(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-30
(54)【発明の名称】屋根貫通構造体のためのフラッシングアセンブリ及びフラッシングアセンブリの製造方法
(51)【国際特許分類】
E04D 3/38 20060101AFI20220623BHJP
E04D 13/147 20060101ALI20220623BHJP
【FI】
E04D3/38 Z
E04D13/147
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2021540816
(86)(22)【出願日】2020-09-25
(85)【翻訳文提出日】2021-09-07
(86)【国際出願番号】 DK2020050263
(87)【国際公開番号】W WO2021058073
(87)【国際公開日】2021-04-01
(32)【優先日】2019-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DK
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】501185534
【氏名又は名称】ヴィーケーアール・ホールディング・アー・エス
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100130719
【氏名又は名称】村越 卓
(72)【発明者】
【氏名】イェンス-ウルリク、ホルスト、ヘンリクセン
(72)【発明者】
【氏名】スーレン、フレデリクセン
【テーマコード(参考)】
2E108
【Fターム(参考)】
2E108AA02
2E108AZ01
2E108BB01
2E108GG09
(57)【要約】
建物の傾斜屋根におけるルーフウィンドウなどの屋根貫通構造体とともに使用するためのフラッシングアセンブリが開示される。それは、底部フラッシング要素及び少なくとも1つのサイドフラッシング要素を含み、これらの両方には、内側から離れて外側に向けて曲げられてエッジに沿って延びる排水チャネルを形成する曲げ部分が設けられる。フラッシング要素の寸法は、2つの排水チャネルが、フラッシングアセンブリの取り付け状態で互いに連続して延び、少なくとも1つの排水チャネルは、それが延びるフラッシング要素のエッジに垂直な断面でU形状を有するようになっている。フラッシングアセンブリを製造するための方法も開示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の傾斜屋根におけるルーフウィンドウなどの屋根貫通構造体とともに使用するためのフラッシングアセンブリであって、前記傾斜屋根は、傾斜方向を有し且つ屋根カバー要素を含み、前記屋根貫通構造体は、取り付け状態で前記傾斜方向を横切って延びるように適合される底部部材及びトップ部材と、前記取り付け状態で前記傾斜方向に延びるように適合される第1サイド部材及び第2サイド部材と、を備え、前記フラッシングアセンブリは、底部フラッシング要素及び少なくとも1つのサイドフラッシング要素を備え、
前記底部フラッシング要素は:
- 第1シーリング部材部分、第2シーリング部材部分及び第3シーリング部材部分を含む底部シーリング部材であって、前記第1シーリング部材部分は、前記屋根貫通構造体の前記底部部材に取り付けられ且つ前記底部部材に沿って延びるように構成され、前記第2シーリング部材部分は、前記屋根貫通構造体の前記第1サイド部材に沿って延びるように構成され、前記第3シーリング部材部分は、前記屋根貫通構造体の前記第2サイド部材に沿って延びるように構成される、底部シーリング部材と、
- 前記底部シーリング部材に取り付けられた第1エッジと、前記第1エッジから延びる第2エッジ及び第3エッジと、前記第1エッジの反対側の第4エッジとを有するスカート部材であって、内側が前記屋根カバー要素に対面して前記取り付け状態で前記屋根貫通構造体の下に位置付けられる屋根カバー要素上で前記傾斜方向に延びるように構成されるスカート部材と、
- 前記第2シーリング部材部分又は前記第3シーリング部材部分に取り付けられる第1エッジと、前記スカート部材に取り付けられる第2エッジと、前記第1エッジの反対側の第3エッジと、前記第2エッジの反対側の第4エッジと、を有する底部コーナー部材であって、前記第1エッジ及び前記第3エッジは合流して前記第4エッジにおいてよりも前記第2エッジにおいての方がそれらの間の距離が大きくなり、前記底部コーナー部材は、取り付け状態で前記建物の内部に面するように構成される内側と、前記内側の反対側の外側と、を有する、底部コーナー部材と、
を備え、
前記少なくとも1つのサイドフラッシング要素は、
- 前記屋根から離れる外部方向に前記屋根貫通構造体の前記サイド部材に沿って延びるように構成される第1サイド部分と、
- 前記取り付け状態で前記屋根の前記傾斜方向を横切る方向に延びるように、前記屋根貫通構造体の前記第1サイド部材に対して角度を持って前記第1サイド部材から離れて延びる第2サイド部分であって、前記第2サイド部分が、前記第1サイド部分に沿って延びる第1エッジと、前記第1サイド部分と反対側の第2エッジと、前記第1エッジと前記第2エッジとの間で延びる第3エッジ及び第4エッジと、を有し、前記第2サイド部分が、取り付け状態で前記建物の内部に面するように構成される内側と、前記内側と反対側の外側と、を有する、第2サイド部分と、
