IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エービー サンドビック コロマントの特許一覧

特表2022-530563機械工具システムにおいて通信を確立するための方法、およびそのための通信装置
<>
  • 特表-機械工具システムにおいて通信を確立するための方法、およびそのための通信装置 図1
  • 特表-機械工具システムにおいて通信を確立するための方法、およびそのための通信装置 図2
  • 特表-機械工具システムにおいて通信を確立するための方法、およびそのための通信装置 図3
  • 特表-機械工具システムにおいて通信を確立するための方法、およびそのための通信装置 図4
  • 特表-機械工具システムにおいて通信を確立するための方法、およびそのための通信装置 図5
  • 特表-機械工具システムにおいて通信を確立するための方法、およびそのための通信装置 図6
  • 特表-機械工具システムにおいて通信を確立するための方法、およびそのための通信装置 図7
  • 特表-機械工具システムにおいて通信を確立するための方法、およびそのための通信装置 図8
  • 特表-機械工具システムにおいて通信を確立するための方法、およびそのための通信装置 図9
  • 特表-機械工具システムにおいて通信を確立するための方法、およびそのための通信装置 図10
  • 特表-機械工具システムにおいて通信を確立するための方法、およびそのための通信装置 図11
  • 特表-機械工具システムにおいて通信を確立するための方法、およびそのための通信装置 図12
  • 特表-機械工具システムにおいて通信を確立するための方法、およびそのための通信装置 図13
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-29
(54)【発明の名称】機械工具システムにおいて通信を確立するための方法、およびそのための通信装置
(51)【国際特許分類】
   G05B 19/408 20060101AFI20220622BHJP
   G05B 19/414 20060101ALI20220622BHJP
   G05B 19/05 20060101ALI20220622BHJP
【FI】
G05B19/408 Z
G05B19/414 Q
G05B19/05 L
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021564940
(86)(22)【出願日】2020-04-02
(85)【翻訳文提出日】2022-01-04
(86)【国際出願番号】 EP2020059439
(87)【国際公開番号】W WO2020224880
(87)【国際公開日】2020-11-12
(31)【優先権主張番号】19172582.9
(32)【優先日】2019-05-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】520333435
【氏名又は名称】エービー サンドビック コロマント
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ホルムストレーム, テンネルス
(72)【発明者】
【氏名】ガーベルト, アンデシュ
【テーマコード(参考)】
3C269
5H220
【Fターム(参考)】
3C269AB01
3C269BB07
3C269KK08
3C269MN07
3C269QB05
3C269QB06
5H220AA05
5H220CC06
5H220CX05
5H220HH03
5H220JJ02
5H220JJ12
5H220JJ27
(57)【要約】
本発明は、機械工具システム(10)において制御ノード(100)と機械(12)との間の通信を確立するための方法に関する。本方法は、制御ノード(100)に機械(12)の識別子を通知するステップ(S100)であって、前記機械が数値制御(NC)(104)を備える、機械(12)の識別子を通知するステップ(S100)と、識別子に基づいて、制御ノード(100)において機械属性を含む機械構成ファイルを取り出すステップ(S110)と、機械構成ファイルを解釈することによって、機械工具システム(10)において情報を転送するデータ信号のデータ構造を決定するステップ(S120)と、制御ノード(100)から機械に通信が確立されたことを肯定応答するステップとを含む。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械工具システム(10)において制御ノードと機械(12)との間の通信を確立するための方法であって、
- 前記制御ノード(100)に前記機械(12)の識別子を通知するステップ(S100)であって、前記機械が数値制御(NC)(104)を備える、前記機械(12)の識別子を通知するステップ(S100)と、
