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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-30
(54)【発明の名称】オーラルケア組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/19 20060101AFI20220623BHJP
   A61K 8/64 20060101ALI20220623BHJP
   A61Q 11/00 20060101ALI20220623BHJP
【FI】
A61K8/19
A61K8/64
A61Q11/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021561913
(86)(22)【出願日】2020-04-22
(85)【翻訳文提出日】2021-10-18
(86)【国際出願番号】 US2020029363
(87)【国際公開番号】W WO2020223082
(87)【国際公開日】2020-11-05
(31)【優先権主張番号】62/840,229
(32)【優先日】2019-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/704,911
(32)【優先日】2019-12-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505338419
【氏名又は名称】サンスター アメリカス インク
【氏名又は名称原語表記】SUNSTAR AMERICAS, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100133765
【弁理士】
【氏名又は名称】中田 尚志
(72)【発明者】
【氏名】橋本 佳奈
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 徹
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AB172
4C083AB242
4C083AB282
4C083AB311
4C083AB312
4C083AB352
4C083AB412
4C083AB472
4C083AC122
4C083AC132
4C083AC242
4C083AC302
4C083AC342
4C083AC432
4C083AC442
4C083AC532
4C083AC712
4C083AC782
4C083AC862
4C083AD042
4C083AD212
4C083AD262
4C083AD282
4C083AD352
4C083AD411
4C083AD412
4C083AD432
4C083BB01
4C083BB21
4C083BB41
4C083CC41
4C083CC42
4C083DD15
4C083DD31
4C083DD41
4C083EE36
(57)【要約】
ベース配合物、炭酸水素ナトリウム、及びナイシンを含むオーラルケア組成物であって、オーラルケア組成物は、炭酸水素ナトリウム又はナイシンを単独で含むベース配合物よりも効果的に歯の表面からバイオフィルムを除去する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
歯の洗浄を補助するオーラルケア組成物であって、
少なくとも15重量%の炭酸水素ナトリウム、及び少なくとも0.000375重量%のナイシンを含み、炭酸水素ナトリウムのナイシンに対する比は、少なくとも500対1であり、200,000対1を超えない、
組成物。
【請求項2】
15重量%~75重量%の炭酸水素ナトリウム、及び0.000375重量%~0.03重量%のナイシンを含む、請求項1に記載のオーラルケア組成物。
【請求項3】
51重量%~75重量%の炭酸水素ナトリウム、及び0.000375重量%~0.03重量%のナイシンを含む、請求項1に記載のオーラルケア組成物。
【請求項4】
15重量%~51重量%の炭酸水素ナトリウム、及び0.000375重量%~0.03重量%のナイシンを含む、請求項1に記載のオーラルケア組成物。
【請求項5】
0.03重量%以下のナイシンを含む、請求項1に記載のオーラルケア組成物。
【請求項6】
