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特表2022-530668クロススロットスケジューリング適応化のための装置及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-30
(54)【発明の名称】クロススロットスケジューリング適応化のための装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/12 20090101AFI20220623BHJP
   H04W 72/04 20090101ALI20220623BHJP
【FI】
H04W72/12
H04W72/04 131
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021564822
(86)(22)【出願日】2020-04-29
(85)【翻訳文提出日】2021-11-01
(86)【国際出願番号】 EP2020061861
(87)【国際公開番号】W WO2020225048
(87)【国際公開日】2020-11-12
(31)【優先権主張番号】19172626.4
(32)【優先日】2019-05-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.3GPP
(71)【出願人】
【識別番号】514136668
【氏名又は名称】パナソニック インテレクチュアル プロパティ コーポレーション オブ アメリカ
【氏名又は名称原語表記】Panasonic Intellectual Property Corporation of America
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】特許業務法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リ ホンチャオ
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 秀俊
(72)【発明者】
【氏名】クゥァン クゥァン
(72)【発明者】
【氏名】バムリ アンキット
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA13
5K067CC21
5K067DD34
5K067EE02
5K067EE10
5K067HH23
5K067HH24
(57)【要約】
本開示は、通信装置、基地局並びに通信装置及び基地局の各自の方法に関する。通信装置は、送受信機と、動作中にスケジューリンググラントを受信した後のK個のタイムスロットでデータを受信又は送信し、Kは最小のスケジューリングギャップより小さくなく、制御情報を受信するよう送受信機を制御し、制御情報が現在適用される第1の最小のスケジューリングギャップと異なる第2の最小のスケジューリングギャップを示すとき、Kが制御情報の受信から始まる間隔に対する第1の最小のスケジューリングギャップ及び第2の最小のスケジューリングギャップより小さくないと判定する回路と、を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
信号を送受信する送受信機と、
動作中にスケジューリンググラントを受信した後のK個のタイムスロットでデータを受信又は送信し、Kは最小のスケジューリングギャップより小さくなく、制御情報を受信するよう前記送受信機を制御し、前記制御情報が現在適用される第1の最小のスケジューリングギャップと異なる第2の最小のスケジューリングギャップを示すとき、Kが前記制御情報の受信から始まる間隔に対する前記第1の最小のスケジューリングギャップ及び前記第2の最小のスケジューリングギャップより小さくないと判定する回路と、
を有する、通信装置。
【請求項2】
前記スケジューリンググラントは、時間領域リソース割当て(TDRA)テーブルのエントリへの参照を含み、
前記TDRAテーブルは複数のエントリを含み、各エントリはKの値を含む各時間領域リソース割当てを指定する、請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記制御情報は、TDRAテーブルのセットからの現在適用される第1のTDRAテーブル以外の前記TDRAテーブルのセットからの第2のTDRAテーブルへの参照を含み、
前記回路は、動作中に前記第2のTDRAテーブルのエントリの中のKの最小値として前記第2の最小のスケジューリングギャップを決定する、請求項2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記制御情報と前記スケジューリンググラントとは、物理ダウンリンク制御チャネルの同一のダウンリンク制御情報(DCI)において送信され、
前記TDRAテーブルへの参照は、前記第1のTDRAテーブルと前記第2のTDRAテーブルとからのより大きな前記最小のスケジューリングギャップを有する前記TDRAテーブルへの参照である、請求項3に記載の通信装置。
【請求項5】
前記制御情報は、データの受信又は送信に現在利用される第1の帯域幅部分(BWP)から第2のBWPへ切り替えるための命令を含み、
前記第1のBWPは、前記第1の最小のスケジューリングギャップを有する第1のTDRAテーブルと関連付けされ、
前記第2のBWPは、前記第2の最小のスケジューリングギャップを有する第2のTDRAテーブルと関連付けされる、請求項2に記載の通信装置。
【請求項6】
前記制御情報は、現在利用される前記TDRAテーブルのエントリのサブセットへの参照を含み、
前記回路は、動作中に前記TDRAテーブルのエントリのサブセットのエントリの中のKの最小値として前記第2の最小のスケジューリングギャップを決定する、請求項2に記載の通信装置。
【請求項7】
前記制御情報は、前記第2の最小のスケジューリングギャップを指定するフィールドを含む、請求項1に記載の通信装置。
【請求項8】
共通制御情報を搬送するタイムスロットに適用可能な前記最小のスケジューリングギャップは、ゼロに設定される、請求項1から7の何れか一項に記載の通信装置。
【請求項9】
信号を送受信する送受信機と、
動作中に第1のタイムスロットからのK個のタイムスロットに配置されるタイムスロットにおけるデータの受信又は送信に対するスケジューリンググラントを前記第1のタイムスロットにおいて受信し、Kは最小のスケジューリングギャップより小さくなく、前記Kの数に従って決定される第2のタイムスロットにおいてデータを受信又は送信し、制御情報を受信するよう前記送受信機を制御し、前記制御情報が現在適用される第1の最小のスケジューリングギャップと異なる第2の最小のスケジューリングギャップを示すとき、前記制御情報の受信から始まる間隔において受信される場合、前記スケジューリンググラントに対する前記第1のタイムスロットの後のN個のタイムスロットのオフセットとKとの和に少なくともなるよう前記第2のタイムスロットを決定する回路と、
を有する、通信装置。
【請求項10】
前記オフセットNは、
-前記制御情報における通知と、
-1つの帯域幅部分(BWP)から他のBWPへの切替が以後に有効になる遷移期間と、
の少なくとも1つによって決定される、請求項9に記載の通信装置。
【請求項11】
信号を送受信する送受信機と、
動作中にスケジューリンググラントを受信した後のK個のタイムスロットでユーザ装置(UE)とデータを受信又は送信し、Kは最小のスケジューリングギャップより小さくなく、制御情報を前記UEに送信するよう前記送受信機を制御し、前記制御情報が前記UEに送信されるスケジューリンググラントに対して現在適用される第1の最小のスケジューリングギャップと異なる第2の最小のスケジューリングギャップを示すとき、前記UEに送信されるスケジューリンググラントに対して、前記制御情報の送信から始まる間隔に対する前記第1の最小のスケジューリングギャップ及び前記第2の最小のスケジューリングギャップより小さくないと判定する回路と、
を有する、スケジューリング装置。
【請求項12】
信号を送受信する送受信機と、
動作中にユーザ装置(UE)とのデータの受信又は送信に対するスケジューリンググラントを第1のタイムスロットにおいて前記UEに送信し、前記受信は前記第1のタイムスロットからのK個のタイムスロットに配置されるタイムスロットにあり、Kは最小のスケジューリングギャップより小さくなく、前記Kの数に従って決定される第2のタイムスロットにおいて前記UEとの間でデータを受信又は送信し、制御情報を前記UEに送信するよう前記送受信機を制御し、前記制御情報が前記UEに送信されるスケジューリンググラントに対して現在適用される第1の最小のスケジューリングギャップと異なる第2の最小のスケジューリングギャップを示すとき、前記制御情報の受信から始まる間隔において送信される場合、前記スケジューリンググラントに対して前記第1のタイムスロットの後のN個のタイムスロットのオフセットとKとの和に少なくともなるよう前記第2のタイムスロットを決定する回路と、
を有する、スケジューリング装置。
【請求項13】
信号を送受信する方法であって、
スケジューリンググラントを受信した後のK個のタイムスロットでデータを受信又は送信するステップであって、Kは最小のスケジューリングギャップより小さくない、ステップと、
制御情報を受信するステップと、
前記制御情報が現在適用される第1の最小のスケジューリングギャップと異なる第2の最小のスケジューリングギャップを示すとき、Kが前記制御情報の受信から始まる間隔に対する前記第1の最小のスケジューリングギャップ及び前記第2の最小のスケジューリングギャップより小さくないと判定するステップと、
を有する方法。
【請求項14】
信号を送受信する方法であって、
第1のタイムスロットからK個のタイムスロットに配置されるタイムスロットにおけるデータの受信又は送信に対するスケジューリンググラントを前記第1のタイムスロットにおいて受信するステップであって、Kは最小のスケジューリングギャップより小さくない、ステップと、
前記Kの数に従って決定される第2のタイムスロットにおいてデータを受信又は送信するステップと、
制御情報を受信するステップと、
前記制御情報が現在適用される第1の最小のスケジューリングギャップと異なる第2の最小のスケジューリングギャップを示すとき、前記制御情報の受信から始まる間隔において受信される場合、前記スケジューリンググラントに対する前記第1のタイムスロットの後のN個のタイムスロットのオフセットとKとの和に少なくともなるよう前記第2のタイムスロットを決定するステップと、
を有する方法。
【請求項15】
信号を送受信する方法であって、
スケジューリンググラントを送信した後のK個のタイムスロットでユーザ装置(UE)との間でデータを受信又は送信するステップであって、Kは最小のスケジューリングギャップより小さくない、ステップと、
制御情報を前記UEに送信するステップと、
前記制御情報が前記UEに送信されるスケジューリンググラントに対して現在適用される第1の最小のスケジューリングギャップと異なる第2の最小のスケジューリングギャップを示すとき、前記UEに送信されるスケジューリンググラントに対して、Kが前記制御情報の送信から始まる間隔に対する前記第1の最小のスケジューリングギャップ及び前記第2の最小のスケジューリングギャップより小さくないと判定するステップと、
を有する方法。
【請求項16】
信号を送受信する方法であって、
ユーザ装置(UE)との間のデータの受信又は送信に対するスケジューリンググラントを第1のタイムスロットにおいて前記UEに送信するステップであって、前記受信は前記第1のタイムスロットからK個のタイムスロットに配置されるタイムスロットにあり、Kは最小のスケジューリングギャップより小さくない、ステップと、
前記Kの数に従って決定される第2のタイムスロットにおいて前記UEとの間でデータを受信又は送信するステップと、
制御情報を前記UEに送信するステップと、
前記制御情報が前記UEに送信されるスケジューリンググラントに対して現在適用される第1の最小のスケジューリングギャップと異なる第2の最小のスケジューリングギャップを示すとき、前記制御情報の受信から始まる間隔において送信される場合、前記スケジューリンググラントに対する前記第1のタイムスロットの後のN個のタイムスロットのオフセットとKとの和に少なくともなるよう前記第2のタイムスロットを決定するステップと、
を有する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、通信システムにおける信号の送受信に関する。特に、本開示は、そのような送受信のための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)は、100GHzまでの周波数範囲で動作する“New Radio”(NR)無線アクセス技術(RAT)を含む第5世代(5G)とも呼ばれる次世代セルラ技術のための技術仕様の次のリリース(Release 15)の作業をしている。NRは、Long Term Evolution(LTE)及びLTE Advanced(LTE-A)によって表現される現在の技術の後継である。NRは、例えば、eMBB(enhanced Mobile Broadband)、URLLC(Ultra-Reliable Low-Latency Communications)、mMTC(massive Machine Type Communication)などを含む規定された複数の利用シナリオ、要求及び配置シナリオに対処する単一の技術的枠組みを容易にするよう設計される。例えば、eMBB配置シナリオは、屋内ホットスポット、密集した都市、地方、都市マクロ及び高速を含んでもよく、URLLC配置シナリオは、産業制御システム、モバイルヘルスケア(リモートモニタリング、診断及び処置)、車両のリアルタイム制御、スマートグリッドのための広域モニタリング及び制御システムを含んでもよく、mMTC配置シナリオは、スマートウェアラブル及びセンサネットワークなどの非時間クリティカルなデータ伝送による多数のデバイスによるシナリオを含んでもよい。eMBB及びURLLCサービスは、その双方が極めて広い帯域幅を要求する点で類似するが、URLLCサービスは超低遅延を要求する点で異なる。物理レイヤは時間-周波数リソース(LTEにおけるOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)など)に基づき、複数アンテナ動作をサポートする。