を備え、
前記第2サイド部分の前記第4エッジが前記底部コーナー部材の前記第4エッジに隣り合って延び、前記サイドフラッシング要素は前記取り付け状態で前記底部フラッシング要素の前記底部コーナー部材とオーバーラップするように構成され、
前記底部フラッシング要素の前記底部コーナー部材は、前記底部コーナー部材の前記内側から離れて前記外側に向かって曲げられる曲げ部分であって、前記底部コーナー部材の前記第3エッジに沿って延びる排水チャネルを形成する曲げ部分を備え、前記サイドフラッシング要素の前記第2サイド部分は、前記第2サイド部分の前記内側から離れて前記外側に向かって曲げられる曲げ部分であって、前記第2サイド部分の前記第2エッジに沿って延びる排水チャネルを形成する曲げ部分を備え、前記底部コーナー部材の、その第1エッジからその曲げ部分までの前記第4エッジの長さに対する、前記第2サイド部分の、その第1エッジからその曲げ部分までの前記第4エッジの長さは、前記底部コーナー部材の前記排水チャネル及び前記第2サイド部分の前記排水チャネルが、前記取り付け状態で互いに連続して延びるようになっており、前記底部コーナー部材の前記排水チャネル及び/又は前記第2サイド部分の前記排水チャネルは、前記フラッシング要素の前記エッジに垂直な断面においてU形状を有し、それに沿ってそれが延びる、
ことを特徴とするフラッシングアセンブリ。
【請求項2】
少なくとも1つのフラッシング要素の前記排水チャネルの前記U形状は、連続的に丸みを帯び、又は3つ以上の直線セクションから構成され、又はその組み合わせから構成される、請求項1に記載のフラッシングアセンブリ。
【請求項3】
前記底部コーナー部材の前記排水チャネルは、前記底部コーナー部材の前記第3エッジ及び前記第4エッジに垂直な方向に少なくとも30mmの高さを有する、請求項1又は2に記載のフラッシングアセンブリ。
【請求項4】
前記排水チャネルは、前記サイドフラッシング要素の実質的に全長に沿って、且つ、前記底部コーナー部材の前記第3エッジ全体に沿って延びる、請求項1~3のいずれか一項に記載のフラッシングアセンブリ。
【請求項5】
2つ以上のサイドフラッシング要素が、前記屋根貫通構造体の1つのサイド部材に沿って互いに重なり合って連続して配置される、請求項1~4のいずれか一項に記載のフラッシングアセンブリ。
【請求項6】
前記スカート部材は、前記外部方向に曲げられる曲げ部分であって、前記スカート部材の前記第2エッジ又は前記第3エッジに沿って延びる排水チャネルを形成する曲げ部分を備え、前記第1エッジと平行な方向の前記スカートの幅は、前記スカート部材の前記排水チャネルが、前記取り付け状態で前記底部コーナー部材の前記排水チャネルと連続して延びるようになっている、請求項1~5のいずれか一項に記載のフラッシングアセンブリ。
【請求項7】
前記底部コーナー部材の前記第3エッジは、前記第1エッジに対して30~60度の角度で延びる、請求項1~6のいずれか一項に記載のフラッシングアセンブリ。
【請求項8】
少なくとも前記サイドフラッシング要素及び前記底部コーナー部材は、金属で、好ましくはアルミニウムで、作られている、請求項1~7のいずれか一項に記載のフラッシングアセンブリ。
【請求項9】
前記スカート部材の少なくとも一部は波形シート材料である、請求項1~8のいずれか一項に記載のフラッシングアセンブリ。
【請求項10】
前記スカート部材は、前記第2エッジ及び/又は前記第3エッジで平坦フランジ部材を備える、請求項1~9のいずれか一項に記載のフラッシングアセンブリ。
【請求項11】
前記シーリング部材、前記スカート部材、及び前記底部コーナー部材のうちの2つ以上が一体で作られる、請求項1~10のいずれか一項に記載のフラッシングアセンブリ。
【請求項12】
前記底部フラッシング要素は、実質的に同一であるが鏡面反転された2つの底部コーナー部材を含み、1つの底部コーナー部材の前記第1エッジが第2シーリング部材部分に取り付けられ、他の底部コーナー部材の前記第1エッジは前記第3シーリング部材部分に取り付けられる、請求項1~11のいずれか一項に記載のフラッシングアセンブリ。
【請求項13】
前記傾斜方向に見て前記サイドフラッシング要素の前記排水チャネルと連続して上方に延びる排水チャネルを形成するU形状曲げ部分が設けられるトップフラッシング要素を更に備える、請求項1~12のいずれか一項に記載のフラッシングアセンブリ。
【請求項14】
底部フラッシング要素及び少なくとも1つのサイドフラッシング要素を備えるフラッシングアセンブリを製造するための方法であって、前記方法は:
- 底部フラッシング要素を提供する工程であって、当該底部フラッシング要素は:
- 第1シーリング部材部分、第2シーリング部材部分及び第3シーリング部材部分を含む底部シーリング部材であって、前記第1シーリング部材部分は、前記屋根貫通構造体の前記底部部材に取り付けられ且つ前記屋根貫通構造体の前記底部部材に沿って延びるように構成され、前記第2シーリング部材部分は、前記屋根貫通構造体の前記第1サイド部材に沿って延びるように構成され、前記第3シーリング部材部分は、前記屋根貫通構造体の前記第2サイド部材に沿って延びるように構成される、底部シーリング部材と、
