(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-01
(54)【発明の名称】駆動装置、外科器械及びその操作方法
(51)【国際特許分類】
A61B 17/072 20060101AFI20220624BHJP
A61B 17/285 20060101ALI20220624BHJP
【FI】
A61B17/072
A61B17/285
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021564752
(86)(22)【出願日】2020-04-30
(85)【翻訳文提出日】2021-12-03
(86)【国際出願番号】 CN2020088444
(87)【国際公開番号】W WO2020221355
(87)【国際公開日】2020-11-05
(31)【優先権主張番号】201910367363.1
(32)【優先日】2019-05-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201910367362.7
(32)【優先日】2019-05-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521475381
【氏名又は名称】江蘇風和医療器材股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】FULBRIGHT MEDICAL INC.
【住所又は居所原語表記】D3, No. 6 Dongsheng West Road, Jiangyin City Wuxi, Jiangsu 214437, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】孫 宝峰
(72)【発明者】
【氏名】張 志星
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160CC02
4C160CC23
4C160GG30
4C160MM32
4C160NN09
4C160NN15
4C160NN23
(57)【要約】
駆動装置、外科器械及びその操作方法であって、駆動装置は、動力アセンブリによって駆動され、駆動装置は、第1駆動アセンブリ及び第1運動変換アセンブリを含み、第1駆動アセンブリは、第1有効ストローク構造及び第1アイドルストローク構造を含み、駆動装置は第1状態及び第2状態を有し、第1状態では、動力アセンブリは第1有効ストローク構造に接合し、第1有効ストローク構造は第1運動変換アセンブリを駆動し、第2状態では、動力アセンブリは第1アイドルストローク構造に結合し、第1運動変換アセンブリは動力アセンブリによる駆動から外れる。第2状態のとき、第1運動変換アセンブリは動力アセンブリによる駆動から外れ、運動変換アセンブリが受ける逆方向作用力は、第1駆動アセンブリを介して動力アセンブリに伝達されることがなく、それにより、駆動装置の駆動効率が影響されることを回避する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動力アセンブリによって駆動され、第1駆動アセンブリと第1運動変換アセンブリとを含む駆動装置であって、
前記第1駆動アセンブリは、第1有効ストローク構造及び第1アイドルストローク構造を含み、
前記駆動装置は第1状態及び第2状態を有し、第1状態では、前記動力アセンブリは前記第1有効ストローク構造に接合し、前記第1有効ストローク構造は前記第1運動変換アセンブリを駆動し、第2状態では、前記動力アセンブリは前記第1アイドルストローク構造に結合し、前記第1運動変換アセンブリは前記動力アセンブリの駆動から外れる、ことを特徴とする駆動装置。
【請求項2】
前記第1運動変換アセンブリは、第1伝動部材及び第1出力部材を含み、前記第1状態では、前記第1伝動部材は前記第1出力部材を駆動して運動するようにし、前記第2状態では、前記第1出力部材は駆動されていない、ことを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
【請求項3】
前記第1駆動アセンブリは、第1駆動部材及び回動部材を含み、前記第1状態では、前記第1駆動部材及び前記回動部材はいずれも前記動力アセンブリに接合し、前記第2状態では、前記第1駆動部材及び前記回動部材のうち前記第1駆動部材のみが前記動力アセンブリに接合する、ことを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
【請求項4】
前記第1運動変換アセンブリは、回動部材に設置される第1伝動部材、及び前記第1伝動部材に接合する第1出力部材を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
【請求項5】
前記第1有効ストローク構造及び前記第1アイドルストローク構造はいずれも前記回動部材に設置され、前記第1状態では、前記第1有効ストローク構造及び前記第1駆動部材はいずれも前記動力アセンブリに接合し、前記第2状態では、前記第1アイドルストローク構造は前記動力アセンブリに結合し、前記第1駆動部材は前記動力アセンブリに接合される、ことを特徴請求項3に記載の駆動装置。
【請求項6】
前記第1有効ストローク構造は、有歯部であり、前記第1アイドルストローク構造は、無歯部であり、前記有歯部と前記無歯部とは隣接して設置され、
前記第1駆動部材は、第1駆動ギアである、ことを特徴とする請求項5に記載の駆動装置。
【請求項7】
前記動力アセンブリは、モーター、及び前記モーターによって駆動されるフロント駆動ギアを含み、前記第1状態では、前記フロント駆動ギアは、前記有歯部及び前記第1駆動ギアと同時に噛み合い、前記第2状態では、前記フロント駆動ギアは前記無歯部に結合し、前記第1駆動ギアと噛み合う、ことを特徴とする請求項6に記載の駆動装置。
【請求項8】
前記第1駆動部材と前記回動部材とは重複しており、前記第1駆動部材及び前記回動部材の一方には円弧溝が設置され、他方には、前記円弧溝に挿入される突起が設置され、前記円弧溝の円心が前記第1駆動部材の回動軸線に位置することを特徴とする請求項3又は5に記載の駆動装置。
【請求項9】
前記突起の幅は前記円弧溝の幅より小さい、ことを特徴とする請求項8に記載の駆動装置。
【請求項10】
前記突起が前記円弧溝の端部に当接することにより、前記回動部材及び前記第1駆動部材を前記第2状態から前記第1状態の予備位置に切り替える、ことを特徴とする請求項8に記載の駆動装置。
【請求項11】
前記第1運動変換アセンブリは、第1溝とボスとを含み、前記第1溝と前記回動部材の回動中心との間の径方向距離は前記第1溝に沿って増大又は減少し、前記ボスが前記第1溝内を摺動することにより、前記回動部材の回動を前記ボスの直線運動に変換する、ことを特徴とする請求項5に記載の駆動装置。
【請求項12】
前記第1溝は、前記回動部材に設置される、ことを特徴とする請求項11に記載の駆動装置。
【請求項13】
端部アクチュエータを開閉駆動するための請求項1~12のいずれか1項に記載の駆動装置を含む、ことを特徴とする端部アクチュエータ駆動装置。
【請求項14】
前記第1有効ストローク構造は、隣接して設置される第1部分及び第2部分を含み、前記第1部分は、前記端部アクチュエータが第1段階の閉じを行って組織をクリップするように駆動し、前記第2部分は、前記端部アクチュエータが第2段階の閉じを行って組織をプレスするように駆動する、ことを特徴とする請求項13に記載の端部アクチュエータ駆動装置。
【請求項15】
前記第1運動変換アセンブリは、第1伝動部材、及び前記第1伝動部材に接合する第1出力部材を含み、前記第1伝動部材は、隣接して設置される第1セクションと第2セクションとを含み、
前記第1部分が前記動力アセンブリに接合することで、前記第1出力部材が前記第1セクションに接合し、
前記第2部分が前記動力アセンブリに接合することで、前記第1出力部材が前記第2セクションに接合する、ことを特徴とする請求項14に記載の端部アクチュエータ駆動装置。
【請求項16】
前記第1伝動部材は、前記第2セクションに隣接して設置される第3セクションをさらに含み、前記第2セクションは前記第1セクションと前記第3セクションとの間に位置する、ことを特徴とする請求項15に記載の端部アクチュエータ駆動装置。
【請求項17】
請求項13~16のいずれか1項に記載の端部アクチュエータ駆動装置を含む、ことを特徴とする外科器械駆動装置。
【請求項18】
切断メスアセンブリを駆動して前又は後へ移動させる切断メスアセンブリ駆動装置をさらに含む、ことを特徴とする請求項17に記載の外科器械駆動装置。
【請求項19】
前記切断メスアセンブリ駆動装置は前記動力アセンブリによって駆動される、ことを特徴とする請求項18に記載の外科器械駆動装置。
【請求項20】
前記切断メスアセンブリ駆動装置は、第2有効ストローク構造及び第2アイドルストローク構造を含み、前記動力アセンブリは前記第1有効ストローク構造及び前記第2有効ストローク構造のうちの一方を駆動する、ことを特徴とする請求項19に記載の外科器械駆動装置。
【請求項21】
前記切断メスアセンブリ駆動装置は、第2駆動アセンブリ、及び前記第2駆動アセンブリに接合する第2運動変換アセンブリを含み、前記第2運動変換アセンブリは、第2伝動部材及び第2出力部材を含み、前記第2伝動部材は、第2有効ストローク構造及び第2アイドルストローク構造を含み、
前記切断メスアセンブリ駆動装置は第3状態及び第4状態を有し、第3状態では、前記第2有効ストローク構造は前記第2出力部材に接合し、第4状態では、前記第2アイドルストローク構造は前記第2出力部材に結合する、ことを特徴とする請求項18に記載の外科器械駆動装置。
【請求項22】
前記第2駆動アセンブリは、前記第2伝動部材と同期して運動する第2駆動部材を含み、前記第3状態及び前記第4状態では、前記第2伝動部材は前記第2駆動部材を介して常に前記動力アセンブリに接合する、ことを特徴とする請求項21に記載の外科器械駆動装置。
【請求項23】
前記第2有効ストローク構造は、前記第2伝動部材に設置される有歯部であり、前記第2アイドルストローク構造は、前記第2伝動部材に設置される無歯部であり、前記第2出力部材は、ラックである、ことを特徴とする請求項21に記載の外科器械駆動装置。
【請求項24】
第1作動状態及び第2作動状態を有し、前記第1作動状態では、前記第1状態及び前記第4状態が同時に運転し、前記第2作動状態では、前記第2状態及び前記第3状態が同時に運転する、ことを特徴とする請求項21に記載の外科器械駆動装置。
【請求項25】
伝動手段、前記伝動手段によって駆動される端部アクチュエータ及び切断メスアセンブリを含む外科器械であって、
前記伝動手段は、請求項17~24のいずれか1項に記載の外科器械駆動装置を含む、ことを特徴とする外科器械。
【請求項26】
請求項25に記載の外科器械の操作方法であって、
前記外科器械は動力アセンブリを含み、前記動力アセンブリはモーターを含み、
前記操作方法は、
前記モーターの出力軸が第1方向に回動し、前記モーターが前記第1有効ストローク構造を駆動して前記第2アイドルストローク構造に結合するようにするステップS1と、
前記モーターの出力軸が前記第1方向に回動し続き、前記モーターが前記第2有効ストローク構造を駆動して前記第1アイドルストローク構造に結合するようにするステップS2と、
前記モーターの出力軸が第1方向と反対の第2方向に回動し、前記モーターが前記第2有効ストローク構造を駆動して前記第1アイドルストローク構造に結合するようにするステップS3と、
前記モーターの出力軸が前記第2方向に回動し続き、前記モーターが前記第1有効ストローク構造を駆動して前記第2アイドルストローク構造に結合するようにするステップS4と、を含む、ことを特徴とする操作方法。
【請求項27】
前記ステップS1を行うことで、前記端部アクチュエータを閉じ、
前記ステップS2を行うことで、前記切断メスアセンブリを前進させ、
前記ステップS3を行うことで、前記切断メスアセンブリを後退させ、
