(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-01
(54)【発明の名称】無線ベアラ確立方法及び装置
(51)【国際特許分類】
H04W 76/14 20180101AFI20220624BHJP
H04W 28/24 20090101ALI20220624BHJP
H04W 72/10 20090101ALI20220624BHJP
H04W 92/18 20090101ALI20220624BHJP
【FI】
H04W76/14
H04W28/24
H04W72/10
H04W92/18
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021558530
(86)(22)【出願日】2020-01-14
(85)【翻訳文提出日】2021-09-27
(86)【国際出願番号】 CN2020071901
(87)【国際公開番号】W WO2020192250
(87)【国際公開日】2020-10-01
(31)【優先権主張番号】201910244638.2
(32)【優先日】2019-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】520122781
【氏名又は名称】スプレッドトラム コミュニケーションズ(シャンハイ) カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】リウ シン
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA21
5K067DD34
5K067DD43
5K067EE02
5K067EE10
5K067EE16
5K067EE25
(57)【要約】
本開示は無線ベアラ確立方法及び装置に関し、当該方法は、第2のユーザ機器から第2のユーザ機器の無線ベアラ設定情報を受信することと、第2のユーザ機器の無線ベアラ設定情報を応用することと、第2のユーザ機器の無線ベアラ設定情報に基づいて、第2のユーザ機器にデータを送信するために必要な第1の無線ベアラを確立することと、第1の無線ベアラにより、第2のユーザ機器に第1のデータを送信することと、を含み、第1のデータは、第1のユーザ機器から第2のユーザ機器に送信されるデータパケットと、第1のユーザ機器が第2のユーザ機器から送信されたデータパケットに応答して生成したステータスレポートの少なくとも1つを含む。本開示の実施例に係る無線ベアラ確立方法及び装置は、データ受信の混同やエラーの発生を回避することができ、ユーザ機器間の無線ベアラによるデータ伝送の正確性を確保することができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のユーザ機器を応用する無線ベアラ確立方法であって、
第2のユーザ機器から前記第2のユーザ機器の無線ベアラ設定情報を受信することと、
前記第2のユーザ機器の無線ベアラ設定情報を応用することと、
前記第2のユーザ機器の無線ベアラ設定情報に基づいて、前記第2のユーザ機器にデータを送信するために必要な第1の無線ベアラを確立することと、
前記第1の無線ベアラにより前記第2のユーザ機器に第1のデータを送信することと、を含み、
前記第1のデータは、前記第1のユーザ機器から前記第2のユーザ機器に送信されるデータパケットと、前記第1のユーザ機器が前記第2のユーザ機器から送信されたデータパケットに応答して生成したステータスレポートの少なくとも1つを含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記第2のユーザ機器の無線ベアラ設定情報は、前記第2のユーザ機器のデータパケットとQoSフローとの間のマッピングおよび関連付けのルール、前記第2のユーザ機器のQoSフローと無線ベアラとの間のマッピングおよび関連付けのルール、前記第2のユーザ機器の無線ベアラの伝送パラメータの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2のユーザ機器の無線ベアラ設定情報を応用することは、
前記第2のユーザ機器のデータパケットとQoSフローとの間のマッピングおよび関連付けのルールに基づいて、前記第1のユーザ機器のデータパケットとQoSフローとの間のマッピング及び関連付けのルールを確立することと、
前記第2のユーザ機器のQoSフローと無線ベアラとの間のマッピングおよび関連付けのルール に基づいて、前記第1のユーザ機器のQoSフローと無線ベアラとの間のマッピング及び関連付けのルールを確立することと、
前記第2のユーザ機器の無線ベアラの伝送パラメータに基づいて、前記第2のユーザ機器がデータを送信するために用いられる無線ベアラの伝送パラメータを決定することと、の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
基地局及び/又はコアネットワークに前記第2のユーザ機器の無線ベアラ設定情報を転送することと、
前記基地局及び/又は前記コアネットワークから、前記第2のユーザ機器の無線ベアラ設定情報に対する確認情報を受信することと、をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
第2のユーザ機器から、現在確立された第2の無線ベアラの論理チャネル識別子を受信することと、
前記基地局に前記第1のユーザ機器に対して前記第2の無線ベアラと論理チャネル識別子が異なる第3の無線ベアラを確立させるように、前記第2の無線ベアラの論理チャネル識別子を基地局及び/又はコアネットワークに送信することと、
前記第3の無線ベアラにより前記第2のユーザ機器に第2のデータを送信することと、をさらに含み、
前記第2のデータは前記第1のユーザ機器から前記第2のユーザ機器に送信されるデータパケットを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第2の無線ベアラは、確認モード無線ベアラを含むことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第2の無線ベアラにより前記第2のユーザ機器に第3のデータを送信することをさらに含み、
前記第3のデータは、前記第1のユーザ機器が前記第2のユーザ機器から前記第2の無線ベアラにより送信されたデータパケットに応答して生成したステータスレポートを含むことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項8】
論理チャネル優先順位決定において、前記第3の無線ベアラと前記第2の無線ベアラとに対応する優先度が同じである場合、前記第2の無線ベアラにリソースを優先的に割り当てることをさらに含むことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
第2のユーザ機器から第4の無線ベアラにより送信された第4のデータを受信することと、
前記第4のデータを区分し、区分結果を取得すること、
前記区分結果に基づいて、前記第4のデータを処理することと、をさらに含み、
前記第4のデータは、前記第2のユーザ機器から前記第1のユーザ機器に送信されるデータパケットと、前記第2のユーザ機器が前記第1のユーザ機器から前記第4の無線ベアラにより送信されたデータパケットに応答して生成したステータスレポートの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記第4のデータを区分し、区分結果を取得することは、
前記第1のユーザ機器のMACレイヤは前記第4のデータのRLCヘッダに基づいて、前記第4のデータを区分し、区分結果を取得することと、
前記第1のユーザ機器のMACレイヤは前記第4のデータのMACサブヘッダに含まれる指示情報に基づいて、前記第4のデータを区分し、区分結果を取得することと、
前記第1のユーザ機器のRLCレイヤにおける第1のRLCサブレイヤは前記第4のデータのRLCヘッダに基づいて、前記第4のデータを区分し、区分結果を取得することとの何れか1つを含むことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
