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特表2022-530223垂直離着陸航空機、および関連する制御方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-28
(54)【発明の名称】垂直離着陸航空機、および関連する制御方法
(51)【国際特許分類】
   B64C 27/28 20060101AFI20220621BHJP
   B64C 27/26 20060101ALI20220621BHJP
【FI】
B64C27/28
B64C27/26
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2021563112
(86)(22)【出願日】2020-03-30
(85)【翻訳文提出日】2021-12-15
(86)【国際出願番号】 IB2020053020
(87)【国際公開番号】W WO2020217117
(87)【国際公開日】2020-10-29
(31)【優先権主張番号】19170690.2
(32)【優先日】2019-04-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518160436
【氏名又は名称】レオナルド・エッセ・ピ・ア
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】リッカルド・ビアンコ・メンゴッティ
(57)【要約】
第1の軸(E、F、G、H、I、J; E、F、K、L、G、H、I、M、N、J; E、G、H、J)に沿って方向付けられる第1の推力(T1、T2、T3、T4、T5、T6; T1、T2、T7、T8、T3、T4、T5、T9、T10、T6; T1、T3、T4、T6)を発生させるように構成される第1の推進ユニット(6a、6b、6c、6d、6e、6f; 6a、6b、6g'、6h'、6c、6d、6e、6i'、6j'、6f; 6a、6c; 6d、6f)と、第2の軸(E、F、G、H、I、J; E、F、K、L、G、H、I、M、N、J; E、G、H、J)に沿って方向付けられる第2の推力(T1、T2、T3、T4、T5、T6; T1、T2、T7、T8、T3、T4、T5、T9、T10、T6; T1、T3、T4、T6)を発生させるように構成される第2の推進ユニット(6a、6b、6c、6d、6e、6f; 6a、6b、6g'、6h'、6c、6d、6e、6i'、6j'、6f; 6a、6c; 6d、6f)と、を備える、垂直離着陸が可能な航空機(1、1'、1'''、1''''、1'''''、1''''''、1'''''''、1''''''''、1'''''''''、1''''''''''、1'''''''''''、1''''''''''''、1''''''''''''')が記載され、第1の推進ユニットおよび第2の推進ユニット(6a、6b、6c、6d、6e、6f; 6a、6b、6g'、6h'、6c、6d、6e、6i'、6j'、6f; 6a、6c; 6d、6f)は互いから独立して動作させることができ、第1の軸および第2の軸(E、F、G、H、I、J; E、F、K、L、G、H、I、M、N、J; E、G、H、J)は、航空機(1、1'、1'')の第1の長手方向(Y)に対して互いと傾斜しており、第1の軸および第2の軸(E、F、G、H、I、J; E、F、K、L、G、H、I、M、N、J; E、G、H、J)は、航空機(1、1'、1'')に対して固定される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
垂直離着陸が可能な航空機(1、1'、1'''、1''''、1'''''、1''''''、1'''''''、1''''''''、1'''''''''、1''''''''''、1'''''''''''、1''''''''''''、1'''''''''''''、1''''''''''''''')であって、
第1の軸(E、F、G、H、I、J; E、F、K、L、G、H、I、M、N、J)に沿って方向付けられる第1の推力(T1、T2、T3、T4、T5、T6; T1、T2、T7、T8、T3、T4、T5、T9、T10、T6)を発生させるように構成される第1の推進ユニット(6a、6b、6c、6d、6e、6f; 6a、6b、6g'、6h'、6c、6d、6e、6i'、6j'、6f)と、
第2の軸(E、F、G、H、I、J; E、F、K、L、G、H、I、M、N、J)に沿って方向付けられる第2の推力(T1、T2、T3、T4、T5、T6; T1、T2、T7、T8、T3、T4、T5、T9、T10、T6)を発生させるように構成される第2の推進ユニット(6a、6b、6c、6d、6e、6f; 6a、6b、6g'、6h'、6c、6d、6e、6i'、6j'、6f)と、
を備え、
前記第1および第2の推進ユニット(6a、6b、6c、6d、6e、6f; 6a、6b、6g'、6h'、6c、6d、6e、6i'、6j'、6f)は、前記第1および第2の推力(T1、T2、T3、T4、T5、T6; T1、T2、T7、T8、T3、T4、T5、T9、T10、T6)を、互いに対して独立して調節可能な手法で発生させるように、互いから独立した手法で動作させられるように構成され、
前記第1の軸および前記第2の軸(E、F、G、H、I、J; E、F、K、L、G、H、I、M、N、J)は、前記航空機(1、1'、1'''、1''''、1'''''、1''''''、1'''''''、1''''''''、1'''''''''、1''''''''''、1'''''''''''、1''''''''''''、1''''''''''''')の第1の長手方向(Y)に対して互いと傾斜しており、
それぞれの前記第1の推力および前記第2の推力(T1、T2、T3、T4、T5、T6; T1、T2、T7、T8、T3、T4、T5、T9、T10、T6)の前記第1の軸および前記第2の軸(E、F、G、H、I、J; E、F、K、L、G、H、I、M、N、J)は、前記航空機(1、1'、1'''、1''''、1'''''、1''''''、1'''''''、1''''''''、1'''''''''、1''''''''''、1'''''''''''、1''''''''''''、1''''''''''''')に対して固定され、
前記航空機(1、1'、1'''、1''''、1'''''、1''''''、1'''''''、1''''''''、1'''''''''、1''''''''''、1'''''''''''、1''''''''''''、1''''''''''''')は、前記第1の方向(Y)に沿って互いの反対側に配置される機首(3)および尾部(4)をさらに備え、
前記第1の推進ユニット(6a、6b、6c、6d、6e、6f; 6a、6b、6g'、6h'、6c、6d、6e、6i'、6j'、6f)は、前記第1の方向(Y)と平行に前記機首(3)と前記第2の推進ユニット(6a、6b、6c、6d、6e、6f; 6a、6b、6g'、6h'、6c、6d、6e、6i'、6j'、6f)との間に置かれ、前記第2の推進ユニット(6a、6b、6c、6d、6e、6f; 6a、6b、6g'、6h'、6c、6d、6e、6i'、6j'、6f)は、前記第1の方向(Y)と平行に前記第1の推進ユニット(6a、6b、6c、6d、6e、6f; 6a、6b、6g'、6h'、6c、6d、6e、6i'、6j'、6f)と前記尾部(4)との間に置かれ、
前記第1の軸および前記第2の軸(E、F、G、H、I、J; E、F、K、L、G、H、I、M、N、J; E、G、H、J)は、互いと異なるそれぞれの第1および第2の角度(α、β)で、前記航空機(1、1'、1'''、1''''、1'''''、1''''''、1'''''''、1''''''''、1'''''''''、1''''''''''、1'''''''''''、1''''''''''''、1''''''''''''')の前記第1の長手方向(Y)に対して互いと傾斜しており、
前記第1の角度(α)は、前記第1の軸(E、F、G、H、I、J; E、F、K、L、G、H、I、M、N、J)から前記機首(3)に向けて配向され、前記第2の角度(β)は、前記第1の軸(E、F、G、H、I、J; E、F、K、L、G、H、I、M、N、J)から前記機首(3)に向けて配向され、
前記航空機(1、1'、1'''、1''''、1'''''、1''''''、1'''''''、1''''''''、1'''''''''、1''''''''''、1'''''''''''、1''''''''''''、1''''''''''''')は、
使用中に離陸/着陸および/またはホバリングの状態の間に取られる第1の姿勢であって、前記航空機(1、1'、1'''、1''''、1'''''、1''''''、1'''''''、1''''''''、1'''''''''、1''''''''''、1'''''''''''、1''''''''''''、1''''''''''''')が、使用中に垂直に配置される第2の方向(V)に沿って移動可能である、第1の姿勢と、
使用中に前方飛行状態の間に取られる第2の姿勢であって、前記航空機(1、1'、1'''、1''''、1'''''、1''''''、1'''''''、1''''''''、1'''''''''、1''''''''''、1'''''''''''、1''''''''''''、1''''''''''''')が、前記第2の方向(V)を横断する第3の方向(O)に沿って移動可能であり、前記航空機(1、1'、1'''、1''''、1'''''、1''''''、1'''''''、1''''''''、1'''''''''、1''''''''''、1'''''''''''、1''''''''''''、1'''''''''''''、1''''''''''''')は、前記第1の方向(Y)と平行な傾斜を通じて前記第1の姿勢と前記第2の姿勢との間で移動可能である、第2の姿勢と、
の間で選択的に移動可能であり、
前記航空機は、前記第1の方向(Y)と平行に前記第1および第2の推進ユニット(6a、6b、6c、6d、6e、6f; 6a、6b、6g'、6h'、6c、6d、6e、6i'、6j'、6f)の間に置かれた第3の推進ユニット(6a、6b、6c、6d、6e、6f; 6a、6b、6g'、6h'、6c、6d、6e、6i'、6j'、6f)を備えることと、
前記第3の推進ユニット(6a、6b、6c、6d、6e、6f; 6a、6b、6g'、6h'、6c、6d、6e、6i'、6j'、6f)は、第3の角度(γ)で前記第1の方向(Y)に対して傾斜している第3の軸(E、F、G、H、I、J; E、F、K、L、G、H、I、M、N、J)に沿って第3の推力(T1、T2、T3、T4、T5、T6; T1、T2、T7、T8、T3、T4、T5、T9、T10、T6)を使用中に発生させることと、
前記第3の角度(γ)は、前記第3の軸(E、F、G、H、I、J; E、F、K、L、G、H、I、M、N、J)によって前記機首(3)に向けて配向されることと、
を特徴とする航空機。
【請求項2】
前記第1の姿勢において、前記第1および第2の推進ユニット(6a、6b、6c、6d、6e、6f; 6a、6b、6g'、6h'、6c、6d、6e、6i'、6j'、6f)の少なくとも一方(6a、6c、6d、6f; 6a、6g'、6h'、6c、6d、6i'、6j'、6f)は作動停止され、前記第1および第2の推進ユニット(6a、6b、6c、6d、6e、6f; 6a、6b、6g'、6h'、6c、6d、6e、6i'、6j'、6f)の他方(6b、6e; 6g'、6i')は、前記第2の方向(V)と平行な前記第1または第2の推力(T2、T5; T8、T10)をそれぞれ発生させることを特徴とする、請求項1に記載の航空機。
【請求項3】
前記第1の姿勢において、前記第1および第2の推進ユニット(6a、6c; 6d、6f)は、前記第2の方向(V)に対してそれぞれの相互に反対の側に配置され、具体的には、前記第2の方向(V)に対して対称に配置されることを特徴とする、請求項1または2に記載の航空機。
【請求項4】
前記第1および第2の推進ユニット(6a、6c; 6d、6f)は、絶対値において互いと等しい前記第1および第2の推力(T1、T3; T4、T6)をそれぞれ発生させるように制御されることを特徴とする、請求項3に記載の航空機。
【請求項5】
前記航空機は積載物のための筐体(2)を備え、前記第1および第2の推進ユニット(6a、6b、6c; 6a、6b、6g'、6h'、6c)は前記筐体(2)の第1の側に配置され、前記航空機は、前記第1の側と反対の前記筐体(2)の第2の側に配置される少なくともさらなる第1の推進ユニットおよび少なくともさらなる第2の推進ユニット(6d、6e、6f; 6d、6e、6i'、6j'、6f)を備えることを特徴とする、ならびに/または、
前記第1の推進ユニット(6a、6b、6c、6d、6e、6f; 6a、6b、6g'、6h'、6c、6d、6e、6i'、6j'、6f)はそれぞれの前記第1の軸(E、F、G、H、I、J; E、F、K、L、G、H、I、M、N、J)の周りに回転可能なロータであることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の航空機。
【請求項6】
前記航空機は、さらなる第1の推進ユニット(6a、6b、6c、6d、6e、6f; 6a、6b、6g'、6h'、6c、6d、6e、6i'、6j'、6f)およびさらなる第2の推進ユニット(6a、6b、6c、6d、6e、6f; 6a、6b、6g'、6h'、6c、6d、6e、6i'、6j'、6f)を備え、
前記第1の推進ユニット(6a、6b、6c、6d、6e、6f; 6a、6b、6g'、6h'、6c、6d、6e、6i'、6j'、6f)および前記さらなる第1の推進ユニット(6a、6b、6c、6d、6e、6f; 6a、6b、6g'、6h'、6c、6d、6e、6i'、6j'、6f)は、それぞれの第1の軸(E、H; E、H)に沿って方向付けられるそれぞれの第1の推力を発生させるように構成されるそれぞれの第1のロータ(6a、6d; 6a、6d)を備え、前記第1のロータ(6a、6d; 6a、6d)はそれぞれの第1の軸(E、H; E、H)の周りに回転可能であり、
前記第2の推進ユニット(6a、6b、6c、6d、6e、6f; 6a、6b、6g'、6h'、6c、6d、6e、6i'、6j'、6f)および前記さらなる第2の推進ユニット(6a、6b、6c、6d、6e、6f; 6a、6b、6g'、6h'、6c、6d、6e、6i'、6j'、6f)は、それぞれの第2の軸(F、I; F、I)に沿って方向付けられるそれぞれの第2の推力(T2、T5; T2、T5)を発生させるように構成されるそれぞれの第2のロータ(6b、6e; 6b、6e)を備え、前記第2のロータ(6b、6e; 6b、6e)はそれぞれの第2の軸(F、I; F、I)の周りに回転可能であり、
前記第1および第2のロータ(6a、6d; 6b、6e)は、互いに対して独立して調節可能な手法で前記第1および第2の推力(T1、T4、T2、T5; T1、T4、T2、T5)を発生させるように、互いから独立した手法で動作させられるように構成され、
前記航空機(1、1'、1'''、1''''、1'''''、1''''''、1'''''''、1''''''''、1'''''''''、1''''''''''、1'''''''''''、1''''''''''''、1''''''''''''')は、
前記筐体(2)を定め、前記機首(3)および前記尾部(4)が設けられる胴体(2)と、
前記胴体(2)の側方に配置され、前記胴体(2)から片持ち梁の様態で突出する翼(8a、8b)の対と、
を備え、
前記第1のロータ(6a、6d; 6a、6d)は、前記第1の方向(Y)と平行に前記機首(3)と前記第2のロータ(6b、6e; 6b、6e)との間に置かれ、前記第2のロータ(6b、6e; 6b、6e)は、前記第1の方向(Y)と平行に前記第1のロータ(6a、6d; 6a、6d)と前記尾部(4)との間に置かれ、
前記航空機(1、1'、1'''、1''''、1'''''、1''''''、1'''''''、1''''''''、1'''''''''、1''''''''''、1'''''''''''、1''''''''''''、1''''''''''''')は、さらなる第3の推進ユニット(6a、6b、6c、6d、6e、6f; 6a、6b、6g'、6h'、6c、6d、6e、6i'、6j'、6f)をさらに備え、
前記第3の推進ユニット(6a、6b、6c、6d、6e、6f; 6a、6b、6g'、6h'、6c、6d、6e、6i'、6j'、6f)および前記さらなる第3の推進ユニット(6a、6b、6c、6d、6e、6f; 6a、6b、6g'、6h'、6c、6d、6e、6i'、6j'、6f)は、前記第1の方向(Y)と平行に前記第1および第2のロータ(6a、6d、6b、6e; 6a、6d、6b、6e)の間に置かれたそれぞれの第3のロータ(6c、6f; 6c、6f)を備え、
前記第3のロータ(6c、6f; 6c、6f)は、前記第3の角度(γ)で前記第1の方向(Y)に対して傾斜しているそれぞれの第3の軸(G、J; G、J)に沿ってそれぞれの第3の推力(T3、T6; T3、T6)を使用中に発生させ、前記第3のロータ(6c、6f; 6c、6f)はそれぞれの第3の軸(G、J; G、J)の周りに回転可能であり、
前記第3の角度(γ)は、前記第3の軸(G、J; G、J)によって前記機首(3)に向けて配向され、
前記航空機(1、1'、1'''、1''''、1'''''、1''''''、1'''''''、1''''''''、1'''''''''、1''''''''''、1'''''''''''、1''''''''''''、1''''''''''''')は、前記第1のロータ(6a、6d; 6a、6d)、前記第2のロータ(6b、6e; 6b、6e)、および前記第3のロータ(6c、6f; 6c、6f)の第1の動作構成を通じて前記第1の姿勢に配置され、前記第1の姿勢では、
前記第2のロータ(6b、6e; 6b、6e)は、それぞれの第2の軸(F、I; F、I)が前記第2の方向(V)と平行となり、それぞれの第2の推力(T2、T5; T2、T5)が互いと等しくなるように配向され、
前記第1のロータ(6a、6d; 6a、6d)は、それぞれの第1の軸(E、H; E、H)が前記第2の方向(V)に対して第4の角度(δ1)で傾斜し、それぞれの前記第1の推力(T1、T4; T1、T4)が互いと等しくなるように配向され、
前記第3のロータ(6c、6f; 6c、6f)は、それぞれの第3の軸(G、J; G、J)が前記第2の方向(V)に対して第5の角度(ω1)で傾斜し、それぞれの前記第3の推力(T3、T6; T3、T6)が互いと等しくなるように配向され、
前記航空機(1、1'、1'''、1''''、1'''''、1''''''、1'''''''、1''''''''、1'''''''''、1''''''''''、1'''''''''''、1''''''''''''、1''''''''''''')は、前記第1のロータ(6a、6d; 6a、6d)、前記第2のロータ(6b、6e; 6b、6e)、および前記第3のロータ(6c、6f; 6c、6f)の第2の動作構成を通じて前記第2の姿勢に配置され、前記第2の姿勢では、
前記第1のロータ(6a、6d; 6a、6d)は、それぞれの前記第1の軸(E、H; E、H)が、互いと等しいそれぞれの第3の角度(δ2)で前記第2の方向(V)に対して傾斜し、互いと等しく、同じ絶対値を有し、前記尾部(4)から前記機首(3)に向けて方向付けられる第3の方向(O)と平行な第1の成分と、前記第2の方向(V)と平行な第1の成分と、を有するそれぞれの第1の推力(T1、T4; T1、T4)を発生させるように配向され、
前記第2のロータ(6b、6e; 6b、6e)は、それぞれの前記第2の軸(F、I; F、I)が、前記第3のロータ(6c、6f; 6c、6f)の前記第3の軸(G、J; G、J)の対応する前記第5の角度(ω2)より大きいそれぞれの第4の角度で前記第2の方向(V)に対して傾斜し、互いと等しく、同じ絶対値を有し、前記第3の方向(O)と平行な第2の成分と、前記第2の方向(V)と平行な第2の成分と、を有するそれぞれの推力(T2、T5; T2、T5)を発生させるように配向され、
前記第3のロータ(6c、6f; 6c、6f)は、それぞれの前記第3の軸(G、J; G、J)およびそれぞれの前記推力(T3、T6; T3、T6)が前記第2の方向(V)と平行になるように配向される、ことを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の航空機。
【請求項7】
先尾翼構成を有し、前記機首(3)において前記胴体(2)から側方に突出する空気力学的表面(100'''、100''''、100'''''、100'''''')の対を備えることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の航空機。
【請求項8】
前記第1のロータ(6a、6d)は、それぞれの前記空気力学的表面(100'''、100''''、100'''''、100'''''')によって支持されることを特徴とする、請求項7に記載の航空機。
【請求項9】
前記第1のロータ(6a、6d)は、前記胴体(2)とは反対の前記空気力学的表面(100'''、100''''、100'''''、100'''''')のそれぞれの端(102'''、102''''、102'''''、102'''''')によって支持されることを特徴とする、請求項8に記載の航空機。
【請求項10】
前記空気力学的表面(100'''、100''''、100'''''、100'''''')がそれぞれの自由端(102'''、102''''、102'''''、102'''''')を備えること、および、前記第1のロータ(6a、6d)の各々は前記胴体(2)とそれぞれの前記自由端(102'''、102''''、102'''''、102'''''')との間に置かれることを特徴とする、請求項8に記載の航空機。
【請求項11】
前記第1のロータ(6a、6d)が包まれることを特徴とする、請求項8から10のいずれか一項に記載の航空機。
【請求項12】
それぞれの前記自由端(102''''')が平面であることを特徴とする、請求項9から11のいずれか一項に記載の航空機。
【請求項13】
それぞれの前記端(102'''''')が、前記胴体(2)に対する反対側において凹状であることを特徴とする、請求項9から11のいずれか一項に記載の航空機。
【請求項14】
それぞれの前記空気力学的表面(100'''')によって支持される追加の着陸装置(110'''')の対を備えることを特徴とする、請求項7から13のいずれか一項に記載の航空機。
【請求項15】
前記追加の着陸装置(110'''')が、それぞれの前記第1のロータ(6a、6d)の下方に配置されることを特徴とする、請求項14に記載の航空機。
【請求項16】
前記第1の角度(α)が25度から40度の間の範囲であり、好ましくは40度であり、
前記第2の角度(β)が75度から105度の間の範囲であり、好ましくは90度であり、
前記第3の角度(γ)が75度から115度の間の範囲であり、好ましくは95度である、ことを特徴とする、請求項1から15のいずれか一項に記載の航空機。
【請求項17】
前記第1の角度(α)が75度から100度の間の範囲であり、好ましくは95度であり、
前記第2の角度(β)が75度から100度の間の範囲であり、好ましくは90度であり、
前記第3の角度(γ)が25度から65度の間の範囲であり、好ましくは45度である、ことを特徴とする、請求項1から15のいずれか一項に記載の航空機。
【請求項18】
前記第1の角度(α)が70度から95度の間の範囲であり、好ましくは85度であり、
前記第2の角度(β)が25度から55度の間の範囲であり、好ましくは40度であり、
前記第3の角度(γ)が65度から95度の間の範囲であり、好ましくは85度である、ことを特徴とする、請求項1から15のいずれか一項に記載の航空機。
【請求項19】
前記第1の角度(α)が25度から60度の間の範囲であり、好ましくは40度であり、
前記第2の角度(β)が75度から100度の間の範囲であり、好ましくは90度であり、
前記第3の角度(γ)が75度から100度の間の範囲であり、好ましくは95度である、ことを特徴とする、請求項1から15のいずれか一項に記載の航空機。
【請求項20】
前記第1の角度(α)が75度から100度の間の範囲であり、好ましくは90度であり、
前記第2の角度(β)が45度から75度の間の範囲であり、好ましくは60度であり、
前記第3の角度(γ)が25度から60度の間の範囲であり、好ましくは40度である、ことを特徴とする、請求項1から15のいずれか一項に記載の航空機。
【請求項21】
前記第1の軸(E、H)および/または前記第2の軸(F、I)および/または前記第3の軸(G、J)が互いに対して傾斜していることを特徴とする、請求項1から20のいずれか一項に記載の航空機。
【請求項22】
前記第1の軸(E、H)および/または前記第2の軸(F、I)および/または前記第3の軸(G、J)が、前記第1の方向(Y)および前記第3の軸(X)に対して直交する第5の軸(Z)に対して対称であることを特徴とする、請求項21に記載の航空機。
【請求項23】
前記第1の軸(E、H)および/または前記第2の軸(F、I)および/または前記第3の軸(G、J)が、着陸装置(10)から前記翼(8a、8b)へと上向きに進むにつれて、前記第5の軸(Z)に対して集束または発散することを特徴とする、請求項22に記載の航空機。
【請求項24】
前記第1の軸(E、H)および/または前記第2の軸(F、I)および/または前記第3の軸(G、J)が、前記第3の軸(X)と75度から85度の範囲にある鋭角の第6の角度(ε1)を定め、前記第6の角度(ε1)は好ましくは80度であることを特徴とする、請求項23に記載の航空機。
【請求項25】
前記第3の角度(γ)が、前記第1の角度(α)より大きく、かつ前記第2の角度(β)より小さいことを特徴とする、請求項1から24のいずれか一項に記載の航空機。
【請求項26】
垂直離着陸が可能な航空機(1、1'、1'''、1''''、1'''''、1''''''、1'''''''、1''''''''、1'''''''''、1''''''''''、1'''''''''''、1''''''''''''、1''''''''''''')を制御するための方法であって、
