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特表2022-530348複数のワイプ接触点を有するワイプディスペンサー
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-29
(54)【発明の名称】複数のワイプ接触点を有するワイプディスペンサー
(51)【国際特許分類】
   B65D 83/08 20060101AFI20220622BHJP
   A47K 7/00 20060101ALI20220622BHJP
【FI】
B65D83/08 G
A47K7/00 H
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021561661
(86)(22)【出願日】2020-04-17
(85)【翻訳文提出日】2021-11-02
(86)【国際出願番号】 US2020028824
(87)【国際公開番号】W WO2020214991
(87)【国際公開日】2020-10-22
(31)【優先権主張番号】62/835,612
(32)【優先日】2019-04-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506190555
【氏名又は名称】ゴジョ・インダストリーズ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002321
【氏名又は名称】弁理士法人永井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ベイル, ケビン マイケル
(72)【発明者】
【氏名】マン, クリストファー ジェームス
【テーマコード(参考)】
3E014
【Fターム(参考)】
3E014MC01
3E014MC06
(57)【要約】
ウェットワイプを分注するためのディスペンサーの実施形態が本明細書に開示される。一例示的ワイプディスペンサーは、開口部、キャップ、および第一のワイプ係合部材を有する容器を含む。第一のワイプ係合部材はそれを貫通する開口部を含む。第一のワイプ係合部材は、ワイプが容器内に後退することを防止するのに十分な力をワイプに与えるように構成される。第二のワイプ係合部材も含まれる。第二のワイプ係合部材は、第一のワイプ係合部材から離れて位置する。第二のワイプ係合部材は、プルスルー部分および把持部分を含む。アクセスポイントは、第一のワイプ係合部材と第二のワイプ係合部材との間に位置する。アクセスポイントは、ワイプが第一のワイプ係合部材を通るとき、ユーザーがワイプの先端を掴むことを可能にするように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイプディスペンサーであって、
容器であって、
開口部を有する容器、
キャップ、
第一のワイプ係合部材であって、
前記第一のワイプ係合部材が、弾性材料から作製され、かつそれを貫通する開口部を有し、
前記第一のワイプ係合部材が、前記ワイプが前記容器内に後退することを防止するのに十分な力をワイプに与えるように構成される、第一のワイプ係合部材、
第二のワイプ係合部材であって、
前記第二のワイプ係合部材が、前記第一のワイプ係合部材から離れて位置し、
前記第二のワイプ係合部材が、プルスルー部分およびグリップ部分を有し、
前記第二のワイプ係合部材が、前記弾性材料よりも硬質である材料から作製される、第二のワイプ係合部材を含む、ワイプディスペンサー。
【請求項2】
前記第一のワイプ係合部材と前記第二のワイプ係合部材の間に位置するアクセスポイントをさらに備え、前記アクセスポイントが、前記ワイプが前記第一のワイプ係合部材に通されると、ユーザーがワイプの先端を掴むことを可能にするように構成される、請求項1に記載のワイプディスペンサー。
【請求項3】
前記第一のワイプ係合部材が、前記第二のワイプ係合部材よりも厚い材料で作製される、請求項1に記載のワイプディスペンサー。
【請求項4】
前記第一のワイプ係合部材を貫通する前記開口部が円形開口部である、請求項1に記載のワイプディスペンサー。
【請求項5】
前記第二のワイプ係合部材を貫通する前記開口部が非円形開口部である、請求項1に記載のワイプディスペンサー。
【請求項6】
前記第二の係合部材が把持部を含む、請求項1に記載のワイプディスペンサー。
【請求項7】
前記把持部が、前記ワイプが前記把持部の側面から前記把持部に入ることを可能にするように構成された開口部を含む、請求項6に記載のワイプディスペンサー。
【請求項8】
前記把持部が二つ以上のフィンガーを含む、請求項6に記載のワイプディスペンサー。
【請求項9】
前記第二のワイプ係合部材が、前記第一のワイプ係合部材の上方に位置する、請求項1に記載のワイプディスペンサー。
【請求項10】
上部がキャップである、請求項1に記載のワイプディスペンサー。
【請求項11】
前記上部がそれを貫通するアパーチャを有し、前記弾性係合部材が前記開口部を少なくとも部分的に覆う、請求項1に記載のワイプディスペンサー。
【請求項12】
前記上部がそれを貫通するアパーチャを有し、前記弾性係合部材が前記開口部を閉塞する、請求項1に記載のワイプディスペンサー。
【請求項13】
前記第二のワイプ係合部材が、前記第一のワイプ係合部材の前記開口部からオフセットされる、請求項1に記載のワイプディスペンサー。
【請求項14】
上表面がキャップの一部分である、請求項1に記載のワイプディスペンサー。
【請求項15】
カバーをさらに備え、前記カバーがヒンジで前記キャップに接続される、請求項1に記載のワイプディスペンサー。
【請求項16】
