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特表2022-530412使い捨て可能な挿入体を使用した歯周ポケットの治療のためのシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-29
(54)【発明の名称】使い捨て可能な挿入体を使用した歯周ポケットの治療のためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   A61C 19/06 20060101AFI20220622BHJP
   A61N 5/067 20060101ALI20220622BHJP
【FI】
A61C19/06 Z
A61N5/067
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021563029
(86)(22)【出願日】2020-03-30
(85)【翻訳文提出日】2021-12-02
(86)【国際出願番号】 US2020025726
(87)【国際公開番号】W WO2020219228
(87)【国際公開日】2020-10-29
(31)【優先権主張番号】62/838,044
(32)【優先日】2019-04-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514052601
【氏名又は名称】コンバージェント デンタル, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】カーベイジ, チャールズ
(72)【発明者】
【氏名】コウイット, スティーブン
(72)【発明者】
【氏名】カンター-バラン, ロニ
【テーマコード(参考)】
4C052
4C082
【Fターム(参考)】
4C052MM02
4C082RA07
4C082RC04
4C082RC08
4C082RE34
4C082RE35
4C082RG02
4C082RG03
4C082RG06
4C082RL06
4C082RL12
(57)【要約】
口腔組織の歯科治療または外科手術治療のためのシステムおよび方法であって、システムは、レーザ源と、ハンドピースと、レーザ源によって放出される放射線を、治療区域(例えば、口腔治療区域)に指向するためのデバイスとを含み、デバイスはさらに、ハンドピースに取り付け可能な使い捨て可能な管と、使い捨て可能な管内に搭載され、管から放出される放射線のプロファイルおよび/または方向を修正するように適合される光学要素(例えば、略円筒形レンズ)とを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ源によって放出される放射線を、ハンドピースを通して口腔治療区域に指向するためのデバイスであって、
前記ハンドピースの出口に取り付け可能な使い捨て可能な管と、
前記管から放出される放射線のプロファイルまたは方向のうちの少なくとも一方を修正するために前記管内に配置される光学要素と
を備える、デバイス。
【請求項2】
前記光学要素は、略円筒形レンズを備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記略円筒形レンズは、硫化亜鉛(ZnS)、硫化ガリウムランタン(GLS)ガラス、またはカルコゲニドガラスから製作されるレンズを備える、請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記略円筒形レンズは、凸面を備える、請求項2に記載のデバイス。
【請求項5】
前記凸面は、前記放射線を、前記凸面から焦点に向かって収束させ、前記焦点からある扇角度で半径方向に発散させる、請求項4に記載のデバイス。
【請求項6】
前記扇角度は、最大約45度である、請求項5に記載のデバイス。
【請求項7】
前記略円筒形レンズは、凹面を備える、請求項2に記載のデバイス。
【請求項8】
前記凹面は、前記放射線を前記凹面からある扇角度で半径方向に発散させる、請求項7に記載のデバイス。
【請求項9】
前記使い捨て可能な管は、遠位端において、前記管から前記放射線を放出するための開口部を備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項10】
前記使い捨て可能な管は、放射線を半径方向に指向するために、前記管の側壁に沿った少なくとも1つの開口部を備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項11】
前記光学要素は、少なくとも1つの反射面を備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項12】
前記反射面は、平面を備える、請求項11に記載のデバイス。
【請求項13】
前記反射面は、起伏面を備える、請求項11に記載のデバイス。
【請求項14】
前記起伏面は、円錐形要素を備える、請求項13に記載のデバイス。
【請求項15】
前記反射面は、複数の反射面を含む、請求項11に記載のデバイス。
