IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ケーニツヒ ウント バウエル アクチエンゲゼルシヤフトの特許一覧

特表2022-530278それぞれ少なくとも1つの集積回路を有する銀行券を製造する方法
<>
  • 特表-それぞれ少なくとも1つの集積回路を有する銀行券を製造する方法 図1
  • 特表-それぞれ少なくとも1つの集積回路を有する銀行券を製造する方法 図2
  • 特表-それぞれ少なくとも1つの集積回路を有する銀行券を製造する方法 図3
  • 特表-それぞれ少なくとも1つの集積回路を有する銀行券を製造する方法 図4
  • 特表-それぞれ少なくとも1つの集積回路を有する銀行券を製造する方法 図5
  • 特表-それぞれ少なくとも1つの集積回路を有する銀行券を製造する方法 図6
  • 特表-それぞれ少なくとも1つの集積回路を有する銀行券を製造する方法 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-28
(54)【発明の名称】それぞれ少なくとも1つの集積回路を有する銀行券を製造する方法
(51)【国際特許分類】
   B42D 25/29 20140101AFI20220621BHJP
   G06K 19/077 20060101ALI20220621BHJP
   B29C 63/02 20060101ALI20220621BHJP
   B42D 25/305 20140101ALI20220621BHJP
   B42D 25/328 20140101ALI20220621BHJP
   B42D 25/455 20140101ALI20220621BHJP
【FI】
B42D25/29
G06K19/077 136
G06K19/077 200
G06K19/077 144
B29C63/02
B42D25/305
B42D25/328
B42D25/455
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021569557
(86)(22)【出願日】2020-10-20
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-05-31
(85)【翻訳文提出日】2021-11-22
(86)【国際出願番号】 EP2020079470
(87)【国際公開番号】W WO2021099049
(87)【国際公開日】2021-05-27
(31)【優先権主張番号】102019131654.5
(32)【優先日】2019-11-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390014188
【氏名又は名称】ケーニッヒ ウント バウアー アー・ゲー
【氏名又は名称原語表記】Koenig & Bauer AG
【住所又は居所原語表記】Friedrich-Koenig-Str. 4, 97080 Wuerzburg, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ローベルト シュティアマン
(72)【発明者】
【氏名】オレリー ベルトン
(72)【発明者】
【氏名】アンジェル モネー
【テーマコード(参考)】
2C005
4F211
【Fターム(参考)】
2C005HA19
2C005HB10
2C005LA08
4F211AD08
4F211AG03
4F211AH37
4F211SA08
4F211SC05
4F211SD01
4F211SH20
4F211SJ13
4F211SJ15
4F211SJ29
4F211SP04
4F211SP48
(57)【要約】
本発明は、それぞれ少なくとも1つの集積回路(04)を有する銀行券(02)を製造する方法であって、銀行券(02)を印刷シート(01)または材料ウェブから製造割り付け面内で製造し、少なくとも複数の銀行券(02)内にまたはこれらの銀行券(02)の各々内にそれぞれ1つの穴(03)を銀行券(02)の基材(18)を貫いて形成し、それぞれ1つの集積回路(04)を該当する穴(03)内に配置し、穴(03)の1つに配置すべき集積回路(04)の各々を、第1の方法ステップにおいて、穴(03)を有する銀行券(02)の各々における意図した位置に関して、正しい位置で帯状のフィルム(06)上に配置し、第2の方法ステップにおいて、この帯状のフィルム(06)から該当する銀行券(01)へ転移させ、第2の方法ステップにおいて実施したこの転移により、集積回路(04)のそれぞれ1つを、銀行券(02)内に形成した穴(03)内に配置する、それぞれ少なくとも1つの集積回路(04)を有する銀行券(02)を製造する方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ少なくとも1つの集積回路(04)を有する銀行券(02)を製造する方法であって、前記銀行券(02)を印刷シート(01)または材料ウェブから製造割り付け面内で製造し、少なくとも複数の銀行券(02)内にまたはこれらの銀行券(02)の各々内にそれぞれ1つの穴(03)を前記銀行券(02)の基材(18)を貫いて形成し、それぞれ1つの集積回路(04)を該当する前記穴(03)内に配置し、前記穴(03)の1つに配置すべき前記集積回路(04)の各々を、第1の方法ステップにおいて、穴(03)を有する前記銀行券(02)の各々における意図した位置に関して、正しい位置で帯状のフィルム(06)上に配置し、第2の方法ステップにおいて、前記帯状のフィルム(06)から該当する前記銀行券(01)へ転移させ、前記第2の方法ステップにおいて実施した転移により、前記集積回路(04)のそれぞれ1つを、前記銀行券(02)に形成した前記穴(03)内に配置する方法。
