(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-27
(54)【発明の名称】シフトされたカラーサブピクセルを有するマルチビューディスプレイおよび方法
(51)【国際特許分類】
G02B 30/33 20200101AFI20220620BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20220620BHJP
G09F 9/302 20060101ALI20220620BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20220620BHJP
G09G 3/20 20060101ALI20220620BHJP
G09G 3/34 20060101ALI20220620BHJP
G09G 3/36 20060101ALI20220620BHJP
H04N 13/302 20180101ALI20220620BHJP
H04N 13/324 20180101ALI20220620BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20220620BHJP
【FI】
G02B30/33
F21S2/00 439
F21S2/00 482
G09F9/302 C
G09F9/00 361
G09F9/00 336G
G09G3/20 660K
G09G3/20 622Q
G09G3/20 642A
G09G3/34 J
G09G3/20 680G
G09G3/20 621K
G09G3/20 622R
G09G3/34 C
G09G3/36
G09G3/20 680E
G09G3/20 642K
G09G3/20 650B
H04N13/302
H04N13/324
F21Y115:10
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021564401
(86)(22)【出願日】2019-04-29
(85)【翻訳文提出日】2021-12-22
(86)【国際出願番号】 US2019029730
(87)【国際公開番号】W WO2020222770
(87)【国際公開日】2020-11-05
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514274546
【氏名又は名称】レイア、インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】LEIA INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100093676
【氏名又は名称】小林 純子
(74)【代理人】
【識別番号】100126354
【氏名又は名称】藤田 尚
(72)【発明者】
【氏名】ファタル,デイヴィッド エー.
【テーマコード(参考)】
2H199
3K244
5C006
5C061
5C080
5C094
5G435
【Fターム(参考)】
2H199BA12
2H199BA42
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2H199BB29
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2H199BB59
3K244AA01
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5G435AA04
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5G435GG26
(57)【要約】
マルチビューディスプレイは、マルチビュー画像のビューのカラーピクセルとして指向性光ビームを変調するように構成された複数のマルチビューピクセルとして配置された、複数の繰り返しカラーサブピクセルの行を有するライトバルブのアレイを含む。複数の繰り返しカラーサブピクセルの第1の行は、複数の繰り返しカラーサブピクセルの第2の行から、カラーサブピクセルの幅の整数倍だけ行方向にオフセットされる。第1の行および第2の行のオフセットは、マルチビュー画像のカラーピクセルに関連するカラーフリンジを軽減するために、異なる色を有する、隣接するマルチビューピクセルの対応するカラーサブピクセルを提供するように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチビューディスプレイであって、
マルチビュー画像のビューのカラーピクセルとして指向性光ビームを変調するように構成された複数のマルチビューピクセルとして配置された、複数の繰り返しカラーサブピクセルの行を有するライトバルブのアレイであって、前記複数の繰り返しカラーサブピクセルの第1の行が、前記複数の繰り返しカラーサブピクセルの第2の行から、カラーサブピクセルの幅の整数倍だけ行方向にオフセットされている、ライトバルブのアレイ
を備え、前記第1の行および前記第2の行の前記オフセットが、前記マルチビュー画像のカラーピクセルに関連するカラーフリンジを軽減するために、異なる色を有する、隣接するマルチビューピクセルの対応するカラーサブピクセルを提供するように構成されている、マルチビューディスプレイ。
【請求項2】
前記複数の繰り返しカラーサブピクセルの各カラーサブピクセルが異なる色を有し、前記変調された光ビームが、前記マルチビュー画像の前記カラーピクセル内のそれぞれの前記異なる色を示す、請求項1に記載のマルチビューディスプレイ。
【請求項3】
前記複数の繰り返しカラーサブピクセルが、赤色カラーサブピクセル、緑色カラーサブピクセル、および青色カラーサブピクセルを備える、請求項2に記載のマルチビューディスプレイ。
【請求項4】
前記指向性光ビームを提供するように構成された、互いに離間したマルチビームエミッタのアレイをさらに備え、前記マルチビームエミッタアレイのマルチビームエミッタが、前記ライトバルブアレイのライトバルブのサイズの半分~2倍のサイズを有する、請求項1に記載のマルチビューディスプレイ。
【請求項5】
前記ライトバルブの前記アレイの前記複数の繰り返しカラーサブピクセルの、カラーサブピクセルの異なるサブセットが、前記マルチビームエミッタアレイの各マルチビームエミッタに対応し、前記異なるサブセットが、前記マルチビューディスプレイの前記複数のマルチビューピクセルのマルチビューピクセルを表す、請求項4に記載のマルチビューディスプレイ。
【請求項6】
前記マルチビューディスプレイの長さに沿って互いに離間した複数のマルチビーム列であって、前記複数のマルチビーム列のマルチビーム列が、水平方向のみの指向性パターンで前記指向性光ビームを提供するように構成されている、複数のマルチビーム列をさらに備え、
前記複数のマルチビーム列が、前記マルチビームエミッタの前記アレイであり、前記マルチビューディスプレイが、水平視差のみのディスプレイである、請求項4に記載のマルチビューディスプレイ。
【請求項7】
前記マルチビーム列が連続マルチビーム要素を備える、請求項6に記載のマルチビューディスプレイ。
【請求項8】
ライトガイドの長さに沿って光を導波するように構成されたライトガイドと、
前記ライトガイドの前記長さに沿って互いに離間したマルチビーム要素のアレイであって、前記マルチビーム要素アレイのマルチビーム要素が、前記ライトガイドから前記導波光の一部を前記指向性光ビームとして散乱させるように構成されている、マルチビーム要素のアレイと
をさらに備え、前記マルチビーム要素アレイが前記マルチビームエミッタアレイであり、前記マルチビーム要素アレイの各マルチビーム要素が、前記マルチビームエミッタアレイの異なるマルチビームエミッタに対応する、請求項4に記載のマルチビューディスプレイ。
【請求項9】
前記マルチビーム要素が、前記指向性光ビームとして前記導波光の前記一部を回折的に散乱させるように構成された回折格子、前記指向性光ビームとして前記導波光の前記一部を反射的に散乱させるように構成されたマイクロ反射構造、および前記指向性光ビームとして前記導波光の前記一部を屈折的に散乱させるように構成されたマイクロ屈折構造のうちの1つ以上を備える、請求項8に記載のマルチビューディスプレイ。
【請求項10】
前記ライトバルブアレイに隣接する側とは反対の前記ライトガイドの側に隣接する広角バックライトであって、前記広角バックライトが、前記マルチビューディスプレイの2次元(2D)モード時に広角放射光を提供するように構成されており、前記ライトバルブアレイが、前記広角放射光を2D画像として変調するように構成されている、広角バックライトをさらに備え、
前記ライトガイドおよび前記マルチビーム要素アレイが、前記広角放射光に対して透過性であるように構成されており、前記マルチビューディスプレイが、マルチビューモード時に前記マルチビュー画像を表示し、前記2Dモード時に前記2D画像を表示するように構成されている、請求項8に記載のマルチビューディスプレイ。
【請求項11】
マルチビューディスプレイであって、
オフセットされた行に配置された複数の繰り返しカラーサブピクセルを有するライトバルブのアレイであって、前記ライトバルブアレイのライトバルブが、マルチビュー画像のカラーピクセルとして指向性光ビームを変調するように構成されたマルチビューピクセルとして配置されている、アレイライトバルブと、