【請求項16】
前記複数の反射面は、対応する数の方向への反射性放射線を可能にする、請求項15に記載のデバイス。
【請求項17】
前記反射面は、金属材料でコーティングされた基板を備える、請求項11に記載のデバイス。
【請求項18】
前記金属材料は、金と、銀と、銅と、赤外線スペクトルからの放射線のビームを反射させるための反射性材料と、それらの組み合わせとから成る群から選択される、請求項17に記載のデバイス。
【請求項19】
前記光学要素は、
第1の屈折率(n)を有する第1の部分と、
が、nを上回るような第2の屈折率(n)を有する第2の部分と
を備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項20】
前記第2の部分は、空気を備える、請求項19に記載のデバイス。
【請求項21】
前記使い捨て可能な管はさらに、冷却剤源への接続のための入口と、流体、空気、ガス、水、液体、霧、またはそれらの組み合わせを前記口腔治療区域に送達するように構成される出口とを備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項22】
前記使い捨て可能な管は、それらの間に少なくとも1つの冷却剤流路を形成する複数の入れ子構造の管を備える、請求項21に記載のデバイス。
【請求項23】
口腔組織の歯科治療または外科手術治療のためのシステムであって、
レーザ源と、
前記レーザ源に動作可能に結合されるハンドピースと、
前記レーザ源によって放出される放射線を前記ハンドピースを通して口腔治療区域に指向するためのデバイスであって、前記デバイスは、
前記ハンドピースに取り付け可能な使い捨て可能な管と、
前記管から放出される前記放射線のプロファイルまたは方向のうちの少なくとも一方を修正するために前記管内に配置される光学要素と
を備える、デバイスと
を備える、システム。
【請求項24】
前記レーザ源は、約9~約10マイクロメートルの波長における放射線を放出する、請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
前記レーザ源は、約9.3マイクロメートルの波長における放射線を放出する、請求項23に記載のシステム。
【請求項26】
前記レーザ源は、COレーザを備える、請求項23に記載のシステム。
【請求項27】
レーザ源コントローラをさらに備える、請求項23に記載のシステム。
【請求項28】
前記レーザ源コントローラは、パルス繰り返し率とパルスあたりのエネルギーとを制御するように構造化および配列される、請求項27に記載のシステム。
【請求項29】
口腔組織の歯科治療または外科手術治療のための方法であって、
レーザ源が、放射線をある波長において中心軸に沿って放出することと、
デバイスが、前記レーザ源によって放出された放射線を、ハンドピースを通して口腔治療区域に指向することであって、前記デバイスは、
前記ハンドピースに取り付け可能な使い捨て可能な管と、
前記管内に配置される光学要素と
を備える、ことと
を含む、方法。
【請求項30】
前記波長は、約9~約10マイクロメートルである、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
放射線を指向することは、前記放射線を、前記光学要素を使用して特定の方向に発散させること、収束させること、または反射させることを含む、請求項29に記載の方法。
【請求項32】
前記特定の方向は、前記中心軸に対する軸方向である、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記特定の方向は、前記中心軸に対する半径方向である、請求項31に記載の方法。
【請求項34】
前記光学要素が、前記管から放出される前記放射線のプロファイルおよび方向のうちの少なくとも一方を修正することをさらに含む、請求項29に記載の方法。
【請求項35】
前記口腔治療区域を冷却することをさらに含む、請求項29に記載の方法。
【請求項36】
前記口腔治療区域を冷却することは、ガス、液体、霧、およびそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを備える媒体を通して、放射線を指向することを含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
放射線を指向することは、凸面を有する光学要素を使用することを含む、請求項29に記載の方法。
【請求項38】
放射線を指向することは、凹面を有する光学要素を使用することを含む、請求項29に記載の方法。
【請求項39】
放射線を指向することは、光学要素を使用し、前記使い捨て可能な管の側壁を通して放射線を反射させることを含み、前記光学要素を使用し、前記使い捨て可能な管の側壁を通して放射線を反射させることは、前記中心軸に対してある角度で形成される反射面を使用することを含む、請求項29に記載の方法。
【請求項40】