i) 第1の推進ユニット(6a、6b、6c、6d、6e、6f; 6a、6b、6g'、6h'、6c、6d、6e、6i'、6j'、6f)を用いて、第1の軸(E、F、G、H、I、J; E、F、K、L、G、H、I、M、N、J; E、G、H、J)に沿って方向付けられる第1の推力(T1、T2、T3、T4、T5、T6; T1、T2、T7、T8、T3、T4、T5、T9、T10、T6; T1、T3、T4、T6)を発生させるステップと、
ii) 前記第1の推進ユニット(6a、6b、6c、6d、6e、6f; 6a、6b、6g'、6h'、6c、6d、6e、6i'、6j'、6f)から独立して動作させることができる第2の推進ユニット(6a、6b、6c、6d、6e、6f; 6a、6b、6g'、6h'、6c、6d、6e、6i'、6j'、6f)を用いて、第2の軸(E、F、G、H、I、J; E、F、K、L、G、H、I、M、N、J; E、G、H、J)に沿って方向付けられる第2の推力(T1、T2、T3、T4、T5、T6; T1、T2、T7、T8、T3、T4、T5、T9、T10、T6)を発生させるステップと、
iii) 前記第1の推力および前記第2の推力(T1、T2、T3、T4、T5、T6; T1、T2、T7、T8、T3、T4、T5、T9、T10、T6)を互いから独立して調節するステップと、
を含み、
前記第1の軸および前記第2の軸(E、F、G、H、I、J; E、F、K、L、G、H、I、M、N、J)は、前記航空機(1、1'、1'''、1''''、1'''''、1''''''、1'''''''、1''''''''、1'''''''''、1''''''''''、1'''''''''''、1''''''''''''、1''''''''''''')の第1の長手方向(Y)に対して互いと傾斜しており、前記方法は、
iv) それぞれの前記第1および第2の推力(T1、T2、T3、T4、T5、T6; T1、T2、T7、T8、T3、T4、T5、T9、T10、T6)の前記第1および第2の軸(E、F、G、H、I、J; E、F、K、L、G、H、I、M、N、J)を、前記航空機(1、1'、1'''、1''''、1'''''、1''''''、1'''''''、1''''''''、1'''''''''、1''''''''''、1'''''''''''、1''''''''''''、1''''''''''''')に対して固定されたままに維持するステップ、を含み、
前記航空機(1、1'、1'''、1''''、1'''''、1''''''、1'''''''、1''''''''、1'''''''''、1''''''''''、1'''''''''''、1''''''''''''、1''''''''''''')は、前記第1の方向(Y)に沿って互いの反対側に配置される機首(3)および尾部(4)をさらに備え、
前記第1の推進ユニット(6a、6b、6c、6d、6e、6f; 6a、6b、6g'、6h'、6c、6d、6e、6i'、6j'、6f)は、前記第1の方向(Y)と平行に前記機首(3)と前記第2の推進ユニット(6a、6b、6c、6d、6e、6f; 6a、6b、6g'、6h'、6c、6d、6e、6i'、6j'、6f; 6a、6c)との間に置かれ、前記第2の推進ユニット(6a、6b、6c、6d、6e、6f; 6a、6b、6g'、6h'、6c、6d、6e、6i'、6j'、6f)は、前記第1の方向(Y)と平行に前記第1の推進ユニット(6a、6b、6c、6d、6e、6f; 6a、6b、6g'、6h'、6c、6d、6e、6i'、6j'、6f)と前記尾部(4)との間に置かれ、
前記第1の軸および前記第2の軸(E、F、G、H、I、J; E、F、K、L、G、H、I、M、N、J)は、互いと異なるそれぞれの第1および第2の角度(α、β)で、前記航空機(1、1')の前記第1の長手方向(Y)に対して互いと傾斜しており、
前記第1の角度(α)は、前記第1の軸(E、F、G、H、I、J; E、F、K、L、G、H、I、M、N、J)から前記機首(3)に向けて配向され、前記第2の角度(β)は、前記第1の軸(E、F、G、H、I、J; E、F、K、L、G、H、I、M、N、J)から前記機首(3)に向けて配向され、
前記第1の角度(α)は前記第2の角度(β)より小さく、前記方法は、
前記航空機(1、1'、1'''、1''''、1'''''、1''''''、1'''''''、1''''''''、1'''''''''、1''''''''''、1'''''''''''、1''''''''''''、1''''''''''''')を、
離陸/着陸および/またはホバリングの状態の間に取られる第1の姿勢であって、前記航空機(1、1'、1'''、1''''、1'''''、1''''''、1'''''''、1''''''''、1'''''''''、1''''''''''、1'''''''''''、1''''''''''''、1''''''''''''')が、使用中に垂直に配置される第2の方向(V)に沿って移動可能である、第1の姿勢と、
前方飛行状態の間に取られる第2の姿勢であって、前記航空機(1、1'、1'''、1''''、1'''''、1''''''、1'''''''、1''''''''、1'''''''''、1''''''''''、1'''''''''''、1''''''''''''、1''''''''''''')が、前記第2の方向(V)を横断する第3の方向(O)に沿って移動可能である、第2の姿勢と、
の間で選択的に移動させるステップv)をさらに含み、
前記ステップiv)は、具体的には、前記航空機(1、1'、1'''、1''''、1'''''、1''''''、1'''''''、1''''''''、1'''''''''、1''''''''''、1'''''''''''、1''''''''''''、1''''''''''''')を前記第1の姿勢と前記第2の姿勢との間で移動させるために、前記第1の方向(Y)を横断する第3の軸(X)の周りに前記航空機(1、1'、1'''、1''''、1'''''、1''''''、1'''''''、1''''''''、1'''''''''、1''''''''''、1'''''''''''、1''''''''''''、1''''''''''''')を傾斜させるステップv)を含み、前記方法は、
vi) 前記第1の方向(Y)と平行に前記第1および第2の推進ユニット(6a、6b、6c、6d、6e、6f; 6a、6b、6g'、6h'、6c、6d、6e、6i'、6j'、6f)の間に第3の推進ユニット(6a、6b、6c、6d、6e、6f; 6a、6b、6g'、6h'、6c、6d、6e、6i'、6j'、6f)を置くステップと、
vii) 前記第3の推進ユニット(6a、6b、6c、6d、6e、6f; 6a、6b、6g'、6h'、6c、6d、6e、6i'、6j'、6f)を用いて、第3の角度(γ)で前記第1の方向(Y)に対して傾斜している第3の軸(E、F、G、H、I、J; E、F、K、L、G、H、I、M、N、J)に沿って第3の推力(T1、T2、T3、T4、T5、T6; T1、T2、T7、T8、T3、T4、T5、T9、T10、T6)を発生させるステップと、
をさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項27】
前記航空機(1、1'、1'''、1''''、1'''''、1''''''、1'''''''、1''''''''、1'''''''''、1''''''''''、1'''''''''''、1''''''''''''、1''''''''''''')が前記第1の姿勢にあるとき、前記第1および第2の推進ユニット(6a、6b、6c、6d、6e、6f; 6a、6b、6g'、6h'、6c、6d、6e、6i'、6j'、6f)の少なくとも一方(6a、6c、6d、6f; 6a、6g'、6h'、6c、6d、6e、6i'、6f)を作動停止し、前記第1および第2の推進ユニット(6a、6b、6c、6d、6e、6f; 6a、6b、6g'、6h'、6c、6d、6e、6i'、6j'、6f)の他方(6b、6e; 6g'、6i')を用いて、前記第2の方向(V)と平行なそれぞれの前記第1または第2の推力(T2、T5; T8、T10)を発生させるステップviii)を含むことを特徴とする、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記第1の方向(Y)の周りでの回転、前記第1の方向(Y)を横断する第4の方向(X)の周りでの、前記航空機(1、1')と一体の回転、および、前記第4および第5の方向(Y、Z)を横断する前記第5の方向(Z)の周りでの回転を制御するように、前記第1および第2の推力(T1、T2、T3、T4、T5、T6; T1、T2、T7、T8、T3、T4、T5、T9、T10、T6)の絶対値を調節するステップix)を備えることを特徴とする、請求項26または27に記載の方法。
【請求項29】
x) それぞれの第1の軸(E、H; E、H)に沿って方向付けられるそれぞれの第1の推力(T1、T4; T1、T4)を、それぞれの前記第1の軸(E、H; E、H)の周りに回転可能なそれぞれの第1のロータ(6a、6d; 6a、6d)と共に前記第1の推進ユニット(6a、6b、6c、6d、6e、6f; 6a、6b、6g'、6h'、6c、6d、6e、6i'、6j'、6f)およびさらなる第1の推進ユニット(6a、6b、6c、6d、6e、6f; 6a、6b、6g'、6h'、6c、6d、6e、6i'、6j'、6f)を用いて発生させるステップと、
xi) それぞれの第2の軸(F、I; F、I)に沿って方向付けられるそれぞれの第2の推力(T2、T5; T2、T5)を、前記第1のロータ(6a、6d; 6a、6d)から独立して動作させることができるそれぞれの第2のロータ(6b、6e; 6b、6e)と共に前記第2の推進ユニット(6a、6b、6c、6d、6e、6f; 6a、6b、6g'、6h'、6c、6d、6e、6i'、6j'、6f)およびさらなる第2の推進ユニット(6a、6b、6c、6d、6e、6f; 6a、6b、6g'、6h'、6c、6d、6e、6i'、6j'、6f)を用いて発生させるステップであって、前記第2のロータ(6b、6e; 6b、6e)はそれぞれの前記第2の軸(E、F; E、F)の周りに回転可能であり、前記航空機(1、1')は、
前記機首(3)および前記尾部(4)が設けられる胴体(2)、ならびに、
前記胴体(2)の側方に配置され、前記胴体(2)から片持ち梁の様態で突出する翼(8a、8b)の対、をさらに備える、ステップと、
を含み、
前記方法は、前記第1の方向(Y)と平行に前記第1のロータ(6a、6d; 6a、6d)と前記第2のロータ(6b、6e; 6b、6e)との間に、それぞれの第3の推進ユニット(6a、6b、6c、6d、6e、6f; 6a、6b、6g'、6h'、6c、6d、6e、6i'、6j'、6f)およびさらなる推進ユニット(6a、6b、6c、6d、6e、6f; 6a、6b、6g'、6h'、6c、6d、6e、6i'、6j'、6f)の第3のロータ(6c、6f; 6c、6f)を置くステップxii)と、
xii) 前記第3のロータ(6c、6f; 6c、6f)を用いて、前記第3の角度(γ)で前記第1の方向(Y)に対して傾斜しているそれぞれの第4の軸(G、J; G、J)に沿ってそれぞれの第3の推力(T3、T6; T3、T6)を発生させるステップと、
xiii) 前記第1のロータ(6a、6d)、前記第2のロータ(6b、6e)、および前記第3のロータ(6c、6f)の第1の動作構成を通じて、前記航空機(1、1'、1'''、1''''、1'''''、1''''''、1'''''''、1''''''''、1'''''''''、1''''''''''、1'''''''''''、1''''''''''''、1''''''''''''')を前記第1の姿勢で配置するステップであって、前記第1の動作構成では、
前記第2のロータ(6b、6e)は、それぞれの第2の軸(F、I; F、I)が前記第2の方向(V)と平行となり、それぞれの第2の推力(T2、T5)が互いと等しくなるように配向され、
前記第1のロータ(6a、6d)は、それぞれの第1の軸(E、H; E、H)が前記第2の方向(V)に対して第1の角度(δ1)で傾斜し、それぞれの前記第1の推力(T1、T4; T1、T4)が互いと等しくなるように配向され、
前記第3のロータ(6c、6f)は、それぞれの第4の軸(G、J; G、J)が前記第2の方向(V)に対して第2の角度(ω1)で傾斜し、それぞれの前記第3の推力(T3、T6; T3、T6)が互いと等しくなるように配向される、ステップと、
xiv) 前記第1のロータ(6a、6d)、前記第2のロータ(6b、6e)、および前記第3のロータ(6c、6f)の第2の動作構成を通じて、前記航空機(1、1'、1'''、1''''、1'''''、1''''''、1'''''''、1''''''''、1'''''''''、1''''''''''、1'''''''''''、1''''''''''''、1''''''''''''')を前記第2の姿勢で配置するステップであって、前記第2の姿勢では、
前記第1のロータ(6a、6d)は、それぞれの前記第1の軸(E、H)が、互いと等しいそれぞれの第3の角度(δ2)で前記第2の方向(V)に対して傾斜し、互いと等しく、同じ絶対値を有し、前記尾部(4)から前記機首(3)に向けて方向付けられる第3の方向(O)と平行な第1の成分と、前記第2の方向(V)と平行な第1の成分と、を有するそれぞれの第1の推力(T1、T4)を発生させるように配向され、
前記第2のロータ(6b、6e)は、それぞれの前記第2の軸(F、I)が、前記第3のロータ(6c、6f; 6c、6f)の前記第3の軸(G、J)の対応する前記第5の角度(ω2)より大きいそれぞれの第4の角度で前記第2の方向(V)に対して傾斜し、互いと等しく、同じ絶対値を有し、前記第3の方向(O)と平行な第2の成分と、前記第2の方向(V)と平行な第2の成分と、を有するそれぞれの第2の推力(T2、T5; T2、T5)を発生させるように配向され、
前記第3のロータ(6c、6f; 6c、6f)は、それぞれの前記第3の軸(G、J; G、J)およびそれぞれの前記推力(T3、T6; T3、T6)が前記第2の方向(V)と平行になるように配向される、ステップと、
をさらに含むことを特徴とする、請求項26から28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記第1のロータ(6a、6d)のうちの1つ(6a)と、前記第3のロータ(6c、6f)のうちの1つ(6c)と、は前記胴体(2)の同じ第1の側に配置され、前記第1のロータ(6a、6d)のうちの他の1つ(6d)と、前記第3のロータ(6c、6f)のうちの他の1つ(6f)と、は前記胴体(2)の前記第1の側と反対の同じ第2の側に配置され、前記方法は、
xv) 前記第4の方向(X)に沿って第4の差分推力(T4x-T1x)を発生させるように、前記第1のロータ(6a、6d)によって発生させられる前記第1の推力(T1、T4)を制御するステップと、
xvi) 前記第4の方向(X)に沿って、前記第4の差分推力(T4x-T1x)と反対に方向付けられる第5の差分推力(T3x-T6x)を発生させるように、前記第3のロータ(6c、6f)によって発生させられる前記推力(T3、T6)を制御するステップと、
を含み、
前記第4および第5の差分推力(T4x-T1x、T3x-T6x)は、前記航空機(1''''''''''''、1''''''''''''')において前記第5の軸(Z)に沿ってトルクを発生させる、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
xvi) 前記第1のロータ(6a、6d)のうちの前記1つ(6a)、および、前記第3のロータ(6c、6f)のうちの前記他の1つ(6f)を、同じ方向に回転するように、同じ第1の値の第4の推力(T1、T6)で駆動するステップと、
xvii) 前記第1のロータ(6a、6d)のうちの前記他の1つ(6d)、および、前記第3のロータ(6c、6f)のうちの前記1つ(6c)を、前記第1のロータ(6a、6d)のうちの前記1つ(6a)および前記第3のロータ(6c、6f)のうちの前記他の1つ(6f)の回転方向と反対の、同じさらなる方向に回転するように、前記同じ第1の値より大きい同じ第2の値の推力(T3、T4)で駆動するステップと、
を含むことを特徴とする、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記第3の角度(γ)は、前記第1の角度(α)より大きく、前記第2の角度(β)より小さい、請求項26から31のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本特許出願は、2019年4月23日に出願された欧州特許出願第19170690.2号からの優先権を主張し、その特許出願の全体の開示が、本明細書において参照により組み込まれている。
【0002】
本発明は、垂直離着陸が可能な航空機に関する。
【背景技術】
【0003】
垂直離着陸が可能で、中距離から長距離の経路をより短い時間で進むことができるだけの十分に高い巡航速度を有する飛行機に対する要求が、20世紀の後半から航空産業において認識されている。
【0004】
この要求に対するある程度の解決策は、ヘリコプタおよび転換式航空機によってもたらされているが、欠点がないわけではない。
【0005】
ヘリコプタはおおよそ350km/hの最高速度を実質的に有する。
【0006】
転換式航空機は、
- 第1の軸に沿って延びる胴体と、
- 第2の軸に沿って延び、第2の軸の周りで傾くそれぞれのエンジンを支持する一対の翼と、
を基本的に備える。
【0007】
より明確には、転換式航空機は、エンジンが前述の第1の軸および第2の軸に対して直交するそれぞれの第3の回転軸を有するように配置されるとき、ヘリコプタの構成を取る。
【0008】
また、転換式航空機は、エンジンが第1の軸と平行なそれぞれの第3の軸を有するように配置されるとき、飛行機の構成を取る。
【0009】
ヘリコプタの構成と飛行機の構成との間で移行を実行するために、エンジンを第2の軸の周りで斜めにすることが必要であるという事実のため、転換式航空機は特に構造の視点から複雑である。
【0010】
この要求を満たすために提案されたさらなる解決策は、垂直離着陸(VTOL)航空機によってもたらされている。
【0011】
VTOL航空機は、離陸/着陸の間に垂直方向に、または、水平飛行の間に水平方向に、生じる推力を向けるように配向可能な排気ノズルを伴うエンジンを有する。
【0012】
それらの普及および効率にも拘らず、VTOL航空機の構造上の構成は特に複雑である。これは、航空機の離陸/着陸/飛行の状態に応じてエンジンの推力の方向を選択的に配向することが必要であるという事実に由来する。
【0013】
そのため、転換式航空機、および配向可能な推力を伴う航空機に匹敵する飛行性能を確保すると同時に、構造および動作の視点から最小限の複雑さであり、できるだけ軽量および低コストである垂直離着陸航空機に対する要求の認識が業界にある。
【0014】
特許文献1は、
- 胴体と、
- 胴体の第1の側に配置された第1の推進ユニットの対と、
- 第1の側と反対の胴体の第2の側に配置された第2の推進ユニットの対と、
を基本的に備えるマルチコプタを説明している。
【0015】
各々の第1(第2)の推進ユニットは、互いに対して傾斜しているそれぞれの回転軸の周りで回転可能な2つのロータを基本的に備える。
【0016】
結果として、各々の第1(第2)の推進ユニットのロータは、互いに対して傾斜している第1の方向および第2の方向にそれぞれ配向される第1の推力および第2の推力をそれぞれ発生させる。
【0017】
前述の第1の推力および第2の推力は、第1の方向および第2の方向によって定められる平面において配向される推力ベクトルを有する。
【0018】
各々の第1(第2)の推進ユニットのロータの回転速度を制御することで、および/または、関連する動翼のピッチを調節することで、第1(第2)の推進ユニットによって発生させられる全体の推力ベクトルの方向を配向し、その推力ベクトルの絶対値を調節することが可能である。
【0019】
第1(第2)の推進ユニットは、航空機の長手方向に対して互いと異なる傾斜の角度を有してもいる。
【0020】
特許文献2は、請求項1によるゼロの移行の垂直離着陸航空機と、請求項26による制御の方法と、を開示している。
【0021】
特許文献3は、幅広いロータの構成を伴うマルチコプタ航空機を開示している。様々な実施形態において、マルチコプタは胴体と複数のロータとを備える。複数のロータは内側ロータと外側ロータとを備え、内側ロータは外側ロータまたは胴体によって実質的に包囲されている。内側ロータと外側ロータとは、胴体に対するそれらの配置に少なくとも一部で基づいて斜めにさせられ得る。
【0022】
特許文献4は、個人用航空機の翼に取り外し可能に取り付け可能なロータ搭載ブームを伴うロータ搭載ブーム組立体と、1つ以上の垂直揚力ロータと、1つ以上のロータ制御装置組立体とを開示している。各々のロータのための制御装置組立体は、ロータからの吹き下ろしが、制御装置組立体の構成要素を冷却するために、制御装置組立体にわたっての空気流の増加をもたらすように、ロータ搭載ブームに位置付けられる。ロータ制御装置格納部が、格納部を通じた空気流を許容して制御装置の構成要素を冷却するために、空気入口と空気出口とを備える。空気入口は、空気入口へと流れるロータからの吹き下ろしが最大とされるように、ロータ動翼の経路に対して位置決めされる。格納部の構造は、格納部を通る空気流を増加させるための特徴を含んでいる。
【0023】
特許文献5は、航空機に対して実質的に垂直に上向きに推力を発生させる複数の推力発生装置と、推力発生装置を駆動する第1の原動機と、乗員座席とが設けられた垂直離着陸航空機を開示している。推力発生装置のうちの少なくとも1つは、航空機の前部分または後部分のいずれかに配置され、残りの1つ以上の推力発生装置は、後部分または前部分のうち、推力発生装置のうちの上記少なくとも1つが配置されない方に配置される。原動機と、乗員座席の着座面とは、航空機の前部分における推力発生装置のうちの少なくとも1つと、航空機の後部分における推力発生装置のうちの少なくとも1つとの間において、すべての推力発生装置より低い位置に配置される。垂直離着陸航空機の重心は、航空機の中心よりも下方であり、推力発生装置によって発生させられる推力のため、航空機が飛行中であるときに垂れ下がる。
【0024】
特許文献6は、上向きに延びる後部分において第1のダクトおよび第2のダクトが貫いて形成された本体部材を備える翼のない航空機を開示している。ダクトは、逆さまにされたY字の形で互いに対しておおよそ30度の角度で形成される。逆さまにされたV字は本体部材に沿って延び、より後方のダクトは、翼型の前記上向きに延びる後部分によって形成される。翼型は飛んでいる位置において揚力を提供し、第1の推進手段が第1のダクトに搭載され、第2の推進手段が第2のダクトに搭載され、空気力学的な制御手段が、ピッチ、ヨー、およびロールにおいて航空機を制御するために前記本体部材に搭載される。
【0025】
特許文献7は、翼本体と、モータと、プロペラとを備える翼を開示している。翼本体は、補助翼構造を有していない従来の翼と同一である。
【0026】
特許文献8は、飛行中に固有の安定性を伴って、地面に対して制御された垂直上昇および制御された垂直下降が可能であるダクトファン飛行乗り物を開示している。
【0027】
特許文献9は、
- 胴体と、
- 胴体の側方に配置され、胴体に対して斜めになることができる複数のロータと
を備えるマルチコプタを説明している。
【0028】
特許文献10は、
- 胴体と、
- 胴体の相互に反対の側からそれぞれ片持ち梁の様態で突出する翼の対と、
- 翼のうちの一方によって支持され、前記翼の延在の方向に沿って並んで配置され、互いに対して傾斜された第1の軸をそれぞれ有する複数の第1のロータと、
- 他方の翼によって支持され、前記翼の延在の方向に沿って並んで配置され、互いに対して傾斜された第2の軸をそれぞれ有する複数の第2のロータと、
を備えるマルチコプタを説明している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0029】
【特許文献1】欧州特許出願公開第3354560号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2014/0158815号明細書
【特許文献3】国際公開第2018/038822号パンフレット
【特許文献4】米国特許第9,764,833号明細書
【特許文献5】米国特許出願公開第2005/0230524(A)号明細書
【特許文献6】米国特許第2,828,929号明細書
【特許文献7】中華人民共和国特許出願公開第109263906明細書
【特許文献8】米国特許第935,884号明細書
【特許文献9】米国特許出願公開第2006/0226281号明細書
【特許文献10】国際公開第2018/075412号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0030】
本発明の目的は、前述の要求を簡単で安価な手法で満たすことができる垂直離着陸が可能な航空機の創出である。
【課題を解決するための手段】
【0031】
前述の目的は、請求項1において請求されている垂直離着陸が可能な航空機に関する限りにおいて、本発明によって達成される。
【0032】
本発明は、請求項26において請求されている垂直離着陸が可能な航空機のための制御方法にも関する。
【0033】
本発明のより良い理解のために、純粋に非限定的な例を用い、添付の図面を参照して、以後において14個の好ましい実施形態が記載される。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】離陸/着陸位置における、本発明の原理に従って構築された垂直離着陸が可能な航空機の第1の実施形態の正面図である。
図2図1の航空機の上面図である。
図3図1および図2の航空機の側面図である。
図4】ホバリング状態におけるそれぞれの飛行操縦の実行の間の図1図3の航空機の斜視図である。
図5】ホバリング状態におけるそれぞれの飛行操縦の実行の間の図1図3の航空機の斜視図である。
図6】ホバリング状態におけるそれぞれの飛行操縦の実行の間の図1図3の航空機の斜視図である。
図7】前方飛行状態におけるそれぞれの飛行操縦の実行の間の図1図3の航空機の斜視図である。
図8】前方飛行状態におけるそれぞれの飛行操縦の実行の間の図1図3の航空機の斜視図である。
図9】前方飛行状態におけるそれぞれの飛行操縦の実行の間の図1図3の航空機の斜視図である。
図10】離陸/着陸状態における図1図9の航空機の側面図である。
図11】前方飛行状態における図1図10の航空機の側面図である。