【0003】
LTE及びNRなどのシステムに対して、更なる改良及びオプションが、システムに関する特定のデバイスだけでなく、通信システムの効率的な動作を容易にしうる。
【発明の概要】
【0004】
1つの非限定的及び例示的な実施例は、無線通信システムにおける効率的なシグナリングを提供することを容易にする。
【0005】
一実施例では、ここに開示される技術は、信号を送受信する送受信機と、動作中にスケジューリンググラントを受信した後のK個のタイムスロットでデータを受信又は送信し、Kは最小のスケジューリングギャップより小さくなく、制御情報を受信するよう前記送受信機を制御し、前記制御情報が現在適用される第1の最小のスケジューリングギャップと異なる第2の最小のスケジューリングギャップを示すとき、Kが前記制御情報の受信から始まる間隔に対する前記第1の最小のスケジューリングギャップ及び前記第2の最小のスケジューリングギャップより小さくないと判定する回路と、を有する通信装置を特徴とする。
【0006】
全体的又は特定の実施例は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム、記憶媒体又はそれらの何れか選択的な組み合わせとして実現されてもよいことが留意されるべきである。
【0007】
開示された実施例の更なる利益及び利点は、明細書及び図面から明らかになるであろう。利益及び/又は利点は、明細書及び図面の様々な実施例及び特徴によって個別に取得されてもよく、これらは、そのような利益及び/又は利点の1つ以上を得るために全てが提供される必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】ここに説明される実施例が利用されうる通信システムを示すブロック図である。
図2】通信装置及びネットワーク装置を示すブロック図である。
図3】一例となるTDRAテーブルを示す概略図である。
図4】クロススロットスケジューリングを示す概略図である。
図5】より低速なスケジューリングからより高速なスケジューリングへの切り替えを示す概略図である。
図6】より高速なスケジューリングからより低速なスケジューリングへの切り替えを示す概略図である。
図7】追加的条件によるより高速なスケジューリングからより低速なスケジューリングへの切り替えを示す概略図である。
図8】回路の一例となる機能構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、基地局、端末及びコアネットワークを含む通信システムの例示的な具体例を示す。そのような通信システムは、NR、LTE及び/又はUMTSなどの3GPPシステムであってもよい。例えば、図1に示されるように、基地局(BS)は、gNB(例えば、NR gNB)又はeNB(例えば、LTE)であってもよい。しかしながら、本開示は、これら3GPPシステム又は他の何れかのシステムに限定されない。実施例及び例示的な実現形態は、3GPPシステムのいくつかの用語を用いて説明されるが、本開示は、他の何れかの通信システム、特に、何れかのセルラ、無線及び/又は移動システムにも適用可能である。
【0010】
通信装置は、LTE及びNRにおいてユーザ装置(UE)と呼ばれる端末であってもよい。これは、無線電話、スマートフォン又はユーザ装置の機能を備えるUSBスティックなどのモバイル装置であってもよい。しかしながら、モバイル装置という用語は、これに限定されず、リレーは、概してそのようなモバイル装置の機能を有してもよく、モバイル装置は、リレーとして機能してもよい。さらに、通信装置はIoT装置などの何れかのマシンタイプ通信装置であってもよい。
【0011】
基地局は、例えば、端末にサービスを提供するためのネットワークの一部を形成するネットワークノードである。基地局は、端末への無線接続を提供するネットワークノードである。LTEと共にNRでは、RRC(Radio Resource Control)プロトコルが、基地局(eNB、gNB)と端末(UE)との間で設定のために利用される。RRCは、物理的及びMAC(Medium Access Control)レイヤ上に存在する制御プロトコルである。RRCは、UEに対して送信/受信動作に従って様々な状態を規定する。例えば、RRC_CONNECTED状態は、特にUEが確立された無線アクセスベアラを有し、データを送信及び/又は受信できることを意味する。一方、RRC_IDLEモードは、特にUEに無線アクセスベアラは設定されていないが、シグナリング無線ベアラが確立されうることを意味する。
【0012】
クロススロットスケジューリングが、電力節約を容易にしうるため、3GPP RAN1のスタディアイテム(SI)とワークアイテム(WI)の中で想定されてきた。主な目的の1つは、通信装置が省電力技術を利用することを可能にするため、クロススロットスケジューリングの手順を指定することである。本開示は、いくつかの通信装置のために電力節約のオプションを容易にする、より効率的なクロススケジューリングの枠組みを提供する。
【0013】
スケジューリングのため、ユーザ装置(UE)などの通信装置には、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)においてUEによって受信されるDCI(Downlink Control Channel)においてそれ(すなわち、UE自体)がデータを送信/受信するためのリソースが通知されてもよい。例えば、UEがデータを受信する場合、DCIは、PDSCH(Physical Downlink Shared Channel)におけるリソースの対応する通知を含んでもよく、及び/又はUEがデータを送信する場合、DCIは、PUSCH(Physical Uplink Shared Channel)におけるリソースの対応する通知を含んでもよい。そのような通知は、周波数及び/又は時間領域におけるリソースの位置を示してもよく、及び/又は、以下でより詳細に説明されるように、シンボルに関する長さを示してもよい。それに加えて、DCIは、変調符号化方式(MCS)ビームフォーミング/プリコーディング、又は他のMIMO(Multiple-Input Multiple-Output)パラメータなどの更なる送信パラメータを提供してもよい。PDCCHは、基地局などのネットワーク(アクセス)ノードにおける送信機から通信装置に送信される。PDCCHを受信するため、通信装置は、典型的には、探索空間又はCORESET(制御リソースセット)と呼ばれる特定のリソースをモニタリングする必要がある。モニタリングは、モニタリング通信装置に対する制御情報があるか否かを検出するためのブラインド復号化を意味する。これは、例えば、制御情報が向けられる通信装置の識別情報によってスクランブル化された制御情報に対する巡回冗長検査を(スケジューリングノードによって)提供することによって達成される。
【0014】
例えば、Release 15(NR)において指定されるように、(例えば、上述したリソースのスケジューリングのため)スケジューリングタイミングは、TDRA(Time Domain Resource Allocation)テーブルを使用することによって、DCI内で通知されてもよい。特に、UEには、例えば、エントリ(行)インデックスを通知することによって、DCIにおけるTDRAテーブルの1つのエントリ(典型的には、テーブルの行)を示すことによって、割り当てられたリソースが通知されてもよい。テーブルという用語は、TDRAエントリが標準仕様においてテーブルとして要約されてもよいため、ここでは論理的な用語として使用される。しかしながら、本開示は、何れか特定の物理記憶構成に限定されず、TDRAテーブルは、各自のエントリインデックスに関連付けられたエントリのセットとして、何れかの方法で実現されてもよいことに留意されたい。
【0015】
図3は、一例となるTDRAテーブルを示す。TDRAテーブルは、各列の値を含むエントリ(テーブルの行)をラベル付けする行インデックスを指定する列から構成される。この例示的なTDRAテーブルには、dmrs-TypeA-Positionを指定する列、PDSCHマッピングタイプを指定する列、K値を指定する列、S値を指定する列、及び/又はL値を指定する列がある。従って、TDRAテーブルの行のDCI通知(行インデックスの1つの値)は、dmrs-TypeA-Position、PDSCHマッピングタイプ、K0値、S値及び/又はL値の特定の値の組み合わせの通知に対応する。
【0016】
本例では、dmrs-TypeA-Positionは、復調リファレンス信号の位置に関するパラメータである。このパラメータは、他の通知パラメータによって指定される。パラメータが2又は3の何れの値を取るかに基づいて、行インデックスはやや異なる時間領域リソース割当を参照する。パラメータdmrs-TypeA-Position及びPDSCHマッピングタイプは、本開示にとって更なる重要性はなく、詳細はNR規格仕様に見出すことができる。一般に、TDRAテーブルは、図3を参照して示されたものよりも多数又は少数のパラメータを含んでもよい。実際のリソース割当ては、この例示的なダウンリンクTDRAテーブルに対してパラメータK0、S及びLによって提供される。NRでは、ダウンリンクリソース割当てのためのTDRAテーブルのセットがあり、図3のTDRAテーブルはその1つである。さらに、ダウンリンクテーブルセットとは異なるアップリンクリソース割当てのためのTDRAテーブルのセットがある。アップリンクTDRAテーブルの場合、リソース割当て(リソースグラント)を指定するツリーパラメータは、K2、S及びLである。本開示は現在規定されているテーブルを含むNRに対して容易に利用されてもよいが、これに限定されるものではないことが留意される。また、それはサイドリンクに適用されてもよい。それは、異なるテーブル又は異なる方法で編成(通知)されたリソース割当てに適用されてもよい。
【0017】
TDRAテーブルの行インデックスによってDCIに示されるK0値は、PDCCHのスロットとPDSCHのスロットとの間のスロットに関するギャップを示す。ここで、PDCCHのスロットは、各K0を示すDCIが受信されるスロットであり、以降、スケジューリングスロット、スロット搬送スケジューリング情報又はスロット搬送スケジューリンググラントとして表される。さらに、PDSCHのスロットは、スケジューリングされたリソースが配置されるスロット(又は最初/開始スロット)、例えば、データが送受信されるスロットであってもよい。言い換えれば、K0は、リファレンススロットに関する受信/送信のためにスケジューリングされたリソースを含むスロットの相対位置(時間領域における)を示すものであってもよく、このリファレンススロットは、当該K0を示すDCIのスロットであってもよい。より具体的には、K0は、ギャップのサイズ又はスロットの期間/単位での相対位置を示すものであってもよい。K0の特定の値、例えば、図3に示されるテーブルの場合にはゼロの値は、ギャップがないことと、データが送信/受信されるべきリソースがK0を示すDCIと同じスロットに配置されることを示すものであってもよいことに留意されたい。さらに、これは単なる一例であり、一般に、最初のスロット(PDCCH)スロット及び/又は割り当てられたリソースがスタートするスロット(リソーススロット又はスケジューリングされたスロットとしてまた参照される最初のPDSCHスロット)を含む、又は含まないスケジューリングギャップが通知されてもよい。一般に、スケジューリングギャップ(NRでは、ダウンリンクについてはK0、アップリンクについてはK2として示される)は、スケジューリングリソースとスケジューリングされたリソースとの間のギャップ(時間間隔)を指定する。
【0018】
“スロット”及び“タイムスロット”という用語は、一般に本開示において互換的に使用される。一般に、スロットは、本開示における時間領域リソースを指す。NRの場合、スロットに対応する時間間隔は、シンボル持続時間、サブキャリア間隔及びサイクリックプリフィックスの組み合わせであるニューメロロジに依存する。スロットは、1つ以上であってもよい指定された数のシンボルから構成される。指定された数のスロットはサブフレームを形成し、複数のサブフレームが無線フレームを形成しうる。“指定された”という用語は、UEとgNBとの双方がそれを知っているという事実を指す。これは、そのような設定を事前に、すなわち、スケジューリング手順を開始する前に、又は、スケジューリング手順を用いて通知することによって達成されてもよく、システムによって提供されるリソースのいくつかのパラメータがまた、規格によって固定及び提供されてもよい。
【0019】
さらに、DCIにおけるULグラントのケースは、上述したDLグラントのケースと同様であることに留意されたい。しかしながら、スケジューリングされたリソースはPUSCH(PDSCHでない)にあり、ギャップを示す数は通常はK2(K0ではない)として示される。本開示において、Kは、K0、K2又はサイドリンクなどの他のタイプのリンクに対するKの何れか1つを指すのに使用される。
【0020】
さらに、DCIに示されるSの値は、関連するスロット(K0/K2によって与えられる、スケジューリングされたリソースが送受信されるスロットである)におけるスケジューリングされたリソースの開始シンボルの位置を示すものであってもよい。
【0021】
