(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-28
(54)【発明の名称】自転車及びそのトランスミッションシステム
(51)【国際特許分類】
B62M 6/55 20100101AFI20220621BHJP
【FI】
B62M6/55
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021563328
(86)(22)【出願日】2020-04-01
(85)【翻訳文提出日】2021-12-17
(86)【国際出願番号】 IB2020053092
(87)【国際公開番号】W WO2020217119
(87)【国際公開日】2020-10-29
(31)【優先権主張番号】102109000006262
(32)【優先日】2019-04-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521464569
【氏名又は名称】エッレエンメウー プロジェクト ソチエタ ア リスポンサビリタ リミタータ
(74)【代理人】
【識別番号】110000095
【氏名又は名称】弁理士法人T.S.パートナーズ
(74)【代理人】
【識別番号】100082887
【氏名又は名称】小川 利春
(74)【代理人】
【識別番号】100181331
【氏名又は名称】金 鎭文
(74)【代理人】
【識別番号】100183597
【氏名又は名称】比企野 健
(74)【代理人】
【識別番号】100161997
【氏名又は名称】横井 大一郎
(72)【発明者】
【氏名】マンツィーニ アンドレア
(57)【要約】
フレームと、駆動輪と、トランスミッションシステムを介して機械エネルギーを駆動輪に伝達するペダルクランク/ペダルアセンブリとを含む自転車であって、該トランスミッションシステムが、作動液を収容するタンクと、作動液を流す液圧回路と、ペダルクランク/ペダルアセンブリによって作動されて、作動液を液圧回路に送り出すように構成された液圧ポンプと、液圧回路に配置され、液圧ポンプによって作動液に供給された液圧エネルギーを機械エネルギーに変換するように構成された少なくとも1つの液圧アクチュエータと、液圧アクチュエータに接続され、液圧アクチュエータによって生成された機械エネルギーを駆動輪に伝達するように構成された駆動軸と、を含む自転車が記載されている。液圧ポンプは、電動機に接続され、該電動機の回転速度と、液圧ポンプの動作パラメータとが、回路基板によって制御される。自転車は、電動機の回転速度を調整することによって電動機を制御するによって、液圧ポンプを多少速く回転させて液圧回路における作動液の循環を強制して、ペダリングを容易にすることができるようにする少なくとも1つの第1のペダル回転数センサと、運転者によってペダルクランク/ペダルアセンブリに付与された動力を測定し、それに応じて、液圧ポンプを駆動するために電動機によって供給される動力を調節することができるようにする少なくとも1つの第2の動力センサと、を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのフレーム(12)と、少なくとも1つの駆動輪(14)と、トランスミッションシステム(20)を介して機械エネルギーを前記少なくとも1つの駆動輪(14)に伝達するように構成された少なくとも1つのペダルクランク/ペダルアセンブリ(16)とを含む自転車(10)であって、前記トランスミッションシステム(20)が、
作動液を収容する少なくとも1つのタンク(24)と、
前記作動液を流す液圧回路(26)と、
少なくとも1つの第1の駆動軸(30)を介して前記ペダルクランク/ペダルアセンブリ(16)によって駆動され、前記作動液を前記液圧回路(26)に送り出すように構成された少なくとも1つの液圧ポンプ(28)と、
前記液圧回路(26)に配置され、前記少なくとも1つの液圧ポンプ(28)によって前記作動液に供給された液圧エネルギーを機械エネルギーに変換するように構成され、所定の回転数及び所定のトルク/ねじりモーメントで回転運動を行う、少なくとも1つの液圧アクチュエータ(32)と、
前記少なくとも1つの液圧アクチュエータ(32)に作動的に接続され、前記少なくとも1つの液圧アクチュエータ(32)によって生成された機械エネルギーを前記少なくとも1つの駆動輪(14)に伝達するように構成された、少なくとも1つの第2の駆動軸(34)と、を収納する液密ケーシング(22)を含み、
前記少なくとも1つの液圧ポンプ(28)が、少なくとも1つの電動機(62)に作動的に接続され、前記少なくとも1つの電動機(62)の回転速度と、したがって前記少なくとも1つの液圧ポンプ(28)の動作パラメータとが、回路基板(64)によって制御される、自転車(10)において、
少なくとも1つの第1のペダル回転数センサ(66)であって、前記回路基板(64)が、運転者によって設定され、該少なくとも1つの第1のペダル回転数センサ(66)によって制御されるペダリング回転数に応じて、前記少なくとも1つの電動機(62)を制御することにより、その回転速度を調整し、これによって、前記少なくとも1つの液圧ポンプ(28)を多少速く回転させて、ペダリングを容易にするように、前記液圧回路(26)における前記作動液の循環を強制するように、前記回路基板(64)と前記ペダルクランク/ペダルアセンブリ(16)と前記第1の駆動軸(30)とに作動的に接続された少なくとも1つの第1のペダル回転数センサ(66)と、
