(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-29
(54)【発明の名称】汚染及び/又は浸食を測定するためのセンサ配設及び方法、並びに汚染及び/又は浸食を監視する機械
(51)【国際特許分類】
G01H 13/00 20060101AFI20220622BHJP
F04D 29/70 20060101ALI20220622BHJP
G01M 99/00 20110101ALI20220622BHJP
G01N 29/12 20060101ALI20220622BHJP
【FI】
G01H13/00
F04D29/70 G
G01M99/00 A
G01N29/12
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021560132
(86)(22)【出願日】2020-04-20
(85)【翻訳文提出日】2021-12-13
(86)【国際出願番号】 EP2020025179
(87)【国際公開番号】W WO2020216469
(87)【国際公開日】2020-10-29
(31)【優先権主張番号】102019000006274
(32)【優先日】2019-04-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517029381
【氏名又は名称】ヌオーヴォ・ピニォーネ・テクノロジー・ソチエタ・レスポンサビリタ・リミタータ
【氏名又は名称原語表記】Nuovo Pignone Tecnologie S.R.L.
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】モーキ、ジャンニ
(72)【発明者】
【氏名】トラッロリ、パオロ
(72)【発明者】
【氏名】テンペスティーニ、マッシミリアーノ
(72)【発明者】
【氏名】ストリナーノ、ジュゼッペ
(72)【発明者】
【氏名】ベッティ、アレッサンドロ
【テーマコード(参考)】
2G024
2G047
2G064
3H130
【Fターム(参考)】
2G024AD04
2G024BA19
2G024CA13
2G024DA09
2G024DA12
2G024FA04
2G047AA05
2G047AC05
2G047AC06
2G047BA04
2G047BC04
2G047BC11
2G047BC12
2G047CA01
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2G047GG46
2G064AB01
2G064AB02
2G064AB11
2G064AB22
2G064AB23
2G064BA07
2G064BA08
2G064BA12
2G064BA23
2G064BD18
2G064CC13
2G064CC30
3H130AA20
3H130AB22
3H130AB42
3H130AB62
3H130AB65
3H130AB69
3H130AC30
3H130BA41C
3H130BA71C
3H130BA91C
3H130CA02
3H130CB06
3H130DA02Z
3H130DF03X
(57)【要約】
【解決手段】 センサ配設(200)は、機械内の汚染及び/又は浸食を測定するために使用され得る。第1の圧電変換器(210)、第1のプレート(230)、及び最終的には第1の支持部材(230)は、第1の振動質量(210+220+230)を形成する。第1の圧電変換器(210)を電気的に刺激した後、第1の振動質量(210+220+230)は機械的に振動し始め、その結果、第1の圧電変換器(210)は電気共鳴振動を発生させ、電気共鳴振動は、第1の振動質量(210+220+230)の質量に応じた共振周波数である。第1の振動質量(210+220+230)の質量が、例えば、機械内の作動流体の流れによる汚染及び/又は浸食に起因して変化する場合、電気共鳴振動周波数も変化し、このような振動周波数の変化が測定され得、対応する質量変化は、機械内の作動流体の流れに露出されない第2の振動質量(340+350+360)の振動周波数と比較することによって決定され得る。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械(100)内の汚染及び/又は浸食を測定するためのセンサ配設(200、300)であって、
-第1の圧電変換器(210、310)と、
-第1のプレート(220、320)であって、前記第1のプレート(220、320)が、前記第1の圧電変換器(210、310)に固定連結されて、それによって第1の単一振動質量(210+220+230、310+320+330)を形成する、第1のプレート(220、320)と、
-第2の圧電変換器(340)と、
-第2のプレート(350)であって、前記第2のプレート(350)が、前記第2の圧電変換器(340)に固定連結されて、それによって第2の単一振動質量(340+350+360)を形成する、第2のプレート(350)と、を備え、
前記第1の圧電変換器(210、310)が、印加された電気信号(214、314)によってセンサ配設(200、300)に刺激されるように配設され、
前記センサ配設(200、300)が、前記第1のプレート(220、230)が前記機械(100)内の作動流体の流れ(F)に露出されるように、前記機械(100)内に設置されるように配設され、
前記第2の圧電変換器(340)が、前記センサ配設(300)に印加された電気信号(344)によって刺激されるように配設され、