論理チャネル優先順位決定において、前記第4の無線ベアラにより前記第2のユーザ機器にデータパケット、及び前記第2のユーザ機器から送信されたデータパケットに応答して生成したステータスレポートが送信され、かつ第2のユーザ機器に送信される、データパケットと第2のユーザ機器から送信されたデータパケットに応答して生成したステータスレポートとの優先度が同じである場合、前記第4の無線ベアラにより前記第2のユーザ機器に送信されるものであって、前記第2のユーザ機器から送信されたデータパケットに応答して生成したステータスレポートにリソースを優先的に割り当てることをさらに含むことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項12】
第1のユーザ機器を応用する無線ベアラ確立装置であって、
第2のユーザ機器から前記第2のユーザ機器の無線ベアラ設定情報を受信する情報受信モジュールと、
前記第2のユーザ機器の無線ベアラ設定情報を応用する設定応用モジュールと、
前記第2のユーザ機器の無線ベアラ設定情報に基づいて、前記第2のユーザ機器にデータを送信するために必要な第1の無線ベアラを確立する第1の確立モジュールと、
前記第1の無線ベアラにより前記第2のユーザ機器に第1のデータを送信する第1の送信モジュールと、を含み、
前記第1のデータは、前記第1のユーザ機器から前記第2のユーザ機器に送信されるデータパケットと、前記第1のユーザ機器が前記第2のユーザ機器から送信されたデータパケットに応答して生成したステータスレポートの少なくとも1つを含むことを特徴とする装置。
【請求項13】
前記第2のユーザ機器の無線ベアラ設定情報は、前記第2のユーザ機器のデータパケットとQoSフローとの間のマッピングおよび関連付けのルール、前記第2のユーザ機器のQoSフローと無線ベアラとの間のマッピングおよび関連付けのルール、前記第2のユーザ機器の無線ベアラの伝送パラメータの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記設定応用モジュールは、
前記第2のユーザ機器のデータパケットとQoSフローとの間のマッピングおよび関連付けのルールに基づいて、前記第1のユーザ機器のデータパケットとQoSフローとの間のマッピング及び関連付けのルールを確立する第1の設定サブモジュールと、
前記第2のユーザ機器のQoSフローと無線ベアラとの間のマッピングおよび関連付けのルールに基づいて、前記第1のユーザ機器のQoSフローと無線ベアラとの間のマッピング及び関連付けのルールを確立する第2の設定サブモジュールと、
前記第2のユーザ機器の無線ベアラの伝送パラメータに基づいて、前記第2のユーザ機器がデータを送信するために用いられる無線ベアラの伝送パラメータを決定する第3の設定サブモジュールとの少なくとも1つのサブモジュールを含むことを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項15】
基地局及び/又はコアネットワークに前記第2のユーザ機器の無線ベアラ設定情報を転送する情報転送モジュールと、
前記基地局及び/又は前記コアネットワークから、前記第2のユーザ機器の無線ベアラ設定情報に対する確認情報を受信する確認受信モジュールと、をさらに含むことを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項16】
第2のユーザ機器から、現在確立された第2の無線ベアラの論理チャネル識別子を受信する識別子受信モジュールと、
前記基地局に前記第1のユーザ機器に対して前記第2の無線ベアラと論理チャネル識別子が異なる第3の無線ベアラを確立させるように、前記第2の無線ベアラの論理チャネル識別子を基地局及び/又はコアネットワークに送信する識別子転送モジュールと、
前記第3の無線ベアラにより前記第2のユーザ機器に第2のデータを送信する第2の送信モジュールと、をさらに含み、
前記第2のデータは前記第1のユーザ機器から前記第2のユーザ機器に送信されるデータパケットを含むことを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項17】
前記第2の無線ベアラは、確認モード無線ベアラを含むことを特徴とする請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記第2の無線ベアラにより前記第2のユーザ機器に第3のデータを送信する第3の送信モジュールをさらに含み、
前記第3のデータは、前記第1のユーザ機器が前記第2のユーザ機器から前記第2の無線ベアラにより送信されたデータパケットに応答して生成したステータスレポートを含むことを特徴とする請求項16に記載の装置。
【請求項19】
論理チャネル優先順位決定において、前記第3の無線ベアラと前記第2の無線ベアラとに対応する優先度が同じである場合、前記第2の無線ベアラにリソースを優先的に割り当てる第1の優先送信モジュールをさらに含むことを特徴とする請求項18に記載の装置。
【請求項20】
第2のユーザ機器から第4の無線ベアラにより送信された第4のデータを受信するデータ受信モジュールと、
前記第4のデータを区分し、区分結果を取得するデータ区分モジュールと、
前記区分結果に基づいて、前記第4のデータを処理するデータ処理モジュールと、をさらに含み、
前記第4のデータは、前記第2のユーザ機器から前記第1のユーザ機器に送信されるデータパケットと、前記第2のユーザ機器が前記第1のユーザ機器から前記第4の無線ベアラにより送信されたデータパケットに応答して生成したステータスレポートの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項21】
前記データ区分モジュールは
前記第1のユーザ機器のMACレイヤは前記第4のデータのRLCヘッダに基づいて、前記第4のデータを区分し、区分結果を取得する第1の区分サブモジュールと、
前記第1のユーザ機器のMACレイヤは前記第4のデータのMACサブヘッダに含まれる指示情報に基づいて、前記第4のデータを区分し、区分結果を取得する第2の区分サブモジュールと、
前記第1のユーザ機器のRLCレイヤにおける第1のRLCサブレイヤは前記第4のデータのRLCヘッダに基づいて、前記第4のデータを区分し、区分結果を取得する第3の区分サブモジュールとの何れか1つのサブモジュールを含むことを特徴とする請求項20に記載の装置。
【請求項22】
論理チャネル優先順位決定において、前記第4の無線ベアラにより前記第2のユーザ機器にデータパケット、及び前記第2のユーザ機器から送信されたデータパケットに応答して生成したステータスレポートが送信され、かつ第2のユーザ機器に送信される、データパケットと第2のユーザ機器から送信されたデータパケットに応答して生成したステータスレポートとの優先度が同じである場合、前記第4の無線ベアラにより前記第2のユーザ機器に送信されるものであって、前記第2のユーザ機器から送信されたデータパケットに応答して生成したステータスレポートにリソースを優先的に割り当てる第2の優先送信モジュールをさらに含むことを特徴とする請求項20に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は通信技術の分野に関し、特に無線ベアラ確立方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車と周囲との情報交換(Vehicle to X、以下「V2X」と略称し、vehicle to everythingとも呼ばれる)は、将来の高度道路交通システムの肝心な技術であり、主に第3世代パートナーシッププロジェクト(the 3rd Generation Partnership Project、3GPPと略称する)通信プロトコルに基づく車両データの伝送方法を研究する。V2X通信は、車車間通信(Vehicle to Vehicle、V2Vと略称する)、路車間通信(Vehicle to Infrastructure、V2Iと略称する)及び車歩行者間通信(Vehicle to Pedestrian、V2Pと略称する)を含む。V2Xの応用により運転の安全性を向上させ、渋滞や車両のエネルギー消費を低減させ、交通効率と車載エンターテインメント情報を向上させるなどことができる。
【0003】
V2X通信のうちのV2V通信は、従来ユーザー機器(user equipment、UEと略称する)と基地局機器との通信を行う通常の無線セルラーネットワークによる通信と異なる通信方法である。V2V通信では、ユーザー機器とユーザー機器とが直接に通信を行い、ユーザー機器とユーザー機器との間のリンクはサイドリンク(sidelink、SLと略称する)となる。
【0004】