前記指向性光ビームの異なるセットで異なるマルチビューピクセルを照明するように構成されたマルチビームエミッタのアレイと
を備え、隣接する前記オフセットされた行が、カラーサブピクセルの幅の整数倍だけ互いにオフセットされており、前記隣接する行間のオフセットが、第2のマルチビューピクセルの対応するカラーサブピクセルとは異なる色を有する、第1のマルチビューピクセルのカラーサブピクセルを提供するように構成されている、マルチビューディスプレイ。
【請求項12】
前記複数の繰り返しカラーサブピクセルの各カラーサブピクセルが異なる色を有し、前記変調された光ビームが、前記マルチビュー画像の前記カラーピクセル内のそれぞれの前記異なる色を示す、請求項11に記載のマルチビューディスプレイ。
【請求項13】
前記マルチビームエミッタアレイのマルチビームエミッタが、前記指向性光ビームとして光を放射するように構成されたアクティブ光エミッタを備え、前記アクティブ光エミッタが、前記ライトバルブアレイのライトバルブのサイズと比較可能なサイズを有する、請求項11に記載のマルチビューディスプレイ。
【請求項14】
ライトガイドの長さに沿った伝搬方向に光を導波するように構成されたライトガイドと、
前記ライトガイドの前記長さに沿って互いに離間したマルチビーム要素のアレイであって、前記マルチビーム要素アレイのマルチビーム要素が、前記マルチビームエミッタアレイのマルチビームエミッタに対応し、前記ライトバルブアレイのライトバルブのサイズと比較可能なサイズを有し、前記ライトガイドから前記導波光の一部を前記指向性光ビームとして散乱させるように構成されている、マルチビーム要素のアレイと
をさらに備える、請求項11に記載のマルチビューディスプレイ。
【請求項15】
前記マルチビーム要素が、前記導波光の前記一部を散乱させるために前記ライトガイドに光学的に接続された回折格子、マイクロ反射要素、およびマイクロ屈折要素のうちの1つ以上を備える、請求項14に記載のマルチビューディスプレイ。
【請求項16】
前記ライトガイドの入力に光学的に結合された光源であって、非ゼロ伝搬角度を有する、および/または所定のコリメーション係数に従ってコリメートされた導波光として前記ライトガイド内で導波される光を提供するように構成された光源をさらに備える、請求項14に記載のマルチビューディスプレイ。
【請求項17】
マルチビューディスプレイの動作の方法であって、
マルチビームエミッタのアレイを使用して指向性光ビームを放射するステップと、
複数のマルチビューピクセルとして配置された、複数の繰り返しカラーサブピクセルの行を有するライトバルブのアレイを使用して前記指向性光ビームを変調するステップと
を含み、前記複数の繰り返しカラーサブピクセルの第1の行が、前記マルチビューディスプレイによって表示されるマルチビュー画像のカラーピクセルに関連するカラーフリンジを軽減するために、異なる色を有する、隣接するマルチビューピクセルの対応するカラーサブピクセルを提供するように、前記複数の繰り返しカラーサブピクセルの第2の行からオフセットされている、マルチビューディスプレイの動作の方法。
【請求項18】
前記複数の繰り返しカラーサブピクセルの各カラーサブピクセルが異なる色を有し、前記変調された光ビームが、前記マルチビュー画像の前記カラーピクセル内のそれぞれの前記異なる色を示し、前記第2の行が、前記第1の行から、前記複数のカラーサブピクセルの、カラーサブピクセルの幅の整数倍だけ行方向にオフセットされている、請求項17に記載のマルチビューディスプレイの動作の方法。
【請求項19】
前記指向性光ビームを放射する前記ステップが、前記指向性光ビームを放射するために、前記マルチビューディスプレイの長さに沿って互いに離間した複数のマルチビーム列を使用するステップであって、前記複数のマルチビーム列の各マルチビーム列が、前記マルチビューディスプレイのビュー方向に対応する方向を有する複数の指向性光ビームを放射するように構成されている、ステップを含み、
前記複数のマルチビーム列が、前記マルチビームエミッタの前記アレイであり、前記マルチビューディスプレイが、水平視差のみのディスプレイであり、前記ビュー方向が、水平視差配置で配置されている、請求項17に記載のマルチビューディスプレイの動作の方法。
【請求項20】
前記マルチビームエミッタの前記アレイを使用して前記指向性光ビームを放射する前記ステップが、
導波光としてライトガイド内で光を導波するステップと、
前記指向性光ビームを提供するために、マルチビーム要素のアレイのマルチビーム要素を使用して前記導波光の一部を散乱させるステップであって、前記マルチビーム要素のサイズが、前記ライトバルブアレイのライトバルブのサイズと比較可能である、ステップと
を含み、前記マルチビーム要素アレイが前記マルチビームエミッタアレイであり、前記マルチビーム要素アレイの各マルチビーム要素が、前記マルチビームエミッタアレイの異なるマルチビームエミッタに対応する、請求項17に記載のマルチビューディスプレイの動作の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
なし
【0002】
連邦政府による資金提供を受けた研究開発に関する記載
なし
【背景技術】
【0003】
電子ディスプレイは、多種多様なデバイスおよび製品のユーザに情報を伝達するためのほぼユビキタスな媒体である。最も一般的に用いられている電子ディスプレイは、陰極線管(CRT:cathode ray tube)、プラズマディスプレイパネル(PDP:plasma display panel)、液晶ディスプレイ(LCD:liquid crystal display)、エレクトロルミネセンスディスプレイ(EL:electroluminescent display)、有機発光ダイオード(OLED:organic light emitting diode)およびアクティブマトリクスOLED(AMOLED:active matrix OLED)ディスプレイ、電気泳動ディスプレイ(EP:electrophoretic display)、ならびに電気機械的または電気流体的光変調を用いた様々なディスプレイ(例えば、デジタルマイクロミラーデバイス、エレクトロウェッティングディスプレイなど)を含む。一般に、電子ディスプレイは、アクティブディスプレイ(すなわち、光を放射するディスプレイ)またはパッシブディスプレイ(すなわち、別の光源によって提供される光を変調するディスプレイ)のいずれかに分類され得る。アクティブディスプレイの最も明白な例の中には、CRT、PDP、およびOLED/AMOLEDがある。放射光を考えたときに典型的にパッシブ型として分類されるディスプレイは、LCDおよびEPディスプレイである。パッシブディスプレイは、本質的に低い消費電力を含むが、これに限定されない魅力的な性能特性を示すことが多いが、光を放射する能力がないことを考慮すると、多くの実用的な用途において使用法が幾分制限され得る。
【0004】
放射光に関連するパッシブディスプレイの制限を克服するために、多くのパッシブディスプレイが外部光源に結合されている。結合された光源は、これらの異なるパッシブディスプレイが光を放射し、実質的にアクティブディスプレイとして機能することを可能にし得る。このような結合光源の例はバックライトである。バックライトは、パッシブディスプレイを照らすために異なるパッシブディスプレイの背後に配置される光の源(多くの場合、パネルバックライト)として機能し得る。例えば、バックライトは、LCDまたはEPディスプレイに結合され得る。バックライトは、LCDまたはEPディスプレイを通過する光を放射する。放射された光は、LCDまたはEPディスプレイによって変調され、次に、変調された光は、続いてLCDまたはEPディスプレイから放射される。多くの場合、バックライトは白色光を放射するように構成される。次に、カラーフィルタが、白色光をディスプレイで使用される様々な色に変換するために使用される。カラーフィルタは、例えば、LCDもしくはEPディスプレイの出力に(あまり一般的ではない)、またはバックライトとLCDもしくはEPディスプレイとの間に配置され得る。あるいは、様々な色は、異なる色、例えば原色を使用するディスプレイのフィールドシーケンシャル照明によって実施されてもよい。
【発明の概要】
【0005】
本明細書に記載の原理による例および実施形態の様々な特徴は、添付の図面と併せて以下の詳細な説明を参照することによってより容易に理解され得、同じ参照番号は同じ構造要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1A】本明細書に記載の原理と一致する実施形態による、一例におけるマルチビューディスプレイの斜視図を示す。
【0007】
【
図1B】本明細書に記載の原理と一致する実施形態による、一例におけるマルチビューディスプレイのビュー方向に対応する特定の主角度方向を有する光ビームの角度成分の図表現を示す。
【0008】
【
図2】本明細書に記載の原理と一致する実施形態による、一例におけるマルチビューディスプレイの断面図を示す。
【0009】
【