前記ステップS4を行うとき、前記端部アクチュエータが開く、ことを特徴とする請求項26に記載の外科器械の操作方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は駆動装置、端部アクチュエータ駆動装置、外科器械駆動装置、外科器械及び外科器械の操作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、腔内切断ステープラーは、腹腔などの腔内手術で広く使用されている。
従来の腔内切断ステープラーは、一般的に、操作アセンブリ、操作アセンブリから縦向きに延在するシャフトアセンブリ、及びシャフトアセンブリの遠側端に設置される端部アクチュエータを含む。ステープラーは、トリガー及びモーターアセンブリをさらに含む。トリガーは、端部アクチュエータを開閉するように操作されることができる。ステープラーは、切断メスアセンブリをさらに含み、トリガーは、さらに、切断メスアセンブリを駆動して前後移動させるように操作されることができる。端部アクチュエータは、ネイルビンシート、及びネイルビンシートに旋回可能に接続されるネイルレジストシートを含み、ネイルビンシートは、その内部に位置するネイルビンを操作可能に支持するためのものであり、ネイルレジストシートは、開位置と閉位置との間で選択的に運動できる。
【0003】
操作アセンブリは、本体、及び本体に取り付けられる駆動装置を含み、駆動装置は、端部アクチュエータを開閉駆動するためのものである。外科器械を使用するとき、端部アクチュエータは組織を挟持する必要があり、端部アクチュエータが組織を挟持しているとき、端部アクチュエータに対する組織の反力が駆動装置に伝達され、上記反力のため、駆動装置の駆動効率が低減してしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、駆動効率がより高い駆動装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を実現するために、本発明は、以下の技術的解決手段により実現される。
動力アセンブリによって駆動され、第1駆動アセンブリと第1運動変換アセンブリとを含む駆動装置であって、前記第1駆動アセンブリは、第1有効ストローク構造及び第1アイドルストローク構造を含み、前記駆動装置は第1状態及び第2状態を有し、第1状態では、前記動力アセンブリは前記第1有効ストローク構造に接合し、前記第1有効ストローク構造は前記第1運動変換アセンブリを駆動し、第2状態では、前記動力アセンブリは前記第1アイドルストローク構造に結合し、前記第1運動変換アセンブリは前記動力アセンブリの駆動から外れる。
【0006】
さらに、前記第1運動変換アセンブリは、第1伝動部材及び第1出力部材を含み、前記第1状態では、前記第1伝動部材は前記第1出力部材を駆動して運動するようにし、前記第2状態では、前記第1出力部材は駆動されていない。
【0007】
さらに、前記第1駆動アセンブリは、第1駆動部材及び回動部材を含み、前記第1状態では、前記第1駆動部材及び前記回動部材はいずれも前記動力アセンブリに接合し、前記第2状態では、前記第1駆動部材及び前記回動部材のうち前記第1駆動部材のみが前記動力アセンブリに接合する。
【0008】
さらに、前記第1運動変換アセンブリは、前記回動部材に設置される第1伝動部材、及び前記第1伝動部材に接合する第1出力部材を含む。
【0009】
さらに、前記第1有効ストローク構造及び前記第1アイドルストローク構造はいずれも前記回動部材に設置され、前記第1状態では、前記第1有効ストローク構造及び前記第1駆動部材はいずれも前記動力アセンブリに接合し、前記第2状態では、前記第1アイドルストローク構造は前記動力アセンブリに結合し、前記第1駆動部材は前記動力アセンブリに接合される。
【0010】
さらに、前記第1有効ストローク構造は、有歯部であり、前記第1アイドルストローク構造は、無歯部であり、前記有歯部と前記無歯部とは隣接して設置され、
前記第1駆動部材は、第1駆動ギアである。
【0011】
さらに、前記動力アセンブリは、モーター、及び前記モーターによって駆動されるフロント駆動ギアを含み、前記第1状態では、前記フロント駆動ギアは、前記有歯部及び前記第1駆動ギアと同時に噛み合い、前記第2状態では、前記フロント駆動ギアは前記無歯部に結合し、前記第1駆動ギアと噛み合う。
【0012】
さらに、前記第1駆動部材と前記回動部材とは重複しており、前記第1駆動部材及び前記回動部材の一方には円弧溝が設置され、他方には、前記円弧溝に挿入される突起が設置され、前記円弧溝の円心が前記第1駆動部材の回動軸線に位置する。
【0013】
さらに、前記突起の幅は前記円弧溝の幅より小さい。
【0014】
さらに、前記突起が前記円弧溝の端部に当接することにより、前記回動部材及び前記第1駆動部材を前記第2状態から前記第1状態の予備位置に切り替える。
【0015】
さらに、前記第1運動変換アセンブリは、第1溝とボスとを含み、前記第1溝と前記回動部材の回動中心との間の径方向距離は前記第1溝に沿って増大又は減少し、前記ボスが前記第1溝内を摺動することにより、前記回動部材の回動を前記ボスの直線運動に変換する。
【0016】
さらに、前記第1溝は、前記回動部材に設置される。
【0017】
端部アクチュエータ駆動装置であって、端部アクチュエータを開閉駆動するための上記のいずれかに記載の駆動装置を含む。
【0018】
さらに、前記第1有効ストローク構造は、隣接して設置される第1部分及び第2部分を含み、前記第1部分は、前記端部アクチュエータが第1段階の閉じを行って組織をクリップするように駆動し、前記第2部分は、前記端部アクチュエータが第2段階の閉じを行って組織をプレスするように駆動する。
【0019】
さらに、前記第1運動変換アセンブリは、第1伝動部材、及び前記第1伝動部材に接合する第1出力部材を含み、前記第1伝動部材は、隣接して設置される第1セクションと第2セクションとを含み、前記第1部分が前記動力アセンブリに接合することで、前記第1出力部材が前記第1セクションに接合し、前記第2部分が前記動力アセンブリに接合することで、前記第1出力部材が前記第2セクションに接合する。
【0020】
さらに、前記第1伝動部材は、前記第2セクションに隣接して設置される第3セクションをさらに含み、前記第2セクションは前記第1セクションと前記第3セクションとの間に位置する。
外科器械駆動装置であって、上記のいずれかに記載の端部アクチュエータ駆動装置を含む。
【0021】
さらに、前記外科器械駆動装置は、前記切断メスアセンブリを駆動して前又は後へ移動させる切断メスアセンブリ駆動装置をさらに含む。
【0022】
さらに、前記切断メスアセンブリ駆動装置は前記動力アセンブリによって駆動される。
【0023】
さらに、前記切断メスアセンブリ駆動装置は、第2有効ストローク構造及び第2アイドルストローク構造を含み、前記動力アセンブリは前記第1有効ストローク構造及び前記第2有効ストローク構造のうちの一方を駆動する。
【0024】
さらに、前記切断メスアセンブリ駆動装置は、第2駆動アセンブリ、及び前記第2駆動アセンブリに接合する第2運動変換アセンブリを含み、前記第2運動変換アセンブリは、第2伝動部材及び第2出力部材を含み、前記第2伝動部材は、第2有効ストローク構造及び第2アイドルストローク構造を含み、前記切断メスアセンブリ駆動装置は第3状態及び第4状態を有し、第3状態では、前記第2有効ストローク構造は前記第2出力部材に接合し、第4状態では、前記第2アイドルストローク構造は前記第2出力部材に結合する。
【0025】
さらに、前記第2駆動アセンブリは、前記第2伝動部材と同期して運動する第2駆動部材を含み、前記第3状態及び前記第4状態では、前記第2伝動部材は前記第2駆動部材を介して常に前記動力アセンブリに接合する。
【0026】
さらに、前記第2有効ストローク構造は、前記第2伝動部材に設置される有歯部であり、前記第2アイドルストローク構造は、前記第2伝動部材に設置される無歯部であり、前記第2出力部材は、ラックである。
【0027】
さらに、前記外科器械駆動装置は、第1作動状態及び第2作動状態を有し、前記第1作動状態では、前記第1状態及び前記第4状態が同時に運転し、前記第2作動状態では、前記第2状態及び前記第3状態が同時に運転する。
【0028】
伝動手段、前記伝動手段によって駆動される端部アクチュエータ及び切断メスアセンブリを含む外科器械であって、前記伝動手段は、上記のいずれかに記載の外科器械駆動装置を含む。
【0029】
上記の外科器械の操作方法であって、
前記外科器械は動力アセンブリを含み、前記動力アセンブリはモーターを含み、
前記操作方法は、
前記モーターの出力軸が第1方向に回動し、前記モーターが前記第1有効ストローク構造を駆動して前記第2アイドルストローク構造に結合するようにするステップS1と、
前記モーターの出力軸が前記第1方向に回動し続き、前記モーターが前記第2有効ストローク構造を駆動して前記第1アイドルストローク構造に結合するようにするステップS2と、
前記モーターの出力軸が第1方向と反対の第2方向に回動し、前記モーターが前記第2有効ストローク構造を駆動して前記第1アイドルストローク構造に結合するようにするステップS3と、
前記モーターの出力軸が前記第2方向に回動し続き、前記モーターが前記第1有効ストローク構造を駆動して前記第2アイドルストローク構造に結合するようにするステップS4と、を含む。
【0030】
さらに、前記ステップS1を行うことで、前記端部アクチュエータを閉じ、前記ステップS2を行うことで、前記切断メスアセンブリを前進させ、前記ステップS3を行うことで、前記切断メスアセンブリを後退させ、前記ステップS4を行うとき、前記端部アクチュエータが開く。
【発明の効果】
【0031】
本発明の有益な効果は、以下のとおりである。第2状態では、第1運動変換アセンブリは、動力アセンブリによる駆動から外れ、運動変換アセンブリが受ける逆方向作用力は、第1駆動アセンブリを介して動力アセンブリに伝達されることがなく、それにより、駆動装置の駆動効率が影響されることを回避する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】本発明の第1実施例のステープラーの構造模式図である。
【
図3】
図1に示すステープラーの他の視点の局所構造の模式図である。
【
図4】
図3に示す丸で囲んだ部分Aの拡大図である。
【
図5】
図3に示す丸で囲んだ部分Bの拡大図である。
【
図6】
図3に示すステープラーの局所構造模式図である。
【
図7】
図6に示す押圧リングアセンブリの構造模式図である。
【
図10】
図1に示す端部アクチュエータとスリーブの組み立て図である。
【
図12】
図1に示す回路基板アセンブリの模式図である。
【
図13】第2実施例の第1ギアの構造模式図である。
【
図14】他の実施例の第1ギアの構造模式図である。
【
図15】
図1に示すステープラーのスリーブ及び端部アクチュエータの斜視図である。
【
図16】
図15に示すスリーブの駆動管のA-A方向に沿う断面図である。
【
図17】
図15に示す外科器械のネイルレジストシートの斜視図である。
【
図18】
図15に示す外科器械のネイルビンシートの斜視図である。
【
図19】
図15に示す外科器械の端部アクチュエータの閉状態の構造模式図である。
【
図20】
図15に示す外科器械の端部アクチュエータの開状態の構造模式図である。
【
図21】第3実施例のステープラーの一部構造の模式図である。
【
図22】
図21に示すステープラーの一部の立体分解図である。
【
図23】
図22に示すステープラーの回動部材の斜視図である。
【
図24-28】
図21に示すステープラーの第1駆動装置の状態変化模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明の目的、技術的解決手段及び利点をより明確にするために、以下、図面及び実施例に基づいて本発明をより詳細に説明する。本明細書に記載された具体的な実施形態は、本発明を説明するためのものに過ぎず、本発明を限定するためのものではないことが理解されたい。本発明の実施例に基づいて、当業者は、創造的な作業をせずに取得する他のすべての実施形態は、本発明の保護の範囲に属する。
【0034】