図12】本発明による垂直離着陸が可能な航空機の第2の実施形態の側面図である。
図13】本発明による垂直離着陸が可能な航空機の第2の実施形態の上面図である。
図14】例示の目的だけのために示された垂直離着陸が可能な航空機の第3の実施形態のホバリング状態での側面図である。
図15】例示の目的だけのために示された垂直離着陸が可能な航空機の第3の実施形態の前方飛行状態での側面図である。
図16】本発明による垂直離着陸が可能な航空機の第4の実施形態の斜視図である。
図17】本発明による垂直離着陸が可能な航空機の第5の実施形態の斜視図である。
図18図17の垂直離着陸が可能な航空機の一部の構成要素の下から見た拡大した縮尺比での斜視図である。
図19】本発明による垂直離着陸が可能な航空機の第6の実施形態の斜視図である。
図20】本発明による垂直離着陸が可能な航空機の第7の実施形態の斜視図である。
図21】本発明による垂直離着陸が可能な航空機の第8の実施形態の側面図である。
図22】本発明による垂直離着陸が可能な航空機の第9の実施形態の側面図である。
図23】本発明による垂直離着陸が可能な航空機の第10の実施形態の側面図である。
図24】本発明による垂直離着陸が可能な航空機の第11の実施形態の側面図である。
図25】本発明による垂直離着陸が可能な航空機の第12の実施形態の側面図である。
図26】明確性のために部品が除去されている状態での、本発明による垂直離着陸が可能な航空機の第13の実施形態の後面図である。
図27】第13の実施形態による、本発明による垂直離着陸が可能な航空機の動作ステップを示す概略図である。
図28】明確性のために部品が除去されている状態での、本発明による垂直離着陸が可能な航空機の第14の実施形態の後面図である。
図29】第14の実施形態による、本発明による垂直離着陸が可能な航空機の動作ステップを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図1図11を参照すると、符号1は、本発明の第1の実施形態により構築された垂直離着陸航空機を指示している。
【0036】
より明確には、航空機1は、実質的に垂直方向に離陸および着陸することができ、通常の航空機のように前方飛行において巡航することができる。
【0037】
航空機1はホバリングすることもできる。
【0038】
航空機1は短い離陸/着陸も可能である。
【0039】
航空機1は、
- 互いと反対に機首3および尾部4が設けられる胴体2と、
- 胴体2の尾部4から片持ち梁の様態で突出する固定フィン5と、
- 胴体2によって担持される複数のロータ6a、6b、および6c; 6d、6e、および6fと、
を基本的に備える。
【0040】
航空機1は、胴体2の側方に配置され、胴体2から片持ち梁の様態で突出する翼8aおよび8bの対も備える。
【0041】
航空機1と一体とされ、航空機1の重心に原点を有し、
- 胴体2の延在の方向と平行な軸Yと、
- Y軸と直交する軸Xと、
- X軸およびY軸と直交する軸Zと、
によって形成される3つの軸のセットを特定することが可能である。
【0042】
Y軸、X軸、およびZ軸の周りでの航空機1の回転は、以下の操縦、すなわち、
- ロール、つまり、Y軸の周りでの回転(図5および図8)、
- ピッチ、つまり、X軸の周りでの回転(図4および図7)、および、
- ヨー、つまり、Z軸の周りでの回転(図6および図9)、
と関連付けられる。
【0043】
特に図10および図11を参照すると、地面と一体とされ、
- 垂直に配置され、航空機1の上向き/下向きの移動の方向に対応する軸V、および、
- 水平に配置され、航空機1の前方飛行の方向に対応する軸O、
によって形成される軸の対を特定することも可能である。
【0044】
図示されている場合では、翼8aおよび8bはそれぞれのウイングレット9を備え、ウイングレット9は、胴体2と反対のそれぞれの自由先端に配置されている。
【0045】
より明確には、ウイングレット9は、図示されている場合、それぞれの翼8aおよび8bの胴体2と反対の部分から上向きに突出している。
【0046】
航空機1は、胴体2の下方に配置され、離陸の前および続いての着陸の後に地面に圧し掛かるように適合された複数の着陸装置10も備える。
【0047】
具体的には、ロータ6a、6b、および6cは胴体2の第1の側に配置されており、ロータ6d、6e、および6fは、第1の側と反対の胴体2の第2の側に配置されている。
【0048】
さらにより明確には、航空機1の上面図を参照すると(図2)、ロータ6a、6b、および6cは胴体2の左側に配置されており、ロータ6d、6e、および6fは胴体2の右側に配置されている。
【0049】
機首3から尾部4へと進むとき、ロータ6a、6b、および6cはこの順番で配置されている。
【0050】
同様に、機首3から尾部4へと進むとき、ロータ6d、6e、および6fはこの順番で配置されている。
【0051】
各々のロータ6a、6b、6c、6d、6e、および6fは、具体的には、
- それぞれの軸E、F、G、H、I、およびJの周りで回転可能であるハブ11と、
- ハブ11から、片持ち梁の様態で、放射状に、対応する軸E、F、G、H、I、およびJへと突出する複数の動翼12と、
を備える。
【0052】
ロータ6a、6b、6c、6d、6e、および6fは互いから独立して動作させられる。
【0053】
より明確には、ロータ6a、6b、6c、6d、6e、および6fは、互いから独立して調節可能なそれぞれの推力T1、T2、T3、T4、T5、およびT6を発生させる。
【0054】
推力T1、T2、T3、T4、T5、およびT6は、対応するロータ6a、6b、6c、6d、6e、および6fの軸E、F、G、H、I、およびJとそれぞれ平行である適用の方向をそれぞれ有する。
【0055】
ロータ6aおよび6dの軸EおよびHは、互いと平行であり、Y軸と角度αを定めている。
【0056】
同様に、ロータ6bおよび6eの軸FおよびIは、互いと平行であり、Y軸と角度βを定めている。
【0057】
ロータ6cおよび6fの軸GおよびJは、互いと平行であり、Y軸と角度γを定めている。
【0058】
推力T1およびT4は、互いと平行であり、Y軸に対して角度αで傾斜している。
【0059】
推力T2およびT5は、互いと平行であり、Y軸に対して角度βで傾斜している。
【0060】
推力T3およびT6は、互いと平行であり、Y軸に対して角度γで傾斜している。
【0061】
角度α、β、およびγは、Y軸から、ロータ6aの軸Eおよびロータ6dの軸H、ロータ6bの軸Fおよびロータ6eの軸I、ならびに、ロータ6cの軸Gおよびロータ6fの軸Jへとそれぞれ及ぶ。
【0062】
図示されている場合では、角度αは角度βより小さく、角度βは角度γより小さい。
【0063】
好ましくは、角度α、β、γは互いと異なる。
【0064】
ロータ6a、6b、6c、6d、6e、および6fは好ましくは電気的に駆動される。代替で、ロータ6a、6b、6c、6d、6e、および6fは、燃焼エンジン、ハイブリッド電気燃焼推進システム、または液圧モータによって駆動されてもよい。
【0065】
ロータ6a、6b、6c、6d、6e、および6fは、可変角速度を伴う固定ピッチ、固定ピッチおよび一定角速度、または、可変ピッチおよび可変角速度であり得る。
【0066】
軸E、F、G、H、I、およびJは、航空機1の操縦の間に航空機1のX軸、Y軸、およびZ軸に対して固定される。
【0067】
結果として、関連する推力T1、T2、T3、T4、T5、およびT6の適用の方向は、航空機1のX軸、Y軸、およびZ軸に対して固定されたままである。
【0068】
これに反して、推力T1、T2、T3、T4、T5、およびT6の絶対値および方向は互いから独立して調節可能である。
【0069】
この方法では、それぞれのロータ6a、6b、6c、6d、6e、および6fを航空機1に対して回転させることなく、推力T1、T2、T3、T4、T5、およびT6の推力ベクトルTの絶対値および方向を調節するだけで、航空機1に適用される推力T1、T2、T3、T4、T5、およびT6の推力ベクトルTの絶対値および方向を調節することが可能である。
【0070】
図示されている実施形態では、ロータ6a、6b、6c、6d、6e、および6fはX軸、Y軸、およびZ軸に対して固定位置を維持する。
【0071】
航空機1は、
- パイロットまたは自動操縦によって動作させられ得る制御部16(図10において概略的にのみ示されている)と、
- それぞれの推力T1、T2、T3、T4、T5、およびT6の絶対値および方向を調節して所望の絶対値および方向をもつ推力ベクトルTを発生させるために、制御部16によって動作させられ、ロータ6a、6b、6c、6d、6e、および6fに動作可能に連結された制御ユニット17(図10に略的にのみ示されている)と、
をさらに備える。
【0072】
この記載では、「制御ユニット」という用語によって、制御部16をロータ6a、6b、6c、6d、6e、および6fの推力T1、T2、T3、T4、T5、およびT6のための調整の法則へと変換するように設計された機械的または電子的なフライバイワイヤシステムを意味している。
【0073】
より詳細には、制御ユニット17は、垂直の離陸/着陸、ホバリング、前方飛行、および、航空機1の前述の動作状態同士の間のあらゆる移行を許容するように推力ベクトルTを発生させるようにプログラムされる。
【0074】
制御ユニット17は、
- 推力ベクトルTがV軸と平行であり、上向きに方向付けられる、好ましくは離陸/着陸状態およびホバリング状態において取られる第1の姿勢(図10)に、ならびに、
- 推力ベクトルTが、O軸と平行であり、尾部から機首3に向けて方向付けられる成分と、V軸と平行であり、上向きに方向付けられる成分とを有する、好ましくは前方飛行状態において取られる第2の姿勢(図11)に、
航空機1を選択的に配置するようにプログラムされている。
【0075】
制御ユニット17は、制御部16に基づいて、航空機1を、推力ベクトルTがV軸と平行な成分とO軸と平行な成分とを有する第1の姿勢と第2の姿勢との間の複数の中間姿勢(図示略)に選択的に配置するようにもプログラムされている。
【0076】
好ましくは、航空機1は、X軸と平行な軸の周りでのピッチングによって、第1の姿勢から第2の姿勢へと、および、第2の姿勢から第1の姿勢へと移り変わる。
【0077】
図示されている場合では、航空機1は、尾部4から機首3へと配向される回転によって、つまり、機首を下げる操縦によって、第1の姿勢から第2の姿勢へと移り変わる。
【0078】
具体的には、制御ユニット17は、ロータ6aおよび6b; 6cおよび6d; 6eおよび6fの異なる動作構成を通じて、航空機1を第1の姿勢に配置して維持するようにプログラムされている。
【0079】
より明確には、第1の動作構成(図10)において、
- ロータ6bおよび6eは、それぞれの軸FおよびIが方向Vと平行になるように、ならびに、それぞれの推力T2およびT5が互いと等しく、方向Vと平行に、上向きに方向付けられるように、配向され、
- ロータ6aおよび6dは、それぞれの軸EおよびHが方向Vに対して角度δ1で傾斜するように、ならびに、推力T1およびT4が互いと等しくなるように、配向され、
- ロータ6cおよび6fは、それぞれの軸GおよびJが方向Vに対して角度ω1で傾斜するように、ならびに、それぞれの推力T3およびT6が互いと等しくなるように、配向される。
【0080】
より明確には、制御ユニット17は、O軸と平行な推力T1およびT4の成分が等しくなり、O軸と平行な推力T3およびT6の成分と反対になるように、推力T1およびT4、T3およびT6の絶対値を発生させるようにプログラムされている。
【0081】
制御ユニット17は、V軸と平行な推力T1およびT4、T3およびT6の成分と推力T2、T5の合計が、航空機1を第1の姿勢において維持するために必要なV軸と平行な力と等しくなるように、推力T1およびT4、T3およびT6の絶対値を発生させるようにプログラムされてもいる。
【0082】
第2の動作構成(図示略)において、ロータ6bおよび6eによって発生させられる推力T2およびT5は方向Vと平行であり、ロータ6aおよび6d、6cおよび6fは作動停止させられる。
【0083】
制御ユニット17は、例を用いて以下に記載されている非限定的な方法により、第1の姿勢に配置された航空機1のピッチ、ロール、およびヨーを制御するように、ロータ6a、6b、6c、6d、6e、および6fを制御し、それぞれの推力T1、T2、T3、T4、T5、およびT6を調節するようにもプログラムされている。
【0084】
図4を参照すると、制御ユニット17は、ロータ6aおよび6d(6cおよび6f)の推力T1およびT4(T3およびT6)を増加(低下)させ、ロータ6cおよび6f(6aおよび6d)の推力T3およびT6(T1およびT4)を低下(増加)させることで、第1の姿勢における航空機1のピッチを制御するようにプログラムされている。この方法では、ピッチモーメントがX軸の周りで発生させられる。
【0085】
図5を参照すると、制御ユニット17は、ロータ6a、6b、および6c(6d、6e、および6f)の推力T1、T2、およびT3(T4、T5、およびT6)を増加(低下)させることで、第1の姿勢に配置された航空機1のロールを制御するようにプログラムされている。この方法では、ロールモーメントがY軸の周りで発生させられる。
【0086】
図6を参照すると、制御ユニット17は、ロータ6a、6c、および6e(6b、6d、および6f)の推力T1、T3、およびT5(T2、T4、およびT6)を増加(低下)させることで、第1の姿勢に配置された航空機1のヨーを制御するようにプログラムされている。この方法では、ヨーモーメントがZ軸の周りで発生させられる。
【0087】
制御ユニット17は、ロータ6aおよび6b、6cおよび6d、6eおよび6fの異なる動作構成を通じて、航空機1を第2の姿勢に配置するようにもプログラムされている。
【0088】
より明確には、第3の動作構成(図11)において、
- ロータ6aおよび6dは、それぞれの軸EおよびHが、互いと等しいそれぞれの角度δ2でV軸に対して傾斜し、互いと等しく、同じ絶対値を有し、尾部4から機首3に向けて方向付けられるO軸と平行な第1の成分と、V軸と平行な第1の成分と、を有し、上向きとされたそれぞれの推力T1およびT4を発生させるように配向され、
- ロータ6bおよび6eは、それぞれの軸FおよびIが、ロータ6cおよび6fの軸G、Jの対応する角度ω2より大きい第2の角度でV軸に対して傾斜し、互いと等しく、同じ絶対値を有し、尾部4から機首3に向けて方向付けられるO軸と平行な第2の成分と、V軸と平行な第2の成分と、を有し、上向きとされたそれぞれの推力T2およびT5を発生させるように配向され、
- ロータ6cおよび6fは、それぞれの軸GおよびJとそれぞれの推力T3およびT6とがV軸と平行になるように配向される。
【0089】
図示されている場合では、推力T1およびT4は推力T2およびT5より絶対値が大きい。
【0090】
制御ユニット17は、例を用いて以下に記載されている非限定的な方法により、第2の姿勢(図7図8、および図9)に配置された航空機1のピッチ、ロール、およびヨーを制御するように、ロータ6a、6b、6c、6d、6e、および6fを制御し、それぞれの推力T1、T2、T3、T4、T5、およびT6を調節するようにプログラムされている。
【0091】
図7を参照すると、制御ユニット17は、ロータ6cおよび6f(6aおよび6d)の推力T3およびT6(T1およびT4)を増加(低下)させ、ロータ6aおよび6d(6cおよび6f)の推力T1およびT4(T3およびT6)を低下(増加)させることで、第2の姿勢における航空機1のピッチを制御するようにプログラムされている。この方法では、ピッチモーメントがX軸の周りで発生させられる。
【0092】
図8を参照すると、制御ユニット17は、ロータ6bおよび6c(6eおよび6f)の推力T2およびT3(T5およびT6)を増加(低下)させることで、第2の姿勢に配置された航空機1のロールを制御するようにプログラムされている。この方法では、ロールモーメントがY軸の周りで発生させられる。
【0093】
図9を参照すると、制御ユニット17は、ロータ6a(6d)の推力T1(T4)を増加(低下)させることで、第2の姿勢に配置された航空機1のヨーを制御するようにプログラムされている。この方法では、ヨーモーメントがZ軸の周りで発生させられる。
【0094】
航空機1の動作は、航空機1が、例えば離陸またはホバリングの局面にあるといった、第1の姿勢(図10)にある状態から開始して説明される。
【0095】
この状態において、ロータ6a、6b、6c、6d、6e、および6fは、それぞれの推力T1、T2、T3、T4、T5、およびT6の推力ベクトルTがV軸と実質的に平行となるように制御される。
【0096】
例えば、この状態において、制御ユニット17は、先に記載されている第1または第2の構成に従ってロータ6a、6b、6c、6d、6e、および6fの推力T1、T2、T3、T4、T5、およびT6を制御する。
【0097】
この第1の姿勢において、制御ユニット17は、例えば、図4図5、および図6にそれぞれ示され、先に記載されているように、X軸、Y軸、およびZ軸の周りでそれぞれのモーメントを発生させるように、ロータ6a、6b、6c、6d、6e、および6fのそれぞれの推力T1、T2、T3、T4、T5、およびT6を調節することで、ピッチ、ロール、およびヨーを制御する。
【0098】
本発明の一実施形態において、航空機1は、X軸の周りで傾斜することで、つまり、X軸の周りのモーメントの適用によって、第1の姿勢(図10)から第2の姿勢(図11)へと移り変わる。
【0099】
このモーメントは、航空機1に機首下げを発生させ、つまり、機首3の下降と尾部4の上昇とを発生させる。
【0100】
この時点において、航空機1は第2の姿勢にあり、翼8aおよび8bは、航空機1の前方への速度に応じて、V軸と平行な特定の直接的な揚力の値を発生させる。
【0101】
この状態において、ロータ6a、6b、6c、6d、6e、および6fは、それぞれの推力T1、T2、T3、T4、T5、およびT6の推力ベクトルTは、航空機において前方への推力を発生させるO軸と平行な成分と、V軸と平行で航空機1の重量と等しい成分と、を有するように制御され、V軸と平行で航空機1の重量と等しい成分は、翼8aおよび8bによって発生させられる揚力と共に、飛行を持続させることを可能にする。
【0102】
例えば、この状態において、制御ユニット17は、先に記載されている第3または第4の構成に従ってロータ6a、6b、6c、6d、6e、および6fの推力T1、T2、T3、T4、T5、およびT6を制御する。
【0103】
この第2の姿勢において、制御ユニット17は、例えば、図7図8、および図9にそれぞれ示され、先に記載されているように、X軸、Y軸、およびZ軸の周りでそれぞれのモーメントを発生させるように、ロータ6a、6b、6c、6d、6e、および6fのそれぞれの推力T1、T2、T3、T4、T5、およびT6を調節することで、ピッチ、ロール、およびヨーを制御する。
【0104】
航空機1を第1の姿勢へと戻すことが必要な場合、制御ユニット17は、図10に示された状態に到達されるまで、航空機1において機首を上げさせる、つまり、機首3の上昇と尾部4の下降とをもたらすX軸の周りでのモーメントを、最初に発生させる。
【0105】
この後、制御ユニット17は、推力ベクトルTがV軸と再び平行に方向付けられ、航空機1が着陸することができる第1の姿勢に再びなるように、ロータ6a、6b、6c、6d、6e、および6fを制御する。
【0106】
図12および図13を参照すると、符号1'は、本発明の第2の実施形態による垂直離着陸が可能な航空機を指示している。
【0107】
航空機1'は航空機1と同様であり、航空機1との唯一の違いは後で説明され、航空機1、1'の同一または等価の部品は、可能である場合、同じ符号が付される。
【0108】
具体的には、航空機1'は、胴体2の第1の側に配置された2つのさらなるロータ6g'および6h'と、胴体2の第2の側に配置された2つのさらなるロータ6i'および6j'と、を備える点において、航空機1と異なる。
【0109】
ロータ6g'および6h'は、それぞれの軸KおよびLに沿って方向付けられたそれぞれの推力T7およびT8を発生させ、ロータ6i'および6j'は、それぞれの軸MおよびNに沿って方向付けられたそれぞれの推力T9およびT10を発生させる。
【0110】
より詳細には、ロータ6g'および6h'(6i'および6j')は、Y軸と平行にロータ6bと6c(6eと6f)の間に置かれる。
【0111】
推力T7およびT9は、互いと平行であり、Y軸に対して角度ζで傾斜している。
【0112】
推力T8およびT10は、互いと平行であり、Y軸に対して角度εで傾斜している。
【0113】
角度ζおよびεは、Y軸から、ロータ6g'の軸Kおよびロータ6h'の軸L、ならびに、ロータ6i'の軸Mおよびロータ6j'の軸Nへとそれぞれ及ぶ。
【0114】
図示されている場合では、角度α、β、ζ、ε、およびγは、航空機1'の機首3から尾部4に向けて進むとき、漸進的に増加する。
【0115】
制御ユニット17は、それぞれの軸KおよびLに沿ってロータ6g'および6h'によって発生させられる第1の推力と、それぞれの軸MおよびNに沿ってロータ6i'および6j'によって発生させられる第2の推力と、を互いから独立して、および、推力T1、T2、T3、T4、T5、およびT6から独立して、調節するようにプログラムされている。
【0116】
航空機1'の動作は航空機1の動作と同様であり、そのため詳細には説明されない。
【0117】
図14および図15を参照すると、符号1''は、例示の目的だけのために示されている、第3の実施形態による垂直離着陸が可能な航空機を指示している。
【0118】
航空機1''は、ロータ6bおよび6eを備えておらず、そのため、胴体2の第1の側に配置された2つのだけのロータ6aおよび6cと、胴体2の第2の側に配置された2つだけのロータ6dおよび6fと、を備える点において、航空機1と異なる。
【0119】
航空機1''の動作は、航空機1''が第1の姿勢(図14)にあるとき、
- ロータ6aおよび6dは、それぞれの軸EおよびHがV軸に対して角度δ3で傾斜するように、ならびに、推力T1およびT4が互いと等しくなるように、配向され、
- ロータ6cおよび6fは、それぞれの軸GおよびJが方向Vに対して同じ角度δ3で傾斜するように、ならびに、それぞれの推力T3およびT6が互いと等しく、推力T1およびT4の絶対値において等しく、V軸に対して推力T1およびT4と対称となるように、配向される
という点において、航空機1の動作と異なる。
【0120】
具体的には、推力T1およびT4とT3およびT6とは、互いと等しく、互いと反対のO軸と平行な成分をそれぞれ有する。
【0121】
制御ユニット17は、V軸と平行なそれぞれの成分の合計が、航空機1''を第1の姿勢において維持するために必要なV軸と平行な力と等しくなるように、推力T1およびT4とT3およびT6とを発生させるようにプログラムされている。
【0122】
航空機1''の動作は、航空機1''が第2の姿勢(図15)にあるとき、
- ロータ6aおよび6dは、それぞれの軸EおよびHが、互いと等しく、同じ絶対値を有し、尾部4から機首3に向けて方向付けられるO軸と平行な第1の成分と、V軸と平行な第2の成分と、を有し、上向きとされたそれぞれの推力T1およびT4を発生させるように配向され、
- ロータ6cおよび6fは、それぞれの軸GおよびJが、互いと等しく、同じ絶対値を有し、機首3から尾部4に向けて方向付けられるO軸と平行な第1の成分と、V軸と平行な第2の成分と、を有し、上向きとされたそれぞれの推力T3およびT6を発生させるように配向される、
という点において、航空機1の動作と異なる。
【0123】
O軸と平行な前述の第1の成分同士は互いと異なり、それらの代数和は、O軸と平行な推力ベクトルTの成分に対応し、これは航空機1''の前方飛行のために必要な推力を提供する。反対に、V軸と平行な前述の第2の成分同士は一致しており、それらの代数和は、前方飛行の間に翼8aおよび8bによって提供される揚力と一緒に航空機1''を持続させることができるV軸と平行な推力ベクトルTの成分に対応する。
【0124】
好ましくは、制御ユニット17は、推力T3およびT6より大きい絶対値をもつ推力T1およびT4を発生させるようにプログラムされる。
【0125】
図16を参照すると、符号1'''は、本発明の第4の実施形態による垂直離着陸が可能な航空機を指示している。
【0126】
航空機1'''は航空機1と同様であり、航空機1との唯一の違いは後で説明され、航空機1、1'''の同一または等価の部品は、可能である場合、同じ符号が付される。
【0127】
航空機1'''は、先尾翼の配置を取るため、航空機1と異なる。
【0128】
より詳細には、航空機1'''は、胴体2のそれぞれの側方から横に突出する空気力学的表面100'''の対を備える。
【0129】
空気力学的表面100'''は胴体2の機首3から突出している。
【0130】
空気力学的表面100'''は軸Xと平行な長さを有し、その長さは、軸Xと平行な対応する翼8a、8bの長さより短い。
【0131】
ロータ6a、6dがそれぞれの空気力学的表面100'''に配置されている。
【0132】
具体的には、各々の空気力学的表面100'''は、
- 機首3に連結された基端101'''と、
- それぞれの基端101'''と反対の自由端102'''と、
- それぞれの端101'''、102'''の間で延在する主要部分103'''と、
を備える。
【0133】
ロータ6a、6dは、それぞれの空気力学的表面100'''の主要部分103'''に配置されている。
【0134】
図16に示された実施形態では、ロータ6a、6dは包まれている。
【0135】
航空機1'''の動作は航空機1の動作と同様であり、そのため詳細には説明されない。
【0136】
図17を参照すると、符号1''''は、本発明の第5の実施形態による垂直離着陸が可能な航空機を指示している。
【0137】
航空機1''''は航空機1'''と同様であり、航空機1'''との唯一の違いは後で説明され、航空機1'''、1''''の同一または等価の部品は、可能である場合、同じ符号が付される。
【0138】
航空機1''''は、ロータ6a、6dがそれぞれの空気力学的表面100''''の自由端102''''に配置されている点において、航空機1'''と異なる。
【0139】
図18を参照すると、航空機1''''は、それぞれの空気力学的表面100''''によって支持された追加の前着陸装置110''''の対を備える。
