(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-30
(54)【発明の名称】有機エレクトロルミネッセンス材料及び該材料を含む有機エレクトロルミネッセンスデバイス
(51)【国際特許分類】
H01L 51/50 20060101AFI20220623BHJP
C07C 211/57 20060101ALI20220623BHJP
C07C 211/54 20060101ALN20220623BHJP
C07D 333/76 20060101ALN20220623BHJP
C07D 307/91 20060101ALN20220623BHJP
C07D 209/88 20060101ALN20220623BHJP
【FI】
H05B33/22 D
H05B33/14 A
C07C211/57
C07C211/54
C07D333/76
C07D307/91
C07D209/88
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021572947
(86)(22)【出願日】2020-05-18
(85)【翻訳文提出日】2021-12-08
(86)【国際出願番号】 CN2020090876
(87)【国際公開番号】W WO2020253445
(87)【国際公開日】2020-12-24
(31)【優先権主張番号】201910532443.8
(32)【優先日】2019-06-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520207310
【氏名又は名称】シャンシー ライト オプトエレクトロニクス マテリアル カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Shaanxi Lighte Optoelectronics Material Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】Building 3, No. 99, Longfeng Road, High-tech Zone, Xi’an, Shaanxi Province, 710065 P.R.China
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】馬 天天
(72)【発明者】
【氏名】▲ニエ▼ 斉斉
(72)【発明者】
【氏名】馮 震
(72)【発明者】
【氏名】李 紅燕
(72)【発明者】
【氏名】沙 荀▲シャン▼
(72)【発明者】
【氏名】孫 占義
(72)【発明者】
【氏名】王 亜龍
【テーマコード(参考)】
3K107
4H006
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107CC04
3K107CC12
3K107CC21
3K107DD71
3K107DD78
4H006AA03
4H006AB90
(57)【要約】
本発明は、有機エレクトロルミネッセンス材料及び前記有機エレクトロルミネッセンス材料を含む有機発光デバイスを提供し、該有機エレクトロルミネッセンス材料の構造式は、式(1)である。アダマンチル基を含有するモノアミン類構造に比べて、本発明で含有するジアミン構造は高いHOMOエネルギーレベル及び正孔移動度を有し、モノアミン類材料デバイスよりも高い効率及び長い寿命を示す。前記有機エレクトロルミネッセンス材料を含む有機発光デバイスは、低い駆動電圧、高い発光効率、及び長い使用寿命を有する。
【化113】
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造式が化学式1に示される有機エレクトロルミネッセンス材料。
【化100】
式中、R
2、R
4及びR
5は同じであるか、又は異なり、それぞれ独立に、置換又は非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換又は非置換の炭素原子数2~20のアルケニル基、置換又は非置換の炭素原子数2~24のアルキニル基、置換又は非置換の炭素原子数3~20のシクロアルキル基、置換又は非置換の炭素原子数2~20のヘテロシクロアルキル基、置換又は非置換の炭素原子数7~30のアラルキル基、置換又は非置換の炭素原子数2~30のヘテロアラルキル基、置換又は非置換の炭素原子数6~30のアリール基、置換又は非置換の炭素原子数1~30のヘテロアリール基から選ばれ、
R
1及びR
3は同じであるか、又は異なり、それぞれ独立に、単結合、置換又は非置換の炭素原子数1~30のアリーレン基、置換又は非置換の炭素原子数1~30のヘテロアリーレン基、置換又は非置換の炭素原子数7~30のアラルキレン基、置換又は非置換の炭素原子数2~30のヘテロアールアルキレン基から選ばれ、
前記R
1、R
2、R
3、R
4及びR
5の置換基は同じであるか、又は異なり、それぞれ独立に、重水素、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン、ヒドロキシ基、炭素原子数1~40のアルキル基、炭素原子数3~40のシクロアルキル基、炭素原子数2~40のアルケニル基、炭素原子数2~40のアルキニル基、炭素原子数2~40のヘテロシクロアルキル基、炭素原子数7~40のアラルキル基、炭素原子数2~40のヘテロアラルキル基、炭素原子数6~40のアリール基、炭素原子数1~40のヘテロアリール基、炭素原子数1~40のアルコキシ基、炭素原子数1~40のアルキルアミノ基、炭素原子数6~40のアリールアミノ基、炭素原子数1~40のアルキルチオ基、炭素原子数7~40のアラルキルアミノ基、炭素原子数1~24のヘテロアリールアミノ基、炭素原子数1~45のアルキルシリル基、炭素原子数6~50のアリールシリル基、炭素原子数6~30のアリロキシ基、炭素原子数6~30のアリールチオ基から選ばれる。
【請求項2】
R
1及びR
3は同じであるか、又は異なり、それぞれ独立に、単結合、置換又は非置換の炭素原子数6~25のアリーレン基、置換又は非置換の炭素原子数5~18のヘテロアリーレン基から選ばれ、R
2、R
4及びR
5は同じであるか、又は異なり、それぞれ独立に、単結合、置換又は非置換の炭素原子数6~18のアリール基、置換又は非置換の炭素原子数5~18のヘテロアリール基から選ばれ、
前記R
1、R
2、R
3、R
4及びR
5の置換基は同じであるか、又は異なり、それぞれ独立に、重水素、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン、ヒドロキシ基、炭素原子数1~10のアルキル基、炭素原子数3~10のシクロアルキル基、炭素原子数6~15のアリール基、炭素原子数3~12のヘテロアリール基から選ばれ、置換基が1つより多い場合、各置換基は同じであるか、又は異なる、請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス材料。
【請求項3】
R
1及びR
3は、互いに同じであるか、又は異なり、それぞれ独立に、化学式j-1~化学式j-9に示される基からなる群から選ばれる、請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス材料。
【化101】
E
1~E
14は、それぞれ独立に、水素、重水素、ハロゲン基、シアノ基、炭素原子数3~12のヘテロアリール基、炭素原子数6~15のアリール基、炭素原子数3~9のトリアルキルシリコン基、炭素原子数1~10のアルキル基、炭素原子数1~10のハロアルキル基、炭素原子数3~10のシクロアルキル基、炭素原子数1~10のアルコキシ基から選ばれ、
e
1~e
14はe
rで示され、E
1~E
14はE
rで示され、rは変数であり、1~14の間の任意の整数を表し、e
rは置換基E
rの数を示し、rが1、2、3、4、5、6、9、13又は14から選ばれる場合、e
rは1、2、3又は4から選ばれ、rが7又は11から選ばれる場合、e
rは1、2、3、4、5又は6から選ばれ、rが12である場合、e
rは1、2、3、4、5、6又は7から選ばれ、rが8又は10から選ばれる場合、e
rは1、2、3、4、5、6、7又は8から選ばれ、e
rが1より大きい場合、任意の2つのE
rは、同じであるか、又は異なり、
K
3はO、S、Se、N(E
15)、C(E
16E
17)、Si(E
18E
19)から選ばれ、ここで、各E
15、E
16、E
17、E
18及びE
19は、それぞれ独立に、水素、炭素原子数6~15のアリール基、炭素原子数3~12のヘテロアリール基、炭素原子数1~10のアルキル基、炭素原子数3~10のシクロアルキル基、炭素原子数2~10のヘテロシクロアルキル基から選ばれ、
K
4は、それぞれ独立に、単結合、O、S、Se、N(E
20)、C(E
21E
22)、Si(E
23E
24)から選ばれ、ここで、E
20、E
21、E
22、E
23、E
24は、それぞれ独立に、水素、炭素原子数6~15のアリール基、炭素原子数3~12のヘテロアリール基、炭素原子数1~10のアルキル基、炭素原子数3~10のシクロアルキル基から選ばれる。
【請求項4】
R
1及びR
3は、それぞれ独立に、置換又は非置換の基W
1から選ばれ、前記非置換の基W
1は以下の基から選ばれる、請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス材料。
【化102】
前記W
1基が1つ以上の置換基により置換された場合、W
1の置換基は、それぞれ独立に、重水素、フッ素、塩素、シアノ基、メチル基、エチル基、プロピル基、t-ブチル基、トリメチルシリル基、フェニル基、ナフチル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基、カルバゾリル基からなる群から選ばれ、前記W
1の置換基の数が1つより多い場合、各置換基は同じであるか、又は異なる。
【請求項5】
R
1及びR
3は同じであるか、又は異なり、それぞれ独立に、単結合、置換又は非置換のフェニレン基、置換又は非置換のビフェニレン基、置換又は非置換のテルフェニレン基、置換又は非置換のクリセニレン基、置換又は非置換のフェナントレン基、置換又は非置換のナフチレン基、置換又は非置換のアズレニレン基、置換又は非置換のインデニレン基、置換又は非置換のピリジレン基、置換又は非置換のピリミジニレン基、置換又は非置換のトリアジニレン基、置換又は非置換のイミダゾリレン基から選ばれる、請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス材料。
【請求項6】
R
1及びR
3は同じであるか、異なるものであり、それぞれ独立に、置換又は非置換のフェニレン基、置換又は非置換のビフェニレン基、置換又は非置換のテルフェニレン基、置換又は非置換のアントリレン基、置換又は非置換のフェナントレン基、置換又は非置換のナフチレン基、置換又は非置換の9,9-ジメチルフルオレニレン基、置換又は非置換のジベンゾフラニリデン基、置換又は非置換のジベンゾチエニレン基、置換又は非置換のカルバゾリリデン基、又は前記イレン基のうちの2つ又は3つを単結合で連結してなるイレン基から選ばれ、
前記置換とは、独立に、重水素、シアノ基、フッ素、塩素、メチル基、エチル基、プロピル基、t-ブチル基、フェニル基、ナフチル基、カルバゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基から選ばれる置換基により置換されたことを意味し、
置換基が複数ある場合、各置換基は同じであるか、又は異なる、請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス材料。
【請求項7】
R
2、R
4及びR
5は、互いに同じであるか、又は異なり、それぞれ独立に、化学式i-1乃至化学式i-11に示される基からなる群から選ばれる、請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス材料。
【化103】
D
1は、水素、重水素、フッ素、塩素、臭素、シアノ基、炭素原子数3~12のトリアルキルシリコン基、炭素原子数1~10のアルキル基、炭素原子数1~10のハロアルキル基、炭素原子数3~10のシクロアルキル基、炭素原子数1~10のアルコキシ基、炭素原子数1~10のアルキルチオ基から選ばれ、
D
2~D
9、D
21は、それぞれ独立に、水素、重水素、フッ素、塩素、臭素、シアノ基、炭素原子数3~12のトリアルキルシリコン基、炭素原子数1~10のアルキル基、炭素原子数1~10のハロアルキル基、炭素原子数3~10のシクロアルキル基、炭素原子数1~10のアルコキシ基、炭素原子数3~12のヘテロアリール基から選ばれ、
D
10~D
20は、それぞれ独立に、水素、重水素、フッ素、塩素、臭素、シアノ基、炭素原子数3~12のトリアルキルシリコン基、炭素原子数1~10のアルキル基、炭素原子数1~10のハロアルキル基、炭素原子数3~10のシクロアルキル基、炭素原子数1~10のアルコキシ基、炭素原子数6~15のアリール基、炭素原子数3~12のヘテロアリール基から選ばれ、
d
1~d
21はd
kで示され、D
1~D
21はD
kで示され、kは変数であり、1~21の任意の整数を表し、d
kは置換基D
kの数を示し、ここで、kが5又は17から選ばれる場合、d
kは1、2又は3から選ばれ、kが2、7、8、12、15、16、18又は21から選ばれる場合、d
kは1、2、3又は4から選ばれ、kが1、3、4、6、9又は14から選ばれる場合、d
kは1、2、3、4又は5から選ばれ、kが13である場合、d
kは1、2、3、4、5又は6から選ばれ、kが10又は19から選ばれる場合、d
kは1、2、3、4、5、6又は7から選ばれ、kが20である場合、d
kは1、2、3、4、5、6、7又は8から選ばれ、kが11である場合、d
kは1、2、3、4、5、6、7、8又は9から選ばれ、かつ、d
kが1よりも大きい場合、任意の2つのD
kは、同じであるか、又は異なり、
K
1は、独立に、O、S、N(D
22)、C(D
23D
24)、Si(D
25D
26)から選ばれ、ここで、D
22、D
23、D
24、D
25、D
26は、それぞれ独立に、炭素原子数6~15のアリール基、炭素原子数3~12のヘテロアリール基、炭素原子数1~10のアルキル基又は炭素原子数3~10のシクロアルキル基から選ばれ、
K
2は、単結合、O、S、N(D
27)、C(D
28D
29)、Si(D
30D
31)から選ばれ、ここで、D
27、D
28、D
29、D
30、D
31は、それぞれ独立に、炭素原子数6~15のアリール基、炭素原子数3~12のヘテロアリール基、炭素原子数1~10のアルキル基又は炭素原子数3~10のシクロアルキル基から選ばれる。
【請求項8】
R
2、R
4及びR
5は、互いに同じであるか、又は異なり、且つ、それぞれ独立に、置換又は非置換の基Y
1から選ばれ、前記非置換の基Y
1は以下の基から選ばれる、請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス材料。
【化104】
前記Y
1基が1つ以上の置換基により置換された場合、Y
1の置換基は、それぞれ独立に、重水素、フッ素、塩素、シアノ基、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、t-ブチル基、トリメチルシリコン基、フェニル基、ナフチル基、ジベンゾチエニル基、ジベンゾフラニル基からなる群から選ばれ、前記Y
1の置換基が1つより多い場合、各個置換基は同じであるか、又は異なる。
【請求項9】
R
2、R
4及びR
5は同じであるか、又は異なり、それぞれ独立に、置換又は非置換のフェニル基、置換又は非置換のビフェニル基、置換又は非置換のテルフェニル基、置換又は非置換のアンスリル基、置換又は非置換のフェナントリル基、置換又は非置換のナフチル基、置換又は非置換の9,9-ジメチルフルオレニル基、置換又は非置換のジベンゾフラニル基、置換又は非置換のジベンゾチエニル基、置換又は非置換のカルバゾリル基、又は前記グループのうちの2つ又は3つを単結合で連結してなる基から選ばれ、
前記置換とは、独立に、重水素、シアノ基、フッ素、塩素、メチル基、エチル基、プロピル基、t-ブチル基、フェニル基、ナフチル基、カルバゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基から選ばれる置換基により置換されたことを意味し、
置換基が複数ある場合、各置換基は同じであるか、又は異なる、請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス材料。
【請求項10】
前記R
1、R
2、R
3、R
4及びR
5の置換基は同じであるか、又は異なり、それぞれ独立に、重水素、フッ素、塩素、シアノ基、炭素原子数1~4のアルキル基、炭素原子数5~10のシクロアルキル基、炭素原子数1~4のアルコキシ基、炭素原子数3~9のトリアルキルシリコン基、炭素原子数6~15のアリール基、炭素原子数3~12のヘテロアリール基、トリフェニルシリル基から選ばれる、請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス材料。
【請求項11】
前記R
1、R
2、R
3、R
4及びR
5の置換基は同じであるか、又は異なり、それぞれ独立に、重水素、フッ素、塩素、臭素、シアノ基、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、t-ブチル基、シクロペンチル基、メトキシ基、エトキシ基、トリメチルシリル基、フェニル基、ピリジル基、9,9-ジメチルフルオレニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基、ピリジル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、トリフェニルシリル基から選ばれる、請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス材料。
【請求項12】
以下の化合物から選ばれる、請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス材料。
【化105】
【化106】
【化107】
【化108】
【化109】
【化110】
【化111】
【化112】
【請求項13】
陰極と、陽極と、前記陰極と陽極との間に設置された1層以上の有機層とを含み、前記有機層は、少なくとも1層の請求項1~12に記載のエレクトロルミネッセンス材料を含むことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンスデバイス。
【請求項14】
前記有機層は正孔注入層と、正孔輸送層と、電子バリア層と、発光層と、正孔バリア層と、電子輸送層と、電子注入層とを含む、ことを特徴とする請求項13に記載の有機エレクトロルミネッセンスデバイス。
【請求項15】
前記正孔輸送層は請求項1~12に記載のエレクトロルミネッセンス材料を含むか、又は前記電子バリア層は請求項1~12に記載のエレクトロルミネッセンス材料を含む、ことを特徴とする請求項14に記載の有機エレクトロルミネッセンスデバイス。
【請求項16】
有機エレクトロルミネッセンスデバイスにおける請求項1~12のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス材料の応用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機エレクトロルミネッセンスの技術分野に関し、具体的には、有機エレクトロルミネッセンス材料及び該材料を含む有機エレクトロルミネッセンスデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、有機エレクトロルミネッセンスデバイス(OLED、Organic electroluminescent device)が次世代ディスプレイ技術として注目されつつある。一般的な有機エレクトロルミネッセンスデバイスは、陽極と、陰極と、陰極と陽極の間に設置された1層以上の有機層とから構成されている。陰陽両極に電圧を印加すると、両電極が電界を発生させ、電界の作用により陰極側の電子が発光層に移動し、陽極側の正孔も発光層に移動し、両方は発光層に結合して励起子を形成し、励起子は励起状態で外部にエネルギーを放出し、励起状態でのエネルギー放出から基底状態でのエネルギー放出に変わる過程で外部に光を発光する。したがって、OLEDデバイスにおける電子と正孔の再結合性を向上させることは極めて重要である。
【0003】
有機エレクトロルミネッセンスデバイスの輝度、効率及び寿命を向上させるために、多層構造は通常デバイスに使用されている。これらの多層構造は、正孔注入層(hole injection layer)、正孔輸送層(hole transport layer)、電子バリア層(electron-bloking layer)、発光層(emitting layer)及び電子輸送層(electron transport layer)などを含む。これらの有機層は、各層界面におけるキャリア(正孔及び電子)の注入効率を向上させ、各層間のキャリア輸送のバランスをとる能力を有し、それにより、デバイスの輝度及び効率を向上させる。
【0004】
現在、一般的に使用されている正孔輸送材料はNPDであり、NPDは優れた正孔輸送性能を有するものの、ガラス化転移温度(Tg)が96℃しかないため、高温条件下では有機エレクトロルミネッセンスデバイスが高温で結晶化しやすくなり、性能が低下する。
【0005】
アダマンタン(adamantane)誘導体については多くの文献に記録されている。たとえば:
特許文献CN107148408Aは、アダマンタン誘導体及びその有機エレクトロルミネッセンスデバイスに関するものであり、それが、基板と、基板上に蒸着された陰極と、陽極と、陰極と陽極との間に蒸着された有機層とを含み、有機層は正孔輸送層を含み、その正孔輸送層は構造
【化1】
