(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-27
(54)【発明の名称】視光線において微生物、匂い及び有機化合物と戦うフリーラジカルをin-situ生成するための透明な光触媒コーティング
(51)【国際特許分類】
B01J 35/02 20060101AFI20220620BHJP
B01J 37/04 20060101ALI20220620BHJP
B01J 31/36 20060101ALI20220620BHJP
A61L 9/01 20060101ALI20220620BHJP
【FI】
B01J35/02 J
B01J35/02 H
B01J37/04 102
B01J31/36 M
A61L9/01 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022504323
(86)(22)【出願日】2020-03-18
(85)【翻訳文提出日】2021-10-06
(86)【国際出願番号】 DK2020050068
(87)【国際公開番号】W WO2020187377
(87)【国際公開日】2020-09-24
(32)【優先日】2019-03-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DK
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521434953
【氏名又は名称】レイタ クリーン テクノロジーズ アー/エス
(74)【代理人】
【識別番号】100116034
【氏名又は名称】小川 啓輔
(74)【代理人】
【識別番号】100144624
【氏名又は名称】稲垣 達也
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー ジェインズ ルシャー
(72)【発明者】
【氏名】ディエーゴ ガルディーニ
【テーマコード(参考)】
4C180
4G169
【Fターム(参考)】
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(57)【要約】
視光線において微生物、匂い及び有機化合物と戦うフリーラジカルをin-situ生成するための透明な光触媒コーティングを開示し、触媒物質はドーパントを含み、光触媒工程を可視光領域に蓄積的にシフトするための励起子閉じ込めに適した粒径分布を有することを特徴とする。さらに、本発明は、本明細書中に記載した光触媒物質の製造方法も特徴づける。さらに、本発明は、光触媒コーティングを位置の表面に適用する方法も開示する。最後に、本発明は、位置の汚染物質及び微生物を除去するための光触媒コーティングの使用も特徴づける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
汚れ、微生物、及び匂いと位置で戦うためにフリーラジカルをin-situ生成するための液体組成物であって、
a)0.01~3重量%の光触媒物質としてのTiO
2ナノ粒子、
b)0.1~1重量%の安定剤であって、好ましくは無機酸であり、最も好ましくは硝酸である、無機酸、及び
c)水である前記液体、を含み、
前記TiO
2ナノ粒子の光触媒活性は、前記TiO
2結晶構造内部に形成された欠陥により可視光線にまで拡張し、前記TiO
2構造内部に形成された欠陥は、以下の、
前記TiO
2ナノ粒子の凝縮時にTiO
2ナノ粒子を、銅、コバルト、ニッケル、クロム、マンガン、モリブデン、ニオブ、バナジウム、鉄、ルテニウム、金、銀、プラチナイオンを含む遷移金属から、及び窒素、硫黄、炭素、ホウ素、リン、ヨウ素、フッ素イオンを含む非金属から選択される1つ又は複数の0.00001~5重量%のドーパントでドーピングすること、
任意選択で、還元性物質の存在下で合成すること、又は
任意選択で、還元雰囲気下で焼きなますこと、である、1つ又は複数の技術により得られる、
酸素又はチタンの空孔又は置換であり、
前記TiO
2ナノ粒子は5~10nmであり、前記粒子は40nmまでの集成体を形成することができ、
任意選択で、可視光ハーベスターと前記TiO
2との組み合わせであり、
任意選択で、前記TiO
2粒子表面に形成された欠陥により形成することができる、
液体組成物。
【請求項2】
前記組成物は、2重量%のTiO
2粒子を含むことを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記ドーパントは、銀イオンであり、前記銀ドーパントの濃度は0.0025重量%である、請求項1~2のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項4】
可視光ハーベスターと前記TiO
2との組み合わせは、以下の、
可視光を吸収する、汚染化合物/微生物自体、
任意選択で、金及び銅などの物質とTiO
2ナノ粒子を共に合成すること、及び
任意選択で、メチレンブルー、ポルフィリン、及び金属―キノリン複合体などの、有機染料と混合することである、1つ又は複数の技術により得られ、前記ハーベスターは、可視光領域に光吸収がある場合、前記汚染化合物/微生物自体であってもよい、請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記TiO
2粒子表面に形成された欠陥は、以下の、
例えば表面アミノ化又は表面水和などの、表面化学修飾、及び
プラズマ処理である、
1つ又は複数の技術により得られる、請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
特定の粒子の結晶ファセットの成長(異方性成長)を奨励することにより、TiO
2ナノ粒子の光触媒活性がさらに向上し、前記奨励は、キャッピング剤の添加を使用して行われる、請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項に記載の組成物を使用して、汚れ、微生物、及び匂いと位置で戦う方法であって、前記方法は、
1倍(希釈しない)~10倍(10部の純水に対して1部の組成物)で前記組成物を希釈するステップ、
前記液体組成物の適用を含む、前記液体組成物を前記位置の表面に送達するステップであって、前記適用工程は、TiO
2ナノ粒子のほとんど及び前記液体溶媒の小部分を前記表面に送達するよう適合される、ステップ、及び
前記表面で前記液体組成物を乾燥させ、前記表面に、ヒトの目に見えない、前記光触媒ナノ粒子の残渣又は層を形成するステップを含む、方法。
【請求項8】
請求項1~6のいずれか一項に開示された液体組成物を製造する方法であって、前記組成物は請求項7に開示された適用方法に適しており、前記製造は、
a)チタニア前駆体溶液を溶媒溶液と攪拌中に混合するステップであって、好ましくは、前駆体溶液はチタンアルコキシド溶液であり、溶媒溶液は水、安定剤、及びドーパント前駆体を含む、ステップ、
b)精製して前記反応中に形成された過剰なアルコールを除去するステップ、及び
c)ペプチゼーションするステップを含む、方法。
【請求項9】
