を含むことができる。いくつかの実施形態において、組換え乳タンパク質は、精製を容易にするタグを担持している。そのようなタグの非限定的な例には、エピトープタグおよびタンパク質タグが含まれる。エピトープタグの非限定的な例には、c-myc、血球凝集素(HA)、ポリヒスチジン(6x-HIS)、GLU-GLU、およびDYKDDDDK(FLAG)エピトープタグが含まれる。タンパク質タグの非限定的な例には、グルタチオン-S-トランスフェラーゼ(GST)、緑色蛍光タンパク質(GFP)、およびマルトース結合タンパク質(MBP)が含まれる。エピトープタグまたはタンパク質タグは、組換え乳タンパク質の単離後に(例えば、プロテアーゼ切断を介して)除去され得る。
【0270】
組換え宿主細胞によって分泌される組換え乳タンパク質は、培地から直接精製することができる。組換え宿主細胞によって分泌されない組換え乳タンパク質は、細胞溶解物から精製することができる。
【0271】
乳タンパク質は、発酵ブロスまたは調製物に含まれる他のコンポーネントと比較して、30%を超える、35%を超える、40%を超える、45%を超える、50%を超える、55%を超える、60%を超える、65%を超える、70%を超える、75%を超える、80%を超える、85%を超える、90%を超える、95%を超える、97%を超える、または99%を超える、高い純度に、または、発酵ブロスに含まれる他の成分と比較して、少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、少なくとも6倍、少なくとも7倍、少なくとも8倍、少なくとも9倍、または少なくとも10倍多い存在量に、または、30%を超える、35%を超える、40%を超える、45%を超える、50%、55%を超える、60%を超える、65%を超える、70%を超える、75%を超える、80%を超える、85%を超える、90%を超える、95%を超える、97重量%、または99重量%を超えるより高い純度に、精製することができる。
【0272】
乳タンパク質の同一性は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、ウエスタンブロット分析、イースタンブロット分析、ポリアクリルアミドゲル電気泳動、キャピラリー電気泳動、酵素産物の形成、酵素基質の消失、および二次元質量分析(2DMS/MS)配列の同定によって確認および/または定量することができる。
【0273】
天然または組換え乳タンパク質は、さらに後処理することができる。後処理は、サイズ、電荷、疎水性、親水性、溶媒和、タンパク質フォールディング、および化学反応性を含むがこれらに限定されない、天然または組換え乳タンパク質の特定の化学的および/または物理的特性を変える可能性がある。
【0274】
後処理は、断片化(例えば、化学的手段による、またはプロテアーゼ酵素[例えば、トリプシン、ペプシン]への曝露による)、加熱(例えば、タンパク質凝集体を除去するため)、反応部位の除去(例えば、酸化によるメチオニンおよび/またはトリプトファン残基の反応部位の除去)、調節(例えば、化学的、光化学的、および/または酵素的戦略を介して)、環化、ビオチン化(すなわち、ビオチンの付着)、および他の要素(例えば、ポリ-エチレン-グリコール、抗体、リポソーム、リン脂質、DNA、RNA、ポリヌクレオチド、糖類、二糖類、多糖類、デンプン、セルロース、洗剤、細胞壁)への結合を含み得る。
【0275】
後処理は、ランダムな方法または部位特異的な方法で(例えば、システイン残基のスルフヒドリル基において[例えば、アミノエチル化、ヨードアセトアミドの形成、マレイミドの形成、Dhaの形成、ジスルフィドを介した共有結合形成、および脱硫化]、リジン残基の第一級アミン基において[例えば、活性化エステル、塩化スルホニル、イソチオシアネート、不飽和アルデヒドエステル、およびアルデヒドの結合のため]、チロシン残基のフェノール性ヒドロキシル基において、特定のアレルギー性エピトープ[例えば、グリカン基]において)起こり得る。