【請求項2】
それぞれの前記穴(03)を前記銀行券(02)の各々にそれぞれ打ち抜きまたはレーザ切断により形成することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
該当する前記銀行券(02)に形成した前記穴(03)の1つに配置すべき前記集積回路(04)の各々は、それぞれ、固有の筐体内にカプセル化されたマイクロチップとして形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
集積回路(04)としてそれぞれ1つのRFIDタグを使用することを特徴とする請求項1または2または3に記載の方法。
【請求項5】
容量結合されるRFIDタグを使用することを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
該当する前記銀行券(02)に形成した前記穴(03)の1つに配置すべき前記集積回路(04)の各々は、それぞれ、最大1mm×1mmの辺の長さ(l04)を有する1つの面を有することを特徴とする請求項1または2または3または4または5に記載の方法。
【請求項7】
前記穴(03)を該当する前記銀行券(02)においてそれぞれ、前記穴(03)のそれぞれの規模に関して、該当する前記集積回路(04)のそれぞれの前記辺の長さ(l04)より10%~100%大きく形成することを特徴とする請求項1または2または3または4または5または6に記載の方法。
【請求項8】
前記集積回路(04)を前記第1の方法ステップにおいて前記帯状のフィルム(06)上に送風により補助して配置することを特徴とする請求項1または2または3または4または5または6または7に記載の方法。
【請求項9】
前記集積回路(04)を前記第1の方法ステップにおいて前記帯状のフィルム(06)上に、前記集積回路(04)のそれぞれの位置で静電気および/または接着技術を用いて固定することを特徴とする請求項1または2または3または4または5または6または7または8に記載の方法。
【請求項10】
前記第2の方法ステップの実施とともに、または前記第2の方法ステップの実施の直後に、前記帯状のフィルム(06)を、該当する前記印刷シート(01)または該当する前記材料ウェブの前記銀行券(02)の前記基材(18)と結合させることを特徴とする請求項1または2または3または4または5または6または7または8または9に記載の方法。
【請求項11】
帯状のフィルム(06)として二層のフィルムを使用し、前記第2の方法ステップの実施とともに、または前記第2の方法ステップの実施の直後に、前記帯状のフィルム(06)の第1の層(16)を、該当する前記印刷シート(01)または該当する前記材料ウェブの前記銀行券(02)の前記基材(18)と結合させ、このとき、前記集積回路(04)は、前記第1の層(16)に付着していることを特徴とする請求項1または2または3または4または5または6または7または8または9または10に記載の方法。
【請求項12】
二層に形成される前記帯状のフィルム(06)の第2の層(17)は、紙またはプラスチックから形成されていることを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
帯状のフィルム(06)として、ホログラムおよび/またはキネグラムを有するフィルムを使用することを特徴とする請求項1または2または3または4または5または6または7または8または9または10または11または12に記載の方法。
【請求項14】
帯状のフィルム(06)として金属フィルムまたはメタライズドフィルムを使用することを特徴とする請求項1または2または3または4または5または6または7または8または9または10または11または12または13に記載の方法。
【請求項15】
帯状のフィルム(06)として、前記銀行券(02)の前記基材(18)上に配置すべきセキュリティフィルムを使用することを特徴とする請求項1または2または3または4または5または6または7または8または9または10または11または12または13または14に記載の方法。
【請求項16】
第3の方法ステップにおいて、それぞれの前記穴(03)内に配置した前記集積回路(04)をそこに固定し、前記固定を印刷法を用いて実施することを特徴とする請求項1または2または3または4または5または6または7または8または9または10または11または12または13または14または15に記載の方法。
【請求項17】
前記印刷法により非導電性の印刷流体(21)を被着することを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】
印刷法としてインクジェット印刷法またはスクリーン印刷法を使用することを特徴とする請求項16または17に記載の方法。
【請求項19】
前記第3の方法ステップにおいて、それぞれの前記穴(03)内に配置した前記集積回路(04)をそこに固定し、前記固定を該当する前記銀行券(02)の前記基材(18)に対するカバーフィルム(23)のロール圧着またはホットスタンピングにより実施することを特徴とする請求項1または2または3または4または5または6または7または8または9または10または11または12または13または14または15または16または17または18に記載の方法。
【請求項20】