ステップb)及びc)を同時に同一の工程で実行することによってさらに特徴づけられる、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
汚れ、微生物及び匂いを位置で戦うフリーラジカルをin-situ生成するための液体組成物の使用であって、位置は、産業環境、生産設備、貯蔵庫、乗り物、住宅、ホテル、スポーツ施設、教育機関、医療施設、飲食物の生産又は給仕場所、動物農場及び他の農業環境、又はこれらの環境の要素に例示されるが限定されない、任意の屋内又は屋外の施設から選択され、例は、制限されるものではないが、調理台、セラミックタイル、流し、浴槽、洗面器、水槽、便器、オーブン、ガス台、カーペット、織物、床、彩色した木工品、金属細工品、積層品、窓及び鏡を含むガラス面、部屋のドアハンドル、ベッドの枠材、蛇口、無菌包装、モップ、プラスチック、キーボード、電話及び同等のもの、壁、天井、産業機械又は装置、シャワー室、シャワーカーテン、衛生陶器製品、建築用パネル、又は流しの調理台である、使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、視光線に拡張された、TiO2を含む光触媒組成物、及び特に、しかし限定するものではないが、洗浄の頻度及び/又は努力を低減することを意図した、このような光触媒組成物、及びこのような組成物を製造、適用及び使用する方法に関する。本明細書中に参照がなされるのは、広範な光領域においてフリーラジカルを効率的にin-situ生成し、洗浄に際して、及び匂い、汚れ、並びに微生物と戦う際に使用される、光触媒組成物に対してであり、これらは好ましい組成物であるが、続く説明及び定義は他の目的を意図した組成物にも応用可能である。
【0002】
専門用語
本発明の文脈においては、以下の用語は以下の通りに理解されるものとする。
励起子:半導体中において、用語励起子は、この物質中に局在化した荷電粒子(負に荷電した、電子及び正に荷電した、電子正孔)で作られる対であると定義される。あるいは、用語励起子は分子物理学又は原子物理学において、規定量のエネルギーの吸収の結果生じる原子、イオン又は分子の励起状態を説明するために使用されてもよい。本特許においては、用語励起子は両者の意味で用いられる。例えば、TiO2(半導体)については励起子は電子―電子正孔対と定義され、光ハーベスター(分子)については励起子は電子の励起状態と定義される。
【0003】
同時励起子生成:励起子の生成は、光の吸収に続いて生じる(同時である)。物質の性質に応じて、2つの機構により説明される。
【0004】
TiO2などの半導体物質が物質のバンドギャップを超えるエネルギーを有する光子(光)を吸収すると、励起子を形成することができる。電子がこの物質の価電子帯から伝導帯まで遷移し、(価電子帯に)電子正孔を残す。価電子帯及び伝導帯はエネルギーバンド、すなわちエネルギー準位の範囲である。価電子帯の最上位のエネルギー準位は、伝導帯の最下位のエネルギー準位とバンドギャップとよばれるエネルギーギャップだけ離れている。
【0005】
メチレンブルー(本特許中において光ハーベスターの例として現れる)などの分子においては、最高被占分子軌道(HOMO)から最低空分子軌道(LUMO)への遷移に対応する(又は遷移より大きい)エネルギーを有する光子を吸収するとき、電子は励起され、HOMOに正孔を残してLUMOに遷移する。分子軌道はエネルギーバンドであり、この機構のことをHOMO-LUMO遷移と呼ぶ。
【0006】
励起子―励起子消滅:半導体及び分子の両者において、励起子は再結合寿命を有する。このことは半導体においては、電子と電子正孔が一定の時間内に空間的に分離しなければ、再結合して互いを相殺することになる(消滅)。分子においては、励起した電子が一定の時間内にあるエネルギー準位の隣接する物質(分子、イオン、原子、結晶)に移動しなければ、励起した電子が低いエネルギー状態に戻り、励起子が消滅することになる。励起子消滅から生じるエネルギーは、フォノン(振動)又は光子(光)として放出されてもよい。
【0007】
無機酸:1つ又は複数の無機化合物に由来する酸。無機酸は、水素イオンと共役塩基に解離する。無機酸の例は、塩酸、硫酸、硝酸、過塩素酸、ホウ酸、ヨウ化水素酸、臭化水素酸、及びフッ化水素酸である。
【0008】
安定剤:懸濁したナノ粒子と相互作用し、ナノ粒子の凝結を防ぐ役割を有する化合物。安定化は、2つの異なる方法で行うことができる。
静電的安定化:この安定剤は、ナノ粒子上の表面電荷を提供、増強、又は維持する。同じ符号(正又は負)の表面電荷を帯びているナノ粒子は、静電力のため互いに反発する。
【0009】
立体的安定化:安定剤分子は、分子を取り囲むナノ粒子の表面に物理的に又は化学的に結合する。立体的安定剤は、大きな分子であり、サイズの大きさと空間的拡張により、ナノ粒子の凝集を防ぐ。
【0010】
液体組成物:TiO2ナノ粒子の懸濁液(不溶画分)及びTiO2ナノ粒子を安定化する役割を有する溶解無機酸を含む液体組成物。
【0011】
水又は純水:イオン性不純物が少量で、導電率が20μS/cm以下(ISO Type3,2及び1)の水。脱塩、脱イオン、蒸留、逆浸透、又はmilliQ水を使用することができる。水道水又は通常硬水は、ナノ粒子の凝結につながることになるので、使用できない。
【0012】
位置:本発明の液体組成物を適用することができる、任意の表面。
【0013】
フリーラジカルのIn-situ生成:TiO2などの半導体物質が物質のバンドギャップを超えるエネルギーを有する光子(光)を吸収すると、励起子を形成することができる。電子は、この物質の価電子帯から伝導帯へ遷移し、電子正孔を(価電子帯に)残す。価電子帯及び伝導帯は、エネルギーバンドである、すなわちエネルギー準位の範囲である。価電子帯の最上位のエネルギー準位は、伝導帯の最下位のエネルギー準位とバンドギャップとよばれるエネルギーギャップだけ離れている。電子及び正孔は半導体物質周囲の酸素種と相互作用して、フリーラジカルのグループに属する、活性酸素種(ROS)を形成する。電子は酸素分子と相互作用し、スーパーオキシドを形成し、正孔は水分子と相互作用するか又はOH―基を吸収してヒドロキシルラジカルを形成することができる。ROSはさらに、新しいラジカルを生じるよう反応してもよく、例えば、酸性条件におけるスーパーオキシドラジカルは、電子と反応して過酸化水素分子を生成してもよい。過酸化水素はさらに、スーパーオキシドラジカル又は電子のいずれかと相互作用してヒドロキシルラジカルを生じてもよい。
【0014】
フリーラジカルは半導体物質(光触媒)に近いところで生成されるので、このことをフリーラジカルのin-situ生成と呼んでいる。
【0015】
可視光ハーベスター:可視光ハーベスターは、可視領域の光子(光)を吸収する(集める)ことができる物質である。可視領域は、ヒトの目で見ることができる色に対応する、紫外線領域と赤外線領域の間に含まれる周波数(又はエネルギー)領域として定義される。本発明の文脈における光ハーベスターの役割は、可視領域の光子を吸収し、励起された電子を生成することである。この電子はついで、半導体物質に移動し、さらなるフリーラジカルの生成に寄与することができる。この視点において可視光ハーベスターは、通常は可視光領域の光を吸収できないTiO2などの半導体の光学的特性を拡張する。