前記回路基板(64)と前記ペダルクランク/ペダルアセンブリ(16)と前記第1の駆動軸(30)とに作動的に接続された少なくとも1つの第2の動力センサ(68)であって、運転者によって前記ペダルクランク/ペダルアセンブリ(16)に付与された動力を測定し、それに応じて、前記少なくとも1つの電動機(62)が前記少なくとも1つの液圧ポンプ(28)を駆動するために発生させる動力を前記回路基板(64)を介して調節できるようにする少なくとも1つの第2のセンサ(68)と、を含むことを特徴とする自転車(10)。
【請求項2】
前記少なくとも1つの液圧ポンプ(28)が、可変容量形ポンプであり、前記少なくとも1つの液圧アクチュエータ(32)が、定容量形液圧モータであり、それにより、前記トランスミッションシステム(20)は、各速度値に対して作動圧と前記定容量形液圧モータ(32)の押しのけ容積とのみによってトルクが決まる一定トルクトランスミッションシステムであることを特徴とする、請求項1に記載の自転車(10)。
【請求項3】
前記可変容量形液圧ポンプ(28)が、前記第1の駆動軸(30)の回転軸線を基準として少なくとも1つのアキシャルピストン(36、38)を備え、各アキシャルピストン(36、38)は、前記第1の駆動軸(30)に回転可能に一体連結されたシリンダブロック(44)内に設けられたそれぞれのチャンバ(40、42)の内部で往復運動可能であり、各チャンバ(40、42)は、作動液を受け入れるために前記液圧回路(26)と流体接続して配置されていることを特徴とする、請求項2に記載の自転車(10)。
【請求項4】
前記可変容量形液圧ポンプ(28)が、前記押しのけ容積を変化させるための機構を備え、前記機構は、各アキシャルピストン(36、38)と接触して配置されてそれぞれのチャンバ(40、42)の内部での各アキシャルピストン(36、38)のストロークを調節する少なくとも1つの揺動板(46)を備え、前記揺動板(46)は、対応するピン(48)を用いて前記液密ケーシング(22)の固定部に枢着され、垂直軸線に対する前記揺動板(46)の傾きが、手動調節レバー(50)を用いて制御されることを特徴とする、請求項3に記載の自転車(10)。
【請求項5】
前記可変容量形液圧ポンプ(28)が、少なくとも1つの複動ピストン(54)を備え、前記ペダルクランク/ペダルアセンブリ(16)の動きが、前記第1の駆動軸(30)と傘歯車(56)とを介して、連接棒(60)によって複動ピストン(54)を前後に直線移動させるカム機構(58)に伝わり、前記カム機構(58)の位置、ひいては前記連接棒(60)の支点の位置の変化によって、前記複動ピストン(54)のストロークを変化させ、その結果、前記ポンプ(28)の押しのけ容積を変化させ、前記液圧回路(26)内の前記作動液の流量及び圧力を変化させることを特徴とする、請求項2に記載の自転車(10)。
【請求項6】
前記定容量形液圧モータ(32)が、第2の偏心駆動軸(34)に接続された複数のラジアルピストン(52)を備え、前記第2の偏心駆動軸(34)に対して径方向に位置決めされた前記ピストン(52)の推力によって回転駆動され、推力シーケンスが、前記第2の偏心駆動軸(34)に一体連結された回転ディストリビュータによって決定され、前記第2の偏心駆動軸(34)が、前記少なくとも1つの駆動輪(14)に一体連結されていることを特徴とする、請求項2から請求項5のいずれか一項に記載の自転車(10)。
【請求項7】
前記少なくとも1つの液圧ポンプ(28)が、
ラジアルピストンを有するポンプと、
ギヤポンプと、
ベーンポンプと、
カムポンプと、からなる群から選択された定容量形ポンプ又は可変容量形ポンプであることを特徴とする、請求項1に記載の自転車(10)。
【請求項8】
前記少なくとも1つの液圧アクチュエータ(32)が、
アキシャルピストンを有するモータと、
ギヤモータと、
ベーンモータと、
カムモータと、からなる群から選択された定容量形モータ又は可変容量形モータであることを特徴とする、請求項1に記載の自転車(10)。
【請求項9】
前記回路基板(64)が、処理装置(70)を備え、該処理装置(70)が、
前記少なくとも1つの第2の動力センサ(68)から得られた信号(S1)から増分値(Q)を収集するように構成された少なくとも1つの読取りモジュール(72)と、
前記少なくとも1つの第1のペダリング回転数センサ(66)から得られた回転数値(f)から、前記増分値(Q)の関数としての目標値(f
0)を求めるように構成された少なくとも1つの制御モジュール(74)と、
前記少なくとも1つの電動機(62)に関連付けられ、前記少なくとも1つの電動機(62)の回転速度(V
r)を前記目標値(f
0)及び前記回転数値(f)の関数として選択し、決定された前記少なくとも1つの電動機(62)の回転速度(V