- 前記シーリング部材に取り付けられた第1エッジと、前記第1エッジから延びる第2エッジ及び第3エッジと、前記第1エッジの反対側の第4エッジとを有するスカート部材であって、前記第2エッジ及び前記第3エッジが前記第1エッジを前記第4エッジに接続させ、内側が屋根カバー要素に対面して、前記取り付け状態で前記屋根貫通構造体の前記底部部材の下に位置付けられる屋根カバー要素上で延びるように構成されるスカート部材と、
- 前記第2シーリング部材部分又は前記第3シーリング部材部分に取り付けられる第1エッジと、前記スカート部材に取り付けられる第2エッジと、前記第1エッジの反対側の第3エッジと、前記第2エッジの反対側の第4エッジと、を有する底部コーナー部材であって、前記第1エッジ及び前記第3エッジは合流して前記第4エッジにおいてよりも前記第2エッジにおいての方がそれらの間の距離が大きくなり、前記底部コーナー部材は、取り付け状態で前記建物の内部に面するように構成される内側と、前記内側の反対側の外側と、を有する、底部コーナー部材と、を備える
工程と、
- 少なくとも1つのサイドフラッシング要素を提供する工程であって、当該少なくとも1つのサイドフラッシング要素は:
- 前記屋根貫通構造体のサイド部材に取り付けられように且つ前記屋根貫通構造体の前記サイド部材に沿って延びるように構成される第1サイド部分と、
- 前記取り付け状態で前記屋根の前記傾斜方向を横切る方向に延びるように、前記屋根貫通構造体の前記第1サイド部材に対して角度を持って前記第1サイド部材から離れて延びる第2サイド部分であって、前記第2サイド部分が、前記第1サイド部分に沿って延びる第1エッジと、前記第1サイド部分と反対側の第2エッジと、前記第1エッジと前記第2エッジとの間で延びる第3エッジ及び第4エッジと、を有し、前記第2サイド部分が、取り付け状態で前記建物の内部に面するように構成される内側と、前記内側と反対側の外側と、を有する、第2サイド部分と、を備え、
前記サイドフラッシング要素の前記第2サイド部分の前記第4エッジが前記底部コーナー部材の前記第4エッジに隣り合って延び、前記サイドフラッシング要素は前記取り付け状態で前記底部フラッシング要素の前記底部コーナー部材とオーバーラップするように構成される、
工程と、
- 前記底部フラッシング要素の前記底部コーナー部材の部分を、前記底部コーナー部材の前記内側から離れて前記外側に向けて曲げて、それにより前記底部コーナー部材の前記第3エッジに沿って延びる排水チャネルを形成する工程と、
- 前記サイドフラッシング要素の前記第2サイド部分の部分を、前記第2サイド部分の前記内側から離れて前記外側に向けて曲げて、それにより前記第2サイド部分の前記第2エッジに沿って延びる排水チャネルを形成する工程と、
- 前記底部コーナー部材の、その第1エッジからその曲げ部分までの前記第4エッジの長さに対する、前記第2サイド部分の、その第1エッジからその曲げ部分までの前記第4エッジの長さの寸法を決めて、それにより前記底部コーナー部材の前記排水チャネル及び前記第2サイド部分の前記排水チャネルが、前記取り付け状態で互いに連続して延びる工程と、
を含む方法。
【請求項15】
- 前記スカート部材の部分を、前記内側から離れて反対側の外側に向けて曲げてそれにより排水チャネルを形成する工程であって、前記スカート部材の前記曲げ部分は、前記底部コーナー部材の前記曲げ部分に連続して位置するように構成され、好ましくは、前記スカート部材の前記部分を、前記底部コーナー部材の前記部分を曲げるのと同時に曲げる、工程、
を更に含む請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の傾斜屋根におけるルーフウィンドウなどの屋根貫通構造体とともに使用するためのフラッシングアセンブリに関し、傾斜屋根は、傾斜方向を有し且つ屋根カバー要素を含み、屋根貫通構造体は、取り付け状態で傾斜方向を横切って延びるように適合される底部部材及びトップ部材と、取り付け状態で傾斜方向に延びるように適合される第1サイド部材及び第2サイド部材と、を備え、フラッシングアセンブリは、底部フラッシング要素及び少なくとも1つのサイドフラッシング要素を備え、
底部フラッシング要素は:
- 第1シーリング部材部分、第2シーリング部材部分、及び第3シーリング部材部分を含む底部シーリング部材であって、第1シーリング部材部分は、屋根貫通構造体の底部部材に取り付けられ且つ当該底部部材に沿って延びるように構成され、第2シーリング部材部分は、屋根貫通構造体の第1サイド部材に沿って延びるように構成され、第3シーリング部材部分は、屋根貫通構造体の第2サイド部材に沿って延びるように構成される、底部シーリング部材と、
- 底部シーリング部材に取り付けられた第1エッジと、第1エッジから延びる第2エッジ及び第3エッジと、第1エッジの反対側の第4エッジとを有するスカート部材であって、内側が屋根カバー要素に対面して取り付け状態で屋根貫通構造体の下に位置付けられる屋根カバー要素上で傾斜方向に延びるように構成されるスカート部材と、
- 第2シーリング部材部分又は第3シーリング部材部分に取り付けられる第1エッジと、スカート部材に取り付けられる第2エッジと、第1エッジの反対側の第3エッジと、第2エッジの反対側の第4エッジと、を有する底部コーナー部材であって、第1エッジ及び第3エッジは合流して第4エッジにおいてよりも第2エッジにおいての方がそれらの間の距離が大きくなり、底部コーナー部材は、取り付け状態で建物の内部に面するように構成される内側と、内側の反対側の外側と、を有する、底部コーナー部材と、