【0016】
還元性物質存在下での合成:還元性物質(還元剤としても知られる)は、酸化還元化学反応において電子を供与する元素又は化合物である。還元性物質存在下でTiO2などの半導体酸化物を合成するとき、一定量の四価チタン原子(Ti4+)が三価チタン原子(Ti3+)に還元される、すなわち酸素原子を減少させる(酸素空孔を形成する)工程である。半導体分子構造のこの再編成は、この物質の電子的及び光学的特性の変化に対応し、特にバンドギャップが狭くなり、可視光の吸収量が増加する。
【0017】
還元雰囲気下での焼きなまし:還元雰囲気は、少なくとも1つの還元性気体(水素など)を含む気体組成物である。TiO2などの半導体を還元雰囲気下で加熱して(焼きなまして)Ti4+原子からTi3+原子への変換を引き起こし、酸素空孔を生成することができる。このことは、半導体合成中の処理ではなく半導体合成後の処理としてなされることを除いては、還元性物質存在下での合成において記載されたものと同一である。
【0018】
キャッピング剤:キャッピング剤は、結晶中の結晶ファセットに特異的に結合し、結晶中の結晶ファセットを安定化する物質である。TiO2は例えば、3つの可能な相、すなわちアナターゼ、ルチル、及びブルッカイトで結晶化することができる。しかしながら、反応性の高いアナターゼ{001}結晶ファセットが存在するため特に、最も高い光触媒活性を示すのは、アナターゼ相である。これらは反応性の低い{101}ファセットと比べて、効率の良い解離吸着機構を生成し、光生成した電子―正孔ペアの再結合速度が遅いことが分かっている。アナターゼTiO2の{001}ファセットを高い割合で露出させる工学技術は次に、ROS生成量を増加させる方法の1つである。アナターゼ結晶は典型的には、側部の8個の反応性の低い{101}ファセット及び上部及び下部の2個の反応性の高い{001}ファセットから成る、切頂八面両すい体形で見出されることができる。これは平衡条件における結晶成長の結果であるが、平衡条件ではエネルギーの高いファセットが熱力学的に安定なファセットを好んで面積を減少させ、全表面自由エネルギーを最小化するようである。しかしながら、フッ化水素酸などのキャッピング剤を合成段階で導入してもよく、エネルギーが高いファセットに特異的に結合し、安定化させる。これにより、反応性表面の割合が大きい、異なる形状及びアスペクト比(ナノシート)のアナターゼTiO2構造を合成できる。
【0019】
安定剤は、半導体粒子(特にナノ粒子)の凝結速度を落とすか又は完全に阻止する役割を有する。キャッピング剤とは反対に、安定剤の主な役割は半導体結晶の露出した特定の結晶ファセットの比率を制御しないことである。
【背景技術】
【0020】
表面を自浄化し、清潔な状態を維持しやすくする従来の方法は、銀イオン又は銅イオンなどの毒性成分をゆっくり放出する抗菌性コーティングを使用することであるが、これらのものは適用するのが難しく、高価であり、さらには細菌の濃度を害のない水準まで減少させる能力の存続期間に限りがある(数時間から数日又は数週間だが、1年を超えない)。
【0021】
光触媒組成物は、汚染を軽減する低細菌表面を作成するための別の手法である。従来技術において、洗浄の頻度を低減し、そして調理台、セラミックタイル、流し、浴槽、洗面器、水槽、便器、オーブン、ガス台、カーペット、織物、床、彩色した木工品、金属細工品、積層品、ガラス面、部屋のドアハンドル、ベッドの枠材、蛇口、無菌包装、モップ、プラスチック、キーボード、電話及び同等のものなどの表面に堆積した汚れを除去しやすくする目的で、フリーラジカルをin-situ生成するために各種表面に適用することを意図した既知の光触媒組成物は数多くある。これらの表面に汚染物質分解性及び微生物防止性を持たせると、汚染及び感染するリスクを低減することができる。
【0022】
半導体の中で、光触媒物質としての使用に適したものはほとんどない。バンドギャップの大きさは、吸収したい光スペクトルにしたがって選択するべきである。1.2~4eVの範囲のバンドギャップは、可視光及び近紫外光領域を含み、よく選択される。バンド端のエネルギー位置は、半導体自身を破壊する反応(光腐食)の酸化還元電位に関するのと同様に重大に、無機化される物質の酸化還元電位に関して適切に配置されるべきである。物質はさらに、手ごろな価格で入手でき、ヒトに対して非毒性で、便利に使用できる形態で作製できるべきである。
【0023】
TiO2の光電気化学的活性は、藤嶋と本多による先駆的な論文において初めて報告され(A. Fujishima and K. Honda, Electrochemical photolysis of water at a semiconductor electrode. Nature (Lond.) 238 (1972) 37-38)、そしてナノ粒子における同様の作用が10年後に実証され、加えて照射された二酸化チタンナノ粒子の抗菌効果の実験証明も報告された。TiO2は微生物を含む有機汚染物質を完全に無機化でき、非毒性の副生成物を生成するので、二酸化チタンは自浄化及び抗菌コーティングを適用するための光触媒に適した現在知られている数種の物質の1つであると認識されてきた。TiO2はさらに、環境に害を与えず、安価である。TiO2はUV光下では良好な光触媒であるが、可視光吸収力は残念ながら非常に乏しい。
【0024】
チタニアに対する銀のドーピングは、A. Vohraらにより以前試みられ(Enhanced photocatalytic inactivation of bacterial spores on surfaces in air. J. Ind. Microbiol. Biotechnol. 32 (2005) 364-370 and idem, Enhanced photocatalytic disinfection of indoor air. Appl. Catal. B 65 (2006) 57-65)、銀をドーピングすると非ドープのチタニアの抗菌能力が改善されることが報告されたが、ドーピング法は開示されておらず、ドープしたチタニア物質に長期的安定性があるかは疑わしい。光触媒活性により細胞壁が一度透過化されると、金属イオンが細菌の内部に移動する。このような場合にはもちろん、銀イオンは徐々に使い果たされるので、コーティングの活性寿命は短いだろう。要約すると、チタニアを銀でドープすることについてのたくさんの研究がなされたが、大部分は期待外れの結果だった。
【0025】