前記センサ配設(300)が、前記第2のプレート(350)が前記機械(100)の作動流体に露出され、かつ前記機械(100)内の前記作動流体の流れ(F)に露出されないように、前記機械(100)内に設置されるように配設され、
前記第2の単一振動質量(340+350+360)が、前記第1の単一振動質量(310+320+330)に等しく、
前記センサ配設(300)が、前記第1の圧電変換器(310)、前記第1のプレート(320)、前記第2の圧電変換器(340)、前記第2のプレート(350)が同じ温度及び同じ圧力に露出されるように、前記機械(100)内に設置されるように配設されている、センサ配設(200、300)。
【請求項2】
-第1の空洞(372)を更に備え、
前記第1の単一振動質量(310+320+330)が、前記第1の空洞(372)の第1の側に位置決めされ、
前記第2の単一振動質量(340+350+360)が、前記第1の空洞(372)の第2の側に位置決めされ、
前記第2の側が、前記第1の側とは異なる、請求項1に記載のセンサ配設(300)。
【請求項3】
前記第2の側が、前記第1の側と反対であり、
中空部材(370)が、第1の単一振動質量(310+320+330)と第2の単一振動質量(340+350+360)との間に嵌合する、請求項2に記載のセンサ配設(300)。
【請求項4】
-第2の空洞(382)を更に備え、
前記第2の単一振動質量(340+350+360)が、前記第2の空洞(382)の側にも位置決めされ、
前記第2の空洞(382)が、前記機械(100)の前記作動流体を受容するように配設されている(384+386)、請求項2又は3に記載のセンサ配設(300)。
【請求項5】
前記第1の空洞(372)が、前記機械(100)の作動流体流路と流体連通するように配設されている、請求項4に記載のセンサ配設(300)。
【請求項6】
-排水チャネル(388)を更に備え、
前記排水チャネル(388)が、前記第2の空洞(382)に流体連結され、前記第2の空洞(382)から液体を排出するように配設されている、請求項4又は5に記載のセンサ配設(300)。
【請求項7】
-液体検出器(390)を更に備え、
前記液体検出器(390)が、前記第2の空洞(382)内に位置決めされている、請求項4~6のいずれか一項に記載のセンサ配設(300)。
【請求項8】
-前記機械(100)の流路(130)の壁(134)の凹部(135)に嵌合するように配設されている管状シェル(380)を更に備える、請求項1~7のいずれか一項に記載のセンサ配設(300)。
【請求項9】
前記機械の内部流路(130)内を流れる作動流体を通って動作するように配設されている機械(100)であって、
-請求項1~8のいずれか一項に記載の少なくとも1つのセンサ配設(200、300)を備え、
前記第1のプレート(220、320)が、前記流路(130)の壁(132、134)の一部分を形成する、機械(100)。
【請求項10】
前記第1のプレート(220、320)が、プレート材料で作製され、
前記壁(132)が、壁材料で作製され、
前記プレート材料及び前記壁材料が、同じ材料である、請求項9に記載の機械(130)。
【請求項11】
ターボ機械、好ましくは、単段又は多段遠心圧縮機である、請求項9又は10に記載の機械(100)。
【請求項12】
前記機械の内部流路の壁上の汚染及び/又は浸食を測定するための方法(400、500)であって、
A)第1の圧電変換器が第1の電気共振振動を生成するように、第1の刺激電気信号によって前記第1の圧電変換器を繰り返し刺激する工程(430、530)であって、前記第1の圧電変換器が、前記壁に組み込まれた第1の振動質量の一部分である、刺激する工程(430、530)と、
B)前記第1の電気共鳴振動の共振周波数を繰り返し測定する工程(440、540)と、
C)第2の圧電変換器が第2の電気共振振動を生成するように、第2の刺激電気信号によって前記第2の圧電変換器を繰り返し刺激する工程(560)であって、前記第2の圧電変換器が、前記第1の振動質量部に近接しているが、前記壁から離れて位置決めされた第2の振動質量の一部分である、刺激する工程(560)と、
D)前記第2の電気共鳴振動の共振周波数を繰り返し測定する工程(570)と、
E)前記第1の電気共鳴振動の前記共振周波数と前記第2の電気共鳴振動の前記共振周波数とを繰り返し比較する工程(580)と、を含む、方法。
【請求項13】
前記第1の電気共振振動の前記共振周波数が、20KHz超である、請求項12に記載の方法(400、500)。
【請求項14】
前記第2の電気共振振動の前記共振周波数が、20KHz超である、請求項12又は13に記載の方法(500)。
【請求項15】
前記第1の電気共鳴振動の前記共振周波数及び前記第2の電気共鳴振動の前記共振周波数が異なり、前記第1の電気共鳴振動の前記共振周波数と前記第2の電気共鳴振動の前記共振周波数との間の差が、500Hz超である、請求項12又は13又は14に記載の方法(500)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示される主題は、汚染及び/又は浸食を測定するためのセンサ配設及び方法、並びに汚染及び/又は浸食を監視する機械に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、機械は、その動作中に汚染及び/又は浸食を受ける。
【0003】
これは、動作中の汚染及び/又は浸食が、機械の内部流路内の作動流体の流れに少なくとも部分的に起因する、ターボ機械、具体的には、単段又は多段遠心圧縮機に、特に当てはまる。汚染及び浸食の両方は、流動性作動流体によって運ばれる材料によるものであり、流速が低い場合には、浸食も低い。流速が低下すると、汚れがより付着する傾向がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
