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特表2022-530616能動非放散クランプ回路を備える電力コンバーターおよびそれぞれの制御装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-30
(54)【発明の名称】能動非放散クランプ回路を備える電力コンバーターおよびそれぞれの制御装置
(51)【国際特許分類】
   H02M 3/28 20060101AFI20220623BHJP
【FI】
H02M3/28 H
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021562879
(86)(22)【出願日】2019-12-12
(85)【翻訳文提出日】2021-11-09
(86)【国際出願番号】 US2019065912
(87)【国際公開番号】W WO2020219116
(87)【国際公開日】2020-10-29
(31)【優先権主張番号】62/838,227
(32)【優先日】2019-04-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】501315784
【氏名又は名称】パワー・インテグレーションズ・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100100181
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 正博
(72)【発明者】
【氏名】オデル アーサー ビー
(72)【発明者】
【氏名】ダヴンジャク ラジコ
【テーマコード(参考)】
5H730
【Fターム(参考)】
5H730AA14
5H730AS01
5H730BB23
5H730CC01
5H730DD03
5H730DD42
5H730EE07
5H730EE13
5H730FD01
5H730FD11
5H730FD21
5H730FD31
5H730FD41
5H730FG05
(57)【要約】
電力コンバーターのための制御装置(100)。制御装置は、電力コンバーターの入力電圧(VIN)を表す入力ライン電圧検出信号(149)を受信するように結合された制御回路を備える。制御回路は、電力コンバーターの出力を表す要求信号(135)に応答して制御信号を生成するように構成されている。制御信号は、入力ライン電圧検出信号(149)に応答してクランプスイッチ(108)のオン切り替えの後に電力スイッチ(SI)をオンに切り替えるための遅延期間を表す。制御回路は、クランプドライバを制御するためのクランプ駆動信号を更に生成し得、駆動回路が、電力コンバーターの入力から電力コンバーターの出力にエネルギーを伝達するように電力スイッチを制御するための駆動信号を生成するように構成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力コンバーターにおける使用のために構成された制御装置であって、前記制御装置が、
前記電力コンバーターの入力電圧を表す入力ライン電圧検出信号を受信するように結合された制御回路であって、前記制御回路が、前記電力コンバーターの出力を表す要求信号に応答して制御信号を生成するように構成されており、前記制御信号が、前記入力ライン電圧検出信号に応答した、クランプスイッチのオン切り替えの後に電力スイッチをオンに切り替えるための遅延期間を表し、前記制御回路が、クランプドライバを制御するためのクランプ駆動信号を生成するように更に構成された、前記制御回路と、
前記電力コンバーターの入力から前記電力コンバーターの前記出力にエネルギーを伝達するように前記電力スイッチを制御するための駆動信号を生成するように構成された駆動回路と、
を備える、制御装置。
【請求項2】
前記制御回路が、
前記要求信号に応答して有効化信号を生成するように構成された有効化回路と、
前記有効化信号に応答して前記クランプスイッチをオンに切り替えるための前記クランプ駆動信号を生成するように構成された単安定マルチバイブレーターであって、前記単安定マルチバイブレーターが、第1の持続期間にわたってパルスを出力するように構成されており、前記第1の持続期間が、前記電力スイッチをオンに切り替えるという判定に応答して前記電力スイッチのオフ期間の終了付近から始まる、前記単安定マルチバイブレーターと、
を備える、
請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記制御回路が、前記単安定マルチバイブレーターに結合されたフリップフロップを更に備え、前記フリップフロップが、前記クランプ駆動信号に応答して第1の論理状態を生成するように構成された、
請求項2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記制御回路が、前記電力スイッチがオンに切り替えられる前に前記電力スイッチの寄生容量をエネルギー伝達要素に放電するために、クランプコンデンサに蓄積された電荷を前記エネルギー伝達要素に注入するように前記クランプドライバを制御するように更に構成された、
請求項1に記載の制御装置。
【請求項5】
前記制御回路が、前記電力スイッチがオンに切り替えられる前に前記電力スイッチの寄生容量がエネルギー伝達要素に放電させられるための十分な期間を提供するために、前記電力スイッチのオン切り替えを遅延させるように構成された遅延回路を更に備える、
請求項2に記載の制御装置。
【請求項6】
前記遅延回路が、
第1の動作モード信号により制御される第1のスイッチと、
前記第1のスイッチに結合された第1の遅延回路であって、前記第1の遅延回路が、第1の遅延期間の後に前記制御信号を出力するように構成された、前記第1の遅延回路と、
第2の動作モード信号により制御される第2のスイッチと、
前記第2のスイッチに結合された第2の遅延回路であって、前記第2の遅延回路が、第2の遅延期間の後に前記制御信号を出力するように構成されており、前記第2の遅延期間が、前記第1の遅延期間より長い、前記第2の遅延回路と、
を備える、
請求項5に記載の制御装置。
【請求項7】
前記制御回路が、
前記入力ライン電圧検出信号が連続伝導モード(CCM)閾値未満であるか否かを判定するように構成された第1の比較器と、
前記入力ライン電圧検出信号が不連続伝導モード(DCM)閾値より大きいか否かを判定するように構成された第2の比較器と、
前記第1の比較器の出力に結合されたセット入力を含むセット・リセット(SR)ラッチであって、前記SRラッチが、前記第2の比較器の出力に結合されたリセット入力を含むように更に結合されており、前記SRラッチが、前記第1の動作モード信号を出力するように構成されており、前記SRラッチが、前記第2の動作モード信号を出力するように更に構成された、前記SRラッチと、
を更に備える、
請求項6に記載の制御装置。
【請求項8】
前記第1の動作モード信号が、前記電力コンバーターのDCM動作を表す、
請求項7に記載の制御装置。
【請求項9】
前記第2の動作モード信号が、前記電力コンバーターのCCM動作を表す、
請求項7に記載の制御装置。
【請求項10】
電力コンバーターであって、
前記電力コンバーターの入力と前記電力コンバーターの出力との間に結合されたエネルギー伝達要素と、
前記エネルギー伝達要素に結合された電力スイッチと、
前記エネルギー伝達要素と前記電力スイッチとに結合されたクランプドライバと、
前記クランプドライバと前記電力スイッチとに結合された一次制御装置と、
を備え、
前記一次制御装置が、
前記電力コンバーターの出力を表す要求信号に応答して制御信号を生成するように構成された制御回路であって、前記制御信号が、入力ライン電圧検出信号に応答して、クランプスイッチのオン切り替えの後に前記電力スイッチをオンに切り替えるための複数の動作モードのうちの1つを選択し、前記制御回路が、前記クランプドライバを制御するためにクランプ駆動信号を生成するように更に構成された、前記制御回路と、
前記電力コンバーターの前記入力から前記電力コンバーターの前記出力にエネルギーを伝達するように前記電力スイッチを制御するための駆動信号を生成するように構成された駆動回路と、
を備える、
電力コンバーター。
【請求項11】
前記クランプドライバが、前記クランプスイッチに結合されたクランプコンデンサを備え、前記クランプコンデンサが、前記クランプ駆動信号に応答して前記クランプスイッチを通して前記エネルギー伝達要素の一次巻線に注入される電荷を蓄積するように結合された、
請求項10に記載の電力コンバーター。
【請求項12】
前記エネルギー伝達要素が、前記クランプドライバと前記一次巻線との間の励磁インダクタンスと漏れインダクタンスとを更に備える、
請求項11に記載の電力コンバーター。
【請求項13】
前記複数の動作モードが、第1の動作モードと第2の動作モードとを含み、前記第1の動作モードが、連続伝導モード(CCM)であり、前記第2の動作モードが、不連続伝導モード(DCM)である、
請求項12に記載の電力コンバーター。
【請求項14】
前記エネルギー伝達要素の前記漏れインダクタンスが、前記クランプスイッチのオン切り替えに応答して、前記電力スイッチのドレイン・ソース電圧を実質的にゼロまで低下させる、
請求項12に記載の電力コンバーター。
【請求項15】
前記エネルギー伝達要素の前記漏れインダクタンスと前記励磁インダクタンスとが、前記クランプスイッチのオン切り替えに応答して、前記電力スイッチのドレイン・ソース電圧を実質的にゼロまで低下させる、
請求項12に記載の電力コンバーター。
【請求項16】
前記クランプドライバが、
前記クランプ駆動信号を受信するように結合されたロー側ドライバであって、前記ロー側ドライバが、前記クランプスイッチのオン切り替えを通信するように構成された、前記ロー側ドライバと、
前記クランプスイッチに結合されたハイ側ドライバであって、前記ハイ側ドライバが、前記クランプスイッチを制御するためにクランプ有効化信号を生成するように構成された、前記ハイ側ドライバと、
前記ロー側ドライバと前記ハイ側ドライバとに結合された通信リンクと、
を備える、
請求項11に記載の電力コンバーター。
【請求項17】
前記電力コンバーターが、前記電力コンバーターの前記出力を表すフィードバック信号に応答して前記要求信号を生成するように構成された二次制御装置を更に備える、
請求項11に記載の電力コンバーター。
【請求項18】
前記二次制御装置が、前記一次制御装置からガルバニック絶縁された、
請求項17に記載の電力コンバーター。
【請求項19】
前記制御回路が、
前記要求信号に応答して有効化信号を生成するように構成された有効化回路と、
前記有効化信号に応答して前記クランプスイッチをオンに切り替えるための前記クランプ駆動信号を生成するように構成された単安定マルチバイブレーターであって、前記単安定マルチバイブレーターが、第1の持続期間にわたってパルスを出力するように更に構成されており、前記第1の持続期間が、前記電力スイッチをオンに切り替えるという判定に応答して前記電力スイッチのオフ期間の終了付近から始まる、前記単安定マルチバイブレーターと、