光ハーベスター内部での励起子―励起子消滅は、励起した電子を電子親和性が高いTiO2に移動することにより抑制される。可視領域におけるTiO2光触媒を拡張する技術のなかでも、有機染料と混合するものは断然簡単であり、多数の出願により、例えば、US7438767 BB (RECKITT BENCKISER GROUP PLC)により開示され、色素増感洗浄組成物の主成分である。このような組成物の残渣がその位置で汚れ及び望ましくない微生物と戦う。好ましくは湿潤性を有する、一価又は多価アルコールを添加すると、適用時の油汚れを回避し、その後汚れを除去する点で恩恵がある。残念ながら、この染料は、光触媒的に分解し、短期的な利益にしかならない。有機汚染物質の別の例は、光吸収レベルが非常に低い細菌(例えば黄色ブドウ球菌)であり、この細菌はTiO2(アナターゼ)粒子と接触すると、視光線を集め、電子をTiO2粒子に移動することができ、この汚染細菌を光触媒的に分解する(TiO2が触媒する自己分解)。汚染菌活性化光触媒と呼ばれるこの機構においては、光触媒的分解速度は可視光吸収の程度に依存する。この機構は、例えば、WO20180123112 A1 (University of Florida Research foundation, INC.)によって開示され、表面感染を予防するための透明な、汚染菌活性化光触媒コーティングを設計するために利用される。
【発明の概要】
【0026】
要約
本開示におけるTiO2光触媒の視光線への拡張は、以下の、
1)このTiO2結晶構造内部に、酸素又はチタンの空孔又は置換などの、欠陥の形成。技術には、ドーピング(例えば、炭素、窒素、硫黄又はリン)、還元雰囲気下での焼きなまし及び還元性物質存在下での合成が含まれる、及び
2)TiO2表面での欠陥の形成。技術には、表面水素化、プラズマ処理及び表面アミノ化が含まれる、及び
3)TiO2と可視光ハーベスターとの組み合わせ。技術には、金、銅、又は量子ドットなどの物質との共同合成、メチレンブルー、ポルフィリン、及び金属―キノリン複合体などの、有機染料と混合することが含まれる。このハーベスターは、可視光領域に光吸収がある場合、汚染化合物/微生物自体であってもよい、の
1つ又は複数の技術を組み合わせることによって示される。
【0027】
これら3つの方法は、可視光吸収及び同時励起子生成位置に関して、つまり修飾結晶全体、修飾結晶の表面又は光ハーベスター内と、異なる。
【0028】
我々の発明ではさらに、これらの方法のいずれも採用し、最も好ましくは、ドーパントを使用し、最も好ましくはこのドーパントは銀イオンであり、そして汚染物質/微生物の自己破壊触媒効果を使用することが開示される。
【0029】
本発明のドーピング法では、チタニアの凝縮反応を溶解ドーパント塩の存在下で実施することを提案する。非常に低濃度のドーパントをこのように使用するとTiO2ナノ粒子にかなりの効果を上げることができる。
【0030】
結合剤があると触媒粒子が表面に達した微生物から隔離され、結合剤自体が光触媒的に分解するので、光触媒的な作用を意図するコーティングを、塗料中に存在することが多い、結合剤と混合することはできない。ナノ微粒子は、光触媒コーティングとして適用されるTiO2の使いやすい形状である。ナノ粒子は基材に非常に強力に結合するので、環境に放出され、その後吸入曝露する危険が低い。
【0031】
二酸化チタンは、3個の多形、つまりアナターゼ、ブルッカイト、及びルチルで存在する。ルチルは安定な相であるが、他の2つのものは準安定である。ブルッカイトは最も合成が難しく、最も珍しい多形であり、光触媒能力及び他の属性に関して最も知られていない。ルチルのバンドギャップは3.0eV(414nmに相当、すなわちほとんど藍色)で、直接バンドギャップであるが、アナターゼのバンドギャップは3.2eV(388nmに相当、すなわち可視光スペクトルの紫色部分の最も端)であり、間接バンドギャップである。アナターゼはしかしながら、おそらく電子及び正孔の有効質量がいくらか異なり、アナターゼの電子及び正孔は最も軽く、したがって光励起後最も早く移動するので、ルチルよりずっとすぐれた光触媒である。アナターゼのこの増大された電荷分離は、主に結晶の{001}ファセットで起こっている。アナターゼTiO2ナノ粒子を、{001}ファセットの増加した面積を示す形状(異方性成長)で作成してもよく、したがって光触媒コーティング効果全体が増強される。アナターゼはまた、光触媒反応に必須の試薬、つまり分子状酸素及び水(両者とも周囲の雰囲気中の空気由来)の吸収に関してもより好ましいふるまいをすることができる。
【0032】
本出願中に開示される、TiO2ナノ粒子を含む液体組成物の新規製造方法により、主にブルッカイトである、他のわずかな多形の混合物ととともに、アナターゼが主に形成されていく。
【0033】
光触媒の重量あたりの表面積を増大させることにより、ナノ粒子コーティングの光触媒活性を強化することができる。表面積が大きくなることは、周囲の酸素/水との相互作用に利用可能なTiO2が多くなり、フリーラジカルの生成量が多くなることを表す。これは、見かけ上のナノ粒子サイズを低減することにより達成される。しかしながら、ナノ粒子のサイズを一定値未満に低減すると、半導体のバンドギャップが増加するという望まない二次的影響が生じ、したがって光吸収が短波長にシフトし、紫外スペクトルに入り、可視領域から外れる。この現象は、励起子量子閉じ込めと呼ばれ、TiO2については、粒子サイズが約5nm(ボーア半径)以下に低減すると、その関連性が著しくなる。
それゆえ、平均粒子分布が5~10nmであるチタニア粒子懸濁液を作製することにより、励起子量子閉じ込めにより可視光吸収を著しく緩めることなく、光触媒表面積の増大による利益を最大化する。
【0034】
バンドギャップが狭いと、光吸収を可視光領域に移動させ、可視光領域中で活性な光触媒コーティングを作製するので、代わりに有益である。この現象は原則的には、バンドギャップが純粋なTiO2のものよりも狭い半導体の固溶体を作成することにより達成できる。事実上、硫黄をドーピングすることにより、これを達成する。窒素をドーピングすると、価電子帯の真上のバンドギャップ内部に局在準位が誘導される。これは実際にアナターゼの吸収バンド端をレッドシフトするが、ルチルにおいてはドーピングの結果として価電子帯が低いエネルギーに移動するので、ブルーシフトが生じている。Nドープ物質では残念ながら、触媒活性が乏しいことが多く、さらに熱的に不安定なことが多いのだが、バンドギャップ内部の新しい準位はまた電子―正孔再結合中心として働いてもよく、光触媒の量子収率を低下させる。モリブデン及びバナジウム、炭素並びにカーボンナノチューブなどの他の成分と共に共ドーピングすることにより、これらの問題を克服しようとする試みがなされている。
【0035】
我々の発明においては、TiO2ナノ粒子をレッドシフトする3個の主な手法の2個以上を組み合わせることを提案し、TiO2の励起子量子閉じ込めのためTiO2ナノ粒子の平均サイズを、4~5nmである、ボーア半径まで低減させることにより、そして特定の粒子の結晶ファセットの成長(異方性成長)を奨励し、合成中に特定の化学物質「キャッピング剤」を加えることにより、TiO2ナノ粒子の質量当たりの光触媒活性をさらに強化し、そして粒子はサイズが40nmまでの集成体を形成することができ、粒径が減少し、結果として表面積が増加するので、光触媒活性の強化は今まで通り実証される。
【0036】
詳細な開示