汚染(機械の1つ以上の内部位置での)が過剰なレベルに達すると、機械は、停止、洗浄、及び再開されるべきであり、実際に、機械内部の汚染は、例えば、機械の効率の損失を引き起こし得る。洗浄は、複雑で時間がかかり、したがって高価である機械を分解する必要があることが多い。したがって、少なくとも理想的には、このようなメンテナンス動作は、必要に応じて常に実行されるべきであるが、好ましくは必要な場合にのみ実行されるべきである。
【0005】
浸食(機械の1つ以上の構成要素の)が過剰なレベルに達すると、機械は、停止、修理、及び再開されるべきであり、実際に、侵食された構成要素が破断しなければならない場合、機械への多大な損傷が発生し得る。いずれの場合も、機械内の浸食は、例えば、機械の効率の損失を引き起こし得る。修復は、複雑で時間がかかり、したがって高価である機械の分解を常に必要とする。したがって、少なくとも理想的には、このようなメンテナンス動作は、必要に応じて常に実行されるべきであるが、好ましくは必要な場合にのみ実行されるべきである。
【0006】
したがって、過度に考慮される所定のレベルに到達するときに適切な工程を取るように、機械の1つ以上の内部場所での汚染及び/又は浸食を監視することが望ましいであろう。
【0007】
一態様によれば、本明細書に開示される主題は、機械内の汚染及び/又は浸食を測定するためのセンサ配設に関する。センサ配設は、第1の圧電変換器及び第1のプレートを含み、第1のプレートは、第1の圧電変換器に固定連結されて、それによって第1の単一振動質量を形成する。第1の圧電変換器は、センサ配設に印加された電気信号によって刺激されるように配設される。第2の圧電変換器及び第2のプレートであって、第2の圧電変換器に固定連結されて、それによって第2の単一振動質量を形成する、第2のプレートを備える。第2の圧電変換器は、センサ配設に印加された電気信号によって刺激されるように配設される。センサ配設は、第1のプレートが機械内の作動流体の流れ(すなわち、機械の流路内)に露出される一方で、第2のプレートが作動流体に露出されるが、その流れには露出されない(すなわち、流体が静止しており、流速がゼロである)ように、機械内に設置されるように配設される。
【0008】
別の態様によれば、本明細書に開示される主題は、機械の内部流路内を流れる作動流体を通って動作するように配設されている機械に関する。機械は、少なくとも1つのセンサ配設を含む。センサ配設は、第1の圧電変換器及び第1のプレートを含み、第1のプレートは、第1の圧電変換器に固定連結されて、それによって第1の単一振動質量を形成する。第1の圧電変換器は、センサ装置に印加された電気信号によって刺激されるように配設される。第2の圧電変換器及び第2のプレートであって、第2の圧電変換器に固定連結されて、それによって第2の単一振動質量を形成する、第2のプレートを備える。第2の圧電変換器は、センサ配設に印加された電気信号によって刺激されるように配設される。センサ配設は、第1のプレートが機械内の作動流体の流れ(すなわち、機械の流路内)に露出される一方で、第2のプレートが作動流体に露出されるが、その流れには露出されない(すなわち、流体が静止しており、流速がゼロである)ように、機械内に設置されるように配設される。第1のプレートは、流路の壁の一部分を形成する。
【0009】
更に別の態様によれば、本明細書に開示される主題は、機械の内部流路の壁上の汚染及び/又は浸食を測定するための方法に関し、本方法は、A)第1の圧電変換器が第1の電気共振振動を生成するように、第1の刺激電気信号によって第1の圧電変換器を繰り返し刺激する工程であって、第1の圧電変換器が、当該壁に組み込まれた第1の振動質量の一部分である、刺激する工程と、B)第1の電気共鳴振動の共振周波数を繰り返し測定する工程と、C)第2の圧電変換器が第2の電気共振振動を生成するように、第2の刺激電気信号によって第2の圧電変換器を繰り返し刺激する工程であって、第2の圧電変換器が、当該第1の振動質量部に近接しているが、当該壁から離れて位置決めされた第2の振動質量の一部分である、刺激する工程と、D)当該第2の電気共鳴振動の共振周波数を繰り返し測定する工程と、E)当該第1の電気共鳴振動の当該共振周波数と当該第2の電気共鳴振動の当該共振周波数とを繰り返し比較する工程と、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の開示された実施形態、及びその付随する利点の多くのより完全な理解は、添付図面と関連して考慮されるときに、以下の詳細な説明を参照することによって、より良く理解されるように、容易に取得されるであろう。
【
図1】
図1は、機械、特に多段遠心圧縮機の実施形態の概略縦断面図を示す。
【
図2】
図2は、汚染又は浸食を測定するためのセンサ配設の実施形態の簡略化された変形例の概略横断面図を示す。
【
図3】
図3は、機械内の汚染又は浸食を測定するためのセンサ配設の実施形態の概略断面図を示す。
【
図4】
図4は、機械内の汚染又は浸食を測定する方法の実施形態の簡略化された変形例のフローチャートを示す。
【
図5】
