(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-30
(54)【発明の名称】ウリジン二リン酸依存性グリコシルトランスフェラーゼ酵素
(51)【国際特許分類】
C12N 15/54 20060101AFI20220623BHJP
C12N 9/10 20060101ALI20220623BHJP
C12N 1/21 20060101ALI20220623BHJP
C12N 1/15 20060101ALI20220623BHJP
C12N 1/19 20060101ALI20220623BHJP
C12N 5/10 20060101ALI20220623BHJP
C12P 19/18 20060101ALI20220623BHJP
【FI】
C12N15/54
C12N9/10 ZNA
C12N1/21
C12N1/15
C12N1/19
C12N5/10
C12P19/18
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021576711
(86)(22)【出願日】2020-06-25
(85)【翻訳文提出日】2022-02-08
(86)【国際出願番号】 US2020039648
(87)【国際公開番号】W WO2020264179
(87)【国際公開日】2020-12-30
(32)【優先日】2019-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519271159
【氏名又は名称】マナス バイオ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】特許業務法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ドナルド ジェイソン エリック
(72)【発明者】
【氏名】クマラン アジクマール パライル
(72)【発明者】
【氏名】ラブ アーロン
(72)【発明者】
【氏名】トゥーミー クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】サントス クリスティーン ニコル エス.
【テーマコード(参考)】
4B050
4B064
4B065
【Fターム(参考)】
4B050CC04
4B050DD13
4B050EE10
4B050LL02
4B064AF41
4B064CA19
4B064CA21
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4B064DA10
4B065AA26X
4B065AB01
4B065AC14
4B065BA02
4B065CA19
4B065CA29
4B065CA41
4B065CA46
(57)【要約】
さまざまな態様において、本発明は、テルペノイドグリカンなどの基質の糖部分の3’炭素へのNDP糖の単糖部分の転移を触媒することができ、それによって「1-3UGT」として機能するウリジン二リン酸依存性グリコシルトランスフェラーゼ(UGT)酵素を提供する。他の態様において、本発明は、1-3UGTをコードするポリヌクレオチド、及びそれを含む宿主細胞を提供する。さらに他の態様において、本発明は、本開示の酵素及び宿主細胞を使用した、ステビオールグリコシドを含む、グリコシル化基質を調製するための方法を提供する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配列番号5または配列番号6のアミノ酸配列と少なくとも約75%一致するアミノ酸配列を含む、ウリジン二リン酸依存性グリコシルトランスフェラーゼ(UGT)酵素。
【請求項2】
前記アミノ酸配列は、配列番号5または配列番号6と少なくとも約80%一致する、請求項1に記載の酵素。
【請求項3】
前記アミノ酸配列は、配列番号5または配列番号6と少なくとも約85%一致する、請求項1に記載の酵素。
【請求項4】
前記アミノ酸配列は、配列番号5または配列番号6と少なくとも約90%一致する、請求項1に記載の酵素。
【請求項5】
前記アミノ酸配列は、配列番号5または配列番号6と少なくとも約95%一致する、請求項1に記載の酵素。
【請求項6】
前記アミノ酸配列は、配列番号5または配列番号6と少なくとも約98%一致する、請求項1に記載の酵素。
【請求項7】
前記アミノ酸配列は、配列番号5または配列番号6の前記アミノ酸である、請求項1に記載の酵素。
【請求項8】
前記アミノ酸配列は、前記アミノ酸配列配列番号5または配列番号6に対して、置換、欠失、及び挿入から独立して選択される1から20個のアミノ酸改変を有する、請求項1に記載の酵素。
【請求項9】
前記アミノ酸配列は、配列番号5または配列番号6の前記アミノ酸配列に対して、置換、欠失、及び挿入から独立して選択される1から10個のアミノ酸改変を有する、請求項8に記載の酵素。
【請求項10】
前記アミノ酸配列は、配列番号5または配列番号6の前記アミノ酸配列に対して、置換、欠失、及び挿入から独立して選択される1から5個のアミノ酸改変を有する、請求項8に記載の酵素。
【請求項11】
前記酵素は、配列番号1の位置29、200、357、及び414の1つ以上と対応する位置にアミノ酸置換を含む、請求項8から10のいずれか1項に記載の酵素。
【請求項12】
配列番号5の位置54と対応する位置にグリシン(G)、
配列番号5の位置111と対応する位置にロイシン(L)、及び
配列番号5の位置183と対応する位置にメチオニン(M)のうちの1つ以上を含む、請求項1から11のいずれか1項に記載の酵素。
【請求項13】
前記酵素は、配列番号5の位置54と対応する前記位置にGly、配列番号5の位置111と対応する前記位置にLeu、及び配列番号5の位置183と対応する前記位置にMetを有する、請求項12に記載の酵素。
【請求項14】
前記酵素は、配列番号5の位置155と対応する位置の後に約6から約12個のアミノ酸の挿入を含む、請求項1から13のいずれか1項に記載の酵素。
【請求項15】
前記挿入は、大部分がグリシン及びセリン残基である柔軟で親水性の配列であり、任意にGSGGSG(配列番号7)またはGSGGSGGSG(配列番号8)である、請求項14に記載の酵素。
【請求項16】
前記酵素は、配列番号6の前記アミノ酸配列に対してアミノ酸E225からT232と対応する1つ以上のアミノ酸の欠失を含む、請求項1から15のいずれか1項に記載の酵素。
【請求項17】
前記酵素は、配列番号6のアミノ酸E225からT232と対応する前記アミノ酸の欠失を含む、請求項16に記載の酵素。
【請求項18】
前記酵素は、配列番号6の位置72、位置305、位置345、及び位置428と対応する1つ以上の位置にアミノ酸置換を含む、請求項1から17のいずれか1項に記載の酵素。
【請求項19】
前記酵素は、配列番号6の位置72と対応する前記位置にグルタミン(Q)、配列番号6の位置305と対応する前記位置にシステイン(C)、配列番号6の位置345と対応する前記位置にフェニルアラニン(F)、及び配列番号6の位置428と対応する前記位置にイソロイシン(I)から選択される1つ以上のアミノ酸置換を含む、請求項18に記載の酵素。
【請求項20】
配列番号5または配列番号6のアミノ酸配列と少なくとも約60%一致するアミノ酸配列を含む、ウリジン二リン酸依存性グリコシルトランスフェラーゼ(UGT)酵素であって、
配列番号5の位置54と対応する位置にグリシン(G)、
配列番号5の位置111と対応する位置にロイシン(L)、及び
配列番号5の位置183と対応する位置にメチオニン(M)を含む、前記酵素。
【請求項21】
前記アミノ酸配列は、配列番号5または配列番号6の前記アミノ酸配列と少なくとも約70%一致する、請求項20に記載の酵素。
【請求項22】
前記アミノ酸配列は、配列番号5または配列番号6の前記アミノ酸配列と少なくとも約80%一致する、請求項20に記載の酵素。
【請求項23】
前記アミノ酸配列は、配列番号5または配列番号6の前記アミノ酸配列と少なくとも約90%一致する、請求項20に記載の酵素。
【請求項24】
前記アミノ酸配列は、配列番号5または配列番号6の前記アミノ酸配列と少なくとも約95%である、請求項20に記載の酵素。
【請求項25】
前記1-3UGT酵素は、配列番号5の位置155と対応する位置の後に約5から約15個のアミノ酸の挿入を含む、請求項20から24のいずれか1項に記載の酵素。
【請求項26】
前記挿入は、大部分がグリシン及びセリン残基である柔軟で親水性の配列であり、任意にGSGGSG(配列番号7)及びGSGGSGGSG(配列番号8)である、請求項25に記載の酵素。
【請求項27】
前記酵素は、配列番号6の前記アミノ酸配列に対してアミノ酸E225からT232と対応する1つ以上のアミノ酸の欠失を含む、請求項20から26のいずれか1項に記載の酵素。
【請求項28】
前記酵素は、配列番号6のアミノ酸E225からT232と対応する前記アミノ酸の欠失を含む、請求項27に記載の酵素。
【請求項29】
前記酵素は、配列番号6の位置72、位置305、位置345、及び位置428と対応する1つ以上の位置にアミノ酸置換を含む、請求項20から28のいずれか1項に記載の酵素。
【請求項30】
前記酵素は、配列番号6の位置72と対応する前記位置にグルタミン(Q)、配列番号6の位置305と対応する前記位置にシステイン(C)、配列番号6の位置345と対応する前記位置にフェニルアラニン(F)、及び配列番号6の位置428と対応する前記位置にイソロイシン(I)から選択される1つ以上のアミノ酸置換を含む、請求項29に記載の酵素。
【請求項31】
前記アミノ酸配列は、配列番号9のアミノ酸配列と少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約98%一致する、請求項20から30のいずれか1項に記載の酵素。
【請求項32】
前記アミノ酸配列は、前記アミノ酸配列配列番号9に対して、置換、欠失、及び挿入から独立して選択される1から20個のアミノ酸改変を有する、請求項20~31のいずれか1項に記載の酵素。
【請求項33】
前記アミノ酸配列は、配列番号9の前記アミノ酸配列に対して、置換、欠失、及び挿入から独立して選択される1から10個のアミノ酸改変を有する、請求項20~31のいずれか1項に記載の酵素。
【請求項34】
前記アミノ酸配列は、配列番号9の前記アミノ酸配列に対して、置換、欠失、及び挿入から独立して選択される1から5個のアミノ酸改変を有する、請求項20~31のいずれか1項に記載の酵素。
【請求項35】
配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも約75%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、
E74からT81と対応する1つ以上のアミノ酸の欠失、
任意にグリシンである、位置357と対応する位置の置換、
任意にロイシンである、位置414と対応する位置の置換、
任意にメチオニンである、位置29と対応する位置の置換、
任意にグルタミンである、位置402と対応する位置の置換、
任意にシステインである、位置154と対応する位置の置換、
任意にフェニルアラニンである、位置194と対応する位置の置換、
任意にイソロイシンである、位置277と対応する位置の置換、
任意にグルタミンである、位置208と対応する位置の置換、
任意にプロリンである、位置140と対応する位置の置換、及び
任意にグルタミン酸である、位置259と対応する位置の置換
から選択される配列番号1に対する1つ以上の改変を含む、ウリジン二リン酸依存性グリコシルトランスフェラーゼ(UGT)酵素。
【請求項36】
前記UGT酵素は、E74からT81と対応する少なくとも2個または少なくとも3個のアミノ酸の欠失を含む、請求項35に記載のUGT酵素。
【請求項37】
前記UGT酵素は、E74からT81と対応する少なくとも4個または少なくとも5個のアミノ酸の欠失を含む、請求項35に記載のUGT酵素。
【請求項38】
前記UGT酵素は、E74からT81と対応する少なくとも6個または少なくとも7個のアミノ酸の欠失を含む、請求項35に記載のUGT酵素。
【請求項39】
前記UGT酵素は、E74からT81と対応する前記アミノ酸の欠失を含む、請求項35に記載のUGT酵素。
【請求項40】
前記酵素は、配列番号1の位置200と対応する位置にアラニンの置換をさらに含む、請求項35から39のいずれか1項に記載のUGT酵素。
【請求項41】
前記酵素は、それぞれ配列番号1に従って番号づけされた357G、414L、29M、402Q、154C、194F、277I、208Q、140P、及び259Eのうちの少なくとも2、3、または4個を有する、請求項35から40のいずれか1項に記載のUGT酵素。
【請求項42】
前記酵素は、配列番号1の前記アミノ酸配列と少なくとも約80%、または少なくとも約85%、または少なくとも約90%、または少なくとも約95%、または少なくとも約98%一致する、請求項35から41のいずれか1項に記載のUGT酵素。
【請求項43】
前記酵素は、配列番号1に対するアミノ酸置換、欠失、及び挿入から独立して選択される1から20個、または1から10個のアミノ酸改変を有する、請求項42に記載のUGT酵素。
【請求項44】
SrUGT76G1の円順列変異体であり、任意に配列番号1の対応する位置に対してアミノ酸置換、欠失、及び挿入から独立して選択される1から20個または1から15個、または1から10個のアミノ酸改変を有し、ただし、前記円順列変異体は、
E74からT81と対応する1つ以上のアミノ酸の欠失、
任意にグリシンである、位置357と対応する位置の置換、
任意にロイシンである、位置414と対応する位置の置換、
任意にメチオニンである、位置29と対応する位置の置換、
任意にグルタミンである、位置402と対応する位置の置換、
