(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-29
(54)【発明の名称】産業用通信システムのネットワークオーケストレーションを提供する方法
(51)【国際特許分類】
H04W 74/08 20090101AFI20220622BHJP
H04L 41/0893 20220101ALI20220622BHJP
H04L 41/0896 20220101ALI20220622BHJP
H04W 4/70 20180101ALI20220622BHJP
H04W 84/20 20090101ALI20220622BHJP
【FI】
H04W74/08
H04L41/0893
H04L41/0896
H04W4/70
H04W84/20
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022508033
(86)(22)【出願日】2020-07-22
(85)【翻訳文提出日】2021-10-19
(86)【国際出願番号】 JP2020029598
(87)【国際公開番号】W WO2021033522
(87)【国際公開日】2021-02-25
(32)【優先日】2019-08-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503163527
【氏名又は名称】ミツビシ・エレクトリック・アールアンドディー・センター・ヨーロッパ・ビーヴィ
【氏名又は名称原語表記】MITSUBISHI ELECTRIC R&D CENTRE EUROPE B.V.
【住所又は居所原語表記】Capronilaan 46, 1119 NS Schiphol Rijk, The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100147566
【氏名又は名称】上田 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100161171
【氏名又は名称】吉田 潤一郎
(72)【発明者】
【氏名】カンフシ、ムーラド
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA21
5K067BB21
5K067CC02
5K067CC04
5K067EE10
5K067EE16
(57)【要約】
複数のネットワークスライスを有する産業用通信システムのネットワークオーケストレーションを提供する方法であって、産業用通信システムにおけるノードの中心性を計算することと、ノードの類似した中心性を有するノードをクラスターにグループ化することと、クラスターごとに、クラスターのメンバーのリソース配分を担当するクラスターヘッドを選択することと、産業用通信システムをオーケストレートするためにクラスター中心性の中心性メトリックを計算することとを含む、方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のネットワークスライスを有する産業用通信システムのネットワークオーケストレーションを提供する方法であって、
前記産業用通信システムにおけるノードの中心性を計算することと、
ノードの類似した中心性を有するノードをクラスターにグループ化することと、
クラスターごとにクラスターヘッドを選択することと、
前記産業用通信システムをオーケストレートするためにクラスター中心性の中心性メトリックを計算することと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記計算された中心性メトリックに基づいて前記クラスターにリソースを配分することと、
各クラスターのノード間の送信を調整することと、
を更に含み、
前記クラスターヘッドは、前記クラスターの前記メンバーの前記リソース配分を担当する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
類似した中心性を有するノードをクラスターにグループ化することは、
K平均技法を使用して、前記ノードをそれらの中心性に基づいてクラスタリングすること、
を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記クラスター中心性は、
クラスターの前記ノードの前記媒介中心性の平均、
前記クラスターの前記ノードに対して前記最大近接中心性を有する前記ノードの媒介中心性、
前記クラスターヘッドの媒介中心性、及び/又は、
前記近傍クラスターに接続された前記ノードの媒介中心性、
として計算される、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記リソースは、
データ収集及び/又は制御コマンド送信用の送信スロット、
OFDMシステムに対応する電力及び周波数リソースブロック、
空間ダイバーシティリソースに対応するアンテナ、及び/又は、
最大バックオフ、及びエネルギー検出EDパラメーターを含むCSMA/CA媒体アクセス制御の他のパラメーター、
を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記計算された中心性メトリックに基づいて前記クラスターにリソースを配分することは、
異なる中心性を有するクラスターに異なる送信帯域及び送信帯域幅を選択すること、
を含み、
前記データ収集の間の前記輻輳を緩和するために、より中心にあるノードにはより高い送信帯域幅が選択される、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
各クラスターのノード間の送信を調整することは、
前記クラスターヘッドによって調整情報を前記ノードに送信し、前記ノードによって該調整情報を使用して前記クラスターの他のノードとの前記送信を調整することと、
前記クラスターヘッドによって、そのノードのそれぞれの、クラスター内の局所的な中心性を評価し、それらの送信を調整するために、この局所的な中心性に基づく調整情報を前記ノードに送信することと、
各クラスター内の前記ノードによって、共通の調整パラメーターを取得することと、