75重量%以下の炭酸水素ナトリウムを含む、請求項1に記載のオーラルケア組成物。
【請求項7】
0.000375重量%~0.03重量%のナイシンを含む、請求項1に記載のオーラルケア組成物。
【請求項8】
0.0015重量%~0.015重量%のナイシンを含む、請求項1に記載のオーラルケア組成物。
【請求項9】
0.003重量%~0.015重量%のナイシンを含む、請求項1に記載のオーラルケア組成物。
【請求項10】
前記ナイシンの濃度が、0.003重量%であり、前記炭酸水素ナトリウムの濃度が51重量%である、請求項1に記載のオーラルケア組成物。
【請求項11】
界面活性剤、鎮静剤、脱感作剤、香味剤、甘味剤、保水剤、着色剤、磨き剤、研磨剤、抗菌剤、バインダー、増粘剤、フッ化物、保存料、及び水のうちの1又は複数を含む、請求項1に記載のオーラルケア組成物。
【請求項12】
歯を処理する方法であって、
少なくとも15重量%の炭酸水素ナトリウム、及び少なくとも0.000375重量%のナイシンを含み、炭酸水素ナトリウムのナイシンに対する比が、少なくとも500対1であり、200,000対1を超えないオーラルケア組成物を、歯の表面に適用することを含む、方法。
【請求項13】
前記組成物が、15重量%~75重量%の炭酸水素ナトリウム、及び0.000375重量%~0.03重量%のナイシンを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記組成物が、0.000375重量%~0.03重量%のナイシンを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
ベース配合物、炭酸水素ナトリウム、及びナイシンを含むオーラルケア組成物であって、前記オーラルケア組成物は、前記炭酸水素ナトリウム又は前記ナイシンを単独で含む前記ベース配合物よりも効果的に歯の表面からバイオフィルムを除去する、オーラルケア組成物。
【請求項16】
炭酸水素ナトリウムのナイシンに対する比が、少なくとも500対1であり、炭酸水素ナトリウムのナイシンに対する前記比が、200,000対1を超えない、請求項15に記載のオーラルケア組成物。
【請求項17】
炭酸水素ナトリウムのナイシンに対する前記比が、1000対1~25000対1の範囲内である、請求項15に記載のオーラルケア組成物。
【請求項18】
炭酸水素ナトリウムのナイシンに対する前記比が、2500対1~17000対1の範囲内である、請求項15に記載のオーラルケア組成物。
【請求項19】
炭酸水素ナトリウムのナイシンに対する前記比が、3400対1~17000対1の範囲内である、請求項15に記載のオーラルケア組成物。
【請求項20】
炭酸水素ナトリウムのナイシンに対する前記比が、3400対1である、請求項15に記載のオーラルケア組成物。
【請求項21】
前記オーラルケア組成物が、界面活性剤、鎮静剤、脱感作剤、香味剤、甘味剤、保水剤、着色剤、磨き剤、研磨剤、抗菌剤、バインダー、増粘剤、フッ化物、保存料、及び水のうちの1又は複数を含む、請求項15に記載のオーラルケア組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年4月29日に出願された米国特許仮出願第62/840,229号の優先権を主張するものである。本出願はまた、2019年4月29日に出願された米国特許仮出願第62/840,229号の利益及び優先権を主張するものである2019年12月5日に出願された米国特許出願第16/704,911号の優先権を主張するものでもあり、これらの特許出願はいずれも参照により本明細書に援用される。
【背景技術】
【0002】
本発明は、少なくとも練り歯磨き、マウスウォッシュ、ジェル、チューインガム、及びロゼンジのためのオーラルケア組成物に関する。
【発明の概要】
【0003】
1つの実施形態は、炭酸水素ナトリウム又はナイシンのいずれか単独の場合よりも効果的に歯の表面からバイオフィルムを除去するために0.0重量%超の炭酸水素ナトリウム、及び0.0重量%超のナイシンを含む、歯の洗浄を補助するオーラルケア組成物を開示する。
【0004】
別の実施形態は、オーラルケア組成物を歯の表面に適用することを含む、歯を処理する方法を開示する。組成物は、炭酸水素ナトリウム又はナイシンのいずれか単独の場合よりも効果的に歯の表面からバイオフィルムを除去するために0.0重量%超の炭酸水素ナトリウム、及び0.0重量%超のナイシンを含む。
