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  • 特表-鼻腔内薬剤投与器具 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-29
(54)【発明の名称】鼻腔内薬剤投与器具
(51)【国際特許分類】
   A61M 15/08 20060101AFI20220622BHJP
   A61M 15/00 20060101ALI20220622BHJP
   A61M 13/00 20060101ALI20220622BHJP
【FI】
A61M15/08
A61M15/00 Z
A61M13/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021563649
(86)(22)【出願日】2020-04-16
(85)【翻訳文提出日】2021-12-21
(86)【国際出願番号】 IB2020053594
(87)【国際公開番号】W WO2020217141
(87)【国際公開日】2020-10-29
(31)【優先権主張番号】102019000006368
(32)【優先日】2019-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521466585
【氏名又は名称】アッカエッセディ テクノロジー エッセエッレエッレ
【氏名又は名称原語表記】HSD TECHNOLOGY SRL
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ナルシソ,パオロ
(57)【要約】
成形体(2)を備えた吸入に適した鼻腔内薬剤投与器具は、鼻腔内に挿入されるように成形され、かつ空気送達ダクト(7)を有する成形体(2)の第1の端部(6)に位置する第1の部分(5)と、空気が鼻腔内投与器具(1)の外側から内側へ流れることを可能にするための、少なくとも1つの空気供給ダクト(10)を有する第2の中間部分(9)と、第1の部分(5)の反対側の端部(13)に位置し、かつ混合チャンバ(14)を含む第3の部分(12)とを有する。混合チャンバ(14)は、供給ダクト(10)、薬剤のリザーバ(3)および送達ダクト(7)と流体連通している。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
成形体(2)を備えた、患者による吸入に適した鼻腔内薬剤投与器具であって、前記成形体(2)が、
鼻腔に挿入されるように成形され、かつ前記鼻腔に向かって少なくとも1つの空気送達ダクト(7)を有する前記成形体(2)の第1の端部(6)に位置する少なくとも1つの第1の部分(5)と、
空気が前記鼻腔内投与器具(1)の外側から内側へ流入することを可能にするように、少なくとも1つの供給ダクト(10)を有する少なくとも1つの第2の中間部分(9)と、
前記第1の部分(5)の反対側の端部(13)に位置し、少なくとも1つの混合チャンバ(14)を含む少なくとも1つの第3の部分(12)と、を含み、
前記鼻腔内投与器具(1)は、前記混合チャンバ(14)が、
前記外側から空気を受け入れるための前記少なくとも1つの供給ダクト(10)と、
前記混合チャンバ(14)から分離され、該混合チャンバ(14)と流体接続して、薬剤が外乱によって空気から引き込まれるように前記混合チャンバ(14)に流入することを可能にする、少なくとも1つの薬剤のリザーバ(3)と、
空気と混ざり合った薬剤の前記鼻腔への流れを可能にするための前記少なくとも1つの送達ダクト(7)と流体連通していることを特徴とする、鼻腔内薬剤投与器具。
【請求項2】
前記リザーバ(3)が前記第3の部分(12)に組み込まれることを特徴とする、請求項1に記載の鼻腔内薬剤投与器具。
【請求項3】
前記リザーバ(3)が、吸入される前記薬剤を導入するための入口(20)を有することを特徴とする、請求項1または2に記載の鼻腔内薬剤投与器具。
【請求項4】
前記入口(20)が摂取ダクト(21)によって構成されることを特徴とする、請求項3に記載の鼻腔内薬剤投与器具。
【請求項5】
前記リザーバが、前記第3の部分の外部に配置され、該第3の部分に流体結合されることを特徴とする、請求項1に記載の鼻腔内薬剤投与器具。
【請求項6】
前記中間部分(9)が、前記成形体(2)の側面(17)に配置され、前記供給ダクト(10)と連通する少なくとも1つの開口部(16)を有することを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の鼻腔内薬剤投与器具。
【請求項7】
前記中間部分が、該中間部分に半径方向に配置された複数の前記送達ダクトを含むことを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の鼻腔内薬剤投与器具。