前記クラスターにおける前記送信を調整することに前記共通のパラメーターを使用することと、
を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
前記ノードの中心性は、前記媒介中心性の式
【数1】
によって特徴付けられ、
σ
i,jは、前記産業用通信システムの前記ノードiから前記ノードjへの最短パスの数によって定義され、σ
i,j(v)は、前記産業用通信システムの前記ノードvが寄与している最短パスの数によって定義される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記ノードの中心性は、以下の近接中心性の式によって特徴付けられ、
【数2】
変数d
v,iは、前記集合N(v)からの前記ノードvと前記ノードiとの間の距離であり、高い近接中心性を有するノードvは、前記集合N(v)の前記境界にないノードであって、集合N(v)内の他の全てのノードまでの距離が短いノードである、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記中心性メトリックは、以下の式によって特徴付けられる、ノードの媒介中心性と近接中心性との積である、
【数3】
請求項8及び9に記載の方法。
【請求項11】
前記選択されたクラスターヘッドの前記集合である前記端子集合Pの前記中心性を特徴付ける前記中心性メトリックを取得することと、
前記中心性メトリックの高い値を有するシュタイナーノードを選択することと、
前記シュタイナーノードと前記端子集合Pからの前記端子ノードとの間の最小レイテンシーを有する接続を前記シュタイナー木に追加し、前記シュタイナーノードを前記端子ノードに追加することと、
前記構築された木が前記ネットワークをスパンしているか否かを試験することと、
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記中心性メトリックの前記高い値を有する前記シュタイナーノードは、高い媒介中心性を含み、前記端子集合Pにない前記ネットワークの前記ノードである全ての非端子ノードに近接している、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記媒介中心性は、以下の式によって特徴付けられ、
【数4】
ここで、前記パラメーターP
s(w)は、前記シンクノードに向かう所与のノードwの直接的な先行集合の前記集合であり、グラフトラバーサル技法によって取得され、σ
sv及びσ
swは、それぞれ前記ネットワークの前記ノードv及びwから前記ノードsへの最短パスの数であり、δ
s(w)は、ソースからの前記パス上の前記ノードwの前記累積中心性メトリックであり、
前記中心性メトリックは、以下の式によって特徴付けられ、
【数5】
ここで、d(v,w)は、前記ネットワーク内の前記ノードvとwとの間の距離である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
複数のネットワークスライスを有する産業用通信システムのネットワークオーケストレーションを提供するオーケストレーターであって、
前記産業用通信システムにおけるノードの中心性を計算することと、
ノードの類似した中心性を有するノードをクラスターにグループ化することと、
クラスターごとに、該クラスターの前記メンバーの前記リソース配分を担当するクラスターヘッドを選択することと、
前記産業用通信システムをオーケストレートするためにクラスター中心性の中心性メトリックを計算することと、
を行うように構成される、オーケストレーター。
【請求項15】
請求項14に記載のオーケストレーターを備える、複数のネットワークスライスを有する産業用通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、産業用通信システム(ICS:industrial communication system)のネットワークオーケストレーションに関し、特に、ファクトリーオートメーションのオーケストレーション技法及びアーキテクチャに関する。
【背景技術】
【0002】
当該技術における産業用制御システムでは、工場の異なる構成要素、センサー、アクチュエーター及びコントローラーの間の通信のバックボーンとして、無線通信インフラストラクチャが使用され、やがては有線通信インフラストラクチャが使用される。
【0003】
そのようなICSシステムは、複数のネットワークノード、例えばWi-SUNノード及びWiFiノードと、これらのネットワークノードに接続された複数のセンサー及びアクチュエーターとを含む。いくつかのネットワークノードは、センサー情報を収集し、この情報をゲートウェイに送信する。ゲートウェイは、データコレクターとしての役割を果たし、この情報をコントローラーに送信する。他のノードは、コントローラーからのコマンドをネットワーク内のアクチュエーターに最終的に送信する。この場合に、通常、コントローラーコマンドの送信用のURLLC(超高信頼低レイテンシー通信:Ultra-reliable low-latency communication)ネットワークスライスと、センサーからのデータ収集用の超高密度IOTとの2つのネットワークスライスがICSシステムに共存する。
【0004】
当該技術において、そのような産業用ネットワークの設計における重要な態様は、ICSシステムにおける媒体アクセス制御ストラテジーである。通常の媒体アクセス制御ストラテジーは、以下のストラテジーを含む。
-ノードがリソースを得るために競合するコンテンションベースの媒体アクセス(MAC)ストラテジー、
-コンテンションベースのストラテジーに本来的に存在するパケット衝突を最小にするノードのためのアクセススケジュールが定義されるスケジュールベースのアクセスストラテジー。
【0005】