を備え、
少なくとも1つのサイドフラッシング要素は、
- 屋根から離れる外部方向に屋根貫通構造体のサイド部材に沿って延びるように構成される第1サイド部分と、
- 取り付け状態で屋根の傾斜方向を横切る方向に延びるように、屋根貫通構造体の第1サイド部材に対して角度を持って第1サイド部材から離れて延びる第2サイド部分であって、前記第2サイド部分が、第1サイド部分に沿って延びる第1エッジと、第1サイド部分と反対側の第2エッジと、第1エッジと第2エッジとの間で延びる第3エッジ及び第4エッジと、を有し、第2サイド部分は、取り付け状態で建物の内部に面するように構成される内側と、内側と反対側の外側と、を有する、第2サイド部分と、
を備え、
第2サイド部分の第4エッジが底部コーナー部材の第4エッジに隣り合って延び、サイドフラッシング要素は取り付け状態で底部フラッシング要素の底部コーナー部材とオーバーラップするように構成される。
【0002】
発明は更に、フラッシングアセンブリを製造するための方法に関する。
【背景技術】
【0003】
フラッシングアセンブリは、典型的には、屋根貫通構造体とそれらが取り付けられる屋根との間の接合部をシールするために使用される。この目的のために、底部フラッシング要素が屋根貫通構造体の底部部材に配置され、サイドフラッシング要素がサイド部材に沿って配置され、トップフラッシング部材がトップ部材に配置され、それによってフラッシング要素が一緒になって、屋根貫通構造体を囲むフラッシングフレームを形成する。トップフラッシング部材及び底部フラッシング部材は、サイドフラッシング部材との重なりを提供するために、屋根貫通構造体のサイド部材に配置されたコーナー部材を備えうる。底部フラッシング部材は、例えばタイル、波状プレート又はスレートでありうる屋根カバー要素の外面上に載るように構成されたスカート部材を含み、通常、屋根要素の形状にマッチするように変形される。
【0004】
直立したエッジ部分は、例えば風の影響下で、屋根カバー要素の下に横向きに、すなわち傾斜方向を横切る方向に、入る水を偏向させるように、サイドフラッシング要素上及びコーナー部材上に提供されうる。
【0005】
そのようなフラッシングアセンブリの例はFR2916464に開示されており、今日、ヨーロッパにおける傾斜した屋根に設置される事実上すべてのルーフウィンドウにそのようなフラッシングアセンブリが提供されている。
【0006】
ただし、実際には、比較的小さい傾斜、特に15度未満の傾斜、を有する屋根において又はルーフが特に風にさらされている屋根において、そのようなフラッシングアセンブリが設置されているにもかかわらず、水が屋根構造体内に更に入りうることを示す。
【0007】
したがって、発明の目的は、改善された耐候性を有するフラッシングアセンブリを提供することである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【0009】
この発明の第1の態様によれば、
底部フラッシング要素の底部コーナー部材は、底部コーナー部材の内側から離れて外側に向かって曲げられる曲げ部分であって、底部コーナー部材の第3エッジに沿って延びる排水チャネルを形成する曲げ部分を備え、サイドフラッシング要素の第2サイド部分は、第2サイド部分の内側から離れて外側に向かって曲げられる曲げ部分であって、第2サイド部分の第2エッジに沿って延びる排水チャネルを形成する曲げ部分を備え、底部コーナー部材の、その第1エッジからその曲げ部分までの第4エッジの長さに対する、第2サイド部分の、その第1エッジからその曲げ部分までの第4エッジの長さは、底部コーナー部材の排水チャネル及び第2サイド部分の排水チャネルが、取り付け状態で互いに連続して延び、底部コーナー部材の排水チャネル及び/又は第2サイド部分の排水チャネルは、フラッシング要素のエッジに垂直な断面においてU形状を有し、それに沿ってそれが延びる、ということの導入によるフラッシングアセンブリによってこの目的は満たされる。
【0010】
U形状は、曲げ部分が、第2サイド部分/底部コーナー部材の本体と実質的に平行に、第3エッジ及び第4エッジに垂直に延びる高さ方向にその上方で距離をおいて、延びるセクションを含むことを意味する。取り付け状態において、高さ方向は屋根の平面に垂直に延びる。言い換えれば、第2サイド部分/底部コーナー部材の本体は、そのUの第1脚部を構成し、そのUの第2の脚部は、その上に延在し、第1エッジに向かって戻る。これは、水及び/又は風が底部コーナー部材の第3エッジを通過するリスク又は第2サイド部分の第2エッジを通過するリスクが大幅に減少するので、改善された耐候性を伴う。
【0011】
水が、特定の方向に又は路、例えば底部コーナー部材の下の特定の排水領域に向かう路、において流れるように安全に運ばれるという更なる利点がありうる。
【0012】
更に、排水チャネルのU形状は、従来技術から知られている従来の直立エッジよりも曲げ部分が変形しにくいという利点を有しうる。これは、例えば曲げ部分が意図せずに変形されることでそれが第1エッジから離れて外向きに曲げられ又は平らにされることによって、曲げ部分がその機能を失うリスクが大幅に低減されることを意味する。そのような変形は、例えば、屋根カバー要素の設置中又はメンテナンス作業に関連して発生しうるものであり、そこにおいては誰かがフラッシング要素上に配置された屋根カバー要素を踏む。