本明細書で用いられる「近」、「後」、「遠」、及び「前」という用語は、外科器械を操作する臨床医師にとっての方位である。「近」、「後」という用語は、臨床医師に近い部分を指し、「遠」、「前」という用語は、臨床医師から離れた部分を指す。「左」「右」は、
図1に示す外科器械の位置を参照するものであり、例えば、端部アクチュエータが「左」、スリーブが「右」に位置する。「上」「下」という用語は、端部アクチュエータのネイルレジストシートとネイルビンシートの相対位置を参照するものであり、具体的には、ネイルレジストシートが「上」、ネイルビンシートが「下」に位置する。「近」「後」「遠」「前」「左」「右」「上」「下」のこれらの方位は説明を便利にするために定義されているが、外科器械が多くの方向及び位置で使用できるため、これらの相対位置関係を表す用語は、限定するものではなく、絶対的ではないことが理解されたい。
【0035】
図1~
図14に示すように、本発明の第1実施例に記載のステープラー100であり、ステープラー100は、操作アセンブリ10、操作アセンブリ10から縦向きに延在するシャフトアセンブリ20、及びシャフトアセンブリ20の一端に設置される端部アクチュエータ30を含む。端部アクチュエータ30は、ネイルビンシート31、及びネイルビンシート31に旋回可能に接続されるネイルレジストシート32を含み、ネイルビンシート31は、その中に位置するネイルビン(図示略)を操作可能に支持するためのものであり、ネイルレジストシート32は、開位置と閉位置との間で選択的に運動できる。操作アセンブリ10は、本体(図示略)、及び本体に取り付けられる伝動手段11を含む。シャフトアセンブリ20は、芯軸21、及び芯軸21に外嵌されるスリーブ22を含み、芯軸21の一端が第2駆動装置のラックに接続され、他端がスリーブ22内に位置する。スリーブ22は、第1駆動装置に接続される第1端部23、及び端部アクチュエータ30のネイルレジストシート32に接続される第2端部24を含み、スリーブ22が後へ移動することにより、ネイルレジストシート32を上へ旋回させて端部アクチュエータ30を開き、スリーブ22が前へ移動することにより、ネイルレジストシート32を下へ旋回させて端部アクチュエータ30を閉じる。
図10及び
図11を参照すると、ネイルレジストシート32は、スリーブ22の第2端部24に回動可能に接続され、すなわち、ネイルレジストシート32は、スリーブ22の第2端部24に接続され、スリーブ22の第2端部24に対して回動可能である。なお、ネイルレジストシート32がスリーブ22の第2端部24に回動可能に接続されることにより、スリーブ22が前後に移動してネイルレジストシート32を駆動して旋回させることは従来技術である。
【0036】
図10~11、
図15~20を参照すると、スリーブ22の第2端部24がネイルレジストシート32に可動に接続され、スリーブ22が近端に向かって移動するとき、ネイルレジストシート32を駆動して上へ旋回させて端部アクチュエータ30を開く。スリーブ22が遠端に向かって運動するとき、ネイルレジストシート32を駆動して下へ旋回させて端部アクチュエータ30を閉じる。
【0037】
具体的には、
図15及び
図16を参照すると、スリーブ22は、接続される本体15及び駆動管29を含み、駆動管29は、ネイルレジストシート32を駆動して上下へ旋回させ、端部アクチュエータ30を開閉する。本体15と駆動管29とは、ヒンジにより接続されてもよいし、一体成形されてもよい。
【0038】
駆動管29は、ネイルレジストシート32を駆動して開かせる第1駆動部27、及び、ネイルレジストシート32を駆動して閉じさせる第2駆動部25を含む。第1駆動部27は、駆動管29に設置される、右下方に沿って傾斜に延在する突起部である。第2駆動部25は、駆動管29の遠端での駆動面である。
【0039】
よって、ネイルレジストシート32は、第1駆動部27に結合可能な第1従動部13、及び、第2駆動部25に結合可能な第2従動部14を有する。第1従動部13は、ネイルレジストシート32に設置される、上に向かって延在する凸部である。第2従動部14は、ネイルレジストシート32の近端での当接面である。
【0040】
図17及び
図18を参照すると、ネイルレジストシート32とネイルビンシート31との間にガイド手段がさらに設置され、ガイド手段は、ネイルレジストシート32に設置されるピン19、及び、ネイルビンシート31に設置される長円形溝17を含み、長円形溝17は、近端から遠端への方向に沿って上り傾斜して延在する。
【0041】
図19から
図20までの状態変化を参照すると、端部アクチュエータ30を開く必要があるとき、スリーブ22の本体15は、駆動管29を引いて近端へ運動させ、駆動管29における第1駆動部27がネイルレジストシート32における第1従動部13に当接し、ピン19が長円形溝17の遠上端から近下端まで移動して、ネイルレジストシート32が上へ旋回することにより、端部アクチュエータ30を開く。
【0042】
図20から
図19までの状態変化を参照すると、端部アクチュエータを閉じる必要があるとき、スリーブ22の本体15は、駆動管29を押して遠端へ運動させ、駆動管29における第2駆動部25がネイルレジストシート32における第2従動部14に当接し、ピン19が長円形溝17の近下端から遠上端まで移動して、ネイルレジストシート32が下へ旋回することにより、端部アクチュエータ30を閉じる。
【0043】
ステープラー100は、切断メスアセンブリ40をさらに含み、切断メスアセンブリ40は、ネイルビンに設置される切断メス41、及び切断メス41に分離可能に接続されるメス押圧部材42を含み、メス押圧部材42の一部は、スリーブ22内に位置し、且つ芯軸21の他端に接続され、メス押圧部材42の他の一部は、延在して端部アクチュエータ30に入り、且つ切断メス41に分離可能に接続される。
図3及び
図5を参照すると、メス押圧部材42には凹み部(符号が付されていない)が設置され、切断メス41には突出部(符号が付されていない)が設置され、凹み部と突出部とが相互に嵌合することにより、メス押圧部材42と切断メス41とが組み立てられる。
【0044】
ステープラー100は、トリガー60、回路基板アセンブリ50及びモーター70をさらに含み、トリガー60とモーター70は、いずれも回路基板アセンブリ50に電気的に接続される。モーター70の数は、1つである。回路基板アセンブリ50は、回路基板51、及び回路基板51に電気的に接続される制御モジュール52を含む。ステープラー100は、プレス保持手段(図示略)をさらに含み、医師は、切断メスアセンブリ40を駆動して前へ移動させる前に、プレス保持手段を操作する必要がある。プレス保持手段の作動が終了した後、臨床医師は、切断メスアセンブリ40を駆動して前へ移動させることができる。
【0045】
図12に示すように、制御モジュール52は、検出ユニット53、マイクロ制御ユニット54、モーター駆動ユニット55及びモーター制御ユニット56を含む。検出ユニット53は、トリガー60のトリガー信号を検出し、信号をマイクロ制御ユニット54に転送するためのものであり、マイクロ制御ユニット54は、分析処理した後に信号をモーター駆動ユニット55に転送し、モーター駆動ユニット55は、分析処理した後に信号をモーター制御ユニット56に転送し、モーター制御ユニット56は、受信した信号に基づいてモーター70に運転命令を送信する。
【0046】
トリガー60は、第1ボタン61及び第2ボタン62を含む。第1ボタン61及び第2ボタン62は、いずれも制御モジュール52に電気的に接続される。
【0047】
トリガー60は、第3ボタン63及び第4ボタン64をさらに含み、第3ボタン63と第4ボタン64とは対称的に設置され、第3ボタン63及び第4ボタン64は、いずれも制御モジュール52に電気的に接続され、臨床医師は、第3ボタン63及び第4ボタン64のいずれかを押圧しても、同一の作用を果たすことができる。ステープラー100は、制御モジュール52に電気的に接続される指示手段(図示略)をさらに含み、指示手段は、5つの指示ランプを含み、指示ランプはLEDランプである。第3ボタン63、第4ボタン64、制御モジュール52及び指示手段は、上記プレス保持手段を構成し、プレス効果を向上させる。臨床医師は、第3ボタン63又は第4ボタン64を押圧して解放し、制御モジュール52は、第3ボタン63又は第4ボタン64により送信された信号を受信して、指示手段に対して作動の開始を命令する。3秒おきに1つのLEDランプを点灯させ、5つのLEDランプがすべて点灯状態になると、指示手段の作動が終了する。このとき、臨床医師は、第1ボタン61を操作して、切断メスアセンブリ40を駆動して前へ移動させることができる。臨床医師は、時間を節約するために、指示手段の作動が終了する前に、切断メスアセンブリ40を駆動して前へ移動させようとする場合、以下の操作方式を用いることができる。第3ボタン63又は第4ボタン64を押圧して解放し、15秒内に第3ボタン63又は第4ボタン64を再び押圧して解放し、このとき、臨床医師は、第1ボタン61を操作して、切断メスアセンブリ40を駆動して前へ移動させることができる。プレス保持手段の運転終了は、第3ボタン63又は第4ボタン64を押圧して即時に解放し、指示手段が作動し始めてから終了するまでことを含む。プレス保持手段の運転が終了されることは、第3ボタン63又は第4ボタン64を押圧して即時に解放し、15秒内に第3ボタン63又は第4ボタン64を再び押圧して即時に解放することを含む。
【0048】
トリガー60は、制御モジュール52に電気的に接続される第1リミットスイッチ65、第2リミットスイッチ66、第3リミットスイッチ67及び第4リミットスイッチ68をさらに含み、第1リミットスイッチ65は、切断メスアセンブリ40が前へ所定の位置まで移動しているか否かを検出するために用いられ、第2リミットスイッチ66は、切断メスアセンブリ40が後へ所定の位置まで移動しているか否かを検出するために用いられ、第3リミットスイッチ67は、端部アクチュエータ30が所定の位置まで閉じているか否かを検出するために用いられ、第4リミットスイッチ68は、端部アクチュエータ30が所定の位置まで開いているか否かを検出するために用いられる。
【0049】
ステープラー100の作動プロセスは、以下のとおりである。(1)臨床医師は、第1ボタン61を押圧して押圧状態を保持し、制御モジュール52は第1ボタン61が押圧されて送信された信号を受信すると、モーター70に対して作動するように命令し、モーター70は、伝動手段11を駆動して作動させ、伝動手段11は、ネイルレジストシート32を駆動して下へ旋回させてさらに端部アクチュエータ30を閉じさせ、伝動手段11が第3リミットスイッチ67をトリガーすると、制御モジュール52は、信号を受信してモーター70に対して作動の停止を命令し、このとき、端部アクチュエータ30は所定の位置まで閉じており、臨床医師は第1ボタン61を解放する。(2)臨床医師はプレス保持手段を操作する。(3)プレス保持手段の運転が終了するか又はプレス保持手段の運転が終了すると、臨床医師は第1ボタン61を押圧して押圧状態を保持し、制御モジュール52は第1ボタン61が押圧されて送信された信号を受信すると、モーター70に対して作動するように命令し、モーター70は伝動手段11を駆動して作動させ、伝動手段11は切断メスアセンブリ40を駆動して前へ移動させて組織を切断させ、伝動手段11が第1リミットスイッチ65をトリガーすると、制御モジュール52は信号を受信してモーター70に対して作動の停止を命令し、このとき、切断メスアセンブリ40は前へ所定の位置まで移動しており、組織切断が終了する。(4)臨床医師は第1ボタン61を解放し、制御モジュール52は第1ボタン61が解放されて送信された信号を受信してモーター70に対して作動(メスの後退)の継続を命令し、モーター70は伝動手段11を駆動して作動させ、伝動手段11は、切断メスアセンブリ40を駆動して後へ移動させ、伝動手段11が第2リミットスイッチ66をトリガーすると、制御モジュール52は信号を受信してモーター70に対して作動の停止を命令し、このとき、切断メスアセンブリ40は後へ所定の位置まで移動している。(5)医師は第2ボタン62を押圧して押圧状態を保持し、制御モジュール52は第2ボタン62が押圧されて送信された信号を受信すると、モーター70に対して作動するように命令し、モーター70は伝動手段11を駆動して作動させ、伝動手段11はネイルレジストシート30を駆動して上へ旋回させ、さらに端部アクチュエータ30を開き、伝動手段11が第4リミットスイッチ68をトリガーすると、制御モジュール52は信号を受信してモーター70に対して作動の停止を命令し、このとき、端部アクチュエータ30は所定の位置まで開いており、臨床医師は第2ボタン62を解放する。