を備える、
請求項10に記載の電力コンバーター。
【請求項20】
前記制御回路が、前記単安定マルチバイブレーターに結合されたフリップフロップを更に備え、前記フリップフロップが、前記クランプ駆動信号に応答して第1の論理状態を生成するように構成された、
請求項19に記載の電力コンバーター。
【請求項21】
前記制御回路が、前記電力スイッチがオンに切り替えられる前に前記電力スイッチの寄生容量が前記エネルギー伝達要素に放電させられるための十分な期間を提供するために、前記電力スイッチをオンに切り替えることを遅延させるように構成された遅延回路を更に備える、
請求項20に記載の電力コンバーター。
【請求項22】
前記遅延回路が、
第1の動作モード信号により制御されるように構成された第1のスイッチと、
第1の遅延期間の後に前記制御信号を出力するように構成された第1の遅延回路と、
第2の動作モード信号により制御されるように結合された第2のスイッチと、
第2の遅延期間の後に前記制御信号を出力するように構成された第2の遅延回路であって、前記第2の遅延期間が、前記第1の遅延期間より長い、前記第2の遅延回路と、
を備える、
請求項21に記載の電力コンバーター。
【請求項23】
前記制御回路が、
前記入力ライン電圧検出信号が連続伝導モード(CCM)閾値未満であるか否かを判定するように構成された第1の比較器と、
前記入力ライン電圧検出信号が不連続伝導モード(DCM)閾値より大きいか否かを判定するように構成された第2の比較器と、
前記第1の比較器の出力に結合されたセット入力を含むセット・リセット(SR)ラッチであって、前記SRラッチが、前記第2の比較器の出力に結合されたリセット入力を含むように更に結合されており、前記SRラッチが、前記第1の動作モード信号を出力するように構成されており、前記SRラッチが、前記第2の動作モード信号を出力するように更に構成された、前記SRラッチと、
を更に備える、
請求項22に記載の電力コンバーター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年4月24日に出願された米国仮特許出願第62/838,227号の利益を主張し、同文献の内容が参照により全体として本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、概して、電力コンバーターに関し、特に、可変周波数フライバック電力コンバーターのためのゼロ電圧スイッチング(ZVS:zero voltage switching)に関する。
【背景技術】
【0003】
電子デバイス(例えば、携帯電話、タブレット、ラップトップなど)は動作に電力を使用する。スイッチング式電源は、それらの高効率さ、小さいサイズ、および軽量さを理由として現在の多くの電子機器に給電するために一般的に使用されている。従来の壁のソケットは、高電圧の交流電流を提供する。スイッチング電源では、適切に調節された直流電流(DC:direct current)出力をエネルギー伝達要素を通して負荷に提供するために、高電圧の交流電流(AC:alternating current)入力がスイッチング式電力コンバーターを使用して変換される。動作中、デューティサイクル(典型的には、総スイッチング周期に対するスイッチのオン期間の比)を変化させること、スイッチング周波数を変えること、またはスイッチング式電力コンバーター内におけるスイッチの単位時間当たりのオン/オフパルス数を変化させることにより、所望の出力を提供するために、スイッチがオンとオフとに切り替えられる。
【0004】
フライバックコンバーターなどの電力コンバーターでは、一次電力スイッチがオフに切り替えられたとき、一次側における電流に対する経路が急激に遮断される。エネルギー伝達要素の励磁エネルギーに蓄積されたエネルギーは出力に伝達され得るが、漏れインダクタンスにおけるエネルギーは出力に伝達されることができない。蓄積されたエネルギーは主電力スイッチのドレイン対ソース静電容量に伝達される。ドレイン・ソース間にかかる電圧がデバイスの定格より高くなり得るので、これはデバイスに破壊的な影響をもたらし得る。従来のフライバックコンバーターは、例えばRCDクランプといった受動クランプを使用し、この場合、漏れエネルギーがクランプコンデンサに捕捉され、エネルギーが抵抗器において消費される。この浪費されたエネルギーは、システムの全体効率を下げる。
【0005】
一次スイッチにおけるゼロ電圧スイッチングを実現するために漏れエネルギーを再利用する能動クランプ技法が提案されている。これはシステム全体の効率を高める。現在最も一般的に使用されているZVS技術は、一次側における能動クランプおよび共振LC二次出力巻線構造を使用する。この方法は優れた効率および信頼性の高いZVS動作をもたらすが、制御装置はバーストモードで動作させられる必要がある。バーストモードは、ループ速度およびシステムの安定性の注意深い最適化を必要とする複雑な制御技法である。これは、出力電圧が広範囲にわたって変化し得るアダプタにより特に困難を伴い得る(例えばUSBPD)。
【発明の概要】
【0006】
以下の図を参照しながら、本発明の非限定的かつ非網羅的な実施形態が説明され、異なる図の中の同様の参照符号は、別段の指定がない限り同様の部分を示す。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、本開示の実施形態による、一次制御装置、二次制御装置、およびクランプドライバを含む電力コンバーターの一例を示す。
図2図2は、本開示の実施形態による、図1の電力コンバーターにおいて使用される電力スイッチの電流を示すタイミング図の一例を示す。
図3図3は、本開示の実施形態による、図1において使用される制御回路の一例を示す。
図4A図4Aは、本開示の実施形態による、例えば、ドレイン電圧、クランプ電流、ドレイン電流、二次電流、有効化信号、および駆動信号といった、電力コンバーターの信号を示すタイミング図の別の例を示す。
図4B図4Bは、本開示の実施形態による、例えば、ドレイン・ソース電圧、クランプ電流、ドレイン電流、二次電流、有効化信号、および駆動信号といった、電力コンバーターの信号を示すタイミング図の別の例を示す。
図4C図4Cは、本開示の実施形態による、ドレイン・ソース電圧、クランプ電流、電力スイッチのスイッチ電流、二次電流、クランプ有効化信号、および駆動信号を示すタイミング図を示す。
図5A図5Aは、本開示の実施形態による、例えば、ドレイン電圧、有効化信号、および駆動信号といった、電力コンバーターの信号を示すタイミング図の例を示す。
図5B図5Bは、本開示の実施形態による、例えば、ドレイン電圧、有効化信号、および駆動信号といった、電力コンバーターの信号を示すタイミング図の例を示す。
図6A図6Aは、本開示の実施形態による、電力スイッチのドレイン電圧の例示的なタイミング図を示す。
図6B図6Bは、本開示の実施形態による、電力スイッチのドレイン電圧の別の例示的なタイミングを示す。
図6C図6Cは、本開示の実施形態による、電力スイッチのドレイン電圧のタイミング図の別の例を示す。
図7図7は、本開示の実施形態による、電力スイッチのドレイン電圧のタイミング図を示す。
図8図8は、本開示の実施形態による、同期整流器スイッチのドレイン電圧および電力スイッチのドレイン電圧のタイミング図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図面中の複数の図にわたり、対応する参照符号が対応するコンポーネントを示す。当業者は、図中の要素が簡潔かつ明確であるように描かれること、および、一定の縮尺で描かれるとは限らないことを理解する。例えば、図中の幾つかの要素の寸法は、本発明の様々な実施形態をより理解しやすくするために、他の要素より誇張される場合がある。更に、市販に適した実施形態において有用なまたは必要な、一般的だが良く理解される要素は、多くの場合、本発明に係るこれらの様々な実施形態の図が見づらくならないように、描かれない。
【0009】
ライン入力電圧に応答して不連続伝導動作モードから連続伝導動作モードに遷移し得る電力コンバーターの例が本明細書において説明されている。以下の説明では、本発明を十分に理解してもらうために、多くの特定の詳細事項が記載される。しかし、本発明を実施するために特定の詳細事項が使用されるとは限らないことが当業者に明らかである。他の例では、よく知られた材料または方法については、本発明が理解しにくくなるのを防ぐために、詳細には説明されていない。
【0010】
本明細書中での「一実施形態」、「実施形態」、「一例」、または「例」についての言及は、実施形態または例との関連で説明される特定の特徴、構造、または特性が本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書中の様々な場所における「一実施形態において」、「実施形態において」、「一例」、または「例」という表現の使用は、すべてが同じ実施形態または例に関連するとは限らない。更に、特定の特徴、構造、または特性が、1つまたは複数の実施形態または例において、任意の適切な組み合わせ、および/または部分的組み合わせで組み合わされてもよい。特定の特徴、構造、または特性は、説明される機能を提供する集積回路、電子回路、結合論理回路、または他の適切なコンポーネントに含まれてもよい。加えて、本明細書とともに提供される図が当業者への説明を目的としていること、および図面が一定の縮尺で描かれるとは限らないことが理解される。
【0011】
フライバックコンバーターなどの電力コンバーターは、低いコンポーネントコストで低い出力電流を提供し得、他のコンバータートポロジーと比較すると比較的単純である。フライバックコンバーターは、過剰電圧がフライバックコンバーター内のコンポーネントを損傷させることを防ぐために能動クランプ回路を更に使用し得る。
【0012】
特に電力スイッチがトランジスタである場合、回路における電気抵抗および電力コンバーターによりスイッチングされる寄生容量に起因して、伝導損およびスイッチング損失が発生する。電力スイッチが電流を伝導するとき、回路の抵抗は回路を通る電流に伴って伝導損を生成する。スイッチング損失は概して、電力コンバーターの電力スイッチがオン状態とオフ状態との間を遷移している間に、またはその逆の間に発生する損失に関連している。一例において、オンである(または閉じている)スイッチが電流を伝導し得るのに対し、オフである(または開いている)スイッチは電流を伝導することができない。電力スイッチが開いているとき、スイッチにかかる電圧が寄生容量にエネルギーを蓄積する。電力スイッチが閉じたとき、寄生容量が放電し、電力スイッチの抵抗に、寄生容量に蓄積されたエネルギーを放散し、スイッチング損失をもたらす。更に、スイッチング損失は、電力スイッチがオンに切り替わる時点において電力スイッチにかかる非ゼロ電圧を伴うことにより、または、電力スイッチがオフに切り替わるときに電力スイッチを通る非ゼロ電流を伴うことによりもたらされ得る。能動的クランプ回路は、ゼロ電圧スイッチング技術の使用を通してスイッチング損失を低減するために使用され得る。
【0013】