【0276】
天然または組換え乳タンパク質は、噴霧乾燥するか、または蒸発によって濃縮することができる(例えば、粉末を得るために)。
【0277】
1つ以上の天然および/または組換え乳タンパク質を組み合わせて乳タンパク質成分を得ることができ、任意選択で1つ以上の他の成分と組み合わせて、上記のいずれかに記載の乳製品代替物を得ることができる。加熱は、粉末組成物の水和を助けることができる。
【0278】
食品の製造方法
別の態様では、上記のいずれかによる食品を製造するための方法が提供される。
【0279】
食品を調製するための様々なレシピが存在し、そのようなレシピは、上記のいずれかに従って食品を製造するために本明細書で提供される方法で使用することができる。上記のいずれかによる乳製品代替物は、ミルクの代わりに、またはミルクに加えて、そのようなレシピで使用することができる。
【実施例】
【0280】
以下の実施例は、本発明の特定の実施形態を説明するために含まれる。実施例に開示された技術は、本発明の実施においてうまく機能するために発明者によって発見された技術を表す。しかしながら、当業者は、本開示に照らして、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、開示される特定の実施形態において多くの変更を行うことができ、それでも同様または同様の結果を得ることができることを理解すべきである。したがって、実施例に記載されている、または示されているすべての事項は、限定的な意味ではなく、例示として解釈されるべきである。
【0281】
実施例1:組換えピキア・パストリス宿主細胞における非天然PTMを用いた組換えβ-ラクトグロブリンの産生
組換え ピキア・パストリス 宿主細胞を、ピキア・パストリス (Komagateaella phaffii)株BGF1 2(Biogragmatics、Carlsbad、CA)を、酵母での発現のためにコドン最適化された、 ボス・タウルスβ-ラクトグロブリンコード配列(UNIProT配列P02754のアミノ酸17~178)を含むベクターで形質転換し、N末端分泌シグナル(Saccharomyces cerevisiaeのアルファ交配因子のプレまたはプレプロシグナルペプチド領域)とフレーム内で融合させた。分泌型β-ラクトグロブリンのコード配列は、プロモーター(pGAPまたはpAOX1)とターミネーター(tAOX1 pAシグナル)が隣接していた。ベクターはさらに、細菌および酵母の形質転換体を選択するための優性耐性マーカー、および細菌の複製起点を含んでいた。ベクターは、熱ショックプロトコルを使用して ピキア・パストリス 宿主細胞に形質転換され、分泌型β-ラクトグロブリンコード配列の統合されたコピーを含む組換え宿主株を作製した。形質転換体を最小培地にプレーティングし、30℃で48時間インキュベートした。各最終形質転換体からのクローンを、96ウェルブロック内の300μLの緩衝化最小培地に接種し、600rpmで攪拌しながら30℃で72時間または100時間以上インキュベートした。サンプルを取り出し、組換え宿主細胞を遠心分離によりペレット化し、発酵上清を回収した。ELISAアッセイおよびSDS-PAGEゲル分析を上清サンプルで実施して、陽性の形質転換体を同定した。
【0282】