前記第二のワイプ係合部材が前記ヒンジの反対側に位置する、請求項1に記載のワイプディスペンサー。
【請求項17】
前記第一のワイプ係合部材がドームの形態である、請求項1に記載のワイプディスペンサー。
【請求項18】
前記ドームの頂点が、前記ドームの基部の下方にある、請求項17に記載のワイプディスペンサー。
【請求項19】
前記第一のワイプ係合部材が弾性であり、前記開口部が力で拡張し、ユーザーの指が前記開口部を通してワイプを押すことを可能にするように構成される、請求項1に記載のワイプディスペンサー。
【請求項20】
前記第一のワイプ係合部材が、ワイプに係合して前記開口部を閉塞し、前記容器内のワイプの乾燥を軽減させるように構成される、請求項1に記載のワイプディスペンサー。
【請求項21】
ワイプディスペンサーであって、
容器であって、
開口部を有する容器、
キャップ、
第一のワイプ係合部材であって、
前記第一のワイプ係合部材がそれを貫通する開口部を有し、
前記第一のワイプ係合部材が第一の剛直度を有し、
前記第一のワイプ係合部材が、前記ワイプが前記容器内に後退することを防止するのに十分な力をワイプに与えるように構成される、第一のワイプ係合部材、
第二のワイプ係合部材であって、
前記第二のワイプ係合部材が、前記第一のワイプ係合部材から離れて位置し、
前記第二のワイプ係合部材が、プルスルー部分およびグリップ部分を有し、
前記第二のワイプ係合部材が第二の剛直度を有し、
前記第二の剛直度が、前記第一の剛直度よりも剛直である、第二のワイプ係合部材を有する、ワイプディスペンサー。
【請求項22】
前記第一のワイプ係合部材が、前記第二のワイプ係合部材とは異なる材料で作製される、請求項21に記載のワイプディスペンサー。
【請求項23】
前記第一のワイプ係合部材が、前記第二のワイプ係合部材よりも厚い材料で作製される、請求項21に記載のワイプディスペンサー。
【請求項24】
前記第一のワイプ係合部材を貫通する前記開口部が円形開口部である、請求項21に記載のワイプディスペンサー。
【請求項25】
前記第二のワイプ係合部材を貫通する前記開口部が非円形開口部である、請求項21に記載のワイプディスペンサー。
【請求項26】
前記第二の係合部材が把持部を含む、請求項21に記載のワイプディスペンサー。
【請求項27】
前記把持部が、前記ワイプが前記把持部の側面から前記把持部に入ることを可能にするように構成された開口部を含む、請求項21に記載のワイプディスペンサー。
【請求項28】
前記第二のワイプ係合部材が、前記第一のワイプ係合部材の上方に位置する、請求項21に記載のワイプディスペンサー。
【請求項29】
前記把持部が二つ以上のフィンガーを含む、請求項26に記載のワイプディスペンサー。
【請求項30】
上部がキャップである、請求項21に記載のワイプディスペンサー。
【請求項31】
前記上部がそれを貫通するアパーチャを有し、前記弾性係合部材が前記開口部を少なくとも部分的に覆う、請求項21に記載のワイプディスペンサー。
【請求項32】
前記上部がそれを貫通するアパーチャを有し、前記弾性係合部材が前記開口部を閉塞する、請求項21に記載のワイプディスペンサー。
【請求項33】
前記第二のワイプ係合部材が、前記第一のワイプ係合部材の前記開口部からオフセットされる、請求項21に記載のワイプディスペンサー。
【請求項34】
上表面がキャップの一部分である、請求項21に記載のワイプディスペンサー。
【請求項35】
カバーをさらに備え、前記カバーがヒンジで前記キャップに接続される、請求項34に記載のワイプディスペンサー。
【請求項36】
前記第二のワイプ係合部材が前記ヒンジの反対側に位置する、請求項35に記載のワイプディスペンサー。
【請求項37】
前記第一のワイプ係合部材がドームの形態である、請求項21に記載のワイプディスペンサー。
【請求項38】
前記ドームの頂点が、前記ドームの基部の下方にある、請求項37に記載のワイプディスペンサー。
【請求項39】
前記第一のワイプ係合部材が弾性であり、前記開口部が圧力で拡張し、ユーザーの指が前記開口部を通してワイプを押すことを可能にするように構成される、請求項21に記載のワイプディスペンサー。
【請求項40】
前記第一のワイプ係合部材が、ワイプに係合して前記開口部を閉塞し、前記容器内のワイプの乾燥を軽減させるように構成される、請求項21に記載のワイプディスペンサー。
【請求項41】
請求項1~21に記載の要素のいずれかをさらに備える、請求項21に記載のディスペンサー。
【請求項42】
ワイプディスペンサーであって、
容器であって、
開口部を有する容器、
キャップ、
第一のワイプ係合部材であって、
前記第一のワイプ係合部材がそれを貫通する開口部を有し、
第二のワイプ係合部材であって、
前記第二の係合部材が、前記第一の係合部材から離れて位置し、
前記第二の係合部材が、前記第一の係合部材とは異なる材料で作製される、第二のワイプ係合部材を含む、ワイプディスペンサー。
【請求項43】
前記第一の開口部が円形開口部である、請求項42記載のワイプディスペンサー。
【請求項44】
前記第二の係合部材が把持部を含む、請求項42記載のワイプディスペンサー。
【請求項45】
前記把持部が、前記ワイプが前記把持部の側面から前記把持部に入ることを可能にするように構成された開口部を含む、請求項44に記載のワイプディスペンサー。
【請求項46】
前記第二のワイプ係合部材が、前記第一のワイプ係合部材の上方に位置する、請求項42に記載のワイプディスペンサー。
【請求項47】
前記把持部が二つ以上のフィンガーを含む、請求項44に記載のワイプディスペンサー。
【請求項48】
上部がキャップである、請求項42に記載のワイプディスペンサー。