電力コンバーターが軽負荷または無負荷状態において高効率を維持するために、電力コンバーター制御装置は、時間インターバル(バーストインターバルとも呼ばれる)にわたって電力スイッチをオンに切り替え、およびオフに切り替えること、およびその後のスイッチングの無いインターバルによりバーストモード動作を実現し得る。能動クランプを含むフライバックコンバーターに対して、幅広い出力電圧範囲または安定した定電流(CC:constant current)動作を必要とする設計に対してループ速度および安定性およびリップルを最適化することは困難であり得る。バーストモードの複雑さを回避するために、本開示は、バーストモードまたはLC出力巻線ネットワークの複雑さを必要とせずに、ゼロ電圧スイッチ(ZVS)に対する連続的可変周波数を提供するフライバックコンバーターおよび能動クランプを制御する電力コンバーター制御装置を示す。可変周波数は出力応答およびラインリジェクションに対して最適ループ応答に対して簡単に制御され得る。加えて、電力コンバーター制御装置は、入力ライン電圧を表すライン検出入力電圧に応答して不連続伝導モード(DCM:discontinuous conduction mode)および連続伝導モード(CCM:continuous conduction mode)において動作するか否かを判定し得る。一例において、より低い入力電圧においてCCMにおいて動作するとき、電力スイッチの二乗平均平方根(RMS:root mean square)電流が小さくされて、電力コンバーターの効率を改善する。
【0014】
例示のために、図1は、本開示の教示による、クランプドライバ106、一次制御装置133、および二次制御装置137を含む例示的な電力コンバーター100のブロック図を示す。電力コンバーター100の示される例は、入力コンデンサCIN102、エネルギー伝達要素116、エネルギー伝達要素116の一次巻線118、エネルギー伝達要素116の二次巻線120、電力スイッチS1 145、クランプコンデンサCCL104、ダイオード107および115、クランプスイッチ108、出力コンデンサC122、入力戻り126、出力戻り125、同期整流器128、および検出回路131を含む。
【0015】
ロー側ドライバ150とハイ側ドライバ151とを含むクランプドライバ106が示されている。ロー側ドライバ150は、通信リンク152を通してハイ側ドライバを制御するように構成されている。ハイ側ドライバは、クランプスイッチ108を制御するためにクランプ有効化信号UCE168を生成するように構成されている。
【0016】
二次制御装置137は、同期整流器128を制御するための二次駆動信号134、および要求信号UREQ135を生成するように構成されている。要求信号UREQ135は、電力スイッチS1 145を有効化するために一次制御装置に通信される。更に、二次制御装置137は、電力コンバーター100の出力を表すフィードバック信号UFB132を受信するように結合されている。
【0017】
制御回路139と駆動回路141とを備える一次制御装置133が示されている。制御回路139は、二次制御装置137からの要求信号UREQ135と、電力スイッチのスイッチ電流I143を表す電流検出信号とを受信するように結合されている。制御回路139は、入力ライン電圧検出信号ULS149に応答して制御信号UCTRL142を生成するように構成されている。制御信号UCTRL142は、クランプスイッチ108の切り替え後に電力スイッチS1 145をオンに切り替えるための遅延期間を表す。入力ライン電圧検出信号ULS149は、電力コンバーター100の入力電圧VIN101を表す。更に説明されるように、制御信号UCTRL142の遅延期間は、入力ライン電圧検出信号ULS149に応答して選択される。駆動回路141は、制御信号UCTRL142を受信するように、および、電力スイッチ145を制御するための駆動信号U144を生成するように結合されている。駆動回路141は、電力スイッチ145のスイッチ電流I143を表す電流検出信号を受信するように更に結合されている。駆動回路141は電力スイッチS1 145をオンに切り替えるように結合されており、および、スイッチ電流I143が電流制限値(図示されていない)に達したことに応答して電力スイッチS1 145をオフに切り替えるように結合されている。
【0018】
エネルギー伝達要素116または独立したインダクタに関連した励磁インダクタンスおよび漏れインダクタンスを表し得る励磁インダクタンスLMAG112、漏れインダクタンスLLK114が更に示されている。破線により、電力スイッチS1 145に結合する、および、エネルギー伝達要素116の内部における自然な静電容量、電力スイッチS1 145および/または独立したコンデンサの自然な内部静電容量を含み得るすべての静電容量を表すために寄生容量C146が示されている。図1において、二次電流I121、出力電圧V123、出力電流I127、出力量U136、フィードバック信号UFB132、クランプ電圧VCL109、クランプ電流ICL110、および漏れ電圧V111も示されている。示される例において、電力コンバーター100は、フライバックトポロジーを含むものとして示されている。電力コンバーターの他の知られたトポロジーおよび構成が、本開示の教示の恩恵を更に受け得ることが理解される。
【0019】
電力コンバーター100は、未調節の入力電圧VIN101から負荷124に出力電力を提供する。1つの実施形態において、入力電圧VIN101は整流された、およびフィルタ処理されたACライン電圧である。別の実施形態において、入力電圧VIN101はDC入力電圧である。エネルギー伝達要素116は入力電圧VIN102を受信するように結合されている。幾つかの実施形態において、エネルギー伝達要素116は、結合インダクタ、変圧器、またはインダクタであり得る。例示的なエネルギー伝達要素116は、(巻き数をNとした)一次巻線118と(巻き数をNとした)二次巻線120との2つの巻線を含むように示されている。しかし、エネルギー伝達要素116は2つより多い巻線を含んでもよい。一次巻線118にかかる電圧は一次巻線118のドット付き端部に正極性をもつ一次電圧として示される。電力スイッチS1 145がオンであるとき、一次電圧は入力電圧VIN102と漏れ電圧V1135との負の和に実質的に等しく、すなわち、数学的には、V=-(VIN+V)である。電力スイッチS1 145がオフであるとき、一次電圧は、二次巻線120の反射された出力電圧(reflected output voltage)に実質的に等しい。エネルギー伝達要素の一次巻線118は電力スイッチS1 145に更に結合されており、電力スイッチS1 145は入力戻り126に更に結合されている。
【0020】
動作中、一次制御装置133は、入力ライン電圧検出信号ULS149に応答して第1の動作モードを特定する。入力ライン電圧検出信号ULS149がCCM閾値未満であるとき、第1の動作モードが発生する。一例において、CCM閾値は、130ボルトのレンジ(range)であり得る。電力スイッチS1 145が、オンに切り替えられた後、オフに切り替えられたとき、ドレイン・ソース電圧が、電力スイッチのオフ切り替え時におけるピーク電流および静電容量C146により決定されたレートで上昇する。ダイオード115を通してクランプコンデンサCCL106のクランプ電圧VCL109にクランプされるまで、ドレイン・ソース電圧が上昇し続ける。電力スイッチS1 145のオン切り替え前に、クランプスイッチ108がクランプドライバ106によりオンに切り替えられる。漏れインダクタンスLLK114および一次巻線118は、オン状態においてクランプスイッチ108を通してCCL104にかかるクランプコンデンサ電圧により充電される。クランプスイッチ108がオンに切り替えられたとき、電圧が漏れインダクタンスLLK114に印加され、これが、電力スイッチS1 145がオンであったときとは逆方向に通る電流が増加することをもたらす。指定された期間の後、クランプスイッチ108がオフに切り替えられる。クランプスイッチ108のオフ切り替えは、電力スイッチS1 145のドレイン・ソース電圧が実質的にゼロに低下することをもたらす。その期間中、クランプスイッチ108がオンであることにより充電されたエネルギーおよび漏れが放電される。ドレイン電圧が実質的に0ボルトに到達した後、電力スイッチS1 145がオンに切り替えられ得る。
【0021】
更に、一次制御装置133は、入力ライン電圧検出信号ULS149に応答して第2の動作モードを特定し得る。入力ライン電圧検出信号ULS149がDCM閾値より大きいとき、第2の動作モードが発生する。一例において、DCM閾値は150ボルトのレンジである。
【0022】
電力スイッチS1 145が、オンに切り替えられた後、オフに切り替えられたとき、ドレイン・ソース電圧が電力スイッチS1 145のオフ切り替え時におけるピーク電流および静電容量C146により決定されたレートで上昇する。ダイオード115を通してクランプ電圧VCL109にクランプされるまで、ドレイン・ソース電圧が上昇し続ける。電力スイッチS1 145のオン切り替え前に、クランプスイッチ108がクランプドライバ106によりオンに切り替えられる。クランプスイッチ108がオンに切り替えられたとき、電圧が漏れインダクタンスLLK114および励磁インダクタンスLMAG112に印加され、これは、電力スイッチS1 145がオンであったときと比べて逆方向に通る電流が増加することをもたらす。指定された期間の後、クランプスイッチ108がオフに切り替えられる。クランプスイッチのオフ切り替えは、電力スイッチS1 145のドレイン・ソース電圧が実質的にゼロに低下することをもたらす。その期間中、クランプスイッチ108がオンであることにより充電された漏れおよび励磁エネルギーが放電される。これは、電力スイッチS1 145のドレイン・ソース間にかかる電圧が低下し、最終的にゼロに達することもたらす。このモードは典型的には、電力スイッチS1 145のドレインにおいて0ボルトに到達するために、より長い時間がかかり、これは、クランプスイッチ108のオフ切り替えと電力スイッチS1 145のオン切り替えとの間の遅延を増やすことにより第2の動作モードにより実現される。ドレイン電圧が実質的に0ボルトに到達した後、主スイッチがオンに切り替えられる。
【0023】
示されるように、漏れインダクタンスLLK114は、電力スイッチS1 145と一次巻線118との間に結合され得る。漏れインダクタンスLLK114は、エネルギー伝達要素116または独立したインダクタに関連した漏れインダクタンスを表し得る。結合されていない漏れインダクタンスLLK114にかかる電圧は、漏れ電圧V111と表記され得る。
【0024】
