(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-28
(54)【発明の名称】オーバーラップフィルム用引き裂きテープの排除方法及びデバイス
(51)【国際特許分類】
B65D 65/02 20060101AFI20220621BHJP
【FI】
B65D65/02 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021564260
(86)(22)【出願日】2020-04-28
(85)【翻訳文提出日】2021-10-28
(86)【国際出願番号】 EP2020061779
(87)【国際公開番号】W WO2020221754
(87)【国際公開日】2020-11-05
(32)【優先日】2019-05-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】516004949
【氏名又は名称】ジェイティー インターナショナル エス.エイ.
【氏名又は名称原語表記】JT INTERNATIONAL S.A.
【住所又は居所原語表記】8,rue Kazem Radjavi,1202 Geneva,SWITZERLAND
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100188329
【氏名又は名称】田村 義行
(72)【発明者】
【氏名】ギュンデュツ,ハカン
【テーマコード(参考)】
3E086
【Fターム(参考)】
3E086AA22
3E086AB01
3E086AC11
3E086AC18
3E086AD13
3E086BA15
3E086BB52
3E086CA01
3E086CA35
3E086CA40
3E086DA07
3E086DA08
(57)【要約】
本発明は、連続的に折り畳まれた部分(45)を有するフィルム状包装材料(44)を製造するための装置(100)及び方法に関し、装置は、(A)突出部(15)を備える第1の構成要素(10)と;(B)その長手方向軸(X)を中心にして回転可能な第1のローラ(20)であって、第1のローラ(20)は、その外側表面に凹部(25)を備え、凹部は、第1の構成要素(10)の突出部(15)を収容するために、好ましくは、第1のローラの外周全体の周りに延びている、第1のローラ(20)と;(C)駆動機構であって、第1のローラ(20)の凹部(25)に対する、第1の構成要素(10)の突出部(15)の配置に起因して、フィルム状包装材料の連続部分が第1の構成要素(10)の突出部(15)によって第1のローラ(20)の凹部(25)の中に引き込まれ、その結果、フィルム状包装材料の連続部分が折り畳まれて、重なり合う面を有する連続的に折り畳まれた部分(45)が形成される、ようにフィルム状包装材料(44)を経路に沿って移動させる、駆動機構と;(D)第1のローラ(20)の下流に設けられた接合構成要素(30)であって、フィルム状包装材料(44)の連続的に折り畳まれた部分(45)の重なり合う面を一緒に接着するように配置された、接合構成要素(30)と、を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続的に折り畳まれた部分(45)を有するフィルム状包装材料(44)を製造するための装置(100)であって、前記装置は、
- 突出部(15)を備える第1の構成要素(10)と;
- その長手方向軸(X)を中心として回転可能な第1のローラ(20)であって、前記第1のローラ(20)は、その外側表面に凹部(25)を備え、前記凹部は、前記第1の構成要素(10)の前記突出部(15)を収容するために、好ましくは、前記第1のローラの外周全体の周りに延びている、第1のローラ(10)と;
- 駆動機構であって、前記第1のローラ(20)の前記凹部(25)に対する、前記第1の構成要素(10)の前記突出部(15)の配置に起因して、前記フィルム状包装材料の連続部分が前記第1の構成要素(10)の前記突出部(15)によって前記第1のローラ(20)の前記凹部(25)の中に引き込まれ、その結果、前記フィルム状包装材料の前記連続部分が折り畳まれて、重なり合う面を有する前記連続的に折り畳まれた部分(45)が形成されるように、前記フィルム状包装材料(44)を経路(W)に沿って移動させる、駆動機構と;
- 前記第1のローラ(20)の下流に設けられた接合構成要素(30)であって、前記フィルム状包装材料(44)の前記連続的に折り畳まれた部分(45)の前記重なり合う面を一緒に接着するように配置された、接合構成要素(30)と、を備える装置(100)。