のアダマンタン誘導体を含む。これらの性能に優れた有機エレクトロルミネッセンス材料は次々と開発されているが、いずれもモノアミン類構造であり、モノアミン構造は正孔輸送率が低いので、得られるデバイスの効率及び寿命には依然として向上する必要があり、すべてのデバイスが、電圧を下げ、効率及び寿命を高めるという効果を達成可能にするように、どのようにして性能のより良い新たな材料を設計し調節するかは、従来から、当業者が早急に解決しなければならない課題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、有機エレクトロルミネッセンスデバイスにおける正孔輸送層、電子バリア層などとして利用できる、性能に優れた有機エレクトロルミネッセンス材料を提供することを目的とする。本発明は、低い駆動電圧、高い発光効率及び長い使用寿命を有する前記有機エレクトロルミネッセンス材料を含む有機発光デバイスを提供することを別の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、以下の技術案により実現される。
【0008】
構造式が化学式1に示される有機エレクトロルミネッセンス材料。
【化2】
式中、R
2、R
4及びR
5は同じであるか、又は異なり、それぞれ独立に、置換又は非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換又は非置換の炭素原子数2~20のアルケニル基、置換又は非置換の炭素原子数2~24のアルキニル基、置換又は非置換の炭素原子数3~20のシクロアルキル基、置換又は非置換の炭素原子数2~20のヘテロシクロアルキル基、置換又は非置換の炭素原子数7~30のアラルキル基、置換又は非置換の炭素原子数2~30のヘテロアラルキル基、置換又は非置換の炭素原子数6~30のアリール基、置換又は非置換の炭素原子数1~30のヘテロアリール基から選ばれ、
R
1及びR
3は同じであるか、又は異なり、それぞれ独立に、単結合、置換又は非置換の炭素原子数1~30のアリーレン基、置換又は非置換の炭素原子数1~30のヘテロアリーレン基、置換又は非置換の炭素原子数7~30のアラルキレン基、置換又は非置換の炭素原子数2~30のヘテロアールアルキレン基から選ばれ、
前記R
1、R
2、R
3、R
4及びR
5の置換基は同じであるか、又は異なり、それぞれ独立に、重水素、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン、ヒドロキシ基、炭素原子数1~40のアルキル基、炭素原子数3~40のシクロアルキル基、炭素原子数2~40のアルケニル基、炭素原子数2~40のアルキニル基、炭素原子数2~40のヘテロシクロアルキル基、炭素原子数7~40のアラルキル基、炭素原子数2~40のヘテロアラルキル基、炭素原子数6~40のアリール基、炭素原子数1~40のヘテロアリール基、炭素原子数1~40のアルコキシ基、炭素原子数1~40のアルキルアミノ基、炭素原子数6~40のアリールアミノ基、炭素原子数1~40のアルキルチオ基、炭素原子数7~40のアラルキルアミノ基、炭素原子数1~24のヘテロアリールアミノ基、炭素原子数1~45のアルキルシリル基、炭素原子数6~50のアリールシリル基、炭素原子数6~30のアリロキシ基、炭素原子数6~30のアリールチオ基から選ばれる。)
【0009】
本出願は、陰極と、陽極と、前記陰極と陽極との間に設置された1層以上の有機層とを含み、前記有機層の少なくとも1層が前記エレクトロルミネッセンス材料を含む有機エレクトロルミネッセンスデバイスをさらに提供する。
【0010】
好ましくは、前記有機層は、正孔注入層と、正孔輸送層と、電子バリア層と、発光層と、正孔バリア層と、電子輸送層と、電子注入層とを含む。
【0011】
好ましくは、前記正孔輸送層は、本出願の前記エレクトロルミネッセンス材料を含む。
【0012】
好ましくは、前記電子バリア層は、本出願の前記エレクトロルミネッセンス材料を含む。
【0013】
本出願は、有機エレクトロルミネッセンスデバイスにおける前記有機エレクトロルミネッセンス材料の応用をさらに提供する。
【発明の効果】
【0014】
従来技術に比べて、本発明は、以下の有益な技術的効果を有する。
本発明に含まれるジアミン構造は、アダマンチル基を含有するモノアミン類構造に比べて、高いHOMOエネルギーレベル及び正孔移動度を有し、モノアミン類材料デバイスよりも高い効率及び長い寿命を呈し得る。ジアミン類材料の置換部位が多いため、アダマンチル基の異なる位置での置換を通じて、材料の空間構造と分子の積層に対しても更に精密な調節作用を果たすことができ、特に、本発明は、電子バリア層として機能する場合、より優れた、正孔輸送速度に対する調節作用を果たすことができ、正孔と電子の輸送効率のバランスをとることにより、デバイスの効率及び寿命をさらに向上させることができる。さらに、ジアミン構造は高い正孔輸送効率を有するが、分子量が小さく対称性が高いため、低温で結晶化しやすい。ジアミン構造とアダマンチル基とを組み合わせると、大きな位置抵抗のアダマンチル基を導入することにより、この現象を大幅に改善することができ、ガラス相の転移温度と結晶化温度を30~50℃向上させ、材料の結晶化とそれに伴う発光デバイスの寿命低下を効果的に抑制することができる。
前記有機エレクトロルミネッセンス材料を含む有機発光デバイスは、低い駆動電圧、高い発光効率及び長い寿命を有する。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、特定の実施例を参照しながら、本発明をさらに詳細に説明するが、以下の記載は本発明を限定するためのものではなく、解釈するためのものである。
【0016】
本出願において、
【化3】
とは、他の置換基又は結合位置と結合する位置を指す。
【0017】
本出願において、置換又は非置換のアリール基の炭素原子数とは、アリール基及びそれにおける置換基の全ての炭素原子の総数を指し、置換又は非置換のヘテロアリール基の炭素原子数とは、ヘテロアリール基及びそれにおける置換基の全ての炭素原子の総数を指す。例えば、置換又は非置換のアリール基は置換された炭素原子数が30であるアリール基から選ばれたものであると、アリール基及びそれにおける置換基の全ての炭素原子の総数は30であり、例えば、9,9-ジメチルフルオレニル基は、炭素原子数15のアリール基である。置換又は非置換のヘテロアリール基は置換された炭素原子数が12であるヘテロアリール基から選ばれたものであると、ヘテロアリール基及びそれにおける置換基の全ての炭素原子の総数は12である。
【0018】
本出願において、「置換又は非置換の」という用語は、該用語の後に記載される官能基が置換基を有していても有していなくてもよいことを指す。
【0019】
本出願において、具体的な定義が別途記載されていない場合、「ヘテロ」とは、1つの官能基にB、N、O、S、Se、Si又はP等のヘテロ原子を少なくとも1つ含み、残りの原子が炭素及び水素であることを指す。非置換のアルキル基は、いずれの二重結合又は三重結合を有さない「飽和アルキル基」であってもよい。
【0020】
本出願において採用される説明方式のうち、「各……独立に、……である」と、「……それぞれ独立に、……である」と、「……独立にから選ばれる」は入れ替えることができ、いずれも広義的に理解すべきものであり、それは異なる基において、同じ符号の間が表現した具体的な選択肢の間で互いに影響しないことを意味してもよく、同じ基において、同じ符号の間が表現した具体的な選択肢の間で互いに影響しないことを意味してもよい。
【0021】
本出願において、「てもよい」又は「てもよく(任意的には)」は、後に説明されるイベント又は環境が発生し得るが、発生する必要はないことを意味し、この説明は、当該イベント又は環境が発生する場合と、発生しない場合とを含む。例えば、「アルキル基により置換されていてもよい複素環基」とは、アルキル基は存在してもよいが存在しなくてもよいことを意味し、この説明は、複素環基がアルキル基により置換された場合と、複素環基がアルキル基により置換されていない場合とを含む。「任意的には、同一原子に連結された2つの置換基同士が相互に連結されて、それらが共通に連結された原子と飽和又は不飽和の5~18員の脂肪族環又は5~18員の芳香環を形成する」とは、同一原子に連結された2つの置換基が環を形成してもよいが、必ずしも環を形成する必要はないことを意味し、両方が互いに連結されて飽和又は不飽和の5~18員の脂肪族環又は5~18員の芳香環を形成する場合を含み、両方が互いに独立して存在する場合も含む。
【0022】
本出願における非局在結合とは、環系から突き出た単結合
【化4】
を指し、この結合の一端は、該結合が貫通する環系内の任意の位置に連結し、他端は化合物分子の残りの部分に連結してもよいことを意味する。例えば、下記式(X)に示すように、式(X)で表されるナフチル基は、二環を貫通する2つの非局在結合によって分子の他の位置に連結されており、それが表わす意味は、式(X-1)~式(X-10)で表されるいずれかの可能な連結形態を含む。
【化5】
【0023】
例えば、下式(X’)に示すように、式(X’)で示されるフェナントリル基は、一側のベンゼン環の中間から突き出た一つの非局在結合によって分子のほかの位置に連結されており、それが表わす意味は、式(X’-1)~式(X’-4)で示される任意の可能な連結形態を含む。
【化6】
【0024】
本出願における非局在置換基とは、環系の中央から突き出た一つの単結合によって連結された置換基を指し、該置換基が該環系中の任意の可能な位置に連結されてもよいことを意味する。例えば、下式(Y)に示すように、式(Y)で示される置換基であるR基は、一つの非局在結合によってキノリン環に連結され、それが表わす意味は、式(Y-1)~式(Y-7)で示される任意の可能な連結形態を含む。
【化7】
【0025】
本出願は、構造式が化学式1に示される有機エレクトロルミネッセンス材料を提供する。
【化8】
式中、R
2、R
4及びR
5は同じであるか、又は異なり、それぞれ独立に、置換又は非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換又は非置換の炭素原子数2~20のアルケニル基、置換又は非置換の炭素原子数2~24のアルキニル基、置換又は非置換の炭素原子数3~20のシクロアルキル基、置換又は非置換の炭素原子数2~20のヘテロシクロアルキル基、置換又は非置換の炭素原子数7~30のアラルキル基、置換又は非置換の炭素原子数2~30のヘテロアラルキル基、置換又は非置換の炭素原子数6~30のアリール基、置換又は非置換の炭素原子数1~30のヘテロアリール基から選ばれ、
R
1及びR
3は同じであるか、又は異なり、それぞれ独立に、単結合、置換又は非置換の炭素原子数1~30のアリーレン基、置換又は非置換の炭素原子数1~30のヘテロアリーレン基、置換又は非置換の炭素原子数7~30のアラルキレン基、置換又は非置換の炭素原子数2~30のヘテロアールアルキレン基から選ばれ、
前記R
1、R
2、R
3、R
4及びR
5の置換基は同じであるか、又は異なり、それぞれ独立に、重水素、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン、ヒドロキシ基、炭素原子数1~40のアルキル基、炭素原子数3~40のシクロアルキル基、炭素原子数2~40のアルケニル基、炭素原子数2~40のアルキニル基、炭素原子数2~40のヘテロシクロアルキル基、炭素原子数7~40のアラルキル基、炭素原子数2~40のヘテロアラルキル基、炭素原子数6~40のアリール基、炭素原子数1~40のヘテロアリール基、炭素原子数1~40のアルコキシ基、炭素原子数1~40のアルキルアミノ基、炭素原子数6~40のアリールアミノ基、炭素原子数1~40のアルキルチオ基、炭素原子数7~40のアラルキルアミノ基、炭素原子数1~24のヘテロアリールアミノ基、炭素原子数1~45のアルキルシリル基、炭素原子数6~50のアリールシリル基、炭素原子数6~30のアリロキシ基、炭素原子数6~30アリールチオ基から選ばれる。
【0026】
本発明における非置換アルキル基とは炭素原子数1~20の直鎖アルキル基のこと、又は含まれる炭素原子数が1~13である分岐鎖アルキル基であることを指す。別の実施態様では、アルキル基は1~4個の炭素原子を含有し、さらにいくつの実施態様では、アルキル基は1~3個の炭素原子を含有する。前記アルキル基は本発明に記載の1つ以上の置換基により任意的に置換されてもよい。例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソブチル基、s-ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基などである。置換の炭素原子数1~20のアルキル基とは、少なくとも1つの水素原子が重水素原子、F、Cl、I、CN、ヒドロキシ基、ニトロ基、アミノ基、フェニル基、ビフェニル基、テルフェニル基、ナフチル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基などにより置換されたことを意味する。
【0027】
本発明における非置換のアルケニル基とは、炭素原子数2~20のアルケニル基を指し、炭素-炭素二重結合を含む炭素原子数2~20の直鎖のアルケニル基、又は炭素原子数1~13の分岐鎖アルケニル基を含む。例えば、ビニル基、プロペニル基、アリル基、イソプロペニル基、2-丁アルケニル基などである。置換の炭素原子数2~20のアルケニル基とは、少なくとも1つの水素原子が重水素原子、F、Cl、I、CN、ヒドロキシ基、ニトロ基、アミノ基などにより置換されたものを指す。
【0028】
本発明における非置換のアルキニル基とは、炭素原子数2~24のアルキニル基を指し、炭素-炭素三重結合を含む炭素原子数2~35の直鎖のアルキニル基、又は炭素原子数1~10の分岐鎖アルキニル基を含む。例えば、エチニル基、2-プロピニル基などである。置換の炭素原子数2~24のアルキニル基とは、少なくとも1つの水素原子が重水素原子、F、Cl、I、CN、ヒドロキシ基、ニトロ基、アミノ基などにより置換されたものを指す。
【0029】
本発明における非置換のアリール基とは、炭素原子数6~30のアリール基を指す。アリール基とは、芳香族炭素環から誘導された任意の官能基又は置換基を指す。アリール基は、単環アリール基又は多環アリール基であってもよく、言い換えれば、アリール基は、単環アリール基、縮合環アリール基、炭素-炭素結合を介して共役連結された2つ以上の単環アリール基、炭素-炭素結合を介して共役連結された単環アリール基と縮合環アリール基、炭素-炭素結合を介して共役連結された2つ以上の縮合環アリール基であってもよい。即ち、炭素-炭素結合を介して共役連結された2つ以上の芳香基も本出願のアリール基とみなされてもよい。例えば、フェニル基、ナフチル基、ピレニル基、ジメチルフルオレニル基、アンスリル基、フェナントリル基(phenanthryl)、クリセニル基(chrysenyl)、アズレニル基、アセナフチル基(acenaphthenyl)、ビフェニル基、ベンゾアントリル基、スピロビフルオレニル基、ピレニル基、インデニル基などである。アリール基はまた、テルフェニル基、クォーターフェニル基、ペンタフェニル基、ベンゾ[9,10]フェナントリル基、ベンゾフルオランテニル基であってもよい。
【0030】
置換の炭素原子数6~30のアリール基とは、少なくとも1つの水素原子が重水素原子、F、Cl、I、CN、ヒドロキシ基、ニトロ基、アミノ基、アルキル基、フェニル基、ビフェニル基、テルフェニル基、ナフチル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基などにより置換されたものを指し、アリール基及びその置換基上の全ての炭素原子の総数は6~30であり、置換のアリール基の炭素原子数は7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、18個、又は20個であってもよく、例えばナフチル置換フェニル基、フェニル置換ナフチル基はいずれも炭素原子数16の置換のアリール基である。
【0031】
本発明において、非置換のアラルキル基とは、炭素原子数7~30のアラルキル基を指す。例えば、トリル基、ジメチルフルオレニル基などである。置換の炭素原子数7~30のアラルキル基とは、少なくとも1つの水素原子が重水素原子、F、Cl、I、CN、ヒドロキシ基、ニトロ基、アミノ基などにより置換されたものを指す。
【0032】
本発明において、非置換のヘテロアリール基とは、炭素原子数1~30のヘテロアリール基を指す。ヘテロアリール基とは、環中に少なくとも1つのヘテロ原子を含む一価芳香環又はその誘導物を指し、ヘテロ原子は、B、O、N、P、Si及びSのうちの少なくとも1種であってもよい。ヘテロアリール基は単環ヘテロアリール基又は多環ヘテロアリール基であってもよく、言い換えれば、ヘテロアリール基は単一の芳香環系であってもよく、炭素-炭素結合を介して共役連結された複数の芳香環系であり、且つ、いずれの芳香環系は1つの芳香単環又は1つの芳香縮合環であってもよい。本出願における「ヘテロアリール基」は、B、O、N、P、Si、Se及びSから選ばれる任意のヘテロ原子を1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個含んでもよく、炭素原子数は1~30であってもよい。例えば、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、キノリン基、インドリル基、カルバゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基、ジベンゾセレノフェニル基などである。ヘテロアリール基はN-フェニルカルバゾリル基であってもよい。
【0033】
置換の炭素原子数1~30のヘテロアリール基とは、少なくとも1つの水素原子が重水素原子、F、Cl、I、CN、ヒドロキシ基、ニトロ基、アミノ基、アルキル基、フェニル基、ビフェニル基、テルフェニル基、ナフチル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基などにより置換されたものを指す。
【0034】
本出願において、アリール基に対する解釈はアリーレン基に適用されてもよく、ヘテロアリール基に対する解釈は同様にヘテロアリーレン基に適用されてもよく、アルキル基に対する解釈はアルキレン基に適用されてもよく、シクロアルキル基に対する解釈はシクロアルキレン基に適用されてもよい。本発明では、非置換のシクロアルキル基とは炭素原子数3~20のシクロアルキル基を指す。例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基などである。置換の炭素原子数3~20のシクロアルキル基とは、少なくとも1つの水素原子が重水素原子、F、Cl、I、CN、ヒドロキシ基、ニトロ基、アミノ基などにより置換されたものを指す。
【0035】
本出願の1つの任意の実施形態では、R
1及びR
3は同じであるか、又は異なり、それぞれ独立に、単結合、置換又は非置換の炭素原子数6~25のアリーレン基、置換又は非置換の炭素原子数5~18ヘテロアリーレン基から選ばれ、R
2、R
4及びR
5は同じであるか、又は異なり、それぞれ独立に、単結合、置換又は非置換の炭素原子数6~18のアリール基、置換又は非置換の炭素原子数5~18ヘテロアリール基から選ばれ、前記R
1、R
2、R
3、R
4及びR
5の置換基は同じであるか、又は異なり、それぞれ独立に、重水素、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン、ヒドロキシ基、炭素原子数1~10のアルキル基、炭素原子数3~10のシクロアルキル基、炭素原子数6~15のアリール基、炭素原子数3~12のヘテロアリール基から選ばれ、置換基が1つより多い場合、各置換基は同じであるか、又は異なる。
本出願の1つの任意の実施形態では、R
1及びR
3は、互いに同じであるか、又は異なり、それぞれ独立に、化学式j-1乃至化学式j-9に示される基からなる群から選ばれる。
【化9】
E
1~E
14は、それぞれ独立に、水素、重水素、ハロゲン基、シアノ基、炭素原子数3~12のヘテロアリール基、炭素原子数6~15のアリール基、炭素原子数3~9のトリアルキルシリコン基、炭素原子数1~10のアルキル基、炭素原子数1~10のハロアルキル基、炭素原子数3~10のシクロアルキル基、炭素原子数1~10のアルコキシ基から選ばれ、
e
1~e
14はe
rで示され、E
1~E
14はE
rで示され、rは変数であり、1~14の任意の整数を示し、e
rは置換基E
rの数を示し、rが1、2、3、4、5、6、9、13又は14から選ばれる場合、e
rは1、2、3又は4から選ばれ、rが7又は11から選ばれる場合、e
rは1、2、3、4、5又は6から選ばれ、rが12である場合、e
rは1、2、3、4、5、6又は7から選ばれ、rが8又は10から選ばれる場合、e
rは1、2、3、4、5、6、7又は8から選ばれ、e
rが1より多い場合、任意の2つのE
rは、同じであるか異なり、
K
3はO、S、Se、N(E
15)、C(E
16E
17)、Si(E
18E
19)から選ばれ、ここで、各E
15、E
16、E
17、E
18、及びE
19は、それぞれ独立に、水素、炭素原子数6~15のアリール基、炭素原子数3~12のヘテロアリール基、炭素原子数1~10のアルキル基、炭素原子数3~10のシクロアルキル基、炭素原子数2~10のヘテロシクロアルキル基から選ばれ、
各K
4は、独立に、単結合、O、S、Se、N(E
20)、C(E
21E
22)、Si(E
23E
24)から選ばれ、ここで、E
20、E
21、E
22、E
23、E
24は、それぞれ独立に、水素、炭素原子数6~15のアリール基、炭素原子数3~12のヘテロアリール基、炭素原子数1~10のアルキル基、炭素原子数3~10のシクロアルキル基から選ばれる。
【0036】
本出願の1つの任意の実施形態では、R
1及びR
3は、それぞれ独立に、置換又は非置換の基W
1から選ばれ、前記非置換の基W
1は以下の基から選ばれる。
【化10】
前記W
1基が1つ以上の置換基により置換された場合、W
1の置換基は、それぞれ独立に、重水素、フッ素、塩素、シアノ基、メチル基、エチル基、プロピル基、t-ブチル基、トリメチルシリル基、フェニル基、ナフチル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基、カルバゾリル基からなる群から選ばれ、前記W
1の置換基の数が1つより多い場合、各個置換基は同じであるか、又は異なる。
【0037】
本出願の1つの任意の実施形態では、R2、R4及びR5は同じであるか、又は異なり、それぞれ独立に、置換又は非置換の炭素原子数7~30のアラルキル基、置換又は非置換の炭素原子数2~30のヘテロアラルキル基、置換又は非置換の炭素原子数6~30のアリール基、置換又は非置換の炭素原子数1~30のヘテロアリール基から選ばれる。