【0140】
具体的には、航空機1''''は、それぞれのロータ6a、6dのそれぞれのシュラウド112''''に連結され、対応する空気力学的表面100''''のそれぞれの自由端102''''に配置されたフレーム111''''の対を備える。
【0141】
各々のフレーム111''''は、それぞれのシュラウド112''''の下方でそれぞれの着陸装置110''''を支持している。
【0142】
代替で、図で示されていない異なる解決策において、着陸装置110''''は、車輪が構造に含まれた滑走部の種類を備える。
【0143】
着陸装置110''''は、例えば尾脚、四輪、三輪、以上の車輪の台車の着陸装置など、従来の航空機のものと同様であり得る。
【0144】
航空機1''''の動作は航空機1'''の動作と同様であり、そのため詳細には説明されない。
【0145】
図19を参照すると、符号1'''''は、本発明の第6の実施形態による垂直離着陸が可能な航空機を指示している。
【0146】
航空機1'''''は航空機1''''と異なり、航空機1''''と航空機1'''''との間の唯一の違いは後で説明され、航空機1''''、1'''''の同一または等価の部品は、可能である場合、同じ符号が付される。
【0147】
航空機1'''''は、それぞれの端102'''''によって担持されたロータ6a、6dが包まれていない点において、航空機1''''と異なる。
【0148】
さらに、航空機1'''''は、端102'''''が平面状であり、軸Xに対して直交するそれぞれの平面に位置する点において、航空機1''''と異なる。
【0149】
航空機1'''''の動作は航空機1''''の動作と同様であり、そのため詳細には説明されない。
【0150】
図20を参照すると、符号1''''''は、本発明の第7の実施形態による垂直離着陸が可能な航空機を指示している。
【0151】
航空機1''''''は航空機1'''''と同様であり、航空機1''''''と航空機1'''''との間の唯一の違いは後で説明され、航空機1''''''、1'''''の同一または等価の部品は、可能である場合、同じ符号が付される。
【0152】
航空機1''''''は、端102''''''が胴体2の反対側にフェアリングなどの表面を有する点において、航空機1'''''と異なる。詳細には、フェアリングは、図17に示された航空機1''''のシュラウドの一部分であり得るか、または、それぞれのロータ6a、6dのための一部のケーシングであり得る。さらに、フェアリングは、ロータ6a、6dの領域を部分的に均一に巻き付くために、凹状の表面として成形され得る。
【0153】
航空機1''''''の動作は航空機1'''''の動作と同様であり、そのため詳細には説明されない。
【0154】
図21を参照すると、符号1'''''''は、本発明の第8の実施形態による垂直離着陸が可能な航空機を指示している。
【0155】
航空機1'''''''は航空機1と同様であり、航空機1'''''''、1の間の唯一の違いは後で説明され、航空機1'''''''、1の同一または等価の部品は、可能である場合、同じ符号が付される。
【0156】
航空機1'''''''は、角度αが25度から60度の間の範囲であり、好ましくは40度である点において、航空機1と異なる。
【0157】
さらに、角度βは75度から105度の間の範囲であり、好ましくは90度である。
【0158】
最後に、角度γは75度から100度の間の範囲であり、好ましくは95度である。
【0159】
好ましくは、角度α、β、γは、互いと異なるような形で、それぞれの範囲において選択される。
【0160】
好ましくは、ロータ6b、6eは胴体2の上方部分に配置される。詳細には、翼8a、8bは、軸Zに対して胴体2の上方部において、前記胴体2のそれぞれの側方から突出する。さらなる詳細として、好ましくは、各々の翼8a、8bは、それぞれのロータ6eおよび6bを少なくとも部分的に保持するように構成される。
【0161】
航空機1'''''''の動作は航空機1の動作と同様であり、そのため詳細には説明されない。
【0162】
図22を参照すると、符号1''''''''は、本発明の第9の実施形態による垂直離着陸が可能な航空機を指示している。
【0163】
航空機1''''''''は航空機1と同様であり、航空機1''''''''、1の間の唯一の違いは後で説明され、航空機1''''''''、1の同一または等価の部品は、可能である場合、同じ符号が付される。
【0164】
航空機1''''''''は、角度αが75度から100度の間の範囲であり、好ましくは95度である点において、航空機1と異なる。
【0165】
さらに、角度βは75度から100度の間の範囲であり、好ましくは90度である。
【0166】
角度γは25度から65度の間の範囲であり、好ましくは45度である。
【0167】
好ましくは、角度α、β、γは、互いと異なるような形で、それぞれの範囲において選択される。
【0168】
最後に、翼8a、8bは、胴体2のそれぞれの側方の中央部分から突出している。
【0169】
好ましくは、ロータ6b、6eは胴体2の上方部分に配置される。詳細には、翼8a、8bは、軸Zに対して胴体2の上方部において、胴体2のそれぞれの側方から突出する。さらなる詳細として、好ましくは、各々の翼8a、8bは、それぞれのロータ6eおよび6bを少なくとも部分的に保持するように構成される。
【0170】
航空機1''''''''の動作は航空機1の動作と同様であり、そのため詳細には説明されない。
【0171】
図23を参照すると、符号1'''''''''は、本発明の第10の実施形態による垂直離着陸が可能な航空機を指示している。
【0172】
航空機1'''''''''は航空機1と同様であり、航空機1'''''''''、1の間の唯一の違いは後で説明され、航空機1'''''''''、1の同一または等価の部品は、可能である場合、同じ符号が付される。
【0173】
航空機1'''''''''は、角度αが70度から95度の間の範囲であり、好ましくは85度である点において、航空機1と異なる。
【0174】
さらに、角度βは25度から55度の間の範囲であり、好ましくは40度である。
【0175】
角度γは65度から95度の間の範囲であり、好ましくは85度である。
【0176】
好ましくは、角度α、β、γは、互いと異なるような形で、それぞれの範囲において選択される。
【0177】
好ましくは、ロータ6b、6eはY軸に近い位置に配置される。
【0178】
最後に、翼8a、8bは、胴体2のそれぞれの側方から突出する。詳細には、翼8a、8bは、Y軸に近い位置において、胴体2のそれぞれの側方から突出する。好ましくは、各々の翼8a、8bは、それぞれのロータ6eおよび6bを少なくとも部分的に保持するように構成される。
【0179】
航空機1'''''''''の動作は航空機1の動作と同様であり、そのため詳細には説明されない。
【0180】
図24を参照すると、符号1''''''''''は、本発明の第11の実施形態による垂直離着陸が可能な航空機を指示している。
【0181】
航空機1''''''''''は航空機1と同様であり、航空機1''''''''''、1の間の唯一の違いは後で説明され、航空機1''''''''''、1の同一または等価の部品は、可能である場合、同じ符号が付される。
【0182】
航空機1''''''''''は、角度αが25度から60度の間の範囲であり、好ましくは40度である点において、航空機1と異なる。
【0183】
さらに、角度βは75度から100度の間の範囲であり、好ましくは90度である。
【0184】
角度γは75度から100度の間の範囲であり、好ましくは95度である。
【0185】
好ましくは、角度α、β、γは、互いと異なるような形で、それぞれの範囲において選択される。
【0186】
好ましくは、ロータ6b、6eはY軸に対して低い位置に配置される。より好ましくは、ロータ6a、6dおよび6b、6eはY軸に対して低い位置に配置される。
【0187】
最後に、翼8a、8bは、好ましくは、Y軸に対して低い位置において、または、胴体2の低い部分において、前記胴体2のそれぞれの側方から突出する。
【0188】
航空機1''''''''''の動作は航空機1の動作と同様であり、そのため詳細には説明されない。
【0189】
図25を参照すると、符号1'''''''''''は、本発明の第12の実施形態による垂直離着陸が可能な航空機を指示している。
【0190】
航空機1'''''''''''は航空機1と同様であり、航空機1'''''''''''、1の間の唯一の違いは後で説明され、航空機1'''''''''''、1の同一または等価の部品は、可能である場合、同じ符号が付される。
【0191】
航空機1'''''''''''は、角度αが75度から100度の間の範囲であり、好ましくは90度である点において、航空機1と異なる。
【0192】
さらに、角度βは45度から75度の間の範囲であり、好ましくは60度である。
【0193】
角度γは25度から60度の間の範囲であり、好ましくは40度である。
【0194】
好ましくは、角度α、β、γは、互いと異なるような形で、それぞれの範囲において選択される。
【0195】
好ましくは、ロータ6b、6eは胴体2に対して低い位置に配置される。
【0196】
最後に、翼8a、8bは、好ましくは胴体2の低い部分において、前記胴体2のそれぞれの側方から突出する。
【0197】
航空機1'''''''''''の動作は航空機1の動作と同様であり、そのため詳細には説明されない。
【0198】
図26および図27を参照すると、符号1''''''''''''は、本発明の第13の実施形態による垂直離着陸が可能な航空機を指示している。図26は、航空機1''''''''''''の後面図を概略的に示している。
【0199】
航空機1''''''''''''は、ロータ6a、6dの軸E、Hと、ロータ6b、6eの軸F、I(図示されていない)と、ロータ6c、6fの軸G、Jとが互いに対して傾斜している点において、航空機1と異なる。
【0200】
より詳細には、軸E、H; F、I; G、Jは、軸Zに対して対称に配置されている。
【0201】
なおもより正確には、軸E、H; F、I; G、Jは、軸Zに対して互いから発散し、着陸装置10から翼8a、8bに向けて、または、航空機1''''''''''''の下方部から航空機1''''''''''''の上方部に向けて、上向きに軸Zから平行に進む。
【0202】
図示されている実施形態では、軸E、H; F、I、およびG、Jは、軸Xと、75度から85度の間の範囲にあり、好ましくは80度に等しい、等しい鋭角ε1を定める。
【0203】
航空機1''''''''''''の動作は、
- ロータ6aが、図27では時計回りである第1の方向に回転し、ロータ6dが、図27では反時計回りである第2の方向に回転し、
- ロータ6cが第2の方向に回転し、ロータ6fが第1の方向に回転し、
- ロータ6aによって発生させられる推力T1が第1の値を取り、ロータ6dによって発生させられる推力T4が、第1の値より大きい第2の値を取り、
- ロータ6cによって発生させられる推力T3が第2の値を取り、ロータ6fによって発生させられる推力T6が第1の値を取る、
ような方法で(図27)、推力T1、T4; T2、T5; T3、T6がヨートルクを発生させない構成のときに始まってヨー角度が制御される点において、航空機1の動作と異なる。
【0204】
この方法では、推力T1、T4の間のベクトル和は、第1の方向において第1の成分T4x-T1xを有し、推力T3、T6の間のベクトル和は、第1の方向と反対の第2の方向において成分T3x-T6xを有する。
【0205】
軸Xと平行な第1の成分T4x-T1xおよび第2の成分T3x-T6xは、軸Zの周りでヨートルクC1を発生させ、これは、必要に応じて航空機1''''''''''''のヨー角度を調節することを許容する。
【0206】
結果生じる軸Zの周りのヨートルクC1の方向は、第1の方向および第2の方向の配向に依存する。
【0207】
さらに、推力T1、T6より大きい推力T4、T3が、同じ第2の方向において回転するそれぞれのロータ6d、6cによって発生させられるという事実のため、軸Zと平行な成分をもつ反作用トルクC2が発生させられる。
【0208】
ヨートルクC1の同じ方向に配向される反作用トルクC2は、航空機1''''''''''''のヨーイングを軽減して寄与する。
【0209】
さらに、ロータ6b、6e(図26および図27には示されていない)は、特定の動作の間に必要とされるヨー角比において、または、例えば航空機1''''''''''''のバランス制御(CG位置)において、もしくは、軸Yの周りのロールを軸Zの周りのヨーと組み合わせるために、ロータ6a、6dまたは6c、6fと同じ方法で制御できる。したがって、推力T2、T5は推力T1、T4(またはT3、T6)と等しい。
【0210】
図28および図29を参照すると、符号1'''''''''''''は、本発明の第14の実施形態による垂直離着陸が可能な航空機を指示している。
【0211】
航空機1'''''''''''''は航空機1と異なり、軸E、H; F、IおよびG、Jは、軸Zに対して互いから集束し、着陸装置10から翼8a、8bに向けて、または、航空機1'''''''''''''の下方部から航空機1'''''''''''''の上方部に向けて、上向きに軸Zから平行に進む。
【0212】
図示されている実施形態では、軸E、H; F、I、およびG、Jは、軸Xと、75度から85度の間の範囲にあり、好ましくは80度に等しい、等しい鋭角ε1を定める。
【0213】
航空機1'''''''''''''の動作は航空機1の動作と同様であり、そのため詳細には説明されない。
【0214】
本発明による航空機1、1'、1'''、1''''、1'''''、1''''''、1'''''''、1''''''''、1'''''''''、1''''''''''、1'''''''''''、1''''''''''''、1'''''''''''''および制御方法の特性の考察から、それらによって達成され得る利点は明白である。
【0215】
具体的には、ロータ6a、6b、6c、6d、6e、6f、6g'、および6h'の軸E、F、G、H、I、J、K、L、M、およびNは、航空機1、1'、1'''、1''''、1'''''、1''''''、1'''''''、1''''''''、1'''''''''、1''''''''''、1'''''''''''、1''''''''''''、1'''''''''''''に対して固定される。
【0216】
別の言い方をすれば、航空機1、1'、1'''、1''''、1'''''、1''''''、1'''''''、1''''''''、1'''''''''、1''''''''''、1'''''''''''、1''''''''''''、1'''''''''''''は、ヘリコプタまたは転換式航空機の場合に起こるのと異なり、推力T1、T2、T3、T4、T5、T6、T7、T8、T9、およびT10の傾斜の変化を必要とすることなく、ならびに、知られている種類のVTOL航空機の場合に起こるのと異なり、エンジン排気の方向を配向することを必要とすることなく、離陸、着陸、ホバリング、前方飛行、または任意の飛行体制を取ることができる。
【0217】
これは、航空機1、1'、1'''、1''''、1'''''、1''''''、1'''''''、1''''''''、1'''''''''、1''''''''''、1'''''''''''、1''''''''''''、1'''''''''''''が、推力T1、T2、T3、T4、T5、T6、T7、T8、T9、およびT10の推力ベクトルTを、航空機1、1'、1'''、1''''、1'''''、1''''''、1'''''''、1''''''''、1'''''''''、1''''''''''、1'''''''''''、1''''''''''''、1'''''''''''''に対して軸E、F、G、H、I、J、K、L、M、およびNの配向を変えることなく、それらの絶対値および方向を単に変化させるだけで調節することを可能にするためである。
【0218】
結果として、航空機1、1'、1'''、1''''、1'''''、1''''''、1'''''''、1''''''''、1'''''''''、1''''''''''、1'''''''''''、1''''''''''''、1'''''''''''''は、特に、製造するのが簡単であり、知られている種類の航空機より軽量であり、本明細書の導入部において指示されている。
【0219】
また、第1の姿勢および第2の姿勢の両方において推力T1、T2、T3、T4、T5、T6、T7、T8、T9、およびT10を調節するだけで、航空機1、1'、1'''、1''''、1'''''、1''''''、1'''''''、1''''''''、1'''''''''、1''''''''''、1'''''''''''、1''''''''''''、1'''''''''''''のY軸の周りのロール、X軸の周りのピッチ、およびZ軸の周りのヨーを制御することが可能である。これは、追加の制御翼面の必要性を排除する、または少なくとも実質的に低減する。
【0220】
さらに、航空機1、1'、1'''、1''''、1'''''、1''''''、1'''''''、1''''''''、1'''''''''、1''''''''''、1'''''''''''、1''''''''''''、1'''''''''''''は特に効率的である。これは、各々の飛行体制において、ロータ6a、6b、6c、6d、6e、6f、6g'、および6h'が、航空機1、1'、1'''、1''''、1'''''、1''''''、1'''''''、1''''''''、1'''''''''、1''''''''''、1'''''''''''、1''''''''''''、1'''''''''''''の飛行のために必要な揚力および/または推力を発生させることに寄与し、航空機にX軸、Y軸、およびZ軸についての操縦性を与えるためである。この方法では、実質的にすべての推力T1、T2、T3、T4、T5、T6、T7、T8、T9、およびT10が、航空機1、1'、1'''、1''''、1'''''、1''''''、1'''''''、1''''''''、1'''''''''、1''''''''''、1'''''''''''、1''''''''''''、1'''''''''''''を動作させる目的のために有用であり、不必要な空気力学的抵抗の存在を低減する。
【0221】
さらに、航空機1、1'、1'''、1''''、1'''''、1''''''、1'''''''、1''''''''、1'''''''''、1''''''''''、1'''''''''''、1''''''''''''、1'''''''''''''は、設計上の制約をほとんど与えず、そのため、特に多目的であることが見出される。より明確には、異なる寸法および形、異なる種類の翼8aおよび8b、ならびに/またはロータ6a、6b、6c、6d、6e、6f、6g'、および6h'のための燃焼、ハイブリッド、もしくは液圧で動力供給される駆動部を伴う胴体2が、ロータ6a、6b、6c、6d、6e、6f、6g'、および6h'の位置および大きさに実質的に影響を与えることなく、航空機1、1'、1'''、1''''、1'''''、1''''''、1'''''''、1''''''''、1'''''''''、1''''''''''、1'''''''''''、1''''''''''''、1'''''''''''''において使用できる。
【0222】
ロータ6a、6b、6c、6d、6e、6f、6g'、および6h'が駆動され、互いから独立して調節されるため、航空機1、1'は、分配された電気推進システムに特に適しており、重複性、軽量化、および複雑性の観点において明確な利点を伴う。
【0223】
航空機1、1'、1'''、1''''、1'''''、1''''''、1'''''''、1''''''''、1'''''''''、1''''''''''、1'''''''''''、1''''''''''''、1'''''''''''''は、ホバリング状態に対して、前方飛行状態においてより機首の下がった姿勢を取り、それによって、より良好な搭乗員の快適性を可能にする。
【0224】
図26および図27に示された航空機1''''''''''''(図28および図29に示された航空機1''''''''''''')のロータ6a、6dの軸E、Hと、ロータ6b、6eの軸F、Iと、ロータ6c、6fの軸G、Jと、は軸Zに対して互いから発散している(互いに向けて集束している)。
【0225】
したがって、推力T1、T4のベクトル和の第1の成分T4x-T1xが軸Xと平行な第1の方向で方向付けられ、推力T3、T6のベクトル和の第2の成分T3x-T6xが、第1の方向と反対の第2の方向で方向付けられるように、ロータ6a、6dを制御することが可能である。
【0226】
この方法では、第1の成分T4x-T1xと第2の成分T3x-T6xとは、軸Zと平行なヨートルクC1を発生させ、ヨートルクC1は、航空機1''''''''''''、1'''''''''''''のヨー角度を制御するために使用できる。
【0227】
さらに、推力T1、T6より大きい推力T4、T3とすることが、同じ第2の方向で回転するロータ6d、6cによって発生させられ、反作用トルクC2はヨートルクC1と同じ方向で発生させられ、結果生じるヨートルクを増加させ、航空機1''''''''''''、1'''''''''''''のヨーを軽減する。
【0228】
また、ヨートルクC1と同じ方向において発生させられる反作用トルクC2は、航空機1''''''''''''、1'''''''''''''の軸Zの周りのヨー角度を、航空機1のロータ6a、6b、6c、6d、6e、および6fの非発散または非集束の場合より少ないエネルギーで制御することができる。
【0229】
最後に、修正および変更が、本明細書において述べられた航空機1、1'、1'''、1''''、1'''''、1''''''、1'''''''、1''''''''、1'''''''''、1''''''''''、1'''''''''''、1''''''''''''、1'''''''''''''および制御方法に、特許請求の範囲によって定められている範囲から逸脱することなく行えることは、明らかである。
【0230】
具体的には、航空機1、1'、1'''、1''''、1'''''、1''''''、1'''''''、1''''''''、1'''''''''、1''''''''''、1'''''''''''、1''''''''''''、1'''''''''''''は、乗組員を胴体2に収容するか、または、遠隔で操縦されるかのいずれかとなるように設計でき、OVAを定める。この最後の場合、胴体2は、様々な種類の艤装を収容するように設計される。
【0231】
さらに、異なる飛行体制において必要とされる推力ベクトルTは、記載されたものと異なる推力T1、T2、T3、T4、T5、T6、T7、T8、T9、およびT10のベクトル和を用いて得られてもよい。
【0232】
さらに、航空機1'''、1'''''、1''''''は、着陸装置110''''と同様の図示されていない着陸装置を備えてもよい。
【0233】
最後に、軸Zに対して互いから集束または発散する軸E、H; F、I; G、Jは、図1図12図14図16図17図19図20図21図22図24に示された航空機1、1'、1'''、1''''、1'''''、1''''''、1'''''''、1''''''''、1''''''''''において、純粋に非限定的な例を用いて実施され得る。
【符号の説明】
【0234】
1、1'、1''、1'''、1''''、1'''''、1''''''、1'''''''、1''''''''、1'''''''''、1''''''''''、1'''''''''''、1''''''''''''、1''''''''''''' 垂直離着陸航空機
2 胴体
3 機首
4 尾部
5 固定フィン
6a、6b、6c、6d、6e、6f、6g'、6h'、6i'、6j' ロータ
8a、8b 翼
9 ウイングレット
10 着陸装置
11 ハブ
12 動翼
16 制御部
17 制御ユニット
100'''、100'''' 空気力学的表面
101''' 基端
102'''、102''''、102'''''、102'''''' 自由端
103''' 主要部分
110'''' 前着陸装置
111'''' フレーム
112'''' シュラウド
E、F、G、H、I、J、K、L、M、N 軸
T1、T2、T3、T4、T5、T6、T7、T8、T9、T10 推力
α 軸EおよびHとY軸との間の角度
β 軸FおよびIとY軸との間の角度
γ 軸GおよびJとY軸との間の角度
ζ 軸KおよびLとY軸との間の角度
ε 軸MおよびNとY軸との間の角度
δ1、δ2、δ3 軸EおよびHとV軸との間の角度
ω1、ω2、ω3 軸GおよびJとV軸との間の角度
ε1 軸E、H; F、I; G、Jと軸Xと間の鋭角
C1 軸Z周りのヨートルク
C2 反作用トルク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10-11】
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
【手続補正書】
【提出日】2020-09-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本特許出願は、2019年4月23日に出願された欧州特許出願第19170690.2号からの優先権を主張し、その特許出願の全体の開示が、本明細書において参照により組み込まれている。
【0002】
本発明は、垂直離着陸が可能な航空機に関する。
【背景技術】
【0003】
垂直離着陸が可能で、中距離から長距離の経路をより短い時間で進むことができるだけの十分に高い巡航速度を有する飛行機に対する要求が、20世紀の後半から航空産業において認識されている。
【0004】
この要求に対するある程度の解決策は、ヘリコプタおよび転換式航空機によってもたらされているが、欠点がないわけではない。
【0005】
ヘリコプタはおおよそ350km/hの最高速度を実質的に有する。
【0006】
転換式航空機は、
- 第1の軸に沿って延びる胴体と、
- 第2の軸に沿って延び、第2の軸の周りで傾くそれぞれのエンジンを支持する一対の翼と、
を基本的に備える。
【0007】
より明確には、転換式航空機は、エンジンが前述の第1の軸および第2の軸に対して直交するそれぞれの第3の回転軸を有するように配置されるとき、ヘリコプタの構成を取る。