- 前記識別子に基づいて、前記制御ノード(100)において機械属性を含む機械構成ファイルを取り出すステップ(S110)と、
- 前記機械構成ファイルを解釈することによって、前記機械工具システム(10)において情報を転送するデータ信号(400)についてのデータ構造を決定するステップ(S120)と、
- 前記制御ノード(100)から前記機械に、前記通信が確立されたことを肯定応答するステップ(S130)と
を含む、方法。
【請求項2】
前記機械がプログラマブル論理コントローラ(PLC)(102)をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記機械の前記識別子が、前記機械に設置されたPLCインターフェースのどのバージョンかと、前記機械の製造業者IDおよび通し番号とに基づいて生成される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記構成ファイルが、少なくとも、前記機械についてのメタデータを含む1つのサブ要素と、前記データ信号のレイアウトを含む1つのサブ要素とを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記構成ファイルは、データが、ビッグエンディアンバイトオーダーで送られるのか、リトルエンディアンバイトオーダーで送られるのかを示す情報を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記通信の前記肯定応答がピングコマンドである、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記機械構成ファイルがXMLファイルである、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
機械工具システム(10)において制御ノード(100)と機械(12)との間の通信を確立するための装置であって、
前記制御ノード(100)に前記機械(12)の識別子を通知するように構成された通知ユニット(202)であって、前記機械が数値制御(NC)(104)を備える、通知ユニット(202)と、
前記識別子に基づいて、前記制御ノード(100)において機械属性を含む機械構成ファイルを取り出すように構成された取出しユニット(204)と、
前記機械構成ファイルを解釈することによって、前記機械工具システム(10)において情報を転送するデータ信号についてのデータ構造を決定するように構成された決定ユニット(206)と、
前記制御ノード(100)から前記機械(12)に、前記通信が確立されることを肯定応答するように構成された肯定応答ユニット(208)と
を備える、装置。
【請求項9】
前記機械がプログラマブル論理コントローラ(PLC)(102)をさらに備える、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記機械の前記識別子が、前記機械に設置されたPLCインターフェースのどのバージョンかと、前記機械の製造業者IDおよび通し番号とに基づいて生成される、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記構成ファイルが、少なくとも、前記機械についてのメタデータを含む1つのサブ要素と、前記データ信号のレイアウトを含む1つのサブ要素とを含む、請求項8から10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記構成ファイルは、データが、ビッグエンディアンバイトオーダーで送られるのか、リトルエンディアンバイトオーダーで送られるのかを示す情報を含む、請求項8から11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記通信の前記肯定応答がピングコマンドである、請求項8から12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
前記機械構成ファイルがXMLファイルである、請求項8から13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
コンピュータ上で実行されたとき、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法を実施するコンピュータ可読命令を備える、コンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、機械工具(machine tool)システムにおいて通信を確立するための方法に関し、その方法、および機械工具システムにおいて通信を確立するためのコンピュータプログラムを実施するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