【0038】
本出願の1つの任意の実施形態では、R1及びR3は同じであるか、又は異なり、それぞれ独立に、単結合、置換又は非置換のフェニレン基、置換又は非置換のビフェニレン基、置換又は非置換のテルフェニレン基、置換又は非置換のクリセニレン基、置換又は非置換のフェナントレン基(phenanthrylene)、置換又は非置換のナフチレン基、置換又は非置換のアズレニレン基、置換又は非置換のインデニレン基、置換又は非置換のピリジレン基、置換又は非置換のピリミジニレン基、置換又は非置換のトリアジニレン基、置換又は非置換のイミダゾリレン基から選ばれる。
【0039】
本出願の1つの任意の実施形態では、R1及びR3は同じであるか、又は異なり、それぞれ独立に、置換又は非置換のフェニレン基、置換又は非置換のビフェニレン基、置換又は非置換のテルフェニレン基、置換又は非置換のアントリレン(anthrylene)基、置換又は非置換のフェナントレン基(phenanthrylene)、置換又は非置換のナフチレン基、置換又は非置換の9,9-ジメチルフルオレニレン基、置換又は非置換のジベンゾフラニリデン基(Dibenzofuranylidene)、置換又は非置換のジベンゾチエニレン基、置換又は非置換のカルバゾリリデン基、又は前記イレン基(ylene)のうちの2つ又は3つを単結合で連結してなるイレン基から選ばれ、
前記置換とは、独立に、重水素、シアノ基、フッ素、塩素、メチル基、エチル基、プロピル基、t-ブチル基、フェニル基、ナフチル基、カルバゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基から選ばれる置換基により置換されたことを意味する。
【0040】
置換基が複数ある場合、各置換基は同じであるか、又は異なる。
【0041】
本出願の1つの任意の実施形態では、R
1及びR
3は、それぞれ独立に、以下の基から選ばれる任意の1つである。
【化11】
【0042】
本出願の1つの任意の実施形態では、R
2、R
4及びR
5は、互いに同じであるか、又は異なり、それぞれ独立に、化学式i-1~化学式i-11に示される基からなる群から選ばれる。
【化12】
D
1は、水素、重水素、フッ素、塩素、臭素、シアノ基、炭素原子数3~12のトリアルキルシリコン基、炭素原子数1~10のアルキル基、炭素原子数1~10のハロアルキル基、炭素原子数3~10のシクロアルキル基、炭素原子数1~10のアルコキシ基、炭素原子数1~10のアルキルチオ基から選ばれ、
D
2~D
9、D
21は、それぞれ独立に、水素、重水素、フッ素、塩素、臭素、シアノ基、炭素原子数3~12のトリアルキルシリコン基、炭素原子数1~10のアルキル基、炭素原子数1~10のハロアルキル基、炭素原子数3~10のシクロアルキル基、炭素原子数1~10のアルコキシ基、炭素原子数3~12のヘテロアリール基から選ばれ、
D
10~D
20は、それぞれ独立に、水素、重水素、フッ素、塩素、臭素、シアノ基、炭素原子数3~12のトリアルキルシリコン基、炭素原子数1~10のアルキル基、炭素原子数1~10のハロアルキル基、炭素原子数3~10のシクロアルキル基、炭素原子数1~10のアルコキシ基、炭素原子数6~15のアリール基、炭素原子数3~12のヘテロアリール基から選ばれ、
d
1~d
21はd
kで示され、D
1~D
21はD
kで示され、kは変数であり、1~21の任意の整数であり、d
kは置換基D
kの個数を示し、ここで、kが5又は17から選ばれる場合、d
kは1、2又は3から選ばれ、kが2、7、8、12、15、16、18又は21から選ばれる場合、d
kは1、2、3又は4から選ばれ、kが1、3、4、6、9又は14から選ばれる場合、d
kは1、2、3、4又は5から選ばれ、kが13である場合、d
kは1、2、3、4、5又は6から選ばれ、kが10又は19から選ばれる場合、d
kは1、2、3、4、5、6又は7から選ばれ、kが20である場合、d
kは1、2、3、4、5、6、7又は8から選ばれ、kが11である場合、d
kは1、2、3、4、5、6、7、8又は9から選ばれ、かつd
kが1よりも大きい場合、任意の2つのD
kは、同じであるか、又は異なり、
K
1は、独立に、O、S、N(D
22)、C(D
23D
24)、Si(D
25D
26)から選ばれ、ここで、D
22、D
23、D
24、D
25、D
26は、それぞれ独立に、炭素原子数6~15のアリール基、炭素原子数3~12のヘテロアリール基、炭素原子数1~10のアルキル基又は炭素原子数3~10のシクロアルキル基から選ばれ、
K
2は、単結合、O、S、N(D
27)、C(D
28D
29)、Si(D
30D
31)から選ばれ、ここで、D
27、D
28、D
29、D
30、D
31は、それぞれ独立に、炭素原子数6~15のアリール基、炭素原子数3~12のヘテロアリール基、炭素原子数1~10のアルキル基又は炭素原子数3~10のシクロアルキル基から選ばれる。
【0043】
本出願の1つの任意の実施形態では、R
2、R
4及びR
5は、互いに同じであるか、又は異なり、且つ、それぞれ独立に、置換又は非置換の基Y
1から選ばれ、前記非置換の基Y
1は以下の基から選ばれる。
【化13】
前記Y
1基が1つ以上の置換基により置換された場合、Y
1の置換基は、それぞれ独立に、重水素、フッ素、塩素、シアノ基、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、t-ブチル基、トリメチルシリコン基、フェニル基、ナフチル基、ジベンゾチエニル基、ジベンゾフラニル基からなる群から選ばれ、前記Y
1の置換基が1つよりも多い場合、各置換基は同じであるか、又は異なる。
【0044】
本出願の1つの任意の実施形態では、R2、R4及びR5は同じであるか、又は異なり、それぞれ独立に、置換又は非置換のフェニル基、置換又は非置換のビフェニル基、置換又は非置換のテルフェニル基、置換又は非置換のアンスリル基、置換又は非置換のフェナントリル基、置換又は非置換のナフチル基、置換又は非置換の9,9-ジメチルフルオレニル基、置換又は非置換のジベンゾフラニル基、置換又は非置換のジベンゾチエニル基、置換又は非置換のカルバゾリル基、又は前記グループのうちの2つ又は3つが単結合で連結されてなる基から選ばれ、
前記置換とは、独立に、重水素、シアノ基、フッ素、塩素、メチル基、エチル基、プロピル基、t-ブチル基、フェニル基、ナフチル基、カルバゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基から選ばれる置換基により置換されたことを意味し、
置換基が複数ある場合、各置換基は同じであるか、又は異なる。
【0045】
本出願の1つの任意の実施形態では、R
2、R
4及びR
5は、それぞれ独立に、以下の基から選ばれる任意の1つである。
【化14】
【0046】
本出願の1つの任意の実施形態では、前記化学式1は下記構造のうちの1種であるが、これらに制限されない。
【化15】
【化16】
【化17】
【化18】
【化19】
【化20】
【化21】
【0047】
本出願は、対向設置された陽極と陰極と、前記陽極と前記陰極との間に設置された有機層とを含み、前記有機層は正孔注入層と、正孔輸送層と、電子バリア層と、発光層と、正孔バリア層と、電子輸送層と、電子注入層とを含む有機エレクトロルミネッセンスデバイスをさらに提供する。
本出願の有機エレクトロルミネッセンスデバイスにおいて、前記正孔輸送層又は電子バリア層は、有機エレクトロルミネッセンスデバイスの電圧特性、効率特性及び寿命特性を改善するために、上記化合物を含む。
【0048】
例えば、有機エレクトロルミネッセンスデバイスは、順次積層されて設置された、陽極と、正孔輸送層と、電子バリア層と、有機発光層と、正孔バリア層と、電子輸送層と、陰極とを含んでもよい。本出願が提供する化合物は、有機エレクトロルミネッセンスデバイスの寿命を向上させ、有機エレクトロルミネッセンスデバイスの発光効率を向上させ、又は有機エレクトロルミネッセンスデバイスの駆動電圧を低下させるために、有機エレクトロルミネッセンスデバイスの正孔輸送層又は電子バリア層に適用されてもよい。
【0049】
任意的には、陽極は、機能層への正孔の注入に寄与する、大きな仕事関数(work function)を有する材料であってもよい陽極材料を含む。陽極材料の具体的な例には、ニッケル、白金、バナジウム、クロム、銅、亜鉛、金などの金属又はそれらの合金;酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウム錫(ITO)や酸化インジウム亜鉛(IZO)などの金属酸化物;ZnO:Al又はSnO2:Sbのような金属と酸化物の組み合わせ;又は、ポリ(3-メチルチオフェン)、ポリ[3,4-(エチリデン-1,2-ジオキシ)チオフェン](PEDT)、ポリピロール、及びポリアニリンなどの導電性高分子が含まれるが、これらに限定されない。任意的には、酸化インジウム錫(インジウムスズ酸化物、indium tin oxide)(ITO)を陽極の透明電極として含んでもよい。
【0050】
任意的には、正孔輸送層は、本出願の化合物、カルバゾール多量体、カルバゾール連結トリアリールアミン類化合物、又は他のタイプの化合物から選ばれる1つ以上の正孔輸送材料を含んでもよい。
【0051】
任意的には、有機発光層はホスト材料とゲスト材料とを含んでもよく、有機発光層に注入された正孔と有機発光層に注入された電子とが有機発光層で再結合して励起子を形成し、励起子がホスト材料にエネルギーを伝達し、ホスト材料がゲスト材料にエネルギーを伝達して、ゲスト材料を発光可能にしてもよい。本出願の一実施形態では、ホスト材料はCPB又はADNである。
【0052】
有機発光層のゲスト材料は、縮合アリール環を有する化合物又はその誘導体、ヘテロアリール環を有する化合物又はその誘導体、芳香族アミン誘導体又はその他の材料であってもよいが、本出願はこれについて特に制限しない。本出願発の一実施形態では、有機発光層のゲスト材料は、Ir(piq)2(acac)等であってもよい。本出願の他の実施形態では、有機発光層のゲスト材料は、Ir(ppy)3等であってもよい。
【0053】
任意的には、電子輸送層は、単層構造であってもよく、多層構造であってもよく、1つ以上の電子輸送材料を含んでいてもよく、電子輸送材料は、ベンズイミダゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、キノキサリン誘導体、又は他の電子輸送材料から選ばれてもよいが、これらに限定されない。
【0054】
任意的には、陰極は、機能層への電子の注入に寄与する、小さな仕事関数を有する材料である陰極材料を含んでもよい。陰極材料の具体的な例には、マグネシウム、カルシウム、ナトリウム、カリウム、チタン、インジウム、イットリウム、リチウム、ガドリニウム、アルミニウム、銀、錫、鉛などの金属又はこれらの合金;又は、LiF/Al、Liq/Al、LiO2/Al、LiF/Ca、LiF/Al及びBaF2/Caなどの多層材料が含まれるが、これらに限定されない。任意的には、陰極としてアルミニウムを含む金属電極を含んでもよい。本出願の一実施形態では、陰極の材料はマグネシウム-銀合金であってもよい。
【0055】
陽極と正孔輸送層との間には、正孔輸送層への正孔注入能力を高めるように、正孔注入層が設けられてもよい。正孔注入層としては、ベンジジン誘導体、スターバースト状アリールアミン類化合物、フタロシアニン誘導体又はその他の材料を選択してもよく、本出願はこれについて特に制限しない。正孔注入層は、例えば、F4-TCNQからなるものであってもよい。
【0056】
正孔輸送層と有機発光層との間には、正孔輸送層側への電子の輸送を遮断し、有機発光層における電子と正孔との再結合率を高め、電子の衝撃から正孔輸送層を保護するように、電子バリア層がさらに設けられてもよい。電子バリア層の材料は、本出願の化合物、カルバゾール多量体、カルバゾール連結トリアリールアミン類化合物又はその他の可能な構造であってもよい。
【0057】
陰極と電子輸送層との間には、電子輸送層への電子注入能力を高めるように、電子注入層がさらに設けられてもよい。電子注入層は、アルカリ金属硫化物、アルカリ金属ハロゲン化物等の無機材料を含んでいてもよいし、或いはアルカリ金属と有機物との錯体を含んでもよい。例えば、電子注入層はLiQを含んでもよい。
【0058】
合成例:
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明する。しかしながら、以下の実施例は本発明の例示にすぎず、本発明を限定するものではない。
以下で説明する合成例では、特に断らない限り、すべての温度の単位は摂氏度である。試薬の一部は、Aldrich Chemical Company、Arco Chemical Company、Alfa Chemical Companyなどの商品サプライヤーから購入されており、特に断らない限り、それ以上の精製を行わずに使用されている。
各合成例において、低分解能質量分析(MS)データの測定条件は、Agilent 6120 四重極HPLC-M(カラムモデル:Zorbax SB-C18、2.1×30mm、3.5μm、6min、流速0.6mL/min)である。移動相は、5%~95%(0.1%ギ酸を含むアセトニトリル)の(0.1%ギ酸を含む水)中の割合)、エレクトロスプレーイオン化(ESI)を用い、210nm/254nmでUVにより検出された。
核磁気共鳴水素スペクトルは、ブルック(Bruker)600MHz核磁気計、室温条件下、CD2Cl2を溶媒(ppm単位)とし、TMS(0ppm)を参照標準とした。多重ピークが出現する場合に、s(singlet、単ピーク)、d(doublet、二重ピーク)、t(triplet、三重ピーク)、m(multiplet、多重ピーク)の略語を用いる。
【0059】
合成例1
化合物1の合成
【化22】
1-アダマンタノール(50.0g、328.4mmol)と、ブロモベンゼン(51.6g、328.4mmol)と、ジクロロメタン(500mL)とを丸底フラスコに加えて、窒素ガスの保護下で、-5~0℃に降温し、トリフルオロメタンスルホン酸(73.9g、492.6mmol)を滴下し、保温して3h撹拌し、反応液に脱イオン水(300mL)を加えてpH=7になるまで水洗し、ジクロロメタン(100mL)を加えて抽出し、有機相を合わせて、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧して溶媒を除去し、n-ヘプタンを移動相としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより、得た粗製品を純化し、白色の固体中間体I-A-1(53.1g、55.4%)を得た。
【化23】
中間体I-A-1(7.0g、24.04mmol)と、アニリン(2.69g、28.84mmol)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0.22g、0.24mmol)と、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル(0.23g、0.48mmol)と、t-ブトキシドナトリウム(3.46g、36.05mmol)とをトルエン(60mL)に加えて、窒素ガスの保護下で、108℃に加熱して3h撹拌し、次に、室温に冷却させて、反応液を脱イオンで水洗した後、無水硫酸マグネシウムを加えて乾燥させ、濾過した後、濾液を短いシリカカラムに通して、減圧して溶媒を除去し、ジクロロメタン/n-ヘプタン系を使用して粗製品を再結晶して純化し、浅緑色の固体中間体I-A(5.83g、79.9%)を得た。
【化24】
ジフェニルアミン(3.80g、22.45mmol)と、4-ブロモ-4’-ヨードビフェニル(10.48g、29.19mmol)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0.21g、0.22mmol)と、トリ-tert-ブチルホスフィン(0.10g、0.44mmol)と、t-ブトキシドナトリウム(3.24g、33.68mmol)とをトルエン(100mL)に加えて、窒素ガスの保護下で、108℃に加熱して10h撹拌し、次に、室温に冷却させて、反応液を水洗した後、硫酸マグネシウムを加えて乾燥させ、濾過した後、濾液を減圧して溶媒を除去し、n-ヘプタンを移動相としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより純化し、白色の固体中間体II-A(3.6g、40.06%)を得た。
【化25】
中間体I-A(3g、9.89mmol)と、中間体II-A(3.55g、9.89mmol)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0.09g、0.10mmol)と、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジメトキシビフェニル(0.08g、0.20mmol)と、t-ブトキシドナトリウム(1.43g、14.83mmol)とをトルエン(30mL)に加えて、窒素ガスの保護下で、108℃に加熱して1h撹拌し、次に、室温に冷却させて、反応液を濾過した後、濾液を減圧して溶媒を除去し、ジクロロメタン/n-ヘプタン(1:1)を移動相としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより純化した後、ジクロロメタン/酢酸エチル系を使用して粗製品を再結晶して純化し、白色の固体化合物1(5.15g、83.74%)を得た。質量分析:m/z=623.3 (M+H)
+。
【0060】
合成例2
化合物2の合成
【化26】
N-フェニル-4-ベンジジン(5.00g、20.38mmol)と、4-ブロモ-4’-ヨードビフェニル(9.15g,25.48mmol)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0.19g、0.20mmol)と、トリ-tert-ブチルホスフィン(0.08g、0.41mmol)と、t-ブトキシドナトリウム(2.94g、30.57mmol)とをトルエン(80mL)に加えて、窒素ガスの保護下で、108℃に加熱して16h撹拌し、次に、室温に冷却させて、反応液を水洗した後、硫酸マグネシウムを加えて乾燥させ、濾過した後、濾液を減圧して溶媒を除去し、n-ヘプタンを移動相としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより純化し、中間体II-B(5.55g、57.16%)を得た。
【化27】
上記合成例1の中間体I-A(4.70g、15.49mmol)と、中間体II-B(5.55g、15.49mmol)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0.14g、0.15mmol)と、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジメトキシビフェニル(0.13g、0.31mmol)と、t-ブトキシドナトリウム(2.23g、23.23mmol)とをトルエン(50mL)に加えて、窒素ガスの保護下で、108℃に加熱して1h撹拌し、次に、室温に冷却させて、反応液を濾過した後、濾液を減圧して溶媒を除去し、ジクロロメタン/n-ヘプタン(1:1)を移動相としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより純化した後、ジクロロメタン/酢酸エチル系を使用して粗製品を再結晶して純化し、白色の固体化合物2(7.34g,67.78%)を得た。質量分析:m/z=699.4(M+H)
+。
【0061】
合成例3
化合物3の合成
【化28】
3-ブロモジベンゾフラン(10.0g,40.47mmol)と、アニリン(4.15g、44.52mmol)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0.37g、0.40mmol)と、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2,4,6-トリイソプロピルビフェニル(0.39g、0.81mmol)と、t-ブトキシドナトリウム(5.84g、60.71mmol)とをトルエン(100mL)に加えて、窒素ガスの保護下で、108℃に加熱して1h撹拌し、次に、室温に冷却させて、反応液を水洗した後、硫酸マグネシウムを加えて乾燥させ、濾過した後、濾液を短いシリカカラムに通して、カラム通過液を減圧して溶媒を除去し、ジクロロメタン/n-ヘプタン系を使用して粗製品を再結晶して純化し、灰色の固体中間体II-C-1(8.2g、78.17%)を得た。
【化29】
3-ブロモ-4’クロロ-1,1’-ビフェニル(8.00g、29.90mmol)と、中間体II-C-1(5.17g、19.93mmol)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0.18g、0.20mmol)と、トリ-tert-ブチルホスフィン(0.10g、0.40mmol)と、t-ブトキシドナトリウム(2.87g、29.90mmol)とをトルエン(70mL)に加えて、窒素ガスの保護下で、108℃に加熱して12h撹拌し、次に、室温に冷却させて、反応液を水洗した後、硫酸マグネシウムを加えて乾燥させ、濾過した後、濾液を減圧して溶媒を除去し、n-ヘプタンを移動相としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより純化し、灰色の固体中間体II-C(4.82g、54.28%)を得た。
【化30】
上記合成例1の中間体I-A(3.00g、9.89mmol)と、中間体II-C(4.41g、9.89mmol)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0.10g、0.10mmol)と、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジメトキシビフェニル(0.09g、0.20mmol)と、t-ブトキシドナトリウム(1.43g、14.83mmol)とをトルエン(50mL)に加えて、窒素ガスの保護下で、108℃に加熱して2h撹拌し、次に、室温に冷却させて、反応液を濾過した後、濾液を減圧して溶媒を除去し、ジクロロメタン/n-ヘプタン(1:3)を移動相としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより純化した後、ジクロロメタン/酢酸エチル系を使用して粗製品を再結晶して純化し、白色の固体化合物3(5.35g、76.14%)を得た。質量分析:m/z=713.3(M+H)