放射線を指向することは、光学要素を使用し、前記使い捨て可能な管の側壁を通して放射線を反射させることを含み、前記光学要素を使用し、前記使い捨て可能な管の側壁を通して放射線を反射させることは、円錐形表面を使用し、放射線を半径方向に360度にわたって反射させることを含む、請求項29に記載の方法。
【請求項41】
放射線を指向することは、光学要素を使用し、前記使い捨て可能な管内の側壁を通して放射線を反射させることを含み、前記光学要素を使用し、前記使い捨て可能な管内の側壁を通して放射線を反射させることは、全内反射、減衰全内反射、位相偏移全内反射、またはそれらの組み合わせを使用することを含む、請求項29に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本願は、2019年4月24日に出願された米国仮特許出願第62/838,044号の優先権および利益を主張し、その開示全体が、参照することによってその全体として本明細書に援用される。
【0002】
本発明は、概して、発光デバイス(例えば、レーザ源)を使用した組織の歯科的治療および外科手術治療に関連し、より具体的には、レーザ源によって放出される放射線を口腔治療区域に指向するためのデバイス、システム、および/または方法を使用した組織の歯科的治療および外科手術治療に関する。
【背景技術】
【0003】
歯周疾患の治療は、臨床医に、臨床レベルおよび患者管理レベルに関するいくつかの課題を提示する。歯周疾患の発症において、歯肉縁下の複雑な細菌性バイオフィルムが、特に歯の周囲での結合組織分解および骨吸収につながる炎症を誘発し得る。故に、疼痛管理、結合組織の再付着、細菌および内毒素の制御、ならびに歯根表面損傷を伴わない歯肉縁下の歯石沈着物の効果的な除去が、臨床的課題をもたらす。
【0004】
歯周療法において歯根表面を洗浄および消毒する標準的プロセスは、バイオフィルムの機械的創面切除を含み得、これは、罹患した歯の歯根表面からの細菌および歯石の除去を要求し得る。このプロセスは、「歯石除去および根面平滑化」または「根面創面切除」と称される。従来、手動器具および/または超音波(すなわち、高周波数)器具が、必要な手技を行うために使用され得る。しかしながら、不利なこととして、手技は、非常に侵襲性であり、高レベルの技能および触覚感受性を有する医療提供専門家を要求する。
【0005】
例えば、細菌を死滅させること、ポケットを低減させること、歯肉縁下組織での歯石沈着物を除去すること、および/またはポケットへの容易なアクセスを伴って損傷を修復することを伴い得る低侵襲性手技に関して、口腔内でのレーザ補助療法が、使用されており、効果的である。レーザ補助療法はまた、う蝕病変を除去し、復元のための歯を調製するためにも使用されている。ごく最近では、発光デバイス(例えば、レーザ)が、歯周炎およびインプラント歯周炎の治療に関する有望な臨床的結果を実証している。故に、発光デバイス(例えば、レーザ)を歯科医術における療法ツールとして使用する多くの潜在的利点が、存在する。
【0006】
レーザ使用はまた、歯根表面からの殺菌の非外科手術的創面切除のための補助物としても有用である。例えば、ネオジウム:イットリウム-アルミニウム-ガーネット(Nd:YAG)レーザが、歯肉縁下掻爬を行うための能力を提供する歯周炎の治療において、ならびに感染した歯根表面からの歯肉縁下プラークおよび歯石の除去において使用されている。歯周組織は、典型的に、種々の水、含有量、無機質含有量、色素密度、および組織密度を有し、これは、歯周組織がNd:YAGおよびダイオードタイプレーザから放出されるビームを吸光することを可能にする。
【0007】
近赤外範囲(780nm~2,500nm)または、部分的に、中赤外範囲(2,500nm~10μm)内の波長を使用して動作するレーザが、多くの場合、例えば、シリカ、フッ化物ドープシリカ、フッ化インジウム、およびフッ化ジルコニウム光ファイバを含む光ファイバビーム送達システムと組み合わせて使用される。例えば、約1μm(すなわち、ミクロン)の波長において動作するレーザダイオードおよびNd:YAGレーザが、これらの波長を透過させる光ファイバに結合され得、結果として、軟組織の切開、切除、および/またはアブレーションのための臨床的手技において使用され得る。Er:イットリウムスカンジウムガリウムガーネット(ER:YSGG)レーザは、ポケットへのアクセスを提供するための方法においてファイバの先端を劈開もしくは設計すること、ならびにレーザビームの焦点を個別の場所(例えば、歯の間、歯と歯肉の間等)に指向することを可能にすることが容易であるため、ファイバ送達システムはまた、歯内手技および歯周手技において、ER:YSGGレーザも使用している。
【0008】
しかしながら、これらのレーザタイプの使用は、治療されている組織の真下にある健康な組織への損傷をもたらし得、その治療は、望ましくない。したがって、これらのレーザタイプは、注目に値する欠点を実証している。加えて、治療区域へのレーザ発生ビームの送達は、非常に厄介なままである。
【0009】