【0008】
また、転換式航空機は、エンジンが第1の軸と平行なそれぞれの第3の軸を有するように配置されるとき、飛行機の構成を取る。
【0009】
ヘリコプタの構成と飛行機の構成との間で移行を実行するために、エンジンを第2の軸の周りで斜めにすることが必要であるという事実のため、転換式航空機は特に構造の視点から複雑である。
【0010】
この要求を満たすために提案されたさらなる解決策は、垂直離着陸(VTOL)航空機によってもたらされている。
【0011】
VTOL航空機は、離陸/着陸の間に垂直方向に、または、水平飛行の間に水平方向に、生じる推力を向けるように配向可能な排気ノズルを伴うエンジンを有する。
【0012】
それらの普及および効率にも拘らず、VTOL航空機の構造上の構成は特に複雑である。これは、航空機の離陸/着陸/飛行の状態に応じてエンジンの推力の方向を選択的に配向することが必要であるという事実に由来する。
【0013】
そのため、転換式航空機、および配向可能な推力を伴う航空機に匹敵する飛行性能を確保すると同時に、構造および動作の視点から最小限の複雑さであり、できるだけ軽量および低コストである垂直離着陸航空機に対する要求の認識が業界にある。
【0014】
特許文献1は、
- 胴体と、
- 胴体の第1の側に配置された第1の推進ユニットの対と、
- 第1の側と反対の胴体の第2の側に配置された第2の推進ユニットの対と、
を基本的に備えるマルチコプタを説明している。
【0015】
各々の第1(第2)の推進ユニットは、互いに対して傾斜しているそれぞれの回転軸の周りで回転可能な2つのロータを基本的に備える。
【0016】
結果として、各々の第1(第2)の推進ユニットのロータは、互いに対して傾斜している第1の方向および第2の方向にそれぞれ配向される第1の推力および第2の推力をそれぞれ発生させる。
【0017】
前述の第1の推力および第2の推力は、第1の方向および第2の方向によって定められる平面において配向される推力ベクトルを有する。
【0018】
各々の第1(第2)の推進ユニットのロータの回転速度を制御することで、および/または、関連する動翼のピッチを調節することで、第1(第2)の推進ユニットによって発生させられる全体の推力ベクトルの方向を配向し、その推力ベクトルの絶対値を調節することが可能である。
【0019】
第1(第2)の推進ユニットは、航空機の長手方向に対して互いと異なる傾斜の角度を有してもいる。
【0020】
特許文献2は、請求項1の前段によるゼロの移行の垂直離着陸航空機と、請求項26の前段による制御の方法と、を開示している。
【0021】
特許文献3は、幅広いロータの構成を伴うマルチコプタ航空機を開示している。様々な実施形態において、マルチコプタは胴体と複数のロータとを備える。複数のロータは内側ロータと外側ロータとを備え、内側ロータは外側ロータまたは胴体によって実質的に包囲されている。内側ロータと外側ロータとは、胴体に対するそれらの配置に少なくとも一部で基づいて斜めにさせられ得る。
【0022】
特許文献4は、個人用航空機の翼に取り外し可能に取り付け可能なロータ搭載ブームを伴うロータ搭載ブーム組立体と、1つ以上の垂直揚力ロータと、1つ以上のロータ制御装置組立体とを開示している。各々のロータのための制御装置組立体は、ロータからの吹き下ろしが、制御装置組立体の構成要素を冷却するために、制御装置組立体にわたっての空気流の増加をもたらすように、ロータ搭載ブームに位置付けられる。ロータ制御装置格納部が、格納部を通じた空気流を許容して制御装置の構成要素を冷却するために、空気入口と空気出口とを備える。空気入口は、空気入口へと流れるロータからの吹き下ろしが最大とされるように、ロータ動翼の経路に対して位置決めされる。格納部の構造は、格納部を通る空気流を増加させるための特徴を含んでいる。
【0023】
特許文献5は、航空機に対して実質的に垂直に上向きに推力を発生させる複数の推力発生装置と、推力発生装置を駆動する第1の原動機と、乗員座席とが設けられた垂直離着陸航空機を開示している。推力発生装置のうちの少なくとも1つは、航空機の前部分または後部分のいずれかに配置され、残りの1つ以上の推力発生装置は、後部分または前部分のうち、推力発生装置のうちの上記少なくとも1つが配置されない方に配置される。原動機と、乗員座席の着座面とは、航空機の前部分における推力発生装置のうちの少なくとも1つと、航空機の後部分における推力発生装置のうちの少なくとも1つとの間において、すべての推力発生装置より低い位置に配置される。垂直離着陸航空機の重心は、航空機の中心よりも下方であり、推力発生装置によって発生させられる推力のため、航空機が飛行中であるときに垂れ下がる。
【0024】
特許文献6は、上向きに延びる後部分において第1のダクトおよび第2のダクトが貫いて形成された本体部材を備える翼のない航空機を開示している。ダクトは、逆さまにされたY字の形で互いに対しておおよそ30度の角度で形成される。逆さまにされたV字は本体部材に沿って延び、より後方のダクトは、翼型の前記上向きに延びる後部分によって形成される。翼型は飛んでいる位置において揚力を提供し、第1の推進手段が第1のダクトに搭載され、第2の推進手段が第2のダクトに搭載され、空気力学的な制御手段が、ピッチ、ヨー、およびロールにおいて航空機を制御するために前記本体部材に搭載される。
【0025】
特許文献7は、翼本体と、モータと、プロペラとを備える翼を開示している。翼本体は、補助翼構造を有していない従来の翼と同一である。
【0026】
特許文献8は、飛行中に固有の安定性を伴って、地面に対して制御された垂直上昇および制御された垂直下降が可能であるダクトファン飛行乗り物を開示している。
【0027】
特許文献9は、
- 胴体と、
- 胴体の側方に配置され、胴体に対して斜めになることができる複数のロータと
を備えるマルチコプタを説明している。
【0028】
特許文献10は、
- 胴体と、
- 胴体の相互に反対の側からそれぞれ片持ち梁の様態で突出する翼の対と、
- 翼のうちの一方によって支持され、前記翼の延在の方向に沿って並んで配置され、互いに対して傾斜された第1の軸をそれぞれ有する複数の第1のロータと、
- 他方の翼によって支持され、前記翼の延在の方向に沿って並んで配置され、互いに対して傾斜された第2の軸をそれぞれ有する複数の第2のロータと、
を備えるマルチコプタを説明している。
【0029】
特許文献11は、特別な垂直動力ユニットと一体構造設計とを採用する複合材料翼の垂直離着陸航空機を開示している。この発明によって提供されるスキームによれば、複合材料翼の垂直離着陸航空機は、航空機の最大ヨー制御モーメントが大きく向上され、航空機の姿勢制御におけるヨー制御飽和の負の影響が回避され、航空機の堅牢性が向上され、さらに、尾部ブームの技術的スキームが、航空機の全体の性能の向上にとって有益であるという利点を有する。
【0030】
特許文献12は、選択した貨物コンテナを配置し、回収のためのコンテナに近接する無人空中乗り物を操縦する自動貨物コンテナ回収配送システムを開示している。乗り物は、把持機構を用いて貨物コンテナに係合するためにそれ自体を位置決めし、貨物コンテナと係合することに応じて貨物コンテナを乗り物に向けて引き込む。貨物コンテナが乗り物に向けて引き込まれるとき、回収機構内の重量センサが、貨物コンテナの重量および重量分布を感知し、乗り物の飛行の動作を最適化するために、乗り物における貨物コンテナの場所を変更することができるか、または、地面にコンテナを再び置き、貨物コンテナが重すぎる、もしくは不適切な重量分布を有することを、作業者に警告することができる。貨物コンテナを乗り物と一体にさせると、さらなる飛行および/または地上での作業のために、結合機構が貨物コンテナを乗り物に外れ止めまたは固定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0031】
【特許文献1】欧州特許出願公開第3354560号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2014/0158815号明細書
【特許文献3】国際公開第2018/038822号パンフレット
【特許文献4】米国特許第9,764,833号明細書
【特許文献5】米国特許出願公開第2005/0230524号明細書
【特許文献6】米国特許第2,828,929号明細書
【特許文献7】中国特許出願公開第109263906明細書
【特許文献8】米国特許第935,884号明細書
【特許文献9】米国特許出願公開第2006/0226281号明細書
【特許文献10】国際公開第2018/075412号パンフレット
【特許文献11】中華人民共和国特許出願公開第105539835明細書
【特許文献12】国際公開第2019/126612号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0032】
本発明の目的は、前述の要求を簡単で安価な手法で満たすことができる垂直離着陸が可能な航空機の創出である。
【課題を解決するための手段】
【0033】
前述の目的は、請求項1において請求されている垂直離着陸が可能な航空機に関する限りにおいて、本発明によって達成される。
【0034】
本発明は、請求項26において請求されている垂直離着陸が可能な航空機のための制御方法にも関する。
【0035】
本発明のより良い理解のために、純粋に非限定的な例を用い、添付の図面を参照して、以後において14個の好ましい実施形態が記載される。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】離陸/着陸位置における、本発明の原理に従って構築された垂直離着陸が可能な航空機の第1の実施形態の正面図である。
図2図1の航空機の上面図である。
図3図1および図2の航空機の側面図である。
図4】ホバリング状態におけるそれぞれの飛行操縦の実行の間の図1図3の航空機の斜視図である。
図5】ホバリング状態におけるそれぞれの飛行操縦の実行の間の図1図3の航空機の斜視図である。
図6】ホバリング状態におけるそれぞれの飛行操縦の実行の間の図1図3の航空機の斜視図である。
図7】前方飛行状態におけるそれぞれの飛行操縦の実行の間の図1図3の航空機の斜視図である。
図8】前方飛行状態におけるそれぞれの飛行操縦の実行の間の図1図3の航空機の斜視図である。
図9】前方飛行状態におけるそれぞれの飛行操縦の実行の間の図1図3の航空機の斜視図である。
図10】離陸/着陸状態における図1図9の航空機の側面図である。
図11】前方飛行状態における図1図10の航空機の側面図である。
図12】本発明による垂直離着陸が可能な航空機の第2の実施形態の側面図である。
図13】本発明による垂直離着陸が可能な航空機の第2の実施形態の上面図である。
図14】例示の目的だけのために示された垂直離着陸が可能な航空機の第3の実施形態のホバリング状態での側面図である。
図15】例示の目的だけのために示された垂直離着陸が可能な航空機の第3の実施形態の前方飛行状態での側面図である。
図16】本発明による垂直離着陸が可能な航空機の第4の実施形態の斜視図である。
図17】本発明による垂直離着陸が可能な航空機の第5の実施形態の斜視図である。
図18図17の垂直離着陸が可能な航空機の一部の構成要素の下から見た拡大した縮尺比での斜視図である。
図19】本発明による垂直離着陸が可能な航空機の第6の実施形態の斜視図である。
図20】本発明による垂直離着陸が可能な航空機の第7の実施形態の斜視図である。
図21】本発明による垂直離着陸が可能な航空機の第8の実施形態の側面図である。
図22】本発明による垂直離着陸が可能な航空機の第9の実施形態の側面図である。
図23】本発明による垂直離着陸が可能な航空機の第10の実施形態の側面図である。
図24】本発明による垂直離着陸が可能な航空機の第11の実施形態の側面図である。
図25】本発明による垂直離着陸が可能な航空機の第12の実施形態の側面図である。
図26】明確性のために部品が除去されている状態での、本発明による垂直離着陸が可能な航空機の第13の実施形態の後面図である。
図27】第13の実施形態による、本発明による垂直離着陸が可能な航空機の動作ステップを示す概略図である。
図28】明確性のために部品が除去されている状態での、本発明による垂直離着陸が可能な航空機の第14の実施形態の後面図である。
図29】第14の実施形態による、本発明による垂直離着陸が可能な航空機の動作ステップを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図1図11を参照すると、符号1は、本発明の第1の実施形態により構築された垂直離着陸航空機を指示している。
【0038】
より明確には、航空機1は、実質的に垂直方向に離陸および着陸することができ、通常の航空機のように前方飛行において巡航することができる。
【0039】
航空機1はホバリングすることもできる。
【0040】
航空機1は短い離陸/着陸も可能である。
【0041】
航空機1は、
- 互いと反対に機首3および尾部4が設けられる胴体2と、
- 胴体2の尾部4から片持ち梁の様態で突出する固定フィン5と、
- 胴体2によって担持される複数のロータ6a、6b、および6c; 6d、6e、および6fと、
を基本的に備える。
【0042】
航空機1は、胴体2の側方に配置され、胴体2から片持ち梁の様態で突出する翼8aおよび8bの対も備える。
【0043】
航空機1と一体とされ、航空機1の重心に原点を有し、
- 胴体2の延在の方向と平行な軸Yと、
- Y軸と直交する軸Xと、
- X軸およびY軸と直交する軸Zと、
によって形成される3つの軸のセットを特定することが可能である。
【0044】
Y軸、X軸、およびZ軸の周りでの航空機1の回転は、以下の操縦、すなわち、
- ロール、つまり、Y軸の周りでの回転(図5および図8)、
- ピッチ、つまり、X軸の周りでの回転(図4および図7)、および、
- ヨー、つまり、Z軸の周りでの回転(図6および図9)、
と関連付けられる。
【0045】
特に図10および図11を参照すると、地面と一体とされ、
- 垂直に配置され、航空機1の上向き/下向きの移動の方向に対応する軸V、および、
- 水平に配置され、航空機1の前方飛行の方向に対応する軸O、
によって形成される軸の対を特定することも可能である。
【0046】
図示されている場合では、翼8aおよび8bはそれぞれのウイングレット9を備え、ウイングレット9は、胴体2と反対のそれぞれの自由先端に配置されている。
【0047】
より明確には、ウイングレット9は、図示されている場合、それぞれの翼8aおよび8bの胴体2と反対の部分から上向きに突出している。
【0048】
航空機1は、胴体2の下方に配置され、離陸の前および続いての着陸の後に地面に圧し掛かるように適合された複数の着陸装置10も備える。
【0049】
具体的には、ロータ6a、6b、および6cは胴体2の第1の側に配置されており、ロータ6d、6e、および6fは、第1の側と反対の胴体2の第2の側に配置されている。
【0050】
さらにより明確には、航空機1の上面図を参照すると(図2)、ロータ6a、6b、および6cは胴体2の左側に配置されており、ロータ6d、6e、および6fは胴体2の右側に配置されている。
【0051】
機首3から尾部4へと進むとき、ロータ6a、6b、および6cはこの順番で配置されている。
【0052】
同様に、機首3から尾部4へと進むとき、ロータ6d、6e、および6fはこの順番で配置されている。
【0053】
各々のロータ6a、6b、6c、6d、6e、および6fは、具体的には、
- それぞれの軸E、F、G、H、I、およびJの周りで回転可能であるハブ11と、
- ハブ11から、片持ち梁の様態で、放射状に、対応する軸E、F、G、H、I、およびJへと突出する複数の動翼12と、
を備える。
【0054】
ロータ6a、6b、6c、6d、6e、および6fは互いから独立して動作させられる。
【0055】
より明確には、ロータ6a、6b、6c、6d、6e、および6fは、互いから独立して調節可能なそれぞれの推力T1、T2、T3、T4、T5、およびT6を発生させる。
【0056】
推力T1、T2、T3、T4、T5、およびT6は、対応するロータ6a、6b、6c、6d、6e、および6fの軸E、F、G、H、I、およびJとそれぞれ平行である適用の方向をそれぞれ有する。
【0057】
ロータ6aおよび6dの軸EおよびHは、互いと平行であり、Y軸と角度αを定めている。
【0058】
同様に、ロータ6bおよび6eの軸FおよびIは、互いと平行であり、Y軸と角度βを定めている。
【0059】
ロータ6cおよび6fの軸GおよびJは、互いと平行であり、Y軸と角度γを定めている。
【0060】
推力T1およびT4は、互いと平行であり、Y軸に対して角度αで傾斜している。
【0061】
推力T2およびT5は、互いと平行であり、Y軸に対して角度βで傾斜している。
【0062】
推力T3およびT6は、互いと平行であり、Y軸に対して角度γで傾斜している。
【0063】
角度α、β、およびγは、Y軸から、ロータ6aの軸Eおよびロータ6dの軸H、ロータ6bの軸Fおよびロータ6eの軸I、ならびに、ロータ6cの軸Gおよびロータ6fの軸Jへとそれぞれ及ぶ。
【0064】
図示されている場合では、角度αは角度βより小さく、角度βは角度γより小さい。
【0065】
好ましくは、角度α、β、γは互いと異なる。
【0066】
ロータ6a、6b、6c、6d、6e、および6fは好ましくは電気的に駆動される。代替で、ロータ6a、6b、6c、6d、6e、および6fは、燃焼エンジン、ハイブリッド電気燃焼推進システム、または液圧モータによって駆動されてもよい。
【0067】
ロータ6a、6b、6c、6d、6e、および6fは、可変角速度を伴う固定ピッチ、固定ピッチおよび一定角速度、または、可変ピッチおよび可変角速度であり得る。
【0068】
軸E、F、G、H、I、およびJは、航空機1の操縦の間に航空機1のX軸、Y軸、およびZ軸に対して固定される。
【0069】
結果として、関連する推力T1、T2、T3、T4、T5、およびT6の適用の方向は、航空機1のX軸、Y軸、およびZ軸に対して固定されたままである。
【0070】
これに反して、推力T1、T2、T3、T4、T5、およびT6の絶対値および方向は互いから独立して調節可能である。
【0071】
この方法では、それぞれのロータ6a、6b、6c、6d、6e、および6fを航空機1に対して回転させることなく、推力T1、T2、T3、T4、T5、およびT6の推力ベクトルTの絶対値および方向を調節するだけで、航空機1に適用される推力T1、T2、T3、T4、T5、およびT6の推力ベクトルTの絶対値および方向を調節することが可能である。
【0072】
図示されている実施形態では、ロータ6a、6b、6c、6d、6e、および6fはX軸、Y軸、およびZ軸に対して固定位置を維持する。
【0073】
航空機1は、
- パイロットまたは自動操縦によって動作させられ得る制御部16(図10において概略的にのみ示されている)と、
- それぞれの推力T1、T2、T3、T4、T5、およびT6の絶対値および方向を調節して所望の絶対値および方向をもつ推力ベクトルTを発生させるために、制御部16によって動作させられ、ロータ6a、6b、6c、6d、6e、および6fに動作可能に連結された制御ユニット17(図10に略的にのみ示されている)と、
をさらに備える。
【0074】
この記載では、「制御ユニット」という用語によって、制御部16をロータ6a、6b、6c、6d、6e、および6fの推力T1、T2、T3、T4、T5、およびT6のための調整の法則へと変換するように設計された機械的または電子的なフライバイワイヤシステムを意味している。
【0075】
より詳細には、制御ユニット17は、垂直の離陸/着陸、ホバリング、前方飛行、および、航空機1の前述の動作状態同士の間のあらゆる移行を許容するように推力ベクトルTを発生させるようにプログラムされる。
【0076】
制御ユニット17は、
- 推力ベクトルTがV軸と平行であり、上向きに方向付けられる、好ましくは離陸/着陸状態およびホバリング状態において取られる第1の姿勢(図10)に、ならびに、
- 推力ベクトルTが、O軸と平行であり、尾部から機首3に向けて方向付けられる成分と、V軸と平行であり、上向きに方向付けられる成分とを有する、好ましくは前方飛行状態において取られる第2の姿勢(図11)に、
航空機1を選択的に配置するようにプログラムされている。
【0077】
制御ユニット17は、制御部16に基づいて、航空機1を、推力ベクトルTがV軸と平行な成分とO軸と平行な成分とを有する第1の姿勢と第2の姿勢との間の複数の中間姿勢(図示略)に選択的に配置するようにもプログラムされている。
【0078】
好ましくは、航空機1は、X軸と平行な軸の周りでのピッチングによって、第1の姿勢から第2の姿勢へと、および、第2の姿勢から第1の姿勢へと移り変わる。
【0079】
図示されている場合では、航空機1は、尾部4から機首3へと配向される回転によって、つまり、機首を下げる操縦によって、第1の姿勢から第2の姿勢へと移り変わる。
【0080】
具体的には、制御ユニット17は、ロータ6aおよび6b; 6cおよび6d; 6eおよび6fの異なる動作構成を通じて、航空機1を第1の姿勢に配置して維持するようにプログラムされている。
【0081】
より明確には、第1の動作構成(図10)において、
- ロータ6bおよび6eは、それぞれの軸FおよびIが方向Vと平行になるように、ならびに、それぞれの推力T2およびT5が互いと等しく、方向Vと平行に、上向きに方向付けられるように、配向され、
- ロータ6aおよび6dは、それぞれの軸EおよびHが方向Vに対して角度δ1で傾斜するように、ならびに、推力T1およびT4が互いと等しくなるように、配向され、
- ロータ6cおよび6fは、それぞれの軸GおよびJが方向Vに対して角度ω1で傾斜するように、ならびに、それぞれの推力T3およびT6が互いと等しくなるように、配向される。
【0082】
より明確には、制御ユニット17は、O軸と平行な推力T1およびT4の成分が等しくなり、O軸と平行な推力T3およびT6の成分と反対になるように、推力T1およびT4、T3およびT6の絶対値を発生させるようにプログラムされている。
【0083】
制御ユニット17は、V軸と平行な推力T1およびT4、T3およびT6の成分と推力T2、T5の合計が、航空機1を第1の姿勢において維持するために必要なV軸と平行な力と等しくなるように、推力T1およびT4、T3およびT6の絶対値を発生させるようにプログラムされてもいる。
【0084】
第2の動作構成(図示略)において、ロータ6bおよび6eによって発生させられる推力T2およびT5は方向Vと平行であり、ロータ6aおよび6d、6cおよび6fは作動停止させられる。
【0085】
制御ユニット17は、例を用いて以下に記載されている非限定的な方法により、第1の姿勢に配置された航空機1のピッチ、ロール、およびヨーを制御するように、ロータ6a、6b、6c、6d、6e、および6fを制御し、それぞれの推力T1、T2、T3、T4、T5、およびT6を調節するようにもプログラムされている。
【0086】
図4を参照すると、制御ユニット17は、ロータ6aおよび6d(6cおよび6f)の推力T1およびT4(T3およびT6)を増加(低下)させ、ロータ6cおよび6f(6aおよび6d)の推力T3およびT6(T1およびT4)を低下(増加)させることで、第1の姿勢における航空機1のピッチを制御するようにプログラムされている。この方法では、ピッチモーメントがX軸の周りで発生させられる。
【0087】
図5を参照すると、制御ユニット17は、ロータ6a、6b、および6c(6d、6e、および6f)の推力T1、T2、およびT3(T4、T5、およびT6)を増加(低下)させることで、第1の姿勢に配置された航空機1のロールを制御するようにプログラムされている。この方法では、ロールモーメントがY軸の周りで発生させられる。
【0088】
図6を参照すると、制御ユニット17は、ロータ6a、6c、および6e(6b、6d、および6f)の推力T1、T3、およびT5(T2、T4、およびT6)を増加(低下)させることで、第1の姿勢に配置された航空機1のヨーを制御するようにプログラムされている。この方法では、ヨーモーメントがZ軸の周りで発生させられる。
【0089】
制御ユニット17は、ロータ6aおよび6b、6cおよび6d、6eおよび6fの異なる動作構成を通じて、航空機1を第2の姿勢に配置するようにもプログラムされている。
【0090】
より明確には、第3の動作構成(図11)において、
- ロータ6aおよび6dは、それぞれの軸EおよびHが、互いと等しいそれぞれの角度δ2でV軸に対して傾斜し、互いと等しく、同じ絶対値を有し、尾部4から機首3に向けて方向付けられるO軸と平行な第1の成分と、V軸と平行な第1の成分と、を有し、上向きとされたそれぞれの推力T1およびT4を発生させるように配向され、
- ロータ6bおよび6eは、それぞれの軸FおよびIが、ロータ6cおよび6fの軸G、Jの対応する角度ω2より大きい第2の角度でV軸に対して傾斜し、互いと等しく、同じ絶対値を有し、尾部4から機首3に向けて方向付けられるO軸と平行な第2の成分と、V軸と平行な第2の成分と、を有し、上向きとされたそれぞれの推力T2およびT5を発生させるように配向され、
- ロータ6cおよび6fは、それぞれの軸GおよびJとそれぞれの推力T3およびT6とがV軸と平行になるように配向される。
【0091】
図示されている場合では、推力T1およびT4は推力T2およびT5より絶対値が大きい。
【0092】
制御ユニット17は、例を用いて以下に記載されている非限定的な方法により、第2の姿勢(図7図8、および図9)に配置された航空機1のピッチ、ロール、およびヨーを制御するように、ロータ6a、6b、6c、6d、6e、および6fを制御し、それぞれの推力T1、T2、T3、T4、T5、およびT6を調節するようにプログラムされている。
【0093】
図7を参照すると、制御ユニット17は、ロータ6cおよび6f(6aおよび6d)の推力T3およびT6(T1およびT4)を増加(低下)させ、ロータ6aおよび6d(6cおよび6f)の推力T1およびT4(T3およびT6)を低下(増加)させることで、第2の姿勢における航空機1のピッチを制御するようにプログラムされている。この方法では、ピッチモーメントがX軸の周りで発生させられる。
【0094】
図8を参照すると、制御ユニット17は、ロータ6bおよび6c(6eおよび6f)の推力T2およびT3(T5およびT6)を増加(低下)させることで、第2の姿勢に配置された航空機1のロールを制御するようにプログラムされている。この方法では、ロールモーメントがY軸の周りで発生させられる。