【請求項49】
前記上部がそれを貫通するアパーチャを有し、前記弾性係合部材が前記開口部を少なくとも部分的に覆う、請求項42に記載のワイプディスペンサー。
【請求項50】
前記上部がそれを貫通するアパーチャを有し、前記弾性係合部材が前記開口部を閉塞する、請求項42に記載のワイプディスペンサー。
【請求項51】
前記第二のワイプ係合部材が、前記第一のワイプ係合部材の前記開口部からオフセットされる、請求項42に記載のワイプディスペンサー。
【請求項52】
上表面がキャップの一部分である、請求項42に記載のワイプディスペンサー。
【請求項53】
カバーをさらに備え、前記カバーがヒンジで前記キャップに接続される、請求項52に記載のワイプディスペンサー。
【請求項54】
前記第二のワイプ係合部材が前記ヒンジの反対側に位置する、請求項53に記載のワイプディスペンサー。
【請求項55】
前記第一のワイプ係合部材がドームの形態である、請求項42に記載のワイプディスペンサー。
【請求項56】
前記ドームの頂点が、前記ドームの基部の下方にある、請求項55に記載のワイプディスペンサー。
【請求項57】
前記第一のワイプ係合部材が弾性であり、前記開口部が圧力で拡張し、ユーザーの指が前記開口部を通してワイプを押すことを可能にするように構成される、請求項42に記載のワイプディスペンサー。
【請求項58】
前記第一のワイプ係合部材が、ワイプに係合して前記開口部を閉塞し、前記容器内のワイプの乾燥を軽減させるように構成される、請求項42に記載のワイプディスペンサー。
【請求項59】
ワイプディスペンサーであって、
容器であって、
開口部を有する容器、
前記開口部の近位に位置する第一のワイプ係合部材であって、
前記第一のワイプ係合部材が、第一の位置でワイプと接触し、
前記第一のワイプ係合部材が、前記ワイプが前記容器内に後退することを防止するように構成される、第一のワイプ係合部材、
前記第一のワイプ係合部材の近位に位置する第二のワイプ係合部材であって、
前記第二のワイプ係合部材が、第二の位置で前記ワイプと接触し、
前記第二のワイプ係合部材が、前記第一のワイプ係合部材の中心からオフセットされ、前記第一のワイプ係合部材よりも剛直であり、前記第二のワイプ係合部材が、把持部を形成する非円形開口部を有する、第二のワイプ係合部材を含む、ワイプディスペンサー。
【請求項60】
前記第一のワイプ係合部材が、第一の材料から作製され、前記第二のワイプ係合部材が第二の材料から作製される、請求項59に記載のワイプディスペンサー。
【請求項61】
第一の材料が弾性材料であり、前記第二の材料が剛直である、請求項60に記載のワイプディスペンサー。
【請求項62】
前記第一のワイプ係合部材が円形アパーチャである、請求項59に記載のワイプディスペンサー。
【請求項63】
前記第一のワイプ係合部材が、前記ワイプが前記容器内に後退することを防止するのに十分な圧力をワイプに与える、請求項59に記載のワイプディスペンサー。
【請求項64】
前記第一のワイプ接触が、穿孔分離線で第二のワイプに接続された第一のワイプを、第二のワイプを前記穿孔分離線で前記第一のワイプから分離させることなく引き抜かれることを可能にする、請求項62に記載のワイプディスペンサー。
【請求項65】
前記第二のワイプ接触が、穿孔分離線で第二のワイプに接続された第一のワイプを、前記第一のワイプおよび第二のワイプが前記第二のワイプ係合部材を通して引っ張られたとき、前記穿孔線に沿って分離させる、請求項62に記載のワイプディスペンサー。
【請求項66】
前記第二の接点が把持部を含む、請求項59に記載のワイプディスペンサー。
【請求項67】
前記把持部が複数のフィンガーを含む、請求項66に記載のワイプディスペンサー。
【請求項68】
前記把持部が複数のフィンガーを含む、請求項66に記載のワイプディスペンサー。
【請求項69】
ワイプディスペンサーであって、
容器、
前記容器上のキャップ、
前記キャップの開口部、
前記開口部の近位の逆戻り防止部材であって、
前記逆戻り防止部材が、弾性材料から構成され、
前記逆戻り防止部材が、ワイプを受けるための円形開口部を有する、逆戻り防止部材、
前記逆戻り防止部材から離れて位置する把持部材であって、
前記把持部材が前記弾性材料より剛直な第二の材料から作製され、前記把持部材が、穿孔線に沿って第二のワイプに接続された第一のワイプが、前記把持部材が前記第二のワイプに係合するとき、前記第二のワイプから分離するのに十分な力でワイプに接触する、把持部材を含む、ワイプディスペンサー。
【請求項70】
前記弾性材料がシリコーンを含む、請求項69に記載のワイプディスペンサー。
【請求項71】
前記第二の材料がプラスチック材料である、請求項69に記載のワイプディスペンサー。
【請求項72】
前記把持部材が、前記逆戻り防止部材の上方に位置する、請求項69に記載のワイプディスペンサー。
【請求項73】
前記把持部材が、前記逆戻り防止部材からオフセットされる、請求項69に記載のワイプディスペンサー。
【請求項74】
前記把持部材が、第一の端部に、ワイプが前記把持部材内に引き込まれることを可能にする開口部、および第二の端部に、ワイプを掴むピンチ部材を有する、請求項69に記載のワイプディスペンサー。
【請求項75】
前記ピンチ部材が複数のフィンガーを含む、請求項74に記載のワイプディスペンサー。
【請求項76】
ワイプを分注する方法であって、
ワイプディスペンサーを提供することを含み、
前記ワイプディスペンサーが、第一のワイプ係合部材および第二のワイプ係合部材を有し、