【請求項8】
前記中間部分が、各々が前記供給ダクトに対応する複数の開口部を有することを特徴とする、請求項7に記載の鼻腔内薬剤投与器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療分野に適用可能であり、呼吸経路による薬剤の摂取を特に目的とする。
【0002】
より具体的には、本発明は鼻腔内薬剤投与器具に関する。
【背景技術】
【0003】
健康の分野では、医薬、治療および治療用物質の摂取を吸入によって行う技術が知られている。
【0004】
吸入は、呼吸経路によって薬剤を投与するための技術であり、典型的には、液体、気体または固体粉末の形態で薬剤を摂取するための器具によって実行される。
【0005】
これらの投与技術は呼吸器の問題の治療に特に適している。
【0006】
このような目的のために、噴霧器として知られている器具が知られており、通常はネブライザ、すなわち、薬剤を呼吸器系の様々な器官に到達する運搬流体に変える機能を有する空気圧縮機からなる。
【0007】
しかし、噴霧に必要な空気流を生成する圧縮要素の存在により、これらの器具は寸法が必然的に大きくなり、携帯用途に適切なものではなくなる。
【0008】
さらに、これらの器具の特徴的な噴霧化プロセスでは、薬剤摂取のために長い持続時間を必要とする。治療に必要なタイミングは、器具の大きさと共に、結果的にユーザが治療の間に静止する必要性を生じさせる。
【0009】
さらに、これらの種類の鼻腔内投与器具(endonasal delivery device)は、空気中への分散による薬剤の著しい浪費を伴い、それによって治療の有効性を低下させる。
【0010】
既知の技術によれば、これらの制限を克服するために、通常は液体形態の薬剤が、鼻腔内に導入するために成形された端部を有するボトルに収容される携帯型吸入器具がある。
【0011】
これらの器具は、吸気中にユーザの鼻腔に放出される薬剤の即時投与を可能にする。薬剤の投与は、機械的強制通気手段によって、通常は圧縮ガスを使用して行われる。
【0012】
しかし、圧縮機によって噴霧する器具と比較すると寸法は小さいが、既知の携帯型具は依然として面倒であり、したがって輸送に不便である。
【0013】
さらに、薬剤投与は十分に制御されず、物質の浪費および正確な投与量の制御の困難の両方につながる。
【0014】
実際、強制通気システムを特徴とする鼻腔内投与器具では、生成された空気流は、通常の呼吸流速とは異なる速度で鼻腔に入り、この結果、2つの空気流を組み合わせることが困難になり、結果的に薬剤の分散が困難になる。
【0015】
さらに、強制通気手段の使用により、生成された流れを方向付けることが困難となり、薬剤粒子を治療および物質のさらなる分散の影響を受けない領域と衝突させる。
【0016】
また、強制通気手段の使用は、空気流を方向付けて混合するという上述の問題のために、嗅神経および三叉神経の末端部に到達して血液脳関門を越えて投薬を行うのに適していない鼻腔内投与器具を示唆している。
【0017】
さらに、これらの器具は環境を汚染している。特に、それらは、圧縮ガスを使用し、薬剤のリザーバ(容器)の再使用が不可能性であるために汚染している。
【0018】
さらに、これらの器具は液体薬剤の投与に適しており、したがって粉末薬剤を服用する可能性を排除する。
【0019】
特許文献1,特許文献2,特許文献3も知られている。それら特許文献は全て、摂動によってリザーバから薬剤を吸入するユーザの呼吸によって誘発される空気流が存在する器具を記載している。
【0020】
これらの器具は、それらを際立たせる違いがあるにもかかわらず、少なくとも動作段階の間、薬剤のリザーバは、外乱に起因して薬剤を収集する空気流との混合が起こる場所であるという事実によってまとめられる。投与された薬剤は、外乱を受け過ぎるとそれらを直ちに過剰に収集しかねない空気流に完全にさらされるので、投与された薬剤の正確な投与量に対して問題のある制御が行われることになる。
さらに、このような器具は、薬剤のリザーバを交換することが不可能であるため、使い捨て型のものであることが強制される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0021】
【特許文献1】特許文献国際公開第99/13930号パンフレット
【特許文献2】国際公開第2016/180753号パンフレット
【特許文献3】国際公開第2018/195086号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