1つの態様において、TiO2ナノ粒子を含む液体組成物が開示され、結晶構造中の欠陥、ナノ粒子表面上での欠陥、又は光ハーベスターの添加の1つ又は複数を組み合わせることにより、TiO2ナノ粒子の光触媒活性が可視光まで拡張し、粒子の特定の平均粒径を、TiO2では5nmに近い、半導体の励起子ボーア半径と等しくなるように選択することにより、TiO2ナノ粒子の光触媒活性をさらに改善する。
【0037】
本態様においては、汚れ、微生物、及び匂いと戦うために位置でフリーラジカルをin-situで生成するための液体組成物が開示され、
a)0.01~3重量%の光触媒物質としてのTiO2ナノ粒子、
b)0.1~1重量%の安定剤であって、好ましくは無機酸であり、最も好ましくは硝酸である、無機酸、及び
c)水である液体、を含み、
TiO2ナノ粒子の光触媒活性は、TiO2結晶構造内部に形成された欠陥により可視光線にまで拡張し、TiO2構造内部に形成された欠陥は、以下の、
TiO2ナノ粒子の凝縮時にTiO2ナノ粒子を、銅、コバルト、ニッケル、クロム、マンガン、モリブデン、ニオブ、バナジウム、鉄、ルテニウム、金、銀、プラチナイオンを含む遷移金属から、及び窒素、硫黄、炭素、ホウ素、リン、ヨウ素、フッ素イオンを含む非金属から選択される1つ又は複数の0.00001~5重量%のドーパントでドーピングすること、
任意選択で、還元性物質の存在下で合成すること、又は
任意選択で、還元雰囲気下で焼きなますこと、である、1つ又は複数の技術により得られる、
酸素又はチタンの空孔又は置換である。
TiO2ナノ粒子は5~10nmであり、この粒子は40nmまでの集成体を形成することができ、
任意選択で、可視光ハーベスターとTiO2との組み合わせであり、
任意選択で、TiO2粒子表面に形成された欠陥により形成することができる。
第2の態様において、本発明の組成物を使用して、微生物、汚染物質及び匂いと戦う方法が開示される。
位置で汚れ、微生物、及び匂いと戦う方法であって、
1倍(希釈しない)~10倍(10部の純水に対して1部の組成物)で組成物を希釈するステップ、
液体組成物の適用を含む、液体組成物を位置の表面に送達するステップであって、適用工程は、TiO2ナノ粒子のほとんど及び液体溶媒の小部分を表面に送達するよう適合され、好ましくは適用は散布技術を使用してなされる、ステップ、及び
表面で組成物を乾燥させ、表面に、ヒトの目に見えない、光触媒ナノ粒子の残渣又は層を形成するステップを含む、方法。
【0038】
本発明の第3の態様においては、本発明の第1の態様にしたがった組成物の製造方法が開示される。
液体組成物を製造する方法であって、この製造は、
a)チタニア前駆体溶液を溶媒溶液と攪拌中に混合するステップであって、好ましくは、前駆体溶液はチタンアルコキシド溶液であり、溶媒溶液は水、安定剤、及びドーパント前駆体を含む、ステップ、
b)精製して反応中に形成された過剰なアルコールを除去するステップ、及び
c)ペプチゼーションするステップを含む、方法。
本発明の第4の態様においては、本発明の第1の態様にしたがった組成物の各種位置での使用が開示される。具体的には、
汚れ、微生物及び匂いを位置で戦うフリーラジカルをin-situ生成するための、先行する請求項のいずれか一項にしたがって開示、適用又は製造される液体組成物の使用であって、位置は、産業環境、生産設備、貯蔵庫、乗り物、住宅、ホテル、スポーツ施設、教育機関、医療施設、飲食物の生産又は給仕場所、動物農場及び他の農業環境、又はこれらの環境の要素に例示さ2れるが限定されない、任意の屋内又は屋外の施設から選択され、例は、制限されるものではないが、調理台、セラミックタイル、流し、浴槽、洗面器、水槽、便器、オーブン、ガス台、カーペット、織物、床、彩色した木工品、金属細工品、積層品、窓及び鏡を含むガラス面、部屋のドアハンドル、ベッドの枠材、蛇口、無菌包装、モップ、プラスチック、キーボード、電話及び同等のもの、壁、天井、産業機械又は装置、シャワー室、シャワーカーテン、衛生陶器製品、建築用パネル、又は流しの調理台である、使用。
【発明を実施するための形態】
【0039】
本発明の具体的な実施例
本発明を、多くの実施形態及び態様を参照して説明した。当業者はしかしながら、添付の特許請求項の範囲内のままでこのような実施形態及び態様を修正してもよい。
【0040】
効力が証明された本発明の範囲の具体的な新規な又は独創的な組成をいくつか、以下の実施形態及び実施例において開示する。
【実施例】
【0041】
実施例1
a)0.01~3重量%のTiO2ナノ粒子、アナターゼ、最初の平均粒径5~10nm;b)0.1~1重量%硝酸;c)0.00001~0.0025重量%AgCl;d)0~0.1重量%イソプロパノール;及びe)95.8975~99.88999重量%純水を含む液体組成物。
【0042】
TiO2の平均粒径5~10nmは、ボーア半径と同等又はすぐ上である。これにより励起子量子閉じ込めのため可視光吸収を著しく緩めることなくTiO2コーティング表面積を最大化することができる。
【0043】
ナノ粒子の凝結を妨げるために、硝酸を安定剤として使用する。この酸は、粒子の表面をプロトン化し、したがって粒子に正の表面電荷を与えることにより働く。電荷を帯びた粒子は互いに反発し、凝結しない。塩酸又は硫酸などの他の酸を使用してもよい。塩基もやはり使用することができるが、これは負の表面電荷を与える。
【0044】
AgClを、銀イオン供給源として使用する。銀イオンはドーパントとして働き、TiO2構造中のチタン原子と置換するか、この構造の原子間の侵入型結晶位置に自身を配置する。これらの修飾が起こると、半導体の電気的特性が変化し、可視領域で光を吸収することができる。硝酸銀AgNO3、テトラフルオロホウ酸銀AgBF4又は過塩素酸銀AgClO4などの他の銀塩を銀イオンの供給源として使用してもよい。ドーピングを施すためには銀の代わりにいくつかの他の元素を使用してもよく、最も一般的な元素は、遷移金属の中では銅、コバルト、ニッケル、クロム、マンガン、モリブデン、ニオブ、バナジウム、鉄、ルテニウム、金、銀、プラチナ、そして非金属については窒素、硫黄、炭素、ホウ素、リン、ヨウ素、フッ素である。
【0045】
イソプロパノールは、チタン前駆体(チタンイソプロポキシド)と水との間での反応の副生成物である。どの前駆体を選択するかに依存して、ブタノール(チタンブトキシド)又は塩酸(四塩化チタン)などの他の副生成物が存在してもよい。
【0046】
製造用に使用される水及び最終生成物中の水は、導電率が20μS/cm以下で(ISO Type3,2及び1)イオン性不純物が少量でなければならない。脱塩、蒸留、逆浸透、又はmilliQ水を使用することができる。水道水又は通常の硬水は、ナノ粒子の凝結につながることもあるので、使用できない。
【0047】
TiO2ナノ粒子の光触媒活性はさらに、特定の粒子の結晶ファセットの成長(異方性成長)を奨励することにより強化され、この奨励は、フッ化水素酸HFなどのキャッピング剤の添加を用いて実行される。TiO2ナノ粒子合成段階においては、キャッピング剤は、熱力学的に安定だが光触媒活性が低いファセットを好んで、代わりに成長が低減するアナターゼ{001}などのエネルギーが高いファセットに特異的に結合し、安定化する。
【0048】
実施例2
位置で汚れ、微生物、及び匂いと戦う液体組成物を送達する方法であって、