機械工具は、通常、切削、ボーリング、研削、せん断、または他の形態の処理によって、金属、または他の剛性材料、他の剛性材料を限定するものではないが、プラスチック、複合材、セラミックなど、を整形または機械加工するための機械である。機械工具は、切削または整形を行う何らかの工具を採用する。すべての機械工具は、ワークピースを拘束する何らかの手段を有し、機械の部品の案内された移動を提供する。したがって、ワークピースと切削工具との間の相対移動は、少なくともある程度まで機械によって制御または拘束される。
【0003】
穿孔、フライス加工、回転、リーミング、ねじ切り、または研削などの動作が一般的である、付加と除去の両方の製造のために作られた機械工具を制御するために、コンピュータ数値制御(CNC:Computer Numerical Control)が広く使用される。CNC機械が、プログラムされた命令に従うことによっておよび手動オペレータなしに正確な仕様を満たすように、材料、たとえば、金属、プラスチック、木材、セラミック、または複合材などを変化させる。概して、CNCは、少なくとも、数値プログラムされた動きを制御する1つの数値制御(NC)と、論理ベース機能を制御する1つのプログラマブル論理コントローラ(PLC)とを備える。
【0004】
現今では、CNCシステムにおいて、機械部品およびその製造プログラムの設計が高度に自動化されている。部品の機械的寸法が、CADソフトウェアを使用して定義され、次いで、コンピュータ支援製造(CAM:Computer Aided Manufacturing)ソフトウェアによって製造指示に翻訳される。得られた指示は、「ポストプロセッサ」ソフトウェアによって、特定の機械がコンポーネントを生産するのに必要な特定のコマンドに変換され、次いで、CNC機械にロードされる。要約すると、CNC機械は、特定の入力命令に従って、電動の操作しやすい工具と、しばしば、電動の操作しやすいワークピースとを組み合わせ、それらは両方ともNCによって制御される。命令は、一般に、グラフィカルコンピュータ支援製造(CAM)ソフトウェアによって生成されたGコードの形式でCNC機械に配信され、連続プログラムとしてNCにおいて実行される。
【0005】
機械工具を制御するために、そのようなシステムにおいて、制御ノードが構成され得る。現今では、制御ノードと機械との間の通信の確立が機械の特定の製造に大いに依存する。通信における任意のノードが変更されたとき、通信の確立は、その状況に従って変更されなければならず、これは、システムの効率に影響を及ぼす。
【発明の概要】
【0006】
本発明の目的は、上記で概説された問題および問題点のうちの少なくともいくつかに対処することである。本開示の1つの目的は、機械工具システムにおいて通信を確立するための方法および装置を提供することである。
【0007】
別の目的は、コンピュータ上で実行されたとき、機械工具システムにおいて通信を確立するための方法を実施するコンピュータ可読命令を備える、コンピュータプログラム製品を提供することである。
【0008】
上記の目的は、添付の特許請求の範囲による方法および装置によって全体的にまたは部分的に満たされる。本開示の添付の特許請求の範囲、以下の説明、および添付の図面において、特徴および態様が記載される。
【0009】
第1の態様によれば、機械工具システムにおいて制御ノードと機械との間の通信を確立するための方法であって、制御ノードに機械の識別子を通知するステップであって、前記機械が数値制御(NC)を備える、機械の識別子を通知するステップと、識別子に基づいて、制御ノードにおいて機械属性を含む機械構成ファイルを取り出すステップと、機械構成ファイルを解釈することによって、機械工具システムにおいて情報を転送するデータ信号についてのデータ構造を決定するステップと、制御ノードから機械に、通信が確立されたことを肯定応答するステップとを含む、方法が提供される。
【0010】
例示的な実施形態では、機械はプログラマブル論理コントローラ(PLC)をさらに備える。
【0011】
別の例示的な実施形態では、機械の識別子は、機械に設置されたPLCインターフェースのどのバージョンかと、機械の製造業者IDおよび通し番号とに基づいて生成される。
【0012】
また別の例示的な実施形態では、構成ファイルは、機械についてのメタデータを含む1つのサブ要素と、データ信号のレイアウトを含む1つのサブ要素とを含む。
【0013】
また別の例示的な実施形態では、構成ファイルは、データが、ビッグエンディアンバイトオーダーで送られるのか、リトルエンディアンバイトオーダーで送られるのかを示す情報を含む。
【0014】
また別の例示的な実施形態では、通信の肯定応答はピングコマンドである。
【0015】
また別の例示的な実施形態では、機械構成ファイルはXMLファイルである。
【0016】