第5世代移動通信(5Gと略称する)とは、第5世代携帯電話通信規格であり、第5世代移動通信技術とも呼ばれる。5Gは、新無線技術(NewRadio、NRと略称する)とも呼ばれ、V2Xの応用に対応することができる。関連技術では、5G NR通信を行う場合、無線ベアラ(radio bearer 、RB)とサービス品質フロー(Quality of Service flow、QoS flow、QoSフローとも呼ばれる)を確立することによって、ユーザ機器と基地局機器間のデータ伝送が実現されるが、ユーザ機器間のサイドリンクにおける無線ベアラの確立や正確でエラーのないデータ伝送について、適切に解決されていない。
【発明の概要】
【0005】
上記事情に鑑み、本開示は無線ベアラ確立方法及び装置を提案する。
【0006】
本開示の一側面では、
第1のユーザ機器を応用する無線ベアラ確立方法であって、
第2のユーザ機器から前記第2のユーザ機器の無線ベアラ設定情報を受信することと、
前記第2のユーザ機器の無線ベアラ設定情報を応用することと、
前記第2のユーザ機器の無線ベアラ設定情報に基づいて、前記第2のユーザ機器にデータを送信するために必要な第1の無線ベアラを確立することと、
前記第1の無線ベアラにより前記第2のユーザ機器に第1のデータを送信することと、を含み、
前記第1のデータは、前記第1のユーザ機器から前記第2のユーザ機器に送信されるデータパケットと、前記第1のユーザ機器が前記第2のユーザ機器から送信されたデータパケットに応答して生成したステータスレポートの少なくとも1つを含む方法を提供する。
【0007】
上記方法について、実施可能な一形態では、前記第2のユーザ機器の無線ベアラ設定情報は、前記第2のユーザ機器のデータパケットとQoSフローとの間のマッピングおよび関連付けのルール、前記第2のユーザ機器のQoSフローと無線ベアラとの間のマッピングおよび関連付けのルール、前記第2のユーザ機器の無線ベアラの伝送パラメータの少なくとも1つを含む。
【0008】
上記方法について、実施可能な一形態では、前記第2のユーザ機器の無線ベアラ設定情報を応用することは、
前記第2のユーザ機器のデータパケットとQoSフローとの間のマッピングおよび関連付けのルールに基づいて、前記第1のユーザ機器のデータパケットとQoSフローとの間のマッピングおよび関連付けのルールを確立することと、
前記第2のユーザ機器のQoSフローと無線ベアラとの間のマッピングおよび関連付けのルールに基づいて、前記第1のユーザ機器のQoSフローと無線ベアラとの間のマッピングおよび関連付けのルールを確立することと、
前記第2のユーザ機器の無線ベアラの伝送パラメータに基づいて、前記第2のユーザ機器がデータを送信するために用いられる無線ベアラの伝送パラメータを決定することと、の少なくとも1つを含む。
【0009】
上記方法について、実施可能な一形態では、前記方法はさらに、
基地局及び/又はコアネットワークに前記第2のユーザ機器の無線ベアラ設定情報を転送することと、
前記基地局及び/又は前記コアネットワークから、前記第2のユーザ機器の無線ベアラ設定情報に対する確認情報を受信することと、を含む。
【0010】
本開示の別の側面では、
第1のユーザ機器を応用する無線ベアラ確立方法であって、
第2のユーザ機器から、現在確立された第2の無線ベアラの論理チャネル識別子を受信することと、
前記基地局に前記第1のユーザ機器に対して前記第2の無線ベアラと論理チャネル識別子が異なる第3の無線ベアラを確立させるように、前記第2の無線ベアラの論理チャネル識別子を基地局及び/又はコアネットワークに送信することと、
前記第3の無線ベアラにより前記第2のユーザ機器に第2のデータを送信することと、を含み、
前記第2のデータは前記第1のユーザ機器から前記第2のユーザ機器に送信されるデータパケットを含む方法を提供する。
【0011】
上記方法について、実施可能な一形態では、前記第2の無線ベアラは確認モード無線ベアラを含む。
【0012】
上記方法について、実施可能な一形態では、前記方法はさらに、
前記第2の無線ベアラにより前記第2のユーザ機器に第3のデータを送信することを含み、
前記第3のデータは、前記第1のユーザ機器が前記第2のユーザ機器から前記第2の無線ベアラにより送信されたデータパケットに応答して生成したステータスレポートを含む。
【0013】
上記方法について、実施可能な一形態では、前記方法はさらに、
論理チャネル優先順位決定において、前記第3の無線ベアラと前記第2の無線ベアラとに対応する優先度が同じである場合、第2の無線ベアラにリソースを優先的に割り当てる。
【0014】
本開示の別の側面では、
第1のユーザ機器を応用する無線ベアラ確立方法であって、
第2のユーザ機器から第4の無線ベアラにより送信された第4のデータを受信することと、
前記第4のデータを区分し、区分結果を取得することと、
前記区分結果に基づいて、前記第4のデータを処理することと、を含み、
前記第4のデータは、前記第2のユーザ機器から前記第1のユーザ機器に送信されるデータパケットと、前記第2のユーザ機器が前記第1のユーザ機器から前記第4の無線ベアラにより送信されたデータパケットに応答して生成したステータスレポートの少なくとも1つを含む方法を提供する。
【0015】
上記方法について、実施可能な一形態では、前記第4のデータを区分し、区分結果を取得することは、
前記第1のユーザ機器のMACレイヤは前記第4のデータのRLCヘッダに基づいて、前記第4のデータを区分し、区分結果を取得することと、
前記第1のユーザ機器のMACレイヤは前記第4のデータのMACサブヘッダに含まれる指示情報に基づいて、前記第4のデータを区分し、区分結果を取得することと、
前記第1のユーザ機器のRLCレイヤにおける第1のRLCサブレイヤは前記第4のデータのRLCヘッダに基づいて、前記第4のデータを区分し、区分結果を取得することとのいずれか1つを含む。
【0016】
実施可能な一形態では、前記方法はさらに、
論理チャネル優先順位決定において、前記第4の無線ベアラにより前記第2のユーザ機器にデータパケット、及び前記第2のユーザ機器から送信されたデータパケットに応答して生成したステータスレポートが送信され、かつ第2のユーザ機器に送信される、データパケットと前記第2のユーザ機器から送信されたデータパケットに応答して生成したステータスレポートとの優先度が同じである場合、前記第4の無線ベアラにより前記第2のユーザ機器に送信されるものであって、前記第2のユーザ機器から送信されたデータパケットに応答して生成したステータスレポートにリソースを優先的に割り当てることを含む。
【0017】
本開示の別の側面では、
第1のユーザ機器を応用する無線ベアラ確立装置であって、
第2のユーザ機器から前記第2のユーザ機器の無線ベアラ設定情報を受信する情報受信モジュールと、
前記第2のユーザ機器の無線ベアラ設定情報を応用する設定応用モジュールと、
前記第2のユーザ機器の無線ベアラ設定情報に基づいて、前記第2のユーザ機器にデータを送信するために必要な第1の無線ベアラを確立する第1の確立モジュールと、
前記第1の無線ベアラにより、前記第2のユーザ機器に第1のデータを送信する第1の送信モジュールと、を含み、
前記第1のデータは、前記第1のユーザ機器から前記第2のユーザ機器に送信されるデータパケットと、前記第1のユーザ機器が前記第2のユーザ機器から送信されたデータパケットに応答して生成したステータスレポートの少なくとも1つを含む装置を提供する。
【0018】
上記装置について、実施可能な一形態では、前記第2のユーザ機器の無線ベアラ設定情報は、前記第2のユーザ機器のデータパケットとQoSフローとの間のマッピングおよび関連付けのルール、前記第2のユーザ機器のQoSフローと無線ベアラとの間のマッピングおよび関連付けのルール、前記第2のユーザ機器の無線ベアラの伝送パラメータの少なくとも1つを含む。
【0019】
上記装置について、実施可能な一形態では、前記設定応用モジュールは、
前記第2のユーザ機器のデータパケットとQoSフローとの間のマッピングおよび関連付けのルールに基づいて、前記第1のユーザ機器のデータパケットとQoSフローとの間のマッピングおよび関連付けのルールを確立する第1の設定サブモジュールと、
前記第2のユーザ機器のQoSフローと無線ベアラとの間のマッピングおよび関連付けのルールに基づいて、前記第1のユーザ機器のQoSフローと無線ベアラとの間のマッピングおよび関連付けのルールを確立する第2の設定サブモジュールと、
前記第2のユーザ機器の無線ベアラの伝送パラメータに基づいて、前記第2のユーザ機器がデータを送信するために用いられる無線ベアラの伝送パラメータを決定する第3の設定サブモジュールとの少なくとも1つのサブモジュールを含む。