【請求項2】
前記第1の構成要素(10)は、その外側表面上に前記突出部を備える第2のローラ(10a)であり、前記第2のローラ(10a)は、前記第1のローラ(20)の前記長手方向軸(X)に平行である長手方向軸(X’)を中心に旋回する、請求項1に記載の装置(100)。
【請求項3】
前記一対のローラ(10a、20)は、前記ローラの各々がその長手方向軸(X)を中心に回転するように配置され、重なり合う面を有する前記連続的に折り畳まれた部分(45)は、前記ローラ(10a、20)が、前記ローラ(10a、20)の間に前記フィルム状包装材料(44)を供給している間に形成され、前記第2のローラ(10)は、好ましくは上部プレスローラとして機能する、請求項2に記載の装置(100)。
【請求項4】
1つ以上の前記折り畳まれた部分(45)は、前記フィルム状包装材料(44)の長手移動方向を横から見た断面において実質的にZ字形状を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の装置(100)。
【請求項5】
前記第1の構成要素(10)の前記突出部(15)と前記第1のローラ(20)の前記凹部(25)とは、それらの対応する円周に沿って繰り返し間隔を空けて設けられるか又はそれらの外周全体に沿って延びるように設けられて、前記フィルム状包装材料(44)の前記折り畳まれた部分(45)の形成を可能にするように、前記突出部(15)と前記凹部(25)とが互いに概ね相補的となるように配置されている、請求項1~4のいずれか一項に記載の装置(100)。
【請求項6】
前記突出部(15)は、片側に傾斜して配置されたウェッジ形状で設けられ、前記第1の構成要素(10)の前記突出部(15)は、前記フィルム状包装材料(44)の前記連続的に折り畳まれた部分(45)の形成を可能にするように、前記突出部(15)に対して概ね相補的な形状を有する前記第1のローラ(20)の前記凹部(25)によって収容可能である、請求項1~5のいずれか一項に記載の装置(100)。
【請求項7】
前記凹部(25)の幅は約0.5mm~5mm、好ましくは約0.8mm~3mm、又はより好ましくは約1mm~2mmである、請求項1~6のいずれか一項に記載の装置(100)。
【請求項8】
前記接合構成要素(30)は、回転可能な若しくは静止したローラ(30a)、ノズル(30b)、又はブロックの形態で設けられる、請求項1~7のいずれか一項に記載の装置(100)。
【請求項9】
前記接合構成要素(30)は、前記フィルム状包装材料(44)に熱を加えること又は粘着材料を提供することが可能である、請求項1~8のいずれか一項に記載の装置(100)。
【請求項10】
前記フィルム状包装材料(44)は、第1の面及び第2の面を備え、1つ以上の折り畳まれた部分を形成する前記重なり合う面は、前記第1の面同士が、又は前記第2の面同士が接着される、請求項1~9のいずれか一項に記載の装置(100)。
【請求項11】
連続的に折り畳まれた部分(45)を有するフィルム状包装材料(44)を製造する方法であって、前記方法は、
a.第1のローラ(20)であって、前記第1のローラの外側表面に凹部(25)を有し、前記凹部は、好ましくは前記第1のローラの外周全体の周りに延びる第1のローラ(20)と、突出部(15)を有し好ましくは更に先端部(18)を有する第1の構成要素(10)と、の間に、フィルム状包装材料(44)を設けることと、
b.前記フィルム状包装材料(44)を前記第1のローラ(20)と前記第1の構成要素(10)との間を通して供給することと、
c.前記第1の構成要素(10)の前記突出部(15)によって、前記フィルム状包装材料(44)の連続部分を、前記第1のローラ(20)の凹部領域(25)へと引き込むことと、
d.前記フィルム状包装材料(44)の前記連続部分を折り畳んで、前記フィルム状包装材料(44)の重なり合う面を形成することと、
e.好ましくは前記フィルム状包装材料(44)を加熱するか若しくは僅かに溶融させることにより、又は粘着材料を提供することにより、前記フィルム状包装材料(44)の前記折り畳まれた部分(45)の前記重なり合う面を接着させることと、を含む方法。
【請求項12】
前記折り畳まれ接着されたフィルム状包装材料を巻き上げるステップを更に含む、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新世代のティアオープン特徴部を有するフィルム状包装材料を製造するためのデバイス及び方法に関する。特に、包装材料は、たばこパックなどの物品を包装するためのオーバーラップポリエチレン(OP)フィルム又はプラスチックフィルムであり得る。本発明のオーバーラップフィルム状包装材料は、それで包まれたパッケージを開くための従来の引き裂きテープの必要性を排除する。