一次巻線118と漏れインダクタンスLLK114とにまたがってクランプスイッチ108が結合されている。クランプドライバ106は、クランプ静電容量CCL104に結合されている。クランプ静電容量CCL104にかかる電圧はクランプ電圧VCL109と表記されるとともに、クランプ回路における電流はクランプ電流ICL110と表記されている。クランプスイッチ108が電力スイッチS1 145における最大電圧を制限し、(クランプドライバ106により生成された)クランプスイッチ108の制御が電力スイッチS1 145のゼロ電圧スイッチングを円滑化する。加えて、クランプスイッチ108と組み合わされたクランプドライバ106が、電力コンバーター100におけるRMS電流を小さくし得る。特に、クランプ駆動信号UCD147は、(トランジスタとして示される)クランプスイッチ108を駆動するハイ側ドライバ151において受信される。クランプスイッチ108は一次巻線118に電流を入力するためにオンに切り替わるように制御される。電力スイッチS1 145がオンに切り替わる前に、クランプスイッチ108が第1の持続期間にわたってオンに切り替えられる。言い換えると、電力スイッチS1 145がオフに切り替えられている持続期間の全体にわたって、クランプスイッチ108がオンに切り替えられるわけではない。電力スイッチS1 145のオフ期間の開始時に、または開始付近において、クランプスイッチ108は、電力コンバーター100の漏れインダクタンスLLK114に関連した電荷を伝導する。結合されていない漏れインダクタンスLLK114からのこの電荷は、ダイオード115を通してクランプ静電容量CCL104に伝達されて、蓄積される。電力コンバーター100の漏れインダクタンスLLK114に関連した正味の電荷が伝達された後、ダイオード115は伝導を実質的に停止する。電力スイッチS1 145のオフ期間の終了付近まで、クランプスイッチ108はオフに留まる。電力スイッチがオンに切り替わらなければならないと判定された場合、クランプスイッチ108が第1の持続期間にわたってオンに切り替えられる。漏れインダクタンスLLK114に関連してクランプ静電容量CCL104に以前に伝達された正味の電荷が一次巻線118に伝達されるように、クランプスイッチ108のトランジスタがオンに切り替えられる。したがって、漏れインダクタンスLLK114に関連したエネルギーは、放散されるのではなくシステムに返される。一例において、漏れインダクタンスLLK114は、エネルギー伝達要素116の漏れインダクタンスを表す。漏れエネルギーが放散されるのではなくリセットされ、電力コンバーターに戻されるように、クランプスイッチ108が制御される。
【0025】
二次巻線120は同期整流器128に結合されている。二次巻線120から出力された電流は、二次電流I121として示されている。出力コンデンサC122は同期整流器128および出力戻り125に結合されるものとして示されている。電力コンバーター100は出力量U136として例示される出力を調節する回路を更に含む。概して、出力量U136は、出力電圧V123、および出力電流I127、または2つの組み合わせであり得る。検出回路131は出力量U136を検出するように、および、出力量U136を表すフィードバック信号UFB132を提供するように結合されている。
【0026】
示されるように、二次制御装置137はフィードバック信号UFB132を受信するように、および、フィードバック信号UFB132が調節閾値未満であるときに要求信号UREQ135を生成するように結合されている。要求信号UREQ135は、電力スイッチS1 145を有効化するために、通信リンクを通して一次制御装置133に送信される。一例において、一次制御装置133と二次制御装置137とは互いにガルバニック絶縁されている。通信リンクは磁気結合または光結合であり得る。
【0027】
一次制御装置133は、電流検出信号167を受信するように、および、駆動信号U144とクランプ有効化信号UCE147とを生成するように結合されている。電流検出信号167は、電力スイッチS1 145により受信されるスイッチ電流I143を表し得、電圧信号または電流信号であり得る。加えて、一次制御装置133は、電力コンバーター100の入力からエネルギー伝達要素116を通した電力コンバーター100の出力へのエネルギーの伝達を制御するために、様々なスイッチングパラメータを制御するために、電力スイッチS1 145に駆動信号U144を提供する。このようなパラメータの例は、スイッチング周波数(または周期)、デューティサイクル、電力スイッチS1 145のオン期間およびオフ期間、または、電力スイッチS1 145の単位時間当たりのパルス数を変えることを包含し得る。加えて、電力スイッチS1 145が固定のスイッチング周波数または可変スイッチング周波数をもつように、電力スイッチS1 145が制御され得る。可変スイッチング周波数制御の一例において、スイッチング周波数は、軽負荷または無負荷状態に対して小さくされ得る。以前は、クランプ回路が電力スイッチのオフ期間全体にわたってオンに切り替えられる従来の能動クランプ技術を使用して、より低いスイッチング周波数においてフライバックコンバーターに対してゼロ電圧スイッチング(ZVS)を実現することは困難であった。
【0028】
電力スイッチS1 145が駆動信号U144に応答して開けられ、および閉じられる。動作中、電力スイッチS1 145のスイッチングは、実質的に一定の出力電圧V123、出力電流I127、または2つの組み合わせを生成するために出力コンデンサC122によりフィルタ処理されるパルス動作する二次電流I121を生成する。一例において、電力スイッチS1 145は、例えば金属-酸化物-半導体電界効果トランジスタ(MOSFET:metal-oxide-semiconductor field-effect transistor)といったトランジスタであり得る。別の例において、低電圧トランジスタが高電圧接合型電界効果トランジスタ(JFET:junction field effect transistor)に結合されるように、電力スイッチS1 145がカスコード構成を備え得る。一例において、JFETは、窒化ガリウム(GaN)または炭化ケイ素(SiC)材料を含み得る。一次制御装置133、二次制御装置137、および電力スイッチ145は、モノリシック集積回路として実現されてもよく、または、ディスクリート型電気的コンポーネントを使用して実現されてもよく、または、ディスクリート型コンポーネントと集積型コンポーネントとの組み合わせを使用して実現されてもよい。
【0029】
図2は、スイッチオン期間tON269、スイッチオフ期間tOFF270、スイッチング周期T271、台形272、および三角形273を含む様々な制御モードに対する図1の電力スイッチS1 145を通る電流の図を示す。図2は、連続伝導モード(CCM)と不連続伝導モード(DCM)との両方における経時的な電力スイッチS1 145を通る電流の一般的な波形を示す。
【0030】
任意のスイッチング周期T271中、電力スイッチS1 145は、出力量U136を調節するために、一次制御装置133からの駆動信号U144に応答して伝導し得る。スイッチング周期T271は、2つの時間セクション、すなわち、スイッチオン期間tON269およびスイッチオフ期間tOFF270に分けられ得る。スイッチオン期間tON269は、スイッチング周期T271のうち、電力スイッチS1 145が伝導している部分を表す。スイッチオフ期間tOFF270は、スイッチング周期T271の残りの部分、すなわち電力スイッチS1 110が伝導していないときを表す。図2の電流波形は2つの基本的な動作モードを示す。台形272がCCMの特徴であるのに対し、三角形273はDCMの特徴である。CCM中に、電力スイッチS1 145を通る電流は、スイッチオン期間tON269の開始の直後に実質的にゼロではなく、スイッチオン期間tON269にわたって着実に増加する。DCM中、電力スイッチS1 145を通る電流は、スイッチオン期間tON269の開始時に実質的にゼロであり、スイッチオン期間tON269にわたってゼロから着実に増加する。
【0031】
図3は、本開示の実施形態による、図1において使用される制御回路の一例を示す。図3の制御回路339は図1の制御回路139の一例であり得ること、および、以下で参照される同様に命名された、および番号付けされた要素は、上述のものと同様に結合されており、上述のものと同様に機能することが理解される。
【0032】
制御回路339は、有効化回路305、フリップフロップ315、375、セット・リセット(SR:set-reset)ラッチ338、比較器317、319、遅延回路360、および単安定マルチバイブレーター307を含む。遅延回路360は、第1のスイッチ358、第2のスイッチ359、第1の遅延回路361、および第2の遅延回路362を備える。
【0033】
制御回路339は、電力スイッチをオンに切り替えるための遅延期間を表す制御信号UCTRL342を選択し得る。遅延期間は、入力ライン電圧検出信号ULS349に応答した電力コンバーターの動作モードに依存し、入力ライン電圧検出信号はライン入力電圧を表す。比較器317は反転入力における入力ライン電圧検出信号ULS349と非反転入力におけるCCM閾値VCCM365とを受信するように結合されている。比較器317は、入力ライン電圧検出信号ULS349がCCM閾値VCCM365未満であるとき、第1の状態をもつ出力を生成するように構成されており、入力ライン電圧検出信号ULS349がCCM閾値VCCM365以上であるとき、第2の状態を更に生成する。比較器317の出力はSRラッチ338のセット入力に結合されている。SRラッチ338は、セット入力に応答して第1の動作モード信号UM1 363の第1の状態を出力するように構成されている。図3の例において、第1の動作モード信号UM1 363の第1の状態は論理ハイであり得る。第1の動作モードは電力コンバーターのCCM動作を表す。SRラッチ338はSRラッチ338の反転出力において第2の動作モード信号UM2 364を出力するように更に構成されている。図3の例では、第2の動作モード信号UM2 364の第1の状態は論理ローであり得る。
【0034】
比較器319は、反転入力における入力ライン電圧検出信号ULS349と非反転入力におけるDCM閾値VDCM366とを受信するように結合されている。比較器319は、入力ライン電圧検出信号ULS349がDCM閾値VDCM366より大きいとき、第1の出力を生成するように構成されており、入力ライン電圧検出信号ULS349がDCM閾値VDCM366以下であるとき、第2の状態を更に生成する。比較器319の出力はSRラッチ338のリセット入力に結合されている。SRラッチ338は、リセット入力に応答して第1の動作モード信号UM1 364の第2の状態を出力するように構成されている。図3の例では、第1の動作モード信号UM1 363の第2の状態は論理ローであり得る。SRラッチ338は、SRラッチ338の反転出力において第2の動作モード信号UM2 364を出力するように更に構成されている。図3の例において、第2の動作モード信号UM2 364の第2の第2の状態は論理ハイであり得る。第2の動作モードは電力コンバーターのDCM動作を表す。
【0035】