最後に、DCIにおいて通知されるLの値は、シンボルの期間/単位におけるPDSCH/PUSCHの長さ、及び/又はシンボルの期間/単位におけるスケジューリングされたリソースの長さを示すものであってもよい。図3では、全てのエントリはゼロのK0値を指定しているが、一般に、TDRAテーブルは、K0の異なる(整数)値を有するエントリを含む。例えば、TDRAテーブルの1つのエントリは1のK0値に対応してもよく、一方、同じTDRAテーブルの他のエントリは、2のK0値に対応してもよい。非ゼロのK値の可能性は、クロススロットスケジューリングを可能にし、これは、DCIスケジューリングリソースと、当該DCIにおいてスケジューリングされた対応するリソースとが、異なるスロットに配置されるケースを指す。一般に、クロススロットスケジューリングは、電力節約に関していくつかの利点を提供することを容易にしうる。
【0022】
例えば、UEは、同じスロットスケジューリングケース(DCIスケジューリングリソースと、当該DCIにおいてスケジューリングされる対応するリソースとが同じスロットに配置される)と同程度に高速にPDCCHを復号化することは要求されていないかもしれないため、クロススロットスケジューリングは、PDCCH処理タイムラインを緩和することによって電力を節約することができる。さらに、クロススロットスケジューリングは、遅いPDSCHバッファリングを可能にしてもよい。同じスロットスケジューリングに対してとは異なり、クロススロットスケジューリングの場合、UEは、PDCCHを復号化し、スケジューリングされたリソースが実際に配置されている場所を認識するまで、PDCCHを受信した後、全てのシンボルをバッファリングする必要がなくてもよい。
【0023】
特に、UEが、PDCCHとスケジューリングされたPDSCHとの間の最小(スケジューリング)ギャップを知っているとき、すなわち、DCI/PDCCHにおいて通知されうる最小のKを知っているとき、UEは、少なくとも現在のスロット(例えば、PDCCHが受信されるスロット)と次のK-1スロットとにおいてPDSCHバッファリングをスキップしてもよい。さらに、クロススロットスケジューリングの可能性は、特にスケジュールされたリソースが受信されるまでPDCCHがスケジュールされない場合において、当該時間間隔においてより多くのマイクロスリープ期間を許容してもよい。
【0024】
これは、図4に示されており、Kの最小値2(より正確には、図におけるK0=2)のケースを示している。UEは、最小値Kを知っている場合、スロット#n+2及びスロット#n+3の残りの間にPDCCHをモニタリングする必要もなく、また、これらのスロットの間に測定を実行する必要もなく、また、受信データ(PDSCH)をバッファリングする必要もない。UEは、電力を節約するためスロット#n+2及び/又はスロット#n+3の残りの部分の間にマイクロスリープ状態に遷移することを選択することができる。しかしながら、全てのUEが省電力を実装及び/又は利用する必要がるとは限らないことに留意されたい。Kの提供は、電力節約のためのフレキシビリティ及び機会を増加させるが、それを規定しない。
【0025】
図4は、現在のNR仕様に基づく具体例である。それは、PDCCHが最初のBWP全体で送信されるが、リソースは帯域幅部分(BWP)の物理リソースブロック(PRB)の一部においてのみスケジューリングされる具体的なケースを示す。図4は、BWPの概念が利用されないケース、すなわち、帯域幅全体が常時割り当て可能であるケースにも適用されてもよいことに留意されたい。PRBは、あるニューメロロジの所定数のサブキャリアと、ある数のシンボルとを有するリソースユニットを指す。
【0026】
現在のRel.15 NRでは、設定される各TDRAテーブルは、Bandwidth Part((BWP)-DownlinkDedicated)に関する特定のコンテナ内にあってもよいRRCレイヤ(PDSCH-Config)上でPDSCHに関連するコンフィギュレーション内において通知される。従って、TDRAテーブルが上位レイヤで設定される場合、TDRAテーブルは、BWPに固有であってもよい。UEなどの通信装置は、デフォルトテーブルを使用するか、あるいは、pdsch-ConfigCommon又はpdsch-Configの何れかにおいて、上位レイヤにより設定されたpdsch-TimeDomainAllocationListを適用してもよい。しかしながら、これは、TDRA設定とNRのBWP概念との間の相互作用の1つの可能な詳細な具体例に過ぎない。本発明は、BWPを使用することを前提とせず、TDRAテーブルを使用するリソース割当てに限定されるものでない。
【0027】
RRC(Radio Resource Control)シグナリングは、gNB(gNodeBは、LTE(Long Term Evolution)のeNodeB(enhanced NodeB)に対応するNRにおける基地局の例示的な名称である)によって通信装置(UE)における無線アクセスベアラのパラメータ及び他のパラメータをセミスタティック又はスタティックに設定するのに利用される。TS 38.211 V15.0.0(2017-12)のセクション4.4.5で規定されているように、帯域幅部分(又はキャリア帯域幅部分)は、所与のキャリア上の所与のニューメロロジに対してクローズ4.4.4.2に規定される共通リソースブロックの連続するサブセットから選択されるクローズ4.4.4.3において規定されるような物理リソースブロックの連続するセットである。TS 38.211 V15.0.0において、所与の時間にアクティブである単一のダウンリンクキャリア帯域幅部分によるダウンリンクにおける4つまでのキャリア帯域幅部分によりUEが設定可能であることが規定される。UEは、アクティブな帯域幅部分の外側でPDSCH(Physical Downlink Shared Channel)、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)、CSI-RS(Downlink Reference Signals for Estimation of Channel State Information)又はTRS(Tracking Reference Signals for fine time and frequency tracking of channel)を受信することは予期されていない。
【0028】
仕様では、所与の時間にアクティブである単一のダウンリンクキャリア帯域幅部分によるアップリンクにおける4つまでのキャリア帯域幅部分によりUEが設定可能であることが更に規定される。UEが補完的なアップリンクにより設定される場合、UEは、所与の時間においてアクティブである単一の補完的なアップリンクキャリア帯域幅部分による補完的なアップリンクにおける4つまでのキャリア帯域幅部分により更に設定可能である。UEは、アクティブな帯域幅部分の外側ではPUSCH又はPUCCHを送信しない。ニューメロロジは、サブキャリア間隔とサイクリックプリフィックス(CP)とによって規定される。リソースブロックは、一般に周波数領域における12個の連続するサブキャリアとして規定される。物理リソースブロック(PRB)は、BWP内で番号付けされ、0からスタートするBWPのPRB番号付けである。
【0029】
BWPのサイズは、最小1PRBからシステム帯域幅の最大サイズまで可変である。現在、4つまでのBWPが、所与のTTI(Transmission Time Interval)における単一のアクティブなダウンリンク及びアップリンクBWPによって、各DL(ダウンリンク)及びUL(アップリンク)に対して上位レイヤパラメータにより設定可能である。しかしながら、本開示は、UEが4つまでの帯域幅部分により設定されるTS 38.211において規定されたケースに限定されるものでない。帯域幅部分の数は、アップリンク及び/又はダウンリンクにおいて4より大きくてもよい。例えば、UEは8つのBWPにより設定されてもよい。
【0030】
TTI(Transmission Time Interval)は、割当てをスケジューリングするためのタイミング粒度を決定する。1つのTTIは、所与の信号が物理レイヤにマッピングされる時間間隔である。TTI長は、14シンボル(スロットベーススケジューリング)から2シンボル(非スロットベーススケジューリング)まで可変である。ダウンリンク及びアップリンク送信は、10サブフレーム(1ms持続時間)から構成されるフレーム(10ms持続時間)に編成されるよう指定される。スロットベース送信では、サブフレームはスロットに分割され、スロットの数は、ニューメロロジ/サブキャリア間隔によって規定され、指定される値は、15kHzのサブキャリア間隔に対する10スロットと、240kHzのサブキャリア間隔に対する320スロットとの間の範囲となる。スロット毎のOFDMシンボルの数は、ノーマルサイクリックプリフィックスでは14であり、拡張サイクリックプリフィックスでは12である(3GPP TS 38.211 V15.0.0(2017-12)のセクション4.1(全体フレーム構成)、4.2(ニューメロロジ)、4.3.1(フレーム及びサブフレーム)及び4.3.2(スロット)を参照)。3GPP TS 38.211V15.0.0(2017-12)の(フレームおよびサブフレーム)および4.3.2(スロット)を参照されたい)。しかしながら、送信はまた、非スロットベースであってもよい。非スロットベース通信では、TTIの最小の長さは2つのOFDMシンボルであってもよい。NRにおけるBWP概念は、より小さいデータパケットのための比較的小さいアクティブな帯域幅の動的設定を可能にすることであり、これは、小さいアクティブBWPのために、UEがより少ない周波数をモニタリングするか、又は、送信用のより少ない周波数を使用する必要があるため、UEのための省電力を可能にする。
【0031】
ユーザ装置のためのアクティブな帯域幅部分(例えば、TTIにおける信号の送受信のためにUEによって使用される帯域幅部分)は、設定されたBWPの間で切り替え可能である。例えば、現在のニーズに応じて、アクティブなBWPは、より大きなBWPに切り替えられてもよいし、あるいは、UEのバッテリ電力を節約するため、より小さなBWPに切り替えられてもよい。これは、次のTTIで使用されるアクティブなBWPのDCIにおける動的通知によって可能である。DCIは、ダウンリンク及びアップリンクスケジューリング情報(例えば、リソース割当て及び/又はグラント)、非周期的CQIレポートに対する要求、又は1つのセル及び1つのRNTIのアップリンク電力制御コマンドを搬送する。DCI符号化は、情報要素多重化、CRC(Cyclic Redundancy Check)アタッチメント、チャネル符号化及びレートマッチングを含む。DCIは、MCS、冗長バージョン又はHARQプロセス番号などの送信パラメータを搬送する。DCIは、異なるタイプの制御情報又は制御パラメータを搬送する複数のフィールド(例えば、ビットフィールド/ビットマップ)から構成される。あるパラメータの位置及び各パラメータを符号化するビット数は、DCIを送信する基地局と、DCIを受信するUEとに知られている。しかしながら、ユーザ装置はDCIを復号化し、次に新しいアクティブなBWPへのハードウェア同調を始める必要があるため、アクティブなBWPのこのような切替は遅延に加わる。
【0032】
現在のNRの議論では、アクティブなダウンリンクDL(又はアップリンクUL)帯域幅部分に対して適用可能なK0(又はK2)の最小値は、省電力から利益を得ることを可能にするためgNBからUEに通知されてもよい。当該通知は、以下に列挙される方法の1つ以上によって実行されてもよい。
a)TDRAエントリのサブセットの通知、例えば、ビットマップベースの通知が提供されてもよい。サブセットのエントリ中の最小のKは、その後、UEによって決定されてもよい。
b)複数の設定されたTDRAテーブルからの1つのアクティブなテーブルの通知であって、UEがテーブルを確認することによって決定しうる特定の最小のKを有するテーブル。
c)例えば、DCI又は上位レイヤシグナリングなどにおける適用可能な最小値を明示的な通知。
【0033】
しかしながら、クロススロット及びクロスBWPスケジューリングにおいてKの最小値を適用することは、いくつかの困難をもたらしうる。同様の問題が、クロスBWPスケジューリングを考慮することなく生じる。いくつかの可能な問題が以下に説明される。
【0034】
図5は、より低速なBWP(BWP#1)からより高速なBWP(BWP#2)に切り替えることによるクロススロットスケジューリング適応化の具体例を示す。2つのBWPであるBWP#1及びBWP#2は、省電力目的のために提供されてもよく、異なる処理タイムラインに対応する異なる最小値K0により設定される。より具体的には、図5に示される具体例では、BWP#1は最小のK0が2である(従って、より低速と示される)TDRAテーブルにより設定される一方、BWP#2は最小のK0が1である(従って、より高速と示される)TDRAテーブルにより設定される。さらに、本具体例では、BWP切替DCI、PDSCHスケジューリングは、ターゲットBWP(BWP#2)とリンクしたTDRAテーブルを利用する。すなわち、BWP切替をまた示すDCI内のスケジューリンググラント(例えば、そこで通知されるK値)は、K0=0のエントリを有さないターゲットBWP(BWP#2)のTDRAテーブルを参照する。
【0035】
遷移時間(スロット#n+6以降)後、PDCCHは、最小のK0=1のTDRAを使用してBWP#2において送信される。しかしながら、本例では遷移時間は3スロットであるため、BWP#2は、スロット#n+6から始まるスケジューリング/PDCCHのみに対して使用される。結果として、BWP#2に関連するTDRAはK0=0のエントリを有しないため、PDSCH#3(すなわち、スロット#n+6におけるリソース)は、BWP#2においてPDCCHによってスケジューリングできない。より具体的には、切替後のBWP#2における可能な最先のスケジューリンググラントであるPDCCH#4によって、スロット#n+7(PDSCH#4)以降におけるリソースのみをスケジューリングできる。従って、PDSCH#3がスケジューリングされる必要がある場合、それはPDCCH#3を使用することによってのみ可能であるが、この場合、スイッチングDCIと共に通知されるK0は、3である必要がある。本例では、ターゲットBWP TDRAテーブルが遷移時間中に利用されるため、“より高速のBWP”(BWP#2)は、BWP遷移の始めにおいて初期スロットをスケジューリング可能にするため、TDRAテーブルにおいてより大きなK0の値を有する必要がある。しかしながら、PDSCHバッファリング動作を可能な限り明確にするため、省電力のためにより集中したK0値を有する効率的なTDRAテーブルを有することが顕著である。なぜなら、UEのバッファリング動作は、時間領域において整列され、より局所化されることがより良好である。