0)を表す制御信号(U)を、前記少なくとも1つの電動機(62)に送信するように構成された少なくとも1つの演算モジュール(76)と、を含むことを特徴とする、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の自転車(10)。
【請求項10】
前記少なくとも1つの第2の動力センサ(68)が、トルク計からなることを特徴とする、請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の自転車(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全般的に自転車用トランスミッションシステムに関し、特に、自転車用静液圧式トランスミッションシステムに関する。本明細書において、自転車という表現は、人間の筋力によって駆動される1つ(一輪車)、2つ、3つ(三輪車)、又はそれ以上の数(四輪車、人力車等)の車輪付きの任意の車両を指すために用いるものとする。
【背景技術】
【0002】
公知のように、現在市場に出回っている自転車のほとんどは、ペダルクランクから駆動輪への運動エネルギーの伝達に機械式システムを用いるものである。この機械式システムは、通常は、1つ以上のチェーンリングによって駆動されて運動エネルギーを様々な大きさの1つ以上のスプロケットに伝達するチェーンからなる。自転車の速度は、ギヤ比の選択に応じて増減し、各比率はそれぞれのチェーンリング及び/又はそれぞれのスプロケットと固定のペダリング回転数とに対応している。
【0003】
それほど一般的ではないが、別の自転車用機械式トランスミッションシステムは、カルダン軸と傘歯車とを用いる。このトランスミッションシステムによれば、特別な内部ギヤハブが変速に用いられる。さらに、内部ギヤハブと固定比率のチェーンとを用いる、ハイブリッドとして定義可能な機械式トランスミッションシステムが存在する。これらのハイブリッドシステムでは、チェーンリングとスプロケットとが同じであり、ペダルクランクに、又はリア駆動輪の近くに、変速装置が配置され得る。
【0004】
しかしながら、現在の自転車用機械式トランスミッションシステムにはいくつかの欠点がある。特に、従来のチェーンシステムでは、チェーンが破損する可能性があり、また、チェーンリングとスプロケットの歯が大きく摩耗し、やはり破損する可能性がある。トランスミッションシステム全体が、汚れ(土、ほこり、石、淡水、塩水等)にもさらされるため、部品の継続的な洗浄と注油に関連して必然的に摺動性の問題が起こり得る。
【0005】
チェーンが、偶発的にチェーンリング及び/又はスプロケットから外れて、ペダルが「空回り」してしまうこともある。チェーンは、チェーンリング及びスプロケットの歯との係合による応力を受けているため、いずれにしても、ギヤの切り替え時に応力を受け、それにより、騒音が発生し、摩擦による破損も生じるかもしれない。さらに、従来のチェーンシステムにおいては、ギヤ比がチェーンリング及びスプロケットの直径と歯数とによって決まるため、ギヤ比は固定されており、チェーンリング及び/又はスプロケットを手動で交換しなければ比率の選択肢を多数有することは不可能である。
【0006】
カルダン軸を備えたトランスミッションシステム又はハイブリッドタイプのトランスミッションシステムであっても、いくつかの欠点があり、その中に、ギヤ比が固定され、ギヤの切り替えに関してほとんど選択肢がないということがある。その上、これらのシステムにおいては、従来のチェーンシステムに比べて部品交換がより一層困難であるため、速度伝達比を変化させることは、手動での介入による場合であっても、非常に困難である。
【0007】
こうしたことから、例えば米国特許第5938224号、国際公開第2016/036130(A1)号、国際公開第95/25036(A1)号、国際公開第92/12042(A1)号、及び中国実用新案登録第2156126号の各文献に記載されているような、自転車用の静液圧式トランスミッションシステムが提供されている。これらの文献のそれぞれ自体に記載されている自転車は、そのトランスミッションシステムが、静液圧式であり、ペダルクランク/ペダルアセンブリによって駆動される少なくとも1つの液圧ポンプと、該液圧ポンプによって供給される液圧エネルギーを機械エネルギーに変換し、それによってこの機械エネルギーが自転車の駆動輪に送られるように構成された、少なくとも1つの液圧アクチュエータとを含む。しかしながら、これらの自転車には、いわゆるペダルアシストモードを保証できる電気及び/又は電子機器を備えているものはない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このため、本発明の目的は、上記の従来技術の欠点を、非常に簡単で、費用効果が高く、かつ特に機能的な方法で克服できる自転車用トランスミッションシステム、特に自転車用静液圧式トランスミッションシステムを提供することである。
【0009】
詳細には、本発明の目的は、いわゆるペダルアシスト自転車、すなわち電動自転車(したがって、電動機を備えている)において、トランスミッションシステムによって提供されるアシストを運転者にとって可能な限り滑らかで自然なものにする自転車用トランスミッションシステムを提供することである。