図5は、機械内の汚染又は浸食を測定する方法の一実施形態のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本出願人は、機械内の汚染及び浸食が機械内部の質量変化を意味し、汚染の場合、材料の質量が、機械のある特定の場所(特に、機械の構成要素のある特定の場所)に付着される(すなわち、追加される)ことを考慮している。浸食の場合、材料の質量は、機械のある特定の場所(特に、機械の構成要素のある特定の場所)から除去される(すなわち減算される)。
【0012】
したがって、出願人は、これらの現象のうちの1つ以上が発生する可能性が高い機械の1つ以上の場所での質量測定を繰り返すことによって、汚染及び/又は浸食を監視すると考えている。質量変化が検出された場合、これは、いくらかの汚染又は浸食が発生したことを意味する。
【0013】
質量を測定する様々なアプローチがあるが、特に機械の作動流体が流れている内部位置において、動作機械内でそれを行うことは非常に困難である。
【0014】
本出願人は、このような状況において特に効果的なアプローチ、すなわち、以下に簡単に説明するセンサ配設を介して実施される慣性バランス測定を特定した。
【0015】
圧電変換器及びプレートは、振動質量を形成するように互いに固定される。圧電変換器を電気的に刺激した後、振動質量は、機械的に振動し始め、これは「自然共鳴」と呼ばれ、その結果、圧電変換器は、電気共鳴振動を発生させ、電気共鳴振動は、「自然共鳴周波数」と呼ばれる振動質量の全体質量に応じた周波数である。振動質量の全体的な質量が、例えば、機械内の汚染又は浸食に起因して変化する場合、また、電気振動周波数が変化し、すなわち、「自然共振周波数」が変化する。このような周波数変化を測定することができ、対応する質量変化を決定することができる。
【0016】
上述の原理に従って動作するセンサ配設は、(機械のステータ構成要素又は機械のロータ構成要素のいずれかで)機械内に設置され得る。汚染が対象となる場合、センサ配設は、汚れ(作動流体流による)がプレート上に付着し、振動質量の全体的な質量を変化させるように位置決めされる。浸食が対象となる場合、センサ配設は、(作動流体の流れによる)浸食がプレートに作用し、振動質量の全体的な質量を変化させるように位置決めされる。
【0017】
ここで、本開示の実施形態を詳細に参照し、これらのうちの1つ以上の実施例が図面に例解されている。各実施例は、本開示を限定するものではなく、本開示の説明によって提供される。実際に、本開示の範囲又は趣旨から逸脱することなく、本開示において様々な変更及び変形が行われることができることが、当業者にとって明らかであろう。本明細書全体を通して「一実施形態」又は「実施形態」又は「いくつかの実施形態」への言及は、実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、又は特性が、開示される主題の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体を通して様々な場所における「一実施形態では」又は「実施形態では」又は「いくつかの実施形態では」という句の出現は、必ずしも同じ実施形態を指すものではない。更に、特定の特徴、構造、又は特性は、1つ以上の実施形態において、任意の好適な様式で組み合わされ得る。
【0018】
様々な実施形態の要素を提示する際、冠詞「a」、「an」、「the」、及び「said」は、要素のうちの1つ以上があることを意味することを意図している。「備える(comprising)」、「含む(including)」、及び「有する(having)」という用語は、非排他的であり、挙げられた要素以外に更に要素があってもよいと意味することを意図している。
【0019】
ここで図面を参照すると、
図1は、機械100、特に多段遠心圧縮機の実施形態の概略縦断面図を示す。機械100は、ロータ120と、ステータ110と、を備える。特に、ステータ110はロータ120を取り囲む。内部流路130は、ステータ110とロータ120との間に画定され、機械100の入口(
図1の左側)から機械100の出口(
図1の右側)に展開する。機械100の運転中、流路130は、機械100の入口に作動流体を受容し、機械130の出口から排出するように配設される。
図1の実施形態では、特に、例えば、ロータ120の3つのインペラの流れチャネル内部の流路130に沿って流れることにより、作動流体はロータ120の回転を引き起こす。
【0020】
流路130内の作動流体の流れにより、汚染及び/又は浸食は、ステータ110及び/又はロータ120の1つ以上の部分に生じ得る。
【0021】
図1の実施形態では、汚染及び/又は浸食は、例えば、第1のセンサ配設200及び第2のセンサ配設300を通じて監視される。一般的に、このようなセンサ配設の数は、1つから、例えば、100まで変動し得る。
【0022】
これらのセンサ配設は、(以下でより良好に説明されるように)流路130に隣接して位置決めされ、具体的にはセンサ配設の一部は、流路の壁の一部分を形成し、これらのセンサ配設のいずれも、ステータ110又はロータ120に取り付けられ得る。センサ配設200はロータ120に取り付けられ、その一部は壁132の一部分を形成する。センサ配設300は、ステータ110に取り付けられ、その一部は壁134の一部分を形成する。
図1の実施形態では、センサ配設は、機械100の入口領域内に位置するが、代替的な実施形態では、センサ配設は、入口領域及び/又は出口領域内、及び/又は機械の中間領域内に位置し得ることを理解されたい。
【0023】
例えば、センサ配設300のようなセンサ配設が機械のステータに取り付けられる場合、有線接続は、例えば、機械の測定又は監視電子ユニットにそれを接続するために使用される。
【0024】