【背景技術】
【0002】
従来のたばこパックは通常、フィルム状オーバーラップ包装材料で包まれている。オーバーラップ包装材料は、特に、保管中及び消費者への販売まで、外部環境からパックとその内容物を保護するために使用される。更に、パック内の製品にアクセスする前に、オーバーラップ材料を壊して開ける必要があるので、消費者にとって不正開封の証拠として機能する。このようなオーバーラップフィルムは、たばこパックだけでなく、他の製品、例えばチューインガム、CD、VCD、ビスケット、封筒、及びその他の消費財のパッケージでも使用されている。
【0003】
簡単で容易な開封を提供するために、標準のオーバーラップフィルムでは、オーバーラップフィルム上に引き裂きテープが設けられている。引き裂きストリップ又は引き裂きリボンとしても知られる引き裂きテープは、オーバーラップフィルム状包装材料の内面に取り付けられた細いテープであり、ラップされた製品をユーザが開ける際に利便性をもたらす。
【0004】
プラスチックフィルムに引き裂きテープを設ける方法は、例えば、プレーン引き裂きテープを使用することである。プレーン引き裂きテープは、加熱されたワックスの浴中で引き裂きテープがプラスチックフィルムに接着される第1世代の引き裂きテープである。ワックスの燃焼又はワックスの冷却のいずれかを回避するために、温度が注意深く調整される必要がある。それでもやはり、溶けたワックスは煙を発し、包装機械のオペレータ及び工場全体の従業員にとって危険である。
【0005】
この方法の別の代替形態は、ワックスでコーティングされた引き裂きテープである。引き裂きテープの製造時に、引き裂きテープの表面にワックスがプレコートされる。ワックス浴を機械に装備する必要はなく、引き裂きテープ上のプレコートされたワックスを溶かすために鉄を加熱する必要があるだけだが、例えば、プレコートワックスが受ける熱エネルギーが包装機械の速度によって変化し、したがってワックスの加熱が不均一になるという、それ自体の欠点がある。また、ワックスが過熱され、したがって引き裂きテープが破損することが多く、ワックスを溶かすには加熱が不十分な場合もある。
【0006】
この方法に対する更なる代替形態は、いわゆる感圧性(自己接着性)引き裂きテープである。このようなタイプの引き裂きテープは、最も進歩した引き裂きテープであり、プレーン引き裂きテープ及びワックスでコーティングされた引き裂きテープの欠点を回避するので、今日広く使用されている。感圧性引き裂きテープは、引き裂きテープの製造中に引き裂きテープ上に接着剤をコーティングすることによって製造される。
【0007】
この種の引き裂きテープは、ワックス浴、ウォームアップ時間、及びワックス加熱の必要性を排除したが、オーバーラップパッケージをより効率的に製造することを可能にし、並びに製造コストを低減させるために、新世代のオーバーラップパッケージが想定される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の発明者らは、本明細書で請求されているような新たに発明されたデバイス及び改善された方法を導入することにより、上で論じた問題への解決策を見出した。デバイスの新規なデザインのおかげで、従来の引き裂きテープの代わりの、連続的に折り畳まれた部分を有するフィルム状包装材料が提供される。フィルム状包装材料自体の一部分から製造された新世代のティアオープン特徴部により、従来の引き裂きテープが排除されるので、単純で容易な製造が可能になる一方で、製造コストが確実に低くなる。標準の引き裂きテープを排除することにより、製造コストが改善されるだけでなく、既存のロールが使い果たされたときにオペレータが製造中に引き裂きテープのロールを定期的に交換する必要が排除され、それにより、より単純でより安全な作動条件が提供される。
【0009】
本発明の第1の態様では、連続的に折り畳まれた部分を有するフィルム状包装材料を製造するための装置が提供され、装置は、突出部を備える第1の構成要素と;その長手方向軸Xを中心として回転可能な第1のローラであって、第1のローラは、その外側表面に凹部を備え、凹部は、第1の構成要素の突出部を収容するために、好ましくは、第1のローラの外周全体の周りに延びている、第1のローラと;駆動機構であって、第1のローラの凹部に対する、第1の構成要素の突出部の配置に起因して、フィルム状包装材料の連続的で実質的に直線の部分が第1の構成要素の突出部によって第1のローラの凹部の中に引き込まれ(強制され、押し込まれ)、その結果、フィルム状包装材料の連続部分が折り畳まれて、重なり合う面を有する連続的に折り畳まれた部分が形成されるように、フィルム状包装材料を経路に沿って移動させる、駆動機構と;第1のローラの下流に設けられた接合構成要素であって、フィルム状包装材料の連続的に折り畳まれた部分の重なり合う面を一緒に接着して、フィルム状包装材料に一体化されたティアオープン部分を形成するように配置された、接合構成要素と、を備える。