前記ディスペンサーが、ユーザーが、前記第一のワイプ係合部材を通して一つまたは複数のワイプを引っ張り、次いで、前記第二のワイプ係合部材を通して前記一つまたは複数のワイプを引っ張り、第一の一つまたは複数のワイプを後続ワイプから分離するように構成される、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、「WIPES DISPENSERS HAVING MULTIPLE WIPE CONTACT POINTS」と題され、2019年4月18日に出願された、米国仮特許出願第62/835,612号の優先権および利益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は概して、ワイプまたは濡れナプキンを放出するためのディスペンサーに関連する。より具体的には、本発明は、第一のワイプ接触点および第二のワイプ接触点を有するワイプディスペンサーに関する。
【背景技術】
【0003】
ワイプは典型的には、不織布材料などの多様な材料から作製される。ワイプは、抗菌溶液などの溶液で湿らされていることが多い。ワイプは、容器内に積み重ねられ、そして折り畳まれていてもよく、またはロールの形態であってもよい。ロールの形態のワイプは典型的に、ミシン線が裂けて先頭のワイプが分離して使用できるようになる前に、後続の先頭が出口ノズルを通して引っ張られるように、ワイプが互いに繋がったままの状態を維持するのに十分な強度を有する、ワイプの間のミシン線を有する。うまくいけば、これは、後続のワイプの先端がユーザーによって掴まれ、容器から引き出され得るように、出口ノズルから突出する十分な長さの口取り(lead tail)をもたらす。しかし、口取りはしばしば、ノズルの開口部を越えてユーザーが掴むのに十分な高さまで突出せず、これが顧客による「短い口取り(short tail)」の苦情をもたらす。同様に、「後退(fall back)」についての苦情は、後続のワイプが出口ノズルを通り、容器内に逆戻りしてしまうときに発生する。加えて、ワイプを出口ノズルを通すことはしばしば困難であり、したがって多くの場合、後退が発生したとき、短い口取りが発生したとき、または新しいワイプロールをディスペンサーに取り付けるときは、単に煩わしいだけではない。さらに、現在のワイプノズルの中には、ワイプを出口ノズルに再度通すためのツールを必要とするものもある。加えて、ワイプの容器が長期間の放置されたとき、「乾燥」が発生し得、ワイプを湿らせるために使用される流体が容器から蒸発する。
【発明の概要】
【0004】
ウェットワイプを分注するためのディスペンサーの実施形態が本明細書に開示される。一例示的ワイプディスペンサーは、開口部、キャップ、および第一のワイプ係合部材を有する容器を含む。第一のワイプ係合部材はそれを貫通する開口部を含む。第一のワイプ係合部材は、弾性部材から作製され、ワイプが容器内に後退することを防止するのに十分な力をワイプに与えるように構成される。第二のワイプ係合部材も含まれる。第二のワイプ係合部材は、第一のワイプ係合部材から離れて位置する。第二のワイプ係合部材は、プルスルー部分および把持部分を含む。前記第二のワイプ係合部材は、第一の係合部材より剛直な材料で作製される。いくつかの実施形態では、アクセスポイントは、第一のワイプ係合部材と第二のワイプ係合部材との間に位置付けられる。アクセスポイントは、ワイプが第一のワイプ係合部材を通る際に、ユーザーがワイプの先端を掴むことを可能にするように構成される。
【0005】
別の例示的なワイプディスペンサーは、容器を含み、容器は、容器上のキャップであり得る表面を有する。第一のワイプ係合部材は、表面に位置する。第一のワイプ係合部材は、表面に位置する弾性係合部材である。弾性係合部材は、それを貫通する開口部を有する。ワイプディスペンサーは、第二のワイプ係合部材をさらに含む。第二の係合部材は、第一の係合部材から離れて位置し、第二の係合部材は、第一の係合部材よりも剛直である。いくつかの例示的な実施形態は、容器を含まない。いくつかの例示的な実施形態では、表面はキャップである。いくつかの実施形態では、キャップは容器に固定される。
【0006】
別の例示的なワイプディスペンサーは、容器を含み、容器は、容器上のキャップであり得る表面を有する。第一のワイプ係合部材は、表面に位置する。第一のワイプ係合部材は、表面に位置する弾性係合部材である。弾性係合部材は、それを貫通する開口部を有する。ワイプディスペンサーは、第二のワイプ係合部材をさらに含む。第二の係合部材は、第一の係合部材から離れて位置し、第二の係合部材は、第一の係合部材とは異なる材料から作製される。いくつかの例示的な実施形態は、容器を含まない。いくつかの例示的な実施形態では、表面はキャップである。いくつかの実施形態では、キャップは容器に固定される。
【0007】
別の例示的なワイプディスペンサーは容器を含む。容器は、キャップであり得る表面を有する。第一のワイプ係合部材は、表面に位置する。第一のワイプ係合部材は、第一の位置でワイプに接触する。第一のワイプ係合部材は、第一の材料から作製されている。第二のワイプ係合部材は、容器上にある。第二のワイプ係合部材は、第二の位置でワイプに接触する。第二のワイプ係合部材は、第二の材料から作製され、第二の材料は、第一の材料よりも剛直である。
【0008】
ワイプディスペンサーの別の例示的な実施形態は、容器に開口部を有する容器を含む。逆戻り防止部材は、開口部の近位に位置する。逆戻り防止部材は第一の材料から構成される。逆戻り防止部材は円形開口部を有する。いくつかの実施形態では、開口部は、例えば、楕円、スリットなど、非円形である。把持部材が含まれ、逆戻り防止部材から離れて位置する。把持部材は、第一の材料より剛直な第二の材料から作製され、把持部材はワイプに接触し、把持部材が第二のワイプに係合するとき、第二のワイプに接続された第一のワイプがミシン線に沿って第二のワイプから分離するのに十分な力で、ワイプを把持するように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明のこれらおよびその他の特徴および利点は、以下の記述および添付図面に関してより良く理解されるであろう。