【0013】
更に、排水チャネルのU形状は、例えばそれらが強風によって持ち上げられる場合、曲げ部分がわずかに曲がって屋根カバー要素の動きに追随することを可能にしうるものであり、それにより潜在的に耐候性を改善する。
【0014】
少なくとも1つのフラッシング要素の排水チャネルのU形状は、連続的に丸みを帯びていてもよく、3つ以上の直線セクションから構成されていてもよく、又はそれらの組み合わせであってもよい。一実施形態において、そのUの2つの脚部を構成する2つの実質的に平行なサイドセグメントは、サイドセグメントに実質的に垂直である中間セグメントによって接続される。
【0015】
曲げ部分は、U形状の2つの脚部が収束するように、180度を超えて曲げられうる。
【0016】
排水チャネルのサイズは、フラッシングアセンブリによって排水される水の量に依存し、それは、気候帯や屋根貫通構造体のサイズなどの要因に依存する。サイズは、排水チャネルの長さにわたって異なりうる。一実施形態において、底部コーナー部材の排水チャネルは、底部コーナー部材の第3エッジ及び第4エッジに垂直な方向に少なくとも30mmの高さを有する。より大きな高さは、屋根カバー要素間の緊密性及び取り付け状態における屋根貫通構造体の美的特性に悪影響を及ぼし得るので、そのチャネルの高さは、少なくとも35mm、少なくとも40mm、又は少なくとも45mm、好ましくは30mm~45mmであってもよい。
【0017】
曲げ部分は、少なくとも30mmの第3エッジから実質的に垂直に延びる曲げ前の平坦な長さを有してもよい。曲げ部分の平坦な長さは、少なくとも35mm、例えば40mm、45mm、50mm、55mm、60mm、及び65mm、であってもよい。好ましくは、35mm~50mm。
【0018】
排水チャネルは、サイドフラッシング要素の実質的に全長に沿って、及び底部コーナー部材の第3エッジ全体に沿って延びることが現在有利であると考えられている。
【0019】
フラッシングアセンブリは、トップフラッシング要素を更に備えてもよく、また傾斜方向に見られるサイドフラッシング要素の排水チャネルに連続して上方に延びる排水チャネルを形成するU形状の曲げ部分が設けられてもよい。
【0020】
サイドフラッシング要素は、屋根貫通構造体のサイド部材全体に沿って、すなわちトップフラッシング要素から底部フラッシング要素まで、延びるように構成されうるが、屋根貫通構造体のサイド部に沿ってお互いにオーバーラップして連続して配置された2つ以上のより短いサイドフラッシング要素を使用することも可能である。そのようなより短いサイドフラッシング要素は同一であってもよいが、例えばすべての屋根貫通構造体で使用されるベース側フラッシング要素と、一連の補足的なサイドフラッシング要素とを有することも可能であり、当該一連の補足的なサイドフラッシング要素のうちの1つ又は複数は、サイド部材の長さに応じて、より大きな屋根貫通構造体で使用される。
【0021】
底部コーナー部材の、その第1エッジからその曲げ部分までの第4エッジの長さに対する、第2サイド部分の、その第1エッジからその曲げ部分までの第4エッジの長さへの言及は、これらの長さが実質的に等しいが必ずしも同じではないものとして理解されるものである。一実施形態において、第2サイド部分の第4エッジでの長さは、底部コーナー部材の第4エッジでの長さよりもわずかに短く、サイドフラッシング部材が、第2シーリング部材部分又は第3シーリング部材部分と、底部コーナー部材の曲げ部分との間に適合することを可能にする。しかしながら、第2サイド部分の第4エッジでの長さが、底部コーナー部材の第4エッジでの長さと等しいか又はわずかに大きく、それによってサイドフラッシング部材が、第2シーリング部材部分又は第3シーリング部材部分と、底部コーナー部材の曲げ部分との間に挟まれることも有利でありうる。この後者の実施形態は、少なくともサイドフラッシング要素がシート金属などの弾性材料から作られる場合に特に関連する。
【0022】
スカート部材も、外部方向に曲げられる曲げ部分であって、スカート部材の第2エッジ又は第3エッジに沿って延びる排水チャネルを形成する曲げ部分を備えてもよく、第1エッジと平行な方向のスカートの幅は、スカート部材の排水チャネルが、取り付け状態で底部コーナー部材の排水チャネルと連続して延びるようになっていてもよい。
【0023】
これは、排水チャネルによって覆われる領域が増加しうるため、フラッシングアセンブリの耐候性を更に改善するという利点を有しうる。更に、底部コーナー部材の排水チャネルに排出された水は、スカート部材のチャネル内に延びることによって、より効果的に誘導/排出されうる。
【0024】
サイドフラッシング部材から底部コーナー部材を越えてスカート部材への水の排出を容易にするために、底部コーナー部材の第3エッジは、好ましくは、30~60度の第1エッジに対する角度で延びる。その角度は、第3エッジの長さに沿って変化してもよいし、同じであってもよく、それぞれのサイド部材に対して20~70度、30~60度、40~50度、42~48度、又は実質的に45度の大きさを有しうる。
【0025】
フラッシングアセンブリは、トップフラッシング要素を更に備えてもよく、傾斜方向に見られるサイドフラッシング要素の排水チャネルと連続して上方に延びる排水チャネルを形成するU形状曲げ部分が設けられてもよい。