【0050】
伝動手段11は、駆動装置を含み、駆動装置は、第1駆動装置80、第2駆動装置90、及び、モーター70の出力軸に固定される第5ギア71を含む。又は、第5ギアは、モーター70によって駆動されるギアボックスの出力軸に固定され、すなわち、第5ギア71はモーター70の出力軸に直接又は間接接続される。第5ギア71は、駆動ギアであり、又は、第5ギア71は、フロント駆動ギアと呼ばれる。第5ギア71は、常にモーター70に接続され、且つモーター70によって駆動されて回動する。接続は、直接接続及び間接接続を含む。又は、ステープラー100の作動中に、第5ギア71はモーター70とは分離することがなく、常にモーター70に接続され、且つモーター70によって駆動されて回動する。第1駆動装置80は、端部アクチュエータ30を開閉駆動するために用いられ、第2駆動装置90は、切断メスアセンブリ40を駆動して前後移動させるために用いられる。モーター70は、第5ギア71を駆動して第1方向又は第2方向に回動させ、第1方向は、第2方向と反対である。第1駆動装置80及び第2駆動装置90はいずれも第5ギア71と噛み合い、第5ギア71が回動することで、第1駆動装置80又は第2駆動装置90を作動させることができる。第1駆動装置80は、作動するとき、スリーブ22を駆動して前後移動させ、それにより、ネイルレジストシート32を旋回させてさらに端部アクチュエータ30を開閉する。第2駆動装置90は、作動するとき、芯軸21を駆動して前後移動させ、それにより、切断メスアセンブリ40を前後移動させる。駆動装置は、シャフトアセンブリ20をさらに含む。具体的には、駆動装置は、芯軸21をさらに含む。具体的には、駆動装置は、スリーブ22をさらに含む。
【0051】
第1駆動装置80は、押圧リングアセンブリ81及び第1ギアアセンブリ82を含み、押圧リングアセンブリ81は、接続部品83及び押圧リング84を含み、接続部品83は、接続ロッド85、及び、接続ロッド85の一端に設置されるボス86を含み、押圧リング84は、接続ロッド85の他端に設置される。第1ギアアセンブリ82は、第1ロッドピース87、及び第1ロッドピース87に外嵌される第1ギア88を含み、第1ロッドピース87は、操作アセンブリ10の本体(図示略)に固定され、第1ギア88は、第1ロッドピース87の周りを回転する。第1ギア88は、カム89を含み、第1ギア88が回動するとき、カム89も同期して回動し、第1ギア88が第5ギア71と噛み合う。カム89には、その頂面から下へ凹んで形成される凹溝890が設けられ、ボス86は、凹溝890内に位置する。凹溝890は、一つの円弧溝891及び一つの直線溝892を含み、直線溝892の両端はそれぞれ第1端893及び第2端894として定義され、円弧溝891の両端はそれぞれ第3端895及び第4端896として定義され、直線溝892の第2端894は円弧溝891の第3端895と連通し、すなわち、直線溝892の第2端894は、実質的に、円弧溝891の第3端895である。前記連通とは、凹溝890の一部が凹溝890の他の一部と連通することで、ボス86が凹溝890の一部から凹溝890の他の一部まで移動できることをいう。具体的には、連通とは、円弧溝891が直線溝892と連通することで、ボス86が円弧溝891から直線溝892まで移動できることをいう。円弧溝891が直線溝892と連通して、
図8に示す非密閉状溝を形成してもよいし、
図13に示す密閉環状溝を形成してもよい。スリーブ22の第1端部23が押圧リング84に接続され、具体的に、スリーブ22の第1端部23の外壁には凹溝が設けられ、押圧リング84の内壁には凸リブ841が設けられ、凹溝と凸リブ841とが嵌合することにより、スリーブ22と押圧リング84とが組み立てられ、スリーブ22の第2端部24がネイルレジストシート32に可動に接続される。モーター70が第5ギア71を駆動して第1方向に回動させるとき、第5ギア71が第1ギア88を駆動して第2方向に回動させ、カム89も第2方向に同期して回動し、カム89が回動する間に、ボス86が直線溝892の第1端893から直線溝892に沿って直線溝892の第2端894まで移動する。この過程で、押圧リングアセンブリ81が前へ移動し、押圧リングアセンブリ81がスリーブ22を前へ移動させ、スリーブ22が前へ移動するとき、スリーブ22の第2端部24がネイルレジストシート32を駆動して下へ回動させて閉じさせる。モーター70が第5ギア71を駆動して第2方向に回動させるとき、第5ギア71が第1ギア88を駆動して第1方向に回動させ、カム89も第1方向に同期して回動し、カム89が回動する間に、ボス86が直線溝892の第2端894から直線溝892に沿って直線溝892の第1端893まで移動し、この過程で、押圧リングアセンブリ81が後へ移動し、押圧リングアセンブリ81がスリーブ22を後へ移動させ、スリーブ22が後へ移動するとき、スリーブ22の第2端部24がネイルレジストシート32を駆動して上へ回動させて開かせる。スリーブ22は、第1ギア88の出力部材である。
【0052】
ボス86が円弧溝891内に位置し且つ円弧溝891に沿って往復移動するとき、円弧溝891の同じ内壁におけるいずれかの点から第1ロッドピース87までの径方向距離が変らないので、カム89が回動するとき、縦向きでのボス86と第1ロッドピース87との相対距離が変わらず、すなわち、カム89の回動により、押圧リングアセンブリ81を前後移動させることがない。直線溝892の同じ内壁におけるいずれかの点から第1ロッドピース87までの径方向距離は、第1ロッドピース87から離れる方向(すなわち、
図8における第1端893から第2端894への方向)に沿って増加し、第1ロッドピース87に近い方向(すなわち、
図8における第2端894から第1端893への方向)に沿って減少し、従って、ボス86が直線溝892内において第1ロッドピース87から離れる方向に移動するとき、押圧リングアセンブリ81が駆動されて前へ移動し、ボス86が直線溝892内において第1ロッドピース87に近い方向に移動するとき、押圧リングアセンブリ81が駆動されて後へ移動する。
図13に示すように、円弧溝891と直線溝892とが連通して密閉環状溝を形成し、直線溝892が作用する部分はその長さの半分を占める。なお、ボス86の凹溝890内での移動は、相対的な移動であり、カム89が回動することにより実現される。
【0053】
第2駆動装置90は、ラック91、第2ギアアセンブリ92及び第3ギアアセンブリ93を含む。第2ギアアセンブリ92は、第2ロッドピース94、及び第2ロッドピース94に外嵌される第2ギア95を含み、第2ロッドピース94は操作アセンブリ10の本体に固定され、第2ギア95は、第2ロッドピース94の周りを回転し、第2ギア95は、第5ギア71と噛み合う。第2ギア95は、周方向に隣接して設置される第1有歯部951及び欠歯部952を含み、第1有歯部951と欠歯部952との間には第1境界部及び第2境界部を有し、欠歯部952は、垂直方向(すなわち、軸方向)に隣接して設置される無歯部953及び第2有歯部954を含む。第2ギア95は、第1有歯部951及び第2有歯部954を介して第5ギア71と常に噛み合う。第3ギアアセンブリ93は、第3ロッドピース96、第3ロッドピース96に外嵌される第3ギア97及び第4ギア98を含み、第3ロッドピース96は操作アセンブリ10の本体に固定され、第3ギア97及び第4ギア98は第3ロッドピース96の周りを回転し、第3ギア97と第4ギア98とは一体成形され、第3ギア97の直径は、第4ギア98の直径と異なり、第3ギア97は、第2ギア95の、無歯部953と平行な第1有歯部951の部分と噛み合い、第4ギア98は、ラック91と噛み合う。ラック91は、第2ギア95の出力部材であり、第4ギア98の直径は第3ギア97の直径よりも大きい。
【0054】
モーター70の出力軸に接続される第5ギア71は第1回転速度を有するが、ラック91の移動には第2速度が必要となり、従って、第5ギア71の第1回転速度をラック91が移動する第2速度に変換するために、第5ギア71とラック91との間に第3ギア97及び第4ギア98を設けて調整する必要がある。第3ギア97の直径が第4ギア98の直径と異なるので、第3ギア97と第4ギア98の回転時の線速度も異なり、従って、第3ギア97及び第4ギア98は第5ギア71の第1回転速度をラック91が移動する第2速度に変換できる。
【0055】
以下では、ステープラー100の作動プロセスを詳細に説明する。
操作者は第1ボタン61を押圧して押圧状態を保持し、制御モジュール52は、第1ボタン61が押圧されて送信された信号を受信してモーター70に対して運転の命令を送信し、モーター70は第5ギア71を駆動して第1方向に回動させ、第5ギア71は第1ギア88を駆動して第2方向に回動させ、カム89も第2方向に同期して回動し、カム89が回動する間に、押圧リングアセンブリ81のボス86は直線溝892の第1端893から直線溝892に沿って直線溝892の第2端894(すなわち、円弧溝891の第3端895)まで移動し、これにより、押圧リングアセンブリ81を駆動して前へ移動させ、押圧リングアセンブリ81はスリーブ22を駆動して前へ移動させ、このとき、スリーブ22はネイルレジストシート32を駆動して下へ回動させて、さらに端部アクチュエータ30を閉じる。一方、ボス86が直線溝892の第1端893から直線溝892に沿って直線溝892の第2端894まで移動する過程で、第5ギア71は第2ギア95を駆動して第2方向に回動させ、この過程で、第2ギア95と第3ギア97との受け渡し位置が第2ギア95の無歯部に位置し、従って、第2ギア95の回動により、第3ギア97を回動させることがない。これにより、端部アクチュエータ30が閉じる過程で、切断メス41が動かないことが実現される。
【0056】
押圧リングアセンブリ81が所定の位置まで進むとき、押圧リングアセンブリ81における第1バンプ812は、第3リミットスイッチ67をトリガーし、第3リミットスイッチ67がある位置は、押圧リングアセンブリ81が前へ移動する前進終了点であり、すなわち、端部アクチュエータ30は所定の位置まで閉じており、このとき、ボス86は直線溝892の第2端894(すなわち、円弧溝891の第3端895)に位置する。制御モジュール52は、第3リミットスイッチ67により送信された信号を受信し、モーター70に運転停止命令を送信し、モーター70は回動を停止する。臨床医師は、モーター70の運転音が聞こえなくなって、第1ボタン61を解放して、プレス保持手段を操作する。
【0057】
プレス保持手段の作動が終了するか又はプレス保持手段の運転が終了すると、臨床医師は第1ボタン61を押圧して押圧状態を保持し、制御モジュール52は、第1ボタン61が押圧されて送信された信号を受信して信号を分析処理し、制御モジュール52は、分析処理済みの信号に基づいてモーター70に対して運転の命令を送信し、モーター70は、第5ギア71を駆動して第1方向に回動を継続させ、第5ギア71は第2ギア95を駆動して第2方向に回動させ、第2ギア95と第3ギア97との受け渡し位置は、第2ギア95の無歯部953から、無歯部953と平行な第1有歯部951の部分まで回動し、第2ギア95の第1有歯部951は第3ギア97と噛み合い、第3ギア97を駆動して第1方向に回動させる。第3ギア97と第4ギア98とが一体成形されるので、第4ギア98も第1方向に回動し、第4ギア98は、ラック91を駆動して前へ移動させ、ラック91は芯軸21を駆動して前へ移動させ、芯軸21はメス押圧部材42を駆動して前へ移動させ、メス押圧部材42は切断メス41を駆動して前へ移動させて組織を切断させる。一方、第5ギア71は第1ギア88を第2方向に回動させ、ボス86は、直線溝892の第2端894(すなわち、円弧溝891の第3端895)から円弧溝891に沿って円弧溝891の第4端896へ移動し、このとき、カム89の回動により、押圧リングアセンブリ81を駆動して前後に移動させることがない。これにより、切断メス41を駆動して前へ移動させる過程で、端部アクチュエータ30は閉じたままである。