第2の態様によれば、機械工具システムにおいて制御ノードと機械との間の通信を確立するための装置であって、機械工具システムにおいて制御ノードに機械の識別子を通知するように構成された通知ユニットであって、前記機械が数値制御(NC)を備える、通知ユニットと、識別子に基づいて、制御ノードにおいて機械属性を含む機械構成ファイルを取り出すように構成された取出しユニットと、機械構成ファイルを解釈することによって、機械工具システムにおいて情報を転送するデータ信号についてのデータ構造を決定するように構成された決定ユニットと、制御ノードから機械に、通信が確立されることを肯定応答するように構成された肯定応答ユニットとを備える、装置が提供される。
【0017】
第3の態様によれば、コンピュータ上で実行されたとき、上記に記載の方法を実施するコンピュータ可読命令を備える、コンピュータプログラム製品が提供される。
【0018】
本発明は、制御ノードと機械工具システムとの間の通信の確立のための統合されたインターフェースを提供し、したがって、通信確立の構成の複雑さを低減する。別の利点は、システムの効率が著しく改善されたことである。さらに、機械工具システムと制御ノードとの間の拡張接続性も提供され、さらにはエンドユーザのためのプラグアンドプレイ環境が可能である。
【0019】
本開示のいくつかの態様は、以下の図面を参照するとより良く理解され得る。図面において、同様の参照番号は、いくつかの図全体にわたって、対応する部分を指定する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】機械工具システムの概観を示すブロック図である。
図2】データ信号の例示的な構造を示す図である。
図3】制御ノードと機械工具システムとの間の通信を示す図である。
図4】制御ノードと機械工具システムとの間の通信を確立することの例示的なフローチャートである。
図5図3に示されている通信を確立する方法による例示的な装置を示す図である。
図6】3軸垂直フライス機械(milling machine)の一例を示す図である。
図7】5軸フライス機械の一例を示す図である。
図8】5軸フライス機械の別の例を示す図である。
図9】3軸ガントリーフライス機械の一例を示す図である。
図10】2軸回転機械(turning machine)の一例を示す図である。
図11】4軸、2スピンドル、2チャネル回転機械の一例を示す図である。
図12】マルチタスク回転フライス機械(TurnMill machine)の一例を示す図である。
図13図4に示されている通信を確立する方法を実装する例示的な通信確立システムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は、例示的な実施形態を示す、機械工具システム10の非限定的な概観を示す。機械工具は、フライス機械、穿孔機械(drilling machine)などであり得る。本明細書の機械工具は、除去製造と付加製造の両方のための機械をカバーする。システム10は、データ信号を送信するための送信ユニット1001とデータ信号を受信するための受信ユニット1003とを備える制御ノード100を備え得る。制御ノード100は、ローカル機械工具システム内に物理的に位置するか、またはローカル機械工具システムにリモートで接続され得る。制御ノード100は、たとえば、ローカルコンピュータ、サーバ、中央に位置するサーバ、クラウドベースサーバ、仮想コンピュータなどであり得る。データ信号は、プロフィバス、IEEEまたはTCP/IPなどに基づくデータパケットなど、機械工具システム10において情報を送信するのに好適である、たとえばヘッダとペイロードとを含む任意のタイプのデータパケットであり得る。データ信号400の例示的な構造が図2に示されており、ヘッダ402とペイロード404とがデータ信号中に含まれる。ヘッダおよびペイロードの機能は従来のデータパケットと同じであり、これは、本明細書では詳細に説明されない。
【0022】
図1では、機械工具システム10は、本開示では以下で機械工具または機械とも呼ばれる、CNC機械12をさらに備え得る。機械は、データ信号の受信のための受信ユニット1021とデータ信号を中継するための中継ユニット1023とを備えるプログラマブル論理コントローラ(PLC)102と、データ信号の受信のための受信ユニット1041とデータ信号を送信するための送信ユニット1043とを備える数値制御(NC)104とをさらに備え得る。制御ノード100は、機械との通信を確立するためにデータ信号を機械と交換するように構成される。制御ノード100と機械工具システム10との間の接続は、ワイヤード接続またはワイヤレス接続であり得る。異なる実施形態では、制御ノード100と機械工具システム10との間の通信は、他の好適なフォーマットを限定するものではないが、IEEE802.3などによるイーサネット、または802.11などによるWiFi、Bluetooth、TCP/IP(転送制御プロトコル/インターネット/プロトコル)に基づき得る。