+。
【0062】
合成例4
化合物4の合成
【化31】
アニリン(10.0g、107.38mmol)と、3-ブロモジベンゾチオフェン(26.91g,102.26mmol)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0.94g、1.02mmol)と、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2,4,6-トリイソプロピルビフェニル(0.98g、2.05mmol)と、t-ブトキシドナトリウム(14.74g、153.40mmol)とをトルエン(180mL)に加えて、窒素ガスの保護下で、108℃に加熱して2h撹拌し、次に、室温に冷却させて、反応液を水洗した後、硫酸マグネシウムを加えて乾燥させ、濾過した後、濾液を短いシリカカラムに通して、カラム通過液を減圧して溶媒を除去し、ジクロロメタン/n-ヘプタン系を使用して粗製品を再結晶して純化し、白色の固体中間体II-D-1(21.69g、77.02%)を得た。
【化32】
中間体II-D-1(5.90g、21.43mmol)と、4-ブロモ-4’-ヨードビフェニル(10g、27.85mmol)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0.19g、0.21mmol)と、トリ-tert-ブチルホスフィン(0.20g、0.13mmol)と、t-ブトキシドナトリウム(3.09g、32.14mmol)とをトルエン(80mL)に加えて、窒素ガスの保護下で、108℃に加熱して7h撹拌し、次に、室温に冷却させて、反応液を濾過した後、濾液を減圧して溶媒を除去し、n-ヘプタンを移動相としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより純化した後、ジクロロメタン/n-ヘプタン系を使用して粗製品を再結晶して純化し、白色の固体中間体II-D(6.07g、55.95%)を得た。
【化33】
上記合成例1の中間体I-A(3.60g、11.86mmol)と、中間体II-D(6.07g、11.86mmol)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0.11g、0.12mmol)と、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジメトキシビフェニル(0.11g、0.24mmol)と、t-ブトキシドナトリウム(1.71g、17.80mmol)とをトルエン(50mL)に加えて、窒素ガスの保護下で、108℃に加熱して1h撹拌し、次に、室温に冷却させて、反応液を濾過した後、濾液を減圧して溶媒を除去し、ジクロロメタン/n-ヘプタン系を使用して粗製品を再結晶して純化し、白色の固体化合物4(7.12g、56.62%)を得た。質量分析:m/z=729.3(M+H)
+。
【0063】
合成例5
化合物5の合成
【化34】
1-アダマンタノール(10.0g,65.69mmol)と、4-ブロモビフェニル(15.31g,65.69mmol)とを、(150mL)ジクロロメタンを容れた丸底フラスコに加えて、窒素ガスの保護下で、(-20)~(-10)℃に降温し、トリフルオロメタンスルホン酸(14.7g,98.53mmol)を滴下し、保温して6h撹拌し、反応液に脱イオン水(100mL)を加えてpH=7になるまで水洗し、ジクロロメタン(100mL)を加えて抽出し、有機相を合わせて、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧して溶媒を除去し、n-ヘプタンを移動相としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより、得た粗製品を純化し、白色の固体中間体I-E-1(9.80g、40.61%)を得た。
【化35】
中間体I-E-1(9.50g、25.89mmol)と、4-アミノビフェニル(4.60g、27.18mmol)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0.24g、0.26mmol)と、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル(0.25g、0.52mmol)と、t-ブトキシドナトリウム(3.73g、38.83mmol)とをトルエン(100mL)に加えて、窒素ガスの保護下で、108℃に加熱して3h撹拌し、次に、室温に冷却させて、反応液を脱イオンで水洗した後、無水硫酸マグネシウムを加えて乾燥させ、濾過した後、濾液を短いシリカカラムに通して、減圧して溶媒を除去し、ジクロロメタン/n-ヘプタン系を使用して粗製品を再結晶して純化し、浅緑色の固体中間体I-E(8.71g、73.88%)を得た。
【化36】
2-ブロモ,4-クロロビフェニル(50.00g,180.69mmol)と、フェニルボロン酸(20.17g,170.79mmol)と、テトラトリフェニルホスフィンパラジウム(4.1g,0.36mmol)と、炭酸カリウム(54.0g,390.16mmol)と、テトラブチルアンモニウムクロリド(9.9g,35.6mmol)と、トルエン(400mL)と、エタノール(100mL)と、脱イオン水(100mL)とを丸底フラスコに加えて、窒素ガスの保護下で、78℃に昇温して、8時間撹拌し、反応液を室温に冷却させて、トルエン(1000mL)を加えて抽出し、有機相を合わせて、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧して溶媒を除去し、ジクロロメタン/n-ヘプタン(1:8)を移動相としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより、得た粗製品を純化した後、ジクロロメタン/エタノール系を使用して再結晶して純化し、浅黄色の固体中間体II-E-1(38.0g、80.85%)を得た。
【化37】
中間体II-E-1(3.80g、14.35mmol)と、4-アミノビフェニル(2.55g、15.07mmol)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0.29g、0.31mmol)と、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル(0.26g、0.63mmol)と、t-ブトキシドナトリウム(2.26g、23.5mmol)とをトルエン(30mL)に加えて、窒素ガスの保護下で、108℃に加熱して5h撹拌し、次に、室温に冷却させて、反応液を脱イオンで水洗した後、無水硫酸マグネシウムを加えて乾燥させ、濾過した後、濾液を短いシリカカラムに通して、減圧して溶媒を除去し、ジクロロエタンで粗製品を再結晶して純化し、浅緑色のシート状の固体中間体II-E-2(4.7g、82.31%)を得た。
【化38】
II-E-2(4.50g、11.14mmol)と、4-ブロモ-4’-ヨードビフェニル(6.00g、16.7mmol)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0.10g、0.11mmol)と、トリ-tert-ブチルホスフィン(0.05g、0.22mmol)と、t-ブトキシドナトリウム(1.61g、16.71mmol)とをトルエン(50mL)に加えて、窒素ガスの保護下で、108℃に加熱して16h撹拌し、次に、室温に冷却させて、反応液を水洗した後、硫酸マグネシウムを加えて乾燥させ、濾過した後、濾液を減圧して溶媒を除去し、n-ヘプタンを移動相としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより純化し、白色の中間体II-E(3.2g、45.71%)を得た。
【化39】
中間体I-E(2.30g、5.05mmol)と、中間体II-E(3.2g、5.05mmol)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0.10g、0.11mmol)と、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジメトキシビフェニル(0.08g、0.22mmol)と、t-ブトキシドナトリウム(0.73g、7.58mmol)とをトルエン(30mL)に加えて、窒素ガスの保護下で、108℃に加熱して2h撹拌し、次に、室温に冷却させて、反応液を濾過した後、減圧して濾液から溶媒を除去し、ジクロロメタン/n-ヘプタン(1:1)を移動相としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより純化した後、ジクロロメタン/n-ヘプタン系を使用して粗製品を再結晶して純化し、白色の固体化合物5(2.12g,41.9%)を得た。質量分析:m/z=1003.5(M+H)
+。
【0064】
合成例6
化合物6の合成
【化40】
3-ブロモ-N,N-ビス(4-メチルフェニル)アニリン(10.0g、30.74mmol)と、4’-ブロモ-4-ビフェニルホウ酸(5.68g,20.50mmol)と、テトラトリフェニルホスフィンパラジウム(0.47g,0.41mmol)と、炭酸カリウム(6.22g,45.09mmol)と、テトラブチルアンモニウムクロリド(1.14g,4.10mmol)と、トルエン(80mL)と、エタノール(20mL)と、脱イオン水(20mL)とを丸底フラスコに加えて、窒素ガスの保護下で、78℃に昇温して、8時間撹拌し、反応液を室温に冷却させて、トルエン(100mL)を加えて抽出し、有機相を合わせて、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧して溶媒を除去し、n-ヘプタンを移動相としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより、得た粗製品を純化した後、ジクロロメタン/酢酸エチル系を使用して再結晶して純化し、白色の固体中間体II-F(3.69g、35.69%)を得た。
【化41】
上記合成例4の中間体I-D(3.50g、7.68mmol)と、中間体II-F(3.8g、7.68mmol)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0.14g、0.15mmol)と、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジメトキシビフェニル(0.13g、0.31mmol)と、t-ブトキシドナトリウム(1.11g、11.52mmol)とをトルエン(30mL)に加えて、窒素ガスの保護下で、108℃に加熱して3h撹拌し、次に、室温に冷却させて、反応液を濾過した後、濾液を減圧して溶媒を除去し、ジクロロメタン/n-ヘプタン系を使用して粗製品を再結晶して純化し、白色の固体化合物6(4.17g、61.33%)を得た。質量分析:m/z=879.5(M+H)
+。
【0065】
合成例7
化合物7の合成
【化42】
1-アダマンタノール(10.0g、65.69mmol)と、1-ブロモナフタレン(12.95 g、62.56mmol)と、ジクロロメタン(120mL)とを丸底フラスコに加えて、窒素ガスの保護下で、(-20)~(-10)℃に降温し、トリフルオロメタンスルホン酸(14.08g、93.84mmol)を滴下し、保温して6h撹拌し、反応液に脱イオン水(300mL)を加えてpH=7になるまで水洗し、ジクロロメタン(50mL)を加えて抽出し、有機相を合わせて、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過した後、濾液を減圧して溶媒を除去し、n-ヘプタンを移動相としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより、得た粗製品を純化し、白色の固体中間体I-G-1(12.58g、58.92%)を得た。
【化43】
中間体I-G-1(10g、29.30mmol)と、アニリン(2.87g、30.77mmol)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0.27g、0.29mmol)と、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル(0.28g、0.59mmol)と、t-ブトキシドナトリウム(4.22g、43.95mmol)とをトルエン(80mL)に加えて、窒素ガスの保護下で、108℃に加熱して3h撹拌し、次に、室温に冷却させて、反応液を脱イオンで水洗した後、無水硫酸マグネシウムを加えて乾燥させ、濾過した後、濾液を短いシリカカラムに通して、減圧して溶媒を除去し、ジクロロメタン/n-ヘプタン系を使用して粗製品を再結晶して純化し、橙色の固体中間体I-G(7.63g,73.65%)を得た。
【化44】
アニリン(3.00g、32.69mmol)と、9-(4-ブロモフェニル)-カルバゾール(10.00g、31.13mmol)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0.29g、0.31mmol)と、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル(0.29g、0.63mmol)と、t-ブトキシドナトリウム(4.49g、46.70mmol)とをトルエン(80mL)に加えて、窒素ガスの保護下で、108℃に加熱して6h撹拌し、次に、室温に冷却させて、反応液を脱イオンで水洗した後、無水硫酸マグネシウムを加えて乾燥させ、濾過した後、濾液を短いシリカカラムに通して、減圧して溶媒を除去し、ジクロロメタン/n-ヘプタン(1:3)を移動相としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより純化した後、ジクロロメタン/n-ヘプタン系を使用して粗製品を再結晶して純化し、白色の固体中間体II-G-1(8.54g、82.05%)を得た。
【化45】
中間体II-G-1(5.00g、14.95mmol)と、4-ブロモ-4’-ヨードビフェニル(8.05g、22.43mmol)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0.14g、0.15mmol)と、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジメトキシビフェニル(0.14g、0.30mmol)と、t-ブトキシドナトリウム(2.16g、22.43mmol)とをトルエン(80mL)に加えて、窒素ガスの保護下で、108℃に加熱して16h撹拌し、次に、室温に冷却させて、反応液を濾過した後、濾液を減圧して溶媒を除去し、n-ヘプタンを移動相としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより、得た粗製品を純化した後、n-ヘプタンで粗製品を再結晶して純化し、黄色の固体中間体II-G(3.52g、41.61%)を得た。
【化46】
中間体I-G(2.20g、6.22mmol)と、中間体II-G(3.52g、6.22mmol)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0.06g、0.06mmol)と、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジメトキシビフェニル(0.05g、0.12mmol)と、t-ブトキシドナトリウム(0.90g,9.34mmol)とをトルエン(30mL)に加えて、窒素ガスの保護下で、108℃に加熱して2h撹拌し、次に、室温に冷却させて、反応液を濾過した後、濾液を減圧して溶媒を除去し、ジクロロメタン/酢酸エチル系を使用して粗製品を再結晶して純化し、白色の固体化合物7(2.31g、44.25%)を得た。質量分析:m/z=838.4(M+H)
+。
【0066】
合成例8
化合物8の合成
【化47】
1-アダマンタノール(10.0g、65.69mmol)と、o-ブロモトルエン(11.23g、65.69mmol)と、ジクロロメタン(120mL)とを丸底フラスコに加えて、窒素ガスの保護下で、(-45)~(-35)℃に降温し、トリフルオロメタンスルホン酸(14.78g、98.53mmol)を滴下し、保温して5h撹拌し、反応液に脱イオン水(300mL)を加えてpH=7になるまで水洗し、ジクロロメタン(50mL)を加えて抽出し、有機相を合わせて、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧して溶媒を除去し、n-ヘプタンを移動相としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより、得た粗製品を純化し、白色の固体中間体I-H-1(12.84g、63.94%)を得た。
【化48】
中間体I-H-1(10.0g、32.76mmol)と、4-アミノ-p-テルフェニル(8.28g、33.74mmol)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0.30g、0.33mmol)と、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル(0.31g、0.66mmol)と、t-ブトキシドナトリウム(4.72g、49.14mmol)とをトルエン(100mL)に加えて、窒素ガスの保護下で、108℃に加熱して5h撹拌し、次に、室温に冷却させて、反応液を脱イオンで水洗した後、無水硫酸マグネシウムを加えて乾燥させ、濾過した後、濾液を短いシリカカラムに通して、減圧して溶媒を除去し、ジクロロメタン/n-ヘプタン(1:5)を移動相としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより、得た粗製品を純化した後、ジクロロメタン/n-ヘプタン系を使用して粗製品を再結晶して純化し、灰白色の固体中間体I-H(10.96g,71.22%)を得た。
【化49】
2-ブロモ-7-ヨード-9,9-ジメチルフルオレン(10.0g、25.06mmol)と、N-(4-(-1-ナフチル)フェニル)-4-ベンジジン(6.39g、17.21mmol)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0.15g、0.16mmol)と、トリ-tert-ブチルホスフィン(0.07g、0.33mmol)と、t-ブトキシドナトリウム(2.41g、23.5mmol)とをトルエン(100mL)に加えて、窒素ガスの保護下で、18℃に加熱して16h撹拌し、次に、室温に冷却させて、反応液を濾過した後、濾液を減圧して溶媒を除去し、n-ヘプタンを移動相としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより、得た粗製品を純化した後、n-ヘプタンで粗製品を再結晶して純化し、淡黄色の固体中間体II-H(3.07g、28.58%)を得た。
【化50】
中間体I-H(2.20g、4.68mmol)と、中間体II-H(3.00g、4.68mmol)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0.09g、0.09mmol)と、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジメトキシビフェニル(0.08g、0.19mmol)と、t-ブトキシドナトリウム(0.68g、7.03mmol)とをトルエン(30mL)に加えて、窒素ガスの保護下で、108℃に加熱して4h撹拌し、次に、室温に冷却させて、反応液を濾過した後、濾液を減圧して溶媒を除去し、ジクロロメタン/酢酸エチル系を使用して粗製品を再結晶して純化し、白色の固体化合物8(2.18g、45.13%)を得た。質量分析:m/z=1031.5(M+H)
+
【0067】
合成例9
化合物9の合成
【化51】
3-アミノ-4’-メチルビフェニル(5.00g、27.29mmol)、3-ブロモ-5’-フェニル-1,1’:3’,1’ ’-テルフェニル(10.21g、26.49mmol)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0.49g、0.53mmol)と、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル(0.50g、1.06mmol)と、t-ブトキシドナトリウム(3.82g、39.74mmol)とをトルエン(100mL)に加えて、窒素ガスの保護下で、108℃に加熱して6h撹拌し、次に、室温に冷却させて、反応液を濾過した後、濾液を減圧して溶媒を除去し、得た粗製品をジクロロメタン/n-ヘプタンで再結晶して純化し、白色の固体中間体II-I-1(8.69g、69.41%)を得た。
【化52】
中間体II-I-1(5.00g、10.25mmol)と、1-ブロモ-4-ヨードナフタレン(5.12g、15.38mmol)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0.19g、0.21mmol)と、トリ-tert-ブチルホスフィン(0.08g、0.41mmol)と、t-ブトキシドナトリウム(1.48g、15.38mmol)とをトルエン(50mL)に加えて、窒素ガスの保護下で、108℃に加熱して、7h撹拌し、次に、室温に冷却させて、反応液を濾過した後、濾液を減圧して溶媒を除去し、ジクロロメタン/n-ヘプタン(1:8)を移動相としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより、得た粗製品を純化した後、ジクロロメタン/n-ヘプタンで粗製品を再結晶して純化し、灰白色の固体中間体II-I(3.61g、54.86%)を得た。
【化53】