【0036】
図6は、より高速なBWPからより低速なBWPに切り替えることによるクロススロットスケジューリング適応化の具体例を示す。ここで、高速なBWPはBWP#1として示され、低速なBWPはBWP#2として示されることに留意されたい。より具体的には、本例では、BWP#1は最小K0=0のTDRAテーブルにより設定される一方、BWP#2は最小K0=2のTDRAテーブルにより設定される。再び、切替遷移時間は3スロットであり、切替遷移時間の間、ターゲットTDRAテーブル(BWP#2のテーブル)が再び使用される。
【0037】
従って、PDCCH#3によるPDSCH#3のスケジューリングは、K0が2以上であるBWP#2のTDRAテーブルを使用する。遷移期間を考えると、K0は3である。従って、BWP切替後の最初のスロットをスケジューリング可能にするため(本例では、スロット#n+6及びスロット#n+7は、BWP#2におけるPDCCHによってスケジューリング不可である)、実際の遷移期間を考慮することによって、TDRAテーブルにおいて特別なK0値が必要とされてもよい。従って、BWP#2に関連するTDRAテーブルにおけるK0の実際に使用された値に応じて、遷移時間後の最初の数スロットは、遷移期間中にBWP#1において送受信されるPDCCHによって(例えば、BWP切替をまた示すDCIにおけるスケジューリンググラントによって)スケジューリング可能でなくてもよい。
【0038】
図5及び図6を参照して上述した問題から理解できるように、より良好な省電力性能を達成するため、スケジューリングのフレキシビリティが制限されてもよい。これは、BWPのコンテクストにおいて、例えば、BWP切替中のTDRA設定によって実行可能である。TDRAテーブルが非常にフレキシブルなK値を有する(すなわち、Kの高い範囲を含む)場合、省電力ゲインは、動的に設定されたKではなくKの最小値に典型的に依存するため、達成することができないことに留意されたい。同様の問題は、複数のBWPのコンテクストにおいてだけでなく、TDRAテーブル、あるいは、一般に最小のKが変更/再設定される必要がある何れかのケースにおいて生じることに留意されたい。
【0039】
これらの問題を解決するため、本発明は、最小のスケジューリングギャップの2つの値のあいだの切替中に時間領域スケジューリングの調整を容易にする、後述される各種実施例を提供する。特に、実施例は、
I.最小のスケジューリングギャップ(K)の2つの値の間での切替中、切り替えられたギャップのより長いものが利用されることを指定するルールを実現すること。このルールは、様々な非限定的な方法により実現可能である。例えば、BWP切替のコンテクストでは、ソースBWPのためのTDRAテーブルは、例えば、省電力のためのクロススロットスケジューリングが可能とされる場合、特定の条件によってのみ有効/可能とされてもよい。あるいは、最小のK0は、切替(遷移)時間後に変更及びスタートされてもよい。あるいは、ターゲットBWPのTDRAは、例えば、より小さな最小のギャップからより大きな最小のギャップに切り替える際にのみ、BWPの組み合わせに依存して条件付きで有効となる。
II.スケジューリングされたリソースを局所化するためリソースグラントにおいて通知されたKの値に追加されるオフセット値を提供すること。
III.省電力のため、切替DCIは、データチャネルスケジューリングフィールドを含まない。すなわち、通信装置に対する最小のKの2つの値の間の切替が通知されるスロットは、スケジューリンググラントを搬送しない。
IV.共通探索空間がKの最も低い値に適用すると仮定すると、共通探索空間がモニタリングされるスロットに対して省電力を適用しない。
【0040】
本開示はスケジューリングに関するため、スケジューリングされる装置(典型的には、通信装置)とスケジューリングする装置(典型的には、ネットワークノード)との双方のエンティティが参加する。従って、本開示は、スケジューリングする装置とスケジューリングされる装置との双方の機能を実現する方法及び装置を提供する。本発明は更に、スケジューリングされる装置とスケジューリングする装置とを含むシステムと共に、対応する方法及びプログラムを提供する。
【0041】
このような通信システム200の具体例が図2に示される。通信システム200は、5Gの技術仕様に従う無線通信システム、特にNR通信システムであってもよい。図2は、例えば、eNB又はgNBなど、基地局(ネットワークノード)に配置されるとここでは例示的に仮定されるユーザ装置210(通信装置とも呼ばれる)とスケジューリング装置250との全体的な簡単化された例示的なブロック図を示す。しかしながら、一般に、スケジューリング装置はまた、2つの端末の間のサイドリンク接続の場合には端末であってもよい。さらに、特にURLLC、eMBB及びmMTCのユースケースに関して、通信装置210はまた、センサ装置、ウェアラブル装置、コネクテッドビークル又は工場における自動化された機械のコントローラであってもよい。さらに、通信装置210は、基地局250と他の通信装置(例えば、本開示は通信“端末”又はユーザ“端末”に限定されない)との間の中継として機能可能であってもよい。
【0042】
UE及びeNB/gNBは、それらの送受信機220(UE側)と260(基地局側)とをそれぞれ利用して(無線)物理チャネル290上で互いに通信している。基地局250と端末210は一緒になって通信システム200を形成する。通信システム200は更に、図1に示されるものなどの他のエンティティを含んでもよい。
【0043】
通信装置210は、送受信機220及び(処理)回路230を含んでもよく、スケジューリング装置250は、送受信機260及び(処理)回路270を含んでもよい。次に、送受信機210は、受信機及び/又は送信機を含む、及び/又は機能してもよい。本開示では、すなわち、“送受信機”という用語は、通信装置210又は基地局250が無線チャネル290を介し無線信号を送信及び/又は受信することを可能にするハードウェア及びソフトウェアコンポーネントについて使用される。従って、送受信機は、受信機、送信機又は受信機と送信機との組み合わせに対応する。典型的には、基地局及び通信装置は、無線信号を送信及び受信可能であると仮定される。しかしながら、特にeMBB、mMTC及びURLLCの一部の適用に関して(スマートホーム、スマートシティ、産業自動化など)、センサなどの装置が信号を受信のみするケースが想定できる。さらに、“回路”という用語は、1つ以上のプロセッサ、処理ユニットなどによって形成される処理回路を含む。
【0044】
回路230、270は、1つ以上のプロセッサ又は何れかのLSIなどの1つ以上のハードウェアであってもよい。送受信機と処理回路との間には、処理回路が動作中に送受信機を制御可能であり、すなわち、受信機及び/又は送信機を制御し、受信/送信データをやりとりすることができる入力/出力ポイント225、265(又はノード)がある。送受信機は、送信機及び受信機として、1つ以上のアンテナ、増幅器、RF変調器/復調器などを含むRF(無線周波数)フロントを含んでもよい。処理回路は、処理回路によって提供されるユーザデータ及び制御データを送信するよう送受信機を制御すること、及び/又は処理回路によって更に処理されるユーザデータ及び制御データを受信することなどの制御タスクを実現しうる。処理回路はまた、判定、決定、計算、測定などの他の処理を実行することを担ってもよい。送信機は、送信処理及びそれに関連する他の処理を実行することを担ってもよい。受信機は、受信処理及びそれに関連する他の処理を実行することを担ってもよい。
【0045】
実施例I
実施例Iでは、最小のKの第1の値と最小のKの第2の値との間の切替中、2つの値のより大きなものが利用される。Kは、スケジューリングギャップ、すなわち、所与の単位(例えば、タイムスロット)におけるスケジューリンググラントとスケジューリングされたリソースのスタートとの間の時間間隔を示す。
【0046】
本実施例の態様によると、回路230と、信号を送受信する送受信機220とを含む通信装置210が提供される。
【0047】
回路230は、動作中にスケジューリンググラントの受信後(又はからスタートする)K個のタイムスロットでデータを受信又は送信するよう送受信機220を制御し、Kは最小のスケジューリングギャップより小さくない。図8において、回路230の例示的な機能構成が端末回路810として示される。送受信機220の制御は、送受信制御回路820によって実行されてもよい。
【0048】
例えば、データの受信は、物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)上で実行されてもよく、データの送信は、物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)上で実行されてもよい。これは、スケジューリングするエンティティがネットワークノード250であり、通信装置210がスケジューリングされるエンティティである具体例に対応する。スケジューリンググラントは、物理制御チャネル(PDCCH)内のダウンリンク制御情報(DCI)によって搬送されてもよい。Kが最小のスケジューリングギャップより小さくないとき、スケジューリンググラントは最小のKより小さい何れかのKを通知しないか(例えば、規格に従うとき)、又は通知できない(例えば、そのような値に関連する通知可能な値がないとき)ことを意味する。効果的には、最小のKの値は、スケジューリングするエンティティとスケジューリングされるエンティティとの双方に知られている。
【0049】
例えば、Kは、ゼロ以上であってもよい整数である。ゼロに等しいKは、データ受信又は送信がスケジューリンググラントが受信された同じスロットにおいて実行されることを意味する。いくつかの例示的な実現形態ではKの上限があってもよい。例えば、クロスサブフレーム又はクロスフレームスケジューリングが許容されない場合、Kの最小値はサブフレーム又はフレームにおけるスロットの数に対応してもよい。
【0050】
回路810(特に、送受信制御回路820)は、動作中に制御情報を受信するよう送受信機220を更に制御する。制御情報は、PDCCHによって搬送されるダウンリンク制御情報(DCI)などの物理レイヤシグナリング情報であってもよい。しかしながら、一般に、制御情報は、異なる方法及び/又は異なるレイヤでシグナリングすることができる。例えば、制御情報は、MAC又はRRCレイヤ等で送信されてもよい。DCIによるシグナリングは、動的かつ高速のシグナリングを可能にするため、高いフレキシビリティを提供する。
【0051】
さらに、回路810(特に、ギャップ設定回路840)は、動作中に制御情報が現在適用されている第1の最小スケジューリングギャップと異なる第2の最小スケジューリングギャップを示すとき、Kが制御情報の受信から始まる間隔に対する第1の最小スケジューリングギャップ及び第2の最小スケジューリングギャップより小さくないと判定する。
【0052】
また、最小のKの値が変更することを検出する切替検出回路830があってもよい。いくつかのケースでは、そのような検出は、例えば、最小のK(Kmin)の新しい値が明示的に通知される場合、より容易に実行されうる。しかしながら、Kminの変更は、暗黙的に、すなわち、異なるパラメータをシグナリングすることによって通知されてもよい。例えば、DCIに含まれるリソース割当てを解釈するために適用されるTDRAテーブルが変わる場合、Kminもまた変わってもよい。これは、異なるTDRAテーブルが、Kの異なる最小値(例えば、K0又はK2)を有してもよいためである。従って、切替検出回路830は、制御情報を受信すると、Kの現在の最小値が制御情報によって変わるか否かを判定するように構成されてもよい。
【0053】
Kが第1の最小スケジューリングギャップ及び第2の最小スケジューリングギャップより小さくないと判定することによって、Kminは、現在のKminと新しいKmin(直近に受信された制御情報によってシグナリングされる)のうちのより大きい方に設定される。これは、新しい値が現在の値よりも低い場合、新たにシグナリングされたKmin値を直ちに適用しない追加的条件として実現可能である。当業者に明らかなように、対応する実現形態は、新しいKminが現在のKminよりも大きくない場合、現在のKminを新しいKminに変更しない追加的条件である。
【0054】
切替間隔は、1つ以上のスロット長であってもよい。シンプルなケースでは、切替間隔は切替スロットに等しい。しかしながら、切替には2つ以上のスロットが関係しうる。BWP関連の実施例における1つの非限定的な具体例では、切替間隔は、(少なくとも)第1のBWPから第2のBWPへの遷移期間に設定可能である。
【0055】
一般に、Kの最小値を現在適用している値(以下、Kmin_curと呼ぶ)と異なるKの最小値(以下、Kmin_newと呼ぶ)を示す制御情報を受信すると、回路は、Kの最小値がKmin_newとKmin_curとの最大値であると判定してもよい。
【0056】
切替中にこのようにKminを決定可能な上述した通信装置は、よりフレキシブルであり、それの電力管理を改善するためKminを利用してもよい(しかし、使用する必要はない)。特に、一実施例によると、回路230(又は端末回路810は更に、図8に示されない省電力回路を含んでもよい)は、動作中に現在適用されている最小スケジューリングギャップの持続時間の間に送受信機及び/又は当該回路の少なくとも一部をスイッチオフする。この機能により、通信装置は、PDCCHをより低速に復号化することによって、更なるPDCCHのモニタリング/受信を実行しないことによって、PDSCHをバッファリングしないことなどによって、上述されるように電力を節約してもよい。