電力スイッチのオン切り替え前に、制御回路339はクランプスイッチをオンに切り替えて、クランプコンデンサを放電する。有効化回路305は要求信号UREQ135を受信するように結合されており、および有効化信号UEN374を生成するように構成されている。要求信号UREQ337は電力スイッチをオンに切り替えるという判定を表す。単安定マルチバイブレーター307は有効化回路305に結合されている。単安定マルチバイブレーター307は第1の持続期間にわたってパルスを出力するように構成されており、第1の持続期間は、要求信号UREQ337を通した電力スイッチをオンに切り替えるという判定に応答して電力スイッチのオフ期間の終了付近から始まる。パルスはクランプ駆動信号UCD347により表される。パルスの持続期間が終了した後、フリップフロップ315は、クランプ駆動信号UCD347に応答して第1の論理状態を生成するように構成されている。フリップフロップ315の出力は、スイッチ358および359に結合されている。第1の動作モード信号UM1 359によりスイッチ359が閉じられ、フリップフロップ375が第1の遅延回路361の出力によるクロックに基づいて動作する。第1の遅延回路361は制御信号UCTRL342である第1の遅延を出力する。第2の動作モード信号UM2 364によりスイッチ358が閉じられ、フリップフロップ375が第2の遅延回路362の出力によるクロックに基づいて動作する。第2の遅延回路362は制御信号UCTRL342である第2の遅延を出力する。第2の遅延期間は第1の遅延より長い。一例において、第1の遅延期間は50nsのレンジであり得、第2の遅延期間は200nsからのレンジであり得る。第1の動作モードにおいて、第1の遅延期間は、電力スイッチのドレイン・ソース電圧を実質的にゼロにするための漏れインダクタンスの期間を構成する。第2の動作モードにおいて、第2の遅延期間は、電力スイッチのドレイン・ソース電圧を実質的にゼロにするための漏れインダクタンスおよび励磁インダクタンスの期間を構成する。
【0036】
図4Aは、ドレイン・ソース電圧、クランプ電流、電力スイッチのスイッチ電流、二次電流、有効化信号、および駆動信号を示すタイミング図を示す。図4Aに対して言及されている信号が図1の信号の一例であり得ること、および、以下で参照される同様に命名された、および番号付けされた要素が上述のものと同様に結合されており、上述のものと同様に機能することが理解される。
【0037】
第1のタイミング図はドレイン・ソース電圧VDS453を示す。第2のタイミング図はクランプ電流ICL410を示す。第3のタイミング図はスイッチ電流I443を示す。第4のタイミング図は二次電流I421を示す。第5のタイミング図はクランプ有効化信号UCE468を示す。第6のタイミング図は駆動信号U444を示す。
【0038】
図4Aの例では、電力コンバーターに対する動作モードは、三角形のスイッチ電流I443により示される臨界伝導モード(CRM:critical conduction mode)である。ライン検出入力電圧がCCM閾値より高いがDCM閾値未満であるとき、CRMが発生し得る。幾つかの設計において、CRMは、図3において説明されているように第1の遅延回路または第2の遅延回路により生成された制御信号を使用することが可能である。t1より前の時点において、電力スイッチがオンに切り替えられ、したがって、ドレイン・ソース電圧VDS453がゼロである。クランプ電流ICL410はゼロである。スイッチ電流I443が上昇している。二次電流I421はゼロである。クランプ有効化信号UCE468はゼロである。駆動信号U444は論理ハイである。
【0039】
時点t1において、駆動信号U444が論理ローであることにより示されるように、電力スイッチがオフに切り替えられる。結果として、ドレイン・ソース電圧VDS453は、入力電圧にクランプ電圧を加えたものまで上昇する。クランプコンデンサは、クランプ電流ICL410により示されるように充電される。エネルギー伝達要素に蓄積されたエネルギーは、二次電流I421の線形に減少する波形により示されるように一次巻線から二次巻線に伝達される。t1の後であってt2より前に、ドレイン・ソース電圧VDS453が上昇し、入力電圧にクランプ電圧を加えたものに等しくなる。クランプコンデンサは、ゼロまで減衰するクランプ電流ICL410により示されるように充電を続ける。駆動信号U444は論理ローであり、したがって、スイッチ電流I443もゼロである。
【0040】
時点t2において、ドレイン・ソース電圧VDS453が入力電圧に二次巻線の反射された出力電圧を加えたものまで低下する。クランプ電流ICL410はゼロであり、クランプコンデンサがもはや充電されないことを示す。エネルギーが一次巻線により二次巻線に伝達されたので、スイッチ電流I443はゼロである。二次電流I421は非ゼロ値であり、線形的な形態により減少する。クランプ有効化信号UCE468は論理ローである。駆動信号U444は論理ローである。t2からt3の間の期間、ドレイン・ソース電圧VDS453は非ゼロ値であり、同期整流器が伝導していることを表すゼロの傾きを伴う。クランプ電流ICL410はゼロである。二次電流I421は線形に減少する。クランプ有効化信号UCE468は論理ローである。駆動信号U444は論理ローである。
【0041】
時点t3において、クランプドライバは、電力スイッチの切り替え前にクランプスイッチをオンに切り替えるクランプ有効化信号UCE468を生成する。ドレイン・ソース電圧VDS453はクランプ電圧に入力電圧を加えたものまで上昇する。エネルギーがエネルギー伝達要素の二次巻線に伝達されることに起因して、クランプ電流ICL410の負極性により示されるように、クランプコンデンサが放電する。スイッチ電流I443はゼロである。クランプスイッチの切り替えに起因して、二次電流I421が増加し始める。電力スイッチがオフであるので、駆動信号U444は論理ローである。
【0042】
時点t4において、クランプ有効化信号UCE468が論理ローに遷移する。クランプ電流ICL410はゼロまで減少する。スイッチ電流I443はゼロである。ドレイン・ソース電圧VDS453は入力電圧に向かって低下する。駆動信号U444は論理ローである。
【0043】
t4から時点t5の間の期間は、tDEL2により示されるように、図2において説明されている第2の遅延期間を表す。図2に関連して、第2の遅延期間はTと表される。励磁インダクタンスおよび漏れインダクタンスがドレイン・ソース電圧VDS453をゼロまで低下させて、ゼロ電圧スイッチングを提供する。CRMに対する他の例では、漏れインダクタンスがドレイン・ソース電圧VDS453をゼロまで低下させて、電力スイッチのZVSを提供し得る。クランプ電流ICL410はゼロである。スイッチ電流I443はゼロである。二次電流I421はゼロである。クランプ有効化信号UCE468は論理ローである。駆動信号U444は論理ローである。
【0044】
時点t5において、遅延期間tDEL2の終了となる。ドレイン・ソース電圧VDS453はゼロであり、駆動信号U444が論理ハイに遷移することにより示されるように、電力スイッチがオンに切り替えられる。クランプ電流ICL410はゼロである。スイッチ電流I443が線形に増加し始める。二次電流I421はゼロである。クランプ有効化信号UCE468は論理ローである。
【0045】
t5の後であってt6より前の期間において、駆動信号U444の論理ハイにより示されるように、電力スイッチがオンである。ドレイン・ソース電圧VDS453はゼロである。スイッチ電流I443は線形に増加する。一例において、スイッチ電流I443が電流制限値(図示されていない)に達するまで、スイッチ電流I443が上昇し続ける。二次電流I421はゼロである。クランプ有効化信号UCE468はゼロである。
【0046】
時点t6において、駆動信号U444が論理ローであることにより示されるように、電力スイッチがオフに切り替えられる。結果として、ドレイン・ソース電圧VDS453が、入力電圧にクランプ電圧を加えたものまで上昇する。クランプコンデンサはクランプ電流ICL410により示されるように充電される。エネルギー伝達要素に蓄積されたエネルギーは、二次電流I421の線形に増加する波形により示されるように、一次巻線から二次巻線に伝達される。t1の後であってt2より前において、ドレイン・ソース電圧は入力電圧にクランプ電圧を加えたものに等しくなる。クランプコンデンサはゼロまで減衰するクランプ電流ICL410により示されるように依然として充電される。駆動信号U444は論理ローであり、したがって、スイッチ電流I443もゼロである。
【0047】
図4Bは、ドレイン・ソース電圧、クランプ電流、電力スイッチのスイッチ電流、二次電流、クランプ有効化信号、および駆動信号を示すタイミング図を示す。図4Bに対して言及されている信号が図1の信号の一例であり得ること、および、以下で参照される同様に命名された、および番号付けされた要素が上述のものと同様に結合されており、上述のものと同様に機能することが理解される。
【0048】
第1のタイミング図はドレイン・ソース電圧VDS453を示す。第2のタイミング図はクランプ電流ICL410を示す。第3のタイミング図はスイッチ電流I443を示す。第4のタイミング図は二次電流I421を示す。第5のタイミング図はクランプ有効化信号UCE468を示す。第6のタイミング図は駆動信号UDR444を示す。
【0049】
図4Bの例では、電力コンバーターに対する動作モードは、台形のスイッチ電流I443により示されるCCMである。t1より前の時点において、電力スイッチがオンに切り替えられ、したがって、ドレイン・ソース電圧VDS453がゼロである。クランプ電流ICL410はゼロである。スイッチ電流I443が上昇している。二次電流I421はゼロである。クランプ有効化信号UCE468はゼロである。駆動信号U444は論理ハイである。
【0050】
時点t1において、駆動信号U444が論理ローに遷移することにより示されるように、電力スイッチがオフに切り替えられる。結果として、ドレイン・ソース電圧VDS453が入力電圧にクランプ電圧を加えたものまで上昇する。クランプコンデンサはクランプ電流ICL410により示されるように充電される。エネルギー伝達要素に蓄積されたエネルギーは、二次電流I421の増加により示されるように一次巻線から二次巻線に伝達される。t1の後であってt2より前において、ドレイン・ソース電圧VDS453は入力電圧にクランプ電圧を加えたものに等しくなる。クランプコンデンサは、ゼロまで減衰するクランプ電流ICL410により示されるように充電を続ける。エネルギーが一次巻線から二次巻線に伝達されることに伴って、二次電流I421が増加する。駆動信号U444は論理ローであり、したがって、スイッチ電流I443もゼロである。
【0051】
時点t2において、ドレイン・ソース電圧VDS453は入力電圧に二次巻線の反射された出力電圧を加えたものまで低下する。クランプ電流ICL410はゼロであり、クランプコンデンサがもはや充電されないことを示している。エネルギーが一次巻線により二次巻線に伝達されたので、スイッチ電流I443はゼロである。二次電流I421は非ゼロ値であり、線形的な形態により減少する。クランプ有効化信号UCE468は論理ローである。駆動信号UDR444は論理ローである。t2からt3の間の期間、ドレイン・ソース電圧VDS453は非ゼロ値であり、同期整流器が伝導していることを表すゼロの傾きをもつ。クランプ電流ICL410はゼロである。二次電流I421は線形に減少する。クランプ有効化信号UCE468は論理ローである。駆動信号U444は論理ローである。