図3】本明細書に記載の原理と一致する実施形態による、一例におけるマルチビューディスプレイのライトバルブのアレイの一部の詳細図を示す。
【0010】
【
図4】本明細書に記載の原理と一致する実施形態による、一例におけるマルチビューディスプレイのライトバルブのアレイの一部の詳細図を示す。
【0011】
【
図5】本明細書に記載の原理の実施形態による、一例における広角バックライトを備えるマルチビューディスプレイの断面図を示す。
【0012】
【
図6】本明細書の原理と一致する実施形態による、一例におけるマルチビューディスプレイシステムのブロック図を示す。
【0013】
【
図7】本明細書に記載の原理と一致する実施形態による、一例におけるマルチビューディスプレイシステムの動作の方法のフローチャートを示す。
【0014】
特定の例および実施形態は、上記参照図に示されている特徴に加えて、またはその代わりに他の特徴を有する。これらおよび他の特徴は、上記参照図を参照して以下に詳述される。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本明細書に記載の原理による例および実施形態は、オフセットされた行に配置された複数の繰り返しカラーサブピクセルを有するライトバルブのアレイを用いたバックライティングを提供する。本明細書の原理と一致する様々な実施形態において、マルチビューディスプレイが提供される。マルチビューディスプレイは、マルチビュー画像のビューのカラーピクセルとして指向性光ビームを変調するように構成された複数のマルチビューピクセルとして配置された、複数の繰り返しカラーサブピクセルを有するライトバルブのアレイを備える。複数の繰り返しカラーサブピクセルの第1の行は、複数の繰り返しカラーサブピクセルの第2の行に対して行方向にオフセットまたはシフトされる。オフセットまたはシフトは、マルチビュー画像に関連するカラーフリンジを軽減するように構成される。
【0016】
本明細書では、「マルチビューディスプレイ」は、異なるビュー方向にマルチビュー画像の異なるビューを提供するように構成された電子ディスプレイまたはディスプレイシステムとして定義される。
図1Aは、本明細書に記載の原理と一致する実施形態による、一例におけるマルチビューディスプレイ10の斜視図を示す。
図1Aに示されているように、マルチビューディスプレイ10は、見られるマルチビュー画像を表示するためのスクリーン12を備える。マルチビューディスプレイ10は、スクリーン12に対して異なるビュー方向16にマルチビュー画像の異なるビュー14を提供する。ビュー方向16は、スクリーン12から様々な異なる主角度方向に延びる矢印として示されている。異なるビュー14は、矢印(すなわち、ビュー方向16を示す)の終端に影付きの多角形ボックスとして示されている。4つのビュー14および4つのビュー方向16のみが示されているが、これらはすべて、限定ではなく例として挙げられている。異なるビュー14は
図1Aではスクリーンの上方にあるように示されているが、マルチビュー画像がマルチビューディスプレイ10に表示されているとき、ビュー14は、実際にはスクリーン12上またはその近くに見えることに留意されたい。スクリーン12の上方にビュー14を示しているのは、図示を簡単にするためだけであり、特定のビュー14に対応するビュー方向16のそれぞれからマルチビューディスプレイ10を見ることを表すことを意図している。
【0017】
ビュー方向、すなわち、マルチビューディスプレイのビュー方向に対応する方向を有する光ビームは、一般に、本明細書の定義により、角度成分{θ,φ}によって与えられる主角度方向を有する。角度成分θは、本明細書では光ビームの「仰角成分」または「仰角」と呼ばれる。角度成分φは、光ビームの「方位角成分」または「方位角」と呼ばれる。定義により、仰角θは、垂直平面(例えば、マルチビューディスプレイのスクリーンの平面に垂直な)における角度であり、方位角φは、水平平面(例えば、マルチビューディスプレイのスクリーンの平面に平行な)における角度である。
【0018】
図1Bは、本明細書に記載の原理と一致する実施形態による、一例におけるマルチビューディスプレイのビュー方向(例えば、
図1Aのビュー方向16)に対応する特定の主角度方向を有する光ビーム20の角度成分{θ,φ}の図表現を示す。さらに、光ビーム20は、本明細書の定義により、特定の点から放射されるまたは発散する。すなわち、定義により、光ビーム20は、マルチビューディスプレイ内の特定の原点に関連する中心光線を有する。
図1Bは、光ビーム(またはビュー方向)の原点Oも示す。
【0019】
さらに本明細書では、「マルチビュー画像」および「マルチビューディスプレイ」という用語で使用される「マルチビュー」という用語は、異なる視点を表すか、または複数のビューのビュー間に角度視差を含む複数のビューとして定義される。さらに、本明細書では、「マルチビュー」という用語は、本明細書の定義により、2つより多くの異なるビュー(すなわち、最低3つのビュー、一般に3つより多くのビュー)を明示的に含む。したがって、本明細書で用いられる「マルチビューディスプレイ」は、シーンまたは画像を表すために2つの異なるビューのみを含む立体ディスプレイとは明示的に区別される。しかしながら、本明細書の定義により、マルチビュー画像およびマルチビューディスプレイは、2つより多くのビューを含むが、マルチビュー画像は、マルチビューのビューのうちの2つのみを選択して一度に見る(例えば、1つの眼につき1つのビュー)ことによって立体画像ペアとして見られ得る(例えば、マルチビューディスプレイ上で)ことに留意されたい。
【0020】
「マルチビューピクセル」は、本明細書では、マルチビューディスプレイの同様の複数の異なるビューの各ビュー内の「ビュー」ピクセルを表すピクセルのセットとして定義される。特に、マルチビューピクセルは、マルチビュー画像の異なるビューの各ビュー内のビューピクセルに対応する、またはこれを表す個別のピクセルまたはピクセルのセットを有し得る。したがって、本明細書の定義により、「ビューピクセル」は、マルチビューディスプレイのマルチビューピクセルのビューに対応するピクセルまたはピクセルのセットである。一部の実施形態では、ビューピクセルは、1つ以上のカラーサブピクセルを含んでもよい。さらに、マルチビューピクセルのビューピクセルは、本明細書の定義により、ビューピクセルのそれぞれが異なるビューの対応するビューの所定のビュー方向に関連する点で、いわゆる「指向性ピクセル」である。さらに、様々な例および実施形態によれば、マルチビューピクセルの異なるビューピクセルは、異なるビューのそれぞれにおいて同等または少なくとも実質的に同様の位置または座標を有し得る。例えば、第1のマルチビューピクセルは、マルチビュー画像の異なるビューのそれぞれにおいて{x1,y1}に位置する個々のビューピクセルを有し得、第2のマルチビューピクセルは、異なるビューのそれぞれにおいて{x2,y2}に位置する個々のビューピクセルを有し得、以下同様である。
【0021】
一部の実施形態では、マルチビューピクセルのビューピクセルの数は、マルチビューディスプレイのビューの数に等しくてもよい。例えば、マルチビューピクセルは、64の異なるビューを有するマルチビューディスプレイに関連する64(六十四)のビューピクセルを提供し得る。別の例では、マルチビューディスプレイは、8×4のビューのアレイ(すなわち、32のビュー)を提供し得、マルチビューピクセルは、32(三十二)のビューピクセル(すなわち、各ビューに1つ)を含み得る。さらに、異なるビューピクセルのそれぞれは、例えば64の異なるビューに対応するビュー方向のうちの異なるビュー方向に対応する関連方向(例えば、光ビーム主角度方向)を有し得る。さらに、一部の実施形態によれば、マルチビューディスプレイのマルチビューピクセルの数は、マルチビューディスプレイの各ビューである、マルチビューディスプレイのビューにおけるビューピクセル(すなわち、選択されたビューを構成するピクセル)の数に実質的に等しくてもよい。例えば、ビューが640×480のビューピクセル(すなわち、六百四十掛ける四百八十のビュー解像度)を含む場合、マルチビューディスプレイは、307,200(三十万七千二百)のマルチビューピクセルを有し得る。別の例では、ビューが100×100のピクセルを含む場合、マルチビューディスプレイは、合計10,000(すなわち、百掛ける百で一万)のマルチビューピクセルを含み得る。
【0022】
本明細書の定義により、「マルチビームエミッタ」は、複数の光ビームを含む光を生成するバックライトまたはディスプレイの構造または要素である。一部の実施形態では、マルチビームエミッタは、ライトガイド内で導波された光の一部を結合することによって光ビームを提供するために、バックライトのライトガイドに光学的に結合されてもよい。このような実施形態では、マルチビームエミッタは「マルチビーム要素」を備えてもよい。他の実施形態では、マルチビームエミッタは、光ビームとして放射される光を発生させてもよい(すなわち、光源を備えてもよい)。さらに、マルチビームエミッタによって生成される複数の光ビームの光ビームは、本明細書の定義により、互いに異なる主角度方向を有する。特に、定義により、複数の光ビームは、複数の光ビームの別の光ビームとは異なる所定の主角度方向を有する。さらに、複数の光ビームは光照射野を表し得る。例えば、複数の光ビームは、実質的に円錐形の空間領域に限定されてもよいし、または複数の光ビームの光ビームの異なる主角度方向を含む所定の角度広がりを有してもよい。したがって、組み合わせた光ビーム(すなわち、複数の光ビーム)の所定の角度広がりは、光照射野を表し得る。様々な実施形態によれば、様々な光ビームの異なる主角度方向は、マルチビームエミッタのサイズ(例えば、長さ、幅、面積など)を含むが、これに限定されない特性によって決定される。一部の実施形態では、マルチビームエミッタは、本明細書の定義により、「拡張点光源」、すなわち、マルチビームエミッタの範囲にわたって分散された複数の点光源と考えられてもよい。さらに、マルチビームエミッタによって生成される光ビームは、本明細書の定義により、