任意にシステインである、位置154と対応する位置の置換、
任意にフェニルアラニンである、位置194と対応する位置の置換、
任意にイソロイシンである、位置277と対応する位置の置換、
任意にグルタミンである、位置208と対応する位置の置換、
任意にプロリンである、位置140と対応する位置の置換、及び
任意にグルタミン酸である、位置259と対応する位置の置換
から選択される配列番号1に対する1つ以上の改変を含む、ウリジン二リン酸依存性グリコシルトランスフェラーゼ(UGT)酵素。
【請求項45】
請求項1から44のいずれか1項に記載の酵素をコードする、ポリヌクレオチド。
【請求項46】
請求項45に記載のポリヌクレオチドを含む、宿主細胞。
【請求項47】
前記細胞は、微生物である、請求項46に記載の宿主細胞。
【請求項48】
前記微生物は、細菌である、請求項47に記載の宿主細胞。
【請求項49】
前記細菌は、E.coliである、請求項48に記載の宿主細胞。
【請求項50】
前記宿主細胞は、ushA及びgalETKMの欠失または不活性化、pgiの欠失または不活性化、ならびにpgm及びgalUの過剰発現または活性の増加を含む、請求項49に記載の宿主細胞。
【請求項51】
前記微生物は、酵母である、請求項47に記載の宿主細胞。
【請求項52】
前記細胞は、植物である、請求項46に記載の宿主細胞。
【請求項53】
前記植物は、ステビア植物である、請求項52に記載の宿主細胞。
【請求項54】
前記宿主細胞は、C-13UGT酵素、C-19UGT酵素、及び1-2’UGT酵素から選択される1つ以上の付加的なUGT酵素を発現する、請求項46から53のいずれか1項に記載の宿主細胞。
【請求項55】
前記宿主細胞は、異種C-13UGT酵素、異種C-19UGT酵素、及び異種1-2UGT酵素をさらに発現する、請求項54に記載の宿主細胞。
【請求項56】
前記宿主細胞は、ステビオールの生合成のための内因性及び/または異種酵素の発現によってステビオールを産生する、請求項47から55のいずれか1項に記載の宿主細胞。
【請求項57】
単糖基を基質に転移するための方法であって、NDP糖及び前記基質を、請求項1から44のいずれか1項に記載のUGT酵素、または請求項46から56のいずれか1項に記載の宿主細胞もしくはそのライセートと接触させることを含む、前記方法。
【請求項58】
前記基質は、テルペノイドである、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
前記テルペノイドは、ジテルペノイドである、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
前記ジテルペノイドは、ステビオール及び/またはステビオールグリコシドである、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
前記ステビオールグリコシドは、ステビオシド及び/またはRebDである、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
前記基質は、植物抽出物であり、任意にステビアの葉抽出物である、請求項57に記載の方法。
【請求項63】
前記テルペノイドは、モノテルペノイド、セスキテルペノイド、またはトリテルペノイドである、請求項58に記載の方法。
【請求項64】
前記テルペノイドは、トリテルペノイドであり、任意にモグロールまたはモグロシドである、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
前記NDP糖は、UDPグルコースである、請求項57から64のいずれか1項に記載の方法。
【請求項66】
反応は、内因性UDPグルコースを有する宿主細胞において起こる、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
グリコシル基を基質に転移するための方法であって、前記基質の存在下において請求項46から56のいずれか1項に記載の宿主細胞を増殖させることを含む、前記方法。
【請求項68】
前記基質は、前記宿主細胞によって合成される、請求項67に記載の方法。
【請求項69】
前記基質は、テルペノイドである、請求項67または68に記載の方法。
【請求項70】
前記テルペノイドは、ジテルペノイドである、請求項69に記載の方法。
【請求項71】
前記ジテルペノイドは、ステビオール及び/またはステビオールグリコシドである、請求項70に記載の方法。
【請求項72】
前記ステビオールグリコシドは、ステビオシド及び/またはRebDである、請求項71に記載の方法。
【請求項73】
前記テルペノイドは、トリテルペノイドであり、任意にモグロールまたはモグロシドである、請求項69に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2019年6月25日に出願された米国仮特許出願第62/866,148号の利益を主張するものであり、その全開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、酵素、コードポリヌクレオチド、宿主細胞、及びグリコシル化基質を生成するための方法に関する。
【0003】
電子的に提出されたテキストファイルの記載
本明細書とともに電子的に提出されたテキストファイルの内容の全体が、参照により本明細書に組み込まれる:配列表のコンピュータ可読形式のコピー(ファイル名:MAN-024PC_Sequence Listing_ST25.txt、記録日:2020年6月24日、ファイルサイズ:28,457バイト)。
【背景技術】
【0004】
高強度甘味料は、スクロースの甘味レベルよりも何倍も高い甘味レベルを有する。それらは、基本的にノンカロリーで、一般的に食品及び飲料を含むダイエットならびに低カロリー製品に使用される。高強度甘味料は、血糖反応を誘発せず、それを、糖尿病患者及び炭水化物の摂取を管理することに関心のあるその他の人を標的とする製品に使用するのに適したものにする。
【0005】
ステビオールグリコシドは、南アメリカの特定の地域原産のAsteraceae(Compositae)科の多年生低木であるStevia rebaudiana Bertoniの葉に見られる化合物のクラスである。それらは、単一の基部であるステビオールによって構造的に特徴づけられ、C13及びC19位の炭水化物残基の存在によって異なる。それらは、ステビアの葉に蓄積して、総乾燥重量のおよそ10%から20%を構成する。乾燥重量に基づいて、ステビアの葉に見られる主要な4つのグリコシドとしては、一般にステビオシド(9.1%)、レバウジオシドA(3.8%)、レバウジオシドC(0.6~1.0%)及びズルコシドA(0.3%)が挙げられる。その他の既知のステビオールグリコシドとしては、レバウジオシドB、C、D、E、F及びM、ステビオールビオシドならびにルブソシドが挙げられる。
【0006】
微量グリコシル化生成物レバウジオシドM(RebM)は、スクロースよりも約200~350倍強力であると推定され、やや苦いか、または甘草の後味を伴う爽快な甘味を持つと示されている。Prakash I. et al., Development of Next Generation Stevia Sweetener: Rebaudioside M, Foods 3(1), 162-175 (2014)。Reb Mは、世界の食品産業にとって非常に興味深いものである。
【0007】
ステビア植物からステビオールグリコシドを調製するためのプロセスは持続可能ではなく、ステビアの葉の微量グリコシル化生成物を得るためには適していない。したがって、高度に精製されたステビオールグリコシド組成物を含む、ステビオールグリコシドを含む組成物を調製するための持続可能で経済的な方法が依然として必要とされている。さらに、RebM及びその他などの微量グリコシル化生成物を多量に生成するための方法が必要とされている。
【発明の概要】
【0008】
さまざまな態様において、本発明は、ウリジン二リン酸(UDP)依存性グリコシルトランスフェラーゼ(UGT)酵素を提供し、これは、テルペノイドグリカンなどの基質の糖部分の3’炭素へのNDP糖(例えば、UDP糖)の単糖部分の転移を触媒することができ、それによって「1-3UGT」として機能する。他の態様において、本発明は、1-3UGTをコードするポリヌクレオチド、及びそれを含む宿主細胞を提供する。さらに他の態様において、本発明は、本開示の酵素及び宿主細胞を使用したステビオールグリコシドを含む、グリコシル化基質を調製するための方法を提供する。
【0009】
1-3UGTは、ステビオールグリコシドなどのテルペノイドグリコシドに対して高いグリコシルトランスフェラーゼ活性を示す。例えば、1-3UGTは、ステビオシド及びRebDなどのテルペノイドグリカン上の糖部分の3’炭素へのNDP糖の単糖部分の転移を触媒する。すなわち、基質がステビオールグリコシドである場合、1-3UGTは、C13またはC19結合グルコース部分の両方の3’炭素への単糖部分のNDP依存性転移を触媒することができる。さまざまな実施形態において、1-3UGTは、RebMの生合成を触媒する。
【0010】
一態様において、本発明は、配列番号5または配列番号6のアミノ酸配列と少なくとも約75%一致するアミノ酸配列を含む1-3UGT酵素を提供する。いくつかの実施形態において、酵素は、配列番号1(Stevia rebaudiana UGT76G1)の位置29、200、357、及び414と対応する位置にアミノ酸置換を含む。配列番号5及び6の酵素に含まれるこれらの位置(配列番号5のそれぞれ位置183、354、54、及び111)の置換は、配列番号1の酵素と比較して大幅な活性の向上をもたらすことができる。
【0011】
いくつかの実施形態において、1-3UGT酵素は、(配列番号1に対して)配列番号5の位置155と対応する位置の後に5から約15個のアミノ酸、または約6から約12個のアミノ酸の挿入を含む。いくつかの実施形態において、挿入は、大部分がグリシン及びセリン残基であってもよい柔軟で親水性の配列である。いくつかの実施形態において、配列は、GSGGSG(配列番号7)またはGSGGSGGSG(配列番号8)である。
【0012】
さまざまな実施形態において、1-3UGT酵素は、UGT76G1-L200A(配列番号3)と比較してステビオシドのRebAへの向上した変換、及びRebDのRebMへの向上した変換を示す。
【0013】
いくつかの実施形態において、配列番号5の位置183、354、54、及び111と対応する位置のアミノ酸の一致は、他の位置のさらなる改変を可能にする。例えば、いくつかの実施形態において、1-3UGT酵素は、配列番号5のアミノ酸配列と少なくとも約60%一致するアミノ酸配列を含み、UGT酵素は、配列番号5の位置54と対応する位置にグリシン(G)またはトレオニン(T)、配列番号5の位置111と対応する位置にロイシン(L)またはイソロイシン(I)、配列番号5の位置183と対応する位置にメチオニン(M)またはロイシン(L)、及び配列番号5の位置354と対応する位置にアラニン(A)、またはグリシン(G)、またはセリン(S)を含む。いくつかの実施形態において、1-3UGT酵素は、配列番号5の位置183と対応する位置にメチオニン(M)を含む。いくつかの実施形態において、1-3UGT酵素は、配列番号5の位置54と対応する位置にグリシン(G)を含む。いくつかの実施形態において、1-3UGT酵素は、配列番号5の位置111と対応する位置にロイシン(L)を含む。いくつかの実施形態において、1-3UGTは、配列番号5の位置183と対応する位置に2または3個のメチオニン(M)、配列番号5の位置54と対応する位置にグリシン(G)、及び配列番号5の位置111と対応する位置にロイシン(L)を有する。これらの改変は、配列番号1の対応する位置におけるアミノ酸の一致と比較して酵素の活性に大幅な向上をもたらすことができる。
【0014】
いくつかの実施形態において、1-3UGT酵素は、配列番号5のアミノ酸配列を参照してアミノ残基159から161の欠失、それぞれの場合に、配列番号5のアミノ酸配列を参照して位置262の置換(例えば、L262Q)、位置294の置換(例えば、R294)、及び位置413の置換(例えば、D413E)のうちの1つ以上を含む。
【0015】
実施形態において、1-3UGT酵素は、それぞれ配列番号5のアミノ酸配列を参照してアミノ残基159から161の欠失ならびにアミノ酸置換L262Q、R294P及びD413Eを含む。これらの実施形態による例となるUGT酵素は、本明細書中で配列番号6として開示されている。
【0016】
いくつかの実施形態において、1-3UGT酵素は、配列番号6のアミノ酸配列を参照して残基E225からT232の1つ以上の残基の欠失を含む。これらまたはその他の実施形態において、1-3UGT酵素は、それぞれの場合に配列番号6のアミノ酸配列を参照して位置72(例えば、S72Q)、位置305(例えば、A305C)、位置345(例えば、Y345F)、及び位置428(例えば、L428I)から選択される位置に1つ以上のアミノ酸置換を含む。例となる実施形態において、1-3UGT酵素は、それぞれの場合に配列番号6のアミノ酸配列を参照してアミノ残基E225からT232の欠失ならびにアミノ酸置換S72Q、A305C、Y345F、及びL428Iを含む。これらの実施形態による例となるUGT酵素は、本明細書中で配列番号9として開示されている。
【0017】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載されているアミノ酸改変は、代わりに、SrUGT76G1、またはその円順列変異体に適用される。
【0018】