本発明の目的は、上述の強調された欠点を少なくとも部分的に克服することを可能にする鼻腔内薬剤投与器具を提供することである。
【0023】
特に、本発明の目的は、容易に携帯することができるように大きさが小型である鼻腔内薬剤投与器具を提供することである。
【0024】
本発明の別の目的は、薬剤の浪費を制限するかまたは解消し、所定の投与量の摂取を保証する鼻腔内投与器具を提供することである。
【0025】
本発明のさらなる目的は、空気流が嗅神経および三叉神経の末端部に到達して、血液脳関門を越えて投薬を行うのに適している鼻腔内投与器具を提供することである。
【0026】
本発明の別の目的は、粉末薬剤の投与に適した鼻腔内投与器具を提供することである。
【0027】
本発明のさらなる目的は、薬剤のリザーバの再使用も可能にする鼻腔内投与器具を提供することである。
【0028】
本発明の別の目的は、既知の同等の器具と比較して製造コストを削減する鼻腔内薬剤投与器具を提供することである。
【0029】
本発明のさらなる目的は、圧縮ガスまたは薬剤の強制吸入のための手段を必要としない鼻腔内投与器具を提供することである。
【0030】
上記目的、ならびに以下でより明確になる他の目的は、本特許の不可欠な部分と見なされるべき以下の特許請求の範囲による鼻腔内薬剤投与器具によって達成される。
【課題を解決するための手段】
【0031】
特に、本発明の鼻腔内投与器具は、患者が吸入するのに適した成形体と、薬剤のリザーバとを備える。
【0032】
本発明の一態様によれば、成形体は3つの部分に分割可能である。
【0033】
第1の部分は成形体の第1の端部に位置し、鼻腔内への挿入のために成形される。それは鼻孔に向かって空気を送達するための空気送達ダクトを含む。
【0034】
次いで、鼻腔内投与器具の外側から内側への流入を可能にする空気供給ダクトを含む第2の中間部分が存在する。
【0035】
第3の部分は第1の部分の反対側の端部に位置し、混合チャンバを含む。このチャンバは、鼻腔内投与器具の中間部分に含まれる供給ダクトと流体連通しており、これにより、外部環境からの空気が供給ダクトに流入することができる。
【0036】
さらに、混合チャンバは薬剤を収容する上述のリザーバとも流体連通している。これにより、薬剤がチャンバに流入し、外部環境から到来する空気と摂動によって混ざり合うことが可能になる。
【0037】
このように富化された空気は、鼻腔に流入するまで、混合チャンバとも流体連通している送達ダクトに沿って(ユーザの通常の呼吸に起因して)その流れを進める。
【発明の効果】
【0038】
有利なことに、成形体の形態は、鼻腔内薬剤投与器具の小型化を保証するように限られた寸法を有する。
【0039】
さらに有利には、外乱による薬剤の引込みおよびその結果としての鼻腔への送達は、ユーザの自然な吸気によって生成される空気流によって行われる。換言すれば、本発明の鼻腔内投与器具は好都合に受動的であり、圧縮機、ファンまたは圧縮ガスなどの強制吸入手段を必要としない。したがって、この特徴は、より大きな体積を必要とする外部要素に頼らないことを可能にする。
【0040】
さらに、依然として有利には、強制通気手段がないことにより、自然呼吸の空気流によって薬剤を摂取することが可能になり、吸入の質および空気流の方向付けが改善される。これらの特徴は、薬剤の浪費を制限するかまたは解消し、正確な投与量を保証することを可能にする。
【0041】
さらに有利には、今述べた特徴は、薬剤が嗅神経および三叉神経の末端部分に到達して、血液脳関門を越えて投薬を行うことを可能にする。
【0042】
さらに有利には、空気の外乱による混合チャンバからの薬剤の引込みは、本発明の鼻腔内投与器具を粉末薬剤の投与に特に適したものにする。
【0043】
さらに、流体連通しているが互いに独立して配置されたリザーバおよび混合チャンバの存在は、有利には、投与された薬剤の正確な投与量に対してより大きな制御を行うことを可能にする。
【0044】
さらに有利には、独立したリザーバの存在は、ダクトの外部汚染への曝露を伴わない鼻腔内投与器具の再使用のための交換を可能にする。
【0045】
さらに、器具の再使用を可能にするようにリザーバのみを交換する可能性は、既知の同等の器具に対して製造コストを有利に削減する。
本発明のさらなる特徴および利点は、添付の図面を用いて非限定的な例として示される、本発明による鼻腔内薬剤投与器具のいくつかの好ましいが排他的ではない実施形態の詳細な説明に照らしてより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0046】
図1】本発明による鼻腔内薬剤投与器具の正面図である。
図2図1の鼻腔内投与器具の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