コンテンションベースの媒体アクセス制御は、トポロジー変化、すなわちノードの追加/削除、に対して柔軟性を有するが、この利点は、異なるノードのパケットの間の衝突に起因したネットワークにおける更なる干渉を犠牲にして成り立っている。他方、スケジュールベースのストラテジー、すなわちノードの送信のための時間/周波数送信スケジュールを規定するTDMA/FDMAは、柔軟性が低い。実際には、スケジュールベースのストラテジーには、集中型の計画が必要とされ、これが柔軟性の低下をもたらす。すなわち、計画は、新たなノードがネットワークに対して追加/除去されるごとに繰り返される。
【0006】
この点に関して、有線アクセス及び無線アクセスを有する産業用ネットワークの現行技術は、コンテンションベースのMACストラテジーをICSの無線ネットワーク部分に適用し、TDMA/FDMA MACストラテジーをICSの有線ネットワーク部分に適用する。この技術において、ICSのオーケストレーションプロセスは、ルーティングプロセス及び管理プロセス、すなわちアクセスストラテジー、コンテンションベースのストラテジーのバックオフ等のそれらの関連した計画パラメーター、TDMA/FDMAシステムのタイムスロット配分及びルーティング、並びに最終的に異種の配備の場合の無線ネットワークの周波数配分を定義することからなる。したがって、産業用ネットワークから情報を受信し、バックボーンネットワークの制御プレーン、すなわち産業用ネットワークの異なるノードにおける転送ルール並びにノードのアクセスポリシー及び送信ポリシーを構築する現行技術のオーケストレーターは集中化されている。
【0007】
ファクトリーオートメーションの従来のMAC技法は、ICSの無線部分におけるコンテンションベースのMACと、ICSの有線部分におけるスケジュールベースのMAC(TDMA)とを組み合わせることからなる。しかしながら、そのような従来のMAC技法のオーケストレーションは、コンテンションベース及びスケジュールベースの媒体アクセス技法の統合計画を意味し、その結果、管理は複雑となり、スケーラブルでなくなる。なぜならば、TDMAタイムスロットは、ネットワークのトポロジーが変化するごとに再計画されるべきであるからである。その上、バックボーンネットワークの設計は、グループシュタイナー木ルーティングに基づく複雑な技法を必要とする。
【0008】
したがって、コンテンションベースのMACが選択されたときは、データ収集の遅延と、アクチュエーターへの制御コマンドの転送の遅延とが増加する。スケジュールベースのMACが選択されたときは、スケジュールベースのシステムのリソース及び様々なパラメーターが、新たなノードの追加を考慮するように適合されるべきであるので、全体的なオーケストレーターが柔軟でなくなる。バックボーンの設計及びオーケストレーションの原理から、最適な最小シュタイナー木を見つけることが複雑な動作であることは既知である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、この状況を改善することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この点に関して、本発明の1つの態様によれば、複数のネットワークスライスを有する産業用通信システム(ICS)のネットワークオーケストレーションを提供する方法であって、
産業用通信システムにおけるノードの中心性を計算することと、
ノードの類似した中心性を有するノードをクラスターにグループ化することと、
クラスターごとに、クラスターのメンバーのリソース配分を担当するクラスターヘッドを選択することと、
産業用通信システムをオーケストレートするためにクラスター中心性の中心性メトリックを計算することと、
を含む、方法が提供される。
【0011】
そのような方法を用いると、ICSシステムのオーケストレーションは最適化される。一方において、最終的に複数の技術を有するノードを通じた高速のセンサーデータ収集、特に、ゲートウェイに向かう多数のセンサーデータパケットの高速の輻輳回避ルーティングという最適化目的を達成することができる。他方において、アクチュエーターコマンドの高速送信、特に、超低レイテンシーを有するパスを通じたコマンドの送信という最適化目的も達成することができる。これらのパスは、最終的に異なる技術を有するノードによって形成される。
【0012】
一実施の形態において、本発明による方法は、
計算された中心性メトリックに基づいてクラスターにリソースを配分することと、
各クラスターのノード間の送信を調整することと、
を更に含む。
【0013】
そのような構成を用いると、ノードは、センサーからのパケットの送信又はアクチュエーターに向かうパケットの送信の間の衝突を削減するようにクラスタリングされる。
【0014】
代替的に、類似した中心性を有するノードをクラスターにグループ化することは、K平均技法を使用して、ノードをそれらの中心性に基づいてクラスタリングすることを含み、K平均は、クラスターにおける媒介中心性の局所平均を計算し、ノードは、その媒介中心性がクラスターの局所平均中心性に近い場合にクラスターに追加される。
【0015】
代替的に、本発明の方法によるクラスター中心性は、
クラスターのノードの媒介中心性の平均、
クラスターのノードに対して最大近接中心性を有するノードの媒介中心性、
クラスターヘッドの媒介中心性、及び/又は、
近傍クラスターに接続されたノードの媒介中心性、
として計算される。
【0016】
この場合に、クラスター中心性は、計算を容易にするために様々な方法で計算することができる。
【0017】
代替的に、本発明の方法によるリソースは、
データ収集及び/又は制御コマンド送信用の送信スロット、
OFDMシステムに対応する電力及び周波数リソースブロック、
空間ダイバーシティリソースに対応するアンテナ、及び/又は、
最大バックオフ、及び、ノードが十分なエネルギーで受信される場合、ノードが検出される、エネルギー検出EDパラメーターを含むCSMA/CA(キャリア検知多重アクセス/衝突回避)媒体アクセス制御の他のパラメーター、
を含む。
【0018】
この点に関して、リソース配分を容易にするために様々なリソースを考慮することができる。
【0019】
代替的に、計算された中心性メトリックに基づいてクラスターにリソースを配分することは、異なる中心性を有するクラスターに異なる送信帯域及び送信帯域幅を選択することを含み、センサーからのデータ収集の間の輻輳を緩和するために、より中心にあるノードにはより高い送信帯域幅が選択される。