他の態様において、本発明は、本明細書中で開示されている1-3UGT酵素をコードするポリヌクレオチド、ならびにそれを含む宿主細胞を提供する。宿主細胞は、微生物、真菌細胞、藻類細胞、または植物細胞であってもよい。植物は、ステビア植物、または特にStevia rebaudiana植物であってもよい。ステビア植物は、もともとステビオール及びステビオールグリコシドを合成するために必要とされる酵素を発現するが、RebMなどの高度にグリコシル化されたステビオールグリコシドは微量にしか産生しない。対照的に、1-3UGTをコードするポリヌクレオチドを発現するステビアまたはStevia rebaudiana植物のRebM含有量は、比較的高レベルのRebA、RebD、及び/またはRebM、あるいはRebB、RebG、RebI、及びReb4などの1-3グリコシル化を含むその他の一般に微量のステビオールグリコシドをもたらすこともある。さまざまな実施形態において、細胞は、E.coliなどの微生物細胞である。
【0019】
さまざまな実施形態において、宿主細胞は、C-13UGT酵素、C-19UGT酵素、及び1-2UGT酵素から選択される1つ以上の付加的なUGT酵素を発現してもよい。「C-13UGT」またはUGTc13は、ステビオールまたはステビオールグリコシドをそのC13ヒドロキシル基においてグリコシル化することができるグリコシルトランスフェラーゼである。「C-19UGT」またはUGTc19は、ステビオールまたはステビオールグリコシドをそのC19カルボキシル基においてグリコシル化することができるグリコシルトランスフェラーゼである。「1-2UGT」またはUGT1-2は、13-O-グルコース、及び/または19-O-グルコースのC2’をβ1,2グリコシル化することができるグリコシルトランスフェラーゼである。「1-3UGT」またはUGT1-3は、13-O-グルコース、及び/または19-O-グルコースのC3’をβ1,3グリコシル化することができるグリコシルトランスフェラーゼである。
【0020】
いくつかの実施形態において、宿主細胞は、(1-3UGT酵素に加えて)異種C-13UGT酵素、異種C-19UGT酵素、及び異種1-2UGT酵素を発現し、それにより、ステビオール及びステビオールグリコシド基質をグリコシル化して、RebMを産生することができる。
【0021】
いくつかの実施形態において、宿主細胞(例えば、細菌または酵母細胞)は、ステビオールの生合成のための内因性及び/または異種酵素の発現によってステビオール基質を産生する。これらの実施形態において、細胞は、とりわけグルコース、スクロース、またはグリセロールなどの炭素源からRebMなどのステビオールグリコシドを産生する。
【0022】
いくつかの態様において、本発明は、単糖基を基質に転移するための方法を提供する。本方法は、NDP糖(例えば、UDP単糖)及び基質を、本明細書に記載の1-3UGT酵素、または1-3UGT酵素を発現する宿主細胞またはそのライセートと接触させることを含む。テルペノイドを含むが、これに限定されないさまざまな基質が、本開示に従ってグリコシル化されてもよい。いくつかの実施形態において、基質は、テルペノイド基質であり、ステビオール及び/またはステビオールグリコシドなどのジテルペノイドであってもよい。いくつかの実施形態において、基質は、ステビオシド及び/またはRebDを含む。さまざまな実施形態において、ヌクレオチドジホスファートは、UDPもしくはADP、またはグリコシル供与体分子として作用することができるその他のNDPである。さまざまな実施形態において、単糖は、グルコース、ガラクトース、フルクトース、ラムノース、またはキシロースである。いくつかの実施形態において、単糖は、グルコースである。NDP糖は、インビトロ反応に関しては外因的に供給されてもよく、あるいは微生物発酵または生体内変換反応を使用する実施形態に関しては宿主細胞によって内因的に産生される。反応を助ける利用可能なUDPグルコースを増加させるために宿主細胞にさまざまな改変が行われてもよい。
【0023】
いくつかの実施形態において、基質は、植物抽出物を含み、これは、任意にステビアの葉抽出物である。さまざまな実施形態において、1-3UGTを発現する微生物細胞は、RebD及びRebMを含む、高次ステビオールグリコシドの産生のためにステビオールまたは低次ステビオールグリコシドを供給されてもよい。ステビアの葉抽出物からの高度な中間体は、ステビオールグリコシドの既存の工業的抽出から容易に入手可能である。
【0024】
さまざまな実施形態において、1-3UGTは、低次ステビオールグリコシドを高次ステビオールグリコシドに変換する。例えば、UGT酵素は、ステビオビオシドからRebB、ルブソシドからRebG、ステビオシドからRebA、RebAからRebI、RebGからReb4、RebEからRebD、及び/またはRebDからRebMへの変換に関する1-3’UGT活性を有してもよい。あるいは、UGTは、別の1-3UGT酵素(複数可)または特定の基質に対して特異性の優先度を有する酵素と組み合わせて使用されてもよい。例えば、あるUGTは、1-3UGTとしてC13グリコシル基質には優先的に作用することがあり得るのに対して、別のUGT酵素は、1-3UGTとしてC19グリコシル基質に優先的に作用する。
【0025】
いくつかの実施形態において、本方法は、基質の存在下において宿主細胞を増殖させることを含む。基質は、培養物に供給されてもよく、いくつかの実施形態では、基質は、宿主細胞によって合成される。いくつかの実施形態において、基質は、ステビオールを含むか、または主要な構成成分としてステビオシド及びRebAの混合物を含み、宿主細胞は、複数のUGT酵素を発現して、RebMなどの標的ステビオールグリコシドを産生する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】ステビオールグリコシドファミリーの微量な構成成分であるレバウジオシドM(RebM)の化学構造を示す。RebMは、6つのグルコシル修飾を有するジテルペノイドステビオール(枠)の誘導体である。
【
図2】ステビオールからRebM及びその他のステビオールグリコシドへのグリコシル化経路を示す。UGTc13は、ステビオールまたはステビオールグリコシドをそのC13ヒドロキシル基においてグリコシル化することができるグリコシルトランスフェラーゼである。UGTc19は、ステビオールまたはステビオールグリコシドをそのC19カルボキシル基においてグリコシル化することができるグリコシルトランスフェラーゼである。UGT1-2は、13-O-グルコース、及び/または19-O-グルコースのC2’をβ1,2グリコシル化することができるグリコシルトランスフェラーゼである。UGT1-3は、13-O-グルコース、及び/または19-O-グルコースのC3’をβ1,3グリコシル化することができるグリコシルトランスフェラーゼである。
【
図3】SrUGT76G1(配列番号1)及びSrUGT76G1の円順列変異型であるMbUGT1-3_2(配列番号6)のアミノ酸配列アライメントを示す。パネルAは、MbUGT1-3_2のC末端部分に整列したSrUGT76G1のN末端部分を示す。パネルBは、MbUGT1-3_2のN末端部分に整列したSrUGT76G1のC末端部分を示す。
【
図4】以下のグリコシルトランスフェラーゼ:UGT76G1-L200A(配列番号3)、MbUGT1-3_0(配列番号4)、MbUGT1-3_1(配列番号5)及びMbUGT1-3_2(配列番号6)によるインビトロにおけるステビオシドのRebAへの変換パーセント、及びRebDのRebMへの変換パーセントを示す。
【
図5】UGT76G1-L200Aと比較したステビオシドのRebAへの変換及びRebDのRebMへの変換に関する向上倍率を示す。MbUGT1-3_1及びMbUGT1-3_2は、両変換に関する酵素生産性の非常に際立った向上を示している。
【発明を実施するための形態】
【0027】
さまざまな態様において、本発明は、ウリジン二リン酸依存性グリコシルトランスフェラーゼ(UGT)酵素を提供し、これは、テルペノイドグリカンなどの基質の糖部分の3’炭素へのNDP糖(例えば、UGTグルコース)の単糖部分の転移を触媒することができ、それによって「1-3UGT」として機能する。他の態様において、本発明は、1-3UGTをコードするポリヌクレオチド、及びそれを含む宿主細胞を提供する。さらに他の態様において、本発明は、本開示の酵素及び宿主細胞を使用したステビオールグリコシドを含む、グリコシル化基質を調製するための方法を提供する。
【0028】
1-3UGT酵素は、ステビオールグリコシドなどのテルペノイドグリコシドに対して高いグリコシルトランスフェラーゼ活性を示す。例えば、1-3UGT酵素は、ステビオシド及びRebDなどのテルペノイドグリカン上の糖部分の3’炭素へのNDP糖の単糖部分の転移を触媒する。すなわち、基質がステビオールグリコシドである場合、1-3UGTは、C13またはC19結合糖(例えば、グルコース)部分の両方の3’炭素への単糖部分のNDP依存性転移を触媒することができる。いくつかの実施形態において、1-3UGT酵素は、C13結合糖と比較してC19結合糖におけるグリコシル化に関してより高い速度または産生性を有する。いくつかの実施形態において、単糖は、グルコースであるが、他の実施形態では、単糖は、ガラクトース、フルクトース、ラムノース、キシロース、またはその他の単糖であってもよい。
【0029】
さまざまな実施形態において、1-3UGTは、RebMの生合成を触媒する。RebMの構造を
図1に示す。RebMは、6つのグリコシル化:(1)C13 O-グリコシル化、(2)C13 1-2グリコシル化、(3)C13 1-3グリコシル化、(4)C19 O-グリコシル化、(5)C19 1-2グリコシル化、及び(6)C19 1-3グリコシル化を有するステビオール骨格を含む。
図2に示されるとおり、1-3UGTは、付加的なグルコースのRebD基質への転移によりRebMを生成することができる。さらに、1-3UGT酵素は、他のステビオールグリコシド基質への単糖の転移を触媒して、RebB(ステビオールビオシドから)、RebG(ルブソシドから)、Reb4(RebGから)、RebA(ステビオシドから)、RebD(RebEから)、及びRebI(RebAから)などの生成物を生成することができる。いくつかの実施形態において、基質は、ステビアの葉抽出物などの植物抽出物を含み、1-3UGTは(他のグリコシルトランスフェラーゼ酵素の作用とともに)、さまざまな主要または微量なグリコシル化生成物をグリコシル化して、大部分がRebMである生成物を生成することができる。
【0030】
一態様において、本発明は、配列番号5または配列番号6のアミノ酸配列と少なくとも約75%一致するアミノ酸配列を含む1-3UGT酵素を提供する。いくつかの実施形態において、1-3UGTは、配列番号5または6と少なくとも約80%一致するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、アミノ酸配列は、配列番号5または6と少なくとも約85%一致するか、あるいは配列番号5または6と少なくとも約90%一致するか、あるいは配列番号5または6と少なくとも約95%一致するか、あるいは配列番号5または6と少なくとも約98%一致する。いくつかの実施形態において、アミノ酸配列は、配列番号5または6のアミノ酸を含む。
【0031】
いくつかの実施形態において、1-3UGT酵素は、配列番号9のアミノ酸配列と少なくとも約75%一致するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、1-3UGTは、配列番号9と少なくとも約80%一致するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、アミノ酸配列は、配列番号9と少なくとも約85%一致するか、あるいは配列番号9と少なくとも約90%一致するか、あるいは配列番号9と少なくとも約95%一致するか、あるいは配列番号9と少なくとも約98%一致する。いくつかの実施形態において、アミノ酸配列は、配列番号9のアミノ酸を含む。
【0032】
例えば、アミノ酸配列は、アミノ酸配列配列番号5または6に対して、置換、欠失、及び挿入から独立して選択される1から20個のアミノ酸改変を有してもよい。いくつかの実施形態において、アミノ酸配列は、配列番号5または6のアミノ酸配列に対して、置換、欠失、及び挿入から独立して選択される1から10個のアミノ酸改変(例えば、1から5個)を有する。いくつかの実施形態において、UGTアミノ酸配列は、配列番号9のアミノ酸配列に対して、置換、欠失、及び挿入から独立して選択される1から20個のアミノ酸改変を有する。いくつかの実施形態において、アミノ酸配列は、配列番号9のアミノ酸配列に対して、置換、欠失、及び挿入から独立して選択される1から10個のアミノ酸改変(例えば、1から5個)を有する。配列番号5、6、または9のアミノ酸配列に対するアミノ酸改変は、利用可能な酵素構造及びホモロジーモデルの構築によって誘導されてもよい。例となる構造は、例えば、Li, et al., “Crystal Structure of Medicago truncatula UGT85H2-insights into the Structural Basis of a Multifunctional (iso) Flavonoid Glycosyltransferase,” J. of Mol. Biol. 370.5 (2007): 951-963ならびにLee et al., “Molecular Basis for Branched Steviol Glucoside Biosynthesis,” PNAS 116:13131-13136 (2019)に記載されている。アミノ酸改変の情報を与えるために公的に利用可能な結晶構造(例えば、PDB登録:2PQ6)が使用されてもよい。例えば、基質の結合を向上させるため、及び/またはこれらの基質の触媒の側鎖との反応幾何学を向上させるために活性部位もしくは活性部位の周辺に1つ以上のアミノ酸改変が行われてもよい。