【0010】
図1図1は、二つのワイプ接触点を有するワイプディスペンサーの例示的な実施形態の断面である。
【0011】
図2図2は、図1に示されるキャップの上面図である。
【0012】
図3図3は、リッドが開いているディスペンサーおよびワイプのロールの断面である。
【0013】
図4図4および図5は、二つのワイプ接触点を有するワイプディスペンサーの一部分の別の例示的な実施形態の断面である。
図5図4および図5は、二つのワイプ接触点を有するワイプディスペンサーの一部分の別の例示的な実施形態の断面である。
【0014】
図6図6図10は、例示的な把持部材の概略図である。
図7図6図10は、例示的な把持部材の概略図である。
図8図6図10は、例示的な把持部材の概略図である。
図9図6図10は、例示的な把持部材の概略図である。
図10図6図10は、例示的な把持部材の概略図である。
【0015】
図11図11は、ワイプがそこから上方に突出した状態の、二つのワイプ接触点を有するワイプディスペンサーの例示的な実施形態の斜視図である。
【0016】
図12図12は、キャップが取り除かれた状態の、図11の例示的なディスペンサーの斜視図である。
【0017】
図13図13は、二つのワイプ接触点を有する別の例示的なディスペンサーの部分斜視図である。
【0018】
図14図14は、図13のキャップの部分側面図である。
【0019】
図15図15は、図13のキャップの上面図である。
【0020】
図16図16は、図13のキャップの底面図である。
【0021】
図17図17は、図13のキャップの底部の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、ワイプディスペンサー100の一例示的実施形態の断面である。ワイプディスペンサー100は、容器の上部に開口部103を有する容器102を含む。本明細書に図示および説明される実施形態は、容器の上部の開口部を図示するが、開口部は、例えば、容器の側面または容器の底部など、他の位置に位置しうる。したがって、以下に説明される特徴および構造は、容器の側面および/または容器の底部上にもまた位置し得る。キャップ110は、クロージャー111によって開口部103に固定される。クロージャー111は、例えば、スナップ嵌合接続、螺合など、任意の手段で容器102に結合され得る。いくつかの実施形態では、キャップは必要とされず、本明細書に記載の構成要素のうちの一つまたは複数は、容器の開口部の近位の容器の表面に接続される。この例示的な実施形態では、キャップ110は、開口部114を含む。
【0023】
開口部114は、第一のワイプ係合部材120(第一のワイプ接触部材と称され得る)を保持するよう構成される環状溝115を含む。この例示的な実施形態では、第一のワイプ係合部材120は、弾性材料から作製される。いくつかの実施形態では、弾性部材はエラストマーである。例えば、弾性部材、第一のワイプ係合部材、第一のワイプ接触点、または逆戻り防止具などの本明細書に記述された構成要素は、例えば、プラスチック、ゴム、エラストマー、シリコーン、ウレタンなどの本明細書に記述された機能を実施することができる任意のタイプの可撓性弾性材料、およびそれらの組み合わせから作製され得る。
【0024】
この例示的な実施形態では、第一のワイプ係合部材または接触部材120は、シリコーンを含み得る弾性材料から作製される。第一のワイプ係合部材120は、それを通って位置する開口部122を有する。この例示的な実施形態では、開口部122は円形開口部であるが、いくつかの実施形態では、開口部122は、例えば、楕円形状、星形状、八角形状など、異なる形状を有する。いくつかの実施形態では、第一のワイプ接触部材120は、開口部122が伸張するように構成される。この例示的な実施形態では、開口部122は、ユーザーが開口部122にワイプを通すときに、ユーザーの指が開口部122から押し上げ、その後伸張されてない状態に戻ることを可能にするように、開口部122は十分に「伸縮性」または弾性があるように構成される。したがって、開口部122は、ツールなしでねじ込まれ得る。開口部122は、ワイプ(図示せず)と接触し、ワイプに十分な圧力をかけて、ワイプを定位置に保持し、重力によりワイプが容器内に逆戻りすることを防止するように構成される。第一のワイプ係合部材120は、ディスペンサー100から引き出されるときに、ワイプ上に第一の接触点を提供する。
【0025】
加えて、この例示的な実施形態では、第一のワイプ係合部材120は、ワイプ容器内の流体の蒸発が減少し、いくつかの実施形態では部分的に解消され、いくつかの実施形態では、ほとんど解消され、いくつかの実施形態では、実質的に解消されるように、ワイプ(図示せず)の周りにシールを提供するように構成される。加えて、この例示的な実施形態では、第一のワイプ係合部材120は、凹形状または逆ドーム形状を有する。この例示的な実施形態では、逆ドーム形状は、頂点124および基部125を有する。この例示的な実施形態では、頂点124は基部125の下方に位置する。この例示的な実施形態では、ワイプ(図示せず)から搾り出される流体(図示せず)は、第一のワイプ係合部材120の逆ドーム内に収集され、ワイプが通過する際にその後続部分を再び湿らせることができる。加えて、いくつかの実施形態では、第一のワイプ係合部材120のドーム内に集められた流体は、ワイプの先端(図示せず)を毛管作用により上がり、その間、ワイプは第一のワイプ係合部材120によって保持され、より長い時間にわたり流体によって湿ったままのワイプの先端をもたらす。