【0095】
図9を参照すると、制御ユニット17は、ロータ6a(6d)の推力T1(T4)を増加(低下)させることで、第2の姿勢に配置された航空機1のヨーを制御するようにプログラムされている。この方法では、ヨーモーメントがZ軸の周りで発生させられる。
【0096】
航空機1の動作は、航空機1が、例えば離陸またはホバリングの局面にあるといった、第1の姿勢(図10)にある状態から開始して説明される。
【0097】
この状態において、ロータ6a、6b、6c、6d、6e、および6fは、それぞれの推力T1、T2、T3、T4、T5、およびT6の推力ベクトルTがV軸と実質的に平行となるように制御される。
【0098】
例えば、この状態において、制御ユニット17は、先に記載されている第1または第2の構成に従ってロータ6a、6b、6c、6d、6e、および6fの推力T1、T2、T3、T4、T5、およびT6を制御する。
【0099】
この第1の姿勢において、制御ユニット17は、例えば、図4図5、および図6にそれぞれ示され、先に記載されているように、X軸、Y軸、およびZ軸の周りでそれぞれのモーメントを発生させるように、ロータ6a、6b、6c、6d、6e、および6fのそれぞれの推力T1、T2、T3、T4、T5、およびT6を調節することで、ピッチ、ロール、およびヨーを制御する。
【0100】
本発明の一実施形態において、航空機1は、X軸の周りで傾斜することで、つまり、X軸の周りのモーメントの適用によって、第1の姿勢(図10)から第2の姿勢(図11)へと移り変わる。
【0101】
このモーメントは、航空機1に機首下げを発生させ、つまり、機首3の下降と尾部4の上昇とを発生させる。
【0102】
この時点において、航空機1は第2の姿勢にあり、翼8aおよび8bは、航空機1の前方への速度に応じて、V軸と平行な特定の直接的な揚力の値を発生させる。
【0103】
この状態において、ロータ6a、6b、6c、6d、6e、および6fは、それぞれの推力T1、T2、T3、T4、T5、およびT6の推力ベクトルTは、航空機において前方への推力を発生させるO軸と平行な成分と、V軸と平行で航空機1の重量と等しい成分と、を有するように制御され、V軸と平行で航空機1の重量と等しい成分は、翼8aおよび8bによって発生させられる揚力と共に、飛行を持続させることを可能にする。
【0104】
例えば、この状態において、制御ユニット17は、先に記載されている第3または第4の構成に従ってロータ6a、6b、6c、6d、6e、および6fの推力T1、T2、T3、T4、T5、およびT6を制御する。
【0105】
この第2の姿勢において、制御ユニット17は、例えば、図7図8、および図9にそれぞれ示され、先に記載されているように、X軸、Y軸、およびZ軸の周りでそれぞれのモーメントを発生させるように、ロータ6a、6b、6c、6d、6e、および6fのそれぞれの推力T1、T2、T3、T4、T5、およびT6を調節することで、ピッチ、ロール、およびヨーを制御する。
【0106】
航空機1を第1の姿勢へと戻すことが必要な場合、制御ユニット17は、図10に示された状態に到達されるまで、航空機1において機首を上げさせる、つまり、機首3の上昇と尾部4の下降とをもたらすX軸の周りでのモーメントを、最初に発生させる。
【0107】
この後、制御ユニット17は、推力ベクトルTがV軸と再び平行に方向付けられ、航空機1が着陸することができる第1の姿勢に再びなるように、ロータ6a、6b、6c、6d、6e、および6fを制御する。
【0108】
図12および図13を参照すると、符号1'は、本発明の第2の実施形態による垂直離着陸が可能な航空機を指示している。
【0109】
航空機1'は航空機1と同様であり、航空機1との唯一の違いは後で説明され、航空機1、1'の同一または等価の部品は、可能である場合、同じ符号が付される。
【0110】
具体的には、航空機1'は、胴体2の第1の側に配置された2つのさらなるロータ6g'および6h'と、胴体2の第2の側に配置された2つのさらなるロータ6i'および6j'と、を備える点において、航空機1と異なる。
【0111】
ロータ6g'および6h'は、それぞれの軸KおよびLに沿って方向付けられたそれぞれの推力T7およびT8を発生させ、ロータ6i'および6j'は、それぞれの軸MおよびNに沿って方向付けられたそれぞれの推力T9およびT10を発生させる。
【0112】
より詳細には、ロータ6g'および6h'(6i'および6j')は、Y軸と平行にロータ6bと6c(6eと6f)の間に置かれる。
【0113】
推力T7およびT9は、互いと平行であり、Y軸に対して角度ζで傾斜している。
【0114】
推力T8およびT10は、互いと平行であり、Y軸に対して角度εで傾斜している。
【0115】
角度ζおよびεは、Y軸から、ロータ6g'の軸Kおよびロータ6h'の軸L、ならびに、ロータ6i'の軸Mおよびロータ6j'の軸Nへとそれぞれ及ぶ。
【0116】
図示されている場合では、角度α、β、ζ、ε、およびγは、航空機1'の機首3から尾部4に向けて進むとき、漸進的に増加する。
【0117】
制御ユニット17は、それぞれの軸KおよびLに沿ってロータ6g'および6h'によって発生させられる第1の推力と、それぞれの軸MおよびNに沿ってロータ6i'および6j'によって発生させられる第2の推力と、を互いから独立して、および、推力T1、T2、T3、T4、T5、およびT6から独立して、調節するようにプログラムされている。
【0118】
航空機1'の動作は航空機1の動作と同様であり、そのため詳細には説明されない。
【0119】
図14および図15を参照すると、符号1''は、例示の目的だけのために示されている、第3の実施形態による垂直離着陸が可能な航空機を指示している。
【0120】
航空機1''は、ロータ6bおよび6eを備えておらず、そのため、胴体2の第1の側に配置された2つのだけのロータ6aおよび6cと、胴体2の第2の側に配置された2つだけのロータ6dおよび6fと、を備える点において、航空機1と異なる。
【0121】
航空機1''の動作は、航空機1''が第1の姿勢(図14)にあるとき、
- ロータ6aおよび6dは、それぞれの軸EおよびHがV軸に対して角度δ3で傾斜するように、ならびに、推力T1およびT4が互いと等しくなるように、配向され、
- ロータ6cおよび6fは、それぞれの軸GおよびJが方向Vに対して同じ角度δ3で傾斜するように、ならびに、それぞれの推力T3およびT6が互いと等しく、推力T1およびT4の絶対値において等しく、V軸に対して推力T1およびT4と対称となるように、配向される
という点において、航空機1の動作と異なる。
【0122】
具体的には、推力T1およびT4とT3およびT6とは、互いと等しく、互いと反対のO軸と平行な成分をそれぞれ有する。
【0123】
制御ユニット17は、V軸と平行なそれぞれの成分の合計が、航空機1''を第1の姿勢において維持するために必要なV軸と平行な力と等しくなるように、推力T1およびT4とT3およびT6とを発生させるようにプログラムされている。
【0124】
航空機1''の動作は、航空機1''が第2の姿勢(図15)にあるとき、
- ロータ6aおよび6dは、それぞれの軸EおよびHが、互いと等しく、同じ絶対値を有し、尾部4から機首3に向けて方向付けられるO軸と平行な第1の成分と、V軸と平行な第2の成分と、を有し、上向きとされたそれぞれの推力T1およびT4を発生させるように配向され、
- ロータ6cおよび6fは、それぞれの軸GおよびJが、互いと等しく、同じ絶対値を有し、機首3から尾部4に向けて方向付けられるO軸と平行な第1の成分と、V軸と平行な第2の成分と、を有し、上向きとされたそれぞれの推力T3およびT6を発生させるように配向される、
という点において、航空機1の動作と異なる。
【0125】
O軸と平行な前述の第1の成分同士は互いと異なり、それらの代数和は、O軸と平行な推力ベクトルTの成分に対応し、これは航空機1''の前方飛行のために必要な推力を提供する。反対に、V軸と平行な前述の第2の成分同士は一致しており、それらの代数和は、前方飛行の間に翼8aおよび8bによって提供される揚力と一緒に航空機1''を持続させることができるV軸と平行な推力ベクトルTの成分に対応する。
【0126】
好ましくは、制御ユニット17は、推力T3およびT6より大きい絶対値をもつ推力T1およびT4を発生させるようにプログラムされる。
【0127】
図16を参照すると、符号1'''は、本発明の第4の実施形態による垂直離着陸が可能な航空機を指示している。
【0128】
航空機1'''は航空機1と同様であり、航空機1との唯一の違いは後で説明され、航空機1、1'''の同一または等価の部品は、可能である場合、同じ符号が付される。
【0129】
航空機1'''は、先尾翼の配置を取るため、航空機1と異なる。
【0130】
より詳細には、航空機1'''は、胴体2のそれぞれの側方から横に突出する空気力学的表面100'''の対を備える。
【0131】
空気力学的表面100'''は胴体2の機首3から突出している。
【0132】
空気力学的表面100'''は軸Xと平行な長さを有し、その長さは、軸Xと平行な対応する翼8a、8bの長さより短い。
【0133】
ロータ6a、6dがそれぞれの空気力学的表面100'''に配置されている。
【0134】
具体的には、各々の空気力学的表面100'''は、
- 機首3に連結された基端101'''と、
- それぞれの基端101'''と反対の自由端102'''と、
- それぞれの端101'''、102'''の間で延在する主要部分103'''と、
を備える。
【0135】
ロータ6a、6dは、それぞれの空気力学的表面100'''の主要部分103'''に配置されている。
【0136】
図16に示された実施形態では、ロータ6a、6dは包まれている。
【0137】
航空機1'''の動作は航空機1の動作と同様であり、そのため詳細には説明されない。
【0138】
図17を参照すると、符号1''''は、本発明の第5の実施形態による垂直離着陸が可能な航空機を指示している。
【0139】
航空機1''''は航空機1'''と同様であり、航空機1'''との唯一の違いは後で説明され、航空機1'''、1''''の同一または等価の部品は、可能である場合、同じ符号が付される。
【0140】
航空機1''''は、ロータ6a、6dがそれぞれの空気力学的表面100''''の自由端102''''に配置されている点において、航空機1'''と異なる。
【0141】
図18を参照すると、航空機1''''は、それぞれの空気力学的表面100''''によって支持された追加の前着陸装置110''''の対を備える。
【0142】
具体的には、航空機1''''は、それぞれのロータ6a、6dのそれぞれのシュラウド112''''に連結され、対応する空気力学的表面100''''のそれぞれの自由端102''''に配置されたフレーム111''''の対を備える。
【0143】
各々のフレーム111''''は、それぞれのシュラウド112''''の下方でそれぞれの着陸装置110''''を支持している。
【0144】
代替で、図で示されていない異なる解決策において、着陸装置110''''は、車輪が構造に含まれた滑走部の種類を備える。
【0145】
着陸装置110''''は、例えば尾脚、四輪、三輪、以上の車輪の台車の着陸装置など、従来の航空機のものと同様であり得る。
【0146】
航空機1''''の動作は航空機1'''の動作と同様であり、そのため詳細には説明されない。
【0147】
図19を参照すると、符号1'''''は、本発明の第6の実施形態による垂直離着陸が可能な航空機を指示している。
【0148】
航空機1'''''は航空機1''''と異なり、航空機1''''と航空機1'''''との間の唯一の違いは後で説明され、航空機1''''、1'''''の同一または等価の部品は、可能である場合、同じ符号が付される。
【0149】
航空機1'''''は、それぞれの端102'''''によって担持されたロータ6a、6dが包まれていない点において、航空機1''''と異なる。
【0150】
さらに、航空機1'''''は、端102'''''が平面状であり、軸Xに対して直交するそれぞれの平面に位置する点において、航空機1''''と異なる。
【0151】
航空機1'''''の動作は航空機1''''の動作と同様であり、そのため詳細には説明されない。
【0152】
図20を参照すると、符号1''''''は、本発明の第7の実施形態による垂直離着陸が可能な航空機を指示している。
【0153】
航空機1''''''は航空機1'''''と同様であり、航空機1''''''と航空機1'''''との間の唯一の違いは後で説明され、航空機1''''''、1'''''の同一または等価の部品は、可能である場合、同じ符号が付される。
【0154】
航空機1''''''は、端102''''''が胴体2の反対側にフェアリングなどの表面を有する点において、航空機1'''''と異なる。詳細には、フェアリングは、図17に示された航空機1''''のシュラウドの一部分であり得るか、または、それぞれのロータ6a、6dのための一部のケーシングであり得る。さらに、フェアリングは、ロータ6a、6dの領域を部分的に均一に巻き付くために、凹状の表面として成形され得る。
【0155】
航空機1''''''の動作は航空機1'''''の動作と同様であり、そのため詳細には説明されない。
【0156】
図21を参照すると、符号1'''''''は、本発明の第8の実施形態による垂直離着陸が可能な航空機を指示している。
【0157】
航空機1'''''''は航空機1と同様であり、航空機1'''''''、1の間の唯一の違いは後で説明され、航空機1'''''''、1の同一または等価の部品は、可能である場合、同じ符号が付される。
【0158】
航空機1'''''''は、角度αが25度から60度の間の範囲であり、好ましくは40度である点において、航空機1と異なる。
【0159】
さらに、角度βは75度から105度の間の範囲であり、好ましくは90度である。
【0160】
最後に、角度γは75度から100度の間の範囲であり、好ましくは95度である。
【0161】
好ましくは、角度α、β、γは、互いと異なるような形で、それぞれの範囲において選択される。
【0162】
好ましくは、ロータ6b、6eは胴体2の上方部分に配置される。詳細には、翼8a、8bは、軸Zに対して胴体2の上方部において、前記胴体2のそれぞれの側方から突出する。さらなる詳細として、好ましくは、各々の翼8a、8bは、それぞれのロータ6eおよび6bを少なくとも部分的に保持するように構成される。
【0163】
航空機1'''''''の動作は航空機1の動作と同様であり、そのため詳細には説明されない。
【0164】
図22を参照すると、符号1''''''''は、本発明の第9の実施形態による垂直離着陸が可能な航空機を指示している。
【0165】
航空機1''''''''は航空機1と同様であり、航空機1''''''''、1の間の唯一の違いは後で説明され、航空機1''''''''、1の同一または等価の部品は、可能である場合、同じ符号が付される。
【0166】
航空機1''''''''は、角度αが75度から100度の間の範囲であり、好ましくは95度である点において、航空機1と異なる。
【0167】
さらに、角度βは75度から100度の間の範囲であり、好ましくは90度である。
【0168】
角度γは25度から65度の間の範囲であり、好ましくは45度である。
【0169】
好ましくは、角度α、β、γは、互いと異なるような形で、それぞれの範囲において選択される。
【0170】
最後に、翼8a、8bは、胴体2のそれぞれの側方の中央部分から突出している。
【0171】
好ましくは、ロータ6b、6eは胴体2の上方部分に配置される。詳細には、翼8a、8bは、軸Zに対して胴体2の上方部において、胴体2のそれぞれの側方から突出する。さらなる詳細として、好ましくは、各々の翼8a、8bは、それぞれのロータ6eおよび6bを少なくとも部分的に保持するように構成される。
【0172】
航空機1''''''''の動作は航空機1の動作と同様であり、そのため詳細には説明されない。
【0173】
図23を参照すると、符号1'''''''''は、本発明の第10の実施形態による垂直離着陸が可能な航空機を指示している。
【0174】
航空機1'''''''''は航空機1と同様であり、航空機1'''''''''、1の間の唯一の違いは後で説明され、航空機1'''''''''、1の同一または等価の部品は、可能である場合、同じ符号が付される。
【0175】
航空機1'''''''''は、角度αが70度から95度の間の範囲であり、好ましくは85度である点において、航空機1と異なる。
【0176】
さらに、角度βは25度から55度の間の範囲であり、好ましくは40度である。
【0177】
角度γは65度から95度の間の範囲であり、好ましくは85度である。
【0178】
好ましくは、角度α、β、γは、互いと異なるような形で、それぞれの範囲において選択される。
【0179】
好ましくは、ロータ6b、6eはY軸に近い位置に配置される。
【0180】
最後に、翼8a、8bは、胴体2のそれぞれの側方から突出する。詳細には、翼8a、8bは、Y軸に近い位置において、胴体2のそれぞれの側方から突出する。好ましくは、各々の翼8a、8bは、それぞれのロータ6eおよび6bを少なくとも部分的に保持するように構成される。
【0181】
航空機1'''''''''の動作は航空機1の動作と同様であり、そのため詳細には説明されない。
【0182】
図24を参照すると、符号1''''''''''は、本発明の第11の実施形態による垂直離着陸が可能な航空機を指示している。
【0183】
航空機1''''''''''は航空機1と同様であり、航空機1''''''''''、1の間の唯一の違いは後で説明され、航空機1''''''''''、1の同一または等価の部品は、可能である場合、同じ符号が付される。
【0184】
航空機1''''''''''は、角度αが25度から60度の間の範囲であり、好ましくは40度である点において、航空機1と異なる。
【0185】
さらに、角度βは75度から100度の間の範囲であり、好ましくは90度である。
【0186】
角度γは75度から100度の間の範囲であり、好ましくは95度である。
【0187】
好ましくは、角度α、β、γは、互いと異なるような形で、それぞれの範囲において選択される。
【0188】
好ましくは、ロータ6b、6eはY軸に対して低い位置に配置される。より好ましくは、ロータ6a、6dおよび6b、6eはY軸に対して低い位置に配置される。
【0189】
最後に、翼8a、8bは、好ましくは、Y軸に対して低い位置において、または、胴体2の低い部分において、前記胴体2のそれぞれの側方から突出する。
【0190】
航空機1''''''''''の動作は航空機1の動作と同様であり、そのため詳細には説明されない。
【0191】
図25を参照すると、符号1'''''''''''は、本発明の第12の実施形態による垂直離着陸が可能な航空機を指示している。
【0192】
航空機1'''''''''''は航空機1と同様であり、航空機1'''''''''''、1の間の唯一の違いは後で説明され、航空機1'''''''''''、1の同一または等価の部品は、可能である場合、同じ符号が付される。
【0193】
航空機1'''''''''''は、角度αが75度から100度の間の範囲であり、好ましくは90度である点において、航空機1と異なる。
【0194】
さらに、角度βは45度から75度の間の範囲であり、好ましくは60度である。
【0195】
角度γは25度から60度の間の範囲であり、好ましくは40度である。
【0196】
好ましくは、角度α、β、γは、互いと異なるような形で、それぞれの範囲において選択される。
【0197】
好ましくは、ロータ6b、6eは胴体2に対して低い位置に配置される。
【0198】
最後に、翼8a、8bは、好ましくは胴体2の低い部分において、前記胴体2のそれぞれの側方から突出する。
【0199】
航空機1'''''''''''の動作は航空機1の動作と同様であり、そのため詳細には説明されない。
【0200】
図26および図27を参照すると、符号1''''''''''''は、本発明の第13の実施形態による垂直離着陸が可能な航空機を指示している。図26は、航空機1''''''''''''の後面図を概略的に示している。
【0201】
航空機1''''''''''''は、ロータ6a、6dの軸E、Hと、ロータ6b、6eの軸F、I(図示されていない)と、ロータ6c、6fの軸G、Jとが互いに対して傾斜している点において、航空機1と異なる。
【0202】
より詳細には、軸E、H; F、I; G、Jは、軸Zに対して対称に配置されている。
【0203】
なおもより正確には、軸E、H; F、I; G、Jは、軸Zに対して互いから発散し、着陸装置10から翼8a、8bに向けて、または、航空機1''''''''''''の下方部から航空機1''''''''''''の上方部に向けて、上向きに軸Zから平行に進む。
【0204】
図示されている実施形態では、軸E、H; F、I、およびG、Jは、軸Xと、75度から85度の間の範囲にあり、好ましくは80度に等しい、等しい鋭角ε1を定める。
【0205】
航空機1''''''''''''の動作は、
- ロータ6aが、図27では時計回りである第1の方向に回転し、ロータ6dが、図27では反時計回りである第2の方向に回転し、
- ロータ6cが第2の方向に回転し、ロータ6fが第1の方向に回転し、
- ロータ6aによって発生させられる推力T1が第1の値を取り、ロータ6dによって発生させられる推力T4が、第1の値より大きい第2の値を取り、
- ロータ6cによって発生させられる推力T3が第2の値を取り、ロータ6fによって発生させられる推力T6が第1の値を取る、
ような方法で(図27)、推力T1、T4; T2、T5; T3、T6がヨートルクを発生させない構成のときに始まってヨー角度が制御される点において、航空機1の動作と異なる。
【0206】
この方法では、推力T1、T4の間のベクトル和は、第1の方向において第1の成分T4x-T1xを有し、推力T3、T6の間のベクトル和は、第1の方向と反対の第2の方向において成分T3x-T6xを有する。
【0207】
軸Xと平行な第1の成分T4x-T1xおよび第2の成分T3x-T6xは、軸Zの周りでヨートルクC1を発生させ、これは、必要に応じて航空機1''''''''''''のヨー角度を調節することを許容する。
【0208】
結果生じる軸Zの周りのヨートルクC1の方向は、第1の方向および第2の方向の配向に依存する。
【0209】
さらに、推力T1、T6より大きい推力T4、T3が、同じ第2の方向において回転するそれぞれのロータ6d、6cによって発生させられるという事実のため、軸Zと平行な成分をもつ反作用トルクC2が発生させられる。
【0210】
ヨートルクC1の同じ方向に配向される反作用トルクC2は、航空機1''''''''''''のヨーイングを軽減して寄与する。
【0211】
さらに、ロータ6b、6e(図26および図27には示されていない)は、特定の動作の間に必要とされるヨー角比において、または、例えば航空機1''''''''''''のバランス制御(CG位置)において、もしくは、軸Yの周りのロールを軸Zの周りのヨーと組み合わせるために、ロータ6a、6dまたは6c、6fと同じ方法で制御できる。したがって、推力T2、T5は推力T1、T4(またはT3、T6)と等しい。
【0212】
図28および図29を参照すると、符号1'''''''''''''は、本発明の第14の実施形態による垂直離着陸が可能な航空機を指示している。
【0213】
航空機1'''''''''''''は航空機1と異なり、軸E、H; F、IおよびG、Jは、軸Zに対して互いから集束し、着陸装置10から翼8a、8bに向けて、または、航空機1'''''''''''''の下方部から航空機1'''''''''''''の上方部に向けて、上向きに軸Zから平行に進む。
【0214】
図示されている実施形態では、軸E、H; F、I、およびG、Jは、軸Xと、75度から85度の間の範囲にあり、好ましくは80度に等しい、等しい鋭角ε1を定める。
【0215】
航空機1'''''''''''''の動作は航空機1の動作と同様であり、そのため詳細には説明されない。
【0216】
本発明による航空機1、1'、1'''、1''''、1'''''、1''''''、1'''''''、1''''''''、1'''''''''、1''''''''''、1'''''''''''、1''''''''''''、1'''''''''''''および制御方法の特性の考察から、それらによって達成され得る利点は明白である。
【0217】
具体的には、ロータ6a、6b、6c、6d、6e、6f、6g'、および6h'の軸E、F、G、H、I、J、K、L、M、およびNは、航空機1、1'、1'''、1''''、1'''''、1''''''、1'''''''、1''''''''、1'''''''''、1''''''''''、1'''''''''''、1''''''''''''、1'''''''''''''に対して固定される。
【0218】
別の言い方をすれば、航空機1、1'、1'''、1''''、1'''''、1''''''、1'''''''、1''''''''、1'''''''''、1''''''''''、1'''''''''''、1''''''''''''、1'''''''''''''は、ヘリコプタまたは転換式航空機の場合に起こるのと異なり、推力T1、T2、T3、T4、T5、T6、T7、T8、T9、およびT10の傾斜の変化を必要とすることなく、ならびに、知られている種類のVTOL航空機の場合に起こるのと異なり、エンジン排気の方向を配向することを必要とすることなく、離陸、着陸、ホバリング、前方飛行、または任意の飛行体制を取ることができる。
【0219】
これは、航空機1、1'、1'''、1''''、1'''''、1''''''、1'''''''、1''''''''、1'''''''''、1''''''''''、1'''''''''''、1''''''''''''、1'''''''''''''が、推力T1、T2、T3、T4、T5、T6、T7、T8、T9、およびT10の推力ベクトルTを、航空機1、1'、1'''、1''''、1'''''、1''''''、1'''''''、1''''''''、1'''''''''、1''''''''''、1'''''''''''、1''''''''''''、1'''''''''''''に対して軸E、F、G、H、I、J、K、L、M、およびNの配向を変えることなく、それらの絶対値および方向を単に変化させるだけで調節することを可能にするためである。