図1Bに関して上記したように、角度成分{θ,φ}によって与えられる主角度方向を有する。
【0023】
本明細書では、「マルチビーム列」は、一直線または一列に配置された複数のマルチビーム要素を備える細長い構造として定義される。特に、マルチビーム列は、一直線または一列に配置された複数のマルチビーム要素のマルチビーム要素で構成される。さらに、マルチビーム列は、定義により、複数の指向性光ビームを含む光を提供または放射するように構成される。したがって、マルチビーム列は、その光散乱特性に関してマルチビーム要素と機能的に同様であり得る。すなわち、マルチビーム列のマルチビーム要素によって生成される複数の指向性光ビームの指向性光ビームは、本明細書の定義により、互いに異なる主角度方向を有する。一部の実施形態では、マルチビーム列は、マルチビューディスプレイのバックライトまたは同様の構成要素の幅にわたって実質的に延在する細くて長い構造であってもよい。特に、マルチビーム列は、例えば、バックライトの幅にわたって延びる直線に配置された複数のディスクリートのマルチビーム要素で構成されてもよい。上記の定義の例外は、一部の実施形態において、マルチビーム列が個々のディスクリートのマルチビーム要素の代わりに単一の連続回折格子構造を備えることである。この例外において、連続回折格子の部分は、上記したマルチビーム列のディスクリートのマルチビーム要素と実質的に同様の方法で有効に機能する。
【0024】
様々な実施形態によれば、マルチビーム列の幅は、マルチビーム列の複数のマルチビーム要素のマルチビーム要素のサイズによって定義されてもよい。したがって、マルチビーム列の幅は、マルチビーム列に関連するマルチビューディスプレイで使用されるライトバルブの幅と比較可能であってもよい。さらに、一部の実施形態では、マルチビーム列の幅は、ライトバルブのサイズの約半分~約2倍であってもよい。
【0025】
本明細書では、「アクティブエミッタ」、すなわち、「アクティブ光エミッタ」は、点灯またはオンされると光を生成または放射するように構成された光エミッタとして定義される。アクティブエミッタは、別の光の源からの光を受け取らない。代わりに、アクティブエミッタは、点灯されるとそれ自体の光を発生させる。アクティブエミッタは、一部の例では、発光ダイオード(LED:light emitting diode)、マイクロ発光ダイオード(μLED:micro light emitting diode)、または有機発光ダイオード(OLED)を備えてもよい。アクティブエミッタによって生成される光は、色を有してもよい(すなわち、特定の波長の光を含んでもよい)し、または波長の範囲(例えば、白色光)であってもよい。本明細書の定義により、「カラーエミッタ」は、色を有する光を提供するアクティブエミッタである。一部の実施形態では、アクティブエミッタは、複数の光エミッタを備えてもよい。一部の実施形態では、アクティブ光エミッタのうちの少なくとも1つの光エミッタは、複数の光エミッタのうちの少なくとも1つの他の光エミッタによって生成される光の色または波長とは異なる色、すなわち波長を有する光を発生させてもよい。
【0026】
本明細書では、「ライトガイド」は、内部全反射を使用して構造内で光を導波する構造として定義される。特に、ライトガイドは、ライトガイドの動作波長で実質的に透過性のコアを含み得る。「ライトガイド」という用語は、一般に、ライトガイドの誘電材料とそのライトガイドを取り囲む材料または媒体との間の界面で光を導波するために内部全反射を用いる誘電体光導波路を指す。定義により、内部全反射の条件は、ライトガイドの屈折率がライトガイドの材料の表面に隣接する周囲媒体の屈折率よりも大きいことである。一部の実施形態では、ライトガイドは、内部全反射をさらに容易にするために、前述の屈折率差に加えて、またはその代わりにコーティングを含んでもよい。コーティングは、例えば、反射コーティングであってもよい。ライトガイドは、プレートまたはスラブガイドおよびストリップガイドの一方または両方を含むが、これらに限定されないいくつかのライトガイドのいずれかであってもよい。
【0027】
定義により、「広角」放射光は、マルチビュー画像またはマルチビューディスプレイのビューの円錐角よりも大きい円錐角を有する光として定義される。特に、一部の実施形態では、広角放射光は、約20度よりも大きい(例えば、>±20°の)円錐角を有してもよい。他の実施形態では、広角放射光の円錐角は、約30度より大きくてもよいし(例えば、>±30°)、または約40度より大きくてもよいし(例えば、>±40°)、または50度より大きくてもよい(例えば、>±50°)。例えば、広角放射光の円錐角は、約60度(例えば、>±60°)であってもよい。
【0028】
一部の実施形態では、広角放射光の円錐角は、LCDコンピュータモニタ、LCDタブレット、LCDテレビ、または広角視野を意図した同様のデジタルディスプレイデバイスの視野角(例えば、約±40~65°)とほぼ同じになるように定義されてもよい。他の実施形態では、広角放射光はまた、拡散光、実質的に拡散光、無指向性光(すなわち、特定のもしくは所定の指向性を欠いている)として、または単一のもしくは実質的に均一な方向を有する光として特徴付けまたは説明されてもよい。
【0029】
本明細書では、「光源」は、光の源(例えば、光を生成および放射するように構成された光エミッタ)として定義される。例えば、光源は、光エミッタ、例えば、点灯またはオンされると光を放射する発光ダイオード(LED)を備えてもよい。特に、本明細書では、光源は、発光ダイオード(LED)、レーザ、有機発光ダイオード(OLED)、ポリマー発光ダイオード、プラズマベースの光エミッタ、蛍光灯、白熱灯、および事実上任意の他の光の源のうちの1つ以上を含むが、これらに限定されない、実質的に任意の光の源であってもよいし、または実質的に任意の光エミッタを備えてもよい。光源によって生成される光は、色を有してもよい(すなわち、特定の波長の光を含んでもよい)し、または波長の範囲(例えば、白色光)であってもよい。一部の実施形態では、光源は、複数の光エミッタを備えてもよい。例えば、光源は、光エミッタのセットまたはグループであって、光エミッタのうちの少なくとも1つが、セットまたはグループのうちの少なくとも1つの他の光エミッタによって生成される光の色または波長とは異なる色、すなわち波長を有する光を生成する、光エミッタのセットまたはグループを含んでもよい。異なる色は、例えば原色(例えば、赤色、緑色、青色)を含んでもよい。
【0030】
さらに、本明細書で使用される場合、冠詞「ある(a)」は、特許技術におけるその通常の意味、すなわち「1つ以上」を有することを意図している。例えば、「カラーサブピクセル(a color sub-pixel)」は、1つ以上のカラーサブピクセルを意味し、したがって、「カラーサブピクセル」は、本明細書では「1つ以上のカラーサブピクセル(color sub-pixel(s))」を意味する。また、本明細書における「上部(top)」、「下部(bottom)」、「上方(upper)」、「下方(lower)」、「上(up)」、「下(down)」、「前(front)」、「後(back)」、「第1(first)」、「第2(second)」、「左(left)」、または「右(right)」への言及は、本明細書では限定を意図するものではない。本明細書では、「約」という用語は、値に適用される場合、一般に、値を生成するために使用される機器の許容範囲内を意味するか、または特に明記しない限り、プラスもしくはマイナス10%、またはプラスもしくはマイナス5%、またはプラスもしくはマイナス1%を意味し得る。さらに、本明細書で使用される「実質的に」という用語は、大部分、またはほとんどすべて、またはすべて、または約51%~約100%の範囲内の量を意味する。さらに、本明細書の例は、例示のみを意図しており、限定としてではなく解説の目的で提示されている。
【0031】
本明細書に記載の原理の一部の実施形態によれば、マルチビューディスプレイが提供される。
図2は、本明細書に記載の原理と一致する実施形態による、一例におけるマルチビューディスプレイ100の断面図を示す。
【0032】