【0010】
本発明の第2の態様では、連続的に折り畳まれた部分を有するフィルム状包装材料を製造する方法が提供され、この方法は、以下のステップ:(a)その外側表面に凹部を有し、好ましくはその外周全体の周りに延びる、凹部を有する第1のローラと、突出部を有し好ましくは更に先端部を有する第1の構成要素と、の間に、フィルム状包装材料を設けることと;(b)フィルム状包装材料を第1のローラと第1の構成要素との間を通して供給することと;(c)第1の構成要素の突出部によって、フィルム状包装材料の連続部分を、第1のローラの凹部領域へと引き込むことと;(d)フィルム状包装材料の連続部分を折り畳んで、フィルム状包装材料の重なり合う面を形成することと;(e)好ましくはフィルム状包装材料を加熱するか若しくは僅かに溶融させることにより、又は粘着材料を提供することにより、フィルム状包装材料の折り畳まれた部分の重なり合う面を接着させることとを含む。
【0011】
本明細書に開示されるのは、本明細書に記載される方法によるプロセスによって得られる連続的に折り畳まれた部分を有するフィルム状包装材料である。
【0012】
本明細書で開示されるのは、本発明によるフィルム状包装材料で包まれた物品に関し、前記フィルム状包装材料及び前記連続的に折り畳まれた部分は、実質的に前記物品の周りを円周方向に延びている。好ましくは、フィルム状材料の連続的に折り畳まれた部分の自由端は、フィルム状包装材料の表面にある、開けるための先端又はタブとしてアクセス可能且つ把持可能であり、その結果、ユーザが使用時にフィルム状包装を引き裂いて開けることができる。
【0013】
本発明の実施形態によれば、第1の構成要素は、その外側表面上に前記突出部を備える第2のローラであり、前記第2のローラは、第1のローラの長手方向軸に平行である長手方向軸(X’)を中心に旋回する。これにより、フィルム状包装材料を2つのローラの間にスムーズに供給できる。
【0014】
本発明の別の実施形態によれば、一対のローラは、ローラの各々がその長手方向軸(X)を中心に回転するように配置されることができ、重なり合う面を有する連続的に折り畳まれた部分は、ローラが、ローラの間にフィルム状包装材料を供給している間に形成され、第2のローラは、好ましくは上部プレスローラとして配置される。これにより、フィルム状梱包材料をスムーズに、且つ不必要な皺が一切なく供給することを確実にできる。
【0015】
本発明の別の実施形態によれば、1つ以上の折り畳まれた部分は、フィルム状包装材料の長手移動方向を横から見た断面において実質的にZ字形状を有する。フィルム状包装材料を横から見た断面において「Z」形である折り畳まれた部分は、フィルム状包装材料の残りの折り畳まれていない部分よりも厚く、したがって、折り畳まれた部分は引き裂きガイドとして機能して、折り畳まれた部分の境界に沿ったフィルム状包装材料の引き裂きを可能にする。
【0016】
本発明の一実施形態によれば、第1の構成要素の突出部と第1のローラの凹部とは、それらの対応する円周に沿って繰り返し間隔を空けて設けられるか又はそれらの外周全体に沿って延びるように設けることができ、フィルム状包装材料において折り畳まれた部分の形成を可能にするように、突出部と凹部とが互いに実質的に相補的となるように配置されている。
【0017】
本発明の一実施形態によれば、突出部は、片側に傾斜して構成されたウェッジ形状で配置されることができ、第1の構成要素の突出部は、フィルム状包装材料の連続的に折り畳まれた部分の形成を可能にするように、突出部に対して実質的に相補的な形状を有する第1のローラの凹部によって収容可能である。このような形状により、フィルム状包装材料は、デバイス自体の他の構成要素によって引き裂かれることなく折り畳むことができる。
【0018】
本発明の一実施形態によれば、凹部の幅は、約0.5mm~5mm、好ましくは約0.8mm~3mm、又はより好ましくは約1mm~2mmであり得る。形成された連続的に折り畳まれた部分の幅は、概ね凹部の幅に対応する。
【0019】