上記合成例1の中間体I-A(1.70g、5.60mmol)と、中間体II-I(3.60g、5.60mmol)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0.10g、0.11mmol)と、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジメトキシビフェニル(0.09g、0.22mmol)と、t-ブトキシドナトリウム(0.81g、8.4mmol)とをトルエン(30mL)に加えて、窒素ガスの保護下で、108℃に加熱して4h撹拌し、次に、室温に冷却させて、反応液を濾過した後、濾液を減圧して溶媒を除去し、ジクロロメタン/酢酸エチル系を使用して粗製品を再結晶して純化し、白色の固体化合物9(2.04g、39.84%)を得た。質量分析:m/z=915.5(M+H)
+。
【0068】
合成例10
化合物10の合成
【化54】
上記合成例1の中間体I-A-1(5.00g、17.17mmol)と、2-アミノ-9,9ジメチルフルオレン(3.70g、17.68mmol)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0.31g、0.34mmol)と、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル(0.32g、0.69mmol)と、t-ブトキシドナトリウム(2.47g、25.75mmol)とをトルエン(50mL)に加えて、窒素ガスの保護下で、108℃に加熱して3h撹拌し、次に、室温に冷却させて、反応液を脱イオンで水洗した後、無水硫酸マグネシウムを加えて乾燥させ、濾過した後、濾液を短いシリカカラムに通して、減圧して溶媒を除去し、ジクロロメタン/n-ヘプタン系を使用して粗製品を再結晶して純化し、白色の固体中間体I-J(5.85g、81.25%)を得た。
【化55】
N,9-ジフェニル-9H-カルバゾール-3-アミン(5.00g、14.95mmol)と、4-ブロモ-4’-ヨードビフェニル(8.05g、22.43mmol)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0.27g、0.30mmol)と、トリ-tert-ブチルホスフィン(0.12g、0.60mmol)と、t-ブトキシドナトリウム(2.16g、22.43mmol)とをトルエン(80mL)に加えて、窒素ガスの保護下で、108℃に加熱して6h撹拌し、次に、室温に冷却させて、反応液を濾過した後、濾液を減圧して溶媒を除去し、n-ヘプタンを移動相としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより、得た粗製品を純化した後、ジクロロメタン/n-ヘプタンで粗製品を再結晶して純化し、黄色の固体中間体II-J(3.10g、36.64%)を得た。
【化56】
中間体I-J(2.30g、5.48mmol)と、中間体II-J(3.10g、5.48mmol)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0.10g、0.11mmol)と、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジメトキシビフェニル(0.09g、0.22mmol)と、t-ブトキシドナトリウム(0.79g、8.22mmol)とをトルエン(30mL)に加えて、窒素ガスの保護下で、108℃に加熱して2h撹拌し、次に、室温に冷却させて、反応液を濾過した後、濾液を減圧して溶媒を除去し、ジクロロメタン/n-ヘプタン系を使用して粗製品を再結晶して純化し、白色の固体化合物10(2.36g、47.58%)を得た。質量分析:m/z=904.5(M+H)
+。
【0069】
合成例11
化合物11の合成
アニリンの代わりに4-アミノ-4’-メチルビフェニル5.64g(15mmol)を、ジフェニルアミンの代わりに5.23g(16.5mmol)の中間体II-E-2を使用した以外、合成例1と同様な方法によって化合物11を合成した。質量分析:m/z=942.3(M+H)
+。
【化57】
【0070】
合成例12:
化合物12の合成
アニリンの代わりに2-ナフチルアミン5.42g(15mmol)を、ジフェニルアミンの代わりに5.33g(16.5mmol)の中間体II-E-2を使用した以外、合成例1と同様な方法によって化合物12を合成した。質量分析:m/z = 901.4(M+H)
+。
【化58】
【0071】
合成例13:
化合物13の合成
4-アミノビフェニルの代わりにp-トルイジン3.11g(15mmol)を、3-ブロモ-N,N-ビス(4-メチルフェニル)アニリンの代わりに4-ブロモ-N,N-ビス(4-メチルフェニル)アニリンを、4’-ブロモ-4-ビフェニルホウ酸の代わりに4-ブロモ-2,3-ジメチルフェニルフェニルボロン酸5.06g(16.5mmol)を使用した以外、合成例6と同様な方法によって化合物13を合成した。質量分析:m/z=770.1(M+H)
+。
【化59】
【0072】
合成例14:
化合物14の合成
ブロモベンゼンの代わりに2-ブロモビフェニル4.96g(15mmol)を使用した以外、中間体I-Aと同様な合成経路によって中間体I-Sを調製し、次に、I-Aの代わりにI-Sを使用して、合成例3と同様な方法によって化合物14を合成した。質量分析:m/z=790.0(M+H)
+。
【化60】
【0073】
合成例15:
化合物15の合成
アニリンの代わりに3-アミノビフェニル5.73g(15mmol)を使用した以外、合成例1と同様な方法によって化合物15を合成した。質量分析:m/z=699.9(M+H)
+。
【化61】
【0074】
合成例16:
化合物16の合成
4-ブロモ-4’-ヨードビフェニルの代わりに3-ブロモ-4’-ヨードビフェニル5.64g(15mmol)を使用した以外、合成例1と同様な方法によって化合物16を合成した。質量分析:m/z=623.9(M+H)
+ m/z=623.9(M+H)
+。
【化62】
【0075】
合成例17:
化合物17の合成
中間体I-Aの代わりに1-(3-ブロモフェニル)アダマンタン4.45g(15mmol)を使用した以外、合成例1と同様な方法によって化合物17を合成した。質量分析:m/z=623.9M+H)
+。
【化63】
【0076】
合成例18:
化合物18の合成
3-ブロモ-N,N-ビス(4-メチルフェニル)アニリンと、4’-ブロモ-4-ビフェニルホウ酸との代わりに、4-アミノビフェニル5.28g(15mmol)と、4ブロモ-4’メチルビフェニル5.35g(16.5mmol)と、p-クロロフェニルボロン酸4.29g(13.5mmol)とを使用した以外、合成例6と同様な方法によって化合物18を合成した。質量分析:m/z=1017.5(M+H)
+。
【化64】
【0077】
合成例19:
化合物19の合成
3-ブロモ-N,N-ビス(4-メチルフェニル)アニリンと、4’-ブロモ-4-ビフェニルホウ酸との代わりに、9-(4-ブロモフェニル)カルバゾールと、アニリンと、p-クロロフェニルボロン酸とを使用した以外、合成例6と同様な方法によって化合物19を合成した。質量分析:m/z=1016.5(M+H)
+。
【化65】
【0078】
合成例20:
化合物20の合成
ジフェニルアミン5.17g(15mmol)と、4-ブロモ-4’-ヨード-ビフェニル5.81g(16.5mmol)と、m-クロロフェニルボロン酸4.29g(13.5mmol)を使用した以外、合成例5と同様な方法によって化合物22を合成した。質量分析:m/z=775.4(M+H)
+。
【化66】
【0079】
合成例21:
化合物21の合成
ジフェニルアミンとアニリンとの代わりに、4クロロビフェニル-4’ホウ酸と4-アミノビフェニルを使用した以外、合成例1と同様な方法によって化合物21を合成した。質量分析:m/z=851.5(M+H)
+。
【化67】
【0080】
合成例22:
化合物22の合成
ジフェニルアミンとアニリンとの代わりに、4クロロビフェニル-3’ホウ酸と2-アミノ-9,9-ジメチルフルオレンを使用した以外、合成例1と同様な方法によって化合物22を合成した。質量分析:m/z=891.5 (M+H)
+。
【化68】
【0081】
合成例23:
化合物23の合成
ジフェニルアミンの代わりに3-ジベンゾチオフェンと3-ブロモジベンゾフランで合成した中間体を使用した以外、合成例1と同様な方法によって化合物23を合成した。質量分析:m/z=819.3 (M+H)
+。
【化69】
【0082】
合成例24
化合物24の合成
【化70】
フェニル-1-ナフチルアミン(21.9g、100mmol)と、4-ブロモ-4’-クロロビフェニル(26.7g、100mmol)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0.10g、0.1mmol)と、X-PHOS(0.05g、0.2mmol)と、t-ブトキシドナトリウム(1.61g、150mmol)とをトルエン(200mL)に加えて、窒素ガスの保護下で、108℃に加熱して6h撹拌し、次に、室温に冷却させて、反応液を水洗した後、硫酸マグネシウムを加えて乾燥させ、濾過した後、濾液を減圧して溶媒を除去し、n-ヘプタンを移動相としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより純化し、白色の中間体(27.6g、68%)を得た。
【化71】
上記で合成した中間体(8.12g、20mmol)と、中間体II-C(7.58g、20mmol)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0.018g、0.02mmol)と、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル(0.019g、0.04mmol)と、t-ブトキシドナトリウム(2.88g、30mmol)とをトルエン(100mL)に加えて、窒素ガスの保護下で、108℃に加熱して2h撹拌し、次に、室温に冷却させて、反応液を濾過した後、濾液を減圧して溶媒を除去し、ジクロロメタン/n-ヘプタン(1:3)を移動相としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより純化した後、ジクロロメタン/酢酸エチル系を使用して粗製品を再結晶して純化し、白色の固体化合物(7.79g、52%)を得た。質量分析:m/z=749.3(M+H)
+。
1HNMR(400MHz,CD
2Cl
2): 7.97(d, 1H), 7.92(d,1H), 7.82(d, 1H), 7.54-7.36(m, 14H), 7.36(t, 2H), 7.21(t, 2H), 7.15-7.12(m,6H), 7.07-7.04(m, 5H), 6.96(t, 1H), 2.11-2.10 (m, 3H), 1.96-1.95(m,6H), 1.83-1.77(m, 6H)。
【0083】
合成例25
化合物25の合成
【化72】
N-フェニルジベンゾチオフェン-2-アミン(13.75g、50mmol)と、4-ブロモ-4’-クロロビフェニル(13.35g、50mmol)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0.046g、0.05mmol)と、X-PHOS(0.048g、0.1mmol)と、t-ブトキシドナトリウム(7.2g、75mmol)とをトルエン(150mL)に加えて、窒素ガスの保護下で、108℃に加熱して6h撹拌し、次に、室温に冷却させて、反応液を水洗した後、硫酸マグネシウムを加えて乾燥させ、濾過した後、濾液を減圧して溶媒を除去し、n-ヘプタンを移動相としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより純化し、白色の中間体(15.24g、66%)を得た。
【化73】
上記で合成した中間体(9.24g、20mmol)と、中間体I-A(6.04g、20mmol)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0.018g、0.02mmol)と、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル(0.019g、0.04mmol)と、t-ブトキシドナトリウム(2.88g、30mmol)とをトルエン(100mL)に加えて、窒素ガスの保護下で、108℃に加熱して2h撹拌し、次に、室温に冷却させて、反応液を濾過した後、濾液を減圧して溶媒を除去し、ジクロロメタン/n-ヘプタン(1:3)を移動相としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより純化した後、ジクロロメタン/酢酸エチル系を使用して粗製品を再結晶して純化し、白色の固体化合物(8.45g、58%)を得た。質量分析:m/z=729.3(M+H)
+。
1HNMR(400MHz,CD
2Cl
2): 7.99(d, 1H), 7.94(s, 1H), 7.85(d, 1H), 7.77(d, 1H), 7.47-7.39(m, 6H), 7.30-7.24(m, 7H), 7.16-7.00(m, 12H), 2.08-2.09(m, 3H), 1.91-1.90(m, 6H), 1.81-1.75(dd, 6H)。
【0084】
合成例26
化合物26の合成
【化74】
4-ブロモベンゼンチオール(18.9g、100mmol)と、4-クロロ-2-フルオロニトロベンゼン(17.5g、100mmol)と、DMF 100mLとを混合し、撹拌を開始し、系を清澄化させて、炭酸カリウム(17.94g、130mmol)を加えて、80℃~90℃に昇温して保温しながら18h反応させ、反応を完了させた。反応液を20℃~30℃に下げて、水20Lを加えて十分に撹拌して濾過し、フィルターケーキを中性になるまで水で3回水洗し、20℃~30℃でエタノールを用いてスラリー化し、常温で濾過し、ベークして乾燥させ(T=50-60℃)、浅黄色の固体(31.01g、収率90%)を得た。
【化75】
前のステップで得たニトロ中間体(17.23g、50mmol)と、エタノール100mLとを加えて、撹拌を開始し、還元鉄粉(9.8g、175mmol)を加えて、T=50~60℃で昇温を開始し、濃塩酸(10倍希釈して加える)5mLを滴下し、T=50-60℃で反応時間だけ保温し、反応を完了させた。反応液を20~25℃に下げて、アルミナの短いカラムに通して濾過し、フィルターケーキをTHFでリンスし、フィルターケーキが一時的に放置された。濾液を合わせて水とジクロロエタンを加えて抽出し10min撹拌し、1h静置して、分液した。水相をジクロロエタンで1回抽出し、有機相を合わせて、pH=6-7になるまで水洗した。有機相に無水硫酸ナトリウムを加えて1h乾燥させ、濾過して、フィルターケーキをジクロロエタンでリンスした。濾液を合わせて濃縮乾固させ(50~65℃、-0.075MPa~-0.09MPa)、溶媒がなくなるまで濃縮させたとき、石油エーテルを加えて十分に撹拌し、0~5℃に降温し、固体を析出させた。濾過してフィルターケーキを収集して、ベークして乾燥させ(送風オーブン、40~45℃、約6h)、産物13.37gを得て、収率は85%であった。
【化76】
上記のアミノ中間体(18.87g、60mmol)を加えて、ジクロロエタン100mLを加えて溶解させ、透明にさせた後、トリフルオロ酢酸(13.68g、120mmol)と、無水硫酸マグネシウム(3.6g、30mmol)とを加えて10min撹拌し、亜硝酸ナトリウム(8.48g、132mmol)をバッチ式で加えて、温度を40~50℃に厳しく制御し、40~50℃で保温して反応させた。反応を完了させた後、反応液を20~30℃に下げて、シリカゲル漏斗に通し、フィルターケーキをジクロロエタンでリンスし、濾液を合わせた。濾液を中性になるまで水で3~4回水洗し、分液した後、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過して、フィルターケーキをジクロロエタンでリンスし、無水硫酸ナトリウムでフィルターケーキを乾燥させ、濾液を合わせて、濃縮させた(50~65℃、-0.075MPa~-0.09MPa)。濃縮乾固させて石油エーテルを加えて、45~50℃で2回沸騰させて洗浄した。固体をトルエンで溶解させ、常温でカラムに通し、カラム通過液を濃縮させ(65~80℃、-0.08MPa~-0.09MPa)、降温して再結晶させ、T=-5~0℃で濾過した。濾過固体をベークして乾燥させ、ジクロロエタンで還流して溶解させ、透明にさせた後に、再結晶させ、-5~0℃に降温して濾過し、50~60℃でベークした。8.03gを得て、収率は45%であった。
【化77】
ジフェニルアミン(8.45g、50mmol)と、2-クロロ-7-ブロモ-ジベンゾチオフェン(14.88g、50mmol)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0.046g、0.05mmol)と、X-PHOS(0.048g、0.1mmol)と、t-ブトキシドナトリウム(7.2g、75mmol)とをトルエン(150mL)に加えて、窒素ガスの保護下で、108℃に加熱して6h撹拌し、次に、室温に冷却させて、反応液を水洗した後、硫酸マグネシウムを加えて乾燥させ、濾過した後、濾液を減圧して溶媒を除去し、n-ヘプタンを移動相としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより純化し、白色の中間体(13.89g、72%)を得た。
【化78】
上記合成例1の中間体(7.72g、20mmol)と、中間体I-A(6.04g、20mmol)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0.018g、0.02mmol)と、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル(0.019g、0.04mmol)と、t-ブトキシドナトリウム(2.88g、30mmol)とをトルエン(100mL)に加えて、窒素ガスの保護下で、108℃に加熱して2h撹拌し、次に、室温に冷却させて、反応液を濾過した後、濾液を減圧して溶媒を除去し、ジクロロメタン/n-ヘプタン(v:v=1:3)を移動相とした行シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより純化した後、ジクロロメタン/酢酸エチル系を使用して粗製品を再結晶して純化し、白色の固体化合物(8.22g、63%)を得た。質量分析:m/z=653.3(M+H)
+。
【0085】
合成例27
化合物27の合成
【化79】
ジベンゾフラン(16.8g、100mmol)と、DMF 150mL、NCS (13.3g、100mmol)とを撹拌しながら加熱し、40~50℃で保温して反応させ、開始時に反応液が褐色であり、反応の進みに伴い、系は黄色となった。7hかけて反応を完了させた。反応液を水に注入して、固体を析出させ、固体をn-ヘプタン(m/v=1/3)で再結晶し、95~98℃に加熱して溶解させ、25~30℃に自然に降温して濾過し、このように操作して合計4回再結晶させ、ベークして乾燥させ白固体3-クロロジベンゾフラン7.67gを得た。収率は38%であり、純度はHPLC=98.54%であった。
【化80】
3-クロロジベンゾフラン(20.2g、100mmol)と、テトラヒドロフラン200mLとに窒素ガスを導入して撹拌し、液相窒素で-45~-35℃に降温し、LDA 120mmol(1 mol/LのTHF溶液)を40minかけて滴下して、1h保温し、反応液を液相窒素で-95~-85℃に降温し、ヨウ素溶液(100mLのTHFで、ヨウ素29.4g、120mmolを溶解)を60minかけて滴下し、40min保温した後、反応を完了させた。反応を完了させた後、反応液に亜硫酸水素ナトリウムの水溶液を加えて、10min撹拌して反応液を褪色させ、10min静置し、分液した。水相を2L/回の酢酸エチルで2回抽出した。有機相を合わせて、無水硫酸ナトリウムで60min乾燥させた後、0.07MPa、60~85℃で濃縮させて、油状粗製品を得た。この油状物にn-ヘプタンを加えて、95~98℃に加熱し60min撹拌し、15~20℃に降温して固体を析出させ、濾過して、粗製品を得た。
再結晶:粗製品1g:酢酸エチル4mLを75~80℃で溶解し、20~25℃に、自然的に降温し、固体を析出させ、濾過して、フィルターケーキを送風オーブンにて60~65℃で12hベークし、略白色の固体を130.00g得て、LC=99.08%であった。母液を回収して、得た固体を2回再結晶させ、固体13.79gを得て、総収率は42%であった。
【化81】
ジフェニルアミン(8.45g、50mmol)と、2-クロロ-4-ヨードジベンゾフラン(16.42g、50mmol)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0.046g、0.05mmol)と、X-PHOS(0.048g、0.1mmol)と、t-ブトキシドナトリウム(7.2g、75mmol)とをトルエン(150mL)に加えて、窒素ガスの保護下で、108℃に加熱して8h撹拌し、次に、室温に冷却させて、反応液を水洗した後、硫酸マグネシウムを加えて乾燥させ、濾過した後、濾液を減圧して溶媒を除去し、n-ヘプタンを移動相としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより純化し、白色の中間体(14.05g、76%)を得た。
【化82】
上記合成例の中間体(7.40g、20mmol)と、中間体I-G(7.06g、20mmol)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0.018g、0.02mmol)と、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル(0.019g、0.04mmol)と、t-ブトキシドナトリウム(2.88g、30mmol)とをトルエン(100mL)に加えて、窒素ガスの保護下で、108℃に加熱して2h撹拌し、次に、室温に冷却させて、反応液を濾過した後、濾液を減圧して溶媒を除去し、ジクロロメタン/n-ヘプタン(1:3)を移動相としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより純化した後、ジクロロメタン/酢酸エチル系を使用して粗製品を再結晶して純化し、白色の固体化合物(9.61g、70%)を得た。質量分析:m/z=687.3(M+H)