【0026】
一実施形態において、少なくともサイドフラッシング要素及び底部コーナー部材は、金属、好ましくはアルミニウム、で作られる。銅、鋼、亜鉛又は合金も使用されうる。あるいは、したがって、1つ又は複数のフラッシング要素又は部品は、ポリマーから作られうる。スカート部材は、例えば、変形性及び可塑性を提供するためにビチューメン又は同様のポリマーの層を含んでもよく、そして同じ理由で、スカート部材の少なくとも一部は、波形シート材料から作られてもよい。
【0027】
スカート部材は、第2エッジ及び/又は第3エッジで平坦なフランジ部材を含みうる。
【0028】
この開示全体を通して、「平坦」という用語は、スカート部材のフランジ部材が平面であり及び/又は配送の状態で波形ではないこととして理解されうる。それは、平面シート材料に引き伸ばされた波形シート材料の一部分であってもよい。あるいは、フランジ部材は、スカート部材の本体に取り付けられた別個の部材であってもよく、そのような別個のフランジ部材は、例えばゴムなどのスカート部材の本体とは異なる材料から作られてもよい。
【0029】
波形表面とは対照的に平坦な表面は、この部分が屋根カバー要素の間に配置される場合、フランジ部材上に配置された屋根カバー要素がフランジ部材の下の屋根カバー要素に近づくことができるので、有利でありうる。したがって、よりタイトな適合が提供され、それは、低ピッチの屋根及び小さな窓に関連して特に有利である。
【0030】
底部シーリング部材、スカート部材、及び底部コーナー部材のうちの2つ以上が一体で作られてもよい。
【0031】
上記において、底部フラッシング要素は、単一の底部コーナー部材を有する底部フラッシング要素を参照して説明されてきた。これは、屋根貫通構造体が壁や別の屋根貫通構造体などの近くに設置される場合に、有利でありうる。屋根貫通構造体が他のアイテムから離れて屋根に設置される場合、底部フラッシング要素は、実質的に同一であるが鏡面反転された2つの底部コーナー部材を含んでもよく、一の底部コーナー部材の第1エッジは第2シーリング部材部分に取り付けられ、他の底部コーナー部材の第1エッジは、第3シール部材部分に取り付けられる。
【0032】
発明の第2の態様は、第1の態様によるフラッシングアセンブリを製造するための方法に関し、当該方法は、
- 底部シーリング部材、スカート部材及び底部コーナー部材を含む底部フラッシング要素を提供する工程と、
- 第1サイド部分及び第2サイド部分を含む少なくとも1つのサイドフラッシング要素を提供する工程であって、サイドフラッシング要素は、取り付け状態で底部フラッシング要素の底部コーナー部材と重なるように構成される、工程と、
- 底部フラッシング要素の底部コーナー部材の部分を、底部コーナー部材の内側から離れて外側に向けて曲げて、それにより、底部コーナー部材の第3エッジに沿って延びる排水チャネルを形成する工程と、
- サイドフラッシング要素の第2サイド部分の部分を、第2サイド部分の内側から外側に向けて曲げて、それにより、第2サイド部分の第2エッジに沿って延びる排水チャネルを形成する工程と、
- 底部コーナー部材のその第1エッジからその曲げ部分までの第4エッジの長さに対する、第2サイド部分のその第1エッジからその曲げ部分までの第4エッジの長さを決めて、それにより底部コーナー部材の排水チャネル及び第2サイド部分の排水チャネルが取り付け状態でお互いに連続して延びる、工程と、
を含む。
【0033】
このようにして、改善された耐候性を有するフラッシングが作られうる。
【0034】
当該方法は、
- スカート部材の部分を、内側から離れて反対側の外側に向けて曲げ、それにより排水チャネルを形成し、スカート部材の曲げ部分は、底部コーナー部材の曲げ部分と連続して配置されるように構成され、好ましくは底部コーナー部材の部分を曲げるのと同じタイミングでスカート部材の部分を曲げる、工程
を更に含みうる。
【0035】
底部コーナー部材の曲げ部分及びスカートを同じステップで曲げることは、それらの間により耐候性に優れたシールを提供しるものであり、したがってより耐候性に優れたフラッシングアセンブリが提供しうる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
ここでフラッシングアセンブリは、非限定的な例示的な実施形態に基づいて、図面を参照して、より詳細に説明される。
【
図1】
図1は、取り付け状態のフラッシングアセンブリを斜視図で示す。
【
図2】
図2は、底部フラッシング要素の部分的に切り取られた斜視図である。
【
図3】
図3は、
図2の底部フラッシング要素のセクションを別の角度から示す。
【
図4】
図4は、
図2及び
図3の底部フラッシング要素のセクションをさらに別の角度から示しており、フォームストリップが取り外されている。
【
図5】
図5は、サイドフラッシング要素の斜視図である。
【
図6】
図6は、
図5のサイドフラッシング要素を
図4の底部フラッシング要素にどのように接続することができるかを示す斜視図である。
【0037】