【0010】
本発明のもう一つの目的は、部品破損や汚れた環境での使用や水の存在に起因する欠点が生じない自転車用トランスミッションシステムを提供することである。
【0011】
本発明のもう一つの目的は、整備上の問題がない自転車用トランスミッションシステムを提供することである。
【0012】
本発明のもう一つの目的は、過酷な使用状況であっても、部品の摩耗がほとんどない自転車用トランスミッションシステムを提供することである。
【0013】
本発明のもう一つの目的は、ギヤ比が無限であり、適切なギヤ比の選択に何ら問題を伴わない、自転車用トランスミッションシステムを提供することである。
【0014】
本発明のもう一つの目的は、クリアランスなしの滑らかなペダリングを可能にする自転車用トランスミッションシステムを提供することである。
【0015】
本発明のもう一つの目的は、あらゆる条件下で、たとえ100%応力下であっても、破損又はペダルクランクの推力の不確実性に関する問題を生じさせることなくギヤ比を変化させることを可能にする自転車用トランスミッションシステムを提供することである。
【0016】
本発明のさらなる目的は、塩水(海領域)に完全に水没した場合であっても自転車を何ら問題なく使用することを可能にする自転車用トランスミッションシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明に係るこれら及びその他の目的は、請求項1に概要を定義する自転車用トランスミッションシステムによって達成される。
【0018】
本発明のさらなる特徴は、従属請求項によって明らかになり、これらは本明細書と一体をなす部分である。
【0019】
本発明によれば、自転車用トランスミッションシステムは、静液圧式であり、液圧ポンプと液圧アクチュエータとを含む。液圧ポンプによって加圧された作動液(通常は油からなる)が、運動エネルギーを自転車の駆動輪に伝達させるように液圧アクチュエータを動作させる。この静液圧式トランスミッションシステムは、すべての種類の自転車に適しており、液圧ポンプは、ペダルクランクによって回転駆動され、加圧下の作動液は、自転車の1つ又は複数の駆動輪に接続された液圧アクチュエータの駆動軸を回転駆動させる。
【0020】
本発明に係る自転車用トランスミッションシステムの特徴及び利点は、非限定的な例として記載する以下の説明を添付の概略図を参照しながら読むことによって、より明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】
図1は、本発明に係る静液圧式トランスミッションシステムを備えた、自転車の全体の概略側面図である。
【
図2】
図2は、本発明に係る自転車用静液圧式トランスミッションシステムの液圧回路及び主要構成要素の概略図である。
【
図3】
図3は、本発明に係る自転車用静液圧式トランスミッションシステムの液圧ポンプの第1の好ましい実施形態の概略図である。
【
図4】
図4は、本発明に係る自転車用静液圧式トランスミッションシステムの液圧アクチュエータの好ましい一実施形態の斜視図である。
【
図5】
図5は、本発明に係る自転車用静液圧式トランスミッションシステムの液圧ポンプの第2の好ましい実施形態の斜視図である。
【
図6】
図6は、本発明に係る自転車用静液圧式トランスミッションシステムの電子部品の概略図である。
【
図7】
図7は、本発明に係る自転車用静液圧式トランスミッションシステムの電子部品の別の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図面を参照すると、本発明に係る自転車用静液圧式トランスミッションシステムの好ましい実施形態が図示されている。自転車の全体を参照符号10で示し、トランスミッションシステムの全体を参照符号20で示す。
【0023】
自転車10は、少なくとも1つのフレーム12と、少なくとも1つの駆動輪14と、トランスミッションシステム20を介して機械エネルギーを駆動輪14に伝達するように構成された少なくとも1つのペダルクランク/ペダルアセンブリ16とを含むタイプである。したがって、自転車10は、それ自体知られているように、ハンドル18、少なくとも1つのフロント操舵輪、ブレーキシステム、サドル、及びその他の考えられ得る付属品を備え得る。
図1は、従来のタイプの2つの車輪付きの自転車10を示しているが、人間の筋力によって駆動されるという条件を満たすものであれば、他のタイプの自転車又は例えば一輪車、三輪車、もしくは人力車等の同様の車両にトランスミッションシステム20を適用し得ることを否定するものではない。
【0024】
図2に示すように、トランスミッションシステム20は、
作動液を収容する少なくとも1つのタンク24と、
作動液が流れる液圧回路26と、
少なくとも1つの第1の駆動軸30を用いて上記ペダルクランク/ペダルアセンブリ16によって駆動され、作動液を上記液圧回路26に送り出すように構成された少なくとも1つの液圧ポンプ28と、