組換え ピキア・パストリス 宿主細胞を、出発原料として80%のグリセロールを含むリン酸塩および窒素塩を含む最小基礎培地中で、30℃、1VVMの空気流、および100rpmの最小の攪拌に制御された撹拌発酵容器中で増殖させた。発酵ブロスのpHは、水酸化アンモニウムの必要に応じた添加により、5に制御された。バッチグリセリンが枯渇した時点で、6 g/L/hの速度でグリセロールを供給するプログラムされたフィードレシピを介してグリセロールを追加した。菌株の酸素需要は、必要に応じて攪拌速度を制御することで満たされた。攪拌によって溶存酸素の設定値を維持できなくなった場合、溶存酸素を制御するために100%酸素ガスを容器に注入した。バッチ処理されたグリセロールが枯渇した時点で、発酵のpHは5から3に変更した。泡を制御するために、必要に応じて消泡剤Cを添加した。発酵は、少なくとも100時間後に、OD600で約600~800の細胞密度で収穫された。5,000gでの遠心分離によりバイオマスをブロスから除去した。上清を100kDa MWCOメンブレンで濃縮した。濃縮保持液を5kda MWCOメンブレンで、50 mMイミダゾール、pH6.8でダイアフィルトレーションした。濃縮された保持液をQセファロースFFカラムに通した。組換えβ-ラクトグロブリンは、移動相は50mMイミダゾール、pH 6.8で、2M NaClグラジエントで溶出された。グラジエントは、30カラムボリュームにわたって0~30%で実行された。ピークフラクションを収集し、RPHPLCで分析した。水への最終的なダイアフィルトレーションのために、純度が85%を超える組換えβ-ラクトグロブリンを含むピークをプールした。
【0283】
天然のボス・タウルスβ-ラクトグロブリンおよび組換えピキア・パストリス宿主細胞によって産生された組換え β-ラクトグロブリンのサンプルをトリプシン消化した。トリプシンペプチドは、リン酸および単一のN-およびO-結合型ヘキソース(フルクトース、ガラクトース、グルコース、マンノース; SDS-PAGEゲル上での ボス・タウルス標準と比較して組換え乳タンパク質の大きな質量シフトが観察されなかったため、単一のヘキソースのみが調査された)の存在について質量分析(LC-MS)により分析された。トリプシンフラグメントはβ-ラクトグロブリン配列の100%をカバーしており、天然のボス・タウルスβ-ラクトグロブリンはリン 酸化されておらず、N-グリコシル化されておらず、アミノ酸残基Y99および/またはN63でO-グリコシル化されているのに対し;組換えβ-ラクトグロブリンはNグリコシル化されておらず、アミノ酸残基Y20、Y99、Y102、T18、T97、S110、および/またはS150でリン酸化され、アミノ酸残基Y42、Y99、Y102、および/またはS110でO-グリコシル化されていることを明らかにした。
【0284】
天然のボス・タウルスβ-ラクトグロブリンおよび組換えβ-ラクトグロブリンを示差走査熱量測定(Mircocal PEAQ-DSC)に供した。試験サンプルを、pH 2.5の10mMクエン酸緩衝液で可溶化し、1.0mg/mLおよび0.5mg/mLのタンパク質とした。サンプルは20°Cから100°Cの温度範囲にさらされ、スキャン速度は60°C/ hであった。各サンプルを2回スキャンして、最初の熱処理後にリフォールディングしたタンパク質の割合を決定した。測定値はPEAQ-DSCソフトウェアで分析された。
【0285】
表1に示すように、組換えβ-ラクトグロブリンおよび 天然のボス・タウルスβ-ラクトグロブリンは、同様のサーモグラム、融解温度、およびファントホッフエンタルピーを有していた。
【0286】
【0287】
組換えβ-ラクトグロブリンの遷移エンタルピー(ΔHcal)は、ボス・タウルスβ-ラクトグロブリンのそれよりも 大きく(それぞれ、77.9kcal/モル対67.9kcal/モル)、組換えβ-ラクトグロブリンを変性させるためにより多くの熱が必要であることを示している。遷移エンタルピーは、組換えβ-ラクトグロブリンとボス・タウルスβ-ラクトグロブリンの両方でファントホッフよりも 大きいことから、変性前に二量体が単量体に解離するなど、協力的なアンフォールディングメカニズムであることが示された。2回目のスキャンでは、組換えβ-ラクトグロブリンの37%が最初の熱処理後にリフォールディングするの に対し、ボス・タウルスβ-ラクトグロブリンの44%は最初の熱処理後にリフォールディングする(両方の測定は1 mg/mLタンパク質で行われた)。