【0058】
ラック91が所定の位置まで進むとき、ラック91における凸部99は、第1リミットスイッチ65と接触し、第1リミットスイッチ65がある位置は、切断メス41を駆動して前へ移動させる前進終了点、すなわち、切断終了位置であり、このとき、ボス86は円弧溝891の第4端896に位置する。第2ギア95と第3ギア97との噛み合い点は、第2ギア95に近い第1有歯部951と欠歯部952との第1境界部に位置し、すなわち、第2ギア95が第2方向に回動を継続すると、第2ギア95の第1有歯部951と第3ギア97との噛み合いは解除される。制御モジュール52は、第1リミットスイッチ65により送信された信号を受信し、モーター70に運転停止命令を送信して、モーター70は回動を停止し、医師は第1ボタン61を解放し、制御モジュール52は第1ボタン61が解放されて送信された信号を受信して、モーター70に対して運転の命令を送信し、モーター70は、第5ギア71を駆動して第2方向に回動させ、第5ギア71は第2ギア95を駆動して第1方向に回動させ、第2ギア95の第1有歯部951は第3ギア97を駆動して第2方向に回動させ、第3ギア97と第4ギア98とが一体成形されるので、第4ギア98も第2方向に回動し、第4ギア98はラック91を駆動して後へ移動させ、ラック91は芯軸21を駆動して後へ移動させ、芯軸21はメス押圧部材42を駆動して後へ移動させ、メス押圧部材42は切断メス41を駆動して後へ移動させ、それにより、メスの後退を実現する。一方、第5ギア71は第1ギア88を駆動して第1方向に回動させ、ボス86は円弧溝891の第4端896から円弧溝891に沿って円弧溝891の第3端895(すなわち、直線溝892の第2端894)へ移動し、このとき、カム89の回動により、押圧リングアセンブリ81を前後移動させることがない。これにより、切断メス41が後へ移動する過程で、端部アクチュエータ30は閉じたままである。
【0059】
ラック91が後へ所定の位置まで移動したとき、ラック91における凸部99は第2リミットスイッチ66と接触し、第2リミットスイッチ66がある位置は、切断メス41が後へ移動する後退終了点であり、このとき、ボス86は円弧溝891の第3端895(すなわち、直線溝892の第2端894)に位置する。第2ギア95と第3ギア97との噛み合い点は第2ギア95に近い第1有歯部951及び欠歯部952の第2境界部に位置し、すなわち、第2ギア95が第1方向に回動を継続すると、第2ギア95の第1有歯部951と第3ギア97との噛み合いは解除される。制御モジュール52は、第2リミットスイッチ66により送信された信号を受信し、モーター70に運転停止命令を送信し、このとき、モーター70は作動を停止し、メスの後退が終了する。メスの後退が終了した後、臨床医師は第2ボタン62を押圧して押圧状態を保持し、制御モジュール52は第2ボタン62が押圧されて送信された信号を受信し、モーター70に対して運転の命令を送信し、モーター70は第5ギア71を駆動して第2方向に回動させ、第5ギア71は第1ギア88を駆動して第1方向に回動させ、カム89も第1方向に同期して回動し、カム89が回動する間に、ボス86は直線溝892の第2端894から直線溝892に沿って直線溝892の第1端893まで移動し、押圧リングアセンブリ81は後へ移動し、押圧リングアセンブリ81はスリーブ22を駆動して後へ移動させ、このとき、スリーブ22はネイルレジストシート32を駆動して上へ回動させてさらに端部アクチュエータ30を開く。一方、第5ギア71は第2ギア95を駆動して第1方向に回動させ、第2ギア95の第1有歯部951と第3ギア97との噛み合いは解除され、すなわち、ボス86が直線溝892の第2端894から直線溝892に沿って直線溝892の第1端893まで移動する過程で、第2ギア95と第3ギア97との受け渡し位置は第2ギア95の無歯部953に位置し、従って、第2ギア95の回動により、第3ギア97を回動させることがない。これにより、端部アクチュエータ30が開かれる過程で、切断メス41が動かないことが実現される。
【0060】
押圧リングアセンブリ81が所定の位置まで後退したとき、押圧リングアセンブリ81における第2バンプ813は第4リミットスイッチ68と接触し、第4リミットスイッチ68がある位置は、押圧リングアセンブリ81が後へ移動する後退終了点であり、すなわち、端部アクチュエータ30が所定の位置まで開いており、このとき、ボス86は直線溝892の第1端893に位置する。制御モジュール52は第4リミットスイッチ68により送信された信号を受信し、モーター70に運転停止命令を送信して、このとき、モーター70は作動を停止する。
【0061】
本実施例では、
図7に示すように、第1バンプ812及び第2バンプ813は押圧リング84に設置されてもよいし、接続ロッド85に設置されてもよい。別の実施例では、
図14に示すように、第1バンプ812及び第2バンプ813は第1ギア88に設置されてもよい。
【0062】
本実施例では、第1ギア88は、有効ストローク構造及びアイドルストローク構造を含み、第1ギア88は、円弧溝891及び直線溝892を含み、直線溝892は、有効ストローク構造であり、円弧溝891は、アイドルストローク構造である。ボス86が直線溝892内を移動するとき、第1ギア88は押圧リングアセンブリ81を駆動して前へ移動させる。ボス86が円弧溝891内を移動するとき、第1ギア88は押圧リングアセンブリ81を駆動して前へ移動させることがない。第2ギア95は、有効ストローク構造及びアイドルストローク構造を含み、第2ギア95は、第1有歯部951及び欠歯部952を含み、欠歯部952は、第2有歯部954及び無歯部953を含み、無歯部953は、アイドルストローク構造であり、無歯部953と平行な第1有歯部951の部分は、有効ストローク構造である。第3ギア97が第2ギア95の、無歯部953と平行な第1有歯部951の部分と噛み合うとき、第2ギア95は第3ギア97を駆動して運動させる。第3ギア97が第2ギア95の無歯部953と噛み合うとき、第2ギア95は第3ギア97を駆動して運動させることがない。
【0063】
以上から分かるように、本実施例では、欠歯部952は垂直方向(軸方向)に沿って、隣接して設置される第2有歯部954及び無歯部953を含む。第1有歯部951は一体設置されるが、第1有歯部951は垂直方向(軸方向)に沿って、噛合対象が異なる第1歯部959及び第2歯部957を含む。第1歯部959は、第5ギア71と常に噛み合い、第2歯部957は第3ギア97と選択的に噛み合う。第1歯部959と第2歯部957とは、垂直方向において隣接して設置され、第1歯部959と第2歯部957との分界線、及び第2有歯部954と無歯部953との分界線は同じ高さに位置する。
【0064】
第1歯部959と第2有歯部954とは円周方向に隣接して設置される。第1歯部959の高さは第2有歯部954の高さと同じである。第1歯部959の頂面(仮想面)と第2有歯部954の頂面とは、同じ高さに位置する。円周方向において、第1歯部959と第2有歯部954とは、完全なギアを形成し、説明の便宜上、該ギアを第6ギアと命名し、第6ギアは、常に第5ギア71と噛み合い、第5ギア71によって駆動されて回動する。第2歯部957と無歯部953とは、円周方向に隣接して設置される。第2歯部957の高さは無歯部953の高さと同じである。第2歯部957の底面(第1歯部959の頂面と同一面である仮想面)と、無歯部953の底面(第2有歯部954の頂面と同一面である)とは、同じ高さに位置する。第2歯部957は、有効ストローク構造であり、無歯部953は、アイドルストローク構造である。第6ギアは第2歯部957の駆動ギアを形成する。第6ギアは、第5ギア71によって駆動されて回動し、第6ギアが回動することで第1有歯部951の第2歯部957が第3ギア97と噛み合うとき、第5ギア71は、第6ギアを介して順に第2歯部957、第3ギア97、第4ギア98を駆動して回動させ、さらにラック91を駆動して直線移動させる。第6ギアが回動することで無歯部953と第3ギア97とが結合するとき、第5ギア71、第6ギアはモーター70の駆動下で回動できるが、第3ギア97、第4ギア98は回動せず、ラック91は直線移動をしない。結合とは、第3ギア97の一部の歯が、無歯部953がある空間領域に位置するが、無歯部953と接触しないことを意味し、第3ギア97は、無歯部953と接触しない(無歯部953が歯を有さないため、お互いに噛み合わないことを含む)ため、無歯部953と結合する際には駆動されない。
【0065】
本発明では、アイドルストロークとは、駆動装置が運動入力を有し、すなわち、駆動される場合、駆動装置が運動出力を有さず、すなわち、切断メス又は端部アクチュエータを駆動しないことを意味する。アイドルストローク構造とは、駆動装置の部材が有する、アイドルストロークを実現できる構造である。有効ストロークとは、駆動装置が運動入力を有し、すなわち、駆動される場合、駆動装置が運動出力を有し、すなわち、切断メス又は端部アクチュエータを駆動することを意味する。有効ストローク構造とは、駆動装置の部材が有する、有効ストロークを実現できる構造である。
【0066】
駆動装置は、駆動ギアを含み、本実施例では、第5ギア71は、常にモーター70に接続され且つモーター70によって駆動される駆動ギアであり、モーター70は、駆動ギア(第5ギア71)を介して第1駆動装置80及び第2駆動装置90を駆動する。第5ギアはフロント駆動ギアと呼ばれてもよい。
【0067】
第1駆動装置80は、モーター70によって駆動される第1駆動ギアを含む。具体的には、モーター70はフロント駆動ギアを介して第1駆動ギアを駆動する。本実施例では、第1駆動ギアは、第1ギア88である。第1駆動装置80は、第1有効ストローク構造(直線溝892)及び第1アイドルストローク構造(円弧溝891)をさらに含む。具体的には、第1有効ストローク構造(直線溝892)及び第1アイドルストローク構造(円弧溝891)は第1ギア88の端面に設置される。第1駆動装置80は、第1出力部材をさらに含み、本実施例では、第1出力部材は、スリーブ22である。
【0068】
これにより、第1出力部材は、フロント駆動ギアが第1駆動装置80の第1駆動ギアを介して第1有効ストローク構造を駆動するとき、第1有効ストローク構造によって駆動されて運動し、フロント駆動ギアが第1駆動装置80の第1駆動ギアを介して第1アイドルストローク構造を駆動するとき、第1アイドルストローク構造によって駆動されないため運動しない。具体的には、スリーブ22は、第5ギア71が第1駆動装置80の第1ギア88を介して第1有効ストローク構造(直線溝892)を駆動するとき、第1有効ストローク構造によって駆動されて移動し、第5ギア71が第1駆動装置80の第1ギア88を介して第1アイドルストローク構造(円弧溝891)を駆動するとき、第1アイドルストローク構造によって駆動されないため移動しない。
【0069】
第2駆動装置90は、モーター70によって駆動される第2駆動ギアを含む。具体的には、モーターはフロント駆動ギアを介して第2駆動ギアを駆動する。本実施例では、第2駆動ギアは、第2ギア95の第1歯部959と第2有歯部954とで形成される第6ギアである。第2駆動装置90は、第2有効ストローク構造(第1有歯部951における、無歯部953に隣接して設置される第2歯部957)、及び第2アイドルストローク構造(無歯部953)をさらに含む。第2駆動装置90は、第2出力部材をさらに含み、本実施例では、第2出力部材は、ラック91である。
【0070】
これにより、ラック91は、フロント駆動ギアが第2駆動装置90の第2駆動ギアを介して第2有効ストローク構造を駆動するとき、リニア移動し、フロント駆動ギアが第2駆動装置90の第2駆動ギアを介して第2アイドルストローク構造を駆動するとき、移動しない。具体的には、ラック91は、第5ギア71が第6ギアを介して第2歯部957を駆動するとき、リニア移動し、第5ギア71が第6ギアを介して無歯部953を駆動するとき、移動しない。