本発明の一実施形態によれば、その長手方向軸(X)を中心に回転可能な1つ以上の追加ローラ(第3、第4、第5など)を装置に設けることができ、それにより、折り畳み、接着、巻き上げ、及び/又は巻き戻しの目的で、フィルム状包装材料を適切に伸ばすことが可能になる。
【0020】
本発明の一実施形態によれば、接合構成要素は、静止しているか又は好ましくはその長手方向軸を中心に回転可能であり得る、ローラ、ノズル、又はブロックの形態で提供され得る。
【0021】
本発明の一実施形態によれば、接合構成要素は、フィルム状包装材料に熱を加えること又は粘着材料を提供することが可能である。折り畳まれた部分に熱を加えることにより、フィルム状包装材料の前記部分を加熱溶融し、一緒に接着させることができる。グルー又は自己接着性材料などの粘着材料を提供することにより、折り畳まれた部分を形成する重なり合う面を一緒に接着させることができる。
【0022】
本発明の一実施形態によれば、フィルム状包装材料は、第1の面及び第2の面を備え、1つ以上の折り畳まれた部分を形成する重なり合う面は、第1の面同士を、又は第2の面同士を接着することができる。
【0023】
本発明の一実施形態によれば、折り畳まれ接着されたフィルム状包装材料を巻き上げるステップを更に含む。
【0024】
本発明の一実施形態によれば、フィルム状包装材料は、連続的に折り畳まれた部分を有し、連続的に折り畳まれた部分は、1つ、2つ、又は最大5つの重なり合う面を有し、重なり合う面の幅は、約0.5mm~5mm、好ましくは約0.8mm~3mm、より好ましくは約1mm~2mm、又は最も好ましくは約1mmである。
【0025】
以下の図面は必ずしも縮尺通りには描かれておらず、むしろ様々な実施形態の原理を示すことに重点を置いている。以下の説明では、以下の図面を参照して本発明の様々な実施形態が説明される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】先行技術のデバイス、及び引き裂きテープが接着された従来のフィルム状包装材料を製造するため方法の斜視図を示す。
【
図2】本発明の装置100の好ましい実施形態による、フィルム状包装材料におけるティアオープン特徴部として連続的な折り畳まれた部分を形成するためのローラ配置の正面図を示す。
【
図3】フィルム状包装材料における前記連続的な折り畳まれた部分を接着するための接合手段として加熱ローラを備える、本発明の装置100の好ましい実施形態の斜視図を示す。
【
図4】フィルム状包装材料における前記連続的な折り畳まれた部分を接着するための接合手段としてグルーノズルを備える、本発明の装置100の好ましい実施形態の斜視図を示す。
【
図5】
図2~
図4の装置を用いて本発明の方法に従って処理及び形成される際の、フィルム状包装材料の連続的に折り畳まれた部分の平面図を示す。
【
図6】
図5に示す折り畳み原理に従って得られた連続的に折り畳まれた部分を示す。
【
図7】フィルム状包装材料において本発明の方法に従って実現可能な代替的な折り畳み原理の平面図を示し、そのようなフィルム材料に一体化されたティアオープン特徴部が、本発明の方法及び装置に従って提供される。
【
図8】フィルム状包装材料において本発明の方法に従って実現可能な代替的な折り畳み原理の平面図を示し、そのようなフィルム材料に一体化されたティアオープン特徴部が、本発明の方法及び装置に従って提供される。
【
図9】フィルム状包装材料において本発明の方法に従って実現可能な代替的な折り畳み原理の平面図を示し、そのようなフィルム材料に一体化されたティアオープン特徴部が、本発明の方法及び装置に従って提供される。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1は、たばこパックなどの包装された物品をオーバーラップするプロセス中に、従来の引き裂きテープ90をフィルム状包装材料44に接着するための先行技術のデバイスを示す。
図1で分かるように、フィルム状包装材料44及び引き裂きテープ90の両方が、それ自体の中心軸を中心にしてそれぞれ回転可能なローラによって供給されている。引き裂きテープ90とフィルム状包装材料44の両方が、経路Wに沿った方向に移動し、引き裂きテープ90は、フィルム状包装材料44の上に配置されている。引き裂きテープ90には、(フィルム状包装材料に面する)一面に自己接着性材料が設けられ、その結果、プレスローラの助けにより、引き裂きテープ90がフィルム状包装材料44に接着され、したがって、引き裂きテープを有する従来のフィルム状包装材料が形成される。
【0028】