9~10ミクロン範囲内(すなわち、中赤外波長範囲の上側部分内)の赤外線レーザはまた、硬組織内のハイドロキシアパタイトおよび軟組織内の水およびコラーゲンを含む多くの生物学的物質によって良好に吸光されることが、見出されている。特に、9~10ミクロン範囲内のCOレーザは、硬組織および軟組織を除去するための臨床的用途のために十分に高速かつ効果的であることができる。有利なこととして、COレーザは、概して、より小さい光透過深度を有し、これは、治療されるべきではない下層の組織を損傷させるリスクを軽減または回避する。しかしながら、COレーザを含む近赤外および遠赤外波長スペクトルの上側部分において動作する全てのレーザの重要な限界は、歯周ポケットにアクセスすることができ、かつ、例えば閉鎖フラップ手技の一部としてポケットの壁およびインプラントを治療するために特定の方向に光を指向することができる臨床的に実行可能な光学ビーム送達システムの欠如である。
【0010】
結果として、特に歯周手技および歯内手技に関連する厄介な区域における好適な効率的ビーム送達システムの欠如に起因して、これまで、9~10ミクロン波長範囲内で動作するレーザの臨床的使用は、ある用途に限定されてきた。より具体的には、ある用途に関して、9~10ミクロン波長範囲内でのレーザ使用の問題は、導波路および関節運動アームが、扱いにくく損失的である傾向にあり、多くの光ファイバが、光ファイバを損傷させることなく、9~10ミクロン範囲内の放射線を透過することができないことを含み得る。
【0011】
カルコゲニドファイバは、典型的に、10ミクロンを上回る(例えば、10.6ミクロン)波長における放射線を透過させることが可能である。しかしながら、カルコゲニドファイバは、温度の変化に起因する屈折率の変化に起因して、透過損失および/または損失を引き起こし得る。例えば、いくつかのカルコゲニドガラスファイバは、これらの波長において、60%~80%の透過損失を引き起こし得る。ハロゲン化銀光ファイバは、9~10ミクロン波長範囲内の放射線を透過させることが可能であるが、そのようなファイバは、生体適合性ではないかまたは人体内で使用するために安全ではないため、臨床的に実行可能ではない。
【0012】
光ファイバに対する代替物として、中空コア導波路が、10.6ミクロンの波長において動作するいくつかのCOレーザシステムと組み合わせて使用され得る。しかしながら、これらのシステムは、中空導波路内のレーザ出力のおよそ4分の1~3分の1を失う。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0013】
前述に照らして、9~10ミクロン波長範囲内で動作するレーザ源(例えば、COレーザ)を使用した歯周手技および歯内手技を可能にするための方法およびシステムを提供することが、好ましいであろう。
【0014】
本発明は、近赤外~遠赤外スペクトル内、特に、9~10μmの波長範囲内の放射線(例えば、レーザビーム)を指向し、歯周ポケット治療、インプラント学等の口腔内の歯科疾患の治療、または根管通路および細管を用いて組織を消毒するための歯内手技を可能にするための特別かつ最適化された幾何学形状を伴う異なる設計を含む。そのようなツールは、従来の開放フラップ外科手術の代わりに、低侵襲性のフラップレス外科手術を可能にする。
【0015】
いくつかの実施形態では、本発明の側面は、歯周レーザ先端、特に、罹患している歯根表面と、構造物をより効率的に支持する歯周とにレーザエネルギーを送達するための電位を有する半径方向発射歯周レーザ先端を含む。実際には、半径方向発射レーザ先端はまた、特に、到達することが困難な区域(例えば、根分岐部)において、閉鎖フラップ歯周用途において、および/またはインプラント汚染除去の事例において、より効果的な歯根表面被覆を可能にする。加えて、レーザビーム送達技法は、歯根表面を損傷させることなく、歯石の硬度を低減させ、インプラントの歯肉縁下の細菌および内毒素を排除するために使用されることができる。
【0016】
いくつかの用途では、本明細書に説明される設計は、異なるレーザエネルギー密度を、小さい表面積に送達することを可能にし(これは、歯根表面上の歯石の突起部を遊離させるために非常に有用である)、または低エネルギーレベルにおけるより広い表面積に送達することを可能にする。レーザ先端はまた、エネルギーをポケットのある深度における骨に送達し、それによって、細菌を排除することもでき、脱顆粒を生産することもでき、これは、光生体変調によるより迅速な治癒および再成長を刺激する。
【0017】