例えば、センサ配設200のようなセンサ配設が機械のロータに取り付けられる場合、無線接続は、例えば、機械の測定又は監視電子ユニットにそれを接続するために使用される。当業者であれば、無線接続が有線接続よりも複雑であることを理解する。
【0025】
ここで
図2を参照すると、センサ配設200は、汚染又は浸食を測定するように配設され、少なくとも第1の圧電変換器210及び第1のプレート220を備える。第1の圧電変換器210及び第1のプレート220は、第1の単一の振動質量を形成するように互いに固定連結される。
図2のセンサ配設200は、
図3のセンサ配設300の簡略化された変形例と見なされるべきであることに留意されたい。以下の説明は、
図3の実施形態を理解するために有用である。
【0026】
図3の実施形態の簡略化された変形例である
図2の解決策では、センサ配設は、第1の支持部材230を更に備える。第1の単一振動質量が、第1の圧電変換器210、第1のプレート220、及び第1の支持部材230の組み合わせによって形成されるように、第1の圧電変換器210及び第1のプレート220は、第1の支持部材230に固定連結される。有利には、第1の圧電変換器210は、機械の流路(
図2の130)から離れて設計された第1の支持部材230の第1の側に固定され、第1のプレート220は、機械の流路(
図2の130)に近接するように設計された第1の支持部材230の第2の側に固定される。
【0027】
第1の圧電変換器210は、センサ配設200に印加された電気信号によって刺激されるように配設される。例えば、
図2は、第1の圧電変換器210の接点212に電気的に接続され、かつ第1の圧電変換器210に/から電気信号を供給するように配設されている、電気ケーブル214を示す。電気ケーブル214は、例えば、測定値から刺激電気信号を供給するように、又は電子ユニットを第1の圧電変換器210に監視するように配設されている。電気ケーブル214はまた、第1の圧電変換器210から、例えば、測定又は監視電子ユニットに、共振振動電気信号を供給するように配設されている。共振振動電気信号は、典型的には、以前の電気刺激の電気刺激の結果である。
【0028】
図2に示すように、センサ配設200は、第1プレート220が機械内の作動流体の流れF(すなわち、機械の流路内)に露出するように、機械内に設置されるように配設される。好ましくは、第1のプレートは、流路130の壁132の一部分を形成する。好ましくは、センサ配設200の設置の直後(すなわち、任意の汚染及び/又は浸食前)、第1プレート220の表面は、壁132の周囲表面と位置合わせされる。
【0029】
センサ配設200は、壁132の凹部133の内側に位置決めされ、壁132に固定される。
図2の解決策によれば、環状部材280は、センサ配設200を壁132に固定するために使用される。例えば、第1の支持部材230の周辺部は、環状部材280によって保持され、環状部材280は、壁132の穴にねじ込まれるか、又は嵌合する。
【0030】
図2に詳細に示されるセンサ配設200は、機械100の内部流路の壁上の汚染又は浸食を測定するために使用される。
図2に示す解決策は、腐食を測定するためにも使用され得るが、しかしながら、この場合、正確には、
図3の実施形態の簡略化された変形例ではない。
図1では、センサ配設200は、ロータ壁に取り付けられているが、代替的に、同様のセンサ配設がステータ壁に取り付けられ得る。
【0031】
センサ配設200又は同様のセンサ配設に基づいて汚染又は浸食を測定するための方法の一実施形態の簡略化された変形例、すなわち、
図5の実施形態の簡略化された変形例を、
図4のフローチャート400を参照して以下に説明する。
【0032】
フローチャート400は、開始工程410及び終了工程490を含む。
【0033】
フローチャート400による方法は、少なくとも第1の圧電変換器(例えば、
図2の第1の圧電変換器210)及び第1のプレート(例えば、
図2の第1のプレート220)のアセンブリによって形成された第1の単一振動質量を位置決めする予備工程420を含み、第1のプレートは、流路壁の一部分を形成する。
【0034】
更に、フローチャート400による方法は、以下の工程を更に含む。
A)工程430:第1の圧電変換器(例えば、
図2の第1の圧電変換器210)を第1の刺激電気信号によって繰り返し刺激し、そのため、第1の圧電変換器(例えば、
図2の第1の圧電変換器210)が、第1の電気共振振動を生成すること。
B)工程440:当該第1の電気共鳴振動の共振周波数(「第1の共振周波数」と呼ばれ得る)を繰り返し測定すること。
【0035】
工程430及び440で参照される繰り返しは、
図4のフローチャート400のループL1に対応する。ループは、汚染及び浸食の進行が非常に遅いとき、好ましくは1時間より長く、好ましくは1日より短い期間で、繰り返され得る。繰り返し期間は厳密に一定である必要はなく、例えば、最大10%又は20%(又は更にはより多く)の変動が許容可能であることに留意されたい。
【0036】
工程430及び440が、機械100の動作中に実施される(すなわち、それらが測定プロセスの一部である)間に、機械100を組み立てるときに、工程420が実施されることに留意されたい。ループL1は、機械100の始動から機械100の停止まで連続的に繰り返され得る。したがって、有利には、機械100が動作していないときにループL1が中断される。
【0037】
好ましくは、第1の電気共鳴振動の共振周波数は、20KHz超である。
【0038】
工程430及び440は、例えば、任意の図に示されておらず、かつセンサ配設200の電気ケーブル214に電気的に接続され得る、機械100の測定又は監視電子ユニットによって実施され得る。