+。
【0086】
合成例28
化合物28の合成
【化83】
中間体I-A(7.0g、24.04mmol)と、1,1’ビフェニル-4-アミン(4.87g、28.84mmol)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0.22g、0.24mmol)と、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル(0.23g、0.48mmol)と、t-ブトキシドナトリウム(3.46g、36.05mmol)とをトルエン(70mL)に加えて、窒素ガスの保護下で、108℃に加熱して、3h撹拌し、次に、室温に冷却させて、反応液を脱イオンで水洗した後、無水硫酸マグネシウムを加えて乾燥させ、濾過した後、濾液を短いシリカカラムに通して、減圧して溶媒を除去し、ジクロロメタン/n-ヘプタン系を使用して粗製品を再結晶して純化し、浅緑色の固体中間体I-K(7.30g、80%)を得た。
【化84】
2-ブロモ-6クロロ-ナフタレン(24.1g、100mmol)と、中間体I-K(37.9g、100mmol)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0.91g、1mmol)と、X-Phos(0.95g、2mmol)と、t-ブトキシドナトリウム(19.2g、200mmol)とをトルエン(200mL)に加えて、窒素ガスの保護下で、108℃に加熱して、6h撹拌し、次に、室温に冷却させて、反応液を水洗した後、硫酸マグネシウムを加えて乾燥させ、濾過した後、濾液を減圧して溶媒を除去し、n-ヘプタンを移動相としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより純化し、白色の中間体(28.13g、54%)を得た。
【化85】
上記で合成した中間体(27g、50mmol)と、フェニルベンジジン(12.25g、50mmol)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0.49g、0.5mmol)と、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル(0.47g、1mmol)と、t-ブトキシドナトリウム(9.6g、100mmol)とをトルエン(200mL)に加えて、窒素ガスの保護下で、108℃に加熱して2h撹拌し、次に、室温に冷却させて、反応液を濾過した後、減圧して濾液から溶媒を除去し、ジクロロメタン/n-ヘプタン(v/v=1:3)を移動相としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより純化した後、ジクロロメタン/酢酸エチル系を使用して粗製品を再結晶して純化し、白色の固体化合物(16.10g、43%)を得た。質量分析:m/z=749.3(M+H)
+。
【0087】
合成例29
化合物29の合成
【化86】
m-ブロモヨードベンゼン(28.3g、100mmol)と、中間体II-C-1 (25.9g、100mmol)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0.91g、1mmol)と、X-Phos(0.95g、2mmol)と、t-ブトキシドナトリウム(19.2g、200mmol)とをトルエン(200mL)に加えて、窒素ガスの保護下で、108℃に加熱して6h撹拌し、次に、室温に冷却させて、反応液を水洗した後、硫酸マグネシウムを加えて乾燥させ、濾過した後、濾液を減圧して溶媒を除去し、n-ヘプタンを移動相としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより純化し、白色の固体(26.49g、64%)を得た。
【化87】
上記で合成した中間体(20.7g、50mmol)と、中間体I-K(18.95g、50mmol)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0.49g、0.5mmol)と、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル(0.47g、1mmol)と、t-ブトキシドナトリウム(9.6g、100mmol)とをトルエン(200mL)に加えて、窒素ガスの保護下で、108℃に加熱して2h撹拌し、次に、室温に冷却させて、反応液を濾過した後、濾液を減圧して溶媒を除去し、ジクロロメタン/n-ヘプタン(v:v=1:3)を移動相としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより純化した後、ジクロロメタン/酢酸エチル系を使用して粗製品を再結晶して純化し、白色の固体化合物(20.67g、58%)を得た。質量分析:m/z=713.4 (M+H)
+。
【0088】
合成例30
化合物30の合成
【化88】
中間体I-A(13.6g、4.5mmol)と、m-クロロヨードベンゼン(10.68g、4.5mmol)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0.41g、0.45mmol)と、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジメトキシビフェニル(0.3674g、0.9mmol)と、t-ブトキシドナトリウム(5.16g、5.3mmol)とをトルエン(136mL)に加えて、窒素ガスの保護下で、108℃に加熱して1h撹拌し、次に、室温に冷却させて、反応液を濾過した後、濾液を減圧して溶媒を除去し、ジクロロメタン/n-ヘプタン(1:5)を移動相としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより純化した後、ジクロロメタン/酢酸エチル系を使用して粗製品を再結晶して純化し、白色の固体化合物30-1(15g、25%)を得た。
【化89】
アニリン(3.72g、4mmol)と、2-ブロモジベンゾチオフェン(10g、3.8mmol)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0.348g、0.38mmol)と、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2,4,6-トリイソプロピルビフェニル(0.355g、0.76mmol)と、t-ブトキシドナトリウム(5.478g、5.7mmol)とをトルエン(100mL)に加えて、窒素ガスの保護下で、108℃に加熱して2h撹拌し、次に、室温に冷却させて、反応液を水洗した後、硫酸マグネシウムを加えて乾燥させ、濾過した後、濾液を短いシリカカラムに通して、カラム通過液を減圧して溶媒を除去し、ジクロロメタン/n-ヘプタン系を使用して粗製品を再結晶して純化し、白色の固体中間体30-2(7.2g、72%)を得た。
【化90】
上記で合成した中間体34-1(6.2g、15mmol)と、中間体34-2(4.13g、15mmol)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0.14g、0.15mmol)と、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル(0.13g、0.3mmol)と、t-ブトキシドナトリウム(2.16g、22.5mmol)とをトルエン(60mL)に加えて、窒素ガスの保護下で、108℃に加熱して2h撹拌し、次に、室温に冷却させて、反応液を濾過した後、濾液を減圧して溶媒を除去し、ジクロロメタン/n-ヘプタン(v:v=1:5)を移動相としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより純化した後、ジクロロメタン/酢酸エチル系を使用して粗製品を再結晶して純化し、白色の固体化合物30(6.9、71%)を得た。質量分析:m/z=653.3(M+H)
+。
【0089】
合成例31
化合物31の合成
【化91】
中間体I-K(17.1g、4.5mmol)と、p-クロロヨードベンゼン(10.7g、4.5mmol)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0.41g、0.45mmol)と、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジメトキシビフェニル(0.3674g、0.9mmol)と、t-ブトキシドナトリウム(5.16g、5.3mmol)とをトルエン(150mL)に加えて、窒素ガスの保護下で、108℃に加熱して1h撹拌し、次に、室温に冷却させて、反応液を濾過した後、濾液を減圧して溶媒を除去し、トルエン/n-ヘプタン(1:8)を移動相としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより純化した後、トルエン/酢酸エチル系を使用して粗製品を再結晶して純化し、白色の固体化合物31-1(16.6g,51%)を得た。
【化92】
4-アミノビフェニル(6.77g、4mmol)と、3-ブロモジベンゾチオフェン(10g、3.8mmol)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0.348g、0.38mmol)と、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2,4,6-トリイソプロピルビフェニル(0.355g、0.76mmol)と、t-ブトキシドナトリウム(5.478g、5.7mmol)とをトルエン(100mL)に加えて、窒素ガスの保護下で、108℃に加熱して2h撹拌し、次に、室温に冷却させて、反応液を水洗した後、硫酸マグネシウムを加えて乾燥させ、濾過した後、濾液を短いシリカカラムに通して、カラム通過液を減圧して溶媒を除去し、ジクロロメタン/n-ヘプタン系を使用して粗製品を再結晶して純化し、白色の固体中間体31-2(10g、75%)を得た。
【化93】
上記で合成した中間体31-1(7.14g、15mmol)と、中間体31-2(5.3g、15mmol)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0.14g、0.15mmol)と、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル(0.13g、0.3mmol)と、t-ブトキシドナトリウム(2.16g、22.5mmol)とをトルエン(60mL)に加えて、窒素ガスの保護下で、108℃に加熱して2h撹拌し、次に、室温に冷却させて、反応液を濾過した後、濾液を減圧して溶媒を除去し、トルエン/n-ヘプタン(v:v=1:5)を移動相とした行シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより純化した後、トルエン/酢酸エチル系を使用して粗製品を再結晶して純化し、白色の固体化合物(7.8、65%)を得た。質量分析:m/z=805.3(M+H)
+。
【0090】
合成例32
化合物32の合成
【化94】
中間体I-A(13.6g、4.5mmol)と、p-クロロヨードベンゼン(10.68g、4.5mmol)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0.41g、0.45mmol)と、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジメトキシビフェニル(0.3674g、0.9mmol)と、t-ブトキシドナトリウム(5.16g、5.3mmol)とをトルエン(136mL)に加えて、窒素ガスの保護下で、108℃に加熱して1h撹拌し、次に、室温に冷却させて、反応液を濾過した後、濾液を減圧して溶媒を除去し、ジクロロメタン/n-ヘプタン(1:5)を移動相としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより純化した後、ジクロロメタン/酢酸エチル系を使用して粗製品を再結晶して純化し、白色の固体化合物32-1(17g、75%)を得た。
【化95】
2-アミノビフェニル(6.77g、4mmol)と、2-ブロモフルオレン(10.4g、3.8mmol)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0.348g、0.38mmol)と、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2,4,6-トリイソプロピルビフェニル(0.355g、0.76mmol)と、t-ブトキシドナトリウム(5.478g、5.7mmol)とをトルエン(100mL)に加えて、窒素ガスの保護下で、108℃に加熱して2h撹拌し、次に、室温に冷却させて、反応液を水洗した後、硫酸マグネシウムを加えて乾燥させ、濾過した後、濾液を短いシリカカラムに通して、カラム通過液を減圧して溶媒を除去し、トルエン/n-ヘプタン系を使用して粗製品を再結晶して純化し、白色の固体中間体32-2(10.43g、76%)を得た。
【化96】
上記で合成した中間体32-1(6.2g、15mmol)と、中間体36-2(5.4g、15mmol)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0.14g、0.15mmol)と、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル(0.13g、0.3mmol)と、t-ブトキシドナトリウム(2.16g、22.5mmol)とをトルエン(60mL)に加えて、窒素ガスの保護下で、108℃に加熱して2h撹拌し、次に、室温に冷却させて、反応液を濾過した後、濾液を減圧して溶媒を除去し、トルエン/n-ヘプタン(v:v=1:5)を移動相としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより純化した後、トルエン/酢酸エチル系を使用して粗製品を再結晶して純化し、白色の固体化合物32(8.2、73%)を得た。質量分析:m/z=739.4(M+H)
+。
【0091】
有機エレクトロルミネッセンスデバイスの作製
実施例1:正孔輸送層として本発明の化合物を用いた有機エレクトロルミネッセンスデバイス
以下のプロセスによって陽極を製造した。厚さ1500オングストロームのITO基板(コーニング製)を40mm×40mm×0.7mmの大きさに切断し、それをフォトリソグラフィ工程で陰極、陽極及び絶縁層パターンを有する実験基板に作製し、紫外線・オゾン及びO2:N2プラズマを用いて表面処理を行い、陽極(実験基板)の仕事関数を増加させ、スカムを除去した。
実験基板(陽極)上にm-MTDATAを真空蒸着して厚さ100オングストロームの正孔注入層(HIL)を形成し、正孔注入層上に化合物1を真空蒸着して厚さ800オングストロームの正孔輸送層(HTL)を形成した。
正孔輸送層上にTCTAを蒸着して、厚さ300オングストロームの電子バリア層(EBL)を形成した。
α,β-ANDをホストとするとともに、4,4’-(3,8-ジフェニルピレン-1,6-ジイルビス(N,N-ジフェニルアニリン)をドーピングし、厚さ350オングストロームの発光層(EML)を形成した。
DBimiBphenとLiQとを重量比1:1で混合して蒸着し、厚さ300オングストロームの電子輸送層(ETL)を形成し、電子輸送層上にLiQを蒸着して厚さ10オングストロームの電子注入層(EIL)を形成した後、マグネシウム(Mg)と銀(Ag)とを蒸着速度1:9で混合して電子注入層上に真空蒸着し、厚さ120オングストロームの陰極を形成した。
さらに、N-(4-(9H-カルバゾール-9-イル)フェニル)-4’-(9H-カルバゾール-9-イル)-N-フェニル-[1,1’-ビフェニル]-4-アミンを上記陰極に厚さ65nmで蒸着してオーバーコート層(CPL)を形成し、有機発光デバイスの製造を完了した。
【0092】
実施例2~23
正孔輸送層(HTL)の形成に表1に示す化合物を用いた以外、実施例1と同様な方法によって有機エレクトロルミネッセンスデバイスを作製した。
デバイスの性能を表1に示す。
【0093】
比較例1~比較例2
前記比較例1~比較例2では、化合物1の代わりにNPBと化合物Bを正孔輸送層として用いた以外、実施例1と同様な方法によって有機エレクトロルミネッセンスデバイスを製造した。すなわち、比較例1では、NPBを用いて有機エレクトロルミネッセンスデバイスを製造し、比較例2では、化合物Bを用いて有機エレクトロルミネッセンスデバイスを製造した。デバイスの性能を表1に示す。
エレクトロルミネッセンスデバイスを作製する際に使用する各材料の構造は以下の通りである。
【化97】
上記で製造された有機エレクトロルミネッセンスデバイスについて、20mA/cm
2の条件下でデバイスの性能を分析し、その結果を次の表1に示す。
【化98】
【表1】
上記表1のデバイス評価結果を参照すると、実施例1~7で本発明の化合物を正孔輸送層(HTL)として使用した場合に、比較例1、2の化合物と比較すると、色座標CIEyの差が大きくない場合、同じ電流密度で試験を行ったところ、本発明の化合物を用いて作製された有機エレクトロルミネッセンスデバイスは、駆動電圧(V)が著しく低下し、電流効率(Cd/A)及び外部量子効率(EQE)の向上が比較例よりも著しく優れ、向上する傾向を呈し、寿命(T95)も著しく増加し、外部量子効率の向上は30%以上に達したことが分かった。
【0094】
実施例24:電子バリア層として本発明の化合物を用いた有機エレクトロルミネッセンスデバイス
以下のプロセスによって陽極を製造した。厚さ1500オングストロームのITO基板(コーニング製)を40mm×40mm×0.7mmの大きさに切断し、それをフォトリソグラフィ工程で陰極、陽極及び絶縁層パターンを有する実験基板に作製し、紫外線・オゾン及びO2:N2プラズマを用いて表面処理を行い、陽極(実験基板)の仕事関数を増加させ、スカムを除去した。
実験基板(陽極)上にm-MTDATAを真空蒸着して厚さ100オングストロームの正孔注入層(HIL)を形成し、正孔注入層上に化合物NPBを真空蒸着して厚さ1000オングストロームの正孔輸送層(HTL)を形成した。
正孔輸送層上に本発明の化合物8を蒸着して厚さ300オングストロームの電子バリア層(EBL)を形成した。
α,β-ANDをホストとし、4,4’-(3,8-ジフェニルピレン-1,6-ジイルビス(N,N-ジフェニルアニリン)を同時にドーピングし、厚さ350オングストロームの発光層(EML)を形成した。
DBimiBphenとLiQとを重量比1:1で混合して蒸着して、厚さ300オングストロームの電子輸送層(ETL)を形成し、電子輸送層上にLiQを蒸着して厚さ10オングストロームの電子注入層(EIL)を形成した後、マグネシウム(Mg)と銀(Ag)とを重量比1:9で混合して電子注入層上に真空蒸着し、厚さ120オングストロームの陰極を形成した。
さらに、N-(4-(9H-カルバゾール-9-イル)フェニル)-4’-(9H-カルバゾール-9-イル)-N-フェニル-[1,1’-ビフェニル]-4-アミンを前記陰極に厚さ650オングストロームで蒸着してオーバーコート層(CPL)を形成し、有機発光デバイスの製造を完了した。
【0095】
実施例24~35
電子バリア層(EBL)を形成する際に表2に示す化合物をそれぞれ用いた以外、実施例24と同様な方法によって有機エレクトロルミネッセンスデバイスを作製した。
すなわち、実施例25では、本発明の化合物9を用いて有機エレクトロルミネッセンスデバイスを作製し、実施例26では、本発明の化合物10を用いて有機エレクトロルミネッセンスデバイスを作製した。
デバイスの性能を表2に示す。
【0096】
比較例3~比較例5
前記比較例3~5では、化合物8の代わりにTCTA、NPD、TPDを電子バリア層として用いた以外、実施例24と同様な方法によって有機エレクトロルミネッセンスデバイスを製造した。
すなわち、比較例3では、TCTAを用いて有機エレクトロルミネッセンスデバイスを製造し、比較例4では、NPDを用いて有機エレクトロルミネッセンスデバイスを製造し、比較例5では、TPDを用いて有機エレクトロルミネッセンスデバイスを製造した。デバイス性能を表2に示す。
エレクトロルミネッセンスデバイスを作製する際に使用する各材料の構造は以下の通りである。
【化99】
上記で製造された有機エレクトロルミネッセンスデバイスについて、20 mA/cm
2の条件下でデバイスの性能を分析し、その結果を下記表2に示す。
【表2】
上記表2のデバイス評価結果を参照すると、実施例24~35で本発明の化合物を電子バリア層(EBL)として使用した場合に、比較例3~5の化合物と比較すると、色座標CIEyの差が大きくない場合、同じ電流密度で試験を行ったところ、本発明の化合物を用いて作製された有機エレクトロルミネッセンスデバイスは、駆動電圧(V)が著しく低下し、電流効率(Cd/A)及び外部量子効率(EQE)が比較例よりも著しく優れ、向上する傾向を呈し、寿命(T95)も著しく増加したことが分かった。
表2から、本発明の化合物を青色光デバイスの電子バリア層に用いた場合、比較例に比べて、外部量子効率が20%以上向上していることが分かった。これは青色光デバイスにとって非常に顕著な向上である。OLEDデバイス(すなわち有機エレクトロルミネッセンスデバイス)の場合、その効果(例えばEQEにおいて)の改善はデータ上に見るとは数パーセントにしかないが、この改善は非常に顕著であった。
具体的には、外部量子効率(EQE)は、以下の式で計算することができる。すなわち、例えば、EQE=部品から放出された光子の数/注入された電子の数、また、例えば、EQE=光出力率*内部量子効率(光出力率が1未満)である。
青色光デバイスの場合、発光層には蛍光材料が使用されており、蛍光材料は一重項励起子発光であり、その内部量子効率は最大25%であった。一方、外部発光の場合、結合などのデバイス構造による光の損失などの原因により、25%の励起子しか利用できないため、外部量子効率は必ず25%以下となり、その効率は通常低かった。
したがって、本発明の化合物を用いて作製されたデバイスは、駆動電圧を低下させ、発光効率を高め、寿命を延ばすという特性を有する。