【0033】
いくつかの実施形態において、酵素は、配列番号1(Stevia rebaudiana UGT76G1)の位置29、200、357、及び414と対応する位置にアミノ酸置換を含む。配列番号5、6及び9の酵素に含まれるこれらの位置の置換(配列番号5のそれぞれ位置183、354、54、及び111)は、大幅な活性の向上をもたらすことができる。いくつかの実施形態において、配列番号5の位置183、354、54、及び111と対応する位置のアミノ酸の一致は、その他の位置にさらなる改変を可能にする。例えば、いくつかの実施形態において、1-3UGT酵素は、配列番号5、6または9のアミノ酸配列と少なくとも約60%一致するアミノ酸配列を含み、UGT酵素は、配列番号5の位置54と対応する位置にグリシン(G)またはトレオニン(T)、配列番号5の位置111と対応する位置にロイシン(L)またはイソロイシン(I)、配列番号5の位置183と対応する位置にメチオニン(M)またはロイシン(L)、及び配列番号5の位置354と対応する位置にアラニン(A)、またはグリシン(G)、またはセリン(S)を含む。いくつかの実施形態において、1-3UGT酵素は、配列番号5の位置183と対応する位置にメチオニン(M)を含む。いくつかの実施形態において、1-3UGT酵素は、配列番号5の位置54と対応する位置にグリシン(G)を含む。いくつかの実施形態において、1-3UGT酵素は、配列番号5の位置111と対応する位置にロイシン(L)を含む。いくつかの実施形態において、1-3UGTは、配列番号5の位置183と対応する位置に2または3個のメチオニン(M)、配列番号5の位置54と対応する位置にグリシン(G)、及び配列番号5の位置111と対応する位置にロイシン(L)を有する。これらの改変は、酵素の活性に大幅な向上をもたらすことができる。
【0034】
1-3UGT酵素は、配列番号5の位置54と対応する位置に配列番号1の対応する位置(357)にあるセリン以外の他の置換を含んでもよい。したがって、いくつかの実施形態において、配列番号5の位置54と対応する位置の置換は、アラニン(A)、バリン(V)、ロイシン(L)、イソロイシン(I)、フェニルアラニン(F)、またはメチオニン(M)などの疎水性アミノ酸である。いくつかの実施形態において、配列番号5の位置54と対応する位置のアミノ酸は、水素結合をもたらす能力を有さない側鎖を有する。他の実施形態において、配列番号5の位置54と対応する位置のアミノ酸は、グリシン(G)、アスパラギン(N)、システイン(C)、グルタミン(Q)、トレオニン(T)、またはチロシン(Y)である。
【0035】
さまざまな実施形態において、1-3UGT酵素は、配列番号5の位置111と対応する位置にロイシン(L)アミノ酸を含む。いくつかの実施形態において、1-3UGT酵素は、この位置にロイシン以外のアミノ酸を含んでもよい。さまざまな実施形態において、配列番号5の位置111と対応する位置は、配列番号1の対応する位置のアミノ酸であるバリンにはならない。位置111と対応する位置のその他の適した置換は、グリシン(G)、アラニン(A)、イソロイシン(I)またはメチオニン(M)を含んでもよい。いくつかの実施形態において、配列番号5の位置111と対応する位置のアミノ酸は、バリンよりも疎水性でなく、及び/または大きくない側鎖を有する。
【0036】
さまざまな実施形態において、UGTは、配列番号5の位置183と対応する位置にメチオニン(M)アミノ酸を含む。さまざまな実施形態において、UGTは、配列番号1の対応する位置にあるイソロイシン以外の別の適したアミノ酸をこの位置に含む。例えば、この位置のアミノ酸は、イソロイシンよりも疎水性でなく、及び/または水素結合をもたらしてもよい側鎖を有してもよい。配列番号5の位置183と対応する位置のいくつかの例となる置換としては、アラニン(A)、バリン(V)、ロイシン(L)、システイン(C)、セリン(S)、トレオニン(T)、チロシン(Y)、アスパラギン(N)、グルタミン(Q)、アスパラギン酸(D)、及びグルタミン酸(E)が挙げられる。
【0037】
さまざまな実施形態において、1-3UGTは、配列番号5の位置354と対応する位置にアラニン(A)またはグリシン(G)を含む。さまざまな実施形態において、この位置のアミノ酸は、配列番号1の対応する位置にあるロイシンよりも疎水性でなく、及び/または大きくない側鎖を有する。
【0038】
いくつかの実施形態において、1-3UGT酵素は、(UGT76G1、配列番号1に対して)配列番号5の位置155と対応する位置の後に5から約15個のアミノ酸、例えば、6から12個のアミノ酸または約6もしくは約11個のアミノ酸の挿入を含む。いくつかの実施形態において、挿入は、大部分がグリシン及びセリン残基である柔軟で親水性の配列である。いくつかの実施形態において、配列は、GSGGSG(配列番号7)またはGSGGSGGSG(配列番号8)である。
【0039】
さまざまな実施形態において、1-3UGT酵素は、UGT76G1-L200A(配列番号3)と比較してステビオシドのRebAへの向上した変換、及びRebDのRebMへの向上した変換を示す。この向上した変換は、ステビオシドまたはRebD基質が本開示の1-3UGT酵素を発現する微生物細胞に供給される生物変換アッセイにおいて示される。向上した変換は、組み換え発現された1-3UGTを含む細胞ライセートを用いた反応において、あるいは精製されたまたは部分的に精製された1-3UGTを用いたインビトロ反応において示すことができる。そのような反応は、当該技術分野において周知である。あるいは、ホールセルアッセイが、使用されてもよい。例えば、1-3UGT酵素を発現するE.coli株(ΔushA、ΔgalETKM、Δpgi、過剰発現pgm、galU)を、96ウェルプレートにおいて250rpm、37℃で一晩増殖させる。次に、その細胞を、新しい生産培養物に総体積の10%まで移す。生産培養物に0.5mMの基質(例えば、ステビオシドまたはレバウジオシドD)が含まれる。その生産培養物を、その後、96ウェルプレートにおいて250rpm、37℃で48時間増殖させる。生成物は、LC-MS QQQを使用して定量することができる。
【0040】
いくつかの実施形態において、配列番号5の位置183、354、54、及び111と対応する位置のアミノ酸の一致は、その他の位置にさらなる改変を可能にする。例えば、いくつかの実施形態において、1-3UGT酵素は、配列番号5、6または9のアミノ酸配列と少なくとも約60%一致するアミノ酸配列を含み、UGT酵素は、配列番号5の位置54と対応する位置にグリシン(G)またはトレオニン(T)、配列番号5の位置111と対応する位置にロイシン(L)またはイソロイシン(I)、配列番号5の位置183と対応する位置にメチオニン(M)またはロイシン(L)、及び配列番号5の位置354と対応する位置にアラニン(A)、またはグリシン(G)、またはセリン(S)を含む。いくつかの実施形態において、1-3UGT酵素は、配列番号5の位置183と対応する位置にメチオニン(M)を含む。いくつかの実施形態において、1-3UGT酵素は、配列番号5の位置54と対応する位置にグリシン(G)を含む。いくつかの実施形態において、1-3UGT酵素は、配列番号5の位置111と対応する位置にロイシン(L)を含む。いくつかの実施形態において、1-3UGTは、配列番号5の位置183と対応する位置に2または3個のメチオニン(M)、配列番号5の位置54と対応する位置にグリシン(G)、及び配列番号5の位置111と対応する位置にロイシン(L)を有する。これらの改変は、酵素の活性に大幅な向上をもたらすことができる。いくつかの実施形態において、アミノ酸配列は、配列番号5、6、または9のアミノ酸配列と少なくとも約70%一致するか、あるいは配列番号5、6、または9のアミノ酸配列と少なくとも約80%一致するか、あるいは配列番号5、6、または9のアミノ酸配列と少なくとも約90%一致するか、あるいは配列番号5、6、または9のアミノ酸配列と少なくとも約95%である。
【0041】
いくつかの実施形態において、1-3UGT酵素は、配列番号5の位置54と対応する位置にグリシン(G)アミノ酸、配列番号5の位置111と対応する位置にロイシン(L)アミノ酸、及び配列番号5の位置183と対応する位置にメチオニン(M)アミノ酸を含む。
【0042】
いくつかの実施形態において、1-3UGT酵素は、配列番号5の位置54と対応する位置にグリシン(G)アミノ酸、及び配列番号5の位置111と対応する位置にロイシン(L)アミノ酸を含む。
【0043】
いくつかの実施形態において、1-3UGT酵素は、配列番号5の位置54と対応する位置にグリシン(G)アミノ酸、及び配列番号5の位置183と対応する位置にメチオニン(M)アミノ酸を含む。
【0044】
いくつかの実施形態において、1-3UGT酵素は、配列番号5の位置111と対応する位置にロイシン(L)アミノ酸及び配列番号5の位置183と対応する位置にメチオニン(M)アミノ酸を含む。
【0045】
これらまたはその他の実施形態において、1-3UGT酵素は、配列番号6のアミノ酸配列に対して、位置E225からT232に1つ以上のアミノ酸の欠失を有する。例えば、UGTは、配列番号6のアミノ酸E225~T232と対応する少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、または8個のアミノ酸の欠失を有してもよい。
【0046】
これらまたはその他の実施形態において、1-3UGT酵素は、位置72、位置305、位置345、及び位置428と対応する位置に1つ以上のアミノ酸置換をさらに含む。例えば、1-3UGT酵素は、配列番号6の位置72と対応する位置にグルタミン(Q)またはアスパラギン(N)の置換を有してもよい。いくつかの実施形態において、1-3UGT酵素は、配列番号6の位置305と対応する位置にシステイン(C)、セリン(S)、またはトレオニン(T)などの中性親水性アミノ酸の置換を有する。いくつかの実施形態において、1-3UGT酵素は、配列番号6の位置345と対応する位置にフェニルアラニン(F)またはトリプトファン(W)の置換を有する。いくつかの実施形態において、1-3UGT酵素は、配列番号6の位置428と対応する位置にイソロイシン(I)、バリン(V)、またはアラニン(A)の置換を有する。いくつかの実施形態において、1-3UGT酵素は、配列番号6に対して以下の置換:S72Q、A305C、Y345F、及びL428Iのうちの2、3、または4つを有する。
【0047】
いくつかの実施形態において、1-3UGT酵素は、配列番号5の位置155と対応する位置の後に、5から約15個のアミノ酸、例えば、約6から約12個のアミノ酸、または約6もしくは約11個のアミノ酸の挿入(76G1に対して)を含む。いくつかの実施形態において、挿入は、大部分がグリシン及びセリン残基であるアミノ酸配列などの柔軟で親水性の配列である。いくつかの実施形態において、配列は、GSGGSG(配列番号7)またはGSGGSGGSG(配列番号8)である。
【0048】
さらに他の態様及び実施形態において、1-3UGT酵素は、UGT76G1の円順列変異体ではなく、すなわち、酵素は、配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも約75%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。そのような実施形態において、酵素は、本明細書に記載されている1つ以上のアミノ酸改変を含んでもよい。UGT76G1(配列番号1)の例となる改変としては、配列番号1に対する以下から選択される改変が挙げられる:(i)E74からT81と対応する1つ以上のアミノ酸の欠失、(ii)任意にグリシンである、位置357と対応する位置の置換、(iii)任意にロイシンである、位置414と対応する位置の置換、(iv)任意にメチオニンである、位置29と対応する位置の置換、(v)任意にグルタミンである、位置402と対応する位置の置換、(vi)任意にシステインである、位置154と対応する位置の置換、(vii)任意にフェニルアラニンである、位置194と対応する位置の置換、(viii)任意にイソロイシンである、位置277と対応する位置の置換、(ix)任意にグルタミンである、位置208と対応する位置の置換、(x)任意にプロリンである、位置140と対応する位置の置換、及び(xi)任意にグルタミン酸である、位置259と対応する位置の置換。
【0049】
例えば、いくつかの実施形態において、UGT酵素は、配列番号1のE74からT81と対応する少なくとも2個、または少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、または8個すべてのアミノ酸の欠失を含む。さまざまな実施形態において、酵素は、配列番号1の位置200と対応する位置にアラニンの置換をさらに含む。いくつかの実施形態において、酵素は、それぞれ配列番号1に従って番号づけされた357G、414L、29M、402Q、154C、194F、277I、208Q、140P、及び259Eのうちの少なくとも2個、3個、または4個を有する。
【0050】
そのような実施形態において、酵素は、配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも約80%の配列同一性、または少なくとも約85%の配列同一性、または少なくとも約90%の配列同一性、または少なくとも約95%の配列同一性、または少なくとも約98%の配列同一性を有してもよい。例えば、酵素は、配列番号1に対するアミノ酸置換、欠失、及び挿入から独立して選択される1から20個、または1から10個のアミノ酸改変を有してもよい。