【0288】
実施例2:組換えトリコデルマ・リーゼイ宿主細胞中での非天然PTMを有する組換えβ-ラクトグロブリンの産生
組換えトリコデルマ・リーゼイ宿主細胞は、トリコデルマ・リーゼイ(Hypocrea jecorina) 株Qm6aを、ボス・タウルスβ-ラクトグロブリンコード配列(UNIPROT配列P02754 のアミノ酸17~178)を含むベクターで形質転換することによって作製された。ELISAアッセイおよびSDS-PAGEゲル分析を上清サンプルで実施して、陽性の形質転換体を同定した。
【0289】
組換えトリコデルマ・リーゼイ宿主細胞は、リン酸塩、アンモニウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム、硫酸塩、塩化物、カルシウム、鉄、マンガン、亜鉛、モリブデン、銅、コバルト、およびホウ酸塩の供給源としての無機塩を含む最小基礎培地で、出発原料として炭水化物ベースの炭素源を用いて、25℃から34℃の範囲の温度、0.2vvmから1vvmの通気速度、およびバイオマスと酸素(圧縮空気で供給される)を含む栄養素の適切な混合と分散を確実にするための最小の攪拌で制御された撹拌発酵容器内で培養された。発酵ブロスのpHは、水酸化アンモニウムを必要に応じ添加して、3.0から5.5の範囲のさまざまな設定値に制御された。バッチ炭水化物が枯渇した時点で、グルコースまたはラクトースを含む溶液をプログラムされたフィードレシピを介して添加し、1時間あたり1グラムのDCMあたり0.01~0.1gの乾燥基質の範囲の特定の供給速度で炭素源を供給した。培養物の酸素需要は、5%から50%の範囲の目標溶存酸素設定値を維持するために必要とされた攪拌速度を制御することによって満たされた。攪拌が目標の溶存酸素設定値を維持できなくなったとき、曝気は2.0vvmまで増加した。培養が最大の攪拌と通気で実行されると、溶存酸素は設定値を下回り、それ以上のアクションをとらなかった。ACP 1500、Antifoam204(Sigma)、Erol DF6000K、Hodag K-60K、Industrol DF204(BASF)、P-2000E(Dow)、SAG 471、SAG 5693、SAG 710、SAG 730、シリコーン消泡剤(Sigma)、Struktol J647、Struktol J673A、およびヒマワリ油を含むが、これらに限定されない様々な消泡剤を、発酵中の発泡を制御するために、必要に応じて添加した。各発酵は、少なくとも120時間後に、1Lあたり典型的には20 g~50gのDCWのバイオマス濃度で収穫された。5,000×gでの遠心分離によってバイオマスをブロスから除去し、組換えβ-ラクトグロブリンを精製した。
【0290】
天然のボス・タウルスβ-ラクトグロブリンおよび組換えトリコデルマ・リーゼイ宿主細胞によって産生された組換えβ-ラクトグロブリンのサンプルをトリプシン消化した。N-結合型グリカンを単一のヘキソースに消化する前に、EndoH(New England Biolabs)で処理したサンプルを使用してN-結合型ヘキソースを調査した。トリプシンペプチドは、リン酸塩と単一のN-およびO-結合型ヘキソースの存在について質量分析(LC -MS)で分析された。(フルクトース、ガラクトース、グルコース、マンノース;これらはEndoHの有無にかかわらず処理されたため、単一のヘキソースのみがN-結合型処理について調査された;Trichoderma reeseiの典型的なO-グリカンの長さとして以前に文献で説明されたように 、1~3個のヘキソースがO-結合型処理のために調査された;SDS-PAGEゲルの ボス・タウルス標準と比較して、組換え乳タンパク質の大きな質量シフトは観察されなかった。)