マルチビューディスプレイ100は、ライトバルブ110のアレイを備える。様々な実施形態において、液晶ライトバルブ、電気泳動ライトバルブ、およびエレクトロウェッティングに基づくライトバルブのうちの1つ以上を含むが、これらに限定されない異なるタイプのライトバルブが、ライトバルブアレイのライトバルブ110として用いられてもよい。ライトバルブ110のアレイは、マルチビュー画像のビューのカラーピクセルとして指向性光ビームを変調するように構成された複数の繰り返しカラーサブピクセル112を備える。
【0033】
図3は、本明細書に記載の原理と一致する実施形態による、一例におけるマルチビューディスプレイ100のライトバルブ110のアレイの一部の詳細図を示す。ライトバルブ110のアレイは、複数の繰り返しカラーサブピクセル112を備える。一部の実施形態では、複数の繰り返しカラーサブピクセルの各カラーサブピクセル112は、異なる色を有する。図示の実施形態では、複数の繰り返しカラーサブピクセル112は、ライトバルブ110のアレイの行に沿って以下の順序の赤色、青色、および緑色のカラーサブピクセル(RGB)の繰り返しセットからなる(複数の繰り返しカラーサブピクセルの、カラーサブピクセルの各色は、図では対応する頭文字で示されている)。他の実施形態では、複数の繰り返しカラーサブピクセル112は、赤色、青色、緑色、および黄色のカラーサブピクセル(RGBY)の繰り返しセットを備えてもよい。さらに別の実施形態では、繰り返しセットは、赤色、青色、緑色、および白色のピクセル(RGBW)を含んでもよい。
【0034】
図3に示されているように、複数の繰り返しカラーサブピクセルは、マルチビューディスプレイ100の複数のマルチビューピクセル120として配置される。複数のマルチビューピクセルの各マルチビューピクセル120は、複数の繰り返しカラーサブピクセル112の異なるサブセットを備える。各マルチビューピクセル120は、マルチビューディスプレイ100のビューのカラーピクセルとして指向性光ビームを変調するように構成される。変調された光ビームは、マルチビューディスプレイ100のカラーピクセル内の複数のカラーサブピクセル112のそれぞれの異なる色を示す。図示の実施形態では、マルチビューディスプレイ100は4×4のディスプレイである(すなわち、全視差モードで16のビューを提供する)。したがって、複数のマルチビューピクセル120のそれぞれは、マルチビュー画像の16の異なるビューの16のカラーピクセルに対応する16のカラービューピクセルを提供する。各カラービューピクセルは、赤色カラーサブピクセル112、緑色カラーサブピクセル112、および青色カラーサブピクセル112を含む3つの連続するカラーサブピクセル112のセットを備える。複数のマルチビューピクセル120は、マルチビューピクセル120の行および列に配置されてもよい。
【0035】
複数の繰り返しカラーサブピクセル112の第1の行は、複数の繰り返しカラーサブピクセル112の第2の行に対してオフセットまたはシフトされる。
図3は、複数の繰り返しカラーサブピクセル112の第1の行Iが複数の繰り返しカラーサブピクセル112の第2の行IIからオフセットされていることを示す。第1の行Iおよび第2の行IIは、カラーサブピクセル112の列内で第1の行Iのカラーサブピクセル112が第2の行IIのカラーサブピクセル112とは異なる色を有するように、行方向にオフセットされている。図示の実施形態では、第1の行Iおよび第2の行IIは隣接している。さらに、複数の繰り返しカラーサブピクセル112の第1の行Iと第2の行IIとの間のオフセット(すなわち、オフセット距離)は、カラーサブピクセル112の幅の整数倍に等しい。
図3に示されている実施形態では、複数の繰り返しカラーサブピクセル112の第1の行Iは、複数の繰り返しカラーサブピクセル112の第2の行IIから、複数の繰り返しカラーサブピクセル112の方向にカラーサブピクセル112の1つの幅の距離だけオフセットまたはシフトされている。他の実施形態では、第1の行Iと第2の行IIとの間のオフセット距離またはシフト距離は、例えば、カラーサブピクセル112の2つの幅に相当してもよい。
【0036】
第1の行Iと第2の行IIとの間のオフセットまたはシフトは、異なる色を持つまたは有する、隣接するマルチビューピクセル120の対応するカラーサブピクセル112を提供するように構成される。
図3は、複数の繰り返しカラーサブピクセル112の第1の行Iと第2の行IIとの間のオフセットの結果として異なる色を有する、隣接するマルチビューピクセル120a、120bのセットの対応するカラーサブピクセル112を示す。例えば、図示のマルチビューピクセル120aの第1のカラーサブピクセル112aは、オフセットに起因して隣接するマルチビューピクセル120bの対応するカラーサブピクセル112bの青色とは異なる緑色を有してもよい。同様に、オフセットは、異なる色、すなわち、それぞれ青色および赤色を有する対応するカラーサブピクセル112b、112cをもたらす。一部の実施形態によれば、隣接するマルチビューピクセル内の行のオフセットによって提供される対応するカラーサブピクセル112の異なる色は、マルチビューディスプレイ100のカラーピクセルに関連するカラーフリンジを軽減するのに役立ち得る。
【0037】
一部の実施形態(例えば、
図2および
図3に示されているような)では、マルチビューディスプレイ100は、マルチビームエミッタ130のアレイをさらに備えてもよい。マルチビームエミッタ130は、複数のカラーサブピクセル112によって変調される指向性光ビームを提供するように構成される。指向性光ビームは、マルチビューディスプレイ100のそれぞれの異なるビュー方向に対応する主角度方向を有し得る。特に、
図2は、マルチビームエミッタアレイのマルチビームエミッタ130から離れる方向に向けて示されている複数の発散する矢印として指向性光ビーム102を示している。
【0038】
一部の実施形態では、アレイのマルチビームエミッタ130は、
図2に示されているように、マルチビームエミッタ130を支持する基板、すなわち「マルチビームバックライト」の第1の表面(上面)にまたはこれに隣接して配置されてもよい。他の実施形態(図示せず)では、複数のマルチビームエミッタ130は、マルチビームバックライトの、第1の表面とは反対側の第2の表面(または底面)に配置されてもよい。さらに他の実施形態(図示せず)では、マルチビームエミッタアレイのマルチビームエミッタ130は、第1の表面と第2の表面との間のマルチビームバックライトの内部に配置されてもよい。
【0039】
一部の実施形態では、マルチビームエミッタ130のサイズは、マルチビューディスプレイ100のライトバルブ110のサイズと比較可能である。本明細書では、「サイズ」は、長さ、幅、または面積を含むが、これらに限定されない種々の方法のいずれかで定義されてもよい。例えば、ライトバルブ110のサイズはその長さであってもよく、マルチビームエミッタ130の比較可能なサイズもマルチビームエミッタ130の長さであってもよい。別の例では、サイズは、マルチビームエミッタ130の面積がライトバルブ110の面積と比較可能であり得るような面積を指してもよい。一部の実施形態では、マルチビームエミッタのサイズは、ライトバルブのサイズと比較可能であり、マルチビームエミッタのサイズは、ライトバルブのサイズの約50%(五十パーセント)~約200%(二百パーセント)である。
【0040】
図2および
図3に示されているように、ライトバルブ110のアレイの複数の繰り返しカラーサブピクセル112のカラーサブピクセル112の異なるサブセットは、マルチビームエミッタアレイの異なるマルチビームエミッタ130に対応する。さらに、カラーサブピクセル112の異なるサブセットのそれぞれは、図示のように、マルチビューディスプレイ100のマルチビューピクセル120を表し得る。したがって、一部の実施形態では、マルチビームエミッタアレイのマルチビームエミッタ130と、対応するマルチビューピクセル120(例えば、ライトバルブ110のセット)との間の関係は、1対1の関係であってもよい。すなわち、等しい数のマルチビューピクセル120およびマルチビームエミッタ130があってもよい。
図2および
図3は、限定ではなく例として、ライトバルブ110の異なるセットを備える各マルチビューピクセル120がより太い線で囲まれて示されている1対1の関係を示している。
【0041】
図4は、本明細書に記載の原理と一致する実施形態による、一例における別のマルチビューディスプレイ100の平面図を示す。図示のマルチビューディスプレイ100は、水平視差マルチビューディスプレイを表し得る。例えば、図示のように、マルチビューディスプレイ100は、8×1の水平視差マルチビューディスプレイであってもよい。図示の実施形態では、水平視差マルチビューディスプレイとしてのマルチビューディスプレイ100は、マルチビューディスプレイ100の長さに沿って離間した複数のマルチビーム列135を備える。複数のマルチビーム列のマルチビーム列135は、指向性光ビームを水平方向のみの指向性パターンで提供するように構成される。複数のマルチビーム列135によって提供される指向性光ビームは、例えば上記したように、複数の繰り返しカラーサブピクセル112のオフセットされた行を有するライトバルブ110のアレイによって変調される。指向性光ビームは、マルチビューディスプレイ100のそれぞれの異なるビュー方向に対応する主角度方向を有し得、異なるビュー方向に対応するビューは、水平方向のみの指向性パターンに対応する水平方向のみの配置で配置される。