a)必要であれば、液体組成物を1倍(希釈しない)~10倍(10部の純水に対して1部の組成物)で希釈すること、
b)例えば、肉眼で見える噴霧した煙が標的表面の10~20cm前で終わるように、被覆される標的表面から特定の距離で静電スプレーガンを用いて組成物を噴霧することにより、表面に組成物を適用すること、及び
c)堆積させた粒子を完全に乾燥させる、乾燥には約2時間かかる、乾燥させること、を含む方法。
【0049】
実施例3
液体組成物を製造する方法であって、
a)0.1~10重量%チタンイソプロポキシドを88.988~99.88999重量%純水、0.01~1重量%硝酸及び0.0001~0.002重量%AgClの溶媒溶液と高速攪拌中に高速混合するステップ、
b)この反応中に形成される過剰なイソプロパノールを真空圧1~999mBar(0.0001~0.099MPa)で蒸発させるステップ、及び
c)温度30~99℃でペプチゼーションするステップを含む、方法。
これらの最後の2個のステップを、最初の試薬体積に依存する期間同時に実行してもよい。ステップb)及びc)は、例えば、室温から100℃の温度、及び0,1mBar(0.00001MPa)から周囲圧力の間の絶対圧を使用して、体積に依存する加工時間真空蒸発することにより過剰アルコールの除去を実行することにより、同じステップで実行する利益があってよい。
【0050】
実施例4
位置で汚れ、微生物、及び匂いと戦うフリーラジカルをin-situ生成するための、先行する請求項のいずれか一項にしたがって構成され、適用され、そして製造された液体組成物の使用であって、位置は、産業環境、生産設備、貯蔵庫、乗り物、住宅、ホテル、スポーツ施設、教育機関、医療施設、飲食物の生産又は給仕場所、動物農場及び他の農業環境、又はこれらの環境の要素に例示されるが限定されない、任意の屋内又は屋外の施設から選択され、例は、制限されるものではないが、壁、天井、床、窓、作業面、衛生陶器製品、セラミックタイル、建築用パネル、水槽、又は流しの調理台である、使用。
【0051】
殺生物活性物質は、1つ又は複数の前駆体から使用場所で生成される場合、insitu生成活性物質と呼ばれる。我々の発明においてTiO2粒子は、適用位置に依存して、周辺空気又は水由来のフリーラジカルの形成を触媒している。一例として魚用水槽の内側表面に被覆すると、光触媒は水分子、水中に溶解した気体及び水中に存在する塩からフリーラジカルをin-situ生成するだろう。
【0052】
実施例5
病原体に対する我々の発明の液体組成物の効力試験を以下に要約する。
【0053】
【0054】
欧州規格(「European Standards」)(フランス語/ドイツ語の「European Norms」という逐語訳のためにENと略される)は、CEN(欧州標準化委員会「European Committee for Standardization」)、CENELEC(ヨーロッパ電気標準化委員会「European Committee for Electrotechnical Standardization」)及びETSI(欧州電気通信標準化機構「European Telecommunications Standards Institute」)により起草され、維持される。
1対数減少=90%減少
2対数減少=99%減少
3対数減少=99.9%減少
4対数減少=99.99%減少
5対数減少=99.999%減少
6対数減少=99.9999%減少
【0055】
実施例1 実施形態
1.a)0,01重量%TiO2ナノ粒子、アナターゼ;b)0,1重量%硝酸;c)0,00001重量%AgCl;及びd)微量のイソプロパノールを含み、e)残りは水である、組成物。
2.a)0,01重量%TiO2ナノ粒子、アナターゼ;b)0,1重量%硝酸;c)0,0001重量%AgCl;及びd)微量のイソプロパノールを含み、e)残りは水である、組成物。
3.a)0,01重量%TiO2ナノ粒子、アナターゼ;b)0,1重量%硝酸;c)0,001重量%AgCl;及びd)微量のイソプロパノールを含み、e)残りは水である、組成物。
4.a)0,01重量%TiO2ナノ粒子、アナターゼ;b)0,1重量%硝酸;c)0,0025重量%AgCl;及びd)微量のイソプロパノールを含み、e)残りは水である、組成物。
5.a)0,01重量%TiO2ナノ粒子、アナターゼ;b)0,3重量%硝酸;c)0,00001重量%AgCl;及びd)微量のイソプロパノールを含み、e)残りは水である、組成物。
6.a)0,01重量%TiO2ナノ粒子、アナターゼ;b)0,3重量%硝酸;c)0,0001重量%AgCl;及びd)微量のイソプロパノールを含み、e)残りは水である、組成物。
7.a)0,01重量%TiO2ナノ粒子、アナターゼ;b)0,3重量%硝酸;c)0,001重量%AgCl;及びd)微量のイソプロパノールを含み、e)残りは水である、組成物。
8.a)0,01重量%TiO2ナノ粒子、アナターゼ;b)0,3重量%硝酸;c)0,0025重量%AgCl;及びd)微量のイソプロパノールを含み、e)残りは水である、組成物。
9.a)0,01重量%TiO2ナノ粒子、アナターゼ;b)0,7重量%硝酸;c)0,00001重量%AgCl;及びd)微量のイソプロパノールを含み、e)残りは水である、組成物。
10.a)0,01重量%TiO2ナノ粒子、アナターゼ;b)0,7重量%硝酸;c)0,0001重量%AgCl;及びd)微量のイソプロパノールを含み、e)残りは水である、組成物。
11.a)0,01重量%TiO2ナノ粒子、アナターゼ;b)0,7重量%硝酸;c)0,001重量%AgCl;及びd)微量のイソプロパノールを含み、e)残りは水である、組成物。
12.a)0,01重量%TiO2ナノ粒子、アナターゼ;b)0,7重量%硝酸;c)0,0025重量%AgCl;及びd)微量のイソプロパノールを含み、e)残りは水である、組成物。
13.a)0,01重量%TiO2ナノ粒子、アナターゼ;b)1重量%硝酸;c)0,00001重量%AgCl;及びd)微量のイソプロパノールを含み、e)残りは水である、組成物。
14.a)0,01重量%TiO2ナノ粒子、アナターゼ;b)1重量%硝酸;c)0,0001重量%AgCl;及びd)微量のイソプロパノールを含み、e)残りは水である、組成物。
15.a)0,01重量%TiO2ナノ粒子、アナターゼ;b)1重量%硝酸;c)0,001重量%AgCl;及びd)微量のイソプロパノールを含み、e)残りは水である、組成物。
16.a)0,01重量%TiO2ナノ粒子、アナターゼ;b)1重量%硝酸;c)0,0025重量%AgCl;及びd)微量のイソプロパノールを含み、e)残りは水である、組成物。
17.a)0,1重量%TiO2ナノ粒子、アナターゼ;b)0,1重量%硝酸;c)0,00001重量%AgCl;及びd)微量のイソプロパノールを含み、e)残りは水である、組成物。
18.a)0,1重量%TiO2ナノ粒子、アナターゼ;b)0,1重量%硝酸;c)0重量%AgCl;及びd)微量のイソプロパノールを含み、e)残りは水である、組成物。