上記液圧回路26に配置され、上記少なくとも1つの液圧ポンプ28によって作動液に供給された液圧エネルギーを機械エネルギーに変換するように構成され、所定の回転数(rad/s)及び所定のトルク/ねじりモーメント(Nm)で回転運動を行う、言い換えれば、液圧エネルギー(流量、すなわちp×Qによる圧力)を入力として受け取り、機械エネルギー(速度によるトルク)を出力として発生させる、少なくとも1つの液圧アクチュエータ32と、
上記液圧アクチュエータ32に作動的に接続され、上記液圧アクチュエータ32によって生成された機械エネルギーを駆動輪14に伝達するように構成された少なくとも1つの第2の伝動軸34と、を収納する液密ケーシング22を備える。
【0025】
自転車用トランスミッションシステム20の技術的特徴を向上させるために、液圧ポンプ28が可変容量形ポンプであり、液圧アクチュエータ32が定容量形液圧モータであることが好ましい。この組み合わせは、各速度値に対して作動圧と定容量形液圧モータ32の押しのけ容積とのみによってトルクが決まるため、一定トルクトランスミッションシステム20を規定する。トランスミッションシステム20のこの構成によって、
図2の略図に示すように、定容量形液圧モータ32の回転速度を直線的に変化させる液圧ポンプ28の押しのけ容積に作用することにより動力を直接調節することが可能である。可変容量形液圧ポンプ28が定速で回転する場合、定容量形液圧モータ32の回転速度は、0から最大押しのけ容積値までの間で可変である液圧ポンプ28の押しのけ容積に比例する。
【0026】
自転車用トランスミッションシステム20の可変容量形液圧ポンプ28の好ましいが排他的ではない一実施形態を、
図3に示す。実際、
図3は、第1の駆動軸30の回転軸線を基準にして少なくとも1つのアキシャルピストン36、38を備えた可変容量形液圧ポンプ28を示している。各アキシャルピストン36、38は、第1の駆動軸30に回転可能に一体連結されたシリンダブロック44に設けられたそれぞれのチャンバ40、42内で往復運動可能である。このため、各チャンバ40、42は、液圧回路26に流体接続して配置され、作動液を受け入れる。
【0027】
図3の実施形態においては、ペダルクランク/ペダルアセンブリ16が、第1の駆動軸30を回転駆動し、ひいてはこの駆動軸30に一体連結されたシリンダブロック44も回転駆動する。アキシャルピストン36及び38は、それぞれのチャンバ40及び42内で往復運動駆動されることに加えて、第1の駆動軸30によって駆動されることによって回転もする。
【0028】
図3の可変容量形液圧ポンプ28は、各アキシャルピストン36、38のチャンバ40、42内でのストロークを調節するために各ピストンと接触して配置された少なくとも1つの揺動板46からなる、押しのけ容積を変化させるための機構を備えている。揺動板46は、対応するピン48を用いて液密ケーシング22の固定部に枢着され、垂直軸線に対する揺動板46の傾きが、自転車10のフレーム12又はハンドル18に配置された手動調節レバー50を用いて制御される。
【0029】
作動的には、揺動板46は、調節レバー50によって制御されると、ピン48を中心として回動可能である。垂直軸線に対する揺動板46の傾きは、好ましくは、0°~約18.5°の間の角度で変化させることができ、それにより、チャンバ40及び42の押しのけ量、ひいては液圧回路26における作動液の流量及び圧力を変化させることができる。
【0030】
図4は、液圧アクチュエータ32の好ましいが排他的ではない一実施形態を示す。この液圧アクチュエータ32は、第2の偏心駆動軸34に接続された複数のラジアルピストン52を備えた定容量形液圧モータである。
【0031】
第2の偏心駆動軸34は、ピストン52の推力によって回転駆動される。
図4の実施形態では、ピストン52は5つあり、このような第2の偏心駆動軸34に対して径方向に配置されている。推力推移は、第2の偏心駆動軸34に一体連結された回転ディストリビュータによって決定される。第2の偏心駆動軸34は、自転車10の駆動輪14に一体連結されている。
【0032】
しかしながら、液圧アクチュエータ32を図示とは異なる方法で作製し得ることを否定するものではない。実際には、液圧アクチュエータ32は、定容量であろうと可変容量であろうと、任意の液圧又は油圧モータからなり得る。例えば、
図4の定容量形液圧モータの他に、液圧アクチュエータ32は、アキシャルピストンモータ、ギヤモータ、ベーンモータ、又はカムモータからなっていてもよい。液圧ポンプ28も、定容量形液圧ポンプであっても可変容量形液圧ポンプであってもよく、
図3のアキシャルピストンを有する液圧ポンプ28の他に、例えば、ラジアルピストンを有するポンプ、ギヤポンプ、ベーンポンプ、又はカムポンプからなっていてもよい。
【0033】
自転車用トランスミッションシステム20の可変容量形液圧ポンプ28の好ましいが排他的ではない別の実施形態を
図5に示す。実際には、
図5は、少なくとも1つの複動ピストン54を備えた可変容量形液圧ポンプ28を示している。第1の駆動軸30と傘歯車56とによって、ペダルクランク/ペダルアセンブリ16の動きがカム機構58に伝わり、該カム機構58は、連接棒60によって、複動ピストン54を前後に直線移動させる。