【0052】
時点t3において、クランプドライバは、電力スイッチの切り替え前にクランプスイッチをオンに切り替えるためのクランプ有効化信号UCE468を生成する。ドレイン・ソース電圧VDS453はクランプ電圧に入力電圧を加えたものまで上昇する。エネルギーがエネルギー伝達要素の一次巻線から二次巻線に伝達されることに起因して、クランプ電流ICL410の負極性により示されるように、クランプコンデンサが放電する。二次電流I421はゼロではなく、クランプコンデンサに蓄積されたエネルギーが二次側に伝達されることに起因してわずかに上昇する。スイッチ電流I443はゼロである。電力スイッチがオフであるので、駆動信号U444は論理ローである。
【0053】
時点t4において、クランプ有効化信号UCE468が論理ローに遷移する。ドレイン・ソース電圧VDS453がゼロまで急速に減衰する。クランプ電流ICL410はゼロである。スイッチ電流I443はゼロである。駆動信号UDR444は論理ローである。
【0054】
t4から時点t5の間の期間は、図3において期間Tとして示される、およびTDEL1として示される、図2において説明されている第1の遅延期間を表す。漏れインダクタンスの放電は、ドレイン・ソース電圧VDS453をゼロまで低下させて、電力スイッチのZVSを提供する。クランプ電流ICL410はゼロである。スイッチ電流I443はゼロである。二次電流I421はゼロに向かって減少する。クランプ有効化信号UCE468は論理ローである。駆動信号U444は論理ローである。
【0055】
時点t5において、ドレイン・ソース電圧VDS453がゼロであり、駆動信号U444が論理ハイに遷移することにより示されるように、電力スイッチがオンに切り替えられる。クランプ電流ICL410はゼロである。スイッチ電流I443は線形に増加し始める。二次電流I421はゼロである。クランプ有効化信号UCE468は論理ローである。
【0056】
t5の後であってt6より前の期間において、駆動信号U444の論理ハイにより示されるように、電力スイッチがオンである。ドレイン・ソース電圧VDS453はゼロである。スイッチ電流I443は線形に上昇し続ける。一例において、スイッチ電流I443が電流制限値(図示されていない)に達するまで、スイッチ電流I443が上昇し続ける。二次電流I421はゼロである。クランプ有効化信号UCE468はゼロである。
【0057】
時点t6において、駆動信号U444が論理ローに遷移することにより示されるように、電力スイッチがオフに切り替えられる。結果として、ドレイン・ソース電圧VDS453が入力電圧まで上昇する。クランプコンデンサが、クランプ電流ICL410により示されるように充電される。エネルギー伝達要素に蓄積されたエネルギーが、二次電流I421の増加により示されるように一次巻線から二次巻線に伝達される。t6の後、ドレイン・ソース電圧VDS453が入力電圧にクランプ電圧を加えたものまで上昇する。クランプコンデンサは、ゼロまで減衰するクランプ電流ICL410により示されるように充電を続ける。駆動信号U444は論理ローであり、したがって、スイッチ電流I443もゼロである。
【0058】
図4Cは、ドレイン・ソース電圧、クランプ電流、電力スイッチのスイッチ電流、二次電流、クランプ有効化信号、および駆動信号を示すタイミング図を示す。図4Cに対して言及されている信号が図1の信号の一例であり得ること、および、以下で参照される同様に命名された、および番号付けされた要素が上述のものと同様に結合されており、上述のものと同様に機能することが理解される。
【0059】
第1のタイミング図はドレイン・ソース電圧VDS453を示す。第2のタイミング図はクランプ電流ICL410を示す。第3のタイミング図はスイッチ電流I443を示す。第4のタイミング図は二次電流I421を示す。第5のタイミング図はクランプ有効化信号UCE468を示す。第6のタイミング図は駆動信号U444を示す。
【0060】
図4Cの例では、電力コンバーターに対する動作モードは三角形のスイッチ電流I443により示されるDCMである。t1より前の時点において、電力スイッチがオンに切り替えられ、したがって、ドレイン・ソース電圧VDS453がゼロである。クランプ電流ICL410はゼロである。スイッチ電流I443は増加する。二次電流I421はゼロである。クランプ有効化信号UCE468はゼロである。駆動信号U444は論理ハイである。
【0061】
時点t1において、駆動信号U444が論理ローであることにより示されるように、電力スイッチがオフに切り替えられる。結果として、ドレイン・ソース電圧VDS453が入力電圧まで上昇する。クランプコンデンサがクランプ電流ICL410により示されるように充電される。エネルギー伝達要素に蓄積されたエネルギーが、二次電流I421の急速な増加により示されるように、一次巻線から二次巻線に伝達される。t1の後であってt2より前に、ドレイン・ソース電圧VDS453が入力電圧にクランプ電圧を加えたものまで上昇する。クランプコンデンサは、ゼロまで減衰するクランプ電流ICL410により示されるように充電を続ける。駆動信号U444は論理ローであり、したがって、スイッチ電流I443もゼロである。
【0062】
時点t2において、ドレイン・ソース電圧VDS453は入力電圧に二次巻線の反射された出力電圧を加えたものまで低下する。クランプ電流ICL410はゼロであり、クランプコンデンサがもはや充電されないことを示している。エネルギーが一次巻線から二次巻線に伝達されたので、スイッチ電流I443はゼロである。二次電流I421は非ゼロ値であり、線形的に減少する。クランプ有効化信号UCE468は論理ローである。駆動信号U444は論理ローである。t2からt3の間の期間において、ドレイン・ソース電圧VDS453は非ゼロ値であり、同期整流器が伝導していることを表すゼロの傾きをもつ。クランプ電流ICL410はゼロである。二次電流I421は線形に減少する。クランプ有効化信号UCE468は論理ローである。駆動信号U444は論理ローである。
【0063】
時点t3において、ドレイン・ソース電圧VDS343が、一次巻線および二次巻線からのエネルギー伝達の完了によりもたらされて振動し初め、結果として二次電流I421はゼロである。振動は、漏れインダクタンスおよび励磁インダクタンスならびに電力スイッチの共振静電容量により形成された共振タンクによりもたらされる。時点t4において、ドレイン・ソース電圧VDS453はピーク値となり、クランプドライバが、電力スイッチの切り替え前にクランプスイッチをオンに切り替えるためのクランプ有効化信号UCE468を生成し、これが、ドレイン・ソース電圧VDS453が入力電圧にクランプ電圧を加えたものまで再度上昇することをもたらす。エネルギーがクランプコンデンサから一次巻線を通してエネルギー伝達要素の二次巻線に伝達されることに起因して、クランプコンデンサが、クランプ電流ICL410の負極性により示されるように放電する。スイッチ電流I443はゼロである。クランプスイッチのオン切り替えに起因して、二次電流I421が増加し始め、これは、クランプコンデンサからの蓄積されたエネルギーが一次巻線を通して二次巻線に伝達されることを示す。電力スイッチがオフであるので、駆動信号U444は論理ローである。
【0064】
時点t5において、クランプ有効化信号UCE468が論理ローに遷移する。クランプ電流ICL410がゼロまで減少する。スイッチ電流I443はゼロである。ドレイン・ソース電圧VDS453がゼロに向かって低下する。駆動信号UDR444は論理ローである。
【0065】
t5から時点t6前の間の期間は、tDEL1により示されるように図2において説明されている遅延期間を表す。ドレイン・ソース電圧VDS453がゼロに向かって低下するが、漏れインダクタンスが一時的にわずかな上昇をもたらす。DCM動作の場合、漏れインダクタンスと励磁インダクタンスとがドレイン・ソース電圧VDS453をゼロまで低下させて、ゼロ電圧スイッチングを提供し得る。クランプ電流ICL410はゼロである。スイッチ電流I443はゼロである。二次電流I421はゼロである。クランプ有効化信号UCE468は論理ローである。駆動信号U444は論理ローである。
【0066】
時点t6において、ドレイン・ソース電圧VDS453がゼロであり、駆動信号U444が論理ハイに遷移することにより示されるように、電力スイッチがオンに切り替えられる。クランプ電流ICL410はゼロである。スイッチ電流I443は線形に増加し始める。二次電流I421はゼロである。クランプ有効化信号UCE468は論理ローである。
【0067】
t6の後であってt7より前の期間において、駆動信号U444の論理ハイにより示されるように、電力スイッチがオンである。ドレイン・ソース電圧VDS453はゼロである。スイッチ電流I443は線形に増加する。一例において、スイッチ電流が電流制限値(図示されていない)に達するまで、スイッチ電流が上昇し続ける。二次電流I421はゼロである。クランプ有効化信号UCE468はゼロである。
【0068】
時点t7において、電力スイッチがオフに切り替えられ、挙動は前述の時点t1の後と同じである。
【0069】
図5Aは、本開示の実施形態による、例えば、ドレイン電圧、有効化信号、および駆動信号といった電力コンバーターの信号を示すタイミング図の例を示す。図5Aに対して言及されている信号が前述の図からの信号の一例であり得ること、および、以下で参照される同様に命名された、および番号付けされた要素が上述のものと同様に結合されており、上述のものと同様に機能することが理解される。
【0070】
第1のタイミング図はドレイン・ソース電圧VDS553である。第2のタイミング図はクランプ有効化信号UCE568である。第3のタイミング図は駆動信号U544である。電力コンバーターの動作はCRMであるが、CCMであってもよい。上述のように、ライン検出入力電圧がCCM閾値より高いがDCM閾値未満であるとき、CRMが発生し得る。幾つかの設計において、CRMは第1の遅延回路または第2の遅延回路により生成された制御信号を使用することが可能である。
【0071】
t1より前の時点において、駆動信号U544が論理ハイであり、これは、電力スイッチがオンに切り替えられることを示す。ドレイン・ソース電圧VDS553はゼロである。クランプ有効化信号UCE568は論理ローである。時点t1において、駆動信号U544が論理ローに遷移し、これは、電力スイッチがオフに切り替えられることを示す。ドレイン・ソース電圧VDS553は入力電圧まで上昇する。時点t1の後であってt2より前に、ドレイン・ソース電圧VDS553がクランプ電圧に入力電圧を加えたものまで上昇する。時点t2において、ドレイン・ソース電圧VDS553は入力電圧に二次巻線の反射された出力電圧を加えたものまで低下する。時点t3において、クランプ有効化信号UCE568は論理ハイに遷移する。クランプスイッチがオンに切り替えられるので、ドレイン・ソース電圧VDS553はクランプ電圧まで上昇する。t3の後であってt4より前の期間において、ドレイン・ソース電圧VDS553は低下し始める。クランプ有効化信号UCE568は論理ハイである。駆動信号U544は論理ローである。