【0042】
図3のマルチビューディスプレイ100と同様に、複数の繰り返しカラーサブピクセル112の第1の行Iは、
図4に示されているマルチビューディスプレイ100の複数の繰り返しカラーサブピクセル112の第2の行IIからオフセットまたはシフトされている。さらに、第1の行Iおよび第2の行IIは、カラーサブピクセル112の列内で第1の行Iのカラーサブピクセル112が第2の行IIのカラーサブピクセル112とは異なる色を有するように、行方向にオフセットされている。様々な実施形態によれば、行間のオフセット距離またはシフト距離は、カラーサブピクセル112の幅、例えば、単一のカラーサブピクセル112の幅の整数倍に等しくてもよい。オフセット距離により、複数の繰り返しカラーサブピクセル112のカラーサブピクセル112は、複数の繰り返しカラーサブピクセルの色ごとに平行な斜めストライプ状に配置され得る。
図2および
図3の実施形態と同様に、斜めストライプとしてのカラーサブピクセル112のこの配置は、一部の実施形態では、マルチビューディスプレイ100のカラーピクセルに関連するカラーフリンジを軽減するのに役立ち得る。さらに、カラーサブピクセル112の斜めストライプの配置は、観察者の頭が垂直方向にまたはマルチビーム列に沿って動くときに水平方向のビューシフトを防止し得る。
【0043】
一部の実施形態では、複数のマルチビーム列135は、マルチビームエミッタ130のアレイである。すなわち、複数のマルチビーム列のマルチビーム列135は、一列に配置されたマルチビームエミッタのアレイの複数のマルチビームエミッタ130を備えてもよい。さらに、一部の実施形態では、各マルチビーム列のマルチビームエミッタ130は、マルチビームエミッタ130のサイズの幅よりも小さい距離だけ分離されてもよい。一部の実施形態では、マルチビーム列135のマルチビームエミッタ130は、ライトバルブのアレイの隣接するライトバルブ110を分離している距離と比較可能な距離だけ分離されてもよい。一部の実施形態では、マルチビーム列135は、連続マルチビームエミッタ130または単一の細長いマルチビームエミッタ130を備えてもよい。
【0044】
再び
図2を参照すると、一部の実施形態では、マルチビューディスプレイ100は、ライトガイド140をさらに備える。ライトガイド140は、導波光104(すなわち、導波光ビーム104)としてライトガイドの長さに沿って光を導波するように構成される。例えば、ライトガイド140は、光導波路として構成された誘電材料を含んでもよい。誘電材料は、誘電体光導波路を取り囲む媒体の第2の屈折率よりも大きい第1の屈折率を有してもよい。屈折率の差は、例えば、ライトガイド140の1つ以上の導波モードに従って導波光104の内部全反射を容易にするように構成される。
【0045】
ライトガイド140は、光学的に透過性の誘電材料の実質的に平面状の延在シートを備える光導波路のスラブまたはプレート(すなわち、プレートライトガイド)であってもよい。誘電材料の実質的に平面状のシートは、内部全反射を使用して導波光104を導波するように構成される。様々な例によれば、ライトガイド140の光学的に透過性の材料は、様々なタイプのガラス(例えば、シリカガラス、アルカリアルミノケイ酸塩ガラス、ホウケイ酸塩ガラスなど)および実質的に光学的に透過性のプラスチックまたはポリマー(例えば、ポリ(メチルメタクリレート)もしくは「アクリルガラス」、ポリカーボネートなど)のうちの1つ以上を含むが、これらに限定されない種々の誘電材料のいずれかを含んでもよいし、またはこれで構成されてもよい。一部の例では、ライトガイド140は、ライトガイド140の表面(例えば、第1の表面および第2の表面の一方または両方)の少なくとも一部にクラッド層(図示せず)をさらに含んでもよい。一部の例によれば、クラッド層は、内部全反射をさらに容易にするために使用されてもよい。
【0046】
様々な実施形態によれば、ライトガイド140は、ライトガイド140の第1の表面140’(例えば、前面もしくは上面または前側もしくは上側)と第2の表面140’’(例えば、後面もしくは底面または後側もしくは底側)との間で非ゼロ伝搬角度で内部全反射に従って導波光104を導波するように構成される。特に、導波光104は、非ゼロ伝搬角度でライトガイド140の第1の表面140’と第2の表面140’’との間で反射するまたは「跳ね返る」ことによって伝搬する。一部の実施形態では、異なる色の光を含む複数の導波光ビーム104が、色固有の異なる非ゼロ伝搬角度のそれぞれでライトガイド140によって導波されてもよい。図示を簡単にするために、非ゼロ伝搬角度は
図2には示されていないことに留意されたい。しかしながら、伝搬方向103を示す太い矢印は、
図2のライトガイドの長さに沿った導波光104の一般的な伝搬方向を示している。
【0047】
一部の実施形態によれば、マルチビームエミッタ130は、マルチビーム要素130’を備えてもよい。特に、ライトガイド140を含むマルチビューディスプレイ100は、マルチビームエミッタ130のアレイに対応するマルチビーム要素130’のアレイをさらに備えてもよい。したがって、一部の実施形態では、マルチビーム要素アレイはマルチビームエミッタアレイであり、マルチビーム要素アレイの各マルチビーム要素130’は、マルチビームエミッタアレイの異なるマルチビームエミッタ130に対応してもよい。様々な実施形態によれば、アレイのマルチビーム要素130’は、ライトガイド140の長さに沿って互いに離間される。アレイのマルチビーム要素130’は、例えば
図2に示されているように、ライトガイド140の第1の表面(または「上面」)140’にまたはこれに隣接して配置されてもよい。他の実施形態では、アレイのマルチビーム要素130’は、ライトガイド140の第2の表面(または「底面」)140’’上に、または第1の表面140’と第2の表面140’’との間のライトガイド140の内部に配置されてもよい。
【0048】
様々な実施形態によれば、マルチビーム要素アレイのマルチビーム要素130’は、マルチビュー画像、すなわち、マルチビューディスプレイ100の異なるビューのビュー方向に対応する主角度方向を有する複数の指向性光ビームとしてライトガイド140から光を散乱させるように構成される。様々な実施形態によれば、マルチビーム要素130’は、導波光104の一部を指向性光ビームとして散乱させるように構成されたいくつかの異なる構造のいずれかを備えてもよい。例えば、異なる構造は、回折格子、マイクロ反射要素、マイクロ屈折要素、またはこれらの様々な組み合わせを含んでもよいが、これらに限定されない。一部の実施形態では、回折格子を備えるマルチビーム要素130’は、異なる主角度方向を有する複数の指向性光ビームとして導波光の一部を回折的に散乱させるように構成される。他の実施形態では、マイクロ反射要素を備えるマルチビーム要素130’は、複数の指向性光ビームとして導波光の一部を反射的に散乱させるように構成されるか、またはマイクロ屈折要素を備えるマルチビーム要素130’は、屈折によってまたは屈折を使用して複数の指向性光ビームとして導波光の一部を散乱させる(すなわち、導波光の一部を屈折的に散乱させる)ように構成される。
【0049】
他の実施形態(図示せず)では、マルチビームエミッタ130は、発光ダイオード(LED)、マイクロ発光ダイオード(μLED)、およびマイクロ有機発光ダイオード(μOLED:micro organic light emitting diode)などであるが、これらに限定されないアクティブ光エミッタを備えてもよい。これらの実施形態では、ライトガイド140、およびライトガイド140内で導波光として導波される光を提供するように構成された光源は省略されてもよい。代わりに、ライトガイド140は、上述したように、マルチビームエミッタ130を支持し、これに電力を提供するための基板に置き換えられてもよい。
【0050】
一部の実施形態では、マルチビューディスプレイ100は、ライトガイド140に隣接する広角バックライト150をさらに備える。
図5は、本明細書に記載の原理の実施形態による、一例における広角バックライト150を備えるマルチビューディスプレイ100の断面図を示す。様々な実施形態によれば、広角バックライト150は、ライトバルブアレイに隣接するライトガイド140の側とは反対側にある。特に、図示のように、広角バックライト150は、ライトガイド140の底面(すなわち、第2の表面140’’)に隣接する。広角バックライト150は、広角放射光として広角光152を提供するように構成される。
【0051】
一部の実施形態によれば、ライトガイド140およびマルチビーム要素130’のアレイは、ライトガイド140の厚さを通る光の通過を容易にするために、ライトガイド140の表面(例えば、第1の表面140’および第2の表面140’’)に対して実質的に垂直に伝搬する光に対して光学的に透過性であるように構成されてもよい。特に、