【0220】
結果として、航空機1、1'、1'''、1''''、1'''''、1''''''、1'''''''、1''''''''、1'''''''''、1''''''''''、1'''''''''''、1''''''''''''、1'''''''''''''は、特に、製造するのが簡単であり、知られている種類の航空機より軽量であり、本明細書の導入部において指示されている。
【0221】
また、第1の姿勢および第2の姿勢の両方において推力T1、T2、T3、T4、T5、T6、T7、T8、T9、およびT10を調節するだけで、航空機1、1'、1'''、1''''、1'''''、1''''''、1'''''''、1''''''''、1'''''''''、1''''''''''、1'''''''''''、1''''''''''''、1'''''''''''''のY軸の周りのロール、X軸の周りのピッチ、およびZ軸の周りのヨーを制御することが可能である。これは、追加の制御翼面の必要性を排除する、または少なくとも実質的に低減する。
【0222】
さらに、航空機1、1'、1'''、1''''、1'''''、1''''''、1'''''''、1''''''''、1'''''''''、1''''''''''、1'''''''''''、1''''''''''''、1'''''''''''''は特に効率的である。これは、各々の飛行体制において、ロータ6a、6b、6c、6d、6e、6f、6g'、および6h'が、航空機1、1'、1'''、1''''、1'''''、1''''''、1'''''''、1''''''''、1'''''''''、1''''''''''、1'''''''''''、1''''''''''''、1'''''''''''''の飛行のために必要な揚力および/または推力を発生させることに寄与し、航空機にX軸、Y軸、およびZ軸についての操縦性を与えるためである。この方法では、実質的にすべての推力T1、T2、T3、T4、T5、T6、T7、T8、T9、およびT10が、航空機1、1'、1'''、1''''、1'''''、1''''''、1'''''''、1''''''''、1'''''''''、1''''''''''、1'''''''''''、1''''''''''''、1'''''''''''''を動作させる目的のために有用であり、不必要な空気力学的抵抗の存在を低減する。
【0223】
さらに、航空機1、1'、1'''、1''''、1'''''、1''''''、1'''''''、1''''''''、1'''''''''、1''''''''''、1'''''''''''、1''''''''''''、1'''''''''''''は、設計上の制約をほとんど与えず、そのため、特に多目的であることが見出される。より明確には、異なる寸法および形、異なる種類の翼8aおよび8b、ならびに/またはロータ6a、6b、6c、6d、6e、6f、6g'、および6h'のための燃焼、ハイブリッド、もしくは液圧で動力供給される駆動部を伴う胴体2が、ロータ6a、6b、6c、6d、6e、6f、6g'、および6h'の位置および大きさに実質的に影響を与えることなく、航空機1、1'、1'''、1''''、1'''''、1''''''、1'''''''、1''''''''、1'''''''''、1''''''''''、1'''''''''''、1''''''''''''、1'''''''''''''において使用できる。
【0224】
ロータ6a、6b、6c、6d、6e、6f、6g'、および6h'が駆動され、互いから独立して調節されるため、航空機1、1'は、分配された電気推進システムに特に適しており、重複性、軽量化、および複雑性の観点において明確な利点を伴う。
【0225】
航空機1、1'、1'''、1''''、1'''''、1''''''、1'''''''、1''''''''、1'''''''''、1''''''''''、1'''''''''''、1''''''''''''、1'''''''''''''は、ホバリング状態に対して、前方飛行状態においてより機首の下がった姿勢を取り、それによって、より良好な搭乗員の快適性を可能にする。
【0226】
図26および図27に示された航空機1''''''''''''(図28および図29に示された航空機1''''''''''''')のロータ6a、6dの軸E、Hと、ロータ6b、6eの軸F、Iと、ロータ6c、6fの軸G、Jと、は軸Zに対して互いから発散している(互いに向けて集束している)。
【0227】
したがって、推力T1、T4のベクトル和の第1の成分T4x-T1xが軸Xと平行な第1の方向で方向付けられ、推力T3、T6のベクトル和の第2の成分T3x-T6xが、第1の方向と反対の第2の方向で方向付けられるように、ロータ6a、6dを制御することが可能である。
【0228】
この方法では、第1の成分T4x-T1xと第2の成分T3x-T6xとは、軸Zと平行なヨートルクC1を発生させ、ヨートルクC1は、航空機1''''''''''''、1'''''''''''''のヨー角度を制御するために使用できる。
【0229】
さらに、推力T1、T6より大きい推力T4、T3とすることが、同じ第2の方向で回転するロータ6d、6cによって発生させられ、反作用トルクC2はヨートルクC1と同じ方向で発生させられ、結果生じるヨートルクを増加させ、航空機1''''''''''''、1'''''''''''''のヨーを軽減する。
【0230】
また、ヨートルクC1と同じ方向において発生させられる反作用トルクC2は、航空機1''''''''''''、1'''''''''''''の軸Zの周りのヨー角度を、航空機1のロータ6a、6b、6c、6d、6e、および6fの非発散または非集束の場合より少ないエネルギーで制御することができる。
【0231】
最後に、修正および変更が、本明細書において述べられた航空機1、1'、1'''、1''''、1'''''、1''''''、1'''''''、1''''''''、1'''''''''、1''''''''''、1'''''''''''、1''''''''''''、1'''''''''''''および制御方法に、特許請求の範囲によって定められている範囲から逸脱することなく行えることは、明らかである。
【0232】
具体的には、航空機1、1'、1'''、1''''、1'''''、1''''''、1'''''''、1''''''''、1'''''''''、1''''''''''、1'''''''''''、1''''''''''''、1'''''''''''''は、乗組員を胴体2に収容するか、または、遠隔で操縦されるかのいずれかとなるように設計でき、OVAを定める。この最後の場合、胴体2は、様々な種類の艤装を収容するように設計される。
【0233】
さらに、異なる飛行体制において必要とされる推力ベクトルTは、記載されたものと異なる推力T1、T2、T3、T4、T5、T6、T7、T8、T9、およびT10のベクトル和を用いて得られてもよい。
【0234】
さらに、航空機1'''、1'''''、1''''''は、着陸装置110''''と同様の図示されていない着陸装置を備えてもよい。
【0235】
最後に、軸Zに対して互いから集束または発散する軸E、H; F、I; G、Jは、図1図12図14図16図17図19図20図21図22図24に示された航空機1、1'、1'''、1''''、1'''''、1''''''、1'''''''、1''''''''、1''''''''''において、純粋に非限定的な例を用いて実施され得る。
【符号の説明】
【0236】
1、1'、1''、1'''、1''''、1'''''、1''''''、1'''''''、1''''''''、1'''''''''、1''''''''''、1'''''''''''、1''''''''''''、1''''''''''''' 垂直離着陸航空機
2 胴体
3 機首
4 尾部
5 固定フィン
6a、6b、6c、6d、6e、6f、6g'、6h'、6i'、6j' ロータ
8a、8b 翼
9 ウイングレット
10 着陸装置
11 ハブ
12 動翼
16 制御部
17 制御ユニット
100'''、100'''' 空気力学的表面
101''' 基端
102'''、102''''、102'''''、102'''''' 自由端
103''' 主要部分
110'''' 前着陸装置
111'''' フレーム
112'''' シュラウド
E、F、G、H、I、J、K、L、M、N 軸
T1、T2、T3、T4、T5、T6、T7、T8、T9、T10 推力
α 軸EおよびHとY軸との間の角度
β 軸FおよびIとY軸との間の角度
γ 軸GおよびJとY軸との間の角度
ζ 軸KおよびLとY軸との間の角度
ε 軸MおよびNとY軸との間の角度
δ1、δ2、δ3 軸EおよびHとV軸との間の角度
ω1、ω2、ω3 軸GおよびJとV軸との間の角度
ε1 軸E、H; F、I; G、Jと軸Xと間の鋭角
C1 軸Z周りのヨートルク
C2 反作用トルク
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
垂直離着陸が可能な航空機(1、1'、1'''、1''''、1'''''、1''''''、1'''''''、1''''''''、1'''''''''、1''''''''''、1'''''''''''、1''''''''''''、1'''''''''''''、1''''''''''''''')であって、
第1の軸(E、F、G、H、I、J; E、F、K、L、G、H、I、M、N、J)に沿って方向付けられる第1の推力(T1、T2、T3、T4、T5、T6; T1、T2、T7、T8、T3、T4、T5、T9、T10、T6)を発生させるように構成される第1の推進ユニット(6a、6b、6c、6d、6e、6f; 6a、6b、6g'、6h'、6c、6d、6e、6i'、6j'、6f)と、
第2の軸(E、F、G、H、I、J; E、F、K、L、G、H、I、M、N、J)に沿って方向付けられる第2の推力(T1、T2、T3、T4、T5、T6; T1、T2、T7、T8、T3、T4、T5、T9、T10、T6)を発生させるように構成される第2の推進ユニット(6a、6b、6c、6d、6e、6f; 6a、6b、6g'、6h'、6c、6d、6e、6i'、6j'、6f)と、
を備え、
前記第1および第2の推進ユニット(6a、6b、6c、6d、6e、6f; 6a、6b、6g'、6h'、6c、6d、6e、6i'、6j'、6f)は、前記第1および第2の推力(T1、T2、T3、T4、T5、T6; T1、T2、T7、T8、T3、T4、T5、T9、T10、T6)を、互いに対して独立して調節可能な手法で発生させるように、互いから独立した手法で動作させられるように構成され、
前記第1の軸および前記第2の軸(E、F、G、H、I、J; E、F、K、L、G、H、I、M、N、J)は、前記航空機(1、1'、1'''、1''''、1'''''、1''''''、1'''''''、1''''''''、1'''''''''、1''''''''''、1'''''''''''、1''''''''''''、1''''''''''''')の第1の長手方向(Y)に対して互いと傾斜しており、
それぞれの前記第1の推力および前記第2の推力(T1、T2、T3、T4、T5、T6; T1、T2、T7、T8、T3、T4、T5、T9、T10、T6)の前記第1の軸および前記第2の軸(E、F、G、H、I、J; E、F、K、L、G、H、I、M、N、J)は、前記航空機(1、1'、1'''、1''''、1'''''、1''''''、1'''''''、1''''''''、1'''''''''、1''''''''''、1'''''''''''、1''''''''''''、1''''''''''''')に対して固定され、
前記航空機(1、1'、1'''、1''''、1'''''、1''''''、1'''''''、1''''''''、1'''''''''、1''''''''''、1'''''''''''、1''''''''''''、1''''''''''''')は、前記第1の長手方向(Y)に沿って互いの反対側に配置される機首(3)および尾部(4)をさらに備え、
前記第1の推進ユニット(6a、6b、6c、6d、6e、6f; 6a、6b、6g'、6h'、6c、6d、6e、6i'、6j'、6f)は、前記第1の長手方向(Y)に沿って前記機首(3)と前記第2の推進ユニット(6a、6b、6c、6d、6e、6f; 6a、6b、6g'、6h'、6c、6d、6e、6i'、6j'、6f)との間に置かれ、前記第2の推進ユニット(6a、6b、6c、6d、6e、6f; 6a、6b、6g'、6h'、6c、6d、6e、6i'、6j'、6f)は、前記第1の長手方向(Y)に沿って前記第1の推進ユニット(6a、6b、6c、6d、6e、6f; 6a、6b、6g'、6h'、6c、6d、6e、6i'、6j'、6f)と前記尾部(4)との間に置かれ、
前記第1の軸および前記第2の軸(E、F、G、H、I、J; E、F、K、L、G、H、I、M、N、J; E、G、H、J)は、互いと異なるそれぞれの第1および第2の角度(α、γ)で、前記航空機(1、1'、1'''、1''''、1'''''、1''''''、1'''''''、1''''''''、1'''''''''、1''''''''''、1'''''''''''、1''''''''''''、1''''''''''''')の前記第1の長手方向(Y)に対して互いと傾斜しており、
前記第1の角度(α)は、前記第1の軸(E、F、G、H、I、J; E、F、K、L、G、H、I、M、N、J)から前記機首(3)に向けて配向され、前記第2の角度(γ)は、前記第1の軸(E、F、G、H、I、J; E、F、K、L、G、H、I、M、N、J)から前記機首(3)に向けて配向され、
前記航空機(1、1'、1'''、1''''、1'''''、1''''''、1'''''''、1''''''''、1'''''''''、1''''''''''、1'''''''''''、1''''''''''''、1''''''''''''')は、
使用中に離陸/着陸および/またはホバリングの状態の間に取られる第1の姿勢であって、前記航空機(1、1'、1'''、1''''、1'''''、1''''''、1'''''''、1''''''''、1'''''''''、1''''''''''、1'''''''''''、1''''''''''''、1''''''''''''')が、使用中に垂直に配置される第2の方向(V)に沿って移動可能であり、推力ベクトル(T)が、前記第2の方向(V)と平行であり、前記第1の姿勢において上向きに方向付けられる、第1の姿勢と、
使用中に前方飛行状態の間に取られる第2の姿勢であって、前記航空機(1、1'、1'''、1''''、1'''''、1''''''、1'''''''、1''''''''、1'''''''''、1''''''''''、1'''''''''''、1''''''''''''、1''''''''''''')が、前記第2の方向(V)を横断する第3の方向(O)に沿って移動可能であり、前記推力ベクトル(T)が、前記第3の方向(O)と平行で、前記尾部(4)から前記機首(3)に向けて方向付けられる成分と、前記第2の方向(V)と平行で、前記第2の姿勢において上向きに方向付けられる成分と、を有する、第2の姿勢と、
に、前記航空機(1、1'、1'''、1''''、1'''''、1''''''、1'''''''、1''''''''、1'''''''''、1''''''''''、1'''''''''''、1''''''''''''、1''''''''''''')を選択的に配置するようにプログラムされる制御ユニット(17)をさらに備え、
前記航空機(1、1'、1'''、1''''、1'''''、1''''''、1'''''''、1''''''''、1'''''''''、1''''''''''、1'''''''''''、1''''''''''''、1'''''''''''''、1''''''''''''')は、第3のピッチ軸(X)と平行な傾斜を通じて前記第1の姿勢と前記第2の姿勢との間で移動可能であり、
前記制御ユニット(17)は、前記航空機(1、1'、1'''、1''''、1'''''、1''''''、1'''''''、1''''''''、1'''''''''、1''''''''''、1'''''''''''、1''''''''''''、1'''''''''''''、1''''''''''''')を、前記第1の姿勢と前記第2の姿勢との間の複数の中間姿勢に選択的に配置するようにプログラムされ、前記推力(T)は、前記第2の方向(V)と平行な成分と、前記第3の方向(O)と平行な成分と、を有し、
前記航空機(1、1'、1'''、1''''、1'''''、1''''''、1'''''''、1''''''''、1'''''''''、1''''''''''、1'''''''''''、1''''''''''''、1'''''''''''''、1''''''''''''''')は、前記第1の長手方向(Y)に沿って前記第1および第2の推進ユニット(6a、6b、6c、6d、6e、6f; 6a、6b、6g'、6h'、6c、6d、6e、6i'、6j'、6f)の間に置かれた第3の推進ユニット(6a、6b、6c、6d、6e、6f; 6a、6b、6g'、6h'、6c、6d、6e、6i'、6j'、6f)をさらに備えることと、
前記第3の推進ユニット(6a、6b、6c、6d、6e、6f; 6a、6b、6g'、6h'、6c、6d、6e、6i'、6j'、6f)は、第3の角度(β)で前記第1の長手方向(Y)に対して傾斜している第3の軸(E、F、G、H、I、J; E、F、K、L、G、H、I、M、N、J)に沿って第3の推力(T1、T2、T3、T4、T5、T6; T1、T2、T7、T8、T3、T4、T5、T9、T10、T6)を使用中に発生させることと、
前記第3の角度(β)は、前記第3の軸(E、F、G、H、I、J; E、F、K、L、G、H、I、M、N、J)によって前記機首(3)に向けて配向されることと
各々の前記第1、第2、および第3の推進ユニット(6a、6b、6c、6d、6e、6f; 6a、6b、6g'、6h'、6c、6d、6e、6i'、6j'、6f)は、前記胴体(2)の対向した側に対称に位置するそれぞれの第1、第2、および第3のロータ(6a、6b、6c、6d、6e、6f; 6a、6b、6g'、6h'、6c、6d、6e、6i'、6j'、6f)を備えることと、
前記制御ユニット(17)は、それぞれの前記第1、第2、および第3の推力(T1、T2、T3、T4、T5、T6; T1、T2、T7、T8、T3、T4、T5、T9、T10、T6)の絶対値および方向を調節して、所望の絶対値および方向をもつ推力ベクトル(T)を発生させるために、前記第1、第2、および第3の推進ユニット(6a、6b、6c、6d、6e、6f; 6a、6b、6g'、6h'、6c、6d、6e、6i'、6j'、6f)に動作可能に連結されることと
を特徴とする航空機。
【請求項2】
前記第1の姿勢において、前記第1および第2の推進ユニット(6a、6b、6c、6d、6e、6f; 6a、6b、6g'、6h'、6c、6d、6e、6i'、6j'、6f)の少なくとも一方(6a、6c、6d、6f; 6a、6g'、6h'、6c、6d、6i'、6j'、6f)は作動停止するように構成され、前記第1および第2ならびに第3の推進ユニット(6a、6b、6c、6d、6e、6f; 6a、6b、6g'、6h'、6c、6d、6e、6i'、6j'、6f)の他方(6b、6e; 6g'、6i')は、前記第2の方向(V)と平行な前記第1または第2の推力(T2、T5; T8、T10)をそれぞれ使用中に発生させることを特徴とする、請求項1に記載の航空機。
【請求項3】
前記第1の姿勢において、前記第1および第2の推進ユニット(6a、6c; 6d、6f)は、前記第2の方向(V)に対してそれぞれの相互に反対の側に配置され、具体的には、前記第2の方向(V)に対して対称に配置され、前記第2の方向(V)は、前記航空機(1)が使用中に前記第2の姿勢にあるとき、前記第1の長手方向(Y)に対して垂直であることを特徴とする、請求項1または2に記載の航空機。
【請求項4】
前記第1および第2の推進ユニット(6a、6c; 6d、6f)は、絶対値において互いと等しい前記第1および第2の推力(T1、T3; T4、T6)をそれぞれ発生させるように制御されるように構成されることを特徴とする、請求項3に記載の航空機。
【請求項5】
前記航空機は積載物のための筐体(2)を備え、前記第1および第2の推進ユニット(6a、6b、6c; 6a、6b、6g'、6h'、6c)は前記筐体(2)の第1の側に配置され、前記航空機は、前記第1の側と反対の前記筐体(2)の第2の側に配置される少なくともさらなる第1の推進ユニットおよび少なくともさらなる第2の推進ユニット(6d、6e、6f; 6d、6e、6i'、6j'、6f)を備えることを特徴とする、ならびに/または、
前記第1の推進ユニット(6a、6b、6c、6d、6e、6f; 6a、6b、6g'、6h'、6c、6d、6e、6i'、6j'、6f)はそれぞれの前記第1の軸(E、F、G、H、I、J; E、F、K、L、G、H、I、M、N、J)の周りに回転可能なロータであることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の航空機。
【請求項6】
前記航空機は、さらなる第1の推進ユニット(6a、6b、6c、6d、6e、6f; 6a、6b、6g'、6h'、6c、6d、6e、6i'、6j'、6f)およびさらなる第2の推進ユニット(6a、6b、6c、6d、6e、6f; 6a、6b、6g'、6h'、6c、6d、6e、6i'、6j'、6f)を備え、
前記第1の推進ユニット(6a、6b、6c、6d、6e、6f; 6a、6b、6g'、6h'、6c、6d、6e、6i'、6j'、6f)および前記さらなる第1の推進ユニット(6a、6b、6c、6d、6e、6f; 6a、6b、6g'、6h'、6c、6d、6e、6i'、6j'、6f)は、それぞれの第1の軸(E、H; E、H)に沿って方向付けられるそれぞれの第1の推力を発生させるように構成されるそれぞれの前記第1のロータ(6a、6d; 6a、6d)を備え、前記第1のロータ(6a、6d; 6a、6d)はそれぞれの第1の軸(E、H; E、H)の周りに回転可能であり、
前記第2の推進ユニット(6a、6b、6c、6d、6e、6f; 6a、6b、6g'、6h'、6c、6d、6e、6i'、6j'、6f)および前記さらなる第2の推進ユニット(6a、6b、6c、6d、6e、6f; 6a、6b、6g'、6h'、6c、6d、6e、6i'、6j'、6f)は、それぞれの第2の軸(F、I; F、I)に沿って方向付けられるそれぞれの第2の推力(T2、T5; T2、T5)を発生させるように構成されるそれぞれの前記第2のロータ(6b、6e; 6b、6e)を備え、前記第2のロータ(6b、6e; 6b、6e)はそれぞれの第2の軸(F、I; F、I)の周りに回転可能であり、
前記第1および第2のロータ(6a、6d; 6b、6e)は、互いに対して独立して調節可能な手法で前記第1および第2の推力(T1、T4、T2、T5; T1、T4、T2、T5)を発生させるように、互いから独立した手法で動作させられるように構成され、
前記航空機(1、1'、1'''、1''''、1'''''、1''''''、1'''''''、1''''''''、1'''''''''、1''''''''''、1'''''''''''、1''''''''''''、1''''''''''''')は、
前記筐体(2)を定め、前記機首(3)および前記尾部(4)が設けられる胴体(2)と、
前記胴体(2)の側方に配置され、前記胴体(2)から片持ち梁の様態で突出する翼(8a、8b)の対と、
を備え、
前記第1のロータ(6a、6d; 6a、6d)は、前記第1の長手方向(Y)に沿って前記機首(3)と前記第2のロータ(6b、6e; 6b、6e)との間に置かれ、前記第2のロータ(6b、6e; 6b、6e)は、前記第1の長手方向(Y)に沿って前記第1のロータ(6a、6d; 6a、6d)と前記尾部(4)との間に置かれ、
前記航空機(1、1'、1'''、1''''、1'''''、1''''''、1'''''''、1''''''''、1'''''''''、1''''''''''、1'''''''''''、1''''''''''''、1''''''''''''')は、さらなる第3の推進ユニット(6a、6b、6c、6d、6e、6f; 6a、6b、6g'、6h'、6c、6d、6e、6i'、6j'、6f)をさらに備え、
前記第3の推進ユニット(6a、6b、6c、6d、6e、6f; 6a、6b、6g'、6h'、6c、6d、6e、6i'、6j'、6f)および前記さらなる第3の推進ユニット(6a、6b、6c、6d、6e、6f; 6a、6b、6g'、6h'、6c、6d、6e、6i'、6j'、6f)は、前記第1の長手方向(Y)に沿って前記第1および第2のロータ(6a、6d、6b、6e; 6a、6d、6b、6e)の間に置かれたそれぞれの前記第3のロータ(6c、6f; 6c、6f)を備え、
前記第3のロータ(6c、6f; 6c、6f)は、前記第3の角度(β)で前記第1の長手方向(Y)に対して傾斜しているそれぞれの第3の軸(G、J; G、J)に沿ってそれぞれの第3の推力(T3、T6; T3、T6)を使用中に発生させ、前記第3のロータ(6c、6f; 6c、6f)はそれぞれの第3の軸(G、J; G、J)の周りに回転可能であり、
前記第3の角度(β)は、前記第3の軸(G、J; G、J)によって前記機首(3)に向けて配向され、
前記航空機(1、1'、1'''、1''''、1'''''、1''''''、1'''''''、1''''''''、1'''''''''、1''''''''''、1'''''''''''、1''''''''''''、1''''''''''''')は、前記第1のロータ(6a、6d; 6a、6d)、前記第2のロータ(6b、6e; 6b、6e)、および前記第3のロータ(6c、6f; 6c、6f)の第1の動作構成を通じて前記第1の姿勢に配置され、前記第1の姿勢では、
前記第2のロータ(6b、6e; 6b、6e)は、それぞれの第2の軸(F、I; F、I)が前記第2の方向(V)と平行となり、それぞれの第2の推力(T2、T5; T2、T5)が互いと等しくなるように配向され、
前記第1のロータ(6a、6d; 6a、6d)は、それぞれの第1の軸(E、H; E、H)が前記第2の方向(V)に対して第4の角度(δ1)で傾斜し、それぞれの前記第1の推力(T1、T4; T1、T4)が互いと等しくなるように配向され、