【0020】
上記装置について、実施可能な一形態では、前記装置はさらに、
基地局及び/又はコアネットワークに前記第2のユーザ機器の無線ベアラ設定情報を転送する情報転送モジュールと、
前記基地局及び/又は前記コアネットワークから、前記第2のユーザ機器の無線ベアラ設定情報に対する確認情報を受信する確認受信モジュールとを含む。
【0021】
本開示の別の側面では、
第1のユーザ機器を応用する無線ベアラ確立装置であって、
第2のユーザ機器から、現在確立された第2の無線ベアラの論理チャネル識別子を受信する識別子受信モジュールと、
前記基地局に前記第1のユーザ機器に対して前記第2の無線ベアラと論理チャネル識別子が異なる第3の無線ベアラを確立させるように、前記第2の無線ベアラの論理チャネル識別子を基地局及び/又はコアネットワークに送信する識別子転送モジュールと、
前記第3の無線ベアラにより前記第2のユーザ機器に第2のデータを送信する第2の送信モジュールと、を含み、
前記第2のデータは前記第1のユーザ機器から前記第2のユーザ機器に送信されるデータパケットを含む装置を提供する。
【0022】
上記装置について、実施可能な一形態では、前記第2の無線ベアラは確認モード無線ベアラを含む。
【0023】
上記装置について、実施可能な一形態では、前記装置はさらに、
前記第2の無線ベアラにより前記第2のユーザ機器に第3のデータを送信する第3の送信モジュールを含み、
前記第3のデータは、前記第1のユーザ機器が前記第2のユーザ機器から前記第2の無線ベアラにより送信されたデータパケットに応答して生成したステータスレポートを含む。
【0024】
上記装置について、実施可能な一形態では、前記装置はさらに、
論理チャネル優先順位決定において、前記第3無線ベアラと前記第2の無線ベアラとに対応する優先度が同じである場合、前記第2の無線ベアラにリソースを優先的に割り当てる第1の優先送信モジュールを含む。
【0025】
本開示の別の側面では、
第1のユーザ機器を応用する無線ベアラ確立装置であって、
第2のユーザ機器から第4の無線ベアラにより送信された第4のデータを受信するデータ受信モジュールと、
前記第4のデータを区分し、区分結果を取得するデータ区分モジュールと、
前記区分結果に基づいて、前記第4のデータを処理するデータ処理モジュールと、を含み、
前記第4のデータは、前記第2のユーザ機器から前記第1のユーザ機器に送信されるデータパケットと、前記第2のユーザ機器が前記第1のユーザ機器から前記第4の無線ベアラにより送信されたデータパケットに応答して生成したステータスレポートの少なくとも1つを含む装置を提供する。
【0026】
上記装置について、実施可能な一形態では、前記データ区分モジュールは、
前記第1のユーザ機器のMACレイヤは前記第4のデータのRLCヘッダに基づいて、前記第4のデータを区分し、区分結果を取得する第1の区分サブモジュールと、
前記第1のユーザ機器のMACレイヤは前記第4のデータのMACサブヘッダに含まれる指示情報に基づいて、前記第4のデータを区分し、区分結果を取得する第2の区分サブモジュールと、
前記第1のユーザ機器のRLCレイヤにおける第1のRLCサブレイヤは前記第4のデータのRLCヘッダに基づいて、前記第4のデータを区分し、区分結果を取得する第3の区分サブモジュールとの何れか1つのサブモジュールを含む。
【0027】
上記装置について、実施可能な一形態では、前記装置はさらに、
論理チャネル優先順位決定において、前記第4の無線ベアラにより前記第2のユーザ機器にデータパケット、及び前記第2のユーザ機器から送信されたデータパケットに応答して生成したステータスレポートが送信され、かつ第2のユーザ機器に送信される、データパケットと第2のユーザ機器から送信されたデータパケットに応答して生成したステータスレポートとの優先度が同じである場合、前記第4の無線ベアラにより前記第2のユーザ機器に送信されるものであって、前記第2のユーザ機器から送信されたデータパケットに応答して生成したステータスレポートにリソースを優先的に割り当てる第2の優先送信モジュールを含む。
【0028】
本開示実施例に係る無線ベアラ確立方法及び装置において、当該方法は、第2のユーザ機器から第2のユーザ機器の無線ベアラ設定情報を受信することと、第2のユーザ機器の無線ベアラ設定情報を応用することと、第2のユーザ機器の無線ベアラ設定情報に基づいて、前記第2のユーザ機器にデータを送信するために必要な第1の無線ベアラを確立することと、第1の無線ベアラにより、第2のユーザ機器に第1のデータを送信することと、を含み、第1のデータは、第1のユーザ機器から第2のユーザ機器に送信されるデータパケットと、第1のユーザ機器が第2のユーザ機器から送信されたデータパケットに応答して生成したステータスレポートの少なくとも1つを含む。本開示実施例に係る無線ベアラ確立方法及び装置によければ、データ受信の混同やエラーの発生を回避することができ、ユーザ機器間の無線ベアラによるデータ伝送の正確性を確保することができる。
【0029】
本開示のその他の特徴及び側面は、以下に図面を参照しながら例示的な実施例を詳しく説明することにより明確になる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
明細書の一部分として組み込まれる図面は、明細書とともに本開示の例示的な実施例、特徴及び側面を示し、本開示の原理を説明するために用いられる。
【
図1】
図1は本開示の一実施例に係る無線ベアラ確立方法のフローチャートを示す。
【
図2】
図2は本開示の別の実施例に係る無線ベアラ確立方法のフローチャートを示す。
【
図3】
図3は本開示の一実施例に係る無線ベアラ確立方法のフローチャートを示す。
【
図4】
図4は本開示の一実施例に係る無線ベアラ確立方法におけるRLCレイヤの階層化模式図を示す。
【
図5】
図5は本開示の一実施例に係る無線ベアラ確立装置のブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下に図面を参照しながら本開示の様々な例示的実施例、特徴及び側面を詳細に説明する。図面において、同じ符号は同じまたは類似の機能の要素を表す。図面において実施例の様々な側面を示すが、特に断りがない限り、図面は比例して描かれたものではない。
【0032】
本明細書において使用される「例示的」という用語は、「例、実施例、または説明例としての役割を果たす」ことを意味する。本明細書において「例示的」として説明される任意の実施例は、必ずしも、他の実施例より好ましいまたは有利であると解釈されるわけではない。
【0033】
また、本開示をより良く説明するために、以下の実施形態において様々な詳細情報を示す。若干の詳細情報がなくても、本開示が同様に実施できることは、当業者には理解される。いくつかの実例では、本開示の趣旨を強調するために、当業者に知られている方法、手段、要素及び回路について、詳細な説明を省略する。
【0034】
5G NR通信システムにおいて、ユーザ機器と基地局機器との間のデータ伝送は、無線ベアラ及びQoSフローを確立することによって実現される。上位レイヤからのデータパケットは、QoS flow ID(QFIと略称)を持つ1つのQoSフローにマッピングして関連付けられ、そして1つの無線ベアラにマッピングして関連付けられる必要がある。様々な業務ニーズを満たすために、異なる無線ベアラは異なる伝送パラメータの設定を有してもよい。通常、異なる無線ベアラは異なる無線ベアラ識別子(無線ベアラ ID)により区別される。5G NR V2Xのユーザ機器とユーザ機器間のサイドリンクにおいて、ユニキャストシナリオの場合、ユーザ機器とユーザ機器との間のデータ伝送には、ユーザ機器と基地局機器との間のデータ伝送のQoSモデルを採用することができる。つまり、ユーザ機器とユーザ機器間のサイドリンクにおいて、データからQoSフローへ、QoSフローから無線ベアラへマッピングして関連付けられることにより無線ベアラを確立する。
【0035】
V2X通信において、相互に通信する2つのユーザ機器は、自身に対応するコアネットワーク及び基地局に基づいてQoSフロー及び無線ベアラの確立を行うため、サイドリンク上に確立されたQoSフロー及び無線ベアラが、マッピングルール及び伝送パラメータの設定において完全一致することを確保できない。
【0036】