【0072】
時点t4において、クランプ有効化信号UCE568は論理ローに遷移する。ドレイン・ソース電圧VDS553はゼロに向かって低下する。時点t4の後であってt5の前は、電力スイッチのオン切り替え前に制御信号として生成される第1の遅延期間tDEL1を表す。時点t5において、ドレイン・ソース電圧VDS553はゼロである。駆動信号U544は論理ハイに遷移する。t5の後であってt6より前の期間において、ドレイン・ソース電圧VDS553はゼロである。クランプ有効化信号UCE568はゼロである。駆動信号U544は論理ハイである。時点t6において、駆動信号UDR544は論理ローに遷移し、これは、電力スイッチがオフに切り替えられることを示す。ドレイン・ソース電圧VDS553は入力電圧まで上昇する。時点t6の後であってt7より前に、ドレイン・ソース電圧VDS553はクランプ電圧に入力電圧を加えたものまで上昇する。時点t7において、ドレイン・ソース電圧VDS553は入力電圧に二次巻線の反射された出力電圧を加えたものまで低下する。
【0073】
図5Bは、本開示の実施形態による、例えば、ドレイン電圧、有効化信号、および駆動信号といった、電力コンバーターの信号を示すタイミング図の例を示す。図5Bに対して言及されている信号が前述の図からの信号の一例であり得ること、および、以下で参照される同様に命名された、および番号付けされた要素が上述のものと同様に結合されており、上述のものと同様に機能することが理解される。
【0074】
電力コンバーターはDCMにおいて動作している。第1のタイミング図はドレイン・ソース電圧VDS553である。第2のタイミング図はクランプ有効化信号UCE568である。第3のタイミング図は駆動信号U544である。
【0075】
t5より前の時点において、電力スイッチがオンに切り替えられ、したがって、ドレイン・ソース電圧VDS553がゼロである。駆動信号U544は論理ハイである。クランプ有効化信号UCE568は論理ローである。
【0076】
時点t5において、駆動信号UDR544が論理ローであることにより示されるように、電力スイッチがオフに切り替えられる。結果として、ドレイン・ソース電圧VDS553は入力電圧まで上昇する。クランプ有効化信号UCE568は論理ローである。t5の後であってt6より前に、ドレイン・ソース電圧VDS553は入力電圧にクランプ電圧を加えたものまで上昇する。その後、ドレイン・ソース電圧が、一次巻線から二次巻線へのエネルギー伝達の完了によりもたらされて振動し始める。振動は漏れインダクタンスおよび励磁インダクタンスならびに電力スイッチの共振静電容量により形成された共振タンクによりもたらされる。駆動信号U444は論理ローである。クランプ有効化信号UCE568は論理ローである。
【0077】
時点t6において、クランプ有効化信号UCE568は論理ハイになる。ドレイン・ソース電圧VDS553は、クランプコンデンサおよび入力電圧によりクランプされる。時点t7において、クランプ有効化信号UCE568は論理ローになる。ドレイン・ソース電圧VDS553はゼロに向かって低下する。時点t7の後であってt8の前は、電力スイッチのオン切り替え前に制御信号として生成される遅延tDEL2を表す。時点t8において、ドレイン・ソース電圧VDS553はゼロである。駆動信号U544は論理ハイに遷移する。時点t8において、電力スイッチがオンに切り替えられ、したがって、ドレイン・ソース電圧VDS553はゼロである。駆動信号UDR544は時点t9まで論理ハイである。クランプ有効化信号UCE568は時点t9まで論理ローである。時点t9において、駆動信号UDR544が論理ローになり、電力スイッチがオフに切り替えられ、ドレイン・ソース電圧VDS553が上昇し始める。
【0078】
図6Aは、本開示の実施形態による、電力スイッチのドレイン電圧の例示的なタイミング図を示す。図6Aに対して言及されている信号が前述の図の信号の一例であり得ること、および、以下で参照される同様に命名された、および番号付けされた要素が上述のものと同様に結合されており、上述のものと同様に機能することが理解される。
【0079】
図6Aにおいて、ドレイン・ソース電圧VDS653は、電力コンバーターがCCMにおいて動作していることを表している。時点t1から時点t2により表された遅延期間tDEL1は、クランプスイッチがオフに切り替わることと電力スイッチがオンに切り替わることとの間の遅延である。上述のように、漏れインダクタンスからのエネルギーだけが、ドレイン・ソース電圧VDS653をゼロにするために使用され得る。時点t2の後、漏れインダクタンスおよび電力スイッチの共振静電容量の共振タンクによりもたらされるように、電力スイッチがオンに切り替わらない場合、ドレイン・ソース電圧VDSの破線が急激に上昇する。
【0080】
図6Bは、本開示の実施形態による、電力スイッチのドレイン電圧の別の例示的なタイミングを示す。図6Bに対して言及されている信号が前述の図の信号の一例であり得ること、および、以下で参照される同様に命名された、および番号付けされた要素が上述のものと同様に結合されており、上述のものと同様に機能することが理解される。
【0081】
ドレイン・ソース電圧VDS653は、電力コンバーターがDCMにおいて動作していることを表している。時点t1から時点t2により表された遅延期間tDEL2は、クランプスイッチがオフに切り替わることと電力スイッチがオンに切り替わることとの間の遅延を表す。第2の遅延期間tDEL2は、図6AにおけるtDEL1における第1の遅延期間より長い。漏れインダクタンスおよび励磁インダクタンスからのエネルギーは、ドレイン・ソース電圧VDS653をゼロにするために使用され得る。時点t2後、漏れインダクタンスおよび励磁インダクタンスならびに電力スイッチの共振静電容量を備える共振タンキングによりもたらされるように、電力スイッチがオンに切り替わらない場合、ドレイン・ソース電圧の破線が急激に上昇する。
【0082】
図6Cは、本開示の実施形態による、電力スイッチのドレイン電圧のタイミング図の別の例を示す。図6Cに対して言及されている信号が前述の図の信号の一例であり得ること、および、以下で参照される同様に命名された、および番号付けされた要素が上述のものと同様に結合されており、上述のものと同様に機能することが理解される。
【0083】
ドレイン・ソース電圧VDS653は電力コンバーターがDCMにおいて動作していることを表している。時点t1から時点t2により表された遅延期間tDEL2は、クランプスイッチがオフに切り替わることと電力スイッチがオンに切り替わることとの間の遅延を表す。t1の前に、ドレイン・ソースVDS653の振動は、漏れインダクタンスおよび出力静電容量の共振タンクによりもたらされる伝導の二次側の終了を表す。期間tDEL3は、電力スイッチをオンに切り替える前の期間を表す。漏れインダクタンスおよび励磁インダクタンスからのエネルギーが、ドレイン・ソース電圧VDS653をゼロにするために使用され得る。ドレイン・ソース電圧VDS653を低下させるために励磁インダクタンスを使用することの利点は、同期整流器のドレイン・ソース電圧の最小のオーバーシュートを可能にする。
【0084】
図7は、本開示の実施形態による、電力スイッチのドレイン電圧のタイミング図を示す。図7に対して言及されている信号が前述の図の信号の一例であり得ること、および、以下で参照される同様に命名された、および番号付けされた要素が上述のものと同様に結合されており、上述のものと同様に機能することが理解される。
【0085】
タイミング図は、電力スイッチがオフに切り替えられたとき、クランプ電圧VCL709に入力電圧VIN701を加えたものに等しい電圧VCL1 710まで上昇し、t2においてゼロに達するドレイン・ソース電圧VDS753を示す。時点t1において、クランプスイッチがオフに切り替わったとき、漏れインダクタンスに蓄積されたエネルギーがVCLに対してLLKI^2である。クランプスイッチのオフ切り替えは、共振コンデンサへの電流をもたらし、クランプ電圧に対して負に充電し始める。用途に応じて、電力スイッチのピーク電流が規定される。電力スイッチのピーク電流が規定されたとき、および、クランプコンデンサを充電するエネルギー量が特定され得、および、ZVSを実現するための漏れインダクタンスが、LLK=(CRES*VCL12)/(0.65*ILIMPK)2により規定され得る。コンデンサCRESは電力スイッチの静電容量であり、ILIMPKはスイッチのピーク電流である。t1からt2までの期間はZVSが発生するための期間を表し、漏れインダクタンスおよび共振静電容量により形成された共振周期の関数であり、リングVTOTALの理論的なクランプされていない電圧振幅は、
【数1】
により規定され得る。
【0086】
時点t3において、電力スイッチがオンに切り替えられていない場合、漏れインダクタンスおよび電力スイッチの出力静電容量により形成された共振タンクが、ドレイン・ソース電圧が急速に上昇することをもたらし得る。
【0087】
図8は、本開示の実施形態による、同期整流器スイッチのドレイン電圧および電力スイッチのドレイン電圧のタイミング図を示す。図8に対して言及されている信号が前述の図において言及された信号の一例であり得ること、および、以下で参照される同様に命名された、および番号付けされた要素が上述のものと同様に結合されており、上述のものと同様に機能することが理解される。
【0088】
第1のタイミング図は同期整流器のドレイン・ソース電圧VSR855を示す。第2のタイミング図は電力スイッチのドレイン・ソース電圧VDS853を示す。同期整流器のドレイン・ソース電圧VSR855、および、電力スイッチのドレイン・ソース電圧VDS853は互いの反射(reflection)であり得る。言い換えると、電力スイッチのドレイン・ソース電圧VDS853がゼロであるとき、同期整流器のドレイン・ソース電圧VSR855は正である。電力スイッチのドレイン・ソース電圧VDS853が正であるとき、同期整流器のドレイン・ソース電圧VSR855はゼロである。
【0089】
図8において、電力コンバーターの動作はDCMである。時点t1において、同期整流器スイッチがオンにスイッチングされるので、同期整流器のドレイン・ソース電圧VSR855はゼロであるのに対し、電力スイッチのドレイン・ソース電圧VDS853は、電力スイッチがオフであるとき入力電圧にクランプ電圧を加えたものである。電力スイッチの切り替え前に、クランプスイッチは、電力スイッチのドレイン・ソース電圧VDS853をゼロにすることを可能にされる。したがって、エネルギーが漏れインダクタンスおよび励磁インダクタンスに蓄積される。クランプスイッチがオフに切り替えられたとき、漏れインダクタンスが、入力電圧にクランプ電圧を加えたものから、電圧の小さい振動により表された励磁インダクタンスにクランプされたより低い値まで、ドレイン・ソース電圧VDS853を低下させる。励磁インダクタンスの放電は、電力スイッチのドレイン・ソース電圧VDS853をゼロまで低下させるように続く。電力スイッチのドレイン・ソース電圧VDS853の破線は、電力スイッチがオンに切り替えられなかった場合、ドレイン・ソース電圧VDS853が振動することをもたらす共振タンクを表す。