種々の実施形態では、約9~10□mの範囲内の波長を有する放射線(例えば、レーザビーム)が、機械的付属品内に格納される光学要素(例えば、導波路、レンズ、プリズム、または同等物)を使用して、効率的に送達されることができ、米国特許第10,182,881号および第9,980,788号(その両方の開示が、参照することによってそれらの全体として本明細書に援用される)に説明されるハンドピース等のハンドピースを使用して、レーザビーム源に結合されることができる。これは、部分的に、約9□m~最大約10□mの波長範囲内の放射線を透過させるためにカスタマイズされた光学要素を使用することによって、達成され得る。そのような光学要素は、ZnSガラスを含み得、放射線を1つの特定の角度で反射するか、または放射線を主軸から異なる角度で拡散するように成形され得る。光学要素は、砒素とセレンとから構成されるカルコゲニドガラスを含み得、さらに、テルルおよびゲルマニウムのうちの少なくとも一方、または両方がないことによって特徴付けられる。光学要素は、赤外線スペクトルにおける透過を伴うセレンの存在を伴うガリウムリチウムセレニド(GLS-Se)から作製されることができる。光学要素内のこれらの化合物のうちの1つ以上の存在は、9□mを上回る波長の透過のために望ましくあり得る。代替として、または加えて、カルコゲニドファイバは、シリカおよび/またはフッ化物を含む別の光ファイバに結合され得る。そのような結合されたファイバは、標的組織の性質に応じて蛍光を発することができるマーキングおよび/または放射線のために、可視スペクトル内の放射線を透過させ、そのような組織の診断を可能にし得る。
【0018】
本システムはまた、選択される治療のタイプおよび/または治療されている組織のタイプに従って、放射線(例えば、レーザビーム)の1つ以上パラメータを調節することができるレーザ源コントローラも含み得る。例えば、治療の間に、レーザビームは、実質的に放射線を吸光しない媒体を通して、硬組織および/または軟組織を含み得る治療区域に指向され、治療区域またはその近傍における規定されたエネルギープロファイルの送達を可能にし得る。そのような媒体は、ガス(例えば、空気または窒素)、水、および/または霧を生成するためのガスと水との組み合わせを含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図面では、同様の参照記号は、概して、異なる図全体を通して同一の部分を指す。また、図面は、必ずしも縮尺通りであるわけではなく、代わりに、概して、本発明の原理を図示することに重点が置かれている。以下の説明では、本発明の種々の実施形態が、以下の図面を参照して説明される。
【0020】
図1a図1aは、本発明のいくつかの実施形態による、使い捨て可能な先端の設計、および凸面を有する光学要素の概略図を示す。
【0021】
図1b図1bは、本発明のいくつかの実施形態による、発散扇角度を提供する端部発射先端の画像を示す。
【0022】
図2図2は、本発明のいくつかの実施形態による、使い捨て可能な先端の設計、および凹面を有する光学要素の概略図を示す。
【0023】
図3図3は、本発明のいくつかの実施形態による、26度および38度の扇角度を提供する2つの異なる光学要素の先端の端部と異なる場所における、測定されたビーム直径のプロットを示す。
【0024】
図4a図4aは、本発明のいくつかの実施形態による、使い捨て可能な先端の設計、および(例えば、金属コーティングされた)反射面を有する光学要素の概略図を示す。
【0025】
図4b図4bは、本発明のいくつかの実施形態による、90度の放出角度を伴う側面発射先端の画像を示す。
【0026】
図5a図5aは、本発明のいくつかの実施形態による、異なる屈折率(nおよびn)を伴う複数の光学要素を有する使い捨て可能な先端の設計の概略図を示す。
【0027】
図5b図5bは、本発明のいくつかの実施形態による、光入射の中心軸に沿って光ビームも透過させる、図5Aの使い捨て可能な先端の設計の概略図を示す。
【0028】
図6図6は、本発明のいくつかの実施形態による、側面発射型の使い捨て可能な先端の設計および円錐形の光学要素の概略図を示す。
【0029】
図7a図7aは、本発明のいくつかの実施形態による、側面発射型の使い捨て可能な先端の設計、および冷却システムを有する光学要素の概略図を示す。
【0030】
図7b図7bは、図7aの側面発射型の使い捨て可能な先端の設計、および光学要素の断面を示す。
【0031】
図8図8は、本発明のいくつかの実施形態による、例示的システムおよび動作パラメータを提供する表を示す。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明の種々の実施形態は、上記に識別されるニーズのうちの1つ以上を満たし、かつ/または先行技術の欠点のうちの1つ以上を克服する、歯科レーザ装置を対象とする。これらの目的は、部分的に、口腔治療領域にレーザパルスおよび冷却剤を同時に送達することができるハンドピースを有する装置を提供することによって、達成され得る。口腔治療区域は、限定ではなく例証の目的のために、歯の間、歯と歯肉との間等を含み得る。
【0033】
いくつかの用途に関して、約9.3ミクロンの波長において、すなわち、9~10ミクロンの波長範囲内で動作する二酸化炭素(CO)レーザ源が、そのような口腔治療のために望ましくあり得る。より具体的には、9.3ミクロンにおいて動作するCOレーザが、口の中の厄介な場所にアクセスすることができ、さらに、軟組織および硬組織を治療するために非常に適している。従来の方法に優るレーザ療法のいくつかの利点は、低減させられた出血および低減させられた組織炎症を含む。さらに、罹患区域の殺菌が、より高い患者の満足感によって達成される治療後の不快感の低減につながり得る。