NR通信では、NR無線プロトコルスタックは、ユーザープレーンとコントロールプレーンとに分けられる。ユーザープレーン(User Plane、UP)プロトコルスタックは、ユーザデータ伝送に使用されるプロトコルクラスタであり、コントロールプレーン(Control Plane、CP)プロトコルスタックは、システムの制御シグナリング伝送に使用されるプロトコルクラスタである。NRのユーザプレーンプロトコルは上位から順に、SDAPレイヤ(Service Data Adaptation Protocol、サービスデータ適応プロトコル層)、PDCPレイヤ(Packet Data Convergence Protocol、パケットデータコンバージェンスプロトコル層)、RLCレイヤ(Radio Link Control、無線リンク制御プロトコル層)、MACレイヤ(Media Access Control、メディアアクセス制御層)及びPHY(Physical、物理層)である。その中で、SDAPレイヤは、QoSフローから無線ベアラへのマッピング及び関連付けを実行し、アップリンクデータおよびダウンリンクデータにQFIをマーキングするために使用される。PDCPレイヤとRLCレイヤは、無線ベアラを粒度として構成され、個別のPDCPエンティティとRLCエンティティが異なる無線ベアラに対応してもよいし、1つ以上のPDCPエンティティとRLCエンティティが1つの無線ベアラに対応してもよい。MACレイヤは、複数の無線ベアラによって共有され、複数の無線ベアラによって送信されるデータを1つのデータパケットに多重して、送信のために物理層に渡すことに使用される。MACレイヤは、異なる無線ベアラのデータを多重する場合、データパケットのデータが異なる無線ベアラからのものであることを示すために、異なる無線ベアラのデータのMACサブヘッダ(sub header)に対応する無線ベアラの論理チャネルID(logical channel identity、LCID)を含ませる。受信装置は、データパケットを受信した後、LCIDに基づいてデータパケットを逆多重化し、異なる無線ベアラのデータのそれぞれを対応するRLCエンティティとPDCPエンティティに送信する。
【0037】
5G NR V2X通信において、RLCレイヤはTM(Transparent Mode、透過)モード、UM(Unacknowledged Mode、非確認)モード、AM(Acknowledged Mode、確認)モードの3つのモードでデータ送信を実行することができる。UMモードでは、送信装置は、受信装置との間に確立された無線ベアラを介して受信装置にデータパケットを送信し、受信装置は、送信装置に情報をフィードバックする必要がない。AMモードでは、送信装置は、受信装置との間に確立された無線ベアラを介して受信装置にデータパケットを送信し、受信装置は、データパケットを受信した後、データパケットが成功に受信されたかどうかを示すRLCステータスレポート(RLC status report)を送信装置に返信する必要がある。送信装置は、受信装置から受信したRLCステータスレポートに基づいて、再送信するデータパケットがあるかどうかを判断し、再送信すると決定した場合、再送信バッファ(retransmission buffer)から再送信するデータパケットを特定する。
【0038】
関連技術において、ユーザ機器間に無線ベアラを確立する際に、両者間に同じLCIDによる無線ベアラを確立した場合がある。即ち、第1のユーザ機器は、データパケット1を第2のユーザ機器に送信し(第1のユーザ機器の設定情報に対応する。ここで、データパケット1は、上位レイヤからのデータを指す。ここでの上位レイヤはRLCレイヤに対して言うものであり、RLCレイヤより上位のプロトコル層によって生成されたデータを指し、例えば、アプリケーション層からのアプリケーションプログラム生成データ、またはRRCレイヤからのRRCシグナリングなどである。本開示の後述の説明では、データパケットは上位レイヤからのデータを指す。)、第2のユーザ機器からデータパケット1に応答して返信されたステータスレポート1を受信する(第1のユーザ機器の設定情報に対応する。RLCステータスレポートは上位レイヤのデータではなく、RLCレイヤによって生成された制御シグナリングである。)ために、LCID=1の無線ベアラを確立する。第2のユーザ機器も、第1のユーザ機器にデータパケット2を送信し(第2のユーザ機器の設定情報に対応する)、第1のユーザ機器からデータパケット2に応答して返信されたステータスレポート2を受信する(第2のユーザ機器の設定情報に対応する)ために、LCID=1の無線ベアラを確立する。第1のユーザ機器及び第2のユーザ機器のそれぞれにおいて、LCID=1の無線ベアラの2つの方向のデータ伝送(つまり受信)に対応する2つのRLCエンティティが設置されている。AMモードでは、第1のユーザ機器は、第2のユーザ機器からLCID=1の無線ベアラを介して送信されたデータパケット2、及び第2のユーザ機器からデータパケット1に応答して送信されたステータスレポート1を受信すると、データパケット2とステータスレポート1のそれぞれが対応するMACサブヘッダにおいてLCID=1でマーキングされているため、第1のユーザ機器のMACレイヤが当該データパケット2とステータスレポート1をどのRLCエンティティに送信するかを決定できず、データ受信の混同やエラーが生じる。
【0039】
上記課題を解決するために、2つの観点から処理を行うことができる。第1のユーザ機器を例とする場合、データパケット2とステータスレポート1を区分して対応するRLCエンティティに送信することと、RLCエンティティによってデータをアンパックできるように、データパッケージ2とステータスレポート1の設定を統一することと、第1のユーザ機器及び第2のユーザ機器が異なる無線ベアラによりデータパケット2とステータスレポート1を受信することと、を含む。以下は本開示に係るいくつかの実施形態の例である。当業者は以下の例や実際の需要に応じて実施形態の例を変更することができ、本開示では特に限定しない。
【0040】
形態一
【0041】
図1は本開示の一実施例に係る無線ベアラ確立方法のフローチャートを示す。
図1に示すように、この方法は第1のユーザ機器に応用され、ステップS11~ステップS14を含む。
【0042】
ステップS11において、第2のユーザ機器から第2のユーザ機器の無線ベアラ設定情報を受信する。
【0043】
ステップS12において、第2のユーザ機器の無線ベアラ設定情報を応用する。
【0044】
ステップS13において、第2のユーザ機器の無線ベアラ設定情報に基づいて、第2のユーザ機器にデータを送信するために必要な第1の無線ベアラを確立(または更新)する。
【0045】
ステップS14において、第1の無線ベアラにより、第2のユーザ機器に第1のデータを送信する。
【0046】
第1のデータは、第1のユーザ機器から第2のユーザ機器に送信されるデータパケットと、第1のユーザ機器が第2のユーザ機器から送信されたデータパケットに応答して生成したステータスレポートの少なくとも1つを含んでもよい。
【0047】
この実施例では、ユーザ機器は様々な形式の端末機器であってもよく、アクセス端末、ユーザユニット、ユーザステーション、移動局、モバイルステーション(mobile station、MSと略称する)、リモートステーション、リモート端末、モバイルデバイス、ユーザ端末、端末機器(terminal equipment)、無線通信機器、ユーザーエージェントまたはユーザーデバイスを含む。端末機器は、さらに、ハニカム携帯電話、コードレス電話、セッション開始プロトコル(Session Initiation Protocol、SIPと略称する)電話、ワイヤレスローカルループ(Wireless Local Loop、WLLと略称する)ステーション、パーソナルデジタルアシスタント(Personal Digital Assistant、PDAと略称する)、ワイヤレス通信機能を備えたハンドヘルドデバイス、コンピューティング機器またはワイヤレスモデムに接続されたその他の処理デバイス、車載デバイス、ウェアラブルデバイス、将来の5Gネットワークにおける端末機器または将来に進化する公衆陸上移動体通信ネットワーク(Public Land Mobile Network、PLMNと略称する)における端末機器などであってもよく、本開示では特に限定しない。
【0048】
この実施例では、無線ベアラ設定情報を応用することは、無線ベアラ設定情報に基づいて、無線ベアラのマッピングルールを確立することを含んでもよい。
【0049】