【0005】
別の実施形態は、歯の洗浄を補助するオーラルケア組成物を開示し、オーラルケア組成物は、少なくとも15重量%の炭酸水素ナトリウム、及び少なくとも0.000375重量%のナイシンを含み、炭酸水素ナトリウムのナイシンに対する比は、少なくとも500対1であり、200,000対1を超えない。
【0006】
別の実施形態は、オーラルケア組成物を歯の表面に適用することを含む、歯を処理する方法を開示する。組成物は、少なくとも15重量%の炭酸水素ナトリウム、及び少なくとも0.000375重量%のナイシンを含み、炭酸水素ナトリウムのナイシンに対する比は、少なくとも500対1であり、200,000対1を超えない。
【0007】
ベース配合物、炭酸水素ナトリウム、及びナイシンを含むオーラルケア組成物であって、オーラルケア組成物は、炭酸水素ナトリウム又はナイシンを単独で含むベース配合物よりも効果的に歯の表面からバイオフィルムを除去する。
【0008】
本発明の他の態様は、詳細な記述及び添付の図面の考察によって明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実験1の結果をグラフで示す。
図2図2は、実験2の結果をグラフで示しており、サンプル溶液番号10~13は、0.0重量%のナイシン及び様々な濃度の炭酸水素ナトリウムを含む。
図3図3は、実験2の結果をグラフで示しており、サンプル溶液番号14~22は、様々な濃度のナイシン及び0.0重量%の炭酸水素ナトリウムを含む。
図4図4は、実験2の結果をグラフで示しており、サンプル溶液番号23~32は、様々な濃度のナイシン及び15.0重量%の炭酸水素ナトリウムを含む。
図5図5は、実験2の結果をグラフで示しており、サンプル溶液番号33~42は、様々な濃度のナイシン及び51.0重量%の炭酸水素ナトリウムを含む。
図6図6は、実験2の結果をグラフで示しており、サンプル溶液番号43~52は、様々な濃度のナイシン及び75.0重量%の炭酸水素ナトリウムを含む。
図7図7は、実験2の結果をグラフで示しており、サンプル溶液番号53~62は、様々な濃度のナイシン及び90.0重量%の炭酸水素ナトリウムを含む。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の適用が、以下の記述及び図面に示される詳細事項に限定されるものではないことは理解されたい。
バイオフィルムを除去しその形成を防止することが、口腔の健康状態を維持するために重要である。バイオフィルムは、歯の表面に付着する粘液性ののり状物質を分泌する複数種の細菌から構成され得る。バイオフィルムを除去するための最も効率的な対策は、歯ブラシによって機械的にこすることである。しかし、歯間腔又は歯肉ポケットなどの届きにくい領域を効果的に機械的にこすることは困難である。オーラル組成物の1つの実施形態は(例:練り歯磨き、歯磨剤、ジェル、マウスウォッシュ、ロゼンジなど)、炭酸水素ナトリウム及びナイシンを含む。炭酸水素ナトリウムとナイシンとは、一緒になってプラークを効果的に除去する。炭酸水素ナトリウムは、抗プラーク(抗バイオフィルム)成分及び抗歯石成分として、オーラルケアで広く用いられている。ナイシンは、オーラルケア技術において殺菌剤として用いられており、その抗菌効果のために、食品産業では保存剤として用いられている。また、オーラルケアにおいて、ナイシンを用いてバイオフィルムを予防又は低減するという研究報告もある。炭酸水素ナトリウム及びナイシンは、オーラルケア組成物において一緒に用いられると、これらの2つの成分の一方だけの場合よりも効果的にプラークを除去する。
【0011】
オーラルケア組成物は、所望に応じて、界面活性剤、鎮静剤又は脱感作剤、香味剤、甘味剤、保水剤、着色剤、追加の磨き剤又は研磨剤、追加の抗菌剤、バインダー、又は増粘剤、フッ化物、保存料、及び水を含んでよい。
【0012】
1つの態様では、本開示は、ベース配合物、炭酸水素ナトリウム、及びナイシンを含むオーラルケア組成物を提供し、オーラルケア組成物は、炭酸水素ナトリウム又はナイシンを単独で含むベース配合物よりも効果的に歯の表面からバイオフィルムを除去する。「ベース配合物」の用語は、本明細書で述べるオーラルケア原材料の少なくとも1つを含むが、炭酸水素ナトリウム又はナイシンは含まない配合物を意味する。例えば、ベース配合物は、炭酸水素ナトリウム及びナイシンがベース配合物中に存在しないこと以外は、オーラルケア組成物と同じ組成を有し得る。同じ試験条件下において、本明細書で述べるオーラルケア組成物は、ベース配合物、炭酸水素ナトリウムを単独で含むベース配合物、及びナイシンを単独で含むベース配合物よりも、歯の表面からのバイオフィルムの除去において高い効果を実現することができる。