引用した図面を参照して、本発明による鼻腔内薬剤投与器具1を説明する。
【0048】
鼻腔内薬剤投与器具1は、患者が吸入するのに適した成形体2と、薬剤のリザーバ3とを備える。
【0049】
本発明の一態様によれば、成形体2は、同じ成形体2の第1の端部6に位置する第1の部分5を含む。この第1の部分5は鼻腔内に挿入されるように成形され、鼻孔に向かって空気を送達するための空気送達ダクト7を含む。
【0050】
明らかに、このような態様は、例えば第1の部分が複数の送達ダクトを含む本発明の異なる実施形態を限定するものと見なされてはならない。
【0051】
本発明の別の態様によれば、成形体2はまた、外部環境から鼻腔内投与器具1の内部に向かう空気の流れを可能にする供給ダクト10を収容する第2の中間部分9を含む。
【0052】
図では、鼻腔内投与器具1の第2の部分9は、その中に半径方向に配置された複数の供給ダクト10を含むことが観察される。明らかに、これらの態様もまた、例えば供給ダクトの数および配置が異なり、および/または、他の実施変形例によればこのような供給ダクトが第2の中間部分に完全に含まれない本発明の異なる実施形態を限定するものと見なされてはならない。
【0053】
本発明の別の態様によれば、成形体2は、第1の部分5の反対側の端部13に位置し、かつ混合チャンバ14を含む第3の部分12を含む。
【0054】
混合チャンバ14は、鼻腔内投与器具1の中間部分9に含まれる供給ダクト10と流体連通している。このようにして、有利には、外部環境からの空気は上述の混合チャンバ14に流れる可能性を有する。
【0055】
さらに、混合チャンバ14は、図(複数)から分かるように混合チャンバ14自体から分離されたリザーバ3とも流体連通している。次いで、薬剤は、リザーバ3からチャンバ14に流入し、外部環境から到来する空気と摂動によって混ざり合うことができる。
【0056】
最後に、送達ダクト7もまたチャンバ14と流体連通している。供給ダクト10、混合チャンバ14および送達ダクト7の間の流体連通は、空気が外部環境と鼻腔との間を流れることができるチャネルを形成し、通常の患者の呼吸を可能にする。しかし、本発明の場合において有利には、送達ダクト7によって鼻腔に流れる空気は混合チャンバ14内の薬剤で富化された空気である。
【0057】
さらに有利には、外乱による薬剤の引込みおよびその結果としての鼻腔への流入は、ユーザの自然な吸気によって生成される空気流によって行われる。したがって、圧縮ガス、ファンまたは圧縮機などの強制通気の特別な手段を使用する必要はない。これにより、本発明の鼻腔内投与器具1は受動的になり、最新技術の能動的器具と比較してその大きさが縮小される。
【0058】
また、さらに有利には、自然呼吸による薬剤の摂取は吸入の質を改善し、とりわけ、異なる特性を有する2つの空気流を組み合わせることに関する問題(強制的なものと自然呼吸のもの)が回避されるため、空気流のより効果的な方向付けが可能になる。特に、自然な呼吸の流れを伴う外乱による薬剤の引込みは、流れ自体と薬剤との間の混合の有効性を改善し、薬剤の浪費を排除しないとしても制限し、したがって正確な投与量の薬剤の摂取を可能にする。
【0059】
さらに有利には、強制通気手段に頼る必要なく、自然呼吸によって生成された空気流による薬剤の摂取は、血液脳関門を越えて投薬を行うために、嗅神経および三叉神経の末端部分への到達を可能にする。
【0060】
外乱による薬剤の引込みは、依然として有利には、本発明の鼻腔内投与器具1を粉末形態の薬剤の投与に特に適したものにすることを可能にする。
【0061】
また、本発明の鼻腔内投与器具1の製造コストは、今述べた能動的器具と比較して明らかに削減される。
【0062】
さらに有利には、本発明の鼻腔内投与器具1の小型化は、鼻腔内投与器具1を容易かつ快適に輸送可能なものにし、あらゆる場所で使用可能なものにする。
【0063】
さらに、流体連通しているが互いに独立して配置されたリザーバ3および混合チャンバ14の存在は、有利には、投与された薬剤の正しい投与量に対してより大きな制御を可能にする。
【0064】
説明される本発明の実施形態によれば、中間部分9はまた、側面17に沿って開口部16を含む。特に、開口部16はそれぞれの供給ダクト10にそれぞれ配置され、外部環境と鼻腔内投与器具1の内部との間の接続を画定する。
【0065】
有利には、開口部16は、供給ダクト10、混合チャンバ14および送達チャネル7の間に形成された流体連通チャネルを外部と接続し、空気流が外乱によって薬剤を引き込んで鼻腔に到達することを可能にする。
【0066】