19.a)0,1重量%TiO2ナノ粒子、アナターゼ;b)0,1重量%硝酸;c)0重量%AgCl;及びd)微量のイソプロパノールを含み、e)残りは水である、組成物。
20.a)0,1重量%TiO2ナノ粒子、アナターゼ;b)0,1重量%硝酸;c)0重量%AgCl;及びd)微量のイソプロパノールを含み、e)残りは水である、組成物。
21.a)0,1重量%TiO2ナノ粒子、アナターゼ;b)0,3重量%硝酸;c)0,00001重量%AgCl;及びd)微量のイソプロパノールを含み、e)残りは水である、組成物。
22.a)0,1重量%TiO2ナノ粒子、アナターゼ;b)0,3重量%硝酸;c)0,0001重量%AgCl;及びd)微量のイソプロパノールを含み、e)残りは水である、組成物。
23.a)0,1重量%TiO2ナノ粒子、アナターゼ;b)0,3重量%硝酸;c)0,001重量%AgCl;及びd)微量のイソプロパノールを含み、e)残りは水である、組成物。
24.a)0,1重量%TiO2ナノ粒子、アナターゼ;b)0,3重量%硝酸;c)0,0025重量%AgCl;及びd)微量のイソプロパノールを含み、e)残りは水である、組成物。
25.a)0,1重量%TiO2ナノ粒子、アナターゼ;b)0,7重量%硝酸;c)0,00001重量%AgCl;及びd)微量のイソプロパノールを含み、e)残りは水である、組成物。
26.a)0,1重量%TiO2ナノ粒子、アナターゼ;b)0,7重量%硝酸;c)0,0001重量%AgCl;及びd)微量のイソプロパノールを含み、e)残りは水である、組成物。
27.a)0,1重量%TiO2ナノ粒子、アナターゼ;b)0,7重量%硝酸;c)0,001重量%AgCl;及びd)微量のイソプロパノールを含み、e)残りは水である、組成物。
28.a)0,1重量%TiO2ナノ粒子、アナターゼ;b)0,7重量%硝酸;c)0,0025重量%AgCl;及びd)微量のイソプロパノールを含み、e)残りは水である、組成物。
29.a)0,1重量%TiO2ナノ粒子、アナターゼ;b)1重量%硝酸;c)0,00001重量%AgCl;及びd)微量のイソプロパノールを含み、e)残りは水である、組成物。
30.a)0,1重量%TiO2ナノ粒子、アナターゼ;b)1重量%硝酸;c)0,0001重量%AgCl;及びd)微量のイソプロパノールを含み、e)残りは水である、組成物。
31.a)0,1重量%TiO2ナノ粒子、アナターゼ;b)1重量%硝酸;c)0,001重量%AgCl;及びd)微量のイソプロパノールを含み、e)残りは水である、組成物。
32.a)0,1重量%TiO2ナノ粒子、アナターゼ;b)1重量%硝酸;c)0,0025重量%AgCl;及びd)微量のイソプロパノールを含み、e)残りは水である、組成物。
33.a)1,5重量%TiO2ナノ粒子、アナターゼ;b)0,1重量%硝酸;c)0,00001重量%AgCl;及びd)微量のイソプロパノールを含み、e)残りは水である、組成物。
34.a)1,5重量%TiO2ナノ粒子、アナターゼ;b)0,1重量%硝酸;c)0重量%AgCl;及びd)微量のイソプロパノールを含み、e)残りは水である、組成物。
35.a)1,5重量%TiO2ナノ粒子、アナターゼ;b)0,1重量%硝酸;c)0重量%AgCl;及びd)微量のイソプロパノールを含み、e)残りは水である、組成物。
36.a)1,5重量%TiO2ナノ粒子、アナターゼ;b)0,1重量%硝酸;c)0重量%AgCl;及びd)微量のイソプロパノールを含み、e)残りは水である、組成物。
37.a)1,5重量%TiO2ナノ粒子、アナターゼ;b)0,3重量%硝酸;c)0,00001重量%AgCl;及びd)微量のイソプロパノールを含み、e)残りは水である、組成物。
38.a)1,5重量%TiO2ナノ粒子、アナターゼ;b)0,3重量%硝酸;c)0,0001重量%AgCl;及びd)微量のイソプロパノールを含み、e)残りは水である、組成物。
39.a)1,5重量%TiO2ナノ粒子、アナターゼ;b)0,3重量%硝酸;c)0,001重量%AgCl;及びd)微量のイソプロパノールを含み、e)残りは水である、組成物。
40.a)1,5重量%TiO2ナノ粒子、アナターゼ;b)0,3重量%硝酸;c)0,0025重量%AgCl;及びd)微量のイソプロパノールを含み、e)残りは水である、組成物。
41.a)1,5重量%TiO2ナノ粒子、アナターゼ;b)0,7重量%硝酸;c)0,00001重量%AgCl;及びd)微量のイソプロパノールを含み、e)残りは水である、組成物。
42.a)1,5重量%TiO2ナノ粒子、アナターゼ;b)0,7重量%硝酸;c)0,0001重量%AgCl;及びd)微量のイソプロパノールを含み、e)残りは水である、組成物。
43.a)1,5重量%TiO2ナノ粒子、アナターゼ;b)0,7重量%硝酸;c)0,001重量%AgCl;及びd)微量のイソプロパノールを含み、e)残りは水である、組成物。
44.a)1,5重量%TiO2ナノ粒子、アナターゼ;b)0,7重量%硝酸;c)0,0025重量%AgCl;及びd)微量のイソプロパノールを含み、e)残りは水である、組成物。
45.a)1,5重量%TiO2ナノ粒子、アナターゼ;b)1重量%硝酸;c)0,00001重量%AgCl;及びd)微量のイソプロパノールを含み、e)残りは水である、組成物。
46.a)1,5重量%TiO2ナノ粒子、アナターゼ;b)1重量%硝酸;c)0,0001重量%AgCl;及びd)微量のイソプロパノールを含み、e)残りは水である、組成物。
47.a)1,5重量%TiO2ナノ粒子、アナターゼ;b)1重量%硝酸;c)0,001重量%AgCl;及びd)微量のイソプロパノールを含み、e)残りは水である、組成物。
48.a)1,5重量%TiO2ナノ粒子、アナターゼ;b)1重量%硝酸;c)0,0025重量%AgCl;及びd)微量のイソプロパノールを含み、e)残りは水である、組成物。
49.a)3重量%TiO2ナノ粒子、アナターゼ;b)0,1重量%硝酸;c)0,00001重量%AgCl;及びd)微量のイソプロパノールを含み、e)残りは水である、組成物。
50.a)3重量%TiO2ナノ粒子、アナターゼ;b)0,1重量%硝酸;c)0重量%AgCl;及びd)微量のイソプロパノールを含み、e)残りは水である、組成物。
51.a)3重量%TiO2ナノ粒子、アナターゼ;b)0,1重量%硝酸;c)0重量%AgCl;及びd)微量のイソプロパノールを含み、e)残りは水である、組成物。
52.a)3重量%TiO2ナノ粒子、アナターゼ;b)0,1重量%硝酸;c)0重量%AgCl;及びd)微量のイソプロパノールを含み、e)残りは水である、組成物。
53.a)3重量%TiO2ナノ粒子、アナターゼ;b)0,3重量%硝酸;c)0,00001重量%AgCl;及びd)微量のイソプロパノールを含み、e)残りは水である、組成物。
54.a)3重量%TiO2ナノ粒子、アナターゼ;b)0,3重量%硝酸;c)0,0001重量%AgCl;及びd)微量のイソプロパノールを含み、e)残りは水である、組成物。
55.a)3重量%TiO2ナノ粒子、アナターゼ;b)0,3重量%硝酸;c)0,001重量%AgCl;及びd)微量のイソプロパノールを含み、e)残りは水である、組成物。