【0051】
さらに他の態様及び実施形態において、1-3UGT酵素は、SrUGT76G1の円順列変異体であり(参照によりその全体が本明細書に組み込まれるUS 2017/0332673を参照)、任意に配列番号1の対応する位置に対してアミノ酸置換、欠失、及び挿入から独立して選択される1から20個または1から15個、または1から10個のアミノ酸改変を有する。配列番号1の位置に対する例となる改変は、以下から選択されてもよい:(i)(本明細書に記載されるとおり)E74からT81と対応する1つ以上のアミノ酸の欠失、(ii)任意にグリシンである、位置357と対応する位置の置換、(iii)任意にロイシンである、位置414と対応する位置の置換、(iv)任意にメチオニンである、位置29と対応する位置の置換、(v)任意にグルタミンである、位置402と対応する位置の置換、(vi)任意にシステインである、位置154と対応する位置の置換、(vii)任意にフェニルアラニンである、位置194と対応する位置の置換、(viii)任意にイソロイシンである、位置277と対応する位置の置換、(ix)任意にグルタミンである、位置208と対応する位置の置換、(x)任意にプロリンである、位置140と対応する位置の置換、及び(xi)任意にグルタミン酸である、位置259と対応する位置の置換。いくつかの実施形態において、UGT酵素は、E74からT81と対応するアミノ酸の欠失を含む。
【0052】
酵素のアミノ酸配列の変化は、その活性を変える場合があり、または測定可能な影響がない場合もある。測定可能な影響のないサイレントな変化は、保存的置換ならびに活性部位及び基質結合部位から離れて位置する溶媒に曝露される表面における小さな挿入または欠失である可能性が最も高い。対照的に、酵素活性は、非保存的置換、大きな挿入または欠失、ならびに活性部位、基質結合部位内、及びタンパク質フォールディングまたは立体構造に重要な埋もれた位置における変化によって影響を受ける可能性がより高い。酵素活性を変える変化は、反応速度を増加または低下させる場合もあり、あるいは特有の基質に対する親和性もしくは特異性を増加または低下させる場合もある。例えば、基質結合部位の大きさを増加させる変化は、酵素がより大きな基質に作用することを可能にする場合もあり、触媒のアミノ酸側鎖を基質の標的部位のより近くに配置する変化は、酵素の速度を増加させる場合もある。
【0053】
酵素三次元構造ならびに関連する活性部位、基質結合部位、及びその他の相互作用部位の位置の知識は、変異の合理的な設計を容易にし、特定の変化の表現型について機構的な洞察を提供することができる。植物UGTは、高度に保存された二次及び三次構造を共有すると同時に比較的低いアミノ酸配列同一性を有する。Osmani et al, Substrate specificity of plant UDP-dependent glycosyltransferases predicted from crystal structures and homology modeling, Phytochemistry 70 (2009) 325-347。UGTの糖受容体及び糖供与体基質は、N末端ドメインとC末端ドメインとの間に形成される割れ目に収容される。一次配列のいくつかの領域は、ともにアミノ酸配列及び配列長さに関して異なる構造的に保存されたドメインならびにループ領域を含む基質結合ポケットの形成に寄与する。
【0054】
UGT誘導体の構築は、構造解析及びホモロジーモデリングに基づいて誘導されてもよい。Soon Goo Lee, et al., Molecular Basis for Branched Steviol Glucoside Biosynthesis, PNAS, June 19, 2019を参照。
【0055】
例えば、SrUGT76G1_L200Aの独立結晶構造作製及び解析ならびにMbUGT3-1_1に対するSrUGT76G1のアミノ酸配列アライメントに基づいて、ステビオシドのステビオールコアがMbUGT3-1_1の以下の残基:I244、L280、W351、A354、I357、M362、及びT438に近い(4Å以内)ことが予測される。さらに、C19 1-2グリコシル化は、T438に近い(4Å以内)と予測される。RebDのステビオールコアは、MbUGT3-1_1の以下の疎水性側鎖:L239、M242、I244、L280、I353、A354、及びI357に近い(4Å以内)と予測される。C13 1-2’グリコシル化は、MbUGT3-1_1の以下の水素結合側鎖:S301及びD77に近い(4Å以内)と予測される。L200Aと対応する変異がMbUGT3-1_1のV341~Q352及びK355~A367ヘリックス間のループにあるため、MbUGT3-1_1のこれらのヘリックスの配置及びアミノ酸含有量が触媒反応に重要な可能性がある。MbUGT3-1_1の位置L76及び/またはD77は、ステビオシドのC13グリコシル化と相互作用する場合もある。
【0056】
アミノ酸の置換は、保存的置換であっても、または非保存的置換であってもよい。保存的置換は、古い及び新しいアミノ酸が大きさ及び電荷などの類似した特性を有する場合に定義される。天然に生じる残基は、一般的な以下の側鎖特性に基づいてグループに分けられる:
(グループ1)疎水性(脂肪族):メチオニン(Met)、アラニン(Ala)、バリン(Val)、ロイシン(Leu)、イソロイシン(Ile)、
(グループ2)中性親水性:システイン(Cys)、セリン(Ser)、トレオニン(Thr)、アスパラギン(Asn)、グルタミン(Gln)、
(グループ3)酸性:アスパラギン酸(Asp)、グルタミン酸(Glu)、
(グループ4)塩基性:ヒスチジン(His)、リジン(Lys)、アルギニン(Arg)、
(グループ5)鎖配向に影響を与える残基:グリシン(Gly)、プロリン(Pro)、及び
(グループ6)芳香族:トリプトファン(Trp)、チロシン(Tyr)、フェニルアラニン(Phe)。
【0057】
非保存的置換は、これらのクラスのうちの1つのメンバーを別のクラスの別のアミノ酸と交換することを伴うことになる。
【0058】
UGT酵素のアミノ酸配列は、任意に、位置2に挿入または置換されたアラニンを含み、細胞における代謝回転を低下させることができる。さまざまな実施形態において、1-3UGT酵素は、配列番号5、6、または9に対して位置2に挿入または置換されたアラニンアミノ酸残基を含み、インビボにおけるさらなる安定性をもたらす。
【0059】
アミノ酸配列の同一性、すなわち、配列同一性のパーセンテージは、配列アライメントにより求めることができる。そのようなアライメントは、Karlin及びAltschul (Karlin & Altschul (1993) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90: 5873-5877)によって記載されているものなどのいくつかの既知のアルゴリズムを用いて、hmmalign(HMMERパッケージ)を用いて、またはCLUSTALアルゴリズム(Thompson, J. D., Higgins, D. G. & Gibson, T. J. (1994) Nucleic Acids Res. 22, 4673-80)を用いて行うことができる。配列同一性(配列マッチング)のグレードは、例えば、BLAST、BLATまたはBlastZ(もしくはBlastX)を使用して計算してもよい。同様のアルゴリズムが、Altschul et al(1990)J.Mol.Biol.215:403-410のBLASTN及びBLASTPプログラムに組み込まれている。BLASTタンパク質アライメントは、BLASTPプログラム、スコア=50、ワード長=3を用いて実施されてもよい。比較のためのギャップアライメントを得るために、Altschul et al (1997) Nucleic Acids Res. 25: 3389-3402に記載されているとおりにギャップBLASTが利用される。BLAST及びギャップBLASTプログラムを利用する場合、それぞれのプログラムのデフォルトパラメータを使用する。
【0060】
他の態様において、本発明は、本明細書中で開示されている1-3UGT酵素をコードするポリヌクレオチド、ならびにそれを含む宿主細胞を提供する。宿主細胞は、微生物、真菌細胞、藻類細胞、または植物細胞であってもよい。植物は、ステビア植物、または特にStevia rebaudiana植物であってもよい。ステビア植物は、もともとステビオール及びステビオールグリコシドを合成するために必要とされる酵素を発現するが、RebMなどの高度にグリコシル化されたステビオールグリコシドは微量にしか産生しない。対照的に、1-3UGTをコードするポリヌクレオチドを発現するステビアまたはStevia rebaudiana植物のRebM含有量は、植物の葉のステビオールグリコシド含有量の約1%超、または約2%超、または約5%超、または約10%超であってもよい。さらに、1-3UGTをコードするポリヌクレオチドを発現するステビアまたはStevia rebaudiana植物のRebA含有量は、植物の葉のステビオールグリコシド含有量の約5%超、または約10%超または約15%超であってもよい。
【0061】
さまざまな実施形態における微生物宿主細胞は、原核生物または真核生物であってもよい。いくつかの実施形態では、微生物宿主細胞は、Escherichia属、Bacillus属、Corynebacterium属、Rhodobacter属、Zymomonas属、Vibrio属、及びPseudomonas属から選択される細菌である。例えば、いくつかの実施形態において、細菌宿主細胞は、Escherichia coli、Bacillus subtilis、Corynebacterium glutamicum、Rhodobacter capsulatus、Rhodobacter sphaeroides、Zymomonas mobilis、Vibrio natriegens、またはPseudomonas putidaから選択される種である。いくつかの実施形態では、細菌宿主細胞は、E.coliである。あるいは、微生物細胞は、酵母細胞、例えば、Saccharomyces cerevisiae、Pichia pastoris、及びYarrowia lipolyticaを含む、Saccharomyces、Pichia、またはYarrowiaの種であってもよいが、これらに限定されない。
【0062】
1-3UGT酵素をコードするポリヌクレオチドは、微生物細胞の染色体に組み込まれてもよく、あるいは、染色体外で発現される。例えば、1-3UGT酵素は、細菌人工染色体(BAC)またはプラスミドから発現されてもよい。
【0063】
UGT酵素の発現は、例えば、遺伝子モジュール(例えば、オペロン)を使用した最適な活性、またはUGT酵素の非依存的発現のために調整されてもよい。例えば、遺伝子またはオペロンの発現は、異なる強度(例えば、強い、中程度、または弱い)を有するプロモーター、例えば、誘導型プロモーターまたは構成型プロモーターを選択することにより調節することができる。異なる強度のプロモーターのいくつかの非限定的な例として、Trc、T5及びT7が挙げられる。さらに、遺伝子またはオペロンの発現は、細胞内の遺伝子またはオペロンのコピー数を操作することによって調節することができる。いくつかの実施形態において、細胞は、各UGT酵素の単一のコピーを発現する。いくつかの実施形態において、遺伝子またはオペロンの発現は、モジュール内の遺伝子の順序を操作することにより調節することができ、この場合、最初に転写される遺伝子が一般により高レベルで発現される。いくつかの実施形態において、遺伝子またはオペロンの発現は、1つ以上の遺伝子またはオペロンを染色体へ組み込むことにより調節される。
【0064】
UGT発現の最適化は、適切なプロモーター及びリボソーム結合部位を選択することにより達成することができる。いくつかの実施形態において、これは、高コピー数のプラスミド、または単一コピー、低コピーもしくは中程度のコピー数のプラスミドを選択することを含んでもよい。転写終結の工程は、ステムループなどの構造の導入または排除により遺伝子発現の調節を標的とすることもできる。
【0065】
いくつかの実施形態において、細胞は、植物細胞である。例えば、ポリヌクレオチドは、構成型または誘導型プロモーターなどの適したプロモーターの制御下でステビア植物において異種発現されてもよい。
【0066】
さまざまな実施形態において、宿主細胞は、C-13UGT酵素、C-19UGT酵素、及び1-2UGT酵素から選択される1つ以上の付加的なUGT酵素を発現してもよい。いくつかの実施形態において、宿主細胞は、(1-3UGT酵素に加えて)異種C-13UGT酵素、異種C-19UGT酵素、及び異種1-2UGT酵素を発現し、それにより、ステビオール及びステビオールグリコシド基質をグリコシル化して、RebMを産生することができる。
【0067】
図2は、ステビオール及びさまざまなステビオールグリコシドの構造を示し、ステビオールからRebMに至る生合成経路における酵素活性を特定する。同様に、表1は、ステビオールからRebMに至る生合成経路に関する基質及び生成物を特定する。各基質及び生成物の組に関して、表1は、グリコシル化のタイプを示し、必要な活性を有する酵素を特定する。4タイプのグリコシル化活性がRebMの生成に必要とされる:C13及びC19炭素の第1のグリコシル化、ならびに第1のグリカンの2’または3’位置における第2のグリコシル化。グリカンは、一度に1つの6炭素単糖単位が付加される。したがって、第1のグリカンは、第2のグリカンが第1のグリカンに結合され得る前に、ステビオールまたはステビオールグリコシドのC13またはC19に結合されなければならない。ただし、ステビオールグリコシドのグリコシル化の順序は、他に制限されない。表2は、ステビオールからRebMに至る生合成経路に必要とされる活性を有するさまざまな供給源からの酵素を特定し、ヌクレオチド及びアミノ酸配列に対する参考文献を示す。参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第20170332673号を参照。