【0034】
ハンドピースは、主チャンバに回転可能に添着され得る。ハンドピース内の溝およびシール機構は、ハンドピースが回転されるときに冷却流体(例えば、空気、水、およびそれらの組み合わせ)を送達するために使用され得る。したがって、ユーザ(例えば、歯科医、外科医、または同等物)は、治療を中断することなく、ハンドピースを回転させ、レーザエネルギーを患者の口内の選択された場所に指向し得る。ハンドピースは、先端角度、ハンドピースの長さ等、ハンドピースの特徴についての情報を記憶する回路網を含み得る。
【0035】
端部発射型であるか、または側面発射型であるかにかかわらず、レーザ源から放出される放射線を所望の場所に指向するための具現化された半径方向発射デバイスの柔軟性は、反射された放射線が、所望の場所において集束されることを確実にするために、ユーザ(例えば、医師)が及ぼすように要求されている作業量を最小化する。
端部発射デバイス
【0036】
図1a、図1b、および図2は、レーザ源によって放出される放射線を口腔治療区域に指向するための半径方向発射デバイスの例証的実施形態を示す。図1aは、凸面を有する光学要素1を有する半径方向発射デバイスの例証的実施形態を示す一方、図2は、凸面を有する半径方向発射デバイスからおよそ26度の角度で発散する放射線の画像を示す。
【0037】
図1aおよび図2を参照すると、いくつかの実装では、各デバイスまたはハンドピースは、ハンドピースの遠位端において使い捨て可能な先端を受け取るように構造化および配列され得る。いくつかの変形例では、使い捨て可能な先端は、中空筐体2、例えば、近位端および遠位端の各々において開放している管を含み得る。管2は、金属、ステンレス鋼、ニッケル、ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、またはそれらの組み合わせもしくは合金を使用して製造され得、いくつかの用途では、円筒形または略円筒形の形状を有し得る。光学要素1、例えば、円筒形または略円筒形のレンズは、近位端と遠位端との間の円筒形筐体2内に配置または搭載され得る。有利なこととして、光学要素1は、管2から放出される放射線のプロファイルおよび/または方向を修正するために提供され得る。
【0038】
円筒形レンズ1は、硫化亜鉛(ZnS)、硫化ガリウムランタン(GLS)ガラス、またはカルコゲニドガラスから製造され得る。円筒形筐体2内に光学要素1を搭載することは、接着剤(例えば、シアノアクリレート)、エポキシ、機械的ねじ、緊密な締り嵌め等を使用することを含み得る。光学要素1は、光学要素1の反射面が筐体2内の開口部に近接し(例えば、開口部から数ミリメートル)、光学要素を損傷させることを最小化するように、筐体2の先端の内側に搭載または配置され得る。
【0039】
いくつかの変形例では、レーザ源によって放出される放射線が、ハンドピースを通して使い捨て可能な先端に近接する出口に透過され得る。例えば、入射放射線は、中心軸3に沿って光学要素1の近位端に進行し得、続いて、光学要素1を通過し得る。放射線が、光学要素1の遠位端に到達すると、光学要素1の凸面は、入射放射線を、焦点に収束させ、次いで、入射放射線が扇状に広がるように焦点から発散させる。いくつかの事例では、焦点は、放射線が、焦点に収束し、円筒形筐体2から出射する前に発散し始めるように、光学要素1と円筒形筐体2の遠位端との間に位置し得る。扇状に広がる放射線が、円筒形筐体2の遠位端における開口部を通過するため、デバイスは、半径方向(端部)発射先端を提供する。より具体的には、レーザによって放出される放射線は、扇角度(θ)で半径方向に発散し、これは、特に、光学要素1の性質、曲率半径、および光学要素界面の凸面の湾曲の形状等によって決定され得る。例えば、いくつかの変形例では、扇角度は、最大約45度であり得る。
【0040】
図2に示される使い捨て可能な先端はまた、中空筐体2’、例えば、近位端および遠位端の各々において開放している管も含む。いくつかの実装では、筐体2’の形状は、円筒形または略円筒形であり得る。光学要素1’、例えば、円筒形レンズは、近位端と遠位端との間の筐体2’内に配置または搭載され得る。筐体2’内に光学要素1を搭載することは、接着剤(例えば、シアノアクリレート)、エポキシ、機械的ねじ、緊密な締り嵌め等を使用することを含み得る。
【0041】
いくつかの変形例では、レーザ源によって放出される放射線が、ハンドピースを通して使い捨て可能な先端に近接する出口に透過され得る。放射線が光学要素1’の遠位端に到達すると、光学要素1’の凹面は、入射放射線が扇状に広がるように、入射放射線を発散させる。扇状に広がる放射線が円筒形筐体2’の遠位端における開口部を通過するため、デバイスは、半径方向(端部)発射先端を提供する。より具体的には、レーザによって放出される放射線は、扇角度(θ)で半径方向に発散し、これは、特に、光学要素1’の性質、曲率半径、および光学要素界面の凸面の湾曲の形状等によって決定され得る。例えば、いくつかの変形例では、扇角度は、最大約45度であり得る。光学要素1’は、光学要素の凹面が、筐体2’内の開口部に近接し(例えば、開口部から数ミリメートル)、光学要素1’を損傷させることを最小化するように、筐体2’の先端の内側に搭載または配置され得る。