56.a)3重量%TiO2ナノ粒子、アナターゼ;b)0,3重量%硝酸;c)0,0025重量%AgCl;及びd)微量のイソプロパノールを含み、e)残りは水である、組成物。
57.a)3重量%TiO2ナノ粒子、アナターゼ;b)0,7重量%硝酸;c)0,00001重量%AgCl;及びd)微量のイソプロパノールを含み、e)残りは水である、組成物。
58.a)3重量%TiO2ナノ粒子、アナターゼ;b)0,7重量%硝酸;c)0,0001重量%AgCl;及びd)微量のイソプロパノールを含み、e)残りは水である、組成物。
59.a)3重量%TiO2ナノ粒子、アナターゼ;b)0,7重量%硝酸;c)0,001重量%AgCl;及びd)微量のイソプロパノールを含み、e)残りは水である、組成物。
60.a)3重量%TiO2ナノ粒子、アナターゼ;b)0,7重量%硝酸;c)0,0025重量%AgCl;及びd)微量のイソプロパノールを含み、e)残りは水である、組成物。
61.a)3重量%TiO2ナノ粒子、アナターゼ;b)1重量%硝酸;c)0,00001重量%AgCl;及びd)微量のイソプロパノールを含み、e)残りは水である、組成物。
62.a)3重量%TiO2ナノ粒子、アナターゼ;b)1重量%硝酸;c)0,0001重量%AgCl;及びd)微量のイソプロパノールを含み、e)残りは水である、組成物。
63.a)3重量%TiO2ナノ粒子、アナターゼ;b)1重量%硝酸;c)0,001重量%AgCl;及びd)微量のイソプロパノールを含み、e)残りは水である、組成物。
64.a)3重量%TiO2ナノ粒子、アナターゼ;b)1重量%硝酸;c)0,0025重量%AgCl;及びd)微量のイソプロパノールを含み、e)残りは水である、組成物。
【手続補正書】
【提出日】2021-01-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
汚れ、微生物、及び匂いと位置で戦うためにフリーラジカルをin-situ生成するための液体組成物であって、
a)0.01~3重量%の光触媒物質としてのTiO
2ナノ粒子、
b)0.1~1重量%の安定剤としての無機酸であって、好ましくは硝酸である、無機酸、及び
c)水である前記液体、を含み、
前記TiO
2ナノ粒子の光触媒活性は、前記TiO
2結晶構造内部に形成された欠陥により可視光線にまで拡張し、前記TiO
2構造内部に形成された欠陥は、以下の、
前記TiO
2ナノ粒子の凝縮時にTiO
2ナノ粒子を、銅、コバルト、ニッケル、クロム、マンガン、モリブデン、ニオブ、バナジウム、鉄、ルテニウム、金、銀、プラチナイオンを含む遷移金属から、及び窒素、硫黄、炭素、ホウ素、リン、ヨウ素、フッ素イオンを含む非金属から選択される1つ又は複数の0.00001~5重量%のドーパントでドーピングすること、
任意選択で、還元性物質の存在下で合成すること、又は
任意選択で、還元雰囲気下で焼きなますこと、である、1つ又は複数の技術により得られる、
酸素又はチタンの空孔又は置換であり、
前記TiO
2ナノ粒子は5~10nmであり、前記粒子は40nmまでの集成体を形成することができ、
任意選択で、可視光ハーベスターと前記TiO
2との組み合わせであり、
任意選択で、前記TiO
2粒子表面に形成された欠陥により形成することができる、
液体組成物。
【請求項2】
前記組成物は、2重量%のTiO
2粒子を含むことを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記ドーパントは、銀イオンであり、前記銀ドーパントの濃度は0.0025重量%である、請求項1~2のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項4】
可視光ハーベスターと前記TiO
2との組み合わせは、以下の、
可視光を吸収する、汚染化合物/微生物自体、
任意選択で、金及び銅などの物質とTiO
2ナノ粒子を共に合成すること、及び
任意選択で、メチレンブルー、ポルフィリン、及び金属―キノリン複合体などの、有機染料と混合することである、1つ又は複数の技術により得られ、前記ハーベスターは、可視光領域に光吸収がある場合、前記汚染化合物/微生物自体であってもよい、請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記TiO
2粒子表面に形成された欠陥は、以下の、
例えば表面アミノ化又は表面水和などの、表面化学修飾、及び
プラズマ処理である、
1つ又は複数の技術により得られる、請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
特定の粒子の結晶ファセットの成長(異方性成長)を奨励することにより、TiO
2ナノ粒子の光触媒活性がさらに向上し、前記奨励は、キャッピング剤の添加を使用して行われる、請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項に記載の組成物を使用して、汚れ、微生物、及び匂いと位置で戦う方法であって、前記方法は、
1倍(希釈しない)~10倍(10部の純水に対して1部の組成物)で前記組成物を希釈するステップ、
前記液体組成物の適用を含む、前記液体組成物を前記位置の表面に送達するステップであって、前記適用工程は、TiO
2ナノ粒子のほとんど及び前記液体溶媒の小部分を前記表面に送達するよう適合される、ステップ、及び
前記表面で前記液体組成物を乾燥させ、前記表面に、ヒトの目に見えない、前記光触媒ナノ粒子の残渣又は層を形成するステップを含む、方法。
【請求項8】
請求項1~6のいずれか一項に開示された液体組成物を製造する方法であって、前記組成物は請求項7に開示された適用方法に適しており、前記製造は、
a)チタニア前駆体溶液を溶媒溶液と攪拌中に混合するステップであって、好ましくは、前駆体溶液はチタンアルコキシド溶液であり、溶媒溶液は水、安定剤、及びドーパント前駆体を含む、ステップ、
b)精製して前記反応中に形成された過剰なアルコールを除去するステップ、及び
c)ペプチゼーションするステップを含む、方法。
【請求項9】
ステップb)及びc)を同時に同一の工程で実行することによってさらに特徴づけられる、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
汚れ、微生物及び匂いを位置で戦うフリーラジカルをin-situ生成するための液体組成物の使用であって、位置は、産業環境、生産設備、貯蔵庫、乗り物、住宅、ホテル、スポーツ施設、教育機関、医療施設、飲食物の生産又は給仕場所、動物農場及び他の農業環境、又はこれらの環境の要素に例示されるが限定されない、任意の屋内又は屋外の施設から選択され、例は、制限されるものではないが、調理台、セラミックタイル、流し、浴槽、洗面器、水槽、便器、オーブン、ガス台、カーペット、織物、床、彩色した木工品、金属細工品、積層品、窓及び鏡を含むガラス面、部屋のドアハンドル、ベッドの枠材、蛇口、無菌包装、モップ、プラスチック、キーボード、電話及び同等のもの、壁、天井、産業機械又は装置、シャワー室、シャワーカーテン、衛生陶器製品、建築用パネル、又は流しの調理台である、使用。
【国際調査報告】