【0068】
【0069】
【0070】
いくつかの実施形態において、宿主細胞は、ステビオールの生合成のための内因性及び/または異種酵素の発現によってステビオールを産生する。宿主細胞は、1-3UGTを、C-13UGT酵素、C-19UGT酵素、及び1-2UGT酵素などのテルペノイド及びテルペノイドグリコシドに活性なその他のUGT酵素(表1~2を参照)と共発現するよう操作されてもよい。微生物細胞は、ステビオール生合成のための酵素、例えば、MEPまたはMVA経路の酵素、コパリルシンターゼ及びカウレンシンターゼ(いくつかの実施形態では二機能性酵素として存在する場合がある)、P450酵素、例えば、カウレンオキシダーゼ及びカウレン酸ヒドロキシラーゼならびにP450レダクターゼ酵素を共発現するようさらに操作されてもよい。表3.ステビオールの生合成のための経路及び酵素が、参照により全体が本明細書に組み込まれるUS20170332673に開示されている。
【0071】
【0072】
いくつかの態様において、本発明は、単糖基を基質に転移するための方法を提供する。本方法は、NDP糖(例えば、UDP単糖)及び基質を本明細書に記載の1-3UGT酵素、または1-3UGT酵素を発現する宿主細胞もしくはそのライセートと接触させることを含む。テルペノイドを含むが、これに限定されないさまざまな基質が、本開示に従ってグリコシル化されてもよい。いくつかの実施形態において、基質は、テルペノイド基質であり、ステビオール及び/またはステビオールグリコシドなどのジテルペノイドであってもよい。いくつかの実施形態において、基質は、ステビオシド及び/またはRebDを含む。さまざまな実施形態において、単糖は、グルコース、ガラクトース、フルクトース、ラムノース、またはキシロースである。いくつかの実施形態において、単糖は、グルコースである。いくつかの実施形態において、本方法は、組み換え1-3UGTを用いてインビトロで行われ、外因的に添加されるNDP糖(例えば、UDPグルコースまたはADPグルコース)試薬を含む。他の実施形態において、1-3UGTは、細胞において組み換えで発現され、NDPグルコースは、内因的に利用可能である。これらの実施形態において、基質は、細胞に供給されてもよく、グリコシルトランスフェラーゼ反応のために細胞において利用可能である。
【0073】
細胞全体での変換(すなわち、「生体内変換反応」)は、基質(例えば、グリコシド中間体)及び生成物が、それぞれ細胞の内外に輸送されること、ならびに細胞がUDPグルコース補酵素再生をもたらすことを必要とする。これは、細胞溶解または細胞外分泌からの酵素を使用するプロセスと対照的であり、このプロセスは、外因性NDPグルコース供給またはNDPグルコース前駆体もしくはNDPグルコース再生機構またはNDPグルコース再生酵素系を必要とする。本発明の実施形態において、触媒反応(グリコシル化)は、生きた微生物細胞内で起こる。UDPグルコース補酵素再利用は、外部から提供される酵素または高価な基質の供給を必要とせずに天然の細胞代謝を使用して行われる。いくつかの実施形態によると、グリコシド中間体は、細胞に輸送され、生成物は細胞外に輸送される。
【0074】
US2017/0332673は、MEP経路酵素を過剰発現するE.coli株を、下流のステビオール生合成経路、及びグルコースからRebMの産生を駆動するUGT酵素とともに記載している。ただし、これらの菌株は、供給されたステビオールグリコシド中間体のRebMへの生体触媒を行わない。これは、部分的に、宿主細胞がステビオールグリコシド基質を取り入れられないことによる可能性がある。いくつかの実施形態において、微生物細胞に対する遺伝子改変は、グリコシル化中間体が細胞内に移動するのを可能にさせると同時に、高度なグリコシル化生成物が培地に分泌される。
【0075】
いくつかの実施形態において、微生物細胞は、UDPグルコース利用能を高める1つ以上の遺伝子改変を有する。いくつかの実施形態において、理論に縛られることを望まないが、これらの改変はまた、グルコース利用能に対して細胞にストレスを与えて、ステビオールグリコシドを細胞に取り入れる内因性トランスポーターの発現の増加につながる可能性もある。指数関数的に増殖するE.coliにおける野生型UDPグルコースレベルは、約2.5mMである(Bennett BD, et al., Absolute metabolite concentrations and implied enzyme active site occupancy in Escherichia coli. Nat Chem Biol. 2009;5(8):593-9)。いくつかの実施形態において、宿主細胞に対する遺伝子改変は、(例えば、UGT酵素の組み換え発現がない)指数関数的に増殖する細胞においてUDPグルコースを、例えば、少なくとも5mM、または少なくとも10mMに増加させるよう操作される。
【0076】
いくつかの実施形態において、微生物細胞は、UDPグルコースを消費する酵素をコードする遺伝子の欠失、不活性化、または活性もしくは発現の低下を有する。例えば、微生物細胞は、ushA(UDP糖ヒドロラーゼ)及び/またはgalE、galT、galK、及びgalM(UDPグルコースからのUDPガラクトース生合成に関与する)、または各種微生物種のそのオルソログの1つ以上の欠失、不活性化、または活性の低下を有してもよい。いくつかの実施形態において、galETKM遺伝子は、不活性化される、除去される、または発現が実質的に低減される。
【0077】
これらまたは他の実施形態において、微生物細胞は、UDPグルコースの前駆体を消費する酵素をコードする遺伝子の欠失、不活性化、または活性もしくは発現の低下を有する。例えば、いくつかの実施形態において、微生物細胞は、pgi(グルコース-6リン酸イソメラーゼ)、または宿主細胞の各種微生物種のそのオルソログの欠失、不活性化、または活性もしくは発現の低下を有する。
【0078】
これらまたはその他の実施形態において、細胞は、グルコース-6-ホスフェートのUDPグルコースへの変換に関与する酵素をコードする1つ以上の遺伝子の過剰発現または活性の増加を有する。例えば、pgm(ホスホグルコムターゼ)及び/またはgalU(UTPグルコース-1-リン酸ウリジリルトランスフェラーゼ)(またはそのオルソログもしくは誘導体)は、過剰発現させられても、または酵素産生性を高めるよう改変されてもよい。参照により全体が本明細書に組み込まれる、US 2020/0087692を参照。
【0079】
いくつかの実施形態において、基質は、植物抽出物であり、これは、任意にステビアの葉抽出物である。さまざまな実施形態において、1-3UGTを発現する微生物細胞は、RebD及びRebMを含む、高次ステビオールグリコシドの生成のためにステビオールまたは低次ステビオールグリコシドを供給されてもよい。ステビアの葉抽出物からの高度な中間体は、ステビオールグリコシドの既存の工業的抽出から容易に入手可能である。表4に示されるとおり、入手可能な葉抽出物は、主に経路中間体ステビオシド及びレバウジオシドA(RebA)を含む。さまざまな実施形態において、ステビアの葉抽出物は、ステビオールグリコシドの抽出である。いくつかの実施形態において、抽出物は、ステビオシド、ステビオールビオシド、及びレバウジオシドAのうちの1つ以上を主要な構成成分として含む。主要な構成成分は、一般に抽出物中のステビオールグリコシドの少なくとも約10%を占めるが、いくつかの実施形態では、抽出物中のステビオールグリコシドの少なくとも約20%、または少なくとも約25%、または少なくとも約30%を占める場合もある。
【0080】
【0081】
さまざまな実施形態において、1-3UGTは、低次ステビオールグリコシドを高次ステビオールグリコシドに変換する。例えば、UGT酵素は、ステビオビオシドからRebB、ルブソシドからRebG、ステビオシドからRebA、RebAからRebI、RebGからReb4、RebEからRebD、及び/またはRebDからRebMへの変換に関する1-3’UGT活性を有してもよい。あるいは、UGTは、別の1-3UGT酵素(複数可)または特定の基質に対して特異性の優先度を有する酵素と組み合わせて使用されてもよい。例えば、あるUGTは、1-3UGTとしてC13グリコシル基質に優先的には作用することがあり得るのに対して、別のUGT酵素は、1-3UGTとしてC19グリコシル基質に優先的に作用する。
【0082】
いくつかの実施形態において、1-3UGT酵素を発現する微生物細胞は、RebDを供給され、RebDの少なくとも約15%、または少なくとも約20%、または少なくとも約25%、または少なくとも約30%、または少なくとも約50%、または少なくとも約75%、または少なくとも約90%をRebMに変換する。さまざまな実施形態において、そのような変換は、少なくとも約8時間、またはいくつかの実施形態では少なくとも約24時間起こることが可能である。例えば、変換は、培養物中で8時間から約72時間起こることが可能である場合もある。いくつかの実施形態において、変換は、約24時間から約60時間起こることが可能である場合もある。いくつかの実施形態において、微生物細胞は、RebDの少なくとも約40%、または少なくとも約50%、または少なくとも約75%、または少なくとも約90%をRebMに約48時間以下でまたは約24時間以下で変換する。
【0083】
いくつかの実施形態において、微生物細胞は、ステビオシドを供給され、1-3UGTを発現し、ステビオシドの少なくとも約15%、または少なくとも約20%、または少なくとも約25%、または少なくとも約30%、または少なくとも約50%をRebAに変換する。いくつかの実施形態において、酵素は、ステビオシドの少なくとも約75%または少なくとも約90%をRebAに変換する。さまざまな実施形態において、そのような変換は、少なくとも約8時間、またはいくつかの実施形態では少なくとも約24時間起こることが可能である。例えば、変換は、培養物中で8時間から約72時間起こることが可能である場合もある。いくつかの実施形態において、変換は、約24時間から約60時間起こることが可能である場合もある。いくつかの実施形態において、微生物細胞は、ステビオシドの少なくとも約40%、または少なくとも約50%、または少なくとも約75%をRebAに約48時間以下でまたは約24時間以下で変換する。
【0084】
天然のUGT酵素は、一般に(20~24℃の範囲の最適温度を有することが多い)植物酵素であるか、または植物酵素から誘導されるが、いくつかの実施形態では、本開示は、24℃から37℃、または27℃から37℃、または30℃から37℃などの24℃を超える温度における酵素産生性を有する微生物細胞(例えば、E.coliなどの細菌細胞)においてグリコシル化生成物の生成を高い収率で可能にする。いくつかの実施形態において、培養は、30から34℃で行われる。
【0085】
いくつかの実施形態において、プロセスは、大規模生成に対してスケーラブルである。例えば、いくつかの実施形態において、培養のサイズは、少なくとも約100L、少なくとも約200L、少なくとも約500L、少なくとも約1,000L、または少なくとも約10,000L、または少なくとも約100,000L、または少なくとも約500,000Lである。
【0086】
さまざまな実施形態において、方法は、グリコシル化生成物を細胞培養物または細胞ライセートから回収することをさらに含む。いくつかの実施形態において、培養は、少なくとも約100mg/L、または少なくとも約200mg/L、または少なくとも約500mg/L、または少なくとも約1g/L、または少なくとも約2g/L、または少なくとも約5g/L、または少なくとも約10g/L、または少なくとも約20g/L、または少なくとも約30g/L、または少なくとも約40g/L、または少なくとも約50g/Lのグリコシル化生成物を生成し、これは、いくつかの実施形態では、培養培地から抽出される。
【0087】
いくつかの実施形態において、基質は、モノテルペノイド、セスキテルペノイド、またはトリテルペノイドなどのテルペノイドである。いくつかの実施形態において、テルペノイドは、トリテルペノイドであり、任意にモグロールまたはモグロシドである。いくつかの実施形態において、本開示の1-3UGT酵素は、グリコシド、脂肪族及び分岐アルコール、置換フェノール、フラボノイドならびにガラートに対して広い基質活性を有する。例えば、Dewitt, G. et al., Screening of recombinant glycosyltransferases reveals the broad acceptor specificity of stevia UGT-76G1, J. Biotechnology 233 (2016) 49-55を参照。UGT酵素の基質としては、ステビオールグリコシドなどのジテルペノイドグリコシド及びモグロシドなどのトリテルペノイドグリコシドを含む、テルペノイドグリコシド(イソプレノイド)を挙げることができる。
【0088】
いくつかの実施形態において、本方法は、基質の存在下において宿主細胞を増殖させることを含む。基質は、培養物に供給されてもよく、いくつかの実施形態では、基質は、宿主細胞によって合成される。いくつかの実施形態において、基質は、ステビオールであり、宿主細胞は、複数のUGT酵素を発現して、RebMなどの標的ステビオールグリコシドを産生する。
【0089】