【0023】
図3は、機械工具システム10における制御ノード100と機械12との間の例示的な通信を示す。制御ノード100と機械12との間の通信は双方向である。制御ノード100と機械12との間で送られるデータ信号は、ルーティングユニット106上で中継される。ルーティングユニット106は、PLC、ルータ、機械工具中継器を備えるデバイスなど、ルーティングの機能を有する任意のタイプのデバイスであり得る。本開示では、PLCは、データ信号を中継するための一例として使用される。制御ノード100および機械工具システム10は、それぞれ、互いと通信するための通信ユニットを有する。ルーティングユニット106は、制御ノード100とNC104との間でデータを中継するための通信インターフェースを有する。制御ノード100と機械工具システム10との間の通信は、以下のように詳細に説明される方法に従って確立される。制御ノード100と機械12との間の通信のための他の代替形態も、本開示における特定の要件および環境に従って採用され得る。たとえば、制御ノード100と機械12とは、ルーティングユニット106が必要でない場合、ルーティングユニット106なしに直接通信することができる。
【0024】
制御ノード100と機械12との間の通信は、図4に示されているプロセスフローによって確立される。S100において、機械工具システム10は、機械工具システム10において制御ノード100に機械12の識別子を通知し、前記機械は、PLC102とNC104とを備え、次いで、制御ノード100は、S110において、識別子に基づいて、機械属性を含む機械構成ファイルを取り出し、S120において、制御ノード100は、機械構成ファイルを解釈することによって、機械工具システム10において情報を転送するデータ信号400についてのデータ構造を決定し、S130において、制御ノード100から機械12に、通信が確立されたことを肯定応答する。一実施形態では、通信リンクが稼働していることを確認するために、制御ノード100と機械12との間で、好ましくは制御ノード100とPLC102との間で、ピングコマンドが必要とされる。通信エラーがあるかどうかを検出するために、ピングは、構成可能な時間間隔で機械に送られ得、ピングは、この時間間隔内に他のいかなるPLCインターフェースアクティビティもない場合のみ、送られる。ピングはまた、リストされたアクションタイプとともにPLC ACKデータ信号としてPLCに送られ得る。PLC104は、PLC104がピングを検出するとすぐに、同じアクションタイプをもつ肯定応答を返送し得る。さらに、機械についてのデータ信号は、機械において動作することができる工具キャリアの数によって定義される。各工具キャリアは、チャネルとして定義される。いくつかの実施形態では、ピングは、機械データ信号レイアウト中の第1のチャネル上でのみ送られる。
【0025】
ピングは、通信インターフェース上で交換される異なるタイプのデータ信号であり得る。データ信号は、それらの使用および特性によってクラスに分割され得る。いくつかのデータ信号は、スピンドル速度など、本開示ではリアルタイムデータ信号と呼ばれる純粋な情報キャリアとして働き得るが、他のものは、本開示ではアクションデータ信号と呼ばれる明らかなおよび専用のタスクを有し得る。様々な実施形態では、アクションデータ信号は、PLC102、NC104、または制御ノード100のいずれか上でプロセスを開始するために使用され得る。データ信号クラス仕様は、データ信号の方向をも示し得、これは、(機械への)入力と(機械からの)出力とが基本的に同じ物を扱うが、それらの入力と出力とを区別することを可能にする。
【0026】
本明細書で述べられる機械のデータ信号レイアウトは、機械から送信されるデータ信号と機械によって受信されるデータ信号の両方を含む。仕様は、非限定的な例示する実施形態であり、それらは、当業者によって適応されることが可能であることを理解されたい。機械の各運動学的特徴について、データ信号のサブセットが定義され、データ信号は、次いで、機械制御システムにおけるメモリ領域にマッピングされる。機械についてのデータ信号を定義するとき、運動学的なものは、以下のデータ信号カテゴリー、すなわち、機械識別情報、肯定応答ACKアクション、非肯定応答ACKアクション(Not acknowledgement ACK action)、切削工具送り量(feed rate)、軸位置および速度、軸負荷/電力/トルク、ならびに、送り量およびスピンドル速度についてのマルチプリケータ(multiplicator)に分割される。
【0027】
例示する実施形態では、機械についてのアクションデータ信号およびいくつかのリアルタイムデータ信号は、機械において動作することができる工具キャリアの数によって定義される。各工具キャリアは、データ信号の対応するセットを有するチャネルとして定義される。いくつかのリアルタイムデータ信号は、機械の軸の数によって定義される。各軸は、データ信号の対応するセットを有し、軸ごとの各関連するリアルタイムデータ信号のセットを有する。機械識別情報のデータ信号が表1に示されている。