図2は、第1のローラ20の外周全体に凹部又は溝25が設けられている本発明の装置100の実施形態を示す。その外周全体に突出部15が設けられたローラ10aの形態の第1の構成要素10が、第1のローラ20の上に配置されている。第2のローラ10aの突出部15は、第1のローラ20の凹部25と比較的密接に接触するように配置され、
図3の斜視図で分かるように、フィルム状包装材料44がその間を通過することが可能になっている。
【0029】
突出部を、第2のローラ10aの外周全体に設けるだけでなく、長手方向の位置に間隔を空けて繰り返し設け、例えば2つ、3つ、4つ、又はそれ以上の突出部15を互いに均等に又は非均等に離間させて第2のローラ10aの外周に設けることができることも想定できる。突出部15の数に対応する同数の溝を設けることができ、その結果、ローラ10a、20の両方がそれらの長手方向軸(X)を中心に互いに向かって回転するときに、第1のローラ20の溝が第2のローラの突出部を受け入れ、フィルム状包装材料44は折り畳まれて、折り畳まれた部分を形成できる。
【0030】
フィルム状包装材料44の連続的に折り畳まれた部分45が、第2のローラ10aの突出部15及び第1のローラ20の凹部25の配置のおかげで折り畳まれるように、フィルム状包装材料44を経路Wに沿って移動させるための駆動機構、例えば、自動圧延及び/又は搬送システムを装置100に設けることができる。
【0031】
フィルム状包装材料44の一部分が折り畳まれて連続的に折り畳まれた部分45を形成した後、第1のローラ20の下流に設けられた接合構成要素30を使用して、好ましくは接着によって、フィルム状包装材料44の連続的に折り畳まれた部分45の重なり合う面を一緒に硬化させる。
【0032】
図3に示す一実施形態では、接合構成要素30は、ローラ30a、好ましくは加熱ローラの形態で提供されることができ、その結果、ローラがフィルム状包装材料に接触する表面において十分な熱が生成されて、フィルム状包装材料44が僅かに溶融し、それにより、フィルム状包装材料44の重なり合う面が互いに接着され熱封止されるように、ローラは構成及び配置されている。
【0033】
図4に示す別の実施形態では、接合構成要素30は、グルー又は一般には接着剤の送達ノズル30bとして提供されてもよい。もちろん、フィルム状包装材料44の重なり合う面を接着する他のあらゆる好適な形態の接合構成要素30を使用できる。
【0034】
更に別の実施形態では、接合構成要素30を使用して、連続的に折り畳まれた部分45の重なり合う面に粘着性の接着剤材料を提供することもできる。この特定の実施形態では、接合構成要素30を第1の構成要素10の突出部15の先端に組み込むことができ、その結果、フィルム状包装材料が折り畳まれている場所における、フィルム状包装材料の重なり合う面に粘着材料が適用され、それにより連続的に折り畳まれた部分を形成することができる。
【0035】
接合構成要素30は、有利には、連続的に折り畳まれた部分45において、フィルム状包装材料の互いに向き合う対向する領域を接着するように配置されており、それにより、その領域が強化され、折り畳まれた部分45の長手方向縁部又は境界が、使用時に、折り畳まれた部分45に沿ったフィルム材料44の引き裂きを手助けするように配置された薄い引き裂きガイドを形成して、フィルム状包装材料44と一体化された引き裂きテープの等価物が形成される。
【0036】
例えば、
図5に示すように、連続的に折り畳まれた部分45の内側層45aの第1の領域A1は、フィルム状包装材料の第1の面71の下方で直に面する領域A2に接着することができ、第1の領域の反対側の、前記層45aの第2の面A3は、フィルム状包装材料の第2の面73にある、図で破線の矢印で示す、直に面する領域A4に接着することができる。
【0037】
フィルム状包装材料44は、ストリップの片面上に接着剤を有する又は有しない、ポリエチレン又はポリプロピレンなどの任意の高強度ポリファーム(poly firm)であり得る。折り畳まれた部分45の端部などのいくつかの好ましい場所、又は前記折り畳まれた部分45の接着された縁部の全部に若しくは一部だけに沿った場所のいずれかにおける、折り畳まれた部分のそばに、更に穿孔を設けて、フィルム材料44の容易な引き裂きを可能にすることができる。フィルム状包装材料44は更に、例えばレーザーで、会社名、ロゴ、デザイン、他のステートメント、又はQRコード若しくはバーコードなどのコードで印刷又はマーキングされてもよい。
【0038】
折り畳まれた部分45を形成する重なり合った領域A1~A4は、