【0090】
時点t2において、電力スイッチのドレイン・ソース電圧VDS953がゼロであるとき、電力スイッチがオンに切り替えられ、これが、同期整流器の最小のオーバーシュートを提供する。
【0091】
本発明に関して示される例についての上述の説明は、要約で説明される事項を含め、網羅的であることを意図したものではなく、開示される形態そのものへの限定であることを意図したものでもない。本発明の特定の実施形態および例が本明細書において例示を目的として説明されるが、本発明のより広い趣旨および範囲から逸脱することなく様々な同等な変更が可能である。実際、具体的で例示的な電圧、電流、周波数、出力範囲値、時間などが説明のために提示されること、および、本発明の教示による他の実施形態および例において他の値が使用されてもよいことが理解される。
【0092】
本発明は請求項において規定されるが、本発明が代替的に以下の例により規定され得ることが理解されなければならない。
【0093】
例1:電力コンバーターにおける使用のために構成された制御装置であって、制御装置が、電力コンバーターの入力電圧を表す入力ライン電圧検出信号を受信するように結合された制御回路であって、制御回路が、電力コンバーターの出力を表す要求信号に応答して制御信号を生成するように構成されており、制御信号が、入力ライン電圧検出信号に応答した、クランプスイッチのオン切り替えの後に電力スイッチをオンに切り替えるための遅延期間を表し、制御回路が、クランプドライバを制御するためのクランプ駆動信号を生成するように更に構成された、制御回路と、電力コンバーターの入力から電力コンバーターの出力にエネルギーを伝達するように電力スイッチを制御するための駆動信号を生成するように構成された駆動回路とを備える、制御装置。
【0094】
例2:制御回路が、要求信号に応答して有効化信号を生成するように構成された有効化回路と、有効化信号に応答してクランプスイッチをオンに切り替えるためのクランプ駆動信号を生成するように構成された単安定マルチバイブレーターであって、単安定マルチバイブレーターが、第1の持続期間にわたってパルスを出力するように構成されており、第1の持続期間が、電力スイッチをオンに切り替えるという判定に応答して電力スイッチのオフ期間の終了付近から始まる、単安定マルチバイブレーターとを備える、例1に記載の制御装置。
【0095】
例3:制御回路が、単安定マルチバイブレーターに結合されたフリップフロップを更に備え、フリップフロップが、クランプ駆動信号に応答して第1の論理状態を生成するように構成された、前述の例のいずれか1つに記載の制御装置。
【0096】
例4:制御回路が、電力スイッチがオンに切り替えられる前に電力スイッチの寄生容量をエネルギー伝達要素に放電するために、クランプコンデンサに蓄積された電荷をエネルギー伝達要素に注入するようにクランプドライバを制御するように更に構成された、前述の例のいずれか1つに記載の制御装置。
【0097】
例5:制御回路が、電力スイッチがオンに切り替えられる前に電力スイッチの寄生容量がエネルギー伝達要素に放電させられるための十分な期間を提供するために、電力スイッチのオン切り替えを遅延させるように構成された遅延回路を更に備える、前述の例のいずれか1つに記載の制御装置。
【0098】
例6:遅延回路が、第1の動作モード信号により制御される第1のスイッチと、第1のスイッチに結合された第1の遅延回路であって、第1の遅延回路が、第1の遅延期間の後に制御信号を出力するように構成された、第1の遅延回路と、第2の動作モード信号により制御される第2のスイッチと、第2のスイッチに結合された第2の遅延回路であって、第2の遅延回路が、第2の遅延期間の後に制御信号を出力するように構成されており、第2の遅延期間が、第1の遅延期間より長い、第2の遅延回路とを備える、前述の例のいずれか1つに記載の制御装置。
【0099】
例7:制御回路が、入力ライン電圧検出信号が連続伝導モード(CCM)閾値未満であるか否かを判定するように構成された第1の比較器と、入力ライン電圧検出信号が不連続伝導モード(DCM)閾値より大きいか否かを判定するように構成された第2の比較器と、第1の比較器の出力に結合されたセット入力を含むセット・リセット(SR)ラッチであって、SRラッチが、第2の比較器の出力に結合されたリセット入力を含むように更に結合されており、SRラッチが、第1の動作モード信号を出力するように構成されており、SRラッチが、第2の動作モード信号を出力するように更に構成された、SRラッチとを更に備える、前述の例のいずれか1つに記載の制御装置。
【0100】
例8:第1の動作モード信号が、電力コンバーターのDCM動作を表す、前述の例のいずれか1つに記載の制御装置。
【0101】
例9:第2の動作モード信号が、電力コンバーターのCCM動作を表す、前述の例のいずれか1つに記載の制御装置。
【0102】
例10:電力コンバーターであって、電力コンバーターの入力と電力コンバーターの出力との間に結合されたエネルギー伝達要素と、エネルギー伝達要素に結合された電力スイッチと、エネルギー伝達要素と電力スイッチとに結合されたクランプドライバと、クランプドライバと電力スイッチとに結合された一次制御装置とを備え、一次制御装置が、電力コンバーターの出力を表す要求信号に応答して制御信号を生成するように構成された制御回路であって、制御信号が、入力ライン電圧検出信号に応答して、クランプスイッチのオン切り替えの後に電力スイッチをオンに切り替えるための複数の動作モードのうちの1つを選択し、制御回路が、クランプドライバを制御するためのクランプ駆動信号を生成するように更に構成された、制御回路と、電力コンバーターの入力から電力コンバーターの出力にエネルギーを伝達するように電力スイッチを制御するための駆動信号を生成するように構成された駆動回路とを備える、電力コンバーター。
【0103】
例11:クランプドライバが、クランプスイッチに結合されたクランプコンデンサを備え、クランプコンデンサが、クランプ駆動信号に応答してクランプスイッチを通してエネルギー伝達要素の一次巻線に注入される電荷を蓄積するように結合された、例10に記載の電力コンバーター。
【0104】
例12:エネルギー伝達要素が、クランプドライバと一次巻線との間の励磁インダクタンスと漏れインダクタンスとを更に備える、前述の例のいずれか1つに記載の電力コンバーター。
【0105】
例13:複数の動作モードが、第1の動作モードと第2の動作モードとを含み、第1の動作モードが、連続伝導モード(CCM)であり、第2の動作モードが、不連続伝導モード(DCM)である、前述の例のいずれか1つに記載の電力コンバーター。
【0106】
例14:エネルギー伝達要素の漏れインダクタンスが、クランプスイッチのオン切り替えに応答して、電力スイッチのドレイン・ソース電圧を実質的にゼロまで低下させる、前述の例のいずれか1つに記載の電力コンバーター。
【0107】
例15:エネルギー伝達要素の漏れインダクタンスと励磁インダクタンスとが、クランプスイッチのオン切り替えに応答して、電力スイッチのドレイン・ソース電圧を実質的にゼロまで低下させる、前述の例のいずれか1つに記載の電力コンバーター。
【0108】
例16:クランプドライバが、クランプ駆動信号を受信するように結合されたロー側ドライバであって、ロー側ドライバが、クランプスイッチのオン切り替えを通信するように構成された、ロー側ドライバと、クランプスイッチに結合されたハイ側ドライバであって、ハイ側ドライバが、クランプスイッチを制御するためにクランプ有効化信号を生成するように構成された、ハイ側ドライバと、ロー側ドライバとハイ側ドライバとに結合された通信リンクとを備える、前述の例のいずれか1つに記載の電力コンバーター。
【0109】
例17:電力コンバーターが、電力コンバーターの出力を表すフィードバック信号に応答して要求信号を生成するように構成された二次制御装置を更に備える、前述の例のいずれか1つに記載の電力コンバーター。
【0110】
例18:二次制御装置が、一次制御装置からガルバニック絶縁された、前述の例のいずれか1つに記載の電力コンバーター。
【0111】
例19:有効化回路が、要求信号に応答して有効化信号を生成するように構成されており、単安定マルチバイブレーターが、有効化信号に応答してクランプスイッチをオンに切り替えるためのクランプ駆動信号を生成するように構成されており、単安定マルチバイブレーターが、第1の持続期間にわたってパルスを出力するように更に構成されており、第1の持続期間が、電力スイッチをオンに切り替えるという判定に応答して電力スイッチのオフ期間の終了付近から始まる、前述の例のいずれか1つに記載の電力コンバーター。
【0112】
例20:制御回路が、単安定マルチバイブレーターに結合されたフリップフロップを更に備え、フリップフロップが、クランプ駆動信号に応答して第1の論理状態を生成するように構成された、前述の例のいずれか1つに記載の電力コンバーター。
【0113】
例21:制御回路が、電力スイッチがオンに切り替えられる前に電力スイッチの寄生容量がエネルギー伝達要素に放電させられるための十分な期間を提供するために、電力スイッチをオンに切り替えることを遅延させるように構成された遅延回路を更に備える、前述の例のいずれか1つに記載の電力コンバーター。
【0114】
例22:遅延回路が、第1の動作モード信号により制御されるように構成された第1のスイッチと、第1の遅延期間の後に制御信号を出力するように構成された第1の遅延回路と、第2の動作モード信号により制御されるように結合された第2のスイッチと、第2の遅延期間の後に制御信号を出力するように構成された第2の遅延回路とを備え、第2の遅延期間が、第1の遅延期間より長い、前述の例のいずれか1つに記載の電力コンバーター。
【0115】
例23:制御回路が、入力ライン電圧検出信号が連続伝導モード(CCM)閾値未満であるか否かを判定するように構成された第1の比較器と、入力ライン電圧検出信号が不連続伝導モード(DCM)閾値より大きいか否かを判定するように構成された第2の比較器と、第1の比較器の出力に結合されたセット入力を含むセット・リセット(SR)ラッチであって、SRラッチが、第2の比較器の出力に結合されたリセット入力を含むように更に結合されており、SRラッチが、第1の動作モード信号を出力するように構成されており、SRラッチが、第2の動作モード信号を出力するように更に構成されている、SRラッチとを更に備える、前述の例のいずれか1つに記載の電力コンバーター。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図6A
図6B
図6C
図7
図8
【国際調査報告】