トリプシンフラグメントはβ-ラクトグロブリン配列の100%をカバーし、天然のボス・タウルスβ-ラクトグロブリンはリン 酸化されておらず、N-グリコシル化されていないが、アミノ酸残基Y99および/またはN63でO-グリコシル化されているのに対し;一方、組換えβ-ラクトグロブリンはNグリコシル化されていないが、アミノ酸残基T4、T6、T18、Y20、S21、S27、S30、S36、Y42、T49、T97、Y99、Y102、S110、T125、および/またはS150でリン酸化されており(アミノ酸残基T18、Y20、S21、S27、T49、T97、Y99、Y102、S110、および/またはS150のリン酸化は24回の実行の30%以上で観察された;そしてアミノ酸残基Y20、S21、T97、Y99、Y102、S110、および/またはS150は24回の実行の50%以上で観察された)、そして、アミノ酸残基T4、T6、T18、S21、S27、S30、S36、T49、T97、S110、S116、T125、S150、および/またはT154でO-グリコシル化されている(アミノ酸残基T18、S21、T49、T97、S110、および/またはS150のグリコシル化が24回の実行の30%以上で観察された;またT18、S21、および/またはS110は、24回の実行の50%以上でアミノ酸残基のグリコシル化が観察された)ことが明らかとなった。
【0291】
組換えLGBのO-結合型グリコシル化と発酵条件との間に以下の相関が観察された:i)グルコースのみを炭素源とした場合(より複雑な基質源をふくむ代替物と比較して)は、アミノ酸残基T4のO-グリコシル化と相関していた;ii)より高い温度(試験された条件の範囲でのより低い温度と比較して)は、アミノ酸残基T49のO-結合型グリコシル化と相関していた; iii)炭素源として、グルコースのみ、またはラクトースと使用済み穀物を組み合わせた場合のいずれかが、アミノ酸残基S27、T6、S116、およびT125のO-結合型グリコシル化と相関していた; iv)炭素源として、グルコースまたはラクトースと、使用済み穀物を組み合わせた場合は、アミノ酸残基T97のO-結合型グリコシル化と相関していた; v)発酵温度28℃(それより高温の場合と比較して)は、アミノ酸残基T6のO-結合型グリコシル化と相関していた。
【0292】
天然のボス・タウルスβ-ラクトグロブリンおよび組換えβ-ラクトグロブリンは、以下を含む様々な立体配座分析に供された:i)エルマン試薬試験:タンパク質上で溶媒に曝露されたシステイン残基に由来 する溶媒に曝露されたスルフヒドリルの数を測定する;ボス・タウルスLGBには1つの遊離システイン残基があり、タンパク質が変性した場合にのみ溶媒にさらされる; ii)示差走査熱量測定:タンパク質の熱力学を明らかにする;融解温度(TM)は、展開された場合にLGBの半分が発生する温度を表す;融解温度TM,1/2は、サンプルの均一性または不均一性の尺度である(値が小さいほど、サンプルは均一になる);デルタH(標準の面積と比較した曲線の下の面積)は、サンプル中の折りたたまれたタンパク質の割合を報告する;そして、リフォールディング能力は、1回目の加熱後にリフォールディングするサンプル中のタンパク質の割合を表す; iii)非還元PAGE分析:モノマーの分子量に基づいてタンパク質を分離するため、分子間ジスルフィドシャッフリングの程度(つまり、共有結合したダイマー、トリマーなどのコンフォメーションにあるタンパク質の量)を表す)。
【0293】
表2に示されるように、組換えβ-ラクトグロブリンおよび ボス・タウルス β-ラクトグロブリンは、異なるコンフォメーションを有する。
【0294】
【0295】
実施例3:機械的属性の測定