前記第3のロータ(6c、6f; 6c、6f)は、それぞれの第3の軸(G、J; G、J)が前記第2の方向(V)に対して第5の角度(ω1)で傾斜し、それぞれの前記第3の推力(T3、T6; T3、T6)が互いと等しくなるように配向され、
前記航空機(1、1'、1'''、1''''、1'''''、1''''''、1'''''''、1''''''''、1'''''''''、1''''''''''、1'''''''''''、1''''''''''''、1''''''''''''')は、前記第1のロータ(6a、6d; 6a、6d)、前記第2のロータ(6b、6e; 6b、6e)、および前記第3のロータ(6c、6f; 6c、6f)の第2の動作構成を通じて前記第2の姿勢に配置され、前記第2の姿勢では、
前記第1のロータ(6a、6d; 6a、6d)は、それぞれの前記第1の軸(E、H; E、H)が、互いと等しいそれぞれのさらなる第3の角度(δ2)で前記第2の方向(V)に対して傾斜し、互いと等しく、同じ絶対値を有し、前記尾部(4)から前記機首(3)に向けて方向付けられる第3の方向(O)と平行な第1の成分と、前記第2の方向(V)と平行な第1の成分と、を有するそれぞれの第1の推力(T1、T4; T1、T4)を発生させるように配向され、
前記第2のロータ(6b、6e; 6b、6e)は、それぞれの前記第2の軸(F、I; F、I)が、前記第3のロータ(6c、6f; 6c、6f)の前記第3の軸(G、J; G、J)の対応する前記第5の角度(ω2)より大きいそれぞれの第4の角度で前記第2の方向(V)に対して傾斜し、互いと等しく、同じ絶対値を有し、前記第3の方向(O)と平行な第2の成分と、前記第2の方向(V)と平行な第2の成分と、を有するそれぞれの推力(T2、T5; T2、T5)を発生させるように配向され、
前記第3のロータ(6c、6f; 6c、6f)は、それぞれの前記第3の軸(G、J; G、J)およびそれぞれの前記推力(T3、T6; T3、T6)が前記第2の方向(V)と平行になるように配向される、ことを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の航空機。
【請求項7】
先尾翼構成を有し、前記先尾翼構成は、前記機首(3)において胴体(2)から側方に突出する空気力学的表面(100'''、100''''、100'''''、100'''''')の対を備えることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の航空機。
【請求項8】
前記第1のロータ(6a、6d)は、それぞれの前記空気力学的表面(100'''、100''''、100'''''、100'''''')によって支持されることを特徴とする、請求項7に記載の航空機。
【請求項9】
前記第1のロータ(6a、6d)は、前記胴体(2)とは反対の前記空気力学的表面(100'''、100''''、100'''''、100'''''')のそれぞれの端(102'''、102''''、102'''''、102'''''')によって支持されることを特徴とする、請求項8に記載の航空機。
【請求項10】
前記空気力学的表面(100'''、100''''、100'''''、100'''''')がそれぞれの自由端(102'''、102''''、102'''''、102'''''')を備えること、および、前記第1のロータ(6a、6d)の各々は前記胴体(2)とそれぞれの前記自由端(102'''、102''''、102'''''、102'''''')との間に置かれることを特徴とする、請求項8に記載の航空機。
【請求項11】
前記第1のロータ(6a、6d)が包まれることを特徴とする、請求項8から10のいずれか一項に記載の航空機。
【請求項12】
それぞれの前記自由端(102''''')が平面であることを特徴とする、請求項9から11のいずれか一項に記載の航空機。
【請求項13】
それぞれの前記端(102'''''')が、前記胴体(2)に対する反対側において凹状であることを特徴とする、請求項9から11のいずれか一項に記載の航空機。
【請求項14】
それぞれの前記空気力学的表面(100'''')によって支持される追加の着陸装置(110'''')の対を備えることを特徴とする、請求項7から13のいずれか一項に記載の航空機。
【請求項15】
前記追加の着陸装置(110'''')が、それぞれの前記第1のロータ(6a、6d)の下方に配置されることを特徴とする、請求項14に記載の航空機。
【請求項16】
前記第1の角度(α)が25度から40度の間の範囲であり、好ましくは40度であり、
前記第2の角度(γ)が75度から105度の間の範囲であり、好ましくは90度であり、
前記第3の角度(β)が75度から115度の間の範囲であり、好ましくは95度である、ことを特徴とする、請求項1から15のいずれか一項に記載の航空機。
【請求項17】
前記第1の角度(α)が75度から100度の間の範囲であり、好ましくは95度であり、
前記第2の角度(γ)が75度から100度の間の範囲であり、好ましくは90度であり、
前記第3の角度(β)が25度から65度の間の範囲であり、好ましくは45度である、ことを特徴とする、請求項1から15のいずれか一項に記載の航空機。
【請求項18】
前記第1の角度(α)が70度から95度の間の範囲であり、好ましくは85度であり、
前記第2の角度(γ)が25度から55度の間の範囲であり、好ましくは40度であり、
前記第3の角度(β)が65度から95度の間の範囲であり、好ましくは85度である、ことを特徴とする、請求項1から15のいずれか一項に記載の航空機。
【請求項19】
前記第1の角度(α)が25度から60度の間の範囲であり、好ましくは40度であり、
前記第2の角度(γ)が75度から100度の間の範囲であり、好ましくは90度であり、
前記第3の角度(β)が75度から100度の間の範囲であり、好ましくは95度である、ことを特徴とする、請求項1から15のいずれか一項に記載の航空機。
【請求項20】
前記第1の角度(α)が75度から100度の間の範囲であり、好ましくは90度であり、
前記第2の角度(γ)が45度から75度の間の範囲であり、好ましくは60度であり、
前記第3の角度(β)が25度から60度の間の範囲であり、好ましくは40度である、ことを特徴とする、請求項1から15のいずれか一項に記載の航空機。
【請求項21】
前記第1の軸(E、H)および/または前記第2の軸(F、I)および/または前記第3の軸(G、J)が互いに対して傾斜していることを特徴とする、請求項1から20のいずれか一項に記載の航空機。
【請求項22】
前記第1の軸(E、H)および/または前記第2の軸(F、I)および/または前記第3の軸(G、J)が、前記第1の長手方向(Y)および前記第4の軸(X)に対して直交する第5の軸(Z)に対して対称であることを特徴とする、請求項21に記載の航空機。
【請求項23】
前記第1の軸(E、H)および/または前記第2の軸(F、I)および/または前記第3の軸(G、J)が、着陸装置(10)から前記翼(8a、8b)へと上向きに進むにつれて、前記第5の軸(Z)に対して集束または発散することを特徴とする、請求項22に記載の航空機。
【請求項24】
前記第1の軸(E、H)および/または前記第2の軸(F、I)および/または前記第3の軸(G、J)が、前記第4の軸(X)と75度から85度の範囲にある鋭角の第6の角度(ε1)を定め、前記第6の角度(ε1)は好ましくは80度であることを特徴とする、請求項23に記載の航空機。
【請求項25】
前記第3の角度(β)が、前記第1の角度(α)より大きく、かつ前記第2の角度(γ)より小さいことを特徴とする、請求項1から24のいずれか一項に記載の航空機。
【請求項26】
垂直離着陸が可能な航空機(1、1'、1'''、1''''、1'''''、1''''''、1'''''''、1''''''''、1'''''''''、1''''''''''、1'''''''''''、1''''''''''''、1''''''''''''')を制御するための方法であって、
i) 第1の推進ユニット(6a、6b、6c、6d、6e、6f; 6a、6b、6g'、6h'、6c、6d、6e、6i'、6j'、6f)を用いて、第1の軸(E、F、G、H、I、J; E、F、K、L、G、H、I、M、N、J; E、G、H、J)に沿って方向付けられる第1の推力(T1、T2、T3、T4、T5、T6; T1、T2、T7、T8、T3、T4、T5、T9、T10、T6; T1、T3、T4、T6)を発生させるステップと、
ii) 前記第1の推進ユニット(6a、6b、6c、6d、6e、6f; 6a、6b、6g'、6h'、6c、6d、6e、6i'、6j'、6f)から独立して動作させることができる第2の推進ユニット(6a、6b、6c、6d、6e、6f; 6a、6b、6g'、6h'、6c、6d、6e、6i'、6j'、6f)を用いて、第2の軸(E、F、G、H、I、J; E、F、K、L、G、H、I、M、N、J; E、G、H、J)に沿って方向付けられる第2の推力(T1、T2、T3、T4、T5、T6; T1、T2、T7、T8、T3、T4、T5、T9、T10、T6)を発生させるステップと、
iii) 前記第1の推力および前記第2の推力(T1、T2、T3、T4、T5、T6; T1、T2、T7、T8、T3、T4、T5、T9、T10、T6)を互いから独立して調節するステップと、
を含み、
前記第1の軸および前記第2の軸(E、F、G、H、I、J; E、F、K、L、G、H、I、M、N、J)は、前記航空機(1、1'、1'''、1''''、1'''''、1''''''、1'''''''、1''''''''、1'''''''''、1''''''''''、1'''''''''''、1''''''''''''、1''''''''''''')の第1の長手方向(Y)に対して互いと傾斜しており、前記方法は、
iv) それぞれの前記第1および第2の推力(T1、T2、T3、T4、T5、T6; T1、T2、T7、T8、T3、T4、T5、T9、T10、T6)の前記第1および第2の軸(E、F、G、H、I、J; E、F、K、L、G、H、I、M、N、J)を、前記航空機(1、1'、1'''、1''''、1'''''、1''''''、1'''''''、1''''''''、1'''''''''、1''''''''''、1'''''''''''、1''''''''''''、1''''''''''''')に対して固定されたままに維持するステップ、を含み、
前記航空機(1、1'、1'''、1''''、1'''''、1''''''、1'''''''、1''''''''、1'''''''''、1''''''''''、1'''''''''''、1''''''''''''、1''''''''''''')は、前記第1の長手方向(Y)に沿って互いの反対側に配置される機首(3)および尾部(4)をさらに備え、
前記第1の推進ユニット(6a、6b、6c、6d、6e、6f; 6a、6b、6g'、6h'、6c、6d、6e、6i'、6j'、6f)は、前記第1の長手方向(Y)に沿って前記機首(3)と前記第2の推進ユニット(6a、6b、6c、6d、6e、6f; 6a、6b、6g'、6h'、6c、6d、6e、6i'、6j'、6f; 6a、6c)との間に置かれ、前記第2の推進ユニット(6a、6b、6c、6d、6e、6f; 6a、6b、6g'、6h'、6c、6d、6e、6i'、6j'、6f)は、前記第1の長手方向(Y)に沿って前記第1の推進ユニット(6a、6b、6c、6d、6e、6f; 6a、6b、6g'、6h'、6c、6d、6e、6i'、6j'、6f)と前記尾部(4)との間に置かれ、
前記第1の軸および前記第2の軸(E、F、G、H、I、J; E、F、K、L、G、H、I、M、N、J)は、互いと異なるそれぞれの第1および第2の角度(α、γ)で、前記航空機(1、1')の前記第1の長手方向(Y)に対して互いと傾斜しており、
前記第1の角度(α)は、前記第1の軸(E、F、G、H、I、J; E、F、K、L、G、H、I、M、N、J)から前記機首(3)に向けて配向され、前記第2の角度(γ)は、前記第1の軸(E、F、G、H、I、J; E、F、K、L、G、H、I、M、N、J)から前記機首(3)に向けて配向され、
前記第1の角度(α)は前記第2の角度(γ)より小さく、
前記方法は、前記第1、第2、および第3の推進ユニット(6a、6b、6c、6d、6e、6f; 6a、6b、6g'、6h'、6c、6d、6e、6i'、6j'、6f)に動作可能に連結される制御ユニット(17)を用いて、所望の絶対値および方向をもつ推力ベクトル(T)を発生させるために、それぞれの前記第1、第2、および第3の推力(T1、T2、T3、T4、T5、T6; T1、T2、T7、T8、T3、T4、T5、T9、T10、T6)の絶対値および方向を調節するステップv)をさらに含み、
前記制御ユニット(17)は、
離陸/着陸および/またはホバリングの状態の間に取られる第1の姿勢であって、前記航空機(1、1'、1'''、1''''、1'''''、1''''''、1'''''''、1''''''''、1'''''''''、1''''''''''、1'''''''''''、1''''''''''''、1''''''''''''')が、使用中に垂直に配置される第2の方向(V)に沿って移動可能であり、前記推力ベクトル(T)が、前記第2の方向(V)と平行であり、前記第1の姿勢において上向きに方向付けられる、第1の姿勢と、
前方飛行状態の間に取られる第2の姿勢であって、前記航空機(1、1'、1'''、1''''、1'''''、1''''''、1'''''''、1''''''''、1'''''''''、1''''''''''、1'''''''''''、1''''''''''''、1''''''''''''')が、前記第2の方向(V)を横断する第3の方向(O)に沿って移動可能であり、前記推力ベクトル(T)が、前記第3の方向(O)と平行で、前記尾部(4)から前記機首(3)に向けて方向付けられる成分と、前記第2の方向(V)と平行で、前記第2の姿勢において上向きに方向付けられる成分と、を有する、第2の姿勢と、
に、前記航空機(1、1'、1'''、1''''、1'''''、1''''''、1'''''''、1''''''''、1'''''''''、1''''''''''、1'''''''''''、1''''''''''''、1''''''''''''')を選択的に配置するようにプログラムされ、
前記ステップv)は、
vi) 前記航空機(1、1'、1'''、1''''、1'''''、1''''''、1'''''''、1''''''''、1'''''''''、1''''''''''、1'''''''''''、1''''''''''''、1''''''''''''')を前記第1の姿勢と前記第2の姿勢との間で移動させるために、前記第1の長手方向(Y)を横断する第4ピッチ軸(X)の周りに前記航空機(1、1'、1'''、1''''、1'''''、1''''''、1'''''''、1''''''''、1'''''''''、1''''''''''、1'''''''''''、1''''''''''''、1''''''''''''')を傾斜させるステップと、
vii) 前記航空機(1、1'、1'''、1''''、1'''''、1''''''、1'''''''、1''''''''、1'''''''''、1''''''''''、1'''''''''''、1''''''''''''、1'''''''''''''、1''''''''''''')を、前記第1の姿勢と前記第2の姿勢との間の複数の中間姿勢に配置するステップであって、前記推力(T)は、前記第2の方向(V)と平行な成分と、前記第3の方向(O)と平行な成分と、を有する、ステップと、
を含み、前記方法は、
viii) 前記第1の長手方向(Y)と平行に前記第1および第2の推進ユニット(6a、6b、6c、6d、6e、6f; 6a、6b、6g'、6h'、6c、6d、6e、6i'、6j'、6f)の間に第3の推進ユニット(6a、6b、6c、6d、6e、6f; 6a、6b、6g'、6h'、6c、6d、6e、6i'、6j'、6f)を置くステップであって、各々の前記第1、第2、および第3の推進ユニット(6a、6b、6c、6d、6e、6f; 6a、6b、6g'、6h'、6c、6d、6e、6i'、6j'、6f)は、前記胴体(2)の対向した側に対称に位置するそれぞれの第1、第2、および第3のロータ(6a、6b、6c、6d、6e、6f; 6a、6b、6g'、6h'、6c、6d、6e、6i'、6j'、6f)を備える、ステップと、
ix) 前記第3の推進ユニット(6a、6b、6c、6d、6e、6f; 6a、6b、6g'、6h'、6c、6d、6e、6i'、6j'、6f)を用いて、第3の角度(β)で前記第1の長手方向(Y)に対して傾斜している第3の軸(E、F、G、H、I、J; E、F、K、L、G、H、I、M、N、J)に沿って第3の推力(T1、T2、T3、T4、T5、T6; T1、T2、T7、T8、T3、T4、T5、T9、T10、T6)を発生させるステップと、
をさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項27】
前記航空機(1、1'、1'''、1''''、1'''''、1''''''、1'''''''、1''''''''、1'''''''''、1''''''''''、1'''''''''''、1''''''''''''、1''''''''''''')が前記第1の姿勢にあるとき、前記第1および第2の推進ユニット(6a、6b、6c、6d、6e、6f; 6a、6b、6g'、6h'、6c、6d、6e、6i'、6j'、6f)の少なくとも一方(6a、6c、6d、6f; 6a、6g'、6h'、6c、6d、6e、6i'、6f)を作動停止し、前記第1および第2ならびに第3の推進ユニット(6a、6b、6c、6d、6e、6f; 6a、6b、6g'、6h'、6c、6d、6e、6i'、6j'、6f)の他方(6b、6e; 6g'、6i')を用いて、前記第2の方向(V)と平行なそれぞれの前記第1または第2の推力(T2、T5; T8、T10)を発生させるステップx)を含むことを特徴とする、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記第1の長手方向(Y)の周りでの回転、前記第1の長手方向(Y)を横断する第4の方向(X)の周りでの、前記航空機(1、1')と一体の回転、および、前記第4および第5の方向(Y、Z)を横断する前記第5の方向(Z)の周りでの回転を制御するように、前記第1および第2の推力(T1、T2、T3、T4、T5、T6; T1、T2、T7、T8、T3、T4、T5、T9、T10、T6)の絶対値を調節するステップxi)を備えることを特徴とする、請求項26または27に記載の方法。
【請求項29】
xii) それぞれの第1の軸(E、H; E、H)に沿って方向付けられるそれぞれの第1の推力(T1、T4; T1、T4)を、それぞれの前記第1の軸(E、H; E、H)の周りに回転可能なそれぞれの前記第1のロータ(6a、6d; 6a、6d)と共に前記第1の推進ユニット(6a、6b、6c、6d、6e、6f; 6a、6b、6g'、6h'、6c、6d、6e、6i'、6j'、6f)およびさらなる第1の推進ユニット(6a、6b、6c、6d、6e、6f; 6a、6b、6g'、6h'、6c、6d、6e、6i'、6j'、6f)を用いて発生させるステップと、
xiii) それぞれの第2の軸(F、I; F、I)に沿って方向付けられるそれぞれの第2の推力(T2、T5; T2、T5)を、前記第1のロータ(6a、6d; 6a、6d)から独立して動作させることができるそれぞれの前記第2のロータ(6b、6e; 6b、6e)と共に前記第2の推進ユニット(6a、6b、6c、6d、6e、6f; 6a、6b、6g'、6h'、6c、6d、6e、6i'、6j'、6f)およびさらなる第2の推進ユニット(6a、6b、6c、6d、6e、6f; 6a、6b、6g'、6h'、6c、6d、6e、6i'、6j'、6f)を用いて発生させるステップであって、前記第2のロータ(6b、6e; 6b、6e)はそれぞれの前記第2の軸(E、F; E、F)の周りに回転可能であり、前記航空機(1、1')は、
前記機首(3)および前記尾部(4)が設けられる胴体(2)、ならびに、
前記胴体(2)の側方に配置され、前記胴体(2)から片持ち梁の様態で突出する翼(8a、8b)の対をさらに備える、ステップと、を含み、
前記方法は、前記第1の長手方向(Y)と平行に前記第1のロータ(6a、6d; 6a、6d)と前記第2のロータ(6b、6e; 6b、6e)との間に、それぞれの第3の推進ユニット(6a、6b、6c、6d、6e、6f; 6a、6b、6g'、6h'、6c、6d、6e、6i'、6j'、6f)およびさらなる推進ユニット(6a、6b、6c、6d、6e、6f; 6a、6b、6g'、6h'、6c、6d、6e、6i'、6j'、6f)の前記第3のロータ(6c、6f; 6c、6f)を置くステップxii)と、
xiv) 前記第3のロータ(6c、6f; 6c、6f)を用いて、前記第3の角度(β)で前記第1の長手方向(Y)に対して傾斜しているそれぞれの第4の軸(G、J; G、J)に沿ってそれぞれの第3の推力(T3、T6; T3、T6)を発生させるステップと、
xv) 前記第1のロータ(6a、6d)、前記第2のロータ(6b、6e)、および前記第3のロータ(6c、6f)の第1の動作構成を通じて、前記航空機(1、1'、1'''、1''''、1'''''、1''''''、1'''''''、1''''''''、1'''''''''、1''''''''''、1'''''''''''、1''''''''''''、1''''''''''''')を前記第1の姿勢で配置するステップであって、前記第1の動作構成では、
前記第2のロータ(6b、6e)は、それぞれの第2の軸(F、I; F、I)が前記第2の方向(V)と平行となり、それぞれの第2の推力(T2、T5)が互いと等しくなるように配向され、
前記第1のロータ(6a、6d)は、それぞれの第1の軸(E、H; E、H)が前記第2の方向(V)に対して第1の角度(δ1)で傾斜し、それぞれの前記第1の推力(T1、T4; T1、T4)が互いと等しくなるように配向され、
前記第3のロータ(6c、6f)は、それぞれの第4の軸(G、J; G、J)が前記第2の方向(V)に対してさらなる第2の角度(ω1)で傾斜し、それぞれの前記第3の推力(T3、T6; T3、T6)が互いと等しくなるように配向される、ステップと、
xvi) 前記第1のロータ(6a、6d)、前記第2のロータ(6b、6e)、および前記第3のロータ(6c、6f)の第2の動作構成を通じて、前記航空機(1、1'、1'''、1''''、1'''''、1''''''、1'''''''、1''''''''、1'''''''''、1''''''''''、1'''''''''''、1''''''''''''、1''''''''''''')を前記第2の姿勢で配置するステップであって、前記第2の姿勢では、
前記第1のロータ(6a、6d)は、それぞれの前記第1の軸(E、H)が、互いと等しいそれぞれのさらなる第3の角度(δ2)で前記第2の方向(V)に対して傾斜し、互いと等しく、同じ絶対値を有し、前記尾部(4)から前記機首(3)に向けて方向付けられる第3の方向(O)と平行な第1の成分と、前記第2の方向(V)と平行な第1の成分と、を有するそれぞれの第1の推力(T1、T4)を発生させるように配向され、
前記第2のロータ(6b、6e)は、それぞれの前記第2の軸(F、I)が、前記第3のロータ(6c、6f; 6c、6f)の前記第3の軸(G、J)の対応する前記第5の角度(ω2)より大きいそれぞれの第4の角度で前記第2の方向(V)に対して傾斜し、互いと等しく、同じ絶対値を有し、前記第3の方向(O)と平行な第2の成分と、前記第2の方向(V)と平行な第2の成分と、を有するそれぞれの第2の推力(T2、T5; T2、T5)を発生させるように配向され、
前記第3のロータ(6c、6f; 6c、6f)は、それぞれの前記第3の軸(G、J; G、J)およびそれぞれの前記推力(T3、T6; T3、T6)が前記第2の方向(V)と平行になるように配向される、ステップと、
をさらに含むことを特徴とする、請求項26から28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記第1のロータ(6a、6d)のうちの1つ(6a)と、前記第3のロータ(6c、6f)のうちの1つ(6c)と、は前記胴体(2)の同じ第1の側に配置され、前記第1のロータ(6a、6d)のうちの他の1つ(6d)と、前記第3のロータ(6c、6f)のうちの他の1つ(6f)と、は前記胴体(2)の前記第1の側と反対の同じ第2の側に配置され、前記方法は、
xvii) 前記第4の方向(X)に沿って第4の差分推力(T4x-T1x)を発生させるように、前記第1のロータ(6a、6d)によって発生させられる前記第1の推力(T1、T4)を制御するステップと、
xviii) 前記第4の方向(X)に沿って、前記第4の差分推力(T4x-T1x)と反対に方向付けられる第5の差分推力(T3x-T6x)を発生させるように、前記第3のロータ(6c、6f)によって発生させられる前記推力(T3、T6)を制御するステップと、
を含み、
前記第4および第5の差分推力(T4x-T1x、T3x-T6x)は、前記航空機(1''''''''''''、1''''''''''''')において前記第5の軸(Z)に沿ってトルクを発生させる、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
xix) 前記第1のロータ(6a、6d)のうちの前記1つ(6a)、および、前記第3のロータ(6c、6f)のうちの前記他の1つ(6f)を、同じ方向に回転するように、同じ第1の値の第4の推力(T1、T6)で駆動するステップと、
xx) 前記第1のロータ(6a、6d)のうちの前記他の1つ(6d)、および、前記第3のロータ(6c、6f)のうちの前記1つ(6c)を、前記第1のロータ(6a、6d)のうちの前記1つ(6a)および前記第3のロータ(6c、6f)のうちの前記他の1つ(6f)の回転方向と反対の、同じさらなる方向に回転するように、前記同じ第1の値より大きい同じ第2の値の推力(T3、T4)で駆動するステップと、
を含むことを特徴とする、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記第3の角度(β)は、前記第1の角度(α)より大きく、前記第2の角度(γ)より小さい、請求項26から31のいずれか一項に記載の方法。
【国際調査報告】