いくつかの実施形態において、グリコシル化生成物(例えば、RebM)は、培地構成成分から精製される。したがって、いくつかの実施形態において、本方法は、E.coli細胞から増殖培地を分離すること、及び増殖培地から所望のグリコシル化生成物(例えば、RebM)を単離することを含む。いくつかの実施形態において、RebMなどの生成物は、細胞物質からさらに抽出される。
【0090】
いくつかの態様において、本発明は、RebMなどのグリコシル化生成物を含む生成物を生成するための方法を提供する。本方法は、(本開示により生成される)標的ステビオールグリコシドを食品、飲料、オーラルケア製品、甘味料、香味剤、またはその他の製品などの製品に組み込むことを含む。本発明により調製される精製されたステビオールグリコシドは、食品、飲料、テクスチャラント(例えば、デンプン、繊維、ガム、脂肪及び脂肪模倣物、ならびに乳化剤)、医薬組成物、タバコ製品、機能性食品組成物、口腔衛生組成物、及び化粧用組成物を含むが、それらに限定されないさまざまな製品に使用されてもよい。RebMが組み合わせて使用され得る香味料の非限定例としては、ライム、レモン、オレンジ、果物、バナナ、ブドウ、西洋ナシ、パイナップル、マンゴー、ビターアーモンド、コーラ、シナモン、砂糖、綿あめ及びバニラフレーバーが挙げられる。他の食品成分の非限定例としては、香味料、酸味料、及びアミノ酸、着色剤、増量剤、加工デンプン、ガム、テクスチャライザー、保存料、抗酸化剤、乳化剤、安定剤、増粘剤、及びゲル化剤が挙げられる。
【0091】
いくつかの態様において、本発明は、複数の高強度甘味料を含む甘味料製品を製造するための方法を提供し、当該複数は、ステビオールグリコシド、モグロシド、スクラロース、アスパルテーム、ネオテーム、アドバンテーム、アセスルファムカリウム、サッカリン、シクラマート、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、グネチホリンE、及び/またはピセアタンノール4’-O-β-D-グルコピラノシドのうちの2つ以上を含む。本方法は、食品、飲料、オーラルケア製品、甘味料、香味剤、または上記のものを含むその他の製品に甘味料製品を組み込むことをさらに含んでもよい。
【0092】
RebMなどの標的ステビオールグリコシド(複数可)、及びそれを含む甘味料組成物は、さまざまな生理学的活性物質または機能性成分と組み合わせて使用することができる。機能性成分は、一般的に、カロテノイド、食物繊維、脂肪酸、サポニン、抗酸化剤、機能性食品、フラボノイド、イソチオシアナート、フェノール、植物ステロール及びスタノール(フィトステロール及びフィトスタノール)、ポリオール、プレバイオティクス、プロバイオティクス、フィトエストロゲン、ダイズタンパク質、硫化物/チオール、アミノ酸、タンパク質、ビタミン、及びミネラルなどのカテゴリに分類される。機能性成分はまた、心血管性、コレステロール低下、及び抗炎症性などの健康上の利点に基づいて分類されてもよい。
【0093】
さらに、本発明により得られるRebMなどの標的ステビオールグリコシド(複数可)、及び甘味料組成物を、高強度甘味料として利用し、味特性の向上を伴う、ゼロカロリー、低カロリーまたは糖尿病飲料及び食品を製造してもよい。それはまた、砂糖を使用することができない飲料、食品、医薬品、及びその他の製品にも使用することができる。さらに、RebM及び甘味料組成物は、特性が改善されたヒトの消費専用の飲料、食品、及びその他の製品だけでなく、動物の食餌及び飼料にも甘味料として使用することができる。
【0094】
標的ステビオールグリコシド(複数可)及び甘味料組成物が使用され得る製品の例としては、ウォッカ、ワイン、ビール、蒸留酒、及び日本酒などのアルコール飲料、天然ジュース、炭酸ソフトドリンク、ダイエット飲料、ゼロカロリー飲料、低カロリー飲料及び食品、ヨーグルト飲料、インスタントジュース、インスタントコーヒー、粉末タイプのインスタント飲料、缶詰製品、シロップ、発酵味噌、醤油、酢、ドレッシング、マヨネーズ、ケチャップ、カレー、スープ、インスタントブイヨン、粉末醤油、粉末酢、ビスケットの種類、煎餅、クラッカー、パン、チョコレート、キャラメル、キャンディー、チューインガム、ゼリー、プリン、保存果物及び野菜、生クリーム、ジャム、マーマレード、フラワーペースト、粉ミルク、アイスクリーム、シャーベット、瓶詰め野菜及び果物、缶詰の煮豆、肉及び食物の甘煮ソース煮込み、農業野菜食品、シーフード、ハム、ソーセージ、魚肉ハム、魚肉ソーセージ、練り魚肉、魚フライ製品、乾燥シーフード製品、冷凍食品、保存海藻、保存肉、タバコ、医薬品、ならびにその他多数が挙げられるが、これらに限定されない。
【0095】
食品、飲料、医薬品、化粧品、卓上製品、及びチューインガムなどの製品の製造中に、混合、混練、溶解、酢漬け、浸透、抽出、振りかけ、噴霧、浸出、及びその他の方法などの従来の方法が使用されてもよい。
【0096】
ここで、以下の実施例を参照して本発明の態様及び実施形態を示す。
【実施例】
【0097】
ここで、以下の実施例を参照して本発明の態様及び実施形態を示す。
【0098】
実施例1:MbUGT1-3_1(配列番号5)の変異体のスクリーニング
UGT MbUGT1-3_1(配列番号5)をコードするポリヌクレオチド及び95の選択された変異体を含むプラスミドを、E.coli細胞(ΔushA、ΔgalETKM、Δpgi、過剰発現pgm、galU)に形質転換した。得られた菌株を豊富な種培地に播き、96ウェルプレートにおいて250rpm、37℃で一晩インキュベートして種培養物を生成した。
【0099】
40μLの種を、0.5mMのステビオシド及び0.5mMのレバウジオシドDを含む360μLの新しい生産培地に添加することによって種培養物を生産培養物に播いた。次に、生産培養物を96ウェルプレートにおいて250rpm、37℃で48時間増殖させた。生成物を、LC-MS QQQを使用して定量した。
【0100】
スクリーニングされた95の変異体は、以下のものを含む(これらの変異体のアミノ酸位置は、MbUGT1-3_1(配列番号5)に関するものである):
i)置換:
F11L、K13R、T16E、V18L、E19A、G48T、S62A、D73P、L89W、V93L、Y94E、W99F、E100C、N106R、E115K、Y119T、Q122E、K130W、V133A、V133S、M136K、S153L、G164R、R165N、R166G、I169L、F200L、F204H、F204P、K206A、K208D、K208N、F219D、F219S、L221P、R229A、I230F、L233I、G241A、R243M、P245S、I246L、R257D、E260A、L261K、L262Q、L264S、D269E、E271P、S273A、R294P、L296I、S301N、F304S、H309F、V310A、T327S、A333V、F336L、V341I、Y348T、Q352A、Q352D、Q352E、A354S、A354T、K355Y、L358I、M361Q、I362V、S375T、E383F、V387L、I388E、I388S、R389Q、L400F、L404F、A406S、D413E、V418C、P426A、S428K、S428G、V441I、D445E、D455N、Q457G、Q457K/S458Q、またはQ457K。
ii)置換及び欠失:
Q457K及びS458欠失(ΔS458)。
iii)欠失:
ΔG159、ΔG159ΔG161、またはΔG159ΔS160ΔG161。
iv)挿入:
位置158と159の間のSの挿入または456と457の間のKの挿入。
【0101】
MbUGT1-3_1の95の変異体のすべてを、ステビオシド(基質)からRebA及びRebIならびにRebMを生成する能力に関してスクリーニングした。表5は、(C-13-グルコースにおける1-3グルコシル化により)RebA及びRebIならびに(C-19-グルコースにおける1-3グリコシル化により)RebMを生成するMbUGT1-3_1の選択された変異体の向上倍率を示す。表5において、列2は、一般に基質のC13-グルコースにおけるグリコシル化に対応し、列3は、一般に基質のC19-グルコースにおけるグリコシル化に対応する。示されるとおり、C-19グリコシル化が、C-13グリコシル化よりも向上している。表5の変異を有する構築された変異体は、本明細書ではMbUGT1-3_2(配列番号6)と呼ぶ。
【0102】
【0103】
実施例2:1-3’グリコシル化酵素による生物変換
3つのUGT、SrUGT76G1-L200A(配列番号1)、MbUGT1-3_0(配列番号4)、MbUGT1-3_1(配列番号5)、及びMbUGT1-3_2(配列番号6)をコードするポリヌクレオチドを含むプラスミドを個別にE.coli細胞(ΔushA、ΔgalETKM、Δpgi、過剰発現pgm、galU)に形質転換した。得られた菌株を、1mMのステビオシドまたは1mMのRebDを含む培養培地に播いた。増殖後、ステビオールグリコシドを、培養培地から回収した。菌株を96ウェルプレートにおいて250rpm、37℃で一晩増殖させた。次に、その細胞を、新しい生産培養物に総体積の10%まで移した。ステビオシド(0.5mM)及びレバウジオシドD(0.5mM)のそれぞれが、生産培養物に含まれた。その生産培養物を、その後、96ウェルプレートにおいて250rpm、37℃で48時間増殖させた。生成物を、LC-MS QQQを使用して定量した。
【0104】
図4は、ステビオシドのRebAへの変換パーセント及びRebDのRebMへの変換パーセントを示す。両反応の変換パーセントは、それぞれ配列番号5及び配列番号6のアミノ酸配列を有するMbUGT1-3_1及びMbUGT1-3_2で最も高かった。
図5は、SrUGT76G1-L200Aと比較したMbUGT1-3_1及びMbUGT1-3_2の向上倍率を示す。
【0105】
実施例3:MbUGT1-3_2(配列番号6)の変異体のスクリーニング
UGT MbUGT1-3_2(配列番号6)をコードするポリヌクレオチド及び96の選択されたMbUGT1-3_2の変異体を含むプラスミドを、E.coli細胞(ΔushA、ΔgalETKM、Δpgi、ΔaraA、過剰発現pgm、galU、UGT1-2酵素)に形質転換した。得られた菌株を豊富な種培地に播き、96ウェルプレートにおいて250rpm、37℃で一晩インキュベートして種培養物を生成した。
【0106】
次に、40μLの種を、1g/Lのステビオシド/RebA葉抽出物を含む360μLの新しい生産培地に添加することによって種培養物を生産培養物に播いた。その生産培養物を、その後、96ウェルプレートにおいて250rpm、37℃で48時間増殖させた。UPLC-DADを使用して生成物を定量した。
【0107】
スクリーニングされた変異体は、以下のものを含む(アミノ酸位置は、MbUGT1-3_1(配列番号5)に関するものである):
i)置換:
T16G、V18L、E19A、D23E、R31K、C64S、I70V、L76N、P79M、W99F、D114E、R125L、V133A、S150D、T202M、F204E、Y212F、Y212H、R218L、D227S、E228S、I230F、I230Y、L233I、G237S/P238A、P238S、L239E、L239G、A240S、A240V、M242A、M242I、I246Y、I247F、A252I、D253E、L261K、L264E、A265D、E271P、S273A、C274G、C274L、Y282W、N292K、S302G、L303M、F306W、L312M、Q314L、L318W、P323L、E331A、K340R、S346V、Y348F/S349D/N350T/W351L/Q352E/I353N、Y348G/S349E/N350F/W351G/Q352E/I353K、Y348T/S349N/N350E/W351P/Q352E/I353E、W351F/Q352E/A354G、W351P、Q352D/A354G、Q352E、A354S、I362L、A367N、E383S、E385A、H403Y、L404F、F419K、S428K、L431I、D445E、D445I、A450L、またはQ457G。
ii)置換及び欠失:
D227T及びΔ228から234
iii)欠失:
ΔG158からG161、ΔG159からG161、ΔS160からΔG161、ΔG161、Δ228、Δ228から229、Δ228から230、Δ228~231、Δ228から232、Δ228から233、Δ228から234、Δ228から235、Δ228から236、Δ228から237、ΔY320からP323、ΔD325からK326、またはΔK326。
iv)挿入:
F25とL26の間にLEAを挿入。
iv)置換:
Y348~I353をINPQGと交換
【0108】
表6は、RebMを産生する選択されたMbUGT1-3_2(配列番号6)の変異体の能力を示す。表6の列2は、反応生成物中のRebMのパーセンテージの向上倍率を示す。
【0109】
【0110】
アミノ酸E225からT232の欠失は、RebMの生成に驚異的な11倍の向上をもたらした。ホモロジーモデリングに基づいて、アミノ酸E225からT232は、結合した基質の近くにループを形成するようである。アミノ酸E225~T232の欠失は、UGT酵素の基質特異性をRebDからRebMへの反応に有利なようにシフトさせる可能性がある。MbUGT1-3_2(配列番号6)に対してE225~T232ループの欠失ならびにS72Q、A305C、Y345F及びL428I変異を有する配列は、MbUGT1-3_3(配列番号9)と呼ぶ。
【0111】
E225からT232の領域中のいくつかの欠失を試験し、これらもRebM生成の増加を示した。表7は、(配列番号6に従って番号づけされた)E225~T232の領域の有益なさまざまな欠失を示す。
【0112】
【0113】
配列
配列番号1