以上のように、本発明の化合物を有機エレクトロルミネッセンスデバイスの正孔輸送層又は電子バリア層として用いることにより、本発明の化合物を含む有機エレクトロルミネッセンスデバイスは、より低い駆動電圧、より高い発光効率、及びより良好な寿命を有する。
【0097】
以上の実施例は、本発明の化合物の更なる説明にすぎず、本発明の請求の範囲はこれに限定されるものではない。本発明の当業者にとっては、発明の請求の範囲に記載された本発明の技術的思想を逸脱しない範囲で、本発明に対して行われる各種の補正及び変形も本発明の請求の範囲に属する。
【手続補正書】
【提出日】2021-12-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0041
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0041】
本出願の1つの任意の実施形態では、R
1及びR
3は、それぞれ独立に、以下の基から選ばれる任意の1つである。
【化11】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0066
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0066】
合成例8
化合物8の合成
【化47】
1-アダマンタノール(10.0g、65.69mmol)と、o-ブロモトルエン(11.23g、65.69mmol)と、ジクロロメタン(120mL)とを丸底フラスコに加えて、窒素ガスの保護下で、(-45)~(-35)℃に降温し、トリフルオロメタンスルホン酸(14.78g、98.53mmol)を滴下し、保温して5h撹拌し、反応液に脱イオン水(300mL)を加えてpH=7になるまで水洗し、ジクロロメタン(50mL)を加えて抽出し、有機相を合わせて、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧して溶媒を除去し、n-ヘプタンを移動相としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより、得た粗製品を純化し、白色の固体中間体I-H-1(12.84g、63.94%)を得た。
【化48】
中間体I-H-1(10.0g、32.76mmol)と、4-アミノ-p-テルフェニル(8.28g、33.74mmol)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0.30g、0.33mmol)と、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル(0.31g、0.66mmol)と、t-ブトキシドナトリウム(4.72g、49.14mmol)とをトルエン(100mL)に加えて、窒素ガスの保護下で、108℃に加熱して5h撹拌し、次に、室温に冷却させて、反応液を脱イオンで水洗した後、無水硫酸マグネシウムを加えて乾燥させ、濾過した後、濾液を短いシリカカラムに通して、減圧して溶媒を除去し、ジクロロメタン/n-ヘプタン(1:5)を移動相としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより、得た粗製品を純化した後、ジクロロメタン/n-ヘプタン系を使用して粗製品を再結晶して純化し、灰白色の固体中間体I-H(10.96g,71.22%)を得た。
【化49】
2-ブロモ-7-ヨード-9,9-ジメチルフルオレン(10.0g、25.06mmol)と、N-(4-(-1-ナフチル)フェニル)-4-ベンジジン(6.39g、17.21mmol)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0.15g、0.16mmol)と、トリ-tert-ブチルホスフィン(0.07g、0.33mmol)と、t-ブトキシドナトリウム(2.41g、23.5mmol)とをトルエン(100mL)に加えて、窒素ガスの保護下で、
108℃に加熱して16h撹拌し、次に、室温に冷却させて、反応液を濾過した後、濾液を減圧して溶媒を除去し、n-ヘプタンを移動相としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより、得た粗製品を純化した後、n-ヘプタンで粗製品を再結晶して純化し、淡黄色の固体中間体II-H(3.07g、28.58%)を得た。
【化50】
中間体I-H(2.20g、4.68mmol)と、中間体II-H(3.00g、4.68mmol)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0.09g、0.09mmol)と、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジメトキシビフェニル(0.08g、0.19mmol)と、t-ブトキシドナトリウム(0.68g、7.03mmol)とをトルエン(30mL)に加えて、窒素ガスの保護下で、108℃に加熱して4h撹拌し、次に、室温に冷却させて、反応液を濾過した後、濾液を減圧して溶媒を除去し、ジクロロメタン/酢酸エチル系を使用して粗製品を再結晶して純化し、白色の固体化合物8(2.18g、45.13%)を得た。質量分析:m/z=1031.5(M+H)
+
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0074
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0074】
合成例16:
化合物16の合成
4-ブロモ-4’-ヨードビフェニルの代わりに3-ブロモ-4’-ヨードビフェニル5.64g(15mmol)を使用した以外、合成例1と同様な方法によって化合物16を合成した。質量分析
: m/z=623.9(M+H)
+
。
【化62】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0078
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0078】
合成例20:
化合物20の合成
ジフェニルアミン5.17g(15mmol)と、4-ブロモ-4’-ヨード-ビフェニル5.81g(16.5mmol)と、m-クロロフェニルボロン酸4.29g(13.5mmol)を使用した以外、合成例5と同様な方法によって化合物
20を合成した。質量分析:m/z=775.4(M+H)
+。
【化66】
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0082
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0082】
合成例24
化合物24の合成
【化70】
フェニル-1-ナフチルアミン(21.9g、100mmol)と、4-ブロモ-4’-クロロビフェニル(26.7g、100mmol)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0.10g、0.1mmol)と、X-PHOS(0.05g、0.2mmol)と、t-ブトキシドナトリウム(1.61g、150mmol)とをトルエン(200mL)に加えて、窒素ガスの保護下で、108℃に加熱して6h撹拌し、次に、室温に冷却させて、反応液を水洗した後、硫酸マグネシウムを加えて乾燥させ、濾過した後、濾液を減圧して溶媒を除去し、n-ヘプタンを移動相としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより純化し、白色の中間体(27.6g、68%)を得た。
【化71】
上記で合成した中間体(8.12g、20mmol)と、中間体II-C(7.58g、20mmol)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0.018g、0.02mmol)と、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル(0.019g、0.04mmol)と、t-ブトキシドナトリウム(2.88g、30mmol)とをトルエン(100mL)に加えて、窒素ガスの保護下で、108℃に加熱して2h撹拌し、次に、室温に冷却させて、反応液を濾過した後、濾液を減圧して溶媒を除去し、ジクロロメタン/n-ヘプタン(1:3)を移動相としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより純化した後、ジクロロメタン/酢酸エチル系を使用して粗製品を再結晶して純化し、白色の固体化合物
24(7.79g、52%)を得た。質量分析:m/z=749.3(M+H)
+。
1HNMR(400MHz,CD
2Cl
2): 7.97(d, 1H), 7.92(d,1H), 7.82(d, 1H), 7.54-7.36(m, 14H), 7.36(t, 2H), 7.21(t, 2H), 7.15-7.12(m,6H), 7.07-7.04(m, 5H), 6.96(t, 1H), 2.11-2.10 (m, 3H), 1.96-1.95(m,6H), 1.83-1.77(m, 6H)。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0083
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0083】
合成例25
化合物25の合成
【化72】
N-フェニルジベンゾチオフェン-2-アミン(13.75g、50mmol)と、4-ブロモ-4’-クロロビフェニル(13.35g、50mmol)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0.046g、0.05mmol)と、X-PHOS(0.048g、0.1mmol)と、t-ブトキシドナトリウム(7.2g、75mmol)とをトルエン(150mL)に加えて、窒素ガスの保護下で、108℃に加熱して6h撹拌し、次に、室温に冷却させて、反応液を水洗した後、硫酸マグネシウムを加えて乾燥させ、濾過した後、濾液を減圧して溶媒を除去し、n-ヘプタンを移動相としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより純化し、白色の中間体(15.24g、66%)を得た。
【化73】
上記で合成した中間体(9.24g、20mmol)と、中間体I-A(6.04g、20mmol)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0.018g、0.02mmol)と、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル(0.019g、0.04mmol)と、t-ブトキシドナトリウム(2.88g、30mmol)とをトルエン(100mL)に加えて、窒素ガスの保護下で、108℃に加熱して2h撹拌し、次に、室温に冷却させて、反応液を濾過した後、濾液を減圧して溶媒を除去し、ジクロロメタン/n-ヘプタン(1:3)を移動相としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより純化した後、ジクロロメタン/酢酸エチル系を使用して粗製品を再結晶して純化し、白色の固体化合物
25(8.45g、58%)を得た。質量分析:m/z=729.3(M+H)
+。
1HNMR(400MHz,CD
2Cl
2): 7.99(d, 1H), 7.94(s, 1H), 7.85(d, 1H), 7.77(d, 1H), 7.47-7.39(m, 6H), 7.30-7.24(m, 7H), 7.16-7.00(m, 12H), 2.08-2.09(m, 3H), 1.91-1.90(m, 6H), 1.81-1.75(dd, 6H)。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0084
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0084】
合成例26
化合物26の合成
【化74】
4-ブロモベンゼンチオール(18.9g、100mmol)と、4-クロロ-2-フルオロニトロベンゼン(17.5g、100mmol)と、DMF 100mLとを混合し、撹拌を開始し、系を清澄化させて、炭酸カリウム(17.94g、130mmol)を加えて、80℃~90℃に昇温して保温しながら18h反応させ、反応を完了させた。反応液を20℃~30℃に下げて、水20Lを加えて十分に撹拌して濾過し、フィルターケーキを中性になるまで水で3回水洗し、20℃~30℃でエタノールを用いてスラリー化し、常温で濾過し、ベークして乾燥させ(T=50-60℃)、浅黄色の固体(31.01g、収率90%)を得た。
【化75】
前のステップで得たニトロ中間体(17.23g、50mmol)と、エタノール100mLとを加えて、撹拌を開始し、還元鉄粉(9.8g、175mmol)を加えて、T=50~60℃で昇温を開始し、濃塩酸(10倍希釈して加える)5mLを滴下し、T=50-60℃
に昇温して保温しながら6h反応させ、反応を完了させた。反応液を20~25℃に下げて、アルミナの短いカラムに通して濾過し、フィルターケーキをTHFでリンスし、フィルターケーキが一時的に放置された。濾液を合わせて水とジクロロエタンを加えて抽出し10min撹拌し、1h静置して、分液した。水相をジクロロエタンで1回抽出し、有機相を合わせて、pH=6-7になるまで水洗した。有機相に無水硫酸ナトリウムを加えて1h乾燥させ、濾過して、フィルターケーキをジクロロエタンでリンスした。濾液を合わせて濃縮乾固させ(50~65℃、-0.075MPa~-0.09MPa)、溶媒がなくなるまで濃縮させたとき、石油エーテルを加えて十分に撹拌し、0~5℃に降温し、固体を析出させた。濾過してフィルターケーキを収集して、ベークして乾燥させ(送風オーブン、40~45℃、約6h)、産物13.37gを得て、収率は85%であった。
【化76】
上記のアミノ中間体(18.87g、60mmol)を加えて、ジクロロエタン100mLを加えて溶解させ、透明にさせた後、トリフルオロ酢酸(13.68g、120mmol)と、無水硫酸マグネシウム(3.6g、30mmol)とを加えて10min撹拌し、亜硝酸ナトリウム(8.48g、132mmol)をバッチ式で加えて、温度を40~50℃に厳しく制御し、40~50℃で保温して反応させた。反応を完了させた後、反応液を20~30℃に下げて、シリカゲル漏斗に通し、フィルターケーキをジクロロエタンでリンスし、濾液を合わせた。濾液を中性になるまで水で3~4回水洗し、分液した後、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過して、フィルターケーキをジクロロエタンでリンスし、無水硫酸ナトリウムでフィルターケーキを乾燥させ、濾液を合わせて、濃縮させた(50~65℃、-0.075MPa~-0.09MPa)。濃縮乾固させて石油エーテルを加えて、45~50℃で2回沸騰させて洗浄した。固体をトルエンで溶解させ、常温でカラムに通し、カラム通過液を濃縮させ(65~80℃、-0.08MPa~-0.09MPa)、降温して再結晶させ、T=-5~0℃で濾過した。濾過固体をベークして乾燥させ、ジクロロエタンで還流して溶解させ、透明にさせた後に、再結晶させ、-5~0℃に降温して濾過し、50~60℃でベークした。8.03gを得て、収率は45%であった。
【化77】
ジフェニルアミン(8.45g、50mmol)と、2-クロロ-7-ブロモ-ジベンゾチオフェン(14.88g、50mmol)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0.046g、0.05mmol)と、X-PHOS(0.048g、0.1mmol)と、t-ブトキシドナトリウム(7.2g、75mmol)とをトルエン(150mL)に加えて、窒素ガスの保護下で、108℃に加熱して6h撹拌し、次に、室温に冷却させて、反応液を水洗した後、硫酸マグネシウムを加えて乾燥させ、濾過した後、濾液を減圧して溶媒を除去し、n-ヘプタンを移動相としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより純化し、白色の中間体(13.89g、72%)を得た。
【化78】
上記合成例1の中間体(7.72g、20mmol)と、中間体I-A(6.04g、20mmol)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0.018g、0.02mmol)と、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル(0.019g、0.04mmol)と、t-ブトキシドナトリウム(2.88g、30mmol)とをトルエン(100mL)に加えて、窒素ガスの保護下で、108℃に加熱して2h撹拌し、次に、室温に冷却させて、反応液を濾過した後、濾液を減圧して溶媒を除去し、ジクロロメタン/n-ヘプタン(v:v=1:3)を移動相とした行シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより純化した後、ジクロロメタン/酢酸エチル系を使用して粗製品を再結晶して純化し、白色の固体化合物
26(8.22g、63%)を得た。質量分析:m/z=653.3(M+H)
+。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0085
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0085】
合成例27
化合物27の合成
【化79】
ジベンゾフラン(16.8g、100mmol)と、DMF 150mL、NCS (13.3g、100mmol)とを撹拌しながら加熱し、40~50℃で保温して反応させ、開始時に反応液が褐色であり、反応の進みに伴い、系は黄色となった。7hかけて反応を完了させた。反応液を水に注入して、固体を析出させ、固体をn-ヘプタン(m/v=1/3)で再結晶し、95~98℃に加熱して溶解させ、25~30℃に自然に降温して濾過し、このように操作して合計4回再結晶させ、ベークして乾燥させ白固体3-クロロジベンゾフラン7.67gを得た。収率は38%であり、純度はHPLC=98.54%であった。
【化80】
3-クロロジベンゾフラン(20.2g、100mmol)と、テトラヒドロフラン200mLとに窒素ガスを導入して撹拌し、液相窒素で-45~-35℃に降温し、LDA 120mmol(1 mol/LのTHF溶液)を40minかけて滴下して、1h保温し、反応液を液相窒素で-95~-85℃に降温し、ヨウ素溶液(100mLのTHFで、ヨウ素29.4g、120mmolを溶解)を60minかけて滴下し、40min保温した後、反応を完了させた。反応を完了させた後、反応液に亜硫酸水素ナトリウムの水溶液を加えて、10min撹拌して反応液を褪色させ、10min静置し、分液した。水相を2L/回の酢酸エチルで2回抽出した。有機相を合わせて、無水硫酸ナトリウムで60min乾燥させた後、0.07MPa、60~85℃で濃縮させて、油状粗製品を得た。この油状物にn-ヘプタンを加えて、95~98℃に加熱し60min撹拌し、15~20℃に降温して固体を析出させ、濾過して、粗製品を得た。
再結晶:粗製品1g:酢酸エチル4mLを75~80℃で溶解し、20~25℃に、自然的に降温し、固体を析出させ、濾過して、フィルターケーキを送風オーブンにて60~65℃で12hベークし、略白色の固体を130.00g得て、LC=99.08%であった。母液を回収して、得た固体を2回再結晶させ、固体13.79gを得て、総収率は42%であった。
【化81】
ジフェニルアミン(8.45g、50mmol)と、2-クロロ-4-ヨードジベンゾフラン(16.42g、50mmol)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0.046g、0.05mmol)と、X-PHOS(0.048g、0.1mmol)と、t-ブトキシドナトリウム(7.2g、75mmol)とをトルエン(150mL)に加えて、窒素ガスの保護下で、108℃に加熱して8h撹拌し、次に、室温に冷却させて、反応液を水洗した後、硫酸マグネシウムを加えて乾燥させ、濾過した後、濾液を減圧して溶媒を除去し、n-ヘプタンを移動相としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより純化し、白色の中間体(14.05g、76%)を得た。
【化82】
上記合成例の中間体(7.40g、20mmol)と、中間体I-G(7.06g、20mmol)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0.018g、0.02mmol)と、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル(0.019g、0.04mmol)と、t-ブトキシドナトリウム(2.88g、30mmol)とをトルエン(100mL)に加えて、窒素ガスの保護下で、108℃に加熱して2h撹拌し、次に、室温に冷却させて、反応液を濾過した後、濾液を減圧して溶媒を除去し、ジクロロメタン/n-ヘプタン(1:3)を移動相としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより純化した後、ジクロロメタン/酢酸エチル系を使用して粗製品を再結晶して純化し、白色の固体化合物
27(9.61g、70%)を得た。質量分析:m/z=687.3(M+H)
+。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0086
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0086】
合成例28
化合物28の合成
【化83】
中間体I-A(7.0g、24.04mmol)と、1,1’ビフェニル-4-アミン(4.87g、28.84mmol)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0.22g、0.24mmol)と、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル(0.23g、0.48mmol)と、t-ブトキシドナトリウム(3.46g、36.05mmol)とをトルエン(70mL)に加えて、窒素ガスの保護下で、108℃に加熱して、3h撹拌し、次に、室温に冷却させて、反応液を脱イオンで水洗した後、無水硫酸マグネシウムを加えて乾燥させ、濾過した後、濾液を短いシリカカラムに通して、減圧して溶媒を除去し、ジクロロメタン/n-ヘプタン系を使用して粗製品を再結晶して純化し、浅緑色の固体中間体I-K(7.30g、80%)を得た。