【0071】
つまり、駆動ギア(第5ギア71)は、第1有効ストローク構造(直線溝892)を含む第1駆動装置80を介してスリーブ22を駆動して運動させることができ、第2有効ストローク構造(第2歯部957)を含む第2駆動装置90を介してラック91を駆動して運動させることもでき、構造設計が十分に合理的である。具体的には、スリーブ22及びラック91の運動はいずれも直線移動である。
【0072】
第5ギア71は、常にモーター70に接続され、且つモーター70によって駆動される。モーター70が起動してモーター軸を回動させれば、第5ギア71が回動する。第5ギア71が回動する過程で、第1駆動装置80を介してスリーブ22を駆動して運動させることと、第2駆動装置90を介してラック91を駆動して運動させることとを同時に行うことがないため、ステープラーの不正確な使用を回避できる。具体的には、モーター70は、第1有効ストローク構造及び第2有効ストローク構造を択一的に駆動する。つまり、モーター70は、駆動中に、第1有効ストローク構造及び第2有効ストローク構造のうちの一方しか駆動できない。それにより、モーター70がスリーブ22を駆動するとき駆動ラック91を駆動せず、ラック91を駆動するときスリーブ22を駆動しないようにし、ステープラーを合理的に作動させる。
【0073】
駆動装置は、2つの状態を有する。第1状態では、モーター70が第1有効ストローク構造及び第2アイドルストローク構造を駆動する。第2状態では、モーター70が第2有効ストローク構造及び第1アイドルストローク構造を駆動する。
【0074】
つまり、第1状態では、駆動ギア(第5ギア71)は第1駆動装置80の第1有効ストローク構造及び第2駆動装置90の第2アイドルストローク構造を駆動し、これにより、駆動ギアがスリーブ22を駆動して運動させるとき、ラック91を駆動して運動させることがないため、駆動ギア(第5ギア71)が端部アクチュエータ30を開閉駆動するとき、切断メスアセンブリ40を駆動して運動させることがない。
【0075】
第2状態では、駆動ギア(第5ギア71)は第2駆動装置90の第2有効ストローク構造及び第1駆動装置80の第1アイドルストローク構造を駆動し、これにより、駆動ギア(第5ギア71)が切断メスアセンブリ40を駆動して運動させるとき、スリーブ22を駆動して運動させることがないため、駆動ギア(第5ギア71)が切断メスアセンブリ40を駆動して運動させるとき、端部アクチュエータ30を開閉駆動することがない。
【0076】
以上から分かるように、駆動ギア(第5ギア71)は、第1駆動装置80を駆動できるし、第2駆動装置90も駆動できるが、第1駆動装置80の第1有効ストローク構造及び第2駆動装置90の第2有効ストローク構造を同時に駆動することがなく、設計が十分に合理的である。駆動装置の2つの状態は、端部アクチュエータ30及び切断メスアセンブリ40の動作論理を満たす。
【0077】
以上から分かるように、カム89の凹溝890は、円弧溝891及び直線溝892を含み、ボス86が凹溝890内に位置することにより、端部アクチュエータ30を開閉駆動することができるし、切断メスアセンブリ40の移動中に、端部アクチュエータ30を閉じるようにすることを維持することもできる。第2ギア95は第1有歯部951及び欠歯部952を含み、第1有歯部951は第2歯部957を含み、欠歯部952は無歯部953を含み、これにより、切断メスアセンブリ40を駆動して前後移動させることができるし、端部アクチュエータ30の開閉中に、切断メスアセンブリ40を動かないように維持することもできる。本発明のステープラー100は、単一のモーター70が設置され、第1駆動装置80を駆動して作動させることにより、端部アクチュエータ30を開閉駆動することができるし、第2駆動装置90を駆動して作動させることにより、切断メスアセンブリ40を駆動して前後移動させることもでき、端部アクチュエータ30と切断メスアセンブリ40との間の動作論理を満たす。さらに、本発明では、モーター70が駆動装置を駆動して作動させる過程で、駆動装置の構成部材自体の構造のみにより、有効ストローク及びアイドルストロークを実現でき、駆動装置の実現には、有効ストロークとアイドルストロークの部材との間の相対位置を変える必要がない。相対位置を変える必要がないこととは、ボスが常に凹溝に位置し、第2ギアと第3ギアとが相対直線変位しないことであり、各部材の構造及び相互接続関係が簡単であり、各部材の組み立てでは、組み立て誤差が発生する確率が低く、ステープラー100が作動中に故障しにくい。
【0078】
第2実施例では、第1ギアは、
図13に示す第1ギアに置き換わることができ、第1ギア88は、カム89を含み、カム89には頂面から下へ凹んで形成される凹溝890が設けられ、接続部品83のボス86は凹溝890内に位置する。凹溝890は、一つの円弧溝891及び一つの直線溝892を含み、直線溝892は円弧溝891の両端を連通させ、すなわち、直線溝892と円弧溝891とは、密閉された環状を形成する。前記連通とは、凹溝890の一部が凹溝890の他の一部と連通することで、ボス86が凹溝890の一部から凹溝890の他の一部まで移動できることをいう。直線溝892の両端はそれぞれ、第1端893及び第2端894として定義され、第1端893と第2端894との間に位置する中間位置は、中部として定義される。カム89が回動する間に、ボス86は直線溝892の中部から直線溝892に沿って直線溝892の第2端894まで移動し、この過程で、押圧リングアセンブリ81は前へ移動し、押圧リングアセンブリ81はスリーブ22を前へ移動させる。スリーブ22が前へ移動するとき、スリーブ22の第2端部24はネイルレジストシート32を駆動して下へ回動させて閉じさせる。カム89が回動する間に、ボス86は、直線溝892の第2端894から直線溝892に沿って直線溝892の中部まで移動し、この過程で、押圧リングアセンブリ81は後へ移動し、押圧リングアセンブリ81はスリーブ22を後へ移動させる。スリーブ22が後へ移動するとき、スリーブ22の第2端部24はネイルレジストシート32を駆動して上へ回動させて開かせる。ボス86が円弧溝891内に位置し且つ円弧溝891に沿って往復移動するとき、円弧溝891の同じ内壁におけるいずれかの点から第1ロッドピース87までの径方向距離が変わらないため、カム89が回動するとき、縦向きでのボス86と第1ロッドピース87との相対距離が変わらず、すなわち、カム89の回動により、押圧リングアセンブリ81を前又は後へ移動させることがない。該実施例では、ボス86は直線溝892の中部から直線溝892に沿って直線溝892の第2端894(円弧溝の一端)まで移動し、これにより、端部アクチュエータ30を閉じさせる。ボス86は、直線溝892の第2端894から円弧溝891に沿って直線溝892の第1端893(円弧溝891の他端)まで移動し、これにより、切断メス41を駆動して前へ移動させる過程で、端部アクチュエータ30を閉じたままにする。ボス86は直線溝892の第1端893から円弧溝891に沿って直線溝892の第2端894まで移動し、これにより、切断メス41が後へ移動する間、端部アクチュエータ3を閉じたままにする。ボス86は、直線溝892の第2端894から直線溝892に沿って直線溝892の中部まで移動し、これにより、端部アクチュエータ30を開かせる。
【0079】
【0080】
図21~
図23を参照すると、第1実施例と同様に、本実施例は外科器械、具体的には、ステープラーに関する。
【0081】
第1実施例と同様に、外科器械は、駆動アセンブリ(モーター70及びモーター70によって駆動される第5ギア71)、駆動アセンブリによって駆動装置を介して駆動される端部アクチュエータ及び切断メスアセンブリを含む。駆動装置は、第1駆動装置及び第2駆動装置を含む。第1駆動装置は端部アクチュエータを駆動し、第2駆動装置は切断メスアセンブリを駆動する。従って、第1駆動装置は端部アクチュエータ駆動装置と呼ばれ、第2駆動装置は切断メスアセンブリ駆動装置と呼ばれる。
【0082】
第1実施例と同様に、第1駆動装置は、第1有効ストローク構造及び第1アイドルストローク構造を含む。第2駆動装置は、第2有効ストローク構造及び第2アイドルストローク構造を含む。モーター70は第1有効ストローク構造及び第2有効ストローク構造を択一的に駆動する。つまり、外科器械の使用中、モーター70は第1有効ストローク構造を駆動することにより、端部アクチュエータを開閉駆動するか、又は、第2有効ストローク構造を駆動することにより、切断メスアセンブリを駆動して前へ移動させ(すなわち、メスを前進させる)又は後へ移動させ(すなわち、メスを後退させる)、ステープラーの作動中にエラーが出ることを回避する。
【0083】
より具体的には、駆動装置は2つの状態を有する。第1作動状態では、モーター70は、第1有効ストローク構造を駆動して第2アイドルストローク構造に結合し、第2作動状態では、モーター70は第2有効ストローク構造を駆動して第1アイドルストローク構造に結合する。つまり、第1作動状態では、モーター70は、端部アクチュエータを開閉駆動するが、切断メスアセンブリを駆動しない一方、第2作動状態では、モーター70は、切断メスアセンブリを駆動して前進させる又は後退させるが、端部アクチュエータを駆動しない。結合は、直接結合を含み、間接結合を含むことができる。同様に、駆動は、直接駆動を含み、間接駆動も含む。
【0084】
第1実施例と同様に、手術中の外科器械の1回の正常な使用では、
S1:モーター70の出力軸が第1方向に回動し、モーター70が第1有効ストローク構造を駆動して第2アイドルストローク構造に結合するようにするステップ、
S2:モーター70の出力軸が第1方向に回動を継続し、モーター70が第2有効ストローク構造を駆動して第1アイドルストローク構造に結合するようにするステップ、
S3:モーター70の出力軸が第1方向と反対の第2方向に回動し、モーター70が第2有効ストローク構造を駆動して第1アイドルストローク構造に結合するようにするステップ、
S4:モーター70が第2方向に回動を継続し、モーター70が第1有効ストローク構造を駆動して第2アイドルストローク構造に結合するようにするステップ、に従って操作される。
【0085】
従って、手術中の外科器械の1回の正常な使用では、モーター70の出力軸は、方向が切り替えられ(それぞれ第1方向、第2方向に沿って回動する)、モーター70の各々の回動方向において、いずれも第1作動状態と第2作動状態との切り替えを有し、駆動装置の機能を十分に発揮させ、端部アクチュエータと切断メスアセンブリとの動作論理関係を満たした上で、駆動装置の構造を簡略化させ、設計が十分に合理的である。
【0086】
外科器械は、ステップS1を行うことで、駆動装置が端部アクチュエータを駆動して閉じさせ、それにより、組織をクリップし、
ステップS2を行うことで、駆動装置が切断メスアセンブリを駆動して前進させ、それにより、組織を切断し、
ステップS3を行うことで、駆動装置が切断メスアセンブリを駆動して後退させ、それにより、切断メスアセンブリをリセットさせ、
ステップS4を行うことで、駆動装置が端部アクチュエータを駆動して開かせ、それにより、組織を解放する。
【0087】
以上から分かるように、本発明の外科器械の駆動装置は、設計が十分に合理的であり、機能を十分に発揮させ、また、外科器械の正常作動に必要な機能を実現する。
【0088】
なお、いわゆる「正常」な作動とは、手術中、他の問題、例えば、切断メスアセンブリが引っ掛られるなどの意外な状況が発生していないことを指す。もちろん、外科器械が手術中に発生する意外な状況に対応するために、外科器械に応急装置を設計するが、これらの応急装置は本発明に係る範囲内ではなく、これ以上説明しない。
【0089】
第1実施例と同様に、駆動装置は、常にモーター70に接続され且つモーター70によって駆動される、第1駆動装置及び第2駆動装置を駆動するフロント駆動ギアをさらに含む。駆動装置のフロント駆動ギアは、第5ギア71である。モーター70が起動してモーター軸を回動させる限り、フロント駆動ギア(第5ギア71)は第1有効ストローク構造及び第2有効ストローク構造のうちの一方を駆動することができるが、第1有効ストローク構造及び第2有効ストローク構造の両方を同時に駆動することがない。モーター70及びフロント駆動ギアを動力アセンブリと呼ぶことができる。従って、本発明の駆動装置は、第1有効ストローク構造と第2有効ストローク構造とを切り替えるには、さらなるクラッチ装置を設置する必要がなく、駆動装置の構造を簡単化するだけではなく、クラッチ操作による不安定性を回避し、外科器械の安全性を大幅に向上させることができる。