【0042】
図1bは、半径方向(端部)発射先端によって放出されているレーザ放射の画像を示す。放出される放射線は、約26度の扇角度で発散する。図3は、使い捨て可能な先端の端部からの約26度および約38度の扇角度にわたる異なる距離における、ビーム直径とビーム発散(縦座標)との間のある例示的関係のプロットを示す。
側面発射型デバイス
【0043】
別の実施形態では、光学要素は、レーザビームを横に半径方向に指向する反射面を含み、側面発射型デバイスを提供し得る。側面発射型デバイスは、従来では光ファイバを所望の角度で劈開することのみによって可能にされた能力を提供する。図4aを参照すると、ある例示的かつ使い捨て可能な側面発射型デバイスが示される。いくつかの実施形態では、使い捨て可能な先端は、近位端において開放しているが遠位端において閉鎖されている中空筐体2”、例えば管を含む。いくつかの実装では、筐体2”は、円筒形または略円筒形の形状を有し得る。プラグが、筐体2”の端部において搭載され、筐体2”の端部をシールまたは閉鎖し得る。プラグは、入力レーザ源に面するプラグの側面において、反射性材料でコーティングされ得る。使い捨て可能な先端はまた、筐体2”の側壁内に開口部4を含み得る。
【0044】
光学要素1”、例えば円筒形レンズは、近位端と遠位端との間の円筒形筐体2”内に配置または搭載され得る。筐体2”内に光学要素1”を搭載することは、接着剤(例えば、シアノアクリレート)、エポキシ、機械的ねじ、緊密な締り嵌め等を使用することを含み得る。反射面5が、光学要素1”に提供されることもあるし、または光学要素1”の中に形成されることもある。いくつかの変形例では、反射面5は、入射レーザビームの中心軸に対して所望の角度(例えば、45°)で形成され得る。好ましくは、反射面5は、光学要素1”の遠位端に形成される平面であり、平面は、近赤外スペクトルまたは遠赤外線スペクトル内の金属材料(例えば、金、銀、銅、および同等物)または他の反射性材料でコーティングされていることもある。代替として、反射面は、起伏面を有することもある。
【0045】
図4aに示されるように、放射線は、中心軸に対して45度の角度で形成され金でコーティングされたミラー5によって反射された後、入射レーザビームに対しておよそ90度の角度で、筐体2”の側壁内の開口部4を通して外に指向され得る。図4bは、半径方向(側面)発射先端によって放出されているレーザ光の画像を示す。反射される放射線は、入射放射線の中心軸に対しておよそ90度で放出される。
【0046】
反射されたレーザビームを約90度で側面発射することは、約45度の角度で形成された反射面5を使用して遂行され得るが、当業者は、反射面5を異なる角度で形成することが、反射されたレーザビームが異なる角度で筐体2”の側壁内の側面開口部4を通して反射されることをもたらし得ることを理解することができる。したがって、入射レーザビームは、異なる角度で指向(反射)され得る。
【0047】
いくつかの変形例では、反射性材料(単数または複数)が、反射面(単数または複数)に適用され、複数の反射面(例えば、角錐形の形状)を提供し、異なる双方向性または多指向性ビーム反射を可能にし得る。例えば、複数の反射面は、限定ではなく例証の目的のために、対応する数(例えば、1つ、2つ、4つ、6つ、8つ等)の方向にエネルギーを送達する任意の数(例えば、1つ、2つ、4つ、6つ、8つ等)の平面を含み得る。
【0048】
例えば、さらなる用途では、図6に示されるように、反射面9は、円錐形の形状を有し得、入射レーザビームを半径方向に360度に反射させることが可能であり得る。円錐形の反射面9は、筐体2内の遠位開口部に配置されることもあるし、またはその中に搭載されることもある。筐体2の遠位端内に円錐形の反射面9を搭載することは、接着剤(例えば、シアノアクリレート)、エポキシ、機械的ねじ、緊密な締り嵌め等を使用することを含み得る。
【0049】
代替として、反射コーティングを有する角度付けられた表面を使用してレーザビームを側面発射することの代わりに、レーザビームは、全内反射(TIR)、減衰全内反射、または位相偏移全内反射のうちの1つによって、使い捨て可能な先端からある角度で指向(例えば、反射)され得る。例えば、図5aに描写されるように、光学要素1iiiは、第1の屈折率(n)を有する第1の光学材料6、および第2の屈折率(n)を有する第2の光学材料7を含み得る。平面界面8が、第2の光学材料7から第1の光学材料6を分離し得る。光学材料およびそれらのそれぞれの屈折率は、垂直偏光および平行偏光に関する反射および透過のフレネルの法則を満たすように選択され得る。そのような事例では、第1の屈折率(n)は、第2の屈折率(n)を上回る。
【0050】