【0020】
代替的に、各クラスターのノード間の送信を調整することは、
クラスターヘッドによって調整情報をノードに送信し、ノードによって調整情報を使用してクラスターの他のノードとの送信を調整することと、
クラスターヘッドによって、そのノードのそれぞれの、クラスター内の局所的な中心性を評価し、それらの送信を調整するために、この局所的な中心性に基づく調整情報をノードに送信することと、
各クラスター内のノードによって、共通の調整パラメーターを取得し、クラスターにおける送信を調整することに共通のパラメーターを使用することと、
を更に含み、
共通のパラメーターは、例えば、時分割多重アクセス(TDMA:time division multiple access)送信を実行するのに使用される共通の時間/周波数基準である。
【0021】
したがって、各クラスターのノード間の送信は、より効率的な方法で調整される。
【0022】
別の実施の形態において、本発明の方法によるノードの中心性は、媒介中心性の式
【数1】
によって特徴付けられ、
σ
i,jは、産業用通信システムのノードiからノードjへの最短パスの数によって定義され、σ
i,j(v)は、産業用通信システムのノードvが寄与している最短パスの数によって定義される。
【0023】
別の実施の形態において、本発明の方法によるノードの中心性は、以下の近接中心性の式によって特徴付けられ、
【数2】
変数d
v,iは、集合N(v)からのノードvとノードiとの間の距離であり、高い近接中心性を有するノードvは、集合N(v)の境界にないノードであって、集合N(v)内の他の全てのノードまでの距離が短いノードである。
【0024】
別の実施の形態において、中心性メトリックは、以下の式によって特徴付けられる、ノードの媒介中心性と近接中心性との積である。
【数3】
【0025】
更なる実施の形態において、本発明による方法は、
選択されたクラスターヘッドの集合である端子集合Pの中心性を特徴付ける中心性メトリックを取得することと、
中心性メトリックの高い値を有するシュタイナーノードを選択することと、
シュタイナーノードと端子集合Pからのノードである端子ノードとの間の最小レイテンシーを有する接続をシュタイナー木に追加し、シュタイナーノードを端子ノードに追加することと、
構築された木がネットワークをスパンしているか否かを試験することと、
を更に含む。
【0026】
代替的に、中心性メトリックの高い値を有するシュタイナーノードは、高い媒介中心性を含み、端子集合Pにないネットワークのノードを意味する全ての非端子ノードに近接している。
【0027】
さらに、媒介中心性は、以下の式によって特徴付けられ、
【数4】
ここで、パラメーターP
s(w)は、シンクノードに向かう所与のノードwの直接的な先行集合(direct predecessors set)の中の集合であり、例えば幅優先グラフトラバーサル技法(BFS)又は深さ優先探索(DFS:depth first search)であるグラフトラバーサル技法によって取得される。これらのトラバーサル技法は、産業用通信システムにおける任意のノード対の間の最短パスの数を求め、σ
sv及びσ
swは、それぞれネットワークのノードv及びwからノードsへの最短パスの数であり、δ
s(w)は、ノードwがソース、すなわちセンサー又はターゲットすなわちアクチュエーターである場合に例えば「0」として定義されるソースsからのパス上のノードwの累積中心性メトリックである。
【0028】
中心性メトリックは、以下の式によって特徴付けられ、
【数5】
ここで、d(v,w)は、ネットワークにおけるノードvとwとの間の距離である。
【0029】
そのような構成を用いると、クラスター間のバックボーンネットワークは、ゲートウェイへの送信又はゲートウェアからの送信の遅延が最小になるように最適化される。
【0030】
本発明の別の態様によれば、複数のネットワークスライスを有する産業用通信システム(ICS)のネットワークオーケストレーションを提供するオーケストレーターであって、
産業用通信システムにおけるノードの中心性を計算することと、
ノードの類似した中心性を有するノードをクラスターにグループ化することと、
クラスターごとに、クラスターのメンバーのリソース配分を担当するクラスターヘッドを選択することと、
産業用通信システムをオーケストレートするためにクラスター中心性の中心性メトリックを計算することと、
を行うように構成される、オーケストレーターも提供される。
【0031】
本発明の更に別の態様によれば、上述したオーケストレーターを備える、複数のネットワークスライスを有する産業用通信システムが更に提供される。
【0032】
したがって、本発明は、ICSシステムの無線アクセスのための中心性ベースのオーケストレーション技法を提案することによって、複数のネットワークスライスを有するICSシステムの最適化の問題の解決法を提案する。本発明の重要なアイデアは、ICSにおけるノードの中心性を使用して、それらのアクセス及び送信を調整するクラスターを形成し、低レイテンシーを有するクラスターを相互接続するバックボーンを構築することである。ICSにおける同じ中心性を有するノードは、同じクラスターにクラスタリングされ、組み合わされた媒介中心性及び近接中心性に基づく新たなシュタイナー木設計が提案される。
【0033】
本発明によって、オーケストレーションシステムのこれらの構成要素は、ICSにおいて全体的なスケーラビリティを改善するとともに、管理の複雑さを低減する。
【0034】
本発明の他の特徴及び利点が、添付の図面を参照して、以下の説明において明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】本発明による産業用制御システムを示す図である。
【
図3】ICSシステム内のノードからグループ化されたクラスターを示す図である。
【
図4】本発明による例示的な方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0036】