【0034】
カム機構58の位置、ひいては連接棒60の支点の位置を変化させることにより、複動ピストン54のストロークが変化し、その結果、ポンプ28の押しのけ量、したがって液圧回路26における作動液の流量及び圧力が変化する。
図3の可変容量形液圧ポンプ28とアキシャルピストンの場合と同じように、複動ピストン54を有するこのポンプ28においても押しのけ量の変化は直線的である。
【0035】
図6を参照すると、本発明に係る「アシスト付」トランスミッションシステム20のいくつかの構成要素が示されている。このトランスミッションシステム20において、液圧ポンプ28は、少なくとも1つの電動機62に作動的に接続されている。電動機62の回転速度と、したがって液圧ポンプ28の動作パラメータとは、回路基板64によって制御される。このため、電動機62によって駆動された液圧ポンプ28が生成する(可変)圧力が、ペダリングをアシストし、静液圧式トランスミッションシステム20を「アシスト付」静液圧式トランスミッションシステム20に変えている。
【0036】
回路基板64とペダルクランク/ペダルアセンブリ16と第1の駆動軸30とに作動的に接続された少なくとも1つの第1のペダル回転数センサ66が設けられている。運転者によって設定されて第1のセンサ66によって制御されるペダリング回転数に応じて、回路基板64は、液圧回路26における作動液の循環を強制してペダリングをアシストするために液圧ポンプ28を多少速く回転させるように、電動機62を制御してその回転速度を調整する。
【0037】
また、回路基板64とペダルクランク/ペダルアセンブリ16と第1の駆動軸30とに作動的に接続された少なくとも1つの第2の動力センサ68(トルク計等)も設けられている。第2のセンサ68は、運転者がペダルクランク/ペダルアセンブリ16に付与した動力を測定し、それに応じて、液圧ポンプ28を作動させるために電動機62が発生させる動力を、回路基板64を介して調節する。基本的に、回路基板64は、ペダリング回転数の他に、運転者が発生させた動力も測定し、トランスミッションシステム20が提供するアシストを可能な限り滑らかで自然なものにするように、電動機62が発生させる「補助的な」動力を調節する。
【0038】
詳細には、
図7を参照すると、本発明に係る「アシスト付」静液圧式トランスミッションシステム20の回路基板64は、処理装置70を備えている。処理装置70は、例えばトルク計からなる動力センサ68から得られた信号S1から増分値Qを収集するように構成された少なくとも1つの読取りモジュール72を含む。基本的に、読取りモジュール72は、値Qをデジタル形式で、あるいはアナログ形式で、取得する。
【0039】
処理装置70は、ペダル回転数センサ66から得られた回転数値fから目標値f0を求めるように構成された少なくとも1つの制御モジュール74をさらに含む。この目標値f0は、上記増分値Qの関数である。処理装置70は、回転数値fを目標値f0の関数として変化させるように構成された少なくとも1つの演算モジュール76をさらに含む。処理装置70の演算モジュール76は、電動機62に関連付けられており、その回転を増減させることができる。言い換えれば、処理装置70の演算モジュール76は、電動機62の回転速度Vrを目標値f0及び回転数値fの関数として選択するように構成されている。したがって、処理装置70の演算モジュール76は、制御信号Uを電動機62に送信するように構成されており、この制御信号Uは、決定された電動機62の回転速度V0を表す。
【0040】
処理装置70は、予め決められたパラメータCの関数として利得Gを算出するように構成されており、当該パラメータCは、運転者が入力することができる。処理装置70は、運転者が、例えばキーボード、つまみ等を用いてパラメータCをカスタマイズするために構成された少なくとも1つのインタフェースモジュール78も含む。
【0041】
従来のペダルアシスト自転車(電動自転車)のトランスミッションシステムに対して、本発明に係る「アシスト付」静液圧式トランスミッションシステム20においては、摩擦による出力損失(yield losses)を生じさせる減速ギヤ、減速ベルト、減速チェーン、及びその他の構成要素がないことに着目すべきである。そのため、この「アシスト付」静液圧式トランスミッションシステム20は、効率及びエネルギー消費削減の点で有利である。しかしながら、この「アシスト付」静液圧式トランスミッションシステム20は、低圧(100バール未満)で動作可能であるため、効率低下につながり得る作動液温度に関係する問題を生じさせることはない。低圧で動作することに加えて、「アシスト付」静液圧式トランスミッションシステム20は、作動液の速度が非常に遅くても動作し、その結果として効率が向上する。
【0042】
したがって、本発明に係る自転車用トランスミッションシステムは、上述の目的を達成し、特に、以下の利点が得られることが分かった。
・液密なケーシング22によって、部品破損や汚れた環境での使用や水の存在に由来する欠点が生じないこと。