【0039】
上述の測定又は監視電子ユニットは、実施される周波数測定を処理し得る。例えば、周波数測定を行う任意の時間は、測定値を上限閾値及び/又は下限閾値と比較し得る。これらの閾値のうちのいずれかを超えた場合、そのような事象を、例えば、機械の電子制御ユニット及び/又はオペレータに信号伝達し得、そのような信号伝達は、電子指標(例えば、機械の電子制御ユニットに送信される電子メッセージ)及び/又は視覚的指標及び/又は音指標であり得る。周波数測定は、例えば、センサ配設の構成要素の現在の温度を考慮するために、閾値比較(複数可)の前に、いくらかの前処理を受けてもよいことに留意されたい。
【0040】
ここで
図3を参照すると、センサ配設300は、汚染又は浸食を測定するように配設され、少なくとも第1の圧電変換器310及び第1のプレート320を備える。第1の圧電変換器310及び第1のプレート320は、第1の単一の振動質量を形成するように互いに固定連結される。
【0041】
図3の実施形態では、センサ配設は、第1の支持部材330を更に備える。第1の単一振動質量が、第1の圧電変換器310、第1のプレート320、及び第1の支持部材330の組み合わせによって形成されるように、第1の圧電変換器310及び第1のプレート320は、第1の支持部材330に固定連結される。有利には、第1の圧電変換器310は、機械の流路(
図3の130)から離れて設計された第1の支持部材330の第1の側に固定され、第1のプレート320は、機械の流路(
図3の130)に近接するように設計された第1の支持部材330の第2の側に固定される。
【0042】
第1の圧電変換器310は、センサ配設300に印加された電気信号によって刺激されるように配設される。例えば、
図3は、第1の圧電変換器310の接点312に電気的に接続され、かつ第1の圧電変換器310に/から電気信号を供給するように配設されている、電気ケーブル314を示す。電気ケーブル314は、例えば、測定値から刺激電気信号を供給するように、又は電子ユニットを第1の圧電変換器310に監視するように配設されている。電気ケーブル314はまた、第1の圧電変換器310から、例えば、測定又は監視電子ユニットに、共振振動電気信号を供給するように配設されている。共振振動電気信号は、典型的には、以前の電気刺激の電気刺激の結果である。
【0043】
図3に示すように、センサ配設300は、第1プレート320が機械内の作動流体流れF(すなわち、機械の流路内)に露出するように、機械内に設置されるように配設される。好ましくは、第1のプレートは、流路130の壁133の一部分を形成する。好ましくは、センサ配設300の設置の直後(すなわち、任意の汚染及び浸食前)、第1プレート320の表面は、壁134の周囲表面と位置合わせされる。
【0044】
センサ配設300は、少なくとも第2の圧電変換器340及び第2のプレート350を更に備える。第2の圧電変換器340及び第2のプレート350は、第2の単一振動質量を形成するように互いに固定連結される。
【0045】
図3の実施形態では、センサ配設は、第2の支持部材360を更に備える。第2の単一振動質量が、第2の圧電変換器340、第2のプレート350、及び第2の支持部材360の組み合わせによって形成されるように、第2の圧電変換器340及び第2のプレート350は、第2の支持部材360に固定連結される。有利には、第2の圧電変換器340は、機械の流路(
図3の130)に近接するように設計された第2の支持部材360の第1の側に固定され、第2のプレート350は、機械の流路(
図3の130)から離れているように設計された第2の支持部材360の第2の側に固定される。
【0046】
第2の圧電変換器340は、センサ配設300に印加された電気信号によって刺激されるように配設される。例えば、
図3は、第2の圧電変換器340の接点342に電気的に接続され、かつ第2の圧電変換器340に/から電気信号を供給するように配設されている、電気ケーブル344を示す。電気ケーブル344は、例えば、測定値から刺激電気信号を供給するように、又は電子ユニットを第1の圧電変換器340に監視するように配設されている。電気ケーブル344はまた、第2の圧電変換器340から、例えば、測定又は監視電子ユニットに、共振振動電気信号を供給するように配設されている。共振振動電気信号は、典型的には、以前の電気刺激の電気刺激の結果である。
【0047】
図3に示されるように、第2のプレート350が機械の作動流体(すなわち、静止している、又はゼロの流速)に露出されるが、機械内(すなわち、機械の流路内)の作動流体の流れFには露出されない(これは、汚染又は浸食を受けるべきではないことを意味する)ように、かつ、少なくとも第1の圧電変換器310、第1のプレート320、第2の圧電変換器340、及び第2のプレート350が、ほぼ同じ温度及び同じ圧力に露出されるように、センサ配設300は、機械内に設置されるように配設される。
図3の実施形態では、第1の支持部材330及び第2の支持部材360は、ほぼ同じ温度及び同じ圧力に露出される。
【0048】
図3の実施形態によれば、センサ配設300は、更に第1の空洞372を備え得る。第1の単一振動質量、すなわち、要素310+320+330の組み合わせは、第1の空洞372の第1の側に位置決めされ、一方、第2の単一振動質量、すなわち、要素340+350+360の組み合わせは、第1の空洞372の第2の側に位置決めされる。第2の側は、第1の側とは異なる。
【0049】
好ましくは、