【0057】
本実施例の他の態様によると、回路270と、信号を送受信する送受信機260とを備えるスケジューリング装置250が提供される。回路270は、動作中にスケジューリンググラントの送信後の(又はから始まる)K個のタイムスロットでデータを受信又は送信するよう送受信機260を制御し、Kは最小のスケジューリングギャップより小さくない。回路270の例示的な機能構成は、ネットワークノード回路850として図8に示される。送受信機260の制御は、送受信制御回路860によって実行されてもよい。回路850(特に、送受信制御回路860)は、動作中に制御情報を送信するよう送受信機260を更に制御する。
【0058】
回路850(特に、リソース管理回路870)は、動作中に所与の通信装置210の最小のスケジューリングギャップが変更されるべき時/であるか否か/であること(そうでないかどうか)を判定してもよい。従って、リソース管理回路870は、最小ギャップの対応する変更を通知する制御情報が送受信制御回路860によって所与の通信装置210に送信される時/であるか否か/であること(そうでないかどうか)を判定してもよい。この判定は、例えば、電力状態、設定、対応する要求、及び/又は、当該通信装置210及び/又はスケジューリング装置250のセル内で通信する他の通信装置の要求されるQoSに基づいてもよい。言い換えれば、リソース管理回路817は、複数の端末に対するスケジューリングの決定を実行してもよく、この決定は、スケジューリングの速さと共に、各UEのデータをスケジューリングするためのリソースの量及びタイミングを決定することを含む。
【0059】
言い換えれば、回路870は、動作中にそれのセル内の通信装置からデータが受信されるか、又はデータが送信されるリソースを決定してもよい。一般に、回路870はまた、そのようなリソースと、(当該リソース上で受信/送信する)UEに当該リソースを通知する対応するDCI/スケジューリンググラント/PDCCHとの間のスケジューリングギャップK(例えば、K0/K2)を決定してもよい。一般に、回路870は、DCIが意図されるUEに現在適用される最小のスケジューリングギャップに従ってスケジューリングギャップを決定してもよい。
【0060】
リソース管理回路が、所与のUEの最小スケジューリングが変更されるべきであると決定したケースでは、回路870は、ある間隔の間に最小のスケジューリングギャップの新しい値に従って、及び/又は最小のスケジューリングギャップの古い値に従って、リソース/スケジューリングギャップを決定してもよい。特に、当該間隔は、最小のスケジューリングギャップの変更を示すDCIが送信又は受信されるスロットから始まるか、又は当該スロットであってもよく、当該間隔は、BWP切替遷移時間に対応してもよい。例えば、当該間隔の間、回路870は、最小のスケジューリングギャップ以上のKの値がDCIにおいて通知されていることのみを判定してもよい。
【0061】
一般に、スケジューリンググラントは、複数のエントリを含みうるTDRA(Time Domain Resource Allocation)テーブルのエントリへの参照(又はその指示)を含んでもよく、各エントリは、Kの値を含む各自の時間領域リソース割当てを指定する。上述したように、あるTDRAテーブルのシグナリングの利用は、TDRAテーブルが変わる場合、Kminが変わることを暗黙的に示してもよい。
【0062】
スケジューリンググラントは、それが参照するTDRAテーブルの通知を必ずしも含まないことに留意されたい。すなわち、一般に、スケジューリンググラントは、スケジューリンググラントにおいて参照/指示されたエントリを含むTDRAテーブルを必ずしも明示的に指定するとは限らない。スケジューリンググラントにおけるエントリの指示は、一般に、現在適用可能なテーブルのエントリの何れのエントリが、データが送受信されるべきリソースを決定するのに使用されるエントリを示すのみであってもよく、一般に、現在のテーブルを示すものでなくてもよい。
【0063】
例えば、TDRAテーブルは、例えば、所与のBWPに対して、上位レイヤプロトコルによってセミスタティックに事前に設定される。スケジューリングDCIにおいて参照されるエントリは、事前に設定される適用可能なTDRAテーブルへのエントリである。他の具体例では、TDRAテーブルはまた、スケジューリングDCIであってもよいが、そうである必要はないDCIによって切替可能である。
【0064】
図5及び図6に示される具体例に示すように、スケジューリングのフレキシビリティは、K0値がより良好な省電力ゲインのために制限されるTDRAテーブルのコンフィギュレーションによって制限されるため、BWP切替中に現在の規格の方法を使用する場合には、いくつかのスロットに到達することができない。クロススロットスケジューリング適応化は、マルチBWP動作によって、又はBWP切替なしに実現可能であるため、上述した実施例IからIVの全ては、Kminの変更を示す以下の代替の何れかに適用可能である。
a)DCIにおけるBWP切替によるTDRAテーブルの変更の通知。言い換えれば、BWPが特定のTDRAに関連付けされている場合、DCIがBWPの変更を示すとき、それはまたTDRAの可能な変更を示す。TDRAが変更された場合、それはまた、最小のスケジューリングギャップ(Kmin)が変わったことを意味しうる。
b)TDRAエントリのサブセットの通知、例えば、ビットマップベースの通知。TDRAエントリのサブセットが異なるKminを有する場合、適用可能なサブセットをシグナリングすることによって、Kminもまた変更されてもよい。
c)複数の設定されたTDRAテーブルからの1つのアクティブなテーブルの通知。これは、BWPサポート動作を必要としない(しかし、依然としてそれにより動作できる)という点で、上記のポイントa)とは異なる。TDRAテーブルが変更される場合、Kminもまた変更されてもよい。
d)適用可能な最小値の通知。このオプションは、新しい適用可能なKminの明示的な指示に対応する。
【0065】
Kminが変更されたことと、本開示がそれらの何れにも限定されないことを指示/決定する更なる可能性があってもよいことに留意されたい。さらに、これらの指示/決定オプションは全て、実施例I~IVの何れかと組み合わされてもよい。ここでの実施例I~IV及び上記の4つの代替a)~d)によると、それに基づいて16個の例示的な実現形態が可能である。
【0066】
一般に、制御情報は、現在適用され、TDRAテーブルのセットからの第1のTDRAテーブル以外のTDRAテーブルのセットからの第2のTDRAテーブルへの参照を含んでもよい。一般に、回路(230、810/830)は、動作中に第2のTDRAテーブルのエントリの中からKの最小値として第2の最小スケジューリングギャップを決定してもよい。このアプローチは、上述されるような選択肢a)及びc)をカバーする。
【0067】
一般に、複数の異なるTDRAテーブルがあってもよい。それら(それらの全て又は一部)は、規格において固定されてもよいし、あるいは、例えば、RRCによってセミスタティック又はスタティックに設定可能であってもよい。第1の最小スケジューリングギャップの決定830は、第1のテーブルの全てのエントリの中の最小のKの決定として実行される。同様に、第2の最小スケジューリングギャップの決定830は、第2のテーブルの全てのエントリの中の最小のKの決定として実行される。この決定は、TDRAテーブルの全てのエントリをチェックすることによって、又は、TDRAテーブルと共にKminを受信/格納することによって、又は、TDRAテーブルにおける最初若しくは最後のエントリのみをチェックすることによって(エントリがKの昇順若しくは降順で順序付けされる場合)、又は、他の何れかの方法で実行されてもよい。Kの最小値は、Kの最小値を示す対応するシグナリングを取得することによって決定されてもよい。このシグナリングは、別々に(例えば、時間領域において)又は一緒に(例えば、TDRAテーブルと同じDCIにおいて)受信されてもよい。
【0068】
さらに、一般に、制御情報及びスケジューリンググラントは、PDCCHにおいて同一のDCIで送信されてもよく、TDRAテーブルへの参照は、第1のTDRAテーブル及びより大きな最小のスケジューリングギャップを有する第2のTDRAテーブルからの当該TDRAテーブルへの参照であってもよい。
【0069】
換言すれば、第1のテーブルと第2のテーブルとの間の切替中、これらのテーブルのうちでより高いKminを有するテーブルが適用される。ここでの“適用”とは、時間領域リソース(インデックス)を指定するDCIフィールドが当該テーブルを参照することを意味する。
【0070】
より具体的には、Kの最小値の切替を示す制御情報は、UEによってデータが送受信されるリソースを指定するスケジューリンググラントと同じDCI/PDCCH/スロットにおいて送信されてもよい。さらに、当該リソースを指定するため、当該スケジューリンググラントは、(関連する)TDRAテーブルの何れのエントリがスケジューリングされたリソースを指定するのに利用され、従って、スケジューリングされたリソースを決定するためUEによって利用されるべきかの指示を含んでもよい。従って、第1のTDRAテーブルがより大きな最小のスケジューリングギャップを有するとき、UEは、スケジューリンググラントに示されるエントリが第1のTDRAテーブルにあると判定し、第2のTDRAテーブルがより大きな最小のスケジューリングギャップを有するとき、UEは、スケジューリンググラントに示されるエントリが第2のTDRAテーブルにあると判定する。
【0071】
言い換えれば、スケジューリンググラントがTDRAテーブルを参照するということは、ここでは、スケジューリングされたリソースが当該TDRAテーブルを使用して指定/指示されることを意味する。従って、UEは、当該テーブルからスケジューリンググラントに示されるエントリを選択することによってスケジューリングされたリソースを決定することが可能であり、スケジューリングデバイスは、当該テーブルから選択される際、スケジューリンググラントに示されるエントリがスケジューリングされたリソースに対応するように、何れのエントリがスケジューリンググラントに示されるかの指示を決定している。
【0072】
例示的な実現形態では、上述した代替a)に対応して、制御情報は、データの受信又は送信に現在使用されている第1の帯域幅部分(BWP)から第2のBWPに切り替えるための命令を含んでもよい。一般に、第1のBWPは、第1の最小のスケジューリングギャップを有する第1のTDRAテーブルに関連付けされてもよく、第2のBWPは、第2の最小のスケジューリングギャップを有する第2のTDRAテーブルに関連付けされてもよい。
【0073】
一般に、BWPは、それぞれのTDRAテーブルと関連付けされてもよい。この関連付けは、例えば、接続の確立又は変更に際してRRCによって設定可能であってもよい。しかしながら、それはまた、異なる方法で設定可能であってもよいし、あるいは、部分的又は全体的に規格によって固定及び規定されてもよい。
【0074】
当該(切替)間隔は、BWP切替の場合、BWP切替を含む制御情報が受信されたスロットによってスタートする遷移期間Tに対応してもよい。遷移期間Tの後、第2のBWPが使用される。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。切替期間はBWP切替及び/又はKmin切替のために必要とされず、0に設定されてもよく、従って、Kminの決定は、スケジューリンググラントがBWP又は全体的なKmin切替と共に受信される同じスロットにのみ適用されることに留意されたい。他の実現形態では、当該間隔は、BWP遷移期間と、Kmin切替又は他の要因によって生じる追加期間との合計として与えられてもよい。
【0075】
言い換えると、いくつかの例示的な実現形態では、UEは、クロススロットスケジューリング適応化のため、(少なくとも)2つの異なるTDRAテーブルによって設定可能である。TDRAテーブル#1は、TDRAエントリの中でより大きな最小のK0値を有するより低速なスケジューリングのためのものであり、一方、TDRAテーブル#2は、TDRAエントリの中でより小さい最小のK0値を有するより高速なスケジューリングをサポートするか、あるいは、その反対である。TDRA切替期間において、
-実施例の組み合わせ#I-c)によると、UEがより低速なスケジューリングからより高速なスケジューリングに切り替えられる場合、PDSCHスケジューリングは、TDRAテーブル#1を利用し、UEは、適用されるスケジューリング/割当てタイミングギャップが最小のK0値の大きいものよりも短いことを予期しない。従って、より低速なスケジューリングからより高速なスケジューリングに切り替える際、テーブル切替指示機能によってPDSCHをスケジューリングするためのDCIは、DCIの切替後及び切替期間中に、より低速なスケジューリング時間値によりPDSCHのみをスケジューリング可能である。
-更なる実施例の組み合わせ#I-c)によると、UEがより高速なスケジューリングからより低速なスケジューリングに切り替えられる場合、PDSCHスケジューリングは、より低速なスケジューリングのTDRAテーブル、すなわち、この場合、新しいテーブルをすでに利用し、従って、UEは、適用されるスケジューリング/割当てタイミングギャップが最小のK0値のより大きなものより短いことを予期しない。より高速なスケジューリングからより低速なスケジューリングに切り替える際、テーブル切替指示機能によりPDSCHをスケジューリングするためのDCIは、切替後により低速なスケジューリング時間値によりPDSCHのみをスケジューリング可能である。
【0076】
さらに、いくつかの例示的な実現形態では、UEは、クロススロットスケジューリング適応化のため、異なるTDRAテーブルを有する(少なくとも)2つのBWPにより設定される。BWP#1は、TDRAエントリにおいてより大きな最小のK0値を有するより低速なBWPであり、一方、BWP#2は、TDRAエントリにおいてより短い最小のK0値を有するより高速なBWPである。BWP切替期間において、