【化84】
2-ブロモ-6クロロ-ナフタレン(24.1g、100mmol)と、中間体I-K(37.9g、100mmol)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0.91g、1mmol)と、X-Phos(0.95g、2mmol)と、t-ブトキシドナトリウム(19.2g、200mmol)とをトルエン(200mL)に加えて、窒素ガスの保護下で、108℃に加熱して、6h撹拌し、次に、室温に冷却させて、反応液を水洗した後、硫酸マグネシウムを加えて乾燥させ、濾過した後、濾液を減圧して溶媒を除去し、n-ヘプタンを移動相としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより純化し、白色の中間体(28.13g、54%)を得た。
【化85】
上記で合成した中間体(27g、50mmol)と、フェニルベンジジン(12.25g、50mmol)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0.49g、0.5mmol)と、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル(0.47g、1mmol)と、t-ブトキシドナトリウム(9.6g、100mmol)とをトルエン(200mL)に加えて、窒素ガスの保護下で、108℃に加熱して2h撹拌し、次に、室温に冷却させて、反応液を濾過した後、減圧して濾液から溶媒を除去し、ジクロロメタン/n-ヘプタン(v/v=1:3)を移動相としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより純化した後、ジクロロメタン/酢酸エチル系を使用して粗製品を再結晶して純化し、白色の固体化合物
28(16.10g、43%)を得た。質量分析:m/z=749.3(M+H)
+。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0087
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0087】
合成例29
化合物29の合成
【化86】
m-ブロモヨードベンゼン(28.3g、100mmol)と、中間体II-C-1 (25.9g、100mmol)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0.91g、1mmol)と、X-Phos(0.95g、2mmol)と、t-ブトキシドナトリウム(19.2g、200mmol)とをトルエン(200mL)に加えて、窒素ガスの保護下で、108℃に加熱して6h撹拌し、次に、室温に冷却させて、反応液を水洗した後、硫酸マグネシウムを加えて乾燥させ、濾過した後、濾液を減圧して溶媒を除去し、n-ヘプタンを移動相としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより純化し、白色の固体(26.49g、64%)を得た。
【化87】
上記で合成した中間体(20.7g、50mmol)と、中間体I-K(18.95g、50mmol)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0.49g、0.5mmol)と、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル(0.47g、1mmol)と、t-ブトキシドナトリウム(9.6g、100mmol)とをトルエン(200mL)に加えて、窒素ガスの保護下で、108℃に加熱して2h撹拌し、次に、室温に冷却させて、反応液を濾過した後、濾液を減圧して溶媒を除去し、ジクロロメタン/n-ヘプタン(v:v=1:3)を移動相としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより純化した後、ジクロロメタン/酢酸エチル系を使用して粗製品を再結晶して純化し、白色の固体化合物
29(20.67g、58%)を得た。質量分析:m/z=713.4 (M+H)
+。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0088
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0088】
合成例30
化合物30の合成
【化88】
中間体I-A(13.6g、4.5mmol)と、m-クロロヨードベンゼン(10.68g、4.5mmol)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0.41g、0.45mmol)と、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジメトキシビフェニル(0.3674g、0.9mmol)と、t-ブトキシドナトリウム(5.16g、5.3mmol)とをトルエン(136mL)に加えて、窒素ガスの保護下で、108℃に加熱して1h撹拌し、次に、室温に冷却させて、反応液を濾過した後、濾液を減圧して溶媒を除去し、ジクロロメタン/n-ヘプタン(1:5)を移動相としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより純化した後、ジクロロメタン/酢酸エチル系を使用して粗製品を再結晶して純化し、白色の固体
中間体30-1(15g、25%)を得た。
【化89】
アニリン(3.72g、4mmol)と、2-ブロモジベンゾチオフェン(10g、3.8mmol)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0.348g、0.38mmol)と、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2,4,6-トリイソプロピルビフェニル(0.355g、0.76mmol)と、t-ブトキシドナトリウム(5.478g、5.7mmol)とをトルエン(100mL)に加えて、窒素ガスの保護下で、108℃に加熱して2h撹拌し、次に、室温に冷却させて、反応液を水洗した後、硫酸マグネシウムを加えて乾燥させ、濾過した後、濾液を短いシリカカラムに通して、カラム通過液を減圧して溶媒を除去し、ジクロロメタン/n-ヘプタン系を使用して粗製品を再結晶して純化し、白色の固体中間体30-2(7.2g、72%)を得た。
【化90】
上記で合成した中間体
30-1(6.2g、15mmol)と、中間体
30-2(4.13g、15mmol)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0.14g、0.15mmol)と、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル(0.13g、0.3mmol)と、t-ブトキシドナトリウム(2.16g、22.5mmol)とをトルエン(60mL)に加えて、窒素ガスの保護下で、108℃に加熱して2h撹拌し、次に、室温に冷却させて、反応液を濾過した後、濾液を減圧して溶媒を除去し、ジクロロメタン/n-ヘプタン(v:v=1:5)を移動相としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより純化した後、ジクロロメタン/酢酸エチル系を使用して粗製品を再結晶して純化し、白色の固体化合物30(6.9、71%)を得た。質量分析:m/z=653.3(M+H)
+。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0090
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0090】
合成例32
化合物32の合成
【化94】
中間体I-A(13.6g、4.5mmol)と、p-クロロヨードベンゼン(10.68g、4.5mmol)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0.41g、0.45mmol)と、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジメトキシビフェニル(0.3674g、0.9mmol)と、t-ブトキシドナトリウム(5.16g、5.3mmol)とをトルエン(136mL)に加えて、窒素ガスの保護下で、108℃に加熱して1h撹拌し、次に、室温に冷却させて、反応液を濾過した後、濾液を減圧して溶媒を除去し、ジクロロメタン/n-ヘプタン(1:5)を移動相としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより純化した後、ジクロロメタン/酢酸エチル系を使用して粗製品を再結晶して純化し、白色の固体化合物32-1(17g、75%)を得た。
【化95】
2-アミノビフェニル(6.77g、4mmol)と、2-ブロモフルオレン(10.4g、3.8mmol)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0.348g、0.38mmol)と、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2,4,6-トリイソプロピルビフェニル(0.355g、0.76mmol)と、t-ブトキシドナトリウム(5.478g、5.7mmol)とをトルエン(100mL)に加えて、窒素ガスの保護下で、108℃に加熱して2h撹拌し、次に、室温に冷却させて、反応液を水洗した後、硫酸マグネシウムを加えて乾燥させ、濾過した後、濾液を短いシリカカラムに通して、カラム通過液を減圧して溶媒を除去し、トルエン/n-ヘプタン系を使用して粗製品を再結晶して純化し、白色の固体中間体32-2(10.43g、76%)を得た。
【化96】
上記で合成した中間体32-1(6.2g、15mmol)と、中間体
32-2(5.4g、15mmol)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0.14g、0.15mmol)と、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル(0.13g、0.3mmol)と、t-ブトキシドナトリウム(2.16g、22.5mmol)とをトルエン(60mL)に加えて、窒素ガスの保護下で、108℃に加熱して2h撹拌し、次に、室温に冷却させて、反応液を濾過した後、濾液を減圧して溶媒を除去し、トルエン/n-ヘプタン(v:v=1:5)を移動相としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより純化した後、トルエン/酢酸エチル系を使用して粗製品を再結晶して純化し、白色の固体化合物32(8.2、73%)を得た。質量分析:m/z=739.4(M+H)
+。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0095
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0095】
実施例25~35
電子バリア層(EBL)を形成する際に表2に示す化合物をそれぞれ用いた以外、実施例24と同様な方法によって有機エレクトロルミネッセンスデバイスを作製した。
すなわち、実施例25では、本発明の化合物9を用いて有機エレクトロルミネッセンスデバイスを作製し、実施例26では、本発明の化合物10を用いて有機エレクトロルミネッセンスデバイスを作製した。
デバイスの性能を表2に示す。
【手続補正14】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造式が化学式1に示される有機エレクトロルミネッセンス材料。
【化100】
式中、R
2、R
4及びR
5は同じであるか、又は異なり、それぞれ独立に、置換又は非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換又は非置換の炭素原子数2~20のアルケニル基、置換又は非置換の炭素原子数2~24のアルキニル基、置換又は非置換の炭素原子数3~20のシクロアルキル基、置換又は非置換の炭素原子数2~20のヘテロシクロアルキル基、置換又は非置換の炭素原子数7~30のアラルキル基、置換又は非置換の炭素原子数2~30のヘテロアラルキル基、置換又は非置換の炭素原子数6~30のアリール基、置換又は非置換の炭素原子数1~30のヘテロアリール基から選ばれ、
R
1及びR
3は同じであるか、又は異なり、それぞれ独立に
、置換又は非置換の炭素原子数1~30のアリーレン基、置換又は非置換の炭素原子数1~30のヘテロアリーレン基、置換又は非置換の炭素原子数7~30のアラルキレン基、置換又は非置換の炭素原子数2~30のヘテロアールアルキレン基から選ばれ、
前記R
1、R
2、R
3、R
4及びR
5の置換基は同じであるか、又は異なり、それぞれ独立に、重水素、シアノ基、ニトロ基
、ヒドロキシ基、炭素原子数1~40のアルキル基、炭素原子数3~40のシクロアルキル基、炭素原子数2~40のアルケニル基、炭素原子数2~40のアルキニル基、炭素原子数2~40のヘテロシクロアルキル基、炭素原子数7~40のアラルキル基、炭素原子数2~40のヘテロアラルキル基、炭素原子数6~40のアリール基、炭素原子数1~40のヘテロアリール基、炭素原子数1~40のアルコキシ基
、炭素原子数1~40のアルキルチオ基、炭素原子数7~40のアラルキルアミノ基
、炭素原子数1~45のアルキルシリル基、炭素原子数6~50のアリールシリル基、炭素原子数6~30のアリロキシ基、炭素原子数6~30のアリールチオ基から選ばれる。
【請求項2】
R
1及びR
3は同じであるか、又は異なり、それぞれ独立に
、置換又は非置換の炭素原子数6~25のアリーレン基、置換又は非置換の炭素原子数5~18のヘテロアリーレン基から選ばれ、R
2、R
4及びR
5は同じであるか、又は異なり、それぞれ独立に、単結合、置換又は非置換の炭素原子数6~18のアリール基、置換又は非置換の炭素原子数5~18のヘテロアリール基から選ばれ、
前記R
1、R
2、R
3、R
4及びR
5の置換基は同じであるか、又は異なり、それぞれ独立に、重水素、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン、ヒドロキシ基、炭素原子数1~10のアルキル基、炭素原子数3~10のシクロアルキル基、炭素原子数6~15のアリール基、炭素原子数3~12のヘテロアリール基から選ばれ、置換基が1つより多い場合、各置換基は同じであるか、又は異なる、請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス材料。
【請求項3】
R
1及びR
3は、それぞれ独立に、置換又は非置換の基W
1から選ばれ、前記非置換の基W
1は以下の基から選ばれる、請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス材料。
【化102】
前記W
1基が1つ以上の置換基により置換された場合、W
1の置換基は、それぞれ独立に、重水素
、シアノ基、メチル基、エチル基、プロピル基、t-ブチル基、トリメチルシリル基、フェニル基、ナフチル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基、カルバゾリル基からなる群から選ばれ、前記W
1の置換基の数が1つより多い場合、各置換基は同じであるか、又は異なる。
【請求項4】
R
1及びR
3は同じであるか、又は異なり、それぞれ独立に
、置換又は非置換のフェニレン基、置換又は非置換のビフェニレン基、置換又は非置換のテルフェニレン基、置換又は非置換のクリセニレン基、置換又は非置換のフェナントレン基、置換又は非置換のナフチレン基、置換又は非置換のアズレニレン基、置換又は非置換のインデニレン基、置換又は非置換のピリジレン基、置換又は非置換のピリミジニレン基、置換又は非置換のトリアジニレン基、置換又は非置換のイミダゾリレン基から選ばれる、請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス材料。
【請求項5】
R
1及びR
3は同じであるか、異なるものであり、それぞれ独立に、置換又は非置換のフェニレン基、置換又は非置換のビフェニレン基、置換又は非置換のテルフェニレン基、置換又は非置換のアントリレン基、置換又は非置換のフェナントレン基、置換又は非置換のナフチレン基、置換又は非置換の9,9-ジメチルフルオレニレン基、置換又は非置換のジベンゾフラニリデン基、置換又は非置換のジベンゾチエニレン基、置換又は非置換のカルバゾリリデン基、又は前記イレン基のうちの2つ又は3つを単結合で連結してなるイレン基から選ばれ、
前記置換とは、独立に、重水素、シアノ基
、メチル基、エチル基、プロピル基、t-ブチル基、フェニル基、ナフチル基、カルバゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基から選ばれる置換基により置換されたことを意味し、
置換基が複数ある場合、各置換基は同じであるか、又は異なる、請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス材料。
【請求項6】
R
2、R
4及びR
5は、互いに同じであるか、又は異なり、且つ、それぞれ独立に、置換又は非置換の基Y
1から選ばれ、前記非置換の基Y
1は以下の基から選ばれる、請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス材料。
【化104】
前記Y
1基が1つ以上の置換基により置換された場合、Y
1の置換基は、それぞれ独立に、重水素
、シアノ基、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、t-ブチル基、トリメチルシリコン基、フェニル基、ナフチル基、ジベンゾチエニル基、ジベンゾフラニル基からなる群から選ばれ、前記Y
1の置換基が1つより多い場合、各個置換基は同じであるか、又は異なる。
【請求項7】
R
2、R
4及びR
5は同じであるか、又は異なり、それぞれ独立に、置換又は非置換のフェニル基、置換又は非置換のビフェニル基、置換又は非置換のテルフェニル基、置換又は非置換のアンスリル基、置換又は非置換のフェナントリル基、置換又は非置換のナフチル基、置換又は非置換の9,9-ジメチルフルオレニル基、置換又は非置換のジベンゾフラニル基、置換又は非置換のジベンゾチエニル基、置換又は非置換のカルバゾリル基、又は前記グループのうちの2つ又は3つを単結合で連結してなる基から選ばれ、
前記置換とは、独立に、重水素、シアノ基
、メチル基、エチル基、プロピル基、t-ブチル基、フェニル基、ナフチル基、カルバゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基から選ばれる置換基により置換されたことを意味し、
置換基が複数ある場合、各置換基は同じであるか、又は異なる、請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス材料。
【請求項8】
前記R
1、R
2、R
3、R
4及びR
5の置換基は同じであるか、又は異なり、それぞれ独立に、重水素
、シアノ基、炭素原子数1~4のアルキル基、炭素原子数5~10のシクロアルキル基、炭素原子数1~4のアルコキシ基、炭素原子数3~9のトリアルキルシリコン基、炭素原子数6~15のアリール基、炭素原子数3~12のヘテロアリール基、トリフェニルシリル基から選ばれる、請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス材料。
【請求項9】
前記R
1、R
2、R
3、R
4及びR
5の置換基は同じであるか、又は異なり、それぞれ独立に、重水素
、シアノ基、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、t-ブチル基、シクロペンチル基、メトキシ基、エトキシ基、トリメチルシリル基、フェニル基、ピリジル基、9,9-ジメチルフルオレニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基、ピリジル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、トリフェニルシリル基から選ばれる、請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス材料。
【請求項10】
以下の化合物から選ばれる、請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス材料。
【化105】
【化106】
【化107】
【化108】
【化109】
【化110】
【化111】
【化112】
【請求項11】
陰極と、陽極と、前記陰極と陽極との間に設置された1層以上の有機層とを含み、前記有機層は、少なくとも1層の請求項1~
10のいずれか1項に記載のエレクトロルミネッセンス材料を含むことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンスデバイス。
【請求項12】
前記有機層は正孔注入層と、正孔輸送層と、電子バリア層と、発光層と、正孔バリア層と、電子輸送層と、電子注入層とを含む、ことを特徴とする請求項
11に記載の有機エレクトロルミネッセンスデバイス。
【請求項13】
前記正孔輸送層は請求項1~
10のいずれか1項に記載のエレクトロルミネッセンス材料を含むか、又は前記電子バリア層は請求項1~
10のいずれか1項に記載のエレクトロルミネッセンス材料を含む、ことを特徴とする請求項
12に記載の有機エレクトロルミネッセンスデバイス。
【請求項14】
有機エレクトロルミネッセンスデバイスにおける請求項1~
10のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス材料の応用。
【国際調査報告】