カバーフィルム(23)として非導電性のフィルムを使用することを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項21】
最大90μmの構造高さを有する集積回路(04)を使用することを特徴とする請求項1または2または3または4または5または6または7または8または9または10または11または12または13または14または15または16または17または18または19または20に記載の方法。
【請求項22】
25μm~50μmの範囲内の構造高さを有する集積回路(04)を使用することを特徴とする請求項1または2または3または4または5または6または7または8または9または10または11または12または13または14または15または16または17または18または19または20に記載の方法。
【請求項23】
前記集積回路(04)に、通貨および/もしくは該当する前記銀行券(02)の値についての情報ならびに/または前記銀行券(02)の発行銀行についての情報を記憶することを特徴とする請求項1または2または3または4または5または6または7または8または9または10または11または12または13または14または15または16または17または18または19または20または21または22に記載の方法。
【請求項24】
前記集積回路(04)に、前記銀行券(02)が既に流通しているか否か、または流通がいつ実施されたかについての情報を記憶することを特徴とする請求項1または2または3または4または5または6または7または8または9または10または11または12または13または14または15または16または17または18または19または20または21または22または23に記載の方法。
【請求項25】
それぞれ少なくとも1つの集積回路(04)を有する銀行券(02)の製造時に実施すべき前記方法ステップの少なくとも2つ、すなわち、前記集積回路(04)を前記帯状のフィルム(06)上に正しい位置で配置する前記第1の方法ステップ、および/または前記集積回路(04)を前記銀行券(02)の前記穴(03)内に配置する前記第2の方法ステップ、および/または前記穴(03)内に配置した前記集積回路(04)を固定する前記第3の方法ステップ、および/または前記銀行券(02)を有する前記印刷シート(01)の印刷もしくは前記銀行券(02)を有する前記材料ウェブの印刷、および/または前記製造割り付け面内で製造した前記銀行券(02)の個体の個別化を、それぞれインラインで同じ生産機械内で実施することを特徴とする請求項1または2または3または4または5または6または7または8または9または10または11または12または13または14または15または16または17または18または19または20または21または22または23または24に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1に記載の、それぞれ少なくとも1つの集積回路を有する銀行券を製造する方法に関する。
【0002】
DE 697 22 403 T2において、標準紙銀行券が公知であり、この公知の標準紙銀行券は、紙ベースの基材を有し、基材は、少なくとも1つの集積回路を有し、集積回路は、銀行券の能動型の識別エレメントおよび/または認証エレメントとして、紙ベースの基材に取り付けられているか、または基材内に埋設されており、集積回路は、銀行券に関する情報の記憶および交換を安全に行い、集積回路は、紙ベースの基材の開口内に装入されており、集積回路の厚さは、紙ベースの基材の厚さに相当し、100μm未満である。
【0003】
独国特許出願公開第102011103000号明細書において、少なくとも1つの帯状のスタンピングフィルムの少なくとも一部を帯状の基材上にホットスタンピングする方法が公知であり、この公知の方法では、スタンピングしたい基材を少なくとも1つのスタンピングフィルムの1つのスタンピングフィルムと合流させ、基材と、基材上に位置するスタンピングフィルムとを、加熱した第1のスタンピングロールの周囲に沿って案内し、第1のスタンピングにおいて、基材と、基材上に位置するスタンピングフィルムとを、第1のスタンピングロールの周囲に配置した少なくとも1つの第1の押し付けロールにより互いに、かつ第1のスタンピングロールの加熱した表面に対して押し付け、第1のスタンピング層を基材上にスタンピングし、一度スタンピングした基材を第1のスタンピングロールから出し、基材の進行方向に関して第1のスタンピングロールの下流で再び、少なくとも1つのスタンピングフィルムの同じまたは別のスタンピングフィルムと合流させ、一度スタンピングした基材と、基材上に位置するスタンピングフィルムとを、加熱した第2のスタンピングロールの周囲に沿って案内し、第2のスタンピングにおいて、基材と、基材上に位置するスタンピングフィルムとを、第2のスタンピングロールの周囲に配置した少なくとも1つの第2の押し付けロールにより互いに、かつ第2のスタンピングロールの加熱した表面に対して押し付け、第2のスタンピング層を基材上にスタンピングし、二度スタンピングした基材を第2のスタンピングロールから出している。
【0004】
独国特許出願公開第102004018081号明細書において、セキュリティペーパを製造する方法が公知であり、この公知の方法は、紙ウェブを紙スクリーン上で形成するステップa)と、シート形成中、アンテナ構造を有するプラスチックフィルムを紙ウェブ内に埋設するステップであって、プラスチックフィルムは、ネット状に構造化されたプラスチックフィルムネットであるステップb)とを有している。
【0005】