実施可能な一形態では、第2のユーザ機器の無線ベアラ設定情報は、第2のユーザ機器のデータパケットとQoSフローの間のマッピング及び関連付けのルール、第2のユーザ機器のQoSフローと無線ベアラの間のマッピング及び関連付けのルール、第2のユーザ機器の無線ベアラの伝送パラメータの少なくとも1つを含んでもよい。
【0050】
実施可能な一形態では、第2のユーザ機器の無線ベアラ設定情報を応用することは、
第2のユーザ機器のデータパケットとQoSフローの間のマッピング及び関連付けのルールに基づいて、第1のユーザ機器のデータパケットとQoSフローの間のマッピング及び関連付けのルールを確立することと、
第2のユーザ機器のQoSフローと無線ベアラの間のマッピング及び関連付けのルールに基づいて、第1のユーザ機器のQoSフローと無線ベアラの間のマッピング及び関連付けのルールを確立することと、
第2のユーザ機器の無線ベアラの伝送パラメータに基づいて、第2のユーザ機器がデータを送信するために用いられる無線ベアラの伝送パラメータを決定することと、の少なくとも1つを含んでもよい。
【0051】
上記実施形態によければ、第1のユーザ機器と第2のユーザ機器のデータパケットからQoSフローへのマッピング及び関連付けのルール、QoSフローから無線ベアラへのマッピング及び関連付けのルール、及び無線ベアラ伝送パラメータの設定を統一し、データ伝送中に第1のユーザ機器と第2のユーザ機器が同様の設定であることを確保することにより、第1のユーザ機器から送信されるデータパケット、及び第1のユーザ機器が第2のユーザ機器から送信されたデータパケットに応答して生成したステータスレポートは、同様の設定を有し、いずれもRLCエンティティによりアンパックされることができ、また、第2のユーザ機器において受信された後に識別される必要がなくなる。これによって、データ受信の混同やエラーの発生が回避され、ユーザ機器間の無線ベアラによるデータ伝送の正確性が確保され、両者のデータ伝送プロセスが無線ベアラの同一であるかによって影響されない。
【0052】
実施可能な一形態では、当該方法は、ステップS12の前に、
基地局及び/又はコアネットワークに第2のユーザ機器の無線ベアラ設定情報を転送することと、
基地局及び/又はコアネットワークから、第2のユーザ機器の無線ベアラ設定情報に対する確認情報を受信することと、をさらに含む。
【0053】
この実施形態において、第1のユーザ機器が独自に無線ベアラのマッピングルール及び無線ベアラを確立できず、基地局又はコアネットワークに指示する必要がある場合、第1のユーザ機器は、無線ベアラ設定情報を受信した後、基地局及び/又はコアネットワークに転送し、基地局又はコアネットワークからの確認を得てから、無線ベアラ設定情報を応用する。これに対し、第1のユーザ機器が独自に無線ベアラを確立できる場合、基地局又はコアネットワークへの確認ための転送の必要はない。
【0054】
本開示の実施例では、基地局(base station、BSと略称する)とは、基地局機器とも呼ばれ、無線アクセスネットワーク(RAN)に配置され、無線通信機能を提供する装置である。 例えば、2Gネットワークにおいて、基地局機能を提供する機器は無線基地局(base transceiver station、BTSと略称する)を含み、3Gネットワークにおいて、基地局機能を提供する機器はノードB(NodeB)を含み、4Gネットワークにおいて、基地局機能を提供する機器は進化したノードB(evolved NodeB,eNB)を含み、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(wireless local area networks 、WLANと略称する)において、基地局機能を提供する機器はアクセスポイント(access point 、APと略称する)である。5G新無線(New Radio、NRと略称する)において、基地局機能を提供する機器はgNB及び進化し続けるノードB(ng-eNB)を含む。gNBと端末の間にNR技術による通信を行い、ng-eNBと端末の間にE-UTRA(Evolved Universal Terrestrial Radio Access)技術による通信を行う。gNBとng-eNBの両方は5Gコアネットワークに接続されることができる。本開示の実施例における基地局は、将来の新しい通信システムにおいて基地局機能を提供する機器などを更に含む。
【0055】
本開示の実施例では、コアネットワークは、進化したデータパケットコア(evolved packet core 、EPCと略称する)、5Gコアネットワーク(5G core network)であってもよく、将来の通信システムにおける新しいタイプのコアネットワークであってもよい。5Gコアネットワークは、一連のデバイスで構成され、モビリティ管理などの機能のアクセス及びモビリティ管理機能(Access and Mobility Management Function、AMF)、データパケットルーティング転送やQoS(Quality of Service)管理などの機能を提供するユーザープレーン機能(User Plane Function 、UPF)、セッション管理、IPアドレスの割り当て・管理などの機能を提供するセッション管理機能(Session Management Function、SMF)などを実現することができる。EPCは、モビリティ管理やゲートウェイ選択などの機能を提供するMME、データパケット転送などの機能を提供するServing Gateway(S-GW)、端末アドレス割り当て、レート制御などの機能を提供するPDN Gateway(P-GW)で構成され得る。
【0056】
形態二
【0057】
図2は本開示の別の実施例に係る無線ベアラ確立方法のフローチャートを示す。
図2に示すように、この方法は第1のユーザ機器に応用され、ステップS21~ステップS23を含む。
ステップS21において、第2のユーザ機器から、現在確立された第2の無線ベアラの論理チャネル識別子を受信する。
ステップS22において、基地局及び/又はコアネットワークに第1のユーザ機器に対して第2の無線ベアラと論理チャネル識別子が異なる第3の無線ベアラを確立させるように、第2の無線ベアラの論理チャネル識別子を基地局及び/又はコアネットワークに送信する。
ステップS23において、第3の無線ベアラにより第2のユーザ機器に第2のデータを送信する。
第2のデータは第1のユーザ機器から第2のユーザ機器に送信されるデータパケットを含んでもよい。
【0058】
実施可能な一形態では、第2の無線ベアラは確認モード(つまりAMモード)無線ベアラを含む。
【0059】
この実施形態において、第2の無線ベアラは、第2のユーザ機器において確立された、第1のユーザ機器にデータパケットを送信する無線ベアラである。これにより、基地局及び/又はコアネットワークが第1のユーザ機器に対して確立した第3の無線ベアラの論理チャネル識別子と第2の無線ベアラの論理チャネル識別子とが異なることを確保することができる。
【0060】
実施可能な一形態では、当該方法はさらに、
第2の無線ベアラにより第2のユーザ機器に第3のデータを送信することを含み、
第3のデータは、第1のユーザ機器が第2のユーザ機器から第2の無線ベアラにより送信されたデータパケットに応答して生成したステータスレポートを含んでもよい。
【0061】
この実施形態により、第1のユーザ機器は第3の無線ベアラにより第2のユーザ機器に第2のデータを送信することができる。第1のユーザ機器は第2の無線ベアラにより第2のユーザ機器からデータパケットを受信した後、第2の無線ベアラにより第2のユーザ機器にステータスレポート(つまり第3のデータ)を返信することができる。このようにして、第1のユーザ機器のデータパケットの送信プロセスとステータスレポートの送信プロセスのそれぞれが異なる無線ベアラにより行われるため、ユーザ機器のデータ受信の混同が生じることはない。
【0062】
実施可能な一形態では、当該方法はさらに、LCP(Logical channel prioritization、論理チャネル優先順位決定)において、第3の無線ベアラと第2の無線ベアラとに対応する優先度が同じである場合、第2の無線ベアラ(つまり第3のデータ)にリソースを優先的に割り当てることを含む。つまり、第2の無線ベアラにより第2のユーザ機器に第3のデータを送信することを優先的に行う。
【0063】
この実施形態において、データ伝送タスクの種別、伝送時間、伝送量などによって、異なる無線ベアラに対応する優先度が異なり、優先度が高い無線ベアラに伝送リソースを優先的に割り当てることができる。第2の無線ベアラと第3の無線ベアラの優先度が同じである場合、第3のデータが第2のデータより優先度が高いので、第1のユーザ機器はリソースを第3のデータに優先的に割り当てる。