【0028】
一実施形態では、機械データ信号レイアウト中の最初の2つのデータ信号が、各機械についての一意の通し番号を形成する。機械識別情報データ信号は、インターフェースバージョンと、将来の使用のための予約済み領域と、製造業者IDと、機械IDとを含んでいることがある。インターフェースバージョンは1バイトであり得、インターフェースバージョンは、この実施形態では、機械に設置されたPLCインターフェースのどのバージョンかを識別するために、制御ノード100によって使用される。将来の使用のための予約済み領域は、PLCインターフェースのこのバージョンでは、0に設定されたビットである。製造業者IDは2バイトであり、製造業者IDは、機械工具製造業者についての通し番号である。機械IDは4バイトであり、機械IDは、特定の機械についての通し番号である。各バイトが機械識別情報データ信号中にどんな情報を含んでいるかに関する情報について、表2を参照されたい。
【0029】
通し番号は、PLCインターフェース上でビッグエンディアンバイトオーダーで連続的に送られることを必要とされ得、PLCインターフェースバージョンを表すビットが最初に送られるべきである。異なる機械制御システムが、異なるバイトオーダーでそのメモリにデータ信号を記憶することができ、機械工具製造業者は、PLCインターフェース上で正しい様式で通し番号を送ることに対して責任を負う。
【0030】
機械についての機械データ信号レイアウトおよびメタデータは、機械構成ファイル中に集められる。機械構成ファイルは、ユーザの必要に応じてどこにでも位置し得る。たとえば、機械構成ファイルは、制御ノード100上に、またはデータベース中に、または構成ファイルを記憶するのに好適な任意の他のストレージ中に位置する。
【0031】
制御ノード100とPLC102とが、交互に送られたデータ信号を正しく処理するために、機械構成ファイルが、PLC102がデータ信号を送り、受信するためにどのバイトオーダーを使用するかの情報を含めば、有利である。この情報に基づいて、PLCインターフェース上で送られたデータ信号は、機械におよび機械から移されることになる。サポートされるバイトオーダーについて、表3を参照されたい。ビッグエンディアンが、好ましいバイトオーダーである。機械識別情報データ信号は、どのバイトオーダーがPLC102において使用されるかにかかわらず、ビッグエンディアンバイトオーダーで送られることを常に必要とされる。
【0032】
リアルタイム値が、有利には、国際単位系(SI単位)に変換され得る生値として送られる。変換は、直線の式(y=mx+b)を使用することによって行われ得る。傾き(m)および切片(b)は、機械構成において設定され得る。
【0033】
非限定的な実施形態では、機械および機械のデータ信号レイアウトに関する情報は、機械構成ファイル中に含まれ得る。機械構成ファイルは、機械構成工具によって生成された後に、PLCの外部のどこかに記憶されるか、またはPLC上にローカルに記憶され得る。機械構成ファイルは、XML、HTMLなど、任意のマークアップ言語で書かれ得、本開示では、機械構成ファイルは、例示する実施形態としてXMLで書かれ、機械構成ファイルは、以下の例に見られるように2つの主要な要素を含んでいる。2つの主要な要素は、機械データと信号レイアウトとであり得る。
【0034】
「MachineData」要素は、以下の例に見られるように、機械についてのメタデータをもつ子要素を含み得る。
【0035】
データ信号レイアウト要素は、以下の非限定的な例に見られるように、機械データ信号レイアウトに対応するすべての子要素を含んでいることがある。各要素は、機械構成中の各データ信号に関する情報をもつ子要素を含んでいる。
【0036】
上記の機械データ構成のさらなる非限定的な例が、以下に示されている。
【0037】
「FromMachineInformationConfiguration」要素は、以下の例に見られるように、機械情報データ信号に関する情報をもつ子要素を含み得る。
【0038】
「FromMachineAcknowledgedActionConfigurations」要素は、以下の例に見られるように、各チャネルについて1つの子要素を含み得る。
【0039】
「ToMachineAcknowledgedActionConfigurations」要素は、以下の例に見られるように、各チャネルについて1つの子要素を含み得る。
【0040】
「ToMachineFeedMultiplicatorConfigurations」要素は、以下の例に見られるように、各チャネルについて1つの子要素を含み得る。
【0041】