米国特許出願公開第2005/0150740号明細書において、電流回路を有するシート材料と、シート材料の処理用の装置および方法とが公知であり、これらの公知のシート材料、装置および方法は、シート材料の処理にかかる手間あるいはコストを低減し、かつ/または処理を容易にし、かつ/または改善し、かつ/または信頼性を高める。この目的のために、シート材料は、少なくとも1つの電流回路を備え、エネルギおよび/またはデータは、装置から電流回路に、かつ/または電流回路から装置に伝送され、伝送されるデータの少なくとも一部は、シート材料の処理のために使用される。
【0006】
本発明の根底にある課題は、産業上のプロセスにおいて経済的に実施可能な、それぞれ少なくとも1つの集積回路を有する銀行券を製造する方法を提供することである。
【0007】
上記課題は、本発明において請求項1の特徴により解決される。従属請求項は、見出した解決手段の有利な発展形および/または構成に関する。
【0008】
本発明により達成可能な利点は、特に、それぞれ少なくとも1つの集積回路を有する銀行券を産業上のプロセスにおいて経済的に製造することができるという点にある。見出した解決手段の1つのさらなる利点は、穴内に装入された集積回路をそれぞれ有する銀行券が、表面上に被着された集積回路を有する銀行券より耐久性があり、丈夫であるという点にあり、このことは、特に、集積回路の構造高さが、該当する銀行券の基材の厚さあるいは材料厚さより小さい場合に該当する。さらに、容量結合されるRFIDタグとして形成される集積回路が別途アンテナを要しないことは、有利である。さらなる利点は、以下の説明から看取可能である。
【0009】
本発明の一実施例を図面に示し、以下に詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】複数の銀行券を有する一枚の印刷シートを示す図である。
図2】穴内に配置された集積回路を有する銀行券を示す図である。
図3】集積回路を帯状のフィルム上に正しい位置で被着するアッセンブリを示す図である。
図4】集積回路を銀行券の該当する穴内に配置する装置を示す図である。
図5】集積回路を穴の1つにインクジェット印刷法を用いて固定する装置を示す図である。
図6】集積回路を穴の1つにスクリーン印刷法を用いて固定する装置を示す図である。
図7】集積回路を穴の1つにカバーフィルムのロール圧着により固定する装置を示す図である。
【0011】
図1は、大量の枚数で必要とされるセキュリティドキュメント、特に銀行券02が、一般に産業上のプロセスにおいて製造割り付け面内で製造されることを例示的に示すものである。割り付け面技術の使用は、製造プロセス中、一枚の印刷シート01または材料ウェブ上に、それぞれ複数の銀行券02が、行Rと列Sとからなる結合体内に配置されており、これらの銀行券02が、その製造が終了したとき、まずこの結合体から解かれ、これにより個別化されることを意味している。製造割り付け面内で製造されたこれらの銀行券02の各々は、製造プロセスの終了時、個別化後、独立した製品を形成することになるが、印刷シート01または材料ウェブの面を最適に利用し、これにより低コストの大量生産を可能にするには、これらの多数の、大抵の場合は同じ製品が、印刷シート01または材料ウェブ上に一括製造される。
【0012】
銀行券02は、通常、例えば紙またはプラスチック、特にポリマー素材からなる基材18(図4)を有し、この基材18は、好ましくは複数の異なる印刷法で、1つまたは複数の印刷機械内で印刷される。印刷法として、例えばオフセット印刷法および/または凹版印刷法、特にインタリオ印刷法および/またはスクリーン印刷法および/またはインクジェット印刷法が使用される。印刷シート01または材料ウェブ上でそれぞれ列S内に配置される銀行券02は、通常、それぞれの印刷機械を通して案内される該当する印刷シート01または材料ウェブの運搬方向に沿って配置されており、これに対して、行R内に配置される銀行券02は、通常、この運搬方向に対して横方向に配置されている。
【0013】
それぞれ少なくとも1つの電子集積回路04を有する銀行券02を製造すべく、まずは、少なくとも複数の銀行券02内に、または好ましくはこれらの銀行券02の各々に、それぞれ該当する印刷シート01または該当する材料ウェブの基材18を穿つそれぞれ1つの穴03を形成する。このような穴03は、しばしば窓または開口とも称呼される。穴03の形成は、例えば打ち抜きにより、または切断、特にレーザ切断により実施され、該当する穴03の輪郭は、任意に形成されていて構わないが、大抵は円または長方形の形状に形成されている。図2は、このような銀行券02の1つの個体を例示的に示している。
【0014】
これらの銀行券02の1つに埋設したい集積回路04の各々は、それぞれ固有の筐体内にカプセル化されており、ひいてはそれぞれ独立した部品として形成されている。これにより、これらの銀行券02の1つに埋設したい集積回路04の各々は、それぞれマイクロチップとして形成されている。ここで好ましい構成において、該当する銀行券02に埋設したい集積回路04は、RFIDタグ(英:radio-frequency identification、英:tag=独:Etikett;Funketikett)、特に容量結合されるRFIDタグとして形成されており、該当する集積回路04と、図示しない外部の送信装置および/または受信装置との間のデータ交換は、非接触式に実施される。