機械的属性は、円錐形プローブ(高さ22mm、底部直径27mm、頂角(すなわち、コーンチップの角度)60°の直円錐、アクリル)を備えたTA.XTプラスCテクスチャアナライザ(Stable Micro Systems Ltd、サリー、イングランド)を用いて、11.5mmの深さまで、二重圧縮試験を行って測定することができる。
【0296】
二重圧縮試験中、テクスチャー分析器プローブは、ゆっくりとした一定速度(0.83mm /秒、1回目の上昇と2回目の下降の開始完了の間に瞬間的な休止(5.0秒)を伴い、11.5mmの試験深さを通ってサンプル上/内に2回下降および上昇する;つまり、開始--下降動作--上昇動作--瞬間的な休止--下降動作--上昇動作--終了)で、その一定の速度(0.049 Nのトリガー力)でプローブが移動するときにプローブに加えられる瞬間的な力を機器のロードセルが検出する。単一の二重圧縮テストから得られたデータは、x軸に時間、y軸に力を使用したプロット上で、2つのピークを持つ曲線として最もよく視覚化される。曲線の形状は概ね:開始(0の力)--サンプルへの下降動作(0から、プローブがさらに下降するに連れて力が増加し、深さ11.5mm(最大圧縮)で力がピークに達する)--圧縮されたサンプルからの上昇動作(ピーク力から、プローブがさらに上昇すると力が減少し、0の力に達し、負の状態が続き、その後、プローブがサンプルから離れて上に持ち上げられると、0の力に戻る(負の力の領域は、サンプルがプローブに付着することによる))--瞬間的な休止(サンプルが回復し、跳ね返る(0の力))--サンプルへの下降動作(0から、プローブがさらに下降するに連れて力が増加し、ピーク力に達する)--圧縮されたサンプルからの上昇動作(ピーク力から、プローブがさらに上昇するに連れて力は減少し、0の力に達し、負の状態が続き、プローブがサンプルから離れて上に持ち上げられると、0の力に戻る)-終了(0の力)。
【0297】
第1の圧縮により記録されたピーク力は、第1の圧縮中にサンプルの構造が損傷する可能性があるため、第2により圧縮から記録されたピーク力よりも大きくなり得る。このような構造的損傷のために、2回目の圧縮(つまり、2回目の圧縮中の作業)の曲線下面積も、1回目の圧縮(つまり、1回目の圧縮中の作業)の曲線下面積よりも小さくなる可能性がある。損傷したサンプルは、1回目の圧縮後に元の高さに完全に跳ね返らないため、2回目の下降動作では、25mmを超えて下降するときに、0の力が記録され、後に新しい低い高さでサンプル表面に接触する。所与の圧縮の曲線下面積は、下降動作部分(すなわち、圧縮の下降動作エネルギー)および上昇動作部分(すなわち、圧縮の上昇動作エネルギー)に細分することができる。下降動作中、下降動作エネルギーの一部は弾性ポテンシャルエネルギーとしてサンプルに保存され、上昇動作中、その弾性ポテンシャルエネルギーの一部は、上昇動作エネルギーとして上昇プローブにサンプルによって加えられる。したがって、圧縮の上昇動作エネルギーは、常に先行する圧縮の下降動作エネルギーよりも小さくなる(ただし、理想的で完全に弾性のあるサンプルは、同等の下降動作エネルギーと上昇動作エネルギーを持つ)。上昇動作中に、プローブが圧縮されて跳ね返るサンプルを超えて上昇すると、プローブがサンプル表面(プローブに付着している)から引き離されるため、記録された力は負になる。
【0298】
いくつかの出力パラメータは、単一の二重圧縮試験曲線から計算することができ、異なるパラメータは、サンプルの異なる特性への洞察を与える。Exponent Connectソフトウェア(バージョン7.0.3.0、Stable Micro Systems Ltd、英国サリー)を使用して、各二重圧縮テストの出力パラメータを個別に計算することができる。ピーク力(すなわち、硬度(hardness)/堅さ(firmness))は、最初の圧縮中の最大力であり、サンプルの硬度/堅さに関する情報を伝達する;より高いピーク力は、サンプルがより大きな力で下降動作に抵抗したことを意味し、より堅いサンプルである可能性がある。