図1は、無線データを放出又は受信することができる複数の産業用センサーs1~s4及びアクチュエーターa1~a4を含む産業用通信システム(ICS)を概略的に示している。センサーs1、s2及びアクチュエーターa1、a2は機械M1に設置され、センサーs3、s4及びアクチュエーターa3及びa4は機械M2に設置され、例えば、IEEE802.15.4規格に基づく900MHz又はIEEE802.11規格に基づく2.5GHzの下で動作するWi-SUNws1~ws8及びWiFiノードw1~w8等の複数の無線ノード、並びにゲートウェイGW及びコントローラーCが存在する。無線ノードは、センサーから無線データを受信することができ、このデータをゲートウェイGWに送信することができ、ゲートウェイGWは、このデータをコントローラーCに送信することができる。他方、コントローラーCは、コマンドをゲートウェイに送信することができ、ゲートウェイは、その後、このコマンドを無線ノードに送信し、その後、無線ノードは、このコマンドをアクチュエーターに送信する。無線データは、無線ノード間でも送信することができる。
【0037】
この例示的なICSシステムでは、コントローラーコマンドの送信用のURLLC(超高信頼低レイテンシー通信)ネットワークスライスと、センサーからのデータ収集用の超高密度IOTとの2つのネットワークスライスがICSシステムに共存する。実際には、これは単なる一例にすぎず、本例に示すような2つのスライスよりも多くの複数のネットワークスライスが共存する可能性がある。
【0038】
システムがより多くのセンサー及びアクチュエーター、並びに他の可能なデバイスをICSに含むに伴って、複数のネットワークスライスがますます多くになるにつれて、一方において、センサーからのパケットの送信又はアクチュエーターへ向けたパケットの送信の間の衝突を削減し、他方において、ゲートウェイへの送信又はゲートウェアからの送信の遅延を最小にするために、ICSのオーケストレーション問題が本発明によって対処されるべきである。
【0039】
本発明によれば、例示的なオーケストレーションプロセスは、ICSシステムにおける全体的なレイテンシー及び干渉を削減するために、クラスタリングと、バックボーンネットワークの構築及び/又は適合とを組み合わせたものとみなされる。次に、本発明による全体的なオーケストレーション方法を以下に説明する。
【0040】
オーケストレーションプロセスの前に、
図1のICSシステム内の各ノードは、特定の電力/品質又は2つのノードが有する通信能力を特徴付ける他の任意のメトリックを有する近傍ノードから受信する信号を測定する。これらの測定値は、ノードの測定値とすることができ、複数の技術がICSシステムにおいて使用されるときは最終的に周波数間測定値である。これらの測定値は、ICSシステムの抽象レイヤにおいて収集され、接続状況を表すものを作成するのに使用される。
【0041】
図2に示すように、抽象モデルが、ICSの抽象レイヤ/ミドルウェアに記憶され、ICSシステム内の特定の通信デバイスを表すノード、及び、ノード間の通信リンク又はあるノードから他のノードへの干渉を表すノードを接続するエッジとして定義される。
【0042】
ICSが複数のネットワークスライスを有する場合に、抽象化は、スライスごとに行うこともできるし、ネットワーク全体に対して行うこともできる。前者では、すなわち、抽象化は、各スライスにおける通信状況及び/又は干渉状況について構築され、後者は、すなわち、互いに通信することができるか又は抽象概念を構築する際に妨げとなる可能性があるスライスを考慮して行われる。後者の場合に、複数のネットワークスライスへのICSのノードの寄与度は、後のオーケストレーションプロセスにおける中心性計算、特に、以下で詳述される
図4に示すようなステップS1に暗黙的に含まれる。
【0043】
中心性計算に関するいくつかのメトリックを本発明において考慮することができる。例えば、第1の例示的なメトリックは、ICSネットワークにおけるデータパケットのパスに対する各通信デバイスの寄与度である。ICSのノードiからノードjへの最短パスの数をσi,jとして定義する。ICSのノードvが寄与している最短パスの数をσi,j(v)として定義する。
【0044】
ゲートウェイに向かうパスに対するノードの寄与度を特徴付けるメトリックは、以下の媒介中心性の式によって与えられる。
【数6】
【0045】
高い媒介中心性を有するノードは、ネットワークにおける低レイテンシーの多数のパスに寄与するノードである。
【0046】
本発明において使用される第2の例示的なメトリックは、近接中心性メトリックである。近接中心性メトリックは、ノードvの周囲の集合N(v)内のノードに対し、ノードvにおける近接中心性を示す。この近接中心性は、以下のように定義される。
【数7】
【0047】
変数dv,iは、ノードvと集合N(v)からのノードiとの間の距離である。高い近接中心性を有するノードvは、集合N(v)の境界にないノードであって、集合N(v)内の他の全てのノードまでの距離が短いノードである。
【0048】
これらの中心性を取得した後、オーケストレーションプロセスが以下のように進められる。
【0049】
最初に、ステップS2において、ノードの類似した中心性を有するノードがクラスターにグループ化される。特に、ノードは、センサーからゲートウェイに向かうパスに対する類似した寄与度、例えばノードの類似した媒介中心性、を有するグループにクラスタリングされる。
【0050】
図3は、そのようなクラスターを示し、各ノードは、それ自身のノード中心性Cを有し、類似した中心性を有するノードは、1つのクラスターとしてともにグループ化される。
【0051】
一例として、K平均技法を使用して、それらの中心性に基づいてノードをクラスタリングすることができる。K平均は、クラスターにおける媒介中心性の局所平均を計算し、ノードは、その媒介中心性がクラスターの局所平均中心性に近い場合にクラスターに加えられる。
【0052】
加えて、ノードの測定からクラスターを求めることができ、クラスターに加わるようにノードに個別に命令する。