図5に示されているように、ライトガイド140およびマルチビーム要素130’のアレイは、隣接する広角バックライト150から放射された広角光152に対して光学的に透過性あるように構成されてもよい。したがって、広角光152は、広角バックライト150から放射され、ライトガイド140の厚さを通過してもよい。したがって、広角バックライト150からの広角光152は、ライトガイド140の底面または第2の表面140’’によって受光され、ライトガイド140の厚さを透過し、ライトガイド140の上面(すなわち、第1の表面140’)からライトバルブ110のアレイに向けて放射されてもよい。ライトガイド140は、広角光152に対して光学的に透過性であるため、広角光152は、ライトガイド140の影響を実質的に受けない。
【0052】
様々な実施形態によれば、
図5に示されているマルチビューディスプレイ100は、2次元(2D)モードまたはマルチビューモードで選択的に動作し得る。2Dモードでは、マルチビューディスプレイ100は、広角バックライト150によって提供される広角光152を放射するように構成される。マルチビューモードでは、マルチビューディスプレイ100は、前述したように、ライトガイド140によって提供される指向性光ビーム102を放射するように構成される。ライトガイド140と広角バックライト150の組み合わせは、例えば、デュアル(2D/3D)ディスプレイで使用されてもよい。
【0053】
本明細書に記載の原理の一部の実施形態によれば、マルチビューディスプレイ200が提供される。
図6は、本明細書の原理と一致する実施形態による、一例におけるマルチビューディスプレイ200のブロック図を示す。マルチビューディスプレイ200は、オフセットされた行に配置された複数の繰り返しカラーサブピクセルを有するライトバルブ210のアレイを備える。様々な実施形態によれば、ライトバルブアレイのライトバルブ210は、マルチビュー画像のカラーピクセルとして指向性光ビームを変調するように構成されたマルチビューピクセルとして配置される。一部の実施形態では、アレイのライトバルブ210は、前述したマルチビューディスプレイ100のライトバルブ110と実質的に同様であってもよい。したがって、液晶ライトバルブ、電気泳動ライトバルブ、およびエレクトロウェッティングに基づくライトバルブのうちの1つ以上を含むが、これらに限定されない異なるタイプのライトバルブが、ライトバルブアレイのライトバルブ110として用いられてもよい。一部の実施形態では、複数の繰り返しカラーサブピクセルの各カラーサブピクセルは、異なる色を有する。例えば、複数の繰り返しカラーサブピクセルは、ライトバルブ210のアレイの行に沿って以下の順序の赤色、青色、および緑色のカラーサブピクセル(RGB)の繰り返しセットからなっていてもよい。他の実施形態では、複数の繰り返しカラーサブピクセルは、赤色、青色、緑色、および黄色のカラーサブピクセル(RGBY)の繰り返しセットを備えてもよい。さらに別の実施形態では、繰り返しセットは、赤色、青色、緑色、および白色のピクセル(RGBW)を含んでもよい。
【0054】
マルチビューディスプレイ200は、指向性光ビームの異なるセットで異なるマルチビューピクセルを照明するように構成されたマルチビームエミッタ220のアレイをさらに備える。一部の実施形態では、マルチビームエミッタ220のアレイのマルチビームエミッタ220とライトバルブアレイのマルチビューピクセルとの間に1対1の関係があってもよい。一部の実施形態によれば、アレイのマルチビームエミッタ220は、上記したマルチビューディスプレイ100のマルチビームエミッタ130と実質的に同様であってもよい。例えば、複数のマルチビームエミッタ220は、ライトバルブ210のアレイによって変調される指向性光ビームを提供するように構成される。様々な実施形態によれば、指向性光ビームは、マルチビューディスプレイ200のそれぞれの異なるビュー方向に対応する主角度方向を有する。さらに、複数のマルチビームエミッタ220は、マルチビームエミッタ220を支持するために使用される基板(例えば、以下に記載されるライトガイド)の表面上または基板内に配置されてもよい。
【0055】
様々な実施形態によれば、複数のカラーサブピクセルの隣接する行は、行方向にまたはこれに沿ってカラーサブピクセルの幅の整数倍だけ互いにオフセットされる。隣接する行間のオフセットまたはシフトは、様々な実施形態によれば、第2のマルチビューピクセルの対応するカラーサブピクセルとは異なる色を有する第1のマルチビューピクセルのカラーサブピクセルを提供するように構成される。一部の実施形態では、オフセットされた行は、マルチビューディスプレイ100に関して上記した、カラーサブピクセルのアレイの第1の行とカラーサブピクセルのアレイの第2の行との間のオフセットを有する行と実質的に同様であってもよい。さらに、複数のカラーサブピクセルの隣接するオフセットされた行のオフセットがカラーサブピクセルの幅の整数倍であることに従って、隣接する行は、カラーサブピクセルの幅(例えば、マルチビューディスプレイ100を参照して
図3および
図4に示されているように)、またはカラーサブピクセルの2つの幅、またはカラーサブピクセルの3つの幅などの距離だけオフセットまたはシフトされてもよい。
【0056】
一部の実施形態では、マルチビームエミッタアレイのマルチビームエミッタ220は、アクティブ光エミッタを備える。アクティブ光エミッタは、指向性光ビームとして光を放射するように構成される。アクティブ光エミッタによって放射される指向性光ビームは、マルチビューディスプレイ200のそれぞれの異なるビュー方向に対応する主角度方向を有する。アクティブ光エミッタは、複数の指向性光ビームとして光を放射するように構成された任意の数の異なる構造を備えてもよい。一部の実施形態では、アクティブ光エミッタは、マイクロ発光ダイオード(μLED)または有機発光ダイオード(OLED)を備えるが、これらに限定されない。一部の実施形態では、アクティブ光エミッタは、白色光を放射するように構成され、他の実施形態では、アクティブ光エミッタは、特定の色を含む光を放射してもよい(例えば、単色アクティブ光エミッタであってもよい)。
【0057】
さらに、アクティブ光エミッタのサイズは、ライトバルブアレイのライトバルブ210のサイズと比較可能である。本明細書では、「サイズ」は、長さ、幅、または面積を含むが、これらに限定されない種々の方法のいずれかで定義されてもよい。例えば、ライトバルブアレイのライトバルブ210のサイズはその長さであってもよく、アクティブ光エミッタの比較可能なサイズもアクティブ光エミッタの長さであってもよい。別の例では、サイズは、アクティブ光エミッタの面積がライトバルブアレイのライトバルブ210の面積と比較可能であり得るような面積を指してもよい。
【0058】
他の実施形態では、マルチビームエミッタアレイのマルチビームエミッタ220は、実質的にパッシブ型であってもよい。特に、一部の実施形態(例えば、
図6に示されているような)では、マルチビューディスプレイ200は、ライトガイド230をさらに備える。ライトガイド230は、導波光としてライトガイドの長さに沿った伝搬方向に光を導波するように構成される。一部の実施形態では、ライトガイド230は、前述したマルチビューディスプレイ100のライトガイド140と実質的に同様であってもよい。様々な実施形態によれば、ライトガイド230は、内部全反射を使用して導波光を導波するように構成される。さらに、導波光は、ライトガイド230によって、またはライトガイド230内で非ゼロ伝搬角度で導波されてもよい。一部の実施形態では、導波光はコリメートされてもよいし、またはコリメート光ビームであってもよい。特に、様々な実施形態において、導波光は、コリメーション係数σに従って、またはコリメーション係数σを有するようにコリメートされてもよい。
【0059】
一部の実施形態では(例えば、マルチビームエミッタ220がパッシブ型である場合)、マルチビューディスプレイ200は、ライトガイドの長さに沿って互いに離間したマルチビーム要素のアレイをさらに備えてもよい。マルチビーム要素は、ライトガイド230内の導波光の一部を指向性光ビームとして散乱させるように構成される。さらに、これらの実施形態によれば、マルチビーム要素アレイのマルチビーム要素は、マルチビームエミッタアレイのマルチビームエミッタに対応してもよい。一部の実施形態では、マルチビーム要素のアレイのマルチビーム要素は、上記した、マルチビューディスプレイ100のマルチビーム要素130’と実質的に同様であってもよい。したがって、マルチビーム要素は、指向性光ビームの異なるセットで異なるマルチビューピクセルを照明するように構成される。特に、マルチビーム要素のアレイのマルチビーム要素とマルチビューピクセルのアレイのマルチビューピクセルとの間には1対1の関係があってもよい。マルチビーム要素は、ライトガイド230の表面上またはこれの内部に配置されてもよい。
【0060】
一部の実施形態では、マルチビーム要素のサイズは、ライトバルブアレイのライトバルブ210のサイズと比較可能である。一部の実施形態では、マルチビーム要素のサイズは、ライトバルブのサイズと比較可能であり、マルチビーム要素のサイズは、ライトバルブのサイズの約50%(五十パーセント)~約200%(二百パーセント)である。
【0061】