曲線の上昇動作の負の力の部分はサンプルのプローブへの付着を反映しているため、最初の上昇動作の負の力の部分(すなわち、付着性)は、サンプルの付着性に関する情報を伝える;より大きな負の値は、より粘着性のあるサンプルを意味する。回復可能エネルギー(つまり、回復力)は、最初の上昇動作エネルギーを最初の下降動作エネルギーで割ることによって計算され、下降動作エネルギーを弾性的に保存および消費するサンプルの能力に関する情報を伝える;100%の値は、理想的で完全に弾性のあるサンプルを表す。1回目の圧縮に対する2回目の圧縮の仕事の比率(つまり、構造の完全性/凝集性)は、2回目の圧縮中の仕事を1回目の圧縮中の仕事で割ることによって計算され、1回目の圧縮によって構造が破壊された後のサンプルの構造の完全性/凝集性に関する情報を伝える;より高い値(つまり、1.0に近い)は、1回目の圧縮後の構造的完全性が高いことを意味し、より低い値(つまり、0.0に近い)は、1回目の圧縮による構造的損傷が大きいことを意味する。リバウンド(すなわち、弾性/弾力性)は、2回目の下降動作サンプル接触時間(つまり、プローブが2回目の下降動作中にゼロ以外の力を記録した時間の長さ)を1回目の下降動作サンプル接触時間で割ることによって計算される;100%の値は、サンプルが1回目の圧縮からの最初の接触高さまで完全に跳ね返ったことを示す。(ピーク力)x(1回目の圧縮に対する2回目の圧縮の仕事の比率)x(リバウンド)の派生パラメーター(つまり、噛み応え/破壊)は、1回目の圧縮後のサンプルの一般的な破壊に関する情報を伝える。より高い値は、人間が「より噛み応えのある」サンプルと見なし、より低い値は、「より柔らかい」サンプルと見なすことを示すと考えられる。
【0299】
本発明の前述の議論は、例示および説明の目的で提示されたものである。前述の内容は、本発明を本明細書に開示される1つまたは複数の形態に限定することを意図するものではない。本発明の説明は、一実施形態の説明および特定の変形および修正を含むが、他の変形および修正は、本発明の範囲内であり、例えば、本開示を理解した後、当業者の技能および知識の範囲内にあるように、本発明の範囲内にある。本明細書に開示されたものと代替、交換可能なおよび/または同等の構造、機能、範囲、またはステップを含む、許可された範囲での代替の実施形態を含む権利を取得することを意図しており、特許性のある主題を公に捧げることを意図していない。
【手続補正書】
【提出日】2021-12-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乳タンパク質成分を含む乳製品代替物であって、該乳タンパク質成分が以下のものからなる乳製品代替物:
- 組換えβ-ラクトグロブリン;
- 任意の組換えκ-カゼイン;および
- 天然および/または組換えの血清アルブミン、天然および/または組換えのラクトペルオキシダーゼ、ならびに天然および/または組換えのGMPからなる群から選択される1つ以上の他の乳タンパク質。
【請求項2】
前記乳製品代替物が、植物から得られるタンパク質を本質的に含まない、請求項1に記載の乳製品代替物。
【請求項3】
前記乳製品代替物が、組換えβ-ラクトグロブリン、任意の組換えκ-カゼイン、および1つ以上の他の乳タンパク質以外の乳タンパク質成分に含まれるタンパク質を本質的に含まない、請求項1に記載の乳製品代替物。
【請求項4】
前記組換えβ-ラクトグロブリンが、ボス・タウルスβ-ラクトグロブリンのT4、T6、T18、S21、S27、S30、S36、T49、T97、S110、S116、T125、S150、N152、T154から選択される1つ以上のアミノ酸残基を含むアミノ酸配列を含み、当該アミノ酸残基の1つ以上が非天然グリコシル化されている、請求項1に記載の乳製品代替物 。