-実施例の組み合わせ#I-a)によると、UEがより低速なBWPからより高速なBWPに切り替えられる場合、PDSCHスケジューリングは、より低速なBWP#1のTDRAテーブルを利用し、UEは、適用されるスケジューリング/割当てタイミングギャップが遷移期間より短いことを予期しない。より低速なスケジューリングからより高速なスケジューリングに切り替える際、切替指示機能によりPDSCHをスケジューリングするためのDCIは、DCIの切替後及び切替期間中に、より低速なスケジューリング時間値によりPDSCHのみをスケジューリング可能である。
-更なる実施例の組み合わせ#I-a)によると、UEがより高速のBWPからより低速のBWPに切り替えられる場合、PDSCHスケジューリングは、より低速のBWP#1のTDRAテーブルを利用し、UEは、適用されるスケジューリング/割当てタイミングギャップが遷移期間より短いことを予期しない。より高速なスケジューリングからより低速なスケジューリングに切り替える際、切替指示機能によりPDSCHをスケジューリングするためのDCIは、切替後のより低速なスケジューリング時間値によりPDSCHのみをスケジューリング可能である。
【0077】
上述された代替b)に続いて、制御情報は、現在使用されているTDRAテーブルのエントリのサブセットへの参照を含んでもよい。そして、回路は、動作中にTDRAテーブルのエントリのサブセットのエントリの中からKの最小値として第2の最小のスケジューリングギャップを決定してもよい。当該シグナリングは、ビットマップの形式で実行されてもよい。
【0078】
特に、ビットマップは、TDRAテーブルの各々のA個のエントリ(行)に対する(Aは1より大きな整数である)A個のビットを含んでもよい。各ビットは、エントリがサブセットに属するか否かを示す。
【0079】
ビットマップに加えて、TDRAテーブルの全てのエントリのサブセットの通知がまた利用可能である。エントリの可能な組み合わせは、事前にRRCを設定可能である。組み合わせの1つは、DCIによって示される。
【0080】
要約すると、いくつかの例示的な実現形態において、UEは、TDRAエントリのサブセットのDCIによって、例えば、クロススロットスケジューリングのためのビットマップベースの通知によって示される。
-実施例#I-b)の組み合わせによると、TDRAエントリのサブセットの最小のK0値が、TDRAエントリの当初のセットの最小のK0値より大きい場合、このDCIにおけるPDSCHスケジューリングは、TDRAエントリの通知されたサブセットを利用する。
-更なる実施例#I-b)の組み合わせによると、TDRAエントリのサブセットの最小のK0値が、TDRAエントリの当初のセットの最小のK0値より小さい場合、このDCIにおけるPDSCHスケジューリングは、TDRAエントリの当初のセットを利用する。
【0081】
一般に、制御情報は、上述された代替d)に対応する第2の最小のスケジューリングギャップを指定するフィールドを含んでもよい。すなわち、UEは、(少なくとも)2つの異なる最小のスケジューリングギャップKの値により設定可能である。2つの異なる最小のKの値の間の切替中、2つの切り替えられた最小のKの大きいものが適用される。本実施例はまた、TDRAテーブルの切替及びBWPの切替のコンテクストにおいて実現されてもよいことが留意される。
【0082】
例えば、実施例I-d)の組み合わせによると、切替が実行される2つのテーブルから導出されるKminにかかわらず、新しいKminは、明示的なシグナリング(DCI、RRC又は他の何れか)によって設定されてもよい。このような設定が実行されると、切替中、2つのKmin値(現在及び新たな)の大きいものが強制される。言い換えれば、適用可能なTDRAテーブルのエントリが利用されるが(K以外の全ての列)、Kminは別に設定される。DCIにおいて通知されたTDRAエントリが強制されたKminより低いKを有する場合、エントリからのKは利用されず、代わりにKminが利用される。DCIにおいて通知されたTDRAエントリが強制されたKmin以上のKを有する場合、エントリからのKが適用される。
【0083】
同様に、更なる実施例I-d)の組み合わせによると、切替が実行されるBWPとの関連付けから導出されるKminにかかわらず、新たなKminは、明示的なシグナリング(DCI、RRC又は他の何れか)によって設定されてもよい。このような設定が実行されると、Kminの切替(すなわち、新たなKminの設定)中、2つのKmin値(現在及び新たな)の大きいものが強制される。言い換えれば、適用可能なBWPに関連付けされるTDRAテーブルのエントリが利用されるが(K以外の全ての列)、Kminは別に設定される。切替中にDCIにおいて通知されたTDRAエントリが、強制されたKminより低いKを有する場合、エントリからのKは利用されず、代わりにKminが利用される。DCIにおいて通知されたTDRAエントリが、強制されたKmin以上のKを有する場合、エントリからのKが適用される。
【0084】
全ての実施例Iに基づく組み合わせはまた、切替中に2つの切り替えられる最小のK0値の中からより大きな最小のK0値が選択されるとして、要約可能である。同様のことが、クロススロットスケジューリングが実行される何れかの種別のリンクについて、最小のK2の値、又は全体的に最小のスケジューリングギャップに適用される。
【0085】
上記の実施例及び具体例が通信装置に関して説明されたことに留意されたい。しかしながら、本開示は、基地局と通信装置との間のメッセージのやりとりを参照するため、スケジューリング装置及びスケジューリング装置と通信装置とに対応する方法がまた提供される。
【0086】
特に、信号を送受信するための送受信機と、動作中にスケジューリンググラントを受信した後のKこのタイムスロットでデータをユーザ装置(UE)と送受信し、Kは最小のスケジューリングギャップより小さくなく、制御情報をUEに送信するよう送受信機を制御し、制御情報がUEに送信されるスケジューリンググラントに現在適用される第1の最小のスケジューリングギャップと異なる第2の最小のスケジューリングギャップを示すとき、UEに送信されるスケジューリンググラントに対して、Kが制御情報の送信から始まる間隔に対する第1の最小のスケジューリングギャップ及び第2の最小のスケジューリングギャップより小さくないと判定する回路とを備えるスケジューリング装置が提供される。
【0087】
さらに、信号を送受信する方法が提供され、当該方法は、スケジューリンググラントを受信した後のK個のタイムスロットでデータを受信又は送信するステップと、Kが最小のスケジューリングギャップより小さくなく、制御情報を受信するステップと、制御情報が現在適用される第1の最小のスケジューリングギャップと異なる第2の最小のスケジューリングギャップを示すとき、Kが制御情報の受信から始まる間隔に対する第1の最小のスケジューリングギャップ及び第2の最小のスケジューリングギャップより小さくないと判定するステップとを含む。
【0088】
さらに、信号を送受信する方法が提供され、当該方法は、スケジューリンググラントを送信した後のK個のタイムスロットでデータをユーザ装置(UE)に対して送受信するステップであって、Kは最小のスケジューリングギャップより小さくない、ステップと、制御情報をUEに送信するステップと、制御情報がUEに送信されるスケジューリンググラントに対して現在適用される第1の最小のスケジューリングギャップと異なる第2の最小のスケジューリングギャップを示すとき、UEに送信されるスケジューリンググラントについて、Kが制御情報の送信から始まる間隔に対する第1の最小のスケジューリングギャップ及び第2の最小のスケジューリングギャップより小さくないと判定するステップとを含む。
【0089】
実施例II
あるいは又は実施例Iに加えて、実施例IIは、Kmin切替の場合、スケジューリンググラントとスケジューリングされたリソースとの間で設定されるオフセットを提供する。
【0090】
特に、実施例IIによると、回路と、信号を送受信する送受信機とを備える通信装置が提供される。当該回路は、動作中に第1のタイムスロットにおいて、第1のタイムスロットからK個のタイムスロットに配置されるタイムスロットにおいてデータの受信又は送信に対するスケジューリンググラントを受信するよう送受信機を制御し、Kは最小のスケジューリングギャップより小さくない。当該回路は更に、動作中にKの数に従って決定された第2のタイムスロットにおいてデータを受信又は送信するよう送受信機を制御する。さらに、当該回路は、動作中に制御情報を受信するよう送受信機を制御する。当該回路は、動作中に制御情報が現在適用される第1の最小スケジューリングギャップと異なる第2の最小のスケジューリングギャップを示すとき、制御情報の受信から始まる間隔において受信されるスケジューリンググラントに対する第1のタイムスロットの後のN個のタイムスロットのオフセットとKとの少なくとも和である第2のタイムスロットを決定する。
【0091】
より低速なスケジューリングとより高速なスケジューリングとの間で切り替えする際(より大きなKmin値からより小さなKmin値への)、スケジューリングタイミング情報に適用される時間リファレンスのオフセット値が通知されてもよい。この通知は、何れかの方法で提供されてもよい。例えば、それは上述されたBWP遷移期間Tから導出されてもよい。それは規格において固定されてもよく、RRCによって設定可能であってもよく、あるいは、PDCCH上のDCTにおいて通知されてもよい。
【0092】
図7は、BWP切替のコンテクストにおいて実施例IIの例示的な実現形態を示す。それは、2つのBWP、すなわち、BWP#1とBWP#2とのそれぞれにおいて8つのスロット#n~#n+7を示す。UEはまずBWP#1において動作し、スロット#nにおいてPDCCH#1を受信し、PDCCHは同じスロット#nにおいてPDSCH#1に対するスケジューリンググラントを搬送するDCIを含む。現在適用される最小のK0=0(Kmin_cur=0)は、本例ではBWP#1に関連付けされる。その後、スロット#n+2において、PDCCH#2とPDCCH#3とが受信される。PDCCHの1つは、BWP#1からBWP#2への変更を通知するDCIを搬送する。BWP切替は、1つ以上のタイムスロットの切替期間(遷移期間)を含むよう構成されてもよい。この例示的な実現形態では、切替期間は3スロットに設定される。また、BWP#2は、K0=2(Kmin_new=2)の最小のスケジューリングギャップを有するTDRAテーブルに関連付けされる。この状況では、図から理解できるように、PDCCH#2は、BWP切替遷移時間内に配置されるため、BWP#2においてPDSCH#2に到達できない。このような状況を回避するため、BWP間で切替する際、スケジューリングされたリソースのスロットが計算されるリファレンス時間は、スロット#n+4にシフト(オフセット)されてもよく、BWP#1のTDRAテーブルが依然として利用され、これにより、スロット#n+5に配置されるPDSCH#3がPDCCH#3においてK0=0を示すことによって到達可能となる。
【0093】
一般的なルールとして、スロットにおいてBWP#1からBWP#2への切替が通知され、BWP切替間隔がT(整数スロットにおいて)である場合、オフセットNは、N=T-Kmin_curとして計算されてもよく、Kmin_curは、現在のBWP#1、すなわち、切替を通知するスロットの前に利用されたBWPに関連するKminを参照する。これは、オフセットがN=3-0=3である本例に対応する。
【0094】
また、切替を示すスロットの後(切替間隔中)、第2のBWP#2に関連付けされる第2のテーブルを代替として利用することも可能である。そのような場合、オフセットは、N=T-Kmin_newとして計算されてもよく、Kmin_newは、BWP#2に関連するKminを参照する。この場合、オフセットはN=3-2=1となり、これにより、PDSCH#3が、図7に示されるように、PDCCH#3においてK0=2を示すことによって到達可能となる。
【0095】
図7において、PDCCH#4は、BWPの切替が完了した後にスロット#n+5において受信される。それは、Kmin_new、ここでは最小のK0=2を利用し、従って、PDSCH#4が配置されるスロット#n+7又は以降のスロットを参照する。
【0096】
ここでは、PDCCHはスロットの最初のMシンボルにおいてのみ割当てられてもよいことが仮定される。従って、これらのMシンボルにおけるPDCCHの受信後、同じスロットにおける更なるPDCCHモニタリングは必要ない。この仮定は、ここに記載される実施例及び具体例の何れに適用されてもよい。しかしながら、現在のNRと異なるシステムを含む一般的なケースでは、特にクロススロットスケジューリングのコンテクストにおいて、PDCCHは、スロットの他の何れかのシンボルにマッピングされてもよい。
【0097】
一般に、オフセットNは、i)制御情報における通知と、ii)1つの帯域幅部分BWPから他のBWPへの切替が有効になった後の遷移期間との少なくとも1つによって決定されてもよい。以下に簡潔に例示される更なる可能性及び有利な実現形態が存在する。
【0098】
オフセット値は、例えば、基地局とUEとの双方に利用可能な情報に基づいて基地局及び/又はUEの何れかによって計算されてもよい。
【0099】
例えば、オフセット値は、切替(遷移)期間、ターゲットTDRAテーブルの最小のK0値、DCIにおいて示されたK0値、又はDCIにおけるTDRAテーブルエントリに関するファクタなどの1つ、複数又は全てのファクタに基づいて計算することができる。切替期間に関連するファクタは、Kmin間の切替のために設定された(又は必要な)時間間隔、TDRAテーブル間の切替のために設定された(又は必要な)時間間隔、及び/又は2つのBWP間の切替のために設定された(又は必要な)時間間隔であってもよい。