【0013】
さらに、本明細書で考察するオーラルケア組成物は、適切ないかなる方法によって製造されてもよい。
【実施例
【0014】
実験1
実験1では、実験室で作製したバイオフィルムを、表1に示したオーラルケア溶液の異なるサンプルで処理した。
【0015】
まず、ストレプトコッカスミュータンス(「Sミュータンス」)の溶液を、ブレインハートインフュージョン(「BHI」)培地中、嫌気的条件下、摂氏37度で一晩培養した。次に、Sミュータンス溶液を、0.5%スクロースと共にBHI培地で希釈して、細菌数を10cfu/mlに調節した。この工程により、Sミュータンス濃度が各サンプルにおいて一定となることを確保する。次に、得られたSミュータンス溶液の200μLを、96ウェルのポリスチレンマイクロプレートに注入し、嫌気的条件下、摂氏37度で24時間培養して、バイオフィルムを形成した。各ウェル中のバイオフィルムを、リン酸緩衝生理食塩水(「PBS」)で1回洗浄した。次に、各ウェル中のバイオフィルムを、以下の表1に挙げたそれぞれのサンプル溶液1~9に10分間曝露し、続いて、曝露済みバイオフィルムを、各々PBSで3回洗浄した。以下の表に示されるように、各サンプルは、異なる濃度の炭酸水素ナトリウム及びナイシンを有している。最後に、曝露済みバイオフィルムのウェルを、200μLの1NのNaOHで溶解し、それぞれのウェル中のバイオフィルムを除去する各溶液の効果を、UV-可視分光分析による550nmの波長での光学密度(OD550)を用いて測定した。
【0016】
【表1】
【0017】
表1に示されるように、各サンプルは、指定された重量濃度の炭酸水素ナトリウム及びナイシンを有している。サンプルをバイオフィルムに適用すると、バイオフィルムが減少する結果となった。バイオフィルム除去率のパーセントは、サンプルをバイオフィルムに適用した結果としてのバイオフィルムの減少を表す。実験1からの結果を、図1にグラフの形で提示しており、これは、炭酸水素ナトリウム及びナイシンの両方を含むサンプルが、炭酸水素ナトリウム及びナイシンの一方だけを含むサンプルよりもバイオフィルムの除去に有効であることを示している。
【0018】
実験1は、表1に報告する濃度を有する水溶液を用いて行った。開示される組み合わせを用いた実際のオーラルケア製品では、濃度は、特定のオーラルケア製品に応じて様々であってよい。例えば、オーラルケア組成物が練り歯磨きである場合、練り歯磨きは、ユーザーによる使用時に唾液によって約1/2~1/5にも希釈されることから、表1に報告する炭酸水素ナトリウム及びナイシンの濃度は、高められてもよい。別の選択肢として、オーラルケア組成物がジェル又はマウスウォッシュである場合、それは練り歯磨きの場合ほど使用時に希釈されないであろうことから、炭酸水素ナトリウム及びナイシンの濃度は、表1に報告する濃度により近いままであってもよい。オーラルケア組成物の種類に関わらず、炭酸水素ナトリウムとナイシンとの間の比は、実験で示した比と同様であると考えられる。本発明を、ある特定の好ましい実施形態を参照して詳細に記載してきたが、本発明の範囲及び趣旨の中で、変更及び改変は存在する。
【0019】
実験2
実験2でも、実験室で作製したバイオフィルムを、表2~7に示したオーラルケア溶液の異なるサンプルで処理した。
【0020】
実験のセットアップは、少しの相違を除いて実験1のセットアップと同じである。まず、ストレプトコッカスミュータンス(「Sミュータンス」)の溶液を、ブレインハートインフュージョン(「BHI」)培地中、嫌気的条件下、摂氏37度で一晩培養した。次に、Sミュータンス溶液を、0.5%スクロースと共にBHI培地で希釈して、細菌数を10cfu/mlに調節した。この工程により、Sミュータンス濃度が各サンプルにおいて一定となることを確保する。次に、得られたSミュータンス溶液の200μLを、96ウェルのポリスチレンマイクロプレートに注入し、嫌気的条件下、摂氏37度で24時間培養して、バイオフィルムを形成した。各ウェル中のバイオフィルムを、脱イオン水(「DI」)で1回洗浄した。