【0053】
ノードクラスタリングのステップの後、ステップS3において、クラスターヘッドがクラスターごとに選択される。クラスターヘッドは、通常はクラスターにおける中心である産業用通信システムの特定のノードである。例えば、ヘッドは、クラスターメンバーと低レイテンシーで通信するか、又は、クラスターの任意のノード対の間の通信パスに寄与しているノードとすることができる。
【0054】
クラスターヘッドは、クラスターにおける送信調整に適合されている。例えば、クラスターヘッドノードは、クラスターのノード間の時分割多重アクセス(TDMA)送信のタイミング基準である。別の例は、クラスターヘッドが、無線チャネルを検知し、送信可(CTS:clear to send)パケットをクラスターのノードにキャリア検知多重アクセスCSMA/衝突回避CA方式で送信することによってクラスターにおける送信間の調整を行うことである。
【0055】
クラスターヘッドは、クラスターのメンバーの以後のリソース配分を担当する。このリソース配分方式は、例えば、クラスターのノードの送信用のスロット、周波数、電力又は他の任意の無線ネットワークリソースの選択である。リソース配分は、干渉を最小にするクラスターのノードの送信用のリソースをプロビジョニングする方法ともみなされる。
【0056】
その後、産業用通信システムをオーケストレートするために、クラスター中心性の中心性メトリックがステップS4において計算される。一例として、クラスター中心性は、
クラスターの媒介中心性の平均、
クラスターのノードに対して最大近接中心性を有するノードの媒介中心性、
クラスターヘッドの媒介中心性、及び/又は、
近傍クラスターに接続されたノードの媒介中心性、
によって計算することができる。
【0057】
例えば、中心性メトリックは、以下の式によって特徴付けられる、ノードの媒介中心性と近接中心性との積である。
【数8】
【0058】
ノードvが高い中心性を有する場合に、そのノードは、パラメーターλ(v)の高い値を有する。
【0059】
一方において、データ収集プロセス/制御コマンド送信プロセスの間に起こり得る輻輳を緩和するために、以下のステップが実施される。
【0060】
ステップS5において、より多くのリソースがデータ収集プロセス/制御コマンド送信プロセス中に、中心のクラスターに配分されるように、リソースがクラスター中心性に基づいてクラスターに配分される。これらのリソースは、例えば、以下のものとすることができる。
-データ収集及び/又は制御コマンド送信用の送信スロット;
-例えばOFDMシステムに対応する電力及び周波数のリソースブロック;
-空間ダイバーシティリソースに対応するアンテナ。より高い媒介中心性を有するノードにより多くのアンテナを配分することができる;
-最大バックオフ、及びエネルギー検出EDパラメーター等のCSMA/CA媒体アクセス制御の他のパラメーター;
-異なる中心性を有するクラスターには、異なる送信帯域及び送信帯域幅を選択することができる。クラスターヘッドは、センサーからのデータ収集中の輻輳を緩和するために、より中心にあるノードにより高い送信帯域幅を選択する。送信帯域は、クラスター間の送信の干渉を最小にするように選択される。異なる中心性を有するクラスターの送信には、異なる送信帯域が選択される。
【0061】
したがって、ステップS6において、各クラスターのノード間の送信が、以下のように調整される。
-クラスターヘッドは、調整情報をノードに送信し、ノードは、この情報を使用して、そのクラスターの他のノードと送信を調整する。
【0062】
-クラスターヘッドは、そのノードのそれぞれの、クラスター内の局所的な中心性を評価し、それらの送信を調整するために、この局所的な中心性に基づく調整情報をノードに送信する。調整は、クラスター内の類似した中心性を有するノードが調整された方法で送信するように行うことができる。
【0063】
-各クラスター内のノードは、コンセンサス平均化(consensus averaging)を通じて共通の調整パラメーターを取得し、この共通の調整パラメーターをクラスターにおける調整された送信に使用する。
【0064】
ステップS5及びS6におけるこれらの構成を用いると、ノードは、センサーからのパケットの送信又はアクチュエーターに向かうパケットの送信間の衝突を削減するようにクラスタリングされる。
【0065】
他方、中心性計算の反応度を改善するとともに、オーケストレーションの監視/管理レイテンシーを改善するために、本発明は、クラスター間バックボーンネットワークの方法も提案する。
【0066】
現行技術のバックボーンネットワークの構築は、シュタイナー木問題及びアルゴリズムに基づいている。その最も簡単な形態では、最小シュタイナー木問題を、n個のピン又は端子(terminal:ターミナル)ノードの集合Pが与えられると、最小総数のワイヤを使用してこれらの点を相互接続したいという問題として定式化することができる。最小シュタイナー木問題は、集合P∪Sをスパンする木が最小スパニング木、すなわちメトリックの最小和を有する木となるような集合Pの外部の中間点の集合Sを導入することからなる。
【0067】
この理由から、シュタイナー木は、ICSのバックボーンネットワークの設計の基本構成要素である。シュタイナー木問題の最適解は、非多項式且つ困難(NP困難)である。正確なアルゴリズムは、ドレフェス・ワーグナー再帰(Dreyfus-Wagner recursion)によって与えられる。このアルゴリズムは、ノードv及びuを端子ノードPに追加することによってシュタイナー木を反復して増大するとともに以下の式を最小化する動的計画法アルゴリズムである。
【数9】
ここで、ST(P,v)は、ノードP∪{v}にわたるシュタイナー木のメトリックの和である。集合Xは、端子ノードの分割であり、P\Xは、集合P内の分割Xの補集合である。関数dist(v,u)は、ノードvとuとの間の送信のレイテンシーであり、ST(P,v)は、シュタイナー木におけるレイテンシーの和である。ノードuは、ノードvと端子の集合Pとの間のパス上にあり、3よりも大きな度数を有するノードである。
【0068】