UGT76G1[Stevia rebaudiana]
(配列番号1)
MENKTETTVRRRRRIILFPVPFQGHINPILQLANVLYSKGFSITIFHTNFNKPKTSNYPHFTFRFILDNDPQDERISNLPTHGPLAGMRIPIINEHGADELRRELELLMLASEEDEEVSCLITDALWYFAQSVADSLNLRRLVLMTSSLFNFHAHVSLPQFDELGYLDPDDKTRLEEQASGFPMLKVKDIKSAYSNWQILKEILGKMIKQTKASSGVIWNSFKELEESELETVIREIPAPSFLIPLPKHLTASSSSLLDHDRTVFQWLDQQPPSSVLYVSFGSTSEVDEKDFLEIARGLVDSKQSFLWVVRPGFVKGSTWVEPLPDGFLGERGRIVKWVPQQEVLAHGAIGAFWTHSGWNSTLESVCEGVPMIFSDFGLDQPLNARYMSDVLKVGVYLENGWERGEIANAIRRVMVDEEGEYIRQNARVLKQKADVSLMKGGSSYESLESLVSYISSL
【0114】
配列番号2
MbUGT1-3
参考文献:US2017/0332673
MANWQILKEILGKMIKQTKASSGVIWNSFKELEESELETVIREIPAPSFLIPLPKHLTASSSSLLDHDRTVFQWLDQQPPSSVLYVSFGSTSEVDEKDFLEIARGLVDSKQSFLWVVRPGFVKGSTWVEPLPDGFLGERGRIVKWVPQQEVLAHGAIGAFWTHSGWNSTLESVCEGVPMIFSDFGLDQPLNARYMSDVLKVGVYLENGWERGEIANAIRRVMVDEEGEYIRQNARVLKQKADVSLMKGGSSYESLESLVSYISSLENKTETTVRRRRRIILFPVPFQGHINPILQLANVLYSKGFSITIFHTNFNKPKTSNYPHFTFRFILDNDPQDERISNLPTHGPLAGMRIPIINEHGADELRRELELLMLASEEDEEVSCLITDALWYFAQSVADSLNLRRLVLMTSSLFNFHAHVSLPQFDELGYLDPDDKTRLEEQASGFPMLKVKDIKSAYS
【0115】
配列番号3
UGT76G1_L200A
参考文献:US2017/0332673
MAENKTETTVRRRRRIILFPVPFQGHINPILQLANVLYSKGFSITIFHTNFNKPKTSNYPHFTFRFILDNDPQDERISNLPTHGPLAGMRIPIINEHGADELRRELELLMLASEEDEEVSCLITDALWYFAQSVADSLNLRRLVLMTSSLFNFHAHVSLPQFDELGYLDPDDKTRLEEQASGFPMLKVKDIKSAYSNWQIAKEILGKMIKQTKASSGVIWNSFKELEESELETVIREIPAPSFLIPLPKHLTASSSSLLDHDRTVFQWLDQQPPSSVLYVSFGSTSEVDEKDFLEIARGLVDSKQSFLWVVRPGFVKGSTWVEPLPDGFLGERGRIVKWVPQQEVLAHGAIGAFWTHSGWNSTLESVCEGVPMIFSDFGLDQPLNARYMSDVLKVGVYLENGWERGEIANAIRRVMVDEEGEYIRQNARVLKQKADVSLMKGGSSYESLESLVSYISSL
【0116】
配列番号4
MbUGT1-3_0
MAKQSFLWVVRPGFVKGSTWVEPLPDGFLGERGRIVKWVPQQEVLAHGAIGAFWTHSGWNSTLESVCEGVPMIFSDFGLDQPLNARYMSDVLKVGVYLENGWERGEIANAIRRVMVDEEGEYIRQNARVLKQKADVSLMKGGSSYESLESLVSYISSLENKTETTVRRRRRIILFPVPFQGHINPILQLANVLYSKGFSITIFHTNFNKPKTSNYPHFTFRFILDNDPQDERISNLPTHGPLAGMRIPIINEHGADELRRELELLMLASEEDEEVSCLITDALWYFAQSVADSLNLRRLVLMTSSLFNFHAHVSLPQFDELGYLDPDDKTRLEEQASGFPMLKVKDIKSAYSNWQIAKEILGKMIKQTKASSGVIWNSFKELEESELETVIREIPAPSFLIPLPKHLTASSSSLLDHDRTVFQWLDQQPPSSVLYVSFGSTSEVDEKDFLEIARGLVDS
【0117】
配列番号5
MbUGT1-3_1
MAFLWVVRPGFVKGSTWVEPLPDGFLGERGRIVKWVPQQEVLAHGAIGAFWTHGGWNSTLESVCEGVPMIFSDFGLDQPLNARYMSDVLKVGVYLENGWERGEIANAIRRLMVDEEGEYIRQNARVLKQKADVSLMKGGSSYESLESLVSYISSLGSGGSGGSGRRRRIILFPVPFQGHINPMLQLANVLYSKGFSITIFHTNFNKPKTSNYPHFTFRFILDNDPQDERISNLPTHGPLAGMRIPIINEHGADELRRELELLMLASEEDEEVSCLITDALWYFAQSVADSLNLRRLVLMTSSLFNFHAHVSLPQFDELGYLDPDDKTRLEEQASGFPMLKVKDIKSAYSNWQIAKEILGKMIKQTKASSGVIWNSFKELEESELETVIREIPAPSFLIPLPKHLTASSSSLLDHDRTVFQWLDQQPPSSVLYVSFGSTSEVDEKDFLEIARGLVDSQS
【0118】
配列番号6
MbUGT1-3_2
MAFLWVVRPGFVKGSTWVEPLPDGFLGERGRIVKWVPQQEVLAHGAIGAFWTHGGWNSTLESVCEGVPMIFSDFGLDQPLNARYMSDVLKVGVYLENGWERGEIANAIRRLMVDEEGEYIRQNARVLKQKADVSLMKGGSSYESLESLVSYISSLGSGGSGRRRRIILFPVPFQGHINPMLQLANVLYSKGFSITIFHTNFNKPKTSNYPHFTFRFILDNDPQDERISNLPTHGPLAGMRIPIINEHGADELRRELELQMLASEEDEEVSCLITDALWYFAQSVADSLNLPRLVLMTSSLFNFHAHVSLPQFDELGYLDPDDKTRLEEQASGFPMLKVKDIKSAYSNWQIAKEILGKMIKQTKASSGVIWNSFKELEESELETVIREIPAPSFLIPLPKHLTASSSSLLEHDRTVFQWLDQQPPSSVLYVSFGSTSEVDEKDFLEIARGLVDSQS
【0119】
配列番号7
リンカー
GSGGSG
【0120】
配列番号8
リンカー
GSGGSGGSG
【0121】
配列番号9
MbUGT1-3_3
MAFLWVVRPGFVKGSTWVEPLPDGFLGERGRIVKWVPQQEVLAHGAIGAFWTHGGWNSTLESVCEGVPMIFQDFGLDQPLNARYMSDVLKVGVYLENGWERGEIANAIRRLMVDEEGEYIRQNARVLKQKADVSLMKGGSSYESLESLVSYISSLGSGGSGRRRRIILFPVPFQGHINPMLQLANVLYSKGFSITIFHTNFNKPKTSNYPHFTFRFILDNDPQDHGPLAGMRIPIINEHGADELRRELELQMLASEEDEEVSCLITDALWYFAQSVADSLNLPRLVLMTSSLFNFHCHVSLPQFDELGYLDPDDKTRLEEQASGFPMLKVKDIKSAFSNWQIAKEILGKMIKQTKASSGVIWNSFKELEESELETVIREIPAPSFLIPLPKHLTASSSSLLEHDRTVFQWLDQQPPSSVIYVSFGSTSEVDEKDFLEIARGLVDSQS
【配列表】
【手続補正書】
【提出日】2022-05-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配列番号5または配列番号6のアミノ酸配列と少なくとも
85%一致するアミノ酸配列を含む、ウリジン二リン酸依存性グリコシルトランスフェラーゼ(UGT)酵素
であって、
前記酵素は、配列番号5の位置155と対応する位置の後に、大部分がグリシン及びセリン残基である6個から12個のアミノ酸の柔軟で親水性の配列の挿入を配列番号1に対して有し、
前記酵素は、
配列番号5の位置54と対応する位置のグリシン(G)、
配列番号5の位置111と対応する位置のロイシン(L)、及び
配列番号5の位置183と対応する位置のメチオニン(M)
の1つ以上を保持する、
前記酵素。
【請求項2】
前記アミノ酸配列は、配列番号5または配列番号6と少なくとも約95%一致する、請求項1に記載の酵素。
【請求項3】
前記酵素は、配列番号5の位置54と対応する前記位置にGly、配列番号5の位置111と対応する前記位置にLeu、及び配列番号5の位置183と対応する前記位置にMetを有する、請求項
1に記載の酵素。
【請求項4】
前記挿入は
、GSGGSG(配列番号7)またはGSGGSGGSG(配列番号8)である、請求項1に記載の酵素。
【請求項5】
前記酵素は、配列番号6のアミノ酸配列に対してアミノ酸E225からT232と対応する
少なくとも3つのアミノ酸の欠失を含む、請求項
1に記載の酵素。
【請求項6】
前記酵素は、配列番号6のアミノ酸E225からT232と対応するアミノ酸の欠失を含む、請求項
5に記載の酵素。
【請求項7】
前記酵素は、配列番号6の位置72、位置305、位置345、及び位置428と対応する1つ以上の位置にアミノ酸置換を含む、請求項
1に記載の酵素。
【請求項8】
前記酵素は、配列番号6の位置72と対応する前記位置にグルタミン(Q)、配列番号6の位置305と対応する前記位置にシステイン(C)、配列番号6の位置345と対応する前記位置にフェニルアラニン(F)、及び配列番号6の位置428と対応する前記位置にイソロイシン(I)から選択される1つ以上のアミノ酸置換を含む、請求項
7に記載の酵素。
【請求項9】
配列番号5または配列番号6のアミノ酸配列と少なくとも
85%一致するアミノ酸配列を含む、ウリジン二リン酸依存性グリコシルトランスフェラーゼ(UGT)酵素であって、
配列番号5の位置54と対応する位置にグリシン(G)、
配列番号5の位置111と対応する位置にロイシン(L)、及び
配列番号5の位置183と対応する位置にメチオニン(M)
を含む、前記酵素。
【請求項10】
配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも
85%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、
配列番号1のE74からT81と対応す
るアミノ酸の欠失
を含む、ウリジン二リン酸依存性グリコシルトランスフェラーゼ(UGT)酵素。
【請求項11】
SrUGT76G1の円順列変異体であり
、配列番号1の対応する位置に対してアミノ酸置換、欠失、及び挿入から独立して選択される1から20
個のアミノ酸改変を有し、ただし、前記円順列変異体は、配列番号1のアミノ酸E74からT81と対応するアミノ酸の欠失
を含む、ウリジン二リン酸依存性グリコシルトランスフェラーゼ(UGT)酵素。
【請求項12】
配列番号6のアミノ酸配列に対してアミノ酸E74からT81と対応する少なくとも5アミノ酸の欠失を含む、請求項5に記載の酵素。
【請求項13】
前記酵素は、配列番号6の位置72と対応する位置にグルタミン(Q)又はアスパラギン(N)の置換を含む、請求項7に記載の酵素。
【請求項14】
前記酵素は、配列番号6の位置305と対応する位置にシステイン(C)、セリン(S)、又はスレオニン(T)から選択される中性親水性アミノ酸を含む、請求項7に記載の酵素。
【請求項15】
前記酵素は、配列番号6の位置345と対応する位置にフェニルアラニン(F)又はトリプトファン(W)の置換を含む、請求項7に記載の酵素。
【請求項16】
前記酵素は、配列番号6の位置428と対応する位置にイソロイシン(I)、バリン(V)又はアラニン(A)の置換を含む、請求項7に記載の酵素。
【請求項17】
前記酵素は、配列番号6に対して次の置換:S72Q、A305C、Y345F、及びL428Iの2つ、3つまたは4つを含む、請求項7に記載の酵素。
【請求項18】
配列番号5または配列番号6のアミノ酸配列と少なくとも85%一致するアミノ酸配列を含む、ウリジン二リン酸依存性グリコシルトランスフェラーゼ(UGT)酵素であって、配列番号6のアミノ酸E225からT232に対応する少なくとも3つのアミノ酸の欠失を含む、前記酵素。
【請求項19】
配列番号6のアミノ酸E225からT232に対応する少なくとも5つのアミノ酸の欠失を含む、請求項18に記載のUGT酵素。
【請求項20】
配列番号6のアミノ酸E225からT232に対応するアミノ酸の欠失を含む、請求項18に記載のUGT酵素。
【請求項21】
前記酵素は、配列番号5又は配列番号6と少なくとも90%一致する、請求項18に記載のUGT酵素。
【請求項22】
前記酵素は、配列番号5又は配列番号6と少なくとも95%一致する、請求項18に記載のUGT酵素。
【請求項23】
請求項1
、9、10、11又は18に記載の酵素をコードする、ポリヌクレオチド。
【請求項24】
請求項23に記載のポリヌクレオチドを含む、
単離された組み換え微生物。
【請求項25】
単糖基を基質に転移するための方法であって、NDP糖及び基質を、請求項
24に記載の
単離された組み換え微生物と接触させることを含む、方法。
【請求項26】
グリコシル基を基質に転移するための方法であって、基質の存在下において請求項
24に記載の
単離された組み換え微生物を増殖させることを含む、方法。
【国際調査報告】