【0090】
本実施例での第2駆動装置は、第1実施例の第2駆動装置の構造と同様である。
【0091】
具体的に、
図9に戻ると、第2駆動装置は、第2駆動ギアを含み、第2駆動ギアは、常に第5ギア71と噛み合い、モーター70によって第5ギア71を介して駆動される。従って、第2駆動ギアは、常にモーター70に間接接続され、且つモーター70によって駆動される。第2有歯部954と第1有歯部951の第1歯部959とで形成される第6ギアは、第2駆動ギアを構成し、第5ギア71は第2駆動ギアを駆動して回動させる。第2駆動装置は、第2有効ストローク構造及び第2アイドルストローク構造を含み、第2有効ストローク構造は、第1有歯部951の第2歯部957であり、第2アイドルストローク構造は、無歯部953である。第2駆動装置は、第2有効ストローク構造によって駆動されるラック91をさらに含む。詳しくは説明しない。
【0092】
以上から分かるように、第2駆動装置は、第2駆動アセンブリ、及び、第2駆動アセンブリに接合する第2運動変換アセンブリを含む。具体的には、第2駆動アセンブリは、第2駆動部材を含み、第2駆動部材は、第2駆動ギア、すなわち、第2有歯部954と第1有歯部951の第1歯部959とで形成される第6ギアである。第2運動変換アセンブリは、第2伝動部材及び第2出力部材を含む。具体的には、第2伝動部材は、第2歯部957及び無歯部953を含み、第2出力部材は、ラック91を含む。第2駆動部材と第2伝動部材とが一体に設置されることにより、第2駆動部材と第2伝動部材とが同期して運動する。
【0093】
第2歯部957は、有効ストローク構造であり、無歯部953は、アイドルストローク構造であり、従って、第2駆動装置では、第2有効ストローク構造及び第2アイドルストローク構造は第2運動変換アセンブリに設置され、具体的に第2運動変換アセンブリの第2伝動部材に設置される。第2有効ストローク構造が第2出力部材に接合するとき、第2出力部材は運動し、第2アイドルストローク構造が第2出力部材に結合するとき、第2出力部材は駆動されていない。具体的には、第2歯部957がラック91に接合するとき、第2歯部957はラック91を駆動して直線移動させ、無歯部953がラック91に結合するとき、ラック91は駆動されていない。以上から分かるように、第2歯部957がラック91に接合しても、無歯部953がラックに結合しても、第2歯部957と無歯部953とで形成される第2伝動部材は、第2駆動ギアを介して常に第5ギア71に接合する。
【0094】
なお、本願では、結合は、2つの部材が運動を伝達しないとのことであるが、接合は、2つの部材が接続されて運動を伝達できるとのことである。なお、本願では、結合は、直接結合及び間接結合を含む。同じ駆動「チェーン」に位置する部材Aと部材Bとが近接するが、接触しないため運動を伝達しない場合、部材Aと部材Bとの間は直接結合し、同じ駆動「チェーン」における部材Aを直接又は間接駆動する別の部材と部材Bとの間、及び、部材Aと同じ駆動「チェーン」における部材Bにより直接又は間接駆動される別の部材との間は、いずれも間接結合する。接合は、直接接合及び間接接合を含み、同じ駆動「チェーン」に位置する部材Cと部材Dとが接続されて運動を伝達できる場合、部材Cと部材Dとの間は直接接合し、同じ駆動「チェーン」における部材Cを直接又は間接駆動する別の部材と部材Dとの間、及び、部材Cと同じ駆動「チェーン」における部材Dにより直接又は間接駆動される別の部材との間は、いずれも間接接合する。例えば、モーター、フロント駆動ギア、第1駆動ギア、第1駆動アセンブリ、及び第1運動変換アセンブリにより、一つの駆動「チェーン」を構成し、モーター、フロント駆動ギア、第2駆動ギア、第2駆動アセンブリ、及び第2運動変換アセンブリにより、もう一つの駆動「チェーン」を構成する。
【0095】
第2歯部957とラック91との間には、第3ギア97及び第4ギア98を含む減速アセンブリがさらに設置されるが、減速アセンブリは減速を実現するためのものに過ぎず、第2運動変換アセンブリの実質的な作動原理に影響を与えない。
【0096】
本実施例での第1駆動装置の一部の構造は第1実施例とは異なる。
【0097】
上記の説明から分かるように、第1実施例では、第1駆動装置は、第1駆動アセンブリ、及び第1駆動アセンブリによって駆動される第1運動変換アセンブリを含む。第1運動変換アセンブリは、第1伝動部材、及び第1伝動部材に接合する第1出力部材を含む。具体的には、第1駆動アセンブリは、第1ギア88を含む。第1伝動部材は、直線溝892及び円弧溝891を含み、第1出力部材は、ボス96を含む。第1出力部材は、第1運動変換アセンブリの直接出力部材、例えば、ボス96であってもよい。第1出力部材は、第1運動変換アセンブリの間接出力部材、例えば、スリーブ22又は別の後続の出力部材であってもよい。
【0098】
第1実施例では、直線溝892は、有効ストローク構造であり、円弧溝891は、アイドルストローク構造であり、つまり、第1実施例では、有効ストローク構造及びアイドルストローク構造は運動変換アセンブリに設置される。運動変換アセンブリは、2つの異なる運動形式を変換することを実現する。
【0099】
本実施例では、第1駆動装置は動力アセンブリによって駆動され、第1駆動装置は、駆動アセンブリ、及び駆動アセンブリによって駆動される運動変換アセンブリを含む。運動変換アセンブリは、駆動部材及び出力部材を含む。駆動アセンブリは、第1有効ストローク構造及び第1アイドルストローク構造を含み、第1駆動装置は第1状態及び第2状態を有し、第1状態では、動力アセンブリが第1有効ストローク構造に接合するとき、駆動アセンブリが運動変換アセンブリを駆動し、出力部材が運動する。第2状態では、動力アセンブリが第1アイドルストローク構造に結合し、運動変換アセンブリが前記動力アセンブリの駆動から外れ、駆動アセンブリが運動変換アセンブリを駆動せず、出力部材が駆動されていない。つまり、本実施例では、有効ストローク構造及びアイドルストローク構造は駆動アセンブリに設置される。駆動アセンブリは、運動形式を変換することなく、この前の運動形式を伝達するだけである。
【0100】
本実施例の第1駆動装置と第1実施例とを比較すると、一方は、有効ストローク構造及びアイドルストローク構造が駆動アセンブリに設置され、他方は、有効ストローク構造及びアイドルストローク構造が運動変換アセンブリに設置される。しかし、本実施例の発明構想と第1実施例の発明構想とは同じところがあり、すなわち、駆動装置の伝動チェーンに有効ストローク構造及びアイドルストローク構造が設置されることにより、モーターが駆動されても、出力部材は必要に応じて駆動される又は駆動されないことができる。
【0101】
具体的には、本実施例では、駆動アセンブリは、第1駆動部材及び回動部材720を含み、有効ストローク構造及びアイドルストローク構造は回動部材720に設置され、第1駆動部材及び回動部材720は2つの状態を有し、第1状態では、回動部材720の有効ストローク構造と第1駆動部材とはモーター70により同期して駆動され、回動部材720は運動変換アセンブリを駆動し、出力部材は運動する。第2状態では、モーター70はアイドルストローク構造に結合し、モーターは第1駆動部材を駆動するが回動部材720を駆動せず、回動部材720は運動変換アセンブリを駆動せず、出力部材は駆動されていない。モーター70が第1有効ストローク構造を駆動するとき、運動変換アセンブリは回動部材720の回動を出力部材の直線運動に変換し、出力部材が直線運動してさらに端部アクチュエータを開閉駆動する。モーター70が第1アイドルストローク構造に結合するとき、モーター70はスリーブを駆動して運動させることができない。
【0102】
具体的には、第1駆動部材は、常にモーター70に接続され且つモーター70によって駆動される第1駆動ギア732である。より具体的には、第1駆動ギア732は、常に第5ギア71と噛み合うが、第5ギア71は、常にモーター70に接続され、且つモーター70によって駆動され、それにより、第1駆動ギア732はモーター70に間接接続され、且つモーター70によって駆動される。
【0103】
第1有効ストローク構造は、有歯部724であり、第1アイドルストローク構造は、無歯部730である。有歯部724及び無歯部730は回動部材720の周方向面に設置される。有歯部724と無歯部730とは隣接して設置される。無歯部730の外径は有歯部724の外径により小さく、有歯部724の外径は、回動部材720の径方向に沿う歯のサイズを含む。
【0104】
運動変換アセンブリは、伝動部材部材及び出力部材を含み、伝動部材は回動部材720に設置される。伝動部材は、第1溝722を含み、出力部材は、ボス86を含む。第1溝722と回動部材720の回動中心との間の径方向距離は第1溝722に沿って増大又は減少し、ボス86は、第1溝722内を摺動することにより、回動部材720の回動をボス86の直線運動に変換する。ボス86は、直接出力部材である。第1実施例と同様に、ボス86は接続ロッド、押圧リング、スリーブに順に接続される。順に接続されることは、接続ロッドがボス86に接続され、押圧リングが接続ロッドに接続され、スリーブが押圧リングに接続されることを意味する。スリーブは、端部アクチュエータを開閉駆動することができる。スリーブを間接出力部材と見なすことができる。
【0105】
第1状態では、回動部材720の有歯部724及び第1駆動ギア732が同時に第5ギア71と噛み合い、回動部材720及び第1駆動ギア732が第5ギア71によって駆動されて同期して回動し、回動部材720が第5ギア71によって駆動されて回動し、すなわち、第1溝722とボス86の嵌合により、ボス86を駆動して直線運動させ、最終的に端部アクチュエータを開閉駆動する。第2状態では、第1駆動ギア732のみが第5ギア71と噛み合うことでモーター70によって駆動され、回動部材720の無歯部730が第5ギア71に結合してモーター70に間接結合し、回動部材720の無歯部730が第5ギア71と噛み合うことができず、回動部材720が端部アクチュエータを開閉駆動することがない。結合の意味は、前の内容で限定される意味と一致する。なお、前の説明と同様に、結合は、直接結合及び間接結合を含む。
【0106】
医師は、外科器械を使用するとき、端部アクチュエータを閉じた後であって、切断メスアセンブリを前進させる前に、通常、プレス保持手段を操作して組織をプレスし、組織をプレスする過程において、組織が薄くなり、端部アクチュエータをさらに閉じる。組織をプレスする過程において、駆動ギアが常に端部アクチュエータに力を与えて端部アクチュエータを常に閉状態にするために、
図24を参照すると、本実施例では、第1有効ストローク構造は、隣接して設置される第1部分及び第2部分を含み、第1部分は、端部アクチュエータが第1段階の閉じを行って組織をクリップするように駆動する、第2部分は、端部アクチュエータが第2段階の閉じを行って組織をプレスするように駆動する。具体的には、有歯部724は、隣接して設置されるストローク駆動歯部726及びプレス保持歯部728を含む。フロント駆動ギアがストローク駆動歯部726を駆動するとき、ボス86は第1溝722内を摺動して端部アクチュエータを駆動して閉じさせる。プレス保持中に、プレス保持歯部728がフロント駆動ギアと噛み合い、それにより、プレス保持中に、フロント駆動ギアがプレス保持歯部728を介して端部アクチュエータに常に所定の作用力を与えることで、端部アクチュエータが意外に解放するのを避ける。組織プレス中に、端部アクチュエータの閉じストロークが短く、本実施例では、プレス保持歯部728は、1つ又は2つの歯部を含む。
【0107】