したがって、入射放射線が、第2の屈折性材料7の屈折率(n)を上回る屈折率(n)を有する第1の光学材料6を通過した後、異なる屈折率(n)を有する光学材料6、7の間の界面に遭遇する場合、TIRが、結果として生じ、界面8に対して垂直である線に対する入射光の入射角が、以下の方程式によって定義される臨界角を上回る限り、入射レーザビームの側面発射をもたらし得る。
【0051】
θcrit=sin-1(n/n
【0052】
図5bに示されるように、別の実施形態では、第1の光学材料6および第2の光学材料7は、筐体2ivの遠位端を通した(例えば、中心軸に沿った)透過または入射レーザ光と、筐体2iv内の側面開口部を通した(例えば、側面発射型の)反射との両方を可能にするために、特定の屈折率を用いて選定され得る2つの三角形プリズムから作製され得る。反射は、減衰全内反射に起因し得る。別の変形例では、ビーム分割器は、例えば異なる偏光のビームを分割する複屈折性材料を使用する偏光ビーム分割器であり得る。
【0053】
異なる用途に関して、レーザビームは、ある「パターン」で空間的に走査され、生来のレーザビームより大きい標的組織上のスポットサイズを横断した均一なエネルギー送達を提供し得る。別の用途では、レーザ走査パターンは、レーザビームが、その熱緩和時間内に媒体中を進行し、いかなる熱蓄積も回避することを可能にし得る。この異形は、例えば、軟組織を切断すること、歯石を除去すること等のためのレーザビームの高出力(エネルギー)送達を可能にし得る。
【0054】
図7aおよび図7bを参照すると、さらに別の実施形態では、随意に、冷却システムはまた、(例えば、冷却剤源(単数または複数)に接続される入口(単数または複数)を介して)使い捨て可能な先端内に形成される出口に動作可能に結合され得る。例えば、冷却システムは、それらの間に複数の冷却剤流路を形成する複数の入れ子構造の管15、16、17を含み得る。図に示される入れ子構造の管15、16、17は、筐体2iii内に同軸方向かつ同心円状に配置されているが、これは、例証的目的のために行われているものである。いくつかの変形例では、入れ子構造の管15、16、17は、偏心的に構成され得る。
【0055】
同心かつ同軸方向の管に関して、1つの実装では、第1の冷却管15は、内部冷却流体が第1の冷却管15と筐体2ivを形成する管との間に形成されるプレナム空間を通して押進させられ得るように、筐体2ivを形成する管の内側表面に固定して取り付けられ得、第2の冷却管16は、第1の冷却流体が第1の冷却管15と第2の冷却管16との間に形成されるプレナム空間を通して押進させられ得るように、第1の冷却管15の内側表面に固定して取り付けられ得、第3の冷却管17は、第2の冷却流体が第2の冷却管16と第3の冷却管17との間に形成されるプレナム空間を通して押進させられ得るように、第2の冷却管16の内側表面に固定して取り付けられ得る。
【0056】
冷却システムによって循環させられる冷却流体は、空気、水、およびそれらの組み合わせ(例えば、霧)等の流体を含み得る。例えば、水が別のプレナム空間を押し下げている間に、空気がプレナム空間のうちの1つへ押し下げられ得る。冷却剤は、冷却剤源(単数または複数)から、ハンドピースおよび入口を介して、種々のプレナム空間の中に送達され得る。
【0057】
図8を参照すると、デバイスパラメータが、表内に要約されている。レーザパラメータ(例えば、出力、繰り返し率、パルス持続時間、およびレーザビーム重複)は、材料(すなわち、光学要素)自体を損傷させることなく、罹患組織または骨を除去するための効率の最適な結果を有するように設計され得る。しかしながら、当業者は、レーザ源が異なるパルスエネルギーを異なる方向/場所に提供するように空間的に走査され得ないことを理解することができる。そのような走査は、単一のステップにおいて、(歯周ポケットの一つの側において高エネルギーパルスを使用して)硬組織を治療し、(歯周ポケットの他の側において低エネルギー設定を使用して)軟組織を治療し、したがって、手技のステップおよび時間を低減させることにおいて有益であることができる。
【0058】
図8は、いくつかの実施形態による本明細書に説明されるシステムの構成および動作に関連するあるパラメータのための最小値、最大値、および公称値を提供する。(公称値だけではなく)図8に示されるパラメータ毎の最小値と最大値との間のあらゆる値が、各々の特定の範囲内に表現される有効桁数を条件として、本明細書において検討され、明示的にサポートされる。
【0059】
本明細書において、本発明の例証的実施形態を説明したが、当業者は、上記に具体的に説明されるもののほか、本発明の種々の他の特徴および利点を理解するであろう。したがって、前述のものが、本発明の原理の例証にすぎないこと、および種々の修正および追加が、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、当業者によって成されることができることを理解されたい。故に、添付の請求項は、示され、説明されている特定の特徴によって限定されるものではなく、いかなる明白な修正およびその均等物も網羅すると解釈されるものとする。
図1a
図1b
図2
図3
図4a
図4b
図5a
図5b
図6
図7a
図7b
図8
【国際調査報告】