【0026】
いくつかの実施形態では、頂点124は、基部125の上方に位置する。上述したように、第一のワイプ係合部材120は、ワイプに十分な圧力をかけて、ワイプを定位置に保持し、先頭のワイプが第一の係合部材120の開口部122を部分的に通り抜けたワイプから引き千切られた後のワイプの「逆戻り」を防止するように構成される。
【0027】
キャップ110は、第二のワイプ係合部材129を含有する。この実施形態では、第二のワイプ係合部材129は、把持部材130である。把持部材130は、例えば、プラスチックまたはポリ塩化ビニル(PVC)などの材料から作製される。把持部材130は、第一のワイプ係合部材120よりも剛直である。いくつかの実施形態では、把持部材130は、より剛直な把持部材130を達成するために、第一のワイプ接触部材120とは異なる材料で作製される。いくつかの実施形態では、材料は同じであるが、把持部材130の構成は、第一のワイプ接触部材よりも剛性が高い。例えば、把持部材130は、第一のワイプ接触部材よりも厚い場合がある。
【0028】
把持部材130は、ワイプが把持部材130を通して引っ張られるとき、ワイプ上により強い力を与えるように構成される。したがって、先頭のワイプがミシン線によって後続のワイプに接続されているとき、把持部材130は、後続のワイプが把持部材に入ると、後続のワイプが先頭のワイプから分離されることを確実にするのに十分な力を加える。いくつかの実施形態では、後続のワイプの先端は、把持部材130内に留まる。いくつかの実施形態では、後続のワイプの先端は、先端のワイプが後続のワイプから分離した後、把持部材130に留まらない。
【0029】
キャップ110は、任意選択のリッド112を含む。この例示的な実施形態では、リッド112は閉位置で示されている。
【0030】
図2は、図1に示すキャップ110の上面図である。把持部材130は、入口開口部200を含む。入口開口部200は、ユーザーが、ワイプ(図示せず)をいつ把持部材130に移動させるかを決定することを可能にする。したがって、ユーザーが二つ以上のワイプを取ることを望む場合、ユーザーは、単にワイプ(図示せず)を引っ張り、所望の長さまたは所望の数のワイプがワイプディスペンサーから取り出されると、次いで、ユーザーは、入口開口部200を通してワイプを把持部材130内に移動させ、ワイプ全体から後続ワイプを分離させるだけでよい。この例示的な実施形態では、把持部材130は、複数の可撓性フィンガー210を含む。可撓性フィンガー210はわずかに屈曲し、ワイプを容易に引き抜くことができる。いくつかの実施形態では、可撓性フィンガーは含まれず、単純なスロットを使用し得る。加えて、いくつかの実施形態では、把持スロット211は、減少した断面積を有する把持部材130の一部分を提供する。把持スロット211は、ユーザーが、ワイプ(図示せず)を把持スロット211内に引き込み、ワイプ上の力を増加させて、先頭のワイプを後続のワイプから分離することを可能にする。
【0031】
この例示的な実施形態では、把持部材130は、第一のワイプ係合部材130からオフセットされる。この例示的な実施形態では、係合部材130は、容器102の開口部103の中心に位置し、把持部材130は、中心からオフセットされる。いくつかの実施形態では、把持部材130は、第一のワイプ係合部材120の真上に位置する。この例示的な実施形態では、把持部材130は、それが把持部材130を通過するときにワイプから搾り出される流体が第一の弾性部材120に流れ込むように位置付けられ、上述のように、ワイプの後続部分または後続のワイプの先端を再び湿らせる、または湿らせるのに役立ち得る。この例示的な実施形態では、キャップ110は、任意選択のリッド112を含む。リッド112は、ヒンジ部分113を有し、摩擦ばめ接続で環状突出部119と嵌合して、リッド112を閉位置に保持する環状突出部117を有する。いくつかの実施形態では、環状突出部114および/または115は、摩擦ばめ接続を助けるための一つまたは複数のリブを含み得る。
【0032】
図3は、リッド112が開いた状態の図1に示されるディスペンサー100およびワイプ302のロールの断面である。ワイプ302のロールは、例えば、ミシン線304などのミシン線によって互いに接続される複数のワイプ、302A、302X、302Yを含む。ワイプ302Aは、第一のワイプ接触部材120を通して引っ張られ、把持部材130の開口部200の近位にあり、把持部材130内に引き込まれてその後続のワイプ(図示せず)から分離される。
【0033】
図3に示すように、いくつかの例示的な実施形態では、第一のワイプ係合部材120の上部と第二のワイプ係合部材または把持部材130との間に位置する、任意選択のアクセスポイント350またはアクセスエリアがある。アクセスポイント350またはエリアは、第一の係合部材120の上部へのアクセスを可能にするように構成される。したがって、アクセスポイント350は、ユーザーが、ワイプ(図示せず)の先端を、それが第一のワイプ係合部材120を通されるときに掴むことを可能にする。アクセスポイント350は、容器キャップ110の上方からアクセスされ得る第一のワイプ係合部材120の上方の開放領域である。
【0034】