一部の実施形態によれば、マルチビーム要素は、導波光の一部を散乱させるように構成されたいくつかの異なる構造のいずれかを備えてもよい。例えば、異なる構造は、回折格子、マイクロ反射要素、マイクロ屈折要素、またはこれらの様々な組み合わせを含んでもよいが、これらに限定されない。一部の実施形態では、回折格子を備えるマルチビーム要素は、異なる主角度方向を有する複数の指向性光ビームとして導波光の一部を回折的に散乱させるように構成される。他の実施形態では、マイクロ反射要素を備えるマルチビーム要素は、複数の指向性光ビームとして導波光の一部を反射的に散乱させるように構成されるか、またはマイクロ屈折要素を備えるマルチビーム要素は、屈折によってまたは屈折を使用して複数の指向性光ビームとして導波光の一部を散乱させる(すなわち、導波光の一部を屈折的に散乱させる)ように構成される。
【0062】
一部の実施形態では、マルチビューディスプレイ200は、光源240をさらに備えてもよい。様々な実施形態によれば、光源240は、ライトガイド230内で導波される光を提供するように構成される。特に、光源240は、ライトガイド230の入射面または端部(入力端)に隣接して配置されてもよい。様々な実施形態において、光源240は、1つ以上の発光ダイオード(LED)またはレーザ(例えば、レーザダイオード)を含むが、これらに限定されない実質的に任意の光の源(例えば、光エミッタ)を備えてもよい。一部の実施形態では、光源240は、特定の色によって示される狭帯域スペクトルを有する実質的に単色の光を生成するように構成された光エミッタを備えてもよい。特に、単色光の色は、特定の色空間または色モデル(例えば、赤色-緑色-青色(RGB)の色モデル)の原色であってもよい。他の例では、光源240は、実質的に広帯域または多色の光を提供するように構成された実質的に広帯域の光源であってもよい。例えば、光源240は、白色光を提供してもよい。一部の実施形態では、光源240は、異なる色の光を提供するように構成された複数の異なる光エミッタを備えてもよい。異なる光エミッタは、異なる色の光のそれぞれに対応する導波光の異なる色固有の非ゼロ伝搬角度を有する光を提供するように構成されてもよい。
【0063】
一部の実施形態では、導波光はコリメートされてもよい、すなわち、コリメート光ビーム(例えば、以下に記載するように、コリメータによって提供される)であってもよい。本明細書では、「コリメート光」または「コリメート光ビーム」は、一般に、光ビームの光線が光ビーム(例えば、導波光)内の所定のまたは規定の角度広がりに実質的に限定される光のビームとして定義される。さらに、コリメート光ビームから発散または散乱した光線は、本明細書の定義により、コリメート光ビームの一部とは考えられない。さらに、様々な実施形態において、導波光は、コリメーション係数σに従って、またはコリメーション係数σを有するようにコリメートされてもよい。
【0064】
本明細書に記載の原理の一部の実施形態によれば、マルチビューディスプレイの動作の方法が提供される。
図7は、本明細書に記載の原理と一致する実施形態による、マルチビューディスプレイの動作の方法300のフローチャートを示す。図示のように、マルチビューディスプレイの動作の方法300は、マルチビームエミッタのアレイを使用して指向性光ビームを放射するステップ310を含む。一部の実施形態では、アレイのマルチビームエミッタは、前述した、マルチビューディスプレイ100のマルチビームエミッタ130と実質的に同様であってもよい。特に、マルチビームエミッタアレイのマルチビームエミッタは、マルチビームエミッタの行および列に配置されてもよい。指向性光ビームは、マルチビューディスプレイの異なるビュー方向に対応する方向を有する。
【0065】
マルチビューディスプレイの動作の方法300は、ライトバルブのアレイを使用して指向性光ビームを変調するステップ320をさらに含む。ライトバルブのアレイは、複数のマルチビューピクセルとして配置された複数の繰り返しカラーサブピクセルを備え、変調された指向性光ビームは、マルチビューディスプレイによって表示されるマルチビュー画像の異なるビューのカラーピクセルを提供する。一部の実施形態によれば、ライトバルブのアレイは、上記したマルチビューディスプレイ100のライトバルブ110のアレイと実質的に同様であってもよい。したがって、液晶ライトバルブ、電気泳動ライトバルブ、およびエレクトロウェッティングに基づくライトバルブのうちの1つ以上を含むが、これらに限定されない異なるタイプのライトバルブが、ライトバルブアレイのライトバルブとして用いられてもよい。
【0066】
一部の実施形態では、複数の繰り返しカラーサブピクセルの各カラーサブピクセルは、異なる色を有する。例えば、マルチビューディスプレイ100に関して
図3および
図4に示したように、複数の繰り返しカラーサブピクセルは、ライトバルブのアレイの行に沿って以下の順序の赤色、青色、および緑色のカラーサブピクセル(RGB)の繰り返しセットからなっていてもよい。他の実施形態では、複数の繰り返しカラーサブピクセルは、赤色、青色、緑色、および黄色のカラーサブピクセル(RGBY)の繰り返しセットを備えてもよい。さらに別の実施形態では、繰り返しセットは、赤色、青色、緑色、および白色のピクセル(RGBW)を含んでもよい。複数の繰り返しカラーサブピクセルのカラーサブピクセルは、ライトバルブアレイの行に沿って配置される。さらに、マルチビームエミッタアレイのマルチビームエミッタは、ライトバルブアレイの行の行方向に対応する行方向を有する行に配置される。
【0067】
様々な実施形態によれば、ライトバルブアレイの複数の繰り返しカラーサブピクセルの行は、互いにオフセットまたはシフトされる。特に、複数の繰り返しカラーサブピクセルの第1の行は、異なる色を有する隣接するマルチビューピクセルの対応するカラーサブピクセルを提供するように、複数の繰り返しカラーサブピクセルの第2の行からオフセットされる。行のオフセットは、マルチビューディスプレイによって表示されるマルチビュー画像のカラーピクセルに関連するカラーフリンジを軽減するように構成される。一部の実施形態では、第1の行と第2の行との間のオフセットは、マルチビューディスプレイ100に関して記載した第1の行と第2の行との間のオフセットと実質的に同様であってもよい。例えば、複数の繰り返しカラーサブピクセルの第1の行と第2の行との間のオフセットまたはシフトは、複数の繰り返しカラーサブピクセルの方向においてカラーサブピクセルの幅の整数倍に等しくてもよい。一部の実施形態では、指向性光ビームを放射するステップ310は、指向性光ビームを放射するために、マルチビューディスプレイの長さに沿って互いに離間した複数のマルチビーム列を使用するステップを含む。特に、複数のマルチビーム列のマルチビーム列は、複数の指向性光ビームを放射するように構成される。指向性光ビームは、マルチビューディスプレイのビュー方向に対応する主方向を有する。一部の実施形態では、複数のマルチビーム列はマルチビームエミッタのアレイである。すなわち、複数のマルチビーム列のマルチビーム列は、マルチビームエミッタのアレイのマルチビームエミッタの列を備え、マルチビームエミッタは、マルチビームエミッタの斜めの列を形成するために行方向に互いにオフセットされる。一部の実施形態では、マルチビーム列は、連続マルチビーム要素または単一の細長いマルチビーム要素を備えてもよい。マルチビーム列は、水平視差のみのディスプレイで用いられてもよく、その場合、ビューは、マルチビューディスプレイ100の水平視差のみの配置に関して
図4に示したように、水平視差配置に配置される。
【0068】
一部の実施形態では、マルチビームエミッタのアレイを使用して指向性光ビームを放射するステップ310は、導波光としてライトガイド内で光を導波するステップを含む。一部の実施形態では、ライトガイドは、マルチビューディスプレイ100のライトガイド140と実質的に同様であってもよく、光は、ライトガイドの対向する内面間で非ゼロ伝搬角度で導波されてもよい。マルチビームエミッタのアレイを使用して指向性光ビームを放射するステップ310は、指向性光ビームを提供するためにマルチビーム要素のアレイのマルチビーム要素を使用して導波光の一部を散乱させるステップをさらに含んでもよい。マルチビーム要素は、マルチビューディスプレイ100のマルチビーム要素130’と実質的に同様であってもよい。さらに、マルチビーム要素は、ライトバルブアレイのライトバルブのサイズと比較可能なサイズを有してもよい。例えば、マルチビーム要素のサイズは、ライトバルブのサイズと比較可能であり、マルチビーム要素のサイズは、ライトバルブのサイズの約50%(五十パーセント)~約200%(二百パーセント)である。さらに、マルチビーム要素はマルチビームエミッタアレイであってもよく、マルチビーム要素アレイの各マルチビーム要素は、マルチビームエミッタアレイの異なるマルチビームエミッタに対応する。
【0069】
以上、行に配置された複数の繰り返しカラーサブピクセルであって、マルチビュー画像に関連するカラーフリンジを軽減するように構成されたオフセットまたはシフトを有する複数の繰り返しカラーサブピクセルを含むマルチビューディスプレイおよび方法の例および実施形態を説明した。上記した例は、本明細書に記載の原理を表す多くの特定の例のうちの一部の例示にすぎないことを理解されたい。明らかに、当業者は、以下の特許請求の範囲によって定義される範囲から逸脱することなく、多数の他の構成を容易に考案し得る。
【国際調査報告】