ここに記載される様々な実施形態及び図にわたって、同様の参照番号が同様の要素に使用される。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図1においてルーフウィンドウの形態の屋根貫通構造体19が屋根50に取り付けられて示されている。窓は、底部部材17及びトップ部材(図示せず)を相互接続する第1サイド部材16及び第2サイド部材18を備える。屋根50は傾斜方向IDで傾斜しており、タイル状の波状の複数の屋根カバー要素51で覆われている。
【0039】
フラッシングアセンブリ1は、屋根貫通構造体19と屋根50との間の接合部をシールする。それは、屋根貫通構造体の底部部材17に沿って延びる底部フラッシング要素11と、2つのサイドフラッシング要素61とを含み、当該2つのサイドフラッシング要素61のうちの1つのみが
図1で見ることができ、当該2つのサイドフラッシング要素61の各々が、屋根貫通構造体のサイド部材16、18の実質的に全長に沿って延びる。
【0040】
ここで、
図1の底部フラッシング要素11の右手端部を示す
図2及び
図3にも目を向けると、底部フラッシング要素は、レール要素15の形態の第1シーリング部材部分及び第2シーリング部材部分12を有する底部シーリング部材10と、底部コーナー部材20と、スカート部材30とを備える。底部コーナー部材はまた、底部フラッシング要素の反対側の端部にも見られることが理解される。
【0041】
レール要素15の形態の第1シーリング部材部分は、
図1の屋根貫通構造体の底部部材17に取り付けられ、底部部材17に沿って延在し、第2シーリング部材部分12は、屋根貫通構造体の第1サイド部材16に沿って上方に延在する。第3シーリング部材部分は、図には示されていないが、屋根貫通構造体の第2サイド部材18に沿って延在し、前記第3シーリング部材部分は、鏡面反転されていることを除いて、第2シーリング部材部分12と同一であることが理解されよう。
【0042】
スカート部材30は、当業者に周知の方法で、第1エッジ31に沿ってレール要素15に沿って取り付けられる。
【0043】
底部コーナー部材20は、本体21と、取り付け状態で傾斜方向IDに延在する第1エッジ22と、第2エッジ23と、第3エッジ24と、第4エッジ27と、曲げ部分25とを備える。更に、それは、本体21において曲げ体の形態の隆起セクション13と、くさび形フォームストリップ14とを含み、両方とも第1エッジと平行に延びる。
【0044】
第1エッジ22は、第2シーリング部材部分12に沿って延在し、第2シーリング部材部分12に接続され、第2シーリング部材部分12は、ここでは、底部コーナー部材本体21と一体に形成される。
【0045】
曲げ部分25は、
図2及び
図3において下向きである底部コーナー部材20の内側から離れて延在し、本体21の外側に向かって曲げられ、それにより、第3エッジ24に沿って延びるU形状の排水チャネル26を形成する。換言すれば、底部コーナー要素の第3エッジ24が第1エッジ22と平行ではないため、U形状の開口部が、スカート部材30及び第2シーリング部材部分12の方を向く。
【0046】
排水チャネル26は、本体21から外部に向かって、すなわち底部コーナー部材の第3エッジ及び第4エッジに垂直な方向に、測定された高さhを有する。そのチャネル高さh、つまりU形状の2つの脚部の間のギャップは、ここでは30mmである。他の実施形態において、そのチャネル高さhは、30mm未満、例えば28mm、26mm、24mm、22mm以下、又は30mmを超える、例えば32mm、34mm、36mm、38mm以上、であってもよい。曲げる前の曲げ部分25の平坦長さは、ここでは、30mmのチャネル高さに対応するために45mmであるが、排水チャネル26の形状又は曲率が異なる場合には異なりうる。
【0047】
この実施形態において、スカート部材30は、エッジ32で相互接続される本体35及び第1フランジ部材40を含む。第1フランジ部材40は、更に、底部コーナー部材20の第2エッジ23に接続されているが、スカート部材の本体は、底部コーナー部材20の第3エッジ24までずっと延びることができることが理解される。
【0048】
スカート部材30は、
図1に見られうるように、底部コーナー部材20の反対側の端部においてエッジ33で本体に接続された第2フランジ部材41を更に備える。第2フランジ部材41は、第1フランジ部材40が第1底部コーナー部材20に接続されるのと同様の方法で、第2の底部コーナー部材(図示せず)に接続される。第2フランジ部材41は、鏡面反転されていることを除いて、第1フランジ部材40と同一である。
【0049】
第1フランジ部材40は曲げ部分45を備え、当該曲げ部分45は、第1底部コーナー部材20の曲げ部分25に続いて延びる。曲げ部分45は、底部コーナー部材20の曲げ部分25と実質的に同じ形状及びサイズであり、したがって、U形状の排水チャネル26の延長として機能する。第2フランジ部材41は、同様に曲げ部分46を備え、当該曲げ部分46は、第2フランジ部材41のエッジに沿って延びる。
【0050】
フランジ部材40、41は平坦材料から作製され、当該平坦材料はタイル51の形状に従って容易に形成され、したがってフランジ部材40、41の上に載っているタイルは、それの下のタイルに近づけられる。フランジ部材40、41は、それが起伏のある屋根カバー要素51の上方で延在できるように広がりうる。
図1に見られるように、屋根カバー要素51は、フランジ部材曲げ部分45、46の部分をわずかに変形させることができ、それにもかかわらず、フランジ部材曲げ部分45、46の各々が、それぞれのチャネル26内に延びるフランジ部材チャネルを提供する。