・液密なケーシング22に囲まれた液圧回路26によって、整備上の問題がないこと。用途に適した特別な作動液を用いることにより、整備が不要となり、トランスミッションシステム20は、整備のための介入なしで何キロメートルにも及ぶ非常に長い距離の使用が保証される。
・特別な鉱物油からなることが好ましい作動液が潤滑剤としても作用するため、過酷な使用状況であっても、部品の摩耗がほとんどないこと。
・それぞれ可変容量/形状ポンプと定容量モータとからなることが好ましい液圧ポンプ28と液圧アクチュエータ32とが、0から押しのけ容積の最大値まで、無限のギヤ比範囲で、したがって無限の速度範囲で動作可能であるため、ギヤ比が無限であり、適切なギヤ比の選択に問題が生じないこと。
・クリアランスなしの滑らかなペダリング。
・あらゆる条件下で、たとえ100%応力下であっても、破損又はペダルクランクの推力の不確実性の問題を生じさせることなく、ギヤ比を変化させることが可能であること。
・種々の材料からなる様々な液圧ポンプ28及び液圧アクチュエータ32を用いてトランスミッションシステム20を作製可能であること。
・塩水(海領域)に完全に水没した場合であっても自転車10を何ら問題なく使用することが可能であること。
【0043】
液圧アクチュエータ32は、市販の自転車において現在用いられているトルク範囲及び速度範囲のすべてをカバーするようなサイズにすることができる。液圧アクチュエータ32は、高圧及び高温に耐えられるアルミニウム合金又は軽量繊維で製造することができる。
【0044】
液圧ポンプ28は、液圧アクチュエータ32のすべての動作パラメータに対応するようなサイズにすることができる。液圧ポンプ28の押しのけ容積の調節は、従来のディレイラーと同様の遠隔制御装置によって手動で、したがって、電子機器の使用の有無を問わず行うこともでき、特定の電子機器で自動的に行うこともできる。
【0045】
トランスミッションシステム20は、標準のスプロケットと同様に変速範囲が一定のものであってもよく、連続的な変速が行われるものであってもよい。基本的に、停止状態から最高速度まで、ギヤの切り替えによる「ギャップ」又は「遅延」はない。これは、生物測定学的(biometric)又は主観的なパラメータによる均一な変化であるためである。
【0046】
このように案出された本発明の自転車用トランスミッションシステムは、いずれにしても、多くの変更及び変形が可能であり、それらの全ては同じ発明概念に含まれる。さらに、構成要素の各々を技術的に等価な要素で置き換えることができる。基本的に、使用される材料や、形状及び寸法は、技術的ニーズに応じて異なり得る。
【0047】
本発明の保護範囲は、添付の特許請求の範囲によって定義される。
【手続補正書】
【提出日】2021-12-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのフレーム(12)と、少なくとも1つの駆動輪(14)と、トランスミッションシステム(20)を介して機械エネルギーを前記少なくとも1つの駆動輪(14)に伝達するように構成された少なくとも1つのペダルクランク/ペダルアセンブリ(16)とを含む自転車(10)であって、前記トランスミッションシステム(20)が、
作動液を収容する少なくとも1つのタンク(24)と、
前記作動液を流す液圧回路(26)と、
少なくとも1つの第1の駆動軸(30)を介して前記ペダルクランク/ペダルアセンブリ(16)によって駆動され、前記作動液を前記液圧回路(26)に送り出すように構成された少なくとも1つの液圧ポンプ(28)と、
前記液圧回路(26)に配置され、前記少なくとも1つの液圧ポンプ(28)によって前記作動液に供給された液圧エネルギーを機械エネルギーに変換するように構成され、所定の回転数及び所定のトルク/ねじりモーメントで回転運動を行う、少なくとも1つの液圧アクチュエータ(32)と、
前記少なくとも1つの液圧アクチュエータ(32)に作動的に接続され、前記少なくとも1つの液圧アクチュエータ(32)によって生成された機械エネルギーを前記少なくとも1つの駆動輪(14)に伝達するように構成された、少なくとも1つの第2の駆動軸(34)と、を収納する液密ケーシング(22)を含み、
前記少なくとも1つの液圧ポンプ(28)が、少なくとも1つの電動機(62)に作動的に接続され、前記少なくとも1つの電動機(62)の回転速度と、したがって前記少なくとも1つの液圧ポンプ(28)の動作パラメータとが、回路基板(64)によって制御される、自転車(10)において、
少なくとも1つの第1のペダル回転数センサ(66)であって、前記回路基板(64)が、運転者によって設定され、該少なくとも1つの第1のペダル回転数センサ(66)によって制御されるペダリング回転数に応じて、前記少なくとも1つの電動機(62)を制御することにより、その回転速度を調整し、これによって、前記少なくとも1つの液圧ポンプ(28)を多少速く回転させて、ペダリングを容易にするように、前記液圧回路(26)における前記作動液の循環を強制するように、前記回路基板(64)と前記ペダルクランク/ペダルアセンブリ(16)と前記第1の駆動軸(30)とに作動的に接続された少なくとも1つの第1のペダル回転数センサ(66)と、