当該技術におけるこの手法の主要な欠点のうちの1つは、ネットワークが大規模であるときにスケーラビリティを欠いているということである。この点に関して、本発明は、低い中心性を有するクラスターから開始して、高い中心性を有するクラスターに移行する以下の方法に基づく別の近似を提案する。
S7:事前に決定されたクラスターヘッドの集合である端子の集合Pから開始する;
S8:端子集合Pの中心性を特徴付けるメトリックを取得する。このメトリックは、例えば、端子集合の平均中心性、端子集合の最大中心性、又はICSシステムにおけるパケットのパスに対するクラスターヘッドの寄与度を特徴付ける他の任意のメトリックとすることができる;
S9:高い媒介中心性を有し、全ての非端子ノード(X\P)、すなわちインジケーターλ(v)=B(v)CD(v)の高い値を有するノードに近く、少なくとも1つの端子ノードの近傍であるシュタイナーノードを選択する。シュタイナーノードと端子ノードとの間の最小レイテンシーを有する接続をシュタイナー木に追加し、シュタイナーノードを端子ノードに追加する;
S10:構築された木がネットワークをスパンしているか否かを試験する。スパンしていない場合には、ステップS8に進む。
【0069】
バックボーンネットワークのシュタイナーノードを見つけることにメトリックλ(v)を使用する基本的な利点は、ネットワークごとの媒介中心性メトリックB(v)の場合に対するこのメトリックの局所依存性である。
【0070】
媒介中心性が以下の再帰的関係によって与えられることは、ブランズ(Brands)アルゴリズムによって既知である。
【数10】
【0071】
バックボーン構築のための新たなシュタイナーノードの追加に役立つこのメトリックは、全てのネットワークノードではなく、考慮されているノードの近傍における局所的なノードのみを考慮する。これは、超高密度ネットワークのオーケストレーションのスケーラビリティと、バックボーン構築のレイテンシーとを改善する。
【0072】
提案されるメトリックの利点のうちの1つは、中心性メトリックλ(v)の監視及び管理に関係している。標準的なブランズアルゴリズムは、累積された中心性メトリックδs(w)を監視し、v∈Ps(w)であるような、すなわち、vがネットワーク内のいくつかのノードwからの最短パスの交差する点にあるような、全てのネットワークノードwの中からのノードvに伝播する必要がある。本発明によるアルゴリズムは、中心性計算をノードvの周囲の近傍N(v)に削減し、これによって、中心性計算の反応性を改善するとともにオーケストレーションの監視/管理レイテンシーを改善することを提案する。
【0073】
これらの構成を用いると、クラスター間のバックボーンネットワークは、ゲートウェイとの間の送信の遅延が最小になるように最適化される。
【0074】
本発明の別の態様によれば、本発明は、上述したプロセスを実施することによって、複数のネットワークスライスを有するICSのネットワークオーケストレーションを提供するオーケストレーターも提案する。
【0075】
要約すれば、本発明の重要なアイデアは、レイテンシー及びジッターの最適化、クラスタリングによる簡単な管理を達成するために、オーケストレーションの複雑さを低減するとともに全体的なシステム性能を改善するクラスタリング及びバックボーン最適化の双方の単一のメトリックを提案することである。
【0076】
加えて、当業者に既知であるように、本発明による、上記で説明された上述の例示のアーキテクチャは、多くの方法、例えば、プロセッサによる実行のためのプログラム命令、ソフトウェアモジュール、マイクロコード、コンピューター可読媒体上のコンピュータープログラム製品、論理回路、特定用途向け集積回路、ファームウェア等において実施することができる。本発明の実施形態は、完全にハードウェアの実施形態の形式、完全にソフトウェアの実施形態の形式、又はハードウェア要素及びソフトウェア要素の双方を含む実施形態の形式を取ることができる。好ましい実施形態において、本発明は、ソフトウェアにおいて実施され、ソフトウェアは、ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコード等を含むが、これらに限定されない。
【0077】
さらに、本発明の実施形態は、コンピューター、処理デバイス、又は任意の命令実行システムによる、又はこれらに関連した使用のためのプログラムコードを提供するコンピューター使用可能又はコンピューター可読媒体からアクセス可能なコンピュータープログラム製品の形式を取ることができる。本明細書において、コンピューター使用可能又はコンピューター可読媒体は、命令実行システム、装置又はデバイスによる、又はこれらに関連した使用のためのプログラムを収容、記憶、通信、又は送達することができる任意の装置とすることができる。媒体は、電子、磁気、光学、又は半導体システム(又は装置若しくはデバイス)とすることができる。コンピューター可読媒体の例として、半導体又はソリッドステートメモリ、磁気テープ、取り外し可能コンピューターディスケット、RAM、リードオンリーメモリ(ROM)、リジッド磁気ディスク、光学ディスク等が挙げられるが、これらに限定されない。光学ディスクの現在の例として、コンパクトディスクリードオンリーメモリ(CD-ROM)、コンパクトディスクリード/ライト(CD-R/W)及びDVDが挙げられる。
【手続補正書】
【提出日】2021-10-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のネットワークスライスを有する産業用通信システムのネットワークオーケストレーションを提供する方法であって、
前記産業用通信システムにおけるノードの中心性を計算することと、
ノードの類似した中心性を有するノードをクラスターにグループ化することと、
クラスターごとにクラスターヘッドを選択することと、
前記産業用通信システムをオーケストレートするためにクラスター中心性の中心性メトリックを計算することと、
を含
み、
前記クラスター中心性は、
クラスターの前記ノードの媒介中心性の平均、
前記クラスターの前記ノードに対して最大近接中心性を有する前記ノードの媒介中心性、