これらの集積回路04の各々は、それぞれ、通常は長方形のサイズ、特に最大1mm×1mm、好ましくは0.5mm×0.5mmの辺の長さl04を有する正方形の面を有しており、これらの埋設したい集積回路04の構造高さあるいは厚さは、最大90μmであり、好ましくは25μm~50μmの範囲内にあり、ひいては該当する銀行券02の基材18の材料厚さより小さい。該当する銀行券02に形成したい穴03は、該当する埋設したい集積回路04のサイズに適合させられており、穴03のそれぞれの規模に関して、埋設したい集積回路のそれぞれの辺の長さl04より例えば10%~100%大きく形成されている。それぞれの集積回路04内には、例えば通貨および/もしくは該当する銀行券02の値についての情報ならびに/またはこの銀行券02の発行銀行についての情報が、例えば相応のプログラミングにより記憶されており、あるいは記憶され、これらの情報は、別の場所で、図示しない外部の送信装置および/または受信装置により非接触式に読み出し可能である。また、集積回路04内には、この銀行券02が既に流通しているか否か、または流通がいつ実施されたかについての情報が記憶されてもよい。
【0015】
以下では、簡明性のためだけ、かつ本発明を限定することなく、製造割り付け面内で同種の銀行券02が製造され、その結果、それぞれの穴03が、これらの銀行券02の各々において、それぞれ該当する銀行券02に関してそれぞれ同じ位置に形成されていることを前提とする。該当する穴03の中心、ひいては該当する銀行券02内でのその位置は、例えば少なくとも1つの画定線、例えば該当する印刷シート01または材料ウェブの1つの辺または側縁に関して、例えばそれぞれ相応の座標x;yにより確定されている。これらの座標x;yは、例えば制御コンピュータ内に記憶されており、この制御コンピュータは、該当する製造割り付け面内で製造される銀行券02の各々について、該当する座標x;yを、少なくとも、例えば一方では、それぞれ該当する穴03を形成する切断装置09または打ち抜き装置28(図4)へと提供し、他方では、それぞれの集積回路04を提供する装置へと提供する。
【0016】
産業上のプロセスにおいてそれぞれ1つの集積回路04を、一括製造したい銀行券02の該当する穴03内に配置するため、第1の方法ステップにおいて、必要な量の集積回路04を、それぞれの集積回路04を提供する装置により、帯状のフィルム06上に見当合わせして配置する。見当合わせした配置とは、それぞれの集積回路04の配置のための、該当する印刷シート01または材料ウェブ上でそれぞれ相応の座標x;yにより確定された位置に対応する、帯状のフィルム06上における位置にそれぞれ正確に、集積回路04のそれぞれ1つを配置することを意味している。これにより、帯状のフィルム06上における集積回路04の配置は、横方向の見当および周方向の見当について正確に、該当する印刷シート01または材料ウェブ上において意図した配置に対応している。
【0017】
図3に例示的に、かつ概略的にのみ示すように、帯状のフィルム06は、好ましくは、材料ロール07の形態で提供され、材料ロール07から繰り出される。その後、材料ロール07の繰り出した部分、すなわち、帯状のフィルム06上に、供給する集積回路04を正しい位置で、ひいては見当合わせして配置する。帯状のフィルム06への集積回路04の供給は、例えば送風により補助して実施してもよい。帯状のフィルム06上での集積回路04の固定は、例えば静電気および/または接着技術を用いて実施する。集積回路04を帯状のフィルム06上に付着配置した後、帯状のフィルム06は、再び例えばパッケージ08に巻回してもよい。
【0018】
第2の方法ステップにおいて、上掲の例でパッケージ08に巻回した帯状のフィルム06を、再びパッケージ08から繰り出し、帯状のフィルム06上に見当合わせして配置した集積回路04を、帯状のフィルム06から、該当する印刷シート01または該当する材料ウェブ上に形成したそれぞれの銀行券02に転移させる。第2の方法ステップにおいて実施したこの転移により、集積回路04のそれぞれ1つは、銀行券02内に形成した穴03内に配置される。
【0019】
銀行券02内での集積回路04の取着は、図4に示してあり、図4には、取着、特に、運搬方向Tで搬送される印刷シート01のそれぞれの穴03内での集積回路04の配置を例示的に示してあり、これらの印刷シート01の各々は、運搬方向Tで長さl01を有している。図示の例では、これらの印刷シート01の複数を、第1のパイル24から、間隔aを空けて相次いで運搬方向Tで、集積回路04を取着する装置12に供給し、続いて取着の実施後、再び第2のパイル26に排出する。経済的な生産を可能にすべく、少なくとも相当数の加工ステップが、局所的にまとめられ、すなわち、印刷シート01の一時保管をしなくて済むように同じ機械アッセンブリ内で実施される。而して印刷シート01または材料ウェブを、好ましくは連続的に、第1のパイル24から、まず切断装置09または打ち抜き装置28に供給し、この切断装置09または打ち抜き装置28により、それぞれ穴03を、該当する印刷シート01または材料ウェブ内に形成する。次いで、穴03を設けた印刷シート01または材料ウェブを、好ましくは同じ機械アッセンブリ内で、例えばロール対を有する、集積回路04を取着する装置12に供給し、装置12は、協働するロール13のロールニップ内で、帯状のフィルム06上に配置した集積回路04を、帯状のフィルム06から該当する銀行券02に転移させ、この転移により、集積回路04のそれぞれ1つを、銀行券02内に形成した穴03内に配置する。この取着は、同じ行R内に配置されたすべての集積回路04について、好ましくは同時に実施される。銀行券02が、相並んで配置された複数の列Sを有する製造割り付け面内で製造され、ひいては、それぞれ複数の列Sにわたって延在する各行R内にそれぞれ複数の銀行券02が配置されていることにより、ここでは、それぞれ個々の銀行券02の逐次加工と比較して、極めて大量の処理量を達成することができる。少なくとも、ロールニップ内に位置する転移箇所11では、例えばパッケージ08から繰り出したい帯状のフィルム06の運搬速度は、印刷シート01または材料ウェブの運搬速度に同期されている。