次に、サンプル溶液をDI水で1/3に希釈した。この工程は、使用時にユーザーの唾液で溶液が希釈されることを模倣している。次に、各ウェル中のバイオフィルムを、以下の表2~7に挙げたそれぞれのサンプル溶液に10分間曝露し、続いて、曝露済みバイオフィルムを、各々DI水で3回洗浄した。以下の表2~7に示されるように、サンプル10~62の各々は、異なる濃度の炭酸水素ナトリウム及びナイシンを有している。最後に、曝露済みバイオフィルムのウェルを、200μLの1NのNaOHで溶解し、それぞれのウェル中のバイオフィルムを除去する各溶液の効果を、UV-可視分光分析による550nmの波長での光学密度OD550を用いて測定した。
【0021】
【表2】
【0022】
【表3】
【0023】
【表4】
【0024】
【表5】
【0025】
【表6】
【0026】
【表7】
【0027】
表2~7に示されるように、各サンプルは、指定された重量濃度の炭酸水素ナトリウム及びナイシンを有している。サンプルをバイオフィルムに適用すると、バイオフィルムが減少する結果となった。バイオフィルム除去のパーセントは、サンプルをバイオフィルムに適用した結果としてのバイオフィルムの減少を表す。実験2からの結果を、図2~7にグラフの形で提示する。図4~7に示されるように、炭酸水素ナトリウム及びナイシンの両方を含むサンプルが、炭酸水素ナトリウム及びナイシンの一方だけを含むサンプルよりもバイオフィルムの除去に有効である。特に、ナイシンの濃度を0.000375重量%~0.03重量%の範囲とし、炭酸水素ナトリウムの濃度を15重量%~90重量%の範囲とした場合、ナイシンの濃度を0.0015重量%~0.015重量%の範囲とし、炭酸水素ナトリウムの濃度を15重量%~75重量%の範囲とした場合、及びナイシンの濃度を0.003重量%~0.015重量%の範囲とし、炭酸水素ナトリウムの濃度を15重量%~75重量%の範囲とした場合に、より向上された結果が見られ得る。1つの好ましい実施形態では、ナイシンの濃度は、0.003重量%であってよく、炭酸水素ナトリウムの濃度は、51重量%であってよい。
【0028】
実験2は、表2~7に報告する濃度を有する水溶液を用いて行った。開示される組み合わせを用いた実際のオーラルケア製品では、濃度は、特定のオーラルケア製品に応じて様々であってよい。オーラルケア組成物の種類に関わらず、炭酸水素ナトリウムとナイシンとの間の比は、実験で示した比と同様であると考えられる。すなわち、炭酸水素ナトリウムのナイシンに対する比は、500対1の比(例:15重量%の炭酸水素ナトリウム対0.03重量%のナイシン)~200,000対1の比(例:75重量%の炭酸水素ナトリウム対0.000375重量%のナイシン)の範囲内であってよい。より具体的には、炭酸水素ナトリウムのナイシンに対する比は、1000対1~25000対1、2500対1~17000対1、又は3400対1~17000対1の範囲内であってよい。1つの実施形態では、例えば、炭酸水素ナトリウムのナイシンに対する比は、5000対1であってよい。別の実施形態では、例えば、炭酸水素ナトリウムのナイシンに対する比は、3400対1であってよい。
【0029】
練り歯磨きのための例示的な配合物を以下の表に示す。
【0030】
【表8】
【0031】
【表9】
【0032】
【表10】
【0033】
【表11】
【0034】
【表12】
【0035】
ジェルのための例示的な配合物を以下の表に示す。
【0036】
【表13】
【0037】
【表14】
【0038】
【表15】
【0039】
義歯クレンザー用オーラルタブレットのための例示的な配合物を以下の表に示す。
【0040】
【表16】
【0041】
チュアブルオーラルクレンジングタブレットのための例示的な配合物を以下の表に示す。
【0042】
【表17】
【0043】
【表18】
【0044】
うがい用の発泡タブレットのための例示的な配合物を以下の表に示す。
【0045】
【表19】
【0046】
チューインガムのための例示的な配合物を以下の表に示す。
【0047】
【表20】
【0048】
【表21】
【0049】
本発明を、ある特定の好ましい実施形態を参照して詳細に記載してきたが、本発明の範囲及び趣旨の中で、変更及び改変は存在する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】