【0064】
形態三
【0065】
図3は本開示の一実施例に係る無線ベアラ確立方法のフローチャートを示す。
図3に示すように、この方法は第1のユーザ機器に応用され、ステップS31~ステップS33を含む。
ステップS31において、第2のユーザ機器から第4の無線ベアラにより送信された第4のデータを受信する。
ステップS32において、第4のデータを区分し、区分結果を取得する。
ステップS33において、区分結果に基づいて、第4のデータを処理する。
第4のデータは、第2のユーザ機器から第1のユーザ機器に送信されるデータパケットと、第2のユーザ機器が第1のユーザ機器から第4の無線ベアラにより送信されたデータパケットに応答して生成したステータスレポートの少なくとも1つを含む。
【0066】
この実施形態において、第2のユーザ機器は、第4のデータを送信する前に、データ伝送のために第2のユーザ機器と第1のユーザ機器の間に第4の無線ベアラを確立する。第2のユーザ機器と第1のユーザ機器の間に第4の無線ベアラを確立することは、以下のことを含む。
第2のユーザ機器は、第1のユーザ機器にデータパケット(データパケットa)を送信し、及び/又は第1のユーザ機器から、第2のユーザ機器が第4の無線ベアラにより第1のユーザ機器に送信されたデータパケット(つまりデータパケットa)に応答したステータスレポート(ステータスレポートa)を受信する論理チャネル識別子Mの第4の無線ベアラを確立し、対応するRLCエンティティを確立する。一方、第1のユーザ機器も、第2のユーザ機器からデータパケット(つまりデータパケットa)を受信し、及び/又は第2のユーザ機器から第4の無線ベアラにより第1のユーザ機器に送信されたデータパケット(つまりデータパケットa)に応答したステータスレポート(つまりステータスレポートa)を送信する論理チャネル識別子Mの第4の無線ベアラを確立し、対応するRLCエンティティを確立する。
【0067】
また、第1のユーザ機器はさらに、第4の無線ベアラを、第2のユーザ機器にデータパケット(つまりデータパケットb)を送信し、及び/又は第2のユーザ機器から、第1のユーザ機器が第4の無線ベアラにより第2のユーザ機器に送信されたデータパケット(つまりデータパケットb)に応答したステータスレポート(つまりステータスレポートb)を受信することに用い、対応するRLCエンティティを確立する。第2のユーザ機器はさらに、第4の無線ベアラを、第1のユーザ機器から送信されるデータパケット(つまりデータパケットb)を受信し、及び/又は第1のユーザ機器から第4の無線ベアラにより第2のユーザ機器に送信されたデータパケットに応答したステータスレポート(つまりステータスレポートb)を送信することに用い、対応するRLCエンティティを確立する。
【0068】
本開示に記載の第4の無線ベアラとは、第1のユーザ機器及び第2のユーザ機器において同じLCIDを有する無線ベアラを指す。そのため、第4の無線ベアラの第1のユーザ機器及び第2のユーザ機器におけるLCIDが同じであり、かつ無線ベアラIDが異なる場合、第4の無線ベアラは異なる2つの無線ベアラであると考えてもよい。第4の無線ベアラの第1のユーザ機器及び第2のユーザ機器におけるLCIDが同じであり、かつ無線ベアラIDも同じである場合、第4の無線ベアラは1つの無線ベアラであると考えてもよい。
【0069】
第1のユーザ機器において、データパケットbを送信するためのRLCエンティティと、ステータスレポートbを受信するためのRLCエンティティは同一のRLCエンティティであり、データパケットaを受信するためのRLCエンティティと、ステータスレポートaを送信するためのRLCエンティティは同一のRLCエンティティである。第1のユーザ機器において、データパケットbを送信するためのRLCエンティティと、ステータスレポートaを送信するためのRLCエンティティは同じである場合があり、異なる場合もあり、データパケットaを受信するためのRLCエンティティと、ステータスレポートbを受信するためのRLCエンティティは同じである場合があり、異なる場合もある。
【0070】
データ伝送のプロセスは、第1のユーザ機器が第4の無線ベアラにより第2のユーザ機器からデータパケットa(つまり第4のデータの1種)を受信することと、第1のユーザ機器が第4の無線ベアラにより第2のユーザ機器にデータパケットaに応答したステータスレポートaを送信することと、第1のユーザ機器が第4の無線ベアラにより第2のユーザ機器にデータパケットbを送信することと、第1のユーザ機器が第4の無線ベアラにより第2のユーザ機器からデータパケットbに応答したステータスレポートb(つまり第4のデータの1種)を受信することとの少なくとも1つを含む。
【0071】
この実施形態において、第1のユーザ機器が第4のデータを区分した後、異なるデータを対応するRLCエンティティ又はRLCサブレイヤに送信して処理を行う。
【0072】
実施可能な一形態では、前記第4のデータを区分し、区分結果を取得することは、
第1のユーザ機器のMACレイヤは第4のデータのRLCヘッダに基づいて、第4のデータを区分し、区分結果を取得することと、
第1のユーザ機器のMACレイヤは第4のデータのMACサブヘッダに含まれる指示情報に基づいて、第4のデータを区分し、区分結果を取得することと、
第1のユーザ機器のRLCレイヤにおける第1のRLCサブレイヤは第4のデータのRLCヘッダに基づいて、第4のデータを区分し、区分結果を取得することと、の何れか1つを含んでもよい。
【0073】
この実施形態において、第1のユーザ機器の設定情報と第2のユーザ機器の設定情報とが統一されていない場合、2つのユーザ機器から送信されるデータパケットの設定が異なる。AMモードにおいて、両者がいずれも同一の無線ベアラによりデータの自発伝送及びステータスレポートのフィードバックを行う場合、第1のユーザ機器が受信した第4のデータを例として、実施形態三を説明する。
【0074】
第2のユーザ機器が異なるデータを送信するとき、異なるデータのRLCヘッダの「D/C」フィールドを異ならせる。この「D/C」フィールドは、1ビットを占有し、データが第2のユーザ機器から第1のユーザ機器に送信するデータパケット(つまりデータパケットa)であるか、又は第2のユーザ機器が第1のユーザ機器から送信されたデータパケットに応答して生成したステータスレポート(つまりステータスレポートb)であるかを示すものである。第1のユーザ機器のMACレイヤは、異なるRLCヘッダに基づいて第4のデータを区分することができる。
【0075】
しかし、全てのユーザ機器がデータのRLCヘッダを識別できるわけではないため、第2のユーザ機器が第4のデータを送信する前に、MACサブヘッダに指示情報を追加することによって異なるデータをマーキングするように制御してもよい。このようにして、第1のユーザ機器のMACレイヤは、MACサブヘッダにおける指示情報を識別することで第4のデータを区分することができる。
【0076】
図4は本開示の一実施例に係る無線ベアラ確立方法におけるRRLCレイヤの階層化模式図を示す。
図4に示すように、第1のユーザ機器のRLCレイヤを1つ以上のRLCサブレイヤに階層化することができる。例えば「D/C」フィールドで区分するなど、第4のデータのRLCヘッダを識別して第4のデータを区分するために、第1のRLCレイヤを用いるようにしてもよい。RLCレイヤにおける第2のRLCサブレイヤを、RLCレイヤの他の機能の実現に用いるようにしてもよい。
【0077】
実施可能な一形態では、当該方法は、さらに、LCP(Logical channel prioritization、論理チャネル優先順位決定)において、第4の無線ベアラにより第2のユーザ機器にデータパケット、及び第2のユーザ機器から送信されたデータパケットに応答して生成したステータスレポートが送信され、かつ第2のユーザ機器に送信される、データパケットと第2のユーザ機器から送信されたデータパケットに応答して生成したステータスレポートとの優先度が同じである場合、第4の無線ベアラにより第2のユーザ機器に送信されるものであって、第2のユーザ機器から送信されたデータパケットに応答して生成したステータスレポートにリソースを優先的に割り当てる。
【0078】
この実施形態において、第1のユーザ機器及び第2のユーザ機器はいずれも論理チャネル識別子Mの無線ベアラによりデータ伝送を行うため、第1のユーザ機器を例とし、ステータスレポートa及びデータパケットbが同時にパケット化される場合がある。そうすると、第1のユーザ機器はステータスレポートaにリソースを優先的に割り当て、余裕なリソースがある場合、データパケットbに割り当てる。