「第1有効ストローク構造は、隣接して設置される第1部分及び第2部分を含む」ことに対応して、第1溝722は、隣接して設置される連通する第1セクションと第2セクションとを含む。第1部分が動力アセンブリに接合することで、第1出力部材が第1セクションに接合する。第2部分が動力アセンブリに接合することで、第1出力部材が第2セクションに接合する。具体的には、ストローク駆動歯部726が第5ギア71及びモーター70に接合することで、ボス86が第1セクション内を移動し、それにより、第1段階の閉じを行わせるように端部アクチュエータを駆動する。プレス保持歯部728が第5ギア71及びモーター70に接合することで、ボス86が第2セクション内を移動し、それにより、第1段階の閉じを行わせるように端部アクチュエータを駆動する。
【0108】
ボス86が第1セクション内を移動するとき、端部アクチュエータを駆動して閉じさせて組織を挟持するようにし、ボス86が第2セクション内を移動するとき、端部アクチュエータを駆動してさらに閉じさせて組織をプレスするようにする。
【0109】
第1溝722は、第2セクションと連通する第3セクションをさらに含むことができ、第2セクションは第1セクションと第3セクションとの間に位置する。第3セクションを設置することにより、第1溝722内でのボス86の摺動に所定の余裕を提供し、詰まりを回避することができる。
【0110】
第1駆動ギア732と回動部材720とは重複しており、具体的には、第1駆動ギア732と回動部材720とは軸方向に重複している。第1駆動ギア732、及び回動部材720の有歯部724が同時に第5ギア71と噛み合いやすくすることができる。
【0111】
第1駆動ギア732の第1端面は回動部材720の第2端面に近く、2つの端面の一方には第2円弧溝734が設置され、他方には、円心が第1駆動ギア732の回動軸線に位置する第2円弧溝734に挿入される突起736が設置される。突起736は第2円弧溝734内を摺動できる。突起736が第2円弧溝734と嵌合することで、第1駆動ギア732と回動部材720とが重複することを確保できる。また、突起736が円弧溝内を摺動できることで、第2状態では、回動部材720が第1駆動ギア732とともに回動せず、第1アイドルストロークの運転を確保し、それにより、駆動装置が切断メスアセンブリを駆動して移動させるとき、回動部材720が端部アクチュエータを開閉駆動しない。
【0112】
図7及び
図8に戻り、第1実施例では、第1ギア88は、ボス86が直線溝892内を摺動することで、スリーブを駆動して直線移動させ、さらに端部アクチュエータを開閉駆動し、従って、第1ギア88はスリーブにさらに端部アクチュエータに作用力を与える。作用力及び反力の原理に基づいて分かるように、逆にすると、端部アクチュエータは、間接的に第1ギア88に所定の反力を与える。切断メスアセンブリが組織を切断するとき、端部アクチュエータが組織をクリップし、組織のクリップは、切断メスアセンブリが切断する過程で、端部アクチュエータと協働することにより行われる。具体的には、切断メスアセンブリは、上耳部、下耳部、及び上耳部と下耳部に接続される接続部を有し、上耳部、下耳部及び接続部は、固定接続又は一体成形される。切断中に、切断メスアセンブリの上耳部は、端部アクチュエータのネイルレジストシートの溝内を移動し、下耳部は、ネイルビンシートの溝内を移動する。上耳部はネイルレジストシートの溝を介してネイルレジストシートに対して引張作用を果たし、下耳部はネイルビンシートの溝を介してネイルビンシートに対して引張作用を果たし、それにより、切断中に、ネイルレジストシートとネイルビンシートとがお互いにクリップする。組織による端部アクチュエータに対する反力は、逆方向に第1ギア88を介して第5ギア71及びモーター70に伝達され、この反力は、第5ギア71が第2駆動装置を介して切断メスアセンブリに伝達する動力を減少でき、それにより、切断メスアセンブリの切断効率に影響を与える。
【0113】
図21~
図23を参照すると、本実施例では、突起736は第2円弧溝734内を自在に摺動できる。従って、第1駆動ギア732と回動部材720とは、緩んで嵌めされる。従って、切断メスアセンブリが組織を切断するとき、端部アクチュエータが組織をクリップしても、回動部材720と第1駆動ギア732とが緩んで嵌めされるので、端部アクチュエータが回動部材720に与える反力が第5ギア71に伝達されることがなく、又は、ごく小さい反力が第5ギア71に伝達されることで、切断メスアセンブリの切断効率に対する影響を回避または減少させ、それにより、切断メスアセンブリの切断効率を向上させる。
【0114】
突起736の幅が第2円弧溝734の幅より小さい。それにより、突起736が第2円弧溝734内を摺動でき、第2状態の機能を実現する。当業者は、突起736の幅が第2円弧溝734の幅と等しくてもよいことが想到でき、本実施例と同一又は類似の技術案は、全て本発明の保護範囲内に含まれる。
【0115】
駆動装置が第2有効ストローク構造を駆動するとき、突起736が第2円弧溝734内を摺動する。本実施例では、第2円弧溝734の周方向の延在長さは、第2有効ストロークに必要な周方向の延在長さよりも長い。第2円弧溝734内における突起736の運動に余裕を提供するためである。当業者は、第2円弧溝734の周方向の延在長さが第2有効ストロークの周方向の延在長さに等しくてもよいことが想到でき、本実施例と同一又は類似の技術案は、全て本発明の保護範囲内に含まれる。
【0116】
突起736が第2円弧溝734の端部に当接することにより、回動部材720及び第1駆動ギア732を第2状態から第1状態の予備位置に切り替える。具体的には、本実施例では、メスの後退が終了した後、突起736が第2円弧溝734の先端742に当接することにより、回動部材720の有歯部724と第1駆動ギア732の歯とを上下に揃えることができ、このとき、モーター70が回動すれば、回動部材720及び第1駆動ギア73が同期してフロント駆動ギア71と噛み合うことができ、この後、端部アクチュエータが順調に開いて組織を解放することを確保する。
【0117】
これにより、本実施例では、回動部材720の有歯部724は、第1有効ストローク構造であり、回動部材720の無歯部730は、第1アイドルストローク構造である。第1駆動ギア732は、常に第5ギア71と噛み合い、モーター70によって駆動され、有効ストロークとアイドルストロークとを容易に切り替えることができ、構造設計が合理的である。
【0118】
以下、
図24~
図27を参照しながら、本実施例での外科器械の関連作動プロセスを説明する。
【0119】
図24に示すように、このとき、端部アクチュエータが開状態であり、切断メスアセンブリが初期位置に位置する。第1駆動装置では、ボス86が第1溝722の第1端738に位置し、突起736が第2円弧溝734の先端742に位置し、回動部材720の有歯部724及び第1駆動ギア732が同時に駆動ギア(第5ギア71)と噛み合う。
【0120】
このとき、医師は、端部アクチュエータが切断すべき組織に位置合わせていると判断すると、モーター70を起動し、モーター70は、第1方向に回動して駆動ギア(第5ギア71)を駆動して回動させ、回動部材720及び第1駆動ギア732は第1状態であり、駆動ギア(第5ギア71)は回動すると同時に、回動部材720及び第1駆動ギア732を駆動して回動させる。この過程において、回動部材720と第1駆動ギア732とは、相対回動しないため、突起736は第2円弧溝734の先端742に保持される。回動部材720の回動は、ボス86を駆動して第1溝722内において第1端738から第2端740に向かって移動させ、端部アクチュエータは徐々に閉じ、第1駆動装置は
図25に示す位置まで到達する。
【0121】
図25に示す位置では、駆動ギア(第5ギア71)は有歯部724と噛み合ったままであり、具体的には、駆動ギア(第5ギア71)は有歯部724のプレス保持歯部728と噛み合ったままである。このとき、医師はプレス保持手段を操作でき、この過程において、駆動ギア(第5ギア71)はプレス保持歯部728及び第1駆動ギア732を同時に駆動し、ボス86はさらに第2端740に向かって短い距離を移動し、端部アクチュエータはさらに閉じて
図26に示す位置まで到達する。
【0122】
図26に示す位置では、端部アクチュエータは組織をすでにプレスし終えており、回動部材720及び第1駆動ギア732は第1状態から第2状態に切り替えられ、駆動ギア(第5ギア71)と回動部材720の有歯部724とは、噛み合いから解除され、駆動ギア(第5ギア71)は第1駆動ギア732のみと噛み合う。このとき、医師は切断メスアセンブリを操作でき、モーター70は第1方向に回動を継続し、モーター70は、第1実施例と同一の第2駆動装置(
図26には一部のみ示される)によって切断メスアセンブリを駆動して前進させ、切断メスアセンブリを初期位置から終了位置まで運動させ、この過程において、無歯部730は駆動ギア(第5ギア71)に結合し、駆動ギア(第5ギア71)は無歯部730によって端部アクチュエータを駆動して運動させることができないが、駆動ギア(第5ギア71)は第1駆動装置の第1駆動ギア732を駆動して回動させることができ、駆動突起736は第2円弧溝734内において先端742から末端744へ摺動し、
図27に示す位置まで到達する。
【0123】
図27に示す位置では、切断メスアセンブリは終了位置に位置し、組織を切断し終えている。このとき、医師は、モーター70を操作して逆方向に回動させ、すなわち、第1方向と反対の第2方向に回動させることができ、モーター70は、第1実施例と同一の第2駆動装置(
図27には一部のみ示される)によって切断メスアセンブリを駆動して後退させ、切断メスアセンブリを終了位置から初期位置まで戻させる。この過程において、無歯部730は駆動ギア(第5ギア71)に結合し、駆動ギア(第5ギア71)は無歯部730によって端部アクチュエータを駆動して運動させることができないが、駆動ギア(第5ギア71)は第1駆動装置の第1駆動ギア732を駆動して逆方向に回動させることができ、突起736を駆動して第2円弧溝734内において先端742へ摺動させ、突起736が第2円弧溝734の先端742に当接するとき、回動部材720の有歯部724と第1駆動ギア732の歯部とは上下において揃い、
図28に示す位置まで到達する。
【0124】
図28に示す位置では、医師はモーター70を操作してモーター70の逆方向回動を継続させることができ、駆動ギア(第5ギア71)が回動部材720及び第1駆動ギア732の逆方向回動を同時に駆動し始め、突起736が第2円弧溝734の先端742の位置に保持され、ボス86が第1溝722内において第1端738の方向に沿って移動し、それにより、端部アクチュエータを駆動して開かせ、
図24に示す状態に戻させる。これにより、外科器械は、1回の完全な操作を行い、この操作過程において、外科器械は、順に端部アクチュエータが閉じて組織をクリップし、切断メスアセンブリが前進して組織を切断し、切断メスアセンブリが後退し、端部アクチュエータが開いて組織を解放する。
【0125】
第2実施例~第3実施例では、各実施例に説明された技術的特徴、及び上記説明された技術的特徴に置き換えることができる技術的特徴に加えて、上記各実施例での他の技術特徴の、第1実施例と同一の部分は、詳しく説明されない。
【0126】
要約すると、本発明のステープラー100は、1つのモーター70のみが設置され、このモーター70は、第1駆動装置80を駆動して作動させることができ、それにより、端部アクチュエータ30を開閉駆動し、また、第2駆動装置90を駆動して作動させることができ、それにより、切断メスアセンブリ40を駆動して前後移動させる。本発明のステープラー100は、サイズが小さく、コストが低く、また、1つのモーター70により、ステープラー100の全体重量が低くなり、医師が柔軟に操作できる。本発明は、駆動装置におけるギアの構造を設置することにより、単一モーターによって駆動することができ、第1駆動装置及び第2駆動装置の構成が簡単である。
【0127】
本発明の実施形態は前に示され説明されているが、上述した実施形態は例示的であり、本発明に対する制限として理解してはならず、当業者は本発明の範囲内で上記実施形態を変更、修正、置換、変形することができ、上記変更、修正、置換、変形後の技術案は、すべて本発明の保護範囲内である。
【国際調査報告】