【0020】
第2の方法ステップの実施とともに、または第2の方法ステップの実施の直後に、帯状のフィルム06を、該当する印刷シート01または該当する材料ウェブの銀行券02の基材18と結合させる。銀行券02を製造する好ましい一実施の形態において、集積回路04を第1の方法ステップにおいて見当合わせして配置する帯状のフィルム06は、二層のフィルムとして形成されており、第2の方法ステップの実施とともに、または第2の方法ステップの実施の直後に、帯状のフィルム06の第1の層16を、該当する印刷シート01または該当する材料ウェブの銀行券02の基材18と結合させる。帯状のフィルム06またはその第1の層16の、その都度、該当する印刷シート01または該当する材料ウェブの銀行券02の基材18との結合は、例えば素材結合式に、特に接着により実施される。帯状のフィルム06、または二層に形成される帯状のフィルム06の第1の層16は、好ましくは、それぞれ、ホログラムおよび/またはキネグラムを有するフィルムとして形成されており、二層に形成される帯状のフィルム06の第2の層17は、例えば紙またはプラスチックから形成されている。キネグラムは、傾斜効果を有するセキュリティエレメントであって、傾斜効果は、キネグラムを見る角度によって、固定的に規定された動画に類似した動きが生じることを意味している。3次元のエレメントを有するホログラムとは異なり、大抵の場合銀色に輝くキネグラムは、2次元の運動経過を示す。帯状のフィルム06として、または二層に形成される帯状のフィルム06の第1の層16として、それぞれ、特に金属フィルム、メタライズドフィルム、または銀行券02の基材18上に配置すべきセキュリティフィルムが使用される。第2の層17は、例えば引き裂き強さおよび/または安定性および/または処理性の理由から第1の層16のための担体を形成している。帯状のフィルム06またはその第1の層16が、金属フィルムまたはメタライズドフィルムとして形成されているとき、このフィルムは、例えばアルミニウムまたはその他の金属の素材からなるか、またはこのフィルムは、例えばプラスチックからなる担体を有し、担体の表面は、例えば金属の蒸着によりメタライズされている。これらの実施の形態の各々において、取着すべき集積回路04は、帯状のフィルム06に、または二層に形成される帯状のフィルム06の第1の層16に付着する。しかし、それぞれの集積回路04と、金属フィルム06、またはこのフィルム06のメタライズされた表面との間に、導電性の接続は存在しない。帯状のフィルム06またはその第1の層16の、その都度、該当する印刷シート01または該当する材料ウェブの銀行券02の基材18との結合は、例えばロール圧着またはホットスタンピングにより形成される。ホットスタンピングの場合、帯状のフィルム06またはその第1の層16は、圧力および熱が加えられて、該当する印刷シート01または該当する材料ウェブの基材18に被着される。二層に形成される帯状のフィルム06の両層16;17は、好ましくは、転移箇所11において、または転移箇所11の直後において互いに分離され、第2の層17は、再び例えば別のパッケージ14に巻回される。
【0021】
第3の方法ステップにおいて、それぞれの穴03内に取着あるいは配置した集積回路04をそこに固定する。この固定は、例えば印刷法、特にインクジェット印刷法またはスクリーン印刷法を用いて、かつ/または該当する銀行券02の基材18に対するカバーフィルムのロール圧着またはホットスタンピングにより実施する。図5は、インクジェット印刷装置19により、非導電性の印刷流体21、例えばインクまたはニスを、穴03の1つに配置した集積回路04上に被着し、この印刷流体21を乾燥および/または硬化させることで、集積回路04を、該当する穴03内に固定することを示している。図6は、穴03の1つに配置した集積回路04上、ひいてはこの穴03内に、非導電性の印刷流体21を、スクリーン印刷装置22により被装し、ここでも、印刷流体21を乾燥および/または硬化させることで、集積回路04を、該当する穴03内に固定することを例示的に示している。印刷流体21の被装に対して代替的または付加的に、穴03内に配置した集積回路04の固定は、該当する銀行券02上に、非導電性のカバーフィルム23を被着、特にロール装置27により場合によっては付加的に熱を加えながらロール圧着することで実施してもよい。このことは、図7に概略的に、かつ著しく簡略化して示してある。
【0022】
銀行券02の該当する穴03内に集積回路04を取着あるいは配置し、かつ固定した後、通常は、製造割り付け面内で製造したい銀行券02の個体をそれぞれ有する印刷シート01の複数または材料ウェブに、少なくとも1つの印刷機械内で、あるいは少なくとも1つの印刷法を用いて印刷を行い、その後、打ち抜き装置または切断装置、例えばギロチンカッタによりその結合体から断裁し、これにより個別化する。
【0023】