図3に示されるように、第2の側は、第1の側と反対である。有利には、中空分離部材370は、第1の単一振動質量と第2の単一振動質量との間に嵌合し、部材370の横断面(
図3には図示せず)は、円又は多角形の形状を有し得る。
【0050】
有利には、分離壁構成要素(
図3に図示せず)は、第1の空洞372の内側に位置し得る。このような分離壁構成要素は、望ましくない第1の振動質量と第2の振動質量との間の周波数相互作用を回避するか、又は少なくとも制限することを目的とする。このような分離壁構成要素は、例えば、ステンレス鋼で作製されたディスクの形態を採り得、中空分離部材370の境界に固定され得る。このようにして、第1の空洞372は、2つのサブ空洞に分割される。
【0051】
図3の実施形態によれば、センサ配設300は、更に第2の空洞382を備え得る。第2の単一振動質量、すなわち、要素340+350+360の組み合わせは、第2の空洞382の側にも位置決めされる。
【0052】
有利には、第1の空洞372は、機械の作動流体流路(
図3の130)と流体連通するように配設され、このようにして、特に第2の圧電変換器340は、第1の圧電変換器310とほぼ同じ温度及び同じ圧力に露出される。
【0053】
有利には、第2の空洞382は、機械の作動流体を受容するように配設され、このようにして、特に第2プレート350は、第1プレート320とほぼ同じ温度及び同じ圧力に露出される。
図3の実施形態では、作動流体は、最初に環状管384を通過し(その後に読み取られ)、次いで、複数の孔管386を通過する(その後に読み取られる)。作動流体は、管384及び管386を通過する空洞382内にゆっくりと拡散することに留意されたい。このようにして、空洞382内部の作動流体は静止(又はほぼ静止)しており、したがってプレート350を浸食しない。このようにして、作動流体によって運ばれた汚れは、(適切な距離にある)管384の壁上に徐々に付着し、作動流体が空洞382内に入ると、それは、プレート350を汚染しないように、汚れがない(又はほとんどない)。
【0054】
機械的観点から、センサ配設300は、機械の流路130の壁134の凹部135に嵌合するように配設されている管状シェル380を備え得る。管状シェル380は、第1の空洞372及び第2の空洞382の両方を取り囲む。分離部材370は、第1支持部材330の周辺部及び第2支持部材360の周辺部と共に、管状シェル380の内側環状凹部内に嵌合し得る。
【0055】
有利には、管状シェル380は、内側凹部135を固定するように、その内側区域においてより大きな断面を有し、凹部135の内面と管状シェル380の外面との間に環状管384を画定するように、その外側区域において小さな断面を有する。更に、この場合、シェル380は、その外側区域において、環状管384から第2の空洞382まで延在する複数の孔管386を有する。
【0056】
この実施形態によると、第2の空洞382は、機械の作動流体を受容するように配設されているので、例えば、第2の空洞382から液体を排出するように配設されている管状シェル380の内側端部に排水チャネル388を提供することが好ましい。このような液体は、作動流体の部分的な凝縮に起因し得る。
【0057】
この実施形態によれば、第2の空洞382は、機械の作動流体を受容するように配設されているので、第2の空洞382内に位置決めされ、かつ、例えば、第2の空洞382内の液体が所定の量又はレベルを超えるときに検出するように配設されている、液体検出器390を提供することが好ましい。
図3は、液体検出器390に電気的に接続され、かつ液体検出器390から、例えば、測定又は監視電子ユニットに電気信号を供給するように配設されている電気ケーブル394を示す。
【0058】
図3に詳細に示されるセンサ配設300は、機械100の内部流路の壁上の汚染又は浸食を測定するために使用される。
図1では、センサ配設300はステータ壁に取り付けられているが、代替的に、同様のセンサ配設がロータ壁に取り付けられ得る。
【0059】
センサ配設300又は同様のセンサ配設に基づいて汚染又は浸食を測定するための方法の一実施形態を、
図5のフローチャート500を参照して以下に説明する。
【0060】
本実施形態による方法は、前述した方法と有意に類似している。実際には、前述した1つは、1つの振動質量を含むセンサ配設に基づくものであり、この実施形態は、2つの振動質量、すなわち、第1の振動質量及び第2の振動質量を含むセンサ配設に基づく。
【0061】
フローチャート500は、開始工程510及び終了工程590を含む。
【0062】
第1の振動質量に関する限り、フローチャート500による方法は、少なくとも第1の圧電変換器(例えば、
図3の第1の圧電変換器310)及び第1のプレート(例えば、
図3の第1のプレート320)のアセンブリによって形成された第1の単一振動質量を位置決めする予備工程520を含み、第1のプレートは、流路壁の一部分を形成する。
【0063】
なお、第1の振動質量に関する限り、フローチャート500による方法は、以下の工程を更に含む。
A)工程530:第1の圧電変換器(例えば、
図3の第1の圧電変換器310)を第1の刺激電気信号によって繰り返し刺激し、そのため、第1の圧電変換器(例えば、
図3の第1の圧電変換器310)が、第1の電気共振振動を生成すること。
B)工程540:当該第1の電気共鳴振動の共振周波数(「第1の共振周波数」と呼ばれ得る)を繰り返し測定すること。
【0064】
第2の振動質量に関する限り、フローチャート500による方法は、少なくとも第2の圧電変換器(例えば、
図3の第2の圧電変換器340)及び第2のプレート(例えば、