「FromMachineActionConfigurations」要素は、以下の例に見られるように、各チャネルについて1つの子要素を含み得る。
【0042】
「ToMachineActionConfigurations」要素は、以下の例に見られるように、各チャネルについて1つの子要素を含み得る。
【0043】
「ToMachineSpeedMultiplicatorConfigurations」要素は、以下の例に見られるように、各スピンドルについて1つの子要素を含み得る。
【0044】
「FromMachineActualFeedConfigurations」要素は、以下の例に見られるように、各チャネルについて1つの子要素を含み得る。
【0045】
「FromMachineActualPositionOrSpeedConfigurations」要素は、以下の例に見られるように、各軸について1つの子要素を含み得る。
【0046】
「FromMachineActualLPTConfigurations」要素は、以下の例に見られるように、機械軸を駆動する各モーターについて1つの子要素を含み得る。
【0047】
次に、通信の確立を実装する装置20が示される、一実施形態を示す図5を参照する。装置20は、機械工具システム10において制御ノードに機械の識別子を通知するように構成された通知ユニット202であって、前記機械がPLC102とNC104とを備える、通知ユニット202と、識別子に基づいて、制御ノード100において機械属性を含む機械構成ファイルを取り出すように構成された取出しユニット204と、機械構成ファイルを解釈することによって、機械工具システム10において情報を送信するデータ信号についてのデータ構造を決定するように構成された決定ユニット206と、制御ノードから機械に、通信が確立されることを肯定応答するように構成された肯定応答ユニット208とを含む。
【0048】
図6は、3軸垂直フライス機械の一例を示し、602が工具スピンドルであり、604がワークピースである。また、3軸垂直フライス機械についてのデータ信号レイアウトの一例が、表17~表18に示されている。この機械の運動学的構造は、2つの直線軸(X、Y)をもつワークピースと1つの直線軸(Z)をもつスピンドル(S)とを含む。この例示的な機械は送り負荷[%]を出力する。
【0049】
図7は、5軸フライス機械の一例を示し、702が工具スピンドルであり、704がワークピースである。また、5軸フライス機械についてのデータ信号レイアウトの一例が、表19~表20に示されている。この機械の運動学的構造は、2つの直線軸(X、Y)と1つの回転軸(C/S2)とをもつワークピースと、1つの直線軸(Z)と1つの回転軸(B)とをもつスピンドル(S1)とを含む。
【0050】
回転軸(C/S2)は、位置モードと速度モードとの間で機能を変更することができる。位置モードと速度モードとは、デフォルト機械構成において、同じリアルタイム出力信号を共有する。2つのモードを2つの別個のリアルタイム出力信号に設定することが、これが機械工具製造業者によって必要とされる場合、可能である。この例示的な機械は、軸CおよびスピンドルS2において見られるように位置モードと速度モードとについての2つの別個の信号を使用する。この例示的な機械は送り電力[W]を出力する。
【0051】
図8は、5軸フライス機械の別の例を示し、802が工具スピンドルであり、804がワークピースである。また、5軸フライス機械についてのデータ信号レイアウトの別の例が、表21~表22に示されている。この機械の運動学的構造は、1つの直線軸(Z)と2つの回転軸(A、B/S2)とをもつワークピースと、2つの直線軸(X、Y)をもつスピンドル(S1)とを含む。
【0052】
回転軸(B/S2)は、位置モードと速度モードとの間で機能を変更することができる。この例示的な機械は送りトルク[N-m]を出力する。
【0053】
図9は、3軸ガントリーフライス機械の一例を示し、902が工具スピンドルである。また、3軸ガントリーフライス機械についてのデータ信号レイアウトの一例が、表23~表24に示されている。この機械の運動学的構造は、固定ワークピースと3つの直線軸(X、Y、Z)をもつスピンドル(S)とを含む。
【0054】
X軸における移動は2つの別個のモーターによって駆動され、これは別個の負荷/電力/トルクデータ信号を必要とする。この例示的な機械は送り負荷[%]を出力する。
【0055】
図10は、2軸回転機械の一例を示し、1002がワークピーススピンドルであり、1004がワークピースである。また、2軸回転機械についてのデータ信号レイアウトの一例が、表25~表26に示されている。この機械の運動学的構造は、スピンドル(S)におけるワークピースと2つの直線軸(X、Z)をもつ工具とを含む。
【0056】
この例示的な機械は送り電力[W]を出力する。
【0057】