【請求項5】
前記組換えβ-ラクトグロブリンが、ボス・タウルスβ-ラクトグロブリンのT4、T6、T18、Y20、S21、S27、S30、S36、Y42、T49、T76、T97、Y99、Y102、S110、S116、T125、S150、およびBos taurus β-lactoglobulinのT4、T6、T18、Y20、S27、S30、S36、Y42、T49、T76、T97、Y99、Y102、S110、S116、T125、S150、およびT154から選択される1つ以上のアミノ酸残基を含むアミノ酸配列を含み、当該アミノ酸残基の1つ以上が非天然リン酸化されていることを特徴とする、請求項1に記載の乳製品代替物。
【請求項6】
前記該乳製品代替物が、乳タンパク質ポリマーネットワークを含む、請求項1に記載の乳製品代替物。
【請求項7】
前記組換えβ-ラクトグロブリンが、哺乳類産生乳中に見出されるβ-ラクトグロブリンと少なくとも90%同一である、請求項1に記載の乳製品代替物。
【請求項8】
前記組換えβ-ラクトグロブリンが、哺乳類産生乳中に見出されるβ-ラクトグロブリンと少なくとも95%同一である、請求項1に記載の乳製品代替物。
【請求項9】
前記組換えβ-ラクトグロブリンが、哺乳類産生乳中に見出されるβ-ラクトグロブリンと少なくとも99%同一である、請求項1に記載の乳製品代替物。
【請求項10】
前記哺乳類産生乳が、羊乳、牛乳、またはヤギ乳である、請求項7~9のいずれか一項に記載の乳製品代替物。
【請求項11】
前記組換えβ-ラクトグロブリンが、組換え真菌宿主細胞、組換え細菌宿主細胞、組換え藻類宿主細胞、または組換え植物宿主細胞からなる群から選択される組換え宿主細胞中で産生される、請求項1に記載の乳製品代替物。
【請求項12】
前記組換え真菌宿主細胞が、Aspergillus、Candida、Fusarium、Hansenula、Kluyveromyces、Pichia、Saccharomyces、Tetrahymena、Trichoderma、Yarrowia、およびZygosaccharomycesからなる群から選択される、請求項11に記載の乳製品代替物。
【請求項13】
ビタミンA、ビタミンB、ビタミンE、ビタミンD、ビタミンK、カルシウム、カリウム、ナトリウム、およびクエン酸塩のうちの1つ以上をさらに含む、請求項1に記載の乳製品代替物。
【請求項14】
ブラゼイン、クルクリン、マビンリン、ミラクリン、モネリン、ペンタジン、およびタウマチンからなる群から選択される1つ以上の甘味料をさらに含む、請求項1に記載の乳製品代替物。
【請求項15】
植物油をさらに含む、請求項1に記載の乳製品代替物。
【請求項16】
エステル化油をさらに含む、請求項1に記載の乳製品代替物。
【請求項17】
酪酸、カプロン酸、カプリル酸、およびカプリン酸を含むトリグリセリドをさらに含む、請求項1に記載の乳製品代替物。
【請求項18】
前記乳製品代替物が粉末である、請求項1の乳製品代替物。
【請求項19】
前記乳製品代替物が、ミルク代替物、ヨーグルト代替物、チーズ代替物、クリーム代替物、冷凍菓子代替物、および発酵乳製品代替物からなる群から選択される、請求項1に記載の乳製品代替物。
【請求項20】
請求項1の乳製品代替物の製造方法であって、組換えβ-ラクトグロブリン、任意の組換えκ-カゼイン、ならびに天然および/または組換え血清アルブミン、天然および/または組換えラクトペルオキシダーゼ、および天然および/または組換えGMPからなる群から選択される1つ以上の他の乳タンパク質を得ることを含む方法。
【請求項21】
請求項1に記載の乳製品代替物を含む組成物。
【請求項22】
前記組成物が乳タンパク質ポリマーネットワークを含む、請求項21に記載の組成物。
【請求項23】
前記組成物が、ポリマー、医薬品、またはパーソナルケア製品である、請求項21に記載の組成物。
【国際調査報告】