アクセスポイント350またはアクセスエリアは、第一の係合部材120と第二の係合領域129との間の開放領域である。この例示的な実施形態では、アクセスポイント350は、第一のワイプ係合部材120の上方のキャップ110内に位置する。この例示的な実施形態では、第一のワイプ係合部材120は、第一のワイプ係合部材120に通される際に、ユーザーがワイプの先端に到達できるように十分にサイズ調整された開放領域である、アクセスポイント350またはアクセスエリアによって、第二のワイプ係合部材または把持部材130から分離される。いくつかの実施形態では、アクセスポイント350またはアクセスエリアは、リッド112が開いているときはアクセス可能であり、リッド112が閉じているときはアクセス不可能である。
【0035】
図4および図5は、二つのワイプ接触点を有するワイプディスペンサー400の別の例示的な実施形態の一部分の断面である。ワイプディスペンサー400は、キャップ402を有する容器401を含む。キャップ402は、ヒンジ部材412によってキャップ402に固定される、閉鎖可能なリッド410を含む。リッド解放部材406が含まれる。リッド解放部材406は、キャップ402のアパーチャ409に取り外し可能に接続するためのコネクタ408を有する。リッド410が閉位置にある時、図5で、リッド解放部材406は回転し、コネクタ408はアパーチャ409に嵌合して、リッド410を閉位置に固定する。
【0036】
この例示的な実施形態では、キャップ402は中心部分403を含む。いくつかの実施形態では、中心部分403は、キャップ402とは異なる材料で作製される。中心部分403は、第一のワイプ係合部材404を含む弾性部材405で形成される。第一のワイプ係合部材404は、ワイプがそれを通って引っ張られる際に、ワイプ502と係合する。第一のワイプ係合部材404は、弾性特性を有し、係合部材404は、力によって拡張し、収縮してその偏りのない位置に戻る。ワイプ係合部材404は、ワイプに十分な圧力をかけて、ワイプを定位置に保持し、ワイプが容器401内に後退することを防止する。好ましくは、ユーザーは、キャップ402を容器から取り外し、ユーザーの指で下からワイプ係合部材404を通してワイプを押すか、またはねじ込むことによって、ワイプをワイプ係合部材404を通してねじ込む。いくつかの実施形態では、第一のワイプ係合部材の弾性部分405は、ユーザーが第一のワイプ係合部材404を簡単に指を押して通すことができるように柔軟であり、それは拡張し、容器の内側に到達してワイプ502を掴み、ディスペンサー400を最初に通すことができる。いくつかの実施形態では、弾性部分405は、弾性部分405を囲む材料とは異なる材料である。いくつかの実施形態では、弾性部分405は、周囲の材料およびまたは把持部材430と同じ材料で作製されるが、例えば、厚みなど、弾性部分405が容易に屈曲してワイプの容易なねじ込みを可能にする異なる特性を有し得る一方、周囲の部分およびまたは把持部材432は、例えば、材料を厚くすることによって達成され得るように、より硬質である。ユーザーが指またはツールを一度取り外すと、第一のワイプ係合部材404が収縮し、ワイプ502と係合する。
【0037】
ワイプディスペンサー400は、第二のワイプ接触部材430を含む。第二のワイプ接触部材430は、ワイプ502が方向506に上方に引っ張られるとき、ワイプ502を掴む把持部材である。この例示的な実施形態では、第二のワイプ接触部材430は、プルスルー部分610を形成する開口部606(図6)を含む。プルスルー部分610は、ユーザーが、先頭のワイプを後続のワイプから分離することなく、複数のワイプをリッド410を通して引き出すことを可能とする。ユーザーが所望する長さまたは数のワイプを有するとき、ユーザーは、ワイプを掴んで後続のワイプを先頭のワイプから分離させる、第二の接触点430にワイプが入るように、単に方向506にワイプを引っ張る。この例示的な実施形態では、把持部材、または第二のワイプ係合部材430は、一つまたは複数のスロット602および一つまたは複数のフィンガー432を含む。ワイプ502が、フィンガー432の間の一つまたは複数のスロット410に引き込まれると、ワイプ上の摩擦は、先頭のワイプを後続のワイプから分離するのに十分な力を生成する。この例示的な実施形態では、フィンガー432は、ワイプを分離するのに十分な力を与えない場合があるが、一つまたは複数のスロット410は与える。いくつかの実施形態では、スロット410は先細であり、その基部の近くでより小さくなる。第二の接触部材430、または把持部材は、リッド410内に形成されるものとして示されているが、第二の接触部材430は、キャップ402の別の部分内に、または独立要素として形成され得る。
【0038】
図4に示すように、いくつかの例示的な実施形態では、第一のワイプ係合部材404の上部と第二のワイプ係合部材430との間に位置するアクセスポイント450またはアクセスエリアがある。アクセスポイント450は、キャップ402の上方からアクセスされ得る第一のワイプ係合部材404の上方の開放領域である。アクセスポイント450は、第一の係合部材404の上部へのアクセスを可能にするように構成される。したがって、アクセスポイント450は、ユーザーが、ワイプ(図示せず)の先端を、それが、第一のワイプ係合部材404を通してねじ込まれるときに掴むことを可能にする。この例示的な実施形態では、アクセスポイント450は、リッド410が閉じている時に、第一のワイプ係合部材404の上方およびリッド410の下方のキャップ402内に位置する。この例示的な実施形態では、アクセスポイント450は、リッド410が開いているときにアクセス可能である。いくつかの実施形態では、アクセスポイント450は、リッド410が開いているときはアクセス可能であり、リッド410が閉じているときはアクセス不可能である。