図11は、4軸、2スピンドル、2チャネル回転機械の一例を示し、1102がワークピーススピンドルであり、1104および1106が工具タレットである。また、4軸、2スピンドル、2チャネル回転機械についてのデータ信号レイアウトの一例が、表27~表28に示されている。この機械の運動学的構造は、各々2つの直線軸(X、ZおよびU、W1)をもつ2つの工具タレットと、1つが固定スピンドル(S1)であり、1つが、直線軸(W2)をもつスピンドル(S2)である、2つのワークピーススピンドルとを含む。
【0058】
この例示的な機械は送りトルク[N-m]を出力する。
【0059】
図12は、マルチタスク回転フライス機械の一例を示し、1202が工具スピンドルであり、1204がワークピーススピンドルであり、1206が工具タレットである。また、マルチタスク回転フライス機械についてのデータ信号レイアウトの一例が、表29~表30に示されている。この機械の運動学的構造は、3つの直線軸(X1、Y1、Z1)と回転軸(B)とをもつ工具スピンドル(S3)と、2つの直線軸(X2、Z2)をもつ1つの工具タレットと、回転軸(C1/S1、C2/S2)をもつ、直線軸(Z3)をもつ2つのワークピーススピンドルとを含む。
【0060】
2つの回転軸(C1/S1、C2/S2)は、位置モードと速度モードとの間で機能を変更することができる。この例示的な機械は送り負荷[%]を出力する。
【0061】
図13を参照すると、通信確立システム300が示されている。本システムは、制御ノード100、PLC102およびNC104、あるいは、通信ネットワークにおける他のデバイスまたはノードなど、ネットワークにおける他のデバイスからおよび/またはそれらのデバイスに通信するための従来の手段を備えると見なされ得る、通信インターフェース370を備え得る。従来の通信手段は、少なくとも1つの送信機と少なくとも1つの受信機とを含み得る。通信インターフェースは、1つまたは複数のリポジトリ375と、通信確立システム300が、制御ノード100と機械工具システム10との間の通信を確立するための装置として通信確立システム300の目的を果たすために有用なさらなる機能性とをさらに備え得る。
【0062】
プロセッサ350によって実行可能な命令が、少なくとも1つのメモリ360に記憶されたコンピュータプログラム365として構成され(arrange)得る。少なくとも1つのプロセッサ350および少なくとも1つのメモリ360は、構成(arrangement)355において構成され得る。構成355は、上述のアクションまたは方法を実施するように構成された、マイクロプロセッサおよび十分なソフトウェアおよびそのためのストレージ、プログラマブル論理デバイス(PLD)、または他の(1つまたは複数の)電子的構成要素/(1つまたは複数の)処理回路であり得る。
【0063】
コンピュータプログラム365は、本システムにおいて稼働されたとき、通信確立システム300に、図4に関して説明された方法において説明されたステップを実施させる、コンピュータ可読コード手段を備え得る。コンピュータプログラムは、少なくとも1つのプロセッサに接続可能なコンピュータ可読記憶媒体によって搬送され得る。コンピュータ可読記憶媒体は、少なくとも1つのメモリ360であり得る。少なくとも1つのメモリ360は、たとえば、RAM(ランダムアクセスメモリ)、ROM(読取り専用メモリ)またはEEPROM(電気的消去可能プログラマブルROM)として実現され得る。さらに、コンピュータプログラムは、CD、DVDまたはフラッシュメモリなど、別個のコンピュータ可読媒体によって搬送され得、そこからプログラムが少なくとも1つのメモリ360にダウンロードされ得る。
【0064】
上記で開示された実施形態において説明された命令は、少なくとも1つのプロセッサ350によって実行されるべきコンピュータプログラム365として実装されるが、命令のうちの少なくとも1つが、代替実施形態では、ハードウェア回路として少なくとも部分的に実装され得る。代替的に、コンピュータプログラムは、制御ノード100がその通信インターフェース370を介してアクセスできる通信ネットワークに接続されたサーバまたは任意の他のエンティティに記憶され得る。コンピュータプログラムは、次いで、サーバから少なくとも1つのメモリ360にダウンロードされ、電子信号、光信号、または無線信号によって搬送され得る。
【0065】
追加の利点および修正が当業者に容易に想起されることが諒解されよう。したがって、本明細書で提示される本開示、およびそのより広い態様は、本明細書で示され、説明される特定の詳細および代表的な実施形態に限定されない。したがって、多くの修正、均等物、および改善が、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される一般的な発明概念の趣旨または範囲から逸脱することなく含まれ得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【国際調査報告】