【0100】
図7を参照する具体例に示されるように、遷移期間Tが3スロットであって、ターゲットTDRAテーブルの使用されるK0値が1スロットである場合、通知されるオフセット値は、3-1=2スロットである。従って、この場合、オフセットNを決定するため、遷移期間長及び通知されたKの値のファクタが利用されてもよい。
【0101】
一般に、オフセット値は、以下の方法の1つ以上においてUEによって取得されてもよい。オフセットは、規格で規定された固定値であってもよい。全てのシナリオに対して1つの値が固定されていてもよいし、又は、他のパラメータ(例えば、切替及び/又は遷移期間)に固定された方法で依存するより多くの値又は固定値があってもよい。
【0102】
オフセットのための複数の可能な値の場合、各オフセット値は、第1のTDRAテーブル/BWPから第2のTDRAテーブル/BWPに切り替える場合にマッピングされる。言い換えると、複数のオフセット値が設定されてもよく、そのような各オフセット値が、ソースTDRAテーブル/BWPとターゲットTDRAテーブル/BWPとの組み合わせにマッピングされてもよい(例えば、ソーステーブル/BWPからターゲットテーブル/BWPへの切替に適用(又はケースに利用)されてもよい。特に、オフセットの各値は、以下の1つ以上に対して利用されてもよい。
・1つ以上のターゲットBWP/TDRAテーブル/ニューメロロジ、及び/又は
・1つ以上のソースBWP/TDRAテーブル/ニューメロロジ、及び/又は
・ソースBWP/TDRAテーブル/ニューメロロジとターゲットBWP/TDRAテーブル/ニューメロロジの1つ以上の特定の組み合わせ
【0103】
言い換えれば、特定のターゲットBWP及び/又はソースBWPに応じて、事前に設定されたオフセット値のうちの1つが抽出される。あるいは、特定のターゲットTDRA及び/又はソースTDRAに応じて、事前に設定されたオフセットのうちの1つが抽出される。同様に、ニューメロロジがオフセットを決定するため抽出されてもよい。
【0104】
しかしながら、本開示は、事前に規定されたパラメータに基づいて、及び/又は規格に基づいて同様の方法でUE及びgNBにおいてオフセットが導出されるケースに限定されるものではない。むしろ、オフセット値は、RRCシグナリングなどの上位レイヤシグナリングによって設定されてもよい。特に、例示的な実現形態では、オフセット値Nは、RRCシグナリングを介しgNBによってUEに対して設定される。オフセットの1つ以上の値は、RRCによって事前に設定されてもよい。
【0105】
言い換えると、RRCは、UEによって使用されるオフセットの値を直接設定し、それをいつでも再設定してもよい。あるいは、RRCは、UEのオフセットのいくつかの可能な値を設定してもよい。そして、UEは、例えば、いくつかのさらなるパラメータの値に基づいて自らNの適切な値を選択する。選択ルールは、gNBとUEとの双方に知られている。
【0106】
上述された事前設定されたオフセットからのオフセットの選択と同様に、オフセットの各値は、以下の1つ以上にマッピング/対応するものであってもよい。
・1つ以上のターゲットBWP/TDRAテーブル/ニューメロロジ、及び/又は、
・1つ以上のソースBWP/TDRAテーブル/ニューメロロジ、及び/又は、
・ソースBWP/TDRAテーブル/ニューメロロジとターゲットBWP/TDRAテーブル/ニューメロロジの1つ以上の特定の組み合わせ
【0107】
一般に、オフセットNのシグナリングは、RRCを利用することに限定されない。むしろ、オフセットは、例えば、DCIを利用することによって、他の方法でシグナリングされてもよい。RRCシグナリングについて説明された上記の全てのオプションがまた適用されてもよい(適用可能なオフセット値を直接通知するか、オフセット値を選択するためのセットを通知するか、又は、双方の組み合わせなど)。
【0108】
UEは、遷移期間、ターゲットTDRAテーブルの最小のK0値、DCIにおける通知されたK0値又はDCIにおけるTDRAテーブルエントリの1つ以上によって導出及び/又は算出する。
【0109】
組み合わせの実施例#II-a)によると、PDSCHスケジューリングのフレキシビリティを省電力のために設定されたK0値による影響を受けないように、切替指示機能を備えるDCI(一般に、制御情報)がまた、K0のタイミングリファレンスに適用されるオフセット値を示す。このオフセット値は、DCIを含む開始スロットに加えられ、スケジューリングされたPDSCHスロットを計算するのに利用される。本実施例は、TDRAテーブル切替中に実際に適用されるK0値をシフトすることを目的とする。これは、切替中に何れのTDRAテーブルを使用するかの選択とは無関係である。
【0110】
実施例III
本実施例によると、より低速なスケジューリングとより高速なスケジューリングとの間の切替時、そのような切替指示を搬送する制御情報(DCIなど)は、データ(PDSCHなど)をスケジューリングしない。
【0111】
gNBとUEとの双方がこのルールに従って処理する際、当該ルールの知識は、例えば、制御情報内のフィールドを解釈するのに利用されてもよい。
【0112】
第1の例示的な実現形態によると、UEが最小のK値の変更を検出すると(上述したオプションa)~d)の何れかによって)、UEは、切替用のフィールドしか存在せず(他の送信パラメータの変更のためのおそらく1つ以上のフィールド)、リソース割当てフィールドが存在しないように、DCIフィールドを解釈する。他方、最小のK値が受信した制御情報によって変更されないことをUEが検出すると、制御情報はまた、事前に規定された位置でリソース割当てフィールドを搬送する。
【0113】
組み合わせの実施例#III-a)によると、UEは、クロススロットスケジューリング適応化のための異なる各々のTDRAテーブルによる(少なくとも)2つのBWPにより設定される。BWP#1は、TDRAエントリにおけるより大きな最小のK0値によるより低速なBWPである一方、BWP#2は、TDRAエントリにおけるより短い最小のK0値によるより高速なBWPである。これら2つの間のBWP切替中、BWP切替指示機能を備えたDCIは、PDSCHをスケジューリングしない。
【0114】
組み合わせの実施例#III-b)によると、UEは、例えば、クロススロットスケジューリングに対するビットマップベースの通知など、TDRAエントリのサブセットのDCIによって通知される。さらに、そのような切替指示機能を備えたDCIは、PDSCHをスケジューリングしない。
【0115】
組み合わせの実施例#III-c)によると、UEは、クロススロットスケジューリング適応化に対して(少なくとも)2つの異なるTDRAテーブルにより設定される。第1のTDRAテーブルは、それのエントリにおけるより大きな最小のK0値によるより低速なスケジューリングのためのものである一方、第2のTDRAテーブルは、それのエントリにおけるより短い最小のK0値によるより高速なスケジューリングのためのものである。これら2つのテーブル間のTDRAテーブル切替中、そのような切替指示を搬送するDCIは、PDSCHをスケジューリングしない。
【0116】
組み合わせの実施例#III-d)によると、UEは、利用される最小のK値の明示的なシグナリング、すなわち、現在適用される最小のKから新たな最小のKに切り替えるための切替指示を備えた制御情報を受信する。そのような切替指示を搬送するDCIなどの制御情報は、データ(PDSCH)をスケジューリングしない。
【0117】
上述されたように、通信装置に関して実施例及び具体例が説明された。しかしながら、本開示は基地局と通信装置との間のメッセージ交換を参照しているとき、スケジューリング装置、当該スケジューリング装置及び通信装置に対応する方法がまた提供される。
【0118】
さらに、信号を送受信する送受信機と、動作中にユーザ装置(UE)とのデータの受信又は送信に対するスケジューリンググラントを第1のタイムスロットにおいてUEに送信し、受信は第1のタイムスロットからのK個のタイムスロットに配置されるタイムスロットにおいてであって、Kは最小のスケジューリングギャップより小さくなく、Kの数に従って決定された第2のタイムスロットにおいてUEとデータを受信又は送信し、制御情報をUEに送信し、制御情報がUEに送信されたスケジューリンググラントに対して現在適用される第1の最小のスケジューリングギャップと異なる第2の最小のスケジューリングギャップを示すとき、制御情報の受信から開始される間隔において送信される場合、スケジューリンググラントに対する第1のタイムスロットの後のNタイムスロットのオフセットとKとの少なくとも和である第2のタイムスロットを決定するよう送受信機を制御する回路とを有するスケジューリング装置が提供される。
【0119】
さらに、信号を送受信する方法が提供され、当該方法は、第1のタイムスロットからK個のタイムスロットに配置されるタイムスロットにおけるデータの受信又は送信に対するスケジューリンググラントを第1のタイムスロットにおいて受信するステップであって、Kは最小のスケジューリングギャップより小さくない、ステップと、Kの数に従って決定された第2のタイムスロットにおいてデータを受信又は送信するステップと、制御情報を受信するステップと、制御情報が現在適用される第1の最小のスケジューリングギャップと異なる第2の最小のスケジューリングギャップを示すとき、制御情報の受信から開始される間隔において受信される場合、スケジューリンググラントに対する第1のタイムスロットの後のNタイムスロットのオフセットとKとの少なくとも和である第2のタイムスロットを決定するステップとを含む。
【0120】
さらに、信号を送受信する方法が提供され、当該方法は、ユーザ装置(UE)とのデータの受信又は送信に対するスケジューリンググラントを第1のタイムスロットにおいてUEに送信するステップであって、受信は第1のタイムスロットからK個のタイムスロットに配置されるタイムスロットにおけるものであって、Kは最小のスケジューリングギャップより小さくない、ステップと、UEとKの数に従って決定された第2のタイムスロットにおいてデータを受信又は送信するステップと、制御情報をUEに送信するステップと、制御情報がUEに送信されるスケジューリンググラントに対して現在適用される第1の最小のスケジューリングギャップと異なる第2の最小のスケジューリングギャップを示すとき、制御情報の受信から開始される間隔において送信される場合、スケジューリンググラントに対する第1のタイムスロットの後のNタイムスロットのオフセットとKとの少なくとも和である第2のタイムスロットを決定するステップとを含む。
【0121】
より低速とより高速のスケジューリング(又は一般に2つのTDRAテーブル)の間の切替時、切替指示機能を備えたDCIは、PDSCHをスケジューリングしない。
【0122】
実施例IV
本実施例は、以前に説明された又は単独で利用される実施例の何れかと組み合わされてもよい。
【0123】
従って、共通の制御情報を搬送するタイムスロットに適用可能な最小のスケジューリングギャップは、ゼロに設定されてもよい。
【0124】
共通探索空間(CSS)は、CORESET0と呼ばれる事前に設定された(基地局によって)CORESETにおいて搬送される。“共通”という用語は、当該CORESETが通信装置の全て又はグループに対する制御情報を搬送するという事実を指す。従って、複数の通信装置が情報を読み/復号化してもよい。CORESET 0に関するTDRAテーブルは、典型的には、K=0による少なくとも1つ以上のエントリを有する。これは、メッセージが情報を迅速に復号化する必要がありうる各種通信装置によって読まれうるためである。
【0125】
本実施例の例示的な実現形態では、CORESET 0の共通探索空間における共通メッセージ(制御情報)及び専用(UE固有)制御メッセージ(制御情報)に対して、少なくとも1つのK0=0エントリを含む共通のTDRAテーブルが利用される。この結果、最小のスケジューリングギャップは、CSS(CORESET 0)が配置されるスロットに対してゼロに設定される。
【0126】
すなわち、少なくとも共通メッセージ及びCORESET 0を潜在的に備えるスロットにたいして、共通及び専用制御メッセージの双方に対する最小のK0=0が、UE及びgNBによって想定される。UEは高速な処理タイムラインを利用して、全てのPDSCHシンボルをバッファリングし、これらのスロットにおいてPDCCHを処理する必要があるため、低速なタイムラインを利用して専用のスケジューリングを処理することは、もはや効率的でない。省電力ゲインはこのようなケースではどのようにしても実現できない。
【0127】
1つのオプションは、全ての探索空間における、CSSを搬送する上述したスロットにおける又は一般に設定されたスロットのセットにおける共通及び専用のメッセージの双方に対して共通/デフォルトTDRAテーブルを直接再利用することである。例えば、UE及びgNBは、専用情報に対する共通制御情報に関連するTDRAテーブルを利用する。
【0128】
あるいは、共通制御情報は、専用制御情報と異なるTDRAテーブルに関連付けされてもよい。他方のオプションは、専用メッセージに対して共通メッセージ及びCORESET 0を潜在的に有するスロットにおいて、設定されたTDRAテーブルにおけるS及びL値を依然として利用しながら、K0=0を一時的に仮定することである。これは、スケジューリングフレキシビリティを可能な限り維持することが可能である。
【0129】
上記のルールはまた、実施例I~IVのケースにおいて適用されてもよく、すなわち、Kminの切替が適用されるときでさえ、切替期間に属し、CSSを搬送するスロットにおいて、依然として最小のK=0が強制可能である。
【0130】
実施例V
本実施例は、上述した実施例の何れかと組み合わせ可能である。さらに、本実施例は、異なる種別のデータ(リファレンス信号)に対しても上記の実施例と同様に動作する。
【0131】