銀行券02の製造時、前述の方法ステップの少なくとも2つ、好ましくはすべてをインラインで実施することができ、すなわち、集積回路04を帯状のフィルム06上に正しい位置であるいは見当合わせして配置する第1の方法ステップ、および/または集積回路04を銀行券02の穴03内に取着あるいは配置する第2の方法ステップ、および/または穴03内に配置した集積回路04を固定する第3の方法ステップ、および/または銀行券02を有する印刷シート01の印刷もしくは銀行券02を有する材料ウェブの印刷、および/または製造割り付け面内で製造した銀行券02の個体の個別化を、好ましくは同じ生産機械内、特に証券印刷で使用される1つの輪転印刷機械内で実施する。
【符号の説明】
【0024】
01 印刷シート
02 銀行券
03 穴
04 集積回路
05 -
06 フィルム
07 材料ロール
08 パッケージ
09 切断装置
10 -
11 転移箇所
12 集積回路を取着する装置
13 ロール
14 パッケージ
15 -
16 層(第1)
17 層(第2)
18 基材
19 インクジェット印刷装置
20 -
21 印刷流体
22 スクリーン印刷装置
23 カバーフィルム
24 パイル(第1)
25 -
26 パイル(第2)
27 ロール装置
28 打ち抜き装置
a 間隔
l01 長さ
l04 辺の長さ
R 行
S 列
T 運搬方向
x;y 座標
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2021-11-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ少なくとも1つの集積回路(04)を有する銀行券(02)を製造する方法であって、前記銀行券(02)を印刷シート(01)または材料ウェブから製造割り付け面内で製造し、少なくとも複数の銀行券(02)内にまたはこれらの銀行券(02)の各々内にそれぞれ1つの穴(03)を前記銀行券(02)の基材(18)を貫いて形成し、それぞれ1つの集積回路(04)を該当する前記穴(03)内に配置し、前記穴(03)の1つに配置すべき前記集積回路(04)の各々を、第1の方法ステップにおいて、穴(03)を有する前記銀行券(02)の各々における意図した位置に関して、正しい位置で帯状のフィルム(06)上に配置し、第2の方法ステップにおいて、前記帯状のフィルム(06)から該当する前記銀行券(02)へ転移させ、前記第2の方法ステップにおいて実施した転移により、前記集積回路(04)のそれぞれ1つを、前記銀行券(02)に形成した前記穴(03)内に配置する方法。
【請求項2】
それぞれの前記穴(03)を前記銀行券(02)の各々にそれぞれ打ち抜きまたはレーザ切断により形成することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
該当する前記銀行券(02)に形成した前記穴(03)の1つに配置すべき前記集積回路(04)の各々は、それぞれ、固有の筐体内にカプセル化されたマイクロチップとして形成されており、かつ/または集積回路(04)としてそれぞれ1つのRFIDタグを使用することを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
該当する前記銀行券(02)に形成した前記穴(03)の1つに配置すべき前記集積回路(04)の各々は、それぞれ、最大1mm×1mmの辺の長さ(l04)を有する1つの面を有し、かつ/または最大90μmの構造高さを有する集積回路(04)を使用する、または25μm~50μmの範囲内の構造高さを有する集積回路(04)を使用することを特徴とする請求項1または2または3に記載の方法。
【請求項5】
前記穴(03)を該当する前記銀行券(02)においてそれぞれ、前記穴(03)のそれぞれの規模に関して、該当する前記集積回路(04)のそれぞれの前記辺の長さ(l04)より10%~100%大きく形成することを特徴とする請求項1または2または3または4に記載の方法。
【請求項6】
前記集積回路(04)を前記第1の方法ステップにおいて前記帯状のフィルム(06)上に送風により補助して配置し、かつ/または前記集積回路(04)を前記第1の方法ステップにおいて前記帯状のフィルム(06)上に、前記集積回路(04)のそれぞれの位置で静電気および/または接着技術を用いて固定することを特徴とする請求項1または2または3または4または5に記載の方法。
【請求項7】
前記第2の方法ステップの実施とともに、または前記第2の方法ステップの実施の直後に、前記帯状のフィルム(06)を、該当する前記印刷シート(01)または該当する前記材料ウェブの前記銀行券(02)の前記基材(18)と結合させることを特徴とする請求項1または2または3または4または5または6に記載の方法。
【請求項8】
帯状のフィルム(06)として二層のフィルムを使用し、前記第2の方法ステップの実施とともに、または前記第2の方法ステップの実施の直後に、前記帯状のフィルム(06)の第1の層(16)を、該当する前記印刷シート(01)または該当する前記材料ウェブの前記銀行券(02)の前記基材(18)と結合させ、このとき、前記集積回路(04)は、前記第1の層(16)に付着していることを特徴とする請求項1または2または3または4または5または6または7に記載の方法。
【請求項9】
二層に形成される前記帯状のフィルム(06)の第2の層(17)は、紙またはプラスチックから形成されていることを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項10】
帯状のフィルム(06)として、ホログラムおよび/またはキネグラムを有するフィルムを使用し、かつ/または帯状のフィルム(06)として金属フィルムまたはメタライズドフィルムを使用し、かつ/または帯状のフィルム(06)として、前記銀行券(02)の前記基材(18)上に配置すべきセキュリティフィルムを使用することを特徴とする請求項1または2または3または4または5または6または7または8または9に記載の方法。