【0039】
図7図10は、例示的な把持部材の簡略図である。把持部材700は、リッド710内に形成されるが、把持部材700は、上述のように独立要素であり得るか、またはリッド710にないキャップの一部分に形成され得る。把持部材700は、プルスルーセクション706および把持部セクション702を含む。同様に、把持部材800は、プルスルーセクション806およびいくつかのスロット802およびフィンガー832を含む。この例示的な実施形態では、フィンガー832は可撓性であるが、ワイプに対して十分な摩擦を提供し、ワイプを互いに分離する。把持部材900は、プルスルーセクション906およびいくつかのスロット902およびフィンガー932を含む。この例示的な実施形態では、フィンガー932は可撓性であり、ワイプを互いに分離するために、ワイプに対して十分な摩擦を提供しない。ワイプを互いに分離するために、ワイプはスロット902の端部903に引き込まれ、これはワイプに対して十分な摩擦を提供し、ワイプを互いに分離する。同様に、把持部材1000は、プルスルーセクション1006およびいくつかのスロット1002およびフィンガー1003を含む。この例示的な実施形態では、フィンガー1032は可撓性であり、ワイプを互いに分離するために、ワイプに対して十分な摩擦を提供しない。ワイプを互いに分離するために、ワイプはスロット1002の端部1003に引き込まれ、これはワイプに対して十分な摩擦を提供し、ワイプを互いに分離する。
【0040】
図11および図12は、二つのワイプ接触点を有するワイプディスペンサー1100の別の例示的な実施形態の斜視図を示す。ワイプディスペンサー1100は、容器1102、容器1102に固定されたキャップ1104、およびキャップに固定されたリッド1106を含む。キャップ1104は、容器1102の開口部1204とほぼ同じ幅の大きなアパーチャ1250を有する。エラストマー膜1120は、アパーチャ1250に広がる。エラストマー膜1120は、それを貫通する小さなアパーチャ1220を有する。アパーチャ1220は、第一のワイプ係合部材である。リッド1106は、中央にプルスルーアパーチャ1108およびプルスルーアパーチャ1108からオフセットされた把持部材1130を有する。把持部材1130は、開口部1134および一つまたは複数のスロット1132を含む。
【0041】
図13~17は、複数のワイプ接触点を有するワイプディスペンサー1300の別の例示的な実施形態を示す。ワイプディスペンサー1300は、キャニスターワイプディスペンサーであり、キャップ1310を有する容器1302を含む。キャップ1310は、キャップ1310を容器1302に固定するクロージャー1311を有する。この例示的な実施形態では、クロージャー1311は、ディスペンサーを壁ブラケットに固定するのを補助するための一つまたは複数の任意選択のアパーチャ1312を含む。キャップ1310は、第一のワイプ係合部材1350および第二のワイプ係合部材1320を含む。第一のワイプ係合部材1350は、好ましくは、第一のワイプ係合部材に関して、上述のように弾性材料から作製され、好ましくは、例えば、シリコーンなどの材料から作製される。第一のワイプ係合部材は、開口部1392を含む。第一のワイプ係合部材1350は、伸張してその元の形状に戻ることができる弾性材料である。したがって、ユーザーは、開口部1392を通してワイプを押し通すことができ、開口部1392は、ワイプの端部およびユーザーの指の少なくとも一部分が開口部1392を通過できるように伸張する。キャップ1310は、環状突出部1600を含む。第一のワイプ係合部材1350は、環状突出部1600内に位置し、この例示的な実施形態では、キャップ1310およびまたは環状突出部1600に溶接され得る。第一のワイプ係合部材1350は、弾性材料から作製され、開口部1392は、開口部を通って上に延びるワイプ(図示せず)またはワイプの一部分が定位置に保持され、ワイプが容器1302内に逆戻りしないようにサイズ設定される。
【0042】
第二のワイプ係合部材1320は、ワイプが把持部材1320内に引き込まれることを可能にする開口部1321を含む把持部材である。この例示的な実施形態では、把持部材1320は、一つまたは複数の任意選択のフィンガー1322および一つまたは複数のスロット1323を含む。いくつかの実施形態では、第一のワイプ係合部材1350および第二のワイプ係合部材1320は、異なる材料から作製される。いくつかの実施形態では、第二のワイプ係合部材1320は、第一のワイプ係合部材1350よりも硬質である。いくつかの実施形態では、第二のワイプ係合部材1320は、熱可塑性材料から作製され、第一のワイプ係合部材1350は、例えば、シリコーンなどのゴムタイプの材料から作製される。
【0043】
本発明はその実施形態の説明によって例示されており、実施形態はかなり詳細に記述されているが、これは、出願人がそのような詳細に対する添付の請求項の範囲を制限することを意図するものではない。追加的な利点および修正は、当業者には容易に見えるであろう。例えば、流体保持部材は、ドーム型自在軸受ノズルから分離され得る。したがって、本発明は、そのより広い態様において、示され、かつ説明されている具体的な詳細、代表的な装置、および図示的な例に限定されない。したがって、新しい試みは、出願人の一般的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、そのような詳細から作られうる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
【国際調査報告】