【0079】
本開示実施例に係る無線ベアラ確立方法は、5G(5 Generation)通信システムに加え、4G、3G通信システムにも応用でき、更に6G、7Gなど将来の各種新しい通信システムにも応用できる。しかも、さまざまなネットワークアーキテクチャにも応用し、ネットワークアーキテクチャは、リレーネットワークアーキテクチャ、デュアルリンクアーキテクチャ、V2Xアーキテクチャなどのアーキテクチャを含むが、これらに限定されない。
【0080】
なお、上記実施形態を例示として無線ベアラ確立方法を上述のように説明したが、本開示がこれに限定されるべきではないことは当業者には理解され得る。実際に、本開示の発明に適合する限り、個人の好み及び/又は実際の応用シナリオに従って各ステップを柔軟的に設定することができる。
【0081】
図5は本開示の一実施例に係る無線ベアラ確立装置のブロック図を示す。
図5に示すように、当該装置は第1のユーザ機器に応用され、情報受信モジュール41、設定応用モジュール42、第1の確立モジュール43及び第1の送信モジュール44を含む。
【0082】
情報受信モジュール41は、第2のユーザ機器から第2のユーザ機器の無線ベアラ設定情報を受信する。
【0083】
設定応用モジュール42は、第2のユーザ機器の無線ベアラ設定情報を応用する。
【0084】
第1の確立モジュール43は、第2のユーザ機器の無線ベアラ設定情報に基づいて、第2のユーザ機器にデータを送信するために必要な第1の無線ベアラを確立する。
【0085】
第1の送信モジュール44は、第1の無線ベアラにより、第2のユーザ機器に第1のデータを送信する。
第1のデータは、第1のユーザ機器から第2のユーザ機器に送信されるデータパケットと、第1のユーザ機器が第2のユーザ機器から送信されたデータパケットに応答して生成したステータスレポートの少なくとも1つを含む。
【0086】
実施可能な一形態では、第2のユーザ機器の無線ベアラ設定情報は、第2のユーザ機器のデータパケットとQoSフローの間のマッピング及び関連付けのルール、第2のユーザ機器のQoSフローと無線ベアラの間のマッピング及び関連付けのルール、第2のユーザ機器の無線ベアラの伝送パラメータの少なくとも1つを含む。
【0087】
実施可能な一形態では、設定応用モジュール42は、
第2のユーザ機器のデータパケットとQoSフローの間のマッピング及び関連付けのルールに基づいて、第1のユーザ機器のデータパケットとQoSフローの間のマッピング及び関連付けのルールを確立する第1の設定サブモジュールと、
第2のユーザ機器のQoSフローと無線ベアラの間のマッピング及び関連付けのルールに基づいて、第1のユーザ機器のQoSフローと無線ベアラの間のマッピング及び関連付けのルールを確立する第2の設定サブモジュールと、
第2のユーザ機器の無線ベアラの伝送パラメータに基づいて、第2のユーザ機器がデータを送信するために用いられる無線ベアラの伝送パラメータを決定する第3の設定サブモジュールとの少なくとも1つのサブモジュールを含む。
【0088】
実施可能な一形態では、装置はさらに、
基地局及び/又はコアネットワークに第2のユーザ機器の無線ベアラ設定情報を転送する情報転送モジュールと、
基地局及び/又はコアネットワークから、第2のユーザ機器の無線ベアラ設定情報に対する確認情報を受信する確認受信モジュールと、を含む。
【0089】
実施可能な一形態では、装置はさらに、
第2のユーザ機器から、現在確立された第2の無線ベアラの論理チャネル識別子を受信する識別子受信モジュールと、
基地局に第1のユーザ機器に対して第2の無線ベアラと論理チャネル識別子が異なる第3の無線ベアラを確立させるように、第2の無線ベアラの論理チャネル識別子を基地局及び/又はコアネットワークに送信する識別子転送モジュールと、
第3の無線ベアラにより第2のユーザ機器に第2のデータを送信する第2の送信モジュールと、を含み、
第2のデータは第1のユーザ機器から第2のユーザ機器に自発的に送信されるデータパケットを含む。
【0090】
実施可能な一形態では、第2の無線ベアラは確認モード無線ベアラを含んでもよい。
【0091】
実施可能な一形態では、装置はさらに、
第2の無線ベアラにより第2のユーザ機器に第3のデータを送信する第3の送信モジュールを含み、
第3のデータは、第1のユーザ機器が第2のユーザ機器から送信されたデータパケットに応答して生成したステータスレポートを含んでもよい。
【0092】
実施可能な一形態では、装置はさらに、
論理チャネル優先順位決定において、第3無線ベアラと第2の無線ベアラとに対応する優先度が同じである場合、第2の無線ベアラにリソースを優先的に割り当てる第1の優先送信モジュールを含む。
【0093】
実施可能な一形態では、装置はさらに、
第2のユーザ機器から第4の無線ベアラにより送信された第4のデータを受信するデータ受信モジュールと、
第4のデータを区分し、区分結果を取得するデータ区分モジュールと、
区分結果に基づいて、第4のデータを処理するデータ処理モジュールと、を含み、
第4のデータは、第2のユーザ機器から第1のユーザ機器に自発的に送信されるデータパケットと、第2のユーザ機器が第1のユーザ機器から第4の無線ベアラにより送信されたデータパケットに応答して生成したステータスレポートの少なくとも1つを含む。
【0094】
実施可能な一形態では、データ区分モジュールは、
第1のユーザ機器のMACレイヤは第4のデータのRLCヘッダに基づいて、第4のデータを区分し、区分結果を取得する第1の区分サブモジュールと、
第1のユーザ機器のMACレイヤは第4のデータのMACサブヘッダに含まれる指示情報に基づいて、第4のデータを区分し、区分結果を取得する第2の区分サブモジュールと、
第1のユーザ機器のRLCレイヤにおける第1のRLCサブレイヤは第4のデータのRLCヘッダに基づいて、第4のデータを区分し、区分結果を取得する第3の区分サブモジュールとの何れか1つのサブモジュールを含んでもよい。
【0095】
実施可能な一形態では、当該装置はさらに、
論理チャネル優先順位決定において、第4の無線ベアラにより第2のユーザ機器にデータパケット、及び第2のユーザ機器から送信されたデータパケットに応答して生成したステータスレポートが送信され、かつ第2のユーザ機器に送信される、データパケットと第2のユーザ機器から送信されたデータパケットに応答して生成したステータスレポートとの優先度が同じである場合、前記第4の無線ベアラにより第2のユーザ機器に送信されるものであって、第2のユーザ機器から送信されたデータパケットに応答して生成したステータスレポートにリソースを優先的に割り当てる第2の優先送信モジュールを含む。
【0096】
なお、上記実施形態を例示として無線ベアラ確立装置を上述のように説明したが、本開示がこれに限定されるべきではないことは当業者には理解され得る。実際に、本開示の発明に適合する限り、個人の好み及び/又は実際の応用シナリオに従って各モジュールを柔軟的に設定することができる。
【0097】
本開示の実施例に係る無線ベアラ確立装置は、データ受信の混同やエラーの発生を回避することができ、ユーザ機器間の無線ベアラによるデータ伝送の正確性を確保することができる。
【0098】
本開示の実施例において、「及び/又は」という用語は、かかる事項の関連性関係を説明するためのものとして、3つの関係があり得ることを意味し、例えば、A及び/又はBとは、Aのみ、AとBの両方、Bのみという3つの場合を表すことができる。また、本明細書において、「/」という符号は、前後の事項は「又は」の関係にあることを表すことができる。
【0099】
本開示の実施例における第1、第2、第3、第4などの表現は、記載される対象を示して区分するために使用され過ぎず、順序を表すものではなく、本開示の実施例の装置数またはデータ量を限定するものでもなく、本開示では特に限定しない。
【0100】
以上は本開示の各実施例を説明したが、上記説明は例示的なものに過ぎず、網羅的なものではなく、開示された各実施例に限定されるというわけではない。説明された各実施例の範囲及び要旨から逸脱しない範囲内での様々な修正や変更は当業者には自明である。本明細書において採用された用語は、各実施例の原理、実際の応用または市場における技術への技術的改善を最適に解釈したり、本明細書に開示された各実施例を他の当業者に理解してもらったりするためのものである。
【国際調査報告】