本開示はユーザデータのスケジューリングに限定されないことに留意されたい。特に、例示的な一実現形態では、スケジューリング(このコンテクストにおいて“トリガリング”とも呼ばれる)は、その後にネットワークノード(gNB)から通信装置(UE)に送信されるチャネル状態情報(CSI)リファレンス信号(CSI-RS)のスケジューリングに関する。
【0132】
送信のトリガリングは、対応するトリガフィールドを含むDCIによって実行される。フィールドがCSI-RSが送信されることを示す場合、CSI-RSは、トリガリング後の特定の時間間隔で送信される。トリガと送信との間のギャップは、RRCによってセミスタティックに設定される。RRCがトリガリングギャップを変更する際、上記の実施例において説明したものと同様の問題が生じうる。
【0133】
しかしながら、RRCを参照する上記の具体例は限定的でなく、PDCCH(DCI)トリガとCSI-RSとの間のギャップはまた、上述したK0のケースと同様にDCIによって動的に設定されてもよい。さらに、CSI-RSスケジューリングは、上述したようなTDRAテーブル及び/又はBWPと同様の概念に拡張されてもよい。
【0134】
本開示は、ソフトウェア、ハードウェア又はハードウェアと連動するソフトウェアによって実現することができる。上述した各実施例の説明に用いた各機能ブロックは、集積回路等のLSIによって部分的又は全体的に実現可能であり、各実施例で説明される各処理は、同一のLSI又はLSIの組み合わせによって部分的又は全体的に制御されてもよい。LSIは、個別にチップとして形成されていてもよいし、あるいは、機能ブロックの一部又は全部を含むように1つのチップが形成されていてもよい。LSIは、それに結合されたデータ入出力を含んでもよい。ここで、LSIとは、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI又はウルトラLSIとして呼ばれうる。しかし、集積回路を実現する技術はLSIに限定されず、専用回路、汎用プロセッサ又は特定用途向けプロセッサを用いて実現されてもよい。さらに、LSI内部に配置される回路セルの接続及び設定が再設定可能なLSI又はリコンフィギュラブルプロセッサの製造後にプログラミング可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)が利用されてもよい。本開示は、デジタル処理又はアナログ処理として実現することができる。半導体技術や他の派生技術の進歩の結果として、将来の集積回路技術がLSIに取って代わる場合、機能ブロックは、将来の集積回路技術を用いて集積化することができる。バイオテクノロジーも適用できる。
【0135】
実施例では、実行可能な命令を記憶するコンピュータ可読媒体が提供される。当該命令は、実行時、通信装置に基地局との間で信号を送信又は受信する上記方法のステップを実行させる。
【0136】
実施例では、実行可能な命令を記憶するコンピュータ可読媒体が提供される。当該命令は、実行時、基地局に通信装置との間で信号を送信又は受信する上記方法のステップを実行させる。
【0137】
本開示は、通信装置と呼ばれる、通信機能を有する何れかのタイプの装置、デバイス又はシステムによって実現することができる。
【0138】
そのような通信装置のいくつかの非限定的な例は、電話機(例えば、携帯(セル)電話、スマートフォン)、タブレット、パーソナルコンピュータ(PC)(例えば、ラップトップ、デスクトップ、ネットブック)、カメラ(例えば、デジタルスチル/ビデオカメラ)、デジタルプレーヤ(デジタルオーディオ/ビデオプレーヤ)、ウェアラブルデバイス(例えば、ウェアラブルカメラ、スマートウォッチ、トラッキングデバイス)、ゲームコンソール、デジタルブックリーダ、遠隔ヘルス/遠隔医療(リモートヘルス及びリモート医療)デバイス、及び通信機能を提供する車両(例えば、自動車、飛行機、船舶)、並びにそれらの様々な組み合わせを含む。
【0139】
通信装置は、携帯型又は可動型であることに限定されず、スマートホームデバイス(例えば、家電、ライティング、スマートメータ、制御パネル)、自動販売機及び“Internet of Things(IoT)”のネットワークにおける他の何れかの“物”など、非携帯型又は固定型である何れかのタイプの装置、デバイス又はシステムを含んでもよい。
【0140】
通信は、例えば、セルラシステム、無線LANシステム、衛星システムなど、及びそれらの様々な組み合わせを介してデータを交換することを含んでもよい。
【0141】
通信装置は、本開示に記載された通信の機能を実行する通信デバイスに結合されたコントローラ又はセンサなどのデバイスを含んでもよい。例えば、通信装置は、通信装置の通信機能を実行する通信デバイスによって使用される制御信号又はデータ信号を生成するコントローラ又はセンサを含んでもよい。
【0142】
通信装置はまた、基地局、アクセスポイントなどのインフラストラクチャファシリティと、上記の非限定的な例におけるものなどの装置と通信又は制御する他の何れかの装置、デバイス又はシステムを含んでもよい。
【0143】
項1:信号を送受信する送受信機と、動作中にスケジューリンググラントを受信した後のK個のタイムスロットでデータを受信又は送信し、Kは最小のスケジューリングギャップより小さくなく、制御情報を受信するよう前記送受信機を制御し、前記制御情報が現在適用される第1の最小のスケジューリングギャップと異なる第2の最小のスケジューリングギャップを示すとき、Kが前記制御情報の受信から始まる間隔に対する前記第1の最小のスケジューリングギャップ及び前記第2の最小のスケジューリングギャップより小さくないと判定する回路と、を有する、通信装置。
【0144】
項2:前記スケジューリンググラントは、時間領域リソース割当て(TDRA)テーブルのエントリへの参照を含み、前記TDRAテーブルは複数のエントリを含み、各エントリはKの値を含む各時間領域リソース割当てを指定する、項1に記載の通信装置。
【0145】
項3:前記制御情報は、TDRAテーブルのセットからの現在適用される第1のTDRAテーブル以外の前記TDRAテーブルのセットからの第2のTDRAテーブルへの参照を含み、前記回路は、動作中に前記第2のTDRAテーブルのエントリの中のKの最小値として前記第2の最小のスケジューリングギャップを決定する、項2に記載の通信装置。
【0146】
項4:前記制御情報と前記スケジューリンググラントとは、物理ダウンリンク制御チャネルの同一のダウンリンク制御情報(DCI)において送信され、前記TDRAテーブルへの参照は、前記第1のTDRAテーブルと前記第2のTDRAテーブルとからのより大きな前記最小のスケジューリングギャップを有する前記TDRAテーブルへの参照である、項3に記載の通信装置。
【0147】
項5:前記制御情報は、データの受信又は送信に現在利用される第1の帯域幅部分(BWP)から第2のBWPへ切り替えるための命令を含み、前記第1のBWPは、前記第1の最小のスケジューリングギャップを有する第1のTDRAテーブルと関連付けされ、前記第2のBWPは、前記第2の最小のスケジューリングギャップを有する第2のTDRAテーブルと関連付けされる、項2に記載の通信装置。
【0148】
項6:前記制御情報は、現在利用される前記TDRAテーブルのエントリのサブセットへの参照を含み、前記回路は、動作中に前記TDRAテーブルのエントリのサブセットのエントリの中のKの最小値として前記第2の最小のスケジューリングギャップを決定する、項2に記載の通信装置。
【0149】
項7:前記制御情報は、前記第2の最小のスケジューリングギャップを指定するフィールドを含む、項1に記載の通信装置。
【0150】
項8:共通制御情報を搬送するタイムスロットに適用可能な前記最小のスケジューリングギャップは、ゼロに設定される、項1から7の何れか一項に記載の通信装置。
【0151】
項9:信号を送受信する送受信機と、動作中に第1のタイムスロットからのK個のタイムスロットに配置されるタイムスロットにおけるデータの受信又は送信に対するスケジューリンググラントを前記第1のタイムスロットにおいて受信し、Kは最小のスケジューリングギャップより小さくなく、前記Kの数に従って決定される第2のタイムスロットにおいてデータを受信又は送信し、制御情報を受信するよう前記送受信機を制御し、前記制御情報が現在適用される第1の最小のスケジューリングギャップと異なる第2の最小のスケジューリングギャップを示すとき、前記制御情報の受信から始まる間隔において受信される場合、前記スケジューリンググラントに対する前記第1のタイムスロットの後のN個のタイムスロットのオフセットとKとの和に少なくともなるよう前記第2のタイムスロットを決定する回路と、を有する、通信装置。
【0152】
項10:前記オフセットNは、前記制御情報における通知と、1つの帯域幅部分(BWP)から他のBWPへの切替が以後に有効になる遷移期間と、の少なくとも1つによって決定される、項9に記載の通信装置。
【0153】
項11:信号を送受信する送受信機と、動作中にスケジューリンググラントを受信した後のK個のタイムスロットでユーザ装置(UE)との間でデータを受信又は送信し、Kは最小のスケジューリングギャップより小さくなく、制御情報を前記UEに送信するよう前記送受信機を制御し、前記制御情報が前記UEに送信されるスケジューリンググラントに対して現在適用される第1の最小のスケジューリングギャップと異なる第2の最小のスケジューリングギャップを示すとき、前記UEに送信されるスケジューリンググラントに対して、前記制御情報の送信から始まる間隔に対する前記第1の最小のスケジューリングギャップ及び前記第2の最小のスケジューリングギャップより小さくないと判定する回路と、を有する、スケジューリング装置。
【0154】
項12:信号を送受信する送受信機と、動作中にユーザ装置(UE)との間のデータの受信又は送信に対するスケジューリンググラントを第1のタイムスロットにおいて前記UEに送信し、前記受信は前記第1のタイムスロットからのK個のタイムスロットに配置されるタイムスロットにあり、Kは最小のスケジューリングギャップより小さくなく、前記Kの数に従って決定される第2のタイムスロットにおいて前記UEとの間でデータを受信又は送信し、制御情報を前記UEに送信するよう前記送受信機を制御し、前記制御情報が前記UEに送信されるスケジューリンググラントに対して現在適用される第1の最小のスケジューリングギャップと異なる第2の最小のスケジューリングギャップを示すとき、前記制御情報の受信から始まる間隔において送信される場合、前記スケジューリンググラントに対して前記第1のタイムスロットの後のN個のタイムスロットのオフセットとKとの和に少なくともなるよう前記第2のタイムスロットを決定する回路と、を有する、スケジューリング装置。
【0155】
項13:信号を送受信する方法であって、スケジューリンググラントを受信した後のK個のタイムスロットでデータを受信又は送信するステップであって、Kは最小のスケジューリングギャップより小さくない、ステップと、制御情報を受信するステップと、前記制御情報が現在適用される第1の最小のスケジューリングギャップと異なる第2の最小のスケジューリングギャップを示すとき、Kが前記制御情報の受信から始まる間隔に対する前記第1の最小のスケジューリングギャップ及び前記第2の最小のスケジューリングギャップより小さくないと判定するステップと、を有する方法。
【0156】
項14:信号を送受信する方法であって、第1のタイムスロットからK個のタイムスロットに配置されるタイムスロットにおけるデータの受信又は送信に対するスケジューリンググラントを前記第1のタイムスロットにおいて受信するステップであって、Kは最小のスケジューリングギャップより小さくない、ステップと、前記Kの数に従って決定される第2のタイムスロットにおいてデータを受信又は送信するステップと、制御情報を受信するステップと、前記制御情報が現在適用される第1の最小のスケジューリングギャップと異なる第2の最小のスケジューリングギャップを示すとき、前記制御情報の受信から始まる間隔において受信される場合、前記スケジューリンググラントに対する前記第1のタイムスロットの後のN個のタイムスロットのオフセットとKとの和に少なくともなるよう前記第2のタイムスロットを決定するステップと、を有する方法。
【0157】
項15:信号を送受信する方法であって、スケジューリンググラントを送信した後のK個のタイムスロットでユーザ装置(UE)との間でデータを受信又は送信するステップであって、Kは最小のスケジューリングギャップより小さくない、ステップと、制御情報を前記UEに送信するステップと、前記制御情報が前記UEに送信されるスケジューリンググラントに対して現在適用される第1の最小のスケジューリングギャップと異なる第2の最小のスケジューリングギャップを示すとき、前記UEに送信されるスケジューリンググラントに対して、Kが前記制御情報の送信から始まる間隔に対する前記第1の最小のスケジューリングギャップ及び前記第2の最小のスケジューリングギャップより小さくないと判定するステップと、を有する方法。
【0158】
項16:信号を送受信する方法であって、ユーザ装置(UE)との間のデータの受信又は送信に対するスケジューリンググラントを第1のタイムスロットにおいて前記UEに送信するステップであって、前記受信は前記第1のタイムスロットからK個のタイムスロットに配置されるタイムスロットにあり、Kは最小のスケジューリングギャップより小さくない、ステップと、前記Kの数に従って決定される第2のタイムスロットにおいて前記UEとの間でデータを受信又は送信するステップと、制御情報を前記UEに送信するステップと、前記制御情報が前記UEに送信されるスケジューリンググラントに対して現在適用される第1の最小のスケジューリングギャップと異なる第2の最小のスケジューリングギャップを示すとき、前記制御情報の受信から始まる間隔において送信される場合、前記スケジューリンググラントに対する前記第1のタイムスロットの後のN個のタイムスロットのオフセットとKとの和に少なくともなるよう前記第2のタイムスロットを決定するステップと、を有する方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】