【請求項11】
第3の方法ステップにおいて、それぞれの前記穴(03)内に配置した前記集積回路(04)をそこに固定し、前記固定を印刷法を用いて実施することを特徴とする請求項1または2または3または4または5または6または7または8または9または10に記載の方法。
【請求項12】
前記印刷法により非導電性の印刷流体(21)を被着し、かつ/または印刷法としてインクジェット印刷法またはスクリーン印刷法を使用することを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第3の方法ステップにおいて、それぞれの前記穴(03)内に配置した前記集積回路(04)をそこに固定し、前記固定を該当する前記銀行券(02)の前記基材(18)に対するカバーフィルム(23)のロール圧着またはホットスタンピングにより実施することを特徴とする請求項1または2または3または4または5または6または7または8または9または10または11または12に記載の方法。
【請求項14】
前記集積回路(04)に、通貨および/もしくは該当する前記銀行券(02)の値についての情報ならびに/または前記銀行券(02)の発行銀行についての情報を記憶し、かつ/または前記集積回路(04)に、前記銀行券(02)が既に流通しているか否か、または流通がいつ実施されたかについての情報を記憶することを特徴とする請求項1または2または3または4または5または6または7または8または9または10または11または12または13に記載の方法。
【請求項15】
それぞれ少なくとも1つの集積回路(04)を有する銀行券(02)の製造時に実施すべき前記方法ステップの少なくとも2つ、すなわち、前記集積回路(04)を前記帯状のフィルム(06)上に正しい位置で配置する前記第1の方法ステップ、および/または前記集積回路(04)を前記銀行券(02)の前記穴(03)内に配置する前記第2の方法ステップ、および/または前記穴(03)内に配置した前記集積回路(04)を固定する前記第3の方法ステップ、および/または前記銀行券(02)を有する前記印刷シート(01)の印刷もしくは前記銀行券(02)を有する前記材料ウェブの印刷、および/または前記製造割り付け面内で製造した前記銀行券(02)の個体の個別化を、それぞれインラインで同じ生産機械内で実施することを特徴とする請求項1または2または3または4または5または6または7または8または9または10または11または12または13または14に記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0002
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0002】
DE 697 22 403 T2において、標準紙銀行券が公知であり、この公知の標準紙銀行券は、紙ベースの基材を有し、基材は、少なくとも1つの集積回路を有し、集積回路は、銀行券の能動型の識別エレメントおよび/または認証エレメントとして、紙ベースの基材に取り付けられているか、または基材内に埋設されており、集積回路は、銀行券に関する情報の記憶および交換を安全に行い、集積回路は、紙ベースの基材の開口内に装入されており、集積回路の厚さは、紙ベースの基材の厚さに相当し、100μm未満である。
国際公開第2011/003518号により、フィルム結合体用のインレー、特に後続処理して有価ドキュメントまたはセキュリティドキュメントを形成するためのインレーを製造する方法であって、
複数の電子部品が配置されて互いに割り当てられる担体フィルムを画像検出装置に供給し、この画像検出装置により、少なくとも1つの電子部品の位置を割り付け面として検出し、
担体フィルム上に被着すべきレーザ感応性の補償フィルムを、まず、レーザ切断装置に供給し、
画像検出装置により検出された、担体フィルム上のそれぞれの電子部品の位置に関するデータをレーザ切断装置に伝送し、このレーザ切断装置を、電子部品のそれぞれの位置に適合させられた切抜き部を製作するために制御し、
切抜き部が加工された補償フィルムと、担体材料とを合流ステーションで合流させ、正確な見当で互いに位置合わせして固定して、インレーを形成し、
切抜き部を製作するレーザ切断装置、別のレーザ切断装置またはそれぞれの割り付け面または割り付け面のグループ用のマーキング装置により、担体フィルム上の電子部品のそれぞれの検出された位置に応じて、補償フィルム上に制御マークを被着する、
方法が公知である。
欧州特許出願公開第1961578号明細書により、連続シート上、特に有価証券のシート上にフィルム材料を被着する方法であって、
個々のシートをシート搬送路に沿って連続的に搬送するステップと、
個々のシートの移動方向に対して実質的に平行である方向に沿って、フィルム材料から成る少なくとも1つの連続帯材を個々のシート上に被着し、これにより、フィルム材料から成る少なくとも1つの連続帯材により互いに結合された連続的な流れのシートを形成するステップと、
フィルム材料から成る少なくとも1つの連続帯材を切断し、これにより、連続的な流れのシートを個々のシートに分離するステップであって、フィルム材料の一部はシート上に残されており、切断をシート上に存在する位置で実施し、これにより、フィルム材料の、シート上に残された区分は、シートの前方および後方の縁部を越えて延在しない、ステップと、
を含む、方法が公知である。
【国際調査報告】