図6に示すように、フィルム状包装材料44の長手移動方向を横から見た断面において実質的にZ字形状を有する。この例では、フィルム状包装材料は一度折り畳まれている。折り畳まれた部分X1の幅は、溝25の幅及び/又は第1の構成要素10の突出部15の先端の接触面積によって決定される。
【0039】
フィルム状包装材料44はまた、複数回折り畳まれることができ、例えば、
図7に示すように、折り畳まれた部分が互いに積み重ねられる場合、2回折り畳まれる。本発明のこの変形形態は、折り畳まれた部分45をより強くより厚く作製することを可能にして、オーバーラップ包装の引き裂きがより容易になる。
【0040】
本発明による、従来の引き裂きテープに取って代わる折り畳まれた部分45の幅は、典型的には約0.5mm~5mm、好ましくは約0.8mm~3mm、又はより好ましくは約1mm~2mmである。これらの範囲内の折り畳まれた部分45の幅は、オーバーラップフィルムの従来の外観を維持しながら、ユーザがフィルム状包装材料44を容易に引き剥がすことを可能にする。
【0041】
この目的のために、全ての実施形態において、本明細書で提案される新世代の引き裂きテープを有するフィルム状包装材料44において、折り畳まれた部分45の近くで、フィルム状包装材料44の一端に、小さな切り込みを更に設けることができ、それにより、オーバーラップフィルムを、折り畳まれた部分を横切ってではなく、折り畳まれた部分45に沿って、容易に引き剥がすことが可能になることに留意されたい。
【0042】
特定の一実施形態では、フィルム状包装材料44は、
図8に示すように、フィルム状包装材料44の異なる長手方向位置で2回折り畳むことができ、それにより、フィルム状包装材料の長手移動方向を横から見た断面において2つの実質的にZ字形状を有する(
図9)。連続する折り畳まれた部分(X1、X2)の各々は、折り畳まれた部分45を生成するために突出部15及び溝25の同じ構成が使用される場合、同じ幅を有し得る。
【0043】
更には、連続して折り畳まれた部分(X1とX2)の間の間隙G1は、1mm~10mm、好ましくは1~5mm、又は好ましくは2mm~3mmに設定できる。フィルム状包装材料44上に2つの折り畳まれた部分45が設けられている場合、フィルム状包装材料44の引き裂きがL2とL3との間の空間内に限定され得るように、
図9に示すように領域G1内に小さな切り込みを設けることができる。これにより、フィルム状包装材料の引き裂きが容易になる。
【0044】
一実施形態によれば、第1の構成要素10の突出部15は、第1のローラ20の凹部25に対して完全に相補的であるわけではなく、第1のローラ20の凹部25内へと部分的にのみ挿入可能であるが、そのような配置は、フィルム状包装材料44の連続的に折り畳まれた部分45を形成するには十分である。
【0045】
更なる実施形態では、フィルム状包装材料44の折り畳みを支援するために、第1の構成要素10の突出部15の上流又は下流のいずれかにおいて、フィルム状包装材料の移動方向に、「V字型」、「\/形(谷型)」、又は「/\形(山型)」に配置された一対の追加のローラを設けることができる。そのような配置により、折り畳まれた部分45の所望の幅を得るための、フィルム状包装材料44のより正確な折り畳みが可能になるであろう。
【0046】
所与の数値に関する「約(about)」又は「およそ(approximately)」は、指定された値から10%以内の数値を含むことを意味する。
【0047】
「備える(comprising)」は、「備える」という単語に続くものは何でも含むが、これに限定されないことを意味する。したがって、「備える(comprising)」という用語の使用は、列挙された要素が必要又は必須であるが、他の要素は任意であり、存在してもよく、又は存在しなくてもよいことを示す。本明細書で使用される場合、「備える(comprising)」及び「含む(including)」という用語は、互いに交換可能である。
【0048】
「からなる(consisting of)」とは、「からなる」という句に続くものは何でも含み、これに限定されることを意味する。したがって、「からなる(consisting of)」という句は、列挙された要素が必要又は必須であり、他の要素が存在しない場合があることを示す。
【0049】
不定冠詞「1つの(a)」又は「1つの(an)」は複数を除外せず、したがって広い意味で扱うべきである。
【0050】
「1つ以上」又は「少なくとも1つ」は、1、2、3、4、5、及びそれを超える整数を含み、当業者によって適用及び理解され得る数を最大とする数を含むことを意味する。
【国際調査報告】