前記クラスターヘッドの媒介中心性、及び/又は、
近傍クラスターに接続された前記ノードの媒介中心性、
として計算される、方法。
【請求項2】
前記計算された中心性メトリックに基づいて前記クラスターにリソースを配分することと、
各クラスターのノード間の送信を調整することと、
を更に含み、
前記クラスターヘッドは、前記クラスター
のメンバーの前記リソース配分を担当する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
類似した中心性を有するノードをクラスターにグループ化することは、
K平均技法を使用して、前記ノードをそれらの中心性に基づいてクラスタリングすること、
を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記リソースは、
データ収集及び/又は制御コマンド送信用の送信スロット、
OFDMシステムに対応する電力及び周波数リソースブロック、
空間ダイバーシティリソースに対応するアンテナ、及び/又は、
最大バックオフ、及びエネルギー検出EDパラメーターを含むCSMA/CA媒体アクセス制御の他のパラメーター、
を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記計算された中心性メトリックに基づいて前記クラスターにリソースを配分することは、
異なる中心性を有するクラスターに異なる送信帯域及び送信帯域幅を選択すること、
を含み、
データ収集の間
の輻輳を緩和するために、より中心にあるノードにはより高い送信帯域幅が選択される、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
各クラスターのノード間の送信を調整することは、
前記クラスターヘッドによって調整情報を前記ノードに送信し、前記ノードによって該調整情報を使用して前記クラスターの他のノードとの前記送信を調整することと、
前記クラスターヘッドによって、そのノードのそれぞれの、クラスター内の局所的な中心性を評価し、それらの送信を調整するために、この局所的な中心性に基づく調整情報を前記ノードに送信することと、
各クラスター内の前記ノードによって、共通の調整パラメーターを取得することと、
前記クラスターにおける前記送信を調整することに前記共通のパラメーターを使用することと、
を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記ノードの中心性は
、媒介中心性の式
【数1】
によって特徴付けられ、
σi,jは、前記産業用通信システム
のノードiか
らノードjへの最短パスの数によって定義され、σi,j(v)は、前記産業用通信システム
のノードvが寄与している最短パスの数によって定義される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記ノードの中心性は、以下の近接中心性の式によって特徴付けられ、
【数2】
変数dv,iは
、集合N(v)から
のノードv
とノードiとの間の距離であり、高い近接中心性を有するノードvは、前記集合N(v)
の境界にないノードであって、集合N(v)内の他の全てのノードまでの距離が短いノードである、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記中心性メトリックは、以下の式によって特徴付けられる、ノードの媒介中心性と近接中心性との積である、
【数3】
請求項
7及び
8に記載の方法。
【請求項10】
前記選択されたクラスターヘッド
の集合であ
る端子集合Pの前記中心性を特徴付ける前記中心性メトリックを取得することと、
前記中心性メトリックの高い値を有するシュタイナーノードを選択することと、
前記シュタイナーノードと前記端子集合Pから
の端子ノードとの間の最小レイテンシーを有する接続
をシュタイナー木に追加し、前記シュタイナーノードを前記端子ノードに追加することと、
構築された木
がネットワークをスパンしているか否かを試験することと、
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記中心性メトリックの前記高い値を有する前記シュタイナーノードは、高い媒介中心性を含み、前記端子集合Pにない前記ネットワークの前記ノードである全ての非端子ノードに近接している、請求項
10に記載の方法。
【請求項12】
前記媒介中心性は、以下の式によって特徴付けられ、
【数4】
ここで、前記パラメーターPs(w)は
、シンクノードに向かう所与のノードwの直接的な先行集合
の集合であり、グラフトラバーサル技法によって取得され、σsv及びσswは、それぞれ前記ネットワーク
のノードv及びwか
らノードsへの最短パスの数であり、δs(w)は、ソースからの前記パス上の前記ノードw
の累積中心性メトリックであり、
前記中心性メトリックは、以下の式によって特徴付けられ、
【数5】
ここで、d(v,w)は、前記ネットワーク内の前記ノードvとwとの間の距離である、請求項
11に記載の方法。
【請求項13】
複数のネットワークスライスを有する産業用通信システムのネットワークオーケストレーションを提供するオーケストレーターであって、
前記産業用通信システムにおけるノードの中心性を計算することと、
ノードの類似した中心性を有するノードをクラスターにグループ化することと、
クラスターごとに、該クラスター
のメンバー
のリソース配分を担当するクラスターヘッドを選択することと、
前記産業用通信システムをオーケストレートするためにクラスター中心性の中心性メトリックを計算することと、
を行うように構成され
、
前記クラスター中心性は、
クラスターの前記ノードの媒介中心性の平均、
前記クラスターの前記ノードに対して最大近接中心性を有する前記ノードの媒介中心性、
前記クラスターヘッドの媒介中心性、及び/又は、
近傍クラスターに接続された前記ノードの媒介中心性、
として計算される、オーケストレーター。
【請求項14】
請求項
13に記載のオーケストレーターを備える、複数のネットワークスライスを有する産業用通信システム。
【国際調査報告】