明らかに、これらの態様は、例えば外部への開口部が固有であり、成形体に対する周方向溝からなり、複数の供給ダクトと連通している本発明の異なる実施形態を限定するものと見なされるべきではない。さらに他の実施形態によれば、開口部は供給ダクトの一部だけでなく第3の部分にも形成される。
【0067】
リザーバ3に関して、説明される実施形態によれば、リザーバ3は第3の部分12内に収容される。
【0068】
有利には、成形体2の内側へのリザーバ3の挿入により、鼻腔内投与器具1の寸法をさらに小さくすることが可能になり、それによってその小型化および輸送の容易さが向上する。
【0069】
明らかに、この態様もまた、例えばリザーバが成形体の外側または本体自体の他の部分のうちの1つの内側に配置される本発明の異なる実施形態を限定するものと見なされてはならない。
【0070】
特に、本発明の異なる実施形態によれば、リザーバは成形体から分離された使い捨てカプセル内に挿入される。これらのカプセルは、典型的には成形体の第3の部分の外側で鼻腔内投与器具に取り外し可能に取り付けられるように成形される。それらはまた、外乱による薬剤の引込みを可能にするように混合チャンバと流体連通して配置される。
【0071】
この変形例によれば、カプセルは吸入される薬剤の正確な投与量を含有し、最適な投与量を可能にする。それらはまた、有利には、同じ成形体を異なる薬剤の吸入に使用することを可能にする。
【0072】
図に表す本発明の実施形態に戻って、リザーバ3は入口20を備えている。より詳細には、このような入口20は、必ずしもそうである必要はないが、好ましくはリザーバ3に取り込まれる薬剤を導入することが可能な摂取ダクト21からなる。
【0073】
有利には、薬剤を投与した結果としてリザーバ3が空になった後、患者は、開口部20を介して新しい薬剤用量を堆積させ、第1の治療と有効性が同じ鼻腔内投与器具1を再使用することができる。
【0074】
さらに有利には、このようにして不正確な投与量を回避して、摂取される薬剤の正確な量を制御することが可能である。
【0075】
効果的には、患者は、入口20を介して所定の用量の薬剤をリザーバ3に挿入することによって鼻腔内投与器具1を準備する。次いで、患者は、鼻腔内投与器具1の第1の部分5を鼻腔内に挿入し、単に呼吸することによって薬剤の摂取を行う。
【0076】
患者に吸入された空気流は、成形体2の側面17に配置された開口部16を通って鼻腔内投与器具1に入る。その後、空気は供給ダクト10を通って流れ、混合チャンバ14に流入する。混合チャンバ14の内部では、空気はリザーバ3から流出した薬剤と外乱によって混ざり合う。次いで、薬剤で富化された空気は、患者の鼻腔に注入されるまで送達ダクト7を通って移動する。予め確立された用量の薬剤の投与は、数回の呼吸サイクルを必要とする。摂取の終わりに、患者は鼻腔から鼻腔内投与器具1を取り外す。
【0077】
その後、新たな薬剤の摂取時に、患者は同じ鼻腔内投与器具1を再使用し、以前に行われたことと同様に、患者は再び所定の薬剤投与量をリザーバ3に充填する。
【0078】
上記に照らして、本発明の鼻腔内薬剤投与器具は全ての所定の目的を達成することが理解される。
【0079】
特に、本発明の鼻腔内薬剤投与器具は、容易かつ快適に輸送可能にし、あらゆる場所で使用可能にするのに十分に小型である。
【0080】
しかし、より詳細な検証では、空気の流れは、圧縮ガス、ファンまたは圧縮機などの強制通気の特別な手段に頼る必要なく、ユーザの自然な吸気によって生成され、空気流の方向付けおよび吸入の質を改善する。さらに、自然呼吸によって生成された空気流によって薬剤を摂取することにより、嗅神経および三叉神経の末端部分に到達して、血液脳関門を越えて投薬を行うことが可能になる。
【0081】
外乱による薬剤の引込みは、空気流と薬剤との混合を改善することを可能にし、摂取中の薬剤の浪費を解消しないとしても制限することを可能にし、したがって正確な投与量の薬剤を摂取することを可能にすることにも留意されたい。
【0082】
さらに、外乱による薬剤の除去により、粉末薬剤の投与が可能となる。
【0083】
さらに、リザーバには、薬剤を導入するための入口が備わっており、したがって、鼻腔内投与器具の再使用および摂取される薬剤の正確な投与量が可能になる。
【0084】
最後に、これまで述べてきた限りでは、最新技術に属する能動的器具と比較して製造コストが削減されることは明らかである。
【0085】
本発明は、添付の特許請求の範囲に全て含まれる多くの変更および変形が行われる可能性がある。また、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の保護範囲から逸脱することなく、全ての詳細は、他の技術的に等価な要素によってさらに置き換えられてもよく、材料は必要に応じて異なってもよい。
図1
図2
【国際調査報告】