図3の第1のプレート350)のアセンブリによって形成された第2の単一振動質量を位置決めする予備工程550を含み、第2のプレートは、第1のプレートに近接するが、流路壁から離れている。具体的には、第1のプレートが機械内の作動流体の流れ(すなわち、機械の流路内)に露出される一方で、第2のプレートが作動流体に露出されるが、その流れには露出されない(すなわち、流体が静止しており、流速がゼロである)。
【0065】
なお、第2の振動質量に関する限り、フローチャート500による方法は、以下の工程を更に含む。
C)工程560:第2の圧電変換器(例えば、
図3の第2の圧電変換器340)を第2の刺激電気信号によって繰り返し刺激し、そのため、第2の圧電変換器(例えば、
図3の第2の圧電変換器340)が、第2の電気共振振動を生成すること。
D)工程570:当該第2の電気共鳴振動の共振周波数(「第2の共振周波数」と呼ばれ得る)を繰り返し測定すること。
【0066】
図5に示すように、上記の工程の好ましい順序は、工程520、工程550、工程530、工程560、工程540、工程570、及び工程580(以下に説明する)である。
【0067】
工程530及び560及び540及び570が、機械100の動作中に実施される(すなわち、それらが測定プロセスの一部である)間に、機械100を組み立てるときに、工程520及び550が実施されることに留意されたい。
【0068】
好ましくは、工程520における位置決め及び工程550における位置決めは、第1の単一振動質量及び第2の単一振動質量が、同じ温度(又はほぼ同じ温度)及び同じ圧力(又はほぼ同じ圧力)に露出されることにつながる。
【0069】
有利には、フローチャート500による方法は、以下の工程を更に含む。
E)工程580:共振周波数、特に、第1の電気共鳴振動の共振周波数及び第2の電気共鳴振動の共振周波数を繰り返し比較すること。
【0070】
工程530及び560及び540及び570及び580で参照される繰り返しは、
図5のフローチャート500のループL2に対応する。ループは、汚染及び浸食の進行が非常に遅いとき、好ましくは1時間より長く、好ましくは1日より短い期間で、繰り返され得る。繰り返し期間は厳密に一定である必要はなく、例えば、最大10%又は20%(又は更にはより多く)の変動が許容可能であることに留意されたい。
【0071】
ループL2は、機械100の始動から機械100の停止まで連続的に繰り返され得る。したがって、有利には、機械100が動作していないときにループL2が中断される。
【0072】
好ましくは、第1の電気共鳴振動の共振周波数及び第2の電気共鳴振動の共振周波数は、第1の振動質量の質量と第2の振動質量の質量との間の相違により、常に同一でない場合であっても、20KHz超である。
【0073】
第1の可能性によれば、第1のプレート(例えば、
図3の第1のプレート320)が汚染を有しないか、又は侵食されていないとき、第1の電気共鳴振動の共振周波数と第2の電気共鳴振動の共振周波数とが同一(又はほぼ同一)である。周波数差が存在し、汚染又は浸食後に測定され得る。
【0074】
第2の好ましい可能性によれば、第1のプレート(例えば、
図3の第1のプレート320)が汚染を有しないか、又は侵食されていないとき、第1の電気共鳴振動の共振周波数と第2の電気共鳴振動の共振周波数とが異なる。この差は、好ましくは500Hz超である。周波数差は増加又は減少し、汚染又は浸食後に測定され得る。
【0075】
工程530及び560及び540及び570は、例えば、任意の図に示されておらず、かつセンサ配設300の電気ケーブル314及び344に電気的に接続され得る、機械100の測定又は監視電子ユニットによって実施され得る。
【0076】
上述の測定又は監視電子ユニットは、実施される周波数測定を処理し、並びに、例えば、測定された共振周波数を比較し得る(工程580を参照されたい)。例えば、第1の電気共鳴振動の共振周波数と第2の電気共振振動の共振周波数との間の周波数減算を行う任意の時間では、減算値を上限閾値及び/又は下限閾値と比較してもよい。これらの閾値のうちのいずれかを超えた場合、そのような事象を、例えば、機械の電子制御ユニット及び/又はオペレータに信号伝達し得、そのような信号伝達は、電子指標(例えば、機械の電子制御ユニットに送信される電子メッセージ)及び/又は視覚的指標及び/又は音指標であり得る。
【0077】
有利には、2つの振動質量(好ましくは同じ温度及び圧力)の使用は、周波数測定の自動補償を可能にすることに留意されたい。したがって、閾値比較(1つ又は複数)の前の一部の前処理は、不要であり得る。
【0078】
既に説明したように、センサ配設200及びセンサ配設300と同一又は類似のセンサ配設は、有利には、機械、好ましくはターボ機械、より好ましくは単段又は多段遠心圧縮機において設置及び使用され得る。
【0079】
任意の機械は、1つ以上のそのようなセンサ配設を含み得る。
【0080】
更に、このような機械は、測定若しくは監視電子ユニットを含み得るか、又は測定若しくは監視電子ユニットに関連付けられ得、同じユニットは、1つ以上のそのようなセンサ配設に(有線及び/又は無線接続を介して)接続され得る。
【0081】
これらの場合、好ましくは、センサ配設の第1のプレートは、作動流体が流れる機械の流路の壁の一部分を形成する。浸食が測定又は監視される場合、第1のプレートがプレート材料で作製され、壁が壁材料で作製され、かつプレート材料及び壁材料が同じ材料であることが有利であり、第1のプレート、第2のプレート、及び壁の材料が同じであることが更に有利である。
【国際調査報告】