【0051】
スカート部材30は更に、傾斜方向IDに見た場合にルーフウィンドウ19の下方の屋根カバー要素51の上に載る第4エッジ34を有し、本体35は、第1エッジ31と第4エッジ34との間に延びるラインに沿って折られることによって波形にされる。その波形は、
図1に示されるように、屋根カバー要素51の形状にマッチするような変形を容易にする。
【0052】
図4は、フォームストリップ14が取り外されている、更に別の角度からの底部フラッシング要素を示している。フォームストリップは、当業者によく知られている方法で、屋根カバー要素51と底部コーナー部材20との間の可能なギャップを閉じるのに役立ち、したがって更に詳細には説明されない。
【0053】
図5は、サイドフラッシング要素61を示し、当該サイドフラッシング要素61は
図1に示されるよりもかなり短い。一連のそのような短サイドフラッシング要素は、屋根貫通構造体19のサイド部材16の長さに沿って互いに連続して使用されてもよく、又は
図5の線A-Aの下に位置するサイドフラッシング要素のセクションが、サイド部材の長さにマッチするように単純により長くされてもよい。
【0054】
サイドフラッシング部材61は、
図1に示すように取り付け状態で屋根貫通構造体19のサイド部材16に取り付けられる第1サイド部分62と、 屋根50の傾斜方向IDを横切る方向に第1サイド部材から離れるように角度が付けられて延びる第2サイド部分60と、を備える。
【0055】
底部コーナー部材20に関して上述したように、サイドフラッシング要素61の第2サイド部分60はまた、内側から外側に向かって曲げられ且つ排水チャネル66を形成する曲げ部分65を備え、排水チャネル66は、第1サイド部分の反対側の第2サイド部分のエッジに沿って延びる。サイドフラッシング部材の曲げ部分65はU形状であり、底部フラッシング要素11の曲げ部分25と実質的に同じ形状及びサイズを有する。
【0056】
図6は、底部フラッシング部材11とサイドフラッシング部材61とを、破線の矢印で示すようにサイドフラッシング部材をシフトさせることによりお互いにオーバーラップ係合で配置することができる方法を示している。これにより、サイドフラッシング要素61の第2サイド部分の第4エッジ67が、底部コーナー部材20の第4エッジ27に隣接して、その本体21上に配置される。
【0057】
見られるように、第2サイド部分の第4エッジ67は、第1エッジ22から曲げ部分25まで測定された底部コーナー部材20の第4エッジ27と実質的に同じ長さを有する。これは、底部コーナー部材の排水チャネル26と第2サイド部分の排水チャネル66とが、取り付け状態で互いに連続して延在し、それにより1つの連続した排水チャネルを形成することを意味する。スカート部材30にも、図に示すように排水チャネルを形成する曲げ部分45が設けられる場合、3つの別個のセクションからなる1つの連続した排水チャネルが形成される。
【0058】
更に、
図6において破線矢印で示されるように、サイドフラッシング部材61を底部フラッシング要素11とオーバーラップ係合するようにシフトすることにより、第1サイド部分62と第2シール部材部分12とが互いに密接に隣接して配置されることになる。したがって、サイドフラッシング要素61は、底部フラッシング要素の曲げ部分25と第2シーリング部材部分12との間に保持される。この保持は、第2サイド部分60をわずかに大きくして、それが底部コーナー部材によってプレス状態に保たれるようにすることで、強化されうる。
【0059】
この実施形態において、サイドフラッシング要素61と底部コーナー部材20の両方が隆起セクション13を有し、当該隆起セクション13は、当業者に知られているやり方で底部フラッシング要素11に対してサイドフラッシング要素を案内及び保持するのに寄与する。隆起セクション13は更に、第1サイド部分62及び第2シーリング部材部分12に沿って下向きに流れる水が、例えば風の影響下で、傾斜方向を横切って横方向に移動するのを防いで、それにより排水チャネルに対する水負荷を潜在的に低減するのに役立つ。
【0060】
ここで第2シーリング部材部分12は折り畳みセクション121を有し、当該折り畳みセクション121は、折り畳みセクションに挿入される第1サイド部分622によって、底部フラッシング要素11に対してサイドフラッシング要素を案内及び保持するのに寄与する。同様の折り畳みセクション621が、他のサイドフラッシング要素(図示せず)又はトップフラッシング要素(図示せず)と係合するためにサイドフラッシング要素61に見られる。
【0061】
更に相互固定のために、底部フラッシング要素11とサイドフラッシング要素61の両方にタブ28、64が設けられ、当該タブ28、64は、別のフラッシング要素の上で折り畳まれるように適応されて、それによって2つの要素の相互固定に寄与する。
【0062】
2つのフラッシング要素を互いに対して誘導及び固定するためのこれらの異なる手段の組み合わせは、単純ではあるが信頼できる相互接続を提供し、それはフラッシング要素が取り付け状態でわずかに移動することを可能にして、それによりそれらが例えば熱膨張を補償しうる。ただし、相互の誘導と固定のために他の手段を使用することも可能である。
【国際調査報告】