前記回路基板(64)と前記ペダルクランク/ペダルアセンブリ(16)と前記第1の駆動軸(30)とに作動的に接続された少なくとも1つの第2の動力センサ(68)であって、運転者によって前記ペダルクランク/ペダルアセンブリ(16)に付与された動力を測定し、それに応じて、前記少なくとも1つの電動機(62)が前記少なくとも1つの液圧ポンプ(28)を駆動するために発生させる動力を前記回路基板(64)を介して調節できるようにする少なくとも1つの第2のセンサ(68)と、を含
み、
前記回路基板(64)が、処理装置(70)を備え、該処理装置(70)が、
前記少なくとも1つの第2の動力センサ(68)から得られた信号(S1)から増分値(Q)を収集するように構成された少なくとも1つの読取りモジュール(72)と、
前記少なくとも1つの第1のペダリング回転数センサ(66)から得られた回転数値(f)から、前記増分値(Q)の関数としての目標値(f0)を求めるように構成された少なくとも1つの制御モジュール(74)と、
前記少なくとも1つの電動機(62)に関連付けられ、前記少なくとも1つの電動機(62)の回転速度(Vr)を前記目標値(f0)及び前記回転数値(f)の関数として選択し、決定された前記少なくとも1つの電動機(62)の回転速度(V0)を表す制御信号(U)を、前記少なくとも1つの電動機(62)に送信するように構成された少なくとも1つの演算モジュール(76)と、を含むことを特徴とする自転車(10)。
【請求項2】
前記少なくとも1つの液圧ポンプ(28)が、可変容量形ポンプであり、前記少なくとも1つの液圧アクチュエータ(32)が、定容量形液圧モータであり、それにより、前記トランスミッションシステム(20)は、各速度値に対して作動圧と前記定容量形液圧モータ(32)の押しのけ容積とのみによってトルクが決まる一定トルクトランスミッションシステムであることを特徴とする、請求項1に記載の自転車(10)。
【請求項3】
前記可変容量形液圧ポンプ(28)が、前記第1の駆動軸(30)の回転軸線を基準として少なくとも1つのアキシャルピストン(36、38)を備え、各アキシャルピストン(36、38)は、前記第1の駆動軸(30)に回転可能に一体連結されたシリンダブロック(44)内に設けられたそれぞれのチャンバ(40、42)の内部で往復運動可能であり、各チャンバ(40、42)は、作動液を受け入れるために前記液圧回路(26)と流体接続して配置されていることを特徴とする、請求項2に記載の自転車(10)。
【請求項4】
前記可変容量形液圧ポンプ(28)が、前記押しのけ容積を変化させるための機構を備え、前記機構は、各アキシャルピストン(36、38)と接触して配置されてそれぞれのチャンバ(40、42)の内部での各アキシャルピストン(36、38)のストロークを調節する少なくとも1つの揺動板(46)を備え、前記揺動板(46)は、対応するピン(48)を用いて前記液密ケーシング(22)の固定部に枢着され、垂直軸線に対する前記揺動板(46)の傾きが、手動調節レバー(50)を用いて制御されることを特徴とする、請求項3に記載の自転車(10)。
【請求項5】
前記可変容量形液圧ポンプ(28)が、少なくとも1つの複動ピストン(54)を備え、前記ペダルクランク/ペダルアセンブリ(16)の動きが、前記第1の駆動軸(30)と傘歯車(56)とを介して、連接棒(60)によって複動ピストン(54)を前後に直線移動させるカム機構(58)に伝わり、前記カム機構(58)の位置、ひいては前記連接棒(60)の支点の位置の変化によって、前記複動ピストン(54)のストロークを変化させ、その結果、前記ポンプ(28)の押しのけ容積を変化させ、前記液圧回路(26)内の前記作動液の流量及び圧力を変化させることを特徴とする、請求項2に記載の自転車(10)。
【請求項6】
前記定容量形液圧モータ(32)が、第2の偏心駆動軸(34)に接続された複数のラジアルピストン(52)を備え、前記第2の偏心駆動軸(34)に対して径方向に位置決めされた前記ピストン(52)の推力によって回転駆動され、推力シーケンスが、前記第2の偏心駆動軸(34)に一体連結された回転ディストリビュータによって決定され、前記第2の偏心駆動軸(34)が、前記少なくとも1つの駆動輪(14)に一体連結されていることを特徴とする、請求項2から請求項5のいずれか一項に記載の自転車(10)。
【請求項7】
前記少なくとも1つの液圧ポンプ(28)が、
ラジアルピストンを有するポンプと、
ギヤポンプと、
ベーンポンプと、
カムポンプと、からなる群から選択された定容量形ポンプ又は可変容量形ポンプであることを特徴とする、請求項1に記載の自転車(10)。
【請求項8】
前記少なくとも1つの液圧アクチュエータ(32)が、
アキシャルピストンを有するモータと、
ギヤモータと、
ベーンモータと、
カムモータと、からなる群から選択された定容量形モータ又は可変容量形モータであることを特徴とする、請求項1に記載の自転車(10)。
【請求項9】
前記少なくとも1つの第2の動力センサ(68)が、トルク計からなることを特徴とする、請求項1から請求項
8のいずれか一項に記載の自転車(10)。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【国際調査報告】